厚生委員会 第23号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/22
会議録
○松永委員長代理 これより会議を開きます。 まず優生保護法の一部を改正する法律案を議題といたし、前会に引続き質疑を許します。青柳委員。
○青柳委員 私は前会保留しておきました質問をいたしまして、人口問題研究所の御意見を承りたいいと思うのでございます。まず第一は現在産児制限に必要な薬が公認せられまして、産児制限を実施しようとする勢いが國内に滔滔と勢いを増しつつあるのであります。また現在私どもが審議しております優生保護法の改正案におきましても、貧乏人には堕胎許さんとしつつあるのであります。かかる風潮が將來の日本の人口構成に及ぼす影響いかんという問題につきまして、御研究のほどのご発表を願いたいと思います。
○岡崎説明員 今御質問になりました点について簡單に御説明申し上げたいと思います。産児制限が普及いたしまして、また今問題になつておりまする、貧乏人にも妊娠中絶を許すということが廣く行われますならば、將來の日本の人口構成はどういうふうになるのかという御質問でございますが、私ども再生産率と申しておりますが、現在の夫婦が次の時代に自分たちにかわるだけの子供を生まない場合には、人口はだんだん減つて参ります。すなわち再生産率が一に達しない場合には、人口はだんだん減つて來ると思うのであります。そうしてこの年齢の構成から申しますと、下の方の若い年齢の者が全人口に対して少くなりますから、正常的ならばピラミット型のものがつりがね型になつて参りまして、老衰的な民族の形になつて参ると思うのであります。産児制限がどの程度に行われたかということによりまして、その形が早くどういうふうになりますか。また遅れるかということがきまるわけであります。産児制限の行われる速度によつてこれは非常に違うと思うのであります、ただいま日本などは大体において理想的なピラミット型としております。つりがね型になつておりますのはフランスでありまして、一八七〇年ごろからずっと出生率が落ちまして、もうすでに第二次大戰前及び一九三五年からは死ぬ人間の数の方が生まれる人間の数よりも多く、すなわち人口千について約三という自然増加率のマイナスを來しておりましたために、非常に下の方の若い年齢層の人口が少くてつりがね型になつて参つております。そういう極端なことは日本ではなかなか行われないと思いますけれども、急激に産児制限が行われ、妊娠の中絶の手術がひどく行われますれば、やはり日本も早晩そういう形をとるのではないかと思います。これはやはり民族として民族の生命の点から言つて大いに考えなければならない点であると思うのであります。
○青柳委員 本國会の会期も迫つておりますので、詳しくはまたの機会にお尋ねすることにいたしまして、第二に伺いたい点は、現在の日本の人口を將來どの程度の数にすべきか。しかしてそれがためには一組の夫婦がどの程度の子供を持つたらばいいかというような御研究がありますならばその御研究を御発表願いたいと思います。
○岡崎説明員 ただいま御質問のことについて簡單にお話申し上げたいと思います。一夫婦がどれだけの子供を持てばいいかという御質問でありますが、これは日本の國の経済力にかかつておることと思います。昨年の八月の常住人口調査の結果によりますと、わが國の全世帯数は千六百万世帯でございました。そして御承知の通り人口は約八千万でございますから、一世帯あたり四・九九、大体平均五人世帯でございます。わが國は家族統計がございませんので、どれだけの家族があるかということはよくわからないのでございます。しかし世帯数と家族数は大差ないものと仮定いたしまして、もしわが國の経済力が六千万の人口を養うだけの力しかないと仮定いたしますれば、一千六百万戸の平均の家族数は四ということになりますから、夫婦と子供二人というようなところに落ちて行くかと思うのであります。もし日本の経済力が五千万の人口を、養う力しかないと仮定いたしますならば、一戸あたりの人口は三・三ということになりまして、子供の数は一・三人でなければならないということになります。ところが一・三人または二人という子供では、日本の將來の人口が衰退して行くことになると思うのです。これはドイツの人口学者のポルトケウイッチが、自分たちの次の時代の人口を少くとも減さないためには、どれだけの子供を持たなければならないかということを計算した計算例がございます。ポルトケウイッチの計算によりますと、生まれた子供が全部健康に育つて、そうして結婚する年齢に達するまで生きているものと仮定いたしましても、二・八人の子供を持たなければならない。それから生まれてから死ぬ子供があるし、結婚しない子供もあるし、そういうものを計算に入れて計算いたしますれば、少くとも三・四人の子供を生まなければならない、こういうふうに申しております。それで民族の衰退を來さないためには、三・四人、大体三人半ほどの子供を持たなければならないことになつております。それで日本の経済力を高めなければ、ただ人口を押えるということで子供の数を二人とか一・三人というところに押えて行けば、日本の民族は將來衰えることになりはせぬか、こういうふうに私は考えるのです。
