外務委員会 第11号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/05/21
会議録
○岡崎委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。去る十三日議院運営委員会におきまして、本委員会に理事を二名増加することに決しましたので、これより理事の互選を行いたいと思いますが、委員長より指名することに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。それでは 菊池 義郎君 木村 俊夫君 を理事に指名いたします。(拍手) 次に栗山長次郎君より理事辞任の申出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
○岡崎委員長 御異議がなければ、これより栗山君の補欠として、理事の互選を行わなければなりませんが、これも委員長より指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。それでは 佐々木 盛雄君 を理事に指名いたします。(拍手) —————————————
○岡崎委員長 次に請願の審査を行います。講和会議開催促進等に関する請願、文書表第一六二一号を議題といたします。まず紹介議員野坂參三君の説明を聽取いたします。
○村瀬説明員 紹介議員が出席しておられませんので、かわつて内容を御報告申し上げます。結論だけを申し上げます。 大正九年の財界好況時代においては年産額二百万円を突破し、同十五年の不況時代でさえも百五十万円の巨額を産するような発達の道をたどり、全國にその地歩を固めたのであるが、敗戰後の経済組織の破壞により、熊野製筆業者は大打撃をこうむつたのであるが、しかし現在なお全國生産の八割を越えており、ことに戰時中までは対華貿易においてわが國の原材料の輸入、製品の輸出の全額を税野町が占め、中日親善の一翼をになつていたものである。今次戰爭末期より華北、華中よりの原毛及び竹軸の輸入が閉ざされ、加うるに経済界に混乱と惡性インフレのため、由緒ある民族産業が壞滅の危機に迫り、熊野町の総戸数二千二百余中、家業に副業にほとんど関係を持たないものはない郷土の存亡の問題となつている。幸いに今や中華の地に國共和平し、中國共産党指導下の民主連合政権成らんとするとき、傳えらるる中日貿易の難関に対し、われわれ熊野町民は、ポツダム宣言による講和会議の即時開催と、対華貿易の促進並びに政府の御理解と御協力を請願するものである。よつて中華民國に産する山羊毛、狐毛、馬(「けものへんに同」)毛、鼬毛、山猫毛、リス毛等も輸入し、これを原料とし、毛筆、ブラシ、画筆等に製造加工し、製品は需要地中華民國に再輸出するとともに國内消費に充当せんとする計画である。
○岡崎委員長 お諮りいたします。本請願は講和会議促進となつておりますが、その実体は、むしろ筆の毛を輸入することによつて貿易を促進したいという趣旨のようであります。從いましてこの趣旨とするところが、はたして本外務委員会の主掌する問題であるか、あるいは商工委員会もしくは経済安定委員会の主たる問題であるか、いささか疑問の点があるようであります。從いまして紹介議員の意向をとくと聞きました上で、その点を研究して、しかるべく委員会においてさらに考究したい、こう考えるのでありますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡崎委員長 しからば本請願は、さらに研究することといたします。 —————————————
○岡崎委員長 次に並木委員より、引揚げ問題、輸出振興のための外貨報奬制度、賠償問題等につきまして質問があります。これを許します。
○並木委員 私は國会が閉会まぎわになりましたので、最後の締めくくりとして、皆いらだつておる引揚げ促進の問題がどうなつておるかということをお聞きしようと思つて質問書を出しておつたのでございます。ところがそれと間髪を入れず、昨日あの報道が傳えられまして、それがさらに本日の新聞紙上等には詳しく載つておりますが、この点について私たちとしては、予期に反した数字を示されたわけであります。そこで見通しをお聞きするつもりでございましたけれども、けさは緊急にこういう結果が報ぜられた、それについて今まで政府として種々調べたその数字との間にかなりの開きがある、こういうものに対する政府としての調査の結果を御回答願いたいのであります。
