考査特別委員会 第14号
- 発言数
- 755 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/06/30
会議録
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。 石川縣下における耕地面積不正申告事件につきまして、証人より証言を求めることにいたします。 本日お見えになつております証人は敞田省三さん、泉淺吉さんの二人であります。これより証言を求めることになりますが、きのうやつたのですが、またきようも宣誓していたたかなければなりません。 証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言か証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれら親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて默秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓又は証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。 〔証人宣誓〕
○鍛冶委員長 それでは敞田さんからお聞きすることにいたしますから、泉さんはもう一ぺん元のところでお休みを願います。敞田さんは石川縣鹿島郡越路町字在江ですね。
○敞田證人 はい。
○鍛冶委員長 御職業は。
○敞田證人 農業兼会社員。
○鍛冶委員長 あなたの部落は在江ですね。在江部落の実際の耕作田地の面積はどれだけありますか。
○敞田證人 二十四町五反七畝二十歩が実耕作面積でございます。
○鍛冶委員長 それはどういうことでお調べになつたのですか。
○敞田證人 それはこの名寄町及び昨年の五月七日栄林寺におきまして、警察、地方事務所並びに役場と、それとわれわれ両者が立会いまして確認した反別であります。
○鍛冶委員長 ところが役場の台帳は二十六町五反歩となつておるそうですが……。
○敞田證人 それは他区の人が耕作しておる反別が入つておりますから、そうなつております。
○鍛冶委員長 在江部落のほかの区間の人がつくつておる反別を入れてそれだけになるわけですね。そうするとこれは間違いないですね。
○敞田證人 はい。
○鍛冶委員長 在江の部分だけは間違いないですね。
○敞田證人 そうです。
○鍛冶委員長 そうするとほかの者が約二町歩つくつておるわけですね。
○敞田證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 ところが役場へ届け出るについて、これと違つた申告をしておるそうですね。
○敞田證人 役場へは二十二町一反七畝といつて不正申告をしておるのです。
○鍛冶委員長 だれが一体その責任者ですか。
○敞田證人 表宗雄氏が責任者です。
○鍛冶委員長 それはどうして責任者になつたのですか。
○敞田證人 そのときの農業調整委員——そのときは食糧調整委員でした……。
○鍛冶委員長 委員長ですか。
○敞田證人 在江区の調整委員です。委員長は田中平治という人です。
○鍛冶委員長 それは委員長の責任ではないですか。
○敞田證人 委員長ではございません。在江区は在江区として、食糧調整委員がございまして、表宗雄氏が在江区の食糧調整委員です。
○鍛冶委員長 ところで役場から軍政部並びに地方事務所へは二十二年度には二十一町七反歩として報告してあるそうですね。
○敞田證人 二十一町七反の中に役場が約二町歩考慮しまして二十町三反五畝というものに米の割当基準反別を決定したわけなのであります。そこで約四町の差額があるわけなんです。
○鍛冶委員長 それはどうしてそういうことになつたのですか。
○敞田證人 それは要するに隠し田ということになります。
○鍛冶委員長 そうすると調整委員の方でも隠し田をいくらかする、役場でもいくらか隠し田をするということになるのですか。
○敞田證人 そういうことになります。いろいろそういうことについて、相当やかましく言いまして、先ほども申し上げた通り、昨年の五月七日に在江の営林事業におきまして、警察側、地方事務所側、役場側、われわれ業者の立合いで、二十四町五反七畝二十歩と確認したわけです。それは間違いない。
○鍛冶委員長 確認したらその通り報告しなければいけないのじやないか。
○敞田證人 そういうわけです。
○鍛冶委員長 やつておりますか。
○敞田證人 やつておりません。
○鍛冶委員長 そうすると四町ほどの開きのあるものに対して、割当てられる米はいくらぐらいになつているのですか。
○敞田證人 約九十石以上あるものと見ております。
○鍛冶委員長 それはどうなつています。不供出にしているのか、また供出させて……。
○敞田證人 これはどうなつているか、供出は役場に対しては、二十町三反五畝に対する供出の割当量は二百十四石四斗二升、保有量が二百八十一石八斗三升二合、合せて四百九十六石二斗五升というものが在江区の総収穫量になります。
○鍛冶委員長 部落全体に安くかけておるのか、それともかけるものはかけるが、何か特に……。
○敞田證人 一町三反五畝にすれば村全体が同じになるが、四町に対するところの割当は、農民組合というものができておりまして、その農民組合側の方でこれを不当利得しております。
○鍛冶委員長 九千石あまり。
○敞田證人 そうです。
○鍛冶委員長 どういうふうにしておるのですか。
○敞田證人 それをどういうふうにしておるか、その始末はわれわれ明らかでありませんが、反別をそのくらい不当利得しておりますから、そうなるわけです。
○鍛冶委員長 そこを聞きたいのだが、割当はしておるが、納めるときには二十町たけのものにして、米をどこかにまわしておるのか、それとも全体からとらないのか。
○敞田證人 その点はこういう実例が一つあります。われわれのわかるところでは偽造の轉落農家をつくつてあります。とにかく轉落でない人を轉落として、供出すべきところの米が余るにもかかわらず、供出をせんでいる、こういうことがありますからして、その供出をしない米はどうなつているか、その本人に聞かねばわかりませんが、そういう実例があります。
○鍛冶委員長 全体じやなくて、特別の人に少くかけて、それで埋め合しているということですか。
○敞田證人 そういうことではないかと思います。内々のことは、われわれそこまで調査はできませんからわかりません。
○鍛冶委員長 供出に対して不公平があるとか、そういうようなところから出て來ているのですか。
○敞田證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 そんな例はいくつもありますか。
○敞田證人 そういう例は、私ここに轉落農家でない人を五人だけあげてみました。たとえば橋本すずとかいう人は代人が二名おります。その実耕作数が六百五十六歩、収穫量は四石丸斗二升、保有量が三石六升七合、残高が一石二斗五升残らなければならないのですが、轉落農家になつている、こういう形であります。
○鍛冶委員長 そういう例をあんたは五つだけ調べて来たと言われるが、それはどういう方面の人ですか。
○敞田證人 それは農民組合の表宗雄氏側の方です。
○鍛冶委員長 表という人は農民組合の組合長ですか。
○敞田證人 副組合長であります。これは農業協同組合長をしておりますから、また農民組合と違います。農民組合は日農の農民組合に加盟しておりますが、在江区の組合長でなくて、副会長をしております。それから村の実権を握つたというのは、農業調整員、前には食糧調整員と言いましたが、そういう役目をしております。それで村の実権を握つております。
○鍛冶委員長 帳簿上実際の供出量と違つているということがあるそうですね。
○敞田證人 とにかくこれは長谷川三千三氏が供出すべきところに九俵という米の数字が発見された事実があるのです。これは在江の近くに農業協同組合の分所があるのであります。その分所に米を納めることになつておりますが、そこの主任で高瀬という人がおられますが、その人に帳簿を一度拜見したいと言つて行きますと、帳簿は全然見せなかつたわけであります。いろいろこういう点に不公平があるように思いまして、たびたび見たいと思つておりましたけれども、遂に見せなかつた。たまたまその高瀬という人は親類に事情がありまして、欠勤をせられたところ、そのかわりの人がよそから來ました。そのかわりの人にお願いいたしまして、昨年の一月二十七日でしたか、供出完納後その帳簿をその人に調べてもらいましたら、九俵しか供出をしていない。こういう直筆の書類をいただいたのであります。そこで九俵しかしておらない、こういうことをわれわれとしては認めたわけであります。
○鍛冶委員長 それじやその米か出なかつたり供出分が不足になるはずだがその埋合せはどうやつたか。
○敞田證人 その埋合せは四町いくらの不当利得をしているために、その中から出ておるものと思います。
○鍛冶委員長 それで捜査をやつておるか。
○敞田證人 はい。
○鍛冶委員長 何か村で労働封鎖が行われておるという話がありますが、その事実はありますか。
○敞田證人 労働封鎖は二十二年四月ごろ一度農民組合を結成いたしまして、それと同時に強硬なる農民組合の未加入者に対して労働封鎖をしておるのであります。
○鍛冶委員長 何かそれでは農民組合に入らない者の方でもそういうことをやつたからじやないか。双方でやつておるのではありませんか。
○敞田證人 そうではありません。それから彼らの言うことを聞きますと、私の方の製材所で農民組合の者は引いてやらない。こういうことを言うたから、われわれは労働封鎖をしたということでありますけれども、これは事実無根のことでありまして、われわれは現にどなたが聞いてもそういうことは否定しておりますし、そういう人があればいつでもこちらの方に出していただけばいいわけであります。
○鍛冶委員長 そういう事実はない。
○敞田證人 はい。
○鍛冶委員長 報奬物資に対する配給についても不公平があるとかなんとかいう話が……。
○敞田證人 報奬物資は農民組合未加入者に対しては昨年から一度ももらいません。
○鍛冶委員長 それは相当のものが來ておるか。
○敞田證人 それはどういうものが來ておるかわれわれの方では何ともわかりませんが、耳にしますといろいろ反物とか自轉車のタイヤ、チユーブ、毛布とかタバコとかあらゆる品物が相当量來ておるように聞いております。しかしまだ一度もタバコ一本もらいませんし、少しももらつておりません。
○鍛冶委員長 それはあなたがだね。
○敞田證人 末加入者の四、五人の人がもらつておりません。
○鍛冶委員長 そう言つておりますか。
○敞田證人 はい。
○鍛冶委員長 今年の農業調整委員選挙に際してもいろいろなからくりをやつたというが……。
○敞田證人 農業調整委員の選挙にあたりまして、われわれ農業組合未加入者に対して名簿を脱落したわけです。その事実は、その数日前に申告の用紙に印鑑を受領にまわつたそうです。われわれとしては今まで選挙にそういうことがなかつたものですから、そういうものがあると知らなかつたのであります。それで選挙翌日、そういう名簿があつて、君らは判を押さなかつた、こういうことを申しましたので、そのときに名簿があつたということを知りました。彼らとしては持つて來たけれども、はんこを押さなかつた、こういうふうに陰口を言つていると聞きました。その專属の小使か印鑑をとりにまわつたというので、その小使に、君はこういうものに判をもらいに行つたそうだが、そういう必要な選挙の名簿のようなものを、なぜ持つて來ないのを持つて來たとうそをついたかと、強くしかつたら、惡かつたからこらえてくれとあやまつておりました。
○鍛冶委員長 來なかつたと言うのか。
○敞田證人 はい、惡かつたが來なかつたと……。
○鍛冶委員長 一体町の管理委員会で職権を持つて名簿に記載しなければならぬものだと思うが、そういうことをやらなかつたのか。
