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5回国会衆議院1949/03/30

厚生委員会 第2号

発言数
65
登壇者
17
会派数
6
開催日
1949/03/30

会議録

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 これより会議を開きます。  前会に保留してありました理事一名の件でありますが、委員長よりこれを指名いたします。その一名の理事は、床次徳二君をお願いいたすことにいたします。     —————————————

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 次に、國政調査承認要求に関する件を議題といたします。再建途上のわが國厚生行政の重要性にかんがみまして、本委員会において國政に関する調査をいたす必要を認めまして、先般理事会で御協議を願つた件でございます。すなわち、本委員員の運営を円滑ならしめるために、衆議院規則第九十四條によりまして、國政調査承認を要求いたしたいと存じまするが、御異議はありませんでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。  要求書を朗読いたします。    國政調査承認要求書  一、調査する事項 厚生行政に関する事項。  二、調査の目的 公衆衛生、社会保障、婦人、兒童保護等に関する諸調査並びに対策樹立。  三、調査の方法 関係各方面より説明聽取、資料の要求、委員派遣実地調査等。  四、調査の期間 本会議中。   右によつて國政に関する調査をいたしたいから、衆議院規則第九十四條により承認を求めます。  右の内容で要求の手続をいたしておきますから、さよう御了承願いたいのであります。     —————————————

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 次に、厚生行政について当局員より説明聽取の件を議題といたしたいと任じます。  まず、本会期中に提出を予定されております各法案の要旨を、当局から逐次説明をお願いいたしたいと任じます。

亘四郎民主自由党厚生政務次官

○亘政府委員 第五國会に提案を予想しておりまする法律案は、大体十四件ございまして、逐次それらの法案の内容を御説明申し上げます。  第一が、健康保險の一部を改正する法律案でございます。  健康保險制度は、最近の社会経済的変化に伴つて若干の制度的改正の必要が認められるのであるが、まずその第一点として、標準報酬を、從來の四十階級から十九階級に改めて、最高月額一万三千八百円を二万四千円に引上げ、被保險者の給與の実情に合せることとし、次に保險料の滯納的傾向にかんがみ、その延滯金の一日につき五錢を二十錢に引上げる等、國税徴收法の規定と同様に改正しようとしている。  また保險経済の逼迫化に対処し、かつ保險経済の安全と保險診療の濫診濫療の傾向の対策として、被保險者の療養の給付について、一部負担金として初診料の額を被保險者に直接負担させることとし、また保險給付を受けることのみを目的として被保險者の資格を取得したものと認められる顯著なる場合には、保險者は、その給付の制限をすることができることとし、他面保險料率を千分の四十から五十に引上げ、また事業主が被保險者の負担すべき保險料を滯納した場合には、一定の罰則を課して、保險経済を確保しようとしている。  また現金給付のうち、哺育手当金等の額を、それぞれ倍に引上げ、他の現金給付の額との均衡をはかろうとしている。  以上のほか、健康保險委員会を健康保險運営協議会と改めて、この法律中に規定する等の改正をはかり、本年五月一日から実施することとし、保險科率の改正は四月一日から実施しようとするものである。  第二は、社会保險診療報酬支拂基金法の一部を改正する法律案でございます。  社会保險診療報酬支拂基金法は、昨年八月から実施されたところであるが、その実施の経験に徴して、若干の改正をはかろうとするものである。  すなわち、基金が保險者から委託を受ける診療報酬支拂予託金の一月分を一月半に増額し、支拂の円滑をはかることとし、次に、診療報酬請求書の審査の適正を期するために、審査委員会を法定機関とし、審査委員のうちに学職経験者を加えて、各委員の数を七名ずつに増員することとし、また幹事は審査委員会に出席して、説明を求めることができる等の権限を認めることとしている。また審査委員会に対しては、診療報酬請求書の審査に関して必要がある場合には、出頭説明その他の権限を認め、この請求に反した場合には、基金は、都道府縣知事の承認を得て、その者に対して支拂う診療報酬を一時さしとめることができることとしている。  次に、審査委員及び幹事に対しては、診療報酬請求書の審査に際して知得した医師及び歯科医師の秘密を漏洩してはならないこととし、これに反した場合には一定の罰則を課することとしている。  次に、基金の事務費予算は、新たに厚生大臣の許可事項として、経理事務の適正を期する等の改正をはかり、本年五月一日から実施しようとするものである。  第三は、國民健康保險法の一部を改正する法律案でございます。  昨年七月の法律改正により、國民健康保險については、市町村公営の方式によつて制度の再建強化が行われつつあるが、この際地方財政との関係上、これに要する費用の負担区分を明らかにし、この制度の安定性を確保せしめる必要があり、この際若干の改正を行おうとするものである。  そのおもなる点は、國民健康保險を行う市町村その他の保險の事務費は、國が十分の五、都道府縣が十分の三、市町村の一般会計において十分の二を負担することが現状に適したものと考え、これを明確にしたことである。  次に、保險施設に関し、補助率の標準を定め、また直営診療施設については、國六分の二、都道府縣六分の一、市町村六分の三の補助としたい。  その他、この事業の公共的性格にかんがみ、所得税その他の免除のことを明らかにするなど、必要な改正を加えたものである。  第四は、厚生年金保險等の一部を改正する法律案でございます。  厚生年金、保險では標準報酬を基準として保險給付をいたしておりますが、一般勤労者の給與水準が高まつたため、從來定められていた標準報酬の最高限額八千百円では、著しく実情に沿わないものとなりましたので、その最高限額を二万四千円に引上げて、実生活に適合した保險給付をしようとするものです。  また保險給付につきましては、現在支給している障害年金の中には、標準報酬の最高限額が六百円であつた当時の報酬によつて額を算定した低額のものがありますが、これは経済状態が著しく変つた今日では、あまりにも少額で、生活を保障するとは言い得ない状態にあるので、これを増額いたしますとともに、廃疾の程度一級の障害年金並びに遺族年金、寡婦年金及び遺兒年金の受給者に支給する加給金または増額金の額は、從來配偶者または子一人について月額二百円でありましたが、今日の生計費にかんがみまして、これを月額四百円に増額して、現状に即した保險給付をしようとするものです。  なお、厚生年金保險におきましては、保險料の納付義務、被保險者の移動報酬等に関する報告義務等を事業主に課しておりますが、最近これを懈怠する者が相当多い事情にかんがみて、事業に対する罰則に、六箇月以下の懲役を加え、また保險料の滯納につきましては、延滯金の割合を、保險額百円につき一日二十錢に引上げる等、國税徴收法との調整をはかりまして、本法の円滑なる運営を期そうとするものです。  第五番目が、船員保險法の一部を改正する法律案であります。  最近の社会的、経済的新情勢に即するため、他の社会保險制度と同様に、船員労働の安定をはからんとして、今回船員保險法の一部改正を行わんとするものである。  まず、保險給付の基礎である標準報酬が、現在最低五百円から最高八千円であるのを、最低二千円から最高二万四千円までとし、実生活に適合した保險給付をし、かつ保險経済の安定を期せんとするものである。  また保險給付については、現在支給を受けている職務外の事由による障害年金には、昭和二十二年十二月以前の標準報酬の最高七百五十円であつた当時の報酬に基いて年金額を算定した低額のものに対してはこれを増額するとともに、廃疾の程度一級から六級までに相当する障害年金、遺族年金、寡婦年金及び遺兒年金の受給者に支給する加給金、または増額金の額は、從來配偶者または子一人について月額二百円であつたのを、月額四百円に増額して、現状に即した保險給付をなされんとするものである。なお漁船船員の労働実態に即應するため、失業保險の適用については、漁船に乗組む作業員、漁撈夫等、短期間労働者に対しては包括して適用除外する道を開くなど、養老年金の受給資格期間を十五年から八年程度に短縮せんとするものである。  失業保険制度については、陸上の失業保險法の改正に伴い、失業保險金の支給基準を六五%に引上げ、その支給期間六箇月を九箇月にする等、必要な改正を行わんとするものである。  第六番目は兒童福祉法の一部を改正する法律案であります。  兒童福祉法は、公布後わずかに一年余を経たにすぎないのであるが、少年法の改正と照應して、これとの調整をはかる必要が生じたことによる所要の改正、また栃木、福島両縣下に発生した、いわゆる兒童身賣り問題を、今後再び惹起せしめないため、他人の家庭に引取られる兒童の保護の万全を期するための必要な規定の追加、並びに現行の兒童福祉法が、いささか都道府縣中心に偏し、末端行政における兒童福祉の浸透が十分でない既住の経験に徴し、市町村長の権限を拡充する必要のあること、さらに兒童の不良化を防止するための法條の設備を必要とすること等の緊要な事由による改正を行はんとするものである。  第七番目は医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案であります。  現行医師法及び歯科医師法には、行政廳が必要と認める場合にも、医師または歯科医師の業務に関して必要な指示をなし得る根拠規定がない。しかしながら最近の輸血による病毒感染事件にかんがみても、この際あらためて医師、歯科医師の注意義務を喚起するとともに、これらの者が医師または歯科医師として当然に厳守すべき事項を明確に指示する心要があるので、この際医師法及び歯科医師法中に、新たな規定を設け、厚生大臣が公衆衛生上の重大な危害を防止するため、特に必要があると認めるときは、医師または歯科医師に対し医療もしくは歯科医療または保健指導に関して必要な指示をなし得ることとする必要がある。これがこの法律案の提案理由である。  第八番目は死体の解剖及び保存に関する法律案の説明でございます。  死因不明死体の死因調査に関する件(昭和二十二年厚生省令第一号)は、総司令部の覚書に基いて、いわゆるポツダム省令として設定せられたものであるが、新憲法の趣旨からしてもなるべく速やかにこれを法律に改めることが必要である。これがこの法律のおもなる提案理由である。しかして右の省令を法律に改めるにあたつては、右省令と密接な関係を有する「大学等への死体交付に関する法律」の内容をも、これに統合することが適当と考えられる。さらにまた從來死体の解剖または保存に関しては、刑法中に死体の損壊または、遺棄を処罰する規定があるほかは、旧警察犯処罰令第三條に許可なくして死体の解剖または保存をなした者を処罰する旨の規定あるのみであり、そのためたとえば医学の教育、または研究のために死体の解剖または保存をなす場合に、その適法性につき多少の疑義があつたのであり、しかも警察犯処罰令は昨年五月一日限り失効したので、現在は刑法の規定のほかには、何ら一般的な法令の規定がないことになつた。かような現状は医学の教育、または研究のためにも望ましくないので、この際併せて死体の解剖及び保存に関する統一的法制を整備する必要がある。  以上がこの法律案を提案する理由であるが以下にその内容を簡單に述べる。  この法律は死体の解剖及び保存の適正を期することによつて、医学の教育または研究に資するとともに、公衆衛生の向上をはかることをもつて目的としている。この目的を達するため、まず第一に死体の解剖をなし得る者の範囲を限定するとともに、解剖をなす場合の手続についても、原則として許可を要することとし、また原則として遺族の承諸がなければ、死体の解剖をなし得ないこととしたが、一定の場合には遺族の承諸がない場合でも、死体の解剖をなし得るようにしている。また解剖をなすベき場所についても一定の規定を設け、さらに死体の保存についても解剖の場合に準じて相当詳細な規定を設けている。  第九は、医療法の一部を改正する法律案でございます。医業、歯科医業等に関する廣告については、それが適正に行われる場合は、一般國民が診療を受ける上において便益を受けることはもちろんであるが、反面これを自由放任するときは、これらの業務が人の生命及び健康に関するものであるだけに、國民保健上種々の弊害を生ずるおそれがある。そのため医療法においては、これらの廣告の制限に関し詳細な規定を設け、医業、歯科医業等に関して廣告し得る事項を制限的に列挙している。しかして右に列挙された以外の事項については、それが医師等の技能、治療労法等にわたらない場合には、都道府縣知事の許可を受けてこれを廣告する道がある。それがいやしくも技能等にわたる場合は絶対にこれを廣告する道がないため、他の法令との関係上著しい不都合を生ずる場合がある。そのため医療法の一部を改正し、厚生大臣が必要と認め定める事項は、たとい医師等の技能、治療方法等にわたる場合であつてもこれを廣告し得ることにする必要がある。しかして厚生大臣が右のさだめをする場合はその適正を期するため医道審議会の意見を聞くを要することとしている。また助産婦の業務等に関する廣告についてもほぼ同樣の措置を講ずることとしている。  次に現行法には、もつぱら往診のみによつて診療に從事する医師、歯科医師等について、必要な報告を徴し、またはその診療録の檢査等をなし得る明文の規定がないため、右の場合にも診療所に関するこれらの規定を準用する必要がある。  以上がこの法律案の提案理由である。  第十が國立公園法の一部を改正する法律案であります。  國立公園の保護のため統制を強化するとともに、利用促進をはかる必要があり若干の改正を行わんとするものであるが、その主なる点はまづ國立公園審議会に関する規定を挿入し、その職務権限を法律に規定することにした。  次に國立公園計画は國立公園の区域外にわたつても設定し得ることとし、また國立公園事業に関する規定を明確にした。景観保護の点では新たに保存地区を設定し、これが保護に関する規定を設けることにした。  また國立公園法の準用地区を指定する規定を設け、これにより風景のすぐれた地域を國民厚生のための公園として指定し、國立公園法の一部を準用してその保護をはかり、将來國立公園になり得る地域のさしあたりの措置に万全を期するとともに、これら風景地の利用の促進をはかることとした。以上が今回の改正の主要な点である。  第十一番目が國民公園法案であります。旧皇室苑地の管理につき新たな立法を必要とするので、その区域に新たに國民公園を設置し、國民公園は厚生大臣が管理し、また厚生大臣はその管理につき必要な命令を発し得るものとする。  第十二が水道法改正法案でございます。現行水道條例は明治二十三年二月に設定され、今日に至るまで六十年、日本における最古の法律に属する。しかもその間わずか一部の改正が行はれたに過ぎず、その内容も水道布設に関する規定が主なもので、近代水道の基準法としてははなはだ不十分であるのである。すなわち水道は國民の保健衛生の根本的施設であり、傳染病予防、公衆衛生の向上改善に必要欠くべからざるものであるのにかんがみ、この根本目的に沿い現行水道條例を改正する必要があるのである。このために水道の建設を促推し、維持管理を強化し、もつて水道の発達普及をはかるを改正の主眼とするのである。  今回の改正案は從來水道條例の適用となるべき範囲が明確でなかつたので、これを小なる水道(簡易水道)もすべて本改正法の対象とする等明確に規定し、かつ水質の汚染防止、浄化、水道の監督、水道水源及び上水の保護、水利権の調節等を新たに規定し、併せて水道審議会の措置により産業復興、防火保安の各般にわたり厚生大臣、地方長官の諮問に應ぜしめ、水道の普及発展を期することにより現行法による不備な点を画期的に改正をはかり、文化國家建設の重要なる一環施策として強力に推進せんとするものである。  第十三番、國立身体障害者更生指導所設置法案であります。身体障害者の医療、職業補導、就職あつせんについては、厚生、労働両省主管のもとにそれぞれ実施されているのであるが、その間における各施設の運営の関連性が薄く、かつ、身体障害者の更正に関する一般的相談に應じ指導する機関がないので、これらの人々の厚生はきわめて遅々としている。  從つて、総合的な更正機関として、國立身体障害者更正指導所を設置し、廣く身体障害者の更正について指導を與え、かつ、一定の者を收容し、医療管理のもとに生活指導、作業訓練及び職業補導を一貫して行い、その更正をすみやかならしめることを目的とするものである。  ただいま御説明申し上げました第十三の國立身体障害者更正指導所設置法案の内容でございますが、皆様のお手元にございます表の中にはこれが漏れておりまして、急にこれを提案する予定になつたのでございまして、お手元には配付してございませんけれども、あらかじめ御了承願いたいと思います。  次は第十四、厚生省設置法案でございます。國家行政組織法の制定に伴い、從來の官制にかわる厚生省の設置、任務、権限、所管事務組織等を規定したものでございます。  大体以上十四件が本第五國会に提案したいと予想しておる法律であります。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 ちよつとお聞きしますが、ここに十三に上げております衛生檢査法案というのは予定になつていないのですか。

