厚生委員会 第10号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/04/19
会議録
○堀川委員長 会議を開きます。本日は日程順によりまして請願の審査に人りたいと存じます。 まず日程第二、遺族の援護対策確立に関する請願、文書表第三七七号。日程第四、遺族の援護対策に関する請願、文書表第四三三号を一括して議題といたします。説明議員として床次徳二君にお願いいたします。
○床次委員 ただいま議題と相なりましたところの遺族の援護対策確立に関する請願でございますが、二件ございます。請願者は静岡縣庵原郡袖師村字嶺一四六〇の長島銀藏君外十二名。それから盛岡市本町二十九番地岩手縣遺族連合会長梅津松夫外五名提出。趣旨は二つとも同様でございますので、この要旨だけを申し上げます。第二回國会におきまして、引揚同胞対策に関する決議案が議決せられましたが、いまだその具体化がありません関係上、遺族の生活は困窮の極に達しておりますので、これが援護対策といたしまして、一、遺族遺兒年金制度の実施、遺族ことに未亡人年金制度の実施、二、遺族ことに未亡人に対する職業のあつせん並びに授産場、職業補導所及び託兒所等の増設、三、生活保護法の改正等をすみやかに実現されたいというのであります。
○堀川委員長 政府の御意見をお願いします。
○木村(忠)政府委員 ただいまの請願に対しまする政府の見解をお答えいたします。現在の社会局における、一般生活困窮者に対しまする最低生活の保障という面におきましては、すべて生活に困窮しておりますものに対しましては、政府として無差別平等にこれが救済をいたしまして、最低生活の維持確保を期さなければならぬということになつておるのであります。戦争によります遺族の方々の御境遇なり、御心境なりに対しましては、まことにお氣の毒に存ずる次第でございます。けれどもすべてこれらの方々が生活の困窮の状態にあります場合におきましては、何らの差別を行わずにこれに対しまして最低限度の生活が維持できますように、扶助その他の措置を行つて参りたいと考えておるのであります。從いまして遺族並びに遺兒の年金制度につきましては、社会保障の一環といたしまして行われます場合、あるいは國家のこれらの方々に対しまする保障といつた意味でいたします場合には別といたしまして、社会局といたしましていたしております一般的な救済援護面からいたしますれば、これらのものに対しまして特別な取扱いをいたすことはできないのであります。しかしながら先ほど申しましたように、これらにつきまして別の観点からいたしまして、特別な措置をその所管の遺族にいたしますことにつきましては、これはわれわれの方におきましては大いにやつていただきたいという希望を持つておるような次第であります。 それから遺族に対する職業のあつせん、職業の補導所等は、これは労働省の所管でありまして、ことに未亡人等に対しましては、同省におきましても婦人局において、特に職業安定所婦人部というものにおきまして配慮いたしておることと存ずるのでありますが、これらのものつきましては労働省方面と連絡をとりまして、これらの点に遺憾のないようにいたしております。授産場並びに託児所は、授産場につきましては前々からこの委員会の席においてお答えいたしておりますように、授産場は單なる仕事をする工場というようなものではなく、ことに社会的並びに家庭的、その他身体的にあるいは精神的にハンデイキヤツプを持つておられます人々、これらの人々に対して単なる生活の扶助をするという趣旨でなく、これらの方々の持つております勤労の能力を十分発揮させるような趣旨をもちまして、授産場の運用をして参りたいと思います。現在千数百あります授産場につきましてはその方針でもつて指導しておりますか、その線に沿つていないものにつきましては、今後も十分指導いたしまして、その趣旨に沿うようにいたして参りたいと思う次第であります。なお今後におきましも、そういうような趣旨をもちまして、授産所に対する要求は非常に大きいものがございまするので、これに対しましては、でき得る限り授産所の拡充並びに増設をはかつて参りたいと考ておるような次第でございます。 次に生活保護法の改正につきましては、その内容がつまびらかになつておりませんで、わからないのでございまするが、現在の生活保護法はその運用によろしきを得まするならば、相当廣汎な援護がこれによりましてでき得るのでありまして、從來から生活保護法の運営にあたりましては、たとえば生活保護法におきまするところの生活扶助の基準の改訂を適正にいたして行くということ、それから生業扶助とかあるいは医療扶助といつたようなもの、これも適正にいたして参ります。これらの運営を適正にいたすことによりまして、未亡人その他遺族の方々に対しまして、それらの持つておりまするところのハンデイキヤツプを補うということにつきましてはなし得るであろうと考えておるのでありまして、現在の法律の運用をもちまして、できる限りその趣旨に沿うようにいたして参りたい、かように考えておる次第でございます。
○堀川委員長 御質疑はありませんか。
○堀川委員長 それでは日程第三、戰争未亡人及びその遺児に対する最低生活保障の請願、文書表第三九二号を議題といたします。紹介議員堤ツルヨ君の御説明を願います。
○堤委員 本請願は長野縣南佐久郡の未亡人会並びに南佐久郡町村会長川村八郎氏の連名になるところの請願でございまして、その趣旨は、戰争未亡人並びに遺族の最低生活の保障をしてもらいたいというのがその主眼でございます。母子寮の建設、授産所の設置等の方法はもちろん必要でありますけれども、一律に戰争未亡人が救つてもらえるような、たとえば以前の遺族扶助料に当るような形をもつて遺兒の最低生活の保障と未亡人の生活保障を願いたいというのでございます。もうぎりぎりのところまで來ているこの未亡人たちは、賣るものも賣り盡し、ついに未亡人会の中に輸血組合、派出婦人の会などを組織いたしまして、お互いに助け合い、励まし合つて來たけれども、この物價騰貴の今日、どうしても生きて行けないということを、るる述べてあるのでありまして、今日の生活苦にあえぐところの遺兒や未亡人が輸血組合までもつくつて、貧弱な体力の消耗になお輪をかけて行くというこの現実をはつきりとおくみとりいただきまして、満場一致でもつてこれをご採択あらんことを切に願うものでございます。
○堀川委員長 この問題に対する政府の御意見を伺います。
○木村(忠)政府委員 ただいまの御請願に対しまして政府の見解を申し述べたいと思います。この前の請願について申し上げましたと同様に、戰争未亡人その他遺族に対しまして、戰争未亡人あるいはその遺児であるというゆえをもつて、特別な手当をいたすことにつきましては、社会局で行つております一般の救済としてはいたし方がないわけでございますけれども、ただいまお話にございましたように、その最低生活が維持できてないといつたような状態にありますものにおきましては、これは当然最低生活は生活保護法をもつて保障いたさなければならない次第であります。請願の趣旨に遺兒の義務教育に事欠くといつたようなことがございますが、生活保護法におきましては、遺兒の義務教育につきましては、その必要なる最低の義務教育費を支給いたすようにいたしておる次第でございまして、万一かくのごときものが救済されずにおりましたならば、それははなはだ申訳ない次第で、十分生活保護法の趣旨を徹底させまして、最低先活の維持ができない、また義務教育に事欠くというようなことがないようにいたしたいと考えておるような次第であります。
○堀川委員長 御質疑はありませんか。
○堀川委員長 それでは日程第一〇、兒童厚生施設費國庫補助の請願、文書表第三二七号を議題といたします。紹介議員青柳一郎君御説明願います。
○青柳委員 この請願は山口縣社会事業協会長よりの請願であります。その要旨とするところは、山口縣における兒童福祉思想は兒童福祉法実施以來格段の高揚を見まして、兒童福祉施設も國の強力な指導によつて最低基準の線に向つては向上されつつりありますが、すべての兒童が心身ともに健やかに育成されるためには、現在の福祉施設のみにては完璧を期することはまことに至難なことであります。なかんずく兒童厚生施設、特に兒童遊園は都市農村ともにその数きわめて少く、兒童の多くは劣悪きわまる環境においてその社会生活を享受している実情であります。この社会事業協会は多年兒童問題について縣下の実情につき調査と研究を行い、兒童厚生施設の設置奨励に努力して來ましたが、その力きわめて弱く、現下の経済事情については民間團体のみにてはいかんともいたしがたきものがありまして、戰前多大なる努力により都市に設置された遊園地帶すら、食糧難のために耕作地と化し、現在では神社、寺院の境内等が兒童の遊び場所として利用されている実情であります。これとて何らの設備もなく、最近は境内を汚損するという理由のもとに、兒童に開放することを禁ずる傾向か見られ、また兒童福祉に熱意ある寺院すら経費難のために開放をこばむものも出ている状態であります。さらに道路上における兒童の遊びは、本縣において嚴に禁じられておりますが、遊び場を持たない兒童は路上に群り、交通妨害ともなり、本縣において昭和二十三年八月より十二月までの間に兒童の交通事故数は死亡十四名、負傷四十名を出すに及び、危險きわまりない状態であります。さらに各学校や公園の運動場は、成人の運動熱の高揚とともに、おとなの遊び場となり兒童には開放されないため、兒童の多くは狭隘なる通路もしくは不衛生な場所等に集まり、不明朗な遊びを行う等、兒童の不良化の原因をなす環境下にあることは、兒童福祉増進をはかり、國の將來につちかわんとするものの一大痛恨事であります。ここにおいて國は兒童厚生施設の増設等に急速な解決の方途を請ずるために國庫補助の途を開かれんことを切望し、兒童厚生施設に対する國庫補助制度設定方を請願するものであります。
○堀川委員長 政府の御意見を伺います。
○近藤説明員 兒童局長がさしつかえがありますので、私からかわつて御説明申し上げます。兒童の遊び場あるいはただいまの兒童厚生施設の問題につきましては、その必要を非常に痛感いたしておるのでございますが、ただいまの御請願の趣旨にありましたように、ほかの兒童福祉施設には國庫補助の道が開かれておりますが、この面につきましては、現在はまだ國の補助を支出するような形になつておりませんのを、当局といたしましても遺憾に思つている次第でございます。現在のところ子供に対する遊び場をいろいろな形におきまして設けてあるということは、非常に重要と考えまして、例えて申しますならば、來月の五日第一回の子供の日の祝日にあたりましても、特に子供によき遊び場を與えることにつきまして、各地方の一般の方々にも御理解を願いたいと思いまして、兒童局長より地方長官あてに通牒を発しておるのであります。あるいは公園のごとき、お寺のごとき、学校のごとき、必ずしも纏まつておりません所でも、いろいろな民間の方の御協力によりまて、子供に遊ひ場を提供することに対しまして、特に一般の理解と御協力を願いたいという方向に進んでおるのであります。なお御指摘のように不備の点もあろうかと思いますので、今後制度の点につきましては十分研究をいたし、御趣旨に沿うよう努力いたしたいと考えておる次第でございます。
○堀川委員長 他に御質疑はありませんか。 —————————————
○堀川委員長 それでは日程第一四片山病撲滅対策に関する請願、文書表第二一七号、紹介議員森戸辰男君にお願いいたします。
○森戸辰男君 紹介者として申し上げます。請願いたしましたのは、廣島縣の東南部にあります三郡にわたる二箇町村、七箇村の町村長の方々でありまして、請願をいたしました趣旨は、片山病の撲滅の根本対策として、深安郡並びに蘆品郡にある二箇町、八箇村の耕地八百町歩に対する水路、排水路の改廃及びコンクリート舗装及びこれに附随する排水ポンプの設置や、区画整理、農道、橋梁のつけかえをなす事業を國営をもつて御決行をお願いいたしますということと。もう一つはその事業に要する資材の優先的割当て方をお願いいたしますという二項目にわたつております。その中心は片山病の撲滅ということにあるのであります。これはこの地方の風土病として昔から非常に著名になつており、この地方のがんとも言われるものとなつておるのであります。この地方は穀倉と言われ、穀物の生産には非常に重要な地帶でありますにかかわらず、昔からここに特殊の地方病があつたのであります。しかもこれは有名な地方病になつておるのであります。傳説には、もとこの地方は海でありましたので、うるしの船がここに沈んで、そのうるしが四辺にこぼれて似來、この地方にある者、またこの地方に来る者は、このうるしかぶれのような病状をなすというような傳説であつたのであります。その後これは日本住血吸虫病がその病源であるということ、並びにその血吸虫の中間宿主が宮入貝という特殊の貝であるということもわかつたのであります。この病源の発見とともに、この病氣の撲滅の道も明らかにされるわけでありますけれども、いろいろな点でまだそれが徹底いたしておらぬのであります。大正八年、十年ごろには二千人の罹病者がありまして、全人口の十五分の一、農家人口にすれば二人半に一人というような割合の罹病者があつたわけであります。戰前石灰をまき、あるいは溝渠を浚渫してこれを撲滅するような方法をとりましたけれども、しかしこれは撲滅にはならず、一時的の應急策でありましたが戰爭と同時にこの應急策すらもやめなければならぬような事態になりまして、減つておつた病気がさらに蔓延して参りまして、昨年では約九百人の罹病者があり、重病者五十七人、死亡四人というような状況になつておりまして、まことに遺憾なことであります。医学、自然科学の発達した今日、かような地方病は一日も早く撲滅いたさなければならぬということが感ぜられますとともに、なおこの地方は濕潤の地方でありますので、この宮入貝を退治する方法は、同時に土地改良にもなりますので、あわせてこの病氣の撲滅は増産の道ともなるのでございまして、かような点から片山病撲滅を目的として農家の耕地整理組合をつくり、先ほど申し上げたような事項をいたしたいということを、関係町村の人は心から望んでおるのでございますが、何分にもこの方法を実現しますには約三億の金が要ります。一反当り三万八千円ということになり、今日の農家ではとうていこの負担に耐えられませんので、これを國の仕事としてやつていただきたいというのが本請願の趣旨でございます。何とぞ委員各位におかれては御採決あらんことをお願いします。
