商工委員会大蔵委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/05/12
会議録
○神田委員長代理 これより商工委員会大蔵委員会連合審査会を開会いたします。私が主たる委員会の委員長の職務を行つておりますから、本連合審査会の委員長の職務を行います。 ただいまより商工委員会において審査中の中小企業等協同組合法案、中傷企業等協同組合法施行法案及び大蔵委員会において審査中の協同組合による金融事業に関する法律案、保險組合に関する法律案を一括議題として審査を行います。まず順じ四案の提案理由の説明を求めます。小笠政府委員。
○小笠政府委員 私からただいま、議題に供せられました中小企業等協同組合法案について簡單にその提案の理由を御説明申上げます。 わが國経済の再建上中小企業の維持、育成が不可欠の要請であることは、あらためて申上げるまでもないことでありますが、このためには、まずもつて中小企業の組織化をはかり、その水準の向上と競争力の強化をねらつて行くことがでひとも必要でありまして、このことを前提としてその上に諸般の中小企業振興策が講ぜられることが最も適当であると考えるのであります。この趣旨からいたしまして、中小企業に関する協同組合制度の確立は、焦点の急を要する問題であります。しかして、この制度に関して特に考慮しなければんらぬことは、その組織力を十分力あるものとするために、その組織の基盤の安定と拡充とをはかること、及びその組織が中小企業自身の意思によつて、中小企業のために奉仕し得るがごとく運営されるように、その民主化をはかることであると思うのであります。以上の観点から見ました場合、既存の各種の協同組合制度ではなお不充分の点が少ないのでありまして、その組織力の強化と民主化をはかる新立法がかねてから要望されていたのでありますが、ようやく成案を得ましたので、本議会に提出して各位の御審議を煩わすことになつたものであります。 本議案の詳細につきましては、御審議に應じて逐次御説明申上げることといたしますが、ここでは本法案の特色といたします数点について申し上げまして、提案の理由を御了解願いたいと存ずるのであります。 第一は、本法案では、協同組合の組織者の範囲を廣くし、かつ次の組織のし方に融通性を持たせていることであります。本法案では、事業の種類により事業協同組合、保險協同組合、信用協同組合の三協同組合のほか、新しい経営体としての企業組合を認めているのでありますが、これらの組合を通じてその組織者を廣く中傷規模の事業者全般に及ぼしておりますのみならず、信用、保險、企業の三組合につきましては、事業者でない勤労者その他の者をも組合に加入させる道を開いているのであります。この点におきまして、本法案は、農業、水産業、消費生活の三協同組合法を除いて、協同組合に関する包括的な組織法たる体制をとつておるのでありまして、このことによつて、從來官廳の所管により分割されがちであつた業種的な融てを取除いて異業種間の組織交流をも企図し、さらに勤労者その他の者を加えることによつて、その組織の基盤の拡充をはかつているのであります。この方針に伴い、既存の商工協同組合、林産組合、蚕糸協同組合、塩業組合及び市街地信用組合に関する諸法律は改廃せられ、本法案一本にまとめられるわけでありまして、このために必要となる過渡的な経過措置につきましては、別途本法の施行法案を提案いたし、御審議を煩わすことに取込んでいる次第であります。 第二に、本法案では中小規模の事業者、勤労者その他の者の協同組織であることをはつきりさせているのであります。これまでは、戰爭中の統制的な組合の時代からの情勢もあつて、協同組合に大規模の事業者が加入し、協同組合という機構の中に隠れて他の事業者の事業活動を支配し、排除するという傾きがないでもなかつたのでありますが、協同組合はこれをあくまで中小規模の事業者、勤労者、その他の者自身の組合にしなければならないのでありまして、本法案は、その目的においても、組合員の資格についても、また独占禁止法との関係におきましても、この点をはつきりさせているのであります。他方、從來は協同組合と独占禁止法、事業者團体法との関係が必ずしも明確でなかつたために、せつかく各種の協同組合制度があつても協同組合が安定した活動を行い得ないうらみがあつたのでありますが、だれがみても小規模の事業者の相互扶助組織であると諦められるものについては、法律上も明確な線を引きまして、安心して活動ができるというようにいたしたのであります。 第三に、本法案では、組合運営の民主化をはかろうとしているのであります。今後の経済情勢から考えましても、協同組合の活動に自主性をもたせることが何より大切なことであります。そこで本法案では組合の設立に準則主義を採用して設立について官廳の認可がいらないことにしますとともに、從來各種の組合法に見られます廣くて強い官廳の監督権限をなくして組合の内部的な事項について官廳があまり干渉することになる惧をなくす等、協同組合をできるだけ官廳から切り離してその自主性を確立しようとしているのであります。また組合内部の運営についても、從來ややもすれば外部からする組合の支配、一部の組合員による独裁ということが行われがちでありましたので、これを防止するため、役員の総会決議による選任の方式を選挙方式に改め、出費の口数を制限し、員外理事を廃止し、役員の兼務を制限する等の規定を設けまして、眞に組合員の意思によつて運営される組合のできることを期待しているのであります。 第四は、本法案では、協同組合の事業の種類により、それぞれの具体的実情に應じて事業が活発に、あるいは確実に行われるように配意していることであります。まず、事業協同組合にありましては從來認められていた事業のほかに、組合員の福利厚生事業、團体協約の締結等の事項を加え、組合員の経済的地位の向上を期しております。一方信用事業はその機能を確実に果たすということに特に意を用いる必要があると認められますので、預金の受入と資金の貸付をあわせて行うのは、それだけの仕事を運営する信用協同組合に限ることとし、一般の事業協同組合が信用事業を兼営することによつて、資金操作上の危険を招くというがごときことのないように配慮いたしているのであります。また保険協同組合を新たに設けまして、中小規模の事業者、勤労者、その他の者みずからの力による相互保険の道を開いたのでありまして、かねてから要望されておりました点を制度化しようとするものであります。 以上をもちまして本法案の要点についての御説明を終わりますが、要するに経済九原則の実施により、異常な困難に質問せんとしております中小企業が、今後よつてもつて立つ手段は、基本的にはその組織化と相互扶助の力による競爭力の培養、増強以外にはないのでありまして、私どもといたしましても、この協同組合の組織を前提として、各種の対策を押し進めて参りたいと考えているのであります。本法案の制度は、中小企業界のひとしく渇望しているところであり、中小企業界あげてそのすみやかな実施を望んでいると確信しているのでありまして、何とぞ慎重御審議の上、一日もすみやかに御協賛を賜わらんことをお願いいたす次第であります。 