厚生委員会 第16号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/05/07
会議録
○堀川委員長 これより会議を開きます。 まず船員保險法の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑に入ります。質疑は通告順によりましてこれを許すことにいたします。青柳君。
○青柳委員 まず第一に、今回の改正によりまして、漁船乗組員についてだけ養老年金の受給資格機関を十五年から十年に短縮することになつたのであります。御説明によりまして、いかにもこれらは季節的事業であり、一年のうち半年あるいは七、八箇月程度被保險者となるにすぎない点もありますし、また労働がことに苛酷でありますから、この点はよくわかるのでありますが、この受給資格期間を短縮することによつて、他の一般の商船乗組員に保險料の負担の過重を來すことがないかという点をます第一に承りたいと思います。
○宮崎政府委員 ただいま青柳委員から仰せになりました、除專乗組員につきましての養老年金の機関を十五年から十年に短縮いたしますに際しましては、これはかねてからの漁業関係の希望でございますので、厚生省と農林省水産廳といろいろ調査をいたしまして、その調査の結果、十年の短縮が妥当であるという結論に達したのでございます。そこでこの十年に短縮することによりまして、保險料及び保險給付等から関連いたしまして他の機船乗組員等に対して負担を増すようなことがありましては、漁船及び機船との均衝上困るという点につきまして、数字上いろいろ檢討いたしました結果、十年にいたしまして、保險料はほかの船の乗組員と同じようにして、給付を二箇月にするということによりまして、何ら他の船員に影響なしという結論に達しまして、提案になつた次第でございます。
○青柳委員 次に漁船乗組員について新しく資格期間を短縮せられたことにつきまして、すぐに思い浮かぶことでありますが、その他の一般の小型の船員、これらも労働が相当過重でありますし、農漁村に住んでおりまして片手間に稼働しておる者が多いのであります。こうい者、あるいは一般商船の火夫というような者もまたこの受給資格期間を同じように短縮することが妥当であると私は考えるのでありますが、御意見を承りたいと思います。
○宮崎政府委員 今回漁船乗組員につきまして期間を短縮いたしました意味のものは、一つはこの漁船乗組員、しかも今回短縮いたされました範囲の漁船乗組員につきましては、これは季節的労務が主であるということと、その労働が非常に過重であるという点から考慮いたしまして、統計等で観察をいたしますと、十五年では長過ぎるという結論に達したのでございます。他の機帆船の乗組員、あるいはただいま仰せになりました火夫等につきましては、季節的な労務という点がございません。また火夫につきましては、相当過重なる労務に從事しておるのでございますけれども、季節的な関係は認められませんので、そういう点からいたしまして、今回は改正の点にのぼせなかつたのでございます。これらの点につきましては、よく研究いたしまして、調査等も完了いたしましたあかつきにおきまして、漁船と同じ扱いが適当であるという結論に達しましたならば考える。この点につきましては、船員保險委員会等におきましても、労資及び中立等の代表が集まりましていろいろ檢当いたしたのでございますが、まだ資料が不十分でありますので、よく研究の上、もう少し調査をいたしたい。こういうことになつておりますので、その結論を見出すまで、しばらく改正はいたさないということになつた次第であります。
○青柳委員 ただいまの問題につきましては、できるだけ早い機会に研究の結論を得られまして、これらの人々に対しましても漁船乗組員と同じような恩典に浴させるようにしていただきたと私は存じます。 次に漁船乗組員の養老年金支給額を平均標準報酬月額の二箇月分としたのでありますが、これは少しく少額と思うのでありますが、御意見いかがであろうかという点と、もう一つは被保險者たる期間十年以上十五年末滿の者に対しましても一律に二月であつて、加給をを考えておらないように、條文を見ると、知るのであります。そういうことはいががかと思いますが、御意見を伺いたいと思います。
