経済安定委員会 第11号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/04/28
会議録
○小野瀬委員長 ただいまより開会いたします。 これより飲食営業臨時規整法案を議題とし、討論に入ります。討論は通告順にこれを許します。小西英雄君。
○小西(英)委員 私は民主自由党を代表いたしまして、飲食営業臨時規整法案に賛意を表するものであります。 昭和二十二年片山内閣において、政令に名を借りまして一應この料飲を禁止いたしたのであります。その当時は國会開会中にもかかわりませず、この審議を與えざる状態において、十五万の営業権を剥奪し、さらにそれらに勤めるところのあわれなる従業員戰爭未亡人あるいは引揚者、戰災者等に何らの失業対策も講ぜず、これをあえてしたのであります。この暴挙たるや、まことに言語に絶するものがあると思うのであります。暴政をもつて國民に臨んだところの東條内閣当時においてすら、料飲が休止されるや、それらに対する失業対策、轉業対策等は細々ながら講じられておつたにかかわりませず、片山内閣は民主主義の大本山のごとく唱えつつも、この暴挙をあえていたしました結果、今日みじめな党の状態になつておるということは、國民のきびしき審判があつたと思うのであります。私はここにおいてこの政令というものは、主食横流れ防止、公平な食糧の配給をねらつたものであると思うのでありますが、はたしてさにあらず、かの料飲営業に足をしげく通う階級の者は、この営業が禁止されても、自分の家で腹一ぱい食うとか、あるいは隠れて腹一ぱい食う階級であるので、その社会党の政策は、まことに官僚の政治であつたと言わざるを得ないのであります。何となれば、この社会党の政策は実に首切りごめんの後に、二年この方はたしてそれらのものを順次実行いたしたのでありましようか。現在その私生兒を今やわが党において認知せんとするものであります。われわれはここにおいて、この料飲が解禁されることによつて、國民の思想が明朗化するという一つのねらいと、さらにあわれなこの私生兒が営業に朗らかにいそしめるという点、そうしてまた共産党においても、この新興成金より税をとるということには、わが党と同調せざるを得ないと思うのであります。また六十数万の哀れな人に仕事を公平に與える点においても、同調できると同うのであります。税を衡平に捕捉し、またわが党の精神としてはかような煩瑣な法律をつくるのが党の精神ではありませんが、客観情勢より見て、今日解禁するにあたつて、この臨時規整法案の最小限度の法律をつくらざるを得ないということも、國民みな知るところであります。われわれはこういう意味から、この規整法案は臨時の法案であつて、もしここに誤つた点があれば、また臨時議会においてでも改正できるので、この法律案を早く実施し、一日も早くこの数十万の同胞に生業を與えるということに、御賛成あらんことを切望いたしまして、私の賛成演説を終える次第であります。
○小野瀬委員長 平川篤雄君。
○平川委員 私は國民協同党を代表いまたしまして、本案に條件をつけて賛成をいたしたいと思います。 料飲店再開という民自党の公約が、統制撤廃、自由経済への復元の線に沿つておつたということは明らかでありますが、ここに提案をせられました法案は、まことにその線からはずれた、民自党自身がはなはだ予期せざる苦心を拂われた跡が、歴然としていることを認めざるを得ないのであります。 もとより営業の自由を確保し、三十万人の引揚者を含みますところの、三百万に及び料飲店從業員の生計の確保ということは、望ましいことであり、かつわずかながらでも統制が一つ一つはずされて行くことは、暗い國民生活に一抹の明るさを與えるものであつて、このことについてはわれわれもとより望ましいことだと考えております。三派連立内閣のときにおきましても、料飲再開に対して努力を拂わなかつたわけではなかつたのであります。 ところがこの提案せられました法案を見ますに、数々の不満な点がある。まず第一に、営業の自由と三百万從業員の生業確保ということが完全に可能であるかどうかということが、疑わしいと思うのであります。店舖の新築、轉用の制限がありましたり、食糧管理法は嚴として存在し、所得税、事業税、取引高税の徴收は飛躍的に増大する。その間にあつて主食や調味料は言わずもがなであつて、統制外の生鮮食料品の供給にも限度がある。一地区だけをとり出して見ますときに、申出のままに営業を許可し、要求するだけの原料を配給する可能性は、はなはだ疑わしいものがあると思うのであります。かかる限られたわくの中にあつては、正しい意味の営業の自由の確保ということは望むべくもありません。経営の基礎がしつかりしておる一部の業者によつて、多くの業者が征服せられるという結果にならざるを得ないのであつて、高級料飲店や待合などを繁営させるための施策であるというそしりを受けるおそれが、多分にあると考えます。 第二にこれは再開を望む國民の輿論とは、およそかけ離れたものであると断ぜざるを得ません。主婦は乏しい配給で家族の食事をささえることが困難でありますので、何とかしてゆとりがほしいという補給の道を望んでおるのであります。勤労大衆は安直に飲食を樂しむ機会を望んでおるのであります。旅行者は氣軽にまた手軽に宿泊して、旅行することを望んでおるのであります。從つて國民の望んでおりますものは大衆食堂であり、大衆酒場であります。もとより主食の放漫な濫費を望むようなものは、現在ではほとんど見ないといつてよろしいのであります。この法案はこのような國民の輿論を裏切らないまでも、いささかも七・五禁令の線を越えたものではないと、國民はおそらく失望すると考えるのであります。 第三に食糧を外國の援助に仰いでおるわが國といたしましては、九原則をみだり、外に対して再建の熱意を疑わしめるようなものであつてはならないと思います。もし徴税において、あるいは主食取締りにおいて現状のごとくであるならば、むしろ七・五禁令のままである方が望ましいと思います。われわれの最も憂慮するところは、食糧需給の情勢が立案者である民自党の皆樣の考えておるところまで來ておらないのではないか。そのためにいかように努力をいたしましても、このことから第一條にうたわれた目的がくずれ去つて行くのではないかということであります。そこで政府は辛うじて公約の一つを果し得たという氣持になるでありましようが、反面地方長官や末端の警察当局あるいは税務当局などに多大の責任がかかる。かつその適正な措置をとるには非常に困難であることを、われわれは覚悟しなければならないのであります。 およそ以上のような点によりまして、私はこの法律が消費者からも、多数の中小料飲業者からも、特に家庭の主婦からは喜ばれない。あらずもがなの法律になるのではないかと予想せざるを得ないのであります。しかしながら政府ならびに民自党が、片々たる体面を願慮するために起案したものでなくて、第一條の目的を達成するに、純眞無雜にこの提案を行つたことを信じたいのであります。しかして七・五禁令の徹底しない現在といたしましては、もう一つの方法を行つてみることにも意義がないではないということを認めます。ついては以下のような要望を付して、本案に賛成いたしたいと思います。 第一に、高級料理店、待合等の高價な飲食を提供するものと、いわゆる小料理店及び食券食堂、大衆酒場等の間に、來るべき税制改革にあたりまして、遊興飲食の課税率の段階を考慮してもらいたいことであります。なお高級料理店、待合等の許可数は、大幅な制限を訓令において加えられんことを希望いたします。また外食券を多数に回收する繁栄する業者は、この外食券を破棄いたしまして脱税し、あるいはサービスのために米麦のみをお客に提供いたしまして、かんしようとかマイロ等を横流しをするというようなことも考えられるのであります。訓令の案における営業停止、許可取消しの基準は、ややもすると弱者にきびしく響くのではないかと考えられるのでこの点はやはり嚴重な考慮を要求いたしたいのであります。 第二にめん類の外食券食堂が濫立をいたしますことは、必然的に從來の外食券食堂の顧客を分散せしめて、その結果学生であるとか、あるいは独身勤労者であるとか、三食を外食券食堂によつておる者の負担を増大するおそれがあると思います。またこういう人たちがいもとかマイロ、とうもろこしなどの主食配給を受けることの避けがたい今日、自然配給の不公平になるおそれがあるのでありますので、三食外食者に対しましては、あらゆる面から特別の配慮を切に希望する次第であります。 第三に、業務用の配給がその地区の家庭配給の混乱を生ぜしめないように、これは嚴重に公正にされたいのであります。 第四に、最もわれわれが心配をいたしますことは、轉落農家やいもの生産地帶の農家のごとく、農村にあつてすら米麦の配給に困難を感じておる実情があるのでありますから、この運用が農家の反感を買いまして、供出意欲の喪失をますますはなはだしからしめるようなことがないように、さらにこれは一段のくうふと運営上の配慮が望ましいのであります。以上の條件を付しまして私どもはこれに賛成いたしたいのであります。
○小野瀬委員長 高田富之君。
○高田(富)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、反対の意を表明する次第であります。ただいま國協党の平川君からお述べになりました條件の中には、私が述べようとしたことと相当共通点があるのでありまして、遺憾ながら結論が御賛成のようでありましたが、しかしこれは民主自由党のやり方を非常に信用せられてというようなことであります。 ここで私がまず第一に申し上げたいことは、民主自由党がこの法案を出されたことは、実は他の法案や予算にも見られたと同じように、公約と民主自由党の実際に行うこととの間の非常な食い違い、言いかえれば民主自由党の内閣がやつております、または民主自由党自体が目下演じております悲喜劇の、一つの現われであると考えておるのであります。大体この料飲店再開という民自党の年來の御主張は、供出後の自由販賣等の公約とあわせて、一つの共通点が全体に見られるのでありますが、かつての石橋大藏大臣時代のやみとインフレの思想、非常に放漫な景氣のいいイディオロギーが民主自由党を貫いておつた次第であります。ところが政権をとつてみますと、今日の支配的な勢力、日本の資本主義の実情から、どうしてもそのような放漫なやみとイン・フレ的イディオロギーを、徹底的に押えざるを得ない状態に立ち至つておりますので、その間に公約は次々に破棄せられざるを得ない悲運が、民自党を見舞つた次第であります。この料飲店の今回の規整法案は、再開とはおよそ似ても似つかないものでありまして、けだし料飲店の再開ではなくして、現に開かれておるたくさんの料飲店に対する彈圧法であり、取締り法であり、重税法であるのであります。從いましてこれは業界に問いましても、おそらく羊頭をかかげて狗肉を賣るものであるという印象を、深めておるであろうことは推測にかたくありません。また先ほども賛成意見の民自党の方の御意見の中にもありましたように、党内にも相当御不満の点がおありのようでありますが、まことにごもつともと思う次第であります。まずこの法案が現在の多数の廣い意味での料飲業者に対する、飲食業者に対する彈圧法であるという点について、二、三付言いたしまするならば、まず第一に外食券あるいは副食券というものを中心に、非常に煩瑣な統制をやることになつておりますけれども、このような煩瑣きわまる官僚統制のいわば最も惡い面を、ここに再現するわけでありますが、この運行がうまく行くとは考えられない。今までのあの簡單な政令でさえも運行できない社会経済上の原因がある。これは提案者自体が告白しておられる通り、そういう社会経済上の理由があるのでありまして、このような複雜なる統制を行いますならば、これがそのまま嚴格に実行され得るとは、とうてい考えられないところでありまして、このことを実行するということになりますれば、必然的に官憲の業者に対する非常に煩瑣なる干渉となり、圧迫となることは明らかであります。しかるにこの中にはたくさんの許可條件あるいは許可したものを取消す條項などがあります。法自体の中には簡單な文句で官廳にそれを委嘱しておるような形でありますが、これが当該官廳の恣意的な判断によりまして、許可を取消したりあるいは許可をしなかつたりというようなことが、相当廣範囲にその官憲の権限内に置かれておる次第でありまして、これを運用する絶大な権利を持つた官僚のやり方一つによりまして、たくさんの業者が生業を奪われる危險性を現実に見ることができると思うのであります。 それから特にここで一言いたしたいことは、この許可を取消す條件の中に、過去の業者の経歴であるとか、あるいは單なる官僚の一方的な推定によつてその許可を取消し得るというようなことが、運用の方の参考資料にありますけれども、かようなことは今日たくさんの法律がありまして、違法行為は取締られておるのでありまして、その上さらに官僚の一方的な單なる推量によて、営業の許可を取消し得るというようなことは、憲法に明文をもつて日本國民の本基的な権利として、営業の自由が認められておるにかかわらず、このような規定を設けるということは、憲法の趣旨にまつたくさからうものであり、違憲の憂いも多分にあると私は考えておる次第であります。またこの煩瑣なる報告の業務、あるいはその他いろいろの手続等に違反した場合には、單に営業の許可が取消されるのみでなく、その上非常な体制あるいは罰金というような刑罰が、併科され得ることになつているのでありまして、まつたくこれは警察的な、官僚的な國家制度の再現強化とも言うべき、戰時中にも見られなかつたような不当な、業者に対する彈圧規定であると考える次第であります。そのように取締られますと同時に、さらにその上これを実施することによつて、税收入を飛躍的に増大せしめようと考えておられることは、ただいま民自党の賛成者の述べられた通りであります。これによつて今までよりも数倍の税收入を上げようと考えている。すでに税務当局におきましては腕によりをかけて、再開になつたらうんと取つてやろうというので、目下増員をし、たくさんの業者に対して目星をつけているような状況であります。しかしながら多くの零細なる飲食店業者は、主として失業者であつたり、あるいは引揚者であつたり、そのほかいろいろ不遇な立場にありまして、ささやかな元手をもつて生業を営んでいる者が多いのでありまして、これらの大多数の業者に対する現在の課税にいたしましても、非常な重税でありまして、そのためにほんとうに業の成り立たない危機に、業界のほとんど大半が追い詰められている状況にあります。さらに今度は再開したという名目のもとに、数倍の重税をもつて向うというがごときことは、まつたく実情を無視した暴挙でありまして、これを行いますことによつて、おそらく大半の料飲業者は税のために企業整備をされ、崩壤することは明らかであります。昨日も提案者が説明されましたように、さしあたつては再開希望のものが多くて数はふえるかもしれないけれども、やがてそれは減るであろうということを予想しておられますが、たしかにその通り、料飲店再開によつて料飲業者が栄えふえるのではなくして、逆にこの法律の運用によりまして、取締りと重税との両面から大整理が行われ、残るものはほんの少数の特権的な立場に立つ地方ボスや、中央の一部の腐敗官僚、その他の有力層と結託し得るもの、脱税のできるもの、公然とやみのできるもののみが残るような状態にあることは明らかであります。そういうようなわけで、本法は業者に対する彈圧法であるということ、企業整備法であるということが言えるのであります。 それから次に申し上げたいことは、そういうふうにして非常な重税と取締りが課せられますけれども、しかしそのうちでも一部少数の待合とか高級の料理店というものは、必ず残り栄えるでありましよう。これは疑いをいれる余地はありません。今までの嚴重なる禁止政令にもかかわらず、この政令の違反を行つているものは主として中央地方における官憲、これは警察であつたり、あるいは税務署であつたり、また地方の自治体の有力者であつたりする場合が多いのでありまして、それがこの政令が実行できなかつた一番大きな原因をなしておるのであります。たとい今度の法律が出ましても、いな今度の法律が出ることによりまして、ますます取締りはむずかしくなります。どこまでが合法であるか、どこまでが非合法だかわからない。みな公然と業務ができるようになつておりますので、これが取締りは一層困難になつて参ります。從つてこの取締りの対象になりますのは、どうしても中小料理屋あるいは一般の大衆食堂とか、めん類の食堂とかいうような方面にもつぱら取締りが向けられ、重税が向けられるのは明らかであります。今まででもあの禁止のもとで庇護されて來た特権的な大料理屋や待合のごときは、今度こそわが世の春とばかりにりつぱなお客を迎えまして、大いに脱税をやり、大いに統制違反をやり、どんどん栄える結果になることは火を見るよりも明らかであります。こういうふうな状態を現出されるということを予想してみますと、一方には必ずこういう大きな権力を持ちました官憲という者が必ず腐敗します。ことに相手が料理屋なんかであります関係上、特に自分の取締りの権限、徴税の権限で探つておる関係から、腐敗を一層深めまして、非常な憂うべき状況を現出する。御承知のように、今度の予算その他の政府の施策を見ますると、一般國民には一層の耐乏が要求せられておることは、吉田総理も言明せられておる通りであります。失業者もたくさん出る。一般の商工業者も労働者も農民も非常な不況に陥るのでありますが、そのようなときに、他方においてこのような特権的な官僚、その他のものの腐敗が促進せられ、一部の料理飲食店のみが栄えるというような事態が現出しましたならば、これこそまさに亡國の世相であると言わなければなりません。私はこういう事態が必ずこれによつて促進されることを確信しておる次第であります。 次に申し上げたいことは、本法は、この第一條にもありますように、主食のやみ取引防止が目的の法律であると、はつきりうたつてあるのでありますが、主食のやみ取引を防止するために料飲店を再開するというがごときことは、実にわけのわからない方策であります。このようなことをして再開をすれば、主食のやみ取引に対する誘惑は一層深まり、やみ取引を奬励する結果になることは明らかでありまして、主食のやみ取引防止のために、まつたく逆の手段をもつて、むしろこれを誘惑するような方法を講じて、誘惑に乘つた者を彈圧し、ひつくくることによつて、主食のやみ取引の防止せんとするがごときは、実に言語道断の暴政であると言わなければなりません。