予算委員会 第14号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1948/12/21
会議録
○上林山委員長 会議を開きます。 質疑に入ります前に委員長として希望がございます。御承知のごとくすでに質疑は一應済んだ形において協定が成立しておるわけでありまするが、その後の問題についてできるだけ重複を避けて、簡單に質疑を続行いたしたいと思います。では小枝一雄君の発言を許可いたします。
○小枝委員 私はこの際吉田総理に二、三お伺いをしてみたいのであります。泉山前藏相の事件は、この重大なる國家の現状にかんがみ、かつまた本國会の最高潮におきまするときに起りましたことでありまして、まことに遺憾な事実でありましたが、しかしこの問題はもはや過去を追究いたしましても、いかんともすることができない問題であります。この問題に関連をいたしまして、今なお大藏大臣、安本長官は欠員でありまして、ただ現閣僚の中において兼任をされておるのであります。今日の日本の現状は、今日の日本の政局は、かような重要なる閣僚の兼任をもつて、事局の担当ができるという時期ではなかろうと私どもは考えるのであります。これに対して総理大臣はすみやかに專任の大臣を任命せられて、そうして現内閣を補強せられるのお考えがあるかどうか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○吉田國務大臣 御質問はごもつともであります。実は大藏大臣及び経済安定本部長官の選任については非常に苦慮しております。のみならず御承知の通り、今日は経済再建、日本の復興という問題を、われわれ政府としても、國民としてももちろんでありますけれども、アメリカ側も非常に熱心にこの復興問題を考えておるものでありますから、それでこれは具体的に申せば、アメリカの援助等を頭に入れての考えでありますので、アメリカ側にも、ことにESS、何と言いますか、このセクションの方とも十分連絡のとれる人をと考えておるのでありますから、実は人選にいろいろ苦慮して、人の名前もあげて再三申し上げ、また紹介もしてみて、そうしてアメリカとほんとうに手をとつて日本の復興を築き上げたい。御承知の通り、最近マッカーサーからああいう手紙をもらつているのでありますが、眞劍に日本の復興を考えておると思います。これと協力して行くのには、向うとも連絡のいい人で、向うの氣持もわかり、こちらの氣持をもわからせようという人をと考えますと、実はなかなかないのでございます。たまたまあると追放にかかつておるような次第で、実は最近訴願委員会もこしらえて、できれば適当な人の追放を解いてと思いますけれども、なかなかこれも間に合わない間に、議会がこういう状態になつておるものでありますから、はなはだ苦慮はいたしても、実現がはかばかしく行きませんが、むろんなるべく早く補充いたしたいというか、選任したい、こう考えております。長くこのままにしておくつもりは毛頭ないのであります。
○小枝委員 吉田総理の御苦心のほどはよく想像できまするが、ただいまお話にありました、マッカーサー元帥の九原則よりなる書簡の問題であります。この書簡の問題は、実に今日本再建のために、日本國民の上に、かつまたわれわれ議会人の上に、ひいてはさらに現内閣のために課せられたる重大なるこれは使命であると思うのであります。この重大なる使命を達成しなければ、日本の再建はとうてい不可能であるのであります。しかるにこのマ書簡の内容を檢討いたしてみますというと、この九原則はすでに芦田内閣の当時にも日本の政府に対して指示せられた問題と大同小異なのであります。これをあらためて再びかかる問題をマ元帥より指示せられたということは、実に現内閣の施策の方針がこの占領政策の方向に合致していない。これを強く意味するものではないかということを私は考えるのでありますが、これに対する吉田総理の所見はどうでありましようか。
○吉田國務大臣 これはお話の通りマッカーサー元帥としても、日本の復興あるいは日本の援助のために焦慮して、いろいろ從來も考えてもおり、また勧告もしておつたことは御承知の通りでありますが、これはマ元帥の心中を忖度しての話でありますけれども、日本政府の——これは吉田内閣と限つたことではありませんが、終戰後今日までの日本の政府のやり方について、マッカーサー元帥としてもはなはだ不満足であるだろうと思います。また不満足であるという意見も漏らしております。これに沿うためには、これと協力するためには、日本政府も、また國民も、眞に日本の復興のために熱意を示すということにならなければいけないのでありますが、マツカーサー元帥からすれば、その熱意において自分どもはなはだ不満に思う。ことに労働問題とかストライキとかいうようなものが頻発するような状態で、そのために日本の生産が衰える。増産にならずに衰えている。これでは困るじやないか。自分どもが、日本の生産は増しつつある、こうしきりに言つているにかかわらず、最近の状態を見ると、むしろ思つたほど進歩しない、のみならずことに石炭等において減産という面も現われている。まことに困つた問題であるが、これは何とかしなくてはいけないという熱意から、さらに再び書簡に現われていることは事新しいことではなくて、多くは從來言い表わしておつたことをまた書簡にして述べているということは、焦慮の結果と私は思います。從つてわれわれも誠心誠意これに協力いたしたい、こう考えております。
○小枝委員 なるほどただいま総理のお話になりましたように、占領政策が開始されまして以來、日本のすべての間においてなされたところの施策は、占領政策の上に必ずしも合致していない点がある、また反映せられていない点があるということも、これも一應了承ができるのであります。ただこの際総理にお尋ねしてみたいことは、本日の毎日新聞の論説にも出ておりましたが、この吉田内閣の出現によりまして、日本の統制経済、占領政策の一環としてなされたところの統制というものが漸次解かれて行き、そうしてこれに対する國民の観念が非常に稀薄になつて來た。こういうことを毎日新聞の論説にも今日掲げておるのであります。こういう点が私はこういう書簡が出されるところの、これも忖度ではありますけれども、大きな一つの動機として見のがすわけには行かない氣持がするのであります。これに対する首相の氣持はどうであるか伺つてみたい。
○吉田國務大臣 これはいろいろに考えられますけれども、私の体驗しておるところを率直に申すと、日本に初めて來たアメリカの経済科学局の当局者の考えは、もつと強い統制いわゆるニユー・ディールにのつとつておつたのです。一つの例をあげると、たとえばクレーマーなどという人は、日本の統制経済をもつと強化しよう、こういう話でやつてみたところが、実際はかえつて弊害がある。アメリカ流に考えてぴしぴしやつてみたら、かえつてそれが統制にならずして、やみ市場に流れるという実情を見て、從來理想的に考えておつた統制の原則はとにかくとして、方法をかえなければいけない。いつでありましたか忘れましたが、昨年であつたか一昨年であつたかフッド・ミッションが來て、日本の統制の状態を見、食糧の状況等について調べに來た人の話に、日本のやみ市場はあまりひどいではないか、やみ市場はイギリスあたりではほとんどない、あるいはノールウェーその他にも日本ほどひどいやみ市場はないじやないかという話をして、そうして何とかやみ市場をなくすくふうをしようじやないかということを切実に進めておつたのでありますが、そのときに私は、何という人か名前は忘れましたけれどもそもそもやみ市場の起るゆえんは、買いあさる者と賣り惜しむものとの間に起る現象であつて、これを單に政府が法律をつくつたり、警察官を増したつて、取締れるものではない。むしろ弊害が逆に起つた。そうしてやみ市場はますます盛んになるという結果になるから、やり方についてよほど考えなければならぬ。ただ経済査察官というような役人を置いただけではいけないのみならず、さらに率直に言えば、アメリカの高い食糧をわれわれがもらつて食べておつたら、いつまでたつてもこの日本の——むしろ食糧はアメリカの高い食糧よりは安い食糧を得て、アメリカからは綿とかそういうような工業原料をもらつて、日本の輸入の仕方をかえて、日本の経済をゆるやかにした方がかえつてよいではないかというような議論をしたことがありますが、從來のアメリカのやり方、アメリカの当局者としては、やつてみたが、結果はやみ市場がよけいになつたということになるので、なんとか方法を考えなければならぬという氣持になつた。從つてあのマッカーサー元帥の書翰の中には統制とかいう話がありますが、統制のやり方についてはかえなければならぬという考え方は今持つて來ておると思います。またわれわれも不必要な統制は解く。しかし全然統制を解くというわけには、今日の経済状態から言つてみてできないことでありますが、物によつてはゆるやかにするか、あるいは統制をなくなして、他の物についての統制を強化するというように方法をかえなければならぬものと、方法手段について考えなければならぬものと、これはわれわれも考えておりますし、経済科学局でもそう考えておるというのであります。少し考え方を違えなければならぬという必要を、互いに感じつつあるというのが現状だと思います。
○小枝委員 ただいま総理の御所見を伺つてやや了解する点もあつたのでありますが、私はこの経済九原則なるものを初めて発表を見ましたときに、民主自由党の掲げられておりますところの政策、そうしてその政策によつて立つておられるところの吉田内閣は、この九原則とはあまりにも離れておる点が多過ぎる。從つて吉田総理は、かように政策の大轉換を行わなければならぬという段階に達した以上は、おそらく総辞職を断行せられるのではあるまいかと私は一應考えてみたのであります。しかし依然として吉田総理は解散をのみお急ぎになつておる。今日の政界、官界、財界の腐敗の現状よりいたしまして、解散を断行されることもけつこうでありましよう。しかしその時期と方法については、御承のごとく、この政界における疑獄事件等の徹底的な追究を、何らなされていないその半ばにおいて、解散をせられるということについては、私ども幾多の疑問を持つておるのであります。しかしかりに百歩を讓るにいたしましても、私はこれに対し政策の一大轉換をなされねばならぬという感じを非常に強く受けたのであります。ただいま首相の話を聞きますというと、不必要な統制は解きたい。これはおそらく日本國民のあらゆる階級、あらゆる政党の持つ抱負であろうと思うのであります。ただあの九原則の一項目には、場合によつては統制はまだ強化せられなければならぬ場合を考えておるということが指示されておるのでありまするが、もしこういうふうに統制強化の指示があつたといたしますならば、吉田総理は快くその統制をどこまでもその線に沿つて強化されるだけの確信をもつて、今後の政局担当にお臨みになるのであるか、その点をお伺いしておきたいと思います。
○吉田國務大臣 これはこの間私の施政演説の中にも述べた通り、將來のことについては私は施政の演説の中にはあまり論じておらないのでありますが、むろん強化の必要のあるものについては強化することに躊躇いたしません。しかしこれは安定本部長官などの抱負もありましようから、安定本部長官からお聞き願いたいと思います。
○小枝委員 総理に重大な問題でありますからもう一点お伺いしておきます。 御承知のように、在外同胞の引揚げは日本の國民的重大問題であります。しかるに最近の報道によりますと、引揚げは一應中止になつたようであります。これに対しまして何とかこの際引揚げを促進したいと私ども考えているのであります。これに対し、総理は何らかの方法をお考えになつているかどうか、この点について最後にお尋ねをいたします。
○吉田國務大臣 お答えいたします。われわれは引揚げについては、終戰以來しきりに苦心をしているのでありまして、ことにソビエト方面からの引揚げについてははなはだ苦慮もし、いろいろ依頼もしているのであります。御承知であるかと思いますが、ソビエトと総司令部との間に約束ができて、毎月五万人と私は記憶しております。前の吉田内閣のときに話ができたと思いますが、毎月五万人ずつ引揚げる、但し冬になつて天候のぐあいで引揚げが不能になつた場合には別に考えてもらわなければなりませんが、しかし原則としては五万人、これはソビエト政府とマッカーサー司令部でありましたか、アメリカ政府でありましたか、との間に話ができて五万人ということになつたのであります。ところが新聞で御承知でありましようが、最近になつて天候のぐあいでもつて引揚げられなくなつたという通知が來たからマッカーサー司令部はただちに碎氷船も送るから、天候いかんにかかわらず引揚げを続行するようにということの申し入れをしているそうです。
○田中(源)委員 この機会に簡單に要点だけを総理に伺つておきたいと思います。 まず第一に総理は過日この委員会におきまして、わが國経済の今日できております五箇年計画を一應再檢討を加うる必要がある。目下これが檢討中であるということをお答えになりましたが、今日経済九原則の発表を見ましたる際におきまして、いかなる程度までこの檢討がなされてあるか、この点をお伺いいたしておきたいと思うのであります。 次に輸出貿易の必要上、わが國の船舶の建造並びに復活をいたして行かなければなりませんが、建造面におきましては、申すまでもなくこれに伴う資材が必要であります。この面について一体自営船舶におけるところの貿易促進という点は、目下講和條約が締結されておらないという観点からいたしまして、急速にこの事態を取結ぶことは困難であるかもしれませんが、私の申し上げる総理へのお尋ねの中には、外相を兼任されている意味においてお尋ねいたすのであります。この点をお含みの上でお答え願いたいのであります。過日総理は本議場におきまして、講和條約にかわる暫定協定でもつて進むというお話でございましたが、これらの船舶の復活についてどういうふうな御交渉をなさつておられますか。私はかりに船舶がある程度の復活が認められることになりましても、要するに國際公法上における航行権の獲得をしなかつたならば、船舶だけができてもだめであります。最近に総司令部の許可を得て、わが日本船が一隻ペルシャ湾までの航行をいたしたのでありますが、どうしても自國船舶による貿易が復活されなければ、徹底した日本の貿易はなし得られないのであります。この点についてどういうふうにお考えになつておりますか。またどういうふうに御交渉になつておりますか。まずこの二点についてお答え願いたいと思います。
○吉田國務大臣 お答えします。五箇年計画については、この間この委員会でお話した通りに、私としては再檢討いたしたいと考えて、関係の委員の諸君にも二、三來てもらつて実際の話を聞いておりますが、まだ私としては研究が未完成であります。またそれが二、三日前に出た九原則とどういう関係になりますか、この点私はまだはつきり頭の中に入つておりませんから、研究した後にお答えするとして、船の話でありますが、今日本に入つて來る食糧が高いということは、一つは米國船舶による船賃が高い。從つてこれを日本の船舶によつて持つて來るとか、あるいは日本がチャーターをした借入れ船によつて持つて來るという方法はできまいか。第二は、日本は船員が余つておるのみならず、船員が失業しておるとか、あるいは日本の船員として実習が足りないために、技術の上において從來の技術が衰えるというような懸念もありますから、実は外國の汽船会社の社長等の一、二の人に向つては、日本の海員を使つてくれないか、あるいは船をチャーターするという運びになり得ないだろうかという話も内々いたしております。けれども御承知の通りに、今アメリカには海員のストライキがあつたり、そこへもつて來て日本の船員を使うということは、ストライキ等の関係からいつてみても、はなはだ困難であるが、東洋だけでも日本の海員を使うくふうはないかというような考慮がめぐらされております。ただちにいついつかにその間に契約ができるとかいうところまでは話は進んでおりませんが、せめて東洋航路等には日本の船員を使う道は開けないだろうかというような話は、折に触れて外國の汽船会社等の重役が來る場合には話をして、多少考慮に上つておると思います。また現にどこであつたかちよつと忘れましたが、肥料原料の積取りのために船舶をまわす上には千人でありましたか二千人でありましたか、現に南洋方面には使われておるように承知しております。だんだん日本に入つて來る外國人あるいは外國の船舶等がよけいになるに從つて、米國人の船員を使うよりも、計算において、日本の船員を使う方が利益という計算から、相当の人が使われているのではないかと私は想像いたしますが、今の話は外國の船主等において相当考慮されているように思われます。これはまだ具体化してこういうふうになつたということを申すまでには行つておりませんが、事実において相当の人が使われているのではないか。また考慮されているということも申し上げられ得ると思います。
○田中(源)委員 いろいろと御苦心を願つておることは感謝いたしますが、この際やはり航行権の問題とか、船舶建造に対するトン数の制限、速力、航路の制限を解除いたしてもらわなければならぬと思います。從つてこれに対する交渉がせられつつあるかということについてお尋ねしたのでありますが、もう一ぺんその点をお答え願いたいと思います。これは当該運輸大臣にお伺いいたしましてもお答えができないのでありまして、あなたみずからの御所信なり、御交渉の経過があればここでお示しを願いたい。 次は輸出貿易促進につきまして、わが國はある程度の対外エキスポートをやらなければならぬと考えます。この九原則から考えてみましても当然考えられる。そこで日本の一定の工業水準というものを保持して行かなければならぬと思う。賠償問題の最後的決定は今日まだ見ておらない。三〇%の賠償撤去は今日行われつつありますが、今の日本が今後における輸出貿易を促進する上において、國内資源と國外資源との調和と、これが必要上の資源の輸入を見る場合において、生産上におけるところの一定の産業設備を保存して行かなければならぬと思う。これ以上日本の賠償指定のすべての物を撤去されるということになりますならば、とうていわが國は今日輸出貿易上において立ち直ることは困難であろう。從つてこの面については関係諸國の格段な同情ある御裁定をまつより道はなかろうと思うのであります。これについてあなたは今後わが國の賠償問題について、何らかの御交渉をなさいましたでしようか。また今後この賠償撤去に関する問題を、これ以上撤去しないという方針のもとに懇請なさつた事実があるかどうか。この点について伺いたいと思います。