○宮崎政府委員 今回の漁船乗組員の養老年金受給資格期間の短縮につきましては、保險料を現在以上に上げないという考え方でこの改正をいたしました。從いまして、現行の保險料率でどのくらい支給ができるかという点を、保險整理の上から考えまして結論を出しましたと、慾寡婦年金、遺児年金等も二月分でございますので、これらをにらみ合わせまして、金額といたしましては、二月分は十分であるとは思いませんけれども、このような決定をいたしたのでございます。なお被保險者である期間が十年以上十五年未満のものに対しまして、一律に二月分といたしまして、加給を加えなかつた点につきましても、保險整理の関係と、それから一般商船乗組員に対する均衡を考慮いたしまして、この結論に達したのでございます。
○青柳委員 次に、この船員保險の養老年金に関連いたしまして、これはもう前から問題になつておる点だと思うのでありますが、船員保險と厚生年金保險との間、船員と一般勤労者との間に、通算をまだ行わないのでありますが、これを行わない理由を承つておきたいと思います。
○宮崎政府委員 船員保險と厚生年金保險との期間の通算は、これは以前から問題になつておるのでございまして、この期間を通算するということは、まことに望ましいことではございますが、厚生年金保險では政府共済組合と通算はいたしませんが、船員保險につきましては、政府共済組合と通算するという関係もございまするし、支給條件、支給額あるいは損金などの基本的な事項が異なつておるのでございまして、それらにつきまして、実はこの法案をつくります際におきまして、いろいろ檢討を加えたのでございますが、なお十分なる研究ができ上りませなかつたのでございまして、間に合いませんので、なお一層の檢討を加えまして、同者の法律をどういうぐあいに通算するかということをきめまして、また次の機会ににそれらの点につきまして御考慮を仰ごう、こういうつもりでございます。
○青柳委員 何とぞ船員と一般勤労者との間に、年金保險の通算が一日もすみやかに行われることをお願いいたします。 次にお尋ねいたしますことは、先ほどの御答弁では、保險料は引上げを行わないというようなお言葉でありましたが、現実にこの改正法によりまして、保險料の引上げが行われておるのでございます。現在の海運界の状況から申しまして、船主も船員も経済的に苦境にあるのであります。もちろんこれは、先般いろいろ審議いたしました健康保險において見られましたように、医療給付の増加がかくさせておるものと存ずるのでありますが、具体的に納得の行く御説明をお願いいたします。
○宮崎政府委員 先ほど私は、漁船乗組員につきまして保險料率を上げない意味においてこういう考慮を拂つたのでございますと申し上げたのでありますがその意味は、養老年金につきまして保險料率を上げないということでございまして、全体として上つておりますのは、先般の健康保險法改正の際におきまして申し上げましたように、船員保險の健康保險部分であります疾病保險の部分につきまして、精勤受診率が非常に高くなりましたのと、一件当りの診療費が増額いたしましたことと、それから傷病手当金の増加というような面におきまして、保險経済がきわめて憂慮される状態になつておるのでございます。この保險経済の安定をはかりますためには、標準報酬の適正をはかりますことと、妥当なる保險料率によることとあるのでございまして、こういう意味におきまして、今回標準報酬につきましては、健康保險同様の改正をいたしまするとともに、保險料率の引上げをいたしたのでございまして、現下の状況におきましては、この程度の保險料率の引上げは最小限度必要である、こういう考えであるのでございます。先ほどお手元に「船員保險における疾病給付一の現況」という二枚刷りの紙を差上げたのでございますがこれで二枚目をごらん願いたいと思うのでございますが、療養給付の最近の擁勢というのがございます。これの一番右をごらん願いますると、昭和二十一年の月平均でございますが、標準報酬が二十一年におきましては三百二十五円であつたのでございます。それを百といたしまして、そして昭和二十四年の一月というものが一番下にございますが、これで見ますと、標準報酬は四千十六円というのでありまして、この倍数が千二百三十六になつております。でありますから、十二倍の標準報酬になつておるわけであります。ところが被保險者一人当りの費用はどうかと申しますと、昭和二十一年の月平均におきましては、右から二番目でございますが、六円八十六錢であつたのでございます。