○敞田證人 やりません。
○鍛冶委員長 名簿ができると指定した場所で関係人に縱覽せしめるということはなかつたですか。
○敞田證人 それは私ら四十年このかたあらゆる選挙について一度も名簿の脱落ということがなかつたから、そういうことについて閲覽しなくても名簿を落していないと思いまして、実は行かなかつたこともあるわけです。それに役場から一里以上もあるので行かなかつた……。
○鍛冶委員長 そうするとそうやつて名簿をこしらえないくらいだから、縱覽もさせてなかつたのではないか。やつておつたか。
○敞田證人 縱覽もしてなかつたわけです。
○鍛冶委員長 それから部落の土地台帳だとか供米に関するものだとかのそういう書類は、どういう者が保管しておるのですか。
○敞田證人 そういうものはとにかく耕作反別なんかの申告につきましては、始終出すごとに反別の数量が違つて來ておるのでありますから、私は実際の帳簿は何册あるか見たことはありませんけれども、いろいろ人の評判では帳簿を数冊も持つておつて適当にこれを出しておるということを耳にしております。
○鍛冶委員長 だれか……。
○敞田證人 表宗雄です。これは農業調整委員でありまして…。
○鍛冶委員長 表が持つておるのが権限なんですか。
○敞田證人 さようでございます。それは表が自由に保管しておることになつておるわけです。
○鍛冶委員長 それからあなたのところで耕作しておつた田圃へ、二十二年に十七人の者が突如として入つて來て、そして組合管理の土地だという立札を立てて、何か妨害をしたことがありますか。
○敞田證人 それは二十二年四月十一日ですが、地主立入禁止、あるいは農民組合管理地という立札を六箇所へ立てまして、そして人が馬で起したところへ入つて、またさらに耕作した。当時私は土地の侵害ということで訴えようと思いましたけれども、農地委員がありますから、農地委員にお願いしてこれを裁判していただこうと思いまして、別にその方はあまり深く思つておらなかつた。
○鍛冶委員長 その前に何か爭いがあつて裁判にかけるとかいうようなことをやつておつたのではないか。
○敞田證人 そういうことは少しもありません。
○鍛冶委員長 突如としてやつて來たか。
○敞田證人 はい、突如として……。
○鍛冶委員長 どういう理由ですか。
○敞田證人 それはその人たちは二十二年度に利作しておつた事実がある。しかしそれは一部の人であつて、了解を得まして、二十一年度につくつておつたのです。二十二年度の四月十一日に突然農民組合をつくりまして、耕作しておるところへ無断で入つて、またこれを耕したというわけです。
○鍛冶委員長 そうしてあなたはどうしました。
○敞田證人 それから私は、十七、八人も來てやつておるので、こういうことは農地委員にお願いをして何とかしていただこうと思いまして農地委員に申立てをしました。
○鍛冶委員長 そうしたら…。
○敞田證人 農地委員では、それは耕作権が二十二年度はあるからだめだ、こういうぐあいに言われました。
○鍛冶委員長 前の名にあるからというのですか。
○敞田證人 二十二年度の耕作者に耕作権があるから、自分の方はだめだ、こういうぐあいに判決を受けまして、向うの農民組合でつくつておられる。
○鍛冶委員長 それであなたは裁判にでもかけたのか。
○敞田證人 いや、かけません。
○鍛冶委員長 そのままですか。
○敞田證人 この中に耕作権のない人がまたそれをわけてつくつております。
○鍛冶委員長 では二十一年はあなたがつくつたのだね。
○敞田證人 つくりました。
○鍛冶委員長 二十年の権利を二十二年になつて、主張して來たのか。
○敞田證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 二十一年はなんでつくつたということを言わなかつたのか。
○敞田證人 二十一年は私が了解を得てつくつたのですが、法規がさらにさかのぼつて、二十年度の耕作権のある人はつくつてもいいという法規が出たからというので、そういうぐあいに彼らはやつたわけなのです。
○鍛冶委員長 それは裁判にもかけないで、組合自身がそういう強制執行みたいなことをやるのか。
○敞田證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 それはあなたのところだけか。ほかにもありますか。
○敞田證人 ほかにもちよいちよい聞いたことがありますが……。
○鍛冶委員長 それは裁判所で救済する方法がありそうなものだ。たといないにしても、私でそんな強制執行をやられてはたまつたものじやない。
○敞田證人 さようでございます。そのときに、われわれは法規が明るくないですから、農地委員に申し上げて農地委員からこれをお願いしたらよかろうということで、すぐ農地委員の方へ申し上げました。
○鍛冶委員長 まあ権利のあるなしは別ですが……。何かお尋ねすることはありますか。なるべく重複しないようにお願いいたします。
○神山委員 あなたの今の商賣は何ですか。
○敞田證人 私は農業兼会社員でございます。
○神山委員 その前は何をやつていらつしやいましたか。
○敞田證人 その前はやはり会社員です。
○神山委員 その前は何ですか。
○敞田證人 その前は学校から兵隊の方におりました。
○神山委員 兵隊にどのくらいいらつしやいました。
○敞田證人 兵隊は十二、三年もおりましたかね。
○神山委員 特務曹長で……。
○敞田證人 そうです。
○神山委員 それで今特殊セメント会社の重役ということになつていますが、しかし世間ではあなたがその会社の実権を持つているというふうに言つていますね。これはどうですか。
○敞田證人 それは違います。
○神山委員 そういうふうにおつしやるでしよう。それではお尋ねしますが、この間、橋向という人がピストルを打つていたので何とかなつたという事件がありますね。
○敞田證人 はあ。
○神山委員 あれを世間では、あなたのむすこさんの持つていたもので、あなたのピストルだと言つていますが、そういう事実はないでしような。
○敞田證人 ありません。
○神山委員 それではもう一つお尋ねしますが、あなた今井さんという事務員の方を知つておりますか。
○敞田證人 知つております。
○神山委員 それはあなたとどういう関係がありますか。
○敞田證人 ありません。
○神山委員 世間では、これはあなたの妾さんだというように言つておりますが、知りませんか。
○敞田證人 知りません。
○神山委員 この人の子供はだれの子供か知りませんか。
○敞田證人 知りません。
○神山委員 それから終戰直後、あなたは海軍の下士官や何かを使つて相当物資を隠匿したということが世間で言われておりますが、そんなことはありませんか。
○敞田證人 ありません。
○神山委員 あなたか大量の木材を何とかしたということはありませんか。
○敞田證人 ありません。
○神山委員 塩を摘発されたということはありませんか。
○敞田證人 ありません。
○神山委員 共産党で摘発されたことはないですか。
○敞田證人 ありません。
○神山委員 そうでしようね。それではお聞きしますか、あなたは今反共連盟の越路支部長ですか。
○敞田證人 そうです。
○神山委員 反共連盟というと、どういう人々がおりますか。
○敞田證人 それははつきりしませんが、私の方には佐味鉄尾という人がおられます。
○神山委員 佐味鉄尾という人はとういう方ですか。
○敞田證人 反共連盟の石川縣の支部長です。
○神山委員 そうしますと、あなた反共連盟はどういう指導方針に基いてやつておられるか、御存じですな。
○敞田證人 知つております。
○神山委員 それではその指導方針を言つて下さいませんか。
○敞田證人 それは今ここで申し上げられませんから、また後ほど……。
○神山委員 いやここではつきりさせたいのですか……。佐味鉄尾という人とあなたの親戚の敞田貞造が調査書要求を本委員会にお出しになつておる。この二人とも反共連盟の方です。あなたはその反共連盟の越路支部長でいらつしやるわけです。從つてあなたに私が反共連盟の実体についてお尋ねすることは、ここで答えてもらいたい。どういう目的でやつているかということを言つてもらえばいい。
○敞田證人 反共です。
○神山委員 反共というのは共産党の跋巵を制禦するという意味ですか。
○敞田證人 共産党がきらいですから……。
○神山委員 あなたの方で出した文書が私の方の手に入つているのですが、赤賊あるいは赤魔打倒と書いたビラをあなたは見たことがありませんか。
○敞田證人 あります。
○神山委員 見たでしよう。そしてその署名は反共連盟になつているのですが、あなたは御承知ですか。
○敞田證人 そのビラは見ました。
○神山委員 あなたが書いたとは言いませんが、あなたの指導者である佐味君が書いた。この佐味という人はどういう政党に関係しておりますか。
○敞田證人 政党関係は私は知りません。
○神山委員 この人はブローカーだつたのですね。
○敞田證人 それは知りません。
○神山委員 その前に保険会社の会社員ですね。
○敞田證人 それも知りません。
○神山委員 それで今は民自党の益谷という代議士と仲がいいのですか。
○敞田證人 それは知りません。
○神山委員 それではまたお尋ねしますか、あなたか省三さんで、弟の貞造さん、その弟の一貫さん、その一貫さんの奥さんの和子さん、この人たちは今どうしていらつしやいますか。反共連盟に入つていらつしやいますか。貞造はどうですか。
○敞田證人 入つております。
○神山委員 それからその人たちのところに升という人がおりますか。
○敞田證人 おります。
○神山委員 この人も反共連盟ですか。
○敞田證人 さようです。
○神山委員 それから、今日証人に來ている泉淺吉さん、この人も反共連盟ですね。
○敞田證人 そうです。
○神山委員 それであなたと四人がわかつたのですか、一体反共連盟というのは越路の町で何人ですか。
○敞田證人 何人ですか、はつきり知りません。
○神山委員 支部長が知らないのですか。
○敞田證人 記憶がありません。何か見ませんと……。
○神山委員 私の調査では七名。これにまた支持者と言いますか、土地の関係や何かで連なつている、たとえば鏑木辰丙、分家の敞田さんというような人たち、要するにあなたの一家族が中心にできているということを聞いているのですが、事実と違いますか。
○敞田證人 違います。
○神山委員 違つていることがあつたら言つてください。
○敞田證人 それは私の一家族でない人も入つております。
○神山委員 それはわかつておりますが、一家族が中心だということはわかつておりますね。
○敞田證人 中心かどうかわかりませんが、私が支部長になつておりますから、中心と言いますかね。何かそれにつきまして……。
○神山委員 それではお尋ねしますが、その和子さんという人は今何をしていますか。
○敞田證人 親元にもどつております。
○神山委員 職業は何ですか。
○敞田證人 職業は手傳いです。
○神山委員 どんなうちの手傳いをしておりますか。
○敞田證人 いろいろ飲食店とか、そういうことの手傳いをしております。
○神山委員 貸座敷というようなものですか。
○敞田證人 そういうものです。
○神山委員 世間でいう女郎屋ですか。
○敞田證人 何か知りませんが……。
○神山委員 そこにおられるわけですね。それで本人も————みたいなことをやつておられると世間で言つておりますが、そんなことを聞いたことはありませんか。
○敞田證人 それは知りません。
○鍛冶委員長 神山君、それはちよつと過ぎると思うが……。
○神山委員 これはあとの土地の不法取上の問題に関連するのだ。
○鍛冶委員長 しかし個人の恥辱に関することは注意してもらいたい。
○神山委員 それでは————だけ取消しましよう。 それではもう少し聞きますが、さつきの佐味鉄尾という人ですが、その人からあなた、バツジをもらつたことがありますか。
○敞田證人 それはもらつたことがあります。
