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5回国会衆議院1949/05/09

経済安定委員会 第13号

発言数
30
登壇者
5
会派数
1
開催日
1949/05/09

会議録

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 これより開会いたします。  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。多田勇君。

多田勇民主自由党

○多田委員 私的独占の禁止の改正法律案につきましては、提案理由の説明にもありましたように、外資の導入、証券消化の必要に應ずるため、同法に改正を加える必要が生じたという理由によつて、改正法案が提案されておりますので、それに関連いたしまして、さらに独禁法を相当大幅に緩和されたという点については、政府当局の御苦心の点についても深く敬意を表する点でございますが、二、三所見をお伺いいたしたい。同時にその他の問題について御質問申し上げたいと思います。  第一の点は、独禁法が立法されました当徳の日本の経済の実情、あるいは社会の実情と現在とでは相当隔たりがありまして、現在経済九原則の達成のために、日本経済の再建の方式がどうやら打立てられまして、第一歩を印しようというような際において、独禁法そのものについても、根本的の再檢討をする必要がありはしないかというような点が、相当考えられるのであります。たとえばレートの設定に伴いまして、輸出貿易の振興をはからなければならないという、経済九原則の示す線に向つて行くためにも、貿易について相当程度は緩和されておりますが、さらに対外的にはある程度の制限を加えることもやむを得ない。そうすることによつて、貿易の振興が可能になるという点もありはしないか。あるいはまた國内生産を増大させるためには、ある程度の協定、ある程度の制限も加えられることが必要ではないかという点もありますし、あるいはまた五百万円以上の資本金を有する会社の合併のごときは、やはり同じような制限を加えられておりますけれども、これらについても現在の経済状態からしますれば、五百万円の資本金というものは、非常に低い資本金の額でございますので、これらについてもさらに資本金の額を引上げることが、必要ではないかというような点も考えられますし、さらにまた中小企業の問題でありますが、中小企業につきましても、中小企業の維持育成という建前から、独禁法をさらに再檢討する必要がないかという点が考えられるのでありますけれども、これに対する政府の所見をお伺いいたしたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 ただいまの御質問は大体三点にわたつておるように感じます。第一番目の輸出の振興のために、たとえば対外関係においては、対内関係において許されないようなある程度の緩和を、独禁法で認むべきではないかという御趣旨のように拜聽いたしました。この貿易、ことに輸出貿易に関しまして、たとえば事業者の協定等を認めますることは、現在の日本にとりまして一面ある利益もあるように考えられますが、他面國内におきまする新規かつ有能な事業者の起つて参りますことに対して、制限を加えるというような面も、なきにしもあらずでございまするし、あるいはアウトサイダーを圧迫するという弊害等もあると考えられまするし、結局大なり小なり國内におきまするところの事業者の活勤に、制限的な面が考えられます。御承知のように、アメリカにおきまして、輸出振興のためにウエツブ・ポメリン法というようなものもあるようでございますが、それの実際の効果、あるいは功罪というようなものにつきましては、いろいろ議論もあるようでございまするし、なお最近のいろいろな情勢を考え合せますると、この際ただちに輸出に関しまして、ただいま仰せになりましたような独禁止の緩和をいたしますことについては、まことに遺憾ながら非常な困難が感ぜられるのであります。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 速記をやめてください。     〔速記中止〕

