運輸委員会 第10号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/04/23
会議録
○岡村委員長代理 それではこれより会議を開きます。 去る二十二日日本國有鉄道法施行法案が本委員会に付託になりました。また同日港則法の一部を改正する法律案及び通訳案内業法案の二案が予備審査のため同じく本委員会に付託になりました。本日よりただいまの三件を議題といたし、審査を進めて参りたいと思います。 その前にちよつと本日の議事の順序につきまして申し上げますが、まず昨日付託されましたこの三案につきまして、それぞれ提案の理由の説明を聽取いたしまして、次会より質疑に入ることにいたしたいと思いますので、委員各位におかれましては、あらかじめ十分なる御検討をいたしておかれますようお願いいたします。提案理由の説明が済みましたら、引続き國有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の審査を続行いたしたいと思いますから、その点御了承願いたいと思います。 それでは港則法の一部を改正する法律案につきまして、趣旨の説明をお願いいたします。 —————————————
○大屋國務大臣 ただいま上程されました港則法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明いたします。 この法律案によつて改正しようとする要点は、次の四つの点であります。一、繋船浮標、棧橋、岸壁その他船舶の繋留施設の管理者及び港長の事務の範囲を明確にすること。二、港内における船舶交通の安全と港内の整頓のため、必要な廃物の投棄等の取締りに関する規定を設けること。三、特定港にのみ限つて適用のある規定のうち、所要の條項を特定港以外の港に準用するものとすること。四、罰金を適当な額に改めること。すなわち現行法では、港長の錨地指定は、船舶が繋船浮標、棧橋、岸壁等の施設に繋留する場合にも及ぶこととなつているのでありまして、この場合において港長は、もちろん專断的に指定をするのではなく、その都度、これら施設の管理者の意向を聞いた上で、指定をすることになつておりますが、かような場合、船舶は、これら施設の管理者との問の契約に基き、一定の、使用料を支拂つて繋留するのでありまして、一つの取引行為に属するものであります。從つて取締り機関たる港長が、かような施設への繋留についてまで、全面的に命令をするという形をとることは適当ではなく、また実際においても必ずしもこの規定通りに行われているとは言えない実情に、ありますので、第五條等関係條文を実情に即するように改正して、これら施設の管理者と港長との問における、所管事務の範囲を明確にする必要があるのであります。 また現行法第二十四條には、港内その他日本國の水域における水質の汚濁防止については、別に法律で定める旨を規定しておりますので、昨年七月同法の施行以來、種々研究をして來たのでありますが、利害の錯綜等、諸種の関係から、これに関する単行法の制定は、きわめて困難な実情にありますので、港則法といたしましては同條を改正し、同法の目的とする港内における船舶交通の安全と、港内の整頓を確保するために、必要な廃物の投棄等の取締りに関する規定を設けることといたしたのであります。 次に現在私特定港のみに限つて適用されることとなつている規定のうちには、同法施行以來の実績に徴し、たとえば船舶交通阻害物件の除去に関する規定のごとく、法の目的に照し、特定港以外の港にも準用する必要のある條項がありますので、第三十七條の二の規定を設ける等の措置を講じて、この点に関する不備を補おうとするものであります。 最後に罰金の額が、現在の経済事情のもとにおいては、適当でありませんので、この機会にこれも適正な額に改めることとしたのであります。 以上簡単でありますが、提案理由の御説明を終ります。何とぞ愼重御審議あらんことを希望いたします。 —————————————
○岡村委員長代理 次に通訳案内業法案につきまして趣旨の説明を求めます。 —————————————
○大屋國務大臣 ただいまから、通訳案内業法の提案理由ついて御説明申し上げます。 御承知のごとく、通訳案内業者、いわゆるガイドは、外客接遇の第一線に立つ者でありまして、その素質のいかんは、外客接遇上重大な影響を與えるのみでなく、ひいては、わが國の外客誘致事業の隆替にも影響するところが少くないのであります。特に、わが國の言葉は、欧米の言葉とは根本的に異なつておりますので、外客のあつせん、案内の十全を期するためには、語学に堪能な者を必要とするのでありますが、それとともに、わが國の姿を正しく、かつ十分に紹介し、あわせて、そのあつせん、案内に遺漏なきを期しまするためには、相当の教養と経験とが必要であります。しかるに、わが國における從來のガイドに関する取締り法規である案内業者取締規則は、罰則その他の関係上、法律とする必要を生じ、法律第七十二号によりまして、昭和二十二年末をもつて失効したのであります。從いまして、現在通訳案内業はまつたく自由営業となつておりますため、無秩序、無統制に流れておるのでありまして、これは外客の來訪が日に多きを加えつつあります今日、まことに遺憾にたえません。現にガイドの團体はもとより、観光事業関係諸機関からも、業者の育成と取締りに関する適切な新法律の制定を切に要望しておるのでありまして、当省といたしましても、かかる実情にかんがみ、既存の取締規則の失効前に制定するため、法案の作成を急ぎ、昭和三十三年末閣議決定を見たのでありますが、関係方面の了解のとりつけその他で遅延し、今國会に提出することとなつた次第であります。 次に本法案が、從來の取締規則と異なるおもなる点を申しあげまするに、その第一は、通訳案内業の試験と免許とを分離した点でありまして、從來は試験も、免許も、ともに都道府縣知事が行つておつたのでありますが、これでは、その試験が府縣によつて区々となり、業者の素質の統一と向上をはかることがきわめて困難でありますので、試験につきましては、運輸大臣において、全國にわたり統一的に行い、かつこれを資格試験といたしたのであります。なお免許につきましては、業者の指導取締りの便宜等を考慮し、從來通り都道府縣知事において行い得ることとするとともに、これまでは、その免許は一部の都道府縣知事のみが行つておりましたのを、今後は業者に対する全國的需要を考えまして、全都道府縣知事がすべて免許をなし得ることに改めた次第であります。 次に本法案が從來の取締規則と異なる第三の点は、新たに免許の更新に関する規定を設けた点であります。從來は一度免許を受ければ、そのまま終生営業を続け得ることとなつていたのでありますが、これは業者の指導、取締り上好ましくありませんので、五年目ごとに都道府縣知事に申請せしめ、免許の更新を受けしめることといたしたのであります。 第三は、業者の取締りの民主化をはかつた点でありまして、免許の取消ないし営業の停止等を行うにあたりましては、あらかじめ当該業者に十分抗弁の機会を與え、かつその処分に不服のあるときは、訴願をなし得ることといたしたのであります。 最後に本法案の経過規定について一言いたしまするに、從來の取締規則によつて免許を受け、現に通訳案内業を営んでいる者につきましては、既得権を尊重する意味におきまして本法による試験に合格した者とみなし、かつ本法施行後三箇月を限り、本法による免許を受けないでも、営業をなし得ることといたしたのであります。 以上本法の制定の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○岡村委員長代理 次に日本國有鉄道法施行法案につきまして、政府の提案理由の説明を求めます。
