商工委員会 第11号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/05/10
会議録
○神田委員長代理 これにより商工委員会を開会いたします。前会に引き続き私が委員長の職務を行います。 まずこの機会に先日の今澄委員の御発言に関し御報告申し上げます。前月三十日の本委員会において、今澄委員より、二十七日夜石炭協会に対し「参考人の件はとりやめた」という電報を院内郵便局から打つておる。その結果協会は、二十三日朝常盤炭田や、宇部炭鉱に電話をかけて「これこれの電報が来ておるから、きようはあなた方は行くに及ばない」という連絡をとつた事実がう。電報発信者は大蔵委員会ということになつておるが、同委員会はそういうような石炭業者に縁がないにかかわらず、大蔵委員会の名で打つておる。国会の権威に関してまことに許すべからざることであるから、いかなる目的で何人がこのような電報を打つたかということを調査するよう、皆さんに諮つてくれという意味の発言があり、川上委員からも右の事実につき取調べるよう発言がありました。これに対して私から当委員会に委員等においては、さような卑怯な行為をなすような委員諸君は一人もいないことを確信する。なお十分具体的な証拠を整えて、その上で理事会や委員会に諮のが適当だと考える。という意味のことを申しておいたのであります。その後右事実について取調べましたところ、右電報は本委員会に全然関係なく、大蔵委員会そのものから確かに石炭協会に「参考人の件とりやめた御了承請う」と打つたものであることが明確になりました。その理由は、御承知のように国会に政府支拂促進に関する委員会ができましたので、政府支拂に関する件は右委員会の所管になりましたので、大蔵委員会としてはとりやめにしたとのことであります。右の次第で今澄委員の御発言はまつたくの誤解であつたと御了承できると存じます。右御報告いたします。 —————————————
○神田委員長代理 それでは石炭に関する件を議題として調査を進めます。 本日は、至る七日の本委員会の決議によりまして、本日出席を求めておきました参考人の方々より、石炭価格の問題について御意見を承ることといたします。なお参考人の数は十四名のところ、中小炭鉱側より衆議院議員田中彰治君が発言されるとのことであり、需要者側より運輸省資材局石炭課長堀口大八君が発言されるとのことでありましから、御了承を願います。なおその他参考人の氏名はお手元に配布いたしました名簿の通りであります。 なおこの際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。御承知の方もあろうかとは存じますが、本委員会は目下法律案の審査のほかに、商工行政に関する事項について、國政に関する調査を実施いたしておるのでありまして、これが調査のためにそれぞれ部門別の小委員会を設置して、鋭意調査を進めて参つたのでございますが、昨今石炭部門におきまして問題となつておりまする石炭価格の件につきましては、その重大性と業界その他に及ぼす影響にかんがみ、直接関係各方面の事情を調査し、もつて本委員会の調査に遺憾なきを期するため、本日この挙に出でた次第であります。本日御出席の参考人各位は、多年石炭鉱業の経営者として、または労働組合の幹部として、あるいはまた石炭の需要者として、石炭價格の問題につきましては深い造詣と、重大な利害関係を有しておられる方々でありまして、各位の御意見は、必ずや本委員会の調査によき参考と相なることと信ずる次第であります。つきましては、各位におかれては本議題につきまして、あらゆる角度からそれぞれの立場におかれましての忌憚のない御意見を、御開陳願いたいと存ずるのであります。なお、参考人の発言時間は大炭鉱側、労働組合側おのおの三十分以内とし、発言は発言台でお願いいたします。それではまず三井鉱山業務部石炭課長福井公四郎君。
○福井公述人 私は三井鉱山の福井公四郎と申します。 私どもは石炭価格につきましてはかねがねメリット主義を主張しておるものであります。これまでの石炭政策は、数量にそのポイントが集中されておりまして、石炭の生産者価格もその線に沿つて設定されておるのであります。そのため現在の生産者価格に、次のような不合理を來たしております。すなわち同じ五千カロリーの石炭が、北海道では一千百九十円、九州炭では一千四百二十円、常盤炭では二千六十円、宇部炭では二千五百二十円となつております。すなわち北海道炭と宇部炭とでは、同じ五千キロカロリーの石炭が一千三百三十円も開いておるのであります。従つて現行価格が設定されました昨年の六月に、すでに現行価格は妥当でないというので、十月からはメリット主義をさらに加味して行う方針であると、政府も約束しているように聞いております。幸い石炭鉱業は各方面の努力によりまして、石炭の生産も促進増産されて参りまして、需要者側は石炭の使用効率上、上級炭を要求するようになつて参りました。このことは現在上級炭が不足し、下級炭が過剰である現状が雄弁に物語つております。すなわち量から質への対策が必要となつて来ており、品位の向上、上級炭の優遇の処置が非常な世論となつて来ておるのではないかと考えております。一方日本経済の自立を要望する諸原則、特に基礎産業である石炭企業には、三原則、六原則が示され、石炭企業は好むとまざるとにかかわらず、自立体制へ移行しなくてはならないような状態になつております。そこでわれわれは合理化を遂行して参りまして、昨年からだんだん成績をあげて來ておるのでありますが、現行価格の不合理から来る赤字を克服するまでには至つていないのであります。昨年の十月から今年の一月までの大手の五軒、すなわち三井、三菱、吉河、井華、北炭の五軒でありますが、その五軒の赤字の平均は、トン当たり二百八十円に達しておるのであります。この上本年度から二十四億円の賃上げ補償金、トン当たりにしますと百七十円になりますが、これがなくなります。また減價償却は現在十一円ちよつとの償却をやつておりますが、これではとても足りません。その額は大体百二十円くらい足りないと思われるのでありますが、これらを考慮しますと、本年度から合計トン当たり五百七十円の赤字となるにであります。これをわれわれは克服して行かなければならない立場に立つているのであります。しかも消費者価格はすえ置かれておりますので、炭價水準を上げるということは、現在できない状態にあります。 〔委員長代理退席、渋谷委員長代理着席〕 炭價水準は上げられませんけれども、われわれは関係方面の意向を打診しました結果、規格別、地域別の消費者價格の合理化だとか、生産者價格の配合の合理化等はさしつかえないということでございました。前に述べました通り、われわれは現在のような企業合理化だとか、生産者價格の配分の合理化等はさしつかえないということでございました。前に述べました通り、われわれは現在のような企業の合理化だけでは、事実上赤字を克服することができないのであります。そこでこの際生産者價格の合理化をはかりまして、自立への近道としたいと考えておるのであります。生産者價格の配分の合理化は消費者の要望であり、また石炭価格の本来のあり方である品位を中心としたメリット主義により配分することであると思うのであります。そこでわれわれは一日も早くメリット主義の炭價のせつていを要望してやまない次第であります。 簡單でありますが、われわれの主張するメリット主義への要望は以上の通りであります。
○澁谷委員長代理 次は三菱鉱業壇上さん。
○壇上参考人 三菱鉱業の壇上であります。この機会にわれわれが主張おりまするメリット主義により炭價の配分につきまして、いささか御説明申し上げまして御参考に供したいと思います。 メリットの問題は昨年の炭價前ぎめ制がしかれた当時から問題になりまして、公式の機関を設けて引続き種々検討されておりますけれども、いまだに結論が出ない。それほど困難な内容を持つておる問題でありますが、諸般の事態はもうこれ以上炭鉱の自立のたには還延を許さずというところに押迫りました。そこでわれわれは現在配炭公團が売つております生きた現実の値段、これに即してその限界を一応メリットとして取上げて、これによつてさしあたりこの窮状を打開しなければならぬ。しかして眞実の正しいメリットをどうするかという問題はさらに検討を続けて、できるだけ早く本来のメリットを立てて行くようにしなければならぬけれども、さしあたりは先ほど申し上げましたように、配炭公團の現在生きておる、買つておる価格を基準にして行くよりほかに、早急かつ効果的な現実に実現性のある方法はないという結論に達したのであります。しかしながら現実各炭鉱企業の状況は、一気のこれをそこへ全面的に持つて行くことは、四千二百万トンの要請されておる今日、なかなか困難な問題を伴いますので、従来はトン当たり百四十二円という調整金を出して、相互に協力し合つて生産に邁進してきたのでありますが、方城炭鉱といたしましては、先ほど福井君から申し上げましたように、自立のためには何とかここで炭價の方も、企業内部の原價の切下げその他の努力はむろんやりまうすけれども、対外的に炭價の面で調整するということがなければとうてい遂行できない状態なので、百四十二円を八十円に切下げて、八十円はやはり調整金として出すということでこのところ炭價の修正をやらなければならぬ。こういうふうな考えを持つておるのであります。それに対しまして、八十円ではまだ足りない、たとえば宇部地区の御主張は宇部炭は九州炭に対して千二百カロリーのメリットを持つておる。そのうち約半分六百キロカロリー、金額にして五百円、この五百円は現在の配炭公團の売値の中に地域差として認められておる。残り五百円のうち三百円は今度の八十円でカバーできる。しかしなお二百円足りない。全体で千円ですが、二百円足りない。それを何とかすべきである。こういう御主張のようであります。しかし私どもの考えでは、現在公団の販売価格においてすでに付与されております五百円で、千二百カロリーのメリットは満たされておると思います。と申しますのは、公団が今計算しております炭價は百カロリー当たり四十二円五十銭という基礎に立つておりますが、かりに四千二百カロリーの場合に、宇野炭と九州炭を比較してみますと、販売原價が九州炭が千八十円、宇部炭が千五百九十六円、その差額は五百十六円、これが先ほど申し上げました約五百円の差でございますが、これに対しまして有効カロリーは、九州炭は二千九百四十七カロリー、宇部炭は三千六百七十四カロリー、その差が七百二十七カロリー、これを先ほど申し上げました四十二円五十銭で価格を出してみますと、三百九円になります。現在ついております五百円と三百円との差額約二百円が、地域差としてすなわち運賃その他の差額に該当するものでありまして、後ほど申します根拠によりまして大対二百円見当が地域差として認められるのでありますが、それを見合して現在の五百円で千五百カロリーのメリットを織込み済みであるという見方も、できるかと思うのであります。一方この五百十六円という差額を炭債決定の基準になります百カロリー四十二円五十銭で割りますと、千二百カロリーのメリットは現在の債格にすでに織込み済みであるということが言えると思います。一方現在の地域差五百円を検討してみますと、九北炭のプール運賃諸掛りは千三百八十五円ですが、常磐、宇部は九百六円、その差額は四百七十九円ということになつておりまして、先ほどの約五百円、これがプール運賃諸掛りにおいてても約五百円ということになつております。しかし実績を見ますと、昨年の4月から十二月までの実例ですが、九州炭に比べて宇部炭が揚地市場に向けます数量が多くなつたために、すなわち九州は地内向け六七%、揚地三三%に対しまして、宇部は地内が五一%、揚地四九%と大体半々になつております。その上揚地も最も運賃の高い機帆船によつて六一%輸送されているのであります。そういうふうな結果実績を算定しますと、九州は宇部よりも逆に二百円以上も安くなつております。宇部炭につけられました地域差というものは、宇部の輸送費が九州よりも安いというところに根拠があるのですが、実績は逆な現象を呈しているということも一考を要する問題と思います。なお、これから自由市場に向つて進まなければならないという客観情勢でありますが、かりに輸送期間別にトン当りの裸運賃を見ますと、貸車の場合は九州五百十七円に対して宇部が四百五十三円、その差額が六十四円、機帆船九州千四百四十七円五十六銭に対して宇部は千二百四十六円十六銭、その差額は二百一円四十銭です。汽船の場合は、九州七百二円五十六銭に対して宇部四百四十四円十六銭、その差額は二百五十八円四十銭。裸運賃におきましても大体二百円か二百五十円見当でありまして、五百円の差額の半分を占めている。その五百円の中にもメリットが入つているということが言えるのじやないかと考えます。 さらに、今のは地域差の問題ですが、今度は品位について申し上げますと、昭和十五年ごろ昭和石炭の統制時代、宇部炭は大阪市場におきまして九州炭に比べて約二円メッリトを認められておつた。