観光事業振興方策樹立特別委員会 第2号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/05/14
会議録
○栗山委員長 これより会議を開きます。 最初に理事の増員の件について御承認を得ますが、運営委員会において、各委員会の理事を二名増加することに決定を見たのでありまして、二名の増加の互選の方法はにいかがいたしたものでありましようか。
○今村(忠)委員 委員長に一任いたしたいと思います。
○栗山委員長 今村委員の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 それでは委員長から指名をいたします。 今村忠助君、飯山義茂君以上の両君に理事として御就任願います。 次に本月十一日に開きました理事会における申合せ事項を御報告して御承認を得たく存じます。 その際本委員会の方針及び方法について御協力があつたのでございますが、方針といたしましては、この委員会は國際的観光客を主たる対象とする、もちろん在外同胞を含めるのでございまして、かようなところに重点を置く。第二点といたしましては、全國的な観点に立つて調査、立案をする。一地区に特に膠着するという行き方をしない。第三点といたしましては、観光事業構成の基礎的共通事項がございますから、それを調査、企画して、各観光地帯におきましては、それをおのおの組合せてもらつて、観光事業の具体化をはかるように進めたいというのが大体の方針でございます。方法につきましては、調査項目を理事会において作成をいたしまして、それを各位に配付し、その項目に從つて審議を進めて行くとい方法をとりたいという理事の御意向でありました。さような方針及び方法について御承認がいただけますかどうか、お諮りいたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議なしと認めまして、理事会の申し合せましたことを本委員会の正式の決定としておきめを願います。 基礎的共通事項、これにつきましてはさらに整理をいたしまして、さつそくお手元にお届け申しますが、参考のために今まで拾い上げられておるものを御披露いたします。 観光事業構成の基礎的共通事項 第一、交通機関の整備改善、この中には鉄道車両の新設改善、道路並びに道路附帯設備の整備、乗用車の整備、交通機関從業員の接遇改善等が含まれることになるのあります。 第二、ホテルの改善整備、この中にはむろん観光客の食事のことも入つて参ります。内容をなすものとしては、ホテルの新設改善、日本旅館の改造、ホテルの新設改善の資金のことであります。資金の点では今では融資順位がホテルに対するものには低くなつておりますが、これをこの重要性にかんがみて、引き上げるという法的措置を本委会で講じていただくようになるのであろうと思つております。ホテル事業の改善と、ホテル法規の整備、ホテルに対する法規は整備されておらないのが現朕であります。この整備につきましては、これから立案その実施を見るようにお運びいただくことになろうと存じます。 第三、國際観光客の誘致でございますから、連絡あつせん等の機関方法について十分なる具体化を見なければならぬのであります。それにつきましては内外の船会社、外國の飛行機会社との連絡、また旅行機関あつせんの充実改善等が細目としてあがつて來るわけでございます。 第四は海外宣傳の方法、海外宣傳方策の確立と申すことになりましよう。宣傳機関の問題、宣傳目的物、手段方法、宣傳の時期をどうするかというようなことがその内容をなすと存じます。第五点は観光みやげの改善、みやげ物の改善指導、これは各地によつて違いましようが、共通事項があれば本委員会に取上げて、いち早くこれをまず具体化する。 第六、外客接遇の改善、これは接遇職員の養成指導、通訳というようなこと、案内員というようなことも入つて参りましよう。 第七は観光観念の普及、内容をなすものとしましては外客誘致事業の新意義をまず國民の中に普及徹底するということ、それから外客に対する檢査や取締り等で、今いろいろ先方がきらうような制限や取締りがありますので、これに対してどこまで緩和し改善したらよろしいかというようなことが対象になると思います。それから國民の風俗の純化、風俗が乱雜でありますと、外客誘致にはまずこちらの條件が適しないことになりますので、今行われております各地の緑地化というようなこともその中に入つて参ることであろうと存じます。 第八点は観光地の設備改善の点でありますが、この点からぼつぼつ具体的事項に、また各地の立地事項に入つて來ると思うのでありますが、その内容をなすものは國立公園内の諸施設の整備、史跡、名勝、記念物の保存保護、博物館、美術館等の問題、それから休養とか慰安、娯楽、運動の設備、衛生施設ということが内容をなすと思います。 