運輸委員会 第17号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/05/12
会議録
○稻田委員長 これより会議を聞きます。 昨日運輸省設置法案に対する各派の修正意見を一應説明をしてもらいまして、とりあえず民主自由党と共産党との意見の開陳があり、それを採決いたしたのでありますが、なおこれ以外に米窪君よりかねて修正意見の開陳もあつたのでありますから、それに加えまして民主党の佐伯宗義君の意見も本日ここで述べてもらいまして、この社会党の米窪君の意見と佐伯宗義君との意見をお聞きになりまして、本委員会で採択すべきは採択し、否決すべきは否決されますならば、採択になりましたものは昨日決定いたしました分に添えまして、内閣委員会の方に送りたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 それではこれより米窪君の修正意見を述べてもらいます。米窪君。
○米窪委員 はなはだお手数をかけ、ことに昨日はやむを得ざる用事があつて欠席して、委員長及び委員各位に非常な御迷惑をかけて、まことに相済まない、この機会におわびを申し上げます。 私の修正意見は、内閣委員会と運輸委員会の合同審議の席上でも申し上げました通り、また運輸委員会において質疑を試みた際にも、その考えを申し上げたので、委員長初め委員各位御承知のことと思いますが、きわめて簡單でございます。それは運輸省と運輸省外部の機構を、現行法通りにしてもらいたい。すなわち現行法においては海難審判所は大臣の所掌に直接属しておるのでございます。それを政府提出の改正案によりますと、これを海上保安廳の長官の所掌に変更をしている。この点は予算は別にいずれの場合になつても変更が起らない。また人員の増減もない。また執務の上においても何らの変更がない。すなわち実質的には、現行法通りにしましても、あるいは改正案の通りに海上保安廳長官の所掌に属しても、何らかわらない。しからばどちらでもよいということになるのでございますが、しかしどちらでもよいという、そのわくの中で考えますと、やはり現行法通り、海上保安廳は大臣の所掌に属することが非常によいというのが、私の修正意見の根拠でございます。それはどういうわけかというと、海上保安廳は主として海上の交通、あるいは治安の維持、犯罪の防止、こういつた多く檢察事務に携わつているところのお役所でございます。しかるに海難審判所は、海難によつて生じたいろいろの事故、これは刑法的なものもあれば、民法的なものもありますが、そういうようなものを、そこで裁判をするところの役所でありまして、陸上で言えばいわゆる檢察廳と裁判所というぐあいにわけられる。ところがひとしく司法の領域に属する機構ではあるけれども、陸上においては、嚴固として檢察事務と裁判事務とは、対等の地位をもつてこれが独立している。ところが海上の檢察事務と裁判事務とは、檢察的な事務を取扱うところの海上保安廳で、裁判事務を行う最高の審判官まで、これに所掌されるような形をとるころは、われわれ常識から見ても、はなはだその辺に矛盾があると同時に、今日海上保安廳は將來第二の海軍に復活するもとになるという意味において、相当の誤解が世上に飛んでいる。また外國からもそういう目でにらまれている点があるのでありまして、ことに英國や濠州あたりにおいては、その危惧が非常に多い。その海上保安廳が本來の職務から逸脱する結果になるような、海難審判所まで統合して行くことについては、こういつた印象や誤解をさらに一層深めることになる。もう一つの理由は、今まで海難事故が起つた場合においては、地方海事審判所の理事官がその現場に行つて、海難事故の理由、あるいはその発生の経過等を調べて、專門家的の立場から、いずれに非があるか、たとえば衝突の場合は、いずれに非があるかということを決定する。そうするのは当然のことである。しかるに從來陸上の地法の檢察官が現場に行くことが間々ある。前にそういう檢察官が行きまして、海上の知識のない者が單に法理的な解釈で事を決定しますと、あとから海事の経験のある地方海難審判所の理事官が行つたときに、そこに非常な混乱が起る。それと同時に、原審をひつくり返すということは非常に困難である。結果は船員が二重刑罰を受けることになる。この点は私議員になつてから、たびたび議会において、二重刑罰制度を改正しなければならぬ、すなわち言いかえると海難のあつた場合においては、海事審判所の理官が前に行つて調査をする、そうしてその判決は地方の海事審判所でまずきめる。それまでは陸上の檢察官、檢事あるいは判事は手を染めるべからずということを、國会において論議して、しばしば当時の司法省の政府委員と意見を闘わせたことがあるのであります。その結果、これは非公式ですけれども、こういうことが認められた。すなわち地方裁判所あるいは地方檢察廳の範囲においては、海難の場合には地方海難審判所の理事官が調査を優先的にやる。但し高等裁判所にこれを上告された場合においては、必ず高等海難審判所が判決を下す、陸上の高等裁判所はそれに手を染めることができないというところまでは拘束しないが、少くとも地方の海難審判所と地方裁判所との関係においては、地方裁判所は地方海難審判所に決定を譲るということがきまつておる。それは運輸大臣の直接所掌に属している。すなわち海難審判所が直接運輸大臣の所掌に属している場合であるからこそ、そういう優先権が認められたのでありますが、もしこれが海上保安廳の長官の所掌に属することになつて、位が一段下るということになると、この船員の二重刑罰という、われわれが過去において努力して來たことが水泡に帰して、將來は大つぴらに陸上の地方裁判所の判事あるいは檢事が、優先的に海難問題を取扱う素地がそこにできる。私はそれを非常に憂える、これが第一点であります。すなわち海上保安廳という、檢察事務を主として取扱うところの廳に、公平なるべき海難審判を行うものを隷属せしめるということが、反対の理由の第一。船員の二重刑罰の問題は、今までも非常に複雑多岐をきわめた係爭事件でありますから、それをこの際一層明確に、海難審判に限つては、地方の海難審判所が優先的に取扱うということを明らかにするために、今度の運輸省設置法案に対しては、少くともこの海難審判所に関する限りは反対である。この意味で修正意見を出したのでございます。 この修正意見について申し上げますと、以上の理由から出しておりますから、きわめて一部に局限されておりまして、簡單であります。すなわち運輸省設置法案に関する点におきましては、第三條第九号の「海上の安全及び治安の確保並びに海難の審判」というところを「並びに海難の審判」だけを削りまして、そのかわりに「海難の審判」という字句を第十号と新たに起してそこに書き加える。こういうことであります。それから第四條の一項に、非常に号がたくさん出ておりますが、その終りから二つ目の五十二号の最後の「並びに海難の審判を行うこと。」というのを削りまして、新たに五十三号を起しまして、そこへ「海難の審判を行うこと。」と、新たなる号を起すことであります。從つて五十三号は五十四号になる、こういうことであります。それから五十六條に船員労働委員会、海上保安廳と二つにわかれておりますが、そこへ新たに「海難審判廳」というものを書き加えるのであります。すなわち二つの項が三つの項になる。そうして第二節の海上保安廳というところの終りに、新たに第三節を起しまして、海難審判廳というものを入れます。そうして第五十八條の二というものをその次に新たに起しまして、「海難審判廳の組織、所掌事務及び権限は、海難審判法(昭和二十二年法律第百三十五号)の定めるところによる。」こういう節を新たに起すこと、以上が運輸省設置法案の改正に関する、政府原案に対する私の修正でございます。 從つて、運輸省設置法がかくのごとくに修正ができることになると、海上保安廳及び海難審判法の一部を改正する法律も、若干修正をしなければならぬ。すなわち海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律の第一條第二項の「第二條第一項中「海難の調査、」の下に「海難の審判、」を加える。」という、この改正案は必要がなくなる。これを全部削るわけです。それから「第十一條の二 海上保安廳長官の所轄の下に、海難審判所を置く。」という第十一條の二は、これを削除するわけであります。それから第十一條の三というのは、第十一條の二ということに当然繰上つて行くことになります。 そうしてお手元には出ておりませんが、運輸省の設置法案と海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案を、以上申し述べたように改正いたしますと、その改正したことによつて、海難審判法の一部を改正しなければなりませんから、それを改正したいと思います。それはきわめて簡單でありまして、海難審判法と称するものの中に書いてある「海難審判所」というものを「海難審判廳」にする。これは運輸大臣直接の所掌のもとに、運輸省の外局にする関係がありますから、「海難審判所」を「海難審判廳」と文字を書きかえることになるのであります。そして第九條の二に「各地方海難審判廳に長を、高等海難審判廳に長官を置く。」こういうぐあいに書けば完璧になる。 大体私の説明は以上の通りであります。何とぞ皆さまの御賛同を得て、この修正案の通過するように御賛成願いたいと思います。
○稻田委員長 この際大久保長官より意見の申出があります。これを許します。大久保長官。
