商工委員会 第19号
- 発言数
- 23 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/05/19
会議録
○神田委員長代理 これより商工委員会を開きます。 前会に引続き私が委員長の職務を行います。ただいまより中小企業等協同組合法案、及び中小企業等協同組合法施行法案を一括議題として審査を進めます。この際門脇委員より提出せられました両案に対する修正案について説明を求めます。門脇勝太郎君。
○門脇委員 修正案の説明をいたします。これはもういろいろ懇談会において詳しく申し上げてありますから、重複を避けてなるべく簡単に申し上げたいと存じます。 わが國におきますところの中小企業者の分野というものは、國間柄非常に廣範囲でありまして、中小企業者の動向、立場というものが國家に対して相 当重大な影響を與えるということは、喋々いたすまでもありません。そこでこれが保持、育成は、政府としても非常に重要視されておるわけでありま す。特にこの終戦後いろいろの経過がありましたが、最近における九原則並びに自立経済に直面しまして、今や中小企業者は金融の面からも、また集中生産によりまする企業整備の面からも、非常な行き詰まりといつたような状態になつておるわけであります。こういつたような事情に直面しまして、政府はこれの対処策並びにこの中小企業者の振興策一環として、この法案を提案されたものと私は推察しまして、その御苦労に対しまして感謝をいたす次第であります。しかし何分にも現在のわが國の政府情勢が、あらゆる角度から制約なされておりまするために、せつかく政府の御労作でありまするが、われわれの期待するところといささか距離があろということを、非常に遺憾に存ずる次第であります。そこで本案をあらゆる角度からしさいに検討いたしました結果としまして、この原案にありまするところの保険協同組合は現下の実情に即しない、こういうふうに考えますので、この保険協同組合に関するところのこの法規中における全條項を削除いたしたい、こう考え るわけでありす。その條文はまたあとで朗読いたします。 次に信用協同組合でありますが、この信用関係の組合につきましては、大よそこれからできますものは、むしろこれは預金者の立場よりか、いわゆる金を借りる立場の人のみであると思います。金を借りた人だけが、いかに多数に終結いたしましても、そこに金融ということの基礎条件ができ上らない。自然この信用協同組合問題は、従来の市街地信用組合によるところの信用組合が、本法規に移行するということのみが考えられるような情勢であるわけなんであります。そこで現在の市街地信用組合は、この法規の立場において相当社会的に利用もされ、活動もいたしております。これをことさらに本法規に移行せしめるということが、はたして是であるか非であるかということについて、相当検討いたしたのでありますが、結論としましては、やはりこの際これも本法案に包括することが、妥当だということになつたわけであります。そこでその移行に際してまた移行後におけるところの運営に際して、従来の経営に対して支障、苦痛がないように、妥当にこれが今後発展いたすということを考えまして、それを中心にいろいろとまたこの法規の修正を考えたような次第であります。連合会につきましては、事業協同組合連合会の場合においては、大体現在の地方ブロツク、商工局管内程度が経済事業ができるというようなことになつておるのでありまするが、希望としましては、全國統一して連合会は事業ができ得るということに改正いたしたいとも考えるのであります。しかしただいまの独禁法あるいは事業者団体法等に抵触いたしますので、これはやはりこの程度で了としなければならぬ。こう思うのであります。企業組合につきましては、これはたいへんけつこうな法規でありまして、おそらくこの法規全体としましては、企業組合につきましては、これはたいへんけつこうな法規でありまして、おそらくこの法規全体としましては、この企業組合の項目が一番中小企業者に対するところの大きな魅力である、こう考えます。ただ税金関係において、企業組合に対しては特別法人税の恩典にあずかり得ないうらみがあるわけでありますが、これ、は今後の政府当局の努力において、ぜ ひそういつたような希望が達成するようにお願いしたい。こう考えるわけであります。以上の諸点を勘案しましてここに修正案をつくつたわけであります。 なお本法案にはなかなかいい面が非常にたくさんありまして、それもおほめしたいのでありますが、それも一々ほめておりますと時間がたちますから、ほめることの方だけはまた他日に譲りたいとと考えます。これで大体の情勢を申し上げたのでありますから、あとはその修正いたしまする條項をこれから一應朗読いたします。 