議院運営委員会 第19号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/04/14
会議録
○大村委員長 これより会議を開きます。 両院法規委員会の勧告の取扱いについて議長の諮問があります。これを議題といたします。事務総長から御説明を願います。
○大池事務總長 両院法規委員会の決議に基く両院議長に対する勧告案が参つておりますので、それの取扱い方について一應御説明を申し上げたいと存じます。この前には両院法規委員会の議決に基きまして、両院法規委員会にも專門員以下の職員を設置できるように、國会法を改正してもらいたいという勧告が参つておつたのでありまして、それは國会法の改正に関する勧告でありますので、國会法の制定に関する草案をつくりました。当委員会の皆さんにお配りをして、お考え置きを願つておる次第であります。その後さらに参りましたのが、参議院の議員選挙法の中にある全國区制というものを、そのまま残しておいてもらいたい。これは参議院の特色を発揮する上において最も適当な制度であると思うから、参議院の選挙法を改正する場合にあたつては、その全國区制というものを維持してもらいたいという勧告でございます。從つてこの勧告案の取扱い方を、議長として勧告を受けました際に、將來にわたつてそれ以外の勧告も出て來ることと思われますので、一應お取扱いの線をおきめを願いたいと思つております。その点はただいまの勧告については、いまだ参議院議員選挙法の改正ということが議題にもなつておりませんし、勧告自体はその改正をするにあたつては残して置く、こういう勧告でありますので、いかなる改正をされようという意思が各派にあられるかもわかりませんし、その議案自体も出ていないのでありますが、前もつてこういう勧告があることでありますから、選挙法を取扱うべき委員会、いわゆる地方行政の方でございましたか、選挙法を取扱う所管事項の委員会がございますので、一應こういう勧告が來たということを当該委員会に参考におまわしをして、將來の取扱いに資していただきたい。今後も出て参ります勧告案が、それぞれの委員会の所管事項でありますれば、その所管の委員会に勧告案をまわして御参考に供する。こういうことに取扱いをいたしたいと思いますので、その点を御協議願いたいと思つております。
○大村委員長 それでは今後両院法規委員会から本議院に対して提出される勧告につきましては、ただいま事務総長から説明のありましたことく、その内容に從つてそれぞれ所管の委員会に送付いたしまして、その檢討を願うことにいたす、この旨で議長に答申することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 御異議がなければさように決しました。 —————————————
○大村委員長 次は今会期中における請願の受付期限の件を議題といたします。事務総長から従來の取扱い等について御説明を願い御協議を進めたいと思います。
○大池事務總長 請願は御承知の通り國民からの重要な議会に対するお願いでありますが、それは御承知の通り一應請願を受取つて、文書表をつくりまして、文書表のできあがつたものから、それぞれ委員会に付託をして、その採択、不採択の件を審議願うことになつておりますために、一應会期の終了に間に合う程度に請願の受理を締め切りませんと、最後に全然委員付託にできない請願が相当できますので、從來から会期終了日の十日前くらいのものを押えまして、その程度で一應おやめになつていただくということで、取扱つておつた次第であります。從つて今期議会もその前例通りにいたしますと、二十一日で本第五國会は終了いたす関係から、すでに締切りをいたさなければならないことに相なつておる次第でありますが、先日から官房長官等の御説明によりましても、今期議会に議さなければならない案件が相当数あつて、見通しとしてある程度の期間が延ばされるのではないかという情勢にありますので、請願の受理期間もしばらくその情勢とにらみ合せて打切らずにおく。適当な先の見通しがついたところで、はつきり締切り期間をきめる。こういうように見送ることにいたしたいと考えておりますので、その点を御了承願いたいと思います。
○大村委員長 ただいま事務総長から説明のありましたように、請願の締切りは当分見送つておくということでよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 それではそのように決します。 —————————————
○大村委員長 次に法務委員会の國政調査承認要求の件について議長の諮問がありますから、これを議題といたします。
