商工委員会 第29号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/08/29
会議録
○神田委員長代理 これより商工委員会を開会いたします。 前会に引続き私が委員長の職務を行います。この際委員の異動についてお知らせいたします。本日田代文久君が委員を辞任せられ、新たに風早八十二君が委員となられました。 それではただいまより石炭に関する件を議題として調査を進めます。質疑を続行いたします。岩川君。
○岩川委員 数日前に配炭公團は来月の十五日をもつてやめるという報道があつたのでありますが、石炭業にとりましては最惡のときに配炭公團がなくなりますので、配炭公團がなくなつたあとの炭鉱業というものがどういう形態に行くか、またそれに対する金融の措置などがどういうふうに講ぜられておるか、講ぜられつつあるかということが、実に大きな問題であると思うのであります。この問題につきまして政府はいかなる方針を現在とつておられますか。それをまずお伺いしたいと思います。
○増岡説明員 石炭の統制の変更につきましては、先の委員会でも申し上げました通りに、石炭の需給の状況が最近大分変化がありまして、一時のように供給が需要に足りないということでなくて、逆に現在のところでは供給が需要を越えておるというような状況にありますので、元來需給の調節を目的として設立せられました配炭公團は、すでにその使命を終つたものというふうに考えられます。そこで配炭公團の処理の問題につきましては、これを適当な機会に廃止して、配給については自由な姿に返したいというふうに考えておつたのでありますが、最近関係方面とも御協議をいたしました結果、配炭公團は廃止することが適当だというふうな結論を見ましたので、現在最後的な決定をまだ見ておりませんが、来る九月の十五日をもつて配炭公團はこれを廃止するという考え方で、準備を取進めておるのであります。石炭の行政が今後どういうことになるかということでありますが、配給の問題につきましてはただいま申しましたように、配炭公團がなくなると同時に、割当制というものはほとんど大部分のものについては、これを解除してしまうということになります。ただ特殊の銘柄及び輸入炭につきましては、従来のごとく割当制を残しておきますが、大部分の石炭につきましては割当はこれをしないという建前になります。價格につきましても價格統制はこれを行わない方がよろしいというふうに考えております。 これに対應いたしまして石炭の生産は、簡単に申しますと大体需要の限度において生産する。從來は需要というものは掘れば大体幾らでもあるという考え方のもとに三千六百万トン、四千二百万トンとそれが消化されるという建前で生産計画を立てて参つたのでありますが、今後におきましては需要の限度において生産をされるという建前で、特に生産計画はこれを立てない。ただ先ほど申しましたような特殊のものにつきましては生産計画というか、生産指示というか、軽い意味での目標というものを立てる必要がある場合もありますが、大部分の石炭についてはそういう計画あるいは指示は、これをしないで行くということになるわけであります。現在の需給状況のもとにおいて、配炭公團がはずれるということになりますと、いろいろの問題があります。配炭公團が手持になつている石炭をいかにして処分するかという問題が一つの問題であり、また配炭公團は需給の調節を目的としたものではありまするけれども、実質的には金融的な操作を行つておつたという関係から、炭鉱に対する金融がどういうふうになるかという問題が一つの問題であります。公國の貯炭は九月の十五日になりますと、何もかも含めまして四百五十万トン近くのものになると思うのでありますが、これをいかに処分するかということは現在の需給状況からかんがみまして、非常に炭鉱の経営に影響するところが大きいのであります。従いましてこれの処分につきましては、関係方面の意見といたしましては、三月末日をもつて処分を完了した方がよかろうということもありまするけれども、現在のところわれわれといたしましては、なかなか三月末まで処分を完了することは困難であろうというふうに考えております。この処分につきましては一方には自由経済と言いますか、需給の状況によつて價格がきまるという意味から、特別に價格をつり上げる、あるいは維持するというような目的のために、これを長く持つて行くということも不適当でありましようし、また公團の炭を早く処分するという建前だけで、不当に安くこれを賣り出すということもいけないと思いまするので、あまり市場に影響のない程度において、相当の数量を計画的に賣り出して行くというような方法についてただいま研究をし、関係方面とも連絡をいたしたいというふうに考えておるのであります。また金融の問題につきましては、現在は炭を公團に引渡せばただちに金は入る。——大体概算ではありますが、大部分の金が入るということになつておりますが、今後は必ずしもただちに金が入るということにはならないと思いますので、その間公團が現在まで果しつつあつた金融的な操作を、何らかの方法でやらなければならないのでありまして、大体賣れた炭については手形割引の方法によつて金融をする。現在まで公團が使つておつた市中の金を、炭鉱業者が直接使うという建前で金融をするという荒筋で、これを処理して行きたいというふうに考えております。もとよりこの移りかわり、金融上の問題については、いろいろやつかいなことが起きないとも限りませんが、その点についてはできるだけこまかいとりはからいをいたしまして、金融上の問題のために山の操業に影響がないようにいたしたいというふうに考えております。但しこれは賣れる炭の限度においてそういう金融ができるのでありますが、現在のところ山の出炭能力は御承知のごとく相当上つて來ておりますし、まだ冬場に入らないまでは需要の方が少いというような関係になつておりまして、山の出炭能力だけ出せば供給力が相当需要を上まわるということが考えられるので、この供給の調節といいますか、そういう問題について何らかの方法を講じなければならないであろうということは考えておるのであります。やたらに供給力が需要を上まわつて、極端に、また一時に炭價が下つて、どの山もどの山も経営が成り立つて行かないということのないように、供給力の調節という問題についても現在考えておるのでありますが、ただいままでのところは、必ずしも最後的な結論は得ておりません。以前ならばそういう問題は当然市場の状況に應じて、業者の團体がこれを調即して行くということが行われたわけでありますが、御承知のごとく現在の事情ではそういうことはできない建前になつておりますので、もしやるとすれば政府においてこれをやらなければならないことになろうと思いますから、需給の状況をよくにらみ合した上で、もしそういうことが必要であるとすれば、何らかの方法をとつて行きたいというふうに考えております。もとより現在の需給の状況というものは異常な原因を含んでおるのでありまして、現在の需要が長く続くことは決して望ましいことではないのでありますから、こういう過渡期に際して炭鉱に非常に悪い影響を與えまして、せつかく上昇したところの生産能力をつぶして、將來需要が起きて來た場合に、これに対照することができないような状況にすることは、しかるべからざることだというふうに考えて、これを処理して行きたいと考えております。
○岩川委員 いろいろ御心配になつている点はわかりますが、先ほどお尋ねしたのは、金融の措置についてもつと具体的に何か手を打つておられるかどうかということなのでありまして、これをもう一度お尋ねいたします。
○杉山説明員 ただいま御質問の点につきましては、今月の十六日に措置を決定いたしまして発表いたしております。当時新聞紙上にもちよつと出たかと思いますが、手形の出し方等につきまして御説明を申し上げます。御承知のように、今月の十六日からシフ賣渡制が実施になりまして、それによつて販賣業者が新たにどういう金融を受けるかということが問題になつたわけでございます。それで十六日から実施をいたしております金融方式を申し上げてみます。まず第一に販賣業者と配炭公團の間の決済資金はどうやるかと申しますと、これは公團証明付手形によつております。これによりまして販賣業者が手形を割つてもらいまして、金が入ればこれを配炭公團に拂います。配炭公團は認証手形が六十日たつて期限が來たときに、この金でもつて銀行に拂うというような仕組みにいたしております。それから販賣業者の支拂いの決済期日の点につきましては、これは旬末締切りの十日拂いというふうにきまつたわけでございます。それからもし旬末締切り十日後に支拂いが不能の場合にはどうなるかと申しますと、日歩五銭の延滞利子を前拂いする場合に限りまして、さらに十日間の猶予を認めております。しかしその十日の猶予期間がたつてももし代金を拂わない場合には、それ以後の荷渡しを停止するというような措置をとりまして、極力支拂いを促進しておるわけでございます。 次に生産業者と販賣業者との間はどういうふうに決済するかと申しますと、これは通常の商業手形によつております。それから商業手形を割つて金が入つて來なくて、生産業者がつなぎの資金がほしい場合には、生産業者が単名手形を出しまして、これは日銀のいわゆるスタンプ手形としての優遇措置を講じております。販賣業者と事業者との間の決済は工業手形によつておりまして、工業手形にならないような場合、すなわち中小企業が需要者で工業手形にならないというような場合には、別途金融特別の考慮を拂つております。 次に公團が機能を停止いたしたあとにおきましては、当然販賣業者が生産業者から買い取ることになりますので、これによつて生産業者及び販賣業者に必要になつて來ます資金につきましては、極力金融の円滑化をはかるように、すでに銀行を集めて協力を要請しております。 以上すべての措置につきまして、日本銀行が所要の場合に極力資金的な援助を行うように手配をいたしておるようなわけでございます。その他公團認証手形の問題がございますが、これにつきましても次第に公團の滞貨が多くなつて参りまして、思うようにはけません関係上、六十日たつた期日通りに公團が拂えるかどうかということにつきましては、次第に困難な状況になつて來つつあつたのでございますが、一方公團の振替金の回收につきまして、延滞利子の徴収を相当強化いたしまして、また賣掛先に対しましては個々別々に日本銀行の融資あつせんを強化いたしまして、極力市中銀行から融資を受けるようにいたしております。また政府関係の支拂いにつきましても、鉄道とか進駐軍関係とか、その他支拂いを促進いたしまして、極力賣掛けが入つて來るようにいたしておる次第でございます。
○岩川委員 今お話の金融措置は配炭公團のある間の考え方でありますが、むしろ心配になりますのは配炭公團がなくなつたあと非常に大きな金がいるわけでありますから、それに対して万全の対策がなければ非常な混乱に陥り、間違いが生ずる危險が多分にあると思います。その点について政府はどういうふうな対策を持つておられますか。
○杉山説明員 ただいま申し上げましたのは初めの方はシフ賣渡し制に基きます事項でございますが、結局販賣業者及び生産業者に対する金融は、公團がなくなりましてもそのまま続いて参るわけでございます。ただ公團がなくなつたことによりましてさしあたり断層ができますが、その断層をどういうふうに円滑にするかと申しますれば、結局生産業者と販賣業者に対する融資のあつせんを強化する以外に手がないわけでございます。その関係で公團認証手形制がきちんきちんと落ちませんと、金融機関としてはなかなか新しいすべり出しに協力しにくいという点がございますので、特に認証手形の方の決済の促進についてもやつておる次第でありまして、結局銀行としては三重に金融するのは困るという気分が非常に強いということも、一方で認証手形がきちんきちんと落ちない場合には、新しく金融しようと思う資金がもどつて來ないという点に難点が起るわけであります。この二つの措置がうまく参りますれば、この推移は比較的にうまく行くだろうと考えております。
○岩川委員 今お話の認証手形というのは公團のある間ではないのですか。公團がなくなつたあとは認証手形というものは出て來ない。それでは出て來なければその石炭代金の取引についてはどういうふうな対策があるか。
