建設委員会 第30号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/10/19
会議録
○淺利委員長 これより会議を開きます。 派遣委員の調査報告に関する件を議題といたします。去る九月二日議長の承認を得まして、委員を派遣いたしたのであります。まずもつてキティ台風による災害の実情調査に関する派遣委員の報告を求めます。内海安吉君。
○内海委員 九州全体にわたる災害の実地踏査の結果といたしまして、僚友三名よりそれぞれ意見なり報告なりが出るわけでありましたけれども、いろいろ事情がありまして、本日出席がないものでありますから、とりあえず私から全般にわたる御報告を申し上げ、かつ最後において大蔵省並びに安本及び建設省の各当局に対して御所見を承りたいと思うのであります。 去る八月二十七日衆議院規則第五十五條により、衆議院議長の承認を得まして、ジュデイス台風による災害の実情調査のため、宇田、前田両委員とともに派遣され、さらに地元において三池、瀬戸山の両委員がこれに参加いたしました。一行は九月七日より十日間にわたりまして福岡、佐賀、熊本、宮崎、鹿兒島の諸県を詳細調査いたして参りました。 今回の調査において特に重点といたしましたのは、ジュデイス台風による被害状況及びこれに対する復旧計画、政府の災害復旧に対する資金的応急措置の地方における授受の実情、筑豊炭田における戰時強行採炭に伴う地盤変動、すなわち鉱害が今次災害と関連して、いかに被害を増加したか等であります。 派遣委員一行は、九月八日朝門司市に到着、福岡県関係者より所管事項につき説明を聽取した後、八幡市、直方市、飯塚市付近の鉱害による地盤変動に伴う台風による災害の惨状、宇美町、岩戸村附近等の災害状況を調査いたしました。第二日目は、佐賀県内城原川、嘉瀬川による災害、特に川上村の災害の惨状、小城町附近の災害、芦刈村附近の海水による被害状況。第三日目は、長崎県内大村市及び有明海沿岸、湯江町、境川の災害の状況。第四日目は、熊本県下各地の災害状況を聽取し、第五日目は、二班に分れ、一班は、人吉盆地、球磨川流域及び川内川上流の災害を詳細調査し、他の一班は、宮崎県下都城盆地、大淀川上流、本支川直轄改修計画と、災害による一市九箇町村の被害の惨状。第六日目は、大淀川下流、一ツ瀬川上流及び妻町、三納村等附近の状況、また一ツ瀬川の災害及び新規計画。第七日目は、大分県の災害一般状況を聽取。第八日目は山国川の災害と直轄改修計画を聽取し、さらに福岡県内筑上郡真如寺川、城井川等諸川のデラ台風による災害復旧工事促進情況を見て参りました。第九日目は京都郡の災害復旧情況、八幡市附近鉱害復旧対策及び汚濁水問題等を調査いたしました。なお日程の関係上、鹿兒島県下の災害情況は特に瀬戸山委員及び西畑專門員を派遣いたしまして大淀川水系の財部、末吉、岩川町、恒吉村等霧島山麓の災害、山地崩壞、川内川上流の災害として大口町附近の災害等を二日間にわたり詳細調査いたして参りました。以下調査いたしました現地の実情について申し上げます。 御承知の通り、九州地方には今年度重なる豪雨と台風が来襲いたしたのであります。すなわち六月十八日より三日に至るデラ台風、六月二十八日より三十日に至る豪雨、七月四日より六日に至るフェイ台風、七月十九日より二十二日に至る豪雨及び八月十五日より十七日に至るジュデイス台風でありまして、この第五番目に九州に来襲した台風は、中心示度九六〇ミリバールをもつて宮崎県都井岬附近に上陸し、九州南部を横断し、熊本を経て天草島、長崎市南方を通り、対島海峽に拔けたのでありますが、これまでの台風と異なり、速度緩慢にして、かつ北方高気圧に進路をさえぎられ、対島海峽附近に約三十六時間まつたく停滯するに至つたのであります。ために連続降雨量は平均二〇〇ミリより六〇〇ミリ、佐賀県山地では六五〇ミリ余に及ぶ大豪雨をもたらすに至つたので、これによる被害は佐賀県を筆頭として宮崎、鹿兒島、福岡の諸県に甚大なるものがあつたのであります。古老の言によれば、本台風による降雨は六十年来のものであるともいわれているありさまで、その降雨及び被害の情況については大体御想像がつくことと存じます。 次に各県の災害について申上げます。まず福岡県についてでありますが、本県はさきにデラ台風によつて県東部、すなわち、筑上京都両郡が最も甚大なる被害を受けたのでありますが、ジュデイス台風によつては県西部粕屋、筑紫両郡の被害が甚大であつたのであります。その土木被害額は、県の中間報告によれば十一億余万円となつており、罹災者十九万人に及んでおります。被害の最も甚大であつた宇美川は、上流山地の崩壞により岩石、大木等が流下し、沿岸耕地、道路、橋梁、家屋等多数破壞流失し、農作物は收穫皆無に近く、土木復旧工事費予想は大分村七千万円、宇美町一億二千万円、岩戸村四千万円であつて、宇美町について検討すれば、町営工事八千百余万円の計算となります。かかる巨額の復旧費は一町の担税力をもつてしてはいかんともすることができぬ現状であり、緊急工事すら着手しかねる現状で、これらについて、かねて申請中の町村河川の県営河川への繰上げ編入、あるいは地方起債の増額等格別なる配慮を希望する切々なる陳情を受けた次第であります。 次に筑紫郡安徳村、岩戸村、大宰府町等においては、山地における支派川が全面的に氾濫崩壞し、土木工作物の損害甚大であつて、耕地の流失埋設等非常に多くなつております。地元としては、山間の耕地といへども部落耕地面積中重い比率を持つており、経済効果の点より補助工事の対象にならぬような場合においては、町村の財政力をもつてしてはとうていまかない切れない悲惨なる実情等るる陳情がありました。 また本県はわが国最大の炭鉱地帶でありますが、北海道の炭鉱が炭山といわれるに反し、九州の炭鉱は炭田と呼ばれるごとく、田畑あるいは人家密集地帶が採掘されており、さらに戰時中並びに戰後の強行採炭が今日に至り、筑豊炭田全域にわたつて地盤の沈下となり、田畑の湖沼化、堤防の破壞、橋梁の破損あるいは道路の沈下、飲料水の不足あるいは、汚濁化等諸現象が誘発するに至つたのでありますが、今次豪雨により河水は堤防の破損箇所を決壞し、一面に氾濫し、県当局もあらゆる努力を拂つて復旧に努力しているが、いまだ各所に広大なる湖沼化せる災害地を見受けたのであります。今般配炭公団の廃止に伴ひ、プール資金の消滅に伴ひ、これがかわり財源につきすみやかに政府はこれを決定する必要があります。 なお鉱害の一環としてゆゆしき問題は、北九州の水道問題であります。戰前はその水質きわめて良好であつたのが、開戰以来山元における洗炭実施により水源地附近の水は汚濁するに至り、飲料水の淨化作業はきわめて困難となりつつある現状にかんがみ、これが対策について積極的に起債等の面において援助されたき旨陳情を受けた次第であります。 次にデラ台風によつて甚大なる損害を受けた築上、京都郡、すなわち県東部の災害復旧の状況でありますが、まず第一県当局の適切なる応急処置と、被害町村民の復旧に対する熱意と献身的努力は、各災害復旧工事場において看取せられました。 また行橋、椎田間の国道三号線中の未改修区間は巾員も狹少であると同時に辻垣橋は腐朽し、その落橋の日を拱手して待つの観がありました。地元はこの全線の改修について強い要望がありました。さらに県当局よりは、炭鉱被害による地盤沈下に対する適切なる措置、中小河川改修の促進及び有明海を主とする海岸堤防の予算的措置を講ずるよう要望がありました。 次に佐賀県について申し上げます。本県はジュデイス台風で最も甚大なる被害をこうむつたのであります。すなわち本台風の特異性として、さきに述べたように、九州を通過した後、対島海峽附近に停滯したため、十六日より十七日朝まで台風による暴風雨があり、さらに十八日は豪雨が降り続き、加えて福岡県と境をなす背振山系にさえぎられ、その南面、すなわち佐賀平野、神崎、佐賀小城各郡及び有明海沿岸に多量な降雨量があつたのであります。佐賀市においては日雨量三百ミリ、時雨量四十ミリに及び、この被害額は十七億円となつており、損傷家屋二万余戸、罹災者数十万人に及んでおり、全耕地面積の三分の二に相当する四万町歩が被害を受け、流失、埋設二千町歩、冠水三万八千町歩に及んだありさまであります。特に被害が多かつた地域としては、城原川、嘉瀬川沿岸及び有明海沿岸でありましてその中でも特にひどかつたのは川上村及び江北、芦刈両村であります。嘉瀬川においては、永源山地の崩壞による土砂の流出が多量であつたため、河床は六キロにわたり二メートル余も上昇し、平水時においても従来の警戒水位を突破しているありさまで、この滯積土砂約八十万立方メートルの取除きが重大なる問題であり、また本川にある日発の発電所五箇所中四箇所は発電不能の状況であり、かつ福岡市及び唐津市に通ずる県道も寸断されているありさまであります。また本川沿岸は、堤防の決壞によつて川上村のごときは流失五百七十町歩、冠水六百町歩に及び、全村耕地ほとんど全部が收穫皆無であり、また芦刈水路の埋没によつて、佐賀干野芦刈村耕地に対する用水供給は絶望の状態で、これが早急なる復旧を地元民は熱望しております。また川上村においては、青年の中に前途への希望を失い、離村する者が多数出るに至つており、これら青年の離村防止及び民生安定のためにも、失業対策事業として災害の復旧工事の大々的実施を熱望いたしておりますとともに、耕地復旧に対する国庫補助の復活、上流砂防の徹底を要望いたしております。 次に各河川共通の問題でありますが、河川の数箇所に築造されている用水堰、井堰が堤防決壞の直接原因となつた事実にかんがみ、これらについては技術的に再検討し、一部の撤去、改造、土砂はきの設置等が愼重に考慮さるべきであると思います。 次に被害の最も激甚でありました有明海沿岸の芦刈村は、全村徹底的に壞滅され、水禍は折柄の高潮のため長時間にわたり滯水し、屋根をも没すほどで、住家のわら屋根にはほとんど脱出穴があいているような惨状で、連合軍の好意による空中投下された救命艇、食糧等により人命の救助が行なわれたありさまで、濁水が引いたあとは、数千町歩に及ぶ水稲を始め、農作物の赤くただれた姿と異臭が鼻をつく状況で、その惨状は目をおおうものがありました。この芦刈村及び隣りの江北村等は、有明海の干拓によつてでき耕地であつて、平均一町歩程度の專業農家よりなり、干拓地の特有事情からして薪炭林や採草地もなく、燃料もわらを使い、また副業としてわら加工を行なつて、かろうじて生計を維持している実情であり、さらに今回の災害により保有米を失い副業の原料であるわらをも失い、全村まつたく失業の状況で、地元では、地方起債、特別配付税の緊急許可、減税あるいは失業対策事業として海岸堤防修築工事を起工し、地元民に現金收入の道を講ぜられるよう要望いたしております。本県は土木構造物は比較的僅少でありますが、農業県としてその被害は甚大であり、すみやかに復旧するあらゆる予算的措置とともに、根本策の実行を強力に推進すること、さらに有明海の特有性よりして、海岸堤防の補強等を熱望いたしております。 次に長崎県についてでありますが、本県の被害中心は大村、諌早市附近でありまして、河川について見れば、千綿川、江の口川、郡川、境川筋でありますが、本県の地勢の関係上、海岸までの流路延長短かく、従つて被害も比較的軽微でありました。大村市においては郡川を中心として約一億三千万円の被害を受けたのでありますが、市は財政的に極度に窮迫しているため、これが復旧費に苦しんでおります。また同市は、人口六万人中約二万五千人の引揚者を擁し、約一億円の市予算中、三千七百万円を生活保護法に基く援護費に支出している状況で、同市においては、特にこれらの生活困窮者を対象とする失業対策事業を計画してほしい旨の要望がありました。県当局よりは、地方起債の増額、地方配付税の増加、特別配付税による災害町村への援助等の要望がありました。 次に熊本県について申し上げます。本県は宮崎県ともに、台風過地となつた霧島山麓の県南地方、すなわち人吉盆地、球磨川流域が最も被害が甚大であり、県の土木被害額の八割を占めている状況で、人吉土木出張所管内ですら四億余万円に上つているありさまであります。日本の三大急流の一つである球磨川におきましては、万江川、山田川各支川とともに復旧工事の早急なる実施を要望しております。特に木上村附近においては、災害復旧工事を実施するよりも、根本的直轄改修工事を強力に実施する要望がありました。また下流八代市附近前川堰の施工の実施もあわせ陳情いたしておりました。 次に宮崎県について申し上げます。本県はデラ台風に始まる数次の強烈なる台風の上陸地となつたため、非常に甚大なる被害をこうむつたのであります。特にジュデイス台風は上陸後時速七キロ程度の低速度で進行したため、稀有の暴風雨となり、宮崎市にて日雨量三百ミリ、霧島山麓にて三百二十ミリに及び、県中部、南部の被害は先の台風の傷いまだいえざるところへの、大出水のため被害きわめて甚大にして、特に大淀川水系(都城盆地)、一ツ瀬川水系は護岸、堤防の決壞続出し、耕地の流失埋没一千五百町歩余に及んでいる状況であります。都城を中心とする一市九箇町村の大淀川上流及び支派川は、ほとんど未改修で川幅狹く、しかも屈曲多きため洪水時の、破堤、降水、加えて都城盆地より宮崎平野に出る狹窄部に災いされ、数千町歩が冠水し、農年物の枯死、腐朽あるいは減收等がはなはだしいありさまであります。この都城盆地は、米作において宮崎のウクライナとも称すべき穀倉地帶でありながら例年のごとく出水を見ている状況で、大淀川はまつたく原始河川の様相を呈し、さらにこれに入る支派川もほとんど改修ができておらず、周囲の山林は近年の過伐濫伐のため及び本地方特有のしらすの影響により崩壞はなはだしく、土砂の流出が河床の上昇等を来している実情であります。過去においては今年のごとき大降雨はなかつたにしても、例年出水によつて被害を受けていた。地方民がこれまではただ天災とあきらめ、これを看過していましたが、今年の災害により、これがみずからの力で克服しなければならぬとの、強烈なる熱意を示すに至つたことは同慶にたえないところであり、地元民の大淀川上流の早急、積極的改修に対する要望は、現地に照し当然なことであり、これがすみやかなる実施を期待するものであります。 またこの都城盆地より宮崎平野に出る狹窄部に大淀川第一発電所、第二発電所等がありますが、第一発電所の取水堰堤の背面水の影響が、都城盆地の排水をはばんで水害の一因をなしているため、堰堤の一部の改造を自発において行つたのでありますが、いまだ不徹底であるので、この際根本対策として第二発電所の下流に高さ約八十メートルのコンクリート堰堤を構築し、洪水の影響を除くとともに、約十万キロワットの発電を行わんとする計画が研究されており、県当局及び地元民はこれが完成を熱望しております。目下地方建設局の手によつて堰堤地点の地質調査が進められております。 一ツ瀬川水系、浦の名川、本庄川、綾南川、深年川、三財川等の被害もその未改修に起因するもので、特に上流町村民は一ツ瀬川下流の改修工事に十数年間工事費を負担しておりながら、上流の改修に着手していないことを不満とし、上流の改修促進を希望しておりました。特に三納村助役は、これが促進につき熱心に具体策を表明いたしておりました、これらの支川の改修もさることながら、上流の砂防はぜひ実施する必要があると存じます。 道路関係について申せば都城旧陸軍飛行場の排水が非常に悪く、あわせて本地方がしらす地方であるため、わずかの降雨でも侵蝕がはなはだしく、同丘陵の県道は約一万五千立方メートルの大崩壞があり、これが復旧は非常に困難をきわめております。かかる被害は各所にあり、鹿兒島県とともに戦時中の防空壕等が十分修復していないため、崩壞侵蝕を多くしている実情で、これが修復をすみやかに実施すべきであります、さらに一ツ瀬川にかかる国道木橋は、数年来出水の都度災害を受け、約三十キロ余も迂回連絡せなければならぬ実情で、これが対策として永久橋をやや上流部に架設せんとする計画があり、県及び地元はこれが実現を渇望しております。県当局としては、例年のごとく台風通過地となるため災害が絶えず、貧困なる県財政をもそしては、今後の災害復旧には耐え得られない実情にあり、二十三年災害については二億六千万円の超過工事がなされ、二十四年度災害復旧には、本年度九億四千万円を必要とするのに、応急措置として現在四億二千万円が支出されたのみで、なお五億二千万円の不足がある状態で、これが補助をすみやかに実施することと同時に、地方起債のわくの増額を要望いたしております。 次に鹿兒島県について申し上げます。本県は御承知の通り、宮崎県とともにデラ台風以来甚大なる被害を受けたのでありますが、全県が火山灰土壤であり、加えてしらすと称する粘液力に乏しい特有地質でありますため、土壤の侵蝕、崩壞等の危險を非常にはらんでおるのであります。ジュデイス台風によります土木関係被害額は約十八億円で、今年度災害被害額累計はさらに四十億円にも達しておるのであります。霧島山麓においては、四日間の連続降雨量一千十三ミリをはかり、ために姶良郡牧園町にあります霧島館は、相接する崖上の道路の崩壞により倒壞埋没、死者三十三名、負傷者十七名を出すに至り、また崩壞によります土砂、岩石、立木等約一万メートルは、前面硫黄谷川を埋めるに至つたのであります。また姶良郡粟野橋附近では川内川上流改修地区が決壞し、さらに上流栗野日窒発電所の土砂を破壞し、用水堰が砂に埋まり取水不可能となつたようなありさまで、これが復旧につきましては地元民は会社側と交渉中であります。またしらす地帶特有の崩壞は、箇所を一々あげるにはあまりにも多いほど、本県はこの特有のしらすによる被害が非常に多いのであります。一例をあげれば末吉町中野谷の崩壞は、深さ四十メートル幅五十メートル長さ二百メートルにも及ぶものでありまして、下流の土木工作物あるいは耕地を、完全に埋没あるいは破壞し去つているのであります。また崩壞が一度あつて表土がはげてしまうと、わずかな降雨によつても侵蝕されるありさまで、ここでは崩壞地点より百メートル上流にある用水路が危險の状態にあるのであります。また河川の合流点においては、小川の方はその両岸を出水時ごとに侵食されているので、そのまま放置するならばますます侵蝕されることとなり、これが侵蝕防止策を根本的に明示してほしい旨の要望がありました。このしらす対策に関してはすみやかなる根本策を樹立すべきものと痛感いたした次第であります。 県当局としては台風の通過地に当る本地方に対して、災害復旧の迅速なる完了のためあらゆる努力をしているが、さらに地方起債の増額及びしらす対策の徹底的取上げ、同予算的措置を講じてほしい旨の要望がありました。 以上はジュデイス台風による災害各地の実情であり、かつまた地方民のいつわらざる声であります。これをもつて一応の御報告を終ります。
○淺利委員長 次に、ただいまの報告につきまして、何か当局の方から御意見があればお話願います。
○鈴木説明員 今回内海先生を初めとし宇田、前田両委員が、九州地方のジュデイス台風による災害の実情をつぶさに視察されましたことは、まことに感謝にたえないところであります。ただいまその御報告を拜聽いたしましたのでありますが、その御所見に対しまして、概括的当局の見解を申し上げたいと存じます。 御承知の通り、わが国の国土は荒れるにまかせ、災害も累増する傾向にありますので、その根本的対策を早急に樹立いたさねばならぬのであります。建設省といたしましては、治水十箇年計画等を立て、着々その方針の推進に努力いたしておるのでありますが、その完成には若干の日子を要するのでありましてその間多小の災害は免がれ得ぬものであると存じ、当面は災害箇所の、復旧工事を的確に実施し、災害の拡大を防除し、それに並行して治山治水の対策をますます拡充強化し、根本対策を確立したいと存じております。すでにその方針に基き予算の要求をもいたして参つた次第であります。その具体的なものとして、今後大災害箇所の復旧については、全額国庫負担とし、地方財政の援助と、復旧の確実なる推進を期したいと考えております。国費と地方費の負担区分については、目下細部にわたりまして、事務当局で関係各省と協議中でありましていまだその結論に達したと申すわけには参りません。また預金部資金の災害復旧に対する短期融資が、地方に渡るまでに多くの日数を要していることについては、大蔵当局に対しても再三申入れをしているのでありますが、私の方といたしましても、一層これが短縮につきまして、関係当局と折衝いたして行きたいと思つております。失業対策事業と災害復旧事業との併用実施については、建設省としては大いに努力しているところであり、皆様の御協力を一層お願いしたいと存じます。細部につきましては、関係者よりお答えいたさせたいと存じます。