亘四郎民主自由党厚生政務次官

○亘政府委員 なおお手元に差上げました予定法律案のうち、第十三の衛生檢査法案というのでございますが、これは現在のところ取除きまして、提案を見合すことに相なつたので、御了承願いたいと思います。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 皆さんにお諮りいたします。ただいま政務次官から本会期中に提出される予定法案の説明をあらかじめお聞きいたしたのでありますが、本日は、御承知ではないかも存じませんが、お晝からはちようどこの部屋を商工委員会が使う予定になつておるのであります。そこで時間もあまりありませんので、この法案の内容の説明を逐次各所管者からお聞きすることにいたすつもりでありますが、それでよろしゆうございますか。何か特別に皆様方から御質問になることがありましようか。その点お諮りいたします。

田代文久日本共産党

○田代委員 今國立病院の特別会計問題が非常にやかましく言われておりますが、この特別会計法案の提案の準備がございますか。

亘四郎民主自由党厚生政務次官

○亘政府委員 國立病院の特別会計の法案につきましては、特別会計法といたしまして大藏省の方から提案することに相なつております。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 何かほかに御意見がないようでありますならば、この第一から逐次局長さん御説明願うことにいたします。では保險局長さんからひとつお願いいたします。

宮崎太一厚生事務官(保險局長)

○宮崎政府委員 お手もとにお配りしてございますものに從いまして申し上げることにいたします。健康保險法の一部を改正する法律案でございますが、御承知のように健康保險法は二十二年ばかりの経過を経ておるのでございますが、最近におきまして被保險者の財政の非常に偏迫しておるというような点、それから日本歯科医師会及びその地方團体である都道府縣都市歯科医師会等におかれまして、この健康保險に対する協力が非常によくなつて参りましたことの関係等から参りまして、健康保險法の利用が非常に増して参つたのでございます。これは二十数年を経た健康保險において今日が最も利用の度が多いのであります。その関係上病領に対しまする給付、すなわち携義の給付金額が非常にかさんで参りまして、昭和二十三年の四月から七月ごろまでの間は医療の給付が大体毎月一億から一億五千万円くらいあつたのでありますが、それが昨年の八月、九月から医療給付が増して参りまして、十二月ごろには四億五、六千万円に達し、一月には五億を前後する、すなわち年度の当初のころには一億円内外であつたものが、今日では五億を前後するというような医僚給付の増大ぶりを示して参つたのであります。ところが保險経済の中心でございます保險料の收入につきましては、いろいろ工夫をこらしておりますけれども、それに比例した増加がございません。また保險料の滞納等につきましては、全國をあげて督促等をいたしておるのでございますが、またこれが九五、六%を越すというような成績には至つておりません。これは年度計算までに努力をいたしまして、保險料。徴收等が十分に行くようにいたしたいと思つているのでありまするけれども、いずれにいたしましたも、保險経済が非常な過迫をいたして参つたのであします。すなわち保險給付に対する支出が激増いたしましたけれども收入の方が伴わないという状態に越したのでございます。そこで次に来るべき二十四年度の保險経済ということを考慮いたしますると、これは御承知のようにいろいろな事情で経済界は相当困難を示すだろうと思うのであります。それに伴いまして、保險料の收入等もこれが影響を受けて悲観すべき材料が多いと思うのであります。しかしながら一方被保險者の疾病に伴う医療給付というものは決して減るものではなくて、かえつて増すものであろうと存ずるのであります。  こういう点いろいろ考え合せまして、健康保險法の改正を企てる。その改正は、まず收入を増すという方におきましては、標準報酬の改正をやる、標準報酬と申しまするのは、被保險者の賃金を一番下からずつと上まで刻みまして、そうして標準をつくつてその標準に合わすように保險料をとるのであります。今日は最低三百円から最高一万三千いくらでございますが、そういう標準報酬であつたのでありますが、これを変えまして、最低を約二千円くらいといたしまして、最高を二万四千円まで持つて行くという改正をいたしまして、今日の労働者の賃金の状態と標準報酬とを合わせて行きたいという改正をするのであります。  それからそこには書いてございませんが、保險料を値上げいたしたい。保險料に今日は四%すなわち百分の四を公定の保險料といたしまして、委員会にはかりまして若干上げ得るのでございまして、今日は千分の四十四すなわち四・四%の保險料をとつているのでありますが、これをすなわち五%ぐらいに上げたいとい考えであります。こういうようにいたしまして收入の増加をはかりたい。  それから次に、そこの要請に書いてありますが、今度は支出を減らしたいという意味におきまして、これはやや好ましくないのでありますけれども、被保險者に対して初診料に相当する一部負担金を課する。すなわち今日におきましては健康保險は被保險者でありまするならば、無料で医師の治療を受けることができたのでありますけれども、今日の保險経済の状態及び診療のやや濫療的傾向にあるというような状態から見まして、初診療を本人負担にする。すなわち最初医者にかかりますときの料金だけは本人の負担にするということにいたしたいというのであります。  それから第三に、被保險者が病氣になりまして保險に入つて來る。これに他人に雇われておりまするならば、当然保險に入るべき強制的な規定でありますけれども、その間に入らないでおいて、病氣になつてからこの保險給付を受けるために入つで來る。こういうような不正のものにつきまして、顕著な事由があれば、これの制限をなし得るようにいたしたいということであります。それから四番目の、被扶養者に対する現金給付の額を上げるというのは、分娩とか弔祭とかいうような費用を若干上げたいということであります。それから五番目の事業主の保險料滯納に対して、罰則を規定する、これに事業主が被保險者、すなわち自分の労働者から、給料を拂いますときに保險料だけ差引いて、そうしてこれを納めることになつておるのであしますが、それを給料から差引いておりながらこれを納めない、こういうような事業主に対しまして、処罰をするという規定を加えたい。こういう点の改正であります。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 何か御質問がありますか。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 今の御説明の中に濫診の傾向があるということでございますが、それはどういうことを意味しておるか伺いたい。それから事業主の保險滞納に対して、一定の罰則ということは、どういうことの罰則を予定されておるかということを承りたいと思います。

