建設委員会 第11号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/05/04
会議録
○淺利委員長 これより会議を開きます。 特別都市計画法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案については前会において質疑は終了いたしております。これより討論に入ります。討論の通告があります。鈴木委員。
○鈴木(仙)委員 特別都市計画法改正の法案につきましては、新憲法下財産権を尊重するという趣旨で最も適当であると認めまして、なお土地区画整理事業が戰災地復興の基盤でもありますので、本法案に対し民主自由党を代表いたしまして賛成するものであります。
○淺利委員長 池田委員。
○池田(峯)委員 日本共産党といたしましては、本法案の改正には賛成でありますが、但しこの特別都市計画法の第十六條のみでなく、相当の部分について改正を要求するものであります。すなわちこの法律において補償される対象は、土地所有者それから地上権、賃借権あるいは永小作権等を持つ者を主といたしまして、そしてその土地に工作物があつた場合、その所有者に対しては移轉を命じ、これを使用しておる占有者に対しては立ちのきを命ずることができることになつております。これらに対しましては一應補償を與えておりますけれども、この補償は補償審査会が決定することになつております。この補償審査会でありますが、この委員は会長が地方長官あるいは主務大臣の指定する市においては市長で、「委員は、関係各廳の一級又は二級の官吏、都議会、道府縣会又は市会の議員及び学識経驗ある者の中から、地方長官が、これを命じ又は委嘱する」ということになつております。こういうような委員の構成では、土地あるいは建物の所有者、使用者に損害のない補償処置を十分に講ずるということはできないのであります。もつとも同條では、補償審査会に臨時委員を置くことができるように規定してはありますけれども、これもまた「地方長官が、関係市区町村長及び関係市町村長会議員の中から、これを委嘱することができる。」このようになつておりまして、すなわち下の人民大衆の中から選挙し、推薦するということにできていないのであります。從いまして、この條項を、補償審査会の委員の過半数は労働團体あるいは農民團体、市民團体、文化團体等の代表者または同團体が推薦する学識経驗者において構成する、こういうように修正する必要があると思うのであります。同様に土地区画整理委員会の構成についても、單に土地所有者及び借地権者のみが選挙権及び被選挙権を有するのではなくて、その区画整理施行地区内の全住民が選挙権及び被選挙権を持つように改正すべきであるのであります。すなわち区画整理による影響は、單に土地所有者あるいは借地権者のみに限らず、土地使用者である借間をなす者も受けるのでありますから、第十一條の一部を、委員はその土地区画整理施行地区内の全居住者がこれを選挙する、全住民は特別に定める者を除いて、その土地区画整理施行地区にある土地区画整理委員会の委員の選挙権及び被選挙権を有する、こういうように改正すべきであると信ずるのであります。同時に特別都市計画法施行令第十六條は、法第十一條第二項に定める整理委員会の委員の定数は、特別の事情がある場合を除くほか、土地所有者の選挙すべきものと、借地権者の選挙すべきものと、借地権がなくても居住権を持つ者とに区分し、その割合が整理施行地区内における土地所有者の総数と借地権者の総数と居住権を持つ者との割合におおむね比例するように整理施行者がこれを定める。以上のようにこれも改正すべきであると信ずるのであります。 以上の改正について、できるだけすみやかに本法を改正されんことを要求いたしまして、本改正案に賛成するものであります。
○淺利委員長 他に御意見はありませんか。——別に御発言もないようでありますから、これにて討論を打切ります。 それでは採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○淺利委員長 起立総員、よつて本案は全会一致をもつて原案通り可決いたしました。 この際お諮りいたします。本案に関する報告書の作成、並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
○淺利委員長 御異議なしと認めます。さようとりはからいます。 —————————————
