海外同胞引揚に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/04/05
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 この際簡單にごあいさつを申し上げたいと思います。先日皆様の御推挙によりまして私委員長の席を汚さしていただくことになつたのでございますが、不幸にも私当時病氣をいたしておりまして、上京が遅れましたのでごあいさつが遅れましてまことに申訳ありません。実は委員長という大役はやせ馬に重荷が過ぎるように私は思つております。けれども今度の委員会を運営して参りますにつけても、前の河野委員長もいらつしやることでもございますし、また初代の天野委員長もいらつしやいますので、この御経験あるお二方の御声援により、また委員の皆様方の御同情と御援助によりまして、無事に私がこれを務めさせていただきましたならば、まことに私の喜びこれに過ぎるものはないのでございます。 さて海外に残つていらつしやいます同胞の数はまだかなりにあるようでございまして、家に残つてお帰りを待ちわびていらつしやる方々を考えますと、まことにお氣の毒に存ずるのでございます。私どもは民生の安定の一助にもなりますために、懸命にこれらの人の引揚げを促進して参りたいと思います。どうぞ皆様方のひたすらなる御援助と御声援のほどをお願い申し上げます。最近ソ連地区の食糧事情はかなりよくなつて來たということを聞いておりますが、私どもにおきましても一段の努力を拂つて、皆様方の御援助をいたしたいと存じております。 次に昨日の議院運営委員会におきまして、本委員会に理事を一名増員することに決定を見ましたので、ただいま理事一名の互選をお願いいたします。
○若松委員 一名の理事は委員長において御指名あらんことを望みます。
○中山委員長 この動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 それでは若松理事の御意見に御異議ございませんでしたならば天野久君を理事に指名いたします。 次に本日は引揚げの状況及び対策につきまして、当局より御説明を拜聽したいと思います。外務省管理局引揚課長の高野藤吉君にお願いいたします。
○高野説明員 外務省の高野でございます。引揚げ問題につきまして簡單に御説明申し上げたいと存じます。長らく各位におかれましては本問題につきまして御努カ、御盡瘁なされた方々ばかりでございますから、いまさらくどくどしく申し上げる必要もないかとも存じますが、話の順序といたしまして概括今までの経緯を申し上げ、今後の見通しを御説明いたしまして、そのあと皆様の御質問がございましたら、私の知つている範囲においてお答え申し上げます。 御承知の通り終戰時にわが海外同胞は軍人、軍属を含めまして約六百六十万おりまして、その後現在まで大体六百十万引揚げられまして、現在まだ海外、異國に残つておられる方々は約四十六万九千に上ります。御承知の通り中國及び南方地域よりは、二十一年に大体完了いたしまして、その後残つておりますのはソ連地区及び中共地区と申しますか、満州地区でございます。現在残つておりまするこの四十六万九千、約四十七万の数は、ソ連地区及び中共地区でございます。その内訳を申し上げますれば、シベリアが約三十二万、樺太及び千島地区が約八万四千、次に満州地区でございますが、これは現在のところ約六万と推定されておる次第でございます。何ゆえにソ連地区だけがこのように遅れたかと申し上げますれば、第一、ソ連地区の引揚げがほかの地区と比較いたしまして非常に開始されるのが遅れたこと、各地区がほとんど終了した時期、すなわち御承知の通り昭和二十一年の十一月十九日に初めて米ソ間にソ連地区よりの引揚げに関する協定ができまして、月五万ずつ返すということに相なりまして、それ以後引揚げが開始せられたので、開始が非常に遅れた。しかもそれが五万と限定されたという一つの事実、次に冬季間におきまして航行の理由その他によりまして引揚げが中止される、本年もそうでありましたし、一昨年もそうでありました。最初の年は大連地区からの引揚げがございましたので中止はされませんでしたが、しかしシベリア地区からはございません。そういう事実等によりまして、現在までまだソ連地区からの引揚げが完了いたしておらない次第でございます。 次に中共地区と申しますか、東北地区におきましては、約六万と推定される邦人がまだ残留しておられますが、これは日本政府といたしまして、司令部を通じ中國政府にお願いいたしましても、中國の内戰状態という事情にかんがみまして、はなはだその引揚げの具体化が思わしくないということでございまして、中共地区に残つておられる方については、情報もきわめて乏しく、聞くところによりますと、きわめてみな困難な生活をしておられるということで、私どもといたしましても一日も早く引揚げをさせてあげたいと存じている次第でございますが、現在の特殊なる事情及び中國の政治情勢にかんがみて、なかなかはかばかしく行かない状態であります。