○淺利委員長 次に、議員の報告に対しての御賛同なり、あるいはまたこれに関連して政府当局に対する御質問があるならばこの際許します。
○内海委員 ただいま鈴木政務次官より懇切なる御説明がありまして大体おおよその見当はついたのでありますが、私ども十日間にわたつて、九州全域にわたる踏査をいたしました結果、どうしても急速に施行しなければならない、また政府においてもすみやかに計画を立てて、かくかくするのであろうというところの明確なる御答弁を得なければならぬ二、三の点があるのであります。どうぞ政府当局より責任ある御答弁を得たいと思います。 災害予算でありますが、ただいま鈴木政務次官よりお話がありましたるごとく、まつたく地方財政の現状の窮乏は最極度に達しておるようなありさまなのでありまして、災害復旧に対する国庫補助を増額してもらいたいというのは、各県ほとんど異口同音の声であります。私が先般の委員会において、池田大蔵大臣に対し御質問申上げましたところ、災害復旧に関するあらゆる経費は、すべて明二十五年度より国庫において負担するという言明をされたのであります。しかしながら今日のいわゆる九州及びその他における、ただ数度にわたる台風にさえも、実に六百億というがごとき厖大なる被害を見ておるような状態でありましてこれは建設省あるいは大蔵当局が言明しておるがごとく、ことごとく国庫においてこれを負担するということは、なかなか容易ならぬことであります。それでこの困難なる事情はよくわかつております。それにつきまして、全額国庫負担の方針を堅持することが、まことに困難であるというならば、これを災害の度合によつて、国費と地方費の負担との別にわけるとするならば、その限界線の引き方をいかにするか、全額国庫負担ができないということであるならば、どこからどこまで地方費をもつてやる、どこからどこまでを国費をもつて支弁するという限界を、この際承つておきたい。この問題については、地方においても非常に関心を持つている次第なのであります。これは建設省御当局でもよろしいし、安本の御当局でもよろしいが。この方針をこの機会に御明示していただきたいと思います。
○目黒説明員 災害復旧費は、御承知の通り年々累増して参りまして、この対策に対してわれわれは日夜苦心しておりますが、今災害国庫全額負担という問題が起きているのでありまして、今の地方財政の非常な窮乏等を思いますと、当然そういうことも考えなくてはならぬのでありますが、さてこれをいかにしてやるべきかということになると、相当問題があるのであります。従つて現在の過程におきましては、ただいま次官が述べられました通りに、未決定と申し上げなければならぬのでありますが、事務当局としてはいろいろ復案をもつて折衝して参つているのであります。われわれの考え方として、線の引き方をいかにすべきかということは、被害の額によつて線を引く方法もありましようし、あるいは地方の負担力によつて線を引く方法もありましよう。いずれにしてもある程度地方がこれに対して分担をするという形は残るべきだとわれわれは考えておるのであります。その地方が分担すべき額を、なるべく地方財政に及ぼさないという線をどこに持つて行くかということが、現在論議されているのであります。従つて線の引き方がまだいずれとも確定しておりませんが、目下寄り寄り関係当局が協議中であると申し上げなければならぬのであります。もしかりに国の財政が許すならば、災害が起きた全額を、單年度あるいは二年度程度で、出し得る財政力を持つならば、こういう前提のもとにおいていろいろの案が立つのでありますが、その前提が崩れますとすべての案がうまく行かないのでありましてこういう財政方面からもにらみ合せて、なかなかこの問題は愼重に考慮しなければならぬ問題だと考えておるのであります。ただいまのところはまだ未決定であると申し上げておきます。
○内海委員 ただいま目黒局長からお述べになりましたが、この問題は各地方とも大なる関心を持つておるのでありまするから、一日もすみやかに御決定されんことを希望いたします。 第二の問題としては、今回の台風にあたりまして、政府は緊急措置として、大蔵省預金部資金の短期融資の措置を講ぜられました点に対しては、罹災地至るところみな感謝の念をもつて迎えておられるような次第なのであります。ところが融資額が決定した後に、実際に県に配付になるまでに、その期間が一箇月を要する、かつ最も緊急を要する時期に、きわめて煩雑なる手続を経なければならない実情なのであります。すなわち政府が各県の財政状態あるいは被害の状態などを勘案して融資額を決定する、地方自治庁の手を通じて府県に令達する、県はこれに基いて先に申請書に対する地方財務局の副申書を添えて出して来る。ところが地方財務局に提出すると、地方財務局は一応係官を七日なり十日間にわたつて現地調査にやる、そうしてわく内融資を決定する、これによつて日本銀行より初めて県の金庫に入手するまでは、その融資の通知を受けてから一箇月ないし四十日も要するというような現状なのであります。かくのごとき現状をもつてしては、緊急措置を講じようとしても、とうていこれをやることができないというような現状なのであります。ところがその工事の実際においては一刻も等閑にすることができない、しかるにこれを煩瑣なるそういつたような手続によつて、眼前決壞したる堤防をみすみす三十日も四十日もかかつて、査定調査に名をかりて、そうして融資ができないというような現状は、まつたく緊急措置そのものはよろしいけれども、その結果においては、まことに不徹底きわまる状態になつておるのであります。この点に対しまして、銀行とは言いませんが、実は大蔵当局なりあるいは安本当局なりから承りたいのでありまするけれども、直接関係しておられる建設当局からでもよろしいのでありますが、御答弁が得られますならばお願いしたいと思います。
○鈴木説明員 ただいまの融資の遅れる問題でございますが、そういう声は各方面にございまして、特に先般も九州方面から、そういうふうな御質問が参つたのであります。先ほどもちよつと申し上げましたように、大蔵当局に対しまして、再三当局といたしましては申し入れまして、そしてこれを一層短縮したいと考えております。御了承を願います。
○高橋説明員 大蔵省の預金部資金課長でございます。ただいま御指摘になりました、緊急融資の金額のわくを決定した後において、その実際の融資までの間に相当の時間を費しているという御非難でございましたが、実はこのわくの決定そのものにあたりまして本年度の災害に対する公共事業費の国庫負担分が、予算の上にはつきり予定されておらなかつたというような事情がございます。従いましてこれは安本の方から説明するのが適当と思いますけれども、またしていただけると思いますが、本年度の融資のわくを決定するまでには急速には参らない事情もあります。つまりすでに大体予定しておりましたところの他の公共事業費を一応押えまして、それを差繰りまして、本年度の災害に対する国庫負担分を生み出すというような手続が必要であつたわけであります。預金部としましては、それらの国庫補助金に対する見返りの融資と、なおこれに伴う地方債の前貸しというようなかつこうで短期融資をするのでありますが、その補助金そのものが急速にきまらない事情もあつたわけで、災害に対する国費負担を本年度の分について予定しておらないということは、まことに遺憾なこととは思いますが、実情がさような状態でありましたので、現地におきましては、堤防がすでに決壞して三十日にもなるのに気が気でないというような事情もございましたが、これには早くからその金そのものは出るという話はありましても、およそどの程度であるというような一応の目途がついておりましても、実際に確実にわくを測定するには至らなかつた、急速には参らなかつたという事情もございます。また地方にそのわくが参りましてから、なお地方の財務部が一週間なり何なり実際の調査もする。これは要らないことではないかという御非難もございましようが、大蔵省といたしましても、とにかく、公の金を短期融資する際に、いかなる方面にそれが使われるかということについて、何らの知識を持たないということも、実際問題といたしましては不都合であるということにもなるわけでありまして、とにかく一応どういう程度のものであるかという認識を持つことが望ましいのであります。しかし実際に金が即日必要であれば、そういう手続も一応あとまわしにして、なおかつやらなければならないという必要もあるでしよう。そこで場合によりまして、そのような手続はかえつて災いとなり、非難の種になるということも考えられる。いつもそういうふうにしておるわけではございませんが、地方の財務部によりまして、特に愼重を期したためにさようなことがあつたのかと思います。この点につきましては、われわれの方でそういう非難を承りましたので、十分注意をいたしまして、ともかくもし調査をする必要があると認めるならば、急速に調査をする。そして金そのものが直ぐに要るならば、要るだけ早く出すということを嚴重に注意を與えておきました。ただ一般の例で参りますれば、工事にかかるということが大体確定いたしますならば、金そのものは工事にかかるその日に必ずいるというわけではございませんので、多少そこには――金融上地方でいろいろいわれるほど金のために工事が進まなかつたと言うことは、多少正確を欠いている場合もございます。しかしいずれにいたしましても、急を要する短期融資につきましては、その性質上から、できるだけ急速に御用立てしたい。さように十分今後とも努力して参りたいと思います。
○伊藤説明員 今内海先生から御指摘になりました緊急融資の期間でございますが、実は私も本多国務大臣の視察団に加わりまして、地方をまわりました際に、地方からそういう要望を受けまして、その際調べましたところ、今の手続きで順調に行つたとしても約五十二日間かかる。そういう計算が出ました。そのうち安定本部の認承に要する期間が四日間、それからそれを準備する各省の所要時間が四日間、そのほか日本銀行の機構内においてそれぞれの手続きに要する期間が約五日間、合せて約二週間、そういうような計算になります。あとはそのほか金が郵送される期間とか、あるいは地方財務部のいろいろな手続きで時間がかかる。こう考えております。私どもの方といたしましても、この認承事務をほとんど全面的に廃止する、そういうことにきまりまして、来年度からは今までの五十二日間のうち八日間は縮小されると思います。ただ地方をまわりました結果を見まして、大蔵省の財務部のおやりになつている方法が、多少他省の所管とだぶつておる。そういう点は認めましたので、この点は帰京早々いろいろ折衝しておる次第でございます。大体そんなようなところでございます。
○内海委員 どうもただいま大蔵省と安本の御答弁に多少食い違いがあるようであります。とにかく五十二日もかかつて天災によつて今ただちに通さなければならないといつた金融機関自体の緊急措置を講ずるための措置であるのに、手続上の問題で五十二日かかる。それを安本において認承事務を省略して八日間短縮ができるということになつても、なお四十四日間を経なければ完全に府県の手に行かないというようなことで、一体緊急という言葉の解釈をどう見ているのか。その点を疑いたいくらいのものであります。一日もすみやかにこういつたような煩瑣な手続を省略して、名実ともに緊急措置を講ずるということに出てもらいたい。これが今日の政治であり、政治の生きた行き方であると私は思うのであります。この点安本並びに大蔵当局、建設当局において十分と強調されてそうして即日何とか間に合せるといつた方面に進めてもらいたいと思うのであります。 次に失業対策の一環としての災害復旧事業、あるいは防災事業の計画を実施すべき点でありますが、先ほどわれわれが九州視察の実況報告にも申し述べました通り、佐賀県川上村、あるいは芦刈、江北両村のごとく、今年の農業收穫は皆無である。そして部落民の大部分はどこかへ移住しなければならぬといつたような悲惨な現状、あるいは大村市のごとく、引揚者、生活困窮者等の救済のために何千万という金を出さなければ、そういうものを救うことができないという現状をよく見られて、国庫補助、災害復旧あるいは防災工事など、失業対策の面よりも、積極的に取上げて、即事実施すべきではないか、当局はかかる実情である所に対して、何とか各市町村において安心して、その市政なりあるいは町政なり村政なりを指導し、あるいは協力を求めて行くような、明るい気持を起させるために、この機会においてこういつたような所に対して、何らかの形をもつて、この指示をするという考えがないかどうか、これらは安本の所管であると思うのでありますが、安本においてはどういう考えを持つておられるか、この点について承りたい。
○伊藤説明員 一般に災害を受けまして、農耕地がほとんど荒廃に帰した場合、そこの農民はほとんど收入を失う現状なのでございます。これに対して、もし災害復旧費を早急に支出することができますれば、その復旧工事即農民の救済事業になると考えるのであります。それ以外にうまい適当な農民を救う方法も、なかなか見当らないのでございますから、われわれといたしましては、災害の復旧費の早期支出、そういうことに努力して、その問題は解決いたしたいと考えております。
○内海委員 やはりこれも観察に関連してでありますが、福岡県を主とする北九州地方の炭田地帶における、戰時強行採炭による地盤変動、すなわち鉱害に対して、前に御報告申し上げましたるごとく、配炭公団の廃止によつてプール資金の消滅後の処置は、鉱害地域が密集地帶である関係上、放置することは社会上きわめてゆゆしき問題であつて、いろいろな問題を惹起することが予期せられるのであります。これが復旧費については、早急に決定すべきものであると思うのでありまするが、このことに関して安本当局及び建設省としては、いかなる考えをもつて、北九州における炭田の鉱害の処置に対して考えておられるか、この点について承りたい。
○目黒説明員 鉱害は御承知の通り、戰時中の濫掘によりまして、地盤が沈下したのでありますが、これに対して国は、特別のはからいで現在鉱害復旧に補助を行つて参つたのであります。従来鉱害復旧費というものは、損害を與えた鉱業権者が当然負担をして参つたのでありますが、戰時中の特殊な関係で、これができなくなりましたことと、もう一つは、鉱業権者が現在存在しないというものの災害が残つておるというようなことで、これに対しては国家が助成すべしという意見のもとに、補助を行つて参つたのであります。そういう特殊な関係に相なつておるのでありまして、もしこれが常道に復しますれば、当然鉱業権者が負担をして行くべき性質のものとわれわれ考えておるのであります。しかしながら、現在その戰時中の特殊條件がまだ残つております鉱害というのが十五億程度あります。これに対しては、やはり今後とも補助を続けて行かなくちやならぬという意見があるのでありまして、われわれとしては、現在通り、将来ともその点だけは続けて参りたいと考えております。ところが三分の二の国庫補助に対しまして、三分の一の地方負担がありまするが、この地方負担を県と地元の鉱業権者との折半負担に相なつておるのであります。そして折半負担の六分の一に相当する額を、今までは石炭公団のありまする場合には、炭の値段にかけましてこれをプールして参つたのでありまするが、石炭公団の廃止とともに、このプール資金がなくなつたのでありまして、地方負担の三分の一をいかにすべきかということが現在問題になりつつあるのであります。資源庁の生産局の方におきましては、これに対してはいろいろ案を練つておりまするが、大体においては元の石炭公団がやつておりました時代のプール資金を何かの形で生かして行きたいという意向を持つております。われわれとしてもそういうふうにやつてもらいたいと考えておりまするが、ただ問題になりまするのは、資源庁の考えておりまする鉱害と、われわれの考えておりまする公共施設の鉱害との間に多少の食い違いがあるのでありまして、これを今後調整して参りたいと考えております。いずれにいたしましても過去の残つておりまする十五億という鉱害復旧は、今後も国庫の助成を受けて行かなければならぬ。われわれはその方に努力しなければならぬと考えておる次第であります。
○伊藤説明員 今日黒河川局長が御説明いたしましたような方法をとらんとしておりますが、もう少し詳細に御説明いたしますと、鉱害が今どれだけ残つているか、約九十三億残つております。その内訳は河川局長の言われましたように、土木関係で十五億、その他農業とか水道がございまして、それを合せますと、公共事業に該当する事業の鉱害が約五十六億あります。そのほか家が傾いたりそれから学校が傾いたり、あるいは鉄道こういうのが三十七億ありまして合せて約九十三億あります。これに対しまして今関係各事務局で案を立てましたその案は、今回特別鉱害復旧臨時措置法案という法律をつくりまして、戰時の鉱害はまだ五年くらい続くだろう。こういう見込みのもとに約五年間をこの法案の設置期間と考えまして、それでこの鉱害復旧をやろう、こういう考えであります。その大体の方針は、今までと同じように国が三分の二の適当な補助を出しまして、そして地元の公共団体は、公共施設に関する限り、約一割の費用を出す。その他鉱業権者、こういうことになつておりますが、鉱業権者もいろいろ資源庁と折衝中でありますが、今大体まとまつたところは、日本全国の鉱業権者に平均して、つまり九州地区のように特別の地域に限らない方が適当じやないか、こういうように今意見がまとまりつつあります。この場合一番問題になりますのは、鉱業権者からいかにして分担金を徴收するかこういう問題なのでございますが、今までは配炭公団がありまして、ここでプール資金を運用して適当にやつておりましたが、これが九月十四日ですがなくなりまして従いましてこの方法についていろいろ問題がありますが、今は一種の税、本当の税でない税のような運用によりましてこれを徴收する。もし滯納があつたならばこの税法に準じまして相当強制的に徴收し得る、鉱業権者からそういうような負担金を出させる考えであります。
○内海委員 ぜひともただいま河川局長並びに安本当局の御答弁の通り、河川局においてはプール資金の形をもつて救済したい、安本においては特別鉱害復旧臨時措置法というような法律をつくつて九州における鉱害を救つてやる、こういうことでありますが、私ども満足いたします。 次に河川改修を重点的に促進するための質問であります。大淀川上流の改修については、すでに建設当局において重大視されておることと考えるのであります。これが実施計画のすみやかなる公表、及び着工をなすまでの遅れていた改修をとりもどす、都城盆地の保護をなすべきでありますが、この際狹窄部の発電堰堤に対する処置に対して通産省と日発と協議して、地元民に被害を及ぼさないようにするとともに、これにさらに根本計画を調査推進すべきであるということは地元の人々の要望でありましたが、これまで地元民が日発と協力し、自主的に解決せんとした態度は敬服に値するとともに、さらに一層県当局並びに地建とも連絡し、円満妥結を求めるよう努力されんことを特に希望しておるのであります。 佐賀県城原川、嘉瀬川などの河床の上昇に対する処置は相当の費用を要するとは思いますが、きわめて危険な実情にあるのでありますから、すみやかに掘鑿計画を樹立すべきであります。この問題につきましては建設省もすでに詳細調査し、これが対策を立てられておるとすれば、地方民心の安定のために、この機会においてこの御方針を明示されることが必要であると思うのであります。この点に対して河川局長の御意見を承りたい。
