経済安定委員会 第15号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/12
会議録
○首藤委員長代理 ただいまより会議を開きます。 これより前日に引続き、内閣提出第一三四号、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。質疑は通告順にこれを許します。高田委員。
○高田(富)委員 ちよつとお尋ねしたいのでありますが、日本製鋼とニユーヨークのクーン商会との間に、去る二月二十三日付で取りかわされました仮協定書につきまして、その内容が独禁法違反の疑いがあるやに考えられる点があるのでありますが、これについての御見解はいかがですか。
○横田(正)政府委員 私どもも役所でまだその問題について何ら問題になつておりませんが、どういう内容でございますか。ここに資料もございませんし……
○高田(富)委員 全然まだお調べになつておりませんか。
○横田(正)政府委員 そう思います。どうも來てないようですが……
○高田(富)委員 労働組合方面では、公正取引委員会の見解はというふうなことも若干聞いておるのですが……
○横田(正)政府委員 全然存じておりません。
○高田(富)委員 それではまたよくあとでお調べ願つてから質問いたします。 それからこの間うちからずつといろいろな具体的な問題について二、三お伺いしまして、研究中というのがたいへん多かつたのですが、しかしかなり重要な問題で、特に外國商社のこれからのいろいろな今度の改正につきましても、結局は外資導入を中心とすることを目当にした改正でもありますので、ある程度改正しましたあと、それを嚴正に適用するという建前でやることになると思いますが、今までとかくそこに嚴正を欠くような点が相当あつたのではないかと思われる節々がありますので、個々の点についてお尋ねしたわけでありますが、今いろいろまだ御研究中というふうな御回答が多かつたのです。しかしぜひひとつそういうような問題につきましても、はつきりと至当明確な御回答を得られるように、お願いしたいと思うわけであります。 それからこの機会にこの前お尋ねしましたところを総合したしまして、結論的にお伺いしたいのでありますが、今度の改正の要点が株式の保有の制限を緩和し、あるいは重役の兼任制を緩和するというふうな本法のかなり本質的な点についての、考えようによりましては相当大幅な緩和でもありますので、今後の運用のいかんによりましては、これは相当大きな変化になると思われるのであります。これは昨日でしたか、新聞等にも前の総司令部の民生局の次長のケージス氏が、財閥の復活的な傾向は断じて許しがたいというような見解を発表しておられるような向きもありまして、世界的にも相当注目されておる動きの一つであろうかと思うのであります。これと合せてやはり財閥の過度の支配力排除法に関する特例的な措置も講ぜられようとしておるし、また先般は日経連方面の意見としましては、これに関連して制限会社令とか、証券等の保有制限令などの緩和ないし撤廃というような意見も、当然強く出て來る形勢にありますし、あるいは財界の追放者に対する追放の解除というようなことも、目下相当強い輿論が聞かれるようになつておりますので、これらの問題と関連いたしまして、本法の改正の底を流れる一つの潮流というものは、相当重大な思想的なものがあると思うのであります。從つてここではつきりとお尋ねしておきたいことは、こういうふうな傾向が今相当強い。特に財界の指導的な方面において強いということが認められますが、そもそも日本で本法が制定されるに至りました元をなす占領当初発せられました基本的な政策、また指令等の精神に考えてみますと、かなり今度の緩和措置は財閥解体の指令やその他に対して、精神の上からいつても背馳する面が相当あるのではないかと思われるのであります。こういう点につきまして根本的なポツダム宣言、あるいはそれに基く当初の財閥解体指令等に盛られた精神と、これを緩和しようとする、またこれに関連する底を流れておる思想傾向との矛盾、これをどう理解せられておるか。この点についての御回答をお願いしたいのであります。