○吉田國務大臣 御質問はごもつともでありますが、交渉の内容経過については、現在日本としては外交を停止されているときでありますから、ここで公然とお話をする自由を持たないのであります。しかしこれだけのことは申し得られると思うのであります。それは今御承知の通り、鉄板にしても鉄の薄板その他にしても、世界的というか、少くともアメリカの市場においては、日本に注文する必要を生ずるほどに欠乏している。そして為替関係等からして、すでにある薄板の注文も昨年と思いますが、あるいは今年の初めでありますか、來ていると承知しております。またノールウェーあたりから五千トンないし一万トン級の船の引合等も來ておるように承知しておるのでありますが、これは為替の関係や労銀の関係からして、日本に注文をした方が造船費にしても安く上るという計算から多少の注文が來ておることも事実であり、ことに鉄の薄板の注文等は相当引合が來ておるように承知しております。それらの関係からして日本の工場の賠償撤去ということは、だんだんお聞きであろうと思いますけれども、初めのポーレーの來たときの場合よりもよほど緩和されて、そうして日本の工場をそのまま利用した方がいい、撤去して持つて行くよりも、現にある工場を利用した方が経済であるという事実が認められて、初めの案よりよほど軽減されておるということは事実であり、現に例を申すと、室蘭にある鉄工場のごときは、初めは撤去するつもりであつたでしようけれども、ほとんどそのまま残ることになつております。また清水湾にある軽金属の工場のごときも、初めは撤去となつておつたものが撤去されずにそのまま残るとか、日本の賠償撤去の問題は時を経るに從つてよほど軽減されて、あるいはほとんど持つて行かれずに済むんじやないかと思われるくらいに軽減されつつある現状であります。しかしこれらの問題は今現にファインという経済科学局の人がワシントンに行つて、そうして日本の工業水準をどの程度に維持するかということを相談中であると私は承知しております。それで國際関係もありましようけれども、また対日感情の上においてもよほど緩和されて、初めの計画よりもよほど緩和されつつある。將來この点は一層日本のために有利に緩和されるのではないかと私は考えております。
○田中(源)委員 もう一点だけお伺いいたします。先般発表になりましたわが國のいわゆる單一為替のレートを明春三月ごろから行うというために九つの日本の経済再建の原則を明示されたのであります。これにつきましては國内の資源、國内のすべての工業水準というものを一定水準に置いて、そうして國内資源と輸入資源とによつてどれほどの生産を高めるかという基準を立てて行かなければならぬと同時に、少くとも物價と賃金とをある程度に安定せしめる施策が相まつて行かなければ、とうていこの原則にマッチして行くということは困難な状態であろうと思われるのであります。そこで單に占領下にある現段階においてのみならず、その筋の命によつてすべての労働者の爭議が停止されるというようなことでなく、実際に安定せるところの施策をとつて行かなければならぬと思うのでありまするが、これらに対しましてはいろいろの方法を各新聞なり経済雜誌等、あるいは世論が唱えておりますが、政府はこの原則に対して準備を持ち、調査を進めて、そうして為替のレートをどの程度に置く方針をもつて、すべての物價なり賃金に関して生産の上にこれを見て行くかということについての構想ができ上つておるだろうと思う。その方法についていまどういう方法をもつてこの九原則を現出して行くか、またこれを実際に移して單一為替レートをどの程度に置くかというような諸施策が、どういう段階においてどういうふうに考慮されて進みつつあるということを、この際総理から承つておきたいと思います。
○吉田國務大臣 これは私にはあまり專門過ぎて、お答えをする資格がないのでありますが、一應お答えをします。今現に困つておるところは、たとえばアメリカに例をとつてみると、日米の間はやはり敵國関係であつて、ドルを買うわけには行かず、円を賣るわけにも行かないという状態で、かりにバイヤーが來ても、そのバイヤーによる貿易というものは、はなはだ制限された状態にあるので、どうしても為替レートをいわゆる暫定措置か何かでもつてきめて、そうして貿易の運行をたやすくしなければならない実情に今迫られております。そこでどこの水準に置くかということは、これは私には少しむずかし過ぎる問題でありますが、いずれにしても近く為替レートがきまらない限りは、貿易が円滑に行かないのみならず、日本の経済生活も定まらない、あるいは日本の工業の基準をいずれかに定めるという場合には、為替レートをどの程度に置けばいいかというような、日本の工業復興の上から言つてみても、また外國貿易の上から言つてみても、為替水準を適当なところに置かなければならぬ必要に迫られておるのでありますから、これは政府としても相当考慮を拂うのみならず、現にファインもこの点についてアメリカ側の意向を確めているのだと承知いたしております。詳しいことは主管大臣からお聞きを願いたいと思います。
○田中(源)委員 いや、私はそれでけつこうであります。
○叶委員 私はなるべく先輩同僚議員諸氏との重複を避けて、総理に特に御質問したいと思う次第であります。最近経済安定の九原則といい、いろいろ國際情勢から日本に対しますところの要請が多いと思うのであります。そこで私どもが第二吉田内閣の成立以來特に注意しておるのは、將來のあり方についていろいろと研究を要する一つの問題といたしまして、議会政治の立場よりのいわゆる政治の運営であります。現在の日本の政党法によりますところの政権のあり方につきまして、二つのものがあると思うのであります。一つといたしましてはいわゆる多数派工作によりますところの政権移動並びに政権の維持であります。ところが吉田総理は二大政党対立によりますところの政党の移動並びに維持の特に顯著な意見を持つておられる政治家の一人であると私どもは了承しておるわけでありますが、また日本の政治評論家の中でも二つの考え方におよそわけられると思うのであります。今度の國会におけるいろいろな運営におきましても、その二つの意見がかみ合いまして、いろいろな波紋が起つておると思うのであります。また現下の政治情勢が非常に微妙でありまして、おそらく解散になるか、あるいはその他の政治的な轉換期が近いとわれわれは予測しておるわけでありますが、その將來を見越しまして、日本の現実におきます政権の維持のあり方、政権の移動のあり方ということにつきましては、相当程度以上にわれわれは叡智を働かせまして、議会政治全体に対します名誉失墜のないように、十分われわれは議会制度の建前から行動をする必要があると考える次第でありますが、私は結論といたしまして、吉田首相がかりに二大政党対立によりますところの政権の移動並びに政権の維持の論者であるといたしましても、現実の議会政治運営によりますならば、かつての芦田内閣のような多数派工作によります政権の移動並びに維持、この議会政治の維持もまたやむを得ないとお考えになるか、そういう点につきまして総理の一般的な御意見でよろしゆうございますから、お聞かせ願いたいと存ずる次第であります。
○吉田國務大臣 私はかつては連立工作をしたこともありますが、日本の現状においては、連立政権ということは、結果においてよくないのではないか。また終戰直後においては思想の混乱、あるいは生活の不安定なところから、小党分立ということに現実なつておりますけれども、しかし経済が安定し、思想も安定して來れば、自然に二大政党というふうな形、たとえば保守であるとかあるいは急進——ラデイカル、コンサヴァーティヴというふうに持つて行くことが、日本の議会政治を円滑ならしめるゆえんではないか。私はそう考えるのであります。現に小党分立して、政治がうまく行かない國もあるし、またアメリカにしても、イギリスにしても、二大政党でもつて互いに交互に政権をとつておる。そしてあまり政爭を苛烈ならしめずに二大政党の間に互いに了解し合つて、相互いに協力しつつ政権の移動を円滑ならしめている例もあるし、でき得べくんばこの原則にならつて日本の議会政治も運用して行きたい。これは私の理想にすぎませんが、理想、希望としてはそう考えております。
○上林山委員長 叶君にお諮りいたしますが、議長が総理に至急に会いたいと言つて、先ほどから督促されておりますので、そういうふうに御了解願いたいと思いますが……。
○叶委員 では後に留保します。
○上林山委員長 総理大臣はあとで來るそうですから、適当の機会に願います。——小枝君、農林大臣に対して簡單に御質疑を願います。
○小枝委員 私は農林大臣にお尋ねしたいと思いますことは四点あるのですが、簡單にお尋ねをいたしますから、御答弁を願いたい。 今回の給與ベースは、政府の最初お立てになつた五千三百円から遂に六千三百七円になつたことは御承知の通りの事実であります。それに関連いたしまして考えますことは、この賃金ベースが高くなりましたことが、すべての経済界に影響することは明白なる事実であると思うのであります。こういうことに思いをいたしますと、今米價はわずかに三千六百余円であります。かつて賃金ベースが千八百円の当時において、すでに千七百円の米價であつたのであります。また三千七百九十一円ベースの当時におきましては三千六百余円の米價であつたのであります。こういたしますと、さなきだに農村の経済は逼迫いたしまして、農民の疲弊困憊はその極に達しております今日、とうてい今日の米價をもつて農村の経営は困難だろうと私は考えるのであります。從いまして今米價は御承知のごとくスライド制を採用することに相なつておりますが、近き機会において農林大臣はこの米價を値上げしなければならないということを、相当のお覚悟を持つて臨まれなければならぬのであろうと考えるのであります。これに対する農相の御決意いかんということについて、お答え願いたいと思います。
○周東國務大臣 お答えいたします。まことにごもつともな御意見でありますが、しかしながら今日きめられております米價には、すでに來年六月までの物價が織込み済みであります。しかも今日水準が引上げられましたのは、御承知の通り官公吏の給與水準でございまして、米價に織り込まれておる賃金水準とは違つております。間接的であります。從いましてこの水準の引上げが他の物價に影響し、その物價からまたさらに一般賃金水準に影響を及ぼすということになれば、当然スライド的にこれが引上げをいたさなければならぬことと思います。從いまして今日のところは、すべての関係が來年の六月までの関係が織込み済みになつております。今後この影響をこうむるとすれば、当然スライドされて改訂いたし、その際には七月にさかのぼつて追加拂いをすることになつておることを御了承願いたいと思います。
○小枝委員 ただいまおつしやるように、大体來年の六月までの米價というものは、現在の價格に織り込まれておるというお話でありますが、その点は私どももうなずけるのであります。ただこの際私は農林大臣に希望をいたしておきたいことは政府の原案においても御承知のごとく五千三百円を当初計画されておられた。その計画と今回の値上げにおいても、すでに千円の差額がある。從つてこれが農村経済に影響なしということは、何人といえども私は断じ得ないことであると考えるのであります。從つて將來農村金融そのほか農民の負担の軽減等、相当十分なる御考慮を拂わなければならぬことを希望いたしておきます。 第二点としてお聞きしてみたいと思いますことは、近來食糧問題解決のためには、開拓の方法と耕地改良の方法があるということは、御承知の通りであります。聞くところによりますと、安本の計画においては、開拓は從來通り助成の方法をとり、耕地改良に対しては將來なるべく自力によつてこれをやるという方法をとつて、補助率等を將來においては削るという方針のもとに進もうという計画のように聞いております。もしもしかりといたしますならば、開拓よりもむしろ耕地改良はさしあたつての食糧増産に寄與するところが多いのであります。これに対する農相のお考えはどうであるか、お伺いしておきたいと思います。
○周東國務大臣 お答えいたします。食糧増産という面からいたします場合におきましては、御意見のように、開墾よりも土地改良が手取り早く効果的なものであります。從いまして私ども今日におきましても、でき得る限り土地改良に主力を置く、開墾につきましてはその適地を嚴選してこれを施行する、こういう方針をとつておることを御了承願います。
○小枝委員 ただいまの農相のお答えについては、よく了承することができたのであります。 次に林野の問題でありますが、かつて山林が農地と同じように個人の併合を禁止し、あるいはこの所有を制限するといういろいろな議論が出まして、山間部におきましては今なお山林の自己の所有権がどこへ行くかということについて、疑問を持つておる者があるのであります。從つて今日災害等頻発いたしておりますのも、要するに治山治水の不完全なところに、その根本の原因があると考えるのであります。これに対しましてその所有権に不安を持ちますことから、まだ植林をしてからほとんどお金に十分にならない年輪の若い山林を、所有権が他へ移らない前に、自分の持つている間に切つて、少しでもお金にしようという考えから、どしどし濫伐をやつている事実を見受けるのであります。この際こういう点については國策の根本を明確にいたしまして、治山治水を今後やることも大切でありますが、現在のものも保存し、これを育成するということは、より一層効果的であると私は考えるのであります。こういう意味においてこの問題をこの委員会を通じて、農林大臣としての所見を明確に発表されることが、非常にいいことではないかと考えます。この点に関する農相のお考えを明らかにしていただきたいのであります。
○周東國務大臣 御意見ごもつともであります。政府は内閣成立後ただちに発表いたしましたことは、ただいまお話のように、民有林等におきまして、これを農地改革のごとく細分し、所有権の移動があるやにうわさされている点がありましたが、これは絶対にそういうことを考えておりません。これは前々内閣当時からもたびたび繰返されたことでありますが、新内閣においてもそういう考え方でおります。しかもそういう不安の起ります点は、今日民有林の経営が非常に不安であります。しかも長期資金が寢るために、木を切る、また植付をしないということでありますので、むしろ積極的に新内閣におきましては林業経営の安定の立場から、民有林に対してある程度の國家的助成を行うとともに、その民有林の施業案については森林組合等を強化して、その施業案に基いて植伐等を進めることにいたしたいと、かように考えております。
○上林山委員長 この際農林大臣ないし安本長官に質問の方は、簡單に質疑を願います。
○林(大)委員 今度の経済九原則の一番終りの項目を見ますと、「食糧供出計画の能率を向上する」というような面から参りましても、かつて農林大臣がここで供出後の自由販賣は、追つて時期と方法を考えてやるというようなことを言われておりましたこととは、どうも反対の方向に全体の施策を持つて行かなければならないということが、ほぼ明らかになつていると思うのであります。それからまた料理屋の再開のごときも近いうちに……。
○上林山委員長 林君に御希望申し上げます。あなたの質問は大体重複しているようでございますから、簡潔に願います。
○林(大)委員 そうして料理屋の再開につきましても、今度のマツカーサー元帥の書簡の中にはつきりありますように、「政府及び産業活動における奢侈浪費の抑制に失敗したことから生ずる損失を最小限にとどめる権利のあること」というようなことをうたつているのであります。こういう方面からこれを考えてみますと、今までの農林大臣を中心とする料理屋に関する政策、並びに米の供出後の自由販賣の政策というものは、この九原則に対しては、まつたくこれはここですつかり改めなければならない情勢に私はなつて來ておると思うのであります。ここにおいて現政府は相かわらず料理屋再開と米の自由販賣を主張されるつもりであるか、それともすなおにこの大きな原則に從つて、今日ここであつさりとそうした選挙目的のスローガンを撤回される御意思ありやいなやお伺いいたしたいのであります。
○周東國務大臣 経済九原則の中にあります点を御指摘なさいまして今の御質問でありますが、私は経済的措置というものは琴柱に膠しておるものではないと思うのであります。ある確定不動なことを常に考えて施策するのでなくて、すべての経済的推移に應じ、そのときに應じて施策するということが経済政策の本則でなければならないと思います。從つて私がこの前からたびたび申し上げますことも、——いろいろと当局の政策に関して御質問でありますが、私は常に一つの目標をもつて政党は政策を定めるが、その政策の実施は常にあらゆる事態を勘案し、國際情勢も考えつつ、その需給の実態に即應して実施するということを申し上げておるのであります。しかも経済九原則に食糧の集荷境進方策ということが書かれてありますが、この内容については、近く私は呼ばれて内容的の説明を聞くことになつておりますが、それは單にでき上つたものの集荷配給の面だけでなくて、たびたび繰返すように、その根源をなすものは、生産それ自体をいかにして増強するかということが、あわせて食糧の集荷能率増進の根源をなすものと考えます。從つてただいまのところ、私は繰返して申し上げますように、供出後の自由販賣を今ただちにするということは考えておりませんけれども、常に経済の実態、変遷に即應して動き得る態勢をとりつつ研究して行くことは、政治家のとるべき態度と考えております。 なお料飲店の問題に関しましては、やはり食糧の需給の実態に即應して、実施する時期と方法は考えるので、今日の場合、ただちに今行おうとは考えておりません。
○林(大)委員 今の御答弁を伺いますと、琴柱に膠するものではなくて、そのときどきにかわつて行くものだということを言つておられるのであります。われわれはこの経済施策を考える場合に、日本の長い生命、そして徐々に盛り上るところの再建政策というものを廣い長い目でわれわれは立案をし、考えておるわけでありますが、今のようなお話でありますと、今の政府は料飲店の問題でも、自由販賣の問題でも、そのときどきに應じてかわるのだと言うと、選挙のあるたびに掲げられて、それがかわりつつあるようにしか考えられないのであります。今また九原則をここに出されて、それは向うへ行つて聞いてみなければわからない、今のところでは何とも言えないのだというような御結論を出しておられるようでありますが、それを裏から申し上げますと、そういう原則が出されて來た以上、今ここで言うことは選挙にさしつかえるが、実はこうかわりつつあるのだということをお認めになつたということをここに認めて、私の質問を終る次第であります。
○上林山委員長 中原健次君。
○中原委員 大藏大臣にお伺いいたします。まず最初に復興金融金庫の貸付の問題ですが、特に石炭関係の融資の中のある一部分に対して、これの償還ストツプといいますか、國庫がこれに対して償還の手助けをするというようなうわさが流れております。はたしてそういう御計画がおありであるのかどうか、この場合承りたい。
○大屋國務大臣 その問題は、いかにしたらいいかということを、ただいま研究中でございます。
○中原委員 それでは一應問題としてお取上げになつているということが考えられるのでありますが、今日國の財政が非常に逼迫しているということについては、いまさら議論の余地は毛頭ないのであります。その場合に炭鉱企業者に対して、しかも相当の高額の償還打切り措置を講ずるというようなこともお考えになつておいでになるとすれば、それはどういう根拠の上に立つてそのことをお考えになつておいでになるのであるか承りたい。
○大屋國務大臣 それはただいまいかに処置いたすべきかということを大藏省で考えておりますので、今詳細のことを申し上げる時期に到達しておらぬと御了解願います。
○中原委員 そのことはやがてそういう計画が具体的になるであろうと、そのように了解してよろしゆうございますか。
○大屋國務大臣 それは御承知のように財政上に非常に重大な影響がございますので、さような点を考慮して、目下研究中であるという程度に御了承願いたいと思います。