それから逆に同じ値段のものでカロリーを比較すると、宇部炭の方が千二百カロリーくらい下回つたカロリーのものであつた。すなわち千二百カロリー下のものでも同値で売せておつた。それが宇部炭のメリットである。こういう事実に基いての考え方があるかと思うのですが、これはしさいに検討してみますと、必ずしもそういう結論は出ないのです。宇部炭のメリットはご案内のように、塊炭、ことに家庭用炭におきましては煤煙がないという特質が買われまして、確かに九州炭に比べて千二百カロリーくらいのメリットを現実に認められておつたのであります。これはもう事実でありまして、問題は用途が家庭用であり、主としてこれは塊炭あるという点でございまして、粉炭の場合あるいはボイラー用の場合、これは塊炭と同じようなメリットみとめられていなかつた。そして現在の需要はどうかと申しますと、主としてボイラーでありまして、家庭用は御承知のように配給も許されない。また生産状況は問題の家庭用で非常に威力を発揮しましたのは、宇部のたしか五段の炭だろうと思いますが、現在は五段は少いだろうと思います。大部分が大派の炭だろうと思います。その辺の生産状況あるいは事情の変化、塊炭、粉炭の関係、こういうところから考えてみますと、昭和石炭の十五年度の買収価格あるいは安治川筋の当時の帆船渡しの値段におきます差額は、ただちに全般の宇部炭のメリットということが言えないということはわかると思います。ちよつと具体的な例を申し上げますと、沖ノ山の五段の塊炭は五千八百カロリーで十八円、FOB十八円です。田川の塊炭七千カロリーで、十七円九十銭。同値で五千八百の千二百のメリットがはつきりでています。一方、粉炭は沖ノ山五千八百カロリー、十四円。太平洋沈粉五千九百カロリー、十四円十五銭。伊田の鉄分五千百カロリー、十四円十五銭。こういうふうに、粉炭におきましては、大体同クラスのものは同値になつております。なお、もう一つ問題なのは、昭和石炭の買取價格、標準値段に対して実際に契約のできた値段が、その当時毎月昭和石炭に報告されておりまして、そのリストがありますが、それによると平均において宇部炭は、九州炭を基準にして考えますと、二円近く契約値段が標準値段を下まわつているという事実があります。これも炭鉱が九州炭とメリツトにおいてあまりかわりがないという、一つの裏書をする事実だと言えると思います。それは公団の二月末大阪の貯炭状況、宇部炭十二万トン、九州炭十一万トン、これは昨年度の第四・四半期の計画輸送数量に対して、宇部炭は五三%、九州炭は一四%というように、非常に率の大きい貯炭を宇部炭は擁しているわけです。聞くところによりますと三月末におきまして、宇部炭は大阪貯炭のたなおろしをしたそうですが、相当莫大な金額を失うております。こういう目の前に宇部炭のメリツトを物語る事実があるということも御参考に願いたい。なお、現在の配炭公団の販売価格というものはプール諸掛り九百五十六円、プール諸掛りをいい炭に対しても悪い炭に対してもべたに加えております。千円の炭に対しても九百五十六円、三千円の炭にたいしても九百五十六円で加わつているわけです。そのために、上級炭が非常に割安くなつておりまして、下級炭が非常に割高になつております。これは自由市場に移行する場合、下級炭の値下げを迫る事実であります。こういう点も十分考えて、お互いに将来の自立に向かつて用意がなければならぬ、こう考える次第であります。これを要するに、われわれは需要方面の産業の自立に対しても、石炭の原價というものはできるだけ切下げて製品を安くして、輸出にも備えなければならないという情勢です。それがためは、石炭の使用効率が問題になつておりまして、品位の向上、上級炭の増産の奨励ということが、石炭政策の重要な問題として取上げられなければならぬという客観的な情勢に迫られております。七十幾パーセントを占めます上品位、高能率炭鉱が、先ほど話がありましたような五百七十円という赤字を、克服して行かなければならぬというはめになつておりまして、炭價の面からもどうしてもてこを入れてもらわなければ自立できない。従つて、そこに影響するところは日本の全産業に重大なものがあるとわれわれは確信いたしまして、メリツト主義を主張いたしております。主として九州炭を例にとりまして、メリツトの價格の関係について申し上げましたが、これは一つの例であります。さよう御了承置き願います。
○澁谷委員長代理 次は中小炭鉱側の方にお願いするのでありますが、六名の方が全部お話になりますと、お一人で五分ということになりますので、そのつもりで願います。それでは北海道石炭の舟橋さんからお願いいたします。
○舟橋参考人 北海道中小炭鉱代表の舟橋であります。会期もあと非常に迫りまして、御多用、御多端の折柄、私ども炭鉱界のために貴重な時間をさいていただきまして、御聴取くださいますことを心から感謝いたします。感激をもつて私ども北海道の実情と、かくしていただきたいということを、陳情の意味を含めて申し上げたいと思いますから、どうかそのつもりでお聞きとり願いたいと思います。 実は炭價の問題ですが、御承知のごとくあまり小さいことは私どもより関係官庁の直接の方々、さらに代議士の方も数名いらつしやつておりますので、多く触れることを避けたいと思います。実は昨年の十月ごろからこの炭價問題で、協会といたしましても非常に苦慮して参つたのであります。私も北海道から出ている協会の評議員といたしまいして、炭價を何とかしなければいけないのだということは中小、大手とも共通の悩みであつたのであります。ということは、現在の配分された炭價で大手も中小もその中のほんとうの一分か二分のわずかの数鉱山はペーするが、あとの鉱山は赤字である。こういう実態が昨年の價格改訂直後から事実として現れたのであります。でき得る限りこれを克服して行かなければならないという気持ちを大手も持ち、われわれの中小も持ちまして、この克服に邁進いたして参つたのであります。なかんずく今年の始めから九原則、三原則、さらに最近に至りましてメモランダム六項目というものが出まして、いやが上にも自立態勢においてこの難関を乘り切ろう。従つてお互いにやつて行けない炭鉱なんだから、お互いの創意と工夫と合理的の経営をして、眞に労賃の一体によつてこの難関を自閉するよりほかに値がないというのが、われわれの結論であつたのであります。従つて私ども協会といたしましても、この炭價の配分の改訂をなかなか行うことができなかつた。しかしながら一粒の望みを捨てずに、私どもは最近まで参つたのであります。それというのは、配炭公団の余剩金の配当が受けられるのではなかろうか。さらにかくのごとき実情であるからして、何とか炭價のあり方ができるのではなかろうか。ここにおいでになりますが、石炭庁の方々とわれわれ協会は常にあらゆる角度から検討いたしまして、実際の問題としてこの炭價を上げてもらわなければならぬということで運動して参つたのであります。従つて炭價の改訂は内部的の弱肉強食の形をとらないで、何とか外部から多少でも炭價をもらう。公団の余剰金もしくはその他の炭價をいただいて、これを大山の特にコストの高いところに配分を持つ手行く。そうしてそれによつて炭價の是非をはかりたい。従つてお互いが安い今日の炭價から取り合いするようなことは、絶対避けるべきであるということは、大手の理事の諸公もわれわれも同様の意見で今日まで進んでおりますが、それがドツジ・ラインが出た結果、もう上がる見込みはない。そこで弱肉強食、小さいものを食つてしまつて、大きなものばかりを生かして行くほかはないという線が出てしまつたことも、やむを得ない実情であると思います。しかしもう一歩退いて考えたいことは、また皆さんにお聞きとりを願いたいことは、中小炭鉱は現在の炭價でいかなることをしてもやつて行かなければならないという態勢をおりまして、二月から努力した結果、大体今日では現在のままのマル公の炭價であれば、やつて行けるというところまでこぎつけたのであります。にもかかわらず大手だけがやつて行けないという理由はないはずである。この点であります。この点はいかように御解釈願うかわかりませんが、十分私どもは検討しなければならぬ重大な問題であると思います。そこで今度炭價の配分が弱肉強食の形で内部に盛られておつた調整金を削つて大手に持つて行く。大手はこの調整金はわれわれの黒字の山から直接調整金を出した、こういう形でありますが、事実昨年の六月二十三日の新價格設定のときの價格の盛り方は、そういうものではないのであります。全体の大手も中小も合せましたところのコストによつて、そのコストでバランスをとつて二千三百八十円という炭價が生まれたのであります。当時の大手のコストというものはもつと安かつた。むしろ中小の新しい企業者の山が非常にコストが高かつた。そのコストが高いためにあの平均價格というものが生まれた。従つてむしろあの百四十二円という調整金はこれは中小のものである。まだわれわれは大手に貸しがあるということが、極端な言葉で申し上ますれば言い得るわけです。しかし私はメリツト建に反対するものではありませんし、また中小と大手とが仲間われするおうなことを思うものではありませんが、その点をいかにして調整されたらよいかということを、私どもは協会の評議員として常に会長、副会長にいろいろ相談申し上げておつたのであります。價格はこのままでどうしても動かないというならば、われわれは合理的に経営して、現在の價格を下げないということを一つの建前にしていただきたい。もしこの價格を、どうしてもわれわれの方を下げて大きいものを生かして行くという方針をとられるときにいおいては、協会の意向としては小さい炭鉱はつぶれて行く。その山の処理方法を十分に研究して政府に進言し、この処理の道を講じてもらいたいということを申し上げておつたのであります。まだ協会といたしましては、これをこうしてくれという意見は出ておりませんが政府の方に答申して、御承知のような答申案が出た。その答申に基いて今日物價庁、安本、石炭廰等でもつて渉價格の審議をいたしておりますが、その審議の内容はまだ深く知りませんが、これらの処理方法は少なくとも私は講ぜられるものと考えております。そこで私ども北海道の中小企業といたしまいしては、今日のような時勢で、しかし價格というものがメリツト云々とかいろいろありますが、このメリツトというものにもいろいろ意見があると思う。北海道の夕張炭鉱の七千八百から八千カロリーの超粘結の石炭は、暖房にくれてやつたら金をつけてやつてももらわぬ。それよりは五千カロリーの炭の方を喜びます。二日か三日でかまがつぶれてしまう。そういうものはメリツトのかまへ入れるべきものであつて、従つてそういうところで使用するところの暖房炭は、五千キロカロリーの石炭價格二千幾らがあたりまえの炭で、夕張の炭はただでもいらぬ。だからメリツトというものの算定は非常にむずかしい。炭の持味、たさの持味、かまの持味、使用率の持味、すべての持味が決して純炭カロリーのみによつてきめられるものでないということを御承知願いたいのであります。従つて今後のメリツト制の問題等もわれわれと大手はあるいは対立するかもしれませんが、これも常識的に考えまして、神武天良以来物の値段というものは需要と供給のバランスによつて生まれるものであります。決していらない物が高くなつたり、いる物が安くなつたりすべきものじやない。そこで私どもは低品位炭がいらないのだ。昨年は私どものやれ掘れ、それ掘れと出炭を強制いたしました。しかも借金の責任と出炭の義務だけを負わせて、あとは價格を全部統制され押えられておつた。それでも日本人であるわれわれ国民は非常にまじめなもので、一銭五厘のはがきで妻を殺し、夫を殺し、子供を殺しても万歳して喜んで行く国民なんであります。どうかそれらのことを御考慮の上、これらの問題を処理願いたいと思います。申し上げたいことはまだたくさんありますけれども、おしやべりが多いので発言ができません。私の申し上げたことは断片的でありまするが、御参考になりますれば仕合せだと思います。
○澁谷委員長代理 次は宇部鉱業の俵田さん。