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 速記を始めてください。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 それから第二の五百万円以上の会社でも、現在の状態からすればそう大きくないから、これらに対しても適当な緩和をしてはどうかというお話でございました。まことにごもつともと思うのでありますが、実はこの五百万円が高きに失するか低きに失するかという問題につきまして、最近大藏当局で調べました会社の諸資産の調査によりますると、意外にもほとんど会社の八割以上のものが五百万円以下でございまして、この点はもちろん現在の帳薄價格によつておることと存じますので、これが正確に実情を現わしておるとは存じませんが、ともかくそういう数字が現在出ておりますので、この点は、あるいは將來評價がえ等の問題がございました際に、もう一度再檢討を要する点かとも存じまするが、現在はそういう状態になつておるようでございます。なおこの独占禁止法で五百万円を境にいたしまして、取扱い上多少の違つたことをしておりまするが、それは実は実体的には大した違はないのでございまして、たとえば届出をしなくてもよろしいとか、あるいは認可の申請をしなくてもよろしいという点の差異はそこに出て來るのでございますが、五百万円を越えておるから実体的にどうである、それ以下であるからどうだというような、実質的の意味の差別待遇は実はしておりませんので、その関係からいたしましても、われわれは五百万円ということに、あまり嚴密なこだわりを持たなかつた次第でございます。  なお第三点といたしまして、中小企業の育成ということに、もう少し独禁法あるいは事業者團体法の轉換を考えてはどうかというお説のように承りましたが、この中小企業の育成はいろいろな点からもちろんなさなければならない重要なことでございます。今回御承知の中小企業協同組合法が本議会にも提案されたことと存じますが、これによりまして、中小企業協同組合に入ります事業者の範囲がかなり廣くなりました。要するにいわゆる小規模という言葉がかなり廣く取扱われるようになつていると考えますが、その点が中小企業にとりましては相当の貢献をもたらすと存じます。     〔委員長退席、前田(正)委員長代理着席〕 なおこれはここで申し上げていいかどうかわかりませんが、事業者團体法関係におきましても、中小企業の保護は独占禁止法と同じような観点からできておるわけでございまするが、なおわれわれはこの法案につきましても、いろいろ適当なる緩和を考えておるわけでございますが、残念ながら種々の事情からいたしまして、今回御審議をお願いするまでに至らなかつた次第でございます。以上まことに簡單でございますが、御答弁といたします。

多田勇民主自由党

○多田委員 ただいまの貿易の問題については、私の言葉が足りなかつた関係上、十分に御理解できなかつたと存じますが、これはあとで貿易の問題について一括して御質問申し上げたいと存じます。  五百万円以下の会社の合併の問題でありますが、改正案の十五條にもありますように、國内の会社が合併してはならない場合を規定してございますので、この禁止條項に該当しない会社については、別に公正取引委員会の認可を経なくても会社の合併ができるように、要するにこの法律の精神に反しない限りにおいては、会社の合併を制限しないような形をとることが今後の日本経済の上に必要だ。こういうふうに私どもは考えるのでありますが、それに対する御意見を承わりたい。  それといま一つは事業者團体法の改正の問題でありますが、独禁法が相当程度緩和されたにもかかわらず、事業者團体法がそのままになつているということは、せつかく緩和した、たとえぎ株式の取得の問題にいたしましても、あるいは重役の兼任の問題にいたしましても、相当程度緩和されたにもかかわらず、團体法があるために、その緩和が半減されるというようなことが非常に心配されるのであります。貿易の振興のためにも、たとえば輸出業者が生産業者を主体にした会社を設立して、その製品を販賣しようというような場合でも、事業者團体法に束縛されて、そういつたことができなくなり、その他團体法があるために日本の経済が非常な約束を受けるという部面が、各方面にあると思うのでありますが、これはもちろん團体法を相当程度緩和することによつて、弊害が伴うと思いますけれども、これらの弊害はこれらの法律の精神に即して、公正取引委員会が取締りをすることによつて是正されると思いますので、どうしても團体法が並行的に改正されることが必要であるというように私どもは考えますけれども、政府において團体法の改正についてのお考えと、その実行をはかる御意思があるかどうか。この点について御質問申し上げます。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 私誤解をいたしましてたいへん失礼をいたしました。小さな会社について合併をもつと緩和しろという御趣旨でございます。実は合併してはならない事由といたしまして、今回の改正によつて三つの点があげられとございますが、そのうちの不公正な競爭方法によつてなされる場合はまた別といたしまして、他の二つはいずれも合併の結果不当な事業能力の差が生ずるとか、あるいは一定の取引の分野における競爭が実質的に制限されるおそれがあるとか、卑俗な言葉を用いますれば、かなり大げさな結果が生じます場合に、初めて合併が否定せられるわけでありまして、ただいまお話のような会社につきまして、このような結果が出ますことは、多くの場合において少いのではないかと思いますし、なお正式な認可申請でもありますと、公正取引委員会としてもあるいはそのまま認めることが困難のような場合でありましても、届出制になりますと、そこは事実上の扱いといたしまして、違反がありとこちらで認定いたしまして、十七條の二の排除措置にまで及ぶということは、かなり少いのではないかと思つております。この点は主として公正取引委員会の法律の運用に、御期待をいただきたいと存ずる次第でございます。  次に事業者團体法の改正の問題につきましてはまことに御もつともなことでございまして、実は公正取引委員会といたしましても、昨年のたしか九月だつたと存じますが、すでに改正の準備をいたしまして、その後いろいろ実は研究をして参つたわけであります。大体同法の第四條の許容活動の範囲がきわめて狹くはないかということが、われわれの研究の一つの問題でございます。もう一つはただいまのお話のような事業者が集まりまして、会社組織を持つてある程度の仕事をいたそうといたしますと、それがたちまち事業者の團体法に触れまして、本來営業を目的といる会社が営業ができないという、まことに矛盾した結果になります点、この二点に研究を大体集中いたしまして、なお関係方面とも折衝をし、議会開会後も最近まで研究を続けて参つたのでありますが、諸般の事情からいたしまして、遂に今議会には皆樣の御満足の行く程度の案を出すことがむずかしくなりましたので、なお今後強く折衝を続け研究も続けたいと存じますが、そういう状態に実は現在あるのでございます。この点は決してそういう希望をわれわれは捨てたわけではございません。むしろ強力に今後進めて参りたいと思つております。この決心だけを申し上げてお答えといたします。

