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4回国会衆議院1948/12/14

本会議 第12号

発言数
51
登壇者
10
会派数
5
開催日
1948/12/14

会議録

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。      ————◇—————

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 議員泉山三六君より辞表が提出されております。これにつきお諮りいたしたいと思います。  まず辞表を朗読いたさせます。     〔参事朗読〕    辞職願   私儀  一身上ノ都合に依リ辞職致度此段及  御願候也   昭和二十三年十二月十四日            泉山 三六    衆議院議長松岡駒吉殿

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。泉山三六君の辞職を許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて辞職を許可するに決しました。      ————◇—————  國家公務員法の一部を改正する法律案(参議院提出)

今村忠助民主自由党

○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、参議院提出、國家公務員法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  國家公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。人事委員長角田幸吉君。     〔角田幸吉君登壇〕

角田幸吉民主自由党

○角田幸吉君 ただいま議題となりました、参議院提出にかかる國家公務員法の一部を改正する法律案に関する本委員会の審査の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。  本法案は、十二月十二日へ本委員会に付託となつたものでありますが、その趣旨は、國家公務員法に関して、人事官の任命を愼重にし、特別職の範囲を適正にする等のため、これに対し所要の改正を行うことを理由としているものであります。  本委員会としては、これが審査にあたり、特に発議者たる参議院人事委員長中井光次君の出席を求め、同君より提案理由の説明を聽取し、ただちに討論に移つたのであります。本案に対する各党代表の討論は活発に行われたのでありますが、ここに各党を通じての要点を概括御報告いたしますと、第五條第二項を削除することに対しては、いささか問題があるが、これは將來にあらためて問題とするごとにして、この際原案に賛成したいという趣旨のものでありました。  かくて採決の結果、満場一致をもつて本案は原案の通り可決いたした次第であります。(拍手)

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報吉の通り可決いたしました。      ————◇—————

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 請願日程第一、三條市所在の旧徳殿拂下に関てる請願外五十七請願を一括して議題といたします。     —————————————

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 各請願は委員長の報告を省略して採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて各請願はいずれも採択するに決しました。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 國務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。  この際お断り申し上げます。総理大臣は病気のため本日出席いたしかねるとのことであります。なお労働大臣は、やむを得ない用務のため登院いたしかねております。右、御了承願います。  この際中村寅太君をあとまわしといたしまして、野坂參三君。     〔野坂參三君登壇〕

