運輸委員会 第11号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/04/25
会議録
○岡村委員長代理 ただいまより会議を開きます。 稻田委員長が病氣で休んでおられますので、私がかわつて委員長の職務を行います。 では一昨日提案理由を聞きました港則法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑に入りたいと思います。質疑りある方は発言を許します。 —————————————
○岡村委員長代理 ただいま運輸大臣がお見えになりましたので、去る二十三日予備審査のために本委員会に付託になりました航路標識法案につきまして、政府の趣旨説明を聽取いたしたいと思います。 —————————————
○大屋國務大臣 ただいま上程されました航路標識法案について、提案理由を御説明いたします。 從來航路標識に関する法令としましては、明治二十一年に制定された勅令の航路標識條例というのがありますが、これは旧憲法施行以前のものであり、新憲法が施行になつた今日の法令体制上、形式的にもはなはだ現代に不相應なものでありますし、その内容においても、現情勢に適應しないものでありますので、船舶交通の安全を確保し、船舶の運航能率の向上に資するため、航路標識の設置、維持及び運営に関する新たな法律を制定する必要があります。これが航路標識法案を國会に提出する理由であります。 本法案は航路標識條例に全面的な改正を加え、種々の新しい規定を織り込んだものでありますが、その内容の要点は次のごとくであります。 一、法律の目的及び航路標識という用語の定義についての規定を設けました。二、航路標識の設置及び管理は、原則として海上保安廳において行うこととしました。三、海上保安廳以外のものにも、自己の業務のためにのみ使用する場合等の事由があるときは、海上保安廳長官の許可のもとに、航路標識の設置及び管理を認めることとしました。四、海上保安廳長官は、海上保安廳以外のものが設置した航路標識についても監督権を有し、その所有者または管理者に対し、必要があると認めるときは、その修理、改善、移轉、撤去等の措置を命ずることができることとし、特に必要があるときは、直接に管理し、または収用することができることとしました。五、航路標識の現状に変更があつたときは、海上保安廳長官は、それについての告示を発する旨の規定を置きました。六、航路標識の事故を発見した者に、これを海上保安廳の事務所に通報すべき義務を課することとしました。七、航路標識の保全のため、類似燈火または音響の使用を制限し、障害となる工事、もしくは作業、または植物の植栽に対する制限をし、航路標識を損傷するおそれのある行為を禁止する等の規定を置きました。八、損失補償についての規定を設け、聽問事及び訴願の制度を規定して、私人の権利の制限に対し、愼重を期しました。九、罰金額を現代に相應したものに改めました。 以上簡單でありますが、提案理由の御説明を終ります。何とぞ愼重御審議あらんことをお願いいたします。
○岡村委員長代理 本案に対する質疑は次会にこれを行うこととします。 —————————————
○岡村委員長代理 これよし港則法の一部を改正する法律案に対する審議に入りたいと思います。
○大久保政府委員 私から本法に関連いたしまして補足をさしていただきたいと思います。港長と申しまする制度は、港湾における行政機関の一つでございますが、港湾には非常に複雑な行政機関が現場にございます。港湾の経営的な、経済的な向からいたしておりまする行政機関と、それから港湾の建設をやつておりますような一つの実地機関、それから私どもの港長が行つておりますような、港湾の交通安全に関する一種の警察、こういつたような制度があるわけでございます。そこで本日御審議をお願い申し上げておりまする港則法は、この港湾における一種の交通取締り、そういつた面からする航海の安全に関連しました諸規則を定めておるものでございます。そこでこの港湾におけるいわゆる交通安全、警察的な仕事は、これは港湾の経営者が從来あわせて行つておつた向きもあつたのでありますけれども、新しい憲法並びに現代における情勢の基本的観念からいたしまして、從来の警察のように、あらゆる仕事を全部やる、あるいは経営者が中立的な交通警察までやるといつたようなところを改めまして、港長は主として港内の安全、整頓に関する業務のみを実施する、かようなことにいたしておるわけであります。そこでいわゆる一般の港湾の経営的な面をいたしまする行政機関並びにその方の法律体系と、この港湾における交通の安全を期する法律体系というものは、全然別個に存在しなければならない次第であります。本法は後者の港湾における航海の安全をつかさどる機関並びにその行為に関する諸規定の一部を改正する法律案でございます。從来現行法におきましては、港長の錨地の指定と申しまする、船の碇泊する位置を指定しまする権能が、あらゆる場合においてこれを定められておつたのでありますけれども、港湾の施設の経営者、管理者が行つてよろしいような錨地の決定、すなわち船が入つて参ります場合に、港湾の施設の経営者との間に、どこの埠頭に着くということが契約できるのでありますが、そういう点まで立ち入つて港長がこれをさらに行政的に規定する必要はなかろうというので、そういう面につきまして、この根本におきましてはこれを取除きまして、單に船が自分のいかりで碇泊をいたします場合に限りまして、港長が錨地の指定をすることにいたした次第でございます。 第二の大きしな点は、從來の港則法では、船が港内の水質を汚濁したりする行為の制限につきまして、別の法律において定めるということにいたしておるのであります。ところがこれを別の法律にいたしませんで、今回の法律の改正の中に取入れまして、港内におきまして、あるいは油を流しましていろいろな動植物を死滅させましたり、あるいは石灰がらやその他の物を捨てまして、航海の安全が阻害されるといつたようなことに関する取締り規定を設けた次第でございます。 以上申し述べましたような点が改正の主眼点でございまして、一應本法が通過いたしますならば、現在行われておりまする港則法がさらに完備された点で、港内交通の安全が確保されるものと信ずる次第でございます。
○關谷委員 今の御説明でよくわかるのでありますが、この港内の汚濁の制限というので、燃料が浮遊して港内が非常によごれておるというような場合、これを防止すると申しましても、機帆船あたり防止の方法がないと思いますが、どういうふうな方法をとられますか。
○山崎(小)政府委員 大体今申しました港内を汚濁いたしまするようなバラストだとか、廃油だとか、石炭がらというふうなものは、まず第一の方法といたしまして、港に塵芥船と申しますか、ごみ船と申しますか、そういう前船をもちましてそれに入れさせるというのが一つの方法、それからまたそこまでする必要のない港、あるいは能力のない港につきましては、港長が大体そ、ういうものを捨てる場所をきめまして、そこに捨てさせるという方法でやつて行きたいと思つております。
○關谷委員 港内が非常に油でよごれておりますことは、どこの港に行つて見ましてもよくわかるのであります。機帆船あたりは、運轉中に自然流出するものによつて汚濁が生じておるのでありますが、これを除去する方法というので、これを一切漏れなくせよということをこの法令によつてやられた場合に、機帆船は港内を動けぬことになつて来るのですが、この点どういうふうに処理されるのですか。
○山崎(小)政府委員 これにつきまして、できるだけ船の方の設備におきましても、港内を汚濁しないような施設をしてもらうような方法を講じまするが、この法律の運用上の問題といたしまして、とにかくみだりに汚濁するようなことはするなということになつておりまして、日本の今の経済状態、財政状態等から考えまして、ある程度理想的にできないような場合でも、そういう事情は十分考慮いたしまして取締りをいたすことにいたしたいと思います。
○關谷委員 今の汚濁の制限でありますが、機帆船に関する限りは、その機械を運轉するために使つておりますものが、船内にたまつて來る。それが自然に中にたまつて参ります水とともに流れて出るというのですから、これは取締の方法がないと思いますが、機帆船のこれまで出すなということまでやられますと、機帆船は動けぬことになりますので、その点は取締りのないようにお願いをいたしておきします。
○岡村委員長代理 本案に関する爾余の質疑は次会に譲ります。 —————————————
○岡村委員長代理 次に日本國有鉄道施行法案を議題といたします。政府の逐條説明を求めます。
○足羽政府委員 日本國有鉄道の施行法の逐條について簡單に御説明申し上げたいと思います。第一條でございますが、第一條は監理委員会の委員及び総裁の任命の事前措置を規定しております。本條は日本國有鉄道の最初の監理委員会の委員及び総裁の任命に関する事前措置を規定したものでございまして、一昨日大臣から提案理由の説明がございましたときに、詳しく申し述べられたようでございますか、この日本國有鉄道の理事機関である総裁並びに副総裁及び理事は、日本國有鉄道が設立の際には、確定されていることが必要でございます。ところがその任命につきましては、まず総裁については監理委員会の推薦に基いて内閣が任命をする、副総裁は監理委員会の同意を得て総裁が任命する、理事は総裁が任命する。こういつた手続になつております。從つてこれらの機関が、日本國有鉄道設立の日からその仕事をいたしますためには、その前提として監理委員会がおそくとも日本國有鉄道設立の日である六月一日には設立されておつて、そうしてこの整理委員会としての職務を執行し得ること、これがその必要な実際上の前提條件となつて参ります。ところがこの監理委員会の委員は、國有鉄道法によりますると國会の両議院の同意を得て内閣が任命するものでございますから、この六月一日、日本國有鉄道法施行の日に、監理委員会の委員が任命されて、即日監理委員会としての機能を発揮するということは、不可能でございまするので、その事前措置といたしまして、いろいろな準備行為をしておかなければならぬ。