中小企業等協同組合法案に対する修正案 中小企業等協同組合法案の一部を次のように修正する。 目次中「第三章 保険協同組合(第七十六條・第七十七條」を削り、第四章を第三章とし、以下順次繰り上げ、「(第七十八條)」を「(第七十六條)」、「(第七十九條)」 を「(第七十七條)」に、「(第八十條—第八十四條)」を「(第七十八條—第八十二條)」に、「(第八十五條—第百五條)」を「(第八十三條—第百三條)」に、「(第百六條一第百三條)」を「(第百四條—第百十一條)」に、「(第百十四條—第百十八條)」を「(第百十二條—第百十六條)」に改める。 第二條中「第七條から第九條まで」を「第六條から第八條まで」に改め、第二号を削り、第三号を第二号とし、以下順次繰り上げる。 第四條第一項第一号中「第七章から第九章まで」を「第六章から第八章で」に改める。 第五條第一項第一号を削り、第三号中「、信用協同組合」の下に「又は信用組合」を加へ、同号を第二号とし、以下順次繰り上げ、第四号中「、保険協同組合」を削る。 第六條第一号及び第二項中「、保険協同組合」を削る。 第七條第二項中「保険協同組合又はは」を削り、「住所若しくは居所を有する者」の下に「(組合を含む。)を加える。 第十條第三項中「百分の二十五」の下に「(信用組合にあつては、百分の十)」を加える。 第十九條第一項第四号中「第百九條から第百十一條」を「第百七條から第百九條まで」に改める 第二十四條中「保険協同組合、」を削り、同條に次の一項を加える、 2 信用協同組合は、三百人以上の組合員がなければ設立することができない。 第二十六條第二項中「保険協同組合、」を削る。 第二十九條第四項中「保険協同組合若しくは」を削り、「第七十九條第一項第一号若しくは第三号」を 「第七十七條第一項第一号」に改める。 第三十六條第一項中「二年」を「三年」に改める。 第五十五條第3項中「二千人」を「千人」に改め、「保険協同組合又は」を削り、「二百人」を「百人」に 改め、第五項中[但し、」の下に「組合員の総数が千人をこえる信用協同組合の総代会においては、総代を選挙(補欠の総代の選挙を除く。)し(又は第五十三條第一号若しくは第四号の事項について解決し、その他の組合の」を加え、「(組合員の総数が二千人をこえる保険協同組合又は信用協同組合の役員を除く。)」を削る。 第五十六條第二項中「、定期預金の預金者及び保険契約者」を「及び定期預金の預金者」に改める。 第五十八條第4項中「第七十九條第一項第六号」を「第七十七條第一項第五号」に改める。 第六十五條第一項中「第九十一條」を「第八十九條」に改める。 第六十七條第一項中「第七十九條」を「第七十七條」に改める。「第三章保険協同組合」を削り、第四章を第三章とし、以下順次繰り上げる。 第七十六條及び第七十七條を削り、第七十八條を第七十六條とし、以下順次繰り上げる。 第七十九條第一項第一号中「連合会を直接又は間接に構成する者(以下本章において「所属員」という。)」を「会員」に、同項第二号中「所属員を「会員」に、同項第四号中「所属員」を「連合会を直接又は間接に構成する者(以下本章において「所属員」という、)」に改め、第三号を削り、第四号を第三号とし、以下順次繰り上げ、第三項を削り、第四項を第三項とし、以下順次繰り上げ、第四項中「第四号」を「第三号」に改め、第五項中「又は第三号」を削り、第六項中「第七十八條」を「第七十六條」に改め、第七項を削る。 第八十七條第一項中「第八十五條」を「第八十品一條」に改める)雄八十八三條第一項及び第二項中「第八十五條」を「第八十三條」に改める。 第九十一條中「第八十五條」を「第八十三條」に改める。 第九十一條第二項中「第八十八條」を「第八十六條」に改める。 第九十四条第二項中「保険協同組合登録條、」を削る。 第九十六條中「第八十五條」を「第八十三條」に改める。 第九十七條第一項中「第八十五條」「第八十三條」に改める。 第九十八條第一項中「第八十九條」を「第八十七條」に改める。 第九十九條第一項中「第九條」を「第八十八條」に改める。 第百条第一項中「第九十一條」を「第八十九條」に改め、第二項中「第九十五條」を「第九十三條」に改める。 第百一條中「第九十二條」を「第九十條に改める。 第百八條第一項中「第百六條」を「第百四條」に改める。 第百九條中「第百十條」を「第百八條」に改める。 第百十六條中「第百大條」を「第百四条」に、「第百七條」を「第百五條」に改める。 第百十七條第十三号中「第八十四條」を「第八十二條」に改め、第十八号中「第七十六條第二項及び」を削り、「第七十九條第五項」を「第七十七條第四項」に、第十九号中「第七十九條第二項から第四項まで」を「第七十七條第二項又は第三項」に改める。 第百十八條中「第百十條」を「第百八條」に改める。 ————————————— 中小企業等協同組合法施行法案に対する修正案 中小企業等協同組合法施行法案の一部を次のように修正する。 第三條第一項中「こり法律施行」の下に「(市街地協同組合にあつてに市街地協同組合法の廃止。以下同じ。)」を加え第二項小「八箇月」の下に「(商工協同組合中央会にあつては三箇月)」を加える。 第五條第一項中「新法第八十五條」を「新法第八十三條」に、第二項中「新法第八十五條」を「新法第八十三條」に、「勢九十四條」を「第九十二条」に、「第九十五條」を「第九十三條」に、「第九十六條」を「第九十四條」に改める。第七條第二項中「第八十四条」を「第八二條」に改める。第十条中「新法第七十八條」を「新法第七十六條」に、「第七十九條」を「第七十七條」に改める。 第二十四條、第二十九條乃至第三十一條中「中小企業等協同組合法第七十九條」を「中小企業協協同組合法第七十七條」に改める。 第三十二條中「同法第七十九條」を「同法第七十七條」に改める。 附則に次の法律を加える。 但し、第一條市街地信用組合法 の廃止に関する部分は、この法律施行の日から起算して六箇月を経過した日から施行する。
○神田委員長代理 引続き両政府原案並びに両修正案を一括議題として討論に入ります。討論は通告によつてこれを許します。門脇勝太朗君。
○門脇委員 私は民主自由党を代表しまして、修正を含むこの原案に賛成の意を表するものであります。賛成の理由につきましては、先刻来るる申し述べておりまするから、ここに重複することを一切避けます。なおこの機会に特に希望を申し上げておきたいことは、こういつとりつぱな内容を備えた法規がたといできましても、この運用にあたつて政府のこれに対する相当の熱意というか、思いやりというか、その裏づけがなかつたらいかぬとと考えます。いかに金融のでき得るような方途が記載してありましても、実際のそれに対する裏づけの資金が出なかつたならば、遂にこれは絵に書いた餅にすぎないということになるのであります。いまや中小企業者は非常な苦痛のどん底にあえいでおる。こういうときにおきまして、十分そういう点を政府において考慮せられまして、将来この法案が眞にりつぱな裏づけのもとに生きて行くように、御実行あらんことを切にお願いいたしまして以上をもつて賛成の意を表明いたします。
○神田委員長代理 今澄勇君
○今澄委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に数々の勧告と注文をつけまして、賛成の意を表する次第でございます。現下集中生産方式のもとにおける中小企業の現状は、現在もそうでありますが、将来を考えるとまことに優遇すべきものがあるのでございます。中小企業廳設置のときは眞の意味は、発券業務を行い、資材の裏づけをもつて中小企業の救済に当るという趣旨でございましたが、その後いろいろの状況のもとに、中小企業廳はそれらの発券業務あるいは資金資材の面について、まことに力弱きものと相なりました。商工組合法案ができて、その改組が長い間の問題であり、そうしてこれらの中小企業廳あるいは商工協同組合等、数々の中小企業者に関係する法律案が改定せられたにもかかわらず、中小企業者においては、まことに困難なる実情であることは御了承の通りであります。われわれはここにほんとうに中小企業者を組織するところの組織法を求めるの声久しく、どうにかして私どもは、ほんとうに中小企業がもつて頼りとするところの組織法をつくりたいと、念願をいたしておつたわけでございます。しかしながらこのたびの中小企業等協同組合法の中には、中小企業者がこの困難なる経済状態から立ち直るところの筋金が入つておらないということは、まことに残念でございます。私はこの法律をもつて政府の中小企業者に対する一つのゼスチュアとして終るならば、まことにこれは残念千万なことであり、どうにかしてこの中小企業者等協同組合法に骨と肉をつけたいものと、念願をいたしておる次第でございます。われわれは[ここに以下五点にわたつて、この中小企業者等協同組合法案に希望と見解を述べ、ここに中小企業者等協同組合法を十二分に活用して、中小企業者のこれら活動を援護し、さらに中小企業の発展の一助といたしたいと考えておる次第であります。 まず第一点はこの中小企業等協同組合による企業組合は、特別法人税百分り三十五を課されておるけれども、これは当然百分二十五という一般協同組合なり、法人税にこれを落すべきでございまして、本法案の中でこの百分の三十五を二十五にいたしたいことをわれわれは極力主張したのであいますが、商工大臣もこの点についてはまことに認識を欠き、眞にこれは百分の三十五の原案のままで持越されておるということは、まことに遺憾千万でございます。 この点についてはすみやかにこれを普通法人税なみに引下げられんことを、希望する次第でございます。 