商工委員会 第22号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/05/22
会議録
○村上(勇)委員長代理 これより商工委員会を開きます。本日は私が委員長の職務を行います。 まず鉄道電化に関する問題につきまして政府当局より説明を求めます。速記の都合等もありますので、説明聽取は懇談の形で行きたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上(勇)委員長代理 御異議なしと認めます。ただいまより懇談に移ります。 〔午前十一時三十二分懇談会に入る〕 ————◇—————
○村上(勇)委員長代理 それでは懇談前に引続いて会議を開きます。 石炭に関する件を議題として調査を進めます。質疑を行います。川上貫一君。
○川上委員 管理局法がお見えになつておりますから、ちよつと質問したいのですが、これは私が前に質問した問題ですが、委員会の権威にもかかわると思いますから簡單に質問したいと思います。 実はこの前私が質問申し上げましたときに、石炭鉱業の監査に関する問題で、大藏省と商工省、今日の通産省ですが、これで石炭経理について監査をなさつた資料があるはずだということを私はお聞きした。その時分に復金融費に関する報告書のまとまつたものを頂戴した。その際に各炭鉱の鉱業株式会社の資金監査というものをやつて、それがある報告書に集約されておるのだろうと思うのであるが、その集約されたもと、つまり資金監査をやられた報告書がなければ、あの報告はまとまらぬはずであつて、そのもとの報告書があるだろうということを質問した。そうしたらそういうものはないという御答弁になつておるのであります。ここに速記録がありますが、それはない。この速記録の内容について必要があれば、それを申し上げてよういが、ない。ところがその後参議院でこの問題について質問がありました。その参議院では大藏事務官の田中英夫君が商工委員会に出られまして、われわれが質問したことがある、そのものがあるということを答弁されておる。その報告書には、この前に私が申し述べましたように、商工事務官四名の共同の調査になつておる。ところがそのものがないということを商工大臣も管理局長も磯野説明員もここではつきり言うておられる。これは非常に食い違うのであります。このことを明かにしておかないと、どうもこれは商工委員会として答弁の結論が承服できないことになるのです。この点についてまずお聞きしたい。これはどうなつておるのですか。
○山地政府委員 お答え申し上げます。お尋ねの点はおそらく昨年末、大藏省の事務官が主査になつて、復金の使途について監査を行われたときの書類だと思います。要するに御説明申し上げました通り、復金資金の使途につきまして監査が行われたのでありまして、それについての報告がありました。それを商工省並びに大藏省の責任ある報告書として差上げたのでありまして、お尋ねになりました報告書は、何か大藏省の田中事務官があつたとかないとかおつしやたそうでありますが、私どもといたしましては提出いたしましたほかの資料はないのであります。その点お答え申し上げます。
○川上委員 そこがちよつと妙なんですが、田中大藏事務官と、それから眞鍋商工事務官、鳥取商工事務官、こういう方々が監査されたはずなんです。この監査の報告書というものが大藏省並びに商工省にはあるはずだ。これがないというのですか。
○山地政府委員 監査いたします際には、私の想像でございますが、各監査担当官が現地に参りまして、いろいろ調査いたしまして、いろいろの資料を集めまして、あるいはメモを控えますとかあるいは記録をとりますとか、そういうことを作業いたしまして、それを総合判断いたしまして、いろいろな証拠資料を集めまして、この使途はたしかにこういう使途に使われておるということを判定いたすわけであります。私は想像でわかりませんが、現地でいろいろ調査研究されて、いろいろな資料が集まられたことと思うのであります。その場合には、私の方の商工事務官も立ち会つておりますので、いろいろ資料をとりそろえて研究いたしたかと思いますが、そういつた調査途上のいろいろな資料はあつたろうと想像いたしておりますが、商工省といたしましては正式な書類は何もないのであります。この点重ねて御指導のようなものはないということを、御報告申し上げる次第であります。
○川上委員 商工省が報告書としてまとめられて、どこかにお出しになつたものを開いておるのではないのであつて、商工事務官が報告書として商工大臣に出したもの、これがあるのですか。ないのですか。
○山地政府委員 事務官の名前で正式に商工大臣に出しておるような書類はございません。本委員会に提出いたしました以外のものはありません。