野坂參三日本共産党

○野坂參三君 私は、日本共産党を代表しまして、吉田総理大臣の施政演説に対する質問を申し上げたいのでありますが、不幸にして総理大臣は病氣のために今おいでになりませんので、副総理に一部の質問をし、あとは総理大臣、外務大臣として正式な御答弁を、不信任案提出前に必ずここでいただきたいということを申し上げて私の質問を進めたいと思います。  まず第一にお聞きしたいのは、昨日のこの議場における泉山前大藏大臣のあの事件を中心にした問題でありますが、これについて私は、ここでくだくだしく繰返して申し上げる必要はありません。これは天下に醜をさらしたものである。しかしこれは、單に泉山大藏大臣一個の問題ではなくて、実はこの姿は吉田内閣のシンボルである。吉田内閣自身が、あの泉山大藏大臣によつて象徴されているといつて差支えない。大藏大臣は潔く議員を辞職されましたが、総理大臣としては、内閣としてこの問題及び今日までの内閣の多くの失政に対して、いかなる責任をとられるか。われわれとしては、もう総辞職なさるべき時期が来たと考える。(拍手)それについて副総理から、今日ここでお答弁をお願いしたいと思うのです。  もう一つ、この問題に関連してお聞きしたいのは、昨日この壇上で、総理大臣はこうお答えになりました。これはいわゆる四党協定の問題でありますが、この協定は軍に政党間における協定ではなくて、政党と司令部との話合いであり、約束であるというふうに申された。これは、昨日この席上で申されたと思います。このいわゆる協定によりますと、昨日の十二時までに審議を終えて不信任案を提出しなければならない、こういうことになつておるということを、われわれは聞かされておる。しかしながら、もうすでに昨日の十二時は今まで過ぎておるにもかかわらず、侮らこの問題についても、政府としては手を打つておられない。そうしますと、昨日の吉田総理の御発表になつた御意見から見ると、一体GHQ関係のあの協定というものは、このように破棄してもさしつかえなかつたものかどうか、これは政府としてどういよ、責任をお持ちになるか、これを私はお聞きしたいと思う。これについては、ただいまここで副総理から御回答を願いたいと思います。  さて、本論に移りたいと思いますが、第一に國際問題についてお聞きしたいのであります。総理は、とかく外務委員会あるいはこの席上においても、日本は今外交関係が許されていないから外交問題、国際問題ついては答えができないということをしばしば言われております。ところが、総理ほど國擦問題や外交問題について、おしやべりなさる方はほかにないと思う。たとえば、実働をあげればたくさんありますけれども、六日の本会議でこう申されている。講和については見透しはつかない、講和にかわつて事件ごとに暫定的とりきめを行つて講和條約まで行くしかしかたがない、こういうように言われている。つまり、今見込みがない、暫定的とりきめというようなことを、総理の口からはつきりとここで申されている。私のお聞きしたいことは、この内容だと思います。一体暫定的とりきめというのは、どういうことを意味するのか。つまり、これによつて日本の講和を延ばそうというのか、あるいはこれをサボろうとするのか、こういう意図のもとに政府は立つておられるのかどうか。もう一つ、この問題からわれわれの想像し得ることは、私はあとでもこの問題に言及したいと思いますが、結局このような形において單独講和の方にでも持つて行こうというような全図があるのかどうか、こういう点を、私は外務大臣としての吉田氏にお飼いしたいと思います。  その次に、昨年の三月でありますが、シドニーの放送によつて、吉田総理がこういうことを言われだと言つている。これは相当重大な問題です。日本は、国際連合よりは、むしろ米国の保護を受ける方がよいと思つている、アメリカは日本との講和條約が締結された後も無期限に日本にとどまらねばならない——私は外務大臣にお聞きしたいのは、こういう事実であるのかどうか、こういうことをおつしやつておるかどうか、一体どういう考えをもつてこういうことをお言いになるのか。これは結局、日本というこの國を長く、あるいは永久に植民地化す、こういうことを意味しているとしかわれわれは解釈できない。この点について明確な御回答をお願いしたい。  それから、さらに今年の十月十三日に、INSのハンドルマンという人が、やはり吉田総理の意見というようなことで、こういうことをいつておる。これには、米國自身前には植民地であつたが、今では元の母闘、つまりイギリスより大きくなつているではないか——私は、この問題は非常に重要な問題であり、われわれの深刻に考えなければならない問題をここで提起しているのではないかと思う。アメリカは確かにイギリスの植民地であつた。これが今日のような大きな國になりましたが、しかし、このときにおいては、第一に、世界では資本主義が発展期にあつた。海外発展の可能性もあつた。第二には、アメリカ國内に厖大な、豊富な資源があつた。この二つの條件があつたがために、アメリカが植民地の境遇でありながら、今日のような独立した。繁栄した資本主義國になつて來ている。ところが、今日の日本には、今言つた二つの條件は全然ありません。それにもかかわらず吉田総理は、日本は今のような状態でもよろしい、独立がなくてもよろしい、なくても、將來昔のアメリカのように日本はなり得る、こういうことを言うことは、全然前提條件のない今日の日本がアメリカのように大きく発展するということを言われたことは、明らかに私は、先ほど申したと同じような意見から言われているのではないかと思う。つまり、日本をあくまで植民地化して行こう、こういう政策がここにはつき現われておるのじやないか。これについて私は、やはり吉田外務大臣の明確なる御回答をお願いしたいと思う。  さらに総理は、國際問題については言いたくないと言いながら、いろいろ意見を申されておる。その一つの例として、中國の問題についてこう言われておる。これは四日の予算委員会です。全体として、中國の動乱がわが國の経済に影響するところはあまりにないこれはわれわれ理解することができないのです。今日のこの中國の状態、また過去における日本と中國との経済関係、また將來日本の発展のために中國と日本との経済的な緊密な関係がなけられねばならないということは、だれも知つておることです。ところが今日の中國の状態は、これは日本との経済関係において何らの影響はない、こういうことを言われておる。