以上申し上げました地区以外におきましては、引揚げは完了いたしておる次第でございます。 しかして今後の見通しと申しますか、今後の対策と申しますか、それにつきまして、若干御説明申し上げます。御承知の通りソ連地区からの引揚げは昨年十二月ソビエト政府より司令部に対する通告によりまして、冬季間中絶し、航行できる時期まで中止するという通告がございまして、司令部といたしましては、砕氷船を送るから続けてくれという申入れもされておりましたが、この申入れも拒否された模様でございまして、御承知の通り本年冬は引揚げはございません。航行のできる時期ということでございますが、私どもは昨年及び一昨年の経験にかんがみまして、できるだけ早い時期、ことに本年は暖かいと言われておりますし、四月にもなりましたし一日も早く再開されることを希望しておる次第で、総司令部に対しましても、随時懇請いたして來た次第でございます。見通しを申し上げますれば、昨年が五日、一昨年が四月に開かれたこと、及び昨年末の十二月のソビエト政府の通告というような事実をにらみ合せまして、今月末ないし來月の初めにはおそくとも開始されるようにわれわれは希望しかつ期待している次第でございます。本年中にシベリア地区及び樺太地区は引揚げを完了するかという問題でございますが、数から申しますれば、シベリア地区及び樺太地区は合計約四十万、ここで月五万という協定で五で割りますと八箇月、五月から始まりますれば、本年のうちには、單なる算術の計算で行きますれば、一應完了するという結論が出る次第でございます。しかし私どもとしましては、できるだけ早く、ことに総司令部のソ連政府に対する、月十六万の引揚げをするあらゆる準備ができているからという申入れに対して、ソ連政府が同調されて、本年末を待たず、一日も早く完了することを希望している次第であります。 次に中共地区に関する引揚げにつきましては、昨日参議院で吉田総理も御答弁になつておられるように、大きな筋といたしましては、中國における和平問題が解決いたしまして、日本政府が司令部を通じ、中國政府に正式に申し入れるということが、われわれ唯一のかつ正式の方法であると存じている次第でございまして、この観点より中國の情勢につきましては、われわれ引揚げに携わる者といたしましては、大いなる感心を拂つておる次第でございます。 以上はなはだ簡單でございますが、引揚げ問題に関する過去、現在及び將來の見通しと申しますか、將來に関して考えられる若干の問題を御説明申し上げた次第でございます。
○中山委員長 次に引揚援護廳の復員局復員課長高山事務官にお願いいたします。
○高山説明員 ただいま外務省から御説明のありましたうち、特に旧陸軍軍人軍属関係の復員の概況につきまして、御説明申し上げたいと存じます。なお本件に関しましては、すでに御承知の方が大部分であると存じますが、順序といたしまして一應概況を申し上げたいと思います。 旧陸軍軍人軍属関係につきまして、今までの外地からの復員の実績につきましては、大体昭和二十年には約三十七万四千、これは全部ソ連関係外の地区からであります。昭和二十一年には約百八十二万三千、その内訳は、ソ連関係以外の地域が約百七十万三千でありまして、ソ連関係地域は約十二万であります。昭和三十二年につきましては、復員総数が約三十二万三千でありますが、その内訳はソ連関係以外の地域が九万一千、ソ連関係地域が二十三万一千でございます。昭和二十三年は合計約十七万七千でありますが、ソ連関係以外の地域は約一千でありまして、ソ連関係地域が約十七万六千、こういう状況でございます。なお昨年におきまする。月別引揚数につきましては、お手元にございますこの数字の通りでありますが、旧陸軍関係につきましては約十七万三千という復員数に上つております。 次は未復員者の状況の概要につきまして申し上げたいと存じますが、本年の三月一日現在におきまして、ソ連関係に残つております旧陸軍軍人軍属関係は約三十四万一千でありまして、そのうちすでに帰つて來た者等の言によりまして、氏名も本籍地等もはつきりわかつた者の数が約十七万四千九百であります。そのうち生存していることが大体確実と思われる者が十三万六千でありまして、死亡していると判断されるものが約一万一千であります。なおそれらに関する資料はまだ判然としておらないもの、やや古いもの、それらの数が約二方七千でございます。なおただいま申し上げました氏名も本籍地等も大体わかつております者が十七万四千九百でありますが、そのほかで氏名は判明しておつても、留守宅の所在地がわかちない者とか、本籍が判明しておらないとか、そういつた者を含めまして、推定しておる未帰還者と思われます者が約十六万六千でありまして、以上両者を合計いたしまして、約三十四万一千人というふうに判断いたされます。なおソ連関係以外の地域におきましては、先ほども御説明にありましたように、大体引揚、復員は終つておるのでありますが、戰犯関係その他特殊の者が若干残つておるという状況でございます。 以上簡單でございますが、御説明申し上げます。