○倭島政府委員 きのう外電で傳えられましたソ連からの発表というのは、政府といたしましては、われわれといたしましても新聞で承知している以外に何ら正式の報道はございません。けさ十時半、最後にこちらに來る前に一應さらに司令部の係の方と話をし、連絡をしたのでありますが、そのときまでまだ発表すべき何ものもないということでございました。この数字の問題につきましては、政府といたしましては、從來司令部から発表しておる数字以外には申し上げる何ら材料を現在持ちませんので、その從來発表せられております数字と、外電で傳えられました数字との関係については、正式の発表もございませんし、まだ研究について申し上げるまでの段階に至つておらない状況であります。
○並木委員 今までこの委員会でも発表になつた数字の中には、残留のうちに死亡をされたと推定する数字も入つておると思うのですが、そういうものの数字を、各方面からの調査の結果、どのくらい政府当局としては踏んでおられるか。これはこの際、今度の数字の開きのある事をわれわれが考慮する場合において非常に参考になると思いますので、お知らせ願いたいと思います。
○岡崎委員長 この問題はいろいろ発表以外の点にも触れまして、多少デリケートな関係もありますので、一時速記をとめることにいたします。列席の記者諸君の方も、これから管理局長の説明するところは、どうぞ発表なさらないようにお願いいたします。 〔速記中止〕
○岡崎委員長 速記を始めてください。
○並木委員 どうもありがとうございました。今までの段階における調査としてはむりもないと思います。私たちといたしましては、もつと詳しく知りたいこともありますけれども、この点は國民があの情報を聞いて非常な失望と疑惑とを向けておる点が多いと思うので、今後の政府の努力ということは非常に重大であろうと思います。そういう点をさらに確かめて、一人でも余計に引揚げができるように、政府の努力を要望するわけであります。 それと同時に委員長にお願いしますが、今御報告された程度は、別に私は祕密なことでもないと思うのです。倭島さんがおつしやられたようなことは、國民がやはり疑問としておる点を示されたものであつて、私も聞いておつて、なるほど大ざつぱにこれだけ違うというものを、少くとも今のように分析していただくと、また何だか余地が残る、望みが残る。一種の悲観的安堵感というものを與えるのです。ですから新聞でも発表にならないようにと言われましたけれども、今の程度のものは私は何でもないと思いますから、その点はむしろ発表された方がいいと思う。そうお願いいたします。 ほかに関連質問があるそうですから、それが済んでから私は次の質問に移ります。
○山本(利)委員 このソ連に残留している者の数ということについては、実際におる数と、この前発表された数とに食い違いがある場合には、あとで非常に問題が残るからという意味の発言をかつての委員会で私はしたと思うのでありますが、とにかく今度は昨日のような発表になつたのでありまして、それに関連して今並木委員の質問となり、お答えがありましたが、これもどうもほんとうの想像でありますので、並木委員と意見が違うようですが、あまり急いで発表すると、疑惑にさらに疑惑を生むのではないかというふうにも私は考える。それでかの地における死亡者数がいくらであるか、それからあの発表数の中には一般人というものが入つておるのかいないのか、それから現地で釈放された者はその後どうなつたのか、日本へ帰つたのか、現地に釈放されてそのままおるのかということを、できるだけ早く確かめていただきたいのですが、それを確かめるについては、外務当局においてはどういう方法があると思われるか、その点ちよつと質問したいと思います。
○倭島政府委員 並木委員の御意見なり、今の山本委員の御意見がございましたが、実は今承知したのでございますが、きよう午後一時ごろに、ソ連の大使館から、引揚げ問題についての発表があるということでございますので、おそらく正式な通知があり、それで御疑問の点とか、諸般の事情が相当はつきりするだろうと思いますので、それによつて御承知願う、またそれを待ちたいと、こう思います。 それからなお今の山本委員の、今後の調査方法でございますが、これは結局先ほどもちよつと申し上げましたか、今シベリアに在留しておる同胞の死亡その他健康状態、その他留守宅家族に知らせて参考となるべき事項について報告をするようにということが、司令部から要求せられております。今度のソ連からの回答が、それにぴつたり合うものかどうか、それはまだわかりませんけれども、回答があつたなりば、相当はつきりするだろうと思います。日本政府といたしましては、現在の状況におきましては、先ほど申されましたような諸般の事情を調査するというのは、司令部にお願いして、できるだけの手段を盡していただくというよりほかにない次第でありまして、今後もそういう方向で努力したいと思います。