○杉山説明員 公團認証手形は御承知のように六十日の期日でございますが、公團のある間は認証手形が出て参ります。そうして公團がなくなりましてから六十日の間は、その決済があるわけでございます。從つて銀行としては認証手形を割引いてすでに金が出ております。その金は公団が出炭代金でもつて銀行に拂い込んで参ります。拂い込んで來る金が予定通り來ないと、今度は新しくこれから出て来る炭の金融にまわす金が円滑に出て來ない、こういう因果関係になつて現われて参ります。それでもちろん御指摘の通り、公團がなくなれば新しく認証手形が出ることはございませんが、そのかわりに今度は販賣業者なり、生産業者なりに対する金融をどうするかということは、やはり今まで出ている認証手形が六十日たつてうまく落ちるかどうか、そのいかんに影響されるわけであります。
○岩川委員 手形の落ちますのはなるほど六十日でありまするが、配炭公團がなくなりますのは来月の十五日、その十五日に配炭公團がなくなつたあとは非常な混乱に陥るのじやないか。認証手形に対しては今までの例もありますから、相当信用をもつて現に銀行は割り振りをしておる。けれども配炭公團が來月十五日からなくなつて、業者自身だけで賣買をして行くという場合には、手形を発行しても金融はなかなか容易ではない。そこに大きな混乱が起きるのではないかという心配がある。それに対して政府はかねて二百億とか百八十億の手当をもつて処置するということを、発言されておると承知しておつたのでありますが、いよいよ最終に参つたのでありますから、これに対してはもつと徹底的な金融措置が講ぜられていなければ、ここで配炭公團を廃止するということは非常な危険が生ずると考えられる。もう一度その点についてお伺いいたしたい。
○杉山説明員 結局販賣業者に対しまする金融措置を今月の中旬から始めました理由も、公團のなくなりましたあとの推移を極力円滑にするという趣旨から始めたわけでございます。すでに販賣業者の登録されておりますものにつきましては、市中金融機関あるいはそれを通じて日本銀行なりにその信用状態の調書が参つております。それによつてどの手形まではどういうふうな融通措置ができるかというふうなことで、はつきりしつつあるわけであります。従いまして公團がなくなりましても、直接それによつてどういう影響があるかというふうには考えておらないわけであります。すでに始めております日本銀行の融資あつせん措置とか、あるいは適格担保にとる問題であるとか、あるいはさや割り適格にとる問題であるとか、そういう手をやつておけば大体納得行くのではないかというふうに見ております。問題はむしろ今後出て來る炭と、配炭公團の持つております滞貨の処分をどういうふうにするか。そういうことによつて石灰の價格がどうなつて行くか。その実態的な問題は相当あると思いますが、金融面といたしましてはやれるだけの手はずでに打つて、十分関係の銀行等には趣旨を徹底いたしておるつもりでございます。
○岩川委員 今のは配炭公團がなくなつたあとの措置なのですが、配炭公團がなくなりますと、先に申し上げたように業者が自己の力で金融して行く。そこにこの場合危險があるから、政府が大きな手を打たなくてはならぬのではないかということが、かねてこの席でもたびたび質問されておると思うのであります。今お話によるとその点はまだ講ぜられていないかのごとく聞える。それであれば非常な大きな難関にぶつかるように考える。ただ業者自身の手だけでやるというならば、これはもう簡単であつて、業者自身の手でこの金融措置が講ぜられていないから、政府は大きな援助的な手をここに打たなくてはならぬ。言いかえれば石炭代金の八割なら八割を業者、あとの二割は政府が、今日では補償ができなくても、補償的な立場において金融の措置をつくるというようなことが、当然講ぜられる必要があるわけであります。かように私は考えるのでありますが、今の御答弁では満足すべきお答えを得られないので、なおあとでお尋ねしたい。 それから増岡さんにお尋ねしておきますが、第二には貯炭の始末について先ほどちよつとお話もありましたが、どういう順序で始末をして行かれるか。またその始末によつては現に生産している生産量というものとの手加減を加えて行かなくてはならぬ。どういう方向に持つて行くと、混乱せずに難関が切り抜けられるかという点をひとつお聞きしたい。
○増岡説明員 貯炭の処分の問題は非常に石炭の今後の價格に影響することが大なる問題であります。最初われわれが大ざつぱに考えましたところでは、大体どのくらいの間に処分を完了するかという考えもあつたのであります。一方炭價という問題もありまして、公團の貯炭をあまり長い間手持にしておきますと、公團の貯炭の比率がだんだん悪くなりまして、將來相当値下りした値段で賣らなければならぬということのために、公園の整理をした結果において、相当の赤字も見込まれなければならないというような状況になろうかとも存じますので、そういう二つの点をにらみ合せまして、現在のところまだ最後的な結論は得ておりませんが、短い期間でこれを処分することが適当であろうという考え方でおるのであります。具体的にどういうふうに処分したらいいかということになりますと、はなはだ困難であります。早く処分をするということだけ考えるならば、値段を安くすればよいのでありますが、そういうことでは市場を軟化させまして、自分の値段も安くなるし、また山の値段も安くなるというようなことになりますので、実際問題としてはその点両方の点をにらみ合して、市場價格というのを公国の貯炭でもつて形成するというような考え方でなくて、一般生産炭がむしろ市場價格を決定して、公團はただ裏にこれだけの貯炭があるというある程度の何と言うか妙な言葉でありますが、圧迫というようなそういう程度のことにいたしておいて、実際には市場の價格に追随して賣つて行くということでやらなければいけないのではないかというふうに考えております。実際どういう値段でどれだけを毎月賣つて行くかということにつきましては、まだ具体的な細目は立てておりません。大体の考え方といたしましては、最初はあまり多くなくてだんだん多くして行く。需要期までは多少押えて、一番出る需要が旺盛な時期に、公團の貯炭もできるだけさばいて行くという考え方で、運んで行きたいというふうに考えております。この問題が今後の生産業者の出炭量というものを決定する重大な問題でありますので、この処分の問題についてはなおもう少し具体的に立案をしなければならぬと思つておりますし、また時々刻々の状況に應じて変化して行かなければならない問題で、計画を立てても固いものではなく、弾力性ある計画としてやつて行きたいというふうに考えております。
○岩川委員 今のお話でわかりましたが、現に公團貯炭が目の前に見えておりますために、生産業者としては始終値を賣りくずされる危險を感じつつ日常の仕事をしておる、こういうふうになるのであります。そうすると自然企業整備のような形をとつて圧迫を受けながら——仕事をして行くためには企業整備をやつて、需給態勢を整えて行くという手段、方法を業者はとるのであります。そうなるとすぐ失業問題あるいは関連産業に影響するというような、大きな問題が起る可能性が十分ありますので、前の委員会でもたしかこれを二年たな上げするというような話も出たのでありますが、そのたな上げはある期間たな上げをして、そうして需要が事実とマッチしたときに初めて配炭公團の貯炭をさばく方法を講ずるというようなことは、今のところ不可能でありますか。またそれについて何か新たにお考えがあるか。それをお聞きしたい。
○増岡説明員 全然長い間たな上げするということは困難だと思います。先ほど申しましたように炭の品質がどんどん悪くなつて行くというようなことを考えると、非常に長い間たな上げするということは困難だと思いますが、さしあたり需給の関係が一番悪い夏場から冬に移る期間は、たな上げ的な考え方をとらなければ実際上としては賣れて行かない。極端に價格を下げるのでなければ、賣れて行かないというふうに思いますので、非常に短かい期間は全然たな上げということにならないかもしれませんが、賣り出す数量はきわめてノミナルなものになつてしまうかもしれないと思います。今お話がありましたように公團の貯炭は確かに圧迫でありまするけれども、これがいつでも無計画的に飛び出して、市場を乱暴に撹乱するという考え方で賣り出されるのではなくて、先ほども申しましたように月別に大体の目標を掲げて、その目標でやつて行くということで、むしろその目標を賣り切らぬというような場合の方が予想されるということで、今月は隠しておいて、極端にたくさんのものを急に出して行くというような乱雑な賣り方はこれをしない。それでなければ生産業者も、大体今月は公團がどのくらい出るから、新規の生産炭はどのくらい出してよかろうというような計画も立ちにくいというように考えられますので、大体公團の賣出し数量は計画的にやつて行つたらどうかと考えます。
○岩川委員 今消費面を圧迫しているもう一つの事実があります。それは公團が賣掛代金の回收を非常に強行しつつある。この賣掛代金の回收を強行されるために、消費者が新たな炭を買うことができぬ、こういう状態であるようでありますが、その賣掛代金の回收については、公團のあと始末と一緒にある程度政府がめんどうを見るといいますか、市場を圧迫しないような方法をとつて行くならば、消費面ももつとふえて行く、そうして需給のバランスはもつとよくなるんじやないかというように考えられますが、公團はこの賣掛代金の回收に対しては、どういうふうな手段方法をとつているか、お調べになつておると思いますが……。
○増岡説明員 現在のところでは先ほど杉山君から説明がありましたように、公團の認証手形を落すために、公團の限られた金融の限度から言いますると、賣掛金を回収してこれを落して行くという方法より実はないのであります。從いまして公團の賣掛金の回收ということは相当やかましくやらなければ、公團の存続を予想されるところの九月十五日まで認証手形を決済して行くということが困難な状況にあります。從いまして今後とも賣掛金の回收は、相当強く後来通りやつて行かなければならぬと思うのでありますが、それがためにはやはり賣掛け先に対してある程度の金を見てやらない限りはこれが返つて來ませんし、今お話のように賣掛けばかりを回收いたしますると、新しい仕入れ資金がなくなるという関係になりますので、一方で公團の賣掛代金を回收しますと同時に、公團の賣掛金を拂うについては、特別に金融的にあつせんをするという建前で、公團の賣掛金を返すためであるから借金をするという場合には、これも日銀がバツクをいたしまして、金融をつけて、それを配炭公團へ拂い込んでもらうという建前で、新しい仕入れ資金を特に削つて公團の賣掛金に拂うということでないようにして、別に銀行から金融を受けて拂う。大体公團の賣掛金は相当な利子がつくのでありまして、公團にためておくよりも、建前から言えば銀行から借りて拂つた方が、借り先としても都合がよいわけでありますけれども、現在のところ公團にしわが寄つておりますので、そういうような金融のあつせんをして、公團に金を拂つてもらうということにして行きたいと考えております。
○岩川委員 その点について十分御盡力願いたいと思います。それから輸入炭と輸出炭の数字はその後どうなつておりますか。
○中島説明員 前回の委員会で申し上げた数字とその後あまりかわつておりません。三月以來毎日入りました日別の数字が出たのがございますから、今探しておりますけれども、ありましたらお答え申し上げます。
○岩川委員 これは前回の委員会でも委員諸君から切なる希望があつたわけですが、現在日本の石炭の消費がすでに非常に減つて来た場合に輸入炭が依然として多く、そうして輸出はふえぬ。これではますます内地の生産業者が困ることになる。輸出をふやして輸入を減らすというような対策を至急講じてもらいたいという希望があつたので、今日われわれはなおその御注文を申し上げておきたいと思う。 次に戦時中に特別に濫掘を強行した問題に対する善後処置は公團がやつておつたと思う。公團がなくなりましたら、これはどういうふうに対策を考えておられますか。