○堀川委員長 政府の御意見を伺います。
○小川説明員 予防局長にかわりまして、ただいまの御請願の点について私どもの考えを申し上げたいと存じます。ただいまお話の片山病は、すでに御紹介のお言葉の中にもございましたように、日本住血吸虫病と申す、いわゆる地方病でありまして、これは片山地方ばかりではなく、今日では甲府地方あるいは福岡縣、佐賀縣にまたがる地方に極限している地方病でございますが、これに対する対策といたしまして、まだ学問的な終末的な決定に至つておりませんが、一應考えられておりますところは、中間宿主でありますところの宮入貝の殺滅あるいは有病地帶におきますところの人畜の虫卵の検索とか、これに対する治療を加えるとか、あるいは便所の改良、あるいは畜糞の適切な処理その他小動物の撲滅等を通常やつておるわけでございます。なおまた今お話の特に潅漑水路の問題につきましては、比較的抜本的な方法であるとして、当然取上げなければならぬことは私どもまつたく同感に考えておる次第でございます。実はまだどういうような構築をしたらいいかという技術的なことにつきましても、たとえば水路等の問題についても結論が出ておりませんので、私どもとしましては、本年実は山梨縣のごく一部に、試験的に今お話の石灰等を多量に用いる方法によりまして、宮入貝の棲息をはばみたいという考えから、厚生省としましては安本方面に予算を計上いたしたのでありますが、最後まで残つておつたのでございますが、たまたま公共費等の最後の圧縮によりまして、ついに実現を見なかつたような次第でございます。この方策につきましてはまつたく同感で、実現したいという考えを持つております。なおまたそうした方面以外に、さらに学問的にも追究する必要があるという考え方からいたしまして、昨年は文部省とも連携いたしまして、試験研究費の方からも多額のご支出を願い、また私どもの方の予防衛生研究所と一緒になりまして、別途にこれに対する委員会を形成いたしたのであります。そして検地を比較的近い甲府にとりまして、まだ今日引続き研究を続けておるような情勢でございます。なおまた御請願の趣旨でございます全額ということにつきましては、私どもからはお答えできないのでございますが、一應現在の寄生虫予防法では二分の一という関係になつておりますので、本年の安本に対する要求も二分の一ということで要求しておきましたことを、ここで申し述べさしていただきます。 —————————————
○堀川委員長 次は日程第九、徳山湾を國立公園区域に編入の請願、文書表第三五号、紹介議員がお見えになりませんから、かわつて青柳委員から御説明願います。
○青柳委員 本件は徳山市長から提出しております。徳山湾を國立公園区域に編入の請願であります。徳山市は明治三十七年以來、海軍の基地として急速な発展をして参りましたが、立市の目標がすべて海軍にありましたために、終戰後における軍備の撤廃によりまして、立市の目標をまつたく失い、加えまして戰時中前後二回にわたる大空襲を受けまして、市街地の全域を燒失破壊されたのであります。しかし八万の市民は一致團結いたしまして、徳山市再建のために涙ぐましい努力をいたして参つたのであります。幸いこの徳山市は天然の良港に恵まれまして、海軍の放棄しました港湾設備を活用いたしまして、貿易港として現在では産業立市の目標のもとに着々と努力を続けておるのであります。すなわち昭和二十三年の一月一日をもちまして、徳山港は開港に指定せられ、航路の幅員拡張掃海作業も本年の五月六日完了する予定でありまして、外國船舶の出入港に指定せられるよう深く要望しておる次第であります。從いまして外國船舶の航行も自由になる日は決して遠くないと確信いたしております。またこの徳山市を起点といたしまして、島根縣南部境まで続いております縣道を延長して、その方面の豊富な資源を本市に導入する計画も実を結びまして、先般起工の式を挙行しましたよりな次第であります。これも日ならずして竣工の運びとなると存じます。なお九州の大分とこの徳山市を連絡する徳大連絡航路も省営によつて開設せられるの域に達しております。この徳山湾は天然の良港でありますとともに、古来より鼓海とも称せられ、風光明媚の天興の景勝の地であります。これを廣く紹介いたして、観光地といたしたいことは、市民の久しい間の待望でありまして、機もようやく熟しまして、去る二月には國立公園中央委員の田村博士にもごらんになつていただいたのであります。もちろん國立公園区域拡張の指定を仰ぐためには、それぞれ調査をいただくことと存じまするが、本市が調査いたしました諸資料をここにも提出いたしまして、市民の燃えるような熱望を披瀝いたして、請願いたす次第であるというのが本件の参要旨であります。
○堀川委員長 政府の御意見がありましたら、伺いたいと思います。
○飯島政府委員 ただいま御請願の徳山湾一帶を國立公園とすることにつきましては、政府といたしましても、瀬戸内海國立公園が日本における唯一の多島海的内海風景を呈しておるところでもありますし、瀬戸内海の國立公園設定当時におきまして、すでに論議の対象となつたのでありますけれども、当時は諸般の軍事施設その他の関係で、必ずしも自然景観あるいは諸般の諸條件、國立公園の傑出した條件に照して適当と認められたところでありましても、他の制約のもとに國立公園として指定になつておらないところもあつたのでございます。例を申し上げますと、厳島方面、呉方面あるいは加太浦方面、激戸内海のいわゆる多島海の外壁をなしまする淡路島から徳山湾一帶にかけまして、風景的にも、國土の傑出した景観であり、また利用面にも、観光経済その他にも貢献すると考えられる地域が相当除外されておつたわけでございます。しかしながら今やわが國が残された風景資源を活用して平和的文化國家を再建せんとするにあたりまして、これらの國土の世界的に傑出した自然景観を保護いたしまして、現代のみでなく次代の國民にまでその福祉を享受せしめますとともに、諸般の設備を整備いたしまして、これが利用の促進をはかり、もつて國内経済のみならず観光経済の推進に供したいと考えておりますので、先般來國立公園中央委員会の議に付しまして、瀬戸内海國立会園の区域拡張について検討中でございまして、袖山湾、特に大華山一帶の地域は展望も雄大であり、また氣象的にもあるいは海洋的にも種々の傑出した景観を備えておりますので、國立公園の適地として編入するように目下手続を取進め中でございます。 —————————————
○堀川委員長 次は日程第五、藏王山を國立公園に指定促進の請願、文書表第六号、庄司一郎君紹介及び日程第六、藏王山を國立公園に指定促進の請願、文書表第一一八号庄司一郎君紹介を一括して議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、青柳委員にかわつて趣旨の御説明を願います。
○青柳委員 両件とも藏王山を國立公園に指定促進に関する請願であります。一件は宮城縣刈田郡の関係五箇町村から、一件は同縣柴田郡川崎町長並びに町議会議長からの提出にかかるものであります。 その要旨とするところは、奧羽分水嶺の藏王山、熊ノ嶽等は宮城縣、山形縣の両縣にまたがる古来の霊山であつて、役の行者の開山と傳えられております。この山麓一帶には著名温泉の散在するのほか、太平洋、金華山、塩釜、松島等を一望に見下し得る山容水態の風光も絶佳でありまして、観光客の一大霊境であります。從來宮城、山形両縣の関係町村及び観光期成同盟会等からしばしばこの地域一帶の國立公園編入方を國会に請願して來たのでありまして、採択をたまわること前後四回と相なりましたが、何とぞすみやかなるこの編入方を要望しまして、國家最高の政治機関たる國会に対して、この目的達成相なるよう地元町村として重ねて促進方を請願しておるものであります。
○堀川委員長 政府の御意見をお願いいたします。
○飯島政府委員 藏王山は阿武隈平野の西方に聳立する火山でありまして、その景観を大観いたしますと、二十一火山で構成しておりまする典型的な火山風貌を呈しておるわけでありますけれども、その規模において、なお他の國立公園に比較して品格その他諸條件に照しました際に、なお研究の余地がありますのと、その風景の特徴が森林風景並びに火山風景等において奧羽地方と、木曽の國立公園との関連をも考慮しなければなりません。特徴といたしましては、藏王は特にいわゆる樹氷、紛雪をもつて三メートルないし八メートルの積雪もあり、非常にスキーの適地であり、またその周囲に点在する温泉の利用價値並びに藏王山に殖棲しております森林動植物、高山植物の学術的價値は相当高く評價されなければならないと思いますけれども、その規模において検討を要する点がございます。できるならば國立公園法の改正を本國会にお願いいたしておりますので、その改正によつて準用公園というものが創定されておりますので、一應準用公園ということにしていただいて、なお將來國立公園の地域的な配分の点から東北全般を考慮して國立公園にするかしないかを決定する方がいいのではないかと考えております。
○松谷委員 参考までに承つておきたいと思いますが、國立公園としての指定をなさることになると、そこに政府としての予算的な責任がかかつてくることがございますか。指定することによつて、当局に出てくる責任の範囲、あるいは負担というものについて簡單に御説明願います。
○飯島政府委員 國立公園の指定につきまして予算的な措置と申しますと、まず最初に考えなければならない点は、現地の調査のために、調査費という國費を計上しなければならない。それから調査資料に基きまして、委員会に付議いたしますために委員会の経費を政府予算として計上しなければなりません。かりに國立公園に指定された際に、國立公園の標識並びに境界の標石、あるいはその規則その他のいわゆるガイド・プレイトと申しますかそういうようなもの、なお示道標あるいは案内板と申しますか、そういうような簡易な、いわゆる利用施設というものは國費で施設しなければならないことになつております。なお観光諸施設というものにつきましては、政府予算の許す限り國家財政の緊要度に應じて、余裕の生じた限度において、國力に應じた施設をすべきものと考えます。さしあたり最小限度の要求といたしましては、調査費、最小限度の維持管理費というものは國費において計上されなければならないと考えております。 —————————————
○堀川委員長 日程第七、妙高高原一帶を國立公園に指定の請願、文書表第一〇五号、紹介議員塚田十一郎君、紹介議員がお見えになりませんから青柳委員に御朗読を願います。
○青柳委員 高田市長から提出されております妙高高原一帶を國立公園に指定の請願でありまして、要旨とするところは妙高高原一帶はその風致、情緒において最もゆたかなすぐれた景勝保健の地で、天恵的大公園である、ついては國民の保健と外客誘致のための該地区を國立公園に指定されたいというのであります。
○堀川委員長 政府委員の御意見を伺いまする
○飯島政府委員 妙高高原一帶は御承知の通り富士火山帶が北上して日本海にまさに到達しようとするところに妙高山、焼山が形成している一つの高原地帶でございます。ことに焼山は最近長年の休眠を破つて大噴火をしたことは新聞でも御承知のことだろうと思います。この地域はいわゆる妙高火山彙と申しますか、この地域の特徴といたしますところは、幅、長さにおきまして相当雄大なを高原を形成しておりまして、特にその高原のすその山麓地帶には関とか、赤倉、池の平というような有名な温泉が湧出しておりますし、また黒姫と斑尾山の噴出によつてせきとめまして野尻湖というものがその間に介在して、湖畔はすでに國際的な観光地として相当利用されているわけでございます。これらの山の頂上からながめますところのいわゆる日本海、日本北アルプスの景観はすこぶる雄大でありまして、秩父山岳國立公園ならびに近く指定されます浅間、白根國立公園の中間に介在して、観光的な國土の傑出した自然美をある程度包含しているわけでございますが、地理的な分布の観点からはたして國土の唯一の傑出した量観であるかどうかという点について、なお若干疑問の点がございますので、國立公園法の準用公園として一應國立公園とまで行かない程度の方途を講ずることにいたしまして、將來なお日本全般の國立公園の配分という観点から國立公園に指定するようにして参る考えであります。