○大池事務總長 法務委員長花村さんから國政調査承認要求が参りまして、それは法制に関する事項と訟務に関する事項、法務行政に関する事項及び裁判所の司法行政に関する事項、こういう法務委員会としての所管的な事項について小委員会を設置し、関係方面から意見を聽取したり、資料の要求等をいたしたい。こういう國政調査承認の要求でございます。これが承認方をお願いを申し上げたいということでございます。
○大村委員長 ただいまの法務委員会の國政調査承認要求の件は、議長においてこれを承認すべきものと答申するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 御異議なければさように決しました。 —————————————
○大村委員長 次に彈劾裁判所裁判員の辞任の許可及び補欠選挙に関する件を議題といたします。
○大池事務總長 これは彈劾裁判所裁判員に鍛冶良作さんがなつておられたのでありますが、御承知の通り考査委員長になられまして多忙のために、彈劾裁判所の裁判員の方は辞任をいたしたい。こういう申出でございまして、その辞任がお許しになられますならば、その補欠として同党の尾関義一さんをお願いしたい、こういう御要求でございます。
○大村委員長 ただいまの件は先例によりましで、御承認を願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大池事務總長 從つてこれは本会議において辞任の許可並びにその補欠選挙をお願いいたしたいと思つております。
○林(百)委員 先ほどにもどりますが、両院法規、これは私も両院法規委員ですが、專門員を置くことについて、それぞれの委員会で檢討するというのでしよう。
○大池事務總長 この委員会にかかつております。
○林(百)委員 議院運営委員会でやるというのですか。
○大池事務總長 あれは國会法の改正案ですから、國会法を取扱うべきこの委員会に付託することになつて、皆さんのお手元へ配付して、各党で御檢討を願つて、その上でお諮り申し上げておりまする。
○林(百)委員 それから全國区の問題はどこでやりますか。
○大池事務總長 これは地方行政の方であります。 —————————————
○大村委員長 次に赤坂離宮の使用に関する件を議題といたします。
○大池事務總長 これは御承知の通り赤坂離宮の部屋に、國会図書館並びに法務廳その他のお使いになつていない間が三部屋ございまして、廣い羽衣の間、それから二階へ上つて突き当つたところ、もう一つ食堂にあたります大きな部屋、三部屋は内閣並びに國会側で適当な時期に使うということになつておりまして、その使う場合は一々当委員会の御承認を得ることになつておるわけであります。從つて裁判官の罷免訴追事件の公判をする場合等に、羽衣の間の廣い部屋を從來から使用いたしておつたのでありますが、今期議会においてもそういう場合が起れば、支障のない限りその間を使わしてもらいたい、こういう申出でございます。これは從來からやつておつたことでありますから、お願いをいたしたいと思います。
○大村委員長 御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○石田(博)委員 ちよつとお諮りしておきたい。わが党におきまして先般役員会で、観光事業の発展のために院内に特別委員会を設置したいという希望がありまして、政調会役員等において協議いたしました結果、そういうふうに取運ぶことに決定をしたよりな次第でありますが、各党におかれても御研究を願いたいと存ずる次第であります。その趣旨は観光事業というものが、わが國の今後の外貨獲得の上に占めておる地位は申すまでもありませんが、その仕事の範囲が鉄道、建設、外務、厚生、その他各省にまたがつておりますので、その間を調整して参りますためにも、特別委員会を設置してもらいたい、こう考えるような次第で、御研究を願いたいと存じます。
○今村(忠)委員 ぢよつと参考に打合せしておきたいと思います。特別委員会、ことに災害地対策特別委員会というのが昨年できて、それがまた今年復活して継続されている。特別委員会の性質はある一定の期間を限つて設置して、結論を出して解散するというのが、特別委員会の本旨であろうかと思うのです。從つて災害地対策特別委員会の場合も、本來建設委員会というのがあつて、常時基礎的な研究というか、調査をしているのである。今回つくられる観光に関する特別委員会も、時局柄私は最もいいものと思うので、ぜひ設置できるように御協力いただきたいと思うのでありますが、ある一定の期間をおいて、これもまたずるずると特別委員会が次の國会にまで引続いて行くことのないようにいたしたいと思いますが、これも含めて御研究いただきたいと思います。
○石田(博)委員 具体的な案を持つているわけでないので、そういうふうにつくりたいという希望を表示いたしまして、各派の御研究を願うということであります。
