厚生委員会 第15号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/06
会議録
○堀川委員長 これより会議を開きます。 まずお諮りいたしますが、去る四月十九日に理事の岡西明貞君が委員を辞任いたしましたので、現在理事が一名欠員になつております。この補欠選任を行うのでありますが、これを委員長が指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 御異議なければ再び委員に選任された岡西明貞君を理事に指名いたします。 —————————————
○堀川委員長 次に日程を追加いたしまして、死体解剖保存法案、國立身体障害者更生指導所設置法案及び船員保險法の一部を改正する法律案を一括議題といたしまして、政府より提案理由の説明を聽取することにいたします。
○亘政府委員 議題となりました死体解剖保存法案の提案の理由を説明いたします。 傳染病、中毒等により死亡した疑いのある死体その他死因の明かでない死体につきましては、連合軍総司令部の覚書に基きまして、昭和二十二年厚生省令第一号死因不明死体の死因調査に関する件が施行せられておりますが、これはいわゆるポツダム省令として制定せられましたるものでありまして、新憲法の趣旨からいたしましても、なるべくすみやかにこれを法律に改めることが必要なのであります。しかしてこの省令を法律に改めるにあたりましては、これと密接な関連を有する大学等へ死体交付に関する法律の内容をもこれに統合することが適当であると考えられるのであります。 さらにまた從來死体の解剖または保存に関しましては、刑法中に死体の損壞または遺棄を処罰する規定がありますほかは法令の規定がないのでありまして、そのためにたとえば医学の教育または研究のために死体の解剖または保存をなす等の場合には、それが適法であるか否かにつきまして多少の疑義があるのであります。かような現状は医学の教育または研究のためにも望ましくないのでありまして、この際死体の解剖及び保存に関しまして、包括的な統一的法制を整備する必要が各方面から要望せられておりますことにもかんがみまして、ここにこの法律を提案いたした次第であります。 次にその内容を簡單に申しますと、まず最初にこの法律の目的は死体の解剖及び保存の適正を期することによりまして、医学の教育または研究に資するとともに、公衆衞生の向上をはかることにあることを明らかにし、次にこの目的を達しますために、死体の解剖をしようとする者は原則として行政廳の許可を受けなければならぬことといたしました反面、死体の解剖を特に必要とする場合、たとえば医学に関する大学の教授または厚生大臣が特に認定した者が解剖する場合、その他刑事訴訟法等他の法律の規定に基いて解剖する場合等には、あらかじめの許可を要せず事後の届出をもつて足ることといたしておるのであります。 また死体の解剖は尊嚴な人体の取扱いに関することでありますので、原則として遺族の承諾がなければこれをなすべきでないことは、むしろ刑法の解釈上当然でありますが、この法律におきましては、さらに進んで遺族の承諾を要せず解剖し得る場合を列挙いたしまして、刑法との関係におきまして違法性の阻却される場合の基準を明らかにいたしたのであります。 さらに解剖は解剖室において行うべきことを規定したほか、死体の保存につきましても、医学に関する大学または総合病院において保存する場合等を除き、原則として都道府縣知事の許可を要することとしその適正化をはかつているのであります。 以上がこの法案のおもな内容でありますが、一方において医学の教育または研究等のために欠くべからざる死体の解剖はできるだけこれを容易ならしめるとともに、他方死体の尊嚴に関する國民の宗教的感情の尊重にも十二分の意を用いているのであります。 何とぞ御審議の上すみやかに可決せられるよう御願い申し上げます。 次にただいま議題となりました國立身体障害品者更生指導所設置法案につき、提案の理由を御説明申し上げます。 現在戰禍、交通事故その他不慮の原因によつて、傷痍の身となつた者は相当の数に上つているのでありまして、これ等身体障害者に対しましては、國立病院療養所、國立光明寮、收容授産施設、職業補導施設等の各種施設を利用して極力その保護更生につとめているのであります。 しかし身体障害者の保護更生につきましては、傷痍の種類、程度、年令、生活環境、残存能力等を総合的に観察いたしました上、そのおのおのに應じた適切な指導をすることがぜひ必要とされるばかりでなく、かかる総合的判定に基き決定された適職が、医療管理のもとにおいて補導されることが最も望ましいことと存ずるのでありまして、身体障害者自身からもかかる條件を備えた施設の設置が強く要望されるに至つたのであります。よつて政府はこれ等の要望にこたえて医学的に、心理学的に、また職能的に総合判定を行い、生活問題、医療問題、職業問題等に関するあらゆる相談に應じ助言を與え、またただちに公私救済援護機関等へ連絡あつせんを行うとともに、必要あるものにつきましては、ただちに施設に收容し、職能判定より作業訓練、職業補導に至るまでの過程を一貫して医療管理のもと強力に実施し、身体障害者をしてその精神的、肉体的傷痍をすみやかに克服せしめ、再び積極的に社会活動に参加するに必要な指導及び訓練を行う國立身体障害者更生指導所を設置せんとするものであります。 今回提出いたしました法案はかかる國立身体障害者更生指導所を設置せんとする法律案であります。何とぞよろしく御審議くださるよう御願いいたします。 次にただいま議題となりました船員保險法等の一部を改正する法律案を御審議せられるにあたりまして、本法案の提案理由を御説明申し上げます。 今回の改正の主眼とするところは、漁船乗組員に対する養老年金の受給資格期間を短縮すること、漁船乗組員に対し失業保險任意脱退の道を開くこと、陸上の失業保險法に対應して失業保險金の面に若干の改正を加えたこと、最近の傷病給付の状況にかんがみ、幾分保險料の引上げをしたこと等であります。その他健康保險法、厚生年金保險法の改正に伴い共通の事項について改正をいたそうとするのであります。これを要するに再建途上におけるわが國の重要産業たる海運、水産の業務に從事する海上労務者に対し、船員保險をして現下の実情に即應した有効適切なる施策たらしめることを期せんとする次第であります。これかこの改正法律案を本國会に提出した理由でありますが、その概要を御説明申し上げます。 第一に、標準報酬でありますが、現行におきましては最低五百円を第一級とし、最高八千円が第三十級となつているのでありますが、最近の船員給與の実情にかんがみ、これを最低月額二千円を第一級とし、最高月額二万四千円を第十九級としてこれを区分し、保險給付の適正を期するとともに、保險経済の安定をはからんといたしたのであります。 第二に、保險給付の内容の改善につきましては、まず漁船船員に対する養老年金制度の適正化をはかつたことでありますが、これは他の商船の船員とその労働形態を異にし、水産業が一定期間限られた産業であり、かつその労働がきわめて過激のため労働力の減退が激しいこと、またこれらの労働者は農漁村定住者であつて、近代化されていない実情もありますので、現行法の被保險者であつた期間十五年を資格條件とする養老年金を受けるには著しく不利益になりますので、これを是正するため一般船員に相当する漁船船員を、除きまして、十年以上十五年未満の者にも養老年金を支給することといたしたのであります。その支給する年金額は保險数理等を考え、報酬の二月分に相当する額といたしたのであります。 次に失業保險金の支給日額を陸上の失業保險と同様にいたしました。