○田口説明員 ただいまの御質問は戰争中強行出炭をしたがために生じました特別鉱害の復旧の問題だろうと思います。昨年閣議決定以來一年有半、例の公團のプール資金の中でトン当り十六円十一銭を計上しまして、これをプール資金として特別鉱害復旧費の中の鉱業権者負担分に充てておつたわけです。昨年、本年のこの復旧費は全額約九億でございましたが、そのうち国家予算の方から出します数量が約三億、鉱業権者の方から出します額が約六億、それから若干その差額を地方の公共團体から出す、こういうような建前で出しておつたのであります。ただいまの御質問のように公團が廃止になりますと、まずもつてこれをどうして行くかという問題が、大きな問題になつて來るわけであります。しかもこの特別鉱害によつて生じた被害の復旧は、社会問題といたしましても非常に重要な問題でございますし、民生の安定上から申しましても、公團が廃止になつたということでこのままこれをやめるわけに参りませんので、この問題につきましてただいま各方面と折衝しております。考え方といたしましては、昨年來公團のプールでやつておりましたのは、結局生産原價の中に十六円十一銭を織り込みましたとはいえ、これは結局消費者の方にかかつておつたのでありまするそのアイデアを今後の対策の中に織り込んだような方法を考えることが一つ、それからもう一つは、そういうふうな消費者の方にこれを全部持たせるということでなく、炭鉱業者にこれを持たせるというようなこと、それから國家負担の方をもう少しふやすというようなこと、そういうようなことが大体考え方として、二、三の案としてただいま研究中でございます。この案につきましては、当然当委員会方面におきまして、ぜひ皆さんの御意見も十分伺いまして、この対策について万全を期して行きたい。要は昨年の閣議決定によつて行政措置でやつておつたことを、今後はただいま申しましたような案によつてなお継続して行きたい、さらにでき得べくんば増額したい、かように考えております。
○岩川委員 それは生産業者にとりましても、大きな負担になる問題でありますから、今お話がありましたように、十分御研究の上、業者がこの問題に対して新たな悩みを受けないように、御配慮を希望しておく次第であります。 なお公團廃止をされますと、公團の職員とか、長年この統制機関のために御配慮になつた関係官廳の人などの失業対策については、政府は万全の策を講じておいていただきたいことも希望しておきたいと思うのであります。一應これで私の質問を終ります。
○松井(政)委員 私は岩川委員の質問した点と同じようなことをお伺いしたいど思つておりましたが、これは重複いたしますから、省きます。そこで私のお伺いしたい第一番の問題は、御承知の通り八月二十四日に経済科学局から覚書が出ておるのでありますが、これによりますと、七月十一日付で通産大臣あてに覚書が出まして、それから経本から今度は七月二十六日に覚書を提出いたしまして、さらに八月の四日に経本から経済科学局長あてに覚書が出だという形になつておるのであります。その結果八月二十四日に覚書が来ておる。こういうことになりまして、前回の委員会におきましては、公團が九月の末日まで事業を続けるということになつておつたのが、本日は九月の十五日ということに相なつております。從いましてただいま申し上げた日時によつて向うから來ました覚書、こちらの経本から出ました覚書の具体的な説明をお伺いしたいことと、さらに八月二十四日に出ました覚書の内容が、そのままこの通りやらなければならないものであるかどうかということのお答えを、明瞭にいただきたいと思います。
○増岡説明員 向うのインフォーマル・メモランダムに引用しておりますものは、第一番の七月十一日の通産大臣あての向うのメモというのは、五千カロリー以下の石炭をただちに統制を解除しろというメモランダムであります。それから次のものは、七月の二十八日に安本から出しましたいわゆる石炭総合対策というものであります。それから三番目のは、これは石炭の総合対策に関連いたしまして價格をどうするか。いわゆる價格調整補給金をどうするかという問題について補充的に説明したものであります。石炭の総合対策というと名前はえらい非常に大きなものでありますが、内容は先ほど私が申し上げました程度のものであります。大部分は説明的な部分もありますので、要点だけを申し上げますと、今後の石炭政策はどうするか。第一番は配給統制の問題を取上げております。これは計画配炭は不必要であるというふうに考えられる。但し特別のものについては、当分の間從來通りの割当をやる必要があるかもしれないということであります。それから第二は、現在のような計画生産はこれを行わなくともいいのではないか。配給統制の対象となる特殊なものについてだけ生産指示をやればよろしかろうということであります。それから第三は價格統制でありますが、この点については石炭の價格は全部自由にすることが適当であろう。なお特定産業向きの石炭補給金はでき得る限り廃止するのが適当で、特に重要なものについては製品に補給金をやるという建前にかえざるを得ないだろう。また配炭公團が解散すれば石炭の運賃プールはこれを廃止することになろうということであります。それから次に配炭公團の廃止に伴う財政金融措置といいますか、先ほど杉山君から話がありましたような点。公團が廃止になるまでの措置、あるいは公團が廃止になつてからの措置。それから次に配炭公團が清算した結果、欠損を生じた場合にはこれを補填する道を講じなければならないだろうということ。石炭生産業者に対しても過渡的に、先ほど話が出ましたような金融措置を講じなければならないであろうということ。それから配炭公團の貯炭の処分は、先ほど申しましたように、大体一年ぐらいで処分を完了するというようなやり方でやつた方がいいだろう。それから特別鉱害賠償については特別の措置を講じなければならない。それから調査、統計の事務についても、現在配炭公團のやつているもののある部分については、國がこれを続けて行わなければならないであろうという項目にわけて出したわけであります。それに対して八月の二十四日付で向うのインフォーマル・メモランダムが來たのでありますが、大体われわれの考えておるところと大したかわりはないのであります。第一番には配炭公團の廃止の時期につきまして、こちらでははつきり何日というふうには書いておりませんで、おそくも九月末日限りこれを廃止するというふうに書いてありましたのに対して、九月十五日限りこれを廃止するということがありましたのと、それから貯炭の処分について一年間ぐらいというような見当で出しましたのに対しまして、來年の四月一日というふうになつておりますから、六箇月半ということで、そこに食い違いがあるわけであります。ただ配炭公團の廃止の時期につきましては、これはわれわれはその後いろいろ公團の金繰りの面その他から考えまして、九月十五日が現在のところ適当な時期ではないかというふうに考えております。それから公團の貯炭の処分の問題につきましては、先ほども申しましたように、六箇月というのはいささか短か過ぎるというような感がございますので、この点については別に説明をいたしまして、目下話合いをしているところであります。大体経過はそういうようなことであります。
○松井(政)委員 そうしますと、ただいまの説明では、この八月二十四日付の覚書にうたわれておりまする九月十五日に公團を廃止する問題、及び貯炭の処理等についてはこれは絶対的なものでなく、政府が現在やろうといたしておりまするいろいろな施策の檢討をして、交渉する余地があるやうにただいま受取つたのでありますが、そういう性質のものでございますか。
○増岡説明員 もちろん命令というような性質でなくて、非公式覚書というか、そういう形になつておりますから、これが國内にどれだけの効力があるか、いろいろ向うから出される文書によつて違うと思うのでありますが、これはいわゆるデイレクテイヴといいますか、そういうものの性質でないということだけははつきりいたしておりますから、先ほども申しましたように、われわれとしては公團手持貯炭の処分について、なおこれを折衝しているという段階であります。
○松井(政)委員 それならば貯炭の処理の問題だけでなくて、全般の問題につきまして、前回の委員会から盛んに委員の方々及び炭鉱に関係しておりまする人々が傍聽いたしまして、非常に心配していることは御承知の通りだろうと思います。從いまして一般炭鉱に関係している方々の世論、及び國会の方におけるいろいろな御意見等は、政府としては十分取入れまして、さらにこの覚書の中において不合理の場所があれば折衝して、合理的な時期、合理的な方法を選ぶ可能性があるというように解釈してよろしゆうございますね。
○増岡説明員 もちろんいろいろ御意見の点は、あるいは國会の御意見その他個別的に御意見を聞きまして、現状から見て非常に不適当だということが考えられますれば、なおこまかい点について折衝する余地はないものではないというように考えます。ただ私どもの今までいろいろいろ折衝し、また個別的ではありますけれども、方々から御意見を聞いたところでは、今最も問題になる点は貯炭の処理の問題で、このほかの点についてはそれほど御意見の点はなかろう。九月十五日の点についてもいろいろの考え方はあると思うのでありますけれども、これを延ばすというようなことによつて、かえつて炭鉱業その他関連産業に対しても、障害になる部分が多かろうというふうに考えております。
○松井(政)委員 それじやひとつ伺いますが、前回の商工委員会におきましても、政府もあるいはわれわれ委員の方も、全部貯炭の問題、それから廃止した場合のつなぎ資金、あるいは販賣業者に対する資金の問題、さらにそれから來る公團の処分、及び中小企業の金詰まりによる失業対策等の万全を期して時期をはかろうということが、政府の答弁の中にも明瞭にうたつてあると私は記憶いたしております。従いましてその時期は九月の三十日と一應事務的準備の目安をつけておく。その九月三十日に政府の方で準備万端が整わない場合は、さらに十月になつても公團の事務を現在のまま続けるかもわからぬということを、明瞭に答弁いただいておるわけです。しかるにもかかわらず本日は、九月の十五日が最も適当なる時期だという回答をいたしておりますが、政府の政策というものはかくのごとくしてかわるものであるかどうか。かわつてよろしいのであるかどうか。明瞭にお答え願いたいと思います。
○増岡説明員 でありますから、先ほど私が最初にお断りいたしましたように、九月の十五日というのは最後的には決定しおりませんが、われわれが現在研究した結果において、公團の金繰りあるいは貯炭の数量というような点から考えて、適当な時期であるというふうに考えておるのでありまして最後的な決定は閣議で御決定を願うまではないというふうに、御了解願つていいのであります。まだ閣議決定をいたしておりませんから、その間においてどういうふうなおとりはからいになるかわかりませんが、われわれの事務的な意見といたしましては、九月十五日にやるのが適当だというふうに考えておるのであります。
○松井(政)委員 この前の答弁に当られた方は、たしか管理局長だと思いますが、管理局長は九月の三十日を、とりあえずその公團を廃止することによる混乱を避ける準備を進めるための目安の期日とする、こういうことを私はお伺いいたしております。ところがただいまの御説明だと、九月の十五日が最も適当なる時期だ、こういうことになつておるわけで、それは非常に私は齟齬があると思います。從いまして閣議決定をしなければという最後段階のお言葉がありまするが、少くとも政府がこういう重要な問題を処理する場合におきまして、私は前回の商工委員会における、九月三十日までを一應の目安として準備をするということが、一番どうもほんとうの答弁のようにお伺いできる。從いまして九月の十五日が適当だという考え方にかわつたということは、一体どういう顧慮でかわつたかということを重ねてお伺いします。
○増岡説明員 この前私が御答弁しなかつたので、あるいは食い違いがあるのかしりませんが、われわれといたしましても、先ほど説明をいたしましたように、おそくも九月末日ということで諸般の準備が幾らかでも早く進む。あるいはそのほかの状況で九月末日までこれを延期できないというような場合には、多少でも繰上げることがあるかもしらぬという考え方で、とり進めて来たのでありますが、現在の生産の状況、あるいは公團の金融の状況というものから考えますると、九月末日まで公團を続けて行くということは、かえつて九月十五日にこれを閉じることよりも、混乱を生ずるおそれがあるというふうに考えられますので、九月末日という考え方で事務的な準備をしたというようなこともないではありませんけれども、その後の生産の状況、金繰りの状況ということから考えますると、かえつておそくするということは混乱を生ずるばかりだという考え方から、私どもとしてはその日を十五日繰上げて、九月十五日にする方ががえつて円滑に移りかわりができるというふうに考えますので、今申しましたように九月十五日が適当な時期ではないかというふうに、御答弁をいたしたわけであります。