○堀川委員長 日程第八、十二湖を國立公園に指定の請願、文書表第三七五号、紹介議員清藤唯七君。紹介議員がお見えになりませんから青柳委員にかわつて趣旨の朗読をしていただきます。
○青柳委員 日本観光温泉株式会社より提出にかかる十二湖を國立公園に指定の請願であります。その要旨は青森縣西津軽郡岩崎村地内の日本海に隣接する山中密林中に点在する十二湖の景勝は、その周囲のすぐれたる山景、湖景、海景、河景及び温泉等いずれも世界的に誇ることができる壯巌な公園で、関係方面及び地方人の来観者はまことに多数であります。つきましては十二湖を國立公園に指定されたいというのであります。
○堀川委員長 政府委員の御意見を伺います。
○飯島政府委員 十二湖は青森縣の日本海に面するいわゆる段丘海岸の近くに大小三十六の池沼を含む森林地帯でありますが、この区域の特徴といたしましてはいわゆる白髪山、向日髪山というような千二百メートル程度の山々が重疊として連なつておつて、その間にかつて学界で有名になりました氷河の遺跡でないかという三十六の池沼が点在して、これら池沼をめぐつて火山、渓谷の美は相当すぐれていると考えますけれども、この地域につきましてはいまだ詳細な調査を実施する域に到達しておりませんのと、人跡未踏と言われる森林地帶が相当廣範囲に分布いたしておりますので、速急に調査を進めまして、はたして國土の傑出した景観であり、保護し利用の價値ありやいなやについて検討いたしたいと考えておるわけであります。
○堀川委員長 御質疑はありませんか。 飯島政府委員にお尋ねいたしますが、國立公園の指定地あるいは予定地、あるいはその他の資料をお持ちでありましたら委員会へ御提出願いたいと思います。
○飯島政府委員 ただいま持つて参りました。 —————————————
○堀川委員長 次は日程第一一、おむつ資材配給に関する請願、文書表第五三号、紹介議員近藤鶴代君を議題といたしまする紹介議員がお見えになりませんので、かわつて堤委員に御朗読を願います。
○堤委員 おむつ資材配給に関する請願でございますが、この請願者は東京都中央区日本橋本町三丁目二番地医学博士永井潜氏より提出されたものでございまして、厚生省財團法人育兒厚生会の代表者が会長となつているのでございます。請願書は長うございまして、おむつ不足解決の実施要項五箇年計画案など、さらにおむつ資材配給請願運動の趣意書、加えますに全國より集つたところの運動参加諸國体の名簿を添え育兒厚生会おむつ運動の今までの経過並びにおむつの貸與を受けた借用者の今までの感想をつづつたもの、育兒厚生会設立趣意書、それから本会で今まで実行したおもなる事業などを添えてあるのでありますが、要旨は育兒に絶対必要であるおむつの不足は、都会でも農山漁村でも非常に深刻で、世の母性の身も細る悩みとなつている。ついてはこれが対策として一箇年の出生兒約二百七十万人に対し、一人五組以上を全体に配給するか、または量において不足すれば貸與する等の方途を講ずること。 次に政府は厚生省兒童局に対しおむつ資材として綿布百万ポンドのわくを與え、兒童局は専門家の知識と民間の創意とくふうを活用して、この問題の解決をはかられたいというのでございます。 大体以上の通りでございます。
○堀川委員長 政府委員の御説明を願います。
○近藤説明員 赤ちやんに対するおむつの問題につきましては、たしか昨年の九月でありましたか、秋田縣本庄町の婦人会長より請願が提出されまして本院で採択になつておるのであります。なおこれに先だちまして当局におきましては、実際に現在における赤ちやんのおむつの資材のきわめて困窮な状況を見聞いたしまして、これに対して何らかの策を講じたいと思いまして鋭意努力して参りました。まずおむつの最も節約し得る方法、あるいは使用方法というようなことにつきまして、昨年の七月に各界専門家の方のお集りを願いまして、兒童局におきまして一つの案を得たのであります。それによりまして從来三枚一組、二十組ぐらい使つておりましたのをできるだけ節約しますれば、二枚一組で十二組ぐらいあれば間に合い得るのではないかというふうな結論に達しまして、その方向によりまして二十四年度にできますれば二百七十万人の赤ちやんに対しまして、補給用の意味を兼ねまして三枚一組を三組程度、この程度ぐらいのものの配給を実現いたしたいと思いまして、関係省であります商工省、経済安定本部等の関係者を集めまして、資材の確保、配給の問題につきまして研究して参つたのであります。しかしながらおむつの材料はどういたしましてもさらしあるいはネルの形でありませんと、使用がきわめて不適当でありまするが、その面の資材となりますと、今申し上げました量、約五百万ポンド余になつて参ります。現在生れました赤ちやんに対する綿ネルあるいはさらしの配給量を合せまして、四ヤール程度でありまして、その全部をおむつにいたしますと、四組ぐらいの量しかできないのであります。特に本年度綿製品の國内用として用いられるわくがきわめて少いために、國内に割当てられました布の資材をもちましては、おむつとしてまわす余裕が現在の日本政府の状態として不可能に近いということになりまして、あらためて厚生省兒童局といたしまして、連合軍公衆衛生福祉部あてにおむつの資材を規定の民需用としての綿製品のわくのほかに、何らかの心配を願いたいという意味の懇請を公文書をもつて提出し、また私自身も数次にわたりまして依頼に参つておるのであります。なおただいま請願を提出せられました育兒厚生会は特にこの問題につきまして、過去一年半非常に熱心な民間運動を展開しておりまして、あるいは街頭署名運動、あるいはおむつを與えよというふうなポスターの展示、いろいろな形において熱心に運動しておるのであります。さようなことがまた他の民間方面にも波及いたしまして、一部キリスト教関係の團体におきまして、今案は見本を持つて参りましたが、アメリカで使つておりまする粉袋、これはおむつに適切なものでありますが、かようなものの輸入の懇請、またここに持つて参りましたのは、輸出用の純綿のは切れであります。輸出用の規格に裁断いたしましたときの裁断切れ、これらの貿易関係のものにおきまして、あるいは日本國内に向けて放出なり、あるいは輸入の許可をしていただげるものがあるようにも考えられますので、この面につきましても連合軍司令部の方に懇請しておるのでありまするが、いろいろ好意をもつて努力しようと言うてくれておりますが、まだ正式な回答に接しておらないのであります。 なおただいま申し上げましたように、厚生省はむしろ消費者の立場として、いろいろ商工省、安定本部と努力しておるのでありますが、当厚生委員会を通じまして、また物資関係の商工省あるいは経済安定本部、そういつた方面の関係機関に御連絡あるいは御督励をいただきますならば、さらに仕事が進展しやすいと考えるのであります。
○堀川委員長 御質疑はありませんか。
○堤委員 私滋賀縣でございますが、この間帰りましたときにある母子寮を視察して参りましたが、ちようど関係当局者がいなかつたので説明を聞けなかつたのでございますけれども、トラツクに半分ぐらいおしめが積んであつたのでございます。これは一体どうしたものかと、そこに働いている者に聞きましたが、詳しい説明をようしなかつたのですけれども、どこかへ返されるのだというようなことを申しておりました。あの母子寮の人たちの一つの救済策というのですか、一つの内職といつた意味で、厚生省の方で何かああいう仕事を全國の母子寮にさしていらつしやるのか。それがはけないで——滋賀縣は戰災にもあつておりませんし、みなストツクを持つておりますので、おしめに苦労しておる縣ではございません。こうした請願がございますけれども一律に行かないことはたしかでございます。ああした縣の母子寮にたくさん山と積まれていて、それを何ら手を施さないで半月ぐらい放つてあるのを見たのでございます。ああいうことがあちらこちらに——当局として仕事が思うように行かなかつたのか、はけなかつたのか、いつごろからああいうふうになつておるのか、こういうおむつの不足の叫ばれますときにへああしたむだがたくさんあるのではないか、一應御説明を願つておきたいと思います。
○近藤説明員 ただいまの滋賀縣の例はまつ白い新しいものでございましたか、あるいは古いものでございましたか。
○堤委員 古いものでございました。
○近藤説明員 実は申訳ないことでございますが、ただいま初めてさようなことを承知したような次第でございまして、おそらく滋賀縣のその母子寮で地方的に、自発的になさつたことであろうと思うのであります。なおこれに関連しまして先ほど申し落しました点を追加しつつ御説明を加えたいと思いまする 一番困難しておりますのは捨子その他の保護者のない赤ちやんを預かる乳児院でございます。從來は捨子がありましても、一そろいの着物やおむつをそろえて捨ててあつたのでありますが、現在は着る物も足らないという状態であります。これに対しまする約二千人の乳兒院の子供に対しましては、新しい純綿資材を得まして、今年の三月正式に不足ながら六千ヤールほど経済安定本部から割当を受けまして配給をいたしたのであります。なおそのほかに今お話のようにおのおのくふうをしておいでになる向きもあろうかと思いますが、これにつきましてはさつそく実情のほどを滋賀縣と連絡して調べまして、ひとつ何らかの形で協力應援申し上げたいと考えております。 なお言つけ加えさせていただきますれば、二百七十万人の子供の中には、今も堤委員のお話の中にもありましたように、地方的にそれほど必要でない所もありましようし、また経済力等においても必要でない所もあろうかと思いますので、これに順位を設けまして、第一順位はただいま申しました乳兒院、第三順位は経済困窮者、この中にはあるいは戦災、引揚というような方も含まれ得るのであります。第三順位といたしましては初めて赤ちやんを持つた若いお母さん——初産のお母さん。第四順位は残りの全部というように順位を設けます。総量約五百万ポンド必要となりますけれども、かりに困窮者だけといたしますと百万ポンドだけでいいのでありまして、先ほど請願にございました百万ポンドのおむつ資材を兒童局に割当としてやつてくれということは、まことにそうなればありがたいりくつでありまして、それによつて大体経済困窮者のおむつの補給用は成立つものと考えておるのであります。
○堤委員 私はその日は急いでおりましたので縣廳に寄つて、縣廳の厚生課で詳しいことを聞いて連絡をとる時間がなかつたのでありますが、今おつしやいました通り滋賀縣だけにおいて、何か職業のあつせんの意味でやつたのかと想像いたしておりますが、他の府縣においてももしそういうことがありそうでございましたら、やはり一石二鳥でございますから、ほしい所にとりましてはほんとうにほしいのでございますし、また余つた所では事実仕方のないもので、隅つこに積んで置くといつたようなものでございますから、ひとつ賢明な方法を全國的におとりになつて、ない所を喜ばせ、お互いに互助の精神をもつて、喜んで子供が産めるようにしていただきたいと思います。御盡力方をお願いしておきます。 —————————————
○堀川委員長 前会に審査いたしました帰還者厚生に関する請願に対しまして答弁が保留されておりますので、この際援護廳当局よりの答弁を許すことにいたします。
○戸澤説明員 援護局長、所管課長がやむを得ない事情で参れませんでしたので私、物資課の事務官でございますが、わかります範囲内においてお話いたしたいと思います。 前会出ておりませんで請願の十分なる内容がわかりませんが、ソ連帰還者生業指導並びに生活保護という点について十分なる援護をされたいという御趣旨のものかと存じます。引揚者の生業指導につきましては、各種の点において引揚者がいろいろなハンデイキヤツプを持つておる事情にかんがみまして、庶民金庫による生業資金の貸付、あるいは公共職業安定所による職業あつせん、あるいは帰農開拓方面えのあつせん、そういつた方法によりましていろいろ生業指導に当たつております。本年においてもそういう方針においてさらに徹底強化、これを促進して行く方針でございますが、その細部のことにつきましては、御必要あればまた次の機会に援護課長ないし指導課長よりこまかく御答弁をお願いするとにいたしたいと思います。 次に引揚者、帰還者に対する救済物資の問題につきまして、所管の課といたしまして簡單に本年度の計画をお話申し上げたいと思います。ソ連帰還者その他の引揚者に対しましては、上陸地において必要な援護物資、衣料品、日用品、食料品を一通り支給いたすことになつております。本年度におきましては、たどえば衣料品につきましては從來成年男子に対しては毛布、衣袴類、シヤツ、くつ下、くつ類、そういつた物を二十一点支給しておつたのでありますが、さらに本年度引揚者については増点しまして、二十五点支給することになつております。そのほか日用品、食料品等につきましても、各援護局の保有物資の保有状況に應じまして、できるだけの増加支給をいたしたいと考えております。引揚者の定着後における救済物資の計画といたしましては、昨年度同様、まず新しい引揚者に対して應急家財といたしまして、各種の衣料品、なべ、かま等の日用品、日用生活必需品、そういつたものを無償でもつて支給することになつております。また越冬対策といたしまして、今年の冬も引揚者に対し毛布あるいはふとん、作業服、シヤツ、そういつたものを支給すべく物資計画を立てまして、ただいま安本、商工省の方と折衝中でございます。さらにこれは有償でございますが、衣料切符を、普通のもの以上に引揚者に対しては一人について二十五点増配いたしまして、これによつて衣料を購入せしめることに大体商工省の方と話合いがついております。大体引揚者、帰還者に対する援護物資の本年度の計画としてはそんなことになつております。