○俵田参考人 私は宇部炭田を代表いたしまして、宇部鉱山の俵田と申します。私からお話申し上げます。 われわれが大学でリカードの経済原論を一番最初めに習いましたときに、始めに書いてあることは石炭の収益逓減の法則であり、しかも石炭の價格の決定のいかに困難であるかという問題なのであります。そこで石炭というものは商工業みたいに同じハンデイキヤツプのもとにやつて行くということができないので、天然の保存状況によつて違うのであります。そこで價格の決定も非常にむずかしく、この点において石炭がイギリス以下ほとんど全部の国家、資本主義国家にかかわらず統制されておるゆえんであります。まずここから政治的に考えられなければならない問題があると思うのであります。しかしながらメリツトのないものを買うことはありませんので、私どもはメリツトに反対いたしません。それではメリツトは何ものかと申しますと、メリツトには効用と運賃差とがあります。効用といいますと、まずその一部に熱として使う効用があります。熱として使う効用は何カロリーというやつでありますが、灰分が多くなるに従つて熱が十分燃えない。燃えて出ませんので、そこで純炭カロリーとか有効カロリーとかいうものがありまして、灰分が少い多いででもつてその効力をかえてあるわけであります。この点をよく考えていただいて、常盤と宇部が灰分の少いためにどんなに貢献しておるかということを、考えてもらわなければならぬ思います。たとえば宇部炭の三千三百カロリーという石炭が、必要な発電用炭を形成し、電力をこしらえておるということも考えていただきたいのであります。戰時中あらゆる方面から三千カロリーといつたようなカロリーに石炭を使おうと思つて、私どもの発電所を見に来られたけれども、そういう炭ではできない。そこがすなわち宇部炭の揮発分の多い、タール分の多い特質であります。これは学術的にお考えになつてもわかる。それからそういう風な熱量の問題と、もう一つ全然別に揮発分あるいはタールの成分を持つた特殊炭というものがあります。特殊な性格を持つておる。先ほど宇部炭を攻撃なさいまして、家庭用炭は今使つておらぬじやないか、こうおつしやいます。もちろん統制されておりますから家庭用炭は使つておられません。しかしながらたとえば三池やらあるいは三菱やらで、あの硫安工業に使つておられる炭は一体何千カロリーの炭か。六千カロリーから七千カロリーのあの大事な石炭を使つておられます。しかも先ほどもおつしやいましたが、宇部炭は五千カロリーが幾らだ、九州炭は幾らだと言われて九州炭一本のように言われますけれども、これをただしてみると九州炭の原料用炭はあるいはガス用炭というものは、ちようど宇部炭のように高いところに値段がきまつております。しかもその高いところにきまつておる原料用炭あるいはガス用炭、同じガス用炭をこしらえ、あるいは同じ原料に使つておる宇部炭を、しかも六千カロリーの石炭でもやつておられるのを、われわれのところでは四千二百カロリーから五千カロリーの石炭、すなわちもと家庭に使つておりました石炭で今の硫安をこしらえ、あるいは人造油をこしらえる。しかもその石炭はと特殊用炭として買い上げられるときには、高い値段で買つておるのであります。その点もお考え願いたい。そこでただ単に上級炭を掘らなければならないとおつしやいますが、日本に上級炭のかわりに下級炭、すなわち六千カロリーの製鉄用炭で硫安をつくるかわりに、四千二百カロリー、四千七百カロリーといつたような石炭で硫安ができるとしたならば、これはずいぶん国家に対する貢献であろうと思うのであります。だからただ一本に九州炭はこれだ、宇部、常盤はこれだ、二本しか値段がないとおつしやいますが、原料用炭あるいはガス用炭というものは、さらにその上に、ちようど宇部炭と同じように線ができておる。それで買われておりますのが皆さんのお話の中から消えてしまつておる。その点をお考え願いたいと思うのであります。 それから地域差の問題でありますが、もう一つ大きな効用は地域差であります。石炭はバルキー、カーゴーすなわち非常に容積を食うやつかいなものであります。そのやつかいなものの価格がどこできまるかというと、これは三井、三菱の方がおつしやつたようにいろいろありましようけれども、近視眼的な見方でなさつておりますが、実際はこの価格というものは、ウエーバーの向上立地論でもごらんになつたらわかるように、原料と燃料と消費地である。この三つの三角形の地帶においてきまるということであります。すなわち原料が安いために北海道の山に工場が行く。原料が安いために九州の山の奥に行くのであります。だれもああいう人のいやがるところに工場を持つて行くことはない。それはすなわち石炭が安い。すなわち消費市場において石炭の消費価格が決定される。その消費市場で決定される石炭から運賃を引いた値段で石炭の価格がきまるので、その石炭を見て、石炭を運ぶよりは生産物を運んだ方が軽くて安いじやないかということで、工場が向うに行くわけであります。そこで今たとえば宇部炭がたくさんに工場に来ておるから、宇部炭の運賃が非常に高くかかつておるということで、運賃のことを言われるのは、近視眼的な見方じやないかと思うのであります。そこで、私は皆さんよくおわかりだろうと思いますから詳しく申し上げません。このメリツトの問題において販売価格をとられたことに対して、これをつくつた配炭公団の方が、これはメリツトにあらず、自分たちの作業のために便宜的にこしらえたものでありますから、それをお考えに入れていただけば私はいいと思うのであります。決してこれはメリツトを立てたものではない。そこでそれをとるべきものではないということに対して、私は主張できると思います。それと同時にこのたび四千カロリー以下は統制をはずすと言われますが、先ほどから申したように、四千カロリーの炭でも配分が違えば違う。こういう性格を持つておりますから、どうかこの点を考えていただいて、ほんとうの石炭の姿を見ていただきたい。そうしてたとえば四千カロリーの効率はアツシユのこうりつだけをとつてもましても、これは配炭公団で計算すればすぐわかりますが、四千カロリーの炭と食い合う、宇部では三千五百カロリーの炭と有効カロリーにおいて合う、これは有効カロリーだけでありまして、先ほどの揮発分とか特殊とか、こういうものを全部除いても、こういうお考えの上で御了承願いたい。それでメリツト主義によつてやるということに対しまして、メリツト本位にしてやるというふうに、変にこの字句がむずかしく解釈されております。すなわちメリツト主義、メリツトが何ものかということが今むずかし問題でありますが、メリツト本位といわれたところにある程度の政治的な意味がある。すなわち四千二百万トン掘らなければならぬというこの大問題とひつにかけえ、メリツオはただカロリー上のメリツトではないということを、御了承頂き願いたいのであります。宇部といたしましても、先ほどいろいろ攻撃がありましたので一々反発したいと思いますが、時間が八分しかありませんので、これで皆様の御了承を得たいと思う次第であります。
○澁谷委員長代理 次に九州代表の衆議院議員田中彰治さん。
○田中彰治君 私は九州の中小炭鉱を代表いたしまして、価格の問題について一言皆さんに申し上げ、そして御了解を得、かつまた御賛同を得たいと思うのであります。 皆さんも御承知のごとく、敗戰後日本を再建するのに非常に石炭が必要であつたのであります。そして政府もあるいは占領軍の方からも、どんどん石炭を掘れ掘れという命令を受けたのであります。中小炭鉱は御承知のごとく、鉱区も大鉱山から見ますと非常に惡い鉱区を持つている。また機械の設備にたしましても、労働者諸君の住宅その他一切の施設にいたしましても、非常に劣つているのであります。しかるにこの惡い鉱区をもち惡い機械を持ちながら、かつまた不徹底なるところの惡い施設を持つておつて、大炭鉱に負けないで石炭を掘つて日本再建のために盡して來たものは、私は大言を申し上げるわけではありませんが、これは中小炭鉱であります。しかも一トン二千三百八十円というところのこの価格を政府からいただくについても、だれがこれに対して骨を折つたか。これは中小炭鉱がその核心となつて一生懸命に骨を折つて、そして量を出さなければならぬというので、量をこれだけ出せば一トンに対してこれだけの價格をくれると言つていただいたのが、この二千三百八十八円であります。それでありますから、これは量を出すのに一生懸命になつて働いたところの——あの惡い設備を持ちあの惡い鉱区を持ちながら、日本再建のために一生懸命に働いて來た中小炭鉱がもらつた價格が、この一トンに対する二千三百八十八円であります。しかるに今石炭が少し余るようになつて來たというので、それもほんとうに配炭公団あたりと業者がよく打合せをしておるならば、余つておるか余つておらないかということぐらいはわかつているはずである。それを今余るというような一つの風習のもとに、すぐにこの單價を削つて、そして惡い石炭はいらない。しかし惡いからといつて決してたけないほどの惡いものではない。ただ大炭鉱のごときは、戰爭時代から独占的によい鉱区を持つているが、中小炭鉱はそれをとつておかなかつたから、鉱区が惡いために、いかによい技術を有するといえども、よい石炭が出ない。そしてできる限りの選炭をし、できる限りの技術を振つて出しておる中小企業に、今石炭が余つている、あるいは單價これ以上げられないつというような一つの限定のもとに、中小炭鉱の石炭を一トンに対して二百五十円、多いところは八百円に削つてしまつてそしてこの炭價を設定するというようなことをした場合に、どんなことが起るかと申しますと、少なくとも日本における二百個以上の中小炭鉱は壊滅するのであります。私はこの炭鉱が壊滅するのに大して、今日まで——戰爭当時のことは申しませんが、敗戰後一番惡い事件のもとに働き、努力して來たところの炭鉱を二百以上も壊滅させて、しかもその下にあつてほんとうに純價なる気持ちを持つて働いてくれた労働者諸君に、生活の脅迫をなめさすというような態度をもし今政府がとられるとするならば、今後の日本の国家の再建に対しても、どのようなことが起こるかわからない。ほんとうに国家のためにまじめに働く事業家もなければ、労働者のないという状態になるのであります。こういう点を考えた場合に、私は日本の国家の将來のために、よくこの点は考えていただけなければならぬと思う。しかも四千カロリー以下のこの炭鉱の石炭を買い上げないというような状態になつたときには、これまた小さな炭鉱はたくさん倒れて行くのであります。皆様も御存じの通り、私は民主党に席を置くものでありますから、決して私は批判的にあれこれ言うのではありません。しかしすべての日本の原動力であります石炭を握つた大資本家が、必ず日本の国家を自由にすりような時代がくると思うのであります。もし皆さんがここに今風評によつて、わずかなるところの大炭鉱の意見によつて、この中小炭鉱を倒すようなことをしたならば、大炭鉱だけが残つて、これだけがほんとうに日本の原動力を独占してしまつて、国家に事あるときは、彼らの手によつて国家が自由になる。石炭を握つたものは何でも独占できる。こういう状態が日本に現れて來たときに、一体日本はどうなるか。私は独占資本というものを日本から防いで、安定したところの日本再建をなす上において、どうしても中小炭鉱というものを私はここで壊滅させてしまつてはいけない。まじめになるところの、いつ何どきでも、機械がなくてもまた施設が惡くても働く。どんなに惡いところの鉱区からでも必ず石炭の一かけらでも握つて国家に出す。こういう大切な中小炭鉱というようものを日本の国家から抹殺するというような政策をとられるならば、私はほんとうに代議士をやめても、戰わなければならぬというぐらいの決意を持つておるものであります。どうか皆さん、中小炭鉱が敗戰後どれだけ国家のために働いて來たか。そうしてこの値段も、中小炭鉱が量におつてとつた炭價を、今石炭が少し余ると、あたかも大炭鉱の石炭がカロリーにおいて二千三百八十八円という定價をおつたというような考え方をもつて、この炭價を決定させられるということは、私は実に間違つたことであると思うのであります。もちろん質のよいものは高く、質の惡いものは安いということの原則はありますが、どうしてもそうしなければならないのならば、われわれが敗戰後今日まで働いて來たところの努力、そして今日まで日本再建のためにあの設備の惡いあるいは不徹底なところの機械、器具をもつてやつて來たところの努力、また業者の努力に対しても労働者の努力に対しても、壊滅させるような手段をとらないで、どうかここに五月、六月の研究期間というものを置いて、この炭鉱の鉱区の中には、あの層は惡いが下の層はよいとか、あるいその上の層はさらによいというような層がありますから、そういう層に着眼をして、中小企業がよい石炭を出せるような時期まで待つて、そうしてここに変革ではなくして、ほんとうに完全なる改革にまで進まれんことをお願いして、またこれに対して皆さんから十分なる御同情と御理解を賜らんことをお願いして、私のあいさつにかえます。
○澁谷委員長代理 次に常盤炭鉱の代表大和炭鉱株式会社の鈴木博明さん。