これは何を意味するのか。われわれとしては、日本が今後発展するためには、中国と日本は緊密な連繋を持つて行かなければならない。これについて吉田総理は一言も触れないで、今のままでよろしい、これ以上経済関係を持つ必要はないというようなことが、ここに含まれておるのではないか。  さらに吉田総理は、こう言つておられる。今の中國と外國との関係について、アメリカが中国を從來以上に援助してくれることを希望する。こういうことを、やはり予算委員会で申されておる。これも私は、外務大臣の口から申された問題として重大な問題ではないかと思う。今日の中國はどういう状態になつておる弘。この場合に、外務大臣の口から、今の中國に対して、これはおそらく私は南京政府を意味すると思うが、これに対してアメリカが積極的な援助をすることを希望するとし言つておる。これは明らかに中國の平和を促進する意味ではなくして、結局内戰の拡大長期別化、これを吉田総理は希望しておられるとしか思われない。これについて私は、吉田外務大臣の明確な御意見を伺いたい。(「詭弁を弄するな」と呼ぶ者あり)詭弁ではない。ここにちやんと書いてある。結局、このような総理大臣の片言隻句の中に、総理大臣自身の本質が現われておる。  これも、この間参議院で問題になりましたように、吉田総理が参議院の本会議において、日本帝國の発展というような、こういう言葉をすべらしておる。すなわち、吉田総理のあの頭の中には、昔の帝園主義的なあの思想そのものがまだ残つておる。従つて、ここに現われたところの中國の問題、日本と外國との関係について、ああした帝國主義的な思想がここに現われて來るのは当然じやないか。このような外務大臣をいただくことは、日本にとつて非常な不幸である。  その次に、私は労働問題についてお伺いしたいと思います。吉田総理は、施政演説の中で、ただ一つだけ正しいことを言われておる。それは、こういうことである。わが國の復興再建でありますが、わが國唯一の経済資源は生産的労力である、つまり日本今後の復興の根本的動力は労働力であり、労働者である、ということを言われておる。この労働者に対して、総理大臣は愛國的熱情をもつて復興に協力するということを呼びかけておりますが、はたして吉田内閣のとつておる対労働者政策が、ほんとうに労働者が心の中から熱意をもつて協力し得るような政策をやつておられるかどうか。完全にこれは逆である。完全に反対のことをやつておられる。  政府のやつておることを一括して言えば、第一に、三原則によつて勤労者の給與をくぎづけにすること、予算案に盛られていることによつては五千三百円、これが戦前の十二円に過ぎないことは、皆さんも大体御存じだと思います。餓死賃金です。これが吉田内閣の労働政策。第二の労働政策は首切りです。岩本國務大臣のここでの報告によりますと、五十七万四千人も來年の三月までに首を切ると言つている。またこれを民間に普及さして、おそらく二百四十万人の首切りを始めるだろうと言つている。政府側の統計を見ましても、完全な失業者、半失業者を寄せれば、今日でも八百万人近くあると言つている。しかも失業対策は、ほとんど何にもやつていない。それにもかかわらず、政府が今言つていることは、結局もつと多くの首を切ると言つている。これが吉田内閣の第二の労働政策。第三の労働政策は、國家公務員法のあの改惡に現われているように、労働者をふんづかまえるということ。御存じのように、政令によつて今数百万の労働者が逮捕されている。(「でたらめ言うな」と呼ぶ者あり)これがすなわち、吉田内閣の第三の労働政策である。  吉田内閣は、いわゆる三原則、すなわち労働者に対する三原則をお持ちになつている。それはどういう原則かと申しますと、第一には餓死に近い賃金を與えること、第二に首切り、第三には弾圧、この三つが、すなわち吉田内閣の労働三原則である。これによつて大資本の利潤が上る。これによつて外資の導入受入態勢をつくろうとしている。このような状態において、労働者階級がほんとうに心から内閣に協力する氣持を持ち得るだろうか。  それから、その次にお聞きしたいことは、これは安本長官です。泉山安本長官は、その演説の中で、こう申されております。物價の動きは緩慢である、ひとり賃金のみは急激なる上昇を示している——これが今の政府の一貫した言い分です。つまり、物慣はあまり上つていないが、賃金だけが上る。これがすなわち今日の安本長官の言なんだ。(「今安本長官はいないじやないか」と呼ぶ者あり)ここにいるんだ。そして政府は、本年八月の民間給與は一月に比して八割の騰貴だと言つている。同月の消費者償格は、一月に比して五割の騰貴である、つまり、民間の給與は八割増加しているが、物償の労は五割しか騰貴していない、從つて、実質賃金は三割の改善をされている。こういうことを言つている。  私は、この統計自身については、この通りだと思います。しかしながら、ほんとうの意味の実質賃金とは何かといえば、日々の労働者の生活がよくなるか惡くなるかということ。この一つの指標としては、カロリーがあります。総理廳の統計によりますと、カロリー計算で、こういうことを発表している。今年の一月と八月と比べて、総カロリーが、一月には一千五百十九カロリー、八月には一千九十六カロリー、すなわち一月から八月の間において四百二十三カロリーの低下がある。今そんなことをだれが言つたのか」と呼ぶ者あり)これはすなわち総理廳の統計だ。少し勉強されたらよろしい。これを見れば、金額だけにおいて三割上つたときには、ただこれは欺瞞にすぎない。実際において一労働者階級の生活をカロリーによつて見れば、四百二十三カロリーも一月より八月において減つておる。これがすなわち実質賃金の低下でなく何であろう。この点について、この事実を新しい安本長官はお認めになりますかどうか、これを私はお聞きしたい。  さらに政府は、名目でなくて物の裏つけを與えるということを言われておりますか、すなわちこれは、主食の増配とか労務加配の増加とか、すなわち家計の安定ということを政府は言つておりますが、私のお聞きしたいのは、物の裏づけということを具体的にお答え願いたい。何をどれだけ、いつから政府は労働者に対して給與されるのか、これを今ここで私はお答え願いたいと思います。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 野坂君、あと二分であります。

