運輸委員会 第22号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/18
会議録
○岡村委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、稻田委員長がおさしつかえがありますので、私がかわつて委員長の職務を行います。 日程に入ります前に、念のため申し上げます。すでに公報にて御承知のことと思いますが、廣川弘禪君外五名より提出になりました戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案が昨日当委員会に付託になりましたので、御承知おきください。
○岡村委員長代理 それではこれより請願の審査に入りますが、その前に請願の審査方法につきましてお諮りいたします。現在まで本委員会に付託になつております請願は、二百六十数件の多数に上り、今後なお、付託になるものと思われます。しかも海上運送法案、造船法案、戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案等の重要法案の審査中でありまして、会期も切迫しております現在といたしましては、よほど能率的に、しかも愼重に審査をいたしませんと、これらの付託事件を議了いたすことが困難ではないかと思われるのであります。從いまして本日、これから審査をいたします請願につきましても、一つ一つ紹介議員の説明を聞き、これに対する政府当局の意見を聞いていたのでは、非常に長時間を要することになりまして、法案の審査にもさしつかえを生ずるようになることも考えられるのであります。なおまた、各請願の趣旨は、各位の手元に配付になつております請願文書表によりまして、十分御承知になつているところであります。從いまして本日は、各請願の趣旨を聽取することは省略いたしまして、類似の請願につきましては、一括して政府の御意見を承ることにいたし、各位におかれましては文書表の内容、政府の御意見等を愼重に御檢討を願うことにいたしまして後日の委員会においてこれらの請願に対する採否の決定をしたらどうかと思うのであります。但し、紹介議員がお見えになつた場合は、御説明を伺うことにいたしたい、かように考えるのでありますが、このような取扱いをいたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長代理 御異議なしと認めまして、そのように取扱うことにいたします。 それでは、これより審査に入ります。 日程第三、米良線拂下反対の請願、川野芳滿君外四名紹介、文書表第八四五号、第一七、米良線拂下反対の請願、佐藤重遠君外六名紹介、文書表第一三二〇号、右二件は同一内容でありますので、紹介議員佐藤重遠君より御説明を願います。
○佐藤重遠君 本請願の趣旨は、米良線は南九州の開発に資するところ多大であり、今後ますますその施設の完備をはからねばならない重要路線であるにかかわらず、今回該路線を拂下げるやに聞くが、それはまことに遺憾である。ついては米良線の拂下に反対するというのであります。何とぞ愼重御審議の上、採択あらんことをお願いいたします。
○岡村委員長代理 次は日程第六、國営自動車拂下反対の請願(赤松勇君紹介)(第八八八号)、一三、國営自動車拂下反対の請願(滿尾君亮君紹介)(第一一七三号)、一六、國営自動車拂下反対の請願(田中啓一君紹介)(第一二三九号)、一九、國営自動車拂下反対の請願(小川原政信君紹介)(第一三二四号)、二〇、國営自動車拂下反対の請願(中村幸八君紹介)(第一三五九号)三三、國営自動車拂下反対の請願(谷口善太郎君外一名紹介)(第一五〇四号)、三八、國営自動車拂下反対の請願(冨永格五郎君紹介)(第一六四六号)、二、京鶴線拂下反対の請願(岡田春夫君紹介)(第七九九号)、一一、京鶴線拂下反対の請願(河田賢治君紹介)(第九九一号)、四、南豫線拂下反対の請願(高橋英吉君外一名紹介)(第八五一号)、七、南豫線拂下反対の請願(關谷勝利君紹介)(第九二九号)、九、秋吉線拂下反対の請願(今澄勇君外二名紹介)(第九七五号)、一〇、龜草線並びに錦城線拂下反対の請願(堤ツルヨ君紹介)(第九八五号)、一五、龜草線及び錦城線拂下反対の請願(田代文久君紹介)(第一一九一号)、一四、岡多線拂下反対の請願(小西英雄君紹介)(第一一九〇号)、一八、福浪線拂下反対の請願(大内一郎君紹介)(第一三二三号)、二五、塩原線拂下反対の請願(森山欽司君紹介)(第一四〇三号)、二七、岩目線拂下反対の請願(高橋定一君紹介)(第一四三一号)、二八、宮林線拂下反対の請願(小山長規君紹介)(第一四三二号)、三〇、紀南線拂下反対の請願外一件(前田正男君紹介)(第一四六八号)、三二、濱名線拂下反対の請願(八木一郎君外一名紹介)(第一四九七号)、五、北海道の國営自動車拂下反対の請願(伊藤郷一君紹介)(第八八七号)、一二、象潟