○川上委員 ここに私は資料を持つておるのですが、これははつきりと麻生鉱業株式会社資金監査報告書となつておる。これは昭和二十四年一月十四日の日附なんです。監査は昭和二十三年十一月二十九日から昭和二十三年十二月九日に至る間の監査、これこれの内容について参議院で質問したのです。ところがこの内容と同じことを田中大藏事務官が答えた。その通りであるということを答えた。だからこれはないはずはない。この証言が合つておる。これがないというのはおかしい。これがなければ田中大藏事務官がこれと同じ答弁をするはずはない。これはあると思うのですが、ありませんか。
○山地政府委員 大藏事務官のつくられました書類につきましては、私はよく存じないのであります。大藏事務官が大藏大臣にいかなる書類をだしましたかについては、私の方ではお答えを申し上げることはできないのであります。
○川上委員 そういたしますと、この報告書を見ると、これは先日の委員会で私が質問したのでありますが、委員会の方ではそれは直接今度の法案の問題には関係はないのではないかというので、それは打切りになつたわけであります。その時分の話はそうでありましたが、その際に政府当局の方で御答弁なさつたことと、私が質問したことと及び参議院で田中大藏事務官が答弁したことと食い違つておる。この点を今日は聞いておるのでありますが、その田中事務官の答弁によると、これは一つの例でありますが、麻生鉱業株式会社の経理内容、復金の使い方、こういう問題についてはこの報告書に特に特記事項というものがある。第四でありますが、麻生株式会社の不始末、経理の非常な紊乱、それから資金の使い方の不法というものがはつきりと指摘してある。復金の融資も適当でないということをちやんと書いてある。このことをその通りに参議院で田中大藏事務官が述べておる。このことについて管理局長は何もお知りになりませんか。こういう報告書がないとおしやるが、何も商工省の方では知らないのですか。
○山地政府委員 田中大藏事務官がどういうことを答弁されたか知りません。私の方ではその答弁の事実があつたかなかつたということについては——それは田中事務官の御意見であろうと思いますので、私の方ではその事務官の言われましたことが眞実であるか眞実でないか、その事務官が言われた事実であるかないかお答えできない状況であります。とにもかくにも商工省にはそういう書類はないのであります。
○川上委員 そうすれば麻生炭鉱の会計の不整理ということがはつきりとここに書いてあるのですが、これについては商工省では何も御存じないのでありますか。またこういう事実があるということを全然お知りにならないのですか。
○山地政府委員 先ほど御説明申し上げました通り、当方の監査いたしました報告では、麻生鉱業の復金資金の使途として監査報告を受けましたが、それについては異議なしという報告を聞いておるだけであります。
○川上委員 それはどうも大藏事務官の報告と今の答弁とどうも食い違う。それでは私は眞鍋事務官がおられたら、眞鍋事務官の出席を求めて、私の質問しておることがほんとうであるかうそであるかということをお聞きしたいのですが、そういうおとりはからいをひとつお願いいたしたい。
○村上(勇)委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。——なければ石炭に関する件につきましては今日はこの程度にとどめておきます。 —————————————
○村上(勇)委員長代理 次に繊維に関する件を議題にして調査を進めます。質疑を行います。
○門脇委員 農林政務次官の御出席を得ておりますので、この際に農村向けの繊維製品の取扱いに関しますことにつきまして、御質問申し上げたいと存じます。農村向けの繊維製品の配給取扱いにつきましては、統制経済が始まりました昭和十四年以來非常に紛糾いたしておるわけでありまして、当時商工大臣、農林大臣の政治折衝によりまして、農村向けの衣料品については商業協同組合系統、当時のいわゆる全購迪系統であります。それと現在のいわゆる農業協同組合系統になるのですが、この農業協同組合と折半という政治折衝で一時落着いたしまして、爾來その趣旨に沿うて相当期間継續されておつたのであります。終戦後いろいろ経緯もありましたが、この問題が再び繰返されておるわけでありまして、たえず地方に参りますと、商工側と農業側が非常に抗爭して、どちらに商品の扱いをとろうかということで——いわばその同業者としては生命をつなぐためでありますから、なかなか抗爭がはげしいわけであります。最近報奨物資、特にばれいしよの報奨物資の取扱いにつきまして、取扱いの線が問題となつておるわけでありまして、聞くところによりますとごく最近に農林政務次官、商工政務次官、案本政務次官、この三者が御会合になつて、この取扱いに対する通牒な地方廳に発せられるやに伺うのであります。