○大久保政府委員 ただいまの米窪委員の修正案に対しまして、一言意見を申し述べたいと思います。米窪委員の御発言の御要旨は、海上保安廳は檢察廳的な性格である。それに裁判所的な審判所を研掌せしめることは、公平を欠きはしないだろうかということが、第一点のように拝承いたします。第二点は、米窪委員の多年の御経験から、二重刑罰問題についての非常なる御心配があつたのであります。これは米窪委員の御経験から徴しまして、さこそと存ずる次第であります。 第一点についてまず御説明申し上げたいと思います。第一点に関しましては、海上保安廳は檢察廳的性格である、かようなお話がございましたが、海上保安廳は、必ずしも檢察廳的性格であるということには、申されないかと思います。もちろんさような面も持つておりますが、そのほかに、たとえて申しますれば、船舶の安全の檢査をしたり、安全に関する改良に貢献をする、あるいは船員の免状を発給する。あるいは燈台その他の航路標識を設定する、かような一連の海難の予防に関する諸行政を所掌いたしておる次第であります。海難審判所も、御存じのように今回の新しい立法によりまして、主として海難の予防をその目的といたしておるものであります。この点におきまして海上保安廳の海難の予防という目的と、海難審判所の海難の予防というこの二つの目的は、ともに海難の予防という一点において一致している次第であります。かようなわけでありまして、この際非常に多い日本近海の海難を防止いたしますために、その二機関が一つの系統において協力することができましたならば、從來の相対立しておつた時代よりも、少くとも事態の改善に一歩を進めたものである、かように考えておる次第でございます。なおまた海難審判の執行にあたりましては、裁判所、裁判類似の手続をふむことに相なつておりますけれども、これは御承知のように海員の免状に対する取扱いを愼重にするということに原因いたしておりまして、裁判類似の手続をとつておりますから、審判行為は司法行為であるということにはなりませんので、海難審判は一つの行政処分でありますから、これは行政機関でありますところの海上保安廳が所管いたしましても、さしつかえないのではなかろうかと、かように存ずる次第であります。陸上の自動車運轉手の免状を警察機関が発行する。その免状に対する停止、禁止処分を同様に警察機関が一体としてやつておりますと同じように、海上において船員の免状の発給と停止、禁止処分を、同一の機関が行いましても、これはさしつかえないのではなかろうか。ただその停止、禁止をいたします場合に、海上における航海の重要性から見て、これはきわめて愼重なる扱いをとる必要がございますので、この点からいたしまして裁判類似の手続をふみまして免状の取扱いを愼重にいたしておるというのが、海難審判の実態であるのでございます。かようなわけでありまして、海難審判は行政行為でありますので、行政官廳の海上保安廳が所掌いたしましても、さしつかえはないと存ずる次第であります。また海上保安廳長官が審判官を指示いたしまして、審判の公平を害しはしないかという御疑念もあるかと存じます。しかしながらこの点につきましては、海難審判法第十一條で、海難審判所の審判官は、その職権の独立を保障されておる次第であります。そこで海上保安廳長官は、その職務の遂行に対しましては、一切指示権を持つていないのであります。これは米窪さんも御承知の通りに、審判官が独立してその判断を決定し得る次第でありますから、事態に対する判断の公平というものが、阻害されることはないだろうと、かように存ずる次第であります。 次に審判官に関する人事の問題から、公平を牽制されはしないかという点でありますが、審判官の任命は從來と同様、運輸大臣がこれを行うということになつておりますので、海上保安廳に参りましても、審判官の人事に、特に海上保安廳長官が干渉することはない次第であります。 次にこの海難審判の制度を海上保安廳と類似の機関で行つている例があるかどうかという点も、御参考までに申し上げておきますと、これはすでに御承知のごとく、アメリカのコースト・ガードにおいて行つている次第であります。日本の海上保安廳的な機関におきまして、海難審判を同時にあわせ行つている次第であります。 第二の御意見にございました二重刑罰に関する御懸念でありますが、これはわが國の船員が長い間この点につきましては、重大な関心を持ち続けた問題でございます。私も先般船員局長をやつておりました関係上、この問題につきましては非常に重大なる関心を持つておる次第であります。そこで海上における海難事故が、とかく陸上の檢察官その他によりまして、本当に判断をせられるという点につきましては、何とかこれを防止する措置を講じなければならないと思つている次第であります。そこで米窪委員も御承知のように、先般運輸省と法務廳との間に了解ができまして、この点は海難審判を先行させる。海難審判を先にやつて、それから陸上の裁判行為というものを出発させるという了解がすでについておりますことは、御承知の通りでございます。この海難審判に、陸上の裁判が先行するという問題につきましては、これは船員が非常に懸念をいたしておる問題でございます。はたして海上保安廳になつて、陸上が先にやるということになるかどうか、という点は、御懸念の点であるかと存じますが、私はこの点は米窪委員の御心配になりますように、必ず陸上が先行するということにはならないと思います。從來同様、海員の利益を保護いたしますために、海難審判の先行ということは、法務廳との間に十分了解を持ち続けまして、二重刑罰のおそれがないような、万全の措置をとり得る、かように存ずる次第であります。この点は運輸大臣が、海上保安廳長官にたといかわりましても、日本船員の一つの運行上の問題を保護しなければならぬという大いなる目的というものが、変更されるわけではないのであります。この点に関しましては全力をあげまして、海難の防止にあたりたいとかように存じている次第であります。 以上申し述べましたように、海上保安廳が檢察廳的性格のみではないという点、並びに二重刑罰問題は、さような問題が起らないような解決方法があるということを申し上げまして、御答弁にかえたいと存ずるのであります。
○稻田委員長 次は佐伯宗義君。
○佐伯委員 私どもの民主党が、本法案に対して修正の意見を持つております点は、本法案制定の根本的な考え方から発しておるのでありまして、この点について基本的意見を申し上げてみますれば、今回の各省の設置法案なるものと運輸省設置法案なるものとが、非常に根本的な相違があると考えられます。何となれば旧來の運輸省は、御承知の通り日本國有鉄道という厖大なるところの現業を持つておつたのであります。この現業がコーポレーションといたしまして、日本國有鉄道として分離した結果、新たに行政機構を編成しなければならない。この点が運輸省設置法案の最も大きな問題かと考えられます。從つてこの法安の中の幾多の問題を除外いたしまして、ただ鉄道関係から申してみますると、旧來御承知の通り運輸省におきまして、國有鉄道監督機関、並びに現業機関として全國の地方に鉄道局を持つておつたのであります。その重要なる鉄道局は、今回コーポレーションとして分離したのでありますが、現実がずでに実体から離れてしまつて、さらに監督行政というだけの観念的な業務が、相当重複してあるであろうか、ないであろうか、これを私どもはよく檢討しなければなりません。ここに初めて行政整理の根本的意義があるのでありまして、もしはたしてコーポレーションといたしまして、陸運局を分離して、なおかつそこに監督行政をする陸運局と同じような機構が必要であるといたしまするならば、これは分離する必要もありませす、また行政機構の簡素化とは申されません。現に逓信省においても、逓信局が各地方にあるゆえんのものは、現業を持つているからであります。もしこの現業を分離してさらに監督行政に、地方逓信局の必要があるでありましようか。かくのごとく観察いたしまして、一々業務の内容を檢謝してみますると、御承知の通り鉄道においては、今回地方鉄道局からは、旧來最も大きな、幹線である國有鉄道の監督権が、すべて除外されまして、これは本省に直属しているのであります。そういたしますると、旧來の鉄道局であり余つたものを、今回除外して、何が陸運局の業務として残るであろうかと、よく調べてみますと、その中の一番大きな問題は、地方鉄道軌道並びに自動車の監督行政となつて参るのであります。しかしながらわが國においては、御承知の通り戰爭以前までは、この地方鉄道並びに自動車及び軌道にしても、主として地方鉄道局の直接監督には属せず、本省に属しておつたのであります。なお地方鉄道、軌道、自動車の重要なる監督行政の業務としては、免許並びに認可、運賃、料金の統一でありますが、この問題は本省直轄にすべきものであつて、すでに國有鉄道の一切の監督、統一計画が本省にある以上は、地方鉄道、軌道、自動車といえども、その一環として本省に統一すべきものであつて、地方の陸運局の監督すべき、何らの問題もなかろうと考えられます。かくのごとく考えて、地方陸運局におけるところの業務は、何であるかと洗い落して行きますと、軽車両の問題並びに現下におけるわが國の統制経済から参ります物資の配給、倉庫業務の一部の監督、あるいは小運送業務等、すべて本省の取次というがごとき、ささたる業務になつて参るのであります。かような業務に対し、本省において厖大な機構を持ち、その以外に地方においてさらに屋上屋を重ねるところの、コーポレーションになりましても、実体において地方鉄道局は存在する。その上に監督の陸運局というものを置くところの必要は、いささかもなかろうかと考えられるのであります。 かような見地に立ちまして民主党の一つの修正としては、本文の第十九條のうち「本省に、大臣官房及び左の六局を置く。」という点において陸運局一局を加え、鉄道監督局という必要はありませんので、鉄道局と改め交通企画室という一室を設け、日本全國の交通に対するところの統一を計画するという本省の強化、これが最も適当であろうと考えられるのであります。こういう結果からいたしまして、第三十九條の「本省に、左の地方支分部局を置く。」という点の中の第四日である「陸運局」を「道路監理事務所」と改めたいと考えるのであります。さらに第四款「陸運局」を、「道路監理事務所」と改めまして、この道路監理事務所の業務の取扱いを第五十一條において、この改正の方針に從つて改正したいと考えるのであります。第五十二條に「陸運局の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。」としてありますが、「道路監理事務所の名称、位置及び管轄区域」というように改めたいと考えるのであります。御承知の通り行政整理の大眼目は、地方出張所を廃止するということでございます。わが運輸省においては、道路監理事務所の廃止が常識になつて参つておつたのであります。かかる道路監理事務は、地方廳に委譲するがよかろうという大方針で進んで参つたのでありますが、最近におけるところの地方の実情、これは業者その他一切から、やはり道路監理事務所を存続してもらいたいという請願が、至るところに勃発して参つたのであります。私どもも当初この点に対しては、反対をして参つたのでありますけれども、実際よく綿密に考えてみますると、今回の國有鉄道の分離において、陸運局の必要はなかろうと考えるので、一面中間的監督機関たる陸運局をなくすると同時に、本省の業務の連絡係として、各縣におけるところの道路監理事務所を、できるだけ縮小して存続する。そうして地方と本省とを直結せしめるということは、業務の円滑、統一計画、國策上その他行政の簡素化、あらゆる面から行きまして、最も妥当公正なりと信ぜられるのであります。この点については各省の設置法案は、民主憲法の趨勢からいたしまして、今回は編成がえされるものであると考えるのでありますが、ひとりわが運輸省においては、これ以外に厖大なるところの、運輸省設置の骨子でありますところの、國有鉄道業務を分離したという大きな問題がございますので、この際におけるところの新しく発足いたしまする運輸省の機構そのものについては、その業務の要領、内容についてわれわれは檢討をしなければなりません。かかる見地から本法案を見ますると、実に屋上屋を重ね、行政の簡素化を、あえて複雑ならしめ、実に本法の精神、根本の考え方から、相違をしているのでございます。かような見地に立ちまして、修正の意見はまつたく廣汎な修正となりまして、おそらく本法の全体にわたることと存ぜられますから、一々條文の箇條に対して修正することは煩雑をかけるので、願わくば皆さんにおかれましても、少くとも今回のこの運輸省設置法案は、他省の設置法案と趣を異にしておるということをよく御考慮くださいまして、さらに再考せられんことを切望して、わが党の修正の根本意見を申し上げた次第であります。