続いて中小企業等協同組合法四校法案について簡單にその提案の理由を御説明申し上げます。 本案は先般來御審議を願つております中小企業等協同組合法案を施行する場合の経過規定についての法案であります。すなわち中小企業等協同組合法案は、提案の際に御説明申しあげましたごとく、農業、水産業、消費生活の三協同組合を除く、他の協同組合を包括する組織法の体制をとつておりますので、その施行に伴い、既存の各種組合の中小企業等協同組合への移り変わりをできるだけスムーズにできるようにし、移りかわりによつて財産の不必要な分散や、不自然な課税などということのないように配置を講じることが必要でありまして、本法案のねらいもまさにこの点にあるのであります。 第一に本法案では、協同組合に関する制度は、農業、水産業、消費生活の三協同組合制度を除いて、他はすべて中小企業等協同組合にまとめる意味で、商工協同組合法、林業会法、市街地信用組合法を廃止し、蚕糸業法中蚕糸協同組合に関する規定を削除することにいたしております。なお旧塩專賣法に基く塩業組合も、旧塩專賣法が別途提出される新塩專賣法によつて廃止され、組合に関する規定は削除されることになつておりますので、中小企業等協同組合にまとめることになるわけであります。 第二に、既存のこれらの組合で單位組合的なものは、新法施行後八箇月以内に所有の手續を経て、新しい組合に組織変更することができるようにして、移りかわりをスムーズにするように考えております。そしてこれらの旧組合で、新法施行後八箇月を経過したときに、現に存するものは、單位組合的なもの、連合会的なものすべてそのときに解散することになります。既存の各種の組合で連合会的なものについては、新法の協同組合連合会についての規定は新法施行後八箇月を経過したときから施行ということにして、新法に基く連合会への移行は認めないことにしてありますが、その財産については、既存の連合会的な組合の組合員である單位組合が新しい組合となり、それらを会員とする新しい協同組合連合会ができた場合には、財産分割の協議をし、その承諾をすることができるようにして、財産の不必要な分散を避けるようにいたしております。 第三に、旧組合から新組合への移りかわりの際の財産の移転に対する法人税、有價証券移転税及び地方税法による不動産取得税等の適用につきましては、旧農業会から新農業協同組合への移りかわりのときの取扱いと同様とし、法律の改正ということのために起る不自然な課税ということのないように配慮しております。 大体以上の通りでありますが、最初にも申し上げました通り、本法案は中小企業等協同組合法案と表裏一体をなすものでありますので、両者を一体と考えられまして、慎重御審議の上、両法案ともに一日もすみやかに御協議賜わらんことをお願いいたす次第であります。
○神田委員長代理 愛知政府委員
○愛知政府委員 協同組合による金融事業に関する法律案の提案理由を御説明いたします。 協同組合による金融事業につきましても、その健全な経営を確保し、預金者その他の債権者の利益を保護し、健全な一般の金融秩序を維持いたしますために、所要の規律を設ける必要があると思われるのでありまして、從來この点につきましては、当時立案いたしておりました金融業法におきまして、他のすべての金融規律ともに、所要の規律を設けるという方針で進んで來たのであります。しかるにこの金融業法は、さらに別の観点から再検討することになりまして、金融業法としては今國会に提出しないことになつたのであります。今般農業、水産業及び消費生活協同組合以外の協同組合の組織法でありまする中小企業等協同組合法案が今議会に提出されることになつたのでありますが、これは中小企業等の協同組合の民主的な組織化をはかろうとするものでありまして、金融事業の監督に関する規律がまつたくなく、このままであ協同組合による金融事業の健全な経営と一般金融秩序の維持は期し得ないのであります。從つて本法によりまして、協同組合につきましては、銀行等と同じように、金融事業を行うにあたつては、大蔵大臣の免許を要することとし、その行う金融事業に関しましては、おおむね銀行法または貯蓄銀行法の例によりました規律を設け、もつて一般金融秩序の中におきまする協同組合による金融の健全な発達をはかろうとするものであります。 以上協同組合による金融事業に関する法律案の提案理由を御説明いたしたのでありますが、すみやかに御審議の上御賛成あらんことを切割いたします。 現行保険業法によれば、保險事業を行うことができる者は、株式会社または相互会社に限られているので、保險業法を改正して組合組織による保険事業を認めることは、多年要望せられていたところでありますが、今國会に中小企業等協同組合法案が提出せられておりますので、この法案が成立公布せられることによつて、保險協同組合による保險事業が可能となるわけであります。 ところが、右法案によりますと、保險協同組合の組織に関する規定が設けられているだけであつて、その行う保險事業に関する基準及び監督等の規定は、別の法律で定めることになつております。從つて中小企業等協同組合法によつて組織が與えられた保險協同組合の保險事業を適性に運営させるためには、どうしても別の法律を制定して、保險事業に関する規律及び監督等の規定を設ける必要があるのであります。 次に船舶の所有者の間に相互保險組合に対する要望がつよいのでありますが、その理由は一昨年七月木船保險組合が解散した後、木船が海上危險に対してほとんど無保險の状態にあることと、二去る四月一日から船舶運営の方式がかわつて船主責任が新たに生じ、しかもその責任については、現在の損害保險会社で担保しないということであります。從つてこれらの選手が相互扶助の精神で船主相互保險組合を設立することは特に必要であると考えられますので、その組織に関する規定を設けなければならないのであります。 以上がこの協会に、保險組合に関する法律案を緊急に提出しなければならない理由でありますが、この法律案の要旨は、大様次の通りであります。 第一に、この法律は、保險組合の行う保險事業の経営を健全ならしめ、もつて保險契約者、被保險者その他の債権者の利益を保護することを目的としております。 第二に、保險組合は、出資の総額が百万円以上で、かつ組合員の因数が百人以上でなければ保險事業を行うことができないことになつております。 第三に、保險組合の監督については、保險業法の規定を準用することしております。 第四に、中小企業保險協同組合の行う保險事業は、火災保險事業に限つております。 第五に、船舶の所有者は、その所有する船舶に関して相互保險を行う目的をもつて船主相互保險組合を設立することができるとし、その組織については、中小企業等協同組合法を準用しております。 第六に、右の諸規定の違反に対して所要の罰則を規定しております。 以上が保險組合に関する法律案の提案理由でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○神田委員長代理 これにて四案の説明は終りました。引續き質疑に移ります。小山長規君。