○中山(喜)政府委員 独占禁止法が発布せられましたのは、大きく言えば占領政策上、日本の経済民主化を実現しなければならないという政策に基いたものではございまするけれども、しかし私的独占禁止法の立法並びにその施行は、直接に占領政策に基く覚書に必ずしも基くとは言えないのでありまして、それは覚書に基きまする各種の一時的なと認められる法律とは違いまして、日本の産業秩序に対する恒久立法として存在するものだと、私は考えておるのであります。從つて占領政策に基く直接の財閥の解体であるとか、追放であるとか、こういうことと離れまして、廣く大きく日本の経済の秩序に関する制定法とお考えを願いたいのでありまして、私たちもそういう考えで実は取扱つておる次第であります。独占禁止法の目的とするところは那辺にあるかということは、今さら私が御説明申し上げるまでもないことであると思いますが、要するに自由かつ公正な競爭経済によりまして、國民経済の健全にして民主的な発達を促進し、一般消費者の利益をはかるというところにあるのでありまして、この精神にのみ沿つてこの法律の目的の達成のために、われわれは運用いたしておる考えでございます。それでこのたびの株式の保有制限の緩和であるとか、役員兼任の制限の緩和であるとかいうことにつきましては、ただいま非常に本質的な規定というふうに、御解釈になつておるようなお言葉でございましたけれども、われわれといたしましては、私的独占禁止法のほんとうのねらいとする主たる目的とし、精神とするところのものは、第四章関係のわれわれが承知しておる予防措置的規定ではなくて、これらの予防措置的規定というのは第二章、第三章、第五章の私的独占及び不当な取引制限、不当な事業能力の較差、不公正な競爭方法をとること、そういうことを排除いたしまして、眞に自由なる公正な経済を維持させようというところにあると思うのでありまして、これらの目的を達するために、予防的の措置として株式の保有の制限なり、役員の兼任の制限をいたそうとするものでありまして、この予防的措置の緩和をいたしたからといいましても、本法の目的といたしますところの私的独占の禁止であるとか、不当取引制限であるとかいう根本的な問題については、ごうも後退されていないつもりであります。そういうふうに解釈いたしまして從來も運輸され、今後も運用されるということをここに申し上げておく次第であります。
○高田(富)委員 大体この独占の禁止の根本的な精神は、当初の持株会社の解体に関する一九四五年十一月六日に出ました覚書の中にも明瞭でありますが、今までのホールデイング・カンパニーのような形態で、資本の力をもつて大きく経済界を左右するような力が生れ、これが政治的にも力を持ち、結局侵略的なものの基礎になつたというようなことがあるので、平和と民主主義を建前とする新しい経済のあり方をつくろうというところに、ねらいがあることは明らかであります。そのために不当な独占を禁止し、集中した経済力を排除するというような措置もとられたのであろうと思うのでありますが、その後このような独禁法や集排法がありましたけれども、事実は先般來各委員から御質問がありましたように、なるほどホールディングのようなものはなくなつたけれども、それにかわるようないろいろの國家的な措置等によりまして、たとえば價格の統制をやるとか、あるいは集中生産のような形をとるとか、いろいろな形で、むしろ國家が不公正な競爭をやらせ、権力的に金融の統制をやり、價格の統制をやる。そういうような形で独占を強化させて來たというふうな歴然たる事実がありまして、やはり一つの独占の形は強化されてこそ來ておれ、決して弱体化されていないし、当初の根本の目的は何ら達成されていないまま現在に及んでおる。たまたまそういうふうにして独占の形が今日まで維持されて來た間に、やはり私的な独占財閥の形態、ホーディングのような形を復活しようとする保守的な力も勢い温存され、また折を見て抬頭しようとする傾向を強めて、復活して來ることも当然の勢いでありまして、最近においてはそういう動きがかなり表面化して來ておるので、やはり今日の私的独占の復活のような強い要望となつて來ておるのではないかと考えられるわけであります。実際に今までの独禁法の運用の面を檢討してみましても、やはり中小企業の対しては相当の制約になつて來ておる。けれども大きなところに対しては、特に支配的な外資との結合等を目途とする大きな点になりますと、とかく大した障害にも何にもならないというような実例から見ましても、やはり今度の緩和措置というものが、結局はそういうふうな非常に支配的な力を現在持ちつつある独占的な資本の情勢として、再び相当強いホールディングの形の、私的な独占経済をも復活しようとする要望が現われたものと、考えざるを得ないのであります。今いろいろそうでない理由の御説明もありましたけれども、これはやはり事実が何よりも雄弁に物語つておると思うのであります。それゆえにこそ諸外國においても、いろいろこの点について懸念をしておる次第であつて、國際会議への日本の参加問題等について、イギリスやフランスその他の各國において、とかく猜疑心をもつて見るというのは、日本の経済のあり方が、再び元のような形に復活しようとする傾向を、相当強めつつあるということが大きい原因である。ことに最近においては、外資との結合を求めながら、そういう古い形を復活しようとしていることが次第に明瞭になりつつあるので、これが諸外國の猜疑心を強める大きな原因になつておるのでありまして、今回の独禁法の緩和という事実も、他のいろいろこれと関連して考えられる一般的な傾向の一つと見た場合に、そういう点においてきわめて反動的な意義を持つものであると、考えざるを得ないのであります。これは私の意見になつてしまいましたが、そういう意味で、ただいまの御回答にはいささか不満であることを述べて、私の質問はこれで打切ります。