○神山委員 その人が民自党のバッジを貰つたことは御存じですか。
○敞田證人 それは知りませんね。
○神山委員 それでは今度はまた具体的なことをお尋ねしますが、二十一年に敞田貞造さんはどのくらいつくつておつたか知りませんか。
○敞田證人 二十一年ですか。私は知りませんな。
○神山委員 それでは升さんはいくらぐらいつくつていたか知りませんか。
○敞田證人 二千三百歩つくつておりました。
○神山委員 それでどのくらい供出していたか知りませんか。
○敞田證人 その点は今はつきり記憶はありません。
○神山委員 たた升さんの場合、今までより重くなつたことは事実ですね。
○敞田證人 事実です。
○神山委員 それから敞田貞造さんの場合もそうでしよう。
○敞田證人 そうです。
○神山委員 全体にどうして重くなつたのですか。
○敞田證人 供出はみな一緒です。
○神山委員 数字で言いますと、敞田貞造さんは二十一年二石一斗四升、二十二年四石一斗八升、こういうふうにふえておるのです。こういうことは、今私が名前をあげた反共連盟に属している人は不公平だという根拠がある。それでお尋ねするのです。あなたの親戚でもあるし……。
○敞田證人 私は反共連盟や共産党をどうこう言うのではないが、不正があるために言うておる。
○神山委員 私は不正があると言われる根元を調べるために努力している。重くなつたとおつしやつたでしよう。敞田貞造さんも重くなつた。長谷川さんも重くなつた。升さんも重くなつた。
○敞田證人 重くなつたというのではないけれども、ともかく四町歩の田地を隠しておるということを私は主張しておる。
○神山委員 そのことを聞いておるのではない。そういう問題が出て来た根拠を私は聞いておるのだ。もう一つは、今私がお尋ねしたのは、二十一年から二十二年にかけて供出割当が重くなつておる。重くなつた原因は、今までその人が隠し田を打つていたものがみな出て來たでしよう。
○敞田證人 いや、そうじやありません。隠し田しておりません。敞田貞造は目分の実際耕作反別よりも百もよけい申告しております。
○神山委員 それは何年度ですか。
○敞田證人 二十二年度です。これは軍政隊が調査に來て、それがはつきりしているのです。
○神山委員 だから私が言つているのは、二十一年に二石一斗四升だつた。それが四石一斗八升にはね上つた根拠は、あなたが今おつしやつた百も出た。それは軍政隊が認めた結果でしよう。初めからそうじやなかつたのでしよう。
○敞田證人 私は二十一年度は知らない。
○神山委員 そういうことでしよう。要するに、この三人があるいは五人の人がこういう事実があるわけです。それを私はあなたから聞きたかつたわけです。 その次にお尋ねしますか、今の委員長の訊問に関連することですが、先ほど町役場から軍政隊並びに地方事務所に二十二年度二十一町一反歩というふうに報告してあるかとお聞きになりましたが、あなたはこれは調整委員がしたというふうにおつしやいましたが、これはあなたは責任をもつて言えますか。二十二年度の在江部落の耕地面積。
○敞田證人 二十二年度は二十一町一反七畝申告しております。
○神山委員 それをあなたにだれの責任かということを、さつき委員長が聞いたのです。
○敞田證人 これは当時の部落長といいますか、農業調整委員でございますか、その人が申告したわけです。その反別を役場の方に申告しているのです。
○神山委員 私が聞いているのは、役場から出したものを聞いている。その役場がきめるのは、あなたのお説のように調略委員か出したということが考えられます。私が聞いているのは、町役場ということをはつきりしたいのです。町役場が軍政隊や地方事務所に報告を出したのでしよう。
○敞田證人 それはだれが出したか知らない。
○神山委員 それを知らないことを、先ほど農地調整委員が出したということを言いましたね。軍政隊に。
○敞田證人 軍政隊に出したかどうか知りません、軍政隊が來て調査をされたのです。
○神山委員 しかしそのときは二軒しかしないでしよう。
○敞田證人 二軒です。
○神山委員 ですから全体の数字は町役場が出したので、農地調整委員が出したのでないということは言えませんか。
○鍛冶委員長 ぼくは役場に対してと言つたでしよう。軍政隊のことなんか言いません。役場に対してだれがやつたかということを聞いている。第二の所で聞いている。
○神山委員 私は三番の所を聞いている。それでは二に一ぺん帰つて聞きますが問題は、今度はだれが出したかというと、農地委員長は田中君、それから在江部落は表だと言うのですね。それはあなたは責任を持つて言えますか。
○敞田證人 さようです。
○神山委員 それでは、今さつきの問題ですが、あなたは町役場よりと言われないで、調整委員かすぐ軍政隊に報告されたというふうに言われましたけれども、これはどうですか。
○敞田證人 それは報告したのはどなたがしたか、私は知りません。
○神山委員 知らないでしよう。知らなければよいのです。その次に、町役場が、在江部落に対する供米割当基準面積として、耕作反別というものは二十二年度二十町三反歩と決定した。これも役場がしたのでしよう。
○敞田證人 役場がしたのです。
○神山委員 これはどうしてこういうふうになつたのか、あなたはわかりませんか。
○敞田證人 それは役場が考慮されたわけです。
○神山委員 それは何を考慮したのでしよう。
○敞田證人 反別を考慮されたのでしよう。
○神山委員 あなたはそれに対して責任を持つて言われますか。役場自身は全部に対して何を基準にして考慮したかというと、轉落農家かあるということを……。
○敞田證人 轉落農家はありますよ。轉落農家を考慮いたしまして、在江の保有量というものは、轉落農家は抜けることになりますが、轉落農家といえども田地をつくつておりますから、そのつくつておる農地からとるものは保有米に入りますから、轉落農家をのけてはいかぬ。抜けてはおりません。
○神山委員 あなたの言つておることが、いいとか正しいとかをいつておるのではない。あなたのお考えを聞いておるのですから、それはいいです。 そうしますと、その次は二十四町歩と二十町歩の開きです。これか何十石あるというようなことを聞くのでなく、何で引いたか、これはあなたはやつぱりさつきと同じように説明されますか。あなたは確信を持つてそう言えますか。
○敞田證人 どれをですか。
○神山委員 二十四町歩あるというふうに言つておられるのですが、その開きは責任を持つて言えますか。
○敞田證人 言えます。
○神山委員 それでは、その次にお尋ねしますが、これは軍政隊と七尾檢察廳の宮野檢事の調査がありましたね。この調査のあつた結果、どういう処分を受けましたか。
○敞田證人 処分はありません。
○神山委員 あなたのおつしやるような不正は、もし四町歩にわたつてあるとすれば、軍政隊がこういうことを特に取上げない根拠はどこにあると思いますか。
○敞田證人 その根拠は奈辺にあるかは知りませんが、檢察廳の方では、悪いことはしておると認める、けれども日本の法規には触れにくい、こういうぐあいにおつしやいました。
○神山委員 それはだれがですか。
○敞田證人 宮野檢事です。
○神山委員 宮野檢事がこういつておるわけですか。
○敞田證人 そういうぐあいにおつしやいました。
○神山委員 それは軍政隊はどういうふうに見たかわかりませんか。
○敞田證人 それはたしかに農民側の方の意見を諮られましたら、よけいあるということがわかつた、こういうぐあいにおつしやつておりました。
○神山委員 それでは、私がお尋ねしたように、そういうふうに軍政隊も惡いと言う、檢事もいけないと言う、それをどうして処罰しないのですか。
○敞田證人 檢事が、悪いということはあるけれども、どうも日本の法規には触れにくい、こういうぐあいにおつしやいました。
○神山委員 この考査委員会の調査員の調べによりましても、檢事がこの件は犯罪捜査の領域を越えていると言うのは、日本全國にこういうことがあるからでしよう。
○敞田證人 それは私は知りません。
○神山委員 あなたは知らないけれども、全國にあるのです。軍政隊もまた全國的にあることだから、しようがないといつて手をつけなかつたのです。こういう点をあなた方がよく御了解になれば、問題の解決に役に立つのじやないかと思います。これは一々やつて行けば切りがないですが、飛ばして労働封鎖の問題です。あなたの方では、別にそういうことをやつていないというふうにおつしやいましたが、農民組合の諸君に言わせますと、農民組合ができて、地主さんの方じやそれとはもう一切つき合いしない、嫁とりしても、むことりしても、あるいは死んでもなんでも、つき合いしないというようなことをされて來た。ことにあなたのところは、あなたは否定されますが、木をひいてくれと言つても、ひいてくれない、こういうふうな事実を言つております。それをあなたの説明を聞きたい。
○敞田證人 その事実がありましたら、その人たちをだれでも出してください。絶対にやつておりません。
○神山委員 それは必要があれば当然考査委員会で調べますから、いいです。 それから、先ほど長谷川三千三という人ですか、この人の供出の問題か出まして、実際供出量が九俵で、帳簿上供出すべきものが九石三斗、こういうふうに言われて、五石七斗不正をしていると言われましたが、これはほんとうにあなたは責任をもつて言えますか。
○敞田證人 これは当時、先ほど申し上げた通り、高瀬という人の代理に水本というお方が来ておられたのであります。高瀬という人かその帳簿を明らかに見せてくれなかつたものですから、たまたま不在で、かわりの人がおいでになつたときに引写してもらつたのでありまして、その実際の書類を考査委員の方に提出しておきましたが、直筆があるのでございます。
○神山委員 これは國家警察が立会いて、二—三年の秋に解決しておるのでけないですか。
○敞田證人 いや解決はしておりません。
○神山委員 それはあなたは責任を持つて言えますか。
○敞田證人 これは二十五反何畝あるということを確認しただけでありまして、解決はしておらぬ。
○神山委員 もしそういう不正があつたら、國家警察が黙つて帰るということは、あなた考えますか。
○敞田證人 それはどういうふうになつたか、私は知りません。当時はそういうふうになつておつたのであります。
○神山委員 だから、一部の人はデマだと言つておるのでありますが、そこで爭いがあるのであります。先ほど四町隠し田がある、これを農民組合長が何とかしておつたというふうにおつしやいましたね。これはあなたは責任を持つて言えますか。
○敞田證人 はあ。
○神山委員 それじや、もう一つ次にお尋ねいたしますが、五軒轉落農家がある。それはいまだに供出してないというふうにあなたにおつしやつたのですか、そうですか。
○敞田證人 それは供出すべき人に轉落農家になつておるわけです。
○神山委員 それで橋本すずさんという人をあげられましたね。その人は今も出しておりませんか。
○敞田證人 おりません。
○神山委員 あなたのおつしやる今というのはいつですか。
○敞田證人 二十二年度の分です。
○神山委員 二十三年度に橋本さんは出しております。
○敞田證人 二十三年度は私は調査して來ておりません。
○神山委員 干場さんも二十三年度は出しております。
○敞田證人 これは二十二年度です。
○神山委員 二十三年度には升さんも出しております。
○敞田證人 私は二十二年度のを申し上げておるのです。
○神山委員 あなたの方から調査請求が出たのは二十二年度に限つてではなくて、ついこの間こちらに出て來たが、さかのぼつて全体にこういうことがあるというので、私ども調べたのですが、それによりますと、仲谷さんも二十三年度には出しておる。もう一人の仲谷彦松という人も二十三年度には出しておる。藤澤さんも二十三年度には出しておる。そうしますと、一時轉落農家であつたものがだんだん経営をよくして行つて、供出するようになつたというふうに見られませんか。
