考査特別委員会 第7号
- 発言数
- 953 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1949/05/26
会議録
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。 委員椎熊三郎君が本日辞任して大森玉木君が委員に指名されましたのでこの際御報告いたします。 次に税務署をめぐる汚職件につきまして、証人として來る二十八日大藏大臣、東京財務局長、全國財務職員労働組合役員、関東財務職員労働組合役員の四名の出頭を求めることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたします。但し大藏大臣については政治上の意見を聞く場合は、政府委員として聞くこともあることを御了承願います。 これより中野税務署をめぐる官吏汚職事件につきまして証人の方々より証言を求めることといたします。本日は小林五郎君、川島嚴君、小松榮一郎君、河野貞三郎君、輿石太郎君、三戸部角一郎君、以上六名の証人の出頭を求めておりますが、川島、小松の両君は警察において留置取調べ中で、本日出頭できぬ旨の届出がありましたので御報告いたします。從つて本日お見えになつている方々は小林五郎君、河野貞三郎君、輿石太郎君、三戸部角一郎君の四名であります。 これより証人の証言を求めることといたします。 証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚僞の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。 〔証人宣誓〕
○鍛冶委員長 署名捺印を願います。 〔各証人署名捺印〕 輿石太郎さん、三戸部角一郎さん、河野貞三郎さん、小林五郎さん、この順序でお聞きいたしますから、輿石さん以外の方はもう一度元の控室でお休み願います。
○鍛冶委員長 輿石さんですね。あなたの職業は何ですか。
○輿石證人 材木商です。
○鍛冶委員長 いつからやつておいでになりますか。
○輿石證人 二十一年十二月からです。
○鍛冶委員長 あなた方の方で材木商の組合のようなものをつくつておりますか。
○輿石證人 おります。
○鍛冶委員長 何という組合ですか。
○輿石證人 東部林産製材組合です。
○鍛冶委員長 それは中野税務署管内だけですか。
○輿石證人 そうです。
○鍛冶委員長 その組合で、昭和二十二年度、または二十三年度の課税に対して、減税運動をやつた事実がありますか。
○輿石證人 ありません。
○鍛冶委員長 あなた個人としては何かおやりになりましたか。
○輿石證人 個人としてもありません。私のところは法人になつておる関係で、申告によつて税額がきまつて來るために……。
○鍛冶委員長 何という法人ですか。
○輿石證人 第一木材工業合資会社。
○鍛冶委員長 法人になつておると……。
○輿石證人 法人になつていると、組合で納税の申告というものは扱わないのです。
○鍛冶委員長 組合でやつておるのは個人だけですか。
○輿石證人 個人だけです。
○鍛冶委員長 個人のを組合がいろいろ税務署から相談を受けて答申しておる事実は御存じですか。
○輿石證人 知つております。
○鍛冶委員長 その中にはあなたは入つておらぬのですか。
○輿石證人 入つておりません。
○鍛冶委員長 あなたの会社に対する所得額の決定は、二十二年度は幾らでしたか。
○輿石證人 こまかい数字は覚えておりませんが、二十二年度は十六万何がしと思つております。それから法人税、事業税その他全部合わせると、二十二万何がしになります。
○鍛冶委員長 二十三年度は。
○輿石證人 二十三年度は自分の方の決算報告によつて納めた額は約九万です。
○鍛冶委員長 さつき言われたのは……。
○輿石證人 さつきのは、申告した以外に更正決定が來た分がそれだけです。
○鍛冶委員長 二十二年度で……。
○輿石證人 そうです。
○鍛冶委員長 あなたは申告は幾らしたのですか。
○輿石證人 申告の方は、開業して間もないから利益がそう浮んで來ないわけです。申告によつて実際納めた税金は六千何がしだと思います。
○鍛冶委員長 結局それは確定した額になるのでしようね。
○輿石證人 更正決定して來た分が二十二万何がしです。
○鍛冶委員長 十六万というのは……。
○輿石證人 十六万に、法人税、事業税が加算して二十二万。
○鍛冶委員長 二十三年度は。
○輿石證人 二十三年度は自分の方で決算報告を出して納める額は九万何がしになります。その方はまだ更正決定も何も來ないわけです。
○鍛冶委員長 税金が九万幾らだつだら所得額はどうなんですか。倍ぐらいになるのですか。
○輿石證人 倍ぐらいになります。
○鍛冶委員長 それに事業税がかかつて來るのですか。
○輿石證人 そうです。
○鍛冶委員長 あなたが申告したのは幾らだつたのですか。更正はないのですか。
○輿石證人 まだどうなるかわかりません。
○鍛冶委員長 二十三年度の更正が來たでしよう。
○輿石證人 まだ來ません。
○鍛冶委員長 更正は遅いのですか。
○輿石證人 遅いのです。
○鍛冶委員長 取引高税はどんなものでしたか。
○輿石證人 取引高税は、去年の九月から十一月までの分第一期は九十八万円申告したわけです。
○鍛冶委員長 それに対して……。
○輿石證人 それに対して組合の方から更正決定という意味で二万円ふえて百万円になつたわけです。
○鍛冶委員長 組合で更正するんですか。
○輿石證人 税務署の方から四千万円とか三千万円とか割当が來るわけです。その額に達しないときには、組合の方で少い人——今までうその申告をしたようなものもありますから、たとえば五十万のが八十万になり、八十万のが百五十万になつたのもあります。
○鍛冶委員長 それで幾らになつた。
○輿石證人 私の方は九十八万申告したのが、組合の方の更正決定は百万円になつた。
○鍛冶委員長 そこで組合はそうだが、税務署の決定はどうなつたのですか。
○輿石證人 税務署の決定も同じものです。
○鍛冶委員長 それはみな納めましたか。
○輿石證人 納めました。
○鍛冶委員長 あなたは中野税務署におつた川島事務官を御存じですか。
○輿石證人 ええ、知つております。
○鍛冶委員長 この人と、あなたの税金に対して、いろいろ言われたり、またいろいろな話合いがあつたりしたようですが、それは主として取引高税に関してですか、所得税に関してですか。
○輿石證人 取引高税です。
○鍛冶委員長 どんなことをあなたは頼みましたか——あなたは頼まぬにしても、向うはあなたに対してどんなことを言つて來ましたか。
○輿石證人 私の方で頼んだわけではないのですが、私の方は、木材業の取引高税の調査に來る税務署の係官は、名前は忘れたのですが、きまつておるらしいのです。その人以外の人の川島さんという方が私の所に見えまして、取引高税のことで調べたいから、帳簿を見せろと言つて來たわけです。帳簿を全部見せたところが、すぐここでは計算がわからないから、税務署に持つて行つて調べると言つて、店の帳簿を五冊ばかり持つて行つた。そうしたら、そのあした、帳簿を寄せてみろと言つて、税務署の方から電話がかかつて來た。私が行つて、九月から二月ごろまで全部計算してみたわけです。そうしたら自分の申告した通りの價格しかなかつたのです。
○鍛冶委員長 そこで……。
○輿石證人 そのままその日は帰つて來たのです。そうしたら、その翌朝ですか、來て、罰金は四十万円だぞと言つて來た。それで、じようだんだと思つていい加減に返事をしていた。そしてそのまま帰つたわけです。私も心配になるから、その翌日、一体どこがどういうわけで四十万円の罰金がつくのかと言つて聞いたところが、税法の本を出しまして、この何十何條によつて何とかだから、四十万円の罰金、こういうわけです。私もとても四十万円を一ぺんには拂えない。拂う力もなし、また帳簿五冊で調べたのですから、どこでそんな罰金がつくのかと言つて、何回も聞いたのですが、大体税法の本を出して、ただ四十万円だと言う。それで少し負からぬかと言つたところが、一週間ばかりたつてから、二十万円に負けようと言う。
○鍛冶委員長 そうしたら……。
○輿石證人 そして大体一月ばかりたつてから電話がかかつて來たのです。お前一体どうした、もしぐずぐずしていると告訴するぞと言うのです。そこで私の住む前に日産という疊屋がある。その疊屋さんもやはり四十万円ばかり罰金を食つて困つておるらしいことを税務署から聞いたわけです。それで日産疊のうちに行つて、あんたのところでは一体取引高税の罰金はどうしたと言つたら、うちはしかたがないから半分ばかり納めたと言う。そうすると、その日産疊の社長さんが、これはしかたがないから、輿石さん、あんたも納めろと言うのです。そうするには、いま少し負けさしてもらう方法を考えて、私がきよう川島を呼んでやるからそこでうまく話をしたらよくはないかと言うのです。じやあひとつ頼みますと言つて、私はそこで別れたのです。そうすると、夕方四時ごろになつて、私のところに電話をかけて來た。それが中野新橋の銀月という待合からかかつて來た。たしか四時ごろだと思います。私は用があつたため、遅れて五時ごろ行つた。そうすると、川島と川島の兄さんとかいう人と、銀月の女中か藝者が一人、日産疊の社長と四人おつた。
○鍛冶委員長 何という人です。
○輿石證人 岸本です。
○鍛冶委員長 岸本義男ですか。
○輿石證人 そうです。私が入つて行くと、岸本さんと女中さんは席をはずした。そうして川島は六疊間だかの奧のテーブルに向つてしやがんでおつた。ひじつきだかにひじをかけて、お前二十万円出せと言う。四月から加算がつくから二十五万円だぞと言う。そこでも私は、どこでそういう罰金をとるのかというわけで、ひと問答した。ところが何だかんだ押問答したときに、さつき出た岸本さんが隣の部屋から出て來て、私の肩をたたいて、ちよつとこつちへ來いと言う。私は岸木さんに連れられて隣の座敷に入つた。あまりそんなこと文句を言つておるより、おれが十五万円かに負けさすから、拂うか。そうするには、ここで二万円ばかり——やつこさんのそばにおる男は、やつこさんの兄さんで、今家を建てるために金が入用らしいから、二万円だけあいつらにやつて、十五万円に負けてもらつたらどうだ、こう言うわけです。私はその時に納得できないものだから、お断りしたのですけれども、私も岸本さんが丁寧に一生懸命言つてくださるために、よろしくお願いしますと言つたのです。そこで私は再び川島さんの部屋に行つて、あした私どもの組合員の小林さんがよくそのことについて話をするから、小林さんに聞いてくださいと言つて、私はそこで別れたわけです。そうすると、その晩私の留守に、岸本さんが私の店に來られて、結局指を二本出して、これだけで罰金を十五万円に負けさしたから主人に告げておけと店の者に話した。その朝また岸本さんから電話がかかつて來て、ちよつと來いというわけです。私は行かなんだ。そうすると向うから私のところに來られて、結局十五万円になつたと言う。これを手柄話に私に話したのですけれども、私はとんでもない、そんなものをやれば、帝人事件だつてみんな贈賄だ收賄といつてひつかかつた、そんなことはおれにはできないと言つて断つた。そうすると大將は、四十万円だか五十万円の罰金を食つているのですから、じやその金は自分の罰金の内金にするからいいと言つて帰つて行つたのです。そうしているうちにそれで終つたのです。そうしたら、家に勤めている中山という店の者が、それがえらい憤慨して、さつそくその日に税務署に行つて、課長さんに、あんたの部下はけしからぬという話をした。晝日中待合でもつて十五万円にまけるとか、十三万円にまけるとかいうことがあるかといつて、少し大きい声で話した。ところが課長さんが、まあまあそんな大きい声で話さんでもわかるというわけで、それでその日の夕方だか何だか、課長さんと係長さんが私どものところに來て、惡かつたと言うのです。罰金の四十万円も、それは何でもないことだから承知してくれるということで、終つたわけです。
○鍛冶委員長 川島の兄というのはほんとうの兄貴ですか。
○輿石證人 この間川島さんから電話がかかつて來たときに、こんな取調べが始まつたもので、やつこさんも心配して、あのときにはおれの兄貴と行つたという話をした。兄さんらしい。
○鍛冶委員長 結局あなたは一文も出さなかつたのですか。
○輿石證人 一銭も出さなかつたのです。
○鍛冶委員長 それで罰金もとられなかつたのですね。
○輿石證人 罰金もとられませんでした。
○鍛冶委員長 増額にもならなかつたのですね。
○輿石證人 増額にもならなかつたのです。私の方は九十八万という申告はもう一ぱいの申告で、何らうそがない。自分たちの組合にも五十万申告したものが百万になつたり、百万の申告のが百二十万になつたりしたものがありましたが、私は二万円よりはふやさないと言つて頑張つたのです。ところが税務署の方から二万円くらいと言われたので二万円よけい出した。
○鍛冶委員長 そのほかにも川島という男は言つて歩いたじやないか。
○輿石證人 そんなようなことを聞きました。
○鍛冶委員長 それで結局岸本はどうなりましたか。
○輿石證人 岸本さんはどうなつたか知りません。確かに罰金は出したらしいですけれども……。
○鍛冶委員長 罰金というのはほんとうの税務署に納める罰金ですか。それとも川島だけにやる罰金ですか。
○輿石證人 川島だけにやる罰金だと思います。それは私はよく知りませんが、警察の人のした話ではそんなようなことを言いました。岸本さんはばかだというわけです。とにかく税務署にやつたのじやないだろうと思う。
○鍛冶委員長 それ以外にも川島がやつたということを聞きませんか。
○輿石證人 知りませんです。
○鍛冶委員長 あなたの方に中野民主商工会というものがあるそうですね。
○輿石證人 あります。
○鍛冶委員長 それはいろいろ税のことで奔走しておるそうだが、どういうことをやつておるか知つておりますか。
○輿石證人 私のところでは民主商工会があるとか何とかいうようなことは全然知らなかつた。その事件が起きたときに私の店の者が税務署で少し大きい声をしたわけです。そこを民主商工会の方が行つたらしい。それでこれはよい種だというので早速家へ來たです。ちようど課長さんと係長さんがおられるときに入つて來たのです。あとで考えると私の方は税務署の方がこの人を連れて來たと思つたのです。あとで聞いたらそうじやないらしいです。その人がそばにおつて私たちの言うことを手帳にメモしました。この人が商工会の方らしかつたです。
○鍛冶委員長 このほかどういう運動をしたとか、しておるとかいうことは知りませんですか。
○輿石證人 知りませんです。
○小林(進)委員 ちよつとお伺いしたいのは、その晩の銀月でおやりになつた費用はたれがお拂いになつたかわかりませんか。
○輿石證人 帰つて來たのが確かに夜の八時ごろじやないかと思います。私も行くときにはいくらか銀月の費用くらいは出さなければならぬと思つたですけれども、もう帰るときはそんなものを拂うものかという氣持だつたのです、向うも要求しなかつたのです。私の方は一銭も拂いませんでした。
○小林(進)委員 岸本さんがお払いになつたような形勢はありませんか。
○輿石證人 それは岸本さんがお拂いになつたじやないかと思う。
○小林(進)委員 岸本さんがあなたが十五万を拂わないならその内金として拂おうとおつしやつたのですね。それがどうもわかりませんから少し詳しくおつしやつてください。
○輿石證人 岸本さんはやはり取引高税のことで罰金が來ておるらしいのです。私のところと一緒に調べたらしいのです。それで岸本さんの店の者の話では、二重帳簿をつくつておつたから家であわててしまつたという話があつた。そのときに岸本さんのところへ一番最初に相談に行つた日です。そのときの話では、あんたのところが四十万じやおかしい、うちじや六十万とか七十万とか來ておる、だからこれをまけさせてしまつた方がよいということをおつしやつた。だから罰金が來ておるというのは事実です。
○小林(進)委員 そうしますと、岸本さんはさつきのお話では警察の話を総合して十五万円くらいは自分の罰金をお拂いになつたはずですね。
○輿石證人 そうです。
○小林(進)委員 十五万円拂つておるのにあなたの分も自分の罰金として十五万円拂つておるのですか。
○輿石證人 いや、そうじやないのです。その晩銀月の待合の別室において今晩二万円やつてあとまけさせてもらつたらどうだという話のときに、私は向うの親切に断り切れないで、出してください、こう言つたときです。そのときにすぐそばに電話がありまして、岸本さんが電話で持つて來いと家に二万円要求したわけです。私にあるかと言つて、私がないと言つたから、岸本さんが家から取寄せたわけです。その二万円はその場でやつたらしいのです。その二万円をあすの朝來て私に返せと言うのです。その分は自分が十五万円とか二十万円の罰金の内金に出すというわけです。
○小林(進)委員 そのほかに岸本さんと川島なる者と何か個人的な特別の交りでもあるようにお考えになりませんでしたか。
○輿石證人 それは私が最初に税金のことで相談に行つた日、そのときに岸本さんは中野税務署には知つておる人は一人もない、ただ岸本さんの話では川島を足場にしてほかの法人係の連中にも渡りをつけるようにするには、今こんな連中と交りをしておかなければならぬというような話があつたわけです。川島と岸本さんの間は今度の事件で知合いになつたのじやないかと思うのです。
○小林(進)委員 そのほか川島と岸本さんとどこかで飮まれたとか、あるいは銀月なんかでこの前に一、二回やられたとかいうようなことはお知りになつておりませんか。
○輿石證人 それは全然聞きません。
○小林(進)委員 それからあなたの店にあなたの店の中山という方が税務署で大きな声を出して帰つて來られた。その日の夕方課長と係長があなたの家に伺つたわけですか。
○輿石證人 その翌日の夕方だつたと思います。
○小林(進)委員 そのときの課長と係長のお名前をお知りになつておりますか。
○輿石證人 課長さんは佐藤さんという間税課長、係長さんは知らないのです。
○小林(進)委員 そのとき課長と係長があなたに何か言われたそのときの言葉のやりとりをいま少し詳しくお聞かせ願いませんか。
○輿石證人 そのときのやりとりは川島は物價廳とかどこかからもらつたという話をした。川島が來るとき三人ばかり中野税務署へ一緒に來たらしいのです。それで川島が不良とか、素行がよくないとかいう話をしたのです。課長さんの話では、しかたがない、今度どこかへまわすか、どうかしなくては困るという話をしたわけです。その他の話は今の税法とか、税金の取立てがむずかしいとかいうような話をして帰りました。
○小林(進)委員 そうするとあなたは、四十万円の請求は絶対あなたからとるいわれはないのだ、川島が不良でこういうことになつたのだという言訳になつたわけですね。そう解釈していいわけですね。
○輿石證人 そうであります。
○内藤(隆)委員 輿石さんは二十一年十二月から野方でおられるのですか。
○輿石證人 そうです。
○内藤(隆)委員 相当この町には根拠を張つておいでになるのだけれども、あの民主商工会の事情及び内容などは詳しく知らぬとおつしやつたが、ただ民主商工会との関係は、あなたが税務署で大声を発しておつたことを聞き込んで、民主商工会の会員があなたの方へ訪問して、あなたの話をメモにして行つた、この程度の御答弁ですが、この團体が何かそのほかに減税運動をしておつたという事実をお知りにならぬですか。
○輿石證人 減税運動は聞いてなかつた。ただ税務の相談をやつてくださるという話を聞いておつたのです。私は大体この事件が起きて、民主商工会というものがあることを初めて知つたわけです。それが共産党の機関であるとか何とかいうようなことは、前には聞いておりましたが、商工会という名前は知らなかつたのです。
○内藤(隆)委員 けれども共産党の機関で減税運動をする團体があるということを聞いておつたのですか。
○輿石證人 そうです。新聞にも出ておりますし……。
○内藤(隆)委員 それがたまたま民主商工会であつたと、あなたはお知りになつたわけですね。
○輿石證人 それは知らなかつたのです。
○内藤(隆)委員 現在でもその共産党の減税運動と民主商工会との関係は御存じないのですか。
○輿石證人 現在は知つております。共産党の一部の機関であるということは知つております。
○北委員 ちよつとお尋ねしますが、この民主商工会というものは、その経営が全部共産党でやられておるものですか。そう解釈していいのですか。さつきから共産党々々々と言いますが……。
○輿石證人 よく存じません。
○北委員 それは共産党もいるし、ほかの党の人もいるというふうに解釈していいですか。
○輿石證人 そうだろうと思います。
○大橋委員 今の岸本さんのところへ行けばいいということは、どうしてだれからいつお聞きになりましたか。
○輿石證人 それは川島が私が四、五回税務署へ行つておる間に、前の岸本さん——私のすぐ前ですが、四十万円で罰金をかけたんだ、行つてみろということは、二、三回あつたわけです。
○鍛冶委員長 川島が言つたのですか。
○輿石證人 そうです。川島が、あとで思えばあそこへ行つて相談すれば十五万や二十万は相談してくれるだろう、私はそう感づいたわけです。そうしてその間に川島は、私が税務署へ行くたびに二人になろうという機会をずいぶんつくつたのです。たとえばこういうところへ行つて税金のことで話をすると、小便にちよつと行くとかいつて、自分でかつてに席を離れて、おれのあとからついて來いというようなそぶりを二、三回したのです。だから大勢いるところではぐあいが惡いから、便所まで行つてひとつ話そうというような機会をつくつたわけです。それは確かに私はそうとつております。向うではどういうつもりであつたか知らないけれども、大勢いるところでは話しづらいから、別の部室へ行つて、めんどうくさいから罰金三万でも五万でも出せ、そうすれば負けてやるというような話をするのじやなかつたかと思います。
○神山委員 一つお尋ねしますけれども、あなたが九十八万円ですか、二十三年度の第一期分、それを申告なさつたら組合から更正決定が來て百万円になつたとおつしやいましたね。
○輿石證人 そうです。
○神山委員 組合が更正決定したのですか。
○輿石證人 それは税務署の方から、林産組合は四千万円とか三千五百万円とかいう割当が來るわけです。
○神山委員 それでお答えがはつきりしておりますが、税務署から組合に割当が來る、それに應じて今後は組合があなたのところへ更正決定して來た、そういうわけですね。