第二番目には第六條に載つておる百人以下の従業員という制限、並びに二十人以下というこの制限は当然百人以上にこれをふし、二百人あるいはそれ以上にわたるといえども、この法律案の中に含むべきものでありまするから、私どもはこれに伴う独禁法第二十四條の規定の除外さるべき小規模なる経営企業なるものの定義と範囲を、ひとつ明確にいたしまして、公正取引委員会の認定権限というものは、重大なるものであるにもかかわらず、かかる一官庁組織によつてこれが行われるということの不備と不当を、十分にこの際検討をする必要があると考えておる次第でございます。将来にわたつて、必ずやわれわれはこれらの公正取引委員会の機構に十分なる検討を加え、この小規模な経営規模なるものの定義の中に、この中小企業者等協同組合の人数その他において、十分弾力性のある取扱いをいたされんことを希望する次第でございます。 第四点として保険事業、これはこのたびの修正案はこの保険事業を全部除いておるのであります。大体この原案と修正案を比べてみると、あらゆる部面に門脇修正案はあらゆる努力を払い、ほんとうに中小企業者の希望するところが組み入れられておつて、まことにその労は多とするところでございまするが、この保険事業に関しては、まことに残念である。これは将来どうしても中小企業協同組合が行わなければならないものでございまして現下の保険大会社が行つておる保険に対抗するところの組織が全國中小企業者の団体においてやれないということは絶対にないのでありまして、一部保険関係の人々の利益を、将来この中小企業等協同組合の保険事業が侵害することありとするならば、それは当然のことで、われわれは中小企業者がみずからの保険負担、みずからの保険事業において、ここにこれら大資本によるところの保険会社と堂々と並び立つて、これらの事業を行うことを希望するもであり、この点については、ぜひそういうように将来改められたい。保険事業は当然やるべきものであるという意見を留保する次第でございます。 最後に5番目として、市街地信用組合の問題でございますが、これは一箇月間の原案を七箇月間の延長ということに修正されました。この七箇月間において、市街地信用組合中特に大きな組合で、この中小企業等協同組合の中の信用組合に納入することを適当としないものについては、ぜひこの六箇月の間に政府の力によつてここに特別の組織法をつくり、市街地信用組合をば、あるいは庶民金融金庫とかその他の組織につて、別途の釦組織をいたされんことをここに希望する次第でございます。 以上要するに五点のこれに関する希望を申し伸べました。今組織の基本を失つておる、基本法を持たざるところの中小企業者が、ここに不満足ながらこの法律によつて組織され、その組織を中心に中小企業者の総力をあげて、これらの中小企業者がここに困難なる九原則下営業をいたし、その発展を来すことをわれわれに衷心よりこいねがうものであります。以上五点の不満なるところはございまするが、ここにそれれらの希望を付し、あわせて根本的な裏づけをこの中小企業等協同組合法案に與えることをわれわれの責務と考え、ここに社会党は賛意を表する次第でがざいます。
○神田委員長代理 次は橋本金一君。
○橋本(金)委員 民主党を代表いたしましてただいまの修正案に賛成をいたします。詳細は門脇氏より修正の箇所についてお述べになりました。それを了承しての賛成でございますから多くを申し上げません。 ただこの間にありまして、私ども本案が出まして以来、一番関心を持つておりましたのは、保険組合と信用組合であるのでございます。今日までの保険業者の取扱い並びに今回の保険協同組合の組織内容を見ましたときに、私どもは非常な不安を生じたのでございます。保険業はわずかな資本によつて行えるべきものではない。むしろ無智なる者をかような法律によつていろいろな面に利用せられはしないかということを、私どもはおそれたのであります。幸いに修正の面におきましては、全面的にこれを創られたことは非常に私はけつこうなことだと存じます。ただ信用組合の問題は信用事業を行うものといたしまして、この組織外に立ち、単独法をもつて制定をいたさなければならなかつたはずでありまするがこれも遺憾ながらそれぞれの方面の事情によりまして、このまま協同組合組織として組織をすることに相なつたわけでありまするが、その間にありまして、ただいま修正案として読み上げられました内容を承りまするときに、相当従来の市街地信用組合として経営者の要請いたしておりました面が 盛り込まれておることは、修正に御協力くださいした門脇氏に感謝いたしますと同時に、せつかく修正をいたしまして。結果は運用の問題でございす。いわんや金融問題でございますから、この点は運営と同時に当局はす分なる監督、指導をいたされまして、中小企業者の資金面等におきましも、遺憾なきを期していただきたいということを御報告申し上げて賛成をいたします。