○中山(喜)政府委員 私のお答の中で、独占禁止法の制定が覚書に基かないもののように申し上げたようでありまして、ただいま再びお話もあつたようでございますが、これは私の言葉が足りなかつたか、あるいは申し上げ間違いであつたかと思います。他の覚書に基く勅命なり政令とは、非常に性格の違つた恒久法であるということを申し上げる考えであつたということを、ここに再言さしていただきたいと思います。
○首藤委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。 他に御質疑がなければ本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 ちよつと速記をやめてください。 〔速記中止〕
○首藤委員長代理 速記を始めてください。 それでは暫時休憩いたします。 午後二時三十二分休憩 ————◇————— 午後五時五十九分開議
○小野瀬委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 ただちに討論に入りたいと存じますが、ただいま委員長の手元に民主自由党、民主党野党派、民主党連立派共同提案の修正案が提出せられております。これを朗続します。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部の改正する法律案の一部を次のように修正する。 第十條第三項中「(第十三條及び第十四條第二項若しくは第三項の規定の適用についても同じ。)を「(第十三條並びに第十四條第二項及び第三項の規定に適用についても同じ。)」に改める。 第十一條第一項中「(外國会社を含む。)」を「(外國会社を含む。以下本條において同じ。)」に改め、同條第二項中「(外國会社を含む。)」及び第三項第二号中「取得し、又は」を削る。 第十五條第二項及び第三項を次のように改める。 國内の会社は、合併をしようとする場合には公正取引委員会規制の定めるところにより、あらかじめ公正取引委員会に届け出なければならない。 前項の場合において、國内の会社は、届出受理の日から三十日を経過するまでは、合併をしてはならない。但し、公正取引委員会が、当該合併が第一項各号の一に該当する疑があると認める場合には、当該会社の同意を得て更に六十日を超えない期間を限り当該期間を延長することができる。 第十五條第三項の次に次の二項を加える。 公正取引委員会は、第十七條の二の規定により当該合併に関し必要な措置を命ずるために、審判開始決定をし、又は勧告する場合には、前項本文に規定する三十日の期間又は同項但書の規定により延長された期間内にこれをしなければならない。但し第二項の届出に重要な事項につき虚偽の記載があつた場合には、この限りでない。 前項の規定は、公正取引委員会が、第七條、第八條第一項又は第二十條の規定により必要な措置を命ずるために審判開始決定をし、又は勧告することを妨げるものと解してはならない。 第十六條但書を削る。 第十七條の二第一項中「第十一條第一項、第二項若しくは第五項、」を「第十一條第一項若しくは第二項、」に、「第十五條」を「第十五條第一項」に改め、「第十六條但書」、「届出、」及び「若しくは認可の申請」を削る。 第十八條の改正規定中「第十五條第二項」を「第十五條第二項及び第三項」に改める。 第四十八條第一項の改正規定及び第五十四條中「第十一條第一項、第二項若しくは第五項、」を「第十一條第一項若しくは第二項、」に、「第十五條」を「第十五條第一項」に改め、「、第十六條但書」及び「第八條第一項の規定に該当する」を削る。 第五十一條の二中「公正取引委員会規則の定めるところにより、」の下に「第四十六條第一項各号の処分の外、」を加える。 第五十三條の二第一項但書を削る。 第五十四條中「第十七條の規定に違反する行為をしていると認める場合、」の下に「事業者が」を加える。 第六十五條第一項の改正規定中「、第十五條第二項(第十六條において準用する場合を含む。)又は第十六條但書」を削る。 