その内容は最下部の機関、つまり小賣段階の機関は提出農民の意向を聞いて、それを基礎にして地方長官で適当にきめろという一項が、最後に書いてあるのであります。私もけさそれを見たのでありますがの、その問題が全國の繊維製品の小賣業者を非常に刺激しまして、それでは小賣業者の立場は全滅する。というのは供出農民の意向を聞くということになると、一々全農民の意向を聞くのではなく、その代表者であるところの村長であるとか、あるいは供出品を実際取扱いますところの農協の理事とかいう人が、代表的に意見を述べるわけでありまして、結局扱いは農協一本になつてしまつて、商業者側は扱い得ないというのが、現実にこれから展開されるところの実際の行き方なんであります。それはその業界の中におります者には、地方におけるところの最近の農協等の運動から推定しましてほぼわかる。そこで長年の実績によつて小賣業者の存在を國家が認めて、多数のそれらの國民の生活ということについては、相当配慮して行かなければならぬと思うのであります。そういうときに一方的に偏在するような結果を來す通牒を政府が出して、現実の結果としては全國の小賣業者が餓死に陷るということは、きわめて不公平なことと考える。報奨物資だけではないじやないかという説があると思いますが、現在正規のルートで扱うものは非常に減りまして、そのほとんど大部分が報奨物資であるわけでありまして、小賣業者の手から報奨物資をとつてしまいますと、あとほとんど店に賣る物はないというのが現状であります。そこでこれは質問中にこちらの意見ばかり述べて頼むのもどうかと思いますが、御参考になると思いますから、願えるならばこれは公平に双方とも五分々々に引き分けができるようなことで、ちようど昭和十四年の統制の当初からやつておつたような裁定方法が、私どもの考えとしては一番適当な考えだと思いますが、この点について農林政務次官の御意見を聞きたい。
○苫米地政府委員 ただいまの御意見ごもつともでありまして、同じに農民の声の中にももつともなところがあるのであります。どちらかにもつともでないところがあれば、問題の解決はきわめて簡單なのであります。ところがいずれの要求を聞きましても負け劣りのない、もつともな主張でありますので、これの裁定はきわめて困難になつて参るのであります。そこで安本を中心として商工、農林両省が長いこと折衝を続けて参つたのでありますが、なかなかその妥結点に到達し得なかつたのであります。ところが先般農林委員会におきまして、日を限つてこの三省の意見をまとめて、決定的の結論をこの委員会において申し述べろということになつたのであります。そこで安本長官、商工大臣、農林大臣、これがいろいろ相談をまとめたのでありますが、これと並行いたしまして、ただいまお見えになりました商工政府次官、それから民自党の幹事長その他の幹部の人、それに農林大臣なども加わりまして、他方では党としてどういうふうに取扱つて行くかということを相談いたしたのであります。その下相談に基きまして三省の政務次官が集まつて、もう一度検討してみまして、とにかくこの際はこれで行くよりほかに道がないというところに到達いたしましたのが、ただいま御質問になりましたところの案であります。本年の麦並びにいもの供出は目前に迫つておるのでございます。そこでこれを早急に何とか解決しなければならない。最も合理的なことは、これは消費者がその自由意思によつて、自分の欲するところから物を買取り得るということが理想であります。この自由経済におけるところの原則はそこにあるのでありまして、商賣と統制経済の根本の相違がそこにあるのであります。自由経済における商賣は、最終の判定権を持つておるものは消費者であります。この消費者が品質の善悪、サービスの善悪、また價格の適、不適を判断いたしまして小賣業者を選ぶ。小賣業者同じに品質、價格、サービス、この三つを標準として卸賣商を選ぶ。卸賣商は同じ條件のもとに製造元を選ぶ。そこで製造元におきましては品質を改良し、価格を低廉にし、サービスをよくしなければ競爭ができない。その製造元同士の競爭が世の中の進歩となつて現れて行くのであります。言いかえますれば消費者の最終の判定権を持つておつて、製造元に逆に道に判定がくだされて行く。そこに自由経済における商業機構の微妙なよいところがあるのであります。しかるにこの統制になりますと、反対に製造元の方がどういう品質のものを幾らの価格でつくり、どういう客に流すかという判定権を多く持ち得る。現在はそれが官廳と製造元との合作になつておる。そこでいろいろの弊害が起つて來ますが、今その弊害について論及するつもりはありませんから、これは省略いたしますが、今の農村の配給物資の問題もそこから起つて來ておる。そこでほんとうの解決は消費者の自由意思によつて、どこから買い取るかということを決定するのが最も合理的なのであります。しかしこのことは、統制経済においては完全には行われないのであります。