野坂參三日本共産党

○野坂參三君(続) さて、私は今、政府の統計から見ても、労働者の実際生活がいかに低下しておるかということを申し上げましたが、その反面において、いかに資本家の利潤が上つているかという数字を、政府の統計から、私は皆さんに発表しだいと思う。それは安本の調査によりますと、生産物單位当りの賃金が、去年の一月——三月平均を一〇〇にすれば、本年の七月、八月は一七〇となつている。すなわち、生産物単位当りの賃金が、去年の一月から本年の八月の間に一七〇、一倍七増している。しかるに、同じ期間において、製品のマル公價格は五五八となつている。言いかえれば、製品のマル公價格の方は五倍以上五倍半も増しておる。一方において、賃金の方はわずかに一倍七であるにかかわらず、マル公價格の方は——これはすなわち独占價格である。この方は五倍以上増している。これ自身を見たところで、大資本が、この政府のつくり上げるところの独占價格よつて、これだけの、賃金よりも四倍以上の利潤を占めていることを、ここにはつきり示しておる。たとえばです。実例を言いましよう。たとえば石炭では、一トン当りの賃金は五倍八、それにもかかわらず、一トン当りのマル公は八倍四という、ここを見ても五と八の差がある。一方においては賃金がこれしか上らないが、價格だけはこれだけ上つている。ここが、大資本に対して政府のいわゆる統制價格に——よつて莫大な利潤を與えておるということ、これはちやんと政府の統計にたとえばです。同じ石炭の面においても、山炭鉱調査官が調査した結果によりますと——これは炭鉱調査官の報告です。ほとんど大部分の炭鉱は、一〇%から二〇%の利潤を上げていると言つておる。この事案は否定できない。

松岡駒吉日本社会党議長

○講長(松岡駒吉君) 野坂君、時間であります。結論を急いでください。

野坂參三日本共産党

○野坂參三君(続) 私は、まだたくさん申し上げることはありますけれども、それでは最後に、一言結論的に政府にお聞きしたいことは、以上申し上げましたような極端な低賃金政策、これは軍に労働者に向けられただけではなしに、同様の攻奪を、農民にも中小企業者にもやつている。農民に対しては農地改革をサボつている。農産物の生産費を半分も低いようなものに決定している。五千町歩の耕作放棄をせざるを得ないような状態に農民を追い込んでいる。いかに農民が重税によつて苦しめられているか。これは單に貧農だけではない。中農、富農も、今日においては、もう食えない状態になつて來ている。中小企業者に対しては、どういうことをやつているかといえば、政府の大資本擁護政策のために、資金と資材の不足に悩んで、彼らがまたいかに重税に悩んでいるか。ことに為替一本レートの設定は、泉山前大藏大臣の言葉を借りても、もし一本為替レートを三百円とすれば六割の輸出不能となるといつている。三百五十円とすれば四割は輸出不能となるといつている。これに対して、政府はいかなる具体的な対策を持つているか、私は商工大臣にここでお答え願いたい。  以上のような大胆な、思い切つた收奪政策、その結果は何を導くかといえば、結局購買力の低下です。その結果は、さらに市場が狭まつてくる。それからさらに來るものは経済恐慌、これを防止するために、政府は必ず人為的な購買力をつくり上げなければならない。これはどうしてやるかといえば、結局政府貸金の撒布、これはすなわちインフレ政策です。ただ、今の政府のやつているインフレ政策は、石橋財政のあのインフレ政策が手放しのインフレ政策であつたに対して、この内閣のインフレ政策は計画的であるという点が違うだけです。このような状態のもとで、総理の言われたような、唯一の経済資源である労力を……。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 野坂君時間を超過しました。結論を急いでください。

野坂參三日本共産党

○野坂參三君(続) 生産に積極的に参加せしめるような態勢ができますかどうか。われわれは絶対にできないと思う。そのような結果は、結局國内に経済的、政治的な不安を必ず起さざるを得ない。この全責任は、この吉田内閣が負わなければならない。私は、このような内閣は一日も早く挂冠して総辞職されんことをへ再びここで要求したいと思う。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 総理大臣の答弁は適当の機会に願うことといたします。     〔國務大臣林讓治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○国務大臣(林讓治君) 野坂君にお答えいたします。  昨日起りましたところの泉山大藏大臣の問題はまことに遺憾に存ずるわけであります。つきましては、本日泉山大藏大臣は辞職の手続をいたしましたのと、衆議院議員の議席を去るような手続も先ほど議長からおつしやつた通りでありまして、これをもつて私どもは、泉山の問題は解決のついたものと考えております。     〔発言する者多し〕

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) (続)なお、司令部のこの協約の問題につきましては、これは政府のまつたく責任のないものと考えております。  なお外務省関係の問題につきましては、外務大臣から適当の時期にお答えをいたすことにいたしたいと考えます。     〔国務大臣増田甲子七君登壇〕