○目黒説明員 大淀川の日発の堰堤のために上流が影響があるというようなことと、今度の非常の災害にあいまして、ことに上流地方の河川改修を促進すべしということは、われわれはすでに大淀川の上流地方の河川改修の必要を感じまして、昨年からこの調査にかかつておるのであります。さらに大淀川に他の堰堤地等を設ける、発電を兼ねた堰堤の適当な地がないかということは、先ほど話した通り、地質調査まで始まつておるのであります、そこで大淀川は今度の災害にかんがみまして、相当積極的にこれが改修を推進しなくちやならぬのは当然でありまするが、今度の災害の実情にかんがみまして、大淀川の根本策をいかにすべきかということの再検討を要する時期に相なつたのであります。それでわれわれとしては、現在の形において現在の日発の堰堤をいかに操作すればある程度災害を防げるかというような問題、あるいは上流地方の地質の不良による埋設土砂流出の問題等につきまして、これをいかにすべきかということを検討しておるのであります。従つて、われわれはその決定をすみやかにやりまして、この根本策を立て、地方民の安心するような、積極的な河川改修をやつて行くということを考えておる次第でありまして、幸いにして来年度の予算に相当多額の予算の獲得ができるといたしますれば、この策も実施して行けるものと、われわれ考えておるのであります。嘉瀬川の問題は長年嘉瀬川の洪水防禦の問題が論議されて参りまして、同時に一方農林省におきましては、嘉瀬川下流の平野の灌漑の問題も起つておるのであります。それで農林省が嘉瀬川の上流に堰堤をつくりまして農業用水補給を考えておるのでありますが、そこで上流につくります堰堤が、農業用水のみにこれを使うことがはたしていいことであるかどうか、場合によりますと、これによつて洪水防禦をすべきものではないかということにつきましては、最近になりまして、これが論議されたのであります。と言いますのは、最近の災害の激甚な被害にかんがみまして、設計をかえて、ある程度洪水を防禦すべきでないかという意見が起つたので、従つてただいまはわれわれの方から現地に調査班を特に派遣いたしまして、目下調査中であります。近く東京に帰つて来ることになつておりますから、調査班の意見を聞きまして、これが対策を考え、根本的な治水対策を考えてみたいと思つております。城原川は筑後川の支川であり、今回の被害も相当甚大でございます。災害復旧費だけでもある程度の改良ができるとわれわれ考えておりまするが、もしこの災害復旧費だけで改良的な仕事ができません場合には、他の予算をつぎ込んでも、ある程度の改修をやらなければならぬ、こう考えております。
○淺利委員長 それでは時間ですから、午後続行することにいたしたいと思います。午後は関東、北陸の報告と、それから林野庁長官の治山計画についての計画を聽取して、それに対して皆さんの御意見を述べていただきたいと思います。なお報告に関連した以外のことも、時間がありますればいろいろ審議いたしたいと思いますから、午後も十分皆さん御勉強してお集まり願いたいと思います。
○田中(角)委員 会を終る前に地方総合開発小委員会の小委員長として、一応の小委員会の方針並びに運営につきまして、報告をかね御了解を得たいと思います。去る九月十五日本建設委員会において、地方総合開発小委員会を設置せられまして十月十三日小委員会を開催、建設省の監理局企画課長の出席を求め、地方開発に関し事情を聽取したのでありますが、この件につきましては通産省、建設省、経済安定本部、農林省、その他の各省にそれぞれ分割されておりまする部分が非常に多いのであります。しかも現在までの地方総合開発に関しましては、県別に各個ばらばらの計画を立てておる状態であります。地方開発に関しまして、小委員会としての根本態度を決するためには、関係各省並びに斯界の権威者を参考人といたしまして出席を求め、意見を聽取せんとしたのであります。方針といたしましては、未利用資源の活用調査、河水統制、河水利用並びに以上の件に密接な関係があります電源開発問題に関し、議事を進めたいと思つておるのであります。なお本小委員会といたしましては、小委員会が休会中に設けられたものでありますので、来る二十五日召集の第六国会までに一応の結論を得なければならないわけであります、従つて明二十、二十一、二十二の三日間小委員会を開催いたしたいと思い、去る十二日、小委員会委員諸君の御賛成を得たのであります。なお以上によりまして政府委員並びに参考人の氏名を申し上げます。 第一日、十月二十日は、建設省河川局長または利水課長、経済安定本部建設局開発課長、農林省農林建設部長、資源調査会の事務局長安藝皎一さん、東北興業株式会社社長浜田幸雄さん、東京建設局長石川榮耀さん。 第二日、十月二十一日、資源庁長官並びに地方局長、日本発送電株式会社総裁大西英一さん、群馬県副知事山崎丹照さん、それから福島県土木部長井関正雄さん、元ダイヤモンド社社長石山賢吉さん。 第三日、十月二十二日、新潟県土木部長五十嵐眞作さん。野口研究所研究員山田勝則さん。日本産業再建技術協会理事高橋三郎さん。元大同電力技師長石井顛一郎さん。日本興農株式会社社長荻原俊一さんというメンバーによりまして、小委員会の議事を進めて参りたいと思うのであります。 以上であります。一応御報告を兼ね御了解を得たいと思います。
○淺利委員長 ただいま田中地方総合開発小委員長からの申出がありまして、本委員会において了承することの御希望がありました。これは各種の方面の権威者の意見を聞くのでありまして当委員会の各委員においても、相当御意見があると思うのでありますが、小委員会において招集と申しますか、これらの方々を招請されて議事を進められるのでありますが、この計画を本委員会として了承するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 御異議がなければさように決します。 なお当日は委員会以外の方々も御都合がよろしければ傍聽せられるように希望いたします。
○宇田委員 実は来るべき国会は、予算案に対していろいろ仄聞するところによると、安本と建設省といいますか、特に私の申し上げんとするところは、最近における治水事業の貧困性より生ずる災害が全国的に多い。これは皆さん御承知のことと思う。それでわれわれといたしましては、今度の予算では従来のあやまちをなからしめるために、この予算を大巾に計上してもらわなければならぬという段階に至つておるのですが、安本と建設省の方の意見が一致しておるのに、大蔵省と意見が合わないということを聞くのですが、きようは不幸にして出席者が少いから、きようはいけないというなら、今度皆さんが集つた上での委員会で申し上げればいいのです。実はきよう午後でも大蔵大臣かあるいは次官、どなたでもいいから、この予算に関連のある方に出てもらつて、つぶさに予算の問題についてお開きしたかつたのですが、委員長が機会を與えていただけばいつでもよろしいのですが、すみやかに委員会を特別に開いて懇談いたしたい。こういうことで午前中に特に申し上げたのであります。
○淺利委員長 本日は主計局長を呼んでおりましたけれども、何かの都合で見えられないのでありますが、交渉してみます。
○田中(角)委員 さつきちよつと落したのでありますが、地方開発に対して重大なる御意見を聽取したいという小委員会の建前から考えまして、大体通例といたしましては、小委員会には速記をつけないということになつておるのでありますが、非常に御多端のところ、遠くから各界の人々にお集りをいただいて貴重なる意見を聽取するということにかんがみまして、でき得るならば両三日間速記をつけていただくように委員長に特に希望を申し上げます。
○淺利委員長 その問題は小委員長から直接交渉していただいて、なおそれでいけないときは私の方からまた正式に交渉いたします。 それでは午前の会議はこの程度にいたしまして、午後一時半から開会します。 午後零時三十三分休憩 ――――◇――――― 午後二時十一分開議
○淺利委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 去る九月十九日、議長の承認を得て委員派遣を行いましたキティ台風による災害の実情調査に関する派遣委員の報告を求めます。まず第一班より願います。増田連也君。
○増田(連)委員 去る九月十九日、衆議院議長の承認を受けまして、松井豊吉君、池田峯雄君並びに不省増田は、今野調査員及び建設省関係技官を同行いたしまして、キティ台風による災害の実情調査のため、九月二十六日より十月五日まで、十日間にわたつて群馬、栃木、福島、茨城の四県を調査して参りましたので、ここにその大要を御報告いたします。 御承知のごとく、キティ台風は八月三十一日夜半相模湾より上陸し、上越方面を経て日本海に拔け北上したのでありまして、台風圏内の諸地域は甚大なる災害をこうむり、今年の災害中、被害最も甚大なものがあつたのであります。 まず最初に調査いたしましたる四県の災害の概況を申し述べます。群馬県におきましては、台風が県中央部を通過し、日本海に抜けたのでありまして、山岳地方におきましては、昨年アイオン台風のときと同様、三百ないし四百ミリ程度の降雨を見たのであります。御承知のごとく、群馬縣はほとんどが山岳部でありまして、各河川上流部及び小河川の出水が激しく、随所に溢水、破堤を見、死者五十名、家屋の破壞千八百戸、田畑流失埋没約二百町歩、冠水二千五百町歩でありまして、土木関係復旧費は二十一億四千六百万円に達し、その他耕地、林業、農作物の被害を加えますと、総額は実に六十六億円余になるのであります。被害甚大なる河川は、片品川、渡良瀬川、利根川、沼尾川、烏川、吾妻川、碓氷川、鏑川、神流川及びこれらの支流川であります。さらにその後九月二十二日より二十三日夜半にわたつて豪雨があり、これら各河川は増水を見、さらに三百九十六箇所、三億円に及ぶ土木災害を受けております。 栃木県におきましても群馬県と同様、キティ台風が不連続線を伴わなかつたために、平地においては雨量が少かつたのでありますが、山地においては三百ないし四百ミリ程度の降雨を見、山地各渓流、箒川、鬼怒川、大谷川、渡良瀬川等に出水を見、死者十二名、家屋破壞二千六百戸、田畑流失埋没三百十一町歩、土木関係の被害、千六百箇所という災害を受けたのであります。その復旧費は、土木関係約十八億円に達しております。特に箒川は、乱流はなはだしいところへ、その水源地の各渓流がいずれも山腹の崩壞を起し、沢口は扇状地を形成して土石を本流に押し出したため、流路を変更し、さらに土石を伴つた激流が護岸、道路等の工作物を破壞し、莫大な被害を受けております。また鬼怒川、大谷川のごときも、きわめて河状が悪化しているところへ、その上流が年々の災害に荒廃の度を増し、今回の降雨とともに莫大な砂礫を流下し、氏家町附近を初め各所に甚大なる被害を與えております。 次に福島県におきましては、前二縣と同様、平地である福島市附近においては七十ミリ程度の雨量でありましたが、会津地方山地及び白河附近におきましては、二百五十ミリ程度の降雨があつたのであります。従いまして、被害は主として県南部の南会津、東白河、西白河地方に多く、死者十四名、耕地流失埋設二百八十六町歩、土木関係千二十二箇所の被害を受け、土木関係復旧費は、約十二億円に達しております。被害甚大なる河川は阿賀川水系、只見川水系、久慈川水系及び山地各渓流でありますが、これらはいずれも砂礫の流出著しく、乱流はなはだしき河川でありまして、各所に護岸堤防等工作物を破壞し、被害は甚大をきわめております。 最後に茨城県におきましては、台風の近接地及び山間地帶では、百ないし二百五十ミリの降雨を見たのでありますが、その他の地域は五十ないし百ミリで比較的少なかつたのであります。しかしながら利根、那珂、久慈、鬼怒、小貝等の主要河川は、その水源を栃木、群馬の山間地帶に発するもので、それら山地の雨量が三百ないし四百ミリに達したため、各河川は著しく増水し、なかんずく利根、鬼怒、小貝川の増水著しく、鬼怒川は遂に既往の最高水位を突破したのであります。このため県下各地は氾濫による道路の損壞、堤防、護岸の決壞を見、土木関係復旧費のみにても十億円以上に達しております。 以上が、群馬以下四県の災害概況でありますが、次に今回調査に当つての所感について、しごく簡單に申し上げます。 まづ第一に、災害の原因について述べたいと思います。近年山地の崩壞の現象が著しく、さらにこれが山林の乱伐、原野の開拓等により拍車をかけられ、加えて近年とみに強雨及び降雨量が増大したという自然の悪條件が重なり、山地よりは降雨とともに、おびただしい土石が加速度的に流出するのであります。しかるにこれを呑むべき河川は、その維持並びに復旧工事がこうやく張りでありまして、毎年毎年災害を来し、さらに條件の悪いところへ今回のキティ台風の襲来を見、かかる大災害を惹起したものと考えられるのであります。 第二に、災害復旧工事と根本治水計画との関連性につき述べますと、従来の堤防護岸等工作物は、大正の初期において施工されたものが多く、現在その維持の不完全、もしくは復旧工事のこうやく張りのため、まつたく傷んでおります。従いまして今回の災害により、災害箇所を完全に復旧いたしますれば、従来のものよりきわめて強固な堤防ができ上ることになり、従つて下流における流下流量が増加するのは必然であります。しかるに下流におきまして、はたしてその受入れ態勢ができているかと申しますと、そうではないのであります。その小さい一例といたしましても、前橋市大渡橋の災害のごとき、まつたく流量の増加に基因するものであります。従いまして、上流部の災害復旧工事の完璧のみを期しますなれば、下流の大洪水を見ることは必至であります七時に利根川は、先般治水調査会において、計画高水流量毎秒一万五千立方メートルのうち、三千立方メートルを上流部堰堤によつて調節することに決定したのでありますが、これら堰堤工事は未だ調査の段階にあり、その着工の時期も現在のところ見通しがつかないといつた状況にあるのであります、しかるに、一方、災害復旧工事は、着々工事を進める段取りができているのであります。従いまして、現状のまま、群馬、栃木の災害復旧をいたしまするならば、おそらく、毎秒一万七千立方メートルの計画高水流量を突破して、下流に大洪水を来すことになるのではないかと考えられるのであります。しかしながら、かかる理由で、両県の災害復旧工事をこうやく張りにいたしますれば、またまた災害を繰返すことは、火を見るより明らかであります。従いましてどうしても、災害復旧工事と、利根川根本治水計画とは、同調した線で進めねばならないと考えられるのであります。 第三は、砂防工事の必要性についてであります。今回の災害は、主として上流部に多く、おびただしい量の土石が流下しておりまして、なお降雨ごとに、ますます流出する傾向にあります。従いまして、復旧工事と並行して、砂防工事を実施いたさねば、またまた再度の被害をこうむること明らかである箇所が多いのであります。特に群馬県におきましては、各河川上流、並びにその支派川は、砂礫の流出が激化し、勢多郡八沢部落のごときは、崩落土石により、全滅という惨害を受けたのを初め、各河川の河床を上昇せしめ、各所に乱流を生じ、被害を増大しているのであります。渡良瀬川のごときは、桐生、足利間に年間十三万立方メートルの砂礫の堆積を見、渡良瀬遊水池も、数年ならずして、その効用を失うような状況にあります。この際、上流部に貯砂堰堤を設けて、砂礫の流出を防止するにあらざれば、永遠に水災を免れない状況にあるのであります。このことは、栃木、福島両県においても同様でありまして、この際、ぜひとも、復旧工事に並行して、砂防工事の促進をいたすべきであります。 第四といたしまして、河川調査の必要性について申し上げます。今回の災害箇所は、主として、急流部ないし山地に多いのでありますが、これら小河川についての調査はまだ不備であります。従いまして、その復旧工事の設計も、河相に必ずしも適合していないようなものが、あり得るのであります。災害復旧には、貴重なる国費を使用するのでありますから、むだのない使い方をいたさねばなりません。従いまして今後十分河状調査の上工事を進めるべきであると考えるのであります。 第五といたしまして、災害土木費国庫補助規定は、原形復旧を原則としておりますため、応急に復旧された堤防が、無計画に連なつて、河状きわめて險悪なる状況にある河川が多く、かえつて災害発生の原因をなすところ少くないのであります。年々の災害によつて、決壞と復旧を繰返しておる状況は、あたかも貴重なる国費を泥水に捨てるの感があり、特に渡良瀬川において、この感を深くしたのであります。復旧工事にあたつては、この原則に制約されることなく、再び災害を繰返すことのないよういたすべきであります。この点、大蔵省、会計検査院の災害復旧に対する考え方を相当是正させる必要があると考えるのであります。 第六は、河川の維持工事の必要性について申し上げます。戦時中より引続き今日に至るまで、河川の維持はまつたく忘却せられた観があります。しかしながら、僅少なる維持費をもつて、莫大なる災害を防止することができるのであります。福島県阿賀川左岸南村地先におきましては、堤防は寄州によつて保護されておつたのでありますが、近年、堤防前面に、きわめて細い流れが生成され、これが出水ごとに、徐々に堤防のり先を深堀し、危險な状態にあつたところ、今回の洪水により、この溝に沿い流水奔流し、百十メートルの破堤を見たのであります。これは当初において、簡單な維持工事を怠つた結果であります。かかる実例は、数多く見られ、現場第一線の技術者は、維持費ないし防災工事費の少いのに苦慮している状況であります。この際、河川維持費ないし防災工事費を大幅に増額し、災害防除の効果をあげるべきであります。 第七は、井堰の問題であります。今回の調査中、栃木県田川において、さらに福島県久慈川等において、井堰の脆弱が原因となつて、附近堤防が決壞している例が随所に見受けられたのであります。それは貧弱な井堰が数多くつくられていることに原因するものであります。井堰の計画に対しましては、県の土木部において、数々の嚴格な傑作をつけて、許可しているのでありますが、施工者が水利組合であり、資金の点で、その條件を満足させ得ない状況にあります。従いまして、今後は各所に脆弱な堰堤を数多く設置することを避け、まとめて、強固な井堰をつくるべきであり、当局においては、嚴重なる監督をいたすべきであると信ずるものであります。 第八に、水防法の実施の状況につき述べますと、各県におきまして、水防法施行により、水防の態勢が整い、水防活動は比較的遺憾なく遂行されている状況であります。特に茨城県におきましては、きわめて献身的な水防活動のため、利根川、小貝川等の被害を未然に防いでおります。ただ暴風雨のため、有線通信の連絡が不能であつたため、気象予報、水位予報が相当に妨げられた所が多かつたのであります。従いまして、無線電信も、有線による情報が集まらぬため、連絡不十分という状態であつたのであります。今後は、確実に連絡できるよう、現存無線通信機関の完備と、これが増設を痛感した次第であります。 最後に調査いたしました各河川は乱流はなはだしく、河状また險悪なる状況にありまして、これら河川に対しましては、従来通りのこうやく張り的施策をもつてしては、年々災害を繰返すのみでありまして、この際、水源地より、河口に至るまでの根本的な、一貫せる治山治水事業の断行をはかり、むしろ進んで、水資源の活用にまで進むことが、最善の道であり、これ以外に災害より国を救う道はないとの結論に到達した次第ございます。 以上簡單でありますが、調査報告といたします。 ただいま災害地の実情と所感につきまして、御報告いたしたのでありますが、その中にありました次の諸点につき、関係当局の御答弁をお願いしたいと思います。 まず建設省より第一に、災害復旧工事と根本治水計画、特に利根川水系についてお尋ねしたい。第二に砂防工事の必要性につき、第三に、小河川調査の必要性につき、第四に、災害防除工事の必要性につき御答弁願いたいと存じます。 次に農林省当局より井堰の問題につき、さらに大蔵省より災害土木費国庫補助規定の運用についてそれぞれ適当な御答弁をお願いしたいと思います。