○小山委員 中傷企業等協同組合法について質問いたします。 この法律の趣旨は、第一條によりますと、中小の企業者、勤労者が相互扶助の精神をもつて協同して事業を行うために必要な組織を定める。こういうふうに、中小の企業者が大体主になつたおり、しかもそれは協同の事業を相互扶助の精神をもつて行うというところに主眼が置かれてあります。このことは、企業組合についてはまずよろしかろうと思うのでありますが、信用を基礎にする信用協同組合、廣く危險を分散しなければならないところの保險協同組合というような、まつたく性質の違つたものを含めて規定したために、各規定をずつと読んで参りますと、非常に矛盾があるように思うのであります。すなわち事業協同組合や企業組合というような場合には、小地域に居住する互いに氣心を知り合つた人たちが、相結合して仕事を行うことが確かに中小企業の健全な発達という面に寄與するところが大であろうと思いますけれども、金融とか保險とかいうものは発展の條件がまつたく異なつている組合を一般の組織法にまとめて規定するということの根もとの理由が、この提案理由でははつきりしないのであります。提案理由によりますと、中小企業者が互いに結合して事業を行つて行くというところに主眼が置かれているように思うのであります。そういたしますと、政府においては、この保險とか金融とかいうようなものの組合を、わずか数人の人たちが寄つて組織して、それで健全な発達をすることが可能であると考えておられるのであろうか、まず第一にそれから伺います。
○小笠政府委員 お答えいたします。保險組合の問題につきましては、先ほど愛知政府委員から別途御審議を願う監督法令の提案理由の御説明がありまして、あの面から規定が來るということで御了承願える。こう考えております。それから信用協同組合の問題につきましては、これまた先ほど別途の法律案で御説明がありましたわけでありますが、信用協同組合に関しましては、組合構成の最低限の人数というふうな規定がございませんので、そこに自由なる組織が起るのではないかと考えられるのでありますが、協同組合の事業を行うにあたりましては、当然その事業量に相当する組合員なり出資金額を集めてやつて行くことが適当であろうと考えますので、そういうような方向に運営を指導して行くということで、ある程度の目的は達し得る、こういうふうに実は考えております。
○小山委員 今の答えではどうもはつきりしないのであります。信用組合や信用を基礎とするような協同組合、あるいは廣く危險を分散しなければならぬ保險組合というようなものが、この組織法に規定されているような小さな事業でできると考えておられるかどうかをお尋ねいたします。
○小笠政府委員 この組織法に加えまするに別に監督法令がございますので、その点から見まして、事業の遂行ということは、企画の適切さと相まつて可能であるというふうに考えております。
○小山委員 その考え方はなるで金融や保險を御存じない考え方ではないかと思います。と申しますのは、金融ということは、不特定の多数の人から預金を預かつて、またそれを不特定の多数の人に貸し付けるところに、一つの基盤があるのでありまして、ただ数人の人達が寄合つて、それが出資してその数人の間に金を貸すようなことは金融とは申しがたいのであります。もしそういうことがかりに社会に行われますならば、数人の組合の一人か二人に対する貸付金の回収が不能になれば、その組合は破産するよりはかない。同じようなことが保險の場合に言われるのであります。ことに保險の場合は、今度海外の保險業者も日本で仕事ができるようにする法律がわれわれの委員会を通つているのでありますが、危險を分散するということが一番だいじなのであります。それを数人の人でできるというふうに考えたところに錯覚があるのではないか。やはり保險なりあるいは金融というような事業は、小規模な組合では健全な発達は望めない。もしだんだん大きくなり、しかもその発達の過程において、いろいろな組合が續出しまして、それが次々に倒れて行くことになりますと、既存の信用組織、あるいは既存の保險組織の信用まで失つて來まして、たとえばある一つの信用協同組合が取付にあつた。そうするともうその信用協同組合はだめだということになり、從來健全に発達しておつたような信用組合まで、その打撃を受けて、この法案にせつかく規定しておる健全な発達を期するというところが、逆の効果を來すと考えますので、その点お伺いいたします。
○小笠政府委員 金融事業の基本的な問題として、預金を多数の廣い基盤から集めるというのは、これはお説の通りだと思うのでありますが、その点につきましては、第七十八條においてその道を開いておるわけであります。從いまして組合員外からもそういうような預金の受入等を、現在の市街地信用組合に認めておりますと々範囲のものを認めておるわけであります。ただ問題は、お話になりました最小限四入でできることですが、そういうような場合の組合員数の最低数の問題が問題になるのじやないか。その点は、先ほど御説明申し上げましたように、一つの事業を協同体としてやつて行こうという場合には、そのねらつた目的を達成するに必要な大きさのものをもつてやつて行くべきである。またそれが当然であるというふうに考えておりますので、これを濫用するというふうな氣持ちがない限り、その方向に行くのではないかというふうに実は考えておるわけであります。指導上特にその点を注意しなければならない。こういうふうに考えております。
○小山委員 ところがこの法律案自体におきまして、そういう信用組合が大きくならないようにできております。と申しますのは、一人一代理の規定がありまして、ほかの從來の株式会社、從來のしん用組合におけるがごとく、数人の人々を代表することができないという規定があります。そういたしますと、現在の信用組合の例をとりますと、平均いたしまして七、八百人の人たちがいる。大きいものは二万数千の組合員がいるのであります。これが一人一代理の原則で法定数を満たすためには、大きいものは一万五千の人が集まつて來なければならぬ。小さいものでも四、五百人の人が集まらなければ総会ができない。しかもこの法律の中には、総会を開かなければならない事項がたくさん規定されている。從つてこの総会が実際上開けない。從つてここにそういうふうにだんだん指導して行くと仰せられましても、法律上の建前からいたしまいて、二、三百人をもつてこのこの組合は限度とすると考えるよりしようがない。大きなものはできない。このように規定されておるのでありますから、もしもそういうようなお考えでありますならば、この規定を第一に撤廃しなければ、大きな組合はできないのじやないかと思うのであります。この点について政府の御意見をお伺いいたします。
