厚生委員会 第19号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/05/14
会議録
○堀川委員長 これより会議を開きます。 國立身体障害者厚生指導所設置法案を議題といたしまして、質疑に入ります。堤ツルヨ君。
○堤委員 私がお尋ねいたします点は、ことに政府がどうお考えになつているかの点でございまるが、傷痍軍人の問題でございます。傷痍軍人には重症者もあり、軽症者もあり、一律には取扱いをしてもらいたくないという感が深いのでございますが、これに対して將來何か政府として、お考えがございますでしようか。
○木村(忠)政府委員 お答えいたします。もろん実際の援護に当りましては、重症の者に対しましては重症の者に應ずるように、また軽症の者に対しましては軽症のものに應ずるような処置を講じて参らなければならぬと思います。
○堤委員 今後はそういうお考えといたしまして、現在までに努力して來られた経過を少しお聞かせ願いたいと思います。
○木村(忠)政府委員 現在までにおきましては、厚生省におきまして主として取扱つておりますのは、できるだけ程度の重い者の方を扱うというふうに考えております。しかしながら最も程度の重い者に至りましては、現在のところ、それに対しまする適切なる方途がまだ講ぜられていないといという現状でございます。程度の軽い者につきましては、できるだけ一般の各種の施設に収容いたしまして援護する、程度のやや重い者につきましては、厚生省でいたしております施設に収容するというように考えております。
○堤委員 それに付随いたしまして、傷病恩給の問題でございますが、これに対して將來是正のお考えがございますでしようか。
○木村(忠)政府委員 この点につきましては、社会局の所管ではございませんので、私からお答えいたしかねますが、担当の方に答弁してもらつた方がいいのではないかと思います。
○堤委員 それでは恩給の問題は、またあらためて質問させていただきます。 次に重い傷痍軍人の問題でございますが、これが一人で入院いたしまして、どうやらこうやら暮らせる者はいいのでございすが、付添いを必要とする場合が多々あるのでございます。この付き添いを必要、といたします場合に、どういたしましても、これは自分でなつた病人ではございませんので、私はこの付添いを必要とするところの重度の身体障害者に対しては、國有鉄道の無賃乗車ぐらいを渡してもらいたいと思うのでございますが、今までには、その國有鉄道の行つたり來たりするところの乗車券の問題はどうなつておりますか。
○木村(忠)政府委員 傷痍軍人に対しましては、從來鉄道の無賃乗車証が発行されておつたのでありまするが、旧軍人にのみこの恩典を與えることは適当でないという方針によりまして、先般廃止になつたのであります。われわれといたしましては、盲人その他重度の傷痍者で付添いを要しまする者につきましては、その付添いと本人とを合せまして半額にするのが最も適当である。と申しますのは、無料にするというのは特別の恩典になりますが、二人で一人というようにする、すなわち半額にすることが一番妥当ではないかと思います。そういたしますれば、法にも触れないということにもなりますし、そういう点から考えまして、新しく法制を制定いたしまする場合に、その規定を設けたいというふうに考えまして、運輸当局には交渉をいたしておるような次第であります。しかしその以前に、運輸の方におきまして、それができればなお適当であると考えまして、新しく法制を制定いたしまする前にでも、そのことができますように、できるだけ努力いたしたいと、かように考えております。
○堤委員 東海道線並びに山陰線などで、私が目撃したのでございますが、非常に軽い程度の傷痍軍人が、汽車の中で長たらしい演説をやりまして、そうして十何両連結しております汽車の、前からうしろまで乗客に寄附を請うて参る者があるのであります。これはもちろん働けない患者じやございません。軽い方でございますが、これが非常に演説なども上手にやりまして、どう見ましても、これはなれておるらしいのでございます。最初の一回は、非常に私たちもうたれまして、百円札をほうり込みましたのでございますが、たびたび行き来しておりますと、これが毎日何回かやつておるのでございます。またやつておるのかというので、しまいには、私どももあいそをつかしてしまつたような次第でございます。つくづく考えて見ましたところ、汽車の中でああいうことが許さるべきことでないということが、私の常識の限りにおいては判断できるのでございますが、社会局はこれに対して、今までどういう態度をとつておいでになつたか、責任ある御回答をお願いいたします。
○木村(忠)政府委員 傷痍者が街頭において募金をいたしますこと、あるいは車中において募金をいたしますこと、これはともに正式の手続きをふまない限りはできないことに相なつております。少なくとも傷痍者一般の福祉のために、あるいはある範囲の傷痍者でありましても、傷痍者に対する福祉のために募金をいたすということは、だれがいたしましても、これは正式の手続をして、許可をとらなければならぬことになつております。現在におきまして、傷痍者に対しまして、街頭その他の募金というものを許可した例があるということを私どもの方としては正式には聞いておりません。あるいは地方におきまして、やつておるのがあるかもしれませんが、正式の許可をいたします場合におきましては、その福祉事榮の計画が適当でありまして、その無めました金の管理が適当に行われておるというような場合におきましては、それは許可しないというわけには行かないのではないかと思いますが、そうでないものにつきましては、許可いたさないのが方針になつております。ただ自分たちが金がほしいために金を集めるという者につきましては、これに何と申しますか、自分が困るからもらいたいと言つて歩くのでございますから、これに対しては社会局としては特に取締りをいたすことは困難であると思います。他の別途な見地からの取締りはあるかもしれません。一般に傷痍者の福祉のために金を集めるということになりますと、われわれとしては、それについては嚴重なる取締りをいたしておるのでございます。
○堤委員 これにつきまして、私も、乗り込んでおりますところの車掌に再三質問いたしましたら、車掌のいないすきを見てやる。これは許可のない一部の人がやつて、集めた金を自分たちで使つてしまうらしいということでございましたが、ああいうことをやりますれば、今後國家の手で助けて行かなければならないところの戦傷者の前途を、彼らみずからふさぐものでございまして、非常に私に残念に思うのでございます。どうか今後責任ある当局の御監視を、今まで以上に願いたいと思います。 次にお尋ねいたしたいことは、この傷痍軍人の職業補導について、今までとつて來られましたことを少し御説明を願いたいと思います。