○鈴木説明員 ただいま増田委員より群馬県、栃木、福島、茨城各県の災害の実情に関しまして、きわめて御熱心なる御報告がありましたが、詳細は関係局長より答弁いたさせることとしまして、私よりは建設省といたしまして概要についてお答えいたさせていただきたいと存じます。 利根川の問題につきましても、災害復旧工事は、根本的改修計画と同調した線で進めるべきであるとの御報告でありましたが、私も先般利根川を親しく見まして、その改修はいかに重大なるかを痛感しておりますので、まつたく増田委員のお説と同感であります。われわれはかねがねその主張をして参つたのでありますが、従来は予算僅少なため、応急工事にのみ主力を注いだ傾向がありましたが、幸い今後は予算の点も大分明るくなりそうなので、御説明の線に沿つて利根川の改修計画に沿つた復旧工事を進めて行きたいと考えます。 次に砂防の必要性を強調されておりますが、砂防方面も相当の予算が獲得できそうでありますから、今後は箒川並びに渡良瀬川初め各河川に対し、大いに力を入れて行きたいと存じております。 最後に根本的治山治水事業の断行以外、災害亡国よりわが国を救うの道はないとの御報告でございましたが、私どもといたしましても、この点まことに同感でありまして、従来のこうやく張り的施策はこの際一擲いたしまして、継続事業として一定の計画のもとに、一貫した治山治水事業を進めて参るべく、せつかく努力中でございますので、今後とも何かと御指導御協力をお願いする次第であります。
○目黒説明員 利根川の問題につきまして、災害復旧工事と根本治水計画との連関についてお話がありましたが、これはわれわれも日ごろから考えておることでありまして、すべて御同感であります。すべて根本治水計画の線にのつとつてやるべきであるというつもりでおるのでおります。そこで、ここでたいへん問題になりますのは、最近のように災害が山地で起ります場合には、その山地の地方の原始河川がよく氾濫いたしまするので、この原始河川を何とかして救わなければならぬという声が強くなるのであります、さればというて、下流に対する影響を考慮いたしますると、相当りつぱな改修をして下流に流下せしむることは、下流の河川に相当考慮を要する場合が想定せられるのであります。そこで上流の河川と下流の比較的改修されてある河川との結びつきはいかにするかということが、大問題であると思います。と申しまするのは、上流地方は上流地方で、今のように非常に狹い土地を保護せんがための熱心なる地方民の要望があるのでございますが、これを下流のために現状を維持しなければならぬということをしいることも、なかなか困難であるのであります。さればというて、これを根本的に改修をやりまして、下流に大量の水を流すということも考えものであるのであります。そういうことで上流地方の河川の改修の行き方は、下流に影響を及ぼさざる程度において改修を行わなければならぬということを原則にしなければならぬと考えております。そこでそういたしますると、場合によりますると、両岸堤防式か、溝式か、改修工事を行わずして、ある程度の遊水効果を持たしむるという改修工事の行き方をとつて行かなければならぬのじやないかということも寄り寄り考えておるのでありますが、何にいたしましても、この問題は非常に重大であります。地方個々に関係することで非常に重大でありまして、われわれ一存でこの方針をきめることが、非常に越権であるとわれわれは考えておるのでありまして、ある程度技術的にこれを検討いたしまして、適当なる機関にこれを諮り、今後の河川はかくあるべしということをきめていただきたい。こういうふうに考えて、実は寄り寄り草案を練つている次第であります。場合によりますと、ある地方はある時期までは現状でがまんしていただくというような場合も生ずるのでありまして、それは相当な政治力も必要とする場合があると思うのであります。 それから利根川に関しましては、群馬県側の災害復旧工事が進渉いたしまして、この流量は利根川に影響するだろう、こういうお話でありますが、もちろんこれは相当流れて参ります。ことに広瀬川というものは相当大きな堤防で改修しておりますから、当然その水は本流に殺到すると思うのでありますが、幸いにして群馬県の災害が起きましてから、小河川の災害復旧計画が立ちまして後、今の利根川の流量一万七千立方メーター計画というのが決定されておりますので、一万七千立方メーターの中には現在の群馬県の形をとり入れた計算になつておりますので、その点は今後決定の基本計画の線に影響するということは考えられないのでありまするが、こういう形をいつまでも続けるわけにも参らぬと思うのであります。その点は先ほど申し上げました通り、何か根本的な河川改修計画なるものを立てなければならぬとわれわれは考えるのであります。 次に砂防工事の必要性でありまするが、これももう当然われわれも認識しております。ことに本年度の災害は山間地に多い、この例から見ましても、どうしても山地を治めなければならぬ、山間はできるだけ砂防によつて土砂の流出をとめて、小河川は下流の関係もありまするから、ある程度は河川改修は後まわしにしても、砂防に力を入れなければならぬじやないか、こう考えておるのでありまして、幸いにしてこの点は来年度の予算の見通しも相当に明朗になつて参りましたから、今のお話の渡良瀬川の例の足尾の堰堤も近々着手をする準備を整えております、従つて渡良瀬川の下流におきまする今後の状態は、ある程度改善されるのではないかと考えております。 次に小河川の調査でありますが、これははつきり申し上げますと、この調査がまだ行き届いておらないのであります。一応十大河川の調査がまとまりまして、次かその次ぐらいの順位にある大河川の改修の調査に入りますが、小河川の改良の調査の方は、そう進んでおらないのが事実であります。しかしながら先ほどお話に出ました通りに、どうも災害は上流の方が多いし、小河川の改良に迫られておりますから、早急にこれの調査をいたしまして今の下流との連関性を十分に持たせるという行き方を当然とらなくちやならぬと考えております。ただここで問題になりますのは、小河川の調査をやる場合に、府県の技術者がまだまだ少いうらみがあるのであります。毎年四百億もの災害があり、それに忙殺されて、小河川の根本調査にまで立ち至る余裕がないのであります。そこでわれわれとしては、現在の府県の技術力をこういう調査方面に向ける余裕がある県はよいですが、余裕のない県に対しては、適当なる組織をつくらなければならぬじやないかと考えております。たとえば現在民間にいる技術者をある程度動員するというようなことを考えて、小河川の調査を始めるのが妥当ではないか、こういうふうに考えて、その組織なり計画なりを今相談中であります。何かの形でこれをやりたいと考えております。 それから水防の効果のお話でありますが、最も大切な水位の通報というようなことがありましたが、これも最も基本になりますので、来年はある程度この通信施設を拡充したいと考えておりますが、問題は有線でなく無線の問題であります。有線は災害時にはあまりよく働きません。故障が多いのでありましてこれは無線通信の施設を拡充したいと考えておりますが、その点は昨年からもいろいろ各方面と連絡をとつておりますが、無線ということになると、関係方面の了解を得なければならぬ。そういう関係でなかなか実施の運びに至りませんが、今年は何とかして無線通信施設を設置してみたいというつもりで努力するつもりでおります。 それから災害復旧費の方針でありますが、これが原形復旧にとらわれずに、再度災害を及ぼさないような恒久的な改良を施せというのもごもつともでありますが、これは予算折衝というか、予算獲得の行き方とにらみ合せなければならぬと思うのであります。われわれは災害復旧はできるだけ嚴正に必要なる災害復旧費にとどめて、これを一般治水費の方の増額の方に充てたいと考えておりますが、一般治水費の増額問題に対しては、理論は相当徹底しておりますが、この増額はなかなか困難な情勢にある。従つて、災害に復旧費の中で改良というようなことをやることになると、災害復旧費と一般根本治水費との連関において非常に混乱を生ずるおそれがあるのでありまして、これは予算技術でありますが、そういう点でなかなか思う通りにはならぬ状態であります。われわれは願わくば災害復旧費の増額もさることながら、それよりも一般治水費の増額を極力進めていただいて、その方で根本的な治水策を講ずるという線に持つて行きたいと考えておるのであります。 次に、これはあとの御質問でありませんが、さきのお話の中に、河川の維持費の重要性というお話がありましたが、これはもうわれわれは口をすつぱくして騒いでおるのであります。ところがこの河川維持費というのは、大体原則としては府県がこれをやるべき形にたつておるのであります。ところが府県財政が非常に貧困でありますのでなかなか河川の維持費を出さぬということで、災害が起きたら直そうというような現在の形になつておるのであります。国家的に考えても非常に不経済きわまることであります。しかしながら今までは府県に対して河川維持費に補助することがはたしてよいのかどうかということに、事務的な議論が相当伏在しておつたのでありまして、これをわれわれとしては、維持費に相当補助をしてもよいという主張をいたしましても、なかなか大蔵事務当局は通らぬというような形になつておつたのでありますが、あるいは今後治山治水費の大幅の増加というようなことに相なりますと、これもある程度見てもらえるんじやないかという見通しを持つておるのであります。
○川名説明員 井堰の問題について申し上げます。井堰の問題は、特に重要なものについては県営事業をもつてやらしておりますが、大多数が組合の補助事業でありますために、今お話のようなこともあつたかと思います。これもできるだけ数を少くまとめて、堅固なものをつくれというお話でありますが、これはまことにごもつともでございまして、この問題は土地改良事業の方の範囲にも入るかと思いますが、従来もそういう点について、でき得る限り統合するように慫慂して参つたのでありますが、水利権の問題とか、いろいろのことはなかなか思うように進んで参りませんでした。しかしながらこれは非常に大事なことでありますので、今後もこの点十分注意して指導いたしたいと考えております。
○淺利委員長 ほかに派遣委員に対する御質問はありませんか。――それでは引続き第二班の報告をお願いいたします。
○天野(久)委員 昭和二十四年九月十九日、衆議院規則第五十五條により、衆議院議長の承認を得まして、キティ台風による災害の実状調査のため、内藤隆君、並びに不肖天野が現地に派遣され、專門員室より井上調査主事、及び建設省より齋藤事務官が同行いたしまして九月二十七日より十日間にわたり、山梨、長野、新潟、富山の諸県を詳細に調査いたして参りましたので、ここにその概要を各県別に御報告申し上げます。 まず山梨県より申し上げます。本県はデラ台風により四千五百万円、キティ台風により二億三千万円、さらに九月二十二、二十三日の豪雨により一億円、計三億八千万円の土木被害をこうむつております。本県の災害は、金額の上では、他府県に比べまして僅少なのでありますが、県自体の面積の小なる山梨県におきましては、その被害比重は他府県のそれに比し決して劣つているとは考えられないのであります。山梨県における災害河川は、笹子川を含む桂川水系と、白川、笛吹川を含む富士川水系とに大別できるのでありますが、いずれもその水源は急峻な山岳に囲まれ、しかもそれらの山地はおおむね山梨県特有の御坂層、小仏層のごとき特殊の風化地質でありますため、各河川とも土砂の堆積はなはだしく、年々災害をこうむつておるのであります。すなわち笹子川におきましては、二十二年度災害以来の被害額は、河川砂防を含め七千二百万円、笛吹川においては今年度災害に約二千万円を初め九千五百万円に達しております。さらに富士川につきましては、支派川よりの土砂流による乱流はなはだしく、今年度災害一千二百万円、二十二年度災害よりの被害累計一億三千万円に達しております。本川におきましては、笛吹川合流点より大柳川合流点に至る間は河床隆起し、また河巾狹少にして洪水の流下を阻み、ために沿岸二千四百町歩は濕潤地帶となつている状況であります。よつて山梨縣におきましては、富士川筋総合開発の一環として、狹窄部の開鑿を計画中でありますが、これが調査費として、とりあえず三百万円程度の国庫補助を要望いたしているのであります。 次に富士川本川筋に架設中の富士橋、浅原橋について申し上げます。これら両橋とも二二年度、二三年度と相次ぐ災害により流失いたしたのでありまして、これが復旧に対する建設省査定額は、富士橋三千三百万用、浅原橋三千六百万円でありまして、両橋ともすでに下部工事を完成いたし、上部鈑桁も現場に到着いたしておるのでありますが、残工事費、富士橋約一千万円、浅原橋約二千万円に対する国庫補助未決定のため、工事は遅々として進まず、地元におきましては、これが工事促進に関しるる陳情があつたのであります。 次に府縣道勝沼、大月線について申し上げます。本路線は昭和二十二、二十三両年にわたり災害をこうむつたのでありますが、いまだ二十二年災害、二十三年災害合計約二千万円の未着工部分を残しているのであります。本路線は旧八号国道でありまして、本道路の完成改修により甲府・東京間は、現在の八号国道に比し距離において二十キロ、時間にして約二時間を短縮し得るのであります、しかるに縣財政貧弱なるため、單独県費のみをもつてしてはとうていこれが達成は困難な状態でありまして、ぜひとも二十四年度中において工事を完了いたすべく、補正予算の配付に際し十分なる御配慮を賜わりたき旨陳情がありました。 次に長野県につきましては、本県はキティ台風及び九月二十三日の豪雨により、再度にわたつて災害をこうむつたのであります。今次キティ台風は長野地内においても、広汎な地域にわたる未曾有の豪雨、出水をもたらし、千曲川流域を主として南北佐久郡における風速は三〇・一メートル、降雨量は軽井沢において三四八ミリ、特に南佐久郡内山村においては五一七ミリの多量に達し、軽井沢測候所における既往の最大降雨量二二〇ミリをはるかに上まわり、また長野県全域のおおむね三分の一に及ぶ地籍は、二〇〇ミリ以上の降雨量を示しております。これがため土木施設被害二十四億円を初め、林野農耕地等、県の中間報告による被害累計は約四十一億円の巨額に達しております。今回のキティ台風は上越信国境線を中心に通過いたしましたるため、これら山地を水源とする湯川、志賀川、滑津川等、北佐久、南佐久両郡下における千曲川東支川の氾濫による災害は最も甚大でありまして土木関係被害額のみにても北佐久郡において五億三千万円余、南佐久郡において八億円余に及び、全県下土木関係被害額の約六割に達する災害をこおむつております。これら両郡における災害の特徴といたしまする点は、いわゆる大河川の氾濫による災害と異なり、山林の濫伐による影響が大河川のそれに比しましてより大きく現われますところの派川、あるいは渓流程度の小川の氾濫による災害が各地に頻発いたした点でありまして、各々の災害個所における被害の僅少なるにかかわらず、これを全体的に集計いたしますと、その被害額は意外に大きいのであります。 次に女鳥羽川並に本川の氾濫による松本市の被害状況について申し上げます。今次キティ台風に伴う豪雨は武石、三方山各峠を中心といたしまして、北方山嶺一帶におきましても一二九ミリの降雨量を示しましたるため、これら山地を水源とする女鳥羽川におきましては一・七メートルの増水を示し、本川に架せられたる橋梁はことごとく流失いたし、堤防護岸等の工作物は決壞寸断されまして、本川における土木関係の被害は、箇所数にして約三十箇所に及び、その復旧費は約四千万円と見積られておるのであります。また松本旧練兵場横における本川堤防の決壞により、松本市街は約五十万坪にわたつて浸水をこうむり、浸水家屋五千戸、農耕地の流失冠水三十五町歩に及ぶ災害をこうむつたのであります。本川は土砂の堆積はなはだしく、また松本市内田川合流点附近において河道が狹隘となつたため、昭和二十年における水害以来再三にわたつて災害をこうむつているのでありまして、地元におきましては、本川改修に関しこれが促進を要望いたしているのであります。 次に九月二十三日の豪雨による災害状況について申し上げます。本豪雨によりまして本県は長野市をはじめ、南北信四市七郡にわたり、土木関係被害七億三千万円を筆頭に耕地、山林、農産物等の被害を加えますと、実に約二十億円の巨額に及ぶ災害をこうむつたのでありますが、なかんずく犀川水系の増水著しく、長野市、上水内郡下に流れる裾花川は、上流上水内郡鬼無里村において雨量二七〇ミリに及びましたるため、長野市附近においては四・五メートルの増水を来し、長野市地籍三箇所における堤防の決壞により、長野市南部の中御所、荒木、母袋等の各町一帶が裾花川の本流とかわりましたるため流失家屋二十九戸。浸水家屋千五百三十戸、田畑の被害四百三十町歩、道路橋梁堤防の決壞九十三箇所に及び、被害総額二億五千万円に達する災害をこうむつたのでありますが、われわれが現地に参りました九月三十日現在におきましても、中御所町地元における止水工事未完成のため、河水はいまだに当市南部一帶を流下しつつある状況でありまして、被害はなお増加するものと思われるのであります。 次いで上水内郡下の災害について申し上げますと、本郡は地勢きわめて複雑でありまして、あたかも長野県の縮図のごとき感があるのであります。従いまして、災害も部分的には年々発生いたしており、本年もデラ、キティと相次ぐ災害をこうむつたのでありますが、特に今回の豪雨による被害は甚大をきわめまして、災害救助法を適用されたもの四箇村に及び、浸水家屋一千七百戸、罹災者八千七百名に達し、堤防の決壞、道路、橋梁の破損流失等、今夏以来の災害総額は七億一千万円余に達しておるのであります。しかしてこれら相次ぐ災害の郡民に與えた物心両面の負担はきわめて大なるものがあり、これが負担の軽減に特別の御配意を願いたき旨、るる陳情があつたのであります。 次に名新線国道編入と同じく、地元において強い要望のありますところの清水、直江津間中部日本横断道路について申し上げます。本道路は静岡県清水港より興津に出て、甲府、長野両市を経まして、新潟県直江津に達する延延三百キロに及ぶ幹線道路でありまして、このうちに長野県下における百二十キロを始め、全線にわたり二百二十一キロはすでに改良済みであります。しかして、各県下における未改良延長は静岡県二十五キロ、山梨県二十七キロ三、長野県三十キロ、新潟県二十八キロでありまして、これらの未改良延長百十キロに要する改良費は、長野県下における九千万円を初めとし、約四億五千万円と推定されるのであります。現下政府当局において、幹線道路網計画を策定いたしつつありますときに、地元各県におきましては、これと同一歩調をもつて本道路改良工事の促進をはからんといたしておるのでありまするが、本改良工事の促進並びに本道路の国道編入に関し、何分の御配慮を賜りたいとの熱心なる陳情があつたのであります。 次に新潟県について申し上げます。本県におきましては、台風が上越国境を通過、柏崎を経て日本海を北々東に進行いたしましたるため、信濃川上流流域、中魚沼郡及び南魚沼郡における被害が最甚であり、阿賀野川流域、蒲原三郡における被害がこれに次いでおります。県下全般の土木関係の被害といたしましては、河川九億三千万円、道路一億四千万円を初め、海洋、砂防等の被害総計約十三億円でありまして、台風の通路に当りましたにもかかわらず、台風通過速度が早かつたため、被害は割合に少かつたのであります。 今回のキティ台風に伴う豪雨の信濃川流域における総雨量は三百四十ミリに達しておりますが、この豪雨による清津川、中津川、魚野川の急速なる増水により、信農川本川の出水を見るにいたり、長岡量水標では警戒水位二十メートル五〇を超え、最高二十二メートル四四を示しております。今回の洪水は昨年のアイオン台風の時に比し幾分水位は低かつたのではありますが、前記三支川の出水に続く千曲川のいわゆる連続出水によりまして、量的には昨年をはるかに凌駕いたしておるのであります。