○岡崎委員長 なお一言お断りいたしておきます。今並木委員の御意見がありましたが、先ほど管理局長の速記をとめての説明は、想像の数字でありまして、山本委員の言われたように、これを発表しますると、間違つた場合にかえつて國民の疑惑を深くする心配もありますので、もう少しはつきり調査して、正確な数字が出てから発表することにいたします。今のところは、やはり新聞には出さないようにお願いしたいと、こう考えております。
○並木委員 次の質問に移ります。外貨報奬制度——インセンチヴ・システムというのでしようが、あれはたいへんいい制度だと私は思うのです。ことに先般國会で、貿易視察團あるいはそういうものの派遣の決議が行われて、それと表裏一体をなすものとして、非常にいい制度でありますので、これはぜひ実現いたしたい。それで今どういう段階にあるのか、それをお聞かせ願いたいと思います。單に貿易だけでなく、その他、たとえば留学生とか、あるいはほかの目的で海外に行かれる方も、希望者が多いのでありますから、これを推し進めて貿易だけでなく、そういう方面へも拡げていただきたいという希望を持つているのですが、そういう点についての当局の御見解を表明していただきたいと思います。
○小瀧政府委員 外貨報奬制度については、ずいぶん前から研究して参りました。と申しますのは、外國と通商関係をもつ商社は、通商上先方側の言い分だけを日本におつて聞いておるのではおもしろくない。人を外へ出し、代理店を設けて、あるいは普通の輸入計画には載つてなくても、特に輸出品を製造する上に必要な資材であるとか、機械類を輸入する、あるいはパテントの代を拂うというような意味から、インヴイジブル・インポートというのですか、外貨の一部をさいてそれに使用しようというので、それについてどういう方法をとつたらよいであろうかということを研究して参つたのでありますが、すでにドイツあたりでは、先ほど並木代理士のおつしやつたような外貨報奬制度というようなものが行われておりますから、そういう方向でも、これまで研究を続けて参つたのでありますが、ただわれわれが努力したにもかかわらず、ドイツより遅れて、いまだに実現してないのは、率直に申しますと、ドイツの方はECAのフアンドによつて、ドイツ品が非常に海外に賣りさばかれて、向うのドル勘定と申しますか、外貨の勘定に相当黒字が生じたのにかかわらず、日本側の方は輸出がドイツほど十分伸展しなかつたためいうような理由とか、あるいは報奬制度によると、個々の商社が獲得したところの外貨のあるいは五%、あるいは六%というものをセツト・アサイドすること、これでは、まだ外貨を獲得してないけれども、今後は特に日本の産業体制から言つても輸出を必要とし、また輸出の可能性があるものが十分利用できないじやないかというような、いろいろな議論があつて、いまだにこれが実施に至つていないのでありますが、この問題は、並木さんのおつしやる外貨報奬制度のみではなしに、ほかの方法からも考えて見なければならないということが、特に外國為替管理委員会あたりからも希望が出まして、実は先般新聞に掲載されました一般的計画と申しますか、外貨の一部を海外事務所の設置とか、あるいは代理店の費用、海外使節の派遣費用というようなことに充てようというので、一應の事務当局の素案が新聞に漏れましたような次第でありますが、これの方は外貨報奬制度と違つて、文化関係のものも、先ほど仰せになりました留学生の派遣というようなものも含んで、一般的に大体どういうふうにしてそういう方面に使う資金を置いたらよいかというような案であつたのであります。さらに実際の措置としては、從來のプランとしてはなかつたけれども、個別的に必要を審査いたしまして、あるいは見本市の海外における開催であるとか、あるいは経済使節團の派遣というようなもの、ないしは海外からの送金を受けて、海外におる外國人の方ですべての費用を負担するというような計画のものは、それを許すというような方法でやつて來たのでありますが、結局その必要性というものは、われわれも十分痛感いたしておるところであります。これをどうするかということについては、外貨の報奬制度も適当でありますが、同時に一應の計画も持つて、外貨報奬制度ではカバーし得ないような留学生の派遣であるとか、あるいはいろいろな経済使節の派遣というものは、報奬制度では收入がないからカバーできませんから、そういうほかの方法と両々相まつてこうした海外の渡航、その他必要な支拂いをカバーするようにしたい。こういう考えでありまして、今のところ審議中でありますが、近く今度こそは実現を具体化し得るだろうというように期待しております。
○山本(利)委員 先般観光事業特別委員会においても、海外から観光客が來て落すその金の一部をさらに海外における観光事業の宣傳に使い、あるいは國内の方でその他の設備に使うようにしたら非常に好場合だというような意見も出ておりました。今性質上関連があると思うのですが、大体そういつたような意味のお話で、十分考え中で、今度は実現させたいと思うというお話でありましたが、すでに関係筋とも大体の交渉をされたことがありますかどうか、ただ日本政府の方においてそういう索をいろいろ考えておられる程度か、あるいは大体のOKの出そうなところまで話が進んでおるか、そこをお伺いいたしたい。