増田甲子七民主自由党労働大臣

○國務大臣(増田甲子七君) 野坂君の御質問にお答え申し上げます。  吉田内閣は労働三原則を持つておる、その三原則は、第一は低賃金政策であり、第二は減首政策であり、第三は弾圧政策であるという御質問であります。これはいずれも非常な間違いであります。  まず第一に、野坂君御承知の通り、われわれは高賃金、高能率という政策をとつておる。すなわち高能率の政策をとつておることは、天下周知の事案であります。  それから第二に、行政整理はもとより主張しておりますが、これは馘首を目的とはいたしておりません。岩木國務大臣も、よくあの機会において皆様に申し上げたと思いますが、受入れ態勢をつくつて、そうしてその後に行政整理を行う、必ず配置轉換その他適切な方策を構ずるということは、付言いたしております。  それから、野坂君御指摘の、ただいま政府の有する統計によつても、一千万の失業者が顕在もしくは潜在しておるというお話でございますが、これは統計をまつたく御存じない結果でございまして、すなわち四百万の潜在失業者がある。これは一部就業者であつて、なぜ潜在失業者と言うかというと、事志と違つて、自分の所志に反する職業に從事しておる者が四百万人、全然職を失つておる者が六十七万人というのが、政府の統計であります。  その次に、われわれは絶対労働者を彈圧しておりません。しかしながら、もし非合法な行動をとる者があるならば、これは司法権が——行政権ではございません、司法権が発動することはやむを得ないでございましようということを申し上げておるのであります。  それから実質賃金の点でございまするが、これは昭和二十一年の二月を一〇〇といたしまして、実質生計費は三五〇になつておりまするが、実質賃金は五〇〇になつております。從つて、実質賃金は増加しておるということを申し上げる次第でございます。  要するに、あなた方の主張する共産主義的生産方法は人間性の本質を無視いたしまするから、勤労大衆を含む國民大衆に必要なる消費財並びに生産財を多量に生産できない。すなわち生産力が発展できない。われわれの主張する主義政策のみが進歩的であるという私は確信を持つておる次第でございます。(拍手)     〔國務大臣周東英雄君登壇〕

周東英雄民主自由党農林大臣・経済安定本部総務長官臨時代理・中央経済調査庁長官臨時代理・物価庁長官臨時代理

○國務大臣(周東英雄君) お答えします。ただいまの野坂さんの御質問でありますが、大体名目賃金並びに実質賃金の増加傾向につきましては、労働大臣からお答えした通りであります。從つて、税引きの実質賃金におきましても、一四七、四割七分上つております。しかしカロリーにおいて下つておるだろうという御指摘でありますが、政府はこれに対しまして、前内閣のときに、すでに十月一日より、労務加配におきまして各業種別にこれを増加し、新内閣になりまして、十一月一日以後、一般配給基準量を二合七勺に引上げる等の方法によりまして、つとめて実質カロリーの減退を避けております。(拍手)     〔野坂參三君登壇〕

野坂參三日本共産党

○野坂參三君 私は、副総理にもう一度、一点だけお伺いしたいと思います。  それは、晦日のこの議場で、総理大臣が、たしか國協党の三木君の質問に対して、いわゆる四党協定はGHQとの協定である、この意味のことを言われておりました。ところが、この協定の全部が、昨晩の十二時において破棄されておる。そうしますと、この協定というものは、総理大臣の申されたような性格のものであるのかどうか、一体これは破棄してもさしつかえないものであるかどうか、私はこれをお伺いしたい。これが一点。  それから労働大臣がここで失業者に対して、失業者の数が一千万人がどうであると申されました。これは私は官廳統計によつてやつておる。お調べを願いたいと思います。  それから、私たちの申したカロリーの問題については、政府が十月以後増配したとか、いろいろ申されました。そういう事実もありましよう。これは大体いもです。しかし、問題はこの問題ではなくして、政府が公然とこの議場において発表した一月から八月の間の実質賃金は三割も減つておる。ところが実際においては、カロリー面において、うんと減つておるのではないか。この事実をわれわれは言つておるのである。明らかに政府は、今までのこの欺瞞を、新しい方法によつてまた欺瞞しようとしておる。これは回答はいりません。これだけ申し上げておきます。     〔國務大臣林讓治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) あの協約は破棄すべきところの問題ではないと考えております。

野坂參三日本共産党

○野坂參三君 今の御回答は、われわれを愚弄しておるものではないか。今まで、十一月の末から、あの協定は必ず守らなければならない——徹夜までさしているではありませんか。それにもかかわらず、昨夜十二時に切れる。たとえば不信任案の問題とか、予算の問題とか、これは全然約束通りにやられていない。それにもかかわらず、今の副総理の‥‥(発言する者多く、聽取不能)私は、もう一度副総理にお伺いしたい。     〔國務大臣林讓治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) ただいまの協約の問題につきましては、現存をいたしておるということを申し上げたわけであります。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 中村寅太君。     〔中村寅太君登壇〕