すなわち現行法においては百分の六十の率を基準として、報酬の低いものにつきましては最高百分の八十まで逓増した率で支給し、報酬の高いものにつきましては最低百分の四十まで逓減した率によつて支給することになつているのでありますが、実際の支給状況におきましては平均百分の五十四、五程度にすぎないのでありますので、今回これを一律に百分の六十の率に改めて、失業保險金の実質的増額をはかることといたしますとともに、漁船乗組員の実態がその業務が一定期間であり、かつ漁船に乗り組む以外の場合はほとんど農業に從事するとか、みずから小釣の漁業を営むのでありまして、近代労働者としての性格を具有する者がまれでありまして、失業という実態が非常に少い実体を持つていますので、これらの者につきましては、労働者の四分の三以上の同意を得ることによつて失業保險から除外することといたしました。 第三に、保險料率の改正でありますが、最近の経済事情勢下におきましては、医療費及び受給率の増加等によつて、傷病給付に対する費用が著しく増嵩いたしましたのと、船員保險におきましては船員の災害補償を完全に実施する関係もありまして、適正に迅速な給付をするために傷病給付の保險料率を若干引上げたのであります。すなわち全部適用を受ける者一三・二%、失業保險金を受けない者一一・〇%、その他延滯金の額及びその計算方法につきまして、他の社会保險と同様に國税徴收法にならつてこれを改めました。なおそのほか他の法令の改廃に伴いまして、法律上の事務的整備を行うこととした次第であります。 以上船員保險法等の一部改正法律案の大要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞすみやかに御審議の上可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。 —————————————
○堀川委員長 次に國立公園法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑はありませんか。——なければこの際お諮りいたします。委員外の金光君より委員外発言を求められておりますが、これを許すに御異議ありまませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 なければこれを許します。金光君。
○金光義邦君 お許しを得ましてごく簡單に二、三お伺いをいたしたいと思います。この改正法案の第六條の二に「著シク利益ヲ受クル者アルトキハ」ということになつておりますが、これはどういう場合でございましようか。
○飯島政府委員 たとえて申しますれば、ケーブルカーを設置することによりまして、山の上の居住人にそれを利用する便宜を與える場合でありますとか、あるいは國立公園内に廣場を設置いたします場合に、その駐車施設のためにその周囲の営業関係をやつておる人に特別の利益を與えますとか、あるいは公園道路を建設いたしますために、その附近の土地所有者に対しまして地價の増嵩あるいは土地の利用率を高めるというように、直接に因果関係の存在するような場合に、受益者に負担をせしむることが適当であろうと考えておるのであります。
○金光義邦君 次にはなはだつまらぬことをお伺いするようでありますが、第八條の第二項の六号に「水位水量ノ増減ヲ來ス行為」というのがありますが、水位水量が増した場合におきまして風景にさしたる害を及ぼさぬ、あるいは風景が前よりよくなるというような場合には禁止されるようなことはないのでありますか。
○飯島政府委員 從来國立公園区域内の湖水の利用、特に電力開発用の水面の利用について工作物の新設、増築あるいは改築の許可をするとき、その工作物、いわゆる水門の施設の増減によりまして水位水量の高低をある程度風景と調和するように規整して参つたのでありますけれども、今回新たに「水位水量ノ増減ヲ來ス行為」として規定いたしましたのは、工作物では規定が間接的でありまして、明確を欠きますのと、増減の際には——たとえば滅ずる場合は一應常識的に考えられますが、増水の場合はさしつかえないかという御意見かと存じますけれども、増水の場合でありましても、著しく湖水の水位が上昇いたしますならば、現在の湖畔に生じておりまする針闊葉樹のいわゆる枯死を來す場合も予想されますので、十和田湖等の場合におきましては、水位が一定の水準であり、夏も、冬氷結する場合においても、その樹根その他をいためないような水位でありたいと希望いたしておりますので、増水の場合においてもやはり風景と調和するように措置するのが適当かと考えておる次第でございます。
○金光義邦君 よくわかりました。次に第十一條の二に國立公園に準ずる区域を指定することができるというふうにありますが、この区域はどういう名称をもつてお呼びになるか、國立厚生公園、あるいはナシヨナル・パークウエイという名前でお呼びになるかとも思いますが、お伺いをいたします。
○飯島政府委員 國立公園に準ずる区域といたしまして、一應名称については、なお政令を制定いたします際に檢討させていただきたいと思つておりますが、現在考えておりまする名称といたしましては、準國立公園、あるいは國民厚生公園、あるいは観光公園というような名称を考えておりますけれども、これらはいずれも必ずしも実態を表現いたしておりません関係もございますので、なお十分関係各方面の意見を徴しまして、決定いたしたいと考えております。道路公園の問題につきましては、でき得ますならば、やはり國立道路公園というアイデアを取入れることにいたして行きたいと考えております。
○金光義邦君 この準國立公園は、將來國立公園に編入される場合を考えてもよろしいのでありますか。
○飯島政府委員 法律上の性質といたしましては、一應國立公園を指定いたしますまでに、風景が損壞し、國土が荒廃に帰するのみならず、特に後代の國民のためにも保存しなければならない自然の景勝の地でありますので、國立公園の諸條件として檢討いたす以前において、準國立公園としてこれを保護することによりまして、風景の万全を期しますと同時に、將來さらにその諸條件を檢討いたしました結果、國立公園として適当であると考え得る状況になりましたならば、國立公園にさらに指定することになると考えております。それから現在國立公園の仮指定というような考え方、あるいは國立公園に準ずる地域の保護というような両方の性質をこの準国立公園に持たせて行きしたいと考えておるわけでございます。
○金光義邦君 國立公園部におかれては、國立公園審議会の方に準國立公園に関する資料を、いずれ御提出になることと思うのでありますが、その場合にどういう地区をお考えになつておられるか、たとえば日田盆地はこの中に含まれるかどうか、この点をお伺いいたします。
○飯島政府委員 現存全國各地から約四十箇所にわたりまして、國立公園の指定申請が出て参つておりますけれども、これらを地形、あるいは動植物その他科学的なあるいは人文科学的な点から、いろいろ檢討して参りますと、その基準に合うものもあり、合わないものもあるわけでありますが、なお準國立公園として十分研究しなければならないと考えておりますけれども、さしあたつて御指摘の日田盆地のごときは、準國立公園に当然なるべきものと考えておるわけでございます。
