商工委員会 第28号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/08/10
会議録
○神田委員長代理 これより商工委員会を開きます。 前回に引続き私が委員長の職務を行います。まず委員の異動について御報告申し上げておきます。本日松尾トシ子君、及び聽濤克巳君が委員を辞任せられ、新たに松井政吉君、田代文久君が委員となられました。以上御報告いたしておきます。 本日の日程は中小企業に関する件、貿易に関する件、石炭に関する件、及び閉会中審査事件の処理等に関する件でありまするが、まず石炭に関する件を議題として調査を進めます。これより質疑を継続いたします。
○小金委員 先般この委員会を開きまして、石炭の需給の状況を一應伺つたのでありますが、その後出炭状況はどうなつておるか。その一應の御説明、並びに貯炭状況、需要の傾向等をひとつ御説明願いたいと思います。
○田口説明員 石炭の生産状況は四月から7月まですでに四箇月を経過いたしたわけでありますが、この四月から七月までの生産実績を申し上げますると、四月におきましては計画が三百二十七万八千六百トンでありましたのが、実績が三百二十七万五千二百四十五トン、遂行率が九九・八%、五月におきましては、計画が三百二十九万七千トンに対しまして、実績が二百六十八万六千四百トン、遂行率が八一・五%を示しております。この五月におきましては、すでに御承知の通りこの第一・四半期の賃金問題に対しまして、ストライキが地域的に行われましたためにこういう減産をたどつたわけであります。次に六月でありますが、六月は計画三百三十三万四千四百トンに対しまして実績が三百二十七万四千四百トン、九八・二%の遂行率を示したわけであります。次に第二・四半期の七月の実績でございまするが、七月の実績は計画三百十三万二千百トンに対しまして、三百二十八万千百トン、一〇五%で、本年に入りまして、この七月をもつて初めて計画が逹成され、しかも五%のオーバーをしたわけであります。さらに八月に入りまして、上旬の状況は大体におきましてただいま——これは速報でまだ確報ではございませんが、全國で一〇二%程度の遂行率を示しております。かくのごとく本年度の過去の四箇月におきまして、五月においてストライキのために八〇%台でありましたけれども、その他の四月、六月におきましては九十数パーセントの遂行率を示しております。ことに七月になりまして一〇五%、こういうように良成績を示しておるわけであります。この状況から見まして八月、九月の見通しでございますが、八月、九月の見通しにつきましてただいま最も懸念にたえない点は電力問題でございまして、八月、九月の計画におきましては五月のストライキの数十万トンの減産をカバーすべく、努力目標を計上しておりますが、この努力目標の裏づけとなる電力は、現在のところ考えられないような状況にあります。從いまして既定の計画だけは逹成できると思いますが、電力問題で八月、九月は一〇〇%を上まわるオーバーは期待薄の現状であります。大体生産状況につきまして以上申し上げまして、あとはただいまの御質問の需給関係から見ました消費の問題になるかと思いますが、この点につきましては管理局長の方からお話があろうと存じます。
○中島説明員 七月二十日までの貯炭の集計が今出ておりますが、これを六月末と比較いたしてみますと、六月末に港頭、市場におきまして二百三十二万トンの貯炭がありましたが、七月二十日におきましては両方合計いたしまして、二百七十八万トン、結局四十六万トンだけふえておるわけであります。六月中におきましては前月に比べて五十万トンの貯炭増がありましたのに対しまして、二十日で四十五万トンふえておるということは、月末においては約六十万トンくらいになるという予想が立てられるわけであります。從つて七月におきましては非常に需給状況が一應悪化しておるということは申し上げられると思います。それからその各炭種別の内容を見ますと、原料炭、発生炉炭、一般炭、いずれも前旬に比べて増加しておりまして、一番問題の原料炭について見ましても、港頭、市場を合せまして、原料炭が約二十万トン、発生炉炭が十万トン、合計三十万トンであります。これは先月末の統計におきましては二十五万トンであります。從つて二十日間に五万トンふえておる状況であります。一般炭につきましてももちろんふえておりますが、現在一般炭の貯炭は、市場におきまして百二十七万トン、港頭におきまして五十一万トン、合計百七十万トンほどの貯炭がございます。一般炭の中で、上級炭、中級炭が比較的逼迫しているわけであります。港頭の方はこの内容がはつきりしておりませんが、大体港頭の方面におきまして、上級炭及び中級炭、下級炭の比率は大差ないと考えられておりますが、その内容を見ますると、やはり上級炭が増加しております。上級炭及び中級炭は合計におきまして、一般炭では上級炭が六十八万トン、中級炭が九万四千トンという数字になつております。下級炭が合計四十五万四千トン、その他低品位炭、微粉炭等がございますが、そういうような形になつております。いずれも前句に比べて若干の増加になつておりますことは、あらゆる炭種を通じて相当引取りが悪い。八月の十六日から先般申し上げましたように、販賣業者制度が発足いたす予定になつておりますが、その前におきまして公團が直賣する機会におきましても、從來やつておりましたような賣掛金の未拂い工場に対する石炭の配給停止を一時解除するという方向につきまして、いろいろ折衝いたしておりましたが、なかなか細部的な点につきまして希望通りの案がまとまりませんので、はたして十五日までにそれがやれるかどうか今のところ明瞭でございません。と申しますのは、公團に対する債務の確認方法ないしこれの返済方法につきまして、相当むずかしい條件を要求される結果、はたして一般の債務者ないしは需要家がそういう條件をのんで買収に應ずるかということについて、疑問があるのであります。なおその点についての折衝を続けておりますが、もしこれができましたら、公團の債権と石炭の配給というものと直結をさせるところの配給方法が緩和されますので、この点から多少需要面も開拓されると思つておりましたが、その方面の期待がはずれました結果、全般的に各品種を通じまして貯炭が増加しておるような状況になつております。十六日以降の見通しについては、今のところ何とも申し上げかねますが、販賣業者が全面的にうまくスタートをいたしますと、そこにおのずから新しい需要分野も開拓されますので、その点から多少貯炭の増加も防ぎ得るのではないかと期待しております。ただ他面におきまして販賣業者の販賣機構そのものの準備が若干遅れておるようにも見られますので、おそらく今月一ぱいくらいは公團の販賣と販賣業者を通ずる販賣が並行して行くのじやないか。そういう意味におきまして、初めに期待されておりました通りに八月中に販賣業者を通じてどんどん石炭が消化されるということは、それほど大きな期待は持てないのじやないか、こういうふうに私どもは考えております。
○小金委員 ただいまの説明で、大体の需給状況はわかりましたが、相当石炭に余裕が出て來た。ここでもはや配炭の公團の余命と申しますか、存続の理由が一應解消したということに承知するのでありますが、その移りかわりの処置として、今一部だけ説明を願つたのでありますが、そのほかにあるいは資金その他の関係、あるいはこれで統制がはずれて自由競争になると、始末をする炭鉱も出て來るだろうと思いますが、それらに対する政府のお考えを伺いたいと思います。
○中島説明員 公團の廃止前後における一般的な金融問題については、現在私どもの最も頭を悩ましている点でございますが、これには公團自体に対する金融問題と、近く発足する販賣業者に対する金融問題、さらに公團の買取りの対象となつている生産業者に対する金融問題、これらのものはいずれも相交錯するわけであります。全体といたしまして、配炭公團の廃止に伴つて一時的に所要せられると考えられる資金の総額は、これは計算の方法によつていろいろ考え方がございますが、二百五十億ないし三百億というふうに一應考えられるわけであります。その点でダブつた点もございますが、大体そのくらいの金額が必要であろうというふうにわれわれは考えたわけであります。それの出し方についてはこれは方法がいろいろございまして、生産業者、公團ないし販賣業者は、いずれも一連の関連を持つた存在でありますから、そのうちのどれに資金をつけるかによつて、他の面は多少緩和できるというふうな考えを持つております。從つてその方法をいかにするかについていろいろ案を持ちまして、政府部内ないし関係方面と折衝をいたしておりますが、いずれにしてもただいまのところはつきりした見通しがつきませんので、公團切りかえによつて生ずる金融上の混乱を防止するために、できるだけの措置はしなければならぬということについては、各方面とも意見が一致しているわけであります。ただその資金の出し方ないしその財源等についてどの方法が一番いいか、また出す條件等についていろいろ意見の相違もございますが、現在のところはつきりした結論を得るまでに至つておりません。それから最後には公團における損失が問題になるわけでありますが、これも結局においてはどこかにおいてみなければならぬことになりますので、その損失の処理方法、それに至りますまでの中間的な資金繰りの方法、こういうものについて、今各担当部局において頭をひねつているわけであります。いずれ販賣業者のスタートも近くなりましたし、公團廃止の時期もそう遠くないということになりますれば、その問題については至急解決のめどをつけなければならぬので、その点について一層の努力をいたしたいと思つております。
○小金委員 ただいまの御説明では、八月十五日から統制が一應はずれると申しますが、これが廃止されて、しかもそれが十分な組織が完備しないので、並行して行われるというふうなお話でしたが、これはどういう意味で、どういう結果をもたらすものでしようか。
○中島説明員 並行してやると申し上げましたのは、販賣業者が公團が買い取つた炭を全部引受けてくれればいいのでありますが、かりに全部を引受けても、現状の需給状況が続くようであれば、そこに貯炭が残る。その貯炭を販賣業者が自分で抱いている資力がなければ、当然賣れる炭だけしか買わぬということになるだろうと思います。從つて公團の買つた炭が全部はけるとはもちろん考えられませんし、また実際に賣れる炭でも、販賣業者の準備が整わない場合においては、一時やはり公團の販賣を継続することもやむを得ないかと思つております。そういう意味において販賣業者の態勢が整うまでは、希望のない炭は公團が直賣を続けることもやむを得ない措置ではないかと思います。そういうふうなことを考えております。
○小金委員 そういう状況が続く期間は自然に放任するのですか。あるいはまた九月一ぱいで終わりだとかいうような目途をつけておやりになるおつもりですか。
○中島説明員 大体今月一ぱい、つまり九月には入りますればそういう状態は解決するのではないかと思います。
○小金委員 もしそういう状態が解消しなかつたらどうされるのですか。また必ず今月一ぱいに年月の余裕の間においてそういう事態を解消せしめるという行政方針をとられるという意味ですか。
○中島説明員 販賣業者の方いずれにいたしましても、できるだけ早く自賣態勢をとりたいという熾烈な希望でありますので、こちらから特に早く引上げる措置をいたしませんでも、それだけの意欲は十分あるわけであります。ただこれに対しまして資金関係があると思いますが、これは非常に全般的な関係で、いずれ片づく問題でありまして、大体見通しといたしましてはこのまま推移いたしましても、八月一ぱいには大体販賣業者が自分で買つて出るのではないかと思つております。
○小金委員 それで石炭には御案内の通りいろいろな品質がありまして、むやみに火力の強い炭ばかりが利用されるのではなくて、またくせのある炭はある用途には向かないというようなことで、カロリーの高いものから低いもの、またおのおの長いとか短いとかいろいろな特徴がありまして、それぞれの用途があるはずであります。しかるにこれを公團を通さないで自由販賣という形になりますと、一時取引という方面において混乱のようなものが生ずるおそれはないか、こういうような点について政府はどういうようなお考えを持つておられますか。
○中島説明員 特殊の炭につきましてはただいまお話の通り、一定の品質を持つた炭でなければ使えないというようなこともございますが、大体この問題は現状からいたしましては原料炭、発生炉炭の一部をそういうふうに押えればよいのではないか。それ以外の一般炭につきましては、これにもちろんカロリーとか、火足の長さ等の相違はありましようけれども、どうしてもこの炭でなければたけないというような燃料炭はあまりないのではないか。從つて大体現在のところにおきましては原料炭、発生炉炭の一部をそういう趣旨において統制すれば、他の一般炭は現在の貯炭の状況から申しましても、また今後こういうふうな状況が続きますと次第に品質も上つて参りますので、そういう趣旨からいたしましても大体解決されるのではないかというふうに考えております。
○小金委員 問題は原料炭、発生炉炭に相当重点を置いて考えなければならぬと思うのでありますが、製鉄用の炭として一体どれくらいの輸入をされる予定ですか。輸入炭の量を一應御説明願います。
○中島説明員 本年度の輸入炭の総額は、全部で無煙炭等を含めて百六十万トンと予想されておりますが、そのうち製鉄原料炭が百二十万トンございます。これに今後との程度実際に輸入されるかということにつきましては、若干これは減るのではないかという予想を持つておりますが、製鉄用の輸入原料炭の使用につきまして、先般これを全体の四分の一にするという方針が確定されまして、できるだけ國内生産炭及びそのカーバイト等をもつて輸入炭にかえるという方針になりましたので、その意味におきましてこの百二十万トンは若干減る見込みはあると思います。
○小金委員 輸入炭が合計百六十万トン、そのうち製鉄用炭には百二十万トンを大体予定しているということですが、その反面日本から外國に出て行く炭をどの程度に、また品質的に見ればどういうような炭をお出しになるご計画になつておりますか。