○大屋國務大臣 ただいまから日本國有鉄道法施行法案の提案理由について御説明申し上げます。 日本國有鉄道法は、さきに本國会におきまして、その施行期日を延期することに決定せられ、いよいよ六月一日をもつて日本國有鉄道が発足する次第でありますが、いうまでもなく日本國有鉄道は、從來政府が預かつて参りました國有鉄道及びこれに関連する諸種の事業を、包括的に政府から引継ぎまして経営するものでありますので、この日本國有鉄道法を施行するにあたりましては、種々の法的措置を必要とするわけであります。すなわちまず第一には、職員の引継ぎ、財産その他一切の権利義務の承継、会計上の整理等、政府から日本國有鉄道への引継ぎに関する問題であります。 第二には從前の官制の廃止、特別会計法の廃止、あるいは関係法律の読みかえ等、日本國有鉄道の設立に伴う関係法令の改廃の問題であります。 第三としましては、日本國有鉄道の監理委員会の委員及び総裁の任命についての準備的措置の問題であります。 これらの問題を項目別に簡単に御説明いたしますと、まず最初の職員の引継ぎにつきましては、現に運輸省の職員であつて、國有鉄道及びこれに関連する事業に関係している者は、原則として全部引継ぐことを建前としたいと考えております。権利義務の承継につきましては、現に國有鉄道及びこれに関連する業務に関して、國の有している権利義務は、これまた原則として一切承継したいと考えているのであります。また会計上の整理につきましては、種々のこまかい手続上の問題がありますが、建前としましては、日本國有鉄道設立の前日における、國有鉄道事業特別会計の資産及び負債の全部を引継ぐこととし、所要の整理上の措置を規定しているわけであります。これに関連しまして、日本國有鉄道の資本金の額も、当日における國有鉄道事業特別会計の資産の價額から、負債の金額を控除した額に相当する金額、すなわち四十九億円余となるわけであります。 次に関係法令の改廃につきましては、日本國有鉄道は運輸省から分離独立することとなりますので、從前の官制を廃止するとか、國有鉄道事業特別会計を廃止するとかの措置が必要とされるとともに、一方日本國有鉄道は、一應國とは人格上別個の独立体となります関係で、從前の法律を読みかえたりするために、所要の改正を必要とする必要があるわけであります。 最後に日本國有鉄道の監理委員会の委員及び総裁の任命についての事前措置でありますが、これは日本國有鉄道法の施行が六月一日でありまして、その時期に國会が開会中でないことが考えられますので、それに対処し、日本國有鉄道の発足に支障ないよう、この準備的措置が必要となるわけであります。日本國有鉄道法によりますと、御承知のように総裁の任命のためには、その前提として監理委員会が成立していなければならないのでありますが、この監理委員会の委員の任命については、日本國有鉄道法施行後において、國会の御同意を要することとなつておりますので、もしその時期に國会が閉会でもされておりますと、御同意を得ることができず、ために監理委員会も成立せず、從いまして総裁も、その他の役員も、任命できないことと相なりまして、日本國有鉄道の六月一日からの発足にも、支障を來す事態に立ち至るのであるます。このようなことをおそれまして、その対策といたしまして、日本國有鉄道法の施行前に、将來監理委員会の委員となるべき者を、正規の委員の任命の方式と同一方式で指名しておき、またこれらの者の推薦によつて、総裁となるべき者をも指名しておきまして、日本國有鉄道法の施行と同時に、別段の任命の手続を要せず、正式の委員及び総裁となり得るよう、規定したのであります。このように措置することによりまして、日本國有鉄道は何らの支障もなく、発足し得ることとなるわけであります。 以上が日本國有鉄道法施行法の制定の趣旨と内容であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願い申し上げます。
○岡村委員長代理 それでは先ほども申し上げました通りこれら三件に対する質疑は次回よりこれを行うことといたしたいと思います。
○關谷委員 國有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対する質疑は、次会にこれを続行いたすこととして、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
○尾崎(末)委員 せつかく本多國務大臣が出ておられますから、道監に関しましてひとつ明快なる御答弁を伺いたいと思いますので、しばらくこの動議を御延期願いたいと思います。
○岡村委員長代理 尾崎君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長代理 それではさようにいたします。 —————————————
○岡村委員長代理 道路運送監理事務所の件につきまして尾崎君。
○尾崎(末)委員 本多國務大臣に御質問を申し上げます。一を話すと十をおさとり願える本多國務大臣でありますので、以下御質問申し上げることにつきましては、率直に御同意を願えるものと考え、そうした前提のもとに、質問をいたして行きたいと思うのであります。前に本委員会に御出席を願いまして、例の道路運送監理事務所につきましては、その性格上存置すべきものである、但し行政整理の目的にかなうように、機構の縮小改革や、人員の整理等については、御方針の通りに御実行を願いたいのであるが、道監そのものは各府縣に設置をせられたい。こういうことについて御質問も申し上げ、卑見も申し上げ、かつまた他の多くの委員からも、さようのことの質疑と御意見があつたのでありますから、御了承願つておいでのことと思つておつたのであります。しかるにその後の成行きにつきまして、昨日本委員会におきまして、運輸大臣に質問を申し上げてみましたところ、この私どもの希望するところが御採用になられないで、全國に十七箇所程度の陸運局の支所程度のものを設けられる意味のことを伺いまして、相当驚いたのであります。これはしばしば申し上げましたように、現在の地方廳の中に、昔の保安課のようなものがあつて、この種の仕事をとりはからつておつたときと違いまして、現在の地方廳の中には、さような機関がないところに持つて來て、これを委讓いたしまするならば、いわゆるしろうとによつて、最もくろうとがやらなければいけない仕事を運営する。こういうやり方につきましては非常に多くの不安を感ずるのであります。またこの性格と申しますものが、各府縣おのおの勝手氣ままと申しますか、いわゆる各府縣だけの仕事としてこれを運営をいたして行きますならば、多くの弊害がこれに伴つて参りますことはもとよりでありますので、そうしたことや、あるいは地方廳に委讓した後の、地方廳におけるいわゆる経費の点や、各般のことを考慮して、ぜひともこのまま存置していただきたい。いわゆる整理はおやりを願いたいのであるが、道監そのものは各府縣に置いていただきたいということが、本委員会においてのほとんど一致した空氣であつたことは、御承知の通りであります。ところがさきに申したように、十七箇所程度これに似かよつたものを置かれる、こういうことになりますと、これによるところの弊害は非常に大きなものが生れて参るのでありますから、これは絶対に最初私どもが希望いたしましたように、各府縣に存置をせられたい、こういうことなんでありますが、これに対して本多國務大臣はどういうふうにお考えであるか、その点をはつきり伺つておきたいのであります。