○松本(善)委員 ただいまの御説明でわかりましたが、ことにソ連関係において非常にその数において厖大であるということを考えるときにおきまして、これに対しては何らかの理由があると考えますが、その根本的なる支障ということを簡單に御説明願つてこれに対して協力したいと考えます。
○高野説明員 先ほど御説明申し上げた点不十分であつたと思いますが、私どもといたしましては、何がゆえに引揚が遅れておるかということの原因といたしまして、先ほど御説明申し上げた通り、第一に引揚の開始された時期が非常に遅かつたこと、第二に米ソ協定によりまして、毎月引揚げる数が五万と協定されておりまして、しかもそれが大多数の地区においては五万を割つておる。ほかの地区には中國とか、南方地区とかは毎月いくらというクオーターと言うか、割当がございませんでしたが、ソ連地区からの引揚はそういう数のわくがありまして、これが第二の理由となつております。 次に第三の理由といたしまして、今年も昨年も冬の間約四箇月中止するという第三の理由をもちまして、引揚がきわめて遅れておるということに相なる次第でございます。
○松本(善)委員 第二のわくの設定ということでありますが、五万という数字以外に、このわくをはずして何らか急速なる引揚対策はないかどうかということをお尋ねしたい。
○高野説明員 御質問の御趣旨もつともと存じますが、現在の状況におきまして、この協定は米國及びソビエト政府の両者間の協定によつてでき上りましたもので、しかもこの協定のわくをはずすために、総司令部といたしましては、月十六万だけ引揚を増加する。しかもその準備が完了しておるというふうに今年の対日理事会におけるシーボルト議長の提案以來、司会部といたしましては、再三ソビエト政府に申入れをいたしておる次第でございます。これに対しましてソビエト政府より何らの回答が來ておりませんで、あくまでその五万という協定に從つてやられておる次第でございます。
○玉置(信)委員 厚生省と外務省の方にお尋ねしたいのですが、今留守家族の一番心配しておることはソ連地区その他に抑留されておる者が生きておるのか死んでおるのか、その生死を知ることができないことなのであります。この点につきまして私どもは引揚促進並びに引揚者の援護事業については昭和二十一年以來足かけ四年にわたつて運動を展開して参りまして、北海道におきまして私は自分の支廳管内にいち早くソ連関係引揚促進相互扶助会、その後昭和二十二年にソ辿関係引揚促進北海道連合会というものを組織して、しかも道民四百万の署名運動を展開し、一昨年は八十万の署名を求めて芦田内閣当時政府に要望いたしました。その際マツカーサー元帥あるいは対日理事会議長、中國代表團ソ連大使館等をそれぞれ訪問してその問題を急速に実現していただくように懇請して今日に至つておるのであります。当時調査したところによりますと、復員廳というのがありまして、当時はたしか千葉にあつたと思いますが、あそこに参りますと、すでに死んでおることが記録に残つておるが、まだ留守家族に通知してないものが相当あるということなんです。様子を聞いてみますと、詳細に調べて留守家族に知らしてやりたいが非常に手不足でできないという話でありましたので、われわれといたしましては、それではしようがないから、こちらで経費を捻出して人を派遣して復員廳の仕事の應援をして留守家族に生死を知らしてやりたいということを言つたのでありました。当時の状況はかくのごとくで、これは政府の怠慢であるというふうに糾弾したのでありますが、今日はその事情はどうであるか、私はその点を非常に心配するのであります。それにただいまの御説明で十七万四千九百人というものははつきりしておると言いますが、それ以外の不明の者はどういう状況にあるかということをはつきり留守家族の方に通知ができるような組織的な調査をしてもらいたいのでありますが、こういう点に対してどういうようなお考えを持つておられるか、伺いたいのであります。 それから先ほど松本氏からお話のありまして、引揚げのわくの問題も出ましたが、これは昨年あたし新聞等で拜見しておりましたけれども、政府としてはほとんど発言権のない状態でありまして、これはもとより総司令部の方の御配慮にまたねばならぬのでありますが、しかし私どもソ連大使館に行つて交渉をやつた過去の体験から申しまして、ソ連大使館の考えておることと、それからはなはだ言いにくいことでありますが、内地の状況は知りませんが、旭川において引揚促進大会があつた当時、あそこにいる共産党の人の主張していることと、ソ連大使館のポポフという方がお話しくださつたことと、意見が一致しているわけであります。