○中島説明員 輸出用の炭は平均カロリーが六千カロリー前後のものを出しております。主としてこれは九州炭でありますが、数量は毎月十二、三万トンずつ朝鮮、香港方面、フィリピンにも出しておりますが、そのうちの大部分は朝鮮でありまして、朝鮮に八、九万トン輸出しておりましたものが、向うのドル資金の関係でここ一、二箇月はとまつております。從つて大体最近における実績は毎月三、四万トンという程度でありまして、本年度全体でこれが何十万トン輸出できるかどうかということは、今のところちよつと予想がつきません。
○小金委員 御案内の通り石炭は品質とか、いろいろ炎が長いとか短いとか、熱量が多いとか少いとか、灰分の関係とか、硫黄分の量とかいうことでいろいろなくせがあり、それぞれまた用途があると思いますが、ここで問題になるのは今まで需給関係がやや逼迫していたので、いろいろな炭がいろいろ適当でない用途にも使われておつた。しかし適炭を適当な用途に使うように、ひとつ行政上仕向ける必要があると思いますが、これらの操作はなさる見込みでありますか。
○中島説明員 石炭の使用の管理につきましては、自然別個の見地からこの熱管理の指導をやつておりまして、從來まではもちろん石炭の使用の節約及び経営の合理化という趣旨から、詳細な熱管理の指導をやつておりましたが、今後はもちろんこの運動は続けるとともに、さらに下級炭適当な需要面を開拓するという趣旨におきまして、使用方面の指導と調査研究を続けるというこを一應方針といたしまして、ただいま資源廰内部においてその方法をつけるためにいろいろ研究をいたしております。まだはつきり具体化するところまでは参つておりませんが、その一例としては、たとえばガス用炭にもつと原料炭の中でもそれほど質のよくないものを使わせる、あるいはセメント用に対してはカロリーのできるだけ高いものをつけるというようなことをやつておりまして、それ以外の分野についても多少そういう方法を改善することによりまして從來以上の数量が、しかも品質も必ずしもよくないものが使えるのではないかという予想を持つております。
○小金委員 これは十分御承知だと思いますが、石炭は必要があるからといつて急に増産はできません。そこで多少品質が劣り、カロリーの少ない炭でありましても、これまでの成績をあげて來たのは政府も業者も相当犠牲を拂つた結果であると思います。そこでただいま両局長の御説明を聞いてみると、需給のバランスは、むしろ貯炭が相当ふえ、配炭公團もそのために一應の職務を果したというように私は了承するのであります。しかしながら石炭は一朝にしてなかなか急に掘り出せるものではない。炭鉱の閉鎖はあるいはその資源をほとんど永久的に埋没するおそれのある場合さえ私はあると思うのであります。そこで比較的熱量の低い炭とか、また小炭鉱として発足したよう仏炭鉱は、石炭の今の需給のバランスから見てもはや用済みだというようなことで、不用意に壊滅状態に陥れるようなことは、政治上、行政上非常に考えなければならぬことでありますが、これらの点について御用意がありますかどうか。またどういうようなお考えでおられるのか。また確たる御方針がきまつておらなければそれでもけつこうでありますが、一應のお考えをひとつ政務次官からお願いいたしたいと思います。
○宮幡説明員 小金委員のお尋ねは、石炭工業及び石炭を基礎資材といたします全産業に対します高邁なる御配慮でありまして、その点につきましては心から敬意を表する次第であります。お説のように、ただいま一應時間的な需給バランスがとれた状態になつたり、あるいは過渡的に見ますと、生産が伴う状況にあるように考えられる場合もございまするが、日本の將來等を見通しますと、四千二百万トンを遂行いたしましたことによつては、われわれの期待いたしまする早期の経済の樹立、あるいは早期の國際経済への参加というような目的を逹成するにはふさわしくないと考えております。そこでどうしてもより以上の石炭の有効需要を喚起するとともに、少くとも現在より縮小生産に陥らないということは、政府の方針として断固とらねばならないと考えております。しかしてその方針の具体化でありますが、小金委員のお言葉の中にもございましたように、ただいまただちにかような具体策を持つておるという表明ができます段階にまで運んでおりませんが、怠らず、ことに中小炭鉱と申しましようか、あるいは言葉が悪いかもしれませんが、弱小炭鉱等に今回の措置によつて痛烈なる打撃を與えないように、そうして優良炭鉱、中小炭鉱も相携えまして、日本産業の進展のために御努力、御協力願い得る体系をぜひ発見いたしたい、かように考えまして担当省とも打合せ、関係筋とも交渉を進めて、ただいま立案中でありまして、あるいは近くまたお聞きいただきまする当委員会、あるいはその次の機会等におきまして、ぜひ政府の構想もお聞きを願いまして、御批判、御指導をいただきたいような事情でございます。何とぞこの点で御了承をいただきたいと思います。
○小金委員 なおひとつ石炭関連産業につきまして、一言お尋ねいたしたいのでありますが、炭鉱の中心産業中、特に機械類等の設備管理関係について、未拂い金が相当あるやに承知いたしておりますが、先般大手筋の炭鉱——たしか五社だと思いますが、それに対して、またさらに十九社に拡大されたというふうに承知いたしておりますが、相当の金額が融通せられたように承知しております。これは運轉資金として融通した関係上、坑木、火藥等の未拂い金支拂い等に充当せられておりまして、設備関係へは何らその支拂いの運轉がまわつて行かないというふうに私は了解いたしております。見返り資金をこの方に何とか配分する計画が決定しますれば、当然機械類その他の設備関係の未拂い金にも及ぶこととなるのでありましようが、これも二十四年度、すなわち今年度以降に限定せられると、二十三年度までの分が未拂い資金として相当たまつてしまうのではないか。これがもしたな上げされるような危險があるというふうに考えられると、どうもその点が少し機械工業その他に及ぼすおそれはないか。業界は極度にその点について不安にかられておるような筋合いだと私は推測するのであります。これらについて政府はどういうふうなお考えでありましようか。また今考慮せられつつある方針でもけつこうでありますが、承れれば仕合せだと思います。
○宮幡説明員 重ね重ね深甚なる御配慮を賜りまして、まことにありがたい次第だと思います。お説のように石炭鉱業に対しまする資金の供給、これは單に未拂い金の決済とか、あるいは一時的な運轉資金という差迫つた面のみではなく、石炭の生産をおおむね四千二百万トン以上の線に確保したいというためには、御承知のように明年度の企業費の補充が第一位であります。同時に二十三年度以來わたつて参りましたところの未拂い金等の決済も、これと相関連しなければならないわけであります。この資金の供給については毎度出て参りまするが、エイド資金ということが政府でも考えられておりますし、また業者も相当の期待をせられておるように承つておりますので、これを解決いたすべくただいまそれぞれ交渉中でありますが、ただいま計画に載つておりますのは石炭業者か各山々の御希望を率直にお伺いいたしましたものであります。大体の数字を申し上げますと、二百八十四億程度の資金がほしい、こういう御要求であります。この総計表につきましては後刻資料としてお手元に配付するつもりでありますが、そのうちどうしても政府の手配によりまして少くとも見返り資金等の運用によりまして供給しなければならないというものが百四十八億程度であります。その他のものは自己資金と申しまするか、みずからのあるいは増資せられる可能の方もありましようし、社債によつて調達する面もありましようし、いろいろな意味におきましてその他の部分は大体自己において調逹される。どうしても政府の手配においてごあつせん申し上げなければならないという限度が、百四十八億程度になつております。ただいまこの案に基きまして率直果敢に交渉中でありまして、ぜひ成果を得られますように、委員会の御協力をいただきたいと思う次第であります。
○小金委員 私がここでくだくだしく申すまでもなく、地下資源の開発ということはなかなか危險も伴うし、また金もかかる。そうしてこれを運営する人も、また從業する労働者諸君も容易ならぬ一つの大きな問題であります。それだけに國の根幹としてわれわれ國民は十分たよりに思うし、また監視しなければならぬ立場にあります。こういう重大な石炭産業、これの興廃いかんに平和日本の國力がかかつておるのであります。ただ比較的貯炭がふえて始末に困るからというので、これを荒廃に帰せしめ、またほつたらかすというようなことでは、労資ともに重大なる損害を受けることになる。しかもこれをさらに増産とかその他の対策を立てようと思つても、なかなか一朝一夕にはできるものではない。こういう本質にかんがみまして、私は政府御当局のこの問題に対する深甚なる御考慮と実行力をを期待するものでありまして、一應私の質問はこれにて打切ります。
○今澄委員 今の小金委員の質問で大体政府の考えておるいろいろの問題についての概要はわかりました。そこで私は最初宮幡政務次官にお伺いをしたいのでありまするが、大体法律の改廃並びに一國の石炭行政の轉換というようなものは、一つの見通しと大きな基本的な考え方の上に立つておらなければならぬと思います。基本的なものの考え方が今の政府と私どもとはかわつておりますので、その根本原則に対する質疑應答は避けまして、具体問題に入りますが、私どもは、今日のように貯炭の消化がうまくいかないで、四百万トンに近いものを抱えて、そうして配炭公團を廃止しなければ、その間の情勢がうまくいかないというような追い込まれた段階に入つたということは、今次政府の石炭行政に対する失敗である、かように考えておるのであります。そこで四千二百万トンの生産ができても、今のような状態でございますならば、自由に賣炭いたすということになれば、それらの四千二百万トンの生産はだんだんとはけなくなるというふうな將來の見通しも立つわけであります。そこで私はこの配炭公團を、とにかく臨時國会をまつて、國会の意思によつて、いわゆる輿論に聞いてやるというような余裕のない今日の状態にまでなつて來たということに対する政府の責任と、あなた方のそれに対する御見解と、それから將來配炭公團を廃して、いわゆる配炭組織を自由にして、産業経済の上に起り得る大きなギヤツプ、これらのことに対して政府は自信を持つて、何らの危惧なくやり得るものであるかどうかということについて、御所見を承りたいと思います。 〔神田委員長代理退席、澁谷委員長代理着席〕
○宮幡説明員 今澄委員からの適切なお尋ねだと思いますが、冒頭仰せられましたように、この第一問題に対しまする見方の相違ということは、議論にわたるからこれは差控えるというようなお言葉でありました。ごもつともだと存じます。そこで今日のように四百万トンを越える貯炭ができまして、そうして配炭公團もやめなければならないということは、現政府の石炭行政の失敗であろうという御意見であります。これもどうも今澄さんに申し上げますが、りくつを言えばいろいろあると思いますが、そう簡單に現在の政府の石炭行政の失敗であろうということを、この席上において肯定いたします立場になつておらないことを、御了承いただきたいのであります。ことに四千二百万トンの生産をしても、これが將來消化できないのではないかということは、消化できると申すのもこれもやはり見方でありまして、できないというのも見方でありまして、なお他の機会におきまして、今澄委員と親しく御懇談を申し上げますれば、御了解願える点もあろうかと考えます。こちらといたしましては、四千二百万トンは有効需要を喚起することによつて当然消化されなければならない。もし消化されないような事態が参りますと、日本の産業経済の復興というものははなはだ困難な過程に入るのではなかろうか、こういうことから、ぜひ四千二百万トンが完全消化され、これによつて日本の基礎産業を初めとして、あらゆる産業が有効に運用できるようにいたしたいと努力を拂つておるのであります。しかしながら努力の結果往々にして御期待に反する点もないわけではありませんが、これに他意あつて、そういう失敗することを前提としてのことでございませんので、ぜひとも現政府のとります諸施策につきまして、今後國の最高機関でありまする國会の御意思を通じまして、御指導と御鞭撻をいただきまして、万般遺漏のない施策を行い得ますようにお願いしまして、はなはだ答弁としては妙な答弁でございますが、御了承をいただきたいと思います。
○今澄委員 その問題についてもいろいろ聞きたいのでありますが、一應その問題はその程度にいたしまして、さらに私はもし自由賣炭ということであれば、石炭の有効需要が起らない場合は、炭價が非常に落ちる。現に貯炭が四百万トンもあるからということで、金のないところでは低品位炭をものすごい格安な値段で投げ賣りしておるということは、御承知であろうと思います。かような状態であるから、もし政府の施策が失敗して、ここに有効需要が起こらないで、石炭の値段が非常に下落するという場合には、各炭鉱の出炭がおそらくとまるよりほかに道がない。ところが炭鉱の出炭がとまると、これは日本の産業上重大な問題であるから、どうしてもこれらの炭鉱を將來開かなければならぬというので、供給が少いから炭の値が段々上ります。そこで炭の値が上つたからといつて、これはほかの品物のように、すぐ右から左に出て來ないという、いわゆる炭鉱の特殊性があるのでありますが、そこに私どもはいわゆる石炭の國家管理であるとか、石炭の工業的な諸産業の中の性格を認めておりますので、もしそのような状態で、炭を掘らぬというような場合になりますれば、さらに今度はまた炭を掘らなければならぬということで開くということになりますと、これは石炭行政上の大問題でありますが、これについてひとつ政務次官の御見解を承つておきたいと思います。
