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4回国会衆議院1948/12/11

予算委員会 第9号

発言数
266
登壇者
18
会派数
8
開催日
1948/12/11

会議録

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 会議を開きます。  お諮りいたします。理事森直次君が委員を辞任されましたので、理事の補欠を行いたいと思いますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 それでは若松虎雄君を理事に御指名いたします。     —————————————

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 続いて質疑に入ります。織田正信君の発言を許可いたします。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 文部大臣にお尋ねいたしたいと思います。  まず第一は今日の青少年の犯罪、並びに不良化の問題がやかましく叫ばれておりまするが、この一般社会人になつておる青少年の社会教育に対する対策と、第二点は学生でありますが、今学生運動が非常に活発になりまして、一般社会にいる青年といわず、戰爭以前の青年が、戰爭後の今日の混乱期に処しまして、多くの者が世の指導者に対する不信の念を抱いておる。また虚無主義に陷るもの、またデカダンスの享樂生活に陷るもの、非常に憂うべき状態にあるのでありまするが、一般社会にいる青少年の社会教育に対する具体策と、第二番目には学生運動に対する見解をお尋ねいたしたいと思います。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 お答え申し上げます。現下青少年の犯罪が激増しておりまして、また不良化が著しいことはお述べになつた通りであります。まことに憂うべき状態だと思うのであります。これに対しましては、まず学校教育の面からいたしまして、学生に対する訓育の面から指導いたしまして、まず彼らの自覚を促して、かような不良な行動のないように努力せしめるという施策を現にとつておるのであります。また学生運動等につきましても、なるべくその自覚による健全な運動の推進されますように希望いたしまして、別にこれに対して制限等をいたしませんで、各自がその学生たる本分にそむかない、また学校の政治的自主性、学校の本來の性格というものにのつとつて行動するように、学校長において適当な指導をやるようにいたさせております。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 この前の文部次官が出しました通牒に対しては、どういう見解を持たれておりますか。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 十月八日に前内閣時代に出しました学生の政治運動に関する次官通牒につきましては、これはその内容が御承知の通り、学校教育基本法の第八條の説明をした程度でありまして、別にこれに対して何ら支障ないものというふうに考えて、その通牒は依然そのままにして置くつもりでおります。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 ただいまのお話は、大体ほとんど学生みずからの自覚を促すとか、あるいは何と申しますか、非常に自主的な面を育てるというようにお考えになつておるようであります。私この点に賛成でありますが、しかし実際に現状をながめて見た場合に、むしろ大正の終りから昭和の初めにかけて、日本の國家がとりました政策の二の舞いをまたふみつつあるのじやないかという懸念を多分に感ぜられるのであります。大体世の中が混乱期に陷つて、その社会そのものが腐敗し、墮落するという現象が起きて來る場合には、一般人というよりか、むしろ指導者がだめになつて來るのが普通じやないかと思います。指導者が指導する能力並びに実力を失つて來るときに、こういうような混乱が起きて來るんじやないかと思いますが、そのときに青年の持てる純眞さと、青年の持てる行動力を禁止、禁止で、すべて社会浄化とか、社会正義の面に向つてエネルギーを発揮するということを禁止してしまう。昭和の初めころからそういうことが行われまして、必然に学生は政治運動から遠ざかつて、その勢力のはけ口は一にカフエーとか喫茶とかいう享樂的な生活の方に流れて行つたのでありまするが、今日においても生活にあえぐ学生、またデカダンスに陷つておる学生、一部のものを眞劍に考えておる者が大体政治運動に関心を持つておるんじやないかと思います。そうして共産党並びに共産主義の本質並びにこの行動のよしあしは社会が批判し、また学生自身が勉強によつてこれを克服して行かなければならないと思つておるのですが、ただいちずに権力をもつて彈圧するという行き方は、むしろ権力で彈圧しないよりか、結果として惡い結果を招來して來るんじやないかという懸念さえ感じておるのであります。この点について問題は長野師範とかいろいろ学校で起きておりますが、これに対しては教育者が適切に指導する能力を失つておる点に、多分に問題があるんじやないかと思いまするが、教育者の資質と申しますか、能力の向上と申しますか、今日の急務はまさに指導者が少いという点でありまして、この指導者の教育の点について御見解を承りたいと思います。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 お答えいたします。社会の指導者の行動というものが、青少年に及ぼす影響の甚大であることはお話の通りでありまして、ことに政治方面においての指導者の言動に不純なものがありますと、その影響は非常に大きなものがあることは私認めざるを得ないのであります。政治は最高道徳であると私は考えるのであります。かような政治面へのその行動が純眞に、そうしてまつすぐに行くことをぜひ願わなければならないというように考えておるのでありますが、それとともに現実の担当者としての指導者も、またその指導者たる必要な素質をもつて、また指導者としての効果的の能率を発揮しなければならないのであります。これはまことにお話の通りであります。その資質の向上につきましては、やはり各人がその職務に專念するほかに、みずからの行動を十分に自粛して行くということのほかにはないかと思います。  なお今学生運動につきまして、禁止というようなお言葉があつたように思いますが、先ほどお尋ねになりました十月八日の次官通牒は別に禁止の規定ではなく、その前文にありますように、参考のために教育基本法の解釈を示したいということが書いてありまして、別に禁止の規定でないということを御承知願います。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 次に一般社会における青年の問題でありますが、今日の危機を打解する積極的な面といたしまして、青少年の社会教育を徹底させなければならない。また非常に封建的な命令服從の関係で律せられた過去の軍隊教育の欠陷というものは、しみじみ体驗して來ておるのでありますが、その青少年が日本の國の過去の教育の欠陷として、各家庭における教育、それと國家教育というものは非常にすぐれておつたけれども、いわゆる社会訓練、社会教育という面の欠乏があつた。そこで社会訓練、社会教育をする必要があるのじやないか、いま一つは今日日本の國土の復興は遅々として進まず、工業生産あたりも五十何%で、西欧諸國に比べると非常に遅れておる。こういう現状を見まして、毎年の風水害による災害、また交通、通信機関の回復がまだ遅々として進まない、こういう実情をながめて見ましたときに、まず治山、治水の問題、それから植林、道路、交通、通信機関の整備、それからまたダムの建設、こういうような社会公共企業に國費が多く費されておりますのが、終戰後多く問題になつておりますように、こういうものを請負いする一部の土建業者が不当に利得を得ておるという実情じやないかと思うのです。そこで私は提案いたしたいのは、今日國家が社会公共事業に費しておる費用だけをもつてしても青少年の社会教育は行われ、この青少年の社会教育が、このような公共の建設事業に從事せしめつつ、その生産事業を通じての社会教育を行うというかつこうにして行くならば、今日の青少年の力というものが建設の方向に多く注がれて來るではないか、そこで男女青年の義務制公共奉仕團制度を設立する意思があるかどうかという点についてお尋ねいたしたいのであります。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 青少年に対する社会教育的施設の必要であることはもちろんであります。御承知の通り、三月までにおきまして大体文部省の任務が終ります。四月から性格がかわりまして、学校面におきます任務としては、大体地方におきまする教育委員会との連絡とか、あるいは大学その他に対する資材の供與、調査資料の提供というようなことでありまして、今後の問題は主として社会教育の方に力が注がれるのではないかと思います。從いましてお話のような青少年に対する社会教育ということにつきましては、今後文部省の任務としては、非常に大きな部分を占めることになろうというふうに考えております。お話がありました学徒を産業方面に動員する問題でありますが、現在各種の公共事業等にいろいろの忌まわしいことがありますので、純眞な学徒によつてこれらが経営されるということは、一つの考え方であろうと考えられます。ただ問題は戰時中にありましたような、強制して学徒を動員するというような、権力によつて事業につかせるというような形はいかがかと思うのであります。現実の問題としてほとんど学生の六〇%はアルバイトをしておるのであります。でありまするから、これらを何かの方法で学内の勤労に、あるいは学外でも適当な学生の本分に調和するような方面におきまして、これらの公共事業のものがあれば結構であるというふうに考えておりますが、強制して動員して行くということについてはいかがかと思つております。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 ただいま権力によつて強制するのはいかがかと思う、こういうお話でありましたが、私は権力によつて強制した場合、その手段そのものの運営が單に目的から計画の細部に至るまで全部指導者が握つてしまつて、ただ青少年というものはきめられたことを実行だけするという面に置かれた場合、過去の軍隊教育また過去のヒトラー・ユーゲント的の欠陷があると思うのでありますが、しかし権力によつて強制しても、その運営あるいは計画というものが、集團自身の自治を多く重んじて、指導者はその大綱、大きな目標を與えて、細部にわたる計画の実行はあげて自主的青年の團体にまかし、みずからが指導者をつくりあげて行き、みずからが指導されるという社会訓練の方式をとる場合においては、そういう欠陷はないと考えますが、この点御答弁願いたい。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 できるだけ要点を御答弁願います。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 かえつて逆効果を來すおそれがあるのでないかということを心配しておるのであります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 織田さん、後刻ゆつくり許します。この際総理大臣に対する発言を中曽根君に許します。ちよつと速記を止めてください。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 ただいまの総理大臣並びに中曽根君の発言は、いずれも速記をとめての話でありますから、言論報道機関においてもそのおつもりで願います。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 今の私の質問は國民が非常に迷つておることでありますから、この委員会を通じて首相の御信念を披瀝していただいて、國民に安心させていただきたい。こう考えて申し上げたのでありまして、必要な部分は言論機関においても制限していただいてけつこうでありまするが、首相の御信念だけはもし可能であるならば掲載を許可していただきたいと思います。  ただいま総理大臣の非常に御懇篤なお答えのうちで、警察力が非常に弱いということをおつしやいました。私も非常に同感でありまして、聞くところによりますと、日本海方面において密輸入船やら、あるいは海賊船が非常にある。それに対して日本の防衞力は海上保安廳なりあるいは警察官がピストルを持つて出ておるにすぎない。それに対して向うは機関銃を持つておる。そこでこちらは太刀打ちができないという現状であります。また國内にありましても、警察力が非常に貧弱であることは御存じの通りでありますが、先般警察官の数を十三万二千人でありましたか、増員するとかいうことを新聞紙上で見ておるのでありますが、この警察力の充実の度合は今どういうふうになつておるか。私は十三万二千人になれば、当然予算的措置に出て來なければいかぬと思いますが、予算的措置がこの予算には出ておりません。その点から警察力の現状並びに充実について、総理はどういうお考えを持つておられますか、お伺いいたしたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 この問題は現在の必要と照し合せて、またGHQとの関係もございます。というのは日本においてドイツ等の例を考えて、警察官を増員することが再び日本の軍備を強化するのである。あるいは警察官に名をかりて、よくもとの軍人であつたものが警察に入つて、日本において再軍備というようなうわさがあつたり、あるいは御承知の通り地下運動というようなことも種々外國の新聞等に現われて來るのでありますが、地下運動がないことは明らかでありますが、警察力については一時にあまり増加するために、日本の再軍備というようなうわさの立つことをおそれて、GHQも人員の増加についてはよほど用心した考えを持つておるのが現在であります。かりに人員はそのままとしても、装備の点において、お話のように今日私の承知しておるところでは、警察官七人に対して一挺のピストルを携帶せしめておるというような実情であつて、装備の点においてもはなはだ不満足な状態であるのであります。この装備を充実するということについては異議はないのでありますが——異議はないというのはGHQもそれを認めておるのでありますが、やはり再軍備という問題にひつかかつて、話がまだ進行しませんが、必要はGHQも認めておるので、装備も増さなくてはいかぬ。また装備のみならず、ジープとかそういうような警察官の機動力を一段と増さなければならぬということも認めておる話で、多少時期の経過とともに相当の増員なり装備の増強なりということは、実現し得るであろうと私は考えております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 次に引揚促進について、御質問いたしますが、御存じのようにシベリアの引揚も十分とは言えない状況であります。特に遺族の皆さん方が心配なさつておるのは、御存じのように中共地区の問題であります。シベリアにおる方々は月五万人という米ソ協定によつて希望がありますが、中共地区に関しては何ら希望がないのであります。最近総理御存じのように中國の情勢がああいうように展開して参りまして、新聞によりますと、連合政府ができるような氣配もややあるようであります。この際私は日本としてとるべき立場からすると、一つ考えられることは、アメリカにお願いしてこれを國際連合の問題にしてもらう、世界的な視野の中でこの解決の糸口を見出してもらうのが一つあるだろうと思う。もう一つは中共の連合政府ができた場合に、この中共の関係の政府と話合いをつけて、中共地区の日本人を帰してもらう、こういうようなことも考えられるのでありますが、この二つの点に関して総理はいかような見解をお持ちでありますか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは中國の状況とともに、偶然な話でありましたが、中華民國における日本人の安全はどうして保護してくれるであろうか、米國人はだんだんフイリツピンもしくは日本に引揚げる命令が出ておるそうであるが、日本の在留者はどうするのであるかということを聞きましたところが、これは最近、一週間ばかり前の話でありますが、天津に船を送つた。それで天津から引揚げさせるということの話があつて、私は天津に集結しておるのかと思つて調べてみましたところが、天津にも多少の残留者はあるそうでありますけれども、上海には戰犯その他の関係で三百何人とかがおる。どこどこにこれだけの人数があるというので、復員局その他で調査をしておる数字をGHQの方にまわして、今その参考に供して、それらの天津地区以外の引揚民に対する処置を依頼いたしております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 國際連合に提訴してもらうということはどうでありますか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは今日日本としてはGHQを通じてでないと交渉ができない立場におりまするから、提訴ということも考えられますが、GHQは今申したように天津に船をやるとかいうような相当の手段を講じております。その手段を講じてくれないということになれば、提訴ということも考えられますが、直接に提訴はできないような関係になつております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 最後に現実の政治問題について御質問いたしますが、御存じのように解散の問題について政府野党間に協定ができております。その中に第二條でありますか、政府は新給與ベースによる追加予算を國会へ提案し、野党は提案後二週間の期限にて議了すること、こうあります。議了という言葉からすると、私はこれを否決する自由も入つておるのではないか、こういうふうに解釈いたします。あるいはまた組みかえをやることも含まれておるのではないか、こういうふうに解釈して、そういうことをやりたいという意思を私自身は持つておりますが、総理大臣はこれについてどういうふうにお考えになつておりますか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 お答えしますが、この協定は私は多角協定と申しておるのでありますが、私とGHQとの間の関係において約束ができて、他党との間の関係において約束ができたのでないのであります。またGHQと他党との間には個々別々に約束ができておるのでありますから、私はこれは多角関係だと申しております。そこで約束の面から申しますと、予算を提出して二週間後には野党の方から不信任を出す。その不信任を出すことは、われわれ少数党としては野党に迫るわけに行かないと申したところが、野党の方にはGHQの方から直接話をするということで、とにかく約束の面から申しますと、予算提出二週間後には野党が不信任を出す。そうして解散をするというとりきめになつております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 総理大臣にお尋ねいたしましたのは、これを否決する自由があるかということと、それから組みかえする自由があるか、これに対する御見解をお聞きいたしたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 それは國会の審議権でありますから、御自由であると思います。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 その次にお伺いいたしますが、この協定をおつくりになる前に、総理大臣は政界の淨化ということを非常に高らかに國民の前に呼称されたのであります。その後総理の御政策の通り、政界の淨化は非常に進んでおりまして、特に最近は御存じのように石炭國管問題、あるいは纖維疑獄というものが非常に進展をして参りました。うわさによりますと、きのうの石田君の緊急質問のようなうわさも飛んでおりますし、また平野力三君や、あるいはその他の大物が続々と逮捕状が來るというような情勢すら見受けられるのであります。これはまさに総理がお唱えになつた政界淨化の御方針に合致するものだと思いますが、この協定をおつくりになつたときにはこういうことは出ておらなかつた。そこで外交官である総理大臣も御存じの通り、國際法には事情変更の原則というのがあるのですが、この協定についても、こういうような新たな事態が出て來たので、協定自体が事情変更を來した。そこでこの協定の一部はある程度留保するというようなことも考えられるのではないかと思いますが、この点総理はいかにお考えになりますか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 政府としては協定通り進んで参りたい、こう思つております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 しからばもしこの石炭疑獄事件というものがもう少し進展して行きまして、かりに閣僚の中から連座する人が出て來る、あるいは逮捕要求が來る、あるいは召喚される、こういうような事態が起つた場合に、吉田内閣は政界淨化を唱えた関係もあつて、道義責任をもつて総辞職するようなことを私は当然やるべきだろうと思うのでありますが、そういう事態が起きた場合に、総理大臣はいかに御処置なさいますか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 仮定の場合について今日私から申し述べることはできませんが、しかし私の内閣としては、かねてから申す通り、疑獄事件は檢察当局の処断に政府としては干渉しない。檢察当局のなすがままに、あるいは民自党員であるから特別扱いをするとかなんとかいうようなことは、一切しないという方針で臨んでいるのであります。が昨日も議場で申したように、現在問題になつているのは、田中角榮君だけの話であつて、その他のことは問題になつておりません。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 現状はそういう状態でありますが、御承知のように不当財産処理委員会においても纖維疑獄事件を取上げて、今日は証人喚問をやるという事態に立ち至つております。またそうした問題についても、新聞等の傳えるところによると、現閣僚にも波及するかもしれないということでありますが、もしこういう事態ができた場合に、政界淨化を唱えている吉田総理大臣はどういう処置をおとりになるか、そのお考えの一端を承りたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私としては善処するとお答えする以上に、想像した問題でもつてお答えができないのであります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 それでは最後にお尋ねいたしますが、予算の審議は、協定は一應二週間ということになつておりますが、六千三百円ベースその他をめぐつて、きようあすにはちよつとむずかしいような形勢もあります。かりに十二日に議了するといたしましても、ちよつと長引くような形勢も部分的にはあるだろうと思うのであります。その場合に、協定通りわれわれが十三日に不信任案を政府に対して提起した場合に、政府は予算審議中といえども、その協定によつて解散をただちに断行するか、不信任案に対してどういう処置をおとりになるか、この際お聞きいたしたい。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私としては、なるべく予算を議会において議了していただきたいと思います。しかしながら將來のことについては申し上げかねます。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 井出一太郎君。簡單に願います。