○敞田證人 いや私は、これはは暴露されたために出しておるものと自分で思うておるのです。とにかく私らにわかつたために、そういうぐあいにしたのではないかと考えます。
○神山委員 今年は二十四年ですよ。
○敞田證人 二十四年度ですけれども、二十三年度分が今出ておるのです。
○神山委員 あなたの調査請求を出されたのは五月ですよ。ぼくは出ておるという事実を指摘しておけばいいのです。
○鍛冶委員長 それは認めておる。
○神山委員 二十二年度がそうだつたということだけはつきりしておけばいい。 それから今度は報奬物資ですが、報奬物資を一部の人にやらなかつた、あなたはこういうふうに言うわけですね。それに農民組合に入つていなかつたためにやらなかつたとおつしやるのですか。
○敞田證人 農民組合に入つておらなかつた未加入者におもに渡つておらぬわけなのです。全部でもないらしいです。農民組合未加入者の特にわれわれの方に対して割当を見ておらない、こういうわけです。
○神山委員 供出をなさつておるのですかその人たちは……。
○敞田證人 供出をしておる人もあります。
○神山委員 いない人もおる。
○敞田證人 われわれのような轉落の人もおります。
○神山委員 完全供出をしていない人、そういう場合があり得るでしよう。
○敞田證人 報奬物資は米一俵に対してどれだけとか、二俵に対してどれだけとかいうように配給せられると思つております。
○神山委員 それはあなたの弁明を尊重しておきますが、今あなたの回答の中で、初めあなたが農民組合に加入していない者は全部というようにおつしやつたが、農民組合に入つていない人もあるということがはつきりした。それから不完全供出の人もあるということをあなたはおつしやつた。
○敞田證人 それは農民組合に加入しなければ配給物資は十分にわけてやらない、こういうように言われた。農民組合に加入するように煽動しておられます。
○神山委員 そうしますと在江部落の土地台帳や供米配給に対する書類はだれが持つておりますか。
○敞田證人 表宗雄が持つております。
○神山委員 表君は農地委員ですか。
○敞田證人 農地委員ではありません。農業調整委員です。
○神山委員 農業調整委員が農業調整関係の供米配給のものを持つておるのはあたりまえですね。
○敞田證人 あたりまえです。
○神山委員 土地台帳は持つていない。
○敞田證人 持つております。
○神山委員 長谷川君が持つている……。
○敞田證人 それは表宗雄が持つのが建前です。だれが持つているのかわかりませんか。
○神山委員 建前とかあなたがそう思うということをここでおつしやつているのでしよう。
○敞田證人 それは私が持つておると思つても、同じ同志でありますから、あるいは長谷川のところへ行つたかそれはわかりません。
○神山委員 わからないことは断定的に言えないということなのですね。
○敞田證人 しかし表宗雄が持つておるのが規定なのです。
○神山委員 いや土地台帳も持つておるわけがない……。
○鍛冶委員長 それは現在どこにあるかわからぬが、持つておつたことはわからないのか。
○敞田證人 わかります。
○神山委員 持つておつたということがどうして証明できるか。 それから先ほどあなたが話された例の十七人の者が闖入して來て、そうしてなんとかかんとかいう話がありましたね。あれはどういうわけで起つたのです。
○敞田證人 あれは二十年度に耕作権があつたということであつて、二十一年度に耕作者と了解のもとでつくつた田圃なんです。しかるに二十二年度の四月十一日に日本農民組合というものが結成されまして、そうして無断で人の牛、馬で田圃を起こしてしまつた。
○神山委員 そこはわかりました。 次にお尋ねしますが、あんた農地調整法を知つておるでしよう。
○敞田證人 十分心得ておりません。
○神山委員 その法律はどういうようになつておるか知りませんか。
○敞田證人 その点ははつきりしません。
○神山委員 大事な法律を知らないからこういうことになるのです。その法律によればあなたが二十一年度の春向うから話合つてとつたと言つても、向うの人がそんなことはないと言わなくても、不法な取上げになるのです。
○敞田證人 下法な取上げになるか、一應前耕作者に多大の費用をもちまして草をとらす、田圃を起させたのですから了解を得てからやるのが順序だと思う。それで無断で入つてやるということは不法侵入ではないかと思う。
○神山委員 あなたはそう思うかもしれないが、向うが農地調整法に盾をとつて言つて來る根拠が法的にあるということをあなたは考えなければならない。
○敞田證人 しかし農地委員会というのは……。
○神山委員 わかつた。それで農地委員が出て來て、あなたがさつき委員長の質問ではだれもまとめないで話がついたようにおつしやつた。それをあなたの方は別に告発もしなかつた。なぜ不法行為だという告発をしなかつたのですか。そうじやなくて、農地委員会に話をかけて農地委員会で話がついたのでしよう。そうじやあないですか。
○敞田證人 そうです。
○神山委員 さつきあなたが言つたことと違う。農地委員で話がついておる。耕作権だけが確立されたわけですね。
○敞田證人 そうです。
○神山委員 そこをあなたにありのままに言つてもらいたかつた。その点をはつきりすることが必要だと思う。 また証人にお尋ねしますか、あなたそこにおる鈴木という調査委員を御存じですか。
○敞田證人 知つております。
○神山委員 その人があなたの部落に來たとき、どんなことをして行きましたか。
○敞田證人 どんなことをして行きましたかとおつしやると。
○神山委員 その人は一番初めどこの家に泊られましたか。
○敞田證人 どこの家に來られたか知りませんが、私の方に來られたのは夕方おいでになりました。十五日の夕方だとたしかに覚えております。
○神山委員 その向の日には村長さんの所へ泊つた。そうしてその次にあなたの所に泊つた、こういうわけですね。
○敞田證人 はい。
○神山委員 そうしてあなたの所で一ぱい飲んだという話がありますが、これは事実ですか。
○敞田證人 それは鈴木さんが何かビンに入れて、お酒を持つておられて、それを出して飲んでおられましたか、少し家にもあつたので差上げました。
○神山委員 それで一番最初の問題にかえりまして、あなた方としては共産党が嫌いかもしれないが、あなたは軍曹あたりをやつていたから嫌いかもしれないが、直接反共連盟をつくられた原因を聞きたいのですがね。
○敞田證人 別に具体的のことはない。たた共産党が嫌いでつくつたのです。
○神山委員 その直接のきつかけになつたのは敞田省三さん一家と世間ではその子分と言つておるのですが、その人たちの不法土地取上げの問題が一つのきつかけになつているのではないですか。
○敞田證人 それはそういうことはありません。
○神山委員 ないが、はたから見ればそう見える。 それからさつきのけがの発見ね。そのことはあなたはどういうふうに考えるのですか。
○敞田證人 けがというのは。
○神山委員 あなたの村で升幸次郎という人がけがをされたというのはこれはどうですか。
○敞田證人 それは私はそばにおりませんから、はつきりわかりませんけれども、その当時のことを聞きますと、いろいろ升幸次郎と仲谷芳太郎という人と口論をしておつたのです。ところが長谷川三千三という人はちよつと遠方におりましたが、それが來て升君の胸と足と手を持つて田圃に突落した。それでただちに医者の診断書を持つて警察へ告訴したわけです。ところがその当時に証人でない人がとにかく証人に出ておるのです。これは表宗雄は——泉淺吉という人がありますが、その人が証人に立てないところにおつたのですが、現にその人よりもまだうしろにおつたのです。その人がそのときに証人に出ておるのです。そういう事実がありまして……。
○神山委員 はい、わかりました。そうしますと、その事件は警察で調べたのでしよう。
○敞田證人 そうです。
○神山委員 檢察廳でも調べましたね。
○敞田證人 はい。
○神山委員 あなたの方の警察や、檢察廳がこの問題を結局取上げなかつたのは、あなたのおつしやるように升君を、長谷川君が胸ぐらをとつて手と足を持つて田圃の中へ投げこんだというのではなくて、事実が違つておるのではないですか。
○敞田證人 いや違つていません。
○神山委員 だがほかの方の人は違つておると言つておる。しかもそれの方か納得できるからこそ、警察にしろ、檢察廳にしろ証拠がこれでおちついておるのではないですか、どうですか。
○敞田證人 それは私はどうか知りません。
○神山委員 その次に伺いますが、今の選挙の問題ですがね。あなたの言い分は先ほど委員長に答弁されたかもわかりませんけれども、これは告示が村に出ていませんか。
○敞田證人 私は今申し上げた通り村まで一里以上ありましても、今まで四十年間この方選挙ということに漏れたことはないのです。私ばかりでなく一般の脱落した人は、こういう田舎のことでございますから、そういう選挙の脱落はないと思つて確信しておつたわけです。
○神山委員 村では告示していたということを言つております。 それからさつきの配給の問題ですが、報奬物資のほかに一般配給物資は、やはりちやんと抽籤その他で配給しておる。そういうことを聞いたことはありませんか。
○敞田證人 ありません。——こういうことはあります。これは私よく知りませんけれども、とにかく村に一回こうもり傘が來まして、たいへんきれいな十七、八の娘さんのさすこうもり傘で、それで十七、八の女の人だけで抽籤をしよう。こういう話が去年の暮れでしたかありました。五人おつたわけです。私にも娘が一人おつたわけですが、私の子の方にだけはその抽籤の案内がなかつたという実例はあります。そういうことを一回聞いておりますが、その後何が來ておるか、どういうものがありますか、案内がないし、こちらはわからぬのです。
○神山委員 ただあなたがそうおつしやいますが、殿樣か何でいつも自分の家にばかりこもつていたのかもしれぬけれども、一方村では告示したと言つておる。 それからまた今の一般の物資の配給の問題でも、抽籤のときは通知しておる。そのように言うのはあなた方の方の反共連盟の幹部だけだ。あなた方の下の人はとりに來ておる。こういう事実もあるわけです。 委員長またあとで聞くことがあれば聞きますが、これで一應終りますが、小委員の鈴木君の行動は非常にいかぬと思う。ここでも演説ぶつておるのだ、世界制覇論をやつちやつて、こういうことは非常に一方的だと思う。從つてこの調査員そのものに非常に一方的なものがあるということだけは承認してほしいと思います。
○鍛冶委員長 ちよつと聞きますが、この在江の農民組合はいつできたのですか。
○敞田證人 昭和二十二年の四月十一日に私の田地に入つた前にできたのですから、三月ごろだろうと思います。
○篠田委員 敞田さんにお尋ねしますが、今あなたの証言を聞いておりますと、結局表宗雄という人が農民組合を牛耳つて農民組合に入らない者については非常に意地惡いことをしておる、そうして農民組合に入つておる者には隠し田までして保護しておるという印象を受けたのですが、間違いありませんか。
○敞田證人 間違いありません。
○篠田委員 第二は表宗雄という人は何党に属しておる人ですか。
○敞田證人 共産党です。
○篠田委員 この表宗雄という人は近く某國の兵隊が日本に上陸して人民政府ができるが、そのとき反共の連中は女子供に至るまで全部撲殺すると言つたそうだが、ほんとうですか。
○敞田證人 私の兄弟の敞田長利というのがおります。それは昨年町長の選挙がありました。その選挙の演説のあとに座談会でいろいろな人に申したということを聞きました。そのときになお革命が起るかもしれぬ。その革命はどれくらいまでの程度だ。あるいは血の出る革命まで行くかもしれぬ。こういうことまで聞きました。
○篠田委員 それから味方になる者には供米を減らしてやる、税金もまけてやる、配給もよくしてやる、敵になる者には——反共派にはひどい目にあわしてやる、そういうことを言いましたか。
○敞田證人 敞田一派に反対した者はあとでひどいことをする。