○本多國務大臣 委員会でお示しになりました意見の通り、政府部内におきましても、道監の重要性について有力な意見があつたのでございますが、いろいろ研究いたしました結果、やはりさきに閣議決定を見ておりました府縣單位の区域を管轄区域とする機関は、地方に委讓するという根本方針に從つて、道監事務所、さらに商工省の商工局出張所、また農林省の資材調整事務所、こういう指定資材の割当配給をやる出先機関は、三つそろつて、その方針が委讓と決定いたしたのであります。これは種々研究の結論でありまして、これによつて地方に統合されて、地方が総合的に運営することによつて、國家全体としての経費を、將來は減少して行くことができるだろうと考えております。さらに地方に委讓しても、しろうとにまかせるのであつて、まことに不安であるというお話につきましては、これは現在出張所におつてその事務をとつておる人が、地方の公吏として移管されるということになりますれば——その人たちがこぞつてやめてしまえばとにかく、今の建前としては、やはりなれた人がやつてくれることになつております。それはもちろん、ある率の整理を行つた後の人員を移管することになりますが、さらに地方に移管した後のその事務につきましては、運輸大臣が強い指導監督権を待つておられるのでありまして、この運輸大臣の強い指導監督の方針に從つて、地方廳にやらせるということになりますれば、そこに大なる方針等に矛盾は生じないだろうと考えております。さらにまた分室を置くことにいたしましたのは、原則として地方廳に勤めておる人も仕事も、都道府縣に委讓するということにきまつたのでありますが、諸種の事情から、どうしても委讓しがたい事務があるというので、その委讓しがたい事務については、廣域の特定道路運送監理事務所で大部分はやるのでありますけれども、それではどうしても地域的に不便であるという場所に限つて分室を設けて、その委讓しがたい何種類かの配給というようなことを受持たして行くことにいたしましたならば、地方の不便もこれによつて緩和することができるであろうという、いわば中途半端かもしれませんが、こういうところに結局決定を見たのでありまして、でき得る限り政府に保留される指定資材の種目というものを少くしていただきまして、大部分は地方廳に委讓してしまう。それをきわめて少くしていただくことによつて、地方民の不便も少くて、きわめて少数の人だけが、少し遠くに役所を持たなければならないということになるのでありますから、できるだけ地方分室の機構を少くすること、扱う仕事、種目を少くすること、從つてまだ機構もきわめて小規模にするということを今日方針といたしておる次第でございます。
○尾崎(末)委員 御説明で今日までの経過はわかつたのでありますが、御説明の中に三点ばかり非常な疑義があるのであります。その一つは、地方廳に委讓をしても、いわゆるしろうとにまかせるのではなくて、現在やつておる人たちを公吏として地方廳に使わせてこれをやつて行くのだ、こういうことでありますならば、何がゆえに地方廳にこれを委讓するのか。一体人そのものをそのまま引継いで、同じ仕事をやらせるというのであるならば、現在のままでやつても同じことであるものを、わざわざ地方廳これを委讓する、こういうことがいわゆる委讓せんがための委讓であつて、仕事そのものに対する目的というものを、はき違えておるような感じを受けるのであります。その点に対するところの御説明を伺いたいのが一つ。もう一つは地方に委讓いたしても、運輸大臣が強力な監督権を持つと申してみましても、それは言うべくして実際問題としてはなかなか行われにくいことを、今まで多くの例によつてわれわれは見聞いたしておるのであります。特に資材その他の物の確保につきましても、これが各府縣に別々に分立するということになりますれば、おそらく事を構えて資材その他の物の取合いが始まるということは、いくらやるなと申しましても、戰時中のごとききびしい統制をやつているときでさえも、監理会社等においては、人につきましても三百人必要なものを八百人の申請をいたしてみたり、資材につきましてもさようなことをやつてみたり、いろいろなことをやつた。いわゆる監督官という、現役の厳格な將校さんたちが監督していた工場でさえも、そういうようなことをやつたのであります。こういう問題は、地方廳に委讓された後に、運輸大臣がいかなる強い権限を持ち、十分なる監督をしようと思つたつて、言うべくしてなかなか効果のあがらないことは、從來の経験によつて明らかであります。この点につきましても、非常に大きな私どもは疑問を持つのであります。大体今回の整理について、いわゆる出先機関を廃止もしくは委讓すべしという議論が起りましたが、そもそも一年半くらい前からのその議論の根拠と申しますものは、能率を適当に上げる、いわゆるその機能を十分に発揮せしむる、こういう建前から、重複した出先機関を廃止もしくは委讓する、地方廳に類似のもののあるものは、廃止もしくは委讓する、こういうような建前から論議せられたのが、このいわゆる出先機関の廃止もしくは委讓であるのでありますが、このそもそもの目的というものをはき違えて、いわゆる変形されたのが今回のやり方であるように私どもには断じられるのであります。でありますから、このことはおそらく他の委員からも相当の御質問があると思うのでありますけれども、本委員会といたしまして、先に申したように、機構をこまかくし、人員を整理をいたしましても、各府縣にそのま、ま残すべきものであるという決議でもできました場合においては、もとよりこれを本多國務大臣は尊重せられるだろうと思うのでありますが、その際におけるところのお考えを伺いたい。先に申し上げました質問とあわせて、この点を伺つておきたいのであります。