こういう意味で、日本國有鉄道の設立前に、最初に監理委員会の委員となるべき者を、正式の委員の任命と同じ手続をもつて指名をしておく、またこれらのものの推薦によつて、最初総裁となるべき者を指名しておきまして、これらの者が日本國有鉄道の設立と同時に、別段の任命手続を要しないで、正式の委員及び総裁になる、こういう内容を規定しておるのが第一條の各項でございます。 第二條は職員の引継ぎの関係でございますが、日本國有鉄道法の施行の際に、どういうふうに職員が引継がれるか、並びに引継がれる者の退職金に対する措置を規定したのが第二條でございます。日本國有鉄道は、從來國が國有鉄道事業特別会計をもつて経営をしております鉄道事業並びにその他一切の事業を包括的に承継をして、経営をするために設立されたものでございますから、これらの事業に從事する職員は、政府から日本國有鉄道に引継ぐものでありまして、その措置としましては、第一項では日本國有鉄道法の施行の際に現に運輸省の職員でありまして鉄道事総局あるいは地方鉄道局、または教習所のように、主として國有鉄道並びに國有鉄道に関連する國営船舶及び國営自動車並びにこれらの附帯事業に関する事務を所掌しております部局、またはその機関に勤務する者、つまり鉄道の仕事をやつておる、こうした者は原則として日本國有鉄道に引継がれる。こういうことを規定しておるわけでございます。そうして今申し上げましたような部局並びに機関につきましては、運輸大臣が別にこれを規定をする。またこれらの部局または機関に関するもので、日本國有鉄道に引継がれないものについては運輸大臣が特に指名をする。つまり引継がれる者は原則として全部指名されないままの者でありますが、引継がれないものだけを運輸大臣が指名をする、こういうふうな手続を規定しておるわけでございます。第二項はその反対でございまして運輸省の職員でありますが、あるいは大臣、官房、あるいは鉄道技術研究所のように、鉄道に関する仕事と、それ以外の業務とを一緒に所掌しておる部局、または勤務しております者、それらの引継ぎにつきましては、運輸大臣が指名をする者に限り國有鉄道に引継がれる。そうしてこれらの部局あるいは機関は、前項の規定によりまして運輸大臣の指名する以外のものでございます。第三項及び第四項におきましては、これら今申し上げました第一項または第二項の規定によつて、日本國有鉄道に引継がれた者に関する退職金に関する措置を規定したものでありまして、これらの者は引継ぎの際に運輸省職員としての身分は失いますが、しかし引継ぎの際には退官退職手当は支給しない、將來その者が日本國有鉄道を退職する際に、政府の職員としてそうした人が勤務した期間は、日本國有鉄道に勤務した期間と見なして退職金を計算する、こういう考え方の規定でございます。これは現在の鉄道特別会計の業務が、包括的に日本國有鉄道にそのまま引継がれますので、当然の考え方ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。 第三條は地方公共團体の議会の議員である者に対する暫定措置でございますが、この條文は日本國有鉄道法の第二十六條第二項に、國有鉄道の職員の欠格條項といたしまして、地方公共團体の議会の議員が規定されておるのでございますが、それらの前條の第二項あるいは第二項の規定によつて、日本國有鉄道に引継がれ、日本國有鉄道の職員となつた人については、二十六條の第二項の規定にかかわらず、暫定措置としてその任期中は引続いてその議員との兼職を認めたい。こういう趣旨でこの條項は規定をいたした次第でございます。 その次の第四條は権利義務の承継でございますが、先ほど述べましたよう〕に、日本國有鉄道が、從來國が國有鉄道事業特別会計をもつて経営をしております鉄道事業その他一切の事業を、包括的に承継をして経営するために設立されるものでございますから、一つの生きておる事業体としてのこの活動は継続をしておる次第であります。從つてたとえば從前の國有鉄道に対する物品納入の契約に基いて國が所有をし、あるいは負う権利義務のごとき、これらの事業に関連をしまして國が所有し、または持つておりますところの権利義務は、原則としてすべて日本國有鉄道設立のときにおいて、日本國有鉄道が國から承継するこういう当然の規定でございます。 第五條は訴訟の継承に関する規定でございます。從前の日本國有鉄道事業の経営上のいろいろ舞な事故基く荷物の損害賠償の請求の事件、あるいは慰藉料の請求の事件、そういつたようないろいろな、日本國有鉄道が政府から承継をして行う事業に関しまして、國を原告とし、または被告とする訴訟でございますが、こうしたもので國有鉄道法施行の際に、現に裁判所に係属をしておりますものは、日本國有鉄道法の施行の場合に、法人たるパブリツク・コーポレーシヨンが受け継ぐことを定める。これが前段の規定でございます。すなわちこれらの訴訟につきましては、六月一日から日本國有鉄道を当事者とする訴訟となるわけでございます。後段は、從前の鉄道が政府から承継をして行う事業に関しまして、行政廳のなした処分に伴う行政廳を当事者とする訴訟でございますが、これらの日本國有鉄道法の施行の際に、事現に裁判所に係属しておりますものについては、日本國有鉄道の総裁がこれを受け事継ぐ、こういうことをきめたものでござしいます。 第六條は共済組合に関する措置でございますが、運輸省に属しておりまして、陸運に関する事務並びに國有鉄道に関連する國有船舶及び倉庫営業に関する事務に從事する職員、そうした職員は國家公務員共済組合法第三條第二項第八号の規定によりまして、運輸省に設けられる共済組合、すなわち運輸省の國鉄共済組合の組合員でございます。ところがこの組合員で日本國有鉄道に引継がれないもの、これは運輸省にある共済組合の組合員となるのではありますが、しかし從前の共済組合に関する條件を維持することが妥当である、こういうふうに考えますので、暫定措置として当分引続いて日本國有鉄道の共済組合の組合員とする、こういうふうな規定でございます。少しおわかりにくかつたかと思うのでありますが、この日本國有鉄道の共済組合と申しますのは、國有鉄道法の五十七條第二項の規定によつて、從來の運輸省の國鉄共済組合と同一性をもつて日本國有鉄道に存続をする。こういうふうに日本國有鉄道法にきめられておる組合が、新しい日本國有鉄道の方にできまして、引継がれる組合職員は全部その組合員となる。引継がれないで、運輸省に残る從来その組合員であつた者も、新しく日本國有鉄道法によつて、從來と同一性をもつて存続する組合の組合員となることが、本人の利益保護である、こういう考え方で、この規定をいたした次第でございます。第二項はこれらのものに関する費用の國庫負担に関する措置の規定でございます。 第七條は不動産に関する登記の手続でございまして、これは不動産登記に関する範囲でございますが、日本國有鉄道が政府から承継する不動産に関する権利の登記、これらにつきましてはこの法律の第四條の規定によつて承継するのでありますが、非常に多数に上りますその登記については、不動産登記法の第三十一條の第一項に規定されております事登記義務者の承諾書の添付、これを特に省略して、登記の嘱託書に登記原因を証する書面のみを添付して、登記所に嘱託することができるということを第一項に規定をしたのであります。次に各省所管の不動産登記の嘱託に関しましては、登記を嘱託する場合に、省令をもつて定める代理人については、その権限を証する書面を提出することがいらないときめられておるのでございますが、第二項はこれと同趣旨のことをきめたものでございます。すなわち國有鉄道の総裁が不動産に関する権利について登記を嘱託する場合においては、その役員または職員を代理人と定めてこれを官報に公告した場合には、その代理人につきまして先ほど申し事ました書面は提出することを必要としない。こういう手続的な規定でございます。 第八條は日本國有鉄道が引継ぐ財産の範囲に関する規定でございます。日本國有鉄道法の施行の日において、政府から引継ぐ財産を規定したものでございますが、政府から日本國有鉄道が日本國有事業特別会計の財産を引継ぐことは、日本國有鉄道法附則第三項の規定しておるところであります。本條はそのうちの積極財産としての資産と、消極財産のうちで公債及び借入金以外の負債、すなわち短期負債と、この二つを昭和二十四年の五月三十一日の状態のまま引継ぐことを規定したものでございます。この資産の中には固定資産と作業資産、流動資産、調整勘定といつたようなものが含まれておりまして、その総額は七百四十三億円強と推定されております。公債及び借入金以外の負債の中には、未拂金、借受金、一時借入金などが含まつておりまして、その総額は百三十三億円強と推定されております。 第九條は公債及び借入金に関する規定でございまして、これをいかに処理するかという問題であります。日本國有鉄道設立の前日におきまして、國有事業特別会計が負担をする公債及び借入金は五百六十一億円余と推定をされます。これらは國有鉄道事業特別会計が、國の会計として負担したものでございますから、一應これを一般会計に帰属させ、その同額の債務を日本國有鉄道が政府に対して負担するこことした。從つてこの公債及び借入金と、日本國有鉄道が政府に対し新たに負担する債務とは、実質上同一でございますから、第四項に規定したように、その債務の償還期限、利率、利子の支拂期日は、すべて公債及び借入金のそれと同一條件としたのであります。なお一般会計に帰属したこれらの公債及び借入金について、借りかえの必要も生じますので、この場合には、日本國有鉄道が政府に負う債務の償還期限等にも、影響があることを第五項に規定したわけであります。 第十條は政府が日本國有鉄道に対し、國庫余裕金を一時貸し付けることができることを規定したものであります。日本國有鉄道法第四十五條によりますれば「政府は、日本國有鉄道に対し、資金の貸付をすることができる。」と規定されていますが、日本國有鉄道において、短期資金を調達する緊急の必要がある場合においては、一時國庫余裕金を、政府の貸付金として使用する必要が生じて参りますので、本條を設けた次第であります。 第十一條は、日本國有鉄道法第五條の資本金額を、同條を受けて規定したものであります。資本金は資産の價額から、負債に相当する額を引去り、その結果として額が定まるものでありますから、第八條に規定しました資産の價額から、同條に規定した公債及び借入金以外の負債と、第九條に規定した公債及び借入金の合計額を引去つた額となります。