○鈴木参考人 私は茨城県、福島県東部木土炭業界の声として陳情申し上げ、また御説明をするつもりであります。 今年度の石炭の生産目標が四千二百万トンであることは周知の事実でありますが、この数量というものは、現在配炭公團が取扱つておるところの第一級炭より等外二級炭に至る、全部の石炭を基準とした数量でありまして、われわれ常盤、宇部のような、いわゆる低品位炭を産出するところの炭鉱業者は、だれが見てもとうてい経営ができないというような、そうした不当な單價をつけるということには、われわれはとても屈服することはできない次第でございます。またそういうことによつて、もし大手筋の連中がこれをどこまでも強行するならば、いわゆる独占資本主義であるとか、大資本主義の擁護であるとか、そういうそしりは当然免れぬばかりか、この四千二百万トンの至上命令も達することができぬ。また生産者、労働者数万人、あるいはその家族を入れて数十万人というものが、路頭に迷い死線をさまようようになることは、当然のことでございます。炭鉱ばかりでなく、この炭鉱所在地にあるところの関係町村というものも、もし炭鉱が経営難に陷つて閉鎖したならば、その町や村ではどういうことが起るか。これは皆さんに御説明申し上げるまでもなく、諸先生方においてはよく御想像のつくことであろうと思いますし、取り返しのつかない重大な問題が起こらないとは限らない次第でございます。 今年度の石炭行政に対しての政府の意図しているところは、全国の炭鉱をABCの三階段にわけまして、A炭鉱に対しては国家が援助として百のうち九十、B炭鉱については、十、C炭鉱にはゼロというような方法がすでに確立されておりますし、なおこの大手筋炭鉱に対しては、昨年通りの二百億前後の融資と、たくさんの資材と、そのほかの物資をどんどん注入する上に、今度きめられようとしておるところの新炭價によりまして、大手筋の炭鉱はトン当り二、三百円から、多いところになると五、六百円も黒字が加わるというような、とてもわれわれ中小企業の想像のできないような、天文学的の黒字がつけ加えられるわけではあります。これではあまりにも大手筋炭鉱に対して国家がプラスをよけいやることであり、中小炭鉱に対してはプラスを加えるどころか全部がマイナスである。われわれの前に続いておる道は、ただ一つ地獄に通ずる門戸が開放されておるにすぎないのであります。かくのごときはことはどういうところから出ておるかと言いますれば、われわれは日本石炭協会の一員になつておりますが、この日本石炭協会というものは、いわゆる大手筋炭鉱の絶対多数なる評議員によつて運営されておりまして、この評議員会の例を皆さんにお話申し上げるならば、全部四十名の評議員の中に、中小炭鉱、低品位生産者は常盤からはただ一人の議席を持つているにすぎません。なお宇部、九州、北海道のわれわれの同志の連中が一人ずつ出ましても、僅々四名の人が三十六名前後の人と意見を闘わすのでありますから、日本石炭協会というものがいか運営され、すべてのことがどんなふうに決定されて行くかということは、この一事を見ても先生方にはすぐに御判断がつくであろうと思うのであります。今度の炭價改訂にあたりまして使用されておるところの、いわゆる販売原價表などという例は、ただいま申し上げましたところのこの日本石炭協会から提出されたものでございまして、これは理論的にもまた実際的にも妥当性のまつたくない、実に独断的な、言葉をかえて言うならば、惡く言えば実に吸血鬼的な、中小炭鉱をぶつつぶすてその血を吸うがごとき、最も惡なる策であると私は断ずるものであります。メリツト本位ということは、これは私も了解するのでりますが、大手筋炭鉱の諸公たちは、メリツトという言葉を学問的にも実際的にも、何ら知つていないのでありまして、どうぞメリツトという言葉がどんな意味を持つているかということを、大手筋の諸公たちにウエツプスターの辞書によつて見ていただくならば、この中小炭鉱の低品位もどんな價値があるかということは、一日にしてわかるはずでありまして、メリツトのもつ大幅の意議によつて石炭の價値をどんどん廣げて行つていただいたならば、宇部、北海道あるいは九州の一部、常盤は、当然倒れるというような心配はただちに消されるものでございます。なお二、三日前に四千カロリー以下は全部公團の買取りわく外にはずすというような問題が起こりまして、この炭鉱の問題よりも、もつと私たちははげしく動脈を來しているのでありますが、先ほどから宇部、北海道の友だちたちが御説明申し上げましたように、常盤炭、宇部炭というものは本質的に根本的に特徴があり、また九北の炭とまつたく違うのでありまして、全国一律に四千カロリーに画線することは、これは非常に妥当性を欠くものであり、九北の四千カロリーに対しては、常盤、宇部は三千五百カロリーが最も適当なるカロリーの数でございます。これは政府の決定せる有効発熱量というものが、公團にも石炭庁にも関係官庁にもどこにもございますから、どうぞ諸先生方はこれを取り寄せまして、この有効発熱量によつて常盤が主張するところの三千五百カロリーに画線してもらうということは、ただちに御了承がつくであろうと思います。 なおどうしても政府が四千カロリー以下はいらないものである。そういうことを強く主張するならばわれわれ炭鉱としてお願いしたいことは、第一に四千カロリーを三千五百カロリーにしていただきたいということ、第二に炭價と販売を自由にしていただきたいということ、第三番目には、輸送は今まで通計画輸送によつてこれを送つていただきたいこと、第四番目には、立ち行かぬ炭鉱に対しては各炭鉱がなすべきあらゆる整理部内に対して、最も民主的な行政措置をとつていただきたいということ、第五番目にはこの公團の買取より除外すること期日を、七月一日とありますが、われわれは急におつ放されても、とても一箇月や二箇月では町に石炭を運んで売るということはできません。関東方面に店をこしらえる、あるいは貯炭場をつくる、そのほかの準備をするにも、どうしても三箇月はかかると思いますので、九月一日よりこれを実施していただきたいということ、第六には、自費するために運轉資金がありませんから、この金融のあつせんをしていただきたいということ、これも同じように、三箇月間の各炭鉱に対する運轉資金をぜひともあつせんしていただかなければ、ただいままでは御承知の通り、公團から十日目々々々にわれわれは炭代をいただいておりまいしたが、自分で金をとるということは、どうしても現在の金づまり状態から見まして、二、三箇月間は延引きされるであろう。そういうことを予測するために私たちはこの運轉資金の金融を、どうぞ諸先生方より監督関係官庁の方々にお願いして、ぜひともあつせんしていただきたいと思う次第であります。なお除外炭鉱に対しても、もう石炭ではないからその労組に対しては加配米を初めすべての物資をやることもできない。一般労働者並の加配米くらいしかやれないというような論議がもし出ましたとしたならば、常盤としても、宇部としても、北海道としてもこれは大問題でございます。どうぞこの問題も、ぜひとも解決していただきたいと思います。 なお四千カロリー以下をわく外にする最も大きな理由としている政府の案は、現在のところ大阪にも東京にも低品位の相当の貯炭があるということは、先ほど大手筋の方々から御説明がありましたが、これは何も永久的問題でなく、ただ一時的の現象として金づまりの状態であるがために、ほしいけれどもそれが受取れない、そういうような状態が事実であります。また公團の販売課の人たちがもつと販路開拓に努力し、その低品位炭でも十分間に合うような生産にどしどし振り向けて行つたならば、貯炭場に火が発して困るというような状態もありませんから、大手筋から攻撃される理由も何もないわけでございます。最近公團の調査した——これはごく最近のデータでございますが、関東地方だけで潜在需要——自分は石炭がほしいがまわつて來ないというその潜在需要から考えましても、八万五千トンあるわけでありますが、これが関東地方だけで八万五千トンとすれば、これを日本全国的に見れば、約二十万トンくらいのいわゆる潜在需要炭というものがあるのでございます。なお一つには、戰爭中から戰後に至るまで、日本の山という山はほとんど切り離されようとしていて、朝鮮の山のようにはげ山を呈して参りました。御承知のように、植林したとしても二十年や三十年は使用にたえないのでありますが、この全国一般の家庭で使うところの炭鉱であるとか、こういうものに常盤、宇部、北海道の低品位炭を配給したならば、われわれ日本人の生活というものが、少い熱源においてどれほど明るくなるかわからないのでございます。この方面にもどんどんしていただきたいことをお願いする次第であります。 最後に、大体石炭の消費高が文明文化の水準をきわめると言いますが、昭和五年当時、日本においては、一人当り一年間に〇・五の石炭でございました。昭和十二年には、〇・七でございました。またこれを全世界に見ますければ、現在のところ一人当〇・六の石炭を消費しておるというような「状態でございます。現在の日本に人口を八千万と仮定いたしまして、昭和五年当時の〇・五という石炭を全日本人口に割当てたならば、ここに四千万トンという数字がでるのでありまして、何も低品位であるから不必要であるという数字が出るのでありまして何も低品位であるから不必要であるという理論は、どこを見ても出て來ないということが立証されるわけでございます。どうぞ諸先生方及び関係官庁の皆様方、この常盤、宇部、九州、北海道の炭鉱が戰時前から戰時中なお敗戰後の日本再建にあたつて、どれほどの努力をしておるか。どうぞ生かしていただきたいということを懇願申し上げて、私の陳述を終える次第であります。
○澁谷委員長代理 次は労働組合側の方にお願いいたします。炭鉱労働組合副会長柴田圭介さん。
○柴田参考人 私は日本炭鉱労働組合副会長の柴田であります。この席上の皆様も御承知のように、われわれ炭鉱労働組合は、今四十五万の総力をあげて実力行使をやつております。この実力行使をやつております。この実力行使の意義が那辺にあるかということを皆様方に十分に知つていただきたい。まずかように思うわけであります。全国の統一賃金をわれわれ三箇年かかつて獲得して参つたものが、今日崩壊せんとしておるにであります。この統一賃金をはばんでおるものは、ここに論ぜられておりますところのメリツトの強化である。それから四千カロリー以下の切捨て問題であります。この障害があつて、現在統一賃金が非常に苦しい段階に入つておる。かようにわれわれは認識しておるのであります。このためにわれわれは今総力をあげての戰いをさらにさらに進め、また十四日からはさらに第三次のストを決行するという指令を全国に流しておるものであります。この事実を皆さんかようにたちに知つていただければ、私がこれから述べんとすることはすべて御了解がつく。かように考えるのであります。私は炭鉱四十五万の総意の上に、大金の決定に基いて次のようなことを申し上げたいと思います。 五月八日の新聞によりますと、政府は七日の閣議で配炭公団法の一部改正法律案を決定し、十日ごろ国会に提出する。かように発表しているのであります。この改正要点中、特に無煙炭、煽石、微粉炭等発熱量四千カロリー以下の石炭を公団扱いから除外する。このような事実が報ぜられておるのであります。さらに政府は大資本家と結即いたしまして、メリツトの強化によるところの炭價の決定を急いでおる。私はかかる全国並びに法案の提出に対して、政府当局の反省をまず求めたいのであります。しかもかかる重要な問題が、われわれ労働者には突如として発表され、関係者の審議をまつことなく今議会で強行可決して、可決次第施行せんという事実を聞いて、直接石炭産業に従事しておる私どもにとつてはまことに心外でありました。 〔渋谷委員と湯代理退席、神田委員長代理着席〕 すなわち非民主的行為に対して私は遺憾の意を表せざるを得ない。われわれは敗戰とともに危殆に瀕した石炭産業を守つて、汗とあぶらの中から国民の協力と相まつて、国民待望の生産確保に一路邁進して來たものであります。労働者はこの国民的要望に沿うべく努力し、四つ炭鉱におきまして、四千二百万トンから渡された月産目標三百二十七万八千六百トンに対して、三百二十六万五百トンを確保しております。このように目標の九九、四パーセントという記録的出炭をしたことは、皆さん方もすでに周知のことであります。これは一にかかつて大炭鉱のみでやつたのではありません。大炭鉱も中炭鉱も、小炭鉱も一緒にして合して、これらの労働者が団結し、一丸となつて現下の日本経済の置かれておる実情を素直に認識しているがために、かかる結果を生じたものと私は思つております。しかるに今回の政府の措置は明らかに経済九原則の示す負担の公平と経済の安定復興を無視し、労働者の一方的犠牲と中小炭鉱の犠牲の上に、重点的集中生産方式を強行せんとするものである。すなわち低品位炭を切り捨てメリツト制を強化する露骨な政策の具現であると、私は断ぜるを得ないと思います。このような政策方式の強行が日本経済安定の方向に逆行して、石炭産業のみならずあらゆる分野に破壊と混乱を惹起することは明らかでありましよう。もし政府の企図しておる通りにメリツト制が強化され、四千カロリー以下の切捨てが実現するとすれば、いかなる事態が惹起されるでしようか。すでにこのようなことは経営者の代表者からも指摘されておる通りであります。本年度四千二百万トンの生産計画についても、すでにわれわれは全炭その他で審議いたしました中から考えますと、四千カロリー以下お石炭はもちろん無煙炭も煽石も現状の生産量が見込まれて、生産計画が立てられておるのであります。それらの生産の占める割合は大体全出炭の約二〇%になると考えます。これらの石炭が計画配炭から除外されて、そして低價格に抑えられて、一切の国家的庇護を奪われて市場に放り出されるとするならば、それは必然的にその企業を窮地に追い込み、企業の自滅と破壊を招來するのであろうことは、亞炭の例を見ても私は明らかにわかると思うのであります。