○宮幡説明員 御配慮の点ごもつともだと存じますが、石炭の自由賣炭と仰せられまする通りに行いますと、過渡的には品質の悪い石炭が非常に下落いたし、あるいは高品位の石炭の需要のみ要請せられるという事態が來ることは、これは当然考えられることでございまして、御所見に対していささかも異論を申し上げるものではありません。その場合におきましても、かりに配炭公團を廃止したとしましても、配炭公團といたしましては、まず清算事務といたしまして、相当の存続期間を持つておるわけであります。この清算期間におきまする一つの操作といたしまして、ことさら抵品位炭の有効需要の減退によりまして圧迫を受け、あるいは高品位炭の買いあさりによります炭價の急上昇というような事態が参りましたならば、現在の公團法に基きまする諸規定によつてもある程度の運用ができるのではなかろうかと考えております。これはただいま法制局の方と打合せ中であります。もしさようなことで何らか法的措置をとらなければならないということでありましたならば、これに対します皆様の御協賛をいただきまして、清算期間中におきまして、いわゆる石炭に対する一つのマーケット・オペレーシヨン的な操作を公團でいたすような心構えで、ただいませつかくやつている次第であります。
○今澄委員 大臣が事故があるそうでありますから、政務次官にもう一言御質問いたしますが、この際八月十六日から発足を決定した販賣機構に対するはつきりした政府としてのお見解と、それから九月十五日に配炭公團を廃止する模様であるというような御回答を、あらゆる場合に大臣がしておりますが、配炭公團に関する政府のほんとうの計画と見通し、それらのものをはつきり聞いて、あと局長に御質問いたしたいと思います。
○宮幡説明員 もはや時期的に申しましても、これを躊躇してお答えすべき時期ではないと信じます。ただいま構想しております配炭公團の廃止でありますが、これは九月末日に廃止するという一應の前提を持つております。それから廃止いたしますのには、販賣業者——販賣業者と申しましても、特に小賣業者の十年間にわたります石炭の販賣に対して、一つの経驗を失つて参りました業種に、卸から販賣、消費に至りますこの石炭の流通過程を、きわめて円滑に処理して行きます練習期間と申しましようか、大体当局の観点から申しますと、四十五日くらいが必要であろう、かように考えまして、一應八月十六日から販賣業者の出発を期しているのであります。これは先ほど中島局長からお答えいたしましたが、政府はそう考えても、現在の立場におきまして、八月十六日にやれるかどうかはわからぬのであります。この八月十六日というのは、九月三十日に公團を廃止するという前提で、おおむね四十五日の準備期間といい意味で八月十六日をとつたのであります。幸いにして八月十六日に実施ができますれば、九月末日をもつてぜひ配炭公團を廃止させていただきたいと考えております。その期間は御承知のように、OIF價格によつて、販賣業者と相関連して金融面を調査し、いろいろな方面についてあわせて施策いたしまして、自由賣炭に障害なく移行する方法を盛んに苦心している次第でありますから、さよう御了承願いたいと思います。
○今澄委員 そういう方針を初めてあなたからはつきりお聞きしたので、この前のときは、大臣の答弁とあなたの答弁とは食い違つて、はつきりとした政府の意思表示がまだなかつたために、具体的な質問を私にしなかつたのでありますが、もしそうだとすると、政府としては配炭公團を廃止する。それについてはおそらく融資をつなぎ資金として何ぼか調逹するというようなあなたの方針、それから今の資産はこれを凍結して、中小業者の炭の値段には影響を及ぼさないというようなアウトラインで、おそらくこれらの問題を構想されていることと存じます。しかしながらそのような構想は、資金の面においても、あるいは今の資産を、ある程度の品質低下、目減りを見て、それを凍結するというような政策についても、はつきりとした意思表示をすべきじやないか。念のためにそれらの問題についても、政務次官からちよつと御説明願つておきたいと思います。
○宮幡説明員 妙な言い方になるかもしれませんが、私どもが考えていると申しますか、政府の考えているより今澄委員の方が十分先の先まで御承知の御質問でありまして、たいへん恐縮するわけでありますが、ただいま御指摘のような條件につきまして、ただいま一生懸命で構想しております。御所見の通り進んでいるとお考えいただきたいと思います。
○今澄委員 どうも政務次官にお聞きしても、まことにひようたんなまずのような状態でございまするから、それではひとつ管理局長にお聞きをいたしましよう。それでは配炭公團の廃止は九月末日ということは、大体われわれ委員会としては本日初めて伺つたわけであります。そこでこれまではいろいろと暗中模索をされておつたけれども、明確な期日をわれわれは聞かなかつたのでございますが、しからば政府は九月三十日に配炭公團をはずすために、八月十六日までに販賣機構を整備しなければならない。そのためには資金がこれだけいる。そのためにはこういう処置を講ずる。それらの根本原因は石炭が四百万トンもたまつてどうにもならないからということになるのです。少くとも現実の石炭がたまつたという事実が、一切のそれらのものをきめた原動力となつておるので、大きな計画のもとにそれが組み立てられておらないから、あらゆる部面にむりを生ずるであろうと思います。実際の役所の事務担当の責任者として、そういつた意味の期日と方法に支障なくやれるということをあなたは断言されるか。それともその間にはいろいろな支障があり、非常に困難な事情があるか。ひとつ正直に御報告を願いたいと思います。
○宮幡説明員 どうも今澄委員のまことに痛烈なお尋ねであります。しかしながらそれまで御配慮を願うことはまことに政府当局として感謝にたえない次第であります。御心配の点に行かざらんことをこいねがつてやつておるのであります。これにつきましてはなかなか一〇〇のうち九〇まで成功いたしますか、あるいは断固百パーセント完了してみせるか確答しろという仰せでありますが、およそ物事は計画でありますので、ぜひ百パーセントの効果を収めたいという熱意と努力は惜しまないつもりでございますけれども、その点について足らざる点はぜひ御鞭撻をいただきまして、ただいま九月三十日配炭公團の廃止が初めてだということでありますが、この点ももし大臣からの答弁が明確を欠いておりましたならば、この際御了承をいただきまして、かようなところにおいてまだ政府の考え方に間違いがある、かようなところにおいてもう少し手を打つべきではないかということは、ぜひとも御経驗と有識の今澄委員から御指導をいただきまして、政府の考えでおりまする施策が百パーセントの効果をあげまして、これがために大きな動揺を石炭工業を初めといたしまして、他の産業に及ぼさざらんことを努力して参りたいと思います。なお事務的なこまかいところについては局長からお答えいたします。
○今澄委員 それでは局長にお願いいたしますが、今の民自党の政調会において、大体成案としてとられたところの九月十五日案は、大体九月三十日実現を目ざして十五日というところに民自党の政調会としてはきめられたのであろうと私は思います。そこで政府は大体九月三十日を期日として廃止するというような一つの大きな政治的な政策として掲げられておりますが、事務当局のあなた方としては現在の日本の貯炭の状態あるいは配炭公團の失業者の就職のあつせん、資金等の全般にわたつて、小金委員の質問で大体わかりましたが、一應九月三十日にこれが実行を見るという自信と、それから事務当局として、そういうことが十分可能であり、それが妥当であるという御見解でもございましたら、まず管理局長から承りたいのであります。
○中島説明員 九月三十日ということは、私どもは事務当局でありますので、必ずしも方針としてそれを目標にしておるわけでにありません。いろいろな作業をいたします上におきまして、九月三十日に廃止すればどうなるかという前提條件としてこれに從つて動いております。目下のところお話のようないろいろな條件がございまして、公團廃止の前後におきましては、金融問題、失業問題、その他の見通しを一應つけなければならぬということで、全般的にやらなければならね施策というものを考え出して、それに基いて各方面と折衝をいたしておりますが、これがかりに順調に参りますれば、九月三十日に廃止いたしましてもさしつかえないと思つております。從つてそれは、それらの諸問題が今後早急に順調に解決されるかどうかということにかかつておりますので、もしこの点につきましていろいろな点で、たとえば金融問題の一件をとりましても、それがいつまでもなかなか確定しないということであれば、これは事務的に申しまして九月三十日ということが非常に困難であるということは、言つてさしつかえないと思います。
○今澄委員 石炭というものは、御承知のように炭鉱のそばに住宅を建てて炭鉱労働者をそれに收容して、そうして戦時中の日本の要請に應じて國家がそれらの事業に補償と干渉をいたしまして、今日まで持ち続けた事業であります。そこで配炭公團を廃止して今おつしやる通りまだ資金の方の見通しもどうなるかわからぬ、これが遅れれば九月三十日はむつかしい、こういう状態でございますと、それらの中小の山はおそらく大きい炭鉱の、力のある、賣炭組織を持つものに圧倒されて、ここに失業を余儀なくされるというような山が出ることはたれが考えてもわかるわけでありますが、管理局の方では、もし九月三十日に押し切つて配炭公團をやめたならば、大体中小の山がどの程度打撃を受けて遂に出炭をやめなければならねような状態になるか。概算の見通しをお聞かせ願いたいと思います。
○中島説明員 これは生産局長から申し上げた方がよいかと思いますが、かりに持続が非常に困難になりまして、あるいは價格が下るというような状態が現出した場合、どの程度の山がつぶれるかということに、石炭工業の從來の歴史から申しましても、あるいは実際から申しましても、なかなか簡單に算術的に出て來るというものではないと思つております。と申しますゆえんは、逆に申しますと、かなり根強い生活力というものがいずれの山にもありますので、予想された程度の失業者がただちに出るということは考えられないと思います。ただ一部炭鉱については、現在においてもすでに無煙炭、燭石、あるいは四千カロリー以下の買取り廃止によりまして、その時期以後においてすでに操業を停止いたしている所も数件ございます。しかしそういう山々がはたしてこの状態で買取り停止のためにやめたのか、あるいは從來からいろいろな企業の脆弱性というものが累積しておつて、ちようどその時期をきつかけとしてやめたのかということはわかりませんが、いずれにしてもこういうことをきつかけとして廃業のやむなきに至る山が出て来るということが言えると思いますが、必ずしもその数は当初においてはそう多くにない。但し山自体が経営を廃止いたしませんでも、今度はその炭鉱の存続のためにいろいろ企業内部を合理化するとか、あるいは剰員を整理するとかいうような方法で、立ち直る態勢を整えるということはあり得ると思いますので、その面におきまして一部に失業者か出るということは、これはやはり考えなければならねことと思います。
○今澄委員 失業対策というものが今の國家治安の上に大きな影響を及ぼすものであり、あるいは思想的ないろいろな問題にも関係するのですが、やはリ炭鉱なら炭鉱で、一つの配炭公團廃廃止という処置をとれば、どのくらいの失業者が出て、大体どの程度になるだろう、次年度はどうだ、本年度はどうだというくらいの見通しがなければ、おそらく政府全体としての失業対策というものは考えらえないと思いますが、生産局長と管理局長で具体的な見通しの数字か何かおわかりになればお答え願いたいと思います。
○中島説明員 数的に計算するということは、はなはだむずかしいのでありますが、一應われわれとして、一つの目安として考えてみたことがございます。それはたとえば五千カロリー以下の炭鉱につきましては、非常に炭が賣りにくいというような事情もございますので、その炭鉱に從業する者の労務者のうちの、たとえば一割ぐらいは失業するかもしれないというような想定は立てております。しかしそのうちで炭鉱の数が幾らになり、つぶれる山が幾らというようなことは、これははなはだむずかしい問題でありますが、かりに労務者数ということで考えれば、そういうふうな考え方をとるのも一つの推定ではないかと思つております。
○今澄委員 大体私は、それらの中小炭鉱で販賣機構その他現在の資金状態、並びに大蔵大臣は二千億の金を減税するというようなことを外で演説しております。ところが末端の税務官吏は去年の一倍半の申告をやらなければいけないというような通逹を、一般納税者には出しておるという状態で、その間に一國の大臣と末端の行政との間は天地雲泥の差がある。そういう現在の状況では、われわれは資金、資材の問題その他を集めて大体十五万程度労働君が失業をするというふうな推定をしておるわけであります。これらの十五万の労務者が失業するということは、家族を含めると相当大きな問題になるから、それらの問題を考えに入れないで、配炭公團をただ貯炭が増しておる、あるいはその他の状態だけから九月末に廃止するということは、暴挙もはなはだしいと私は考えております。それらの正確な数字をあなた方の方でおつしやらないから、われわれの概算の推定で、見解の相違と言われればそれまでだが、事実があとでもつて雄弁に物語ると思います。たとえば配炭公團をつぶすならば、配炭公團の現在の職員を、この前大臣が仰せられた新しい賣炭組織にどの程度吸收せられて、ほんとうの失業者としてはどのくらいの数字が出るのか。この点をひとつお聞きしたいと思います。
○中島説明員 公團には現在一万二千名の從業員がおりますが、その中で公團の清算事務が相当長期にわたつて継続するということが考えられますから、その清算事務に当初は半数以上の者がやはり残ると思います。しかし逐次これは減少いたしまして、來年の三月以降は大体一千五百名ぐらいの者は公團の清算要員として残さなければならぬと思つております。残りの一万人でありますが、その中でわれわれの想定でありますから数字も正確ではないと思いますけれども、一應考えておりますのは、公團の関係の販賣会社、輸送会社、こういつた公團が関係しております販賣機構に收容し得る者が約二千人、それから生産業者つまりひもつきのものもございますけれども、從來の鉱山とかそういう生産業者の方に引取つてもらう者、これが全体で五千人余りということを期待しております。それからその他統計関係、技術関係等によりまして國家で仕事を継承するもの、それから事業家の方に引取つてもらうものを千人ないし千五百人というように期待いたしております。