この結果、日本國有鉄道の資本金は、從前の國有鉄道事業特別会計の固有資本の額と同額の四十九億円強となる次第であります。日本國有鉄道法第五條によりますれば「日本國有鉄道の資本金は、別に法律で定めるところにより、昭和二十四年五月三十一日における國有鉄道事業特別会計の資産の價額に相当する額とし、政府が、全額出資するものとする。」と規定しておりまして、さらに同法の附則第三項において財産の引継ぎを規定し、負債の引継ぎを予測している点より考えまして、資本金を、前述のように資産から負債を引去つた残額とした次第であります。 次に第十二條でございますが、これは國有鉄道事業特別会計の残務の処理をどうするかという規定でございます。本條におきましては、日本國有鉄道事業特別会計は日本國有鉄道の設立に伴い廃止されるわけでありますが、昭和二十三年度及び昭和二十四年度の予備費の使用、決算、財産、出納、その他合計に関する事務につきまして、その廃止後における報告その他事務の取扱いを必要としますので、これを日本國有鉄道において行う、こういうことを規定したわけでございます。 第十三條は廳舎の無償貸付に関する規定であります。本條は、日本國有鉄道設立の際、政府が使用している廳舎を、日本國有鉄道から政府に対し無償で貸し付け得ることを規定したものであります。日本國有鉄道法附則第二項によりますれば「國有鉄道事業特別会計の資産は、日本國有鉄道法施庁の日に、日本國有鉄道に引き継ぐものとする。」と規定せられているので、引継ぎの際、一般会計において使用している廳舎につきましては、暫定的に無償の取扱いをなし得るよう、國有財産法の関係規定の除外を規定したものであります。 第十四條から第二十三條までは、日本國有鉄道法の施行に伴う関係法令の整理に関する措置の規定でありまして、第十四條は、鉄道敷設法の改正であります。第二條、第四條、第五條を削るのでありますが、第二條は鉄道線路敷設のための継続費に関する規定でございまして、新憲法の施行に伴い、継続費は認められなくなつているので、すでにその効力のないものであつて、この際これを整理するものであります。第四條及び第五條は、鉄道会議に関する規定でありますが、鉄道会議の制度はこれを廃止するので、これを削り、從つて第三條は第二條となる。なお第一條中の改正は、字句の修正でございます。 第十五條は、國有鉄道運賃法の改正でありますが、これは日本國有鉄道運賃法においては、基本的な運賃及び料金は法律をもつて定めてありまするが、より軽微な事項その他細目については、運輸大臣がこれを定めることになつております。從つて第五條、第七條第三項、第八條及び第九條中「運輸大臣」を「日本國有鉄道」に改めるのは、從来運輸大臣が定めることとしている事項を、日本國有鉄道において定めることとするものである。また第八條中「國有鉄道」の字句は、当然「日本國有鉄道」に読みかえるわけでございます。次に第九條の二の規定は、日本國有鉄道が國有鉄道運賃法第五條の規定によりまして、定期旅客運賃を定める場合、同法第七條第三項の規定によつて小品扱貨物運賃を定める場合、及び同法第九條の規定によつて手小荷物運賃、旅客運賃及び貨物運賃の最低運賃並びに寝台料金を定めます場合においては、運輸大臣の認可を受けることを要することとする旨の規定であります。從つて、物價統制令との関係から、これらの事項に関しては、運輸大臣と物價廳長官との共管によつて処理されることとなる。そういう規定であります。 第十六條は日本通運株式会社法の改正でありまして、第四條第一項中「政府」を「日本國有鉄道」に改めるのは、從来の國有鉄道事業特別会計からの日本通運株式会社に対する出資を、日本國有鉄道の設立に伴い、日本國有鉄道がこれを資産として引継ぐことになりますので、これを明確ならしめるための措置であります。同條第二項は、第一項による政府出資株式の拂込金の計理を規定するものでありまして、日本國有鉄道の出資となることにより、不必要な規定となるから、これを削り、從つて第三項が第二項となる等々の整理であります。次に日本通運株式会社法第九條は、政府出資の株式に対する配当の特例を規定するものでありますが、これはすでに効力を失つていますから、第九條の削除はこの際これを整理するものであります。次に第九條の二を創る措置も、右の政府の財政援助の制限に関する法律によつて、その効力を失つている規定を、整理するものであります。 第十七條は、帝都高速度交通営團法の一部改正法案でありますが、日本通運株式会社法の改正とおおむね同じ趣旨のものであります。第五條第一項中「政府」を「日本國有鉄」に改めますのは、從來の鉄道特別会計から、帝都高速度交通営團に対する出資を、日本國有鉄道の設立に伴いまして、日本國有鉄道がこれを受け継ぐこととなるので、日本國有鉄道が帝都高速度交通営團に出資し得ることとする措置であります。同條第二項は、第一項による政府出資の計理を規定するものでありまして、日本國有鉄道の出資となることによりまして不必要な規定となるから、これを削るのであります。次に、帝都高速度交通営團法第六條は、政府または公共團体の出資の拂込みに関する規定でありますが、日本國有鉄道の出資になることによりまして、字句上の修正をしたのであります。次に帝都高速度交通営團法第二十四條は、交通営團の交通債券の引受に関する規定でありますが、從前の帝國鉄道会計がこれを引受けることができることとしておりまするのを、日本國有鉄道の設立に伴い、現に同会計が所有しておるこれらの交通債券も、資金の一部として日本國有鉄道が承継することとなりますので、「日本國有鉄道」と読みかえるものであります。同條後段は政府引受の交通債券の計理を規定するものでありますが、不必要な規定となりますから、これを削るものであります。次に、帝都高速度交通営國法第二十六條及び第二十七條は、交通営團の交通債券の政府による支拂保証に関し規定するものでありますから、これらはすでに述べた政府の財政援助の制限に関する法律によりその効力を失つているので、これを整理するのであります。次に第三十四條第二項は、政府出資に対するいわゆる後配の特例を規定するものでありまして、さきの政府の財政援助の制限に関する法律によつてその効力を失つているから、これを整理するのであります。 次に第十八條は、印紙税法の改正でありますが、日本國有鉄道法第六條には、所得税及び法人税並びに地方税の非課税を規定しております。それと同じ趣旨に基き、その他の税についても所要の措置を規定することが必要でありますので、本條によつて印紙税を日本國有鉄道に課することから除外することを、これによつて規定してある次第であります。 なお十九條の登録税法につきましても、やはり同様に登録税を課さないことを、これによつて規定してあるわけでございます。第二十條は、通行税法の改正でありますが、日本國有鉄道の設立に伴うまつたく技術上の読みかえであります。 次に第二十條は、國家公務員共済組合法の改正であります。國家公務員共済組合法第二條第二項第八号の規定に基きまして、從來運輸省に設けられております國鉄共済組合は、日本國有鉄道法第五十七條第二項の規定によりまして、日本國有鉄道に設けられる共済組合となつて、同一性をもつて存続するものでありますから、同法に基く共済組合はこれを廃止することが当然必要となりますので、本條はこれを措置する規定であります。 次に第二十二條は、歳入不足補填のために一般会計からの國有鉄道業特別会計に対する繰入金について、これを返還しないことを規定したものであります。日本國有鉄道法附則第三項の規定によつて、日本國有鉄道に引継ぐ國有鉄道業特別会計の財産は、資産の價額より負債額が多いので、政府が赤字の出資をするという不合理な結果となります。これは同会計に四百七十五億円強と推定される巨額な損失がありますため、引継ぎに際し、この損失を整理する必要を生じて参り、この巨額の損失は政府の低賃金政策の結果生じたものと考えられ、歳入不足補填のための一般会計からの繰入金の四百億円弱と見合いとなるものであります。從つてこれらの点を考慮しまして、損失を引継がないため、その損失額より繰入金に相当する額を減ずるとともに、繰入金を債務としないこと、すなわち一般会計に返還しないこととしたのであります。 次に第二十三條は、法令の廃止に関する規定であります。簡單に申し上げますと、日本國有鉄道の設立に伴いまして、國有鉄道事業特別会計は廃止する必要がありますので、この法律を廃止する。但し國有鉄道事業特別会計法は、日本國有鉄道法第三十六條の規定により、日本國有鉄道の会計及び財務についてはその例によることとされておりますから、その限度においては効力を有することが必要であり、あとで申し上げまする附則第二項はそのための規定であります。 次に、地方鉄道及び軌道における納付金等に関する法律は、戰時中の立法でありまして、國有鉄道の運賃値上げとの権衡をはかる等のため、地方鉄道軌道が運賃値上げをした場合、これから生ずる利益を政府に納付させ、輸送力の確保増強を促進させるための補助の財源に充当することを目的とするものでありますが、社会経済情勢の変化に伴い、実質的にこれは意義のないものとなつているので、この際これを廃止するものであります。 鉄道会議の官制の廃止は、すでに第十四條の鉄道敷設法の改正に関する説明において述べたように、鉄道敷設法の改正に伴い鉄道会議の制度を廃止するものであります。 鉄道輸送協議会の官制、鉄道教習所の官制及び鉄道大臣において委託により陸運に関する機械器具等の製作、修理又は調達をなすの件を廃止するのは、日本國有鉄道法の施行に伴い、これらの事項は勅令をもつて規定する必要がなくなつたので、措置するものであります。 地方鉄道納付金委員会官制の廃止は、さきの地方鉄道及び軌道における納付金等に関する法律の廃止に伴う措置であります。 附則の第一は、施行期日に関する規定で、この法律は、当然日本國有鉄道法施行の日たる本年六月一日から施行いたします。但し、第一條の規定は、その説明において、述べましたように、公布の日からこれを施行し、監理委員会の委員及び総裁の任命に関する事前措置をすることができることにする。それから第三十二條の規定は、一般会計から國有鉄道事業特別会計に対する繰入金の切捨てに関する措置は、当然日本國有鉄道設立の前日、すなわち五月三十一日からこれを施行することが必要であると考えられますので、そういうふうにきめた次第であります。 第二項は、先ほど申しました國有鉄道事業特別会計の廃止に伴いまして、國有鉄道事業特別会計法を廃止しますが、その個々の條文は日本國有鉄道法第三十六條第一項の規定する限度において、なお効力を有することを規定する必要があるので、ここにあげた次第であります。 次に第三項は、日本國有鉄道に対する取引高税に関する規定であります。乗客の運送に関しては、取引高税法の規定によつて取引高税を除外していますが、日本國有鉄道の物品運送に関しては、政令で定める期間においては、これを課さないことを規定したものであります。 最後の第四項は第九條第二項の規定によつて、日本國有鉄道が政府に対して負うことになる債務、すなわち從前の國有鉄道業特別会計が負担する公債及び借入金に相当する額の政府からの債務の利子及びその債務の取扱いに対する経費、これは政府の一般会計に納入をし、一般会計から國債整理基金特別会計に繰入れることになるのでありますが、二十四年度においては本法によつて、直接これを政府の國債整理基金特別会計に納付し得る、こういうことを規定したものでございます。 以上をもちまして概略逐條の御説明を終ります。