○金光義邦君 ただいまの御答弁で、日田盆地を準国立公園の中に入れていただくということをお伺いしまして、はなはだ愉快に考えるものであります。御承知のように日田盆地は、水郷日田の名前をもつて昔から知られておりまして廣瀬淡窓などが塾を開いたところであります。また歴代の厚生大臣もしばしば地元において、日田盆地は國立公園の中に編入をするということを言明せられておるようなわけであります。衆議院におきましてもしばしばその請願を採択いたしております。また地元の熱意は非常なものでございまして、この目田盆地の國立公園編入の問題が、順調に参らないということのために、轉縣問題を引起すというようなこともございまして、地元の者はみなこの問題については協力的であり、反対者は一人もないわけであります。近く今上陛下が九州に行幸になる趣でありますが、この日田盆地には一日をお費しいただきまして、行幸を賜わるという趣でありまして、地元の者も感涙にむせんでおるような次第であります。ぜひこの日田盆地はその案の中にお差し加え願いたいと思います。 次にこの準國立公園の指定は、早いものはいつごろになるのでございましようかお伺いいたします。
○飯島政府委員 土地に関する行政でございますので、土地のいわゆる測量、現地の境界点の策定、あるいは図面の製作というような事務上の手続、あるいは技術上の手続が相当必要でありますので、早急に審議会を開催して答申をいただいて、関係各省、関係方面に折衝を進めることにいたしましても、最少限六箇月以上の日時を要するものと考えられるわけでございます。
○金光義邦君 日田盆地のことにつきまして繰返して申し上げましてはなはだ恐縮でありますが、地元ではこの準国立公園の指定というようなことにつきましてうわさを聞いておりまして、実は一日千秋の思いで待つておるようなわけであります。先般も國立公園部があるいは課になるのではなかろうかといううわさが傳わりまして、地元でも愕然といたしまして、直接電報などで私のところまで照会をいたし、あるいは課にならないように運動を続けるようにと言うて來ておるような次第であります。質朴な氣持のところでありまして、運動も徹底をいたさないのでありますが、非常に熱があるところでありますので、まげてひとつ早く御指定いただきますように、この機会にお願いを申し上げておきます。 次に第十三條に國立公園審議会というのがありますが、この構成はどういうことでございましようか、本年度の予算的措置はどうなつておりましようか。またその委員の中に國会議員をお加えになるのでありましようか。あるいは從來の國立公園委員会委員をそのままこの審議会委員としておきめになるお考えでありましようか、お伺いいたします。
○飯島政府委員 国立公園審議会につきましては、構成を一應政令の方に讓つておりますが、人員は大体四十人程度といたしまして、その顔ぶれにつきましては、現在の國立公園中央委員会の委員がそのままということではなしに、新しい構想、観点から人選されるものと考えられます。國会議員の問題につきましては、國会議員が政府部内の、いわゆる行政部内の審議会に参画されることが適当であるかないかという問題につきまして、いろいろ議論の余地があるかと考えられますので、現在のところは政府といたしまして、この委員会に國会議員にお入りを願うというふうには考えておらないわけでございます。もしそういうことになりますならば、法律を別途に改正しなければならないかと考えておるわけでございます。
○金光義邦君 次に國立公園に関係をいたしまして、久住、別府裏山、耶馬溪というようなところの阿蘇國立公園編入の問題はどうなつておるか。実は地元ではすでにもう編入されたものと考えておるものもあるようであリますが、一應お伺いいたします。
○飯島政府委員 別府裏山と耶馬溪につきましては、阿蘇、久住は現在阿蘇國立公園でございますが、それらの延長区域として、一應われわれの方で檢討いたしたわけでございますが、そのうち耶馬溪につきましては、現在あまりにも開発され過ぎておりまして、自然景観の保持の点において若干欠くる点がありますのと、これらの地域を拡張いたします境界につきましては、日田盆地との関係もございましたので、現在のところ有力なる拡張候補地になつておりますけれども、正式に審議会にかけて、手続を進める段階には至つておらないわけでございます。
○金光義邦君 ただいまの地域は、この資料の中にあります國立公園選定標準の各項目に皆合致をいたしておると思うのでありますが、どうかなるべく適当な機会に國立公園の中に御編入をお願い申し上げます。 それから國立公園関係で、今度のいわゆる見返資金を利用して、何か施設をなさるお考えがあるかどうか、その点をお伺いいたします。
○飯島政府委員 見返資金のわくは、御承知のように千七百五十億円でございますけれども、そのうち交付公債に充てる分と建設公債に充てるものが約八百億ばかり、あと産業資金として融通されますものは四、五百億でありまして、そのうち観光事業に融資されますものは、いまだ確定いたしませんが、現在のところ大体政府の原案としては二億円ばかりで今進めておるわけでございます。その二億円のうち、主として問題になりますのは、鉄道の優等車輛と、観光ホテルの問題でありますが、観光ホテルにつきましては、現在政府として考えておりますのは、四箇所ございまして、名古屋の名古屋ホテルと、神戸のニユー・オリエンタル・ホテルと、大阪のホテルが一箇所、あと一つは伊勢志摩國立公園の賢島にホテルを建設することになつております。この資金がはつきりいたしておりませんが、大体千三百万円が二億円の中から融資されることになつております。ただこの融資の條件並びに償還その他について、あるいは利率というようなものについては、まだ未決定でありますが、一應いわゆるイロア資金から國立公園施設といたしましては、千三百万円の融資をしてもらうことに大体のところ内定しておるわけでございます。
○金光義邦君 最後に一つお願いをいたしておきますが、観光事業は國立公園設置の目的と裏表をなすものではないかと思うのであります。現在いわゆる公共事業費のわくの中には、観光事業というものは入つておらないのでありますが、貿易外の收入も少いときでありますので、ぜひとも公共事業費のわくの中に観光事業費というものを入れていただきたい。機会がありましたならば、部長におかれまして強く御主張を賜わらんことをお願いいたす次第であります。
○飯島政府委員 ただいま御指摘の公共事業費のわくの中に、観光事業に要する経費を計上することにつきましては、昨年來内閣におきまして観光事業審議会が設置され、その答申に基いて本年度の予算に五億三千万円の観光事業費を計上することに答申をいたしたわけでございますけれども、御承知のドツジ・ラインに從つて予算が再編成されることになりました関係上、残念ながら公共事業費のわくに計上されなかつた次第でございます。しかしながらまがりなりにも先ほど御質問のありましたイロア資金千七百五十億円の中から、若干観光施設に融資されることになりましたので、來年度におきましては公共事業のみならず、この対日援助資金を有効に活用して、外資の獲得その他國民の観光経済増進に努力いたしたいと考えておるわけでございます。
○金光義邦君 御丁重な御答弁をいただきまして、恐縮であります。私の質問はこれをもつて終ります。委員外の発言のお許しを得ましたことを深くお礼を申し上げます。
○堀川委員長 次にお諮りいたしますが、本案に対する質疑も終了していると存じますので、これをもつて質疑を打切りたいと存じまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 ついで討論に入りますが、討論は通告順によつて許すことにいたします。畠山委員。