○輿石證人 組合で全員に割り振るわけです。
○神山委員 なおもう一つお聞きしたいのですが、今の北君の御質問ではつきりしたのでありますけれども、中野民主商工会というのは、あなたは一番初めは知らぬとおつしやいましたね。委員長の質問にはそういうものは今度の事件で知つたのでそれ以前は全然知らぬとおつしやいましたね。
○輿石證人 そうです。
○神山委員 そうしてまた減税運動をしておるとは聞かなかつたとおつしやいましたね。
○輿石證人 知らなかつたのです。
○神山委員 そしてあなたは先ほど内藤委員の質問に対して、現在は共産党の機関だ、こういうふうに世間で言つているというふうにお答えになりましたね。
○輿石證人 世間で言つているかどうか、それは知らないですが、まあ共産党の方がやられているということを聞いております。
○神山委員 それはけつこうです。同時に、今北委員の質問ではつきりしたように、全員が共産党員とは考えない、これも事実ですね。
○輿石證人 そうです。
○神山委員 それではあなたにお聞きすることはありません。
○小林(進)委員 課長と係長の話で一言聞きたい。そのときにこの話を内緒にしておいてくれとかいうような話は別になかつたですか。
○輿石證人 別になかつたですけれども、態度でわかるわけです。
○小林(進)委員 なるべく内緒にしてもらいたいということを態度で……。
○輿石證人 また私の方もこれはあまり公けにすることはないという氣持は起きるわけです。
○小林(進)委員 積極的にこれを処分しなければならないということは、課長さんも係長さんもおつしやられなかつたことは間違いないですね。これは徹底的に社会のためにやらなければならぬというような話はなかつたわけですね。
○輿石證人 そういつた意味のことはあつたのです。私が三日ばかりたつて税務署へ行つた、そうしたら川島がおつたのです。あんなことを言つてもまだいるじやないか。課長さんはあんなことを言つたが、まだそばにいる、おかしいというようにも思つたのですが、確かにそのときは、ほかへまわさなければならぬというようなことを言つて、これは当然首にするか、どこかへまわすかということは考えておつたと思いますね。
○小林(進)委員 それからいま一つ、さつきの話で、民主商工会の人が課長、係長が來たときにおられたので、あなたは一緒に來たものだと思つた、しかしあとで考えたら、そうではなくて、偶然そこで一緒になつたものだということをおつしやいましたが、その中で課長と係長と民主商工会の方と、何か話をかわしたりされているような場面はなかつたですか。
○輿石證人 ただあいさつはしたようです。別に話はせなんだ。
○鍛冶委員長 ほかにございませんか。——じやごくろうさんでした。
○神山委員 議事進行について……。今までの証人に対する尋問の経過も、尋問事項の内容も、いわゆる民主商工会の問題が非常に大きく浮かび上つて來ていると思う。この事件はそもそもわが共産党から出して、そして理事会で承認され、委員会にかけられたものでありますから、当然これは民主商工会の性格を明らかこしなければならぬし、またわれわれの方でも、あたり前のことを堂々とやつているだけですが、ここで委員諸君に特に御了解願い、また委員長も議事の進行についてお考え願いたいのは、この尋問事項そのものがわれわれの調査の目的であるので、税務官吏の腐敗、それから税務機構の無謀さ、こういう方面をねらつて重点的にやるべきである。もしも民主商工会に対する尋問事項がこの中心になるような傾向があるとすれば、われわれのねらいであるところの不当な課税及びそれに伴う税務機構の腐敗がみなぼけてしまつて、お互いの間でつまらない誘導尋問をしたり、それをひやかしたりするようなことになつてしまつて、議事の進行が円滑に行かないと思う。われわれは率直に——こういう事実があるということをわれわれが摘発したのであるし、民主商工会が存在している、その中に共産党員があるということは何も隠す必要もない事実です。だから、私の方も公明正大に堂々とやる。他の諸君もあまりこだわらずに、なるべく税務機構の上の腐敗をつくという点に尋問の中心を置かれるように、委員会の円満な運営のために、また委員会目的にずれないためにも、一言申し上げておきます。 —————————————
○鍛冶委員長 三戸部角一郎さんですね。
○三戸部證人 はい。
○鍛冶委員長 先ほど読み聞けました通り、あなた方の犯罪をここで摘発することを目的としているのじやないのですから、犯罪について困るようなことは、しいてこちらは問いませんから、あとのことは遠慮なく話してもらいたい。 あなたの御職業は。
○三戸部證人 古物商であります。
○鍛冶委員長 あなた方は中野で何か組合でもつくつておりますか。
○三戸部證人 野方古物商連合会の現在副組合長をやつております。
○鍛冶委員長 そこで税金のことについて、この連合会は何か関與をいたしますか。
○三戸部證人 その連合会の中には、衣料部とか道具部かいろいろ部門がわかれておりまして、私たちがおもに税金のことについて減額、訂正運動を起しましたのが、衣類部と道具部の両方の部門をとつてかかつたのであります。
○鍛冶委員長 そこで私の聞くのは、この連合会に対して、あなた方は連合会員の税金の課税あるいは徴税等に関して、何か税務署と話合いをするようなことはないかというのです。
○三戸部證人 連合会の中には各支部にわかれておりまして、支部長が各自あたつておるのでありますが、この衣類部と道具部だけは衣道部ということになつておりますので、ここは正副組合長が税務署の方に対しては、タツチいたしました。
○鍛冶委員長 どんなことをタツチしましたか。
○三戸部證人 それは去年二十三年度の税金の更生決定が來る前に、税務署の係の方から、古物商の衣道部に対する課税について協力してもらいたいというお話を受けました。そのときに、われわれとして過大な、不適正なことをされるようなことがあつたのでは協力はでき得ないということを申し上げたところが、でき得る限りあなた方の御希望に沿うように自分もやる、こういうようにおつしやいましたので、そういうことならば、一應組合員諸君にお諮りいたしまして、しかる後御返答しましよう。それで後に総会を開きまして、それを各組合員諸君に話しました結果、向うでそう言つて來られたならば、こちらも誠意をもつて協力してほしい、だが不適正な、過大な課税の來るようなことがあつた場合には、できるだけ闘つてもらいたいという組合員各自の御意見だつたわけです。それでその結果は、大体序列を定めてもらいたい。各地区から税務委員というものを選びまして、各地区から選んだ税務委員が出してくれた資料に基いてABCDにわけまして、序列をつくつたのであります。それを税務署に提出いたしまして、税務署がそれを参考として仮更正決定を出してくれました。その仮更正決定を内示として各組合員にお見せしたのであります。そのときに非常に過大だというので、紛糾いたしましたので、私たちは一應手を引いたのであります。 その結果組合員の中から、また十数名、各税務委員が税務署へ相当強硬に掛合いに行つたらしい。その結果は、税務署の方としてもなかなか應じてくれなかつたそうです。その結果また私たち呼び出されまして、今までの行きがかり上もあるから、今度ひとつしつかりやつてもらいたい。そういうことを、総務委員会の席上言われましたので、私は仮更正が皆さんのおこごとを頂戴したのに、聞くところによると、今度予算も國会で相当大きくなつている。それにつれて結局税金の方も相当かかつて來るのではないか。そうすると、本更正については、また大きな紛議をかもすことがきつとあると思うから、自分たちとしてはこの際とめたいということを申したのでありますが、各税務委員の方も、今までの行きがかりもあるし、内容もよく知つておるのだから、そこのところはできるだけ努力してやつてもらえないかということになつたのであります。それで仮更正をいただいたのが十月だと思います。そうやつていますうちに、一月に入りまして、一月にまた各役員会を開いた結果は、それでは各自が税務署へ行つて堂々と自分の意見の披瀝もできない、またしかるべく資料も提示して、減額訂正もでき得ないというようなもの等については、区によつて、ぶつかつてやろうじやないかということになりましたので、正副組合長もこれを受けたのであります。その結果本更正決定が今年の二月と思いましたが、そのときに税務署の方へ呼ばれましたので、行つたところが、本更正は非常に大きく出るのだ、それを仮更正さえあんなに、もんちやくを起したのだから、今度はかなりうるさいと思うが、しかし税務署としては税務署の引受けた額があるのだから、とても諸君の言うようには同意できないと思うが、どうだ、こういうように税務署係が言いましたので、仮更正さえあの通りだから、本更正はわれわれはとうてい大きく出せないと思うが、何とか話ができないものですかと言つたところが、とにかく國会の予算も大きく通つているのだからできないというので、それでは一應どんな額だか見せていただきたいと言つて見せていただいたところが、非常に厖大な数字なので、これはわれわれとしてはのみ切れないということで、その日はほとんどものわかれになつて、一旦帰つたのであります。今度は各幹部諸君を集めていただいて、その結果を報告したのでありますが、われわれとしてはその額ではとてものめない、一生懸命各自各自でやる方がいいのじやないかと申したのでありますが、いや、各自々々と言つても思うようにできないから、何とかする方法はないかということで、寄り寄り協議したのですが、いい知恵もありませんでした。その結果はまた一生懸命交渉したのでありまするが、それでは一應組合としての希望額を出してくれないかということでございましたので、その希望額を皆さんにはかつて、大体仮更正決定で行くか、あるいはそれ以内ということで出したのでありまするが、それはたちまち一蹴されてしまつたのであります。その結果今度はいよいよ猛烈に運動しなけばならぬことになつたのは、—東京財務局の方からも應援が來られまして、三月の二十六日が納期期限でありまするが、その前に通知を受けた者が納付ができないと、いうと差押えをびしびしやつたのでありす。そういう建前から、これでは一生懸命交渉しなければいけないというはめになつてしまつたのであります。その間におきまして、なお何とか円滑に持つて行きたいという建前から、去年約三回にわたりまして、私の宅でその係の小松榮一郎氏を呼んで酒食をいたしました。金額はたいがい一回が千三、四百円かと思つております。その前は正副組合長宅でやつたのでありますが……。それから今年の一月ごろ、小松榮一郎氏のうちを訪問しまして、こちらから酒を一升持つて行きまして、二、三品のさかなで飲んだことがあります。そのときに何とか組合員の課税を緩和していただきたいということを再三申し上げてありましたので、—その前に、話が少し前後すると思いますが、カバンが欲しい、くつが欲しいということを何回か言われたそうであります。それは私と同じ副組合長をやつております小林繁次郎氏のところに來て言つたのでございます。それで小林君の方から、どうしよう、金を贈るということもおかしいから、カバンを贈ろうじやないかということで、組合長にも話をして、それから古着の市場を運営している運営部長にも相談したところが、そういうものはもちろん贈つてやつた方がかえつて有利に行くのじやないかという話もありましたので、そういう方法をとろうということになりまして、ちようど税務署側の小松君の希望する赤革の牛皮のカバンがなかつたのでありますが、中古品のきれいなのがありましたので、それを贈ることになつたのであります。
○鍛冶委員長 幾らくらいのものですか。
○三戸部證人 それは金額にして約四千円くらいと思います。それから今年の一月ごろに、ただいま申し上げました市場運営部長をやつております大矢藤吉郎氏、衣類の副支部長の駒形大次郎氏、組合長の久米川六三郎氏、こういう人たちから多少現金も贈つておいた方がよいじやないかということになりまして、二万円をその人たちが出し、二万円をぜひ贈つてくれろということでありましたので、私はそのときに、金を贈ることはどうかと思う、カバンくらいのことにしておいた方がいいじやないかと言うと、今後すべての話がうまく行かぬから、ひとつ何とか贈つたらどうかということで、贈るべき機会をねらつておつたのでありますが、なかなか機会がありません。そのうちに三月の末ごろ、日はちよつと思い出しませんが、小松氏の宅を訪問しまして、そこで一ぱい飮むときにそれを出したのであります。その二万円は新聞紙に包んで、カバンはそのまま持つて行きました。ところが非常に怒られまして、一旦つつ返された。それを酒を飮んで帰りしなにそつとカバンに入れて帰つて來たのであります。その結果一日おいた翌朝、私は呼び出されまして非常に怒られて、つつ返されたのでありますが、そのときに一應預つておつてもらいたいと言つて置いて來た二万円の金が今日に至つたのであります。
○鍛冶委員長 あなたはさつき仮更正の決定を見せられて紛糾したと言われたが、その紛糾したというのは、あなた方がきわめて出した序列に不公平があるというのですか。それとも税額の決定が高過ぎるというのですか。
○三戸部證人 税額の決定が高過ぎるというわけです。
○鍛冶委員長 序列については……。
○三戸部證人 序列は各地区の人たちが御自分々々々で選んだ税務委員が出したのだから、それはいいというお話だつたのです。
○鍛冶委員長 それから組合で相談されるときに、あなた方の組合では部があれば部でもよいが、何百万円とか何千万円とか、そういうことを言つて來ましたか。それとも……。
○三戸部證人 大体何千万円と言われたのです。
○鍛冶委員長 組合合計して何千万円ですね。個人に幾らくらいの割ということはなかつたのですか。
○三戸部證人 そういうことは言わなかつたのです。
○鍛冶委員長 あなた方の組合には、これだけくらいもらわなければならぬ、この部ではこれくらいもらわなければならぬ。これをひとつ公平に割振つてくれというのですか。
○三戸部證人 さようでございます。そこで本更正のことについては私たちがあまりにかけ離れたこちらの希望額を出したために全然それにはタツチしなかつたのです。あまり数字が大き過ぎたのでとてもわれわれとして應じ切れなかつたのです。
○鍛冶委員長 小松というのは何係ですか。
○三戸部證人 所得税係です。
○鍛冶委員長 そういうふうにカバンをやつたり、金をやつたり、御馳走したりしたら、いくらか負けてくれたのですか。
○三戸部證人 まだ正式な減額訂正通知は受けておりせん。私たちが警察に呼ばれまして、十二日目に出たときに各組合員が見舞つてくれましたが、まだ通知が來ていないという話でしたから、それがどうなつたかわかりません。
○鍛冶委員長 本更正に対しては御馳走しただけですか。異議の申立てを正式に出しましたか。
○三戸部證人 出しました。
○鍛冶委員長 全部出しましたか。
○三戸部證人 うまく安く行つたところは大体納税しました。不服の者だけ、それは四十八名かと思いますが、それは全部出しました。
○鍛冶委員長 幾らくらいの組合員のうち四十八名出したのですか。
○三戸部證人 組合員は約百六七十名かと思つております。
○鍛冶委員長 百六七十名あつたが、異議を申し立てた者は四十八名だけですか。
○三戸部證人 そのうち四十八名ばかり出した。それで全部だつたと思います。再審査願いを出した全部の数と思つております。
○鍛冶委員長 四十八名くらい。——それはまだ決定になつておりませんね。
○三戸部證人 何人かはなつておると思いますが、ほんとうはまだ正式な通知は行つていないそうであります。
○鍛冶委員長 その税額が高過ぎるというのですか、所得額というものが、ほんとうの自分の所得額から比べて決定したのが高いというのですか。それともこんなにかけられたのでは所得がどうであろうが、生活ができぬというのですか。
○三戸部證人 所得がとてもありません。実際そんな大きな数字を持つて來られてもありません。実際の数を申し上げますと、今年に入つてから三月末までに六、七十名くらい廃業していると思います。去年の最高の数字から行きますと約二百名近く廃業しておられるのではないかと思います。実に過大な数字だつたのであります。
○鍛冶委員長 それは古物商だけに対してですか、一般に対してですか。
○三戸部證人 古物商は特に高くねらわれたのであります。
○鍛冶委員長 取引高税についてはどうですか。
○三戸部證人 取引高税は去年八月の末ごろにこういう税が來るということで、非常にわれわれ一般業者は戰々兢々としておつたのであります。ですが取引高税も実にでたらめきわまる課税であります。
○鍛冶委員長 どうでたらめなんですか。
○三戸部證人 私たちが税務署から言われたのは、古着の市場、古道具市場に対しては、税務署側の便法上と思いますが、一部の税金の取立てを代行させられたわけであります。そして完全に代行して納めますると、税務署では東京財務局からのんで來た額にとても離れているので、これではしようがない、もう少し数字をのんでもらいたいということでありました。みすみす正しく拂つているにかかわらず、寄付的な氣持でやつてもらいたいということでずいぶんむりな額をのんでおります。
○鍛冶委員長 竹川という税務官があなた方の係だつたのですか。
○三戸部證人 そうでございます。
○鍛冶委員長 それについても何か運動をしたというような変なことがあつたのではないですか。
○三戸部證人 運動はいたしましたが、この人は胃潰瘍か何かでございまして、お酒を飮むというようなことはできないのであります。
○鍛冶委員長 物を贈つたり、金を贈つたりは……。
○三戸部證人 そういうことはなかつたのであります。ただごはん時にごはんとか、あるいはお茶菓子とか、そんな程度でございます。
○鍛冶委員長 あなた方組合でこの運動をするのに金を集めたそうですね。
○三戸部證人 金はただいま申し上げました運営部長が四人から集めてくれまして、それを使えということになつて、いただきました。それは一人五千円づつであります。それとなおあと三人から、商賣を棒に振つて一生懸命やるのだから、これを何とかひとつ生活の一部にでもいいから使えといつてくれて行きました。それが五千円と七千円であります。業者からいただいたのは三万二千円であります。それから市場の方からといたしまして一万円いただきました。
○鍛冶委員長 四万二千円ですか。
○三戸部證人 そうです。そのうち三月の末ごろではないかと思います。あるいは四月の初めごろではないかと思いますが、その中の三人には、税額が自分たちの思う通りに下らないということにつきまして、非常に私たちも非難を浴びましたので、三人の方にだけは五千円づつ返してあります。
○鍛冶委員長 そうすると残りは二万七千円ですか。
○三戸部證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 その二万七千円でこれだけのことをやつたのですか。
○三戸部證人 さようであります。
○鍛冶委員長 ごちそうをした金は足し前になつているのですか。
○三戸部證人 それは自分の金を使つております。
○鍛冶委員長 あなたの方に中野民主商工会というのがあつたそうですね。
○三戸部證人 はい。
○鍛冶委員長 それはたいへん税のことを運動しておつたそうですが御承知ですか。
○三戸部證人 それはかねがね聞いておりましたが、私たちは入りませんでした。
○鍛冶委員長 どんなことをやつておりましたか。
○三戸部證人 それは某政党が背景となつているのだそうであります。それに入ると税金が有利に行くということはかねがね言われておりました。そして組合員にも私たちが一應正副組合長と諮つたことがありますが、とにかくわれわれはわれわれ独自の立場でやろうではないかということになつて、私たちはそれに入りませんでした。
○鍛冶委員長 何かお聞きになりますか。
○内藤(隆)委員 あなたがその仮更正の決定のときに、あまりにあなた方の考えとかけ離れ過ぎているので、税務署へ交渉に行つたところが、税務署では引受けた額があるからとても減額ができぬというような強硬な態度をもつてはねつけられたというのですね。その引受けた額というのをそのとき聞きましたか。
○三戸部證人 私はその時は行かないのであります。その時私は非常に仮更正の額について努力が足りないということを幹部諸君に怒られたのであります。それでとうとう私行かなかつた。
○内藤(隆)委員 そうするとそういつた人は役もわからないのでありますか。
○三戸部證人 わからないのであります。大体あとで私は聞かされたのであります。
○内藤(隆)委員 何という者ですか。
○三戸部證人 それは組合長久米川大三郎、大矢藤吉郎、窪田由丸そのほか十数名行つたらしいのです。
○内藤(隆)委員 それはあなたの方の側ですが、税務署が引受けた額があると言つた税務署の役人の名前はわかりませんか。
○三戸部證人 それは係りの小松榮一郎君です。
○大橋委員 今の中野民主商工会はだれからお聞きになりましたか。
○三戸部證人 それはだれからとははつきり記憶しておりませんが、聞かされました。
○大橋委員 この商工会へ入ると減税がうまく行くといううわさを聞かれたそうですが、うまく行くというのは、どういう方法でうまく行くというふうに聞かれましたか。
○三戸部證人 私はそこに疑義を持つたのであります。うまく行くということは、安くするとか、高くするとか、そういうことはあり得べきものじやないと思つております。課税というものは嚴正、公平、適正でなくちやいけない。それをうまく行くという言葉は非常に不純な言葉じやないかと思つております。そういうことから、私は初めからむしろわれわれ独自の立場から行つた方がいいということを主張いたしました。それがために商工会には入りませんでした。
○大橋委員 不純なことというと、どういうことでうまく行くように思われましたか。
○三戸部證人 いわゆるそれは某方面の政党を恐れる者か、あるいは何ものかそこにある一つの恐れを持つている者か、あるいは何かを握られている者か、二つの不安があつたのじやないかと思うのです。そういうことからそちらの言葉を聞いて行くのじやないかと私は推測しております。
○大橋委員 恐れとか不安とかいうのは、税務署の人がそういう不安を持つているという意味ですか。
○三戸部證人 そうです。
○北委員 簡單に尋ねますが、小松榮一郎さんという人が何か皮のカバンをほしいとか、皮のくつをほしいとか言つて來たわけですか。