○木村(忠)政府委員 職業補導の問題は労働省の所管でございまして、從來から職業補導一般にわたりまして、労働省がいたしております。傷痍者の職業補導につきましても、やはり労働省においてこれを所管いたしておるのであります。厚生省といたしましては、傷痍者の対策につきましては、やはり傷痍者として一貫した方針をもつて、これに対する措置を講じて行くのが適当であるというふうにに考えまして、傷痍者問題全体として取扱うような範囲におきましては、職業補導も厚生省において一貫してやつた方がよいのではないか。——厚生省が一貫してやるのがいいかどうかということは別といたしまして、とにかく一つの組織でもつて統一してやるのが適当であるというふうに考えておりますが、これは現在のところ、職業補導そのものが職業安定法の規定によりまして、当然労働省の職業安定局の所管と相なつておりますので、その方でやつております。そこでやつておりますことは、傷痍者に対しましては、全國に三箇所の傷痍者の職業補導所を設けております。そのほかに府縣営でもちまして、たしか八箇所あつたかと思います。その他一般職業補導所におきましても、できるだけ傷痍者をそこに入れまして、これに対する職業補導をよくやるようにという方針をとつてやつておるというふうに承知をいたしております。
○堤委員 私が今お尋ねしておりすのは、國立施設に入院中の患者についででございますが、これらが退院、退所いたしまして後、やはり生業資金の交付もいま少し積極的に努力してもらわなければどうにもならないのじやな、いかと思うのでございますが、生業資金の点については、今までどのくらいの御努力をなさいましたか。御説明願いたいと思います。
○木村(忠)政府委員 傷痍者に対しまする生業資金につきましては、現在までのところ、引揚者等に対しまする生業資金というものの一環として若干出されておるという程度であります。なお生業に必要な程度によりましては、生活保護法による生業扶助を行つております。特に義手、義足等につきましては、生活保護法によりまして、該当いたす者に限るのでありますけれども、これに対しましては義手、義足等を補給いたしまして、その者が生業につくのを補うようにいたしておるといつたような程度でありまして、この点に関しまして、從來非常に空白があつたことにいなめないと言つてさしつかえないと思います。
○堤委員 どこの國立病院入院患者に両会いたしましても、切実なる声は、今私が申しましたところの、よくなつて出てからの、あの人たちの前途に対する明るい希望であるところの、職業の國家的な補導、それからもつと何とかして生業資金を交付してもらえないだろうかというところの声が高いのでございます。これ自体は、今もお認めになりましたように、お感づきではございましようけれども、積極的な措置が、もつと親切な態度でもつてこられなければならないということを痛感いたします。今後よろしくこの点熱意あるところをお示し願いたいと思つております。あとに福田委員が医者として御質問なさいますので、この程度にしておきます。
○堀川委員長 苅田委員。
○苅田委員 身体障害者の現状につきまして、もう少し詳しく御報告いただきたいと思います。この身体障害者は、ただ傷痍軍人だけでになくして、戦災者であるとか、あるいいは労務中に手足を取られたという人までも含めまして、現在の人数、それからそういう人が、現在どのような施設でどういう保護を受けておるかというその点、それからまた、そういう人たちが職業の補導を受けて出ている職業なり、その数なり、そういう状態につきまして、できるだけ詳細な御報告を願いたいと思うのです。
○木村(忠)政府委員 身体障害者の現況につきましては、現在まで詳細な資料を持ち合せておりません。昨年の三月三十一日現在でもつて、身体障害者の調査をいたしたのでありまするが、それによりますと、総数が三十七万六千四百五十九人、この中で肢体不自由者が十六万五千二百八十三人、精神障害者三万六千五十六人、失明者四万一千百九十二人、聾唖者三万六千二百三十四人、内部疾患者九万七千九百四十人、そういうことに相なつております。なお昨年の十二月から今年の三月までかかりまして、傷痍者の実態調査を行いまして、目下これが集計をいたしております。まだあと若干の点が未報告でございまして、全体の集計ができておりません。特にその中で非常に重要な点が落ちておりますので、全体の 数字にはつきりいたさないのであります。この数字によりますと、傷痍者の数が約二十万ということになつておりまするが、昨年の数と比較しまして少いことは、内部疾患の関係が相当今度の調査では漏れておるというのが、一番大きな理由であろうというふうに考えるのであります。今度の調査の集計ができますれば、相当詳細な実態がわかるだろうと思いますが、現在はその程度のことしかわかつておりません。しかしこれは近く全貌がはつきりいたすと考えております。なお現在これに対しまする施設といたしましては、まことに遺憾でございまするけれども、現在までほとんど大した施設はなされておりません。傷痍者に対しましては、國立の病院、療養所におきまして、これが療養をいたしておるのであります。なお職業関係といたしましては、昨年の初めから傷痍者の収容授産施設を十二箇所設置することにいたしまして、これが現在七個所開設に相なつております。その他にも大体完成いたしまして開設する運びになつておるのでありまするが、非盤にめんどうな手続がいりまする関係上、開設ができないでおる場所がございます。これらにつきましては、できるだけ努力いたしまして、関係方面の了解を得まして、すみやかに開設いたしたいと考えております。この施設におきましては、傷痍者の中で一般の社会にすぐに出て行けない人たち、一般の社会に伍してすぐ働いて行けない人たちをここへ収容いたしまして、そこで職業も教え、そして授産をいたしまして、仕事も與えまして収入を得させる、そこで一般社会に出得る程度になれて來ましたならば、一般社会に出てもらうという措置を講ずる施設というつもりであります。これにつきましては、現在経営もきわめて少く、また設備もあまり十分でございませんので、できるだけ設備の充実について各縣を督励いたしまして、努力いたしたい、かように考えております。 それから職業補導の点につきましては、先ほど申し上げたように、國から委託してやつておりますものが全國に三箇所、東京と大阪と福岡と三箇所ございます。そのほかに縣でやつておりますものが八箇所ございます。それから義肢の修理とか、官公立でもつてやるところが三十五箇所ということに相なつております。 大体傷痍者に対する施設といたしましては、以上のようなことになつております。そのほかといたしましては、授産場等におきましても、一般の予算におきましても傷痍者等はできるだけ優先的にこれを扱うようにということは、方針としてやつておりますし、また一般の職業補導所におきましても、労働省におきましては、傷痍者でもつてそこに入り得ます者は、できるだけ優先的にこれを扱うということを方針としてやつておりますし、また傷痍者の職業のあつせんにつきましても、労働者といたしましては、職業安定機関を督励いたしまして、たとえば國立病院等にも人を派遣いたしまして、定期に職業相談に應ずるといつた措置を講じておるようでございます。これは私の所管でございませんけれども、つけ加えておきます。