○畠山(鶴)委員 私はちよつと遅く参りましたので、まことに前後しておるかもしれませんが、お許し願いたいと思います。 かねてより厚生省の國立公園の部を廃すということにつきましては、いささか意見を申し上げた者でありますが、幸いにして、依然して今殘つたことは、私としてまことに欣快といたすところであります。もちろん私どもの主義政策につきましては、前会も申し上げましたが、この國立公園という言いかえれば観光事業に一番密接な関係を持つておりますこの國立公園課が、ただいまほかの議員の方よりお尋ねがあつたようでありますが、実際の運営方法についてはなはだ貧弱であつたということと、言いかえれば厚生省は衞生問題と非常に関係が深いよしでありますが、実際の國立公園の仕事としての部面においては欠けている点が多々あるのではないかということを、私はたびたび痛感いたします。この前も申し上げましたが、現在の運輸省におきましては観光局というようなものを設けまして、大々的に仕事を進めるようになりました。私の在來の念願でありましたところの観光事業につきましては、議会に観光特別委員会が三十日決定いたした次第であります。まだ委員の発表までには至つておりませんが、この委員会ができた以上は、着々と観光という面について推進いたさてければならぬことは明らかでありまして、私といたしましてもいささか責任があります関係上、厚生省の國立公園につきましては、もつと積極的な考えを運輸省、建設省、あるいは文部省という面に繋がりをよくしていただいて、ほんとうにこの目的を達成さしていただきたいことを、まず第一番に御希望申し上げる次第であります。 同時に私もいろいろ議員から観光部面について聞いてみますと、私が特別委員会を設置したという運動を起しました当時は、今、君、そういう時期じやないよ、そんなことを今言うときじやないよというようなことで耳も傾けませんでしたが、さて委員会ができるということになりますと、あつちでもこつちでも、いや、まつたく観光は重要だよ君、これから何を言つたつてね観光によつて外貨の獲得が必要だよ、おれも委員にしてくれないか、おれも委員にしてくれないか、けさも私は、しばらく休んできよう出て参つたら、続けざまに十幾人私のところへ來てせがまれた。しかし私が個人のために主張したのではなく、皆さんがそういう氣持になつてくれることを喜ぶものでありますが、しかし私一人の意見には参りませんから、今のその氣持を國家再建のためにひとつ心入れをしていただきたい、御協力を願いたいということをお願いして言訳をしたようなわけでありまして、まことに私は厚生省がこの部を残したことを喜び、同時にこの目的を達成するためには不肖微力でありますが、進んで厚生の委員にさしていただいたのであります。観光以外何の能もない私でありますから、もちろんこの目的が達成しなかつたら厚生委員としての立場もないわけでありますので、どうかこの点もぜひ御了解願いたい。 それからこの法規のうちの國立公園法の一部改正につきまして審議会ということが方々に書かれてありますけれども、この審議会とわれわれ委員との関係の形を聞いてみますと、はなはだその疏通に欠けているような点があるようでありますから、この法律改正につきまして何でも審議会の意見を聞く、審議会を開いて定めるという言葉は、あまり私は強すぎやしないかということをこの改正につきまして考えております。 そのほかに申し上げたいこともありますが、討論といたしましては大体皆さんのお氣持も御決定になつておることでありましようし、私といたしましてはこの目的達成のためにぜひとも御理解くださいまして、御協力あらんことを切にお願い申し上げる次第であります。
○堀川委員長 これにて討論は終結いたしました。 これより國立公園法の一部を改正する法律案の採決に入りたいと存じます。本法案を原案通りにするに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○堀川委員長 起立多数。よつて両案は原案通り可決いたしました。 —————————————
○堀川委員長 次は医療法の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑を許すことにいたします。丸山委員。
○丸山委員 医療法の一部を改正する法律案に関しまして、この前予備審査の場合にいろいろお伺いいたしまして、当局から御答弁を得しおりますが、今日は東局長が見えておりますので、あらためてもう一度はつきりした御返事をお願いしたいと思いますのは、大体この改正そのものに関しましては、私は別に異議を唱えるわけではないのでありまするが、質疑といたしまして、第十三條に診療所の管理者は同一の患者を四十八時間を越えて收容してはいけない。四十八時間を越えた場合には、これが移送が困難な場合には保健所に届け出るという事項がございます。これは現在の段階といたしましては非常に実施困難な問題があります。御承知のように二十以上の病棟を備えた病院を新たにつくることは困難でありますし、どうしても診療所の方が数がよけいになるという結果になつております。新しくできた診療所は、全部この十三條の適用を受ける。その場合に手術を必要といたします耳鼻であるとか、あるいは婦人科であるとかいうような方面の方々は、この十三條のために相当の困難を感ずると考えるのであります。先般お伺いいたしました場合には、四十八時間を越えて移送が困難な場合には届け出ればいい、その届出後の処置は何ら規定がないから放任しておけばよろしい、その患者が治癒するまで入院を継続さしてもいいという御答弁を伺つておりますが、そのように解釈して間違いございませんかどうか、あらためて局長の御答弁を願いたいと思います。 第二は第四十條に医師が廣告の標榜といたしまして診療科名を掲げることの條項がございます。これはその前の法の規定によりまして、たしか先月二十六日で猶予期間が過ぎておりますので、この規定以外の診療所の廣告は全部これを禁止せられた形になつております。これに関しましては医道審議会にすでに諮問せられまして、答申があつたということを聞いておりますが、その内容を聞いてみますと、医道審議会はこの診療科名以外のもので標榜しておるもの、そのものの中にふさわしくないものもある、またふさわしくないと思われるものもあるが、これをどれが正しい、どれがいいというふうに決定するには非常に困難があるから、まずこの際は一切この法の通りみんな認めないことにした方がめんどうがないというふうなことでありますから、この際この診療科名以外のものは認めないという結果が生じたというふうに伺つております。しかるにある一部分におきましてはその事実は認めておりますが、実際患者の便宜その他から申しますと、やはりこの診療科名以外に標榜することを認めることが、医師のみでなく患者自身にも社会的に非常にいいのではないかと考えられるものが多々ある。というのは先般京都市において開かれました学界方面の多数の方の御意向を伺つてみても、そういう通知をいただいておるのであります。内容にわたりまして、私事にわたりましてはなはだおかしうございますが、ある医道審議会に出ておられます方から聞きましたところ、現在どうも禁止したいと思われるものは、ある一つの系統的のものでなく、非常に一小部分の專門とか、診療科名を掲げるのはふさわしくないということであつたそうでありますが、ある系統的なもの、たとえば呼吸器系統、消化器系統であるとかいうふうな、比較的大きな系統を標榜するものは認めることが適当ではないかという私見を漏らしておられる。そういうのはよろしい、あまりに小さな部分を標榜するものはよろしくないということをこの際決定すると、社会的に非常なトラブルが起ることを恐れて、まあまあというような意見であつたというふうに承つておる。厚生省当局におかれましては、これに対しては、医道審議会の答申を尊重せらるべきことはもちろん当然であると思いますが、しかしこれに対しては、將來どういうふうなお考えを持つておりますか。たとえて言うならば、診療科名をもう少し拡張する、科名の範囲を廣くする、数をふやすというようなお考えはおありにならぬかどうか。あるいはそういうふうなことをどこかへ諮問でもなさるようなお考えがあるかないか、これを第二に承りたい。