○小瀧政府委員 ちよつと速記を……。
○岡崎委員長 それでは速記をやめてください。 〔速記中止〕
○岡崎委員長 それでは速記を始めてください。
○並木委員 もう一つの質問は賠償撤去中止に関することですが、私は近く外務委員会で視察に行きますので、その参考資料としてどうしても聞いておきたいことが二、三あつたので、お尋ねしておきたいのですが、政府の方が見えておりませんからやむを得ないですが、きようはやめることにいたします。 そこで私最後にこの機会に御報告させていただきたいのですが、十一日の外務委員会に首相の出席を求めて私が質問したいと思つておりました、ロイターの前東京支局長のウオーナー氏との單独会見談、あれについて一片のメモをもつて外務大臣から、忙しいから出席ができない、しかしあの記事は誤りであつた、こういうことを委員長から報告されたのであります。事の重大性に私は驚いて、もし誤りであつたとするならば、ああいうことについて率直に首相はどこが違つておるということを指摘しないと、これは國民をミス・リードするし、外國から誤解を受ける。そういう心配がありましたので、直接これは確かめる必要がある。こう思いましたから、朝日新聞に行つてあの和文の新聞の間違いでないことを確かめ、さらに十六日の午前十一時に放送会館の二階にウオーナー氏をおたずねしまして、会談して來ました。栄轉御赴任前の非常に忙しいときでありましたけれども、吉田さんは私のたいへんよい友達であるという前置きをして、氣持よく会つて、あの新聞の記事が間違いないと言つて、日本タイムスの英文を見せてくれました。その飜訳は朝日の方は間違いないということを保証してくださいました。ウオーナー氏はあの記事は、間違いない、しかし吉田さんはあの記事に誤りがある。こういうことをはつきり確かめて参つたのでございます。ですからあれ以來ずつと私は外務委員会に出て來られるように、またきようも出て來られるようにお願いしたのでありますけれども、とうとうお見えにならなかつたのであります。こういうことがあつてはいけないと思いまして、別途に本会議で緊急質問をするように手続を踏んでおりますが、私がただいま確かめましたところは、ウオーナー氏はあの記事に間違いがない。もし間違いがあるとするならば、どこが間違つておるか知らせてくれということでありましたから、私があの問題を取上げました責任上御報告いたしておきます。
○岡崎委員長 ちよつとお断りしておきます。この前今並木さんの言われた総理の傳言は、あの記事が間違いとは書いてなかつたはずでありまして、私の読み上げたのは、新聞の記事には責任は持てない、こうあつたように記憶しております。 次に玉井委より外國貿易のクレーむ等について発言を求められておりますので、これを許します。
○玉井委員 最初にちよつとお願いしておきたいことがあるのデす。それはこの前の十一日の委員会において輸出局長にお伺いしたときに、具体的な事例としてジヤパン・トレード・ガイドの問題がちよつと論議されました。そこでそのときに業者に責任があるというお話がありましたので調査をいたしましたところ、バイヤーを選んだ点において、業者の責任はほとんどないようは私は感じたのでございます。そこで私が申し上げたいことは、國会における質問に対する答弁ですが、業者の責任ではないのだという点について、こまごましい事例は申し上げませんが、冒頭にお願いしておきたいことは、ほんとうの意味で責任を持たれたお答えをお願いたしたい。特に現在貿易の状態は、業者は非常に困つておりまして、実は昨日もフエロ・アロイの関係の業者の諸君と会見をいたしました。大体二十数社の方が寄つておられたのでありますが、そのときにおきましても、やはり同樣な問題がとり上げられておるわけであります。ただここでしいて申し上げなければならないという理由は、結局金融について非常に困つておるという問題、それから貿易廳の取扱いがきわめて不親切だという点、これはきのうも再びとり上げられた点であつたのであります。そこでまず第一番にこの鉄鋼業フエロ・アロイの関係の方の貿易関係がどういうふうになつておるかと申しますと、御承知のようにアメリカの鉄鋼の値段が非常に下つて、すでに契約が成立しておるのにもかかわらず、ほとんど大多数がキヤンセルされております。その結果インゴツトからビレツトを含んで非常に大きな鉄材が港湾の附近に積んである。あるいはまたおのおののフエロ・アロイの内容によつて分類をしてあるというようなことになつておるので、その処置が非常に大きな問題になつているわけであります。