○今澄委員 今のお話だと、いろいろ期待が多いのでありますが、配炭公團においては相当な失業者が出て来るわけであります。 もう一つ質問しますが、今までのところで行くと、八月十六日から九月末までは、配炭公團の取扱いと販賣業者の取扱いが並行して行くであろうという御答弁を、小金委員の質問にされました。私どもはその場合においても一部のいわゆるトンネル的な行為がずつと行われ、その間は一部の大炭鉱のみが非常に大きな力による全國的な販賣網を動員してぐあいがよろしいということで、あとの小炭鉱筋は非常にこれは急激に九月三十日後の打撃が表われる。かように考える。ともかくも配炭公團の資金的なそういう面は配炭公團だけで利用する。それから代行輸送並びに賣りもどしというような自分たちの方にぐあいのいい收益だけははかるということが、大炭鉱だけに集中されることになると、非常にその間が不均衝になると思いますが……。
○中島説明員 公團廃止までの過渡的な問題といたしまして、準備の早くできた大炭鉱は比較的有利であるということは一應考えられますけれども、この場合におきましても小炭鉱につきましては、いわゆる指定会社がございまして、その指定会社が大体販賣業も行うというふうなことになつております。從つて指定会社が協力にこの販賣部面の準備を早急に進めますならば、それほど手遅れにならぬで済むのではないか。さらに先ほど申しましたように、公團関係の職員が販賣会社をつくることを計画しておりますが、この販賣会社は主としてこれはどうしても大炭鉱筋には結びつきがなかなか困難でありまして、おのずからその中小炭鉱の石炭を扱わざるを得ないというふうなことになると思います。從つてそういう公團の從業員の組織する販賣会社というものを十分に利用すれば、中小炭鉱もさしあたりスタートに対する乗り遅れということは、必ずしも受けないで済む見込みがあると思つております。
○今澄委員 現実にはそういうふうなことに行かないことはわかつておりますので、重複を避けて次に移ります。資金について伺いますが、つなぎ資金は大体見通しとしては、今政府は資金難であらゆるものに減税などと公約するが、そういう資金は全然出て來ないのだが、このつなぎ資金をどういう方面から持つて來られるか。案はいろいろあるそうですが、大体の見通しとしては二百億というような金が出ますかどうか。正確なお答えを願います。
○中島説明員 もちろん二百億とか何とかいうものはさしあたりすぐ出るというわけには参りませんが、さしあたり配炭公團にかりに金融をつけれげ販賣業者、生産業者はおのずから息がつけるというわけでありますが、今の見通しとしてはその点がむしろ逆に困難でありまして、どちらかと言えば販賣業者から急速に代金を回收することによつて、公團の金繰りを特別の措置をしないでも済ませようというような方向に動いております。私どもはこの方向に関しては若干の疑義を持つておりますけれども、現在のところはそういう進行状況であります。
○今澄委員 最後に、この配炭公團を廃止していわゆる自家配炭をやらせるということになると、われわれの見るところでは大体九割方可能だろうと思います。中小炭鉱が非常に金詰りがはげしくなつて、今あなたが言つた公團へは融通できぬが、販賣業者へなら融通できるということは詭弁にすぎない。これがもしうまく行かなければ、それらの石炭業者に対する機械鉱業その他の関連産業から、長い間の注文によつて設備を行つておるそれらの損賣り貸金が、非常に長い間に積つておることは御承知の通りで、これらの長い間の関連産業から受けておる貸金を、遂に石炭事業の中の大部分のものがもどし得ないというような状態になるとわれわれ見ております。これがもしそうなると関連産業に及ぼす大きな社会問題で、今申します失業問題と関連して重大なる問題になると私どもは警告したいと思いますが、これに対して管理局長はどういう見解を持つておられますか。
○中島説明員 ただいまの御質問は中小炭鉱に対して十分に資金がまわらなければ、それに現在資材、機械等を送り込んでおる関連産業が参つて來るんじやないかという御質問と了解しますが、これは中小炭鉱に限らず、資材代金その他につきましては、先ほど政務次官からの御説明にもあつたと思いますが、設備資金として見送り資金がまわつて來れば、それで大体さばけることになるわけであります。しかし見返り資金が全部まわり出しましても、過去の未拂金というものは残つております。これをいかにして出すかという問題は残りますが、これに対しましても今度は別途それに対して資金をつけるという方法を今研究しております。これが実現いたしますならば、見返り資金と両方合せまして結局において從來の債務はいずれ解消できる。但しこれは若干の期間がかかりますので、個々のそういうふうな融資の契約が確定いたしますと、その契約を見返りにさらに金融を受けるという道もできて参りますので、最終的にそういう金融が出て参ります前にも、大体の計画がきまりましたならば、そういつた過去のものにつきましても始末ができるものと思います。
○今澄委員 大体三十分近くたちましたので、この際最後に政務次官に質問しますが、十日の委員会を開く前日のきのうの株式相場は御承知であろうと思いますが、大炭鉱の株式が軒並に五十円方暴騰して、その他の中小炭鉱の株式は御承知のように低落の一途をたどつております。このようなここ連続の大炭鉱の株式の急激なる暴騰というものは、きようの委員会あたりに発表するであろう政府の対策というものが、大炭鉱を擁護するというような政策であるということを、前もつて経済人が察知しておるからにほかならないのであります。これらの大炭鉱中心の融資であり、大炭鉱中心の自由賣炭の制度であり、そうして長い間國家的使命のもとに立つて協力して來た中小炭鉱には、何らの救済の策も持たないということは、國民に非常な道徳的な疑惑の目を持たしめ、この際のわが国の産業経済上に與える影響がまことに多大なものである。だからこの際においては石炭國家管理が施行されて、それらの法律がある間はその法律を遵守して、それらの中小炭鉱のために現政府というものは大いに守らなければならない。石炭國家管理の弊害ではなくて、それらのものを忠実にやつて行くことを怠つたために起つたところのこれらの障害が、今日國民の前に非常な疑惑を持たしておる。私どもは配炭公團を廃止するという根本方針については、政府としては臨時國会も近いことであるから、ぜひ臨時國会に配炭公團の問題をかけて、國民の前に政府の所かんと政府の考え方を申し述べて、われわれもこれに対して堂々と批判をして、そうしてその結果をまつて、これらの配炭公團の問題はあらゆる角度から練られてきめらるべきものである。私はかように思います。私の意見としては資金の面その他の面のただ單なる口頭の約束はともかくも、それが口の先だけではなく、ほんとうにその資金が動くという状態は、今度の臨時國会が開かれるまでそういうようなことは今の状態においては、関係方面その他の産業を考え合せて私はあり得まいと思う。そこで私はどうかそういうような状況であるならば、この炭鉱に関する配炭公團の廃止の問題は、少くともこれはあらゆる事情を押し切つて、臨時國会もこれを諮つて、國会の中において、國民代表の意思を問うてやるということが、最も妥当な方策であると深く信じておるわけであります。きようは質疑でありまするから、討論にわたつて恐縮でありますが、そういうことをやられる御意思があるかどうか。あなたの御意見をぜひこの際承つておきたいのであります。 〔澁谷委員長代理退席、神田委員長代理着席〕
○宮幡説明員 今澄委員からのお尋ねのうち株が値上りしたではないかというお話でありますが、この点はまことに残念なことでありましたが、きのうの株價をまだ見ておりません。初めて伺つたことでありまして、その点は今澄委員の仰せられる通り、大炭鉱の株が上つたものだという前提で考えを申し述べさしていただきます。現在政府の考えておりますことは、單に通産省のみならず、他の省においても両様だと考えますが、あえて大炭鉱、大企業の、もつと申しますれば巨大独占資本を擁護しようという政策に進んでおらないことは、はつきり申し上げてよいと思います。從いまして炭鉱の場合におきまして、中小炭鉱を顧りみないだろうというようなことは、ぜひ政府の進んで参りまする諸施策に拂つておりまする苦心と熱意を御了解願いまして、御理解深い今澄委員の特別なる御了解をいただきたいのであります。炭鉱業全般をおしなべての施策につきましては一生懸命であります。ことさらどの炭鉱、大きな炭鉱を取上げてどういうふうにいたそうというような考え方は、毛頭持つておらないことを御了解いただきたいのであります。しこうしてその株の問題でありますが、現在の取引所の機構と申しますのは、取引所の三原則を與えておりまして、かつてのようなスベキユレーシヨン的な株式市場ではありません。現実に株を持つて参りまして、それを賣り方にまわしますと、その時間と價格がレコードされまして、そうして買い方もまたその時間と價格が記録されるのでありまして、ここにいわゆる投機的な思惑的な傾きというものがもし起れば、それは取引所の操作における一つの誤謬でありまして、当省の政策が反映しての株價の異動でないことを特に御了承をいただきたいのであります。 それから配炭公團の廃止は國の最高権威である國会にかけて考えたらどうだ、これは一應ごもつともだと思います。この問題につきましてはぜひとも研究さしていただきまして、配炭公團の問題を國会で御相談の上やることがよろしい、かような結論に逹しましたならば、さようなことにいたしたいと思います。この問題は手続上いろいろ関連がございます。先ほどの言葉の中にも金繰りを講ずる、あるいはこういう措置を講ずるというけれども、関係向きとの関係でさようなことがあり得ないであろうというようなお言葉があつたと同時に、この公團の廃止せられたについても必ずしもすベて現在の政府の考えのみではないのでありますので、その点につきましてはあなたの御理解ある御意見でありますので、これを尊重いたしまして研究をさしていただきます。ただいま國会にかけないとかかけるとかいう結論的なことをお答えできないことはきわめて遺憾とするが、御了承をいただきたいと思います。
○今澄委員 あと問題が大分ありますが、一應確保して最後に一点伺います。配炭公團はこれまでいろいろ世間に疑惑の目をもつて見られており、この際配炭公團をいきなり急に廃止するということは、何かそれらの陰謀を隠すのじやないかということが営われておるのでありますから、衆議院の商工委員会として一ぺん配炭公團を調査して、あるいは貯炭の状態その他いろいろの問題を一ぺん商工委員会として調査して、これらの問題に対するわれわれの態度をきめることが、國民に対して忠実なゆえんであり、われわれの任務であるとも思いますので、これを一言委員長に提案をいたしまして、あとの質問を留保して打切ります。
○神田委員長代理 今澄君のただいまの御提案につきましては、いずれ適当なる方法においてお諮りすることがあると思います。了承しておきます。
○松井(政)委員 今澄君から大分質問をいたしましたので、重複する点を省きます。さらに川上委員から質問の通告が出ておりまするので、私は一括してひとつお聞きしたいと考えます。 第一点は基本的な問題についてお伺いをいたします。大体われわれが日本の経済の再建というものを考える場合におきまして、大体昭和六年ごろから十二年ごろまでにおける経済状態に回復しなければいけないことは、これは國民全体が考えておられる考え方だと思うのであります。そうした場合におきまして、石炭は特に基礎産業でありますので、石炭の場合だけに集約して申しますが、たとえば生産統制、配給統制あるいはそれに対する金融の統制、あるいはそれに伴う石炭から影響を及ぼします全体の物價体系、この四つの問題というものは、計画化されたある程度の民主的統制方式によることが、日本の経済再建には一番合理的であると考えておるのであります。ところがこれをいよいよ廃止した場合におきましても、ただいま申し上げましたように金繰りの問題、あるいはその他いろいろの問題につきまして、政府としても苦労をなさつて処置をしなければならない事柄があるように、答弁からお伺いするのでありまするが、そういう苦労をして公團をはずさなければならないという基本的な理由を、ひとつ明確にお伺いしたいと思います。 その次は貯炭の問題でありまするが、四千二百万トンがこなせないで貯炭ができたということに相なるのでありまするが、この貯炭の理由はどういう理由が一番貯炭になつた原因であるかという点を明確にお伺いします。 さらにその貯炭の問題に附帶いたしまして、冬になりますると石炭の需要がふえて参ることは、これは例年の通りでありまするが、その場合において現在と冬になつた場合、どれだけの需要がふえるというお見通しであるかどうかという点を、明確にお答えが願いたいのであります。 その次には、現在の輸入と輸出の関係についてお伺いをしたいと考えるのであります。どの程度の種類の石炭がどの程度輸入されて來て、どの程度の石炭がどの程度に輸出をされておるか。これを將來どういう形においてセーヴして行くかというようなことの見通しがございましたら、その点をお伺いしたいと考えております。 第四点は、いわゆる國会との関係でございますが、四日の日の議院運営委員会で増田官房長官は、八月二十日ごろにはシヤウプ博士の税制に対する研究が終るので、少くとも一箇月の余裕をおいて九月末に臨時國会を開きたいということの所信を明らかにしております。そういたしますと、ただいま政務次官が申しました國会にかけるということは、國会を尊重する考え方にはわれわれと同じだと思いますが、從つて研究してからやりたい、こういう考え方であります。ところが國会にかけないでこの問題をほんとうに現在の考え方としてやるつもりであるか。それとも國会尊重の建前から國会にかけるということのお考えが強いということに相なりますと、九月末日に公團を廃止するということと、九月末に臨時國会を開くという政府の考え方との食い違いというものが生じて参ります。これに対する見通し及びこれの政府の考え方の統一、こういう点に対してお伺いしたいと考えるのであります。われわれはあくまでも國会にかけてほしいという考え方であることは、今澄委員が申し上げた通りであります。 さらに第五点。八月十六日から自賣態勢を整えるということになります。そして九月三十日を目標として公團を廃止する。しかもいろいろな九月末日という見通しをつけてやるという局長の先ほどのお話でございましたが、そういうことになつた場合に、九月末日までの間に自賣態勢とともに輸送代行等の事実上公團の取扱つていた事務を縮小して、さらに公團が廃止されなくても、有名無実の空家式公團にする意思があるかないか。それとも公團廃止のときに公團の取扱つた事務は、九月三十日と一應見通しをつけたならば、その時期まで全部お続けになる考え方であるかどうか。この点を明確にお伺いしたいと考えるのであります。以上五点についてお答えを願いたいと考えるのであります。