第九項は民間の観光機関がすでにございますから、それらの機関との連絡協調をどうするかという点でございますが、いずれさらに整備いたしまして、委員各位のお手元に配付いたしまして、それを調査の要項としていただこうということが理事会の申合せでございます。かような各基礎的共通事項にわたりましても実施の難易がありますし、軽重がありますし、今時宜に適しているかどうかというような問題もあるし、季節等のこともありますので、それらの点はよく考慮して、取上げるべきものはまず重点的に取上げるという臨機の処置を委員会はおとりくださることと理事会の方では考えております。 次にお諮りを申し上げてて御承認を得たい件は、本委員会の重要性にかんがみ、また会期も切迫しておりますので、当然閉会中も継続してこの委員会の審議を進めることと理事会の方では考えたのでございますが、休会中継続審議の件についてお諮りいたします。いかがなものでございましようか。
○今村(忠)委員 これは重大な事業となろうといたしておるのでありますから、ぜひとも休会中も審議続行できるよう手続していただきたいと思います。
○栗山委員長 休会中の続行審議に関し、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議ございませんければその通りに決しまして、手続を委員長において運ばしていただきます。 次にただいま休会中の審議続行について御決議になりましたが、休会中の運営につきましては小委員会を設けて、この小委員会において資料を收集し、適当な時期に委員会を開くことといたしたく存じますが、この件についてはいかがでございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 御異議なしと認めまして、それでは小委員の方の選任につきましてはいかなる方法をとつたらよろしゆうございましようか。
○今村(忠)委員 人選は委員長が理事と相談しておきめいただくことと思いますが、居住地その他事業等の御都合もあろうと思いますから、あらかじめ休会中さような仕事に携わられるような事情にある人をつとめて小委員に御指名いただきたいという附帯條件ををつけて委員長並びに理事に御一任いたしたいと思います。
○栗山委員長 ただいまの今村委員の動議に御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 それではそのように運ばせていただきます。理事会ににおいても御協議を煩わしたのでありますが、ただいま考えられておる案といたしましては、先ほどの増員によつて理事の方が十名になられましたので、委員長を加えて十一名の方を小委員にお願い申したならば、地理的の関係もございましようけれども、過半数の方の御会合が可能ではないかということで、一應の腹案ではございますが、あとで変更をいたすといたしましても、この際十名の理事の方に委員長を加えた者をもつて観光事業調査小委員会を設けることを御承認願いたく存じます。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 それではこれも理事会の申合せ事項でございますが、まず今まで観光事業に関係しておられました官の方の立場から観光事業目前の問題となつておる事柄についてお話を聞こうということでございまして、幸い運輸省の業務局長をしておられる薮谷政府委員が御出席であり、運輸省観光課長をしておられる間嶋氏が説明員としてこの委員会に御出席でありますから、両氏の観光事業に関するお話を承りたく存じます。
○今村(忠)委員 ちよつとお話願うことについてあらかじめ希望を申し上げておきたいのでありますが、まず最初に総論的に、各論へ入らぬように、大ざつぱな各方面にわたつて一瞥したようなものをちよつと御説明いただきたいと思います。
○栗山委員長 ただいま今村委員からのご希望がございましたが、その希望を加味せられまして、政府委員から御報告なり説明なりを煩わしたく存じます。