そこで最もこれに近いものとして登録というものをつくつて來た。登録によつて消費者の意見を反映さして、そこへ政府の肩で物資を流して行くということが、最も合理的であると考えられるのであります。しかし現在目前に迫つた問題を解決するには、この登録制をやり直すことは至難の事業であります。從いましてこの際は、登録店は從来通りにいたして手をつけない。実際の取扱いも地方長官がいたしておりますから、地方長官をして消費者の自由意思を尊重して、これを反映させるようにして、この際は配給を済ませる。そして次の米、さつまいも等の配給の時期までには、この登鉄制や卸の形態等も徹底的に研究いたし、あらためて関係者すべてが十分満足することができないまでも、関係者の不平の最も小さい、行政廳として施し得る最善の道を選んで行きたい、こういうふうに考えておる次第でございます。この過迫したとき、何とか早く処理しなければならないために、党の方とも相談をし、開議でも相談をし、私ども政務次官の間でも協議いたしまして到達した結論でございますので、まずこれ以外には方法がないと私どもは信じておる次第であります。どうかこの点御了承を願いたいと思います。
○門脇委員 苫米地大先輩でありますが、そのお言葉に私は非常に不満を感じますので、重ねて御質問申し上げたいのであります。 ただいまのお話を伺いますと、農林委員会の方の意見は相当に尊重をなさつたように聞きますし、また党の幹部会とか開議とかいろいろおつしやいましたが、かんじんな商工委員会は全然無視されているのであります。この点に対して、私は一つの不満を持つのであります。商工行政に関することは、中央商工委員会にも御相談あつてしかるべきと考えます。私どもは、今日まで商工委員会としてそういう御相談を受けておりません。そういう形式は第二議といたしまして、自由経済のあかつきにおきましては、しろうとぞろいの農協なんか経験ある商業者にとうては太刀打ができるものではないのです。農業会なんかさんざん失敗して、そのために非常な不結果を來しているというのが戰前の実情であります。特に戰後におきましては、繊維製品なんか扱える筋合いのものではない。自由経済になつたら、農協なんか全部破産してしまつて、業者の手にもどるということは火を見るよりも明らかである。現在物が少なくて、政府の手において統制をなさつている商品であるだけに、特に厳重にお掛合いするのです。先ほどおつしやたように、業者の意向を聞くということはけつこうでありますが、供出農民の意向を聞くというようなことは、現実においてこれはとても実行できない大体そういつた場合は、一々互細な世論調査をするのではなくして、村町並びに供出品を扱う農協の理事長、これらが縣廳に行つて、農民の意思はここにあるという報告をするにきまつている。そういう形式的なうその代弁によつて小賣業者の生存の基本が書かされることは、小賣業者としても遺憾千万なことであります。でありますから、そういう弊害を残すようなことをして、いかに閣議できまつたことでも、悪いことは改めなければいかぬので、この際もつと積極的に、納得の行くような方法により御通知を願いたいと思います。重ねて御質問申し上げたい。
○苫米地政府委員 ただいまのお言葉は私も了承できないのであります。今のお言葉によれば、農林委員会の方をもつてはなはだ不公平なことを言われておりますが、速記録をごらんくだすつて、どこにそういう点があるか御指摘願いたいのであります。私は國家の行政をあずかる上において、さような狭い考えは絶対に持つておりません。こういう点は、速記録を見て具体的に御指摘ください。もし私の言うているところに相違の点がありましたならば、私は皆さんの前で謝罪いたします。しかし私は、そういうことは絶対にないと信じてます。この決定につきましても、公平に、みんながいかにしたならば満足し得るかという以外には、何らの邪念も持つておらなかつたのであります。むしろ私自身の過去の経験、また私自身の持ちまえから行けば、商工業者の味方であるべきであり、またそういう氣持が満ちておるのでありますけれども、そういうことを私は表わさないようにと努力いたして來ておるのであります。商工業者の方から言えば不満でありましよう、しかしこの問題について、私が商工委員会に協議しなかつたのはけしからぬというお言葉これははなはだ当を失しておるのであります。これは経済安定本部の主管であります。もし必要があるならば委員会からこの方に要求して、こちらで説明をお聞きになり意見をお述べになるのがほんとうであつて、農林政務次官に、さらにこの問題について直接意見を述べろという御要求があれば述べますけれども、これはやや筋が違つておるのであります。安本の方と、さらに商工省の方と直接の関係をおとりになつて、なお必要があるならば私の方にも御要求になつてしかるべきであると存じます。