それはどういうことかというと、現在月五万というような協定でやつているが、そんなに十五万も二十万も引揚をするように要求されたところで、日本國自体の受入態勢ができていないじやないか、住むに家なく、食べるに食糧に窮しているじやないか、こういつた状況でいかに数ばかり要求したつて、それは引揚者も満足できないじやないか、こういうような意向でありました。これはどうも両方の話が一致しているので、これ以上は皆さんの御判断にまかせますが、私ははなはだ奇怪に思つたのであります。しかしながらこれもまた政府として考えていただかなければならないことは、実は汽車の中で樺太の引揚者が、最近樺太においてもだんだん食糧がよくなつて來た、最初は悪かつたが、非常によくなつて來た、帰つて來てみると、どうも住むに家が満足にない、食も與えてもらえない、こういう状況では引揚げて來てもどうかな、というようなことをこぼす者がありまして、私はそれに対してじゆんじゆんと説いて、警告を発しておきました。ところが最後には、食うこととか、住むことよりも、家族の顔を見たいことがせいいつぱいで、やはりみなは帰ることに氣をもんでいるのだということで、話はそこに落着いたのでありますが、何といたしましても受入態勢が一番大事だと思うのであります。これに対する万全の策を必要とします。しかしながら御承知のように今日の國家財政の実情から見まして思うようにはなりませんが、しかしある程度安心感を與えるだけの施設を必要としますが、これに対する対策はどのように進んでおられますか、あとは重要な問題がございますので、私は次の機会にぜひ大藏大臣と厚生大臣の御出席を求めまして、重要問題について質疑を交わしたいと思います。
○高山説明員 ただいま御質問のありました第一の件について、私から御説明申し上げたいと存じます。 終戰後数年を経過しました現在においても、なおソ連地区における抑留者の状況について、詳しくはわからない者が相当多数にあることにつきましては、私どもまことに遺憾にたえないと存じまして、日夜これが究明に努力いたしておるのであります。 目下その実情等について、第一になぜこういうように現在においてもわからないかという原因について申し上げますと、御承知のごとく開戰当時における満州の戰闘状況でありますが、まつたく受けて立つたような状態でありまして、ほとんど計画的な準備ができなかつたような実情で、しかもあわてて現地で召集をした人員が相当多数に上りますので、現地で召集をした人員がどういう人であるか、その名前等はまつたくわからない状況であります。 なお終戰当時においては、各部隊が局所々々で降服をいたしまして、ばらばらの状態にされて、しかも南方その他の方面におけると違つて、部隊を解散をされて、將校、下士官、兵と分けられて作業隊を編成されて、別々の所に連れて行かれたという状況でありますので、だれを呼んでも、戰後における状況をはつきり相当廣範囲にわたつて知つておる人はないという状況で、非常に困つておるのであります。もし他方面におけるごとく、部隊の幹部等が自分の部隊の状況を把握をし、あるいは名簿等を持つて帰つてくれたならば、非常に調査がしやすいのでありますが、そういうことができないので困つておる次第であります。なおまた一應シベリア地区に入ソした者が、天候の状態その他の状態でまた満州地区に逆送された者も一部あるようでありまして、それらが調査上非常に困つておる大きな原因になつておるのでありま なお原因の第三といたしまして、抑留者名簿がもしソ連例から渡されてもらえば、非常に調査上いいのでありますが、これは御承知のごとく、米國は残留者について名簿を日本政府に渡してくれたのでございますが、そういうふうなものがございませんので、だれが一体残つておるのか、何人残つておるかというようなことの把握が困難な状況であります。 以上が大体究明のむずかしいという理由なのでありますが、それに対する今日の調査の状況を概括申し上げますと、第一は、未復員者の留守宅等に呼びかけまして、未復員届を出していただきたいというふうに、留守宅と連絡をしまして、その状況を知ることをやつております。これはすでに一回やつたのでありますが、さらにその後の状況等も調査いたしまして、本年の三月一日にまた二度目の未復員届を出すようにいたしております。 次は、舞鶴等を経由してすでにソ連地区から引揚げた人が相当多いのでありますが、これらの者につきましては、船の中及び上陸地で覚書を書いていただきまして、あなたの知つておる人でどういう者が健康で残つておるか、どういう人が死んでおるか、ソ連の状況をできるだけ詳しく書いていただきたい、こういうふうに復員した方にお願いをして、それらの覚書を参考にして今調査しておるのであります。これもなかなかむずかしいことでありまして、同姓同名が、極端な一例を申し上げると、陸軍の軍人軍属関係で鈴木三郎という同姓同名の人が八百名にも上るというような状況でありますので、名前だけ知つておつて、こういうような名前の人がいつどこで死んだという情報を聞きましても、すぐそれだけで認定することができないという状況でありますので、これは調査上非常に困つておる一つの理由になるわけであります。 