○青柳委員 私の質問は終ります。
○松永委員長代理 他に御質疑はありませんか。——なければこれにて本案に対する質疑を打切りたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議なければ本案に関する質疑を打切ります。 引続き討論に入ります。青柳一郎君。
○青柳委員 私は民主自由党を代表いたしまして本案に修正を施し、その他の部分につきまして賛成するものであります。まず修正案につきまして申し上げます。 現在の改正原案の十三條の二号と三号を合せまして、これを一つの号、第二号といたし、その文案を「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害する虞れのあるもの」といたし、さらに同條の第二項にただいま申しました経済的理由による場合におきましては、医師の意見書以外に民生委員の意見書をも添えるという二点の改正をいたし、その他につきましては、條文の事務的整理を行わんとするものであります。その理由を申し上げます。 改正の原案は第十三條の第三号におきまして、妊娠の継続または分娩にとつて生活が著しく窮迫するものをあげまして、これらのものに人工妊娠中絶、すなわち堕胎を行わしむることを得るものとしておるのであります。これにつきまして各方面から檢討いたしますのに、國会は立法機関としてまず第一に立法論から申しますと、優生保護法の第一條には、この法律の目的を明確に規定いたしております。その目的にいわく「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする。」とあるのであります。不良な子孫の出生の防止と母性の生命健康の保護がこの法律の目的であります。生活が著しく窮迫しておる者、貧乏人からも、不良ならざる子孫、優秀な子孫の出生することは何人も否定せざるところでありまして、改正原案が母性の生命健康を保護するというこの法律の目的の限界を超えて、ただ貧困なるがために、また生活が著しく窮迫するに至るがために堕胎を許すといたしますのは、本法の第一條の目的を明らかに著しく逸脱するものでありますので、これに全面的には賛意を表することはできないのであります。ただ妊娠の継続または分娩が貧困なるがゆえに経済的理由によつて、母体の健康を害するおそれがある場合、すなわち妊娠継続中または出産後貧困なるがゆえに母体の栄養の維持が困難なる場合などにつきましてのみ堕胎を認めんとするのが私の改正の趣旨でありまして、かくして本法の立法目的に適合し得るものと信ずるのであります。 さらに第二の立法論からいたしますす際に、貧困の者といえども憲法第二十五條によりまして、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するのでありまして、國はこれを保障する法律上の義務があるのであります。改正原案はこれらの権利義務を貧困者に関する限り適用せざることを前提としなければ理論的に成立しないのでありまして、生活保護法の基準の引上げによつて要保護者のかかる差別感を與える立法は避けるべきであると存ずるのが、私の立法論よりする改正をいたしたい理由であります。 第二は私は刑法理論から申し上げたいのであります。貧困なるがゆえに刑法の堕胎罪の成立を阻却するというがごとき法律は避けるべきである。これはたびたびこの委員会におきまして、本案の審議に際しまして私が申し上げた点であります。法務廰当局の言を聞きますのに、國会においてかかる法律を制定せられるならばまた何をか言わんやである。しかしながら刑事政策の上から見るのに、貧困者に子多くしてますます困窮し、また堕胎がやみで横行しつつあるというがごとき事実はこれを除去いたしたいけれども、貧困者にのみかかる自然に反することを許すというがごときことはできるだけ避けたい。從つて本問題についてはいずれが可能なるやという結論にはまだ到達しておらないというのであります。私は現在提言しております修正によりまして、貧困者にのみ堕胎を許すことをせず、他の階級にも同樣これを許しまするとともに、すべての場合、母体の健康を害するおそれあるものに限つて全國民平等にこれを許さんとするものであります。母体を保護するという効益が胎児の生命を断つよりも大なる場合においてのみ堕胎を許すことによつてこの問題を解決せんとするものであります。 第三は実益論より申し上げます。貧困者に限つて貧困なるがゆえに堕胎を許さんとする法律は、他の文化國にはないのであります。胎児もまた生命を有する。人命は尊重せざるべからざるものであります。胎児の生命を断つことは、容易に文化國家の認めざるところであることは何人もこれをただちに理解し、肯定し得るところと考えます。また文化國家はすべて死亡率を減少せしめんと努力しつつあるのでありまして、改正原案はこの努力と矛盾するものであると思うのであります。