井出一太郎国民協同党

○井出委員 総理大臣に一、二点お尋ねをいたしたいのであります。私は民族の自立とでも申しましようか、この点にいかなる見解をお持ちになつているか。われわれはここに終戰三年余を経過しておりますが、いまだ日章旗を掲げることさえも、何かしら遠慮するような状態のもとに置かれております。町を歩いてみますると、日本の女性が妙な姿に置かれておる。あるいはアライド・フオースと書いた車がゆうゆうと座席のあいておるのに、片方ではわが邦人が雜沓をきわめた列車の中に殺人的な旅行を続けておる。もはやわれわれはこの辺においてこういう状態を一日も早く脱して、たとえば政治の面においては、一つの新しい政治哲学というふうなものが打立てられなければならぬ時期だ、かようにも考えるのであります。こういつた國民的な要求は、おそらく講和会議を経ないうちはどうにもならぬと言われますかもしれません。せんだつて総理の御答弁の中で、平和会議にかわるべき何らかの暫定的な協約というふうなものについての御構想をお漏らしになられたのでありますが、さらにもう一歩突き進んで、國際連合への加入、こういつた問題はいかに相なるでありましようか。私どもはこの前の第一次吉田内閣のときに新憲法を策定いたしました。そのときに第二章で武力を放棄した日本の將來の独立は一体どうなるのか、こういつたことに対して、國際連合に加入することによつて、列國の正義と良心とが日本を守るであろうというふうなことに私どもは大きな期待を寄せたのであります。けれども今日一体はたしていつの日にか國際連合加入を許されるであろうか。こういつた民族的なわれわれの要求と、これをそういつた國際的なものに結びつける方向が、いつの日一体打開されて行くでありましようか。こういう点についてひとつ総理の見解を承りたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 ただいまの御質問はまことにごもつともであります。私もはなはだ同感であります。この事態はまことに悲しむべきことであり、また一日も早く独立を回復しなければならぬのでありまするが、しばしば申します通り、國際情勢が予想いたした以上に微妙と申すか、反対の方向に走りまして、終戰後三年にして今なお講和ができないというのは、これは國際関係が一層廣汎にわたつたということもありましようし、それからまたイデオロギーと申すか、ここに大きな國家が対立しておるというような事態になつてしまつたのでありまするから、日に日にその爭いが激化しておる。激化はしておりまするが、しかしながら先ほど申した通りに、もともと普通の状態に返りたいという氣持もまた相当にあるのであります。ことにイギリス、アメリカ等の民主國においては、その観念は日に日に増加しておるのでありまするし、また日本に対する対日感情も非常に融和をいたしておることは事実であると思います。たとえばこの間鈴木文史朗君がアメリカに行つて、そうして体驗いたしたところによつてみても、いわゆる二世がイタリー戰場において非常によく戰つて、そうしてテキサス州の旅團を救い出した。ことに從來テキサスは日本に対してあまりよくなかつた所でありますが、そのために日本に対する、あるいは二世に対する、米國在留の日本人に対する感情が非常にかわつて來た。のみならず日本に対して氣の毒であつた。日本に対しての、日本人の待遇は、國籍に関する法律にしても、あるいは日本人の財産保護にしても、あるいは戰時中の待遇にしても、アメリカ人として良心的に考えてみて氣の毒であつたというような感情が一方において進んで來た。これは鈴木君の体驗でありますが、私も始終そういう話を聞くのであります。そういう考え方がだんだん積り積つた結果、今朝の新聞にもありますが、集中排除法案においては非常に緩和された。あるいはまた日本に対するいろいろな——日本の経済を破壞するような法律はもちろんのことでありますが、日本の工業水準を高めることに一層努力しようじやないか、あるいは中華民國、朝鮮等における事態から考えてみて、日本を基地として東洋の平和を確保することがいいではないかというような議論が、相当アメリカ本國において起りつつあるように考えられます。でありますから、われわれの待望する日米の関係の平常化するということ、あるいは日本の独立を回復するように、日本國民に満足を與えるような処置に出ずるということは、これは私の想像でありますけれども、トルーマン大統領が再選されて、今の政府が從來の政策を続行いたすということになりますと、われわれの希望は思つたよりも早く達せられはしないか、少くとも達せられるように米國の政策に政府としては積極的に協力するということが、日本の独立なりわれわれの希望を達するのに唯一の方向ではないか、こういうふうに私は考えて一層協力する処置に出でたい、こう考えております。

井出一太郎国民協同党

○井出委員 御答弁は了承いたしました。今のお答えの中に漏れておりました國際連合加入の見通しをもう一度伺いたいと同時に、東亞の問題でございますが、せんだつてのやはりこの席上における御答弁中、支那の現状が國府軍と中共軍とにわかれて深刻な民族的内戰をやつており、しかもそれは南京陷落さえも目睫に迫つた実に憂慮すべき段階にあるのであります。総理は支那における御体驗等から、さほどこれは心配ないというふうにも私は受取れたのであります。しかし日本が東亞各地を侵略いたしまして、それぞれの地帶において憎まれ者になつておる、このことは日本の敗戰の創痍がいえても、なかなか拂拭しがたい問題だと思うのでありますけれども、そうかというて日本の立地的條件というものは、東亞の問題を離れてはどうにもならぬのでありまして、そこにかつての東亞協同体的の理念とは違いまするけれども、最近來られた張群氏などがやはり東亞の一つの経済提携とでもいいましようか、かような構想を持つておらるるやに聞いておりますが、こういつた一つの東亞の連盟方式とでもいいましようか、このようなものについていかようにお考えになりますか、この点をお伺いいたします。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 お答えいたします。私が心配ないと申したのは新聞に掲げておるほど心配なものではない。現場におれば存外支那人の実際的の生活からいつてみて、新聞に現われておるほどいくさの危險があるとも考えられないというだけの話で、決して心配しないわけではないのであります。なぜかと申しますと、私先ごろあるアメリカ人に申したのでありますが、アメリカからああいう高い食糧を、運賃その他から考えてみて非常に高くなるそういう食糧を輸入されておるのでは、いくら輸出しても一年限りでもつて消耗し盡してしまうということになると日本の復興ができない。ゆえにアメリカからの輸入はなるべく工業原料を輸入してもらつて、その工業原料を製品に直して中國その他に輸出して、中國その他からなるべく安い食糧、たとえば大豆とかあるいはその他の安い食糧を得て、そして中國のインフレもとめるが、同時にわれわれの輸出貿易も振興するというような考え方にしてくれれば、日本も一番いいがというような話もして、それはもつともだというような話もあつたようなわけであります。ゆえに中國の状態が平常化して、そうして日本との間に貿易が行われるようにならないと、日本の復興もできないのである。これは日華の間の地理的関係、歴史的の関係から申して、中國の動乱をわれわれが対岸の火事と考えられない関係にあることは私も承知いたしております。決して冷眼視しておるわけではないのであります。そこで國際連合加入の話でありますが、これは日本としてはぜひともいつかは加入しなければならぬのでありますけれども今日直接に加入の希望を申出ることは、外交権停止の状態にあるものでありますからできませんが、しかし聞くところによると、日本その他が加入しない限りは國際連合の主義も立たない、むしろ連合側の方から勧誘すべきものではないかという議論も起つておるようであります。しかしただちになかなか実行できないのは、過日もオスロでもつて万國学術何とか協会というものがありまして、日本の学者に参加を協会自身として申込んだにもかかわらず、数箇國がヴイザをよこさないというようなことで、遂に実行ができなかつたのでありますが、いろいろな万國会議等に招聘せられることがだんだんたび重なつて行く、あるいはアメリカだけへの渡航もだんだんゆるやかになつておるといいますか、渡航する人間の数がふえております。これらのことがたび重なつて行く間に、自然に向うからも勧誘もし、こちらからも加入したいという希望が互いにある接触点において、遂にその目的を互いの利害からいつて遂げられる時期が來やしないか、これは一にかかつて講和関係にありますけれども、一般の空氣から申すと、連合に加入その他の関係がしきりに好轉しておるように私は考えるのであります。しかしこれもたとえば日本が再軍備に着手したとか、あるいは地下團体ができたというようなうわさがあると、そういう時期も遠くなりますが、日本の民主化なり経済の復興なり、また日本に経済が復興することによつて、極東の経済が復興されるというような事実が如実に現われて参るか、あるいは東洋における外國人がそう考えて來るか、そういうことによつて一層促進せられるのではないか。空氣としては、一般の傾向としてはいい方向に向つておるように私は感じられます。

井出一太郎国民協同党

○井出委員 國際関係が漸次好轉の道をたどつておる、このような御答弁でございましたが、願わくはこれは総理の主観的なお考えだけでなく、世上ややもいたしますると、吉田内閣が國際的に不評であるというようなことも傳えられておるやさきであります。どうかただいま承つたような方向へせつかく御善処御努力願いたいと思うのであります。  もう一点は外資導入の問題について承つておきます。日本の復興は、かくも資本が欠乏いたし、破壞の極にあります日本の生産を復興いたしますためには、外資の導入にまたなければならぬことは当然だと考えます。そうしてまたわれわれはかつて外國資本を入れて、それを十分に使いこなした経驗を持つておるのでありますから、幸いに日本を援助して外資が入るならば、さような意味においてこれを十分活用して参りたいと思うのであります。けれどもときに外資を入れることが日本を植民地化すことである、あるいは外國資本に隸属せしめることである、こういう観点から強い反対意見も一部にあるようであります。総理は外資導入の問題をどう考えられるか。かような植民地的隸属というものを來すおそれは絶対にはないかどうか。そういう点を明確に言明を得たいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私は外資導入についても樂観的な考え方を持つておるのでありますが、從來たとえばエジプトであるとかあるいはその他外資が入つたがために國が危くなるとか、あるいは國が遂に滅びたということがありますけれども、今日は外資を入れたからといつて、あるいは借金が拂えないからといつて、ただちに國をとるというほど國際関係が野蕃でなくて、一層進歩しておるということが一つと、もう一つは日本國民はエヂプトその他の亡國的國民ほど文明の能力が低いとは考えられないのであります。御承知の通り、紡績業にしてもほとんど戰前にはイギリスその他を圧迫しておつたような状態であります。そうしてその他の工業にいたしても、日本の國の進歩は相当他國をして脅威を感ぜしめるほどに発達しておる國民で、この國民が借金をして、借金が拂えないために、植民地はとにかくとして、國の存在を失うということは、私は決してないと思うのみならず、とにかく八千万の人間がここにおる。この八千万の人間が固まつている國はあまりたくさんないのであつて、これだけでも能力においても、数においても、外資が入つて來たがために、日本が遂に亡國になるとか、植民地化するというようなことはないのみならず、外國の技術、外國の原料を入れることによつて、日本の再生、日本の復興が遂げられるのであつて、むしろ日本國民としては心を廣くして、外國の技術を受入れ、外國の学術知識等も受入れて、そうして世界の工業技術の水準まで早く高めるということが肝要ではないか、こう思います。  現についさつきも話をしておつたのでありますが、日本の石炭の増産がはなはだ思わしく行つておらない。日本の石炭の増産せられない限りは、日本の工業復興はむずかしいのであるが、三池その他の山も戰爭中にむりをして石炭を掘つたがために、石炭山が荒れている。新しい坑道を開発しない限りは、日本の石炭の増産はむずかしい。ついてはアメリカの技術を輸入し、あるいはアメリカの坑道をうがつ土木技術とか、あるいはまた探鉱の技術を輸入するとか、あるいはもし日本の炭層が狹いためにアメリカの機械が輸入ができないとしても、ある炭鉱は、たとえば三池のごときは、相当炭層が大きいから、これにアメリカの機械が利用ができやしないか。そういうコンサルチング・エンジニーアというようなものを連れて來て、考えてはどうかと言つて、アメリカの元日本におつた人でありますが、それが私に心から勧めておるのであります。まず技師を一箇年雇うとして幾らの計算が立つか、これだけ政府が補助を考えないか、そうして日本の石炭を掘る技術、あるいは土木技術について、戰爭中に停止しておつた日本の進歩を取返すために、戰爭中に非常に発達したアメリカの技術を入れることを考えてはどうか、またGHQもこれに援助するという話があるわけで、これはぜひやつてみたいと思います。少くとも運輸省の持つておる鉱山等について試驗的にできないかというようなことを考究いたしておりますが、私の希望としては、戰爭中に失われた技術の進歩を、外國のコンサルチング・エンジニーアを連れて來て、試驗的というとおかしい話でありますが、まず着手して試みてはどうか。もし幸い結果がよければ、他の三池とかその他の鉱山も金を惜しまず研究をするであろうと思いますが、政府として卒先して何かしてはどうだろうか、決して日本の國を植民地にし、あるいは亡國にするための考えではありませんが、何しろ戰爭中の日本の技術が非常に遅れたということは、これは事実である。また日本の石炭の増産ができない限りは、日本の産業の復興ということもむずかしいことでありますから、政府としては一つの案として考えてみたい、こう考えております。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 織田正信君、この際簡單に発言を願います。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 総理大臣みずからが非常に強く感ぜられている点と思うのでありますが、私議会へやつて参りまして最も不愉快に感じます点は、今日の日本の政治のあり方が一つの軍政であります。その軍政が間接的な統治という形態になつております関係上、國会内においてもともすれば連合軍の意向というものを乱用しがちであるという氣分が多く見られたのであります。國民の選び出された代表者であるこの國会において、國民の意思が常に曲げられているという関係から、今日國民と國会が遊離しつつある。この事態は、まことに民主主義政治を確立する上においての非常な危機じやないかと思うのです。また今日政局混迷の原因の一つの大きなものであると考えているのでありますが、連合軍と政府と國会との関係、私少くとも政府は連合軍の執行機関たる性質を多分にやはり帶びると思いますが、國会の審議並びにいろいろな決議、発言は、まさに國民の代表者としての発言をすべきであると考えます。先般も不信任案が通過するときまつている、こういうようなことが言われておりますが、これでは代議士が議会へ出て來る必要はあまりない。本会議できまることがその前にすでにきまつているのでは、出て來る必要はあまり感じない。こういうところに大きな政治の矛盾を、議会内においても、また一般國民も強く感じていると思うのでありますが、この点について連合軍と政府と國会との関係の明確化について、総理大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私の確かめている進駐軍の政策は、決して日本の内政に干渉するという考えはないのであります。しかしながら從來経済復興その他について政府の仕方がなまぬるいとか、あるいは怠つておつたとかいう点については、これは向うが好意的にこうしたらどうだ、ああしたらどうだということがあるのであつて、命令としてこうしろ、ああしろというようなことは、占領政策の範囲内だけであります。國会についても同じことでありまして、なるべく財政は日本政府あるいは國会の自主的行動にまつべきものであるという点については、一点疑いないのであります。しかしながら從來と申しますか、実際を申すと、しきりにGHQの御意向はどうであるかというようなことを伺つた人もあります。伺つた結果は、また向うも干渉は決しておもしろくないが、何と申しますか、せわをしてせわがいがあれば、ますますせわをするという人情もあつて、よけいなせわをしたこともあると実は思います。またよけいなせわをさせたこともあつたりして、この点は改むべきものだと思います。しかし氣持としては、決して内政に干渉はしない、なるべく自主的にやれという氣持は明瞭であり、政府もなるべくその線に沿つてやりたいと思います。同時に國会自身においても、進駐軍の御意向をしきりに探るようなことをしないように、自主的におやりになることが肝要でないかと思います。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 林大作君。

林大作日本社会党

○林(大)委員 総理大臣にお尋ねいたします。第一点は、前に新聞などに書かれておりました例の非日活動審査委員会というものがございますが、それは私どもはある意味において必要であると感じております。最近また議会の内部においてもそうした考え方もないではないと思うのであります。こうした議会内における、もしくは外における委員会の設置などについて、首相の御意見を承りたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 ちよつと非日活動という意味合いがよくわからないのでありますが……。

林大作日本社会党

○林(大)委員 アメリカにおける非米活動調査委員会というものがございます。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは先ほどちよつと申しましたが、アメリカ等の法制がどうなつておるか、実は私よく知らないのでありますが、今研究さしております。たとえばもし日本の國家組織を破壊するとか、あるいは社会擾乱を起す目的をもつて、ある活動があるとすれば、國家及び國民を保護する上において何か考えなければならないのではないか。今実はアメリカ、イギリス等の法制を調べさせております。研究いたしております。

林大作日本社会党

○林(大)委員 その次には先日この委員会で講和條約に関して、暫定処置をおとりになるというような御発表がございました。われわれといたしますと、すでに終戰後三年にもなり、戰犯者もほぼその裁判が確定をいたしつつありまする今日、暫定処置では國民といたしましても、はなはだ不満なものがあろうと私は思うのであります。これはなるほど戰いに勝ちましたものと負けましたものとの間には、非常な心理的な差異はございます。しかし負けましたものといたしましても、誠意と熱意とを披瀝してそうしてぶつかりましたならば、その限度におけるところのしんしやくと申しますか、その熱意は当然聞き入れらるべきものであると思うのであります。そういう意味で、三年にもなりまして暫定処置では、とうてい國民は承知すまいという感じがいたしております。これについてもつと積極的に働きかけられて、ほんとうの講和條約を結ぶ御意思がありやいなやという点でございます。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは速記をとめていただきたいと思います。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 速記を始めて……。

林大作日本社会党

○林(大)委員 今の問題は私ども特に國民の見るところでは、國際情勢が大國の間でデリケートになつているから講和條約が延ばされるのだというのではむしろこれは逆であつて、そういう場合こそ日本を独立させてもらわなければならないというような考え方で、私は押し進むべきであつて、十一箇國もあつてごちやごちやしているし、英國の中もなかなかまとまらないからというのでは、いつになつても講和條約はできそうもないように心配をいたしますので、今の國際情勢から見て、総理が相当の手腕を発揮されまして、今こそ強力な要請をなすべきである。かように私はお願いを申す次第であります。  次の点に移りますが、最近新聞の傳えるところによりますると、アメリカの來年度の海外援助費用が五十億ドル以上に上つております。中國に渡される予定のものも三億ドル以上ということが明らかになつております。日本側に対する援助の額が明確でないようでありますが、大体においてどのくらいのものが予定され得るものでありますか、お伺いいたしたいと思うのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私の承知しているところでは今GHQからワシントンに委員が参つて交渉中であるというのがほんとうではないかと思います。フアインという人が参つて交渉をしているということが事実ではないかと思います。新聞にはいろいろ出ておりますけれども、確実なことはフアインが帰つて來なければきまらないじやないか、こう想像いたします。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 林君、結論だけをどうぞお願いいたします。

林大作日本社会党

○林(大)委員 それではもう一、二点でまとめますから、話を飛ばしまして、全然違つた問題でありまするが、先ごろ本会議で岩本國務相が三十万人の整理をしたいという希望的な意見を申しておられた。現実にそういう必要があるであろうということは私どもにもわかります。しかしながらこれは官吏だけで三十万人にもなり、從つて國民全体としての雇用の編成がえというものが相当大きくこれがきつかけとなつて起つて來るであろうと思うのであります。そうしますると單に首を切るというだけでなくて、総理としては、日本全体の人口問題と完全雇用の問題を眞劍にお考えになつておられるであろうと思うのであります。まず首を切るという問題だけが先に出て來たのでは、とうてい國民は安心しておれないと思うのであります。從つてその点、日本の人口問題、特に完全雇用についてどういう見通しを持つておられるかということが一点であります。  その次は日本の最大の問題は何であろうかと申しますと、長い目で見ますと人口問題でございます。人口問題を解決する道は、私の見るところでは日本としては三つあると思うのであります。その第一は輸出貿易の促進でございます。第二は、できるならば移民という問題、第三が産兒制限の問題であります。この三つの中で特に産兒制限について総理がどういう御見解を持つておられますか、この点をお伺いいたしたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 この点ははなはだ專門的な問題で、私としてはお答えをする資格がありませんので、これは專門家からお聞きを願いたいと思います。  とにかくもとより政府としては首切りが主眼ではないのであつて、財政の整理が——整理と言いますか、財政の緊縮が主眼である。その結果として失業者が出る。この失業者の救済は、日本を工業化することによつてでなければ大きな救済はできないだろうと思います。そのためには外資の導入とか、あるいはお話のような輸出を振興させるとか——振興させるためには、たとえば先ほど申したように、つとめて原料を輸入してもらうとか、あるいはドル勢力國ばかりでなく、英貨の勢力圈内との間の通商貿易の協定をするとか何かをして輸出貿易を振興させ、日本を工業化することによつて余剩人口を救う、あるいはまた失業者を救うという方に参りたいと考えております。