○篠田委員 反共派に対してはそうするということになるわけですね。
○敞田證人 結局そういうことになります。
○篠田委員 それからもう一つ表宗雄という人が警察に対してわれわれにはむこう警察官のリストというものはちやんとできておる、そんなやつは今に地上から抹殺する、覚悟しておれ、そういう者の壽命は非常に短いということを言つたということは事実ですか。
○敞田證人 それは、私は記憶はありません。
○篠田委員 それからもう一つは農業用の電力線を切断したということはありますか。
○敞田證人 それは私の家に粉をひいておる機構と精米用の機構を置いております、それがちよいちよい切れるのです。それから私は專門家でないから行つて直すことはできませんが、專門家にお願いしてその元を調べてみますとヒユーズは切れておらないでヒユーズの頭を曲げてある。それですからだれかやつたに違いないということは確実に証明できます。
○篠田委員 だれかがやつたということはわかるけれども、しかしその電線によつて送られておる電力を使つておる者が必ずしも反共派とは思えないけれども、それはどういう事情ですか。
○敞田證人 それは私としてはとにかく反共派のそういうことをするものは決しておりませんが、やはり農民組合側で好意をもつてやるものでないかとも考えておりまして、いつかその現場を見定めようと思つて注意をしておりますが、なかなかこれが見つからないで困つております。
○篠田委員 それは反共派の工場とかあるいは脱穀所とか製粉所とかそういつたものに送られておる電力を故意にやつておるか何かそういうことがありますか。
○敞田證人 そういうのはあります。それは自分のところに電力を入れておるのですが、それを切断しておるのです。
○篠田委員 あなたのところの電力だけですか、それともほかにもそういうものはあるのですか。
○敞田證人 そういうところはほかには反共派ではありませんが、自分のところはそういう精米機とか製粉機を入れておるために、反共派の人は一々そこに來て便宜を與えておるわけですが、にわかに行きまして電氣が来ておらないとたいへん困ることはちよいちよいあります。
○篠田委員 労働封鎖という問題がさつきありましたが、労働封鎖ということは他人が反共派に手傳いに出ることをとめるのですか、それとも自分たちか出ないというのですか、どつちですか。
○敞田證人 とにかく農民組合は言うに及ばず中立の人たちがおります。その人たちだけにお前は敞田一派の方に農事を手傳いに行くとひどい目にあわす、それから配給物資が不円滑で渡らない。あるいは他部落からこちらの労務のお手傳いをお願いすることはあります。そうしたならばお前他の部落まで行つてはいかぬ、こういうぐあいに聞いております。
○篠田委員 そうすると、そのために何か耕作が非常に遅れたとかいう事実はありますか。
○敞田證人 ことしなんかでも三日か四日かに済む田植えを十日以上もかかつてやるので、非常に増産に阻害を來しております。
○篠田委員 どうもありがとうございました。
○鍛冶委員長 高木君。——できるだけ簡單に願います。
○高木(松)委員 簡單に要領だけ得たいと思います。私はこういうことを聞きたい。私の考え方は調査委員の調査したところによつてはわれわれの判断はしない。証人の証言によつて委員会中心においてものの判断をしようと思うので、その材料を完全ならしめるためにあなたから聞くのです。前もつてお断りをいたしておきたいことは、現実の問題があれば現実の問題でいいし、現実の問題がなくてもあなた方が日々の現象から受けたあなた個人の主観的な感じの問題まではつきりしてもらいたいと思う。私ども今日まで証人を調べてみると、どうしても明らかにしなければならぬ事情があるのは、農民組合とかまたある政治上の勢力とかをほんとうの心から発展させるのではなくして、自分の個人の利益の追求のためにこういうものを利用しているのではないか、言いかえればある政党というようなものの一つの圧力、威力を利用して、われわれは感じていないか一般にそういうものを感じておるものがあつて、そうしてそういう威力を利用したり、多数の農民組合をつくつて、この多数の力を正当に利用せずに不当に利用して、そうして自分のふところを肥さんがために、自分の利益を保護せんがために、自分の地位を保護せんがために、そういう行動をしておるような人があなたのところにはありませんか。
○敞田證人 今おつしやる通りです。
○高木(松)委員 それならそういう人はありますか。
○敞田證人 はい。
○高木(松)委員 表という男はどういう部類に属する人間ですか。
○敞田證人 この人は一例を申し上げますと、この肥料は農業協同組合から存江部落に対して分配されます。それと同時に金の請求も農業協同組合から表宗雄に対して一般の人からとれ、こういうふうに申して來ます。それで農業協同組合から請求する書類と表宗雄から出す書類と相違している。その事実は私はここに持つて來ておりますが、こういう書類があります。これは農業協同組合から昨年の六月分として二百七十二円九十四銭の請求が來ているのです。そうして表宗雄は三百五円七十銭なりの支拂い請求を別に受けております。これは実際の請求ですから、考査委員にあげておきます。
○高木(松)委員 そこに表君はいわゆる社会上の地位や政党の背景をもつて、そうして自己の利益を追求する御仁だということをあなたは感じませんか。
○敞田證人 感じます。
○高木(松)委員 それからあなたのところで表君が中心といいますかになつて農民組合をつくつておりますね。
○敞田證人 はあ。
○高木(松)委員 それは何人でつくつておりますか。
○敞田證人 昨年の春は三十五名おりましたが、現在ではほとんど村の九分通り農民組合に加入しておるのではないかと思います。
○高木(松)委員 それはどういう情勢でその人たちは入つて行くようになりましたか。
○敞田證人 それは先ほど申し上げた通りあるいは配給を円滑にするとか、とにかく農民組合未加入者のところに行つたならはひどい目にあわすとか、そういう強迫的なことで、農民というものは非常に心の小さいものでございまして、自然にそこに行く、こういうことになつております。
○高木(松)委員 先ほど篠田委員から問われたときに、あなたがお答えになつたような言辞を弄して精神的方面の移動を起さしめて入れたり、経済的利益をもつて勧誘したり、あらゆる手段をもつて入れるというような事実はあるわけですか。
○敞田證人 あるわけです。それで女くらいの無智な人に大きな丸い輪と小さい輪を二つ書きまして、お前大きな輪の方に行つた方がいいか、小さい輪の方に行つた方がいいか、大きな方が順序だ、なぜ農民組合に入らぬか、こういうふうに輪を書いて勧誘しております。
○高木(松)委員 そうするといま一つ最後に、そういう事実があるとすれば、ある政治上の勢力を背景としておる表君は、その政治上の團体の打つ理想といいましようか信念というものとはかけ離れた人間がそういうところに行つておるような事情になつておるわけですね。
○敞田證人 さようです。それは何もわからないで入つておる人は多いのです。
○鍛冶委員長 小林君。簡單に願います。
○小林(進)委員 今そういう事実があるという御答弁なんですが、その事実としてあなたはさつき具体的にいろいろ例をあげられたかと思う。いわゆる報奬物資の問題やら隠し田の問題やら、あるいは組合の問題やらをいろいろあげられたと思うのでありますが、私は公平な第三者としてお話を聞いて、事実があるとおつしやるけれども、具体的に私はあなたの例を一つも確認できないのです。 まず第一になぜあなたが一体この隠し田の問題を、こういうふうに四町も隠し田があるということを問題にされたかというその理由を私はお聞きしたいと思う。これはぼくはあなたに教えるためにしやべつているのではないけれども、隠し田があるということは全國共通である。政府も認めている。進駐軍も認めている。そのためにきのう私言つたのであるが、二割ないし三割の各縣全体の隠し田があるという前提のもとに政府は割当をしているのです。だからわれわれもまた國家予算の貧乏なもとにおいても、農業センサスといつて、隠し田をあばくために三十六億という予算を計上してやろうとしている。そういうことからいいましてこの隠し田それ自体は全國共通のもので、これは進駐軍、警察が問題にしないのと同じで、決して問題とすべきものではない。ただそのために隠し田からああつた九十石なら九十石の米を、農業調整委員が自己の権力によつて私したという確かな証拠があつてこそ、初めて彈劾すべき事実が生れて來る。しかしあなたの御証言の中に、この九十石——大体一反歩二石ぐらいの勘定でありますから、田にすれば中田ですが、これくらいの田からあがつた米を、農業調整委員の表が私したという確かなる証拠を教えていただきたいと思うのです。
○敞田證人 これは区なら区、六十軒あれは六十軒の者に公平にわけてあれば何でもない問題ですけれども、反共者、農民組合未加入者に対してはそれを割当てていない、こういうことが問題であります。
○小林(進)委員 その割当が不公平だと今あなたはおつしやる。ところが私どもが全國の各農村をまわつて見ましても、割当が公平だという部落は一つもありません。どこの農村に行つても農村は全部割当の不公平があるとなじつておる。だから問題は公平、不公平などということは議論の焦点にならない。いかなる割当をしたかという農業調整委員の割当のしかた、その方法を私はお聞きしたいと思う。たとえば表なら表という人は、自分が独裁的で一人で割当をやつたか、あるいは委員なりをあけて代表者を集めてその中で割当をしたか、どういう方法でやつたか、具体的にお聞きしたい。
○敞田證人 これは独裁でやつたものと認めます。なぜかというと、私の区に十名の協議員というものがおります。その協議員には反共、未加入者から二名出ておつた。それをお前のようなものは間に合わぬからということで除名をしたわけですから、むろん夫加入者は村のそういうことにたずさわることはできない。ですからいかなることをしておるか、そこがはつきりわからないのです。
○小林(進)委員 協議員を除名された二名の方は何という名前ですか。
○敞田證人 泉淺吉、升幸次郎。この泉淺吉という人はいろいろ区の費用がこれだけかかつた。しかしその細目を知りたいとやかましく言つておりましたら、お前のように、そんなことがわからぬ者ならばやめろ。こう言われて、除名ではなくやめさせられたわけです。 升幸次郎は昨年の四月十七日に書類をもつて除名したわけです。
○小林(進)委員 協議員を除名されたのですか。
○敞田證人 協力員を除名されたのです。
○小林(進)委員 協力員十名はどういうふうに選出されましたか。
○敞田證人 それは区全体が集まるのは非常に手数を食うから、その区から選出した区の議員のようなもので、それが集まつてきめるわけです。
○小林(進)委員 その議員の選出は部落ですか。
○敞田證人 部落で投票で選出されます。
○小林(進)委員 選出したその十名のうちの二名を表氏が個人で除名したのですか。
○敞田證人 除名したのです。
○小林(進)委員 部落で選出された十名の協議員を、その表君が個人でお前はだめだからといつて除名したのですか。
○敞田證人 升幸次郎は除名処分。一名は委員に不適当だという形です。これは泉淺吉はすぐ來ますからよく聞いてください。
○小林(進)委員 そうするとあとの割当は、残つた八名の人が各個人の割当をやつたわけですか。
○敞田證人 やはり表氏が割当して來るわけです。
○小林(進)委員 個人で割当したのですか。間違いありませんね。
○敞田證人 ありません。表宗雄氏が割当をやつたのです。
○小林(進)委員 その中で轉落農家に割当をしなかつたのも表個人でやつておるのですか。
○敞田證人 そうです。末加入者からは協力員が出ておりませんから、何をやつておるか事務のことはさつぱりわからぬ。