自動車区拂下反対に関する請願(村上清治君紹介)(第九九八号)、二一、直方、福間間國営自動車拂下反対の請願(田代文久君紹介)(第一三六〇号)、二二、長野原、草津間國営自動車拂下反対の請願(岩川與助君紹介)(第一三六一号)、二三、壽都國営自動車区拂下反対の請願(小川原政信君紹介)(第一三六二号)、三四、豊後竹田自動車区拂下反対の請願(金光義邦君紹介)(第一五二八号)、三六、日田市の國営自動車拂下反対の請願(金光義邦君紹介)(第一五八〇号)、三七、幸崎、佐賀關間國営自動車拂下反対の請願(金光義邦君紹介)(第一五八一号)、以上の各請願は、廣く一般的に、國営自動車を拂下げることになれば、運賃の値上げは必至であり、輸送の不安全、現從業員の整理等を來すから、拂下げに反対するという請願と、現在運轉されている各個々の國営自動車路線の拂下げに反対であるという、二通りの請願であります。ただいま佐藤君より紹介説明がありました請願及びこれらの請願につきまして、政府の御意見を承りたいと思います。
○駒説明員 國営自動車路線の拂下げは、地方民に與える影響も非常に大きいし、政事治的にも、経済的にも、よつてもたらす影響が重大でありますので、愼重に考慮しなければなりません。從いまして具体的にどの路線を拂下げるというようなことは、目下のところ何ら決定しておりません。
○關谷委員 拂下げの可否、各路線についてその適用のいかんを愼重具体的に考慮するということだが、どんな手続でそういうことを考慮するのか、また拂下げるように考慮するのか、それとも拂下げるかいなかを考慮するのか、はつきりした見解を伺いたい。
○駒説明員 目下のところ拂下げることは、できるだけしないような方針でおりますが、もし拂下げるというになれば、どの路線を拂下げるかということについては、國会の意見を十分に尊重して行いたいと思つております。
○岡村委員長代理 次に日程第八、鶴岡、大泉間國営トラック拂下反対並びにバス運輸開始の請願(志田義信君紹介)(第九三二号)、二四、佐川駅より大崎村川口を経て池川町用居に至る間に國営自動車運輸開始の請願(長野長廣君紹介)(第一三六七号)、二六、新見、高梁間國営自動車運輸開始の請願(近藤鶴代君外二名紹介)(第一四三〇号)、三一、掛川、御前崎間國営自動車運輸開始の請願(水野彦治郎君紹介)(第一四六九号)、三五、米澤、喜多方間國営自動車運輸開始並びに野岩羽線全通促進の請願(大和田義榮君外二名紹介)(第一五四一号)、一、諏訪線を軽井澤まで延長の請願(黒澤富次郎君外一名紹介)(第七〇〇号)、二九、遠野、川井間國営自動車を茂市まで延長の請願(野原正勝君外二名紹介)(第一四三四号)、以上の請願は、國営自動車の運輸を開始してもらいたいという趣旨のものと、現在國営自動車を運輸している路線の区間延長の請願であり、新路線の開設を要望するものでありますので、紹介議員の説明を省略して、政府の御意見を承りたいと思います。
○駒説明員 新線の開業に関しましては、今年度は経済九原則のわく内で極度に予算を切り詰められましたので、國営はもちろん、民営におきましても、新規事業は一切不可能の状態にありますことは、委員各位のよく御存じの通りでございます。現在民営業者のあります区間におきましては、既存の業者を強化育成することに努力いたしたいと思います。なお業者のない区間につきましては、國内の経済状態が好轉いたしますまでは、しばらくごしんぼうをお願いいたしたいと考えております。現在の國営自動車の施設状況を見ましても、計画基準量の五〇パーセントも滿たしていない現状なので、この点の充足に努め、サービスの改善に努力いたしたいと考えております。
○關谷委員 ただいまのお話によると、予算の関係で、新線を開設することはできないとのことであるが、既存自動車路線の区間を延長いたすことについては、別に大した経費もかからないので、実現は困難でないと考えるが、この点はどうなんですか。
○駒説明員 この問題につきましては、道路運送委員会で審査し、決定いたす事ことになつておりますが、なおそのほかに、関係方面とも折衝をした上でないと、実現ができないような現状にありますので、この区間の延長も困難であると考えられるのであります。
○關谷委員 関係方面といえども、事情をよく話して説明をすれば、了解が得られるものと考えられます。個々の具体的な路線について、十分実情を調査した上、その実現方について努力されるよう希望いたします。
○岡村委員長代理 これにて、本日の請願日程は終了いたしました。なお各委員におかれましては、これらの請願について十分檢討を加えておいていただき、後日の採否を決定いたしますときに、御意見を述べていただきたいと思います。それではこのままで暫時休憩いたし、造船法案につきまして、協議いたしたいと思います。 午後三時二十四分休憩 ————◇————— 午後三時四十三分開議 〔以下速記〕