今日の主食のやみ取引の起つておりますことは、根本の原因がどこにあるか、これをどうしたら是正できるかということを考えることが政治であります。現在の主食の配給量は実際の体力の維持に足らない。それさえも遅欠配が多いのであります。農村のごときにおいても、還元配給の遅延によつて、食糧をつくる農家でさえ食うものがないという不合理な実情もある。また他方には、たくさんのやり田をもつて、多くのやみ販賣のできる農家がある。この供出制度の不合理をまず考えなければならない。また供出米價の問題も考えなければならない。そのほか食糧の需給をいかにして円滑にし、食糧の生産をいかにして促進するか。供出制度をいかにして公平化するか。これらのことが食糧のやみを防止する根本でなければなりません。それを放置いたしまして、食うために、生きるために、やむを得ず運ぶ列車内の少量の主食のやみを、氣違いざたをしまして、武裝警官を多数に派遣してこれを取締つたり、あるいは本法によつて料理屋を再開して、その誘惑にひつかかつて來る者をふんづかまえるということによつて、主食のやみ取引を防止せんとするがごときことは、先ほど申した通り実に暴政の限りであります。そのような理由からも本法に対して反対をするわけであります。 最後に申し上げたいことは、われわれは今日飲食業に対しましては、一部の高級な料理屋あるいは待合というようなもの、これは数にしては少ないでしようが、こういうものを嚴重に禁止して、その施設などは、建造物の不足しております今日、これを有効に活用し公共の用に供する。引揚げても家のない人が相当おります。また重要な会社や重要な公共團体で、事務所のないものも相当ありますから、この際これらの高級な建造物をそういう方面に開放するということこそ、今日必要であると思う。また一般の中小料理店その他多数の飲食業者に対しましては、今日の失業状態がますます拡大しようとするときに、その業を維持してやることを考えなければなりません。そのためには税制の改革がどうしても必要であり、またいろいろの社会施設も講じまして、廣く一般大衆の利用に供し得るような、大衆の慰安にもなり、また食糧の有効な利用をはかるためにも、大衆食堂のような形のものを一層拡充する必要があるのであります。また根本的には、料飲店が栄えない原因は、何と言いましても一般大衆の購買力が極度に下つていること、また極度に下げるような政策が行われていること、これが根本であります。從つて、中小商工業を栄えさせ、また労働者や農民の生産水準を維持し向上せしむる施策が並行しなければ、料飲店の営業を維持せしむることはとうていできないのであります。現状のままで行きますならば、料飲店にどのような政策をとりましようとも、一般購買力の激減の結果、料飲店が成り立たなくなる状況にあるのであります。われわれは大衆の購買力増進のための一般的なその他の諸施策の方に、重点を置くべきであると考えます。またそれと関連いたしまして、一般的な大衆課税の軽減の措置を必要とするでありましよう。從いまして、そういう根本を忘れて、末梢的な惡い官僚統制を十重、二十重に業界にぶつかけて行くやり方の一つの現われが本法でありますが、そういう惡い官僚統制をこれからふやして行くやり方に対しては、少くとも民主自由党の諸君といえども賛成であるとは思われない。われわれはこのような官僚統制には絶対反対であります。 それからもう一つ最後につけ加えたいことは、これはピンからキリまでありますが、本法の対象となる業者は非常に数が多いことであります。状態も多種多樣であります。こういうものの運命を相当大きく制約する本法のごときは、もつと愼重に長期間本委員会が調査檢討すべきでありまして、でき得るならば公聽会等も開きまして、各層の各業態の意見も聞き実情もよく調査いたしまして、その結果適切なる方策を講ずべきであつたにもかかわらず、本法は突如として昨日提案せられ、わずかの時間に提案者の理由を聞き質問をした程度にすぎないのでありまして、多数の業者が非常に不満とするでありましようし、われわれもまたこの審議は遺憾ながら十分であるとは申しがたいのでありまして、この法案がこの際そういう事情によつて提案者から撤回せられるならば、これに越したことはありませんが、もしどうしても撤回の御意思なく、これを強行するにおきましては、今後われわれは一層業界の実情を調査し、一般大衆の世論を聞き、すみやかにかくのごとき惡法の撤廃改正のための大きな運動を展開いたしまして、一日も早く合理的な明朗な経済社会の状態を実現するために、奮闘努力せねばならないと考える次第であります。大体以上の理由によりまして、本法案に反対いたす次第であります。
○小野瀬委員長 勝間田清一君。
○勝間田委員 日本社会党を代表いたしまして、本案に反対いたしたいと存じます。先ほど民自党の小西君から、社会党は非常に大きな暴挙をした、料飲店を暴力的に禁止したというお話がございましたけれども、これは私はまことに残念なお言葉だと思うのであります。御存じの通りに、料飲店の禁止ということは、決してなまやさしい問題ではないのでありまして、また現在の民主主義下において、あえて暴力的に実行されたはずも断じてないのであります。御案内の通りに当時の状況を考えてみますると、欧州の二十二箇國が非常な食糧の窮乏に当面したときに、世界には食糧の救済委員会が設けられて、しかもトルーマンはアメリカ國民に向つて、われわれアメリカ人は三千カロリーの食糧を攝取しておるけれども、欧州ではいまだに千カロリーの食糧を攝取することのできない國もたくさんあるのである。イギリスは二千七百カロリーを二千四百カロリーの攝取量に軽減した。われわれはアメリカ國民に対して、配給量を減らせと要求することはないけれども、戰勝した國、負けた國のいかんを問わず、飢えたる世界の民族を救うために、アメリカ國民はこれから少くとも小麦を原料にしたアルコールの釀造だけは差控えて、その分を世界の民族にわけ與えようではないかということが声明せられて、二十二箇國に送られた量が当時六十万トンであつたかと、私は記憶いたすのであります。その状況下において、日本のその当時の状況は、吉田内閣の乱脈な跡を通つて、食糧状況というものは未曽有の豊作であつたにもかかわらず、まことに憂うべき状態が現出して、社会不安は起る、米よこせ運動は起る、列車の上に山ほど人が乘組むという状況になつたときに、吉田内閣はつぶれたのでありますが、その大きな食糧の困難の中で、どうしても当時日本は少くとも六十万トンの食糧の供給を、この世界の大きな不況の中から受けねばならぬという状況であつたがゆえに、あえて國民に一面においては耐乏を要求し、他面において食糧の供給を願うために料飲店の禁止を行つた。いわゆる世界の食糧事情の一環として日本がそれを行つたということが事実なのでありまして、小西さんも多分この点は十分御了承のことと考えるのでありまして、そういう状況に立つて、世界の食糧事情の一環たる日本の食糧というものが漸次改善され、現在の二合二勺の配給は、國民が常に苦しみながら改善の一途をたどつて参つたのであります。その間における農民の苦労、その間における勤労大衆のいろいろの苦労というものは、並たいていでなかつたと存じます。しかもその間にこの料飲店の方々の十何万という人たち、それに從事する四十万人の從業者、こういう人たちがまたどの程度の苦労をされたかということも、われわれは十分に存じておるのであります。しかしその四十万人の從業員と十何万の料飲店というものが犠牲になるということによつて、初めて日本の國民の食糧問題というものは解決がついたのであります。その意味におきまして、私はこれらの犠牲を受けた方々に対しては心からなる感謝と感激を実は持つておるものでありまして、ようやく今日に至つて漸欠これらの人たちの功績が認められて、そうして明るい世の中に進むに從つて解除されて行くという道は、当然われわれが希望しておつた点なのであります。われわれは、困難なときにいかなる政策を実行したか、改善されたときにとかなる政策を実行せんとするかの区別を嚴然とつけることなしに、いたずらなる批判というものは私は返上申し上げなければならぬと思うものであります。それならばこのわれわれのこいねがつておつたところの料飲店の再開が、現在來ておる時期であるかどうかという問題になつて來ると、私はまだその時期には到達していないと考えるものであります。皆さんも御案内の通りに、現在の世界の食糧事情はずいぶん改善されて参りましたけれども、ワシントンの食糧会議の状況を見ましても、決してまだ十分な供給状況にはなつておりません。日本に対する三億五千万ドルのガリオア・ファンドの輸入状況にいたしましても、並たいていの苦労でないということは、皆さんも十分おわかりのことと考えるのであります。しかも現在農民に対しては、超過供出の法制化までも要求しておるという実情であります。現内閣が自由販賣を主張しておつたことを一擲して、法制化までも考えておるという実情に現在あるのであります。先ほど來お話がありました通りに、轉落農家の人たちもまだ保有米に困難をしておるし、また労働者諸君も、多くの加配米をお願いしなければならぬという実情に現在あるのでありまして、決して食糧問題そのもの自身は、すなわち料飲店の再開の背後にあるところの食糧事情そのものは、決してまだ樂観を許す状態に至つておるとは、断じて私には考えられません。主食の面がそれだけであるのみならず、現在魚の問題についても、高級の面は解除されて参りましても、大衆魚の面についてはまだそうなつておりません。調味料の面もやや今度は増配を行われるようでありますけれども、現在いまだに十分な状態でもなければ、またそれが自由になる状況でもありません。きのうもお話があつたようでありまするけれども、砂糖は自由販賣されておるのでは絶対にないのでありまして、國内産の黒糖だけが需要を許されておるというふうにすぎません。砂糖のない料理をつくらなければならぬというのが、現在の日本の実情なのでありまして、そういう実情から見まして、現在はたして合理的な時期であるかどうかという面になりますると、私どもは決して適当な時期ではない。もう少し大きな犠牲というものを忍んでもらわなければならぬ時期にあるのであつて、その時期が解決されれば現在の法律よりももつと明朗な、また正しい意味における健全にしてしかも衞生的な料飲店の再開ということが、初めて可能になつて來ると私は考えるものであります。この法律なるもので十重二十重に縛りつけて、しかも統制を目標とした法律をつくらざるを得ないという客観的事情そのものについて、われわれは深い反省を要するものと考えるのであります。しかも今日政府が一面において國民に耐乏を要求していながら、他面においてこの法律をつくつて行く。はたしてこの法律によつてだれがどの程度喜ぶであろうかということを考えて來ると、私はまことにさびしい感じに打たれるものでありまして、現在の人口の半分を占める婦女子の方々が、この法律に喜んで双手をあげるものとは考えられません。勤労大衆がこれに賛意を表するものとは考えられません。農民諸君がこれに賛意を表するものとは断じて考えることができません。むしろ現在、一面において耐乏を要求している精神、他面において供出を強要している精神から行きますならば、この法律が主食の統制を目標とした法律であるにいたしましても、その間に大きな矛盾を見出さざるを得ないのであります。何がゆえにかかる矛盾をあえてしなければならないのか。私はむしろ提案者の民主自由党諸君の考え方を伺いたいくらいであります。しかもこの法律は、そういう客観的な條件が満たないのに、ここに主観的な考え方によつて法律をつくつて行こうとするのでありますから、その大きな食い違いは何によつて現われて來るかと言えば、きわめて煩瑣な法律となつて現われて來るのであります。この法律を嚴密に実行するということになつて参りますならば、おそらく手も足も出ないという料飲店の再開になつて來ると私は思うのであります。きのうも質問の中にあつた通りに、旅行者は旅館で飯を食うことができない。そういうような問題だけではありません。おそらくこの補助券を云々する、あるいは前もつてそれを知らせることができなかつたならばそれがまた取消しになつて、実に煩瑣きわまりない法律だと思うのでありまして、法律が煩瑣になればなるほど、それを実行する意思が伴わなければ実行できませんでしようが、おそらくこの実行の意思がないとするならば、私は法自身が乱れて來る。現在以上にいわゆる違法の行為というものが非常に多くなつて來ると考えるのでありまして、これほど煩瑣な、これほど複雜な、これほど取締りの強い法律は、いまだかつて見たことがないと断言してもいいと私は思うのであります。そういう意味合いにおいて、これによつて解除される料飲店自身も決して喜ばないのではないだろうか、私はそう思うものであります。しかも先ほどお話になりました通りに、これによつて二十三年度の十五億の税金を七十七億の税金にふやそう。これは実に私はその羽織の中のよろいが見えた感じがいたすのでありますけれども、ここに一挙五倍の増税を行おうとするこの政策というものは、結局だれにこれが轉嫁されるかと言えば、おそらくいろいろのものに轉嫁されるに違いありませんけれども、今度の法律の一番大きな点は、露店商、小さな料飲店までも一切大謀網の中に入れて、その大謀網の中で今度は煩瑣な補助券、何券というものを全部配つて、それを何回も配つて脱税を一切封鎖して、そこで一挙に七十七億の税金を巻き上げようとする、ちようど投網のような政策でありますがゆえに、おそらくこの大きな負担というものは、困る小料理店あるいは露店商というものに必ずかかつて來るに違いない。この人たちの今後の生活の不安というものが、一層増大するのではないかという感じが私は濃厚にいたすものであります。かように考えて來ると、この政策そのものは、條件も整わないところに大きなむりな法律をつくる。結局大きな收奪予算をここに目当にする。そういうことをあえて押して行く今度の法律のやり方、その意図というものは、これは何であるかと言えば、まことに至極簡單なことに帰するのであります。それは民主自由党が公約を何かによつて果さなければならぬ、こういうあせりから出た以外の何ものでもないのであります。このあせりによつて行われて來る政治というものが、いかに悲惨な政治であるかということを、私は嚴密に考えてみなければならぬと思うものでありまして、私どもは急迫と緩漫さとをこもごも備えながら、眞実の政治が行われて行くことをむしろ希望するものでありますけれども、あせりにあせつて行うこういう政策は、党利党略以外の何ものでもないと思うのであります。私どもは党利党略にかかつて行くこの政治については、絶対に反対であります。もつと眞実な政治を、はらわたの中からしぼり出すような政治を、一日も早く二百六十名を持つておるところの民主自由党に、勇氣を持つて実行していただきたいと思います。勇氣を持つてこの法律にも反対してもらいたいと私は思うのであります。 社会党を代表して以上簡單に意見を申し上げた次第であります。
○小野瀬委員長 高村清治郎君。
○高橋(清)委員 私は民主党を代表いたしまして、條件付でこれに賛意を表するものであります。 その條件は、大体國協党の平川君の申し述べました條件をさらに繰返して、ここに要望いたす次第であります。ただ特にこの高級料理店と、それから大衆食堂業者に対する課税の点においては、將來善処していただくように考慮を願いたいと思うのであります。それから、ことに主食の取締り、先ほどもどなたか申しました通り、主要食糧のやみ取引の防止ということでありまするどれけも、これはかえつてまつたくやみ取引の誘惑という点に非常に危險性があるから、この点もよく注意していただきたい。それから課税取立てにおきまして、税務官吏が警察官のような態度をもつてこれに当る傾向がありまするから、この点もよく注意していただきたいと思うのであります。 以上のような條件を付しまして、本案に賛意を表するものであります。
○小野瀬委員長 田中不破三君。
○田中(不)委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に賛成をいたすものでございます。議事の進行上、ごく簡單にその理由を申し述べたいと存じます。 第一は、営業の自由の復活でございます。本法案によりまして、今まで職を奪われておりましたこれら飲食営業に関しまする業者が、その生業を復活されるという点でございます。先ほどの討論中にもありましたように、数年前の非常緊急措置によりまして多数の業者がその業を奪われ、あるいは陰に細々とその営業を続けて参つたのでございます。先ほどのお話にもありましたように、これらの料理飲食業者の犠牲によりまして、日本の國情も次第に改善されて参つたのは御承知の通りでございます。このときにあたりまして、われわれはいつまでもこの多数の業を奪われた方々の犠牲に甘んじて、現在の状態を続けて参るということは、國の政策としてまことに忍びないところであると存ずるのであります。すみやかにこれらの業者に、ただいま世の中で正しい業の一つとして存在しておりまするこの飲食料理業を復活さすということは、國の情、國の政策として今こそとるべき時期であると存ずるのであります。 次に申し延べたいことは、本法によりまして飲料理営業の今まで蒙つておりまする暗い影が一掃されまして、明朗化されるという点でございます。ただいままでは業を営みまする者も、またこれに客となりまする者も、せんせんきようきようといたして飲食をとつておつたのが実情でございます。しかも飲食業は世の中の産業といたしまして、いずれの國にも、いずれの所にも存するものでありまして、この営業を押えまして、ただ國民にせんせんきようきようたる飲食営業に関する行動をとらしめるということは、國としてはまことに不本意なところであります。すなわち本法の実施によりまして、この営業関係の明朗化が來されるという点が第二点でございます。 次に第三点といたしまして、主食の取締り、主杯の流通秩序の強化という点でございます。本法の各條にございまするように、この法案は一方飲食業者の生計維持の再開ということを目的といたしておりまするとともに、一方には從來とかくやみに流れがちでありました主食のやみ取引を防止いたしまして、その流通秩序を確立しようという点であります。この点におきまして、本法が執行機関によりまして十分にその実を発揮いたしまするならば、今まで憂えられておりました主食のやみ取引、これらが相当効果的に取締りを強化されることと存ずるのでございます。 次に第四点といたしましては、財政の観点からでございます。ただいまわが國の事情といたしましては、どこまでも均衡財政をとり、でき得る限り財源を見出しまして、國の支出をまかなつて行かなければならない状態でございます。このときにおきまして、本法の施行により税の負担力のある部面から相当額の税收入を期待し得る。そうして國の財修に寄與し得ることが期待されるのでありまして、この点におきまして、本法は一石二地の案であると考えるのでございます。 以上簡單に理由を申し述べましたが、以上の理由によりまして本法案に賛成をいたすものでございます。