○稻田委員長 その他修正意見の御開陳はありませんか。なければこれより採決をいたします。 ただいま申されました佐伯君の意見から採決したいと思います。佐伯君の意見に御賛成の方の御起立を望みます。 〔賛成者起立〕
○稻田委員長 起立少数であります。よつて佐伯君の意見は否決されました。 次は米窪君の意見を採決いたします。
○前田(郁)委員 ただいまの米窪君の御意見は、私どもにも首肯される点がございますので、参考意見として内閣委員会へ、本委員会より送付せられんことを望みます。
○稻田委員長 米窪君の意見の採決にあたりまして、前田君よりただいま申されたような動議が提出いたされましたから、この動議を採決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 それでは米窪君の御意見は、参考意見として内閣委員会に送付するということについて決をとります。前田君の意見に御賛成の方の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○稻田委員長 起立多数。よつて米窪君の御意見は前田君の動議の通りに決定いたしました。 —————————————
○稻田委員長 なおこの際申し上げます。昨日港湾及び道路行政については、運輸省において統一ある行政を行う上からも、その所管はあくまで運輸省に属せしむべきものであるということを内閣委員会に申し入れて、その注意を喚起するようにとりはからうことに決定いたしまして、その要望事項の作成方を委員長並びに理事に御一任になつているのであります。この際、その一任されました要望事項を御報告いたしまして、各位の御賛成を願いたいと思います。
○岡村委員 昨日の委員会で理じ及び委員長に一任されました要望事項の作成にあたりまして、次のごとき要望事項を決定いたしましたから御報告いたします。 港湾及び道路行政に関する内閣委員会への要望項。 一、港湾建設行政は、從來通り運輸省において所管すること。 二、道路建設行政を建設省から運輸省に移管すること。 理由 一、港湾建設行政は、左の理由により是非運輸省に存置する要がある。 (イ)港湾行政の單一化 港湾行政の單一化は、大正年代からの要請であつて、この際港湾の建設と運営を分離することは、港湾行政を錯雑化するものである。 (ロ)港湾は海上輸送のターミナルで、鉄道と駅とのような関係にあり、港湾の建設はその運営と密接不可離の関係にある。 (ハ)港湾の建設用機材と他の建設機材とは流用ができない。労務者も住宅事情で彼此移動が困難で、資材、労務の節約にならない。技術も港湾の技術と他の建設枝術とは非常に異なるものがある。 (ニ)特に現在は、港湾工事は維持、補修工事が大部で、港湾の運営と同一省で所管しなければ、とうていその完璧を期し得ない。 二、道路建設行政は、左の理由により建設省から運輸省に移管すべきである。 (イ)自動車行政、鉄軌道行政は、道路の管理、建設行政と一体になつて、初めて交通行政としての総合行政を企図し得られるものである。 (ロ)道路は陸上交通の基本施設であり、その土木は交通目的の手段である。 (ハ)道路はそれ自身が交通の用具であるとともに、これを利用する交通機関の基盤である。 (ニ)道路と他の交通機関との接触面はきわめて多いが、行政の一元化によつて、これが解決が容易となり、交通の発達がもたらされる。 (ホ)道路の発逹はタイヤ、ガソリンの消耗を激減し、自動車の修理費を軽減し、交通費を低減し、交通利用の増大及び自動車交通の発逹を著しく促進する。行政の一元化は、この点の調整に寄與するところが大きい。 以上であります。
○稻田委員長 ただいま岡村理事より朗読いたしました案を承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認めます。よつてこの案は決定いたしました。 —————————————
○稻田委員長 これより水先法案を議題といたし質疑を許します。米窪滿亮君。
○米窪委員 先ほどちよつと申し上げた通り、昨日本法の質疑の当時、やむを得ざる用事で欠席しておりましたので、あるいはすでに御質問のあつた点と重複するかもしれませんが、お許しを願いたいと思います。この法案が政府から提出される前に、私は実はこの法案の審議委員を勤めておりましたので、法案の全体の概略に対しては、別に異議はございません。ただ数個の箇條について、私の意見を開陳しつつ、御質問を申し上げたいと思います。 まず最初に第八條の二項において「海上保安廳長官は、前項の規定による水先人の免許の更新に際し、必要があると認めるときは、省令の定めるところにより、当該水先人に対し第六條第四項各号に掲げる項について筆記試驗又は口述試驗をすることができる。」これは水先人の免状の更新の際の取扱い方についてでございますが、必要ありと認めるときはという範囲は、どういうものであるか、これに対して海員側からはこういう希望が出ております。この「必要があると認めるときは」の意味の内容を知りたいということと、次に水先審議会というものができるので、この水先審議会ができる以上は、こういう重要なる取扱いの方法としては、水先審議会の意見を徴してという字を入れる必要があると思うが、この二点はどういうお考えを持つているか、お伺いいたしたいと思います。
○大久保政府委員 米窪委員の御質問の、「必要があると認めるときは」と申しますのは、水先人が免許を受けましてから、引続き数年間も水先業務に従事しておりませんような場合等におきまして、その技能、身体を再檢査させるというようなことを予想している制度であります。またいろいろこの水先業務の実際におきまして、米窪委員が御承知のように、いろいろな技倆につきましての再檢討を要する客観的な情勢も起つて來るのであります。そういう場合におきまして、水先審議会に諮問をすることは考慮いたしております。
○米窪委員 次にお尋ねしたい点は、これはアメリカにもそういう慣行があるということですが、これはきわめて重要な点であります。第十三條の、このページの最後の行で、「省令で定める海技免状の裏書によつて当該港又は水域の状況にくわしいことが明らかな船長又は航海士により導かれるときは、この限りでない。」すなわち水先人をとらないでよろしいという場合の規定でございます。そこで水先人を強制にしたという精神、また水先人の停年を省いたという精神から見まして、なるべく航域や水域に熟知している水先人に船の誘導をさせるということが、この法案の全部を貫いている精神である。しかるに省令で定める海技免状の裏書きによつて、当該港または水域の状況に詳しい船長または航海士によつてこれにかわることができる。これは具体的に何回そこを通つた船長であるとか、あるいは何か資格の制定、限度が省令でどういうぐあいに出されたかということが、きわめて重要なことであります。こういうことは省令に譲らずに、本法へ書くべきことが必要だと思いますが、省令に譲るということになれば、どの程度の裏書きという、その裏書きの内容及びその裏書きをする基礎、調査の資料といつたものを、具体的にお示し願いたいと思います。
○大久保政府委員 省令で定めます内容につきましては、水先審議会に諮りまして、具体的によく定めたいと考えております。
○米窪委員 今の答弁で、水先審議会にお諮りになるということであれば、水先審議会の委員はどういうものを任命するかということになつて來ますが、將來水先審議委員になる方はおそらくたんとはないと思いますから、この席上でこの運輸委員の皆様が、どういう場合に裏書するかということをお知りになりたいと思います。そこでさらに折返して、その点をお伺いしたいと思います。
○猪口説明員 今のお尋ねの点につきましては、先ほど政府委員から説明がありました通り、その具体的な内容につきましては水先審議会の決定によりまして行われると思いますが、大体考えられます。やり方といたしましては、強制水先になつております港、または水域を月に三回ないし四回というようにひんぴんとして入る船の船長、または航海士が所有しておりまする海技免状の裏に、この者は水先人をとらなくてもよろしいというような内容の裏づけを簡單に申しますと、スタンプか何か押しまして、それを一つの証票としてやることが予想されると思います。
○米窪委員 形式はそれでよくわかりました。ただそのスタンプを押す、つまり水先人をとらないでよろしいという免許状みたいなものですが、そういう裏書きをする場合には、そういう船長に対する試驗、あるいは該当すべき條件があるということは、どこできめるのですか。
○猪口説明員 その具体的な内容につきましては、先ほど申し上げたように、裏書きをいたします基準は、水先審議会に諮つて決定したいと考えております。
○米窪委員 御答弁ははなはだ不十分ですけれども、大分お苦しいだろうと思いますから、この程度で次に移ります。 次は第十七條の「船長は、水先入が船舶におもむいたときは、正当な事由がある場合の外、水先人に水先をさせなければならない。」すなわち正当な事由のある場合には水先人に水先をさせなくともよろしい。これはどういう場合ですか。
○猪口説明員 「正当な事由がある場合」と申しますのは、予想されますことは、荒天でありまして、水先ボートが水先人を要請いたしました船舶に横づけすることができないとか、海上交通がとだえておるというような場合、または水先人が全部水先業務のために出盡しておりまして、そこに行く水先人がいないというような場合を大体予想しております。
○米窪委員 それはその船の船長の一方的な認定でよろしいのであるか、あるいは他に第三者なり何か公平な裁定を下す人があるのかどうか、その点をお聞きいたします。
○猪口説明員 この正当な事由の判定につきましては、先ほど申しましたようなことが予想されますが、その判定につきましては第三者の判定が必要だと思います。
○米窪委員 今猪口君は第三者と言われたのですが、この第三者とは一体どういうところをねらつておられますか、それをお聞きいたします。