林大作日本社会党

○林(大)委員 ただいまの御答弁ですと、産兒制限につきましては專門家でないからと言われるのですが、私は総理を産兒制限のお医者さんとしてお尋ねしているのではないのでありまして、そういう意味でなく、つまり人口問題の解決として、産兒制限を政治的にどうお考えになるかということをお尋ねをいたしておるのであります。その点を重ねてひとつ御答弁を願いたいと思います。  それからもう一つ、また別なことでありますが、今審議しておりますところの予算の審議が——なるべく私どももこれは早く上げたい。これはどんなことをしても流すようなことがあつてはならない、上げなければならないと思つております。しかしながら今人事委員会の方の様子を見ますると、大体においてこの給與法案が六千三百七円に訂正せられて通過するのではないかという空氣が十分にあります。その場合には総理とせられましては、率直にそれをこの予算委員会に移して、予算委員会の予算の修正を認める方向にお考えになるかどうか。この点をお尋ねいたしたいと思うのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 今の産兒制限の問題は、もう少し研究さしていただきたいと思います。また予算の問題は大藏大臣からお答えいたします。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 林さんにお答えをいたします。きわめて簡明に……。新給與ベースにつきまして、人事委員会から新公務員法に即應してさらに勧告になりましたことは承知をいたしておるのであります。しかしながら政府といたしましては、たびたび申し上げております通り、政府は政府の立案でありまする五千三百三十円の原案が、今日におきまして最も適当であると、かようの信念の上に立ちます限りにおきまして、さようの修正はないものと考えておりますので、以上御了承願いたいと思うのであります。

林大作日本社会党

○林(大)委員 大藏大臣の今の御答弁で、五千三百三十円の修正はないものと思うと、こういうお話でございますが、それはおそらく大藏大臣の御見解でございます。私のお尋ねしておるのは、今申し上げるような情勢になつて來た場合に、率直に六千三百七円を認めて、修正をしてこれを通される御意思があるかどうか、こういうことであります。あなたの主観をお尋ねしているのではなくて、そういう客観的な情勢に対して、どういうふうに対処されるかということをお尋ねいたしておるのであります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えいたします。ただいま林さんのお尋ねの中の人事委員会と申しますのは、臨時人事委員会というように実は私誤解をいたして御無礼を申し上げましたが、國会における人事委員会において修正をいたされた、かようの前提を今日立てまするには時期尚早、かように考えている次第であります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 後藤悦治君、総理大臣に対する質疑を続行願います。

後藤悦治民主党

○後藤委員 私は吉田総理にお伺いをいたしたいのでありますが、これは一部本会議でも行われた質問で、重複するようでありまするけれども、総理の答弁がきわめて抽象的でございましたから、重ねてこの機会の冐頭にまず伺いたいのであります。  吉田総理は本会議におきまして、解散に対する見解を披瀝されたのでありまするけれども、これは現在の吉田内閣が少数党内閣であるから信を國民に問うための選挙である、かように申し述べられておるのであります。私はこれは一つの暴論であると考えておるのであります。いやしくも單独内閣を決意されました限りは、民自党が当初この國会内において、衆議院において、少数党であることはおのずからわかつておるはずであります。私は少くとも吉田総理が、政界のルールを確立したい、こう言つておられまする信念には、共感を持つ者の一人でありまするけれども、私の信條におきましては、少くとも少数でありましても、よろしく政党政治運用の建前から申しまするならば、まず民自党独自の政策を國会に御提出になつて、これが少数党であるために通過が困難であるとするならば、この政策が是であるか非であるかということをもつて、政策によつて民意に問う、これが私は最も正しい憲政の運用であろうと考えるのであります。この点につきまして、まずその御所見を伺いたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 この点は、しばしば私が本会議その他で申し述べておりますが、私の信念としては、國会の指名を受けても、さらに國民の指名を受くべきものである。少数党内閣としては、國会の指名を受けても、総選挙によつて國民に信を問うということが、民主政治の精神である、こう私は思いますので、あなたの御議論とは根底において違つております。

後藤悦治民主党

○後藤委員 この点につきまして、私は首相の見解を非常に遺憾とするのであります。なぜならば、漫然と信を問うということであつては、いやしくも多額の國帑を費し、多くの國民に迷惑をかけて総選挙を断行するには値しないと思うのであります。ことに在野時代に掲げられましたる具体的な五つの公約がございます。これらが法律案でもつていたしまするもの、あるいは政令をもつていたしまするもの、いずれもその一端といえども國会に提出されておらないのであります。從來在野時代に掲げられましたる政策は、一つも國会に上程されずに、また具体的に政策をもつて爭われずに、少数なるがゆえに單に信を問うということは、私は國民に、ないしは國家に與える影響が、総選挙に値しない、至大の迷惑を與えるものだと思うのであります。ことに綱紀粛正を叫ばれ、政界淨化を叫んでおられまする総理は、今や世間に喧傳されておりまする石炭國管の問題、あるいは合同無盡の問題、あるいは纖維局の事件、これらを係爭中のままに残して、選挙に臨まれますることが、はたして綱紀粛正を叫ばれ、政界淨化を叫ばれるところの首相の御見解と一致した措置なりと言い得るやいなや、この点についての御見解を伺いたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 この点は、しばしば申し述べておりますが、不幸にしてあなたと私は議論の根底が違つておりますから、いつまで申しても同じことであると思います。

後藤悦治民主党

○後藤委員 はなはだ首相の御答弁は私は不親切であると思います。單に質問者に対して不親切であるということでなしに、國会に臨む政府の態度として、あるいは総選挙に臨まんとする政府側の態度といたしまして、はなはだ私は立憲的でないと思うのであります。これがいわゆる今日の民自党に対する國民非難の最も代表的なものになつたのだろうと考えておるのであります。さらに私のお伺いいたしたいのは、ただいま新聞紙上等を通じてうかがわれますところの政府の見解によりますというと、四党協定に基きまして、予算の通過を見ましたならば、政府は不信任案の上程を待つて、ただちに解散の挙に出たい御意思の由でありますけれども、憲法の規定によりますというと、不信任案が通過いたしまして、十日以内に総辞職をいたすか、もしくは解散を行うかということになつておるのであります。ここで具体的に申し上げますというと、この運用の次第によりましては、わが國憲政始まつて以來の——國民の最大行事でありますところの年末、年始をまたにかけて、総選挙を行わなければならないことになるのであります。首相はこの國民最大の行事でありまする年末、年始を中にはさんで、やはり選挙を行われるところの御意思でありまするか、憲法による十日間の規定を最大限お使いになつて、年末、年始に累を及ぼさないで総選挙をお考えになつておりまするか、その辺を具体的に伺いたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私は四党協定といいますか、あの約束の線に沿うて解散をいたすつもりでおります。

後藤悦治民主党

○後藤委員 しからば当然、選挙期間中に年末、年始をさしはさんでもやむなし、こういう御見解でありましようか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 そうであります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 後藤君、発言を求めてください。同時に、ほとんど論議済みの問題でありますから、できるだけ重複をお避けください。

後藤悦治民主党

○後藤委員 しからば具体的に私は伺つてみたいと思うのであります。巷間傳えますところによりますと、現下の日本の実情におきまして、わが國が占領治下にあるということは何人も周知いたしておりまする嚴然たる事実でありまするが、しばしば吉田総理が占領軍当局に対して協力的でないかの印象を與えるような言辞を聞くのであります。これは國家のために非常に私は悲しむものであります。私の考え方をもつていたしまするならば、占領軍に阿諛迎合する必要はごうまつもございませんけれども、よろしく協力をいたしまして、わが國の占領治下の鉄鎖から一日もすみやかに脱する方途を考えなければならないと思うのでありまするが、占領軍当局に対しまする首相の心構えを伺いたいと思うのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 お話の通りに私も考えております。

後藤悦治民主党

○後藤委員 次に、政策に対する考え方について伺つてみたいと思うのであります。ただいま林君から、わが國の人口、食糧問題について御質疑があつたのでございまするが、総理は、人口、食糧問題から見たわが國の將來に対して、單に産兒制限法は私の專門でないから、こういうことで言明を回避されましたが、産兒制限という具体的な問題は別といたしまして、わが國の將來の人口、食糧問題に対するところの御見解を伺いたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これも先ほど答弁いたしましたが、日本を産業化することによつて、日本の人口を吸收するということが考えらるべきものであると、こう考えております。

後藤悦治民主党

○後藤委員 日本の將來の人口、食糧問題は、各般の方途によつて打開しなければならないのでありまするが、日本の産業、貿易を興隆することによつて、日本の不足物資を輸入して充足するという一つの手段方法しか総理から聞くことができないのを、非常に残念に考えておるのでありますが、その他の方途に対しては、何らお考えを持つておいでになりませんか、どうでありましよう。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これもしばしば申し述べたことでありまして、重複をいたしますから、從來の私の申し述べたことを記録によつてお調べを願いたいと思います。

後藤悦治民主党

○後藤委員 私はこの際、具体的な吉田内閣の政策について伺つてみたいと思うのであります。わが國の現下の焦眉の急は、食糧問題に次いでインフレの收束対策でございますが、吉田総理は、インフレの收束対策に対しましては、今日まだ吉田内閣独自の政策に基くところの具体的な措置が用意されておらないように私は考えておるのであります。將來どういう方途によつてインフレを收束されんとするのでありましようか。その構想について伺いたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これもしばしば私からして申し述べておるんでありまするが、まず私が國民からして再び信任を受けました場合には、その節には御満足の行く以上に抱負を述べたいと思います。それまではお待ちを願います。

後藤悦治民主党

○後藤委員 ただいまの総理の御答弁によりますと、まことに私は無責任なる、総選挙に臨まれる態度だと思うのであります。白紙委任状をもらつたならば、あとはどうでもやつて見せるぞ、こういうような御態度であるとしか受取れないのであります。私は白紙委任状をもつて総選挙に臨むことは、吉田内閣といたしましては、まことに無為無策を露呈したものと言わざるを得ない。かように考える次第であります。私は今日のインフレを收束する手段といたしまして、たとえば片山内閣時代におきましては、千八百円ベースと新物價体系、あるいは流通秩序の確立、こういう方途をもつて臨んだのでありますが、さらに賃金と物價の惡循環を断ち切りますために、芦田内閣におきましても二千九百円ベースと、それから百十倍ないし百二十倍の改訂をいたしました物價体系によつて、物價、賃金の惡循環を断ち切らんといたしたのであります。具体的に申しまして、物價と賃金との惡循環に対して、どういうようにお考えになつておるか、御見解を承りたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これもまた同じ御質問でありますが、私が再びさらに総選挙後の首班に任命された場合に抱負を十分に述べます。

後藤悦治民主党

○後藤委員 まつたくの白紙をもつて、國民に対して白紙委任状に判をつけというような御答弁は総理といたしまして、まことに暴論であると思うのであります。かような答弁を伺つておる限りにおきましては問答無益でありますから、私の質疑は打切ります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 この際大藏大臣に後藤悦治君、質疑を続行願います。——では順序を変更いたしまして、中曽根君に発言を許します。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 大藏大臣にお伺いいたしますが、これは安本長官兼任でいらつしやいますから両方の立場からお答え願います。まず第一に歳入の問題ですが、タバコやあるいは酒の予定收入額が大分下まわつておる。こういう話を聞いておるのでありますが、現実に数字でどれくらい予定より下まわつておるかお伺いいたします。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 タバコの收入が予定に充たない、また酒の賣れ行きも予定に充たない。かようなことが言われておるのでありますが、この点政府においてもかような事実が若干あると思います。ことに酒のごときものは今後必ず賣れ行きは増進せられるもの、さようの希望を抱いておるのでありまして、今回提出いたしました追加予算面におきましては、酒の増石によりまして三十億円の増收を見込んでおるのでございまするが、その反面においてほぼ同額のあるいは減收がありはしないか、さようなことであつたのでありますが、これは堅実を旨とする建前上さようの見解に立つたのでありまして、今後一層の努力とくふうによりまして、予算以上の歳入を確保いたしたい。かように考える次第であります。なお詳細につきましては、それぞれ政府委員より御答弁申し上げます。

河野一之大藏事務官

○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。タバコの賣れ行き減でありますが、当初の計画ではタバコの賣上額が千百二十一億ほどに見込んでおりました。現在の見込みではこれが千九十二億ほどでありまして、約三十億ほどの減收になるという一應の推定でありまして、これがために過般法律案を提出いたしましたごとく、配給タバコのある程度の値上げによつてこれをカバーするという計画を立てたわけであります。しかしこの点につきましてはあらゆる努力を傾注いたしまして、この三十億程度の歳入欠陷が出ないようにできるだけの努力をいたすつもりでございます。酒につきましては今回原料の増加によりまして、相当程度の少くとも三十億程度の増收があるのでありますが、他方特價酒の賣れ行きが不振な関係もありまして、大体両方で差引とんとんになるというような計算をいたしております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 大藏大臣は、追加予算はこれ以上絶対出さないと言われたのですが、現在タバコにおいても三十億ぐらいの赤字が見込まれる。そのほか鉄道運賃の面を考えてみても、相当の減收があるのではないかと思うのであります。またきのう運輸大臣がなさつた答弁によると、船舶運営会をなるべく民営に還元したい、その際にも相当多額の金がいるのだ。早ければ一月、おそくて二月ぐらいにはやりたいという御答弁をなさつておる。そうするとこれはどうしても追加予算を組まなくちややれないのじやないかと思いますが、その点大藏大臣はいかがお考えですか。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 今回の追加予算は今日このときにおきましては、考うべきあらゆる要素を織り込んだのでございまして、さようの意味におきまして、年度内には追加予算は予定をいたしておらないのであります。なおしかしながら政治の現実の即應して、その要請あるにおいては、もとより彈力ある構想の上に立つものであることを御了承願いたいと思うのであります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 今の御答弁はことによつたら出すかもしれぬというように私は解釈いたします。  次に為替の問題についてお伺いしたいのですが、この間商工大臣の御答弁で、三百円ないし四百円にきまることによつて、日本の今までの輸出の三割あるいは六割がつぶれる、こういうようなお話を承つたのであります。今朝の新聞にも若干出ておるようでありますが、大藏省または安本において大体どれくらいにきめられる見込みか、今いろいろ算定をしておると思うが、たとえば三百六十円とかあるいは四百円とか、どの程度を基礎にしてやつておるか、それによつて当然それは米價に響き、それが賃金に響き、鉱工業生産の原價に響く。それがまたパリテイの基礎に響く。そうしてまた給與に響いて來る。こういうことになると思うのでありますが、三百円ないし四百円でどのようにそれが響いて來るか、それがまた現実に日本の現在の鉱工業の各産業別にどういう結果をもたらして來るか、たとえばこれこれの企業はやつて行ける、これこれの企業はとんとんだ、これこれの企業はそれではむりだ、そういう現実的な調査がありましたら、この際政府委員にでも説明させていただきたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 一本為替の問題につきまして、何らかそれを基礎にして研究をいたす、さようなことはないのであります。しかしながらおのずから研究でありますから、いろいろ仮定を立ててやつておることは事実でありまするが、その仮定は多樣にわたつております。もし御希望ならばお答えできる範囲におきまして、政府委員をして答弁いたさせます。

内田常雄総理廳事務官

○内田政府委員 簡單にお答え申し上げますと、ただいま中曽根委員の御質問の点につきましては、現在安定本部、商工省等で現実の調査をいたしております。御承知のように、一本為替等の問題が起つておりますから、それらに対應いたしまして、どの程度に為替をきめることが経済全体にどういう大きな影響を與えるであろうかということで、愼重な考慮の対象になつております。なおまた為替のきめ方でございますが、あまり強くきめても弱くきめても、ただちに為替をきめます際に、ブレトン・ウツズの協定のことを想定しなければなりませんから、一度きめました協定が守れないということになると、非常に困難でありますので、先の見通しをしながらせつかく研究しているところでございます。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 私のお聞きしたのは、現実の数字を示してくれ、こういうのでありまして、大藏大臣の答弁と同じような答弁を実は期待したのではないのであります。かりに三百六十円でも、四百円でもよろしい、四百円の場合にはこれくらいの響きがあるのだ、ソーダの方はこうなる、鉄鋼の方はこうなるのだという現実の見通しをこの際数字をもつてわれわれに示していただきたい、こういう意味なんです。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを私から申し上げます。なぜかと申し上げますと、先ほど中曽根さんから御指摘の通り、一本為替の問題は経済各般の面は密接にして、また重大なる影響がございますことは、中曽根さん御指摘の通りでございます。かような意味合いにおいてその計数の算定につきましても、一應の仮定といたしましても、それが財界に影響を及ぼすことけだし甚大なるものがあることは申すまでもないのであります。さような意味合いからこの点につきましては、適当な機会にこれを申し上げる、かような希望を持つておりますが、いかがでございましようか。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 私は大藏大臣の御希望に同意いたしません。経済同友会ですらももうすでに計算をしておりまして、物價は四百円の場合は五割高であるとか、賃金は二割増し、こういう計算すらしている。安本の方でもあるはずであります。それが一部新聞にも出ている次第であります。何ゆえにわれわれ國会議員に示さないのでありましようか。新聞に載つているものを何ゆえに予算委員会を開いているのにわれわれに示さないのか、これを私は大藏大臣にお尋ねいたしたい。われわれは國会議員として予算審議をする上において、当然これらのことは知つておかなければならぬ。特に企業整備をやつて行くというような基礎資料になつておるのでありまして、私は四百円を基礎にしたらどうなるかということをお尋ねしたいのであります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。ただいま四百円を基礎にしたらどうか、さようなお尋ねでございましたが、政府といたしましては、ことに権威ある政府といたしましては、かりに仮定を四百円にいたしました場合でも、その及ぼすところは甚大なるものがあるのであります。さような意味合いから愼重にこの問題を取扱つておるのでございまして、なお新聞その他民間におきまして御研究をなさつていることは、まことにけつこうなことだと考えている次第であります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 商工大臣がこの間ここでちやんと御答弁になつておつて、たしか三百六十円にきめれば三割であつたとか、四百円にきめれば何割であつたとか、その数字すら言つている。その内訳でもよいから私は内容を知らしてもらいたい、こういう意味であります。

内田常雄総理廳事務官

○内田政府委員 今現実に輸出されております物資が、日本の円價格とドル價格とを比べてみてどういう比率になつているか、一々の状況はここに持ち合せておりませんけれども、貿易資金全体から申し上げますと、輸出しているものの大体のドルと円との総平均は一ドル三百七十円くらいになつております。これに反して輸入している物資につきましては、一ドルが大体百二十円から百三十円という見当であります。從いまして輸出物資においては三百七十円より安いところの、つまり輸出が容易であるものもございます。また三百七十円をはるかに出ているところの物資もございます。  なお先般商工大臣から御説明がございましたように、一應私どもの見方からいたしますと、三百円で円・ドルをきめた場合には、現在の輸出物資の六割は輸出が困難の状況になる。三百五十円できめましても、現在の輸出物資の四割は輸出は困難になる、全体の状態から申しますと、かような状態であります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 その六割、四割という数字が出ておるのは、基礎資料があるから出ておるのでありまして、六割の中に入るものはこれこれである、四割の中に入るものはこれこれである、それを示していただきたいと思つて質問しておるのであります。今できなければ資料として出していただきたいと思います。