○小野瀬委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより飲食営業臨時規整法案の採決に入ります。原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小野瀬委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。 なお本案に関する委員会報告書その他に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野瀬委員長 それではさように決定いたします。 —————————————
○小野瀬委員長 引続き過度経済力集中排除法の適用除外に関し、説明員笹山忠夫君から意見を聽取いたします。説明員笹山忠雄君。
○笹山説明員 私、持株会社整理委員会の笹山であります。東京芝浦電氣株式会社に対しましては、昨年の二月に過度経済力集中排除法に基きまして指定をいたした次第であります。その後法律、規則等に定められました資料を取寄せまして、詳細調査を進めました結果、過度経済力集中に該当するという認定を一應いたしたわけであります。電氣関係の企業といたしましては、重電、軽電業者にわたりまして、十九社を一應指定したのでありますが、大部分のものは調査の結果過度経済力集中に該当しないものと認めて取消しをして参りましたが、東京芝浦電氣株式会社と日立製作所の二社は、過度経済力集中に該当するものという認定をいたした次第であります。東京芝浦電氣を過度経済集中に該当すると認定しましたのは、同社の重電軽電両部門にわたり、換言いたしまするならば、電氣機械のメーカーとしてあらゆる関係の仕事を同社はいたしております。他の会社はあるいは重電の方では相当力あるにしても、軽電の力が非常に微弱である。あるいは軽電の方では相当の能力をもつておりますが、重電部門を全然もつていない。それぞれその能力の程度が東京芝浦とは格段の相違があります。日立製作所の場合は、重電以外にあるいは製網部門をもつております。あるいは車両部門をもつております。こういうものを総合した力が、他の指定を解除された会社よりも格段に大きいという点で、過度経済力集中の指定をいたしたわけであります。東芝の場合も重軽両部門、あらゆる分野にわたつて相当強力なる力をもつておる点を勘案いたしまして、過度経済力集中に該当すると認定をいたした次第であります。その結果どういう方法でこの集中排除をするかということを、いろいろ勘案したわけでありますが、一應考えられますことは、重電部門と軽電部門の間にメスを入れて二社に分割するという方法でありますが、これはしかし電氣業界の將來等を考えますと、國家的見地から見ましても、はなはだ得策でないと思われる点がありまするし、重軽両方の技術をかみ合わして行くような方向に、電氣業界はだんだん進んで行くのではないかということも考えられましたので、この案はとらなかつたわけであります。また重軽それぞれの工場を組合して、両部門にわたつて会社を二社これらえるという方法も、一應檢討した次第でありますが、これも実情に即しない点がありまするし、結局指令案のように二十八工場を東芝から切り離す。これによつて能力が行二割削減されることになります。この程度の措置をすることが過度経済力集中排除としては必要であり、また十分であると考える次第であります。指令案を出しまして後、三月中旬に聽聞会をいたしました。この聽聞会において組合の方から異議意見が陳述されたわけであります。異議意見等に基きまして、その後さらに慎重に調査を進めている段階でありまして、まだ今日のところ東芝に対する措置は、決定的な段階には至つておりません。異議意見を十分慎重に調査いたしまし上で、決定指令を発することにいたしたいと思つております。さよう御了承願います。 なお御承知のことと思いますが当社はIGEの技術の上に立つているわけであります。他の電氣業においてもそれぞれわが國の電氣業者は、外國技術の上に立つておる状態でありまして、傳えられるところによると、わが國の電氣技術はアメリカ等に比較して、二十年以上遅れているのではないかということがいわれているようであります。東芝の場合も將來IGEの技術導入ということは、必要欠くべからざるものと思いますし、そういつた観点からも同社の再編成というものは、慎重に考慮する必要があると考えております。私どもはその点につきましても、十分慎重に考慮した籾第であります。大体の内容はただいま申し上げたような次第であります。これはまだ決定的にはなつておりません。まだ現在檢討の過程にある問題であります。なおあるいは指令案の内容等につきまして、具体町な点でいろいろ御質疑等がありましたならば、十分御説明申し上げたいと思います。一應これで終りたいと思います。
○勝間田委員 いろいろ方法があつたけれども、第三の方法をとつて二十八社を切り離した。そこで約二割の減少になつておるという話でありますが、法の精神からいつて、どういう点に指導精神を置いて、二十八社をとにかくやめさして行くことにしたのか。そこにはおそらく二十八社をただ簡單にやめさしたのではないかと思います。その考えのよりどころというものを、もう少し具体的に御説明願いたい。
○笹山説明員 ただいま申し上げましたように、東芝の場合は電氣関係のあらゆる部門にわたつております。大体具体的にわけますれば、重電関係、軽電関係、機器関係、通信関係というふうにわかれている、その全部にわたつて東芝は能力を持つている。その一つ一つにおいて非常に強大であるというものはそれほど多くありません。しかしそういつた全部にわたつての能力をつ持ていることは、これをある一種の仕事に集中しようと思えば、集中できる潜在能力があるわけであります。そこで東芝の集中排除という場合には、その全部にわたつての能力をある程度削減することが妥当である。こう考えた次第であります。それでただいま申し上げました四部門全面にわたつて、ある程度の設備能力を減らすという方法を考えたわけであります。経済力集中排除の場合は、世間一般に考えられます分割と言つたことが比較的多いのではありまするけれども、必ずしも分割ということだけが、集中排除の措置として考えなければならないということではありません。東芝の場合は二十八工場を東芝から切り離すことによつて、全面的にわたつて約二割程度の能力を削減するという措置が、最も実際的であると考えた次第であります。御参考までに申し上げまするが、二十八工場を切り離すということは、その二十八工場を閉鎖するということではありません。東芝から切り離すということで、その二十八工場はあるいは第二会社をこしらえるなり他の業者と合併するなり、それぞれ生きて行く方法に持つて行けるようにはしたいと思つております。
○勝間田委員 もう少し詳しくお聞きしたいのですが、二割という数字を出すのに、会社の全体の機構の中から見て二割ということが妥当であると考えるのですか。あるいは業界全体から見て、東芝から二割減らすということが妥当であると考えたのですか。この数字は偶然に出たのか、計画的に出た数字か、何ゆえに二割という数字を出したかということが一つ。それから二十八社を選ぶということには、たとえば採算あるいは設備あるいは地域的問題があると思いますが、二十八社を選んだよりどころというものをお答え願います。
○笹山説明員 二割と申しまするのは業界全体の二割でなく、東芝の現在の能力の二割ということであります。從つて現在の能力の八割程度に東芝自体はなる、こういうことであります。それから二割ということの根拠でありますが、その数字について理論的な嚴密な根拠をこしらえることは非常に困難でありまして、他の同業との経済力の規模のバランスといつたような点を考えまして、この程度の措置をすれば同業の日立製作所、三菱電機その他等とバランスがとれる。從つて公正な自由競爭のできる状態になる。こういう比較檢討の上で二十八工場の処分という措置を考えた次第であります。
○勝間田委員 二十八の工場を選んで、Aの工場をとるかBの工場をとるかという場合に、どこに基準を置かれたかということをお伺いしたい。
○笹山説明員 それはみな各工場の設備能力を見まして、そうしてまた東芝自体の仕事の関連性をいろいろ考えまして、その上でこの二十八工場というものを選んだのであります。またこれについては経営者の方の意向というものも、もちろん参考として考えた次第であります。
○勝間田委員 二十八工場を切つたということは、中心になつてあとに残る東芝というものを、結局企業整備したというかつこうになるのではないですか。
○笹山説明員 企業整備ということと全然同じということではありません。企業整備という場合であれば、その工場に属しておつた機械設備といつたようなものを、本社の方へ移すといつたようなこともできると思います。そういう措置はこの集中排除ではできないのです。その点企業整備の場合とは根本的に違つておると言えます。しかし残る本社の経理の健全性ということは当然考えなければなりません。そういう意味においては企業整備の場合と、ある程度考え方に関連する点はもちろんあります。しかし企業整備の考え方と全面的にこれが同一のものであるということではありません。
○勝間田委員 二十八社をどうして選んだかということを、もう少し具体的にお願いができないと、今の点がはつきりしないと思うのですが、むしろ企業再建整備関係の法律で、こういうことは実行するならするとしても、いわゆる過度の集中排除法でどうことを実行するということは、少しそこにむりがあると考えませんか。その点はいかがでございますか。
○笹山説明員 この経済力集中排除のいろいろな措置につきましては、法律、規則等でごらんくださつていることと思いますけれども、ただ経理の健全性というものは十分尊重しなければならないようになつております。企業整備の場合とその点においては関連するものが、考え方によつては大いにあるわけであります。しかし企業整備だけでやれるという問題ではないのであります。過度経済力集中排除法によつて行いました場合は、明らかにこれだけの設備は東芝から除外しなければならない措置になつておる。その点は企業整備ではやれない点であります。二割能力を減らすということは、單に企業整備法だけでは行い得ないものだと考えております。
○前田(正)委員 この二割削減されればそれで十分であるという点は、私たちもう少し御説明を願いたいと思うのですが、この集中力を持つておる強電、弱電、通信の方面に対する各種の能力を持つておるというのは、どの部門に——あるいは通信、あるいは弱電のどの部門においてどれだけ削減されておるか。あるいはまた機械設備というものは、ある程度轉用できると思いますが、この二割の削減のために、その強電部門、弱電、通信にわたる部門の轉用がはなはだ困難なものが、二十八工場減らすためにできて來て、この工場を切り離すことによつてそういう集中的なことができない、こういうふうにある程度能力とかあるいは設備とか、あるいはその業種別で当然決定されたものと思うのでありますが、その点もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
○笹山説明員 二十八工場を処分することによつて、個々の生産能力がどの程度減殺されるかということは、それぞれ数字も出ておるわけでありますが、その数字を申し上げることも煩瑣かと思いますので、一應お考え願いたいことは、たとえば同樣集中と認定された日立製作所との比較をした場合に、重電部面では日立製作所と東京芝浦とはやや似たものであります。この同種の部門についての比較は数字の上でもできるわけでありますが、先ほど申しましたように日立製作所の場合は、それ以外に車両部門と製鋼部門を持つております。東芝の場合は重電、軽電、それから今度の問題にも関係しておりますが、百パーセント株を持つており、事実上東芝の一部分であると見なされる車両部門の力があるわけであります。製鋼部門というものはきわめて微々たるもので、とうてい日立製作所とは比較にならないのでありますが、指定された各企業の事業内容がまつたく同一である場合ですと、この排除の措置による能力の正確な比較ができるわけでありますが、企業々々によつて、みな内容がそれぞれ違つた部面をたくさん持ち合つておりますと、そういう会社の比較の場合な嚴密な数字的比較はなかなか困難であります。大体の数字によつてその企業自体の経済力というものを、総合的に比較して判断する以外にはちよつと困難なのであります。その点をひとつ御了承願いたいと思います。企業の内容がごく簡單な單一の種類のものをやつておる場合は、常非に簡單でありますが、こういつた大会社はそれぞれ総合経営をやつております。その総合経営の中味は、ある程度は同一のものもありますが、また同一でない部面にそれぞれ相当の力を持つております。その間の比較は、大体の数字を基礎にして判断するということ以外にはとり得ないということを、ひとつ御了承願いたいと思います。しかしなお御必要とありますれば、各部門にわたつて二十八工場をはずすことによつて、どの程度その部門における能力が減殺されるかということは、資料を差上げることもけつこうであります。
○前田(正)委員 この問題に対しましては労働組合側からの御意見も伺つておりませんから、どこにどういうふうに反対の御意見があるかはこれから先のことでありますけれども、いずれにいたしましても二割近くのものを削減すれば集中力は及ばないということが、はたして妥当であるかどうかということは、問題であろうと私は思うのであります。そういうことになりますと、やはり全体の日本の強電及び弱電、通信に対して現在東芝の持つておる能力、これが今度の二割削減によつてどれだけ能力が減つて來るかという数字的な基礎がないと、われわれの方も参考のお話を伺うにも判断しかねるのではないかと思います。 もう一つは、二十八工場をどういうふうにして選ぶかという問題があるのではないかと思います。この問題につきましては、今申しましたようにその設備の状態によつて、轉用可能の設備が各工場にあるわけでありますから、この工場をはずすことによつて他に轉用できない。この工場にある機械を東芝から切り離したために、集中力を及ぼすことはできない。そういうことが工場施設の内容によつて明らかになつて來ました結果、二十八工場を指定されたのではないかと思いますが、それでどういう工場を切り離すかということ、集中力の排除に影響があつたそのおのおのの工場の生産能力の資料、こういう二つのものをいただかなければ、そのお話を伺うにしてもどうも抽象的のお話ばかりでは、参考にならぬように思いますが、委員長におかれましては皆樣にひとつ聞いていただいて、そういう必要がありますれば、さようにおとりはからい願いたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○小野瀬委員長 それでは笹山委員長にお願いいたしますが、前田君からお求めのありました資料をなるべく急速に御提出願いたいと思います。
○高田(富)委員 今の前田委員と同樣に私ももう少し詳しい資料をもとにして、愼重にやりたいと思つたのですが、簡單に時間がありませんから、二、三お尋ねいたします。第一は、先ほどの説明の中で重電、軽電にわけようということを一應考えてみたようでありますが、それはどうしていけなかつたかということの理由とか、それから二十八工場閉鎖ということになつたのですが、その場合いろいろの條件を見てやるのだという御説明でありますが、閉鎖された後成り立たなくなれば、それだけ全体の國家経済上にも損失であります。それで切り離されたものが後にどういう影響を持つて來るかというようなことを考慮されたかどうか。それから三番目は、ちよつと文書を拜見したのでありますが、何か東芝車両をまた買いもどせというような決定だつたように記憶しておりますが、それはどういう意味のものであるか。それから次は今の御説明で二月に指定して、今年三月中旬に聽聞会をやつて、目下調査中であるということでありますが、これは指定を出してから相当長い期間がある。こういうふうに案がきまるまでの間は、あらゆる場合に期間が長くなるのですか。どういうふうな手続でこの案を決定するのか。決定するまでの手続について概略でけつこうですが、お伺いしたい。
