考査特別委員会 第4号
- 発言数
- 1,119 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/05/14
会議録
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。 まず前回の委員会で問題になりました商工省をめぐる紙の割当事件の新聞発表の件でありますが、調査の結果、事務局においてこれを発表したという事実はありません。これはおそらく新聞記者諸君において、何らかの方法で探知されたことと思います。しかしながら予備的調査の段階において、新聞記者諸君の感覚によつて察知せられる事実は、これをいかんともすることができないのでありまして、このような問題につきましては新聞記者諸君の徳義にまつほかはないと存じます。何とぞ新聞記者諸君の協力をこの際お願いいたすものであります。 次にこの際理事追加選任の件についてお諮りいたします。昨日の運営委員会の決定によりまして本委員会にも理事を二名追加いたすこととなりましたが、前例に従いまして委員長において指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議がないものと認めまして 内藤 隆君 石田 一松君 を理事に指名いたします。 次にこれより浦和税務署をめぐる官吏汚職事件につきまして、証人の方々より証言を求めることにいたします。 本日御出頭なされた方は杉田磯吉さん、鈴木政吉さん、藤倉新吉さん、金子由太郎さん、以上四名であります。 証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のありたる者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以上の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。 それでは杉田さん、代表して宣誓書を朗読してください。 〔証人杉田磯吉君各証人を代表して宣誓〕
○鍛冶委員長 それでは皆さん署名捺印を願います。 〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○鍛冶委員長 それでは杉田磯吉さんを先に聞くことにしますから、あとの方は今一度控室でお待ちを願います。
○杉田證人 ちよつと私はメモして持つて来ておりますので、メモだけはお許しいただければ……。
○鍛冶委員長 証人は浦和税務署長ですね。
○杉田證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 それでは今日までの経歴の大略をお述べください。
○杉田證人 私は大正九年に税務署属を拝命いたしまして以來間税、管理、間税課の事件をずつと所管いたしておりました。それから大東亞戰争直前に神田橋税務署の間税課長になり、それから神奈川の関税課長になりました。その次にただいまの財務局の間税部の間税部員として参りました。その後総務課へ参りまして秘書係をいたしておりました。やがて秘書係主任、秘書係長、総務課長という経路をとりまして、その間高等官になりまして、一年半の後秩父の税務署長を拝命いたしました。それから戦時中でございましたが、また再び財務局にもどりまして、総務課長をいたし、それから人事課長、さらにまた一昨年の八月浦和税務署長に轉出いたしたものであります。そういたしまして今日に及んでおります。
○鍛冶委員長 税務署において個人所得税の課税をせられ、その実際のやり方及び方針、それについてできるだけ詳しく承りたい。
○杉田證人 私は間税出身でございまして、実は直税関係の所得税の方はどちらかと申しますと不得手な方で、從いまして順序などもメモして参つた次第でございます。御許可を得ましてメモに從つて申し上げたい、かように考えております。
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。
○杉田證人 では申し上げます。所得税の決定でございますが、申すまでもなく所得税には営業所得と、農業所得と、この二つのほかに事業所得というものがございますが、何と申しましても一番営業所得がむずかしい次第でございまして、営業所得から先に申し上げます。 税法によりますと最初予定申告というものをいたします。その次に修正申告というものをいたします。それから仮更正というものをいたします。翌年になりまして確定申告というものが出て参ります。さらにそれに対しまして確定更正というものをいたします。それに対しましてさらに異議申立、もちろんこれは仮更正のときにおきましても同様異議申立はございます。本更正のときにおきましても異議申立がございます。そのような、次第で、所得を計算いたしますにつきましては相当署といたしまして確信の持てるところの、実際に近いものを把握いたしまして、決定の通知を出さなければならないことになりますので、まず最初に経済調査をいたします。この経済調査というものは特殊財産であるとか、あるいは市場、業種目の商況であるとか、大体におきましてそういうような年間を通したところの経済界の変動、こういうものを最初に調査いたします。その次に基準調査というものをいたします。基準調査と申しますのは、言葉をかえますと早い話が標準率の調査というようにも考えられるのでございます。その次に個人調査、個人調査というのは俗に地押しと申しますが、片つぱしから一軒残らず調査をいたし、このうちは何をやつている、その隣のうちは何をやつている、またその隣は何をやつているか、こういうようなことをいたしまして課税漏れを発見する、こういうような個人調査をいたします。なおその途中におきまして仮更正をやります場合には、繁華街の調査を二十三年事度におきましてはいたしました。繁華街の調査はどういうものかと申しますと、二十三年度でもつて一番基準となるべき業者のかたまりといつたような町につきまして、片つぱしから一軒残らず、どういう業種目のうちがあるとか、あるいはこのうちはどれくらいが相当かということを片押し的に調査をいたします。そしてこの程度のうちはまずどれくらい收入があるだろというところのまず柱を建てるわけでございます。その次に位すべきものは乙のうち、その次に位すべきものは丙のうちというようなぐあいに、まず序列をつくる目的でそういうようなことをいたしております。そのようにいたしましてもなかなか権衡というものはむずかしうございまして、この権衡がうまく行きますと、もはや問題はないのでありますが、縦の権衡、横の権衡をうまくするために業者團体に対しまして所得税法に基いて諮問をいたします。この諮問というものは序列であるとか、あるいは指数であるとかいうことを諮問いたしまして答申をとる、こういうことをいたしまして、私どもの方では業者團体のまじめな答申であるならばそれを尊重する。私どもの方で調査をいたしましても、何万人という納税者を金額を入れて背の順に並べるということは非常にむずかしい、しかも同じ状態でありますればそれほどではないのですが、水菓子屋もあれば米屋、魚屋、呉服屋もあり、こういう次第でありまして、ただ單に縦の権衡だけを見たのでは十分でない。これは魚屋と米屋、米屋と呉服屋といつたぐあいに横の権衡を見ることもきわめて大事であります。そのようにいたしまして縦の権衡、横の権衡を調査するためには、ただいま申したような業者團体に諮問いたしましたり、さらにその上商工会議所であるとか、あるいは町村でございましたならば商工会であるとか、そういうような團体に対しましても、この横の権衡を見るためにいろいろ参考意見を述べていただきます。なおそのほかに町村でございましたならば町村役場の税務主任、あるいは税の精通者であるとか、また商工会議所にいたしましても、その道にそれぞれ通暁した方もおられますので、そういう方々の御意見を伺いまして縦の権衡、横の権衡を見まして、これでほぼよろしいというところで仮更正をいたすのであります。大体以上のようになつております。 それから農業所得でございますが、農業の方は営業の方とは若干違つております。仮更正のごときもまだお米の收穫時期に至らないというので、仮更正は二十三年度におきましてはいたしておりません。確定更正はもちろんいたしておりません。農業の方におきまして非常に問題になりやすい点は收穫の点と、もう一つは支出の面、これが一番むずかしいのでありまして、どれくらい收穫があるか、また経費はどういうものがかかつているか、收穫の方よりはむしろ支出の面を精細に調べる、的確に調査するということが非常にむずかしいのであります。しかしなが農業の方は営業に比べますればそれほどむずかしいわけではございません。二十三年度におきましてもさほど問題はございません。営業ほどにむずかしいのではありません。何といたしましても営業者の方はそろばんをはじいてやつているのでございます。農家の方はあまりそろばんはとつておりません。食つて余りを納めるという氣持でいる。営業者の方は相当こまかい点を考えていらつしやる。そこで非常にむずかしいのは農家におきましては、帳簿はほとんど設けてございません。もちろんよくつけておるところもたまにはございますが、ほとんど大部分帳面はつけていない。営業者の方は相当つけてはありまるけれども、なかなかそれが調査するにあたりまして、相当困難でございます。場合によりましては、二重の帳面をつくつておりますうちもございます。片つぱしから税務官吏が一軒ごとに收支を調査して所得をきめるということでありますると相当手数がかかる。一万も二万もある納税者のうち所得をきめる場合におきましても、片つぱしから收支計算をやつて行くということでありますると、これは何年もかかつてしまうということでございます、また調査した結果がよいものが出るかというと、必ずしもあまり期待はできない。從いまして、先刻申し上げましたようなぐあいで、業者團体のまじめな答申である場合におきましては、つとめて私どもの方といたしましてはそうした團体のまじめな意見はできるだけ採用する氣持をもちましていたしておるのでございます。 それから事業におきましては、これは大体以上二つを折衷したようなやり方でございます。まず收入を調べ、それから所要経費を調べまして、そうしてきめるようにいたしておるのであります。これは割方帳簿もできておりまするし、相手がお医者さんであるとか、弁護士さんであるとか、そのような知識階級の方々でございまするからして、ものは筋道を立てて申し上げまするならば、割方簡單に判定ができる、こういうようなところであります。以上申し上げます。
○鍛冶委員長 團体に諮問されるというのですが、それでは團体に諮問されるのは個人々々の收入並びに支出を聞かれるのですか、それともどういうことを聞かれるのですか。
○杉田證人 團体諮問は序別でございます。まず第一に序列、それからただ序列をつけてもらつたばかりでは、さて所得をきめます場合にぐあいが惡い、それはやはり指数というものがございませんと——甲の家が百ならば、乙の家は九十五くらいだ、丙の家は八十くらいだ、このように指数をつけてもらう。つまり序列とそれから指数でございます。それを諮問いたしております。
○鍛冶委員長 各税務署には大体。予定額とかそういうものが集るのでしよう。財務局なら財務局から、浦和税務署なら幾ら幾ら……。
○杉田證人 それは税額ですか、それとも課税の方ですか。
○鍛冶委員長 税金ですね。
○杉田證人 税金をどれくらいとれというようなことは、努力目標というものは設けておりまするが、どれくらい課税しなければいけないというようなことは、申しては参りません。一應努力目標というものは設けてございます。努力目標というものはどういのかと申しますと、いろいろな條件が備わつておつて、しかも職員が一生懸命努力した場合には大方どれくらい徴税できるであろうという一應の目安でございます。そういうようなものは設けてございます。
○鍛冶委員長 それは毎年來るわけですか。
○杉田證人 昨年と今年参りました。その前の年は私は税務署長をしておりませんために存じておりません。
○鍛冶委員長 それに伴つて各業者に対してもあなた方は、たとえばこの業種ならば幾らくらい、この團体ならば幾らくらいという目安をつけますか。
○杉田證人 それは先刻も申し上げましたようにいたしまして、一應私の方では各業種別團体ごとに集計をしてみます。團体諮問をいたしましても、決定通知を発送いたしましても、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、おいそれと皆が快く納得するというようなことばかりも考えられません。そんな関係で若干内部におきましては、各業者間におきましての不満もあり得るわけであります。私どもの方といたしましてはまず財政需要を満たすべくできるだけ努力目標の額へ調整して行きたいというので、いろいろ組合と折衝する。しかしこれだけの額をどうしても割当てるのだというようなことは、私といたしましては職員にも指示はいたしません。ただ実際問題といたしまして職員がいろいろ團体と話合いをする場合に、團体折衝と申しましても、割当と申しましても相当紙一重の問題でございますので、これはむずかしい問題でございます。それは特定の問題になろうかと考えておりますが、相当むずかしいのであります。署長といたしましてはどの組合に幾ら持たせるというようなことは指示はいたしておりません。
○鍛冶委員長 幾らかの目標はあるのでしようか
○杉田證人 その目標というのは調査して、一番最初に申し上げましたようにいたしまして所得を算定いたしまして、これを集計してみます。集計すると調査の結果、所得がこの組合では合計してこれだけ出たというぐあいに、その所得のわくの中でさらにでこぼこを調整するとい意味で、いろいろ組合の方と御相談いたしまして、できるだけ私の方といたしましてはすつきりしたものをつくる、適正な課税をしたい、こういう趣旨のもとに相談をいたしたことはございます。
○鍛冶委員長 各團体のどういう人と相談するのですか。
○杉田證人 それは組合の役員の方々、もちろんそのような御相談を持ちかけました場合におきましては、組合の幹部の方々といたしましては、いろいろ相談の会議を何べんも何べんもお聞きになつて、その内部をまとめるというような努力を拂われているように私は承知いたしております。
○鍛冶委員長 それからこの決定ですが、先ほどの仮決定——確定決定ですか。
○杉田證人 本決定とも申しますが、これは俗な言葉でございます。
○鍛冶委員長 仮決定はいつやるのですか。
○杉田證人 仮決定は一昨年はやらなかつたと思いますが、二十三年度におきましてはいたしました。なぜかと申しますると昨年の六月に閣議決定におきまして、早期に税收をはかることをおきめになつたのです。つまり早期に税金を國庫へ送り込む、それをそのままほつたらかしておきますと、本更生の結果年度末に一時にたくさんの税金を納めなければならない。これじや國の方でも困るし、同時に納税者の方も非常にお困りになるというので、営業者については仮決定をいたしました。これは國の方の財政事情を考えると同時に、納税者が一時に納めなくてもよいように——各自の予定申告がちよつとしかしてなかつたという場合に、一度仮決定をしてもらいますと、今までのまずい予定申告が是正されるので、そこで一應納税すると、翌年の三月になりまして、一時にたくさんの納税をしなくても済むということになるわけであります。
○鍛冶委員長 それはいつごろやるのですか。
○杉田證人 二十三年度は十月の末にいたしました。
○鍛冶委員長 その仮更正ですか。
○杉田證人 更正と決定と両方ございます。更正と申しまするのは、予定申告をしたものに対しまして、予定申告があまり少なすぎた場合にいたすものであります。予定申告をなすべき時期に全然申告をしていなかつたという場合には、これを放つておくことはできませんので、仮決定というのをいたします。
○鍛冶委員長 その仮更正なり仮決定は、法律上どういう効力を発生するのですか。
○杉田證人 もちろんそれによりまして税を納めなければならぬ効力があるのです。
○鍛冶委員長 同月何日までに納めろというその指定期日を過ぎたら、延滯日歩をとられるわけですか。
○杉田證人 延滯日歩をとられるわけであります。
○鍛冶委員長 そこで納めたら、本更正なり本決定ではどういうことになるのですか。
○杉田證人 仮更正で納めた場合、さらに本更正をやる。仮決定と申しますのは、昭和二十三年度におきましては九月現在の状況においていたしたわけであります。從つて十、十一、十二の三月は、予想によつて仮にしているということになりますので、さらにもう一回やる。もちろん仮更正した金額より少かつた場合とか、仮更正が年間を通した所得額と同一であると認められるものに対しましては、しいて本更正をする必要はないのであります。大体において、三月も経ちますと物價も相当上ります。從つて所得もふえて参ります。つきましては、年末の現状において、もう一回本更正をやらなければいけないようになる次第であります。
○鍛冶委員長 それはいつですか。
○杉田證人 本更正は二月の下旬にいたしました。これはもつと早くやればよいのですが、一月末までに確定申告が出て参ります。その確定申告が、理想的なものが出て來ればこれまた本更正をやる必要がないわけであります。確定申告の金額を見ますと、なかなかこちらの思う腹と合致いたしておりませんので、全般にわたつて本更正をどんどんしなければならぬというような状況でございます。
○鍛冶委員長 さらに補正決定とか追加決定とかいうことが認めるのですか。
○杉田證人 税法によりますと、再更正というのがございますが、これはほとんどと言つてもよいくらいいたしておりません。何か課税漏れを発見したような場合には、本更正をした後にもう一回いたしてもよいことになつております。
○鍛冶委員長 課税漏れがあればもちろんだが、要するにさきほどおつしやつた努力額と言うか予定額に達しないときは、かようなことが行われるのではないですか。
○杉田證人 そのようなことはいたしておりません。大体本更正のときでもつて予定には達するわけであります。
○鍛冶委員長 それで大体きまる方法はわかりました、そこで調査ですが、調査は最初どういうものにやらしておるのですか。
○杉田證人 調査は種目にいたしまして、たとえば営業にいたしましても五十種目くらいあるのです、そのうちで比較的重要なもの、昨年は私の方といたしましては、比較的重要な十三種目につきましてまずもつて調査を進めたわけであります。次に爾余の種目につきましていろいろ調査をいたしたわけであります。五十種目もございますので、どうしても一人で二種目とか三種目を分担しなければいけない。五十種目をかりに三で割りますと十何人か要る。一昨三十二年度におきましては三級官が十四人くらい、三十三年度におきましては十八名、大体三種目くらいづつ受持ちますと五十種目全部の分担がきまる。従つて係長は分担を持ちませんが、次席から一番末席の三級官までことごとく三つくらいずつは分担している。もちろん重要種目はできるだけし上席者が分担し、やさしい種目はでできるだけ下級者にまわしてやるというようなぐあいにやつております。
○鍛冶委員長 先ほど言われた業種または繁華街の調査をやらせるわけですね。
○杉田證人 繁華街の調査は一劃を区切つてやつたわけでありますが、大体これは上席者が当つておりました。私どもも高崎でいろノN実際にやつて参つたのでございますが、やつてみるとなかなか頭によく入ります。大方の見当がそれによつて得られる。いろいろ店舗の状況、商品の在庫の数量、その他外部から見た営業状況、そういうものをちよつとだけでも見れば、ははあこの家はどれだけやつておるということはおおよそのところ見当がつくわけであります。
○鍛冶委員長 それはあなた方のように相当なれた者ならそうかしらんが、今おつしやる三級官のほやほやの者が行つたらわからないじやありませんか。
○杉田證人 実際には下の方の三級官の者ではなかなか容易ではないと思つております。これは豊かな常識を持つておりませんとなかなか容易ではありません。店は貧弱でありましても、中の方に相当商品をしまつておくとか、店にはあまりお客はおらぬけれども、他に分工場があるとか、他に支店を持つているとか、手廣く卸をやつているとか、ちよつと外観を見ただけでは把握できないのがかなりございます。
○鍛冶委員長 そうするとそういう者が調べて來ると係長の所へ持つて來るのですか。
○杉田證人 それを調べまして、それから調査いたすのでございますが、これは全戸につきまして、どこの家の順位は幾ら幾らとか、またどこの家はこれぐらいだとか、そうして序列をつくる。全部にわたりましての調査はなかなかやつてもやり得ないのですが、かりにやつたといたしましても、これは先刻申し上げましたように、あまりすつきりしたものが一度の調査でできるとはとうてい期待できないのです。
○事鍛冶委員長 序列をつくるときはどうするのですか。三級官が調べて來て、どういうふうにきめるのですか。
○杉田證人 三級官が調べたものと、それからさつきお話申し上げました組合業種國体、あるいは商工会議所、商工会、町村役場等の御意見を参酌いたしまして、つくるわけでございます。ただ中にはこの業種團体でもふまじめと認められるようなもの、團体幹部の方が安くしよう、安くしようという氣持でいつぱいであるがために、どうもふまじめの答申と感ぜられるものも中にはございます。それらの点はこちらで幹部がよく勘案して選りわけて、どこの團体はまじめであるかということをまず見当をつけるわけでございます。
○鍛冶委員長 そこで團体とそういうものをきめるときには相談に入るのはどういう者とどういう者とで相談しますか。
○杉田證人 業種目の分担者、それから重要な種目につきましては係長も課長も参画いたします。
○鍛冶委員長 会議をやるのですか。
○杉田證人 いや、それはみなが分担を持つておりますから、自分の分担だけでございます。そのよその種目につきましては、これは打合会とか何とかいう場合は別でございますが、大体におきましてその担当者とそれから係主任、課長、そういう者が集りましてやる。
○鍛冶委員長 かりにお菓子屋ならお菓子屋の團体と話をするときには、調べて來た三級官とそのほかだれか入るのですか。その三級官と團体役員だけで大体のことをきめるのですか。
