考査特別委員会 第26号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/07/27
会議録
○鍛冶委員長 会議を開きます。 さきに本委員会において調査することに決定いたしました平市をめぐる騒擾事件につきまして、來る七月二十九日平市警察署長木田正治、福島地方檢察廳檢事正安西光雄、平市公安委員矢吹六一郎、日本社会党常磐地区書記加藤木啓吉、福島縣会議長大竹作磨、日本共産党石城地区委員長鈴木光雄、朝鮮人連盟浜通支部長金逢琴、同じく地区執行委員金明福、矢郷炭鉱労組組合長松本佐吉、アカハタ記者清野常雄、八月一日、内郷町警察署長塩重藏、國家地方警察福島縣隊長新井豐、日本共産党福島縣地区委員竹内七郎、衆議院議員土橋一吉、郡山市会議長多田暢、國鉄福島縣労組執行委員長武田久、八月二日、郡山警察署長宇佐美吾市、湯本町警察署長菅谷徳壽、三菱製鋼廣田工場所長高場市太郎、同じく工場労働組合長片桐四郎、同じく元組合長山口茂樹、郡山地区労働委員長佐久間勇、八月四日、高萩町警察署長大友賢次、高萩炭鉱常務取締役重信嵩雄、同じく労働組合組合長馬上政明、同じく労組第二組合長中村啓、衆議院議員渡部義通、以上二十七名を証人して本委員会に喚問いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさようとりはからいま 次に前回の委員会において発言を禁止し、退場を命じた証人田中政司君の証言についてでありますが、田中証人は正当なる理由なくして証言を拒否し、並びに偽証の嫌疑濃厚なるものと認め、告発することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
○聽濤委員 この考査委員会におきましては田中君以外にもほかの証人に、やはり衆議院の考査委員会というものはよくわからなくて、來てここでいろいろな質問をしておるのです。考査委員会というのは裁判所でもありませんし、國会のあれでつくつたものですから、世間ではどういうものであるかよく知らない。これについては当然委員会において、証人に対しては親切にはからつてやるという精神がなければ事実上審理はうまく行かないと思う。この点われわれが常に主張して來たところでありますし、のみならず石田委員からもいつかこの委員会におきましては、証人に対して被告的な扱いをする空氣があるというようなことに対して反対の意見も正式に述べられておる。そういうふうなことでわれわれとしましては十分証人にも納得をさせ、意を盡して議事を進めて行くやり方をやるべきであると考えるのであります。この間の田中君の最初の問題はおそらく彼は今度の問題については、あるいは檢察廳あたりでも調べられておるでありましようし、それと同じようなことがここでやはり調べられるということについて、彼は疑問を持つたに違いないのであります。そういうわけで考査委員会のやり方、性格などについて、まずもつてはつきり説明していただきたいということを彼は主張していたわけであります。その点は権限があると、かないとかいう問題の前に、当委員会としてはそれだけの納得させるような努力をしていただきたいと思います。これは單にお役所式に、あるいは裁判所式に、規則がこうなつているということを、何もわからない証人に頭かぶせにこれを押しつけるのではなくして、十分理解させ、納得させる努力を今後もわれわれはやつて行かなければならぬ。そうしませんと、このようなことがまた起らないとも限りません。私はこういう意味で、無辜の証人をここに呼んでおいて、そういう点で犯罪者のごとく裁判所に告訴する、こういうことに対しては私は反対いたします。どうか本委員会においてそういう点をあわせ考えられて、田中君をもう一度証人として喚問されまして、やり直していただきたいことを私は要求したいと思います。
○大橋委員 ただいま聽濤君から田中証人の告訴について反対の意見が述べられておりますが、先日のこの委員会における田中証人に対する委員長の尋問におきましては、当委員会の性格並びに尋問の趣旨について、再三再四説示しておられまして、これに対して田中証人は当初から証言をする意思がなかつたかと思われるような行動が多かつたのでございます。特にその態度を見ますと、あらかじめ一部の人たちと打合せて來たのではないかというようなことも十分に推測されるのみならず、ただいま反対討論をされた聽濤君の態度、行動においても、かような証言拒否の動機をなすような点があつたのではないかというころを、われわれとしては感ずる節も多々あるのでありまして、本委員会の権威のために、このたびは断固として告発の処置をとることが適当であると私は信ずるものであります。、
○鍛冶委員長 それでは採決いたします。田中政司証人を証言拒否並びに偽証の嫌疑濃厚なるものと認め、告発するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鍛冶委員長 起立多数、よつて田中証人を告発するに決しました。なお告発状の案文については委員長に御一任を願います。 —————————————