従いまして浸水による流域の被害の僅少なるに比しまして、河道自体の損傷はなはだしく、目下工事中の中魚沼郡十日町地先の築堤竣工部分約二百メートルの決壞、水制の流失を始め、下流部護岸水制及び堤防根固めの決壞等、これが復旧費は建設省直轄改修区域内のみにても九千八百万円、さらに全水系にわたる県工事、市町村工事を合せますと二億一千万円に及ぶものと推定されるのであります。なお出水が長時間にわたりましたことは、寄州を発達せしめ、河道を狹窄いたしまして、著しい乱流が認められる現況であります。 次に阿賀野川につきましては、本河川、中蒲原郡川東村馬下地先以下、海にいたる三十五キロの間において大正四年より昭和八年にいたる間において行われた改修工事は、單に洪水防禦を目的とした、高水工事に主眼がおかれ、低水工事はほとんど放置されたままの状態でありまして、加うるに戰時中の維持管理の不足は寄州の発達を促し、ために今回のごとき、中位洪水における流心変動に上る低水路の乱流はなはだしく、京瀬村嘉瀬島地先における護岸水制九十メートルの流失を初め、腐朽した水制工、護岸根固め工は破壞流失し、堤脚護岸はほとんど全川にわたつて危険な状況であります。しかして本川改修区域内における災害復旧査定額は約三千四百万円であり、そのうち現在まで本年度に復旧工事費として約四百万円が認められておるのでありますが、本川流域に当る蒲原三郡約四百六十平方キロにわたる沃野は本県最大の穀倉地帶でもあり、来春融雪出水期までには、少くとも満願寺、横越、嘉瀬島の護岸水制を復旧せしむべく、早急なる予算措置を要望いたしておるのであります。 次に富山県について申し上げます。現在までに判明せるキティ台風による本県下における土木関係の被害総額は十一億八千万円であります。本県下におきましては、婦負郡南部地帶における災害が最も甚大であつたのでありますが、特に本郡卯花村におきましては、村内を貫流する久婦須川、別壯川及茗原川の同時氾濫により、道路、橋梁、農作物等、被害総額約八千万円に達する災害をこうむつております。このうち土木関係被害の復旧のみにても約三千万円を要するものと思はれ、窮迫せる村財政をもつてしては、とうていこれが復旧はできがたく、特別の配慮を賜りたき旨、るる陳情があつたのであります。また同郡野積村におきましては、山腹崩壞と、村内を貫流する野積川の土砂流を伴う出水により、現在までに判明せる被害のみにても堤防流失二十五箇所、被害延長約二キロ余にわたり、さらにがけ崩れによる道路決壞十八個所に及びましたるため、村内の交通はまつたく杜絶の状態を余儀なくされ、未だに被害の正確なる調査もでき得ざる状態であります。特に本村は木炭の産地として有名でありますが、村内道路交通の杜絶により、約三万俵の木炭が同村南部の山地に搬出不可能のまま出荷が停止されている状況でありまして、何よりもまづ道路の復旧に対し格段の援助をいただきたいとの、熱心なる陳情があつたのであります。次に常願寺川本宮堰堤の災害状況について申し上げます。この堰堤は新川郡大山村本宮地先に築造せられた高さ二十二メートル、水通路八十五メートルの粗石コンクリートつくりによる砂防堰堤でありまして、昭和十一年竣工以来、現在に至るまで約四百五十万方立メートルの土砂を貯溜いたし、本川治水上、甚大なる効果を発揮いたしておつたのであります。しかるに今回のキティ台風による出水のため、本堰堤下流河床が極端に洗掘低下いたしまして、遂に、第二副堰堤が倒壞いたし、さらに第一副堰堤も倒壞寸前の危険な状態に陷つておるのであります。よつてこれが復旧対策といたしましては、倒壞せし第二副堰堤の復旧をいたしますと同時に、第一副堰堤につきましても、将来、再び第二副堰堤に故障を生ずる場合に備えまして、在来のコンクリートかたまりに接続いたしまして、延長十メートル、厚さ一・五メートルの水たたきを設けることにより、大堰堤の安全を期せんといたしております。しかしてこれに要する工費約四千万円は、すでに第三、第四・四半期予算の繰上げ流用を承認され、来春融雪出水期までにはこれを完成せしむべく、すでに段取り工事に着手いたしております。 次に井田川改修計画についてでありますが、本川は中流部より神通川、本川との合流点に至る間は河道狹窄し、さらに上流部よりの土砂流下による中州の発達は、本川の河積をして著しく狹少ならしめておるのでありまして、年年降雨量に比し、その出水位は上昇の一途をたどつている状況であります。従いまして、本川流域にある町村におきましては、中州の除去により狹窄部の河積の増大を計る一方、狹窄部上流の婦負郡宮川村地先より排水路を設け、神通川、井田川合流点をサイフォンで通じまして、同郡八幡村地先より神通川本川に排水いたすべく改修計画を立案中でありますが、これに要する工費は約八億円と見積られ、かかる巨費はとうてい地元の負担いたしかねるところでありまして、国庫の援助を鶴首いたしておるのであります。 次に県道石動、羽咋線について申し上げます。本道路は本県石動町を起点として子撫村、宮島村を経て、石川県河合谷村を通じ、津幡、七尾港線を貫き、羽咋町を終点とする県道であります。本道路中、石川県内における部分は、すでにほぼ改修も完成いたしておるのでありますが、冨山県下十キロ余にわたる本道路の荒廃はなはだしく、そのうち約二キロの間は車馬の交通にも困難を来しておる状況であります。ために現在羽咋石動間の交通は石川県津幡市を経由して行われておるのでありますが、これを自動車による所要時間で比べてみまするに、津幡経由石動、羽咋線の所要時間三時間に対し、石動、羽咋線における改修後の所要時間は一時間二十分に半減されるのでありまして、現下最も不便を感じつつある本県新湊、氷見、石川県高松、羽咋港との水産物の交流もほぼ解消されるのであります。これに要する改修費は二千万円でありますが、本道路の改修実現方に関し、るる陳情があつたのであります。 以上が各県の災害概況でありますが、次に今回の調査に際しての所見を簡單に申し上げます。 今般山梨、長野、新潟、富山の各県を視察いたしたのでありますが、長野県を初め、流域面積の小なる河川の氾濫による災害の頻発いたしましたことは注目すべきことであります。これが原因といたしましては、これら小河川に対する維持管理が十分でなかつたことにあることはもちろんでありますが、特に林道の完備いたしておらぬわが国の現況におきましては、山林の濫伐が伐木の搬出に便なる流域雨覆の小なる小河川の流域の山地にのみ集中される傾向があるのでありまして、今後林道の開設普及の必要性が痛感されたのであります。 第二に、これら小河川による災害といえども、これら小河川流域の小部落にとりましては、そのこうむつた被害の比重は大きいのでありまして自力による復旧は不可能と思われるほどの災害をこうむつておるのであります。しかるに一方、デラ台風以来のたびたびの災害に対し、政府においてとられた緊急融資等の措置は、まことに時宜を得たる措置でありまするにもかかわらず、これが県を経て実際に災害地に到達いたしますのに相当の時日を要しておるのであります。しかるに極端に窮乏いたしておりまする今日の地方財政の現況におきましては、この間における応急工事に対する地元立てかえ金の捻出等はすでにでき得べくもなく、今年度のごとく、短期間に相次ぐ災害をこうむりました際におきましては、前回における災害に対する金融措置がつかず、これが応急復旧への着手もでき得ざるうちに次の災害をこうむり、ために災害を倍加いたしておる状況でありまするが、かくのごとき災害に際しましては、特別の緊急措置を講ずべく検討の必要があると思うのであります。さらにこれら地元におきましては、これが復旧に際しまして部落請負の件に関し、建設業法の了解に苦しんでおるようでありますが、本法の解釈につきましては、さらに地方に普及徹底せしめる必要があります。 第三には、従来の災害復旧は、いわゆる原形復旧を建前といたします関係上、治水、利水の上から見まして、とかく一貫性を欠くうらみがあつたのでありますが、特に今回のごとき本川上流に当る支派川の災害箇所のみの原形復旧を完成いたしました場合、その必然的結果といたしまして、翌年度において本川下流平地に大出水を見るは当然でありまして、單に今回におけるのみならず、今後の災害箇所の復旧に際しましては、原形復旧のみに終ることなく、上下流一貫せる計画のもとにこれを行うべく検討の必要があります。 次に新潟、富山県等、寒冷降雪地区に対する予算配付の時期の問題であります。御承知のごとく、当地方は降雪、寒冷によりまして、十月末より翌年四月半ばにいたる間におきましては、工事はほとんど不可能の状態であるのみならず、さらに引続いて四月半ばより五月末にかけましては、いわゆる融雪出水の時期に際会するのでありまして、真に作業の能率をあげ得るのは、六月より十月に至る間であります。しかるに従来、現場に予算が配付せられるには、正式に予算が成立いたしましたる後数箇月の時日を要するのであります。のみならずこれが配分には四半期ごとに認証が行われ、これによる遅延と、さらに一般には四半期ごとに等分せられるため、真に工事の能率を上げ得る時期には、十分なる工事ができず、逆に事実上工事不能の時期においてもまた予算が配付されて来る等、矛盾を生じておるのであります。ことに本年のごとく夏期災害をこうむりました際におきましては、何といたしましても来年融雪出水期にそなえて、九月半ばより十月末までの約一箇月余の間に、これが復旧を完成いたさねばならぬのでありますが、現在立てかえ工事費の返済に困却いたしておる今日の地方財政の状態におきましては、これ以上の負担はとうてい耐えられぬところでありまして、今後この気候による特殊性を考慮し、彈力性ある予算配分をいたすべく検討いたす必要があります。 次に富士川、井田川につきましては、各地元におきまして、改修計画を立案中でありますが、富士川鵜ノ瀬地区狹窄部の開鑿によりましては、富士川、笹吹川両川に沿う二千四百町歩にわたる濕田の二毛作が可能となります、これによる麦の増收は七万名に達する見込みであります。また井田川の改修につきましても、流域千五百町歩に及ぶ濕地田の完全田化が可能となるのでありまして單に災害を防止し得るという概点からのみでなく、これらの経済効果の上より見ましても、これら改修計画の早急なる実施の必要性が認められるのであります。特に富士川鵜ノ瀬地区狹窄部の開鑿につきましては、本地区開鑿により、本川上下流部に及ぼす影響は、相当甚大なるものがあると予想されるのでありまして、建設省におきましては、さらにこれら地元における改修計画に対し愼重検討の上、実施方に関し援助を與えるべきであると考えるのであります。 次に道路関係についてでありますが、まず勝沼、大月線につきましては、本路線経由による甲府、東京間の距離は、先ほども申し上げましたごとく、国道八号線による距離に比し三十キロを短縮し、従つて本路線の完全補修によつて、自動車輸送は時間において二時間を短縮し得るのであります。これを経済価値に換算いたしますと、まず貨物輸送につきましては、本路線改修後の一日交通量を国道八号線の一日交通量の三分の二と推定いたしまして、年間約二千八百万円、次に旅客輸送につきましては、バスによる旅客輸送をも含めまして年間約一千四百万円、計四千二百万円の経済効果を生じ得るのであります。 次に府県道石動、羽咋線につきましても、本路線の完全改修により、現在の津幡経由石動、羽咋線に比し、約一時間半を短縮し得るのみならず、本路線沿線は六十キロ平方に及ぶ広義なる面積をと有し、その七割は山林でありまして、本路線改修による山林資源の開発等を考え合せますと、その経済効果はさらに顕著なるものがあるのであります。道路の補修、あるいは改修実施計画に際し、その路線の交通量を基礎といたすのは当然でありますが、従来とかく現在の路線状態における交通量のみにとらわれまして、路線の一部未改修による交通不能のため、現在の数字の上に現れた交通量の小なる路線は、ともすると閉却されやすい傾向がないでもないのでありますが、勝沼、大月線あるいは石動、羽咋線のごとく、未改修のため現在の交通量はほとんど皆無でありましても、改修後における経済効果の大なる路線は優先的に取上げる必要があると思います。 以上諸点に関し、関係当局の明確なる答弁を希望いたしまして、本視察報告を終る次第であります、
○淺利委員長 当局より意見の開陳があります。
○鈴木(仙)説明員 ただいま天野先生から、今次キティ台風による山梨、長野、新潟、富山、各県の災害の実情に関し、詳細なる御報告がありましたので、それに対しまして所存の概要を述べさしていただきたいと思います。 戰時中における維持管理の不足、ことに山林の濫伐により、わが河川上流地帶の荒廃は著しいものがありまして、これが影響が今日キティ台風に際し、如実に山間における上流諸河川に現われたものといえるのでおります。従いまして、これら上流地区に対する砂防工事の重要なることは申すまでもなく、これが災害復旧にあたりましても、單に災害箇所原形復旧にのみとどまることなく、治水上よりの見地をも勘案をいたしまして、上下流域一貫せる災害の復旧と、改修計画の実施の線に沿つて、努力いたす所存であります。 また新潟、富山県における予算配分の時期の問題につきましては、これは單にこれら両県における問題であるのみならず、お説のように、各県においても同様のことが言われるのでありまして、特に限られました予算をもちまして、最高の能率をあげなければならないわが国の現状におきましては、当然考慮いたさなければならないことでありまして、今後とも十分関係各方面に折衝をし、検討いたす所在であります。 また建設業法が業者に徹底を欠いている。まことにそのように感じられるのでありますが、これらも本日は管理局長もおいでになつておりますから、あとで御答弁を願うことにいたします。 また富士川鵜ノ瀬地区の開鑿の問題を初めといたしまして、井田川改修計画あるいは大月、勝沼線、石動、羽咋線等の道路改修、並びに静岡、山梨、長野、新潟を横断をする道路の計画等、いずれも相当の経済効果を認むるものでありますがゆえに、さらに愼重調査検討の上、善処いたしたいと思うのであります。 以上御報告に対しましてお答えを申し上げるのでありますが、なお詳細は関係各省、各局長または係員から答弁をいたすことと存じます。
○菊池説明員 勝沼、大月の問題でありまするが、現在は災害の復旧工事がまだ完成いたしておりません。本年度、二十四年度に道路改良工事をやつております。工事中でございますので、道路改良費の方でやります分につきましては、二十四年度でもつて大体終ることになつております。残りの大月寄りの方の、今の災害復旧工事の方がごらんのようにまだ進行中でありまして、この方につきましては、道路関係といたしましても促進方を督促いたしますが、なお災害の関係の方で河川局の方から説明があると思いますので、その点は御了承願いたいと思います。 それから石動、羽咋線、これは仰せのごとく、能登方面の魚類の運搬、あるいは薪炭類の輸送に非常に効率の高い道路になることは、われわれも予想いたしております。ただ石川県側では相当やつたのですが、富山県側にまだ残つている所が大分あるようであります。御承知のように、道路関係が補修の方に重点を当分置いております関係上、新規事業は非常に困難ではありますが、幸い二十三年度に相当予算を計上願えれば、これにかかりたいというふうに存じまして、ただいま鋭意、その方面の折衝中でございますから、この重要性は十分認めますから、どうぞしばらくお待ちを願いたいと思います。それから静岡の清水から山梨を経て長野、新潟という横断の幹線でございまするが、これは前年から国道にしてくれというようなお話も承りまするように、非常に重要な幹線であります。ただいまのところまで、道路の予算はある一貫した線について、たとえば二号国道とか、二号国道というものについても一貫した予算をとつておりません。同じ線でも部分的にちぎれちぎれの予算をとつて工事しておるようなわけでありまして、現在のところあの線につきましては、静岡県内あるいは長野県内というふうに、県々のその箇所箇所の予算でもつて別々に工事をやつておりまする関係上、ちよつと計画が一貫していないかのごとく見えまするが、われわれの方といたしましては、それをやはり図面の上でなり、現地の情報を聞きまして、一貫した考え方で改良を進めておる次第でありまするので、国道にするしないは今後道路法の改正に伴つて改正いたしますまでお待ち願つてその一貫性は認めて、その線に沿つて改良はいたしておりまするから、はなはだその金額は全体のものに比べましてわずかでありまするが、その線に沿つて現在も努力はいたしておりまするから、もう少し先になりまして、改良費が相当認められるようになると見るべきものがあると思いますので、当分はできる限りというところでいたしたいと思つております。
○天野(久)委員 懇切なる御説明を承つてたいへんに満足いたしております。今のこの清水、直江津線でありますが、われわれ実は実地踏査を何回かいたしておりますが、あの静岡県の小島村の部分を、わずかの間改修いたせば、あれは自動車がずつと通過するようにさせることができるようになると考えております。どうかこの道路につい重要性をひとつ御勘案願つて、重点的にお願いいたしたいと思います。それから笹子峠の部分でございますが、局長も今言われた通り、こちらの大月寄りの方が少し悪いけれども、あれがわずか一キロ半か二キロの間を、改修いたせばそれでよくなるのでありますが、それがおそらく本年で七年になるのに完成いたさないという、こういう形であります。われわれは仰せによつていくらでも待ちますけれども、一キロ半か二キロくらいの改修なら、七年なんかもかからずにこの財政でもやつて行けばしないかと考えます。どうかその点ひとつ御鞭撻願つて、有効たる道路、経済的、効果的である道路を重点的に願いたいと思います。
○賀屋説明員 局長がおられませんから、私かわつてお答え申し上げます。山梨県の災害につきましては、今年は比較的少かつたのでありますが、それでも、笹子川、桂川あたりは、山梨県としては本年は非常にひどかつた川でございます。これは前年の災害復旧が十分に行つておらなかつたことが大きな原因だと思いますけれども、それらにつきましては、本年はそういう政府の措置も割合に早くとりまして、すでに二十一億の融資もしてありますし、さらに繰上げの助成もいたしておりますので、現在着々工事が進んでおると思います。なおわれわれの方でも、近いうちに災害査定をいたしまして、近日中に本復旧に着手するという段取りにいたしております。 次は長野県の災害でございますが、お説のように南佐久、北佐久の災害は、山間地帶でございまして、非常にひどかつたのでございます。今年の長野県の災害のうち、ほとんど四割程度を占る復旧費を要するのでございます。これらの川のうちには、お説のようにただ災害復旧のみでは完全でない河川がたくさんあるのでありますが、これらの重要なものにつきましては、さらに復旧工事に助成費を加えまして完全復旧をするという考えであります。 それから松本市の女鳥羽川でございます。これは被害箇所が相当ございますが、復旧費といたしましては大したものにはならないのでございます。川の現状が、御承知のように上流からの土砂が堆積いたしておりまして、非常に流水をはばんでおる。これが氾濫しました災害の大きな原因でございますので、こういうことに着眼いたしまして復旧を進めて行く考えでおります。 それから最後に長野市の氾濫でございますが、これは長野市の西を流れております裾花川が大破堤をいたしまして、犀川の左岸地区に氾濫いたしまして、二千四、五百町歩にわたる浸水をいたしたわけであります。これの復旧につきましても、單に災害復旧のみでは十分と思えませんので、相当助成費を入れまして改良的復旧をいたしたい考えでおります。 それから新潟県でございますが、新潟県の災害も本年は信濃川水系、阿賀川水系に重点があるのでございますが、これらの復旧にいたしましても、すでに助成融資もいたしておりますが、山梨県同様最近査定もいたしますので、復旧の促進をいたしたい考えでおります。 それから富山県の災害でございます。一番目ほしいものは常願寺川の本堰堤でございますが、これは内務省時代に直轄でつくつたものでございまして、これは副堰堤が河床が下りましたためにこわれまして、さらに本堰堤までも影響しておるという状態でございますので、これは非常に重大と考えまして、本年度にただちに四千万の措置をいたしまして、直轄で復旧をしようという考えに進めております。そこで災害復旧を原形復旧にとらわれないで一貫した措置をというお説でございますが、災害復旧は原形復旧が主眼になつておりますが、現在の規定でございましても改良的な措置はでき得るようになつております。ただ国庫の予算の関係で、そういうふうな措置を全般にいたしますと非常に費用がかかりますので、重要な河川につきましては、こういう全般的な一貫した措置を実はとりつつあるのであります。特に今年のような災害になりますと、災害の査定からそういうふうな原因を探究して復旧の方針をきめるというような査定の方法に進めておりますから、その結果によりまして、さらに改良費もあわせ加えまして、完全な措置をしたいと考えております。 それから寒冷地帶の予算の配付の措置でございますが、これにつきましては、当局といたしましても、寒冷地には適当に早急に対処する措置をとつておるのでございますが、十分な措置が実は総体予算が少いものでございますから、でき得ておらぬのでございますが、今後はなおこの点に留意いたしまして、できるだけの措置をしたいと考えます。