○宮幡説明員 松井委員のお尋ねのうち、事務当局からこまかい問題でお答えさせる部分を除きまして、まず民主化された統制によることの方が産業の経営は妥当であろう。おおむれこういう御意見であります。これも一應の見方だと存じますが、結局経済の合理性を追求するという立場から申しますと、新しい自由主義というようなことも考えられるわけでありまして、この点はもう私がここで松井委員といろいろ御議論を申し上げるまでもなく、御感想としての御意見として伺わせていただく程度にさしていただきたいと思います。 それと議会との問題でありますが、先ほど今澄委員のお尋ねについて、その問題は國会へかけたがよいかあるいは政令措置によるか、ぜひ研究さしていただきたい、かように申し上げておきましたことに、御承知の通りわれわれもやはり議会人である立場、國会というものの立場をかえましても相互に尊重すべきものであろう、かように考えておりますので、その方法についてはぜひひとつ研究さしていただきたい。しかし増田官房長官の申すのは、シヤウプ博士の税制改革勧告案、それから一箇月というようなことは期間的に合わないじやないか。これも事務的に見ればその通りの御意見であります。しかしながら先ほど中島局長から申しましたように、事務当局としては、一應九月三十日に公團を廃止するであろう、こういう前提のもとにおいて事務操作をいたせば、八月十六日に販賣機関の出発をしなければならぬ、こう考えるわけで、國会にかけるかかけないかという問題のみを——先ほどの速記録をごらんくださればわかると思いますが、必ずしも政府の考えばかりじやない。こういう点に研究さしていただく余地が十分あるのではないかと思いますので、もちろん國会を尊重して処理して参りたい意向にはかわりはないから、その方法等についてぜひ研究さしていただきたいことを重ねて申し上げておきます。 なお九月三十日に配炭公團を廃止いたしたならばただちに配炭公團の事務はおしまいになるのか、かような意味のお尋ねもあつたと思いますが、その点につきましてはこれはもう廃したくとも配炭公團は事務の停止はできません。当然生産機関として相当期間存続を必要とするものでありまして、その清算期間に先ほど申した石炭のマーケット・オペレーシヨン的の價格操作をも行わなければならない事態があるのじやないか。九月三十日にかりに廃止いたしましても、ただちに公團全部の機能が即日廃止されるようなことにはならないと想像しております。その他貯炭増加の原因、冬期における石炭の需要及び輸出入の現在、將來の見通しの問題については局長からお答えさせます。
○中島説明員 貯炭の原因に関しましてはこれはむりをして廃止をしなければならない理由がどこにあるかという理由と関連いたします。今年の四月以降の問題でおりますが、主としてこの一番大きな原因はドツジ・ラインの強さにあります。それによりまして一般的に非常に金詰まりが出て來た。しかも配炭公團の炭代回收はきわめて強力にやれという方針もありまして、しかも回收の悪いところに対しては今後の配炭も停止しなければならないということから、その画面から圧縮されました結果、石炭の実際の需要はかなり供給よりも下まわつた。これが貯炭の多くなつた一番大きな原因であります。そういうところから貯炭が一方にたまりますと、一般的に炭代の回收が悪くなり、しかも一面におきましては生産せられた炭は元來全部配炭公團といたしましては買い取る義務がありますので、毎月の出炭数量は全額これを買い取つている。こういう状況下におきましては、貯炭の増加というものが継続する限りにおいては、次第に金融が逼迫して参りまして、いわゆる公團の認証手形というものを落すことが非常に困難で、そういうことがもう現状の段階といたしましてはほとんど局限まで來ておるというのが、これが一つの大きな原因であります。さらにこれは物理的問題でありますが、公團の貯炭場というものがもう経済的に限度に逹しておりまして、今後月数十万トンの貯炭の増加というものを確保しなければならないとすれば、非常に非経済的な見地から貯炭場を拡張しなければならないということから参りまして、この段階に参ると公團の組織、機構、制度自体が非常に反省をしなければならないことになると思うのであります。そういう理由からいたしまして貯炭が出て参りまして、從つて公團の廃止もまかりならねような情勢に入つたということが言えるのであります。それから現在ではなるほどそういうように貯炭には困つておりますが、冬期にはどうかという御質問だと思いますが、もちろん冬期に対しましては大体例年といたしまして、常識的に夏場に比べて一割くらいの需要増加があります。冬期は生産の方も大体即應してふえまして、一番出炭数量のふえますのは例年一月ないし三月に一番ふえるのでありますが、出炭数量も増加する。從つて多少冬期におきまして需要増加がありましても、現在の貯炭増加の趨勢というものは、別段の措置がとられない限りは決して減少しないということが一應言えると思います。もちろんこの際たとえば現在一應禁止されております家庭用あるいは風呂用といつたような、そういう方面の石灰の消費を全然フリーにいたしますことによりまして、月々百万トンから十万トンくらいの新規の需要を一應見込むということはできますけれども、それにいたしましても全部の出炭量のたかだか二、三パーセントにすぎませんので、冬期の需要ということを考えても、現在の貯炭の増加というものが、強く下向くということは、ほかの点を度外視すれば考えられないと言えると思います。 それから輸入炭につきましては、先ほども申し上げましたが、全体で百六十万トンの計画の中で、原料炭が百二十万トン、その他の四十万トンは無煙炭であります。いずれもこれは製鉄あるいは化学工業の原料炭として輸入されております。これは今後輸入炭は逐次減少させるという方針もありまして、今後はできるだけこれを減らしたい考えを持つております。特に製鉄原料炭につきましては、國内の優秀な原料炭の生産をさらに上げるということにより、さらにまたコーライトの使用等によりまして、原料炭の使用を節約するというような研究もだんだん進んでおりますので、この方面からいたしまして製鉄原料用の炭を輸入するということは、將來にありましては逐次減少し得るのではないか。もちろんこれは製鉄の生産計画によるのでありまして、鉄の生産計画が増加すれば、從つて石炭もおのずからふえますけれども、現状の計画のままであると仮定すれば、將來に対しましては原料炭は逐次減少し得る、かように考えております。 それから輸入炭のいま一つの部分であります無煙炭でありますが、無煙炭もこれは主としてカーバイトあるいは肥料等に使いまするが、これも品質を多少がまんいたしますれば、現在日本で余りつつありますコークスをもつてある程度のものができます。それから一部、特に優秀なたとえばホンゲイ炭のごとき無煙炭につきましては、今後もある程度まで一種の業として入れた方が、國内経済ために有利であると考えられるものもございますので、一部の無煙炭はやはり輸入を継続する必要があると思いますが、しかしその数量につきましては今後全般の化学工業等の生産がふえましても、必ずしもふえるということは考えないでよいのではないか。われわれ石炭関係者としてはそういうふうに考えております。 それから最後の点でありますが、自賣態勢が始まりましてから、逐次輸送代行等によつて公團を整理するかどうかということにつきましては、これは大体そのつもりであります。と申しますのは、いわゆる自賣態勢は公團の買取り業務を販賣業者に逐次移すというふうな、そういう目的のためにとられたわけであります。從つて販賣業者がいろいろな販賣機構を十分整備いたしましたならば、輸送や何かの事務も逐次これに肩がわりして代行させる。これによつて公團は一時的ではありますけれども、トンネル式な機関になるということは一應考えられると思います。但しこの場合の公團の業務というのは、買取り販売することによつて、現在の價格あるいは運賃をすつかり押さえるということと、配炭計画、炭の輸送計画というものを統一的に公團組織でもつて計画的に行う。これだけの仕事は実際自分が輸送いたしませんでも、非常に重要な仕事でありますので、いわゆるトンネルと申しましても、十分存在理由のあるトンネルだと思つております。そういう制度を何箇月か続けまして、大体販賣業者の組織ないし制度というものが軌道に乗つた場合に、初めて公團を解消するというように考えられると思いますので、公團の存続期間中におきましても、輸送代行等の制度はできる限りすみやかに行えるようにいたしたいと思つております。
○松井(政)委員 輸出の点をもう一ぺんひとつお聞かせ願いたいと思います。
○中島説明員 輸出はこれも先ほどちよつと申し上げましが、それ以上にこまかい資料を持つておりませんけれども、大体毎月出しております全体の数量が十二、三万トンであります。そのうち八、九万トンが朝鮮の鉄道用炭として出されておりますが、残りがホンコン、フイリピンに出されております。 次に輸出用炭の内容はすべて燃料炭、たき料炭でありまして、一般炭の六千カロリー内外のものが、内外と申しますよりも六千ないし六千二、三回程度のものが主として参つております。積み出すものは主として九州の生産炭であります。
○松井(政)委員 見通しについて。
○中島説明員 これの今後の見通しでありますが、実は從來のように非常に國内的に石炭の需給が逼迫しております際には、輸出はできるだけ少くやつてもらいたいというのがわれわれの希望でありましたけれども、今日に至りましてはむしろ石炭に関する限りは、できるだけ多く輸出してもらいたいというふうな逆の希望をもつて、今いろいろ努力しておりますが、過渡的な時的な問題は別といたしまして、將來に対しましては、これは輸出先から入つて來る、バーターされるところの物資の國内における需要性いかんにもよりますけれども、そういうことを無視して考えれば大体國内で産出される炭程度のものは当然國内で消費するのが筋でありまして、またそれ以上の炭を要求するくらいに、全般の重要産業が発逹するのが望ましい次第でありますから、一般論といたしましては國内の生産炭というものは、輸出はできるだけ少くするというのが適当ではないか、こういうふうに考えております。しかし現状から申しまして、四千二百万トン、來年はさらに四千五百万トンも出るかもしれませんが、それだけの炭がただちに消費されないということになりますと、これはわれわれとしては一層努力いたしまして、月十二、三万トンのものは、さらに新しい需要地を開拓いたしまして、十五万トンでも二十万トンでも出すというように努力すべきだと思つております。その辺は現在の貯炭に関する限りは、まだ五万トンくらいの輸出をいたしましても、別に支障を來さないと思つておりますが、將來の長い問題として考えますれば、國内の需要がどうなるかに從つてきまる。今後これをふやすかふやさぬかということは、今後の全般の状況によつて左右される、かように考えております。
○川上委員 皆さんの御質問と政府当局の答弁で大よその政府の考え方はわかつたわけでありますが、この中には相当矛盾を含んでいるのであります。しかしそのことについてはあとで質問したいと思います。私はさきに具体的なことを少し御質問してみたいと思います。時間の関係もありますから端的に正直にお答えを願いたいと思います。 まず第一に、一般的なことはあとにして、公團手持の貯炭処理の問題であります。この貯炭の処理は凍結なさるつもりであるか。ほかの方法で処理なさるつもりであるか。凍結するとするとどういう形で凍結なさるつもりであるか。その結果公團の経理会計、これがどういう関係になるのであるか。この凍結の結果必ず欠損が來るのでしようが、この欠損に対してはどういう処置をとるつもりであるか。これが一つであります。第二の問題は、賣掛け代金の未收が相当たくさんある。これの強硬な取立てが進んでいるようであるが、しかし公團廃止までにしよせんこれはとり盡すことができない。廃止の後になつてどういう形で取上げるつもりであるか。そしてそれが必ず全部回收できるというお考えであるか。欠損ができるというお考えであるか。もし欠損ができるとすればそれはどうして埋めるつもりであるか。つまり公團廃止に伴うところの貯炭並びに未回収金に対する処理方法、これを具体的に、りくつ抜きにして御答弁をお願いしたい。