○杉田證人 そのやさしい場合には三級官——もちろんこれは一人ではありません。必ず二人か三人くらい参ります。私の方といたしましては一人で團体と話すことはできるだけ避けまして、少くとも二人あるいは三人くらいでやる。國体との話合いをいたします場合には、あまり一人で乗り込んで行くということは弊害も起りますし、また相手は何と申しましても四十、五十の組合の幹部でございます。そこへ若僧が一人乗り込んで行つて、うまい仕事ができようはずはございませんので……。
○鍛冶委員長 團体の幹部を税務署に呼んで聞くのでなくて、何か幹部の寄つておる倶楽部みたいな所へ調査官が出て行くのですか。
○杉田證人 税務署が非常に手狭でございまして、各担当者が四人も五人も國体の幹部を集めていろいろお話をするというような場所が全然ありません。ですから商工会議所を借りるとか、役場を借りるとか商工会を借りるとか、そういうようなぐあいにいたしまして、署でやることは実際問題として今まではでき得ませんでした。私の署は非常に手狭でございまして、その点私は非常に困つております。
○鍛冶委員長 そういうことに対して、署長はどれほど目を通すものでございますか、まかせきりですか、また審議をするときにはどうするのですか。
○杉田證人 私ども署長といたしましては、全体の者を集めまして、ときどき打合せ会というものをいたします。それでどの業種目は甘過ぎるとか、どの業種目は少し強過ぎるとか、そういうような指示を——これは私というよりも、むしろ直税課長が主となつて、そのようなことをいたしております。
○鍛冶委員長 業種目というと、業種目でこの業者に対しては何百万円だ、この業者に対しては何百万円だと、こうきめるのですか。
○杉田證人 大体経済調査というものをいたしておりますから、その集計したものを一人別に事総体で割りまして、一人当りの所得というものが出ます。ですから大体この業種目が強氣であるか弱氣であるかということは、一人当りの所得を見るとわかる。それはさいぜん申しました経済調査によつて得たところの資料とはたして合つておるかどうか。今年は非常に飲食業がよろしいといつた場合に、飲食が下つておつたりなどしたら、お前の調査はだめじやないか。また逆に経済調査をいたした結果、非常に本年は、だめな種目であつたという場合に、担当者が一人でやつて、非常に高く出ておる場合は、お前は少し見過ぎるじやないか、そういうようにして注意を與えておる。
○鍛冶委員長 ではその程度にして、署員を採用するときには、どういうことで採用しておりますか。
○杉田證人 署員を採用いたしますのは、最近はもちろん公務員法によりまして、これは財務局で採用いたしております。その前は署長に委任事項となつておりました関係で、税務署長が採用もいたしますし、これはもちろん雇員でございますが、三級官は当然財務局あるいは本省でいたします。雇員以下につきましては税務署長の委任事項になつておりました関係上、私がいたしておつたわけであります。
○鍛冶委員長 三級官は財務局ですか。
○杉田證人 三級官は、実は大藏大臣でございますが、大藏大臣から委任事項になつておりまして、財務局長がやつておりました。雇員の採用とか免解は税務署長限やつて、その結果を報告しろという扱いになつておりました。
○鍛冶委員長 三級官でも、あなたの方で推薦して、向うでとつてもらうというような方法をやつておるのじやないですか。
○杉田證人 それは最近公務員法が実施になりましてからそのようなことはございませんが、從前は事務が非常によくできる。素行が非常によろしい、現在の三級官に比較していささかも遜色がないという者がございます場合には、署長が財務局長に推薦いたしまして、三級宮にしてくれということを申告いたします。
○鍛冶委員長 この間あなたの署でたいへん汚職事件が多く出たそうですが、大体どういうことがおもでしたか。
○杉田證人 このことにつきましては、はなはだ私申訳ないと存じておる次第であります。非常に年の若い雇員が何名かおります。それから三級官もおりまして、雇員の方は詐欺罪ということで檢察廳の方ではお扱いになつておるようなわけであります。それから三級官につきましては、收賄罪ということで、御処置なさつているようで、ただいままで起訴になりました者が四名ほどございます。最初に起訴になりました吉岡と川上の二人。吉岡は、実は採用のとき、私、前歴をよく調査することを欠いておりました関係で、まつたくこれは申訳ないのですが、前科があつた。しかも履歴書をごまかして書いておる。もちろん前科などということは、少しも書いていない。非常に人を早くとらないと、なかなかとり得ないような苦しい状況のもとに置かれておりました関係で、知らず知らず採用した次第であります。
○鍛冶委員長 起訴された者は四名ですか。まだほかに收容されておる者がおるのじやありませんか。
○杉田證人 收容されておる者もございます。ちよつとそれは記録を見ます……。
○鍛冶委員長 いや、数だけでよろしい。
○杉田證人 その数は六名だと思います——いや九名でございます。
○鍛冶委員長 それは詐欺罪と、あとは收賄ですね。
○杉田證人 さようでございます。ただこの中で、秋谷と進藤、この二人は、もはや釈放になつております。それで不起訴か、あるいは起訴猶予か、どちらであるかということを、私檢察廳に尋ねてみましたところが、先方では、まだ終結処分は終つていないから、その点ははつきりしない。こういうことでありました。最後に吉田きみ子という女が一人ございますが、多分これは、私の推測で申し上げることは、まずいことですから、省略さしていただきます。
○鍛冶委員長 主としてどういうことで收賄しておりますか。
○杉田證人 收賄はまず組合折衝——組合折衝をいたしました場合に、その席で一席晩飯を食べるというのが始まりです。それから帰りがけにポケツトヘねじ込むとか、あるいはカバンの中へ入れるとか、そういうのもございます。中には、これは起訴状を見ませんから、はつきりいたしておりませんが、一人二人は逆にこちらから請求したというのもあるように聞いております。
○鍛冶委員長 わかつたことだけでいいのですが、それはなんですか、税金をまけてやると言つて要求するのですね。
○杉田證人 吉岡のごときは、実はそうじやないのでございます。詐欺罪の方は、税金をまけてやるというようなことは言うておらないのでございます。それから收賄罪の方は、これはまけてやるというようなことが大体つきものなのであります。
○鍛冶委員長 そこで私が一番聞きたいのは——さつきからこまかく聞くのは、そういうものはまけてやると言つて、まけさしたり、ふやしたりする権能はあるのですね。
○杉田證人 権能は、もちろん署長の決裁を受けまして、訂正の通知を出して、それからでないといけない。とにかく署長の決裁を得ることが條件になつているのでございますけれども、扶養家族の誤謬だとかその他重複決定とか、そういう明らかな間違いに対しましては、これは担当者限りでやつてよろしい。即座にやつてすみやかに納税をさせなければならない、こういうわけでございます。簡單なものにつきましては、出張員限り單独でやつてよろしい、というように私はしております。
○鍛冶委員長 今九人收容されているそうですが、こまかく調べると、なおあるのじやありませんか。どう思いますか。
○杉田證人 その点は私、ちよつと推測になりますので、檢察廳の方あるいは警察の方でお聞きいただきましたならば、たいへんけつこうだと思つております。
○鍛冶委員長 いや、警察や檢察廳は、引上げて行つた嫌疑のあるものでなければやらぬでしよう。あなたは監督者として、実情から見てどう思いますかあなたの感じなり信念なりをおつしやればよろしい。
○杉田證人 それらの者と一緒に飲んでおるというようなものがありといたしました場合には、これは惡いことをやつた者もなきにしもあらずである。このように考えております。
○鍛冶委員長 そこでわれわれとして一番聞きたいのは、かような不祥事が続々起きたらたいへんなことなんですが、これが起る根本原因がどこにあるのか、また署長としてこういうものをなくすにはどうすればいいか、その点あなたの率直な信念を聞かしてもらいたい。
○杉田證人 若干書いて持つて参つておりますので、記録によつて……。
○鍛冶委員長 書いたものでなく、あなたの信念は……。
○杉田證人 私はその根本原因は、税が非常に高いということも、一つの原因である。それから最近における納税思想があまりよい成績を收めておらない。別に低下したとは考えておりませんけれども、二十二年度よりも二十三年度はちよつと上昇しておりますから、低下したとは申し上げませんが決して理想的なものではございません。申告所得税というものを普及宣傳いたしまますことは、なかなか容易ならない大事業で、一年や二年ではなかなか理想的なものにはなつて参りません。しかも税金が非常に高い関係で、納税者は少しでも安くしたいという氣持を持つているわけでございます。それを税務署では高く、正当なものに、適正な課税をやりたいというので、努力いたしてはおりますけれども、そこにいろいろな隘路がございます。隘路と申しますと、これはたくさんございますけれども、まずもつて人に関する問題、物に関する問題、金に関する問題、こういうふうにいろいろなことがあります。そのほかに税務官吏が最近若干素質が低下しておる。こういうこともあるいは事実であるかと思います。ですからして、まずもつて、税務官吏の素質を改善する。それからなお非常に能率が非能率的になつておるということも、これは考えられることだろうと思います。これは訓練とか講習とかいうようなものを頻繁にいたしまして、できるだけよいものをつくり上げて行くようにしなければならぬ。それからまずもつて私がいつも申しておるのでありまするけれども、二百人近くの人間がおりましては、監督も、なかなかこれは通牒やなんかには書いてございましても、実際問題といたしましては、どうもたくさんの人間が外部に出て出張をしている。それを署長が中におつて監督するということはなかなか容易ならざる困難事であります。できないとは申しませんが、これは容易ならない困難事でございますから、まずもつて大宮あたりへ一署を分轄いたしまして、そうして管轄を少くする、納税者を少くする。なおそれに從事する署員の数を分轄によつて減らして行く。そういたしまして監督を嚴重にするということが私は必要ではないか、こう考えております。なお私はこの機会に人の問題につきまして、これは二十三年におきましては、私の方の直税課長はちようど三人かわつております。ちようど一年足らずの間に三人更迭いたしております関係で、こういうような点につきましても、これは上局においてお考えをいただきたい。私といたしましては、課長が栄轉して参りますと、それをしもおさえるというか、やめてくれということはなかなか申しにくいのでございますが、首脳部が三月かそこらでじやんじやんかわつて行くということは、たいへんまずい。それからなおそのほかに、係長の次の個人所得の方の次席、あるいは三席級の者が四人ほど、ごぼう抜きされておる。これは私としては非常に痛いことであります。こういうようなこともできるだけやめていただきたい。それから最近非常に住宅難である関係上、思うようなうまい人事というものができかねるのであります。そんな関係でどうも東京、関東、信越財務局で、近所に畠を持つておらないという関係で、どうも浦和、川口などという所から主任級、あるいは次席、三席級を抜きたがる傾向がありますので、これらの点はよほどお考えいただきたい。さらにまた徴收の方の係りにおきましても、主任を財務局にとられまして、その後任には下から上つて行く。上つて行つた者が今回の忙がしさのために、遂に病氣になりまして、約二月、三月欠勤して、最近になりようやく出て來ました。こういうような状況でございます。次席、三席、主任級が非常に足りないわけであります。
○神山委員 議事準行について——今杉田証人が、お述べになつておるのでありますが、これに対するわれわれのお聞きしたいことはあとで述べるとしまして、すでに四時五分になつております。残り三人の証人の方もおられるので、杉田証人に対する尋問はこのくらいにしまして、三人の方を先にやつて、そのあとでまた質問申し上げたいと思います。
○鍛冶委員長 大体もう終るつもりであります。もう一言聞きたいのですが、今あなたの理由は、あなたとしてはそうだが、先はどから言つたように、なれないそういう三級官の者が調べて來た、それをどうもあなた方、一々なれた人が目を通すことができないとか、それから今言つたような團体の役員とそういう者だけで会わせるというところに根本の原因があるのではないですか。
○杉田證人 実は三級官が調べて参りました事柄を、署長が実態の調査をしないで、テーブルの上でこれを直すというようなことは、実際問題として署長といえどもなかなか直し得ない。これは署長の所へ外部の納税者の方が來まして、高いと言つて來ましても、また私自身がそれじやもう少し引下げてあげましようと言つてすぐ直してあげることは、署長といえどもただちにはできない。よく調査してみた結果、高ければ直してあげましようというので、一應私は課長にもどし、課長はさらにまた担当者の方にまわすということでございますので、そのようにいたしているわけであります。
○鍛冶委員長 それでは一應……。
○赤松委員 二つ確認しておきたいことがあります。(発言する者多し) ただいまの証人の御発言によれば、努力目標としては來ておるが、たとえば財務局やその他からこれだけのものをとれというふうには來ていない。こういう証人の御発言でございましたが、それはその通りですか。 〔発言する者多し〕
○杉田證人 努力目標ということはございません。但しこれだけとれと申しましても、私自身がはたしてこれだけとれるかどうか、これはなかなか……。
○赤松委員 いや、とれるかとれぬかを聞いているのではない。そういうことが上から來ておるかおらないか。
○杉田證人 努力目標というものはあります。あるがこれだけとれと言われても、とれるかとれぬかわからない。
○赤松委員 どれだけとれというわくが示されておるのじやないですか。それを聞いておるのです。
○杉田證人 一應の目安は指示されております。
○赤松委員 目安というのはわくのことか、努力目標のことか。
○杉田證人 努力目標のことです。
○赤松委員 もう一点、再更正はしないということをさつきおつしやつたが、たとえば取引高税なんかに対しても、更正をやつておる事実があるんだが、そういうことはしておりませんね。
○杉田證人 取引高税は……。
○赤松委員 取引高税だけでなく、ほかのものでも再更正はしておるのですか。
○杉田證人 再更正は私の知る範囲におきましては、たとえば再更正ということは仮更正をやりかえすということでございますか。それとも本更正をもう一回やれということでございますか。
○赤松委員 そう。
○杉田證人 本更正をやりまして、さらにまた本更正をやるということはないわけです。私が先ほど申しましたのは、もう一回やるというのはこれは再更正で、御更正というのをやり得る。こういうことになつております。
○赤松委員 取引高税に対しては、あとから來るものは更正決定なるものはしていないということなんですね。
○杉田證人 取引高税は……。
○赤松委員 そういう事実はありませんか。おるかないかということさえ、一言言つてもらえばいい。
○杉田證人 私どもの考えといたしましては、それは本更正をいたしまして、あとまた本規正をやるということは、その必要がないじやないか、こう考えております。二度本更正をやるというようなことはやる必要はないと思う。さて実際問題としてあつたかどうかということは別問題でありますが、私といたしましては、これはやる必要はないと思います。
○鍛冶委員長 これで一應やめましよう。 —————————————
○鍛冶委員長 鈴木政吉さんですか。
○鈴木證人 はい。
○鍛冶委員長 あなたは浦和で自轉車業をやつておられるそうですね。
○鈴木證人 はい。
○鍛冶委員長 あなた方自轉車業者の間でやつておるのは輪業会ですか。輪業組合ですか。
○鈴木證人 輪業組合です。
○鍛冶委員長 あなたはその組合の何をやつておりますか。
○鈴木證人 何もやつておりません。
○鍛冶委員長 單なる組合員ですか。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 あなた方は二十二年度、二十三年度の所得税の申告額と課税額とについて、いろいろ組合間で協議をしたり、運動をしたりせられたそうですが、どういうことでありましたか。
○鈴木證人 二十万以上來た方が集まりまして……。
○神山委員 議事の進行についてですが、先ほどの証人もそうですが、この証人の方も非常にかたくなつておられる。どうぞかたくならないで、しかもありのままのことをはつきり言つてくださるようにお願いします。
○鍛冶委員長 そうかたくならないで、大きな声で言つてください。
○鈴木證人 二十万以上の仮更正の來た方が集まりまして……。
○鍛冶委員長 二十万以上の仮更正の來た者が寄つて、なるべく負けてもらおうじやないかという相談をされたのですね。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 仮更正ですか。
○鈴木證人 仮更正です。
○鍛冶委員長 それまでにどういうことがありましたか。
○鈴木證人 私らは普通の組合員ですから別にわかりませんでした。
○鍛冶委員長 組合としてはそうだが、あなた個人としては調査がどんなふうにされたか。
○鈴木證人 調査に参りました。
○鍛冶委員長 どんな者が参りましたか。
○鈴木證人 川上さんという方が見えました。
○鍛冶委員長 それはどのくらいの官等の者で、何をやつておる人ですか。
○鈴木證人 それはわかりません。
○鍛冶委員長 そこでみな寄つて相談をして、その結果どういうことをいたしましたか。
○鈴木證人 交渉するのにいろいろ費用がかかるので、お金を出し合つてやつてくれというわけでした。
○鍛冶委員長 どれだけづつ出し合いましたか。
○鈴木證人 三千円ずつ。
○鍛冶委員長 出した人は何名おりましたか。
○鈴木證人 出したのは十一名です。
○鍛冶委員長 三万三千円ですか。
○鈴木證人 そのときには持つて行かなかつた。私翌日持つて参りました。
○鍛冶委員長 十一名はみな出したのですね。
○鈴木證人 別だつたのです。私一人で持つて参りました。
○鍛冶委員長 持つて行くのは一人三千円として、十一名がみな三千円ずつ出しましたか。
○鈴木證人 それははつきりわかりません。
○鍛冶委員長 その金はどういうふうに使つたのですか。
○鈴木證人 使つたのは、別に何も報告がなかつたようです。
○鍛冶委員長 役員で使うのですか。
○鈴木證人 交渉委員の方におまかせしたのです。
○鍛冶委員長 交渉委員とはどういう人がなるのですか。
○鈴木證人 これは税務の方に交渉する方を選びました。
○鍛冶委員長 どういう人を選びましたか
○鈴木證人 大堀長吉さんです。
○鍛冶委員長 それは組合の何をしておる人ですか。
○鈴木證人 交渉に当る方です。
○鍛冶委員長 この人は組合の役員ですか。
○鈴木證人 組合の役員じやありません。
○鍛冶委員長 それから。
○鈴木證人 金子徳太郎さん。
○鍛冶委員長 それは組合の何ですか。
○鈴木證人 交渉に当つた方です。
○鍛冶委員長 組合の役員ですか。
○鈴木證人 役員は別にしておりません。交渉に立つた者はその二人だつたと思います。
○鍛冶委員長 大堀と金子ですか。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 由太郎というのは別ですね。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 どういう運動をしたか知らぬと言われるのですね。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 運動をした効果がありましたか。
○鈴木證人 二十六万円が二十三万円になりました。
○鍛冶委員長 それはだれですか。
○鈴木證人 私です。
○鍛冶委員長 あなたのは、二十六万円の仮更正が來たのが二十三万円に減らされたのですか。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 そのほかは。
○鈴木證人 そのはかははつきりわかりませんが……。
○鍛冶委員長 聞いておらないのですか。
○鈴木證人 金子善太郎さんが二十五万か十九万になつたとか言つておりました。
○鍛冶委員長 金子善太郎は組合長ですか。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 徳太郎というのは役員ではないとおつしやつたですね。
○鈴木證人 交渉委員にあげられた。
○鍛冶委員長 金子善太郎と徳太郎は兄弟ですか。
○鈴木證人 兄弟です。
○鍛冶委員長 どつちが兄です。
○鈴木證人 徳太郎さんが兄です。
○鍛冶委員長 これはまけてもらつたといつては何ですが、そういう不当な仮決定だつたのですか。
○鈴木證人 そうです。とても納められない額でありました。
○鍛冶委員長 そういう決定に対してあなた方がはなはだ困ると思うのはどういうところが一番不満のあるところですか。
○鈴木證人 ほかの地区から比較して、浦和は高かつたように思います。
○鍛冶委員長 ほかの地区の同じ業ですか。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 そういうことを調べる人間がむちやをやるとか、事情を知らないとかいうようなことはないのですか。
○鈴木證人 わかりません。
○鍛冶委員長 浦和税務署で收賄罪とか贈賄罪でたいへんたくさんあがつたそうですが、どういうことであがつたのですか。あなたの御承知の範囲で聞かしてください。
○高木(松)委員 議事進行について——この証人は川上の問題で贈賄罪で問われておるのではないですか。あまりおどおどするから……。そういう点をはつきりしないとやはり眞実の証言は得られないのだが、どうもさいぜんから三千円を出しておるという事実がわかつておるのだから、委員長もその点を確めて、あるいは刑事被告人に問われておるかしれないし、また嫌疑を受けておるかもしれないし、そういう贈賄の嫌疑を受けるなり、被告人になるなりの立場があるのではないかということをわれわれは考えるので、特に議事進行について申し上げます。