○東(龍)政府委員 ただいまの御質問の第一のお答えであります。診療所に收容し得る時間を四十八時間と限定したことにつきまして、実際上いろいろな困難が起つておるということは、御指摘の通り私ども各方面から伺つております。これらの処置につきましては、將來の問題として、この四十八時間制限の拡大もしくは改正というようなことも考えられるのでありますが、あの法律のでき上りました当時の内外の情勢その他からして、一應四十八時間制限が設けられたわけであります。從つてこれを嚴密に行つて参りますると、ただいま御指摘のような医療の目的に沿わない結果になることがあり得るのであります。しかしながら、元來医療法、医師法、私どもの金科玉條といたしますこの法律は、医療が目的であり、人命の救助が目的であるのでありますから、その本來の目的に反するような結果になることを承知しながら、みすみすその法文の通りにしいてこれを強行いたそうとは思つておりません。從つてさような前提條件が満たされます限りにおきましては、かねて次長から御答弁申し上げました通りの処置でけつこうだと思います。 それから第二の問題の診療科名の問題でありますが、これは医道審議会における答申に基いて、厚生省としてはその当時までに申請のありました多数の診療科名を認めないということにいたしました。この医道審議会におきましてさような結論に相なりました経過につきましては、ただいまの御質問の内容とは多少違つておつたように私は記憶いたしております。もちろんいろいろな診療科名がありまして、そのいずれを可とし、いずれを否とするかというようなことは、きわめて疑問のある問題であります。しかしながら今回の医道審議会においてあのような結論になりましたのは、まずこの法律案が制定せられました当時の状況、ことにその根抵となりました医藥制度調査会におけるこの問題についての多数の方々の御意見等の精神をくみまして、その当時十分に審議せられたものと私は伺つております。あいにく私はちようどその当時東京におりませんでしたので、医藥制度調査会の実際の状況はみずからは承知いたしておりませんが、詳しく関係者から聞いてみましたところによりますと、十分に各方面の権威の方々から御意見があつた結果、かような條文が決定せられたのであります。しかもそのときに第四十條の第三項にあります前二号以外の診療科名であつて云々というこの條文の解釈でありますが、私の伺つておりますところでは、この第一項にあります診療科名のいずれにも含まれないような診療科があつたならば、その意味は、これは私の私見でありますが、たとえばエツキス光線が発明せられた以前にあつた医療法にかりにこういうふうな診療科名が幾つか上げてあります。エツキス光線ができて、これが医療上非常に有力な武器であるということが立証せられました後においては、その診療科名に理学療法科もしくはエツキス光線療法科というものを加えるというふうな状況でありまするならば、この際この四十條の三項に基いてこれを可とするということがあり得るのでありますが、現在その当時に申請されておりました呼吸器科にいたしましても、胃腸病科にいたしましても、その他十数種の診療科名は、この第一項に掲げてあります診療科のいずれかに包含され得るものであり、それの範囲をはみ出しておると認められるものはない。從つてこの四十條を忠実に守る限り、その当時申請せられたものは一つもこれを認めがたいということになつたのでございます。すなわちこの法律の條文をきわめて忠実に、またその制定せられましたときの論議の精神をくんで、さような制定を下されたものと私は了承いたしております。從つてその結果が実情に非常によく合つておるか、もしくは患者の便宜のために一番よい方法であつたかどうかということは、これはおのずから問題が残ると思います。そこで私どもといたしましては、この診療科名という問題についてはなお一層の愼重な論議が盡さるべきであると思います。すでに医藥制度調査会において一應の論議が盡されたと思つております事柄が、わずか一年ならずして各方面からののさような反対にあうことを見ますと、なおまだ盡されざる論議があると思うのでありまして、再びこれを医藥制度調査会において論議せられることは、近い將來において可能でありまた必要であると存じます。私どもといたしましては、まずその医藥制度調査会において最も有力なる発言権を持つておる日本医師会方面において、この問題についてあらためて愼重な御審議とその御意見を拝聽いたしたいと思うのであります。なお同時にこの問題は專門科名というものと連繋いたしますので、專門科名並びに專門員、スペシヤリストという考えと合せまして、重ねて十分な御協議を経ました上の御意見でありますならば、私どもは十分これを尊重いたしまして、もしも御指摘のように、これが診療上の実際面において診療を受ける人々の幸福のためにならないという点がありますならば、これの改正の提議をいたすことにやぶさかでないのであります。
○堀川委員長 苅田委員。
○苅田委員 医療法の実施のことについて、二、三質問いたしたいと存じます。医療法には、患者五十名に医者一名、患者二十名に看護婦一名、大体こういうふうな規定になつておると承知いたしておるのでありますけれども、さようでございましようか。
○東(龍)政府委員 ただいまの御質問は、医療法の施行規則によりますと、十九條にあたるかと思うのでありますが、医師につきましては入院患者の数と、外來患者の数を二・五をもつて割つた数の和が五十二までになりますれば三人とする。それ以上は、その端数が十六またはその端数を増すごとに一人を加えるというのでありまして、入院患者五十人までは一人とか二人とかということは、ただちには出て來ないと思います。少し込み入つたような勘定の仕方をしておりますが、入院患者のほかに外來患者の数の二・五分の一、そうしますと、かりに今の御質問のように入院患者が五十人あり、外來患者が百人あれば、二・五でありますから四十と相なります。そうすると両方合せて九十になりますから、その中から五十二を引きましたところで三人、十六の三倍になりますから六人になる。そういうような計算をいたさなければならないことになつております。
○苅田委員 それは大体、定則であつて、もしこれよりも現状が著しく医師なりあるいは看護婦なりが不足であるという場合には、厚生当局なりあるいは地方のこれに対する監督機関なりで、何らかの処置をとられるのでありましようか。
○東(龍)政府委員 いわゆる罰則のようなものはついておりません。しかしながらこれが著しく下まわるというのは、その病院としての診療機能が完全に行われないということの現われと私どもは承知いたしますので、極力のこ水準にまで達するように鞭撻といいますか、指示はいたすつもりでおります。また事実いたしているところもあります。それから重ねて申し上げますが、ここにあげましたのは、どちらかと申しますと最低水準と申しますか、少くともというつもりで考えている次第であります。
○苅田委員 私がその質問をしました理由は、癩病院として名高い長島の愛生院では、現在患者が二千四百名に対して、医師が八名、それから看護婦等を寄せまして三十一名の人しかいないというので、患者の方からも、あるいは職員の方からも非常に人手不足を訴えて來ておるわけであります。これについて、この実情を厚生当局としては御存じでしようか。あるいはこれに対して何らかの処置を講ぜられておるか、お伺いいたします。