○小笠政府委員 代理議決権の範囲を制限しておる、こういう趣旨は、できるだけ協同組合の事業運営に組合員自身が親しく接して行くような方向に持つて行きたい。こういうような考え方からいたしておるわけであります。ただ非常に大きな組合になつた場合に実際上困るじやないか、こういうお話でありますが、普通の場合におきましては総代会で処理して行く。ただいわゆる合併とか解散の決議というような、組合存立の基本に関する問題は、総会の議を経なければならぬことになつておるわけでありますが、通常の業務運営については総代会制度を置く。その際にこまかな規定もございますが、結局組合員二千人以上の場合には大体最低二百人の総代を下つてはいかぬ、こういうようなことになつておるわけであります。それでこの点から申しますと日常の業務運営は、大体総代会制度の運用で行けるのではないかというふうに考えておるわけであります。ただ非常に数が多い場合の総会招集の問題につきましては、相当困難な問題も予想されるのでありますが、何らかの措置を講ずるならば、その点は、そういうふうな何万という組合員を持つことが比較的例外的な場合でありますので、そういうときには、そのときに感じた措置を講じて行きたいと考えておりますが、大体協同組合が何万という数を持つということは、例外的な場合であると実は考えておるわけであります。大体そういうような考え方でありまして、組合の大きさを積極的に阻止するという氣持ちは、実はちよつとも持つておらぬわけであります。
○小山委員 ただいまのお話は、通例の場合には総会を開かないと言われるのでありますが、役員の選任は総会を開かなければならないし、また総代そのものを選挙するのに何万人かの総会を開かなければならない。從つてその後の運営はあるいは総代会でやつて行けるかもしれませんが、まずその運営をやるところの総代会を選ぶのに、何万人かの人が集まらなければならないのでありますから、從つて総代会はできないということになるわけであります。もう一つは、信用事業を営む協同組合はそんなに多数を予定していないということでありますけれども、この法律の施行案によりますと、現在二万何千人を擁する信用組合が解散をしてこの協同組合に移らなければならぬ。その移るときに、すでにその何万人かの人が寄らなければならないという問題が起きて來る。もしそれができないならば、これを十分の一かそこらに分類しなければならない。從つて先ほど來言つておりますように、大きなものを望まないのかということになるのであります。さらにまた金融事業の本体から申しますと、少なくとも千人や二千人の組合員がいなければ、ほんとうの意味における信用を供給する信用協同組合というものはできないだろうと思います。と申しますのは、現在貸付單位が非常に下りまして、一人の人の貸付量というものは、こういう中小の企業と申しましても、五万円や十万円は必要であろう。そういう人たちが借入れをするには、資金の量は少なくとも五千万円ぐらいのものがなければほんとうの仕事はできない。こういうことになりますと、かりに千円ずつの組合出費が集まるといたしましても、すでに五万人の人数を要する。ところが今仰せのように、三百人や五百人の人が集まつて組織する協同組合では、集まります最初の資本金はせいぜい三万か五万にすぎない。こういうことではたしてこの信用の供給を目的とする組合ができるでありましようか。もう一つこの点を重ねてお伺いいたします。
○小笠政府委員 信用事業を行います組合の基盤ができるだけ大きくなくちやならぬということは、私もそう思うのであります。保險と二つにする限りはそうだと思います。そこで本法案におきますが、業者、勤労者その他の関係者の加入を認めておると同じに、員外からの預金の受入というふうな制度をしくことによつて、資金量の多きを期待しておるわけでありまして、ただ組合員数の見地からみてどの程度が適当であるかという問題につきましては、実ははつきりと私は数をまだ申し上げる自身がございません。事業基盤を廣くすることが適当であるということは私も同感であります。
○小山委員 その実数をお知りにならないでこの法律をおつくりになつたのは、非常に乱暴ではないか、現在の信用組合が新しくこれになりますときに、すでにそういう問題が起りますのみならず、今後信用組合が信用協同組合となりまして仕事をやつて行きますについても、やはり同じように、総代会を開くのに場所がないというような問題が起りますし、またこの組合を利用する側の立場からいいますと、組合員になることによつて初めて貸付が行われる。何も好んでみなただ協同組合に入ろうというのじやなくて、資金の貸付を受けたいからこの協同組合に入る。從つて協同の組織という根本からすれば、組合員が多くなければほんとうに発達しない。そういうふうに考えるのでありまして、政府のただいまのお話はまるで——と申しますと、はなはだ失礼でございますが、どうも信用事業あるいは保險事業というものについて、御理解がないような氣がするのであります。 もう一つはただいまもちよつと触れましたが、員外からの預金ということはありますけれども、組合そのものの基礎がしつかりしておらなければ、だれもよそから金を預ける人はいない。組合そのものが健全にして、取付のおそれもない。そしてその組合はいつも資金の回收が円滑であるし、また預金の拂いもどしについても何ら不安がないということでなければ、とうてい外部から預金を集めることはできない。從つて何と申しましても、都合の基礎が充実するということが大事であり、その基礎が充実するためには、たくさんの組合員を集めることが大事でありまして、この法律においては、一番大事なところのたくさんの組合員を集める点が、法律の上において阻害されている。ここに私は問題があるのではないかと思います。それでこれに関連して銀行局長にお伺いをしますが、記入事業を営む協同組合の法律によりますと、大蔵大臣は所定の條件を備えた申出があれば、これを許可しなければならぬということになつておるのでありますけれども、もしそういう申出さえあれば許可をするというような制度で、はたしてこの組合が健全になり、また健全な組合が出來ることを大蔵省として監督できますかどうか。この点をお伺いします。
○愛知政府委員 この点は御指摘の通り、非常に困難な問題であると思うのでありまして、ただいま御指摘の通り、申請がありますれば注文通り免許しなければならないという、法律行為としては約束された行為になるわけであります。從つてただいまの御説のような点を阻止しようとすれば、勢い監督に頼らざるを得ない。しかしでき方によつては、これは幾つできるものやら率直に申しまして、見当がつかないというのが偽らない状況でございますので、あとう限りの努力はいたしますが、そしてそういう事態の起らないように何とか努力をいたしたいということをお答え申し上げるよりほかにないわけでございます。
○小山委員 確かに局長の言われる通りであろうと思うのであります。ことに最近横行しておりますところのやみ金融業者が、大蔵省の免許という看板を掲げまして、この協同組合に組織がえをする。そしてそのやみ金融業者が、あるいは金利の規制法はありましようが、その合法的な組合の名に隠れて、預金をちやんと法定の金利で預かり、また法定の金利で貸すような形をとつておつても、実はその裏ではやみのよくない取引をやるというようなことも、考えられないわけではありません。そういたしますと、この問題は金融事業を営む協同組合に対して、申し出てらいればすぐ許可をするということにそもそも間違いがあろうと思います。なぜこういうふうに、從來の金融行政とまるで違つた行き方をおとりになつたのか、その点をお伺いしたいと思います。