○松井(政)委員 重ねてお伺いしますが、宮幡政務次官の御答弁も九月の末日に目安を置いて、それまでに混乱の起らないよう諸般の準備をいたしたいということであつた。ただいま九月十五日の方が混乱が避けられると考えるという御答弁であつたのでありますが、そこで私は、前回の商工委員会におきまして宮幡政務次官以下政府の方方が答弁されました諸般の準備がおできになつたかどうか。できておるならば、金融政策及び失業対策及びその他のいろいろな混乱の起らないような準備の程度を、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○増岡説明員 金融問題につきましては、先ほど私もちよつと触れましたし、杉山銀行局総務課長が説明をいたしましたように、金融の問題としては、あれだけ準備ができれば一應すべり出しはできるというふうに考えます。もちろん山々の状況が違いまするから、非常に円滑に行くところと、多少円滑さを欠くところがあるかもしれませんが、大筋といたしましては、金融的には公團にかわつて一般の公團が認証手形を割つて行くことを確実にやつて行きさえすれば、その金を使つて一般の市中金融が直接に山に金融をつけるということが、可能だというふうに考えます。 それから失業対策の問題については、あるいは私が答えるのは適当でないと思うのでありますが、もとより公團の職員の問題については、通産省においてもいろいろ現在できる範囲内のことについては、完全とは言えないかもしれませんが、ある程度だんだんと行われておる。それから山について失業問題が起きるであろうということは、石炭企業のみならず、一般の産業がこういう経済情勢に入りまして、縮小過程にあるという問題と一括して、失業政策として取上げていただくという建前で、われわれといたしましては先ほど申しましたような生産の調節というようなことも考えて、急激に山に失業問題を起さないということを顧慮しておりますが、やむを得ずして出る部分につきましては、一般の失業対策のうちに繰入れてやつていただくということにいたすよりほか、いたし方はないと思います。
○松井(政)委員 さらにその場合におきまして問題になりましたのは、販賣機構の確立ということであります。從いまして八月の十六日から自費体制に入りまして、九月の末日まで一箇月半ほどの余裕がありますので、その間に販賣機構を確立いたしまして、公團を廃止いたしました場合の販賣の混乱を避けるということが、明確に答弁にあつたと記憶しております。ところが八月十六日から自費体制になつて、現在のところは販賣機構が確立の緒につかないで、むしろ場所によりましては混乱にあるという考えもできるのであります。從いまして九月の十五日というとあと半月しかないのでありますが、それまでに完全に販賣機構ができて、公團をなくしても販賣関係に影響がないというお見通しがあるかどうか。その見通しがありましたならば、その見通しに対する具体的な対策をお伺いしたいと思います。
○中島説明員 前会に私御答弁申し上げました関係もありますので、この前の御質問の点にも関連いたしましてお答えいたします。 この前の委員会で、大体事務的には九月三十日の廃止ということを前提として、いろいろな準備を進めておるということを申し上げておりますが、当時の見通しとしては、やはり九月三十日以前にやるということは、切りかえ以後の措置がむずかしいという考え方をわれわれは持つておりました。ところがその後七月中の配炭公團の排出しの実績を見ますと、大体七月、八月、九月と五十万トンから多くて七十万トンくらいの毎月の貯炭増加と予定しておりましたが、七月に百万トン余りふえております。八月の見通しとしましても、これはあまりはつきりいたしませんが、百万トンに近いものがたまるのではないか、こういうふうなことが言われておりますが、九月三十日に廃止されたという前提の内容と申しますものは、結局九月末において約四百万トンの貯炭を予定しておりました。從つて毎月六、七十万トン貯炭がふえるという想定のもとに、配炭公團の金繰り等をいろいろ計算しておりましたが、七月の傾向のごとく月に百万トンもたまるということになりますと、切りかえ後の措置ということは別にいたしまして、公團の存続中の金繰りにつきまして非常に大きな問題が出て來まするこれをいかにして防ぐかということにつきましていろいろ各方面と相談もし、折衝もいたしたのでありますが、結局におきまして、先ほど動力局長ないし大蔵省の総務課長からお静のありました通りに、公團の金融につきましては結局需要家から強硬に回収するという以外には一手はないというようなことになりまして、その結果このような貯炭増ないしは需給状況のもとにおいて、公團をさらに九月一ぱい、あるいはそれ以後まで延ばすということは、公團自体の金繰りの面からしてほとんど不可能である。これをかりにむりやりに強行いたしますと、公團の認証手形が落ちない。ということは公團自体の金融の問題だけでなくして、結局これは認証手形の発行者であります鉱山業者にも累を及ぼすということになりまして、公團の金融がまたさらに鉱業界全体に及ぼす影響もあるということからいたしまして、公團をそういうふうな窮地に追い込むということは、とてもとりがたいということから、九月三十日まで公團を持たすことはむずかしかろう、こういうようなことになつたのであります。ただこれは公團の関係からだけの見通しでありますが、それでは公團廃止後の生産業者ないし販賣業者に対する金融措置が心配ないかということでありますが、この点につきましては公團の廃止の時期におきまして、これは時期の遅速ということは無関係でありますが、廃止の時期において金融措置——移りかわりに対する金融措置がうまくできましたならば、廃止後は大体すべり出して行くと思います。問題はしからば十五日までに販賣組織なり販賣網というものの態勢が完全に整うかどうかということでありますが、お話の通りに八月の十六日から出発いたしまして八月中、今日までのところまだ販賣組織の目ぼしい活躍は見られておりません。ただ一部に公團の下部機構であります販賣会社が動いておるという程度でありまして、ほかの方のいわゆる生産業者が出て來ますところの販賣会社のものは、あまりまだ活動いたしておりません。これは金融の問題とか、公團の廃止の問題とか、値段の問題とかがはつきりいたしませんために遅れている点もございますが、いずれにいたしましても当初から、これはこの前も申し上げましたが、九月一日には全部手配を整えで、輸送代行までさせるという予定で進行いたしておりますが、大部分のものが九月一日には大体において公團から炭を引取つて、自分で賣るという自賣体制を整え得るということは言えると思います。ただ一部のものについて、これは特に中小炭鉱がありますが、こういう所がはたして九月十五日までにできるかどうかという点で、若干の問題がございます。これにつきましては結局金融問題が一番の問題でありまして、個々の炭鉱が自分で必ず観れるという自信があれば、これは金融もつきますし、またすでにそういう自信を持つておられる所は、自分の販賣組織を準備しておるかと思います。ただ全般的に申しますと、中小炭鉱が個々ばらばらに公團切りかえの際に乗り出すということは、はなはだ條件も悪うございますし、むずかしい問題でございますので、われわれといたしましては、公團の販賣機構がスタートした直後でありますが、案外に公團の廃止時期は繰り上がるかもしれぬ。ただできるだけすみやかに中小炭鉱も自賣の体制を整えるように、多数ばらばらに出て行くと金融の点でもむずかしい点が出て來るから、少くとも当分のうちは指定会社等でまとまつて販賣するような方法を講じたらよかろう、こういうことを申しております。もしそういうふうにまとまつて参りますならば、金融機関といたしましても、また輸送の点から申しましても、よほどこの点で困難さが緩和されますので、そういうことで、すでに準備いたしてかなり進んでおる所もありますが、今からすぐにでもいたしましたならば十五日までには何とかなる。しかしこの点で若干の不安は私どもも持つております。
○松井(政)委員 それでさらにお伺いしますが、若干の不安が残つておるということでありましたが、前は九月三十日でも若干の不安が残つておつたのを、九月の十五日になつても若干の不安が残つておる。それならば不安の対象のないという政府の施策を講じられる時期は、一体いつであるかということにわれわれは迷わざるを得ない。情勢の変化が来たために九月十五日に廃止した方がよろしいということは、しからば九月三十日でも不安を感じたものを、九月十五日に早めた場合にはよりよい対策ができたというふうな解釈になりますと、これは少しおかしな考え方になりますが、そういう点についてさらに具体的に準備をいたしました具体策をひとつ聞かしていただきたい。さらにもう一つ、金融政策の面で一番困難に逢着するのは中小企業である。從つて中小炭鉱と大体二五%と抑えて、それに対する金融だけは優先的に考えたいということを、非公式でありますが、政府の方から私は直接お伺いしたことがある。そうしますと、いわゆるつなぎ資金といいますか、販賣業者を通じて生産業者に混乱が起きないような形で行うべき、つなぎ資金と称される形のものを一体どの程度準備をし、どの程度予定をいたしておるか。しかもこの前非公式でありますが、お伺いしたように、そのうちの二五%は中小企業ですから、中小炭鉱に対しては優先的にというお考え方のパーセント、及び金額は一体どの程度の準備をなされつつあるかということを、明瞭にお聞かせ願いたい。
○中島説明員 九月三十日が九月十五日に繰り上りましたために、轉換がさらに容易になつたというふうな、そこまでの準備は、はつきり申し上げてよろしゆうございますが、できておりません。常に不安がある点は、これは九月がかりに三十日までに延びたといたしましても、結局炭鉱側といたしましては、大部分のものはできるだけこれを長く延ばしてもらいたいのが心情でありますので、廃止時期が先になればなるほど気特の上でゆとりができて、準備はそれまで進まない。それがかりに十五日なら十五日ということがはつきりいたしますと、そこで最後の線がきまつておりますから、たとい期間が短縮されても、ぎりぎりのところすみやかに準備をしなければならない仕組みになりますので、その点につきましては、それじや全体の準備ができ上るまでに幾日を要するかということになりまして、これは一週間であるとか十日であるとかいうことは、必ずしも申し上げられませんけれども、大体今まで公團の廃止なり販賣業者の切りかえということは、もう数箇月前から問題になつておりますので、大体の腹づもりはできておるわけでありますから、もし本気になつてやれば一週間でも十月でもできるだろうと思うのです。こういう意味におきましてそれが十五日繰上つたがために特に苦しくなる。これは心がけいかんでありますから、そういう点が準備的につらいということは、私は言わなくてもよいのじやないかと思つておるのであります。 中小企業に対する金融措置の問題は、われわれといたしましても、つまり資源廳といたしましても、いろいろな希望案を持つて折衝いたしておりますが、今日までのところ、またはつきり中小炭鉱に対してこれだけのことは確実に確保するというところを申すことはできません。ただ先ほど申し上げましたように、中小炭鉱の指定業者なり何なりがまとまつた形で出て來れば金融措置はつきやすい。だから公團の廃止がかなり繰上るということを予想して準備を進めたらよかろう、こういうことを具体的にやつただけでありまして、それ以外の点につきましては、いろいろな希望は各方面にいたしておりますけれども、現実のところどういう措置を講ずるというところまでは行つておりません。
○松井(政)委員 資源廳としては別な角度から金融措置を考えておるが、具体的なものはまだ発表の段階ではないという御所信と思うのでありますが、これにつきましてもうすでに一箇月以上前から、通産省におきましてもあるいは安本、物價廳におきましても、價格の問題と一時金融の問題を御研究なさつておることは、非公式な会合で私は聞いておる。從つて何百万円程度の金融がなければ混乱を避けることができないということは、ちやんとおきめになつておるのではないか。予想しない金融をやることはできないのであります。從つてどの程度出したならば、販賣業者及び販賣業者を通じて生産業者が立つて行くような形になり得るかという、その予想だけでもけつこうでありますから、具体的に聞かせていただきたい。
○中島説明員 販賣業者ないし販賣機構がスタートしましたときに、大体切りかえに一、二箇月ないし三箇月を要しますが、その全期間を通じまして、総額で百六十億ばかりの金額が必要であるということは、一應算出されております。