多田勇民主自由党

○多田委員 会社合併の場合の小規模会社の合併についてお答え願いましたが、私の申し上げたいのは、総資産が五百万円を越える会社にあつても、その会社が合併しようとする場合、第十五條の制限規定に該当しない場合には、別に公正取引委員会の認可を得るという煩瑣な手続をとらなくても、公正取引委員会にその合併の事由を届け出るという程度でさしつかえないのではないか。公正取引委員会ではその届出によつて、その会社がはたして第十五條の制限事項に該当するかどうかという点についての審判を下すことにしても、さしつかえないのではないかと考えますので、御質問申し上げたのであります。團体法については非常に御苦心されておられますが、團体法も独禁法の緩和の線に沿つて、どうか一日も早く改正法案を提案されるよう希望を申し上げておきます。  その次に小規模業者についての見解を二、三お伺いいたしたいと思います。二十四條の二の小規模業者に対する考え方については、從來いろいろ問題を超しておりますが、ただ公正取引委員会がそれを表面的の問題にされないということで、一應この規定はあるけれども、別段これという問題は起つたことがないように聞いております。また先ほどおつしやられました國会で審議中の中小企業等協同組合法案の中でも、工業にありては百人、商業にありては五十人以下の從業員を使用する者の組織する團体を、独禁法二十四條の二の小規模業者にみなすということで取扱われておりますが、それ以上であつても公正取引委会に届出をすれば、小規模業者の團体に加入することができるというふうに、取引委員会の考え方によつては、相当程度小規模業者の範囲を廣げることができるようになつているのであります。しかしながら、現在の日本の中小企業の実態からいたしまして、百人以上あるいは二百人、三百人の從業員がおつても、いわゆる中小企業者というような実態の産業が相当あると思うのでありますが、一應百人というような線が引かれておつたのでは、これらの産業がせつかくできた中小企業等協同組合法に基く協同組合に加入することを躊躇する、あるいは加入してその協同的な事業を行うことが不可能だ、というような心配もされている向きがあるように聞いております。もちろんこの点も十分その事業の実態について取扱われるということは、当然でありまするけれども、しかしながら、業者自体からすれば、組合に加入して組合において協同的な事業をした後において、公正取引委員会から制限をされる危險性があるのではないかという不安が、相当濃厚になつておると思うのであります。そこで、いわゆる小規模業者の実体、小規模業者の範囲、これらについて公正取引委員会としてはどういう見解を持たれておるか、この点についてお伺いいたします。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 小規模とはいかなる範囲のものを言うかという問題は、実は非常にむずかしい問題でございます。御承知のようにこの言葉ばかりでなく、独占禁止法の中には中小という言葉がたくさんございまして、実際に事業をなさる方にはいろいろ御不便もあろうと存じます。しかしこれは今後いろいろな事例が重なりまして、おのずからそこに一定の具体的な規範ができて参ると存ずるのでございまするが、何分まだ法規制定後二年でございまして、実はこの小規模の範囲いかんについては、公正取引委員会の審決すらない状態でございますから、ここではつきりしたことを申し上げることが困難でございます。ただ先ほどの協同組合に加入できる範囲の点につきましては、結局具体的にその業界における百人以上の從業者を持つている会社の地位、あるいはその團体におけるメンバーの地位というものが、相当重要視されることと存じまするが、何分これは具体的事業について一々判定いたしませんと、はつきり申し上げられないことを遺憾に存じます。ただかりに組合の中に、そういうわれわれの観点から後に判断いたしまして、多少小規模を逸しているものが入つている場合についても、公正取引委員会の実際の扱いといたしましては、ただちにその入つている組合を解散せしめるということでなく、適当な処置がとり得ると存じまするし、なお実際問題といたしまして、われわれの方も十分注意はいたしまするが、後に不測の事態が生じないように、事業者関係におきましても、御加入になる前に十分御研究をお願いするというほかはないことかと存じます。