○神山茂夫君 石田君の方でもう少しまとまつた案ができたら、さつそく見せてもらつて、私たちも虚心坦懐に討議したい。材料があつたら早めにお願いしたいと思います。
○石田(博)委員 私の方でもさようにとりはからいたいと思います。
○大池事務總長 一昨日の議場における久保田さんの御発言につきまして、懲罰動議が当日提出せられております。從つてああいう際でございまして、すぐその場で議長としてこの動議を取扱うというところまで行つておりません。速記録等も十分調べる必要がありましたので、一應お預かりを申し上げておつたのでありますが、御承知の通り懲罰委員会の動議に対しましては、なるべく早い機会にこれが処理を御決定願つて、保留すべきものは保留する。どうしても上げなければならぬものは上げるという、当委員会の御意思等も承つて、議長として取扱いをせねばならぬ関係に相なつておりますから、これが取扱いについて御協議を願いたいと思つております。この懲罰動議は田淵さん以下成規の賛成者を得まして出て参つておる次第でありますから、お願い申し上げます。 —————————————
○林(百)委員 懲罰の問題になるともつれると思いますので、その前に運営の事務的なことを伺いたいと思います。ちようど倉石さんが見えておりますが、実は私の方の労働委員から、労働委員会が非常に流れるということですが、なるべく聞いてやつてもらいたい。労働法規が出るまではというような意見も委員長は持つておられるということでありますが、労働問題は労働法規が出なくてもあるのです。ことに共産党としてはあの委員会は非常に重要な委員会ですから、そこらを含んでなるべく委員会を開いて、共産党の意見を尊重してもらいたい。ちようど委員長が見えておりますからお願いをいたしておきます。
○神山茂夫君 僕の方は逓信だけれども、逓信は非常にうまくいつておる。これは倉石君の場合も同じだけれども、委員長の運びの仕方で何とでもなるのだから、できるだけ委員会を正式に成立させるように御協力を願いたい。
○大村委員長 速記をやめてください。 〔速記中止〕
○大村委員長 速記を願います。
○石田(博)委員 本國会では本会議並びに運営委員会は定刻通り運営せられて、よい慣例をつくつたと思われるのですが、各常任委員会、特別委員会等も定刻に開くように、各派において努力をしていただくこと、それから議員の本会議出欠表は会期末にこれを公表すること、これをひとつ御決定願いたいと思います。
○井上(良)委員 議員の出席を督促するのはまことにけつこうであるし、定刻に開くことも賛成でありますが、政府委員がえてして出て來ぬために、予定した質問ができないで、委員会がまつたく空費される点が過去においては非常に多い。この点は議長としても委員長としても、政府に対して嚴重に警告をして、必ず出席するようにしてもらいたい。
○大村委員長 ただいま御提議のありました委員会を定刻に開くことに努力する。なお議員及び政府委員もそれぞれの会につとめて出席すること、議員の出欠は会期末に発表すること、この三つの点についての御提議は、承認することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 それではそのように決します。 —————————————
○大池事務總長 この際ちよつと御報告申し上げておきます。先日この委員会でお話の出ました千葉懸その他近懸から議員が自動車で参ります際に、一々檢問を受けて非常に不便を受けておられる。新聞記者のマークを持つておるのは無事に通過するというお話で、その筋といろいろ交渉をいたしましたところ、それはごもつともだから、議員についてもできるだけ便宜を與えられるような配慮をしようということで、一應きまりました問題は、議員の自家用車については一定のマークを議院から出してくれれば、そのマークのついておる自動車については、できるだけ新聞社同様の方法が取り得るであろう。ただしハイヤーの場合、そのマークをつけて議員をこちらへ送り込んだあと、惡用、濫用されるようなことになつては取締りがつかぬから、それについては困る。從つて車体檢査標を持つたはつきりした自家用車についてそういうことをされるなら、一定のマークをその筋と交渉をしてつくつてくれればよかろう、こういうお話になりましたから、さよう御了承を願います。
○石田(博)委員 今の点は自家用車を持つている人はいいが、そうでない場合があるから、そのマークを議員が責任を持つて、自分が乘るときに前につけて、おりるときに取返すということにすれば同じことであるから、そういうことについてもう一ぺん自家用車以外のものについても御交渉を願いたい。これは福利小委員会でやつてもらいたいと思います。
