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5回国会衆議院1949/03/28

経済安定委員会 第4号

発言数
17
登壇者
8
会派数
5
開催日
1949/03/28

会議録

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 それではただいまより開会いたします。  議案の審査に入る前に、一言皆樣に御了解を得たいと存じます。本日は長官がお見えになるはずでございましたが、万やむを得ない用件がございまして、お見えになることができませんので、中川次官がお見えになつておりますから、この点皆さんに御了承願いたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 議事進行に関して発言いたしたいと存じます。私は委員長にこの際強く希望をいたしたい点がありまするが、それは前回の会議でありまするが、やむを得ない事情がありまして、中途退席したのでありまするが、その際引続き本日多少の質問の時間を私は與えられるように、委員長に希望をいたしておいたのでありますが、すでに質疑打切りになりまして、本日質疑の機会が與えられないということは、まことに残念に堪えないのであります。委員長は前回の会議におきまして、なるべく委員会は円満裡に運営したい。こういう御希望がありまして、私どもその委員長の御趣旨を了として、前回の会議におきましても、ある程度委員長の御希望をいれたのであります。しかるに本日多少の質問の時間を私に與えられましても、議事の進行上それほど支障を來す理由はないと思いますにかかわらず、一昨日質疑を打切られたことは、委員長のいわゆる円満に議事を運営したいという御希望と、相反するものがありはしないかと思うのであります。私は今後はできるだけ質問者には質問の時間を十分與えて、議事の円満な運営を期せられたいと思うのであります。私はそういう点、委員長が何か與党の多数をたのんで、一方において都合の惡いときには議事の円満を主張し、また一方においてはそうした強行手段をとられるのではないかということをはなはだ憂えまして、この際委員長に強くその点を希望しておきたいと思うのであります。  本日、本案の採否にあたつて主管大臣である安本長官が御出席にならないということも、そういうような点に由來しておりはしないかということを考えるものであります。私はそういう点で政府がこの委員会を軽視する。いわゆる與党の多数をたのんで軽視するというような考えが、ありはしないかということを考えるものであります。今後委員長におかれては、この点につきましても、政府に対してそういうことのないように強く希望しておかれたいということを、この際委員長に希望いたします。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 加藤委員に簡單にお答えいたします。加藤委員から質問の御要求があつたのでございますが、昨日実は加藤委員の再度の御出席をお願いしたいと思いまして、委員部におきましてもいろいろと手配をいたしたのでございますが、加藤君におかれましても重要な用件があつたというようなわけでお見えになりませんでしたので、やむを得ず質問を打切つたのでございます。もし本件に期限の制限がございませんでしたならば、十分に質問をお許しいたしたいと考えておつたのでありますが、さような事情でまことに御希望に沿うことができませんで遺憾に存じます。今後は加藤委員からの発言は十分に尊重いたしまして、御希望に沿うようにいたしたいと思います。なお決して多数をたのんで横暴するというような考えは、委員長においては毛頭ございませんので、その点もひとつこの際御了承を願いたいと思います。  それから今一点政府に対する加藤君からの御要望も了承いたしましたので、今後政府に向つて強く要求いたしますから御了承を願います。  それでは内閣提出臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案を議題とし、これより討論に入ります。中村純一君。