農林省の政務次官の方からこちらに何の連絡もなくて、そういうことを決定したのはけしからぬとおつしやいますけれども、それは非常に見当が違つておる。この問題の決定に至る経緯は、先ほど申し上げた通りであります。私の方には何らの手落ちがないのでございます。私どもの方から言えば、ただいまのような御要求のあることは十分に承知しておつて、その双方の御要求の関節をはかることに努力を盡して來たのであります。でありますから自分の立場から見て不満である。その不満を他の責任であるかのごとくに言われるのは、私としてはどうしも了承いたしかねるのであります。どうかこういう問題はもつと冷静に全般の立場から見て、御判断願いたいと存ずるのであります。
○門脇委員 私は農林政務次官だけに対する責任のみで言つたのではない。政府全体に対する意味で言つております。それからあなたが農林委員会においてどういうことをおつしやたか、おつしやらぬかというようなことを何も追究しておりません。ただ農林委員会の意見をお聞きになつたようでありますから、こういう重大な問題をおきめになるときは、商工委員会の意見も一應聞ていもらいたい。私はあなたの発言をどうこうということを言つておりません。政府の一員として政府全体に対する意味の立場でお尋ねしたのであつて、農林政務次官の立場を私は追及しておりません。
○有田政府委員 実はそれは私の手落ちであります。苫米地農業政務次官の手落ちではありません。私どもとしてまことに申訳ないと思います。この問題が起りましたのは四、五日前から参議院の農林委員会から次の手が上りまして、約十年ほど前からこの問題が問題になつておることは御了承の通りであります。とにかく非常にむずかしい問題であるというようなことから、遂に政務次官を中心にして一つの方針をつくるということになつたわけでありますが、何と申しましてもこれは農民の携奨物資であります。農民が長い間一年間働いて供出をした米あるいは麦あるいはばれいしよ、これに対する報奨物資に限られておる問題でありまして、商人の商権ということについて商工省ということについて商工省としては十分関心を持つておるわけであります。たまたま農林政務次官苫米地君は御存じの通り元小樽高商の校長をしておられた関係上、非常に商工省の側に御協力くださいまして、農林省事務当局意向をある程度押えて來られた。そうしてこういう結果になつたのであります。門脇さんがこの地方長官が供出農民の意向を参酌して決定するということ、これに御不満のように思いますけれども、供出農民、消費者の意向を無視した配給の仕方ということは私はあり得ないと思う。しかも一年間農民が汗を流して働いて供出した。その品物に対して供出農民の意向を無視して、地方長官がこれを決定せよと言うことは私はできないと思う。しかも各縣々々で事情が違う。ある縣では農業協同組合が全部扱つておる縣もある。ある縣では農業協同組合の進出がそれほどでない縣もある。こういうような諸般の事情を勘案して、安本政務次官と商工政務次官と農林政務次官との間でいろいろ協議いたしました結果、供出農民の意向を参酌して昨年も地方長官にこれをまかしたのでありますけれども、地方長官に供出農民の意向を無視してやれというような指示はなかつた。こういう文字はなかつたけれども、やはり供出農民の意向を十分参酌して、私は地方長官がこれを決定するのが妥当なる方法ではないか。こういうような考え方できまつたのであります。農林委員会に午後一時半から私は呼ばれておりますけれども、先般來農林委員会に呼ばれましていろいろとおしかりをこうむつたわけであります。商工省の事務当局とは政務次官は考えは別でありまして、大きく大局から見てどうすることが日本のためにいいかという観点で努力して参つたので、特に農林委員会なり農林大臣なりの要求は、今ただちに登録を変更して、そうして自由に競争させるという強い要求があり、それを法的に拒否する何らの道もないのであります。しかし商工省としてはとにかく現状の商人を擁護するという事務当局の意向に協力いたしまして、そうして農林政務次官の苫米地さんの御協力を得まして、大体において私は商工省としては満足の行つた決定であると思う。但し農林委員会ではもちろん非常に不満である。今ただちに登録を変更して自由に農業協同組合と承認が競爭して、そうして登録を改めよ——先般の登録変更のときには七割を残して三割だけ更新したのであります。今ただちに登録を更新してただにやれという強い要求を受けておつたのでありますが、そういう事情によつて地方長官の決定という昨年通りのことになつたのであります。昨年と違う点は、供出農民の意向を参酌してという文字が入つたのであります。しかしながら供出農民の意向を参酌するのは当然であつて、消費者の意向を参酌せずして地方長官がかつてに決定することは、妥当を欠くと思うのであります。