多田勇民主自由党

○多田委員 中小企業を維持育成するという建前から、中小企業の組合の育成についても、十分の御配慮をお願いいたしたいと思います。  その次に独禁法の精神に即應して、物調法その他の統制規則も、いわゆる統制方式がその線に沿つて改善されて來たという傾向は多分にありますし、政府としてはおそらくそういう考え方で、あらゆる統制方式を改善して参つたと思うのでありますが、最近において、物調法を基準にした統制規則の中で、政府自体が民間の商社を販賣機関に指定する、そうしてその販賣機関の独占的な形において、企業を行わせるというものがあるのであります。これは直接独禁法との関係はないのでありますし、あるいは今おいでの政府委員に質問するのは筋が違うと思いまするけれども、こういう統制方式の変化について政府としてはどういう考え方を持たれておるか。独禁法から適用除外されているために、他の法律によるものであれば、そういつた独占的な企業を育成するというような方式をとることが、日本の産業のためにさしつかえないかどうか、この点について政府委員の御見解をお伺いいたしたいと思います。

中山喜久松公正取引委員会委員長

○中山(喜)政府委員 ただいまの御質問に対しましては、私からお答えするのはあるいは不適当かもしれませんが、たしかこの私的独占禁止法が最初制定せられましたときの希望の決議の中にも、政府の許可、認可あるいは承認に関するような点について、十分な考慮を拂えということがあつたように記憶いたしております。公正取引委員会はその御希望の線に沿いまして、機会あるごとに政府の許可、認可あるいは承認に関する点につきまして、深甚なる注意なり勧告なりを試みておるのでありまして、そういう点において相当成果をあげた点もあるかと実は考えております。なお大いにそういう点の改善に努めて行くようにいたしたいと思つております。ただいまのそういう結果による独占的形態の発生というものにつきましては、ここにわれわれが具体的にいろいろ申し上げることはできませんけれども、深甚なる注意を拂つておるということだけを、御報告申し上げておきたいと思います。