○大村委員長 それでは元にもどりまして、懲罰の件を議題に供します。
○石田(博)委員 ただいま議題と相なりました一昨日の本会議における久保田鶴松君の発言に関する懲罰動議の件でありますが、久保田鶴松君のあの緊急質問を本委員会が承認をいたしました経路は、あの事件が非常に重大な問題である。そうしてあの事件に際して自治警察官の取つた態度は、私ども実相を知らない者も仄聞した範囲では、かなり基本的人権という立場からいうと、いかがかと思われる点が非常に多いと考えられたために、あの前に緊急質問に関する取扱いについて種々議論があつて、申合せまでいたすというような状態にあつたにもかかわらず、あの緊急質問を私どもは承認をいたしたのであります。しかもその件については共産党からも緊急質問の申出があり、かつわれわれの党派の大阪選出の議員の中にも、いろいろあの問題について調べてみると、必要があると言う者もありますし、さらに地方行政委員会では、特にあの事件のために議員を派遣せられるというような事態の中で行われたのであつて、いわば各党各派の持つておる聞きたいと思う点を代表して行われたという意味もかなり含んでおる。私どもは問題の重要性についてはきわめて愼重に、そうして嚴粛に取扱おうと思つておつたにかかわらず、劈頭から久保田君の発言は、そういう私どもの取扱いの意図を十分解さない種類の発言が行われた。これは私どもがあの緊急質問を厳粛な氣持で取扱おうとした意図を蹂躙されたもので、まことにその常識さえ疑わしいと思う。次に発言の内容を速記録をとつてもう一度読み上げてみたいと思う。こういう発言をされておる。「わが國の過去は、軍閥と官僚と資本閥との独占資本のフアツシヨ政治を行つておつたのであります。」これは異議ありません。ところが異議がないだけに私どもはその次が看過できない。「ところがその軍閥はなくなりましたが、今まだ大資本家と、そうして官僚との、この政治を行おうといたしております。」何を言つておるのか、文章としてはなつておらぬけれども、意味はこうなつておる。「その大資本の番頭役でありますところの吉田総理、また官僚上りでありますところの吉田総理、ここにすわつておられますところの幣原議長、この人たちが、独占資本によるフアツシヨ政治を行おうといたしておる。その大予算がわれわれに提出せられまして、そうしてこの問題によりまして、この議会においてわれわれが審議せんといたしておるときであります。」というような言葉が冒頭に述べられておる。私どもは前段が意味がないだけに、現在日本にフアツシヨ政治が行われようとしておるということを、公開の議場において、しかも行政と関係のない議長の名前まで出してこれを述べるに至つては、不謹愼、非常識もはなはだしいと思う。私どもはこの際かかる種類の発言を、われわれがいいかげんに放つて置きますならば、いかにも日本においてフアツシヨ政治が新しく意図せられておるかのことも印象を、世界的に與えることになるのであつて、私どもは久保田君がいかなる根拠に基いて、現内閣がフアツシヨ政治を行おうとしておるのであるか。いかなる具体的事実に基いて幣原議長がフアツシヨ政治を意図されておるのであるか。それを明らかにして、その発言の責任の所在を明確にしなければならぬ。もとより憲法下において、議院内において國会議員の発言の自由は保障されている。しかし自由が保障せられているだけに、私どもはその発言の権威というものをわれわれ自身の手によつて守つて行かなければならぬ。私どもはこの事件は絶対にいいかげんな処置に放置すべきものでないと思う。これはただちに懲罰委員会に回付して、所要の手続をとり、その事犯の審議を進められんことを希望する次第であります。
○松井(政)委員 わが党の久保田君の発言でありますので、議論をするというようなことは、各党に対してまことに申しわけないと思います。しかし一應わが党の久保田君であるがゆえに、言わしていただかなければならぬ問題があると思う。そこで久保田君も御承知の通り取消をしておる。この点についてちよつと事務総長にお伺いしたいのですが、從來の議会において、議員が取消したものに対して、懲罰云々の具体的な事実について伺いたいと思います。
○大池事務總長 今の松井さんのお話について、どの事件という具体的なものを今全部手元に持つておりませんでしたものですから、一應調べていただいたわけですが、発言を不穏当であるということによつて、議長から取消を命ずる、もしくは本人から取消した場合がしばしばありますが、その取消したものについても、取消すということは一般に公表をはばかる意味で取消しているわけでありますが、取消したからというて、懲罰という事実を全然構成しないということには相ならぬという観点から、これが懲罰事犯になつた事例はございます。ごく最近きわめて大きな問題として残つておりますのは、齋藤隆夫さんの演説が、長い問の部分が全部取消をされて、速記録にい載つておりませんが、あれが懲罰に相なつております。それから西尾さんの「西に何々東に何々」と言われた言葉取消されまして、速記録には載つておりませんが、これまた懲罰になつております。