○松井(政)委員 それからさらにもう一つお伺いしますが、この前公團法が第五國会に上程されたときに、國会の全会一致で御承知の通り修正をいたしております。從いまして、國会の全会一致の意思がかくのごとく修正をして、来年の三月まで配炭公團を存続することが適当だと決定いたしております。そのような重大な問題であるから、この前の商工委員会で宮幡政務次官にお伺いしましたところ、政府もできれば國会にかけて、合理的に國会の審議を経て公團廃止等の取扱いをやりたい、しかしこれには研究の余地があるから、次期の商工委員会までに研究して発表するということになつておると記憶いたしております。研究の結果九月十五日ということになりますと、國会にかけることは不可能に相なるわけでありますが、研究の結果國会にかける必要がないとおきめになつたのか。國会まで待てない情勢ができたというのか。その点の明確なる御回答をお願いいたします。
○中島説明員 この点は政府ないし内閣の問題ありますので、われわれが申し上げる限りではありませんけれども、私の立場から申し上げますと、この今度のメモランダムに九月十五日と四月一日、二つの時期が示されております。その前の点につきましては、私どもは先ほど申し上げたように、公團の金繰りの点を別にすれば、できればもう少し延ばした方が一層円滑だという持を持つておるのであります。そこでこの点につきましても一應向うの意向も打診したのでありますが、その際政府の方の首脳部の意見としては、九月十五日に公團をやめるということはこれは最終であつて、むしろやめるのは、その時期まで延ばしても、それより以後ということは考えられておらぬようでありますが、少くともその前に、できれば五日でも十日でも早目に買取りをやめてもらいたい。これはもつぱら公團金融の見地から来ている意見だと思いますけれども、そういうふうな意見も出たのでありまして、その点から考えまして、見通しといたしましては九月十五日以後に延ばすということは、先ほど動力局長のお話がありましたけれども、これはなかなか困難だと言わざるを得ないと思います。それから研究の結果政府の方で九月十五日が適当だというふうに考えるかどうかという点でありますが、これはメモの出る前後通産省並びに大藏、安本と三者がいわゆる金融問題を中心にいたしまして協議をいたしましたが、その間の経緯におきましては、通産省側としては九月三十日を繰上げるということは非常に困難だ。ところが金融関係からいたしますと、やはり十日でも二十日でもいいから繰上げてもらいたい、こういう意見がありまして、できる限り早く繰上げるように自分らの方も研究しようという話合いをいたしておりました。ところがその後それじやわれわれの研究の結果、幾日間繰上げられる結論が出たかということになると、通産省としてはそういう結論ないし確信は今までのところ出ておりません。ただその後の諸般の情勢からいたしまして、十五日で打切られてもやむを得ぬだろう、かりに延ばしても別の問題が起るから、やむを得ぬだろうという消極的な氣持であります。
○松井(政)委員 通産省としては延ばした方が事務的によろしいように考えられるが、諸般の情勢からやはり早めた方がさらに混乱を避けるゆえんだという御答弁でありましたが、これはかりに延ばす方が混乱を避けないのか、準備をしない間にはずした方が混乱が起きるのか、これは非常に議論のわかれ道だと思う。從つてわれわれは前の商工委員会おいて十分いろいろ御意見を聞かしていただいたように、たとえば販賣機構の確立あるいは失業対策の問題、あるいは金融措置等の問題、こういう事柄の準備万全を期してやりたいという政府の回答を信じておるわけであります。従いまして準備はできないけれども、諸般の情勢ではずすということが、日本の政治経済上妥当であるのか。それとも諸般の情勢がそういうことになつたから、政府は準備はまつたくしてないけれどもやるという御意思であるのか。この点はひとつ重要な事柄でありますので、明瞭に聞かしていただきたいと思います。なぜかならば、日本の政府が國会できめられたことを行政として扱つていろいろ政策を具体化する場合に、非常に重要な問題になりますので、この点を明瞭にお伺いいたします。
○中島説明員 繰上げた期間というものは、一箇月、二箇月という大幅のものでありませんで、十五日でありますから、われわれといたしましては、この向うの指示がありましてからなお向う二十日余りありますので、この九月十五日を目標として大馬力をかけて、諸般の準備を整えるつもりでおります。
○松井(政)委員 ただいまの御答弁ですが、わずか十五日くらいだという幅を言うておりますが、この前の答弁はそうではないのであります。一應九月三十日に目安を置いて事務的な準備を進める。そのときに準備ができなければ、現在通り公團の事業は十月も続けるかもわからぬということが、答弁の中にあるのであります。それが今度は九月十五日に準備ができても、できなくても、この日にちは絶対的のような答弁をなさつておる。そうすると、これは半箇月の問題じやないのであります。九月十五日までにこの前御答弁されたほど明瞭な準備がおできになる確信がおありになるならば別でありますが、ただいまお伺いしておるところでは、もつと延びた方が、通産省としてはよろしいという御意見が出ておるのです。従いましてそれは半月の問題ではない。九月三十日に公團を廃止していろいろ準備が整わなければ、あるいは混乱が起りそうならば延ばすということが條件になつておる。答弁の中にはつきり言われておる。從つてわずか十五日の間だからと言つて解決できる問題じやないと私は思う。問題は十五日早くなつてもあるいは二十日早くなつても、政府がこの前の商工委員会で答弁をなさつたところの、この間におけるあらゆる準備が完了するかしないかということが大きな問題である。その点について明瞭な答弁を聞かせてもらいたい。日にちの問題ではありません。
○中島説明員 この前申し上げましたのは、九月三十日に廃止を前提としていろいろな準備をしているということでありまして、事務的にはいつ廃止するかということは、われわれは何も申し上げておらないつもりであります。從つてかりにこれが繰上げられればこういうことになる、先になればこうなるという数字は、おのずから九月三十日という前提から出て来るわけでありまして、事務的にはそれが早くなれば、その予告期間がある限りには早くもできないことはないわけで、あります。ただ早くなつたときにどういうふうな事態になるかということをいろいろ計量いたしまして、準備が整うか整わぬかということは、われわれとしては言わざるを得ないのでありますが、かりに三十日でありましてもただいまお話した通りに、三十日までに準備ができないからと言つて、それを延ばすか延ばさないかということは、事務当局としての意見は別といたしまして、最後の決定は政府でありますので、われわれがこれは延ばすというふうなわけには参らないのであります。
○松井(政)委員 八月二十四日付の覚書は、先ほど冒頭に私はそのためにお伺いしたのですが、いろいろやはり折衝の余地があるかどうか。しかし九月十五日に廃止する方は政府の考え方とも一致するというのが動力局長の答弁である。そういたしますると、政府の九月十五日とそれから八月二十四日の覚書の九月十五日が、偶然にも一致したということになるのか。それとも政府はもともと九月十五日と考えているので、この前の商工委員会で九月十五日までと事務的な目安を置いたのか。それから八月二十四日にメモが來て、政府の考え方が九月十五日が絶対的のものであると解釈したのか。ここが私は非常に解釈しにくい。その点をひとつわかりやすく説明をしてもらいたい。
○増岡説明員 期日の問題は大分問題でありますが、先ほども申しましたようにわれわれが立てました案では、遅くとも九月の末をもつて廃止するという考えで、でき得れば多少でも早く——その当時立案しました経過を申しますれば、八月末をもつて廃止するという考え方もあつたのであります。しかし案といたしましては、おそくとも九月末ということで考えて準備を進めて來たわけであります。もちろん九月末の方が九月十五日よりは準備の整い方がパーセンテージは多いと思うのでありますが、おそらくいろいろの切りかえの問題を九月末まで延ばしても、百パーセントというところまではなかなか行かぬと思います。なかにはぶつかつてみなければできない問題もあると思いますので、今申しましたように九月末までに延ばしても百パーセントというところは行かぬと思います。これを九月十五日までに繰上げましても、今の準備の過程から申しますると、必ずしもそのパーセンテージが非常にかけ離れてしまうというようなことでなくて、かりに九〇%の準備はできて、九月末に終るとしても、九月十五日に終つても、その割合はほとんどかわらぬ。大体これから十五日の間に準備のピッチを早めることによつて、おおむね九月末に廃止しても同じような建前で移りがわりができるというふうに考えます。その方が九月末までに延ばしたことによつてマイナスになる部分よりも、かえつて補つて余りがあるというふうに考えますので、私はこのメモランダムが九月十五日にたまたまなつていたからということでなくて、最初からでき得れば幾らかでも早くやりたいという氣持を、この九月十五日にやるということではつきりさせたつもりであります。繰返して申しますように、もとよりこれは最後的には御決定を得ている事項ではありませんが、私が物の面あるいは金の面、そのほかの点からにらみ合せて、この日取りが最も適当だというふうに考えます。
○松井(政)委員 私ばかり時間をとりましても先ほどの理事会の申合せに反しますから、これで打切りたいと思います。 これは委員長にお伺いしたいのですが、前会社会党の今澄委員から、この問題は重要であるから炭鉱関係の人たちにも、これは調査でありますから公聽会というわけには行きませんが、参考意見を聞く会を開いたり、あるいは貯炭の状況、公團事務の内容について調査を行うような方法を、衆議院商工委員会としてやる方がよいじやないか、こういう動議が出ておつたと思いますが、この動議についての扱い方はいかように相なつておりますか。
○神田委員長代理 いずれ理事会等に相談したいと思つております。
○松井(政)委員 それではもう一つ動議を追加させていただきたいと思うのですが、これは私の考え方では、少くとも第五特別國会は御承知の通り五月三十一日に終つております。五月三十一日に國会を終りまして二月たたない間に、國会できめました法律がかくの通り全般的に大きな日本の物價体系から、あるいはあらゆる面に影響を及ぼす取扱い方をやろうとするのでありますから、これは当然國会の方としては、衆議院ではかくのごとく何回にもわたつて調査しておりますが、参議院の方では商工委員会においても調査をやつていないように聞いておるのであります。従いまして衆議院の商工委員会として参議院の商工委員と合同協議会なり、合同懇談会なり開くように、委員長の方からあとで理事会にお諮り願つてもよろしゆうございますが、取扱い願いたいと想います。以上であります。
○神田委員長代理 承知しました。
○増岡説明員 ただいま松井さんの御発言もあつたのでありますが、なるほどこの前の國会のときには、公團の存立期限につきましては來年の三月三十一日までということになつておりますが、そのときにも御説明をいたしましたように、当時からすでに貯炭の状況と言いますか、一般の石炭の需給の関係がかわつて來ておりまして、すでにそのとき御審議願つた法律にも配炭公團の存続期間につきましては、法律で安定本部総務長官の命令にかかつておるというようなことも御説明を申し上げたと思います。そういう状況が現在來たのだというふうに私どもは解釈しております。なおつけ加えますと、私も参議院の商工委員会にはやはりこの問題で数回呼び出されて、御説明は申し上げております。
○松井(政)委員 そういうことになるともう一言。公團法が修正されて可決されるときに、経済安定本部長官の命令によつてというような條項があることは私承知いたしております。しかし要は法の全体の精神、少くとも一つの法律が國会全体の意思で修正されるというその修正の箇條というものは、非常に重大な問題だと考えております。従いまして修正された部分が御承知の通り來年の三月まで常盤三千七百、宇部三千五百は公團で取扱う。経つて公團の事務は來年の三月まで続けるということが、法律の本能でなければならないと思うのであります。特別の情勢、あるいは極端な情勢の変化があつたときに、経済安定本部長官のこの條項が発動するものとわれわれは解釈いたしております。これは石炭だけではございません。銅にしても、電気銅の場合なんかに起つておりますし、ほかにも起つております。石炭の問題にしてもその他の問題にしても、國会の審議を経て合理的にという要求をしている理由はそこにあるのでありまして、これはこの場所における議論ではありませんから省きますけれども、そういう考えを持つているので、経済安定本部長官の一箇條だけで混乱が起きるとわれわれは予測しております。こういう大きな問題を取上げるにとに不満を持つているということを表明いたしておきます。