また復員者はそれぞれ郷里に帰りましてから、所在の縣廳の世話課に出頭しまして、さらに詳しくできるだけの資料を話してもらうというふうにいたしております。 以上のほか復員関係の役所並びに各府縣における世話課等においては、いろいろな角度から調査いたしておるのであります。なおすでに帰つて來た方で相当資料を持つておられる、あるいは特に困難なる戰闘の場面あたりでこういう人に聞いたらよくわかるだろうというような既復員者を、復員関係の役所なり世話課等に出頭していただきまして、それ等の者から資料を聞いて調査中のものもあるような次第であります。 以上のような処置をいたしまして、先方に現在抑留されておつて生きておると判断される者、あるいは死んだと思われる者、それ等の資料を集めてようやく現在判明しておる分が、先ほど申し上げました約十七万四千でありまして、先ほども申し上げましたように、氏名は判明しているが、その他の処分がわからない。しかしまだ帰らないでおると判断されるのが約十六万六千人でありまして、これらのものにつきましては依然努力を続行いたしまして、一日も早く留守宅の方々に御安心いただけるようにしたいと考えておる次第であります。
○玉置(信)委員 ただいまの御説明よくわかりましたが、私の先ほどお尋ねした根本は、名節を整理した結果によりますと、死んでいる人もはつきり相当載つているにもかかわらず、それをその家庭に知らせていない事実がある。これは最近はどういう状況でありますか。その都度通知しておりますかどうか。 それからついでにもう一つは抑留の在否問題ですが、ソ連ではずつと日本の何縣の何番地のかつて何々であつた何だがいるということをモスクワ放送は言つておりますが、あの放送をキヤツチする上にどういうふうな関心を持ち、手配をし、ノートなんかに筆記しておるかどうか、それによつて情報を得られるのではないか、こういう考えなんです。きようは引揚問題だけで、厚生の問題は議題に上らないようですから、次回にまかせますが、委員長に特にお願いしたいことは、私どもが今まで運動いたしました体験上、どうしても國民運動が一番力強い成果を収めるやに見受けられるのであります。從いまして議会におきましても國民代表者といたしまして、両院で決議をして運動をいたしておりますことは私どもも承知いたしておりますが、今期國会におきましても両院の決議によつて総司令部に申入れをなし、促進運動を強力に展開するようおとりはからいを願いたいと思つております。
○高山説明員 ただいまお尋ねの死亡者の処理の状況につきまして簡單に申し上げます。死亡者の処決につきましては、從前ごく一部の例といたしまして、生きた英霊というような次第もございまして、非常に愼重を期しておつたのでありますが、そのやり方といたしましては、たとえば某々なる者が死んだというような情報を、その戰友なりあるいはその他の方面から入手したといたしましても、同姓同名なる者が相当多い状況でありますので、軍に一、二の資料だけではこれを処決するわけに行かない状況でありますので、部隊長とかあるいは幹部の有力な者が、それを現認いたしまして、はつきりした資料を持つて來るような場合は、それによつてただちに認定をいたしておりますが、その他のものにつきましては、角度を甲、乙、丙と定めまして、その再度の大小によりまして、数名くらいの証言が一致した場合には、これを各府縣の責任において、死亡と認定して通知をする。そういうような処決の方法をとつておる次第でありますが、一時手不足等のために、相当認定処理が遅れたような事態もありましたが、現在では確実と思われます者はどんどん処理をいたして、通報いたしておる状況であります。 第二のモスクワ放送の件につきましては、放送開始以來稻毛にあります復員局の留守業務部でキヤツチいたしまして、一認定の資料にいたしております。現在も続けております。
○若松委員 先ほどから説明員と委員との應酬の間に、ソ連地区からの引揚者は米ソ間の協定で五万の割という、この割というのが私にはわからないのですが、あの協定は一箇月五万をくだらざるという意味で、上は幾らでもさしつかえないという意味に私は了解しておつたのです。また現に先月か先々月かと思いますが、第一次かの発表によつても、そういうような日本の受入れ態勢のことも書いてありましたから、決して五万にステイツクした意味とは私は解しておりません。 次に同僚議員からただいまソ連地区からの引揚が停滯しているその原因は、日本の受入れ態勢にあるという御質問がありましたが、これは第一回國会以來何回もお話がありまして、私はずつと初めからこの委員になつておりますが、すでに十六万という数が示されたのは、日本で輸送その他において月々十六万人は受入れ得る、十分だという意味で十分交渉をしていただいているように了解しておりますが、一体最近においてソ連大使館とか、あるいは共産党の方々があるいは日本の受入れ態勢が五万を越すことは非常に不十分だというような事態が起つたと見ておられるのか、その点をちよつとお伺いしたいのです。