○中島説明員 貯炭はこれは御説のように凍結いたしたいと思つております。但し凍結いたしましても、いずれ公團が清算に入りましたならば、清算を結了させるためにはこれをはかせなければなりませんし、またこれはあまり長く持つということも炭の保存上から申しましても疑問がありますので、大体何箇月間にはかせるかということはまだはつきりいたしておりませんが、一年か一年半か存じませんけれども、相当な長期にわたつて、しかもその中で月々一般の市場を乱さない程度のものをはかして行くというふうに考えております。そこである程度長期にわたつて貯炭をいたしますと、その中では風化するものもありましようし、自然発火で燃えるものもないとは限りませんが、そういうものに対する欠損はもちろん生ずるわけであります。 さらに未回收金の問題でありますが、現在のわれわれの考えでは、未回收金は十月、十一月ぐらいまでに、大口のところに対しましては先般電氣に対して行われましたものと同様な方法で、需要家に対して金融の道を講じまして、そこからすぐにそれを回收するということで、大口の未回收金はここ二、三箇月中にできるだけ早く回收する。こういうふうにいたしたいと思つております。残るところの小口の一般のものに対しては、公團が解散後いわゆる清算法人になつたあとで、清算人が強硬に回收することになりますが、すでに炭の配給業務をやつておらない関係で、これとひつかけて回收を、強行することははなはだ困難になりますが、これは一般的な回收措置として、場合によつては差押え、競賣等の措置も講ずるという覚悟でとる。これは相当長期になりましても最後まで回收するという方針をとりたいと思つております。 それからそういたしましても場合によつてはここで欠損が生ずるかもしれませんが、いろいろな関係から生じました公團の最後の欠損というものは、当然に政府において負担すべきものだと私どもは考えております。この問題がはたしてその通りになるかどうか。これは事務当局だけの考えでは決定しないのでありますけれども、いずれこれは國家でその都度負担するという趣旨のもとに、必要な場合には立法もするという方向にわれわれは努力するつもりでおります。
○川上委員 欠損が出るということはお認めになつたことであるし、当然これは出るに違いないのでありますが、これを國家の費用から埋めることについては非常に大きな問題であり重大な問題である。この点についてはわれわれに非常に反対の意見を持つておりますが、しかしこれをここで討論しても始まらぬので、非常に重大な問題であるということだけを申し述べておきたい。 それからいつ凍結が解けるかわからぬ。これは実に無鉄砲な考え方ではないか。凍結してしまう。この考え方ならば、おそらく海に捨ててしまえというのと同じ考え方だと思う。何年かわからぬという計画になると、風化もありますし、いろいろな事情がある。今でも発火しておるところがあるし、草が生えておるところがあります。これは非常に莫大な損失が出るに違いない。これをまるで國家の負担になるという形で、配炭公團廃止の方向に問題を進められるところに、乱暴な計画のあるということをはつきり言わなければならぬと思う。おそらく事務当局の方は、私の察するところこれは間違つておるかもしれませんが、政治的にはどういう事情があるかわかりませんが、事務当局の方としては相当良心を持つておられると思うから、これはとんでもないことだと考えておられることだと思うが、この点については十分政府の方でお考えを願いたい。それについて私お聞きしたいのは、この凍結中に絶対ダンピングいたしませんか。もしくはこれをやる氣がありますか。これを一度聞いておきたい。 第二の問題は未回收金の回收をする時分に基準をつくるかつくらないか。現在は回收する基準をつくつてある。これは大口に非常にゆるやかにして、小口に嚴重である。これがちやんとできておる。こういう形で今後も回收を強行なさることがあるのかないのか。この点を事務的問題であるからお聞きしておきたい。
○中島説明員 前の質問の継続といたしまして、いつまで貯炭するかわからぬというふうにお取りになつたように思いますが、その点については私の言葉の足らない点がありますので補足いたしますが、これは貯炭の処理をいたしますのに、この貯炭をむりに処理するために一般の市場を非常に乱すということがあつてはならないので、たな上げするわけでありまして、大体この程度なら出してさしつかえないという数字の見当がつけば、その数量だけを毎月はかして行く。これは実際に市場の情勢によつて数字が十万トンのときもあれば、二十万トン、三十万トンに行くこともありましようし、この点はあらかじめ予定を立てるということはむずかしいと思います。それからさらにただいま輸出の引合い等の事実がございますが、これはかりに成功いたしますと相当数量ものがそつちに出る。それから一方進駐車におきまして可なりの数量、具体的の数字を申し上げますと、六十七、八万トンのものを貯炭分から買い上げる、一般契約以外から買い上げるということを申しておりますが、そういうことが実現いたしますと、すでに百何十万トンのものが現在の貯炭の中から消えて参ります。そういうことになりますと、かりに四百万トンといたしますと、残りは二百四、五十万トン、それがかりに月平均的にいつて二十万トンずつはがせて行けば一年、三十万トンずつであれば八箇月ということになりまして、從つてどのぐらいの期間これを持つかということは、市場の状況とスタートしたときの実際の貯炭の状況によつて違つて來ると思いますので、その点ではつきり申し上げられない。こういうふうにお答えした次第であります。 それから貯炭を賣りさばくときにダンピングをするかどうかということは、ただいままでのお話でおわかりだろうと思いますが、市場を乱すような賣り方をしないという原則をとつておりますので、從つて特に一般の市價を下げるような賣り方をしないという方向に持つて行かなければならぬと思つております。 それから未回收金の取立てをする場合の基準でありますが、これは一般的基準を清算法人としてとる必要はないのではないかと思つております。ただ一應回收の目途をつけるために、未收金のある需要家に対してどの程度の期間に全部納入するかというような契約をとつて、それがあまりに長くあるいはあまりに不適当であれば、これを修正するという申出はすると思いますけれども、できるだけ早くにこれを回收したいという意思にはかわりありません。しかしむりに取ることによつてその産業、工場を破壊するということになりますと、それは全然趣旨を没却いたしますから、その程度のことがないように実際の運用上に氣をつけて行きたいと考えております。
○川上委員 それだけの答弁ではこの石炭配給公團廃止の裏に、巨大資本の擁護ということが非常にはつきり出ておるということがわかりますが、これは石炭の場合、日産協の意見においてもこの貯炭を凍結しろ、それからつなぎ資金を出せ、それだけしたら廃止してよかろうという線が出て來ておる。この通りのことを政府がやつておる。おそらくこれは廃止についてもそういう方面にも一應の御相談をなさつたのだろうと思いますが、その人たちは九月には廃止してもよろしいという返答があつたように聞いておりますが、おそらくこういう人たちならそう言うだろうと思います。ここでちよつと聞きたいことは、これは今全國的に大きな問題になつておるが、大炭鉱の独占資本の方ではとにかく、さつきも今澄委員から質問があつたように、中小炭鉱その他の方が大問題である。北海道のごときは全面的に反対をしておる。宇部も反対、常磐も反対しておる。この反対をしておる声をどういう形でお聞きになつておるか。現在全日本にわたつてこの問題については、これは石炭だけの問題ではない。石炭の地元農村の問題であり、配炭公團從業員だけの問題ではなく、中小企業炭鉱十五万ないし二十五万の労働省の首の問題等、非常に大きい社会的な問題になつておるのであるが、これをどういう形でお聞きになつたか。たとえば中小炭鉱崩壊の問題にしても、中小企業はなかなかつぶれぬという御答弁であるが、そのつぶれるかつぶれぬかということについて、労働組合あるいは民主的團体等の意見をお聞きになつたことがあるか。もしなつたとすればどういう形でお聞きになつたか。政府の熱意を見てくれというような政務次官のお話もあつたが、熱意を見れば見るほど中小企業をつぶすようなことをやつておるのですから、これはあまり見られない。そこで具体的にこの行き方は独占企業擁護の方向に進んでおり、ほかの方は大問題が起つておる。御承知のように北海道からも來ておつて、全國の労働組合の大問題になつておるが、これの意見をどういう形でお聞きになつたか、またこれをどう考えておられるかという点を、簡單でけつこうですから、御答弁いただきたい。 〔神田委員長代理退席、澁谷委員長代理着席〕
○中島説明員 鉱業界の方の意見といたしましても、それから一般的な労働者その他の意見につきましても、公の方法によつて意見を聽取するということは今のところいたしておりません。ただ個々には來られた方のいろいろな意見に十分拝聽いたしておりますけれども、特別にそういう機会をつくつて意見を聞くというようなことは、ただいまのところいたしておりません。
○川上委員 そのことははなはだ遺憾であると思います。九月三十日に廃止することは予定しておるが、まだ確定しておらぬ、こういうお話である。ま臨時國会にかけるという問題もいろいろな事情があるけれども、かけるともかけぬともはつきりとした段階一ではないというお話でありますから、今後これを遂行せられる上に必ず民主的な團体、労働組合、炭鉱の意見を十分に聞かれるというような方法をぜひとつてもらいたい。これが政治だと思う。この配炭公團の廃止の問題については、これは一労勘者が反対しておるという問題ではないということを私は繰返して言いたい。地元の大問題である。こういう声をほんとうに聞き入れなければ、この配炭公團廃止の問題は、ひよつとしたらこれがきつかけとなつて民自党の政権がつぶれるもとになる危險性があるということを私は申し上げたい。簡單な問題じやないということを特に私の希望として申し上げておきたい。 それから公團廃止に伴うて不正の問題をちよつとお聞きしたい。この公團はそもそも初めから不正の巣窟である。しかしこのことはきようは問題にいたしません。公團廃止のチヤンスが來ると必ず不正が出て來ることは、火を見るよりか明らかである。このことについて政府はどういう手を打つ考えでおられますか。今まで亞炭その他の統制を撤廃したときは手放しだ。手放しの結果あらゆる不正が行われておるが、またこういうようなかつこうで手放しでおやりになるのであるか。前に手を焼いておるから今度はひとつこういう手を打つというお考えがあるか。その点をお聞きしたい。
○中島説明員 公團廃止に伴う一番の大きな問題は、貯炭がはたしてどうなるかということで、六月末で二百三十万トン、七月二十日現在で二百七、八十万トンあるというこの大きな貯炭が、実際はたしてどういうような状況にあるかというを確認することが、最も必要だと私ども考えております。從つてこの公團問題がどういうふうになるかは別といたしましても、大体この終末に近づきつつある現在におきまして、できるだけ早い機会にいろいろな方面の手をかりまして、貯炭状況を実際に確認いたしまして、その貯炭を公團ないしは生産者の方において責任をもつて保存し得るような措置を講じさせる。これは場合によつては予算の措置も必要かと思いますが、あらゆる手段を講じて、実際に確認された貯炭が何となしに消え去るということのないように、この点は十分注意したいと思つております。またこういう点につきまして、貯炭に限らず公團の所有物價に対する処置、いろいろ從來のいきさつもあり、遺憾のないようにということは、口頭では十分申し上げておりますし、また公團の首領部はその点十分注意いたしております。またこの点につきまして公文書等も出しまして、十分責任をもち得るように処置いたしたいと考えております。
○川上委員 なかなかうまい御答弁で、まつたく不正が起らぬように聞える。ところが事実は決してそうでない。これは非常に重大な問題であるので、声を大にしておきたい。公團の幹部はこういうことに注意していると言われますけれども、われわれは疑わざるを得ない。たとえば東京においては貯炭をどこにたくさんやつているかというと小川組である。これは札つきである。われわれの調査するところによれば、これはある方面から言うと、東京配炭局長松田三郎君と関係があると言われている。事実は私は裁判所ではないからはつきり知らない。これに厖大に石炭を預けている結果はどういうことが予想せられるか。必ず私の言いました不正が行われることは明らかである。この小川組というのは、公團トラツクの拂下げを受けようとしたが、会計検査院に押えられて、このトラツクは大蔵省に買い上げられざるを得なくなつたということも聞いております。これに厖大な貯炭をして知らね顔をしておる事実があるので、通牒一本出したらこういう危險がなくなるということはあり得ない。また九州においては、公團とぐるなつてトラツクの拂下げを受けて、新しい会社をつくろうとした陰謀が企てられたが、これを労働組合に摘発されてつぶれてしまつたという事件が最近ある。われわれの方に詳しい資料をとつてあります。前の亞炭その他の統制廃止の問題でも、長野縣において大きな事件が起つておる。その他たくさんの不正事件が公團を中心として行われつつある。これは公團ばかりではなく、幾らもあります。きようも不正問題について私のところに二つほど具体的事実を持つて、商工委員会で摘発してくれと言つて來ておりますが、これは余談として、一片の通牒や何かで片づく問題ではない。今の政府の答弁は、この問題を見のがすという態度をとつていると解釈せざるを得ない。これははなはだ遺憾で、これは人民とともに、國民とともに行使しなければならないので、あとで提案したいと思いますが、貯炭その他の問題について、商工委員会はぜひ調査機構をつくらなくちやいかぬと思います。 第三の問題は中小炭鉱の問題で、これはさきに今澄委員からも質問があつたのでありますが、痛烈な打撃を與えないように考慮しているという答弁である。これではさつぱりわからね。どういうぐあいにして痛烈な打撃を與えないようにするつもりであるか。こういう答弁はもう非常にきらう。どうもさつぱりわからぬ。こういうように言うておいて打撃を與えてひつくり返してしまう。そこでひとつ具体的に言うてもらいたい。こういうぐあいにするのだ、中小炭鉱にはこういう手当をするのだ、あるいは資金についてはこうするのだ、代金の回收についてはこういうぐあいにやるのだ、だから中小企業はなかなかつぶれぬ。これをはつきり言つてくれぬことには、禪問答みたいなもので何にもならぬ。そこで案があるでしようからこれをひとつ具体的に言うてもらいたい。この案なくして配炭公團の廃止を強行にやろうとするのは乱暴至極の政治であつて、國民が納得しない。國民の納得しない政治は、いくら多数で押し切つても必ずつぶれるのです。政治というものは國民が納得しなければだめだ。中小炭鉱、労働組合、地元の町村、これが納得しなければ、早い話を言うと、そこから出ておられる民主自由党の方の選挙地盤を失つてしまう。これじや政治はできはしない。千人も二千人も絶対多数でなかろうし、この点は十分考えなければいかぬと思う。それで政府には必ず具体案があるであろうと思う。なければよほどおかしい。あるに違いない。それほど間抜けた政府とは思えない。そこで私は具体的なことを知らしてもらいたい。いろいろ苦慮しておるというような返答はいらない。こうするのだということを言つてもらいたい。