○三戸部證人 さようであります。それは私直接聞いたのではありません。同じ副組合長の小林繁次郎君から聞いております。
○北委員 もう一つ、中野民主商工会に携わる人があなたのお宅かどこかへ行つて、こつちへ入れば税金を安くしてやるぞというようなことを言つて來たことはありませんか。
○三戸部證人 それはありません。
○神山委員 お尋ねしますが、あなたは先ほど古物商は所得がないとおつしやいましたが、事実ですか。
○三戸部證人 所得はあります。
○神山委員 あなたのおつしやつたことをおさらえしますが、本年三月までに六、七十名廃業した、去年は二百名も廃業した、去年から今年までにそうでしよう。
○三戸部證人 去年は二百名じやありません。去年からことしにかけて約二百名近く……。
○神山委員 それでけつこうです。それで取引高税はでたらめきわまる課税でありますというのは事実ですか。
○三戸部證人 私はそう思います。
○神山委員 それでお尋ねするのですが、あなた方の所得額に不相應な無理な課税があるからこそ、去年から二百名やめなければならなかつたのじやないのですか。
○三戸部證人 私はそう思います。
○神山委員 適正な課税であつたらこういうことにはならないのじやないですか。
○三戸部證人 そう思います。
○神山委員 もう一つあなたにお尋ねしますが、中野の民主商工会に入るとうまく行く、それはあなたがお感じになつたのですか。
○三戸部證人 そういうことを言われました。
○神山委員 それで不純なことがそこにある、こういうことをおつしやつたのですが、これも事実ですか。
○三戸部證人 これは私の推測であります。
○神山委員 けつこうです。それではここでお尋ねしますが、税務官吏がむりな割当課税をして來たということを証言されておるが、これも事実ですね。
○三戸部證人 はい。
○神山委員 こうした場合に、あなたはそれを何とかうまくするために、先ほどから述べられたことによつて、お酒を飮ませたり、カバンをやつたり、現金を二万円やつたりされたのですが、これは不純なことじやないのですか。
○三戸部證人 不純であります。
○神山委員 そうしますと、某方面の政党が税務署を恐れさしたというようにおつしやいましたが、世間は警察より税務署の方がおつかないと言つておる人がある。あなたはどう考えておりますか。
○三戸部證人 私も同感であります。
○神山委員 そうすると、その強い税務署が某政党を恐れるというのは、ちよつと常識では考えられませんが、どうですか。
○三戸部證人 そこに矛盾があるのではないかと思います。
○神山委員 あなたのおつしやること全体が矛盾しておることを指摘したかつたのです。あなたが率直に言われたように、あなた方の実際の生活の事実を無視して上から割当の課税があるために、あなた方が序列は正しくやつても、仮更正の場合にも本更正の場合にもどうにもならぬ、それが事実だ。そうでしよう。
○三戸部證人 そうです。
○神山委員 それを何とかしたい。その道が二つある。一方は民主商工会、一方はあなたのおつしやるように飮ませたり、抱かせたり、食わせたりする、こういうわけですね。
○三戸部證人 そうです。
○神山委員 あなたのおつしやつた不純ということは、あなたの主観であるということが、結論として言えましよう。
○三戸部證人 私もこのことを犯しまして、非常に慚愧にたえないと思つております。
○神山委員 それでけつこうです。もう一つ、先ほどの不純と言われたこと、あるいは某方面の政党を恐れる、こういうようにおつしやつたのですが、これはあなたの主観であつて、それほど税務署は弱くない、警察より強いのだということが一般の事実なんだ。
○三戸部證人 私も実際その点はそう考えます。
○小林(進)委員 カバンと靴ということですが、靴はおやりにならなかつたのですか。
○三戸部證人 靴はやらなかつたらしいです。
○小林(進)委員 どうも聞いておると、盛んに、不純々々とおつしやいますが、不純なことではなくて、生きるためにこれは仕方がない、われわれはあなたの心情は非常に同情しますが、向うのもらいぶりですね、それをいま少し詳しく参考のためにお聞きしておきたいのです。家へお持ちになつて行つて、酒を飮む前にカバンと紙包をお出しになつた。そこで非常に怒られたというのですが、怒られてまた帰りにそれを置いて來て、翌日行つて、次の日に今度税務署へ呼び出されて、そこでまたしかられた。こういうので、結局しかられしかられふところに入れてしまつた。これは実にうまい方法だ。その間のやりとりをいま少し詳しくぼくに聞かせていただきたい。
○鍛冶委員長 カバンはあなた持つて行つたんですか。
○三戸部證人 カバンは小林というもう一人が……。二人で一緒に行つたんです。その点は最初私が出しましたときに怒られたんです。カバンは御注文のいい赤皮のカバンはできないから、このカバンでがまんしてくれと言つた。そうしたらそのカバンは最初小林君が見せたらしいのですが、あまり氣に入らなかつたらしい。私はそれを握らせるべくほめたわけです。そうしてそのカバンを向うは大体納得したのであります。お金の方は、そのとき怒られまして、一應自分の机の下に置きまして、帰りしなにそつとカバンの中に入れて來たのであります。そうして中一日おいて翌日の朝至急に來てくれと言われたんですが、私は非常に怒られたんですが、こういうことをされては困る、何かあつた場合にお互いに迷惑をしなければならないから困る。
○小林(進)委員 それは税務署ですか。
○三戸部證人 はい。
○小林(進)委員 カバンのことは言わなかつたのですか。
○三戸部證人 カバンのことは言わなかつたのです。そのときに一應預かつてもらいたいということで強く言つたものですから、それでは一應預かつておこうということであつたのです。
○小林(進)委員 一日おいて税務署に呼ばれて怒られたときに、カバンとお金は前に出してそうして言われたんですか。言葉の上で言われた、品物はどこにあるかわかりませんか。
○三戸部證人 金だけを出しました。
○小林(進)委員 税務署ですか。
○三戸部證人 自宅です。出勤前です。
○小林(進)委員 二回とも自宅でやられたんですね。
○三戸部證人 さようです。
○小林(進)委員 そのときにカバンは机の上に置いたんですか。
○三戸部證人 金は手に持つておりました。
○小林(進)委員 その金だけは受取らないのですか。
○三戸部證人 とにかく一應預かつてもらいたいということにして、どうもしようがないじやないか、預かつておこうというわけで……。
○小林(進)委員 向うも預かつておくということを承諾したのですか。
○三戸部證人 さようです。
○浦口委員 あなたのお氣持を率直におつしやつていただけばいいのですが、あなたが減税運動のためにものを贈つたりしたことも不純だとおつしやつた。中野民主商工会がやつていることも一應あなたは不純だとおつしやつた。今神山委員もおつしやつたんですが、世間が警察よりこわいと言つておる税務署が中野民主商工会を非常に恐れておるということは相当の原因があると思うのですが、それはたとえば税務署自身が不正をやつておる、その不正を突かれることがたいへん恐ろしくて、民主商工会に対して非常にこれを尊重する、いわゆる正しいものには勝てないという意味で、税務署が商工会を恐れるか、あるいはまたそれと別な意味で何かかわつた力によつて税務署が恐れるか、その点どう考えられますか。
○三戸部證人 それは私も確証を握つておりませんからわかりません。
○浦口委員 あなたはどういうふうにお思いになりますか。
○三戸部證人 私が考えますのは、不純のことを犯すまではほんとうに相手方を不純と思つておつたのであります。ところが私も行きがかり上こういうことをしてしまつたので、今ほかの方のことを言う資格もないのでありますが、それは税務署に何かあるのではないかと推測します。それで恐れるのではないかと思うのであります。
○浦口委員 お答えいただいたようなものでありますが、結局税務署には突かれると痛いところがあるから、こういう意味ですね。
○三戸部證人 そうではないかと思います。私は確証を握つておりませんからわかりません。
○鍛冶委員長 ほかにありませんか。——では済みました。御苦労でした。 —————————————
○鍛冶委員長 河野貞三郎さんですね。
○河野證人 そうです。
○神山委員 議事進行について、河野証人に対しての尋問事項だけに、証人の略歴を簡單に述べよというほかの証人になかつたことが書いてある。その理由いかん。それから第二に、証人が現在関係しておる事業及び團体のすべてを詳細に述べよとあり、他の一切の証人について言われなかつたことが書いてある。その理由いかん。第三に中野民主商工会とはいかなる團体か、その内容を五項目にわたつてこまかな点まで聞いてある。なぜ他の証人にされなかつたことが河野貞三郎証人に対しては行われなければならないのか。これを疑問として提出します。私はこういうやり方は不公正だと思う。というのは本考査委員会の調査の主目的は、先ほども言いましたように、税務機構の腐敗と、課税の不当なものをただすのが、われわれのねらいであつて、民主商工会そのものがこういう材料を提供しておる。それにもかかわらず、その民主商工会に対して、こういう特殊な尋問をするということは、今浦口委員とじようだんで言つたことでもありますが、この考査委員会は非日委員会的な性格を持つてはならないものであるにもかかわらず、この委員会が非日委員会的な活動をしているというふうに言われる一つの根拠になると思う。しかも本件はいわゆる第三部門で取上げたのではなくて、第二部門で官吏の汚職事件として取上げているにもかかわらず、第三部にもまがうようなことをここで取上げることについて、私は反対せざるを得ない。從つて尋問そのものの中心が、他の証人その他と不公正にわたらないように、問題の中心を衝くようにリードしてもらいたいと思う。このことを特に希望しておきます。
○鍛冶委員長 承知しました。
○小川(半)委員 ただいま神山君から御意見がありましたけれども、本日のところは一應やはりこれに基いて進行して行つた方がいいと思う。
○鍛冶委員長 しかるべくやります。 証人に承りますが、あなたは中野においでですね、どこですか。
○河野證人 中野区沼袋町二百八十七番地。
○鍛冶委員長 御職業は……。
○河野證人 書籍商をやつております。
○鍛冶委員長 それはずつと前からおやりですか。
○河野證人 昭和五年から継続してやつております。
○鍛冶委員長 何かそういう書籍商に対して團体でもありますか。
○河野證人 書籍商には、東京書籍雜誌小賣協同組合というものと、東京古書小賣協同組合という二つの全都的な協同組合があります。私はそのどちらにも組合員として関係しております。
○鍛冶委員長 中野だけのはありませんか。
○河野證人 中野は中野第三支部となつております。私はその古書籍商組合の方の、本部の常務理事をしております。
○鍛冶委員長 そのほかあなたは何か政治上の團体に御関係ですか。
○河野證人 それはどういう意味でしようか。
○鍛冶委員長 あなたが関係しておられる團体がありますか——ではこういうふうに聞きましよう。あなたは中野民主商工会というものの何かをやつておいでになりますか。
○河野證人 中野民主商工会の委員長です。
○鍛冶委員長 中野民主商工会というのはどういうものですか。
○河野證人 規約を持つて來ておりますから、見ながらお答えしてよろしゆうございますか。
○鍛冶委員長 簡單でよろしゆうございます。
○河野證人 中野民主商工会は一昨年の秋ごろからできており、大体規約にのつとつて仕事をしております。十五條からなる規約を持つておりますが、その第三條に本会の目的がうたつてあります。その第三條をちよつと読み上げまして御了承を得たいと思うのですが、本会は中小商工業者の文化的向上と、生活権の擁護のために共通せる問題の研究及び改善をはかるをもつて目的とする、こういうような目的が示されております。これにのつとつていろいろ仕事をしておるわけでございます。
○鍛冶委員長 わかりました。それではよほどたくさん会員がおるのですか。どの範囲の会員なんですか。
○河野證人 会員は中野区中で五、六百名おると思いますが、詳しい数字は書記でないとわかりません。
○鍛冶委員長 制限はありませんか。だれでも入れるのですか。
○河野證人 但し中小商工業者となつております。
○鍛冶委員長 その点だけで、ほかに制限ありませんね。
○河野證人 ありません。
○鍛冶委員長 会費をおとりですか。
○河野證人 会費はとつております。月二十円です。
○鍛冶委員長 やつぱり役員とか何とかいうものはあるのですか。
○河野證人 役員は委員長と副委員長二名、それから会計幹事二名、あとは各支部の代表者二名ずつをもつて大体この委員会を構成しております。
○鍛冶委員長 そのほか何か特別の役員とか顧問とかいうものはありますか。
○河野證人 顧問は税務代理士の方、それから区会議員の方を顧問にしております。
○鍛冶委員長 わかりました。そうするとこの会は別に減税運動とか、そういう限られた目的でできたものではありませんね。
○河野證人 その点につきましては、今申し上げました通り、中小商工業者の文化的向上と、それから生活権の擁護というものがうたつてありまして、この生活権の擁護の点について中小商工業者の生活を破壞するようなものがありますれば、それがどういう形で参るか知りませんけれども、そういう点については重大関心を持つて、いつでも動くことになつております。
○鍛冶委員長 そうすると減税運動であろうが、何であろうが、そういうことはあるいはやることが……。
○河野證人 これは何が減税運動になるか、ならぬかということはわからないと思います。ですから税の問題には必ずしも減税とか増税とかいうような一つの目標をきめてやることはないと思います。
○鍛冶委員長 わかりました。そこで何かあなたの会で税のことに対して運動をせられたことはありますか。
○河野證人 運動と言いますか、研究会だとか懇談会だとかいうものはしよつちゆう開いております。それから税務署の方の人に、昨日もありましたが、税務署の方の人に來ていただきまして、取引高税の改正についての説明と、昭和二十四年度の課税方針についていろいろ御説明を伺い、また懇談をいたしました。そういうようなことはやります。
○鍛冶委員長 何か実行運動のようなことはおやりになりますか。
○河野證人 実行運動と申しますとどういうことですか。
○鍛冶委員長 何かそれに関して公正に改めてやれとか、あるいは高いからまけろとか……。
○河野證人 そういう高いからまけろというようなことは民主商工会ではできないことで、税務署がやつてくれるわけですから……。
○鍛冶委員長 税務署に交渉することは……。
○河野證人 税務署に交渉すること、そういうことはやつたこともあります。
○鍛冶委員長 中野税務署について、たいへんいろいろ問題が起きたようですが、一般に課税が不公平であつたと認められましたか。
○河野證人 それでは中野税務署の最近の税金のかけ方について申し上げます。大体同業組合等に対しまして、一應予定申告を出します前に、税務署へ集めたり、それから組合で集会を開きして、そこへ税務署の係りの者が参りまして、この組合では営業状態がどうなつておるか、業者の一人々々の收益はどうか、それから順序を出せ、序列を出せというようなことを今までここ二、三回繰返してやられております。そうして、業者の組合でたいがい序列を出しますと、それに基いて今度は更正決定がなされるわけです。その更正決定を出す場合には、あまり調査なんかなさらぬようです。大体これは業者から報告も受けてありますが、あまり調査をしない、そうして更正決定をぱんとかけて來るのです。その結果が異議申請をやつたならば四、五十万円のものが更正決定の場合には二十万ぐらいの更正決定を受けたという例がいろいろあります。そういうふうにして課税されて参りまして、それで組合の手を通じたり、または個人で税務署に交渉するわけです。そうしますと税務署としては、自分の方は調査してかけたんだ、あなた方はそれぐらいの所得はあつたはずだと言う。しかし業者の方ではかりに一應所得があつた場合においても、生活費が非常に今御承知の通りかさみますので、生活費に食い込んでしまつて担税力がなくなつておるわけです。結局話をしましてもこれはしかし税法でこういうふうにきまつておつて、自分たちは法律にきめられたことを執行する役目だから、これは当然税法にきめてある通りやるのだ、だから税法が惡いというなら、あなた方が選出した代議士が議会でこの税法をきめたのだから、文句があるなら議会へ行つて言え、おかど違いだろう、こうなんです。きよう証人に見えておる小林五郎君なんかはその急先鋒です。われわれが今まで見聞きしておりますのに、私自身もそういうことを言われたこともありますが、あなた方は税法にきめられたことを税務署がやるのに何が文句があるか、文句があるならこの法律をきめた議会へ行つて議員に言つて來い。こういうことを言われてみんな追い帰されて來てしまうわけです。從つてこの業者の中にはひどい更生決定を受けて、それを実際に自分が担税できるように下げてもらうためには、よほどの根氣をもつて税務署と交渉しなければならないわけです。それでなければ、袖の下を使うとか、あるいは係の者に飮ませるとか、そういうことをしなければなかなか安くならないものだから、そこで汚職事件の原因がそういうところから出て來るのだろうと思います。この点を十分おわかりになつていただきたいと思います。 それからもう一つは小さい業者には、税法だ税法だと言つて税金をかけて來ますが、比較的大きい業者とか、りつぱな生活、はでな生活なんかしておる人には、それほど嚴重に課税されておらないように見受けます。一昨年の十一月区民大会がありまして、そのときに私たち代表として小林君にも交渉したのですが、そのときに区民の間からこういうりつぱな生活をしておる人があるじやないか、そういうところへ課税しているかと言つたところが、小林君はそういう事実は知らなかつたと言のです。われわれ中小商工業者に対しては、路地のすみでやつておりましても、すみずみまでよく見つけて課税して來るのですが、何とか御殿と言われるようなりつぱな御殿に住まつておる人には、それが見つけられなかつたということは、われわれとしてはまつたく納得いかない事実なんです。実際に本年度は相当な何百万円とかいう課税をしたという人に、昭和二十二年度においては課税されていない事実があります。それから皆さん御承知だと思いますが、例の小久保産業という大脱税をした会社がありますが、あれは直径にいたしますれば税務署から一町半隔たつていない所です。ああいう大所得者をわれわれの中小商工業者をいじめるように丹念に調べて課税したならば、それを脱税させるということはわれわれにはとうてい考えられない。税務署から直径にして一町半しか隔たつていない所で、どうしてそれを一年もほうつておいたか。われわれが十一月に税務署に参りましたときに、佐藤間税課長から聞いたのですが、中野で小久保産業と津田繊維をもつと早く捕捉していたならば、中野の税金の六割から七割くらいまではあの人たちによつて負担されたものだというような意味のことを佐藤間税課長が申しておりました。こういうふうな税のかけ方をしておりますからわれわれ中小商工業者が廃業もしなければならないし、また中には自殺なんかもしなければならないような状態が起つて來ると思います。これは警察署でお調べになればおわかりになると思いますが、中野におきましては昨年十月の仮更正決定から本年四月末日までに古物商が約百八十軒廃業しております。これはみんな税金のためです。本日証人として出ることになつておりました小松榮一郎君の係りの古物業者はこういうような税金をかけられて百八十軒が廃業しております。また先月の二十何日かだと思いますが、中野の栄町という、澁谷境の方ですが、ここにおきまして八十三の老人が刃物で自殺したというようなことを、私は中野区内から出ている新聞で見ている。私実際調べたのではありませんが、新聞に出ておるのですからこれはうそではなかろうと思います。こういうふうにあまりにも苛酷な税金が來ておりますために、中小商工業者は廃業し、またはなはだしい人は自殺をしなければならないようなことになつておるわけであります。
○鍛冶委員長 そこで今あなたにお聞きすると、なるほど一般業者は税をかけられてつらいが、その言われたところは所得額の決定が重いということよりか、決定された所得税金ではとても生活できないのだということに一番不平があるのじやないですか。
○河野證人 しかし税法にもやはり矛盾があると私は思う。たとえばあなた方の場合こまかい数字を出してもあれだと思いますが、百万円の例をとつてみますと八十万円の税金がかかる。地方税が一割八分、十八万円かかる、そうすると百万円の所得があつて九十八万円の本税がかかるわけであります。それにそのくらいの営業をやつておれば自轉車の三、四台もあります。都民税がかかり、金庫税がかかり、リヤカー税がかかる、そうしますと警察の防犯だとか何とかを入れましたならばおそらく私たちは百三十万円くらい支拂わなければならないと思います。これは担税力がないとかなんとかいうだけではなしに、明らかに私は税法上にそういう欠陷があるのじやないかと思うわけであります。
○鍛冶委員長 税法が惡いということも重大な原因だと言わなければならないわけですね。
○河野證人 税法の矛盾も重大な原因だと思いますが、大体税務署の人たちに私は公僕としての何か國民に対するあたたかみというものがまつたくないのだと思います。ことに税務署の幹部の人たちがそういう点ではまつたく國民を何と思いますか、犯罪人扱いをするような態度で税金をかけて來ておるところにも大きな原因があると思います。
○鍛冶委員長 ところが中野の税務署は昨年ですか今年の成績ですか、非常に惡かつた。全國でもよほど低い方だつたそうですが、そういう事実は御承知ないですか。
○河野證人 そういう点はあまり税務署でも数字は発表しておりませんからわかりませんが、ここに私は中野税務署納税新聞というのを、二、三日前出た新聞を持つておるのでありますが、税務署で應援しておる新聞だそうでありますが、これに中野税務署長が発刊を祝して、本年度の徴收成績は昨年二十三年度の四月末日で六〇%だということを繰返し繰返し言つております。ところが私どもが五月初めに高橋税務署長の口から直接聞いたところによりますと、七八%だと申しております。そうしますと税務当局はことさらに中野区民の納税成績が惡いようなことを言つておるように新聞を見て印象を受けたのですが、そういう点では、私はこういうこともありますので、はたして中野の区民の納税成績が惡いかどうかという点についてはちよつとはつきりした断定を私自身下せないのであります。
