考査特別委員会 第20号
- 発言数
- 1,233 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/07/15
会議録
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。本委員会において調査上必要ありと思われますので、國鉄労働組合第十五回中央委員会の議事録及び速記録のすみやかなる提出方を國鉄労働組合に対し要求いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○神山委員 提出されることそれ自体に異議ありということでなくして、すみやかに出せということについて、現在國鉄は御承知のように非常な紛爭中であつて、從つてあなた方ですぐ出せと言つても出せないと思う。その点を考慮して、できるだけ早く出せということでやればよろしいと思います。
○鍛冶委員長 それでは御異議なきものと認めまして、さようとりはからいます。 —————————————
○鍛冶委員長 本日は國電スト問題につき調査を進めることといたします。 本件につきましては、本日の委員会の調査に支障なきを期するため、理事の諸君と協議の結果、あらかじめ十五日、元千葉車掌区長若宮正安君、千葉車掌区指導助役加瀬勝運君、千葉檢察廳檢事細野良久君、國鉄東京鉄道局業務部長山田明吉君、千葉車掌区車掌崎山昭治君、十六日、元千葉車掌区車掌分会鬪爭委員長中島登君、民主青年高等学院事務員李泰權君、國鉄労組千葉支部書記長戸田芳夫君、千葉県共産党委員会宣傳教育部長若林秀二郎君、國鉄職員局長牛島辰弥君をそれぞれ本委員会に出頭を求める手続をとつておきましたが以上十名の者を本委員会における証人として決定いたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさようとりはからいます。 なお本件につきましてさらに証人として十五日、吉田俊介君、佐藤實君、伊藤榮一君、井上勘一君、片岡敏男君、二十一日、庭田直道君、砂山和男君、城戸崎亨君、田中政司君、西田富藏君を証人として決定いたしたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議なしと認めます。それではさようとりはからいます。 なお千葉地方檢察廳檢事細野良久君より、本日出席いたしかねる旨の欠席届が出ておりますが、これを了承するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と「どういう理由ですか」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 職務上どうしても手を放せぬということです。しかしこれはあらためて呼び出すことにします。
○神山委員 あらためてでなくて、必ず呼び出さなければならぬ。これが一番責任者だから……。
○鍛冶委員長 それではさようとりはからいます。 これより國電スト問題について証人より証言を求むることといたします。ただいまお見えになつておる証人は若宮正安君、加瀬勝運君ですね。あらかじめ文書をもつて御了承願つておきましたが、委員会において正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたからさよう御承知下さい。それではこれより証言を求めることといたします。 証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬここと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のありたる者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、齒科医師、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚僞の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。
○加瀬證人 その前にちよつと申し上げたいことがございます。というのは、われわれきようここに参りましたのは参考人として呼び出されておるのですが、証人とするなら資料もある程度持たなくちやならぬと思うのです。ここで参考として聞かれたあとで証人になるかどうかをきめられる、こういうような文書であつたと思うのです。
○神山委員 議事進行について……。今のはもつともだと思う。この前國鉄中鬪の副委員長鈴木君の場合にも他の証人の場合にも今加瀬証人が言われると同じことを言われている。從つてこれは理事会で念を押して、証人にそういう誤解のないように文書その他で申し送つてあつたと思う。それを実行していないために証人からああいうことを言われることになると思う。この点今後のこともあるし、どちらにせよ証人にこの点を十分理解してもらつて、納得してやつていただかなければ、議院の権威にもかかわりますし、証人に対して基本的人権を無視したと言われるおそれもある。この点十分納得の上に立つて証人としてやつてもらいたい。
○鍛冶委員長 神山君の注意の通り出しております。ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○鍛冶委員長 速記を始めてください。 それでは御起立を願います。若宮さん代表して読んでいただきます。 〔証人若宮正安君各証人を代表して宣誓〕
○鍛冶委員長 署名御捺印を願います。 〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○井手委員 今の文章の表わし方は、これは事務局としてはあまり証人に呼び出しますというふうな強制的な意味はなるべく強めたくないという、むしろ相手の人格を尊重して出された文書だと思います。しかし今のような議論がありますから、今の文章を少し訂正していただきます。そうして証人になる場合がありますから、あらかじめ御了承くださいといつた意味のはつきりした意思が表明できるように、親切にひとつ文章を直すことを希望しておきます。
○神山委員 今の井手君の意見にはもちろん根本において反対するのではないですが、こういうようなことを起さないためには、やはり正式に委員会を開いて委員会で証人を決定すれば、こういうふうな誤解は起らないわけですから、事務をとる方としての考えで最惡の場合にはもちろん井手君の言われたようなことを考慮した文面にすると同時に、なるべく正式の委員会を開いて証人を決定することにさせるならば、こういうことはなくなると思います。
○鍛冶委員長 わかりました。聞きます順序は若宮さん、それから加瀬さんの順序でやりますから加瀬さんは若宮さんが終るまでしばらく元の控室でお待ちを願います。 若宮正安さんですね。あなたは元千葉車掌区長をしておいでになつたようですが、いつからいつまでですか。
○若宮證人 昭和二十一年の二月から二十四年の六月の二十九日までです。
○鍛冶委員長 今は何をおやりですか。
○若宮證人 今は千葉管理部の業務課に勤務になつております。
○鍛冶委員長 本年六月に入つていわゆる新交番制を実施するようになつたようでありますが、その新交番制の実施にあたつて時間割をどういう標準と手続によつて作成し、さらにまたこれを当該車掌本人に知らしめるどういう方法をおとりになつたかをお聞きしたい。
○若宮證人 きようその書類は持つて來ておりませんが、記憶によるほかにないのであります。
○鍛冶委員長 ええよろしいです。
○若宮證人 その時間表を知らしめた方法ですね。
○鍛冶委員長 まず時間割をどういう標準にしてきめ、それをどういう手続によつてそういうことが確定になつたか、こういうことです。
○若宮證人 それはお話してもなかなかむずかしいと思いますが、日にちははつきりとちよつと記録を持つて來ておりませんのでわかりませんが、大体五月の十四日ごろと思いますが、局の業務部から、管理部に車掌係というのがあつて、車掌係を通じて新交番を六月の一日からやるのだというようなことを言つて來まして、それでそれによつて大体定員を示されたと思います。それによつて一応つくりまして、そして前もつて慣例として乘務員に見せるようになつておりますので、しかしまだ発表がありませんので、これも記憶がはつきりしておりませんが、五月の二十何日かにその新交番と六月の五日からやるということを控所に掲示しました。
○鍛冶委員長 六月五日ですな。
○若宮證人 これはいきさつがありまして、六月の一日からやれと言われましたけれども、ちようど小口還元が十日から始まるので、そのときに一緒にやつてもらいたいという希望を車掌係を通じて話をしておいたのですが、では十日ごろというつもりでおりましたところが、いや一日からやれと言われまして、一日ではとても間に合わないというので大体五日か六日——六日になりましたか、六日と書いたかもしれませんが、六日ごろからやるということにしたわけです。ちよつとこの日にちにつきましては記録を持つておりませんのではつきりしたことは言えません。
○鍛冶委員長 そこで大体その新交番制というものの内容の説明をあなたに初めですから承りたいと思いますが、どういうことをやることなんですか。
○若宮證人 新交番制というのはこれは結局今度の勤務時間の関係でもつと早くやるべきところを一應延ばしておつたわけです。その交番のことにつきましてはここで御説明しましてもなかなかわからぬと思います。しかし結局例をあげて言いますと、たとえば列車の車掌のA組——AとBがありますが、A組が今まで二十六日でやつていたところを二十四日でやるような案です。
○鍛冶委員長 そうすると今までの出勤時間及び退應時間等に変更ができる。こういうことになりますね。
○若宮證人 結局今まで二十六日でやつてきたものを連続というのをつくりまして二十四日に縮小したわけです。それだけの問題なんです。だから結局今まで——これはどうもここで御説明してもよくわからぬかもしれませんが、大体朝上つて帰るものを今度はまた午後から出るようなところへくつつけましてそうして結局二十六日のところを二十四日にやるというようなやり方をするわけです。これは基準法によりまして……。
○鍛冶委員長 それだけ勤務時間が多くなるわけですか。事実において。
○若宮證人 事実においてはそういうことになるでしよう。
○鍛冶委員長 それから先ほど申しました当該車掌本人に知らしめる方法は掲示だけですか。
○若宮證人 いや、一應掲示して——これは結局交路表というのは局できめて來ますが、交番のきめ方は車掌区長に一任されておりますから、そのきめ方をかえるだけです。それによつて車掌の希望を聞いて、最も都合のいいように——今食糧事情とか住宅関係がありますので、都合のいいようにつくるように今までしておつたわけです。
○鍛冶委員長 掲示さえすればよろしいのですか、それとも一人々々に言うのですか。
○若宮證人 いや、掲示すればいいわけです。
○鍛冶委員長 それで希望を聞いてなるべくそういうことをつくるという……。
○若宮證人 掲示しまして、それに異議ある者はいろいろこつちの方で希望を聞いて今までは直すところは直して行くということでやつておつたのです。
○鍛冶委員長 前もつて幾日か前に掲示しなければならないのでしよう。
○若宮證人 そうです。
○鍛冶委員長 何日に掲示しましたか。
○若宮證人 私掲示の日にちはここではつきりしませんが、二十何日か——一週間くらいの余裕はあります。
○鍛冶委員長 今おつしやつた交番のきめ方が区長に一任されておるということは、それはどういうところから一任されておるのですか。何かそうういう規定でもあるのですか。
○若宮證人 それは局達にあるわけです。
○鍛冶委員長 ところがそれを実施にあたつては相当異論があつたようでありますね。どういうところから異論があつたでありましようか。
○若宮證人 これは交番をかえるごとにいつでもいろいろを申し立てる人があるのです。それは全体ではないですが、一部の人が結局幾分つらくなるということで異議を言う人もあるのですが、そんな程度です。
○鍛冶委員長 もつと何か根本的の異議でもあつたのじやないですか。あるいはこれは首切りの前提として実施されるものだとか、そういうようなことがあつたのじやないですか。
○若宮證人 結局、今お話しようと思つておりましたが、こんな交番制なんか何でもないのだ。みんなの意向が、結局これが首切りの前提である、だからこの交番に移りかわつたならば首切りに一歩前進することになるからここで食いとめるのだというのです。だから交番についてつらいというような観念はないと私は思う。
○鍛冶委員長 そうするとそこで承りたいのは、これははたして首切りの前提であるのですかどうですか。
○若宮證人 これは首切りの前提ではないと私は思います。ただ六月十日から小口還元というのがあります。小口の積みおろしを從事員がやることになつたものですから、それについて私のところは人間がたくさんおりますが、東鉄管内全体とすればこの勤務時間を規定通りやらないと、それだけのことができないという点だけだと私は思います。だから首切りの前提なんということを言われますが、そういうことは絶対にないと私は信じております。
○鍛冶委員長 ところが六月五日にいよいよ新交番制を実施しようとした日に、たいへん妨害行爲があつたようですが、その実情をなるべく詳細に述べてもらいたいと思います。
○若宮證人 前もつてお話いたしますが、区長と從事員というものは、やはり同じところにおりまして、同じ仕事をしておる。ただ監督者とそうでない者との関係だけでありまして、話せばよくわかつてくれるのです。今まででもいろいろな点でそういうようなことがありましたが、話せばよくわかつてくれるのです。これは結局六月五日の日ですが、五日から実施をするということの命令がありまして、それは三十一日に掲示を出してあります。それまでに私と労組といろいろなことを交渉したのですが、大体五日の日になりまして、もう一度労組と協議をしております。われわれとしては現在員で幾分でも余裕のある勤務方をさせたいと思いまして、区長権限でできるところは自分でやろうということで、その点も明示して話をしたのですが、結局最初は新交番制はつらいというのだが、そのときにはすでに首切りの前提だからだめだという観念ですから、いかに話をしましても妥協はつかぬわけです。それでその当時の模樣をお話しますと、大体五日の日に出て來ましていろいろ労組と話をした。労組の方でもいろいろ考えてくれまして、大体妥協ができるような一歩手前に来たのです。それは結局区長権限で予備というのを中へはさむのです。そういう交番も上の了解を得まして、自分としてやることで大体話は進んで來たのですが、十一時ごろになりまして、十一時十五分ごろだと思いますが、どうも一部組合員の言動がだんだん惡くなりまして、それで私の制止を聞かずに掲示類とか放送とかいうことでがああ騷いだ。十一時ごろになりまして外部の人が來られまして、それによつて一歩手前まで來たやつが破壞されたような私は感じを持つております。その当時のことをこまかく話をするわけですか。
○鍛冶委員長 大体できるだけ。
○若宮證人 当日は外部の人が新聞記者の方もおいでになつたでしようが、いろいろの方がおいでになつておつた。從事員も相当があがあ騷いでおつたのは事実ですが、十一時十五分ごろになりまして、背廣を着た部外者が相当玄関から入つて來まして、私はおよそ三十名くらいじやないかと思いますけれども、事務室に一ぱいになつた。私はそれを見ておつたのですが、その中の二人が斗爭委員の中島登を通じまして私の前にあいさつに來たい、こういうわけです。それでそのときの話は、自分は県の労働会議の委員と言われましたか、労働委員と言いましたか、労働ということははつきり覚えているのですが、だれだれだか、本日の事件について、現在差迫つた労働問題だから参考までに区長さんの意見を述べていただきたいというような話で、二人あいさつに来られた。私はそのとき、別にほかの方は來られないと思いまして、まあ話してくれというのだから一応話してもよいと思いまして、一応入れたわけです。そうしたらあとからどやどやとたくさんの方が入つて來られた。私はそのときに——前に組合の者がこういうことを言つておりました。われわれが電話一つかければ千や二千の人間は出て來るのだ。外廓團体の應援があるのだというようなことを言つておられましたが、私はそんなことはない、今までありませんでしたからないと思つておつたのです。ところがどやどやと入つて來られましたから、これはいよいよそういうことになつたのだなということで、幾分氣分的に制圧されたような氣持になりましたが、自分としては冷靜に経過の一切を話したのです。ところがこれに引続いて案内して來た中島君が約二十分間にわたつて組合側の一切の経過を述べた。その最後にこういうことを言いました。区長は、この区長の椅子を乘り切つてわれわれの先頭に立たなければこの問題は解決しないのだ。結局区長だなどということで管理部側の命令によつて仕事をして行くからできないのだから、区長の席を越えてわれわれの先頭に立たなければいけないのだ、これよりほかに方法はないのだというようなことを言いました。これに対してそこにおられた方がずいぶん拍手されたような状態です。それから質問が始まつたのですが、その質問はすべて首切りを前提とした新交番ではないかということで、こつちがそんなことはないと言えば、うそをつけとか、ばかやろうというようなことを言つた人がありましたけれども、はつきり記憶しておりませんが、そういうようなことで一歩も出ないわけです。ただその時期を乘り切つてわれわれの先頭に立つて新交番制を返上しろということ以外にはないわけです。だから結局妥協点というのですか、話合いの点はできないわけです。向うの感じはそれだけのことです。私は何とかして自分の車掌区の運行を乱れさせるようなことをして世間に迷惑をかけては困ると思つて、できるだけやわらかく話をしていたつもりです。ところがやはり私もこういうことにあつたのは始めてであつたので非常に圧迫感を感じまして、実際晝飯も食うのを忘れておつた。それから便所に行くことも忘れるような状態でありまして、いろんなところからいろんな質問がありましたが、その中には朝鮮人連盟の方か知らぬが、朝鮮人の方も相当おいでになつたようです。それから中野車掌区の方からも應援が五六名來ておりました。総勢で私は四、五十名くらいは入つて來ていたと思います。私はぐるりをぐつと取巻くかれまして、私もどうもこんなことをしてお話しておつても切りがない何とかして組合の人間と話合いをつけた方がいいと思いまして、また非常に強圧感にかられましたから、そこにいた中島君にわれわれの問題はわれわれで片づけようじやないか、ほかの方は御心配はけつこうな話だけれども、そういうことを話ましたところが、中島君もそれではそうしましよう。そういうわけで、その場所から皆さんひとつ一時帰つてくれという話をしたのですが、がんとしてそこを動かない。どうせ立つならお前一人立てばいいじやないか、われわれはここでイエスかノーか聞くまではがんばるということでのかない。このとき申し遅れましたけれども、私のところに首席助役の富所君というのと、佐伯という助役、それから椎名という車掌係が一緒におりましたが、そのうちどこかへ見えなくなつてしまつた。その間にこれはえらい暴言を吐かれたと私は感じておりますが、えらいがあがあ言われました。そんな区長はたたき殺せとか何とかいうことも、私はだれが言つたか知らぬが耳にしております。結局労組の中島君も非常に困惑したようなかつこうだと私は見たのですが、話をして見ましたところがそれでは出て行つて話をつけようというわけで出たのです。そのときは私は一応どつかへ逃げようという氣持もしましたが、とうていそれはできない状態なんです。それで二階へ上りまして——時間は大体一時四十分ごろだと思いますが……。
○鍛冶委員長 二階へ上つたのは。
○若宮證人 ええ。一時四十分ではありません。二時ごろです。十四時ごろまで押問答しておつたわけです。そんな簡單なことで妥協してはいけないというので、区長が妥協するまでは一日中ねばれということで、どうしても出てくれないものですから、十四時ごろまで押問答しておつたが、なかなか話がつかぬので、中島君に話しまして、二階へ上ろうとしましたところが、大勢がとにかく十分間だぞ、十分間のうちに回答しろ、イエスかノーか、それまでがんばつているといういようなことをえらい大声で叫ばれたわけです。二階へ上りましたところが、もう外廓團体の人も二階に幾分來て飯を食べていた人もあつたと思います。それで二階に指導室という部屋があつて、これは指導助役のおる部屋ですが、私はそこへ入りまして、そうしていろいろ組合員と折衝しておつたのですが、どうしても聞かないわけです。私はもう区長として命令に從うよりほかにないのだからというので、がんとして聞かなかつたのですが、しかし向うとしてもこの情景であればどうにもならぬというような考え方か知りませんが、とにかくイエスかノーかはつきりしろというようなことになりまして、それから十六時十分ごろまでいろいろ話をしたのです。ところがもう二階ではいろいろな歌を歌つて氣勢をあげている。外郭の人も入つているように私は見受けました。非常な暴れ方をやつておりましたし、それでもつと詳しく話せばいろいろありますが、結局それで二階へ上りましても、いろいろなことを言われてつき詰められたのですが、私は最後まで命令に從わなければならぬ立場なんだからだめだと言つて強硬につつぱねていた。下の状態は、そのときにはおそらく助役も二階へ上つて來ましたから、業務管理をやつているような状態になつていたのではないかと私は想像しております。
○鍛冶委員長 それではあなたが今おつしやつた友好團体として外部の人が入つたそうですが、一体先ほど外部のセビロの二人というのはだれとだれでしたか。
○若宮證人 それは名簿が帰ればあります。そのとき來られた方の名簿はみなではありませんが、一部とつたやつがありますが、ここへは持つて來ておりません。
○鍛冶委員長 今名前は覚えていませんか。
○若宮證人 名前はちよつと覚えておりません。
○鍛冶委員長 團体としてはどういう團体でありましたか。
○若宮證人 團体としては民主連盟とか、県の労働会議ですか。それから朝鮮人民主連盟とか、民主連盟の行動隊とか、共産党とか各種團体などこういういろいろな團体です。これは名簿がありますから大体わかると思います。
○鍛冶委員長 それではひとつお帰りになつたらその写しでも至急出していただくように願います。
○若宮證人 それで結局十六時十分ごろまでがんばつたのですが、どうもどうにもならない、それで圧迫は非常に切実に感じるようになりまして、実際私としても準備のために二、三日寢なかつたものですから、もうからだも疲労困憊しておりますし、そういうような恐怖心にもかられておりましたし、それからドアから外廓團体の人がどつとなだれ込むような状態になりまして、私としてはそのときおそらく命がないのじやないかという氣分になりました。それから結局もうこれではどうにも事態を收拾する方法がない。妥協点はないのだ。それでは当分の間旧交番制で行こうじやないかということで話をつけたのが十六時三十分ごろです。その間いろいろな事実はありますが、私はその当時の状況としては非常な圧迫感を受けておつた。おそらく私の心理状態においては、恐怖心からか何だかからだが非常に疲労しておりましたし、頭も朦朧としておつたということは……。 〔「大分檢事に教えられたようだね」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 途中の発言はやめてもらいます。
○若宮證人 いや檢事じやない。
○鍛冶委員長 それでは次に、六月六日に分会の大会が開催されて決議等をしたということですが、その模樣はいかがですか。
○若宮證人 六日じやない、七日でしよう。七日に千葉車掌区の二階で臨時職場大会を九時半から開催したわけです。そのときは赤旗を持つた外廓團体の応援がたくさん來ておりまして、私のところの林長太郎という車掌が議長席へ着きまして、そして今までの経過報告をやり、中島君がわれわれの勝利だということを力説したということを聞いた。私はこの大会の席上には出ておりませんが、そういうことを聞いております。
○鍛冶委員長 決議の内容等はお聞きにならなかつたのですか。 〔「わかるはずないじやないか」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 決議は聞いておりませんか。またあなたのところに決議を提出したことはありませんか。 〔発言する者あり〕
○鍛冶委員長 默つてください。
○若宮證人 それはおそらく区長はこういうことをやれば免官になるのじやないか。区長が免官になつた場合には復職鬪爭を敢行するとか、百万円の資金カンパをやるとか、それから新区長が発令になつた場合には、新区長を拒否するというような問題です。それから当面の鬪爭の具体的方策としては、他の車掌区に呼びかけるとか、千葉機関区の臨時人夫解雇反対に同調してこれを応援するとか、外部團体の應援を求めるとか、宣傳活動を活発にして、中野、東神奈川車掌区と完全に歩調をとるとかいうようなことを決議したのです。
○鍛冶委員長 それはあなたがお聞きになつたのですね。
○若宮證人 そうです。
○鍛冶委員長 今おつしやつた開会の司会をやつたのは何というのですか。林ですか。
○若宮證人 林長太郎です。
○鍛冶委員長 車掌ですか。
○若宮證人 車掌です。
○鍛冶委員長 中島登という鬪爭委員長も車掌ですか。
○若宮證人 そうです。
○鍛冶委員長 さらに六月九日にも何か分会の大会をやつたようですが……。それはどういうことですか。
○若宮證人 結局業務命令でもつて重ねて新交番実施の命令が出たわけです。命令書の日付とか何かは今持つておりませんからわかりませんが、それによつて十日から新交番制を実施しろという命令が來ましたので、それを一般に公示したわけです。そうしたら九日に職場大会を九時半から開催しまして、そのときに私は外廓團体の人を入れてもらいたくないという話をしたのですが、労組としては発言はさせないから入れろ、私は入れてはいけないとはつきり言いましたけれども、おれの方も責任を持つからあなたの方も紳士的にやれとか何とか言つておりましたが、私としては禁止する氣持でおりますけれども、ほとんど入れてしまつて、どうにもならぬという状況になつておりました。そのときの決定事項は新旧交番乘務をいかにするかということです。そのときにいろいろ議論しまして投票によつてきめたところが、旧交番で乘務する者は百十二票、新交番で乘務するというのが二十四票、無効が一票で、そのとき集まつたのが合計しますと百三十七名ぐらいしか集まつておらぬわけです。私の方の乘務員は全部合わせますと三百五、六十名になるわけです。ここに集まつたのはその三分の一にも足りないわけです。それから行政処分者に対する救済についてということです。行政処分を撤回するまで鬪爭の一環として鬪う。乘務旅費の削減について、これは絶対反対だというような決議をしたと思います。
○鍛冶委員長 その決議としては新交番制に從わないということに決定になつたわけですね。
○若宮證人 職場大会ではそうです。その当時いろいろ事情を聞いてみますと、やはり外部團体が入つておつたことが一つの圧迫感を抱かせたのじやないかと私は思います。
○鍛冶委員長 ところが翌日千葉発一一〇三号ですかの電車の発車に際して新交番制で乗る車掌を押えるとか、その他いろいろの紛爭があつたそうですが、それはどういうことですか。
○若宮證人 その前に六月九日付で五日にいろいろ騷いだ車掌が九名、國有鉄道法第三十一條第一項第二号によつて管理部長から解雇するとおう通達があつたので、九日の日のさきに申しました職場大会に私らそれを皆に通告するとともに、その席上で宣言をしました。そのとき一緒に、五日の日のことは自分の眞意じやないということをはつきり大会の席上で声明しました。それでその前にお話しなければならぬのは、そのときは、ここで話してもわからないかもしれませんが、車掌は三日たたなければ全体に話が行きわたらないような交番で乘務しておりますから、十日から実施せよということにつきまして、完全に実施期に入るのは、十二日から入らなければならぬということで交番を組んでおつたわけです。ところが九日の午後の八時半ごろに管理部長から呼ばれまして、今度の交番表はただ今までの交番表を幾分圧縮したにすぎない。だから十日からやれるじやないかということで、十日からやれという命令を出しているのに、どうしてやらぬと言つて詰め寄られましたので、私としてもやらざるを得なくなつたわけです。それで八時半からの管理部長との話合いでは、一應助役と話をしてみるということで確答を避けて帰りましたが、いろいろ助役と相談した結果、それはやる気なら十日の日からやれぬことはないのだ、だからやろうじやないかということで、やるという回答を十一時ごろになつてしたわけです。向うの方としては十日の午後からでもよいという話がありましたが、結局午後からやるも朝からやるも同じなのです。今までの交路というものは、ダイヤの改正の場合におきましては、交路表というのがいろいろかわりますが、今度のやつはただ今までの交路を一部縮小したにすぎないのでありますから、朝出て來る人は必ず出て來る。ただその午後になつて乗務するというのが知らぬ人があるかもしれませんが、それは実情をお話すればやれるわけです。もしもそのときに米がなければ米も心配するような手配をしておきましたから、できるということで、どうせ晝からやるなら初電からやつた方がよいということでやるようにしたわけです。
○鍛冶委員長 それは九日の日の話ですね。何時ごろにやられたのか。
○若宮證人 九日の午後十一時ごろに管理部長に話をしまして、十日の初電からやるということをきめたわけです。ところが中野の車掌区も、電車区もですが、ストをやるので、結局二十分間隔にダイヤの改正をやつてやらなければならぬので、実際上は新交番実施と言いましても、二十分間隔で電車を出すというような移りかわりに結果においてはなつたわけです。
○鍛冶委員長 何か九日の夜中から総決起大会というものを開いたそうですが、それはどうですか。
○若宮證人 あの騷ぎ以來ほとんど労組の幹部は家へ帰らずにいろいろ騷いでおりましたから、どんなことをやつておつたかわかりません。いろいろなことをやつておると思います。
○鍛冶委員長 それでスト延期に決定したということですが、それはお聞きになつておりませんか。九日の夜というか、むしろ十日の朝ですな。
○若宮證人 それは十日の日の話です。十日の日に一部車掌が、こういうことをやつておつたのでは犠牲者が多くてしようがない、ひとまず新交番制でやろうじやないかということで、十時半ごろから事務室でその対策の座談会を開いたわけです。約七十名ばかり集まりまして、こうやつておつたのでは千葉の車掌区がつぶれてしまう。だから個人の意思を尊重して、新交番に乘るか、乘らぬかをはつきりしようじやないかということで、十一時四十五分だと思いますが、きまつたわけです。それで新交番で乘る人は確認判を押すということで話をしておつたと思います。このときに九日の日の例の業務妨害をやつた人が、ちようど座談会を開いている横でスクラムを組んで何かいろいろな歌を唱つておりました。それでホームにおける妨害につきましては、私は区長室におりましたから、一切の状態は知りませんが、何だか非常に妨害行爲が多い。車掌としては旧交番には乘るが、新交番には乘らないのだということでやつておるのが相当おりましたものですから、相当紛糾があつたということでありましたので、助役は二人出ておりましていろいろ指図をしていたと思います。
○鍛冶委員長 それで新交番で乘つたものを乘せないというのですか。また乘つたものを降ろそうとしたのですか。
○若宮證人 事実は新交番を阻止するということなんですから、新交番で乘るのを阻止するわけですね。乘せないようにしたということです。
○鍛冶委員長 それが主たるものですか。
○若宮證人 そうです。
○鍛冶委員長 どういう方法で乘せないようにしようとしたか、お聞きになりませんでしたか。
○若宮證人 新交番を拒否した人は車掌という腕章を置いて行つてもらうということにしたのですが、それが事実上できなかつたのですが、結局新交番でやつた車掌を乗せずに、われわれの職場だからというので、旧交番で乘る人がそれを乘せないようにじやましておつたということを聞いております。
○鍛冶委員長 さらに外廓團体もそれに手傳つたというじやないですか。
○若宮證人 それは事実だと思いますが、私そのときの情勢は見ておりませんので、精細なことは言えないと思いますけれども、確かに業務を妨害されたようなことを聞いております。