○苅田委員 ただいま御説明の中におきまして、授産施設の中で十二個所計画なさいまして、七個所でき上つておるということでございますが、でき上つております七個所のある場所と、御計画中の授産場を設置される場所等をお知らせ願いたい。
○木村(忠)政府委員 それに今ここで申し上げますか。それとも書いたものを差上げますか。
○苅田委員 それは一應ここでお聞きしまして、なお死んだ傷痍者についても資料がありますれば、その資料をあとでいただきたいのです。
○木村(忠)政府委員 現在開設されておりますのが東京の大原にございます大原寮、神奈川縣の平塚市にあります平塚寮、小田原市にあります小田原寮、京都の宇治町にあります宇治寮、大阪の河内郡にございます河内寮、生駒郡にあります昭和寮、兵庫縣の川辺郡の岡村にございます宝塚厚生院でございます。あと予定しておりまするものは、東京の戸山にあります戸山寮、愛知縣の半田市にありまする愛知縣の新生寮、新潟の小千谷寮、北海道の釧路にあります釧路協助館、香川の善通寺寮、それだけでございます。
○苅田委員 以前に計画されまして設置されます授産場と、今回身体障害者更生指導所という新しい法案を設けましてできまするこの更生指導所というものは、ただ法律的に今まであるものをもつと完備していただいたものでございますか。また別途な意図をもつてなされたものでございますか。この点についてお聞きしたい。
○木村(忠)政府委員 從來の収容施設は収容いたしまして授産をするだけでございますが、今回の更生指導所におきましては、傷痍者が新たに病院等におきまして一應症状が固定して出ました場合に、これに対して一切の相談をいたしまして、これに対するいろいろな今後の生活問題あるいは職業問題等について指導を行いまして、なおその中でもつて特に重い者につきましては、その施設において職業の補導を行い、また授産も行う。あるいは生活指導も行うということになつております。こういう傷痍者の各般の施設のセンターになるようなものにいたしたいというつもりで、今度の更生指導所をつくつたわけでございます。理想は非常に大きいものでございまするけれども、いろいろな都合によりまして、予算が予定よりも非常に少くなつております。従いまして理想通りのものにできませんけれども、できるだけ理想に近いものをつくりたい。かように考えて、大体十月一日からこれを開設するようにいたしたいというつもりで準備を進めております。
○苅田委員 ただいま準備を進められております更生指導所というものは、どれくらいの予算で、どこに何箇所できるのですか、その点についてお伺いしたい。
○木村(忠)政府委員 予算は設備の改善費と申しますか、既設の建物を使う予定でございまして、既設の建物の設備の改善をする費用が約三百三十万円、それに対して内部の施設費、あと半箇年の経費が四百四十万円、このほかに労働省所管といたしまして、職業補導の経費が二百七十万円だつたと思います。大体合計約一千万円ばかりの予算でやつて行くつもりでおります。つくります場所は現在では一應相模原國立病院の近くにいたしたいと考えておりますが、他に適当な場所でもう少し経費が少くてよい施設ができる場所が考えられないこともございませんので、場所ははつきりどこということはただいま申し上げかねます。ただいまの予定は大体相模原につくりたいという考えでございます。
○苅田委員 この身体障害者の指導更生に、國家自体が乗出してしなければならないという今日のいろいろ緊急な事情は、私ども非常によく理解しております。こういうことが今回計画されたことは私どもとしても非常にけつこうだと思いますが、御説明のありましたように、ただ一箇所、しかも一千万円の経費でそういう大きな施設をつくることは非常にむずかしいという感じがするわけです。政府の方では、こういう経費で一箇所つくるのは、これは第一期計画で、第二期、第三期とほんとうに役に立つものを次々につくつて行く最初としておつくりになつたのだろうと思うのですが、私どもはもう少したくさんの経費をお待ちになつて計画されていたろいうふうに最初伺つていたのです。それでこの間の事情なり、あるいは今度の計画なりにつきまして、もう少し御腹蔵のない御意見をお聞きしたいと思います。
○木村(忠)政府委員 もちろんこの施設は全郡一個所で適当であるとは思わないのでありまして、全國に数箇所適当な場所に設けなければならぬだろうと考えております。設備についても、この程度では不備であるということもわれわれはよく認めております。ただ本年度といたしましては新規のものをつくることが一切できない際におきまして、これだけのものでもつくることができたことは、われわれとしましては、仕事の上に非常な喜びを持つております。少ない経費ではございますけれども、この少ない経費を十分生かしまして、できるだけよい施設にいたしたいと考えておる次第であります。なおこの施設につきましては、事情の許します限りできるだけ拡充いたして行くようにいたしたいと思います。なおさしあたり一個所といたしますことは、施設の必要はたくさんあるのでございますけれども、現実こういう施設をつくりましても、日本としましては初めての試みでございまして、どういうふうにこれを運営したらよいかということにつきまして、ほんとうによい指導者が得られるかどうか、われわれといたしましては心配いたすのであります。それでまずできるだけみなで力を合わせまして一箇所だかよいものをこしらえまして、これを中心に逐時拡充して行くということも、正常なる発展のためにはよいのじやないかという気持を、持つております。
○苅田委員 第一期の計画の中の予定では、大体何人くらいを収容して、政府側の指導をなさるおつもりですか。
○木村(忠)政府委員 現在のところ収容いたします定員は百五十人であります。しかし相談はできるだけたくさんの相談に應じて、ここに収容いたします者はその中の一部ということにいたしたい。しかしでき上つて見ませんと、はたしてどの程度の運用ができますか、最近の情勢で予算が限定されておおりますからわかりませんが、われわれの予定は大体そのくらいであります。