○本多國務大臣 ただいまの問題は、地方公共團体に対する信頼の程度の問題だろうと思いますが、地方公共團体が國の方針に從わない、よこしまなことをやるだろうという前提に立てば、ただいまのようなお話も理論が立つと存じます。しかし地方公共團体というものは、本來の地方自治体の固有事務と、それに合せて國家の委任事務を処理することを存立の目的として、できておるのであります。そういう地方公共團体という國家組織がありながら、すべてのことを出先機関をもつてやらなければならないというふうになつて参つたのが、終戰後の日本の状態であります。運輸省においては、運輸関係に関するあらゆる資材の割当は、直接出先機関を自分で持つて配給しなければならない。商工業者には商工省がそれをやらなければならない。農林省は、農業者に対する農機具、その他あらゆる資材の配給は、直接出先機関でやらなければならぬ。文部省において、も、厚生省においても、実に幾通りあるかわからない、くもの巣が何重にも重なり合つている状態が、今日の日本の状態であります。かくのごとき状態では、地方自治制を運営する上におきましても、総合的な運営ができない非常に困難な面も、そこに生じて來るのでありまするし、またすべてが一つ一つの出先事機関を持つてやるという点から、経費も人員もよけいに、要するという面も生じて來るのであります。ゆえにこの地方出先機関の根本の精神といたしましては、そうした日本の今日の地方公共團体というものを育成し、またこれを信頼して國家の委任事務は遺憾なくやらせる、やるだけの責任を持たせるという方向に進まない限り、機構の簡素化も経費の節減も、なかなかできないという観点に立ちましてこの方向に向つておるのでございます。地方公共團体は、まつたく地方ボスの左右するところであつて、地方公共團体にまかしたのでは、まつたく信用ができないというような観念は、私はもはや今日のわが國の地方公共團体の、あれだけの発達をしておるものをとらえては酷過ぎる考え方ではなかろうかと思います。これにつきましては、大臣の指導監督権、さらに不当な処分に対しては、その処分の変更の権限までも大臣が保留して、これを実施せしめるということになりましたならば、きまつた方針、わくに基いての配給は、私はあやまちなくやつて行けるものである、こういう考えであります。
○尾崎(末)委員 御説明はごもつともの点が多いのでありますが、地方の出先機関の全部に関して、私は論議をいたしておるのではないのであります。おつしやつたように、大部分のものを委讓、あるいは不必要なものを廃止する、こういうことには同意なのであります。ただこの本問題たる道監を、その性格上存置すべきものである、こういうのでありまして、このことはもう本多國務大臣も十分に御承知のはすであります。民主自由党結成当時における基本政策をつくります際、私も副委員長としてその政策の起草に当つた一人でありますが、当時の考え方と申しますものは、いわゆる必要とあらば——いわゆる必要とあらば廃止もしくは委讓する、こういう精神からあの政策を練り上げたのでありまして、ただ、今申しますように、道監みたいに、性格上どうしても置かなければならぬものまでもやれというのではなくして、本多國務大臣のおつしやるような、いろいろの弊害のある、いろいろの錯雜した、そういうものを廃止もしくは委讓する、こういうことであつたことを、私どもはつきりまだ記憶をいたしておるのであります。その点と、いま一つは、私ども地方公共團体というものを絶対に信用しないというのでない、抽象的に信用するとか、しないとかいうことを論議するのではないのであります。実際問題となりますと、やはり他のところよりも、自分のところをよくしたいという氣持は起つて参ります。現にただいま盛んに参る陳情等におきましても、こういう問題になつて参りますと、他府縣のことなんかほとんどもう頭にない。現に道監の問題でさえも、長文の電報が二、三縣から私のところにも参つております。道監が十七、八に減らされるそうだが、おれの縣だけはぜひひとつ頼む、こういうことを言つて來るくらいで、信用するとか、信用しないとかいう抽象的な問題ではなくして、実際問題としては、各府縣おのおの分立いたしまするならば、さつき申しましたような弊害が当然出て來るのであります。これは決して信用、不信用の問題ではないと思うのであります。でありますから、この種のものは、当然機構を縮小しても、存置すべきものであると私どもは考えておるのであります。他の問題は論議いたしません。他の問題は御方針の通りでまことにけつこうであると申し上げるのでありますが、この問題につきましては、ぜひとも実現までの間に再考せられまするように。特にまたそこにつけ加えて申し上げておきたいことは、四十三個所あつたところの道監も、その事務所を十七に減らすなどということになりますと、あとの府縣は一体どうなるか、あとの府縣の人々の頭というものは、どういうことになるか、こういう点も考えてみますと、こういう問題に対して、大きな影響が生じて來るように思うのであります。むしろおつしやるように、整理をし、経費を少くするということのために、全部廃止をしてしまうとか、あるいはさつきおつしやつたような、現在やつておるものを地方廳に公吏として引継ぐのでなくして、地方廳そのものに全部まかせてしまう、こういうのであるならば、また考え方があるのでありますが、現在なれたとにろの者を公吏として地方廳に引継ぐ、こういうようなやり方によつては、経費の節減ということは、総合的に見て当然あり得ないことであります。そういう点を考慮に入れますと、どうしてもこの問題は、やはり元あつた所には、一應機構を縮小しても存置すべきものである。こういうふうな結論が私としては出て参るのでありますから、その点につきましてはなお十分に御考慮を願いまして、これを復活さして存置していただく、こういうことについての強い要望をいたしておく次第であります。 あとほかの方がまだ質問されると思いますので、一人で申し上げるのはいかがかと思いましてこの程度でおきますが、この点は特に世情に通ぜられ、國家の事情を上から下まで最もよく知つておられる本多國務大臣は、おそらく私の申し上げた趣意に御賛同下さるであろう、こういう前提のもとに質問を申し上げた次第であります。
○滿尾委員 私も御質問申し上げたいのであります。ただいま本多國務相の御説明によりますと、運輸大臣が今後強力なる地方自治團体の監督権を持つと仰せられました。内容を端的に伺つてみますると、いわゆる処分の取消しさえもというようなお話でありまするが、私はかような程度の監督権では、内閣の諸公はまだまだ事態の真相をよくおわかりになつておらないのじやないかと思います。なぜかと申しますと、道監の仕事は大体末端の配給機構であります。直接人民に接触しておる窓口官廳なのであります。從つて扱いまする仕事の分量は非常に多いし、また一つ一つの仕事は、どちらかと申せばこまかな配給が非常に多い。決して大きな昭和電工みたいな会社に、資材を一ぺんにどかつとやるような性格の仕事ではない。極端に申しますれば、自動車の自家用を持つておる人に、一年にタイヤが一本行つたり、行かなかつたりする。そのかわりその自家用を持つている人が何万人とおる。大きなトラック会社などで、一年に何十本か何百本か行くなんというのは、どちらかというと少い方でありまして、ほんとうに大衆に対する仕事で働きかけておるわけでありまして、その一つ一つの処分について、運輸大臣が処分の変更をすると申しましても、さようなことは二階からの目藥でありまして、とても末端に浸透するものではない。從つて私が、かりに本多國務相のお考えの線に沿うてものを考えてみましても、運輸大臣事の処分権というものはもとより必要でありまするけれども、そんな程度のことをもつて、中央官廳、主務官廳が、地方自治体のこの面の仕事に対して、十分な監督ができるなどとお考えになりましては、ここにたいへんな錯誤を生じて、人民にたいへんな迷惑がかかる。