○堀川委員長 何か御質疑はありませんか。 —————————————
○堀川委員長 それでは日程第一二、第一三は紹介議員がお見えになりませんのと、日程第一五は政府委員が見えていないので次会に延期することにいたします。 なお本日審査いたしました請願の採択、不採択の決定につきましては後日に護りたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 御異議ないものと認めましてさよう決定いたします。 次に社会局長より生活保護法の問題について説明を聽取したのち審議いたしたいと存じます。
○木村(忠)政府委員 生活保護法の問題につきまして先般來問題になつておりましたのは、生活保護法におきまして最低生活の基準がどういうふうになつているか、これがきわめて低いではないか、これに対して改訂する必要があるのではないかという御意見かあつたのであります。これにつきまして、現在の生活保護法におきます最低生活の基準はどういうふうになつておるかにつきまして概略の御説明を申し上げまして、御参考に供したいと存じます。 生活保護法が施行されます前に、緊急生活援護のための経費が支出されました。大体内容は現在の生活保護法と同様でありまして、從來の救護法、母子保護法、医療保護法、軍扶助法、戦時災害保護法等の各種の法規があつたのでありますが、これらを全部施行停止いたしまして、昭和二十一年の初めからこれが実施されて参り、さらに生活保護法が昭和二十一年の十月一日から施行になつたのでありますが、その前に最初に最低生活の基準といたしまして、五人世帶二百円という基準をもちまして六大都市並びにこれに準ずる地方、その他の都市、その他の町村というふうに三段階にわけまして、それぞれのものにつきまして一人世帶から五人世帶まで、五人世帶以上は一世帶一人を増すごとに幾らという基準にいたしまして、日額でもつて基礎をきめたわけであります。大体これは二百円が基礎になりまして、これを区分いたした一定の率を設けまして、その率でもつて按分して参つたのであります。その後生活保護法が施行されましてからも、これに対して若干基準が増額いたし、三百円くらいになつたと思いますが、その後数次の改訂が行われましたけれども、ずつと昨年の七月まではその基準はすべて各世帶別の、つまり一人世帶に幾ら、二人世帶に幾らというふうに世帶の構成人員によりましてその基準額がきめられておつたのであります。大体昨年の七月末までの状況は、一世帶五人世帶でもつて千五百円というのが基準になつておつたわけであります。ところが実際にはその基準が各世帶の構成人員別になつておりますけれども、その世帶の構成の態様によりまして、実際に必要といたします経費が違つて來ます。たとえば乳兒がおります家庭におきましては、そのための費用がいりまするし、また学童の多くありまする家庭におきましては、学童についての費用が必要となるのであります。男子と女子とでは必要といたしまするものが異なつて参りまするし、女子にいたしましても年令によつて違つて來ます。また男女それぞれ年令別によりまして、必要といたしますカロリー等も違つて参りますので、人員のみでなく、世帶の構成の内容によりまして、それに應じた基準が定められなければ、ほんとうに各世帶に必要な経費ということにはならないというふうに考えられますので、できるだけその方面に近づけて参りたいと考えまして、昨年七月の改訂の際におきましては、一應一人世帶ではどういう世帶構成が多いか、つまりどういう人員構成になつておる世帶が多いかというところ、各世帶ごとにそれぞれの標準世帶というものを設けまして、その標準世帶による必要な最低生活費というものをこまかく計算いたしたのであります。それ以前におきましては大体総額幾らという基準を設け、その基準を設けまする場合には、大体五人世帶の標準世帶をとりまして、これによりましてそれに必要といたしますところの最低生活費を増して、あとは大体の比率をもつて按分するような状態であつたのでありますが、昨年の七月におきまして、その標準世帶をこまかく計算して参りますと、各世帶ごとにいろいろな問題が起つて参りますので、それらのことからいたしまして、昨年の七月にはこまかい計算を出しまして、各世帶ごとに標準世帶、各一人世帶、五人世帶、世帶人員構成別の、世帶ごとの標準的な形を一應想定いたしまして、これは生活保護法の実態の調査におきまして、最もその型の多いものをとりまして算出をいたしたのであります。しかしこれで申しましても、やはり同じ世帶の構成になりましても、構成の内容によりまして違つて参りますので、昨年の十一月一日の改訂の際におきましては、これを改めまして最低生活費の内容、人に属しますところの経費と、世帶に属しますところの経費とにわけまして、人に属します経費につきましては性別、年令別に一人当りの経費を算定いたしました。世帶に属しまする経費につきましては、各世帶人員別に基準を設けまして、これらを加えましたものがそれぞれの世帶の最低生活の基準であるというようなやや合理的なものにいたして参つたのであります。もちろん生活保護法で考えられますところの最低生活の基準というものをどこに置くかということは、これはそれが高いほどよいということは申すまでもないのであります。最低生活と申しましても、いわゆる貧困と申しまするか、あるいはその下の窮乏といつたような状態のどこを最低にとるかということが問題であります。これらの点につきましては、結局日本の現在の経済力というもの、それから日本におきまして支給し得るところの財政の力というようなものを考慮いたしまして、一應の最低の基準を定めなければならぬ。從いましてこの最低の基準でもつて満足できるというようなものはとうてい得られないのでありまして、どうしてもはなはだ不満足であるけれども、辛うじて生活ができなければならないという数字をとりたい、かような考慮のもとにおいて昨年の十一月一日の基準の改訂を実施いたしたような次第であります。そのこまかい数字の点につきましては、保護課長からあとで説明をいたさせるつもりであります。これにつきましてやはりその前からたびたび申し上げました通りに、なお相当の欠陥があるわけでありまして、これらにつきましては、從来数次にわたりまして御説明申し上げたようなことでありまして、できるだけ早い機会にそれらの点は改訂いたして参りたいと考えておるような次第であります。
○小山説明員 お手元に差上げてあります資料に側しつつ簡單に御説明申し上げます。まず最初に昭和三十四年度生活保護費國庫負担金月別支出計画調という方の数字がございますが、それについて御説明を申し上げます。すでに衆議院において可決されたのでありますが、今年度の予算に計上されております生活保護費のうち、実際に要します保護の費用は、計の一番最後に書いてありますように約百十四億円になつております。昨年は八十九億円程度でありましたから、これに比べまして相当の増額になつておるわけであます。このように金額がふえております理由は、結局支給金額がふえている結果そうなつておるのであります。この点はただいまの表の一番最後をごらん願いますとはつきりおわかり願えるのでありますが、一番最後の表に昭和二十三年度保護実施状況調というのがございます。これは各月における保護を受けておりまする人員の推移と金額とを記録しておるものでありますが、これをごらんくださいますとおわかりになりまするように、昨年の四月から今年の二月に至るまでの実績をたどつてみますると、生活保護法によつて保護を受ける人員が逐次減少していることが現われておるのであります。このことはただいま申し上げましたことと関連して申し上げますと、保護を受けておる人員がかなり減少しておるにかかわらず、今年度の予算が相当程度増額されておる、結局先ほど申し上げましたように、一人々々に支給されております金額がそれだけ増加しているということの結果であります。この傾向は、大体論として見ますると、非常に健全な傾向を示しております。昔のように、たとえば五人世帶で千五百円であるといつたような建前のむとで、非常にたくさんの人員が保護されておるような概観を呈しておつて、実際受けている金額が非常に少いというような状態でありますときには、法の運用は必ずしも適正に行われていないということを示すものと見ていただいていいのでありますが、今後の傾向としては保護人員がふえなくても、保護金額は相当にふえるというふうに行かなければならぬのでありまして、大体論としては、まず生活保護法の運用は軌道に乘りつつあるということを、これから見ていただいて間違いなかろうと思います。次にただいまの表の二番目に、昭和三十三年度生活保護状況調というのがございます。これは御承知のように生活保護法による保護には生活扶助と医療、助産、生業扶助、葬祭扶助と五つの種類の保護がございますけれども、これの人員及び金額の実額と比率を示したものでございます。これをごらん願いますとおわかり願えますように、生活扶助というものが全体の保護のうち主要部分を占めている事実にはかわりございませんけれども、この比率が逐次低下しつつある。たとえば昨年の四月から六月に至ります間におきましては、金額で申しますると全体の六五%が生活扶助であつたのでありますが、これが四月から二月に通ずる期間をとつて見ますと五八%というふうに落ちております。これはどういうわけでこういうふうな違いが出て参つたかと申しますると、その次の医療を見ていただけばおわかり願えるわけでありますが、四月から六月までの間は三二%でありましたものが、四月から二月までの長い期間をとつてみますると、これが三九%にふえているという事実の反面の現れであるわけであります。この事実を一口に申しますると、生活保護というもののうちで、從來は生活扶助が圧当的な比率を占めておりましたけれども、最近になつて参りますと、生活扶助と並んで医療というものが非常に重要な比重を占めるようになつて來たということであります。この傾向はおそらく今後も持続することと思われます。そういつた事情が現われておりまする原因については、特に申し上げる必要はなかろうと思いまするので、省略をいたします。 以上で大体の御説明を終えまして、次に先ほど社会局長が申し上げました生活扶助費の基準額について細目の説明を申し上げます。生活扶助費の基準額は、先ほど申し上げましたような経過をたどりまして、ただいま実施しておりますものは、実施以來第九回目のもの、目下改訂を計画しつつありますものは、第十回目のものに当るわけであります。先ほど御説明を申し上げましたように、生活扶助費の基準額は、言いかえれば最低生活の水準を確保させるために必要な金額ということになるわけでありますが、最低生活をどういうふうに把握して行くかということが、学問上の問題としても実務上の問題としても非常に困難なのでございます。特に日本のこの方面における学問的研究は非常に未熟でありまして、私どもが実務上それによりきつていいという程度に権威あるものは、今のところ全然現われておりません。そういう意味合いにおきまして、私どもが実務上にとつておりまする方法にもかなり多くの疑問を残しつつやつておるものがございますので、そういつた点の矛盾が実施面においてときどき現われまするので、実施面の結果を取入れてもう一回考え直す、こういう過程を繰返しつつ、逐次この基準額をより適正なものにして行くという氣持で現在作業をしておるわけであります。内容の御説明を申し上げますと、飲食物費として総体の金額のうちの八五・%にに当る三千八百八円というものが、現在の基準額では見込まれておるのであります。この総体の金額の中で八五%以上の飲食物費を見ておるということは、すでや論議されておりますように、この基準額が非常にむりな構成を持つておるということを端的に現わしておるわけであります。申し上げるまでもなく、エンゲルの研究以來、飲食物費の全体の生計費における比率を眺めて行くということが、生活水準を測定する一つの指標にされておるわけでありますが、そのような角度から眺めました場合に、八五・九%という比重はまさに人間の生活として考えられる極限に近いものだと言うことができるであろうと思います。かように飲食物費が非常に高くなつておりまする理由は、はなはだ逆説めいておりまして、ぞれだけ全体の費用としてはむりなでき方になつておるけれども、この飲食物についてはまあまあ筋の通るものに近くなつておるということの反映でもあるわけであります。