○鍛冶委員長 いやそれは前もつて前提として言うてあるのです。 あなたが何かそういうことを言うことにおいて困ることがあるのですか。
○鈴木證人 別に困りません。
○鍛冶委員長 浦和の檢察廳、警察で贈賄の嫌疑で調べられたことがありますか。
○鈴木證人 調べられました。そして一晩とまりました。
○鍛冶委員長 そういうことで言いにくいならば言いにくいと言われればいいのです。答えなかつたり、口の中でもぐもぐ言つておつては困るので、そういうことははつきりしていいのです。どういう事件ですか、今起つておるのは。
○鈴木證人 私は吉岡の事件で調べられました。
○鍛冶委員長 そこでどんなことをやつたのですか。
○鈴木證人 私のお得意に榎本三郎さんという方がおりまして、その方が來まして、実は自分の親戚で自轉車が一台欲しいが、勤めをやつておるので一回には買えないから、三回くらいにして賣つていただきたいと言いました。私も現金でなくては困ると言いましたが、そうしますと何とかして三回で賣つていただきたいと言つて、日は忘れましたが五千円持つて來ました。そうしてちようど、半月ほどたちまして、うちの若い衆が榎本三郎さんのところへ自轉車を届けました。そうしますと四、五日たちまして、実は私は吉岡という者ですが、榎本さんのいとこに当ります。自轉車をいろいろ世話してもらつてありがとうとお礼に來ました。それから少し過ぎて、税務署へ行つて見たら、何か用があつたらまた來てくれというようなことでそのままになりまして、ちようどまた榎本さんが参りまして、二月、三月、四月と三月で拂うようなわけだつたのですが、榎本さんと吉岡さんはいとこの関係にありまして、どうも親戚で、自分が請求するのはしにくいから、自轉車屋の方に直接拂うようにしてくれということだつた。それから直接來まして吉岡のおとうさんが三月十五日ごろ五千円届けました。都合一万円いただきました。そうしますと、榎本さんが二、三日たつて來まして、どうも金が忙しいから自分で貸越した五千円を返してくれというので、それを返しました。あとはもし吉岡が拂えない場合は自分が責任を負う、親戚関係でどうも請求しにくいから、直接とつてくれということで、それから税金がいろいろやはり税務署に出ておりましたから、吉岡さんが税金がたいへん來たろうというわけで、自轉車の方は月賦で骨折つてもらつているから、何か骨折つてやろうという、通知書を見せてくれというので通知書を渡しました。それから三月の末、三十日ころ同僚で課長さんの子供さんのお祝いをするので、金が足りないから千円貸してくれと言つて來ました。それから貸したのですが、ちようど四月の一日に警察にあがりました。
○鍛冶委員長 榎本というこの人の知り合いの人が來て、親戚の者で役所に出ているが、通うのに自轉車がないと困るので、月賦で販賣してくれと言つて來た。現金でなければ困るがと言つておつたが、五千円だけ持つて來たので、それで一万五千円で自轉車を渡した。そうしたらその次の月に五千円を吉岡のおやぢが持つて來た。そのときに吉岡という若い者が來て、私は税務署に出ているが、何か頼みたいことがあるならいつでも來いと言つた。そのあとで榎本はあの五千円は私は立替えたが、親戚の間でどうしてもとれぬから、おれにもどしてくれ、そうして君の方でそれをとつてくれ、こう言つて五千円とつて行つた。一万円残つておつたわけだね。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 そのうちに課長の子供のところへお祝いせんならんので、金が要るから金を貸せと言つて千円持つて行つた。そうすると結局あなたは一万千円被害をこうむつているわけだね。
○鈴木證人 そうです。
○鍛冶委員長 そのうちに警察へひつぱつて行かれて、この人も参考人としてひつぱられた、こういうのですね。そういうようなことは吉岡だけでない、ほかにもいろいろ浦和にたくさんあるのではないですか。
○鈴木證人 吉岡に四、五人あるらしいですね。
○鍛冶委員長 吉岡だけじやなくて、吉岡には四、五人かかつた者がいる、ほかの者では……。
○鈴木證人 ほかの者ではよくわからないですが。
○鍛冶委員長 もう一つ聞きたいのは、組合幹部とか、こういう交渉委員であつた者がよけい負けてもらつて、ほかの者は負けてもらわぬというような事実はありませんか。
○鈴木證人 はつきりわかりませんですが……。
○鍛冶委員長 組合の方で組合員の何か納税の序列表なんかをつくつて税務署へ参考に出すそうですね。
○鈴木證人 私は全然そういつた方面へ出てないものですから……。
○鍛冶委員長 組合の役員だの、そういう人と税務署の役人と始終会つて相談したり、だれにいくらかけたらいいとかいうようなことを相談していることはありませんか。
○鈴木證人 全然私は相談を受けません。
○鍛冶委員長 受けぬでも、そういうことを聞いておりませんか。
○鈴木證人 この事件が始まつて聞きました。
○鍛冶委員長 どういうことを聞いたですか。——ありのままを言えばそれでいいのです。
○鈴木證人 それはちよつとわからないですけれども……。
○鍛冶委員長 それじやいいでしよう。あなたは考え考え物を言うからそういうことになるので、聞いたことは聞いた、覚えがあることは覚えがある、ないことはないと言えばいい。
○鈴木證人 先月の二日から警察に呼ばれて、夜も休めないものですから……。
○鍛冶委員長 それでは一應いいでしよう。元へもどつてください。 —————————————
○鍛冶委員長 藤倉新吉さんですね。
○藤倉證人 そうでございます。
○鍛冶委員長 あなたは浦和で自轉車屋をやつておられるそうですね。
○藤倉證人 そうです。
○鍛冶委員長 浦和では自轉車屋さん方が輪業組合というものを組織しておられるそうですね。
○藤倉證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 それはどのくらい会員がおりますか。
○藤倉證人 浦和ではもと二つになつておりまして、埼玉縣自轉車協同組合というものがあつて、その下に浦和支部があります。そのまた支部の中に與野組合、浦和組合、足立組合があり、その一つが浦和にできております。浦和には浦和市と土合村が入つておりまして、四十六、七ございます。
○鍛冶委員長 埼玉輪縣業組合支部ですか。
○藤倉證人 埼玉縣自轉車協同組合浦和支部というので、組織は九十三名でございましたが、今八十七、八名であります。
○鍛冶委員長 それが一つと、もう一つは何ですか。
○藤倉證人 もう一つは浦和輪業組合です。
○鍛冶委員長 浦和輪業組合は同名ほどおりますか。
○藤倉證人 四十六人ぐらいだと思います。
○鍛冶委員長 あなたが組合長をやつたというのは昨年ですか、一昨年ですか。
○藤倉證人 本年の一月までやつておりました。
○鍛冶委員長 去年からですか。
○藤倉證人 いいえ、昭和九年からです。
○鍛冶委員長 えらく長いですね。
○藤倉證人 三十年ばかりになります。
○鍛冶委員長 役員は何人おりますか。
○藤倉證人 役員は浦和輪業組合として組長に副組長、それから幹事二名、それだけであります。
○鍛冶委員長 そうすると四人ですね。
○藤倉證人 さようでございます。そのほかに評議員というものがございます。
○鍛冶委員長 実際の仕事はその四人でやつておるのですね。
○藤倉證人 そうです。そのほかに税務員というのができております。
○鍛冶委員長 それは何人おりますか。
○藤倉證人 税務員というのは、私のやつている時分は三名でございました。
○鍛冶委員長 名前を言つてください。
○藤倉證人 それは金子徳太郎、鈴木忠男、大堀長吉の三名の税務員です。
○鍛冶委員長 何をするのですか。
○藤倉證人 それは税務署から税金の相談を受けまして、本年はどのくらい税金を拂うという相談を皆さんにします。そうして皆さんの表をまとめて税務署に出して折衝します。
○鍛冶委員長 昭和二十二年度並びに二十三年度の所得税決定、それから申告等について、組合で大体どんなことをいたしましたか。
○藤倉證人 二十二年度は組合の役員が寄つたところに税務署の方が來ておられまして、今度の税はこうなつたという説明をしておられました。そうして税率や何かを示してもらつて、組合員に諮るようにという指示がございました。それから組合員に諮つて、組合員の希望によつて大体税金をどのくらいときめまして、それを税務署へ出しました。そうすると、これは少し少いから二割ぐらい増さなくてはいけない——二割か一割五分か忘れましたが、そういうことで、その程度皆さんに増してもらうように話しまして、そうして税務署へ出しました。
○鍛冶委員長 それは税務署からあなた方の組合の四十何人でこれくらいの税金を納めてもらわなければならぬということを指示するのですか。
○藤倉證人 それはなかつたのです。
○鍛冶委員長 どういう指示をするのですか。
○藤倉證人 それはおよそ一人がこれくらいという程度で、指示といつたところで、別に完全なものではなかつたのです。
○鍛冶委員長 個人としてこれくらいというのですか。組合員全体としてこれくらいというのですか。
○藤倉證人 そうではなく、個人としてこれくらい……。
○鍛冶委員長 ところが本年になつて本更正が來たら、あなた方二十万円以上決定になつた人が寄つて相談せられたそうですね。
○藤倉證人 本年のことは私は知りません。
○鍛冶委員長 昨年はどうでしたか。
○藤倉證人 私は本年一月に任期のためによしまして、本年は金子さんが当事選して支部長になつたわけです。それで昨年のことは、もしこれにたくさんの間違いがあれば、あそこに娘が來ておりますから補足させますが、およそ昨年の九月末と思いました。そのときは税務署でなく地方事務所から税金の交渉があつた。それで地方事務所へ行つて大体見せてもらつたら高率な税金であつたので、私ども税務員と一緒に行つた。なお税務員の中に飯田さんというのが支部長でありましたから、支部長もまじつて話をしました。その結果、こつちでも人員表をつくつたり何かして出して、そうしているうちに税務員の中で、藤倉は法人であるからこれは省かなければいけないというので、私は省かれました。省かれると同時に、私には一切税務の相談はなくなつた。あとは他の方がやつた。こういうことになつております。そして本年は、君が省かれることになつている。そして他の人はこういうことになつたからということで、地方事務所でそれを一回見せてもらいました。それでその後に今度は税務署の方から税金の決定が來たが、その節には一切私には話がない。それで私も、組長は総務員と一緒に仕事をすべきであるということを感じておりましたが、一切の話なしに、君は法人だから省いたという、そういうことがございました。その後に組合員から、藤倉は税務については冷淡だ、自分は法人なるがゆえにどうも一般についてはかまわない。これはうそかほんとうかわかりませんが、そういうことがちらちらと私の耳に入りましたので、これはいけないと思つて、本年はもう絶対に組合のことには努力しないと言つて手を引きました。それですから税務については、その後のことは私を省いておりますので、私にはわかりません。
○鍛冶委員長 去年は税務署から相談を受けましたか。
○藤倉證人 昨年は一旦私の方で表をつくつて出して、それにこれでは少いからといつて二割くらい増して出しました。それを出しておるとそれの倍額くらいの更正が來ました。そのときに私どもとしては、なるべく税務のことだからというので、皆さんに我慢して納めてもらいました。その結果、藤倉は骨を折らなかつたということになつたらしいのです。
○鍛冶委員長 そういう二倍の決定をして來たのを納めたんだから、あなたは骨を折つたんじやないのですか。
○藤倉證人 それは二十二年度でございましようけれども、二十二年度は、私どもがやるときにはある標準をつくつて、それを二割増しくらいしなければ通らないというので、税務署には二割増しとして出しました。出したところが、そのときも倍になつて來た。そのときに私がなるべく我慢して納めろと言つたために、藤倉は冷淡だというふうにそのときから言われている、こういうふうに考えております。それで二十三年度の税の決定については、私は知りません。
○鍛冶委員長 倍に決定して來たのを、納めたのですか。
○藤倉證人 そうでございます。
○鍛冶委員長 負けてもらえなかつたですか。
○藤倉證人 負けてもらいました。それは税務員がおりましたから、高い人は負けてもらいました。
○鍛冶委員長 それは本更正が來てから負けてもらいに行くのですか。
○藤倉證人 二十二年度には本更正はありません。仮更正です。
○鍛冶委員長 仮更正が來て、それを行つて頼んで負けてもらつて本更正が來るのですか。
○藤倉證人 仮更正が來て……。ちよつとそこのところははつきりしません。
○鍛冶委員長 それでは今の新しい幹部がどういう運動をしたか知らないのですか。
○藤倉證人 そうです。昨年の九月の月末に、地方事務所で税金の最後の更正をした幾から私のところが省かれて、法人ならばいかぬということで省かれて、そして個人をまとめたものを税務員が更正して、それを決定した。ですから十月後は知りません。
○鍛冶委員長 近ごろになつて、浦和税務署でえらい事件が起つたのをお知りでしようね。
○藤倉證人 それは起るまで、だれも話してくれませんでした。新聞を見て氣がついたというような程度でした。
○鍛冶委員長 それでその後どういう内容の事件か、こまかいことはよいのですが、大体においてお聞きになつておりませんか。
○藤倉證人 内容は聞いておりません。
○鍛冶委員長 あなたの方には全然関係はなかつたのですか。
○藤倉證人 関係はございません。
○鍛冶委員長 あなたは法人だが、やはり個人の所得は幾らかかかつているんでしよう。
○藤倉證人 個人はございます。これは家庭の事情ですけれども、私のところは正直の話が、養子でございます。そしてせがれと孫とが小賣をいたしております。孫が戰争中学校から学徒動員で工場に行つておりました。そのために学校はろくろくできずに卒業しました。それでこれはつぶしがきかぬというので、自動車の修繕をさせた。ところがこれが身体が弱くて一昨年やめました。そして、病氣がなおつてから、兄が法人の方の修繕をやつておりますから、弟とともに、ほんとうにかすかな卸屋、御用聞きのような自轉車のけつにつけて卸す程度のことを始めました。その方は藤倉和夫となつて別に來ておりました。ところがそれも卸屋だからといつて省かれました。
○鍛冶委員長 あなた個人の所得はありませんか。二十二年度でよいのですか。
○藤倉證人 それはどの程度あるか、こまかいことはわかりませんが、もし何でしたらここに娘がおりますから……。
○鍛冶委員長 二十二年度にかかつて來た税金は覚えておりますか。
○藤倉證人 個人所得はよく覚えておりませんが、私の店は娘と養子とにまかせておりまして、そういう支拂いはみな娘にまかせておりますので……。
○鍛冶委員長 二十二年度に、あなたは二万五千円で済んだと言つている人がいるのですが……。
○藤倉證人 そのことは聞いておりますが、これはこういうわけでございます。孫が二十二年の一月まで與野の日産という自動車会社へ修繕見習いに行つておりました。ところがそれが身体が弱くて三月によした。しばらくぐずぐずしておりましたが、七月ごろに幾らか身体も達者になつてよいからというので、ぼつぼつ自轉車のけつにつけてごんぼうでも賣つてみようというので、それを始めさせた。そうすると孫は、少し嚴格な氣性なものですから、どうも営業を受けずにやるというのはぐあいが惡いというので、七月ごろと思いましたが、自轉車の卸——ネジの卸というようなものですが、御用聞きをやらせた。その年の暮に税金が來まして、その税金は十万五千円か來た。ところが卸屋といつても簡單な、自轉車のけつにつけて賣つて歩く、あした仕入れてあさつて賣るというようなもので、その内容を税務署へ行つて訴えまして、二万五千円に負けてもらつた。
○鍛冶委員長 あなたが……。
○藤倉證人 これは娘であります。そのときちようど志木町に志木支部というのがありまして、大宮に大宮支部というのがあり、その支部長が税務署にいて、その人も実際この人はその資格はないよと言つてくれまして、それで引いてもらつた。
○鍛冶委員長 小賣だから、卸だからと言つて引いたのですか。
○藤倉證人 そうではないのです。始めて六月ごろ——春まで実際勤めていたのは事実です。その後病氣には実際かかつていたのだから、半年ぐらいしかやれない。半年ぐらいではそんなに商いがあるものではないというので、大宮の志木支部長が一諸に税金のことで税務署へ行つていまして、そのときにちようど娘が参りまして、その人が確かにそんなに商いがないということを証明してくれまして、引いてもらつたのです。
○鍛冶委員長 世間では、あなたは輪業組合の役員をしておるから、ほかの者は負けてもらえぬが、あなただけは四分の一以下になつた。こう言つておるのですが、そういうわけではないのですか。
○藤倉證人 そういうことはありません。事実はそういう関係で、商賣を幾らもしていなかつたのです。
○徳田委員 今度の埼玉事件をあなたが全然知らないというのは、おかしいではないですか。埼玉ではずいぶんいろいろな評判があるのですが……。
○藤倉證人 それは新聞を見て知つた程度です。
○徳田委員 そうですかね。世間では、浦和では酒を飲んで歩いたり、女を連れて歩いておると、あれは税務署員だと言うくらいじやないですか。それを知らないですか。
○藤倉證人 知りません。それは正直な話、小賣の方はせがれにまかせてやつております。ほかにあまり世間に出ておりませんから、そういうことは聞いておりません。
○徳田委員 世間ではずいぶん評判になつて、浦和では税務署の事柄に対して知らぬ男は、よほど頭のおかしい男か、世間知らずでなければと言つていますがね。
○藤倉證人 現在ではよく知つております。あちらこちらから聞いておりますけれども、その事件の起つた当時は少しも知りません。
○徳田委員 輪業組合だけでなく、世間一般、普通だれでも税を納めるのだから、自轉車屋さんだけ税を納めるわけではない。世間隣り近所みなだれでも税を納めている、それも聞いていないのですか。
○藤倉證人 それも聞いておりません。それはその後に浦和組合をよしまして、少しもそういう方には、つまり商工会議所の用とか何とかいうことは、新組合長がやつておりましたので、私は知りません。
○徳田委員 商工会議所のことはやつておつたのですか。
○藤倉證人 いいえ、やつておりません。新組合長になつてから全部足を洗つた。足を洗つたどころでない、全部名義を消しております。
○徳田委員 あなたが組合長のときには、税務署から税に関しての諮問を受けましたか。諮問というのは、お前さんの方の組合は税務署でつけた、一等はだれ、二等はだれ、三等はだれ、大体平均はこれくらいだということに対して、税務署から君もこれでいいかどうかということを聞かれたことがありますか。
○藤倉證人 それは税務署の方から、組合員の序列を出せということがありまして、それによつて出しました。つまり順位表ですね。そういう表を出せということはありました。
○徳田委員 税務署の方から。それは諮問じやなくて作成ですね。あなたの方から出すんですね。名前を書いて、大体税はこれくらいということをあなたの方から出すのですか。
○藤倉證人 税務署の方は、私のやつている当時は、どれくらいということは出しません。名前を書きまして、一番は一〇〇%、それにパーセンテージをつけた序列を出しただけです。
○徳田委員 あとは全部相談を受けない。
○藤倉證人 何にも相談を受けないというのは、やつている当時ですね。序列については相談を受けて税務署と折衝しました。
○徳田委員 一〇〇%が一%幾らというわけではないのですか。
○藤倉證人 ただ一級は一〇〇%だけで、幾らということはない。
○徳田委員 そうすると税はどういう……。
○藤倉證人 それは税務署の方で見立ててくださると思います。商工会議所もそういうふうに指示してやつて來ております。
○徳田委員 そうすると、あのパーセンテージに当てはめる元金額は、税務署が勝手に、あなた方に全然相談しないのですね。
○藤倉證人 当てはめるときは相談しません。
○徳田委員 当てはめて後はどうですか。
○藤倉證人 後は高かつたら組合が交渉をして、それに準じて下げてもらう。
○徳田委員 それは個人的なものですか。
○藤倉證人 それはこういうふうに記憶しております。私のやつている一昨年当時は、團体折衝は受けないということになつておりました。昨年の分は團体折衝を受けたらしいのですが、一昨年は團体折衝は受けないと言つて断られました。
○徳田委員 それで。
○藤倉證人 それで本年は受けたかどうか。昨年分はわかりませんけれども、一昨年の二十二年度の分は、團体折衝を受けないと言つてはつきり断わられました。
○徳田委員 それで。
○藤倉證人 それで、個人で折衝するよりしかたがないということになりました。
○徳田委員 そうすると、あなたの方で序列をこしらえて、一〇〇%か何パーセントか知らないが、ずつとこしらえて出して、それきり。
○藤倉證人 そうでございます。
○徳田委員 それにあなたはそれの金額が來たから、今度折衝してま負けさせてもらつたというか、あなたは組合としてやつたのではない、個人的にやつたというのですか。
○藤倉證人 一昨年はそうでございます。個人的に……。
○徳田委員 銭は全然関係しませんか。
○藤倉證人 個人的に出したのを、取次ぐ程度はいたしました。取次いで、その後釈明する程度はいたしました。
○徳田委員 それならば團体折衝している……。
○藤倉證人 個人的に出したものを組合が税務署へともに打つて釈明して……。
○徳田委員 釈明するというのが折衝なんだ。
○鍛冶委員長 出したというのは異議の申立ですか。
○藤倉證人 個人で、この人は高いと言つた人だけを……。
○徳田委員 ちよつとわけがわからない。それではちよつと困るのですが、要するに両うへ持つて行つて金をあてはめて來る、そうするとあてはめて來たものは個人的のものだけ折衝する、こういうわけですね。
○藤倉證人 團体で全部の折衝は受けなかつたのです。一昨年は、これをこうかえてくれということは、全部だと受けないということでありましたから。
○徳田委員 だから不平があるものだけやつた。こういうわけですね。
○藤倉證人 そうでございます。