○淺利委員長 午前中に内海君が質問を留保されております。この際……
○天野(久)委員 冨士川と井田川、それから林道についての、御答弁がないのですが……
○賀屋説明員 冨士川の狹窄部の関係でございますが、これは被害の改修が十分行つておりませんので、その影響が大きいということはすでに心得ておりますが、これをどういうふうに補修するかということについては、目下検討中だと思いますので、その点をさらに検討いたしまして、方針をきめることにいたします。 それから富山県の井田川につきましては、これは御承知のように河床が隆起しておりまして、中州がたくさんつくられるようになつております。この特殊なところにつきましては、防災工事あたりでも相当手をつけたのでありますが、どうしても相当な金がかかりますので、改良工事を実施しなければ改善できないと思いますので、これは改良工事の方でさらに検討したいと思つております。
○淺利委員長 それでは内海君が午前中に残しておる質問がありますから、それを……
○内海委員 午前中から午後に引続いての当局の御意見を承りますと、ごもつともである、あるいは協力する、努力する、検討するといつたような、まつたく雲をつかむような御答弁であつて、われわれは、少くも実際問題として取上げて、まじめにここに検討する上においては、そういつたような一時のがれの答弁ではわれわれは困るのであります。なるべく簡單でよろしいから、要点をとらえて、きびきびした御答弁を願いたいと思います。 午前中に引続きまして河川局長に実は御答弁を願いたいと思うのでありますが、河川局長がおらなかつたら、防災課長でもよろしうございます。鹿兒島、宮崎両県下におけるしらす対策の確立でありますが、この問題は今日始まつた問題ではなく、およそ建設省においても、内務省時代から御研究されておることと存ずるのであります。このたびの災害にあたりましても、しらす土壤について被害を倍加したことはすでに御存じのことと存じます。これが対策はすでに内務省以来御決定のことと存じますが、いかなる具体的方針をもつて進まれるか、この点に対して明確なる御答弁を願いたいと思います。
○賀屋説明員 しらす対策のお話でございますが、実は防災課の災害復旧の三から申しますと、しらす災害を受けておるおもなるものは道路でございまして、われわれの方から見ますと、道路が多いのでございます。しらすは、これは路面を水が流れますと、すぐに穿堀されるわけでありまして、その穿堀を防ぐような方法を講じなければならぬということで、われわれの方で実はその方法を検討したのでございますが、これを完全に防ぎますためには、相当な経費がかかります。たとえば道路が穿堀されるところは全部簡易鋪装をする、それでないと穿堀が防げないということであります。しかしそれほど金もありませんので、実は排水の方法を講じなければならぬということで、しらす地帶の道路につきましては、一般の、道路より以上に側溝を広げる。それから側溝にはさらに適当に排水のますを設けまして、そうして早くよその方にはかし、道路の方には流さないようにする、実はこういうような方針を立てて、災害の指導をいたしたわけでございます。現在あの方面に行つておりますが、そういう考えで臨んでおります。それからしらす地帶の切り取られたのりでございますが、これもやはり穿堀を受けるわけでございますが、これについては、できるだけのりをとめる護岸と申しますか、押しどめをいたしまして、穿堀を防ぎ、さらに高いところから水が流れて来るようなところは、穿堀防止の排水溝を設けてこれを重要な所には必ず実施する、こういう方針で実は進んでおります。
○内海委員 ただいまの問題について、安本あたりでは相当つつ込んで研究しておるようでありますが、安本の方が見えておられましたら、御答弁願いたいと思います。
○伊藤説明員 鹿兒島県、宮崎両県方面に発達しておりますしらす地帶の災害は、あるいは道路に、あるいは橋梁に、河川に、また耕地を崩壞するような大災害を起しておりますので、これは何とかしなければならぬことは、非常に痛感しておる次第でございますが、道路河川を現状通りに維持するには、今防災課長が御説明になつたような方法でけつこうだと思いますが、耕地その他の問題に対しましては、はなはだ問題が大きいので、実は速急に資源調査会の方にお願いをいたしまして、もう少し学者を動員して、詳しく根本的に研究していただく。実は今のところわれわれの知惠では、まだ根本策は処置しておらない次第であります。
○内海委員 中田管理局長にちよつとお尋ねいたします。災害復旧の土木復旧工事において、最近ひとり九州地区だけではなく、全国において部落請負ということが盛んにやられておるのでありますが、これが地元建設業者と部落請負との間に、いろいろな紛擾を起す原因となつておりますので、この際今春の国会において決定いたしました建設業法の精神にのつとりまして、この種の紛擾問題に関して、建設省当局は適切なる指示を與える必要があるのではないかと考えるのであります。災害復旧が地元民に直接関係があることから、部落が県等に請負契約を結んで、復旧工事を実施しているということが、実際に各地に行われております。それがさらに発展するようなことがあると、一般業者との対立がますます激しくなつて来ると思うのであります。これに対しまして、さいわい中田管理局長はこの法律の立案者でもあり、またこの間の紛擾についてはよくお知りのことと存じますので、これが善後処置について御説明を承れればけつこうだと思います。
○中田説明員 災害復旧工事その他土木工事について、部落の名において随契を結んで工事を執行するということは、相当前から例外的にはあつたことでございます。これも動機その他から言えば郷土愛からで、予算が少くてどうしても待つておれぬというときに、やむにやまれぬ事情で行われていたことは御承知のことと存じますが、しかしこれもいわば例外的なことであり、その動機がほんとうな純真でなくては、確かに御指摘のように弊害が生ずるもとであると思います。ことに建設業法ができて、建設業が正しい運営をして行くという場合においては、いわば脱法的な弊害すら生ずることになるわけでありまして、これは嚴重に警戒し、またその弊を生じないように、事前に処置しなければならぬと考えまして、この部落請負ということにつきましては、一面から申しますと、これは予算の適正な運用が、はたしてそれで得られるかどうかということ、第二には建設業者、いわゆる民間の土建業者として正しい運用ができるかどうか。また第三には、職業安定関係、いわゆる労働関係の運用上から見て、はたして弊害がないかどうか、これら非常に各般にわたる問題が内蔵されておるやに考えられますので、予算の執行を適正にするという観点から見て、部落請負がほんとうにその具体の場合において必要かどうかということについては、嚴重に地方の官庁に対して注意を促さなければならぬと思うわけです。もしこれが部落請負の美名のもとに、とかくの工事が施行されるということになりますと、これは適当なことでないことは申すまでもなく、また第二の建設業者の立場から見ましても、部落請負の名において特定の業者が工事を壟断して行くという弊害があることは、これまた好ましからざることでありますので、單に業者を保護するという観点のみならず、適正なる競争のもとに建設業界の発展をこいねがう者としては、この点に十分注意しなければならぬ、また、第三の労働関係の問題についても、部落請負の名において、特殊な代表者的な方々が、その地方民の労働賃金その他において、労働法規の精神を逸脱するような結果になつて、これまた適当でない場合があります、等々要するにこの部落請負については、嚴にこの濫用を戒めないと、確かに私は弊害があると思いますので、労働関係についても、労働省においては、すでにこれの粛正について何らかの処置をするように、われわれの方にも打合せがありつつありますので、建設省といたしましても、片や災害予算の適正なる執行、片や建設業界の適正なる発展の上から見て、地方当局に十分に注意を促し、あやまちなからんように指示をいたすつもりでおりますので、さように御承知を願いたいと思います。
○内海委員 どうも建設業法一本でもつて、とにかくいかなる場合であつても、この法律を建前に嚴に戒めなければならないというような御答弁でありますけれども、地方自治制の精神から言いましてももちろんでありまするが、一面においては愛郷の精神の発露であり、一面においては、登録されたるところの建設業者が、市町村全体に普遍的に普及されておるならばどうかわかりませんけれども、もともと天災不可抗力による緊急復旧工事として、政府において予算面においてさえも特別の考慮を拂つてやつておる事業ではないか。こういうものに対して、ただ建設業法一本やりでもつて、嚴に戒めなければならぬというがごときことは、私は行政官としてはたしてどうかと思います。やはりこういう緊急の処置をしては、ある程度緩和すべきことも考え得られるではないかと思います。われわれは刑法などを見ましても、いわゆる不論罪のごとき、緊急急迫不正の侵害に対し自己または他人の生命身体の自由を防衛するためやむことを得ざるに出でたる行為はその罪を罰せずという原則もあります。しかるに一行政の任に当る人が、ただ單に法律をたてにのみとつて、そういう緊急対策ができるということは、根本において誤りがあると思うのであります。私の聞かんとするところは、何かこういう際において、この不備なる点を補う方法がないかということを聞いておるのであります。もう一ぺん中田局長の御説明を願いたいと思います。
○中田説明員 ちよつと内海委員の御質問の点について、お答えしたことに不十分な点があつての御質問のようで、その点は誤解のないように御了解を願わなければならぬと思うのでありますが、建設業法をたてにとつてそういう部落請負をいけないと言つたわけではございません。部落請負も、ただいま申し上げたように、郷土愛の精神、またほんとうにその工事が予算その他の点から見て非常に急ぐというような、いわば内海さんのおつしやる緊急的または例外的、そういう意味で請負工事ということは前から行われておつたことでありまして、弊害さえ伴わなければ、私はそれがいけないというような、法律の形式的な解釈はいたしておらぬつもりでございます。ただこれに非常に弊害が伴つて来ると、これは問題がやかましくなるわけでございまして、問題は要するにほんとうに部落の者が共同して、その工事を一日も早くやりたいという場合においては、これはあえて営業として営む建設業でないことは明瞭なことでありまして、その工事が済んでしまえばそれつきりの話なんですから、従つて普通のいわゆる業界のものと同様な意味で、それを律するという考えは毛頭ございません。その点は御了解を願いたいと思います。ただそういう美名のもとに特定の業者が実際は仕事をするというような事ことも若干聞き及んでおりますので、濫用されると弊害が起るということを申し上げるわけでございまして、具体の場合において適正なる運用をされることが一番望ましいことでありまして、決して建設業法をたてにとつて、業者保護に片寄するというような意思なり方針は全然ないことを、改めて申し上げます。
○内海委員 まことにくだけた緩嚴そのよろしきを得る運用方法については私も同感であります。 次に河川局長並びに安本の方々に御質問いたします。公共事業の統一についてでありますが、この問題については、本委員会においてもしばしば論議された問題であつて、さらに六月の地方国政調査の報告にも具体的な事例があげられまして、統一すべきことを述べられておりましたが、再びここに事例をあげて、その統一の必要なることを申し述べたいと思うのであります。北九州炭鉱地帶は、鉱害による河川の修復工事と農地の復旧工事はきわめて密接なる関係があり、一面においては失業対策にもなるのでありまして、さらに水防、道路問題などきわめて密接なる関連性を持つております。この復旧費の経済的使用方法からしても、統一がぜひ必要であると思うのでありまするが、大淀川轟堰堤による排水両の問題は、長野県下泰阜堰堤、千曲川水内堰堤、犀川、姫川におけると同様、上流耕地に多大の被害を及ぼしておるのであります。かかる実情は発電を主体とするところに問題があるのであります。これを河川統制の面より一貫施工すれば、かかる問題も比較的円滑に解決されるのであります。さらに今年度数次の台風によつて山林の崩壞はなはだしく、これがひいては河川の災害を増大している実情からして、林野砂防、河川砂防を一元化することによつて、効果的砂防工事の施行が期待されるのであります。さらに井堰が堤防の決壞などの災害をもたらす原因となつたものが多いが、その設定の位置、工事の方法等について、その根本的河川改修計画を何ら考慮せずに実施している実情であります。この実情に即した対策について、管理局長の所管ではありませんが、河川局長あるいは安本当局の率直なる御意見を承りたいと思います。
○伊藤説明員 経済安定本部の建設局の與えられた機能といたしまして、今御指摘なさつた通りのことを円満に調整して行くのが、その本分でございましたのでありますが、成立以来日なお浅く、なかなかうまく実行しておられなかつたのが今日の実情でございます。それでこのたび行政審議会の御指示もありまして、今度安定本部が機構改革の機会に、そういう方面を生かすように、今までとつておりました主査制度、つまり各省をほぼ代表するような專門家が集つて、それぞれの分野のみにおいて計画を立て予算を編成して行くという方法を改めまして、そういうような関連事業は一つのチームとして調整しつつ計画を立てる、そういう方法にかえることにいたしました。で今後はそういうことがないだろうと思いますが、今までは実際問題として多多あつたことを、率直に認めます。
○淺利委員長 この際お諮りいたします。治水の根本として治山ということが最も重要だと思うのであります。農林省においても、明年から造林計画も立てておられるそうであります。また林野議員連盟からも、あるいは議員提出として造林計画の法律を提案しようという空気もあるのであります。この際林野局長官から、日本の今後の治山計画について、一通りの御説明を承りたい、また皆さんと御質問を交換したいと思うのであります。この際日程を追加することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 それでは日程を追加いたしまして、治山の問題についてこれから討議いたします。林野局長官から造林の計画及び山腹砂防の計画等の現状、及び今後の構想というようなものについて、一通り説明願いたいと思います。
○三浦説明員 治山治水の根本の問題はむしろ治山にあるのではなかろうかというふうに言われております。私ども自身も当然河川とともに山林の方をその根本として治めなければ、とうてい終局の目的でありまするところの治山治水、さらに利水の完璧は期し得られないものであると存じます。そこで現在わが国の山林はどういうふうになつておるかという問題でありますが、この山林について多くを語つても仕方がないのでありますが、要するに私どもは山林の生産的問題は別として、山林自身がその取扱いのいかんによつてその問題である治山治水の答えにならなければならない。従いまして今日小さい意味で言つております山地砂防、荒廃地の復旧という問題は、もとより焦眉の急でございますし、核心ではありまするが、同時にうつかりすればそのような状況に移つてしまうであろうところの造林の未済地、今日戦争中の過伐によりまして、そのあとを直ちに植林をしなかつた面積の集積が莫大なものでありまして土地の生産力を考え、あるいは治山の見地から行きまして、ここに百四十一万町歩というものがすでに植えなければならぬ数字として残されておるのであります。山地砂防を必要といたします二十六万五千町歩のほかに、その百四十一万町歩という造林地がいわゆる裸のままに残されており、またさらには海岸と内陸との間におきまするところの、いわゆる飛砂地として四万町歩何がしというものがそこに放置されておる。その他防風的な問題を取り上げるならばまだありますが、主としてそういうようなものは治山治水の中心をなすものでありますが、一面先ほど天野委員からの御質問がありました奥地の林道の問題がございます。すなわち今日の用材が約七千万、木炭にいたしまして約百九十万トン、まきといたしまして五千六百万層石、ガス用のいわゆる特殊まきといたしまして三、四十万トンというようなものを、今日他の資源等の関係からいたしまして、まだ当分続けなければならないといたしますならば、その数量というものは、今日現在の青い山を守つて行く範囲内で伐れる数字の約倍に当るのでありまして、いわゆる正常の伐採量の倍額というものを伐らなければ、これをまかなつて参れぬという事情でありますから、山自身の問題がまことに治山治水の一つの大きな問題になるわけでございます。そこで私どもといたしましては、その根本的な考え方といたしましては、盛んに近来叫ばれておりますところの濫伐の防止といたしまして、一定の計画を山に立てて、そしてその山々がその計画に基いて伐採もされる、従つてまたそのあとも適切な樹種を植えて行く、こういうような取扱いに持つて行くことが何しろ一番の問題でございます。そういうような根本の問題は昭和十四年の現行森林法が改正されて、その方向を明らかにいたしまして出発したのでありますが、次いで翌年から起きましたいわゆる林産物の異常は需要のために、そのことは出てまもなく中断せられました。戰後三十二年からその根本でありまするいわゆる施業計画的な山林の取扱いに対する施業根本方針を、五箇年計画に基いて立てつつありました二十四年度の終りにおきましては、民有林の五五%、八百万町歩につきまして終了する予定で進んで参りました、そこで私ども当局といたしましては、その全部の終るのを、とうてい今日の情勢からして待てない、こういう考えからいたしまして、来年度におきましては、いわゆる重要河川の流域につきましては、ある程度の伐採の調整を行う、あるいはダムの建設あるいは内務省系統で今おやりになつております各種の治山治水関係のお仕事、あるいは開拓あるいは用排水、こういうものとの一連の関係におきまして、その山林の取扱いも相マッチするような行き方において、調整をはかつて行くということが根本だと考えておるのであります。これに関してただいませつかく予算等で折衝しておるような状況でございます。その根本の問題の次に、ただいま御指摘の治山治水あるいは造林計画、あるいはこれをカバーいたしまするために必要でありますところの、奥地のいわゆる林道の開発の問題を取上げて簡單に御紹介申し上げます。 まず一番目立ちますところのはげ山で、農林省の砂防の対象になつております二十六万五千町歩、これは五箇年計画を立てました一昨々年は二十五万五千町歩であつたのでありますが、その後、仕事の進行よりはたび重なるところの台風等の結果、実はその調べよりもさらに多くなつております。こういうような状況でございます。これに対してその重要なものを約七万八千町歩を選んで、いわゆる五箇年計画をつくつておるのでございます。また造林につきましては、今後毎年切りますところの、当然植えなければならぬ分と、それから過去におきまして借りになつておりまする百四十一万町歩を五年間で完了したい。こういうことでいわゆる造林五箇年計画が立つております。また先ほど申し上げたような林産物の需給の面から、やむを得ず実力以上を、今日戰後においても、まださらに伐採を続けて行かなければならぬが、しかしその同じ数量にいたしましても、所を選び、場所をかげんいたしまするならば、その災害を多少なりとも防ぐことはできる。それは戰時中からいわゆるこうやく張りの林道であつたのを改めて、眠つておる奥地の山をゆり起してやることによりまして、他方を休養させることが必要であります。現在林道がないために寝ておる山林の蓄積は、約十三億石ございます。そのうちの比較的手にとりやすいもの約一億九千万石ばかりを対象といたしまして、それを五箇年計画で世の中の活用に充てる、こういうような五箇年計画を立てております。 以上簡單ではありますが、根本問題には山林の取扱いを規正いたしますところの施業案というものを早く確立するとともに、その円滑な実行に移して行く。そうして一方すでにやらなければならないところのはげ山、または造林の未済地のもの、またそれと相関連いたしまして奥地のものをここに活用するということで、治山治水の一応の対策といたしておるわけでございます。簡單ではおりますが、一応御説明申し上げます。