○鍛冶委員長 どういう外廓團体がおもに妨害いたしましたか。それは御承知ないですか。
○若宮證人 それは檢挙された人がほとんどだ、それに結局私の所の共産系の人間が加勢をしておつたことは事実です。
○鍛冶委員長 共産系というのは、車掌のうちの……。
○若宮證人 そうです。
○鍛冶委員長 それから何かそのときに中鬪指令が出まして、行政処分を受けた者でも職場に復帰してやれ、こういう命令が出たとかいう話ですが、その点が御承知ありませんか。
○若宮證人 知つておりますが、そのことに関しましては、私に関することではないので、ここでお答えするのは……。
○鍛冶委員長 御承知になつていることだけでいいのです。そういう指令の出たことは間違いありませんね。そこでその連中は出て來たんですか。
○若宮證人 だれですか。
○鍛冶委員長 行政処分を受けた者。
○若宮證人 行政処分を受けた人は、もう行政処分を受けても始終車掌区に入つておつて、そしてわれわれは労組員だ。だから解雇を受けても労組の役員は、何か組合の決議によつてまだ役員だということでがんばつていたわけです。その当時の話をしますと、盛んに新交番制を妨害するような行爲をしておりました。
○鍛冶委員長 場外へ出て……。
○若宮證人 いや場内で、車掌区内で……。
○鍛冶委員長 電車の出るときもそれらの連中がやはり妨害の仲間に入つたんですか。
○若宮證人 この檢束されたのを見ますと、その連中も入つております。
○鍛冶委員長 たとえば中島とか、先ほどおつしやつた林とか……。
○若宮證人 いや、東川とか越川とか、中島とか、それから崎山というのも入つております、齋藤義雄、これはまだ車掌でおりますが、こういう人間が入つてどういうことをやつたかということにつきましては、私は見ておりませんから……。
○鍛冶委員長 それは先ほどの車掌内の共産党系の者とおつしやつた、そういう者なんですか。
○若宮證人 そうです。ここではつきりしていました人間は、齋藤義雄とか、それから加瀬武治とか、こういうのは共産党に入つていることは事実であります。はつきりしております。それから中島も一時入つて出たとか言つておりますが、これについてははつきりしておりません。中にははつきりしておる人間もたくさんおります。
○鍛冶委員長 わかりました。何かほかにお聞きになりますか。小玉君。
○小玉委員 六月の五日ですか、多数の人が入つて、十一時十五分ごろから十六時三十分ごろ、遂に旧交番でやろうということをあなたが承諾しなければならぬような立場に置かれたわけですね。
○若宮證人 そうです。とにかく長い間攻め立てられ、また自分の車掌区として事故を起したり、運行を乱すというようなことがあつては世間に対して申訳ないというような氣持で、どうにもしようがないというようなことで当分の間旧交番で行こうというということを十六時半ごろ遂に承諾……。
○小玉委員 しなければならぬような状態に立ち至つた。まあ疲労困憊の結果精神ももうろう状態になつた、こういうのですね。
○若宮證人 そうです。
○小玉委員 その間飯も食わなかつたのですか。晝飯も……。
○若宮證人 食いません。
○小玉委員 便所には。
○若宮證人 行きません。
○小玉委員 便所にも行かない。行きたくても行かれないような状態……。
○若宮證人 そうです。
○小玉委員 あなたが下に下りればとりまく、二階に行けば二階に行つてやる、こういうのですか。
○若宮證人 そうです。
○小玉委員 あなた一人に対して多数の人がかかつて行つたんですか。あなたと同時に、やはりあなたと同じような立場に置かれた人もあつたんですか。
○若宮證人 当直助役というのがおりますが、その人間なんかもぐるりを巻くかれた。それでがんがん言われまして、默つているというと、千葉車掌区の助役はおしかつんぼかというようなことで、罵倒されたようなことを聞いております
○小玉委員 あなたをとりまいた際に、いろいろそういう発言をした人は車掌区の車掌が多いのですか、あるいは部外者が多かつたんですか。
○若宮證人 部外者が多いと思います。
○小玉委員 たたき殺せという言葉も聞いたというのですが、それは部外者が発した……。
○若宮證人 千葉車掌区の車掌ではありません。
○小玉委員 部外者ですね。
○若宮證人 そうです。
○小玉委員 その部外者を事務室に導き入れる交渉をしておつたのはだれですか、車掌の中の……。
○若宮證人 それはやはり役員で中島というのが連れて來たわけです。
○小玉委員 最初は拒絶しておつたれけども、遂に中島のあつせんによつて部外者が入つて來た、こういうのですか。
○若宮證人 中島が連れて來まして、ごあいさつをしたいというので入つて來たわけです。
○小玉委員 あなたはどう言つたんですか。
○若宮證人 最初は二人しか入つて來なかつた。だから……。
○小玉委員 多数入つて來るということを、あなたは予想しなかつたのですか。
○若宮證人 予想しておりませんでした。
○小玉委員 それで十一時十五分ごろに中島が二人くらいを連れて來てから、そういう交渉をして、そうして多くの者がなだれ込んで来るまでの時間はどれくらいあるのですか。すぐですか。
○若宮證人 すぐです。
○小玉委員 そうすると、その事務室の周囲にすでに集まつておつたわけですか。
○若宮證人 もうすでに、その二人を導いて來るときに、私のところからいくらもないのですが、点呼助役というところの助役の前にはもう一ぱい來ておつた。
○小玉委員 それがすぐ入り込んで來て、あなたにいろいろ言つたというわけですね。よろしゆうございます。
○安部委員 われわれはわれわれだけで話をつけるから出て行つてくれと言つた場合に、出て行かなかつたのですか。
○若宮證人 出て行きません。
○安部委員 何人くらいおりましたか。
○若宮證人 私の計算では四、五十名と思います。
○安部委員 あなたがそういうわけのわからぬ区長はたたつ殺してしまえという場合に非常に恐怖感に襲われたんですか。
○若宮證人 そうです。
○安部委員 あるいはこれではとうてい殺されてしまうかもしれんというような心配もあつたのですね。
○若宮證人 それはそのときでなしに最後のときですけれども、とにかく十一時ころから午後四時半ごろまでそういうような状態が続いた。
○安部委員 それでそのとりまいた人々と、どのくらいの距離にあつたのですか。
○若宮證人 距離は机一つ……。
○安部委員 あなたは便所に行くこともできなければほかに行くこともできなかつた。
○若宮證人 そうです。
○安部委員 あなたはそこから外出することもできなかつたわけですか。
○若宮證人 そうです。
○安部委員 つまり一種の監禁されたような状態にあつたわけですね。
○若宮證人 そういうわけです。
○安部委員 それから歌を歌つたというのはどういう歌ですか。
○若宮證人 アカハタの歌です。インターナシヨナルの歌です。
○安部委員 それは一種の樂しいようなリズムか、あるいは非常に圧迫するようなリズムか。
○若宮證人 まア圧迫するように感じました。私のいる隣りの大きい広い部屋で盛んにアジつたり、それから歌を歌つたり氣勢をあげていました。
○安部委員 あなたのほかに助役もおつた、その助役の人がどつかへ行つてしまつて見えなくなつたというのはどういうわけですか。
○若宮證人 それは助役はこうやつておいたのでは区長があぶないというので非常に苦心して外へ出たわけです。
○安部委員 拉致されたわけじやないのですね。
○若宮證人 そうじやない。まア区長を救えという氣持で出たわけです。そして管理部と折衝していたわけです。
○安部委員 中島君というのはただ二人だけを紹介したが、あとからあなたの方の許可を得ずしてどやどや入つて來たわけですね、その室に……。
○若宮證人 そうです。
○安部委員 そうすると、中島はなにか特定の政党にも属している人ですか。共産党でもあるのですか。
○若宮證人 思想的に言えば、非常に左に走つておつたと思います。私は共産党に入つて折るか入つてないかということは確証を握つておりませんが、おそらく同調している部類だと思います。
○安部委員 その部外者の人たちに対して、中島という車掌は、区長が先頭に立たなければこれはどうも解決しないのだ、区長から旧交番制をとるようにしなければならぬというようなことを言つたのですね。
○若宮證人 そうです。
○安部委員 その場合に大いに喝采したのですね。
○若宮證人 そうだそうだと言つて喝采したわけです。
○安部委員 これを忌憚なく言えば、外部者が非常に煽動し、あるいはあおつて氣勢を揚げてあなたを圧迫したということは事実なんですね。
○若宮證人 そうです。これが來なければ、私の方としては幾分余裕のある、区長権限でできる交番制に解決できたと私は思います。
○安部委員 あなたが十六時三十分ごろまで、ともかく命令であるからと言つてがんばつた。これを最後にやむを得ず旧交番制でやろうというのは、先ほどの同僚の質問に対して答えがありましたが、疲労困憊した。そのほかにまた恐怖感に襲われて、いわゆる脅迫されて、自分の意志に反してやむを得ずそういうことを言つたのですね。
○若宮證人 知らない人はそのときの情勢を笑い話と考えられるかもしれませんが、実際私どもとしては、そう言わなければ車掌区はどうなるかということを考えたわけです。
○安部委員 それから生命に危害を加えられるおそれがあつたのですね。
○若宮證人 そうです。
○安部委員 そうすると外部の人はどういうことを……(「誘導じやないか」と呼ぶ者あり)
○若宮證人 誘導じやありません。実際の話しをしているわけです。 [発言する者多し]
○鍛冶委員長 靜粛に願います。
○安部委員 部外者というのはおもに共産党員ですか。朝鮮連盟という人は何名ぐらいいましたか。
○若宮證人 これは追つて名簿を——全部じやありませんが、一部ありますから、追つて提出します。
○安部委員 おもにあまり直接関係のない人が……。
○若宮證人 何も関係ない人です。
○安部委員 もしそういうような外來者が來なければ、旧交番制度が新交番制度に穏便に解決したはずですね。
○若宮證人 私は解決できたと思います。
○安部委員 そういう外部の煽動者が來たためにいろいろな問題がこんがらかつて、そうして遂にストにまで行くような状態になつたわけですね。
○若宮證人 非常に車掌の氣分をあおつたことは事実です。
○安部委員 そうして自由意志で発言するような人も、彈圧のために自分のほんとうの意思を発表できず、やむを得ず新交番制をやめなければならないということになつたのも確かですね。
○若宮證人 そうやらざるを得なかつたと私は思います。
○大橋委員 証人は外廓團体のいろいろな人が來たと言われますけれども、それはたまたまそのとき駅に通りかかつた人たちが、偶然に立寄つたのでございますか。
○若宮證人 いや日ごろから労組の共産党系の人間は、われわれが電話一つかければ千や二千の人間は出て來るのだ。警官の五百も來たつて何でもないのだということを言つておつたと聞いておるのです。だからおそらくこれは、連絡しなければこういうたくさんの人間は出て來ないと私は思います。
○大橋委員 そうすると、それは組合における共産党系の分子が故意に連絡してそこへ呼び寄せた、こういうふうに御判断になりますか。
○若宮證人 私はそう思いますね。
○大橋委員 そうしてその人たちは、もう集まつた当初から、あなたの事務室に入り、そうしてあなたに対してそういう氣勢を示すようなことをやろうと思つて來たらしい樣子でございましたか。
○若宮證人 あの時間に各線から集まつて來ておるのですから、おそらく偶然にあそこで一緒になつたとは私は思いません。それが一箇所から來ておるというのではなしに、至るところから集まつて來ておりますから、そう考えざるを得ないのです。
○大橋委員 そうするとあちらこちらから何らかの連絡によつて集まつて、そうしてこの日の労組とあなたとの交渉に対しまして氣勢を揚げる。当初からそういうつもりで集まつたというふうにお感じになつておられますね。
○若宮證人 私は感じました。
○大橋委員 それからもう一度、先ほど安部委員の質問に対してお答えになつたようでございますけれども、これらの外廓團体の人たちは、大部分共産党に属するような感じをあなたは受けておられたのですね。
○若宮證人 私は、ざわざわと入つて來たときにいろいろ見たが、これはそうだなという感じがしました。
○大橋委員 その人たちがいたために、この爭議というものができた。いわばこの人たちは千葉車掌区における爭議を煽動する役割を結果的に果していた、こういうことをお認めになりますか。
○若宮證人 そうです。結果的にはそういう役割を果しております。
○聽濤委員 証人にお聞きしたいことが大分あるのですが、まず第一に新交番制のことをお聞きしたいのです。あなたは先ほど、新交番そのものは組合の方では首切りになるから反対だ。その一点だけでどうにもならなかつた、実際はこれを実施すれば大してつらいことはないのだ、首切りになるとあなたは思わないと言つておりましたが、今度の新交番制を実施すると、私の聞いているところでは、六十五名ぐらい人員が余つて來るそうですね。しかも今行政整理が行われようとしているとき、新交番制の実施で人間が六十五名も余つて來る、こういう事実が現われて來るのに、あなたはこれを首切りにならないとお考えになつたのですか。
○若宮證人 それは、千葉の車掌区は非常に人間が定員より多かつた。だから新交番制によつて浮く人間というのは六十何名にはなりません。その数については確かな数をここではつきりとは言えませんが、結局A組だけで二人くらいの人間しか浮かないということですから、大体二十名近くしか浮かないと思います。
○聽濤委員 あなたはそうおつしやつておるが、労組の方の資料によると、六十五名くらい浮くと言つて非常にその点を問題にしておるのです。その他の車掌区——中野でもどこでも、やはりこういうような事実が基本的にあるのであんなに騷いでいる。あなたは現場におつて、そんなことがわからぬはずはない。
○若宮證人 車掌区の実情についていろいろお話をされるけれども、おそらく現場のことを知らぬ人が労組の言うことを聞いてどうだこうだと想像したつて、当たらぬと思います。
○聽濤委員 このことは、現場の人にわれわれは当たつて聞いている。
○若宮證人 これは人によつて違います。
○聽濤委員 これは一人が言つておるのではなく、労組の人が全体として言つております。
○若宮證人 ところが私のところの労組の実態をお話しますと、今まで役人になつておつた人は、ほんとうにものを処理して行こうという人間がおつたのですが、現在の労組としては、むしろ事ごとに要求事項を突きつけて迫つて來るというような態度の人が多いわけです。その選挙についても、健全な労組でないと私は思うのです。
○聽濤委員 そんなことはあなたが言つたつてしようがない話で、それはいいのです。 そこでもう一つお聞きしたいのは、新交番制をやられると、非常に労働強化になると現場の人は言つておるのですがね。たとえば一週間に三日も泊りをやらなければならない、こういう状態が來ておるし、通勤も非常に困難になる。しかも宿舍の設備はなつちやいない、めしをたく設備もない。こういうような状態の中で非常に労働が強化され、人によるとほとんどもう一週間も家に帰れないような状態の人もある。こういうことが言われておるのに、あなたはそういうことをお認めになりませんか。
○若宮證人 一番惡いような人間を比較にとればそういうことは言えるかもしれませんが……。
○聽濤委員 しかしそういう人がおることはおるわけでしよう。
○若宮證人 いや一週間も帰れないという人はおりません。それから労働強化だと言いますが、最初の出方は、結局新交番制は労働強化だという話で出て來たのですが、結局もう交番に入るときにはいや、新交番なんかは問題じやないのだ、私はこの点を特に強調したいと思います。
○聽濤委員 それはここであなたと議論してもしようがないのですが、労働強化もあるのだが、しかし一番重要な、労組で反対せざるを得なかつたのは、首切りの前提になるという意味で、この点に集中したというだけの話ですか。事実最初労組があなたに要求していたのは、首切りにもなる、また労働強化にもなる、これでは職場の現状には合わないということを言つておつたのですか。
○若宮證人 それだから私は案をつくつて、区長でできるだけのことは緩和してやろうという氣持でやつていたのですが……。
○聽濤委員 なぜ緩和はしなかつたのですか。何でもなくできるのだつたらそんな妥協案を出す必要はないのじやないですか。
○若宮證人 いや、そうじやありません。それは結局みんなが労働強化だというから、妥協案を出しておるわけです。
○聽濤委員 だから妥協案を出さざるを得なかつたというのは……。
○若宮證人 いや、出さざるを得なかつたじやないのですよ。これは区長と從事員との間はあなた方が御想像になるようには行かないと思います。これはやはり親子みたいな関係になつておりますから……。
○聽濤委員 それはそれでよろしい。あなたは職場のいろいろの実情からいつたつて何からいつたつて首切りにもならないし、労働強化にもならないし、これはたいしたことはない。何といつても合理的な交番制である。こういうふうにお考えになつたというわけですか。
○若宮證人 そうです。
○聽濤委員 よろしゆうございます。その次にお伺いしますが、六月五日に外廓團体云々で大分いろいろあなたはお話になつておられましたが、脅迫されたとかなんとかいろいろ言つておられましたが、組合側の主張をあなたが認めて、そうしてこういうことを言つておるそうじやありませんか。私は二十一年來やつて來たのだけれども、もうこうなつたら管理部にやはり矢を向けなければしかたがないということを認めたというのですが、そういうことは事実ですね。
○若宮證人 いや、そういうことは認めておりません。そんなことを言うわけがない。
○聽濤委員 そうですか。そういう言葉はとにかくとして、ところが脅迫されたとかなんとかいうようなことの理由で、組合側の主張をとにかく認めたというのは事実じやないですか。旧交番制で行こうということをお認めになつたのですね。
○若宮證人 当分の間は……。
○聽濤委員 ところがその後九日かなんかの大会の席上であなたが出て行かれて、実はあのときは疲労困憊していたり、いろいろなことがあつたので心にもないことを言われたそうですが、ところがその間あなたは檢察廳に三日間続いて呼ばれておるそうですね。こういう事実がありますか。
○若宮證人 三日間続いてということはないですが……。
○聽濤委員 どうですか、その点はつきり御返答してください。
○若宮證人 大体三日間は行つておりません。二日です。二日といつても、それは都合によりまして午後からのこともありました。結局この事件の新交番制と旧交番制というものはどういうことかと聞かれたわけです。
○聽濤委員 だれに呼ばれましたか。
○若宮證人 呼ばれたのは三輪檢事だと思います。
○聽濤委員 細野檢事には呼ばれませんか。
○若宮證人 呼ばれません。
○聽濤委員 そうしてそこでは檢事から何を言われたのですか。
○若宮證人 その当時の事情を聞かれたのです。
○聽濤委員 あなたは説明しただけ……。
○若宮證人 そうです。
○聽濤委員 そのために二日か三日行かれたわけですね。
○若宮證人 そうです。結局その当時の情勢を聞かれたのです。
○聽濤委員 ほんとうのことを言つてもらわないと困るのですよ。たつたそれだけですか。
○若宮證人 ただ実情を聞かれただけです。
○聽濤委員 向こうから何も言われなかつた……。
○若宮證人 言われません。
○聽濤委員 そうですか。ところがあなたは実際には組合員の人に非常に激しい言葉で言われて、脅迫されて困るということを言つておるじやないですか。
○若宮證人 言いません。
○聽濤委員 あなたはそれを否定なさいますか。
○若宮證人 そういうことは言いませんよ。それは……。
○聽濤委員 言わないとあなたが言いはるならばそれでよろしゆうございます。
○若宮證人 何だかきめつけるような行き方をされるのですが、そういうようなことは結局……。
○聽濤委員 あなたがはつきりしたことを言わないからだよ。
○鍛冶委員長 はつきりしておるのだよ。
○聽濤委員 あなたがそうおつしやるならそれでよろしゆうございます。ところがその後あなたは組合にあるいは外部團体に脅迫されたとこういうことを言われておりますが、あなたはその後車掌を個人的に呼びつけて新交番制を認めろということを強要し、あるいは区長室に引き入れて公安官や何か立合いのもとに強要しておる。あるいは馘首された者を暴力的に外に引き出しておる。こういう事実があるそうですが、どうですか。
○若宮證人 それはとる人によつては脅迫とかなんとか言いますが、私としてはあの状態で行きますと車掌区の人間はみんな首になつてしまう。だから一まず新交番で乘つて行こうじやないかということで話をしただけであつて、脅迫なんという言葉を使われることははなはだ心外だと思います。
○聽濤委員 そうすると、組合の方でもあなたに脅迫したということを言われるのは心外だと思うかもしれませんな。大体これほどの問題になつて來るのはやはり首切りだとか、労働強化とか、いろいろなことがひそんでおるから、そのためにこういうふうな場面が出て来るので、しかもそれは労働爭議なんでしよう。労働爭議で殺人行爲があつたなんどというような話はいまだかつて聞いたことはない。あなたはいやしくも区長をやつていて相当の権威を持つておるはずです。そういう人が大勢來て言われたからといつて殺されるようにふるえ上つた。私なんか、二人ばかりの若い者に短刀を突きつけられましたが何とも思わなかつた。從業員の方は数は多いのですから従業員とあなたとがいろいろ立合いをなさつた経験があるのでしよう。そういうようなことで脅迫を感じた。そういうようなことではあなたは歌を歌いさえすれば死んでしまうような人間になりますよ。
○若宮證人 それは主観ですから、しようがありません。
○聽濤委員 それではもう一つ、他のことをお聞きしたい。あなたは九日でございましたか、大会の席上で、もう一度入つて行かれて、そうして新交番制は十二日から実施するということを発表なさつたそうですね。
○若宮證人 私はそんなことは職場大会で発表しません。職場大会で私が発表したのではありません。
○聽濤委員 それではどういうふうに御発表になつたのですか。
○若宮證人 それは十二日から新交番制を実施するのじやなしに、これはダイヤの編成とか、種々の準備の都合もありましたので、十二日から完全実施に入るということを、当直助役に話しておきました。
○聽濤委員 当直助役から大会に示したわけですか。
○若宮證人 大会に示したというのはおかしい。私はそれは知りません。
○聽濤委員 そうですか。そのことは私もはつきりしているわけではないからいいですが、ただ職場大会の席上で、十二日から実施するという報が入つたときに、みな歓声をあげたということは、はつきりしているのですか。
○若宮證人 それは十二日に延期すると、だれか発表したということをちよつと聞きました。
○聽濤委員 いずれにせよ十二日からということになつたのが、突如十日からもうやることになつたということは、大体あなたもさつき言われたようなぐあいですね。
○若宮證人 それはやればできる状態なんです。ただ私としては、とにかくみんなに徹底させるため、十二日まで三日の余裕をもつたわけです。命令は十日からとなつております。
○聽濤委員 ところでとにかく十二日といつたのが十日になつたのだが、三日ぐらい余裕がないとできないというふうに、あなたも管理部長の方に進言したり何かなさつていたのに、こういうふうな状態の中で、突如十日から強行して行くとすれば、いろいろ職場で混乱が起るであろうということは、あなたはちつともお考えにならなかつたのですか。
○若宮證人 だからさつき話しましたように、今度の新交番制は圧縮しただけにすぎないのだから、そう混乱は起きないと私は思つておりました。
○聽濤委員 大分職場のことはうとい人のようですな。それではいいです。もう一つお聞きしたいのは、十日のいろいろ問題の起こつたときに、女車掌の関口しげさんという人は、自分が乘務するのだということを主張した。関口さんは当然資格を持つた正規の車掌であつたろうと思うのですが、これを公安官が引きずりおろそうとしておりましたが、しかし区長の立場から言うと、一体どちらが正しいと思いますか。
○若宮證人 関口しげの話はあとから聞いたので、私はくわしく知つておりません。
○聽濤委員 あとから聞いても何でもけつこうでありますが、公安官の態度と関口しげさんの態度とどつちが正しいとお思いになりますか。
○若宮證人 そういうことは判断で答えるべきじやないと思います。実情を調べてからということになると思います。
○聽濤委員 実情といつてもこれは現にはつきりしている。関口しげさんがほんとうにスイツチにかじりついて、これは自分の職場だ、自分は資格を持つた車掌なんだから、私がこの職場を預つているのだと言つて、これに乘り込もうとした、それを公安官が引きずりおろした、このために問題が起つているのだから、あなたは今ごろになつてその事情を知らないはずはありませんよ。
○若宮證人 私はその問題はあとから関口しげから聞いただけで、くわしいことは知りません。
○聽濤委員 大分前のことで、その後日数は十分たつているのですよ。しかもこの委員会で問題にされるほど重要な一つの問題になつている問題を、あなたが知らないはずはないじやありませんか。
○若宮證人 いや知りません。
○鍛冶委員長 判断をしいられても、証人は答えぬと言つたら、これを強いるわけに行きません。
○聽濤委員 それじやもう一つお聞きしますが、あの当時関口さん、つまり正規の資格を持つた車掌が乘らないで、管理部からまわされた資格のない人が車掌台に乘つてこれを運轉しようとしたのは、これは車掌区長として合法的なこととお思いになりますか。
○若宮證人 それは正規の資格を持たぬと言われますが、かつて車掌区におつた人間が、車掌の経驗のある者が動員されたのであつて……。
○聽濤委員 ところが事実はスイツチのしかたも知らない。うろうろして、私は何も知りませんから、よろしく教えてくれといつて、運轉台へ行つたというじやありませんか。そんな資格のない者が乘つてはいかぬと乘客が言つたら、乘客まで檢束された、そういう事実がある。あなたはそういうことを知らなかつたですか。
○若宮證人 知らないというのではありません。私はそういうことには渦中に入つておりません。
○聽濤委員 渦中に入つているということではない。あなたは車掌区長だつたのだから、だからこういう資格のない人間を……。
○若宮證人 資格がないとは思いません。私は車掌の経驗を持つた人間が、そういうことはないと思います。
○聽濤委員 ところがスイツチのしかたも知らない者が車掌台に乘つてどうなる……。
○若宮證人 それはあなたの方はそう言われるかもしれませんが、知つておつてもしばらく遠ざかつていると、知らないと言うかもしれませんよ。
○聽濤委員 それじや動かせないじやありませんか。
○若宮證人 いや、そんなことはありません。
○聽濤委員 そんなあいまいなものですか。
○若宮證人 あいまいじやありません。前に車掌の経歴のある人間というわけです。
○聽濤委員 それじやあなたは、これは何ともないとおつしやるのですね。何でもないあたりまえのことだとおつしやるのですね。
○若宮證人 それはそうでしよう。いろいろな根拠もあると思います。他の業務に流用してもいいという規則もありますし、以前の経驗者なら動かせるとわれわれは判断するよりほかにしようがない。
○聽濤委員 それではよろしゆうございます。この点も疑問として残しておきましよう。
○小玉委員 六月五日の十六時三十分、あなたはへとへとになつて、遂に承諾しなければならなくなつたというのですが、その承諾の形式は文書か何かにしてやつたのですか。
○若宮證人 文書じやありません。言葉だけです。当分の間行こうじやないかといつて。私の考えとしては、その前にもいろいろ妥協案をつくりましたが、二三日待つて、みなに大会によつてきめさすという氣持だつたのです。それだから当分の間ということを言つたのです。
○小玉委員 それから七十名ぐらい集まつて、新交番でやるか旧交番でやるかということで相談をしておつたというのは、六月の十日ですか。
○若宮證人 十日です。
○小玉委員 電車に車掌が乘るのを妨害した日ですね。
○若宮證人 そうです。
○小玉委員 十一時ごろですか。
○若宮證人 十一時ごろだと思います。
○小玉委員 そうしていよいよ新交番の車掌が乘るのを妨害した事故の起つたのは何時です。
○若宮證人 あれは十一時何分です。
○小玉委員 その少しあとですね。
○若宮證人 そうです。その少しあとです。
○小玉委員 その際にあなた方座談会を開いておつた場所はどこですか。
○若宮證人 区長室の横に庶務のいるところがあるのです。そこでやつたのです。
○小玉委員 七十人ばかり。
○若宮證人 そうです。
○小玉委員 その周囲をスクラムを組んで、インターナシヨナルの歌を歌つて氣勢を上げておつたというのですね。
○若宮證人 それは外です。
○小玉委員 何人ぐらいでしよう。スクラムを組んだ——輪でもこしらえておるのですか。
○若宮證人 女の子もいるにはいましたが……。
○小玉委員 何人ぐらい。スクラム組んでインターナシヨナルを歌つていた連中は……。
○若宮證人 二十人くらい……。
○小玉委員 その直後に結局新交番の連中が電車に乘るのをまたスクラムを組んで妨害したという事故が起つたわけですね。
○若宮證人 え、起つたわけです。
○小玉委員 わかりました。
○篠田委員 ちよつとお尋ねしますが、その新交番制と旧交番制で大分労働強化になるというお話もあるし、いろいろあるようでありますが、新聞紙の傳えるところによると、旧交番制から新交番へ移つて、その労働時間の延長は八分と書いてあるところもあり、またある調査によると十五分ぐらいというところもあるようでありますが、一体それによつて何分間ぐらい労働時間は延長されるか……。
○若宮證人 これはたとえば御説明しますと、車掌には準備時間と乘務時間、待ち合せ時間というのがあるのですが、待ち合せ時間が一時間なら一時間ですが、二時間以上ならば二時間とつていたのを、一時間に減らしたことによつて、そういうような総体的時間が出て來るわけです。
○篠田委員 休憩時間が一時間減つたわけですか。待ち合せ時間が一時間減つたわけですか。
○若宮證人 そうです。
○篠田委員 そうすると、これは一日にですか。
○若宮証人 結局交番によつてですが、泊りもあれば、日勤もありますが、向うへ行つて列車から降りまして、次の列車に乘るまでは大体において二時間くらい間隔があるわけです。今までは二時間はとつておつたのです。二時間以上三時間あつても二時間ととつておつた。それを一時間しかとらぬようになつたから、そこに新旧の交番の勤務時間というものが短かくなつたわけです。
○篠田委員 わかりました。
○石田(一)委員 先ほどあなたの御証言の中に、初めあなたに二人で会いに來て、大勢あとからどつと押しかけて入つた、最初にあなたに交渉した鬪爭委員長の中島登さんという人は、あなたがわれわれのことはわれわれで話合いをつけようじやないかと言つたら、それはそうだと言つてみんな出るようにということを部外の人たちにすすめたのですね。
○若宮證人 すすめました。すすめるというよりも、中島君自身としても、ああいうような情勢に立ち到るということを考えていなかつたのじやないかというふうに見ております。
○石田(一)委員 それで中島君としては、あなたがさつきおつしやつたように、非常に中島君自身もこれは困つた、かえつて迷惑そうな顔をしていたというような証言がありましたが、確かにそうですな。
○若宮證人 いや、それは私わかりませんが、態度から見て頭をかかえておつたというような態度もありましたからね。
○石田(一)委員 よくわかりました。もう一つお聞きしたいことは、あなたは先ほどこのままでいつまでもこういうふうに脅迫感を感じ、おなかもすく、生理現象で便所にも行きたい。いろいろのことを考えて、このままで時間を過していたのでは、千葉車掌区のために、一般乘客の方々に迷惑をかける。それでこれは何とかして新交番ということを自分で頑張つていたのでは一般乘客に迷惑がかかる。この際電車を動かして乘客を乘らせることが先決だ。乘客に迷惑をかけないようにという考えがあつたので、旧交番を了承したという何か証言がありましたが、これは事実ですか。
○若宮證人 結局区長になりますと、やはりいろいろなことを考えるわけですね。外部の人に迷惑をかける、かけぬという、公共性から見まして、そのときにそういうことを考えておつたという意味ではないのでありまして、結局このままで推移したならば、おそらく車掌区がめちやめちやになつてしまうのではないかという氣持がしたものですから……。