門脇さんは村長を呼んだり、農協理事長を呼んだりという意向ですが、私どもはさような見解をとつておりません。供出農民は必ずしも協同組合でなくてはならぬということはないと思う。商人が勉強しサービスし努力することによつて、おのずから商人の行くべき道もあると思う。この際一つの方向をもつて商人を擁護するということは、現段階におきまして、しかも規則から行きましてもそういうことは許されておらない。私はこの決定はまず商工省側としては満足の行く決定である。かような見解をとつておるのであります。これに御協力願つた苫米地農林政務次官には、私は非常に感謝をしておるしだいであります。門脇さんもその点はひとつこのラインで御協力願つて、商人にはこの線で多いに努力しろというように御協力願いたい。それが私は最も正しい行き方ではないかと思つております。
○門脇委員 有田政務次官はと中でおいでになつた関係もあるかもしれませんが、私の話を全部お聞きになつたわけではない。私はこの消費者の声を聞くということはけつこうだと思う。この点に反対しておるのではありません。であるからして供出農民全部にわたつて輿論調査等をして、個々の声がほんとうに反映するならばそれでけつこうなんです。ところが現実には從來のそうした風習を見ると、結局そういつた場合には必ず村長と農協理事長が行つて、当村の方針はこういうことでありますということに落ちつくことはもう見え透いております。とても各村各村で輿論調査をやつて、ほんとうに農民の声を反映せしめるような手数をかけるところはどこにもない。これは実相を知つておるだけに、そういうことを私ははつきりと推定するわけであります。でありますからその当事者の村長と農協理事長が行つて、一方的な意見によつて決定されることに非常な弊害があるということを、私は強調しておるのです。それからこれは実際從來の事情を御存じかどうか知りませんが、各縣とも農業側と商業側がこの問題とからんで、莫大ないろいろな政治資金を使つて年中この取扱いの競争をやつておる。これは繊維製品に限らずあらゆる物資でありますが、特に繊維製品がはげしい。なぜかと言いますと、相当金額が上りますから手数料も大きい。手数料を見込んで農業側がこれを奪い取るべくいろいろな策動をしておる。その策動に対抗するために小さい縣でもやはり何十万円、何百万円という政治資金を双方とも用意してそういうむだづかいをして爭つておるというのが從來の実情なんです。でありまするから、そういう実情もよくお考えになり、また個々の消費者の希望ということが、必ず結果においてゆがめられる結論に陷るということもお考えになり、なお先ほどおつしやつたように全部が自由に解放されるということになればけつこうです。全部が自由に解放になつて、個々の腕ずく力づくでやることになれば喜んでその道を邁進いたします。その点特に御考慮を願います。
○苫米地政府委員 お答え申し上げます。先ほどから有田政府次官も私も繰返し申し上げております通り、次の米穀の供出のときまでには、ただいまの御趣旨の通りの施設に行くように、最善の努力をするのでございますから、どうか麦といもについては御了承いただきたい、こう申し上げておるのであります。
○門脇委員 私はこの問題に対しまする見解の表明を保留しておきます。
○福田(一)委員 ただいまの問題に関連して、農林政務次官にひとつお願いしておきたいと思うのであります。私も実は農村出身ですが、われわれの立場というものはいろいろ複雑なものではありますが、公正な見地から見ておると、最近の農業協同組合の動きの中には、組合長とかあるいは連合会長とかいうような個々の二、三の人の意見でもつて、いろいろな仕事を農業協同組合がやつて行かれる傾向が、非常に多くなつて來ておるやに見ておるのであります。もとより農業協同組合の性質から言いまするならば、あらゆる万般のことについて農民の利益を擁護するということは当然なことではありますけれども、しかしこれは、すべて政治というものは行き過ぎがあつては、またおもしろからざることがあるのであります。農業協同組合があまりたくさんのことに手を出すということになりますと、農業協同組合をつくつた本來の趣旨を逸脱して行くような傾きがあります。たとえば農業協同組合で、今度は自動車のいわゆる運輸営業をやる、こういうものが許可されたところもあるやに聞いております。その他事例をあげれば非常に多いのでありますから、あまり自分の使命というもの、農業協同組合の持つておるところの現実の力というものを考慮しないで、手をあまり範囲外のことまで廣げて行くということについては、農林当局としても十分御勘考を願つて、適正な御判断をしていただくように特に一言お願いいたします。
○苫米地政府委員 ただいまの御意見ごもつともと存じますし、私も同様の感を深く持つておる次第であります。從いまして、ただいまの御意見に対しましてはこれを十分尊重し、実際面においても警戒して進みたいと存じます。