從つてそういうキヤンセルされた場合に、貿易廳としてはどういうふうな方針をとつておられたか、また今後どういうふうな方針をとられるかという問題、それが第一点であります。 第二にお伺いしたいことは、この前の委員会におきまして、金融が非常に困るのだということを申し上げたところが、何らかの方法を講ずるようなお話がございましたが、その後においてどういうような措置を講ぜられたか、私の知つておる限りにおきましては、同日と記憶しておりますが輸出局長みずから興銀に行かれたことは存じております。そしてその席上でたいへんどうもとんでもないことを質問されて困つたという話も漏らされたと聞いたのでありますが、そういうことは別の問題といたしまして、そのときに興銀の方からは、ジヤパン・トレード・ガイドの場合においては、政府の方において責任があるのだから、貿易廳の方でその金を引受けろという要求が興銀からあつたはずであります。その点について貿易廳はどういうふうにお考えになつておられるか、これは今後にも関係しますので、この点ひとつぜひともお答え願いたいと思うのであります。もしもそのときにそういうような問題が出なかつたとするならば、かりに興銀からそういう要求があつたとするならば、貿易廳はいかなる御処置をとるおつもりであるか、この点についてお答えを願いたいと存じます。 それからもう一つは貿易廳の問題なのですが、これはやはり鉄鋼業の諸君に聞いたのであります。この問題について貿易廳にいろいろお願いをする、特に特殊鋼審査委員会に何か、そんな名前のものがあつて鋼材についての試驗をする、した結果輸出してもよろしい鋼材と、それから出してはならない鋼材を分類して、いいものは輸出をしようというように手続がなつておりはずでありますが、そのために非常に時間をとつて困つた。そうして業者の方からは貿易廳に対して、実は商取引という問題になると一つのチヤンスが非常に問題になるのだから、あまり手数のかからないようにしてもらいたいという要求があつたのに対して、担当官並びに課長——当時輸出局長がおられたかどうかわかりませんが、貿易自体に関して、業者の方のそういうような問題まではわれわれタツチするところではない、われわれは書類の取扱いをするだけだというような意味の答弁があつたので、非常に憤慨をしてもどつて來たということを申しておつたのであります。そこでできるだけ早く処置してもらいたいために、ことに取引はフエアでなければならないというような意味で、業者の方から考えるなら、一個の商人とそれから一個の外國の商人という立場での取引を要求しておるのであります。すなわちあくまでも占領國、被占領國というような立場でなくて、個人同志の取引というものを要求しておるのであります。それに対して貿易廳の方では、みずから責任を負いそうな問題になると必ず回避する、そういうようなことを言つております。これは貿易廳のみならず、一般に日本の官廳の幣風でありますので、しいてこの点について追究するわけではありませんが、特にただいまの輸出貿易の状態、さなきだに被占領國であるというような立場から、日本人が外國のバイヤーに対しては相当に萎縮した態度をとつておる状態である。貿易廳がこれらの人々の先頭に立つて鬪つていただかなければならない場合において、そういうようなことでは非常に困ると考えておるわけであります。ところが一方では、ある外國人の方から話があつたら、今度は書類を見もしないでサインをされたということを私は聞いておるのでありまして、こういうようなことがたびたび行われたのでは、非常に困つた問題になるのではないかというように感じておるわけであります。そこでもう一つここで金融の問題に関しますが、現在クレームその他の問題で非常に金融に困つておりますが、この点に対して政府の方での方針をさらに私は聞かせていただきたいと思うわけであります。以上の点について最初に御質問をするわけであります。
○小瀧政府委員 ただいまのお話のうち、まず最初に業者の責任もあつたというように申し上げて、いろいろ御不満だつたかもしれませんけれども、私これは今さら弁解するつもりはありませんけれども、あの契約で五千部しか買いたくないというのを、原價を下げるために一万部ぐらい何とか買つてくれというようないきさつもありまして、これは個々のケースでありますから、この場所でそう深入りはいたしませんけれども、單價を安くするためにどうしても一万部にしてくれ、それなら何とかなるだろうというようなこともあります。それはまた別な機会にしまして、まず金融の問題をお話になりましたが、金融につきましては、その輸出業者の方が非常に困つておられることは承知いたしております。