第七十六條の改正規定を次のように改める。 第七十六條を次のように改める。 第七十六條公正取引委員会は、その内部規律、事件の処理手続及び届出、認可申請その他の事項に関する必要な手続について規則を定めることができる。 第九十一條第一号中「違反して会社を持株会社とした者」を「違反した者」に改め、第六号を削り、第七号を第六号とする。 第九十一條の二第四号中「第十五條第三項」を「第十五條第二項」に改め、同條第四号の次に次の二号を加える。 五 第十五條第三項の規定に違反して合併による設立又は変更の登記をした者 六 第十六條において準用する第十五條第三項の規定に違反して第十六條各号の一に該当する行為をした者 第九十五條第一項の改正規定中「若しくは第五号から第七号まで」を第五号若しくは第六号」に改め、第三項の改正規定中「法人を被告とする場合の刑事訴訟に関する法律」を「法人を被告人は被疑者とする場合の訴訟行為に関する刑事訴訟法」に改める。 第百三條の改正規定中「金融業を営む國内の他の会社」を「金融業以外の事業を営む國内の他の会社」に改める。 第百三條の改正規定の次に次の改正規定を加える。 第百十條の次に次の一條を加える。 第百十條の二 第百三條第三項において準用する第十一條第五項の規定に違反して株式を所有した者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。 第百十二條中「前條第二号」を「第百十條の二又は前條第二号」に、「同條」を「各本條」に改める。 附則第六條中「法人の業務」の下に「又は財産」を加える。 提案者の趣旨説明を求めます。多田勇君。
○多田委員 ただいまの修正案の主なる点について、提案の理由を御説明申し上げます。第十五條の修正でございますが、第十五條には五百万以上の会社が合併する場合には、公正取引委員会の認可を受けなければならないということに規定されておりますが、第十五條の一項に合併に対する制限條項がありますので、五百万という線を切らないで、すべての会社が合併する場合には公正取引委員会に届出をして、あらためて認可を受けるような煩瑣な手続を省略して、届出制度をとりたいという考え方で、修正の案を出した次第でございます。その他の修正案につきましては、その修正に伴うところの関係の條項、あるいはその他不備の條項の修正案を出した次第でございます。以上簡單でございますが修正案の趣旨を申し上げます。
○小野瀬委員長 これより修正案及び原案を一括して討論に付します。高田委員。
○高田(富)委員 私は日本共産党を代表して、本案に反対するものであります。その理由は質問の際にも申し述べましたので省略いたしますが、要はこれが現在一般に見られますところの、財閥の復活的な動向を現わす一つの明確な現われであるという点に重大な理由があります。なお外資との結合をあせる日本の独占資本の買弁化しつつある一つの動きでありまして、決してこのことは日本の産業の発展のために利益になるものではない。かえつて日本の産業の発展のために大きな障害になるものと考えます。われわれは今までの本法の運用の実状から見まして、中小商工業者に対する圧迫とはなつておりましたが、大企業に対しては決して圧迫とならず、國家の独占という形態において、依然として独占は強化されつつありましたが、今後においてもこの傾向は一層強化され、古い独占の形態まで復活しようとする傾向に対しまして、この際特に強く反対するものであります。われわれが常に主張しておりまするように、どうしても平和と民主主義の徹底の実現をもとにして、しかも生産を拡大するためには、この独占禁止や集中排除のような法律によるものではなくて、逆に重要産業並びに貿易金融機関というようなものを、公共の利益のために、眞に人民の手で運営できる人民管理の方法による國営によりまして運営する方式、すなわち社会主義的な方法による運営以外には、もはや経済発展としかも民主主義と平和とを両立せしむる道がないということを、この際特に強調いたしまして、本法すなわち独占禁止の緩和に関するこの法律に対しましては、絶対に反対するものであります。
○小野瀬委員長 多田委員。
○多田委員 私は民主自由党を代表いたしまして、修正部分を除いた原案並びに修正案に対して、賛成の意を表するものであります。 ただいま高田委員から反対の理由が述べられましたが、われわれは日本の産業をより発展せしめ、國際市場における活動をより活発にするために、独占禁止法の緩和を希望していたのでありますが、幸いに今回の改正案で独禁法が相当程度緩和されましたことについては、われわれとしては公正取引委員会並びに政府当局の御努力に対して、深く敬意を表する次第でございます。なお独禁法の改正に伴いまして、この付属法規ともいうべき事業者團体法の改正が同時に行われなかつたということは、非常に遺憾なことでございまするけれども、事業者團体法の運用につきましては、独禁法改正の趣旨に即應して取扱われるよう、特に切望申し上げるとともに、次の機会に團体法の改正をするということを切望しまして、賛成の意見を申し上げる次第でございます。