○笹山説明員 御答えの順序が違うかもしれませんが、手続関係の方を申しますと、昨年二月に指定をしたわけでありますが、そのときは三百二十五社を二回にわけて指定したわけであります。この三百二十五社について法律規則に定められた詳細な帳簿等の提出を求めまして、これを次々に檢討して行つたわけであります。その間あるいは解除の措置をとりあるいは指定して指令案を出す、決定指令を出すという手続を次々にとつて來ておるわけであります。東芝一社だけであればもちろん三箇年もかかるわけではありません。三百二十五社について昨年から檢討しておつたわけでありまして、昨年中に済ましたものもたくさんあり、今日では措置の済んでいないものが四十社になつておると思いますが、そういうふうにたくさんの会社を対象といたしてやつておりまして、一箇年の時日を要したわけであります。 それから集排の措置といたしましては、まず指定をして所定の調書をとつて、これを十分檢討いたしまして、集中に該当しないという認定をすることのできたものは、指定取消しの措置をとつておりますし、集中と一應認定しましたものは、指令案を出すことになつております。指令案を出しましたならば、二週間以上の期間を置いて必ず聽聞会を開かなければならないということになつております。その聽聞会でその指令案に対する異議意見を十分拜聽し、その結果指令案を修正する必要ありと認めた場合は、修正して決定するということになります。修正の要なしと認められた場合は、指令案のままが決定指令になる、こういう段階になります。東芝の場合は三月に聽聞会を開きまして、異議意見を十分そのときに述べて、なおその後もさらに異議意見の詳細について、組合の方からいろいろ拜聽しておる次第であります。それを檢討した上で最終的な決定指令を出す、こういうことになつておるわけであります。 それから重電、軽電に二分割しなかつたのはどういう理由であるかという御質問でありますが、この点は一應同社の場合、重、軽二分割はできないかということがまず檢討せられる次第です。先ほど申しましたように重電、軽電それぞれ技術的に関連するものが、將來はだんだん多くなつて來るのではないか、その場合に重電專門、軽電專門という片ちんばの形になつておつたのでは、將來の発展性に非常に支障を來す。日本の電氣産業の上にも、不利益な結果が來るのではないかということを考慮したわけであります。またこれについては、先ほども申しましたように、從來東芝が依存しておつたIGEの技術との関連も考えなければなりません。こういつた形で重、軽二分割したような形で、はたして十分の技術指導を得られるかどうか、はなはだ疑問だというふうにも思われた次第であります。さような理由で重、軽二分割ということは、この場合妥当でないと判断したのであります。 それから二十八工場ですが、ただいまの御質問にも閉鎖というふうにおつしやつておられましたが、先ほど申しましたようにこの二十八工場を処分することは、これは閉鎖することをただちに意味しているのではありません。これだけの能力を東芝から切り離す、それだけ東芝の能力を縮少するということの方が主眼であります。この二十八工場はそれぞれあるいは個々に第二会社になるものもありましようし、あるいはこのうちの何工場かが合体して、第二会社になるものもありましようし、また他の業者と一体になつて仕事をして行くというのもあると思います。これによつて日本の電氣産業の生産力に、それだけただちに影響することになるとは考えておりません。 それから東芝車両の問題でありますが、合併しろという指令を出しておるのではありません。合併するということであれば、それに対して集排の立場からは別に異存はない、こういう意味であります。東芝車両は先ほどもちよつと言及いたしました通り、東芝車両株式会社というふうに別個の法人格には一應なつてはおりまするけれども、実態的に見ますと、この株式は百パーセント東芝が持つて、東芝の旧工場の同一敷地内にあり、厚生施設等も両方入り乱れておるといつた状態であります。戰爭中特別の理由によつて、一應別会社の形をとつておつたというにすぎないのであります。もしこれを東芝で合併したいということであればそれに対して異存はない。先ほど申し上げましたように、同種の産業である日立製作所においても、車両工場の相当大きな設備を持つております。それから三菱電機においても車両部門を持つております。そういつた関連から一應別会社にしておる東芝車両を東芝に元の通りに復元する、そういつた氣持であるということならば、それは別に集排の立場からは異存はない、こういう意味であります。
○小野瀬委員長 それではただいま政府委員もお見えになつておりますから、引続き組合側より参考意見を聞きたいと思います。東芝労働組合連合会中央執行委員長石川忠延君にお願いいたします。
○石川参考人 私が東芝の労働組合連合会の中央執行委員長の石川でございます。私どもはおととし企業再建整備法、それから集中排除法が成立いたしましてから、これに便乘いたしまして資本家階級がわれわれ労働者を犠牲にして、資本の温存復興をはかるという傾向に対しましては、非常な関心と警戒を拂つたわけであります。そういたしましたところが、昨年二月の経済力集排中除法の第一次指定で、私どもの会社が指定せられまして、本年二月十八日その指令案が発表せられたのであります。その内容につきましてはお手元に配付いたしました請願書に添付してございます。その内容はただいま笹山委員長から説明がありましたように、二十八工場を処分せよ。しかもその処分工場の中で、進駐軍の工事に関係のある機械はのけてもよろしい。そして東芝車両会社を併合することも可能であるという内容であります。これに対しまして私どもは今まで心配しておりましたことが、いよいよ実現したという意味で、非常な驚きと非常な憤慨をいたしたわけであります。そしてそれは私どもだけでなく、二十八工場とそれの周囲の普通のいわゆる工場に関係いたします從業員、またその附近の商店あるいは下請業者、いろいろなところから非常な反撥が出たわけでありまして、これはみな地元の反撥として各党を問わず、衆議院議員の方々にもそれぞれ地元の要求といたしまして、東芝のこの集中排除の指令によるところの分離は、反対してもらいたいということが出ておるのであります。そういたしまして、私どもは、それぞれの單位組合の反対、あるいは地元の反対を基礎として、三月十一日の聽聞会におきましては東芝労働組合連合会といたしまして、私どもはこれに反対の意向を表明したのであります。その反対の意向の重点は主として次の二つに向けられました。その一つは経済力の集中排除法の適用が誤つておるという点と、それからその適用する基礎としての事実の認定が不当である。この二点につきまして私どもは持株に対して攻撃したのであります。ところが私どものこの主張が幸いにして当を得ておりましたために、持株におきましてもこれを無視することができなかつたのであります。そうして東芝におきましては、われわれの主張が正当であるがゆえに、これを無視することができないために再審議という形になつて、爾來一月半になりますが、いまだに決定できないのであります。ただいま持株整理委員会は各工場の実情を調査する、さらにまたわれわれの意向も聞く、会社から新しい資料を取直すというような段階において、これを審議し直しておるのであります。しかしながらその間われわれが一半月にわたつて密接に接触いたしました結果、持株の基本的な考え方はかわらない。そういうことがわかりました。それでは困るのであります。間違つておるのであります。その意味で私どもはごく最近國会に対して、この指令案の撤回と指定の解除、この二点を請願いたしました。その結果本日御提案になつたことははなはだ私どもの感謝するところであります。私どもはこの問題をただ單に一企業の問題であるとは考えておりません。その理由を以下申し述べたいと考えます。 まず第一に、國会においてきめられましたところの、この過度の経済力集中排除法の精神が、適用において全然誤まられておる。この事実は私どもだけでなく、東芝企業の二万八千の從業員の一人々々、並びにそれにくつつきますところの地元の人たち、またわれわれ労働者階級のすべてがこれを承知しておるのであります。この國会においてきめられましたところの法の運用が誤つておるという事実が、もし見逃されるといたしますと、法に対するところの威信というものはくつがえり、國会に対する信用は薄らぎ、議会民主主義の根底はくつがえると私は思うのであります。その意味において、この過度の経済力集中排除法の適用は、どこまでも正しく運用しなければならない。その点について私どもは議員諸氏に対しまして、考慮していただきたいという意味で請願したのであります。御承知のように、この経済力集中排除法が成立いたしますときは、たいへんなことでありまして、これはよく御承知のことと思います。このたいへんなさわぎをして、辛くも通過いたしました経済力集中排除法が、運用においてはなはだしく國民の生活を傷つけるというような運用がなされるとすれば、そしてまたそれが見逃されますと、これは今言いましたような理由でたいへんなことになるというのが、第一の請願の理由であります。 第二番目は、この内容は先ほど指摘せられましたように、過度の経済力の集中排除ではなくして、過度の経済力をさらに集中しようという内容を含んでおります。その意味において私は賛成できません。 第三番目は、会社側がこの指令案を惡用する危險性が非常に多いということであります。これは指令案が出ましたときに、新聞紙でも取上げられましたように、これは経済力集中排除法に企業整備を便乘させたものだ、あるいは抱き合せであるというような点が、新聞紙上に專門家によつてさつそく取上げられました。そのことがもう事実証明しておるのであります。先ほど笹山委員長が言われましたように、会社は外資導入のために重、軽電の分離、これが非常にこわい。それを避けるために、二十八工場の二割削減をしなければならない。そこに今度の二十八工場処分の根本的理由があるのであります。いわゆる経済力集中排除法の精神からいえば、はなはだ的はずれの内容であります。しかもさらに許せないことは、会社側が企業再建整備法にのつとるところのあの計画をつくるのに、自分自身でできないために、この指令の力を借りようとしている事実であります。虎の威を借る狐のたぐいであります。すなわち会社はわれわれと労働協約を結んでおりますが、この協約によりますと会社側はわれわれを自由に首切れませんので、ただいま横浜の地方裁判所において、労働協約無効の仮処分申請をしておりますが、この仮処分申請は何かと言えば、それは過度経済力集中排除法の指令が出たから、それをやるのにこの労働協約があつてはやれないという理由であります。すなわち会社とわれわれとの間に円満に結ばれた、今なお有効である労働協約を破棄する理由にこれが使われておる。しかもまたその発展する方向は、われわれの二十八工場を処分し、さらに労働者の首を容易に切るというところにねらいがあるのであります。会社側がいわゆる焦土戰術を実行するのに、これを利用しようとしておるという事実であります。 次にはその結果といたしまして切られる二十八工場は、ちようど過度経済力集中排除法の精神から、分離せられるものも生きられる、残るものも生きられるということでなく、これが分割を避けるために二十八工場をぶつた切るということでありますから、この切られる二割が生きる形で切られるのではなくて、これは分離するのだ、これをぶつつぶすことではないというのでありますが、その実態は明らかにこれはつぶれるのであります。これは具体的な資料に基いて幾らでも説明できるのでありまして、そこに大きな問題があります。從つて二十八工場の所在地においては、地方民生上大きな問題になり、地元の商人あるいは農民などは、市会、町村——すなわち工場がつぶれると税の関係などでただちにその地方に大きな問題が起りますが、そういうところから地元の代議士諸君を通じて、この方向でまた陳情が來ておるはずであります。この地方民生上大きな惡影響があるということは、これは無視することのできない事実であると私は考えます。さらにこういつた企業整備を集中排除法によつて、指令の形で強行するということが一たび東芝において許されるならば、まだたくさんの集中排除法の指令案の出ない大きな企業がありますが、この大きな企業に対しましてほとんど全部この方針を適用することになると思うのであります。これがまた決定指令案の出ないところの大きな企業に対しましても、非常な不安を與えておる。われわれ労働者階級の中では、東芝のこの経済力集中排除法の適用が許されるならば、おそらく自分のところにも來るだろう。そうなるとたいへんだというので、大きな関心の的になつております。從つてこれを軽々に見逃して、もしこういうものをわれわれの反対を押し切つて強行されれば、東芝はもちろんのこと、このほかの同じ状況にありますところの労働組合におきまして、大きな労働不安の種を植えつけることになるのであります。 以上申し上げました五つ、六つの理由は、すべて経済力集中排除法の希望せざるところであります。なぜ希望せざることがかように起るかと申しますと、これは明らかに経済力集中排除法の精神を歪曲して、これに便乘して企業整備をしようという法の適用が誤つておるからであります。ここにわれわれは重点をおいてただいま反対を唱えておるのであります。そのことを御理解願いまして、この指令案の撤回、そうして指定の解除、この二点を御敢行願いたいというので要請したわけであります。 なお私の申しましたことは非常に簡單でございまして、意を盡しておりませんので、それぞれ專門的なことについては、山下副委員長から申し上げて十分意を盡したい、かように考えております。
○山下参考人 副委員長の山下であります。ただいまの委員長の一般的な説明を、具体的に私から申し上げたいと思います。 今回われわれが言つております集中排除法の問題について、集中排除法の法律違反である、惡用であるという面と、ただに法律違反であるというばかりでなく、日本の経済安定の面から見ましても、企業の正しい安定の面から見ましても、決して正しい適用ではない。この二つが大きな問題でございます。法律違反の点につきましては、過度経済力集中排除法の持つ一方的な大きな力の問題はすでに御承知だと思いますが、経済力集中排除法が、極東委員会の指令の轉回後大きくゆるんだことは御承知の通りであります。最初会社側も、あのときは非常に峻嚴な適用がなされることをおそれまして、われわれも非常な細分を避けるために、ともに反対したわけであります。ところが現在この法律違反を犯しておる点はどういう点かと申しますと、この緩和の空氣に便乘いたしまして、逆に、一昨年の東芝五十五日間の大ゼネストをもつて反対いたしました、合理化二十八工場処分の反対にもかかわらず、これをそのまま進めて來ておることであります。このことは東芝三万人の労働者が、はつきりあの五十五日のストライキのときに知つていたことでありますから、いかに持株会社整理委員会で説明されようともその経済力集中排除法を会社の整理に乘せて出て來たということは、はつきりしておるのであります。 その法律違反の第一点は、この結論に合せるために、すなわち二十八工場処分の東芝企業者の野望に合せるために非常に歪曲されて、結論的には二十八工場をどういうわけで処分しなければならぬかという、はつきりした認定がなければいけないということが立法できまつておりますが、これに合せるために非常にむりな認定をしておるのであります。これはお手元に事務局から配付されました、請願書の附属の趣意書の中に詳しく書いてありますから省きますが、会社が日ごろから持つておりました原案に符合させるために、事実の認定を逆に結論に合せて、そのために、東芝の企業を一應知つておる者から見れば、非常にひどい認定をしているということであります。 もう一つは、この事実の認定が非常に古い資料をもつてなされておる。昭和二十二年三月の資料でございます。しかもこの資料は、持株会社整理委員会で独自の調査をしておると言つておりますが、実はこれが全部会社側の出した資料でございます。持株会社整理委員会の事務局が積極的に動けば、工業会その他の資料を十分にとり得るはずのものでありながら、会社側の資料をもつて事実の認定をしておる。しかも二十八工場を指令に該当させるためには、どうしても歪曲しなければならない。この見え透いた事実の認定をしておるということでございます。 もう一つ、事実の認定につきまして大きく申し上げたいことは、その指令案には、十分調査がなされておるということを書いてございますが、われわれが聽聞会でも反駁した通り、この該当二十八工場のうち、行かれた工場はわずか三工場、しかもそのうちの二工場は、ただほかの問題で來たときに立寄つたということで、五分か十分顏を出した程度であります。これをもつて十分な調査をしたと言う事実、これに対しましては持株会社整理委員会も反省した模樣でございまして、聽聞会以後、今急速に東北とか東海をまわつておりますが、そのまわり方も東北のあの六縣にわたります七工場を、わずか三、四日でまわるというかけ足的なまわり方でありまして、われわれの追究に対しまして、あそこもここも行つてみたということを一應言う程度にとどまるわけであります。かくのごとく、まず事実の認定に対しまして明らかに違反しております。 それから法律違反の第二点といたしましては、この集中排除法は、経済力の集中を排除するということが原則だと思いますが、この法律の第一條にあります目的に明らかに違反いたしまして、逆に経済力の集中——地方工場、地方産業を切り取ることによりまして、都会の大工場への集中生産を育成する。明らかに集中排除法とは逆の育成を指令しておることであります。その具体的な事実を三つ申し上げます。 第一番は、二千万円の三千人を擁する東芝車両会社を吸收してよろしいということを言つておる。吸收しろとはもちろん言えないでありましようが、よろしいということをあえて言つておることは、もちろん吸收しろということであります。先ほどの笹山委員長のお話では、百パーセントの株を持つておるから、実際的には同会社であるということを言われます。そうなれば、うちの東芝といたしましては、百七十一社の子会社を持ち、百パーセントの株を持つている大会社は四十数社に上つております。そうすれば東芝コンツェルンは十億以上の巨大会社になるのでありまして、百パーセントの株を持つておる大工場をそばに持つており、これは自分の会社と同じ会社であるからということになれば、明らかに独禁法に違反し集中排除法に違反するのであります。 さらに第二の違反実例といたしまして申し上げたいのは、経済力集中排除法というものは、軍事的経済力の潜在性を排除するのだと言つていながら、該当二十八工場は、経済力の点から言つて、東芝から見れば非常に貧弱なものであります。むしろこのようなことを言つていながら、終戰後二十一年度におきまして、横須賀工場に厖大なる工場の建設を許しております。これは持株会社に移向する前でありましようけれども、この横須賀工場の潜在力というものは、現在の有名なる堀川町工場、あの眞空管、電球事業において最高を行きます堀川工場、あれと匹敵する潜在力を持つております。かつて貴重なる復金融資を五千万円以上もここに注ぎ込んでおります。しかも一箇の電球もできないというのに、こういうことを許しておるのであります。 第三には、外資の導入と十分な関係の事実があるということ。かように眞空管の横須賀工場を許しておる一面、地方工場のことにつきましてかかる峻嚴なる処分をしていながら、北海道の札幌における札幌工場の建設を、持株会社整理委員会において二十二年において許されております。かようなことは、今や経済力集中排除の世界的な動向は、東芝の会社に対して、経済力の集中排除ということの指令は緩和される段階に來ております。