○鍛冶委員長 次に調査報告書としてお手もとに配付してある通り、税務官吏汚職事件についての報告書を作成いたしたのでありますが、これを本委員会の報告書として提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
○椎熊委員 この報告書の中に、英國米國等と日本の國民所得に対する担税の比率が、新聞に掲載せられておつた材料によつてここに取上げられておつたようですが、これに対しては他の資料をもつてこれが違うという意見もあるようですから、要するに日本の國民の税負担が重過ぎるという例証にとつたことがあつて、この比率が必ずしも問題になるのではないと思う。そこで私はこの報告書の二枚目の「これにつき英、米、日各國の統計的に割出されたし」というところから、次のページの二行月の「日本人の担税圧力は米國と比べて遥かに強大であることが考えられる。他面」というところまでを全部削りとる。そうするとこの統計による論議がなくなるわけですから、これがなくなつても報告書には一向さしつかえないと思います。私はこの点を削ることを主張いたします。
○鍛冶委員長 ただいまの椎熊君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 それではさようとりはからいます。字句の訂正はこちらにまかしてもらいたい。
○神山委員 第一に、私は非常に遺憾なのは、今日のこの委員会に至るまでの経過であります。ただいま問題になつているこの報告書そのものは、私たちは今から約三十分前に出された。私たちとしまして、この浦和及び中野における税務署の汚職事件は非常に重大であるので、これを調査することに満腔の賛意を表しました。また結論を早く提出されることを、理事会にも委員会にも、また委員長個人にも折衝したくらいでありまして、この報告が一日、も早く出るようにという念願においては、だれにも劣らないのであります。とにかくきよう出て來た。非常にけつこうでありますが、比較的厖大な、しかも問題そのものとしては非常に重要なものを含んでいる報告書を、わずかに、二十分間ぐらいしか自分で読む時間を與えられない。こういうふうにして出された。しかも私たちの希望である、せめて次回の委員会までということも許されずに、すぐ採決で押し切ろうという腹の見えている方法でやられることは、非常に遺憾であると思うのであります。この内容を私たちが見ます場合に、そして考査特別委員会の最近の運営を考えます場合に、これは將來もあることでありますから、報告書は必ず委員会の前に余裕をおいて出されて、十分われわれが審議し研究して、完璧なものを出すようにしたいと思うのであります。現に今椎熊委員の提案によつて、相当大きな箇所が削除されざるを得ない。また基礎控除の問題についてもどうしたという声がありますが、こういう問題も含まれている。字句の表現に至らてはまだ問題がたくさんある。とういうものを不用意に本考査委員会の決議として出すことについては、私ほ非常に遺憾な点があるのじやないかということを強調せざるを得ない。 そこで今椎熊委員が削除の提案をされて、それが採決されましたが、この報告書の第二ページの表の第一に、税が一般に重過ぎるという問題を扱つているところに、國民の総所得と懲税総額のことが書いてあるのであります。これは本考査委員会に池田証人が來たときにも、やはりこれが問題になりまして、大藏大臣そのものが証人として、現在の國民総所得と徴税額との間に均衡がとれていないというふうな意味の発言をしているのであります。私たちはこの問題を追究して行くと、今日國民総所得と言われているものが、実は、現実の國民所得でなくて、逆に一定の懲税総額を前提として、それを割出すために、これがつくられている。こういう机上の数字であるということは、もう大藏委員会、予算委員会でも指摘されている点でありますので、この点を考慮ぜざるを得ないのであります。特にここで問題なのは、すでに削除したから問題ではないだろうと椎熊委員は親切に言つてくれましたが、非常に重要な数字について問題があるのであります。原報告書にあつた数字のこまかな点は言いませんが、この数字がなぜ違つているかといいますと、この資料が今まで大藏省側か日本國内向けに放逸された数字によつているのであります。ところが皆さんも御承知のよに、御承知ない方もありましようが、シヤウプ・ミッションがこちらに参りましてから、日本政府からシヤウプ・ミッションに出した数字がこれとまつたく異なつている。すなわちこれは日本政府、特に最近の民自党になつてからと言つては惡いのでありますが、非常にくせがある。國外向けの放送と國内向けの放送と数字も違うし、事実も違う。現にこの問題についてシヤウプ・ミッションに出している数字を今参考までに読み上げますと、日本では円が單位でありますが、一人平均所得が二万六千四百円になつている。その中で飲食費の占める割合は六五・五%であります。また一人平均所得残額は九千百八円であります。これに対して一人平均の税金が六千百円である。從つて負担率六七%になつているのであります。