○神田委員長代理 次はに川上良一君。
○川上委員 私は日本共産党を代表いたしまして、この法案に反対の意見を申すものであります。 説明によりますと、これは中小企業に対して適切な活動の基礎を與える、こういうことになつております。しかもその上にこの法案は、民主自由党を與党とされるところの吉田内閣のたつたつ一つの中小企業対策である。しかるにこの法案の内容を見ると、まつたく空虚な、実際は中身のない法案である。このことを指摘したいのでありますが、これは全体にわたつて非常に広汎に指摘することができますけれども、ここにはその一つ、二つの点だけを指摘して、本法がどんなに中身がないか、役に立たぬかということを明らかにしたいと思います。 これは言うまでもないことでありますが、中小企業の保護、育成、助成に対しては金融措置を完全にすること、これが一つなければ問題にならぬ。第二番目には、資材の確保を保障すること、これがなければ決して問題にはなりません。第三には、こういう組合に対しては、政府が積極的にこれを援助するのでなければ発達した歴史がない。世界いずれの國といえども、また歴史上いつといえども、資本主義下における、ことに中小企業等の組織体において、政府が積極的な、財政的なあるいは法律的その他の十分な援助を興ずして、自然発生的な形でりつぱにな成績を収めた歴史は一つもありません。これはあたりまえのことである。これが本法ににまつたく欠けている。この條件を備えずして、いくら法文をつくつてみても、これはまつたくの空手形になつてしまうことは、生活協同組合の例が明らかにこれを証明しておるのである。そのうちの一つの例をとりましても、たとえば資金——今日中小企業が何で困つておるか。これは協同組合ができぬから困つておるとかいう問題ではありません。金がない。資金がない。何よりもこれである。これがどういうことになるかというと、政府の御説明によると、たつた六千の標準的な中小企業をピック・アップして、それに流動資金と設備資金が幾らあればこれを存続するかどういう調査をしたという中小企業廳の御答弁でありしたが、それによつても最低百六十億ないし二百億、中小企業廳長官は実際言えば三、四百億の金がなければ中小企業の育成はできないと言つておられる。ところが中小企業廳が安本と協議しておられる金額は十四億五千万円、流動資本はと言えば、おそらく日銀が二十億円くらい出してくれるだろうというお話である。ところが日銀が融通してくれるだろうという分は一つもあてにならぬ。これは民主自由党の銀行界の、オーソリティーである岡野清豪君のごときでさえ、市中銀行は中小企業には金は貸せませんよとはつきり言つておる。実際においてこれは金融はできはしません。これが現実である。この基礎の上にこういう法案を形の上でつくり上げましても、これは決して運用もできなければ、中はからつぽである。さらに中小企業の今日の重大な問題は、今澄君も指摘しましたが税金である。税金についての考慮がこの法案には一つも払われておりません。これで中小企業が立行くかどうか。骨が抜けてしまつておる。 第三番目には信用組合の問題でありますが、信用組合をなせここに持つて来たかといういきさつを、詳しく本委員会で質問いたしましたところが、これはまことに驚くべきことである。重大な点は、たくさん申しませんが、なぜ今できている市街地信用組合をつぶして、この協同組合に一緒にしなければならないかという答弁に、協同組合というものの筋を通すために、協同組合を一本にするためにここに入れたのであるという御答弁以外にはない。これは根本的に大きな間違いである。すべての法律、ことにかくのごとき法律は、どうしたたらば人民大衆の利益がはかれるかということからこそ、法律はつくらなくちやならぬ。國民大衆の利益はどこにあるかという観点からでき上らなくちや人民の法律じやない。そうじやない。こうした方が形が整うからこうするのだ。それで大衆は助かりますかとう質問に対しては、助かるだろうと思うという御答弁である。このところにすでに本法案が中小企業を侮辱しておる歴然たる証拠がある。もしもこれが金融独占資本に対する法案であつたならば、とてもかくのごときことで法律ができるはずはありません。特にこの信用組合の問題については驚くべき事実がある。これは何か。これは大蔵当局と商当局との意見がまつたく違つておるということだ。愛知銀行当局長はこの委員会の席上で、私のこの形で信用組合をつくつてりつぱな運営ができると思いますかという質問に対して、明らかに私どもには自信がありませんという答弁をなされた。さらにもしも本委員会において、市街地信用組合は解除すべきであるというような形になつたらどうお思いになりすかという質問に対して、大蔵当局としては希望するところでありますと御答弁なされた。