○淺利委員長 なお具体的にお聞きしたいのですが、この造林の計画のうち、今造成、林地が百四十一万町歩と申しましたが、そのうち民有、公有、国有というような、内訳の分明したものはありませんか。たとえば補助をする場合に、個人に補助する場合と、町村とかその他の公有林に補助する場合同一に扱うかどうか。そういう点から考えてみて、もしそれがわからぬとすれば、今度内閣の造林計画について、何か補助の方法を講ぜられると思うのですが、寺社林に対してはどういうように補助するか、あるいは造林の実際に対しては、一反歩にどうするとか、あるいはかかつた費用の何分を補助するとか、そういう方策をお調べになつておりますか。
○三浦説明員 造成林地で残つておる百四十一万町歩のうち、国有林の関係は二十五万町歩でございます、その他がいわゆる民有林でございます、そうして造林の補助の関係でありますが、苗木関係というようなものにつきましては、予算單価の二割を国で助成して、そうしてそれに対してある程度の県費の補助をする。たとえば青森県のごときは、苗木は無償で交付するといつたような県の力の入れ方であります。それから造林でありますが、国家財政といたしましては、国有林は当然自分のものでありますから別でありますが、民有林の場合には、国庫は四割、県費が一割で、結局受ける人から言えば五割の補助を受けるという状況であります。
○淺利委員長 これが五箇年計画において、そうすると予算の上にはどういうふうになるのですか。一反歩当り幾らで、五箇年計画で幾らという総額の調べがありますか。それから苗木のごときは何本植えるので、どのくらいの金がいるか、その見通しはまだついておらぬのですか。
○三浦説明員 いやついております。たとえば二十五年度は苗木で言えば十四億本を出したい。また造林でいえば一町分約二万円……
○淺利委員長 今わからなければあとで表を出していただきたい。
○三浦説明員 五箇年計画の数字も金額もございます。後ほど……
○淺利委員長 それからもう一つ苗圃の方ですが、造林を主とする苗圃と、それから直接治水関係で最も急を要するいわゆるはげ山、そういうものの崩壞の状況は、国有林と民有林でどういう比率で、どつちが多いのですか。それから従来は国有林の方は特別会計でやつており、民有林の方は補助でもやつておるが、そういう実施の現在はどうなつておりましようか。
○三浦説明員 いわゆる二十六万五千町歩の山地砂防を要する分は、その内訳は、今回ここに数字は覚えておりませんが、国有林関係で約二割五分程度であつたように存じます。いずれあとで国有林と民有林にわけた数字を申し上げたいと思いますが、一応二割五分程度に考えております。それから従来の国有林は、どうしておつたかといえば、昭和二十二年から国有林がいわゆる独立採算制の特別会計になりました、そこで伐採したあるいは売つた收入をもつて、造林から今の山地砂防から、林道から全部をまかなつて参つたのでありまするが、労務賃金の上昇に比べてその生産物が比較的上らないために、かなり特別会計としては、その運営について、あるいはこの程度はすでにかからなければならぬところの治山事業も、多少手を抜いたというような状況でありました。本年ただいま実行しております予算のごときは、いわゆる奥地の林道であつて、それを施設しなければ、国有林経営としてはまことに不備な、非難を受けるのであろうような場所については、当然身を砕いてもその林道をつくらなければならぬのに、しかも公債というものは発行は全然認められません。またあるいは民有林の造獎励のために、国有林の苗圃等を使つて苗木をつくつて、これを実費で売る。あるいは輸出用のしいたけの範を示すために、三年、五年後收入が来るものについて、ある程度投資をしなければならぬ。そのためには、やや長期の借入金も必要であるのに、これまた零である。すなわち二十四年度は長期借入の金額が零となり、公債が零となつて、まつたくその年の收入によつて行うところのものは、来年度あるいは数年後に收入となるべきような仕事もしなければならぬような情勢から、国有林の経営としては非常にむりが参つております。それでこれを機会に、昔からあるような山地砂防については、安定本部、大蔵省にお願いをいたしまして、来年度からその顕著なるものについては、一般の公共事業費の方から一部出していただく、かような仕組にただいま折衝をしてお願いをしているような状況であります。
○淺利委員長 なおお聞きしておきたいことは、今の国有林の計画で、二十五年度に十四億本の苗木を要すると申しますが、今次二十五年度で使えるだけの苗木は、すでにできているのですか。聞くところによるとまだ二年苗しかない。福島県の方でも、また私どもの実際経験している岩手県あたりでも、二年苗しかないが、二十五年度に十四億本の樹木の準備ができているのですか。また山腹砂防をするには、特殊の苗木、はぎあるいは黒松というようなものの苗木の用意もすでにできておつて、二十五年度からただちに実施ができる程度になつていましようか。その辺のお見通しはどうですか。
○三浦説明員 苗木につきましては、一應そういうような不安に考えられる向きも実はあるのでありますけれども、農林省としては、この五箇年計画を立てました際にいわゆる農地改革との関係を考えて当時三千八十町歩程度しかなかつた苗圃を基としてその後新しく開拓して苗圃とするものについては、例の三町歩所有の制限はこれを免除する、こういうことを関係当局と相談の上、いわゆるこの五箇年計画を遂行するための苗圃の拡張を、府県別に目標を立てて、知事の方にそれを通達し、農務関係の方にも通達してそれについては、いわゆる農地改革の線からは対象としないで、拡張をして、計画通りになつているような状況でございます。そしてその進行の程度は、私ども各府県から、苗圃面積の進捗とあわせて苗木の数量ももらつております。来年度におきましては、人工植栽三十一万町歩、これに要する十四億というものはできるものと考えております。従来苗木というものは、たとえば東北で申しますと、秋田は非常な苗木の生産県であるのに、青森、岩手あたりは必ずしもそうではなく、長野あるいは茨城、秋田、こういう地方に主として、いわゆる苗木の生産業というものが発達しておりまして、従いまして、一県から見るとかなり不安な点はまだあるのであります。けれども全体を総合いたします場合、しかもそれは机上論でなくて、植栽におきまして、降雪の早い、遅い、輸送の点等を考えても、十分まかなえるという数字になつております。ただ私どもとしては、それに満足することなく、今度は造林の拡張とあわせて、苗木を他県から買つていたような県については、地元におきましておる程度の優良苗木をつくるというふうに持つて行つてさらに造林の事業の円滑をはかりたい、かように存じております。
○淺利委員長 なお私お聞きしたいこともありますけれども、ほかの委員の方の御質問もありましようから、他の方から何か御質問願いたいと思います。
○宮原委員 簡單にお尋ねいたします。 一昨日実は私の選挙区の住所地で、現に見聞した実例でお尋ねしたい。広島県呉市の狩留賀という官有林の、現地を見てくれという地元住民の依頼によつて参りましたが、勾配五十度ぐらいのところを無断開墾しておる、私も実はお役所の意見は聞いていないのでありますが、住民の言うところによりますと、二十五度以上の傾斜地、勾配地には開墾は許されないことになつておるそうです。ところが五十度以上のところを無断開墾をしたので、三年前からお役所にかけ合つておるけれども、どうも事後であるから放任するよりしかたがないというようななまぬるい御返事であるようです。また山番なるものが、営林署の許可を得たとか称して伐採をしておる。それはやはり五十度ばかりの傾斜地で約一町歩ばかりですが、許可を得ているそうでして、そこでまた開墾をすると言つているそうです。その下は国際観光ホテルになつている狩留賀荘という旅館を初め、有力者の家五十戸ばかり建てております、そうして伐採または開墾されているところには、相当大きな岩石が重疊と重つておる。長官も御存じでしようが、広島県の呉市は、昭和二十年に神戸の山つなみ同様の出水被害を受け、その後国費を傾けて、ただいま砂防そのほか復旧防災作業を御施工中でありますのに、その逆なことをやつておる、山番が山荒しをして、住民が山番をしているという状態になつております。それで住民からは、植林したいから御許可いただきたい、無断開墾者と話をつけていただきたい、山番を交迭していただきたい、こういう要求があります。これは私はただ取次ぐのではありませんので、全国各地にあるいはそんなことがありはしないかということを心配する。いくら施業計画がりつぱにでき実行せられても、綱の中に水を盛つても何にもなりません。末端の御監督が不徹底のために、せつかく治山計画が波に乗つているのが徒労になり、また浪費に終るということがありましたならば、これは重大問題であろうと思います。従いまして、現状の末端の管理方法で御満足になつておるのであるか、または何か新しい手をお打ちにたろうというのであるか。大体山番とか山林行政の末端に携わる者は、まことに仙人みたいな気分で、とかくのんきになりがちなのであります。どうかこれを十分御留意の上、せつかく治山ということが世の中に唱えられているときでありますから、この重大なる職責について、徹底的に認識させるように、末端に新しい手をお打ちになるお考えがあるかどうかということについて、お尋ねしてみたいのであります。
○三浦説明員 お答え申し上げます。ただいま呉市近郊の国有林についてのお話のようでありますが、ただいまの御説明のごとく、昭和二十年でありましたか、非常な災害を受けて、当時混乱の中であつたから、あまり声は大きく世間に出ず、かなり放置されておりましたので、地元の方々は非常に不安に思つておつた。従いまして、あの場所については特段のいわゆる山林施設をしてもらいたいということは、私どもも承知しております。その承知している中で、ただいま御報告のありましたようなことが行われているということについては、私どもまつたく驚くばかりでありまして、これは至急調べて、そういうようなことがあれば、ただちにそのような仕事自身とりやめる、あるいは原状の回復等について万全をはからなければならぬと存じます。人間のとりかえの問題については、私どももつと調べなければなりませんが、こういつた五十度以上の所に開拓がある、あるいは無断開墾があるということは、昨年からのいわゆる開拓至上主義で、あるいは割当面積の励行ということで行き過ぎた所については、ただいまいろいろの方法によつて是正しつつある際でありまして、私どもといたしましては、そういうようなことで至急関係の現地に連絡したいと存じます。 それからこういつた例は各地にあるかという問題でありますが、例の百五十万町歩の新規開墾の早急実現という問題にからんで、割当てたと申しますか、一つの目標を與えたことが、いわゆる割当という言葉に現地の方ではなりました結果は、ある程度行き過ぎの場所もでき、それについては昨年九月一日の農林省次官通牒、また一月の十七、八日に、具体的に科学的に要素の検討によつて指導通牒が出ております。それに基いてやつているわけでありまして、全国的にそういうものがあるようには考えられません。 それから国有林関係の末端の管理機構の問題でありますが、私どもといたしましては、従来のいわゆる担当区といいますか、営林署の地区の中を六つ、七つ、場合によつては八つというふうな、面積四、五千町歩程度ずつでわけた分担をする地域がございますが、それはその地域内におきますあらゆる窓口でありまするので、これを従来の営林署の職員あるいは営林局の職員と合せて、やりくりをして強化して行く、先端の方に適切な人をなるべく充実しようという方針でやつております。
○宮原委員 長官のただいまの御説明を信頼して、将来を期待いたします。
○天野(久)委員 ちよつと長官に一、二お尋ねしたいと思います。百四十一万町歩の植林計画を立てて、これからやつて行かれるということで、たいへんにけつこうなことでありまするが、そこでこの百四十二万町歩植えつけますのに、相当な国費を使われるということは、これは自然な結果ですが、今苗木について、はたして母樹からしつかりと御研究の上、適地にりつぱな苗木を育てる計画があるかどうか、それから、今山林におきまして、植林をいたしましても、なかなかよく活着しないものがある。昨年あたり山梨県あたりを見ましても、三割ないし五割、場合によると六割くらいの苗木が、せつかく植えたのに枯れてしまう。そして、しかも県によりますと、先ほどのお話のように、苗木を無償交付する、あるいは四割補助する、こういうことになるとしますと、これはどうしても補助してもらわなければなりませんが、補助されるために、植え付ける人がこれを軽々に扱うという傾きがある。そこで私は、せつかくこれだけの金を使い、大きな計画を立てて行きますのならば、まず苗木の母樹をどうするか、それから、苗木は、どうして行けば必ずつくかという、こういうりつぱな計画のもとにやつていただきたいと思いますが、むろんそれはおありだと思いますから、ありましたら、それをひとつ承りたい。 それから、先ほど来、断片的に林道問題について御説明がありましたが、これから林道を一体つくつて行くのかどうか、林道にはどれくらい金を使つて行くのか、その点をわかりやすく、ひとつ簡單に御説明願いたいと思います。
○三浦説明員 お答えします。林業の植林の最も初めであります種子の問題につきましては、従来からいわゆる優良な母樹を指定をし、その保護をして、何がしかのいわゆるその代償を出しておりまするが、それから出ますところの種子というものは、必ずしも多くはございません。そこで至急その制度をもつと拡充するということも一つの案であつて、昨年来いろいろとやつておるのでありまするが、まだ出ません。さしあたり私どもといたしましては、優良母樹の指定の拡張もするが、一面においてこういうようなところからはとつてはいけない、そういうところからは種子はとらせないように指導しなければならぬといつた方法とあわせて、逐次拡充して行きたい。 それから造林主に対する補助のお話がございましたが、今日のいわゆる労務の事情、またその製品の価格の点等から参りますると、五割を補助されたとして、また予算面のごとく、一町歩二万円でできたとして考えても、その半分の自己投資に対する金利というものは四分には満ちません。三分五厘との間くらいの線に来るようでございます。この点はまことに遺憾でありますが、そういうような事情でありまするし、その造林自身が、先ほど来問題になつておりまする治山、治水的な効果を持つ関係からいたしまして、できる程度において補助をしておるわけであります。そして、さらに御質問の造林の技術が悪い、あるいは種子、苗木、植栽等の技術が悪いから、せつかくの苗木が枯れて、もつたいないじやないか、これはむしろそういつた助成をするから、安心をして乱暴になるのではないかというふうにとれた御意見がございましたが、一般としては、そういうふうな取扱いをしておるようには思つておりません。ただ種子なり、苗木の養成あるいは植栽の方法、ないしは植栽の樹種を、その土地に合うように選ぶかどうかという問題につきましては、まだ行届かない点がございます。そこで農業の改良普及がありますごとく、林業におきましても、国土の六割七分を占めておりまする重要さから見ましても、従来の多年の研究結果を普及する必要を痛感いたしまして、本年度からその方向にできるだけの力を入れて、予算的措置も今お願いをしておるような状況でございます。 それから、林道でございますが、ただいま政府の方としてやつておりまする林道についての施設は、いわゆる幹線にあらざる普通の林道と、それから奥地と申しましようか、現在幹線を入れなければならないところのもの、その林道はかなり大きくなりますか、それと、北海道は予算の経過上別に扱つておりまするが、北海道の開発林道、こうなつております。そこで普通林道につきましては、いわゆる幹線ができているところに対して、ある一つの沢を切る場合、切る人の計算においてでは道としてできない。これは道としても三年、七年と使うのでありますが、これらについては県から、あるいは県でつくつておる專門のあれでできております。奥地としては、先ほど申しましたように、日本の蓄積は全体で六十億石でございますが、そのうち現在活用されておる区域内の蓄積というものが約三十三億石でありまして、そのほかに十六億石という数字があり、三十三億石と合計いたしまして四十九億石というものまでは、いわゆる幹線林道をつくれば活用できるのではないか。そうしてその幹線をつくるというのが五年計価になつております。一億九千万石の林分を目がけて、一箇年分で出しておるわけであります。今日まだ予算の折衝中でありまして、ここに数字を申し上げられませんが、それがいわゆる奥地林道で、ぜひこれを予定のように実現をして、お説のごとく濫伐した山を休養さしてそしてさしあたりは治山、治水の援助にしなければならぬと考えております。
○天野(久)委員 苗木の点について御説明を承りましたが、はなはだ心もとない説明でありましてこの厖大な植林をいたす上においては、根本となるよい苗木を、必ず活着するように植えるという万全の備えがあつてほしいと思います。万全の備えがあつても枯れたがるものであるのに、これが不用意な植え方であるから、自然枯れるのは明らかな次第であります。どうぞひとつ、こういう点について、母樹が悪ければその苗木は必ず悪い。植林しても成長率が悪い。せつかく植林してもりつぱな成長をなさない、こういう結果になるので、その点どうか、つつ込んだ研究をして、万遺憾なきを期していただきたい。それから林道の問題についても、御計画はあるようですが、はたしてつくれるか、つくれぬか、御説明によつては必ずつくれるなとわれわれ受取りがたい御説明であります。その点は大蔵省にすがらなければならぬでしよう。主計局長もおいでになつておりますが、この治山、治水の完璧を期さなくては、わが国の存在はあり得ないのであります、大蔵省の各位は、この問題について、どうも建設省の願いやあるいは農林省の願いに対して、ややもするとなたを加えそうな風聞を聞きますけれども、どうか治山、治水問題、あるいはまた建設の問題については、度胸よく予算をお出し願いたいと思います。それが日本再建の基礎となると考えますので、どうか林野局長官も心よく御努力願つて、五箇年計画の林道を必ずつくつていただきたい。奥地にはまたたくさん林産物がありますが、まだ踏み入れてない山がたくさんあります。それを捨てておいて近い山から切る。そうするとつまり本年のような災害が小河川にみな起つて来る。それがみな沃土を流してしまうという結果になります。これはさもなくしても、食糧に窮して輸入にまたなければならないわが国が、沃土を流してしまつてより以上窮迫するのでありますから、どうかしつかり交渉していただきたいと思います。