○淺利委員長 次に去る二十八日付託になりました建設業法案を議題といたします。提案理由の説明を求めます。益谷建設大臣。
○益谷國務大臣 建設事業は公共の福祉に至大の関連のある産業でありますとともに、ことに現下におきましては、國民経済の再建に重要な責務を有しております関係上、國、公共團体の工事予算、あるいは民間の工事量も厖大な金額を示しております。これら建設事業の施工は、建設業者に負うところ大なるものがありますが、元來建設工事は、その良否が施工過程の適否に依存するところ多く、かつ建設業者には、高額の前拂金が支給されることが多いとともに、建設業は、工事施工に際し、人的色彩が濃い企業である特殊性を考えますとき、これを施工する業者の資質はまことに重要なものと申すことができるのであります。しかるに、終戰後における建設業者の濫立と、近時における経済事情の逼迫に伴う経営難、資金難等により、現在建設業界には幾多の弊害を生じておりますとともに、現行の請負契約には種々不合理な点が存し、工事の適正な施工を阻害している状況であります。これらの現状を放任いたしますときは、建設事業の適正な実施及びこれが強力な推進はとうてい望みがたいものと思料されますので、ここに建設業者の登録の実施、請負契約の規正、技術者の設置等を内容とする建設業法案を提案いたしまして、建設工事の適正な施工の確保と建設業の健全な発達に資し、公共の福祉に寄與せんとするものであります。 以上の趣旨にのつとりまして、この法律案の大綱といたしましては、まづ第一に本法案の適用範囲でありますが、建設物の主体をなさず、かつ公共の福祉との関係が比較的稀薄な一定の工事のみを請負う者、及び一定金額以下の軽微な工事のみを請負う者は、これを適用除外とし、その他の者に対してこの法律を適用することにいたしております。 第二に登録の実施でありますが、この制度は、建設省及び各都道府縣に登録簿閲覧所を設置することにより、登録簿等を公衆の閲覧に供し、注文者等に便を與えること、並びに悪質業者に対しては登録の抹消等の監督手段を発動する根拠とするとともに、一定の要件を欠く、能力の乏しい業者を排除し、あわせて業者の実態を把握することを企図しております。すなわち登録は、建設大臣登録と、都道府縣知事登録の二種とし、二年ごとにこれを更新することにいたしております。 第三に請負契約の規正でありますが、前述の通リ、建設工事の請負契約には多分に不合理な点がありますので、これが合理化をはかりますとともに、建設工事の特殊性にかんがみまして、民法の「請負」に関する若干の補充的な規定を設け、請負契約の公正な履行を確保しようとするものであります。 第四に技術者の設置でありますが、業者は、工事の技術上の管理をつかさどる主任技術者を工事現場に、また建設大臣の登録を受けた業者は、技術者を一定の営業所に置かなければならないことを規定し、建設工事の適正な施工を企図しております。 第五に監督の規定でありますが、これは登録を基盤といたしまして、業者に一定の不正な事実がある場合に、指示あるいは勧告を行うとともに、悪質な業者に対しては、営業の停止、または登録の取消しをなし得ることを規定しておりますが、これらの処分の重要なものについては、民主的な組織による建設業審議会の同意を事前に得なければならないこととし、特に愼重を期することにいたしております。 最後に建設業審議会でありますが、建設大臣または都道府縣知事の行う重要な監督処分につき、同意を與えるための議決をさせるとともに、その諮問に應じ、建設業の改善に関する重要事項を調査審議させるために、建設省及び各都道府縣に建設業審議会を設けることにいたしておりまして、その構成は、官公吏、学識経驗者、注文者、及び建設業者から任命された委員により組織することにいたしております。 以上が建設業法案の大綱でありますが、何とぞ御審議の上、御可決あらんことをお願い申し上げます。
○淺利委員長 この建設業法案に関して各大臣の出席を要求いたしましたが、閣議のためにどなたも出席されません。よつてこれから時間の許す限り建設業法に対して質疑を行いたいと思います。これより質疑に入ります。
○池田(峯)委員 第五條のこの一、二、三の各号で、この條項のために登録が受けられない業者がどのくらい全國であるか、さらにそれを大体百万円あたりくらいの資本金別にして、どのくらいあるかということ、それから大体登録を予想される業者がどのくらいあるか、それについて御質問いたします