○小林(進)委員 そういうところに問題の重点があります。これはあなたの証言として私もあとの方から聞いてはみますが、もしあなたが知らないことを確信をもつて言つたら偽証罪になりますが、間違いありませんか。
○敞田證人 間違いありません。
○小林(進)委員 その次に一つお伺いいたしますが、これは実に重大な証言です——それからいわゆる割当報奬物資の問題ですが、この報奬物資も御承知のように、農村には一般の物資と報奬物資と両方あるのです。一般の配給物資は一般の家庭に行くか、報奬物資というものは早場米の報奬物資だとか、あるいは完納報奬物資だとか、あるいは超過報奬物資といつて、米を完納したもの、時期より出したものが報奬物資である。これは全部がもらえるものではない。それであなた方の方で確かにこれに該当しないからもらえないのではありませんか。
○敞田證人 あれは一俵に対して幾らという報奬物資があります。
○小林(進)委員 それは完納の報奬物資ですが、完納した場合には数量に基いて、一俵幾ら、完納ということを前提としてもらう。そういう該当者がないのにあなた方はおれのところに來ないといつて文句を言つておられるのではないかという私は懸念がする。
○敞田證人 そういうことはありません。
○小林(進)委員 報奬物資の不平も全國共通の不平で、たれにでもある。だからこれも確かなる一つの証拠をもつて來られないと、單なる感情で言つておられるのではないかと私は懸念をしておる。
○敞田證人 私は、主食のほかはわかりません。
○小林(進)委員 あなたは一部保有農家ですか。
○敞田證人 私は轉落農家です。供出農家ではありません。
○小林(進)委員 そんなら報奬は行くはずがない。
○敞田證人 私ではないが、未加入者にそういうのがおります。
○小林(進)委員 しいて加入者、未加入者と区別して言われるのであるけれども、轉落農家には行かない。資格のないものには行かないのだというように解釈できませんか。たれももらえる資格があるものにまでも、加入していないがゆえに報奬物資か行つていないと断言できますか。
○敞田證人 余の配給物資はどうなりますか。
○小林(進)委員 一般の配給物資は農民全部に行きます。村におつても農民でなければ行きませんよ。
○敞田證人 私は農民でございます。
○小林(進)委員 お寺の坊さんや、学校の先生には行きませんよ。その点は区別してはつきりと証拠をつかんでもらわないと困る。それからもう一つ報奬物資というものを各農村に行くと不公平だということを非常に聞く、何かおれのところに來ないという話はたれからも聞くが、その配給の元帳は役場に行つておるのであるから、役場に行つてなぜ聞いて來ないか。これはあなたにも言いたいのであるが、いつでも家の中におつて人から誘いに來るのを待つていて、來ない來ないと言つておるのではありませんか。なぜいま一歩足を踏み出して、役場に行けば配給元帳があるのだから、それを調査されれば、われわれの村に何が來ておるかはつきりわかる。そういう調査をするのは権利でもあり義務でもある。ところが農村ではそれだけの苦労をしないで、相手の当事者を彈劾するという風潮がある。一体何が何やらさつぱりわからぬということは困る。少くともこの考査委員会に提訴されるような方であれば、こういうものが何月何日にあつたが、私の方にはそれが來ないということをもつとはつきりさせてもらいたい。私はあなたの証言にもそういうことを感ずるのです。
○鍛冶委員長 小林君、証人の事実を聞けばよいが、あなたは意見だけ述べられている。それだけ注意してください。
○小林(進)委員 どうもさつきから相当小当な言葉を吐かれて、組合に入らなければ何々する云々というようなことを言われたのですが、そういう言をあなたの方でも吐かれたような記憶はございませんか。
○敞田證人 絶対それはありません。
○小林(進)委員 それではお聞きしますが、そういう組合に入らなければどうするというようなことを言われて、あなた方は心理的に相当恐怖を覚えましたか。
○敞田證人 私は轉落農家でありまして、別に大した農業もしておりませんから、相当感じはしますが、自分でさしあたりどうということはありませんけれども、他の農民組合未加入者はたいへん困つております。
○小林(進)委員 どうもその困つておるというのがわからない。
○敞田證人 たとえば今の田付あたりでも、二日か三日で済むのが十日もかかる。
○小林(進)委員 どうして十日もかかるのですか。
○敞田證人 手が足りませんから。組合に入らない人には手傳いに來ないのです。
○小林(進)委員 本家分家でもけんかをすれば、手傳いに來ません。そういうことと違つて何か……。
○敞田證人 行きたくても止められておるから行けぬのです。
○小林(進)委員 それも間違いありませんか。
○敞田證人 間違いありません。
○神山委員 敞田丈太という人がいますね。今町会議員ですか。この人の兄さんか弟さんが、縣の防犯課長をやつておりますね。この人が不正をやつたことは知りませんか。
○敞田證人 ひとのことだから知りません。
○神山委員 先ほどの土地の面積の問題ですが、あなたが指摘された点がもしかりに——私たちは違つた数字や意見を持つておりますが、正しいとしても、これは町長はもちろん、地方事務所も認め、縣知事も認めて農林省に出しているということは考えたことがありませんか。
○敞田證人 それも知りません。
○神山委員 それではもう一つお尋ねします。泉淺吉、升幸次郎という人を除名したのは表君ですか。
○敞田證人 それは組合としてやつたのですから、どなたが除名したか知りません。とにかくそれを発表したのです。
○神山委員 あなたは先ほど表君が除名したとおつしやいましたので、今のあなたのお答えと違いますよ。どちらが正しいのですか。
○敞田證人 私は除名の発表のときはおりませんけれども、大衆の前に発表したからして、表氏が村のすべてをやつているので、表氏かやつたものと思つております。
○神山委員 それではこの文章を読みますから、ちよつと聞いてください。「在江区村政執行協力委員は十名にして、このうち八名は協同して二名の任務の遂行を小能ならしめるために、一名(泉淺吉)は自責上やめた。他の一名は多数決により除名されたり。」と書いてあるがこれはどうでしよう。
○敞田證人 多数決というのは同士の農民組合なんです。
○神山委員 するとあなたの言われる表君が除名したということと、今言う多数次ということ、どちらがほんとうですか。
○敞田證人 多数というのは農民組合が全体をもつてやるわけであります。農民組合未加入者を除名したわけなんです。
○神山委員 それではどうしてあなたは表氏だと思われるのですか。
○敞田證人 表君が村の責任者ですから……。
○小玉委員 あなたの先ほどからの証言をお聞きしておりますと、村政について、たとえば物の割当、米供出の割当であるとか、あるいは報奬物資の分配であるとかいう点については、組合員以外の反共派ないしは非組合員については組合側が実験を握つておつて、いわゆる鉄のカーテンを下げておつて、その中を反共派、非組合員には一向のぞかせない、知るによしなしというような村政になつておるわけですね。
○敞田證人 さようでございます。
○小玉委員 それから鈴木調査員があなたの家へ行かれたというのですが、夜遅くまでおられたのですか。
○敞田證人 夜明けまで寢ないで調べました。
○小玉委員 ところが神山君がこの間からこういうことがあつたといつて調べたのですが、そういうことがあると、共産党の方が夜も寢ずにあなたの家に立ち入るとか、その他の方法によつて情報をとる、こういう状態ですか。
○敞田證人 そういうことはちよいちよい家の玄関にいるのを見かけます。
○大橋委員 先ほどから共産党のことが大問題になつている。証人は反共連盟をおつくりになりましたけれども、あなたの村に共産党が入つて來たのはいつですか。
○敞田證人 表宗雄氏は七尾商業学校を出た人で、爾後大阪に行つて雜貨商店の行商をやつておられたということを聞きます。その当事から党員に入つておられたということを聞きましたが、終戰後六箇月か一箇年たつてからこちらにお帰りになりました。
○大橋委員 そして今表君は大勢の人を誘い込まれて、共産党を拡張されたわけですか。
○敞田證人 その支援者はたくさんついております。
○大橋委員 それは共産党に入党しておりますか。
○敞田證人 その点は入党しているかどうかはつきりわかりません。
○大橋委員 そうするとあなたが反共組織をつくられた目的は、表氏一派の不正あるいは不当を糾彈する目的だつたのですか。
○敞田證人 そういうわけではありません。
○大橋委員 共産党がこれ以上はびこらないようにということですか。
○敞田證人 そうです。表一派ということに共産党という意味でなくして、区の政治上非常に不公平があるということについて、私はやつておりましたので、別に共産党だからどうやという意味ではございません。
○大橋委員 そうすると、反共というものをつくられた理由はどういう理由ですか。
○敞田證人 先ほど申し上げた通り、共産党に対しては不正なことをちよいちよい見ますし、とにかく共産党はきらいです。
○大森委員 実は先ほどお尋ねがあつたので、大体お尋ねせぬでもいいと思うが、もう一應お尋ねしておきます。 今の敞田君のおられる越路村は——これはどういうことかと申しますと、流言ならば幸いと思いますが、しかし先ほどお尋ねになられたように、その表君であつたか、あるいは長谷川君であつたか、はつきりしたことは存じませんが、近く能登半島に上陸する。その場合においてはもはやお前たちのような者は全部皆殺しするのである、それはどうしてかというと、ソビエトの兵隊が上つて來る。こういうようなことを言つておるということを私どもは流言としてやはりどことなく聞かされておるのでありますが、証人はこうしたことをお聞きになられたことかあるかどうか、もう一つは田の問題でありますが、あなたのところへ大勢入つて來た。そのときに、私もちよつと聞いておつたけれども、これらもいろいろ取調べもいたしたが、今申し上げたようなぐあいであつて、大体警察官がふるえ上つた。そうして越路村二宮というところに駐在所があるが、これらなどは、もはや在江ぐらいの問題については口を聞くことはできません。いつ首になるかわからぬというふうに恐れておると聞いておりますが、これは証人はどうでしようか。
○敞田證人 今おつしやる通り駐在所の問題は共産党がうるさくて、いろいろ困つている様子であります。
○鍛冶委員長 前の話はそれに似たようなことがありましたか。表氏の言われた今に中共軍が能登へ上るというような話がありましたか。
○敞田證人 戰爭が始まるとソ連が必ず勝つという話は聞きましたが、能登へ上つて来るという話は聞きません。
○鍛冶委員長 済みました。御苦労さまでした。 —————————————
○鍛冶委員長 泉淺吉さんですね。
○泉證人 はい。
○鍛冶委員長 所は石川縣鹿島郡越路村字在江ですね。
○泉證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 職業は農業ですね。
○泉證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 あなたの在江部落で実際耕作しておる田の面積は幾らでありますか。
○泉證人 二十四町五反七畝二十歩です。
○鍛冶委員長 ところが役場の台帳は二十四町五反歩あると書いてあるそうですね。
○泉證人 役場の台帳をこの間よく調べてみると、入耕作を加えるというと、三十一町あります。それは何年目に改正するかわれわれはわからぬけれども……。
○鍛冶委員長 そこで在江部落の耕作田也の面積は、役場へどれだけだと言つて届けておりますか。
○泉證人 二十二年度に二十二町二反余り、それから上は私はしつかり覚えはないですがね。
○鍛冶委員長 二十三年はどうです。
○泉證人 二十三町幾らになつております。二十三年度には減つておるのですが、減つておるにかかわらず役場の方はそういうふうになつております。