○中原委員 その問題は後の問題としまして、次に伺いたいのは、この予算の中で特に目立ちます歳入の問題で源泉課税の分があるのであります。この源泉課税が相当高額に上つているようでありますが、なるほど考えてみれば、このたび給與ベースの変更が行われることを予想されておつたことのために、それらが計算の基礎になつているかと思いますが、本來給與基準を引上げなければならなかつた根拠は、勤労階級の生活の急迫した実情にあつたと思うのであります。そうであれば、その給與基準を引上げなければならない必然の事情に対して、当然伴うて考えなければならぬ問題は、いわゆる勤労階級の負担する勤労所得税の免税点の引上げ、その他軽減あるいは免税の措置ということが伴うて考えられなければならぬと思いますが、そのことについて何らこの予算の中では見出すものがないばかりか、かえつて大きな源泉課税が予想されておる。この点について私どもとしては、はなはだ了解ができがたいのでありますが、大藏大臣としてどういう御見解を持つておいでになりますか、お伺いいたします。
○大屋國務大臣 主税局長をしてただいまの点をお答えさせます。
○平田(敬)政府委員 お尋ねの趣旨は、賃金ベースが上つたに伴いまして、基礎控除、税率等について調整を加える必要があるのではないか、こういう御趣旨であると存じます。これは確かに一つの考え方であろうと私どもも考えております。ただ現在の財政状況のもとにおきましては、今ただちにそれをやりますことはなかなか困難でありますのと、それから現在賃金ベースが六千三百円になりましたが、負担を計算してみますと、この程度でございますれば、勤労階級に相当苦しいには違いありませんが、この際として何とかしんぼう願えるのではないかということを考えまして、今回は改正いたさないということに考えておる次第でございます。ただ將來の問題といたしましては、さらに税制全般の問題といたしまして、よく研究すべき問題の一つであろうと考えておる次第でございます。
○中原委員 この際勤労者の……。
○上林山委員長 ちよつと中原君にお諮りいたしますが、本会議の関係で大藏大臣は主管大臣のために出席されたわけであります。ほかの閣僚に質問がありますれば、そういうふうにお願いしたいと思います。そうでなければ、適当な機会にまた許可いたしたいと思います。
○中原委員 それでは保留しておきます。
○上林山委員長 それでは多少順序が変更にもなりますけれども、農林大臣に中曽根君が発言を求められておりますから、中曽根君に許可いたします。
○中曽根委員 農林大臣にお尋ねいたしますことは、先ほど前の方がちよつと質問した詳細な点でありますが、経済九原則の中に、御承知のように、最後のところで「食糧供出計画の能率を向上する」こういうことがございます。農林省においては、聞くところによりますと、最近多分二十七日ごろだそうでありますが、知事会議を開いて來年度の事前割当をやることになつておるそうであります。そうしますと、農林省において來年度の供出に関する具体的な計画がすでに成立しておるものと私は考えるのでありますが、この際にこの新しい九原則に基いて、今までの供出割当というものをいかに是正するか、いかにマ元帥の、あるいは米國の趣旨に沿うように訂正するか。おそらく生産者にとつてはもつときびしいものになるだろうと思うのであります。今まで食糧増産臨時措置法でありましたか、あれにあるような、つまり保有をある程度認めて、それに対して超過供出をやる。これが是正されるのではないかということを、われわれ及び農村の人は非常に心配しております。おそらく水増しの大きなものを割当てられて、爾後これが削減されて行くのではないか。あるいはまたそうでなくて、今までのものを割当てられて、追加供出を強制的にやらされるのではないか。こういうような危惧を非常に持つております。そこで來年度の供出割当に関する具体的なものをこの際お伺いいたしたい。
○周東國務大臣 來年度の米、麦等の事前生産割当並びに供出割当等に関しましては、目下案を練りつつある最中であります。大体中央農業調整委員等の意見を聞き、また地方における作報等の意見を聞きつつ、一應の案を練りつつありますが、何を申しましても、今御指摘のように、今度初めての食糧増産臨時措置法によつてこれを措置するわけでございますので、その間にいろいろと問題があります。目下私ども農林省だけでなく、それぞれ各方面とも折衝いたしている最中でありますので、まだお話を申し上げる時期ではないと思います。御指摘のように、あまり地方とか、あるいは面積とかいう問題について過当な割当が起らぬように、また肥料、農機具、農藥等の生産計画に即應せざる生産割当というようなことのないように、こういう点については今事務当局に対して善処を要求しておりますが、一番問題になります事前生産割当について、今度は法律によつて割当てたものが、凶作等の場合において異議の申立てで減額するという方面だけでありまして、多くの場合減額ばかりになるということで、御心配のような追加割当が行われやせぬかというようなことについての御心配もありますので、それらの点について今愼重に折衝している最中であります。
○上林山委員長 本会議で採決がありますので、それをお含みの上で、一点だけにしてください。
○中曽根委員 まだ具体的におきまりでないようなお話でありますが、しかし二十七日に知事会議をおやりになるからには、すでにもうきまつておらなければならないと思います。 そこで一つだけお伺いいたしますが、しからば來年度の供出割当量は、今年度割当てられたものよりも多くなるか、あるいは同じくらいであるか、あるいは少いか。その数量がおわかりになつておりましたら、それをお伺いいたしたいと思います。
○周東國務大臣 お答えいたします。その点が一番重要な点で、二つの方向に向いておりますから、もう少しお待ち願います。
○上林山委員長 では本会議の都合で、十分間休憩いたします。 午後五時二十八分休憩 ————◇————— 午後五時四十二分開議
○上林山委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 この際林大作君の発言を許します。
○林(大)委員 私は大藏大臣にお尋ねをいたします。今度の九原則によつて日本の経済が強力に再整備をされまして、一本為替をなるべく早くつくらなければならないということが要請をされておるのでありますが、一本為替の影響などについては前にずいぶん議論がありましたから、私はこれを省きます。ただここでお伺いいたしたいのは、一本為替については、当然これは、特にアメリカからの為替の準備資金と申しますか、平衡資金と申しますか、こうしたものが相当予想されなければ実行できないと思うのであります。ですからアメリカからの為替安定のためのクレジットについて、どのような話合いが進みつつあるかということをお尋ねいたしたいのであります。
○大屋國務大臣 しよせん、一本為替を制定いたす準備としては、昨日の九原則の内容に盛られた諸政策をがつちり行うことが必要であると同時に、ただいま林君の仰せられたような、ある種のフアンドを必要とする情勢が考えられるのでありますが、目下のところそのフアンドの導入に関しましては、何らの考慮をいたしておらないのでございます。
○林(大)委員 向う側から與えられるのを待つのでなくて、日本が自立して行くための一本為替であるならば、これこれだけのものはもらわなければならないという大藏大臣としての腹案がおありになると私は思うのであります。その腹案をお伺いいたしたいのであります。
○大屋國務大臣 それはただいま申し上げました通り、一本為替の準備としては、いろいろな國内産業の調整、振興ということ、あなたのおつしやること、いずれも大切なのでありますが、ただいまのところは、まだこちらから要請をいたすということもいたしておらぬのであります。
○林(大)委員 それでは次に、一本為替のための國内的の平衡資金的な準備としては、産金事業に対する対策が当然考えられるであらうと思いますが、現在における日本の金の生産状態、並びにこれに対する一本為替とからみ合せての金の産額についてのお見通しなどを承りたいのであります。
○大屋國務大臣 その産金政策に対しては、私ただいま十分存じておりませんので、はなはだ遺憾でありますが、答弁ができません。
○林(大)委員 重要なことでありまするから、これは明日の朝にでもぜひ御答弁を願いたいと思います。 次に一本為替になりますると、相当大幅に多数の輸出関係の産業が倒産いたし、もしくは配置轉換をしなければならぬという情勢が当然生ずるのでありますが、このつぶれて行く産業に対する政府の補償、その他救済の方法について、見通しをお伺いいたしたいのであります。
○大屋國務大臣 その点はあらゆる機会にしばしば申し上げております通り、為替のレートをどの辺できめるかという点に一つはかかつております。と同時に、またそれを設定いたしまする準備の時間、またその間にとられるもろもろの政策という点に至大の関係がある問題でありまして、政府といたしましては、なるべく出血を少くいたして行くような線に沿いまして、施策を考えて行きたいと思つておりまして、現在輸出振興の方式といたしまして、いろいろなことを実施いたしておるのもこれらの目的に沿うものであります。
○林(大)委員 今のお話を総合いたしますと、一本為替のための九原則に対しても、現在政府としてはクレジットのこともわからぬが、金のこともわからない。産業が倒れるが、救済の方法もまだよくわからぬ、まつたくこれ無為無策であつて、これから考えるのだというような印象を多分に受けるのであります。これははなはだ遺憾なことでありまして、現在の政府としては、もう九原則が出るまでには、相当な準備期間と背景があるわけでありますから、これは至急御立案になつてお示しになるのが当然であろうと、かように私は思うのであります。 最後にもう一つ。輸出を増進しなければならぬのでありますが、現在の輸出機構といたしましては、輸出の公團などがありまして、相当輸出のためまた輸入のために働いておりまするが、先日來この委員会における商工大臣としての御答弁から申しますると、何でも自由主義的な貿易態勢を確立して行くのであるというような点が非常に濃くうかがわれるのであります。ところが今度の九原則から申しましても、管理貿易を適当に運営して行くのだ。しかもその運営の仕方を相当強度に計画的にやつて行くのだというようなことが載つておるのであります。そうすると現在の日本の輸出業者におきましても、苦情が起りましたり、もしくは対外の交渉などにおきましてまことに弱いのであつて、だれもがこれを守つておらないのであります。まして商工大臣がお述べになりますように、自由貿易にこれをどんどん移して行くといたしますと、日本の貿易業者並びに貿易生産業者というものは、非常に弱いままに世界の荒波の中に押出されて行くという形に相なりまして、とうてい日本の輸出貿易は守られないところの、かあいそうな、粉みじんのものになることは明らかであるのであります。これを何らかの形においてわれわれは守つて、そうして日本の貿易態勢が今の九原則に書いてありますように、管理態勢がはつきりして行く、ないしは運営態勢を確立して行くという点が、非常に將來必要になつて來ると私は思うのであります。その点について、いたずらに自由貿易の促進というような自由主義的、資本主義的な一本調子で相かわらずこれをおやりになろうというのであるか、それとも九原則に照して、ここで新しい態勢をお立てかえになるつもりであるか、この点をひとつ忌憚のないところを詳しく承りたいと思うのであります。
○大屋國務大臣 林君御承知の通り、現在管理貿易と自由貿易は大体半々になつておるのでありますが、特に昨日の九原則の中にも、輸出を強力に推進するという項目が載つておりますので、これから先の輸出政策といたしましては、いわゆる輸出の手続方面の不備があり、かつ現在の状態を改正する必要がありますれば、いわゆる輸出増進の目標に向いまして、それに適應した方式をとると同時に、國内産業の基本的の基礎を健全にいたすというような二つの方式を考えまして、ただいたずらに一本調子で、林君のおつしやる自由貿易主義的なステップのみを強調しようという考えは私は毛頭ないのであります。要はいかにせば最も日本の輸出を有利に、強力に振興できるかという目標に向つて、百般の政策を考えて行きたいと、さように考えておるのであります。
○林(大)委員 最後の一点。今の議論の中心は何であるかと申しますと、いわゆる貿易を計画貿易でやつて行くか、自由貿易でやつて行くかという点でありまして、大臣の御答弁ですと、非常にその点があいまいであつて、九原則の示すごとく、またわれわれが年來唱えておりますような、一つの大きな計画に基いた貿易——これは機構におきましても、品種におきましても、数量におきましても同じでありますが、そうした計画経済の一端としての計画貿易を、しかとここでお考え直しになるかどうかという点を私は確かめておるのであります。
○大屋國務大臣 計画貿易とか、あるいは自由貿易ということは、そのときの情勢に從いまして、また時間の観念が必要なのでありまして、私は考え方といたしましては、いわゆる輸出を強力に推進いたしまするためには、現段階においてどういう方式が一番有力で、かつ利益であるかという点に中心を置いて行きたいと思います。從いましてその方式といたしまして、現在は管理貿易と自由貿易がフィフティー・フィフティーになつておりますが、將來に向いましては、管理をすべき方面には管理を嚴重にやりますと同時に、また民間のいわゆる自由なる貿易の面におきまする利益も十分に取入れまして、両々相まつて時宜に即した方式でやつて行きたいと考えております。
○上林山委員長 竹谷源太郎君、この際大藏大臣にお願いいたします。
○竹谷委員 私は総理に質問があるのでありまするが、まだ見えないので、これはひとつ大藏大臣なり、その他適当の國務大臣から御明答をお願いいたしたい。 昭和二十三年度の補正予算第一号を第三國会においてわれわれは審議を始めたのでありまするが、引続き第四國会にこの同じ内容のものが第二号として提案になつておる。これに対しまして二、三週間にわたつてわれわれは愼重審議をいたしたのでありまするが、この補正予算の最も根幹をなすところの新給與ベースを、その後突如として政府はかえるところの修正を申し出て來まして、全然この予算の実体内容がかわつて來たのであります。この情勢にかんがみまして、われわれ野党八派は去る十六日に大藏大臣に対しまして、この補正予算を至急に組みかえて再提出をすることを要請いたしたのであります。しかるにわれわれはその後、第三号補正予算の提出せられたのをまだ見ないのでありまして、一体この委員会としては、どの予算を審議をいたしてもらいたいのか。これに関する政府の所見を聞きたいのであります。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問は、今回の給與ベースの額をかえましたことは、すなわち二百六十二億円のわくの中で、いわゆるこの額の表示をかえたのでございました。その総額においてごうも異動がございません関係上、予算の修正はいたさない方針でございます。
○竹谷委員 そうしますと、予算の組みかえをしなくとも、この予算は、ただいま決定にはなつておりませんが、この野党修正の給與法案が通つても、予算執行上支障はない。從つて組みかえの必要はないという政府の見解であるかどうか。もう一度確めておきたいのであります。
○大屋國務大臣 仰せの通りでございます。
○竹谷委員 総額の二百六十二億は相違のないことは、われわれも認めるのでありまするが、しかしながら予算はそれぞれ部、款、項、目、節等にわたつて編成を見ているのである。総額において変更がないからといつて、ある部のものを他の部に持つて行つて使う、あるいはある款項のものを他の款項に持つて行つて使うということは、財政法上絶対に許されない。これでもつて政府は今後三月三十一日まで適正、公平、妥当にして適法なる予算の執行ができると確信しておるかどうか、これを伺いたいのであります。
○大屋國務大臣 ただいまの点は政府委員に答弁いたさせます。
○河野(一)政府委員 今回の給與改善費は、各省所管に給與特別措置費といたしまして一括計上いたしてあるのでありまして、各省所管の間において多少の調整を要するものがあるかも存じないのでありまするが、この程度のものでありまするならば、このまま実行し得る予定であります。從いまして予算の修正を要するがごときことは、まずあるまいと考えております。
○竹谷委員 まずあるまいという、きわめて不確実なあいまいな答弁で、一体それで確実に執行ができるという政府——これは政府委員ではなく大藏大臣にお尋ねをしたいのであるが、適当適法なる執行ができるかどうか、重ねてお尋ねいたします。
○大屋國務大臣 ただいま政府委員のお答えいたしました点は、各省間の個別の点に関しまして、もしも多少の相違が起るような場合がございましたならば、年度末、すなわち三月中旬ごろにおいて、これを修正いたす考えでございますので、今回においては修正を必要としないのであります。