○中田政府委員 第五條の要件は一、二、三と要件がございますが、この要件はかなりこまかくなつておるようでございますけれども、要約いたしますと、技術者的なもの一人ということであります。その技術者的な方を一人要求しておりますのも、実務の経驗を要するという点が若干制限になつておりますが、そうむずかしい技術者ではございません。 それから第二に、「建設工事に関し、法律又は命令による免許又は技術若しくは技能」とありますが、これも現在においてはそうむずかしい要件ではございません。 第三の十年以上の実務という点でございますが、十年以上の実務を持たずに請負をやつておられるという方が若干あるのではないかと思います。しかしこれも、この法律の適用範囲が、ただいま大臣が提案説明にお述べになりました通り、軽微な工事を行う者には適用しないということになつておりまして、その軽微な工事を請負う者というのは政令に讓つてございます。それで、軽微な工事を適用除外にいたしますれば、あまりこまかい業者は適用外になりますので、從つて第三項の関係においても、そうむずかしいことはなくなるのではないかと見ております。一應の推算では、該当者が十二万人ぐらいあろうかと思つておりますが、ただいまお話のように、一、二、三の制限があるために、現在やつておる者でどれだけはずれるかということは、ちよつと統計的にはまだ推定いたしておりません。しかし何らかの方法で推計を加えまして、後ほどお答えしたいと思います。
○鈴木(仙)委員 やはりただいまの御質問にあつた第五條の第三ですが、「建設工事に関し、十年以上実務の経驗を有する者」とありまして、これが登録の條件になつておりますが、この十年以上実務の経驗を有する者は、どういう基準によつて認定されるのか、その方法を伺いたいと思います。
○中田政府委員 これは十年以上実務の経驗をしたということを、申請のときに宣誓さすという意味じやありませんが、私はこういう実務をやつたという一種の経歴を書類でお出し願うという程度でございます。
○鈴木(仙)委員 そうすると、ただ単に形式ですか。
○中田政府委員 形式という意味じやございませんが、そういう形で申請をしていただくことになります。しかし虚偽の申請をするとか、あるいは申請書の内容が間違つておつたということになれば、審査をして修正していただくこともございましよう。実際においては、一々これを過去にさかのぼつて調べるということは不可能でございますから、一應本人が間違いないということを証言して、書類に出していただければそれでけつこうだと思います。
○鈴木(仙)委員 つまり形式であつて、その人間がたとい五年の経驗を持つていても、十年だと言つて届け出れば、それをうのみにして、掘下げるというようなことはないのですか。つまりそうなると、だれでもこの登録を受けられるという形になるわけですね。そうするとこの法の精神がどこにあるか、ちよつと判断がつかなくなるのですが……。
○中田政府委員 形式だけという意味ではございませんので、つまり間違いのない事実を申告していただくということになります。從つて明らかにそれが間違いだということがわかり、あるいは疑いがございます場合には、ここに法律の要求する適格者でないということになりますから、虚偽の申請になるということがあり得ると思います。
○宇田委員 私は地方の行政の末端に多少関係いたしておりますので、この法案ができると同時に疑義を持つたのであります。まず第一に、ただいまの鈴木さんの御質問のごとく、登録の申請書類を調査されるのが、もちろん地方の知事及び本省の二つになつていると思いますが、どういう調査をされるかということが非常に重要なのでありまして、調査がいわゆる有名無実になるということが、明らかに今から看取されると思うのであります。一例を申しますと、私廣島縣の藺製品連合会長をいたしておりますが、その藺製品の販賣売登録を受ける申請をやりまして、その申請者を調査いたして参りますと、おのおの資本金も積立てておる、書類においてはもちろんはつきりしている、倉庫も持つておる、從業員も持つておるということで、調査のときには完全なる計画ができておるのであります。しかしながら、その調査をするときの机上の計画と、実際とは大きな隔たりがある。これは間違いのない事実であります。從つてただいまの鈴木さんのお話のごとく、経驗があるという申請をどの程度に認定するかということも大きな問題になります。もちろん学歴等の問題については、卒業証書の副書をつけることになつていて、これに対する罰則もきめられておりますから、そういうことは完全に行われると思うのでありますが、そういうことの認定はまことに困難であると思う。