中村寅太日本農民党

○中村寅太君 私は、日本農民党を代表し、吉田総理ほか所管大臣に対しまして、二、三の点について質問をいたします。  昨年四月、極東委員会において、日本民族將來の繁栄と幸福に重大なる関係を有し、日本國將來のあり方を規定する重要問題が、決定されたのであります。すなわち、日本の産業水準は一九三〇年より一九三四年の線を越えてはならぬという規定ができたのでありまして、当時全国民をして、暗い氣持と將來の不安に追い込んだのであります。  しかるに、今年三月、ジヨンストン米國経済使節團とともに來朝したところのドレーパー陸軍次官は、もし日本が軍需産業によらず、自力で一九三〇年から一九三四年、すなわち昭和五年から昭和九年の産業水準以上に達することができるならば、米國としては、日本をこの水準にくぎづけにしておく意図はない、と言明しておるのであります。さらに、本年九月二十三日、極東委員会において、パニユーシキン、ソ連代表は、その声明の中において、日本將來の平和的産業水準について限界を設けるという要求は妥当ではないと発表しておるのであります。すなわち、この限界を設けるということは、日本国民にも諸外國の利益にも合致しないということを、はつきり言つております。  続いて翌二十五日、米國陸軍、國務両省は、日本が経済的、社会的、政治的により強固な基礎を確立できるように計画を考慮しておると言明しておるのであります。すなわち、経済の面では貿易契約についての統制を緩和し、政治の面では対日管理を緩和して、日本側に現在以上の責任を持たせ、社会的の面におきましては外國との文化関係を促進させようとするものであります。  かくのごとく、米國並びにソ連において日本復興援助の好意と熱意の高まりつつあるということは、日本民族の將來に光を與えるものとして、われわれ歓喜にたえないのであります。武器を捨て、戦争を放棄し、ひたすら人類永遠の平和実現に奉仕せんと、たくましく出発いたしました日本民族といたしましては、平和的産業の振興と翻民の文化生活の向上を通じてのみ世界人類の繁栄と幸福に貢献することができるのであります。━━━━━これは單に日本國州民の平和的繁栄のためのみならず、世界人類の福祉にも合致しないということは、米ソ代表の声明によつても明らかである。敗戰國たりといえども、世界人類永遠の中和を守り、これが実現への主張に際してはたとい戰勝國に対してといえども、断じて怯懦であつてはならぬと思うのであります。われわれは、この規定の撤回方を懇請すべきだと思うが、この点に対して首相の所見を承りたいのであります。  第二点は、吉田総理は、首班指名選挙の際野党によつて投ぜられました二百数十票の白票は、それ自体が内閣不信任を意味するによつて、政府はすみやかに衆議院を解散し、信を国民に問うと、しばしば言明せられたのであります。当時衆議院の解散は、憲法第六十九條による以外に解散の道なしという論と、憲法第七條により政府に解散権ありという両論にわかれ、本議場においてはもちろん、新聞紙上等においても、しばしば論争せられたのでありますが、國民は、いずれに決するかと、重大関心をもつて見守つておつたのであります。しかるに、いかなる理由なりしか、当初の言明を裏切り、政府は早期解散を断行し得ず、今日に至つておるのであります。憲法第七條による解散権は政府になきもののように、國民の前には映つているのでありますが、憲法の解釈は國民の前に明確でなければならぬ。政府は、すみやかに憲法第七條による解散権の正当なる解釈を國民の前に明示すべきであると思います。さらに、憲法第七條による解散権が政府になしといたしまするならば、今日衆議院の解散は、憲法第六十九條による以外に道がないということになる。  ここにおいて考えなければならない問題は、今日の議会の運営常態である。野党は、その多数によつて幾多の決議案を通過せしめ、これが実行を政府に強要し続けて來た。しかるに政府は、この重大なる院議を無規し、ほとんど決議案に対して何ら誠意を示さず、ただこれを見透つている実情である。この際野党は、当然不信任案をもつて臨み、政府をして総辞職せしむるか、さもなくば衆議院の解散により國民の審判によつて黒白を決する以外には、健全なる議会運営はあり得ないのであります。しかるに、決議案は通過せしめ、政府がこれを実行せずとも、野党に攻撃の迫力なく、解散を恐れ、不信任案の提出をなし得ず、荏苒日を送るがごとき、だらしない今日の状態に接するとき、憲法第六十九條以外に解散の道なしとすれば、立法府の健全なる運用は期し得られるものではないと思うのであります。かくのごとき場合には、政府は、国民投票によつて衆議院解散の可否を決するがごとき、新しき制度を確立する必要ありと考えるが、首相のこれに対する見解を明示せられたいのであります。  第三点は、最近における農村金融の行詰まりは実に重大なる段階に入つたのであります。この春の作付ごろから急激なる資金難が農村を襲い、配給の肥料すら買えない農家が全國的に現われて來たのであります。政府は、これを救済するために農業手形を案出したのでありますが、これは次の供出を目当としての代金の前渡しであつて、供出米の青田買いとも称すべき方法である。この方法では、供米を多くなし得るゆたかな農民は恩典に浴するけれども、供出量の少き貧農層にあつては、この恩恵に浴することは、きわめて少いのである。  この農家の金詰まりはさらに発展して、信用農業協同組合並びにその系統金融機関の資金難として現われて参つたのであります。政府は、これが打開策として、復金より四十億の融資を中金を通じて出すことになつて、そのうちの二十億が第三四半期分として農山漁村に貸し出されることになつた。しかしながら、今日の農漁村の金詰まりは、かくのごとき少額の金では燒け石に水で、何ら用をなさない程度のものである。しかるにもかかわらず、この二十数億が今にすら消化し切れずにおるという不可解な現象が起つているのであります。  