○猪口説明員 第三者と申しますのは、われわれ考えますところでは、大体水先審議会とか、もしくはこういう事態が非常に問題になりますれば、民事裁判の裁判官の裁定にまつということになると思います。
○米窪委員 この点もちよつと不十分だと思いますけれども、次に移ります。 第二十三條の「水先人がその業務を行うに当り、怠慢であつたとき、技能が拙劣であつたとき、非行があつたとき」といろいろ並べてありますが、その罰則といいますか、それについては「水先人の免許を取り消し、若しくは停止し、又は水先人を戒告することができる。」この「技能が拙劣であつたとき」ということは私は妥当ではないと思います。なぜかというと、技能が急に拙劣になるということは想像できませんし、初めから技能の拙劣なものは水先免許をやらないでいい。これは表現のことになるのでありますが、「技能が拙劣であつたとき」のかわりに「技能が低下したと認められるとき」と書いた方が妥当である、これは表現にすぎませんが、そう思うのであります。そういうぐあいにおかえになる御意思があるかどうか。
○猪口説明員 仰せの通りでありまして、まつたく意味の内容におきましては同じことであると思われますが、この「技能の拙劣であつたとき」という表現につきましては、いろいろ他の法文や何かにつきまして当つた結果、こういうぐあいになつておるのであります。米窪委員は非常に英語が堪能であられますので、おわかりと思いますが、英語のアン・スキルフル・ミスということに相当するものと思います。それで水先人が実際に船に乗つておりまして水先をやつておるときに、明らかに技能、技術が非常にまずいということを発見したときというような意味合いでありまして、そういう見地から見ますと、これでもさしつかえはないと考えるのであります。
○米窪委員 第五章の水先審議会についてお尋ねしたい。これは非常に重大な点で、おそらく本法の生きるか、死ぬかを決する重大な問題だと思います。それは水先審議会の権限が相当廣大であつて、しかも審議会の委員には、相当経驗があり、学識があるものが選ばれなければならないと思いますが、船員側の希望は、海上保安廳に水先審議会を置くという第三十一條の審議会の委員には、ぜひ船舶職員を加えてもらいたいということを要望しております。私は本法を修正しようという考えはありません。ただこの「水先審議会を置く」という簡單な表現でありますが、この審議会の委員にどういう顔ぶれを置くおつもりであるるか、また何名くらい置かれるつもりであるか、また船員側の希望のように船舶職員を置かれるおつもりであるか、この点をお伺いいたします。
○大久保政府委員 「水先審議会の委員は、水先人、船舶所有者その他水先の業務に関係を有する者、関係行政廳の官吏及び学識経驗がある者」というふうになつてございますから、審議会と船員との関係は非常に密接でございますので、「その他水先の業務に関係を有する者」という項目を適用いたしまして、ぜひとも船員を選びたい。かように考えておる次第であります。
○米窪委員 最後にお尋ねしたい点は、第四十條の罰則の点でございます。この第三項に掲げてありますほかに、こういう條項を加えたらどうかと思います。それは水先人が第十六條に違反して、正当なる事由なくして船舶におもむかなかつたときは、罰するという意味の罰則規定をお入れになる意思はないかどうか、この点をお伺いいたします。
○猪口説明員 御質問の点につきましては、起案者側でも非常に苦慮したのでございますが、御承知のように水先人を呼びますときには指名要請をするのではなく、漠然と水先人に來てくれというぐあいにいたしますので、その罰則の適用対象が判然としていないために、罰則を掲げるのに技術的に困難があるという点、それからもう一つは御承知のように水先業務は一種の営業でございまして、過去の事例から見ましても、競爭して水先の要請に應ずるという例はありましたが、水先の要請を拒否したという事例はいまだかつてありませんので、先ほど申しました点と合せまして罰則規定からはずした次第でございます。
○米窪委員 私の質問はこれをもつて終ります。ただ私の意見は討論の場合にした方がいいと思いますが、ついでですから申し上げます。大体の点において、われわれの修正意見でなしに、政府が進んで何らかの方法で、たとえば参議院の審議のときとか、そういつた機会において政府から修正意見をお出しになつたらどうかと思われる点は、第八條第二項の水先人の免許の更新の際においては「水先審議会の意見を必ず徴する」という文句をここへお入れになつたらどうかという点と、そうして第二十三條の「技能が拙劣であつたとき」というかわりに「技能が低下したと認められるとき、」それからただいま御質問しましたところの罰則の点、この三つは政府みずからが修正の配慮をなさつた方が、本法の完璧を期するゆえんではないかという私の意見を申し上げまして、私の質問を終ります。
○田中(堯)委員 第十七條についてお伺いいたします。第十七條を読みますと、結局船長は水先人を雇つて水先人のさし示す通りに航行しなければならない。しかもその間また事故が起きた場合の責任は、船長にあるということになるわけであります。この間の例の有馬丸事件、いわゆるシャムの米を積んで帰つて來て、水先人に水先をやらしたら、酔つばらつておつて、右へ行くとこるを左へ行つた。船長がそれはいかぬと言つたにかかわらず、結局水先人の意見通りにやつたところが、案の定座礁して大事件を起したにもかかわらず、船長が責任を問われたことになつているわけですが、私の意見では、水先人を乗せても、やはり船長が絶対の責任を持つて航行しなければならないという意味のことを盛るべきじやないかと思いますが、その辺どういう御意見ですか。今のような事故が起きた場合に、どうするおつもりですか。
○猪口説明員 御質問の点につきましては、その意味合いでわざわざ十七條の第二項が入つているのであります。
○田中(堯)委員 第二項は、結局水先人を雇わなければならないという第一項を受けて、しかし水先人を置いたからといつて、船長は何ら責任を解除されるものではないということになつているわけであります。私の言うのは、今の事件のように、水先人の言うことを必ずしも聞かなくてもいいということになるのですが、意見がわかれた場合に、どちらの意見が決定的な力を持つかということについての規定がなければならぬと思うわけです。その意見を伺つているのです。その必要はないかというのです。
○猪口説明員 御承知のように、船長と水先人の関係につきましては、從來から非常に学者間に問題になつている点でございまして、水先人と船長との関係につきましては、雇用契約であるとか、請負契約とか、あるいは準委任契約だとかいうぐあいに、まちまちになつておるのでありますが、結局船長が船員法の第十條に基きまして、船舶の運航につきましては、全面的な指揮監督を持つておることは明らかな事実であります。水先人が水先のために船舶に乗りましても、船員法で規定されております船長の指揮監督権を侵すものではないのでありまして、水先法におきましても、十七條は水先の行われんとするその方法をただ規定してあるのでございますが、これを書いたために、その船長の持つておりまする指揮監督権を水先人が侵害するというようなことのないように、わざわざ第二項に解釈規定を置いたのでございます。もう一つ先ほどもお話のありましたような、事故の起きました際におきます責任問題につきましては、私たちの考え方を申し述べますれば、船長は依然といたしまして、船員法第十條に規定するところによりまして、船舶の全面的な運行に対する指揮監督の責任があると思われます。また水先人は水先法に規定されたところによりまして、水先が妥当に行われたかどうかということにつきましては、当然責任を持つておるのでございまして、その相互の責任の比重の大小、その他につきましては、これは海難審判所で裁定さるべきものであると考えます。
○田中(堯)委員 第二十五條に「海上保安廳長官は、水先人又は水先人の組合」とありますが、この組合はどういうものですか、労働組合ですか、何ですか。
○猪口説明員 これは労働組合ではありません。ただ單なる事業組合であります。
○田中(堯)委員 水先人は労働組合をつくることを許されておりますか。
○猪口説明員 労働組合をつくつていけないという規定は、ないように考えております。
○田中(堯)委員 現在全國で水先人はおよそ何人くらいいるのですか。
○猪口説明員 現在水先人は七十三名おります。
○田中(堯)委員 罰則のところなんですが、罰則の第四十條第二項「第二十一條第一項の規定により水先人が水先修業生を伴つた場合においてこれを拒んだ者又は同條第二項の規定に違反して水先修業生を伴つた者」これに対して二万円以下の罰金に処するということになつておりますが、海員組合の者が言うには、一人や二人連れて來ても別に迷惑はない。それを連れて來たからといつて断つたり、二万円の罰金をとられるということの趣旨がわからないと言つております。これはどういうことでしようか。
○猪口説明員 これは現行法の水先法にあるものを、ただ現在の経済情勢に合うように罰金の金額を直しただけでございます。この新しい水先法におきましては「第二十一條第一項の規定により水先人が水先修業生を伴つた場合に」船長から拒否された場合におきましては、重大な支障を來すことがございます。これは本法案の第一條の定義規定の三項にも書いてあります通りに、將來水先人は必ず水先修業生をやらなければ、水先人になれないのでございまして、もしこれを拒むというようなことが、まことにレア・ケースであるかもしれませんが、あつた場合には、重大な公共の利害を阻害することになりますので、これは必要だと考えます。またもし水先人がその業務が非常に繁栄いたしまして、たくさんの水先修業生を水先人の便宜のために養成したいというような意味合いにおきまして、数人も同時に連れて行つた場合に、これは水先業務の性質から言いましても、たくさん同時に船橋におるということも、過失を起す原因ともなるでありましようし、また船長の指揮監督をじやますることも考えられますので、これは嚴に取締つた方がいいと考えます。仰せの通り非常にレア・ケースでございますが、もしそのレア・ケースになつた場合に、これを阻止する法的措置がなくては困るので、この條文は残しておきたいと考えております。
○田中(堯)委員 十九條は「船長は水先人が安全に乗下船できるように、適当な方法を講じなければならない。」というようになつておりますが、こういうような注釈みたいなものがやはり必要なんですか。
○猪口説明員 これは仰せの通り單なる注意規定でございまして、慣例といたしましては、船長は十分水先人が安全に乗下船できるようにされておりますが、御承知のように日本の現在の水先人は、甲種船長の免許を持つておりまして、大きな船舶の船長を終つた人が水先人をやつております。おおむね老齢の水先人が非常に多いのでありますので、この点ただ單に注意を喚起するという意味合いにおきまして、なおかつ関係方面の指示もありまして、このような規定を入れることにいたしたわけであります。