宮崎太一厚生事務官(保險局長)

○宮崎政府委員 濫診の傾向と申しますのは、実に医医給付におきまして、保險にかかります件数の増加いたしますことは——件数と申しますのはお医者さんが患者を見る数でありますが、その件数が増加いたしますることは、利用が非常に増加したことでありまして、はなはだ結構なことでありますが、一軒当りの点数が非常に増加しておるのであります。と申しまするのは、從來に比較いたしまして、点数が二倍、三倍という増加を來しておるのであります。そこであまりに急激な増加でございますので、私どもといたしましては、全國にわたりまして保險医の監査を実行いたしたのであります。そういたしますると、その結果といたしまして、一部保險医の方からいろいろの材料が出て参りまして、濫診の傾向がわかつて参つたのであります。これは統計等から見まして考えられるのでありますけれども、実際にあたりますると、そういう傾向がわかつて参りましたのであります。それからもう一面から申しますると、患者の方も健康保險を濫用すると申しますか、そういうようなけ以降もそれに伴つてわかつて参つたのであります。そういう点を簡單に申し上げたのであります。  それから罰則の点でありますが、これに大体六箇月の懲役及び罰金、こういうようなことを考えておりまして、目下折衝いたしておるような状態であります。

原田雪松民主自由党

○原田委員 この保險法はまことに結構でありまするが、事実地方町村におきましては、不振状態である。何ゆえに不振状態であるかと申しますと、保險医という医者が、第一被保險者と普通の者との差別待遇をやつ。一例を申し上げますると、カルテも別でありますので、何らかそういうところにおきまして、これに支拂い等の関係がありますし、点数によつて支拂いが遅れる。私熊本縣でありますが、縣の監査関係を長い間やつておるものでわかつておりますが、二箇月くらいで支拂いが済むのが一番早い。そういうことによつて医者の方で非常に被保險者の診療というものを喜ばない傾向があります。そういう関係からして、たとえば、貴重な藥品等は被保險者の方に使わないで、現金でポケツトマネーから出して、裕福に治療を受ける者の方をよく待遇してやる。それが田舎に行きますと、著しくはつきりしている。だから、われわれももちろんそういう種類に一緒になるわけですが、保險金を割当によつて納めておりますけれども、ほとんど用をなさぬ。むしろ現金でやるという傾向が濃厚であります。そういう点からいたしまして、も少し支拂い期限を迅速にやる。なお、保險医を國が嘱託なさる場合は、縣を通じでなさつているのでありまるが、もう少しそういう差別待遇をしないように、医者にも何か罰則を設けられるならば、まじめにやるのではないか。被保險者のみに罰則を設けて、その一番中核になるところの、診療の主体となる医者に何ものもないということは非常な缺陥ではないかと思う。どうか、その辺をひとつ御考慮に入れられまして、この保險法が末端まで完全透するようにお願い申し上げたいと思います。町村末端の事情はそういう傾向、ほとんど熊本縣の末端まで私見ておりますが、あまり喜ばない傾向があつて、保險金の給付等が一述遅れますので、実に氣の毒なわけなんですが、そこに隘路があるということを聞いております。当局でいろいろお考えでもございましようと思いますが、末端の実情をお訴え申し上げして皆様方の御再考を願いたいと思います。

宮崎太一厚生事務官(保險局長)

○宮崎委員 ただいまのお話でございますが、今のお話は二つのことについて言つておられるのだと思います。一つに健康保險、一つは國民健康保險の問題ではないかと思いますが、そのうち熊本縣の末端までのお話というのは國民健康保縣のお話ではないかと思います。國民健康保縣につきましては、お話のように、保険経済が未だ安定しておりませんで、いろいろな問題があつた関係でありますが、だんだん法の改正等によつて國民健康保險が町村公営の形に移つて経済が安定して参りますとともに、だんだん改まつて行くと存するのであります。  それから健康保險につきましては、これは今日におきましては医官が非常に強力でございまして、私ども医師会から受けております通達等によりますと、今日医者の窓口を訪れます患者の八割が健康保險であるというのであります。昔と違いまして、昔は医師の窓口を訪れる患者の二割か三割が健康保險でありまして、あとは一般の患者であつたりでありますが、今日は健康保險の方が医者の患者の八割を占めるというような状態であります。この点におきましては医師が被保險者に対して差別診療するというようなことはほとんどなくなつているような状態でございます。実は東京、大阪等におきましては健康保險歓迎という看板が出るくらいになつて参つたものであります。その点がだんだん地方に滲透して参るんじやないか、かとうに思つております。  それから患者の不在行為に対して処罰をするならば、医師の不正行為に対して処罰をした方がいいんじやないかという御意見でございますが、この点につきましては昨年法律の御改正がございまして、医師を保險医に頼みますときには、自由なる意思において自由なる契約をするという形をとりまして、保險医の承諾に基いて保險医をきめているような状態でございます。そこで、もし医師に不正の行為があつて、これが顕著でございますならば保險医の除名をいたします。それからその不正が一般に大きな影響がございますならば、これは厚生省といたしましては一種の行政処分等にまで行ける問題だと思うのでございまして、医師の身分の剥奪とういうような大きな問題に触れますので、刑法に触れざる限りにおきまして、これは刑罰をもつて臨むというような考えではなしに、保險医の身分あるいは医師の身分というような行政的の処分で措置がとれるのではないか、こういう氣がいたします。しかしかくのごときこと日本の問題でございまして医師がほんとうに協力してくださる、そしにんとうの保険診療を実施してくださるならば目的が達せらるるのでございます。先般の監査等の結果におきして、はなはだ不正なる点がございます場合におきまして、これは相当の処分をするつもりでおりますが、大体におきまして、不注意あるいは事務に対する無知識等の問題につきましては、戒告等で済ます考えでおるのでございます。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 それでは第二を御説明願います。

宮崎太一厚生事務官(保險局長)

○宮崎委員 次に社会保險の診療の報酬でありますが、お医者さんの報酬をばらばらに拂いますことは、非常にお医者さんに迷惑をかひることでございますので、社会保險診療報酬支拂基金という特別法人を昨年つくつていただいたのであります。それを昨年の九月から実施してみますと、実際におきまして運用上困る場合が出てまいつたのであります。そこでわずか半歳の経験でございますが、今回その支拂基金に関する法律の御改正を願おうというのであります。その点、一つは診療報酬預託金の額を引上げるということでございますが、実はこれはこういう形になつております。たとえば今月三月分のお医者さんに対します金は、二月分に收めてもらうわけであります。前月に一月分收めてもらつたものでその翌月の金を拂うのでありまして、これを預託金と称しております。ところが今申し上げましたように、最初一月に一億五、六千万円のものでしあつたのが、急に四億、五億という増加になりましたので、前の月に一月分もらつておりましても、次の月に一億も増加しておるというわけで、間に合わないのでございます。そこで基金が絶えず足りなくなつて支拂いが遅れる。最初は前月分の金を翌月二十五日までにお医者さんに拂うことになつておつたのでありますけもども、前月一月分もらいましたところが、その次の月が一億も増しておるということでに拂えないのであります。そこでこの状態ではいけないというので、一月ということでなしに一月半にいたしたい。だから一月半入れれば一月半もらわなくてもいいのであります。一月以上取れねということでなくて、一月中までの分をもらえることにいたして置きませんと、基金の運用ができないことがあるようでございす。これが第一点でございます。  第二点はお医者さんに金を拂いますときに、お医者ざんから請求書が出るのでありまして、それを檢査して拂うのであります。いわゆる審査と申しますが、その審査は法律上は五人の審査員でやることになつておるのでありますが、五人では足りないりであります。五人分お医者さんでは件数が多くてどうしても足りません。その関係でこの審査員を二十一人にしたいということであります。そういう改正をするつもりであります。そういたして審査員の数を殖やしまして早く審査をして早く金を拂う、しかも的確な審査をするという意味で、数を殖やすということであります。  それからつぎに、もう一つの問題は審査委員会というものかありますけれども、これは法律上の権限がございませんで、ただ單に基金審査委員会を設けておるだけでありますから、これを法律に規定いたしまして、法律上の審査委員会として活動ができるようにいたしたいということであります。  それからもう一つは基金が今申し上げましたように、政府管掌の保險だけでも五億円、組合管掌を合わせて十億円を越すような支拂いを毎月やるような大きな問題でございますので、その予算を厚生大臣が認可する。基金は理事会できめただけでなしに、厚生大臣の認可を経て予算をきめるという監督権を強化しよう、こういう点の改正でございます。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 何か御質疑はありませんか——では時間もありませんから、次をひとつ。