多田勇民主自由党

○多田委員 それでわかりましたが、なお物調法の統制方式の中で、いわゆるオーダー・システムをとります関係上、自然的な集中生産方式がとられまして、そのための独占的な企業形態が生れるというようなことが、おそらく現われるのではないかと考えられるのであります。しかしこれは公正にして自由な競爭の結果生れるものであればさしつかえないと思うのでありますが、しかし現在行われておる、たとえば石けんにしましてもあるいは植物油、みそ、しようゆにいたしましても、これらの注文制度が相当程度不公正な競爭が行われて、そのために不公正な競爭による集中生産の形がとられる危險性が相当多いのでありますが、こういつたことは、法律に基くものであれば、それがたとえば不公正な競爭であつても、独禁法の適用から除外されるものであるかどうか、その点についてお伺いしたい。

中山喜久松公正取引委員会委員長

○中山(喜)政府委員 ただいまの御質問に対しましては、今ここに私出ておりますのは政府委員として出ておるのでありますから、どうも取引委員会の委員との区別もかなりむずかしいことでありまして、取引委員会の委員といたしましては、だたいまのお話の法律的解釈というようなものについて、実は具体的に申し上げることのできない立場にあるものですから、ここにあまり明白なことを申し上げることはできませんが、お話の最近実現しそうになつている集中生産ということの形式につきましては、独占禁止法の建前から、形式的に相当考慮しなければならない点があるのじやないかということになりまして、お話のように統制のわく内にありましても、自由な競爭ということにおきまして、そこに自然に集中生産ができるという結果が起るならば、これは別問題でありますが、もしそこに人為的なものが加わるとすれば、独占禁止法の上からも十分注意すべき問題であると考えておる次第であります。

多田勇民主自由党

○多田委員 他の法律できめられておるものであれば、たとい不公正な競爭が行われた結果生れたものであつても、公正取引委員会としてはそれに対する監督なりあるいは取締りをすることができないかどうか、この点についてお尋ねいたします。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 その点は実はなかなかむずかしい問題でございますが、その独占なりなんなりそれ自体が法律によつて許されております場合には、おそらく公正取引委員会としても、これをもつて独占禁止法上の私的独占あるいは不当なる事業能力の較差という点をもつて論議することは、非常に困難ではないかと思いますが、その法律の趣旨によりまして、今申し述べられたような不当な結果が出ます場合には、なおいずれかの規定によりまして、その不当なる結果を除去することができるのではないかと考えておるのであります。この点はいろいろ具体的に考えてみませんと、はつきりしたことは申し述べられないと思います。

多田勇民主自由党

○多田委員 ちよつとしつこいようなんですが、たとえば物調法に基く、物の需給調制規則によつて注文制がとられる。その注文制がとられること自体は物調法に基くものであるけれども、その注文制を取つたためにいろいろな不正な運動が行われ競爭が行われて、そうして小賣業者ができる。卸賣業者ができる。さらに生産業者ができる。その間にしかも公共の利益に反するような事態を伴つたところの不正な競爭が行われて、独占的な企業体が生れたというような場合があると仮定した場合に、これは物調法に基く需給調整規則において行われたものであるというて、独禁法から独禁法の適用除外になるかどうか。あるいはその行為そのものについて、公正取引委員会がそれを調査するなり、あるいはそれに対する判決を下すなり、または政府あるいはその他に勧告をするなり、そういつたことができるかどうか。要するにそういつた場合に公正取引委員会の権限内において、どの程度に行うことができるかということについてお尋ねしてみたい。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 ただいまのお話の中で不公正な競爭方法を用いて云々ということがございましたが、今のような関係におきましても不公正競爭方法を用いることは、もちろん許されないことと存じますが、少くともその範囲におきましては、独禁法の適用があることは明らかであろうと存じます。なお先ほど中山政府委員からも申し上げましたように、かりに独禁法上放任し得ないような問題にいたしましても、この公正取引委員会といたしましては、法律上許されましたあらゆる手段を用いまして、不当な結果が未然に防止できまするように、特段の努力を続けたいと存じておる次第であります。