○竹谷委員 今大藏大臣からきわめて奇怪なる答弁を聞く。初めから三月中旬ごろに修正をしなければならないようなあやふやな予算を提出して組みかえもしないとは、政府として重大な責任であり、めちやくちやな國務の執行であると思います。大体今政府委員が言うところによると、まずまずどうにか同じ省内においては、行政共通費のうちの諸支出金というところに、給與特別措置費としてまとめてあるから、局とか廳とかの間で適当に流用し合うことができると言うておる。 あるいはその間におけるやりくりはできるかもしれません。しかしながら、たとえばここに例をとつても、裁判所のごときは判事、檢事には相当高俸の者がおる。反面において厚生省のごときは、たとえば保健事務に從事しておるような、二十歳前の公務員もたくさんある。そういうものは総体として平均給は非常に低い。ことに厚生省にはそういう女の若い職員が四六%おるということでありますが、今回政府原案が政府によつてまた修正せられた。その修正の比率を見ますと、非常にはなはだしいのであつて、たとえば今度二千四百円になつた一番下の一級一号の給與は、最初の政府の原案に対して四〇%増になつておる。四級一号では三二%増である。ところが十二級一号になりますと二三・五%というように増加率が低い。しかるに最初出した政府の原案は、大体三千九百七十円ベースに対する三割見当の一率の増額でありますから、裁判所の費用等においてはふえ方が多くなる。これに反して今度は、われわれ野党の修正案によつて下の方に非常に厚くなつたので、現業廳等においては非常な増額を要する。そうすると裁判所は非常にたくさんの人件費が余るが、現業廳等においては非常なる人件費の不足を來すことはきわめて明瞭である。同じ省内であんばいができればいいが、他の省になると、このあんばいは予算の形式から行つて流用は許されない。絶対に非常な多額の過不足を生ずることは明瞭である。これを放任しておいて、三月になつたら適当に改めるというような無定見な、でたらめな、すぐに変更しなければならないような予算を組みかえずに、われわれに審議せよということは不法きわまる話である。こうした予算に対しては、われわれはまじめな態度で審議はできない。現業員の諸君はこの予算では猛烈な不足を來すことは明らかにわかつておる。一面において政府は九十七億という人件費の節約をこの予算において見積つておる。そうした官廳においては非常に節約され、今でも支拂いに困つておるのに、その上今度の給與の改善における増額分によつて、非常な予算の不足を來すことは明瞭である。こうした点について、政府は一体一年間の歳入歳出の確実なる見通しをつけて、われわれの審議のための予算を提供しなければならぬのに、それを初めから組みかえなければならぬ、修正をしなければならぬ予算、しかも現業廳の生活に困つておる人たちの給與費が、明らかに非常な不足を來すという現状をこのままにして予算を出すという、不誠意きわまる態度については、われわれは断固として反対せざるを得ないのであります。 予算を組みかえなければならない理由はこればかりではない。たとえば今國会を通過せんといたしておるところの新しい野党共同の修正案によりますと、十二月から來年三月までの四箇月における標準賃金の総額は二万三千二十二円という計算に相なります。すなわち十二月は六千三百七円、一月は五千二百四円、二月も同じく五千二百四円、三月に至つて六千三百七円、この合計が二万三千二十二円であります。しかるに政府案の方の計算によると、十二月は六千三百七円、一月において五千五十円、二月に五千五十円、三月に六千三百七円、この合計が二万二千七百十四円ということに相なりまするので、野党案に比べて十二月から三月に至る四箇月間の官公職員の收入は、一人当り三百八円少い。野党案の方が三百八円多い。これは計算上明瞭であります。さらに三百八円に対して官公職員の総人数三百万をかけますと九億円という金になります。これだけで少くとも予算の不足を來すことは明瞭である。はね返りはありますけれども、そのはね返りは歳入の方に計上すべきであつて、歳出としてはやはり九億円計上しなければならない。なおまたただいま石炭なり電産なり、あるいは海員なり、繊維、非鉄、金属、そういう重要基礎産業がそれぞれ賃上問題からストに入りつつあり、またストに突入せんとしている重大な情勢であります。こうしたものに対する予算もあとでよく詳細を聞きたいと思いまするが、現在のままではこれらのスト解決は困難な情勢にある。なおまたその他の問題についてもどうしても計上しなければならない予算がたくさん漏れておる。こういう予算は明らかにただちに修正を要する結果に相なるのでありまして、これに対しまして政府はいかなる責任を感ずるか。正しい組みかえをして、正しい的確な現在の見通しとして、まず三月三十一日までこれでやつて行けるという相当確信のある予算を提出する意思がないかどうか、これを承つておきたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの点は政府委員より詳細に御答弁申し上げます。
○河野(一)政府委員 人件費の見積りをいたします際には、その当時の現在人員及び予算定員を基礎として一應の積算をいたしますが、その後において政府職員の間に家族の異動があり、あるいは勤務條件の異動がありまして、多少かわることはやむを得ないところでございます。從來でも千八百円ベースを二千九百二十円ベースにし、さらにこれを三千七百九十一円ベースにいたしたのでありますが、從來の例に徹しましても、一應の積算をもつて処理しておりまして、後日に至りまして実績を見てこれを調整するというのが從來の例であります。その点から言いますると、今回の補正予算も同樣の例でありまして、私としてはほとんど異動を生じないと考えておるのであります。從つてこの予算について組みかえをいたすという必要はないものと考えております。
○竹谷委員 大臣はこれは三月には組みかえと同じような修正をしなければならないと言い、政府委員はさような組みかえの必要はないと言う。一体どちらがほんとうか明らかにしてもらいたい。
○大屋國務大臣 ただいま政府委員の御答弁申し上げました通り、從來の低いベースから高いベースに上げますときにおいても、最終の階段におきましては多少の補正をいたすというのが、いわゆる予算補正の技術上の恒例になつておりますので、それと今回の問題は相ひとしきものであるということを申し上げたにすぎないのであります。
○竹谷委員 予算編成に関する從來の慣例は私もよく承知しております。予算編成の経驗も持つておりますが、今度の場合は政府委員が今言つたような場合と全然違う。初めからもう明瞭に調整を要するどころの騒ぎじやない。絶対足らないことは明瞭であります。一方には非常な過剩が起るということが明瞭であるにかかわらず、從來の論法と同じような行政措置でできるがごとき、またあとの調整で事足りるがごとき答弁は奇怪千万であります。絶対さようなことは許されない。必ずこれはもう今に補正予算を出してわれわれが主張するところのものを、そのままやはり議会に提案をしなければならぬことは必至であると思うのであつて、この無責任なる政府の態度につきましてはまことに遺憾にたえない。三百万の官公職員は一体今度の三月三十一日までの自分らの給與がどうなるかということを非常な危惧をもつて、特にこの反動的な吉田内閣の今後の施策についても非常な不安を感じ、國家公務員法によつて、またマ書簡によつて、官吏の公共性にかんがみまして、権利に対する相当の制限を與えられる反面、これが生活を保障し、官公職員としての十分の能率を上げるような、そういう保護をしなければならぬ政府の責任を果しておらないものと断言せざるを得ないのであります。 次に続いて大藏大臣に質問をいたしますが、そうなりますと、一体われわれがかかる主張したように、明らかにそれぞれの費目その他において不足を來すものが相当あるので、そういうときにおいて予備費というものが相当多額にあれば、それでまかないがある程度つくと思うのであるが、当初予算においては二十億の予備費を見ておるようである。議会の追加予算は四十五億合せて六十五億ありますが、今回提案されておる予備費四十五億というものは、そのうちの二十五億が新刑事訴訟法の施行に伴う必要経費であり、他の二十億はほとんど確定の支出を要する経費であるということになると、一体この六十五億のうち、今後自由に緊急事態に対処して支出し得る予備費は幾ら残つておるか、これは政府委員でもいいから御答弁願いたいのであります。
○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。今回の補正予算に四十五億の予備費が計上してあるのでありますが、これはいわゆる雜件と申すものを一括して予備費としてあるわけであります。本來の当初予算にあります予備費は二十億あるのでありますが、そのうち現在までの使い残りが約十一億ほどあります。
○竹谷委員 これはまた総理大臣に聞かないといけないのでありますが、もしかわつて責任のある答弁をなし得る國務大臣があれば、かわつて答弁をしてもらいたい。吉田内閣は成立早々からばかの一つ覚えみたいに解散を呼号しておるのでありますが、この解散に要する経費というものが今回の追加予算に一文もどこにも見当らない。全國選挙管理委員会の言うところによると、この選挙事務費——衆議院議員選挙事務費、それから新しい公営選挙法によるところの選挙公営の費用、その上に最高裁判所の裁判官を國民投票に付する國民投票の経費は二十億以上を要するということである。一体この経費はどこに計上せられ、また一体いずこから支出してこの画期的な選挙を適正に、公正に行うつもりであるか、それを伺つておきたいのであります。
○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。解散の場合における総選挙の経費は本來の本予算に載つております予備費の中から、すなわち十一億残つておりますその中から支出する予定であります。
○竹谷委員 選挙管理委員会は二十一億の選挙に要する経費が必要である、こういうことを言つておる。その半分しか予備費が残つておらぬ。さようなことでは画期的な選挙の公営というものもはなはだ不十分であつて、金のかからない、政界を粛正するという非常に大きな目標でできました政治資金規正法なり、あるいは選挙運動等の臨時特例に関する法律、そういうものが正しく行われない。また日本で初めて行われる裁判官の國民投票、こういうものもきわめて不完全な状態になることを心配する。一体政府はかような少い費用でこれらの選挙並びに國民投票が所期の目的を達成し得るかどうか、それに確信があるかどうか、それを國務大臣から承りたい。
○大屋國務大臣 ただいまの点は選挙にはさまで多額の費用を要しませんので、在來の例から申しますると、ただいま政府委員が答弁された額で十分だと信じておる次第でございます。
○竹谷委員 なおこの選挙について私非常に心配にたえないのは、年末年始がちようど選挙運動期間の中にとつぷり入つてしまう、そうなりますると、全國の選挙管理委員会はもちろんのこと、都道府縣市町村のこの一万数千に上る選挙管理委員会には專任職員というものは一人か二人であろうと思う。そうしまするとどうしてもたくさんの事務職員を嘱託するか、あるいは雇わなければならない、市町村等においては役場の吏員にこれはやつてもらうほかないだろうと思う。ところが薄給でもつて年柄年中追いまわされておる役場の吏員が、この一年一度の年末年始にすべてを放棄して、眞劍にこの選挙の應援をしてくれるかどうか、この点非常に不安なきを得ないのであつて、この情勢において全國選挙管理委員会が必要とする経費の半分しか國庫は支出しない、それからまた選挙事務に携わる者が適当に得られないということでありましたならば、人的並びに物的関係から、ますますこの選挙がうまく行くかどうか危惧にたえないのであります。なお二十億以上の金がいるのに対して、十億しか國庫から支出しないということになれば、十一億だけはどうしても都道府縣なり市町村の費用から出さなければならない。一体新しい地方財政法によれば、國の事務はまるまる國政事務でめる場合には、全部國庫がこれを負担するという建前になつておる。衆議院議員の選挙並びに最高裁判所の裁判官の國民投票ということは、最も重大なる純然たる國政事務であるから、それは全額國庫で負担すべきものである。それを半額以上も地方に負担さすということになれば、そうでなくても非常に窮乏窮迫に陷つた地方財政を圧迫する結果になる。これらの三点から申しましても、この政府の選挙に対する不熱心なる態度、ただ解散のみ呼号して、選挙そのものに非常に不熱心であるという態度は、はなはだ奇怪千万である。これについて政府はかくのごとき費用及び人的要素をもつて——正しいりつぱな政界、官界、財界の覚醒をしなければならぬ、その意味においての解散である。それを看板にしておる吉田内閣である。また粛正を看板にしておる吉田内閣として、はなはだこの点は無責任な点であると思う。これについて眞に政府は、適正、公正なる、國民の要望するところの選挙を行い得る確信があるかどうか、明瞭に承つておきたいと思います。
○河野(一)政府委員 経費の関係につきまして御説明申し上げます。予算の折衝のことを申し上げるのもいかがと存ずるのでありますが、昨年新憲法の際における選挙の経費は約七千万円であります。その後におきまして物價も騰貴いたしましたし、それから裁判官の國民審査初め、その他選挙法の改正に基く新しい仕事がありますので、相当経費は増高するとは思われますが、二十億の選挙費ということになりますると、かりに候補者が千五百人ありましても、一人当り百三十万円程度の金がかかるということになりますので、これはいささかどうであろうかというような考え方で、目下選挙管理委員会と、選挙の費用につきまして折衝をいたしておるような次第であります。しかしながら、竹谷委員の仰せられまする通り、この経費は当然國家で持つものでありますので、これがために地方團体が特別な負担をすることがないように、十分留意して参りたいと思つております。
○竹谷委員 方向をかえてちよつとお伺いしますが、價格調整費の中に、予備費として五十九億円計上せられてあります。その内訳については、二十五億円が石炭関係、九億円が電産関係、こういう答弁があつたのでありまするが、他の二十五億の使い道が、大体内定しておるやに承つておる。ほとんど残りもないということでありまするが、その内容を承りたいのであります。
○大屋國務大臣 ただいまの点は、價格調整の補助金として計上いたしておりまするが、その内容は何が幾ら、何が幾らということは、きめておらないのであります。
○竹谷委員 何が何であるか、きまらない。ただ漠然として五十九億円の、國民の膏血をしぼつた大金を、ただ目的なしに漠然ととつておくというようなことは許さない。 これは全体の予備費というものがあつて、その中に必要経費は議会の議決によつて認められるのであつて、それを單に價格調整金のわく内で、かつてに予備費なんていう名前をつけて、そうして使途の明瞭でないものを計上することは、はなはだもつてのほかであります。さようなことはないと思います。そういうことを隠さないで、わかつておるはずだから、ひとつ明瞭にここで打明けてもらいたい。
○大屋國務大臣 ただいまの点は、いわゆる三原則なるものがございまして、價格調整をいたしまする際に、この三原則を必ず遵守しなければならぬという一面がございます。しかしながら政府は、現在行われておりまする重要産業の賃上げの解決に対しましては、價格調整を必要とするものがあることを予想いたしまして、予備金を計上いたしたのでありまするが、何が幾ら、何が幾らということは、これは申さないことになつておりまするから、もし何でしたらば、祕密会であれば申し上げます。
○竹谷委員 それでは祕密会でお話し願います。これがわからぬと、質問の継続ができません。
○大屋國務大臣 ただいまの答弁を取消しまして、祕密会でも申し上げない方がいいと思つておりまするが……。
○竹谷委員 今祕密会でも言えないとは、奇怪なことを聞きますが、五十九億のうち二十五億は石炭である。そうして九億は電産関係だと聞いておる。それを祕密だの、言えないの、そういう無責任な答弁は、われわれの予算の審議を妨害するものである。これがわからなければ、予算の審議はできない。
○大屋國務大臣 それでは再び取消しまして、祕密会で発表いたしましよう。
○上林山委員長 この問題は適当な時期に祕密会を開いて発表いたさせますから、御了解を願いたいと思います。
○竹谷委員 この予備費の問題は、この内容が、たとい祕密会であつても、わからなければ、この予算全体の審議が不可能であります。ことに今起りつつある重大なる重要産業のストの解決のために、これは最も根本的な——この新給與費と相並んで重要な事項であります。これはただちに祕密会に入つて、明示せられんことを要求します。
○大屋國務大臣 重ねて申し上げますが、四十五億は公開の——オープンの性質のものであります。それから今の、あなたが五十九億とおつしやつたが、それは間違いで、價格調整費は四十億です。その四十億を祕密会で申し上げる、さように申し上げます。
○大屋國務大臣 五十九億だそうです。
○上林山委員長 今答えたのわかりましたか。
○上林山委員長 それでは、もう一ぺん再答弁願います。
○大屋國務大臣 四十五億はオープンで、五十九億がシークレットであります。
○竹谷委員 そのシークレットを明瞭にしてもらいたい。
○上林山委員長 それでは祕密懇談会を開催いたしますから、議員以外の方の退場を願います。
○上林山委員長 祕密懇談会を公開します。竹谷源太郎君。
○竹谷委員 ただいま祕密会において、石炭、電産等の爭議問題が論議せられたのでありますが、これはいずれも重大な結果を招來するおそれが多分にあります。石炭爭議は第四次スト計画中であります。また電産は全面的な電源停電ストを指令するというようなことで、かような重大産業がこの状態では、日本再建のために非常な支障もあり、また年末を控えて労働者の生活苦のほども察せられるのでありますがこれに対する政府の対策を伺いたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいま御心配の点は私も同感でありまして、石炭にいたしましても、電産にいたしましても、それから非鉄金属、線紡績、羊毛、これらの爭議は近々のうちに解決の自信を持つておることを申し上げておきます。
○竹谷委員 解決の自信だけはあつて、ちつとも解決されないことになることを非常に恐れるのでありますが、解決につきましては、先ほどお話のあつた價格調整費の中からの二十四億及び九億というようなものではなかなか妥結に行くことは困難ではないかと見通しせられるのであります。これにつきましては、予備費もあることでありますから、十分それらを勘案し、また今の能率問題等について適切妥当なる解決をして、早急にこの産業平和を回復せられんことを切望してやまない。政府の熱意が足りたいため、業者も労働組合も非常な勢いでこの解決を望んでおるのでありますが、労働運動に臨んでの吉田内閣は非常に手ぬかりばかり続けておる。これがまた産業に同樣な事態を起しておる。單に言葉の上の答弁ではなしに、眞にこの予算審議が終了する前にも、解決をするようにひとつ努力する責任があると思うのであります。なお纎維関係でありまするが、これは御承知のように非常に若い、將來有望の青少年の労働者を使つておる。この人数も二十万にも上るのであります。しかしながらこれは非常な低賃金でありまして、そうしてこの労働酷使の結果が、貿易資金等においては他の不利益な損害の多い産業のために犠牲となつておる状況である。こういう状況にかんがみましても、この綿紡、羊毛、麻等につきまして、政府はいかような解決策を考えておるか、御参考のために聞きたいのであります。
○大屋國務大臣 それはごく近いうちに解決をいたします。
○竹谷委員 近いうちに解決という言葉でありまするが、いつのことであるか、また解決の具体的方策をぜひここで承つておかなければならない。
○大屋國務大臣 それは竹谷君も御承知の通り、組合と業者の話合いでありますので、私が近いうちに確信を持つておるということを御信用願いたいと思う。相手のある仕事で、あすとか、あさつてとかいうことは、申し上げるとかえつてものが間違うことになりまするので、もうほんの近いうちに私は妥結の確信を持つておる次第であります。
○竹谷委員 この問題を解決するには政府の異常なる熱意が必要であります。これがためには金の上の問題につきましても、先ほど問題のありました價格調整費の操作、あるいは金融措置、その他適切な具体的な方策が必要である。まず企業が賃金を拂えない状況である点からして、これを金融で行くのか、あるいは價格調整費等の國庫からの助成で行くのであるか。それだけでもひとつ答えておいていただきたい。
○大屋國務大臣 ただいまの綿紡、化纎はすでに解決いたしましたが、麻、羊毛はこれは企業者の努力と政府の補助、この二つで解決しなければならぬと思つております。
○竹谷委員 なお運輸大臣に同樣の問題について伺いたいのでありますが、海員のストの状況はその後いかがであるか、また船舶運営会の陸上勤務者の動向はいかがであるか、ストライキ等の危險はないか。またいかなる運営会との交渉が行われつつあり、また政府がこれに対していかなる手を打つておるか状況を承りたいのであります。
○小澤國務大臣 お答えします。船員のストライキは大分長く続きましたが、皆さんの御協力によりまして、昨日仮調停をし、本日円満に解決がついております。なお陸上勤労者については何とか考慮しなければならないと思いまして、なるべく誠意を示しまして、ストライキの状況に入らないように、さつそく予算案でも通過しますれば、相当の手続きをふんでその解決に努めたいと思つております。