○苅田委員 百五十人というと、最初お聞きいたしました傷痍者の数は、全國で二十万いるわけなんですから、二十万のうちの百五十人というわけで、非常にこれは二階から目薬という数にすぎないと思う。こういう状態ですから、こういう設備をできるだけ早い機会にぜひたくさんやつていただきたいと思うのです。今回の百五十人がどういう御選定でこの中に入れられますか、この点についても一言お聞きいたしたいと思います。
○木村(忠)政府委員 これに收容いたしまする者に、相談所において相談いたしました中で、この指導所でやることが適当であるという者を逐次入れて行くというつもりでございまして、廣く一般に募集するのでなく、ここで指導すれば確かに更正できる者についてまずやりたい。と申しますのは、何と申しましても、わが國で初めてのことでありますから、いたずらに大きくやりましても、十分のことができるのではないか。まあやります上におきましては、効果のあるようにやつて行きたい。そのつもりで運用いたして行きたいと思つております。
○苅田委員 今度できる施設につきまして、私根堀り葉堀りお聞きするのですが、つまりここでは身体の不自由な人を治療する病院があり、それから一般に公開した身の上相談所があり、またそういう身体の不自由な人が治療を受けながら職業の補導を受けられるような職業指導者がある、こういうことになつておるわけなんでしようか。
○木村(忠)政府委員 ここでに大体治療は一旦終りまして、一應病状が固定した上でここで引受けるということにいたしたのであります。と申しますのは、病院の治療の手のいりますことは非常にいろんな問題がございますので、ここにおきましては、一應治療が移りまして、病状が固定した者についてやりたい。しかし病状が固定いたしましても、何と申しましても重度の傷害を受けておりますならば、常に医療管理の面からの配意というものが非常に必要であります。さような配意をいたしながら、この人に対して作業訓練を行い、職業あつせん、生活指導も行いたいと考えております。
○苅田委員 そういたしますと、この中で行われます職業の補導ですね。それは先ほどおつしやる通りに、また参議院の方の修正意見にもありますように、やはり更生指導所で行われる。職業補導もやはり労働者の管轄として行うのでありましようか。
○木村(忠)政府委員 最初の原案におきましては、労働省の所管に属しまするところの職業補導所を併設いたしまして、大体労働省との話合いにおきましては、更正補導所の所長がその補導所の所長になるという形をとりまして、そうして一元的に運営して参りたいと考えておつたのでありますが、それはきわめて不自然であるから、やはり一元的にやるようにした方がいいというので、参議院で御修正になつたわけであります。参議院の修正に從いますれば、これは労働省から厚生省が委託を受けまして、委託機関としてこれをやるわけであります。從いまして施設としましては、厚生省の所管でありますが、職業補導そのものの実施の面につきましては、労働省と連携をとりながらやらなければならぬことに相なるだろうと思います。
○苅田委員 それからお聞きいたしたいのは、ここの相談所に相談を受けに来る人たちの旅費とか、日当とかいうものは、自弁になるのかどうか。それからここの中に入つて、職業の指導を受ける人たちの生活費はどういうふうになるのか、この点を伺いたい。
○木村(忠)政府委員 この旅費日当につきましては、生活保護法でもつて処理でできますものは生活保護法でやる。自弁でできますものは自弁でやらせる。それからの入りました者の生活費も、本人が出せまする者は本人が出しまするし、それらのできない者につきましては、生活保護法に該当する者は生活保護法でやりたいと考えております。
○苅田委員 はつきり自弁できるものについては問題ないと思うのです。当然自弁できるだけの自力のある人は、そういう補導機関に入つて自費でもつてやつていいと思うのですが、身体傷害者というものを大体考えて見ますと、戦争に行つて傷を受けた人にいたしましても、戦後四年経つておりまして、自力で何かできる人は今さらそういう國家の施設に入つて、補導を受けるまでもなく、自力でもつて何らか道を講じておると思う。今こういう國立の施設を利用しなくちやならぬ人は、大部分は生活の非常に困窮しておる人が多いと思う。從来の生活保護法の適用も非常にその道が狭かつたわけなのでありますが、今年度におきましても、この委員会できめたところによりますと、その幅がさらに縮小される傾向にあるやにお聞きしておりますので、こういうほんとうに生活保護を受けなければ、施設にも、病院に入院してもいろいろな方途ができない人であるのにかかわりませず、そういう保護が受けられない。特に今度は府縣に対する國家からの配当のお金が非常に少くなつております現状から申しましても、府縣あるいは市町村の負担しております保護費というものが、非常に今までよりもできにくくなるだろうと思う。そういう点から考えて、生活保護法だけに頼つて、この中の人たちの生活費が考えられておるということは、私はやはり非常に不完全じやないかと思う。そこでせつかく國立のこういう施設ができたんだから、御調査の上、大体自費でできる少数の人を除いては、この國立治療所は無料でもつて、そういう気の毒な人たちの生活を更生するために、道をつけてやるということに御配慮願いたいと思うのですが、その点いかがでしようか。
○木村(忠)政府委員 入りました者で、当然生活保護法による保護を受けなければならない者につきましては、ここは從來の場所とも違いまして、そういう一切の相談をここでやつて、指導もするし連絡もいたしてやりまするので、そういう点においては遺憾なくやることができる。また遺憾なくやらなければならないと思つております。本人あるいは本人の家族から出せる者は本人から出してもらいまするが、それが何もできない者につきましては、当然生活保護法でやらなければならぬ。その点についてはここで遺憾のないように十分処置いたして参りたいと思つております。
○苅田委員 それでは生活保護法の適用は、今度できます更正指導所の方で、この人は生活保護法の適用に指定してもらいたい、こういうことを命令的にきめる権限を持たなくては、せつかくただいまのようないいお考えがおありになつても、相談所の方では、はつきりこの人は生活保護法の適用に入つてもいいということを認定になつても、実際適用を受ける認定が受けられないという場合もありはしないかと思うのですが、そういう場合は、相談所はそういうことについても命令すると申しますか、はつきりきめる権利がなくては、やはり遺憾な点ができるのじやないかと思うのですが、この点いかがでしようか。