○薮谷政府委員 御指名によりまして観光事業の経緯、現状について概略御説明申し上げます。 まずわが國において観光事業が本格的活動を始めましたのは昭和五年の四月、当時の鉄道省の外局として設置されました國際観光局が出現して以來のことで、同局が昭和十七年十一月戰爭の苛烈化に伴いまして廃止されるまで、十数年の長きにわたつて本邦唯一の中央観光行政機関として、対外宣傳の実施機関たる國際観光協会及び内外客のあつせん機関である日本旅行協会を両翼として、対外観光宣傳の実施を初め、ホテルその他の観光施設の整備、外客接遇の充実に努めるとともに、國内観光事業についてその育成、指導にあとう限りの努力を拂つて参つたのであります。昭和十一年には來訪外客数は約四万二千、その消費額は当時一億七百万円に上つております。当時の船舶收入としましては約二億でありますから、同年度における主要検出品に比較しても、生糸、人絹、織物等に次いで第四位を占めております点から見ましても、貿易外收入の重要な一項目であるということにおわかりのことと存ずるのであります。戰爭勃発後もあらゆる方途を講じて観光事業の健全なる発達に努力を傾注して参りましたが、戰爭の熾烈化に伴いまして、遂に本事業中止のやむなきに至つたのであります。 次に戰後における観光事業の現状につきまして申し上げますと、戰爭終熄後幾ばくもなくして日本の経済的、文化的再建のために、観光事業の振興をいち早く取上げまして、官民の鬱蒼たる声に答えて戰後わずかに半歳にして、戰時中休止の状態にありました地方観光機関が自治的にかつ民主的な形体をとりまして、復活または新設されまた地方観光事業会社も各地に出現して参りました。特に戰災をこうむつた都市を中心とした地方は、その復興計画の一翼として観光事業を大きく取上げるに至つたのであります。かようにして地方機関の大同團結の声が盛んになりまして、昭和二十一年の六月には全日本観光連盟が誕生いたしました。これと相呼願いたしまして旅行あつせん機関として、また外客誘致宣傳機関として、多年経驗を有しております日本交通公社も、連合軍の俘虜の帰還輸送ないし中國朝鮮人等の送還輸送のあつせんにまた進駐軍將兵及びその家族の國内旅行の案内、あつせん等に活溌な活動を展開するに至つたのであります。かかる民間機関の活動にかんがみまして、かつは関係方面からの要望もあり、運輸省鉄道総局内に観光課を復活せしめまして、昭和五年の四月國際観光局を創設して以來多年つちかつて参りました知識と経驗を再びここに生かしまして、観光事業に対する基礎的な調査研究に、また進駐軍將兵及びその家族に対する接遇宣傳に、またさらに戰時中罹災並びに荒廃したホテルその他の観光施設の復旧整備に、あらゆる努力を傾けて参つたのであります。また昭和二十二年の十月には同じく運輸省海運総局内に観光班が、次いでまた二十三年三月には主要海運業者及びその関係團体を打つて一丸とした海上観光協会が新たに結成されまして、全日本観光連盟の傘下に入りまして、海上観光の新分野の開拓に乗り出すことになつたのであります。なお戰後の必然的現象として、ホテルその他の観光施設が焦眉の急務として要求されるに至りました結果、道路並びに國道、都市及び地方計画行政を所掌する建設省、第二には國立公園行政を所掌する厚生省、國宝、史跡、名勝、天然記念物等の保存行政を所掌する文部省等も観光事業の復興上大きな役割を果すことになりまして、これが延いて各省間の観光行政の調整を必要とするに至つたのであります。この要望に答えまして昭和二十二年七月に内閣に内閣総理大臣の諮問機関として観光事業議会が創設されたのであります。同審議会は今日までの観光施設整備五箇年計画、観光行政機構の整備案、資金資材対策、國宝、天然記念物等の保存対策等を審議策定いたしまして、これを政府に建議いたしておるのであります。政府はこの建議の趣旨に即應して、これをできるだけ行政施設の中に取入れて実施計画を立てております。しかしながら國家財政の窮乏のために、これらの計画ないし対策を十分予算に反映することは、非常に困難な情勢にあることを遺憾とするものであります。 次に、しからば現在の外客の入國状態はどうであるかという点でございますが、お手元に配つてあります観光統計というがり版があります。それをお開き願いたいと思います。それのまず第一ページに外客の入國現状が書いてありますが、まず外客の第一位としましては例の貿易業者の入國であります。昭和二十二年の八月に貿易再開につて入國を許可された者であります。その滞在日数は六十日となつておりますが、さらに延長することができるのであります。 第二に観光船の客でありますが、その内訳といたしまして一時上陸の観光客、すなわち外國観光船の本邦寄港に際して一時的に上陸して一日間の観光旅行するものであります。昭和二十二年の十二月以來許可されまして、寄港地である横浜から京浜、日光あるいは神戸ならば京阪神地方を中心として観光旅行をするのであります。その第二といたしましては、通過観光客と申しますか、外國観光船が横浜ないし神戸寄港に際しまして、両港相互間の車中一泊二日ないし二泊三日の予定でオーバーランドする客であります。鉄道で神戸、横浜間を途中観光しながら見物する客でありまして、これは昭和二十三年の八月以來許可されたものでございます、第三は一般観光客でありまして、主として空路を利用して参ります。ただいまはアメリカからの経路を申しますと、北はノース・ウェストのライン、アラスカ経由で参るもの、それから南は汎アメリカのラインでハワイを経由して参るものであります。