○竹谷委員 一昨日仮調停ができたと言われるが、その内容をお示し願いたいということが第一点。第二に陸上勤務者の問題の解決のための費用は、先ほど祕密会でお話のあつた價格調整費のうちの海員関係、そういう方面から出るように考慮されておるかどうか、それを承りたい。
○小澤國務大臣 逆に第二の方からお答え申しますが、陸運関係の費用はただいまお話の五億ではなくして、五億以外の金から何とか大藏当局と話合いをしてその費用に充てたいと考えております。——ただいま大藏省の政府委員から注意がありまして、私も失念しておりましたが、あの内容は祕密会で発表した内容でありますから、そのつもりで御発言を願いたいと思います。 次に解決事項でありますが御参考のためにここで朗読いたします。 覚 書 船舶運営会と全日本海員組合は左記條項を確認し、当面の爭議行為を解除する。 記 一、船舶運営会は船員中央労働委員会より十月二十三日提示された斡旋案に基く現行船員賃金平均三割相当額の六月より十二月に至る分を追加予算成立次第ただちに支拂う。 一、新賃金に関しては両当事者間において團体交渉を再開し、すみやかな実現に努める。 一、退職金制度に関しては船舶運営会は労務委員会の決議事項第十七号の実現に努める。 右申合せる。 以上のような條項で解決いたしました。
○竹谷委員 新賃金に関する將來の措置と、それに対して政府が今持つておる具体的対策を承りたい。これは必ずすぐ起る問題であります。
○小澤國務大臣 新賃金に関しては政府といたしましては、大体この辺が妥当だという考えは、すでに決定いたしておりまするけれども、いまだ交渉中のものでありまするから、この席上で公表することはいかがかと思いますので、適当の機会にまたこれを御発表いたしたいと思います。
○竹谷委員 先ほど海員スト関係に関係をいたしまして、陸上勤務者の問題でありますが、これが價格調整費の中には三千三百円ベースを三千七百九十円ベースにする予算案は出ておりますが、これを五千三百三十円にする経費がなく、これは新たに考慮されなければならぬ問題でありますが、この問題についても運輸大臣は承知の上で、これが財源の内容について早急に考えなければならぬと認められておるかどうかを伺いたい。
○小澤國務大臣 お答えいたします。政府で妥当と考えた金額だけは、やはりお考えのような方法でやらなければならないと思います。
○竹谷委員 大藏大臣並びに大藏政府委員等から聞きまして総体的に私の感じますることは、今回提出せられました補正予算第二号は、その内容が今までるる述べましたように至るところずさんであります。また明らかにただちに過不足の生ずるものを、そのまま將來すぐにも修正しなければならぬということを言明しつつ提出をしておる。こういうようなずさんきわまる予算でよろしいということになれば、今後予算の編成及び議会におけるこれが審議につきまして、非常な惡例になると思うのであります。かような予算の編成の仕方というものに対して、われわれ國会議員としては断じて承服することができない。將來もこれでいいと大藏当局は考えておるか。御明答をお願いしたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問にお答えいたします。何分今回は急速にやりました関係上、多大の御不満もあろうと思うのでありまするが、その点は何とぞ御了承を願いたいと思つております。
○竹谷委員 断じてその点は了承できないのであります。かようなずさんな予算の結果、すぐにまた補正を要する事態が私は起るだろうと思う。そうなりますと、今から予見されておる必要に基く予算の編成がえをしなければならぬ。これを怠慢にするということは、結局議会解散中に緊急集会に持つて行こうとする意図がある。こう断ぜざるを得ない。明らかにこの点は政府の謀略であるとわれわれは断ぜざるを得ない。今後解散せられ、そうして選挙期日の告示があり、そうして選挙期日後議員が当選の確定をして、議会が再び召集されるまでに相当の期間がある。この間に緊急集会の必要が生じたからと称して、憲法を濫用して、緊急集会の召集を求めるというようなことは明らかに憲法に対する違反であると私は思う。憲法に言うところの緊急の事態というものは、突発的な新しいやむを得ない事態をいうのであつて、今から予見し得る予算の不足あるいは補正修正というものが予見せられておるのに、かくのごときずさんな、でたらめな予算を出しておくということは、明らかに衆議院の発生の原因から見ましても、まず財政を檢討する、これを審議するというのが第一の目的として議院制度が生れたのを、衆議院の審議を回避して、参議院の決定によつて、最も重大なる財政を運用しようとする非立憲な態度に対して、われわれは断じて反対せざるを得ないのであります。この予算のずさんというものは、非常に取急いだので時間の余裕がなかつたなめに、ずさんであつたのではなくて、さような意図を含んでいたところの、緊急集会を暗に予定する不法なる憲法違反の予算の編成である。われわれはこれに対して断じて承服ができないのでありますが、これに対して政府はさような考えはない、絶対に緊急集会なんかに持つて行かぬ、今予見されるようなものはない、そういうふうにお考えになるかどうか、伺つておきたいのであります。
○大屋國務大臣 ただいまの点は、竹谷君の独断であると私は思います。政府におきましては、本予算をもつてさしつかえないと考えております。のみならず予見せられる経費は全部織り込んでおる次第であります。
○竹谷委員 予見せられる経費が織り込んでないことは明瞭である。三月になつたらこの給與予算の修正をしなければならぬことは、大藏大臣の言明なさつておることとまるであべこべである。どつちがほうとうか。
○大屋國務大臣 いわゆる賃金の引上げの過程を含みまする予算におきましては、年度のしまいにおきましてさまつの調節をいたすことは、予算技術のだれも存じておる通念であるということを先ほど申し上げましたが、そういうことを申し上げたので、今から修正を予見しておるというような意味で申し上げたのではないのであります。
○竹谷委員 何べん同じことを私ども問答してもしようがありませんが、お聞きになる皆さんは、政府のいかに責任回避の答弁であるかということがわかると思います。この問題はきわめて明瞭である。修正が当然必要であることを認めて、しかし予見せられるものは全部計上した、まるであべこべな矛盾した答弁。われわれは政府の正しい、まじめな誠意ある態度と理解することができない。 時間が足りないので次に移りますが、年末に御承知の昭和二十三年中の所得税の年末調整をしなければならぬ。これが十二月に非常な過重となつて現われて、せつかく六千三百七円ベースになりましても、官公職員の手取りはきわめて少い。こういう状況でありまするが、これに対しましては、十二月、一月、二月の三箇月に分割拂いを認める、こういう処置をとることがぜひ必要である。そうでなければ年が越せぬ官公職員の生活状態であります。これに対しまして、さような行政措置をとる意思があるかどうか、伺つておきたいのであります。
○平田(敬)政府委員 給與につきましては、毎月源泉課税をいたしておりますのに対しまして、一年間の所得をすべて計算し、一年間の正しい税率と正しい控除を計算いたしまして、年末に精算をいたすことは御承知の通りでございます。これがあります理由も、あまり多く申し上げる必要はないと思いますが、実際問題といたしまして、臨時手当を多く出しておるところと定期的に出しておるところとは、非常に調整する額が違つて参ります。あくまでも所得税の建前は、一年間を通じまして、公平な負担をするということが本旨でありまして、これはひとり勤労所得者のみならず、営業所得、工業所得、その他の申告所得税全般に通じまして、年税といたしまして正しい負担をさせる。こういう趣旨にできておりますので、年末調整をやめることはなかなか困難でございます。從いまして年末調整といたしましては、やはり税の原則に從いましてやるのが正しいし、またやらざるを得ないと考えております。ただ今回は実際問題といたしまして、非常に早急に支給する必要があろうかと考えております。從いましてもしも給與等につきまして、概算で早急に支給することになりますれば、年末調整につきましても概算でいたしまして、從つて内輪目になるかと思いまして、不足の分は一月中に調整いたしまして精算をする、かようなことによりまして、税法を正しく運用して参りたいと考えておる次第であります。
○竹谷委員 税法の正しい運用についてはわれわれも賛成いたしますが、とにかく早急に支給する必要上、当然概算拂いということに相なる。それなら一、二月に繰延べて調整するよりしかたがない。こういうことにわれわれは理解いたします。 次にわが党において調査の結果、七月以降官公職員の生活費は赤字を出しておる。こういう状況でありまして、これがたまりたまつた借金というものは、相当大きなものになつておる。こういう状況でありまして、この年末にあたつてこの官公職員の窮迫した状況を、何とか緩和する適当な措置を講ぜられんことを、われわれは野党各派連合して政府に申入れをしてあるのであります。これに対しまして、政府はきわめて親切な親心をもつて、この官公職員の年越しについて、十分に配慮をする御用意があるかどうか、これを承つておきたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの点に対しましては、遺憾ながら財源がないので、野党の申入れに沿うことができないのを残念に思います。なおさようなこともありますので、それを考慮いたしまして、十二月分に繰上げて支給をいたす方式をとつたのでございます。
○竹谷委員 財源がないというお話でありまするが、しかしながらいろいろな共済組合費の操作、あるいは金融その他それぞれの官廳等におきまして、眞に親心をもつて政府が考えますならば、この官公職員の窮状というものは、相当打開し得る、解決し得る方法があろうかと思います。これは野党の申し入れだからはねるということでなしに、眞に三百万政府使用人の生活を安定せしめ、眞に公務員の能率を向上せしめるように、ぜひまじめな態度で、親切な御配慮をお願いいたしたいと思うのであります。 次に商工大臣に伺つておきますが、衣料切符の問題である。これは今ある縣で発給された衣料切符では、他の縣では買えないということになつております。これは地元の業者に対して相当商権というものを保護してやる必要上、ある程度これはやむを得ないことですが、全部その縣で使わなければならぬということになりますと、たとえばわれわれのごとく、ほとんど年柄年中東京にいる者は、東京でハンカチ一枚買いたい、電車の中で落したから手ぬぐいを一本買いたいと思つても、手に入れることができません。非常に実際上の不便がある。それにもかかわらず、地方によつては纎維統制会社というか、いわゆる商工省の指定卸屋というものが非常に横暴であつて、非常に粗惡な品物を少量しか出さない。そういうものがある。また能力がなくて、十分配給に必要な衣料をととのえることができないということで、各地で主婦たちは非常に困つておる。私は東北地方の者でありますが、聞くところによると、東北地方には東北纎維会社という一つの卸会社が指定されておる。ところがこれは社長以下、纎維事件でひつぱられておる。まるで集荷能力がない。從つてわれわれは、仙台にありましては、ほとんど品物が手に入らない、入るとすれば、五つの子供に着せたいシヤツが、十の子供にしか合わない。たびも同樣、縫糸も同樣、そういう始末で非常に困却しておる。ところでそういう状況に対して、今度は緑屋とかなんとかいう、新橋あたりの業者らしいものを卸業者に指定して、これがまた例によつて粗惡な品物を流す。こういう状況である。これに対して、政府はその指定卸業者というものを独占的にしないで、企業の民主化の見地から、適当なる多数の業者に指定卸屋というものを許す。また衣料切符の半分は各縣でも使えるというようなことにするなり、適切な措置を講じてもらわなければならぬ。一部には、そうした業者に関しては、いろいろいまわしい風聞さえ乱れ飛んでおるのでありまして、商工省の纎維配給に対する監督上の責任も、われわれは問いたい。これに関する商工大臣の意見なり、將來の方針なりを伺いたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいま御指摘の二点はまことにごもつともな点でありまして、從來もしばしば論議されたところでありますが、その一点の切符の融通性を拡大するという問題につきましては、不便のある点は確かに事実であります。しかしまた一面におきまして、その府縣の商賣人の仕事があがつてしまうというようも関係もございます。半面欠点がありますが、これは御趣旨に從いましてただいまその研究をいたし、あるいは拡大できるならばいたそうかという方途をもちまして考慮いたしております。 また第二点の問題、いわゆる独占的のものが弊害をかもすということも、これもまことに御同感で、この点につきましてもひとつ十分考慮いたし、努力いたすことにいたします。
○竹谷委員 それでは大藏大臣と地方財政委員会委員長と岩本國務大臣にお伺いいたします。これも今度の補正予算の非常にずさんなる点を暴露しておるのでありますが、昨年地方職員給與改善のために五十数億の金を國家から貸付をした。一万一千の各都道府縣、市町村に貸付をした金額が五十三億かある。このうち十八億を本年度から償還することになつておる。あとの三十五億は明年度並びに明後年度に支拂つてよろしい、こういう契約であります。その二十四年度並びに二十五年度の三十五億を、全額この補正予算に計上してある。これは地方團体が、民事契約でありますから拂わないと言えばそれまでである。拂う義務はない。こういう三十五億円は、全部決算上一文も收入額は見られないというような危險がある貸付であります。しかもこれをもし徹底的に市町村、都道府縣に対して徴收をいたしますならば、地方團体の財政というものはどうにも收拾がつかなくなる。返し得る余力のある地方團体が返すのはよろしいが、おそらくそういう余力のある地方團体というものは、一つもないという状況ではないかと思う。これによつて生ずる國家の赤字、これは一昨日発表された指令九原則の第一項の確実なる眞に均衡のとれた予算を編成するという精神から言いましても、徴收し得ない、また償還の義務が市町村にないところの三十五億円を予算に計上して、これが眞に確実な財源であるということは、まつたくめちやくちやな話でありまして、これに対する責任を大藏大臣はいかに考えるか。また地方財政委員長の岩本國務大臣としましては、かくのごとき償還の義務のない三十五億、しかも償還の能力のない地方團体として、一体この金を返し得るとお考えになるか。返した結果は、地方財政にいかなるひびを來すか。この点につきまして、大藏大臣と岩本國務大臣の御答弁を承りたい。
○河野(一)政府委員 今回の補正予算に計上いたしました三十五億の問題でありますが、今回百一億程度の配付税が参ります関係もありまして、繰上げて償還いたしましても、地方財政としてはさしつかえないのではないか。契約上の義務とかいうようなことが言われたのでありますが、國と地方團体との間におきまして、お互いにもたれ合いの関係でありまして、そういう法律上の問題として取扱うべきものでないのではないかというふうに、私どもは考える次第であります。
○岩本國務大臣 竹谷君の御質問にお答え申し上げます。地方財政が今日相当窮乏にあることは事実でございますが、國の財政がそれ以上に窮乏だということで、繰上げ償還が見積られた。地方財政の側から言えば、そういうむりがないことを希望するのでありますが、今回百一億という配付税の増額もありましたので、これらによつて償還し得る府縣市町村がもしあるならば、非常に理想であると考えております。しこうして一度繰込んだのでありますから、正しく言う場合はこれを取上げる。そうして財源にするということを答えるほか道はないのでございますが、ただいま申し上げましたように、百一億の配付税の増額もあることであり、さらに地方財政の実態調査を御承知のようにただいま続けつつありますので、それらを見合せて完璧を期したい。かように考えておる次第であります。
○竹谷委員 ただいま岩本國務大臣の御説明でもわかるように、三十五億の地方貸付金の償還は相当怪しい。かような未確定の、多分入らぬであろうところの財源を、麗々しく三十五億も見積るということは健全財政、眞の均衡財政政策に合致するやいなや、大藏大臣の御答弁を承りたい。
○大屋國務大臣 ただいまの御指摘の点は、確実なる歳入と考えて計上いたした次第でありまして、從いまして赤字は生じないと考えている次第であります。
○竹谷委員 確実な歳入でないことは、今の岩本國務大臣の答弁で明瞭である。それを同じ政府部内で、さような不確実な財源を三十五億円も見積つたということは、実に閣内不統一であり、またこの九原則の一項であり、また経済十原則にも盛られているところのここ数年來日本の予算編成上守らなければならぬところの鉄則を、これは明らかにぶち破つている証拠であります。 次に地方公共團体の職員の給與の問題をお伺いしたい。これについても四十二億五千万円かの節約を見積つておる。しかしながら地方公共團体は國家予算と違いまして、大体定員というようなものがない。定員即実員である。從いまして四十二億五千万円というような、そういう厖大な節約を見積るということは明らかに從來支拂つたその給與をとりもどさなければならないというような事態を引起すのでありまして、これは予算委員会の初めの質問において、さようなことはいたさないということを明言しておる。この点については政府のその答弁を私は了承し、またさように信ずるのでありますが、今もその方針にはかわりがないかどうか、すなわちすでに支拂つた給與をすぐとりもどすなり、あるいは今後の給與の中からさつ引くなり、さようなことはいたさない、こういうふうな答弁があつたことと承知しておるのでありますが、その通りであるのかどうか、確かめておきたいのであります。
○大屋國務大臣 ただいまの点は、前に御説明申し上げた通りにお考えを願いたいのであります。
○川島委員 委員長、議事進行について……。ただいまお伺いするところによりますと、上林山委員長が議院運営委員会の席上の列席して、今から三十分ほど前でございますが、その当時における時間にして今後二時間以内に委員会が終了することになつている、こういうことを発言されたそうであります。この事柄はきわめて委員会の議事の進行に重大な関係を持つていることは言うまでもない。そこで委員長はそのことについて御承知であるかどうか。それをまずお伺いしたいのであります。
○苫米地(英)委員長代理 川島委員の議事進行のお言葉ごもつともに存じますが、今委員長を迎えに行つておりますから、帰りましてからその問題をお取上げ願いまして、大臣も今本会議が開かれると、本会議に呼ばれておりますので、大臣のおられる間にできるだけ進行いたしたいと思いますから、どうかさよう御了承を願いたいと思います。