○鍛冶委員長 そういうことをだれが役場へ申告するのですか。
○泉證人 表穴宗雄です。
○鍛冶委員長 それはどういう意味で表宗雄が申告するのですか。どういう資格で……。
○泉證人 どういう資格でと言つてわれわれに考えさせると、やはり何か……。
○鍛冶委員長 そして役場はこれを縣や地方事務所へ届け出るときには、またさらにもつと少いことにしておるそうですが、役場は供米割当に関する反別をどれだけと言つて出しておるのか。
○泉證人 供米の割当ですね。
○鍛冶委員長 町として在江部落へ供米の割当をしますね。その反別は幾らですか。
○泉證人 二十町三反五畝です。
○鍛冶委員長 ますます実際より少いのですね。
○泉證人 そうです。
○鍛冶委員長 それはどうしてそういうことになつているのですか。
○泉證人 横着するのにはそれくらいのことをしなければ横着ができません。(笑声)
○鍛冶委員長 すると四町ばかり減つていますね。
○泉證人 そうです。二十町三反五畝というものに対して供出と保有米ととつてあるのです。
○鍛冶委員長 ほんとうに出せばどのくらい違いがあるのですか。四町余りの隠し田で……。
○泉證人 われわれの方では八合歩といつておりますから、八十何石か、ちよつと百石足らずほどの違いがあります。
○鍛冶委員長 それは、それだけ在江部落全体に供米を少くかけているのではないですか。
○泉證人 少いのです。われわれの方は歩八合一勺強になつております。供出の出し方から言つて四町歩余りは表側の方だけ割つているものか、また五人か十人かしてそれをやつているか、それは私たちはわかりません。
○鍛冶委員長 それはあなたたちは当り前にとられているのですか。
○泉證人 八合一勺強になつております。
○鍛冶委員長 特定の者が特別に少くせられている事実を知つてしおりますか。だれがどういうふうにされているかというような……。
○泉證人 一軒々々について調べたことはないから、それははつきりわかりません。
○鍛冶委員長 ところが実際は供出すべきもので供出をごまかしておつた者が現れておつたそうですが……。
○泉證人 五軒あります。供出の割方にすると八石幾ら出すのに……。
○鍛冶委員長 それを出さずにおつたのですか。
○泉證人 そうです。
○鍛冶委員長 それはだれとだれですか。
○泉證人 干場、仲谷彦松、とにかく五軒あるのです。
○鍛冶委員長 それから長谷川三千三という人だの、加賀菊治という人は九石幾ら供出せなければならないのに、実際調べたら九俵しか出さなかつたということだが……。
○泉證人 九俵は長谷川三千三です。
○鍛冶委員長 加賀は。
○泉證人 一人々々私は覚えておりませんが、協同組合の支店が私らのすぐそばにあるのです。その支店に来ている人は高瀬という人で、その人がいとこか、いとこの子が死んだ時に行つたが、いつ行つても調らべさせないのです。一月十七、八日、とにかく去年の土曜日に私はだれそれがどれだけ供出しているかと思つて、横着して出さないように思われる者を調べておつたら七、八軒あります。三千三が一番で、あの人は反別からいうと九石三斗幾ら出さなければならぬのに、その時九俵しか出ておりません。それは完納後です。
○鍛冶委員長 九俵で完納したことになつているのですか。
○泉證人 そうです。あとから警察、他方事務所、役場等が出張して調べた時に台帳にそうなつているそうだけれども、警察の方に出た帳簿の紙を横から見ると、さしかえたようになつていると聞いております。横着しようと思つたらどうにでもできます。
○鍛冶委員長 その帳面をさしかえたのですか。それは今でもあるのですか。
○泉證人 なくてはならないが、それは本店から持つて來た帳面です。
○鍛冶委員長 在江の支部で見たのですね。あなたの見た帳簿は……。
○泉證人 私は協同組合の支店で見たのであります。
○鍛冶委員長 それは今どうなつておりますか。
○泉證人 九月七日のときに完納したことになつているそうだけれども、私が行つて調べてもらつたときにはまだ出ていない。完納している時期に九俵しか出てない。
○鍛冶委員長 九俵と九石はたいへんな違いだ。その穴埋めを何でやつたのですか。
○泉證人 それはりくつが合うのです。申告書で反別を隠しているのです。作付反別として調べてみると、ちようどそのくらいになつているのです。七、八百歩あるたんぼを隠しているのだから……。
○鍛冶委員長 だれがですか。
○泉證人 三千三が隠している。金沢の軍政部に届出て、田圃まで実地にはかつてもらつた。また七尾市檢察廳宮野檢事も調べて、この考査委員会の方にも資料が出ております。私の言うことが違うと思つたら十分に調べていただけばわかることと思います。
○鍛冶委員長 それからあなたの方で農民組合に入つている者と、入つていない者と区別して、入つておらない者の所へお手傳いに行けないという、いわゆる労働封鎖をやつているのですか。
○泉證人 それは確かです。仕事に行くなといつて向う側の者がわれわれの方に來ないのです。
○鍛冶委員長 あなたの所へも來ないのですか。
○泉證人 來ません。実はわしの方には大工まで仕事に行くなということになつているのです。草採、田植でも全部です。委員長さん、労働封鎖をあなた御存じでしよう。
○鍛冶委員長 ところがあなたの方でも、向うの方へ物をやらぬとか、賣つてやらぬとか、仕事をしてやらぬとか言うたものだから、そういうことをされたのではないですか。
○泉證人 絶対うそです。そういう証人があつたら出してください。
○鍛冶委員長 そういうことはないのですか。
○泉證人 そういうことは絶対ありません。
○鍛冶委員長 報奬物資はどうですか。
○泉證人 去年から今まで來ません。私は轉落農家で米の供出はしない。私はさつまいもだとか、じやがいもだとか、麦を供出したが、それに対して米軍放出タバコ二十本と、きんし十本來ただけです。軍政部から書いたものがついて來ております。そのほかに何も來ません。
○鍛冶委員長 それだけより來ないのですか。
○泉證人 ほかの方を調べて見ても、まだまだ來ております。
○鍛冶委員長 そのじやがいもや麦に付してか。
○泉證人 はい來ております。
○鍛冶委員長 それはあなたの所だけか。
○泉證人 私の方はそれだけもらつたけれども、五、六人の人は何ももらつておりません。
○鍛冶委員長 それから今年の一月の農業調整委員の選挙の際に、何か選挙名簿から除かれた……。
○泉證人 それで私は選挙をしに行つておどろいた。選挙を入れようとしたら、君は選挙を入れる権利はないと言うのです。
○鍛冶委員長 だれが言うのだね。
○泉證人 選挙場へ來ておる役場の人がです。どうして。どうしてつて、君の名簿はここには來ておらぬ。それで私はほかに来てないものがあるかと言うと、六人来ておらぬと言う。君は知つておるか。知つておるとこういうわけです。それからすぐに地方事務所と警察と縣の方へ電話をかけてよく話してやつたが、調べて見るということでそれきりになつている。それから開票の結果見たのですが、判を押す紙が表宗雄の方に來ておるのですか、私の方には來ないので、判を押さずにまわつたのです。実際知らぬのです。
○鍛冶委員長 あなた方のところに持つて來なかつたのか。
○泉證人 六軒1だけ……。
○鍛冶委員長 それは持つて来るよりか、管理委員会というものがあつて、管理委員会では当然載せなければいかぬものなんだ。それを管理委員会はそういうことをやらなかつたか。
○泉證人 それは私は知りませんが、とにかくそういうわけなんです。
○鍛冶委員長 管理委員会に聞いて見なかつたのですか。
○泉證人 そうです。
○鍛冶委員長 管理委員会がそれを載せると同時に、落ちておつちやいかぬから、一般に縱覽させることになつておるが、それはどうでした。
○泉證人 そうですか……。廻覽がまわつたか、われわれのところにはそれがまわつて來なかつた。
○鍛冶委員長 縱覽があつたかどうかわからぬか。
○泉證人 それはわかりません。しかしそれがなくても、われわれはほかから移住して來たものでもなし、四十年、五十年百姓しておるものに対して、そんなばかなことはないと思います。
○鍛冶委員長 ことにあなたは調整委員の候補者になつておつたんじやないか。
○泉證人 候補者でしたが、それは別に届出する必要もなし、届出もせず、開票の結果、当選は大丈夫だと思つていました。
○鍛冶委員長 では当選したのですか。
○泉證人 当選できなかつたのです、そのために。
○鍛冶委員長 投票があつたのか。
○泉證人 十一票ありました。十一票で、名簿から六票落ちましたから……。それは私知つておる人に聞いたのです。入れようと思つたが、載つてないので入れられなかつたが、入れたら表宗雄と一緒に出られたということを言う人がありました。
○鍛冶委員長 名簿の脱落とか縱覽とか異議の決定とか確定の期日とか、そういうものを役場で告示しなければならぬことになつておるのたが、それはやりましたか。
○泉證人 何ですか、あなたのおつしやることが私に分りませんか。
○鍛冶委員長 それは默つておつても載せなければならぬ。載せてあるから見てくれと言つて出さなければはならぬ。それが済んでもさらに落ちておつてはいかぬから、何月何日までに異議のあるものは出すとか、いつまでにやらなくちやならぬとか、そういうことを役場として告示しなければならぬ。そういうものが役場にあつたかなかつたか。
○泉證人 知りませんね。とにかく書いたものをまわさぬということは、大体表の方のやり方か悪いと私は思います。
○鍛冶委員長 それから存江部落の土地台帳が何册もあるとかいう話だが、そういうことはありますか。
○泉證人 そういうことは聞いております。それから書き直しておるということを聞いたことがあります。
○鍛冶委員長 勝手にか。だれが……。
○泉證人 表宗雄か。
○鍛冶委員長 土地台帳を表宗雄が持つておるのか……。
○泉證人 かれは今年から実行組合長をして、食糧調査委員に当選してやつております。
○鍛冶委員長 何册もあるということを聞いておりますか。
○泉證人 何册も書きかえておるということを聞いております。私何册も見たのです。名寄せ帳を。役場へ行つて賣買した場合には登記をつけ直して來るのです。賣つたり買つたり、こうしろということは税金の関係かあるからとか、それから図面を自分で引いたり——私は敞田省三の家へ反別を調べに來たときに持つて来たのを見たのです。そのときに私は君の書いた図を君が持つて来たつて、反別はわからぬじやないかということを言うた。表は君の反別はどこそこにどれだけあるということを言うから、君はそんなことを言つてもそんなことがわかるかと言うと、ここに川があつてここに道があつて、何の何班がどこにあると言うから、ばかなことを言うな、君の書いた図面が通るかいと言つてやつた。立派な図面を書いております。
○鍛冶委員長 敞田省三の田圃に存江農民組合が共同管理をするのだと言つて、十何人か押しかけて來て……。
○泉證人 十七、八人入つて來たでしよう。それは四月の十一日だつたと思うが、もし日が間違つておつても御了解してもらわなければならぬ。
○鍛冶委員長 それはいいが、結局どういうことになつたのか。
○泉證人 敞田さんがつくろうと思つて始めたところが、農民組合をこしらえるとか言つて、四十戸で組合をつくつた。
○鍛冶委員長 その結果どういうことになつた。何人でつくつておるのか。
○泉證人 長谷川三千三がつくつております。
○鍛冶委員長 長谷川三千三というのは前にその田圃をつくつておつたのか。
○泉證人 それは確かに覚えておりませんが、とにかく敞田省三さんがその前の年はつくつておつた。
○鍛冶委員長 その前の年はだれがつくつておつたか。
○泉證人 それはたしかに覚えありませんが、とにかく敞田省三さんが……。それから立札を立てて、これは交通する人が皆見ておりますが、そこに一枚、それから長谷川三千三のすぐ傍に一枚、縣道の辺に一枚、奥の方に行つて三枚か四枚、立入禁止の……。
○鍛冶委員長 その札の立つておるところは今全部長谷川三千三がつくつておるのか。