宮崎太一厚生事務官(保險局長)

○宮崎政府委員 次は國民健康保險法の問題でありますが、これはおもなる点だけを申し上げますと、國民健康保險は、事務費につきましては國庫が二分の一を補助しているのであります。保險婦にたいしましては三分の一補助しているのであります。病院診療所をつくりますと三分の一補助しているわけであります。府縣は、府縣会等に御熱心なところは、府縣費に計上して補助金を出しておられ、また町村におきましても、組合に補助金を出すというかつこうをとつているのでありますけれども、これが法律にはつきりしていない。法律では予算の範囲内において補助することを得という規定だけであるのであります。それではどうも國民健康保險の財政が確立いたしません。そこで事務費につきましては、國と府縣と町村とが分半して負担する、いわゆる保健所からもらはない。國と府縣と町村の公費をもつて事務費を補助してやる、こういう形に法律を改正いたしたいということで、國が五割、都道府縣が三割、市町村が二割、すなわち全額事務費を見てやる。保健施設、直営診療所等についても、これより減らしますが、そういう分担金をきめたいということで、地方財政委員会と折衝し、大蔵省と目下折衝しているのでありますが、どうも國家財政の都合等から見まして、大藏省との折衝に難航を続けております。そのために意見がまとまりましても、國会へ出すところまで行かないのであります。まだ厚生省と大藏省と折衝中でございますので、その点で法案が固まつておらないことをおことわり申し上げて置きます。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 あなたの所管だけをついでに御説明願つたらどうかと思います。

宮崎太一厚生事務官(保險局長)

○宮崎政府委員 四と五は保險法でありまして、厚生年金保險法の一部を改正する法律案と、船員保除法の一部を改正する法律案でございますが、厚生年金保險の方は実はこういう問題があります。健康保險と厚生金と船員保險とは皆同じ立て方でありますけれども、健康保險というのは、病氣等に伴う保險であります。厚生金保險というのの主たる目的に、養老年金でありまして、年がいきましてからこれに年金をやるという立て方であります。船員保險というのは、これに総合的な保險でありまして、健康保險の仕事も、年金保險の仕事も、失業保險の仕事も、労災保險の仕事も全部ひつくるめたものであります。この三つを通じまして標準報酬というものを一本にしたいという関係方面の意見がございまして、この前の改正のときに大体三つの法律の標準報酬を一本にしたのであります。ところが昨年暮の國会で、参議院議員提出で健康保險法の標準報酬の改正があつたのであります。そうしてそれが両議院を通過いたしまして、健康保險の標準報酬が若干上つたのであります。それから続いて今度また標準報酬を上げていただくという問題が起りましたので、この三つの法律の標準報酬を合せなければならないという点が起つたのであります。ところが厚生年金保險というものは、先ほど申し上げましたように、年がいつてからもらえる年金でありますので、このインフレーシヨンのときにはだれも喜ばないのであります。二十年先、あるいは十五年先に年金をもらうために今積み立てて置くことは困るという意見が強いのであります。そういう関係がございますので、標準報酬を上げますと、それに伴うて保險料が上つて來るわけですが、保險料が上つて参りますと、二十年先の積立てがふえて來るわけです。そこで標準報酬を上げるとともに保險料を下げなければならぬ。すなわち労働者のたえ得る保險料にしなければならぬという関係がございますので、健康保險の改正に伴いまして、年金保險の標準報酬をかえる。それに伴つて保險料を下げるというのが、この厚生年金保險法改正のおもなる目的であります。  それから船員保險の改正につきましては、実は労働省の方で失業保險改正の問題が起つておりまして、失業対策の関係上、失業保險の保險給付を自分の六十というのを六十五にしたい。それから六箇月分やるのを九箇月分やりたいという意見が労働省から出ておるのであります。労働省は陸上の失業保險たげやつておるのでありまして、海上労働者の失業保險はこの船員保險でやつておるのであります。そこで陸上が改正されると、どうしても海上の方も改正しなければならね。ところが海上というのは労働者が二十万に過ぎないのであります。そこでどうしても五百万を越す陸上の労働者の問題がきまらないと、二十万の船員保險に及ばない関係がありまして、この点は労働省の法律がきまらないと、こちらの法律が出て來ないということになるわけであります。それと標準報酬の改訂もやらなければならぬ。もう一つ問題は、一昨年の改正でこの船員保險の中に漁船が入つたのであります。今まで入つておらない漁業の海上労務者が入つたわけであります。ところが漁船の特質がございまして、普通の船員と同じ扱いをしてもらつては困るという議論が出ておりまして、当時國会におきまして、次の國会において船員保險法を改正して漁業労働者についてに特別な考慮を拂うべしという意見がございまして、当時の厚生大臣が次の國会までにこれを考慮すると約束されたのであります。その関係でこの漁船乗組員の保險につきまして、たとえば失業保險をどうするか、養老年金保險をどうするかという問題があるわけであります。そこでこれにつきましては運輸省の船員関係と、農林省の水産廳の方の関係と、私の方の関係と三者が今盛んに折衝いたしております。そういう関係が一つありますのと、先ほど申しました労働省の失業保險のきまり方によるということと、これらが結びつきまして船員保險の改正をいまだ國会に出すわけに行かないのでありますが、労働者の法律が出れば当然これが出なければならぬという意味におきまして、本日必ず出す法案のとこらにあげたのでございまして、その改正の要点に今申し上げたような点でございます。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 厚生年金の待期の短縮というようなことを保險局の方でに考えておられないかどうか。それからもう一つは、現在産別なんかの調査によると、厚生年金に今年二月あたりの調査で八十六億以上の金がたまつておるわけですが、それを政府の方ではどういうふうに運用しておるか。この二点について……。

宮崎太一厚生事務官(保險局長)

○宮崎政府委員 厚生年金の待期の問題でありますが、これは実は二十年先、あるいは炭鉱労働者は十五年先でありますが、そういう点が長過ぎるのじやないかという御意見だと思うのであります。この点につきましては、当時この厚生年金保險をつくりましたときに、大体それでいいんじやかいかというようなことですべての計算ができておるわけでありますが、社会保障制度審議会の勧告もございますので、大体この十五年、二十年というのは長いのじやないかという氣がいたします。但し年金をやるときは、五十五なり六十なりというときにいたしまして、年金をかける期間、保險料をかける期間が十五年、二十年というのに長いのじやないか、こういう氣がいたしますが、これらの点は近く社会保障制度審議会が開かれますので、社会保障の問題といたしまして、この点の御檢討を願おう、こういうつもりでおるのでございます。  それから厚生年金保險の積立金は今八十億あるわけであります。八十億の積立金というのは、将來の養老年金のための積立金であるわけであります。これはどうなつておるかと申しますると、大藏省預金部へ入つておりまして、大藏省預金部におきまして、これを國または地方公共團体に貸出しておるわけであります。そしてこの八十億につきましては、私どもの方は三分五厘の利子でこれを預けておる。これはどうも私どもから考えますると、労働者の保險料を積立てまして、そうしてこれをそういう方面に使うことだけでは物足らねじやないか、すなわちこれを労働者に還元いたしまして、労働者の福利施設等にこれを貸出してもらうことがいいんじやないかという考えで、実は一昨年以來大藏省及び関係方面と折衝いたしておるのでありますが、なかなかこの解決がつかないのであります。ことに今回は経済九原則等の関係でこれがなかなか困難な事情にあるのでありますが、利子の三分五厘についてに、これはあまりに今日といたしましては低過ぎるということで、これも去年以來私は折衝したのでありますが、せめてこの三分五厘の利子だけでももう少し上げたいという努力をしておるのでありますけれども、これがかりに三分上げましても、八十億といたしますと、一億六千万円預金部に赤字ができる。それをまた一般会計から補填しなければならぬ。こういう点がございますので、國家財政の過迫等の関係もございましてなかなかむずかしいのでありますが、これらにつきましては私ども大蔵省と相談をいたしました結果、若干何とかなるのじやないか、こういうような氣持がいたしますけれども、まだこれを申し上げるまでに至つておらぬことを遺憾といたします。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 それでは時間の都合もありますから、第六の御説明を願うことにいたしまして、兒童局長にお願いいたします。

小島徳雄厚生事務官(兒童局長)