○小金委員 私も実は純然たる農村に生れて育つた者でありますが、商工省に二十年ばかりおりまして、その間産業組合運動のため、商権擁護のために相当奮闘して來た者であります。苫米地政務次官、有田政務次官の御苦心のほどもお察しできるのであります。ただいま私は村の農業協同組合長をいたしておりまして、また縣の連合会の役員もいたしておりますが、先ほど苫米地次官の言われたように、両方の言分にそれぞれもつともなところがある。それだけに非常に困りますが、この点は何とかして——おそらく双方満足の行く案は私はできないと思う。從つて双方不満足な案ができるのだろう。その双方不満足な案で両方とも五分々々の位きを入れるという手で納める以外に、方法がないのじやないかと考えております。しかしこれでまた名案が出ればけつこうであります。農業者の團体である以上は、また農村のためにいろいろはかる。これももつともでありまするし、商業者といえどもこれまた國の大事な機関であります。國民の大事な機関であるから、これが成り立たないようでもまた困る。もとをただせば物資が少いということと、もう一つここに根本問題として、私は、私も農業を営んでおるのでありますが、農産物の價格が他の物價に比較して非常に安い。ことに私どものように主食の米だけしかつくつておらない村なんかの経営は、非常な困難に直面いたしております。そういうような観点から、農産物の價格が引上げられないとすると、ここにまた一つのやつかいな政治上の問題が出て來る。だから、私はどうしてもこれは満足な案はできない。両方不満足な案ができて、両方ともまあ泣き寝入りと申しますか、あきらめられるという程度の不満足さでまとめて行く以外にないのじやないかと考えております。さらにいい案があれば私は仕合せと思うのでありますが、御苦心は非常に私お察し申し上げるとともに、私自身の立場が非常に苦しい立場であるということを御視察願いたいのであります。そこで農産物の根本の價格は、これは米價の價格から何から非常にむずかしいようでありますが、私はここに疑問として、どうしても納得ができないのは、雑穀の統制であります。これはどうしはずせないか。これをはずさないために、農村が副業的につくるところの雑穀で、何とか收支の不足を補おうとする際に、これを統制しておるために非常な弊害が起つております。一例を申し上げまして農林政務次官にひとつお願い申し上げておきたいのは、その一例として落花生を申し上げます。落花生の生産縣は千葉、神奈川、埼玉、栃木の方面が相当多いのでありまして、これは主食になつておりますので、米の代用に落花生を供出することになつております。神奈川縣の一例をとつてみますと、作づけ反別は非常に少なく減らされております。しかし農民は收穫上、また肥料の関係から豆科植物であるので何とかして合間の作につくつております。ところがこの落花生を統制されておりますために、自由に売ることができない。從つてみんなやみに流れてしまう。神奈川縣のごときは、生産額に対して供出されておるのは、たしか四%か六%しか出ておりません。ことごとくがやみに流れております。そうしますると、これはみなやみ屋の持ち運びになつて弊害を來しておるのみならず、何のために統制しておるか。油脂原料なら油脂原料としてもう少し統制の技術があるだろうと私は思う。千葉縣のごときは特にひどいので、東京の市街をごらんになればわかりますが、落花生が三角の袋に入つて氾濫しております。これは一体どうしてこれだけ流れておるか。実に不可思議千万なものと言わなければならぬのであります。ここにこれらの地方で産出する落花生の統制を解いたならば、おそらくその取引高は二千億円を下らない計算が出るのであります。二十億円を下らないその落花生を、商人の手を経て正当に販賣させたならば、これに対する所得税その他取引税高などは莫大な量に上ると私は思う。何を好んでこの落花生を統制からはずさないか。しかも他の雑穀はいざ知らず、落花生に限つては、昭和二十一年か何か、戰爭が済んでから統制の中に加えられておる。実に不可思議千万と申すよりほかない。何ゆえに戰爭が済んで二十一年か何かにこれを加えなければならなかつたか。これにはおそらく油脂原料や何かといういろいろな口実がおありになると思いますが、ただいま実情のほんの一端を申し上げたのでありますが、これを公然と商人に扱わしていただいたならば、二十数億円の取引高になつて、税金その他、またこれによつて商人がりつぱに生きて行くのであります。正当な業務で生きて行く。今はやみ屋がこれを種にしておるという不始末であります。これは農林政務次官の御所管ではなく、経済安定本部の御所管かと思いますけれども、その実情の一端を申し上げて、農林御当局の十分なる御考慮をお願いいたしたいのであります。