○田中(角)委員 農林当局に対しては、たくさん質問があるのでありますが、委員会も五時までの規定でありましてあと十分でございますから、私も簡單に本委員会で問題になつて、特に長官の御答弁を得たい問題に対してだけ、二、三御質問いたします。簡單にお答えになつていただけばけつこうです。これはできるかできないかということでけつこうでございます。質問の焦点は住宅問題、なかんずく木材統制法の撤廃並びに河川砂防にかかる見地からの農林行政に対する方針について承りたいのであります。 第一は現在セメント、鋼材その他が需要供給のバランスがとれまして、統制が撤廃になつている。一番最後に残つたのが木材の統制であります。木材の統制がとれないために建築統制がとれない現状であります、これは関係方面の御意見も非常に強いのでありますが、戰前における過伐が洪水の原因になることは、これはもちろん論をまたないところでありまして、過伐をしなければ木統は撤廃にならない、撤廃にならなければ建築はできないというどうどうめぐりを行つておるのであります。これを何とかして、その中間において解決しなければならないという問題だけは、これは焦眉の急であります。その意味において、木統を撤廃する一つの手段として、木材の使用部面に対して樹種の制限をしたらどうかという問題が第一問であります。これはすなわち針葉樹にかわつてある、部門に対しては闊葉樹を使用せよということを農林省は考えておるやいなや。しかもこれはやることによつて、木材統制法はどういうことになるかという見通しであります。 第二は国有林の拂下げの問題であります。この方法その他詳しいことに関しては、質問は後日に控えまするが、現在の国有林拂下げの方法その他に対しましては、相当異論のあるところであります。しかも国有林を拂下げて、厖大なる赤字を出しておるという現状、また国有林を拂い下げて、しかる結果何が與えられたかという問題が当然起きて来ます。しかしこのマイナスなるものを何とかしてプラスにしたい。しかもこのプラスをどこへ持つて来るかというと、植林に持つて来てはどうかという考えを私は持つておるものであります。すなわち赤字になるような国有林の拂下げをやめて、もしできるならば国有林をただくれる。そのかわりにそれを切つた分だけを最低限にして植林を行わせるということを條件に、国有林の拂下げ方法を別途に考えたらどうかというのが第二問。 第三問は、失業対策費は御承知の通り、二十五年度はひもつきが相当あるようでありますが、この中から植林の費用として幾らかとるおつもりがあるかどうか。しかもとれるお見込みがあるかという問題が第三問。 第四問は、これはもう時間がありませんからこの次でけつこうです。相当厖大な資料が必要だと思いますから、この次に資料を提出願つてもけつこうですが、外材の輸入を目途としないで、国内林だけで日本の現在の木材の需要を満たすという計画で、造林計画、それから洪水のもとになる過伐というもののバランスをよくとつたときに、木材統制法が撤廃されるわけです。その時期はいかなる計画のもとに、いかなる実施をなしたならば、いつ木統が撤廃できるかという見通し、これが第四問であります。以上の四問のうち三問お答えいただいてもけつこうです。
○三浦説明員 木材統制を撤廃する一つの方法として、樹種の利用に対する制限をすることによつて調整する。すなわち濫伐を調整して行くという考え方、この点については一応ごもつともでありますが、現在の七千万百石の伐採のうち、闊葉樹はおよそ二割程度でございます。その二割程度は、従来でありますれば建築の中では特殊の部分しか使えない量でございまして、今の量で組みかえるということはなかなか困難であります。すなわちこれは先ほどから問題になつております、奥地の開発と相まつて考えなければならぬのであります。 次に国有林の拂下げの方法について問題があります。国有林の林木の拂下げについてに、地元の方で使わないものは見積為替をもつて、やみを誘発しない限りにおいての高価格で拂い下げておる現状であります。これについて、拂下げの方法をかえて、植林との直接の結びつきにおいての御構想でございますが、私としてはにわかにそうできない。ただここにお断りしたいのは、今度は数字をもつて申し上げたいと存じますが、赤字にはなつておりません。これはお含みおき願います。 それから三番目のある程度の失業対策費があるが、その中に造林を組むかという問題でございます。私どもとしては、小わけをいたしました造林事業、治山事業、治水事業というものは、それぞれの項目において安本、大蔵省の方に交渉して折衝中でございます。まだその査定の内容については、詳しくは参知りませんけれども、治山、治水の非常に叫ばれておる際でありますから、その査定の結果いかんによりましては、何とかして山村に近ごろあふれ出して来ました失業の問題を、治山と結んで解決をしていただければ、非常に仕合せだと考えてお願いしたいと思います。 それから四番目の輸入のわく、今日の世界の木材界の事情については、ここで詳しく申し上げませんが、結論的には、結局ソ連以外にはよそに出すところはありません。フィリピン、蘭領等から多くを期待することは絶対できない。そこで国内の現状を、植林あるいは薪炭林の改善によつて、その面積を少くして、そこに伸びる用途の樹種を植えてまかなうことによつて、統制を撤廃したらどうかというお話でございますが、今日折衝しております限りにおいては、なかなか撤廃をオーケーと申しません。ただ最後に一つ、今日の林産物の消費規正でもつて、消費統制をすることによつて、みんなが関心を持ち恐れておる、山の伐採の調整というものができておるというふうには、必ずしも私ども考えておりません。そこで先ほど申し上げました重要河川、非常に治山治水上心配になる所についてだけでも、なんかの措置を講ずることによつて、流通過程にある消費規正という問題を解決すべきことが、本格であろうと考えております。
○淺利委員長 ついでですから確かめておきたいのです。あとで表を頂戴したいのですが、先刻天野委員からも苗木の御質問があつたのです。私も経験しておりますが、戰時中に五百円で供出させられた跡地に、木を植えると五千円もかかるということでできなかつた。戰時中は苗木がない。人手がないでできなかつた。今日やろうとすればそれだけの金がかかる。しかも税金の面においては、過去の経費は経費として差引かれるけれども、新たに木を植えるものを見てもらうことはできないというのですから、今日の時代において、今後伐採する場合においては、今後植林費を経費として見るというような税金の方法を考える道はないか、それを御考究を願いたい。 それから苗木の問題ですが、これは実際は天野さんの言われたように、民間における苗木というものは非常に悪い。現に私の村のごときは、一たん買つて見たけれども、非常に悪いからやめた。ところが県の苗圃及び国の苗圃というものに行つて話して見ると、まだ植えつけに達する程度に伸びておらない。ようやく二年苗しかない、こういう実情なんです。そういたしますると、せつかくの造林計画も、あるいは五割の補助をやつても、苗木の面において行き詰まるというようなことがあると思いますから、この事業を計画するには、その点について根本的御計画を立てられることを希望すると同時に、もしそういう調査がありましたら私どもにも参考のためにお示しを願いたいと思います。 それからもう一つの点は、先にも御説明がありましたが、この治山の目的のための砂防でありますが、山腹砂防については、従来国有林の話を聞きますと、独立採算のために金がないために、ほとんどやつておらぬということであります。それでありますから、特別会計に対しても一般会計から特に治水のための砂防費は補給してやるということも必要だろうと思う。同時に今までの民有林の山腹砂防、治水砂防については、農林省としてはどういう補助をやつておられるか、現在砂防法の対象として見れば、單に植林自体、植林のための山腹砂防、それから治水のための山腹砂防とありますが、その規正を主眼とする砂防は、砂防法の実施によつてやるべきが本質だと思うのです。それが農林省の所管に属するものは、砂防法の対象になるものを今日やつておるかどうか、あるいは砂防法に準じて一定の補助をやつておるのかどうか、その点を聞きたい。 それから同時に、これは建設省方面においては、この砂防法の実施を、どの程度に山腹砂防をやつておるか、そういう点をもう少し明らかにしたいと思う。私どもの考えとしては、砂防法の対象となるような治水砂防においては、山腹砂防においても、やはりこれはどこか一括した所で統一してやるものだ、こういうふうに考えるのですが、それが現在分界がどうなつておるか、その点をごく簡潔に御答弁願いたい。
○三浦説明員 農林省でただいまいわゆる所管の山腹砂防工事、治山事業についての補助はやつております。その補助率につきましては、本年から建設省におきまする線と一致しております。山腹いわゆる山地砂防を建設省方面でもやつておるが、それについてどこかしかるべき一箇所でやつたらどうかということについての御質問でありますが、まことにけつこうであります。今日地すべりをしておる、土砂を流出させておるという総面積二十六万五千町歩という問題もさることでありますけれども、同時にいわゆる造林をすべくしてしなかつた、そのまま放置しておけば、やがてこの治山の中心対象となります二十六万五千町歩の面積を増加するという結果に相なりますし、現在立てておりますところの山林の伐採にあたりまして、その処置をよろしくいたしませんければそのあとは飛び越えまして、ただちに土砂を流出いたしまする非常な危險な状態を現出いたします。人間がこの山を経済的に文化的に使う限りにおいて、山というものも生きておるといわなければなりません。従いまして、この取扱いいかんということが、いわゆる山地砂防のいかんということになるのでありまして、巷間伝えられますところの、林野局がただいま所管しております砂防だけを、いわゆる他のところへ持つて行く、林野と離してどこかでおやりになるということでなくて、その大宗をなします林野関係にこれを一つでやるということが、本格であろうと存じます。
○淺利委員長 主計局長に対しての御質問があれは願います。
○宮原委員 簡單にいたします。当時の宇田委員の依頼もありまして、打合せの結果主計局長に一言お尋ね申し上げます。 大蔵大臣はこのたびの公共事業費を一千二十億計上されたことにつきまして、われわれに言明されたのであります。その公共事業費の配分については、大いに各省の意見を尊重して、大蔵省としてはあまり従来のような政治力は振わないというような趣旨に拜聽したのであります。しかるに最近の情報によりますと、建設省道路局、河川局方面の予算が、どうも配分において非常に不利益な様相を呈しておるということを私は心痛しておるのです。もつとも私はしばらく地方に行つておりまして、本日帰つて来たのでありますから、私は直接建設省当局から何も連絡をとつてここに申し上げておるわけじやありません。顔はそこに見えておりますが、まだ一言も言葉をかわした間柄ではありません。その辺は誤解のないようにお願いしたいのであります。自然それがわれわれの方に情報として伝わりまして、河川局の予算の中には、安本と建設省が意見が一致しておるにかかわらず、大蔵省の主計局で大分政治力を発揮せられて、非常に困るというような情報さえも伝わつておる。この情報が間違いであればまことにけつこうであります。しかし治水といい、道路といい、公共事業費が今国民全体から支持を受けて、吉田総理を初めとし、超党派的に浮び出ているときでありますから、特に建設省の予算については、主計局長の政治力を発揮していただきまして、どうかできればこちらの提案をこのままお取上げ願うようにお願いしたい。それについての、おさしつかえない限りでよろしゆうございますから、最近の様子をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○河野説明員 公共事業費の予算の内容なのでございますが、公共事業費もやはり予算でありまする以上、下から積み上げて参りませんと、内容はできないわけでありますが、今の公共事業費のやり方と申しまするのは、大きなわくをきめまして、中をいろいろつくつて行くのと、下から積み上げて行つてそのわくに入れる、両方の作業を大蔵省と安本と御相談申し上げてやつているような次第であります。それにはもちろん関係の建設省の御当局の御意見もありまして、できるだけ尊重しましてやつているわけでありますが、何しろ公共事業費の要求は四千億からありましたので、それを千億円に押しつめるということは、並みたいていのことではないのであります。のみならず明年度は治山治水と、それから災害対策、災害の復旧に重点をおきたいというふうに、これは輿論でもございまするし、また現内閣の根本方針の一つでもございますので、その方針でいろいろやつているわけであります。これは災害自体の復旧を先にすべきか、あるいは災害防除がどうであろうか、いろいろ御意見のあるところでありますが、明二十五年度までの災害まで入れますと、千億近い程度の災害復旧費がいることになつておりまして、私ども少くとも三年程度でやりたいというふうに考えておりますが、しかしこれと合せて災害防除の方もやらなければ、根本的な解決はできないわけでありまして、その割振りをどういうふうにするかという点、そういう点でお耳にいろいろ入つている点があろうかと思うのでありますが、これは昨日民自党の政調会の御意見もありまして、いろいろ政治的な要請、その他の見地から決定していただきまして、これは現在ではまだ閣議にはかかつておりませんが、大体きまつております。
○淺利委員長 宇田委員から主計局長の出席を要求されたのですが、主計局長がGHQの方に行かれて、いつ帰るかわからないという御返答だつたものですから、当の宇田委員は後日に留保して帰られたのです。ですから宇田君の経綸抱負を織込んだ御質問ができなかつたことは、さぞ遺憾だろうと思います。 ほかに主計局長に対して御質問ありませんか。
○天野(久)委員 ちよつとお尋ねしたいのですが、あるいはこの会議では御質問は間違つておるかもしれませんが、実は災害に対する問題が今世間でやかましくなつておりまするが、そこで主計局としては、火災の災害を災害と見ておられるかどうか、これをちよつとお尋ねしたいと思います。
○河野説明員 むずかしい御質問ですが、災害をどの程度に限るか、財政問題として災害を考える場合に、どれを災害と考えるのかという問題に、御質問の点は結局帰着するのではないかと思うのでありますが、災害には風害、水害、潮害、震災の害と、いろいろ気象上の原因による災害があります。そのほかに広げて行きますと、病虫害だとか、鉱害だとか、旱害だとか、いろいろなものがあるわけであります。それで今までの建前でありますと、火災というものは、普通に財政が乗り出す災害とは考えないというふうな建前で行つております。と申しますことは、火災というものは、これは財政でもつて考える場合には、これを公共的なものに限る、国民の税金を使つてやるものでありますから、そういつた個人の資産、たとえば家が燒けたとかそういつたものについては、原則的には考える点はあとに送られるわけであります。ただ火災のためにいろいろな公共的な建物の復旧もございましようし、それから都市計画でありますとか、そういつたことでありますと、考える対象になる。しかし原則的には火災と申しましても、風水害というようなものでありますと、非常に範囲が広汎でありまして、数府県に及ぶこともありますしするので、その災害の規模の上から問題になりますが、火災につきましては、家が百軒燒けることもありますし、全市が大火になることもありまして、そういう区分けが非常にむずかしいので、結局火災によつてその当該の公共団体が財政上どういうふうな影響を受けるか、それを再び繰返さないがためには、いかなる程度の施設をやらなければならぬか、それが財政力とどうか、こういう関係から火災を災害と認めるかどうか、これは事実問題として今まで解決して参つております。
○天野(久)委員 お説はごもつともだと思いますが、今さら申上げないでも御承知でしようが、昨年あたりは七十七万三千坪という建物が燒けている。その損害はおそらく一千億円に上ると思いますが、これに対して国はまつたく手放しである。建設省あたりでは、建築だけは一生懸命金をかけてやつているが、その燒ける方に対しては少しも防備しておらない。こういう形である。これはひとつお考えを改めていただいて、この際火災の予防あるいは消防という面に、少し金を出してやつていただきますれば、私は火災は半減もしくは六、七割まで減ずることができるのではないかと考えております。火災の元をただせば、おそらくみなそれぞれ失火が大部分、天災、つまりやむを得ない火災は、そのうちの一割か五分にとどまるのではないかと考えております。今の現状で見ますと、国民は日々の生活に追われて、いつ起るかわからない火災に注意するだけの余裕がない。しかしこれに対して、やはり防火の宣伝とか、あるいは火の元の取締り、あるいはその消防機関器具の完備、こういうふうなことを完全にすれば、相当火災を防ぐことができるのじやないか。ここにまた一つわれわれ民間として不思議でならないことは、国がたくさんの公共建物を各所に持つているにかかわらず、これに対しての防火設備は全然やつていない。これがもし一朝火災が起きますと、その地方の村民が金を出して買つたポンプや何かで消す。消防夫がそのために怪我しても、何ら国で見てもらえない。こういうふうな形まである。それを少しも国が見ないということは、少し考えを直していただくことが必要じやないかと考えております。消防庁あたりは、二十二億の予算を要求しても、一文も見てもらえない。そんなことで消防庁の連中も働く上に困つているようです。火災を災害と見るか見ないかということは、これはお説の通りかもしれませんが、しかし国が一千億に及ぶ損害をして、しかもまた治山、治水を叫ぶときに、山の火災というものは、広大たる面積にわたつて毎年やられている。これがやはり不毛地になつてしまう。いわゆる植林をしなければならぬ。こういうことになつている。これは治水上においても非常な影響がある。こういう面についても、相当この火災防火のために国が金を出して使うことは、国のために非常な利益ではないか、こんなふうに考えますが、ひとつその点に思いをいたしていただいて、防火消防の面に少し国費を出していただくように御考慮願いたいと思います。
○河野説明員 私はちよつと御質問の趣旨を間違えまして、公共事業で火災の問題をどういうふうに考えるかという御趣旨の御質問と感違いしまして、そういうことを申し上げたのでありますが、防火の問題につきましては、これは先生のおつしやる通り、非常に重要なことだと思つております。 それからことしの予算の内容を申し上げるのもいかがかと思うのでありますが、消防に対する補助というふうなことで、消防庁から御要求があつたように思うのでありますが、これは今回のシャウプの税制改正で、例の地方財政平衡資金という問題として――現在の警察費が地方でやつておられると同じように、平衡資金の問題として解決すべき問題ではないかというふうに考えておるわけであります。 それから今委員長からお話がありました不燃式の建物の件につきましては、これは公共事業の住宅の件で、コンクリートの建物を相当助成して参りたいというふうに考えております。
○淺利委員長 お諮りいたします。都市計画について日程追加の御希望が内海委員からありましたが、もはや五時を経過いたしました。つきましては閉会中における本委員会の継続審議の結果をまとめて報告しなければならぬのでありますが、明日より住宅小委員会、地方開発小委員会もあるようでありますが、開会前にもう一ぺんこの会議を開きますが、そういう問題で御懇談をしたいと思います。 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○淺利委員長 速記を始めて。 それでは本日は時間もつまりましたから、次会は二十四日に開く予定にいたしましてこれをもつて散会いたします。 午後五時二十三分散会