○小島政府委員 兒童福祉法は御承知の通り昨年の四月一日から実施されておるのでありまして、この間まだ一年しか経つていないのであります。從いまして改正の問題につきましても、緊急やむを得ない問題につきまして改正案を考えておるのであります。先ほど政務次官から御説明がありましたように、今度の改正の要点は、一つは昨年の國会に少年法が提出されまして、その当時におきまして、兒童福祉法との調整を考えるということでいろいろ議論がありまして、関係方面、関係官僚との連絡も大体つきまして、それを今回の少年法の改正とともに、兒童福祉法の改正といたしまして國会に提出したい、こういうのが改正案の第一の大きな眼点であります。それは少年法によりますると、十四才以下の犯罪少年も、それから十四才以上の虜犯少年もすべて家庭裁判所に送致しなければならぬ、こういう規定になつておるのであります。この点が兒童福祉の見地から見て、すべて兒童をそういうような観点で最初から家庭裁判所に送致することが、はたして兒童福祉上適当であるかどうかという問題につきまして、各方面の議論が存したところでありますが、幸いにいたしまして関係官僚、関係方面の御了解が大体つきまして、十四才以下の犯罪少年は家庭裁判所に送らないで、すべてまず兒童相談所に送致するといことに大体きまりました。もう一つに十四歳以上のいわゆる虜犯少年につきましても、事情によつて兒童相談所の方に送致することが適当であり、家庭裁判所に送致することだ不適当な場合におきまして、兒童相談所に送致する。こういうようなことで、大体この点も了解を得ました。そういう意味で少年法の改正とともに、兒童福祉法の改正として本國会に提出したい。こういうようなわけでございます。  第二点は、後ほど機会がございますれば、詳しく御説明申し上げたいと思いまするが、最近新聞紙上を非常ににぎわしましたあの栃木縣、福島縣、山形縣の各縣に起りましたところの、いわゆる人身賣買の問題につきまして、慎重に対策を考慮いたしておるのでありますが、この問題に関連いたしまして、兒童福祉法の改正を要する点がある。こういうようなことを考えまして、ここに提案したいと考えるのであります。結局一つは、他人の家に長期間にわたりまして、養育または扶養されるというような兒童の保護につきましては、現行の兒童福祉法に、なお足らざる点がある。この問題について相当兒童に監督を加える必要があるという点、もう一つは、何ゆえにその兒童というものを、両親があり、または片親がありながら、経済的の事由によつて、他人の家に養育を依頼しなければならぬか。今日一部においてなお兒童の人権の尊重という念が——旧來の封建政治関係の観念がすぐに抜けないという点が一部にございます。この際そういう問題につきまして、経済的理由によつて、他人の家に養育を依頼しなければならぬ場合にお富ましては、ある程度兒童福祉法による兒童福祉機関でありますところの相談所、兒童委員、兒童福祉司に相談をして、その子供の福祉をはかる。こういうようなことを考えておるのでありまして、そういう意味合いにおきまして、今回の改正案というものをお願いしたいと考えておるのであります。  もう一つは、兒童福祉法が少しく府縣中心主義になりまして、市町村との関係につきまして、現行兒童福祉法に欠陥がある。すなわち市町村長の権限とか、市町村長との関係というようなものにつきまして、少しく足らざる点がある。こういう意味合いにおきまして、もう少し市町村に兒童福祉法との関係を取入れたい。たとえば兒童委員の場合におきまする市町村長の指示権を認めますとか、あるいは兒童福祉司と市町村長の関係を調整しますとか、そういうような問題に関しまして、現行の兒童福祉法の府縣中心主義を排してもう少し市町村長の地位を重んずる。こういうような考え方から兒童福祉というものが、末端においてよく徹底するような考慮の見地から、市町村長にある程度の権限を與える。かような考え方で改正を考えておるのであります。  第四は、今日兒童の不良化の問題が各方面から非常に大きな問題となつておるのでありまするが、この問題につきまして、ある程度の規定を考慮いたしたいということであります。これは兒童に與えるところの社会環境の問題でございますが、社会環境につきまして、ある程度の規定を設けたいということであります。  それからもう一つは、兒童を利用するとか、あるいは兒童を使つていろいろなことをして、兒童の観護に欠けるような場合におきますある程度の罰則を設ける。今日いわゆる子供を使うボスという問題が各方面で非常に言われておるのでありますが、こういうような規定によりまして、現行の兒童福祉法におきましては、規定の形式が必ずしも適切ではない、こういうような考え方からいたしまして、ある程度そういうような兒童を使つて、兒童の福祉に触れるようないろいろの行為をした場合におきましては、ある程度の取締りをする、こういうような規定を置きたい。かような点が今回の改正法案の大体の主眼点であります。  そのほか多少こまかい点につきまして、改正いたしたい点もございますが、大体のねらいはそういう点にあるのであります。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 何か護質疑はありませんか。——それでは次の七、八、九について医務局長の御説明を願います。

久下勝次厚生事務官(医務局次長)

○久下政府委員 ます第一に医師法、歯科医師法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  御承知の通り、昨年の秋、東京帝國大学の附属病院及び日本赤十字社の病院におきまして、輸血による徹毒感染の事例が発生いたしまして、社会的な問題になつたのでございます。その際厚生省におきましても、これが取締りのために必要な法律の制定につきまして、案の作成を考慮するということをお約束申し上げて頂いたのであります。現在輸血をしております実情は、御承知の通りに、第一には親族でありますとか、知人でありますとかいう人から血をもらいして、それを医師が患者に輸血いたします場合と、それから東京等の大都市におきましては、別にいわゆる輸血者というものがおりまして、若い学生などが多いのでありますが、これらのものが一定のたまり所を持つておりまして、一種のあつせん業者がおりまして、病院等の注文に應じて輸血者を派遣して、その血をとつて患者に輸血をするという二つの範疇があるのであります。問題の起きましたのも、また起きます可能性の多いのも、後者の場合でありまして、職業的な給血者が存在をしており、これをいかに取扱うかということが、取締り関係の要点であると思うのであります。かつて厚生省におきましては、昭和二十年に輸血取締りに関する省令を設けまして、必要な措置を講じておつたのでありますが、新憲法の制定に伴いまして、取締法規が失効をしてしまいまして、そのままになつておつたのであります。そこで当初、私どもとしてはそれにかわるべき省令の内容を持つたような法律の制定につきまして、考慮をいたしておつたのであります。その後、斯界の専門家を初め、各方面と折衝を続けておつたのでありますが、結論といたしましては、まず輸血の取締りに関しまして、先ほど申し上げました仲介業者を認めるということは適当でないという結論になつたりであります。これはいかに取締りを嚴重にいたしましても、法律上そういう業態を認めるということは適当でないという結論になりました。そうなりますと、結局、結論的にはこの職業的な輸血者は直接病院に直結いたしまして、病院が責任を持つて、その血液の純潔を保持するというような取扱いにならなければならないわけであります。そこで責任を負うべき医師及び歯科医師に対しまして必要な指示ができるという、医師法及び歯科医師法に一應條文を設けまして、それによつて実質上医師及び歯科医師の義務として考えておりましたことを指示するようにしたらどうかというような筋道に相なつて参つたのであります。ただいまさような筋に基きまして一案をつくつて関係方面と打合せをいたしておるのでございますが、まだ案文が最終的に確定をいたしておらないのでございます。きわめて簡單な條文でにありますが、私どもの策として考えておりますのは、厚生大臣に公衆衛生上重大な危害を生ずるおそれがある場合において、その危害を防止するために必要があると認めるときに医師に対し、医療または保険指導に関して必要な指示をすることができる。厚生大臣は前項の規定による指示をするにあたつてに、あらかじめ医道審議会の意見を聞かなければならない。こういうような規定と同じように歯科医師法の中にも一文を設けたいということを考えておるのでございます。  次の死体の解剖及び保存に関する法律案でございます。これは先ほど政務次官の御説明で大体つきてると思うのでございますが、少しく補足して申し上げたいと思います。政務次官の御説明にもありましたように現在のわが國の法制の建前といたしましては、刑法各條の中に死体の遺棄及び損壊についての処罰規定があるのみでありまして、從つて医学校教育の際の死体解剖なり、あるいは病院などで行つておりますいわゆ病理解剖に属しますものも、刑法本則の正当の業務に基く行為はこれに罰しないという正当業務として、事実上容認をされているというはなはだ消極的な取扱いに相なつておるのであります。そこで一方におきまして、教育の面からは医学校におきましては、大体悔医学生八人につきまし年に一体くらいの死体解剖を必要とするのでありますが、その死体の解剖につきまして今申したような法律上の積極的な容認がないために非常な不安を感じている実情であり、また一面におきましてそういう必要な死体を入手する道も少いという実情でございます。なおその他病理解剖と称しておりますが、いろいろな疾病の診断をいたしまして、その者が死亡した、はたして医師の診断通りの死因によつて死亡したかどうかということで、死体の局所解剖をいたしまして、それによつで死因がはつきりする場合が多いのでございます。これもやはり死体の一部でありましても解剖するわけでございますが、今申したように根拠規定がなくて非常な不安を感じておるのであります。一方医学の進歩からしますれば、この病理解剖ということにぜひ必要なことであるとされておるのであります。かように医学の研究及び教育のために死体の解剖をするということを公に積極的に容認をする必要があるということが、この法案の根本的な考え方でございます。しかし無條件にたれにでも許すというわけには参りませんので、ただいま考えてありまするのは、死体解剖をなし得る人としては、医師、歯科医師その他死体解剖に関して相当の学識、技能を有し、厚生大臣が適当と認定したものという三つの範疇に属する人に、一應資格者として法律上の認定をしたいと思うのであります。しかしながらこの人たちも、解剖するにあたりましては、自由にかつてにするというのでになく、原則的にその都度都道府縣知事の許可を受けるようにしたいと思うのであります。但しすべて評可を受けるということでありますると、事実上実行困難の場合が多くなりまするので、実際解剖を行います場合には許可を受けなくても、特定の者及び特定の場合につきましては届出をもつて足りるという取扱いをしたいと思つております。たとえばあらかじめ死体の解剖について厚生大臣の認定を受けておる人がやります場合でありますとか、あるいは刑事訴訟法によりまして、いわゆる可決解剖と称するものがございます。犯罪原因を糾明いたしますために、刑事訴訟法に基いて行われる場合がございます。また食品衛生法によつて死体解剖をなし得る規定がございます。かような法律によつてやりまあう場合については、事後の届出でよろしいというような取扱いをしたいと思つておるのであります。なお死体の解剖につきましては、先ほど政務次官の説明の中にもございましたように、原則として遺族の承認を必要とすることになつております。例外的に遺族の承認を必要としない事例として考えておりまするのは、死亡確認後三十日たちましても、引取者が出て來ないというような死体でございますれば、遺族の承認を得るすべがないのでございます。こういう場合は多くはいわゆる病理解剖の場合に該当するのでありまするが、二人以上の医師がこの死体解剖についてその必要を認定したものであつて、しかも遺族の所在が不明であるか、あるいは遺族の承諾を得る時間的の余裕のないもの、こういう場合には遺族の承認がなくても解剖してよろしいということを考えておる次第でございます。そのほか法律に基いてやります場合には、遺族の承諾を受けなくてもよろしいということにしております。それらの場合を除きましては、すべての場合にまず遺族の承諾ということを必要としたいと思つております。  それからこれも先ほど政務次官の説明にございましたように、現在東京ほか七大都市におきまして、都市の地域におきましては、死因不明の死体について檢案、または解剖をすることができることにポツダム省令でなつておるのであります。これをこの法律の方に織り込みまして、法律化しようということで一緒に入つております。さらにまた大学等で医学教育のために必要な死体を入手するのに便宜を與えますために、大学等への死体の交付に関する法律というものが昨年の審議会の御決定をいただいておるのでございます。その規定法律もこの中に織り込みまして、先ほど申し上げました大学において、教育のために解剖をする死体の入手が少しでも便宜になるようにということを一緒に織り込みたいと思つておるのであります。これが死体の解調及び保存に関する法律案の内容の概略でございます。この法案におきましてもまだ成文としては固まつておりませんで、打合せ中でございまして、前の医師法及び歯科医師法の一部の改正と同様の段取になつておりますことを御了解いただきたいと思つております。  最後の医療法の一部改正に関する法律案でございます。これは大体二つの事柄が含まれております。まず第一には往診のみによつて医業、歯科医業、または助産の仕事を行います者につきましては、その住所をもつて診僚所、または助産所と見なしまして、必要な規定を適用するようなことになつております。ただその必要な規定の中にかんじんの診療録の檢査でありますとか、あるいは必要な場合にその報告を出してもらうという規定が適用されておらないのであります。そこでこれらのものにつきましても今申し上げたような必要な報告を徴する、あるいは処理帳簿を提出してもらうということのできるような根拠規定をつけ加えたいと思つておるのであります。医療法の一部改正の第二点は、病院、診療所または助産所につきましての廣告制限の規定を一部緩和したいという考えでございます。具体的な事例で申しますと、現在の状況で申しますと、健康保險の指定医でありますとか、あるいは優生保護法の指定医でありますとか、こういうような廣告が一切できないことになるのでございます。と申しますのは優生保護法の指定医ということであれば、全部の医師が指定せられるのでなくて、特定の医師、相当に学識技能を持つております医師のみが指定をせられるわけでございます。そうするとその指定医であるということを廣告することは、当然その人の技能なりあるいはまた治療方法の廣告ということになつております。この技能、治療方法に関する廣告は一切いかぬということになつております関係上、法律的に見ると非常に不合理なことが起つて参ります。そのような場合において必要な定めをいたしまして、廣告のできるようにいたしたいというのが廣告制限の緩和の内容でございます。これは病院、診療所及び助産所を通じまして、同じような規定を設けたいと考えておるのでございます。この最後の医療法の一部改正につきましては、すでに案文も大体まとまりまして、近く御提案を申し上げ、御審議をいただく運びになるものと考えておる次第でございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この中の死体解剖保存に関する法律案は、どういう意味でお出しになるのでございますか。