○鍛冶委員長 そこに書いてあるのは四月の初めの成績ですか。
○河野證人 四月末日です。
○鍛冶委員長 五月は……。
○河野證人 それは存じません。
○鍛冶委員長 四月末は六〇%だというのですか。
○河野證人 これには六〇%と書いてありますが、私が直接聞いたところでは四月末日に七八%です。その前に区役所で懇談会がありましたときに税務署員の方が申したのは七七%だと思います。私がその翌日税務署長に会つたときには、いやあれは一日のところでとにかく七八%に行つた、こういう話であります。こういうように公式に発表されていることと、私たちに発表していることに非常に食い違いがある。そういう点を考えますと、はたして税務署で言つていることが、中野区民は納税成績が惡いというようなことはどういう意味で言うのか。こういう新聞なんかに書かれていることとわれわれに話すことを見ますと私たちには納得が行かないのであります。
○鍛冶委員長 あなたとしてはそう成績が惡くないと見ておる、こういう意味ですか。
○河野證人 私はよろしいと思つております。七八%という話を聞くとそう惡くない。しかしこの点は私たちは全体的な数字とかなんとかいうものは存じませんから、いいとか惡いとか何とも断定はつきませんが、この事実を見ただけでは発表の数字にも疑問の点があることを申し上げたい。
○鍛冶委員長 そこでなお中野の税務署ではずいぶん職員に汚職をなしたる者があつたそうですが、そういうことについて大体のことでいいですからお知りになつたことを聞かしていただきたい。
○河野證人 それは昨年の春ごろからずつと中野には中野中央民報という新聞が出ておりました。今こまかいことは記憶しておりませんが、どこどこのくつ屋でくつを三足持つて行つたとか、そういうようなことがこの中野中央民報に出ていたと思います。これは〇〇というような形で出ていたと思いますのでどういう名前かわかりませんが……。それから秋の初めごろだと思いますが、中野新聞というのが出まして、それにも何か遊戲業を扱つている係員が——遊戲業と言いますとパチンコとか玉突きといつたものだと思いますが、それの業者の代表の方と藝者をあげて騷いだ、税務の問題までそこで相談したということが出ておりました。それから取引高税について業者をおどかして金をとつたとかなんとかいうようなことも書いてありました。そういう事実はたくさんあつて、すでに地方新聞なんかで頻繁に発表されておると思うのです。それに対してなぜ税務署が手を打たなかつたか。及ばずながらわれわれもときによつて課長に対して、こういう話を聞くがどうかというようなことを忠告した場合もあります。しかしそれが全部何ら処置されないで現在まで來た、こういう点こそ私非常に疑問があるわけです。それから一面これはわれわれが税務署のことをそう詳しく知つてるということになるかどうかわかりませんが、われわれが見ている範囲で比較的まじめな署員だと思うような人が、左遷といいますか、本人が左遷と言つているから左遷だと思うのですが、自分は今まで何らやましいこともなく中野区民のためにやつて來た、そういうような人が学校なんかに通つておりまして、どうも葛飾の方へ左遷されたのでは非常にぐあいが惡いと言つて嘆いておるのですが、そういう人がどんどん左遷されておる。まじめな人を左遷して何かうしろ暗いようなことをやつている人がとかく優秀なる署員としてそれが何ら譴責を受けなかつた、置かれたというところに私は税務署を腐敗させた原因があるのではないかと思うのです。この責任はだれか知りませんが、やはり税務署内において人事権を持つたりなんかしている人が、そういうことを知つていてもやらぬところに腐敗しているところがあるのではないかと思います。
○鍛冶委員長 りくつよりか、実際において腐敗した署員がずいぶんおつたことは間違いありませんか。
○河野證人 それはいろいろ聞いております。こういうことも聞いております。これはある野方町の食料品屋ですが、文書だけをちよつと読み上げます。
○鍛冶委員長 概略でよろしゆうございます。
○河野證人 「仮更正決定二十九万円、確定申告九万四千五百七十六円、理由、右の通り仮更正決定通知を受けましたが、右金額は先に係宇佐美事務官と組合長立会の酒宴の席上にて何ほどの税金なら拂えるかとの質問で、十六万円程度の決定ならむりしても拂えないことはありませんと申し上げましたところが、それでは十六万円に決定しておくからとその場で確約ができたのです。しかるにあとで組合長よりの申出で十九万円というところで本ぎまりに話合いがつきました。そのときの酒宴代金七千五百円余りを拂わせられました。その後で宇佐美事務官が自分の勝手で藝者を呼んで止宿されましたが、そのときの代金七千六百円余りを拂わせられました。その後仮更正決定として二十九万円の通知を受けました。前後一万五千円余りの遊興費を拂わせられた上、確約にそむき二十九万円を承知しなければ取引高税の通帳につけ落しがあるから、五万円の罰金だとおどかされました。」こういうような意味の投書まで來ておるような状態です。
○鍛冶委員長 さつき組合に相談すると組合で序列をきめると言われたが、それに対しても何か情実関係で不公平があるという声が大きいのではないのですか。
○河野證人 そういうこともあるかもしれません。組合によつて——税務署には税務協力委員というのができております。私たちばかりでなくて、中野区民の間からもこれらに対してはボスだというような批評があるのですが、そういう人の関係している組合は安いという話を聞くことが多うございます。そうしてそれらの組合の代表者は、かつて税務署が廳舎を昨年の夏新築しましたが、そういうときにもやはり相当寄付したりしておるから安いのだといううわさを聞いております。
○鍛冶委員長 いつだつたか知らぬが、昨年の四月ですね。あなた方は中野税務署の小林総務課長の追放の運動をやられたことがあるようですが、それはありますか。
○河野證人 これは民主商工会新井支部からそういうビラを出しまして、懇談会を開いたことがあるようです。
○鍛冶委員長 それはあなた直接御関係はなかつたのですか。
○河野證人 そのときは私はあとでその話を聞きました。
○鍛冶委員長 それはどういうわけだつたのですか。
○河野證人 それは支部の人の話を聞いて、私も大体同じような意見になつたのですが、今申し上げました通り、この税金が上の方の人には軽くかけられている。それから脱税なんかも見逃されている。それからまじめな事務官なんかがどんどん左遷されて行く。ふまじめだという評判のある人が別に左遷もさせられないで、優秀な者なりとして、それがいつまでもやはり中野税務署におかれている。こういう点を、やはり人事権を持つているのは小林総務課長ですから、その点で新井支部があげているわけです。中野税務署を腐敗堕落させているのは、そういうふうに人の点におきましてもきわめて不明朗にやつているから、中野税務署が腐敗するのだ、そういう根拠に基いて、こういう税務署を腐敗させるような者は追放しなければならぬという結論になつたというふうに聞いております。
○鍛冶委員長 そうしたら、それに対して東京財務局長があなたあてで抗議文を出しておりますね。
○河野證人 これは抗議文を受けております。
○鍛冶委員長 さような事実は絶対にないと思う、あれば証拠をあげてくれ、こう言つて來ておつたのですが、これは結局はどういうことですか。
○河野證人 その点につきましては、私どもはそれは四月の十六日に財務局の大島総務課長その他一名と中野税務署の小林総務課長と三人で参りまして、私にその決議文を手交して参つたわけであります。そのときにかなり乱暴な口を聞きまして、何か檢事の尋問なんかみたいなことをやられて、私たち子供が七人おるわけですが、大体学校から帰つて來ておつたのですが、小学六年生の子供が、お父さんうちは戰災後ここに家を建ててそれからというもの、ああいうおつかない口を聞く人は初めて來たのだねということをあとで言つたわけです。こういうふうに私は侮辱も受けましたし、脅迫に似たようなことを言われたこともありますが、その点につきまして翌日財務局で、私たちは伊知地さんに面会して抗議を申込んだわけです。その事実についてはないと言つて強弁されておりますが、私たちはそういう点をあなた方があくまでもつつ張るならば、自分たちは場合によつては法廷で爭う、法廷で明らかにする、こういうふうに言つて帰つて來たわけであります。大体伊知地局長としましては、あなた方が受取らないというならば、まあお返しになつて行つたらよろしいでしよう、しかしその趣旨は自分としては撤回できないと思う、こういうようなことを言つておられました。それからその抗議文についても自分の判こが押してあるし、自分の名前が書いてありますから、私が責任を負いますと言つて非常にあいまいなことだつた。私たちもその責任の所在がどこにあるかわからないような、疑いを起さざるを得ないような言動をしておつたわけであります。しかしその事実があつたかどうかについては、今日すでに証明されておると思う。事実はあつたから、私は今回の汚職事件というものがはつきりして來ておるものだと思います。
○鍛冶委員長 そうすると、その汚職事件も小林総務課長の責任であるということになるのですか。
○河野證人 そうだと思います。人事権を持つておる人が、優秀なる正しい職員を左遷して、正しくない職員をそのままにしておくというような、そういう人の扱い方が、私ははつきり責任になるのではないかと思つております。
○鍛冶委員長 あなたの民主商工会を、世上よく共産党の機関だとかいうそうですが、そんなことはないですか。
○河野證人 私はそういうことは聞きませんが……。
○鍛冶委員長 さつきから來ておる証人も言つてます。
○河野證人 私のところに來て民主商工会を共産党だという人はあまりありません。
○鍛冶委員長 この規約を見ますと、おもに風早代議士が入つておる、そういうことからですかな。
○河野證人 あるいはまあそういうことかもしれませんが……。
○鍛冶委員長 風早さんは顧問ですね。
○河野證人 そうです。風早さんはわれわれの区で選出した中では財政通ですし、法律学者ですから、そういう点でわれわれのように財政のことなんかも教わらなくちやならぬものは、風早さんのような学者を出しておいたらいいだろうというので、顧問にいただいたわけであります。
○鍛冶委員長 それから今度またここでこれを調べたときには、あなたの方で衆議院考査委員会で税務署長その他を呼び出して調べておるという張札をしたそうですね。
○河野證人 それは私まだ存じませんが……。
○鍛冶委員長 何かやつたことを御承知ないですか。そういうのが出ておるですよ。
○河野證人 いや、その点は私存じておりません。本部としてまだ別にそういうことはやつておりません。
○鍛冶委員長 そういうことを言うと、いい影響か惡い影響か知りませんが、非常な影響はありますね。そこでどうです、あなたとしてこういう汚職をやつたり、こんなことになつて税の不公平もあつたりするんだが、正常にこれを導こうとしたらどうしたらいいともちろん考えられたでしようね。もしそういうことでお考えがあるならば聞いておきたい。
○河野證人 まず第一に、私は税法を直していただきたいと思うのです。たとえば今度はあの基礎控除が一万五千円に直りまして、これがまあ最低生活費というふうに認められてこういう数字が出たのかどうか知りませんが、それから扶養家族一人について千八百円ですか、これではわれわれは生活することはできないのです。どなたでも同じだと思うのです。こういう点をやはり生活できるだけの金額まで基礎控除を上げていただかなければならぬと思います。
○鍛冶委員長 税率そのものはどうですか。これは基礎控除をやれば少くなつて來るわけですから……。
○河野證人 税率はやはり今のような累進課税でも私はけつこうだと思います。しかし先ほども申し上げました例のように百万円の場合は二十万円の利益が一應認められるわけですが、それが五万円になつて來ますと三万円かそこらの利益になつてしまいますので、この点がやはり累進課税といいましても研究していただくことが必要ではないかと思います。
○鍛冶委員長 百万円でも百三十万円とられたら食つて行かれはしないのですからね。 そのほかは……。
○河野證人 そのほかは徴税機構の一口に申し上げますならば民主化だと思います。納税者の言うことを一言も聞かないで、もうこれは議会であなたたちの選んだ議員がきめたんだ、文句があるなら議会に行つて文句を言えというような徴税の機構ではだめだと思います。納税者の声を十分に聞くような税務署の機構にしてもらいたいと思います。
○鍛冶委員長 人間そのものが惡いというようなことはどうですか。この汚職事件が出るということについては、これは制度が惡いからか、人間が惡いからか、どうでしようか。
○河野證人 それはやはり人間そのものというよりも、今の高い税金を中小商工業者に押しつけているということが惡いんだと私は思う。人間は、この小松君などという人もよく知つておりますが、そう惡い人間ではない。なかなかいい青年です。
○内藤(隆)委員 ただいまの委員長のお問いの中で私の問わんとするところが明瞭になりましたから、その点は除きますが、さいぜん証人は民主商工会の中の顧問をあげたとき、区会議員、あるいは弁理士というただ單にその程度でとめられたが、委員長の尋問で風早代議士が顧問においでになるということであります。この点重ねてのお答えは要らないと思いますが、ただ、ただいまのお話にもありましたが、小林総務課長が、税法並びに税率を決定しこういうふうなことになるのは君らの出しておる國会議員が惡いのだから、國会に行つて言えということを放言したというが、その点をもう一度……。
○河野證人 その点は私ばかりではなく、中野の納税者の非常に多くの人々が聞いておりますので、いつでも私の言つたことを証言していただける者を出してもけつこうであります。これは小林総務課長ばかりではなく、税務署員の大多数が、私の知つておる限りでは、繰返し繰返し申しております。
○内藤(隆)委員 私の考えるところでは、税法並びに税率は当國会において決定するけれども、徴税方法までも決定しないと考えておりますが、要するに問題は徴税方法にあるのではないでしようか。
○河野證人 その点は私といたしましては徴税方法ももちろんでありますが、やはり税法が最も大きな原因ではなかろうかと私は思います。
○内藤(隆)委員 徴税方法はどうですか。
○河野證人 徴税方法ももちろん大きな原因であろうと思いますが、その点は私は税務代理士という計理士の方に伺つたのですが、今日まで日本では相当税率も高かつた。基礎控除ももちろん生活を全部保障するというような基礎控除ではなかつたようです。ところが……。
○内藤(隆)委員 それでもうわかりました。
○河野證人 ちよつとお聞き願いたいのですが、実際には行政措置でもつて、基礎控除というものはそれほど高くなくても、生活費を相当認めておつた。それで納税者が税金も納められる。生活もできたということになつたのだそうです。ところが最近は法律一点ばりできめられた税法で、君のところはこれだけの所得があつたのだから、これだけかけるのに異存はないだろうというやり方ですから、業者が破産したりして、税務署にも強く当らざるを得ないということになるそうです。
○内藤(隆)委員 小林総務課長はあなたにたしかにそういうことを申しましたか。
○河野證人 申しました。
○小林(進)委員 大体あなたの御意見は非常に参考になるところがあつて、ありがたいのですが、ただ小林総務課長が人事の問題に関して適正な人を左遷したというお話ですけれども、それについていま少し的確な証拠でもあるかどうか、承りたい。
○河野證人 これは私どもの見た目でございまして、これこれの根拠でこれがよい者だというような根拠ではありませんけれども、見た目で比較的まじめだと思う方たちなのであります。そういう適正な人が左遷されておる。学校に通うのにも不便なところに轉勤させられておる例があるのであります。
○小林(進)委員 あなたが財務局の理事や何かに対して抗議をお持ちになつていたことは、そういう目で見たというような不公平な確証があつたということではなく、あなたの家に來られた態度が非常にいかんからというので抗議を申し込まれたわけですか。財務局の理事に抗議を申し込まれたのはどういうわけからですか。
○河野證人 それはわれわれといたしましては小林課長の人事のやり方などから一應不公平だというように考えたわけです。それから汚職事件がたしかにある、こういうふうに見ておるわけです。それはたしかにあつたわけです。それにもかかわらず、あまりにも高圧的に抗議が來たわけですから、こういうことであつてはまつたくわれわれの批判の外に税務署を置くということになりまして、なおさら今後においてひどい税金が來ても区民は默つていなければならぬ。税務署について一言半句も言えないという状態に置くというのは忍びないので、われわれとしては批判するのは当然だということから財務局に抗議したわけです。
○小林(進)委員 たしかにあなたの見られたごとく汚職事件があつたのであるから、その点について批判をされることは私は了承できる。その小林総務課長の人事の問題、取扱いに関して、正しい者を左遷し、あるいは不正な者と結託しておるというようなことの論拠としては少しまだあなたの証拠が薄弱じやないかと思いますので、いま少し何か具体的のものがあつたらひとつお聞かせ願いたい。
○河野證人 その点については他の課長にときどき不正の事実があると耳に入れておくわけです。あなたの部下にこういう者がある。そうしたところが、その課長が曰く、自分らは惡いものは惡い、何とか処分したい考えは持つておるが、あれが優秀だというふうにしてどうもかばう者があるから、自分らには何ともならぬという声も聞いております。そういう点も含めて私たちは言つておるわけであります。
○小林(進)委員 それもたしかに新しい証拠として有力な意見だと思つて承つておきます。 それから先ほどの御証言で、何か間税課長の言葉として小久保産業、それをいま少しわれわれが課税をしたら中野の住民も助かつたろう云々のお話がありました。間税課長の佐藤氏に対しては、どういう見方をされておりますか。御意見を伺いたい。
○河野證人 間税課長の佐藤氏には、私ども別にこの人がどうこうという見方はしておりません。われわれ区民が参りましても、説明も親切で納得の行く説明をしてくれて、みな了解して帰つて來るようです。中にはなかなか納得が行かずに帰つて來る者もあるようですが、大体においてよく説明してくれるということはまず認めておるようです。
○北委員 私は簡單に尋ねますが、先ほどの証人が証言の中で民主商工会と何か某政党ということを申しましたが、私はこの委員長さんがいずれの政党に属しておられるか、属しておられないか、この点をちよつとお聞きしたいのであります。
○河野證人 委員長さんに伺いますが、お答えできないことはお答えできないと言つてもよろしいのですね。
○鍛冶委員長 拒むことのできることでなかつたら拒むわけには行きません。犯罪になるとか、恥辱になるということならそれは答えんでもいいが、今の問題は犯罪になつたり恥辱になるとは思いません。質問のあつた以上は答えていただきたい。
○河野證人 私非常に体が弱いのでどうもこういう空氣の中では……。少し休ませていただきたいと思うのです。
○北委員 もし答えられないとすれば、どういうわけで答えられないか、その点を教えてもらいたい。
○河野證人 民主商工会について、先ほど何か証言があつたそうですが、民主商工会は、特定の人でなければいけないとか、どの政党でなければいけないということは言つていないのです。自由党の人もあれも、社会党の人も共産党の人もあります。
○北委員 その責任者であられる委員長は、どの政党に属されているかということです。
○鍛冶委員長 別にそんなことは言うたからといつて恥辱にもなりませんが、恥辱と思いますか。——簡單に答えれば済むのです。——もしあなたがしやべられぬということになると、その理由を聞かなければならぬことになり、かえつてめんどうになるのです。——答えられないならなぜ答えられないかを承らなければなりませんが。——答えてください。
○河野證人 今熟考しております。
○鍛冶委員長 時間がかかりますからどうぞ立つて……。
○河野證人 私は刑事訴訟法などはくわしく知らないので、刑事訴訟法なんかにそういうことで返答しなくてもいいということがこの場合通用するものであるならそれに從いたいと思います。
○鍛冶委員長 もう一度証人にあらためて申します。先ほども読み聞かせた通り、刑事上の訴追または処罰をまねくおそれある事項に関するときまたはこれらのものの恥辱に期すべき事項に関するときに限つて拒むことができるのです。それ以外は拒むことはできません。從つてどうしても言われぬというならば、しいて問うわけに行きませんが、言わなかつたものとして取扱いますがよろしいですか。——それでは、これだけ言つても言いませんから、証言を拒否したものとしてこの質問は打切ります。やむを得ません。次の質問に入つてください。小川君。
○北委員 それでは拒否ですか。
○河野證人 拒否はしません。考え中です。
○鍛冶委員長 やむを得ません。小川君、続けてください。
○小川(半)委員 証人にお尋ねいたします。先ほど北君があなたに、いずれかの政党に属しておられるかという質問をしたのに対して、興奮して記憶を失われたのか、証言がないようですから、私はあなたの記憶を新たにするためにお尋ねするのですが、私の調査によりますれば、あなたは日本共産党員であるということになつておるのです。これはいかがですか。
○河野證人 別に記憶を喪失したわけでも何でもありません。ただ法律上から見て、はつきり申し上げなくてもいいという御意見もありますので、はつきり言わなくてもさしつかえないものならば、お答えしないつもりでおつたのですが、そういうふうに、あなたの方でもお調べになつておりますので、申し上げます。私は日本共産党に所属しております。
○鍛冶委員長 それでは証人に申しますが、さつき北委員の質問に対して答えられなかつたのも、同樣と解してよろしいですね。
○河野證人 けつこうです。
○北委員 証人にちよつと伺いますが、どういうわけであなたは明らかに所属を言わなかつたのか。
○河野證人 ではお答え申します。質問される方の御意見だけ伺えばよいのですが、いろいろな意見が耳に入つて來るものですから、お答えしなくてもさしつかえないものならば、お答えしないでおこうと思つただけです。