○川島委員 本日の委員会開会前に理事会を開いたのであります。その席上に私も陪席いたしておつたのでありますが、この予算委員会の終了時刻については、その理事会の席上では明確にされておらないのであります。しかるに委員長が独断で理事会にも諮らずしてそのような言葉を発せられるということは、まことに不穏当だと私は思う。そこで委員長も間もなく見えるという話でありますが、時間も夕食の時刻が過ぎております。各委員においても相当空腹を感じておる時であろうと私は思うのであります。そこで委員長も見えるというのでありますから、この機会に一時休憩をせられまして、その休憩の時間にあらためて委員長から理事会をお開きになつて、今後の委員会の議事の審議について、さらに格段の御協議をさるべきが至当ではないか、かように思いますので、私は休憩されんことを望む動議を出したいと思います。
○苫米地(英)委員長代理 夕食時間であることは私も万々承知しておりますが、もうわずかの時間でありますから、夕食は交互に交替しておあがりくださいまして、質疑を継続いたしたいと存じます。
○苫米地(英)委員長代理 ただいま質問の残つておられる方は四人ですか。
○中原委員 私もまだ継続として残つております。
○苫米地(英)委員長代理 それでは八時まで休憩いたします。八時になりましたならば、質問をせられる方は間違いなくおいでください。大臣も定刻に出席を願います。集まつても集まらなくても開始いたします。 午後七時二十九分休憩 ————◇————— 午後八時十四分開議
○上林山委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 中原健次君に発言を許します。できるだけ簡潔にお願いいたします。
○中原委員 大藏大臣に先ほどの継続の質問をいたします。それは主税局長がかわつて答弁したところでありますが、勤労者の所得税について、ベースの引上げの線に沿うて免税点の引上げ、その他の考慮をなすべきであるという意味から質問したのに対して、局長は、一應そのことはもつともであるが、全般的な見合いを考えてやらなければならぬ、また考慮すべき機会があろうと考えている。こういう答弁でありました。そしてなお、当面苦しくはあるであろうが、何とかやつて行けるものであると考えているという言葉がつけ加えられたのでありますが、はたして大臣もそういうふうにお思いになつておられるかどうか。つまり五千三百三十円ベースを政府が一應考えて、遂に六千三百円に引上げなければならないもろもろの條件に押されて、本日先刻あのような決定がなされたのであります。しかしながらそれにもかかわらず、実質勤労者の手取りになる部分を考えますと、実はそれほど大きな開きが結果として生まれたわけではない。そうであつて見れば、勤労階級の生活、いわゆる生計費というものが。この決定されたベースによつて保障されておらないということは、その他の各計数によつても考えられるところであるわけであります。從つて生活の窮状にこたえなければならない実質的な條件として、給與の引上げをいたしまする場合には、当然その給與に対する課税についても、それに沿うた考慮をすべきものであるとわれわれは考えておる。しかるにかかわらず、その措置に出なくて、何とかやつて行けるというふうな見解を持たれるということは、勤労階級の生活に対するあまりに理解なき態度であつて、むしろそういう勤労階級の窮迫生活状態を予定して、すべての計画を立てられておるとさえ、われわれは言わなければならぬことになると思う。このようなことをかれこれ考えて参りますと、この際租税に対する軽減措置をどのような方法を講じても、とらなければならなかつたと思うのでありますが、これに対して大臣はどのようにお考えになつておりますか、重ねてお伺いいたします。
○大屋國務大臣 ただいま中原君の御質問の、今回の給與ベースで食えるか食えないかという問題は、なかなかむずかしい問題でございますが、さらにいわゆる所得税の軽減という点に対しましては、十分に考慮いたさねばならない問題だと考えております。しかるに今回はあの措置をいたしまするのに、はなはだ早急にやりました関係もございまして、今回は税率の軽減という措置に出でなかつたのでありますが、これは主税局長が先ほど申し上げました通り、かれこれ考えまして十分に御趣旨に沿う線に從いまして、適当の機会に考慮いたしたいと考えておる次第であります。
○中原委員 ただいまの租税の取扱いは、さきの三千七百九十一円ベースの場合に取上げられた措置だつたと思うのでありますが、そうであれば、さらにベースが引上げになつた、その引上げを見合いとして、これを早急に考えないで、適当なときにそのようなことを考えてもいいというような程度では、ほんとうに誠意ある態度とは受取ることができないのであります。実際勤労者の生活に対して、ほんとうに心からこれを理解することができておるならば、私は何はさておいても、最初にこの問題は考えられなければならなかつたと思う。またわれわれといたしましても、この問題に対して適切な解決の措置がなされなければ、このような歳入計画に対して賛成することがむずかしい。どのような意味においても、このことはまず最初にきめられるべきものであつたと思うのであります。しかも経済の再建方式がいろいろ考えられておるのでありますが、ほんとうに國の経済を再建して行く建前から考えてみても、一番最初に條件として取上げられるものは、やはり労働者が労働力を再生産し得るだけの條件を確保させて行く、それを條件づけなければ、活發な産業の再建態勢は整つて來ない。こういうことは否定しがたい必須の條件であると思うのでありますが、それにもかかわらず、それをそのままに放任しておいて、何とか適当な時期に考えるというような態度を持つておられるということは、とりもなおさず勤労階級に決定的な困窮状態を押し付けることによつて、その上に経済の再建を押し進めて行こうとする、そういう基本的な考え方があると見なければならぬ。それについてどのようにお考えになるか。
○大屋國務大臣 労働力を削減いたしまして、生産の高揚をしいるというような考えは毛頭ないのでありますが、今回は税率の軽減の措置に出ずるいとまがなかつたことを御了承願いまして、必ず適当の機会にこの問題を眞劍に考慮いたします。
○中原委員 実は問題は切実なのでありまして、もうすでに年末もすぐ迫り、正月を控えておる。從いましてその正月を迎えんとする勤労者にとつて、適当なときに考慮するというゆとりは、実はないのであります。ことに年末調整の問題もあつて、この年末の勤労者の手取りというものが一体幾らになるか、このことについても当局は十分に考慮しなければならないのであります。先ほど竹谷委員の質問に対しても、この年末調整の問題についていろいろ御答弁があつたようでありますが、その年末調整なるものが、勤労者の生活を脅かすことのないような状態においてそれを調整して行くという考慮が、その答弁の中には見受けられなかつたのみならず、ただいま申しますように、適当なときにおいてその措置をするというような、その場を糊塗するだけの態度をもつて、このような緊切な問題を過されたのではたいへんだ。このことは勤労階級に対する理解なき態度であるということを私たちが繰返すことが、あまりにも適切な批評になつて参るのであります。ここで私どもの思うことは、はなはだ陳腐な問題で、私は繰返すのがいやでありますけれども、せつかく総理大臣がおいでになるのでお伺いするのでありますが、労働階級のこの生活の状態に対して眞に理解があるとすれば、私どもがこのような質問をする必要のない状態をつくつて、そういう態勢のもとにこの予算が編成されなければならなかつたと思う。そこに総理大臣がかねて繰返し言われた、いわゆる不逞呼ばわりの言葉もまた私はそういうところに関連がやはりあるのではないかと思う。つまりそういう考え方を持つておいでになるからこそ、労働者の生活に対して理解がどうしてもできない。労働者が給與の引上げを要求するその声を、ほんとうにそうだとしみじみ心に打たれて感ずるのではなく、彼らがわがままに、いわゆる不逞な心構えをもつて政府にあるいは資本家に迫つておるかのごとくにやはり理解されておいでになる、そういうふうに受取るような考え方を持つておいでになられることが、やはりこの税制の措置の問題に対しても現われて來ておるのじやないかというように、遺憾ながら私どもは受取らざるを得ないのであります。ことにこの予算の措置についていろいろ考えてみますと、われわれから思えば、当然削除すべきはずのものが削除されておらない。拂うべき点に向つては、特に対象が金融資本であつたり、あるいは巨大な産業資本であつたりする場合には、惜しみもなく、その拂い下ぐべきものを予算に計上しておる。
○上林山委員長 できるだけ意見をやめていただきたいと思います。御質問を願います。
○中原委員 從つてそのような余裕を持つておるということが言える。この予算を通じて見れば、そういう余裕があると見ることができる。しかるにかかわらず、一方ただいま申したような、ほんとうに緊迫した問題に対して、きよう、あすの問題として解決しなければならないこれらの勤労所得税に対して、適当なところで、適当な時期に適当にやるというような言葉で、その場を濁されるということは、私はそのよつてもつて立つところの考え方の上に、そういうものが内在しておるというふうに考えるのであります。從つてこの場合私が申し上げたいのは、まず軍事公債の利拂いの問題でありますが、これは前回の予算総会においても相当やかましく論議された点であり、もはやこのことについて議論の必要がないと思いますが、この軍事公債利拂いのごときも、何の氣がねもなしに、ここに大体二十二億程度のものが計上されておる。これらのごときも、このように緊迫した國家財政の取扱いの場合におきましては、これは当然眞実に考えられなければならなかつた問題ではないかと思う。あるいはまた船舶運営会の問題でありますが、これらも二十五億が交付金として見積られておるようでありますが、なるほどその中のある部分は、いわゆる船員に対する給與問題に関連して適当に配慮されておると聞いておりますが、それを除く、少くとも二十億と見積られる部分に対して、いろいろりくつはついておるようでありますが、実際この二十億の支出のごときも、今日の國の財政状態から考えますと、これはまことに適当な措置をもつて考えなければならない一つの対象の費目であると私どもは思う。いつまでもこれらの船舶資本の人たちに対して、そのように義理立てをしなければならないことはないように思う。そういう問題を一々拾つて参りますと際限もありませんが、これらのことを総合関連して、租税の減免措置について、いつごろこれを実現する御意思がおありになるか、このことをこの場合承つておきたいと思う。
○大屋國務大臣 歳出の予算の支出面に対しましていろいろの御意見がありましたが、緊急やむを得ざるもののみを計上した次第でございます。なおまた租税の減免という問題に関しまして、いつごろやるかというお考えでございますが、これは重大なる歳入歳出の予算の要素でございます。これは今にわかにどの税をいついかなるときに減増するかということは申し上げられないのであります。但し、次の予算を編成いたしますときには、諸般の情勢を十分考慮に取入れて、中原君の御趣旨に沿うようにいたしたいと思つております。
○上林山委員長 中原君、意見や重複した質問が多いようでありますから、できるだけ簡單にお願いいたします。
○中原委員 意見が非常に多いというお言葉でありましたが、質問には意見のあり得る場合も多いのであります。意見をつけ加えなければ問題の眞相に触れることができない。從つてそういう必要な場合もあるが、私も必ずしも意見をたくさんはさもうとしておるわけではない。從つて今の質問は一應打切りますが、第二の質問としまして、給與の支拂い期日についての当局の配慮でありますが、大体給與法の一部改正も本日通過いたしたのでありまして、これと関連しまして、ただちに給與支拂いの諸準備にとりかかつていただいておることと考えますが、実際問題として、給與を受取る公務員の側から申しますと、もう時間的にはがまんのし切れないときにさし迫つておるわけであります。從つて当局としても、当然そのことについての配慮があると思いますが、いつごろまでにすべての給與の支拂いを完了し得るお見込みを持つておいでになるか、このことをこの場合お伺いいたします。
○大屋國務大臣 ただいまの点については、本日手を打ちましたから、十分暮に間に合うと思つております。
○上林山委員長 中原君、次に岩本國務大臣に対する質問を願います。
○中原委員 次はその問題でなしに、関連はしますが、地方の公務員に対する支拂い措置についてのおとりはからいもいろいろあることと思いますが、辺陬の地になりますと、下手をすれば間に合わなくなるおそれが多分にあると思います。これについてもし万一支拂うことのできない状態に陷るような場合の大臣の確信のある点を簡潔にお願いいたします。
○大屋國務大臣 ただいまの問題は昨日から準備いたしまして、本日手を打ちました次第であります。遠隔の地に対しても不便を感ずることはないと考えます。
○上林山委員長 中原君、大藏大臣のみに質問しておられて、私の要望にこたえてくださらなければ、松原君に質問を許可しますよ。あまり意見が多いし、非常に長いようですから。中原さん簡單ですか、——簡單ならば中原健次君。
○中原委員 地方財政委員会の事務局長通牒というのが出ているのですが、聞くところによりますと、十一月二十九日付だそうです。これは地方自治体に対して、越年資金等の支給をしてはならぬという通牒と思いますが、これはどういうわけですか。
○岩本國務大臣 お答え申し上げます。今晩御審議を願つておりますこの予算の通過を待つて、國と同じような態勢において支拂いができることに、あらためて通牒を出し直すわけでございます。しかして遠隔の地に渡るやいなやということは、ただいま大藏大臣も答弁いたしましたごとく、手配を愼重に重ねておりますので、御不安の点はないと御了承願いたいのであります。
○中原委員 ただいまの地方財政委員会の問題は、岩本國務大臣の関係ではないのですか。地方財政委員会事務総長という名前の通牒が出ておりますが、この通牒の樣子を聞かせてほしいのです。
○岩本國務大臣 お答え申し上げます。地方財政委員会の事務局長から通牒の出ておりますただいまの御質問の点は、関係筋からの指令もありまして、通牒を出したような取扱いになるわけでございます。
○上林山委員長 この際松原喜之次君、大藏大臣に対する質問を願います。
○松原(喜)委員 私はこの際大藏大臣に率直にお尋ねを申し上げたいと思います。まず第一番に私どもがこの提出されました予算を手にするやいなや、この予算がいかに早急につくられて、すこぶるずさんなものであるかということに驚いたのでございますが、さらに先日來各委員の質問によつても、その実情が明らかにされた通り、たとえば今日竹谷委員の質問によつて明らかになつたところでありまするが、地方貸付金償還金の三十五億円につきましては、岩本國務大臣と大屋大藏大臣の御答弁との間に——一方大藏大臣の側におかれましては、これが確実な收入として計上したと仰せられる。また岩本國務大臣の側におきましては、なお研究中であるというがごとき答弁をしておられるのであります。さらにまた祕密会において明らかになつたところでありまするが、その計上されたる厖大なる金額の内容につきまして、十分なる準備がいまだ整つておらぬという状況でございまして、從つてこの本予算が早急の間につくられたために、周到なる編成の方針が貫かれているとは申せないのでありまして、この点について大藏大臣は、はたしてどういう御感想を持つておられるか、まず承つておきたいのであります。
○大屋國務大臣 ただいま松原君の御質問の点でありまするが、本予算はあるいは十分お氣に召さない点があるかとは存じまするが、何とぞ御審議御協賛のほどをお願いいたす次第であります。
○松原(喜)委員 われわれ予算委員として審議いたしまするにあたつて、当の大藏大臣からおそまつなものであるがというお言葉のもとに出された予算を審議しなければならないということに関しては、私は深く遺憾の意を表するものであります。 まず第一番に、私はこの予算に盛られている歳入面につきましてお尋ね申し上げたいのでありますが、この租税自然増收の中に八十数億の農業所得税の水増しが盛られている。四十数億の商工業者に対するところの事業所得税が盛られているということは、世上の重大な問題になつておるのでありますが、私どもはこれ以外に、十分に他に言上せらるべき財源があるのではないかということを考えるものでありまして、たとえば法人税について申しますれば、御承知のごとく昨年及び今年度におきましては、個人所得税の重課の結果といたしまして、続々として個人事業が法人に轉換しつつあるのであります。從つて法人の数は非常な厖大な数にふえているという傾向を持つておるということが一つ。さらに第二には末端税務署におきまして、終戰以來いわゆる虚脱状態のために、法人税の課税が非常にネグレクトされて参つておつたのが、今年度に至りまするや、ようやくそれが相当な馬力をかけて徴税されるような傾向になつて参つておる。それは数字によつて明らかに見ることができるのでありまして、從つて今年度の上半期にかんがみまして下半期を推計いたしますと、結論的に申しますれば、われわれとしてはおそらく七、八十億の法人税の増徴を計上されても決してむりではない、かように考えておるのでありまするが、この点に関する御当局の御答弁を願いたいのであります。
○野田(卯)政府委員 第一の農業所得の水増しということでありますが、これは最近における農産物の價格等に照しまして改算をいたしました。特に米の値段、これが当初予算に計上しておりますよりも予想以上に上りました。そういう点から生じた差でございます。法人税につきましては、これは既定予算には百三十億盛つてあるのでありまするが、最近の状況に照しまして、五十億程度は増收可能だというわけで見積つておるのでありまして、七十億ないし八十億というのは、少し過大ではないかと考えております。
○松原(喜)委員 私どもが実績を見まするときに、二十二年度の十月までにおきまして、法人所得税は十五億六千六百万円の收入であつたにもかかわらず、本年度の十月までにおきましては、六十八億六千万円すなわち四三八%の收入をあげているのであります。しこうして昨年の実績におきましては、十一月以降五十六億の実績を示しております。しかるに本年度におきましては十一月以降にわずかに百十一億しか言上しておりません。これは去年に比べて二〇〇%にしか達していないのであります。上半期におきまして四三八%の増收を見ておる実績にかんがまみして、この下半期における二〇〇%という数字はかなり小さい数字であつて、私どもといたしましては、大藏次官のただいまの御答弁には承服しかねるのでありまするが、大藏大臣が單にそう考えるというのでなくして、明らかな根拠をお示し願えるならば、私もまた納得せざるものではないのであります。この点について明確な根拠を示していただきたいのであります。
○大屋國務大臣 やはりそれは大藏次官のお答え申し上げた通り、農産物の値上りその他の関係から言いまして、決してそれが不適当であるとは考えておらぬのであります。
○松原(喜)委員 今のは法人税です。
○大屋國務大臣 法人税も同断と考えております。
○松原(喜)委員 どうも私の質問とはまつたく見当の違つた御答弁でありまするが、この点は重ねて追究することは遠慮いたしまして、次に酒税の問題でありまするが、芦田内閣時代から民自党におかれましては、酒の造石税をもつて厖大な歳入の財源としておられることは、すでに周知のところでございまして、吉田内閣がこの予算編成の前にあたりまして、常にこの酒の造石税を財源にするということは、しばしば明らかにして來られたところでありまするが、本予算を見ますると、それがただの一円も顏を出していない。私は民自党のその在來の政策が、まつたく実情に合わなかつたために、これを計上せられなかつたのであるかどうか、この点について大藏大臣の御答弁をお願いいたしたいのであります。