○石田(一)委員 それでは電車が結局動かなくなり、乘客が迷惑するということを相当お考えになつたのではないですか。そんなことはちつとも考えなかつたのですか。
○若宮證人 まあ、車掌区のことを主として考えておりましたね。
○石田(一)委員 乘客のことは……。
○若宮證人 乘客のことも関連して考えます。
○石田(一)委員 それではおかしいですね。千葉車掌区の区長としていらつしやつて、その新交番、旧交番の問題で乘る、乘らないの騷ぎをしているときに、乘客に関して一つも考えないで、車掌区のことばかり考えていたというお答えは、私は車掌区の区長さんのお答えとしてはちよつと不本意だと思うのですが、ちつとも乘客のことを考えなかつたのですか。
○若宮證人 そうです。結局車掌が乘つて順当に行けば電車が乱れ、列車が乱れることはありません。だから結局主として考えることは、車掌区のことなのです。車掌区が順当に行けば世間に迷惑がかからぬ……。
○石田(一)委員 だからそのことを聞きたいんですよ。車掌区がめちやめちやにならないように、なんとか電車を早く出して車掌区を乱さないようにということは、とりもなおさず一般乘客に迷惑をかけぬということが主たるあなたの考えでしよう。
○若宮證人 結局そういうことになつて行くでしよう。車掌区が順当に行けば迷惑はかからぬですよ。
○石田(一)委員 だから私がお聞きしたいのは、あなたは先ほど來おつしやつているのに、電車区の車掌区の長としては車掌区が乱れないように早く話をまとめて、一刻も早く乘客に迷惑をかけないようにという観点で、あの際いろいろ脅迫がましいことを言われて、それでまず一應これは適宜の処置として旧交番制を承知した。この方が大きな問題であつて、脅迫された、腹がへつちやつた、精神がふらふらして何もわからなかつたということよりか、乘客に迷惑をかけないようにということの方が、あなたの職責上としてはほんとうの考えではなかつたか、こういうことを聞いているのです。
○若宮證人 そういうことは、今聞かれるわけもわからんですが、乘客のことさえ考えていればいいのじやないかということを言われるのはおかしいと思うのです。乘客のことを……。
○石田(一)委員 だから乘客のことばかりではない。私の尋ねているのは、脅迫をされたから旧交番制を承知したということは、車掌を早く乘せて、電車を早く動かしたいという氣持の方が強くて、この旧交番制をまずこの際やつて行つた方がいいという氣持が強いのかということを聞いておるのです。私の言いますのは、あなたが車掌区の区長としてそのときに旧交番制を承知なすつたということは、もちろん外部的な脅迫とか、何とかもあつたでしようが、まず私の言いたいのは、半分ぐらいずつ、すなわち早く電車を動かさなければいかぬということと、脅迫されてどうにもならぬということの二つが一緒になつたのではないかというんですよ。
○若宮證人 無論私の方はある程度脅迫感を覚えたからですよ。
○石田(一)委員 主の方はそうだけれども、その中の相当の部分には電車を早く動かさなければいかぬ、車掌区を乱してはいけないということがあつたでしよう。
○若宮證人 そのときのことははつきり覚えておりません。
○石田(一)委員 脅迫だけですか。
○若宮證人 それは車掌区を円満に治めて行きたいという氣持はあつたのです。
○石田(一)委員 だから、あつたらあつたとおつしやいよ。
○若宮證人 それはどつちが多いのだ。少いのだと聞かれてもおかしいですよ。
○石田(一)委員 これは大切なんですよ。あなたが職責を守つた守らぬという名誉のためにも、脅迫によつてなされたということよりか、自分の車掌区を乱さないように、乘客にめいわくをかけないようにということが主であつた。それに脅迫が手傳つてこうやつたということの方がよほどあなたのお答えとしてはいいと思う。それにもかかわらず乘客のことを考えないで、ただ脅迫だとか腹が減つたとか小便がしたくなつたからこうしたということで車掌区の区長が勤まりますか。
○若宮證人 だから勤まらないからやめました。
○石田(一)委員 何だ今の言い方は。勤まらぬからやめたというのは何だ。そういう失礼なことを言うな。 [発言する者、離席する者多く、議場騷然]
○鍛冶委員長 口論をしてはいけない。靜かにしてください。証人に対して事実を聞いてもらいたい。りくつを言つたり自分の意に反したということで大きな声を出すのはやめてもらいましよう。
○猪俣委員 質問者に対して席を離れて肉薄して來るようなことがいいか惡いか、判断して宣言してくれ。あの証人ではないが脅迫せられてしまう。暴力行爲を否定する委員会だろう。その委員会がこのような態度に出るのはいけない。
○鍛冶委員長 注意してもらいます。着席してください。
○石田(一)委員 ちよつと私証人に言いますが、よけいなことですが、私が大きな声を出したのがいけぬかもしれないが、これに対して勤まらぬからやめましたとせせら笑いをするというあなたの態度も惡いと思う。
○若宮證人 私はせせ笑いをして言つたわけじやない。結局車掌区長というものは、車掌区のことは念頭から離れないのです。それを強調したにすぎないのであつて、何もせせら笑つたわけじやない。
○石田(一)委員 もう一つ聞きますが、要するに脅迫された。それからおなかがすいた、疲れていた、前から疲労していらつしやるということも私たちは一應認める。しかしそればかりが旧交番制を承知したという原因ではないでしよう。要するにあなたの眞意は、区長として早くこの車掌たちを電車に乘せて、一時も早く電車を動かして、乘客にめいわくをかけないようにするという氣持が相当あつたのじやないか。
○若宮證人 結局車掌区のことを考えるあまりに、車掌区を混乱に陷らせたくないということを考えておつたということは事実です。
○石田(一)委員 今篠田君が、私の発言中に、証人に対する無礼の言葉があつたというので、自席を立つて当委員に対して、肩を強くお突きになりました。これは委員が発言するに際して、自分の意に反するような発言であつたせいか、私が暴言を吐いたという言葉であるのか、理由はどうか知りませんが、とにかく私に失言があれば、それは手続きをとつて何とか処置をとればいい。それを委員の発言中に他の委員が自席を立つて來て、とにかく暴力的な威嚇的な行爲をもつて、その発言者を突き飛ばす。このことは私は一應正当な処置をとりたいと思いますが、しかしながら速記録にとどめておいてこれは閉会中のことでありますので、懲罰動議とか何とかいうことになるのは非常にむずかしいと思いますので、これは委員長によろしく処置せられんことを要求しておきます。
○鍛冶委員長 承つておきます。
○神山委員 今石田委員が聞いたので若宮さんの心境は大分明らかになつたのですが、先ほどから繰返しておつしやつた中に、区長と從業員は一緒にいて一つかまの飯を食つておる。あなたの言葉で言えば一つところにいていつも顏を合しておる。從つて親子のような氣持でおるとおつしやつたのですが、これは間違いないですか。
○若宮證人 これは普通の状態においてはそういうい関係になつております。
○神山委員 その次にお尋ねしますが、五日のことですが、指導席でお話になつたときもあなたがお感じになつておるような意味で脅迫したことがあるかもしれません。しかし一方では泣いた人はおりませんでしたか。泣いてあなたに訴えた人はおりませんでしたか。
○若宮證人 それは労組の連中はそういうことをやつておつたと思います。
○神山委員 そうでしようね。私のお尋ねしたかつたのは、泣いて訴えた人の氣持があなたを動かしたか、動かさなかつたか、そこなんです。
○若宮證人 それは泣いたから私がどうしたという意味じやない。
○神山委員 そこであなたが五日の日に一應何とか考慮しようというふうにおつしやつた事実にそれが関連するわけですが、あなたの表現でいう脅迫というのもあつたかもしれない。それから今いろいろあなたが言つたようなあなたの責任感もあつたかもしれない。それから平時あなたが子のようにかわいがつていた人が泣いて訴えたとか、こういうようなものがからみ合つて、あなたとしては一應含みのある返事をされたのですか、どうですか。
○若宮證人 それは私は結局そういう感じがあつたかないかというようなことよりも、その当時は実際の話が窮迫した氣持になつておりました。おそらくあとから判断されれば、いろいろなことは言われるかもしれませんけれども、しかし何も泣いて頼んだからどうしたというようなことでやつたのではないのです。
○神山委員 親心ではないのですか。
○若宮證人 親心ではない。命令というものはどこまでも聞いて行かなければならぬと、始終そういう氣持でおりました。
○神山委員 泣いた話のついでにもう一つ聞きますが、助役が泣いたという話を知りませんか。
○若宮證人 それは私知りません。
○神山委員 そんなことであとで証人を呼ぶとか何とかいうような必要もありませんけれども、助役が泣いたというふうなことを労働組合の諸君は事実として私たちに話しますが、御参考までに申し上げたわけです。從つてそういうような事情にあつたものですから、あなたが管理部の意向とは違つても、君たちの希望も生かすようにしてやりたいというふうにおつしやつたのを、労働組合の諸君は眞に受けて、あなたのほんとうの日ごろの親のような氣持が通つておる。從つてこの調査書に百万円と書いてありますが、実は間違いで二百万円です。あなたが首を切られたときには、この金を集めようじやないか。それから現区長が罷免された場合には、あとから來ても処分取消しを要求する。ちようど親のようにあなたを守りたいという事実は、あなたの陳述の中にもあつたと思いますが、これはあなたはどういうふうにお考えになりますか。脅迫してあなたが参つて、それで二百万円であなたを買收するというのか。それともあなたの親のような氣持、親のようなまじめな区長としての責任感、こういうようなものがあるから、今どき二百万円も労働組合が集めるということはたいへんですが、集めてあなたに報いなければならぬということを決議しているのか、ここの関連ですが、あなたはどういうふうにお感じになつていますか。
○若宮證人 それは私は脅迫を受けたというのは、從事員から受けたということよりも周囲の情勢から受けたということなんです。
○神山委員 それがわかればいいんです。從業員もまん中に入つて、それが主になつて全体の関連の中でそういうことがあるのですから、その全体の空氣が正しくあれば、あとの組合側の諸君の決定したこともわかるわけです。そこで先ほど聽濤君がお尋ねしたことに関連しますが、三輪檢事でもいいですが、あなたが檢察廳に呼び出されて、その当時あなたはおつしやらないと言われるかもしれませんが、一部の從事員諸君はあなたが檢事に相当きびしいことを言われたというふうな話もしたと言つている。そかしここでまた証人を呼ぶというような話をしても仕方がないと思うが……。
○若宮證人 それはこういうことです。檢事の方が言われることも、相当突つ込んで言われたというくらいのことは言つたかもしれません。
○神山委員 それでいいのです。新交番の問題について先ほど聞かれたときに話がありましたけれども、新交番の問題に関連して相当突つ込んだお話があつたということは今の証言からも導き出せますね。
○若宮證人 その当時私がここでお話したようなことを聞かれただけです。
○神山委員 それでいいんです。あなたが新交番のことだけをお言いになるので、ほかに証人があるから、ほかの証人を呼ばれて……。
○若宮證人 その実情は……。
○神山委員 だから、その実情ということの裏に全体の関連性が、しかもあなたがおつしやるように、さよう考査委員会で相当突つ込んだ質問があるということがわかればそれでけつこうです。 それからお尋ねしますが、加瀬君が今度は一緒に行きましたか。
○若宮證人 加瀬君は檢事局へ呼ばれておりません。
○神山委員 いなければ、これは加瀬君のためにも、あなたのためにも、檢察廳のためにもけつこうだと思います。 それでまたお尋ねしますが、新交番の問題です。一番初め業務部からあなたの方に言つて來たときに、一日からやれというふうに言つて來たわけです。その場合に、それは五月十四日——これはあなたが先ほどおつしやつたのですが、あなたが一日からやれという場合に、ほかの方との関係もあつて、十日ごろにしてはどうかというふうにおやりになつたわけですか。
○若宮證人 はい。
○神山委員 それをもう少し説明していただきたい。
○若宮證人 それは先ほど話しましたように、小口還元を十日からやるという話があつたものですから、一緒にやつてもらつた方がいいというわけなんです。
○神山委員 とにかくそれで組合側の方は六月十一日ごろからやるのではないか、こういうふうに話していた。それに対して態度をきめるために六日に大会をやろうというふうに思つていたら、今度は六月一日にやれ、こう言われたというので、この点で非常に不服の氣持を持つているのですが、あなたはそれはどうでしようか。
○若宮證人 これは一日からやれという命令に対して、どこ車掌区か知りませんが、やれないというので、三十一日に業務部長からまた命令が來たわけです。それで私はどうしても一日からやれつこないから、五日からより仕方がないというので、五日からやれということを言つたわけです。
○神山委員 あなたの先ほどからのお話を聞いていると、やはりなめらかにやろうとすれば、最低三日は要ると私たちは聞いているのですけれども、三日ないし五日の準備期間が必要だということは認められますか。
○若宮證人 それは結局とまり、明け、それから公休という人がありますので、三日來ない人があるという計算なんです。
○神山委員 その点ではやはりなめらかにやるためには、どうしても三日かかるわけですね。
○若宮證人 三日かかれば……。
○神山委員 みなが趣旨を徹底して、了解した上でやる。今度はそれが進んで、もんでいますときに、六日の日になつて、当局側が五日に遡つて新交番制をやれという業務命令を出した、これは事実ですか。
○若宮證人 今その命令を持つて來ておりませんが、五日からやれというふうなことが出たと思います。
○神山委員 出ましたね。ただこれは実際に運用して行く場合には管理部長の意見でも、あなた、すなわち区長さんが一定のさしずをする場合には、ある程度のかげんはできるということもあつたでしよう。
○若宮證人 それはそういう意味じやないのです。五日からやるべきところなかなかやれないと言う。だから、一日も早くやれというような氣持だろうと思います。管理部としては……。
○神山委員 ただ常識的に六日の日になつて、どうしても五日に遡つて新交番制をやれということは……。
○若宮證人 それは結局できないわけです。
○神山委員 むりですね。
○若宮證人 はい。
○神山委員 そういうふうなむりが全体に非常にあるのですが、九日の晩に、先ほどあなたのお話では、これはやはりむりがあるけれども、どうしてもやれと言うから、やれというふうにおつしやつたわけですか。区長さんが、先ほどから問題になつている、円満に自分の職務をやろうとされるならば、その晩のうちにも明日の朝から飯も準備してやるというふうにおつしやつているのですけれども、どうですか。
○若宮證人 それはできないのです。普通の交番がかわるときには、乘務交路表というものはいろいろむづかしく全体的にかわるのですが、今度のやつは就職したのですからね。やればできるわけです。連続というのは普通にできるだけの問題です。
○神山委員 その点は大体それで了解しておきましよう。ただこの場合にあなたのおつしやるように、これをあなたが決心なすつたのは十一時でしよう。
○若宮證人 そうです。
○神山委員 從つて十一時になつてからあなた自身が決心して、そうして管理部と連絡をとつておきめになつたのですか。
○若宮證人 結局八時ごろに呼ばれまして助役に連絡をとりました。それはどういうわけかと言うと、その日の助役との打合せはまあ十二日に完全実施に入るように番組を組んでおつたものですから、助役と一應連絡をとらなければならないからとつたのです。そうしたらやればやれるというようなことになりましたから、だから十一日に回答した。
○神山委員 そこでさらにお尋ねしておきたいのは、こういう切迫した空氣の中で從業員にすれば、その日十一時まで何ら自分たちに傳達がなかつた。ことにその晩は組合の諸君は職場大会をやつておつたわけだ。そこに何らの意思表示がなくして、あした行つて見るととたんにこういう一方的な通知があつたということになれば、あんまり嬉しい氣持がしないということはあなたも察せられませんか。
○若宮證人 それは九日の日に組合の幹部がほとんど解雇になつておるわけですがね。われわれとしては結局組合に通知する方法というものがどうも見当らない。当局側としての考え方としては、やめた人は結局職員じやないのだから、組合員じやないという解釈です。本人の解釈はどうだか知りませんが、われわれとしては通知する相手はないから、むしろ個々に話をした方が徹底するのではないかということであつたのです。
○神山委員 そこはあなた方にして見ればそういう言い分もあろう、しかし從業員諸君にすれば自分たちは近い時間までいたのに言わないでいて、いきなり十一時からそういうようなことをやつたという点によけい問題をこじらせた原因があつたのではないでしようか。
○若宮證人 その点は私としてはこじらしていたというのではなしに、あの当時の空氣としてはすべて何らかの騷ぎを起すような行き方をしておりましたから、それでこじらせたということはないと思います。
○神山委員 あなたの方は何でもかんでも向うからけんかを賣つて來た。こういうふうに言われるのですが、それはここで直接関係することではありませんけれども、たしか九日の日の大会では、行政処分の発表が前にあつたので、よけいむくれてしまつて、実力行使を決議しておりますね。そこであなたは先ほど票数をお話しになりましたが、これは私の考え違いであればいいのですが、何票くらいお考えになつておりますか。
○若宮證人 何ですか、例の実力行使の旧交番制でやるという票ですか。
○神山委員 九日の午前中に大会を開いて、みんな集まつて行政処分を発表して実力行使をもつてもやるということを、これは考査委員会の調査の報告では……。
○鍛冶委員長 さつき言われた旧交番制でやろうということでしよう。
○若宮證人 実力行使ということは千葉の車掌区に関する限りやつておりません。旧交番制ということだけです。
○神山委員 そうすると新交番制で行こうというのは何票できまつたように御記憶ですか。
○若宮證人 その票数については私確信を持つて言えません。
○神山委員 ただ私はここであなたにたしかめたいと思つたのは、組合側では百二十四と言つておる。それに対する二十四反対、それから無効は一票、この点はいいんです。ここであなたが百三十七票で全体の三百五十票のうちの三分の一しか集まつていない。こうおつしやいましたね。そこで車掌区長さんですから御存じでしよう。三分の一の諸君しか人間がなくてと言つてもあこの諸君は乘つているのではないか。
○若宮證人 それは乘つている者もあれば集まつて來ない者もありました。
○神山委員 ですからそういうあなた方の事業の特殊性を考えないと三百五十人おつて百三十人しか來なくて、この人間だけできめたと言つても公平でないと思つたからお尋ねしたのですが、やはり当時勤務上の都合で出られなかつた者もあり、休養その他の関係で來なかつた人もあつたでしよう。從つてここへ集まつた限り多数決によつてきまつたということさえ立証されればよいわけです。
○若宮證人 そこへ集まつた人だけでは多数決です。
○神山委員 これは九日の組合大会でこまかいことで話す必要はない。七日のことをおつしやつていたのですが、七日はあなたは話としてお聞きになつたでしよう。あなたが現場においでになつたのですか。
○若宮證人 七日の職場大会ですか。
○神山委員 林君が議長をやつたとか、中島君が副議長をやつた……。
○若宮證人 それは話です。
○神山委員 話としてはつきりしておればけつこうです。内容についてはあなたと違うことは申しませんが、十二日の日の交番制のことについて意見が違つている。あなたの考えでは十二日までに完全に実施したい。あなたと首席助役さんがいらつしやつて、こういう意見を漏らしているのを聞いておる方があります。十二日までに完全に実施したい。
○若宮證人 完全実施に入りたい……。
○神山委員 ところがこれは組合の中でそういうふうに聞いているといつておる者もあります。ところが一方では組合の代表の諸君は十二日から入るということに聞いている人もいるのです。そのために、やはりこじらした者があつて問題を紛糾さしたのではないかということを私たちは心配するわけです。
○若宮證人 そういう意味じやなしに、私どもの考えたのは、ひが目で考えているかもしれませんが、結局十二日に延ばしたのだ、こういうことであれして……。一歩つけばだんだん延ばすのではないかという心持でやつたものだと思いますね。
○神山委員 それはあなたの方の御意見としてここへ記録してもらつてよいことですが、もう一つお尋ねしておきたいのは、十日の日に実力行使は一時延期する、ただちに新交番で從事するというふうな意見が決定されて、四時七分前に、これはあなたに話して全員が判こを押しておるというこの事実は御存じですか。
○若宮證人 何日ですか。
○神山委員 十日の四時七分前。
○若宮證人 それは全員押したのではありませんが、これは局長さんのあれがありまして、四時までに復帰しろ、四時までに復帰しなければ結局反対者として処罰するというようなことが出たものですから、四時までに皆で判こを押してくれということで、その当時管理部の方で大会を開いて、その日に集めて判こを押してもらうようにしたわけです。
○神山委員 それはあなた方管理される側の人としては、そういうふうにお考えになりましようが、組合の諸君としては九日の晩の職場大会の決定を支部で討議した結果、実力行使などはしてはいけないというふうな決定をして、それに基いてこれは結局管理部の意向と一致したわけでしようが、あなた方に乘車は申し出ているということはあるわけなんで、これはやはり両方とも御確認願いたいと思つて指摘したわけですが。これはやはり組合としてもそういう努力をしたということが大事だと思うのですが、これはお聞きになつたことはありませんか。
○若宮證人 組合として努力をしたということは私は聞きません。
○神山委員 これは聽濤君が聞いたことですが、關口しげさんばかりでなくて、このとき乘務した人があなたもおつしやる通り前に車掌であつたということは事実かもしれません。しかし十五年も前にやつていた人が、おつたということをあなたはお聞きになりませんか。
○若宮證人 聞きません。結局管理部からの御意見というものは、管理部から出しましたから……。
○神山委員 管理部から出した人間を使う場合には、あなたが区長として掌握してやられたわけですか。
○若宮證人 区長として掌握してやつたわけです。
○神山委員 あなたが掌握してやつていた人が、実際に今日の車掌としての資格があるかないかということについては、ただ緊急時態だからというわけで、別にお考えにならなかつたわけですか。
○若宮證人 車掌の経驗者であるから、業務にさしつかえないと思つたわけです。
○神山委員 ただ今も申しますように、十五年も前の車掌だといたしますと、今の車掌と違つてドアー・エンヂンも知らない。關口しげさんの場合にも関連しますが、そのために発車させることもできなければ、公衆の前でドアーの開閉もできない、そういうことが一つの原因になつて、そういう人にかわつて現役の人が自分で乘ろうとしたことが起りだと思うが、あなたが御存じなければしかたがありません。一應注意を喚起したわけで、こういう人もいたというわけです。
○鍛冶委員長 どうも長い時間済みませんでした。 この際三十分間休憩いたします。 午後二時十二分休憩 ————◇————— 午後三時八分開議
○鍛冶委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 加瀬証人より証言を求めます。 加瀬なんとおつしやるのですか。
○加瀬證人 勝運。
○鍛冶委員長 あなたは千葉車掌区の指導助役をやつておいでになりますか。
○加瀬證人 指導助役というのは、本職は車掌であつて、指導員に指定する、こういうような辞令を受けておるわけなんです。そうしてそのあとで兼務助役、要するに車掌兼助役というように発令されておるのです。
○鍛冶委員長 それを普通指導助役というのですか。
○加瀬證人 普通指導助役というのは別にあるのですが、たまたま指導員であり、兼務助役であるというところから、そういうことを言う人もあるわけなのです。
○鍛冶委員長 それはいつからおやりになつておりますか。
○加瀬證人 もう一年以上になると思います。
○鍛冶委員長 現在もその通りですね。
○加瀬證人 現在はこの間の降職問題から客扱專務車掌になつております。
○鍛冶委員長 それは何月のいつからですか。
○加瀬證人 それは今月に入つてからですが、行政整理の問題が始つて降職、轉職というようなことから、客扱專務になつております。
○鍛冶委員長 千葉車掌区では六月の初めからいわゆる新交番制を実施するということになつたようですが、それはどういうことですか、概略でよろしゆうございますが。
○加瀬證人 新交番制というのは結局旧交番制に対する新交番制でありまして、旧交番制というのは七時間何ぼでやつておつたと思いますが、それが八時間というように直されたために、勤務が詰つたわけです。そのためにあのような問題が起つたのだろうと思います。
○鍛冶委員長 それはいつから実施することになつておりましたか。六月の五日と聞いておりますが、そうですか。
○加瀬證人 最初六月一日ということを区長から聞いたのですが、それが何か延びて五日になつたのが、それがまた延びて十日、この延びたということが結局一番問題になるのじやないかと思います。
○鍛冶委員長 それで六月一日に実施することになつておつたのを、五日の日になつてあなた方なり車掌区長なりがやむを得ず、旧交番制をさらに続けることになつたといつたことなんですが、その実情を聞きたいのですが。
○加瀬證人 それは私はその前の、五月二十九日から五日まで——五日は日曜だつたと思いますが、その日まで休んでおつたのです。それはマラリヤを起したために出て來られなかつたわけなのです。それで月曜日になつて私は出て來たところが、廳舍のまわりにいろいろな書物が出してあつて、不審に思つて区長に尋ねたところが、実は君のいない間にこういう問題が起つてしまつた、こういうことを私は聞いたのです。それまでの間に起つた問題は人から聽いてことであつて、私が実際に体驗したものではなかつた。
○鍛冶委員長 あなた五日の何時に出られたの。
○加瀬證人 五日は日曜でしたから、その日ではなかつたかと思うのですが……。
○鍛冶委員長 日曜に出られたのですか。
○加瀬證人 日曜は休んで月曜から出たのですから六日ではないかと思うのです。
○鍛冶委員長 それでは前日にどういうことがあつたとお聞きになりましたか。
○加瀬證人 実は新旧交番制の問題で三日ごろからその問題がくすぶり出し、新交番は非常にわれわれ労働者につらいのだということから、これで鬪爭が廣げられて行くだろうと考えられだした。そしてそれが区長の方へはどういう形で來たかといいますと、勤務が非常につらいから樂にしてもらいたいというようなことで話合いに來た。そのときにうちの区長としては鬪爭委員ですか、その人たちといろいろ話したのだけれどもなかなか了解がつかなくて、最後には二階の指導室——私の入つていた室まで行つてそこで話をしたのだが、外部からのいろんな圧力が非常に強かつたために、区長としてはもう三日も家に帰えらず、こういうようなことでやられたので体の自由もきかなくなつてしまうし、精神的にも参つてしまつたために当分の間延期するというようなことまで言つてしまつた。しかしこの問題をこのままで過すならばおそらく区長は首にもなるであろう、また区長が首になつたからといつて、そのあとこの問題のおさまりがつくものでもないであろうというようなことが区長から私に言われたわけです。そこで私としてはどつち道この問題はこのままで済まないということではなくて、新旧交番制を考えてみたときに、何かこの裏には人員整理というようなことが隠されているのではないかということをほかの乘務員から私も聞きましたので、そういうことが一應考えられた。しかし新旧交番制という問題は荷扱補助ですか、小口還元に基くところの荷扱手を増員するのだ、そのためにある程度勤務を詰めて、それで人間を浮かしてそちらを補充して行かなければならないのだ、だからこれは新旧交番制とは関係はないので、やらなくてはならないのだからひとつ協力してくれないか、こういうことを区長の方から私は言われたわけです。当時の私としましては二重人格的な存在でおつたわけです。兼務助役というような肩書もつけられておるし、また組合の方から考えるならば組合員でもあるというようなことで非常にジレンマに陷つたのでありますけれども、やはり業務面から行くところの指示に從わない場合にはいろいろトラブルも起りますので、自分としては新旧交番制に対しては区長の方についておるような状態であつたわけなんです。そこでどうしても旧交番制から新交番制に移さなければならないのだ、たとえどんな障害があつてもこれをやらなければならないとするならば、やはり行わなくてはならないというのが私が当時考えておつたことであります。
○鍛冶委員長 そこでどういうことをやられましたか。
○加瀬證人 それは六日から次のことですか。
○鍛冶委員長 そうです。
○加瀬證人 そこで六日から旧交番から新交番に移すべくいろいろ事務上の手傳いもやつたわけです。というのは新旧交番表をかえるには若干の日数がなければ移りかわることができないのです。そうして再び業務命令が來るというようなことを聞きましたので、大体どのくらいの日時で來るかということを聞いたのでありますけれども、その当時はまだはつきりは私は知らなかつたわけです。だけれども移すのにはどうしても勤務時間とかあるいは交番表の位置、要するに何交路はどこへ乘る、何交路はどの辺に繰り込むというように事務上の手続きをやつたわけです。そこで日にちは忘れましたけれども十日からやるというようなことを聞いたわけなんです。で十日からやるとするならば、その準備として業務命令が少くとも二日か三日前に來ておるはずです。そこでそれに当てはめるような交番をその当時からつくつておつたわけであります。ところが十日になる前に——その前にこれはちよつと申し遅れておるのですが、六日の日に大会が開かれたわけです。
○鍛冶委員長 六日ですか、七日ですか。六日ならあなた休んでから初めて出た日ですね。
○加瀬證人 初めて出た日です、たしかそうだつたと思います。私出て來て初めて区長にその話を聞いて、二階に上つたら大会をやつておつた。そこでその大会のときに、そのときの記録は家においてあるのですが、その内容についてはその書いたものを見なければ、はつきりわからないのですが、六日の日にやはり大会に出ておつたわけです。それで私としては最初その話を聞いたときから、この新旧交番制は新交番制で乘らなくてはいけないという氣持でおりましたので、その大会のときであつたかどうか知りませんが、旧交番制で乘るという方に反対したわけです。そうしてその当時から私は反労働者的であるというような烙印を押されて、ずつと十日ごろまで來たわけなんです。それで十日に移る前に九日でしたか、やはりもう一度大会が持たれたわけです。その大会のときにも私は最初から反対を続けておつたわけであります。そうして旧交番制で行くという人たちと、私のような新交番制で行かなければこの際無用な出血が出るではないかというようなことで、部分的に千葉の車掌区がここで鬪爭に立ち上つても、とてもほかからの援助もあるし、勝てる鬪爭ではないのだ、だからこの際部分的な実力行使に入るような鬪爭はやめた方がいいではないかというようなことを九日の大会のときにも私は意思表示をしたわけです。これに対するいろいろな反対討論はありましたけれども、私としては終始新交番制で行つてもらいたいというほか言うことはなかつたわけで、それはほかの人から相当の攻撃を受けましたけれども、新交番制で行く、そうして採決に入つたときに百十三票対二十三票だつたかで新交番制で行くという方の意見は否決されて、旧交番制で行くというようなかつこうになつておつたわけです。それで私はどうしても新交番制で行かなければならないというような氣持になり、またそういうようにほかの組合員の人たちにもいろいろ話しました。そうして新交番制に移るとき、あれは十一日でしたか、あのときにももうすでに大会で決定した線が新交番制で行かないで、もとのままで行くのだという方の人が多かつたので、そのように一般の組合員はなつておつたわけです。しかしあれが何時ごろでしたか、お晝過ぎころでしたか、これ以上乘らないというようなことになると、ますます出血が多くなる、何時までに復帰しなければいけないというようなことまで最後には出て來ましたので、車掌区の事務室の方で何とか新交番制で乘つてくれるようにというところの座談会を私持つたわけです。