○小林(進)委員 証人に別の問題でお聞きしたいのは、先ほど言われた小久保産業と今一つ何とかがあれば、中野の税金の六割か七割ぐらいは助かるだろうということを承つた。これは私どももいつも聞くことで、税金の不公平ということがあるのですが、これは全國的に聞く言葉であります。あなたは中野の方で、税金の方に大分興味を持つておられるようでありますが、そういう大物が逃れて、小物はどぶ板のすみまで洗いざらい税金をとられているというのは、何かはつきりした調査書類のようなものでもありましたならば、いただきたいと思う。そういうものがお手もとにあるかどうか、伺いたいと思います。
○河野證人 小久保産業並びに津田纖維の問題は、私どもが調査してそう申し上げたのではございません。先ほど申し上げましたように、十一月かと思いましたが、この前の区民大会の折、税務署に参りましたときに、たまたま佐藤間税課長がそう申したので、それを今日申し上げたまでです。特にそういう資料があつたわけではありません。
○小林(進)委員 何かお持ちになりませんか。
○河野證人 別にそういう資料はありませんが、佐藤間税課長がそう申されたので、專門家が言うのですから間違いないと思つて申し上げたまでです。
○小林(進)委員 佐藤間税課長の御意見だということはわかりましたが、普通一般の町の輿論というか、風評というか、税金が不公平だ、下に重過ぎて上には軽いというようなことをお聞きになつたことがありますか。
○河野證人 そういう点については、町ではどこでも上の方の人には軽いということを聞いております。実際税務署で調査してみたところが、やはり相当所得があると思われる人でも、全然申告がなかつたり、しかも更正決定も出ていないような事実もあるわけです。先ほども申し上げました通り、中小商工業者にはどんな路地のすみずみで営業しておりましても、相当高い税金がかかつて來ております。これは事実であります。
○小林(進)委員 あなたも大分税務署においでになるようですが、そういうようなことを、小林課長、佐藤間税課長、あるいは係りの税務委員あたりに、お話しになつたことはありますか。
○河野證人 たびたび申し上げております。
○小林(進)委員 それで効果はあつたと思いますか。
○河野證人 それによつて去年課税していなかつた方に対して今年課税したということを聞いております。
○小林(進)委員 過去にさかのぼつて課税されたというようなことはありませんか。
○河野證人 その点のこまかい税務署の技術的の問題は、私どもにはわかりません。
○小松委員 お尋ねいたしますが、あなたの方の民主商工会は会員が五、六百あられるそうであります。この中から、税務署の課税が不当なものがあるということで、あなた方の方へいろいろお申出があつて、あなたの力によつて税務署に交渉されたことが何回おありでございましようか。
○河野證人 会員の中には、不当な課税を受けて困りまして、民主商工会の方へいろいろ意見や申出がありますが、そういう問題については、ただいま民主商工会の支部が十一ございますが、その支部の責任者がたいがい処理しております。
○小松委員 あなたはそれには何も御関係はございませんか。
○河野證人 関係することもございます。
○小松委員 その結果はあなたは伺つておりませんか。
○河野證人 結果は、聞く場合もありますし、聞かぬ場合もあります。
○小松委員 あなた方が御交渉なさつての結果は、どういうような状態でありましたか。
○河野證人 交渉するというよりも、たいがい異議申請を出して向うに調べてもらうわけですが、その結果、二十万円ぐらい來ていたものが七、八万円に再決定されたということはございます。
○小松委員 その件数は、およそどのくらいお取扱いになつたか、御記憶はありませんか。
○河野證人 各支部でやつておりますので、その件数は今ちよつとわかりません。
○小松委員 二十万円のが八万円にも減額されたということは、どういうところにさように減額する根拠があつたか、御承知ありませんか。
○河野證人 もちろん課税しますときに、調査が不備だつたのだろうと思います。あまり調査しないで更正決定を出しているために、ほんとうに調査してみたらこれだけしか所得がなかつたというのが実情です。
○小松委員 あなたの方では、会員だけでなく、会員外の人からもそういう依頼を受けて、ごあつせんなさつたことがございますか。
○河野證人 依頼を受けるなどということはほとんどない。なるべく自分の税金の問題は自分で交渉されるように、私の方では会員の人にも言つております。そのためいろいろ研究会なんかやりまして、お互い会員同士が税法を研究しまして、自分で税法の研究をしたその見解に基いて税務署に交渉したりする場合があります。
○小松委員 高い税金を課せられて、どうしたらいいか非常に困つている人がたくさんあるのです。その結果何か力強い人を頼つていろいろ交渉していただきたいという人が世間にずいぶん多いのです。そういう人は会員外でもあなた方の方にそういう依頼を持ち込むことがありはせぬかと思うのですが、そういうことはございませんか。
○河野證人 そういう場合は、会員になつていただいて、いろいろお話合いしたり何かすることにしています。
○小松委員 会員にならなければ、そういうことのごあつせんをなさらないわけですか。
○河野證人 民主商工会は何も税金の問題ばかりを取扱うわけではございませんけれども、そういう問題についてはやはり会員を第一にしておりますから、会員になつていただかないと、そういう問題をあつせんするとか何とかいうことは別にやつておりません。
○小松委員 そうすると、会員でなければあなたの方であつせんをしない、かように承つてよろしいのですか。
○河野證人 何しろ商人の團体でございますから、そう政党や何かのように、必ずしもその点が確然としないところがあります。どうせ中野の小商人の集まりでありまして、始終顔見知りの連中もおりますから、会員にならなければだめだとか、そういうことも言えない場合もあるのです。ですから、嚴密な意味で言いますと、必ずしも会員でなければそういう話はしないとかいうことにはならないと思います。その点でお考え願いたいことは、民主商工会というのは商人の集まりだということをまず第一に御認識願いたい。商人というものは非常にルーズな面があります。ですから、團体の場合におきましても、そうきちきちしたのもではないということもお考え願いたいと思います。
○大橋委員 河野さんは現在のお住居にはいつお引越しになりましたか。
○河野證人 現在の住居は、昭和二十年の十二月からおります。燒けたものですから……。
○大橋委員 それから税務署へ初めておいでになられたのはいつごろですか。
○河野證人 税務署へ参りましたのは、初めてと言いますと、終戰後ですね。
○大橋委員 中野税務署へ……。
○河野證人 二十二年だろうと思います。二十二年の増加所得税のかかつて参りましたときだと思います。
○大橋委員 その後いろいろの方のごあつせんやら何やらでときどきおいでになると思いますが、大体月に何回とか、あるいは一週間に何回ぐらい最近ではおいでになりましたか。
○河野證人 ときによりますと一週間に二度ぐらい行くときもありますし、全然行かないときもあります。月によりまして全然行かない月もあります。
○大橋委員 それから不正官吏について、上司に対して、あの者はこういう不正があるいうことをいろいろ御注意になつたことがあるということを先ほど承りましたが、その不正官吏の氏名、それから注意をされました相手方をお漏らし願いたい。
○河野證人 小松榮一郎君の問題につきましては、直税課長伊知地君に申し上げておきました。
○大橋委員 その一人だけですか。
○河野證人 最近の問題で記憶しておりますのはそれだけです。
○大橋委員 最近ではなく、今までにあなたが、不正な者として税務署に注意された人の全部はだれとだれですか。
○河野證人 前にもあつたように記憶いたしますが、だれだつたか、その点忘れました。
○大橋委員 その不正事件というのはどういう事件でしたか。
○河野證人 たとえば、先ほど申し上げました中野中央民報に出ました、税務署員がくつを三足どうしたとか、大体そういうような問題です。
○大橋委員 そうすると、たいてい新聞とか、投書とか、そういうことによつてお聞きになり、あるいはお知りになつた事項に限つておりますか。
○河野證人 それから同業組合員の中からそういう問題を持つて参ります。
○大橋委員 組合はどういう組合が持つて参りましたか。
○河野證人 先ほど読み上げましたのは生産加工の組合のものです。そういうところから出ております。それから組合というよりは、菓子商の人からもそういうような問題が出ました。
○大橋委員 それらの、あなたの注意をされたものは一人も処分を受けませんでしたか。
○河野證人 処分を受けたようには聞いておりません。
○大橋委員 それから優秀なまじめな人が左遷をされたそうですけれども、その氏名を伺わしていただきたい。
○河野證人 中村高志というような人もおります。それから三上、これは姓だけしか知りません。あと、野村という人。
○大橋委員 それらは轉任したことが左遷であつたということ、それから左遷されたという事実はどうしてお知りになりましたか。
○河野證人 それはたまたま三上という人に税務署附近の道で会つたわけです。そうしたら、河野さん、今度僕は左遷されることになりました。自分としては夜学にも通つているので、葛飾の方に轉任になると、うちは板橋だし、非常に不便だ。ここから学校に行くのは近いけれども、葛飾の方に轉勤になると不便で、その点についても頼んでみたが、だめだつた。だから左遷だということを本人の口からそう言いましたので、私も左遷と思つております。
○大橋委員 その三上という人はまじめで優秀な人だつたと思つておりますか。
○河野證人 私はまじめな人だと思つております。
○大橋委員 それから証人御自身の二十二年度の申告と、最後の更正決定の税金の額は幾らですか。
○河野證人 ちよつと記憶しておりませんが、私の方の書籍商組合はいつも税務署といろいろ折衝してきめております。大体更正決定が二十二年ごろは來なかつたと思います。
○鍛冶委員長 二十三年は。
○河野證人 二十三年度分については更正決定が参りました。
○大橋委員 申告と違つておりましたか。
○河野證人 違つておりました。
○大橋委員 幾らと幾ら。大体でよろしゆうございます。、
○河野證人 申告が八万ほどだと思います。そこに十二万の更正決定が参りまして、更正決定が來てすぐ話をしまして本式の更正決定でなく、撤回してもらいまして、それで八万八千円ですか、約九万円ぐらいに決定したと思います。
○大橋委員 それで御自身の税は非常に妥当であつたとお考えになりますか、いかがですか。
○河野證人 大体申告が八万円ぐらいですから、ちよつと違いましたけれども、それで納得したわけです。
○大橋委員 最後に一つだけ伺いたい。いろいろ会員の租税のいざこざをごあつせんになりまして成功した場合があると思いますが、そういう場合に会員から商工会へのお礼のしるしに幾らか寄附したいとか、あるいはあなたの手を通じて適当な方面に何がしかの寄附をしたいという申出があつたりして、それをお取次になつたことはございますか。
○河野證人 そういう第三者へのお礼を取次いだことは全然ございません。
○大橋委員 会へはどうですか。
○河野證人 会には、税金問題が解決したから、それで何か寄附してもらつたという実例はございません。
○大橋委員 そうすると、その税金をまけてもらつた人から、ほかの理由で寄附を受ける場合はありましたか。
○河野證人 そういう理由で寄附を受けたことは全然ございません。
○大橋委員 私が承つているのは、そういう理由以外の理由で寄附を受けたことがあるかないかと伺つておるのです。その点をひとつよくお考え願つて……。
○河野證人 税金問題とは別個に寄附を受けたことはあります。
○大橋委員 税金をまけてもらつた人からですか。
○河野證人 そうじやありません。税金をまけても何もしない人からです。そういうことはあります。税金の関係で交渉を持つた人から寄附を受けたことはありません。
○大橋委員 全然ありませんか。
○河野證人 民主商工会は寄附を大体何件も受けておりません。ずつと前のことでちよつと忘れましたが、あるいは一回ぐらいは何か組合から寄附を受けたことはありますが、それは税金問題とは別個です。
○大橋委員 その寄附は幾らでどういう方面に使われましたか。
○河野證人 左官組合から千五百円の寄附を受けたことがあります。昭和二十二年ごろだつたかと思います。それは紙や何かを買つて謄写版に刷つたり何かして使いました。二十三年度においては、全然寄附を受けたことはありません。
○大橋委員 全然ないのですか。
○河野證人 全然ないと思います。本部としては記憶はありません。
○大橋委員 支部はどうでしよう。
○河野證人 支部のことはちよつとわかりませんが、支部も全部会費でまかなうことになつておりますから、おそらく寄附は受けていないだろうと思います。
○大橋委員 よろしゆうございます。
○小玉委員 中野民主商工会というのは、中野区全体のものですね。
○河野證人 中野区全体になつております。
○小玉委員 これと同じような組織というか、会が東京都にはどれくらいあるのですか、あなたのお知りのところで。
○河野證人 東京都には、私の知つている範囲ですから、あるいは多少違うかもしれませんが、大体全都に、各区に一つぐらいずつあると思います。
○小玉委員 各会は横の連絡をとつているのですか。
○河野證人 とつております。
○小玉委員 それから、あなたは減税について税務署と交渉したことがあるそうですね。
○河野證人 負けろということではなく、正しい税金にしてもらうために……。
○小玉委員 それでもよろしいが、交渉したことがありますか。
○河野證人 あります。
○小玉委員 どのくらいの回数ございますか。
○河野證人 どれくらいか、ちよつと記憶はありません。
○小玉委員 記憶はないくらい多いのですか。
○河野證人 多いというよりは、税金の問題に関してでなしに話をしに行く場合もありますから、そういう点ではつきりはわからないのです。
○小玉委員 大体何回くらいか、常識的に覚えているはずだと思うのです。一回とか、二回とか、五回とか、十回とか、数十回とか……。
○河野證人 税務署へ行くことは必ずしも税金のことについてとは限つていませんから……。
○小玉委員 それでも税のことについて何回くらい行つたかということは、大体御記憶にあると思う。一月に大体何回くらい行くとか……。
○河野證人 一月に平均三、四回は行くでしよう。
○小玉委員 あなたが委員長になつてから、期間はどれくらいになりますか。
○河野證人 一年半たちます。
○小玉委員 そうすると、一月三回にして数十回になりますね。
○河野證人 ええ、なると思います。
○小玉委員 そのときは、あなた一人で行かれておるのですか。
○河野證人 一人で行く場合もありますし、商工会の書記や何かと行く場合もあります。
○小玉委員 その人員は、一番多いときは何人くらいと一緒に行かれるのですか。場合々々において、一人のこともあるし、大勢のこともあろうと思いますが……。
○河野證人 多い場合といいますと、個々の税金の問題ではありませんが、民主商工会の総会のことなんかで行く場合には、四、五十人で行つた場合もあります。
○小玉委員 四、五十人で行つたことは何回ぐらいありますか。
○河野證人 二、三回。
○小玉委員 四、五十人で行かなければ目的が達しられないのですか。
○河野證人 四、五十人で目的を達するために行つたのではなしに、それは商工会の決議や何かを持つて行くわけですから……。
○小玉委員 一つの團体行動ですね。
○河野證人 みんなが見たい、どういうふうな話をしてくれるのか見たいというので一緒に行つたことがあります。
○小玉委員 そのときに音頭をとるというか、交渉をするのは、あなたが全部引受けておられるわけですね。
○河野證人 その場合には、交渉委員になつてもらう者は、その場合に集まつた人の中からきめるわけです。
○小玉委員 民主的ですね。
○河野證人 だから私が音頭をとるというばかりじやない。むしろ私は音頭をとらない方です。
○小玉委員 では、そこに集まつた人の中から皆で選挙して、一人が交渉委員になるわけですか。
○河野證人 一人ばかりじやありません。三、四人という場合もあります。
○小玉委員 それから先ほどお聞きしたことに対して、中野民主商工会の目的は、三條かによつて、会員の中小企業者の文化の向上と、それから生活権の擁護というのが大体会の目的だと、こうおつしやつておりますね。
○河野證人 そうです。
○小玉委員 ところが、あなたは税務署員の人事問題についても、かれこれやつておられるようだが、その会の目的とはどういう関係にあるのですか。
○河野證人 会に関係して人事問題は、私は云々したことはない。会の業としてそういうことをやつておることはありません。
○小玉委員 そうすると、あなた個人として……。
○河野證人 個人的に聞いたことを申し上げただけの話です。
○小玉委員 会の目的としてやつたのではないのですか。
○河野證人 会の目的じやありません。個人的に聞いたから、委員長さんの方から、こういうことはあるかと聞かれたから、個人的に申し上げたのです。
○小玉委員 個人的に糾彈に行つたと、こうおつしやるのですね。
○河野證人 糾彈ではありません。
○小玉委員 人事問題についてねじ込んで行つたのですから……。
○河野證人 ねじ込んで行つたということを申し上げたことは、私は今まで一ぺんもありません。
○小玉委員 それならそれでよろしいが、会とは関係なく、あなた個人の資格で好意的に言つたと、こうおつしやつたのですね。
○河野證人 そうです。
○小玉委員 そういうことをするのはこの会の目的ではない、こう承つてよろしいのですね。
○河野證人 それが、個人のやつたことをすぐ会と結びつけてとやかく言われますが……。
○小玉委員 そこのけじめを聞いておる。会の目的としてそういうふうな税務署官吏の人事の問題についても容喙するかどうかということを聞いておる。
○河野證人 会の仕事としてはやりません。ときどき税務署へ参りまして、氣がついたことがあつたら言つてくれと言われるから、そういう意味で私たちは、個人として氣のついたことを言うのです。
○小玉委員 会とは切り離しての問題と、はつきり聞いてよろしいのですか。
○河野證人 会とは切り離してよろしいと思います。
○小玉委員 会の名を使つたことはないのですね。会員がこう言つておるとか、自分は会長だからといつて、いわゆる会の名を背景にして、そういう交渉をしたことは絶対にありませんか。
○河野證人 人事問題について交渉したことはありません。
○小玉委員 先ほど人事問題について何か注意はしたとおつしやつたでしよう。
○河野證人 注意はしたと言いましたが、それは……。
○小玉委員 ああいう優秀な人を左遷したことはいけないということをあなたはおつしやつたというのですが、これは全然会というものを背景にしておりませんか。
○河野證人 個人的には話しました。しかし小松榮一郎君の問題は個人的に——しかもこれはそつと話しておりますから、個人的に話しております。
○小玉委員 それからあなたは、税のことについては、税法が一番いけない、たとえば税法をまじめにやれば、結局百万円の收入があつても百三十万円納めなければならぬと、こうおつしやつたのですね。あなたがそう自覚されておるならば、結局税務署に相談しても何にもならぬ。税のかけ方が惡いということならば、税務署と交渉するのもしかるべきだと思うのだが、税法がいけないということで税務署に交渉するということは、あなたの自覚、認識からすれば、少し矛盾しておりはせぬかと思うのですが、どうですか。
○河野證人 その点は、私たちは別に税法の專門家でも何でもないのです。たまたま税務署へ、自分の税金が高かつたり、友人の税金が高かつたりして行つた場合に、税法にはこうなつて有るということを教わつて、最近になつてから税法を詳しく知つたわけです。ですから税務署に行くのは、最初から税法の問題だけで、それが妥当でないとかなんとかという考え方で行つていたのではありません。
○小玉委員 近ごろでは、税法の改正をやらなければ、結局減税ということは目的を達成されないということを、自覚されておるわけですね。
○河野證人 はつきりと自覚しております。
○小玉委員 そうしますと、税の問題について税務署の職員を責めることは、的はずれだというように思いますが……。
○河野證人 その点は、たとえば十二万円かけたのが、調査してみれば八万円になるというような、決定に間違いがありますから、調査が不備なんですね。それで間違いがありますから……。
○小玉委員 それならばわかる。いわやる税のかけ方についての遺憾な点があるから交渉する、その認識でやるならいいのですけれども、その認識が欠けておつて税務署に行くことは的はずれじやないかと言つておるのです。
○河野證人 これは両方ですよ。税法の惡い点と、税金のかけ方の惡い点と二つです。
○小玉委員 それならそれでよろしい。
○神山委員 今のに関連して、今小玉君は食い下つておりましたが、商人は税法そのものに一番欠陷がある、そう言つたことを記憶しておりますか。
○河野證人 記憶しております。
○神山委員 それから鍛冶委員長の質問に答えて、税法を守ればこんなにひどいことにはならないと言われました。これは速記録を読んでみればわかりますが、要するにここに矛盾したことを言われている。これをあなたの記憶を呼び起してもらえばよいのですが、その点だけ一つお聞きしたい。
○鍛冶委員長 税法を改正せぬければ、これじやとてもかなわぬと言つたのだが……。
○神山委員 一番初めにそう言つたのは事実だ。あとの方では、それは機構の民主化、それから機構であつて人ではないということを言つているが、税法そのものを適正に守れば、まだ何とかなるということも言われた。根本が一体どこにあるのか聞きたいのです。
○鍛冶委員長 基礎控除をもつと上げぬ限りは、この税法ではとてもだめだと言つた。
○神山委員 よく覚えている。さすが名委員長だ。とにかくこの二つの矛盾に対し、はたして税法そのものに一番欠陷があるのじやないか、それを聞いているのです。
○河野證人 その点確かに税法に矛盾がありますので、税法通りにやれば、先ほど百万円の例を申し上げましたように、全然食えなくなつてしまうということは確実であります。