売れがたい炭のみを統制からはずして、そして売れよい炭のみ取上げるとすれば、その販路の獲得はまつたく困難だとは私は考えます。企業の自立はあり得ないと思います。それがひいては四千二百万トンの生産達成を不可能にしたならしめるとともに、生産計画の変更を來さざるを得ないような結果になるのではないかと私は憂うるものでございます。こういうことを考えますと、政府当局はすでに四千二百万トンを放棄したものなりやいなやと、私は疑わざるを得ないのであります。一方においては四千二百万トン達成の生産計画を立て、他方におきましては今申し上げましたように計画配炭から除外せんとする施設は、まつたく矛盾もはなはだしいと思います。このような無謀な統制撤廃によつて、さらに直接打撃をこうむるものは炭鉱労働者であります。終戰以來汗とあぶらにまみれて復興のために鬪つて來たこれらの労働者は、ここに職場を追われ、そして生活を危殆に導くというような結果が招來するのであります。私は概数を当たつてみたのでありますが、その数は約五万に上ると思います。五万の労働者が家族を引つさげてこれから悲惨な路頭に放り出されて、今の状態で食うべき職場がありましようか。このようなことを真剣に皆さん方に考えていただきたい。かように思うのであります。現在石炭産業はあの三月十日のマーカツト覚書によりまして、非常な企業整備、企業合理化が続けられております。願い入れの制限、配置転換、労働時間の抑圧、こういう事態におかれております五万の労働者は、そういうところに絶対に入る余地はないと私は考えております。かような事実を皆さんもよく調べていただきまして、こういう犠牲者が出ないように最も適当な処置をとられるべきだと私は考えます。五万以上に上る労働者のそうした失業が起こるという事実をほんとうに考えられて、新聞にあの閣議発表をなさつたとするならば、そこの必ずやその生活はどうしてくれる。その失業対策はこうである。こういう裏づけをまず劈頭に出すべきが当然である。かように考えるものであります。なお単純に四千カロリーを全国一律に切捨てよ、こういうお考えは石炭産業に携わつておられる首脳陣のお考えではないように私は考えるのであります。低品位炭につきましてもそれぞれの用途があります。適当な配炭をすることによつて、完全にその使命を果たすことができるし、日本の産業はこれらの石炭を決して不要としていないのであります。現にこれの必要な産業もあるわけであります。現在聞くところによりますと、約百二十万トン以上に上るところの低品位炭がどこかに貯炭され、それが余つてはいけない、こういうことを言つておられます。この事実、炭がだめなんだ、だからこういう炭はいらぬのだ、こういう理由で四千カロリー以下を切り捨てようと言つておられることは、私は現在のこの制度に対する当局者のまつたく不誠意に起因しておる問題であると思う。誠意をもつて渇いておる労働者に、その責任を転嫁しようという魂胆であることを私は不審に思うのであります。次にメリツトが強化されるとすれば、われわれが根底から願つておりますところの統一賃金の破壊が來ることは、すでに劈頭申し上げたのであります。すなわち企業におけるところの経営は個々まちまちになりまして、とうてい統一賃金の設定はおろそかになると思います。さらに非常に安いところの労働を低下するような企業が出て來る。そういうことがどういう結果になつて來るでしよう。一産業におきまして、低い賃金が生まれて來ることは、その産業全体を通して低い賃金に押えて行く結果になつて参ります。こういうことは全日本の産業に波及いたしまして、低賃金、労働強化というものが再現して來ます。ちようど戰前に起きました奴隷のような状態が來ることを私はおそれるのであります。外に向かいましては、過去にあつたいわゆるソーシヤル・ダンピング・あの再現が起るのではないか、かように私は憂えております。大きな国際問題の一つであると私は考えております。さらに政府はこの金融につきましても、それから炭鉱向けの物資につきましても、石炭の等差をつけて取扱いに差等をつけようとしておる。こういうことはわれわれの絶対に容認することのできないところであります。時間もありませんので私は結論的に申し上げます。現行の統一賃金をはばむ一切の要素に対して、断固鬪いを宣するとともに、この炭價の改案に対しまして非常なる反対の決意を持つておることを、皆さん方に申し上げたいと思うものであります。どうか今悲壮な気持で鬪つておりますところの、五十万労働者のほんとうの気持ちをくんでいただきまして、われわれが考えておるような方向に炭價を持つて行つていただきたい。こういうことを議員の先生方に特にお願い申し上げる次第であります。非常に抽象的な発言をいたしましたが、あとから個々の具体的事例につきまして申し上げると思いますので、これをもつて終ります。
○神田委員長代理 次は炭鉱労働組合執行委員一條與作君
○一條参考人 炭鉱東部支部の一條であります。本日の機会をお與えくださいましたことを感謝いたします。現在の政府において計画されております炭價を実質的な生産需給計画から除外することに対しまして、私は炭労東部支部組合員四万有余を代表いたしまして、強硬に反対申し上げます。先ほどいろいろの方から申し上げましたが、炭價をカロリーだけから見たメリット主義にすることは、天然資源として低品位の炭層を持つておりまする東部常磐にとりまして、これは文字通り経営上の致命傷であります。事業の不振、あるいは事業場の閉鎖から來る失業者の増大、これによつて起こるところの社会不安、あるいは炭鉱に関連をしておりまするもろもろの商工業者、あるいは炭鉱に子弟を就職さしております農漁村に与える経済的影響は、まことに慄然たるものがあると思います。四千カロリー以下の炭を切り捨ていう措置は、石灰資源においても最も乏しい日本の現状から見て、むしろこれをいかに利用するかを考究すべきであつて、これを切り捨てるという措置ははなはだ抽劣な措置であると私は考えます。もし今集中生産方式によりまして、この低品位炭鉱を犠牲にしたとしますならば、日本の経済が復興されて石炭の需要面が増大されましたときに、商店が店を閉めた、景気がいいから店を開けたというふうに、炭鉱を簡單に再興することの不可能なことは、御承知の通りであろうとおもいます。従いましてこれに付随しております社会不安の問題も、これはまたメッリトの場合と同じような現象になつて現れて來るのであります。あるいは官庁の方々は、そういう現象は來さないおつしやるかもしれません。しかしそれに対しましては、現実的な論証を持つております。これはあまりにもわかり過ぎておりますので、時間の関係上省略させていただきます。常磐炭田の使用價値につきましては、先ほどから説明いたしました通り、いわゆる消費地の京浜地区に近い、そうして緊急需要に応ずることができる、その他炭質といたしましては、炭分の問題その他粘着性の問題等が論じられましたので省きます。かくのごとくして、常磐炭田は非常にいわゆる使用價値が大きいのであります。私どもは量から質に転換することを予想いたしまして、品位向上の運動を起こしておりますので、現在で常磐炭田の平均カロリーは相当高くなつておると思いますが、私どもが本日持つておりますデーターは、昨年の十月の平均カロリーでありまして、常磐炭は四千五百十カロリーとございます。これを重要産業の所要カロリーに充当するといたしますならば、過燐酸石灰、みそ、しようゆ、ソーダ、カリ塩、タール製品、火薬、合成樹脂、油脂加工、写真感光剤、アルコール、ゼラチン、医薬品、綿紡、絹紡、毛紡、麻紡、燃糸、人絹、人絹スフ、皮革、その他数十産業の需要に応ずることができる優秀なる石炭を持つておるのであります。常磐炭田の現状といたしましては、昭和二十三年度の割当は、三百六十八万トンであります。これに対しまして、まことに申訳ないと思いまするが、実績は九二%でございました。これを炭種別に一応区別いたしますならば、四級以上の石炭、すなわち五千五百カロリー以上の石炭は、二五%であります。四千五百カロリー以上の石炭は、二六%、三千九百カロリー以上の石炭が二三%、それ以上が二三%、無煙が三%という割合になつております。この通称下級炭と言われます十級以下の石炭が占める生産の比率は五〇%、約半分でございます。これがもしも、先ほどから問題になつておりますカロリーを本位とするメリットによつて炭價が決定しましたならば、この五〇%は徹底的なる打撃を食うのであります。炭鉱数にいたしまして百五十ありますが、その中でA級と目される炭鉱数は三つであります。B級が二十三、計二十六でありまして、この炭鉱の占める出炭率は七〇%でありますが、この中に概算二〇%程度の下級炭を含んでおります。残りました百二十四の炭鉱は、文字通り生死の境を彷徨する。従つてそこに働いております労働者及び家族の数は、概算にいたしまして四万、これに事業用品、生活必需物資等を供給する商工業者を加えまして、デフレと失業のるつぼの中にほうり出されるという重大なる社会不安が現出する結果となるのであります。さらに不合理な配炭計画は、四千五百カロリー以上の常磐で最も上等な石炭が、五一%出炭する中から三五・四%というものが天引きされて、鉄道や硫安、セメントその他の部門に持つて行かれてしまうため、残りました石炭は、いい石炭が十五・六%、残りの下級炭が四九%となりまして、ちようど常磐炭田は、家庭配給の食糧中米ばかり引抜かれて、あとに残つたのは代用品のいもや麦ばかりであつたというような結果になつているわけであります。この配炭計画を科学的に配置するならば、四千五百十九の平均カロリーをもつて、先ほど申しました重要産業に十分に充当するだけの偉大なる効果を持つているのでありますが、遺憾ながらこういう結果になつて、惡い炭ばかりがあとに残つて、それが始末に困つたといつて評判を惡くしている結果でございます。低位炭の利用價値も十分に研究をされない今日、配炭計画の変更と大炭鉱擁護の犠牲にされることに対しましては、今日まで及ばずながら日本経済復興のために、孜々営々として働いて來ましたわれわれにとつては、まつたく納得できない痛恨事だと思います。以上の陳述は時間に制約されて一部面を申し上げたにすぎませんが、これによる経済的、思想的影響の非常に甚大なるにかんがみて、福島県並びに茨城県におきましては、県会においてこれを取上げ、市町村会においてこれを取上げ、さらに広範囲な署名運動となつて、政府の善処を要望する結果となつたのであります。過渡期の日本におきまして理論と実際がマツチしないことは事実でありあす。従つていたずらに机上の理論に惑わされることなく、現実を注視して、理論と現実の調和に政治の妙諦を発揮されんことを、賢明なる委員の皆様に幾重にもお願いいたしまして、はなはだつたない参考人ではございましたが、私の口述を終ることといたします。
○神田委員長代理 次は炭鉱労働組合執行委員中谷太郎君。
○中谷参考人 私炭鉱の中央執行委員中谷でございます。私は全国炭鉱管理委員会の炭鉱側の幹事として、また炭價專門委員といたしまして、昨年の夏以來この炭價問題について、組合側としておもに担当して参つたつもりであります。昨年夏以來この炭價問題について、特にいろいろと当つて來たのでありますが、この炭價問題につきましては、皆さん先ほど來の大手筋あるいは業者代表からの御発言によつておわかりの通り、この炭價問題は業者の大手筋と中小業者の奪い合いであるというふうに感じておるのであります。從つて組合の幹部としてわれわれのとるべき態度としては、いずれにも味方できない。あくまでも正しい炭價のあり方がどうであるべきかということについて、第三者的な公平な立場からこれを研究して参つたのであります。これから私が述べますことも、その結果につきまして感じたことを御参考に供したちと思うのであります。 冒頭に福井氏より、現在の炭價がいかに不合理なものであるかということについて、五千カロリーの石炭に対する各地区別の價格を述べられました。これは事実その通りであります。しかしながらなぜこの石炭の價格がこういうふうに品位は同じ五千カロリーであつても價格において開きがあるかということについては、皆様御承知であろうとは思うのではありますけれども、念のために申し上げれば、この石炭の價格をほんとうに自由價格にしておくということにすれば、品位に対する價格は最も適正なものができるはずであります。しかしながらそうしておいたのでは、現在價格統制をしている最も大きな目的であるところの低物價政策というものに沿い得ない。現在物價政策として最も大きなねらいは、物價を低くとどめておきたいということ、それともう一つは増産をしたいということであると思うのであります。この矛盾した二つの点をいかにいかに調節するかということになりますと、勢い消費者價格と生産者價格というものを二本建にしなければならない、こういう方法が戰時中よりとられて來たのであります。