中村純一民主自由党

○中村(純)委員 わが國の生産力が逐次回復を見つつある状況になつておりますることは、まことに喜ばしいことであるのでありますが、これに伴いましていわゆる経済統制の緩和ないし撤廃をはかつて行きまして、経済的活動におきまする自由なる分野をだんだんに拡充して行くことが、今後ますますわが國の経済並びに生産力の発展向上に資するゆえんであるということを、われわれ考えておる次第でございまして、また政府におかれましても同樣な考え方に立つておられるということは、先般來の質疑應答において明らかになつておるところでございます。しかしながらまた一面におきまして、今日のわが國の経済の現状におきましては、生産力の回復もいまだむろん十分なる域には達しておりませんし、また外資の援助に依存しておりまする部分も相当にあることでありますから、その限度におきまして、なお統制の関係が存置せられて行かなければならないということも、よくわかるのでございます。われわれはこの意味におきまして、本法案の有効期限がさらに一年延期せられることにつきまして、賛成をいたすものではございますが、この場合現在の経済の段階において、あるいは將來の展望という上に立ちまして、統制経済のあり方と申しますか、基本的な考え方の点につきまして、またさらにこれが運用上の点につきまして二、三の意見を申し上げたいと思うのでございます。  その第一はいわゆるマル公経済と申しまするか、統制経済の支配しておりまする分野と、これに相対しておりまするところのやみ経済の分野との比重の移りかわりの問題であります。本法案が出発いたしました当時、すなわち終戰直後の状態におきましては、ほとんど全部がもうまるやみの経済であつたと思われるのであります。その後だんだんに統制の方法が整備せられ、あるいは強化せられて参つたのでありまするが、しかしながら依然として多量のやみ物資が存在しておりました過去におきましては、机の上で考えられ、想定せられたところのいわゆる統制経済のわくの範囲は、相当廣いものではあつたけれども、実際における経済の動きから申しまするならば、やみ経済の分野の方が大きな分野を占めておつた時代があつたわけであります。それがだんだんに生産力の回復に伴い、あるいはまたやみ物資を食いつぶして参つた経過におきまして、次第にやみ経済の分野というものが縮小をせられ、その反対にいわゆるマル公経済の分野というものが、その実質において廣がつて來るという経過をたどつておると考えられるのであります。今後におきまして、冐頭に申し上げましたごとく、政府においても生産力の回復、経済秩序の回復に伴いまして、できるだけ統制のわくをはずして行くことに相なるわけでありまするが、同時にこのやみ経済の分野というものも、だんだんに縮小をして参る形になるわけであります。從いまして今後残される統制経済の分野におきましては、その統制経済の影響力と申しますか、あるいは支配力と申しますか、こういうものが從來におきまするよりも、さらにまず百パーセントの効果を現わすような状態になつて來るのではないか、と考えられるのであります。極端なことを申しますれば、以前においては統制経済というものは、やみ経済の分野が廣かつたために、実は机上の計画あるいは宙に浮いておつたものであるというような言い方も、し得ると思うのでありますが、今後はそうは行かない。こういう段階にだんだん立ち至つて來ておるものと考えられまするがゆえに、今後本法の運用におきましては、政府当局特に末端の統制機構におきましても、十分にこの辺を認識せられて、愼重なる運用を期していただきたいと存ずるのであります。  次に申し上げたいことは、この統制経済のスタートの時期におきましては、國際経済から分離しておりますところの、わが國の封鎖経済の中におきまする國民消費生活の安定を期する、あるいはまた末端の混沌状態にありました経済活動に、一つの経済秩序をそこに打ち立てて行こうということから出発したものだと、私は考えるのでありますが、これが今日の段階におきましては、申し上げるまでもなく為替一本レートの決定ということを中心にいたしまして、わが國の経済が國際経済に参加するその準備の時期に、すでに入つておるのであります。從いましてこの統制経済のあり方と申しますか、その運用の根本の考え方におきましても、從來の段階における考え方と今後の段階における考え方とは、そこに大きな相違が出て來る段階に到達しておるものと考えられます。またこのことは、一面わが國経済力の回復の面からも、そのことが言えるのでありまして、たとえば統制の重要なる一部門であります價格の面につきましても、これまでのような生産費を積み重ねて行つた原價計算式のマル公價格というものが、宙に浮いて來ておる現象が、すでに現われて來ておるのであります。すなわちやみ價格のマル公割れというものが随所に現われて來ておる。このことは一面から申しますと生産力の回復あるいはまた購買力の減退という面もありましようが、まず大体生産力が回復して來たことから生じて來ておる現象であります。