緩和される段階になつておりますが、そのついでに資本家の合理化も便乘させてやろうという、実に卑劣なる違法的行為をあえてやつておる。これがほんとうに立法当時のように、日本の経済民主化のための経済力の再編成ということが峻嚴に行われているならば——東芝というものは御承知のように東京電氣と言つて、元はマツダランプと言つておりましたが、東京電氣という電氣会社と芝浦製作所という重電氣の会社が合さつたものでございます。これはもともと歴史的條件から行きましても二つでありまして、現在におきましても必ずしも一つになりきれていません。この二つのものに分割の指令が出るのは必至の問題でありますが、なぜこれが許されるか。これは委員長が先ほど言われましたように、外資導入その他の問題とからみまして、東芝のインターナショナル・ゼネラル・エレクトリック会社との協定の状態から見まして、これを分割しない方がよりよいという観点からいたしまして、経済力集中排除法の峻嚴なる適用から言うば、いわば当然分割されるべき東芝と東電が、合さつたまま行くことが許されたわけであります。かような大きな問題が許されたことは、すでに経済力集中排除法によるところの適用は、外資導入に非常に関連性の深い東芝に対しましては、適用を排除するという観点にほかならないのであります。そのかわりに、二十八工場という、非常に経営的にも健全化いたしました地方の各工場をこの人身御供にして、とにかく二〇%減るのだというようなことをもつて、経営者が日ごろ処分したいという考えを持つておる。その案を取入れてやろう。そうすれば幾らか減るということで、経済力集中排除法が適用されたという刑をとろう、こういう考え方であります。このことが一道二十四縣にわたる二十八工場の地方工場を、理由なくして整理するということであります。このような企業合理化は、先ほども言われましたように、企業再建におきまして経営者が自力をもつてやるべきことであります。日本経済の民主化のために打立てられました経済力集中非除法の緩和の波を利用いたしまして、このような惡用を許しておるという点におきまして、これは明らかなる経済力集中排除法の違反であります。 第二に、そういうことを申し上げますと、東芝は四十三工場もあつて非常に大きいのだから、いろいろ法律の違反もあるかもしれないけれども、この法が経営者に都合がいいというならば、それは乘せてやつてもよかろう。こういうような考え方も出るかもしれませんが、それが間違いなのであります。先ほども笹山さんは、経理の健全化のためにもと言われましたが、事実はまつたく相反するのでありまして、具体的に申し上げますと、二十三年度の下期におきまするところの東芝の工場別に、黒字、赤字の状態を見た場合に、これは営業の最終損益まで含まれておりませんで、工場だけの損益でありますから、黒字は最終損益を見ればもつと多いと思いますが、一應工場独自の損益から見ましても、二十三年の十月から今年の二月までに、黒字工場になつているところが十三工場ございます。その十三工場のうちの九工場が処分指令に該当しているのであります。さらにこの二月におきまする状態——このことを申し上げますのは、該当工場が非常によくなつて來つておるということを強調しているのであります。一番最近の二月の資料に基きますと、黒字工場が二十工場に増加しております。そのうち処分に指定されている工場が十四工場であります。このように、明らかに東芝自身の経営の健全性から言いましても、地方工場を切り離す理由は成り立たないのであります。東芝の経営者が二十八工場の分離を考えましたのは、二十一年の十月以來でございます。このころの考え方からいたしますと、明らかに地方工場は当時終戰直後の虚脱状態にあつたし、経営者より見れば、一つの工場をフルに運轉しようと積極性もなく、インフレ過程におきましては生産を停止し、資材の温存をはかるという態度であつたために、明らかに資金、資材の不足のために、地方工場の経営はよくなかつたのであります。かかる資料をもとにして考えられました二十八工場というものの処分ということは、現在の東芝の企業の絶対的な経済再建のためから言いますと、明らかに違反するのであります。さらにこのことは、大きく日本の経済再建の方向から見まして、地方工場におきまして非常に苦しい合理化の結果、採算のとれる状態にまで來ている工場を、いたずらにこの集中生産の波に乘りまして、そうしてこの地方の民生のために明らかに各地方の町村と直結しております工場を、ただ二分割を避ける名目のもとに犠牲に供されていることは、地方におきまする経済上安定したる工場を整理することによつて、いたずらに大工場に対して資金の集中と経済力の集中を許すことになるのでありまして、各問題工場の府縣の議員の方々が、民自党の方も、民主党の方も、労農党の方も、社会党の方も、共産党の方も、すべて双手をあげてこの撤回に賛成してくださつている事実をもちましても、この問題は、日本の経済再建の上から見ましても、明らかに超党派的にこの撤回の主張の正しさを認めていただけるものと信ずるものであります。 さらに、委員長の言われました第三の経営者の惡用の点でございますが、先ほど申し上げましたように、経済力の集中排除ではなくて、むしろ集中の育成、そういう形をとりまして、一石二鳥と言わんばかりに合理化をやろうとしている。この経営者の野望、これは集中排除法のような権力を使つてやるべきじやなくて、企業の自主的な立場においてなさるべきものであります。ところが、この自主的な立場においてなさることを避けまして、集中排除法の指令によつたからこうなんだというような態度をとりまして、具体的に申し上げますと、最近におきまして会社は、横浜の地方裁判所に、経済集中排除法の指令が出た。これはもう二十八工場処分ということは絶対に動かせない。法案の性格上当然そうなるんだから、これを実施するには労働協約がじやまである。だから労働協約が無効であるということの仮処分をやつてくれ、ということを言つて來ております。さらに新潟縣の加茂工場、長野縣の川岸工場、このようなところにおきましても、経済力集中排除法の指令が出たからこういうことをやるんだ、やらなければならないのだという形で、どんどんとやつております。自分の問題としてやるべきことを、國会がきめた経済力集中排除法なんだからといつて、その実施機関であるところの持株会社整理委員会が、こまかいことを知らないのをいいことにいたしまして、うまうまと二十八工場案を乘せまして、すべてを、この日本政府が立法いたしましたるところの國会できまつた法律であるからということで、権力を惡用いたしまして実施して來ている。これが現在の東芝の労働不安の根本的な原因なのであります。
○小野瀬委員長 山下君に御注意いたします。もう少し簡單にお願いいたします。
○山下参考人 かかる理由からいたしまして、東芝問題だけではなくて、このような法治國の姿ではないようなことが許されるとするならば、これは残りましたところの三百七十何社のうち、残つております四十数社の大企業がありますが、この各企業の労働者が、東芝のこの集中排除の問題を注目しておる理由も、ここにあるのでありまして、かかる惡用が集中排除法の緩和の波を利用しまして、思いもよらぬ惡用がなされ得るといたしましたならば、この労働不安に東芝の問題ばかりでなくて、全日本の大企業の労働者の大きな問題なのであります。 いろいろとこまかい資料も用意して参りまして、具体的に御質問にお答えしたいと思つておるのでありますが、時間の都合もありますので、以上簡單ながら、法律違反であり、また東芝の企業から言つても、日本の産業再建の上から言つても、決して正しいものではないということと、現在これを明らかに経営者が惡用することによりまして、非常に大きな労働不安を呼んでいるということを御認識願い、各地元におきまするところの議員の方々が、各政党とも超党派的にわれわれの主張を支持していただいている点を十分御認識願いまして、御理解を深めていただきたいというように考える次第であります。
○小野瀬委員長 この際お諮りいたします。一時になりますが、本問題に関しまして、労働組合側に対し御質疑があれば、この際御質疑していただきますか。それともさらに政府委員の方としましては、法務調査意見長官兼子一君、それから商工省電氣通信機械局長の白崎文雄君、商工省機械局長の武内征平君、商工省電氣機械課長の鈴木平君、以上の四君がお見えになつておりますので時間も長くなりましたが、政府側の御意見を拜聽することにいたしますが、いかがいたしましようか。——それでは本問題に関し、御質疑があれば、これを許します。
○前田(正)委員 時間も切迫しておりますから、簡單にひとつ重点を聞きたいと思います。この経済力集中排除法の目的というのは、軍事的な潜在勢力を排除するということでありまして、これはポツダム宣言に基いて國会の法律としてできたのであります。それで先ほどから法律違反とか何とかいろいろあつたのでありますが、日本の工場を分割するということは日本の生産力にどういう影響があるか。こういうことについては私たちは考え方を別にするものでありますけれども、ポツダム宣言に基いて、集中力排除法というものは國会を通つてできました。しかも新聞でも皆さん御承知の通り、外國からもこれに基く調査委員会が参りまして、これの適用についてよく審査した結果、今回東芝及び日立その他電氣関係の方には、指令が出たと私は存ずるのであります。そこで皆さんはこういうふうな法律に基き、また他方調査委員会の意見に基いて東芝に対して集中利排除をやつたということは、ポツダム宣言の趣旨に反するのであるかどうか、こういうことをお聞きしたいと思います。
○石川参考人 ただいまの御質問の趣旨は、われわれが経済力集中排除法の指定解除ということを請願しましたことは、ポツダム宣言の趣旨に反するのではないかという御質問でございますか。
○前田(正)委員 それは逆です。先ほど來皆さんがこの指令が下つたことが法律違反である、こういうようなお話おされたものでありますから、私は聞いたのであります。これは法律に基いて成規の手続でやつて來ておる。こういうふうにするならば法律違反ではなしに、集中力の排除ということを及ばして來る適用が、惡いということはあり得ると思いますけれども、法律違反であるというようなお話があつたものですから、そういうことはポツダム宣言の趣旨に反するかどうかということを、お聞きしておるのであります。
○石川参考人 私どもの趣旨は、その適用が誤つておるという点に置いておるのであります。経済力集中排除の点については、確かに御指摘のように軍事潜勢力を排除することでありまして、われわれはもとより賛成であります。
○前田(正)委員 次にお聞きしたいと思いますことは、皆さんの工場がこの法律の精神内から見まして、軍事的潜勢力を持つておらないとお考になりますか。あるいはまたこういう法律を適用する必要がないとお考えになるかどうか。その点についてお聞きいたします。
○石川参考人 われわれの産業は製品の趣旨から申しまして平和的な製品のみであります。もちろんその平和的な製品がときによりまして、たとえば無線機が軍事に供せられたということはありましても、企業の性格そのものはきわめて平和的なものであると考えておりますし、今後われわれはまたそういう方向に進んで行きたいと考えております。その次は今度の二十八工場を処分いたしましても処分いたさないでも、その割合は二〇%を含んでおりますが、いずれも大したものではありませんし、今回われわれが希望しておりますように、二十八工場処分が撤回いたされましても、決してその意味においては性格を異にするものではない、こういうように考えております。
○前田(正)委員 そうしますと今回の集中力排除は東芝に対しては適用する必要がない、こう結論的に考えておられるわけでありますか。 〔委員長退席、多田委員長代理着席〕
○石川参考人 その通りであります。事実の認知からいたしますと当然そうならなければならない。これにつきましては具体的に申し上げたいのでありますが、もしありとすればさつき笹山委員長の言われたように、重電と軽電とが同じくらいですが、この重電と軽電がくつついておるところにありはしないか。適用はそこに向けられるべきであつて、二十八工場処分の方向に向けらるべきではない、こう考えております。
○前田(正)委員 そうしますとこの二十八工場の処分のあり方はおもしろくないけれども、集中力を排除されるということはやむを得ない。強電と弱電とをわけるとか、あるいは別の方法でやつてもらうならばよいけれども、現在の二十八工場の分割がおもしろくない。こういうお考えですか。
○石川参考人 過度経済力集中排除法の意義はわれわれ了解しております。從つて東芝がそれにひつかかるかどうかということは、事実からいたしまして私どもはひつかからないと考えておりますので、第一のわれわれの希望は指定解除であります。どうしても経済力が集中しておるということが——意見の相違でありますが、もしありとすれば、私ども納得することは重軽一緒だという点に向けらるべきではないか、これが第二の希望であります。
○中村(清)委員 この請願書を拜見いたしましたが、この請願書によりますと行政官廳は違法なる取扱いをしておる。あるいは不適当なる適用をしておる。だからその指令案を撤回し、この指令を解除しろ、こういう請願のようであります。私はこの問題は法律個々の適用であるますがゆえに、立法府として議会がどこまでタッチするか、非常に問題であると思うのであります。むしろ行政機関の仕事ではないか。また違法なりやいなやということについては、裁判所の管轄するところではないかと思うのであります。從つてあなた方が持ち出されるには、政治的問題としてこういう問題として取扱うことはどうか、こういうふうに思うのであります。今の参考人の説明を伺いますと、そういう目的であると私聞きましたし、請願書にもそれが出ておるのであります。そういう考えをもちましてさらにその点を確かめまして、またこの点について委員長の御見解も伺いたいと思います。
○山下参考人 ただいまのお尋ねですが、立法の際の経過から行きまして、立法府としてどこまで参画すべきかという点につきましては、当時の立法の際と違いまして経済力集中排除が大幅に緩和されておる。当時三百七十八社の指定が現在四十数社でありまして、あとの大半のものが解除されておるというように、立法当時の條件と大きく情勢が変化しております。この東芝の問題につきまして、今まで前例のない聽聞会における主張が通りまして、再審議になつたということは東芝が初めてであります。このように確かに法律の性格上、一應聽聞会というものが形式的であつたというように強い法案であつたのでありますが、東芝の問題がなぜ再調審議されておるかというと、関係方面においてもこの問題に対して、このままではむりだという御意見もあつたというふうにわれわれも聞いております。この際に日本の立法府といたしまして、いたずらに立法当時の空氣からしてどうこうというのではなしに、具体的な問題としてむしろ大幅の権限を行政機関としての持株整理委員会にまかせることでなく、十分監視監督していただきたいというのが、われわれの請願の趣旨であります。それから現在持株整理委員会としては單に内閣総理大臣の直轄下の、あの臨時立法に対する行政機関として性格だけでは弱いものであります。関係方面に対する二、三、の意見の中には、われわれとしても妥当と認めざるを得ない点があるのでありますが、これに対しては日本國民の要請を問題にするということも確かに必要でありまして、今度の予算の問題などと違いまして、非常に具体的にそのことがなし得るところに來ております。この点地元の民自党の議員の方も、認識を高めてくださつておる点であります。 第二に経済委員会で取上げるという問題につきましては、法律違反という点は、内閣委員会として持株整理委員会をその運営上問題にされるべきであります。経済委員会として取扱つていただいた趣旨については單に法律の点ばかりでなく、第二にこのことが決して東芝を再建することではなく、外資導入を早めることではなく、地方産業、日本経済再建の方向と反対するものであるという観点に立ちまして、これは具体的な資料を持つてお話しませんと、この委員会の性格上委員の方々に十分でないと思うのでございますが、そういう時間がないために、いささか法理論に終始をしたわけでありますが、第二の経済安定の面からして、このことをやらせることがまずいという論が十分用意されておるのであります。この点に関しまして、十分に愼重審議願いたいということを要望する次第であります。
○多田委員長代理 中村委員に申し上げますが、この問題は、一應各関係者から意見を聽取して、本委員会としての態度を最後に結論づけたい、かように考えております。
○志田委員 私今ちよつと中座いたしましたが、経営者の方に、この次そういう機会がありましたら、お伺いしたいのですが、笹山委員長は先ほど、処分を受けた二十八工場の今後の行き方についても、無関心でいるわけではないという発言をしておるのであります。経営者及び労働組合の方からも、今後処分された場合の二十八工場というものがどうして行くかということについての資料がございましたならば、御提出願えればありがたいと思います。
○中村(純)委員 今の資料の点でございますが、ただいまの志田委員からの要求は、この二十八工場が処分された場合における、その当該工場の今後の行き方についての資料の御要求であつたのでありますが、先ほど参考人のお話もありました通り、違法問題もむろんでありましようけれども、この問題全体が経済安定の立場から見てどうかという点に関しての資料も、準備されておるというお話でありまするから、これもひとつあわせて御提出を願いたいと思います。
○首藤委員 時間がありませんから、一つお聞きしたいと思いますが、今参考人の要求によりますると、東芝自体がこの集中排除法に便乘して、企業整備をやるということを極力主張されておるようでありますが、企業整備というのはおおむね常識的に考えまして、欠損する工場をなるべく閉鎖するというのが、普通の常識的な考え方であるのであります。しかるに今聞くところによりますと、二十八工場の大部分が最近全部黒字になりつつあるということでありまするならば、必ずしも企業整備としての対象とする必要はないのじやないか、というふうに考えられるのであります。もう一つは、この二十八工場を閉鎖すると言いまするけれども、二十八工場はそれぞれ独立して、そして別個の企業体として経営を続けて行けそうなものだと私は思うのでありまするが、その点は東芝の方ではどういうふうな企画になつておるか、この点をひとつお伺いいたしたい。