これを何とか打開することは、今度できる通商産業省なども非常に大きな任務であろうと思つて、今度は経理部に今までなかつた金融課というようなものも設けて、ずいぶんこれについてあつせんもし、方法も立てなければならない、こういうふうに考えておりますが、まず金融の確保というものについて、貿易としては非常に虐待されたというような点もありましたので、まる二箇月ばかり前に、いろいろ銀行と話しまして、金融のこういう輸出書類を取扱う手数料、それから日本銀行や安本あたりといろいろ打合せいたしました結果、最近新聞にも出ております通り、大体公團の認証手形に加うるに貿易手形というものを一緒にして、増加預金の二割をこれに割当てる。それでこれまでの実績から見ると十分であろう。しかもその公團の認証手形に比して、貿易手形の方が当然優遇されるということも、最近の公團の認証手形は過去のような非常な値打を持つていない関係上、貿易手形の方はまずこれによつて今までよりもよほどその割合は樂に行くであろうと考えておりますし、日本銀行の再割引につきましても、信用状が開かれて、そうして資材の手当をしたものは問題なしにいろいろで再割をするという点から、一つは資金面について金融を樂にするという方法を話合いを進めて参つたわけでありますが、さらにただいま御質問の中心になつているクレームについては、一度は金融を受けても、あとでごたごたが起つたときに返さなければならない、そういうときに救済する方法がないじやないか、この点を考えなければならないということは当然でありまして、それについて、かつて日本には輸出補償制度がありましたけれども、過去に比してはとにかく、クレームの裁定というようなものも司令部でやるし、あの契約書の通りに行けば、少くとも十五日以内に保証金を入れるとか、ないしは信用状を開かなければならないというような、割にきつい規定があるので、過去におけるよりはその点は、あの契約通りに行けば割に保護されている。それよりもむしろ金融補償制度をやらなければならないということで、昨年の暮からずつとこれを準備して参りまして、現に私どもの案は相当詳細を具して、司令部にも出ているわけなんです。大体各部を説得をいたしまして、これは了承せられておりますけれども、銀行業務の方を監督している立場の係りの人から申しますと、これでは銀行業というものは、金融補償制度をやつて万一支拂いできないものは、この補償制度による弁償を受けるというようになつたら、銀行の貸出しが非常にルーズになりやしないかというような点で、いまだひつかかつておりますが、実は今議会にもぜひこの金融補償制度を出そうと思つて非常にあせつたわけであります。しかしながら、不幸にしてバンキング関係の問題が出まして、今議会に間に合わなかつたのを非常に遺憾に思いますが、この輸出金融補償制度をぜひこの次の議会までに関係当局と話合いをつけて提出したいと考えております。さらに先ほどお話になりました具体的な場合について、一体どうクレームなんかを補償してやるかという御質問でありましたが、実は今度公團の運営並びに貿易資金特別会計というものが予算制度になりまして、從來のように公團が金融機関の仕事をしてはいけない、收支をはつきりして、資金の支出はあくまで輸出のあれを出した場合の見返りにすべきであつて、それに対する支拂いに充当すべきものでない、困つたものをすぐ公團の買上げで救うというのはいけないというような嚴重なお達しもありまして、從來の計画生産による公團の買上げというものも、昨年の末からとめておりまして、現在においては、この輸出金融補償制度が実施せられる以前においては、事実上貿易廳が直接にとり出して、こういう特殊の場合を救済するというような方法がないような次第でございまして、この点はなはだ遺憾に思つておりますが、金融補償制度ができたら、この困難は救われるだろうというように考えております。この問題はキヤンセルされた場合にどうするかというような点にも関係があるのでありまして、そうした制度ができましたならば、この金融補償制度によつて一應金融補償資金の方で拂つて、急場を救済することができるというようになるわけであります。但し、これは事が起つてしまつてからの措置でありまして、予防措置としては、契約そのものがキヤンセルによつて予期しないような不利益を受けることのないようなふうになることが望ましいし、それについては、たとえば今後は契約の効力というものは貿易廳及び司令部がこれを承認し、かつLCが開かれたときに、初めて効力を発生するというような方法も現在考慮しております。但し、こういう嚴重な制度を日本がほかの國と異なつて非常に嚴重にやると、はたして日本の商権拡張の上にいいことであろうか、どうであろうかというような点も考えられますので、まだ結論に達しておりませんが、そういう予防的措置についても十分考えたいと思つております。なおまた貿易廳の方が非常に取扱いが不親切であるという点ははなはだ遺憾に存じますが、新しく通産省ができましたあかつきには、みなによく訓示しまして、大臣の方からよくその点は申されると思いますが、そういう遺憾なことのないように、とりはからわれることと期待いたしております。