これはどうしてもこういうことをしなければ、この二つの目的をいれるための解決がつかないから、こういうことになつたのでありまして、その状態は現在ますます強化されようとも、いささかも解消しておらないのであります。從つてこの二本建價格をとる関係上、消費者價格はその品位に合つたメリット・システムによつて立てらるべきである。また増産のために少しでも多くの石炭を掘るためには、やはりコストによつて價格が立てられなければならないということから、この二本建がとられておるのでありますが、増産のためのコストを主体とした生産者價格と同一品位のものを比べて、その價格に差があることを、矛盾である、現行炭價が不適正であると言うことは当らないのであります。この点冒頭の福井氏の御意見に対して一應反駁を加えておきたいと思います。 次に、いろいろと現在の炭價において業者がもうかつているか、あるいは赤字であるかということにつきまして御意見があつたようであります。しかしながら現在われわれ日本國中のだれもが、炭鉱経営者以外には、ほんとうに現在炭價で炭鉱がもうかつているのか損しているのか知らないのであります。これはわれわれといたしましていろいろと推測し、專門的に檢討した結果においては、常に相当の利潤が出て來なければならないはずだという結論しか出て來ないのであります。ところが業者は常に赤字であると言う。先ほども大手筋の代表から、トン当り五百七十円の赤字があるというふうに発表されたのでありますけれども、これはわれわれとしてはわからない。これは政府側においても的確にはつかんでおらないのであります。三月でしたか、これは非公式にではありますけれども、石炭廰の当事者が昨年の夏実施いたしました炭鉱経理監査における結果というものは、業者が日ごろ主張しておる赤字だ赤字だということに対して相当な開きがある、少なくとも数百円の開きがある、少なくとも数百円の開きがあるのだということを聞いております。そうしてみると、石炭廰の調査においても、炭鉱はある程度もうかつていたというふうに言えるのであります。このことは三月十日付のGHQからの石炭企業の安定に関する覚書において、最も強くその点が現れておるとわれわれは見ておるのであります。GHQがあの覚書において何を最も強力に主張しておるかと申しますと、現在の炭價において炭鉱がもうからないはずはないのだということが、率直に現れておると思うのであります。またいかにすれば炭鉱の経理が明らかになるかということを、数項目にわたつてあげておるのであります。こういうことから見ても、單にわれわれが推測だけでもつて言つているのではないということが、おわかりになるのじやないかと思います。現在の炭價においてなぜ大手筋がもうからなければならないかということにつきましては、現行炭價の配分方法を十分に御檢討くだされば、よくおわかりになるはずであります。ここで申し上げてもよいのですが、時間もないので省略いたします。ともかくコストを一応の基準として水準炭價をきめますけれども、それを配分するときは、高品位の石炭に対してはやはり相当高く、また低品位炭には安くというようにきめられて配分されるのであります。從つて高品位炭鉱はコスト以上の價格が拂われておるということは、つまり相当な黒字がなければならないということでありまして、そういう炭價に対して大手筋からまつ先に赤字であるという声が出ることについて、われわれはどうしても納得が行かないのであります。そこでGHQからも三月十日付の覚書によつて、炭鉱の複雜な経理をいかにして明らかにするかということに関する措置が指示されております。この措置によつて今後炭鉱の経理が明らかになつた上で、われわれはほんとうに正しくいかにあるべき姿の炭價のあり方を追究すべきものじやないか、かように考えております。それまでは現在の炭價を変更する必要はない、これが私の主張する結論であります。 次に先ほどからもるる申し述べられましたが、最近四千カロリー以下の石炭並びに無煙炭、煽石を配炭公団の取扱いのわく外に移すということが強行実施されようとすることにつきまして、もちろんわれわれはかようなものについては、絶対に反対であります。このことについては先ほどから述べられておりまして、繰返すことも煩わしいので省略いたしますが、きよう入りました情報によれば、宇部地方においては炭労山口支部を中心にして、強力な宇部市全体の闘争に立ち上がらんとする準備がすすめられておるということであります。宇部市はもともと一農村にすぎなかつた。それが宇部炭田の開発によつて現在十数万の市となつたのであります。
○神田委員長代理 中谷君に御注意いたします。時間がとうに切れておりますから結論を急いでください。
○中谷参考人 この四千カロリー以下のものが配炭公團のわく内からはずされる。また無煙もはずされるということになりますと、山口県出炭の六五%はそれに該当するようになり、從つて宇部の炭鉱は大部分が壊滅するのであります。宇部の炭鉱が壊滅すれば、單に宇部の炭鉱労働者の二万数千の死活の問題のみならず、宇部全市民十数万の死活問題になるのであります。從つてこの問題についての反対機運というものは、かれらの生死をなげうつての鬪争であります。これが強力に展開されるという情報が入つておるのであります。このことについて重大な政治問題として皆さんの御考慮を願いたいと思うのであります。
○神田委員長代理 次は炭鉱労働組合執行委員津々良渉君。
○津々良参考人 私は労働組合を代表いたしまして、特に職場が配炭公團でありますので、その方面の知識から申し上げたいと思います。今日ここで開かれました商工委員会で、炭價のメリット主義の問題についていろいろ議論がされるということになつておりまして、今日まで各位からいろいろ皆さん方に御説明がありまして、おおよその概要というものはおわかりになつたと思いますが、メッリトの考え方が違うということがはつきりおわかりになつたと思うのであります。しかしながらメリット問題を今ここで私は特に申し上げる必要はないと思いますが、ただ私どもが具体的な事例として申し上げるのは、今度のメリット炭價を五月一日から暫定的にやろうとしておりましたけれども、実はこれが全然だめになつた。七月一日からのいわゆる單一メリツトの強行処置も実は見通しが困難になつて來た。こういう事実を申し上げておきたいと思います。というのは先ほど説明になりましてように、中小炭鉱ではこの暫定メリツトをやりましても、マイナス三百円、三百円は今の炭價から安く買われてしまう。ところが大手筋の炭鉱に行きますと、大体六百円プラスになる。黒字が六百円になる。こういう結論が出ております。たとえば北海道の夕張炭鉱で見ますと、これは十月から二月までの五箇月の実績の数量にぶつかけて、約一億六千万まうまるもうかつてしまう。ただこの炭價の操作をしただけで一億六千万がもうかる。あとの大炭鉱はおして知るべしという状態だ。これはあまり露骨であるということがはつきりわかりまして、石炭協会の中にも中小炭鉱の皆さんが反対されたばかりでなしに、一般に政府でもこれはあまりひどいということが、だんだんわかつて來たということが実情でありまして、おそらくあちらさんの方でも大体その眞相がわかるにつれまして、これはどうもおかしいということになつて來たのではないかと思うのでありますが、これをあまり追求すると、実は炭鉱をもつと下げられるかもしれないということに気がつきまして、大体政府もあるいは大手筋の方にも、あまりこの問題については熱心にならなくなつたということを聞いております。これはメリツト炭鉱の現状がこういう方向にきているということの情報でありますが、現在問題になつているのいはそれじやなくて、実はこの二、三日中に国会に提案されようとしている石炭公團法の改正によつて、四千カロリー未満の石炭を公團取扱いからはずすという問題、無煙炭、煽石も当然これと一諸にはずされますが、それが実はメリツト炭鉱と々ような意味において重大な関心事になつておるということは、先ほど來の御説明でおわかりの通りでありますが、これによつておそらく数字的には四千カロリーという石炭の格つけが全然ないので、どこからこんな数字が出て來たかわかりませんが、これでは現在公團としての職務からいつて、四千カロリーがどのくらいの炭鉱にどのくらいの数量に影響するかということを、正確に調べることができないほどの全然無意味な数字であつたのであります。それのしても大よその検討をつけますと、大体二百鉱以上の山がこれでもつておそらく路頭に迷つてしまう。それで大体月産三十万トンの数量がこれによつて影響されるおいことが言えるのではないか。しかももしこれを公團取扱いからはずす。公團は價格操作をやつておりますから、プール價格をきめて操作しておるので、こういう石炭をはずしてしまうと、今まで赤字加算ということをやつてコストを補つておつたのでありますが、こういう炭鉱がはずされてしまえば、それだけプールが余つて來るから、大体一億から二億くらいの金が余つて來る。それは残つた大炭鉱が当然適当にししのわけ前にあずかるということになつてしまう。こういうことが大体において行われそうな状態になつて來る。これは一体どういうことがもとでこういうことが起きたかといいますと、大体低品位炭というものは、非常に余つておるということが言われておりまして、事実貯炭が相当あります。大阪でも関東でも相当の貯炭がある。大阪では二十五、六万トンはあるはずです。この数字は必要によつては申し上げますが、ところでこの低炭鉱がどうして余つているかと申しますと、先ほど來説明がありましたように、実は、発券制度、クーポンを発行する。これが技術的の操作がまずい。これを抑制しておいて、余つた貯炭を買いたい人はたくさんあるのですけれども、買わせない。だから低級炭の場合には、東京の場合でも大阪の場合でもそうでありますが、発券制度を直しまして、自由発券というか、地方の石炭局で発券できるという制度を低級炭にとつてみたいのでありますが、そうしますと貯炭が半減してしまつた、そういうような実情でございまして、発券制度が惡かつたんだということがはつきりとしておる。また炭價が少し高過ぎる。これは現在需要家の方々が少し高過ぎる。これは現在需要家の方々がはつきり言つておるのでありますが、炭價については五百円から七百円くらい、安ければ幾らでも買いたいということをはつきり言つておる。たとえば長野県の製紙業者というのは、もともと石炭を使つて仕事をしておりますが、現在では亞炭であるとかまきであるとかを使つておる。こういう人々も五百円安ければ石炭が使えるということを言つております。こういうわけで実は発券制度とか價格政策がまずいために、売れなくなつて來ているということが現状であるわけであります。なお製塩業等においては昔はずいぶん低品位炭を使つていたのですが、現在はほとんど割当てられていないことに問題があるのでありりまして、そういう事情があるにもかかわらず、それをとめておいて余つた余つたということを言つている。無煙炭の場合のごときも余つた余つたということになつておりますけれども、実は外国から米国の無煙炭が二十二年度は十九万トンも入つておる。これは御承知の通り今の相場から見れば非常に高い。それがたとえば硫安の工場、ガス工場に行く場合には、特殊値引きといつて値引きして売るから、一万円以上の石炭がわずか千円になつてしまう。内地の石炭にしても特別産業値引きということが実は行われておる。四千九百円くらいの石炭が硫安工場やガス工場へ行くわけである。それでできる硫安と、石炭業者が四千九百円の石炭を使つてつくるところの石炭とは値段が非常に違う。従つて採算が合わない。非常に高いものになつてしまう。だから硫安ははけるけれども、石炭はちつともはけない。農家は硫安はあまりいらない。石炭はほしいけれども購買力がないからあまりいらない。こういうような状態になつております。煽炭の場合にも無煙炭が使われるのだけれども、ガスと比較してみると、ガスの方は石炭を千円で買えるから安くあがるが、煽炭の場合はやはり無煙炭を普通の値段で買わなければならない。こういうところに産業別の燃料におけるいろいろな差等がつけられている。こういうようなことが現状に行われているので、これさえ解釈すれば十分こういうような低級炭とか無煙炭、煽石の活用の道あり得るということを、皆さんにぜひ承知していただきたい。先ほど來中小炭鉱の業者や労働者がはつきり言つておりますように、從來までの中小炭鉱の努力によりまして、戰前における中小炭鉱のいわゆる出炭目標は大体完遂されておる。ところが大手筋炭鉱の上級炭、中級炭以上の炭鉱は戰前に比べてほとんど半分くらいしか達成していない。どこに生産サボタージユがあるのか。一生懸命掘つた人間はこういうふうにメリツト制で殺されようとしておるし、今度は配炭公團法の改正で四千カロリー以下はつつぱなしてしまうことで、ほんとうに手足をもがれて路頭に迷わされてしまう。ソビエトの方には例のあかつきに斬るというやつがありまして、ノルマを達成しない者はあかつきに斬るという刑罰を受けた。現在の日本ではノルマを達成し、生産目標を達成した中小炭鉱の生産者も労働者も、ノルマを達成したためにあかつきに斬るという刑罰を受ける。