○山下参考人 第一の点でございますが、まさにしかりでありまして、資料も実はこまかく用意してありますが、これは非常に明確なんで、ちよつとごらん願いたいと思うのでございますが、この図にありますように、これはゼロ・ポイントの採算点でございます。それでこちら側が欠損で、こちらが黒字でございます。この表は製造損益のグラフでございますから、最終損益として販賣益を入れますと、ずつと黒字に移行いたします。この表に明らかなごとく、東芝で大きな赤字を出しておる工場は、堀川町工場、柳町工場、餘部工場、富士工場というような中央の大工場でございます。それで今ひつかかつておりますところの、各地方におきまして、せつかく合理化して安定した形になつているところの今回の処分指定工場の大半は、ここでございます。東芝の全体の工場が四十三工場とか言いますと、何か非常に大きなように思われますが、大体におきまして、問題はここにある採算上以下の大工場にあるのでありまして、ここの小工場のところの形は、全部ゼロから上のところに來ておるのでございます。こういう実情でございますので、このような資料を具体的にお出しいたしまして、経済安定委員の方といたしまして、いかに地方産業が安定した形にまで來ておるか。これを惡用して行くということに対しまして、たとえば民自党の政策なんかに対しても、労働者に非常なる誤解を持たせる大きな問題だというふうに考えます。この資料は具体的にお出しいたしたいと考えるわけであります。 第二の御質問の、しからば離れた工場がどうしてやつて行けないのかという点につきまして、われわれは意見をたくさん持つておるわけでございます。大体申し上げますと、離れた工場でひとり立ちできるような工場は、ひつかけてないのでございます。今まで中央の工場からただ部品をもらつて組み立てるとか、あるいは素材だけを供給する、つまり東芝なるがゆえにどうにか生きていた小工場ばかりを雜したのでありまして、これは一應閉鎖ではないと言いますけれども、明らかなる縮小の形で一應名前を残すという程度にとどまるのでありまして、完全なる閉鎖——なくなるという形を数年のうちにたどらざるを得ない。こういうような工場ばかりでございます。なお、中にはひとり立ちできるような性格のものもございます。このようなことはもちろん再建整備法でなさるべきであつて、そんなことについて経済力集中排除法の適用がなされるということが間違いである。つまり経力集済中排除法に便乘する点を分離しろということでありまして、二十八工場をそのまま温存されるというように、われわれは甘くは考えておりません。
○中村(純)委員 先ほどのお話は、ちよつと聞き漏らして誤解があるかもしれませんが、参考人のお話では、過度経済力集中排除法の関係は、内閣委員会で取扱うと思うが、経済安定ということもあるから、こちらに持つて來られたというふうなお話であつたかと思うのでありますが、私どもは経済安定のために、この問題を審議しておるのではない。過度経済力集中排除法に基く問題を、ここで審議しておるわけです。私どもは、経済安定という立場からは今審議しておらない。過度経済力集中排除法の事項は、明らかにこの委員会の主管するところと私は思うのであります。それで……
○多田委員長代理 ちよつと中村委員に申し上げますが、本問題は前回の委員会の決議によつて、この問題に関する各関係者の意見を聽取して、その上で委員会としての態度をきめるという前提のもとに、この委員会を開いておりますので……
○中村(純)委員 それは承知しておりますが、参考人に申し上げておきたい。参考人に誤解があるかもしれないと思いますから、その点を申し上げて誤解のないようにしておきたい、こういう考えであります。
○山下参考人 その点十分に了解しております。ただ請願書がこちらに付託になりましたので、その場合に何か経済安定の角度が、われわれの申し上げたところに非常に少いように思われるといけないものでございますから、当然取上げられるべきでありましようし、その問題が大いにあるということを強調したわけでございます。
○多田委員長代理 組合側に対する御質疑はほかにありませんか。——御質疑がありませんければ、この程度で組合側の参考人の方の説明を打切りまして、次に本問題に関する政府当局の意見をお伺いしたいと思います。最初に法務調査意見長官兼子政府委員の本問題に関する意見を求めます。
○兼子政府委員 私どの方といたしましては、具体的にこの問題を取上げて調査しておるということはないのでございまして、政府といたしましては、過度経済力集中排除法の執行は、第一次的には持株整理委員会にまかされておることでございまして、從つてその指定なりあるいは指令ということも持株整理委員会の方で認定され、さらにそれに不服があつて、内閣総理大臣に異議の申立てがあつたときには、内閣においてこれを取上げるという形になつておるわけでございまして、ただいまのところ法律的にこれに対して意見があるということを、持ち合せておらないわけであります。すなわち指定なり指令が適当であるかどうかと申しますのは、第一次的に持株整理委員会の判断に委ねられていて、それが事実上証拠がない、あるいはそれが独断であるというふうな場合には、内閣総理大臣がこれを取消し得るという方法が残されているわけでございまして、この限度内においては、問題は政策的なことになるわけでございまして、私たちの方から特にそれが違法だということで、私たちの権限として、これに意見を出したり、勧告するとかいうようなことは、ただいまのところ考えておらない次第でございます。
○多田委員長代理 ただいまの政府委員の意見について、何か御質疑がございましたら、御発言願います。
○高田(富)委員 権限がないというお話でありますが、権限はなくとも、やはりこういうところまで來ております問題を十分審査をされて、そうして今後時を移さず、もし権限があるときが來ましたら、すぐでもやれるように準備はしておられると思いますし、またする意思はむろんおありと思いますが、その点はどうですか。
○兼子政府委員 その点は國会の委員会においてもこの問題を取上げられていることでありますから、私たちの方としてもできるだけ努力をいたしまして、もし私たちの方が意見なり勧告をなさなければならないという機会が参りましたら、それをしようと思います。
○多田委員長代理 では次に商工省電氣通信機械局長の白崎政府委員の意見を求めます。
○白崎政府委員 産業官聽としましての商工省といたしましては、集排法に関する限り事実の認定なりにつきましては、発言すべき権限の範囲外のことでありまして、何ら意見はありません。
○高田(富)委員 商工省はこれに関しては詳細の資料等がもちろん主管官廳であるから、あると思うのですが、商工省方面でこの問題について判断するに参考となる資料を、御提出願いたいと思います。
○白崎政府委員 御要求の資料は項目をおつしやれば、御満足行くようなものをお出しいたしたいと思います。
○多田委員長代理 それでは午前中の委員会はこの程度で打切りまして、午後二時半から再開いたします。暫時休憩いたします。 午後一時二十五分休憩 ————◇————— 午後三時三分開議
○小野瀬委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。 過度経済力集中排除法の適用除外に関し、経営者側代表として石坂泰三氏を招致する予定でありましたが、石坂氏の都合によりまして、代理人として東京芝浦電氣株式会社常務取締役岩下文雄氏が参考人としてお見えになりましたから、同氏を参考人としてこれから意見を徴したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野瀬委員長 それでは参考人岩下文雄君より参考意見を聽取いたします。岩下文雄君
○岩下参考人 本日招致を受けまして、石坂のかわりにまかり出ました。今般の持株整理委員会の指令案はすでに出ておりますが、まだ決定案には接しません。從いまして私どもとしましては聽聞会にも具申しました通り、從來重電機部門と軽電機部門、あるいはその他数社に分割するという案が巷間うわさされて、そういう氣配がありましたが、われわれとしましては技術並びに資材の関係等から見まして、電機製造業者であるわれわれは、重電、軽電そのおのおの関連するところが深く、しかもその製品は両者の技術を併用しまして、たとえば小は電球より大は発電機にいたるまで、その間数百種の製品が技術上、資材上関連しておる。しかもそのいづれに属していいかわからないようなものも多分にございますので、われわれとしましては重電、軽電が一本で全体的の総合電機会社であつてしかるべきであるという意見を、かねがね持つておりました。幸いにしてその案がいれられまして、総合形体で経営することができるようになりましたことは、本懷の至りに存じます。この指令には深く敬意を表して了承した次第であります。なお、その際二十八工場の処分案についての案をお示しくださいましたけれども、まだ決定案には参りません。從つてこれの処置をいかにするかは目下研究中でありますが、私どもとしましては、この工場に関しましても、賣却または第二会社としましたものにつきましても、ほとんど閉鎖ということはきわめて例外的であつて、その仕事は第二会社にしましたものにせよ、賣却しましたものにせよ、また從業員諸氏と地方の有力者とが、この会社を経営しましたものにせよ、技術上並びに資材等のごめんどうは見て、この仕事の経営が成り立つて行くように、会社としては力を注ぎたいと思つております。簡單でございますが、われわれの考えを申し上げておきます。
○小野瀬委員長 ただいまの岩下参考人から御意見の開陳がありましたが、きわめて簡單な御意見の発表でございますので、委員の方から御質疑ございますれば、御質疑願いたいと思います。
○前田(正)委員 まず第一にちよつとお聞きしたいと思います。それは皆樣の会社に、今回過度経済力集中排除法が適用されることになつたわけでありますが、この法の精神から見まして、潜在的な、軍事的な生産力を持つておるかどうか、こういうことに対する再編成の立場であると思いますが、皆樣がこの会社に長年從業せられまして、そういうふうな要素を現在の会社に持つておられるかどうか、こういう指定を受けるのが当然かどうか、こういうことについてまず御意見を伺いたいと思います。
○岩下参考人 私どもの方としまして、個々の製品につきましては、過度の経済力集中の事実はないと私どもは思つております。同業日立、三菱に比べましてもさように考えられます。但し総合的の生産力につきまして、過度の集中があるかどうかは見方によつて相違がございましようが、私どもとしては非常に種類のかわつた、たとえば電氣事業でない医藥とか、そういつたようなものは当然切り離して考えておりましたが、電氣事業そのものに関しましては、格別過度の集中力があるとは思つておりません。しかしながらこれは見解の相違でございまして、いろいろ見方もございましようが、LCの御見解でこの工場を処分すべし、こういう指令がくだつたわけでございまして、われわれとしましては過度の経済の集中は各製品についてはない、かように思つております。
○前田(正)委員 そうしますと、今回の指令案の中で、電氣関係の中で切離しをする、分解をするような工場は相当あるようでございますが、こういうふうな今度の指令の適用ということが、皆さんの御見解では少し行き過ぎであるように感じられるわけであります。
○岩下参考人 行き過ぎとも実は考えておりません。合理化と申しますか、さような見解で御決定をなさつたのであれば、われわれとしましては行き過ぎの御指令ではない、かように存じております。
○前田(正)委員 次にお聞きしたいと思うのでありますが、これによりますと、約二割程度の生産力が削減されるいうことを、本日笹山委員長から聞いたのでございますが、総合的な生産の力があるというふうに考えられる点に対しましては、二割削減されたならば、そういうふうな集中的な生産力というものが、実質的に分離できるかどうか。この点について現在どういうふうにお考えになつておるか。その点をひとつお伺いいたしたいと思います。
○岩下参考人 二割程度の生産力が落ちることは確実でございます。私どもといたしましてはこれもやむを得ないと思うのでありまして、二割減つたあとの八割で、経営を維持して行きたいと思つております。從いましてその二割が他の会社または工場になりましても、経営が成り立つかどうかは、そのときの経営者並びに從業員の力によりますけれども、われわれとしてはできる限りの盡力を與えて、経営が成り立つて行くのではない、かように考えております。
○前田(正)委員 その点で特にお聞きしたいと思うのでありますが、電氣関係の製品でこちらの方の分離される工場と、それから分離されないで残る工場との両方があると、私は思うのでありますが、そういうふうに分離される工場から、同じ電氣関係の電球とか電動機とか変圧器、こういつたものを分離すれば、なぜ過度の集中力がなくなるか。たとえば先ほどのお話の医藥品とか、あるいは同じ電氣品でもかわつたものは残るが、これらの残りますところの工場とは、かわつた製品をつくつておるところの工場を分離するということになる、相当集中力の排除ということに効果があるように思うのでありますが、残つた工場にも相当関係のあるものが、この際分離されるところがあるように見受けられますが、それが集中力とどういうふうに関係しておるかということについて、御見解があつたら聞かしていただきたいと思います。
○岩下参考人 先ほど申し上げました通り、私どもとしては各種製品につきましては、過度の集中力があるとは存じませんでおりましたけれども、LCの御見解でさようにおきめになつた。かように存じておるのであります。從いましてこの点は指令者のお考えかと存じます。また私が先ほど申し上げました医藥その他ということは、これは会社の便宜上電氣事業一本で、コンパクトにやりたいという観念で申し上げたのでありまして、この指令案には関係がないと申してもさしつかえない。事前から考えておつたことを申し上げたにすぎませんので、御了解願います。
○前田(正)委員 なお二十八工場を選定されのが、実は会社の考えておられる合理化案と非常に似ておるということについて、いろいろと批判の声があるようでありますけれども、二十八工場を切り離すということによつて、その工場の設備であるとか、特殊の能力であるとか、こういつたことから経済力の集中にはならないのだ。この工場は特にそういうふうな特長を持つておるのであるから、この工場を切り離したために、そういう集中力が起つて來ないのだ。この工場を残しておけば機械が轉用されて結局また集中力が起つて來るのだ。こういう可能性があつてこの二十八工場を選定しなければならぬ。こういうふうに考えて持株整理委員会できめたのではないか。こう私は思つておるのですが、会社側の合理化案と似ておるというところに問題があるようでありますけれども、会社側の方から考えられて、この二十八工場を切り離すということは、その各工場がおのおの特殊の生産力とか特殊の設備を持つておつて、これを切り離したために集中力排除の効果が達成できる、こういうふうにお考えになるか。その点についてひとつお聞きかせ願いたいと思います。
○岩下参考人 会社の合理化案とLCの案とが似ておるというお話でございましたが、私どもの方としましては、少し余談になりますけれども、会社の経営上ある工場を処分するというような案はございましたが、LC案と私どもの考える合理化案との一致ということはございません。合理化案とのことで、よく巷間のうわさを組合でも聞きますけれども、それは全然関知しないところであります。
○前田(正)委員 この二十八工場を離すということは、具体的にその工場の特殊な生産力とかあるいは設備によりまして、集排を行う上に非常な効果が期待される。その工場の特殊性から言つて機構の轉用等ができなくて、集排を行う特殊性が顯著に現われて來るというふうに、会社ではお考えになりますかどうか、ひとつお聞きかせ願いたい。
○岩下参考人 顯著に行われるということは將來の問題で、その工場は実際生産をあげてみないとわからないのでございますけれども、私どもとしましてはその目的に進んでおるのではないか、かように考えておるのであります。
○中村(清)委員 実は私ちよつとやむを得ない用で遅れまして、また質疑應答がちよつと聞きとりにくかつた点がございまして、あるいは質問に重複するところがあるかもしれませんが、もしさようなことがありましたらお許しを願いたいと思います。まず第一に、これは会社の経営と非常に関係のあることでありまするが、労働組合の方からこの問題が初め出て來たわけであります。つきましては会社の中の経営者と労働組合側との関係が、どういうふうになつておるかということは、私どもは実は疑問を持つわけであります。この問題について会社内の経営協議会で、こういう指令案のことに関して協議が出ましたかどうか。その点についてお尋ねいたします。
○岩下参考人 会社の経営協議会で前にさような経営合理化案が出たこともあります。具体的にはお互いに研究中で、本問題については正式に話合つたことはありませんけれども、ただ先ほど申し上げましたように、前にその他の第二会社案などについて話合つたことはございますが、これとても完全に了解を得たわけではございません。從いまして今度の指令案をいただきましてからは、まだ話合つておりません。
○中村(清)委員 この問題については会社の内部ではまだ全然お話にならないで、そとの方に問題を持ち出したというわけですね。
○岩下参考人 話合いも正式ではございませんけれども、十四工場合ぐらいではどうかというようなことは、これは非公式に話がございましたが、まだ決定指令もございませんし、確実な話合いもしてありません。また会社の内部にしましても、これに対する処分案その他に関しましては、まだ決定案を受取つておりません関係上、どういうふうに処分するかということの協議もいたしておりません。ただわれわれとしましては多少の考えもございますので、何にしても、変更するかどうか知りませんが、決定案をいただきましてから確定した。かように思つております。