○徳田委員 しかしそれはおかしいじやないか。パーセンテージは君の方でつけたんだろう。それが正当ならばみな折衝しないで、いわゆる基礎的の一%にいくらかかるかという数字によつて決定せられるのであるから、全部を問題にしない限り、個人的の問題にするという法はないじやないか。
○藤倉證人 ごもつとものようですけれども、私の方は一旦出たものを下げてくださいと言つて交渉するので、團体交渉は受けぬと言つて断わられてみますと、お役所へ行つておかしいですと言つても、團体では受けてくれなければしようがない。受けてくれてこそ、そういうことになるのです。
○徳田委員 そうすると、りくつには合わないけれども、しようがないからやつた、こういうわけですか。
○藤倉證人 そうでございます。
○徳田委員 それではまあいいでしよう。それでこれはどうなんです。こういうものが來て、これが更正決定になるわけですね。そのときには更正決定の通知が來てから……。
○藤倉證人 ちよつと、それは本年度だけなんじやないですか。更生決定というのは昨年じやないですか。
○鍛冶委員長 二十三年のは今年の二月來るのですから、二十二年のは去年の二月にあつたはずです。
○徳田委員 しかし更正決定というものは通知が來なければ自分が納めるかどうかわからない。その通知が來たかというのです。
○藤倉證人 それは來て、それによつてわかつたのです。
○鍛冶委員長 さつき更生決定が仮決定のときにわかつたという……。
○徳田委員 仮決定というものはないのです。あれは二十二年であまり更生決定が一遍に來てみな驚いて大問題になつたから、二十三年度からは更正決定を二度にする、最初のものは仮決定と言い、次のものを本決定と称しているだけです。
○鍛冶委員長 やはりそれならば去年の二月に來ているはずです。
○藤倉證人 そのときに、つまりそれは團体は受けないというので、個人的のものをできる限りでこぼこであるという意味から何して……。
○徳田委員 だから更正決定が來てからでしよう。
○藤倉證人 來てからです。
○徳田委員 そこが大事なんです。更正決定が來てからやつたわけなんでしよう。
○藤倉證人 そうでございます。
○徳田委員 それでまけてもらつたわけですね。
○藤倉證人 そうでございます。
○徳田委員 そうすると、前にこういつた話はありませんでしたか。あなた方の組合で大体三百万円とか、四百万円とか、これだけ負担してもらわなければならぬが、どうだろうという交渉を受けたことはありませんか。
○藤倉證人 それは記憶ございません。
○徳田委員 あなたは地方事務所へ行つて、今度の話はどうだこうだと言われたというのですが、その内容はどうですか。
○藤倉證人 地方事務所へ行きましたときは、これは昨年の九月月末と思います。
○徳田委員 一昨年でしよう。
○藤倉證人 二十二年度のを二十三年度に調整するのじやないですか。
○徳田委員 事業税じやない。最初は地方事務所から呼ばれて、今年の税はああだ、こうだと言われたと言うのだね。
○鍛冶委員長 昨年の九月ですか。
○徳田委員 税務署のことを聞いている。
○藤倉證人 しかしそれはこう申し上げたのです。昨年の九月、事業税の……。
○徳田委員 それならば税務署からはあらかじめこれくらいのものはやはりとらなければいかぬとか何とかいうことはないのですね。
○藤倉證人 二十二年度はありませんでした。
○徳田委員 それは間違いありませんね。あとで間違いがあつたらたいへんだ。
○藤倉證人 ええ。
○徳田委員 たいがいどこでもあつた、みなあつたんだから、君のところだけなかつたということなんだが、あとであるということになるとたいへんだ。それは承知だね。
○藤倉證人 二十二年度はいくらということは聞きません。
○徳田委員 ではお尋ねするが、あなたのところでは去年も今年もだが、更正決定ののちに、更正決定をして今度納めて、そののちにさらにもう一遍補正決定というものが來たことはありませんか。去年も今年も。
○藤倉證人 それは私は知りません。
○徳田委員 納めてのちに督促状が來た覚えはあしませんか。
○藤倉證人 それは記憶ありません。
○徳田委員 そうすると、何らのトラブルもなし、困難もなしに、すつすつと納めてそれで済んだのですか。
○藤倉證人 それはそういうふうに記憶しております。
○鍛冶委員長 あなたのところは大体個人の所得はなかつたのでしよう。
○藤倉證人 それはおそらく孫の話でしよう。
○鍛冶委員長 この人は法人だからといつて省かれたと言つている。
○徳田委員 だからそれは個人だつて何だつて、そんなことを言えば調べてもなんにもなりはしない。自分だけのことを聞いているのじやない。
○鍛冶委員長 それをはつきりしないと、この人のだと思つたら、おれのはなかつたと言うから……。
○徳田委員 あとから修正が來たということですね。督促もございませんか。
○藤倉證人 修正もなければ督促もない。
○徳田委員 それでは、こういうことを聞きたいのです。実際あなた方の税を納める決定をする前に、個人々々にあなたのところに調べに來たことがありますか。あなたの家に、孫だろうが、ひこ係だろうがかまわぬけれども、あなたの家にこれだけの收入があると言つて調べに來たことはありませんか。
○藤倉證人 ございます。
○徳田委員 それならどんなことを聞いておりますか。
○藤倉證人 それは商賣の内容とか、どれくらいあるとか、簡單に聞くだけでございます。
○徳田委員 商賣の内容……。
○藤倉證人 つまり、お役所のことですから、このくらいあるだろうと言つて聞くだけで……。
○徳田委員 そうするとこれはそれだけで課するわけでない。みな必要経費というものを引かなければ税というものは成立たない。大体收入からちやんと必要経費を引かねばならぬ。基礎控除も。これは規定的にやれるけれども、必要経費というものをどうきめるかということが非常に重大なことになる。それを聞かないんですか。
○藤倉證人 ごもつともな御意見で、そういうことは聞いております。けれども、必要経費というものを書かずに、大体これだけが所得だとして出すのが一番早わかりだという意味で出してしまいます。
○徳田委員 そんなことは全然聞かないんだね。
○藤倉證人 そういうこまかいことは記憶ありません。
○徳田委員 すると、君のお孫さんのところに十万何千円とか最初に來たときに、それはその調べを基礎にしてやつたのか。
○藤倉證人 それはこつちからこれだけという表を出しまして、税務署に娘が話しに行つたんです。行つたときに、やはり大宮の方の支部長も行つてくれまして、なるほどそうはありつこないということを証明してくれた。
○徳田委員 それはあとのことだろう。
○鍛冶委員長 それは調べに來た後のことだ。今ここで聞いているのは、決定前に税務署の役人が調べに來たでしよう、そのときの内容を聞いておられるんで、だから商いを聞くと同時に必要経費も聞いているはずだが、聞かなかつたか、こう言うておられる。
○藤倉證人 それは聞いたかもしれないけれども、過ぎ去つたことですから忘れました。
○徳田委員 必要経費を聞かれるか聞かれないかというのは君らの命とりなんだよ。税が低くなるか高くなるか、これにかかつている。それが覚えがないというのは、税に関して調べられたことをほとんど自分で当つていないのじやないか。
○藤倉證人 ところが、こういう結果もあるのでございます。必要経費はわれれわれしろうとがこしらえたものですから、必ずしも完全に行つておりません。行つてない場合に、これは必要経費でないとなると利益の方に持つて行かれちやうのです。ですから、必要経費を書かずに出すのが一番……。
○徳田委員 大体最初税務署が調べに來たときに、必要経費のことを調べて、あなたの方で必要経費のことを言つたかと言うんですよ。
○藤倉證人 それは営業の方ですから、ここに娘が來ていますから、娘が……。
○徳田委員 あなたは何にも実際知らないんだね。知らなければ知らないでいいんだよ。知つているような顔をしているから……。 もう一つ聞いておこう。それはこういうことなんです。あなたが組合長をしていたときに、組合員との間にいかにして今度の税を納めるか、どういうふうな等級にしてどうするかというような相談をしたことがありますか。
○藤倉證人 それを相談するのが税務員の役です。税務員というのが三人もいるんですから、それを私と一緒になつて相談しております。
○徳田委員 それはどういうふうな相談をしました、二十二年のときには。
○藤倉證人 二十二年のときにはあちこちどこが幾ら來た、だれのところに幾らかかつて來たというのを調べまして……。
○徳田委員 それなら、あとだね。かかつて來たというならば、確定申告のことだね。
○藤倉證人 そうでございます。
○徳田委員 その前にはやらないね。
○藤倉證人 前にはやりません。これはお答えしておきますが、二十二年度には浦和税務署では決定前には交渉は一切受けないと言い切られております。決定が來てから、組合員の來た人の、お前は幾ら來た、お前は幾ら來たというのを調べまして、中にがまんきる人はがまんしてもらう、高いからがまんできないという人は組合がつきそつて、その人の分をまけてもらうべく奔走いたしました。
○徳田委員 それが税務員の役目ですね。それで、あなたもそのときにこれが高いか安いかということを調べたわけですね。
○藤倉證人 それはそこに序列表ができていますから、それにあてはめればすぐわかります。税務署に出した表を残してあります。
○徳田委員 今のあなたのお話では、決定が來てから、これは高いか、安いかということをやつたということですけれども、しかしその前にすでに君らは序列をきめるためにやつているはずではないか。個々に來て始まつたと言うけれども、私はそこを言うのじやない。この序列をきめるときに、最初に今年の税はどういうふうにすればいいか、だれが一〇〇%になり、だれがどうのこうのということを諸君が相談しなければできないはずなんだがな。
○藤倉證人 それは相談します。
○徳田委員 それをしたかと言うんですよ。
○藤倉證人 しております。
○徳田委員 最初に相談するときに一〇〇%とか、九〇%とか、だんだん序列をつくるときにどうしているか。
○藤倉證人 それは税務員が表をつくりまして、組合員を全部呼んで、そこでお前のところはどのくらいというのをお互いに明かして、話してやります。すると、それが一日くらいで終えなくて、夜の十二時までもかかつたことがございます。
○徳田委員 それは最初につくるのは幹部だけでつくるのですか。
○藤倉證人 つくるのは幹部でつくつて、つくつたものを見せて、また訂正します。
○徳田委員 すると、つくる前に税務署との交渉は全然ありませんか。
○藤倉證人 それはございません。税務署から序列を出せというのが來てからつくりました。
○徳田委員 すると、組合口員でだれが重く背負つて、だれが少く背負うかというだけですね。内部でどれくらいあれするかということは全然わからず、めくらめつぽう。それだけですね。それ以外全然ないですね。
○藤倉證人 そういうことになります。
○徳田委員 間違いありませんね。
○藤倉證人 間違いございません。
○佐々木(秀)委員 ちよつとお伺いいたしますが、昭和二十二年度の税の決定の当時は、あなたは組合長をしていなさつたのですね。
○藤倉證人 はい。
○佐々木(秀)委員 あなたを中心として税務員と称する三人の方で、各組合の税率と言いますか、指数をきめて税務署に持つて行かれた。そうしたところが税務署ではこういう指数ではいかぬ、二割ぐらい増してくれなければいけないという話があつたことは事実ですね。
○藤倉證人 事実です。
○佐々木(秀)委員 そうすると二割を増してもらわなくちやいかぬというのは、金額を見ての二割ですか、指数だけの二割ですか。
○藤倉證人 それは指数は指数、金額は金額で別になつております。
○佐々木(秀)委員 そうでしよう。それを見なければこれではただ二割増してくれということはできないはずだと思う。徳田君の質問はそこを聞きたいのだ。金額はあるのです。あつたから二割くらい増してもらわなければいかぬという話が出たと思うのです。
○藤倉證人 そうです。
○徳田委員 いやさつきは金はないと言つた。絶対にないと言つた。
○佐々木(秀)委員 そこで二割ぐらい増さなければ今年は通らぬぞと言われた。その通りですね。
○藤倉證人 その通りです。
○佐々木(秀)委員 それで二割ぐらい増して持つて行つたところが、二割増しでなくて倍額になつたというあなたの証言だつた。
○藤倉證人 そうです。
○佐々木(秀)委員 そうするとすでにあなたが組合長をなさつていた当時は、ただ指数だけでなく、指数はきめましたが、個人々々のある程度の金額がわかつていたはずだと私は思うのですがね。それはどうですか。
○藤倉證人 個人々々は個人の意見を聞いて出しました。
○佐々木(秀)委員 指数の出ると同時に税務署であれするということの金額もわかつているはずだと思う。
○藤倉證人 申告したわけです。
○鍛冶委員長 申告をして相談して出したのですか。
○藤倉證人 そうです。
○佐々木(秀)委員 それでわかりました。要するにその金額は全体として税務署から來たので、組合員に対してはやむを得ないから、今年度は納めなくちやならぬということで納めさせた。そのためにあなたが、税務署との交渉がなまぬるいという輿論が起きて組合長をやめなくちやならぬという結果になつたのでありますね。
○藤倉證人 そうです。
○佐々木(秀)委員 わかりました。そうすると最初の指数をきめて二割と言われたときには、大体税金の額はわかつておつたのですね。
○藤倉證人 そうです。
○佐々木(秀)委員 わかりました。
○神山委員 一つ二つ聞いておきたい。今証人のお話によりますと、昭和九年から本年の一月まで組合長をやつていらつしやつたということは間違いないですね。
○藤倉證人 間違いありません。
○神山委員 そうしますと、大体組合全体の動き、組合がどういう状態にあるかということは御存じだつたのですね。
○藤倉證人 たいがい知つております。
○神山委員 けつこうです。その次にこれもあなたがおつしやつたことでありますが、税務員が三名いた。その税務員と相談してあなたが税金の問題についていろいろ処理した。これも間違いありませんね。
○藤倉證人 間違いありません。
○神山委員 これが間違いなくてさらに間違いないことは、一つの事実としてあなたが税務署ですか、地方事務所ですか、飯田さんと一緒に折衝に行かれたということも事実ですね。
○藤倉證人 事実でございます、地方事務所です。
○神山委員 佐々木君の質問で私の質問の一つは、なくなつたのですが、先ほど徳田書記長があれほどあなたに食い下つたのは、あなたがパーセントしかないと言つたにもかかわらず、事実は当然金額がこれについておつたということを聞きたかつたのでありますが、その点は佐々木君の尋問に対するあなたのお答えではつきりしたから聞きませんが、金額がついていたということをあらためて事実として確認願いたい。
○藤倉證人 ちよつとただいまのところ、金額ばかり出したのと、その下に出したのと二つあります。
○神山委員 わかつております。もう一つ聞きたいのでありますが、あくまでもあなたは二十二年の税金の問題については前もつて相談がないということを盛んに言われるのでありますが、それはあなたのおつしやる通りとしまして、あなたの先ほどのお話の中に、税務署から組合員が全部集まつているところへ來て、税の問題についての説明を聞いたということは事実ですか。
○藤倉證人 事実でございます。
○神山委員 そこでみんなの希望によつて個人として、どのくらいということをきめた、あるいは話し合つたというふうに先ほどお話があつたが、それも事実ですね。
○藤倉證人 それは話合いました。
○神山委員 大体個人としてどのくらいということになれば、組合長の立場から見れば、あるいはまた税務員の立場から見れば、全体としての計算が出て來ることも事実じやないでしようか。そういうことですね。
○藤倉證人 そうです。
○神山委員 そうしますとあなたは大体自分の組合に対してどの程度のものが割当てられて來ているかということは、当然知つていらつしやつたわけですね。
○藤倉證人 数字に現われるわけになります。
○神山委員 パーセントにも数字にも現われることになります。私たちが聞きたかつたのはまさにその点なのであります。そうしてあなたが今までどういうわけかこの点を言いたくないように私たちは受けとらざるを得なかつた。そこで念のためにお聞きしたいのでありますが、その総額は幾らであつたか。
○藤倉證人 それはちよつと忘れておりますがね。
○神山委員 大体の額をおつしやつていただきたい。
○藤倉證人 大体の額はちよつと忘れましたが、額は幾通りにもなつております。初めから出したのとよけいになつた額、決定の額ということになつて、私のやつております時代のものは事務所にも私のうちにも残つておりますけれども…… (「記憶のないことは言わぬがよい」と呼ぶ者あり〕
○神山委員 記憶のないことを言うなとほかから援兵が出ましたが、しかし証人が先ほどから言われておりますことは、自分はよく知らないけれども娘も來ているし、養子も來ていると言われておりますから、それは私後に個人的な所得税についての書類を提出していただきたいが、さらに組合長として、その当時関係していらつしやつた全体のものについてやはり書類の形でなり、あるいはあらためて証言を願いたいと思うのであります。
○鍛冶委員長 その額について必要あるならば書類をもらいましよう。それは申告した額ですね。
○神山委員 申告した額ですね。二割増しになつたもの、それからその倍増しになつたもの、一番事礎になつたものがあつてこそ二割増しになつたのにまた倍増しにかかつて來たと聞いている。パーセントと金額と両方だ。
○鍛冶委員長 何をもとにして言われましたか。
○藤倉證人 金額をもとにしました。
○徳田委員 それも怪しい。パーセンテージの問題は全然問題にならない。
○神山委員 今のパーセントをきめる場合、さらに個人の額をきめる場合は、初め幹部の間だけできめた、これは事実ですね。
○藤倉證人 幹部が寄つて表をつくりました。
○神山委員 今度は全員を集めて不当か不当でないか論議された。これも事実ですね。
○藤倉證人 そうです。
○神山委員 そうして不当だという人があつたから、その人々を代表して交渉されたわけですね。
○藤倉證人 そうです。
○神山委員 私はこれでいいです。
○高木(松)委員 徳田君や神山君の名質問で大体具体的のことはわかりましたが、ただその根本の問題に大きな疑問を持つている。一体税金は何にかかつて來るのか。そう彈力性のあるべき筋のものではないと思う。まけたり、引いたり、ふやしたり、口先でやれるものではない。最前から話を聞いていると、口先か筆先で運んでいるようにしか思えない。そこであなたの考えておる納税の義務は、何を対象にして、どういう比率で納めるという税観念か。
○藤倉證人 納税するのは私らの義務でございまして、私らのこれまでの仕方は、埼玉縣に一つの組合がございます。その中に現在三十二支部がある。その支部の者が寄つて去年はどこはどうであつた、今年は……。
○高木(松)委員 ちよつと、去年まではこうだということは税金をさすのか。
○藤倉證人 税金をさすのであります。
○高木(松)委員 自分の所得をさすのではないのですね。
○藤倉證人 組合一般の税金であります。それがほかの業種と比べて自轉車業者の税金が重いじやないかということを檢討する。自轉車業者はほかの営業者と違いまして、ほかの営業者はそこに品物を置きますれば、それをすぐ賣る。自轉車業者は品物を賣りますと、それを取り付けてぐあいを見てやらなくてはならぬ。あるいはまた修繕になつて來ますと、直るまで待つております。それがために人が幾らか入つてにぎやかに見えても、ほかの営業よりも営業の額が低いというふうに解釈しております。それがほかの営業よりも高いくらいに來ておるのでは、組合員がかわいそうだ。こういうことで研究いたしました。
○高木(松)委員 一体各人の所得はそんなふうに普遍的に簡單にきまるものではないと思うので、少くとも所得はあなた方の申出なりあなた方の帳簿なり、そういうものを前提にして具体的にきめるのじやないのですか。どうもあなたの話を聞くと、所得は絶対性のものであるのに、それを彈力性を持つて二割上げたり下げたりするようなことを言つておられるけれども、税の観念に対するあなた方の氣時がはつきりきまつていないじやないか。その点を一つはつきりしておきたいと思います。
○藤倉證人 納税の義務があるということは承知しておりますが、先ほどからの御質問のどれだけの何があつてこうということは、自轉車業者一般が帳簿をつくつて完全にやるだけの頭のないやつばかりである。そこに判断がつかないところがあるのです。
○高木(松)委員 あなた方は所得がこれだけある。それに基礎控除や何か引いて税率をかければ一万円なら一万円になるということは百も承知しておつて、これだけひとつまけてもらおうというような氣持で税務署に交渉するのか、あるいはそうじやない。一万円なら一万円の現金というものが一番的確なものであつて、法の命ずるところであると信じておるのにかかわらず、税務署が割当がどれだけという額があるために余計課税されるので、その課税を交渉して正当なところへ持つて來るというのか、どつちかということなんです。
○藤倉證人 それはまことにむずかしい問題でありまして、ただいまの実際の税額で行きますと、ずぼらなふうに申し上げて、ずぼらに書くように実際なつておりますけれども、実際は私の業はもうすでにその税負担にたえられないのではないかと思つております。それで先ほど申しました浦和支部でもつて、これまではだんだん人員がふえて参りましたが、税についてたえられなくなつて、昨年まで九十七名おつた浦和支部が八十五名に減つております。
○高木(松)委員 それでは私二つにわけて聞くが、現在の税率ではあなた方の商賣としてやりきれないというのか。そうじやなくして税率以上に取られるから、あなた方にも折衝や、抗議や、不平が出るというのか、どつちか。
○藤倉證人 現在の私の営業としては負担が重すぎるというふうに考えます。
○高木(松)委員 率が重いというのか。その率以上にかけられるから困るというのか。法律では税率をきめているんだから、負担が重くても國民が負担しなくちやならぬ運命におかれておる。それについてもわれわれは考えなければならぬが、税率が画然ときまつておるのに、税率以上の間違つた税をかけられるためにあなた方が重いのか。それは國家として考えなければならぬことと、一つは税務吏に対して考えなければならぬこととの二つにわかれて行くから、その点をはつきり答えてもらいたい。