○東(龍)政府委員 癩療養所につきましては、その現状が、ただいま申しました標準に比べると著しく低いということは承知いたしております。ただしかしながら病院の性質上、普通の病院に比べまして、癩、結核、精神、いわゆる私どもの方で言う國立でありますと療養所関係のものにおきましては、その病院内における作業が比較的單純と申しますか、種類は同じようなことであるという意味から、多少人手が一般病院よりも少くてもやり得るであろうという想定のもとに、それらにおきましては、これに対する一種の除外例を設けておりまして、第十九條の四項といたしまして、「主として精神病、結核、癩その他厚生大臣の定める疾病の患者を收容する病院又は病室については、都道府縣知事の許可を受けて第一項の規定によらないことができる。」という逃道はつくつております。この逃道があるからといつて、決して少くてよいというのではありませんが、この病院の性質上そういうようなことがあり得ると同時に、やはり一般の病院よりは医師自身にしても、看護婦にしても、その他の從業員にしても、同じような意味で募集いたしましたり、希望いたしましても、人の少いのは万やむを得ないと思います。また事実多少少くてもやり得るであろうという想定のもとにやつておるのであります。しかしながら現存の癩療養所における人手不足のことは十分承知いたしております。それから癩療養所の医療が簡單であり、單純であると申し上げましたが、これは今日以前の問題でありまして、現在並びに將來におきまして、私は決して人が少くて済むとは思つておりません。たとえば新しいプロミンを注射いたしますにつきましては、注射の藥の数が少いということで大きなセンセーシヨンを起しましたが、私の方から申し上げますと、われわれが獲得し得る藥の分量よりは、その獲得した藥を有効に患者に與える労力の上の制限の方がなお大きな悩みであるくらいでありまして、現状が少いことは十分承知しておりますし、何とかこれを補充したいということについては、極力労力はいたしております。しかしまことにわれわれの力が及びませんで、思うような成果があがつておりませんが、近ごろ看護婦その他につきましては、やや以前よりも好轉いたして來ておるのをせめてもの慰めとしております。今のような実状でありまして、一般の病院の基準をそのままあてはめようとは思つておりませんが、現在の状態は、それよりも著しく低いということは御指摘の通りであります。
○苅田委員 医務局長ができるだけの処置を講じて、現在の手不足を補うという御答弁に対しまして、私も極力そのことをお願いいたします。たとえば住居に対する施設等も、他の場所に比べて一層考慮を拂うとか何とかいたしまして、こういう人たちに対する処置を講じていただくことをこの際お願い申し上げたいと思います。 それから同じように医療法の中では、大体入院患者の占める疊数というものがきまつておると聞いております。これは三疊に一人の割合というようにきまつているそうでありますが、さようでございましようか。
○東(龍)政府委員 ただいまのお尋ねの、普通の病院の病室の面積でございますと、患者一人を收容するものにあつては六・七四平方メートル以上、一人だけを入れるのに四疊半、患者二人以上を收容するものにあつては、患者一人につき四・八六平方メートル、これが三疊くらいに相なろうかと思います。ですから一人室でございましたならば四疊半以上を必要とすることになつております。なを分娩の伴う場合をついでに申し上げますと、一母子を收容するものにあつては、ただいま四疊半以上、二母子以上を收容するものにありましては、一母子につきまして四・八六平方メートル、すなわち三疊以上ということになつております。
○苅田委員 そうしますと、これはすべての病室をひつくるめた疊数でもつて割つて、そうして一人分が何疊というのではなく、先ほどの御説明のように、二人以上の所では大体三疊をとれるということがきまりであるというふうに理解してよろしゆうございますか。
○東(龍)政府委員 その通りでございます。
○苅田委員 そうしますと、やはり長島の療養所では、一人頭三疊をいただきたいという患者の要求に対しまして、病院当局の方では、これは重病患者を入れる部屋含んでの割合であるから、一人当り三疊とるということはでき得ないのだと言つて、これを拒絶しているそうですけれども、これは明らかに違法だと思いますが、その点いかがですか。
○東(龍)政府委員 癩療養所の患者数と疊数の比率が、全体として計算してもこれを下まつているということは事実であります。それにつきましては私どもといたしまして、今のように重病と軽症ということもございますが、癩の患者につきましてはやはり先ほどの医師数が特別の考え方をいたしておりますと同じように、癩患者のうちには、癩という病氣は持つておりますがそれ以外においては、ほとんど常人に近い生活のできるような方々もあります。またほんとうに病床に呻吟しておる病者もおるというようなことで、全体として計算いたしまして、大体この標準にまで持つて行きたいと思います。先ほど私の答えましたことは、それは違法だとおつしやればその通りであります。しかしながら実際生活並びに治療上われわれが忍び得るというところの最低限で、現状ではがまんしなければならない。癩療養所を、どんどんわれわれの希望通り拡充し得るならば問題はただちに解決いたしますが、そのことが現在できない状況でありまするので、現在とにかくあまりにも疊数が少いという人たちの、その一人当りの疊数をせめてこの標準にまで持つて行きたいということで、予算的措置を講じました。十分ではございませんが、そのためにまず病床を拡充いたしまして、そうして現在の患者をもう少しゆるやかにしてやる。それができました上で、あらためて新しい患者を收容する設備に移る。そういう方針で本年度はその準備をいたしております。その結果、患者一人について確実に三疊を確保せられるということは、これは私は望めないと思います。しかしながら全体として疊数と患者数とを合せました場合に、この標準とほど遠からぬものになるようにというのが現在のねらいでございます。
○苅田委員 私は、ただいまの御説明でありましたけれども、癩の療養をやつておる患者は他の療養をしておる患者より以上に、やはり居住ということは考慮せられなければならないと思います。それは御存じのように他の一時的な疾患と違つて、癩患者というのは多くはそこを終生の住み家として住んでおる人たちであります。そういう人に対しましては、社会の一般的治療を受けておる患者以上に、この住居の問題はもつと親切に、手厚い考慮をしなければならぬわけであるにかかわらず、癩療養の場合には一般に保障され、医療法でもつて保障せられているもの以上に、その住宅が狭隘でもやむを得ないというお考えは、癩の治療の実情に対して、やはり少しお考えが至つていないのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○東(龍)政府委員 ただいまの御質問あるいは御意見には、私はまつたく御同感であります。癩療養所というものを大体病院と考えることが、根本の間違いであります。癩の療養所は、とにかく今までの考えでもつてしますれば、これは病院ではないのでありまして、病院というならば病氣を治療することを目的とすべき所であるのに、確実に治療し得るという方法を持たずして患者を集めるということは、これは病院ではない。結局その病人を幽囚するというか、隔離する場所にすぎなかつたのでありますが、とにかく今日のごとく治療の光明が見えて來た將來におきましては、これが初めて私は病院、療養所という名にふさわしいものになると思うのであります。しかしながらその治療と申しましても、少くとも何年あるいは何十年を要するものでありますので、癩療養所をもつていわゆる病院というふうな考え方でなく、癩患者の一つのコロニーと申しますか、一つの社会としてこれを盛り立てて行くべきだ、私もその通りの考えを持つております。願わくば、日本の癩療養所がさような形であつてくれたらということを私も同じく願うのでありますが、現存するものはおよそ私どもの理想とするものとはほど遠いのでありまして、さようなものができ上るまで、あるいはわれわれがさような努力をいたすまで待つておれない状況であります。そこで私どもといたしましては、決して満足はいたしておりませんが、現状やむを得ずあの施設をもつて最大限の活用をいたしておるのでありますが、根本の考えは、癩療養所をもつて病院とするのではなく、安住の地として行けるような、そういう生活の根拠となり得るような一つのコロニーとして、これを盛り立てたいと考えております。