○中村(清)委員 それでは組合側とお話合いがなかつたことはわかりましたが、組合側の方からは経営協議会を持ちたいというような申出でがあつたかどうか伺いたいと思います。
○岩下参考人 経営協議会ではまだ話合つたことはございませんけれども、実は組合側五人と、会社の経営者側幹部五人とが、ときどき話合いがありまして、そこですでに二回ほどこの大体について話合つたことはございます。しかしもちろん組合はこれに賛成はしなかつたのです。こういう指令案が下つたということは話合つております。
○中村(清)委員 次の問題に移りたいと思いますが、実は組合側では、今度の指令案は、技術及び材料の有機的結合のきわめて強い東芝の特性を破壞しておる。東芝の生産破壞指令案であると見ておりますが、これについて経営者側はいかに見られるか。先ほどの前田委員の御質問に対する御答弁で、大体わかつたような氣持はいたしますが、さらに念のために伺いたいと思います。
○岩下参考人 私ども経営破壞指令だとは思つておりません。またかような見方があるかと思います。東芝で高給者を大勢擁して経営をしておるが、あるものによつては町工場式にやつて、非常に能率よくやつておる場合がある。それは種類にもよりますし、きわめて例外かもしれませんが、それによつて東芝よりはコストが安いということもありますので、必ずしもわかれた仕事が絶望とか、あるいは投げやりではなく、むしろ將來の担当者が非常に熱心であり、また東芝として全力を盡しますれば、あるいは東芝の現工場におるよりは收入がふえるということも、老婆心ながら考えられます。
○中村(清)委員 さらに次の問題に移りたいと思いますが、今回の処分対象工場は、大部分はそれぞれその地方の重要工場として重きをなしておる。その処分は東芝從業員はもちろんのこと、下請業、関連産業、附近農民、一般市民に重要な死活的影響を與えておる。從つてその工場の所在地では政党のいかんを問わず、これらの工場の処分に反対しておるという空氣があるということは、私はそういう陳情を聞いたのであります。経営者側はそういうように思つておられるか。あるいはまた別なる見解であるかただしたいと思います。
○岩下参考人 今のお説の通り、私ども各地の工場所在地の官民有志から、あるいは直接御訪問を受けまして、その点のお話が数十回ありました。私どもといたしましては、この処分案には應ぜざるを得ないという理由を説明いたしました。大部分の方はこの処分案で、東芝は工場を閉鎖するというお考えで來た方々が多数でございましたが、たとい私どもは処分いたしまして第二会社あるいは他のものになりましても、先ほどから繰返しますように、できるだけの力を盡すということをお約束申し上げますと、大体おわかりになつたようであります。逆に私どもといたしましてもその方々のために、われわれも一生懸命になつて買取り先を探す。また第二会社を起すについては皆さんも地元である関係上、特に資本資材その他のことについて御協力願いたいということを、こちらからもよくお願いいたしますと、御了解になつて帰られた方々もございます。初めおいでになつたとき、すぐつぶされるいうお考えの方が、ともかくこの線で私たちも協力するということを申し出た方も、多数あつたような次第であります。
○高田(富)委員 議事進行について——先ほど関係の東芝から傍聽に來た方々が退場を求められたのであります。これは愼重に審議をされるという委員長のお考えでなされたことと思いますので、その趣旨は了といたしますが、しかし今回のこの調査にあたりましては、事が重要なことでもあり、またなるべく私どもといたしましても、客観的な正しいところをつかもうと努力いたしたいと思うのでありますし、またそう期間も長くかけずにその成果を得るためには、でき得ればやはり相手の方でどういう点を主張しておるかということを、関係者が聞いておる方が、進捗にも便利な点もあると思うのであります。大体関係者が傍聽に出ておるのでありまして、特別祕密会にする必要もないものでありますから、傍聽しておることは何ら議事の進行にさしつかえないと思いますので、ぜひこの際傍聽を許していただきたいと思います。
○前田(正)委員 今のお話ごもつともな点もあると思いますが、委員長がとりきめをされない前の話であるとか、あるいはすでに労働組合側が説明しない前でありまして——労働組合側のときには会社側が傍聽できなかつたということ、そういう事実のあつた後で、そういうことを変更するということは、今後委員長あるいはまた委員会としてのやり方につきましても、不公平のそしりを受ける。そういうとりきめが実際実施される前に、労働組合から反対があるからという意見の開陳があつたときに、会社が傍聽しなかつた、そういう事実の起らなかつた前に発言していただくことならともかく、今回はすでに既定の事実が起つたのでありますから、これは待つていただきたい。
○勝間田委員 お説ごもつともでありますが、祕密会議というようなことでありましたならば、むりにそういうことをする必要もないかと考えますけれども、内容から申しましても、先ほどからお話があつたような問題からいたしますならば、むしろここでかえつてせつかく傍聽に來ておるものを、廊下の外に出してやるということで、荒立てるようなこともなかろうという感じもいたしますので、ここで私は率直にむしろそういう人たちが傍聽に來ておるのでありますから、そういう傍聽の人だけは少くとも区別をつけずに入れていただきたい。午前中会社側が入れられなかつたということは、重々申訳ないと思いますけれども、非常に熱心な皆さんの御希望をいれてやることが、必ずしも感情を惡くしたりするような結果にはならないと思いますので、格別な御善処をお願いしたいと思います。
○小野瀬委員長 委員長から一言申し上げます。委員長といたしましては、昨日組合側から傍聽の申入れがあつた際に、審査の公平を期するために、お互い自分の側の代表が発言する場合には、傍聽することをお許しするが、相手側の代表者が発言するときには、退場していただきたいということを條件にして、傍聽をお許しした次第でございます。しかも組合の幹部の方に二度にわたつて確約をした次第でございます。從つて私といたしましては、ただいままで議事の進行をうかがつておりますれば、組合側がおられてはできないというような発言はありませんが、約束は約束として、申合せは申合せとして実行するのが当然であると思います。私はいつも委員の皆樣方から、委員会の権威のためにという言葉で、議事の進行についてもいろいろと御注意を受けておりますので、申合せを固く実行するつもりでさようにとりはからつた次第でございます。不当財産取引委員会などにおいても、相手方を立合わせずに審議を進めて行つたという例もありますので、委員長の考えでさようにとりはからつた次第でございます。委員会の規則をたてにとるわけではございませんが、私の権限内のことを行つて参るわけでございますので、委員会の権威のためにと申しましようか、できるならば申合せはさようにいたしたいし、また組合側のさような申入れに対しては、私は非常に遺憾の意を表します。
○勝間田委員 組合の問題について遺憾の意を表せられたのでありますれば、私は一言お願いをしなければならぬのであります。これは私が委員としてお願いをいたしておるわけでございまして、組合とは何ら関係のないことでございますし、組合が遺憾であるとか遺憾でないとかということは、一切申し上げておらないのであります。私ども委員といたしまして、これがほんとうに混乱を來すとか、あるいは十分意見が吐けないとかいうような問題であるならば、そういうことも必要で、それを考えて委員長はきのう処理されたであろうと思いますが、事実を聞いておればそういうこともないので、新しくここへ出すの出さぬのということでなく、運営していただけないかどうかということを、私がお願いしておるわけでございまして、その点をおはからい願いたいわけであります。
○小野瀬委員長 先ほど高田委員から、委員長と組合側との直接取引だというお話でございますが、傍聽を許可するしないは、先ほど申し上げたように、私の考えだけでしたのではございません。私といたしましては、組合側に対しましてはむしろ寛大な処置をとつたつもりであります。なぜかと申しますと、発言者も組合側に対しましては二名を許しましたのに対しまして、会社側には一名しかお許ししてありません。発言時間も組合側には非常に長く許してあるような次第でございます。ことに組合側がこの委員会にお入りになつておらなくても、報道陣が御列席になつておりますから、詳細な審議の模樣は報道員の方々から聞かれましても、十分おわかりになると思いますので、この際は委員多数の御希望によつて、このまま審議を続けたいと考えますので、まことに申訳ございませんが、さよう御了承願いたいと思います。
○多田委員 ただいま会社側の御意見をお伺いしたのでありますが、私どもといたしましては、さらに愼重に調査して、この問題に対する結論を見出したい、かように考えるのであります。しかし会社側の御意見も現在お聞きしている程度以上は、お伺いできないような感じがいたしますし、労働組合その他から資料の御提出を希望いたしておりますので、これらの資料が集まりまして、労働組合から提出されております請願書が正式に議題に供された後に、この問題に対する結論を出すことにして、本日はこの程度でこの問題を打切る動議を提出いたします。
○高田(富)委員 ただいまの動議ですが、私は私の番がまわつて來るのを靜かに待つておりましたので、御趣旨はよくわかりますが、せつかく遠いところをおいでになつておりますから、大まかなことを簡單にもう少し質問さしていただきたい。 先ほどどなたかの御質問のときにもお答えがあつたようですが、この指令案は、会社側としてはほんとうに正しいものであるという確信を持つているのではなく、若干不満はあるけれども、権限のある機関がそういう案をきめたのだから何を言つても仕方がない。ちよつとそういうように受取れる節がありましたので、客観的な資料を收集しつつあるわけでありますから、もし不満があれば遠慮なく出していただくとして、逆に、これは完全に自分たちの望むところであつた。たまたま当局の決定もわれわれの考えているところをぴつたり一致したいというのであるが、その点もう少し明確にお答え願いたい。
○岩下参考人 まことにむずかしい御質問でございます。両極端の話でございまして、私個人として考えましても非常に不満とも思つておりません。また満足とも思つておりません。それは御想像におまかせします。しかしおきめになつた以上は、われわれといたしましては、われわれの見解が通つたことを非常に喜びます。まあこの辺で幸抱しなければならぬと考えております。
○高田(富)委員 それでは今後どうなるかわかりませんが、万一これが全部解除になつたとき、全然指定が取消されるというような事態があつたとしたら、それと今の処分する場合とどつちがいいですか。
○岩下参考人 仮定でございまして御返事まことに困難でございますが、もしさような場合ができましたときは、われわれとしてとるべき道は、將來のことにつきましては、今申し上げるだけの準備もございませんし、勇氣もありません。
○高田(富)委員 せつかく全部解除になりそうだという意見も一方に出ておる機会でありますから、もし可能ならばその方が会社としていいということを率直に言われることが、会社のためにもなると思うのでありまして、あまり遠慮されないで率直にお答え願いたい。それはそのくらいにしまして、次に当局の案が出たのだからということで、相当制約されておるやに伺うのですが、それなればその二十幾つかの工場の処分の具体的な案を、すでにお考えになつておるであろうと思うのでありますが、どういうふうに処分されるお考えですか。
○岩下参考人 繰返し申し上げました通り、どう処分するかということはまだ決定しておりません。また経営者といたしましても、各自多少考えがございましよう。要するにこの問題は第二会社にするか、賣却するか、閉鎖するか、この三点しかないと思います。閉鎖の場合には先ほど申し上げました通りきわめて例外的で、われわれとしては欲しません。第二の賣却も相手があつての話でございますから、これも希望があつてもなかなか実現できるかどうかはわかりません。それで賣却の場合には地元の方々の御援助を願つて、資金調達に充てたらどうかと思つておりますが、まだ決定案もございませんし、この話は正式のものでございませんから、私としてはその方々に当るわけには参りませんので、そういうふうになつて決定案が來た場合には、金の心配でもして地元の方々の御支持を得ることができないであろうかという程度しか申し上げられません。
○高田(富)委員 しかし地元の方々も、さつき相当おやりになつておるような話を伺つておりますので、大体賣るということが困難だとか、これは相当だめになるのができそうだとか、第二会社でやつて行けそうだとか、そういうふうなおおまかせもけつこうですから、大体の御腹案を率直にお話願いたい。
○岩下参考人 これは私の会社ではありませんが、たとえばもうほとんど手金をとつて話がきまつた場合にも、だめになるということも目下の経済状態ではあるのでありますから、いろいろ御親切なお言葉もありましたけれども、私どもとして今決心をしかねております。なるべく善処すると申し上げるほかに、お答えのしようがない実情であります。
○高田(富)委員 大分陣容も一新されて再出発の計画も立つておることと思うのですが、ひとつ東芝の再建計画と言いますか、そういうことの根本を簡單でけつこうですからお示し願いたい。
○岩下参考人 実は私ども四月六日に新陣容ができまして、まだその方に忙殺されておる次第でありまして、また今日の問題と多少かけ離れておるように考えますので、われわれとしましては、東芝再建に邁進して從業員とともに固い決心でやろうと思つておりますけれども、まだその具体案もできておりません。要するに金が足りないものですから、金繰りを皆樣の御協力でもつて生産資金の方にまわしていただいて、再建するほかないと思つております。よろしく御盡力願います。
○高田(富)委員 東芝のような大会社を背負つて立たれる代表の方は、相当の氣魄を持ち、相当の計画を持つて、この指令に対してもはつきりした見解を持つておられることと思つたのでありますが、どうも非常に遠慮されておるのかもしれませんが、まだ何も考えておらぬというような一言で非常に不満であります。しかしこれはなお詳細な資料をあなたの方からも御提出願つて、今の質問は決して無関係ではない。大いに関係があるから、次会に詳細なことを檢討させていただきたいと思うのであります。 それからさつきの組合側の説明等によりまして、非常に最近対象工場が黒字になつて來ておるという話を伺つておりますが、最近はずつとまた情勢がかわつて來て、工場等も当初とは違いまして、黒字になつて來たものが相当多いというような新しい事態になつておりますけれども、これに対して指定にこれが入つてしまつたままでおるということについては、会社側としても最近は考え方が相当かわつておるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○岩下参考人 私がただいままでに申し述べたことは、最近の実情を申し上げておることでございまして、現在赤字が減つたところもございます。またふえたところもございますが、最近の実情は会社のことでよくわかつておりますから、その考えのもとにお答えを申し上げておる次第であります。
○高田(富)委員 この問題の根本は事実の認定が相当間違つているということで、請願も出ているわけなんです。事実については会社の方が一番よく御存知と思う。この請願書を読んでみると、相当たくさん事実とはなはだしい相違があるようであります。しかも調査も不十分であるということがるる述べられたわけです。この点について事実が確かに間違いないとお考えになりまするか。それとも相当その点については怪しい点があるとお考えになりますか。
○岩下参考人 不幸にしまして今調査書の内容を詳細に記憶しておりません。私どもとしましては多少の相違があるかもしれませんが、具体的にはそう大した誤りはないと思つております。
○小野瀬委員長 それではこの際お諮り申し上げます。このあと経済統制の現況に関しまして、参考人を招致してありますので、過度経済力集中排除法の適用除外に関する意見聽取は、この程度にとどめたいと思います。 なお委員会としてこの問題に関しまする意見は、相当重大なものと考えますので、愼重審議の上に決定いたしまして、各関係者に御通知申し上げようと思います。何とぞさよう御了承願います。 —————————————
○小野瀬委員長 それでは引続き経済統制の現況に関し、独禁法対策委員長小林中氏、同委員川瀬一貫氏を参考人として招致の予定でありましたが、小林氏は都合により出席できない旨の申出があり、代理人として独禁法対策委員内山徳治氏が出席しておられますが、同氏を参考人として招致するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野瀬委員長 それではまず内山参考人より意見を聽取いたします。