すなわちこういうのが現在の吉田内閣の政策である。こういうことをわれわれは指摘せざるを得ない。以上におきまして大体中小炭鉱の問題が、非常に現在重大な社会問題になつておるということを皆さんに訴えるとともにこれに関連しまして中小工場が実は炭鉱と同じように非常な虐待を受けておる。石炭を買う工場におきましても、最近においては炭代の回収が非常に苛烈に行われておる。大工場の方もずいぶんたまつておるけれども、この方にはあまり請求されないばかりでなく、この間日発は三十億も興銀から融資をされて未回収に充てた。これがどんどん大工場に行われるだろうということは、商業新聞にはつきり書いてある。ところが中小工場については、ほとんど石炭代金を前金で持つて來なければ配炭をしないということさえ行われている。こういうようなことが行われて、中小炭鉱の低級炭はますます売れなくなつて來る。こういうように売れなくなるように仕組んでいる。こういうような総合的な見地から、皆さんは現在行つている中小炭鉱の問題を十分に檢討されたい。それは現在の炭鉱のメリツト問題を中心にして行われたのではもはや解決がつかない。近く当面するところの配炭公團法の改正で、何を政府はもくろんでおるかということは、今の四千カロリーの問題でその一端が現れているのでありますが、これを十分に理解しなければ、その中小炭鉱の問題は解決しないということを申し上げたいことはありますが、大体そういうことを申し上げておきたい。 なお特に重要なことは、先ほど申し上げました大工場では、三十億も興銀から融資をするという問題がありまいしたが、先ほど三菱の方かどなたかがおつしやいましたように、講談には炭價操作によつてプール余剰金がある。それを使うべきだというお話がありました。現在は炭鉱の余剰金は三十五億ぐらいあるわけですが、この三十五億の金を何に使うかということが、非常に重要な問題であるわけです。それを炭價政策に使つて現在の炭價政策さえかえれば売れるといつて、中小炭鉱の値段を五百円なり五百円なり安くして、いわゆる総合的なメリツトをそこに発揮して行つてやつたならば、十分に市場が開拓できるのもかかわらず、その三十五億円の金を実はそういう方面に使わないで、たとえば先ほど言つたような中小炭鉱への融資の担保に使つてみたり、あるいは大炭鉱の方で資材代金がたまつておる。その方面に回収したり、これは当然炭鉱が回収すべき金であるから、この三十五億円を炭鉱に返せという名目で、炭鉱が工場その他に資材代金をためておる。それに埋合せをしてくれ、こういうことを言つておるわけであります。これは非常に重大問題でありまして、こういうことになりますと中小炭鉱はここで切り離されているから問題はないとして、残つた残つた大炭鉱が大体三十五億を一人占めにしてしまうことになるわけです。これが現在三十五億余つたということは、消費者の販売價格をプールしてつくつたときに実費と販賣價格の差、それから出て來る差額がそこに三十五億円出たのですから、これは当然消費者が何らか利益するような方法で使わなければならない。從つて販売價格その他の操作で現在売れないような炭がある場合には、それに対する操作で十分値引きして売ることが可能であるということが、一應考えられるわけでありますが、これにつきましてはいろいろ意見もあると思いますけれども、要するに問題は複雜怪奇でありまして、特に配炭公團法の改正は、石炭問題をめぐつていろいろな伏魔殿でもありますので、この点は議員の諸公におかれまして、ぜひ事前に十分御審議願いまして、私どもから專門家も十分差し出しまして御説明もいたしますし、問題の所在をはつきりさせたいと思いますので、きようは時間がないかもしれませんけれども、最近の機会においてぜひそういう機会を持たれて、この問題を十分徹低的に御研究願われんことをお願いする次第でございます。
○神田委員長代理 次は需要者側、北学工業協会連絡部長森田喜長君。
○森田参考人 私は化学工業協会連絡部長の森田でございます。きようは実はこの催しがありますのを聞きましたのがお晝前でございまして、適当の方が需要者としてもつとおありでございますが、たまたまその方が出られませんので、私がかわりに出たような次第でございます。私のこれから申し上げることは、あるいはわかりきつたことだということになるかもしれませんが、しかし需要者の立場といたしましてこれから一言御説明さしていただきます。今まで生産者側の方あるいは労組の方、それぞれの立場からいろいろ御説明もありましたし、御要望もありましたけれども、私の方は主として石炭を原料といたします小口需要の方でございます。それから大口需要の方はあとで運輸省の方がまた御説明になると思いますが、小口需要でも需要者側として民間の方から出ましたのは私一人でございます。そうしますと私がこれから申し上げますことは、その点きわめて責任があるということにもなりますが、資料を十分ととのえてないために、きわめて抽象的になるかもしれませんが、こういう專門的でないものが言うことが、需要者として共通にみな言つていつことだということになりますから、そういう点でお聞きとり願いたいと思います。私ども化学工業の方の立場から申しますと、今経済九原則が強く要請されておりまして、これに伴いまして企業合理化ということも、今業界としましては目下の第一目標として、非常に努力しておるのでございます。そこで問題になりますのは、この原料とします石炭の單價なり、その配給方法なりということで、これはわれわれ業界の者が企業合理化をするまず第一の大きな条件でございました。それで從來の例を申しますと、化学工業は比較的需要家としての立場が弱かつたものでございまするから、今まで生産者あるいは政府の方におかれまして、量的に非常に努力なさいまして、この点は相当実績をお上げになつて、まことにけつこうだと思つておるのでございますが、それと反対にわれわれ需要者としては、質の点を從來から非常に強調して参つたのであります。これは選炭が非常にできてなかつたり、あるいは質が惡いために生産に十分に役立たなかつたりいたしました。御承知のように化学工業は業種が非常に雜多でございまして、中には高度なカロリーの必要なものが相当あるのでございます。それらにつきまして、それに適した品質のものが確保できません場合には、きわめて生産コストも上りますし、今度の場合の企業合理化もできぬ。まして今われわれの目標にして貿易中心の優良品質、低物價主義の徹底もできないので、どうしてもそれに適した品質の石炭を配給していただかなければいけないのでございます。そういう点から申しますと、結局われわれの方では價格ということよりも、むしろ品質を確保するということが重要なことだと思うのでございます。それにつきましてはメリツト制の採用ということについて、先ほどからいろいろの立場から御説明になりました。しかしわれわれとしましては、これはどうしてもメリツト制を強化していただきたいと思つております。 もう一つの問題はここでも多少話しの中に出ましたが、プール計算の問題でございます。これはわれわれの方の製品から申しますと、工場はそういう石炭の出る近い所へ工場を立てるということを、非常に考慮いたしましてできておるのでございます。それを今の組織でもつてプールされている状態でございますと、非常にそこに合理化に支障が起る問題があるのでございます。しかしこれも今の船運賃が陸上運賃に比べまして、何倍というような状態であり、またいろいろな事情がありまして、急ということは非常にむずかしいとも思いますが、なるべく早くこれらのものを自由な競争に進めるように、努めていただきたいということでございます。それからもう一つ四千カロリー以下の統制をはずしたいということについて、先ほどからずいぶん強い御意見もあつたようでございます。私はここで需要者の立場から申しますと、この低カロリーの石炭の統制は、できるだけはずしていただきたいという考えを持つております。なぜそう申すかと申しますと、豆炭の例によつて非常にうまく行つているということを、われわれ実際に経驗しておるのでございます。それからすべての施策におきまして、今実際に石炭の方ではずいぶん一生懸命にお堀りになつております。またわれわれとしても生産を上げるために非常に努力しておりますが、しかし資金難が当面非常に迫つておるのでございます。われわれ需要者の側としましては、資金、資材の効率利用ということは強く要請されておるのでございます。この点から言いましても、品質のりつぱなものをいただきまして、それに伴つてコストをできるだけ引下げ、そして貿易品としてもたくさんの生産を上げまして、低物價でやつて行くということに努力したいと考えます。申し上げることがきわめて断片的でございますが、ただ今までわれわれ業界としまして聞きましたところで、業界の人は多くの人がそう思つているということを申し上げるだけでございます。別にきようこのために特別な資料を持つて來ませんので、ここで專門的なことを申し上げるのは差控えまして、この点で失礼いたします。
○神田委員長代理 次は運輸省資材局石炭課長堀口大八君。
○堀口参考人 私は國鉄の石炭の購入事務に携わつている者でございますが、現在の國鉄用炭の実情とその戰前との比較、それから炭價問題を中心としまして私の希望したいこと、これを簡單に申し上げたいと思います。まず鉄道の事業の中で最近は石炭費の割合が非常に大きくなつて来ているという事実を、数字で申し上げたいと思います。戰前には鉄道の石炭費は経費の一一%にしかすぎなかつたのでありますが、現在では二四%に達しているわけであります。今年度の予算におきましても千百億の予算の中で二百七十億が石炭費である。こういう莫大な数字になつているわけであります。從つて鉄道の経営の合理化をやることを考えると、まず石炭の費用の節約ということが大きな問題になつて來るわけであります。次に石炭の消費量の面を見ますと、今年度と大体同じ程度の列車キロを走らせました年を過去にさかのぼつてみますと、大体昭和七年がこれにあたるのでありますが、その当時におきましては石炭の消費量は三百万トンであります。今年はおそらく七百万トンであろうと思うのであります。当時の石炭は、國鉄の買つておりました平均カロリーは、六千四百二十カロリーでありました。現在は大体五千六百カロリー程度であります。それから塊炭と粉炭との割合が昔は塊炭が七十で粉炭が三十でありましたが、現在はその逆になりまして、粉炭が六十五で塊炭はわずかに三十五という貧弱な状態になつております。ほかにもいろいろな原因があると思います。たとえば消費の仕方がまずくなつたとか、あるいは列車の重量がおおきくなつたとかいろいろな原因がありますが、とにかく鉄道経費の中でわずかに一一%しか占めていなかつた石炭費が二四%を占めるようになつた。その中には購入炭の平均カロリーの低下の問題、それから塊炭の割合の減少ということが、大きな因子になつておることは申すまでもないのであります。このような大きな石炭費という費目は、國鉄の経費にとつて非常な大きな費目でありますので、私どもはこれを極力圧縮することに努力しておるわけでございます。まず使用炭の平均カロリーを向上することが第一であります。第二は塊炭をできるだけ購入したい。第三には石炭の炭價をできるだけ安く買いたい。第四には私どもの方はほとんど山元で買つておりまするので、山元からの輸送その他の費用をできるだけ節約したい。最後に使う場合におきまして、できるだけむだづかいをしないで有効に使うように努力したい。こういう見地からいろいろの措置をとつておるのであります。現在の炭價だけの問題から見ましても、まだわれわれとしましてももつと引下げてもらいたいという希望を持つております。もう少し能率をあげれば、もつと下がるのじやないかという感じも持つております。あまりりつぱな炭鉱ではありませんけれども、私のところにも直営の志免炭鉱がありまして、これの状況を見ましても、能率を上げれば相当炭價に影響するということが事実となつて現れておりますので、能率を上げればまだ炭價を下げる余地があるのではないかというふうに、私どもは考えておるのであります。同時にまた現在の配炭公團がプールしております輸送諸掛につきましては、非常におおまかで、ある部分に対しては非常に不当になつておるということが考えられます。先ほど津々良君から、三十五億円の余剩が出ているというお話でありますが、私どもは川元の販売原價に三百五十五円を足した價格で買つておりますが、われわれの計算では四十円をプラスすれば、大体配炭公團の実費はまかなえるのではないか。あとの三百十五円というのは、不当な経費ではないかというふうに考えておるのであります。その経費を見ましても、七百万トン使いますますと、大体二十二、三億になるのであります。先ほどの三十五億円の過剩が出て來た原因の大半は、國鉄が背負つておるのだというふうに私は考えるのであります。 とにかく先ほどから炭價の問題が非常に議論になつておりますので、私しろうととではございますが、購入関係から見ましてどう考えておるかということを、簡單に申し上げたいと思うのであります。