○岡村委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。 お諮りいたします。日程外でありますが、戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案を日程に追加いたしまして、審査を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり。〕
○岡村委員長代理 異議なしと認めまして、本案を議題といたします。 まず提案者前田郁君より提案理由の御説明をお願いいたします。
○前田(郁)委員 ただいま議題に供せられました戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案につきまして、御説明を申し上げます。 政府が地方鉄道会社から買收いたしました鉄道は、過去において相当多数に上つているのでありまするが、その大部分は本來國が敷設すべく予定されておりました路線の買收でありまして、鉄道國有法の精神にまつたく合致いたしておるのであります。しかるに昭和十八年、十九年に至りまして、今次戰爭遂行の目的から必要なものである限り、本來地方鉄道であるべきものをも多数買收いたすことになりました。その買收路線は、この両年におきまして、実に二十二線に上つていたのであります。しかるに今日におきましては、この買收の目的はまつたく消滅をいたしているものでありまして、これは再び地方鉄道会社に拂下げ、その企業の創意と努力とにより、その地方の利便に、最も適合するように運営させることが、きわめて適当であると考えられ、業界よりも、第一國会以來、この趣旨により、拂下げの請願が繰返し提出されておつたのであります。これら拂下げるべきものと考えられまする路線は、毎年相当の赤字を出しておることを考えますと、この際これを民間会社に拂下げることは、將來の日本國有鉄道の財政の改善にも、大きな寄與となるものと考える次第であります。 この拂下げを受け得る相手方につきましては、もとより十分な事業の運営能力を有することが必要でありますが、また元來の買收の経緯より考えまして、でき得るだけ旧所有会社、またはその会社と密接な関係のあるものに拂下げることが、適当であると考えられますので、その旨を定めるとともに、拂下げにあたりましては、鉄道國有の原則に反せず、かつ公共の利益と合致した限りおいて行うことを明らかにしております。 またこの拂下げを実行するにあたりまして、最も問題となりまするものは、讓渡價格をいかなる点において定めるかの問題であります。本法律案におきましては、國が地方鉄道を買收する際の買收價格の算定方法と同様の方法事で算定した額を、基準といたしますが、その後の経済情勢の変動及び企業の運営能力をも考慮いたしまして、不当な拂下げとならないように、公正妥当に定めることにいたしました。 また職員につきましては、拂下げ路線または讓り受け会社に密接な関係のある者は、その申出によりまして当然会社が引継がなければならないこととし、かつ、その際に不利な及扱いを受けることのないように、特別の保護規定を置き、職員諸君の待遇の保障に万全の措置を講じております。 以上申し述べましたところによりまして、鉄道の拂下げを行う次第でありますが、その公正にして適切なる実施を確保いたしますために重要な事項につきましては、この法律により運輸省に設置されまする國有鉄道讓渡審査会の愼重な審議を経なければならないこととし、その委員につきましては、その重要な職務にふさわしいように資格を特定し、かつ両議院の同意を得まして、内閣が任命することにいたしました。 以上本法案の要旨を申し述べました。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたします。 —————————————
○岡村委員長代理 本案の質疑は次会に讓り、これより海上運送法案を議題といたし、質疑に入りたいと思います。質疑のある方には質疑を許します。
○米窪委員 これは政府の方から御説明があつたのですが、独禁法及び集排法が緩和されておる今日、同じ航路あるいは同じ系統の海上運送に從事する会社は、私はある程度までこれを整理して、能率を上げるために、資本の合同、あるいは運営の合理化のための統合をやる必要がある。今日の日本の海運界の現状は、船を一ぱいも持つておらぬ会社で、船会社の看板をかけておるところがある。また木船あるいは小さな汽船で、この法律の精神から見ても存立の疑われるようなものが、看板を上げておる。以前から日本の海運界は戰爭のために非常な犠牲を受けておる。そして戰爭中あの非能率な、いわゆる戰時型船舶をたくさんつくりまして、進水をしてすぐに水が漏つて、進水即繋船というような状態のものも相当ある。從つて稼働率も非常に落ちておるものがあるのでありまして、今日日本が持つておる総トン数と称するものの中の約四割くらいは、使えないものです。