○愛知政府委員 これは先ほど來小笠政府委員から説明されておるとおりの事情に基きまして、中小企業等協同組合が成立されなければならないという事情に、その因を発しておるのでございまして、金融当局といたしましては、その與えられた條件の範囲内におきまして、最善を盡すよりほかはない。こういうような考え方でございます。
○小山委員 どうもその点が非常に不安なのであります。せめて金融事業を営む協同組合の方において免許行為に対し、もう少し強い制限を加える必要があるのではないかと思いますが、その点については、政府はもうこれ以上できないのでありますか、その点をお伺いいたします。
○愛知政府委員 その点につきましては、実態的の問題といたしまして、金融事業に関する法律案の第三條で出資の金額を定めてございます。それで外部資本の総額の百分の三以上の出資がなければならないという、実態的な制限を置いておるわけでございます。これは現状と対比して見まする場合に、現在の市街地信用組合の例を申し上げますと、三百四十一の中で大体半分が外部資本の三%以上の資本金を持つております。それから全体を平均した場合に、その比率は二・五七%でございます。これが私どもの立場から言えば、最小限の自己資本力の充実というふうに考えられると思いますので、先ほど來お話がございますように、小規模なものでございますように、小規模なものでございますように、小規模なものでございましても出資の金額にそういうような制約を廣くということによつて、その実質的な信用制度が確保できるものではなかろうか、こう考えておる次第でございます。 なお保險組合につきましては、提案の理由で申し上げましたように、出資の総額を百万円以上としておりますし、契約者及び被保險者の数を百人以上ということに限定があるわけでございます。
○神田委員長代理 ちよつとお諮りいたしますが、商工大臣が見えておりますので、この際商工大臣に関する質問を續けていただき、また関連した御質問がありましたならば、その方をしていただきたいと思います。
○小山委員 商工大臣にお伺いします。それは先ほどお伺いした点でございますけれども、この中小企業等の協同組合法のねらいとするところは、この提案理由の説明を読みましても、また各條文を個々に当りましても、その根本のねらいは、中小規模の事業者が互いに相結合して、相互扶助精神に基いて事業を営むというところにねらいがあるようであります。しかもその法律の中には、信用事業を営むところの協同組合を規定し、また廣く危險を分散しなければとうてい健全なる発達を諦めない火災保險事業を規定しておる。ここに私は中小企業協同組合法の非常に観点があり、かつこれがいろいろの点において矛盾を來しておる点であるとおもうのであります。これを大別いたしますれば、二つの相異なるものをなぜ同じ組織法の中に入れなければならなかつたか。また入れなければならなかつたか。また入れることによつて、はたしておのおのの組合が健全に発達して行くと確信をしておられるかどうか。これをあらためて大臣の口からお伺いしたいと思うのであります。
○稻垣國務大臣 二つの異なるものをどうして入れておるかというお話でありますが、根本の精神といたしまして、協同組合なるものをできるだけ一つにまとめたい。そこで相互扶助の考え方、コーポ的な考え方のものを一つにまとめて行つたということでありまして、もちろん信用組合、保險組合につきましては別に監督規定があつて、その異なつた性格に対する一つの制約が設けられる、こういうことに相なると思うのであります。そこでこれを一つにまとめたということは、結局提案理由にありましたように、相互扶助の精神に基いたものが一つのものに集まるのだ、こういう形にお考えを願いたいと思います。
○小山委員 協同の精神によつて組合をつくるのであるということでありますが、その組合をつくつた結果においては、そのつくられたところの組合がおのおの健全に発達していかなければならぬ。ところが信用組合にいたしましても、保險組合にいたしましても、別個の法律をもつて監督はいたしますけれども、この組織法におきまして、それを大きくさせないような規定があるのは大臣も御承知の通りであろうと思います。と申しますのは、一人一代理の原則を貫いておられますために、保險の場合においても、信用組合の場合におきましても、大きな組織ができない。ちようど現在ありますところの信用組合の場合には、少なくとも千人くらいの組合員がおつて、それからまた大きいものにつきましては二万数千人の組合員をかかえておる組合があるのであります。これらの人たちが、定足数の半分出て來て決議をしなければならないというのは——総代会というものがありますけれども、その総代会を開くのに、まず総会を開かなければならぬ。総代を選任するのに、先ず総会を開かなければならない。つまりそういう大きな組合は、爾後において運営の主体となりますところの総代会を選ぶために開かれるところの総会が開けない。こういう結果、大規模の信用組合はとうていできないのでありますし、また現在の大規模な信用組合が、この協同組合の規模法によつて、八箇月後において解散いたされますあかつきには、小さなものに分割されなければならない。そうしてただいまの政府委員からの御説明によりますと、何人ぐらいあれば、資金量がどれくらいあたつたならば、信用組合が維持あるいは運用できるか。その辺は調べてない。こういうはなはだ驚くべき御答弁があつたのでありますけれども、これは常識的に申しますならばすぐわかりますように、少なくとも現在資金を需要する人たちが、金を借りるがために組合を組織する、あるいは組織に入るということのためには、五万や十万の資金量が必要であるということになりますれば、どうしてもその組合の資本金は、いくら何でも千万や二千万はなければならぬであろう。そこで組合員は元来投資者が多いのでありますから、そうよけい口数は持てない、平均千円とすれば、もうすでに一万くらいの組合員の数がなければならぬ。このような、実に妙ちくりんな規定がありますために、この信用組合というものは大きくならぬのであります。その点において私は小さな、つまり小地域において氣心の知れ合つた数十人の人たちが集まれば目的を達する普通の事業と、あるいはこの信用組合、保險組合とを混同されているところに非常な矛盾があり、撞着があるのではないかと思うのでありますが、重ねてその点を伺いいたしたいと思います。
○稻垣國務大臣 今の御質問、ごもつともな点もあるように存ずるのでありますが、しかしながらこれは、信用組合あるいは保險組合におきまして、今御指摘のように小額の人が多数になるということは、これはごもつともだと思います。数の上において相当数が多くなるということはあろうと思うのでありますが、それであるがゆえにこれができにくいということにもならぬのではなかろうかと私は考えるのでありまして、その方法といたしましては、なるほど総会を開く手續もありましようけれども、日常の経営は総代会その他の方法によつてこれを施行して行けないことはなかろう。まずかように考えておる次第であります。
○神田委員長代理 前尾繁三郎君。