○藤倉證人 それは現在の私どもの営業から行きまして税率が少し重い、重いために暮して行けなくなつたから、廃業者が続出する。また税率が少し重いから幾らかあるよりも下に書き上げて行かなければ暮して行けない。こういうようなことに現在私の組合は行つておるのであります。
○高木(松)委員 そうすると、こういうふうに承つてよいのですか。税率はまじめにかけておるが、税率が高いためにわれわれの生活が困るから、それで負けてもらおうという交渉をする。
○藤倉證人 かけておる税率はおきめになつた税率で……。
○高木(松)委員 私の言うのがわからなければ、この程度にしておきます。
○佐々木(秀)委員 これはちよつともどりますが、昭和二十二年度に一應あなたの手元で税務署へ申告する額をきめたのですね。そのきめたとき二割といわれてやむを得ぬといつて二割に直した。そうして最後に倍だと言われたときに、あなたは、やむを得ない納めなくちやならぬと組合員に言つた、そのときの心境です。最後に倍額にされたときに、それでも組合員が納められると考えましたか。それともこれくらいの利益はまだあるのだと考えて、やむを得ず納めろと言われたのか。まずそれをお聞きしてから、さらにもう一つお聞きしたいことがあるのです。
○藤倉證人 それは二十二年度でさえも、すでにその決定された額で納めたら食えなかろうと思います。
○佐々木(秀)委員 食えないのはわかつていて倍納めろと言いましたか。
○藤倉證人 ですから、そのうちのがまんできる人はがまんしてくれ、がまんできない人は個人で訂正してもらうものを出せということは言いました。
○佐々木(秀)委員 それでわかりましたが、正直に出すというよりも、できるだけ税金は安くきめるのが組合長並びに幹部の腕なんだというような思想が、組合員各自が持つていた思想じやなかつたのでしようか。
○藤倉證人 それが、先ほど申し上げましたように、組長が冷淡で税務署に対して負かしてくれなかつた。ああいうふうでは組長が不親切だというのが私よす理由になつたのです。
○石田(一)委員 あなたにお尋ねいたしますが、二倍になつたときに個人個人のことは組合として折衝してやつたと言いますが、それで相当負かりましたか。
○藤倉證人 それは税務員の方がやりましたから……。
○石田(一)委員 あなたはそれに御関係がなかつたのですか。
○藤倉證人 税務員におまかせいたしました。
○石田(一)委員 個人々々で行つた方は、ほとんど負けてもらいましたか
○藤倉證人 ほとんどではございませんでしたけれども、幾人かあります。
○石田(一)委員 大多数が負けてもらいましたか。
○藤倉證人 大多数ではないと思います。
○石田(一)委員 報告は受けましたか。
○藤倉證人 受けません。
○石田(一)委員 二倍に決定された金額よりも、負けてもらつた額だけ少く納税されているということになるのですね。
○藤倉證人 そういうことになると思います。
○石田(一)委員 それはあなたの帳簿に残つていないですか。
○藤倉證人 残つておりません。
○石田(一)委員 もう一つお聞きしたいが、そのときの税務署長はだれですか。
○藤倉證人 署長さんはちよつと忘れました。
○鍛冶委員長 今の署長ではないですね。
○藤倉證人 そのときはだれでしたか……。
○石田(一)委員 今の署長さんを知つていますか。
○藤倉證人 名を知つているだけで、きよう初めて会つたようなものです。その当時は知りません。
○石田(一)委員 今まで一度も会つたことはなく、きよう初めて会つた今の署長さんの名前を知つていて、あなたが三十年近くも会長をやつていて、税務員などの役員を置いて浦和の税務署と交渉したり、中には書類で提出することもあるだろうし、行くこともある。それでいて前の署長さんの名前も知らないというのは、どういうわけですか、おかしいじやないですか。
○藤倉證人 組合の方ではただ税務署長殿で出しておりました。
○石田(一)委員 税務署長殿で届けが済みますか。税務署長何々殿という名前を書かなければ……。
○藤倉證人 浦和ではこういうことになつているのです。
○石田(一)委員 それではあなたは前の署長の名前も何も知らないのですか。
○藤倉證人 知りません。忘れました。
○石田(一)委員 それではあなたがその当時直接に折衝なさいました直税課長はだれですか。直接に関係した末端の税務の係はだれですか。
○藤倉證人 それも知りません。忘れました。それはこういうことになつております……。
○石田(一)委員 理由は聞かなくてもいい。どういう人かということを言つてもらえばいいのです。折衝した相手の事務官がだれだか御存じか。御存じならばそれをおつしやつていただきたい。
○藤倉證人 それは記憶にございません。大体浦和は商工会議所に書類をやつてしまうものですから。
○石田(一)委員 あなたは浦和税務署の役人と折衝なさいましたね。そのときの税務署の人は全部御存じですか。あなたは名前も何も知らないのですか。
○藤倉證人 署長は知りません。
○石田(一)委員 署長ばかりではない、直接に交渉した人は……。
○藤倉證人 直接交渉したのは淺子という事務官です。
○石田(一)委員 それは今もいらつしやいますか。
○藤倉證人 いると思います。今庶務の方にまわつております。
○石田(一)委員 それはその当時直税関係の何かの長をしておりましたか。
○藤倉證人 長ではないと思います。その人は自轉車の係です。
○石田(一)委員 それをあなたはさつきは知らないと言うて、今はまた思い出して來たわけですが、その人とはどれくらいお会いになりましたか。
○藤倉證人 昨年だけです。
○石田(一)委員 今日まで三十年も会長をしていらつしやいまして、そういう関係の折衝は全然なさいませんでしたか。
○藤倉證人 それは年々税務署から呼ばれて行くには行きましても、何という人だということは記憶にございません。
○石田(一)委員 そうすると昨年あなたの係りでその淺子という人と何回ぐらい折衝なさいましたか。
○藤倉證人 折衝は何回もありません。ただ折衝になつては商工会議所と税務員がやりましたが、その折衝の前の書き上げや何かのときには何回も会つております。
○石田(一)委員 パーセンテージをきめるときや何かは何回も会つたのですか。
○藤倉證人 そういうときでなく、向うから説明してくださるときや何かに会つております。
○石田(一)委員 最後のときには数回会つているのですね。それでパーセンテージのときには何回会つておりますか。
○藤倉證人 浦和は会議所が取次いでくれるものですから……。
○石田(一)委員 だからあなたが直接ではないのですか。
○藤倉證人 そうです。
○石田(一)委員 あなたがお会いになつたのは、主としてどこでお会いになつたのですか。
○藤倉證人 それは店で会つたこともありますし、それから自轉車協同組合の本部というのが浦和にありますが、そこで二度ばかり会いました。
○石田(一)委員 その他では……。
○藤倉證人 忘れました。
○石田(一)委員 そこが大きな問題なんだ。会議所で会つたとか、協同組合の事務所で会つたとか、あなたのお店で会つたとか、これは普通認められるが、その他にまだ会つたところがおありのはずなんだが、忘れたと言われてはちよつと困る。
○藤倉證人 そういう陰で会うことは私は絶対にやらないのです、それが今度のつまり私らの組合をよす動機になつたのです。表折衝ばかりで藤倉では役に立たぬ、そういう声を聞いたから、私は組合をやめた。
○鍛冶委員長 それではあなたは忘れたのじやなくてほかになかつたのですね。
○藤倉證人 ほかにはございません。
○鍛冶委員長 あなたは忘れたと言うからいけないのだね。
○石田(一)委員 ちよつと委員長がよけいなことを言つているが、忘れたと言うことと全然なかつたというのは……。今の署長の名前だけはあなたは御存知ないのですか、ほんとうに……。
○藤倉證人 ほんとうに知りません。一度も会いません。きよう初めて控室で会つたのです。
○石田(一)委員 それでは今の直税の方の係の人はだれか知つていますか。
○藤倉證人 それは今の係酒井さんとかいう人は知つております。それは税務署へ行つて、娘が会つて來ております。
○石田(一)委員 一番最後にあなたがあつたのはいつごろですか。
○藤倉證人 最後に私は会つておりません。最後というのは昨年の火事燒けの当時しか会つておりません。
○石田(一)委員 それではあなたの娘さんが最近直税の人とあつたというのですね。
○藤倉證人 直税の方ですね。それがやはり孫の納税のことで最近……。
○石田(一)委員 納税のことでいつごろお会いになつたのですか。
○藤倉證人 事件が始まつて直後に会つております。
○石田(一)委員 それから後には……。
○藤倉證人 その後は役所にいないのじやないですか、あまり出勤しないのじやないですか。
○石田(一)委員 その後の係の人がいますね。それとお会いになりませんか。
○藤倉證人 会つていると思います。会つているでしよう。專門のことはどうですか、わからないのですね。
○石田(一)委員 いや、娘さんが税務署の方と一番最近にお会いになつたのはいつごろか、あなたが知つていらつしやつたらそれを知りたいのです。
○藤倉證人 会つたのはこの事件の起つた間もなくでございます。
○石田(一)委員 それはいつごろですか。
○藤倉證人 今ちよつと忘れました。
○石田(一)委員 それではあなたはさつきこの事件については新聞で知つただけだとおつしやつているが、今のお話では、事件が起つた直後に娘が税務署に行つていろいろ話しているというのですが、そうすると娘さんがこんなことがあつたとか何とかあなたに話しているわけですから、あなたはこの事件のことについては大分知つていらつしやるはずですね。
○藤倉證人 事件のことではない。家のことで会つたのですが、そうしたらまことに冷淡な扱いをされたといつて娘が憤慨して帰つて來ました。
○石田(一)委員 それでは今の署長さんも知らないのですか。娘さんが直後に会つたとおつしやるが、それ以外にないというのですか。実は私の推察を言うと、あなたは今の署長さんを御存じだと思うのですが、あなたは御存じでしよう。
○藤倉證人 全然知りません。一度も会つたこともなければ、全然知りません。
○石田(一)委員 それならいい。あなたは税務署をかばわなくてもいいのですよ。ここへ來て……。
○藤倉證人 かばいはしません。全然知りませんから……。会つたのはきよう初めてです。
○石田(一)委員 わかりました。
○田嶋委員 先ほど証人の言葉を聞きますと、事業税の関係で、結局あなたが力がないために組合長を罷免された、こういうのですね。
○藤倉證人 事業税のときから……。
○田嶋委員 事業税のときから信用がなくなつたというのですか。
○藤倉證人 そうです。
○田嶋委員 そういたしますと、今度あなたのあとに就任された組合長、この組合長は組合員が税金関係がうまく行くだろうということで選任した、こう解釈してどうでしよう。間違いですか。
○藤倉證人 私がやめたのは、そういうことで信用が落ちたけれども、任期でもつてやめたのです。
○田嶋委員 任期でやめたのだが、あなたはさつき言う通り税金関係で力がないということがあなたの不信任のもとになつた。そうすると今度新しく組合長が選任されたので、その組合長はあなたのあとへつく組合長だ。今税金のことがどの組合でもどの家庭でもどこへ行つても悩みの種なんだ。これは公知の事実なんだから……。そうでしよう組合長になるということは、結局税金に対する力のある人が組合長になることはわかつておる。そんなことを一々隠さなくてもいいのですよ。おそらく今度就任された組合長は、そうした面にもたいへんな手腕を持つておるということで就任された、こう解釈していいか惡いかというのですよ。そう解釈してもいいでしような。
○藤倉證人 その解釈はつまり私の組合が人物がないから、私をのけたらその人が組合一の人物です。
○田嶋委員 今度の組合長は税金で失敗しているのじやないですか、汚職事件が起きております。
○藤倉證人 起きておりますが、しかし私のよした時代に選んだときは、私をのいたら私が老年ですから、どうにもならぬ。それで若い者にやらせる……。
○田嶋委員 それからもう一つ聞きますが、結局浦和方面では、あの人に頼めば、税金が負かるとか、あの組合へ持つて行けば税金が負かるとか、あの政党の人に頼むとうまく行く、こうした評判があるのじやないですか。
○藤倉證人 そういうことは聞いておりません。それがわかればまことにけつこうなのですが……。
○田嶋委員 しかしこれは浦和だけでなしに、日本全國どこへ行つたつてそうしたことはある。今税金が重大問題だから……。そこで皆さんが、重ねて尋問するというのは、あなたがわかり切つた公知の事実までわからないとか、知らぬとか言うから、皆さんがつい熱心に聞かれるわけなんです。
○藤倉證人 私の考えるところではございません。
○田嶋委員 たとえばあの計理士に頼めば、あの計理士は非常に力があるから負けてくれるという評判はないのですか。
○藤倉證人 聞いていません。
○田嶋委員 政党関係で税金面に対して運動をしたこともないのですか。
○藤倉證人 そういう運動も聞いておりません。
○田嶋委員 それではよろしゆうございます。
○神山委員 簡單に要点だけ聞きますが、今の税務署長が浦和の税務署長になつたのは、昨年の八月だというふうに聞きますが、あなたはそれは御存じないですか。
○藤倉證人 知りません。
○神山委員 もう一つ聞きますが、先ほどあなたは二十二年度の税金では自轉車業者は食えないとおつしやいましたが、間違いありませんか。
○藤倉證人 私が食えないと申し上げたのは、税に耐えられないで廃業する人が続出した、食えなくてほかの商賣になつた、こういうことを申し上げたのであります。
○神山委員 率直にお聞きしたい。私がお聞きしているのは、今の税金が重くて食えない人さえ出て來るではないか。こう聞いておるのですが、どうですか。
○藤倉證人 私の組合では食えない人が出て参りました。
○神山委員 それは事実でございますね。
○藤倉證人 事実でございます。
○神山委員 そういう事実にもかかわらず、その割り当てられた税金を二割上げてくれと言われて、あなた方は承知したのでしよう。
○藤倉證人 これは昨年のことですから、そうです。
○神山委員 それをまた倍に吹つかけられて、承知したのですね。
○藤倉證人 承知してなるべく納めてもらつた。
○神山委員 どうしてこういう食えないような、無理なことを言われて怒らないのですか。とにかく自分は食わなければならぬということをどうして考えないのですか。
○藤倉證人 それは考えないことはないのですけれども、そこに私の力の足りなかつたことを感じて、組合のことから手を引きました。
○神山委員 それはあなたの力が足りないのか、今の日本政府の税金のかけ方が惡いのか、税率が低くてさらにげたばきして無理にかけてくるから苦しいのか。この点を聞くために今日考査委員会を開いて、あなた方の率直な意見を聞きたかつた。ところが逆にあんた方は何とかして事税務署の官吏をかばい、今の税制の不当をかばわれる方に一生懸命努力しておるように思われますが、あなたの率直な氣持として、今の税金のかけ方がほんとうにひどいということを、もう一ぺんはつきりここで言つてもらいたいのであります。ひどいですか、ひどくないですか。
○藤倉證人 かけ方をいま少しやわらかにやつてもらいたいと思います。(笑声)
○神山委員 それでは最後に結論であります。私が一番初めから一番終いまで種々質問しましたことは、あなたの証言がそういう立場から行われて、自分の意思に反して何らか他の者のためにせられ、そしてそれをかばうために行われておるような印象を全体として受けておる。これを衝くために私は先ほどから質問したわけでありまして、あなた方の生活をもつと苦しくしよう、もつと税金をかけようというのではなく、逆にこれをどうして軽くするかということであつたことを一言つけ加えて私の質問を終ります。
○鍛冶委員長 さつき聞きました二十二年度の二割増しで申告した組会員のそれは控えがあるとおつしやいましたね。
○藤倉證人 あると思います。
○鍛冶委員長 それとさらに税務署から約倍かけられて來た、その更正決定の控えもありますね。
○藤倉證人 それは組合員個人々々になつておりますから……。
○鍛冶委員長 わかりませんか。もしわかつたらその二つをここへ送つていただきたい。 それでは済みました。御苦労でした。 —————————————
○鍛冶委員長 金子由太郎さんですね。
○金子證人 はい。
○鍛冶委員長 ここで聞きますことは、あなた方を刑事被告人として追及するのではない。ことに先ほど前もつて申し上げましたように、あなた自身が刑事事件に追及されるようなことがあつたら、それはしやべるのは困りますと言うてよろしいのですから、固くならないでありのままをすらすらと述べていただきたいと思います。 あなたは浦和で自轉車業をやつておりますね。
○金子證人 やつております。
○鍛冶委員長 あなた方は、浦和自轉車業の方が、浦和輪業組合いうものを組織しておりますね。
○金子證人 そうであります。
○鍛冶委員長 組合員はいくらありますか。
○金子證人 四十三名です。
○鍛冶委員長 役員はどういうものとどういうものですか。
○金子證人 組合長、副組合長、評議員、それから税務委員。
○鍛冶委員長 監事というものはありませんか。
○金子證人 あります。
○鍛冶委員長 実際の仕事をしておるものは組合長、副組合長、それから監事ではありませんか。
○金子証人 監事は集金するだけです。
○鍛冶委員長 それにしても仕事をするのですね。評議員はあまり出て來ないのでしよう。
○金子證人 そうであります。
○鍛冶委員長 税務委員は何人おりますか。
○金子證人 二人です。大堀長吉、金子徳太郎。
○鍛冶委員長 金子徳太郎はあんたと何か……。
○金子證人 兄です。
○鍛冶委員長 そこで組合長はあなたがやつておられますか。
○金子證人 現在よしました。
○鍛冶委員長 現在だれですか。
○金子證人 伊藤千代松です。
○鍛冶委員長 現在は……。
○金子證人 四月一ぱいでやめました。
○鍛冶委員長 四月一ぱいでやめたのですね。今は……。
○金子證人 何もしておりません。
○鍛冶委員長 税務委員というものはどういうことをするものですか。
○金子證人 いろいろ交渉にあたる。
○鍛冶委員長 どういう交渉ですか。交渉の内容は。
○金子證人 たとえばわれわれに二十五万とか、二十八万とか税金が來ますと、高いとか、何とかこれをまけてもらいたいという交渉ですね。組合長ともどもやるわけです。
○鍛冶委員長 何か税務署からあなた方の組合に対して組合の序列をきめてくれとかいうことは……。
○金子證人 そういうことはあります。
○鍛冶委員長 それはだれが当りますか。
○金子證人 組合長です。
○鍛冶委員長 それから……。
○金子證人 それから税務委員が一切やるわけです。
○鍛冶委員長 副会長——副組合長も。
○金子證人 そうです。
○鍛冶委員長 そういう人が聞いて、それに從つて調べるのですか。組合の内部を。
○金子證人 そうです。
○鍛冶委員長 そこで最後の決定はどういうことでやりますか。序列をきめる決定はどういうふうにきめておりま
○金子證人 役員が集りまして、そのうちの情勢によつて序列をきめるわけです。
○鍛冶委員長 だからその情勢をどうして調べて、どうして決定するのですか。
○金子證人 業者ですから、あそこの家は忙しいとか、ここはちよつとひまのようだとか、毎年々々かわりますから、それによつて順序をきめます。
○鍛冶委員長 その序列を税務署に出すのですね。
○金子證人 そうであります。
○鍛冶委員長 税務署はそれを参考にして決定して來るのですね。
○金子證人 そうであります。
○鍛冶委員長 その決定と大体あなた方のと合つておりますか。それとも違いますか。
○金子證人 多少違いますが、ただ開きが大きいのです。たとえば下が六、七万とか、上に行きまして二十七、八万まで行つてしまうのです。下が七、八方から途中十五、六万でとまつて、一躍二十七、八万、こういう問題になつて來るわけです。
○鍛冶委員長 序列がずつとかわつておるようなことはありませんか。
○金子證人 ないようです。序列はあくまで序列で行くわけです。
○鍛冶委員長 今年更正決定が——これは仮決定だつたかしらぬが、二十万以上に決定された人が寄つて対策を講ずることをされたですね。それは仮更正のときですか。
○金子證人 去年でしたか。仮更正ですね。あれは十一人が寄つてではないのです。われわれ税務委員大掘長吉、金子徳太郎、飯田喜太郎、私四人が非常に税金が高いのでこれから飯を食えない。それではというので、年中寄合をしております。そういうわけでわれわれ四人が……。
○鍛冶委員長 四人というのは。
○金子證人 大堀長吉、金子徳太郎、飯田喜太郎、私。
○鍛冶委員長 飯田喜太郎は副組合長ですか。
○金子證人 違います。
○鍛冶委員長 何ですか。
○金子證人 組合では何でもないのです。私もそうです。それで税務署へ交渉に行きましたらけんもほろろなんです。それでこれではしようがない。裏からまわらなくちやいけないのじやないか。こういうわけで組合長に聞いたところが内示というのがあることを初めて聞いた。内示とはどういうものですかわかりませんですが、いいことを聞いたと喜んでしまつたわけです。
○鍛冶委員長 それでどうした。
○金子證人 それでそのとき一杯飲んで、金を一万円カバンの中に入れて帰つて來たのです。
○鍛冶委員長 だれです、相手は。
○金子證人 相手は川上次郎。
○鍛冶委員長 あなたが税務署に行つたのですか。來たのですか。
○金子證人 いいえ、呼んだのです。
○鍛冶委員長 さつきの十一人というのはどういうのか。二十万以上かね。
○金子證人 それが終つてから二十万円以上の人を呼んで、われわれ人のことでひまをかいて金を使うのはばかばかしい。こういう話をしたのです。それは済まない。組合員のためにやつてくれるなら幾らかずつ出そうじやないか。それで、だれ言うとなく三千円くらい出したらいいだろうというので、三千円ずつ翌日から二、三日かかりましたが、持つて來てくれました。
○鍛冶委員長 三万三千円集まつたわけだね。
○金子證人 そうでございます。そのために十一人で話をしただけなんです。