多田勇民主自由党

○多田委員 これは物調法に基くあらゆる物の統制方式が、注文制をとるために非常な弊害が生じて來ておる。これは消費者はもちろん非常な不便をこうむる。あるいは業者も非常な不便をこうむる。生産者も非常な打撃をこうむるというように、相当大きな問題を提供しておると思うのです。たとえば現在行われておるせつけんの注文にいたしましても、せつけんの生産業者が相当程度な犠牲を拂う。あるいは統制品であるせつけんの注文を獲得するために相当程度流したり、あるいは生産原價を割つて非常な安い價格で提供するというような約束をしたり、あるいは小賣の面におきましても、消費者に市町村から配られる注文票を市町村から直接小賣業者が獲得して、消費者の意向に反したような注文を獲得したり、あるいは小賣業者の團体が小賣業者の卸しに対する注文票を発行官廳から集めて、そして小賣業者の個々の意見は度外視して、要するに組合のいう通りにならなければ、その他の物資の割当の面に非常な支障が生じるというような、一つの威嚇行為をもつて登録票を集めたり、そういうようなことが全國各地に現在行われておるのであります。このために業者は物を配給するよりも票を集めるために、要するに資格を獲得するために奔走して、このためにこうむるところの損害は非常に大きい。しかもメーカーにおいては一流メーカーよりも、     〔前田(正)委員長代理退席、委員長着席〕 むしろ新興メーカー——最近まで相当程度のやみあるいは横流しをし、非常な不良品をつくつたようないわゆる新興メーカーが相当程度な犠牲を拂い、あるいはいろいろな條件をつけて登録票を集めるというために、奔命しておるような現状が現在あるのであります。これはせつけんだけでなくて、みそ、しようゆも現在行つておりますが、これにつきましては公團が扱つておりますので、メーカー自体についての問題はないと思いますが、さらにゴム製品その他についても近くそういつた方法が行われる。要するに物調に基く物の配給統制方式が、注文制をとるためのそういつた不公正な競爭、それが必然的に消費者の利益を阻害するようなことになつておるのであります。これらについて公正取引委員会として、ただいまの御意見では——そういつた不公正な競爭によつて公共の利益を阻害する場合には、政府に対して当然勧告すべきであると思うのでありますが、そういつたことを公正取引委員会としてお考えになつておられるかどうか、お伺いしたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 御質問の趣旨を多少誤解しておりまして、まことに不正確なお答えを今までいたしたように存じますが、お話のような場合につきましては、單に先ほど申しましたような関係ばかりでなく、場合によりましては不当の事業能力の較差等の問題で、正式に独占禁止法上問題にし得る場合があるように思われます。それらの事態に対しましては、御承知のように独占禁止法上の違反がありとお考えになりました場合は、日本國民何人も、公正取引委員会に対して、事実の調査を求めることができることになつておりますので、それらの規定に基きまして御申告がございますれば、委員会としても適当な措置をとることになると存じます。

多田勇民主自由党

○多田委員 御教示非常にありがたいのでありますが、独禁法に牴触するかどうかという判定については、われわれも非常に困難だし、もちろん一般國民はおそらく独禁法の解釈、あるいは独禁法にそのことが牴触するかどうかということについては、わからないだろうと思うのであります。そこでただいまの注文制の問題については、そういつた方式をとることはある程度さしつかえないと思うのでありますが、そういつた方式をとるために起るような事態を防止することが、当然必要になつて來ると思うのであります。それはそういつた方式を野放しでやらせるという政府の考え方が、そういつた結果を生むのであつて、むしろ個々のそういつた問題よりも、政府に対して、当該行政官廳に対して、公正取引委員会から勧告をするというようなことが必要ではないか。そういうことができるかできないか、この点をお伺いしたい。