その他中國から上海を中心にして参る、あるいは英國から香港を経由して参るといつたような空路の客があるのであります。これは昭和二十三年七月にこの旅行が許可されまして、本邦滞在期間は最初は七日でありましたが、本年の一月以來二十五日まで延期されて、現在では七日と十四日の二種類が一番多く実施されているのであります。 その次にやはり観光客の一種として数うべきものは、國籍在米の日本人で、御承知のようにアメリカ、南米等に約五十万人の同胞を持ちますが、これら同胞が祖國のかわつた姿を見たい。こういう熱が非常に熾烈でありまして、本年度その許可をとるべく努力しておりましたところ、二十四年二月以來入國を許可されてハワイからその先がけとしてもう数十名参りつつあります。そり滞在機関は六十日以内でございます。そのほかに御報告申し上げる外國人の入國は、例のサビエル來朝四百年余の参加、その他でありまして、同祭の参加はアメリカはもちろんのこと、欧洲及び遠く濠洲方面をも含めまして約百数十名と予定されております。そこで二十三年度に入國いたしました外客数及びその日本に落とした金の推定額は幾らであるかということでありますが、大体最初は二十三年度の計画としましては一万人と予想されましたが、去年の夏のアメリカ人の船員のリスト等のために、観光船の入國が取消しになつたものがありましたので、六千三百名にとどまつたのであります、その消費額は推定いたしまして大体三百四十四万ドル、一ドル三百三十円に換算いたしまして大体十一億円程度のものであります。 次に本年度における外客の入國数の予想及びその消費額の予想でありますが、今申しましたように年々非常にふえて参ります外客の趨勢にありますので、本年度は大体一万八千人程度が來るものと予想されるのでありまして、その消費額も約三十億円程度の收入が予想されるのであります。まつたく見えざる貿易として非常に有力な事業であります。御承知のように前大戰の後はスイスを中心としまして、その他の二貿易外收支として有力なドルその他の外貨をかち得たのであります。今大戰後もあの英國でさえ本事業を大きく取上げまして、目下欧洲各國はアメリカの観光客を誘致すべく非常な國家的努カを拂つております。そのような点におきまして日本としても非常に有望な事業でありまして、本特別委員会の設もまさに時を得た非常に有意義な点と私も感ずるのであります。今後いろいろ御指導にあずかりたいと思つておりますが、なお二、三こまかい概要だけを申し上げますと、この観光事業に対する受入れ態勢はどうかということについて簡單に申し上げます。 まず受入れ態勢の唯一最大のものは宿泊設備の整備であります。日本におきまして戰前はホテル数が百十二ありました。大体九千名程度の收容能力がありましたものが、終戰後は七十二に減りまして大体六千七百名程度の收容力しかなかつたりであります。現在におきましてはホテルの数は九十四となりまして八千人ばかりの收容能力を持つております。しかしながら御承知ように進駐軍の接收ホテルが非常に多く、進駐軍以外の日本の力によつて経営し得るものは、その中で貿易廳のホテルが七、自由営業のホテルが十八、わずか二十五であります。收容人員は大体千五百人程度のものにすぎないのでありまして、今後まず外客を誘致するにはホテルの整備ということにもちろんでありまして、本年度のホテル計画としましては、まずこのホテル整備十箇年計画、百三十五のホテル、一万六千人ばかりの收容能力を持つたものの計画に対應しまして、本年度は神戸その他十箇所ばかりをこれによつて指定したのでありますが、予算の圧縮に伴いましてまつたく予算には見積られなかつたことは、非常に遺憾でありまして、現在におきましてはまず國内の問題としては、民間の資金をもつてこれに充て、実現を期するよりほかはないという、情勢でありましたが、最近御承知のように米國から援助資金が参りましたので、こり十箇所ばかりのホテルをなお四箇所ばかりに圧縮いたしまして、とりあえず援助資金のわくの中から二億五千万円程度をもつてホテルの建設に充てるということを経済安定本部を中心にしまして協議して計画を立てたのであります。イタリア等の例を見ましても、またフランス、オーストリア、ノルウエー等の米國の援助資金を観光事業に充てておる例から見ましても、もう少し多くこれらのホテルその他の観光施設に援助資金の利用を考えて行くべきではないかとわれわれは思つておるのであります。 次にそれでは車はどうかという問題でありますが、まず鉄道の車両は戰前は大体優等車というものは全客一万何千両のうちで一割の千百五十両ばかりあつたのであります。