同時にさいぜん申し上げましたような、机上の計画だけは完成しておつても、あるいは機械工具を持つておる、倉庫を持つておる、資本金を持つておると申しましても、資本金等においては、一時の積立は容易にできることでありまして、審査当時と、実際に運営して行くときとは非常な隔たりがあると考えるのであります。 さらにもう一つの例を申しますと、私は田舎で町長をいたしたことがありますが、ちようど役場の前に藥局ができた。藥局は藥剤師、すなわち今日で言えば專門学校以上の力のある者でなければできないのでありますが、単なる小学校出だけの主人が藥局を開いておる。それが役場の前でありますので、私まことに危險千万なことであると考えまして、ただちに縣の衞生課へ調査を命じたのであります。ところが、ある未亡人か奥さんか知りませんが、四キロ内外の土地に一人の何ら就職しない藥剤師がおりまして、これが就職した形になつているのであります。私当時縣会におしましたから、ただちに衞生部長に調査を命じますと、衞生部の一役人と連繋しまして、どうも調査に行くときだけ藥剤師が出ているが、その俸給と旅費その他の関係を調査すると、何ら出て來られない條件になつている。ちようど役場の前の藥剤師でありますので、私いろいろ調査をいたしたのでありますが、藥局の権利を持つことによつて医藥の配給がある、その他いろいろな便宜があるというので、かようなインチキは今日の政治下では平素で行われるのであります。これは藺製品の問題と藥局の問題だけで二つの例をあげましたが、その他にもこうした種類のものが相当行われるのではないかと考えるのであります。 さらに本省の調査に至りましては、私一つの具体的事実を申し上げてみたいと思います。建設省に関係があるので、名前あるいはその課だけは申し上げませんが、こういう一つの例があります。これは地方の一つの建築の問題であります。都市計画と言おうか、区画整理に関連いたしまして、二つの同じような建築の問題が起つた。都市計画、区画整理によつて同じように切り取られるのであるから、同じように地方から本省へ願書を出したのであります。もちろん縣知事の口を添えて出したわけですが、一つはスムースに通過したにもかかわらず、あとのものはひつかかつた。もちろんこれは同じ町でありますから、同じ代書が同じ條件で書いたわけでありまして、すべて同じ條件の二つの書類が本省に出されたのであります。前のものは次長かだれかが持つて來たと思うのでありますが、これはスムースに調子よく通過した。ところがその次のものは牴触したのであります。当時私縣会の土本委員会におりましたので、私それを持つて來た。これはひつかかつた。ちようど今回のわれわれの当選した衆議院選挙の前、十一月でありました。私はあらゆる手を盡しまして、同じようなものが二つ出ておるのだから、むしろ前の方がおかしいのだ。具体的な実例をあげて、この方が正しいのだ。同じような條件で、同じような代書が書いたのだから、これは通したらどうかと言つても通さない。私は早く帰つて衆議院に立候補しなければならぬので、それでは一箇月後にまみえようということで帰つたのであります。そのときに、却下された理由はどういう理由であるかということを、責任者に対して——もちろん課長でありますが、私は伺つた。私はいわゆる縣会の土木委員としては僭越なことになるので、当時廣島縣の道路課長が上京しておりましたので、道路課長とともにその課長に会つて、どういう理由で前のものが通つて、あとのものが却下されたのだ。ひとつ記録を拝見さしてもらいたいと言うと、その記録は本省にないと言う。却下した書類の控えがないと言うので、そんなばかなことはないと言つたのです。さようにいたしまして、私は一箇月後にまみえる約束をしましたが、遂に私が当選するという声を聞くと同時に、どこからともなくそれは許可された形になつたのであります。この問題につきまして、もちろん私個人の意見を申し述べておるのではありませんが、その当時私は廣島縣のその都市の実態を詳しく申し述べたのでありますが、何ら採用されないのであります。 そこで私の言わんと欲するところは、このいわゆる登録制を、だれがどういう方法によつて、これが正しい申請であるか、あるいは正しくない申請であるかということを調査するかということに、非常な心配を持つものであります。從いまして、前に申しましたように、藺製品の登録の問題にいたしましても、さらに藥局の登録の問題にいたしましても、今回のこの一つの大きな例を申し上げましても、この登録制は、まことにわれわれとしては必要なる登録とも考え得るのでありますが、またよつて起る被害のいかに甚大であるかも想像できるのであります。從つてこれは登録の調査をいたしますものには、最も民主的な、官僚独善に陷らざるような、正しい審査をするにあらずんば、これをつくることによつて、むしろ從來の業者になおかつ被害が大きく予想されるのじやないかと考えるのであります。その点につきまして、立案者の所見を伺います。