○前尾委員 小山委員と同様の趣旨でお尋ねするわけでありますが、逆に現存の信用組合がどういう事業を営んでおるかということについては、よく御承知のことと思います。現在あります銀行等はほとんど大都会中心になつておりますので、いなかの都市におきましては、信用組合が中心になつて行われておるわけであります。ところがこの法案が出ますと、ただいま小山委員も言われましたように、適正規模に改組しなければ、とうてい運営ができないというような状況に立ち至るのではないかと思うのであります。そういうような適正規模に將來縮小して行くというようなお考えがあるかどうか。それから次に法人に対する貸付ができ得ないことになると思うのでありますが、そういうことになりますと、いなかではとうてい金融の道が開けないというような実情に立ち至るのであります。それについてどういうようなお考えをお持ちなつておるか、大臣にお伺いいたしたいと思います。
○稻垣國務大臣 今の御質問の適正の規模に將來ならざるを得ないのだ。そこでそれまでにする考えであるかどうかというお尋ねのようでありますが、この点につきましては、必ずしもさように考えていないのでありまして、現在の氣盆においてこれを実行して行くことは、少しも不可能ではない、かように考えております。 第二問につきましては、政府委員よりお答えいたさせます。
○小笠政府委員 この信用組合では、法人に貸付ができないではないかというお話でありますが、法人の貸付はできる。法人といいましても、いわゆる会社その他の関係におきまする法人はできることになつております。
○神田委員長代理 佐久間徹君。
○佐久間委員 私の質問は主として火災保險の間にお願いいたしたいと思うのでありますが、別に大臣の答弁を求むるわけではございません。何ゆえに火災保險だけに限つたか。その点を御説明いただきたいと思います。
○愛知政府委員 生命保險事業につきましては、御案内の通り、その他の損害保險事業以上に綿密な統計的な基礎の上に立ちまして、しかも数万人以上の被保險者が集まりませんと資金の消化が十分に行い得ないということが第一でありまして、なおまた資産の運用等につきましても、相当興殿技術を必要とする。また事業の性質上、絶えず新しい契約者を一般から募集しなければならないというような意味で、声明保險事業は保險組合の業務としては不適当である。こういう見地から、火災保險に規定いたしたわけであります。
○佐久間委員 ただいまの御説明によりまして、生命保險の場合におきましては非常に大勢の人を要し、あるいはまた新規募集をしなければならぬ。またそのほかに統計の問題もあり、いろいろそういう技術的の面で困難であるからできないのだという御説明は、一應ごもつともであろうと思います。しかるに火災保險の面におきましても、これはこの組合が少数の——あえて少数と申しますが、百人やそこらで組織しておるもの、それから金額においても百万円ていどのもので、はたしてこの見本のような罹災害の非常に高い、しかも木造家屋で毎日のように火災がある。しかもこの火災は、今日一戸燃えても何十万円という損害を生じておることは御承知の通りであります。これはただ單にこの小さい組合、しかも同業組合程度のもので、まあ多少は他のものもこれを入れることになつておりますが、これはまたあとであらためて御質問申し上げますが、そういつたようなほとんど同じようなものが集まつてやつて行くということも、非常におかしな矛盾があるのではないかと思うのであります。そのねらいは、ここで提案の理由にもございますように、保險契約者あるいは被保險者、その他政権者の利益を保障する、こういうねらいであるようでございますが、この点から見ますと、かえつてその逆の結果になりはせぬかとおもうのであります。おそらくこれは二年、三年の後には大きな問題を起すのではないかと思うのであります。罹災害の高い現存、しかもバラック建の建物がどんどんできて、危險が日に日に増大しておる。こういうものをこんな小さなものでやつて行くということ、これすらとうていむりであると私は思うのであります。どうしてこういうものを考えなければならなかつたのか、その点についても聞いてみたいところでございますが、これはいろいろの事情があつて、やむを得ずとつさの場合にここへ出したのだろうと思う。商工省の方で組織を出し、大蔵省の方で、これに対して監督の法案を出す。われわれから見てみると、あわててこれを出したその様がこの中によく見える。しかしこういう現存の情報下において、そういつたような、簡單な考え方から出している法案というものが、大きな責任を將來において追究される問題になつて來るということを予想いたしますときに、われわれはこれに対して危惧の念を持たざるを得ないわけでございます。しかも罹災の間、その調査の間におきましても、これは容易ならぬ技術でありまして、單純に調査することはできない。これは経済的にも長年の経験と見識を持たなければ、なかなかこれをやつて行くことはできない。現在の保險行政においてもいろいろな監督があるようにわれわれは承知しておるのであります。ただ單に保險会社の経営者同士でやるばかりではなく、その上にまたお互いが結合して、四方八方からこれを監視して、公平に妥当に支拂いをやつて行くということになつておるように承知しております。しかしこんな組合でそういう技術を持つということは、とうていできないことである。そうするとおのおの各セクシヨンセクシションでいいかげんな支拂いをやつて行くことになると、これだけでももう社会の良俗を破壊して行くことになりはせぬかという考えも越えらざるを得ないのであります。そういう点に関して政府はどういうお考えをお持ちですか。お尋ねしたいと思います。
○愛知政府委員 まず火災保險に限定したことについて、先ほど生命保險との差異を申し上げたのでありますが、その他の損害保險、たとえば運送保險、海上保險というようなものが、やはり高度の技術を必要とするという考え方から、そういうものも除外いたしたわけでございます。 それから御承知とも思いますが、火災保險の問題については、現在会社は十六社日本にございますけれども、火災保險の普及程度は、全國民に対してわずかに二割程度の普及率でございます。そういう現状に対して、相互扶助の観点から、保險会社とは異なつた組織による小規模の火災保險を経営したい。でき得べくんば保險のコストを下げたいというような希望が、年末あつたのでございまして、それらの要望にこたえるというのも、一つの趣旨になつておるわけでございます。 なおまた監督の問題でございますが、監督については、実は金融事業に対する場合よりも保險会社の方が、免許についても、その羅束性を若干緩和と申しますか、当局側でも十分新さし得る余地も残つておりますし、また監督、命令等によつて契約金額の最高限をきめるというふうなことも、実は考えておるわけでございますので、御心配の点もごもつともとは思いますけれども、本法案が通りました上は、行政上の措置として、できるだけ万全の指導をやつて参りたいというように考えておるわけでございます。何ゆえにこういうものをつくつたかというお尋ねに対しましては、ただいま申し上げましたように、一般の要望もあり、また火災保險の普及状況も相当少ないような現状である点から、火災保險だけを取上げて、それらの要望にこたえるということが、一つの趣旨になつておるわでございます。