加うるに先ほど申しましたがごとく、わが國経済の全体の段階が封鎖経済を離脱して、國際経済に参加するという準備時期に入つておりますことから考えましても、この價格統制の面におきましても、もはや今まで通りの原價計算主義一本やりでは、これはいけないのである。どうしても企業の自主性というものを十分に取入れ、尊重しまして、わが國の企業が國際経済界における競爭力を保持して行くということに主眼を置きまして、究極の目的はわが國の輸出振興を最大に発揮するというところに、この統制の究極の目標が切りかえられて行かなければならない時期になつて來ておるのではないかと、考えられるものであります。この意味におきまして、從來の統制原理の上に、その競爭を考慮した考え方というものを、十分に加味した統制の運用方法をとつていただきたいということを、私はここに申し上げたいのでございます。このただいま申しましたやみ経済からマル公経済への移りかわり、またわが國の経済が封鎖経済から國際経済へ、すなわち競爭というものを十分に考慮に入れた形に切りかえられて行くというこの二つの事柄を、私は今後の統制運用上におきまして、基本的に考えてやつて行く必要があるということを、申し上げたいのでございます。またその二つの基本的な考え方からいたしまして、私はなおここに二、三の本法運用上におきまする希望を申し上げたいのでございます。  その第一はこれも先日多田委員から御指摘がありましたように、本法は大体法三章的な法律でありまして、その運用の大部分が規則に委任をせられております。ただいま申しましたように今後に統制運用が、やみ経済がなくなつたために、統制面におきまする力と申しまするか、影響と申しまするか、これが百パーセントに出て來るという考え方からいたしましても、この規則の制定並びにこれが運用につきましては、十分に愼重なる御考慮をいただきまして、特に民間の意見を十分に取入れていただきたい。これは今日まで物資の生産面におきましては、関係業者の團体等の意見が十分に取入れられ、またそれをして実施にあたらせている部分もあるように存じますが、配給面におきましても同樣に民間関係者の意向、意見を反映させてもらいあるいはまた場合によつては実施部門にあたらしめるということも、ひとつ考慮をしていただきたいのであります。  次に申し上げたいのは、廣い意味の経済統制という見地から考えますれば、今後統制の重点はむしろ物資よりも金融に移るかとも、考えられるのでありますけれども、しかしながらこの物資面における統制も、重要なる機能を営むものであります。今後本法の運用上におきまして、この物資統制に裏づけされる金融的措置を同時に考えていただかないことには、せつかく統制をやりましても、これが所期の効果を上げられないということになろうかと思われます。この点も特にひとつ政府において運用上考慮をしていただきたいと考えるのであります。  第三にお願いいたしたいことは、從來とにかく統制に対する非難が多かつたのでありますが、これをよく考えてみますると、むろん統制そのものに対する非難もありましたけれども、その多くはむしろ統制そのものよりも、この統制実施にあたつておりますところの統制官僚の非能率なること、あるいはまたこれに伴う各種の不正の問題あるいは腐敗の問題、かようなことが随伴をいたしておることは、よくわれわれが耳にいたしておるところでありますが、こういう点に対する非難がずいぶん多いのでありまして、この点につきましても特に末端統制機構まで、十分に政府においても注意をせられまして、この非能率あるいは不正、かような問題を絶対に根絶していただきたいのであります。  それから次には中小企業の問題でありますが、これは必ずしも本法のみ直接関連を持つ問題ではございません。為替レートの設定、また國際経済に参加というこの能勢からいたしまして、今後わが國の産業面におきまする一つの再編成の時期に当面をいたすと考えられるのでありまして、その結果中小企業において多くの問題が発生して來ることが、予想せられるのでありますが、この点につきましても政府は十分にわが國中小企業の保護育成に意を用いられますとともに、本法の運用上におきましても、やはりこの点を十分に考えられてやつていただくことを、特に希望いたすのであります。  私の申し上げたい事柄は大体以上でありますが、これを要するに、今後残されて行きまする統制というものは、その残されたる限度においては、これは十分に合理的に、末端まで合理性を徹底させて、これをおやり願いたいのであります。これの統制方法がまずいために、いたずらに罪人をたくさんつくる結果になる。かようなことのないように残されたる統制の限度におきましては、十分に合理的にかつ徹底的におやりを願いたいのであります。かようにいたしまして、いやしくもこの統制が今後の生産の発展、経済の発達を阻害することが毛頭ないように、特段の御注意を願いたいのであります。  私は大体以上の希望を付しまして、本案に賛成をいたすものであります。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 次は高橋清治郎君。