中山喜久松公正取引委員会委員長

○中山(喜)政府委員 ただいまの御質問でありますが、公正取引委員会といたしましては、物調法による統制の方式等につきまして、実は常に調査研究をいたしておるのでありまして、その処置につきまして、ただいまお話のような弊害の起きないように、あらかじめそこに適当な方法をとるように、勧告するという余地は十分あるのでございまして、從來もいわゆる要綱統制というような点につきましても、われわれの方で研究し進言いたしまして、そうして相当改善せられた点もあるのでございまして、今後もそういう点においてはかわりなく、独占禁止法の精神を生かして行くということに、努力をいたし得ることと考えております。

多田勇民主自由党

○多田委員 なるべく弊害の起らないように当局としてもお考えを願います。  なおそれに関連してでありますが、石油の販賣業者にしても、商工大臣が販賣業者を指定するということになつております。指定された販賣業者は、販賣業者の考え方によつて、他の小賣業者に石油を販賣することを拒否もできるというような、非常に独占的な形をとられておるように聞いておりますので、これらの点につきましてもお考え置き願いたいと思います。  その次に貿易関係について二、三お伺いいたします。貿易関係については、あす貿易廳から参りますので、またあらためてお伺いいたしますけれども、直接独禁法との関係についてお伺いいたしたい点は、たとえばこれは具体的な問題でありますが、中小企業者が貿易品を生産するような場合には、中小企業者自体では直接外國に物を賣ることは、非常に困難なものが相当多いのであります。そこでどうしてもそれを集めて外國に賣るという貿易商社をつくることにした場合には、この貿易商社が中小企業者の製品を集中的に輸出するというような形態になりますが、そういう場合には独禁法の三條のいわゆる不当な取引と制限に該当するかどうか、伺います。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 ただいまお話のような小さな業者が集まりまして、そういう團体をつくつて輸出をいたします場合に、それがただちに第三條の不当な取引制限になるかどうかは、必ずしもそのこと自体だけでははつきりいたしませんが、しかし少くとも事業者が集まりましてそういう團体をつくつて、共通の利益増進のために営業をいたすということになりますれば、先ほどから申しておりますが、事業者團体法の規定には少くとも牴触して参る面があるわけでありまして、この点は現行法のもとにおいては、今日協同組合主義をとりますれば、独占禁止法二十四條で独占禁止法関係の適用も免れますし、團体法の規定によりまして適用除外の扱いを受けることになるわけでございまして、現行法のもとにおいては結局協同組合の形式をとることが、唯一の適法な活動形式になるわけでございます。この点は協同組合以外の会社の形式で、そういうことができる余地が開かれることが、われわれとしては望ましい部面もあると信じますが、その点はことに輸出に関しましては、なかなか実現が困難な事情があることは、先ほど申し上げた通りであります。     〔委員長退席、首藤委員長代理着席〕

多田勇民主自由党

○多田委員 どうも結局は團体法が相当大きな障害をしておるということになりますが、いま一つは輸出業者が團体をつくつて結合した場合に、國内での取引に対する制限、そういつたものについては緩和することが相当困難な実情があるかと思うのであります。しかし貿易を振興させるためには外國に対して、要するに賣り先に対して最も有利な販賣方法をとるというようなことは、今後の日本貿易にも絶対的に必要になつて來るだろうと思うのでありますが、そういつた場合にもやはり一定の分野における競爭を実質的に制限するというようなことになるかどうか、その点について伺います。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 法律上の問題で申し上げますと、どうしても業者が集まりましてそういう活動をいたしますと、独占禁止法なり團体法のいずれかの規定に牴触する面が出て参りますので、これは繰返し申し上げますように、われわれとしても貿易業者のある程度の活動を認めて、わが國の輸出貿易の振興に何らかの貢献を得さしめたいということは、まつたく御同感でございますが、先ほど來申し上げましたような事情がございますので、その点はわれわれとしても將來大いに研究いたしまして、できる限り日本の再建に役立つような方向へ、問題を持つて行きたいと考えております。