○神山委員 その次に、聞きたいことはたくさんありますが、あなたも遅くなるし委員会も遅くなるので、一言だけ聞きます。先ほど証人はこういうことを言つた。中野の民商に頼みに行けばうまく行く。要するに安くなるということ。そしてそれには何か不純なことがある、こういうことを言う人がいるのですが、何か不純と思われることをやつておりますか。
○河野證人 私の方では、全然記憶はありません。
○神山委員 なければけつこうです。それからもう一つこういうことを言いました。某方面の政党を恐れるから税務署はまけると言いましたが、あなたは共産党だが、何か恐れられたようなことがありますか。
○河野證人 こういう事実があります。中野税務署は、民主商工会に入ればかえつて高くしてやるということを言つております。
○神山委員 もう一つお聞きいたしますが、金を税務署員にやつたり何かするのは、世間では普通だというふうに言われておりますけれども、あなたはそういうふうなことをお聞きになつたことがありますか。
○河野證人 そういうことを大分聞いております。
○小玉委員 あなたは四、五十名つれて税務署に押し寄せるということは、そのこと自体によつて税務署が恐ろしいということを感じませんか。
○河野證人 お言葉ですけれども、四、五十名つれて押し寄せるということは、ちよつとそういうつもりで私どもは行つておるのではない。
○小玉委員 しかし四、五十人も行つて、交渉委員を設けて何人かが交渉すれば、そのこと自体が恐れられるということはありませんか。
○河野證人 やはりあなた方は商人の氣持をおわかりになると思いますが、商人ですからそういう恐ろしいようなことはいたしません。
○小玉委員 それだけでよろしい。
○鍛冶委員長 済みました。大体いいと思いますが、ちよつと控室でお待ち願います。 —————————————
○鍛冶委員長 小林五郎さんですね。あなたは中野税務署の総務課長ですか。
○小林證人 そうです。
○鍛冶委員長 いつ着任なさいましたか。
○小林證人 中野へ参りましたのは二十二年八月一日付で参りました。その当時は直税課長でございます。二十三年の七月五日に官制のうち一部改正になりまして、從來ありました庶務課が総務課に変更されましたので、昨年の八月一日付で総務課長になつたわけです。そして現在まで來ております。
○鍛冶委員長 中野税務署の昭和二十二年度及び二十三年度の納税成績は、全国でも最も惡いものであつたという話ですが、それは事実ですか。
○小林證人 事実でございます。
○鍛冶委員長 二十二年度はどんな成績があがりましたか。
○小林證人 二十二年度の收入目標額から見まして、六七%に終りました。
○鍛冶委員長 二十三年度はどうですか。
○小林證人 二十三年度は、五月十日の会計閉鎖現在で七八・七%でございます。
○鍛冶委員長 それはほかの税務署から比べて、やはり下位ですか。
○小林證人 東京財務局管内で一番下位でございました。
○鍛冶委員長 先ほど目標額とおつしやいましたが、目標額とは何をさしますか。
○小林證人 これは收入目標額と申しておりまして、財務局におきまして各税務署ごとに課税の目標を定めます。各税ごとに課税の目標がございます。所得税ならばどれくらい、法人税ならばどれくらい、相続税ならばどれくらいというように各税ごとに出しまして、その課税目標に対して收入の割合を定めておる。その收入と、前年度より滯納して繰越されたもののうちの收入とを合せまして、目標額というものが定められて税務署の手元に参つております。しかしこまかいものにつきましては、税務署としてはわかりません。
○鍛冶委員長 それは財務局できまつて來るのですか。財務局で税務署長会議か何かやつてきまるのですか。
○小林證人 課税のことにつきましては、各税ごとに係長なり、課長なりの会議がございます。所得税で申しますと、所得税等につきましては各営業者ごとの調査をいたしましたのを財務局の方へ報告してございます。そういつたものを財務局においては勘案いたしまして、課長会議等を開催いたしまして、課税目標等を定めて、課長会議が終つたあと署長会議がございます。それで一應課税目標ができまして、徴收目標ができたときにまた署長会議を開きます。
○鍛冶委員長 努力目標と言つておる人もありますが、それは同じことですか。
○小林證人 言葉で言いますと、われわれは目標額と言つておりまして、最近では非常に困難になつて参りましたから、努力目標とも言いますし、またある一部の人は割当とも言つております。しかしその額については一つしかないので、言葉はいろいろ使われておるようでございます。
○鍛冶委員長 中野の税務署がそんなに成績が惡かつたのは、どういうところに原因しておりますか。
○小林證人 私が來た当時は相当労働問題の激しい時代でございまして、税務署にも労働組合がございますし、もう一つは集団的な陳情團、現在で申しますと反税的な運動、この二つが大きい原因だと思います。
○鍛冶委員長 税務署の労組においても、成績の上らざるような運動がありましたか。
○小林證人 そういうわけでもございませんが、多少事務の関係が澁滯して参ります。從つて事務が澁滯して参りますと、われわれのどうしてもやらなくてはならない仕事をサボつたり、ストライキでもしておりますと、その仕事が勢い短日月でやらなければならぬということになつて、課税上に及ぼす影響が非常に多いと思います。從つて納税者等においても不満不平が出て來て、納税の意欲がなくなる、こういうことも考えられます。
○鍛冶委員長 それから反税的な運動というのは、どういうことですか。
○小林證人 税務署の方の決定等がでたらめだというようなことと、それからわれわれの個人的ないろいろの非違をあげて参りまして宣傳をされます。そのほかいろいろございますが、いろいろの要求書あるいは決議書等を持つて來られまして、できないようなことを大衆的に陳情が参ります。また調査、檢査等についても一々干渉されるので、從つて調査などは完全にうまく行かないということと、徴收面においてもいろいろタツチされる関係で多少そこにわれわれの仕事も鈍る、また一般納税者もそういつたことによつて税金は少し延ばしておけば安くなるのじやないかという観念が出て來ておると思います。
○鍛冶委員長 中野の税務署では小久保儀三郎とか津田正治、星ヶ岡茶寮等、大口脱税等があつたにもかかわらず見のがした事実があつたということを聞きましたが、そういう事実はありますか。
○小林證人 小久保産業は新聞紙上で御承知かと思いますが、中野に本社がごさいます。事業の主体は日本橋の方にございまして、このことについては注意ということは私としても書面でいただいたわけでもなし、ちよつと記憶がないのですが、小久保関係については昨年暮から國税査察が入つて調査してございます。それから津田纖維においては、この会社は終戰後相当利益があるということで、私の方でも調査することになつておりました。決算期が参りましても申告が出ないので、早く申告をしろというわけで申告を出させまして、いよいよ調査をして見ますと非常にでたらめがありまして、さらに調査をさせて財務局と合同で調査いたしまして現在決定済みでございます。それから星ヶ岡も今年決定してございます。
○鍛冶委員長 特に見のがしておつたというようなことは……。
○小林證人 そういうことは自分自身としては全然考えられぬと思います。
○鍛冶委員長 何か佐藤間税課長がおつて、とりさえすればあるということだが、とらなかつたということを聞いておりますが、それはどうですか。
○小林證人 それはどうか……。
○鍛冶委員長 佐藤間税局長は現在でもおりますか。
○小林證人 おります。それはどういう意味ですか、現在滯納になつておる税金を徴收すれば目標額が上るということですか。それは私は今初めて聞くことであつて……。それは税金が入れば目標額に達するので成績が上る、こういう意味じやないでしよう。
○鍛冶委員長 ところで中野税務署ではいろいろ職員で涜職があつたようですね。
○小林證人 ここで大勢上つたのも聞いております。
○鍛冶委員長 これはどういうところから起ると見ておりますか。
○小林證人 私が中野へ参りまして、とにかく内部の粛正ということに第一着眼いたしまして、現在までそういつたことについて強行して参つたわけであります。外部が納税に相当関心を持つのでうるさいから、署員の行動については十分氣をつけてもらいたいように常々注意はしておつて、現在までにはそういうことはなかつたわけですが、今度小松榮次郎君のことについては、これは今までは相当模範青年でしつかりした青年であつたのです。中野の古物商組合が從來とかくのうわさがあるので、また組合員が相当多数と、それから古物であつても衣類あるいはその他いろいろの品物を扱つておる業者が多い関係上、内部の統制がとれておらぬ点があります。一昨年もそうですが、昨年もこの問題についてはいろいろなことを聞いております。課税をするたびに幹部の方は安くして下の方を高くするとか何とかいう話を聞いておりますので、二十三年度は特に優秀な小松という男を古物商の方の担当に與えたのですが、向うの誘惑か何かあつたと思います。端緒は警察へ行つて本人にも面会しておりませんのでちよつとわかりません。
○鍛冶委員長 小松だけじやなくいろいろあるようです。それぞれ嚴格にやつておつたのですか。
○小林證人 小松君にしても、川島君にしても、署長はじかに署長室に呼んでいろいろ注意して聞いておつたようです。そういつた事情はないとかいうような話で、私は直接聞いておりません。
○鍛冶委員長 今ちよつとおつしやつたが、組合へあなた方の方で序列をきめて來いとか言つて相談するそうですね。そういうことにも弊害が起りませんか。
○小林證人 現在では團体交渉ということは認められておらないのですが、こういうふうに非常に税金が高くなつて参りますので、なるべく組合員の税金の釣合いのとれた方法をとりたいというので、組合員の順位等について組合の幹部から意見を徴する、こういうことで幹部の方に伺います。
○鍛冶委員長 若い者に決定権があるようですね。大体の調査は若い者がやればそれを上の者がのんでおるようですが、そういうところからも來やしませんか。
○小林證人 最近手がまわらないし、件数が非常に多くなつた関係上、それを短期間に調査したのを一々こちらで念査しておる暇がないことと、われわれが外部の方に伺つていろいろ調査したりする余裕がないし、勢い若い担当者のやつたことをこちらでうのみにせざるを得なくなつておる。現在の状態はそうなつております。昔は調査期間も長かつたし、また疑問であれば出て行つて調べてもよろしいし、本人を呼んで聞いてみてもよろしい、時間的に余裕があつたのですが、現在ではそういつた時間的余裕もないので、調査したのを大体その通りやつております。
○鍛冶委員長 綿密に調べぬで通すことがあるわけですね。そこで異議の申立てが相当多いそうですね。
○小林證人 異議の申立ては非常に多いのです。
○鍛冶委員長 あなたの方はどれだけの課税者がおつてどれだけの異議の申立てがありますか。
○小林證人 所得税の納税者はまず一万人はおると思います。その中で営業者は八千名くらいあつたと思います。そのほかの二千名は農業者、俸給者であつて、合算課税をしなければならぬような方です。
○鍛冶委員長 二十三年度においては異議の申立てはどれくらいありましたか。
○小林證人 三千五百件もございましたでしようか、ちよつと記憶がはつきりいたしませんが。
○鍛冶委員長 三千五百とすれば三五%になるわけですね。
○小林證人 あるいはパーセントにすれば、もつとになるかもしれません。八千件とすると、何でも四割五分ぐらいあると申しておりましたから……。
○鍛冶委員長 どういうふうにしてそれをさばいておりますか。
○小林證人 やはりもとの担当者にその申請が出たものをわけまして、再調査をするのです。
○鍛冶委員長 申立てしても、そんなことを言つて、もう一ぺんほんとうに調べたらもつと、えらくなるのだからそんなものはやめろというようなことはないのですか。
○小林證人 そういう場合もないとは言えないです。あるでしよう。
○鍛冶委員長 大体片がついておりますか。
○小林證人 大体片づいておりますが、もうちよつとというところで、今度は二十四年度の基準調査がありましたので、あと少し残つているのはやめまして、そちらの方の調査にかかつております。
○鍛冶委員長 どのくらい残つておりますか。
○小林證人 私担当者でありませんから……。
○鍛冶委員長 実際こうたくさんあつたのでは、事実上やりきれませんね。
○小林證人 これは本年度はどうですか、二十二年度私がやつておつた当時は、出さなくてもいい人が大分出されたので困つたことがあるのです。本年は内容の実情はどういうふうでしたか。取下げも相当あつたように聞いております。
○鍛冶委員長 先ほど反税の運動があると言われたが、それはどういう團体がどういうことをやつているのですか。
○小林證人 私が中野へ参つた昭和二十二年の八月当時は、商工連合会という名前で陳情がございました。商工連合会というのは中野区内にある同業者の集まりの会であつたわけです。その当時の税金は増加所得税等は高いということで、一括異議の申立てが全部出たように聞いております。私が八月に引継ぎまして、その前からいろいろの折衝があつたようですが、増加所得税は二十一年度の收入になるべくあれが創設されたわけであつたのですが、中野区はほとんど二十一年度に入つた増加所得税はなかつたので、二十三年度へほとんど持ち越されている状況であります。それでこの商工連合会の会長ははきもの商の中島という人です。その下の幹事に河野貞三郎さんがやつておられて、実際の交渉は河野さんとやるようになつておつたのです。そういつたものの陳情から始まりまして、その方の増加所得税のことについてはそれで片づいたのですが、今度は昭和二十二年度の所得税につきましては、二十三年の四月十二日と記憶しておりますが、中野の工藝学校へ集合されまして、約一千名集まるという届出がありまして、そこから演説をやりましてデモがあつたわけです。税務署に代表が二十五名参りまして、その当時の決議文の書類は前署長が預つて見当りませんので、本日持つて参りませんでした。そういつたことから集團陳情が始まりまして、昨年の十一月十二日にまた橋場会館かで会をやりまして、税務署の方へ参りました。その当時はちようど前署長鬼丸さんと現署長の更迭がありまして、十一月の十八日付か十九日付で署長がかわりまして、陳情團が税務署へ参られたときは二十二日で、署長がまだ赴任しないときでありまして、私が代表で面会いたしました。その当時は中野の新しい廳舎の方へ越して参つたのでありますが、会う人は十名程度にしてもらいたいと申しましたところが、十名でなく、民主主義だから、全部会わしてくれ、全部というわけに行かないから、とにかく十名で会うからと言つても、十名じやいかん、三十名だ——そのうちに大衆が二階へ全部上りまして、約百五十名程度であつたと思います。その決議文はきよう持つて参つております。そういつた團体交渉を認めろとか、あるいは帳簿の記載不備を認めろというふうな決議文をつきつけられまして、私の方といたしましては、認めるわけに参りませんで、お断りしたようなわけでございます。
○鍛冶委員長 そこにありますか。
○小林證人 持つております。
○鍛冶委員長 出してください。——一應朗読いたします。 決議文 一、團体交渉を認めよ。 一、業者の実状をもとに課税せよ。 一、業者の帳簿の不備を認めよ。 一、更正決定が一方的であつたこと を認めよ。一 一、再審査提出中は差押え及び延滯 利子をとらぬこと。 一、大口脱税者の徹底的摘発と怠慢 の責任をとれ。 一、徴税機構の民主化と税務官吏の 生活を保証せよ。 一、厖大割当をうのみにした業者い じめの署長は責任をとれ。 一、取引高税の不当割当課税をやめ よ。 一、税務協力委委員の公選。 右決議する。 昭和二十三年十一月二十二日 惡税反対区民大会 中野税務署長殿 このほかこういういろいろな運動をしておるきまつた團体がありますか。
○小林證人 現在では民主商工会と称しておりますが……。
○鍛冶委員長 それが主になつてやつておるのですか。
○小林證人 そうです。
○鍛冶委員長 税務署の内部でも、そうやつて減税運動と結託してやるような者がおることはありませんか。
○小林證人 それはある外部から大分あると、こう言われておるのですが、たれがたれだというはつきりしたところはつかんでおりません。
○鍛冶委員長 あなたのところで優秀なる税務吏員を左遷して、ずるい者を残して置くという実例があると言われておるが、それはどうですか。
○小林證人 そういうこともお聞きするのはきようが初めてで、別にそういつたことはないと私は思つております。
○鍛冶委員長 その点何かいわくのある者で左遷したことがあるのではないですか。
○小林證人 言葉が左遷というと非常に角が立つようですが、署内で統制を乱すとか、どうもこういつた態勢でいけないというような者についての報告はしてございます。轉勤等につきましては、財務局の方から辞令が参るので、中野税務署長がかつてにこれを移動させるわけには参らぬのであります。
○鍛冶委員長 何か一部の人からこれはいいと思つておるのを、それをばさつとやられたというようなことはありませんか。特にそういう人間のゆえをもつて左遷というか、轉勤さしたというか……。
○小林證人 まあ左遷とか何とかいうことについては、私の方としては署のために、また本人があまり深入りしないうちに轉勤をしたならば、本人の前途のためにもある程度いいじやないか。轉勤すれば轉勤したのを機会に相当考えが直つて來るという意味で轉勤が行われるのであつて、別に逃すとか左遷とかいうのじやないのです。現在中野署員の者はちようど二月、三月の税金の相当強行に徴收するときは非常に苦痛であつたために、だれしも轉勤を希望しておつたのであります。これ以下の署はないから、どこへ行つても栄轉だと部内ではそう言つておつたのであります。
○鍛冶委員長 そういう意味ですか。特に思想系統とか何とかいうことでやつたということはないですか。
○小林證人 三月に入りまして相当中野署が不成績だというので、中野税務署と下谷の税務署が赤信号になつたわけでございます。それで軍政部からも呼ばれ、財務局へも呼ばれまして、いろいろ今後の方針、計画等言われました。三月に入つて財務局より監察官が常駐されたのでございます。その際いろいろの事情のもとに、どうしても強行して百パーセント行かなければいけないのだということで、一同を集めて監察官からも吏員の心構えについての注意がございまして、どうしても協力しないとか、あるいは支障のある者については遺憾ながら免官をする、あるいは轉勤をするというようなことを言われました。その際監察官が來られてから二、三人轉勤がありました。
○鍛冶委員長 非協力に対してですか。
○小林證人 あまり納税上非協力と言いますか、そんなようなことです。
○鍛冶委員長 ところが今年の四月になつて、あなた自身を追放せよという署名運動が起つたそうですね。
○小林證人 はい。
○鍛冶委員長 その趣旨は大口脱税者を摘発しない。そして大口脱税者を摘発したところ、逆に小林総務課長にお目玉を食つて左遷させられた者がおる。そうしてそうでない者は大事にされておる。こういうような者がおつたのでは、中野税務署の腐敗は避けられない。これは一番あなたが御承知と思うが……。
○小林證人 これはここにビラがございます。
○鍛冶委員長 こういう事実はあつたのですか、ないのですか。
○小林證人 優秀な人を轉勤させたというようなことは私としても心当りはございません。別に私は私利私欲で今までやつて來たわけではないので、私はもう仕事のことについては十分努力したつもりであります。それは百七十人もおる署員のことでありますから、多少いろいろなことを言う人もございましよう。自分としてはそういつた点はありませんから、もしそういつた事実があれば、言つていただけば幸いだと思います。
○鍛冶委員長 それについて東京財務局長からこの決議運動に対して抗議を申込んでおりますね。
○小林證人 はい。
○鍛冶委員長 そういう事実があるならば、摘出してくれ。そうでなかつたら、ひとり名誉を傷つけるだけでない。徴税に対して至大なる惡影響があるから……。こういうのを出されたようでありますが、これは至大なる惡影響のあるのは間違いないでしようが……。
○小林證人 ビラが四月の三日に出たようでございます。その翌日の四月四日にやはり民主商工会の各支部から税務署長に対しまして要求書が参つておるのでございます。この項目の一番しまいの七番目にやはり今の追放と同じような文句がございます。税務署粛正のために小林総務課長を追放せよ。こうございまして、各支部ごとに署長に面会を求めましたから、数回にわたつて各支部ごとに署長との話をしたわけですが、私も立会つておりまして、仕事の関係上始まりからおしまいまで立会つておるわけに参りませんで、途中で中座しておつたのですが、しかし粛正のために追放せよというのが、いつの間にか猛省を促すに訂正されております。全部の要求書に鉛筆でなつております。ですから、それに対しまして、私もそこで一言何とか言おうと思つたところが、署長はまあ待てというので、私はこれについての発言はあまりしなかつたのであります。小林総務課長はこういうふうなことをされてはいけないというので、財務局の方で河野貞三郎さんと、小西忠一さんに抗議をするというので、四月の十五日に抗議文を持つて税務署に來られた。私に一緒に参れというので、河野さんの方へ先に行きまして、それから小西さんの方へその次に行きました。その文面については私承知しおらないのであります。
○鍛冶委員長 結局どういうことになりましたか。