どうしてもその監督権というものは、私はその業務を担当している公吏に対する徹底的な人事権を主務官職が握る以外には、有効適切な監督はできないと思います。その線に沿うてお考えになるならば、ぜひそこまで明確に御規定を願わなければ、私は今回の行政整理は一大失敗を演ずるおそれがある、かように考える次第で、私が道監の制度を実質的に多少残したいと申しまするゆえんのものは、決して日本の公共團体を尊重せぬという意味ではない。尊重して参りたい。しかしながら今日のわが國の自活團体の仕事は、いろいろいいところもありますが、私の見る角度は、事務能力の角度からで、その角度から見ましたときに、理想論と実態とは、非常に遊離している。もちろん地方團体へ持つて参りますことの反対の一部の理由には、いわゆる地方ボスというものの勢力、アンデユウ・インフルエンアスというものに影響されて、公正を欠くということもないではないと思いますが、それが主たる理由ではない。われわれが一番心配いたしますのは、地方團体の事務能力いかんという問題です。前会も申し上げました通り、今日のわが國の自動車行政、陸運行政というものは、関係筋の嚴重な監督を受けておる。しかもその重要資材たるや、アメリカの恩恵に仰いでおる。從つてそのような線に持つて行かなければ、その重要資材の確保すらも、非常な困難を感ずる。從つてその行政の基盤はまつたく統計の上に立つて、それこそ向うの実証主義の上に、今日の行政が築かれておるのである。從つて運輸大臣といたしましては、この末端の機構に対して必要なる統計を、必要なる時間以内に確実に把握しなければ、その業績は絶対に低下するのであります。この意味におきまして、私は地方團体の現在の事務能力の点から、実に深甚なる憂いを抱くのであります。内閣の諸公は、はたして今日までのわが國の地方團体が、これらのいわゆる事務能力の点において、國の要求に対してこたえるだけの実態を備えておるかということを、冷静に御反省にならなければ、私は今回のことによつて、民主自由党内閣は、深刻なる不満を人民の間に巻き起すようになるのではないかということを、心配しておるのであります。要するにこの道監の関係の一連の行政機構が、行政整理全体としての波をかぶることは、毛頭私どもとして異存はない。しかしながら今回のように、いろいろお立場上もあり、政治上の面子の問題もありましようが、これを一應やめて、いわゆる分室という換骨奪胎の方向に行かれたことは、私どもも内々わかるのであります。そこまでとやかく申し上げるわけではございませんが、分室をお認めになる以上は、この事柄の実態からいたしまして、私はどうしても、相当廣範囲にお認めになる必要がある。都道府縣全部と言つては少し言い過ぎかもしれないが、ほとんどそれに近い程度において、分室の分布をお考えにならなければ、たいへんなことになる。なぜかと申しますと、この道監の関係の陸運の行政事務というものは、各縣にみなある。もちろん大きな縣もあり、小さな縣もあり、仕事の分量に多少の違いはありますが、隣の縣に分室があつて、こつちの縣には分室がない。私はそれでは関係の縣民というものは絶対に満足しないと思う。かようなむりな政策をとりましたならば、怨嗟の声がちまたに満つと言つても、あえて過言ではなかろうと思う。これは絶対に、その分室を置かれざりしところの縣民を、納得させる何ものもない。これがもし大衆を直接扱わない窓口官廳でないようなもの、高等裁判所みたいな観念的な存在でありますれば、これは九州地方に一つとか、四國に一つとかあることも、たいへんけつこうだと思いますが、これはほんとうの末端の消費者、陸運業務に直接携わつておる個々の人民を相手にしておる窓口官聽でありますから、ちよつと隣の縣までひとつ走りさせるということは、とんでもないことでありまして、行政整理というものは、究極は個々の國民の利益に合致することをもつて目的としなければならない。個々の人民に端的な形において、不便、不利益をもたらす行政整理というものは、とんでもないことになる、かように考えておる次第であります。この道監の仕事を管掌しておりました役所は、ほんとうに大衆を直接に扱つておる窓口官廳である特質、また日本の陸運行政というものが、どうしても短期間に能率的に、統計をつかんで、その実証主義の上に組み立てられて行くのでなければ——実証主義的な行政ができなければ、わが國の陸運というものは、まつたく後退する。車はまわらな、くなるという今日の実情をよくお考えいただきまして、私は地方陸運局かでき、またその分室ができます大体のからくりまで、換骨奪胎せられましたことにつきましては毛頭異存はございませんが、その分布状態等につきましては、人民の不便を十分に御考慮いただくというふうにお願いしたいのであります。
○本多國務大臣 御質問でないようでありますけれども、一言この際意見を申し上げておきたいと思います。地方公務員の正義感並びに能率の点について、御批判があつたようでありますが、地方分権の精神、さらにまた國務の地方委任ということにつきましては、その正義感においても、能率においても、政府機関の國家公務員に劣らないという観点に立つておるということを、申し上げておきます。さらにまたこのことが將來政府に対する怨嗟の的となり、混乱を惹起しやしないかという問題でありますが、まことにこの点は最も心配すべき問題だと思います。但しただいまお述べになりました御意見は、大衆に直接関係のある、こまかい事務まで分室というもので保留するという立場に立つての、御意見ではないかと思いますが、原則としてその仕事はそつくり縣に委讓するという建前でありまして、場所についての御不便はかけない。他にどうしても手放すことのできないものがありますならば、それについての分室を設ける。この物資に対する関係のある方は、きわめて少数であろうと考えております。從つていかなる種類の物資を幾品目だけ保留するのか、さらにその品目に対する配給関係の人たちは、どういう分布状況になつておるかというような点から、その品目と地域を勘案して、運輸大臣において研究していただくことになつております。問題は、中央政府が大部分の仕事を依然として保留して行きたいという建前でこれをやりましたならば、地方民に非常な不便をかけることになります。しかし品目を整理して、ほんとうの特殊なもの、あるいは非常に大量なもの、あるいは二つの縣以上にまたがるものというふうに、整理されて行きましたならば、大多数の現在の関係の業者たちには、大なる迷惑をかけることはないように、できるのではないかと思つております。ちよつとそれだけ申し上げておきます。
○尾崎(末)委員 先ほど申し上げましたことは、昨日以來総理大臣並びに本多國務大臣、官房長官などの御出席を求めておつたのでありましたが、昨日も本日も御都合で総理大臣や官房長官はお見えにならないで、本多國務大臣だけがお見えになつたので、申し上げたのであります。先ほど申し上げました趣意を、國務大臣から総理大臣並びに官房長官等にお傳えを願いたいということを嚴重に希望を申し上げ、お傳えくださるかどうかということについての、御返事を伺いたいと思います。