先ほど最低生活についての学問的研究が非常にないことを申し上げましたが、飲食物については、すでにだれしも取上げますように、現在の段階においてもカロリーと蛋白質の量から問題を論議することは、一應すべての場合について取入れられておりますので、最低生活の基準額を決定いたします場合にもこれを取入れたわけであります。取入れ方といたしましては、國立栄養研究所で研究制定いたしております日本人標準熱量表というのがございますが、おおむねこの標準熱量表に示された熱量を確保するために必要な飲食物をまず数量的に算出をする。次にかかる数量の飲食物を一番安い品物で補足するとしたら幾らかかるか、こういう方法で算出いたしておりますのが現在の基準額における飲食物費であります。從つてこのものにつきましては、もちろんいろいろこまかい点についての議論はありますけれども、大体論としては、まず建前としてはこの建前を今後も継続しつつ補正を続けて行くということでさしつかえなかろうと思つております。このような建前をとるようになりましたのは、昨年の八月一日から実施しております調八次の改訂からでありますが、一口にこう申し上げますことが実現しますのにもいろいろ問題があつたのでありまして、一例を申しますと、現在の配給数量と、ここで必要とされております数量とのギヤツプをどういうふうに扱つて行くかという問題があるわけであります。一口に言いますと、自由購入というものを前提とすることなくしては、ただいま問題にして参りました所要量を完全に充足させることはできないわけなのであります。ところがすでに御承知のように、政府予算に自由購入と言いますか、もう少し端的に申しますと、やみの購入を前提にするような金額を組むということは、非常にこれは困難なことなのでありまして、財務当局はもちろんのこと、さらに財務当局の監督に当つておりまする方面におきましても、この点はかなり大きな疑問を持ち、反対もしておつたのでありますが、何分にも問題がきわめて明瞭に現れておりまするために、いわばふしようそ、承認をしてくれたというようなことになりまして、今日のような建前を一應貫くことができることになつたわけであります。 かように飲食物費の方はどうにか筋を通したわけでありますが、それ以外の費目については、最低基準として、よるべき確たる基準がありませんために、非常に生活設計の内容が思惟的に選ばれている。思いつきの範囲を出ないものが若干あるというような状況になつております。この点は当局としても、昨年の改訂のときから氣にかかつていることではありましたけれども、まず飲食物については筋を通したい。これを通すことが実はなみなみならぬ困難を伴う問題でありましたために、昨年における努力のほとんどすべてをここに集中してしまつたということの結果、今日見るような矛盾が随所に現われる結果になつたわけであります。この点につきましては、特に國民の代表としての議会に特別御理解を願いまして、應援をしていただかなければならぬ問題でもありまするので、多少藝がこまかくなりまするけれども、この資料にそくして御説明を申し上げることをお許し願いたいと思います。 まず住居費でございますが、一体最低生活にどの程度の住居費を見込んだらいいかということが問題でありますが、まず見込むべき費目としては、家賃と家具、什器と水道料を見込もうということで三つの費目が見込まれております。家賃を見込みます場合の問題は、どれだけの廣さのものを見込むかということが一つの問題であります。次にはどれだけの單價で見込むかということが第二の問題であります。この二つの問題がともに非常に多くの問題をはらんでいることは、容易に御想像いただけることであろうと思います。第八次及び第九次の改訂では、五人世帶では最小限度六畳必要であろうということで六畳を見込み、当時の公定價格を見込みまして、五十三円六十四銭という金額を計上したのであります。ところが実際にやつてみますと、この家賃は非常にむりがございます。現に私どもが、今年の一、二月にわたつて全國について実施いたしました被保護世帶の全國一せい調査の結果の一つを——これは十七府縣でありますが、十七府縣のものをとりまとめてみましても、五人世帶では平均十・六五疊、数字が少しこまかくなりますが、十・六五疊、おおよそ十一疊ということになつております。從つてこの基準額に見込まれている六疊というのは、まずスペースのところにむりがあるということがはつきり現われておるわけであります。次に單價の点でありますが、これも公定價格が実態と非常に違つておる最もはなはだしいものであるだけに、実態生計の上から見ますと非常にむりがあるわけであります。從つて今後の方向としては、少くとも現在生活して心る平均十一疊のスペースは確保したい。また單價もどうやも住める程度のものは見込むようにしたいということを考えております。それから家具、什器としてそこに七品目あげてありますが、この品目は東京都における労働者の家計調査の際に取上げられている、いわばこのような種類についての基礎的な品目であります。そういう基礎的な品目につきまして、これがどの程度必要で、どの程度もつかという数量と消耗度とを考慮して計算いたしましたのがこの金額であります。この点は、現在実施した経験から見ましても、あまりひどいむりがないように考えております。ただ單償がその後若干変更しておるものがありますので、この補正をすることが必要だというように考えております。それから水道料は昨年の第八次改訂の際に入れた品目でありますが、金額がその後上つておりますので、これは引上げる必要があるようになつております。 次に被服類でありますが、被服費が非常に苦しいということは一般の被保護世帶、特に婦人、未亡人世帶の訴えるところでありますが、これは全体の需給計画との関係もあり出すので、あまり多くの品目を見込むことができない現状になつております。品目としては、そこにあります四品目を見込んでおるわけでありますが、さしあたりのところ、当分の間はまずこの四品目でがまんをしてもらわなければいけまい。それでどうしても足りないものが、たとえば毛布がなくなつた、あるいはふとんがなくなつたという場合のものは一時扶助という制度がありまして、特に必要な人は、厚生省に申請することによつて與えられるという制度があるので、その一時扶助の制度を活用することによつて補つて行きたい、かように考えております。ただ今度の改訂の際に何とかして実現させたいと思つておるのは、この衣類の項目におむつといろものを入れたいということであります。一歳、二歳の乳兒については、十組のおむつが買える程度の金額をぜひ入れることにしたい。これは比較的生活水準の高い世帶でありますと、親戚にもいろいろ人がおりますので、おむつの材料には何とかこと欠かぬようにやつて行けるわけでありますが、生活水準が低くなればなるほど、自分の家庭から持ち出す余地が少くなりますので、少くとも基準金額の中にはおむつを買える金額だけは見込みたいと考えております。それから身のまわり品としては、そこにあります三品目を見込んでおります。縫針、傘の二品目については、その後における價格の改訂に應ずる補正をする程度でとどめたいと思つておりますが、げたについては、現在の年間一人当り二足というのはどう考えてもむりだ。これは私どもの経験からいつても治まらぬということを承知しつつ私ども泣き泣きこういう内訳でやつて來ておりますが、これは少くとも二倍程度にふやさなければなるまい。三月に一足ぐらいのものは見込むようにしたいという希望を持つております。申し落しましたが、先ほどの住居費は全体の中で二・三%にあたつております。それから現在被服費は二・〇%になつております。 次に光熱費でありますが、これも現在一番不足を訴えられる費目の一つであります。電燈料は從量制によりまして、四十ワツト一燈分を見込んでおりますが、これは定額制にかえるということがより実情に適するように考えますので、そのようにいたしたいと思つております。問題は薪炭代であります。薪炭は從來需給計画通り配給されていなかつたというのが実情でありまして、そういう実情に基きまして、薪炭については、実際に配給のあるものを購入する金額だけを見込むということで、木炭四俵、まき十六束、れんたん、豆炭、たどん合せて十七袋というものを見込んでおるのであります。これはりくつを言いますと、場合によつてはなまの米をかじれということを要求するに等しい内容にもなるわけであります。もちろん実際の運用におきましては、何とかして附近の木を拾うとか、あるいは杉葉を拾うというようなことで補えるし、また補つて行くという指導をして参つたのでありますが、この点は私どもとしても一番筋の通らないことを痛感じている費目の一つであります。その意味におきまして、ちようど飲食物についてやりましたと同じように、五人世帶が一定の生活をして行くために、一体どれだけの薪炭が必要かということを計算して、少くともそれに必要なだけの金額を計上して行きたいということを考えております。今までの薪炭代は木炭に換算いたしますと、およそ十一俵強程度を購入し得る費用でありまするが、ただいま申し上げましたような態度で計算をいたしますと、少くとも木炭に換算いたしまして、五人世帶では十七俵を購入する金額がなければいかぬのだという結論になるのであります。この点は私どもとしてもぜひ筋の通つたものにしたいという強い希望を持つております。光熱費は現在のところ全体の五・四%に当つております。 次の保健衛生費でございますが、これは実のところ被保護世帶からはあまり問題として取上げられることはありませんけれども、民生委員なりあるいは少しくこの内訳について関心を持つて研究する人からは、軒並に非常に鋭く批判されております費目の一つであります。そこに書いてありまするように、入浴は月二回しか入らぬという金額になつております。この点もぜひ改めたいと思つております。少くともおとなについては十日に一回程度、子供の場合は週に二回程度はふろに入れる金額を当然のこととして見込むようにしたい、こういう考えを持つております。それから理髪費につきましては、男だけを見て女を見ないということで組まれております。これも実情から考えまして、女子を見ないということが非常にむりだという考えを持つておりまするので、でき得るならば女子の子供は男子同様に理髪費を見たいという希望を持つております。次は石鹸でありまするが、石鹸は一人当り年間一・四、五個という、まことに問題にならない金額を基礎にして組まれております。これはその当時の需給計画がそれでありましたので、これで組んだわけでありますが、実際の所要量から言いまして、これは非常にむりな金額であります。さような意味合いにおきまして、需給事情も好轉して参りまして、年間一人平均十個が配給される見込みでもありまするので、少くとも平均一人当り年間十個を購入すべき金額を計上する。さらに子供についてはその二倍程度を見込むということをすべきであろうと考えております。それでも五人世帶にして月にやつと三・五個程度になるだけであります。普通の五合世帶にいたしますと、五個ないし十個を使うというのが実情であるようであります。それから歯みがき粉は、大して問題はございません。歯ブラシは年間二本ということになつておりまするが、これを年間四本程度に考えて行くべきだろうという考えを持つております。あと家庭常備薬、衛生綿というのは、大体現状を少しく補正するという程度でいいと思います。申し遅れましたが保健衛生費は全体の三・三%になつております。 最後に雑費でありますが、これが最低生活費の現状を最もはつきり現わしているのでありまして、これは全体の費目の一・一%程度にしか当つておりません。ところが東京都の被保護世帶について実情を調査したところによりますと、雜費として七・八%程度使つております。また全國の一般家計調査においては五・三%程度を使つているわけであります。そういう実情になつておりますし、雜費こそ何ということなしにいるという費目が多いわけでありますので、でき得れば全体の費用の五%程度は雑費に見込むことにしたいという希望を持つております。中の品目としては新聞代、用紙代、鉛筆代、通信費というようなものでありますが、その他の費目として金額がゼロになつておりますのを、そこに全部計上する。たとえばお茶代が全然見てありませんが、お茶を飲む費用とか、都市において部分的に行われております汲取りの費用とか、その他町会費というような目に見えない金がどうしてもいりますので、そういうものをこれから支出するようにしたいと考えておりまする ただいま内容を御説明申し上げつつ今後の改訂の希望を申し上げたわけでありますが、そういつた希望が実現されるといたしますと、現在の四千四百三十三円という金額はおよそ六千五百円程度に上るわけであります。これだけ行けば、もう私は日本の現状において最低生活としては十分であろうと思います。そういつた希望をもつて現在関係方面と折衝しつつあるわけでありますが、繰返して申し上げますように、現在被保護世帶が一番苦しんでおりますものは薪炭と住居であります。この二つだけはぜひとも今度の改訂の際に解決をしたいという強い希望を持つているわけであります。