○苅田委員 そういうお考えでございましたならば、少くとも現状では、一般の入院患者が受けておるだけの待遇はこの人たちに受けさせてやりたい。少くとも一人当り三疊という一般に医療法をもつて保障されているだけの数は、至急つくるというふうに私はぜひやつていただきたい。かように考えておりますけれども、いかがでしようか。
○東(龍)政府委員 私どもそうありたいことはやまやまでございます。しかしながら実際の面からして、ただちにそれを実現するということのできないこともあまりによく知つておりますので、私たちとしましては、とりあえず病院の入院患者というふうな病床におる癩以外の形——癩病であるということ以外においては、比較的健康人のごとき活動性と自由を持つておる人々のことよりも、まずほんとうの病人である人たちに対して、この病室の規定が要求いたしますようなその限度にまではすみやかに持つて行きたいと存じております。現在おります八千人の方全部に、おのおの三疊ずつ以上のスペースを與えるということは、現状においては私は不可能と思いますので、まずやはり優先的に、最も氣の毒な病床に呻吟する人たちに、少くともこれだけの廣さを與えるように努力して措置いたすつもりであります。
○堀川委員長 ほかに御質問はございませんか。——なければお諮りいたします。本法案の質疑も終了いたしておると存じまするので、この際質疑を打切りたいと存じまするが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 異議がなければ、本法案の質疑を打切ります。 次に討論に入るのでございまするが、本法案に関する討論は別に通告もございませんので、ただちに採決に入りたいと存じまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 それでは医療法の一部を改正する法律案の採決に入ります。 本法案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○堀川委員長 起立総員。よつて本法案は、原案通り可決確定いたしました。
○堀川委員長 次に医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑に入ります。
○苅田委員 医道審議会の構成について、お伺いいたしたいと存じます。
○東(龍)政府委員 医道審議会は、定員が十人でございます。現在の医道審議会は、八人のメンバーで構成いたしております。
○苅田委員 どういう選択をなさるのでございますか。
○東(龍)政府委員 医道審議会の委員としましては、医師会の会長、歯科医師会の会長、それから医者の中でいわゆる学識経驗者と申しますか、医師が二名、それから歯科医師側から今のような学識経驗者という意味で一名、それから……。
○苅田委員 それでは專門家ではないのですね、医師ではないのですね。学識経驗者なのですね。
○東(龍)政府委員 いや、医師であつて学識経驗のある者、医師が二名と歯科医師が一名、それから医師ではない歯科医師ではないいわゆる廣い学識経驗者の中から二名。それと医務局長が加わつております。
○苅田委員 ある方面の医者の話を聞きますと、医道審議会というようなものが——これは厚生大臣の諮問機関だそうでございますが、この医道審議会というものが、衞生官僚と医師会のボスの集合のようになつて、今度の法律では医道審議会というものが相当強い権限を持つようになるのだそうですけれども、現在のような構成では非常に非民主的な傾向があるというような声を聞くのでありますが、この点についてどういうふうにお考えでありましようか。なおこういう人たちは厚生大臣がこれを委嘱なさるわけですか。 〔委員長退席、松永委員長代理着席)
○東(龍)政府委員 医道審議会につきましては、政令第三三八号という昨年の十一月十九日に制定されました政令がございますが、これは要するに「医師法第二十五條の規定を実施するため、この政令を制定する。」ということになつております。先ほど申し上げました通り委員は十人で、そのうち一人が会長であります。この委員は「厚生大臣の申出により、内閣総理大臣が命じ、又は委嘱する。」ということになつております。これが原文でございますが、現在は國家公務員法によりまして厚生大臣が委嘱もしくは命ずるということに変つております。そこでこれらの委員が、医師会、歯科医師会もしくはその地のいわゆるボスであるというお話でありますが、医師会、歯科医師会の会長が出ておりますのは、やはりこの政令の第二條の二項によりまして、委員の資格が限定されている中に、「医師若しくは歯科医師をもつて組織する團体を代表する者、」というのがございますので、これに基きまして医師会並びに歯科医師会の代表者、すなわちその会長が加わつておるわけ事でございます。その他「学識経驗のある者、又は関係各廳の官吏のうちから、」選ばれておる、私もその一人でありますが、その委員についてこれをボスであるとごらんになりますか、あるいは民主的なものであるとごらんになりますか、これはどうも御判断いかんによりまして、何とも申し上げかねるのでありまするが、少くとも現在の医道審議会のメンバーは長らく官界もしくはその他の医師会、歯科医師会等において、その先輩格であるということは事実であります。しかしながら、その方々の判断なり、あるいはものの考え方なりが非民主的であるとは一概に私は断定し得ないと思うのであります。ボスということが長老であるという意味ならまさにボスでございますが、しかしながら長老でありましても、きわめて民主的な方もありますし、比較的新進氣鋭の士でありましても、きわめて非民主的な方もあるのでありまして、私といたしましては、現在あります医道審議会は少くともその医道審議会の目的を達成いたします上には、支障のない方々をもつて現在組織されていると存じておるのであります。
○苅田委員 この医師法並びに歯科医師法あるいは医療法につきまして、私どもの方から前もつて改正法案ではなく現行法をいただきたいということを政府の方に再三申したのですが、まだできていないというのでいただいていないかと思います。私ども今度の改正案だけは見たわけですけれども、そういう全般的な点についてまだ不十分なわけです。そういうわけで私はこれ以上申し上げられないのですけれども、ただ私の申しましたのは、医師の人たちの要望として、つまり今回の改正によつて医道審議会というふうなものが非常に廣汎な権限を持つようになりますから、もつと医師会のメンバーが公正な形をとるような、もつと全般的の意見が反映されるような方法で、医道審議会というふうなものを組織してもらいたいという声が非常に強くて、私どもがそのほかの類似のいろいろの機関を見ましても、やはりそういう傾向が強いと思うので、この次の改正のときには、ぜひ医道審議会について適当な御檢討を願つて改正をしていただきたいということを申し上げたわけです。