高橋清治郎民主党(第九控室)

○高橋(清)委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。中村委員の申されました通り、この統制が実際に即した適正なる統制、その運用を最も効果あるように、合理的にやつていただくことを希望いたしまして、その他いろいろな意見もありますけれども、今やこの法律の期限も、今後余すところ三日しかないのでありまするから、民主党を代表いたしまして、賛成であるということを申し上げておきます。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 勝間田清一君。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、本案に賛意を表さしていただきたいと思います。ただしかし、この際一言申し上げさしていただきたいと思いまするのは、統制が必要であるという事柄と、統制の技術がうまく行つているかいないかという事柄と、嚴密に区別して考える必要があると私は思うのでありまして、とかく現在、いろいろの状況からいたしますと、統制技術の拙劣さが、むしろ逆に統制そのものに対する正しい考え方をゆがめる結果になる場合が多いのでありまして、この点は、われわれが注意すべきのみならず、私は、政府においても十分この間の区別をつけていただきたいと思うものでありまして、特に昨日來御質問申し上げました通りに、統制の撤廃ということをいたずらに政策の具に供して行くという事柄は、私は嚴に戒めたいと思うのであります。特に食糧の供出後における自由販賣というものが、超過供出という現実に起つておる要求に対して、いかに大きな支障をもつたか、また昨日安本長官がはつきり言われた通りに、蔬菜の撤廃ということを叫ばれたために、最近における蔬菜の入荷状況がおもしろくないということも、明確に聞いたのでありまして、私どもは、いろいろの面で、現在政府が、各政党の根拠に立つて、統制の撤廃を主張せられることはけつこうでありまするけれども、十分なる根拠と見通しとを持たずして、政策の具に供して行く場合における大きな影響というものを考えますると、私は非常に大きな政治的の責任を、そこに感じなければならないということを、痛感いたすものであります。その意味で、どうか政府においても、確たる根拠と見通しとを持つて、確実な政策というものを実行願いたいということを申し上げたいのであります。その点から申しますると、現在提案の理由にありまする通りに、生産力が相当の増大をいたしておることは、理の当然でもありまするし、またお互いに認める点でもございまするが、しかし現在の生産はきわめて不均衡な発達をいたしておるのでありまして、各業種が必ずしも一定の均衡状態というものを保つておるのではありません。ある生産は非常に不足し、ある生産は比較的過剩の設備を保有しておる。そうしてまだ一定の安定した経済機構というものが、そこに生れておるわけでもございません。ましてや消費物資の大部分、食糧にいたしましても、纖維品にいたしましても、これはほとんど対外的な援助を受けて行かなければならない状況にあるということは、われわれがひとしく認める点であると私は思うのであります。なおかつ、ここに新しく、從來のいわゆる傾斜生産方式というものをかえて、そうして経済九原則に基く日本の経済の樹立を目途といたしました日本経済再建の新しい方途というものが、ここに生れて來るのである。從つてそこには、輸出産業に重点を置いて行くとか、あるいは基礎産業にどういう資材の配給、割当をしなければならないとかいう問題についての再檢討の余地というものも、はつきり出て來ておるのであります。重大なる一つの轉換期にあるということは明らかであります。しかし御案内の通りに、現在政府は、産業五箇年計画というものを計画的に進めるという方途を、一面においてとつておるのであります。そうしてその計画に基いて、最も短期間に、最も効果のある方法で、これを遂行して行かなければならぬとするならば、そこに資材なり資金なりの統制というものが、どうしても必要になつて來るということも、これも明らかであります。だからいたずらに、現在の生産が回復しておるから統制は緩和しなければならない、統制は撤廃すべきものであるという一般的な考え方というものは、非常に事実を歪曲するおそれが多分にある。そこで、國民に対する認識というものを一面において持つて、他面において不必要な統制というものは、はずして行くのだというけじめを、はつきりつけていただかないと、私は今後の日本産業の発達に、重大な支障を來すおそれがあると思うのでありまして、現在とかくいたしますると、統制撤廃ということを比較的樂観的に考えて行くこの思想に対しては、私は十分に警戒をしていただきたいと思うものであります。  さらに、もう一つ申し上げたい事柄は、現在われわれが具体的な例をもつてよく見受ける問題でありますが、たとえば木炭の統制撤廃という問題にいたしましても、いざ撤廃ということになつて來ると、必ずしも生産者の利益というものと、消費者の利益というものと一致いたしませんし、山元の利益というものと、消費地における利益というものとも、必ずしも一致しないものでありまして、かえつて現在農業恐慌に襲われんとしておる。農村は統制をむしろ温存してほしい、むしろ続けて行つてほしいという要求さえ出ておるのであります。