○鍛冶委員長 それは九日ですか、十日ですか。
○加瀬證人 それはその日です。
○鍛冶委員長 さつきの旧交番制で行くという票数の多かつたのは九日ですか。
○加瀬證人 十一日ですかね、十日から切りかえになつた、その日です。その日に私座談会を事務室の方で持つて新交番制で乘つてくれということで、二三十人集めて話しておつたわけです。そのときにも反対の人からいろいろ言われたのですが、何とかして、このまま進ませるならみな首になつてしまう形になる。一人でも多く乘つてほしい、そうしてその後に隠されておる人員整理があるとすれば、そのときには組合の方と連繋をとつてやつてもらいたい、車掌区だけでもつてこういうような鬪爭を進めて行くことは、犠牲者が多くなるのでやめてほしいと言つておつたわけです。それで乘つてくれた人も若干あつたのですが、列車の方は全部新交番制で乘つてくれたのだけれども、電車の方はほとんど旧交番制で行くというように、二つにわかれたような状態になつておつたわけです。それで十六時ですか、復帰命令が当局の方から出まして、そのときにまた組合の方の鬪爭委員会の方で、車掌区の控室の方でそこに集つていた人たちを集めて、この急場をどうするかというような座談会のようなものを持つたわけです。そのときに私やはりそこへ行きまして、何とかこの事態を收拾するために、われわれとしては單一体の組織を持つ労働組合であるから、支部あるいは本部からの指令を受けて、それから全部で立ち上る鬪爭でなければならないではないか、そのために支部として実力行使をすることの指令を出すかどうか、一應そちらに働きかけるのが先決なのでないかということで、そこにいた人たちもそれを聞いてくれたと思うのですが、大体そういうような方向で、支部でその日に委員会を開いておりまして、そちらに車掌区の組合員が頼みに行つておつたわけです。何とか指令を出してもらいたいというような方向に持つて來たと思つております。そこで支部の委員会の方でも議論が伯仲しておりまして、票数は忘れましたけれども、大体半数に近いところまで指令を出すような方向に動いておつたわけです。けれども最後の採決の結果は、一應中止しろというような決議になつたように記憶しています。そこで車掌区の人たちが全部帰つて來て、委員会で、大会にまでは行かなかつたと思うのですが、再びみな集つて泣いておつたわけです。
○鍛冶委員長 それは十日ですが、十一日ですか。
○加瀬證人 十日です。
○鍛冶委員長 そこで承りたいのは、五日の日に車掌区長がやむなくそういうことを承諾したという日に、たいへん騷ぎがあつたようですが、それは組合員が騷いだのですか。外廓團体が騷いだのですか。
○加瀬證人 その件については私は知らないのですよ。その日はいなかつたのですから。ただ聞いた話では外廓團体がまわりに來て騷いでおつた。またうちの中の人も自分たちの問題であるから相当眞劍に考えておつたわけです。
○鍛冶委員長 それからあなたの方の車掌区分会所属の労働組合というのはあるのですか。今支部とおつしやつたが、支部の下では。
○加瀬證人 分会があり、班があります。
○鍛冶委員長 車掌区分会ですか。班は。
○加瀬證人 その下に千葉車掌区班というのがあります。分会の方は支区、派出、本区これを集めたのが分会で、班は千葉の車掌区安房鴨川支区班、こういうふうにわかれております。
○鍛冶委員長 千葉の車掌区班では、労組ではいろいろ色わけというのはありますか。
○加瀬證人 むりに色をわければわかれますけれども、共産党の人たちもおるのだから、それに反対する者はこれは右派だと言えば右派的な存在になるかもしれないけれども、別に色わけを考えたこともないわけですね。
○鍛冶委員長 鬪爭委員長だとか、その他いわゆる組合の幹部となつておる者は主としてどういう者ですが。
○加瀬證人 それは共産党員の人がほとんど全部です。
○鍛冶委員長 指導者になつておるのは……。
○加瀬證人 ええ。
○鍛冶委員長 それから十日の朝、千葉発一一〇三号ですか。
○加瀬證人 〇三。
○鍛冶委員長 〇三電車の発車するとき、新交番制で乘ろうとする車掌を乘せまいというので、たいへんな騷ぎが起つたようですが、その点は御承知ですか。
○加瀬證人 私それも知りません。というのは、私は常に車掌区の中におりましたので、外の状態はわかりません。ただ檢束されて行くときにその状態を見ただけで、その乘務拒否の問題については全然知つておりません。
○鍛冶委員長 どういう者が來て騷いだか、そういう者は御承知ないのですね。
○加瀬證人 知つてるところもあります。朝鮮連盟ですか、あの人たちのような人たちが先ほど申しましたように、十日の日ですか、私が事務室で座談会をやつておるときに、その窓の脇でもつてインターナシヨナルを歌つておりました。それだけは知つております。
○鍛冶委員長 そのほかいわゆる友好團体としてそこに來ておつた團体の名前は御承知ありませんか。
○加瀬證人 さあこれはわかりませんでした。
○鍛冶委員長 それからそれらの友好團体が組合員に対して働きかけたという事実は御承知ありませんか。
○加瀬證人 働きかけたというとどういうふうにですか。
○鍛冶委員長 やれやれとか、そんなものは聞くなとかそういうようなことはありませんか。それは別に一つの例じやありませんが。
○加瀬證人 それは私記録をとつたものが家にあるのですよ。きのうも家に帰れなかつたので、きのうでしようこちらから通知が來たのが、だからはつきりわからないのですが、今あの当時のことを思い起そうとしても、そのあとに起つた人員整理の問題の方が頭の中にはつきりしておるので、その当時のことははつきり覚えておりません。
○鍛冶委員長 覚えのあることでたくさんです。あなたは先ほどもおつしやつたが、あなたの言葉を借りて言えば、右派というのがそういうことで共産党員から非常な圧迫を受けられたという話もあるのですが、そういう事実もありますか。
○加瀬證人 それは私は直接に受けたことは二度しかないのです。あとは間接的に二度あるのです。それはこういうことが一ぺんあつたわけです。現在の、先ほどここにおられた区長ではなくて、そのあとから來たところの区長のときに、下山の二代目にしてやるというようなことを言つて行つた。それでその日、ちようど私は休みで、いなかつたので、翌朝出て來たところが、区長からお前と小原と佐藤は総裁の二代目にしてやると言つていたぞ、だから氣をつけなくちやだめだぞ、こういうことを私は言われておる。
○鍛冶委員長 それはどういう者が言つたのですか。
○加瀬證人 それは私は知らないのですよ。
○鍛冶委員長 言つた者はわからないのですか。
○加瀬證人 ええ。それからもう一つは、人を介して、お前はねらわれているぞということを一ぺん言われているわけです。それから私、管理部から帰りに、千葉の管理部は、おそらく知らないだろうと思うのですが、荒木山にあるので、あそこから夜下りて來るときに、加瀬を殺せ、加瀬を殺せというふうに騷いでいる人があつたわけです。それが同じ日に二回あつただけで、そのほかはないのです。
○鍛冶委員長 どういう者が言つておるかわかりませんか。
○加瀬證人 わからないのです、山の方にいるので……。
○鍛冶委員長 あなたの方へ言つて來た人はどういう人ですか。
○加瀬證人 これは車掌区の庶務係です。
○鍛冶委員長 ほかに何かお聞きになることがありますか。
○高木(松)委員 便宜上写眞を一、二、三、四、五号として、この写眞について聞きたい。この一号はあなたの部下の人だけか、外部の人か。これは電車に入れまいとして手を組んで並んでいるのですが、あなたの同志の人がおるか、あなたの知らない人なら外部の人です。
○加瀬證人 この写眞は向うを向いたりこつちを向いたりしているので、はつきりわからないのですが、いないように見受けられるのですが。
○高木(松)委員 あんたの方の車掌はいないですか。
○加瀬證人 ええ。
○高木(松)委員 写眞だけから判断してください。
○加瀬證人 車掌区の人なら知つているのだけれども、これが一人似ているような……。
○高木(松)委員 車掌区の人は一人しかいないですか。
○加瀬證人 一人しかいないと断定することはできないのですが……。
○高木(松)委員 この写眞から見て大多数は外部の人ですね。これは二号ですが、二号はどうでしよう。
○加瀬證人 この中にはいます。
○高木(松)委員 何人くらいおりますか。
○加瀬證人 はつきりしたのは二人おります。
○高木(松)委員 三号は……。
○加瀬證人 これはわかりません。
○高木(松)委員 四号は……。これは一番よくわかります。
○加瀬證人 二人います。
○高木(松)委員 五号の写眞をどう思いますか。
○加瀬證人 これにはいないようですね。
○高木(松)委員 五号はほとんど外部と承つてよろしゆうございますね。
○加瀬證人 はい。
○安部委員 六月の六日ですか、あなたがちようど休んでおられたときに大会があつたのですね。そうして百十三対二十七でもつて、旧交番制でやろうということが決議されたのですね。そのときなんですが、自由意思でもつてみんなそういうふうに決議したのですか。もしくは外部の圧迫が激しいためにそういうふうな決議になつたのですか。
○加瀬證人 お答えいたします。それはその前の大会の状態かわからないので、その日は外部の人たちもたくさん詰めかけてはおりましたけれども、この人たちは全然発言をしておりません。それでそのときの議長をやつておつたところの中島登君、この人が非常に私の印象では中庸をとつたところの議長ぶりを持つておりましたために、職場は混乱も何もなかつたわけです。ただ私として残念であつたということは、車掌区の大会が今までも全員が出られない。また代議員制度をとつておらないというようなことで、電車の方の関係の人たちが非常に多くその大会に出ておられたというようなことから、大体電車の方としてはほとんどの人が新交番制に反対だというような氣持になつておつたために、たまたま私ごとき者が出て行けば反撥を買うのはわかつておるのだけれども、しかし何とかそういうようなことから一歩出て、犠牲者をなくしたいというような氣持から、私はまた私なりの考え方で党の人たちともやりあつております。そこに出ておつた人たちがほとんど前の大会に出ておられた人のように私は見受けられる。ですから、前の大会の状況がわからなければ、そのときの状態というのはわからない。その日はそういう外部のいろいろな発言は全然なかつたので、自由意思であつたように私は考えております。ただ今までの車掌区の大会から考えますときに、車掌区でやつた大会で、外部の人たちがあれほど多く詰めかけるということは、いまだかつてなかつたことなのです。今度の場合のみがそのような外廓團体が非常にたくさん詰めかけるというような事態が起つたので、あるいはそういうような印象を受けた人があるかもしれないけれども、私は非常に強情張りで、なかなか人の言うことを聞かない人間ですから、私個人としてはそういうような圧力を加えられて、自分の意思を翻すような氣持はなかつた。ほかの人についてはやはり個別的に聞いてみなければ私にはわからないわけです。
○安部委員 けれども外部の人がたくさんおつたわけですね。
○加瀬證人 おりました。
○安部委員 六月七日には千葉の車掌区の二階で臨時職場大会がありましたか。
○鍛冶委員長 どうも六日がほんとうではないですか。
○安部委員 そのときは赤旗を持つて大勢の人が会場に臨んだということが、前の証人が証言をしておりますが、そういうことはあつたのですか。
○加瀬證人 それは赤旗を持つて——狭いのですから、そんなたいへんというほど入れるというところではないのです。
○安部委員 どのくらい……。
○加瀬證人 はつきりわからないけれども、二本かそこらじやなかつたかと思いますね。
○安部委員 その職場では——言葉をかえて言えば、共産党員の赤旗によつて一時占領されたというようなこともないのですか。そうでもないのですか。
○加瀬證人 そういうことも言わせれば、言えるかもしれませんけれども、しかしまた反対的に考えれば、別に友誼團体が來てくれたんだという解釈も成り立つけれども、私個人の印象から言うならば、共産党員の人たちが相当おられたような印象を持つております。党の若林さんですか、あの人も來ておられたように思います。
○鍛冶委員長 若林とは、若林何というのです。
○加瀬證人 名前はよく私知りませんけれども……。
○鍛冶委員長 どういうことをしておる人ですか。千葉県共産党委員会の宣傳教育部長ですか。
○加瀬證人 やはりここへ出頭される方です。
○鍛冶委員長 若林秀二郎というのでしよう。
○安部委員 それからその後かもしれませんが、大会の決議の中に区長が新交番制をとることに協力するならば、百万円あるいは二百万円の金を上げるというような決議があつたというようなことがありましたか。そんなことを聞かれましたか。
○加瀬證人 それはそういうことじやないのですよ。金をやるからそうしろということではなくてもし区長がそれを返上して首を切られるというような事態になつた場合には、千葉車掌区の労働組合員としてそのくらいの見舞金とでも言いますか、生活を援護するための金を準備しなくてはならない。要するに犠牲者救済資金を集めるのだ、こういうことが決議されております。
○安部委員 それはだれが発言して提議したのですか。職員ですか、外部の人ですか。
○加瀬證人 職員ですよ。もちろん大会ですから……。
○安部委員 それからあなたの場合ですが、間接には二度、直接的には二回、共産党員からいろいろな圧迫を加えられた。……
○加瀬證人 共産党員と言われると、私は非常に困るのです。山の上の暗いところで言われたことを共産党員というわけには行かぬ。ただそういうような脅迫を受けたことは四回ある。
○安部委員 あなたの言われた中に、下山の二代目にしてやるということをだれが言つておつた。そういう場合にあなたは非常に恐怖感に襲われたのですか。またどういうような印象をお持ちですか。
○加瀬證人 それはもちろんいい氣持はしませんよ。下山さんの二代目にされることは、線路の上でひかれるということですから、いい氣持はしなかつた。
○安部委員 三人は佐藤と、小原とだれですか。
○加瀬證人 私と、小原と、佐藤の三人です。
○安部委員 三人を総裁の二代目にしてやるということを、だれがそういうふうに言つたかあなたの方にはつきりわからなかつたのですか。
○加瀬證人 私は別に聞きもしなかつたから、殺されたときはそのときまでだと思つていたから、別にだれが言つたか、氣にもしておらなかつた……。
○安部委員 その瞬間にそういうことを言つて來る者がどういうものであるかということをすぐ考え及ぶわけでしよう。その場合にだれがそんなことを言つたかということは、ちよつとあなたの頭に浮かばなかつたでしようか。
○加瀬證人 私は今度の新交番制の問題から、行政整理の問題で私の組合員の中の多くの人たちが不満を持つているんですよ、私に対して。それはもう否定することのできない事実なんです。というのは、私もお役目とは言いながら、新交番制は労働者に相当勤務をつらくしてかかつているんだ。またそのあとに首切りが控えておるのだというようなことが言われますので、そういう行政整理が発表になつて見れば、首を切られなかつた人は、それはまた氣持もかわるかもしれぬけれども、その当時からしてみれば、反労働者的立場に立つておるのが私ですから、多くの人たちは私に相当の反感を持つていることは事実ですね。
○安部委員 多くの人々というのは、それは外部の團体ですか、あるいは組合員ですか。
○加瀬證人 それは外部の團体の人の氣持というものは私にはちよつとわからないですが、おそらくいい氣持はしないでしよう。共産党の人たちだつておそらく労働者の先頭に立つという旗を揚げているのですから、いい氣持じやいないわけです。
○安部委員 けれどもそういう総裁の二代目にするという暴言を吐いたというのはどういう者かということはわからぬですか。
○加瀬證人 わからぬですな。私そのときいればわかるかもしれないけれども、たまたまいなかつたですから。
○安部委員 それで荒木山から下つて來た場合に、加瀬を殺せという話があつたというのですが、どういうことで聞いたのですか。
○加瀬證人 私が山からおりて來るときに、向うの方で騷いでおるのを聞いただけで……。
○安部委員 それは一人二人ですか、または十人二十人……。
○加瀬證人 いや、一人二人三人じやないかと思います。
○安部委員 あなたが來ることを認識して言つたわけですか。
○加瀬證人 ええ。
○安部委員 ちよつと距離が隔たつているようですが、はつきり聞えたですか。
○加瀬證人 聞えますよ、夜ですから。
○安部委員 写眞第一号ではあなたは外部の人が多いようだ——今高木君から写眞の第二号について、大分人数が多いようだがそのうちあなたの方の部下もしくは同僚は二人ぐらいしかおらず、あとは外部から來た人ですね。
○加瀬證人 そのように見受けられますね。写眞は後ろを向けているのもありますから……。
○安部委員 第三号の写眞も同僚は二人ぐらいで、あとは外部の人だとおつしやつたですね。
○加瀬證人 はあ。
○小玉委員 今あなたの言われた、下山の二代目にしてやるとか、あるいは加瀬を殺せというような脅迫めいたことをだれかが言つておるのだが、それはだれという個々の人はわからぬが、いかなる分子、いかなる傾向の人からそういうことがされておるというようにあなたは直観されたか—感じですね。
○加瀬證人 そういうことは、非常に聞かれることが私としてはつらいんですな。
○小玉委員 よろしい。要するにあなたの感じとしては、そういう一派の分子がそういう戰慄作戦を用いているというふうにお感じになつたでしようか。
○加瀬證人 もちろんそういうことも考えられるですね。
○小玉委員 よろしゆうございます。それから今あなたは、加瀬を殺せと騷いでおるということを庶務係からお聞きになつたと言うが、庶務係のどなたですか。
○加瀬證人 庶務係から殺せということを言われたとは言つておりませんよ。ねらつておる……。
○小玉委員 あなたをねらつておるということを庶務係からお聞きになつたというわけですが、その庶務係はどなたですか。
○加瀬證人 それは戸村光といいます。
○小玉委員 これは千葉の車掌区の庶務係ですか。
○加瀬證人 そうです。
○吉武委員 私簡單に証人にお聞きしたいのですが、あなたは千葉の車掌区には何年くらいおいでになりますか。
○加瀬證人 私車掌区へ來たのが十四年の十一月一日です。それからずつと車掌区におります。その間兵隊に二年半か行つただけです。
○吉武委員 それではあなたは終戰後國鉄の組合ができたときから組合員にお入りになつたと思いまするが、ずつと組合員にお入りになつてから最近の事態の間において今回の事件のようなことがしばしばありましたか。あるいは今回の事件がその中で特異な現象を持つておつたようにお見受けでしようか、どうですか。
○加瀬證人 その点につきましては私も労働組合ができ始めた当時から、あるいは支部の委員とか分会の委員長、こういうものも数回となくやつておりますので今回のような問題というのは二・一ストのときに私委員長をやつておりましたが、あのときには全國一体になつておりました関係上、比較的精神的には樂であつたけれども、今回の問題は、私委員長をやつておらなかつたのだけれども、相当精神的にも大きな問題であつたように考えられます。
○吉武委員 そこで先ほど区長さんからのお話を聞きましても、区長さんは新交番制は交番制自体としては大した問題ではない。ただ交番と交番の間の勤務を縮めた程度であつて話合いがつきかけてもおり、つくと思つておつたのだ。それが面会をしたいと言つて会つてみると意外にたくさんの人が押しかけて來た。そうして話を妥結するという氣持よりもむしろ威迫によつて何らかを意図しておるような感じがしておつたように言つておられるのですが、それはあなたは当日おいでにならなかつたのですけれども、その後組合のいろいろな方々の御意向を承られたと思うのでありますが、そのときの感じはどうでございましたでしようか。
○加瀬證人 そのときおそらく区長はそうならざるを得ないような環境に置かれたと思います。それは実際問題としてああいう人たちがあそこへ來て、怒号し脅迫じみた言葉を使われるならば、おそらくそういうふうな事態に追いやられるのではないか。これがふだん相当氣持の強い人間であるならば、あるいはまあこのくらいのことはちよいちよいあるのだと言つて過されるかもしれないけれども、前の若宮区長は性質が比較的おとなしい方の人であまり頭からがんとたたけるような人ではないと思う。そういうような印象を受けるような事態にはなつておつたというようなことが周囲の人から聞いて考えられます。
○吉武委員 次にもう一つお聞きしたい。あなたが組合に関係しておられて相当の幹部もやつておられた感じからして、この間の区長に対して面会を迫つた六月五日の日の事件というものは、組合自体の人々の氣持でもつて区長に折衝していたとお考えになりまするか。むしろ組合の一部の者と外廓の人との力によつて折衝が進められ、その人々の意図によつて交渉が進められたように見受けられないでしようか。それとも組合自体の——ただ外部も手傳つていたけれども組合自体の自主的な折衝であつたと、どちらにお考えでございましようか。と申しますのは先ほど区長の話を聞いてみますると、日ごろ從業員といえども自分たちとは親子関係というか、やはり親しみの間にあるのであつて、話せば解決つきそうな問題だ。そうして区長自体の権限の中でもある程度のゆとりはあるのでそう大した問題ではなかつたのだが、それが意外にも思いがけない事態に入つてしまつたというところを見ますると、日ごろからの從業員との間の組合関係であれば一部の人にいろいろな考え方を持つにいたしましても、組合自体の自主的な交渉、働きであるならば私は円満な話がついたであろうと思うのでありますが、それが意外にああいう脅迫的な雰囲氣まで追いやり、そうして電車をとめようというようなところまで行つたのには、何らか組合自体よりも他の勢力というものが非常に影響し働きかけておつたように見受けられるのですが、率直にあなたのお感じをお述べいただきたいと思います。
○加瀬證人 それにつきましてはそういうようなことは組合の役員も言つておりました。と言いますのは、われわれが想像しないようなところまで來てしまつた、これは行き過ぎてしまつたというような印象があつたことを私は聞いております。
○吉武委員 それについてもう一つ最後にお聞きしたいと思いますが、その組合の人々の中に外廓團体を誘導して入つた中島何がしという人がいたということですが、これは共産党に関係のある人ですか。
○加瀬證人 これははつきりしたことは私申し上げかねるのでありますが、元党員であつた。それが家庭の事情か何かで脱党したというようなことを聞いております。それ以後のことはわかりません。
○吉武委員 失礼ですが、あなたのところの組合の勢力関係になりますが、共産系の方々とそうでない合法的なやり方で進もうと言つておられる民同的な組合の方々との割合はどのくらいになつておりますか。
○加瀬證人 別に数えてみたわけでも何でもないし、ただ問題ができたときにあるいはそういう方向に片寄つて行く場合もあるし、またそれを反撥するような動きになつておるというような、常に流れが左右に動いております関係上、どのくらいの勢力分野、もちろん車掌区というところは比較的頭のいい人たちが來ておられ、よくいろいろな本を読んでおりますので、相当新しい知識を持つた人が多いということは言えるけれども、左右と言われて、どのくらいの勢力分野だということを聞かれても私としては答えかねます。
○吉武委員 それで今回の事件には、今の中島君が大体指導的な役割を演じておつたように見受けられるのですが、その他そういう共産党系の人々が主として外廓團体と連絡をとつて、これの指導にあたつておるというふうに見ることはさしつかえありませんか。
○加瀬證人 ございません。
○浦口委員 加瀬さんに二つ簡單にお尋ねいたします。先ほどあなたは新交番制支持のために反労働者という燒印を押された。こう申されておりますが、これは新交番制に対して反対される組合の方々の意見はもつともだが、命令だからしかたがない、こういうふうなお考えであつたのか、それとも新交番制がほんとうにいいものであつたから自分が支持したか、その点についてどちらがあなたのお考えなのですか。
○加瀬證人 私としましては、命令であるからやむを得ないという考え方です。
○浦口委員 ではその次に、実はこの間、熱海の実力行使事件についての証人としてここへおいでになつた中鬪の副委員長の鈴木さんは、國電ストについて話が出ましたときに、こう申されておるのです。新交番制を実施するについての準備とか施設が非常に不備である。だからその不備を指摘して、完備してほしいという要求のためストであつた。交番制そのものに対する反対ではなかつた、こう言つておられますが、その点について、あなたはどういうようにお考えですか。
○加瀬證人 当時は準備とか——もちろん準備もありますけれども、問題は新交番制によるところのその裏に隠されている人員整理が問題なんだろいうことが、非常に強く力説されたわけです。最初は新交番、旧交番で行つたのでありますけれども、途中からだんだんとそちらの方向に移行されて行つたように私は考えております。
○聽濤委員 私ほんとうはこういうことをお聞きしたくないのだけれども、民自党の諸君から共産系、民同系ということが非常にうるさく言われるので、私もやむを得ず聞くわけですが、御参考に最初にお伺いしたいのは、あなたはいわゆる民同派に属する方でございますか。
○加瀬證人 私自身は民同とも何とも思つておらぬのでございます。
○聽濤委員 いや、けつこうです。それからちようど七日の日に職場大会が開かれたですね。
○加瀬證人 はい。
○聽濤委員 その職場大会で、新交番制に対してあくまで鬪つて行くということが非常に強く叫ばれて、そうしてあなたも、それほど組合員が決意を持つておるならば、自分もともに鬪うということを言われて、そうして分会の鬪爭委員に推薦されてこれをあなたもお受けしているということは事実でございますか。
○加瀬證人 そうです。そこで今言われた中に、そういうような氣持でやつたという、この氣持ですね。私としてはあくまで合法的にやつてほしいということは考えておつた。
○聽濤委員 しかしながらここでの鬪爭委員というのは、職場大会での空氣から申しましても、やり方はとにかくとしまして、新交番制を実施されては、首切りにもなり、いろいろなことにもなるというようなところから、どうしてもこれを阻止したいという意味で、鬪爭委員会がつくられているのじやないかと思うのですが、その点はどうです。
○加瀬證人 そうです。私としても新交番、旧交番のものは話合いができるならば、その間に予備を入れるなり、何なりして、もう少し勤務を軽くして、一歩でも先に進ませるという氣持で、区長といろいろ話をしたけれども、これはどうしても曲げることはできないんだというところで、私はどうにもやりようがなくなつたので、鬪爭委員を辞任せざるを得なくなる立場にありますので、そういうような態度をとつているわけです。
○聽濤委員 鬪爭委員はいつ辞任されたのですか。
○加瀬證人 あれははつきり記憶ないのですが、これは分会の方へ出してあるから、分会の方でとつてあるのではないかと思うのですが……。
○聽濤委員 およそのところはわかりませんかね。大体何日くらい鬪爭委員として活動しておられたか。
○加瀬證人 私は鬪爭委員として鬪爭委員会の人たちと行動をともにしておらないのですよ。
○聽濤委員 ところですべていろいろな御意見とか、こうやる、ああやるというような、そういつたような個人的な動きは、組合としてはおそらく許されないと思うのです。そういうことがあればやはり組合の機関の中で諮つて、協調され決定されて行かなければ、めいめいがそれぞれ違つた形をとつたのでは組合というものは成り立たないのですから——それは私は言わなくてもA、B、Cの問題で、そういうような組合の規律の問題をあなたはお考えになつておらなかつたのですか。
○加瀬證人 考えておりました。私は第二次鬪爭委員でありますので、私のでき得る範囲内の交番の方の是正には努力しておつたつもりでおります。
○聽濤委員 それでまだこういう点で具体的にお聞きしたいのですが、これはあなたは先ほども自分でおつしやつたことで、事実その通りだろうと思うのですが、十日の日に座談会を持つて新交番制に移行するように組合員に勧めた。しかしこれは鬪爭委員にもはかることなしに、あなたの御一存でやられたわけですね。それからまたこういうことがあるのですが、細野、三輪両檢事に対しまして、これはあるいは三輪だけかもしれませんが、あなたが個人的に折衝なさつて齋藤君と言いましたか、それと崎山君とこの二人を釈放さしておる。しかもそれに今後は二人は組合活動はしない。当分は車掌区にも出て來ないということを條件として釈放させられておる。あなたはこれは組合の機関に諮つたわけではなしに、あなたが御一存でやられたと思います。
○加瀬證人 いやその当時はもうすでに私は鬪爭委員もやめておつたし、またそれを釈放してもらつたらということで、私が交渉したわけでも何でもなくて、ただあの二人の人たちはまだ首にはなつておらないのだ。また業務機関の方に席があるのだ。だから一日も早く出してもらわないと、また再び首になつたのではかわいそうだ、だから何とかお願いして見たら釈放してくれえやしないかというような氣持が私にあつたわけなんです。それも一人でも犠牲者を出したくないというのがこれは大会でも犠牲者を出さないという線で決定しておりますので、犠牲者を犠牲者たらしめてはならないというような氣持から何とか手を打つて見ようといつてデモや何かではとても話もできないような状態であるから、だからデモをかけない間に個人的に会つて見ようというので、支部の書記長と二人で檢察庁に行つたわけです。そして細野さんですか、次席檢事をやつておられる人にどのような状態になつておるかということをお伺いしたわけです。ところがあれは二度目でしたか、檢束されたその齋藤君の方の取調べが終つているなら一日も早く釈放して欲しいんだ、それでないとあまり長くとめて置かれると行政面の方で首になつてしまつたんでは、ほんとうに氣の毒な状態になつてしまうから、でき得るならば一日も早く出してやつて欲しいのだということでお願いしたわけなんです。
○聽濤委員 ところで組合活動はしない。そのかわりに起訴はしない。免職もさせない。こういうふうなことで出して來たと言うんですが……。
○加瀬證人 そういうことはそれこそ共産党員の人がつけたのではないかと思う。私はそのときにこういうことを言つておるのです。組合活動をやるとかやらぬとかいうことは、そこへ行つてこれから出たならば、要するに市警なら市警を出たときに再びあばれるから出してくれということはだれも言えないと思う。人間として体が惡いんだ、崎山君は体が惡いから……。
○聽濤委員 言わなかつたというならばそれでけつこうです。
○加瀬證人 何をですか。
○聽濤委員 今私の言つたようなことは言わなかつたというのですから……。
○加瀬證人 そうでない。これから聞いてもらいたい。ですから内容は、私は鈴木警部補さんですか。あの人と一緒に会わしてもらつたわけです。そうして一應そこでは組合運動も——これから家へ帰つて、体が惡いんだから靜養してもらうんだ、その方の手続は要するに休暇にするとか、欠勤にするとかいうような事務上の手続は、私帰つて手続してもらつてやるから、だから注射も打たなくちやならないような体になつておる関係上、家に帰つて靜養したらどうか、大体どのくらい休んだらよいのかということを聞いてそして区長のところへ行つてそれを頼んだわけです。組合運動をやつてはいけないということは私は言つていないつもりですよ。
○聽濤委員 ところで、大体何十人が檢束されまして、その中で二十名ぐらい釈放もされておりますが、とにかく檢束された中で、この二人があなたのそういう口添えで釈放されたというのは、あなたは細野、三輪檢事なんかと何かお知合いでしたか。
○加瀬證人 何も知合いではありません。
○聽濤委員 そういう何十人も檢束された中で、あなたの口添えか何かでこの二人が特に釈放されたというのは、一般の状態から言うと非常に奇異に感じられます。
○加瀬證人 それは私はよくわからないのですが、まあ取調べが終れば釈放になるのではないですか。
○聽濤委員 あなたの個人的の折衝で釈放になつたという点が私の聞いておるところです。