○小野瀬委員長 森山委員。
○森山委員 民主党を代表いたしまして修正部分を除いた原案並びに修正案に賛成いたします。 共産党の方は、イディオロギー的な立場から本案に反対の標樣でありますが、われわれは民間貿易の振興あるいは産業活動の発達促進の見地から見まして、なお本案につきましてはその趣旨不徹底の点を見るのでありますが、ここに今後における改善を要望いたしまして、本案に賛成いたします。
○小野瀬委員長 勝間田委員。
○勝間田委員 日本社会党を代表いたしまして、修正部分を除く原案並びに修正案に対して反対を申し上げたいと思います。 日本の國の産業を一日も早く回復しなければならないことについては、十分われわれは承知をいたしておるのでありますが、しかしそれについては幾多の方法が考えられるのであつて、右の方法もあればまた左の方法もあるのであります。そこには一つの大きな世界の経済の動きなり、日本の当面しておる経済に対する深い認識の上に立つて、われわれは新しい方式というものをどうしてもほしいと考えるものであります。ところが実際にこのたびの本國会を通して見られまする現象は、予算案を通じてもそうでありますが、その他あるいは財閥に対する追放の緩和とか、あるいはまた集中排除法に対するいろいろな考え方とか、いろいろな面を通じて見ますると、結局非常に古い昔の形の経済をつくり出すことだけでなしに、やはりある程度まで日本の経済が復興して來たことを基準にいたしまして、むしろ資本家の旧支配勢力を復活させようとする傾向が非常に顯著でありまして、このことは一時的には日本の経済はあるいは回復するかもしれないけれども、それ自身非常に大きな矛盾に到達するものではないかということを考えるのでありまして、特に独占の問題をいかに扱うかという問題は、非常に重要な問題でありまするけれども、これを單に緩和して、そうして一つの資本の支配権を確立するというのではなしに、われわれの考える事柄は、むしろやはりこれを社会化して行くという方向に当然進むべきだと思うのでありまして、過般集中排除法が問題になつたときにも、私どもは終始その考え方を持つておつたのでありまして、いわゆる企業が集中するという事柄と、集中する事柄を解体するという事柄と、また解体する反面にそれを社会化するという事柄とは、それぞれ違つた事柄でありまして、むしろわれわれの今後の経済の行き方というものは、社会化の方向をとるべきである。そういう考え方を私どもは持つものでありまして、從つて社会化の方向をとつて独占や集中の問題が扱われるということでありますならば、われわれは大いにこれに協力するものでありまするけれども、そういう形をとつておらない。あくまでも一つの独占資本あるいは金融資本というようなものの擁護の上に、あるいは復活の上にすべてを考えていらつしやる。これが私どものどうしても賛成できない点でありまして、個々の條文についての不備な点を改めるという問題も、もちろん重要なことには違いありませんけれども、私どもは考え方をもつとかえてもらいたいと考えておるものでありまして、その意味で本案に対しては、残念ながら反対せざるを得ない状況であります。
○小野瀬委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決いたします。まず民主自由党、民主党野党派、民主党連立派共同提案の修正案について採決いたします。提案のごとく修正するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小野瀬委員長 起立多数。よつて本修正案は多数をもつて提案のごとく修正するに決しました。 次に修正部分を除く原案について採決いたします。ただいま修正に決しました部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小野瀬委員長 起立多数。よつて修正部分を除く他の部分は原案通り決しました。よつて本案はここに修正議決せられました。 なお本案に対する委員会報告書その他については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野瀬委員長 それではさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十六分散会