○關谷委員 全國の水先人全部を合せまして、最低の水先人の人数はどのくらい必要なものか、また水先修業生の養成機関はどんなものがあるか、またどういうふうな計画を立てておるか、あるいは水先料の平均額はどのくらいになつておるか、お伺いいたします。
○猪口説明員 御質問の第一点の最低人数につきましては、別に省令で定めることになつておりますが、私たち当局者の考えといたしましては、水先人の人数は現在大体七十三名ばかりおりますが、その人数を厖大に増加しなければならないというようなことは予想されません。せいぜい全國で二十名内外の増員しか考えられないであろうと考えております。 質問の第二点の養成方法でございますが、これは第一條の定義規定の第三項にもございます通りに、ことさらに水先人の養成をする施設というものはないのでありまして、水先人または水先人組合と、水先修業生たらんとする希望者との間におきます一つの契約に基きまして、実地に修業が行われて行くのであります。 それから御質問の第三点につきましては、昭和二十三年一月から十二月までにおきまする一人当りの平均收入を見ますと、大体四十一万四千円くらいになります。
○關谷委員 この法案につきましては、もう質疑も終つたようでありますから、討論はこれを省略して、ただちに採決をせられんことを望みます。
○稻田委員長 ただいま關谷君より、討論は省略して、ただちに採決に入るべしという動議が出ましたが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻田委員長 御異議なしと認めます。よつて關谷君の動議の通りに決定いたします。 それではただいま議題となりました水先法案について採決をいたします。原案の通り可決するに御賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○稻田委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたされました。 —————————————
○稻田委員長 これより造船法案を議題といたします。質疑があればこれを許します。
○關谷委員 先般水産委員会の方から、百トン未満、二十トン以上の漁船の造船許可に関しては、これを農林省へ移管せよという希望があるやうに聞きましたし、なお合同審査会を開けというような要望もあつたのでありますが、この連合審査会を開くということについて、委員長はどういうお氣持を持たれているのか。また政府はどういうふうな氣持を持たれているか。なおこれに対して、もしそのような要望があつたときに、政府がどのような氣持を持つているのか、はつきり承りたいと思います。
○稻田委員長 ただいま關谷君より、造船法案に関しまして、水産委員会より合同審査をやりたいという希望があるが、それに対して委員長はいかに考えているかという質問であります。委員長は昨日理事会にこれをお諮りいたしましたところ、理事会では、ただちにごれに應ずることは考うべきであるという答申でありますので、委員長といたしましては、ただちにこれに應ずるという意思は、現段階においてはありません。
○秋山政府委員 關谷さんのただいまの御質問でございますが、農林省、いわゆる水産関係と、運輸関係との造船許可に関する権限の問題は、実は非常に古くからの問題でございまして、大正の初めから、繰返し繰返し議論をいたして参つて來ているのでございます。われわれ造船所の監督を担当する者といたしましては、もし漁船に関する造船の許可の一部を農林省に譲りますと、造船所に関する監督が二重になるのでございまして、業者からも常に二重監督は困るということを言われておりまする折柄、傳統的に二重監督にならないように、われわれの單一の監督を主張して参つているような次第でございます。特に最近のごとく、資材、資金その他造船所、あるいはいろいろな事業の計画を、また國の計画と合して行かなければならないという際には、ますます二重監督の弊害が現われて來る危險があるのでございまして、私どもといたしましては、事務の能率から申しましても、また業者の能率から申しましても、やはり單一の監督の方がよろしいと思うのであります。しかしながら一面漁船の監督につきましては、漁業を監督している立場から、漁船の建造についての許可権を農林省において持たれるのは、もつともと思うのでございまして、現在でも漁船の許可に関しましては、常に前に農林省とは十分協議をいたしているような次第であります。これをもちまして水産関係の計画と、造船の許可とが、食い違いを生ずるようなことにはなつていないと考えている次第でございます。一言実情を申し上げました。
○關谷委員 委員長のお氣持もよくわかりましたし、政府の御意見もよく承知をいたしたのでありますが、当委員会といたしましても、ほとんど全部がそれに同感であります。委員長は水産委員会からそういう要望がありましても、これを強力に排除することに突き進んでいただきたいと思います。なお日本の商船隊のトン数の目標といいますか、これはどういろところに置いているのか、お伺いいたしたいと思います。
○稻田委員長 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○稻田委員長 速記を始めてください。
○關谷委員 これは別のことでありますが、造船技術者中、追放になつている者は推定で全國でどのくらいあるのか。なおこれで解除し得られる見込みの者がどのくらいあるか、お伺いいたしたいと思います。
○秋山政府委員 はつきりした数字はわかりませんが、今われわれの記憶にとどまつているところでは、旧海軍関係を除きまして数名程度でございます。
○關谷委員 この條文の中にあります推進性能試驗であります。それに要する手数料、実費というようなものは、これは試驗を受ける方の負担となつているのでありますが、造船技術を向上せしむるというような観点から、これを政府負担とするようなお考えがあるかないか、この点を伺います。
○秋山政府委員 推進性能の試驗は、日本の船質の改善につきましては、非常に大きな役割を果して参つております。この試驗を受けると、受けないによる船の経済價というものは、たいへんなものでありまして、從來ともこれが非常に高價でありますために、試驗を受ける者にその実費の一部を負担してもらつたような次第であります。たとえば水槽による推進性能の試驗が十万円以内となつておりますが、重量一万トン以上の船をつくりますと、六億円くらいの費用になろのでありまして、これくらいのきわめて微々たる割合でございますから、財政の現状より、この程度のものはぜひ利用者に負担していただきたいと考えている次第であります。
○關谷委員 昭和二十四年度におきまする試作奨励金というものは、どのくらい予算にありますか。、
○秋山政府委員 試作奨励金は、現在の機関関係の技術改善には最も必要なものであると思うのでありますが、別に法律根拠もございませんので、しばしばの交渉にかかわらず、今年は予算には計上できなかつたのでございます。本法を制定していただきましたならば、これに準じて來年度以降十分努力いたしたいと思います。
○米窪委員 秋山長官にお尋ねしたい点は、歴代の運輸大臣は、海運産業振興のために、戰爭中ほとんど壊滅状態になつておりますわが國の保有船舶ではどうにもならぬ、そこでアメリカで今繁船中のリバテイー型を裸用船して、それをもつて、とりあえず外航の航運を再開したいということを希望として述べられております。ここにおられる岡田君もそういう御意見を述べておられますが、最近においてそういう可能性が現実的にあるのであるかどうか、関係筋の方へ御交渉になつたことがあるのかどうか、その見通しはどうか、この点をお尋ねいたします。
○秋山政府委員 速記をとめてください。
○稻田委員長 それでは速記をとめてください。 〔速記中止〕
○稻田委員長 速記を始めてください。
○米窪委員 日本の経済が自主、自立をしなければならないときに、わずか十四万トン程度の鋼材は、はなはだ心細い話でありますが、幸いにして千七百五十億円の対日援助見返資金のうちで、輸入用の安定帶物資のわくがきまつているのですから、これについて運輸省は速急に大蔵省、あるいは向うの方へ交渉をして、相当心臓の強いところを示して、そして日本の將來の経済再建は海運にありという観点から、強く御主張なさるおつもりがあるかどうか、この点をお伺いいたします。
○秋山政府委員 造船をできるだけたくさんやりたい、また必要であるということは、私ども確信いたしているところでありますので、大体そういう方針で、一應建造のわくの方から交渉いたしております。なお御指摘のような点は十分取入れまして、できるだけひとつ多量に造船できますように、交渉いたしたいと思います。
○米窪委員 経済安定九原則によりますと、金融の方面においては、産業の復興に直接関係のあるもの以外は、引締めるということがその建前ですが、日銀総裁の意見によりますれば、公益事業以外は、日銀から市中への融資の場合には、一定のわく以外に越えたものには、いわゆる高率強化ということをやると言つております。この方針に対して、いわゆる海運の振興、船舶建造ということについて、今日非常に船價が高い。こういう高い船價においては、少少くらいの船舶公團の援助では、とうてい船はつくれない。この点から、造船の金融の面において、日銀その他の方面へ交渉して、公益事業並に高率強化というものをはずしてもらうお考えを、運輸省当局は持つているかどうか、その点並びに今日の船舶建造金融の面については、政府はこれをどういう方法で今後助長されて行くか、この点をお伺いしたい。
○稻田委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○稻田委員長 速記を始めて。
○岡田(勢)委員 ちよつとお尋ねしますが、先ほど秋山長官の御答弁の中にも出ておつたようであリますすが、2Aの貨物船が脆弱でありますから、輸入品を積むに外國の荷主が船級の問題を言つておるのでありますが、この國際的のフリー・ボートの檢査機関と申しますか、それの日本における、戰前に行われておりましたロイド、あるいはBCアメリカン・レコード等の檢査機関の復活は、どうなつておりますか。
○大瀬政府委員 ただいまのところ日本の國内注文の船に対しまして、外國の船級をつけるということは、アメリカの船級協会でございまするAB協会、これとだけは話がついております。そのほかにロイド、あるいはノールウエーの船級協会、フランスの船級協会というようなものに対しましては、まだ話合いがついておりません。アメリカの船級協会とだけ話がついております。