○佐久間委員 ただいまのお話によつて大体の腹はわかつたわけでございます。しかし料率も下げるということはまつたく好ましいことでありますが、一面において現在保險の普及率は全体の二割であるということも承知しておりますその一割のわずかの普及率で現在の料率ができておる。それが個々の組合が入つて来て、その料率がはたして下ることができるかどうか、こういう点もかえつて経費や何かがかさんで、附加保險料が高くなつて上がりはしないか、下るということと反対の結果が來やしないかということも考えられるのであります。 なおまた積立金の問題、責任準備金の計算の問題、あるいはまた資金の運用の面で、今の機構で十分な監督ができるかどうか、この点もひとつお伺い申し上げたいと思います。
○愛知政府委員 監督省政の限界の問題になつて参りますと、先般外國保險事業の取締りに関する法律の審議のときにもお尋ねがございました通り、率直に申しますと、現在の状況においても、保險行政に当つておる者はきわめて手薄でございます。今後さらに外國保險事業の問題、それからこの保險組合の問題が起りますれば、私どもは手薄であることを非常に痛感するわけでございます。この点私どもとしても実際大きな問題と考えておるのでありますが、何とか今の機構の中で人をやりくりし、あるいは從前大蔵行政の系統としては、財務局、地方部というようなところに、保險行政は委託しておらないのでございますが、場合によりましては小規模もものを地方的に処理するということによつて、できるだけ普及して参りたいというふうに考えておるわけでございます。
○佐久間委員 ただいまできるだけ善処せられるということでございますから、一應これを了解して御善処を要望いたします。われわれも十分協力を申し上げたいのであります。しからばこの金額の制限ということについて、どの程度の金額を予想しておられますか。それと再保險という間をお考えになつておるかどうか、この点もお伺いしておきたいと思います。
○愛知政府委員 契約の金額の制限については、具体的に各組合の規模等によつて、適正と思われますところをきめたいと考えております。 それから第二の再保險の問題につきましては、別段再保險を禁ずる必要はないと考えております。
○佐久間委員 どうもその点については、今見受けますところ確たる意図がないように思うのでありまして、重ねてこれ以上追究することはやめにいたしますが、要するに本案に火災保險の原理を取入れたいことは、先ほど小山委員からも御質問があつたと思いますが、どうもぴたりと來ないうらみがあるように思う。だれが見ても木に竹を継いだような観念を持つのであります。これは相当技術面からも研究し、しかる後にまたいろいろ業者あたりの経験者の意見も徹した上に、万全の策を立つべきであると思うのにかかわらず、こういう混乱した経済界のさ中に、あえてこういうものを提出し、これを強行するということは、大いにわれわれは考慮しなければならないと思うのであります。私はこのことに関してはあくまで考えさせられるところがあるわけでありまして、心から賛成の意を表しがたいのであります。なおこまかい点については爾を追つて質問申し上げたいと思いますが、私だけで時間をとることもいかがと思いますから、この辺で打切ります。
○神田委員長代理 宮幡靖君。
○宮幡委員 本日の連合審査会には、幸いに商工大臣の御出席がありますので、この際上程されております法案にに関連して二、三お尋ねをいたしたいと思います。 第一は経済安定九原則の忠実なる実行をわれわれは誓約し、これに向つて邁進いたして行くわけでありますが、これがために一般にはいわゆる金締りが、期間的には起るわけでありまして、現に起つておると了解した方がよいではないかとも思つておるわけでありますが、本案は中小企業にかかるものでありまして、中小企業のつかさどるところの中小企業に対する一連の金融政策、この点について商工省として、また商工大臣として抱懐せられておる御構想をこの際発表願いたいと思います。
○稻垣國務大臣 一般の金詰まりにつきましてはお話の通りであります。ことに中小企業において金融的に非常に困つておることも御承知の通りであります。これにつきましてはいろいろ中小企業等におきましても、それぞれ業者と金融業者との間のあつせんなり連繋なりもとつておるのでありますが、根本的はこの中小企業に対するある一定のわくをとることが必要であろうと考えておるのであります。それで目下見返り資金の中から、ある程度の中小企業に対するところの一定のわくをとることについてただいま検討中であります。同時にまた中小企業に対する金融に対しては地方的の金融ということも考えておるのであります。こういう意味において地方的に何らかの方策を考えるということも、同じに研究いたしてみたいと思つておる次第であります。
○宮幡委員 ただいまの御答弁は、大臣の御答弁として一應納得することにいたしますが、もしこれを一般國民大衆が聞いたとするならば、きわめて失望するのであります。なぜかと申しますと、先ほども申しましたように金詰まりは現実の問題であつて、まだこれから研究して考えるなどという御答弁ではとうてい満足ができない。いわんやただいま上程されております中小企業等協同組合法案なるものの中には、一つの信用事業を織り込んでおる。これはもし速記にとどめてはおさしつかえがあるとすれば、委員長のおとりはからいで適当に処理願いたいと思いますが、たしか昨年の八月十七日かと思います。その筋から金融政策に関する勧告が示唆があつたのでありますが、それにまつわる一連の金融政策の中に、ただいま法案となつておる構想が含まれておるのかどうか。 〔神田委員長代理退席、澁谷委員長代理着席〕 またただ漫然と協同組合という組織の名のもとに編成する信用制度かどうか、この点をはつきりしていただきたい。たとえて申すならば、國民金融金庫が十八億の資本で発足いたしましても、この庶民金融の一口の貸出金額はおおむね五万円程度、かようになつておる。ところがこの法案でさきに小山、佐久間委員等からの質問に対して、政府委員からきわめて冷淡な御答弁をちようだいしておつたのでありまして、さようなものを総合してみますと、一体協同組合でやる信用事業などというものが経営の可能性があるのかどうか。また保險問題につきましては、これは愛知銀行局長からの御答弁でありましたが、保險のコストも下げる。これはもつてのほかの感違いであります。小さなものになりますれば総経費の負担が多くなつて、あらゆる企業の経費のコストは上るのが当然であります。こういうことを考えますと、矛盾撞着から生まれた法案であろうと思うのであります。大体信用協同組合に限定して申し上げますならば、この信用事業はただ人の金を預かつて、ただ貸せるという單純な金銭行為ではありません。小切手を振出し、為替の処理等を行わなければ、いつぱしの金融機関としての生命がないわけであります。この小さい信用協同組合はどうして為替取引等の調整をして行くのか、こういう点を考えると実に思い半ばに過ぎるものがあります。