これは政府の責任だと思いましたから、商工大臣に私はこのことをただしましたところが、大蔵当局が何と言つたか知らぬが、これは閣議できまつたものであるから本法案が政府の意見である。こういう御答弁である。ことに奇怪千万な御答弁でもる。これ明らかに本法に対して政府のうちにおいてさえも二つの意見かある。大蔵と商工とは対立した意見を持たれておる。それは閣議かどこかで決定されたのでありましようが、こういうことがもしも独占資本に関する法案であつた場合に、かくのごときことがあり得るであろうか。決してあり得ることではない。これすなわち中小企業に対してほとんど考えておられない。どつちになつてもいいというくらいに考えておるから、かくのごときものが出て来る。また商工中央金庫の改組問題にいたしましても、これからするといのでありますが、これがおかしい。しなかつたらどうするか。これはあてにならぬ。これができずして、この市街地信用組合だけはこつちに待つて来る。こういうことなんだ。これはきわめて不親切きわまる行き当りばつたりの内容を持つておるということは明らかだ。さらに市街地信用組合をこちらに持つて来るのに、たとえば六箇月間の冷却期間をおくということになつておる。しかもその腹の中には、その間にどうにもならなければ、ひとつ庶民金融のようなものをつくつてどうかしたらいいじやないか。こんなことになつてごらんなさい。これはどうなるのですか。政府にそういうお考えはないかも知らぬが、もしこんなことになるならば市街地信用組合はもみくちやにされてしまう。大きなものが来るか、小さなものがこつちに来るか、もみくちやにされてしう。この程度の取扱いを受ける。さらに保険組合に至つて実にこれはおかしい。門脇委員は本委員会において児戯に類するものじやないかということを言われましたが、私はこれは同感ですと同時に政府が中小企業を助成し育成するという、本当に腹のすわつた裏づけのある法案をつくりした場合には、私は保険協同組合はりつぱに成立する可能性があると思う。そうしてこれならば決して児戯ではない。火災保険会社がおそらくびつくりするようなものができる可能性があると思うが、本法案でつくろうとしたならば、まことにこれは児戯に類するものである。その上に吉田総理大臣の施政演説に対するわが党の質問に対して、商工大臣は中小企業に対しては中小企業等組合法をつくつて保護するのだという。これだけの答弁ができておる。すなわち中小企業をいかにするかという、これに対して政府は中小企業等組織法だと言われておる。その組織法がこれなんです。ここに吉田内閣の中小企業政策というものが端的に現われておるものと私は思う。そもそも今の内閣がやつておられる形は、これを私はくどく申しあげませんが、これは共産党が終始一貫反対し主張しておるところの独占資本を中心とする集中生産一本やりである。民族産業並びに中小企業の破壊の上に、独占資本の殿堂を打立てんとする政策であるということは社会周知の事実である。一つの実例をあげれば石炭、この委員会でずいぶん問題になりましたから私は申しませんが、この石炭の中小企業に影響を與えるだろうという政策をいかに強行されておるか。本日開くところによると配炭公團法の一部については修正がありましたが、そのあとで政府当局は、まだ私は真偽のほどは確かではありませんが、メリット炭債の方針建てて、これをすぐ近い将来に強行する御腹案あるようだ。これは必らずそうなるでありましよう。あるいは配炭公團の運命というものも来年三月かと思いますけれども、法案を見てみれば、安本長官が必要と認めたらいつでもつぶされるような法案がこの通り書かれておる。委員会でも通過しておるのであります。この結果はどうなる。明らかに中小炭鉱の犠牲の上に、独占資本の炭鉱が生き残つて行くということである。あるいは鉄鋼にいたしましても、これもくどくど申しませんが、八幡と、日本鋼管が生き残るだけ、あとは非常な大きな打撃を受ける。中小鉄鋼業がいかに動揺し、いかに苦しんでおるかということは、ひとたび全日本のすみずみにおける状態を鏡のごとく映してみるならば、だれでも明らかだ。民主自由党の方々にしても民主党の方々にしても、このことは歴然とおわかりになつておるたろうと思う。議会に請願して来るのでも、何が一番来ておるかと言えば、中小企業の壊滅、これをどうしてくれるかということを申し出て来ておる。これが今日り重大問題なのです。しかもこの政策を続けてやつておるりです。輸出産業においても御承知の通り千何ぼの輸出企業を、六百か七百につぶしてしまおうとしておるのじやないか。あるいはメリヤス、あるいは被服加工、一つの例をあげて言えば、一年に被服加工のミシンを七〇%登録の取消しをやつておるものもある。百台以下は登録を取消しておる。