それが今年の一月におきましては、二百六十八円四十九錢というのでございまして、三十九倍になつておるのでございます。一件当りの費用あるいは被保險者の一人当りの件数等も出ておるのでございますが、被保險者一人当りの費用が三十九倍であるにかかわりませず、賃金の方が十二倍で、これも健康保險同様三と一の開きになつておるわけでございます。これは保險経済に常な影響を與えておるのでございまして、その結果こういう改正になつたのでございまするが、これにつきまして、全体をならしてみますると、今回の改正によりまして、船員の負担する分が四円三十錢、それから船主の負担する分が八円九十錢ということになるわけでありまして、労働者の負担分が四円三十錢になるわけであります。健康保險の分にいたしますと、労働者の負担する分が、健康保險、年金保險、それから失業保險等を入れて五%、五円になるわけでありますが、船員の分につきましては四円三十錢、それから船主の方が八円九十錢、これは労災の分が入つておりますので、これだけ船主の分がふえておるわけでございます。こういう状態でございまして、全体から見まして、船員の負担分と船主の負担分等を考慮いたしまして、この程度の引上けが必要であるという結論に達したわけでございます。
○青柳委員 この点に関しましては、健康保險の改正の際にも論議を盡しておりますので、これ以上は追求いたしませんが、健康保險の論議の際に要望いたしましたように、保險経済が許すならば、でき得る限り引下げをしていただきたいと存じます。もちろん厚生年金よりも船員保險の方が船員の負担が低いという点から考えましても、この点は健康保險とは少しく程度が違うとは存じますが、やはり同じく要望いたしたいと存じます。 次にお尋ねいたしたいのは、陸上の失業保險、先般衆議院におきまして審議が終つたと存じておりますが、それにおきましては、保險料率を千分の二十二から千分の二十に、原案においては引下げております。ただ陸上の失業保險の原案におきましては、基本給以外に臨時の給與も含めて千分の二十ということに相なつておりましたが、衆議院の意見といたしまして、この臨時給與は削除され、基本給の千分の二十と相なつたと承知しております。そうなりますると、船員保險におきましても、陸上の失業保險とあわせまして——現在この改正案におきましては引下げが行われておりませんが、やはり千分の二十と引下げることが大いに必要だろうと存ずるのであります。この点は非常に重要な点でありまするが、御意見をまず承りたいと存じます。
○宮崎政府委員 陸上の失業保險におきましては、当初政府案といたしまして、保險料率を一割引下げまする理由といたしまして、保險料算定の基礎のうちに、基本給のほかに臨時に支拂われるもの、及び三月を越えるごとに支拂われているものなどの収入のすベてが含まれているのであります。これに対しまする保險金支給にあたりましては、基本給以外のものは、その基礎から除外されるということになつておるのでございます。すなわち、収入と支出の基礎が異なつておるのでありまして、その基礎となる総収入と基本給との差が一割に相当するということでございまして、保險料率におきまして、一割引下げを行いましても、実質的には支出を一割引下げておりまするから、從來とかわらないことになるのであります。ところがその政府案は、本院におきましてこの点を修正可決することになつたのでございます。保險料と保險給付の算定の基礎を一致せしめたのでございまするから、船員保險におきましても、保險料算定の基礎となりまする保險金至急の基礎は、同一の報酬に基く標準報酬でございます。從いまして保險料率につきましても、千分の二十の割合に引下げますることは、制度の上におきましても、理論的に妥当であると存ずるのでございまして、最初私どもの方が陸上の失業保險と差を設けました理由がなくなりましたので、これは適当にご処理を願いたいと思うのでございます。
○青柳委員 御当局におかれましても、この点は改正をすることがよかろうという、御同感の意を表されたのであります。後の機会におきまして、改正をお願いいたしたいと存じます。 次に、厚生年金におきまして職務外の障害年金の五倍引上げという、よい制度が今回行われたのでありますが、船員保險法におきましては、これが行われないのでありますが、いかなる理由によるのか、承知いたしたいと存じます。