アメリカにおいてはドるが單位でありますが、この場合を同じ項目について述べますと、千四百二十二ド々、そしてそれが三二・六%の割合になつている。また一人平均所得残額の場合は九百五十九ドル、そして一人平均税金が三百七十七ドル、從つて負担率は三九・三%となつているのであります。またイギリスの場合、ポンドが單位でありますが、一人平均所得は二百十ポンド、その中で飲食費の割合が占めるのは三六・八%であります。そして一人平均所得の残額は百三十三ポンド、さらに一人平均の税金は七十七ポンドになつている。從つて負担率は五七・七%というふうになつております。イギリスの場合における負担率の大きいのは本報告の原典にもありましたように、これは向うで社会保障制度があるために、アメリカに比べまして非常に重くなつているのでありますが、ここではつきりしますのは税の負担が日本で重いということと相まちまして、平均所得の中における飲食費の割合が日本では六五・五%だということは非常に重大であります。すなわち、生計費の中に占める飲食費の割合が高いということはどれほどその國の國民の生活状態が低いかということの裏からの実証になるからであります。こういう事実とあわせ考えなければなりませんが、とにかくこういう数字をシヤウプ・ミッションには日本政府が出している、それにもかかわらず、一方同じ大藏省の名前で國民向けの放送をしている。こういう点は持前の二枚舌というだけではなくて、やはり本國会の考査特別委員会が問題を取扱う場合に、どれほど愼重でなければならいかということを裏から実証しているものでないかと存じます。しかもシヤウプ・ミッションの最後の勧告案が近日中に発表されようとしておりすす。この内容がどういうふうになる、かということはこれからわれわれが見なければならない問題でありますが、とにかくシヤウプ・ミッションの税制改革に対しては全日本國民が深甚な関心を拂つている。この点においてはわが共産党はもとより民自党の諸君においても、また八千万の國民大衆が同感、だと思うのであります。こういう重大な時期にあたつて、私はこの税制の根本的な点にまで触れたような本考査委員会の報告が出るということでありますから、從つて非常に重大な責任を本考査委員会が帶びなければならない。考査委員会が單に汚職事件を取扱つているにもかかわらず、こういうふうな幅の廣い問題を取上げたことはいろいろ論議のしかたもありましよう。しかし、この取扱つている問題そのものが、重大な國民生活に関連する税金の問題に対する最終的な決定に近いものが出ようとしている、まさにそのときにおいて、本考査委員会のこういう報告が出るということは國会特に考査委員会に特別な責任を與えうるものであると私は強調せざるを得ない。從つて、この報告書をわれわれが愼重に檢討することが考査委員の当然の任務でなければならないと思うのでありますが、それにもかかわらず、ただいまも私が繰返して述べましたように、わずか二、三時間しか研究する時間が與えられなかつたということは非常に遺憾であります。從つて、本委員会を開くその席上において、これを椎熊委員の提案によつて削除せざるを得ないというような醜態を現わしているのであります。このこと自体の中に、本報告書全体がどれほど信憑性がないかという一つの裏書きになるということを強調せぜるを得ない。また、この点で私たちが考えなければならないことは日本の税法の問題であります。税法がほとんど國民大衆にわからない。國民大衆にわからないというより専門家でなければわからないというのが日本の税法の特殊性となつている。またその税法の中で保証されているところのいろいろな権利あるい國民のそれに対する対應措置、たとえば異議申請の場合の措置があります。その措置は明文の上では書かれておりますが、本報告書の中にも述べられておりますように、一つ一つの税務署である場合には七千件以上もたまつているという実情があるほど國民の正当な申請がまつたく無視されるというのが通常の例となつている。こういう点は当然本考査委員会がもし大きくとり上げるとすれば必要ではなかつたかと思う。 さらにこれに関連しまして、先ほどから問題になつております基礎控除の問題であります。現在國民生活全体が税金の重味によつて非常な危機に陥つていることはお互いに常識となつておりますが、本考査委員会に出頭した証人の、ことに納税者側の証人が口をそろえて言つたことは、今のままの税制であれば自分たちは食えない。從つて何とかしてこれを過少に申告するとか、税金を安くしてもらうために官吏のポケットに物をつつ込むことが必要だということを強調している。このこと事実そのものによつて、現在の税金がどれほど國民生活を圧迫しているかということと物語つていると思う。皆さんも御承知のように戰前、これは昭和十四年まででありますが、基礎控除額は千二百円までになつていたのであります。もしも、これを現行の價格でスライドさせますと、官廳側の資料であるCPSをかりに使いましても、三百三十六倍しますと、四十二万円が当然基礎控除の額にならなければならない。もしも、この基礎控除額が四十二万円まで上げられますならば、現在國民大衆を苦しめておりますところの税金を拂えばもう食えない。