内田常雄総理廳事務官

○内田政府委員 各物資につきまして一々の調べはできておりませんが、大体グループごとの調べはございますから、後刻資料をつくりましてお出しいたします。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 次に税金の問題で大藏大臣にお伺いしたいのでありますが、御承知のように今度の追加予算には四百余億という税金の水増しがあります。これは実にたいへんな数字でありまして、この基礎には國民所得二兆三千億でありましたか、そういう基礎が一應算定されておるのであります。実際これは民自党の皆樣も御存じのように、この間の更正決定で國民はもう税金旋風で殺されそうな状態にあります。私はこの國民所得の算定の中には、よいかげんの矛盾というものが必ずあるに違いない、こういうふうに思う。現にこの間の更正決定を見ましても、こういう状況であります。高崎の例をとりますと、高崎税務署で平均して去年よりも三・五六倍になつておるのであります。ところが実際税收高をどのくらい確保すればよいかというと、大体追加予算を除きまして二・一倍になつておる。それが三・五六倍に來ておるから、國民も非常に驚くのはむりもないのであります。私はこういうような努力目標をつくつてぶつかけるというやり方が、はたして申告制度の現在にふさわしいものであるかどうか、非常に疑問に思うのであります。申告制度というものは民主的に國民が申告するのであります。ところが一方において政府がある歩どまりをつくつてぶつかけるから、國民は自然うそを言うということになり、そうしてかけひきをするということになるので、政府の方でそういう措置を依然としてとるのか、そのことをまず承りたいのと、それから國民所得の算定はむりがないのか、その点をまず第一にお伺いをしたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答え申し上げます。まず國民所得の算定、今日におきましては昨年の十一月の物價、これを基礎にいたしまして算定いたしたものが二兆三千九百何がしというものでございます。この計算の方法その他稠密なる点におきまして、今日の日本の機構におきましては、これが最高の回答である、かように御了承願いたいのであります。  次に追加予算の税に対しましても、この予算につきましてどうもやはり水増し、かようの表現がありました、はなはだ心外にたえないのでありますが、決して水増しではないのであります。何となれば、國民所得におきましてもすでに五千億になんなんとする所得の増額をいたしておるのでありまして、單にこれに見ましてもその一割にも相ならぬのであります。なおまたたびたび申しました通り、今日均衡財政、健全財政の見地からもさような水増しというがごときものはとうてい許されないのであります。その点につきましても深く御留意を願いたいと思うのであります。よつて問題はいかにしてこの國民所得の基盤の上に租税を適正にかつ円滑に取立てるか、かような問題であるのでありますが、その点につきましてはただいま中曽根さん御質疑の通り、今日におきまして多少遺憾の点がないではないのであります。よつて政府におきましては、なお一層熱意とくふうとにより、これが徴税の上に万遺憾なきを期したい、かように考えるのでありますが、なおまた民主的な機構についても何らかくふういたしたいと考えておる次第であります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 大藏大臣にお伺いいたしますが、昨年度から今年にかけて滯納している税額はどれくらいありますか、数字をもつてお示し願いたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 滯納の分は多少ございまするが、数字については政府委員よりお答え申し上げます。

河野一之大藏事務官

○河野(一)政府委員 昨日租税の滯納状況については申し上げたと思いますが、滯納税額二百三十九億円、滯納件数二百三十一万件、こういうことになつております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 今二百三十九億の滯納があると言われたが、これは國民は出したくても出せない金である。それなのにさらに四百億円に上る水増しをやつてこれ以上出せると思うか。この滯納の事実を大藏大臣は何をごらんになるか。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 滯納の事実はまことに遺憾に存ずる次第であります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 そんな答弁を求めているのじやない。今年の税收確保についてこれをどう見るかということを私は質問している。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 ただいまの中曽根さんの御質問の結論は遺憾に思うかどうか、さようなことであつたことは速記録によつて明らかなところと思うのでありまするが、しからば重ねてお答え申し上げます。先ほど來たびたび申し上げた通り、四百なにがしの租税の自然増收を計上いたしましたのは、もとよりその成算あつてこれを計上いたしたのであります。しかしながらその徴税機構の改善、あるいは運用上の一層の効果を上げんがためには各般のくふうをいたし、なお一層機構の運営上、政府といたしまして津々浦々までこれを督励したい、かようなことは先刻申し上げたところであります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 次に農業所得の問題について大藏大臣に承りたい。昨年度の実績によると、農業所得は安本や農林省その他の計算によると一千四百億と大体推定されておるようであります。それに対して税金が大体四割八分くらいかかつて來ておる。これを國民全体の負担から見ると、農民の負担力あるいは人口数から比べてみると、普通の鉱工業関係よりはるかに莫大な農業課税が実施されておる。そのために供出の過重と伴つて耕作放棄が方々で起きておる実情であるが、今度の百三十何億の申告課税の中で農業関係にどのくらいこれを加重するつもりか、この点を大藏大臣にお伺いしたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 それは政府委員から答弁します。

河野一之大藏事務官

○河野(一)政府委員 農林水産関係で三百二十億円、今度の追加分では八十四億七千五百万円、営業の方で四十四億二千三百万円、その他の庶業で十億二千二百万円であります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 今の政府委員の答弁でもわかりますように、大藏大臣に申し上げたいのですが、農林水産関係が八十四億であつて、その他のものが五十四億という数字であります。これは去年の実績よりもさらに農林水産関係に負担が加重されて來ておるだろうと思う。この点大藏大臣はそのようにお思いになりますか。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お尋ねの点につきましては、私計数的に正確にお答えできないのは遺憾でありますが、いずれ政府委員から答弁いたしますが、しかしながらこれを昨年度に比較いたしまして、本年度の税の負担は必ずしもさまで加重いたしておらない。この計数につきましては参考表を差上げてありますが、その通りであります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 この際野上健次君に大藏大臣に対する発言を許可いたします。

野上健次日本社会党

○野上委員 大藏大臣にお伺いいたしますが、まず基本的な問題について二、三点お伺いして見たい。  第一に税制の基本理念に関して、現在予算申告制度がとられておりますが、この予算申告納税制度の民主化についてどのような見解をお持ちになつておるか。ほとんど納税義務者がみずからの所得を予定して申告するにかかわらず、一方的に更正決定がなされ、納税者はその更正決定に基いて非常に税の負担の過重にあえいでおる。これは私が申し上げるまでもなく、大藏大臣もよく御承知と思いますが、この基本的な税制の理念について大藏大臣の所見を伺つておきます。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 ただいま野上さんのお尋ねは、税制についての基本的の理念というたいへんむずかしいお尋ねでありますが、要するに國民の租税力に應じて、公平的確にこれを徴收するというようなことをやるより以外にはないのであります。しかしながらただいま御指摘の所得税についての申告課税の場合に、他の反面におきまして、これを更正決定いたすのは、政府としてもとより本意ではないのであります。しかしながら野上さん御承知の通り、今日におきましてその申告の実情は、遺憾ながら政府の所期を遠く相離れておるのでございまして、やむを得ずこれを大幅に更生決定をせざるを得ないのであります。しかしながら政府におきましては、いかにもして納税者各位の御理解によつて御協力を賜わりたいという見地に立つて、何とか申告しやすいような制度につきまして、格段のくふうをこらしたいとせつかく立案中でございます。

野上健次日本社会党

○野上委員 先ほど中曽根委員の質問によつても明らかになりましたように、そうした現行税制を実行した結果として、多額の滯納が残されておる。しかも政府はこれが徴税には多くの組織と経費を使われてなお十分の成果が上つていない。こうした点から考えてみましても、またただいま大臣の答弁にもありましたように、更正決定はやむなきものである。予定申告制度がとらえておつて、しかもその國民の申告に対して信が置けない。政府の所期するところの所得を徴收することができないために、やむを得ず大幅の更正決定をなされる。かように承つたわけでありますが、これでは予定申告をさせる意義が無視された結果になると思うのであります。大藏大臣は更正決定と予定申告とのいずれに重点を置かれるか、この点をお伺いしたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。当局としてはもとより申告の上に重点を置いておるのでございます。

野上健次日本社会党

○野上委員 今日一般に警察と税務署官吏が一番人民の間では畏怖されておるわけです。これは檢察廳以上に税務官吏に対して一般人民は非常な恐怖を感じている。いわゆる税務フアシヨというような現状までも、地方によつては起つておる。人民に笑つて喜んで納税義務を果してもらうためには、まず人をふやすとか、徴税機構を拡充すること以上に、まず所得の計算技術、納税に関するところの徹底した思想の普及がなされなくてはならぬと思う。予定申告制度に重点を置くこととなり、しかも今の税法に基いて國民が納税の義務を果すとするならば、本來政府の更正決定をまつまでもなく、善意の納税者みずから所得を計算して、納税額を政府の信頼する金融機関——日本銀行なりあるいは郵便局等に供託すれば、それによつて納税の義務は完成されたものと思うが、大藏大臣はどういうふうにお考えになりますか。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。私が先刻徴税の上に、まず予定申告制にある限りにおきまして、各位の申告に重点を置くのである、かように申し上げたのでありますが、その重点は、計数的にこれを申し上げる場合には、必ずしも解数が一致いたさないのでございまして、その点は今日最も遺憾とするところでありますが、その前提におきまして、ただいま御指摘の通り、納税者が自己の申請に基いて金額を日銀もしくは郵便局に供託するというようなことで、納税が完成されたものとはとうてい言えないのであります。何となればその予定申告がもとより税務当局の認むるところでなければならない。税務当局におきましてはもちろん種々の根拠ある査定によりまして、もし別個の観点に立つて別個の結論を得ております場合におきましては、おのずからそこに更正決定が行われるのでございます。さようの点から申し上げましても、ただいまの御質問に対しては、供託をもつて十分なものと申し上げるわけには参らないのであります。

野上健次日本社会党

○野上委員 更正決定に関して、政府側では所得の正確な把握をなし得ずして、大体見込算定の上に立つて更生決定がなされる。実際に徴税にあたつて困難を生ずるのはそこからであります。また徴税にあたつて一應山をかけると言いますか、かけひきをもつて更正決定がなされるために、納税者の方においても申告に若干のごまかしが生じて來ることになる。お互いに政府と納税者の間にごまかし合いやかけひき爭いをやる。結局弱いところの國民が強大な組織に圧倒されてしまう。かけひき負けをする。そういうような現状に今日ではなつているのであります。これが結局公正なる課税にならず、重税の原因になつていると思うのであるが、これらに対して大藏大臣は納税技術及び所得の計算樣式、そうした問題に関して、もう少し親切に税務機構を督励して、全納税者にこれが普及徹底をはかり、むしろサービス機関として、人民の納税に容易ならしめるような処置を講ずる意思はないか。こういう点をお伺いいたします。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。ただいまお話はまことにごもつともな点でございまして、税務当局といたしましても、その更正決定にあたりましては、実は非常に苦労をいたしておるのであります。しかしながらその反面には多年の経驗がありますので、この経驗を活用して参つておる次第でありますけれども、何分にも事人間のやるしわざでございますので、あるいはその更正決定が事実に相違する場合がないとは言えないのでありまして、かような場合には、もし納税者におきまして、その誤りもしくは不適当な決定であると考えられました向きは、何とぞ遠慮なしに税務署にその点の異議を申し立てられない、かように思うのであります。しかるにその点におきましてただいまのような、もし現在の徴税機構において冷酷なる取扱い、かような点がありとすれば、私の最も遺憾とするところでありまして、私はその点にもかんがみまして、先ほども中曽根さんに申し上げました通り、何らか民主的な機構について、新たなる構想の上に立つて具体案を今日考究中である、かように申し上げた次第であります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 私は箇條的に簡單に最後の質問を申し上げます。的確に簡單にひとつお答え願いたいと思います。  まず第一は取引高税でありますが、行政解釈としてはずせると思われるパーマネント、水産加工物の中の塩干魚類、これらのものを行政措置として取引高税の中からはずすということを私は希望しておるのでありますが、これをはずしていただけるかどうか、これが第一である。  第二は、ただいま大藏大臣がおつしやいましたように、更正決定を持つて來た場合、著しく不当である、しかも担税力がないのに持つて來た、こういうような場合には、これを妥当に訂正するというお考えをお漏らしになりましたが、そのことを大藏省の下級機関にぜひとも指令していただきたいと私は思うのであります。これが第二であります。  第三は、先ほどちよつとお漏らしになりました民主的な機関でありまするが、たとえば税務調整委員というものでも設けて、國民と税務署との間の調整をはかる、そういうような制度をお考えであるかどうか、これが第三番目であります。  第四番目は、税務署が指導してこれこれ申告しろとやつた、その通り國民は申告した。しかるに更正決定はそれよりはるかに大きな額で來た。その差額に対して延滯利子や加算税をとられるわけでありますが、今年の四月の措置では大藏省と会計檢査院で話をしまして指導したのに、上まわつてかけたのは、それはとらぬという寛大な措置を、前北村大藏大臣にやつていただいた。これをぜひとも大藏省と会計檢査院との間で話し合つて、今回もそれをやつていただきたい。これが私が大藏大臣にお伺いする点であります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。まず第一点、取引高税については、現行の取引高税そのものの実施の面についても、その後の実績にかんがみましても、多少これを改善すべき余地があることは、政府においてもこれを率直に認めるのであります。しかしながら一日もそのすみやかなる撤廃こそ、これが國民の最も要望するところである、かように考えておりますので、この根本的の点につきまして深き御了解を願いたいと思うのであります。  なお次に御要望がございましたが、その御要望の二点については政府においてはまつたく同感いたしておる次第であります。  なおさらに御質問の第三点、何らか民主的の徴税機構を設ける意思はないか、かようのことでございましたが、政府におきましても、大体においてただいま中曽根さんのお示しのような線に沿うものをも考えておる、かようにお答えをいたします。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 取引高税の二つを廃止するかどうか、そのことと延滯利子と加算税の問題をどう処置するか、これを明確にお答え願いたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答え申し上げます。ただいまの前段の問題につきましては、私先ほど明瞭にお答え申し上げた通りでありまして……。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 明瞭じやない、わからない、はずすかはずさないか聞くのです。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 その次の北村君のおやりになつたというような問題につきましては、御希望がございましたが、まことにこの点は同感である、かように申し上げたのであります。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 今の答弁ではわからないのだ。やるかやらないか。それだけ聞かしてもらえばいい。政府委員でもいい。

河野一之大藏事務官

○河野(一)政府委員 中曽根さんのお尋ねのパーマネントと水産加工物、これは行政措置がだめでありまして、法律を要するのでありますから、取引高税の問題として別途その際に考慮することに相なると考えるのであります。  延滯利子の問題でありますが、これは実情に即しまして善処いたしたいと考えております。

中曽根康弘民主党

○中曽根委員 今の取引高税の改正の法案を政府は今國会に出しますか出しませんか。それから善処するというのは、今年四月やつたように、会計檢査院と話してやる、こういう意味に解してよろしゆうございますか、その二点をもう一回政府委員から承りたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 やはり私から申し上げた方がいいようでございますからお答えいたします。先般來のパーマネントの話は、本國会はあと一日くらいですから、これはとうてい間に合いません。次の問題は実情に即してやる、かように御了承願いたいと思います。

野上健次日本社会党

○野上委員 簡單に要点だけを申し述べます。初めに大藏大臣にお伺いいたしますが、農業所得の査定で農林当局と大藏当局との間に見解の相違はないかどうか。たとえば今年度の超過供出に対しては、報奬の意味をもつて追加供出をしたところの農業所得に対しては、農林当局としては、これはできれば全免をはかりたい。どうしても困難であれば三分の一程度に対して課税をして行きたい、かような考えであるかのごとく伺つておりますが、大藏当局においてはそういうことはきわめて困難である。逆に三分の二に対して課税をしたい、こういうような意向のように承つておりますが、これに対して政府はどういうふうに調整されたか、大藏当局としてはこの点に対していかようにお考えになつておりますか、この点に関してお答えを願います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 野上さんにお答え申し上げます。超過供出に対する免税の問題は、農民の不断の努力の結晶でありますので、米穀増産の意味合いからもぜひこれを実現いたしたい。税務当局においてもかような念願に燃えているのでございますが、その結果といたしまして、直接税を軽減せしむることに相なりませんでしたことは遺憾とするところであります。しかしながら野上さんも御承知の通り、この超過供出をいたしますために、またその増産をいたしますために、相当の経費がかかりましたこと、かようの点に格段の配慮を用いまして、これを特に課税上に考慮をいたすという点に、その解決点を見出したのでございまして、ただいま御意見の全免もしくは三分の一に課税するというようなお話でございましたが、少くともその効果におきましては、相当程度までこれを期待し得るものと、かように了解いたしておる次第でございます。ただ今日その計算その他につきまして、詳しいことを公表いたしかねることは、はなはだ遺憾とするところでございます。

伊原隆大藏事務官

○伊原政府委員 先ほど中曽根委員からお尋ねの輸出品の円ドル換算率並びに輸入品の円ドル換算率につきましては、すでに相当詳細な資料が当委員会に御提出してございます。

野上健次日本社会党

○野上委員 ただいまの超過供出に対する課税について、もう一点お伺いしたいのでありまするが、ただいま現在の段階において詳細な数字的な報告を承ることができないのはきわめて遺憾でありますが、農民のたゆまざる努力によつて、生産意欲の発露に基いてなされたところのそうした所得に対して課税がなされ、しかもそれは総合課税に加えられるのか、その点を承つておきたいのであります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。先ほど申し上げました通り、超過供出の分はこれを切り離して、その分の税金を減免いたす、全免いたすことが相かなわないまでも、とにかく税金そのものを減免いたす、かようの方法によつて農民諸君の努力にこたえたいという熱願に燃えておるのでありますが、しかし遺憾ながらその方法で行くことはできませんので、ほかの方法によりまして、その実効を收めたいのであります。ただいま御指摘の点は、今日の税法はもとよりこれを適用いたすのでございまして、ただいまお尋ねの点について、これは総合いたすもの、累進いたすものとかよう御了承願いたのでありますが、さようなものを見ました上に、なおかつ相当の軽減になるものである、かようの点もあわせて御了承願いたいのであります。

野上健次日本社会党

○野上委員 大体大藏大臣の意図されるところは、総合累進課税するということがわかつたわけでありますが、前内閣時代におきまして、この超過供出に対しては、匿名供出の制度と、税法の一部改正をはかつて源泉徴收をする方法とが閣議において決定されておつた、かようにわれわれは承知しておるものでありますが、今も大藏大臣みずから言われますように、農民の特段の努力に対しては何らかの方法を講じたい、かような意思をお持ちになつているのでありますから、これを一般所得と特別所得とを切り離して、そうして前内閣時代に考えられておつたような方法を踏襲される意向はないか、この点お伺いいたします。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答え申し上げます。ただいま切り離してというお話でございましたが、前内閣当時におきましても非常な御努力をなされたやに承つておつたのでありますが、それが実現いたされたことは聞いておりません。われわれといたしましてもこの線については、先ほど申し上げました通りの線に沿うて実行いたす。さような段階であることを御了承願いたいと思うのであります。