だから、われわれが眞実に考えてみまするならば、統制の技術が惡いという問題を一應別に考えてみまして、統制そのものを考えてみますると、これがだれの利益になるのかということを明確に識別して行くことが、私は非常に必要になつて來ると思う。それをうつかりいたしますると、多くの場合においては、消費者及び中小の生産者を犠牲にして、一部の大資本、独占資本、やみ屋、こういう者を結局利益する結果に陷る場合が多いのであります。御存じの通りに、今度のアメリカにおける選挙においても、何ゆえに農業に対して統制経済を約束したかという、当時のトルーマンの声明などを私考えてみまして、これから落ち行くところは、日本の農村なり、中小商工業者に対して、あるいはこのデフレに苦しむ消費者に対して、私はむしろどういう方法でこの統制経済というものを合理化し、そうしてこういつた勤労大衆の生活を守つて行くか。そういう点にむしろ今後の重点があるかに見受けるのであります。從つて、軽卒な意味における統制撤廃ということ、それらが漫然かもし出すところの日本國民に対する影響、そういうものを一切考えてみますると、私は統制経済、あるいは物資の配給、こういう具体的の問題についての明確な考え方を持つて、政府は臨んでいただきたい。多くの場合においては、國民は間違つた方向に、樂観的にのみ解釈し、それが結局日本の回復を立遅らせるだけでなしに、私は大衆の生活を犠牲にする場合が多いということを、つくづく感じさせられる点があるのであります。この点についても御注意を喚起申し上げさせていただきたいと思うのであります。  次に、大きな問題は、今度の経済九原則によつて、いわゆる物資の配給方式というものに、相当の変化が來ることが明らかになりました。特に從來の、注文により、あるいは実績により、あるいは能率により、いろいろの面で配給が行われて來たことが、今度ははつきりと集中生産の方向に、これが進むということであるわけであります。これは共産党からもお話がありました通りに、中小企業者に対する影響というものは非常に大きい。むしろ自然的な競爭で企業がつぶれるということでなくして、むしろ人為的統制の、技術をもつてこれをつぶすとも言い得られるのであります。その意味において、中小企業に対するはつきりした救済の道、あるいはこれを近代化する道、この道を明確に裏づけされずして、いたずらに集中生産を行うということでありまするならば、私は、到達すべき結果というものは、おそるべきものがあると思うのであります。この点については、十分なるひとつ御研究を願わなければならないと思うのであります。  最後に、これは先ほど來お話がありました通りに、統制技術の問題として一番残つている問題は、何と申しましても統制そのものの民主化の問題であります。現在いわゆる官僚統制というものがとかく非難され、また官僚主義というものがとかくこの統制そのものをも、ゆがめる結果に相なるのでありますが、私ども、党といたしましては、單に資材の統制のみならず、資金の統制においても、あるいはその他の價格の統制の場合におきましても、中小商工業者や、あるいは農民、あるいは労働者、こういつた人たちにも十分に発言権を持たせるような、いわゆる統制機構の民主化というものを徹底して行う段階に立つておると私は思うのであります。そうして納得の行ける物資の配給というものが行われて行けば、先ほど申しましたような現在の日本経済の再建の方途に対する十分な認識の糸口も、そこから出て來るわけでありまして、この物資配給というものに対する民主化を特にお願いを申し上げて、私は、日本社会党を代表し、賛意を表するわけであります。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 高田富之君。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 日本共産党を代表いたしまして、反対の理由を申し述べます。  第一に、本法の最近までにおける運用の実情を見ますると、各般にわたる廣汎な統制が、現在各所において非常に多数の違反事件を起しており、また表面的には違反事件として出ておりませんでも、この統制をめぐるところの官僚の腐敗、あるいはこれに結合する業界の、中央、地方におけるボス的な勢力の不正というようなことは、ほとんど天下公知の事実となつておる実情であります。このような不正、腐敗の根源は、やはり官僚が大きな権限を持つてこのような法律を運用するところに、根本の原因があるのであります。なお、この統制が非常に煩瑣であり、非常に非能率的であるということが、迷惑を一般大衆に及ぼしておるということは、社会党の方からも申された通りであります。  それから第二に、この物資統制の運用の方法が、最近におきましては、特に重要物資の生産等の面における資材の割当等が、集中生産方式に移行して参つて、今後ますますそういう方向が、強化されんとしておるように考えるのでありますが、このことは、輸入の不合理な形態、並びに輸出における飢餓輸出の形態と結びつきまして、日本の國内における一部の独占的な企業に対して、優先的に、集中的に資材を割当てることになりまして、そのために日本の相当多数の民族的な産業あるいは中小企業が、崩壞せしめられる状態になつております。これもまた、本法の運用の上から強力にこれが行われんとしておる状態でありまして、日本産業の自立のために、日本の民族的な経済の復興安定、向上のために、実にこれに逆行する方向をたどつて行くと言わなければならないのであります。  