○松井(政)委員 久保田君の問題については、失言であることは本人が取消しておる。わが党も認めておりますので、わが党の出席議員がただちに久保田君について取消を勧めて、取消をさした形であることは、皆さん、御承知の通りであります。さらにその内容にわたつては、今速記録を石田君が読み上げた通りの内容であると思うのですが、この問題を懲罰に取扱うということについては、私は今まで開かれておる國会の、平たく言えばいろいろなやじの中に、あるいは演説の中にも、かなり不穏当と言えば言える事柄があつたことは、各人が承知の事実であると思う。そういうことから考えて、國会の議場内における一切の問題の粛正を各党、各議員がやらなければならない段階は、今日だと私は考えておる。そういう問題を、私はこの懲罰に付することに反対の立場から、第一番に申し上げるのです。こういう問題は懲罰ということよりも、各派各議員が自粛自戒をしなければならぬ問題であるということが第一番の問題である。從つてこういう問題が起きたことを契期に、各派各議員が自粛自戒によつて、こういうことが起らない。國民が見てもきわめてスマートな、民主的な議事の取扱い方を國会がやつておるという形にやつて行きたいことの申合せ程度で、お互いに自粛自戒すべき性質のものだ、これが私の第一の議論であります。 第二の問題については、久保田君は失言をしておりますが、久保田君もとにかく國民の代表者であります。そうして議長から発言を許されて説明をしておる。その内容がいかないからというて、精神病者、氣違いというやじが、二十九回飛んでおると新聞には明瞭に出ております。しからば一人の議員の説明の内容がけしからぬからというて、議場の中において氣違い扱いをし、精神病者扱いをする者を、そのままにして置いていいかということである。だからこういう問題についても当然その対蹠的な問題として、お互いに議員が議場においてきわめて嚴粛に、國民大衆の前に一切の國会運営に対するいろいろな立法、いろいろな政策について討議をするということの態度を改める場合においては、これも対蹠的な問題になると考えている。そういう事柄が第二の問題であります。 さらにまたこういう問題、かりに議院運営委員会の性質から行きまして、しかつめらしい議論をやることはいかぬと思いますけれども、こういうことが懲罰に付され、その懲罰の場合においてはやはり多数決によつてきめて行くということになりますと、言いたくない言葉でありますが、絶対多数によつて失言をしたという事柄をとらえて、ただちに議員を懲罰に付すというような前例が残ることは、こういう内容について前例があるかどうかということは、今事務総長からお伺いしましたけれども、しかしこういう内容であるということはお伺いできなかつた。そういう例がはたしていい例になるか惡例になるかということは、お互いに十分考えなければいけない問題だと思います。こういう問題から考えると、懲罰に付すということは、この問題を取上げた運営委員会で、各派の人々が國会のあり方というものと、議場内における粛正の問題については、十分協議をして、お互いに自戒をすべきことについては私は大賛成であるが、ただちに懲罰ということについては、私はどうも納得しかねる。
○石田(博)委員 第一段に言われた自粛自戒をして、議事の運営を円滑にして行きたいという御趣旨については、異議はありません。これはまつたく別個の問題であつて、これを契機としてそういう申合せをするということについては、少しも異議はありません。第三の久保田君の非常識な発言に対する不規則発言の点でありますが、それは何か具体的証拠でもあつたならば、その具体的証拠を取上げられて、速記録その他のものでも用意せられて、持出されんことを願います。これは別個の議論として承りたいと思う。第三のこういう種類の発言についてということでありますが、前國会の末期に社会革新党の外崎千代吉君が各党、各派に対して同様の発言をせられた。そうしてほとんど各派とも異議なくこれが懲罰委員会にまわされた。そうして陳謝を一度要求せられた。その陳謝を拒絶して、さらに再び陳謝を要求して、遂に陳謝をした。(「しない」と呼ぶ者あり)してもしなくても、他党をゆえなくして誹謗した。事犯の内容はまつたく同じである。從つてこの問題はあまり発展させることなく、久保田君の発言が懲罰に値するかどうか、このことだけに関して、他の事件については別個の議題としてこの議事を進められんことを願います。