のみならず從來の産業組合あるいは農業会、そういうほとんど協同組合組織にひとしいようなもので信用事業をやつて参りました実績を考えてみますと、それぞれ上級の系統機関を持つており、預金を吸收しても、それ自体の貸付は信用限度表を設けてきわめて零細の貸付しかしない。剰余の預貯金はこれを上級系統機関に預金をいたしまして、その利さやをもつて運用しておつたのであります。これがたとえ單独の連合会ができましても、この小さいものでありましては、さような運営ができようとはこの法案によつては絶対に期待できない。こういう各種の面から見ましても実行不可能な法案を、先ほどの御説明にもありましたように、どうしてもやらなければならぬという実情にのみ押されまして要求せられることは、國民の代表として実に迷惑千万なのであります。そういう意味において商工大臣から、中小企業廳としてこれをやらなければならない、これをやることが國民の福祉を増進し、社会の信用制度を強化し、そうして金詰まりを多少なりとも緩和して行くことができるものであるという、はつきりした信念の御披露がなければ、区々たる條文の一條、一條を審議する勇氣はわれわれにはないのであります。この点に対しましてぜひ商工大臣から、また中小企業廳の小笠政府委員から、先ほどのような事務的の御説明でなく、眞に腹を割つてのこの際御披露を願いたいと思います。
○小笠政府委員 為替取引の問題につきましては、今度の信用協同組合にはつきましては、今度の信用協同組合には予定いたしておりません。また現在の市街地信用組合についてもまだ認めていないのでありまして、あの形で動いて行くというふうに考えております。
○稻垣國務大臣 私から御返答申し上げますが、ただいまの御質問については商工省といたしましては、この法案を提出いたしております以上、実際にこの信用組合なり、保險組合なりが相互扶助の関係におきまして、この際これを御審議願い、御賛同願うことを最も必要といたしまして、この法案を提出いたしたのであります。
○宮幡委員 それでは大臣に要点だけ伺いますが、昨年八月十一日の金融業に対する司令部からの勧告並びに示唆があつたはずであります。でき得べくんばそれを資料としてちようだいいたしたい。われわれはプライベートで持つておるようでありますが、これに基く金融事業としての一つの考え方であるかどうか、この点を伺いたい。
○愛知政府委員 先ほど提案の理由の説明にも申しました通り、本法案は昨年八月十一日の総司令部の非公式提案とは私は関係のないものと考えております。それから資料はさつそく調整いたします。
○宮幡委員 そうするとどうしてもこの協同組合の中に信用制度、保險制度を取入れなければならないという理由について、大臣から得に明確なる御説明をいただきたい。
○稻垣國務大臣 速記をとめていただきます。
○澁谷委員長代理 速記をやめて… 〔速記中止〕
○澁谷委員長代理 速記を始めて…
○宮幡委員 大体これで商工大臣の腹の中もわかつたので、これ以上われわれは質問いたしたくないのであります。要するにわれわれが合同審査の機会におきまして、根本法について考えてみますと、遺憾の数々があるわけでありまして、それをただいま速記をとめてもあのくらいの程度しか話せない、こういうことによつてすべてがもう了解できるわけであります。事務的なことはまた次の機会に譲りまして、同時に委員長に要請しておきますが、本案は商工委員会に付託されたものでありまして、これに関連して大蔵委員会に二つの法案が付託されております。これは同時に成立すべき性質のものでありまして、基本法である中小企業等協同組合法案に対しましては、大蔵委員会としてもそれぞれの適切な意見を持つております。本日の連合調査会はでき得べくんば御継續願うか、あるいは打切りました場合においては、大蔵委員会から何らの中止があるか、あるいは協調の上で初めて審議を進められるように要望いたしまして、本日はこの程度で質問を絞りたいと思います。
○川上委員 商工大臣は一時間よりおられないように聞いておつたのですが、商工大臣に対する質問を通告してあるのですが、これはどういうぐあいに行つておるか、質問の通告の順に行つておりますか、あるいは発言の順にやつておられるか、その点をお尋ねいたします。
○澁谷委員長代理 通告の順に発言を附しております。——小峯柳多君。
○小峯委員 ただいま宮崎大蔵委員から御発言がありましたが、実は御答弁を拂いておりますと、私どもにはどうも信用に関するもの、保險に関するものはつけたりで出て來ておるような氣がしてならないのであります。先ほど商工大臣からもお答えがありましたが、了とすれば一應できそうな氣もするが、金融面を取扱う大蔵省の立場として、愛知政府委員もお見えになつておりますが、一体市街地信用組合をやめさせて、この信用協同組合でその穴が埋まるかどうか。現実の金融面は机の上で考える通りには行かぬと思いますが、相当歴史を持ち、実績を示しておる信用組合にとつてかわる信用協同組合が、はたして金融を相当する立場から見てやつて行けるかどうか、すなわち信用組合というものはどの程度のスピードで普及し、発達するものとにらんでおられるか、その辺の見通しを伺いたい。
○愛知政府委員 現在市街地信用組合は、ただいまのお話のごとく相当古い歴史と傳統を持つて発展して参りました。現在全國で三百四十一と記憶しておりますが、その資金量も相当豊富でございまして、現在の市街地信用組合につきましては、悦見いたしております。総論的に申しますれば、何ら間然するところなく発展しておると思います。從つて感情的にも私ども当局としては、市街地信用組合がなくなることについては、非常に残念に思うことを率直に申し上げたいと思います。ただ、しかし市街地信用組合は現在非常に円満に発達いたしておりますし、基礎も強固でございますから、今回の関係法案によりまして、別個に從來の市街地以外の信用協同組合ができましても、既存の市街地信用組合は、極端に言えば名前がかわるだけでありまして、その基礎には異動がない、こういうふうに考えております。
○小峯委員 重ねてお伺いいたします。信用組合のよさというか、功績を非常に認めておられるようであります。しかし今御答弁になりましたように、名前はかわるが信用組合は実質上残るというようなことに対しては、私どもはその通り受取れないのであります。金融を担当する事務当局の立場からすつぱりと、実は信用組合でよかつたが、いろんな関係で余分なものがついたということをおしやつてもいいと思いますが、立場が立場ですからそこまでは求めませんが、信用協同組合をつくつて、なおかつ市街地信用組合はそのまま残しておく、両方相協力してやることを事務当局で考えたことがあるかどうか、お伺いしたい。
○愛知政府委員 この関係法案は、商工大臣もおられますが、現在の政府として最善と思う案を出されたものと思いまするし、私も政府委員としてそう考えます。ただしかしもしこれに修正が許され得るどういう仮定をとりました場合には、私は市街地信用組合が残してもらえれば非常にありがたい。これは金融当局としてそういうように思います。
○澁谷委員長 これにて商工委員会大蔵委員会の連合審査会は散会いたします。 午後四時二十一分散会