しかもそういう船を持つておる船会社で、看板だけ上げておるようなものがあるのでありまして、そういうものは私はよろしく思い切つて整理をするように、政府が奬励しなければならぬと思うのに、今日まで日本の海運総局の方針は、いたずらなる温情主義で、何らそういう合理化に手を染める決意のないように見える。この法律が幸いに今日出ておるのでありますから、政府はこれに対して、今私の質問したような方針に沿うて、今後いわゆる廃船その他採算のとれないような航路あるいは船舶を持つておる船主に対しては、自発的の整理を、船主協会なりあるいは個人会社へ勧告するだけの勇氣があるかどうか。またその方針が立つておるか。その点を私はお諮りしたいと思うのであります。いたずらに船員の数を少くするとか、あるいは人件費の整理をするだけではいけないと思う。從つて海運経営の面における整理、合理化が必要である。今までの海運総局のやり方は、何ら積極的な態度に出ておらないのであります。今後この法律が出た機会に、政府はよろしくいわゆる看板だけの汽船会社、あるいは他の汽船会社に依存隷属しておるような傍系の船会社、そういうものを整理して、ほんとうに日本の海運業のために働き得る、実力のある会社だけにする御方針であるのかどうか。幸いにして独禁法、集排法が相当緩和されておるから、この二つの法律に触れない範囲において、政府は海運界の現状を是正するだけのお考えがあるかどうか。この点をお尋ねいたします。
○岡田(修)政府委員 ただいまの御質問は、弱小船会社を整理する考えがあるかどうかという御質問と、もう一点は採算のとれない航路の廃止を、積極的に措置する考えがあるかどうかという点でございますが、私ども船会社の整理統合につきましては、今日の経済趨勢からと申しますか、民間側のそういう企業の合理的な措置につきましては、あたう限り民間側の自発的な措置にまちたい。政府側がいたずらに干渉すべき事柄でない。かように考えておるのでありまして、ただいまのところ、特にどういう会社を整理するとか、どの程度の規模の会社に集約するというような考えは、持つておりません。それから不定期船につきましては、全部運営会でやつておりまして、現在自主的にやつておりますのは、旅客航路だけでございます。この自営でやつております旅客航路で、採算のとれない航路につきましては、会社自体においてむしろ整理せんとする傾向にあるのでありまするが、その航路の廃止が、地方民に及ぼす影響が非常に大きい点から考えまして、むしろ地方民の立場を考えまして、その航路の維持を勧告しておるような状況にあるのでございます。特に航路につきまして、政府で整理を強要することにつきましては、具体的なるものは目下考え得ない状況なのであります。この現下の熾烈なる経済情勢下におきまして、政府側が積極的に方針をとらなくても、業者がみずから生きるために、どうしても合理化——弱いものは強いものにくつつくというような方途に出でざるを得ない。さように考えておるのでございます。ただいま米窪委員からの御質問の、政府側としての具体的なる構想という面につきましては、公表するまでには至つていない次第であります。
○米窪委員 今の岡田海運局長の御答弁でございますが、今まで運営会は、戰時管理令の適用を受けまして、各汽船会社の船舶をはだか傭船しておつた。それが四月一日から解かれまして、修繕費及び船員等の人件費については、元の汽船会社においてこれをまかなえということになつて、一應民営還元の形をとつておる。ところが実質的には、やはり船舶運営会に定期用船をされる場合において、その用船料の中に、修繕費及びその他の船主の自営にかかる費用が入つて來ておる。すなわち船員の人件費並びに修繕費その他各般の費用が、それが合理的なものである限り、これを用船料の中に織り込んでおるのでありまして、運営会に残つておる船は別として、これらの運営会から解放されて各汽船会社に還元された船といえども、やはり実質的には依然國の補助金を受けておることになる。從つて國の補給金を受けておる船舶の経営に対しましては、私は海運総局に相当の指導力があり得ると思う。從つて明らかに採算のとれないような船舶を、運営会とその船主とのチヤーターによつて、チヤーター料を拂うということは、海運総局が監督者の立場に立つ限り、これに対しては、一應の制約を加える必要があるのではないか。これを業者の自発的な運営にまかせるということになれば、業者の人情から見て、依然としてはなはだ非能率な、稼働的でない船舶も、やはり運営会に泣きついて、チヤーターされる危險がある。私はその点を憂えるからまず総論的に、そういう考えがあるかどうか。今までの運営会あるいは各船主に対する態度を、もつと積極的にするために、海運総局は、合同のできる船会社には合同を勧める、プール・システムをとるべき船主に対しては、それをとれという程度の指示を與えることが、国民の血税によるところの予算から、相当の額の補給金なり、タイム・チヤーターを受けている船主に対しては、当然である、やはり政府は相当これに対して発言をすべきである、こう考えるのでございす。これに対する御意見を伺います。