戰後は御承知のように戰災を受けて残つたところの優等車はわずかに百両ばかりありましたが、これらにすべて進駐軍の使用となつたのでありますかが、昨年度になりまして観光事業の重要性にかんがみて、一等寝台率を二十一両新造いたしまして、外國人及び日本人の旅行に充てることにいたしたのであります。二十四年度はさらに十二両の一等寝台車をつくる予定になつております。展望車、食堂車等も目下改造計画中で、できれば二等寝台車も考えたいと思つておりますが、現在ではとりあえず進駐軍から二等車十数両の返還を願いまして、ローカル線あるいは一世、二世の日本帰還旅行といつたものに充てる予定になつております。自動車は御承知の通りこれも非常に整備すべきものでありしまして、ことに日本の現状から申しまして、優等車はなかなかむずかしいのでありますが、何とかしてアメリカその他の自動車の先進國から輸入した乗用車三百台程度を得たい。なおバスは百五十台程度整備すべきであるという観光審議会の建議にもかんがみまして、目下努力中でございます。 次に宣傳の現状について最後に簡單に申し述べますと、何分占領下にありまして、戰前のごとく自由には宣傳をいたしかねますし、またそこには困難もありますが、現在におきましては國内では連合軍將兵とその家族に対して行い、貿易業者、入國者を通じてこれを行つてその接遇に遺憾なきを期するとともに、先ほど申し上げました日本に寄港する汽船会社あるいは航空会社等の團体を通じまして、これと提携して対外宣傳の浸透をはかりつつありますような状態であります。なお今議会に御審議を願つております通訳案内業法とか、あるいはホテル業法とかいろいろ観光関係の法規の不備がわが國の観光事業の発達を阻害しておりますので、今後これらの法令の整備にも力を入れて行きたいと存ずる次第であります。 以上はなはだ簡單でございますが大要の御説明を申し上げました。
○今村(忠)委員 ちよつと委員長にお尋ねします。ここには専門調査員というものは設けられるのですか。
○栗山委員長 今、今村委員があげられました点につきまして、観光課及び全國観光連盟に交渉して、その道になれた方にお手傳いを願いたいという便法を講じておりますが、御質問の専門員を設けられるかどうかという点につきましては、院内の手続き上は設けられないことになつておるそうであります。從つてさような便法をもつてなれた方にお手傳いを願う、その下ごしらえはできておりますし、今日あたりはそのお手傳いくださる方がきまると思います。
○今村(忠)委員 そうすればその方にお願いする方がいいか、あるいはすでに運輸省の方でその事務に当つておる人にお願いしておいた方がいいかと思いますが、今薮谷局長からの御説明によつてよくわかりましたが、われわれこの事業に携りますと、さしあたり今年これに関連する官廳並びにこれに從事しておる官吏の人たちの住所、氏名がぜひ必要だと思います。それで先ほど戰前から終戰後におきまする事業の概要の御報告をいただきましたが、それらの概括したものと、今申しました官廳並びに関連團体の所在地、その担当者、要すれば電話の番号も加えて便覧とでも申しますか、一覧表のようなものを至急用意していただきたいと思います。
○栗山委員長 今村委員の御発言通りとりはからいたいと思います。
○砂間委員 今の薮谷政府委員の御説明に対して御質問したいのですが、外客の入國状況についてであります。外客の國籍はどういうふうなことになつておるか。現在まだ國際関係が正常に復帰していないのでいろいろ制限があると思います。たとえば中國人とか、イギリス人とか、フランス人とか、ソビエト人とかいうものは現在は全然日本へ観光に來たくも來られないような状態になつておるのか、あるいは緩和される見込みがあるのか、その辺のことをお伺いしてみたいと思います。
○薮谷政府委員 詳細は書面で御報告いたしたいと思いますが、戰前は御承知のようにやはり数かも申しますと、中國を初めとして東洋人が一番多うございました。そのほかの外人としましてはやはりアメリカ人が一番多く、欧洲各國人がその次で、戰後は占領治下の事情から言いまして、アメリカ人がほとんど大部分でありまして、そのほかに中國その他から若干参つております。そういうような状態でございます。詳しい数字は後刻皆様お配り申し上げようと思つております。
○栗山委員長 連合國人ならばだれでも來られるのですか。
○薮谷政府委員 だれでも來られます。