○宮崎政府委員 厚生軟禁におきまして、職務外の障害年金の額を五倍に引上げましたが、船員保險におきましては引上げておらないのでございます。この点につきましては、実はこの船員保險は、今後十箇月いたしますると、養老年金及び遺族年金の受給者が生じて來るのであります。それで、この厚生年金ごとく、ずつと先に本格的な給付が始まるのと違いまして、船員保險につきましては、十箇月後に養老年金を佛わなければならぬという事態が起つて來ておるのでございます。もし今、障害年金の額を引上げるということになりますると、これがどうしても年金全体として考慮しなければならぬことになるのでございます。これは保險経済といたしましても、また國庫負担金といたしましても、非常に大きな問題でございます。厚生年金のごとく養老年金の給付がまだ遠い將來であるというのであり、また保險経済におきましても、財源がいくら豊かであり、かつまた給付の内容も厚生年金につきましては非常に幅が少い壯態でもございまするので、職務外の障害年金を五倍にすることにいたしたのでございますけれども、船員保險におきましては、いろいろな給付もいたしておりまするし、先ほど申し上げましたように、ここ十箇月で本格的な給付が始まるというようなこともございますので、よく保險経済の見通しをつけまして、他の給付との点も考えましてこの点は十分研究したい、こういう意味で今回はこれを改正いたさなかつたのでございます。
○青柳委員 次に、この保險の積立金額並びにその利子をお尋ねします。
○宮崎政府委員 説明員より申し上げます。
○河合説明員 ただいまのところ約一億八千万円ほどございます。そうしてその利子に大体三分五厘で運轉しております。
○青柳委員 これに関連いたしましても、先般審議をいたしました厚生年金と同じく——厚生年金ほどの積立金はございませんが、この利子の増額につきまして、また將來とも少しずつ増す積立金でありますから、これが運用につきまして、厚生年金の際に申し上げたと同じく要認申し上げます。結局、ただいま申し上げました積立金に関する要望と、もう一つは保險料の引下げに関する要望と、二つの要望を申し上げ、さらに質疑が済みました際には、本案につきまして、ただいま当局からも大体御承諾のお話がありました失業保險の保險料の千分の二十二を千分の二十に改正するような措置につきまして、後ほど発言を留保さしていただたきまして、私の質問を終ります。
○亘政府委員 ただいまの青柳委員の御意見でもつともでございまして、先般來厚生年金の際にも御意見を申し上げましたのとまつたく同様でございまして、政府におきましても、こうした勤労者の積立金の使途につきまして、十分それらの利益を擁護する意味においてその運営の愼重を期しまして、ますますこれらの保險事業が円滑に参り、同時に彼保險者の利秋の増大せんことが最も望ましいことでありますから、その点とくと留意いたして運営をいたすつもりであります。
○堀川委員長 次に田代君。
○田代委員 まず第一番に委員長にお願いしたいのですが、実は海員関係の方々から、この問題は非常に真剣に取上げられております。私たちもこれを厚生委員会だけで解決するのではなくして、運輸委員会と合同で十分審議いたしたい。運輸委員会の方も承リますると、そういう方があるようでありますから、これをひとつ合同審査ということについてお諮り願いたい。 それから次に質問いたしますが、大体今の青柳委員の御質問が同時に私のお尋ねいたしたい点でございましたので、その点に関しましてはほぼ政府の意図されておる点がわかつたのでありますが、この料率の問題は、やはりこれは非常に高いと思いますので、どうしても引下げていただかなければならないという希望を申し上げておきます。 それから養老年金の問題ですが、これは近々一年後には大体受給資格者ができるわけでございますが、この現行制度で平均報酬で養老年金を計算することになりますると、過去のはなはだしく低い標準報酬による平均となりますと、非常に低額になつて來るのでありまして、この点は船員の諸君に対しまして非常に不利なことになりますので、この点が船員の方々を非常に刺激しておりまするし、これはどうしても最近の物資高、あるいは給與という、ものを考えていただいて、最後の報酬をもつて養老年金の基礎とされるのが正しいのじやないかと考えますが、これに対しまして、どういうお考えを持つておいでになりますか。