○加瀬證人 私はまた別にそうも思つていないのですよ。ただデモや何かではとても出られそうもない。だからゆつくり話をしに行つたら了解できる点もあるのじやないか、こう思つてあそこの檢察廳の職員組合の委員長の人に話して、会わしてもらいたい。実はこれをこのまま置いておくならば、この人たちも長くとめられれば首になつてしまうのであるから、調べが終つたら一日も早く出してもらいたいのだということで話したわけです。それで会わしてもらつたわけです。
○聽濤委員 それからもう一つお聞きしたいのは、九日の夜最後のぎりぎりになりまして、先ほど若宮区長も夜の十一時ごろになつて、あしたの朝から実施するということを管理部長に返答した。だから発令されたと言いますか、そういうことが管理部長からきまつたとすれば、その後の時間だと思いますが……。ところが実際はあなたはそのことを非常に早くお知りになつていて、支部もあるいは車掌区の分会の人たちも知らないのに、あなたが支部の方へ電話をかけて、十日から新交番制を実施することになつたと報告なさつたという事実があるそうですが、あなたはどうしてそういう機微の問題を特に御存じであつたのですか。
○加瀬證人 それは私にはわかりません。要するに私は十日からやるというときには、家へ帰つておりました。十日の日には——支部へ電話をかけたということになると晝間でしようね。何時になつておりますか。
○聽濤委員 九日の十一時過ぎじやないかと思います。
○加瀬證人 夜の十一時過ぎは私は家におりました。それでその晩に私の家の方へ電話がかかつて來た。そうしてあしたから新交番制に移るということであつた。じや今晩出て行かなければ間に合わぬか、こう言つたら、あした出て來てくれればよろしい、こう言われたので、その日は家におつたわけです。
○聽濤委員 お宅の方へ電話がかかつたというのはどこからですか。
○加瀬證人 どこからか知れぬけれども、おそらく車掌区からかかつたのではないかと思います。
○聽濤委員 私が聞いているのは支部の吉原鬪爭委員という人が、ちようどあなたから電話がかかつて來たときに、吉原君一人いて電話口に出たところが、いよいよあした朝から実施することになつたということを聞いて非常に驚いて、そして分会の中島鬪爭委員か何かに、あなたから聞いたあとすぐ電話をかけたという話ですが……。
○加瀬證人 その話ですか。それはうちからかけたのです。私のところへ区長から通知があつた、それで支部の方では知つているかどうかというので、新交番制が十日から実施になるという通知はしてあるわけです。
○聽濤委員 事実がわかればいいのです。そのほかいろいろお聞きしたいこともあるのですが、大体今私がお尋ねしましたいろいろな事実を総合しましても、またあなた自身が自分でおつしやつているところを合せて考えてみましても、これは事のよしあしについて、あなたの主観において違う点があるかと思いますが、しかし、事実、行動になつて現われたところは、組合規律、並びに組合全体の利益という立場、あるいはそういう團結の立場から行きますれば、これは組合員であればだれが言われてもあなたが分派行動をとられたという烙印を押されることはやむを得ないのじやないですか。
○加瀬證人 やむを得ないのじやないかと思います。ということはこの前に少し話したいことは、私と組合の方の共産党の人たちとは常日ごろは普通に話しているけれども、そういうようなことになるとあまり話してくれない。また私の方としても今度の問題についてはお前とは、要するに加瀬君とは話をしないということを私は委員長から通告を受けているわけです。ですから私は私なりに組合員の一人でも多くを助けたい、要するに犠牲者をなくしたい。鬪爭委員会の方ではそういう態度をとつているのだから、おれはおれなりに一人でもよけい救つて行きたいという氣持で、そういう行動をとつておりました。
○聽濤委員 特に鬪爭委員にも選ばれて、その目的たるや新交番制を何とかして阻止しよう、こういう目的のために鬪爭委員というものになられて、とにかくそういう行動をとられたということは、これははつきり申しましてやはり労働組合の鬪爭に対する重大な裏切りになるとはあなたはお思いになりませんか。
○加瀬證人 思いません。というのは少しでも私のできる範囲内のことでやるならば、それはやはり組合員としてあたりまえのことではないかという考え方を持つているので、そうは思いません。
○聽濤委員 あなたは裏切りではないという確信のもとにそういう行動をとつて來られた、しかし事実はどんどんいろいろな方面において行われたということですね。
○加瀬證人 そう思われてもやむを得ません。
○神山委員 今度の証人にお尋ねしますが、今度の区長はいつから見えておりますか。
○加瀬證人 今月に入つてからじやなかつたかと思うのですが……。
○神山委員 今月のいつごろでしよう。
○加瀬證人 はつきり記憶にありません。一日か二日ごろじやなかつたかと思います。
○神山委員 それからあなたは下山の二代目にされると言われたですね。そのときにあなたは休んでおられましたか。
○加瀬證人 そうです。
○神山委員 七月二日前ですか。
○加瀬證人 いや、新区長になつてからです。
○神山委員 七月にも休んだのですか。
○加瀬證人 日曜の日か何か休んだことがある。その日は私はいなかつたが、その日に來た人があつて、そういうことがあつたということを通告を受けております。
○神山委員 下山事件はどういうものかということは別ですけれども、あなたのおつしやつたことを推して行きますと、早い日で日曜日です。三日には下山氏の事件はだれも知らないし、本人も生きていた。
○加瀬證人 それは違う。区長が赴任して來た日はいつかと聞かれたでしよう。だから今月の早い日と思うと言つた。
○神山委員 それを記憶していないと言う。だからいずれにせよ、そういうふうな問題をあまりむきになつてここで言うべきじやないということをここではつきりしておけばよい。 その次にもう一つ、加瀬さんという人は千葉に大分多いようですね。
○加瀬證人 車掌区にですか。
○神山委員 車掌区にはもちろん二人いましたね。
○加瀬證人 います。
○神山委員 ほかにも加瀬という人が多いのじやないですか。
○加瀬證人 だれだかわかりません。
○神山委員 知らなければ出してもよいが、日教組の委員長は加瀬君じやないですか。
○加瀬證人 そうかもしれない。
○神山委員 この人も世間ではあなたと同じように民同系で資本家の手先じやないかと言われる。こういうことから加瀬君を殺せということはあなた自身を殺すことだとあなたは言えますか。
○加瀬證人 私はたまたま管理部から降りて來たときにそういうことを言われた。
○神山委員 あなたの話のままならよいが、加瀬という人は千葉にたくさんある。車掌区にも二人おる。日教組の委員長も加瀬君、あなたも加瀬君だ。加瀬君を殺すということは、あなた自身を殺すということにはならない。(「つまらぬことを言うな」)つまらないことをひつぱり出しておるから問題なんだ。(発言する者あり)発言中默つておれ。
○鍛冶委員長 ひとりぎめの尋問はやめましよう。
○神山委員 なぜひとりぎめだ。事実と結びつけたことを本人が言つておるのに、ほかの人が誘導しておるのだ。先ほどあなたは陳述の中で組合の幹部には共産党員が多いとおつしやつたでしよう。共産党員と言つて惡ければ、共産党系の人が多いとおつしやつたでしよう。もう一つの陳述の中に、組合の役員が行き過ぎた、こうおつしやつたですね。行き過ぎたと言つておる人は、あなたのお話によれば共産党系の人が多いところの組合幹部が行き過ぎたということですね。
○加瀬證人 そうです。
○神山委員 それで問題なのは吉武君がこういう事実をとらえて、外部からの圧力があつたからこういうことになつたのじやないかという一方的の尋問をしておるが、私の言うのは、非共産党の系統と言われておる幹部諸君が行き過ぎたという事実、同時にそれは從業員そのものの中から出ておるのじやないか、これは両方でしよう。あなたは一方的に外からの圧力と言いますが……。
○加瀬證人 もう一度そのところを言つて下さい。みな默つていてもらわぬと私はわからなくなつてしまう。
○神山委員 先ほど一方的に外部の圧力があつたというふうに吉武委員という人があなたを誘導尋問している。そこで私はまつすぐに帰つてもらわなければならないが、そういう外からの圧力と言われる條件はあつたかもしれない。しかしこれを行き過ぎだと言われるほど、組合そのものの中から新交番の切りかえに対する反対の空氣があつたのではないか。それをひとつ聞きたい。
○加瀬證人 新交番制、旧交番制の問題で、要するに組合員がそのように思つたのではないか。行き過ぎるほど重大なものであるというふうに思つたのではないかということなんです。それはもちろん労働者である限り、少しでも労働條件のいい方がいいわけです。そのためにそういうような氣持はもちろんあるわけです。ただそこでいろいろな論議の間において、それをかちとるまでは鬪爭が続けられなければならぬわけです。そのために、あるいは非合法な鬪爭にまで入るかもしれない。また合法的な範囲内でやれるかもしれない。そういうような点を考えて、あるいはその圧力を圧力として受けた人もあるであろうし、そうでない人ももちろんあるわけです。ただ自分一人でもつて自由に言う場合と、外廓團体の人たちが大勢見ておつて言う場合と、おのずから自分の本心というものを話せない場合がある。だからそういうような氣持もあるのではないかと私は先ほどお答えしたわけであります。
○神山委員 それで新旧交番制の問題ですが。あなたは助役でありますけれども、やはり乘務員と密着しておられる。從つて新交番制が実施されて、相当つらいということを先ほど言われておりますが、その通りと見ているのでしよう。つらいですね。
○加瀬證人 つらいです。それは今までと比べれば詰まつているから、つらいです。家へも帰れませんから……。
○神山委員 その点先ほど若宮区長は、たいして苦しくはない、たつた十分の差だと言われるが、労働者の身になつてみれば相当つらいということをあなたは御確認願いたい。 その次にこれは首切りの前提じやないかという心配をしたでしよう。
○加瀬證人 心配は、最初はそういうふうに考えておらなかつた。だんだんそういうふうに党の方の人たちも、その裏にはやはりこういうものがひそんでいるのだ、だからこの問題を鬪いとらなければ、われわれの生活條件というものはよくならないのだということを、一應言われるわけです。
○神山委員 それで今度一應人員整理が行われた。第二次も行われた。その結果、車掌区でどのくらい整理されましたか。
○加瀬證人 最初に十四名、前に懲戒免雇になつた人が九名、今度の者が三十名。
○神山委員 まあ心配したほどではないかしらぬが、心配せざるを得ないようなことに関連したというふうに、結果から見て言えませんか。
○加瀬證人 ということは、もう一度言つてください。
○神山委員 大体新旧交番制の問題は一月に決定した。それを今日までひつぱつて來た。そうして小口扱業務の問題と関連さしてやつて來たと思う。形はそうなんだが、その裏に行政整理があるのではないかという心配をしていたわけだ。これを労働者の立場からすれば問題ではないか。しかも結果から見れば、あなたのお話によれば、五十何人かの人が首切りになつた事実がある。首切りの前ぶれと言つてもそうおかしい話ではないのではないか。
○加瀬證人 もちろん今になつて考えてみれば……。
○神山委員 その点があなたもお認めになつたことがあるから、みな心配したわけです。それから子供みたいな話がどうしても出て來て残念ですが、区長が恐怖したという話、しかし区長は確かに恐怖したかしれないけれども、しかし一方では区長が從業員と一緒に泣いたという話もあるのです。さつき区長にそこまで聞くのは氣の毒なので聞かなかつたけれども、しかしどうせうわさくらいは傳わるから、そのときに区長は泣いて、從業員のためにがんばろうというふうに言つたということをお聞きになりませんか。
○加瀬證人 それは聞かない。それは組合の方から聞きましたけれども、区長からは聞いておりません。
○神山委員 それならばいいです。組合の方でそういう話をしたということもあるでしよう。
○加瀬證人 それは聞きました。
○神山委員 それがあるから、組合の諸君と一時区長は手を握つて、一緒にやろう、こういうものがあつたからこそ、もし区長が首切られたら百万円何とかしようという話を持つて來たのじやないか。
○加瀬證人 もちろんそうじやないかと思います。
○神山委員 今度は赤旗の話ですが、六日の交渉のとき、あなたは赤旗が二本あつた……。
○加瀬證人 交渉のときは私は知らない。職場大会のとき……。
○神山委員 それでいいです。赤旗が二本あつた……。
○加瀬證人 ように記憶しております。
○神山委員 その赤旗が、共産党の赤旗か、あるいはあなた方の組合の旗も赤いでしよう。あるいはほかの組織の赤旗か、それを共産党の赤旗だと確かに断言できますか。
○加瀬證人 私はそういうことは言つていない。
○神山委員 それでけつこうです。それから若林君が何か発言しましたか。
○加瀬證人 それはしておりません。
○神山委員 それでけつこうです。それから今度はこれはお互いに物の言い方の問題ですから、大したことでないかもしれませんが、あなたが市廳に行つて崎山君たちを出してやるときに、これから組合活動から手を引く、あるいはあまり活発にやらない、こういうふうに言われたということですが、これは常識的に考えて、こういうふうに言わないと出さない、それを心配されたのではないか。
○加瀬證人 そうじやない。ただ今度はひつぱられたのが、たまたま列車妨害だとか業務妨害だということでひつぱられたという印象をわれわれ持つておつたわけです。だからそういうことはまたひつぱられる材料になる、正常な組合活動をやる分には一向さしつかえないわけだ。ところがそういうことか何かしらぬけれども、ひつぱられたという問題まで起しているし、崎山君はからだが惡い。齋藤君は妹さんが家に一人しかおらないというような條件下にある。そこで家の人も相当心配しているだろうということから、一日も早く帰つてやつて、みんなが休みたいならば、その手続は私が区長の方に話しましよう、こう言つておつたのです。
○神山委員 その親切はよくわかりますが、そのあなたの親切がかえつてあだとなつて、今聽濤君が言うように、組合活動をさせないというふうにとられたのじやないかと思う。そうしてみればあなたの意図には反している。あなたは共産党の宣傳だと言われるかもしれないが、しかし一方考えようによつては、組合活動が正常に許されているそれまでもやめる必要はない、という意見もあるのじやないか。あなたの氣持もくんでやらなければならぬ、私たちもよくわかるのだが、しかし一方から言えば、あなたの親切をあだに返して、あえて組合運動をやめろとまで言うのは親切の行き過ぎだ、と言う人もあるのではないか。
○加瀬證人 もちろんあるわけです。
○神山委員 それでは一番最後にいやなことなんですが、あなたが昨年車掌区の助役になられたのはいつですか。
○加瀬證人 八月ごろでした。
○神山委員 そのとき、あなたが助役さんになられては、人事の公正を欠くきらいがあるからというので、だいぶ組合員から反対が出たという話を聞いておりますか。
○加瀬證人 それは御説明申し上げましよう。私が二階——と言つてもちよつとわからないが、指導員になつたというのが、一番最初の問題なんです。その指導員になるときに、今回の國電ストの問題のときの委員長をやつているところの山本長之助君、これは御承知のことと思います。この山本君が、私そのころ役員も何もやつておらなかつた。あの当時は組合はまだはなやかであつた関係上、組合が人事問題にタツチすることが相当深くできた。そこで二階の指導員が欠員になつたので、さてそれではだれをあげようかということで、委員会でも討議したというようなことを聞いたわけなんです。そこで区長側としては、山口さんという人を候補にあげたらしいのですけれども、組合としてはいろいろ檢討した結果、人が比較的ないといういろいろの問題があつて、じや加瀬がいいのではないかということで当時の委員会が私を推薦してくれたわけなんです。そこであの当時は組合も相当強くて、何を間違つたか知らぬけれども私が指導員になつたわけなんだ。その後に指導員には兼務助役も持たせるんだ、こういうことになつて來たわけなんです。そこにいた関係上私が兼務助役というような職名にかわつたわけなんです。だから最初から私が助役でもつてあそこに上つたのではなくて、最初はやはり指導員という名目で上つて、それが途中において兼務助役を持たせられた、こういうわけなんです。
○神山委員 そこで私が今お尋ねしたようないろいろな経過はあなたのおつしやる通りでしようが、それに関連してあなたに反対するという空氣もあつたのでしよう。そうでしよう。
○加瀬證人 そうです。
○神山委員 從つてそのとき、あるいはさかのぼつて國鉄の労働組合ができたときから、いろいろ問題があつたかもしれぬ。いろいろあつたでしよう、あつたかもしれませんが、すでに去年の八月に問題になつており、今度の事件の場合には、それはあなたがここで証言をされたことなんですが、自分としては困つて、二重人格のようなジレンマに陷つていた。これも事実だと思うというようなそういう状態であるから、あなたとしては自分の意思に從つて活動されたことを、相手側労働者諸君が反労働者的であると烙印を押したとあなたはおつしやるのですが、これはあなたの意思のいかんにかかわらず、労働者諸君がそういうふうに言つておるということは一貫しておるというふうに見ていいですか。
○加瀬證人 それは部分的にはそういうふうに考えられるかもしれぬけれども、すべての人間がそうではないということも一應言えるのです。私の意向と同じような人もいるわけなんです。 (「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)
○神山委員 大いにそうだ。現に吉武君なんかそこでそうだそうだと言つておるように、吉武君なんかあなたを大いにほめておるかもしれない。それにもかかわらず労働者諸君や、特に今度の鬪爭に参加した人、百何票と二十何票という経過になつて來た決定をあなたが強力に守るという形でなく、逆にそれをねじ返したという形になると、やはり反動的な人だ、そう言われても怒れない。
○加瀬證人 車掌区においては……ね。(笑声)
○小玉委員 ちよつと一つ、重要な点ですが、若宮区長がやめたらば二百万円かの犠牲者救済資金ですか、それを募つてやるという決議をやはり大会でやつたというのですね。それは六日ですか、七日ですか。
○加瀬證人 それはいつでしたつけな。
○小玉委員 五日より後ですね。とにかく。
○加瀬證人 そうですね。九日の日かな。
○小玉委員 六月の五日に若宮氏の言うところによれば、朝の十一時ごろから夕方の四時半まで数十名の人が集まつて、いろいろ脅迫的なことを言われた結果、しばらく旧交番制施行ということをやむなく承諾した、こういう事情であつたというのですが、それはあなたもそういうふうにお聞きになつているのですか。
○加瀬證人 そういうふうに聞いております。
○小玉委員 そういう強引な手段でいわゆる旧交番制を一時承諾していながら、片一方においては二百万円の救援資金をつくつて、やめた場合には若宮を救援するというようなことをやる組合員の眞意ですが、はたしてほんとうに二百万円の資金を募つて若宮氏が犠牲になつたときにやるような意思であつたのか。あるいはあなた方のごらんになつたとことではそれはそういう意思でなくて、一つのゼスチユアだというふうにはお考えになりませんか。
○加瀬證人 そうですね。しかしそういうゼスチユアはなかなかこれはつくれないものじやないですかね。だけれども、実際問題としてできるかできないかわかりません。
○小玉委員 そこなんだ。実際問題として二百万円も資金を募つて、若宮氏がやめた際にやるだけのことが千葉の車掌区の連中でできるんですか。組合で。
○加瀬證人 これは一生懸命にやれば、全員がその氣持になつてやればやれるかもしれんけれども、やれるかやれぬかは私にはわからないですね。
○小玉委員 もしやる氣があるとすれば、私はこういうふうにもそれは考えられやしないか。要するに、そういうふうな圧迫によつてやめさせる、そういう手段によつてやめても、われわれがこれは救済してやるんだということになつて、そういう組合と意向を異にする人を自分の方にひきつけるという一つの戰術ではないかと思うのですが、あなたはどう考えられますか。
○加瀬證人 私そういう点は非常に良心的なんですよ。だからそれを戰術として使うというようなことは考えないのですな。あそこにいた人たちは、あの大会に出ていた人たちは、あるいはそういう氣持があつたかもしれんけれども、出てない人の方が多いわけなんです。そうなつて來た場合に、その人たちがしからば全員がやめるかということはそういう会議をもつて見ない限りはわからないわけです。
○小玉委員 私としては奇異に感ずるので……。一方において圧迫によつて人をやめるような窮地に追込んでおきながら、すぐ一方においては二百万円の金を募つてあなたにやりますぞというようなことをきめることが本氣のさたかという氣がするのです。
○加瀬證人 人間性から言つた場合にはあるいはそういうことも考えられないことかもしれませんけれども、大会はその都度々々やるでしよう。氣持がそういう方向にぐつとなびいたときには、あるいはそういう氣持になるし、またあの区長憎たらしいという氣持になればびた一文もやらないという氣持になるのはあたりまえではないかと思う。
○小玉委員 そのときどきの情勢によつて職場大会ではいろいろきまる。要するに職場大会において、そのときの指導者の都合のよいようにかわつて來るのですね。
○加瀬證人 都合のよいようにと言われるとちよつと困るのですが……。
○小玉委員 指導の方向に從つて……。
○加瀬證人 どういうもんかね。私にはわからないですね。
○鍛冶委員長 済みました。御苦労さまでした。 —————————————
○鍛冶委員長 山田明吉さん、それから崎山昭治さんですね。 これより國電スト問題について証言を求めることになりますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚僞の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。山田さん、宣誓書を読んでください。 〔証人山田明吉君各証人を代表して宣誓〕
○鍛冶委員長 署名捺印してください。 〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○鍛冶委員長 それでは山田さん、それから崎山さんの順で承りますから、崎山さんもう一度御迷惑でしようが、元のところでお待ち願います。 山田明吉さんですね。あなたは日本國有鉄道東京鉄道局業務部長をしておりますね。
○山田證人 そうです。
○鍛冶委員長 いつから業務部長におなりですか。
○山田證人 昭和二十二年の——日ははつきり覚えておりませんが、三月だつたと思います。
○鍛冶委員長 それからずつと今日まで続けているのですね。もつとも前は運輸省鉄道局であつたが……。
○山田證人 そうです。
○鍛冶委員長 それから日本國有鉄道になつたらそのまま……。
○山田證人 引続き同じ職務にあります。
○鍛冶委員長 東京鉄道局長は職務上自分の管内の國有從業員のいわゆる交番制の実施につきまして、どういう職権並びに責任があるものでしようか。
○山田證人 交番制の問題は、車掌に関しましては車掌の勤務時間に関する当時の大臣達が出ております。ただいまはそれが当然総裁達になつているわけであります。六月一日以前は大臣達で、車掌に関しましては、正確に申しますと達第二百四十二号、運輸省陸運関係職員勤務及休暇規程、これが出ておりまして、その改正が今年の一月二十四日の達第四十一号で改正になつております。これが大臣達で、いわば親規定になつておるわけであります。それに基いて局長が、車掌に関しましては車掌の勤務を遂行するための乘務交路というものを指定するわけであります。その乘務交路の指定を受けて、管理部長が車掌区長にいわゆる交番割——交番表とも言いますが、これを作成させて、日常の車掌の業務を遂行せしむる、こういう段取りになつております。
○鍛冶委員長 鉄道局長が管理部長に命令するのですか。
○山田證人 鉄道局長から管理部長に指示する形になります。
○鍛冶委員長 昭和二十四年六月一日から新しい交番制を実施されるようになつたそうですが、そういう事実がありましたか。
○山田證人 ございます。但し全面的には実施いたしませんでした。
○鍛冶委員長 どことどこを実施したのですか。
○山田證人 千葉、蒲田、東神奈川、中野車掌区を除きまして、ほかの車掌区は全部実施いたしました。今申し上げた車掌区だけ六月一日からは実施いたしませんでした。しかしただいまは全部実施中でございます。
○鍛冶委員長 その今除いたところは、いつから実施いたしましたか。
○山田證人 それを除きましたところで若干時間的なずれはございますが、おおむね六月十一日と申し上げるのが正確だと思います。
○鍛冶委員長 実施の命令が出たのはいつでしたか。
○山田證人 一般的に実施すべしという書面で指示いたしましたのは五月三十一日です。但し実施をいたしません車掌区につきましては、個別的に正確な数は覚えておりませんが、数回にわたつてその実施方の指示をいたしております。なおよけいなことですが、從來慣行的なやり方といたしまして、車掌の乘務交路がかわつて、それに基いて先ほど申しましたような車掌区長が交番割をつくるその作業は、大体口頭で指示するのが慣行になつております。特に先ほど申しました五月三十一日にあらためて書面で六月一日から実施して欲しいということをやりましたのは、今までの経驗から言いますとあまりその例がないというようなやり方でございました。
○鍛冶委員長 それならほかは一般的にやりながら、千葉外三箇所を除いたのはどういうわけですか。
○山田證人 除いたのではありませんで、端的に申し上げますとその車掌区員がその新交番による乘務を拒否しておつたということで実質的に実施されなかつたという状況が六月一日から十一日までの間にあつたわけであります。
○鍛冶委員長 そうするとやはり一日から実施するつもりでやつたことはやつたのですか。
○山田證人 私いわば当局側といたしましては六月一日から実施するつもりでもありますし、また当然実施できる状態にあつたということは申し上げられると思います。
○鍛冶委員長 そこでいつからやることになつたのですか。
○山田證人 それで六月一日現在の状況では、中野、千葉とも六月五日からはできるはずだということで五日の線を特に指示はいたしませんが一刻も早くというので、大体五日ごろには当然できておるはずだという考えを持つておりました。
○鍛冶委員長 それから蒲田、東神奈川は。
○山田證人 蒲田と東神奈川につきましては——蒲田のごときは一日の朝から新交番で乘務を開始しておつたわけですが、中野、千葉が一日に新交番によつておらない。それから東神奈川が一日に入りまして、これも、一部の者は一日の朝最初の電車から乘り始めたのであります。一本二本の電車には乘つたのですが、その後続く者が乘務を拒否したというような状況で、蒲田車掌区は二日か三日ごろから元にもどりまして、せつかく新交番で乘務しておきながら旧交番に逆もどりした。しかもその逆もどり方法が区長なりあるいは助役の命令を無視しまして、いわゆる業務管理的な形体で旧交番で乘務したという状況になつております。
○鍛冶委員長 一体どうしてそういうふうにこの問題がこんがらがつて來たのですか。その原因並びに双方の主張をおわかりでしたらお知らせを願いたいと思います。
○山田證人 私どもの見解はもうすでに御承知だろうと思いますが、先ほど申しましたような勤務時間規程、これが一月に改正になつておりまして、この詳しい内容を必要があれば申し上げますが、それに基いて一月当時から当然車掌の勤務時間が延長に——延長という言葉が必ずしも正確な表現ではございませんが、なつておるわけでございます。普通のサラリーマンの勤務と違いまして、車掌の勤務は非常に出勤の時間も、それから仕事が終る時間も不同であります。これは列車、電車の運転に伴つての勤務でありますから、從つて一日平均八時間、電車の車掌は一日平均七時間半になつておりますが、先ほど申しました新交番をつくつて、それに基いて各個人の勤務を指定するということが作業といたしまして非常に複雑な作業に相なり、從つて從來の慣行としまして時刻改正がある際に交番をつくる前の條件になる——先ほど言いました乘務交路ですが、これを改正する際に、それを受けて新しい交番をつくり、その新しい交番に基いて個人々々の勤務をきめる。これが從來の慣習でございました。それで当時三月一日に電車の時刻改正がございましたので、品川と東神奈川と蒲田と中野、この車掌区に関しましては交路が若干ふえております。というのはその車掌区に関する乘務量がふえたということであります。從つてそのときに從來の考えでありますと、全面的な交路をその車掌区に関しましては改正しまして、人間が足りなければ人間を配置しまして、新しい仕事に対応する態勢をとつて行くのが原則論でありますが、たまたま一月からこの勤務時間が延長になつておりますので、その当時人の余裕があつたわけであります。從つて全面的な仕事の段取りをかえるということはやりませんで、三月一日に今申しました関係の車掌区ではこの勤務時間規程がすでに実施されておつたという状態になつておつたわけです。それ以外の車掌区につきましては仕事は從來通りの仕事ですし、それから人間も減らしておりませんので、そのまま推移しておつたわけです。それから四月一日には例年の年中行事として電車の時刻改正をやることに相なつております。それで一月当時は当然四月には時刻改正があるものと考えまして、大体その準備を進めておつたわけでありますが、官廳執務時間がかわつて、四月一日には時刻改正をする必要がないというわけで、四月に入りましても車掌区の仕事は從來と同じという形に相なりまして、その次にはこれも御承知のように、七月一日に全國的な列車、電車の時刻改正に合せて、全体の車掌区にわたつて全体の仕事の改正をやらなければいかぬという見通しで、またその準備を進めておつたわけであります。たまたま本年度の予算で御承知のように、これは問題は若干ほかへ移りますが、從來日通に請負をさせておりました小口貨物のいろいろの作業を、鉄道自体の手でやらざるを得ない、と申しますのは、業務委託費の予算が十数億なくなりまして、鉄道職員の手で確率を発揮してやれというようなことに相なりまして、しかもその國会でお認めになりました予算が、この費用が移りかわりの期間、六十三日までの分しかございませんでした。從つて、小口貨物の從來日通職員に委託しておりました分量というものは全國的に非常に大きな分量であります。それを鉄道の手でやりますには、それだけ新しい仕事がふえたわけでありますから、從來の考え方で行きますと、それだけの人のめんどうをみなければいかぬという状況でありましたが、人の方は、これも新しく人間を配置するということは至難でありまして、結局いわゆる部内の配置転換で、そちらの必要な部門へ人を増強することに方針がきまりまして、その関係では五月二十五日に、從來日通でやつておりました仕事を一部引取ります。それから六月五日からは車掌に引取るべき仕事を引取ろうという方針を立てまして、それ以外の仕事につきましては、六月十一日からという三段構えをいたしたわけであります從つてこの関係につきましては、車掌も駅側も人の手配をいたしたわけであります。それで車掌の関係については、六月五日からやるわけでありますから、東鉄管内全体として、約百九十六名の車掌がこのために必要であるという数字が出まして、これは駅側から持つて來るというよりも車掌区の中からそれだけの人間を捻出するのが、最も合理的であるという論に達しまして、從來まだ実施しておりませんでしたこの勤務時間規程を全面的に適用することによつて、約三百数十名の車掌が捻出できることに相なります。從つてその中から必要な百九十六名を所要の箇所へ配置転換をいたすということで、その時期を一応六月一日にすることにいたしたわけであります。簡單に申し上げますと、そういうような必要で、車掌に関しまして新交番が六月一日から適用されたという状況に相なります。
○鍛冶委員長 ところがそれに対して非常な反対があつたようですが、どういう意味で反対したものでしたか。