○宮幡説明員 実は川上委員の御質問に対してのお答えでありますが、これは前回の委員会におきましては、私の申し上げることは禪問答になるということで、きようになるべく事務当局から答えさせろという代理委員長の御要望もありましたので、事務当局から答えさせることを専念しておつたわけであります。たまたま事務当局の答えから、川上委員の政治論になつたのであります。しかし御意見の点や御見解の点は承つておきまして、何らそれに対してこの席で申し上げようとは考えておりません。しかしながら政府といたしまして、公團に不正があるだろうという問題、その不正のあるものを名前や会社等の御指摘もありましたが、現在の政府がこれを庇護したりかばつたりするような氣持ちはいささかもございません。從つて具体的な問題がございますれば、具体的問題として御追究くださることもけつこうであり、御自由だと考えるのであります。この点は、現在の政府が、このような不正をする者を遍存するというような観念はいささかも持つておりません。 また中小炭鉱の問題につきましても、資金繰り等にこうしてこうしてと具体的に言うことは、これはたしかに國民全体の御要望だと思います。しかしこれがまたむずかしい問題で、具体的に申し上げられないということも事実であることを、川上委員は腹の中ではよく御承知のことであると思う。しかしさようなことを申しておつてはとても始まらぬのでありますから、資金繰りやいろいろな問題につきましては、各炭鉱からそれぞれの御意見、御要望を徴しております。そうして一つ一つの問題につきまして檢討を加えまして、先刻も概数でありましたが、炭鉱の設備資金の所要額につきましておおむね二百四十八億程度の要求がある。これは自己資金その他の面で調逹できるものがこのくらい、大体このくらいのものはエイド・フアンドからでもあつせんしなければならないと、個々の一会社、一炭鉱についての檢討を加えておりますが、この方法がよいとか悪いとか、これは議論がありましようけれども、やはり一つの炭鉱にはそれぞれ特異性があり、中小炭鉱であるから必ずしも弱いとは言えない。中小炭鉱であるから、かえつて能率のよいところもあろうし、かえつて相当コストの安いものもあろうということが理論として考えられるわけであります。そういう意味で、どういう対策かというと、それは個々の炭鉱の実際の要望を徴しまして、一つ一つ檢討している実際でありますから、この点はひとつ十分に川上委員の御了解をいただきたいと思います。その他の点は御希望でありますから、承つておくことにいたします。
○川上委員 御回答を得たのでありますが、私の聞きたかつたのは、個々の山についてどうするというような形ではなかつた。配炭公團を廃止する原因が何かという御答弁は、貯炭がたまつてどうしても賣りさばきができないと言われるが、これはほんとうを言えばうそである。これは政府に言うが、そんなことはない。貯炭のひどくなつたのは今年の夏ごろになつてからだ。ところで配炭公團を廃止することはこの前からきまつておる。これはあとからりくつをつけたのでうその皮である。うその皮を平氣で言うのが政府の答弁である。これはちつとも感心しないが、しかしそう言うのだからそれを中心にする。配炭公團を持つておるというと、將來半年や一年でどんどん片づくような見込みがない。配炭公團を廃止すれば片づくのだと言わなければ、政府の答弁はちつともりくつにならない。片づくとすれば、これは價格の暴落である。價格の暴落以外にどうして片づくか。片づくところはないはずだ。全産業は崩壊しておる。中小企業は集中生産でつぶれておる。重税を課せられて企業が困つておる。このときにこれを片づけるには、どうしても價格の暴落よりほかはない。ダンピングだ。必ずダンピングをやらなければならない。必ずダンピングをやればどうなるか。例をとれば、秋田の阿仁合の無煙炭は、今日山元で七百円、東京で千三百円で賣つている。このために宇部の山陽無煙は東京ではほとんどボイコツトされている。山陽無煙は相当いい炭だが、これは東京じや賣れない。なぜ賣れないか。これは秋田の阿仁合の無煙炭が占領しているからだ。これもまつたくのダンピングだ。自由競争だ。この形は必ず出て來る。たとえば常磐炭鉱のごときは必ずダンピングをやる。やらざるを得ない。ダンピング競争が始まれば、大手筋まで必ずダンピング競争が始まつて來る。こういう形をとつて來ますと、それならいつまでダンピングをやるかというと、そうはやれません。われわれの見落としではまあ政府もこう見通しておられるに違いないと思うが、必ず協定に向つて行く。これが集中排除の問題にひつかかるかひつかからないかは別として、大手筋に必ず協定しなければ方法がつかなくなるにきまつている。これは四千二百トンに関係するからあとで質問したいと思うが、こういう形をとりますから、個々の山のコストの問題じやない。中小炭鉱は必ずやつぶれるのです。つぶれざるを得ないのです。それは皆さん方が宇部や常磐その他の炭鉱の者を呼んで聞いて見たらいい。あるいは聞いておられるけれども、知らぬ顔をしておられるのかもわからない。ほんとうにまじめに聞いてごらんになつたら、どれだけつぶれるかということはわかる。これに対してどうするかということを私は聞いている。その個々の炭鉱を呼んでみて、困つておれば金を出そう。これは政治じやない。それは下役人が小手先でやる仕事で、政府ともあろうものはそんなことじやない、この大きな政治的問題に対していかなる手を打つつもりであるかということを私は聞きたい。これは政務次官でなく、事務当局の力でもよろしいから、この手をどうして打つのかということを具体的に知らせてもらいたい。
○中島説明員 非常にむずかしい問題でありますが、先ほど私もちよつと申し上げたと思いますけれども、中小炭鉱対策の一つの方法として今私どもが考えておりますのは、要するに中小炭鉱と一括して申しましても、優秀な炭と優秀な條件で出しているところは、これは全然心配のないことは御賛成願えると思います。問題は、結局比較的低品位の炭を、非常に條件の悪いところで産出している炭鉱ということになると思いますが、そういうものに対する唯一の手段としては、そういう低品位なり何なりの炭の需要の適当なものを発見してやることが一番じやないかと思います。そういう意味において多少技術的になりますけれども、この炭の適当たる用途というものを何か考え出して、そこへ持つて行くようにすることが、一番実現の可能性ある方法と思つて、私どもの方では今その準備をいたしております。それから、一般的に申し上げますと、かりに公團統制が撤廃になりますと、いわゆる價格というものは、かりに一部のものは残しても、それ以外のものについては、もうプールも何もできませんから、價格プール、運賃プールということは大体実行されなくなると思います。そうすると、公定價格があつてもなくても、要するに市場に近い炭鉱は、その意味において輸送上非常に有利な関係に立つ。たとえば常磐等は、東京方面の市場については、九州や北海道に比べて、少くともその関係においては有利な関係に立つ。それから宇部にしても、宇部地区の需要については、宇部炭は相当優先的に入り込む力を持つ。こういうふうな点がありますので、新しい需要の方面の開拓ということと、それからその鉱業のあります立地的な態勢というものを十分活用するという方向に、この炭の利用方面を活用いたしますならば、ある程度までこの問題が片づくというふうに考えております。それ以外に非常にいろいろな手を考える必要はあろうと思いますが、この点につきましては私どもの一應の考え方いろいろ出て参つております。しかしこれをほんとうに具体的に実行できるということになると、いろいろな関係でなかなか実現されないものもありますので、そういうわれわれの希望の点がはたしてどこまで行けるかどうかということは、これは今後の問題でありまして、これこそ政治的な問題になりますので、ちよつと私からお答えするところまでは行つておりません。
○川上委員 非常に明快な答弁だと私は思います。というのは、この対策は何もありませんという答弁。この答弁で非常によくわかつた。何もないというが中小炭鉱がつぶれるのは二年も三年も先のことではない。この配炭公團廃止に伴うて資金の問題、販賣の問題、炭價問題、その他の問題で今つぶれる。じきにつぶれてしまう。何らかの方法をとつて二年、三年先の解決策を考えるというが、そんなことをしているうちにつぶれてしまう。これはまつたくの言いまわしであつて、政府においては中小炭鉱に対して、何らの対策のないということをほかの言葉で明らかに答弁されたと思いますので、この答弁は明快であると私は言わざるを得ない。これは大問題だと思う。私は一口言つておきたい。共産党はガアガア言うけれども、あれはちつとしかいない。言わしておけばいいのだ。こういうふうにお考えになつておるとすれば私は大問題だと思う。こう考えておるのは共産党じやない。人民大衆が考えておる。労働者大衆が考えておる。村や町が考えておる。これを私は言うておる。共産党はこの部屋に二人しかいない。こういうことで片づくのじやないと私は考える。この点は政府において十分考える必要がある。これは私の声でなく、全人民の声であるということを私ははつきり言つておきたいと思います。 その次にお聞きしたいことは失業の問題であります。公團関係で失業者が一万二千人、中小炭鉱で五千カロリー以下を切り捨てるということであると、約十五万人の失業者が出るであろう。この配炭公團の無鉄砲な廃止によつて失業者が幾ら出るかわからぬということは、この数字はみな認めておる。これを認めておらぬのは今の局長でありあるいは政府である中小炭鉱はなかなかつぶれやしない。そうすると失業者は出やしないという結論になる。ところがこれを國民に聞いてみればわかる。だれでも言うておる。村長がびつくりし、町々が騒いでおる。北海道は北海道会が動いておる。道会議員が政府に東になつて申入れしようとしておる。全北海道が動いておると言つてもよろしい。全北九州が動いておると言つてよろしい。これは非常に大きな問題で、厖大な失業者が出るのみならず、これを包容するところの農村あるいは地元の町村というものは、荒廃に帰することは明らかである。これに対して政府は何も考えてはおらないのですか。あるいは多くの中小企業がつぶれぬと言うてほつてあるのですか。あるいはこういうぐあいに吸收し解決するという計画があるのでありますか。この計画なくしてとにかく炭が余るから配炭公團は即刻につぶさなくちやならぬ、こうお考えになつておるのか。その点を簡單でよろしいですから要点だけ御答弁お願いしたい。
○中島説明員 炭鉱からの失業者の問題はもちろんこれは配炭公團の整理その他に伴つて、ある程度出ることは予想しなければなりませんけれども、これに対する失業対策を、現在の一般経済情勢に伴つて起りつつありますところの失業問題と切り離して考えることは、これは必ずしも適当でないと思います。從つてこれは一般的な失業問題として政府で当然全國的に考えるべきではないかと思います。特に私どもの石炭関係だけを、この炭鉱から出て参ります失業者をどうしてやるということを、特別に今のところ考えておりません。 〔澁谷委員長代理退席、神田委員長代理着席〕
○川上委員 まことに明快な答弁であつて、失業者をほうつておく。一向考えておらぬ。公團だけを処分したらいい、こういう政府の御答弁だと思う。これについてはさつき私が申しましたから、そのことを繰返しては申しません。近い將來にかような形の整理があるならば、全國的に大問題が起るであろうということを、私は警告しておきたい。これは一に炭鉱だけの問題ではなくて、実際言えば、民主自由党内閣の屋台骨をゆする問題がここに出て來ておる。ひとつこういう観点から石炭はお考えになつた方がよろしいと思う。單に配炭公團を廃するというような問題と違う。これは共産党が言うのではないということを、明らかに言うておきたい。國民がこう言うておるのであります。 私は質問に時間を相当費しましたから、続いてまとめて質問したい。この配炭公團廃止について、今まで御答弁を得たところ、私の質問した点、あるいはほかの委員の方々に対する御答弁を総合して、およその輪郭はわかつたが、この結果必ず一般物資の生産計画はくずれる。これはくずれざるを得ない。四千二百万トン計画というものは、どこへでもいい、賣りさえすればいい、余つたら海に捨ててもいいという計画ではない。この四千二百万トンをかようかように使うということが基礎になつて、初めて生産計画が立つておる。ところがこれを調節して、でき得べくんば海にでも捨てた方がよろしい。安くしてダンピングをやつて、あるいは家庭用炭にもどんどんまわす。今度はできれば輸出もしていまいたい。こうなつて來れば、これは民主自由党内閣がお定めになりました生産計画の崩壊である。これをどうお思いになりますか。 第二には、炭價の統制の撤廃、この方向に行つておるのでありますが、これは実質的の撤廃になる。たとえば最高價格を決定しても、ダンピングがどんどん行われれば、これは價格体系がくずれてしまう。炭の價格体系がくずれるならば、民主自由党内閣がやつておる價格体系はくずれざるを得ない。これをくずれぬと思いますかどうですか。 その次には四千二百万トン計画がくずれぬと言われますが、くずれる。くずれざるを得ない。炭價の暴落が必至なんだ。ダンピングが必至だ。そして賣込みが必至だ。そうすると商工大臣は、これに対してある人々の質問に対して、その少くなるのは一時的の現象であると答弁しておられますが、これは一時的の現象じやない。山がつぶれる。そうしたらそれに伴つてすぐまた掘る。そんなわけには行きません。これは必ず四千二百万トン計画がくずれる。