○畠山(鶴)委員 私はあとから参りましてはなはだ申訳ございませんが、ただいま政府委員より過去の事業の経過についていろいろお伺いをいたしまして、私はたいへん喜びにたえないのであります。ここにいろいろな書類がとりそろえられておりまして、これを見ますと、ここに國際観光協会連盟というようなもの――言うまでもなくこれは運輸省がたいへんおきも入りで観光局ができた当時にできた温泉協会とか、あるいはいろいろな地方の会がありましたが、今日時勢がかわつて、こここを見ますといろいろな部門で観光に関する政策が随伴されているようでありまして、私どもたいへんけつこうなことだと思います。今局長さんからお話のうちにも、この観光事業については申すまでもなく運輸省が長い体驗と長い努力を携われて、今日まで進んで來られたことは私は常に感謝しておりますが、ただここに欠陥といたしますことは、お客を乗せることは運輸省でやるが、家を建てることは建設省でやるという状態である。また國立公園あたりの関係から見ますと厚生省というふうに、別個のところになつていたために思うように仕事ができなかつたということが、この観光事業を遅らせた大きな原因であることは確かであります。そこで私はこのたび観光特別委員会がここへでき、また一昨日は二百名になんなんとする観光議員連盟が結成されまして、いよいよここに観光事業の目的を達成するときが來たのでありまして、達成いたさなければならないのであります。先ほど今村委員からもお話のあつたように、まずこの委員としてどこを主眼として仕事をするかということが一番大きな問題である。同時に予算面から、その方法についてこの委員会が根本をきめない以上はこの推進ができないということははつきりしたことでありまして、私どもはこの点を憂慮いたしますので、この観光特別委員会がもちろん基本をつくつていただかねばなりません。同時にこれに付隨した観光議員連盟、またはその他の組合連盟、あるいは協会等の連絡を密にしてやるのでありますが、ここに一番重大なさしあたつての問題は、言うまでもなく予算というものがないことと、観光事業には羅針盤がない、要するに方向が定まつていないといことに大きな欠陥がありますので、本日この出発に際しまして、在來の関係各省の一層の御理解と御協力をいただき、またその方法については関係各省の連絡会議みたいなものをしばしばつくつて各省の御意見を拝聴し、この委員会はそれをまとめて実際にこれから運営する観光事業を檢討いたしまて、この目的を果していただきたいと思います。ここにも内閣にできております観光審議会の要綱なんかもありますが、これらの機関がどういう方法をとつたらよいかということは、すでにもう観光を口にする方々におきましては、言い盡してあることと思いますから、まずこれらも必要でありますが、実行という面におきまして、どうか皆さんも一段と御協力を願つて、この目的を達成するようにぜひとも私はお願いいたしたいために一言申し上げる次第でありますから、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
○薮谷政府委員 畠山さんの御意見は一々ごもつともに伺いました。各省における観光事業の分担、及び将來これらの統合機関をつくつたらどうか、こういう意見と両方あるのでありますが、現在のところでは先ほど私からも御説明申し上げましたし、畠山さんのお言葉の中にもありましたように、内閣にとりあえず観光行政の調整を行うために、観光事業審議会というものが設置されておりますが、それで基本方針をきめまして、各省がその分担する所掌事項に應じて観光事業の発達をはかつて行くわけであります。從つて現在のところではなわ張りとか、あるいはお互いに牽制するようなことはほとんどありませんが、積極的に一丸となつてやるという点につきましては、今後なお改善の余地があろうかと思います。そこでそれならばいつそ観光廳とかそういつたものを設けるという議論もあるのでありますが、たとえば道路にしましても、観光専用道路もありますが、多くは一般の道路と兼用のものが多い、そういう意味におきまして、切り離すことはなかなか困難である。國立公園にしましても、外客ばかりでなくて、國内の観光害も対象にする、こういつたことで運輸省は御承知のようにほかの輸送とは関連しておりますけれども、一應優先的に從來からも努力しておりますし、今後とも現在の観光課を運輸省の観光部に昇格しまして、内容を充実してこれらの事業を強力に推進して行きたいと思つております。いかなる制度でも欠点がございますし、この重大な事業を発達せしめるのには、官だけではもちろんいけなないので、民の事業、ことにこれらを総合して、この國会の中に設けられました本特別委員会が、今後とも非常に御鞭撻推進くださる有力な機関として活動くださいますことを、われわれとしても非常に希望しておる次第であります。
○栗山委員長 お諮りいたします。他に緊急な法案を控えた委員会で、速記をぜひ必要とするところがございまして、今申込みがありましたので、これで本委員会は一應閉じまして、あとは御懇談を願おうと存じますが、御了承願いたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 それでは本委員会はこれで散会いまします。 午前十一時四十八分散会