それはなぜかと申しますと貸出規定の繁雑さと、関係官廳が多過ぎて、決定権はどこにあるのか判別し得ないような複雑な情勢にあるからであります。まず、金を借りるべく復金に行こうといたしますと、農林省に行つて、わくをもらつて來いということになる。農林省へ行つて、局長や課長やあるいは係官をたずね、あるいは農林省の地方出張所をたずねるとか、復金の地方支所へも出向くというようなことで、幾たびも陳情を続けなければならぬ。その手続の繁雑なることには、実に驚かざるを得ないのであります。こうして順調に運んでも、手続開始後三、四箇月を要しなければ金は入手できないという実情である。この間に物價は容赦なく騰貴し、やがては資金計画に違算を生じ、計画がえのやむなきに至るという実情である。政府は、すみやかにこの繁雑なる貸出機構と貸出規定を簡易化し、農業協同組合の保証ぐらいで百万や二百万の金は簡單に貸し出せるような制度をつくるべきである。さらに、この際融資力三百億ぐらいを有する農山漁村復興金融機関を設置して、すみやかに農漁村金融の行詰まりを打開し、農漁民をして増産に専念せしむべきであると思う。  第四点といたしまして、今日三千万農民共通の悲願は、粒々辛苦による農産物の價格決定に際して農民の正当なる主張を貫徹し得るように、生産者を主体とする價格決定機関をすみやかに設置してもらいたいということであります。今までは、主張の貫徹どころか、発言権すら與えられてはいない。一方官公労働者は、人事委員会という強力なる國家機関によつて保護せられ、給與審議会においても、賃金決定にあたつては発言の機会も與えられておる。一方農の場合は、米價を初め重要な農産物價格の審議決定が、一部官僚の秘密決定にゆだねられて、何ら生産者の意向すら取上げられないという実情、これを比べてみるとき、いかに農民が不公平な立場に置かれているかということがわかる。政府はすみやかに、生産者を主体として農産物價格の決定機関をつくり、農民の正当なる要求を受け入るべきであると思う。  第五点としまして、最近行われた農業調査によりますと、農家戸数は五百七十万戸から五百九十万戸へと増加いたしておるのであります。農家人口は三千四百万人から三千六百万人にと激増し、今後農村がこの厖大な人口を抱いてどう生きて行くべきかということは、日本の重大な課題であると思う。この事実の反映として、昭和五年には耕地一跡歩未満の農家戸数が六八%であつたものが、昭和二十二年には七二%に増加し、急激に農業は零細化されたのであります。この零細化された日本農業に対して、金融資本や商工資本よりの強力なる圧力が加えられたのであります。それは、公定價格における農産物の供出價格と、農民に対する配給物資との價格差の問題であります。やみ價格の領域において價格差が拡大しておるということは、もちろんでありますが、公定價格の面においても、ひどく不利な状態に置かれているのであります。  一例として、農産物の米と、農家購入物資の中の代表的なものとして肥料、すき、動力脱穀機の公定價格指数をみますと、昭和十四年をおのおの一〇〇といたしますときに、今年二月現在における米價四八九〇に対して、肥料が六三四入、すきに至りましては八二四〇となり、動力腕穀磯また七三五〇となつておる。かノのごとき價格差による金融資本、商工資本の功妙なる攻撃と農民よりの収奪は縫えず行われて、遂に日本農業は貧困に追い込まれたのであります。この零細化され、貧困化された日本農業は、現在のごとき原料生産農業にとまることなく、一刻も早く農業の多角化をはかり、経営形態を根本的にかえなければならなくなつた。すなわち、原料生産農業より農産物の最終過程までの加工農業への飛躍と轉換こそが、唯一の日本農業の生きる道であります。しかるに現状においは、農業は單なる原料生産に止まり、つくり出されたところの農産物は、ことごと(資本家の搾取の対象となり、彼等の工場において加工されておる。今後は、農産物はことごとく農民の手によつて加工せしめるごとく改めなければなりません。(拍手)  しかるに、わが國機械工業の現賦におきましては、早急に工場設備を整えることは困難であります。そこで、各種公園が持つておるところの加工場はもちろん、一般資本家の手にあるところの」切、農産物加工場を、すみやかにこの際農民に開放することが、私は第一であると思う。(拍手)これを各級農業協同組合に譲渡されることが早急解決の道であり、これによつてのみ零細化され、貧困化されたるところの日本農業の再建と復興とがあり得ると思うのであります。(拍手)これを実行せんといたしまするときには、猛烈な財閥資本の反撃を受けることは覚悟しなければなりません。資本主義政党を基盤とする現政府においては、幾多困難が横たわると思いますが、断固これを実行して日本農業を救済するの熱意と誠意を有するやいなや、周東農政の抱負を大胆率直に披瀝せられんことを、ここに要求いたす者であります。  これをもちまして私の質問を終ります。(拍手)     〔國務大臣林讓治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) 中村君の御質問の問題は、賠價の問題と密接な関係にある次第でありますが、賠價問題も事実上実施の緒についておりますし、加工日本産業の復興に連合國側が援助を與えて、できる限りすみやかに経済的に自立し得るようにして行こうという考慮が拂われておりますので、この二つの事実からいたしまして、自然に日本の産業水準の問題もはつきりして行く傾向にある次第であります。政府といたしましては、從来もでき得る限りこの問題につきましては好意的考慮が佛われるように、関係方面にも連絡をして参つておりますが、今後ともこの努力を続けて行きたいと考えております。  その他の問題は所管大臣よりお答え願うことにいたします。(拍手)     〔國務大臣周東英雄君登壇〕