○木村(忠)政府委員 この施設に國立でありまして、厚生省の社会局が直轄いたしておりまして、社会局におきまして、生活保護法によりまして末端において当然保護を受けるべきものが受けていない場合には、それを是正するだけの権限を持つておるのであります。從つてこの施設につきまして、そういう御心配の点はなかろうと考えております。
○苅田委員 大体この施設の内容についてはわかつたわけなんですが、これについてこちらの希望は、何と申しましても、全國二十万もおる傷疾者が、こういうものができることを実に一日千秋の思いで待つていると思うのですが、できてみれば結局百五十人しかそこに入れないということでは、がつかりするに違いないと思うのですが、ぜひこういう施設は二十万人の人に対して役立つように、各所につくることを切にお願いしておきたいと思います。これで私の質問を終ります。
○堀川委員 床次委員。
○床次委員 各委員から、御質問がありましたので、漏れました点を一、二質問いたしたいと思います。 今日傷疾者のうちの相当大多数は疾傷者が重要な地位を占めておるのであります。これらの人の訴えるところによりますと、一番困りますのは義手、義足、特に義足の取扱いについて困難を感じておるようであります。生活保護法その他によりまして一時はこれができますが、あとの修理その他に対し非常な経費を要する。從つて義足を使わなければならない人は、この義足を扱つておるために、毎年々々金銭的に大きな負担をし、時間的にも非常なむだをしなければならぬということを訴えております。これに対しましては、やはり國家においてある程度まで特別な便宜をはかつてやらなければならねのではないかと思います。修理に対しましては、修理所が各地方に三十五箇所あるそうでありますが、二度目以後の義足の修理につきましては、補助するなり何らかの考えを加えていただくことが適当ではないかと思いますので、この点につきまして御当局のお考えを承つておきたいと思います。
○木村(忠)政府委員 ただいまの御意見まことにごもつともに存ずるのでありますが現在においては、義手、義足につきましては、できるだけ低廉につくるようにしたい、あるいは修理等もできるだけ低廉にいたしたい。また各地にできるだけよい施設を分布するようにしたいという考えでありまして、一應義足の修理施設というものが適正に分布され、また内容が充実されるようにしたい。またここにおきまして入手する資材、これが公定價格でもつて入つて不当な金がとられないようにいたしたいと考えまして、その方の努力をいたしております。お話のようにこれに対する國家におきます補助の問題、これをどうするかという点でありますが、ただいまのところに義手の修繕所におきましては、大体人件費は府縣持ちでやつておるようであります。そうして材料費その他の雑費でもつてものができ上るというふうな方法を講じております。なおこれらの点につきましては十分今後も考えて行きたいと思います。なお実際に自分のところで義手等ができないものに対しましては、最小限必要なものについては、生活保護法によつて義手等を給與いたすことにいたしております。
○床次委員 なお更正施設に関しまして、労働省関係の方面におきましては、一般女子に対する収容施設、これは烏山にあるそうでありますが、これが非常に役立つておるそうであります。しかしまだ厚生省関係といたしましてはかかる施設がない。女子に対しましても今後相当のお考えを願つたらどうがという希望を述べておきますがが、いかがですか。
○木村(忠)政府委員 今回の施設におきましては男子、女子を問わず、必要なものにつきましては取扱いたいと考えております。現に盲人に対する施設の方面におきましては、光明瞭においては女子が相当その中に入つております。われわれといたしましてはどちらでも同じように扱つて参りたいと考えております。
○床次委員 身体傷害者に対しましては、國家といたしまして今後まだ充実しなければならない点が多々あると存ずるのであります。これに対しまして、政府におかれましては傷疾者福祉法等の立法を考慮せられておつたようでありますが、いまだ現実を見なかつたということはまことに残念に思うのでありまして、なるべくすみやかな機会におきまして、この傷疾者に対しましてでき得る限りの方途を講ぜられたことを希望する次第であります。 なお昨日傷疾者に対しまして、本会議において決議案が緊急上程されたのでありますが、その内容につきましては私どもも依存を持つものではありませんが、まだまだ検討いたしますれば、あるいは注文すべきところがあつたのではないかという気がするのであります。お互いにもつと研究しておきたかつたと思いますが、われわれはこの法案を審議するときに、あわせて決議案等も出さなければならぬのではないかと考えておつたやさきに、あれが出たような実情であります。從つてこれに関しましては委員長にお願いするのでありますが、今後委員会でやります場合に、委員会に関係しておる緊急決議案が出ます場合に、これがそのまま出てしまうということは、はなはだ遺憾な次第であるということを私申し上げたいと思います。それは運営委員会その他の問題であるかと思うのでありますが、委員長におかれましてもその希望を申し入れられたらいかがかと存じます。
○堀川委員長 承知いたしました。次は福田昌子君。
○福田(昌)委員 更生指導者のこの運営の方法と申しますか、経済的な面についての御説明を願いたいと思います。
○木村(忠)政府委員 これにつきましては、経済的な面と申しましても、現在におきましては予算といたしまして、先ほど申しました予算があるだけであります。最初に大体三百三十万円くらいの建物の費用、それから維持設備費等半年分の諸経費といたしまして約四百五十万円、そのほかに職業補導の経費二百七十万円、合計約一千万円ばかりのものが入つております。なおここに收容いたします者の生活費用でりますが、これは先ほど申しましたように、本人が出せます者は本人から出してもらう。本人が出せない者につきましては、生活保違法によつて出すということにいたしたい、かように考えております。
○福田(昌)委員 職業補導のその職業の種類は、どういうことになつておりますか。
○木村(忠)政府委員 これはまだ労働省の方と十分連絡をとつておりません省の方と十分連絡をとつておりませんので、はつきりいたしておりませんが、從來労働省でやつておりますものを申し上げますと、洋裁、製図、それから機械ミシン等の改善修理、自転車等の修理、木藝、工藝、木工、家具、道具の修理というようなものが主になつております。
○福田(昌)委員 ただいま伺いました職業の種類によりますと、一般市民の生活、ことに日常のこまかい生活は必要ないわゆる手工業と申しますが、そういつた仕事が多いと考えます。そうつくります場所の選定にあたりましては、厚生省当局の予算とにらみ合せてやる一方的な措置では、はなはだ不合理なものにならないかと思います。從いましてその場所の選定ということに対しましては、一應身体傷疾者がどういう所を望んでいるかというような、傷疾者に対するところの御相談があつてしかるべきだと思います。さらにこの相談所をつくるというお話をされたように承りましたが、この相模原の選定にあたりましては、どういうことを基準にしてやつているか承りたい。