○秋山政府委員 前半おりませんものですから、あるいは答弁不十分かと思いますが、後ほど補正いたします。海運会社が非常に非能率な船を持つて運航しておるのを、船舶運営会がチヤーターをして、これに不当な高い用船料を拂つておるのではなかろうか、これら海運会社を合同させるようにすべきだがどうか、こういうようなお尋ねの趣旨であつたと了解したのであります。私どもの根本的な考え方としましては、わが國の海運はどういたしましても、こういう地理的環境にございますので、諸外國への外航というものを考えて、海運政策をとらなければならぬと思うのでございますが、そういたしますると、やはり海上につきましては、実際の原則と申しまするか、それは自由企業というものをもつて行かなければならぬと考えておるのでありまして、そういう趣旨から、運営会の制度の將來に対する考え方も、そういうような見地から考えて参りまして、一歩一歩と手を打つて、実施をいたして参つておるような次第であつたのであります。從いましてそういうような見地から考えて参りますと、この企業をどういうふうな形にするかというようなことを、政府において設計いたしまして、それを業者に押しつけるというようなことは、私どもとしてはどうかと思つております。そういつたような合理化が進むような態勢にできるだけ早く持つて行つて、それによつて業者自体がその情勢に対應して、いわゆる外國の競爭に耐えるような経営の合理化をしてもらうということが、最も地についた能率の上る方法ではないか、かように考えておるような次第でございます。
○米窪委員 外國との貿易がはるか行われて、航路の制限が撤廃されて、遠洋航路ができるようになれば、アメリカは自由主義の上に立つて海運をやつておるから、これはおつしやる通りであると思う。しかし現在は、まだ日本は貿易が大びらに許されておらないし、航路の制限もあるので、從つて近海、あるいは沿岸の範囲にとめられておるのでありまして、もしも非能率な船、あるいは稼働率が非常に低い船を、ただ運営会と船主の用船契約だけにまかせて、海運総局が見ておるようなことであれば、結局厖大なる生産費がかかりまして、そのチヤーターの尻ぬぐいをするということになると、非常に憂うべきことが起るのではないか。この際お伺いしたいことは、この船舶運営会と船主の間に協約締結される定期用船料というものは、一概に稼働や荷物、船路によつて一本というわけに行かないでしようが、どの程度最高額をおきめになるお考えであるか。あるいはすでにおきめになつているのであるかどうか。それらの点を無制限に両者の間の契約にまかせるのであるか。政府が予算的措置から考えて、補給金などを支出する政府の立場から見て、用船料はこれ以上はいかぬというようなお考えを持つておられるか。その点をお伺いいたしたい。
○秋山政府委員 定期用船料については、運営会と業者との間の契約にまかしておりませんで、実はこれを運輸大臣がきめることになつておるのでございます。しかしながら運輸大臣がきめまする場合に、いわゆる独断專行を避けますためには、傭船料審議会というものを設けまして、これに大藏省の主計局長、物價廳の第五部長、経済安定本部の運輸局長、海運総局の長官、船主協会を代表する者一名及び保有トン数五千トン以下の小船会社を代表する者一名、これだけをもつて構成いたしまして、そこにおいて愼重審議いたしまして、用船料をきめておるのでありますが、やはり最高限は予算によつて縛られるので、予算以上を支出することはできないのでありますから、大体予算が最高額になりまして、審議会ではその與えられた予算をどういうふうに各船型別、あるいは船別に配分することが最も公平であるかということが、結論において議論の中心とならざるを得ないのでありまして、そのときの経済状態から見て、最も適当なる用船料というふうには考えられるのでございますけれども、一面原價主義による物價統制というものがございまして、やはりそういう方法をとらざるを得ない事情であります。從いまして現在の用船料は、從來のまつたくコストの計算から出ておりますはだか用船料を中心といたしまして、これにマイニングあるいはリフエヤー、それからマネージを割りつけまして、計算しておるような次第であります。なお定期用船料になりますとオフ・ハイヤーがございまして、十二箇月別の用船料と違つて、稼働率によつて差等をつけなければならないのでありますが、この点につきましては、船型別に過去の運航実績を見まして、特に從來運航能率が悪いために、非常に運営会の負担になつておりましたような船舶につきましては、これの改造なり、能率の増進なりを強制する意味におきまして、相当ドラスティックに稼働能率を段階的に上げたという点において、合理化を促進する、かような政策をとつておる次第であります。