それから第三に、消費財の部面におきましても、最近マル公の撤廃であるとか、あるいは統制の解除であるとかいうようなことが、一、二の生活資材の配給の面で言われておりますけれども、これらも、今までの統制のやり方が、一部の大資本、ことに基礎産業方面におきましては、原價をいわゆる積上げ式によつて、消費のいかんにかかわらず、利潤を大資本に保障する行き方でやられておりました反面、中小商工業の方面におきましては、購賣力の減退のために、事実上マル公を割るようになり、統制が無意味になつて來ておる。相対的な過剩生産の状態、すなわち一般大衆の購買力の激減ということが、大資本擁護の生産統制の結果現われて來ました。そのために中小工業も犠牲となり、今までの統制が無意味になつて來たからといつて、ただちにこれを撤廃するということは、一應煩瑣な統制を撤廃することによつて、中小商工業者の利益のごとくに見えて、実はそうではなくて、今後における中小商工業者の大衆的な破産、一般大衆の一層の貧窮化を默認し、かつこれを推進することにすぎないのであります。要は低賃金政策の一つの現われにほかならない。正しい統制は、人民のために、全産業のためにという立場から行われなければならないのにかかわらず、今までこの統制はすべて一部の大資本のために運用せられ、一般商工業者、一般消費者大衆のためになされた統制でないということは、事実がりつぱに証拠立てていると考えるのであります。ことに昨日の安本長官の説明によりましても、蔬菜類の統制撤廃が言われております反面に、農民に対しては依然として作付を強要し、これに対しては資材を配当するというようなことを言つておりますけれども、このようなことをすれば、零細なる生産者であり、日本における中堅階級とも言うべき農民層を、一層破綻に陷れる結果になることは明らかであります。これを要するに、今までの統制は、不正、腐敗の恩床をなし、かつ一般大衆の生業と生活を破綻せしめて、一部大資本家のためになされて來た統制ということが、はつきりと言えると思うのであります。  それから次に、本法はそもそも戰時統制の延長でありまして、國家総動員法に基く物資統制令が戰時中ありましたが、あれを形をかえて存続した法律であることは申すまでもないのであります。それゆえに臨時という文字が上にくつついておるのであります。しかるにこの臨時が、前回に一年延ばされ、またここに來て一年延ばされるというような状態になつておるのでありまして、これはそもそも戰時立法であるこの物資統制令、官僚に対して一切の権限を與えるこの法律は、一時も早くこれを根本的に改正し、あるいは撤廃すべきものであるにもかかわらず、便々としてこれを延長に延長を重ねて行くということは、一つには統制撤廃を一枚看板のように言つて來た民自党自体の無策を、ここへ來て暴露しておると同時に、單なる無策であるばかりでなく、これは戰時立法であるこの臨時物資需給調整法なるものを、さらにここへ來て復活せしめ、戰時立法的性格をもつ統制法をあらためて強化し、これを運用せんとする意図があるものであると、断ぜざるを得ないものであります。最近における政府の動向等を考えてみますると、戰時的な色彩のある施策は、ほかにも続々出て來そうな傾向にあり、一方においては独占禁止法や、集中排除法を立案せんとし、他方においてはポツダム宣言で認められ、憲法で保障された労働者の権限を、さらに圧縮せんとするような労働法規の改惡も考えられておる。あるいは非日活動委員会であるとか、あるいは考査特別委員会であるとか、そのほかありとあらゆる方面におきまして、戰時的色彩をもつ諸法規の復活のような傾向をたどりつつあるのであります。農村に対する追加供出の制度を法制化する、あるいはそのほかいろいろありますが、こういうふうな一連の政策を考え合せますとき、この臨時物資需給調整法をここに來てまた一年延長するという陰には、再び強大な権限を官僚に與え、これをもつて日本の今後の経済の運用を、再び戰時的な独裁的な方向へ、大資本家のためにする独裁的な方向へ引ずつて行こうとする意図の現われであると、言わざるを得ないのであります。  それから次に、私どもは、もしこの法律が期限切れになつて解消したらどうなるというふうなことも、心配されるのではありますけれども、こういうふうな惡い制度、人民のためにならない制度は、期限の満期とともに撤廃さるべきである。その際もしも官憲や政府が一方的な意図をもつて干渉しないならば、私どもは生きんとする人民大衆の総意と業界の自主的な自治によつて、必ずやもつと実情に即した統制の方式が生れるであろうし、これを全力をあげて助成し、新しい法律をその上につくるべきでありまして、ここに來て期限がないとか、切れたらどうなるというようなことをいまさら言うのは、政府自体の責任であります。これが第一でありますが、これに対してわれわれは観点を異にし、人民大衆の業界の自治的な精神に基く新しい統制の形態が、生れ出ずることを確信する次第であります。  なお最後につけ加えたいことは、この法案を期限切れのまぎわに出され、しかも先般來各委員からもお話がありましたように、政府の一般的な施政の話もなく、十分な質問を展開せしむべき資料さえないときに、こういう重大な議案が出されなければならなかつたというような、手続上の不備の点もあるのであります。  以上の理由によりまして、共産党といたしましては、本法案に対し反対するものであります。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 羽田野次郎君。