○苅田委員 一つ一つ御答弁をお願いしたいと思います。まず一番初めお聞きしたいことは、御説明では、昨年度に比べて今年度は非常に総額としてふえたという御説明がありましたが、私の考えでは、ふえていないと思います。なぜかと申しますと、御承知のように一昨年の十一月の生計費指数と昨年の生計費指数とを比べますと、一〇○と一七三になつているので、これから見ましても、百十四億と八十九億との差では、その生計費の値上りを考えましたところによりますと、総額としても決してふえていないという結論が出るわけでありますが、この点についての当局の御返答を伺いたいと思います。
○小山説明員 ただいま御指摘になりました生計費の七〇%増というのは、これには一昨年と昨年とにおける生活内容の変更ということがかなり反映していると思います。その意味で平たく申しますと、その増加のうちには、一昨年に比べて昨年の方が生活水準がかなり上つている。その結果パーセンテージにしてそれだけ上つているということがかなり加味されていると思います。私どもの取上げております最低生活費の場合におきましては、生活内容の変更ということは、千五百円時代と四千百円時代、この四千百円というのは昨年八月一日からでありますが、この時代との間ではかなりの変更がありますけれども、それ以後においては、大体生活内容については、そう大きな変更はないわけであります。從つで問題は、もつぱら物價の騰貴率、しかも最低生活費に見込まれておる品目の價格の騰貴率によつて、どれだけ上つて来るかということで比較しなければならぬわけであしますが、この点については今手元に、それだけから見ると何%増になるという資料を持ち合せておりませんりで、計数についてお答えすることはお許し願いたいと思います。ただ結論として申し上げますと、先ほど申し上げました際に触れましたように、人間が逐次減少しつつある。減少しておるのにかかわらず、総体の金額がふえておるわけでありますから、支給額としては相当ふえるということになつて参ります。
○苅田委員 私の質問いたしましたのは支給額の点でなくて、総額を問題にしたわけなんでありますから、その点はあなた側の御答弁はいささか的がはずれておると思うのです。それから生活内容が違つておる、つまり生計費のとり方が違つておるという点につきまして、私はもう少し具体的な御説明をお願いしたいと思うのです。それから物價におきましても、この間予算総会のときの日銀副総裁でしたか、だれかの——私はつきり覚えていないのですけれども、それによりましても、約三割は騰貴しておる、こういうお話ですから、それから見ましても、決して総額としてふえておるということは言い得ないのではないかと思うのです。それからへ数の点につきましてはこの次に質問をいたしますので、この点につきましてさらに御答弁が願えますれば、伺いたいと思うのです。人数は別にしての御答弁をお願いしたい。
○小山説明員 先ほど私が申し上げましたのは、支給額について申し上げたのであります。総額においてちつともふえていない結論になるというお話でありますが、この点私どもとして、別にしいてふえておるということを申し上げる氣持はございません。私どもとしては、保護すべき状態にある者に対して実際に支給されておる全額がふえておるか、ふえていないかということだけを問題にしたいと思つておりますし、またそういう氣持で申し上げて來たわけであります。もし保護すべき状態にある人間が減つておるとすれば、あるいは苅田委員のおつしやるように、総体的に見て全体の金額がふえておるという結論にならぬということもあり得るだろうと思います。この点については、特にどつちということを申し上げることはいたしたくないと思います。 それから、生計費の上昇度との関係でございますが、日銀の調査局長の言葉を引いておつしやいましたが、それとの関係がどうなつておるか……。
○苅田委員 それは生計費でなくて、物價ですが……。
○小山説明員 物價との関係の問題でありますが、それがどうなつておるかということは、私はここで申し上げることはできませんが、ただ私どもの態度としは、先ほども申し上げましたように、品目を具体的にいたしまして、一々その金額の値上りにたどつておりますから、少くとも値上りした分だけは確実に見込まれておるのだということだけは申し上げられるわけであります。ただそれが、そういつた全般的なものから出されました物價の上昇度というものと、どういう関係にあるかということになると、これは問題が別になるわけであります。その点については、しいて上になつておるとも、あるいは下になつているとも、申し上げる考えはないわけであります。
○苅田委員 そのことはもうそれでけつこうです。ただ私としては、厚生省が今度とられた生活保護費の総額は、一般に行われておる生計費の基準から見ても、それからまたそれの増加から見ても、また物價の値上りから見ても、決して昨年に比して、名目でなくて、実質において多くの予算がとられておるとは考えられないということを、ひとつ申し上げたかつたのです。それがそうでないということについてのはつきりした答弁は、私の伺つた間では、遺憾ながら証明されていない、かように考えるわけですが、その点についての御答弁は、私としてはさらには、要求いたしません。 それから次に、そういうように実質的に見て、私どもから考えれば、昨年よりも決して多くない総額の中から、先ほどから御説明になりましたような、だれが考えてみても非常に不合理なと思われる点を補正しようといたしますならば、当然これは人数を昨年度よりもはるかに少くするより以外に方法がないわけであります。そして実際に御説明になりましたように、昨年生活保護の適用を受けている人間が減少しておる実情があるということは、この表でもわかるわけなんでありますけれども、はたして実際に保護を受ける必要がだんだん減少して来ておる結果かどうかということについて、私はお聞きしたいと思います。つまり、現在のように物價は非常に高くなつて來る、失業者はどんどんふえて來る、海外からは毎年何十万人という人が無一文で帰つて来る、中小企業の人たちもだんだん轉落して來ておる、終戰当時は多少持つておつたいろいろなたけのこ生活の資材もだんだんなくなつて來ておる、こういう現状の中で、はたして生活の保護を必要とする人が、計画している方で考えておられるように年々減少しておるということが実情であるか。何らかの理由のために要保護者と認められる者が少く取上げられて来ておるような結果があるのではないかということを私は考えるのでありますけれども、これについての御答弁をお願いしたい。
○木村(忠)政府委員 われわれといたしましては、意識的に要保護者の数を減そうという意図は全然持つておらないのであります。ただ生活保護法の運用を適当にいたしますためには、保護を受けなければならない者が保護から漏れておることは絶対に防止しなければならない。また保護を受くべからざる者が保護を受けておるという面につきましても、絶対にこれを引締めなければなりません。われわれとしましては、その方針をもちまして全面的に指導いたしておるような次第であります。最初生活保護を施行いたしまいした前後におきましては、約三百万の要保護者があつたような状況でございます。実際にそのときにおきまして、はたしてその三百万がほんとうに保護しなければならないといいますか、つまり公平たる状態において保護を受けておつたかどうかという点につきしましては、相当疑問があるのでありまして、ただそのときにおきましては、終戰後の混乱の際に、できるだけ廣く網を廣げて、保護の漏れることをおそれる。つまり保護が濫救になつても漏救はしないようにしたいというつもりをもちまして、当例の保護法の実施をいたして参つたわけであります。從いまして、今後におきましては、廣げましたものの中で、保護を要しなくなつた者は、でさるだけこれから引締め行きたい。そのかわり保護を要する者に対しましては、保護の手が伸びないことがないようにしたい。なおその金額につきましても、できるだけ妥当なものにしたい。かように考えて措置たして参つておました結果が、こういうふうになつておりまするこれは人為的に人を減らすという意図をもつて減したのではなくて、自然に減つて参つておるような状況でございます。從いまして、今後いろいろな情勢によりまして、この人員がまだふえて來るというような状況になるかもしれません。また実際に今後給付を引上げることによりまして、そのかわり一面におきまして実際の収入は厳密に差引く。もちろんこれは少額の不定な收入とか、收入の種類によりましては差引かない。あるいは收入のうちのどの程度のものは差引かないといすようなことも考えなければならないと思いますけれども、それでも、とにかく收入がたくさんある者が差引かれないで、わずかの收入が差引かれるということはないようにしたい。收入のたくさんある者は、その收入を差引くようにしたい。こういうようにして行けば、さらに現在と同じように減つて来るということも考えられます。減りますか、ふえますかということは、今後の問題でございまして、これは今は予測ができないのであります。從いまして、現在の予算におきましては、これがふえるか減るかということではなしに、大体の一應の基準というものでもつて、どの程度のものが必要であるかということが算定されておるようなわけであります。今後失業者が非常にふえて来る。しかもこれに対して失策対策として職業を與えるところ道がない。そこでほとんど全部が生活扶助にかかつて來るという状態が出て来る傾向が見えて來ましたならば、これは毎月の扶助の方をできるだけ早くつかむようにいたしておりますから、その状況が現われて來ましたならば、それに対する対策を講じて行かなければならぬ、かように考えておる次第であります。
○苅田委員 保護する必要のない人が保護を受けておつたというようなことは、そういう事情もあつたと思うのであります。しかしいろいろな手続きとか、そのほかの点でもつて、保護を受げなければならない人がずいぶん保護が受けられないというのもまた反面非常に多いというようなこと、特に今度の改正を機にいたしまして、非常にこの手続がめんどうになりましたので、ほとんど無報酬にひとしいような民生委員の人たちの、こういうふうに非常に煩瑣な手続を要する生活保護法によりましての苦痛、普通のお金持の人の道樂商賣以外に、ほんとうに良心的に仕事をやりたいけれども、しかしそれは一月の半分も三分の一もその仕事にかかつていられないというふうな方たちの非常な苦痛、そのために生活保護の実施が非常に支障を来しておるという面も聞いておりますので、さらにそういう点につきましては、実情をお調べになつて、人員の減つておるということについては、もつと科学的な検討がいるのではないかといすことを私は申し上げたわけなんでございます。 実施の面につきましても、そういう点もございますし、さらに今回御当局の方では、主食の値上りを機にして、この基準の引上げについての考慮をしておいでになるということを聞きましたので、ぜひ私は厚生委員会でもつて、そういつた生活保護についての保護法の関係者である、つまり民生委員とか、あるいはそういう保護を受けておる施設の代表者であるとか、実際に保護を受けておる人たちとか、あるいは民主團体なんかの代表であるとか、そうい、人たちを参考人に呼びまして、実際の常態について、もう少し当局も、またわれわれも、ひざを交えて懇談いたしまして、そうして、もつと適当な生活保護法に改正したいという御当局の御希望に対しまして、われわれも協力したいと、かように考えておりますので、ぜひそういう会合をここでお持ちいただきたいということを、この際ついでにお願いいたしておくわけでございます。委員長には、どうぞこの点を理事会で一度ご審議いただきたいと思うのでございます。 それから先ほどのご説明の中にありました、近年は非常に医療保護が増加して來た。この事情については説明する必要はないと仰せになりましたけれども、この事情を一應御説明願いたいと思うのであります。
○堀川委員 苅田委員の委員長に対するお申込みに対しましては、また後日理時会に諮りまして決定することにいたします。