○中田政府委員 宇田委員の御意見、ごもつともな点があると思います。この建設業者の登録を研究するにあたりまして、基本的な考えといたしましては、こういう考えで臨んだわけでございます。なるべく個人の営業を極端には制限せぬようにして、社会の経済の現象を生き生きとさして行きたいという念願が一方にございます。かといつてそれに伴つて社会的に起るところの弊害も、ある程度チエツクせなければならぬ。この二つのねらいを根本に置きながら研究いたしましたわけでございまして、登録におきましても、この根本の希望は捨てていないつもりでございます。すなわちだれでもがやりたいものは、なるべくあまりむずかしいことを言わぬ。しかしながら登録をした方で、どうも実際が社会に対して不都合があるという場合には、その現実をとらえて、これに対して社会的制裁といいますか、業界のためにならぬというような場合には、これに指示、勧告あるいは営業の停止、最後には登録の取消しというような順を追うて、健全な業者にするようにして行くというように考えております。從いまして、登録の場合には、この法律のあとの方にもありますが、そうむずかしい條件をつけておりません。もちろん第五條で書いておりますことは、本人にこれに間違いはございませんという誓約をつけていただくことにしております。それ以上明らかなる誤謬があれば調査をいたしますが、しかし今御指摘のように、出した書類が非常にゆがめられたり、あるいはのんべんだらりとやられるというようなことがあつてはなりませんので、一定の期限を付しまして、必ず登録をしなければならぬようにいたしております。それから登録をそれでは今度拒否するというようなものに対してはどういうことをしておるかと申しますと、これは出願者にとつては大問題でございますので、根本に申し上げました、営業の自由をなるべく阻害しないようにという意味からいたしまして、官廳が阻止するという場合には、後に條文にあります建設業審議会の——これは民間の人も出ていただきまして、官廳独善にならぬような仕組みにいたしておりますが、その審議会の同意を得なければ拒否はできないというようにいたしております。その根本を申し上げますと、冒頭申し上げたように、できるだけ営業は活発にするようにする。しかし個々の事案で悪い点があつたならば、それをためるというような根本にしたいという意味で立案したようなわけでございます。さよう御承知願います。
○宇田委員 この運営を誤れば、むしろこれは時代錯誤の現象になると考えるのでありまして、今の御説明ではむしろあつてもなくてもいい問題だ、大した問題じやないということに結論づけられるのであります。從來あつたものをこの際なくするという時代ではないかと思いますが、もちろん原案の立てられた上にあつては、いろいろの御構想があろうと思うのでありますが、さいぜん申し上げましたような例を御参考になさつて、これをつくつたがゆえにその大きな企画の上にあつて、たとえば從來の建設工事は、一應指名請負等のことになつておつたと思いますが、指名請負そのこと自体はきわめて非民主的な行き方であり、またあなた方の御心配なさつておるところの不正業者と申しましようか、力のない営業者を選別するということについては非常に有効な方法であります。從つて前渡金を渡すとか、あるいは信頼してどういう特別な契約をするかということに対しましては、今度この法案が通つた後の方が、ますます危險な状態に、御心配になるようなことが起るのじやないかということを予想されるのであります。せつかくおつくりになりまして、今までよりか悪い事態が起らないように特に要望いたしまして、私の質問を終ります。