○木村(忠)政府委員 相模原は現在の國立病院の中で、こういう外科的な面の一番大きな病院になつておりまして、大体外傷患者を一番多数に擁しておるところのように聞いております。從いましてこの近くに設備を持つておりますことは、ここで收容保護、更生指導をいたしております途中において、医療の面についているい連絡をとる上におきましてきわめて便利であるというようなところ、それからもう一つなるべく東京に近いところというような二つの点からこの場所を選んだわけでございます。それからまたこの場所におきましては、これに使います適当な建物も現在余裕もある。これらのいろいろな面から考えて一應相模原といたした。しかしまだこれよりも條件のいいものが他にございましたならば、他の場所にいたすことは一向さしつかえないことだと思つております。
○福田(昌)委員 大原寮とか平塚寮というような職業補導所があります。聞くところによりますと政府当局が努力せられたにもかかわらず、收容されている人は必ずしも満足していないといううわさを聞くのであります。私はそういう場所の職業補導所に限らず、こういつたような更生指導所におきましても、その場所の選定ということにつきましては十分な御考慮がなければならないと思います。政府の努力にもかかわらず、そこを利用するところの利用者がまつたく満足した気持において利用し得ないというような不都合も生じて参りますし、またせつかくの場所が十分に活用されないというような状態にも立ち至るわけでありますから、場所の選定ということに対しましては、十分御考慮を沸つていただきたいと思うのでございます。 次に承りたいと思いますのは、この指導所を退所いたしますところの條件ということに対しまして伺いたいのであります。
○木村(忠)政府委員 退所いたしまする場合は、大体この指導所におきまして一段の生活が一應できるようになつた。つまり他の施設に入るか、あるいは一般の職業に入るか、そういう点につきましてこの指導所におきまして、これは出てもさしつかえないという認定をいたしまするならば、その場合には退所させるということになるわけであります。
○福田(昌)委員 その認定と申しますのは、たとえばからだもやや健康であるし、その仕事において技術的に生業ができるということの認定でございますか。
○木村(忠)政府委員 ここにおきましては、大体医療の方の担当者もおりますし、心理学的な方面の担当者もおりますし、また職業的の方面についての担当者もおりますから、それらの者が総合的に判断いたしまして、退所してさしつかえない状況になつたと認めた場合には退所させることになるわけであります。
○福田(昌)委員 まことにごもつともなご説明でございまするが、しかし日本の今日の生活の脅迫状態を考えてみますると、からだがなおつた、これだけの職業を覚えた、腕があるというような條件はあつても、さて世間に行つて働くというようなことになりますと、生業資金の面、あるいはいろいろな金銭的な面において非常な困難を感ずるのであります。先ほどこれは生活保護法によつて援助するというお話がありましたが、生活保護法の生業資金を七千円もらつたところが、今日の情勢においてに当然幾ばくもお役に立たないというようなことは、これは周知の事実でございます。從いまして、私はこういう退所する非常ないい條件に恵まれて参りました方に対しましては、少くとも住居とか、あるいは生業資金に対するところの特別融資の面、これまでも考えてあげないならば、せつかく更生指導所がつくられても、魂の入らないものではないかと思うのであります。從いまして、そういうような方面の考慮をお願いしたいと思いますし、またこれに対してどういうお考えであるかということを承りたいと思います。
○木村(忠)政府委員 現在われわれの方におきましては、失明者に対しましては光明寮を利用させておるのであります。これにつきましてもここを出ましたからといつて、それでもつて縁が切れたわけではないのでありまして、身体障害者の更生指導に対しましても、ここから出ました後においても、いつもその人に対しましては十分なる指導もし、相談にも応じ、その人が生活して立つて行けるように努力しなければならぬ。そのために指導所というものがあるというふうに考えておるのであります。そういうようなつもりで現在いたしておるわけであります。
○福田(昌)委員 ただいま抽象的な御説明を承りましたが、そういうような御指導をいただくのは非常にけつこうでございますが、私がお伺いいたしたいのは、具体的なたとえば住居に対する特別な考慮とか、あるいは生業資金に対する特別な融資機関というような、そういう面についての具体的な御説明を承りたいのでございます。
○木村(忠)政府委員 身体障害者の一一般の保護更生の法的措置の問題につきましては、別途ただいま身体障害者の保護更正法——福祉法と申しまするか、そういうような法律を準備いたしております。大体本施設を使用いたしております者が出まするまでには、そういうような法制的な準備をいたしまして、措置に遺憾なきを期して参りたいと思つております。
○福田(昌)委員 私どもが少しずつ見聞きいたしておりまする範囲におきまして、そういう更生指導所の設置ということは当然必要でありまするが、それと同時に傷疾者の中におきましては、からだは丈夫になつた、担当仕事もできるようになつた、病院はいつでも飛び出すことができる、しかし生業資金がなくて、病人ではないけれどもしかたがないから病院にいるのだ、いつでも飛び出したいのだけれども、ただいま申し上げましたような住宅と資金の面においてやむを得ないというような患者が担当あられるということを察知するのでございます。従いまして、こういうような患者を國立病院なり、その他の收容施設において長く收容しておくということは、患者自身にとつても非常に御不満であるし、また國家の経済にとつてもいいということは言えないわけでございますから、こういう方面のいわゆる更正指導所から、あるいはまた授衛所から、あるいはまた國立病院から社会に向つて飛び出すことの橋渡しになるような設備こと、またそういうような制度こそ、最も早急に考えて行かなければならないものじやないかということを痛感する次第でございます。從いまして、どうか政府におかれましても、そういつた方面の、これは福祉法に関する問題になるかもしれませんが、十分に御考慮を賜わりまして、早急にそういう制度の完備を期していただきたいということを希望する次第でございます。