○丸山委員 ただいま苅田委員から御発言になりました、医道審議会のメンバーに関して、医師会から出ている者がボスであるという御発言がございましたが、私は実は日本医師会にも関係しておりますので、日本医師会長の名誉のためにちよつと一言申し上げでみたいと思うのであります。ボスとごらんになるか、あるいはボスという言葉の意味も檢討いたしましたらいろいろございましようが、ボスという言葉をあまりよからざる意味に解釈いたしますのが常識でございます。日本医師会の会長は、現在各都市の医師会において民主的の方法で、代議員を選出いたしまして、その代議員が縣医師会を構成いたします。縣医師会の集まりました代議員が、日本医師会の代議員を民主的な方法をもつて選出しております。その選出せられました日本医師会代議員が、さらに民主的の方法をもつて、立候補制度をもつて日本医師会の会長を選出しているのであります。從つて日本医師会の会長は、現在の日本の医師会会員全部の総意をもつて選挙せられた公平な立場の人でありまして、決してこれをボスと見る人は現在ではないのであります。他の学識経驗者の二名の方は私どもの関したことではありませんから、私はここであえて申し上げる資格はありませんが、私は現在日本医師会の理事でございます関係上、日本医師会々長をボスの中に加えてお考えになりますと、私としてははなはだ迷惑に感じますので一言申し上げておきます。
○苅田委員 ただいまのに関連して申し上げるのですが、私は医師会長をボスだと言つたのではなくて、この機関にそういう人たちが入つているということを申し上げたわけで、だれそれがボスだということを申し上げたわけではないのです。私は医者でもなければ日本医師会の会長さんも知つているわけではありませんし、別にたいした問題ではありませんけれども、そういう発言はなるべくその通りお聞き願いたいと思うので、この点だけ申し添えておきます。
○丸山委員 私としてはそういう発言は御遠慮願いたいと思います。
○松永委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。——御質疑がなければお諮りいたします。本法案の質疑も終了いたしていると思いますので、この際質疑を打切りたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議がなければ本法事案の質疑を打切ります。 次いで討論に入るのでありますが、本法案に関する討論は別に通告もございませんので、ただちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議がなければ医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案の採決に入ります。 本法案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○松永委員長代理 起立総員。よつて本案は原案通り可決いたされました。 —————————————
○松永委員長代理 次に傳染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたし質疑を許します。
○床次委員 簡單に御質問申し上げます。傳染病予防思想の徹底をはかることは非常に必要であります。予防接種法も実施せられたのでありまするが、今日予防のために地方にいろいろの職員が配置されております。しかし一般に対しましてはまだまだ予防思想の普及の徹底は行われていないような氣がするのであります。かつては衞生組合その他の下部機構をもつて、その役割を果させておつたのですが、現在はどのような形において予防思想の普及の徹底に当つておられるか、御説明を願いたいと思います。
○石橋説明員 私から説明させていただきます。傳染病予防のための思想普及の必要なことは申すまでもないのであります。從來傳染病予防の面の面については、傳染病予防法のあり方が相当な強権をもつて実施するというようなあり方であつた。つまり疾病予防法としては少し強い法律でありましたので、たくさん傳染病のありましたときには、相当民権を妨げるような処置をとつて参りましたが、傳染病の患者が年間五万代に減少いたしました今日では、もうそういう時代よりは、一般に傳染病予防の思想をよく了解してもらうことによつて仕事が成立つと思うのであります。傳染病予防思想の普及のための手足といたしまして、府縣の本廳及び保健所に、傳染病予防費をもつて補助する補助職員ないしは傳染病專從職員を配置いたしまして、それらの人の力によりまして傳染病予防を実際に処理すると同時に、思想普及の一部をやつて参つたのであります。そのほかに常に医師会等に依頼しまして、この面について実際の協力を得ております。今下部組織の点については衞生組合が禁止せられまして、ただいまのところは具体的に下部組織を持つておりません。しかしどうしても何かの下部組織を持ちまして、この思想普及の点を実施いたしたいと思いまして、関係方面と折衝いたし、何か衞生組合にかわる組織をもつてこの傳染病予防の思想普及についてやつて行きたいと思つておりますが、まだ実現の域までに達しておりません。
○苅田委員 消毒法を行います場合に、市町村の方から行います場合には、もちろん経費は市町村の負担になると思いますけれども、そうでなくてたとえば結核等の患者について、患者の方からその消毒法を要求した場合の費用はどういうふうになるのでしようか。
○石橋説明員 今議題になつている傳染病予防法の傳染病というのは、いわゆる法定傳染病でありますので、急性の方ばかり十一含まれておるのでありますが、結核予防の方は別に結核予防法があるのであります。急性傳染病の方の消毒については、從來の習慣といたしまして市町村の公費をもつて消毒を実施しております。しかし自分で実施いたしますものについては妨げないようになつております。ついででありますけれども結核の消毒についても、やはり自費で消毒のできないものについては公費で消毒して上げるように実際には実施しております。
○松永委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——なければお諮りいたします。本法案の質疑は終了いたしておると思いますので、この際質疑を打切りたいと思いますが御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議がなければ本法案の質疑を打切ります。 次いで討論に入るのでございますが、本法案に関する討論は別に通告もございませんので、ただちに採決に入りりたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議がなければ傳染病予防法の一部を改正する法律案の採決に入ります。 本法案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○松永委員長代理 起立総員。よつて本案は原案通り可決いたされました。 なお本日議決いたされました各法案を議長に提出する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいのでありますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長代理 御異議がなければさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。次会は明日午前十時より開会いたします。 午後三時五十七分散会