多田勇民主自由党

○多田委員 あまり長くなりますので最後にいま一つお伺いいたしておきたいのは、特許権の問題でありますが、國内の特許権の扱いについてはそれぞれ別の方法が考えられると思いますが、外國のパテントに対する契約については、相当程度の制限を加えられることがあると思うのです。たとえば價格の問題にしてもあるいは生産数量、販賣数量の制限にしても、ある程度制限を加えられた契約をせざるを余儀なくされるというようなものが、相当起つて來るだろうと思いますが、これらのものについても一定の取引の分野における競爭を実質的に制限されるということで、独禁法に牴触することになるかどうか。もしそれが牴触することになれば、日本の産業の上に非常に大きな影響があるだろうと思いますので、この問題に対する政府の見解をお伺いいたしたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員(公正取引委員会総務部長)

○横田(正)政府委員 外國の業者から特許の実施許諾を得まして、日本で事業活動をいたしますことは、日本を再建せしめるために非常に重要な問題でございまして、この点に関しましては、今回の改正によりまして、この関係についていささかさわりになるところの現行第六條の第一項第二号の「事業活動に必要な科学又は技術に関する知識又は情報の交換を制限すること」こういうことを削りまして、それらの実施許諾に伴いがちな祕密保持の観点からいたしますところのいろいろの知識、または情報の交換を制限するような約款が、かりに契約の中にありましても、それは禁止事項にならないということに改正いたしました。なお特許その他のそういう権利に関しまして、はたしてそれを許諾するものがどの程度の制限を付し得るかという点は、なかなか困難な問題でございます。法律的に申しますと、結局独占禁止法第二十三條の「権利の行使と認められる行為」は独占禁止法の適用がないのでございますから、この範囲の中におきましていろいろな制限が付せられることは、もちろん許されるわけでございます。この「権利の行使と認められる行為」という範囲につきましては、われわれも日夜研究をしておるわけでございまして、具体的事案といたしましては、その許諾を得ました権利を用いて、たとえばつくりました物の販路を制限する、あるいはその物を用いてつくりまする製品の種類等を制限するというような問題は、おそらく「権利の行使と認められる行為」に該当すると存じますが、さらに進みましてお話のようなその物の販賣價格を指定する、あるいはそれに関連していろいろな製品資材等を、抱合せ的に用いなければならぬというような約款を付せられますとかいうことになりますと、よほど問題があるように思われます。ただわれわれのわずかなる実務の経驗から申しましても、結局この権利の行使と認められる行為ということの解釈には、ある程度の幅がございまして、その解釈いかんによりましては相当なる範囲内において、わが國の企業者が外國からいろいろな技術上の援助を受けまする上に、あまり大した障害なく事が運べるのではないかと存ずるのであります。今回の改正によりまして、國際契約につきまして認可制が届出制にかわりましたことは、その観点におきましても、非常に実際上の緩和ということがあるいはできるのではないかと存じますし、なお御承知のように現行法並びに改正法におきましても、第六條の第二項におきまして、その協定契約の一定の取引分野の競爭に対する影響が問題とする程度に至らない場合は、問議されないことになつておりますので、この規定をある程度活用いたしますことによりまして、相当の契約が締結し得るのではないかと考えております。

多田勇民主自由党

○多田委員 私は独禁法の経済界に及ぼす影響について、あす安本長官並びに貿易長官に質問をしたいと思いますが、それを留保いたしまして、私のこの点に対する質疑はこれで打切ります。

首藤新八民主自由党

○首藤委員長代理 それでは本日はこの程度にいたしまして、明十日は午前十時から開会いたしたいと思います。  なお先ほどの理事会でも決定いたしました通り、明日は價格調整公團法の一部を改正する法律案、過度経済力集中排除法第二十六條の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律案、これを一括議題としまして討論採決までいたす予定でありますから、定刻午前十時、時間嚴守の上御出席くださるよう、特にお願いいたしておきます。  それでは今日はこれで散会いたします。     午後四時四十四分散会

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