久下勝次厚生事務官(医務局次長)

○久下政府委員 これはもともとの起りは、先ほどちよつと申し上げました死因調査に関する厚生省令、ポツダム省令を法律にしなければならないという考え方から出発いたしたのでございますが、それともうすでに両三年前から死体解剖に関する根拠規定が薄弱なために、各学校、大学、医学校等におきましては、解剖することについて非常な不安を持つておる。何とかこれを法律化してもらいたいという要望が各方面から出ております。そこでポツダム省令である死因調査に関する省令を法律化して、國会で御審議をいただきますとともに、今各方面からの要望である死体解剖、保存に関する根拠規定を設けまして、必要な場合は法律上これが表向きにできるようにしたい。こういう規定を設けたいという趣旨でございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この中にある医療法の一部改正する法律案、この場合ただいまの場合によりますると、往診のみの場合にはその住所をもつて診療所とみなすという特定の規定を設けるというお話でごさいましたが、そういう例はたくさんあるのでございましようか。また日診のみをやつておられるという場合におきましても、往診などの程度のものを医療とみなされるのか、概略のところでけつこうでございますから、伺いたいと思います。

久下勝次厚生事務官(医務局次長)

○久下政府委員 実際問題として私どももこの具体的な事例はあまり承知している例は少いのでございます。ただ最近聞いておりますのは、歯科医師でございまして、自分の家では全然診療をいたさない。自動車を持ちまして、自動車に必要な機会を積み込んで、いわゆる巡回診療の形でまわつて歩いておる医師があるようでございます。そういう場合は生活の根拠であります住所におきましては、一切患者の取扱いをいたしませんので、そこを診療所とするわけにはならないのでございます。そこで医療法の第五條にそういう場合にその住所をもつて診療所とみなして、たとえば診療所開設の届出の規定でありますとか、それから廣告に関する規定でありますとか、こういう規定を適用するようにいたしておるのが現在の規定でございます。先ほど申しましたように、私どもがこの規定に手を加えたいと申しますのは、そういうようなところでも、医師が診療をする以上は診療録を書き、保存をしておかなければならない義務が講じてございます。そうした診療録につきましてそれを提出していただいて、検査のできるようにしたい。そういうような根拠規定が欠けておりまするので、加えたいというのであります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 こういう改正法律に該当する事例というものは非常にまれな状態になつて参ると思いますので、不公平なことが起らないように、十分御研究の上きめていただきたいと存じます。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 これはただいまの御説明の中にはなかつたことなんですけれども、やはり医師法の改正と関連した問題で、実はこちらの厚生省の方の資料にございます京都のワクチンの事件、これに対して現地の方では問題が起つたときに、すぐにいろいろな医師を動員して、注射を受けた人を檢診してもらいたいという要求があつたに対して、現在の医師法では町医者を動員できないことになつている。こういう見解でもつて非常に処置が遅れたということに対して非常な非難が起つているわけなんです。私はよく医師法を知らないのですけれども、実際そういうような突発した事件の場合に、そういつた医師を動員できないようになるのでありましようか。そうだとすれば厚生省は今後そういうときの処置についてお考えがあるかないかということをお聞きしたいのです。  それから今一つは先ほどの兒童福祉のことで少し前にさかのぼるのでありますが、医局関係の御説明が済んだあとで御説明願えればいいと思うのですけれども、兒兒の不良化を防ぐために、社会環境のことについて考えておるという御説明があつたのですが、具体的にどういうことかということをあとで御説明願いたいと思います。

久下勝次厚生事務官(医務局次長)

○久下政府委員 まず最初のお尋ねにつきまして私からお答えいたします。医師を一定の必要のある場合に動員をして特定の業務に從事させるということにつきましては、かつてはさようなことが考えられておつたのでございます。特に戦時中の措置といたしましてそういう法規もあつたのでありますが、新しい法規にはそういう根拠規定はございません。と申しますのは、大体医業につきましては医師の義務というものは特定されておりまして、医療の内容にはあまり立入らないというのが筋道でございます。ただこの点に直接あてはまらないかもしれませんが、医師は診察治療の求めがありました際に、正当の事由がなければ拒むことができないという規定がございます。これはもちろん患者からということが主でございましようが、患者の知合いの人、あるいは関係者というものから依頼がありますれば、正当な事由がなければ拒むことができないということに法律上はなつております。さような規定を活用して医師の協力を求める以外にないと思いますし、またその程度で目的を達する方が実際問題としていいのではないか。いやなものをむりやりにひつぱつて行きましても、能率が上らないということも考えられますので、そういうような意味から今のようなき定を活用して大体目的は達せられるのではないかと思います。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 今のに関連してですが、そうすると当然京都のワクチン事件の場合なんかは、ただいまの御説明によつて府縣の方からその協力方の頼みが参つた場合には、大体動員できる選びなのでございますか、それはどうなるのですか。

久下勝次厚生事務官(医務局次長)

○久下政府委員 動員ということの解釈でございますが、大体実際問題といたしましては、医師会等に連絡をいたしまして、こういうことがあるんだから、ひとつ大いに協力してもらいたいということを話していただきますれば、それで大体協力してくれているのが実例でございますから、多くの場合は問題はないと思います。

小島徳雄厚生事務官(兒童局長)

○小島政府委員 兒童福祉の問題でございますが、現在の兒童をめぐる環境につきましては、たとえば兒童に関する出版の問題、演藝の問題、あるいは映画の問題、藝能の問題、各種の問題があるわけです。その問題につきまして相当いいものと悪いものとが兒童の環境にあるわけであります。この問題につきましてはいろいろの考え方があるわけでありまするが、ちようど、中央には中央兒童福祉委員会という大部分民間関係の人をもつて構成されるところの民間的な委員会があります。府縣には道府縣の中央委員会がございまして、この方面におきまして兒童の福祉の見地から見まして、ある程度その製作者や興行者に対しまして、その製作についていかがわしいものについては勧告するとか、あるいはいいものについては大いに普及するという意味で推薦するとか、こういうような権限を與えまして、自治的に委員会がいいものは伸ばし、悪いものは抑えて行く、こういうような方途をとつたら非常な兒童の環境を明朗化するのにいいじやないか、こういうような考え方でございます。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 それでは次の十、十一につきまして、飯島公園部長にお願いいたします。

飯島稔厚生事務官(國立公園部長)

○飯島政府委員 國立公園法、國未案公園法の二件につきまして大体その内容を御説明申し上げます。  わが國はさいわいにして自然景観に恵まれておりまして、昭和六年に國立公園法というものを制定して國立公園行政が確立されたわけでありますが、その後自然景観が電力の開発あるいは農地開放その他によつて相当荒廃に備しつつあるのでありまして、地学上あるいは自然景観上、特長ある傑出した自然風景というものが徐々に損壊せられつつあるので、國家としても將來の風致及びその他の観点から放置できない点もありまして、この際國立公園法をこれらの保護、利用の万全を期するために改正いたしたいと考えて、内容をいろいろ検討いたしました結果、まず第一番にこれらの運営を全からしめるために從來ありました國立公園審議会の規定をさらに法律の面において持たせることにいたしました。國立公園計画が從來國立公園区域内のみに限定されておつたのでありますが、これを國立公園区域外にわつても計画を樹立することができるように規定を設けました。第三点は、從來受益者負担並びに権利者負担に関する規定がなかつたのでございますが、これらに関する規定を設けさせていただきまして、國立公園事業の促進に資することとしたいと考えておるわけであります。第四点は從來國立公園の区域内における國立公園事業につきましては、たとえば廣場、苑地、運動場あるいは宿舎というようなものにつきましては國立公園事業としてできるし、そうでもないものとしてもできるというようにかんがえられますので、公園内の利用の統制並びに促進及び國立公園全体の計画の完全なる保持という観点からこれらに関する規定を整備さしていただくことにいたしました。それから現在の國立公園の区域内において特に傑出した景観地んつきましては、特別地域というものを設けておるのでありますが、特別地域に関する規定だけでは保存し得ない地区がございます。特に地学上にあるいは自然景観上傑出した自然鑑賞の地域については保存地区というものを設定いたしまして、現代のみならず後代の國民のためにも、その地域の福祉を享受せしむるように考えまして、保存地区の規定を設けさしていただくことに考えておるわけでございます。  なお廣告物看板につきましては現在屋外廣告物法という法案を建設省の方で考究中でございますが國立公園地区内におきましては、すでに國立公園法が廣告物看板等の適当なる調整をはかるように考えて、これに関する規定を設けさしていただきたいと考えておる次第でございます。  最後に、わが國は非常に恵まれた自然景観地がたくさんありますので、これらを國立公園に指定するかしないかにつきましてはいろいろの意見もありますので、まず國立公園として將來考え得る地域あるいは候補地と申しますか、あるいは國民の厚生のために適切なる景観の地につきまして、國立公園法を準用して、準國立公園あるいは厚生公園というような規定を設けさしていただくことに考えております。大体現在の國立公園法等の改正として考えております点は、これらの七点でございまして、これにつきましては目下法制局で案文を整理いたしておりますので、早晩皆さんの方の御審議をお願いすることになると考えております。  次に國民公園法でございますが、國民公園法につきましては、新憲法の施行に伴いまして旧皇室苑地と申します名前で総称しておりますが、具体的に申し上げますと、宮城の外苑並びに新宿御苑及び京都の御所の外苑のであります京都御所の御苑、この三箇所は國民公園として直接國営でやるということに大体政府の方針がきまりましたので、これらに関する規定を國民公園法として整理さしていただきたいと考えておるわけでございます。