○高野説明員 若松委員の御質問及びその前の玉置委員の第二番目の御質問の引揚促進と受入れ態勢の問題でありますが、これは受入れ態勢の字句のとりようによつては、私から説明するまでもなく立場が通うのではないかと思いますが、一應本問題に関する私の職権について御参考までに御説明いたします。その前に今の若松委員の月五万というのは、それに限定されないで、それがミニマムでマキシマムはいくらでもよいじやないかというお説がありました。今私手元に原文を持つておりますが、これによりますとソ連の港からの日本人の引揚げの率は、月五万を設定するということになつております。これがミニマムかマキシマムか、要するに日本人のソビエトの港からの引揚げは、月五万の割とすることになつておる次第で、これから行くと大体五万程度を返すということになるのではないかと思います。これ以上帰してもよいのですが、帰さなければならぬという協定上の義務はないのではないかと思います。 次に引揚げ促進について、日本における引揚げ態勢の受入れ施設が完備していないからできないのだという声をソ連地区からの引揚げ開始以來しばしば耳にいたしますが、引揚げ態勢、受入れ態勢ができておらぬというのは具体的にどういうことであるのか、言う人によりまして、また場合によりまして、いろいろ区々にわたつておりまして、大別いたしますと、第一に船がないということが一つ、第二に援護局なり家に帰るまでの態度なり取扱いがはなはだいかぬという陸に上つてからの物的施設の意味と、第三におきましては、もつと廣汎な、社会的な、経済的な意味において住宅難がある。失業がある。ないしは日本の民主化がまだ徹底してないからだという、非常に廣汎な政治的な経済的な意味に言うておる向きもありまして、大体その三つにわかれると思います。第一の船がないということは現在中央においてはあまり私は耳にいたしませんが、まだ地方においてはそういうふうに信じておる人もあるやに聞いております。これは先ほどからも申し上げましたように、日本側といたしましては十六万という態勢をくずさずに維持しております。五万はもちろん十六万はいつでも返し得る。船に関しましてはそういう心配は決してございません。次に援護局の施設も十六万態勢のためにやつておりますので、これが不備とか欠陥があるということはございません。次に第三の失業とか住宅難または食糧問題等についていろいろ言われておりますが、これは外務省から御答弁申し上げる筋合いではないと思うのであります。ただ御承知と思いますが、第一にはこの問題と米ソ協定によつて五万まで返すという問題とは一應関連はないのではないかと思うのと、次は日本政府といたしましては、現在引揚げて帰られる方には長年他國で苦労されておりまして、いろいろの施設なりめんどうを見てあげたいということは、どなたも日本人の一人として御異存はないと思うのでありますが、財政上の理由とか、物資の関係もございますし、同時に現在司令部の態度といたしまして引揚者なるがゆえに特別の優先的な差別待遇をしてはいかぬ、要するにほかに戰爭によつていろいろ困つておる人とか、その他いろいろな理由で困つておる人と一緒にやるという大きな建前もございますので、あらゆる事情と建前でなかなかうまく行かない事情があるのではないかと仄聞いたしております。以上簡單でありますが、申し上げます。
○若松委員 今説明員の話によると、この協定はマキシマムなのかミニマムなのかわからぬということでありましたが、当時私はその書類を手にしておりませんからわかりませんが、その協定の中に書いておりますそのときのプレス・リリースは、私はこういうふうに覚えております。そのときにきめたのはつまりミニマムになりますか、最小限度、それ以上を要求しておるのですから、多く返すことには異存はないのだということがあつたと思います。それがなければ現在十六万という受入れ態勢ができたからこれだけ返してくれと言えるはずはない。もちろんそうなれば新しい協定をしなければならぬわけですから、そういうことはないはずだと思いますが、ひとつお調べ願いたい。もう少しよけい返す意味においてその主張を國内にもよくわからしておいた方がいいと思います。
○天野(久)委員 この引揚げ問題についてわれわれが一番苦慮しておりますのは、中共地区に残つておられる人たちの引揚げ問題でありまして、これがいまだに目鼻がつかないでおるわけですが、先ほどの御説明によると中共、あの方面との和平ができれば、政府に要求するというお話がございましたが、それに対しましていま少し詳細な御説明を承りたいと思います。