○井上(良)委員 私は久保田君の失言については、まつたく本人の行き届かないところと考えておるのですが、ただ問題は、本人が議長に取消しを要求されて取消したというのでなしに、自発的に自分の発言の不穏当なことを自覚をして取消しをしておる。そこで議長は正式に久保田君は取消されましたということを宣言されておる。このことが非常に重要です。議長が院議に対して久保田君は取消されましたということを、はつきり宣言をしておる。このことはもうすでに院議としては、久保田君の不穏当であるということを認め、議長みずからがその不穏当なることを取消されたということを院議に宣言しておる。このことを十分御了承願いたいことと、それから今松井君も申しましたように、議員の言論についていろいろ不穏当なことであり、聞捨てならぬようなことがいろいろ問題になりますから、これは議員全体の発言について十分注意をしなければなりませんが、單にそういうことからいろいろ問題になるというと、たとえば過日総理大臣の施政方針の演説について、わが党の淺沼議員が発言をいたしましたときに、総理大臣の答弁においても、平和会議に関する答弁について、議員が暴言云々という言葉があつて、このことが非常に問題になつたことも事実で、議長みずからが速記録を調べた上で、善処をしますとまで言われておる。その議員の発言に対して、総理大臣みずからが暴言云々を議場で答弁するがごときは、やはり一つの問題になる問題です。しかしわれわれは議長を信頼し、また院内における秩序というものを考えて、あえて大きな問題にせずにいるわけです。そういう点からお考えを願つて、本人が自発的に取消しをした。また議長みずからが取消しを要求した、しかるにこの前の外崎君のように取消しに應じないというのと違つて、すでに取消しをして院議に取消しの宣言をされておる。しかもそのことがはつきり速記録に載つているのですから、その点を御了承願つて、今後本人も十分注意をし、われわれお互いも発言については十分注意するということで、どうかこれは懲罰に付せずということに願いたい。これは各派の皆さんに社会党としてお願いをしておきたいと思います。
○佐々木(秀)委員 松井君並びに井上君から、同僚を思う切々たるお言葉をいただいて、まことに御同情の至りです。しかしこの内容というものは、そのときの発言の状態によつてわれわれは判断するのであつて、さつき石田君が読まれた速記録を見ますと、われわれとしてはこのまま放置することはできない。御本人が議場で自発的に取消しをなされたとか、あるいは改悛の情が非常にあるとかいうことは、懲罰委員会において情状酌量すべき問題であつて、ここで、お互いが討論して、軽いか重いかなどということを論議すべきでない。社会党自体も、あなた方においても不穏当であるということだけは認めたのだから、これはわれわれとしては懲罰委員会にまわすことによつて、その結果はわれわれの関知することではなくて、委員会がやるべきものである。私はそう考えるのです。
○林(百)委員 刑法でも、取消したという場合は情状酌量がある。あの発言で、たとえばフアツシヨとか反動的だということは、これは外國新聞に例がある。共産党でも外國新聞の例を引いたことがある。よそではこういうことを言つている。これは一つの政治的な見解の違いだと思う。これは野党と與党と争うことはあり得ると思う。ただ問題は議長をさしてこれもまたフアシヨの親玉の一人だというようなことは、少し行き過ぎだと思う。その点は取消している。そういうことを言うならば、たとえば共産党のごとき、ある外國の手先だとか、あるいは日本の破壊者だとか、毎日懲罰事態が起きるくらいのものだ。たまたまあなたの方は多数だからこの問題を取上げたが、とにかく取消しているのだから、これは刑法でも、かりに罪があつても事後の処置をちやんとすれば、一度は見のがしてやる。この次にまたやつたらということもあるのだから、そういう意味で、委員会にかけたということになれば、これは一つの懲罰だ。だからこれは取消してもいるし、政治的な見解の差異を述べているのだから、懲罰まで持つて行く必要はないと思う。
○神山茂夫君 さつき事務総長は前例を二つあげたのですが、この前例を認めるか認めないかということで、本國会が前のような帝國議会になるのか、それとも人民が主権者であるということをはつきり表わすことになるのか。この前の西尾君の場合は西にムソリーニあり東にスターリン、これで一本とられた。これは当時の軍國主義の支配していた議会には、あり得ることだと思う。齋藤隆夫君の場合は、ぼくたちは監獄に入つていたからこまかいことを知らぬが、それにしても内容そのものが、軍部のお怒りに触れたということだけははつきりしているのではないか。こういうふうな日本の軍國主義時代の前例を事務総長が持つて來ることそれ自体が、問題だと思う。それは新しい國会になつてからの事例を持つて來たのだつたら、こういう皮肉も言わないが、前の帝國議会のものをそのまま持つて來るということは、問題があると思う。從つて本委員会にこの懲罰事犯をかけることをきめる場合の一つの参考として、こういうものが前提に入つているということは、あまりすつきりしたかつこうではない。だからこの前例の問題は、新しくつくり直すという意味で、文字通り虚心坦懐に審議してもらいたいと思う。