○泉證人 四人ぐらいでつくつております。
○鍛冶委員長 私が聞きたいのは二十一年は敞田がつくつたが、二十年はだれがつくつておつたかということだがね。
○泉證人 それは私はしつかり覚えありません。
○鍛冶委員長 それではよろしい。この程度にしておきます。 ほかに質問かありますか。
○石田(一)委員 さつきあなたは十一票で落選したと言われましたが、六人ばかり名簿から脱落したものがあつた。もしその六名の人が名簿から脱落しないで、六名の人が全部あなたに入れるとすれば、十七票になると思うが、そうするとあなたはそのときに当選しましたか。
○泉證人 そのときにまだ幾らも名簿落ちがなかつたら、入れようと思つておつたという人があります。十八票で当選しているわけです。それは在江という村です。年長から言つたら、ほかの人は私よりずつと年の若い人ですから、堂々と私は当選できるのです。同じ票数でも当選できるのです。
○石田(一)委員 それから、もう一つお聞きしたいのですが、あなたは、調査員が調べに行つたときに、お会いになりましたか。
○泉證人 やはり敞田さんのところで会いました。
○石田(一)委員 敞田さんのうちで、調査員が行つたときに調べられたのですね。
○泉證人 ええ。
○石田(一)委員 そのときに、ここで今委員長がお聞きしたことをやはり聞かれましたか。そうして調査員にお話しになりましたか。
○泉證人 ええ、そうです。
○石田(一)委員 ちよつと委員長に申し上げておきますが、調査員の方が現地調査をして証人の方から聞いたことが、そのままここに一つの資料としてわれわれに提出されておる。結局調査員が調査しなかつた——これ以上重要な反対の証言をするであろうと思われるような証人については、專門調査員がそれほどの調査をしていないという事実も私はここに見なければならぬと思う。先般來聞いておりますところ、ほとんど一方的な証人の方が大部分であつて、しかもわれわれの今まで証言を求めた範囲によると、農民組合の利益を守ろうとする証人の証言というものは一人しかいなかつた。こういうことも私はこの事件の結論を得るにあたつて相当重視しなければならぬポイントだと考えますので、一應申し上げておきます。
○鍛冶委員長 この間二名呼んだのは、あとまわしになつたのです。それはそうでないつもりでおります。
○神山委員 証人にお尋ねしますが、あなたはそう言つては失礼でありますが、学問はございますか。
○泉證人 無学です。
○神山委員 字は読めますか、読めませんか。
○泉證人 読めませんね。いろはなら読めますけれども……。
○神山委員 それじやいいです。そのつもりでお聞きしますから。それで農民か土地をもらえるようになつた農地改革というのを知つていますか。
○泉證人 買収のことですか。
○神山委員 そうです。ありましたね。
○泉證人 はあ。
○神山委員 そのとき、長門さんというのをあなたは知つていますか。
○泉證人 知つています。
○神山委員 その人は地主さんでしよう。
○泉證人 地主です。
○神山委員 その人に涙金を小作からとれと教えたことはありませんか。
○泉證人 ありません。
○神山委員 絶対ありませんか。
○泉證人 絶対ありません。涙金を出せと言つたというのですか。正氣の人間がそんなばかなことをあなた言いますか。私は天野屋利兵衞と一緒ですわ。腹にそんなきたないものは持つていません。
○神山委員 今度はあなたの兄さんの長男の泉廣吉というのですか、知つていますか。
○泉證人 それは私の兄貴の子です。
○神山委員 その人の畑をあなたは買収したことはありますか。
○泉證人 それは、初めは長谷川三千三はしてくれました。農地委員だから。
○神山委員 それはあなたは耕作権があつたのでありますか。
○泉證人 耕作権はないです。半分ほどあつたのです。
○神山委員 半分ほどあつたので、長谷川さんが話してくれて、やつてくれた。
○泉證人 はい。
○神山委員 それでは、あなたの次男に何とかいう人がおりますな。二人目のむすこさん、直次郎ですか……。
○泉證人 ええ直次郎です。
○神山委員 その人はどこに勤めておりましたか。去年の秋ごろ。
○泉證人 とにかく日数は覚えませんけれども、役場へも行つておつたことがあるしね。
○神山委員 役場へ勤めていた……。
○泉證人 今勤めてはいません。
○神山委員 前勤めていたことはありますね。
○泉證人 あります。
○神山委員 何か、天野屋利兵衞から見たらよくないようなことをしたようなことは聞きませんか。
○泉證人 風説も聞きませんね。
○神山委員 私の方には風説があるのですがね。轉落農家に成規の手続をしないで不正配給をやつた。こういうことを言われておりますが、あなたは知りませんか。
○泉證人 知りません。
○神山委員 それから食糧調整委員の、あなたの大きらいな表の証明書もとらずに、話もせずにこういうことをさしたということがありますが、そういうことは知りませんか。
○泉證人 どういうことです。
○神山委員 成規の手続をしないで、やらなくてもよい人に配給したというようなことはありませんか。
○泉證人 知りませんね。
○神山委員 岡部信一という人は知つていますか。
○泉證人 知つています。
○神山委員 その人がこういうことを言つているのですがね。
○泉證人 私はどうも信じられないね。
○神山委員 まあ、いいです。それはあなたのうちのことだということに言う人もありますがね、知りませんか。
○泉證人 知らぬです。そういうことがあつたら聞かしてください。子供に意見をしますわ。
○神山委員 あなたに聞きたいことはたくさんあるのですが、時間がないから、要点だけを聞きますと、例の長谷川三千三の不正供出の問題ですが、五石七斗云々と言われましたね。五石七斗長谷川がごまかしたと言われたでしよう。
○泉證人 いや、ごまかしたかごまかさぬか、帳簿がそういう帳簿になつていましたと言うのです。
○神山委員 そういう事実があつたかどうかということは知らぬのですか。実際長谷川君がごまかしたのかどうか、あなたは知りませんか。
○泉證人 私は知りません。帳簿を見ると、そうなつておるのです。
○神山委員 あなたは帳簿を見たのではないのでしよう。
○泉證人 私は見ませんけれども、調べてもらつた人に、本店の水本という者に聞いてもらつたのです。高瀬というのは、何回も聞いたけれども、聞かしてくれなかつたのです。
○神山委員 さつきの証人と違うのですが、高瀬というのは見せなかつた。それはとつかに轉勤した……。
○泉證人 見せないのです。それは死んだ親戚のうちへ葬式に行つておる間に、水本という人が支店に來ておつたのです。
○神山委員 あなたの前の証人は証言が違うのです。だから人から聞いたんだろう。今の問題の帳簿がかわつておるとかいうことは……。
○泉證人 ええ。それは警察が栄林寺に來ておつたときに、本店の台帳を持つて來ておつて、横手から見ていたら、書きかえたということを話しているのを聞いた。われわれわからぬけれども、帳簿の紙のこわいものは……。
○神山委員 だから、それは速記にも残つておることだし、人と人が話しておることをあなたが聞いたということなんだろう。
○泉證人 ええ、そうです。米の九俵を七百何ぼの田圃に帳簿から割当ててみると、ちようどそこに行つておるのです。
○神山委員 ところで、栄林寺のことを聞きたいんですが、栄林寺に七尾地区の警察から來たのでしよう。役場から書類を出して、調べに行つたのでしよう。それで警察が通しましたか。惡いことがあれば、すぐとつつかまえるでしよう。
○泉證人 惡いことをしておればですが、そのことは私は知りません。
○神山委員 警察はとにかくそのまま帰つちやつた。
○泉證人 反別を確認しただけで帰つてしまつた。
○神山委員 それから、あなたにもう一つ聞きたいことは、先ほど土地台帳の表を書きかえたということを言われたのですが……。
○泉證人 書きかえたというのは名寄帳でしよう。それをあなたがわからなかつたら、ひとつ農家から出ておる代議士さんに聞いてみてください。名寄帳というものがあるんですよ。
○神山委員 わかつた、わかつた。大分再々証人に怒られて済まないのですが、私の聞いておるのは台帳のことなんです。
○泉證人 名寄帳と台帳と違うんですよ。
○神山委員 私の書類の方では台帳が問題になつておりますが、あなたの言つたのは名寄帳なんですね。
○泉證人 そうです。
○神山委員 あなたが見たときにはだれのを書き直しておりましたか。
○泉證人 とにかく名寄帳というものはあなたは御存じないかもしれませんが、名寄帳というものとそれから田畑の図面を書き直してしまつて、それを丸山という人が見せてくれたんですが……。
○鍛冶委員長 それはさつき聞いたからもうよろしい。
○神山委員 私どもが聞きたいのは省三さんはよいとしても大太さん、この人が前に不正な申告をしたことはありませんか。
○泉證人 ありません。
○神山委員 私の方に來ている報告ではありますが、それを言うとあなたは怒るからもう言わないが、それを書き直したのじやありませんか。
○泉證人 大きな帳面をこしらえて出しておる。だからそれを見れば……。
○神山委員 それからもう一つ聞きますが、あなたの村に反共連盟というものがあつて、あなたはそれに入つておるんでしよう。
○泉證人 入つております。
○神山委員 それであなたは宣傳部長でしよう。
○泉證人 そうです。これは縣まで届けてあります。
○神山委員 あなたは山崎さんという人を知つておりますか。
○泉證人 知りません。
○神山委員 それでは佐味さんという人を知つておりますか。
○泉證人 知つております。
○神山委員 あなたの村では反共連盟というのに何人ぐらい入つておりますか。
○泉證人 初めのうちは半分ぐらい入つておりましたが、最近はだんだん減つて行く一方です。それで私らはこんなことではたいへんだ、とてもこんなことでは日本の再建はできないと思つておるんです。
○神山委員 もう一つ聞きますが、どうして日本の再建はできませんか。
○泉證人 そんなことは第一あなたが知つておられるでしよう。あなたは考査委員に出ておるくらいの人ですから知つておるはずでしよう。私みたいなぼんくらに聞く必要はないでしよう。考査委員とか衆議院議員とか、日本の一億國民を代表して出て來ておる人にそんなことくらいわからぬはずはないでしよう。
○神山委員 それではあなたにはよくわかつておりますね。あなたは共産党か惡いということはよく知つておりますね。
○泉證人 知つておるから入らないんですよ。
○神山委員 どこか惡いのですか。
○泉證人 そんなむずかしいことは私にはわかりませんが、質問するあなたの方でおわかりになりませんか。
○神山委員 私は共産党の議員ですから聞いておるのですが……。
○泉證人 私はあなたがどういう方か知りませんが、衆議院に出ておる人ならそのことぐらいはよくわかつておると思いますが。
○神山委員 あなたが宣傳部長ということですから、それであなたにお聞きしているのですが……。
○泉證人 宣傳部長でなくてもそんなことはわかるでしよう。
○神山委員 それだけ言つてくれればもう満点です。
○福井委員 この事柄が起つてから、あちらこちらの空氣を見て共産党の方を脱退して、ひとつ民自党の方へ行かなければ、とても國民は立たぬというような評判が立つたことはありませんか。
○泉證人 私らのところにはそういうことはありませんね。私らのところは農民組合というものがつくられておりますが、この農民組合に入らないと物がもらえないとか、配給物資も十分にくれないとかいうことで、それでみなそつちの方へ入つて行くのですが……。
○鍛冶委員長 それでみなあなたの方から抜けて、そつちへ行つたというのですか。
○泉證人 そうです。農民組合に入らないと配給物資をやらないという、こんな残酷なやり方がありますか。
○鍛冶委員長 どうも御苦労さまでした。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会