○宮崎政府委員 保險料が高いから引下げた方がいいというお言葉がございましたけれども、この点につきましては、先ほど青柳委員に申し上げましたように、失業保險の分につきましては、陸上との均衡上、何らかの措置を講ぜられる方が私どももけつこうであると思うのでございますが、あとの点につきましては、これを下げるということが保險経済上非常に困ると存じますので、この点につきましては私どもといたしましては、保險経済の安定上非常に困ると申し上げるよりほかないのでございます。 それから養老年金が一年以内に発生する場合におきまして、今の仰せは、最近の報酬に月数をかけて年金を佛つた方がよい、こういうお話でございます。これは理論的に申し上げますると、積立金で運用するわけでございますので、從來の報酬を全部加えまして、それを割りまして、それで年金の基礎が始まるわけでございます。しかしながら今お話がございましたように、從來の報酬と申しまするのは、戰爭以前の報酬から始まつておりますので、きわめて少いわけでございます。それを基礎にいたしまして、四箇月分出しましても、知れた金であるということにつきましては、私どもも同樣に感じております。そこで一方は積立金の経済の関係がございまするし、それから年金給付の額の点が今仰せになりましたようにございます。こういう点につきまして、これから私どもも研究いたしますが、委員会等におきましても、十分研究いたしまして、この保險経済からというぐあいな給付をいたすかという点、それから同時にこれは國庫の負担になる部分が非常に多いのでありますし、また國庫からどのぐらいの金が出るかという問題がございます。これは大藏省の問題にもなつておりまするし、厚生省の問題にもなつておりまするし、また船員保險委員会等の問題にもなりまするので、この点はこれから発声までにおきまして、十分に檢討いたしたいというつもりでございまして、結論はまだ出しておりませんので、こういたしますということは申し上げられませんけれども、十分檢討して、各方面で研究いたしまして、経済と給付とのバランスを見ながら何らかの措置をつけたい、こう思つております。
○田代委員 全面的にこういう問題は社会補償の問題でございますので、結局給付される額が実際にそういう生活の困難な方々の生活を維持するという実質がない限り意味はないのでありまして、そういう立場からも、当然政府におかれましては、過去の積立金が非常に少いからしようがないというような立場では、私は意味をなさないというふうに考えます。そういう立場からやつておられると解釈したいわけでございますが、とにかくこういうやり方をやれば非常に少い、実際にこれでは問題にならないという場合に、当然これは國庫が負担して見てやるべきだと思うのでありますが、厚生省といたしましても、大藏省に、あるいは関係方面に、十分交渉されたかどうか。大体こういうものだから交渉してもしかたがないというふうに投げておられるのじやないか。実際に十分交渉されて、どうにもならんからというような点まで努力されたかどうかという点を御質問いたします。
○青柳委員 明年発生いたします養老年金は戰事加算のものでございまして、大部分は國庫の負担になるわけでございます。そういう関係から明年の予算編成にあたりまして、大藏省と折衝することになると思います。その予算編成におきまして、案を持つて、そうして大藏省と折衝し、同時に國会の問題に移る、こういうことになると思いますので、今は交渉いたしておりません。しかしいずれこの國会が済みましてから、明年の予算及び明年の運用の点といたしまして、十分交渉し、十分研究するつもりでおります。
○田代委員 次に先ほど青柳委員が質問なさいました業務外の障害年金の問題でございますが、これは海運関係においては十箇月以内に受給者ができるので、その点他の遺族年金と区別していいのじやないか。ほかの方では五倍に引上げたが、船員保險は上げないでいいのじやないかということで処理されたという御説明でございますが、これもやはり依然として、社会保障がどういうものであるかという点に対する理解がなされてないうらみがはつきりあるのでありまして、こういう点でも政府は、保險経済の関係あるいは大藏省との関係において、十分努力されているかどうかという点を御説明願います。