○大石(武)委員 今の神山君のお話ですが、われわれは帝國議会時代の前例によつて、この懲罰を行おうというのでない。われわれはおととい行われた事態そのものを今判断してやろうというのであつて、事務総長が言つたことは、ただ社会党の方からそういう質問があつたから言われたのだ。
○神山茂夫君 あなたのはそれでけつこうだ。私の言つたのはこういう事例があるということを私たちさえも知つておるが、しかしこういうものは惡い例の参考にはなつても、こういうものがあつたからといつて今度の場合に適用する参考としてはまつたく不適当だと思う。
○佐々木(秀)委員 われわれは齋藤隆夫さんなり西尾さんなりの内容について檢討しておるのではない。松井君が言われたのは、議場において一たん取消したものが懲罰にかかつた例があるかということを聞いたのであつて、西尾さんが軍國主義の何と言おうと、あるいは東にスターリン、西に何々と言おうと、そんなことは問題ではない。
○神山茂夫君 だからこそ問題だ。内容に関連しない懲罰ということはあり得ない。今のは手続上の問題として質問したことに事務総長が答えた。それは一應私も了解いたします。しかしそれが今度の問題の場合に、前例とかあるいは参考に供されるようなことには、私たちとしては賛成できない。
○今村(忠)委員 社会党並びに共産党の方から今いろいろお話がありましたが、懲罰委員会において今御説明のあつたようなことは、情状酌量とか、あるいは久保田君の言明が資料となつて結論は出ると思います。運営委員会はぜひともこの際結論を出していただきたいと思います。
○林(百)委員 今村君もよく知つておるように、これが議院運営委員会から懲罰委員会にまわるということが重要な問題だ。それはほとんど半分懲罰になることだ。それはあなたにもわかることだ。今神山君も言うように、これをむり押しして懲罰委員会にまわすということは、必ずしも民自党のためにもならぬと思う。そういう意味でこの懲罰動議が出たことによつて、各党とも將來自粛しようという申合せが運営委員会でできたら、この懲罰の動議が非常に大きな功績になると思う。そういうことにしてここではお互いに各党の意見を話し合つて、考え直す余地があるならば考え直したい。
○石田(博)委員 私の方はむりに押すとか何とかいうのではない。われわれはあたかも日本でフアツシヨ政治を行おうとして意図しているかのごとき言葉を、公開の席上で吐かれることが看過できない。
○井上(良)委員 私はあなた方の主張はもつともだと思いますが、ただ本人が正式に取消しをしておるということを酌量してもらいたい。それからこれが議長宣言にはつきりされておる。さつきも申す通りこの前の吉田総理の答弁においても、当然そういう暴言によつて講和会議の促進はできぬということをはつきり申しておる。これに対して議長は速記録を調べて処置をしますと言いながら、依然として処置がまだ今日講ぜられておらない。そういう議場で大きな問題になつたものが不問に付せられて、ずいぶん日にちがたつておるのに、これが本会議に対して、あれはこうこうでありましたということについて、議長から何らの発言もない。そういうことから考えれば、あなた方は自分の党に属する問題については不問に付して、何らそれを具体的に解決しない。これは議長の責任においてやらなければならぬということになつておる。それがやつてない。さしつかえがあるとか、さしつかえがないとかいうことを言わなければならぬが、言うてない。しかるにあとから起つたこの問題を、いかにも鬼の首をとつたようにして、弱い者をいじめるようなことはしない方がいい。そういうことから考えて、これは本人があやまつているし、議長も失言を取消したということを宣言しておるから、君の方から懲罰動議を運営委員会にかけたということで、本人に対しては十分懲罰の意義があるから、これはぜひ君の方で円満にまとめてもらいたいと思う。