○野田(卯)政府委員 酒の税金につきましては、当初予算のときから比べまして、その後確かに造石高はふえることになつておりますけれども、しかしそのふえる大部分は來年度の收入にまわります。それから本年度予定しておりますいわゆる特價酒、これの賣れ行きが非常に惡うございまして、このあたりから幾分減收になるのではないかと思われますので、かれこれいたしますと、大体当初予算に予定した程度にとどまる、こういう見込みでございます。 なお、先ほど法人税のお話がございましたが、昨年の上半期と下半期とは非常にその成績が違つておりまして、下半期が非常に成績が上りました。言いかえますれば、下半期に片寄つたのでありますが、本年度は片方に片寄るということはやめまして、できるだけ年平均にとろうということで努力しております。その点十分御了承願いたいのであります。
○松原(喜)委員 この年間の收入の遍在を防ぐために、上半期から努力しているということは了承できるのでありますが、法人税についてこの上半期の見積り額があまりに少いのではないか、その点何らか数字的根拠があるのかどうか。もしあればお示しを願いたいと申しているのでありまして、單にそういうふうに思うというふうなことでは、私の質問を満足せしめる答弁とは考えられないのであります。 そこで次に酒税の問題でありますが、すなわち現段階においては、民自党の皆さんが、今まで常に主張しておられたところが実情に合わなかつたから、それで計上することができなかつたのであるかどうか、ということをお尋ねいたしておるのでありまして、この点に対する大藏大臣の御答弁をお願いします。
○野田(卯)政府委員 ただいま、ちよつと私ほかの話をしていて聞き漏らしましたので、もう一遍内容をお話願います。
○松原(喜)委員 次官にお願いしたのは、法人税における二〇〇%の計上は、何らか数字的根拠があるのかどうかということであります。
○野田(卯)政府委員 法人税の内容を申し上げますと、課税見込額が申告納税で百八億、更生決定見込額が百十八億、そのうち收入見込額が申告納税で九十七億、更生決定見込みで八十二億、合計百八十億、当初予算額が百三十億、差引五十億増、こういうことになります。
○松原(喜)委員 大藏大臣に御答弁願いたいのでありますが、ただいまの御答弁に関連いたしまして、それは政府が見積つておられる内容を御説明になつただけでありまして、下半期においてなぜ二〇〇%になつたかという、その根拠にはちつとも触れていないのであります。
○野田(卯)政府委員 御質問の御趣旨がよくわからないのでありますが、われわれの方といたしましては、一年を通じまして、どういうことになるかという計算をいたしまして、それが当初の見積りと比べまして、どれだけ増加したか、こういうふうにして計算しておるのであります。
○大屋國務大臣 造石税の点に関しましては、大藏次官がお答えした通りと御了承を願いたいのであります。
○松原(喜)委員 私の質問申し上げたのは、先ほど次官の答弁のように、計上されなかつた実情にあつた、すなわち今まで民自党として、この酒の造石税に大きな財源を期待しておられたのが、まつたく見込み違いであつて、これを計上することができなかつたのであつたかどうかということについて、明確に御答弁願いたいと申しておるのであります。
○大屋國務大臣 重ねて御答弁いたしまするが、大藏次官がお答えいたしました通り、酒税は來年にならなければ入金いたさない関係もありまして、今般計上いたさなかつたというのが一つの理由と、それから特價酒の賣れ行きが非常によくないというような関係もかたがた考慮いたしまして、さようになつた次第であります。御了承願います。
○松原(喜)委員 大藏大臣の御答弁によりますと、結局これを予算に計上することができなかつたということを答弁しておられるのでありまして、すなわち在來の民自党としての見込みは、まつたく見込み違いであつたということを、御答弁しておられるものと私は思うのであります。 次にこの予算を見ますると、不正保有物資等特別措置特別会計からの受入金五億何千万円かをこの当初予算から削つてゼロとなつておるのでありまするが、最近の発表によりますと、檢察廳で不正物資を摘発した額がすでに六十億に上つておりまして、それは順次公團等を通じて処置されつつあるのであります。從つて少くとも二十何億あるいは二十五億くらいの金額は、本年度中に実際換價できるような状態にあるやに承つておりますにかかわらず、すでに計上されておるところのこの歳入予算が、補正予算によつて削られておるというようなことは、せつかくある財源を計上せざるのみか、すでに計上されておるこの收入を、さらに減じておるというような状態にありまして、かような点から、いわゆる水増し予算と言われるところの所得税等の増徴が、やむなきに至つたのではないかと思うのでありますが、この点に対する御見解をお答え願いたいのであります。
○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。不正保有物資につきましては、最近までのいろいろな調べによりますと、いわゆる隠退藏物資の摘発というものは、当初予算に三十億程度見込んだのでありますが、むしろこれは実績が少くありまして、過剩物資の賣り拂いの方がふえているという状況でございます。過剩物資の場合におきましては、いわゆる差益がありませんので、その関係から当初予算に計上いたしましたものを、その通り計上することが困難になつたような関係で、補正予算において計上いたさなかつた次第であります。
○松原(喜)委員 ただいま私が質問いたしましたような点につきまして、おそらく予算が全部遂行された後におきまして、私の見込みがはたして間違つておつたか、あるいは政府の計上額が間違つておつたかを明らかにできると思いますから、この点に関する私の質問は議論にわたらずして、この程度にとどめておきたいと思いまするが、要するにこの予算は、初めから非常に倉卒の際に十分なる準備を整えずして編成された予算でありまして、しかも今日この予算を愼重に審議するところの時間がなくなつておるというような状態に追い込まれておるのであります。しかも政府の御答弁を承ると、まことにおそまつな予算であるがというようなお言葉であります。從つてその予算の審議の遅れた点、あるいは最後に至つては十分なる審議を盡すことができなかつた点、これらのすべての点は、これすなわち予算編成を行つたところの政府の責任であると私は考えるのでありまするが、この点に関する大藏大臣の御感想をお願いしたいのであります。
○大屋國務大臣 松原君の御意見は御自由でございます。
○上林山委員長 河口君、商工大臣に対する質疑を願います。
○河口委員 私はこの際各般にわたつて御質問を申し上げたいのですが、前者がことごとく質問されたので、重複を避けて、簡潔に二つの問題について御質問申し上げたいと思います。 第一番には行政整理に関して、公團の問題でありますが、この公團法については世上いろいろ論議をされておりまして、すでに一部の公團は廃止すべきであるという説も聞くのであります。この公團のめちやくちやな廃止に対しては私は賛成はいたしませんが、特に肥料公團とか、あるいは飼料公團のごとき公團は、すでに民主的にでき上りましたところの農業協同組合にこれを取扱わしめて、そうしてそれらに要する人員を整理して、政府の予算面よりこれを削減いたしまするならば、相当の効果を收め、またこれらの協同組合によつて肥料その他飼料が配給されるならば、まことに円滑に配給されると考えるのです。さらにこのことによつて社会混乱を招くというようなことは全然なく、かえつて農民が自主的につくつたわれわれの團体によつて配給されるという面から考えまして、増産の上には大きなプラスとなり、さらに農民はこのことによつて安心感を持ち、また一面一つの誇りさえ持つような結果を生むと私は考えるのです。かような観点から、政府はすみやかにこの肥料公團のごときは、現在でき上つた農業協同組合に移管せしめて取扱わせるという方策をお考えになつておるかどうか。またお考えになつておられるとするならば、いつの時期にこれを実施される考えか、具体的にこの点御説明が願いたい。 さらにもう一つお尋ねいたしたいことは、農村に対する報奬物資の取扱いでありますが、これは基本的に供出とリンクをする建前がとられていると考えるのです。しかるに商工省においては、この報奬物資の取扱いについて、纎維局あたりでは相当その本旨を逸脱して取扱わしめているということを聞くのです。さらにこれらの官吏が、よい品物はそれぞれの業者に渡し、比較的値段の高いとか、あるいは粗惡品をこれらの報奬物資にさし向けるために、農村においては非常に非難があるのであります。このことは一面、現下の供出面にも相当な支障を來しておるように聞き及ぶのですが、これは農林省でお考えになつているいわゆる供出とリンクさせるというその方針に基いて、それぞれ農業團体がこれを取扱うことになつていると聞くのですが、それがスムーズに行われているかどうかということをお尋ねいたしたいのであります。
○周東國務大臣 お答えいたします。第一の点につきましては、私も多分に同感な点があります。しかし御承知のように、農業協同組合はできましてようやく一年でありまして、また今後保護育成等をやらなければ、内容が完全に充実いたしておりませんということ、一面におきまして公團それ自体につきましては、肥料公團、餌料公團等、それぞれにつきまして十分檢討いたす余地がございますので、將來御趣旨の点につきましては十分考究いたして行きたいと、かように考えております。 第二点のお尋ねにつきましてもごもつともであります。私どもの方でも現在農民に対する報奬物資については、でき得る限り品物のよいもの、しつかりしたものを送らなければ、報奬物資としての價値がない。御指摘のようにめいせん等、品物が惡くて高いものは、なるたけこれを避けたいという趣旨のもとに進んでおりますのと、同時に配給に関しましては、商人あるいは農業協同組合等二つの系統がありまするが、できる限りこれは地方の農民の希望に沿つて、その取扱店もしくは農業協同組合をきめて行きたいと、こういうふうにただいま考えておる次第であります。
○河口委員 ただいま農林大臣の御答弁では、協同組合がまだ組織的に完全でないというように御答弁なさいましたが、私は全國津々浦々の農村に農業協同組合、單位協同組合ができ、縣段階の協同組合ができ、さらに全國的な協同組合ができた今日、全國農業協同組合に指令一本を出せば、個々の農民まで透徹する組織團体ができておる。かような自主的な團体に、こうした農民の希望する直結する品物を取扱わせる方途を、すみやかにお立て願いたいということを重ねてお願い申し上げておきます。
○上林山委員長 この際予備費使用の件に関して、当局より説明のため発言を求められておりますが、順序を変更いたしまして、総理に対する質問を続行いたします。総理はただいま参議院より出席を求められておりますので、お含みの上、できるだけ簡潔にお願いいたしたいと思います。この際林大作君に許可いたします。——林君がいなければ松原喜之次君に許可いたします。
○川島委員 関連して緊急質問……。
○上林山委員長 では簡單にお願いいたします。川島君。
○川島委員 総理が見えましたので一言お尋ねをいたしておきたい。きわめて重要かつ重大な事柄でありますので、明確にお答えを願いたいと思います。 総理は再三本國会、あるいは委員会等において、組閣以前から、ないし組閣後におきましても、いわゆる冒頭解散なるものを主張されて参つたのであります。これはおそらく吉田首相の個人的な信念であろうと想像をいたしておるのであります。しかるにそれがいつの間にか雲散霧消いたしまして、御承知の通り組閣後において給與の問題等が起り、政府は物價生計費指数にかんがみまして、重大なる國民大衆の給與を決定いたしました。
○上林山委員長 その問題はすでに本委員会でも発言せられた問題でありますから、簡單に願います。
○川島委員 五千三百三十円案は、遂にそれをしも撤回のやむなきに至つて、六千三百七円という大修正を余儀なくされたのであります。これもまた私は、吉田内閣の日本経済並びに賃金、物價政策の大いなる見誤りであつたという事実を、暴露したものにほかならぬと確信をいたすのであります。しかもその間において、総理が最も信頼を厚くいたしておると想像しておりました藏相が、いわゆる泉山事件なるものを惹起いたしまして、遂にその政治的、道義的な立場に、一般の國民から疑念をさしはさまれるような事態が起つたのであります。しかもその上に民自党が長い間主張して参りました取引高税の問題についても……。
○上林山委員長 できるだけ予算に関連のある問題について発言を願います。
○川島委員 数日前に取引高税の廃止案を上程する氣配があつたのでありますが、これまた遂にたな上げのやむなき惨状に陷つたのをわれわれは知つているのであります。さらにまたその上に、吉田内閣の基盤である民自党の経済諸政策の上に、重大なる頂門の一針ともいうべき経済九原則が発せられる等、吉田内閣の秕政はまことに文字通り続出のありさまであり、これを政治的に申し上げれば、すでに満身創痍の形であると私は断ぜざるを得ないのであります。このような秕政続出、満身創痍の中にある吉田内閣は、このきわめて多難なる時局を担当するの自信が、はたして今もつてあるかどうか。なおかつ解散問題につきましては、すでに時刻が迫つておるような実質的な形になつておるのであります。少くとも選挙は重大なる政治的な関係があることは言うまでもない。
○上林山委員長 川島君、簡單に願います。
○川島委員 このような満身創痍、秕政続出の吉田内閣において、解散を行い、総選挙を断行するという一体資格があるかどうかという問題については、今や國民の間にも相当なる声がわき上つておるということは、吉田首相も御承知のことであろうと思うのであります。そこでわれわれは、吉田内閣はこの満身創痍の政治的責任を感ぜられまして、解散以前に辞職の心構えがありやいなや、この点について、私は最後にお尋ねをいたしておきたいのであります。
○吉田國務大臣 私は、総辞職をする考えはございません。
○上林山委員長 林君。できるだけ重複を避けて、予算に関連ある問題を発言願います。
○林(大)委員 総理大臣にお尋ねいたします。今回発せられました九原則につきましてでありますが、こういう重大な指令が発せられますにつきましては、國際的ないろいろ情勢の変化とか、國際的な基盤の変化というものが当然起つておるであろうと思うのであります。國内的ないろいろな背後情勢につきましては、あとからお尋ねいたすといたしまして、まずこの九原則が発せられました國際的な情勢の変化につきまして、総理大臣並びに外務大臣として、できるだけの御説明をいただきたいと思うのでございます。
○吉田國務大臣 これは、先ほど一應説明いたしましたが、今に始まつた考えではなくつて、これはマッカーサー元帥としては常に言つておることであり、それが今日何ゆえに急に発表せられ——急にということはありませんが、文字となつて現われたか。意見は始終言つておられることであります。それがこの際文字として、書面としてよこされた。これは、その間の事情は知りませんけれども、思うに、今フアインという人がワシントンに行つて、そうして日本再興に関するいろいろな協議をしておるはずです。その協議の一端であろうと私は想像しております。
○林(大)委員 先ほどこれらの論議につきまして、総理大臣は、関係筋もせつぱ詰まつて云々という言葉を使われましたのを、私はここに記憶しておるのでありますが、その関係筋がせつぱ詰まつてという感じは、國際的に申しまして、もう少し御説明を私いただきたいと思います。 その次に、國内的に見ますると、今度の九原則というものは、これをずつと読み下してみますると、民自党が今まで掲げられておりまして、そうして民自党の人氣をあおつておられましたところの、おもに四つの政策でありますが、すなわち米の自由販賣、料理屋の再開……。
○上林山委員長 林君に御注意申し上げますが、問題はすでに論議し盡された問題でありますから、簡潔に願います。
○林(大)委員 それから取引高税の撤廃、それから統制の大幅緩和、こういうような問題と比べてみますると、今この九原則というものは、眞正面にこれと逆行する、相反対するところの要請を向う側からされておると私は見るのであります。それで、こういうふうに眞正面に政策が大きく食い違うというような場面に相なりますると、総理大臣におかれましては、あらためて施政演説をやり直すだけのお考えを今持つておいでになりますかどうか、これを率直に伺いたいのであります。
○吉田國務大臣 今日施政演説をやり直す考えはございません。
○上林山委員長 この際野坂君に発言を許可いたします。できるだけ簡潔に願います。
○野坂委員 総理大臣だけに二、三お伺いしたいと思います。今林君の方から、いわゆる九原則についての質問がありましたが、この問題は私、日本の経済全体、特にまた予算にも根本的な影響を與える問題でありますので、これを以下質問いたします。 まず最初に、私たちがこの原則の性格をはつきりする必要がありますので、一点お伺いしたいのは、一昨日発表された日本語の飜訳を見ますと、この指令というものが、極東委員会の承認のもとにと、こういう言葉になつていますが、はたして極東委員会が承認を與えた指令であるかどうか、私たちは新聞による以外に情報を得ることができないので、総理大臣の方から正確な御回答をお願いしたい。と申しますのは、これは單にアメリカ政府から発せられたものであるか、同時にこれはすでに極東委員会の承認を得た問題であるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○吉田國務大臣 この点は、私も新聞以上に何らの情報を持つておりません。ただ手紙を受取つただけであります。
○野坂委員 この点、將來機会がありますれば、私たちに対して、はつきりとした情報を與えていただきたいと思います。と申しますのは、これは非常に重大な問題だと思います。 第二にお聞きしたいのは、この九原則を見ますと、われわれの印象は、輸出が將來日本経済再建にとつての一番基礎になる。こういうふうなわれわれ印象を受ける。つまり貿易によつてまかなうということであります。そうしますと、最近の日本を取巻く國際関係を見ますると、アメリカ、イギリスを除外すれば、極東の諸國、たとえば朝鮮、中國、南洋の諸國というものと、わが國との貿易関係ということが、やはり將來日本の再建の基礎にならなければならぬ。しかるに最近における中國や、そのほか極東における諸國の情勢が急変して來ている。特に中國において。そうしますと、この原則によつて、貿易でまかなわなければならないが、新しい中國の情勢というものと、これとは密接な重大な影響がありはしないか。これについて総理大臣はどういうふうにお考えになるか。はつきり申し上げますれば、中國で今新しい情勢が生れて來ている。これをわれわれが念頭に入れて、貿易でまかなつて行くというような、こういう方針がとれるであろうかどうか。とれるとすれば、どういうふうに日本としては対処しなければならないだろうか。こういう点をお聞きしたい。