○永井(要)委員 ただいま小金委員から落花生のことにつきましてしごく同感な御質問がございまして、私もそれに便乘いたしたわけでありますが、実は雑穀の問題につきましては数回にわたつて、非公式でありますが、農林御当局にお願いに参つておるわけであります。それはあずき、えんどう、いんげん、そら豆、かような四点の問題ですが、これは政府御当局の御意見としては、主食の作付反別がもしこれを減らすと、非常に弊害があるから困るのだという意味であるようでありますが、これは二十二年の調査でありますが、あずきにおいては二十三万二千石の收穫高があるにもかかわらず、政府の買入れはわずかに五万二千石であります。約二割五、六分程度のものであある。それからえんどうにおいては、四万五千二百石のものがわずかに一万四千石の政府買上げである。いんげんは十六万九千二百石の收穫で九万四千石の政府買上げであります。そら豆のごときは十五万六千三百石に対しまして、わずか二万七千石の政府買上げになつている始末でありまして、これが御案内のごとく全部横流しになつておるわけであります。主としてあんこの材料に使われておりますことは御了承の通りであります。ことは御了承の通りであります。現在あれが統制になつているにもかかわらず、市場に生菓子となつて氾濫していることは、次官もよく御了承と思うのでありますかような意味からして数回にわたつてお願いしているのですが、この問題についてはどうしても満足したごあいさつがありませんので、ぜひともこれは落花生と相まつて同じにごらんを願いまして、ぜひ御了解を願いたいと思うのであります。菓子業者は全國に非常に層が厚うございまして、毎日やみのものをつくつて、やみで流しているという悲惨な状況に立つて、そうして露命をつないでいるわけであります。零細なものが多いわけであります。それでときどき無警告に警察から來て、わずかにつくつたものをみな没收されるというような状態でありまして、実に悲惨な立場にいるわけであります。これを減らしましても主食の作付反別が減るというようなことは、万々なかろうかと私は思うのであります。御案内のごとく次官も北海道であらせられるので、そら豆等はたくさん出ますが、やはりあれは主食の米や麦のとれる所につくるわけでないのでありますから、そういう点も十分に御考慮を賜わりまして、何分ひとつお願いいたしたいと存じます。
○苫米地政府委員 ただいま岡委員の御意見ごもつともに存じます。私が農林政務次官に就任いたしまして一番先に解決しようと試みたのは、この雑穀の統制解除であつたのであります。これは今後も努力いたして行くつもりであります。
○村上(勇)委員長代理 速記をとめて…… 〔速記中止〕
○村上(勇)委員長代理 速記を始めてください。 次に昨日一應御懇談を願いました決議案の案文について御協議を願います。暫時速記をとめて…… 〔速記中止〕
○村上(勇)委員長代理 それでは案文を念のため朗読いたします。 炭鉱材代金の支拂促進等に関する決議案 昨多來、炭鉱経営状態の悪化とともに、これに対する適切な措置が請ぜられなかつたため、その後も未拂金は漸次累増し、今日においては、既に百億円を突破するものと推定せられ、これがため関連産業は今や壊滅の聞きに瀕している。 本件を、未解決のまま放置するならば、国家の管理する石炭鉱業に心から協力した関連産業を、見殺しにすることとなり、石炭の生産、延いてはわが國経営の復興がこの一角より崩壊すること必至である。又將來の國策施行上にも一大暗影を投ずることとなる。 よつて政府は、この際万難を排して、既往の未拂を一掃するは勿論、將來再びこれを繰返すことなきよう、適正炭價の決定その他必要なる一切の処置を断行すべきである。 右決議する。 貿易振興に関する決議案 経済九原則、企業三原則の下に、わが國輸出貿易の仲裁を期することは緊張不可欠のことであつて、國内経済体制確立の基礎は、一に縣つてここに存する。 よつて、政府は、輸出産業の企業経営の改善に努力するとともに、これらに対する融資に万遺憾なきを期し、輸出事務手続を極端に簡素化し、更に海外の市況調査及びクレーム紛争処理のために在外諸機関を設置するよう懇請すべきである。 次にただに対米貿易についてのみならず日華貿易その他諸地域との円滑なる物資交流についても一弾の奮起を望むものである。 政府は、宜しく輸出貿易の育成発展を図り、以て完全なる自主的貿易態勢の整備を一日も早く促進し、敗戰経済の急速なる快復を図るべきである。 右決議する。
○村上(勇)委員長代理 ただいまの決議案文に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上(勇)委員長代理 異議なしと認めます。そのように決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十一分散会