○鈴木(仙)委員 私も宇田委員と同じような意見を持つております。ただいまの御説明のだれでも営業ができるようにしたい。そうしてこの精神は悪いことのできないようにというふうに聞いております。それで登録をすることはきわめて簡便で、先ほどお伺いしたように、形式的のようにも考えられる。だれでもが登録を受けるものに許可になるということは、結局虚偽の申請をして、この登録を受けた場合に、一般國民に対して、かえつてその認識をあやまらしめるような結果になりはしないか、こういうふうに私は考える。それからどうもこれが一部の大資本を持つ建築業者の方々を擁護するかのように——決してそうではないでしよう。ないでしようけれども、擁護するかのような感じを、一般の小いさな人たちに與える。これが私は一番の問題じやないかと思う。どうも私は今宇田さんが言つたように、私はよく業界のことは知りませんが、何か御役所の仕事をとるには指名資格がある、あるいはその昔は談合をやるとかというふうに、なれ合いの入札をやるとか、しばしば土建業者に対してはいまわしきうわさがないではないのであります。今回登録は簡單にできるでしようが、何か今言つたような一部の大資本家の土建業者の擁護のように感ぜられる。この点について伺いたい。
○中田政府委員 鈴木委員の御質問の点ごもつともの点がございますが、大企業家あるいは大資本を持つた一部の業者を擁護するような疑いを、一般社会に持たせるではないかという点については、実はその点はむしろ逆に考えておつたくらいでございます。全然そういう考えはございません。これをいろいろ研究しました過程においては、こういうことも考えておつたわけでございます。これはむしろ注文者の便宜をはかろうというのが眞意でございまして、ある土建業者を擁護しようというような考えは毛頭ございませんでした。たとえば登録しました業者の型をつくつて行われたことがありまして、こういう資本構成でこういう技術者を持ち、こういう機械を持つておる者は、たとえばA級にする、この程度の者はB級にする、あるいはそれ以下の人はC級にするというような級別をつけて、大工事にはそのA級の人が比較的参加しやすいというような注文者の便宜のために、いわゆる級別を判定するというようなこともございましたが、これこそ大業者を擁護する結果になる。少くともA級登録業者と言つたら、何でもかんでも信用があつて、業界においての競争に非常に有利な地位に立つというよう結果になるので、これはどうも弊害の方が恐ろしいということに氣がつきまして、全然これはやめてしまつたわけでございます。從いまして登録の要件としましては、最小限度の要件ということにいたしましたので、大業者擁護ということは、この法案では公然懸念がないかと思います。のみならず、軽微な工事を適用除外にいたしました関係上、それでは軽微な工事をやる者は登録しなくてもよいから登録業者ではない、それからそれ以外の者は登録しておるから登録業者、この適用除外と適用との関係で、何か大業者を擁護するような結果になりはせぬかということも多少考えられますが、しかしこれもむしろあまりこまかい業者にこの適用をしいることは、かえつてその方が苦痛を感じさせるという意味で、この除外を考えたのでございます。しかし今は小業者でも、大工事をやるというような前途に希望を持つた方でありますれば、何もこの登録を拒否するわけではございません。要するに今みなに強制することが苦痛を感じさせてはいかぬという意味での適用除外でございます。從つてこの点からいたしましても、大業者を擁護して小業者を擁護しないという考えは全然起らぬだろうかと考えております。
○鈴木(仙)委員 ただいまの御説明ですが、やはり宇田委員と同じような考え方です。これはあつてもなくてもよい法案じやないかと思います。今言つたように、かりに小さな仕事をする人の営業は決してはばまない、登録しなくてもできる、そこに何十万円とか何百万円とかいうことはつくでしようが、これはよい。そうなると、今度はその人たちが大きな仕事をしたい場合には登録をすればよい。こういうような御説明のように聞いております。その登録をすることはたれでも——先ほど私が質問いたしましたお答えは「十年以上実務の経験を有する者」ということに対しては、きわめて大ざつぱなお考えのもとにこれをお認めになる。こうなるとあつてもなくてもよいのじやないか。もちろん悪いことをする業者は、これはもう学校出の者を雇うことも知つておるでしようし、自分の経歴を欺瞞をすることは簡單です。悪いことをする者は、いかにしても悪いことをするのです。ただこの建設業法案をしいたからと言つて、私はその悪いことをする者を、すぐにできなくするというような、そんなりつぱなものではないと思います。それから私の言いたいのは、何かしら登録を受けた者は公認というような感じを受け、いわゆる金看板を上げられるような形となる。