○米窪委員 まだほかに質問がございまするが、私内閣委員会の委員外発言をする関係上、一應この程度で質問を保留しておきます。
○橘委員 まず最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、どうもこの海上運送法案というごとき、わが國の海運界にとつては画期的法案が、かかる会期切迫いたしました今日に至りまして、突如として御提案に相なつた——おそらくこの内容を拝見してみますると、非常な各方面からの意見も強いことと実は考えているのでございます。なぜ早々として、かかる海運界にとつての憲法とも申すべき重要法案を御提出になつたのか、まず第一点としてこの点をお伺いいたしたい。
○秋山政府委員 橘さんのお話のごとく、まことにこの法案は画期的なものでございまして、海運界としては、確かに本当の基準法規になるであろうと思うのであります。こういう法規が必要なことにつきましては、前々からその議がございまして、われわれとしては常に研鑽を怠らなかつたところでございます。元來これを本國会に提案することになりました大きな原動力は、運輸省の設置法でございまして、運輸省設置法によりまして、あらゆる行政が法律に根拠を持たなければならないことになりました。そういうことになりますと、海運総局は、いわゆる行政指導ということばかりやるということになるのでありまして、これははなはだ私どもとしても、おもしろくないことに存じております。何とかやりますことについて、その規矩準繩を得たい、かように考えておりましたところに、たまたま準備しておりました法案が役に立つたような次第でございます。 なお会期切迫の折柄というおしかりは、まことに恐縮の至りでいございまして、われわれといたしましては、開会劈頭くらいに出すつもりで準備を進めておつたのでございますが、その後いろいろ内外の事情がございまして、あるいは関係方面との折衝が遅れまして、決定が今日に至りましたことは、まことに相済まないことと深くおわびする次第であります。なお内容の重要さにかんがみまして、一日も早く御審議あらんことを希望する次第であります。
○橘委員 まず私が不審に思つておりまする第一点は、本法がさほど緊急性を持つておる法案とは存じないのであります。なぜかなれば、御承知のごとくわが國の現在の海運の運航体制は、船舶運営会をもつて一元的に運航されておるわけであリます。八百トン以下の小型船は別といたしまして、少くとも本法の中核とも申しますべき、定期航路に從事し得るような鋼船は、ほとんど船舶運営会が掌握し、かつ船舶運営会のもとに現在定期航路を営みつつあるわけであります。しかも船舶運営会が今なおその機構を存置しておる際に、なぜこういうふうな重大法案を御提案になつたか。少くともこれは、來るべき臨時國会におきまして、十二分に、あるいは公聽会を開催し、またわれわれ委員としても愼重檢討を加えまして、本法案を審議いたしたいと思つておるのでありまするが、御当局はこの私の意見に対しまして、應ずる御用意があるかどうか。この点に関しましてお答えを願います。
○秋山政府委員 海運の主流をなしますものはもちろん貨物船経営でございまして、貨物船につきましては、ただいま米窪委員からの御質問にもありましたように、船舶運営会というり一つの過渡的な運航形態をとつておりますることは、御承知の通りであります。しかしながらこの貨物船の運航につきましては、先ほども申し上げましたように、基本的にはやはりできるだけ自由なる運航体制をとらなければならぬ、こういうふうに考えております。從いまして法律をもつて規定しなければならないという事柄は、きわめて少いと存ずるのであります。本法におきましても、貨物船につきまして、いわゆる不定期航路事業につきまして規定するところは、きわめてわずかな條文でございます。あとおもなる條文は、すべて定期航路事業、特に旅客定期航路事業に関するものであります。旅客定期航路事業は、現在わが國の地勢上からいたしましても、きわめておびただしい数があるのでございまして、この見えないくもの巣のように張つておりまする定期航路が、わが國の民生に持つておリます重要度、公共性というものは、非常に高いものなのであります。しかるに諸般の経済情勢その他で、この定期航路事業に関する行政なり、あるいは競爭のためにこれをどうするかということについて、地方に非常な利害問題が起りました。あるいは今この業者が経営難のために、その経営を休廃止するというような状態が起り、ある所には非常に船が集中いたし、ある所ではこれを休廃止するというような状態が起る、こういう状態になつておりますので、この事態を何とかして法律の権限によりまして、議会からお認めいただきました権限によりまして、最も公正妥当に、かつ公益を尊重してきめるということは、きわめて喫緊な問題だと思いまして、その意味におきまして、本法を運輸省設置法と審議会というものとも関係いたしまして、御提案しなければならないような状況になつた次第でございまして、條文の改正をごらんくださいますればわかりますように、主として権限的な行政の対象は、定期航路事業に置かれているわけであります。