○山田證人 反対の理由は私どもまつたく不可解でありますが、私どもの推測によりますと、これをもつてただちに行政整理であるというふうに、歪曲した流言蜚語が飛びまして、それによつて非常に車掌区の関係者に不安動揺の念を起したことが一番大きな原因じやないかと思われます。それについて私どもの立場から補足いたしますと、動機は今申しましたような動機であります。それがたまたま必要以上と申しますか、勤務時間規程を嚴格に適用しますと、三百数十名の車掌が浮いて來る。ところがこの小口扱いの業務を引受けるには百九十六名程度でよろしい、從つてもう少しおつりがあるわけであります。それがそのままその場で首になるのじやないかというようなことを言いふらし、あるいはそれを特に誇張して不安動揺の念を起させたような結果に相なつたように私どもは感じております。
○鍛冶委員長 そのおつりが出るものは、どうするつもりだつたのです。
○山田證人 それは從來も車掌区全体としますと、相当でこぼこがございまして——と申しますのは、ある車掌区では割に人が余つて、樂な体制で仕事をやつている。片方の車掌区では、非常に人間がきゆうくつで、非常につらい作業体制であつた。これは鉄道全般に、六十万人という現在員がおつた当時でも、全般について言えたことであります。それでそのでこぼこを直しまして、さらにでき得べくんば、檢札車掌でありますとか、あるいは客扱い專務車掌、あるいは昔急行列車の中を掃除をしておつたいわゆる列車手ですか、そういうような、いわゆるサービス的な仕事をできるだけやつて行きたい。そういう仕事に余つた人は配置して行きたいという考えを持つておりまして、從つて單に数の上で余つたからといつて、それで全然遊んでいるわけでもありませんし、また私どもとしても遊ばせておくつもりは毛頭ございません。
○鍛冶委員長 それから、よほど労務過重になるのではないのですか。
○山田證人 労務過重という点は、主観的な問題でありますが、この議論になりますと、一月当時改正されました勤務時間規程の問題になるだろうと思います。しかし結果的に見まして、大体今までよりも、ごくわかりやすく申し上げて、一日平均十二分の程度の勤務時間延長には相成るかと思います。
○鍛冶委員長 すると、実施するにはいろいろ準備がいるが、そういう準備も行き届いておらないという節もあるのですが、その点はどうですか。
○山田證人 そういうことは、今までの私どもの経驗から言いまして、準備不足であつたということはないと確信しております。
○鍛冶委員長 たとえば家へ帰れなくて、とまらなければならぬ者が相当できるが、とまる設備もない、自炊する設備もないということを聞いております。
○山田證人 それは必ずしも理想的な形態まで、ただいま鉄道の厚生施設が完成されているとは申し上げられませんが、特にこの勤務規程を改正した結果起つた新交番の適用について、從來よりもそういう設備が惡くなつた、またその新交番を適用するために、総体的に惡くなつているということはないと思います。それから家へ帰れないという問題につきましては、住宅事情で、從來もその問題はございました。たとえば夜の終列車で帰る車掌は、千葉なら千葉で例を申しますと、これはほんの例でありますから、実際の問題ではありませんが、終列車で帰つて、千葉の市内に家を持つている者なら、家へ帰ることができます。しかし非常に遠方の鴨川、あるいは銚子等から通勤している車掌は、從來も帰れなかつたわけであります。新勤務になつたからといつて、特に帰れないという状況ではありません。ただ時間的に新交番が從來と若干ずれておりますから、從來むりしてどうにか帰れたのが、帰れなくなつたという例は一、二どこにでもあつたと思います。
○鍛冶委員長 それらの人のとめるところがなくなつたのではないのですか。
○山田證人 それは依然として休憩室というものはございますから、帰れなくなつた人が全然泊る余地がないということは毛頭ございません。
○鍛冶委員長 あなたの方で今新交番制について五月三十日付で東鉄局長の傳達で交番制は、かねて内示の要員により実施するとあつたそうですが、これはどういう意味なんですか。
○山田證人 五月三十一日だろうと思いますが……。
○鍛冶委員長 三十日か三十一日か知りませんが、先ほどおつしやつたそれだろうと思いますが、かねて内示の要員による……。
○山田證人 これは先ほど申しましたように、從來の慣例で新交番の実施については、特に書面でぎようぎようしい実施命令を出さないのが通例でございます。從つてそれのやり方でその以前に五月に入りまして、しばしば担当者を集めて会議をやりました。その席上で六月一日を目標に新交番をやつてもらいたいという意思表示をしてございますし、それからその際に示してございますのは、一月の改正に基く勤務時間規程による。こういう数字になるぞということを示してあつたわけであります。從つてその意味でかねて内示の云々という指示が出たわけであります。
○鍛冶委員長 ところがこれに基きまして、相当いわゆるストであるとか、業務管理その他いろいろなことが起きたようですが、まず千葉の方から承りまするが、千葉ではどういうことが起きたとお聞きになつています。
○山田證人 六月一日に実施してもらいたいということについては、一日にはとても間に合わない。それまでのいきさつはいろいろございますが、間に合わないから、もうしばらく延ばしてほしいという話がございまして、その当時の事情を聞きますと、物理的に一日からやるということは、不可能な状況でありましたので、若干それでは延びてもいいけれども、できるだけ早くやつてもらいたいという指示をいたしました。從つてその一日以降は從來の旧交番で乘つておつたわけであります。それから五日、あるいは六日から新交番も実施し得る状況に合いなつているにもかかわらず、できないという状況が四、五日ごろから出て参りました、それに対して再三業務上の指示をいたしました。ところが電車、列車は運行はいたしておりましたが、区長あるいは助役の指示に基づく新交番による乘務を拒否いたしまして、まあ出て來た車掌が自分の判断でかつてに乘務をするという状況になつておりましたが、たまたまその乘務のやり方が旧交番による乘務をやつておつたわけであります。それからさらにそういう違法の状態を改めさせるようにいろいろの措置をとりましたが、新交番に乘ろうといたしました。車掌を妨害して、阻止して結局新交番に乘せなかつた、そのために電車が一部止つたという状況がありまして、結局十日でしたか、十一日でしたか、GHQのエーミスさんの中止勧告に基いて、全員新交番に乘るということに相なりまして、それで十一日以後正常な状態に服したと私は記憶しております。
○鍛冶委員長 東神奈川から蒲田にかけては……。
○山田證人 蒲田につきましては先ほど申し上げたような状況であります。東神奈川につきましては、千葉と同じように新交番による乘務を一日の朝最初に出て來た数名が乘ろうとしましたが、これは結局阻止されて乘れなかつた。それで当時一日、二日は電車は一應走つておりましたが、それは千葉の例で申しましたように、出て來る車掌が、かつてな自己の判断による乘務をやつておる。それがたまたま旧交番による勤務制による乘務と同じ形で乘つておつた。従つていわば業務管理的な作業の形態がとられておつた。そうして爾後東神奈川、あるいは中野、蒲田につきましては、全員乘務を拒否するという状況になりまして、御承知のように未曾有のストライキ状態に入つたわけであります。中止勧告の状況は千葉と同じであります。
○鍛冶委員長 あなたの先ほどおつしやることから聞きますると、新交番制ということはそれほど大きい問題ではないのだが、しかるにそういう騷ぎが大きくなつたのですが、これは何か新交番制が眞因ではなくして、何かほかに眞因があつたのですか。それとも新交番制の問題だけですか。
○山田證人 私どもの立場から言うと、憶測の域を出ないのでありますけれども、やはり行政整理絶対反対という前途に大きなばけものがおりまして、これに対してかねがねあらゆる方法で反対をしておる。これをぶつつぶそう、あるいはそういう考え方がありました。從つてこの新交番によつて浮いた車掌がただちにその場で首になるのだという印象を非常に作爲的に植えつけて、その結果行政整理と結びつけて、絶対反対だというような考え方に導いて行つた一つの考え方があつた結果ではないかと思うのです。
○鍛冶委員長 何かあなたの局長命令で、六月の九日に國鉄労働組合の東京地区評議会に対して連合軍関係の指令を通達されたことがあると聞いておりますが、そういう通達がございましたか。
○山田證人 日にちはちよつと正確に覚えておりませんが、その事実はございます。
○鍛冶委員長 どういう指示をされたのですか。
○山田證人 一つは第三鉄道司令官から連合軍輸送については絶対これを確保しろという命令を受けまして、それを管理部長あるいは車掌区長に落とすと同時に、組合側にも通達したと思つておりますし、それから最終的にはエーミスさんから出ました中止勧告——これをその当時私ども聞きましたのは、組合の方にも知らせるがお前の方からも知らせとろいう話がありまして、多分口頭で通知いたしたと思いますが、その点に関する正確な資料をここに持つて参りませんので、正確なところをお伝えできません。
○鍛冶委員長 何か九日の指令を十日に労働組合へ通達——これは各支部だろうと思うのですが、当地評副議長あてですが、通告し、さらにまた労働組合本部並びに関係支部等へも通告されたかもしれませんが、どこへ通告されたか、その点はわからぬのですが、その通告をされたにもかかわらず、これに從わぬでやられたとか言つておりますが、その事実はありましたか。
○山田證人 東神奈川、蒲田に関しましては、ストで乘務すべき電車は全部いわゆる白帶車がついております。これが動かなかつた事実はありますから、從つて絶対連合軍輸送は確保しろという命令には反した事実があつたということが言えるわけです。
○鍛冶委員長 十日に司令部に出て來いという命令があつたのじやないですか。
○山田證人 それはこういうことではございませんか。横浜だつたと思いますが、横浜の分会長に対して出頭命令が——あれはたしか神奈川のM・Gの隊長だつたかちよつと正確なことを記憶いたしておりませんが、出て來てもらいたいという話があつて、それを拒否したということは聞いております。
○鍛冶委員長 それでまあストその他業務管理等の事実があつたこういうのですか。先ほどの話で中野は特にひどかつたというのですが、どんな状況でしたか。
○山田證人 特にひどかつたというのは、ほんの程度問題でして、中野、東神奈川、蒲田、千葉大体公平にひどかつたと申し上げられるかと思います。
○鍛冶委員長 中野の実情は大体どんなものでしたか。
○山田證人 中野の実情も大同小異でありまして、中野、特に車掌区関係だけでなくて、あそこは三鷹と中野の電車区が共同鬪爭と称してストに参加いたしまして、從つてそれらの関係者が数百人電車の運行を妨害いたしましたり、あるいは車掌区長あるいは電車区長の部屋へ面会を求めて押しかけたり、極端な表現を用いますと、一時はどうも中野車掌区の近所は無警察状態ではないかという印象を受けるほど外部から警察に相当の強圧がかかつたような報告を受けております。それから脅迫的な言辞が一番ひどかつたのは、東神奈川車掌区のように私としては感じております。それに次ぐものが千葉、中野——次ぐと申しましても、大体同じ程度にひどかつたように思います。
○鍛冶委員長 それから東京鉄道局長から十日の十二時に、職場放棄をしておる者に対して職場復帰の警告を発せられたそうですが、その警告に対してもがえんじなかつたのですか。
○山田證人 それについてもその当時の報告で、その警告に應じて、それでは新交番に基いて、きめられた区長指示の乘務をしようということを申し出たものもごく少数あつたということを聞いておりますし、またそういう動きが当時少しずつ出て來たという報告は受けておりますが、具体的にどこがどれくらいだつた、だれがこうしたというこまかいことは、当時としては正確にキヤツチいたしておりません。
○鍛冶委員長 それで十一日にその命令が來て初めて收つたわけですね。
○山田證人 はい。
○鍛冶委員長 そこであなたの方から出された警告のうちに、一部少数の矯激な分子の煽動にあやまられたものだと言つておられたそうですが、そういう事実は十分お認めになつたのですか。
○山田證人 その事実は先ほど申しましたような車掌区におきましてあつたと考えて、それを表現したわけであります。
○鍛冶委員長 その矯激な分子とはどういう團体もしくは党派の者とお認めになりますか。
○山田證人 それは私どももはつきり確認はいたしておりませんが、懲戒免職処分に相なつた六十六名がそれに該当すると思います。
○鍛冶委員長 それは党派別に言つたらどんなものが多いですか。
○山田證人 そこまで調査はいたいしておりません。通常常識的に言われておるのは、マル共であるということが言われておるのは事実です。しかし私どもはそれをちやんと確認はいたしておりません。
○鍛冶委員長 それから新交番制が完全に行われたのはいつですか。——そうすると、このストがやんだ十一日以後ですか。
○山田證人 完全に百パーセント行われたというのは十三、四日ごろになりますが……。と申しますのは、この車掌の交番の移りかわりには通例二、三日はどうしてもかかるわけであります。たとえば東京の車掌区のごときは、一番遠いのは博多まで参ります。それから上野のごときも青森まで参ります。それが帰つて参りますのは、三日後になりますので、從つて帰るまでは旧交番で乘つておつた、しかし途中で新交番に移りかわることは物理学的に不可能ですから、正確な表現を用いますならば、十三日ごろでありますが、しかし十一日の夕刻からは新交番を百パーセント実施し得るという客観的條件は百パーセント熟しておつたとは申し上げられないと思います。
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。何かお聞きになりますか。——大分時間がたちましたから、簡單に願います。
○神山委員 簡單にやろうと思うのですが、あまりいいことを言われるので、少しお聞きしなければならぬ。しかしもう業務部長の立場は非常にはつきりしている。というのは、行政整理の化けものがあるとか、あるいはわが共産党に向つてマル共だとか、どうもまつたく矯激なことを言われている点を見れば、あなたの考え方は非常にはつきりしている。十つて私はここで業務部長たちの頭の中がどうなつているということはあえて聞く必要はない。十つて事実そのものについて二、三日聞いておくにとどめまして、別の機会にこの問題が全体として明らかになつたとき、あらためて來てもらつて眞相を明らかにしたいと思いますので、保留しておきます。 まず業務部長にお尋ねしたいのだが、全般にわたつてやられたのにもかかわらず、なぜ四つの職場だけでこういう問題が起つたか、その点です。これはマル共が煽動したというふうな考え方があるかもしれませんが、さらにそれをもつた裏づけるものとして、具体的な條件があつたのか、ないのか、あるいはあると考えているのか、いないのか。この点をひとつお聞きしたい。
○山田證人 それは先ほど申しましたように、すでに新交番制という問題は三月一日当時一部実施いたしております。しかしそれは先ほど申しました車掌区の中の一部実施でありますが、それから一つの車掌区全体に百パーセント実施したのは、東京車掌区では五月十五日から、品川車掌区では五月二十五日から実施しております。それから沼津の車掌区のごときも、当時の空氣では、これも私どもの話で聞いたのでありますが、新交番でなければ、旧交番ではかえつてつらいというようなことも耳にしておりますので、特に千葉以下の車掌区だけが反対したということがはなはだ奇怪に考えているところでありますし、また東神奈川と共同鬪爭に入つた蒲田の車掌区のごとき一時新交番による乘務を開始しししにかかわらず、また元へもどつたというのは、これは明らかに共同鬪爭であるとしか、私どもには考えられないのであります。
○神山委員 蒲田の場合はあなた方がそうお考えになるのは自由ですが、あなたも御承知のように、共産党が比較的強いのは、たとえば東京とか、品川、さらに沼津なんかもそう弱くはない。それに反して今問題になつている千葉や、中野の場合、弱いにもかかわらず、また東神奈川の場合にも、そう強くないにもかかわらずこういう問題が起つて来たことについては、あなた方がおつしやる何か物理的な原因があつたのじやないか。もつと私がこの問題を出しますと、東神奈川の交渉の條件の中に、寢室の設備が惡いとか、寢具、燃料等が交渉條件の中に入つている。あなたの御承知のように東神奈川の車掌区のごとく休憩所は雨漏りがするし、ふとんはぼろぼろだしまた炊事設備が十分でない、こういうような事実は、あなた方からお考えになれば新旧交番制の変化は九分の時間の延長だという。これはそうでしよう。しかし一方では待ち時間が平均的に言つて一時間減るというようなことを車掌区の諸君は訴えておるということに関連して、さらにこれはこの委員会でも証言されたことでありますが、先ほど証人の言つた千葉の車掌区で助役をしておる人が、労働者には相当につらいと言つておる。こういうふうな関係があつて新交番制になつたために家に帰れない機会が多くなる人がある。その人たちが設備の惡いところでとまらなければならぬという実情がある。こういうようなことで神奈川の場合ははつきり交渉條件となつて出て來ているので、こういうことが共産党から言えば、むしろ弱いようなところで自然発生的に問題が起つて來る條件があつたのではないか、こういう点までお考えになつたことはありませんか。
○山田證人 ただいまのいろいろな厚生施設の惡いという点については、從來しばしばいわゆる團体交渉的な話合いを持つております。これは今後も私ども当然持つべき問題だろうと思つております。ただそれとこれとの新交番制、一月当時改正になつておる勤務時間規定の全面的適用を頭から拒否するという問題とは、私ども結びつけて考えられないという見解を持つております。
○神山委員 あなたの見解はそれでわかりますが、組合側からのそういう要求があるという事実は御承知でしよう。
○山田證人 それは承知しております。
○神山委員 今度は行政整理の問題に関連しますが、あなたは首がつながつた方だからいいでしようが、十二万の首を切られる方から言えば單なるばけ物ではなくて、生きるか死ぬかの境い目です。從つて今度の新交番制が実施されれば、あなたの御説でも約百二十名の人が浮いて來る。この百二十名の人に対しては、先ほどもおつしやつたように、列車の中の掃除とか何とか、ちやんと割振りは頭の中にあつたのでしよう。親の心子知らずというか、そういうようなことは知らない。しかもそれが実際行われる場合には、降職ということがあることはあなたもお認めでしよう。こういうことがあるから実際問題としてさし迫つた行政整理問題と結びつける從業員の氣持というものも考えられませんか。
○山田證人 それは私ども首を切られるであろうと非常に心配している從事員以上に、行政整理の問題は当時も眞劍に感心を持つておつたことは事実であります。しかしながらこの新交番を六月一日に実施したという客観的事実の原因は先ほどるる申し上げた通り、行政整理とは全然無関係にスタートし、また作業を進めておつた問題であります。
○神山委員 さらにその次にお訪ねしたいのは、三十一日に電文で「達四十一号、陸運関係勤務時間及休暇規定改正に伴う車掌区乘務交番制はかねて内示の要員により六月一日から改正しこれを実施する。」こう言われたわけですね。ところがあなた自信もお認めになるように、平均三日間は物理的に困難だ。これは最低を言われていると思いますが、こういうふうな事実があつてみれば、五月三十一日にそういうことを言つて、今度はいきなりあしたから実施しろと言われても、相当むりだというふうにあなたはお考えになりませんか。
○山田證人 それは先ほど申し上げました通り、中野と千葉に関しましては、これは申し上げるとお叱りを受けるかもわかりませんが、区長側におきまする六月一日に実施すべき準備作業があらゆる形態において非常に遅らされていたという事実がございましたので、千葉と中野については一日にはできないだろう、しかし早急にやるようにという指示をいたしているわけであります。そのほかの車掌区は從つてその電報を受取つたのはむしろ確認的な意味で受取つているわけです。それまでの間に完全に準備作業が整つて、一日から新交番に移つているわけです。
○神山委員 その点わかりました。ただ今問題になつている千葉の場合や中野の場合、特に千葉の区長は本日ここに証人に見えたわけですが、区長自身が、やはりこれは大体十日ごろに実施するのが妥当ではないか。それは例の小口扱い切りかえの問題などともにらみ合せて、そういうことも言われている。それをさらにおつかけてあなたの方から出されたかどうか。上から指示があつたので六月五日に首にしようとされた。ところが組合員諸君に言わせれば、大体十日か十一日にはやると言われたので、六日に職場大会をやつて態度をきめようとしたら五日に持つて來たというので、むくれている。それはあなたの主観にかかわらず、当局の方から先手々々と打つて來ている。こういうこともある。こういうことが紛爭の一つの原因にもなつているのじやないかということを私はお尋ねしたいわけです。ですからあなたが事務的に、これで十分であるとお考えになつたにかかわらずそういう実施上の手違いあるいは思いがけない小さな時間的な違いのために紛爭を起す一つの要因があつたのじやないかということをお尋ねしてみたいのです。
○山田證人 ただいまのお話で、組合員側の空來その他を私ども十分察知しないで、いろいろな手を打つたのじやないかという意味のお尋ねだつたと思いますが、その点に関しましては、私ども大小漏らさず公的、私的に從業員の氣持、空氣というものは常に関心を持つてキヤツチいたしておりますが、こういう業務上の計画、方針をきめる場合には、業務上の機関、業務系統によります機関の意見あるいはその機関を通じての作業方法で決定いたしておりますので、従つて具体的な千葉の問題につきましては、当時の判断あるいはその判断の材料を与えてくれた各業務機関においては一應万全を期しておつたと思つております。
○神山委員 それではその万全のところですが、たとえば神奈川の区長などは、管理部長をも含めて交渉に行きますと、一應形式的にはもう新交番を実施しておるというように報告しておいて、旧交番で乘つていてもいいから、あとで話をつけて行こうじやないかというような含みのある返答をされて、そのために紛議まで起つたことはあなたは御承知じやないですか。これは東神奈川の場合にあるのですか。
○山田證人 それは区長の方からそのいうようなつくろつた報告をしたのではございませんで、私どもの聞いておりますのは、管理部長名で区長の指示による業務をやれというように聞いております。
○神山委員 それは区長が権限を持つておるからやればやれますが、その場合あなた方への報告と從業員の方に与える影響とは違うということがあるわけですね。そういうことはありませんか。
○山田證人 お尋ねが抽象的でわからないんですが。
○神山委員 たとえばあなたの方では、管理部長は從業員が新交番で乘つておると報告する。ところがその場合区長は一定の権限を持つておるから、一應その了解のもとに実際旧交番で乘つておる。しかし報告は新交番で乘つておるという、こういう事実はございませんか。
○山田證人 その点はございません。新交番か、そうでないかというのははつきり表の上で現れております。從つて区長指示による交路が旧交番と同じ形であつたという事実は一部ございましたが、旧交番で乘つておつた、あるいは新交番で乘つたという報告と事実を背馳しておるという問題はございません。
○神山委員 また別の機会にこれはゆつくりやりたいと思いますが、そういう報告が組合側から私たちに來ております。從つてあなたがさつきから言われる業務機関でやつたと言われる点も、こういう点に問題があるのじやないか。と言うのは、私たちは長い間監獄にいたのです。話は違いますが、あなたは警察におられたことがありますか。
○山田證人 警察の事務に從つたことはございません。
○神山委員 全然関係ありませんか。それでは説明した方がいいのですが、私たち監獄におると、一方上司に報告したことと、下のわれわれに対する場合と非常に違う。たとえば面会時間は、ぼくたちには三分しか與えないが、上司の報告には十五分になつている。そこで署長がわれわれのところを見るときにはちやんと掃除をしちやつて報告の通りにやつている。
○山田證人 今のお話ですが、いわゆる面從、腹背的なことは事東鉄に関しましてはないと確信しております。
○神山委員 あなたはそう確信されるでしよう。從つてこれに関連して業務管理的なことがあつたかなかつたかということは別の機会に從業員諸君からの報告を聞き、またほかの証人諸君から聞いた上であなたと論じることにして保留しておきます。それからあなたはエーミス氏の勧告があつて、みんな車に乘るようになつたとおつしやつておりますが、エーミス氏からの勧告は何日の何時何分にありましたか。
○山田證人 今の問題、私どもの持つております記録は十一日十二時十五分、下山総裁と組合本部がGHQに出頭してそういう指示を受けた。
○神山委員 それではお尋ねしますが、千葉では十日の午前から支部の大会を開きまして、そうして自発的に実力行使はやめると決定しておることは、あなた御存じないでしようか。
○山田證人 その点については先ほど申しますような勧告以前に、鉄道局長の数次の警告に基く車掌区の動きとして申し上げたのであります。
○神山委員 ですから私が述べておるのは、勧告以前にまたあなた方の警告の有無にかかわらず、組合が自主的に実力行使の問題について自発的に報告を集めておるという事実はあなた方が知つているかいないか、これはまず第一番に千葉の例で聞いておるのですが、十日のことは知りませんか、知つておらなければ知つておらぬでよろしい。
○山田證人 そういう話は聞いておりますが、正式に組合の決定的な意見であるという点については、本日実はそれに関する記録を持つて來ておりませんので、そういう話は確かにあつたという記憶だけはあります。
○神山委員 それでは参考までに一つ申し上げますが、千葉では十日の四時七分前に從業員諸君は捺印をして、これを区長のところに提出しておるということを私申し上げておきますから、あとでこれをお調べ願いたい。最初六月十一日に神奈川では四時三十分及び五時というふうな時間に鬪爭委員会を開きまして、自発的に彼らは爭議をやめるということまで組合側が自主的に決定しておりますが、御存じないですか。
○山田證人 その話は私は存じません、おそらく管理部長にたしかめればはつきりするかとも思いますが。
○神山委員 こういう事実もありますから、これもよく調査しておいてもらいたい。さらにそれではお尋ねしますが、六月九日二十時東達甲、これはあなたも御承知のように、永久命令第五八三号電報をもつて東神奈川車掌区の管理区域を次のごとく変更して來た。櫻木町、大森間を品川車掌区に移管、横浜線前線を八王子車掌区に移管し、東神奈川車掌区の管理区域を鶴見線全線と新鶴見操車場、高島間の貨物線の二線区だけに縮小する。こういう事実はありますか。
○山田證人 ございます。
○神山委員 これはどういう意味ですか。
○山田證人 それはその通りの字句で、從來東神奈川車掌区の三つになつていた交路の一部をそれぞれ八王子と品川に一時変更したというわけであります。
○神山委員 一時ですか永久ですか。
○山田證人 当分の間という字句が入つております。
○神山委員 しかしこれは一般に永久的なものだというふうに解釈されるものではないですか。
○山田證人 当分の間ということが入つておりますから、從つて当分の間です。それでその証拠は十二日に正常に復帰したとたんにその達は取消してございます。
○神山委員 だから永久達というふうに解釈されている。形式では当分の間の前書きがあつたにせよ、あなた方がこういう達を出して、しかも十二日の日に取消している。というのは十の日にはすでに從業員諸君は電車に乘ろうと決定しておる。そうときにあなた方の方は、こういうことをやつておる。極端な言葉で言えば、これはロツクアウトではないか、さらに乘務員諸君が職場に復帰して來たら永久達を——さつきの当分のということがあるというので、自然消滅の形で書いてある。これは何を意味するか、あなた方の方で鬪爭を挑発しているのではないか。
○山田證人 私の方の見解を申し上げます。ロツクアウトじやないかというお話は、おそらく公共企業体労働関係法の十七條の二項、作業場閉鎖じやないかというお話じやないかと思いますが、その点につきましては、私は当時はそういうことは毛頭考えておりませんでしたし、そういうような意見もありそうだというので実は法律を勉強いたしまして、毛頭そういうことには該当しないという見解を持つております。
○神山委員 ですからあなたの見解はそれでよくかりました。あなた方は正真正銘りつぱな來持でやられたでしようが、紛爭中の当事者から見れば、あなた方の方が先に手を打つて路線変更をやつて、しかもこのとき電車は二両編成、こう言われる根拠があるのではないか、これを私は言つているわけです。それで山田さんにお尋ねしますが、白線電車が止つたという話——これを私は一々名前をあげることはいたしませんが、鶴見だとか蒲田で電源スイツチを切つたことがあるそうですが、それはお聞きになつたことはありませんか。
○山田證人 それは当局の行爲として知りました。
○神山委員 從つてあなた方がそういう行爲に訴えて、一つのアクシヨンをやつたその結果、組合側が動かそうというものを信号を押えたり、電源を切つたりして……。
○山田證人 お話中ですが、信号を押えたことはありません。
○神山委員 組合側がそう言つております。
○山田證人 組合側が押えたことはございません。
○神山委員 あなたは興奮しないでください。あなたは東鉄の業務局長としてあなたの言い分を十分に言つてもらいたい。私はまた別の機会に從業員諸君から聞きますから、その上で当委員会が正当の判断を下すでありましようからお聞きしておけばよろしい。ただこういう事実があつたから、白線も止まつたんだということがありますが、あなたもアクシヨンに出たということを認められれば、私としてはまことにけつこうです。それで結論ですが、今お尋ねしたことで一部問題は出て來たのですが、なぜこの四箇所に出て來たかということと、なぜこの四箇所があなたのおつしやるように、全体としてこういうふうにひどかつたかということ、これはあなたの言葉ですけれども、全体にこういうようにひどかつたが、こういう事態が起つたことについて今までお考えになつたことはありませんか。
○山田證人 それは個人的ないろいろなうわさの聞きかじりでは考えていないこともございませんが、一應業務部長の立場として考えますと、局長の警告文にある通りの原因理由であろうと思います。
○神山委員 それはわかります。これはあなたの業務部長個人として大いに業務の公正な、しかも適正な運営のために、將來こういう事態の起こらないようにひとつあなたにも御考慮願いたいと思うのです。私の方としても先ほども言つたところでわかるように、懲戒処分を受けた六十六名をどう言つておりますか。これは事実にも反しておりますし、別の機会に明らかになるからどうでもよいが、あなた方の警告の中に一部矯激分子ということが書いてありますが、千葉の決定をごらんなさい。百十数名対二十四名というふうにずつと多数があなた方に反対している。また中野の場合にも百三十何票対二十幾つという数が出ている。神奈川の場合は全員一致である。こういうふうな事実がある限り一部矯激分子が煽動したというふうにお考えにならないで、なぜ全体あるいは大多数がこういうふうになるかというとをゆつくり御研究願いたいと思います。
○大橋委員 今の神山君の質問がなければ私もだまつているところだが、関連して伺います。今神山君からも百二十幾つ対十幾つであるとか、その組合の大多数の人がこの新交番に反対であるという意思決定をされた。それにもかかわらず管理部の方では一部少数の矯激な分子の煽動に乘つてやつたのだ。こういうことを言われております。これはどうも間違いじやないかというご質問が今ありましたけれども、管理部の方では結局矯激なる分子の煽動によつてそういう表決ができた、こういうふうにお考えになつておるのではございませんか。
○山田證人 おつしやる意味で私どもも当時了解しておりました。
○大橋委員 そうしますと、そういう共産系の矯激分子の活動か、あるいは煽動的な行爲がなければ事態はここまで発展せずに済んだということは、そのときにおいても管理部としてはお考えになつておられた。また今でもそういうふうにお考えになつておられる。かように考えますがいかがでしようか。
○山田證人 一部矯激分子には部内外の人間がいたことと思われますが、確かにその一部矯激分子がなかつたならば、あそこまでいかなかつただろうということは、結果的にも現在考えております。
○大橋委員 それだけです。