○宮崎政府委員 ただいまの問題でございますが、養老年金が近く始まりますので、それとにらみ合せて五倍の問題をきめて行きたい。五倍でいいかどうかという点もございますし、しかもこの金は大部分國庫負担になる関係もございます。そういうような点で、明年の問題としてこれをあわせて考慮してやつて行く、こういうつもりで今回は載せなかつたのでありまして、先ほど申し上げたように、いずれ近く全般的な問題に触れて参らなければなりませんので、そのときまでに五倍でいいのかどうか。それから先ほど仰せになりましたように養老年金の給付をどう計算してやるかという点に触れておりますので、今日五倍にすること必ずしもよいことではないのではないか。こういう点もありますので、今回は載せなかつたのであります。
○田代委員 できるだけその点で積極的に努力していただくことを要望いたします。 それから厚生年金との通算の問題で、先ほど青柳委員から私が考えておりましたのとまつたく同様な御質問をなさつたのでありますが、御承知のように船員が生活を終身全うされるということはほとんどないといつてもいい現状でありまして、その大半は十五年未滿のうちに大体旋廃業するという実情であることは御承知の通りであります。そういう点から、保險料のかけ捨てになる率がはなはだ多いのであります。これを救済するためには、先ほどから政府も考慮されておるという厚生年金との通算の問題もございますがそのほかにもいろいろ考え方があるのではないか。たとえば船員の廃業手当金の給付を設定するとか何とかいうようなことも、考えられましようし、そういうことも問題になつておるが、まだこれは考慮中であるというようなことでは、いつまでたつても解決しません。大体通算するということは、以前からもその大綱なるものは決定しておるように承つておるわけでありますが、それに対する説明をなおひとつお願いいたします。
○宮崎政府委員 通算の問題でございますが、これは前から私どもも考慮いたしまして、この点にとりかかつたのでありますが、政府の共済組合と通算の関係、厚生年金との通算の関係もあり、これらが支給條件とか、支給額とか、会計とかみな違つておるわけでありまして、それらを合せて行くことにおいてなかなか簡單に行かなかつたのであります。しかし法案の提出が非常に急ぎます関係もありますので、それをやつておりますと全体として遅れて來る関係も起りまして、今回は標準報酬の点と、それから失業保險の関係、それに漁船関係を取急ぎ出したような次第でございます。次に大きな問題等もありますのでその際にこれもあわせて考えたい。こういう意味であしますので、決してこれをやめたのではありません。いろいろやりかけましたけれども、及ぼしますところ非常に廣くなりまして、関係の方面も非常に多くございますので、間に合わなかつたといのが実情でございますから、この点ご了承を願いたいと思います。
○田代委員 法案の提出を非常にお急ぎになつたという御説明もございましたが、その理由をひとつ御説明願います。急がれたために惡いような線が出て來る。たとえば料率が滿足でないという問題とか、こういう問題が未解決のままにこれが上程されることは、私は非常に理解に苦しむところであります。どういうところからこれを非常にお急ぎになつておるのか。
○宮崎政府委員 急ぎました理由の一つは、陸上の失業保險の改正がありました。御承知のように船員保險は、失業保險も労災保險も健康保險も年金保險も合せた保險でありまして、陸上の失業保險がかわつて参りますと、当然海上の船員保險もかわつて來なければなりません。それで陸上の失業保險と並行してこれをやらなければならぬということが一つ。もう一つは漁船関係につきましては、前の國金において厚生大臣が約束をしておるわけであります。すみやかに研究をいたしまして漁船関係の養老年金の関係、失業保險の関係について何らかの考慮を佛つて近く國会に提出するという約来もございます。そういう関係でこれを本國会に急いで出した次第哨でございます。いろいろひまとりましたのは漁船関係の決定をいたしますのに遅れましたのと、失業保險の関係は陸上の関係とのにらみ合せがありまして、陸上の方が済みませんと海上の方が出て來ないというようないろいろな事情がありまして、遅れて参つたのでありますけれども、今回急いで出しましたのはそういう陸上の関係と、それから漁船関係等の約束もあつて急いだような次第であります。