野上健次日本社会党

○野上委員 それでは大藏大臣は超過供出に対しても総合累進課税をされる。かように解釈してさしつかえないわけですね。  そこで次にお伺いいたしますが、農業再生産の保障をするために、政府当局といたしましてはどういうような考えをお持ちになつているか。すでに農村におけるところの資金はまつたく底をついて枯渇状態にあり、農業生産物の價格と工業生産品の價格との差も顯著に現われつつある今日、しかも農村においてはすでに深刻な恐慌状態にさらされている。こうした農村の現状に対処して、日本の食糧をいかにして確保し、日本の食糧をいかにして増産するか、この重大使命を達成するために異常な努力がなされなければならぬと思うのでありますが、これに対して農村の金融的な措置、そうした点について、大藏大臣はどういうようなお考えをお持ちになつているか、この点をお伺いしたいのであります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 ただいま野上さんの御指摘の通り、農村におきましての金融事情にまことに容易ならざるものがあつたのであります。ことに單作地帶等におきましての実情につきましては、私もいささか体驗を持ちます一人であるのであります。從いまして政府におきましては、これが金融の措置につきましていろいろ政策を、こういう表現を用いてしかられるのでありますが、随時随所に展開したい。かように考えているのであります。但し当今におきましては相当程度幸いに増産を見ましたので、しかもその農民の供出が良成績を示しましたので、すでに約千億近い金がばらまかれたと申しますか、農村に浸透いたしたものであるということを御了承願いたいのであります。

野上健次日本社会党

○野上委員 こういうことでは農民が納得しないから、もう少し伺います。前内閣当時において農村金融に関して、農業手形の制度等が臨時的に設けられたのでありました。なお農林水産復興金庫というようなことも考えられておつたわけであります。今日重要産業に対しましては、復興金融金庫法に基いて多額の融資がなされておる。しかもこの融資に関しましては、大藏大臣も御承知のように、いろいろな問題を生んで來ておるのでありますが、こうした重要産業方面に対しましては、数百億に及ぶところの莫大な融資がなされておりますが、全人口の四三%を占める農村に対しては、そうした思い切つた金融措置が講ぜられていない。あらゆる産業の復興に先だつて食糧の増産がなされなければ、ほんとうに産業の復興は期し得られないのでありますが、この食糧増産の重大責任を持つところの農業に対する資金的な措置、そういつたものが非常に軽んじられておることは、本員の最も遺憾とするところであります。農林水産復興金庫というような機関を設けて、この際農村に対する徹底的な融資をはかり、食糧増産を期するというような構想をお持ちにならないか、この点を伺いたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。御指摘のごとく、食糧の問題は今日最も重要なる課題の一つであります。民生の安定こそわれわれの求むるところでございます。かようの意味合いにおきまして、農業の再生産を維持せんがためには、われわれは金融の面におきましてもあらゆる努力を傾注いたしたい。かように思うのでございまして、ただいま御指摘の点につきまして、あるいは農林中央金庫を通じ、あるいはまたただいま御指摘のような特殊の金融機関につきましても、政府といたしましては今日鋭意研究を重ねておるのでございまして、ただいまの御期待にできるだけ相沿いたい、かように考えておる次第であります。——ただいまいろいろ申されましたが、私申し上げます通り、今日このときにおきましては、農村には大量の國家資金がばらまかれておるのでありまして、農村におきましては、金融上の問題が今日今すぐの問題としては比較的緩和しておる実情にあります。