○聽濤委員 新交番のことにつきましては、先ほどあなたはこれをむりに行政整理の首切りと作爲的に結びつけて、そうして矯激心を植えつけて、問題が大きくなつたように言われましたが、神山君の質問の中であなたも從業員の側からそういうふうな機運が出て來る可能性があることはお認めになつていたようですが、事実千葉車掌区では大体組合の方ではこの新交番制をやりますと、六十五名ぐらい過剩人員が出て來る。これが首切りの対象の前触れだというふうに、非常につきつめて考えていたようですが、あなたの説明ではそれは全然関係のない話で、まつたく一部の者がそういうふうにむりにこじつけたように言われておりますが、われわれは他の証人で加瀬という指導助役から聞いたところによりますと、すでに千葉車掌区で五十何名の首切りが出る。実際上の結果からいたしまして大体符合して來る。これでもやはり、煽動者によつて新交番制が首切りを意味するというふうにむりにこじつけたとあなたは依然としてお考えになりますか。
○山田證人 その点は数字の点で当時浮いて來る人間の数は、千葉の車掌区だけでは勤務時間改正によります減員は当時の数で二十名であります。
○聽濤委員 それは車掌区長もそう言つておりました。ところが組合においてはこれとは意見を反対にしておつたようであります。
○山田證人 それは組合側の数字はどういう根拠で出て來るかわかりませんが、私ども業務上の数字は二十名で正確であると思います。
○聽濤委員 組合の方は現状において自分らの直接首になる問題ですから、非常に眞劍に計算をし、考えていると思います。事実結果がそういうふうに現れておりましたので、これはあなたが最初に言つたようなことはむしろあなたの言い方の方が少しこじつけではないかという感じがするのですがね。大体私たちが組合の側から聞いたところによると、今度新交番制につきまして業務命令として出ているわけです。ところがそれが非常にねこの目のようにぐるぐるかわつておるような事実があるのです。最初五月二十五日でしたかには六月一日から実施する準備をせよと車掌区へ通告して來た。ところが車掌区長会議はそれを十日に延期してくれ、そこでこれが東鉄局業務部車掌係によつて、その申入れを承認したといいますか、そういうことにするからという決定があつたというふうに言われておる。ところが五月三十一日になつて業務部長はあくまで六月一日から実施しろと命令した。ところが同じ日に管理局当局は業務部長を経て五日から実施すると言明した。それから少し飛びまして六月六日に至りますと、あくまで五日から実施するというのを車掌区長に文書をもつて通告をやつた。ところがこれは区長が握りつぶしておる。六月九日には区長から管理部長通告として十二日から実施するということを組合に提示した。ところがその晩に至つて突如次の朝の十日からこれを実施するというようにかわつて來ておる。しかも業務命令は、そのときは、私は官廳のそういう組織のことはよく知らないからわかりませんが、とにかくいろいろな人の名前によつてこの業務命令が出て來ておる。何だか命令系統というものが混乱し、また命令の趣旨というものも非常にねこの目のようにかわつておる。こういうことでは、これは新交番制の実施について混乱が起つて來るのは当然じやないかという印象が非常に強いわけです。事実最後のどたん場では、同じ日の十二日から実施すると通告して置きながら、突如夜になつて、しかも分会の組合員もいない、支部も知らないという状況の中で突如十日から実施するというようなことがきまつた。これでは十日のような混乱が起つて來るのは当然じやないかと私は考える。そういう点はどういうふうな実情になつておるわけですか、お話を承りたい。
○山田證人 先ほど申されました十日まで延ばすということを車掌係りから言つた云々ということは、私初耳でございます。それで命令系統は、冒頭に申し上げましたように、局長が文書をつくる前提となす乘務交路の指定をなす権限を與えられております。その所管は業務部でやつております。それで業務部で、つまり局ですが、乘務交路を各車掌区に指示いたしまして、その乘務交路に基く交番表を区長が作成するということに相なります。從つてその十日まで延ばすというようなことがかりに出たとすれば、当然私の耳に入つておらなければなりません。今初耳だと申し上げましたように、そういう事実は私は全然知つておりません。 それから五日からやつてくれとか、六日からやつてくれとかいうような点につきましては、先ほどからしばしば申し上げておりますように、結果的に五日でなければできないというような客観的情勢であつたので、原則としてはなるべく一刻も早くという線は、終始前後ちつともかわつておらないということは御了解願えるだろうと思いますが、車掌区のその当時の客観的な情勢を判断して、ここは五日、ここは六日ぐらいでなければ移りかわりができないだろうということは確かにあつたと思います。 最後の千葉車掌区の問題でありますが、その点私どもはあまりそういう話は聞いておりません。局から管理部長に対する指示は、あくまで事態が解決したら一刻も早く移りかわれという指示をいたしておりますので、車掌区長と管理部長の間でそういう事務的な仕事の作業面からいつた受渡し、話合いはあつたかもわかりませんが、局からの指示といたしましては、終始一貫、一刻も早くという点は四車掌区とも同じ状態でございます。
○聽濤委員 あなたの方の態度はそれでいかにも一貫しているようでありますが、現場の労働者の諸君は、非常に命令系統というものが猫の眼のようにかわる。混乱しておつて、どこからどういうふうに権威ある命令が出るのかわからないというふうなことを非常に問題にしておるのであります。こういうふうな事実はやはり重要ですから、あなた方の方もあの混乱についてあれほど問題にされるならば、責任をもつてこういうこともやはり十分お調べになる必要があるのじやないかと私は思うのです。ぜひあなたの方でもよく御調査になつて事態を公平に観察なさる必要があるのじやないかと私は思うわけです。 これはそれまでにしておきまして、もう一つお聞きしたいのは、千葉車掌区では、九日でありましたか、その前の日であつたかもしれませんが、最初九名の人たちが馘首された。行政処分を受けたわけです。これはやはり業務命令違反といいますか何かで馘首されたのだろうと思うのですが、その事実はもちろん御存じですね。
○山田證人 はあ。
○聽濤委員 ところでここでちよつとおかしく感じられますのは、六月の五日に——若宮車掌区長が、これはあとで意をひるがえしまして、当時大勢の人間に脅迫されて、心ならずもこういうことを言つたのだということを今日も証言しておるのでありますが、その区長は、理由がどうであつたにせよ、旧交番制でやつて行こう、組合と一緒にやろうということを六月の五日に約束したそうです。事実六日には、私の知つているところでは、五日から実施しろという車掌区長に対する文書通告を区長はにぎりつぶしておるそうであります。こういうふうなことで事実車掌区長自身も業務命令をじつとにぎりつぶしている。一両日の間——二日か三日か知りませんが……。こういうようなことだと、もし組合の諸君九名が業務命令違反で馘首されるならば、若宮区長の処分は問題にはならなかつたかということもお聞きしたい。
○山田證人 今のお話ですが、車掌区長が心ならずも云々ということは、お言葉の通り私どもも報告を受けております。從つて当時非常に脅迫的な空氣の中にむりやりに、延ばすという文書に署名させられたということも聞いております。從つてそれはただちに管理部長命で取消してありまして、形式論でございますが、行政的な効果は、車掌区長のことはあとからの管理部長の指示で取消しておるというふうに私どもは承知しております。 それから異動云々の点につきましては、車掌区長の異動は管理部長の権限になつておりますので、その実際の原因がどういう理由であつたかは管理部長にお聞き願うのが一番正確なものかと思いますが、私どもの聞いておりますのは、非常に疲れておる、それで休養させようというので、從つて若宮元車掌区長はただいま管理部長になつております。整理の対象には現在なりません。
○聽濤委員 私は何も若宮区長を首切れと言うのじやあありませんが、ただ非常にそういう片手落ちじやないかと感じられることがあるのです。しかし若宮区長は脅迫されて、外からの圧力で心ならずもそういうことを言つたということを証言しておる。あなた方もそれを信じておられるようでありますが、それだとしますと、先ほどから新交番制の問題についても、これは首切りには関係がないにもかかわらず、千葉車掌区の諸君はあくまで首切りと関連させて考えているのは、これは外からのいろいろな煽動と、丸共のいろいろな活動があつて、それでむりに結びつけて考えておるのだ。あるいはその後の鬪爭にいたしましても、そういう外からの圧力がなければこんなに激しくはならなかつた、こういうようなことをおなたは言つておられるのですが、そうすると千葉車掌区のこの鬪爭は、若宮区長が脅迫されて心にもないことを言つたように、やはりこれは外からの圧力で心ならずも不本意な鬪爭をやつた、こういうことになるわけです。
○山田證人 鬪爭をやつたとおつしやる趣旨がよくつかめませんが、そういうような状況に立至つたという点については、先ほどから申し上げておりますような一部矯激な分子、これは鉄道部内にもおりましたし、あるいは部外からもそういう分子入りまじつておつたようでありますが、それらの分子による煽動に基くものだということを、私ども当時報告を受け、かつそうであつたと考えておるのであります。
○聽濤委員 あなたのいわゆる組合の中の丸共というのは、これは丸共であつても、鉄道の從業員であることは変りはないわけです。これは問題はないはずではないはずです。ところがここでいろいろな圧力が加わつたということが問題とすれば、これは当然組合以外の外からの圧力ということが問題になる。変な筆法ですけれども、若宮区長が外からの圧力で心にもないことを言つた、そのことを管理部長は了承してそうして業務命令の違反の事実もあつたけれども、これは処分しなかつたというならば、組合に対しても同じことである。外からの圧力でああいう心ないことをやつた。それならばやはりこれは同じ関係が出て來る。こういうことでは、すべて問題は正当には解釈されない。問題の事態をはつきり正確に客観的につかんでいるとは思えない。むしろそいういうことを言うことが、作意的な考え方から出ておると考えざるを得ない。あなたのおつしやつてることは、そういういろいろな事情をほんとうに正確に率直に観察され、愼重に考えられ、問題の所在を十分考慮されてそういうことを発言されているのでありますか、あたらめてもう一ぺん聞きたいと思う。
○山田證人 私どもの考え方は先ほどから申し上げている点で間違いはないと思います。ただマル共々々で非常に誤解を招いたようでありますが、六十六名がマル共であるといううわさがあるという客観的事実を私は申し上げたのでありまして、その当時六十六名の思考傾向を調べて処分したわけではありません。その点はつきり申し上げておきます。
○聽濤委員 それならば、組合内部の問題としまして、百何十対二十何ぼという票数が出て、はつきりきめられて、もし当局がそういうような事実があるにかかわらず、すべて問題をあなた方の言う一部矯激分子の活動によつてなつた、こういうことをお考えになるとすると、これは組合運動自体をも最初から否定してかかつていると思う。これは民主主義の原則をほんとうに知らない。まつたく組合運動そのものを否定してかかつている。この間あなたも御存じの星加中鬪委員がここへ來まして、あの人がここで証言しておるのには、私たちもいろいろなふうにマル共の言動に対して反対しておつた。しかし今日國鉄の状況は、われわれが敗北しておるのだ。なぜ敗北しておるか、このことが非常に重要なんだ。このことを民自党の諸君はほんとうに考えてもらわないと、この國鉄の問題は解決できない。こういうことを星加君が証言しておる。そういうことをあなた方がちつとも考えていない。ついこの間の大会前にはマル共ではなくして、民同派が牛耳つておつたことも事実であります。これはすべて組合の中では、そういうようにいろいろ問題は討議され、民主的に討論されて問題がきまつて來る。だれがどうだつたからということによるものでないくらいのことは、あなただつて知つていなければならぬと思うが、やはりあなたの前におつしやつたような見解を依然として持ち続けられるわけですね。
○山田證人 私、労働問題なり、あるいは政治の問題については、非常に不勉強でございますし、本日は業務上の参考資料よりしか持つて参りませんので、ただいまの御質問にはどうも正確な当を得たお答えができないかと思います。
○聽濤委員 一部矯激分子の煽動というものは、警告文の中にあるそうですから、これは一應それではしかたがありませんが、しかしそれについては、あなたも相当意見を述べられたのではありませんか。そこで私も聞いたわけですが、それはそれでよいです。
○神山委員 ひとつ簡單に聞きたいのですが、今大橋君などが默つておれば聞く必要はないのですが、合法、非合法という問題をよく出すが、あなたの方は業務命令違反を懲戒処分でされることは公共企業作法で合法的だね。しかし公共企業体に反したということは、そのことで一つの犯罪行爲だというふうにお考えにならないでしようね。
○山田證人 それは私の考えでは罰則がついておりませんから、從つて法律上もただちにそれが刑法犯に該当するということは言えないのではないかと思います。行政処分ですから……。
○神山委員 從つてここの委員会でも合法、非合法という問題を使うときに、よほど愼重に事実に即した言葉を使つてもらいたいと思う。 それからこれは今のあなたの業務部長として関係があるのでちよつと聞きたいのですが、甲州口の工事のことはあなた干與していらつしやいますか。
○山田證人 新宿の駅のですか。
○神山委員 そうです。
○山田證人 私の方にも関係のある仕事です。
○神山委員 あなたが一方的に許可されて、もめごとが起つたというようなことはありませんか。
○山田證人 もめごとが起こつたという、もめる程度までには至りませんでしたが、一方的にやつたということも事実とおそらく違うように思います。 〔「それは議題外だ」と呼ぶ者あり〕
○神山委員 こういうことは議題外だということを盛んにそこらで言つておりますが、あなたは独断でやつたという氣にはならないでしようか、そういうふうにはたから見て問題が起つた。これは世間ではどうだといううわさまであるのあ事実なんです。あなたがさつきから問題になつているのは、業務部長としては正しくやられたつもりでしよう。それにもかかわらず從業員側から見れば、あなたの指示が正しく徹底しないで、そのために紛爭が起つて、現に聽濤君が出した千葉の問題ですが、千葉の問題のごときは十二日から新交番制を実施するしかないかとうことが紛爭の一つの原因になつて、しかも十日を前に控えた九日の晩に十日から執行するということがあつたために十日の紛爭を起しておるわけです。從つてあなたの方には報告がさつきから指摘しておるように、日本の官僚機構の特徴なんだが、官僚ばかりそろつているから痛いんだ。上の方に向つてはうまいことを言つて、下の方では逆なことをやつておることが今度の場合も関係しておるということはあなた考えませんか。
○山田證人 そういうことはないと確信しております。
○神山委員 しかし一番下のところはずれておる。こういう事実を御研究ください、そうしてあまり一方的な考えで矯激なりと判定されないように……。
○鍛冶委員長 では済みました。御苦労さまでした。 —————————————
○鍛冶委員長 崎山証人にお尋ねしますが、あなたは千葉の車掌区の車掌をしておいでだそうですね。
○崎山證人 そうです。
○鍛冶委員長 いつから千葉の車掌区の車掌になつておりますか。
○崎山證人 昨年の十二月ごろです。
○鍛冶委員長 現在もやつておりますね。
○崎山證人 はい、やつております。
○鍛冶委員長 この間六月の六日に千葉車掌区分会で大会を開いて、相当活発な議論があつたそうですが、それはどういうことで開いて、結局どういう決議等ができましたか。
○崎山證人 私は六月ごろは病氣上りで休んでおつたりしたものですから、六月の六日にどういうことをやられたのかちよつと忘れてしまつたのです。あのころは大会が頻繁にあつたようですから……。
○鍛冶委員長 先ほどから聞いたところによると、六月五日に車掌区長に対して新交番制でずいぶん交渉が激しく行われて、そこで車掌区長がやむなくそれでは新交番制を延ばそう、こう言つた。それが五日に終つてその次の日に職場大会が行われた。その大会です。
○崎山證人 どういうことを決議したというのですか。
○鍛冶委員長 それでは私の聞いたところを申し上げましよう。 まず第一番に車掌区長に対して、新交番制を実施しないようにしろ、そのかわりに業務命令に違反して首になるかもしれない。そうすれば百万円か二百万円の資金カンパをやつてやろう。そういうようなことを決議したと聞いております。
○崎山證人 そうすると鬪爭委員と区長が話合つて、区長が鬪爭委員の言うことを聞いたとかいうそのことですか。
○鍛冶委員長 その結果開かれたものです。
○崎山證人 そのときは私は公休でうちにおりましたからわかりません。そのことはちよつと聞いたことはあるのですが。
○鍛冶委員長 それからさらに九日にまた同じく職場大会が開かれたそうですね。
○崎山證人 開かれたかもしれませんけれども、私には記憶がありません。そのころは大会が頻繁に行われたですから……。
○鍛冶委員長 それなら私の方でわかつている範囲のことを聞きますが、要するに新交番制に從わないで、旧交番制でやるという決議が行われた。
○崎山證人 ええ、ございました。
○鍛冶委員長 そのときの状況はどういうものでしたか。
○崎山證人 そのときの状況と申しますと、ここにありますけれども、組合側としては旧交番によるところの乘務を行う、それでやるかやらないかで無記名投票をやつたわけです。その無記名投票の結果旧交番で乘務するという者百十二票、反対が二十四票でこれは旧交番で実施するということに組合で決定いたしました。
○鍛冶委員長 そのときに組合員以外の外部團体の人もその大会へ來ておつたということですがどうですか。
○崎山證人 私は代表らしき者が二、三傍聽しておつたと思います。
○鍛冶委員長 二、三人ですか。
○崎山證人 ええ。車掌区は人が多いですから大会なんかになるといぎつしり一ぱいなんです。ですから同じ車掌区だといつてもほかの職場と違いまして、各自の出勤時間とか退廳時間が違うから、お互いの顏を知らない場合が多いのです。從つて外廓團体の人が何名來ておつたかということを言われてもちよつとわからないのです。
○鍛冶委員長 その外廓團体の人の名前なり顏なり知つておりましたか。
○崎山證人 私の知つておる人はおりませんでした。
○鍛冶委員長 ただ外部の人というだけですか。
○崎山證人 外部の人というだけです。
○鍛冶委員長 何か赤旗を何本も持ち込んでおつたそうですね。
○崎山證人 私はそのときには前の方におりましたし、外部團体の人はうしろの方におつたのでわかりません。前の方には労働組合千葉支部の旗がありました。
○鍛冶委員長 その旗だけですか。外部團体の旗もあつたのではないですか。
○崎山證人 私は氣がつきませんでした。
○鍛冶委員長 労働組合の旗は何本でしたか。一本でしたか。
○崎山證人 そうです。千葉支部の労働組合の旗だけです。
○鍛冶委員長 そのほかにもあつたように聞いておるのですが、わかりませんか。
○崎山證人 わかりません。
○鍛冶委員長 それから十日の日には新交番制で乘るという車掌を乘せまいというので駅で相当もみ合いがあつたそうですね。
○崎山證人 ありました。
○鍛冶委員長 それはどういう状態でもみ合いが起りましたか。
○崎山證人 もみ合いというのは結局ここにも書いてあるのですが、初め管理部長が十二日からやれということを言つて來たのです。ところが十日の朝になつて急に今朝からやれということを言つて來たのです。それだもので組合としては先の決議もあるし、組合としてはやることはできないから旧交番でやてもらいたいということでやつておつたのです。ところが当局は公安官を動員して來て乘務する車掌を引張り降して、暴力的にわれわれの乘務を当局が拒否したわけです。
○鍛冶委員長 それはどういうわけですか。旧交番制で乘つておつたからですか。
○崎山證人 新交番制をしないというので運轉台から車掌を引張り降した。そうして第一次、第二次と檢束があつたのですけれども、第一次檢束のときには私は全然知らなかつたのですが、そのときにはこういううわさがあるのです。何でもこつちの車掌が乘つたところが、そこのところに千葉地檢の細野檢事が來て、その電車ちよつと待てと言つて十分くらいとめておいて、その人が駅長に命令して電車の出発信号を停止信号にさせてしまつた。そうして細野檢事とごたごたしている所へ今度は千葉市警の警察官が來て、十ぱ一からげで持つて行つてしまつた。これは私は第一次檢束を全然知らないので、第一次檢束を見た者の話です。
○大橋委員 何時の電車ですか。
○崎山證人 これは千葉発十一時七分、電車番号一一〇三号だつたと思います。 第二次のときには私もつかまつたのですが、このときには公安官によつて組合員の車掌は乘せられなかつたわけです。それで管理部当局は車掌の扱いも何も知らない事務員を乘せたわけです。そこでその事務員は運轉手のところへ聞きに行つた。ところが運轉手は、何だ、お前は車掌のくせにそんなこと知らないのか、おれは管理部から來たから車掌のことは何も知らないというようなことで運転手とごたごたやつておつたわけです。
○大橋委員 その電車は何時ですか。
○崎山證人 その電車は十二時半ごろでした。電車番号は一二一五Cだつたかな。それで私はそのときに所用で、やはり津田沼に行こうと思つて見ておつたところが、そういう状態なんだ。それでその管理部から來た事務員は何もできないんだ。運轉手とごたごたしておる。そのうちお客さんが來て、車掌に乘越したから切符を売つてくれと言つたが、切符を売ることもできない、そんな車掌を乘つけたらあぶなくて運轉できるか。それでこつちの車掌を乘つけてくれと頼んだのじやないか。別に発車を妨害したわけではなく、私は運轉台から三メートルか五メートル離れて言つた。そうしているうちに鉄道公安官と千葉市警の動員された警察官が來て、また十ぱ一からげに何でもかんでも皆ひつぱられた。
○鍛冶委員長 そのときに君もひつぱられたか。
○崎山證人 私もひつぱられました。
○鍛冶委員長 そこでそうやつて新交番制の車掌を乘せるとか、旧交番制の車掌を乘せるとか、ごたごたしておるときに、外部團体からそういう騷ぎについて應援者が來ておつたそうだが、おもにどういう團体が來ておりましたか。
○崎山證人 第二次檢束のときには、外部の人は來ておりません。第二次檢束のときに私たちつかまつたのは、車掌区の人みなで四名つかまつた。
○鍛冶委員長 第一次のときは多かつたのか。
○崎山證人 第一次のときは何でも大分やられたらしいです。
○鍛冶委員長 第一次は、あなた全然おらぬから知らぬのか。
○崎山證人 知らぬです。第一次のときには私は車掌区の中におつたわけです。
○鍛冶委員長 実情は知らないわけですか。ちよつと写眞を見せて……。
○崎山證人 その写眞にもはつきり私のアリバイが成立してますが、それは当局の写真でしよう。檢事は自分のとつた写眞に、私のアリバイが成立しておるのを知つておりながら、一一〇三Cの発車を妨害した疑いがあるというので、私どもをぶた箱の中にぶち込んだ。そんなばかなことをやつておるのだ。
○鍛冶委員長 第一号だが、これはあなたの言う第一次の騷ぎですか、第二次の騷ぎですか。
○崎山證人 これは第一次だと思います。一一〇三CにはG・I・カーがついておりますから……。
○鍛冶委員長 あなたはそのときはおらなかつたのですね。
○崎山證人 おりません。私がおらぬかおつたか当局の方が知つておるはずですよ。
○鍛冶委員長 それでは第二号の方をお目にかけますが、これはやはり第一次ですか。
○崎山證人 これも第一次です。
○鍛冶委員長 そうですか。これにもおらないのですね。
○崎山證人 おりません。
○鍛冶委員長 それでは第三号。
○崎山證人 これもG・I・カーがついておる、これも第一次だと思いますね。
○鍛冶委員長 四号、五号もみな第一次ばかりか。
○崎山證人 二等車のついておるのは第一次ばかりだ。私がつかまつたのは二等車がついておりません。これも第一次です。車のあれはわかりませんがね。
○鍛冶委員長 要するにあなたがその中へ入つておるかどうか。
○崎山證人 待てよ、これは第一次だな。第二次のときはこんなにはいなかつたよとおもうのだがね。ずいぶん抵抗しておるが、ぼくがつかまつたときは全然抵抗しておらぬからね、みんな……。
○鍛冶委員長 そこであなた何日間とめられた。
○崎山證人 十日、十一日、十二日と三日間とまつたのかな、はつきりは忘れちやつたけれども……。
○鍛冶委員長 被疑事実は何だね。公務執行妨害ですか。
○崎山證人 被疑事実は公務執行妨害だが、私をつかまえた巡査は一二一五Cの発車を妨害した事実、こういうことを言つておる。ところが檢事は自分自身が一一〇三Cの発車を妨害しておきながら、おれが妨害したとこういうばかなことを言つておる。檢事と巡査とまるつきり違う。おれは一体何のためにつかまつたのかわかりやしない。当局はそういうチヨボ一をやつておる。
○鍛冶委員長 それはよくわかりました。それであなたは新交番制に反対したのですか。
○崎山證人 もちろん反対しました。
○鍛冶委員長 その反対の理由はどういう理由ですか。
○崎山證人 反対の理由は、新交番制が実施されたならば、現在実施しておりますけれども、最もよくわかるのは、私なんかに聞くより、当委員会自身が千葉車掌区の現状を見てもらいたい。二階の休憩室へ行つて見てごらんなさい。乘務員は皆まつ青な顏をして寢ておる。ふろもない。二階はがらがらになつておる。のみとしらみの交響樂だ。そういう状態の中で、三日も四日もあそこへとまり込んだならば、それに現在の食糧事情、こういうものを考えたならば、この状態を半年、一年と続けておるうちに、乘務員は全員胸部疾患になるおそれがある。胸部疾患に限らないけれども病氣になるおそれがある。もはや経済的な問題ではない、倫理上の問題なんだ。三日も四日も家に帰らないというのは……。そういうように三日も四日も続けて乘務すると非常に疲労が激しいわけです、そうして乘務しても完全な乘務はできない、まごまごするとお客を引き殺さないとも限らぬ。それで安全な輸送を確保することと自分たちの生活を守ること、こういう二つの目的をもつて私は反対しておる。
○鍛冶委員長 あなた方それだけの信念を持つてやるならば、そのときに外部團体の力を借らぬでやつたらよさそうなものである。
○崎山證人 それはあなたの誤解ですね。私自身は反対しましたよ。新交番制実施に反対しましたけれども、何も外部團体の力を借りておりません。私は平組合員であつて、ただ採決のときに、こういう理由で反対だ、新交番制反対だと反対の意思を表示しただけです。
○鍛冶委員長 あなたはそうかもしれんが、外部團体が入つたものだからいろいろ言われるのだと思うが……。 〔「そんなことは本人の罪じやない」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 それではよろしゆうございます。ほかにありませんか。
○吉武委員 証人に二点聞きたいのですが、あなたは六月五日区長に対して組合の代表の方が話合いをされたときに立会われましたか。
○崎山證人 区長が承認したときには私は立会つておりません。
○吉武委員 その日は出席しておりませんか。
○崎山證人 おりません。
○吉武委員 あなたはそのときどこにおりました。
○崎山證人 私は家におりました。
○吉武委員 その日は全然御存じないですね。
○崎山證人 存じません。
○吉武委員 それでは次の点は、今お話になりました六月十日の第二次檢束のときの一二一五号の列車妨害に関係してですが、あなたは列車妨害の事実は全然ございませんか。
○崎山證人 ありません。これは説明しますが、運轉台から三メートル離れて、そんな車掌はあぶない、だからこつちの車掌を乘せてくれを言つたけれども、それで電車がとまるわけじやない。駅長さんが合図して、車掌がドアーを閉める。それで電車は走る。ところがあの電車が遅れたのは、別個の車掌が來てごたごたやつておる間に、その間に何だか知らないけれども、千葉市警の巡査がいつぱい來て、檢束するとか、ひつぱるとかごたごたやつた。そのために遅れた。
○吉武委員 その列車の出る現場におりましたか。
○崎山證人 発車するときにはおりません。
○吉武委員 発車する前には一間ほど離れていたのですね。いたことは事実ですね。
○崎山證人 私はその電車に乘ろうとしておつたのです。
○吉武委員 そのときにあなたは旧交番制によつて運轉をすべきであるという意味の演説か何かやりませんか。
○崎山證人 やりません。
○吉武委員 それから新交番制で乘車しようとした人をとめたというのですが、そのときに旧交番制で乘つて行けというような激励の意味も全然しませんか。
○崎山證人 激励の意味というと何ですか。
○吉武委員 問題は新交番で実施しようというのと旧交番で実施しようとするのと二つの爭いがあつたわけでしよう。そうですね。新交番制で車掌が乘ろうとしたのをとめた人がおるでしよう。第二次のときに新交番による車掌が乘ろうとしたのを妨げた人がいるわけでしよう。
○崎山證人 それは警察だ。それはお客も反対しているのですよ。お客さんがほかにおつたわけですが、そんなしろうとの車掌を乘つけたのでは、おれの命が危い、私は乘客の権利として当然正規の車掌の乘車を要求すると言つております。
○吉武委員 それはお客さんが言つたかどうか知らぬが、つまり管理者がその責任においてこの者に運轉をやれ、こういつたのを、あなたは、これはしろうとだからとか、あるいは新交番で乘るべきじやないということで、阻止したかどうかということを聞いているのです。全然あなたは何も言わないのですか。
○崎山證人 それは言いました。阻止というのは、私はしろうとの車掌では危いから、本ものの車掌を乘せてやつてくれということを言つたわけです。別に何もしないのですよ。
○吉武委員 やつてるじやないか。新しい交番でやることを阻止している。
○崎山證人 阻止してはおらぬ。よく聞きたまえ。そもそも國鉄の車掌というものは、ちやんとしたれつきとした資格がいるんだ。その資格のない事務員を乘つけて、お客の命は保証できやしないのだ。
○吉武委員 その車掌を乘せては惡いといつて決定する権限があなたにありますか。
○崎山證人 それはありません。
○吉武委員 それは管理者の責任においてやるのでしよう。それを妨げるということは、管理者のやる仕事を妨害したということになりませんか。
○崎山證人 それは管理者に私はお願いしたのですよ。それは危險だお客さんもそういつている、だから正規の車掌を乘せてくれ……。私は別に妨害したのではない。
○吉武委員 いや妨害かどうかはぼくらが決定すればよいのですが、あなたは新しい車掌を管理者が命じて乘せたのを、あれは危いから乘せてはだめだということを、言つたか言わないかというのです。 〔「言つたと言つてるじやないか」と呼ぶ者あり〕
○吉武委員 それではそれでけつこうです。
○小玉委員 あなたは車掌というか、鉄道に勤務されてからどのくらいの年数になりますか。
○崎山證人 それは事件と何か関係がありますか。
○小玉委員 あるから聞いておるのです。入られてから何年ぐらいになりますか。
○崎山證人 鉄道に入つたのは二十二年の五月です。
○小玉委員 そうするとあなたがずつと鉄道におる間は、全部旧交番制でやられておつたのですね。新交番制というようなやり方はあなたが鉄道に入つてからはなかつたのだね。
○崎山證人 それはちよいとおかしいですね。交番というのは——ちよつと待つてください。あなたは何にもわからないのだ。
○小玉委員 それは車掌でないから、わからぬから聞いている。わかつておれば聞く必要はないのだから。
○崎山證人 新交番制というのはこうなんですよ。ダイヤがかわると交番がかわるんですが、それは今まで何というか、労働の程度というものはかわらなかつたのです。交番そのものはかわつても、今度の新交番になつて労働量がぐつと重くなつたわけです。
○小玉委員 それはいいが、あなた方が反対したという今度の新交番制のような交番制は、今まで鉄道に入つてからはなかつたかとお聞きしているのです。
○崎山證人 こんなに重いのは今までありません。
○小玉委員 今度初めてというのすね。
○崎山證人 そうです。
○小玉委員 それから今千葉のどことか、のみとしらみとの交響樂だという、そこはどこですか。