○神山茂夫君 あまり言うと話にかどが立つてはうまくないですが、同じことに関連するので、違つたデーターを一つ出しておきます。議場で議長の宣言する件が問題になつておる。これはまことにもつともで、僕たちは議長を目の前に置いて惡いが、議長には反対の見解を持つても、議長に敬意を表しており、その招宴にまで出ておる。しかし石田君のごときは、竹山君の演説の最中に、おりろおりろと指をさし、議長早くおろしてしまえと言つておる。こういうことを一々ひつぱり出して、石田君は発言の内容について文句を言われるが、私はあの議場の空氣は、お互いが予測したより鋭くなつておる。吉田首相の演説の場合は、僕たちは自粛自戒していたが、民事党がやるから、こつちからも若い諸君がやつたということもある。こういうことも考えて、きようはひとつ、円満に、しかも君たちの希望の通るような形で解決するのが、運営委員会としては最も賢明だと思う。
○林(百)委員 採決ということをせずに、各党の意見を聞いてもらいたい。
○大村委員長 ほかに御発言はありませんか。
○浦口鉄男君 もう一つ考えてもらいたいと思います。
○神山茂夫君 最後に一言、倉石君が党議できめて來たからというが、それは君たち党議できめたら何でも通る。それは僕たちも事実認めておる。しかしここは運営委員会だ。そこで一應あなた方としては被告の立場、あるいは調停者の立場、第三者の意見を聞いて、その上でこういうような空氣だから、あなた方の党議をどうしよう、こうしようということで、一日くらい公平な立場で考えてもらつたらどうでしよう。
○倉石委員 議長をさして言わなければ何とかしようと思うが、議長はよけいなことだ。議長に言われて、何を言つてやがるのだといつてやつたので、土井直作君が飛んで來てむりに押えてなかなかやつた。改悛の情さらになしだ。
○佐々木(秀)委員 これはできたら皆さんの意見を聞いて、われわれはきめたいと思います。社会党、共産党の方方のは、先ほどから何回も繰返して聞いておりますから、大体あなた方の御意思はわかりました。それで各党の意見も一應聞かしていただきたい。
○大村委員長 民主党の第十の方はいかがですか。
○坪川委員 もちろん私の方は提案者の一人に入つておりますから、賛成であります。懲罰委員に付さなければならぬと思いますが、社会党の方のいろいろの御意見もありますし、共産党の意見もあります。態度の決定しておらない党もあるし、一日延ばしたらどうです。
○浦口鉄男君 社会党の方でもあとの方の御意見では、議長をさされたということで、その点では社会党の方も共産党の方もお認めのようでありますが、それだけに惡かつたというお話のようでありますので、今の議場の空氣から、今後の問題もありますので、なるべくならばそういう正式な意味でなしに、別な意味で陳謝の意を表してもらうというようなことで、今後のために穏便にはかつていただいた方がよろしいのでないかと思います。
○中村寅太君 ぼくは議員の発言に対しては、発言者が責任を持たなければならぬという考えから、これは懲罰に付する價値があると考えております。しかしながら久保田氏も取消されましたし、今後各党とも議員の発言には責任を持つてやるという行き方を申合せ、今度の場合は一應猶予するという態度を、民自党にお願いしたいと思います。そのかわりに今後は各党とも発言者も十分注意するという行き方を、強く確認をしていただきたいと思います。
○坪川委員 今中村君のおつしやつたように、今の動議を本日態度を決定するのはいかぬと思います。もう一度愼重な態度で考慮すべきものであると思います。
○石田(博)委員 わが党としてはいろいろな御議論もありましたけれども、この発言の内容についてはどうしても看過できないと考えます。しかし今坪川君からせつかくの御調停の御意見もあり、浦口君からもそういう御意見もありましたので、決定はいま一日延期するということには同意いたしたいと思います。ただ先ほど事務総長からこういう取消しをした場合の前例として、齋藤隆夫君、西尾末廣君の場合をあげておられましたけれども、私の記憶に誤りなければ、前國会における外崎君の発言の場合は、議長の注意によつて取消しておるように記憶しております。それをなお速記録、その他で調べた上で議論をしておると思います。いま一日延ばすことには同意いたします。
○大池事務總長 その点について先ほど従來の前例というところで、齋藤さん、西尾さんの例をあげましたが、これは私よく調査した上で御答弁をしたいと思つて申し上げたのでありましたが、よく調べさせましたところ、齋藤さんの分は、取消しにまで行かないうちに、禁止事項に該当するということで削除になつて、齋藤さん自身からは取消していないそうでございますから、御訂正方をお願いしたいと思います。ただいまの石田さんのお話の外崎さんの分は、確かに私もそう了承しております。議長が不穏当な言葉を取消すかということで、はつきり取消しております。
○大村委員長 それではこの問題は次回の運営委員会まで決定を延期することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 それではそのように決します。 本日の運営委員会はこれで散会いたします。 午後零時四十三分散会