○小林證人 それからこの間こういうことが出ておるのだが、知つておるか。河野さんはだれがやつたかそういうことは知らない。もしそういうことが出たとすれば、その責任は河野さんあなたがとらなければならぬじやないか、民主商工会の会長であればとらなくちやならぬ、そういうことについて責任をとるかとらないかということについてははつきり申し上げられない、集まつて相談しなければならぬ。こういうことで、返事は十五日、十六日、十七日だかに税務署の方へいただくようになつております。それから小西さんの方へ行きまして、大体このビラは新井支部で出ておるようであります。新井支部長はだれかというと、新井支部長は今やめておらないんです。おるようなおらないようなあいまいでありました。小西さんは何かというと、副会長というようなものだつたと言つております。新井支部長はだれかと言いましたら、くつ屋の小島という人だけれども、これがやめたとかいう話であいまいなことになつておる。私がじかにすべきだから、もし必要があつたならば、私の前でひとつそれを話してくれ、こう申しましたところが、何だかんだと言つていて、はつきりした答はなかつた。それで十五日に來まして、二日おきましたのですから、十八日に税務署の方で一應連絡場所として返事を待つからと、財務局の総務課長の大島さんが言われた。たまたま十八日の前日小西さんが役所へ参りましたから、小西さん、あしたそれじや間違いなく來られるか。來る。何時ごろだ。午前中に來る。午前中と言つても、大体時間はどうだ。十時ごろだ。それでは十時ごろ待つておるから、こういうわけで約束しておつて、たまたま私が十八日に財務局に会議がございまして、私は出てしまつた。その十時に間に合うように財務局の大島課長と伊倉さんが中野の税務署へ参つた、ところが、時間が何時ごろですか、中野へ來ずして、いきなり財務局長に面会されたそうです。それで財務局長は中野の方へ大島課長が行つておるから、さつそく自動車で迎えに行つて、財務局の方へ來たそうです。間に合つて河野さんと小西さんとそのほか土橋さんが見えたそうですが、話を聞こうと思つたところが、話はしないで、そのままお帰りになつた。私がちようど会議だつたものですから、ちようど行つたら、今帰つたところだ、こういう話だつたんです。それでそのままに現在なつております。
○鍛冶委員長 あべこべに何か局長に対して抗議したようなことを言つておつたそうですが。
○小林證人 何だか河野さんの方は、こういつた決議書はお返しして行くというので、返したので、河野さんの方は持つていない……。
○鍛冶委員長 抗議書を河野さんが返したというのですか。結局結末つかずですか。
○小林證人 まだ現在そのままになつております。
○鍛冶委員長 税務署の中でも、先ほどちよつとあなたが言われたが、今でも相変わらずその運動があつて、徴税に非常な支障を來しておるのですか。
○小林證人 私の個人の考えでありますが、今までずつと相当粛正して参りましたので、今年はほんとうの仕事がうまくできて、氣持よくできる、こう署長にも申し上げておつて、これからやろうというとたんにこういう不正汚職事件が出たので、はなはだ期待がはずれて、何とも申訳ないと思つております。大体陣容が整つて、相当優秀な人間もできるようになつた。
○鍛冶委員長 できるようになつたというのですか。
○小林證人 はい。
○鍛冶委員長 ほかに何か御質問がありますか。
○小玉委員 昭和二十一年ごろであつたかと思うのですが、あなたはそのころ中野においでになりましたか。
○小林證人 二十一年ごろは中野におりません。二十二年の八月に参りました。
○小玉委員 米よこせ運動があつたのは中野じやないですか。
○小林證人 澁谷じやなかつたですか。私ちよつと記憶ありません。
○小玉委員 それから先ほどの千名くらいの人が集合したというのは、いつでしたか。
○小林證人 二十三年の四月十二日と記憶しております。
○小玉委員 そうすると、第二回に非常に集会したというのは、いつですか。
○小林證人 二十三年の十一月二十二日です。それから各支部の陳情が四月の四日でございます。
○小玉委員 一番最初は二十五名の代表が交渉に來たというのですね。それから第二回目の二十三年十一月二十二日は約三十名……。
○小林證人 三十名で、最初十名ほど集團して参りましたから、十名でいいじやないかと言つているうちに、三十名全部二階へ上がり込んでしまいました。
○小玉委員 二十四年の四月四日は何名ですか。
○小林證人 四月四日は各支部の波状攻撃みたようなことになつておりますから、……。
○小玉委員 最初の二十三年四月十三日当時も、交渉委員の中には河野貞三郎氏は加わつておりますか。
○小林證人 入つていると思います。
○小玉委員 それから十一月二十二日の場合はどうですか。
○小林證人 これも入つております。四月四日にも各支部の波状攻撃ですから、やはり河野さんは初めから立会つたのであります。発言はあまりしなかつたと思います。
○内藤(隆)委員 もう時間も大分たちましたから、簡單に二点だけをお伺いしておきたい。あなたの中野の脱税成績が全國最下位の理由は、労働問題が当時起つたことをいろいろ述べられたが、そのうちに集團的反税運動があつて、その反税運動は要求書あるいは陳情書を書いて來た。もう一点干渉したという言葉を聞いたようですが、どういう干渉を……。
○小林證人 その干渉は——最近になつて民主商工会になつた。商工連合会当時には共産党という言葉は一つも言われなかつたのですけれども、最近の大会に共産党という言葉が初めて出て参りまして、それで全貌がわかつたのです。
○内藤(隆)委員 その干渉というのは何か、事実を一つ……。
○小林證人 滯納処分に参りますと、現在でもそうですが、すぐ四、五名集まつて参ります。そしてああでもない、こうでもない、税金を納めるのに差押えるのがあるかというような……。
○内藤(隆)委員 現場で。
○小林證人 現場です。それは新井町の浅見という瀬戸物屋に差押えに参つたところが、そういうぐあいで、三十名くらい集まつて、そのうちに写眞をとるなり、いろいろなことされまして、差押えの札を張るにも全部張りきれなかつたようなわけであります。
○内藤(隆)委員 それであなたは集團的反税運動に干渉をしたと言われるのですね。
○小林證人 そうです。
○内藤(隆)委員 それからもう一点、たとえば税金が高い、こう言つてあなたの窓口へ來ると、あなたはその者に対して、これは税務署の知つたことじやない。これは要するに税法並びに税率をきめる國会の議員が惡いのだから、そこへ行つて談判したらいいじやないかというような暴言をたびたび言うたそうですが、そういう事実はありますか。
○小林證人 私の方といたしましては、場合によつては適正な課税をいたしまして、現在所得というものを把握いたし、それを課税いたします。その所得額が惡いとか、税金が高いとか何とかいうことについては、これは税法にきめられたことであつて、立法の問題でございます。ですから、われわれの方としましては、そういつたことについては、立法の問題ですから、ということは申し上げたことはあります。
○内藤(隆)委員 立法の問題だから、という程度の言葉ですか。
○小林證人 そうです。
○内藤(隆)委員 実はさいぜんの証人から、あなたの口から直接にそういうことを言うているのだという一つの立証があつたので、相当重要だと思いますが……。
○鍛冶委員長 それは何ですか。先ほど言つたような現場へ行つてやるときは相当不当なものなんですか。
○小林證人 相当恐怖心が出て來るんじやないかと思います。
○鍛冶委員長 この間何百人か來てデモをやつて、百五十人かあがつたときは相当乱暴でもしたのですか。
○小林證人 乱暴はないですが、時間が來て、時間ですから失礼すると言つても、まだ質問があるとか言つて、ある程度押えられて、退場ができないわけです。
○鍛冶委員長 外に対しても相当示威的のことをやるのですか。
○小林證人 中野はデモというようなことはあまり行われないのであります。今申し上げた百五十名來るとかいうときは、会場からぞろぞろ並んで役所の前に來て勢ぞろいするというわけであります。
○小玉委員 その税の交渉等に対する集團運動の一番リーダー格はだれですか。
○小林證人 最初は、私が來た当時の交渉は河野さんと小西さんが、大体……。
○鍛冶委員長 小西何といつたかな。
○小林證人 小西忠一という歯医者であります。最近は総選挙が終りましてから河野さんは正面に立たないで、小西さんが大体……。
○小玉委員 その人は共産党員ですか。
○小林證人 そう思います。
○北委員 ちよつと伺いますが、課税額が上から來ますね、その額を課税する場合において、それはむりな課税だとお思いになつたですか。
○小林證人 私どもは、いわゆる目標額がございますから、目標に到達するために努力するのですが、今年の現状から行きましても目標には行つておりません。なぜ行かないかというと、どうしても架空な数字に課税すれば別ですが、そういうことはできない。それで課税目標が所得税で言いますと五億九千万円でございますが、四億三千万円しか出ておりません。でありますから目標額に対して八〇%程度じやないかと思います。現在の状況では、名目所得と実質所得というようなことを考えますと、実質所得から言つて相当むりじやないかと考えられます。
○北委員 そこで税法の建前から申告税になつておりますね。申告をした額と決定額と非常に違う。そこで異議を申し立てますね。その異議に対して忠実に税務署はそれを扱つておりますか。
○小林證人 本年は忠実に、大体現場に行つて調べておると思います。
○北委員 その結果、その課税する人に税務署としては、これは酷でないとお思いですか。
○小林證人 相当納税に酷な人も中にあると思います。
○北委員 そういう酷だという場合は、税務署として何か手を打つておりますか。
○小林證人 早速訂正いたしまして、徴收の方も——所得が間違いがない、ただ現在の状況において食い込んでしまつて納税が困難だというのはございますが、全然所得額がない、目標によつてその所得を決定したという場合は早速訂正いたしまして正当な税を出しまして拂つていただくようにしておりますが、所得があるけれども納税が困難という者につきましては本年は徴收猶予をいたしております。
○北委員 そこで財務局からなんぼだという目標額が示されますね。聞くところによると、その目標額以上ふつかけて徴税しておるという、そういう額を示しておるというようなことを始終耳にする。水増しですかね、そういうことを税務署でやつておられるですか。
○小林證人 私がやつた当時はそういういわゆるかけひきのようなことは全然愼んでもらいたい——実際の所得をきめるといつても私の方としては、なるべく申告をしてもらいたい。更正決定というようなことをしないで申告をしてもらいたい。いわゆる申告を慫慂いたします。その場合にどうしても引けと言われるので、これはほんとうにぎりぎりの額だと言つても、どうしても引けと言われる。これは從來の惡いところかもしれません。ちよつとでも引くと、もう負けてもらつたつもりで出すというようなぐあいで、どうも前にそういつた惡い習慣があるもので、そういうことが全然ないとは申し上げられませんが、私どもの方としてはそういうかけひき的な、やまかん的なことはしないで行つておるはずです。
○北委員 税務署自身が水増しをやつておるということを非常によく聞くんですが、それは断じてないですか。
○小林證人 私が直税課長時代は……。
○北委員 いや、今は。
○小林證人 現在は総務課長で、その任に当つてる者は直税課長でございますから——そういつた水増しとかかけるというようなことは……。
○北委員 正直に言つてもらいたい。
○小林證人 そういうことはないと思います。結局やまをかけてかけひきというようなことは今やれません。
○北委員 また、差押えに行つたような場合、これが非常に酷だというような場合でもとり上げて來るんですか。
○小林證人 私としてはとにかく現在滯納件数はまだかれこれ六、七千あると思います。とにかく今現在でも國税徴收官というものが來て差押え專門にやつてるんですから。滯納処分を專門にやつてるんですから。ただこの件数を全部差押えするということは不可能です。なぜならば、行つてみますとほんとうにかわいそうなものがあるのです。そういつた関係で、税法の建前からいうと、是が非でも差押えて公賣しなければならないということになるわけですが、そこは行つた出張官吏の裁量になると思いますが、やつて來ない者もあると思います。
○北委員 それからもう一つお伺いしますが、税務署は各組合の幹部だけと御相談なさる、そうして一つのわくをきめると言われましたが、一体こういうことが正常なことだと思われますか。
○小林證人 このことについては、行過ぎになりますと團体交渉みたいなことになつてしまうのですが、大体幹部の方の意見を聽取して参考にするというだけであつて、幹部の意見に盲從するというようなことはないのです。以前は團体交渉ではつきりした交渉をいたしまして、総体でこの額で行こうじやないか、よろしい、というようなことが認められたんですが、やはりGHQの方からそういうことはいけないと止められております。
○北委員 そこで聞くところによると、税務署は幹部ばかりと交渉するから、幹部の方はうまいことをするけれども、下の者がとてもやりきれない。幹部の方は安い、下の方が高いというようなうわさをちよいちよい聞くんですが、これは下の方の意見を聞いてやつたことはありませんか。
○小林證人 これがむずかしいので、幹部というと大体組合で選挙をされた代表の方ですから、組合員の総体の意を受けて來てるんですから、われわれとしても以前團体交渉を認められておつた当時は、組合の幹部が半分と、さらに組合内部から正式に交渉委員というものが数名選出されておつたようでございます。現在ありませんから——ある組合によつてはそういうような方式で出て來ておるところがあるかもしれませんが、現在のところでは調査機関の少いことと、あまり集まつてもどうも議題が多くなりますから、少人数の意見を聽くということになつておると思います。
○北委員 さつきの御証言によりますと、非常に反税運動があると言い、また非常にきついところもあるということですが、そういうきついところがあることをお認めになつておるからには、やはりそういう税の運動があつてしかるべきでないかと私は思うのですが、この点はどうお考えですか。
○小林證人 私の考えといたしましては、陳情に來る人全部が惡いとは考えられない。なるほど一部の人にはあるかもしれませんが、私の方といたしましては、現在民主自由党の方でも、共産党の方でも、社会党の方でも、おいでになつてお話した場合には、実際持つて來る税金そのものが公平なものであれば、だれを問わずにそういつたものについては調査した結果訂正しております。税務署はそういうように実際でやつていますから、大衆的に來られますと、場合によつては直すべきものが直せなくなつてしまうのです。ちよつとの間違いであつても、それを直すと、ほかに全員認めろと言われた場合に、一部を直して、一部を直さないということはできないので、私の方としても非常にその点仕事がやりにくくなつて來ているのです。
○北委員 そうすると、大衆運動というものは必ずしも反税運動とは限らないわけなんですね。中には正常なものもあるということはお認めになりますね。
○小林證人 はい。ただ決議したときに、決議書を——当然私の方では受け入れられないものを大衆の力で持つて來る。これが私の方としては困るのです。
○林(百)委員 あなたに大衆的な抗議があつたことに対して、あなたは不満を持つているようですが、実は大衆の側から言いますと、たとえばあなたの署から一町半しかない小久保産業、星ヶ岡茶寮、津田纖維、こういうような人たちの一億円に余る脱税が昭和二十三年度に行われ、二十二年度にもある。しかも後藤という中野区の区会議員があなたの手を通じて、ぜひこの管内の、大口脱税を指摘して適当な処置をしてくれと頼んだにもかかわらず、全然税務署としては取上げない。しかもその結果、檢察当局が最後には出動して、檢察当局の手によつて小久保産業の脱税問題が取扱われた。こういうようにだれが見ても、大口脱税をしておるというものに対して、あなたが誠意ある処置をしなかつたということに対して、大衆が大きな不満を持つておるというようにわれわれは考えるのですが、この点について、あなたはどう考えますか。
○小林證人 後藤さんから注意を受けたということは、先ほども私、申し上げましたが、その記憶が今ちよつとないのですが、どういうことですか。その決定の内容の閲覽が参つたのでございます。この点は大体民自党の花村さん、高木さん、その他数名の方の閲覧があつたので、その際にあるいはそういうことが出たかもしれませんが、私としてははつきり小久保産業がこれこれの脱税だから云々という具体的な話は受けておらぬと思います。それで中野管内にそういつた大きな会社が脱税しておるということに対しては、私、当面の課長としても申訳ないと思います。小久保産業そのものを調査した結果、こちらの帳簿その他いろいろのことについて檢査した結果、そういうことが発見されないのでございます。日本橋に大きな店舗がございますが、そこでやつておられるので、——私としてもあるいは認識が不足だつたかもしれませんが、調査して一應決定はしてございます。
○林(百)委員 小久保産業のことについてはよく知らないと言われますが、少くとも小久保産業というものが日本橋で大きな会社を持つて——あそこは戰後できた会社なんですよ。しかもその本店があなたの管内に関係があつて、檢察当局が税金の問題で出動して來て取調べを始めているのですよ。その当該責任者の税務署が、全然手をつけないということに対して、大衆が不満を持つているのは当然じやないか。あなたの責任を追究するのは当然じやないか。あなたはこのことに対して反省しないのですか。そのことが原因となつてあなたの税務署で涜職事件まで出している。そしてなおあなたは何か反税運動に責任を轉嫁して、東京財務局長と一緒になつて抗議を出しておるが、あなたこそが大衆から抗議を受けるのが当然じやないですか。その点の反省がなくて、あなたは税務署の高級吏員として責任を果すことができないじやないですか。この際十分反省してもらいたい。
○鍛冶委員長 ほかにないですか——。小林君。簡明に願います。
○小林(進)委員 林君の質問に関連するのですが、とにかく課長さんにお伺いしたいのは、今でも一般に上の方に税金が軽くて、下の方に税金が高いという世論が全國的なのです、そういうことをお聞きになつたことはございませんか。
○小林證人 それはいろいろ新聞紙上その他でも聞いております。
○小林(進)委員 あなた自身は直接の衝に当る方としてどういうふうにお考えになつておりますか。
○小林證人 調査はまんべんなくやつておるつもりでございます。別にそういつたことをどうせい、あそこをどうせいというようなことは私は言つておりません。
○小林(進)委員 中野税務署でもそういう者に対して十分注意を拂つておるわけですか。
○小林證人 さようでございます。
○小林(進)委員 そうすると、そういう世論は誤りだというふうにあなたはお考えになつておるわけですか。
○小林證人 誤りといつては当らないのですが、私としても努力してやつております。
○小林(進)委員 それじや伺いますが、今もおつしやるように、檢察廳当局が手を入れるまで、あなたの方で放任されておつた、それでもなおかつしかも十分なる努力を拂つたとあなた自身はおつしやいますか。確信をお持ちになりますか。
○小林證人 これは檢察廳と財務局の査察部で合同でやりましたので、税務署の方への連絡はないのでございます。税務署の方からの連絡は書類を査察部の方に提出するだけであつて、これは檢察廳と査察部でやつたのでございます。
○小林(進)委員 それじや、あなたの管内のそういう大口な脱税者は全部あなたの方では手をつけられないのですか。
○小林證人 つけられないことはないのですけれども、事が檢察廳の方に参つたので、査察部と檢察廳の方と合同でおやりになつたのです。
○小林(進)委員 津田正治及び星ヶ岡茶寮の関係を少しお伺いしたいと思います。これは二十一年度、二十二年度両方とも全然所得税を納めないように聞いておるのですが、その通りでございますか。
○小林證人 税金は行つております。二十二年度は私が直税課長時代ですから、二十二年度は課税してございます。
○小林(進)委員 津田はどうですか。
○小林證人 津田の方は法人でございますから、法人の方で課税してございます。
○小玉委員 あの税の割当努力目標とか、税の割当とかいうのは——端的には割当と言うのですが、その割当が大体各個の序列表によつてきまつて行く。そのやり方はあなたの方に五百万円なら五百万円というものが來ると、その額を各組合員なら組合員の序列表に從つてそれを割当てて行くわけですね。
○小林證人 割当と目標との違う点を申し上げますと、割当は今仰せの通り五百万なら五百万を各業者にそつくり割当をするのが割当です。目標額の方はそうじやなくして、調査してそれだけなければやむを得ません。
○小玉委員 個々の業者の税を配分して行く方式ですが、それは一定の額が上から來る、大藏省なら大藏省、財務局なら財務局から來る。それを各個々の業者には序列表によつて配分して行くわけですか。
○小林證人 そうじやないのです。やはり各業種目につきましての平均額を見出すわけです。それがおのおの打合せ会議によつてきまつて來るわけです。たとえば呉服商ならば平均二十万程度とか、荒物商ならば何万程度というようなぐあいに行きまして……。
○小玉委員 業種別によつてですね。
○小林證人 そうです。ですから呉服商が全体で幾らというようなことではないのです。各業種目で幾らというようりな——この組合に幾ら、この組合に幾らというようなことはないのです。
○小玉委員 どうしてきまつて行くのですか。その組合のトータル、たとえば洋服商組合から五十万なら五十万という一定の標準はあるのでしよう。
○小林證人 それは今申しましたように各業種の主たる業種——呉服、荒物、料理、げた、自轉車とかそういつた主たる種目を調査しまして、それが平均幾らということになる。私の方で呉服屋さんが三十軒あれば、三十軒を調査してみまして平均二十万なら二十万、それが大体会議で二十五万ぐらいになり、あるいは二十万が十八万ぐらいになるというようなことで、それの所得の合計は十二億なり十三億、それを税金に割当てて算出してみると五億九千万になるというようなことで、基礎的に算出されて來ておるのです。
○小玉委員 それなら個々の業者の所得を調査して、その平均額は何ほど、こういうふうに割出すわけですか。
○小林證人 結局割出す場合にはそういつたことになります。
○小玉委員 それを序列表によつてかけて行くのですね。
○小林證人 私の方ではたして実情に合うか合わないかということで努力するのです。
○小玉委員 そうしますと所得額ということによつてきまるのではなくて、まず納税額ということから逆に所得を見て行くというふうなやり方をやることになるのではないですか。