○岡田(勢)委員 先ほどお話がありましたが、2A型の貨物船を外國へ行かすために、改造をやつたらという声があるようです。その点は資金の関係もありましようし、いろいろ外國で許してくれる関係の船もあると思いますが、今の見通しはどの程度でありますか。
○秋山政府委員 2Aの改造のうちで、一番問題になりますのは、縦強力の足りない点でございます。縦強力の足りない点が、物理といいますか、構造その他から來るところの一番大きな致命的の欠陥になつておりますが、なおそのほかに運航上の問題もあるのでありまして、これはどの程度に國際條約の要求します最低限だけで満足するかどうか、あるいは多少運航上の便利を考えるかというふうなことで、案がわかれておりまして、ただいま大体三案こしらえております。これを関係技術者並びに海運業者等のお集まりを願つて、檢討を続けているような次第であります。
○岡田(勢)委員 これはまだきまつておりませんか。
○秋山政府委員 まだきまつておりません。
○岡田(勢)委員 それからお答弁におさしつかえがあれば、速記をとめてもらつてもいいと思いますが、新造船の建造許可の問題です。これは今の対日援助見返資金の割当に、相当関連を持つて來ると思いますが、海運界では約三十万トンぐらいの建造許可がおりるかのように聞いておるのです。それと見返り資金の造船資金としての獲得が、あるいは六十数億とかいわれておりますが、今関係方面との折衝が、どの程度進んでおりますが。あるいは海運界が要望しておるがごとく、百億以上の見返り資金の獲得が許されそうな見込みでありましようかどうか、そういう点について。それから造船建造許可が三十万トン程度といわれておりますが、実際今の現状では、どの程度許されることになつておりますか。
○稻田委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○稻田委員長 速記を始めて。
○秋山政府委員 岡田さんの御意見は、まことにごもつともの点があると思いますので、具体的の問題が起りました場合に、御意見の点を十分参酌いたしまして、善処いたしたいと思います。
○田中(堯)委員 第二條をまずお聞きしますが、これは運輸大臣が許可を與えるという場合には、どういう手続をもつて、またどういう條件、あるいは基準で許可をなさることになつておりますか。
○秋山政府委員 この第二條の点は、先ほどからも御説明申し上げましたごとくに、現在の鋼船の造船能力は、まず八十数万トンあるのでありまして、現在の資材、資金の状態から申しますと、まず絶対的に過剰の状態にあるわけであります。從いまして本件は、たとえばある造船所が特殊の船の注文を受けまして、そのためには現在の造船台などを少しく手直しをしなければいけない、あるいはドックをいま三メートル延ばせばよろしいといつたような場合にのみ許可をいたしております。原則として資金、資材の無用なる投入を避けるために、新設につきましては現在は絶対的過剰の状態にありますので、よほど特殊の必要がなければ、許可は困難かと思つております。
○田中(堯)委員 第三條は……。
○秋山政府委員 第三條は先ほど御説明申し上げましたように、原則として新設したり、拡張いたしますと、造船能力も非常に増しまして、資金資材の濫用になるわけでありますが、特にある特殊の船であるために、たとえば、かようなことはないかもしれませんが、幅が普通のものより少し廣いために、現在の造船台のある部分に補修を加えなければならぬ、あるいは少しく長いために、從來のものよりは多少延長をしなければならないといつたような、具体的の必要に應じて、最小限度に行きたいと、かように考えております。
○田中(堯)委員 この法案全体を通じての感じでは、非常に大きな設備を持つた有力な造船資本家には、たいへんぐあいがいいが、そうでない中小の造船資本家は、さつぱり保護されないような感じを受けるのであります。その辺どういうふうにお考えでありますか。
○秋山政府委員 その点、特に一定の方針のようなものを持つているわけではないのでありまして、その点は一に今後の日本海運がになうべき使命と、それから來るところの必要なる新造すべき船型はどうなるべきかによつて、自然にきまつて行くべきものと考えております。
○田中(堯)委員 機帆船のごときは、この結果どういう運命になりましようか。
○秋山政府委員 機帆船の造船上の意義でありますか機帆船、つまり木船の造船所におきましても、実は相当に設備は過剰でございまして、今後機帆船全体がどういうふうに向いて行くかによりまして、木船造船所もいろいろの経済的の運命と申すと言葉はおかしいですが、うまく行くか行かないかということが、きまつて参ると思うのであります。木船につきましては大体戰爭後もふえておりまして、油との関係上、これまた現在はやや過剰の状態にあると申し上げざるを得ないのであります。しかしながらわが國は御承知のように四面環海でありまして、到るところに機帆船を利用するような港湾が、非常にたくさんあるのであります。從いまして鋼船は大量の石炭輸送等を除きましては、主として外航に、木船は國内沿岸に就航するというような使命が、おのずからわかれて來るのではないかと思つております。
○田中(堯)委員 造船はどんどんできるわけですか。
○秋山政府委員 造船につきましては、やはり許可を要するわけであります。この点は先ほどもちよつと触れましたごとく、非常に木船が過剰の状態にございまして、一面油の供給が非常にきゆうくつでございます。從つて野放しに造船だけを許しましても、それを油とにらみ合せませんと、建造した人に不測の損害を與えます。從つてそれらの関係をにらみ合せて許可いたします。
○田中(堯)委員 第十八條に、非常に重い三年以下の懲役、または五十万円以下の罰金という制裁規定があります。これはどうもはなはだ酷に失するように思いますが、どうういうわけでこういう標準をきめられたのでありますか。
○秋山政府委員 本件は関係方面から文書で指令されている事柄でございまして、本條を置きませんと、ちよつと法律番号は忘れましたが、指令違反で十年以下の懲役という罰則を受けることになるのであります。それに対しましてこの程度に軽減をいたしたような次第であります。
○田中(堯)委員 この立法については、メモランダムとか、示唆とか、勧告とかいうものがあつたわけでございますか。
○秋山政府委員 技術の向上に関する事項以外は、大体さようでございます。
○田中(堯)委員 原文翻訳というようなところまでは、行つておらぬのでありますか。
○秋山政府委員 さようなことではありません。
○田中(堯)委員 次にお聞きしたいことは、日本には造船能力がある、外國から造船の発注があれば、それに應ずるほど産業が復興しておれば、たいへんいいことだと思いますが、現在いろいろの部分を総合いたしますと、いろいろのところから造船の注文が來ており、また來る模様があるようですが、その辺のことを一つお話を願いたい。
○大瀬政府委員 まず鋼船について申し上げます。スチールの小型の船について申し上げますと、捕鯨船がただいままで契約ができましたのが八隻でございます。大体総トン数が五百トン前後の船であります。その八隻のうち二隻は竣工して引渡しをいたしました。それからそのほかの大型のスチール船について申し上げますと、現在まで大体十隻合計八万トンの契約ができております。それからただいま話が進行中のがたくさんございますが、近くまとまる見込みのあるものは三隻でございます。それから次に木造船について申し上げますと、木造船は曳船、及びはしけの注文がソ連から大量にございまして、ただいままでに第一次といたしましては、百七十五隻、第二次の注文といたしまして、百二十隻、この第二次の注文までは、ほとんど、でき上つております。引渡しはごぐ二、三隻を残しては大体済んでいると思います。ただいまは第三次の曳船百隻というものの建造を始めている状況でございます。第三次のものは全部五十馬力の曳船でございます。その他木船につきましては、グアム島に二十トン以下の小さな漁船を六隻ばかり出しております。これもでき上つております。大体輸出の状況はその程度でございまして、木船につきましては、非常に近い將來にできるというものはございません。ただ、話はあることはあるようでございますが、ごく近い將來に契約ができそうだというものはちよつとございません。そういう状況でございます。
○田中(堯)委員 中國からの注文は來ておりませんか。あるいは今後注文が來る模様はありませんか。
○大瀬政府委員 中國からは実は鋼船も木船も、いろいろ話があります。しかし御承知の通り、船は國家契約になるもので、GHQがドルの支拂い能力を調べて、それから話を取上げるので、まだGHQが取上げたものは一つもない状況であります。
○田中(堯)委員 以上の契約注文代金の支拂いは、ドルにおいて支拂われておるんですか。
○大瀬政府委員 大部分はドルによつて支拂われておりますが、國によりましては、バーター制でやつているところが一、二ございます。
○田中(堯)委員 あまりしつこいようですが、そのバーターのものはどういうものですか。
○大瀬政府委員 これはいろいろございまして、私も一々覚えておりませんが、石炭と米ぐらいが、おもなものと記憶しております。
○岡田(勢)委員 今各造船所ごとに、沈船造船所が非常に経営難に陥つているようでありますが、今度の見返り資金のうちから、沈没船の引揚げ修繕にどれくらい割当てられることになつておりましようか。予定されておつた沈没船の引揚げ修繕が、今具体的に本年度は何隻、あるいは何トンくらい実施されるようになつておりましようか。もう一つは外國船の小修繕をやつているようでありますが、大修繕の方はあまり引受けていないように聞いていますけれども、当局といたしましては、造船業の窮境を救済するために、外國船の大修繕を関係方面に懇請しておられましようか、どうでありましようか。それに対する見通しを伺いたい。
○秋山政府委員 詳細は船舶局長からお答え申し上げますが、概括的に申し上げまして、日本の船隊の回復、復興というものの当面の需要に應ずるだけのものは、ともかくもでき上つたわけでありまして、本年度よりいよいよ本格的な復興に着手しなければならぬのではないかというふうに考えられます。從いましてサルベージその他につきましては、この船がたとえば船級を持つた船である、しかも船齢もそう古くはないというような、新造船にも匹敵するような船だけに限定いたしまして、サルベージをやつて行きたいと、かように考えております。なお前年度から引続いておりますものは、できるだけ資金の都合を見てやつて行きたいと考えております。ただいまいろいろ要求しておる数字はございますが、いずれもこのくらいはあるだろうという見積りでございまして、いまだ資金計画、いわゆる見返り資金の割当がはつきりきまつておりませんから、どれだけあるということを、ちよつと申し上げることは困難であります。