○岡村委員長代理 大臣は所用があつて中座いたしたいとのことですが、大臣に御質疑がなければ退席させてもよいと思いますが、いかがでしようか。
○高橋(定)委員 大臣に特にお伺いしておきたいことは、監理委員会の委員及びこれらの委員によつて推薦される國有鉄道の総裁を指名せらるる手続は、大体五月の十六日の会期ぎりぎりくらいに、これが問に合えばいいというふうにお考えになつておりますか、あるいは本施行法は特に急いで審議して、監理委員会の委員あるいは総裁を早目に選考されることが、六月一日からの日本國有鉄道の出発に都合がいいというようにお考えになつておりますか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいま高橋君の御質問の趣旨の、後段のようにお願いいたしたいと思います。すなわち会期が十六日でございますから、この法律を早く仕上げていただきませんと、その監理委員の選考、またどういう人を最後に決定するかというまでには相当手間がかかりまするので、どうぞ早目に御審議願いたいと思います。
○高橋(定)委員 その御趣旨は大体わかりました。この施行法が早目に審議される必要があるように考えますが、この施行法を審議すると同じ程度に、現在の日本國有鉄道法の第三十六條に関連する——六月一日より出発するところの日本國有鉄道が、高能率を発揮することができるように、経理関係の規定を改正される必要があるように考えられるのであります。特に第四十四條には、日本國有鉄道は、市中銀行その他民間から借入金をすることができない。」このような規定がはつきり残つております。さらに四十七條には「日本國有鉄道の業務に係る現金については、法律又は政令の定めるところにより、國庫金の取扱に関する規程による。」というように、公共企業体になつた日本國有鉄道が、これからの経理を行います場合において、從来の國有鉄道の運営と何ら異なるところのないような運営をしなければならないということは、せつかく今度の改正の公共企業体に移行する趣旨に合わないように考えられるのでありまして、少くともこれらの規定に関しましては、早急に関係官廳と御折衝の上で、本國会期間中に御提案を要望するものであります。先般の私の質問に対して運輸大臣は、期間の関係で今國会には提出を見合せるようなお考えのようでありましたが、会期も延長になりました際でありますから、ぜひともこれら関係條文の整理をお願いいたしたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいま御質問の問題は、大藏省と折衝中でありまして、なるべく今國会に提出ができるようにということで、目下一生懸命その準備を進めておるような次第でございます。
○高橋(定)委員 なお本問題については、参議院の運営委員会においても、本法律が通過するときにいろいろ問題になつておつたように聞いておりますので、関係官廳との折衝の模様については、なるべく今月中に大藏政府委員と御同道で本委員会に御説明願いたい。
○大屋國務大臣 高橋君の仰せの通り参議院からも強い御要望がありますので、それらの趣旨に則りまして、ただいま大藏省と折衝中なのでありますが、御趣旨のようにとりはからうように努力いたします。
○滿尾委員 最初に政府委員にお尋ねいたしまして、その御返事いかんによりまして大臣に聞きたいと思います。ただいまの廃止する法律でありますが、この中に地方鉄道及軌道に於ける納付金等に関する法律(昭和二十年法律第十九号)があります。社会経済的な意義を失つたから廃止するというお話がありましたが、二十四年度の資金計画の表を見ますと、收入の面においても、支出の面においても、二百八十一万円の地方鉄道及軌道特別資金収入と支出というのがあります。これはこの法律によつて計上されておるのではないかと思いますが、違つておりますか。
○紙田説明員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。そのお話の法律は、國有鉄道事業特別会計の存続いたします昭和二十四年五月三十一日まで有効にいたしておりまして、その間にただいまお話になりました予算に計上いたしております支出を完了する予定でございます。
○滿尾委員 予算と法律の廃止の関係はわかりました。そのことはしばらくおきまして、私はこの法律というものは、なるほど、できますときの発生的な事情を考えますと、確かに戦争目的のために一應つくつたのでありますが、しかし法律の実体を考えてみますと、地方鉄道事業相互間における一種の相互扶助の働きを持つておるのであります。決してこれは戰爭が済みました後においても、私はその歴史的な役割を果し盡したものとは考えない。確かに法律の文句には「今次ノ戰爭ニ際シ」云々と書いてありまして、戰時色が濃厚でありますけれども、それを抜いてしまつて読めば何のことはない、実体は地方鉄道が國家のために非常に負担をして損をしておるところへは、片方でもうかつた鉄道から融通して、全体のバランスをとるというのでありますから、これは平戰時を問わず——この法律を御修正になるのはけつこうでありますけれども、全面的に十ぱ一からげにしてやめるということは、私はお考えが少し違つておるのじやなかろうかど思う。この点について大臣の御見解を承りたい。
○大屋國務大臣 滿尾君のようなお考え方もあろうかと思うのでありますが、これは廃止したいと考えておる次第でございます。
○滿尾委員 地方鉄道軌道に対する御政策といたしまして、從來わが國は長年にわたつて地方鉄道に対して補助金を出して参つておる。ところが昨年、一昨年は補助金は大体ゼロになつて、おる。一体地方鉄道軌道という仕事に対しまして、いろいろな嚴重な監督、制圧を加えております。運輸大臣の地方鉄道に対する職能はネガテイヴな働きがほとんど八〇%である。しかるにそれの裏づけといたしまして、必要な事業を助成せられる公益上の理由が非常にあつた。それがまつたくゼロなんです。從つて今日の交通政策というものは、マイナスのものばかり押しつけて、ちつともプラスの面はない。わずかにこの法律が存在いたしまして、地方鉄道軌道の公共的な立場について、まことにやむを得ない、事情のものに対してはこれを助成する働きをしておつた。今この法律をおやめになりまして、その面についてまつたくほつたらかしと申しますか、放任状態に置かれるということは、陸運政策の大所高所から見まして、私は非常に残念に思います。運輸大臣は一体わが國の地方鉄道軌道の助成育成ということについて、どういうようなお考えを持つておられるか、伺いたい。
○足羽政府委員 陸運監理局関係の政府委員が参つておりませんので、詳しい説明は申し上げかねますが、実はこの法律は從來の実績からあまり多く期待できない、実績が少いのだそうであります。現在そういうように実績が比較的少いのと、先ほど申しましたような沿革による法律でもありますので、この際一旦これは廃止いたしたい。大体こういう結論であります。なおお話のような点につきましては、將來研究をいたして参りたい。こう考えておるわけであります。
○滿尾委員 本日はこの問題について、政府側における御答弁の用意が十分でないようでありますから、私はこの問題に、対するところの質問を次の機、会まで留保いたします。政府側におきまして、十分御準備をいただきました上で、りつぱな御答弁をいただきたいと思います。
○田中(堯)委員 このパブリツク・コーポレーシヨンというのは、どうもはなはだ概念がはつきりしないのですが、本法を見ても、施行法を見ても……。第一非常に不明瞭なのは、一体國有財産は、今度はどうなるのですか。コーポレーシヨンの所有権に移るのですか、移らぬのですか、それをひとつ伺いたい。
○大屋國務大臣 移ります。
○田中(堯)委員 そうしますと、これは現下の見積りなら何百億という財産、になると思うのです。さつきのお話だと七百何ぼということですけれども、そうい重大なる國有財産を、ただ個別個別でなしに、一括して一片の法律をもつて、がさつとコーポレーシヨンに引継がれるということになつております。こういうことは、私どもの考えでは憲法違反だと考えますが、大臣の御所見はいかがですか。
○大屋國務大臣 その点は憲法違反で、はないと考えております。
○田中(堯)委員 もう少し御丁寧にお答え願いたい。私のお尋ねした点は、國有財産である限りは、財政法にも憲法にも規定がありますが、何々の路線を何々に譲渡するということは、立法府を通過しなければ、できない。これは從來のしきたりであり、法の規定するところである。それを一括してコーポレーシヨンに所有権を移轉することは許されない、という意味のことを言つておるのでありますが、それに対して一括してもよいというお考えであるかどうか。
○大屋國務大臣 大臣は憲法違反にあらずと信じておりますから、その根拠を文書課長から説明いたさせます。