なお外國人にだけ親切であつて、日本人が來たときには不親切だというような点は、これは私のように長い間外國を出歩いたものは、むしろ反対に行くおそれがありますけれども、言葉の関係や何かで、実は玉井さんのおつしやるように、見ておりますと、外國人が來ますと、二階にいても五階まで來てくれというようなことを言う、しかし日本人の人だつたらいいかげんにあしらうというような点は認めざるを得ないと思います。幸いにして今度通産省でも、外務省の人が多勢來て、私たちを手傳つてくれることになるそうでありますから、この弊は相当除かれるであろうというように期待を持つております。なおこういう特殊公團とか、そういうところでは、役人が都合が惡くなると、それは個々の商人がやればいいんだというように逃げて行くというようにおつしやいましたが、実は過般も議会で説明いたしましたように、たとえば仰せの通り市價が非常に下つておりますから、私は銅のワイヤの輸出についても、ずいぶんとりはからつて参りましたり、今度また電氣銅の輸出もけさやつときめて参つたわけでありますが、個人的には少くとも商賣人になつたつもりで助けているつもりでありますから、十分その点は氣をつけるように話しておきたいと考えております。なおそのほか、クレームの点について、玉井さんの方が資料をよけいお持ちでございましようけれども、この貿易が始まつて以來、エツクスポート・クレームは約二十八万ドルのクレームがついて、ほとんどその九二%にも達する二十六万ドルを投じまして拂い返してやるということになつておりますので、この数字で見ますと、相当の額に上つているようにも見えますけれども、しかしこれまでの輸出全額を見ますと、大体七億ドル、七億ドルに対して二十六万ドルのクレームが來たということは、約三千分の一でありますから、この点はもちろんその関係者にとつては非常に重大事でありますが、総体的に見ては戰前に比して、中國あたりで非常に困難を経て來た日本の貿易と比べて、特に戰後になつて惡くなつたというように見るべきかどうかという点は、議論の余地があるだろうと思います。つとめてこういう点を十分改善するように、予防的措置も、また同時にそういうことが起つた場合に対する措置も研究して行つて、できるだけ輸出業者の満足を買うようにいたしたいと思います。
○玉井委員 大体わかつたのですが、特にこれはジヤパーン・トレイド・ガイドの問題を出しますと、トレイド・ガイドの代弁をしておるようにお受取りになつては困りますから、資料として具体的なものがあつたからこれを取上げておるわけです。その点ひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。たとえば先ほどお話しましたように、政府の方で引受けろというようになつた場合に、貿易廳の方ではこれを引受けられるだけの腹を持つておられるかどうか。これは今の問題で金融補償制度ができたらというような仮定ではなくて、今どうするか、これは何もトレイド・ガイドだけではなく、最近におきましても、実はきのうの会合におきましても、鉄鋼関係の諸君は全部クレームを出すと言つております。その際に貿易廳としてはどういうふうになさるか、特にトレイド・ガイドの場合は、当時政府管理のもとにおける貿易でありまして、トレイド・ガイド自身がやつたというのではなく、管理下における貿易であります。從つて業者の責任ということを言われると——また業者の責任が出たのですが、形式的には業者は政府になつておるわけです。こういうような点もありますので、金融補償制度ができたらという問題ではなくて、できない現在においてどういうようにするか、この点について一應お伺いしたいのであります。 それからもう一つは、さらに今後クレーム関係で被害をこうむつた人たちの相互保險というようなものが、一應りくつとしては考えられてもいいと思いますが、この点に対しまして、どういうように考えられるかという点、この二点についてもう一度お伺いしたいと思います。
○小瀧政府委員 こういうキヤンセルをされた場合には、貿易廳はどういうように現実の方法としてこれを救済するかという御質問だつたと思いますが、先ほど申しましたように、貿易廳がこれを買上げるということは予算面でも認められてないし、純粹の政府貿易でない限り、貿易廳が手持ちとしてそれをストツクしておくという方法は、現在は封じられておりますから、はなはだ微恩的ながら、現在許される点は商品の賣りさばきについて、あるいはどうしても海外へ向けるのが不適当であるならば、安本あたりと話合いをいたしまして、國内放出をやむを得ない場合には認めるとか、あるいは他の賣りさばき方法についてあつせんをする、あるいは海外の業者に対して当然要求べきクレームがある場合には、そのクレームの申出を受けて、それと話し合つて、司令部のクレームの方にも話して、その貫徹を期してもらうというような方法しか残念ながらないわけであります。 なお一つの思いつきというのですか、サゼスチヨンとして、クレームがあつた場合に、相互保險の方法を考えたらどうかとおつしやいましたが、これは金融補償制度はそうした場合もカバーするようになると思いますので、そういう方法でただいま仰せになつたような場合の困難を救う手段といたしたいというように考えております。