○本多國務大臣 尾崎委員の意見を、官房長官並びに総理大臣に傳えろということですか。
○尾崎(末)委員 そうです。御出席を求めたのでありますが、昨日も本日も御出席願えないので、國務大臣から必ずお傳えを願いたいのであります。
○本多國務大臣 承知いたしました。
○柄澤委員 本日は本多國務大臣がお見えになりましたので、道監の問題に関連いたしまして、御質問申し上げたいと思います。この委員会といたしましては、先ほどより各委員から申し上げておりますように、大体地方に委讓することに対しては反対でございます。私どもの党といたしましては、その條件となつておりますところの行政整理に関しましても——ただいま道監に対するいろいろな國民の間の不平不満という問題を、究極に押し進めて参りますと、行政整理ということによりましては、この欠陥はどうしても克服できないという観点から、行政整理を條件といたします地方廳委讓反対にも納得できかねるわけでございまして、行政整理を伴わない地方廳委讓反対ということになつておるのでございます。その理由は、当局の説明から私どもいろいろ資料を聽取いたしました場合にも、御当局自身がこれを述べておられたのでございますが、小幡陸運監理局長のお話にもございましたし、各委員の御意見にもございましたし、一縣を範囲とするところの輸送はないという点、それから鉄道は総合的な調整上から、專門的に考えらるべきであつて、何ら技術上にも、それから事務上にもなれない地方廳に委讓することについては、反対であるというような御意見、さらにいろいろそれに付随したところの反対意見がございましたが、そういう御意見は、私どもといたしましては、十分現場を握つておられる方たちの御意見をしんしやくし、さらにこれを利用する廣汎な國民の声をも、陳情その他によつて伺いまして、これを地方廳に委讓することに対しては、絶対反対ということになつたのでございます。そこでお伺い申し上げたいのでございますが、こうしたことは、ぜひ運輸委員会の意見として、政府当局に委員長から上申さるべきであるということが、当時決定されていたのでございます。私どもといたしましては、このことが決定されます前に、この運輸委員会の意見というものが、尊重されてしかるべきだと考えていたのでございます。ところが何らそうしたことなしに、閣議で決定されて、発表されたということを承りまして、実に意外であつたわけでございます。お尋ねしたいことは、國会法にもございますように、運輸委員会が相当愼重に討議いたしまして、決定いたしました事項というものは、明らかにこれがほんとうの決議権を持つておるものと、私ども日本の憲法、國会法を尊重して、考えているのでございます。その点につきまして、國務大臣の御意見を伺いたいのでございます。
○本多國務大臣 委員会の決議として、道監存置を政府に提出くださいましたかどうですか、記憶しませんが、私もここに参りまして、運輸委員会の委員の皆様の中に、反対の方々が非常に多いということはよくわかつております。そういう御意見も十分勘案いたしまして研究したのでございますが、やはり廃止するという、さいぜん申し上げたような方針に政府としての意見がきまつたのでありまして、この意見に基きまして、運輸省設置法案が提案され、皆様方の御審議を煩わすことになつております。これはあらかじめの御意見が政府と一致しなかつた点は、まことに不満の方もあられようと思いますが、どうかひとつ提案されました正式な法案について、これから御審議をお願いしたいと思います。
○柄澤委員 私の質問につきましての御答弁、満足できないのでございます。要点は、委員会で申し合せたのでございまして、決議にはなつていないのでございますが、今日も重要な問題がありますのに、各委員の出席がごらんの通り少いのでございます。しかしこのことにつきまして、この委員会が決議をもつて決定いたしました場合には、その決議は國会法に保障されております通りの権限を持つておると、私ども信頼いたしておるのでありまして、その点は國会法がかわつたものではないと考えられるのでございますが、いかがでございましようか。
○本多國務大臣 十分そういう意見については尊重はいたしますが、そのために政府の政策決定を拘束するものではないと考えております。
○柄澤委員 そういたしますと、委員会の決議と政府の意見とが食い違いました場合には——政府の決定を委員会が承認できない場合も、國会法にいろいろ保障されております問題——今までの國会の決定というものが、まげられる場合があるというふうに、御答弁を理解いたしましても、よろしゆございますか。
○本多國務大臣 お話のような場合には、國会がこれを決定するものだと思います。
○柄澤委員 それから先ほどの御答弁の中に、納得のできかねることが一つございまして、そういう御方針でお考えになつておりましては、重要な錯誤が來るように考えますので、もう一應御質問しておきたいと思います。地方自治体を信頼しておるということでございますが、私の考えますのには、このたびの地方配付税法の配付税の問題につきましても、それから供出、税金の割当につきましても、地方自治体の市町村長を初め、辞職をいたしましたり、あるいは政府に対して抗議文を持つて参りましたり、いろいろな形で、ただいまの吉田内閣の方針に対して納得のできかねる意思を表明しておるのでございます。その点は國務大臣もよく御了解だと思うのでございますが、どういうふうにお考えになつていらつしやいますか。
○本多國務大臣 それらの点につきましても、結局國会の判断をお願いするほかないと思います。
○柄澤委員 道監地方委讓がもし國会を無視する形で断行せられました場合には——行政整理においても十七箇所というような案を漏れ承つておりますが、現在予算を決定されました今日、当然予算の中にもそうしたものが計上されていなければならないと思うのでございます。私どもといたしましては、運輸省関係の予算につきましては、まつたく質疑が不十分のうちに打切られてしまつたのでございまして、この予算の内容、道監の行政整理につきまして、どのくらいの整理があるというようなことにつきまして、当然御計画があるだろうと思いますので、本多國務大臣の御答弁を煩わしたいと思います。
○本多國務大臣 具体的な道監の人員の整理率については、この際まだ申し上げかねます。予算的措置につきましては、行政整理の確定するまでには、並行して補正等の措置を講じなければならぬと思つております。