國際的にこれを見ますのに、改正原案は他の國から、日本はこれほど困難しておるのかと同情されることはありましよう。しかしながら、日本はなおかかる野蛮國であるかと侮られるおそれが多いのであります。また社会政策の面よりこれを見ますのに、貧困者に子供が多いためにますます貧乏する、貧困者が子供を持つたために貧乏するという現象は、どうしても救わなければならないのであります。すべて貧困者はこれをなくさなければなりません。そのためには生活保護法、児童福祉法があり、社会保障制度の審議も開始されたのであります。これらの現行の法規、諸制度は貧困者を救済すべき責任を持つておるのであります。私はこの際急速に生活保護法を拡充整備しまするとともに、根本的には社会保障制度のでき得る限りのすみやかな確立を望むこと切であります。なお胎児を殺すのは人道に反するという人道的、倫理的反対論も強く成立ち得るのであります、しかしながらこの問題も、母体の保護のためにやむを得ぬ処置として解決され得ると思うのであります。現在具体的の問題といたしまして、経済的理由によつて堕胎を行わざるを得ない場合があるけれども、やみでこれが行われることが多いためにかえつて経費がかさみ、また危險であるから、むしろ公認すべしという事由で賛成論があります。しかしこの必要は現実にはむしろ中産階級勤労者に多いことであつて、これらは改正原案によつては何らの利益を受けないのでありまして、本修正案を提出した理由もまたここにあるのであります。 以上が私の提案いたしまする修正案の第一点、第十三條の第二号と第三号を合わせて一つの号とすることに関する理由であります。 第二の改正点は先ほども申し上げましたが、経済的理由にいつて母体の健康を害するおそれがある、そのために堕胎を許す場合には、その家庭の経済的状況をよく知る必要がありますので、この場合には民生委員の意見を聞かんとするものであります。しかして貧困絶滅の熱意に燃ゆる民生委員に願うるとともに、この修正案の円滑にして弊害なき運用を期したいのであります。 以上が私の改正案の説明であります。堕胎公認の問題はいろいろ複雑な問題を包蔵し、これに関連してまだ研究すべき余地がはなはだ多いのであります。しかしながら現在貧困者の子供ゆえの、妊娠分娩ゆえの貧困の問題は、何とかして打開しなければならぬ深刻な問題でありまして、この問題解決のために國会及び政府はなお熱意を重ぬべきであると思うのであります。人口問題審議会、社会保障制度審議会等において急速檢討を加え、その結果生活保護法の改正及び本法律をさらに改正を考慮する等、さらに次期國会においては十分に審議の要ありと思うのであります。根本的の解決といたしましては、何と言いましても産児制限にまつよりほかにないと思うのであります。子供を産むそれがための貧乏をなくすために、やはり産児制限が正しく行われなければならないのでありまして、その際には、一家の家庭においてはどの程度の子供を有すべきかということについての政府の方針もあらねばなりません。しかもその上に産児制限に関する正しい知識、正しい指導にまたねばなりませんとともに、これら貧困なる人々に対しては、産児制限に必要なる器具または薬をただで與えるというような方向に進むべきであると私は考えるのであります。 以上修正案を提案いたしまして、その他の部分につきましては改正案の原案に賛成をいたします。
○松永委員長代理 それでは苅田アサノ君。
○苅田委員 日本共産党はこの優生保護法の一部を改正する法律案に対しまして賛成の意を表明いたします。根本的に申しまして、私どもは現在問題になつておりますような角度からこの人口問題を論ずることには反対なんでございます。たとえば労働人口の過剰というような点から、あるいは日本における食糧不足というような点から、わが國民の人口を調節しなければならないというような、こうした人口問題の扱い方に対しましては、共産党は根本的に反対しておるわけでございまして、今日の労働人口の過剰、あるいは食糧の不足というものは、こういう方法でなくして、もつと積極的に日本の産業の増進をはかり、あるいは農作物を振興する方向によつて解決されなければならないということを確信いたしておるものでございます。こういう点から現在の政治がこうした産業の破壊を導き出し、むしろ農業の荒廃を引き出しておる、こういう点こそ私どもは人口問題の解決として根本的に是正されなければならないというのが建前なんでございます。それから今度の改正の中心になつております第十三條第三号にいたしましても、これ自体につきましては共産党は同じように根本的には大きな危惧を持ち、あるいは反対を持つておるわけなんであります。なぜかと申しますると、今日生活の困難のために妊娠を中絶させることを公に認めるということは、これは政府が片一方におきまして、非常に生活の困難を押しつけ、特に近來の低賃金に対しまして、あるいは賃金の遅配、欠配に対しまして、これを合理化そうという一つの意図を含んでおる、こういう点から私どもは第三号の経済の貧困のためにこの妊娠の中絶を認めるというやり方に対しましても、根本としては決して賛同できないのでございますけれども、しかし現実の問題といたしましては、現在わが國の経済の非常に困難な中で、勤労大衆の母性がどれほどこういう出産のために母体を痛め、あるいはさらに一層生活の貧困のどん底に陷れられておるか。