○荒木説明員 憲法の何條に抵触するか、その点はつきりしないのでございますが、個人の権利を設収するというようなことでございますれば、あるいは憲法の臣民の権利義務の規定に抵触するかと思いますが、これは國家が特つて、おるものを出資の形式でコーポレーシヨンに託すわけでございます。現物出資の一形態として出すわけでございますが、法律的措置といたしましては、所有権の変換を來すわけでありまして、現行憲法上何ら抵触する規定はないと思います。
○田中(堯)委員 日本國有鉄道法の四十九條を裏から見ますと、日本國有鉄道は、運輸大臣の認可を受けるならば、営業線その他の重要な財産を譲渡したり、交換したり、または担保に供してもよろしいということになります。一括してコーポレーシヨンに所有権を移轉する。今度はその次にこれをこま切りにして、運輸大臣、行政大臣がイエスと言うならば、たとえば東海道線のごときもどこへでも拂下げもできるし、賣却もできるというような、べらぼうな法律になつておる。憲法違反だというのは、そういうことを私はついておるのでありますが、それでも憲法違反ではありませんか。
○荒木説明員 その問題と、出資の総括的引継ぎとは、全然事態が違うと思うのでございますが、ちよつと御質問の御趣旨がはつきりいたしませんので……。
○田中(堯)委員 私のお尋ねしておりますのは、コーポレーシヨンに國有鉄道事業特別会計の財産が一括して移譲される、その移譲される内容は、今政府委員の御説明では、これはパブリツク・コーポレーシヨンに持つて行くのであるがら、別にこま切れにして賣るとかいうような問題ではない、憲法違反ではないという御答弁でありました。そこで四十九條を見ると、この國有鉄道法によるならば、こま切れにして、議会を通過しないで、ただ運輸大臣の一存によつて、賣りさばくことも、担保に入れることもできることになるが、それはまさしく憲法違反になるじやないかということをお尋ねしておるのです。
○荒木説明員 コーポレーシヨンという人格者が、その所有する財理を処分することは、人格者としてなし得ることでございましてその処分をいたしますにあたつて、コーポレーシヨンがかつてにやるということ自体がよろしくないから、運輸大臣の認可を受けてやるということでありまして、その点に関しましても憲法に抵触する点は全然ないと信じておるのでございます。
○滿尾委員 私もコーポレーシヨンの性格には非常に疑問を持つておるのであります。この間大臣がら進歩的な運輸大臣たらんことを標傍せられまして將來は民有民営に行うというお話さえ承つたのでありますが、私どもの考えでは、このコーポレーシヨン形態というものは、私は國有形態の一つのバリエーシヨンだと思う。もしそうでないといたしましたならば、これはたいへんなことになります。今國家の公法人であるコーポレーシヨンに、出資の形式で非常に安い値段で出す。しかもこれは法律上國とは別だということになつて、國家の公法人たるコーポレーシヨン、それがさらに今度は私法人に性格をかえるという問題が、この次にひそんでおると考えましたならば、そのときに帳簿價額でこれを私法人に切りかえるという事態が発生しないとも限らぬ。これは法律論ではありません。政治上の見通しの議論とし、て、大臣の御見解を伺いたい。かような重大なる危險をも含んでこの日本國有鉄道法というものができておる、かようにして國家の最も大な財産が、將來民有民営の形態に不当な評價をもつて移行するというような危險をはらんでおるとするならば、私どもはこれを最も愼重に考えなければならぬ点であると思いますが、大臣ははたしてこのコーポレーシヨン形態における日本國有鉄道というものを、今日までとつて参りましたところの鉄道國有主義の一形態であるとお考えになりますかどうか、私は能率増進上の一つの方便として、こういう形態をとられた、國有鉄道主義の一つのバリエーシヨンだと思いますけれども、將來重大なる発展をここに含めておるところの、民有、民営に移行するワン・ステツプという御見解を持つておられるかどうか、その点についてお伺いいたします。
○大屋國務大臣 滿尾君はちよつと思い過ぎておられるように思うのですが、現在のこのコーポレーシヨンの姿が、やがて民営に移る前提であるとはだれも言わないのであつて、私が前に申し上げたのは、世の中の森羅万象というものは常に進歩を続けてこれを継続しておるものだ。かるがゆえに私も進歩的な運輸大臣たることを念願しておるということを申し上げ、また業の形態といたしまして、この時勢が変轉いたし、そのときの情勢がかわれば、いろいろな形態に変化することがあり得るということを申し上げたのであつて、現実の面において、この鉄道が現在の國有の姿から、いわゆる公法人のパブリツク・コーポレーシヨンに移つたから、その次のサード・ステツプとしては、民有、民営に移るのだとは私は断じて申し上げないのであります。もしも時勢が要求をし、その方が鉄道経営上能率的であるという事態が到來いたしましたならば、田中君なりあなたが御心配になるような、いわゆるその財産を民有、民営に移すときには、憲法違反でない適当の措置を講じてやれば、それでいいのでありまして現在が一過程であるということは絶対ないのでありますから、御安心願つてしかるべきであると思うのであります。
○滿尾委員 それでは簡單な形で結論だけお伺いしたい。日本國有鉄道という形式、形態は、從來の明治三十九年の日本鉄道國有法以来の傳統的精神である鉄道國有主義の一形態であるとお考えになつておられるかどうか、大臣の所信をお伺いいたしたい。
○大屋國務大臣 法律的に申しますと、このコーポレーシヨンというのは新規なものでありますが、要するにこれは私人でないのでありまして、いわゆる公の公人格であるのでありますから、やはり観念的に見ますれば、あなたの仰せの通り、これは國有の一形態であると断ずるよりほか方法はないと思います。
○岡村委員長代理 大臣はちよつと所用があつて、退席なさるそうでありますから、爾余の大臣に対する御質問は次会にお願いいたします……。
○田中(堯)委員 もう一点だけ、今戰時中の買収私鉄を拂下げするために、準備を急いでおられるというこの問の御答弁でありますが、そのときの御答弁にも、これはやはり立法手続をやるつもりだという御答弁でした。問題はバスの方ですが、バスの方の拂下げは、今度はこの國有鉄道法が施行になつて、すなわちもはや立法の手続を経なくてもよいようになつてから、おやりになる腹ですか。
○大屋國務大臣 実はバスも私鉄も、拂下げをしてしかるべきものは、拂下げをしたいということは私が申し上げたのでありますが、バスの方はさしずめまだ早急にどの線をどう賣るというようなことの調べがつきません。やるにいたしましても、早急のことではない。また現実に、目下どの線をどういうふうに賣ろうかという、実体的な調べには着手しておりません。さようにお考えを願います。
○岡村委員長代理 では大臣に退席していただきます。
○滿尾委員 ちよつともう一言政府委員に。附則の第三でございまするが「日本國有鉄道が政令で定める期間内になす物品の運送に関する取引には、取引高税を課さない。」というのは、これは取引高税法の中に、根本の法規があるのであります。それを附則でもつて、かような実体的なことをおとり責めになることは、法律常識上疑わしいと思いますが、どういうことでしよう。
○荒木説明員 將來永遠にわたつて、取引高税を廃止する、賦課しないということでありますならば、むしろ取引高税法に規定する方がよかろうと存じます。しかしこれは一時的に取引高税を課さない、こういう規定でございますから、しいて取引高税法自体に規定しなくても、この附則に規定してもさしつかえないだろう。こういう趣旨で規定したわけでございます。取引高税法自体に、附則的なものとして書くということも、ちよつと参りません。出すとすれば、取引高税の臨時特例に関する事件というような、單行特別法を出す事方法よりなかろうかと思いますが、これは國有鉄道法を施行するにあたりまして、当座の間取引高税を課さない、こういう規定でございますので、便宜こういう手続にいたしたのであります。
○滿尾委員 税金を新しく取立てるということは、もとより國民の基本的権利に属するのでありますが、國民のある種の範囲の取引に対してとらないということも、私は一般國民の基本的権益にかかわると思う。これはプラスの面とマイナスの面と両方ある。從つてこれを法律の附則できめるか、どつちの法律できめるかは、立法テクニツクにおまかせしてよろしいが、附則でもつてこういう実体法的なことをおきめになることは、法案の形式として非常におかしいのではないか、少くとも道義的には、これは愼んでいただかなければならぬことではあるまいかと思います。どうせ法律にお入れになりますならば、一項を起して本文の方にお入れになるべきものではないかと思いますが、御所見を伺いたい。
○荒木説明員 これは從來の状態を変更するものではないのでありまして、從來國が行つておりまする國有鉄道には取引高税は課してないのでございまして、その状態は、コーポレーシヨンとして独立いたしましても、ガバーメント・コーポレーシヨンとして、ほとんど國が行うと同様の地位をあらゆる面において保障しておりますので、その現行の状態をしばらく保持するために、法律執行上の面から、また実質の面からいつても、妥当を欠くものではない、かように存じております。
○田中(堯)委員 今の施行法の第八條の御説明のときに、國有鉄道特別会計の資産は約七百四十三億と言われたと思いますが、これは帳簿價額でございますか。
○足羽政府委員 さようでございます。
○田中(堯)委員 そうすると、これは原價で見積るといつても非常に困難ではありましようが、ごく大ざつぱに原價に見積つてみて、時價どのくらいの財産になるか。見当だけでよろしいから……。
○足羽政府委員 それは目下調査中でございまして、見当がつきません。大体もう一月くらいすれば、調査がまとまる、こういうふうに考えております。
○田中(堯)委員 そこで最初の私の質問をした点にまたもう一ぺんかえるのですが、政府がこの巨大なる出資をする。これは公益ということを考えてのことでしようが、これによつて株式会社のように、國家に配当をやらなければならぬのですか。何か収入をもらうことにはならぬのですか。全然國家はコーポレーシヨンに対して無償で譲渡するのですか。