羽田野次郎公正倶楽部

○羽田野委員 私は公正倶樂部を代表して、賛成意見を申し上げます。今日の國民経済の復興段階におきまして、統制の基本法規を延長することは、まず当然であると考えるのでありますけれども、民自党が統制撤廃を大幅にするということを呼号して参りましただけに、民自党がやろうとする経済政策の詳細の説明をやります前に、この法案を提出いたしましたことは、あくまで不当であると信ずるものであります。ただ何しろ法律的に空白が生ずるということは、今日の経済状況から申しましていかがかと思いますので、それを了として賛成する次第でございます。先ほど來へんぱな統制、それから技術的にまずい統制、あるいはこれを運用するものの間に、いろいろな不都合があるというようなことにつきまして、十分戒心すべきであることは、各委員から述べられましたので、ここに繰り返しません。特に農産物統制につきまして、先ほど勝間田委員だつたと思いますが、農村の犠牲において統制をやろうというような方向は、断じて戒めていただきたい。むしろ今日の日本の農業の形態から申しますならば、農業保護的な統制をやる方向に向うべきだと、私は信じているものであります。その点希望を強く申し上げまして賛成意見といたします。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 これにて討論は終局いたしました。  ただちに採決に入ります。本案を原案の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。  なお本案に対する委員会報告書その他の取扱いについては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 それではさよう決定いたします。青木総務長官。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 数日以前から臨時物資需給調整法に関する延期の問題につきまして、各委員の方々から何かと御注意なり、御希望なり、またいろいろと御質問をいただきまして、本日皆さんの御努力によりまして幸いに無事に通過いたしましたことは、まことに皆樣の労を心から感謝いたす次第であります。なおわれわれといたしましては今後ともこの委員会を通しまして、万全の努力をいたしまして、皆樣のお力添え、御盡力におこたえいたしたいと存じておる次第でございます。今日はまことにありがとうございました。

小野瀬忠兵衞民主自由党

○小野瀬委員長 では次会は公報をもつて御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十五分散会

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