東京では加工ミシンに対しては三十台以下を取消し、八〇%壊滅させるような方針をどんどんとつておる。これじや中小企業はつぶれてしまう。わずかに残る大資本、その間の下請とかいろいろな形で、難儀な状態で残るところの民族産業そのものがどうなるか。これは輸出一点張り、外國のバイヤーの発注に対しては国内の需要を押しのけても、優先的資材資金を配給すると言つておる。これじやあもう中小企業、民族産業は壊滅するのです。その上に政府は御承知のように莫大な支拂いの抑制をやつて、四百二十七億に達した。石炭企業は百五十億に余る関連企業の未支拂をやつておる。しかもこの関連企業の未支拂についての本委員会の質問に対しても、政府には一つも案がない。これはたな上げになろうとしておる。この結果小さい中小企業がいかに打撃を受け、労働者、市民、農民がいかなる形になつておるかということは、言わずして明らかだ。しかるにかかわらず一方二十四年度予算を見ますと、二千億以上の価格調整費を独占企業にくれてやろうとしておる。八百億以上の輸入補給金を、人民の血の出るような税金から注ぎ込もうとしておる。その上に輸出産業に対する補給金四百億円を注ぎ込もうとしておる。さらにまた見返り資金を見ますと、これの産業部門にまわる部分はその部分でありますが、その一部分をどこに注ぎ込もうとしておるか。言わずと知れた独占企業なんだ。これで一体中小企業がどうなりますか。壊滅してしまう。やられてしまう。中小企業廳の有力な方々も、この政策によつてわが國 の中小企業の非常に大きな部分は、壊滅するのほかはあるまいということをはつきり言うておられる。にもかかわらず政府は中小企業廳をどうするか。 たつた九十人の中小企業廳にしたではありませんか。これはだれです。民自党の方々はさる選挙において、中小企業の振興という公約とスローガンを掲げられたが、これが中小企業の振興ですか。中小企業廳の役人をたつた九十三人に落してしまつて、こういう法案を出されておる。一切の集中生産と中小企業の壊滅策をとつておる。ここのところにうそがある。私は正直に言いますが、この法案で中小企業が助かるというようなことを、與党の方々が選挙区へ帰つてお話しになりましたならば、選挙民がいかに怒るであろうかということを私は考える。かような法案は政府はお出しにならぬ方がよろしい。これは考えをかえてお出しになつた方がよろしい。また政府の與党の方々もかような法案に賛成なさらぬ方がよろしい。こういう形をとつておけば、これは 自分で自分の首をくくるような結果になるに違いない。なぜかと言えばこれは何にもならぬ法案なんです。半年たつてみたら中小企業はえらいことになり。共産党の言うておつたのがやはりほんとうであつたというのは目の先に見えておる。私は謹んでこういう法案は政府もひとつお考え直される方がよいと思う。また與党の方々もこれに反対なさる方が仕合せである。日本共産党はかような意味で反対いたします。
○神田委員長代理 次は永井要造君。
○永井(要)委員 ただいま提案になりました中小企業協同組合法案、市街地信用組合廃止に伴う信用協同組合法案に対しまして、民主党を代表いたしまして賛意を表します。 申すまでもありませんが、国家経済興隆のかぎを握つておる全日本の中小企業者が、重大なる関心をもつて本案 議会通過を監視している事実にかんがみまして、政府に経済再建の本旨に のつとりまして、提案理由にも明記されております通り、各般にわたる中小 企業者の健全な組織化と、自主的経営 並びに金融面に対しても、常に温情をもつて、経済興隆に適当なる指導育成に努力せられんことを要望いたしまして、原案並びに修正案に賛成をいたすものであります。
○神田委員長代理 次は河野金昇君。
○河野(金)委員 私は新政治協議会を代表いたしまして、希望を付して本案に賛成をするものであります。中小企業者には今まで組織がなかつたのであります。労働者は労働組合をつくり、農業に携わる者は農業協同組合法ができまして、それぞれ組繊を持ち、それぞれ自分たちの利益を守ることに邁進して来たのでありますが、民主自由党の内閣を含めた今までもすべての内閣は、中小企業の振興を口にうたいながらも、実際には何一つとして取上げておらなかつたのであります。今般おそまきながらもこの中小企業協同組合法案が上程されたことは、一つの進歩であるといわなければなりません。しかしながらこの法案を見てみますと、中小企業協同組合という協同組合の文字使つておりますけれども、いわゆる相助相愛の精神を基調とした協同組合主義が、この法案の中にに幾らかは出ておりますけれども、本来の協同組合主義の精神は出ておらないのであります。しかいながらこの数回にわたる委員会あるいは懇談会等におきまして、この法案に盛られておる不備な点はいろいろと修正をされたのでありませて、この点非常に私も感謝にたえないどころでありますが、欲を言えばわれわれの希望したところの修正が全部は通つておりません。非常にまだ不満、なものがたくさん残つておるのであり ますが、現下の中小企業者の現状にか がみまして、この不満なものはあるけれども、これをつくるのがいいのかあるいはつくらないのがいいがと言えば、やはりこの法案は通した方が中小企業者のためにはなると思います。私は近き将来のおいてこれが完全なもの になることを期待すると同時に、運営の面においてほんとうに中小企業者を守るというあたたかい気持をもつて、運営をしていただきたいことを希望いたしまして、本案に賛成をいたします。