○荒木説明員 現物出資でありまして、これに対する値段とかなんとかいうものは、國家は全然とらないことになつております。ガバーメント・コーポレーシヨンでありまして、なるほど法律的に見ますと、別の人格を持つておりますから、國とは別でありますけれども、政治的、経済的に考えますと、國と一体というふうに考えてよろしいと考えております。比喩的言葉を用いて考えますれば、この法人は國有法人というように観念すれば、実質に合つておるものではなかろうかと考えております。從つて現物出資いたしましても、それに対する対價を拂うということは、全然ないわけであります。
○田中(堯)委員 そうしますと、本法の四十九條がまた問題になるのですが、國有法人といつたような観念であるならば、これはやはり財政法、憲法などの、みな拘束のもとにあらなければならぬと思います。そうすると、ただ行政大臣がこれを賣つてしまうというように、認可でもつて、ぽんぽんと賣られては困ることになるのです。四十九條は重大な憲法違反と言いましようか、他の関係法律に抵触する重大な條文だろうと思いますが、その辺の御見解はいかがでありましようか。
○荒木説明員 國の直接持つておりまする財産でも、国有財産法の手続をふみますれば、賣卸することができることになつておるわけであります。從つてこの國有鉄道の持ちまする財産に対しましては、國有財産法の規定の例による。こういうことになつておりますから、その処分については、國有財産法の規律を同様に受けるわけであります。ただこの財産を拂い下げることに関しましては、一應さきに通過いたしました法律で、運輸大臣の認可を受けて拂い下げることができることになつておりますが、実質問題といたしまして、重要な財産でありますから、ごくわずかなものは別といたしまして、栄養線を拂い下げるというような重要問題は、國会にかけて國会の承認を経て実施することが妥当であろうと考えておるわけでございます。從つて実際問題として、將來もし払い下げるというような事態が起れば、國会に提出して法律の形式なり、とにかく國会の承認を経て処分される、こういうことになるだろうと考えております。
○田中(堯)委員 今のお話ですが、本法の第何條かに、今おつしやつたような財政法やその他の法律を準用するという規定があつたと思います。それを準用されるのはけつこうですが、四十九條なるものがあるために、四十九條によつてその準用も大幅に削減されておるわけであります。だから、そういうようなときに、これだけの手続を経なくとも、ぽんぽんとかつてに賣れることになるわけであります。これはどうも通過したあとの祭で、何ともしようがありませんが、何とかこの際せつかくこの施行法が今から出るのですから、そういう危險のないように、私どもの心配することのないように、措置をとられたいと思うのですが、その辺のお考えはないのでありましようか。
○高橋(定)委員 今の田中委員からのお話はまつたく私も賛成でありまして、先ほどの三十六條の会計に関する高能率の規定を詮議される場合におきまして、この四十九條の、運輸大臣がこの重要なる財産を処分される場合におきましては、國会の承認を経ることを要するということを、ぜひ入れていただきたいというように考えまして、そのときにあわせてこれを御詮議願いたいと思うのであります。
○滿尾委員 私もこの公法人の性格については非事常に疑問を持つておる。実はこれが出ますときに、われわれは議席を持つておらなかつたので、よくわからなかつたのでありますが、政府委員の御説明を伺いたい。第二條に持つて來てその性格を規定するのに「公法上の法人とする。」と簡単にしてある。隣の文句は「規定に定める商事会社ではない。」とある。でないということを、どういうわけでここに書いたのであるか、まつたく私は立法技術としてこれは型破りの表現をされておると思いますが、この二條について政府委員の説明をいただきたい。公法人の性格について……。
○荒木説明員 公法上の法人という言言は、日本の法律上最初の言葉でありまして、從來の慣例によりますと、その法人が公法人なりや、私法人なりや、法律自体で規定することはないのでおりまするこの公法人という言葉が、行政法学上の言葉でなくて、実定法上の言葉として表われておりますのは、商法に一箇所ぐらい規定があるかと思います。その公法人という言葉でなしに、公法上の法人とする。これはジユアリスチツク・パースン・イン・ア・パブリツク・ローという言葉が原語でありまして、日本の観念としては新しい観念でありまするこの方から十分に御推察ができることと思います。從いましてそう書いておきますと、日本国有鉄道は民法三十五條または商事会社その他社團に関する商法の規定に定める商事会社でないということを、しいて言わなくともよろしいわけでありますが、英米法系の法律におきましては、いろいろ趣旨を敷衍する事例も多いのでございまして、そういうようなドイツ流でなしに、英米法の系統をくんで、その例にならつて立案しておるわけであります。
○滿尾委員 公法上の法人という表現の御説明はわかりました。しからば公法上の法人であつて、それが私経済的の商業を営むものであるということを、率直に、平明になぜ表面から規定しなかつたのであるか。わざわざ商事会社でないということを表現せられて、その部分そうでないといつただけでは、そのものを裏から言つておるだけであつて、公法上の法人の性格そのものをあまり明快にしておらぬと思う。公法上の法人とする、しかもその法人の性格は云々と、平たく眞正面から、表通りから、表現する方式をとられなかつた理由。これによつてわかるのかどうか。われわれ読んでわからない。現行法立法当時のお氣持ちを御説明いただきたい。
○荒木説明員 これは先ほど滿尾委員からお話がございましたように、ガバメントーコーポレーシヨンである。いわゆる國有鉄道特別会計というものが独立して人格を持つというものであつて、それがいわゆる商法上の商事会社とか、民法上のいわゆる社團というものになつたのではないという、その人格の本体についての説明でございまして、その人格者が民事上の活動をするということに関しましては、全然触れていないわけでございます。府縣等の公共團体におきましても、公法人でございますが、民事上の活動をいたすわけでございます。しかしながらその点はあまり触れておりませんので、この第二條は公法人であつて、いわゆる商事会社ではないということを、きわめて平明に規定したのでございまして、從來のドイツ方式の嚴格な意味ではなく、それの性格を藝術的といいますか、そういつた気持で表現しておるように、私承知しておるような次第でございます。
○滿尾委員 この公法上の法人へとするということは、どういう意味でございますか。目的が公法上の目的を持つておるから、公法上の法人としたのであるか。なさんとする業務が、公法上の立場を多分に持つておるから、公法上の法人としたのであるか。そこらの点が非常によくわからぬのでありますが、公法上の法人としたところの原因と申しまするか、その重点をどこに置いて考えておるのであるか。そういう点について御説明願いたい。
○荒木説明員 法人に関しましては、組織面と行為面と、両方あるわけでございますが、この日本國有鉄道法というものは、日本國有鉄道の、主として組織的面を規律しておる。すなわち人格的面を規律しておる法律でありまして、その行為的面は商法なり、民法なり、鉄道営業法なりによつて規律されるわけでありまして、この一章に規定しているのは、その組織の面、人格の面を場規定しておるわけでございます。從つて先ほども御説明がございましたように、滿尾委員の趣旨にむしろ合致するという氣持のもとに、こういう表現が用いられておるわけであります。これがいわゆる商会社に発展するワン・ステツプであるとか何とかいうことでなしに、これはガバメント・コーポレーシヨンである。いわゆる公共事業を行う独立人格者であるところの日本國有鉄道は、公法上の存在であつて、いわゆる商事会社的な私法的な存在ではないということを、特に明瞭ならしむる意味において規定してあるわけであります。
○滿尾委員 私はまだそれで納得しないのであります。この三條の事業目的というものを見ますると、五つ並べてある、しかしここには、ちつとも公法上の法人たる特色というものの感じは出ておらぬ。事業種類が並べてあるにすぎない。しからばその公法上の法人とした主たる原因は、第一條の目的にあるのだろうと思います。その目的は、公共の福祉を増進することを目的とすると書いてある。それだけのことだろうと思うのでありますが、しかし鉄道業というものには、地方の鉄道でありましても、必ず当該地方の公共の目的を増進するフアンクシヨンがあることは明らかである。なぜ國有鉄道が特別に公法上の法人たる組織をとらなければならぬのか。なぜ過去において國有鉄道主義をとらなければならなかつたが。その鉄道の高い公共性が三條にはちつとも出ておらない。この三條におきまして並べてあるところだけを読んだならば、私設鉄道、地方鉄道の業目的と何ら異なるところがない。私は、公法上の法人たる目的といいますか、特徴、性格が、第三條の業務の羅列の中にも、出て來なければならないのじやないかと思うのでありますが、当時のお考えなり、あるいは現在のお考えでもよろしい、政府委員の御説明を伺いたいと思います。
○荒木説明員 その点は、三條はその行います事業を靜的に規制したものでございますから、ここにまでにじみ出させることに困難でございまして、一條、二條のところで十分にその性格を表現いたしておると思います。從つてそういつた性格の法人が、いかなる内容の仕事をやるかということは、きわめて靜的にその事業の実質を抽象的に書くことが適当である。こういう趣旨で書いておるわけでありまして、三條から逆に一條、二條の目的が薄れて來るとは考えないし、またその実際の運用においても、さような方向に行かないように運用すべきだと考えておるわけであります。