また登録を受けざる者はこの條件にふさわしくなく、登録を受けられない者は、どんなまじめなたたき大工から上つた者でも、その公認というような看板を得られない。あなたの方では十年以上の経驗を有することがきわめて簡單にできるのだとおつしやるけれども、正直な者はやはりこういうふうな法律が出れば、それを押し切つて自分のことを欺瞞をしてまで登録を受けるような者はない。私はかえつて逆効果ではないかと思う。そういうふうな考え方で私は申し上げるのであります。 それからもう一つお伺いしておきたいことは、これはどなたか先ほど対象の人員を御質問したようでありますが、もしこれが通りまして、この法案が施行される場合に、あなた方が想定されておる人員、またこれを取締る上、あるいは試驗をする上、認可をする上の所要の費用とか、これに関係する人員は大体どのくらいの御算定であるか、念のためにお伺いしておきたい。
○中田政府委員 この登録はあつてもなくてもいいじやないかというような御質問であつたと存じますが、われわれはそういう考えは持つていないのでございまして、虚偽の登録をいたしますれば処罰の規定もございます。それから登録は割合に樂にできるじやないかという点につきましては、先刻申し上げたように、個人の営業の自由をあまり制限しないというような心持が加わつておるという意味でございますけれども、しかしながら今日こういう登録制度も何にもない時代においては、悪いことをしても一般の社会的制裁を加えるというだけで、業界としては何らこれに掣肘を加えることは全然ありません。もし業者にして登録をした者が適当でない、そういう業績が積り重なるということでありますれば、これは建設業審議会にかけて、登録の取消しを天下に公表することになりますから、非常に致命的な社会的制裁になるわけであります。またその段階にならなくとも、審議会の権威によつて相当な注意勧告をするということもございますし、また請負契約の内容の規正もできることになつておりますので、登録は決してむだであるという意味にはわれわれは考えておりません。 それからこの施行に要する費用、人員等のことでございますが、これはこの法案にも載つております通り、建設大臣の登録というのは数縣に営業所を持つた業者を、どの縣に登録させるというわけにいきませんので、建設大臣の登録にいたしております。それから一府縣だけの営業所の業者については、便宜上縣知事の登録といたしております。しかもその登録手数料等も府縣單位に府縣の收入にするという関係でございませんで、府縣登録の経費については府縣の歳出でまかなうようにいたしております。大体においてまかない得ると思つております。それから建設大臣の登録の方の事務については、行政簡素化の今日でありますから、人員は特にふやさずに、現在の人の配置轉換等でやろうと思つておりますが、経費は二十四年度の建設省の経費に所要量は計上しておるようなわけであります。
○淺利委員長 本案はすこぶる重要なる法案でありますから、次会に質疑を続行することにいたしまして、本日はこの程度にとどめたいと思います。 なおこの際申し上げておきますが、本案に関しましては、前回の委員会において、審査の都合上参考人を呼んで意見を聞くことに決定いたしておりましたが、参考人の人選につきましては、一應委員長一任となつておりました。大体の人選はできましたので、この際お傳え申し上げておきます。 学識経験者といたしまして、川島武宜君、東大法学部教授、請負契約に関する研究者であります。山下壽郎君、建設設計管理協会理事長、元東大工学部教授で米國建築士の研究をされておる方であります。また業者の方は、安藤清太郎君、全國建設業協会会長。灘波元由君、日本建設業会会長。安藤さんは安藤組の社長、灘波さんは中小業者の役員であります。それから民間の西松三好君、西松建設工業会社。森豊吉君、道路建設工業協会理事長。発注者といたしまして、日発副総裁進藤武左衞門君。石井桂君、東京都建設局長。新井勝茂君、警視廳生活相談係長。以上の方々にお願いいたしたいと存じまして、目下交渉中であります。御了承を願います。 本日午後一時半より、第十委員室において建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会と連合審査会を開くことになつております。御出席の上、本委員会の意向を十分に反映いたしますようにお願いいたしたいと思います。 それでは次会は、公報をもつてお知らせすることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会