○崎山證人 千葉車掌区の二階、私たちのとまるとろ。こういうところは非常に不潔なんです。
○小玉委員 それはいつからそういうふうになつたのですか。
○崎山證人 いつからといつて、私が入つたときは終戰後ですから、私が車掌区に奉職した当時からで、ときどきDDTで消毒しますが、すぐにわいて來るのです。
○小玉委員 今度の新交番制が施行されてからでなくて、ずつと前からあるのですね。あなたが入つてからあるわけですね。
○崎山證人 私が入つたときすでにそういう状態になつておりました。
○小玉委員 今日までずつとその状態で放擲してあつたのですね。
○崎山證人 全然放擲しておいたのではありません。組合ではときどきそれを直してくれと言つております、当局の方でもDDTで一時消毒してくれたのです。ところが少しくらい消毒してもだめなんです。というのは車掌が檢札に行くでしよう。ところが総武線の客車なんか御承知の通りきたないから、あそこでしらみ、のみをみな持つてくるのです。それが次の日になるとみな出て來る。
○小玉委員 そこには平素何人ぐらいとまつておるのですか。新交番制にかわる前の旧交番制時代には。
○崎山證人 それは毎日違うのです。
○小玉委員 大体違うだろうが、多いときはどれだけ、少ないときはどれだけ。
○崎山證人 多いときは。あの部屋が一ぱいになるのだから……。
○小玉委員 それは新交番制にかわる前からですね。
○崎山證人 多いときには一ぱいになつて、ふとんがなかつたり、二人で寢たりしている。
○小玉委員 そうするとその部屋に多数の人がとまつてのみや、しらみにいじめられるという現象は、新交番制になつてからのことではないのですね。
○崎山證人 そうなんですよ。ところが新交番制によると、今までは大がい一晩とまつて、長いときでも二晩とまつてそれで帰つてしまうわけです。ところが新交番になるとまるきり三日とまるのです。一週間のうちに。
○小玉委員 旧交番制のときは一晩ぐらいしか長い人でも連続してとまらなかつた。ところが新交番制になつて長い人は一週間もとまるというのですか。事実そういう状態ですか。
○崎山證人 長い人は、公休を除くと一週間に一度しか家に帰れないのです。
○小玉委員 と申しますと、連続は三日かそこらでしよう。
○崎山證人 三日です。
○小玉委員 そうすると旧交番制のときに比較して一日ぐらいしか連続して余計にとまらぬということになりますね。
○崎山證人 ところがですよ、だからあなた方は困るんだ。
○小玉委員 実情を聞いておるのだから。設備が惡いなら考えなければならぬ問題だから、聞いているのです。何もあなた方をどうしようというのではない。苦しい事実があればそのように訴えてもらいたい。
○崎山證人 それではお話しますけれども、二日連続でやつてもくたくたになつてしまうのです。ところが今度三日連続でしよう。そうなつたら乘務を終つて來るとふらふらになつて、うちの区長さんじやないけれども、精神もうろうとして、何が何だかさつぱりわからぬのです。二階へ行くとよくわかるのですけれども、朝ふとんをたたむでしよう。朝七頃たたむ。そうすると八時ごろにはまたふとんを半分ぐらいしいて、皆まつ青な顏をしてとろつとしておる。ほんとうの昔の土方部屋と同じですよ。
○小玉委員 新交番制をしいてから今日まで、約一箇月になりますか。
○崎山證人 六月十日からだから、約四十日です。
○小玉委員 その間に病氣が出ましたか。
○崎山證人 しかし車掌には胸部疾患というものが非常に多いのです。統計の結果、私聞いたのですけれども、車掌区が一番多いという話でした。
○小玉委員 それはよろしいが、病氣のために床について寢るというような人が出ておりますか、どうですか。
○崎山證人 床について寢ているような人は出ておりませんけれども、四十日くらいの乘務で、これは除々に行くものですから、外科とは違うのですから……。
○小玉委員 それで今日まで病氣で倒れて寢るような人は出ていない、こう承つてよろしいですか。
○崎山證人 わからぬですな、あなたは。現在の私の顏を見て下さいよ。
○小玉委員 それはよろしい。その点だけお聞きすればよろしい。病氣で倒れて床についているような人が出ているかということを聞いているのです。それは新交番制ゆえかどうか知らぬけれども、あなたは先ほどすぐ病氣になつてします、非常にひどい、のみや、しらみの交響樂でいじめられて、すぐ今にでも倒れるように誇張されておつたからお聞きするのです。
○崎山證人 内部疾患が多いのです。
○小玉委員 倒れておるというような人はない。こういうことですね。
○崎山證人 現在のところ倒れている人はありませんけれども……。
○小玉委員 事実あるかどうか聞いておるのだ。ほんとうに出るならば考えなければならぬ。病人が続出するような交番制だつたらまた研究しなければならぬということを聞いておるわけです。あなたが非常に強く言われておるから、新交番制をしいた後の乘務員の健康状態ということについてお聞きしておるわけです。
○崎山證人 それではお答えをいたします。現在私の知り得たところでは、新交番ゆえに病氣になつたと言うことは聞いておりませんが、病氣になる可能性は多大にあります。というのは、現在車掌区に行つてみたならば、さつきも言うように、くたくたになつている乘務員がいるんですよ。
○小玉委員 現実に病人が出ておるかどうかという健康状態についてお聞きしておるわけです。その点を非常に証人は、強調されておつたからお聞きしておるわけです。
○大橋委員 今の労働強化の問題は御説明でよくわかりました。そのほかに新交番制に対する反対の根拠として、これが首切りの前提であるというふうな議論が組合で行われた。そのことをもう少しお聞きしたい。
○崎山證人 そのことは初め新交番制の実施を当局が通告して來た。組合では区長さんや管理部長さんと交渉の結果総務課長さんかたれかに会つたのですが、そのときに新交番制は首切りの前提ではないか——非常に首切りということが言われておるから聞いたのです。そうでないと言われるから、それでは首を切らないということを部長から確約してくれ、そう言つたところが、それは私は保証できない。課長じやない部長……。
○大橋委員 管理部長か。
○崎山證人 そうだと思つた。何でも部長さんだそうしてそれを確約してくれと言つたところ確約できないと言う。どうして確約できないかと言つたところ、しばらくだまつていて失言取消し、これは私の関與したことじやないというお話でありました。部長さんに会う前に管理部の車掌係に会つた。それで総務課長さんとこの二人の方とも会つたのですが、組合員全員ではないけれども百人近く行つた。そうして交渉員を出して交渉をしたわけです。そうしたところが新交番によると人間が余る。この余つた人間をどうしてくれるんだ。遊んでいたつてしようがないじやないか。いやそれはかつてだ。当局の命令だから遊ばしておくんだ。そういうことを言つております。遊ばしておくということはおかしいじやないか。それでなくても赤字を出しているのに人を遊ばして給料を拂うなんておかしいじやないか。何とかして働かしたらいいじやないか。いや遊ばしておくのだ。その遊ばしておくというのは首を切るのか。いやそれは確約できない。失言取消しだ。そういうことを言つております。 大体こういう交渉の経過から見て、首切りの前提じやないかということがだんだんとわかつて來た。
○大橋委員 その交渉にあなたもお立会いになりましたか。
○崎山證人 私は初め総務課長さんと車掌係に対して交渉のときに行つております。そのあとで管理部長とのときにも傍聽しております。立会つたというとおかしいですが、傍聽はしております。
○大橋委員 その交渉にあなたは終始ずつと立会つて傍聽しておつたわけですね。
○崎山證人 私は途中で出番になつておりましたから、拔けたのですが。
○大橋委員 そうすると一番初めにたれとたれが交渉されたのですか。組合側のたれが車掌係のたれに交渉されたのですか。組合側の代表はどなたで、車掌係のそのときの係で應答された方はどなたですか。
○崎山證人 車掌係の名前は椎名という人です。総務課長の名前はよくわかりませんが、車掌係と言つても一人しかおりませんから、両方……。
○大橋委員 そうすると、その交渉は最初車掌係のところに行つて、そうして総務課長へ、順序はどうですか。
○崎山證人 順序は初めは総務課長が先ではなかつたかと思います。
○大橋委員 いつごろのことですか。
○崎山證人 六月のごく初めのころ新交番制実施の通告が当局からあつた一日から五日くらいまでの間じやないかと思います。
○大橋委員 そうすると猶予期間中ですな。
○崎山證人 そうです。
○大橋委員 そのとき余つた人を遊ばして置くということはどなたが言われたのですか。
○崎山證人 どつちが言つたのか、二人が相談しながら言つたのだから……。
○大橋委員 両方とも——二人とも一緒にいるところで交渉したのですか。
○崎山證人 そうなのです。
○大橋委員 管理部長はそのときおられたのですか。
○崎山證人 管理部長はおられない。初め課長がいて交渉したところ、車掌係がよく知つているということで、それでは呼んで來いということで呼んで來てもらつて交渉した。
○大橋委員 そうするとそのときにはこれは管理部の業務部長が先來ての話では、余つた人の大部分は小口扱いと言いますか、荷物の方へまわすのだということを話していたのですか。そのときはそんな話はありませんでしたか。
○崎山證人 そのときには手荷物関係の方へ新交番でどれくらい余つたか。何でも六、七十人余るはずである。これは私資料を持つていないからわかりませんけれども、この前の調査によると、これは助役さんなんかとも会つて聞いたことなんですが、手荷物関係の方へまわすとしてもなお余る。そういう人をどうしてくれるのだというと、やはり遊ばせておく。小口関係にまわすのだと言つたつて、これはわれわれの確約になるのですから、こういう労働條件に反してそういつたことを言われては困るではないかと言つたのです。
○大橋委員 それから今の小口関係へまわすそのときの大体人の余る人数、これは今あなた六十何人とおつしやいましたけれども、昨日管理部長、それから前の車掌区長の若宮さんのお話では二十人くらいだと言つておられます。
○崎山證人 待つてください。私はそう思つただけで資料は持つていないのだから、私の独断ですから……。
○大橋委員 いやいや独断でもないだろうが、そのころのことをもう少しお考えになつていただいて、大体新交番制どのくらいの人数が余るような感じをもつておられましたか。
○崎山證人 それはちよつと困難ですな。私はさつき言つたように平の組合員ですから、あまりの人の数なんかに関係しませんから……。
○大橋委員 そのときの交渉の中にあるいは組合の委員長とか、あるいは組合の幹部と直接交渉されたやりとりの中に幾たり余るという人数の話は出ておりませんでしたか。
○崎山證人 ぼくは人数の話も忘れました。
○大橋委員 氣がつきませんか。
○崎山證人 はい。
○大橋委員 それでそのときに百人ほど立会われたのはこれは大体組合員ばかりですな。
○崎山證人 そうです。
○大橋委員 そのときは部外の人はおりませんですな。
○崎山證人 全然おりません。
○大橋委員 そのときの百人の人はみんな新交番制を実施すると、人が余つて首切りの前提になるんだというような感じを持つたわけですか。
○崎山證人 それはその人の考え方というものはわからないですね。私自身もこれは首切りの前提ではないかということは考えました。
○大橋委員 わかりました。それからその後組合の中でおいろいろ新交番反対の論議が行われておるので、これにはあなたがお休みになつていたときのこともありましよう。また御出席になつているときもありましようが、その際にいろいろの論議のやりとりの中で、新交番に対する反対の一番大きな理由は首切りの前提になるという点でしたか、それとも今の寢泊まりするところの整理がうまくできれば、これで何とかやつて行けるということでございましたか。
○崎山證人 ちよつとお答えします。これは初め新交番制をやると、労働強化とかいろいろの、問題があるから、撤回さしてくれという交渉の過程において、これはだんだん日がたつに從つてこれは首切りの前提であるということがわかつて來た。そういうわけです。
○大橋委員 そうするとあなたが初めに氣負い込んで言われたように、これは首切りというものもこの中には含まつているぞという氣持が出て來た。こういうふうな御感想ですね。交渉の過程は初めは労働強化が一つと、それからそれに伴うところの設備が不十分じやないか。こういう点がおもな論点だつたけれども、そのうちだんだんいろいろやつておるうちに、これは首切りの前提になるのではないかというふうな空氣になつて來たわけですね。
○崎山證人 そうです。
○大橋委員 そういうふうになつたのは自然になつたのですね。
○崎山證人 そうです。交渉経過において、みな組合員が傍聽しておるのだからそうなつただろうと思います。私自身そうなんです。
○大橋委員 それについて反対しておられた——投票の結果を見ますと、二十数人反対しておられますね。その人たちの反対の理由はどういう理由でございますか。
○崎山證人 私には無記名投票ですから。
○大橋委員 その席上で議論はなかつたですか。採決するまでの間に。それでもし覚えておることがありましたら、それをちよつとでも……。
○崎山證人 新交番制賛成の理由ですが、それは新交番制をのまなければ、何でもかんでも当局の言うことをきかなければばくられてしまう、やられてしまう。こういうわけなんです。一方的に実施して來たものであつても、これをのまなければならない。そういう考え方です。
○大橋委員 そうしてその理由として、これはあなたも御存じでしよう。公共企業労働関係法を御存じありませんか。
○崎山證人 ちよつと待つてください。まだ呼んだことはありませんが。
○大橋委員 そのことは知つておりますか。
○崎山證人 法律があるということだけは知つております。
○大橋委員 それについて、ストだとかサボだとかそういうような爭議行爲が禁止されておるということも御承知ですね。
○崎山證人 それは私にはわからなかつたのですが。
○大橋委員 そういうストやあるいはサボ、その他の爭議行爲をした場合には、國有鉄道で一方的に解雇をしても文句が言えないのだという法律が出ておるのですけれども、そのことは御存じだつたでしようね。
○崎山證人 そういうこまかいことはわからないです。法律的なことは私は全然——こんな法律があるというくらいなもので……。
○大橋委員 そうすると組合員の方々にとりまして、一番大切な、行政整理も一つの首の問題なんですけれども、この公共企業体労働関係法に違反すると、これまた首になつてもどこへも持つて行き場がないという大事な法律を組合の幹部の方々が組合でいろいろこの新交番をどうするかこうするかという大事な議論をしておるときに、これををもしストまで持つて行く、あるいはこれを理由にしてサボをやるというようなことになりますと、場合によると首になつても仕方がないのだという説明は職場大会のときになかつたのですか。
○崎山證人 説明する必要はなかつたわけです。ストとかサボとかいうことは全然決議しておらぬです。全然私たちはやつておりません。
○大橋委員 そうすると新交番を拒否するということだけが問題になつていたわけですね。
○崎山證人 まあそういうわけです。
○大橋委員 そうすると新交番を拒否した結果、当局が業務命令を出すかもしれぬということは考えられておりましたか。
○崎山證人 私はそういうことを考えておりません。
○大橋委員 もし業務命令が出て、当局がぜひとも新交番でやれということになつて、それを聞かずに古い交番でやろうとすれば、場合によつてはそれがために電車がとまるようなこともあるかもしれない。そういうことになると場合によると解雇されても仕方がないのだという法律がほかに出ておるということを知らなかつたのですか。
○崎山證人 ちよつとお尋ねしますけれども、新交番制を当局の業務命令で実施しない場合には電車がとまるかもしれないということがありましたけれども……。
○大橋委員 それはつまり今言われたように新交番をやつて行くという場合にどうしても新交番を承知しないということになる、当局は新交番で組んでおりますな。そこであなた方が新交番では乘らないということになると、その電車に乘らない人ができて來ますね。
○崎山證人 いやできません。それは組合でこういうことを言つておりました。旧交番制を実施するのだ。結局当局は新交番制を実施しろと言つて來たけれども、組合としては旧交番制でやり、運行だけは絶対に確保するということを前提條件として決議をしたわけです。
○大橋委員 そうですか。そうすると初めからたとえ旧交番にしたところでその結果電車が遅れて発車するとか、あるいはとまるとかそういうことはないという予定だつたんですな。たまたま今の檢束騒ぎや何かの偶然な事故によつて遅発してああいう結果になつた。こういうわけですか。
○崎山證人 言つてることがわからないのです。
○大橋委員 いや、あなた方の方で新交番を拒否したところで、そのかわり旧交番で乘つて行くんだから、電車は定時に発車ができるんだ、こういうお考えだつたのでしよう。
○崎山證人 そうです。旧交番で乘務してもさしつかえないわけです。今までやつて來たんですから。少しも異常がないわけです。
○大橋委員 たまたま千葉で檢束騷ぎがあつてそのために電車が遅れていますね。これは旧交番新交番の問題でなく、まつたくあの檢束騷ぎという別の原因で遅れたんですね。
○崎山證人 電車が遅れたというのは檢束騷ぎです。新交番と全然関係ないとは言えませんが。
○大橋委員 新交番とは関係ないわけですね。つまり檢束騷ぎが起つたもとは新交番だけれども、しかしあなたの主張の通り旧交番でやつて行きさえすれば、乘る人が違うだけで、電車は定時に必ず発車するというわけですね。
○鍛冶委員長 新交番は拒否するけれども、旧交番のままで乘るんだから電車はとまらぬのだ、こういうわけでしよう。
○崎山證人 そうです。
○大橋委員 そうして、電車はとまらぬけれども、車掌区長あるいは管理部なりで新交番に乘れと言つたのに旧交番で乘るというと、業務命令に違反するということはことは皆さん御存じだつたでしよう。
○崎山證人 ところがおかしいんです。業務命令に反すると言うけれども、労働條件は團体交渉をもつということになつているんですから、新交番制は定員法による首切りと違いますから、労働條件だから團体交渉でやる、それを当局は話合いも何もしない。当局こそ違反しておる。
○大橋委員 当局の説明では新交番というものは、これは労働條件とは言うもののすでに労働協約できまつておるところの労働時間に從つて、そうしてだれそれはきようは何番の交番に乘れ、あしたはあれに乘れということを具体的にその場合にきめるだけであつて、すでに團体交渉して労働時間八時間制をきめたときに済んでいるんだ、あとは具体的にきようはお前は何をやれということをきめるだけだということを言つているんです。
○崎山證人 前からきめてあるというけれども、そういう根本的なことになると私にはわからないです。
○大橋委員 そうすると、あなたは團体交渉すべきことだというふうに思つておられたのですか。それはだれからそういうことを聞かされたですか、これは團体交渉しなければならぬのだということは。
○崎山證人 これは労働基準法にそんなことを書いてあるということを前々から知つていましたから。
○大橋委員 労働基準法にそんなことは書いてないんだ。
○崎山證人 それじや私の誤解です。
○大橋委員 それじやそういうふうに思い込んでおられたのですね。
○崎山證人 ええ。
○小玉委員 あなたは新交番で行くと、のみやしらみに責められる時間が長くなるんだと言われた。それは承つておきますが、從來の旧交番制に比較して、新交番になると実際の勤務時間がどれだけ長くなるかということは——一日平均。
○崎山證人 勤務時間は十時間くらいになるでしよう。
○小玉委員 從來の交番制に比較してどれだけ実際勤務時間が延長になるということについてはお知りになつていますか。
○崎山證人 それは私が実際交番を見て計算したところでは旧交番の場合には大体拘束八時間くらいで、新交番だと拘束九時間か十時間くらいになるのです。
○小玉委員 旧交番のときには拘束時間が八時間だつたのが、新交番になると拘束時間が十時間になる、こういうふうに考えておつたのですか。
○崎山證人 大体私の調べたところでは、交番を見て計算したのによると、大体概略ですけれどその通りになります。
○小玉委員 一日に二時間も拘束時間が長くなるというのですか。
○崎山證人 平均です。車掌の乘務というのは……。
○小玉委員 平均というのは一週間のことを言うのですか。一日のことを言うのですか。
○崎山證人 私は一週間をとつて、一週間で平均をとつている。
○小玉委員 一週間の平均で二時間ですか。
○崎山證人 一週間の平均をとつてみると、勤務時間は長いときも短いときもあるわけです。それで大体一日今まで拘束が八時間くらいだつたのが今度十時間くらいになる。
○小玉委員 そういうようにあなたは計算した。そのことについて車掌区長なりその他國鉄当局から、その点についての説明は、あなた方と交渉される過程においてなかつたのですか。
○崎山證人 その数字的な説明は全然行われておりません。
○小玉委員 東鉄の業務部長の山田という人の説明によると、一日に平均十二分の延長にしかならぬというのですがどうなんです。
○崎山證人 それはどこからそろばんをはじき出したものですか。
○小玉委員 あなたはそういうように考えておらぬのですか。一日に十二分しか從來の旧交番制に比較して実情の勤務時間が長くならぬと言つておるがどうなんです。
○崎山證人 実際は私がさつき言つた一週間の平均をとつてみると……。
○小玉委員 現在において、事実わかることなんだが、從來の交番制に比較して拘束時間が二時間長くなつておりますか。
○崎山證人 事実なりやいなやは私が一人で計算したのですから、まだ確信はありませんけれども。
○小玉委員 確信ないということはないでしよう。この問題が中心になつてあれだけの騷ぎをやつているのだから。
○崎山證人 数字というものは私はわからぬのですけれども、交番表を見れば、たとえば二日でやるのを一日でやるということになつている。これがきつい交番であるということは数字を見なくてもわかるわけです。
○小玉委員 それでは正確な認識はないと言うのですね。
○崎山證人 正確に私は何時、何分、何秒というのは……。
○小玉委員 それは計算すべきじやないか。まさにあなたの肩にかかる問題ではないか。一分、一秒だつて計算するのが建前じやないですか。
○崎山證人 しからば当委員会はなぜこんなに延ばしているか。われわれ乘務するときには一分、一秒の誤差も許されぬのです。
○小玉委員 そういう問いを発するということはない。それは別な問題だ。交番制と何にも関係しない。新交番制について精査されておらぬというから、あなたはそういうことを精査せずして新交番制の可否を問うたかということを聞いておるのです。時間の関係の計算はしなくても、國鉄のそういうやり方であるかと聞いておるのです。時間の問題は一番大切なんだ。重要な点じやないか。
○崎山證人 そう正確な時間ははからなくても、交番表を見れば大体どんなに重いものであるかということがわかる。大体二日で乘務したところを一日で乘務したということになるのです。一分とか三分とかということはわからないのですが、車掌として乗乘ているのですから、これは重いということはわかります。
○小玉委員 その時間の延長ということも重い原因になると思いますが、その重い原因の時間の延長については、あなたはどういうふうに知つておつたかということを聞きたいのです。
○崎山證人 それはさつき言つたように、新旧交番表を比較して私一人でやつたのですが、大体どのくらいになるかと思つたのですが、さつき言つたような時間になつたのです。
○吉武委員 それでは私からもう一度お尋ねいたします。新交番制が実施されてから一月になるのですが、実働はもとは八時間だつたのですか。(「拘束だ」と呼ぶ者あり)拘束十時間くらいになるのですか。
○崎山證人 それくらいになります。私が計算したところによりますと……。
○吉武委員 当局が調べられたところでは、今まで一週間の平均が七時間三十分だつたのものが十五分程度の延長だというのですか。
○崎山證人 その七時間三十分というのは拘束ですか。
○吉武委員 拘束だか実働だか知りませんが……。それでは実働はどうなりますか。
○崎山證人 もとの実働は私は見なかつたのですが、大体今度は八時間ぎりぎり一ぱいです。大体八時間くらいです。
○吉武委員 もとは。
○崎山證人 もとは六時間くらいだつたでしようか。
○吉武委員 鉄道は普通の工場のように毎日同じように八時間という勤務でなしに、長い短いがありますね。そこで新しい勤務制にかわると、今まで二日続けて勤務して中を休むというのが、三日続けて中を休むというような勤務になるだろうと思う。三日続いたところだけ見て、今までの二日が三日になつたということだけでは私は実際の勤務の強度というか、強化にはならないと思いますね。だから、そこはあなたは正直におつしやらなければならぬと思うのですが、どうですか。その勤務の変更があつたには違いないが、当局が言うのには、実働してみて十五分しか違わぬというのが、あなたの今の証言を聞くと、今まで二日勤務だつたのが三日になつた。それだけを聞いてみると非常に強化になるが、それほど非常な勤務の強化があるということなら、その勤務自体について考えなければならぬということも起り得るけれども、私ども想像するのに、鉄道勤務というのは日々勤務でないために、あるいは片寄つて勤務する場合があるかもしれないが、それは労働基準法でも四十八時間制でやつているわけだから全部で平均しなければならぬ。その平均が今まで八時間だつたのが十時間になつて來るというのはほんとうですか。
○崎山證人 ほんとうですか、うそですかというても、これは私は計算したのです。
○吉武委員 事実やつているかどうか、確かめてみようと思うから言つているのです。
○崎山證人 それは確実にはわかりませんね。
○大橋委員 その計算はいつごろやつたのですか。
○崎山證人 それは新交番が実施された六月二十日過ぎです。
○吉武委員 証人は今まで拘束八時間だつたのが二時間延長になつて十時間になつたというようなことを言つておられますので、この点はもう一度調べた上で……。
○神山委員 今の新交番に関連しますが、吉武君は当局側の資料を採用して、前の労働時間より十五分しか延びないと言う。また先ほどあなたのところの区長が來て、八分か九分しか延びないと言う。しかし今度は加瀬君はすでに相当重い負担になりますと、こう言つておるわけです。それから今度あなたの方を聞くとこれはたまらぬこういうわけです。從つて私は時間の問題をここで問題にするのではないが、今証人がここで陳述したことを尊重して私どもは十分調べなければならぬと思う。その上で正しい判断をくださねばならないと思う。從つて今あなたが述べられたこと、これは拘束十時間のように感じる。自分ではそう受けとつておるというのです。それでよいのだ。それからもう一つそれに関連してとまることが多くなつた。これは先ほども電車区長も認めておる。このことから先ほどの小玉委員は頭が少し固いので、まだ病氣が起らないじやないかと言うが、もうすでに青くなり始めておる。胸部疾患がふえるということが言えると思う。從つて委員長は現場を見てあなた方の証言を事実によつて裏づける必要があると思う。
○崎山證人 ぜひお願いします。私もそれを委員会にお願いしておく、ぜひ現場を見てもらいたい。
○神山委員 きようは証人にはこれでいいのだが、今までの証人尋問によつて明らかになつたことは、例によつて本調査報告が一方的であるということだ。これは君たちの足取りが全部調べてあるからあとで徹底的にあげるけれども、ここですでにはつきりしたことは、第一に六月六日に職場大会を祕密裡にと書いてあるが公開であつたということだ。六月の七日の日に管理部長から警告があつたと言うが、こういう事実はないということ。それから六月九日の日の分会大会は時間が間違つておる。いろいろ違つておる点相当ありますが、ストによる実力行使をやるということこういうふうに言つておるが、これは事実に反するということ。
○崎山證人 ここにその資料があります。今ぼくが事実を指摘した。もちろんわれわれはストをやるとか、サボをやるとかいうことは、旧交番によつてこの運行だけは死んでも運行を確保するということを決議している。
○神山委員 それでこういう一方的な調査報告に基いて、本委員会が運営されることはまことに遺憾である。しかも君たちはわれわれ委員に見せないで別な資料、写眞その他を持つてやつておる。相かわらずこの委員会の運営が一方的だということをはつきり記録にとどめておきたい。これは委員会自身が党の機関を使つて一方的な資料だけ出している。写眞を見ろ。
○小玉委員 一点伺いたいのは、あなたの先ほどからのお話を承ると、新交番制をしかれた際にはどのように労働強化が具体的になるかということについてはお調べになつていないようだが、そうしますと新交番制に反対されたその理由は、先ほどからお聞きするように、これをきつかけとして行政整理が行われるのじやないか、そこが一番懸念であつた。そのことを私は確認しておきたい。
○崎山證人 それは交渉のときに……。
○小玉委員 その点だけお聞きしておきたい。労働強化はどうなるか、自分たちにはいかように労働時間が長くなるだろうか、というようなことについては十分に精査しなかつた、当局からもその話を聞かなかつた。こうあなたはおつしやるのであるから結局新交番制をきつかけとして、それに反対したというのは、これを契機として首切りが行われるのではないか、行政整理が行われるのではないかということを恐れたということになります。それだけ確認してください。
○崎山證人 行政整理は新交番制反対の交渉経過においてわかつたものなんですよ。
○小玉委員 だからあなた方がこれに反対した理由は、結局これに続いて行政整理が行われるということを懸念して、あなた方が反対したと、こういうふうにお聞きしてよろしいかということです。
○崎山證人 わからんですね。
○小玉委員 当局から勤務時間がどうなるか、言うことを聞かない、またこのためにいかに労働強化になるかということをあなた方は聞かない。そうすれば新交番制だけを反対する理由はない。そこを聞いております。
○崎山證人 何を言つているかさつぱりわからぬ。
○小玉委員 わからなければわからぬでよろしい。
○崎山證人 それじやもう少し靜かに話してください。
○小玉委員 あなた方が新交番制をしかれた際は、旧交番制に比較してどれだけ労働時間が長くなるかとか、あるいはいかように労働強化になるかということについては、当局からも話を聞かなかつた。また私たちも正確には調べて見なかつた……。
○崎山證人 正確にはというのは時間を正確には調べなかつたというのです。交番表というものを見れば車掌というものは勘でわかるのです。はつきりわかるのはとまりが何日になるかとか、おれはいつ帰れるとか、そういうことはわかる。それですから時間のことははつきり調べてみます。
○小玉委員 だから交番制がしかれることが一番反対なので、それはさておき、いわゆる行政整理が二番目に続いて來るから、それがしやくにさわるか、どちらかということをお聞きしている。
○崎山證人 それではお答えします。私はさつきから何回も言つていることなんです。初めは首切り反対ぢやないんだ。初めは新交番制、これを反対するために交渉したのです。交渉しているうちに、さつきも言つたように、当局の口から首は保証しないというようなことを言われて來ているわけなんだ。そのためにこれは首切りの前提ではないか、こういうことを言うようになつた。
○小玉委員 それでは交番制自体ではなくて首切りを恐れて反対した。こう承つてよろしいですか。
○崎山證人 そうではないのですよ、新交番制に反対して、その交渉経過において首切りがあるだろうということがわかつたわけです。だけれども首切りというものは具体的に來ておらないから、首切り反対なんということは言えない。
○小玉委員 新交番制ということは腹にあるのではないか。
○崎山證人 それは人の腹はわからない。
○鍛冶委員長 理由がつけ加えられたという……。今度こそ済みました。それではどうぞ……。それから皆さんにお諮りしますが、細野檢事に対して、明日出頭するよう連絡いたしましたので、明日出頭しました際は、証人として証言を求めることに御承認を願います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 それでは異議なきものと認めます。本日はこれにて散会いたします。明日は午前正十一時より開会いたします。 午後七時三十九分散会