野上健次日本社会党

○野上委員 ただいま大藏大臣は、今日農村には大量の資金が散布されている、かようにお答えになりました。どういう形において、どういうふうに農村にそういう大量の資金が散布されているか。これは農村の一大朗報だと思います。その点を具体的に詳細にお示しを願いたいと思う。実はわれわれの関知する限りにおいては、農村は全國至るところにおいて資金難を嘆き、いかにして農業再生産のための資金を獲得するかというので、みな血眼になつているような状態でありますが、ただいま責任ある大藏大臣の御答弁によりますれば、大量の資金が農村に散布されている、これはまことに耳寄りな話でありますので、ぜひこの機会において詳細に具体的にその散布の径路等についてお伺いしておきたい。  次に、從來行われておつたところの農業手形の融資の方法等につきましても、牛をひつぱる、あるいはくわを持つところの働く農民が手軽に利用することができない。いろいろな制限が行われておつて、ほんとうに資金を必要とするところの農民が、この資金の利用ができないうらみが多々あつたのでありますが、これらについてもつと手取り早く、すぐ血となり肉となるように農民に利用されるような融資の方法はないかどうか。  いま一点これに関連いたしまして、たとえば國会におきましては、そういう目的をもつて農業手形等に対して賛成をいたしているのでありますが、これが実施に当る大藏当局あるいは農林当局におきましては、たとえば農業資材の品目の決定等において、種々農民の実情とはそぐわないところの品目等が決定され、その品目以外の購入に対しては、資金の融通がなかなかされないというようなことで、実際に生きて使われていない。これらの点を実際農業生産の実情に應じて、資金を融通するというような道を講じてもらわなければ、いかに手形を出しましても、これは空手形に終るおそれがあるのでありまして、それらの点を急速に改善をはかつていただきたいと思う次第であります。  次に一括して質問を終了したいと思うのでありますが、今日農業協同組合法あるいは漁業協同組合法に基きまして、これらの組合が誕生いたしているわけでありますが、いずれもこれらの組合はそれぞれその経営資金に非常に困つているわけであります。日本の農村の民主化をはかるためには、どうしてもこれらの組合の健全な育成発展なくしては、日本の民主化は期待し得ないのでありますが、これらの組合の信用事業等に対して政府はこれを育成助長し、積極的に融資をするというような意思はないかどうか。  次に、これは問題が少し別になりますが、國家財政窮乏の折柄、健全財政の建前をとられるところの政府といたしましては、大口やみ所得とか、あるいは新興階級、新円階級と俗に言われますこれらの階級に対して、的確にこの所得を捕捉して課程されるためには、どういうような決意と、どういうような方法手段をお持ちになつているか。國民所得の計算におきましても、政府みずからの発表されるところによつて見ましても、実際課税対象額と國民所得との間には約五千億からの差を生じておりますが、これらをどういうふうに捕捉されんとするか、それらの点について明確なる御答弁を承りたいと思う次第であります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。農村におきまして本年はすこぶる豊作でもあり、また農民諸君の御協力によつて、大量の供出がほとんど完成せられた、かようのために一千億に上る資金が農民のふところに入つた、かようなことを私が先ほど申し上げたのでありますが、それでもなおかつ不十分だ、かようのお話かも存じませんが、私としては相当の資金が入つたものと考えております。それが当面の問題として申し上げたのでございます。  なお次に協同組合の育成につきましては、その健全なる発達をはかる、かようの意味合いにおきましてはまことに御同感であるのであります。  さらに大口やみ所得の捕捉、こ点のに関連いたしまして、これはたびたび私から申し上げました通り、政府におきましても何とかしてこれを捕捉したい、かようのことで鋭意努力と研究を進めているのでございます。なお最近におきまして制定いたしました國税査察官制度、かようのものの活用によつてもこれらの点に万遺憾なきを期したい。かように考える次第でございます。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 野上さんの金融問題についての御心配、まことに同感であります。ただいま大藏大臣からお話になりましたのは、最近供出の量が千五百万石に上つておりますので、おそらくそれに対する支拂い代金が相当農村に行つているから、一時的に相当間に合つているのではないかということが入つていると思います。これは確かに今日農村に金の入つておることは事実でありますが、また税金とかあるいは秋肥とか春肥の問題もありますので、これのみに依存することはできないと思います。從いましてまずそれらに対しましては、御指摘の農業協同組合あるいは漁業協同組合等に対しまして、自己資金でまかない得る範囲はまかない得ましようが、それに対して相当政府資金等の注入をいたす必要があるので、これは今日までもいろいろな災害並びに営農資金等につきまして、中央金庫を通じて政府の金を出しております。これらにつきまして將來もこれを増額いたして、農業協同組合等の活動にまつて、短期、中期等の資金の活用をさせて行きたい。かように考えております。この点、御指摘の信用事業をどう調整するかということは、今後の農村の営農、農家経営を徹底させ、仕事をさせる上において最も必要な重点だと思います。  それからさらに御指摘の農業手形の問題については、お話のように今日肥料資金等限られた範囲について、しかも金額の制限があるようであります。御指摘のようにあるいは農機具その他耕作用畜類を購入するというような点等につきまして、内容を拡大する等の方策につきましては、今日研究いたしておる最中であります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 この際野坂參三君の発言を許可します。農林大臣に御質疑願います。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私は非常に要領よく簡單にやりますから、政府側もなるべく具体的に、ぼんやりした言葉でないようにお答え願います。但し農林大臣は今まで非常に正確なお答えがあつたので……。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 本論をお願いいたします。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 第一にお聞きしたいのは、食糧確保臨時措置法であります。これの前身が農業生産調整法であります。この食糧確保臨時措置法ができました当時、今の國務大臣の岩本信行氏が反対演説をやられた。これは農林大臣よく御存じだと思いますが、これについて御意見を伺いたい。私、ここにその議事録を持つておりますが、その反対の点を指摘されております。これについてこの内閣ではどういうふうな考えをお持ちになるのか、あの反対されたような方向によつて今も反対するという立場に立つておられるのか。それをお聞きしたいと思います。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 野坂さん御指摘のように、臨時食糧増産確保の法律には欠点もありますので、その意味において前々議会においてわが党は反対をいたしておりましたが、今日制度がしかれて、それによつて一つの食糧政策が行われておりますときに、内閣としてはその意味においては國の行政として延長して行くわけであります。ひんぴんとして制度がかわることは、かえつて食糧政策上弊害もあると思います。從つてただいまこの法律の廃止とかいうことは考えておりませんが、しかしこの法案の持つ短所につきましては、改善すべく考えて研究いたさせております。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 この岩本信行君の反対意見の中には、非常にはつきりと、この法案に基いては増産は不可能である。また内容を批評して割当量が不当であるとか、また農民側に價格の決定について何らの発言権がない。こういうふうに具体的に指摘されてあります。こういう点を政府としては当然ただちにお改めになるはずだし、そういう責任があると思うのですが、具体的にこれについてどういう処置をおとりになるのか、お聞きしたい。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 御指摘のように法律によつて施行されてみますと、事前割当の場合における割当がかなり不適正な部分があるようであります。これは当時岩本君が指摘されたように、一方的に上から割当がやられるというところに、欠陷が内在しておつたと思うのであります。今日考えられておりますことは、もつと地方の地方あるいは面積というようなものが調べられて、その地方々々における適正な事前の割当が民主的になされるならば、農家としては事前に供出すべき量も確定し、しかして自分の努力によつて、それ以上の生産についてはみずからが所得し得るという、生産意欲向上の部面もありますので、それらは取捨いたしまして、そういう点について改善を試みるべく、今研究をいたさせておるわけであります。今の点はその一例であります。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私のお聞きしたいのは、実は農村においては、今非常にこれが妨害になつておる。いわゆる生産意欲を向上せしめないことは農林大臣はこれを御存じだと思う。つまりこの政府としてはこれをどういうふうに改善する案をお持ちなのか。またそれがないか。こういう点だけをお聞きしたい。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 この点はざつくばらんに申しますと、私ども全面的に各農家は反対かと思つておりますと、部分によつてはやり方に関して賛成しておる向きもある。從つて今日その弊害、欠陷の点についてまず是正すべく、いま研究をさせておるという段階であります。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 次にもう一つお伺いしたいのは、政府の発表によりますと、これは芦田内閣時代ですけれども、七月七日にいわゆる農地開放の予定地に対して、賣渡し済みが一〇六%ということになつている。この賣渡し済みは買收に対して七八%というふうに言つて、政府側としては、この農地開放が非常に発展している、百%以上に上つているというようなことを実は言つておつたのであります。農林大臣もおそらくそのようなお考えであると思いますが、私のお聞きしたいのはこの数字だと思うのです。私たちが計算してみますと、地主に交付した土地代金、これが農地証券とか現金で拂われておりますが、これを合計すると十二億七千万円になつている。これを賣渡し價格九百六十円で割つてみますと、十三万町歩しかならない。そうしてみると開放予定地のわずか八・五%ということになる。こういう計算が私たちでは出てくるのですが、それについて農林大臣の方ではどういうふうに御計算になつているか、あるいはどういうふうなお考えであるか、つまり開きが非常にひどいのです。私の方ではとにかく具体的に地主に交付した土地代金から計算してみたのです。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 こまかい数字を私持ちませんが、最近十月二日現在で発表されたものは、芦田内閣当時に発表された数字よりも少しふえております。しかしそれは別問題としまして、御指摘の点に対してのお答えは、大体発表された数字は農地委員会で買收賣渡しを決定したその数字の報告によつておるわけであります。從つてこれも正しいのです。しかし御指摘のように代金の授受決済、登記というような勘定の遅れておることは事実であります。從つてたびたび政府も申しておりますように、土地についての買收賣渡しの決定は大体百七、八十万町歩というものがこの年末までに終るという予定でありますが、そのあとに残るものの大部分が、代金の授受、登記という関係が残るのであります。八%であるかどうか御指摘の点はよくわかりませんが、その点に開きのあることは、これはやむを得ないかと思つております。しかしそれだけの格段の差があるかどうか、その点はお答えを申し上げかねます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 この差が実は非常に大きいのです。大き過ぎて私も実は疑つているのですが、これについて政府側でぜひ計算していただきたいと思うのです。そうしますと今の農林大臣のお言葉から伺つても、まだいわゆる農地開放の完成ということはできていないとわれわれは理解してさしつかえないと思いますが、どうでしよう。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 完成という言葉の使い方でありますが、しかしその目標とする百七、八十万町歩の地主等の所有地を、政府が買い上げてこれを小作農家に賣渡す、しかもその所有権の移轉も大体目標が決定した。最終において代金の授受と、あとは登記という手続の問題と債権関係が残るというだけでありますから、これは一應土地所有権移轉を中心としての農地開放の目的は大体達成したのじやないか、これは私は正しい考えであろうと思います。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 そうしますと、たとえば移轉の問題とかいろいろな事務的な問題は、私らの計算ではとにかく六、七〇%は残つているようにとれるのです。そうしますと今度の予算に当然農地改革費というものが盛られなければならないのだが、それが今度一銭も載つていない。だから政府の考えでは、こういうように百パーセント以上やつたからもうそれは終つた、だから農地改革費は全然計上しないというお考えでしようが、しかしそれは実際上残つている、ところがこれに予算が計上されていないところを見ると、どういうわけか理解しにくいのであります。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 これも野坂さんのちよつとお考え違いじやないかと思います。農地改革に関する経費は、すでに一般予算で、芦田内閣時代に通つた中に基本のものは入つております。そこで今度は側の給與水準の増加関係に基きまして、その増加した事務費の一部は、これは雜件関係に入つております。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私の農林大臣に対する質問はこれでいいです。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 この際織田正信君に発言を許可いたします。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 農林大臣に御質問いたします。第一点は、一昨日だつたと思いますが、農村工業の問題についていろいろ質疑がありましたが、その際の大臣の御答弁には、農村工業振興ということに非常に熱意を注がれているようでありますが、どういうような機構で、どういうような方法でやつて行こうかというような具体的な案は何らなかつたように思うのです。そこで私実は農村において農村工業振興の運動を実際やつて痛感する点でありますが、現在の農村人だけの知識と能力をもつてしては、農村工業はなかなか興きないし、都会に太刀打ちできないという点が一つ感ぜられるのです。そこで都会の技術者、経営者が農村に入つて來なければだめだということになるのですが、都会の技術者、経営者が入るためには、農村工業は都会工業に引き合う、むしろ都会の工業より農村工業が有利だというように、その基礎をかえて來なければならないと思うのです。そこで問題になるのは、農村の動力源とか交通、通信機関の設備等の問題ですが、一例をあげますと、電氣にしてもあるいは食糧品の價格にしても都会中心に考えられている、都会の人に便利のように、大都会中心にすべての政治が考えられているという、この欠陷を除くだけで農村工業は興きて來ると思うのです。特別な施策を講じないでも興きて來ると思います。たとえば食糧品の價格にしても、私香川縣ですが、貧農あたりでは、自分のつくつた米を供出しておりながら、また今度高い金を出して買わなければならぬ、こういうような何としても割切れない事実があまりに多過ぎる。たとえば電氣にしても、奧地で電氣が発電されておつて、それが大都会には非常に潤沢に行き渡つているけれども、その地元においては行き渡らない、こういうような矛盾を打開することが第一じやないかと考えるのですが、もう一度農村工業振興の具体策をお伺いしたい。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 織田さんの御意見はまことにごもつともでありまして、農村工業に都会地の技術を入れなければ農村だけではだめだ、こういう点についての御意見もあつたようでありますが、これについては昨日どなたかの御質問に対してお答えいたしましたように、現在はいたずらに農村工業、農村工業と掛声ばかりではいけませんので、技術面並びに工場経営上成立つように、またよいものをつくらせるようにということで、全國にただいま七十の期間工場というものを指定してつくらせまして、これはある場合においては農業協同組合が主体になつている工場がありますし、ある地方では農業協同組合等が出資その他の資金関係を持つている民間工場を指定いたしまして、そこで試驗研究といいますか、具体的にやらせ、かつそこに熟練せしめるように人を入れて訓練しております。これをおのおのの地方に持ち帰つて、地方地方の適地適産に基いて、その地方における工業をやらせる。こういう方向に進んでおります。ただ予算等の関係で二十六ほどしか動いておりませんけれども、なお將來はこれを考えなくちやならぬものであります。しかし今日農村工業に対して実際的に希望のある地方に対しましては、第二・四半期、第三・四半期、二回でありますが、約一億五千万円ずつの融資のわくを決定いたしまして、これを設備その他の所要資金にまわすことをやつております。しかして農村工業としてとらえる面につきましては、農産加工、生産したるものに対する加工ももちろんでありますが、中に畜産加工というものも考えております。進んでは輸出向の品物をつくらせるというような方向に指導しておるわけであります。但し今お話のように、それらをやるにいたしましても、すべての政策というものが、ともするとというか、これは大体戰前もそうでありましたが、戰時中及び戰後に至つて、どうしても都会地の工業生産、あるいは賃金問題にしても工場労働者等についての考えなり政策に重点が置かれ過ぎて、農漁村関係が常に多少見送られたという事柄は御指摘の通りであります。從つてその間都会地中心の政策が行われておつたということについては御指摘の通りでありまして、私どもはそういう意味において、今後農村に対して相当に改善あるいはそれに対する施設の要求をいたす考えであります。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 今後工業の種類を考えて、ただいまお話のありましたうなよ輸出品向に重点が置かれなければならないという御意見、まことにその通りだと思うのですが、現在実際問題としてどの程度やつているのですか。その輸出品向の技術指導というのは……。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 こまかいところは承知いたしませんが、やはりこれに対しましては、農家の農業経営に関する内容について、今後檢討さるべきだと思います。食糧生産にのみ重点が置かれているというような事柄は、農家経営の安定並びに將來日本が輸出貿易に依存している態勢において、入れるべき物に対して、裏づけに農村が相当ウエートを持つように、農村を指導して行き、農村の高度化をすることが必要だと思います。從つてその意味において今行つておりますものについて申し上げますと、たとえば疊、藺などにつきまして、花むしろ等は相当の量が相当の價格で賣れる。また農産物のカン詰というようなものが考えられております。その他調査の上御報告申し上げます。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 ただいま、今まで戰爭中も、また戰後も、大都会中心の工業、そちらへ重点が置かれておつたということを率直に御認なさいましたが、農林大臣としてはこの点を打破するのにどれだけの熱意を持つておるか、具体的に伺いたい。  第二番目に融資一億六千万のわくをとつておると申されましたが、來年度においてはどれだけのわくをとろうと計画しておるのか、この点についてお伺い申します。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 融資のわくにつきましては、ただいま毎四半期ごとに一億五千万円のわくになつております。これらは事務当局から計画の増大に伴うて、融資についての要求が出ると思いますが、ただいままだわくをどれだけ増額するかということは決定いたしておりません。  それから第一点の御質問でありますが、これはいろいろたくさんあると思いますが、問題は、戰後比較的痛められることの少かつた農村に、今日まで三年の間、生産、供出、課税、あらゆる面において少し重荷をかけ過ぎておつたようでありまして、三年たちましてかなり負担力は弱つております。そういう面からいたしますと、第一考えられることは、今日農村課税の問題、あるいは農村金融の問題ということが中心問題になると思います。しかして農業経済の基本であるところの土地、これの保全に対しましては、やはり治山治水、土地改良というような大きな面に、國家資本が相当に増額せられなければならぬのでありますから、こういうような面については、財政的な処置を大きく要求いたしたいと思つております。しこうして農村課税の問題につきましては、目下財務当局とも連絡して愼重にやつておりますが、一口に言えば、税の種類の問題ということもありますけれども、私ども考えるのは、一般も同じ問題でありますけれども、いかにして所得金額の決定というものを適正にするかということについて、努力が向けられねばならぬということと、しこうしてその決定にあたりまして、申告納税制度をとつておる今日、その申告の方法について農村等を相当に指導する必要があると思うのでありまして、こういう面並びに金融の面についてはともかく、先ほどお話がありましたように、工業方面においてはすでに今日終戰後復金融資を通じて、政府は千四百五十億の金を出しておる。しかるに農漁業に対しては今日までほとんど出ていないといつてもよろしいと思う。最近農業金融において約四十億円の設備資金関係において、前内閣の終りの七月五日に決定したのですが、これらは長期資金であります。その他におきましても短期資金等について四億円あるいは十一億円というような災害並びにそれに対処する営農資金等が出ておりますけれども、工業関係に比較するととにかく少い。これらはしかし全体的な財政金融とにらみ合せなければならぬ問題でありますけれども、何かそこに農漁村金融方面に対して処置する必要がある、かように考えておる次第であります。一、二の例をもつてお答えいたします。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 それに関連する問題ですが、ただいまかんしよが供出されておるのですが、香川縣においては、香川縣の公團みずからが昨年においては五万貫を腐らした。今年度においては十万貫は腐らすだろうと公言しておる。農村の人が汗水たらして出したこのかんしよが、目の前でみすみす腐つているのを見なければならないという状態は、まさに政治の動脈硬化症を物語るものだと思いますが、この腐敗しやすいかんしよとか、ばれいしよとか、こういうものについては急速にこれの加工をして、加工したものをいわゆる供出の品物としてとるというような措置をせられたいと思うのであります。ところが現在見ましたところ、これらのものに対する加工というものが許可の面についてあまりにも煩雜に過ぎておる。この点をもう少し簡素化して、もう少し能率化する必要があるのではないかと思いますが、この点少くともものがないのだから、ものがないにもかかわらず多く腐らしておるというのは、まさに政治が責任を負わなければならぬ問題だと思う。この点について、かんしよの処理において農村にこれの加工業を興すのに特別な便宜を與えるのかどうか、この点についてお尋ねいたしたい。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 お話の点ごもつともであります。今日も実は澱粉加工の問題は、農村工業の融資順位からいたしましても相当上になつております。でき得る限り工場の設備を認めて、せつかくつくつたかんしよ、ばれいしよを澱粉化して、耐久性を長くして、貯藏するというお考え方については賛成をいたします。ただいろいろの資金の関係で、何もかもというわけには行かぬようですが、ぜひかんしよについては、今のお話のような意味において貯藏の方法、あるいは加工の方法を進めて、どうしても足らないのでありますから、食糧としての効率を発揮するように考えたいと思います。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 野坂君にこの際発言を許可します。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 労働大臣にまず第一に、労働運動に対する基本的政策の問題についてお聞きしたいのであります。これはすでに新聞に六日ですか、政府の意見として発表されて——政府が公式に発表されたものであるかどうかは知りませんけれども、これによると、一定期間を限つて中央に労働関係民主化方策審議会、仮称でこの名前はどうでもいいのですが、こういうものをつくつて、そして労働問題の根本について審議するというニユースが載つておりますが、こういう事実がおありですかどうか。もしあるとすれば、どういう構想でどういう仕事をやるものか、お聞きしたいと思います。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 野坂さんの御質問にお答え申し上げます。六日の新聞に労働運動民主化何とか審議会でございますか、そういう記事が出ておつたということでありますが、私実はその新聞を読んでおりません。また新聞を読んでいないでも、そういう事実を認識しておるかどうかというお問いになると思いますが、そういう事実を認識いたしておりません。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 そうすればこの発表されたことについては、私は御質問しませんけれども、この中にいろいろありますことで、やはり政府の基本政策に関係するのでお聞きしたいと思いますが、たとえばこの中には、正当な労働爭議の限界、あるいは同情ストの問題、こういうようなことを書いてありますが、政府としては公務員法以外の、いわゆる民間企業における労働者の労働爭議に何らかの制限を設けるというふうな意図があるかどうか、お聞きしたいと思います。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 ただいまのところそういうことは考えておりません。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 その次には労働組合と政治活動あるいは政党との関係の問題になりますが、たとえばこれは労働大臣御存じですけれども、石川縣の方では、労働組合について、組合内から共産党員を排際するというふうな規約を設けるかどうかという問題が起つて、これについて労働大臣の方にわれわれの方から伺つたはずですけれども、この席上で労働大臣の公式の言明を私はお聞きしたいと思います。こういうことを許さるべきものであるかどうか。もしこれが許されれば、基準法に明らかに違反するものというふうにわれわれは考えるが、この点についてお聞きしたいと思います。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 野坂さんは石川縣にそういう規約をつくらんとする何か傾向があるというお話でございましたがせんだつて林百郎君その他から私ども質問を受けた具体的の問題があるのでありますが、それは野坂さん御承知の通り、新潟縣のある労働組合において、共産党員はこれを加入せしめないという意味の労働規約をつくつた、この労働組合規約が合法であるか、あるいは非合法であるかということの伺いを、新潟縣知事が労働省に対して出したのでありまするが、これに対する答えといたしまして、最初はそれは非合法ではないという答えをいたしました。その答えをいたしたのが十月四日であります。さらに私が労働大臣になりましてから、もう一ぺん局長名で答えをいたしましたが、それはこういうような意味であります。すなわち不法ではない、しかしながら共産党員たるのゆえをもつて組合員たらしめずというようなことを——共産党員としての行動が合法的であり妥当であるというような場合に、組合員たることを認めないというような規約をつくることは適当でない、妥当を欠く、だから望ましくない。こういう意味の通牒をいたしておる次第であります。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 今石川縣と申したのは私の記憶違いですから訂正します。そうしますと組合規約の中に、ある一つの政党員を排除するというような規約を設けても、これは法律的にはさしつかえないという御意見ですか。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 法律的には不法とは言い得ないというのがわれわれの解釈であります。しかしながら労働省は労働行政をやつておるものでございまして、法律的にただちに不法でないからといつて、それでほつておくということでは、十分妥当な労働行政を行つたことにならぬ。そこで客観的に見て、また常識的に見て、かかる規約が妥当であるか不妥当であるか、もし妥当でないならば、そういうことはよろしくないというような行政措置をとることもまた労働省の職責でございますから、妥当を欠くという通牒を出した次第でございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 そうしますと、たとえば極東委員会のいわゆる十六原則の中に非常にはつきりと労働組合の政治活動の自由ということをうたつてあると思いますが、これを基準にして見れば、明らかにこうしたある一つの政党だけを除外するというような規約を設けることは、この十六原則に違反するものではないかと考えるが、この点どうですか。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 これは法律論の問題でございまするが、要するに、すでに有機体として法人格を持つた労働組合ができ上つている、その労働組合が政治活動をすることは、極東委員会の十六原則にも書いてございます通り、合法であるし、また自由でございます。しかしながら今の問題はそういう問題ではございませんで、法律論の範疇が違うのであります。労働組合をつくるにあたつて、組合員たらんとする者各自が規約をつくつた結果、組合が誕生をする。その誕生をするに際しまして規約をつくる。その規約の中にある特定の政党員を除き、その他の者だけで労働組合をつくろうじやないか。こういう規約をつくることは違法ではない。こういう意味合いの解釈であります。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 労働大臣の方では違法ではないけれども、しかし実際上望ましくないというような御意見であつたと思うのです。そうしますと、労働大臣としてはもしこういう規約をつくるような組合があつた場合においては、これをやめさせるというふうな御意向があるか、こういう処置をおとりになりますか。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 すでに存在しておる労働組合の労働規約をやめさせるというところまで今考えておりません。しかしこれから後に労働組合を結成しようとする場合に、そういう規約をむやみにつくつてほしくないという態度で各地方長官に臨むつもりでございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 そうすると、私念のためにもう一度申し上げておきたいのは、全労働大臣の言われたような、これは望ましくないというようなことを、もう少し地方の方に徹底していただきたいと思う。と申しますのは、この間私たちが労働大臣に会つて、そのあとで発表された政府側の声明によりますと、この点が非常にぼんやりしておる。だから今労働大臣のおつしやつたようなことを下部まで徹底していただきたいということを希望いたします。  それからもう一つこの問題に関連して、多分抽象的な問題になりますけれども、労働大臣の御意見をお伺いいたしたいのは、労働組合運動と政治運動、あるいは政党の運動との関連について、労働大臣はどういうお考えを持つておられるか。たとえばわれわれの党についてよくフラクとか何とかいう問題がありますが、労働組合に結集されるのは、何も政治的な目的によつて結集されたのではなくて、当面の経済問題の解決のためにすべての労働者が團結する。これが労働組合というようにわれわれは考えている。そうしますと労働組合員一人々々については政治的に意見が違つてもよろしい。一つの労働組合に入れば、必ずこれは何々党、何々政党の原則を排斥するということは、これは労働組合でなく、政党になると思う。ところがある組合が規約の面で、あるいは規約の面でなくともよろしい。ある一つの政党を排除する、政治的な原則を排斥するというふうなことを内部で起す運動は、これは私は労働組合の性格からいつて、望ましくないように思うが、この点をお聞きいたしたい。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 労働組合法には主として政治行動をとるものは労働組合と認めない。こう書いてございます。しかしながら極東委員会の示唆にかかるあのデイレクテイヴには、労働組合は政治行動をなしてよろしいということが書いてある。そこでわれわれはどの範囲において労働組合が政治活動をすべきか、また政治活動を容認すべきかという問題になるのでございますが、野坂さんのお説のごとく、労働組合というものは、これは一つの経済團体であると考えております、政治團体ではない。でございますから、あくまで労働組合の行動は從たる政治行動をすべきものである。主たる政治行動をすべきものではない。從たる政治行動をすべきものであるというふうに考えております。そこで労働組合あるが政党を排撃するといつたようなことを、主たる活動とするというような場合にはよろしくないと考えますが個々の問題を一つ一つそのときどきに檢討してみないと具体的に妥当な御意見は今のところ申し上げかねる。要するに從たる政治行動であるならば容認されるけれども、主たる政治行動であるならば容認できないということに相なるものと考えます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 大体わかりましたが、その次にお聞きしたいのは失業数の見通しについてお聞きしたいと思います。今年の二月の総理廳統計局の発表したものによりますると、いわゆる完全失業及び半失業——半失業と申しますのは、たとえば作業時間以下を働く一週間三、四日以下を働くもの、それが九百二十八万という厖大な数字が出ておる。最近官公吏における人員整理という問題について、岩本國務大臣は五十七万の整理をする案を持つておる、こういうようにおつしやつたと思う。そのほか民間企業も相当ありますが、この官公吏における人員整理を基準にして、労働大臣として近き將來においてどれくらい民間産業において整理がやられるようなお見通しを持つておられるかお聞きしたい。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 お答え申し上げます。数で正確にわかつておるのは去年の十月の國勢調査でございまして、完全失業者六十七万人、潜在失業者いわゆる事志と違つて欲せざる業態に從事しておる一部失業者というものが四百万人、こういうことに相なつておる。その後流通秩序の確立といつたようなことや、統制経済が相当はずされるということのために、やみ屋さん等をやることができないというために、だんだん潜在失業者が顯在化しつつあります。私どもはこれもすべて想像でございますが、多少科学的に想像をいたしますると、およそ八十万くらいの完全失業者が現在あるのでないかと考えております。そこでしからば將來はどれくらい顯在失業者が出る見込みであるか、という御質問にお答えすることになるのでありますが、岩本君が先だつて岩本行政管理廳事務取扱としての意見として申されたところによると、五十七万人の馘首をするつもりであるということを言つておりますが、私どもはこのことはただ閣議決定を経たわけでございませんけれども、またこの五十七万の者が出ましても、配置轉換によつて、他に受入れ態勢をつくつて、その方面で吸收して参りたいと思つておりますから、今申した八十万プラス五十七万というわけにはすぐ行かぬと思つております。しかしそのうち若干顯在失業者が出る、それで五十七万の数を算術的にただちに加えるのは合理的でないということを御認識願いたいと思う。その次に組織労働者その他で、私はまずほんとうに産業合理化を徹底し、しかも受入れ態勢がないという場合は五六十万くらいの、約一〇%くらいの失業者が顯在化して來はしないか、こういうように考えておる次第であります。まあ大きくラフな数で、たいへん恐縮でありますが、百五十万近所の失業者が出るという見込みでわれわれはこの失業対策を立てなくちやならぬというわけでせつかく努力中でございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 これに関連して十日の新聞にこういう記事が出ております。これは労働大臣が言われたことも含まれますが、官公吏の馘首が五十七万、その次に民間の企業整備による馘首が大体五十八万、今大臣は五、六十万人と言われた。それから海外引揚者が十万人、それからいわゆる僭在失業者が顯在へ移行した者が約五十万、今まで顯在しておつた手入業者が六十七万人、合計二百四十二万人という数字を出しておりますが、今労働大臣は百五十万と言われますけれども、大体そうなると百万近く還つて來ると思いますが、これには引揚者という過去の者も含まれておりますか。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 お答え申し上げます。その数字はたしか労働省の職業安定局の数字だと思つております。今私が言ひ落したのは、海外引揚同胞のうち完全失業者が十万くらいは出るであろうということは見込んでおりますが、これは御承知の五十万内外の海外同胞が引揚げたその後のことでございまして、來年三月までのごく近い將來という期限を切つての野坂さんの御質問でありますから、その点は私加算しなかつた次第でございますが、僭在失業者が顯在化するという点は、そう私といたしましては五十万も顯在化するということはあり得ないというふうに考えております。今の数もまだ研究中の過程における数でありまして、決してまだ発表した数ではございません。しかしながら、多く失業者が出る、その失業者を顯在化せしめない意味において、就職あつせんその他受入れ態勢のことを考慮しなければならぬ、大事をとつた方がよろしいという見地において、私は相当程度失業者がふえることを予想しつつ、こちらがあわてないように努力し、準備をしておく必要がある、こう思つております。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 そうしますと、正確な数字はわかりませんけれども、先ほど労働大臣は大体において百五十万人くらい——今の労働省関係の統計では二百四十万ということですが、こうしてみると内輪に見ても二百万内外はあると思います。それからいわゆる半失業者を入れればこれは莫大な数字になると思いますが、これに対して労働大臣の方では、どういうふうな具体的な対策をお持ちになるのか。新聞によりますと、何か審議会を設けるというようなことでありますが、私の聞きたいのはそういう審議会の問題を討議するのではなくて、この内閣として今こういつた厖大な失業者を目の前にして、どういう具体的な施策をお持ちになるか、これをお聞きしたい。