○田代委員 それから漁船の話でありますが、漁船員の年金の資格というものは、漁船の方々の御意見を伺いますと、八年くらいにぜひともしてもらいたいという要求でございます。これに対する考え方に、一應先ほど御説明がございましたが、なおそういうような八年へという要望にこたえるように処理していただきたい。 それから年金額が二箇月分というのはほとんど意味をなさないような少額でございまして、これを上げなければならないという意図をお持ちであるかどうか。
○宮崎政府委員 今田代委員のお話になりましたように、漁船関係は八年を大いに主張されたのでありますが、私どもの方でいろいろ檢討いたしましたところ、数字の計算の上に八年という根拠は確実でないという点で、いろいろ研究いたしまして、十年ならば数字の上においてこれがやや確実なものになるという点であります。 それからこの二月の給付が非常に少いという点でありますが、この点はまつたく同感でございますが、ただ先ほど申し上げましたように、保險料率をかえない。今日の船主にいたしましても、あるいは船員にいたしましても、保險料を上げるということが罷業に苦痛であるということを私どもよく存じておりましたので、保險料率をかえないという意味において二箇月にいたしたのであります。もし保險料率をかえないで四箇月とか三箇月とかにいたしますと、青柳委員が御質問になりましたように、一般の商船乗組の船員にいろいろの影響を及ぼすのであります。そこで漁船の保險料をもつて漁船の給付をやるというような計算から参りますと、現在の保險料率をもつていたしますと2箇月の数字が出て來る、こういう意味で二箇月の給付にいたしたわけでございます。
○堀川委員長 田代委員にちよつと申し上げますが、ただいまお申出になりました運輸委員会との連合審査の件でございますが、これにつきましては向うの委員長と特に話さなければならぬ点もありますし、それから運輸委員会から決議してこの委員会に申し込んでもらわなければならぬ点があると思うのであります。そういう点もあり、会期も切迫いたしておりますから、どの委員会も重要法案をやつておるのではないかと思いますから、もしも質疑したい人があるならば、この委員会へ來られて委員外の発言をされたらどうかとも思うのでありますが、ちよつと申し上げておきます。苅田委員。
○苅田委員 こまかい点については田代委員、青柳委員からの御質問で大体政府の意のあるところはわかつたのでありますが、私も一点だけお聞きしたいのであります。健康保險その他の保險経済のときに、問題になりましたと同様に、政府が今回保險料率の引上げその他を考えられますのは、結局現状において非常に非保險者の負担になることを承知しながら、保險経済の現状からやむを得ない処置としてとられておるということがはつきりわかつておるのでありまして、実際その立場から考えますならば、どうしてもこの点は避けられないと思いますが、しかし現在の社会保險が社会保障制度の一環として大きな意味をなしておるという点から考えましてどうしても國家からもつど余分な保險措置への支出を願う以外に滿足な解決の方法はないと思うのであります。その点について政府はどういうような努力をされたか、また政府自体としてはどういう御見解であるか、この点を私はさらにもう一度お聞きしたいと思うのであります。
○宮崎政府委員 苅田委員の仰せになつた点でありますが、御承知のように船員保險は先ほど申しましたように四つの点から成つております。一つは労災分でありまして、これは船主の負担であります。それから年金保險の分、これは厚生年金に匹敵する分でございまして、この点に対しては政府が負担しております。失業保險の分でございますが、この点につきましても政府が負担しております。健康保險の分につきましては、これは陸上の健康保險と同様の扱いでございまして、陸上の健康保險に出すと同じものを船員保險にも出すということに從來からなつております。陸上の健康保險と同様に、大藏省といろいろ摂政したのでありますが、健康保険のときに申し上げましたように、現在の一般会計の現状から、これ以上どうにもならぬということになりまして、若干の事務費の負担ということに相なつたのであります。社会保障制度が確立されます際におきましては、また別途の考慮があるべきものだと思いますけれども、現状においては、私ども努力いたしましたけれどもいたし方がなかつたということを申し上げる次第でございます。
○堀川委員長 本日はこの程度で質疑を打切りまして散会することにいたします。 午前十一時四十二分散会