○内山参考人 今度國会に上程されました独禁法改正案につきましては、経済團体連合会の独禁法対策委員会で、昨年九月に團体としての改正意見を発表いたしました。その線が相当取入れられておりまするので、ここまで改正していただきましたことにつきましては、公正取引委員会その他各方面の御努力に対しまして、私ども深く感謝いたす次第であります。しかしなお私ども実際経済界におる者として、ぜひ改正していただきたいと思つておりました点のうち、二点ほど今度の改正案に入つておらない点がございますので、その点を重ねて経済團体連合会の要望といたしまして、本日申し上げまして、御審議に御参考にしていただき、できるかぎり私どもの要望を入れていただきますように、お願い申し上げたいと存ずる次第であります。 その第一は、独占禁止法第六條が中心でございますが、國際協定及び貿易協定等に関する規定でございます。これにつきましても今度の改正案におきまして、相当の緩和と申しますか、非常な改善が行われておりまするが、しかしなお國際協定等への加盟はまつたく許されておりませんし、また貿易関係の協定を行うことは、解釈の仕方によりまして、ある程度運用上競爭を実質的に制限しない限り、さしつかえないということにはなりましたけれども、どの程度までは実質的に制限しないと解釈していただけるのか、その辺の実際の内容がはなはだ不明確でありまするので、実際にあたりましては現実に起つております問題で、いろいろ不便を感ずる点があるのであります。御承知のように國際間の取引の協定につきましては、世界的のものが多いのでありまして、日本に関する協定を制限しておるのが日本の独占禁止法でありますが、海外におきましては國際間の協定等が現実になお行われておりまして、どうしても日本が今後虜際経済に参加して参りまして、貿易の伸長、輸出の増加をはかろうといたしますと、その現に存在しております國際協定にある程度参加することが許されませんと、海外の諮國との競爭関係と申しますか、現実に日本が貿易を伸長して行きます上に、非常な不利を招く関係にあるわけでございまして、現に過日現行法において問題になりました運賃関係の協定、これのごときは日本人はほとんど関係しておらないのでありまして、わずかに貿易業者がある事務の代行をしておることから、これに連座して、巻添えを食つておるというようなことでございまするが、どうしても貿易活動を盛んに営んで行きますと、そういう問題が多話起つて來ると思うのでありまして、この点についてはもう少しはつきりと制限を緩和していただきたい。ことにアメリカの法律の例などを見ますと、日本に比べればよほどゆるやかになつておるようでありますし、また第一次大戰後には、特にウエッブ・ポメリン法というものが出まして、貿易協定について特例を設けまして、特別法によつて貿易振興のために貿易協定を認められた前例もあるのであります。今回の独占禁止法にあたりまして関係業界としましては、ぜひそういう意味の特別法が成立するようにということを、強く望んでおつたのでありますが、今度の議会には、どういう事情かよくわかりませんが、その問題はまつたく取げ上られないことになりましたが、独占禁止法そのものも、この点に関する改正がなおはなはだ不十分と、考えざるを得ない状況にあるのであります。特にこの貿易関係の協定と申しますと、非常に大げさに聞えるのでありますが、雜貨、雜品等について、特にそういうように感じられる点があるのでありますが、輸出産業あるいは輸出貿易というものは、海外に出て仕事をすることであります関係上、非常に激烈な競爭、不当な競爭を行うことに、結果においてなる場合が非常に多いのであります。その結果大戰前の日本におきましても、貿易については特に輸出組合を大いに奬励いたしまして、そうして不当な競爭による品質の低下、あるいは取引上の取引道徳の低下とでも申しますか、そういういろいろな弊害の起ることを防ぐことに、むしろ非常に努力しなければならなかつたのでありますが、今度独占禁止法によりましてそうした輸出組合というようなものも非常に制約せられ、輸出品に関する價格その他の協定ができないということになりますと、これはただ單に日本が有利な値段で、海外に輸出することができるかできないかということでなくして、不当な競爭の結果やむを得ず非常な低い値段で輸出を引受けて、その結果が品質を落さなければ引合わないことになつて、非常な劣質の商品の輸出をするということになり、あるいはまた不当に値段を低く引受けます結果、それが海外から見ますと、ダンピングの非難を受けるということになる危險が非常に大きいのであります。現に雜品工業においては特にこの点が非常に懸念せられまして、このままで参りますと日本の輸出振興上、ここに非常に大きな障害が起きるのではないかということを、心配いたしておるのであります。それでこの点について、まず第一に十分のお考えをいただきたいというのが、独占禁止法対策委員会の一致しておる意見でございます。なお具体的な事例等につきましては、本日高見さんや日鉄の永野さん等もお見えでございますので、必要に應じて御説明申し上げることにいたしたいと存じます。 第二に、今度の独占禁止法の改正につきまして、ぜひお考えいただきたいと思いますことは、主として第十一條の関係でありますが、金融機関の株式保有の制限でございます。今回の改正によりまして一般の会社の株式保有制限は非常に緩和せられまして、特に競爭関係がある会社の株式のほかは、大体制限がなくなつたわけでございます。その点において非常な改善でございますが、ただどうしたものか金融機関の株式の保有の制限だけは、現在五%の制限でございますが、これはそのままということになつておるのであります。金融機関と申しますと、その性格をややもすると銀行とか、ああいうごとく狹い範囲の特殊なもののように考えられがちでありますが、一口に金融機関と申しましても、その中には保險会社もあり、また保險の中には生命保險もあり損害保險もある。あるいはまた証券会社等も、独占禁止法においては結局金融機関の範疇に入ると思うのでありますが、そういうふうに考えて参りますと、金融機関においても生産事業を営む会社と似た関係を持たなければならない場合も、相当にあるのであります。また金融機関であるから特殊の制限をしなければ、それが独占的になるということは一應の理由がございますので、一般の生産事業と同じように全部はずせということは、むりかもしれないと思うのであります。あるいはまた金融機関の性質としまして、もつと別の見地から預金者保護等の建前から、株式に投資をするということに対してある程度の制限を加える必要があるということも、考えなくはないのでありますが、預金者保護ということは独占禁止法とは別個の問題でございますから、独占禁止法としてはそういうことを考える必要はないと思います。そういたしますと、金融機関だけを五%以上持つてはいかぬという制限を置いておく必要が、一体なぜあるのかということについて、はなはだ理解に苦しむ次第であります。ことに金融機関相互の間において、特殊の関係を持たなければならない場合が、相当予想せられるのであります。競爭関係ということでなくて、その金融機関の本來の事業を十分に達成するために、他の会社と相当特別の関係を結ばなければならぬ。ちようど生産会社における原料の供給とか、あるいはそうした生産段階に應じた特別の関連が起きて來るのと似たようなことが、金融機関においても起り得のであります。その一つの顯著なる例としては、こういうことがありはしないかと思います。証券取引法第六十五條が昨年から効力を発揮するようになりまして、現在証券の引受け、賣出し等の業務は銀行、信託会社等は営むことができなくなりました。いわゆる証券業者のみがこれを営み得るのでありますが、現在の日本の証券業者は、金融力を非常に大きく持つておるところはほとんどないのでありまして、やはり証券を引受け、あるいはそれが賣り残りました場合に、一時これを持ちこたえて行くというようなことのためには、どうしても証券業者と銀行その他の金融機関とが密接な関係を持ちまして、一体となつて事にあたらなければ、株式の発行あるいは社債の発行等が、うまく行かない事情があるのでございます。現在のところではまだ日本における起債市場等は、ようやくその芽生えが出た程度のところでございますので、現実にそうした問題がほとんど起つておりませんけれどもこれはどうしても必然的な現象として、証券業者と銀行等の金融機関は一緒になつて行かなければならない関係にあるのであります。そのような場合にも現在の独占禁止法のままで参りますと、関連のある会社の株式を五%以上は所有することができないのでありまして、ここにも非常に不合理な点があると思います。その他たとえば損害保險会社が火災、盗難を少くするために、本來の保險事業とは別個の事業を営む会社を育成し、特殊な関係を保つて行く必要があるということが考えられるのでありますが、そういう場合にも現在のとろこは五〇%以上持てない。いずれにいたしましても金融業と一般の生産業との間に、今度の改正案ではあまり区分がはつきりし過ぎておりまして、もう少し金融機関の取扱いを廣くお考え願うことがぜひ必要ではないか、かように考える次第であります。おそらくこの問題の経緯といたしましては、金融業法の制定施行の問題もありました関係上、そのまますえ置きになつたように推察せられる一面もあるのでありますが、別個の問題として取扱うべきものと思うのでありまして、金融業法における育成ということはどうなるかということも、見当がつかない現在でございますし、ぜひこの点はもう一段改めていただきたい、かように存じておるのであります。独占禁法そのものの問題としては、希望を申し上げますければいろいろございますが、理由のはつきりした以上二点をぜひ申し上げたいと思います。 なおこれに関連いたしましてぜひお考えいただきたいと思いますことは、現在なお効力を持つております制限会社令及び証券等保有制限令というものがございますが、これは財閥系統の会社で制限会社として指定されたもの、あるいはその制限会社が解除されましても、承継会社になつておるもの等に対して、適用されておるものでございますが、この政令が残つております限り、独占禁止法の緩和が行われましても、実際の効力は発揮されないことに現在なつておるのであります。ところが実情を見ますると、日本における主要な会社は、ほとんど大部分がこの制限会社令の適用を受けなければならない状況にございます。そこで今度の独占禁止法改正の効果を眞に発揮させますためには、あわせて制限会社令及び会社証券保有制限令等の緩和をぜひはかつていただまきませんと、その効果は十分に現われないという実情にございますので、この点をぜひあわせてお考えいただきたい。大体今度の改正案に関連しまして要望しておりますのは、以上の三点でございます。
○小野瀬委員長 それでは引続き永野重雄君から御意見を聽取いたします。
○永野参考人 大岩今内山君から説明していただいたことで盡きておるわけでありますが、ただ先ほどの第六條の、事業者の外國の事業者と協定もしくは契約をし、あるいは貿易について、國内の貿易を事業者と協定もしくは契約をしてはいかぬという点につきまして、御参考までに一言つけ加えたいと思います。 われわれの氣持といたしましては、独禁法の本質は、國内の産業、経済全般にわたつて独占を禁す止することに重点があるのではないかと、かつてに解釈いたしておりますが、先ほどのお話にもふれたように輸出する場合に、当然國際競爭場裡において、相当價格で賣れる商品を國内でお互いにせり合つて安くすることは、結局日本の海外收入についてむだなことをするというようなことが、考えられるわけでありまして、その結果はいろいろな面で海外の援助等について大きな迷惑をかける。あるいは自立経済に対して、残念な結果になるということが言えるわけであります。また國内において独占する場合には、他に競爭者がないわけでありますが、海外輸出の場合には世界各國が全部競爭相手であるわけでございまするので、國内市場における独占的な企業弊害ということもないように思います。從いまして海外貿易に関する限り、最大限の收入がとれるようにすることこそ、むしろ今日の日本の國際間における立場から言つてもいいのではないかと考ますので、この法案について格段の御檢討を願いたいと存ずる次第であります。 それから第二は第十條でありまするが、これは長い字句でありますので法文を読み上げるのをよしますけれども、他の業者の株を持つてはいけないということに盡きると思います。その点につきまして最近外資導入という問題が、大きく取上げられておるのでございます。一つの事業会社が幾つかの事業場を持つておるような場合に、その特定の事業場にだけ外資を入れたいという希望があつた場合、これに対する処置としまして、現在のように一つの会社が何工場も持つておるという場合に、相手方のいわゆる外資を入れようとする側からいたしますと、特定事業場に対する投資——出資が外へ流れて行きはせぬかという懸念があろうかと思うのであります。從つて入り得べき外資も入りにくくするということがあつてはいけないし、そうかと言つて外資を持つて共同で営もうという場合に、全然賣りつぱなしということもできないという場合もあろうかと思います。さような場合を考えまして、その事業会社が投資しようとする海外の投資者と協同して、別個の小会社をつくることによつて行うことが、特定工場、事業場に対する外資導入の便利を得る手段と考えまするから、そういう場合にはこれに対してなるべく除外的な措置を講じていただきたいと考える次策であります。以上二点をつけ加えまして御参考といたしたいと思います。
○小野瀬委員長 ありがとうございました。それでは次に川瀬一貫君にお願いいたします。
○川瀬参考人 それでは申し上げます。独禁法に関連いたしまして、一番経済界に現実の影響を與えておるものは、事業者團体法であります。御承知だと思いますが、慣例から申しますと、独禁法一本制定されておれば、まず事業者團体法はその中へ廣く含まれておる、こういう解釈でやつていただけばよかつたのではないかと思うのであります。しかしいろいろな関係で事業者團体を組成することになり、今日の事業者團体法を見たと思うのであります。その後これを実施に移されまして、今日までの経済界の事情を見てみますると、何といつても統制経済が前提となつておるのでありまして、統制経済の建前あるいは方針については、必要な程度はもちろん盛られるのでありますが、その実施につきまして、いかなる樣相を呈しておるかという点につきまして、非常な問題を惹起している実情でございます。これは統制業務は全部官廳において行うべしという建前で、やつておられるのでありますが、この複雜多岐にわたる統制樣式、あるいは規則、法律あるいは廣範囲にわたる統制につきまして、官廳の從業員、官吏の方だけでもつて、今日まで皆さんが企図された統制が完全に行われておるかどうかということは、断言できないのであります。この点につきましては、あれだけの規則、法律をよく実行に移すのには、現在の物調官あるいはそれに付随しまするところの從來の官吏の方々の数だけでは、絶対に不可能と思うのであります。さらに切符制度等の問題が附加されて來た今日におきましては、これは木によつて魚を求めるような実情ではないかと思うのであります。このたびの事業者團体法の改正につきましては、幾分は改正の余地を與えられておるのでありますが、根本問題といたしまして、業務に事業者團体が関與し得るという点につきましては、ほとんど無視されておるような状態であります。統制のわくが政府においてきめられます今日、その運用につきまして事業者團体が関與しましても、何らこれに対する惡作用あるいは独占的な問題は惹起しないという面が、相当あると思うのであります。あるいは実際的な内容を持たない物調官の方々で全部やられるよりも、大衆環視の中にある組合、あるいは團体において、この資材の割当あるいは生産の割当、あるいは製品の配給割当というようなものがきめられる方がむしろ公正であつて、またその業務も円滑に行われ、その結果が産業界に非常なる潤滑油を與え、産業の進展が見られるというのではないかと思うのであります。ますます統制の内容がこまくか制定されて來るという事情につきましては、さらにその弊害が増大して行くのではないかという杞憂を持つておるわけであります。このたびの事業者團体法の改正につきましては、統制業務は、端的に申し上げますならば、政府は統制の根本を、物動のわくを設定し、事業者團体を監督し、そうして事業者團体に割当並びにその他の業務一切をやらすべしというような精神で事業者團体法をひとつ御審議願いたいと考えるのであります。どうしても割当の最初から事業者團体をして行わしめることが困難でありますならば、割当業務を政府の原案によつて、事務的にだけでもこれを行わしめるということにする方が、効率的であると考えるのであります。たとえて申しますれば纎維の今日の統制規則でありますが、この法律規則を原綿から糸、各種の綿製品それらに対する加工製品、それらの末端に至るまでの生産並びに配給統制につきまして、戰爭中は一万二千人であつたと記憶するのでありますが、民間團体の從業員が当つておつてなお不完全であつたのであります。これが官廳業務に移行されました以後、二千数百人ほどと記憶しておるのでありますが、統制業務の内容は非常に複雜になつて來ており、閣議または安本あるいは各担当官廳の設定されました物動計画が、末端においてその何十パーセントが実施されておるやという点につきましては、ただ心配の至りであります。むしろそういつた中間的な中途半端な統制業務をやるために、あとで檢察廳あるいは経済調査廳あるいは警察等が、これを追いかけまわして罰しただけでは、一年間にきめられた物動計画は元へもどらないのであります。いたずらに被行政者を罰するというだけに終りまして、將來の心構えをかえさすということには効果があるのでありますが、少くとも物動計画はその面において狂つてしまつておるのであります。むしろそれよりも日本の自立あるいは安定生産の回復を早くするという点から、きめられた経済統制を決定された通りに効果あらしめる方法を、講じなければならぬと思うのであります。それにはどうしても多人数と経驗者を必要とするという点において、事業者團体にこれをやらすというふうにお願いしたいものであります。 なお人員の整理、あるいは予算の節約等の問題が一面において起つておるのであります。これらをかみ合せますと、おのずからこの廣汎な事業をいかなるところへ持つて行くことが、日本の今日の行政上妥当であるかという点に、結論されることは明白であると思います。また財源をむりに生み出すために、割当手数料とかあるいは申請手数料とかいつた、数十億円の金を政府が召し上げておる。そうして官廳業務の費用に充てておるということもまぬがれぬのであります。これは瑣末なことでありますが、業者は統制業務をやらされなくても、みな自由な團体を各業争とも持つておるのであります。これはやはり費用を分担して支出しておるのでありますが、こちらはある意味におきまして、二重に生産の原價に影響しておるというような次第であります。ことに輸出産業奬励を目途とされる現状におきましては、こういう点につきましても大いに考慮する点があるのではないかと思われます。いろいろその他の弊害につきましては皆さん御承知の通りでありますが、特に強調したいのは、事業者團体に統制業務を行わせしむべし。少くともその補助機関として完全にこれを使うべしという点について、御考慮を願いたいという点であります。
○小野瀬委員長 お諮りいたします。質疑を行いましようか。それとも昨日以來長時間にわたつて審議をしていただきましたので、この程度で打切りますか、いかがいたしましようか——それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会