○小山説明員 医療保護のふえました原因は三つございます。一つは、一般的な社会、経済情勢でございます。最近のように生活が苦しくなつて参りますと、少しく大病をして、たとえば一月以上入院するというようなことになりますと、よほどの恵まれた條件にある人以外は、何らかの意味において他からの援助を受けなければやつて行けない。大部分の人は、たとえば健康保険であるとか、あるいは國民保険であるとか、その他の方法で処理をして行くだろうと思いますが、そういつたものの全然ないという人々は、結局最後のところ、二月や三月はもつでしようけれども、病気が長引けば、結局生活保護法による医療というようなものに逃げ込まざるを得ない。これは何といつても一般的な情勢でございます。そういう意味において、どうしてら生活扶助までは行かぬけれども、医療については生活保護法によらざるを得ないというような社会、経済情勢が、條件としてあるわけなんです。これが一つであります。 それから第二の問題は、生活保護法による医療費の支拂いは、健康保險による單價計算によつて支拂いをいたしております。この健康保險の一点單價というものは、最近よく上げられるのであります。昨年におきましても三月と八月と十月というふうに、三回にわたつて引上げられております。この引上げられた單價でさえも、普通の医師会でやつておりまする慣行料金に比べますと、かなり低額でありまして、それでもとてもやつて行けないという声もあるくらいであります。そういうような状況でありますから、決してこの点單價が高いということは言えないのだろうと思いますけれども、とにかく結果として單價の引上げがあつた。そうすると自動的に生活保護法における医療費の支給もふえて來る、こういうことが第二の原因であります。 それから第三の原因は、これは実は今日では解消されたのでございますけれども、國立病院とか、あるいは國立療養所等における無料の取扱いというのが、一昨年の六月から廃止されたのであります。その結果、復員者のうちで國立病院とか、あるいは國立療養所で長期の療養をしておつた人々の相当な部分が、生活保護法による医療に移つて來た。そういう関係からいたしまして、これらの人たは長期のことではあり、しかもただいま申し上げましたように、一点單價は三回にもわたつて引上げられるというような関係にもなつておりまするので、いわば医療費における固定的部分が増加するというようなことで、医療保護がふくれて参つたわけであります。ただしこの最後のものは、今度未復員者給與法の改正が行われましたから、全部未復員者給與法で処理されることになりましたから、解消したわけでありますが、前の二つというものが、今後においても残り、しかもこれが今後あるいはますます強まるかも知らぬという可能性があるわけであります。
○苅田委員 医療保護が急速にふえたということは、御説明の中にもある通り、國民大多数の生活が非常に困窮化して來たということのいい証拠なんで、とにかく今命にかかわるような問題だけでも、これはだれが見ても放つておけない問題なので、この方にどうしても生活保護法の重点が移つて來るようになるわけで、これはだんだん食費がかさんで來ることが、ほかの文化的な人間の生活の一つむ反対の標準になると同じように、こういうふうに医療の方にたくさんとられるということは、人間がだんだん文化的生活をして行くということとまつたく反対である証拠になると思う。こういうふうにすれば、総額がきめられておるのですから、どうしてもほかの方は縮小するということになつて來るわけなんですが、こういう状態でほかの部面の補助がますますきゆうくつになつて來て、ますます生活保護法で実際に最低生活を支えるということが破綻するのではないかということが心配なのですが、その点についての御説明をお願いしたいと思います。
○木村(忠)政府委員 生活保護法におきまして、医療扶助の方の費用がふえて來たということによりまして、これに圧迫されて生活扶助の方が減つて來るというようなことは、全然ないわけであります。医療の方がどうしても必要であるというような状態でありますならば、これもやはりそういうふえて來る傾向の出て來ることはやむを得ないわけであります。もちろん医療扶助も生活扶助と同じように、最低生活を確保するという意味で行われるものでありまするから、医療扶助の希望が多いからといつて、むやみやたらに出すといつた趣旨のものでないことは、これは生活保護法の極旨から言つて当然のことであります。当然生活保護の趣旨からいたしまして出さなければならぬ医療扶助というものは、これを行います。それで生活扶助の方がそのために圧迫されて足りなくなるというようなことは全然ないのであります。生活扶助はやはりその必要に應じて出して行く、その趨勢によりまして現在の予算でどうしてもやれないという場合には、新たに追加予算なりその他の適当な処置をじて、これを補つて行く。生活扶助費は國の義務費でありますから、いかにしてもこれを出さなければならないのであります。從いまして予算で拘束されるものではありませんことを申し上げておきます。
○苅田委員 ただいまのような実情において生活保護法で医療がふえても、一般の他のたとえばここにありますような生活扶助とか、助産とか、生業扶助とか、埋葬とかそういうことに支障がないということをさらに私どもは予算の面からもう少しはつきりしていただきたかつたわけでありますけれども、そういう点でも予算の総額を一應きめられておるので、これはぜひ追加予算なり何なりで私どもの考えておりますところを実現させていただきたい、この点だけをお願いいたしまして私の質問は一應打切ります。
○松谷委員 ただいま局長の御説明で私も一應安心し、またこの生活保護法の性格自体というものが局長の説明のように、先ほどから問題になつておりました予算の一つの限定を受けて、その保護人員を左右されるものでは断じてないと私どもも理解をいたしております。先ほどの御説明の際に、その保護人員と保護費の問題に触れておられたのですが、実はこの点私も心配するのでありますけれども、おそらく局長の意見通りに今後の運営がなされるものと解釈いたしたいと思います。またそうあるべきであるということを主張いたしまして、その点を一層御注意をいただきたいと思うのであります。これは局長はそうお考えになり、当局の御方針はそうでありましても、昨年十二月に再調査をなさいました際に、先ほども御説明の人員が非常に減つたということは、十二月の再調査の際に、何か地方の民生委員の間でどうしても減らして行かなければ自分たちの成績が上らないというような一つの感覚と申しましようか、何かそうした空氣が非常に強かつたということも事実なのであります。先ほどから御説明のように確かに不要なものはこれを整理したという点については、私ども何ら異議を持つ者ではありませんが、その犠牲者の中に、ほんとうに保護を受けなければならない状態にありながら打切られたと言つて訴えに來ております者がやはり各地方にございますので、そういう点を追究いたしますと民生委員たちは、いや、國家がこのような窮状であるので生活保護費の予算もそう出せなくなつたのだということで、今の局長の御説明とはおそらく異なつた、逆行して行くような説明をする向きがまだまだございますので、この点を前回の委員会でもお願いいたしましたが、民生委員の教育を徹底的にやつていただきたいことと、当局のその意向を敏速に民生委員たちに通達していただきたいということをあわせてお願いをいたしたいと思います。 それから次にこの生活保護法が施行されるようになりましてから常に問題になつておりますのは、やはり今日御説明をいただいたこの基準額の問題でございましたし、また生活保護法がほんとうにその実をあげるためには、やはり基準額が一つの重要なポイントになると考えますが、この基準額が変更されましても、当局が御調査になり、それを改訂して行くという場合には、いつも約半年に近い期限を要するというようなことを伺つておりました。またここに第九次の改訂基準額を拝見いたしましても、少くともこれは昨年なされた改訂であると理解いたしますが、この場合に一つ一つの單價を見ましても、超現実的な單價がここに出ております。第十次の基準額を一つ一つ伺うことができませんでしたので適切な意見をはくことがおそらくできないだろうと思いますが、この九次の点から見ましても、これが実施されるときの物價とこの基準としてあげられたものとの間には、相当の開きがあるのではないか。今日御説明のように六千五百円は今日から見ればこれが妥当とは申せませんが妥当に近い線までは來ておる、こう考えられておりましても、またこれから郵便料金が上り、あるいはまた一般物價が何パーセント以上上つて行く、二十四年度予算がほんとうに執行されて要保護者が六千五百円を受取つたときには、今日の状態においては四千四百三十三円を受取つたときの使用量が低下しておると同じ状態が來るのではないかと私どもは一つの心配をいたしますし、その点六千五百円という基準をお出しになつたその基準の決定の基礎でございますが、それはいつの物價を基準になすつたかということを伺つておきたいと思います。
○木村(忠)政府委員 第一の御質問の点でございますが、再調査をいたしましてその際に人員が減るというのは、大体民生委員としてやつておりますのがだんだん保護を要する人を見つけて來ては加えて行く、しかし一旦保護をいたしました者を打切るということはなかなか困難な問題であります。これは実際には保護を打切つてもいいような状態になりましても、保護を打切るということが困難な場合が多いのであります。しかし再調査をいたしますと、その際に一應打切りやすいという関係で、前に打切れないものがその際に打切られるということが多いのではなかろうかと考えられます。もしもその際に打切るべからざるものを打切つたということがございましたならば、これはそういうことをやつてはならないのでありまして、その点については予算の関係で生活保護をどうこうしてはならないということはわれわれも考えておりますし、もしそういうことをいたしましたならば、これは司令部の指令に違反したことになります。司令部の指令いたしました七百七十五号というものが來まして、保護すべきものを保護しないということがあつてはならないということを嚴に言つておるのであります。從つて最低生活維持のために必要なものはぜひとも出さなければならぬと思いまして、予算がないから打切るということは絶対にいたさないつもりでありますし、今後もそういうことのないように民生委員のみならず、私どもとしては、今後実際の責任を持つております市町村吏員——少くとも生活保護法の実施をいたす吏員でありますから、市町村吏員がそういう間違つた考えを起さないように十分指導して参りたいと考えております。これも前に申し上げたと思いますが、從來は生活保護法の保護が決定され、これが打切られるとかあるいは削減されるという場合において、何らの救済方法がなかつたのでありますが、これについては不服の申立てをする、しかも不服の申立てを町村長にするばかりでなく、その裁定に不服がある場合には府縣知事に不服の申立てをするという道を開きまして、近くその省令を出すことにいたしております。これはもう最近に実施いたしたいと考えておりまして、手続きをほとんど終つたような状況でございます。 それからその基準が非常に辛いではないかということでございます。現在ここにあげております基準が、べらぼうに安いということでございますが、飲食物費以外につきましては、昨年の八月の基準でございます。この第九次改訂のものは昨年の七月末のものが基礎になつております。十二月に改正いたしましたときには、食費の改訂をいたした次第であります。あとの、食費以外のものにつきましては、十二月には改訂いたしておりません。從いまして公定價格によりますものは公定價格によりますし、それ以外のものはそのときその普通の價格ということになつております。その後になりまして、いろいろな情勢の変化によつて價格の上つたものもあるのでありまして、十二月の改訂の際には、その辺も改訂いたしたかつたのでありますけれども、そこまで手が及ばなかつたのであります。飲食物だけでもつて三應終りました。なおその際におきましては、ほかの部面におきまして、先ほど申し上げましたように、從來各標準世帶によつて人数別世帶の最低生活基準をきめるというのを、人によるもの、世帶につけるものというふうにわけまして、こまかい計算をいたしますととに改訂いたします方に、つまり実情に合うものにするという方面に主力を注ぎました。 なお從來三段制になつておりまして、市町村長限りでできるもの、府縣知事限りでできるもの、厚生大臣まで出さなければならぬものというふうに三段階になつておりましたものを、厚生大臣まで出さなければならないという手続きを簡略にするために、三段階にするということに非常に主力を注ぎました関係上、基準額の決定がそういうふうな状況になつておつたわけであります。今回におきましては、大体現在におきまして、價格の改訂が明らかになつておるという面につきましては、その数字を決定いたしまするまでにわかりますものは、全部取入れてやりたい。そこでもつて処理をいたしたいと考えております。ただこういう行き方を関係方面に、つまり財務当局関係の方が認めるかどうかということが一番根本問題であります。この点につきまして、われわれといたしましては十分な努力をいたしたいと思つておりますし、皆さんの御援助を得たいと思つておるわけであります。 なおこれが施行になりましてから、実施されるまでに非出品にひまがかかるという点でございますが、この点につきましても、できるだけ早く新しい基準にかえられるようにいたしたい。從つて基準がきまりましたならば、できるだけ早く末端に徹底するような措置を講じたいと考えております。從來におきましても、この基準の徹底につきましては、ただちに地方の課長を呼びまして、ブロツクによつて会議を開きまして、この趣旨の徹底をはかつたような次第でありますが、今回におきましても、これが決定いたしましたならば、ただちにこの措置をとりまして、末端までこの基準の改訂がすみやかに徹底するようにいたしたい、かように考えております。