○滿尾委員 先ほど運輸大臣から、この新しい事態に対処いたしまして、処分の取消権を持つという御説明があつたのに対しまして、人事の監督権、人事異動に対する実質的な人事権をお持たせにならなければいけない、その程度に行かなければだめだ、ということを意見として申し上げた。そういうふうなお考えはあるかないか、そのことをまず伺いたいのであります。 それからまた、この道監問題の背後にある問題として、結局現在の府縣制というものが、今日の実情に合わなくなつておるのではないか。私は府縣制のほんとうの歴史を今ここで正確に知りませんが、おそらくは明治二十年代、あるいはもつと前から、現在の府縣制の行政的な区画というものができ上つていたのでないか。その当時の事情を考えてみますと、例の徳川時代の封建的な殿様時代の区域というものが、その地方々々の人民の感情となつており、それが土台となつておる。しかも当時の通信なり、交通機関というものの発達から見まして、非常に小さくわかれておるわけであります。その後五十年、七十年くらいの歳月が流れまして、非常に技術的な進歩がありましたので、今日となると、その行政区画というものは非常に小さいのであります。從つてもし政府がほんとうに拔本的な行政整理を断行し、建直ろうとお考えになるならば、なぜこのわが國の現行の府縣制の根本に、メスを入れられるお考えが出ないものか。その点について御意見を伺いたい。もしこの行政区域が大きくなるようになれば、今日私どもがここへたびたびおいでをいただいて、面を犯してかような議論を繰返し繰返し申し上げなければならぬような事情も、一ぺんに解消するわけであります。私は圧倒的な絶対多数を握つておる現内閣におきまして、ぜひ行政区画の抜本的な研究、抜本的な刷新まで御研究になることを切望し、またそのお考えがあるかどうか、お伺いいしたいと思います。
○本多國務大臣 人事権なくして監督が徹底するもりでないという御意見は、実質的にはまことにごもつともだろうと思います。しかしこれは、公務員をある程度信用ができましたならば、公務員の正義感、能率、信頼、主務大臣の監督指導権等によつて、遺憾なくやれるという考えであります。さらにこの際つけ加えておきますが、この委任事務を担当する地方公務員に対しましては、さらにもう少し人事に影響を及ぼす強い力を持たなくてはいけないではないかという観点から、閣議におきまして、そういう者が不当な処分をしたような場合における懲戒免職等の御告権を、主務大臣に持たせてはどうかというような方針も内定いたしまして、これはただいま地方自治法の改正立案の中で、研究中でございます。多分そうしたものが入つて來るだろうと考えておりますが、この点はまだ決定いたしておりません。さらに交通のまだ発達しなかつた昔のままの行政区画であるから、もう少し廣区域の行政区画にこの際やるべきではないかという御意見につきましては、今後の行政制度の改革問題と一緒に、十分考慮して研究いたしてみたいと存じます。
○滿尾委員 もう一言國務大臣にお伺いいたしたいのであります。國務大臣のお説を聞きまして、私はまだどうしても割り切れないものを感ずるのであります。主務大臣の公務員に対する指導監督というものは、不正をした、あるいは不当なる処分をした、その点に対して運輸大臣の監督が及んだだけでは、わが國の陸運行政というものは、決して及第点をつけられない。惡いことをしたものをやり直すのは、これはもう下の下であつて、そんなものは私どもの論議から言えば、レベル以下の話である。私どもは日本の陸運行政というものが、積極的に前進して行く、推進して行く状態になるには、どうすればいいかということを、ほんとうに、まじめに、真劍に考えております。從つて不当な処分であるとか、不正な処分であるとかいうことのやり直しというようなことは、これはむしろどつちかと言えば論外だ、私は決して地方公務員の不正ということは論議したくない。いやしくも名誉ある公務員でありますから、地方公務員に不正があるであろうということを前提にして、國会が論議をするということは、大いにこれは愼まねばならぬことと考えております。私がここで申し上げたいことは、むしろ能率増進であります。終戰後わが國の中央官廳はみな出先機関を持つた。なぜ持つたか、それはわが國の中央官廳が、自分の勢力範囲を拡張したいというような野望をもつて設けたとは、私は思わぬのであります。私もその実経驗者の一人でありますが、その仕事の実情から行つて、どうしてもそういう形態をとらなければ、必要な期間内に必要な処理ができなかつた、これが実情である。これだけのことをぜひ念頭に置いていただかなければならぬ。それから問題は、今後の陸運行政を能率的に推進させるために、日本の現状から、かような観念論的な飛躍が一体許されるかどうか。それがほんとうに國家のためになるか、わが國の人民のためになるかということで、私どもはこの問題をながめておるわけであります。それで政府は大体の構想はでき上つておるようでありますが、その監督権の発動につきまして、そういう不正をやり直すというような程度で、足踏みをしておられたのでは、これはもうとんでもないことであります。どうしたら現在より、もつともつと能率よくその業務が推進されるかという観点に重点を置いて、この制度を考えなければならぬのでありますから、どうしても本多國務相にもう一度この問題の実態を反芻していただきまして、お考えをきめていただきたい。それは各縣に対しまして、行政区画が拡充されれば、申分ないのでありますけれども、当分の間現状で行くとお考えであるならば、すでに客観的に、業務自体が現存しておるのでありますから、それに合うような行政機構を考えるのが、ほんとうであつて、行政機構で人民の方をむりにひつぱつて行くというようなお考えは、本末轉倒でなかろうかと私は考える次第であります。これで大体私の考えを申し上げました。
○柄澤委員 昨日の運輸大臣の御答弁では、大体十七局を残して、他は分局ということでございましたけれども、地方からの反対も多い今日、それだけでは具体的なことは明らかになつていないのでありまして、その論拠や、それから、それの計画と申しますか、考えておられますものを、当然運輸委員会に御報告があつてしかるべきだと私ども考えるのであります。これは先ほども御質問申し上げたのでありますけれども、さらに重ねて御答弁を煩わしたいと思います。
○大屋國務大臣 柄澤さんの今のお話には、あなたのお考え違いがありますから、こういうふうに考えていただきたいのです。道監の特別道監というのが九ありまして、それは名前を陸運局ということにかえて、ほかの仕事もそこへ合併いたしまして、残して、それから地方各府縣の道監が四十三あつたのを原則としてやめて新たに陸運局の分室を十七設けるという一應の内定になつている、こういうことであります。そこでこの十七が不適当であるかどうかということは、しばしば委員諸君が御議論なさつた点であると思います。
○柄澤委員 本多國務大臣がめつたにおいでになりませんので、この際行政整理の人員についてぜひ御答弁願いたいと思います。
○本多國務大臣 行政整理は、ただいまの段階では、一般方針だけしか御説明申し上げかねるのでございますが、一般方針は一般会計三割、特別会計二割という方針をもつて進んでおりますけれども、でき得る限り実情に沿うように、予算査定等の際における区分別に從つて、いろいろ検討いたしておりますが、どうしても多少、その方針通りの率の適用できないという面もありまして、総数に原則通りの率をかけたものよりは、相当内輪になると思います。そういうふうなことで進めておりますが、大体において私の方の査定が終りまして、月曜日には閣議に行政整理廳案を提案しよう、というところまで來ております。この数を、政府の意見として決定いたす前に発表いたしますと、いろいろ混乱起すような心配もありますから、もう両三日のことだと思いますので、どうぞ御猶予を願います。