○鍛冶委員長 そこで、そのうち一万円使いましたね。
○金子證人 ええ。
○鍛冶委員長 あと二万三千円残つてるね。
○金子證人 そのとき一級酒を二本ばかり買つて來まして、一ぱい飲んだですから、そのときの酒食代が合計一万円ばかりかかつた。今ですからちよつと飲んでもかかります。あとは会合がちよいちよいありますからね、つい飲んじやつたんです。
○鍛冶委員長 たいがい使つちやつた……。
○金子證人 ええ、使つちやつたというか、足りないくらいです。
○鍛冶委員長 そこで内示があるというので、内示をしてもらいましたか。
○金子證人 いや、それは組合長の所に行くんだという……。
○鍛冶委員長 税務署から來るのか。
○金子證人 ええ、そうなんですね。
○鍛冶委員長 それで、聞いたのかね。
○金子證人 いえ、私はそのとき組合長じやないですから知りません。前の組合長に言つたわけですな。
○鍛冶委員長 おかしいね。あなたは一月から四月までやつていたんでしよう。
○金子證人 初め一月十五日から……。
○鍛冶委員長 これは二十三年度……。
○金子證人 だから二十三年度というのは去年です。仮更正ですから、去年の十一月ころでしたかな。
○鍛冶委員長 前の組合長のときに、仮決定と同時に内示があつたのかね。
○金子證人 そうであります。
○鍛冶委員長 そのときあなたは聞いたか。
○金子證人 聞きません。
○鍛冶委員長 さつきあなたはいいことを聞いたと言つたじやないか。
○金子證人 いや、内示があるわけだ、決定が來ていまさら騒いだつて、だめ、だというわけです。
○鍛冶委員長 あなたの言う決定というのは。
○金子證人 仮更正ですな。それで大変これは参考になるというので、そのために四人が、これは組合長を更迭しなければいかぬ。組合長に内示が行くなら、組合長を更送するのがほんとうじやないかという話がその後に持ち上りまして、それで本年一月十五日の改選のとき、私がなつたのであります。
○鍛冶委員長 それは去年の何月の話ですか。
○金子證人 十一月の終りでしたか……。
○鍛冶委員長 そこで前の組合長は内示はあつたが、あなた方に聞かせなかつたのかね。
○金子證人 私らは内示というものも知らなかつたのですから。
○鍛冶委員長 内示というのはどんなもの。
○金子證人 自轉車組合に百万円なら百万円税金が來るというふうに話が先にあるのが内示というのじやないかと私は想像しています。
○鍛冶委員長 そのとき運動すればよかつたんだというわけかね、聞かされたとき。
○金子證人 浦和の輪業組合ではこれでは高いということを話をすればいいんじやないか、そう思い込みました。
○鍛冶委員長 それでどうにもならぬと言われて、それからどうしましたか。
○金子證人 どうにも、ならぬと言われたんですけれども、そのときお金を一万円ないしよでカバンの中に入れちやつたわけです。それで帰つて來まして、また頭を下げて行きまして、そのとき、それじや盡力する、もう一ぺん出せ、どのくらいなら納得できるか出せ、こう言われたんです。それで最高十八万円ですか、それによつてずつとまた出してみたんです。
○鍛冶委員長 十一人全部出しましたか。
○金子證人 いや、組合員全部です。それで、組合員全部まで行きませんが、下の方で十三万來たのが十一万になり、八万になつているわけです。われわれ四人だけの問題ではなく、十一人だけの問題ではない。
○鍛冶委員長 あなたはどれだけのがどれだけになりましたか。
○金子證人 私は二十五万一千二百円のが十九万になりました。
○鍛冶委員長 それは税額ですか、所得額ですか。
○金子證人 所得額です。
○鍛冶委員長 そうすると税金はわずかのものじやないですか。
○金子證人 税金というのは累進課税でありまして、二十四年度になると五十万になるのではないか、それとわれわれがやつている組合全体のことを考えると、大宮、志木、川口、こういうところをみな比較してみるのです。そうすると大宮も現在下つたんじやないでしようか、私らの税金はそれによつてまた下つたと思つていたらそうじやない、大宮よりまだ高いのです。志本よりも高いのです。浦和は縣廳所在地のために高いのかもわかりませんけれども、みな腕一本でやつているのですから、あまり開きがあると組合員から文句が來るのです。
○鍛冶委員長 そこであなたの方で問題になつた川上という以外に、浦和税務署ではずいぶんたくさん收賄事件があつたそうですね。大体どんなような事件ですか。
○金子證人 そうですね。自分のことで一ぱいでして……。
○鍛冶委員長 大体は聞いておりましよう。あなたももちろん取調べられたでしよう。そのほかまだたくさん行つた人はありましよう。
○金子證人 ずいぶん八百屋さんだとか、洋服屋さんだとかいろいろありました。
○鍛冶委員長 そんな人やあなた方はたいへんな評判じやないですか。その評判をどんなふうか聞いてみたいのです。
○金子證人 みな同情しております。現在何とかそういうふうにしませんと、もう税金を減らすことでみな必死なんですから……。
○鍛冶委員長 同情しているというのは業者同志で同情し合つているというのですか。
○金子證人 そうでございます。
○鍛冶委員長 役人を同情しているわけではないですね。
○金子證人 そうでございます。
○鍛冶委員長 役人は恨んでいる……。
○金子證人 とことんまでやれと言つておりますが、私らは早くおさめてもらいたいと思います。一箇月以上も氣違いの沙汰にしばつております。家の中は子供が学校へ行くとか行かないとか、そこまで始まつております。
○鍛冶委員長 それはそういう裏の運動をせなかつたらとてもやりきれぬというのですか。裏の運動をしたら負けてもらえるから……。
○金子證人 そういう風説が高くなつておりますから、われわれはやらなくちやしようがないだろうということになつてしまつたのです。
○鍛冶委員長 そこで今言われた、ことしはどうでも、こうでもこらえられるが、來年はまた殖やされてはたいへんだというので運動するのですか。
○金子證人 そうなんです。
○鍛冶委員長 そこで聞きたいのですが、大分りくつになりますけれども、所得税というものはあなたの所得はどれだけあつて、その中であなたの必要な経費や家族の扶養料だとかそういうものを引いてこれだけだ。だからこの調べがはつきりさえしていると、高いも安いもないわけです。
○金子證人 ところが現在自轉車屋というものはみな尋常六年が最高なんです。そういう者ばかりでして、計算ということが非常ににぶいんです。私初め六年きりしか行つておりませんけれども、めんどうくさいから数事やなんか帳面につけることさえみなおつかながつている。だから何でも來ると高い、ただなら安いということになるのですね。(笑声)
○鍛冶委員長 そうするとおれの所得額がこれだけに決定されたとか、実際に合わぬというのではなくて、ただ税金がこれだけだと言われると、それはたいへんだと、こう言うだけですか。
○金子證人 そういう人間が多いじやないでしようか。私初めそうですから……。第一いろいろの課税をされて、計算してみますと、一箇月に一万円弱納税して行くことになるのです。これは容易じやない。
○鍛冶委員長 それはあなたは実際に收入が多ければそれくらいのことはやれるのであるが、それをただこんなに高くては困る、こんなに高くてはやらんならぬといつて運動するのですか。
○金子證人 組合全般のことを考えますと、蕨だとか、大宮、そういうところから比較されるのです。これは組合がだらしがないとよく言われる。
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。
○安部委員 金子さんに伺いますが、納税委員というのは何か月給があるのですか。
○金子證人 ございません。
○安部委員 交際費なんてあるのですか。
○金子證人 ございません。
○安部委員 これはずつと前からあつたのですか。
○金子證人 ございました。
○安部委員 あなたのところの会は、会長に、副会長に、幹事二名であつて、会計監査もなければほかに役員がないのであるから、それに比較して納税委員というのは数が多いですが…。
○金子證人 納税委員は二名です。
○安部委員 それにこの人らに対しては、時間を費したとか、あるいはいろいろな交渉をした場合の報酬はないのです。
○金子證人 ないのです。
○安部委員 費用がかかつた場合には、会の方から拂うのですね。
○金子證人 会からは拂いません。
○安部委員 たとえば税務署へ行つて交渉する。高いから負けろとか、宴会を開いて交渉する。どこかで飯を食つたり、一ぱい飲んだり、そういう場合にはだれが金を拂うのですか。
○金子證人 出ないのです。自弁です。だからばかばかしくなつていやになつてしまうのです。
○安部委員 そういう場合には、たとえばあなたの場合において、説金が高いからそれを下げてもらおうと交渉した場合に、どこかで特別に席を設けて会合するのですね。
○金子證人 まあ四人なら四人……。
○安部委員 さつきあなたは飯田喜太郎、金子由太郎、金子徳太郎、大堀長吉、この四人の家へ集まる……。
○金子證人 四人の家でしよつ中会合しておりますから……。
○安部委員 そういう場合に御馳走を出すとか、酒を出すというようなことはやりませんか。
○金子證人 やります。
○安部委員 その費用はだれが負担するのですか。
○金子證人 まあその家です。
○安部委員 会には関係がない……。
○金子證人 関係がないのです。
○安部委員 これは今まではあなたが今年の一月十五日から会長になつた。そうして藤倉さんはよした。よした原因は税額を交渉していくらか減額するという熱意がないから、あなたがその、後継になつた。その場合にどういう方法をもつて価額を減額することにあなたは信念を持つている……。
○金子證人 そうじやない、根拠というのはどうしても内示というものが組合長の家へ行くんだ、組合長が法人は高いからわれわれにつけているんじやないか。こういうふうに考えますから、だから組合長を更迭しろ、更迭しなくちやいかぬというだけなんです。
○安部委員 それで更迭した場合に、当然前会長の家へ行つて内示に関して相談したでしよう。内示がある場合には、どういう処置をとらなければならぬかということを……。
○金子證人 全然行きません。
○安部委員 税金は高いからこれを引いてもらうという、あなたはそういうような対策を講じなければならぬということがあつたのですね。
○金子證人 そういうことはないのです。
○安部委員 税金を引いてもらうという考えはなかつたですか。あなたが一月十五日に会長になつた場合に、税金が高いから税額を引いてもらおうという、こういう考えがあつたのですね。
○金子證人 そうでございます。
○安部委員 その場合にどういう方法で引いてもらうのですか。ただ話して高いから引いてくれと言つただけですか。あるいは何かこういう人をごちそうしなければいかぬとか、あるいは裏からまわつて相当のことをしなければならぬとかいうことを考えたのですか。
○金子證人 ごちそうです。
○安部委員 四月いつぱいのあなたの在任中ごちそうしなかつたのですか。
○金子證人 ええしなかつたのです。
○安部委員 ごちそうというのはお酒をちよつとやるくらいですか。
○金子證人 私の家には全然來ませんから……。
○安部委員 しかしあなたが言つた川上という人は、その前にちよつとにおわせるというのはおかしな表現だが、ともかくも何か便宜をはかつてくれればあなた方の会員に便宜をはかるというような、暗にそういう示唆をしたことがありますか。
○金子證人 そういう態度ではしませんけれども、とても冷いです。警察に行くより税務署は恐ろしいです。
○安部委員 何かやはり警察より冷いのが急にあつたかくなつてあなた方に好意を表するというわけだね。
○金子證人 そうです。
○安部委員 そういう場合にどういう方法をもつてあなた方に折衝をして來るのですか。たとえばあなた方に金を貸してくれというような……。
○金子證人 そういうことはないです。
○安部委員 あつたかくなつたというのはどういうわけですか。
○金子證人 交渉に行きまして、冷いから、裏からまわらなければだめだということで、四人で相談いたしまして料理屋に呼んでごちそうをして、お金を一万円カバンの中に入れたのです。
○安部委員 金を入れたのはあなたの方からですか。
○金子證人 ええ入れました。
○安部委員 私の聞きたいのはあなた方の方から進んで交渉してその金をやつたのか、あるいは税務署員があなた方にそういうふうにしなかつたならば相当に高いものを納めなければならぬという根底があつたかという点ですが、そこをはつきりしたいのだ。税務署の官吏の方からあなた方に金を何とか裏の方面から工作しなくちやならぬように仕向けて來たわけですね。
○金子證人 ええ、結局そうなるわけです。
○安部委員 このほかにまだたくさん金を拂つた人があるのですか。被害者があなた方以外にたくさんあるのですか。
○金子證人 私たちの業者にはありません。ほかの業者にはずいぶんあるようですが……。
○高木(松)委員 簡單に要領さえ得れば重複して質問はしません。証人より先ほど、こういうふうに伺つたのですが、税金の高い、という観念だということははつきりわかつた。しかし税務署のかける税金は法律による税率であつて正当のものであるということは考えておつた。こういうように聞いておつたがどうですか。まつたく重大な問題ですから聞きたい。それを前提として——そういうふうに私は聞いたのだが、しかし税率も高いし自分の生活も苦しいし、そこで何とか負けてもらう交渉をすれば安くなるのだということで交渉したのでしようね。
○金子證人 そうです。
○高木(松)委員 そして交渉する心をきめるのは、第三者からいろいろなことを言われて、ひらたく言えば反税運動みたいなものがあつて、それで自分の心が起きたのか、そうでなくそういうことに影響されずに自分の心から出たのか、これは重大な問題だから、あなた方の心からわいて來たのだとすると、われわれはこれに対して相当考えなくちやならぬ。他の人たちの煽動に乗つて交渉に乗り出したのだというと、また別な方面からいろいろ考えなくちやならぬから、この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。最前ほかの人がやつておるから私もやるのだという言葉があつたから……。反税事運動をやつて交渉をして負けてもらつた方が得なんだというような、他からの影響を心に受けて、そういう交渉をなさつたのかどうかということを聞くのです。そこが重大である。
○鍛冶委員長 やらなければ損だという氣持でやつたかということです。
○金子證人 損だどうだというのではなく、死活問題です。
○神山委員 それでは二、三質問を簡單にいたします。先ほどのあなたの前の組合長は内示はなかつたとおつしやるが、あなたのおつしやるようにあつたのは確かでしようね。
○金子證人 そう言つておりました、税務署の人が……。
○神山委員 私たちあなたのおつしやることを信じます。あなたは事実をおつしやつておりますね。それでけつこうです。 今の質問に関連しますが、あなたが何らか反税運動が必要だとか、たれかから煽動されたというのではなく、生活が苦しいからやつたということなんですね。
○金子證人 そうでございます。
○神山委員 もしも煽動したり、反税をそそのかす者があつたとしたら、あなたの周囲にこうやらなければどうしても食えないという事実によつていて、たれかがあなたに勧めて智慧をつけたわけでなく、みな世の中の一般がそうしているからそうしたのだというわけですね——それでいいです。一番最後に聞きたいが、カバンの中に一万円入れたか入れないかという問題、向うが請求したか請求しないかという問題でなく、鐘が鳴つたか撞木が鳴つたかという問題、今のしきたりで一万円入れれば今まで述べられたように二十五万一千二百円が十九万円に負かつたという事実がある。あなたが一ぱい飲ました上に、川上君のカバンの中に一万円入れたからその結果として、あなたは二十五万一千二百円が十九万円に負かり、金子徳太郎君は二十四万円が十七万円に負かり、飯田喜太郎君が二十五万円が十七万円に負かり、大堀長吉君は二十六万円が十八万円に負かつた、こういうわけですね。
○金子證人 そうでございます。
○神山委員 それでけつこうであります。
○石田(一)委員 ちよつと聞きますが、二十五万円というのは所得額だとおつしやいましたね。
○金子證人 向うから課税して來たもの……。
○石田(一)委員 所得稔じやないですか。
○金子證人 納めじやなく決定額です。
○石田(一)委員 所得の決定ですか、これだけ所得があるものとしてあなたはこの所得を査定されたが、不足であつた。これはひどいと言われたのだから税率がどうのこうのという問題でなく、実際には二十五万円の所得のないものを二十五万円もあるというのでは、これは生活に影響する、こんなばかなことはないというのでこうおやりになつたので、事実これだけの所得がないものに対して二十五万円の所得があると決定したことが不足であつた、そういうことになりますね。
○金子證人 私たちの考えとして、二十三年度が二十五万円來ると、來年度はまたその倍來るじやないか、そういうところなんです。
○石田(一)委員 そういうのもあります。結局二十五万円というのは、税務署があなたの一年間の所得額として決定して來たのか。税金としてこれだけ決定して來たのですか。
○金子證人 そうではないのです。
○石田(一)委員 だからあなたの所得として、三十万円なら三十万円、その中からいろいろな必要なる諸経費を引いて、残りを二十五万円としたのはひどい。こんなに收入はない。それに対して税金をかけられ、またこのまま行けば來年は倍になるかもしれない。要するに所得額の決定が間違つておるということで、あなたは交渉する気持になつた。こういうふうに思うのですが、そうではないのですか。
○鍛冶委員長 石田君の言うことは、私が詳しく聞いたはずですが……。それは非常に重複しています。それはわれわれには無学の者が多いからわかりませんと、はつきり言つておるのです。
○石田(一)委員 あなたに聞いているのではない。
○鍛冶委員長 私は重複するから言つておるのです。重複する発言はやめてもらいましよう。
○石田(一)委員 重復するなら、委員長は発言を中止するだけでいい。あなたの意見を言うことはない。
○鍛冶委員長 意見ではない。
○石田(一)委員 あなたはしやべり過ぎるぞ。あなたが答えなくても、証人が答えるではないか。
○金子證人 私は一箇月以上この問題で非常に苦しんでおりますので、どうかひとつ……。
○石田(一)委員 実はあなたには同情しておる。ほんとうに所得を二十五万円とか三十万円とかこんなにたくさんあると思われて、税金をかけられたらたまらぬというので、あなたは負けてもらうということをお考えになつたのではないですか。
○金子證人 いかがなものでしようか。私警察ですつかり述べてあるのですが、頭が混乱しておりますから……。
○石田(一)委員 あなたには同情しておる。税率とか何とかやかましい問題が出ているから、こういうことを尋ねている。あなたは所得だとおつしやつているから、二十五万円の所得と決定されたのでは困るし、また來年多くなるだろう。それで負けてもらおうということで話が起きたのではないか。こういうふうに聞いておるのです。そうであるかないか、どつちなんですか。ちよつと聞かしてください。
○鍛冶委員長 それはもうさつき聞いているのです。速記事録を見ればわかる。
○佐々木(秀)委員 どうか証人も氣を落ちつけて樂にひとつお願いいたします。せつかくここへあなた方を呼んで、どつちかわからなかつたということでは困ると思いますので、はつきりお聞きしたいと思うのです。さつき他の組合やそのほかの人々でも、いろいろ運動すれば安くなるのだ、運動すれば安くなるのなら、おれたちも運動しようということで、やつたということを言われたのですが、それから始まつたのか。それとも、またあなたは二十五万円の決定では食えないということを言われておりますので、それから始まつたのか。もう一回は、今年二十五万円になつたら、來年は五十万円になるだろうから運動した、こうも言われておる。そうするとどちらがほんとうかわれわれにはわからなくなるのです。そのうちの一つだけをはつきり言つてもらいたい。われわれは業者の敵ではないのです。味方として聞こうとしているのです。だからほんとうに食えなくしてそういうことをやつたのか。それとも來年倍にされるのではたまらぬから運動した方がいいという氣持でやられたのか。正直に言つてください。責めるわけでも何でもないのですから、お聞かせ願いたい。
○鍛冶委員長 金子さん、今の質問わかりますか。
○金子證人 どうもわかるような、わからないような、混乱しております。
○鍛冶委員長 実際あなたの思つていることをおつしやつていただけばいいのです。わからないならわからないでいいのです。
○佐々木(秀)委員 もう一つお聞きします。さつき鈴木さんがこういうことを言われた。運動には費用がかかるので、われわれは三千円ずつ出しましたと言つております。さつきあなたは、運動には一銭も経費を使つていない、その経費は各組合長と二人の税務委員、この人々の自弁でやつていると言われましたが、ほんとうに組合員が負けてもらうための運動費を今まで出しておりませんか。
○金子證人 これはわれわれほんとうに組合から一銭も出ていないのです。
○佐々木(秀)委員 三千円ずつ出したことはありませんか。
○金子證人 もらいました。
○佐々木(秀)委員 もらつたのですね。そうするとさつきあなたのおつしやつたのは忘れていたんですね。
○鍛冶委員長 いや違う、三万三千円は初めに認めておるんです。そのほかの費用はもらつていないというのです。
○佐々木(秀)委員 わかりました。
○小林(進)委員 ちよつと聞きたいのですが、組合長のところに行つて、内示があつたかどうかということを聞かれましたか。
○金子證人 聞かない。
○小林(進)委員 行きずらかつたのですか。何か組合長は信用するに足らぬというようなお氣持でもあつたためですか。
○金子證人 法人からわれわれに冷たいんじやないかというように考えました。だから一ぺんも組合長のところに行かなかつた。
○小林(進)委員 たとえば二十二年度の税金なんかで組合長の税金が特に安かつたというような感じを受けられたこともなかつたでしようか。
○金子證人 ……。