○松谷委員 今回の第十次の改訂を伺いまして、今までに比べまして、われわれが再三陳情をしておりました、あるいは要求いたしておりました点をおくみとりいただけつつあるという点に対して、非常に感謝をいたすのでありますが、なおそうした物價の値上りに感じて適当なる支給額の改訂ということを、今後にも、今お話のように時期遅れでなしに、適当に生きて行かれる額を適切にきめていただきたいということを特にお願いしたいと思います。それに対して私ども厚生委員全員がおそらく協力を惜しむものではないと私は信じております。 なおごの基準のきめ方でございますが、從來は、あるいはまた現在でも当局のみでこれを御決定になつておられるというところに私は一つのむりがあり、弱さがあるのではないかと思う。これは当局の方々のお骨折りを云々するのではなくて、今日のような状態の中におきまして、もつとこれを政治的にも強力に進めて行く必要があるのではないかと思います。ぞうでなくても全政治行政の中で厚生省というものの持たれておる立場というものは——そうあつてはならないのですが、從來まで非常に弱かつたというような面から参りましても、一つの基準額を決定なさるのに、厚生省だけでなさらずに、厚生委員会の中から代表者を選ぶなり、あるいはまた要保護者の中から選ぶなり、民生委員の中から委員を選ぶなりして、基準額決定についての一つの審議会のようなものをおつくりになるのがいいのではないか、あるいはまた審議会をつくるということが、あるいは生活保護法の改正に行かなければならないというような場合であるならば、少くとも諮問機関程度の意見聽取程度のものはお持ちになるのがむしろいいのではないか、こう考えております。その点についての当局のお考えはいかがでありましようか。
○木村(忠)政府委員 生活保護の基準の改正につきましては、この方面につきましてのいろいろな知識なり意見なりを持つておられる方々の御意見を十分に参酌いたしてやらなければならぬ、しかもこれが実情に即したものでなければならぬということは、お説の通りであります。しかしながらこれを実際に決定いたします際には、非常に急を要する場合が多いのでございます。しかもこれが財政当局並びにこれが関係方面といつた方面の了解を求めなければならぬといつたような関係もございますので、この基準の決定そのものにつきましては、從來のやり方でやる以外にはなかろうと思うのでございますけれども、ただいまお説のございました通りに、この基準のきめ方、その内容等につきましては、十分にそれらの方面の御意見を承りまして処置して行く。つまり基準が改訂されるときに、これをいろいろと諮問するというのではなしに、平素におきましてそれらの関係の方面の御意見を聞きまして、適当なときにこれを改訂に持つて行くというふうにするのが適当ではなかろうか。実際におきまして、それにつきましては実際の衝に当つております部面のものと、それからその他の関係の方面の方々とを集めまして、いろいろと相談をいたすことにいたしておりますし、今後におきましてもその交渉については、十分に皆様の御意向によりまして、考えて参りたい。生活保護法の実際の運営につきましては、そういうような適当なる諮問の機関を設けることが必要であろうというふうに考えるのでありますが、この決定につきましては、やはり價格の改訂その他非常に大きな影響を及ぼすという点もありましたときに、速急に改めなければならぬという面もございますので、実際の決定につきましては、やはり從來通りやつて行くよりほかにしかたがないのではないか。しかしお話のような諮問機関といつたようなものは、十分に考える必要があるのではないかというふうに考えております。
○松谷委員 ただいまの御説明ですと、実は私の最も希望しておる点と、少し異なつて來るのではないかと思います。基準額の決定の際にいろいろ項目のきめ方などのために諮問するとおつしやつたのでございますが、それはもちろんのことでありますが一つの單價をきめる場合にも、その單價のきめ方が、今までのところでは、われわれが実際に生活し、実際の状態から考えましたその單價と、あまりにもかけ離れているというところが見えますので、むしろその單價を決定するのに、非常に急ぐのだとおつしやいますが、一日あれば招集は可能だと思います。急ぐということで、手数はおかかりになりましようが、できればそういう基準の決定の御諮問を、そういう委員会でしていただきたいという希望を私は述べておきます。 それからいま一つの点は、これはいすれ生活保護法の改正として特に審議に上せなければならないと思いますが、この基準額の決定の際に、女性と男性とが差がございます。これはカロリー計算から來たことだという御説明がおそらくあろうと思いますが、この場合かりにカロリー計算を基礎といたしましても、先ほども御説明にあつたように、今日の配給状態では、非配給物資にある程度の重点を置かなければならないというような場合におきまして、男女の差がここに今日行われております。生れたときには同じであつた。一歳のときだけ同じですが、二歳になるともう異つて参つております。たつた一つの例ですが、二歳の子供が男子であれば四百十円もらつておりますが、女子は三百八十円であると、すぐに差が出ております。これは不合理だと思います。要保護家族を見ましても、ほとんど男子のない家庭の方が大体において多いのであります。医療費は別でありますが、そういう点を考えまして、未亡人が扶助を実際に受取つて参りましたときに、非常に精神的なひがみというものが現実に現われて來たりいたしておりますが、この点は平等にしていただく御意思はないでしようか。
○木村(忠)政府委員 今回の基準の改訂に際しましては、これらの点も十分考慮いたしたいと思つております。現在のカロリー計算をいたしますると、学説上はこういうことになつて参りますので、一應こういうことにしておりましたが、現在の年令階段も非常に階段が多くなつておりまして、こんな階段では非常に手数であります。今申されましたように、年令が上ると下つたりする点がありましておかしいのでありますが、学説上そういつたような計算になつて参ります。從いましてこれらの点も考えまして、今回の改訂の際におきましては御説のような点を十分考慮いたしまして、できるだけしろうとが見ましてもあまり変なことのないように考慮したいと思います。
○松谷委員 いま一点伺いたいと思います。医療扶助を決定いたします場合に、おそらく最低生活費が基準になると解釈いたしておりますが、その場合に少くとも疾病いたしております者が、特別な病人は別といたしまして、大体において栄養をとらなければならないというのが常識であります。その際に、最低生活費の基準で参りますと、どうしても足りない。結局家族のものを削つてそこにつけ足さなければならないという実情になつております。そろいたしますと今度は残された病人以外の家族が、どんどん栄養失調に倒れて行くというような事実が出て來ておりますが、この医療扶助に対する最低生活費の基準というものを別個にお立てになるというようなお考えは全然おありになりませんか。
○木村(忠)政府委員 医療費の場合に、特別な栄養費がいる。これは医者が認定いたしまして、はつきりいたしております場合には、これは限度外の支出でもつて承認を受けましてやりますれば、これはできないことはないわけであります。なお医療の場合におきまする栄養費につきまして、ただいま申し上げましたように、基準限度外支出ということになりますので、その点の手続をいたしますれば、これは支出できるようになります。
○田代委員 質問いたします。二十四年度生活保護費國庫負担額を、厚生省といたしましてはどのくらいに大体御要求なさつたか、この一点。 それから生活保護費、医療保護に関する医療費なんかの遅延、非常に遅れているというようなことも聞いておりますが、それが遅れておればどういう措置をとられるか。
○木村(忠)政府委員 本年度の決定額は要求額と同じであります。 それからこれが遅延いたしまするのは、大体生活扶助につきましては前渡しをすることになつておりまして、その月の分はその月に支給できるようにいたしております。これにつきましては、通常の状態でありますならば、本省におきまして補助金をまとめて前月に地方に送りまして、地方におきましてはその月、つまり支給すべき月には当然市町村から支拂われなければならぬということになつております。ただ現在のように暫定予算の場合におきましては、四月に入らなければ予算が通りませんので、從いまして若干遅れます。昨年は暫定予算が数回続きましたので、その関係上、四、五、六、の最初の三月くらいはたいへん遅れました。しかしその後は大体普通に町村がまじめにやつておるところにおきましては、その月の金はその月に入つております。遅れておるのは何か特殊の事情のあるところでないかと思いますが、そういうことのないようにしたいと思います。
○田代委員 結局要求額が通つて百十四億というものが出ておるようでありますが、説明を伺いますと、全般的に厚生省内部の当局のとつておられる態度が、非常に消極的であるというふうに私たちは考えます。それはどういう意味かと申しますと、昨年が八十九億で今年が百十四億ということは、これはいろいろ先ほどから話が出ました通りに、決してこれはふえてない。たとえこれが三百億になつても、非常にこれが多額であるというふうには考えられません。それから先ほどの要保護者の推移の問題でございますがこれに対する把握が非常に誤つておるのではないかという点でありますが、私たちは現在の情勢から常識的に見ましても、要保護者がふえつつあるということは当然のことであります。ところが実際に昨年の昭和二十三年度における四月から今年の二月までの被保護人員の数は急速に減少しておりまして、大体今年の二月までに二割以上の減少を來しております。時代の客観的な情勢と実際における状態は、反対の方向を向いておるということは、実際の社会保障をしなければならない当局、あるいは國家というものがそういう逆行するような考え方を持つておつて、そういう方向に向いつつあるのではないかというふうに非常に疑問を社会にも與えるのであすまして、このこと自体が日本の再建を非常に妨げ、また國際的な信用を下落させる結果になつておることは非常に遺憾であります。こういう要求がそのまま通るような事態にあり、またそういう建前になつておりますがゆえに、当然百十四億というような、こういう僅少な額を要求されること自体、現在の厚生省当局が社会保障に対する見解が非常に不十分であるということが結論として出て來るのであります。六千五百円程度にしたい希望があれば、なぜ本年度にこれをやるようにされなかつたのか。これは私がただそういう意見として声を大にするのではなくて、実際に社会の実情としてそういう困窮されておる人々、あるいは命を捨てなければならないというような悲惨な事態というものが、頻々として起りつつあるのでありまして、もし厚生当局の方で腹をおきめになれば、國民の代表としまして私たちは当然あなた方と一緒に堂々闘うのであるし、またもしこれがGHQの関係がありますれば、率直に日本の社会保障制度に対する見解をお述べになりますれば、これは通ると思います。また通さなければならないというようにわれわれは考えます。どうかそういう点は腹をすえて、この社会保障の必要また予算の必要ということを堂々とやつていただきたいということを要望いたします。
○木村(忠)政府委員 御激励でありまして非常に感謝にたえない次第であります。御承知の通りにわれわれ勘でもつて行政をいたすわけに行かないのでありまして、すべてこれらの要求をいたします場合におきましては、一應数字的な基礎をもつて処置いたさなければならないのであります。現在におきましてわれわれとしても意識いたしましてこの役割を果しておるわけでないのでありまして、大体いろいろな情勢を見まして、こういう状況になつておるということに、そうまで不合理なものはない。もちろん御指摘になりましたような点も中にはあることは承知いたしております。それらの点の是正には努めているわけでありますけれども、從來の要保護人員というものが、必ずしも保護を受けなければならぬ者のみであつたということは言い得ないのでありまして、これは最初からの生活保護の実施のいたし方から見ましても当然の次第でありますが、なお本年の状況がどういうふうに展開して参るかということにつきましては、われわれといたしましては、産業関係の方面あるいは労働関係の方面と十分連絡をとりまして、これの面におきまして、生活保護法の方に落ちて來まする者が、どの程度あるかということにつきましての、いろいろの調査いたしたのでございますけれども、今もつて確かにそういう見通しがつくというような資料が得られなかつたので、大体從來の状況は継続されるものという一應の見通しをもちまして、これによりまして生活扶助の計画を一應立てたような次第でありまして、もちろん今後の情勢によりまして、予想よりも急速にこの扶助を受けまする人員がふえ、また物價等の騰貴がますますひどくなるといつたようなことがあるといたしましたならば、これに対しまする措置は、当然事前に講じなければならぬということになると思います。われわれといたしましては、十分それらの趨勢につきまして、数字的に的確にこれを把握するように努めたいと考えておるような次第であります。
○田代委員 ぜひひとつやつていただきたいと思います。
○堀川委員長 それでは本日はこの程度で質疑を打切りまして、次会は明日午後一時から大藏委員会と連合審査をいたすことになつております。さよう御了承願いたいと存じます。これにて散会いたします。 午後五時十二分散会