畠山鶴吉民主自由党

○畠山委員 この國立公園と観光事業は今日本の國内において津々浦々まで唱えられておる言葉でありますが、厚生省にこの國立公園が所属しておるということについて私どもは観光面から考えましたときに、この目的が何を意味しておるか判然としない点が多々あると思うのであります。その一例を申し上げるなら、観光事業はまずもつて國立公園を主体としたことであります。その次には言うまでもなく観光客の招致でありますが、現在運輸省におきまして観光客の扱いをしておる。まだこの観光事業の施設については建設省が携わつておる。その他にも若干携わつておりますが、何を言いましても一番元のこの國立公園関係と観光とは大きなつながりがあると思うのであります。今まで日本は観光事業をかなり唱えておりましたが、一つも実現していない。それを言いかえれば厚生省はおれの方は地主だ。お客を扱うのは運輸省だ、家を建てるのは建設省だというので、端的に言えば主管爭いをしておるような状態でありまして、現在の日本といたしまして何に進んだらよいかということを考えたときに、この観光事業は重大な問題であります。本日はこの予算を見ましてもゼロになつておりますが、これからますますこの予算を計上していただいて、この目的を達成しようというときに、ゼロになつておるような関係で、厚生省にこの部門を置くということは責任上重大ではないかと私どもは思うのであります。同時に世界の各國を廣く申し上げるわけではありませんけれども、世界は観光事業によつてかなり経済を建て直しておる所がたくさんあるのであります。日本がこれから再建しようというときに何が得るものがありましよう。言うまでもなく外貨獲得の面が一番重要でありますが、現在の輸出に対しましても原料として向うから買う、できた製品は先方の言い値で高く買う、できた製品は先方の言い値で安く賣るということでございますから、この観点から考えましたときに、この利益という点につきましてはどういう計算が出るかということも明かであります。よしんば貿易関係を継続いたしますにも、外國の商社なり業者なりが日本へたくさん訪れるようにしなければ、この貿易もできないのであります。同時にこの來ていただく人をもつて観光客ととなえても過言ではないのであります。  それにはまず第一に施設の必要なことは申し上げるまでもないのでありますが、この施設におきましても、何ら施設のできていないことは皆さま御承知の通りであります。私は過去を振り返つて一言申し上げるならば、戰前でも日本は相当の予算を計上いたしまして、外國の各都市に國際観光局の出張所を設けまして、外客の吸引に努めたのであります。その結果その当時でも俗に言うクーポン代、汽車の切符代と言いましようか、それだけでも一億数千万円に上つていたのであります。その当時は運輸省が要するにクーポン券を発行したという形であります。その一億数千万円のクーポン券のお客さまのふところにある金は、その当時でも何百億あつたかと思います。その何百億の金は、日本には使う施設がないから、みなむなしく帰りに上海あたりの國際都市へ行つて使つて國へ帰る。お客を呼ぶのは日本であつて、金を使われるのは上海である。言いかえればこんなばかばかしいことはないのでありまして、かようなことを申し上げてもせん方ないことがありますが、現在日本が再建して行こうというのには、観光事業というものがあらゆる面に重大であるということを私は申しあげたい。現在の食糧不足にいたしましても、過剰人員にいたしましても、これを何で解決するかというと、まずもつてわれわれ八千万同胞のうち、少なくとも二千万くらいの人は外國へ行くようにしなければいけない。行くようにするには、この観光事業が仲人役となつて世界の人と親しまれる人にならなければいけないと思う。その役割を果すのであります。おのずからして二千万、一千万の人が外國へ行くようになりましたら、食糧問題も解決し救済事業も解決するのでありまして、このままでたくさんの若い人が日本にできて、この人を一体どういうふうに扱うか、これが私は國家の重大な問題と常に考えております。私がかようなことを申し上げるのには、過去四十年間にわたりまして、社会のいろいろな仕事をして参りました関係上、いささか研究と自身をもつているのであります。こういう点から考えまして、いやしくも厚生省がこの部門を担当している以上は、主管がどこにあるかということをまずきめていただき、ことにその地主である立場からいたしまして、本予算がゼロであるなんということは私には解釈がつきません。一面におきましてはこういう経済のきゆうくつな場合でありますから、かような余計な面は削除するのが当然で、眞に再建日本を考えたときには、ほかのことは少しぐらい割つても、この事業を推進することが私は再建のために重要なことだと思うのであります。かような点からいたしまして、私は予算のゼロということに対しては絶対不満を表すものであります。同時に厚生省がこの部門を担当している以上は、こんなゼロになるような部門はほかへやつてしまつた方がいいのじやないか、この点を十分御考慮くださいまして、いま少し改正して眞に日本を建て直すという気持から厚生省が力を入れて、この仕事に邁進されたいことを切に希望申し上げまして、私の申し上げることを終わります。

亘四郎民主自由党厚生政務次官

○亘政府委員 ただいま畠山委員からの非常に含蓄のあるしかも日本の経済につきまして遠く見通した御意見を拜聽いたしまして、私どもも非常に同感に感ずるのであります。御指摘のように予算の面におきまして、はなはだ不満の御意見でございましたが、ゼロに相なつているのは、観光事業の國立公園の施設に対します公共事業費の部面でございまして、他の一般経費といたしましては千七百万円、大蔵省の査定として相なつております。しかしそれにいたしましても厚生省から最初に要求いたしました一億七千二百万円という数次と比較いたしますと、まことに一割に満たない少額なものに相なりますので、これも國家財政の見地から今日やむを得ないものとあきらめている次第であります。しかし將來の観光事業に対しまする重要な國家の施策といたしまして、当然力を入れて行かなければならないと思うのであります。それにつきましてはセクシヨナリズムに相なつているような点も多々ございますが、それらのものを統一いたしまして、観光行政というものを一本にいたしまして、できますならば現在内閣のもとにございますところの観光審議会というようなものも國会に一つの特別委員会のようなものをおつくり願つて、御協力を得て観光事業としてりつぱに國家経済の大きな役割を果し得るようにして行きたいと熱辧しているのであります。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 畠山委員のおつしやつたことはごもつともと存じます。この厚生行政に対しましてはほとんど全部が予算面とくつつきまして、相当予算を獲得しなければこの行政はとうていおぼつかないと思うのであります。そこでこの次にはこの査定官にこの委員会に來てもらつて、そのときにもう一度御高見を御述べくださいますことが非常にいいのではないかと考えます。どうぞ次回までお待ちを願いたいと存じます。

松谷天光光労働者農民党

○松谷委員 ただいは畠山委員の御意見が出ましたがやはり予算面にからんでの質問でございますが、簡單に一点だけ伺つておきたいと思います。それはただいまも御説明がありましたように、ほとんど國立公園施設面の経費がゼロになつておりますが、この國立公園法という法律を制定する場合に、やはり予算の伴わない法律というものはあつてなさがごとき状態になるのではないか、國会が法律を制定した場合にやはりそれを生きた法律にしなければならない責任が私どもにあると考えます。この場合にただいまのような建設面がほとんど削られ、そうしてまた千七百万だけの予算が與えられたときに、この國民公園法というものの活動が一体可能であるかどうか。また一面から考えれば、法律ができていなければなかなか予算獲得もむずかしいのだという考え方もあるかもわかりませんが、この國民公園法を制定される場合の当局の御決意なりお考えなりをひとつ伺い、また國会がこれを制定した場合の國会の責任はどうなるかということを一言伺つておきたいと思います。

飯島稔厚生事務官(國立公園部長)

○飯島政府委員 國民公園法に官島する経費につきましては、予算面につきまして一應國立公園行政運営に関する経費となつております千七百万円の中に含まれておるわけでありまして、その経費は、國立公園並びに國民公園を相当運営するためには、ただいま御意見のありました通り、まことに國家財政の現状に照し、やむを得ないものと考えておりますが、この運営につきましては、國費のみでは不充分な点も考えられますので、できますならば実際に利用します都あるいは府の人たちの利益になることでもありますので、都費あるいは京都府費によつて、若干の補修あるいは維持保存に要する経費を計上してもらうように、月下交渉いたしておるわけであります。

松谷天光光労働者農民党

○松谷委員 ただいまの御説明で、やはりこれが全額國庫負担ということは不可能な面が出て來る、そうなりますと結局これが地方移譲になつて参りました場合に、これはもう言わずと知れたことでありますが、今日の地方財政の窮迫というものは極度のところにまで行つております。結局これが地方負担ということになつて参りますと、またその実際は末端の國民生活への食入りということに、どうしてもなつて來ざるを得ないのでございまして、もちろんその使用に当つては、その府縣等の具体的なる利用となり、あるいはまたそこに利益ともつながつては参りましようけれども、やはり一應政府が國民公園法を制定し、また政府の施策においてこれをなす場合においては、でき得るならば私は全額國庫負担でなすべきが、やはり最も理想ではないかと考えるのでございます。この点なお一層御研究をいただきまして、全額國庫負担でなし得るという用意をしていただきたいと希望いたします。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 國民公園というのが旧皇室料地にできるということはわかるのですけれども、國立公園と國民公園とでは、一体その運営の点がどういうふうに違うのか、またその利用者がどういうふうに違うのか、区別をお知らせ願いたいと思います。