増田甲子七民主自由党労働大臣

○増田國務大臣 お答え申し上げます。ただいまの失業者が六十七万プラス十二、三万、八十万くらいの顯在失業者があると申しましたが、これに対する対策といたしましては、職業安定なりその他の仕事をいたしております。それから結局轉落者ということになりますと、生活保護法によつて、一應は全部救われておる形に相なつておるのでありますが、生活保護をいやがつて逃げておる向きもあります。しかし我が國の社会政策は相当徹底しておりますから、ほんとうに餓死しないでもよろしい仕掛だけはできているのであります。將來百五、六十万の顯在失業者に対する処置いかん、という御質問にお答えする順序になるのでありますが、これについては、先ほども私が答弁の過程において申し上げた通り、今いろいろの計画をせつかく立案中でございまして、私が本会議その他の機会においてしばしば申し上げておるところは、今野坂さんもちよつと触れられましたが、失業対策委員会というような官民を網羅したものを一應私考えておる次第であります。しかし職業安定法においては、すでに中央職業安定委員会、それから各地方府縣に同じく地方職業安定委員会というものができております。これはもつぱら雇用方面を開拓する仕事であります。私の構想といたしましては、この雇用開拓としての職業安定方面のことをする官民合同の失業対策委員会のことを一應考えておりますが、他の半分の仕事といたしましては、やはり積極的な受入れ態勢ということを、朝野の識者を網羅して、経営者も事業家も労働者の代表等も入れて、そうして積極的な受入れ態勢を樹立するためにこういうような委員会をつくりたい。こう考えておる次第であります。この委員会をつくる前に、しからばどういう失業対策があるかということになると、今申し上げた通りでありますが、私が今考えておりますところは、あらゆる機会においてしばしば申し上げておりますが、まず積極的の受入れ態勢をつくりたい。この積極的受入れ態勢という点について、將來は割合に明るい展望が期待されると思つております。というのは、野坂さんも同感されると思いますが、生産力は月々だんだん発展しつつあります。昭和四年ないし八年を一〇〇といたしまして、十一月、十月のごときは六十数%というところまで復原しておりますから、雇用量がそういう方面においてやはり増大しつつあるので、結局昔のようなデフレーシヨンであるからいたしかたなく産業合理化をするというのではありません。現在は企業の設備と、それからその企業の設備の包含しておる労働力との比率が合理的でないために、企業の自主性や健全性を確立できない、そういう見地からわれわれは産業合理化を要望しておる次第でありまして、デフレーシヨンであるから、不景氣であるから、先はまつ暗であるから、あるいは灰色であるから、産業合理化をするという意味じやありませんから、私どもは相当大量に配置轉換によつて受入れをなし得ると考えておる次第であります。また合理化をした企業体自身が健全性を確立いたしますと、いよいよ生産力を発展し得る、こういうふうに考えておる次第であります。抽象論としてはこうでございますが、具体論としましては、たとえば終戰処理費にいたしましても、事業量はだんだん減つて参りますから、この方面に使われた鉄だとかセメントだとかいうような重要生産資材にいたしましても、一般民需産業の方面に轉換するということはきわめて明瞭でございますし、また一面、傾斜生産によつて、肥料にいたしましても、鉄にいたしましても、セメントにいたしましても、増産の一路をたどつておりますし、これらが民需方面に轉換できるということになれば、今の内閣の與党である民主自由党がいつも言つておりまする電源の開発であるとか、あるいは産業道路の整備であるとか、あるいは河川の大改修であるとか、あるいはその他治山の問題であるとか、あるいは開墾の問題であるとか、とにかくそういうふうな公共的の土木事業でも、相当吸收し得ると私は思つておるのであります。しかし公共的の土木事業というようなものは、社会政策なんかに比べれば、よほど積極性を持つておりますが、われわれはそれよりももつと積極性を持つた、纖維産業であるとか、あるいは加工品工業であるとか、そういう輸出品工業が、外資の導入に伴つてもつと増大し得る、こういうふうに考えております。結局配置轉換の問題が一番大きな問題になりはせぬか。受入れ態勢はもちろんつくることは必要でありますが、われわれは先の見通しをそう悲観的にはいたしておらないのでございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 いろいろ聞きたいことはまだありますけれども、労働大臣に対してはこの程度にしておきます。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 大藏大臣に対する質疑を続行いたします。世耕弘一君の発言を許可いたします。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 私は大藏大臣に簡單に数点御所信を承つておきたいと思うのであります。  まず第一に、通貨の安定策として、將來の通貨政策の基本方針を簡單に御説明を願いたい。インフレを阻止する一つの方法として、生産の増強ということもありますが、一面通貨面からのインフレ阻止のことを考えていただかなければならぬと思うのであります。それについて、通貨政策の一部面といたしまして、私の考えとしましては、現在の不換紙幣にかわるに、いわゆる金券の発行を必要としないか。もしこれについて金資金の道が十分でないとするならば、一部分だけでも金券を発行して、徐々にインフレ紙幣との切りかえの道を開くということも一つの方向ではないか。これは実際問題として非常にむずかしい問題であるが、もうそろそろこういうことはまじめに研究されなければならぬと私は考えるのであります。前内閣に対しても、二、三その点について注文をつけておいたのでありますが、大藏大臣としてこれに対して何か新しいお考えがあるかどうか。また大藏当局としてこれについて將來対策をすでに具体化しつつあるかということを、まず最初に一点承りたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 まず世耕さんにたびたび勝手をいたしまして、またいろいろ用事があつておそくなりまして申訳ございませんでした。ただいまお尋ねの通貨対策の問題につきましては、政府といたしましては直接にこの通貨には手をつけない。かようなことがその方針であつたのでありまするが、ただいま御指摘の、多少不十分でも現在の一般紙幣にかわる金券であるとか、そういうようなものを徐々にやる考えはないかというお尋ねに対しては、金券についてはなお十分に研究した上でお答えを申し上げたいと思います。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 次にこれも簡單にお尋ねいたしておきますが、今後の物價の見通し並びにインフレの見通しについて、率直な御意見を承りたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。物價につきましては、世耕さん御承知の通り、ごく最近に至りましては、むしろ下降の数字さえ示しておるのでありまして、おおむね横ばい、もしくは上昇の速度はきわめて緩慢になつた。かように御了承願いたいのであります。なおインフレーシヨンの見通しにつきましても、從いまして当面いたします情勢からこれを判断いたしましても、また各般の情勢から判断いたしましても、さまで憂慮すべきものは考えられないのでございますが、しかしながら問題がもし労働攻勢その他によりまして、賃金の面に不当に重圧がかかつて参るようなことでございますれば、これこそインフレーシヨンの前途につきまして、憂慮すべき問題である。かように考えるのでございます。いわんやたびたび申し上げた通り、この半歳におきましても、おおむね生産とか、あるいは物價とか通貨の面におきましては、われわれ経済安定本部といたしまして、予定の罫線をたどつておるのでありますが、ひとり賃金の足取りがこの予測に反しまして、異常な高騰をいたしておる。さような現実でありますので、賃金の將來につきましては、政府といたしまして深く関心を持つておる次第であります。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 中小商工業者はもちろん、大企業者といえども、最近非常に金融逼迫難に襲われておるように察知されるのでありますが、特に年末の金融政策について、相当政府は考慮を拂われてしかるべきだと思うのでありますが、この点について御用意がございますか。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。ただいま世耕さんお示しの通り、政府におきましても、もとよりこの年末の金融に対しましては、また財政上の面もあわせ考えまして、これが適切な措置について、具体案を用意いたしておるのでありまして、その具体案は逐次これを展開いたしておるのでございます。  一例を申し上げますならば、まず政府支拂いはこれを促進することに努めた次第でございます。これが具体的方策につきましては多々あるのでございまするが、要するに支拂いの面におきましてなるべくこれを促進し、また引上げの面につきましても配慮いたしたい。かような構想に相なつておる次第であります。  第二に民間におきましての一般金融機関に対しましては、その蓄積資金に対しまして毎月蓄積資金の三五%は財政資金にまわす、かような定めになつておりますが、これを当十二月に限つて特に三〇%に引下げたのでございます。  それから第三には金融機関におきまして、今日最もわくをはめられておりますのは、御承知の通りいわゆる融資規正準則であるのでございます。これにつきましては、昨年の六月以來その改訂が行われておらなかつたのでありますが、この融資規正準則につきまして、これを大幅に改訂する必要を認めまして、いろいろ改善を加えたのであります。その結果といたしまして、あるいは順位が相当程度引上つたのでありまして、業種として百五十四種のものが乙より甲、丙より乙、かように格上げになつた次第であります。  なお第四といたしまして、從來金融機関は、その融資規正準則の丙種の運轉資金につきましては、一件の金額が三十万円未満、かような定めに相なつておりましたのを、本月の一日以降これを一件金額五十万円未満、さように二十万円の引上げをいたした次第であります。  なお第五点といたしましては、復興金融金庫の中小企業金融につきまして、應急的措置といたしまして、從來代理貸につきまして、各四半期に五億五千万円を予定いたしておるのでありますが、これをさらに三億円増額いたしまして八億五千万円にいたした次第であります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 その問題は答弁済みでありますから、要点だけを願います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 第六点、日銀の中小企業特別融資の増額につきまして、これまた約二億円程度の増額をいたしたのでございます。  第七は預金部の地方資金につきましても、各般の施策を展開いたしたのでございます。  以上いろいろ政府といたしましては具体的に政策を展開しておるのでございまして、ただいまの御要望に沿うゆえんかと考えます。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 よくわかりました。それでなおお尋ねしておきますが、年末の日銀券の発行は大体どれくらいの見当で納まるおつもりでございますか。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 重複を避けるように、きわめて簡單に申し上げますが、それは從來の予定せられました三千三百億円、これでは参りませんので、これを二百億円程度増額をいたす必要を認めて、三千五百億円程度に見通しをつけておる次第でございます。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 金融問題について、根本的にわれわれは今日考えておかなくちやならぬことは、先ほど各委員からも質問がありましたが、農村はもちろんのこと、地方中小工業者も金融難に陷つておる。この根本的原因は、金融の中央集権的なこれまでの行き方が災いしておると思うのであります。どうしても政府としては今後この中央集権的弊を打開して、新たな地方に金融制度の確立を期する必要があろうと思います。この意味において地方金融の独立並びに新しい銀行の設置等、中央金融の分散ということについて、何かお考えがあろうと思いますので、この際承つておきたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。まことにごもつともなお話でございまして、この点に関しては、政府におきましても十分これを研究いたしまして、具体的にそれを実施いたしたい、かように考えるのであります。たとえば復興金融金庫についても、某方面では各地にその支店を設置するように、かような要望まであるような次第でございます。ただ実際問題といたしまして、なかなかその実現には困難も伴うような事情もございますが、ただいま御指摘の通り、あるいは地方金融機関の拡充強化、これらの要望にこたえ得る道もありはしないか、かように考えますので、具体的には逐次展開せられるもの、かように御了承願いたいと存ずるのであります。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 次に最近料理飲食店業者がかなり高額な税金を課せられておるようでありますが、この率の多寡は別といたしまして、政令いまだ解かれざる場合において、この高率の税を課するということは、あたかも営業状態を正常に認めたということが、前提に置かれるような結果になるのでありますが、かような点について、どういう見解をもつて高率課税をせられるのか、ただ懲罰的な意味なのか、あるいは租税收入の見地からかような結果になつたのか、その見解を明らかにしておいていただきたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。ただいま御指摘の中小企業者の間に、その收入の割に課税の重圧に苦しんでおられる向もあるやに承つておりまして、政府としてもこの点については深く省みるところがなければならぬ、かように考えております。しかしながら他の半面においては、たびたび申し上げる通り、政府において科学的な研究のもとに得られた國民所得の点には相当のものが算出されますので、その國民所得を前提にする場合に、わが國における今日の納税の割合は列國の実績に徴して、いまだ担税力なし、かようには言い切れないのでありまして、決してとれないのではないのであります。よつて問題は、いかにしてこの徴税機構を拡充強化して、あるいは円滑にその成績を上げるかという点にあるのでありまして、さような意味においてこそ、ただいま御指摘の点については、政府としても遺憾の意を表しますとともに、他の一面において十分熱意とくふうをもつて事に当りたい、かような考えであります。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 ただいまの大藏大臣の御答弁は少し見当はずれのことを御答弁されました。私のお尋ねしたいのは、料理飲食店の営業に対して最近高率の税をかけているではないか、これは政令施行されてまだ解除されていないのに、さらに課税をするということになりますと、政令を解いた結果になりはせぬか、すなわち営業を公認したことになりはせぬか、この見解はどうか、こういうことをお尋ねしたのであります。つけ加えて御説明が願いたい。  なお次に申し上げたいことは、税の徴收についてかなり苛斂誅求だとか、均衡を欠くとか、いろいろの非難が多いのであります。私は今年夏各地を視察いたしまして、税制その他の方面の実際に当つておる諸君ともいろいろ折衝し、また仕事の内容もお尋ねして來たのでありますが、そういう点からかんがみまして、私はこの際税務廳というような独立機関を設けて、そうして全面的にこの税の問題を解決して行くというような行き方も、一つの構想ではないかと私は実は考えて、これを痛感したのであります。大藏大臣並びに安本長官としてのお考えは、どういうふうな御見解をお持ちになつておるか、お尋ねしておきたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答え申し上げます。先ほどのお尋ねに対しまして、私まことに見当違いのことを申し上げ、御無礼申し上げました。料理飲食店に対しまして特に課税をいたしておる。おようなことは事実でございますが、実情に應じてともかく所得がある、かような判定のもとに課税をいたしておるのでありまして、右御了承を願いたいと思うのであります。  なお御質問の第二点、徴税の問題につきましては、これが拡充強化をはかり、進んでは徴税廳、さような独立機関にしてはどうかということでございましたが、その点につきましては、ただいまお示しの線に沿うて十分研究を遂げたい、かように考える次第でございます。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 復興金融金庫の金融の状況を総括的に勘案してみますと、どうも赤字金融と同じような結論を生み出しておるように思うのであります。近來國策の一つといたしまして、三原則を立てられておるようでありますが、その行き方から見ますと、現在の復金の金融政策は、結論において赤字金融と同じような結果に私は陷つておると思うのであります。これに対して政府は徹底的な改善をする考えがないかということ。  次にこれと同樣な結論を見られることは、すちわち價格補償金あるいは補助金というような名目のもとに、政府が資金を出しておりますが、これとても嚴密に詮議いたしてみますと、結局赤字金融と同じ結果を生み出しておると、かように思うのであります。政府の所感いかんということをお尋ねしておきます。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 赤字金融につきましては、これをいたさないのは本内閣の方針でございます。しかるところ、同復興金融金庫におきましては、現在までの実情におきましては、ただいまお示しの通り、相当程度の赤字融資はまことにやむを得なかつた次第でございます。從つて今日これを内藏いたすのであります。しかし將來にわたりましては、ただいま申し上げました方針のもとに、これが解消をいたす、かようの方針でございます。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 少し問題は少さくなりますが、きのうから大分問題になつたようでありますが、いわゆるどぶろくの密造、清酒の密造という問題が取上げられて來たようであります。結局どぶろくの密造、清酒の密造も原料があるから密造をするのだろうと思います。しからばその原料とは何ぞやと言えば、結局米その他のものがあるということが前提で、しかも最近では密造が半ば公然と行われておるような傾向であります。ゆえに私はむしろ政府がこれを積極的に活用して、課税方針を確立することが必要じやないか、かように考えております。  なお質問を要約する意味において、もう一点同樣の問題を取上げたいと思うことは、たとえばやみタバコの問題でもそうであります。私は町を歩いておつて、あのみすぼらしいかつこう、あるいはあまりみすぼらしいかつこうをしておらなくても、タバコの吸がらを拾つておる、あの状況はいかにも情ない感じがいたします。これは要するに、日本の專賣政策の失敗から、かくのごとき貧困な状態が現われて來たものと私は指摘したい。古い話でありますが、ロシアでは自家用のタバコを十ポンドまでは勝手につくつてよろしいという例が過去においてあつた。日本は九州から北海道の端まで、つくりさえすればタバコはいくらでもできる。それをつくらせぬようなかつこうの專賣制度になつて、しかも外國からタバコを輸入しなくちやならぬ。こじきのようなかつこうをして紳士がタバコを拾わなくちやならぬという、まことに情ない政治情勢を生み出して來ていると私は思います。この意味において、むしろ自家用のタバコを自由につくらして、それに課税して、國家收入を得るということも一つの方法じやないか。こういうようなところに重点を置いて生きた政治を私はしてほしい。そういう点については、私は大藏大臣に大いに期待するところがあるのですが、これに対する御所信を承りたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えいたします。密造酒の話でございましたが、これは昨日も田中さんからお尋ねがあり、いろいろ御所見の開陳もございましたが、この方に流されている米穀の数量等につきましては、相当程度のものを想像いたされます。その前提におきまして、ただいまお示しの通り、何らかこれに対して積極的なる政策をくふうしなければならぬ、かように考えるのでございますが、事主食の問題でございますので、どうもこれならという名案が、しかもいろいろ各方面の了解を得らるべき名案が、これまで得られなかつたことを遺憾とする次第でございます。ただ今回酒の造石については、多少これを増量いたしたような次第でございます。しかしながらなお一層この線に沿いまして、ただいま世耕さんのお話通り、また國民の要望に向つて邁進したいと考える次第でございます。  なお次のタバコの点でございますが、タバコの專賣の特例を設ける点については、政府においては遺憾ながら所見を異にしております。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 次に為替レートの問題が最近非常にやかましくなつて來たのでありますが、為替レートの設定を急ぐことが利益なのか、遅らすことが利益なのか、その点の見解を簡單に御説明願いたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 簡單にお答え申し上げます。為替レートの設定の問題は、わが國の経済を、ひとり輸出貿易のみならず、経済全般についてどの水準にこれを置くか、かようの点に重大なる関係がございますので、これをいつやるかという問題は非常に重要な問題と相なるのでございます。かようの意味合いをもちまして、今日においてはこれが見通しについては、はつきりしたことを申し上げる段階には立ち至つておらないのでありますが、その早きに失する場合においては、あまりに出血がはなはだしいことに思いをいたさなければならないと同時に、またおそきに失する場合にはなかなかこれがやりにくいことになりますが、大体いつごろが適当であるか、かようのお尋ねにつきましては、結局わが國の経済水準を、國際経済への参加を前提として、どの水準にこれを置くのがはたして日本の経済の將來のためにいいのか、この点に結論を求むべきであるのでございまして、目下政府におきましては鋭意これが研究を進めておる段階にございます。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 今の為替レートの問題は、結局貿易の基準がそこから発生するのでありますから、よほど愼重な態度をとると同時に、もつと積極的な施策が必要であるということを要望して、その問題はその程度にとどめておきます。  次に政府は自然増收を四百余億円見込んでおるようでありますが、これは産業経済の復興による國民の実質的自然増收から得る税收を見越したのであるか、あるいはインフレの波によつた名目的増加收入によつて標準を求めたのであるか、この見解をこの際明らかにされたいと思うのであります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答え申し上げます。たびたび申し上げます通り、國民所得の算定にあたりまして、從來の六月の物價水準と、十一月の物價水準によりましてこれを概算いたしたのでございまして、かような意味合いにおきましては、物價騰貴が大きな要素になつておる、かようにお答え申し上げたいのでありますが、他の半面におきましては、世耕さん御承知の通り、生産の増強の点におきましても、最近におきましてはややその実績の見るべきものがあるのでございまして、この点も御留意願いたいと思います。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 最後に一点お尋ねいたしますが、安本長官としてお答え願いたい。昨日も私は商工大臣に質疑をいたしておいたのでありますが、從來の政府の行き方としても同樣でありますが、マル公價格は非常に嚴重に取締るが、マル公を決定しながら、そのマル公價格を維持すべき品質について少しも監督がない。責任をとらぬ。そのために國民は非常な迷惑をし、不良品を押しつけられ、配給所へ行つてかえつて立往生する実例があらゆる面に多いのであります。いやしくも政府がマル公を決定する以上は、必ずその品位を保ち得るだけの監督が行き届かなければ、統制は意味をなさぬものだと思うのであります。こういう点について、もう少し熱意のある施策があつてしかるべきだと思うが、安本長官としてどういう考えを持つておられるか。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。ただいまの御質問の点はまことに重大なる点でありまして、いやしくも價格の面におきましてこれを嚴に統制いたします面と、他の反面においてその質をもこれに伴わしめなければならないのでありますが、ここでわれわれは反省しなければならないと思うのでありますが、これこそ統制経済の根幹的欠陷でございますので、われわれはまずいかにしてこの統制を撤廃して、もつてこの要請にこたえるか。これが第一義の問題でなければならないと考えるのであります。しこうして残された統制、どうしてもこれを統制せなければならぬ、統制することが今日において適当である。かようの面につきましては統制を強化いたし、もつてただいま御要請の通り、その質の面におきましても十分國民の要請にこたえる。さようの政策を盛るべきものである。かように考える次第であります。