必ず減産する。炭價が下れば賣れない。これは配炭公團の廃止態勢に見てもわかる。五月と六月の配炭停止工場の数を見ればわかる。これによつて全産業が崩壊しておる。全人民に購買力がなくなりつつある。國内市場がしぼみつつある。輸出はすつかり頭打ちしてしまつておる。この状態においてはとうてい安くなつたから賣れるということになりませんから、必ず四千三百万トン計画はつぶれると思うが、これを政府はどう考えておるか。 第四には賃金体形がくずれる。どうくずれるか。高く上つて困るというのではない。下つてしまうのだ。何円ベースというような問題があるが、このベースどころの問題じやない。山がこうなり、炭價がくずれる。そうして全産業状態はかくのごとくなる。そのために石炭から始まりまして、低賃金労働強化、時間の延長が必ず來る。つまり労働者を中心とするところの生活体系、賃金というものはこれによつてくずれる。独占資本はこれによつてたいへんよくなつたと思うかもしれませんが、それでは政治にならぬ。この点はどうお考えになりますか。 最後に、まだ中小企業に対する資金融通の対策が出ておりません。また賣掛金その他の処理の問題についても、はつきりした具体策はまだ出ておりません。こういう裏づけが一つもできないにもかかわらず、何を急いで九月一ぱいに配炭公團をどさくさ的に廃止しなければならないか。全國民といつてもいいほどこれは反対しておる。これに賛成しておるのは大手筋だけだ。こういう状態を無視して、なぜ臨時國会まで待てぬほどに配炭公團を廃止しなければならないか。なるほど貯炭は積んでありますが、この貯炭たけが問題ではない。これをさばくことが政治なのだ。全体の産業が崩壊し、價格体系がくずれ、生産計画がくずれ、四千二百万トン計画もくずれ、労働者の生活体系もくずれるというようなこと、これに対する手当をせずして、むちやくちやに急いで配炭公團だけを廃さなければならぬということは、われわれは了解に苦しむところであるとともに、國民も了解に苦しむところであると思う。このことについての御答弁は、貯炭がふえるからしかたがないから廃止するという一点でありますが、これはなかなか了承できない。政治というものはそんなものではありません。貯炭を解決することが政治である。貯炭を困るからやめてしまう。ほかの弊害はどうなつても一向かまわない。それでは政治にならぬ。現内閣はこういう政治にならぬことをなさるはずはないだろうと思います。なぜこんなに急いでやらなければならぬかということをひとつ承りたい。貯炭が増えるからというだけでは決して私は説明にならぬと思う。特に事務担当をなさつておる当局の方には考えがあるに違いありませんから、これを端的に御答弁をお願いしたいと思います。
○宮幡説明員 川上委員のお尋ねは事務当局の御要求でありますが、こまかい問題は事務当局にお答えさせますが、大体承つておりますと、御意見にわたる点が多いので、あるいはこれに対してお答えをするということの方が不適当ではなかろうかともおもうのであります。しかしお言葉の中に全國民大衆の声であつて、あるいは川上委員のお声でないというような言葉もありますし、民主自由党の屋台骨がゆるむであろうという言葉や、あるいはこれは政治でないというお言葉、これはもちろん御意見であると考えております。政府はどう考えるかというだめ押し的な御意見もありますので、その点についてちよつと申し上げます。一般物資の生産計画がくずれる、こういうことで計画生産という言葉が妥当であるかどうかということは、第一番の議論から生まれて來ることになるのでありますが、現在よいとか悪いとかの批判はしばらくおくといたしまして、ドツジ・ラインによります均衝予算で強行しております現在の状態において、最大のねらいは早期の経済の安定であり、自立であり、國際経済への参加である。この面から申しますと、ドツジ・ラインの以前に立てました計画というものは相当糧がかわつて來るであろう。川上委員の仰せられまする生産計画はくずれるという見方は、こういう意味においては当つているのではなかろうかと考えております。それから炭價の撤廃につきましても非常な暴落を來すであろう、こういうことが先ほど事務当局への御質問によつても、ダンピングの問題を取上げて、ダンピングによつて中小企業が倒れるであろう、あるいは大炭鉱は必ず炭價の協定をするであろう、こういうようなお話もあつたのでありますが、石炭というものの需給関係は、私が申し上げるまでもなく、戦前の平時経済の時をごらんくださればわかりますように、石炭は輸送距離というものが、そんなに二百キロも三百キロも伸びておりません。平均輸送距離というものが、石炭の需給の事情を鮮明に物語つておるわけであります。從つてその地区に最も有利な所に自然にさばかれるべき現象こそ尊ぶべきであり、またそれが自然の姿であると考えておりますので、北海道にある山と九州にある山とがダンピングによつて、相剋摩擦によつて、一方が倒れるであろうということは御意見としては拝聽いたし、さようなことのないように十分警戒をいたしまして諸施策を講じて参りたいと思いますが、一應こちらとしては戦前の石炭輸送距離等を勘案いたしますと、石炭のおよその需給範囲というものは、自然のうちに限定されておるのではなかろうか、かように考えておるわけであります。 それから二千四百万トン計画がくずれる問題でありますが、これは政府の表明が力弱くして御理解をいただけないことは遺憾でありますが、四千二百万トンの生産は逹成できる確信的なお答えを大臣も申しておりますし、この委員会においてもときどき申しておるわけでありますので、この点はぜひ御了解をいただきたいと思います。 また賃金体系がくずれる。これは低賃金になるので、賃金ベースというような問題ではない。私どもに労働強化、あるいは労働の搾取という面から低賃金になることを絶対希望していないものであります。また民主自由党内閣としてもさように考えているのであります。名目的な高賃金よりも、実質が多くなる体系になりますと、われわれは喜んで低賃金の方に賛意を表せざるを得ないことはよくおわかりと思います。名目的な高賃金よりは、実質資金の増大いたします低賃金、それこそ経済の早期安定、早期自立への道であろうと考えているのであります。 それから賃金の方が結論が出ておらないという言葉は、中小企業に対するものがないではないか。中小企業と申されたのは中小炭鉱の意味か、あるいは全般的な中小企業の意味かちよつとわかりかねますが、一應小企業ということでありますから、さような面についてお答えをいたします。これこそ具体的に申し上げなければ、川上委員の御性格といたしまして御納得いただけないわけであります。中小企業の資金が少しも出ないというおしかりをこの委員会でも受けて参りましたが、幸いにいたしましていろいろ苦心の結果におきまして、ただいま農林五公團に対しまして預金部資金が増高しておりますし、その増加の資金を利用いたしまして九十億の融資をいたしました。そして九十億の融資の中から四十一億四千万円の復金價を償還させて、四十一億四千万円のうち四分の三に当ります約三十億円をもちまして、これを中小企業の急を救います融資に充当しますことの了解が、昨日ようやく関係筋の方から得られました。これも第五國会終了直後より、來ります金詰まり対策といたしまして、始終一貫努力をいたして参りまして、ようやくにしてこの段階に参りました。また現在やつておりますのが、復興金融金庫で持つておりまする債権のうち優良なもの約百億円を目途といたしまして、市中銀行に肩かわりをいただきました。これによつて得られます所要の資金をやはり中小企業の資金といたしまして運営し、おおむね三分の一を限度といたします政府保障制度、もちろんこれらについては立法的措置も必要であろうと思いますが、さようなことによりまして貸澁つております銀行、川上さんのお言葉を拝借するならば金融資本家の臆病さが、金融資本家の独占的な考えが、そういうような意味で貸澁つているものを打開いたしまして、極力中小企業の資金繰りを円滑にいたすように処理いたし、これから求められますところの有効需要によりまして、ぜひとも全面産業に恐慌が生じないような方途に進みたくただいまやつております。中小企業の金融につきましても、ただいま申し上げたように順次段階はとり運びまして、ただいまではすでに実現の態勢になつております。從來十二億五千万の融資の面も二十五億に拡張し、現在では十四億の貸出しをいたしております。先ほど個々に檢討するという答えでは満足できないというおしかりもありましたけれども、一應現存のこととしては差迫つたものを個々に解決して行く、かようなことで工場事業場等の診断もいたしまして、八月十日をもつて締切りまして、さらに一應全面的に資金の檢討をいたしまして、中小企業を中心といたします資金繰りその他の悩みを解決するのに、必死の努力をいたしたいと考えておりますので、ぜひ御了承いただきたいと思います。 配炭公團の廃止を單も貯炭の増加だけにとつているのではないかということは、これまたいささか見解の相違であり、配炭公團の廃止はとつくにきまつているが、貯炭の増加に便乗しているのではないかというふうに私は承つたのでありますが、配炭公團というものが、先ほども不正とか損失とかいう御指摘がありましたように、配炭公團を存続する意義それ自体がなくなつたのではなかろうか。それで区々たる貯炭の増加とか、あるいはそれらの言葉は、現在差迫つた配炭公團を廃止する場合においてどうなるのだ、貯炭は凍結するのかどうするのだというような言葉から出て來たのでありまして、貯炭の増加ということそれ自身が配炭公團を廃止すべきものでなくて、すでに現在の情勢におきまして、石炭の需給バランスその他一般の産業との均衝状態を考えまして、もはや配炭公團を設けて統制経済を存置する必要がないと、かように認めておるのが政府の見解であることを御了承いただきたいと思います。 その他の点につきまして事務当局からお答えすることがございましたならば、再質問の形でもけつこうでありますから、持つております資料だけは委員会の席でも率直に申し上げますから、どうぞお尋ねをいただきたいと思います。
○川上委員 ここで一つ希望を申し上げておきたいのですが、この配炭公團廃止の問題は、先ほどから私が繰返しますように、野党だから言つておけとか何とかいう問題ではなく、これは國民に相当大きな影響を與える問題だと思うのです。そこでこの月の末ごろに委員会があるいは開かれるのじやないかと思うのですが、その時分にはまたこの配炭公團の問題は政府の考え方も少しはかわつたり進展したりする。そのときにあらためてこれはまた取扱うようにして行きたい。 なお社会党の方から何か御質問があると思いますから、時間は來ておりますが、私の質問は打切りまして、社会党の方に質問していただきたいと思います。
○今澄委員 それでは先ほど申し上げたのでありますが、いわゆる貯炭の事情審査、それからできれば各炭鉱労組並びに経営者、中小炭鉱を集めた公聽会というようなものは休会中でありますから、参考人の供述の会なりを、理事会に諮られて、適当な措置をとるようお願いいたします。 この次の委員会にかかるまでには、十五日ばかりあるので、大分進展すると思いますから、この際石炭から離れますが、銅の價格差補給金の問題が非常に大きな問題となつておりますので、この点につきまして、政府の方策なり、もし補給金をはずせばどういう処置をとられるかということを政務次官にお伺いして、きようの私の質問を打切りたいと思います。
○宮幡説明員 ただいまの今澄委員の御質問でありますが、ただいまはまだ全面的に申し上げる段階になつておりません。しかしながら委員会のお尋ねでありますので、わかつておる程度申し上げます。銅の補給金は御承知のように本年の予算には二十八億円計上されておりますが、この二十八億円の半分十四億円ばかりを節減するような処置を講じろ。これを算術的に申しますと、十月一日から全面的に廃止しろというのが関係方面の意向であります。ところが実際は銅の生産が年間平均的にできておりませんで、第一・四半期及び第二・四半期の現在中途でありますが、少し生産が余分に過ぎたと申しましようか、このままで行きますと、九月末日で補給金は十四億円以上に食い込むことになります。それで所期の十四億円を削減するということが困難になりますので、八月、すなわち今月から二割の削減、來月から四割の削減、十月十一月からは全面的にやれということが一應お向うさんの御意見なのですが、それは対しましてただいま対策を練つておりまして、ぜひとも十四億円の結論を出すというようなことでなくして、銅の方は石炭よりもまだ深刻な問題でありまして、銅山をこのままの状態でもし強行いたしますと、あるいは優良な銅山の三つかそこいらしか残らないのではないか。しかもそれによる硫化鉱の減産というような問題と合せまして、問題は石炭より大きくなくともなかなか重要な問題でありますので、いろいろこれに対する対策を考えておりまして、ぜひ現在持つておる幣貨の買上げ等を行いまして、しかもそれは適当の時期に賣りもとしてやるというような措置も考えまして対策を考究中でありますが、これ以上ただいま申し上げる段階になつておりません。関係方面との交渉も今なお続けておる段階でありますので、八月に二割やれというようなことはちよつと困難ではなかろうかと実は考えておりますが、交渉の経過についてはまた委員長を通じまして、中間報告等必要な場合がありましたならば御報告を申し上げまして、何とか銅産業に対しまして、たびたび使う言葉でありますが、痛烈なる打撃を與えないように処理して参りたいと考えておる段階であります。
○神田委員長代理 これはまた問題外でありますから、次の委員会までにお願いいたします。 本日この程度にとどめまして、次会は本月末二十九、三十、三十一のうちから二日間にわたつて開会いたしたいと思います。その日時及び案件は委員長において決定の上、公報をもつてお知らせいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長代理 御異議ないと認めます。それではさようにとりはからいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時八分散会