○吉田國務大臣 いつも申すことでありますが、われわれは今外交停止の状態におるのでありますから、中國の状態について、こうであるとか、ああであるとかいう考えを述べる自由がありませんが、しかし日本と中國との間の関係は、非常に密接な関係である。中國の繁栄がすなわちまた日本の繁栄であるのでありまするから、中國の状態を無視することはできません。しからばこれに対してどうするということは、今申す自由を持つておらないのであります。
○野坂委員 今変化しつつあるので、はつきりした見通しはもちろん立てることはできないけれども、私のお伺いしたいのは、この原則自体が貿易に非常に重点を置いておる場合において、一方極東の情勢がどんどんかわつて來ておる。そういう場合において、この原則通りにやれるであろうか、どうかという一点だけをお聞きしたいと思います。
○吉田國務大臣 日本政府としては、マッカーサー司令部と十分協力をし、その趣意あるいはその政策を十分くみとつて、そうしてこれに協力する考えでおります。
○野坂委員 もう少しお聞きしたいのだけれども、総理大臣はお答えにならないようなつもりなので、これ以上この問題には触れませんが、この間ここの議場で、他の議員から講和の問題について質問がありました。そのときに暫定協定というふうなことを総理大臣は申されましたが、これは非常に重大な問題で、われわれ日本の國民は、全面的な全連合國との同時的な講和を望んでいると思います。これはまた総理大臣も同様だと思いますが、この場合に、暫定協定というものは、どういう具体的な内容と手続を持つか。ただ一國だけとの協定をやろうとするのか、あるいは一つ一つの問題について協定して行こうというやり方であるのか、そういう点をはつきりとお伺いしたいと思います。
○吉田國務大臣 私のこの間申した暫定とりきめというのは、たとえばポンド地域との商取引の協定であるとか、あるいは現に今問題になつておるのは、為替レートの問題であります。為替レートがきまらないためにとか、あるいはアメリカのドルと日本の円との交換ができない状態に今ありますが、これでは商賣ができないから、その間の交換率をどうするかというような、一件々々について、事件々々について協定をして、そうして実際講和條約にかわるようなとりきめをするよりほか、今ただちに連合國全体と講和條約を結ぶに至らないから、全日本あるいは國民の利益のために、事件々々によつてとりきめをして行く。そうして実際に講和條約にかわるような効果を收めるよりしかたがない事態に、今あるという意味合いで申したのであります。
○野坂委員 今の問題について、もう二点ほどお聞きしたいと思います。今一つ一つの問題についてと申されましたけれども、これは大体において一つ二つの國との協定という意味を持つものであるかどうかという点が、私はまだはつきりしないと思います。われわれの氣づかうことは、このようにして一つ一つこま切れ的な講和條約を結んで行くことが、結局全面的な講和を妨げる結果にならないかということを、私たちは非常に憂えておるのであります。だからお聞きしたいのは、全面的なできるだけ早い講和を実現するためには、このような方法も、ただ目の前の問題としてはやり得るであろうが、どうして基本的にして全面的な講和を促進するかということについて、具体的な総理大臣のお考えをお聞きしたい。ただここで申上げたいことは、今日本は外交が許されてないから、やれないというような、そういう逃げ口上でなしにやつていただきたい。
○吉田國務大臣 私の申したのは逃げ口上でなく、実際の事実を申しておるのであります。ただ暫定協約を必ずしも一國だけでなく、ポンド地域と商取引を結ぶとすれば、これは数國にまたがつてのとりきめになるわけであります。また一國と一國との間の取引、たとえばシヤムとの間に米をどうとかするというような、單に一國との間のとりきめも考えられますが、また数箇國との間の暫定とりきめも考え得ると思うのであります。しかしこれが連合國全体との全般の講和條約をなす場合に、妨げになるかと言えば、これは必ずしも妨げになるものではないと私は思います。すなわち日本の國民の利益とか、あるいは必要に迫られてこしらえられた暫定條約が、あるいは全般の講和條約に含まれる場合もあり、あるいはまたその暫定條約があるために、全体の講和條約ができないということは、ちよつと私は今想像ができないと思います。
○上林山委員長 大体質疑も終了したようでありますから、この際先ほど宣言いたしました予備費の件に関して、当局よりの説明を求めたいと思います。これを許します。河野政府委員。
○河野(一)政府委員 今般の補正予算の提出にあたりましては、いわゆる雜件は編成を急ぎました関係上、一括予備費に計上しておいたのでありますが、その後この予備費の使用の内容につきまして、関係省の間及び関係方面との間におきまして了解が遂げられましたので、御説明申し上げる次第であります。お手元に配付いたしましたものがこの使用の予定の計画表でございます。國会所管が一億二千九百万円、裁判所所管が五億五千六百万円、以下ここに書いてある通りであります。最後に超過勤務手当といたしまして、一億八千万円の計上がございますが、これは各省所管を通じまして、その実情に應じて配付いたす予定でございます。 以下各省所管の内容でございますが、國会所管におきましては、今度の國会開会に伴い必要な計費等のほか、今回の給與ベースの改訂に伴う議員の歳費、あるいは議員祕書手当の増額を予定いたしております。これが衆議院におきまして最後の欄の二千九百万円ほど、参議院におきまして千五百万円ほどであります。 裁判所関係におきましては、先般の國会におきまして改正せられました新民事訴訟法及び新刑事訴訟法の施行に伴う経費を予定しております。これは一と二でございます。それからやはり先般の國会におきまして可決されました檢察審査会法の施行に必要な経費、この関係の委員の選挙の費用及び旅費日当等一億四千万円計上してございます。裁判所所管におきましては、その他最後の十三の欄でございますが、家庭裁判所の増設の経費といたしまして一億一千五百万円計上しております。これは現在地方裁判所にあります十八箇所の家事部を拡張して家庭裁判所にするわけでありますが、これは全國四十九箇所にできることに相なります。 総理府所管につきましては、以下こまかくございますが、特に御説明申し上げることはございません。ただ警察関係におきまして、警察官の教養、訓練のための経費が十四のところに初任警察官に必要な経費として、一億八千四百万円計上してあります。その他警察官の装備の改善に関する経費等を支出する予定であります。 法務府の所管におきましては、檢察費の増加、すなわち檢察関係の旅費等の増加が八のところに六千万円ほど予定されてございます。その他刑事訴訟法改正に伴い必要な経費、それから少年法改正等に伴い必要な経費を計上してございます。 外務省所管におきましては特に申し上げることはございません。 大藏省所管におきましては、食糧配給公團出資に必要な経費といたしまして五千万円計上してございます。これは配給に必要なる自轉車その他各種の設備をするために、資本金の増額を必要とするのでありまして、現行八千万円の資本金をさらに五千万円増加する予定にいたしております。それから徴税費、これは今回の税收の増加に伴う、その他の関係で、旅費、印別費、納税運動宣傳費等の増加を予定いたしております。 文部省所管におきましては、教員の共済組合の補助、これは共済組合に関する法令によりまして、國が一定の補助をいたしておりますので、その増加であります。以下いろいろございます。たとえば大学附属病院の患者の経費が増加いたしますとか、あるいは血清ワクチン等の増加生産に必要な経費等でございます。 厚生省の所管におきましては、モデル保健所の設置、これは各府縣に一箇所程度のモデル保健所を関係方面のアドバイスによつてつくる経費が計上されてあります。それから今年の夏以來やりました鼠族、昆虫の駆除に必要な経費、あるいはDDTの製造に要する経費、あるいは國民健康保險組合の補助に必要な経費等を予定いたしております。 農林省所管におきましては特に申し上げるものはないと思います。七の農地改革に必要な経費におきまして、これは今回の給與改善に伴います農地委員会の書記の給與改善あるいは旅費等の経費を予定しております。その他十三の耕地面積調査に必要な経費と申しますのは、これは作付面積の調査に要する経費であります。 商工省所管につきましては特に申し上げることはありません。運輸省所管、逓信省所管も特に申し上げるものはありません。 労働省所管におきまして、日傭労務者物資配給に必要な経費、これは日傭労務者の米の特配に関する所要の事務を取扱うに必要な経費であります。 その次は建設省でありますが、これも申し上げるまでもないと思います。地図の増加製造に要する経費であります。 以上大体御説明申し上げた次第であります。
○苫米地(英)委員 この際本予算案に対する質疑を打切られんことを希望いたします。
○上林山委員長 ただいまの動議に御異議ありませんか。
○上林山委員長 ではさよう決定いたします。 暫時休憩して議事の進行の協議をいたしたいと存じます。 午後九時四十四分休憩 ————◇————— 午後十一時三十五分開議
○上林山委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 これより昭和二十三年度一般会計予算補正第二号、及び昭和二十三年度特別会計予算補正特第二号の両案を一括議題といたしまして討論に付します。まず理事会の申合せによりまして、賛成反対の順序を問わず、適宜発言を許可いたします。宮幡靖君。
○宮幡委員 ただいま議題となりました昭和二十三年度一般会計予算補正第二号及び同年度特別会計予算補正特第二号につき、民主自由党を代表し、政府原案に賛成の意を表するものであります。その理由をきわめて簡單に三分間で申し述べます。 今次の補正予算の根幹が、公務員の給與改善費及び災害復旧費を追加計上することに置かれてあることは、政府の提案理由により明らかでありまして、國家公務員法の改正、生計費の高騰等を思い合わせ、公務員の給與の増額を要することは必至であり、また戰前、戰後にわたつて打続く災害による國土の荒廃を復旧することの急務なることは、多言を要しないところでありまして、今次の補正予算の必然性をまずもつて肯定せざるを得ない次第であります。 以下多数の賛成理由がありますが、時間の関係によつて省略いたしまして、わが党はあげて政府原案に全面的に賛成の意を表するものであります。
○上林山委員長 押川定秋君。
○押川委員 私は民主党を代表して、ただいま提案されている追加予算に対する討論をいたします。 本年度当初予算の審議された第二國会の当時を回顧してみますれば、ただいまの政府與党である民主自由党の諸君から、歳入においてはなはだしい水ぶくれの予算であると、深刻痛烈な反対の御意見が連日連夜行われ、自由経済の旗じるしのもとに、予算削減、組みかえの修正意見が提案されたのでありました。本日ここに、右痛烈な御主張であつた民主自由党が政府に立つて、本件追加予算を提出されるに至つたのである。よつて本追加予算案によりますと、さきに第二國会において、水ぶくれと大きく抗議せられた、かの当初予算に、さらに数段の拍車をかけた、まことに厖大な大水ぶくれをもつて固めた歳入を持つたものであつて、今や世間は、本追加予算の外貌を見るや、幸いに片山、芦田両内閣が、苦心と耐乏生活の対策を重ねて、辛うじて先年第一回吉田内閣によつて急進した恐るべきインフレの收束と、経済安定がその方途についたものを、再びにわかにインフレは急に発足し、生活不安はちまたにやかましきに至つたのであります。なかんずく税收入のごとき、当初予算の徴收においてすら收入減が予想され、國民負担の飽和点に達し、そのため苛酷な徴税を忍ばねばならず、ちまたに泣いて納税で裸になつている國民もあると考えられるのであります。眞摯なわが國民は、これでもなほ日本再建に努力を惜しまず、沈默もつて平和な社会を熱望しておるところをまのあたりに見まして、われわれは感謝感激にたえずおるのでありまするが、かかる際、さらに莫大な自然増加を予算して、政府及びその與党は、さきの攻撃を祕して、あえて立場をかえて、本日提案されているこの予算でありまするから、言うまでもなく政府も與党も、心ひそかに、まつたく國民に対し、負担に耐えない苛斂誅求に泣かしめるものであると、憂えざるを得ないと認められるのであります。また歳出の面においては、價格調整補給金のごとき、その他にも相当の補給金が多額に組まれておりまして、健全財政に支障を來す大なるものがあり、何と言つても、補給金制度に大改革を加え、明年度予算において当然改正をいたさねば、財政経済の再建の困難な時局に立ち至つておる。ひいては民族の再建をも疑われるものがあると考える。この際に大幅な追加額を見積つたごとき、檢討すればするほど、遺憾千万な追加予算であると思われるのであります。惡く申しますれば、國民の犠牲において、つじつまを合せたにすぎぬ空虚なそろばんであると考えざるを得ないのであります。なお、このたび関係方面より発表せられた経済九原則にかんがみて、私は心から、この追加予算が実行不能に陷り、單に國民を苦しめる大きなものであると警告し、政府政策の改善と、國内諸條件を、発表せられた九原則にマッチするように急速に改められて、予算にも削減、節約を実行し、國民が窮乏に耐え得るよう施策せられんことを、特に注意をいたさねばならぬ立場に立つております。しかし刻下の現状において、公務員諸君は、生活苦に泣き、年末に際して、すみやかに給與の増額のあらんことを待つている。その他労働者、勤労者諸君もまた、嚴冬に際して生活費の補給を待望しておられる。なお一般國民諸君といえども、困苦のどん底を味わつておられるものと思うのでありまするが、現在の社会諸情勢にかんがみて、やむなく補給金等を本追加予算に組まれたものと、多分にその意味を織り込んだものと、一應認めざるを得ないわけでありますから、この際わが民主党は、不本意ではありますが、以上の警告を加え、大きな注意を促し、もつてここに本追加予算の原案に、やむなく賛成の意を表するものであります。
○上林山委員長 次は小枝一雄君。できるだけ簡潔に願います。
○小枝委員 簡潔にやります。政府は当初五千三百円ベースの予算案を提案されたのでありますが、中途において遂に六千三百七円の人事委員会の原案によつてこれを修正、提案せられたのであります。政府並びに與党の諸君は、これは新事態の発生のごとく言つておられるのでありますが、私どもをして言わしめまするならば、新事態の発生にあらずして、これは政府の無能と怠慢によつて生じた結果であると存じまして、はなはだ遺憾に存じておるのであります。しかし國家の現状と、窮迫せる今日の事態にかんがみまして、わが党におきましては、公務員法改正の議が起りまするや、該法案と給與の関係は一体不可分のものであると、かような見解のもとに、不変の原則として、終始一貫これを堅持して來たのであり、かつまた、この窮迫せる事態のもとにおいて、公務員の生活の保障という点から、今回の政府提案の原案に対しましては、その内容におきましては、はなはだ不満を持つものではありまするけれども、やむなく賛成の意見を表明するのであります。すなわち一面において公務員の自由を束縛し、人民の基本権利に掣肘を加えるならば、それに対する給與の方法を講ずることは、國家として当然の義務であると信ずるのであります。わが党といたしましては、当初より、給與ベースは六千三百七円を党議をもつて決定いたしまして、今日までこれを主張した來たところであつて、基本予算の総額に対しては、はなはだ不十分であるのでありまするけれども、困難なる國家財政の現状よりいたしまして、やむを得ないものと存じ、これを了承し、政府としては、この許されたる予算の範囲内において、その運用のよろしきを得て、公務員の生活を擁護せんことを強く要望するものであります。 なお、災害対策に関する予算額において、六十億の予算をもつてしては、はなはだ不満足に考えるのでありますが、これまたやむなき事態を了承するものでありますけれども、將來における善処方を強く希望しておるのであります。さらに一言附言しておきたいことは、これをもちまして公務員の待遇は一應ある程度の改善がせられたようでありまするが、今や地方農村においては、負担の過重と、農産物價格の低廉のために、まさに金融恐慌に直面しておるのであります。賃金ベースの三千七百円当時と、何らの更改を見ることができていないのであつて、政府はよろしくこれらの点に思いをいたし、將來米價の適正をはかるとともに、負担の軽減、農村金融の方法等をもつて、これが均衡に努力すべきであると信ずるのであります。 さらにまたここに本予算案が成立をいたしましても、從來のごとく、賃金と物價との惡循環によつて、インフレが高進すれば、何ら実質的賃金の改善とならないのみならず、かえつて將來これら公務員の生活を脅威する結果となるおそれがあるのであります。政府はよろしくインフレ克服の施策を講じ、実質賃金の維持に努力することを強く要求するものであります。 以上希望意見を強く主張いたしまして、本予算案に賛成するものであります。
○上林山委員長 河口陽一君。
○河口委員 私は日本農民党を代表いたしまして、次の條件を申し上げて、政府の本予算案に賛成の意見を申し上げたいと思います。 まず第一に、政府は行政整理を叫びつつも、追加予算で何ら考慮されておらないことであります。行政整理は機構改革により、事務の簡素化ということに盡きますが、私は予算の人件費を削減せぬ限り、事務の簡素化とか、行政整理は行われないことを指摘いたします。金があればあるだけ人を使つて、お互いに樂をしようというのが人情であります。でありますから、人件費を削減せぬ限り、行政整理を幾ら言つても実現できないのであります。よつて予算の削減によつて、出先機関の廃止、公團の廃止ということをいたさなければならぬと存じております。出先機関でも公團でも、可能なものからこれを廃止するのであつて、わが党はめちやくちやな廃止を主張するものではありません。私はこの機会に具体的な問題を申し上げたいのですが、これを省略いたしまして、本会議で討議いたしたいと存じます。ただこの際一つだけ申し上げておきたいことは、肥料公團、飼料公團というようなものは、すみやかに廃止すべきであると存じます。一体肥料とか、あるいは飼料というものは、末端配給はことごとく協同組合で配給しておるのであります。今日農村民主化のホープとして、はたまた農民の社会的、経済的向上を企図する目的をもつて、民主的に組織された農業協同組合は、全國津々浦々に設立せられ、その数が二万を突破すると聞きますが、縣連合会から全國連合会と一貫した組織ができ、今や一本の指令を全國連合会が出せば、全國の農民の一人々々に到達する組織が整つたようでございます。しかして肥料、飼料は、ことごとく農民の使用するものでありますから、自分たちの使用するものが、自分たちのつくつた機関から配給されることは、安心感より來る納得が生れ、機械的混乱を一掃し、さらに農民として一つのプライドさえ感ずるのであります。私は政府は、肥料、飼料公團廃止法を國会に提出して、人件費の政府負担を削減し、しかして組織ある全國農業協同組合で取扱わしむるの方途を立てられんことを望みます。
○上林山委員長 明日は午前零時十分より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後十一時五十五分散会