○橘委員 今の御説明の中にもあつたようでありまするが、われわれの耳に入つておりまする点から申しますると、船舶運営会をまず解体して、民営に還元して行くかという問題であります。おそらく本法案は、一番最後の第五章の雑則にもうたつてありますがごとく、船舶運営会がありまする限りはオミツトされるということになつております。そこで本法は、民営に還元いたされました場合に、全面的に効力を発揮する時代が来ると考えておるのでありますが、その時期的な問題等に関しまして、お答えを願いたいと思うのであります。
○秋山政府委員 船舶運営会をいつやめるかという御質問のように思うのでございますが、その点につきましては、現在のところ、遺憾ながらどうしても明瞭なる見通しというふうなことは、申し上げかねる実情でございますことを、御了察願いたいと思います。
○橘委員 ざつくばらんにお尋ねをいたしまするが、先般この問題は米窪委員からも質問があつた問題でありますけれども、つまり本法と、世上傳えられております米國からのリバテイ型とか、ヴイクトリー型等の用船関係であります。多少そういつたような問題にも、本法の制定ということが関連があるのではないか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○秋山政府委員 その点はまつたく関係はございません。
○橘委員 関係がないということを承つて、さよう了承いたします。次に先般われわれの手元にアメリカの船主協会。レポートが参りまして、私も拝見いたしたのでありまするが、アメリカの船主協会は、わが國の海運界の復興という問題に非常な関心を持つております、この点は秋山長官からも先般説明があつたのでありまするが、結局は將來許さるべき遠洋航路を、わが國の船舶で開始いたしました際におきまして、米國の船主協会方面と、相当大きな問題が生じやすいということは考え得るのであります。ことにこの法案の禁止事項の中に、そういつたような意味のこともうたつております。本法制定に際しまして、第三十條の第三項にそういつたことがちよつとうたつてあります。何か日本の輸出業事者に対して、特定の恩典を與えてはいけないといつたような條文があるのでありますが、そうしてみますると、アメリカの船主協会の危惧しておりまするような條項も、多少本法案の中に織り込んでおりまするかどうか、その点をお伺いいたしたい。
○秋山政府委員 私どもはアメリカを対象として、本法案をつくつたのでは絶対にございません。但し日本海運の戰前におけるいろいろな実績及びこれに伴う非難等を考え合わせまする場合に、戰爭後日本海運をまた世界海運社会に復活さしてもらうためには、私たちはある種の心構えが必要であると思うのでありまして、その意味におきまして、私はこの二十八條、二十九條、三十條あたりの條文は、そういうような事柄を心構え的に考えてみたのであります。こういうことを御説明いたしたいのであります。
○橘委員 長官としては、その程度の御答弁だろうと考えておるのでありますが、次に移ります。この法案を國会に御提出になりまするまで、当局としては公聽会をお開きになる必要があつたと思うのでありますが、公聽会をお開きになつたかどうか。
○秋山政府委員 実は公聽会を開きたいと思つたのでありますが、公聽会を開く時間がとうとうなくなつたのでございます。しかし直接関係者であるところの船主協会とは、相当緊密な連絡をとつて参つたのであります。
○橘委員 私は先般來もたびたび論じましたごとく、どうもわが國の海運界の現況から申しますると、まつたく陸運の低運賃に圧伏せられまして、このままで行きますれば、現在の海運界の体制自体すら、崩壊して行くのじやないかというような懸念を持つております。ことに先般本会議におきまして、關谷委員からも決議案として御提案に相なりましたごとく、海陸の運賃のでこぼこを修正いたさずしては、いかなる海運界に対しまする、こういつた憲法のような法案を御制定になつたとしても、まつたくこれは空文でございます。本法案を御提案になつた以上、海運総局としては、海陸の運賃のでこぼこ修正に対しまして、一体いかなる御決意があるのか、その具体的な手段がなくしては、こういつたような法案をいくら制定しても、これは空文になりますので、この点に関しまするかたい御決意のほどを拝聽いたしたいと思います。