○小林(進)委員 返事できませんか。ではいま一つお聞きいたしたい。あなたは交渉委員でも何でもないのに、そういうふうにして四人で会つて、いろいろ税金のことなんか相談されたのですが、それはやはり組合長や幹部の人にまかせていたんではどうもわれわれの利益にならないという考えでやられたわけですか。どういう氣持で四人でちよいちよい会つてそういう御相談をなさつたのか、その動機ですね。
○金子證人 税務員の大堀長吉ですか、その人のほんとうの親友が飯田喜太郎です。金子徳太郎は私の兄ですから、そういう関係で四人ということになつたわけです。
○小林(進)委員 組合長は全然そういうことを知つていなかつたわけですね。
○金子證人 そうです。
○小林(進)委員 組合長に話す必要もなかつたわけですか。特に内緒でやるというようなお氣持で……。
○金子證人 内緒という意味ではありませんが、法人は別ですから、税金を納めるのは同じことだというふうに私たちも解釈してやつたのです。
○小林(進)委員 組合長は法人だから冷たいというだけで、組合長だけ特にうまいことをやつておるからという氣持では……。
○金子證人 そうではありません。
○徳田委員 ちよつとお尋ねしますが、樂にお答え願いたい。警察で調べるときに、お前反税闘争をやつたんだろう、この野郎ふざけた野郎だと言つて、ずいぶんなぐつたでしよう。
○金子證人 絶対にありません。
○徳田委員 警察で取調べられたときに、お前たちのやつているのは、反税闘爭じやないかと……。税金を納めないことです。
○金子證人 ああ、税金を納めること……。そういうことはありません。紳士的でした。(笑声)
○石田(一)委員 もう一ぺん聞いておきますが、さつき私が二十五万円の所得について、ちよつとお聞きしたら、いろいろ警察で取調べられて、私も頭が混乱しておるので、ひとつお手やわらかにお願いしますというような意味のことをおつしやいましたが、私がこれを聞いたのは、何も警察で取調べられたからといつて、お手やわらかにというようなことを聞いたんじやないんですよ。ですから私の聞いたことと同じようなことを警察であなたが聞かれたのですか。この二十五万円の所得を多いと思つたかどうかというようなことを聞かれたのですか。
○金子證人 聞かれません。
○石田(一)委員 それなら私がお開きしたことにそんなにお困りにならないで答えてもらえるはずだと思うのですがね。
○金子證人 ……。 〔「それはいいじやないか、氣の毒だよ」と呼ぶ者あり〕
○石田(一)委員 じや、やめましよう。
○浦口委員 金子さんにちよつとお伺いするのですが、どうしても表から行つてはなかなか税金が安くならないので、裏から行かなければならぬ、ほかもやつているからわれわれもやらなければつまらぬということは、われわれわかるのですが、どこかほかのものも裏から金をやるとか、そういうことを聞いておりますか。
○金子證人 風の便りには聞きましたね。
○浦口委員 たとえばいろいろ、菓子組合なんかでもやつているだろうと想像されますか。
○金子證人 そう思いますね。
○鍛冶委員長 済みました。御苦労でした。
○徳田委員 一つ動議を提出したい。一番終いになると、みなあわてて立つてしまうから、尋問事項は事項で、もつと審議して縮めて、ごく必要なところだけパッと聞くというふうにしないと、この調子だとみな疲れるし、仕事も事実できないから、尋問事項を理事会で整理することにしたいと思うが、どうですか。
○高木(松)委員 私は徳田君の動議に賛成だ。
○鍛冶委員長 なるべく委員諸君の発言は尊重しますが、重複だけはやめてもらいたい。
○神山委員 今の提案ですが、考査委員会が國政調査だということを盛んにさつきから繰返しておられますが、もちろん精神そのものはそうだ。しかし考査委員会とは他の委員会と違つた特別の委員会であつて、すでに決議の中に現われておりますように、委員会そのものが特殊の権限を持つておるだけでなく、政府の機関その他に向つて一定の指示をすることができる、こういうことになつておると思う。そこにこの委員会の特殊性があるので、証人を被告人扱いしないということは、ぼくのごとく紳士的にやるという意味ではまつたく賛成だが、それを強調するあまり、この考査委員会の持つている特殊の性格と権限をなくしてしまうように誤解されては困る。
○徳田委員 理事会で整理しないと困る。理事会で質問事項をきめることを採決してもらいたい、動議だから……。
○鍛冶委員長 これは異論もありますから二……。
○徳田委員 異論がないようにしてもらわなければならぬ。異論があるというんなら、まとまらぬ。
○佐々木(秀)委員 それでは証人から聞きただすことを理事会である程度わくをきめれば、各委員が委員の立場や考え方から質問できなくなるようなことになれば、この委員会の性格がなくなる。徳田君の趣旨は了承するが、これを決議するとかいうことでなくて、そういう氣持で行こうということの申合せならわかる。 —————————————
○鍛冶委員長 了承いたしました。
○鍛冶委員長 杉田さん、遅くなつてすみませんが、なお他の委員で補充尋問することがあるそうでありますから、なるべく簡潔に要点だけ……。
○高木(松)委員 ごく簡単に聞きます。あなたの最前の証言によると、でこぼこを調整するのであるというような言葉も使われた。それから努力目標額もきめる、その他いろいろ速記録を見ればわかるけれども、いろいろな節々から見ると、何か税金をかける場合に、ほんとうの所得を目標にせずに、どこかからの指示があつて、そうしてあなた方の成績をあげるなり、目標額をあげるというような形が見えたのです。そこで質問したいのは、あなた方の税務署長としての職場において、税金をとる場合に、基本観念として、税金は眞の所得額から法律の命じた控除その他をして、そのものに限るという精神をもつて税務事務を取扱つておるかどうかということを聞きたい。それはあなたの証書の節々を聞いて、疑いが出たところだが、あなた方が税務を処理するときに、どういう基本観念でせられておるかということを聞きたい。
○杉田證人 たいへんごもつともなお話でございます。もちろん私どもといたしましては、税法にもとをおきましてやつておるわけでございます。それがために先刻申し上げましたようないろいろな調査をいたしまして、つとめて実額を捕捉する、実態を捕捉するということに重点をおいておる次第でございます。しかしそのようにいたしまして、努力はむろんいたしておるのでございまするけれども、これは人手の少い、しかも未経驗者がやりましたことでは、なおかつ不十分である。やはり自分たちがいたしたことを業者の方にいろいろ御批判をいただき、いろいろでこぼこを是正して、先刻申しまするように、できるだけすつきりしたもの、むりのないものをつくり上げたい、こういうことで私どもはやつております。
○高木(松)委員 それはわかりました。そこであなた方はそういう考えであろうが、あなたの部下の末端までそういう考え方をもつてやつておられるか、どうかということを聞きたいのです。
○杉田證人 私どもはつねにそのようなことを訓示いたしておつて、しかもときどき打合せ会のようなものを聞きまして、その趣旨をよく話しておるわけでございます。
○高木(松)委員 その点はわかりました。それからあなた方は税務官吏を採用するときに、どういう方法で採用されていますか。
○杉田證人 これは最近におきまして先刻申しまするように、公務員法が実施になりましてからは、相当違つで参りましたが、それ以前におきましては、まずもつて履歴書を出させる、そうしていつ何日に出頭せよということを命じまして、私ともう一人、総務課長、以前は庶務課長です。これを立会わせて、二人で人物をまず見る。物腰、態度、言語、動作、こういうようなものを見ます。なおその前の組合の運動がいろいろはなやかであつたときにおきましては、オブザーバーといたしまして、組合もそこに列席だけしておつた、こういうときもございました。
○高木(松)委員 身元の調査はしますか。
○杉田證人 身元の調査は從前はもちろんいたしておりましたが、さらにその前は警察に照会しまして、いろいろ身元を調査してもらうことになつておつたのでございます。戰時中そのようなことがなかなかいたしかねるというので、次官通牒でございましたか、そのようなことは特別の場合を除きましていたさないということにかわつて参つた次第であります。
○高木(松)委員 それはわかりました。そこで私の聞かんとするところは、そうして採用したらただちに税務の末端事項に直接関係させるのですか。逆に聞きましようか。何か税務吏の教育とか技術の方面の教育とか人格的の教育とか、何かそこに方法があるのですか、ないのですか。
○杉田證人 それは現在におきましても税務講習所というものがございますが、それは別といたしまして、そのような施設は何もございません。
○高木(松)委員 そこであなたが税務署長としての体驗からそれを何かせぬと税務の末端が——先ほどの証人の言によると警察に行くよりも恐ろしいというような態度を示す傾向があるのだが、これは適当な研修でもして教育を施すにあらずんば是正されないと思うがあなたの考えはどうですか。
○杉田證人 たいへんごもつともでございまして、私も同感でございます。
○高木(松)委員 それから第三としていわゆる税額決定にあたつて、おそらく日本國中納得して納めている人は少いように風聞だが聞いておる。そこでこの税額決定その他の納税の問題について、あなたは署長として何とか民主化した方法をもつてやることについての意見はありませんか。言いかえれば要するに國民の納得するような納税をせしむる方法、民主化の方法を考えたことはありませんか。
○杉田證人 これにはいろいろございましようと思います。小さなところで取上げますならば、まず第一に窓口事務を改善する。これはきわめて小さな問題でございますが、私考えまするに決して小さな問題ではない。実は私身をもつてもつと民主的にやれ。親切丁寧にしてもらいたいということを常に署員に訓辞をいたし、私自身も実際の行動に現わして署員を薫陶いたしておるつもりではおります。
○高木(松)委員 その点はわかりました。何かそこにあなたが職掌柄として具体的な方法を考えて、これならばよろしいなというようなことを考えついたことはありませんか。——なければよろしゆうございます。それから一般國民が納税に対して不満のあることはあなた御承知ですか。
○杉田證人 承知いたしております。
○高木(松)委員 その原因は何であるか研究されたことはありますか。
○杉田證人 その原因は課税のでごぼこである。これを非常に納税者の方々は不満に思つていると思います。
○高木(松)委員 そのほかに何か原因に思いあたるようなことはございませんか。
○杉田證人 これはさいぜん申しましたところの現在の税務署がきわめて不親切であるというようなことも一つであろうかと思います。
○高木(松)委員 社会的に何かの運動でも起きておつて、その運動の結果不平不満が出て來たり、税の抗議の出て來るような事実をあなたは目撃したことはありませんか。
○杉田證人 これは私どもといたしましても常に考えておるところでございますが、目下のところこれと申して思いあたることもございません。
○佐々木(秀)委員 お尋ねいたします。努力目標というのは、税務署長が大体見当をつけて、このくらいが努力目標だということをおきめになるのですか。それとも前年度の税收を見て、本年度の税率は何割あがつた。それに対して何割をかけるんだというように税務署長が独自に考えられるのか、それとも財務局の方から浦和の税務署は一億とるのが今年度の税金の総額であるが、これに対して二割を増すことが努力目標であるとか、そういうことが何かの形で現われて來るのでありますか。
○杉田證人 これは非常にむずかしい問題でございまして、もちろんこれは財務局だけできめるものではありません。また税務署限りできめるものでもございません。私一番最初にいろいろ経済調査から始めまして、個人調査その他実態調査までお話いたしましたが、あのようにいたしまして署におきましても実額をつかみまして、また同時に財務局におきましても全管内権衡がとれますようにいろいろ双方において調査研究を進め、打合せ会議などを開催いたしまして、大体これくらいあるであろうというところの数字をきめる次第であります。
○佐々木(秀)委員 とれるというものをつかんだものが努力目標ですか。それに何割か増したものが努力目標ですか。
○杉田證人 努力目標と申しますと、これくらいなら職員一同が協力一致しでやればつかめるであろうという数字であります。
○佐々木(秀)委員 各税務署には報奨制度がありますか。たとえば努力目標、こういうものに対しては……。
○杉田證人 何もございません。
○佐々木(秀)委員 どこかにあることを聞いたことがありますか。
○杉田證人 聞いたことはございません。
○佐々木(秀)委員 浦和の実情をお聞きします。浦和の現在のあなた方が割当てた税金は、業者が生活のできないような立場になつておるということを聞いているのですが、それは税務署長として非常にむりな生活のできない税金を納めさしているというところのお考えがありますか。
○杉田證人 私どもは税務署の課税が非常に馬鹿々々しく高い、非常にべらぼうなものであるというような場合におきましては、異議申立てとか、再審査請求というようなものをお出しいただきまして、努めて納税者の方々のおつしやることが、審査の理由が、申立てが正当であるかどうかということを突きとめまして、できるだけ適正な課税をいたしたい、このように考えて仕事を進めております。
○佐々木(秀)委員 わかりました。もう一つは浦和で自轉車業とか洋服業とか各業者團体が税金の引下げをするために、いろいろな運動なりあるいは税務署員との会合なりしていることをわれわれは聞いたのですが、あなたが税務署長になられてから、相当各團体が税務署で内示した税金の引下げ運動をやつているという風聞をお聞きになつておられましたか。
○杉田證人 私は今回初めてそれを聞きました。
○佐々木(秀)委員 この事件の起る前は聞いておりませんか。
○杉田證人 自轉車組合がそのようなことをおやりになつており、そうして警察の方にあげられておる、これはいかぬというわけで、先ほど同席されました組合長さんにさつそくおいでいただきまして、そのようなことがあつたのかというので私はお尋ねいたしました。そうしたらそのようなことが事実あつたということを聞きまして、私も実事は、びつくりいたした次第であります。
○佐々木(秀)委員 從來はわからなかつたのですね。もう一つだけお聞きしておきたい。先ほど税務署員を採用する場合において、戰爭中は身分調査はやらなかつたようだということでありましたが……。
○杉田證人 身分調査をやらないのじやなくて、それにかわるべき身分証明書の提出をもつて身分調査にかえるというのです。
○佐々木(秀)委員 そこで具体的な問題に入りますが、この吉岡という人が昭和二十三年の八月二十五日に前科窃盗犯であげられて、執行猶予三年の判決を受けている。それで税務署で雇つたのが昭和二十三年の九月ですと、窃盗の判決を受けてから十日ないし一箇月とかかつていないのです。この窃盗であげられた吉岡某なる者を採用するときに、その事実は全然わからなかつたのでございますか。
○杉田證人 全然わかりませんでした。実はその当時人がなくて困る、仮更生をしなければならない、どうも弱つたものだというので、財務局におきましてもその当時公募いたしておりました。それから署におきましても掲示板へ募集の公告を出しておりました。ところがやつて來たわけであります。実は私人事課長をいたしておりました関係から、人を見ますれば——これははなはだうぬぼれて何でございますが、大体はいい人か惡い人かはわかるつもりでおつたのですが、今度ばかりはそうは行かなかつたというようなわけであります。
○佐々木(秀)委員 これは税務署長さんとしても、まことに大失態であつたということだけはお認めになりますか。
○杉田證人 これはまつたく私は残念でございます。
○佐々木(秀)委員 わかりました。
○浦口委員 今税務署の役人は、給料が高い安いにかかわらず、六千三百円ベースではなかなか容易でないと思うのですが、そういう給料をお取りになつている方が、ときどき酒を飲んで歩くなんということは事実なかなかできないと思うのですが、世間では、相当税務署のお役人がはでに飲んでいると言い私も事実大分知つておるのです。そういう点について署長さんはふだん第一線に立つ吏員の給料と家庭生活をにらみ合せて、いろいろと御檢討になつているか、あるいはそれに対して何か特別、監督の方法を講じておられるか、その点一つお伺いいたしたい。
○杉田證人 実は署内におきまして署員の実情に一番うといのが署長でございます。一番よく知つておるのが隣りの席とかあるいは同僚で、その次によく知つているのが係長です。その次にやや知つているのは課長です。何事があつても署長には默つておれ、課長には默つておれ、このようなことは非常に遺憾で、私どもは常に署員の行動について氣をつけておるのでございますが、実はなかなか私どもの耳に入つて來ないのであります。これが実情でございます。
○浦口委員 重ねてお伺いいたしますが、最近何かそういう傾向が非常に多いとお感じになりませんか。
○杉田證人 私は実は何も感じておりません。
○浦口委員 それではそれで打ち切ります。 もう一つ、税金に対する不満はでこぼこにあるとおつしやつた。非常にでこぼこをお認めになつているとすれば、でこぼこを直す方法もおのずからお考えだと思う。とりわけ、非常にわかり易く言えば、あの家はもつと取れるのだがと思いながら、何となく取ることをはばかるような何かの圧力があるか、あるいは取らないでおいた方が何か自分たちに利益があるとか、そういうふうな動きが、吏員の中と言わず、あるいは課長、係長までこめて、そういうことをお感じになつていないか、それをお聞きしたいと思います。
○杉田證人 圧力というものは全然ございません。私の方の税務署につきましては、地方のいろいろな議員さんとか何とか、そのような方たが私どもに対しまして、あれはこうしてくれとか、あれはこうしなくちやといつたようなことは、私ども全然そのような希望的意見を申し込まれたためしはございません。ですから言いかえれば、重圧というようなことは全然私は感じておりません。
○徳田委員 まず最初にお開きしたいのは、あなたは努力目標というのは自分らがこしらえたのだというふうに言つておりますが、どうですか。
○杉田證人 私さつき申し上げたのは、税務署だけできめたのでなくて、これは税務署とか財務局、そういうような機関がいろいろ調査した結果です。
○徳田委員 ほんとうかね、大藏大臣はちやんと言うているぞ。各財務局に向つて努力目標は示してあるとちやんと言うている。大藏大臣がそう言うのだから、財務局は君らに向つてちやんと示したはずだ。どうです。
○杉田證人 これはそのようにいたしまして何べんも何べんも開きまして、その上できめたところのものを示しておるのであります。ですから上からこういうものをこれだけやるのだというのじやなく、事前に私どもも十分調査に從事いたしまして、署員が從事いたしまして、これくらいあるというので……。
○徳田委員 それだけの時間と人間がありますか。今君は、仮更正決定をしなければならないので、前科一犯の判決を受けて十日間にも至らないのに、それでさえ雇わなければならぬというほど人が不足したと言つておるけれども、事実君そういうことするひまがあるか。それだけの時間とそれだけの人があるか。
○杉田證人 これはもちろん全体について調査いたすのでありましたならば、御説のようなことが成立つであろうと考えますが、全体について調査するのではない。最前申し上げましたように繁華街調査をやりまして、まずもつて柱を立てる。それから標準率の調査をやる。そういうふうにいたしまして、まずもつて大体ことしはこの程度のものはこれぐらいになるであろうというのと、もう一つは各業種團体から指数とか序列とか、そういうものをお出し願いまして、大体これくらいになる……。
○徳田委員 ずつとあとじやないかそんなものは。
○杉田證人 これは署ごとにまちまちでありましようが、私の方ではいたしておるわけです。
○徳田委員 それならば努力目標に対して君らがこれを達成したときに報奨金というものはないと言うけれども、これは予算委員会で……。
○杉田證人 それはちよつと申しますが、署において報奨を出すということはございません。たとえば甲がよく努力したからお前は幾ら決定したからと言つて幾らやるんだ……。
○徳田委員 なら予算委員会で大臣が三千万円報奨金を出しておる、一昨年は予定額よりよけい越えたから大体よけい越えたところを見込んであの三千万円を出したと言うておるが、そうするとこれはみなうそだな。
○杉田證人 いやそれは賞というもの、中間表彰と申しますか、そういうものは財務局から頂戴いたします。ただし最前のお話は一署員が幾らとつたからして幾らお前に報奨金をやるというように聞きましたからそれだけの……。
○徳田委員 そんなでたらめ言つたつてだめだ。個人で請負つておるわけじやあるまい。個人で請負うということがあるか。署全体でやるのであつて、署が一定の目標に達すればそれに対して報奨するんだ。だからあるだろう、君。
○杉田證人 そういう名目のものはございます。
○徳田委員 それを言わなくちやだめだ、ちやんと大臣がそう言つているのだから、君、正直に言え。 それからそれだけ君らはそういうふうなことをするならば、実際上君らがあの更正決定に対して異議の申立てをしたときに、この異議の申立て書に対して君らはみな調べておりますか。
○杉田證人 簡単なものについては、たとえば重複決定であるとか、家族の扶養控除漏れであるとか、あるいは反別誤謬とか、それに類しました小さなものについては、これは調査することなくはつきりした間違いについてはただちにやつております。その他の大きなものにつきましては、調査するということが建前になつております。
○徳田委員 建前だけだろう。調査してないんだろう。
○杉田證人 また問題のあるものにつきましてはもちろん実額調査をしております。
○徳田委員 しておるんですね。
○杉田證人 いや、実額調査をする……。
○徳田委員 するという意思があるだけなのじやないか、君が税務署長をやつておるときに、異議に対して調べて、この異議は却下すべきもの、これは採用すべきもの、これはどう決定すべきものということはやつておるかということだ。