○神田委員長代理 川上君。
○川上委員 今の松井委員の発言、これは非常に重大だと思いますので、私も質問に入る前にその問題に触れたいと思う。 今いろいろ政府の方から御答弁がありましたけれども、松井委員が述べられた通り、大体九月末日まで待つという説明の中には、いろいろわれわれが質問した爾後の改正ができるかという問題に対して、自賣体制をつくることが非常に大事だから九月末日までにやる。この体制をつくらなければ混乱が起るからと政府当局は繰返し繰返し述べておる。ところが今の御説明を聞くと、体制はちつともできておらぬ。大手筋はわずかに行つていますけれども、中小炭鉱は何もやつておりません。自賣体制は、販賣店はできているかもしれませんが、一つも軌道に乗つておらぬ。これは調査したら明らかである。これは前に答弁されたことをまつたく裏切つておる。こういう形は多数の與党をたのむ政府の最も悪質なやり方である。一面には議会を無視し、一面には横暴きわまるやり方を繰返している。これは政府当局に忠告するのではありませんが、こういうやり方は民主的なやり方でも議会中心のやり方でもありません。これでは商工委員会でいくら答弁を聞いてもさつぱり当てにならぬ。一月もたたぬうちにまたまたかえてしまう。このメモランダムにしましても、これは命令ではないと御答弁になりながら、しまいになつて来ると、打診をしたらどうしてもだめだから十五日にしなければならぬというように、自主性も何もない。日本の政府なのかわけがわからぬ。こういうやり方は與党にとつても政府にとつても最も遺憾きわまるものであると思う。なおこの問題についてはこの前の委員会で、実際の企業家、労働組合の意見を聞きましたかということを質問したら、政務次官は、まだこれは十分には聞いておらぬと言うから、十分にお聞きになることが國の行政上最も必要だと思うと言うたら、それはその通りだと言うておる。ところがそんなことはまるでほうつておいて、今度は十五日だと言う。松井委員はこのことについて動議を提出しておられますが、私はこれに絶対賛成する。委員長の方でもこの動議を採用されて、特に中小炭鉱炭労関係、配炭公團從業員諸君の意見を十分聞かれて決定さるべきである。特にこういうことがあるからついでに申しますが、廣川民主自由党幹事長は本日炭労の責任者に対して、延期するつもりであるかどうかそのことははつきりしておりませんが、とにかく十五日は困る。こういう答弁をしている。與党である民主自由党の幹事長でありますから無責任なことは言われぬが、政府の方では十五日はびくとも動かぬというような答弁をしている。廣川さんという人はよくでたらめを言う人ですから、こういうはつたりを言うかもしれませんが、しかしこれは責任のない言葉として聞くわけにいかぬ。誠意をもつて政治をしようと思つたら、こういうことをぬけぬけとは言えぬはずである。そういう形で進むならば決してよい政治は行われるものではない。かような状態でありますから、松井委員の動議はぜひ取上げて、民間のあるいは労働組合関係の意見を十分に聽取されて、商工委員会としては商工委員会の希望も意見もあるので、これを十分政治に反映するような処置をぜひとつてもらいたい。これを先に片づけて、それから私の質問に入らせていただきたいと思います。
○神田委員長代理 ちよつと川上君にお尋ねします。何か私に御質問のような御希望のような御意見のようなふうにもお聞きしたのですが、先ほど松井君が述べられたように、たとえば参議院の商工委員会と合同審議をしたいとか、あるいは公聽会というものができるならばしたいとか、公團あるいは貯炭場というようなものの実地調査をとりはからうようにという意味のことでありますか。それならば松井君にも答えておきましたように、新例でもありますので、理事会等に一應御相談いたしまして、その結果に基いて委員会へお諮りする、こういうようにしたらどうかと考えておりますので、お答えしておきます。
○川上委員 了解。 それでは質問をいたします。 まず第一にお聞きしたいことは、政府の答弁では七月に百万トン以上貯炭が一挙にできたというのでありますが、配炭公團の形では百万トン以上の貯炭になるが、公團を廃止して自賣体制になれば山元では貯炭にならぬとお思いになりますか。月々百万トン以上滞貨になりつつあるものを、一体どう御処置なさるつもりであるか。またかようなことをして山が立つものであるか。なかんずく、中小炭鉱はどうなるか。公團では百万トンもたまるが、廃止すればそれがさばける、こういうお考えなのか。もしさばけないとすればそれをどう処置なさるつもりであるか。このことをまず第一にお聞きしたい。
○田口説明員 ただいまの御質問、結局九月半ばごろに公團が廃止になりまして、そのあとの生産の見込みの問題、それからそれに伴う有効需要の問題、これを一應考えてみて、はたして余るか余らないかという問題に帰着すると思います。私ども生産関係に携わつておりますものといたしましては、この十月から十二月の三箇月の生産見込みの問題でございますが、この三箇月の生産見込みは、従来の四千三百万トンの数字から考えますると、三箇月で約一千百五十万トン程度に、ラウンド・ナンバーでなるということでございます。これを月々見ますると、十月において三百五十万トン、十一月において三百七十万トン、十二月において三百九十万トンというような生産割当になるわけでございまするが、ただここで私どもは、ただいまこの数字が約一割方落ちるという見込みを持つております。その理由は、まず第一に公團が廃止になりますると、従来までの石炭の品質が特に向上をするということでございまして、すでに今までに公園が廃止になるということを聞き、さらに前國会において配炭公團の取扱い方の一部改正に関してなされた措置を見ましても、すでに品質が昨年の十一月に比べまして、五月でありまするが、実績が約五千八百五十カロリー程度に上つております。その当時は、五千六百カロリー程度でございましたが、その程度に上つております。これが公團が廃止になりますると、あくまでも各自自賣体制をとる関係上、山は競うてこの際品位を向上させる。その品位の向上には、大手筋炭鉱方面におきましては選炭機の改善、あるいはその操作の熟練というようなこともございまするが、小さな炭鉱におきましては、たとえばスパイアラル選炭とかあるいは重液選炭というような、きわめてプリミテイーヴな方法によりまして品質を上げて行くということになりますと、勢い從來の生産がこの際五%程度は下るのが、今までの生産から見まして計算される数字でございます。さらにこの第三、四年期におきまして、各炭鉱におきましては戰争中及び戦後におきましても、極力増産にのみ拍車がかかつておつたわけでありまするが、この機会において貯炭がかなりできて参りましたので、久方ぶりに坑内の合理化をこの際やる。たとえて申しますると風洞の修理をもつとよくやる。あるいは採炭方式の合理的な改善をやる。それがためには掘進をもつと延ばさなければならぬというようなことで、かなり坑内の合理化をやりますがために、そこに生産が若干制約されて参るわけであります。特に私どもが遺憾に思つておるのでありまするが、電力が、特に産炭地として重要な九州、北海道におきまして、最近の渇水のために非常な不足を来しておりまするので、電力の配分のためにある程度まで採炭の方を、掘進その他に切りかえなければならぬというような事態を彼此勘案してみますると、約一割程度の生産の減少が見込まれて來るわけであります。そうなりますると、結局十月、十一月、十二月におきましての生産の見通しが、大体三百二十万トンから三百五十万トンくらいになるわけでございます。さてこの生産炭がこの秋口から冬に向つての需要にミートするかどうかということが、ただいまの御質問のように重大なる問題でございます。公團の四百数十万トンの貯炭のほかに、月々今後山に貯炭ができて來るということは、これは非常に大きな問題でございまするので、私どももこの点については重大関心を持つておるわけであります。一方有効需要の問題は、この上半期におきまするいろいろな事情によつて、こういうような貯炭ができて参りましたが、この貯炭ができて参りました理由については、本委員会の皆さん方も今までに十分おわかりになつておられるわけでございまするから、その点は省略いたしまして、私どものただいま考えておりまする有効需要の面といたしまして、大体におきまして秋口から冬に向つて、月に三百二十万トンから三百五十万トン程度の有効需要はあると考える次第でございます。またこれがために、ただ政府は野放図にしておるわけではございませんので、ただいま資源廳におきましてもいろいろ対策を講じておりまするが、結局石炭の、特に低品位炭の有効需要というものの喚起促進をはからなければならぬということで、成案を立てて実行に移す段取りにまでただいま進んでおりまするが、この点を特に私どもといたしましては押して、いやしくも炭鉱における貯炭が、これ以上いわゆる山元貯炭の増加を來さないように、万全の措置を講じたいと考えている次第でございます。何と申しましても、もう少し各需要家方面に今の金繰りの逼迫を緩和するというような措置、及びこの過渡期におきましての炭鉱及び版費業者への金融の問題が、先ほど來非常に眞劒にお話がかわされましたが、問題はここに帰着すると思います。またあとからお話があると思いますが、結局非常に重大なるときに、炭鉱をしてなるべく休廃止が起らないような万全な措置を講じたいと考えておりますが、ただいまの御質問に対するお答えは大体この程度にしておきます。なおあとでまた御質問にお答えいたしたいと思います。
○川上委員 ただいまの御答弁は一つもわけがわからぬ。万全の措置を講ずるというようなことを聞きたいのじやない。具体的にどうするかということを聞きたい。政府というものはいつでもそういう答弁をする。わけのわからぬことを言つてごまかす。第一にお聞きしたいことは、私は前の委員会において四千二百万トン計画が配炭公團の廃止に伴うて必ず下ると言つた。その他の條件によつても下る。そうすると生産計画がかわつて来るのだ。かわつて來れば石炭だけではない。ほかの全体の生産計画がかわる。こういうのでございます。商工大臣は明らかに声を大にして四千二百万トンは絶対に掘ると言つた。これは明らかに速記録を見たらわかる。ところが今の御答弁によるとこれから先は掘る。これはいつでも政府の答弁はでたらめだ。これでは委員会を何度開いても、どんなに会議を開いても話にならない。政府の言うことは初めからうそだと思つて聞かなければならぬ。こういう形になれば議会政治とか何とか言つてもだめだと思う。商工大臣が四千二百万トンは必ず掘るんだ、絶対にこれは動かせませんということと、今の御答弁とは非常に食い違いがあります。これは一体どういうことだ。商工大臣はうそを言つている。そのうちのどつちが正しいのか、これを第一に聞きたい。 第二の問題は今後は約一割下る、こう言われる。これをかりに下ると仮定いたしましたならば、九月末日を九月十五日に早めた理由の一つとして、七月ににわかに百万トンの貯炭がふえた。これが情勢の変化の唯一の理由なんだ。メモランダムの方は、これは絶対的なものではない。しかし情勢が変化したからといつて繰り上げた。その情勢変化の理由は、七月において百万トンの貯炭がにわかにふえた。これなんだ。ところが今後この貯炭の量が下つて来るならば一つも心配はない。なぜ十五日に繰上げなければならぬのか。中小炭鉱も反対しているし、労働階級も反対している。それを押し切つてなぜ九月十五日にきめるのか。生産が下つて來るのだからこの必要はなくなると思うが、どうなのか、これが第二の質問です。 第三の質問は、たとい生産が下るにしても貯炭を四百万トン以上すでに持つている。今の御答弁では四百五十万トンという御答弁でしたが、これを一年以内にさばく。ところがメモランダムには四月一日までに完全なる処分をせよということになつている。四月一日までにやらなければならぬということであれば、四月一日は動かぬはずである。ですからたとい一割の減産があつても、来年の四月一日までに五百万トン近い貯炭をさばかなければならぬ。ところが九月十五日に配炭公團を廃止したならば、山元の貯炭というものは絶対に解消することはできない。この点は一体どうなのか。今の御答弁では山元にはたくさん貯炭は出ないというような御答弁でしたが、どちらから考えてもますます山元貯炭ができることは確かである。この点どうお考えになるのか。 第四は有効需要を増すと言われましたが、これをどうしてやるのか。日本は今後は完全なるデフレの形に入つて行く。これはデイス・インフレでも何でもない。今の日本の状態がデイス・インフレだというのは政府が言うことであつて、あたり前の良心のある学者でしたら決してデイス・インフレとは言わない。りつぱにデフレーシヨンの傾向です。こういう状態においてどうして有効需要を増すか。今後半年や幾らの間でどう需要が増すとお考えになるか。それはどういう形でそうなるのか。これについてのお考えを四番目に聞きたい。以上まとめて御答弁をお願いしたい。