税金を拂う場合に自家労賃はもちろん含まれてない。生計費も含まれてない。こういう不当な事実がなくなるのであります。この根本に手を触れないで、ただちに過少申告の問題だけをわれわれが解決しようとしても、これはまつたく根を断たずに枝葉をつむことになるのでありますから、本報告書の中で、もしも機会があるならば、この点について十分補正せられることが私は必要であると思う。 また今日國民大衆の納税意識を遅らせている最大の原因は、昨年は約四千億本年は七千億という予算の中で大部分が國民の税金によつているのでありますが、この税金の使い方が大資本家本位に使われているこの事実を國民大衆は生活の経驗によつて知り始めているのであります。これをたすける上に大いに役立つているのがあの昭和電工事件その他の不正事件であります。こういう事実がある限うぃ、國民の税金を納めることに対する大きな疑惑があるのであります。從つて、國の納税道徳ということをわれわれが強調しようとするならば、ぜひこの点を考慮せざるを得ないと思います。さらに本報告の中では監察制度が非常に弱いということが指摘されております。これは確かでありますが、この監察制度を單に私たちは特別の監察官その他をふやすことによつてではなくて、あくまでも廣汎な國民大衆の監視によつてこういうことをなくする努力が必要であると思うのであります。現にこれは本考査委員会でも明らかになつたことでありますが、大口脱税が相当に行われている。たとえば中野の税務署の問題に関連いたしまして、小久保産業のごときは二十二年度におきまして約一億円の脱税をしていることが明らかになり、また三菱化成においても約十七億の脱税をしている。こういう問題について何ら取上げることなく、抽象的に審議するだけでは決して税制そのものの解釈はできないということを私は強調せざるを得ない。こういうふうなひどい税金になつておりますので、本年に入りまして、これは浅草のことでありますが、約一万軒を調べた場合に、一、二月には廃業がなくて、三月になつて五百軒が廃業している。四、五月になつてもこの廃業軒数が若干減つただけであるという事実が物語つておるのであります。この考査委員会においてすべての証人が口をそろえて音言つたことは。税務署は警察よりもこわい。昔は警察が一番こわかつたものでありますが、警察よりこわいと言つている。現にあらゆる資本家、特に大資本家の一部にさえも、今日のような課税が行われるならば、この課税額だけが赤字になるということを強調している。大部分の中小企業者は今年度の予算が執行されるならばほとんど破産せざるを得ない。こういうような点をよくするためには税制の根本をあくまでも改正することが必要で、この点に触れるためにはぜひこの点をはつきりさせないと‥‥。 〔発言する者あり〕
○鍛冶委員長 反対なら反対、修正なら修正を言つてもらいましよう。
○神山委員 さらに私が要求したいのは、本報告書の第二の中の五、六に関する問題であります。ここでは、「減税運動なるものがあり、多数をたのみ威嚇的言辞を弄して税務署員に恐怖心を起さしめ、その公務の執行を妨害する者がある」云々ということを言われている。またさらに六につきましては、「殊に減税運動に関しては、民主商工会などというような團体が活動して減税運動を利用して他の目的を構想する者があることは」云々ということを言われております。こういうような点は、本委員会における証人の中で、そういう事実を具体的に知らない、うわさを聞いた人が一部言つたことは事実である。また湯地東京財務局長その他中野の総務課長たちが、こういう点を強調しているのは事実であります。しかし中野の総務課長は、他の証人によつて彼自身が不正腐敗とはつきり結びついておることを強調されておる。そういう人間の資料をここに出すということは大きな問題である。現に納税の適正化の運動は、あくまでこれは自然発生、的なものである。このことはすでに中間報告の場合に石田委員も指摘したところでありますが、民主商工会そのものの中にはあらゆる機関の人が入つて來ている。こういうような事実を考慮せずに、あたかも一方的なもののように、さらには「威嚇的言辞を弄し」云々ということは、明らかに行き過ぎておる。中間報告の文書と比べましても、非常にこれは惡質になつておる。中間報告の文書はわれわれが反対したところでもありますが、その文書によつては「惡質者は嚴罰に処すると云うことになつては居るが更にこれは何とかして防止することは出來ないか、更らに課税に対する運動なるものが行はれ数百名の者が税務署に押しかけ喧騒を極むる等多勢を利用して特に税を安くさせると謂う様な運動が行はれている事実はあるようだが、この影響はどうか」、こういうふうに言われておるのであります。この場合には、すでに委員諸君も御承知のように、われわれはこの表現そのものが不適正である。從つてこれを何とか是正する方法はないかと要求したのでありますが、われわれの意見は通らなかつた。從つてわれわれはこの点について反対と討論を要求したのでありますが、委員長は横暴にもこのことを許さなかつた。