○高野説明員 若松委員の御註文と申しますか御質問によりまして、現在その当時のプレス・リリースを持ち合せておりませんので、至急調べまして御返事いたしたいと思いますが、しかしこの意味は十六万との関連におきまして、十六万はこの協定上当然ソ連政府がやるべきであるという趣旨から言つておるのではないと私は承知いたしておるのですが、その当時のプレス・リリースを今持つておりませんので、その点はわかりませんが、少くとも現在そういうふうに解しております。 次に中共地区の引揚げ問題についてでございますが、司令部に中共地区の問題につきまして前々からお願いいたしておる次第でありますが、……ちよつと速記をやめていただきたいと思います。
○中山委員長 速記をとめて……。 〔速記中止〕
○中山委員長 速記をとつて……。
○天野(久)委員 今御説明を承つて大体わかりましたが、現在におきまして支那の和平交渉を期待しており、こういう状態から政府がそこにでき上つたということもうかがい知るわけですから、どうかひとつ政府においてはあらゆる機会をとらえてこれを折衝して、引揚げが促進できるようにお願いいたしたいと思います。
○高野説明員 御趣旨に從いまして、大いに努力いたしたいと存じております。
○天野(久)委員 もう一つ承りたい。今ソ連地区におられる在留邦人に対しては、いろいろと留守宅手当というものが出ておりますが、ほかのところは出ておらないと承つておりますが、それでなくして、現在満州地区におつて、現地から軍属にひとしい働きをして出ておつた、そうしてそれはりつぱに証人がある、こういう場合にその留守宅に対して留守宅手当が今出されておるか、あるいは出せないことになつておるか、おわかりでしたら承りたいる
○高山政府委員 ただいまの天野委員の御質問にお答えいたします。満州におきまして、軍属であるという身分がはつきりいたしております場合には、軍人、軍属に対する未復員者給與を適用いたしまして支拂うことになつておりますが、軍属であるという証明がつかない者に対して、あるいは一部支拂つておらないようなこともあるかと思いますが、建前といたしましては、今申し上げましたように、軍属であるということがはつきりしでおりますれば、さつそく支給いたすようにしたいと思います。
○天野(久)委員 ソ連地区は拂うことになつておりますので、他の中共地区におられる人たちに対しても、同じような扱いをするように御処置が願いたいと思います。 なおこれは委員長にお願いいたしたい。今未帰還者の家族及び未復員者の家族たちが、いずれも柱石を失い、あるいはまた柱石が帰つて來られないというような過程にありますので、地方におきまして、個々の力は非常に弱い。しかるに今農地法などによりまして、その人たちで農地をめぐつて非常に悲惨な思いをしておるものが幾多あります。こういう問題について、次の機会にどうか農林省の係官を呼んで、農地をめぐつての抗爭に対して委員会としていろいろ質問をし御意見を承りたいと思いますが、これが許されるものならば、次の機会にお願いいたしたいと思います。たとえてみますと、出征以前において農地を貸し與えておつた。しかし主人がなくなつて、人手がないから作ることができないだろうということで、農地の返還を迫つても返してくれない。あるいは小作をしておる人が、たくさんな地所を持つておるが返さない。しかもその農地を目的以外の住宅の敷地、あるいは果樹園等にして返してくれないという状態が幾多あつて、留守宅家族、未復員者、あるいは主人を失つた家族の人たちは非常に困つております。この問題について、次の機会にぜひ農林省の係官をお呼び願つて質疑をいたしてみたいと思いますので、さようおとりはからい願いまする
○中山委員長 承知いたしました。
○立花委員 最初に御質問いたしたいと思いますのは、総司令部発表とあります表の最後にペンで書いてありますのも、総司令部の発表かどうかお聞きしたい。
○高野説明員 その通りでございます。
○立花委員 これはどういう算定の基準によつたかも御存じありませんか。最前あなたの方で申されましたように、終戰当時満州地区におつた者の、名前も名簿もないというような状態で、こういう数字がどうして出て來たかということをお聞きしたいのです。 もう一つお伺いしたいのは、最前受入態勢として船の問題、施設の問題、廣汎なる意味における経済上の問題についてお話があつたのですが、できましたら次の機会に、十六万受入れ態勢の具体的数字をお示し願いたい。 それからちよつと共産党に対する本質的な問題になりますのでお答えして置きたいと思いますが、共産党は引揚げの問題に関して決して冷淡であるのではございません。共産党といたしましては、むしろこういう事態が起ることを予知いたしまして、戰爭に反対したただ一つの政党でありまして、その意味から申しましても、現在異境におられる方たちの一身上の問題を、最も熱心に考えた政党だということが言えると思います。現在におきましても、國民のだれにも劣らず異境におられる方のことを心配しております。從つで、最前から御意見のありました國民運動を興す、あるいはこの委員会で決議をするというようなことには、これまただれにも劣らず率先してやりたいと思つております。