○田口説明員 まず第一点の四千二百万トン出るというふうにかつて大臣からお話があつたが、今は出ないという問題でありますが、これは明らかにこの上半期の生産状況から見て、四千二百万トンは出る見通しにあるという意味において申し上げたのだろうと思います。ただ私が今申しましたのは、第三・四半期の十月から十二月までの情勢を見て申し上げたのでありまして、四千二百万トンが出ないのだと申し上げたのではありません。要するにこの十月から十二月までの間は炭鉱界の一大轉換期でございまして、そういう意味において炭鉱においても、若干の坑内外の整備をいたさなければならぬ時期であると考えられるということを申しましたわけでございます。なお電力の問題については上半期の状況では豊水期でありましたが、最近では豊水の時期が異常に渇水期になつて参りましたために、事実上それを第三・四半期に背負い込んで影響をいたすということを申し上げたわけでございます。 なお第二の点についてはもう一ぺんあとでお伺いしたいと思います。御質問の趣旨がよくわからなかつたのでございます。結局山元の貯炭も今のような生産の見通しから言いますと、起らない見通しであるということを申しましたが、しからばいかなる方法によつてそういうような需要が起きて来るかという御質問のようでありますが、その点については從來公團においての配炭計画は、とかく重点産業への配炭計画でございましたので、一般の家庭用その他の暖房用という方面へは十分の配炭が行われなかつたわけでございます。それをこれから冬場に向つて一般の消費を促進させることによつて、計算的には二百万トンあるいは三百五十万トンというような数字が出て参ります。私どもはこれを今までのような配炭計画によつて等分化されているのを撤廃する。そうするとそこに潜在需要が起きて来るし、さらにそういう方面の消費の促進をやることによつて、三割程度の需要の増加を期待できるのではないかということで、ただいまこれが消費の促進対策を講じている次第でございます。 なお第二点の趣旨とただいまの答弁の不足の点について重ねて承りたいと思います。
○川上委員 第二点の質問は、配炭公團を急いで廃止するのは貯炭がどんどんふえたからだという説明だつた。ところが一方その貯炭は有効需要を増して解決するというお話です。それなら山元に貯炭がないくらいに、そういうように貯炭がはけるのならば、なぜ石炭が滞貨しているのだと称して配炭公團を急いで廃止しなければならぬのか。これが第二の質問です。
○田口説明員 私どもは貯炭ができるから配炭公團を廃止するんだというふうには考えておりません。要するに今までの不足統制——大体において生産の状況が良好になつて來て、石炭の需給関係が緩和して來たので、公團による統制方式は必要がないということを考えての公團の廃止を言つているのであります。従いまして公團の貯炭が激増したから、ただちに公團を廃止するというふうには私どもは考えておりません。
○川上委員 聞くたびに答弁が違うのですが、この前はそう答えた。政府は配炭公團に貯炭がたまつておることを口実にして配炭公園を廃止する、こうはつきり言うておる。だからこれにはやはり責任を持つてもらわなければ困ると思う。これは私一、二の問題ではなく、委員会の権威の問題、政府答弁の権威の問題です。あなたが前にここでそう言われたのじやないから、これ以上私は申し上げませんが、私は四百万トンも五百万トンも今滞貨があつて、しかも四月一日までにこれをさばかなければならぬ。また生産が下るという状態にあるのならば、もしも配炭公團の手持がふえるということが理由でないのならば、なぜ十五日に急いで配炭公團を廃止しなければならぬかということです。情勢の変化とは何かということです。問題は何を情勢の変化と言うておられるのか。このことなんです。これは先に情勢の変化によつて十五日に繰り上げたと言われる松井委員への答弁に対する再質問になるのですが、これを明らかにしてもらいたい。情勢の変化とは何だということです。
○中島説明員 ただいまの御答弁と私の前に申し上げたことの矛盾の点でありますが、私は必ずしも矛盾しないと思うのであります。一般論といたしまして配炭公團を廃止するのは、ただいま生産局長の申しました通りに、需給関係がこれほど緩和されればああいうふうな統制機関はいらない。こういうことは言えると思います。またそこから出て來ているわけでありますが、さていつ廃止するかという問題になりますと、現実の貯炭の増加の状況ということと、配炭公團の金繰りということからいたしまして、その点で状況が変化したということを言つても、その間に矛盾はないのではないかと私は考えるのであります。それからいま一点でございますが、その前提は別にいたしまして、かりに將來炭が減る、あるいは需要が増加するということであれば、公團を今さら廃止する必要もなかろうという点でありますが、この点につきましては需要を喚起するとか、あるいは合理化等の措置によつて生産が減る。こういう問題でありますけれども、公團が存続いたしまして生産された石炭を全量公團が買い取るという態勢があります限りは、炭鉱といたしましても合理化をした方がいいということであつても、できるだけ大量の炭を生産いたしまして、これを公團の方におつつけるということが有利でありますので、その点で合理化の見地からする生産の減ということは期待できないだろうと思うのであります。
○川上委員 政府の方で配炭公團を廃止すれば、中小炭鉱の山元には何と言われましても必ず貯炭が残る。これは残らぬと言われますが、事務当局なら腹の中ではわかつているはずだ。これがわかつておらなければ事務を担当する資格はないと私は思う。政治家ならそういうことを言うでありましようけれども、実際に事務を担当なさつておればどんなに言うてみたところで、月々百万トン以上残つているものを、配炭公團を廃止したらぱらつとあとがさばけるということは絶対にない。そうすると必ず中小炭鉱の山元には滞貨が積むのです。しかもこれをさばく態勢は一つもできておらない。こういう状態で十五日にぴしやつとこれを廃止するという。そうするとどうして合理化ができるか。中小炭鉱その他はどこの金で、どういう理由で合理化ができるか。合理化も何もできない。どんどんつぶれると思う。合理化しようと思うたら、相当の資金がいる。相当の資材がいる。経営がよくなければ、合理化できるものじやない。今日炭鉱の状態を見れば、二箇月間の賃金遅配になつておる。これほどの状態になつておりながら、しかもその上に公團を廃止して山元に貯炭の残る状態にして、どうして合理化ができるか。どういう関係で金融あるいは資材その他資本の蓄積ですか、こういうことができ得るか。この形を御説明願いたい。
○中島説明員 合理化いたしますと、結局その炭鉱といたしましては、その後におきまして相当收益率が高まるわけであります。從つてかりに資金がありませんでしたら、金融機関に融通の申込みをした場合におきまして、経営機関といたしまして將來の見通しがあれば、金は出すということになるのでありますが、第一の利点といたしましては、その合理化をする期間におきまして生産が増加しないという点が一つと、将来出炭能率が上るという利益がありますので、これに対しましては、金融機関といたしましても、資金を出しやすいという條件が備わると思うのであります。但しこれは一般の金融機関と炭鉱との相互の申合せだけにまかせないで、われわれといたしましても、そういう点の合理化をいたします炭鉱については、できるだけ資金のあつせんをするようなことを考えたいと思つております。
○川上委員 ますますもつてこれは答弁にならぬ。現在中小炭鉱に対して銀行が金を貸しますか。日銀が保証するなどと言つておりますが、行つて聞いてごらんなさい。一つも金を貸さない。先日もあなたの方の議員の岡野清豪君に会つて、君は銀行家だから一体金を貸すと思うか、貸さないかと思うかと聞いたら、絶対貸しはせぬ。わしは銀行家だからよく知つておる。合理化すればもうけになるから金を貸すなどというのは、これはとんでもない観念である。これは役人の言うことである。ごまかしである。こんなことをしておつたら、中小企業はつぶれてしまう。絶対金を貸しはしない。調べてごらんなさい。だから私はここで公聽会なりその他の意見を聞かなければだめだ。これは委員長も取上げてもらわなければ困る。こういう状態だから、実際の状態を聞かせなければだめだ。合理化どころの問題じやない。中小炭鉱はつぶれてしまう。そうしてその間に幾十万の労働者諸君は職を失う。これは重大事件です。これを合理化できるというような言葉でごまかしておられる。私の質問した要点には少しも触れておらぬ。実際合理化しますか。銀行は貸しますか。政府はあつせんすると言いますが、どういうあつせんをするか。政府はこの金融に対して保証しますか。このことを明らかにしてもらいたい。そうしなければこの金融はだめである。合理化はだめである。
○杉山説明員 先ほど申し上げました金融措置の裏についております政府側なり日銀のやつております内容を、もう少し細かく申し上げてみたいと思います。先ほど申し上げましたように、生産業者と版賣業者との間の決済は当然商業手形による。その裏についております日銀はどういう優遇措置をとるかと申しますと、商業手形の場合は資格に合うものは再割をやる。すなわち再割適格の扱いをする。また適格担保にとる。それから公團証明手形につきましては、これも資格のあるものは適格担保にとる、こういうような措置をとりまして、極力金融機関の手元を楽にするようにいたすわけであります。それから從來までの金融状況を見ておりましても、たとえば未拂いをどう整理するかというような問題でも、炭鉱の運轉資材の未拂いにつきましては、当初五社について十八億八千万円の融資ができまして、その後数か非常にふえて参りまして、その金額も二十五億を越えております。それから炭住以外の一般設備につきましても、未拂いの金につきましては先般來日本銀行の市中操作によつて、金融機関に相当の金を流しまして、すでに三億五千万程度できております。これもだんだん金額が増すような状況にございます。それでとにかく今後の推移によりましては相当金融が桑になるという点は、私はある程度言い得るのじやないか。結局その炭がどの程度賣れるか、賣れないかというようなことが問題でございまして、これは一体滞貨がどういうふうになつて來るかというようなことにかかりますが、今田口さんから説明されたように、需要の方はいろいろ有効需要を刺戟する。生産全体は下る方に持つて行くというようなことであれば、私は今後の金融としては、今までよりは比較的にはよくなつて來るというふうに考えております。
○川上委員 もつと具体的に考えなければいかぬ。中小炭鉱の山元には、廃止と同時に炭がたまる。つまり自賣体制は整つておらぬ。今月今日一つも賣るようなルートには乗つておらぬ。そうして労働者の賃金は二箇月もたまつてしもうておる。そうして公團はこれを買い上げない。かつてに賣れと言う。そういう状態において中小炭鉱は二箇月も不拂いをした労働者をかかえ込んで、山元には貯炭をかかえ込んで四月一日までに五百万トンの炭をどんどん出すということになれば、必ず炭質が暴落することは明らかである。こういう状態で山をかかえておる中小企業が銀行に行つて、私はこれから合理化をやりますから金を貸してくださいと言つたら、銀行は金を貸しますか。私はこのことを聞いておるのです。こんなところに貸す銀行がありますか。これに対して日銀は何ぼ補償するのですか。現在日銀にがんがん言つたつて、いつも中小企業に金を貸さぬじやないか。これを聞いておるのです。いやそうじやありません、こういうわけで貸しますということを聞きたい。國家がいろいろやるというようなことを聞いておりますが、これに対して補償するかどうかということを聞きたい。あるいは日銀が補償するならば同割補償するか。貸し得ないで貸せると言つてみたところで、絶対に日銀は市中銀行に対して命令する権利はないのです。これは補償が伴わなければ、もうけがないものは一厘だつて貸しはしない。今日この金詰まりの世の中にそんな危險な中小炭鉱に貸せる金がありますか。金を貸せますか。大きなところさえデフレ傾向で金がまわらぬじやありませんか。そういう時代に企業の合理化をするからと言つて、つぶれかかつた中小炭鉱に金を貸すと銀行の方はおつしやるのです。金融はつくとおつしやるが、絶対つかない。これがつくということを納得行くように話してもらいたい。そうでなければ、いくらつくつくと言われてもつきはしない。われわれから見たら絶対つかない。これはやはり納得行かなければだめだ。納得行くように話しておいても、すぐに一月たてばまたほかのことを言うから当てにならぬ。しかしこれは明らかにしておかなくてはならない。速記録にはちやんとはつきりとどめておかなければならぬ。これはわれわれ商工委員の責任なんだ。これを具体的にひとつ答弁してもらいたい。