○神田委員長代理 これにて討論は終局いたしました。 引続き採決を行います。この際採決の順序について念のため一貫申し上げておきます。まず最初に、中小企業等協同組合法案に対する修正案について採決し、次に政府原案について、採決し、次に中小企業等協同組合法施行法案に対する修正案につて採決し、次に政府原案について採決を行います。 それでは中小企業等協同組合法案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○神田委員長代理 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま決定いたしました修正部分を除く政府原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○神田委員長代理 起立多数。よつて政府原案は修正案のごとく修正議決いたしました。 次に中小企業等協同組合法施行法案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○神田委員長代理 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。次にたただいま決定いたしました修正部分を除く政府原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求を求めます。 〔賛成者起立〕
○神田委員長代理 起立多数。よつて政府原案は修正案の通り修正議決いたしました。次に両案の委員会報告書く作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長代理 御異議なしと認めます。委員長に御一任をいただいたものと決します。 —————————————
○神田委員長代理 次に閉会中の審査に関する件についてお諮りいたします。本委員会が議長の承認を得て、今会期中に実施して参りました商工行政に関する國政調査は、関係各方面より意見を聴取し、資料を要求し、鋭意調査を完結するために努力して参つたのでありますが、なおこれが調査の完璧を期するためには、閉会中に委員を派遣し、奥地に各方面を視察し、名地の実情に触れるとともに、正しく民意をこの調査の結論に反映せしめる必要があるとの見地よりいたしまして、昨日の懇談会におきまして一應御協議を願つたのでありますが、この閉会中の委員派遣につきましては、國会法第四十七條の既定によりますと、委員会は会期中に限り付託された事件を審査するのが原則でありまして、議院の議決で特に付託された事件については、閉会中も審査することができるという規定と相成なつており、その手続は、第二回國会終了後の閉会中審査継続の例によりましても、まず委員会より議長に閉会中審査の申出でをいたしまして、それが院議で決定いたしましたならば、あらためて議長に閉会中審査のための委員派遣について承認を求めるという順序と相なるのであります。つきましては、その手続は委員長に御一任を願うことといたしまして、閉会中審査の件についてまず御決定を願いたいと思います。委員長の手元でとりまとめました案といたしましては、各小委員の区分に従いまして、鉱工業部門では鉱工業生産状況に関する調査の件とし、商業部門におきましては、貿易産業及び中小企業振興に関する調査の件とし、質疑部門におきましては電源開発に関する調査の件としてはいかがかと思うのでありますが、これらについて何か御意見等はありませか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長代理 他に御異議はありませんか。——別に御意見もないようでありますが、ただいま申し上げました件について、議長に閉会中審査の申出をするに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長代理 御異議なしと認めます。それでは後刻書面をもつてその申出をいたしておきます。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後六時十九分散会