○秋山政府委員 運賃が、從來物價政策の犠牲において——と言うと、言葉がはなはた穏やかではないかもしれませんが、あるいは物價政策上の便宜と申しましようか、從來そういうことのために、常に物價調整のしわに使われて参りました。そのために鉄道運賃を初めといたしまして、汽船運賃等も、原價を償わない運賃であつたという状態は、まことに遺憾でございます。從いまして、いわゆる九原則によりまして、あらゆる事業を自主的に、整理緊縮と申しますか、そういう方面にもつて行きますためには、少くとも運輸界におきましては、運賃という基本條件を洗いませんでは、そのことは実行困難であると思いまして、その意味におきまして、私どもは、何人が見ましても明々白々たる不合理がございますから、これはなるべく早い機会に、万難を排しても、調整をしなければならないという決意をいたしておる次第でございます。
○橘委員 條文について詳細な御質問をしたいのでありますが、これはあとへ残しまして、本日の私の質問はこの程度にいたします。
○田中(堯)委員 助成金の規定がありますが、助成事金の予算はどういうことになつておりますか。
○秋山政府委員 從來わが國の議会におきましては、法律と予算とを並行してやるような慣習であつたのでありますが、しかし國会になりましてからは、法律の根拠のない予算を先に出し、あるいは法律を提案せずして、予算を出すというふうなことは、御審議を拘束する機会もございますので、本年は予算は今のところ提出いたしておりません。
○田中(堯)委員 そうすると、これが実施されますと、本年度の助成金はどういうふうにして出すつもりですか。
○秋山政府委員 これは本法の規定にもございます通り、助成金を必ず出せというのではございません。必要があれば出すことができるというのでありまして、必要があるかどうかは、別途調査を進めております。必要であるというものにつきましては、それに必要な適当な予算措置を、政府なり、あるいは國会に対してお願いしなければならぬと思つております。
○田中(堯)委員 認可を出す場合には、運輸審議会の議を経ることになつておりますが、ここに掲げてあるいろいろな基準を見ると、非常に漠としているわけであります。たとえば「当該事業の経理的基礎が確実性を有すること。」これは確実性があるといえばある、ないといえばないというような、非常に漠たる基準であります。こういう規定であると、結局いろいろな情実関係がつきまとつて、認可を受くべきものが受けられないというようなことになると思いますので、あまりそういう情実が入り得ないような規定に、修正する御意向はないのですか。その辺が非常に心配になると思いますが……。
○秋山政府委員 この許可基準につきましては、十分愼重に練りましたが、事柄の性質上、化学反能のごとくイエス、ノーの答えが出るような方法がどうしてもございません。そこでこういうような免許基準を掲げたのでございますが、ただこれの判断につきましては、運輸審議会というようなものによりまして、官聽とは別に、あらゆる資料に基きまして、また公聽会等も開くことによりまして、愼重なる手続によつて、客観的に認定をしてもらう、かようなことになつておりますので、御心配のような点は、十分避け得るのではないかと存じております。
○田中(堯)委員 こまかい点がありますが、それは明日に讓ります。
○關谷委員 この改正法案は、愼重審議をしなければいかぬと思いますが、大体大型の鋼船あたりと、小型の機帆船あたりを、法律で規定するところにむりがある。私たちこの点については、條文を別途に掲げてやつてもらいたいという希望を持つておりますが、機帆船と大型船と、別途に條項をかえて規定するというお考えはありませんか。
○秋山政府委員 關谷委員の御質問、まことにごもつともで、いろいろ具体的な問題につきましては、そういうような必要が起つて参るかと思うのでありますが、しかし本法で考えておりますような基本的な事柄につきましては、それほど影響もないのではないかと考えております。しかもこの法律は、相当弾力性のあるものでありまして、しやくし定規の法律ではありません。非常に新しい形の法律でございます。これをやつてみますと、またいろいろ問題が起こつて参ると思うのでありますが、將來の実地の経験により教わりましたことによりまして、そのときに十分考えてみたいと思つております。
○關谷委員 この法律を適用しないものという條の中の二には「ろかいのみをもつて運轉し、又は主としてろかいをもつて運轉する舟」とありますが、機帆船は大体ろかいをもつて走ることを主体としているのであります。機帆船はこれから除外するというふうに書かれておるのでありますか、これを御説明願いたいと思います。
○秋山政府委員 機帆船はろかいのみをもつて、または主としてろかいをもつて運轉するものではございません。かりにエンジンを使いません場合においても、帆をもつて運轉するのであります。それで本條には該当いたさないのであります。なお現在の趨勢といたしましては、補助機付帆船が、だんだんメイン・エンジンになりつつあることは、關谷さんも十分御存じのことと思います。
○岡村委員長代理 質疑は次会に讓り、本日はこの程度で散会いたします。 午後四時二十九分散会