○堀川委員長 お諮りいたします。本案に対する質疑は大体終了いたしたと存じますので、この際質疑を打切りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 御異議がなければ、本案に対する質疑を打切ります。 ついで討論に入ります。松永君。
○松永委員 私は本案に対して全面的に賛成するものであります。先ほど各委員の方々のきわめて熱心なる、かつ御熱意のある質疑があり、当局の答弁が行われました。多数の身体障害者に対してこの程度の設備では不十分であることは申すまでもございませんが、百燭の明りを求めてあるところに、なければ一、二燭の豆電球でもその効果を收めることができる。今ここに身体障害者に対してこういう施設が初めてできるということは、何といつても暗夜に一点の曙光を認めるものであるという意味からでも、これを大きく取上げて、全面的新規事業打切りの現在において、これが実施されることに大きな一つのプラスであるというふうに考えますので、この際理論を超越して本案に対して賛成をするものであります。
○堀川委員長 福田昌子君。
○福田(昌)委員 私どもも本法案に対しまして全面的に賛意を表するものでございます。しかし私どもといたしましては、さらにこの法案に対しまして次の附帯條件を希望するものでございます。 すなわちこういつた身体障害者に対しましては、先ほど床次委員から御希望がございましたように義手、義足、そういつたものに対しましては、その費用に対して少くとも何らかの形において國家的な援助をしていただきたいということでございます。まだ第二には、傷病恩給の増額でございます。しかもその増額にあたりましては、軍人の軍隊におきまする時代においての階級的なる差別をおつけになることなく、無差別な、階級を無視したところの画一的な傷病恩給の増額というものを希望するものでございます。第三番目には、一刻も早く完全なる身体障害者の福祉法の設置を希望する次第であります。 この三つの点を希望いたしまして、私どもといたしましては本法案に全面的に賛意を表します。
○堀川委員長 苅田君。
○苅田委員 日本共産党は國立身体障害者更生指導所設置法に対しまして賛成を表明いたします。ただこういう更生指導所の設置ができるだけで、現在二十万以上と称せられておる身体障害者に対します救済の方法とならないということはもちろんでありして、特にこういう指導所は今年度の計画ではただ三箇所であり、しかも十月一日を前にいたしましてまだ指定地もはつきりしないし、またそれに設備しますところの内容にいたしましても、何らまだ具体的な方法ができていない。こういう状態でございますので、私どもは日本にモデル的にできる更正指導所に対しましても、もつと厚生当局の方で十分熱意を持つて御施行になることを望む次第であります。特に身体障害者の更生の道を開きますためには、これと相まちまして完全な身体障害者の福祉に対する保障がなければならないので、あわせてそれが一日も早くできるととを要望いたしまして、この法案には賛成の意を表明いたします。
○堀川委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 御異議がなければ本法案を採決いたすことにいたします。 本法案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○堀川委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決確定いたしました。 —————————————
○堀川委員長 次に優生保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑に入ります前に提案者より提案理由の説明を聽取することにいたします。谷口参議院議長。
○谷口参議院厚生委員 ただいま議題となりました優生保護法の一部を改正する法律案は、参議院議員谷口外三名の提案でありますが、参議院が先議となり同院を通過しました関係で、ここに提案の理由を御説明申し上げる次第であります。 優生保護法は昨年第二國会を通過し、同年九月十一日から実施となつているのであますが、同法施行以來の実績と社会情勢の急激なる変化にかんがみまして、人工任娠中絶の施行範囲を廣げる必要に迫られたると、受胎調節に関する適正なる方法の普及指導をさしあたり優生結婚相談所になさしむるため、並びに所手続の簡素化をはかるため、その基本法規に改正を加える必要が生じたのであります。 今その内容を少し詳細に説明いたしますと、最近精神病とか遺傳学がかなり進歩いたしましたので、そしれに適應いたしまして別表に掲げる病名を整理いたしまして、最近の学説に沿うようにいたした点が一つであります。 第二には第十三條、すなわち審査申請をなします條項の中で、第一号の適應範囲を拡大して配偶者に及ぼし、なお遺傳性精神病、遺傳性精神薄弱とあるをすべての精神薄弱に適用することにいたしたのであります。また第二号の「妊娠の継続又は分娩が母体の健康を著しく害するもの」としましたのは、從來は分娩後一年以内にさらに妊娠したとか、現に数人の子を有する者が妊娠をした場合というように限定をいたしておりましたのを、その條件をはずしまして、單に妊娠の継続または分娩によつて母体の健康を害するものというように拡大をいたしたのであります。もつともこれには戸籍謄本などがいりますために、非常に手数がかかりますような関係がありましたので、その事務の煩瑣を除いたのも一つの理由でございます。 第三号として「妊娠の継続又は分娩によつて生活が窮迫状態に陥るもの」という一項目を新設して現下の時勢に適應せしめたのは、本改正案中最も重要なる改正点でありまして」、現在の優生保護法は優生学的、医学的及び倫理的見地からする人工妊娠中絶を認めていたのでありますが、経済的理由による人工妊娠中絶には触れていなかつたのであります。しかるにその後におきまして経済的理由からする人工妊娠中絶を認めよという要望がきわめて強く、これが要望にこたえることは、他面急激なる人口の増加を抑制するためにも必要であると認め、その運用の基準を生活保護法の適用線上におく趣旨で、生計が困窮状態に陥る者を対象とすることといたしたいと存ずるのであります。 なおその他優生結婚相談所においては從來は優生的見地からのみ指導をいたしておりましたが、今囲はさらに科学的に受胎調節の普及指導に当ることを規定したのであります。從つて將來は貧困多産婦とか生活保護を受けている者等には、避妊用資材を無料で配給し得るようになしたいものと考えております。 第二十八條の中に優生手術をゆえなく行うてはならないという事項がありましたが、もつともそれにはレントゲンの照射ということを入れてなかつたのです。レントゲンの照射による不妊娠受胎というのはやや不確実のものでありますから、それを除いておりましたところが、最近レントゲンを用いて優生手術のかわりに避妊手術をする者が現われて参りましたので、今回はそれを禁止いたしておるような次第であります。その他これに関係いたしまして三三の改正の点がございますが、長くなりますからこの辺で提案理由の説明を省略いたしたいと思います。なお本法を徹底させますために文中とか印刷物などに約百万円ほどの費用を要する予定でございます。以上がこの改正案の内容であります。