こういう現状からしまして、今日こういう母性を守る立場から、どういたしましても勤労大衆が要望いたしております妊娠中絶を公然と一般化して合理的な方法で安い経費をもつてこれが解決できるということは、現在の非常に困難な生活に陷れられておる勤労大衆一般の強い要望でございますので、私どもは過渡的な処置といたしまして、この改正には賛成せざるを得ないという見地から、これが一刻も早く法律として公認されることに努力をして参つたわけであります。 私どもは以上のような見解から、今囘の優生保護法の一部改正に対しまして賛成の意見を持つものでございます。
○松永委員長代理 次は堤ツルヨ君。
○堤委員 わが日本社会党は本法案に対し満腔の賛意を表するものであります。但し二、三の希望條件を附帶いたしたいと思います。 青柳委員が御指摘になりましたように、あくまでもこれは文化立法でございまして、児童福祉法とともにわれわれがよりよきものを掘り下げて行かなければならない問題をたくさん蔵しておるのでございます。堕胎罪の限界の問題、さらに廣い國策の一連としての人口問題との関連におきまして、ただいま人口問題研究所の方の御意見がありましたように、民族の衰退を來さないという観念のもとに、今後われわれはもつとより強化された、もつと拡大されたところの優生保護法の中に盛られるところのこの妊娠中絶または受胎の調節を考えて行かなければならないと思うのでございます。床次委員が先だつて御指摘になりましたように、一應は受胎調節をやるのでございまして、これが失敗いたしました者が妊娠中絶をいたすのでございます。ほんとうの数におきましては、われわれの常識におきましても今日そう憂うべき数のものではないと私は思うのでございます。この意味におきまして、今後厚生省と法務廰が緊密な連絡のもとに、この産制と人口問題、さらに堕胎罪と人口問題、ことに性道徳の紊乱などについても、十分考慮を願いまして、次の國囘にはさらに掘り下げたところのよりよきものをこの委員会で生むということの皆様方の熱心な努力を要望いたしまして、賛成の意を表したいと思います。
○松永委員長代理 これにて討論は終結いたしました。引続き優生保護法の一部を改正する法律案の採決に入ります。 まず青柳君提出の修正案を採決いたします。本修正案を可決するに御賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○松永委員長代理 起立総員、よつて本修正案は可決せられました。 次いで修正部分を除く残りの原案を可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○松永委員長代理 起立総員、よつて本案は修正議決せられました。 なお議長に提出する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいのですが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議なければ、さよう決定いたします。 —————————————
○松永委員長代理 次に消費生活協同組合法の一部を改正する法律案を議題とし、提案者より提案理由の説明を求めます。参議院議員姫井伊介君。
○姫井参議院議員 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を申し述べます。 消費生活協同組合は御承知の通りに農業協同組合、水産業協同組合。近く成立するであろうところの中小企業等協同組合法とともに、國民協同生活の基本組織体として、將來並行して行くべき性質のものだと考えるのであります。昨年第二回の國会で参議院のご提案になりました消費生活協同組合のその後の実況は、御承知の通りに一つの中心に弱さがありまして、進展状況がやや遅々としたありさまであります。それは言うまでもなく信用事業が行われなかつたということであります。そこで組合員の貯金を扱い、また組合員に貸付を行う。これを中心として改正したのでありますが、このことはすでに農業協同組合でも行われておりますし、また中小企業等協同組合もそういうふうな線に向つて行くのではないかと思われるのでありまして、この場合この組合の仕事を平面以上に上そうというのではなく、この平行線にまでそろえてみたいということが中心となつておるのであります。それに住宅供給事業を加える。これも御承知の通り、共同施設でやればやれるのでありますけれども、そこに独立性を持たせ、また共同アパート的のものではなく、小さくとも独立の家までも供給し得るのが現在の状況においては適当ではないかということから、その一項を加えました。なお連合会を全国的に持つ。これも農業協同組合にならいまして信用事業並びにそれに付帶して行う他の事業の兼営は許されないというふうに分割いたしまして連合体を組織をする。