○杉田證人 これは実は私自身がやつておるわけではありませんので……。
○徳田委員 これだけはやらなくちやならぬじやないか。君が部下を使つてやらなくちやいかぬ。署長がやらなければいかぬ。
○杉田證人 これは部下がやる必要がある。しかし署の調査額と異議申立て金額が非常に大きな食い違いがあるとか、そのようなものにつきましてはこれは実額の調査をいたします。
○徳田委員 してあるんですね。
○杉田證人 しております。
○徳田委員 あとでわれわれ調べるから、してありますね。実はこの更正決定に対して異議の申立てをして、その異議の申立てがほとんど無規されておるから、裏からまわつて頼みますということになる。ここが腐る決定的な問題じやないか。君らが実際上法律の示す通り、この異議申立てに対してすつかり親切にやつてくれるならば、そうして正鵠を得るならば、買收する必要もなければ、またどんなにおどかしたつてそれに賄賂を使うようなことはないと思うがどうだ。
○杉田證人 一番最初のお話でございますが、まだ私の方は全部異議申立てを処理し盡しておりません。ですからそこだけを御了承賜わつておきたいと思います。
○徳田委員 それだから腐るだろうと言うんだ。どうです、君の意見は。
○杉田證人 なかなかこの問題は容易ならざる問題で……。
○徳田委員 ごまかしてはいけない。だから更正決定だの督促だのして、君らがこの異議申請を早く決定しないで、ほつたらかしておいて差押えているんだろう。督促もしているんだろう。
○杉田證人 督促はいたしております。ちよつとお待ちください。督促状はまだ出しておりません。私の方は注意書は出しておりますが、督促状は出しておりません。
○徳田委員 そうするといつから日歩をよけいとるか。
○杉田證人 日歩は、延滯金は督促状の交付を受けた翌日から……。
○徳田委員 そうするとあなたの方は一つも日歩をとつておらぬですね。
○杉田證人 実はこの事件で相当書類を押收されたり何かして、なおかつ内部が動揺しております。それでこの際私どもの方の心構えといたしまして、すつかりもう一回銀行の通知だの、郵便局の通知だの、税務署の押收管理に当つたものをすつかり受取りの帳面をつけ合せまして、これで間違いがないものだということで督促状を出すというので……。
○徳田委員 今度出してないね。
○杉田證人 まだ出してございません。來月の半ばごろになるという予定であります。
○徳田委員 昨年はあなたはいなかつたのでわからぬでしようか。
○杉田證人 昨年は私ちよつと記憶に残つてございませんですが、これは役所に帰りますればわかりますが、今年はまだ督促を出しておりません。
○徳田委員 私らの見るところではここに大きな問題があると思う。
○杉田證人 そこで私どもの方といたしましても、税金は再審査請求をお出しになつても、税金の方はお納めになつていただくのだということはよく……。
○徳田委員 それじや君たまらぬじやないか、ずつと低かるべきものが高いものをとられて、とられた後に強迫してもあきはせぬぞ。
○杉田證人 一應税法がそのようなことを規定しておりますので、審査請求中といえども税金は納めていただくということが書いてありますので、それによつてしております。
○徳田委員 ここに税務官吏の專制権があるから、権力がここにある。いくらこれが間違つていると言つたつて聞かない。聞かないようにできている。だから君こういう賄賂をしたり、いろいろな惡いことをしたり、腐敗の原因になつておる。そうじやないか、それを認めろや。(笑声)おもしろいだろう。 〔「おもしろ半分にやられたら困る。証人がたまらぬ」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 徳田君、早くやつてください。簡潔にやつてください。
○徳田委員 よし、それなら簡潔にやろう。税務署員をあなたが採用するに、審査もせず何もせずに今やつているんですね。今は公務員法ができたからそうですけれども、前もそうだつたですね。
○杉田證人 人物考査というものをいたしまして、これは履歴書一本ですぐとるとか何とかいうのではもちろんございません。
○徳田委員 そこであなたの所は二百人おると言われたが、満二十五歳以下の人間がどれくらいおるんですか。
○杉田證人 ただいま私数字に書いたものを持つておりませんが、二十五歳以下というのは、まず百何十人かおりましよう。
○徳田委員 そうすると半数以上ですね。
○杉田證人 半数以上おります。
○徳田委員 これらの人が徴税の賦課もすれば徴收もする、両方するんじやないですか。
○杉田證人 三級官でございますれば課税の方もいたします。それから徴收もいたします。ただ雇でございますれば、補助員でございますからやはり補助的の仕事をしております。
○徳田委員 だからして自分で課税しておいて自分でとるのでしよう。
○杉田證人 そうではありません。課税ととる方は別な課になつております。課税の方は直視課の第一係、それから徴收の方は総務課の方でいたしております。
○徳田委員 全然別ですね。これは関連がついておるようなことはないですね。
○杉田證人 ただこういうことがあります。年度末になりましてぜひ財政需用を充たすべく何とかして年度末までに成績をあげたいというときには、これは男と名のつくものはことごとく納税督励にまわしておりますから、そこらの点は御承知を願いたい。もちろん雇は現金をとることを私どもの方ではただいままではやらしておりません。ただこの問題は命令を出せばとり得るような仕組にも今までなつておりましたが、現実実際問題といたしましては、私の方の署においてはそういうふうにやつております。
○徳田委員 差押えはどうですか。
○杉田證人 差押えは三級官でなければできません。
○徳田委員 雇なんかはやらないのですね。
○杉田證人 これは補助員としてついて行くということはございますが、やはり三級官でないと差押えはできないことになつております。
○徳田委員 規則上はそうですが、実際はやつているのじやないですか。
○杉田證人 実際問題としても差押えに行くのは一人で行くのはうまくないというので、私どもの方では三級官一人と男の雇をつれて参ります。
○徳田委員 最後に一点、これは所得をたくさん持つておる連中ですね、代議士とか何とかいろいろな職業についている人々に申告以外に更正決定を二倍もやつておる事実があるのだが、こういうふうに二倍も三倍も更正決定をやつたためしはありますか。
○杉田證人 私具体的の問題として記憶に残つておるものは一つもありません。
○徳田委員 わかりました。
○石田(一)委員 ちよつとお尋ねしますが、先ほど組合関係の事件が起きたときに、組合長をさつそく呼んで聞いてみたとおつしやいましたが、それは何という組合長ですか。
○杉田證人 鈴木さんという方だと記憶しております。きようここにおいでになりました。現在の組合長さんであります。
○石田(一)委員 その前の組合長はあなた御存じありませんか。
○杉田證人 私きよう控室におきまして、浦和からいらつしやつた方にちよつとごあいさつをいたしました。老人の方ですが、きよう初めてお目にかかりました。
○石田(一)委員 それでわかりました。もう一つ聞きたいことがあるのです。この徴税事務において、一度要するに実質上税金を取立てたものを、再びまた徴税令書を発行して、二重に同一人から同じ種類、の税金をとつて來るということがありますか。
○杉田證人 これは形の上で本人が二重徴税というようにお考えになられたものはあるかと思つておりますが、現実に同じ納期の同じ税額を再び納めたというためしは、私はあつたかどうか、そこまではつきとめておりませんから、絶対にという文句は使えませんが、おそらくないであろうと考えております。
○石田(一)委員 それは浦和の税務署の機構においてですか、日本全國の税務署の機構においてですか。
○杉田證人 それは常識といたしまして、同じものを金がない時代に二つ納めるということもまず私らにはちよつと考えられないのです。
○石田(一)委員 納める方はそうでしようけれども、とる方が非常に権力が強くて、では領收書があるかと言われて領收書をさがしてみると小さいきれだからどこに行つたかわからない、領收書がないからしかたないというので二重にとられる。そういう二重に徴税令書を出すように今の機構でなり得る可能性がありますか。
○杉田證人 徴税令書は今の申告納税制度になつてからは出しておらぬのであります。つまり御自分で切符を書いて、御自身で銀行あるいは郵便局にお佛い込みになるから、こちらから徴税令書をやるということはないのです。
○石田(一)委員 督促状はないのですか。
○杉田證人 督促状ですか、これは実はこういうようなお考え違いではないかと思います。一度納めましたが、私の方の帳面がまだ消し込んでない関係上注意書を出した。それがためにこれは二重徴收だ、現実には税は二重に拂い込んでおるのではないけれども、一度納めたところへまた注意書が來て、納めなさいと言つて來た関係で、これは税務署の二重徴税ではないか、こういうように考えたのが大部分ではないかと思います。
○石田(一)委員 それは一ぺん納めて前と同じ税種で同じ金額のものが二重にかかつて來て、しかもそれに対する領收書を出している……。
○杉田證人 そういうことはほとんどないと思います。
○石田(一)委員 事実あるのですかね。
○杉田證人 事実ですか。私はまだその事実は聞いておりません。
○石田(一)委員 あなたのところではそういうことはあり得ぬとおつしやるのですか。
○杉田證人 そのようなことはないであろうと、私はただいまのところ考えております。
○石田(一)委員 あるとすればそれは何か不正があるという考えはありませんか。間違いがありますか。
○杉田證人 間違いの場合は別といたしまして、その他の場合におきましては、私はおそらくそういうものはないであろうと考えます。
○石田(一)委員 私もそう思うが、そういう事実はあるのです。これは私自身がその体験をしている。私はそれをそのまま請求も何もしないで持つている。見せろとおつしやれば、そういう書類は全部ちやんとある。そうして向うが半分だげ済まんけれどもとつておいてくれと言つて、あとの半分ばそのままになつておるという事実はあるのです。
○神山委員 ちよつと一つ補促的に聞いておきたいのですが、先ほどから署長さんがいろいろ税法の取立て方を私たちに教えてくれたわけですが、そのときに基準調査をやつて標準を立てるということを言われましたね。それからまた繁華街などに対しては、いろいろ基準となるような業者のところでは一軒残らず当つて柱を立てる、こういうわけですね。これは非常に必要なことだと思いますが、そのために実際において納税者の状態を具体的に調査されるというふうなことを行つておられるかどうか。
○杉田證人 いたしておりました。
○神山委員 そこで私のお聞きしたいのはこういうことです。基準調査や柱を立てる場合にはされたことは明らかでありますけれども、一般に調査ができないというふうにおつしやつた、それでいいのですか。あなたは先ほどそうおつしやつたのですけれども。
○杉田證人 つまり全部について営業者の方々のお宅に参りましてそろばんをおいてやりましても、やつた結果が相当うまいものが出るのならば、まだしも、全部について漏れなく調査して、そうして所得額をきめるということでありますと、相当これは長期間にわたつて調査いたしませんと、ちよつとできかねる。しかもでき上つたものが、必ずしもよいものができるかと申しますと、これは私どもあまり期待はできないというわけです。
○神山委員 それと税法との関係はどうなりますか。
○杉田證人 これはとにかく税法の精神には違反しないと考えております。つまり課税の技術上そのような措置を講じたのでございまして、私といたしましてはそれがただちに税法違反であるとは考えておりません。
○神山委員 私はそこまで言いはしない。あなたの解釈としては税法違反じやないのですね。
○杉田證人 私は税法違反でなく、やはりこれは調査の一つの方法であると思つて、課税技術上そのような方法をとつております。
○神山委員 それから先ほど佐々木委員からも徳田委員からも質問されたことに関連して明らかになつたことを違つた面から言うのですが、あなたは先ほどの回答の中では努力目標はまつたく下から主としてつくるように言われたが、よく聞いてみると、そうでもない。上とも相談されたというばかりではなくて、これは本國会において大藏大臣そのものが説明したところで、あなたの見解は必ずしも妥当でないということがわかつたのですが、さらに私がお尋ねしたいのは、今私の質問したことに関連してあなたが税額をきめる場合に実際の納税者の実情に基いておきめになるよりも、上からきめて來る方が多いじやないか、そこをひとつ聞きたい。
○杉田證人 私の方といたしましては、むろん最前申し上げましたように、いろんな調査をいたしまして、私の方の調査によりますと総体がこれだけになる、その総体をひつさげまして、なおかつ私の方でやりましたものにでこぼこがある、最初いろんな指数とか、序列というようなものを出していただきましても、その出していただいたのが最初お話しました縦の権衡だけを見たのでございまして、同時に横の権衡を見ることが必要なわけでございます。そのような次第でございまして、これは組合にも御相談いたしますし、それから町村役場とかその他堪能な方々の御意見も公正にしてまじめな御意見であるならば努めて採用する、こういう氣持で進めております。
○神山委員 大体わかりましたが、もう一つ二つ聞きたい。更正決定を前にして分担者が團体幹部と立ち会つて團体の所得額あるいは團体員個人の所得額を協定したということが言われておりますが、どうですか。
○杉田證人 組合の方々の御意見を聞きまして、その御意見が正しいものであると認めました場合には、私ども努めてその御意見を尊重して、相手方が信がおけないというような團体の幹部の方でございますならば、これはもちろん御意見は尊重いたしません。
○神山委員 不成立の場合もあつたわけですね。
○杉田證人 ございました。
○神山委員 それから更正決定のあとの異議申立が大分來たらしいですが、團体幹部の意見を聞いたので、各個人について実地調査をしないでただちに訂正したものがありますか、ありませんか。
○杉田證人 そのようなものも若干あると思つております。
○神山委員 それからこの團体に課税するときに、協定した額をあなたの方から一方的に破棄したようなことがありますか、ありませんか。
○杉田證人 まだ私の方といたしましてはそういうことはいたした記憶はございません。また課長からも何も私は報告を受けておりませんですが、私といたしましては、この際破棄したというようなことはまだありません。さて今後いろんな問題が起きて、たとえば休業組合のようなものをいかに措置するかということにつきましては、これは上局とも打合せまして、できるだけ正しい道を歩んで行きたい、かように考えております。
○神山委員 そこで今のあなたの私に対する回答はまことにけつこうでありますが、本國会の予算委員会に主税局長が來て説明したところでは、あなたの今のお話に反して、一方的に破棄したりあるいはこれに伴つて種々の弊害があつたことが一般の不信を來した原因となつておるという回答をしておられますが、これはあなたが正しいのですか、主税局長が間違つているのですか。
○杉田證人 主税局長のお言葉は全國的なことをお考えになつていらつしやるのじやないかと思いますが、いかがでございましようか。
○神山委員 参考までに題名を読みますが、浦和税務署執務状況につき関東、信越財務局による監査報告、これが國会に提出されたものを私が今読んでおるので、どちらが正しいのですか。
○杉田證人 それは財務局におきまして、直税の方とそれから徴收の方と、この二つの係りから局員が御出張りなりまして御調査になられた。私どもは局でもつてそのような事実があつたというのでございましたならば、いささかもそれに間違いがないであろう、こう考えております。
○神山委員 それでけつこうです。それできようのあなたのわれわれの質問に対する回答全体が、じようだんを交えて言えば、これは政府委員の説明のようであり、もつとうまい。同僚委員の諸君が折紙をつけられたほど非常に名答弁をされておる。ことにまたあなたがわれわれの質問に対してお答えになる場合に初めからノートを持つてお答えになつた。これは委員長がお許しになつたことですからとやかく言いませんが、あなたが御自身でお認めになつておるように直税関係に対して明るくない。そのためにノートを持つてされることを默認したのでありますが、從つてあなたの証言全体について私たちは信用することができないというふうに言つたらあなたは怒りますか、怒りませんか。
○杉田證人 私はまじめに申し上げておるつもりです。
○神山委員 事実の間違つておることは認めますね。
○杉田證人 事実の違つておるというのはどの点でありましようか。
○神山委員 先ほど私が最後に聞いて弊害があるということ——実はあなたは一方的に破棄したことはないというが、大藏省の報告では一方的に破棄したという事実を認めておる。あなたもそれに対して署側でそういうことがあると言つたならば、それを承認するという先ほどの答弁ですが、イエスかノか、これを認めるかどうか。それだけです。先ほどの通りでよいのですね。
○杉田證人 その点についてはさてそのような問題が起きたときいかにしましようかということで、先日も直税課長を財務局に出張させまして、財務局の御意向を聞かして來たわけでありますが、そのような次第でありまして、私といたしましてはその組合と協定した事柄を税務署が一方的に破棄していいかどうか、もしそのようなことがあ、りましたならば組合の組合長さんのお立場もなくなるし、今後税務署が相手にされなくなるという問題も起きて來るわけであります。
○神山委員 そこで私は聞いておるのです。あなたの御回答は不満足でありますが、わかつておりますからよろしいです。
○杉田證人 しかし財務局がお調べになつたときそのようなことが……。
○神山委員 委員長、資料の提出について二、三お願いしたい。署長に要求するわけですから、会のあとからでもあなたを通じてお願いいたします。——それはそれでよいです。 最後に一言お聞きしたいのは先ほど不正事件が起つておる根因は何であるか。あなた自身が陳述されたときいろいろ並べられたのですが、その中に官吏の素質の低下、非能率をあげられた。こういう点については同僚委員から質問もありましたから私は質問するのではありませんが、その第一の原因としてあなたがあげられたのは、税が高いということであつたということをあなたは御記憶ですか。
○杉田證人 それは遠因です。
○神山委員 そうです。それでけつこうです。そうしてさらにその上にでこぼこがある。そういうことですね。
○杉田證人 それから署員が非常に……。
○神山委員 その点について私は資料を求めておる。あなた方税務署職員の生活の改善や、さらにあなたが困つておる補充の問題、素質の向上のことについて決して忘れておるわけではありませんが、これはすでに明らかであるふらお尋ねしなかつたのであります。今日お尋ねしたこと、及び御回答については、私どもは別個に結論を下すわけでありますから、聞きたいことはたくさんありますが、この程度で打切つておきます。
○鍛冶委員長 大体よろしゆうございますか。 今のに補充して聞きたいことは、先ほどからも言われたように、團体から序列を聞くというようなことですが、團体から意見が來たならば尊重してやられるのですか。
○杉田證人 まじめな團体の御意見でございますならば、私たちは尊重する。
○鍛冶委員長 まじめに思うから採用されるのでしようが、そのために非常に不公平が起きておるという事実ば認められませんか。
○杉田證人 まじめな團体のまじめな答申でありましたならば……。
○鍛冶委員長 あなたはまじめと思つても、そういうことでまじめでないものがあるでしよう、そのために非常に起つておるじやありませんか。たとえばあなたのところで青果物組合であるとか、被服商工協同組合、そういうものでえらい物議が起つておる事実があるようでありますが、それはどうですか。
○杉田證人 これは私は大宮の床屋さんであると考えておりますが、それがために組合が一派にわかれたということを私は耳ににいたしております。
○鍛冶委員長 実際そういう事実があるでしよう。それはあなた方は今後の徴税に対してよい方法と思つておるかもしれないが、注意しなければならぬから申し上げる。 もう一つ先ほど聞いた中で、督励班を出しておると言われたが、督励班は早く納めてくださいと言うだけですか、それとも領收書を持つて行つて現実にそこで受取つて來るのでしようか。
○杉田證人 役場出張と個人のお宅に督励する場合とは違つておりますが、役場出張の場合においては直税の三級官と庶務の方の補助員あるいは三級官、それが一緒になつて、片一方では説明し、片一方ではすぐとる、こういうことにいたしております。
○鍛冶委員長 個人の方は……。
○杉田證人 個人の方は督励でございますから、現金はなるべくとらない、三級官でございますれば、これはとつてもよろしゆうございますが、しかし納期中のものにつきましてはできるだけ郵便局、銀行に持つていつて納めてもらう。今日は相当金額がまとまつておりますから……。
○鍛冶委員長 いやそれはわかつておりますが、現実領收書を持つて行つて受取ることがあるのですか、それだけです。
○杉田證人 それはないと考えております。納期中のものは金を持つて來るとすぐにふろしきいつぱいになりますから、それではかつぱらわれたとき困るじやないかということで、できるだけ郵便局の方に納めていただくことにしております。
○鍛冶委員長 それでは済みました。御苦労さんでした。 なお本件につきまして來る十七日の委員会でさらに浦和青果物組合員石井竹次郎、同組合役員清宮松五郎、洋服商工協同組合員鈴木富藏、同組合役員北島重太郎の四名の証人の出頭を求めて証言を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
○徳田委員 こつちから初めの方にあげておいた後藤某、あれをひとつ呼んでもらいたい。
○鍛冶委員長 それはこの次の理事会できめましよう。 それではこの四名については御異議ありませんね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時八分散会