○滿尾委員 もちろん三條から一條を推察するわけには行かない。しかし一條の目的が、二條、三條ににじみ出て來なければならぬ。そこで私の言いたいのは、國有鉄道並びに附帶事業の経営ではわからぬ。これでは百キロの鉄道を経営しても同じことだ。日本の鉄道交通網という、その網を握つている事業をやるのだという性格が出て來なければ、國有鉄道が公法人たる性格を持つておるということの画龍点睛を欠いているのではないかと思う。一條、二條、三條を通じて読んでみまして、現在まである鉄道國有法の第一條の根本精神は、ちつともここに出て来ておりはせぬ。私はここにこの法律の立案当時の当局の御苦労に対しまして、遺憾ながら不満の意を表せざるを得ない。ことに先ほども問題になつております四十九條に至つては、これは驚くべき法律であつて、片方において運賃に対して、國会の議決を必要とする制度をとりながら、片方において営業線の問題、つまり動いている業務の本体の組織に対して、これをどうするときに、認可だけでよろしいということは、非常なアンバランスである。私は財産を処分するということは一向さしつかえないと思う。それはある金額のものさしをもつて、それから先は大臣の認可で財産の処分することはいいと思う。しかし國有鉄道がその組織について、運営の収支といのものについて、どうこうするときに、法律はいらぬのだ、しかし運賃の方はいりますよというのでは、私は非常なアンバランスだと思う。これらについて、当局においていかなる議論が行われ、いかなる立法の精神であつたかをお伺いいたしたい。
○荒木説明員 当時これをどうしてもすみやかに國会を通さなければならないという事情がございまして、七月二十二日のマ書簡に基いてこの法律が立案されましたので、タイム・リミツトが非常にございました。さらにもう少し詳しいことを申し上げればよろしいのでありますが、その辺は御推察願うことにいたしまして、急いでつくりました次第で、いろいろと問題の点がないわけではないと思います。從つて先ほど御指摘のあつた四十九條につきましても、前國会で大した議論はなかつたところでございますけれども、先ほど來田中委員、高橋委員、滿尾委員の述べられた点につきましては、十分首肯される点があると考えますので、先ほど高橋委員から御指摘となりました本法三十六條に基く高能率に役立つ法律をつくるという——具体的に申しますと、この國有鉄道法の第四章でございますか、会計、経理に関する規定の改正を目下準備中でございまして、その際に十分研究いたしたいと事考えております。
○田中(堯)委員 今の滿尾委員の御質問に関連したことなんですが、どうも政府の御説明によると、コーポレーシヨンになつても、これはカバメント・コーポレーシヨンで、いわば國有法人みたいなものであるから、これまでの運輸政策と大差ない、やはり公益第一主義でやつて行くというような響きがあるのであります。ところが今度は独立採算制をとる、それでもつて、どうしても、収支が償わなければ、一般人民が依行できないほど、高い旅客運賃に引上げても、独立採算制をとらせるという点を、見る事と、まつたく商法人的なイデオロギーがそこに出ているわけであります。從つてこれが全体を見ると、どこをついてもちぐはぐになつているわけでありますから、どつちかにまとめなければなら事ぬと思うのです。もし独立採算制をとつて、公益性を二の次に置くということならば、それはまたそれで、別様の考え方がありましようが、片方では相もかわらず今まで通りの公益第一主義、片方では独立採算、そろばんに合わなければならぬという商賣人的な根性が出ている。まことに理解に苦しむのですが、政府委員のお考えはどういうふうになつているのでしようか。
○荒木説明員 非常に逆説的なことを御答弁申し上げるようで恐縮でございますけれども、パブリツク・ユーテイリテースと俗にいわれております公企業を、最も公共の福祉に即するように運営するということは、すなわち独立採算制のとれるように運営することでありまして、それが公共の福祉に沿うゆえんではなかろうか、かように考えるわけでありまして、独立採算制を実施しつつ、それがなおかつ公共の福祉に沿うということが、国有鉄道をパブリツク、コーポレーシヨン、公共企業体としたゆえんの大きなものではなかろうかと考えるわけであります。独立採算制すなわち商事原則によるということではないのでございまして、一般会計からの補給を受けないで、十分に自立しつつ、國民に十分にサービスを提供するということが、このコーポレーシヨンをつくつた大きな目的ではないか、すなわちそれこそ、公共の福祉に沿うゆえんではなかろうかと考えておるわけであります。
○田中(堯)委員 その点はその点として、またあらためて違つた角度からお尋ねします。いま一つ全然別個のことですが、今度の予算を見ますと、百五十億円の工事費が、千七百五十億の例の見返り資金から持つて來られることになつておるようです。そうしますと、この施行法によつてどの項目に当るのでございましようか。借入金になるのでありますか、それとも公債になるのですか、それとも贈與になるのですか。
○紙田説明員 お答えいたします。ただいまの御質問の点については二十四年度の五月までは国有鉄道事業特別会計でやりまして、六月から二十五年の三月末までがコーポレーシヨンの関係、こういうふうに一つの会計年度が、二つの性格によつて経営されて行く。こういう特殊の年度でございますので、この二十四年度の予算といたしましては、公債の形式をもつて百五十億の歳入を計上いたしておるような次第であります。しかしながら六月から御承知のように機構がかわつて参りますので、この場合におきましては、日本國有鉄道法にございます政府からの貸付金ということに——この百五十億の財源の中で、コーポレーシヨンに引継がれました財源につきましては、違つた形式にかわりまして、調達されて行く、こういうふうに考えておる次第であります。
○田中(堯)委員 その公債が、六月一日を期しで今度政府からの借入金にかわるという御説明ですが、どうもその辺が、なまぬるい返事でのみ込めないのです。施行法の第九條に、五月三十一日において國有鉄道事業特別会計の負担しておる公債及び借入金は一般会計に帰属するということになつておりますが、この規定が適用されるのですか。
○紙田説明員 御質問に対してお答え申し上げます。ただいまの点につきましては、別にこの予算の特例に関する法律案が出でおるのでありまして、そういうものによつて、そういう措置が講ぜられるように考えておる次第であります。
○田中(堯)委員 第九條ではありませんか。
○紙田説明員 第九條の関係とは違うのでございます。
○岡村委員長代理 本案に対する残余の質疑は、次会に讓ります。 —————————————
○岡村委員長代理 次に通訳案内業法事案の政府の説明を聞きたいと思います。
○芥川政府委員 御説明申し上げます。通訳案内業法案を出しましたのは、提案理由にもありましたように、また別に資料をお配りしておると思いますが、從來案内業者取締規則(明治四十年内務省令第二七号)それによりまして取締りがあつたわけでありまするが、御承知のように法律第七十二号によりまして昭和二十二年の末にこれが失効をいたしたわけであります。從つて通訳案内業はその後自由営業となつて、秩序が保つておらない状態になつておるのであります。観光事業が次第に盛んになつて参りますので、早くこの取締りの法を立法化いたすべく、今まで努力いたしておつたのであります。昭和二十二年の末に閣議決定を一應見たわけでありますが、関係方面の了解を得られませんでしたので、國会提出が遅れまして、今回この法案が提出される運びに相なつたわけでございます。從來ありました取締規則と、この法案の特に異なつておる点だけを簡単に御説明申し上げたいと思うのであります。 まず第一は第三條でありますが、從來は試驗も免許も全部都道府縣知事が行つでおつたのであります。もつとも都道府縣知事と言いましても、從來は警視総監、北海道長官、京都府知事、神奈川縣知事、兵庫縣知事、長崎縣知事、この六都道府縣に限られておつたのであります。今般は全國的にこれを廣げまして、試驗と免許とをわけて、試驗は運輸大臣が一本でこれをやりまして、免許については、都道府縣知事がこれを行うというふうにかえた点が第一点であります。それから第二点は第八條でありますが、從來は一度免許を受ければ、そのまま終生営業を続けることができるとなつていたのでありますが、これは業者の指導取締り上も好ましくありませんので、これに期限をつけて、五年目ごとに都道府縣知事に申請せしめて、免許の更新を受けることというふうにかえたのであります。次は第十四條と第十五條でありますが、業者の取締りの民主化をはかるという点から、これは從來なかつたのでありますが、免許の取消しや営業の停止などを行うにあたりましては、あらかじめ業者の意見を十分聞くということが第十四條の第二項にあります。また第十五條には、この法律またはこの法律に基く命令による行政廳の処分に不服のある者は、運輸大臣に訴願することができるというふうにかえたのであります。以上の点が從來の取締規則とかわる点でありまして、從來とも内務省の取締規則によつて取締りをしておりましたものを、さらに法律によつてやりましたのは、罰則を受けるものは全部法律に基かなければならないということになりまして、二十二年に規則が失効いたしましたので、あらためて法律として提案をしたような次第であります。簡單でありますが、以上をもつて説明を終りたいと思います。
○岡村委員長代理 本案に対して質疑はございませんか。
○滿尾委員 第二條と第十六條に関連してお伺いいたしますが、もし試驗も受けず、資格もとらず、免許も受けずして案内した者は、第十六條で三万円以下の罰を受けることになる、これは私はとんでもないことだと思う。たまたま外國人に尋ねられて、具体的に案内をした、それでただで案内しないで、報酬をもらうのはあたりまえである。しかし、そうすると、これは罰せられるという御設計でございます。これを業とする者という意味でありますが、たつた一ぺん、たとえば富士五湖に案内して行つた。それでも十六條の第一項によつて罰せられることになるのでありますか、その点を一つ承りたい。
○芥川政府委員 これは第二條の終りにありますように、「旅行に関する案内をする業」というのでありまして、今のお話のような、英語の上手な人が外國人を案内して、かりにその人が謝礼をもらつたといたしましても、それは業とするとは解釈いたしませんので、この法の適用外だというように考えます。