○大瀬政府委員 外國船の修繕でございますが、これはやはりただいまの貿易と同じ方法でやつております。それでわれわれといたしましては、注文を受けるために、日本に來ております外國船主代理者との下交渉を、極力造船所に勧めてやつてもらつている状況であります。下交渉の話がつきました上、われわれの方で取上げまして、その修繕を造船所でやつてもらうという方向に進んでおります。
○岡田(勢)委員 政府としては、日本の海運復興のために、造船所の能力施設を相当程度維持して行かなければならぬと思います。その見地から、業者にまかせておかないで、やはり政府当局としまして関係方面などを通じて幸い設備は余るだけありますから、大修繕を誘致するような努力をなさるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○大瀬政府委員 御説明の通りでございまして、われわれとしても造船能力、修繕能力も非常に余つているということを、向うの関係の方によく話をしまして、できるだけ今後御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
○橘委員 秋山長官にお尋ねしたいのでありますが、先般關谷委員も質問いたしました第二点の問題でございます。現在わが國の海運界が非常な窮境に立つているということは、先般長官からも御答弁のあつた通りであります。ことに第二点の問題の、陸運と海運との運賃の非常なアンバランスという問題でございますが、先般來しばしば私も御質問いたしているのでありますけれども、こういうべらぼうなアンバランスの結果といたしまして、今日あるいは阪神、あるいは関門ないしは日本海の伏木等におきまして、相当の繋船があります。私の見て参りました実際から申しましても、伏木港におきまして二千トン級の船が、約二十日間にわたつて荷物がないので、ぶらんと遊んでいるという現状であります。こういつたようなアンバランスによりまする海陸輸送の不調整の結果として、海運界が非常に不況に苦しんでいる。この不況の打開、ことに運賃のアンバランスに対して、どういうようなお考えであるのか。船舶運営会もどの程度の收入予算を見込んでいるかわかりませんが、こういう状況から推して行きますれば、おそらくその運賃收入の予算は大幅に蹉跌を來す、蹉跌を來たしました結果、当然國庫から船舶運営会に対しまする補助を、また追加して行かなければならないという結果になつて行くのではないかということを、心配いたしております。この点に関しまして長官の御意見を承りたい。 第二の問題といたしまして、海運の最も大きな貨物は石炭でありますが、現在の状況から見ますと配炭公團関係の石炭は、これは陸運と海運とコンバインドしておりまして、そこにアベレージしております関係上、何とかやつておるようでありますが、一番の問題は省用炭であります。省用炭が独立採算制の結果として、大幅に陸運に持つて行かれた。ことに日本海方面の諸港湾におきましては、非常にその影響が大きいわけであります。日本海方面は、今日対外貿易港としての利用價値はほとんどありません。もつぱら省用炭によつて、その港湾の運営を存続いたしておつたのであります。私の聞いております点から申しますれば、北は砂川港、南は舞鶴港方面は、ほとんど省用炭を陸送に轉移されまして、一トンも海上からは入つて來ない。この結果各港湾の関係者はもちろんのこと、あるいは舞鶴港のごときは市民運動を起しまして、そうして、省炭誘致運動に乗り出しているということでありますが、省炭の大幅な陸送轉移の問題に関しまして、海運総局として何らかの意思の御発表があつたのかどうか、この二つの問題について、まず御質問を申し上げたいのであります。
○秋山政府委員 本年度に入りましてから、海上の荷物が非常に少いということは事実でございます。ところがこの問題は、いろいろ後ほど詳しく申し上げますが、第一の原因といたしまして、昨年の十一月あたりから荷動きが全般的に非常に減つて参つたのでありまして、特に三百数十万トンを数えておりました鉄道の駅頭在貨が著減いたしました。この最近の数字によりますと五十万トンを割つているような実情であります。從いまして、これは昨年以來喧傳されました市中金融の引締りと申しますか、そういう問題や、あるいは緊縮政策と申しますか、そういう問題に対する先行きの問題等から見まして、生産がある程度落ちているんではないかというようなことも懸念されるのであります。海上荷動きの量自体は、省用炭関係は別といたしまして、それほどの著減を見ているわけではないのであります。大体百三十万トンないし百五十万トン程度の荷動きが、船舶運営会としてあるのでございます。しかるにお言葉に繋船ということがございましたが、繋船はいたしておりませんが、指令待ち待船が非常に多いのでございます。これは実は民営管理と申しましますか、一部定期用船制度に切りかえました結果、船の動き、あるいは船の船員による補修等が非常によく行われまして、從來平均して七二%程度でありました稼働率が、八二%程度に上つているのであります。この点から、数十万トンに上る新しい船腹が生れているというような状況に相なつておるという事情と相関連して指令待ち待船が多いのであります。從いまして船舶運営会としては、料金その他の関係から來る荷動きの著減はそれほどにないと思いますが、但し一番問題となつておるのは機帆船、特に中央機帆船でありまして、中央機帆船と鉄道との振合いは非常に問題があるのであります。大体現在まで陸上運送と海上運送と調整いたしますからくりと申しますか、機構は、一つは配炭公團でございまして、配炭公園におきましては、陸上輸送のトン数、海上輸送のトン数、機帆船輸送のトン数は、予算であらかじめ見積りがありまして、それをプールいたしまして、それによりまして生産者價格と消費者價格が配炭公團の予算として計上されたわけであります。また三十七品目の重要品目につきましては、價格調整公團というのがありまして、これがやはり各品目ごとに輸送計画に基きまして、生産者價格と消費者價格との間をプールいたしまして、價格の調整を全國一本價格でやつて参つたわけであります。しかるに今回の予算におきまして、たとえば石炭におきましては月額四億八千万円と記憶しておりますが、十二月以降の炭鉱賃上げに関する補助金が削除されました。從つて配炭公團といたしましては、そこに大きな予算の狂いがございまして、これをいかにして埋めるかということが問題であります。また價格調整公團にいたしましても、そういつたような問題で、賃上げに対する補助金が三原則の関係上切られたために、どうしてその必要な金を生み出すかということについて安い輸送手段を選ぶということの動きが非常にあるのであります。また鉄道といたしましては、これは御承知の通り独立採算制に相なりましたし、また駅頭在貨が五十万トンに減つて來るという状態で、輸送力には非常な余裕ができております。そこで零細相通ずるといいますか、両方の立場が非常によく合いまして、だんだんと荷物が陸に揚がる状態を呈しているのであります。しかしながら石炭についてはさような顕著の事例はございません。多少の動きがある、特に機帆船につきましての響きが大きくありますが、これにつきましては鉄道並びに船舶ともに非常な政策的な低運賃を從來強制されて來たわけでありまして、これを鉄道独立採算制に直し、また船舶運営会にしましても、できるだけ独立採算制に持つて行くためには、根本的な政策運賃を是正することが必要であります。この問題を取上げましていろいろと折衝いたしたのでありますが、貨物運賃引上げは物價全体にどうしても響きますので、物價全体に響かない方法を講ずるか、あるいは全体として物價の建直しをすることにしなければ、窮境の打開はできないといわれる事情で、とうとうその実行ができなかつたわけであります。しかしながらこの問題はきわめて緊急を要する問題でございまして、いつまでも放置することはできないのでございます。從いまして機帆船等の非常に高い運賃、これは自立運賃でございますが、これを何とか合理化して行かなければならない。そういうような合理化と合せまして、全体として物價体系に動きがないようにいたしたいというので、目下案をまとめているような次第であります。 なお次に第二点の省炭の問題でございますが、省炭につきましては、從來鉄道輸送力が非常に不足いたしておりますために、重要物資を扱うためには海上輸送力を利用いたしまして、自己の省炭を運び、それで浮きました輸送力をもつて重要物資の輸送に充てておつたのでありますが、冒頭御説明申し上げましたように、駅頭在貨が減りまして、陸上輸送に余力を生じましたため、それと独立採算制のために、わざわざ高い運賃を拂わないでも、自分で全部消化できるという状態に立ち至りました。またあらゆる物資の供給につきましては全部入札制度によるという指令が出ましたために、この指令の適用上、どうしてもああいう方向によらざるを得なかつたのでありますが、この点につきましては、根本的に運賃の是正方法を何とかして考えまして、一日も早く中小業者の窮境を救いたい。かように考えております。
○橘委員 第二点の問題に関しましては、先刻申しましたように、日本海方面の港湾等は、今日樺太、朝鮮、満州がああなつた結果として、特に困つております。日本海方面の港湾向けの省炭に関しましては、特に海運総局としてもお考えを願いたい。 次に第二條でありますが、この第二條によりますと、木造船の新設の場合は、運輸省の許可を得る必要がないのでございますか。これは綱船の場合に限つてということになるのでありますか。どうですか。
○大瀬政府委員 綱船に限つております。木造船は許可はいりません。
○橘委員 この法案が施行いたされますと、既設の造船所はことごとくあらためて許可を得る必要がありますか。あるいは新設の分、あるいは第三條に書いておりますもののほかは、認可は申請する必要がないのでありますか。どちらでありますか。
○大瀬政府委員 これはすでに造船業を営んでおりますものは、届出だけで済むことになつております。第十七條であります。
○橘委員 第四條でありますが、第四條の二項によりまして木造のはしけも、この第二項に該当するのかどうか。この点をお伺いいたします。
○大瀬政府委員 はしけでございましても、総トン数二十トン以上、または長さ十五メートル以上ございますれば、入ります。