私の意見としましては、消費地におけるメリツト主義でもつて炭價を構成することが最も公平な方法である、こういうふうに考えております。すなわち山元の値段に消費地までの輸送諸掛を加えてものの價格が、石炭の使用價値と大体合うような炭價の構成の仕方をすることを希望します。さらにこの点から見まして特に問題なのは運賃プールの問題でありますが、運賃プールというのは、せつかく立地条件のいいところを選んでおるのに、その立地条件を抹消しているという惡い結果を見ておるのでありまして、能率主義をとつて行かなければならぬこれからの経済におきまいしては、この点は至急に反省していただく必要がある。この意味におきまして、山元の炭價にたす運賃諸掛というものは、ほぼ実費に近いものにすべきである。今のようなおおまかな刻み方で不適当ある。こういうふうに考えております。さらに國鉄としましては、先ほど数字で御説明いたしましたように、塊炭がほしいのであります。機関車にたくのに、粉炭をくべたのでは炉から漏つてしまうのであります。あるいは日の粉となつて飛んでしまうのであります。塊炭はわずかに三五パーセントしかもらえない。そして昔は約七〇%いただいておつあということからしまして、ぜひとも塊炭がふえるような價格政策をちつていただきたい。第二にはカロリーが六千四百カロリーから五千六百カロリーに下つたために、倍以上の消費量になつておりますので、カロリーの向上をぜひやつていただきたい。かような見地から塊炭割合を増加するような塊粉の値差をつける。それから高品位炭を増産するようなカロリーの値差をつけるということを、十分に考えていただきたいと思うのであります。それから私どもは関係の方面からやかましく言われまして、入札制をとれということを言われておるのでありますけれども将來だんだん石炭の統制が緩和されて参りますと、私どもの方としましては、列車を百キロ走らせるのに、どこのどの炭を使うのが一番安いかという見地から判断をしまして石炭を購入したい。そういうふうに考えております。 以上ははなはだまとまりないことを申し上げましたが、御参考までに以上述べた次第であります。
○神田委員長代理 以上で参考人の陳述は終わりました。参考人の各位遠路、また非常な御多忙のところをわざわざおいていただきまして、先ほど來貴重な体驗に基く御意見を伺いまして、当委員会といたしまして國政審議上、非常に参考になることが多かつたと考えております。この点につきましては深く敬意を表しておきます。本日は参考人の方々まことに御苦労さんでございましたが、あとの会議もございますので、以上でお引取り願いたいと思うのでございます。 —————————————
○神田委員長代理 次に去る四月三十日に内閣委員会と連合審査をいたし、なお内閣委員会より本委員会に意見をとりまとまて申入れをしてほしいとの要望がありました通商産業省設置法案に対する、本委員会の意見をとりまとめたいと思います。本件に関しましては、小金委員のお手元において連合審査会における審査を中心に、有志委員の方々の意見をとりまとめ中でありましたが、先刻同君より成案を得たと申し出がありました。小金君のまとめられました案は、お手元に配布いたしました通りであります。まず、小金君の案について同君より御説明を聞き、各委員の御意見を伺いたいと思います。小金義照君。
○小金委員 お手元に配付いたしました通商産業省設置法案に対する修正意見を、先般來まとめてみたのであります。たきさんの項目が並んでおりまするが、実はこの中には立法技術上のあやまちと申しますか、錯誤というようなものもありますし、また政府当局の手落ちというようなものが一部ありました。そこでわれわれは、内閣委員会との連合審査会においてこれを指摘いたしまして、政府はこういうような修正があるならば、また國会の意見として修正してくださるならば、さらにこの法律案はけつこうなものになるという意見を表明せられたのであります。 まず、第一に、第十三條第一項中「第五号」を「第六号」とし、「第五号」として、次の一号を加える。 五、自轉車競爭の施行に関すること。 この自轉車競爭に関する法律は現在商工省所管であります。しこうしてこの法律は國会議員の提出案から成立したものでありまして、これが、落ちておる。これは入れた方ははつきりいたしますので、これを入れるということに答弁を得ております。 それからまた同じく第十三條第一項第一号中に「産業機械器具」というのがあります。この産業機械器具の中には、農水産機械器具が含まれているように説明をしたのであります。ところが大体これを外國語等に翻訳した場合においては、農水産機械器具を並べて書いた方がはつきりいたしまするし、また設置法の中にこれを並べておいた方が、将來の運営上においても適当であると考えるのであります。そしてこれは農水産機械器具を並べまして、この十三條の前段に「農林省が生産を所掌する農機具を除く」ということになつておりますので、農林省との間の摩擦はなくなる形になつております。特に手すきとかくわとかかまとかいうようなはつきりしたものは、農林省でこれを所掌することになつておりますから、こう掲げましても、農林省の所管になつておることといわゆる権限爭いなんかは起らない。もし起つても、これは行政長官が相互に話し合つて裁定すべきものであるので、これを並べて列記するという方法をとつたのであります。 また同條第二項中「第五号」を「第六号」に、同條第三項中「第五号」を「第六号」にして、この「第六号」にというのは、これは順次繰下げということになつておるのであります。「及び陸用内燃機関及びばね」にということになるのでありますが、この「ばね」が落ちておるのであります。このばねは、ばねの製造專門家もわが國には相当ありまして、特に中小工業においてこのばねをたくさんつくつておるのであります。そういう関係で、このばねをここに明らかに記載しておく、こういうことになるのであります。それから「第二号」を「第二号及び第五号」に改める。これは順次そういうふうに繰下げといいますか、号数をかえただけであります。 それから次は二十條の問題であります。第二十條第一項中「通商産業省がその生産を所掌する」という文字になつております。ところがこの第二十條の規定を見ますると、第二十條は試藥檢査所の規定であります。この「試藥檢査所は、通商産業省がその生産を所掌する試藥の檢査を行う機関とする。」これは一應もつとものようでありまするが、寒天とかしようのうとかいろいろ他の省の所管になつておる試藥がたくさんあるのであります。これらを國立の試藥試驗所に持つて行つても、自分のところは通商産業省がその生産を所掌していないからというので断るようなかつこになる。これはすこぶるまずいのでありまして、民衆の利益のためにはその所管のいかんにかかわらず、この國立の試藥檢査所で檢査をして上げるという、民衆の利益をはかるために、これを省いた方がいいのじやないかという意見に対しては、政府もまつたく同感でありまして、これを除きたいというのであります。 それから第二十五條の問題でありますが、第二十五條を見ますると、「通商産業局の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。」ということになつておりまして、札幌通商産業局が並べてあります。その下に位置が書いてあつて、さらにその下に管轄区域となつておりまして、各都道府縣が並べてあります。その中で、靜岡縣が名古屋通商産業の所管の管轄区域の中に入つておりまするが、靜岡縣は、交通その他の関係から、東京通商産業局の区域の中に入れてほしいと言われておるのであります。これは靜岡縣あげての希望でありまして、これも靜岡縣民の利益のために、東京通商産業省局の方に入れた方がいいということになつたのであります。これも一種の立法技術でありまするが、ただ縣民の利益がこれによつて増進されるという利益がございます。これをそういうふうに改めていただく。 次は第三十二條の問題であります。第三十二條は、「資源廰に、長官官房及び國家行政組織法第七條第二項の規定にかかわらず左の五局を置く。」ということになりまして、石炭管理局以下五つの局が置いてあります。その第二項に、石炭生産局に開発部を置くというのがあります、石炭管理局以下五つの局が置いてあります。その第二項に、石炭生産局に開発部を置くというのがあります。これに修正を加えまして、石炭生産局に開発部、それから電力局に電力開発部を置くと、この修正案ではこういうふうになつております。これはわが國の天然資源の開発から行きまして、石炭と同様電力資源の開発がきわめて重要な問題でありますので、この電力局に電力開発部を置くということでありまして、これもできればわが國の資源開発の態勢を整える上のおきまして、まことにけつこうでありますので、こういうふうに直していただきたいのであります。 次に第三十九條でありまするが、これは電力局の事務を規定しておるところであります。それに一項を加えて、第三項とするのであります。すなわち第二項として、「電力開発部においては、前項第三号に掲げる事務のうち発電に関することをつかさどる」すなわち電力開発部が発電に関することをつかさどるというふうに、はつきり明記していただくのであります。 次は第四十一條であります。四十一條以下の関係ですが、この四十一條は「左の表の上欄に掲げる機関は、資源廰の付属機関として置かれるものとし、その目的は、それぞれ下欄に記載する通りとする。」こういう表がございますが、第四十一條第一項の表の上欄の中に「中央鉱害対策審議会」というのがありますが、これを「鉱害対策審議会」に改めるのであります。すなわち「中央」という字をとるのであります。これは中央鉱害対策審議会のほかに、地方にもまた鉱害対策審議会というものが必要でありまして、これは予算もとつてあるやに聞いておるのであります。これは予算もとつてあるやに聞いておるのであります。これは地方の問題が非常に大きいのでありまして、中央というだけでは不足でありますので、中央をとつて、地方にもこれを置くということに、これではつきりするのであります。同じく「中央炭田探査審議会」というのがあります。これも地方の炭田探査審議会がこれでは情けないことになるおそれがありますので、「中央」という字をとりまして、単に「単田探査審議会」というふうに改めるのであります。また同條同項の表の下の欄の中の「資源廰長官の諮問に應じ、」を削りまして、單に資源廰長官ばかりでなく、地方の問題については地方の機関の諮問に応ずることができるようにいたしたのであります。またその上の欄の「炭田探査審議会」の次に「ガス事業審議会」を加える。これはガス事業に関する重要事項を調査審議することをつかさとるものでありまして、ガス事業も御承知の通り相当各地に行われておるのみならず、これは國民生活に非常に重要な問題であり、地方自治団体等の関係もありまして、重要事項をガス事業審査会においていろいろ審議するする、こういう建前になつております。從つてガス事業審査会を資源庁の付属機関として設置するというのであります。 これを総括して申し上げますると、冒頭に申しましたように、大体において立法技術上の手落ちとか、その他文字の整備の不行き届き等が相当原因をなしておるのでありますが、われわれ商工委員会としては内閣にこういうような修正案を申し入れたいというので、ただいま委員長の許可を得て御説明申し上げた次第であります。
○神田委員長代理 小金君の案に対して御質問なり御意見はありませんか。
○川上委員 この案は通商産業省の原案の一部の修正案でありますが、共産党は通商産業省そのものの設置について、反対の立場をとつておるわけであります。これは言うまでもないことでありますが、日本の全体の産業機構を輸出主義に切りかえる。しかもその輸出が、たびたび政府の御答弁の中にも出ておるように不等價交換の事実を認め、飢餓貿易を基準とし、その間に集中生産をする。きようの石炭の問題についても、中小企業を壊滅させるような方向をとつておるわけであります。この内閣の貿易政策を遂行するため、商工省があたかも貿易庁のような形に改組されるという案でありまして、わが党としてはこの政策そのものに反対でありますがゆえに、通商産業省の改組案そのものに反対なのであります。從つてこの修正そのものにも反対することになるのであります。その意味で私の考えを申し述べます。
○神田委員長代理 川上君の反対の趣旨は十分了承できます。そこで先ほど委員長より委員会の意見をまとめて内閣に申し入れる試案として、小金君の案につきまして採決することが妥当じやないかと考えます。 そこで小金君の案について採決いたします。小金君の案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○神田委員長代理 起立多数。よつて小金君の案を本委員会の意見として内閣委員会に申し入れることに決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時七分散会