○小林證人 そうじやないのです。それを出す場合にも先ほど申しました通り、それぞれ基本調査で、各種目ごとに一月から四月までの現在の実情を調査しまして、大体二十四年中はどういう状況だということを見込みを出すわけです。そういつた調査が各税務署から財務局に集まるわけです。財務局でもやはり調査をいたしました結果、まず今年のいろいろの状況から見てこのくらいになるという額が出るわけです。それで呉服屋ならば平均このくらいの所得が出る、こういうことになつて來る。結局材料は税務署の方から出て來るわけです。
○小玉委員 けれども國家の徴税計画によつて何百億という税金がきまつておるでしよう。大体その線に從つて末端までずつと割当てて行く方法じやないのですか。
○小林證人 結果から言えばそういうようなことにもなりましようが……。
○小玉委員 そうなると税務署のやり方としては各人の所得額をまず見るよりも、割当ということで税額をきめるという方に先に頭が働くのじやないですか。
○小林證人 そうなると税法違反になりますから、そういうことにはならぬのです。
○小玉委員 税法違反にはなるけれども、税法違反になつても方式としてはそういうことをやつているのじやないですか。それから後の努力目標はいわゆる自然増收というようなことになつて行くのではないですか。
○小林證人 そうじやないのです。私の方といたしましては、所得申告では五億九千万円の総額にならなければいけない。ところがさきに申しました通り、どうやつても四億三千万円しか出ないのです。今のお話のように税額を出してやつて行けば五億九千万ぴつたりと出るわけです。
○小玉委員 出ないのはむりがあるからでしよう。
○小林證人 ですから私の方としてはむりに目標額を配分するわけではないのです。
○小玉委員 努力目標というのはそれに達すべく努力するというわけでしよう。最初からあなたの五億九千万円を四億三千万円で割当てるというわけじやないでしよう。やはり五億何千万というようにもつて行くのでしよう。
○小林證人 私の方では全般にわたつてまだ調査しておりませんから、調査してその額に達すべく努力してやつて行くわけですが、二十三年度は出て來なかつたのです。
○小玉委員 それでこの所得と税額を割出した帳簿があるでしよう。各個人個人に……。
○小林證人 調査簿です。これは税金の算出の基礎になつております。
○小玉委員 その基礎になつておるものを作製するのはだれですか。それを現実にやるのは現場のだれになるのですか。
○小林證人 これは税務署の中に直税課の所得税係という者がおります。
○小玉委員 その人がこれに書き込む場合の決定の仕方ですが、それは直税課長が目を通すのですか、あるいはそういう人にまかしてあるのですか。
○小林證人 その算出関係は機械的ですから、額がきまつてしまえば簡單です。
○小玉委員 決裁はだれがやるのですか。
○小林證人 署長です。
○小玉委員 それは盲判じやないですか。
○小林證人 結局係長、係長から課長、それから署長というふうに持つて行くわけです。大体係長が相当にらんでおります。係長が現場の監督みたいなもので、二十人なら二十人が出張して毎日調べたものを見ておる。
○小玉委員 その係長は大体税務署に勤務してどれくらいの人が最近はやつておりますか。
○小林證人 年齡で行きまして、三十五、六歳か四十ぐらいです。
○小玉委員 何か標準があるのですか。
○小林證人 大体各署の係長は二級官程度のものであります。
○小玉委員 それから調査した帳簿というものがある。AならAという人が自分の税金は高いとかいつて苦情を言つて行くという場合に、帳簿の内容はこうなつておるのだ、お前の所得はこういうふうに認定しておる、それで税率をかければこうなるということを見せて説明して納得させる方法を講じておりますか。
○小林證人 調査簿はただ所得がきまれば機械的ですから……。
○小玉委員 機械的だけれども、それはどういう所得でどうなつているかということは納税者としては非常に見たい。また関心事なのです。それがなければわからない。税率がなんぼになるといつてこまかく民衆は見る能力はないし、また見てもわからないのです。なかなかむずかしいから調査簿の内容がこうなつている、お前の所得はこうなつている、これに対する税率はこうなつているということを見せるか見せないかというのです。
○小林證人 これは現在の税法から行きますと、閲覽の関係になります。閲覽の関係だと十円の手数料を拂わなければ見られないことになつています。
○小玉委員 ぼくの経驗では、見せるについては署長の承認を得なければならない。閲覽申請なら署長の承認がなくしても当然の権利として見られるのでしよう。署長の許可を得る必要はないでしよう。
○小林證人 結局長官の承認を得なければならない。閲覽申請については……。
○小玉委員 そういう規則があるのですか。
○小林證人 閲覽規定は税法のたしか五十三條だと思います。それから附則の第三條とかに署長の指示を受け手云々ということがあります。
○小玉委員 指示はいいが拒否する権能は署長にはないのですね。
○小林證人 署長の指示ですから、あるいは断わる場合があるかもわからない。
○小玉委員 そこがいけない。私も経驗があるが、断わると民衆はどういうことで自分の方に税がかけられているかさつぱりわからない。その基礎を説明してやれば、自分の所得はこうだと明白にわかつて、そこで異議の申立てができるけれども、見せないものだからそれをやみからやみにかけられている。近ごろは一層そういう風潮が強い。そういう点は是正する必要がありはせぬかと思います。帳簿を見せろ見せないということで問題を起したりすることはありませんか。
○小林證人 あまりそういつたことを聞いておりません。
○小玉委員 そこがそもそも不親切なやり方だと思います。まつたく所得がないのにかけている例は幾多あります。
○小林證人 見せる見せないは別で、内容のことについてはこれはこうだ、これはこうだということを私は申し上げているつもりですが。
○小玉委員 林君が言うかもしれぬが、今度あなた方は税務署におられて、考査委員会で調べられるということでまたビラを張りめぐらしたようなことはないですか。きよう來るについて……。
○小林證人 きよう來るについては昨日こういつたビラが……。
○小玉委員 どういうビラですか、委員長に渡してください。
○鍛冶委員長 ちよつと読みます。「税務署不正に当局の手入、國会考査委員会乘り出す、吉田内閣の賣國政策に便乘して、私たちに安心して商賣をさせない中野税務署の不正事件がいよいよ明るみに出て、当局の手入れが始まりました。中野税務署の不正については、共産党、民主商工会では皆さんとともに不正摘発、適正課税の鬪いを進めて参りましたが、この鬪いは國会内での共産党風早代議士、土橋代議士等の活躍と相まつて、いよいよ政治問題化し、皆さんすでに山手民報でごらんになりました通り、ついに國会の考査委員会が中野税務署不正事件を取上げることを決定させました。これによつて中野税務署員二名が古物商組合に関する收賄その他で野方署に檢挙されており、さらに十八日には高橋税務署長が國会考査委員会に喚問されました。共産党中野区委員会では特別調査委員会を設けて、國会に提出する資料を整備中です。吉田内閣の政策で、所得税、事業税等今年は三倍、四倍にはね上がろうとしているとき、営業を明るく続けて行くため、中野税務署を粛正するには、より一層皆さんの御盡力が必要であります。自分の申告を無視して、不当に課税された方、税務署員などより金品を巻くき上げられた方、その他不正事件を御存じの方は共産党中野区委員会特別調査委員会へお知らせください。日本共産党新井細胞、中野民主商工会新井支部、なお左記にてお取次ぎいたします。中野区新井町五三八小西歯科医院、打越一七鳥平、打越町三七文化堂レコード店」こういうことになつております。
○小玉委員 これは個々に配つたのですか。街頭に張つたのですか。
○小林證人 それはきのう町で配つたのじやないかと思います。
○林(百)委員 あなたはそれをどこから手に入れられたのですか。
○小林證人 きのう民主商工会の税法説明会がありまして、署から取引高税の方として間税課長竹川事務官、所得税の方としまして武居係長と山口事務官が出かけられたと思います。その帰りに竹川事務官がこれを持つて参りまして、私がおりましたのでいただいて参りました。
○林(百)委員 あなたが直接手に入れたわけではなくて、あなたの下僚を通じて手に入れたわけですか。
○小林證人 そうです。
○林(百)委員 町にどこか張つてあるのを見ましたか。
○小林證人 私は町をあまり歩きませんから、町に張つてあるのを見ません。高橋署長が十八日にここに來られて、喚問されたというのはビラが張つてあつたと言つております。私は見ません。
○林(百)委員 ビラの点はそれでいい。私の方でよく調査します。 もう二点ほど簡單にお聞きします。こういう声が非常に強いのです。中野税務署では異議申請書類を出しても、一度も調べ切つてくれない。ほとんど異議申請を出しても無意味だ、むしろ異議申請など出すなら出してみろ、君の方で出すなら徹底的に洗つてやるぞというようなことで逆襲されてしまう。現にあなた自身も四月四日の民主商工会との交渉の際に、実は七千通もたなの上に積んであるけれども、今の税務署の吏員の仕事の能力の範囲では見切れないのだというようなことを言われて、せつかく開かれているわれわれの國会で通つた國税徴收法によつて民衆の意思を税務署に反映するようなこの道がほとんど杜絶されている。ここに大衆の大きな不満がある。また、中野の税務署の中におけるこうした專制的なやり方に税務署の腐敗の根源があるのだという声が非常に強いのですが、あなたの方では異議申請書の取扱いはどうしておりますか。
○小林證人 先ほど申し上げました通り、本年は全部実地調査をするようにということでこれはおそらく調査がまわつておられると思います。昨年度二十二年分については、調査した結果、審査請求をやる方に対しては最初に調査した方にもう一度審査を持たせる関係上、以前からわかつているようなものには呼出して來ていただいて、その説明をして取下げをするというようなことで参つて來ておりますが……。
○林(百)委員 実際税務署の吏員の人たちが非常に安い給料で非常に過重な仕事をしているということはわれわれ認めますが、それは別として、とにかく異議申請が出されたのに対して再調査をしないということは、あなた方は公然の事実とされているんではないのですか。やりきれないということで……。
○小林證人 出ているのをやらないということは決して申し上げません。現在二十三年度分についてはずつとまわつて來ております。もし、やらぬとすれば今ごろとうに片ずいているわけですが、現在まだ未済が残つております。それで本年はずつとまわつているはずです。
○林(百)委員 どのくらいまだ異議申請書類は残つていますか。
○小林證人 まだ数字ははつきりわかつておりませんと、先ほどもこう申し上げたんです。
○鍛冶委員長 全部でそんなにたくさんないのです。
○林(百)委員 異議申立てをした数は五、六千あつて、そのうち決済したものは幾つで、未済は幾つかということはわからぬのですか。
○鍛冶委員長 これは帰られてから至急にこつちへ書類で報告してください。
○林(百)委員 それから四月四日の交渉の際に、商工会の方から、どうも中野税務署では一部の業者のボスの人たちの運動によつて、だれが見ても不当と思うような減税をしているようなことがある。こういう点は嚴重に中野税務署として考えてもらわなければならぬという意見があつたのに対して、これは交渉に行つた人はあなただと言つているんですが、今どき減税のために金を出すくらいのことは社会通念上あたりまえだというようなことを、あなたかあるいは税務署の吏員が言つたということで、みな驚いているが、そういうようなことを言うことがあるのですか。
○小林證人 そういうことを私がしていれば、今までこんなに苦労して來ておりません。私が今まで、今日あたりもいろいろやられまして、こういうことのないように努力して來たつもりです。相当恨みを買つて努力したつもりです。私の知る範囲の人は、これは事実ですから、どなたに聞いていただいてもけつこうですが、私の性格、私のやつて來た三十何年の過去を見ていただいてもおわかりだと思います。そういつた事情で相当努力をして來たつもりで、これは自信を持つております。風当りは私は多少強いかもしれません。しかし、話がわかればそんなに私は言いません。相手が強く來れば私は強く言います。
○林(百)委員 もう一つ、先ほどの証人三戸部氏も言つているんですが、組合に一括して、たとえば飮食店組合なら飮食店組合に、君の方にひとつ今月はこれだけかける、これについてどう割当てるかということは組合の方で考えてくれないかと言つて、組合に一括してかけて來るという事実があると言つているのですが、この点はどうですか。
○小林證人 それは所得税でなくて、たぶん取引高税の方のお話かと思いますが……。
○林(百)委員長 飮食税なんかどうですか。
○小林證人 それは私も直接関與しておりません。取引高税の方は実際の場面は間税課長がやつております。総務課長といつても、署長の補佐役程度のもので、実際は徴收の方と会計の方をやつているので、各直税には課長がいるし、取引高税の方は間税課長がおります。
○林(百)委員 そうすると、取引高税みたいなものはそういうふうに一括して組合に課税して來るというような場合があり得るということですか。現に飮食税では組合の中でどういう割当をするかということで相談していることを私自身現に知つている。それは間違いないので、それをあなたが認められるかどうかということです。專門のあなたなんですから、しろうとのこつちが知つているのに知らないはずがない。
○小林證人 直接の事務担当でいろいろやつていればだけれども……。
○林(百)委員 それではあなたの税務署で、人事の点について非常にあの係りの人は不公正で困ると言つて、あなたのところに行つているんだけれども、その点について全然とり入れられない。民衆の方から強く具体的な事実まで示して、この人物はこういうことがあるから、こう処置してくれと、いくらあなたに言つても通じない、そこで大きな不満があると、言われておりますが、その点はどうですか。
○小林證人 最近私のところにはそういつたことについては全然参りません。
○林(百)委員 昨年はどうですか。
○小林證人 昨年も、ただ民主商工会あたりでよく言つて來ますが、抽象的で、突込んで行きますと逃げます。
○林(百)委員 その問題は調査したことがありますか。
○小林證人 今度のこの問題にいたしましても投書とかそれから話がありますので、署長はじかに呼んで聞いたようです。
○林(百)委員 そうすると、具体的に事実はもう起つているわけなんですから、民衆の方からこういう声があつた場合、なぜあなたの方は前に善処されなかつたのですか。
○小林證人 先ほど委員長さんに申し上げたんですが、本人に聞いたんです。職長はそれについて聞いて善処したつもりですが、署長どうですかと言つたら、本人はやらないと言つているんだということで、ですから今度の事件につきましても署長は事実あるのだから、これはもうやむを得ないんだ、こういうことを洩らしております。
○林(百)委員 そういう点に非常に大衆の不満があつたということもあなたもこの際考えていたたきたい。 それからもう一つ、先ほどの差押えの際に何か向うが妨害したと言いますが、差押えをする物件は制限がある。ある一定のものは差押えできない。最近ではたとえば自分の生活に必要な生活必需品を押えてはならない場合に、たとえばかまを押えるとか、なべを押えるとか、洋服屋さんの洋服の道具を押えるとかいうことがあるが、税務署のやり方も殺してしまつてはいけないのだから、これはあまり行き過ぎておる。あなたが容赦もなく、そういうものまで押えて來るから、そこに大衆の不満があるので、やはりあなた方も差押えするものについては、少くとも納税者の生活して生きるだけの道は考慮して押えるような方法をしないと、そこに大きな不満が大衆から起つて來るのです。その点はどうですか。
○小林證人 そういつたことについては仰せの通り差押えをしてはならないものはございます。同じかまの類でも、余分なかまがある場合には、二つある場合には一つはよろしいということに相なると考えます。この前どこかでおむつを押えたというようなことを関西かあちらの方で聞いております。おむつも程度問題で、どんなものか、実際聞いてみなければわからぬと思いますが、これはだれでも常識上おむつは当然やつてはいけないと思いますが、しかしその起つた署の実情がどんなものですか、承知いたしておりませんが……。
○林(百)委員 もう一つ、実際あなた方は役人でよく知らないかもしれませんが、こういうこともあるのです。たとえば差押えに行つて、差押えに行かれた人は盲の人なんです。何に來たかわからない。そういうのを、これとこれは差押えると紙に書いて盲の人にただ判を押さして差押えておるというような事実もある。こういう場合には大衆の方が憤激するのは当然だと思う。そういう点はあなたの方でも愼重にやつて行かなければならぬと思う。だから何か税務署のやることに対して大衆が批判をする、それをすぐ反税鬪爭とかいう名前であなた方は言いますが、あなたの方にも十分反省してもらわなければいけない点があるから、十分注意してもらいたいと思います。
○小林(進)委員 それは人の問題なんですよ。先ほど輿石という方にお聞きしたのですが、この方が不正な取引高税をかけられて、それを断つた。そうして税務署へ行つて、そんなものは拂えませんと言つた。そうして川島という事務官が一切の不正の要求をはねのけてしまつた。そうしましたら翌日夕方佐藤という間税課長と係官がそこに來られて、こういう四十万もの要求をしたことは非常に惡いことだ。あなた方はそんな拂う理由はないのだ。だからこんなやつは左遷するなり何とか処置しなければならぬから、ここで了解してもらいたいということで了解に來られた。そういう歴然たる事実があるにもかかわらず、あなたはその後川島なるものに対していかなる処置を講ぜられたか、何も講じていない。講じていないからこそこういう汚職事件が勃発している。そういうことがみんなあなたの方に入つて來るということがありますが、早く人事の関係をきれいにしてくれということを言つておるけれども、少しもあなたは用いない、こういうことを言つておる。
○小林證人 いや、そういうことは聞いておりません。だれがそういことを言つたか、私はそういうことは一つも聞いておりません。
○林(百)委員 それは間税課長からもあなたの耳に入つておりませんか。
○小林證人 私も記憶ありません。
○林(百)委員 輿石の家へ事務官を帶同して行つて……。
○小林證人 間税課長の佐藤という人が行かれたのですか。
○林(百)委員 そうです。
○小林(進)委員 輿石という家へ行かれて、川島がこれこれのことをあなたに要求したのは、まつたく間違いである、不正なる要求である。これはどうかひとつ了解してくれという了解運動にその晩行かれたというのです。それに輿石に対しては追つて税務署としては何らかの処置を講ずるつもりだということを言われた。
○鍛冶委員長 あれは所得なんだろう。間税課長じやない。直税課長と係長で行かれた……。
○小林(進)委員 そういうような明らかなる事実に対してもあなた方は処置しなかつたということは、これはあなたの重大なる責任であると同時に、そこに民衆の税務署に対する深刻な不満があるわけです。知らないのですか。
○小林證人 それはよく調査してみましよう。
○小林(進)委員 ここに來て調査は遅いでしよう。そんな調査々々でごまかすのはあなたのお手のうちなんでしよう。われわれはそういう調査々々で苦い経驗をしておる。あなたに対して間税課長がそれを報告されたか、されないかということをおつしやればよろしい、ないならばないでよい。
○小林證人 記憶がちよつとありません。
○小林(進)委員 はつきりここで言われますか。聞いてないと証言されますか。——いくら考えてもだめだ、話がなかつたらそれでよい、ないとかあるとか……。
○小林證人 今そう言われても、それは……。
○鍛冶委員長 言われた記憶がありますか、ありませんか。
○小林證人 川島のことについてはたびたび聞いておりますが、人事々々とおつしやいますけれども、とにかく署長がいるのだ、そうして署長が絶対権を持つていて、私は持つておりません。ただいろいろなことで相談を受けますが、私が採用するとか、個人としてそれはできるものではない。
○小林(進)委員 間税課長から聞いておりませんか。
○小林證人 記憶がありません。
○小玉委員 そうした署員に不都合があつた、まあ進んでは犯罪事実の疑いがあるといつた場合には、税務署長としてはどういうふうな処置をとられるのですか。
○小林證人 小松君のことについては警察の署長の方からも話がございまして、またその後の状況も警察の方に行つて聞いております。
○小玉委員 お聞きするのは、そういう不正な事実があなた方で認知されておつても、いわゆる司直の手の延びるまでは放任しておくのか、進んでこれを檢察局なり警察なりに連絡をとつてこういうことをやつておるが、どうかというその処置をつけておるのか、おらないのか、どんな方針かそれを聞いておる。
○小林證人 私の方といたしますと、こういつたことについて財務局の方に監察という制度がございましてまわつて來るのです。こういつたものがあつた場合に取上げまして、ずつと調べまして処置をとるわけです。
○小玉委員 今までやつたことはありますか。
○小林證人 やつたことはございます。中野署としてはそういつた調べが來ております。現在も來ております。
○小玉委員 それを警察署に連絡をとつていわゆる警察問題、檢察の問題にしたことがありますか。
○小林證人 今まではこういつた事件はございません。私が中野に來てからはございません。
○小玉委員 檢察局が來る前に、あなた方が知つておりながらそれを放任しておくという事実はないでしよう。
○小林證人 それが先ほども委員長さんのおつしやいましたような本人から署長が聽取したのでございます。本人からは、そういう事実はないと言つておる。
○鍛冶委員長 問題はもしあつたら見のがしておくか、何か方法をとるか、こういうことなんです。
○小林證人 それは処置いたします。
○鍛冶委員長 臭いものにふたをしておるというようなことは絶対やりませんか。
○小林證人 はい。私の氣持としてこういつた粛正をしているのですから、あればあるような処置をします。
○鍛冶委員長 それでは済みました。先ほどからのでさしつかえないものは写しをとらせてもらいたいのですが、さしつかえありませんか。
○小林證人 はい。
○鍛冶委員長 それでは御苦労樣でした。 本日はこれで散会いたします。 午後七時四十九分散会