○米窪委員 運輸省の造船政策ですが、そういう方面がその時の考え方で、先のことは考えないため、現在になつて見ると、海運ということと多少ピッチが合ない点があるんじやないかと思います。すなわち航路が限定されているからやむを得ないでしようが、つい昨年くらいまでは主として客船をつくる許可を與えられた。どの汽船会社もみな客船、あるいは貨客船というようなものをつくつていたが、最近においてガリオア資金の制限によつて、その分量が非常に足りなくなつたというので、既存業者は悲鳴をあげておりますが、今後はどういう御方針でおるのか。客船の建造出願を相当押えて、貨物船のみでやるのでありますか。その辺が一貫した先の見通しを持つておやりになるのかどうか、その基本的な方針を伺いたい。
○秋山政府委員 小型客船の建造の問題は、実は非常に古い問題でございまして、あれは終戰後、造船に関するいろいろの方針が全然立たなかつたときに、造船所の仕事も必要でありましたし、また戰爭によつて壞滅しました交通路の回復も必要でありましたために、やりましたことで、その後は一貫して貨物船本位で進むつもりであります。現在もその方針にかわりはございません。但し交通路の復旧の関係上、どうしても必要であり、かつ油を要しないというような客船につきましては、これは例外として許可することもあるかと思います。
○米窪委員 農林関係との爭点は、私にはよくわかりませんが、漁船はすべて農林省で建造を許せというようなことを向うでは言つているらしいんですが、聞くところによると、許可の手続が非常に業者の間にやりとりがあつて煩雑である。たとえば漁業権を獲得して、それから船をつくるというときには、運輸省の許可を受けなければならぬ。これはきまつたと思いますが、その間に何か水産廳との間に共通の委員会でもつくつて、そうして運輸省の海運総局と水産廳との間に、両方から委員でも出て話をきめれば、業者は非常に簡單に行くと思う。現在はあるかもしれぬが、そういう点で、許可を受けるまでに相当の日数と精力を費しているように聞いております。これが今回の爭点の一つだと思います。 もう一つはたとえば捕鯨船だとか、キャツチャーだとか、ああいう大型の船は、これは海運総局で取扱うべきでありましようが、二十トン未満くらいの船は、それが鋼船であろうとも、農林省で扱うべきだということを農林省側はいつておりますが、それらの点について、ひとつ御説明を願います。
○秋山政府委員 漁船の建造につきましては、資材の観点から大体年度初頭にわくを設定してございます。そのわくの範囲内において、許可をいたしておるのであります。漁業の事業上の許可を農林省がやりました場合に、漁船建造の許可につきましての方法において、めんどうがあつたことはないのであります。なお一時臨時に共同の委員会をつくつて行つたこともありますが、そういうふうに至りません場合でも、わくをつくつて、そのわくの範囲内においてやります場合には、何らそういうめんどうなことはございません。但し御承知のように手続等も、船舶関係の手続は、全部一本でやることになつております。その関係で遅れることがあるのでありますが、許可することの適否について、何ら意見が食い違つたようなことはないのであります。向うの許可が得られたのかどうかということは事務局に連絡して、その上で双方のわく内で造船を許すという建前をとつているような次第であります。
○柄澤委員 遅くなりまして、あるいは重複いたしましたなら御注意を願いたいと思いますが、今造船のわくのお話が出ておりましたが、運輸省として造船の今年度のわくはどのくらいでございましようか。
○秋山政府委員 それは実は先ほど速記をとめてお答え申し上げましたが、ちよつと速記を……。
○稻田委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○柄澤委員 そういたしますと、他の産業の資材の方に食い込みませんと、それだけの建造はできないことになるわけでありますか。
○秋山政府委員 先ほど申し上げました通り、輸出船等の関係もございまして、その方との見合いで研究をいたしております。
○柄澤委員 そういたしますと、輸出の方の捕鯨船その他大型の船舶も何隻とか言つておられたようですが、そういうものは結局その総わくの中でつくられるわけでございますか。
○大瀬政府委員 輸出船と、國内注文でつくる船とは、わくが全然別になつております。資材も別でございますし、建造量ももちろん別でございます。
○柄澤委員 その分の資材は、別に割当が來るわけでありますか。
○大瀬政府委員 輸出船用の資材のわくは、別に來るのでございます。
○柄澤委員 輸出が多くなりますことは、たいへんにけつこうなことだと思うのでございます。けれども大体去年の半ば以降の為替レートが、五百八十円から五百九十円でやられていたと承りますが三百六十円レートで、これをいたしますと、どういうことになるのでございましようか。
○大瀬政府委員 造船のこれまでの契約の分を見ますと、鋼の船につきましてはお説の通り、ことに最近のものは五百円台になつております。從いましてこれから先の契約につきましてはどうしても三百六十円でやつて行かなければならぬということに相なるわけであります。先の見通しとしては、輸出船が非常に困難であるという見通しでございます。
○柄澤委員 輸出が困難だということは、輸出いたしましても、つまり損をするということになることかと思うのでありますけれども、ただいま横浜三菱とか、長崎三菱とか、神戸三菱におきまして、賃金を六五%に引下げられましたり、あるいは二千人からの臨時工が整理になつたりいたしておりますことは、こういうことと関連して行われておるのでございましようか。
○大瀬政府委員 輸出船の問題と、直接の関係はないと私は存じます。
○柄澤委員 そういたしますと、大体九原則を元にいたしました集中生産が、結局今のような賃金を六五%に引下げることや、臨時工の整理の前兆となつて現われておるのでございましようか。
○大瀬政府委員 われわれといたしましては、造船業に対しまして、人為的に生産を集中するという工作はとつておりません。実力でおのおのやつてもらう方針をとつておりますから、集中生産のために、こういうことが行われているというのではないので、結局先ほどの造船能力の割合に注文が少いということが、大きな原因であると考えております。
○柄澤委員 運輸省御当局は造船の計画をお立てになつて、そうして資材などにつきましても、十分の責任を持つた計画を立てられなければ、日本の國の造船事業というものは、どんなりつぱな法案ができましても、これは空文、空論だと思うのでございます。各自の実力でもつてやれという御答弁では満足ができないのでございますけれども、その点どういうふうにこの矛盾を解決しようとしておられますか、非常に納得が行きかねるのでございます。
○秋山政府委員 造船の計画につきましては、先ほどから御答弁申し上げましたように、日本の現在の実力のいわゆる資材、資金等の許される範囲におきまして、できるだけたくさんつくるようにいたしたいということで、極力努力いたしている次第であります。そういたしまして、現在の造船能力を整理するかどうかという問題があるわけでありますが、私どもといたしましては、將來船の輸出もいたしたいし、また日本の船隊の回復も非常に急いでいるのでありまして、もしも鉄鋼その他生産がどんどん上つて参りますれば、一日も早くいい船をたくさんつくりたいので、いまさら幾らあるから、幾ら整理するということは、ちよつとその判断がつかないのであります。從いまして、せつかくあるものはそのまま置きまして、そうしてその範囲において、現在の國力の許す範囲において、あるいは諸般の情の許す範囲において、莫大な造船計画なり、注文の出るようにして、そのできた注文はできるだけ集中することは避けたいと思います。できるだけ分散いたしまして、その範囲において、できるだけの競爭をもつて、安くよい船をつくつてもらいたい、かように考えております。もちろん造船所には、いろいろ特徴というものがございます。修繕を主とする工場もございます。修繕の仕事と、輸出船舶建造の仕事と、國内船舶の建造の仕事とをにらみ合せて、できるだけつくるようにして行きたい、かように考えております。 〔委員長退席、前田(郁)委員長代 理着席〕
○柄澤委員 大体この法案を拝見いたしますと、小さい船や木造船については、別に制限がないと思うのでございます。しかし大型の船をつくる場合には、運輸大臣の許可がいるということになつていると思うのでございます。造船の総トン数については、速記をとめての御答弁でございましたが、大体わくがきまつておりまして、大型船を今後つくつて行くような御方針だということになりますと、隻数において減つて参ります。そういたしますと、つくる能力を持つているところの工場と申しますと、どうしても大型船をつくるところだけは、政府からいろいろな補助を受けて、残つて行くことができるけれども、その他は資材、資金いろいろなもので、立ち行かないようになるのではなかろうかと思うのでございますが、その点はいかがでございますか。
○秋山政府委員 大型の船をつくるところに、政府が補助をするというお言葉がございましたが、補助は一切いたしません。政府としては、そのときの海運界の事情とにらみ合せまして、最も必要な船は何であるか、それに必要な資材、資金はどうであるかということを計画するのでございまして、計画するのは、ただ数量、わくを出すだけでございます。なお現在の船隊構成から申しますると、どうしても大型の船が緊急なわけでございまして、その点は先ほど申し上げましたように、遠洋に出られる船はわずかしかないという実情が、これを物語つていると思います。しかしそれ以下のところについても、現在の船隊構成、あるいは海運事情で、必要とする限りにおいては、仕事があるようにしたい。これは一に注文によるわけでありますから、その注文の予測をいろいろと立てているのであります。
○柄澤委員 資金についてでございますが、大体安本の三十五万トンの計画ですと、二百億ぐらいの資金がいるように伺つておりますが、見返り資金の中から、幾らかとれるようなことになつているのでございましようか。
○秋山政府委員 先ほど速記をとめて御説明を申し上げた通りであります。
○柄澤委員 最後に日本商船の外國航路の強化の見通しは、どのようになつているのでございましようか。
○秋山政府委員 その点は現在の國際情勢のもとでは、どうもはつきり申し上げかねます。
○前田(郁)委員長代理 この際申し添えます。先ほど可決されました水先法案について、衆議院規則第八十六條によつて、報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前田(郁)委員長代理 なお航路標識法案が参議院を上つて参りました。先ほど本委員会に付託となりましたので、この際お知らせいたします。 なお明日は午前十時より開会いたします。会期も切迫いたしておりまするから、委員各位の一層熱心なる御審議をお願いいたしたいと思います。 本日はこれで散会いたします。 午後五時十五分散会