なお旧い産業組合法におきましては予約加入の方法もございましたが、例の員外利用の点もありますので、半箇年の仮加入というものを認めまして、なるべくこの組合のうちに包容して行くような組織を持ちたい。それと産業組合から組織を変更いたしました消費生活協同組合と農林中央金庫との関係でありますが、それらの点を規整いたしますために経過規定的なものをこれに加えたのであります。 これが大体の案でありまして、参議院の厚生委員会におきましては、委員会の審査を省略いたしまして、共同提案として本会議の可決を見たものであります。多少内容に立入つて申しますると、私的独占禁止法及び公正取引の確保に関する法律の適用については、同法第二十四條各号に掲げる要件を備える組合とみなす。これも農業協同組合に準じたのでございます。 次には今申上げました組合員の貯金を受け入れる事業、組合員の生活に必要な資金を貸し付ける事業、それから組合員に住宅を供給する事業、これを加えまして、連合会のことをさらにつけ加えたのでございます。從つて無制限にいたしましては弊害が起りますので、この連合会が組合員のために手形を割引いたり、あるいは定款で定める金融機関に対して会員の負担する債務を保証し、また当該金融機関の委任を受けてその債権を取り立てるというようなことができることにしまして、その最高限度なども総会においてきめるように、また單位組合におきましても一会員または一組合に貸し付ける金額の最高限度、貸付金の利率の最高限度、このようなものもあわせてこれに規定をいたしたのであります。なお從來は出資が一組合に対しまして四分の一までは認められておりましたが、信用事業を行います関係で、それではまた強いものが一つの特権的の地位を持つということがあつては困りますので、これを二十分の一に切り下げたのでございます。從つて從來持つておりましら出資に二十分の一以上のものに対しましてはこれまた経過規定を設けまして、適当に調節をする、一部譲渡式の方法をとるように附則の中にきめておるのでございます。農林中央金庫の出資者であつた産業組合がこの組合に移行しますに場合に、やはり当分のうち農林中央金庫の出資者であるところの資格をまだ認めておく。こういうことが本規定の改正案の内容になつておりまして、この法律は公布の日から施行するというふうにいたしておるのであります。 以上大体でありますが、何とぞ御審議くださいまして、会議も明日に切迫しておりますが、本案が通過いたしますように皆様の絶大の御協力を切にお願いいたしまして、私の説明を終らせていただきます。
○松永委員長代理 ついで質疑を許します。田中委員。
○田中(重)委員 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案につきましては、ただいま提案者からなる御説明もあり、さらに前回の國会におきましても、相当審議されたということを拜承したわけであります。しかしながら私どもは昨日このお話を承りまして、いまだ研究の足らざることを遺憾とする次第でございます。もつともただいまの御説明によりますと、結局信用事業等を行いますることを相当今度の改正案の根幹とされておるように拜承したのであります。從つて私はいわゆる信用事業でありますところの第五号、六号、七号について、先般可決されました貸金業等の取締に関する法律案、これとの関連性について提案者、でき得れば大蔵省当局の御説明を承ることができれば仕合せと存ずる次第でございます。
○松永委員長代理 今田中委員の御質問に対しまして、法制局その他関係御当局の方の御出席がございませんので、ちよつと御答弁を保留さしていただきます。 なおこの際お断り申し上げますが、本案は御承知の通り、大蔵当局と密接な関係のある法案でありまして、大蔵委員長より当委員会との連合審査会開会の申し入れがございます。本案の重要性にかんがみまして、大蔵委員長要求の連合審査会を開くに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議なしと認め、開くことに決定いたしました。開会の日時はなお大蔵委員長とも協議した上きめたいと存じますが、会期もあと一日に切迫しておる際でもありますので、大体明日午後の予定に存じておりますから、念のために御了承を得ておきます。 —————————————
○松永委員長代理 次に本日の陳情書日程の審査に入ります。本日の陳情書日程全部を一括議題といたします。第一、社会保險診療報酬支拂基金法一部改正の陳情書、文書表第五〇一号、第二、三陸海岸並びに八幡平を國立公園に指定の陳情書、文書表第五四〇号、第三、遺家族の援護対策に関する陳情書、文書表第五四四号、以上の各陳情書は委員会において了承と議決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○松永委員長代理 御異議がなければ、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後二時三十三分散会