○堀川委員長 田代委員から厚生省の設置法案に対する機構の問題に対して御質問の通告が出ております。ここでこれを許します。しかし事務次官は今GHQへ行つておられますから、総務課長が来ております。さよう御了承願いたいと思います。
○田代委員 これは現在内閣委員会にかかつておりますが、内閣委員会には全省のものが出ておりまして、とても実際上における内容の審議は不可能な状態で、私たちも部外発言をしたいと思つておりますけれども、たくさんありまして徹底しないので、本委員会でこれを十分審議する機会を與えてもらいたいということがまず第一点であります。その点をお諮りを願いたいと思います。
○堀川委員長 それは厚生委員会では審議するという権能がないことはないですが、何にもならねことだと思うのです。そこで内閣委員会の方にもう今日、明日に全部上げる予定だそうであります。そこで御承知の修正案のみを向うへ要望として皆さんに御賛成を願うて出してあるのでありますが、その程度で向うは可決されるのではないか、かように考えております。
○苅田委員 それに関連いたしますけれども、これは御承知のように——委員長は御承知でないかもしれませんが、内閣委員会との合同審査がありしましたときに、はつきりここからの申入れで合同審査をここで打切る。しかし厚生委員会においてさらに質問を続行してよろしいという條件で、私どもも質問を非常に簡単に終つたわけなんです。やはりこの厚生省関係のことに厚生委員が一番よく存じていなければならないわけでありますから、ここで質問をさせていただきたいということに、その後も何度も委員長にお願いしたことがあるはずなんです。それで今回御承知のようにやはり内閣委員会に定員法が出ておるのです。この問題につきまして私どもは、さらに定員法が出た上で厚生省の設置法について、今度は合同審査でなくても厚生委員会だけでよろしいから、これとからみ合せて質問したいということを申し入れてあるのでありまして、今回定員法が出たので、この委員会でぜひその機会をとつていただきたいということをお願いするわけなんであります。
○堀川委員長 皆さんの御意思はよく了承しますが、どうでしようか……。
○田代委員 それで今質問さしていただいたらよいと思います。そう長くはかかりませんから。
○堀川委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○堀川委員長 では田代君、質問してください。
○田代委員 厚生省関係の定員、これが大体どれくらい殖やそうとしておられるか、また減そうとしておるか。これは新聞などでうかがうと、厚生省関係には、実際においては削減がないように見たのでありますが、そういう実際上の数字の削減がないのですか。
○安田説明員 お答えいたします。今日あいにくこういつた質問があるということを承知いたしませんので資料を持つて参りませんでしたが、大体四千五百人くらいが減員になると思つております。
○田代委員 それはあなたの方へいただきに参れば資料をもらえますか。
○安田説明員 つまり今度の定員法の原案に出ております数字と、それから現行の完制の定員との差ということになると思いますから、それだけのことが現在きまつておるわけです。今度の定員法に御承知のように各省一本になつておりまして、その中に厚生省というのがありまして、その上に本省と引揚援護應と二つにわかれておる。そのうちで本省が何万何千、引揚援護應が何万何千ということになつておりますから、その差だけ減つたことになるわけです。それだけ定員法として出るわけです。
○田代委員 そうすると実際においては、また定員に満ちていない課などがたくさんありますね、それなどを実際現在の目標と一致させるということになると、むしろ殖やさなければならね点がありはしないでしようか。
○安田説明員 現在おります定員で削減をいたしたのでありません。減員したのでありませんから、その数字は結局欠員があれば血が出ないことになるわけです。ですから今お話のようなことはないわけです。
○田代委員 そうするとこの四千五百人ということは、欠員が理まるというのでなくて……。
○安田説明員 もちろんそういうことでございます。つまり現在あります予算定員が大体管制の定員と合つておりますけれども、その定員から今度の行政整理の方針によつて引いたものが、今度の定員法によつて出ておるわけです。その定員を九月三十一日までにそこに持つて行こうというのでありますから、從つてそこに欠員が多ければ多いほど、実際にやめてもらう人は少くなる。
○田代委員 その実際のお見込みはどうです。
○安田説明員 ちよつとここに数字を持つておりませんので、また後日……。
○田代委員 省の見当はどうですか、四千五百人……。
○安田説明員 ちよつと私覚えておりませんが……。
○田代委員 それじやあとから資料をいただきます。
○苅田委員 この問題についてですけれども、私実は定員法があるいは各委員会でもつて討議されるようになるのじやないかということも推測されるようなことがあるので、各省の定員は各委員会で討議するということになりましたときには、どうも更生委員会でもこの問題を討議していただきたいということで、今日は厚生次官がおいでになりませんから、詳しい数字のこともおわかりにならないと思いますので、この点は質問を保留しておきます。
○堀川委員 それでは苅田委員から緊急質問が出ておりますから、それを許すことにいたします。
○苅田委員 私の緊急質問は、実は一昨日一括して出ました誓願が採択になつたわけなのです。出ている請願が全部内容を審議しないで採択になつたわけですけれども、この採択ということは、そのとき委員の方もほんのごく二、三人しかおいでになりませんで、夕暮でしたので私も詳しく聞かなかつたのですが、厚生委員会でこれを審議することを採択したということなのですか、それととも厚生委員会としてこの請願の趣は取上げたということになるのですか。この点お聞きしたいのです。
○堀川委員長 ちよつと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○堀川委員長 速記を始めて……。それでは本日はこの程度で散会いたします。 午後零時三十二分散会