○田中(堯)委員 本多國務大臣にお尋ねしたいのです。私おそく來て重複すればたいへん恐縮ですが、道監の地方委讓に反対という意向が、この委員会でも圧倒的だということは、御承知のことと思います。またその理由は、ここで私が繰返すまでもなく、堂々たる理由がたくさんあるのであります。これも御承知のことと思います。ところがそれにもかかわらず、政府では、どうでもこうでも、これを今度取上げるということでございますが、聞けばそれは、やはりもつと高い観点から、そういうふうな決断をしたのであるという御説明だそうで、その高い観点といつても、まことに抽象的であつてさつぱりわからぬ。どういう高い観点から、ぜひともこれをやらなければならぬかという御説明を、もう少し親切に、具体的にお願いしたいと思います。
○本多國務大臣 現政府は地方分権、地方委讓という方針をとつているのでございまして、この方針に從つて、道監の事務を観察いたしますと、二縣以上にまたがるような、地方に委讓しがたいものもあるようでありますが、そういうものは、ただいまお話のありました、今度陸運局となります九つの廣域のもので処理することができる。それ以外は、さいぜんもお話のありました通りに、非常にたくさんの人を相手とする資材の割当事務でありまして、一定の方針、企画に基いて物を配給してやるというような仕事は、地方に委讓しても支障なくやつて行けばしないかという点であります。これが道監が地方委讓の対象になつた理由であります。
○田中(堯)委員 そうすると結局、地方委讓によつて人員が削減できる、経費が削減できるということがねらいでございますか。
○本多國務大臣 今回の行政整理は、重点は均衡予算を堅持して行くための國費の緊縮にあるのでありますが、これとともに、機構を簡素化して、いま少しく能率的な責任と分限を、明確化したものにしたいという方針をもつて進んでおるのでございます。從つて全國にくもの巣を何枚も重ね合わしたような、複雑な機構になつている地方の出先機関につきましても、できる限りこれを廃止できるものは廃止してしまうし、その仕事の残るものは、委任事務として、地方公共團体にやらせるというような方向に進みたい、こういう方針でございます。
○田中(堯)委員 運輸大臣にお尋ねしたいのです。これは今日の議題とはちよつと離れるのですが、一昨々日運輸大臣は本委員会で、戰時中に買い上げた私鉄を、今度拂い下げることで、いろいろと今何人にどういう値段で拂い下げるかということについて、研究中であると言われておつたのであります。ところで、バス、路線はどういうふうになつておりましようか。
○大屋國務大臣 バス路線も拂い下げた方がいいものがありましたならば、これも拂下げをするという根本的の考え方を持つておりますが、これはまだ私鉄ほどにも研究が進んでおりません。從いましてこの間申し上げましたように、この面に対しては、法律を提出するというようなことは、ただいまは考えておりません。
○田中(堯)委員 いま一つ運輸大臣に伺います。戰時中買い上げた私鉄は、大体全部拂下げの予定ですか。
○大屋國務大臣 戰時中に拂い下げたものは、買手があり、また地方の実情、あるいは輸送の國鉄との関連というような点から、さしつかえなければ、できれば全部拂い下げても、原則的にいいと考えております。
○田中(堯)委員 それは相当な額に見積つてあるようですが、今民間にさような金融、すなわち買收能力があるのでございましようか、その辺のお見通しはどうですか。
○大屋國務大臣 その点が問題なのでありまして、現に日本の今の実情におきましては、個人の資本の蓄積というものが、非常に昔と姿がかわつております。結局政府から金が出て、それがいわゆるぐるぐるめぐつおるというのが実情でありますので、賣りたいと思つても、適当な買手がないという場合には、賣ろうと思つても賣れない。つまりこれから腹をきめて、そういう買手を探してどうしても買手が買い切れなければ、賣ろうと思つても賣れないのですから、そういう実態の仕事は、これから先に実際に当つて見まして、やろうと思つてもやれないものは、結局やめなければしようがないということになろうかと思います。
○柄澤委員 今内閣委員会におきまして、各省設置法案が一括上程されているように承つております。今日も大臣の御答弁にありましたように、いろいろ重要な問題を含んでおります各省設置法案でございますから、運輸省設置法案につきましては、ぜひひとつ運輸委員会におきまして時間をおとりくださいまして、私どもの討議する機会を與えていただきたい、かように委員長より委員各位に諮つていただきたいと思うのでございます。
○田中(堯)委員 関連事項ですが、運輸省設置法案は、これは一括して内閣委員会にかかつているそうですが、これはやはり專門の運輸委員会に、決定権までももらつて來れるようにおとりはからいを願いたいのです。というのは、内閣委員会には、專門でない非常なたくさんの仕事がかかつているようでありますから、ちよつと十分な審議ができないのではないかと思います。それでこちらへ持つて來て、專門は專門でやつて行くという方が、やはり合理的だと思いますから、ぜひさようなおとりはからいを願いたいと思います。
○柄澤委員 先ほどでございますか、運輸大臣はいろいろ拂い下げの御計画があるということでございました。この予定が進められておりますならば、当然各路線別の原價計算というものができておると思うのでございます。またできているように漏れ聞いておるのでございますけれども、ぜひ次の委員会までには、この路線の原價計算を本委員会に御提出賜わりたいと思います。
○藪谷政府委員 せんだつてお配りいたしました表の中の、八十三、四ページのところにあります。
○岡村委員長代理 ただいまの柄澤君の問題につきましては、これは内閣委員会と連合審査会を開くようにしたいと思うのですが、いかがでございましようか。
○田中(堯)委員 それはけつこうでございますけれども、それだけではこつちに決定権がないわけです。やはりこつちに決定権をとつて來なければいけないと思います。それは向うの了解を得ればできると思います。
○岡村委員長代理 できるだけそういうふうに努力いたします。
○柄澤委員 たいへんしつこいようですが、ぜひ委員長に努力願いたいと思うのでございます。合併でございますと、向うも時間がないというので、一日に全部の案をやるというような御計画と承つております。各委員会でもこれにつきましては、これでは不十分だということで、各委員会でやりたいという御意向も大分あるということも承つておりますし、実際の必要もございますので、ぜひ運営委員会におきまして、その熱意を示していただくという点でも、委員長の御努力をお願いしたいと思います。
○岡村委員長代理 努力することにいたします。 大体これで質疑はないようでございますから——先ほど關谷君から、國有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対する質疑は次会に延期して、本日はこれにて散会せよとの動議が提出されております。これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長代理 御異議がなければこれにて散会いたします。なお次会は、二十五日月曜午後一時より開会いたします。 午後四時十三分散会