○杉山説明員 まず御質問にお答えする前に、現在の配炭公團がなぜ非常に金が詰まつて來たか、それが今後公團がなくなつたあとはどういうふうになるかという点をちよつと申し上げたいと思います。これは御承知のように配炭公團法の中に、公團は復興金融金庫以外からは借入れができないという規定がございます。ところが復興金融金庫は、御承知の通り本年度よりは積極的な業務は非常に減少して参りまして、大体回収及び管理の強化の方に専念いたして参るということになつたわけでございます。ところが從來は、今年の三月までは配炭公團が認証手形を決済いたしますときに、金がなければそのときどきに復金から借りまして、そうして認証手形を落すということができたのでございますが、四月以降はこの行為がとまつてしまつたわけでございます。そこで公團は認証手形を落すためには、何とかして回收を強化して自分の賣つた炭の代金をとつて公團に認証手形を拂うというほか手がなくなりまして、從いまして私どもとしましては、むしろ炭を公團から買つた需要者側に対して極力融資あつせんをいたしまして、そうして認手を落すというふうにして参つたわけでございます。それで最近この六、七、八の状況を見ておりますと、滞貨はたまつて行く。しかしできた炭は全部買わなければいけない。六十日たつて公團が拂おうと思つてもなかなか拂えない。この状況は九月の初旬になりますと、現在よりもさらに苦しくなつて参りまして、金繰りが非常につきにくい状態になりつつあるのであります。それでもし公團認証手形がうまく落ちないということになれば、かりに配炭公團は十五日まで買取りをやるというふうにきめておつても、実際問題としてその以前にずれてしまう危険もあるわけであります。私どもとしては、公團がある間は認証手形が割れるというふうに極力いたしたい。それで現在四苦八苦いたしておるわけであります。そこで公團がなくなればどうかと申しますれば、結局その炭がどの程度に賣れるかどうかということにかかつて来るわけでございまして、かりに炭が出て来ても、それが賣れなければおのずからこの手形の割引の方が思うように行かない。從つて何とか需給が極力バランスし、しかも公團の持つておる滞貨につきましては、國にあまり損がかからないように滞貨を処分してもらうということが必要になつて來るというふうに感じておるわけであります。それで先ほど御質問の中小炭鉱の合理化のために必要な金がすぐ出るかどうかという点でありますが、現在でも大炭鉱についてはある程度の融資ができております。それから中小炭鉱については、結局今後の見通しが好轉すれば、私はその時期からつくことが可能になると思つております。それでもちろん合理化がある程度進まなければ金の方もつきにくい点もございますけれども、見通しが好轉すれば、それだけ現在よりはよくなる可能性がある、こういうふうに思つております。
○川上委員 まことにけつこうです。好轉すればむろん日本中助かります。好轉しないことが明らかだから、どうするかということを聞いておるのです。好轉せぬことは明らかだ。好轉をする、用意も何も一つも説明しておらぬ。また客観的にここで少しも好轉する理由がない。しかも今の御答弁によれば、公團の認証手形を十分に生かすためには、貯炭をほかに影響しないように、赤字にしないように、損が出ないようにしなければならぬ。そうすればますます中小炭鉱の山元には貯炭がたまる。この四百万トンの石炭を思い切つて処分してしまえば多少は総和するかもしれぬ。これを一方では損をしないようにし、そうして山元には少しでも残らぬようにやると言つても、現在百万トンも残つておる。このことを前提にして、どうしてこれは中小炭鉱が助かるような形ができるか、できそうにない。そこで私は具体的に聞きますが、中小炭鉱はこれはつぶれると思うのですか。つぶれないとお思いになりますか。また打撃を受けないとお思いになりますか。またこういう形で中小炭鉱の企業の合理化ができるとお思いになりますか。日銀が補償するということ、これも具体的に聞いたが答弁がない。何ぼどう補償するか。たとえば八割までは損失が行つたら日銀が引取るか。あるいは政府は補償するつもりか補償しないつもりか。このことを明らかにしなければ、この問題はいつまで行つても解決しない。ことに廣川幹事長は本日炭労の労働者諸君に対して、配炭公團を廃止したあとは必ず困るのだ、そこで清算機関が残る、だから清算機関で何とかして買い取る方法はないだろうかと極力研究しておる。まことに心配しております。政府はきよとんとした顔をしておる。政府の與党の幹事長がとてもやれそうにないと言つておる。政府はやれるやれるとここでうそを言うに違いない。これは民主自由党の廣川さんはなかなかいろいろなことを言うけれども、私はこのことだけはほんとうを考えておると思う。これは事実なんだ。今いいくらいな答弁をしないで、中小企業が一体つぶれると思うかどうかということをはつきり聞いておきたい。そうせぬとわれわれは納得することはできない。配炭公團を廃止してよろしい、十五日に廃止してよろしい、客観的條件が違つたから廃止してよろしいという結論が出て來ない。これをはつきり聞かなければ廃止することはならぬ。今はこの準備をしなさいという結論を立てなくてはならぬ。これをひとつ御答弁願いたい。
○田口説明員 またお答え申し上げますと、でたらめを言う、信用ならぬというようなおしかりを受けるかと思いますが、一應生産部門として考えておりますることをこの際率直に申し上げたいと思います。中小炭鉱と仰せられますが、私どもは中小炭鉱というふうに特別に考えてはおりません。ただ現在における企業の経営がきわめて貧弱にして、こういうような情勢の場合に休廃止をするおそれが多分にあるというように考えられるような炭鉱も一應調査をしております。しかしこの調査も非常にむずかしいフアクターでございまして、はたしてどういうふうになるかは、結局先ほど來川上委員からるるお話がありましたように、当面の金融の問題をどういうふうにつけるか、またそういうような炭鉱に対して、金融の方面について政府の補償がつくかどうかというような端的な御質問があつたわけでありまするが、その問題が結局根本になるかと思います。私どもはここに当面の問題としては、なるほど金の問題が重要な問題であることは、むろんこれは肯定しておるわけであります。しかし炭鉱の問題はひとり金だけの問題ではなく、ちよつと適当な例ではありませんが、たとえば自分の子供が金使いが荒いというようなときに、ここに二箇月なり三箇月なりの小遣銭をやりましても、またそれが金を使つてしまうと、やかましく親に泣きつくというようなことがあるかと思います。そういうような場合、結局なぜその子供が金を使わなければならぬのかという根本をこの際訂正し、指導してやらなければならぬと思います。そういうような面から金はもちろん第一義的な問題でありますが、私どもとしてはまずこの根本を直して行かなければならぬ。たとえば中小炭鉱でも從來、公團のある間は、たといどういうような炭であつても、とにかく公團の取扱う品位に合格するものなら、何トン公團に持ち込んでもこれを買い上げてくれたわけであります。公團がなくなりますと、結局需要家相手の問題でありますから、結局問題は品質の問題、それから経営の方法の問題ということに大略すればなるかと思います。そこで品質の問題でありますが、これはどうしても神様でない限り公團が受取つてくれる間は、品質について無関心であることは当然だろうと思う。しかし今度は銘柄を貴び、やはりいいものなら買うという態勢になるから、小さな炭鉱、またはそういう非常に左前の炭鉱でも、この際品質を上げるということにもう一段の努力をすれば、品質を上げることは決して不可能だとは私は考えておりません。最近政府の方から現地に派遣いたしまして、小さな炭鉱で非常に品位の悪いような炭鉱に選炭技術の指導をさせておりますが、その実例を見ますと、宇部の小野田の炭鉱でございますが、從來これは小さな炭鉱でありまして、三千八百カロリーの非常に品位の悪い石炭を出しておりましたが、選炭技術改善の指導班が参りまして、二十日ばかりいろいろ研究した結果、五千カロリーにまでなつたという実例もあり、何と申しましてもこの際品位を上げるということによつて、需要家の方にいい炭を提供するということに、各炭鉱も頭を切りかえていただきたいというふうに考えております。なお経営の方式においても、たしかに数多い炭鉱の中には、今までの石炭不足の波に乗つたと申しますか、それによつて非常に経営の方法において拙劣な方法をとつておつた。またそのやつております炭鉱の埋蔵量も、ほとんど残炭掘りであつて、もう一箇年かそこらでなくなるということを承知の上でやつておつたという山もありまして、こういう山については各現地の石炭局において着手を許可いたしましたときに、ここをやるということはなかなか政府としてもむりではないかというようなことを申しましても、いやもう資材やその他についても自費でやるのであるから、ただ許可だけしてくれということで出された山も一両年前から多いのであります。ただ私どもはそういう山においてもこの際何とか経営の合理化、能率の増進をはかることによつて休廃止を掘れるような指導なり、いろいろの御援助を申し上げておる次第であります。さてしからばどの程度炭鉱が、今後公團の廃止のあとに休廃止になるかということについて——前回の委員会のときにやはり十五万人というようなお話がございましたが、私どもはあくまでも先ほど來お話いたしましたように、今日この危急を打開するために、金融の措置をまず立ててやるということは大切でありますが、まずよつて來るそういうような経営のまずい炭鉱を、この際直してやるということによつて、休廃止の炭鉱をなるべく少くしようというように考えておるわけであります。さてどのくらい今度つぶれるかというような御質問でありますが、これはただちにこれがつぶれるとは申せません。ただこういう危險があるから、そういうものには特に注意をしていろいろ指導しなければならぬというような炭鉱が、全体の出炭量で申しますと約六・七%、それから労務着の数にいたしますと約三万人程度でございます。私はこれがただちに今後公團の廃止とともに休廃止になるかと申しますと、私どもは何とかして、これは山がせつかくこの中で良質炭を出しておる、また良質炭を出すようになり得る山、また経営合理化などによつて改善される山、そういうものをできるだけこの際落ちないようにしたいと思つておりますが、一應九州、北海道で五千カロリー以下を出すような山それから常磐においては四手五百カロリー以下を出すようなもの、宇部においては四千カロリー以下の石炭を出すような山について、特に赤字補給金をトン当り千五百円以上もらつておるような山で、いろいろな面から埋蔵量あるいは経営の状況から見て危いような山をピツク・アツプいたしますと、今申し上げたような数字になるわけであります。もちろん数多い炭鉱のことでございますから、今日予断は許されないのであります。ただ今ただちにどのぐらいがそういう危險にあるかということを研究してみますと、そういう数字が出て参りますが、私どもはそれについてはいろいろな技術的な指導、あるいは経営の合理化についてのできるだけの御援助を申し上げておるわけでありまして、從つて先ほど來お話がありましたような当面の金融の措置をどうするか、この金融の措置と今のような技術指導、経営の合理化指導というものが、パラレルに各現地の炭鉱に施行されなければ、なかなか今日のこの危機は切り抜けられないのではないかということをおそれておるわけであります。
○川上委員 それではきようの私の質問は以上で打ち切ることにいたします。なお質問が残つておりますから、これは留保いたしておきます。
○神田委員長代理 本日はこの程度にとどめ、明三十日は午前十時より理事会、午前十時半より委員会を開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十二分散会