○田中(堯)委員 その点についてですが、たとえば今日税金問題で非常に紛糾しております。それで税金問題について、たとえば再審査の申請書を書くとかいう手続は、税務代理士法があつて、税務代理士の免許を受けた者でなければできぬ。このときもたはり同じ文句があつて、業とする者に限るということになつております。ところが政府の取扱いでは、たつた一回、いなかのじいさん、ばあさんで、文字も書けない、計数も読めないというので、困つておる人に対して、近所の少し文字の書ける、数字のわかる人がせわしてやつて、かわりに申請書を書いて上げたという事件が、どんどん処罰されております。こういうことでは私どもは安心することができない。ただ業とするということになれば、一般の観念では、反復と報酬をとるということが、通念になつておるのですけれども、そういうことでなくても、一回やつても業である、報酬をもらえば業である、あるいは報酬をもらわなくても、反復だけでも業であるということで、どんどん処罰されております。そういうことでありますと、通訳案内業の人にとつて、恐るべき処罰根拠になつて來ると思います。これは何とか法律上そういうおそれのないように、一つ但書をつけるなり、あるいはそういうおそれのないような立法措置を希望するのであります。現にその問題が起つております。それで國警本部並びに法務廳の意見を聞きに行つたところが、業とするということは、何も報酬をとらないでも業である、それが謝礼をとつた場合には、反復しなくても、一回でも業であるというような見解で、どんどん処罰されております。こういうことになりますと、この通訳案内業法案も、とんでもない処罰、嚴罰が起つて来ると思うのでありますから、どうかその辺がうまく行くように措置をとられたいと思います。
○芥川政府委員 第二條にありまするように、これははつきり報酬も受け、外國人に付添つて、外國語を用いて旅行に関する案内を業とするというので、この適用範囲につきましては、今お話のありました御趣旨に沿うように、運用の面で謝りのないようにやつて行きたいと存じます。
○滿尾委員 私はこの法律の根本に疑問を持つておる。一体この法律は何をなさんとしつつあるか。つまり悪い案内人が出て、せつかく外國から来たお客に迷惑を及ぼして、わが國の信用を傷つけてはなるまい、というお考えだろうと推測するのでございますが、そのことを心配して、こういうむずかしいことをいたしまして、制約した場合の方が利益なのか、もつと自由にやらして、相当実害ができてから、初めてこういう法律を出した方が國家のために利益なのか、相当疑問がある。さらにまた、この法律を読んでみますと、これを免許事業にしておきなから、一体その免許を受けました者に対して、國はいかにしてこれを監督するか、ほとんど監督の実体がない。これを見てみますと、禁止行為がたつた二條ばかり書いてある。その他業として営業して行くについて、特別に國家は監督を続けて行くというようなことは、何も書いていない。してみると、免許をもらつてしまつて、なるほどある程度の学問があり、常識があるということは保証されましようけれども、その後その免許事業に対して、國家との継続的な関連性、監督関係というものは、何ら予想されておらぬように見える。それじや何のために免許をするのか、その根拠が非常に薄弱になる。自由営業から特別の免許制をしくということは、特別の権利義務の関係を、國家との間に設定することであろうと思う。從つてこれに対しては、改善命令をするもよし、嚴重なる監督をするとか、その業に対する監査ということも予期されて、初めて免許事業にする実体があると思う。この法律がここにお書きになつて、予想されておる程度では、何もむずかしくこれを免許事業に制約する必要はない。またそのように制約いたしましたならば、どういう試驗をなさるかわかりませんが、はたして外國人が必要とするだけのガイドの数が得られるかどうかも、むしろ疑問じやないかと思う。私は日本中のガイドの趨勢を知りませんが、しかく氾濫して、悪いやつが大勢まじつておつて、迷惑をかけるおそれがあるというような、客観的事情がすでに発生しておるのかどうか、お伺いいたしたい。
○芥川政府委員 滿尾委員の御質問に対しましてお答えいたします。この立法の趣旨は、各國にもその例があるわけでありますが、特にヨーロツパ諸國におきましては、國語が同じである、あるいは國がお互いに行き來が簡單であるというふうな関係もありまして、立法例は割合に少いのでありまして、メキシコにおきまして一つ、フランスにおきまして一つ、この立法の例があるわけであります。わが國は申すまでもなく、非常に特別な言葉を持つておりますのと、観光関係につきまして事も、今後非常に力を入れて行かなければならないという点から、これを立法化して行かなければならぬというふうに考えるのであります。なお免許の点につきまして、いろいろと御質問があつたのであります。なるほど自由営業から一足飛びに免許に行き、しかも免許そのものに対して國とのつながりが弱いのではないかというお説は、一應ごもつともなのでありますが、現下の日本の情勢におきまして、運輸大臣がすぐ飛び出して、今まで自由でありましたものを、何といいますか、私の企業を圧迫するという観念を持たれるようなものにするのは、どうかというので、その点はいささかはつきりしておらない点があると思うのでありますが、現下の情勢においては、この程度が妥当であろうというふうに考えております。 それからガイドの現状でありますが、終戰前におきましては、いろいろと変化はありまするが、昭和十三年末におきまして、わずかに百九十三名にとどまつております。そのうち約八〇%が英語でありまして、百六十三名になつております。フランス語は十二名、ドイツ語及びスペイン語が、それぞれ十名及び八名、こういう数字になつております。通訳案内業の免許を持りておる者、この数子につきましては、各方面の資料が焼失しておるような関係から、はつきりした数字はわからないのでありまするが、約千名くらい免許を受けた者がある。そのうち今申しましたように、生業としてやつておりまする者が昭和十三年百九十三名、こういう状態であります。それから終戰後におきまして警察廳と京都とでそれぞれ一回試驗を施行いたしまして、警視廳で二十二名、京都で一名の合格者が出ているようなわけであります。現在業者が自由営業になりましてから、どういうように動いているかと申しますと、中央の連絡機関でありまする御承知の社團法人の日本観光通訳協会というのが、交通公社の中にあります、ここの会員となりますために、試驗を受けて会員となつておりまする者が、約百七十五名程度に現在達しておりまして、一流の通訳案内業者はほとんどここに入つておつて、現在の観光事業に対して貢献をしているという状態なのであります。
○滿尾委員 私がこの法律につきましては疑念を持つのは、一体國家試驗にして毎年國家は必ず試験をやられますかどうか。また地域的に東京で——日本中で一箇所だけやられるのかどうか。その点にはどういう含みを持つているか、お伺いしたい。私が心配しますのは、こういう法律を出しますことによつて、現在通訳をしている人の既存の利益を擁護するような結果に陥るのではないか、こういうことを非常に憂うる。なお年々歳々語学を学んだ青年で、ガイドを志す人が、きつとこれから出て來るに違いない。それに対して國家免許制度をしいていたがために、その進路を不当にはばむようなことはないかどうか。それだけの用意をこの法律は考えているかどうか。また今伺つてみると、わずかに千人やそこらめ人間のために、一体國家が免許事業にまでしなければならぬかどうか。そこに私は、鷄を裂くに牛刀をもつてするきらいを非常に感ずるのであります。また今日これを免許事業にして、どうしても國家的統制に乗り出さねば、こういう困つた事例があつたとか、これは國家の信用を非常に阻害する。こういう事例が頻た々として今日まで起つておるのかどうか。そこらの事情をどうしても御説明いただきたい。さらに私の考えでは、ただいま一流のガイドは、それぞれプライベートな協会をつくつてやつておられる。私はその程度で十分ではないかと思う。あるいは船会社だとか、観光事業の大手筋の人たちが、一流のガイドを推薦しまして、マークか何かして、そこらで試験をして、そういう推薦をせられるくらいで、一番適当なところじやないか。何もかようなところまで、國が法律をもつて乗り出すというようなことは、私は行き過ぎではないかと思う。かえつて優秀なる民間團体がほんとうに推薦するという形態をとる方が、ガイドの制度としても事数等すぐれている。むしろ國家がこれを推薦するということよりも、私は大きな船会社とか、交通公社とか、あるいは運輸省が多少プライベートに入つてもよい、この協会が推薦してこのマークをつけている者は絶対に心配ありません、というような制度をつくられる方が、ガイド事業の將來の発展のために、ほんとうの筋道ではないかというような意見を持つているわけでありますが、政府委員の御所見を伺います。
○芥川政府委員 お答えいたします。回数の点につきましては、現在のところ年二回くらいはやつて行きたいと考えております。また試験を受ける場所につきましては、主要都市において受けられるように便宜をはかりたいと考、えております。從つて年々語学が上達して参りまして、その人たちがガイドになりたいという場合には、決してその進路は妨げない、むしろ奨励して行くような方法で行きたいと考えておるのであります事。なお一流のガイドがすでにもう集まつているのであるから、そういうものにまかしておけばよいのではないかというお説でありますが、この点につきましては、二つの点から考えてみたいと思うのであります。まず第一点は、試驗を各縣單位でまかしておりましたのではやはりそのレベルがそれぞれ違つて来るのであります。しかもそれは全國に通用するわけでありますので、試驗の点につきましては、國でひとつレベルをきめて、それに合格した者を全國的にきめて、動くようにするという点と、さらに外人が参りまして通訳を使う場合に、外人の方からむしろ要求がありまして、ライセンスを持つている者を使いたがるのであります。現在は日本観光通訳協会のライセンスを持つている者が、重用されているというような関係から、やはりこの法案通りに、國として試驗をいたしてやつて行くことが、日本のために必要ではないかというふうに考えるのであります。
○岡村委員長代理 残余の質疑はこれを次会にいたしたいと思います。明日はは午前十時より委員会を開会いたします。なお明日は國有鉄道運賃法の一部を改正する法律案につきまして、参考人より意見を聽取いたしますから、時間嚴守の上、御出席をお願いいたします。 本日はこの程度において散会いたします。 午後四時四十六分散会