世耕弘一新自由党

○世耕委員 終りました。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 野坂君。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 大藏大臣にお聞きしたいのは、今給與の問題で政府案に対して六千三百円という新しい案が、いわゆる野党の方で準備されて、それが何時間か後には出されることになつておるそうですが、それが出されますと、予算の全構想がかわつて來なければならないと思いますから、こういう場合においては政府としては、全部初めから組み直すというような構想を持つておられますか、その点をちよつと。と申しますのは、この審議に直接重大な影響がありますので、まず最初にお伺いしたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。官公吏諸君の新しい給與ベースにつきまして、政府の五千三百三十円に対して、これを六千三百七円に修正せられようとしている。かようの前提のもとに、ただいま野坂さんから御質問があつたわけでありますが、たびたび申し上げました通り、政府におきましては最も妥当なものが五千三百三十円である。かようの確信の上に立ちますもので、この修正案につきましては、ただいまのところ、これを具体的の問題としては考慮いたしておらないのであります。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 それではおそらく何時間かあとには、この問題がここで提議されて通過するということになりはしないかと思いますが、あえて政府がお答えにならないとすればやむを得ません。  第二の質問として、これは大藏大臣または主税局長の方におそらく関係があると思いますが、前にすでに川島金次君からもこれに関連した質問がありましたが、結局結論がはつきり出なかつたので、もう一度私の方から別個の立場からお伺いしたいと思います。これは多少数字にわたりますけれども、政府のいわゆる課税見込み所得、あるいは課税標準とも言われておりますが、これについて川島君の質問に対して、これは安本の答えでしたが、政府としては九千三十四億、つまりこれは課税対象になる所得だと思います。これが一つ。それから第二には、今回は税率の変更というものはなかつたので、基礎控除額は当初予算と大体同じだと見れば、当初予算では三千百八十三億、こういうことになつております。それから第三には、基礎控除失格者の所得額は幾らか、これも大体政府の資料によりますと二百五十九億何がし、こういうふうになつております。この三つを加えて、つまり課税対象になる所得、それから基礎控除額、それから基礎控除失格者の所得、この三つを合計いたしますと一兆二千四百七十七億、こういうふうな合計が出ておりますが、これと國民所得と比べて見て、國民所得は政府発表のごとく二兆三千九百億、それから先ほどの三つのものを加えた一兆二千四百七十数億というものを引けば、残つたものが一兆一千四百二十三億。差引一兆千四百二十三億円というものが実は捕捉されるべきものであつて、しかも捕捉されない所得というふうにわれわれは理解しますが、この点について政府当局としてはどういうふうにお考えになりますか。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 ただいま御指摘になりました國民所得は、二十三年度の國民所得のように拜承するのでありますが、さようでございましようか。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 そうです。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 課税所得は、御承知のように大体暦年によつておりまして、今年の所得税は今年の一月から十二月までの所得をもとに課すのでございます。給與所得だけは二箇月分のずれがございます。從いまして、まず第一に今のお話に対しまして、暦年の國民所得を対象として比較すべきものではなかろうかと考えます。そういたしますと、暦年においては大体同じベースで見積りまして二兆一千億、そのうち会社の事業所得というものがありまして、これは法人税の課税対象になるべきものでありまして、個人の所得税の課税対象になるべきものではございません。それが約四百億ほどございますので、まず大体個人の所得税と見合うべき國民所得というものは二兆六百億程度と見込んでおります。從いまして今お話のような点につきまして、若干差異が出て來るということに相なりますが、しかし相当な開きがありますことは、前々から政府委員が説明した通りでございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 もちろん正確なところは多少の食い違いはあり得ると思うのですが、しかし大まかなところ言つて、大体において当然捕捉されなければならない所得が、これくらいあるということは大体認めてもさしつかえないものかどうか、もう一度お伺いしたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 正確な計算は、今御指摘の免税点以下の所得、これの計算にも相当いろいろ問題がございます。それから今申しましたように、会社の事業所得、それから暦年の所得と年度間の所得、こういういろいろな誤差を修正しまして比較すべきものではないかと思つておりますが、精密に幾らの差があるかということを、正確に計算することはなかなかむずかしい点がございますが、御指摘の通り相当の開きがありますことは、これは事実だと思います。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 これに対する政府側の材料はいただけましようか、どうでしようか。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 今申し上げました通り、一番大きな開きは暦年の所得と年度間の所得との開きでございまして、課税所得と比較すべきものとしては大体二兆六百億、これをもとにして御判断願えば、大体大きな差はないのではないか。かように考えております。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 そういたしますと、二兆六百億としますと、政府の計算によりましても、約八千億というものが、大体捕捉されないもの、こういうことになりますが、間違つておるかどうか。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 先ほど申し上げましたように、免税点以下の所得と申しますか、そういう種類のものを正確に計算することは困難でございますので、私どもといたしましてもそういう種類の数字を全部正確に計算して、差が幾らあるかということを的確に申し上げることは、なかなかむずかしいということを申し上げまして、あとは各位におかれまして、適当に御推察によつて御判断願うよりほかはないのではないかと考えております。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 実は私はもう少しこれについて政府側の材料がほしかつたのですから、ぜひ今申しましたような、捕捉さるべくして捕捉されない所得が、大まかにとつてどのくらいをということを、政府側としてぜひ準備をしていただきたいということをお願いいたします。  それから第二の質問としては、政府は七日の予算委員会で國税負担を三千百六十億円、これを國民所得に比較すればわずかに一三%云々、こういうふうに発表されております。なるほど國民所得全体から見てこういうパーセントになりましようが、しかし國民消費資金を基準にしてわれわれが税負担の額を計算してみますと、國立人口問題研究所の十月末の推定人口は八千万人であります。こういうふうに踏んでみますと、大体において一人当り全租税——國税、地方税、專賣益金その他というふうなものを加えてみますと、一人当りの負担額が八千百十二円、こういうふうになります。そうしますと前に申した國民消費資金の方から計算してみますと、一人当りが三万何がしになりますから、全收入の約四割ということになります。つまり消費資金を基準にして計算してみると、税負担が四割ということになりますが、政府側ではこれについてどういうお考えでしようか。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 本年度の大体の國民所得の配分の見込みを経済安定本部でつくつておりますが、それによりますと全体の六八・九%が消費資金になります。從いましてそれに対して先ほどのお話の國税は全体の國民所得に対して一三%でございますが、これは消費資金に対して何パーセントになるかということは、逆算してみると出て來ることでありますが、國税だけでございますとおそらく二〇%前後じやないかと思います。あとで計算してもよろしゆうございます、これに地方税が入りますから、そういう負担を入れますと、さらに若干ふえて來る。かように考えております。この数字は、國民所得に対しまして税を幾ら負担しているかという場合においては、消費資金をもとにしてパーセンテージを出すとというのは、ちよつと理論的にどうであろうか。要するに全体の國民所得が財政負担とそれから民間の資本形成と、それから國民の消費と、どういうふうに現実に配分されるか、こういう観点から判断した方が正しいのではないか。かように思つておりますので、今のお話のような計算は今までしたことはございませんが、計算すればすぐ出て來る数字ですから、あとで申し上げてもけつこうでございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私の申し上げたいのは結局今主税局長の言われた点と思いますが、政府の発表されたところによると、全國民所得に対して税の負担が非常に軽減して來た、去年は一四%、今年は一三%、こういうふうにいかにも税が軽減したというふうな印象を與えるような作意的な結論を出しておられる。しかし実際において一般人の税負担は、結局幾ら自分が消費する金を持つているか、それに対してどのくらいの税がかかるかということが一番重要じやないかと思う。この意味では結局税負担には、この中には國税もある、地方税その他も入つて四割近くを占めている。たとえば産業別労働組合で調べたものを見ると、五割近くになつている。つまり半分近くになつている。こういう点をわれわれは計算してみましたが、つまり政府はこうした税が軽減されておると言うが、こういう考え方自体を私は政府に聞いてみたかつたのです。ほんとうに最近税が軽減されておるものかどうか。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 昨年度と比較しますと、当初予算は相当な増額であつたのでございます。今度の補正予算におきましては、國民所得が生産の増加と、一方物價の騰貴によりましてさらに若干ふえましたので、結果におきまして、当初予算に比較しまして、今度の税金の負担は若干減少しておると、かようなことをこの前政府委員から申し上げたのでございますが、しかし昨年に比べますと、なお相当増加しておることは事実でありまして、この負担が全体といたしまして相当な負担であるとういことも、私どもとしましては認めておるところでございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私はこれ以上この問題については追究しませんけれども、一言言えば、政府がああした発表をされて、いかにも税が軽減したという印象を國民に與えられること自身が大きな政治問題になると思うから、この点を注意していただきたいと思う。  その次にお聞きいたしたいのは、先日政府が発表されましたところによりますと、所得種別に対する國税負担の比率が勤労所得は四一%、農林、水産の方が四一%、営業所得の方が三七%、その平均が三九%、こういうふうになつておりますが、これを見ますと、勤労者や農民の税負担というものは、営業所得よりも重くなつている。こういうふうな結論をわれわれはこの数字から見なければならないと思うのですが、どういう意味で勤労所得や農林水産業における税が、営業税やその他のいわゆる商業などの方面よりも負担が重くなつておるか。勤労所得税のような源泉課税の方だけ、つまりとりやすい方だけおとりになつて、多少とりにくい方はとらずにおく、ここには脱税を大目に見るという現象が現われておるのじやないかと思いますが、これについて伺いたい。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 ただいま御指摘になりました数字は、たしか課税所得と國民所得の比較の数字だろうと思います。その数字から申しますと、確かに御指摘の通り、勤労所得の捕捉率——勤労所得の割合が比較的多くて、営業所得が若干低目になつております。税の負担は御承知の通り勤労所得におきましては勤労所得控除がございますし、農業所得におきましては、平均所得が比較的低い、営業所得は比較的高いというような関係がありまして、税の負担から申しますと、やはり営業所得が一番高くて、農業、勤労という順序になつておると思います。正確な数字は後ほど調べましてお答えしてもよろしゆうございますが、大体の傾向はそれで間違いないと思います。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私の申し上げたいのは、この政府の統計から見ても、とりやすいところからとつて、とりにくいところは、つまり脱税しやすいところはとらない傾向が見えていることを、私は実は具体的にお聞きしたいのです。これに対する材料があれば、あとでぜひ出していただきたい。  それから次にもう一つお聞きしたいのは、主税局の方で十一月の二十何日かと思いますが、自然増收の見込みとして九十億ないし百億あると言うております。主税局の意見として発表されたところでは、今後期待し得る租税の自然増收は手固く見て九十億ないし百億程度である。手固く見て云々、こういうふうに書いてあります。ところが実際の問題は今度の追加予算に盛られたところを見ますと、四百十億あります。一体この数日間にこれだけの莫大な差異ができる。ここに大きな水増しがあるということを考えなければならないが、これに対する御説明を願いたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 まず最初に種類別の所得税の負担でありますが、課税所得に対しますと、勤労所得税は大体一五・五%です。農林産業におきましては、一五・三%、営業所得におきましては、二五・五%、その他が一五%、平均しまして約二〇%程度になつておりまして、実際の負担は先ほど申し上げました通りだと考えます。國民所得に対しましても同樣でございまして、営業所得が一番高くて、一〇・八%、農業勤労は大体七%、その他が同じくらいで平均しまして八、九パーセント程度に相なつております。  それからもう一つ見積りの問題でございますが、これはいろいろ私ども予算の編成にあたりまして、苦心をいたした結果、最近における國民所得の状況等をさらに再調査いたしまして、生産が若干ふえておる。それから物價が当初に比べまして上つておる。さようなことをあらゆる角度から檢討いたしまして、最後に提案しましたような自然増收を見込むことは、これはなかなか問題であるところもございますが、この際われわれとして、各位の御協力を得てベストを盡すならば、この程度の自然増收は確保できるのではないか、こういう見地から計上いたした次第でありますので、御了承願います。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 できるだけ結論を願います。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 今の点、主税局長の弁明ではわれわれは納得いかないと思うのです。大藏大臣にこの問題についてお聞きしたいのですが、つまり数日、一週日ぐらいの間に九十億、百億の自然増收が四百億に飛躍するという、こういう計算の魔術はどこから出て來たものであるか。お聞きしたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 野坂さんにお答え申し上げます。ただいま何か自然増收につきまして、百億程度の数字を示されたのでありますが、私はさようの数字は承知いたしておりません。少くとも計算上の魔術、かようのことは考えたことはないのでありまして、いわんや計上いたしました自然増收につきましては、再々申し上げました通り、これは適当なものである。ただ徴税機構、この運用の面、また徴税機構そのものの改善の面に一段のくふうを加える。かようのことをお答え申し上げた次第でございます。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 今の問題は結局主税局の最初に見積られたのが実相じやないかと私は思う。あとは結局予算のトリツクで三百億ぶつかけられたのか、それとも極度に徴税を強くして、そうしていわゆる苛斂誅求をやつてこれだけとろうという結論か。これはお聞きしても何もほんとうのことをお言いにならないから、これ以上聞きません。  それからもう一つお聞きしたいのは、今日の新聞によりますと、いろいろ電産とか石炭とか纖維とか海員とかで労働爭議がある。これに対して三原則というものは守るが、しかしながら價格調整費百十億円のうち約四十億円は、特に三原則のわくからはずす。こういうふうなことが載つておりますが、これは一体ほんとうなのかどうか、大藏大臣にお聞きしたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。目下労働爭議は多少あるのであります。他方追加予算の計上におきまして、價格調整費をあわせ計上いたしたのでありまするが、その中に既定の價格調整費の増加、それ以外のものを若干含みます。これは事実でありまするが、金額におきましては、ただいま御指摘のようなものとはまたおのずから相違いたす点もあるのでございますので、御了承願いたいと思います。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 この問題は実は非常に重要なもので、各産業における労働爭議が今後どうなるかという問題を決定すると思うのです。それで大体において政府の方としては、この爭議に対して補給金の中から三原則のわく外のものを出す、こういう原則のようなものをおきめになつたかどうか。これを実はお聞きしたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 いわゆる経済の三原則につきましては、政府におきましても、この線を貫く、かようの方針であるのでございます。ただいまさら申し上げるまでもなく、この三原則はそのまま適用するにおきましては、相当の摩擦も当然起つて参りますのみならず、この三原則の目標といたしますところは、要するに生産の増強、経済の復興、かようの点でございまするので、その点にかんがみまして、たとえばただいま御指摘の國家の補給金の問題にいたしましても、その財源の見合いが許します限りにおきまして、これをしも認めない。かようの原則ではないのでございまして、この点御了承願いたいと思うのであります。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 この際織田正信君に発言を許可いたします。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 私の発言はどうなるのですか。まだ途中じやないですか。そんなばかなことはない。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 協定時間をあなた一人でとつておるので、さつきから結論をお願いしているのだけれども、一向結論を出さないから……。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 この問題だけで、すぐ済みますから……。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 では簡單に願います。

野坂參三日本共産党

○野坂委員 石炭とか海員とかこうした産業に対する補給金からの支出、これはわかりますけれども、電産、纖維というものは今まで政府からの補給金の形においては何ら関係がないわけです。電産などはすでに金融面においてやつておつた。今度これが突然補給金の方から出るということになりますと、今までの政策とは違つて來たのかどうか、それが一つ。それから第二にお聞きしたいのは四十億という数字を発表されておりますが、これをどの産業にどれほど政府が出すつもりであるか、この二点をお聞きしたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えをいたします。價格差補給金の予算上の計上については、政府においてこれならば適当と、かようの金額を計上いたしたのでございます。その点はいろいろ労資間の協調、かようの見通しとも見合いまして、これを配分いたす考えでございますので固定した金額を予定する、かようのものではないのでございます。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 簡單に三つの点についてお尋ねいたします。まず第一番は租税自然増收の問題ですが、國民所得の増收の原因として物價指数、賃金指数、生産指数の値上りということが言われておりますが、しかし現実の問題としては金詰まりと購買力がなくなつておるという実情から、製品が最終消費にまで至らないで途中でとまつておるということ、これは一面資本の蓄積とも言えるのですが、中間業者は現実に物をストツクして非常に困つておるという実情に持つて行つて、物價と賃金と生産指数の上りから、全部これに税金をかけるということにすれば、途中でとまつておる品物を全部賣り拂わなければならない、しかし買手がないということになるのじやないかと思いますが、この点もし中間に物をたくわえておる人が支拂う税金がない場合に、時價で税務当局にすべての品物を買取る意思があるのかどうか、この点お伺いいたします。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 織田さんにお答えを申し上げます。このたびの自然増收を計上いたしました結果として、その租税の徴收には相当苦心を拂わなければならぬ。かようなことはたびたび申し上げたのでありますが、國民所得に対しまして國税の割合は参考表の示します通り、さまで高率なものではないのであります。從つてその間にただいまお示しのようなものは原則としてはないのでございます。ただ現実の問題として、ままさような問題があるのであります。從つてただいま御指摘のような、あるいはその商品を買上げる、こういうような構想もあり得るのでありますが、これはやはり物納とさようなことを意味しますので、今日においては税法上さようなことは相かなわぬ次第でございます。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 第二点の問題は第一点に引続くのですが、結局財源の問題でありまして、ただいまの御答弁によりますと、中間業者は資本として物が蓄積されておる、しかし物納は相ならぬ、金で全部出せ、金はないということで非常に困つておるのじやないかと思うのでありまして、私は実際今日の金詰まりと購買力等の点から、四百十億の自然増收は不可能であると考えております。もしそれを可能とするならば、これは政治が惡政にならざるを得ないと結論をするわけです。たとえば財源の國有財産の拂下げについて一例を申し上げますと、財産税あたりの物納の土地でありますが、これは大藏省に物納されて、第一信託あたりが中間業者で入つて、第一信託に十五会社ほどの小会社ができて、それで物納されたものが一般に賣り出される、ところが大藏省に入るときの價格と、一般に賣り出されるときの價格は、大藏省の方からの指令では三倍といつて出ておるが、市價では莫大な高價に賣り拂われておるという事実が東京都内においても各所にありますが、この点せつかく國民が金で拂う力がなくして物納したにもかかわらず、國庫收入としては安くこれを買入れて、政府と民間業者の間に中間機関を設けて、ここに多く利潤をとらせておるということは、不当財産取引に属するのじやないかと思いますが、この点について財産税として取上げた土地が國庫へ入る、しこうしてその中間業者にもうけさす利潤の関係を説明していただきたいのであります。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。物納を認めまして、これを國家に納めました場合にはもとよりその法の定めるところに從つてこれを納めた、かようなことでございまして、この点何ら違法はないのであります。これを國家の手に納め、今日國有財産としてあるのでありますが、それを手放す場合においてはもとより時價によつてこれを処分いたす、当然のことでございますので、格別この間に問題はないのであります。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 ただいまの問題について、実は私具体的な例を持つておる、世田谷、三軒茶屋の方面で、税務署員でもない、政府の者でもない、中間業者が買主のところへ來て、あなたのところへは特別安く賣り拂うから買わぬか、大藏省の方からは三倍という指令が出ておるのだというようなことを言つておる事実を知つておるのですが、私は政府委員の方から、この國有財産の拂下げはどういうような経緯でなされておるか、説明していただきたい。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 私からちよつとお答え申し上げます。ただいまの御質疑の点は実は私承知いたしておらないのでありますが、昨年度においても國有財産の賣却は約十五億、また本年度においては二十二、三億に上るのでありまして、一々これを記憶はいたしてないのであります。從つてこれは取調べの上お答え申し上げたい、あいにく專門の係の者がいないではなはだ礼を失する次第であります。

織田正信第一議員倶楽部

○織田委員 それではただいまのは資料を提出させていただきまして、機会があればその資料に基いて質問させていただきたいと思います。最後にこれは安定本部の方への質問でありますが、セメント、鋼材、ガラスの生産状況、これの配付の方法について資料を出していただきたいと思います。というのはある方面から聞いた話でありますが、セメントの四分の一、鋼材の六十万トンという莫大な量が、実は國外の方に出ておるというような話でありますが、今日の日本産業復興の動力源でありますダムの建設あたりにしても、セメントとか鋼材というものは基礎資材の最も重要なものである。しかもこの最も重要なものが、そういうように國外に出されているということについて、詳細にその数量を示していただきたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。よく取調べましてお答えを申し上げます。

上林山榮吉民主自由党

○上林山委員長 事実上、質疑も大体終了したようでありますので、今後の運営について理事会をこれから開きたいと思いますので暫時休憩をいたしたいと思います。     午後四時十一分休憩

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