○玉井委員 一應今のお話でわかつたんですが、この問題は先般の委員会で申し上げましたように、輸出業者だけの問題ではなくて、やはり日本の復興の線が輸出貿易に持つて行こうという点を強く出しておる立場から考えましても、輸出に関する問題については、今後ますますいろいろの問題が起つて來るだろうということは、十分に予想されるところであります。それから聞くところによりますと、バイヤーの方では、クレームの問題が起きた場合に、支拂わないように済ませたいという横の動きが、私の知つている範囲ではあるように聞いております。そういうような状態が起つて來た場合に、特に貿易廳あたりにおいて、もつと日本の業者の立場においての腰をすえた行動を、ひとつお願いしたいということを申し添えておきたいと思います。
○小瀧政府委員 ただいまのお話ごもつともでございまして、今後もそういうふうにして行きたいと思います。 —————————————
○岡崎委員長 なお野坂君より、先ほどの請願について説明の要求がありますので、これを許します。野坂君。
○野坂委員 簡單に御説明したいと思います。この請願は廣島縣の安藝郡の熊野町の毛筆加工品生産組合の代表者廣田進、この人から請願を提出されるよう依頼を私が受けたのであります。この事情はこういうふうに書いてあります。この小さい町は非常に貧窮な町で、男は春になると和歌山縣方面に出かせぎに行つて、帰りに筆の行商をして帰つて來る。ここに二千二百ばかりの人口がありますが、この小さい町にとつては、これが非常に重要なことで、しかも全國の筆の生産の八割を占めておるというふうに書いてあります。ところがその原料というものは今まで中國から輸入されておつた。それが今とだえて、これに非常に困つておるので、どうか貿易再開及び中國との貿易を促進するようにお願いしたい。こういうふうなことで、私たちもこの原則については、またこの要綱については同意しなければならないし、またぜひ貫徹してあげたいと思いますが、今外交関係がありませんけれども、ともかくも向うの要望しておるのは、早く中國との貿易を再開するように努力していただきたい。こういう請願であります。大まかに言いますれば大体こういうふうな趣旨です。どうぞ皆さん方においても、これに御賛成くださることをお願いいたしたいと思います。
○岡崎委員長 一つ御質問したいのですが、輸出の問題でありますれば、商工委員会なり安定委員会なりの主たる問題であり、平和会議という問題であれば、外務委員会が主たる委員会となるわけであります。その請願の一番のねらいとするところは輸出貿易の関係であるか、それとも平和会議の方の関係であるか、その点を伺いたいのであります。
○野坂委員 向うは二つねらつておるらしいです。両方にかかるのではないかと思います。向うの要望としては講和会議開催、対華貿易促進、こういうようになつておりますので、ここではやはりこの問題を主にして審議していただきたいと思う。
○岡崎委員長 いや、少くとも私の考えでは、たぬきの毛を輸入したいから講和会議をやれというのは、あまりに理由がおかしいと思われる。從つて平和会議を促進したいというだけの問題であるならば、その理由はもつとしかるべき理由があるべきであり、もしそうではなくして、たぬきの毛を輸入したいからというのにひつかけて、平和会議があつたらよかろうというのであつたならば、問題は主として商工委員会で、かりに平和会議成立前でも輸入する道があるかもしれません。そういう意味から言えば、商工委員会にまわした方がいいのではないか、こういう考えでありまして、平和会議とたぬきの毛とではあまり関連がどうかと思われます。
○野坂委員 しかしこれは請願者のほんとうのところはたぬきの毛だと思うが、それには平和会議がないといかないということを、大きくひつかけて來たのではないかと思います。
○並木委員 ですから野坂さんから御説明になつたらいいと思う。外務委員会では絶隠にこれだけを取扱うというのではないから、請願を二つにわけて、平和会議だけの方にして、貿易の方とは分離されたらいかがですか。
○野坂委員 そういうふうにいたします。
○岡崎委員長 御説明はその程度に承ります。 それでは本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時四十一分散会