飯島稔厚生事務官(國立公園部長)

○飯島政府委員 國立公園は國土の傑出した自然景観を、現代のみならず將來の國民の福祉のために、保健、休養、教化のために保護と利用をして参りまして、その土地の対象は必ずしも國有地ばかりでなく、國有地あるいは、私有地双方を包含しておるわけでございますが、國民公園につきましては、旧皇室の苑地を國が直接——土地の所有地といいますか、土地の管理費を政府に移管いたしまして、これを廣く國民のために供するということになつておりますので、まず土地の所管について國民公園の方は必ずしも厚生省の所管でない場合であり得るのと、その利用者の対象が多くは都市あるいはその所在地の人が利用するということで國立公園は差があるだろうと思います。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 はつきりしないのですけれども、とちらが利用者が限定されていると言うのですか。

飯島稔厚生事務官(國立公園部長)

○飯島政府委員 國民公園の方は大体において東京都民とか京都府民が使う。それから國立公園の方は必ずしもその土地の人ではなくて、たとえば日光とか富士、箱根とかということなりますと、その所在地の人よりも全國各地の人が使う。國民公園になりますと、東京都民とかあるいは京都府民という人たちが大部分使うという点で、利用者の性質において若干違います。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 それでは次の問題を三木公衆衞生局長に御説明願います。

三木行治厚生技官(公衆衞生局長)

○三木政府委員 水道法の草案につきまして御説明申し上げたいと思います。水道法案につきましては、先ほど政務次間から御説明申し上げましたところでございますが、なお私からも一、二補足して御説明申し上げたいと思います。  水道は國民生活に切つても切れない関係にあること今さら言うを要しないところであります。しかしこれはひとり公衆衞生施設というのみでなく、産業活動のためにも、あるいはまた消防等のためにも必須のものでございます。しかしさしあたつて公衆衞生施設として考えてみまして、遠くは大牟田あるいは川崎の赤痢事件、あるいは近くは昨年の浅間温泉の腸チフスというように、水道の管理が適切でない場合におきましては、未曽有の惨禍を惹起することがあるのであります。また水道の管理が適切であります場合におきましては、ひとり國民生活に喜びを與えるのみでなく、疾病等につきましても、その発生に対して非常に効果的に抑制して行く。御存じのように傳染病患者というものは例年二十万前後でありますが、それが昨年は五万一千くらいに激減をいたしておるのであります。もちろんこれは予防当局の適切なる予防施策に負うところが大でありまするけれども、水道のクロール消毒を実施したことがまた偉大なる効力があつたということを、私どもはいささか自負いたしておるのであります。かように水道管理の適切であるかいないかということは非常に大きい問題でございます。ところがこれを規定いたしまする現行の水道條例は、政務次官の御説明にもありましたように、六十年も前に制定せられたものであつて、しかも水道の設置ということだけを規定いたしておるのでありまして、最も重要なるべき維持管理その他の点については触れておらない。従いまして現段階におきましては、ぜひとも改正を必要とすることに相なる次第であります。でこの水道法案におきまして改正をいたしますおもなるものは、大づかみに申しまして約四つばかりでございまして、第一の点は水道の維持管理及び新たに水道審議会を設置すること並びに國庫補助の設定というようなものがおもなるものでありまして、またこの水道法の適用範囲にいたしましても、現行水道條例におきまして、給水人口一万以上ということになつておるのでありまして、その適用を受けますものは現在六百九十箇所でございますが、しかし適用外の約三千にも及ぶ水道があるわけであります。これをこの水道法案におきましては給水人口一千以上のものはことごとく何括するということにいたしまして、この維持管理その他法の規定がそういう小さな水道にまであまねく及ぶようにということを企図いたしております。水道法の草案はただいま関係方面及び関係各省となお折衝中でありまして、大いに焦慮しておるのでありまするけれども、なかなか遅々として進まないという状況で申訳ないと思いますが、すみやかに成果を得まして、提案の運びにいたしたいと考えておる次第であります。その草案の概略は大体六章六十八條からなつております。第一章におきましては本法の目的でありますとか、用語でありますとかの規定及び公営主義というようなことを規定しております。第二章の水道の施設はおおむねこれは現行水道條例と大体同様であります。第三章の水道の維持、管理及び監督は、これは先ほど來申し上げまするように本法改正の山でありまするが、そこでは上水の汚染防止及び浄化措置の規定、あるいは水道経営者が清掃義務を有するという規定、あるいは知事が水道数の配給調整をすることができる。また上水は必要によりましてクロール法により、消毒をしなければならない。重要なのは水質検査の規定でありまして、これもまた新しい規定でありまするが、週一回以上水質の檢査をやつて、一定の規格にあわないものはそれらの送水を停止するというようなこともできる。そうしてそれらの水質検査の報告を的確に提出しなければならぬというような規定もあるわけであります。なお水道技術者の選任及び水道工事、給水工事をやる者という者は單なる土木技術者ではなくて、衞生工学的知識を持つ特殊技能者でなければならない。そういうようなものを可及的に入れて行くことができるような規定をいたしている次第であります。あるいは不健康者の作業禁止の規定もこの章にあるわけであります。第四章は上水の保護でありまして、水道源水の質及び量を確保するためには、一定の地域を水源保護区域として指定することができる。そしてその水源保護区域内におきまする禁止規定でありますとか、制限行為の規定というようなこと、あるいは水道水が他に優先して確保できまするような規定もこの章にいたしておるのであります。次の第六章の水道審議会は改正法律案に新たに起した章でありまして、水道審議会を設置いたしましてその水道運営の民主的な活動と適切なる維持管理、その他の水道事業の円滑なる発展ができまするように、新たに水道審議会を置くという規定、その審議会の組織その他の規定を包括いたしております。第七章は雑則でありまして、そのおもなるものは國庫補助あるいは水道台帳、あるいは國のす異動に関する規定等でありますが、これは現行法におきましても、水道の國庫補助はやつておるのでありますが、しかし法的根拠がございませんので、この改正法の中に水道には補助することができると明らかに規定いたしまして、これは國のレベルにおいても当然こういうふうな義務を担うものであるということを規定いたしたい次第であります。第八章罰則以下附則が五條、そういう内容でございまして、すみやかに案を整えまして提出いたしたい、かように考えておる次第であります。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 何か御質疑はありませぬか。——では次に一四を水の庶務課長より御説明願います。

水野六郎厚生事務官

○水野説明員 國立身体障害者更生指導所設置法案の趣旨につきましては、先ほど政務次官が御説明になつた通りでありまして、この法案は数條に過ぎないきわめて簡單なものであります。その内容のおもなものを申し上げますれば、身体障害者に対しまする相談事業を同所の機能として行う。それが一点。それから身体障害者をこの指導所に入所せしめまして、その管理のもとに生活指導及び作業訓練を行うということを規定いたしておるのであります。それからもう一つ、職業補導の面でございますが、この関係につきましては労働省の所管になつておりまするので、労働省の方と十分隔意ない協議を遂げました結果、その技能をこの指導所の中に織り込みまして、労働大臣の委託を受けて職業補導を行い得るということにいたしまして、職業補導、医療、生活指導、作業訓練の面、これを総合立体的に行うようにいたしたいと考えておる次第でございます。きわめて簡單な法律でございますので右の通り御了承を願いたいのであります。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 そういたしますると、最後の厚生省設置法案は内閣委員会に出るはずでありますが、一應本委員会で詳しく御説明できればしてもらつたらどうかと思います。

安田巌厚生事務官

○安田説明員 厚生省設置法は御承知だと思いますけれども、厚生省を設置いたします基本の法律案でありますが、御承知のように國家行政組織法に基きまして各省がそれぞれの自分のところの設置法を國会へ出すわけであります。今までは厚生省官制というのがございまして、その官制が新憲法施行後も暫定的に現在生きておるわけであります。規定されます内容は機構でありますとか、人員でありますとか、そういうようなことが規定されるわけでありますが、今内閣でいろいろ審議されておりますところの各省の機構の問題、どういうふうにするかというような問題がきまりますと、具体的な案ができ上る。書きますことはもう型がございまして、きまつていることであります。簡單でございますが、御了承を願います。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 何か御質疑はございますか。

堤ツルヨ日本社会党

○堤委員 一つ遡りますが、國立身体障害者更生指導所設置法案、これは現在の國立病院の中だとか、そういうところにあわせておやりになるのでございますか。それとも各都道府縣にどういうふうに御分布になつて、どのくらいの予算の御予定を持つていらつしやるか、ちよつとお聞かせ願いたいのであります。

水野六郎厚生事務官

○水野説明員 これは現在予算といたしましては一箇所の予算でございます。將來これを拡充いたしたいと思つておりますが、現在では遺憾ながら一箇所ということになつております。また候補地は決定いたしておりませんが、候補地といたしましては神奈川縣の相模原を一應予定いたしておるのでございます。都道府縣に置くということはございません。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 お諮りいたします。実は本日、政府委員の説明と突発事件に対しての御質問があると存じまして、午前午後引続いてやる予定であつたのでありますが、当十二号室は一時から商工委員会が使うことになつております。つきましては委員の方々から通告もありますので、明日午前十時から委員会を開催いたしまして、本日はこの程度で散会いたしたいと存じます。なお皆様方から政府委員の御指定がありましたならばその人たちをここに呼んでおく都合がありますから、御希望がありましたならばお申出を願いたいと思います。

床次徳二民主党(第九控室)

○床次委員 私は明日都合がよければ、人口対策について厚生省の御意見をいろいろ承りたいと思います。

田代文久日本共産党

○田代委員 大体この法案はいつごろまで審議されて、いつごろ上程の運びに計画されておりますか。

安田巌厚生事務官

○安田説明員 大体政府の方針としては今月いつぱいに開議にかけるようになります。今のところ厚生省の方としては、今御説明申し上げましたものが若干残るのではないかと案じております。その他に関係方面の了承を得ましたり、あるいは関係各省と予算問題、権限の問題などで重視しております場合はその方も片づけて行きたい。そういう状況であります。

堀川恭平民主党(第十控室)

○堀川委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十二分散会

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