こういう事実があるのに、さらにこの結論の中に、本考査委員会の証人として正式に出席した者の中では必ずしも強調していないこういう「威嚇的言辞を弄して税務署員に恐怖心を起さしめ、その公務の執行を妨害する」云々ということはまことに遺憾であつて、かえつて國民の納税意欲を低下させるゆえんであるのであります。なぜかならば、民主商工会があることによつて、他の同業團体その他に比べて納税の成績が上つておるという事実があるのであります。また今度の調査に当つて、なぜ浦和、中野のようなところが対象になつたかということをぜひ考慮していただく必要がある。御承知のように、浦和には民主商工会はないのであります。中野の場合には、民主商工会はありましたが、ここで特徴的なことは、両方の場合にも全財すなわち財務從業員組合の中で、より民主的な組織がなくて、これから脱退した者だけがここにあるということが特徴的なのであります。從つて民主商工会が民主的に運営されるならば、さらに財務從業員諸君の組合が民主的に運営されるところにおいては、納税の成績はかえつて適正化さかつ上がつておるのであります。こういうような事実はシヤウプ博士そのものも、全財あるいは民主商工会の幹部諸君との接近あるいは接触の場合において、これらが演じた民主的な役割を確認した事実があるのであります。從つてこういうふうな問題を一方的にここに書くことは、明らかに本考査委員会の調査の事実を塗りかえておるばかりでなく、さらに中間報告を一方的にねじまげておるばかりでなく、適正な納税、適正な課税、こういうふうなことのために現に行われている下からの眞に人民的な運動を抑圧しつつあることは明らかな事実であります。本考査委員会はこういう民主的な運動をこそ助けるべきである。この報告の中にも明らかなように、政府の現在の政策こそが日本の民主化と再建を阻害し、また現在の税法を執行する汚職官吏こそ日本の再建を阻害しているということを重視しなければならない。初めから本委員会が取扱つたのは浦和及び中I野事件における汚職事件ではないか。もしも諸君がこういうふうな点を強調されるならば、この官吏の役と結びついて行われている税金ボスというものは民主商工会ではなくて、たとえば杉並の民主自由党の支部長某々氏のごとく二十数万円を民主的な納税者の頭からはねているという事実こそ問題なのであります。こういうことは至るところにあり、また新聞によつても報ぜられておる。こういうふうな事実こそ徹底的にたたくべきであつて、民主商工会に攻撃を加えておるのはもつてのほかだと強調せざるを得ない。從つて本委員は日本共産党を代表いたしまして、この報舌に対しましてはこの報告の提出される方法、内容その他を含めて徹底的に反対せざるを得ない。ことに遺憾なことには、こういう重大な報告を十分討議の時間も與えずに、しかも多数によつて押し切ろうというような横暴きわまるやり方であります。願わくば賢明な委員長を先頭に、民主自由党も国民生活を向上するために、ぜひともこのようなばかげたことはやらないように特にお願いする次第であります。
○大橋委員 この報告書に対して、修正の希望を申し上げます。 第三の結論に一から六まで項目が上げられておるのでございますが、七ページの二の次に三を加えていただきたい。「三、所得税に関する基礎控除額の引上げ。こういう一項目を加えていただきたいのです。そして三、四、五、六は自然四、五、六、七と、こういうふうに修正の動議を提出いたします。
○鍛冶委員長 ただいまの大橋君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。 それでは念のために、椎熊君及び大橋君の動議により削除及び附加訂正された部分を除いた調査報告書について採決いたします。これはこの報告書の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鍛冶委員長 起立多数。よつて本報告書は委員会の報告書と決しました。それでは本報告書を提出することにいたします。 なお軸の訂正その他の整理ついては、委員長に御一任を願います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神山委員 少数意見を保留いたします。少数意見の発表の機会を与えられるように、特に賢明なる委員長にお願いいたします。
○鍛冶委員長 そういうことはできぬと思います。何か討論でもあるならば別ですが、これは今休会中ですから、議長の手元に報告書を出すだけですから。それ以外の報告書を出すということならば、認めるわけには行かないと思います。
○神山委員 あなた方はこれに少数の意見を附加することも許さないというのですか、本会議におけるあなたの報告の場合に、私たちは反対討論をいたします。
○鍛冶委員長 それではこの委員会よりも運営委員会でおやりを願います。 〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 本会議でやるというならば運営委員会でやることで、当委員会の問題ではないと思います。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十一分散会