同時に、これもこの委員会でお話になりました受入れ態勢の問題ですが、こういうことも一日も早く、一人でも多く帰すために、受入れ態勢を早く完備してやる。それを具体的に数字的に檢討して行くことも必要なことではないかと思いますので、次回には十六万の受入れ態勢がどのようにできておるかということを、数字的に具体的に御報告願いたいと思います。私たち聞くところによりますと、まだ舞鶴方面にもいろいろな支障があるようであります。宿舎の問題にしても、一日か二日で交代すればよいが、六日も一週間もおる場合には、やはりあとがつかえて來るというようなことも聞かされておりますので、この十六万の受入れ態勢はどういうふうに完備されているか、実際どういうふうに十六万が受入れられるかということをお示し願いたいと思います。今日の御説明は非常に抽象的で、私たちが関心を持つております受入れ態勢の問題は具体的に出ておりませんので、次回にはぜひこれをやつてもらいたいと思います。
○小西委員 簡單に政府にお尋ねしたい。ポツダム宣言により、戰爭が終つたら各地からわが同胞を即時帰すという條文について——敗戰國ですからそういうことはどうかと思いますが、アメリカ地区からの者が早く帰されて、ソ連地区では今なお労役に服しておるが、これに対する日本政府の見解というか、條文の解釈は國際的にどういうふうなものであるかということをお尋ねしたい。 もう一つは、先ほど若松委員が言われた月五万人というのですが、一月から四月までは凍結によつて引揚げられないので、こちらの十六万の受入態勢ができた場合には、夏の間追加してもらえるかどうか。それをお尋ねしたい。 もう一つは、日本に駐屯されているテレビヤンコ中將のような代表者に、そういう引揚関係の決定権があるものかないものか。一時われわれがお伺いしたときには、ここには全然権限がないということであつた。現在もなおその通りであるのかどうか。大体この三つについて、簡單に御説明願いたいと思います。
○高野説明員 順序といたしまして、初め立花委員の御質問にお答えいたします。 中央地区は数がはつきりしていないから差引が出ないではないかと言われましたが、私は初め約と申し上げておりますから……。一應初めの数がありますので、帰つて來て現在約六万ばかりおるわけであります。 次に受入れ態勢の問題ですが、ある程度数字は持つておりますが長くなりますから……。と同時に、この質問に対しましては、援護廳ないし船舶運営会の方で答えてくれればよいと思いますが、御質問の趣旨は特に援護廳の施設だけに限られたと解してよいのですか。
○立花委員 そうではありません。あなたの言われた廣汎なる受入れ態勢……。
○高野説明員 第三のカテゴリーをも含むのですか。
○田島委員 議事進行について——ちよつとお願いになりますが、たいへんこの委員会の開会が遅れまして本会の開会もあと少くなりましたが、非常に急を要する問題が相当ございますから、できるだけ早い機会にもう一度こういう会をもつていただきたい。今立花委員が申されましたように、概略は政府の説明でわかりますが、具体的には新米議員のせいか、わからない点がありますのでお伺いいたしたい点がございます。これを一つ希望しておきたいと思います。 次にもう一つつけ加えて、これは申し上げるまでもないと思いますが、私予算委員会をちよつと傍聽いたしました。少数の方の意見が封ぜられまして、大変発言が不十分な点を見て來ました。この委員会はほかの委員会とは違いますからそんなことはおそらくないと思いますが、お互い話合えばこの問題は解決できる問題で、私ども共産党といたしましても立花委員も今申されましたように、先日党といたしましてソ連大使館を訪問いたしまして、向うに残つておられますところの数とか、今年中にぜひ引揚げを促進していただきたいということを引揚げ團体の方もお連れして懇願に参りました。私どももそのように一生懸命やつておりますけれども、この委員会は非常に遅れております。ぜひともこれは早く私はやつていただきたい。そしてもつとゆつくり皆様とともに話し合つて、一日も早く同胞が國に帰れるよう、またこちらに参つた同胞に対しても……。
○池見委員 この委員会は私は政党政派を超越して、挙國的の委員会であるという性格を持つておる。決してお互いにひがみ根性を出したり、かれこれというふうなことでなくして、あくまでも正々堂々と言うことは言い、話すことは話して進行してもらいたい。同時にこの委員会は相当意見が多いと思いますから、委員長におかれても、時間の励行と、省質問者も要点のみを発言していただきたい。同時にその発言の中にかなり重複しておる点が多いと思いますから、その辺も考えていただきたい。そうして本日はこれで散会していただきたいという動議を提出いたします。
○中山委員長 ただいまの動議に対して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会