周東英雄民主自由党農林大臣・経済安定本部総務長官臨時代理・中央経済調査庁長官臨時代理・物価庁長官臨時代理

○國務大臣(周東英雄君) お答えします。  現在農産物價格と工業生産物價格との幅が非常に大きいが、これはまことに農村として困る、將来農産者を主体とした價格決定機関を設けてはどうかという御意見であります。今日の場合、直ちに農業者だけをもつて組織する價格決定機関をつくることは考えておりませんけれども、しかし、農産物價と、いうものが工業蛇座品物價と適正に均衡を得るということは最も必要でありまするのでへ政府といたしましては、米麦等の價格につきましては、將來農林省または安定本部において、農民あるいは消費者の團体の代表者をもつて組織する價格決定機関というようなものを審議機関として設けまして、これに対して諮問して、十分に事情を取入れて決定する方向に向いたいと考えております。  第二の、現在農村における金融が梗塞されておる、そこで、農業協同組合等に保証せしめて徹底的に金融したらどうか、さらに進んでは、三百億円くらい出して農山漁村の復興金庫をつくつてはどうか、という御意見であります。御意見の通り、今日最もやらねばならぬことであり、遅れておるのが農山漁村金融の確立であると思います。政府におきましては、御意見のように、短期、中期等の金融機関の中心母体といたしましては、何といたしましても綜合金融機関たるべき農業協同組合の信用事業を中心といたしましてこれを行い、足らざるものは、國家資金をそこに流して補強するということは、やらなければならぬ、またやりたいと考えております。さらに長期等の資金につきましては、ただいま御指摘の意味で金融制度調査会の考え等もございまして、目下考究中であることをお答え申し上げておきます。  第三に、今日の零細農家の経営を安定せしめるために、何としても將來生産耕種農業だけでなく、生産物に対する加工工業を行わしてはどうかという御意見、まことに同感であります。今後における農村の多角経営に相並んで、その生産物を元としての農村工業を興すことにつきましては、政府におきましても、つとにその施策は進めております。今日その適正なる計画を進めさせるために、全國を通じて七十五箇所に基幹工場を設けて、その指導経営に——技術の面について指導いたし、その後におきましては、農産物加工、畜産物加工、輸出品工業等に関して適当な施策を施しておるものであります。  なお御意見のうちに、それらのことを実行するについて、どうしても農業協同組合を母体として、これをしてやらしめよ、將來公國等の施設を全部これに移譲してはどうかということであります。今日の場合、ただちに、種々な観点から、全部を農業協同組合に移すことは実際上不適当であり、またそれは不可能であります。しかし、今後農村における農業者の協同母体である農業協同組合を使つて進めて行くということについては、大体その方針で、ただいま申し上げました基幹工場等を設ける場合において、農業協同組合に工場を設置して、これを活用することに努めることを申し上げておきます。(拍手)     〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕

殖田俊吉法務総裁

○國務大臣(殖田俊吉君) 内閣に衆議院の解散権があるかどうかというお尋ねでありましたが、衆議院の解散権が内閣に存しますことは学界の通説でありまして、法理におきましては政府も学界の通読に従うことを適当と考えております。  また、解散は國民投票にまつべきであるという御意見でありましたが、これは立法上の御意見でありまして、現行法におきましては、何らかくのごとき問題は起らぬものと考えております。(拍手)

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) これにて國務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。      ————◇—————

今村忠助民主自由党

○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、酒井俊雄君提出内閣の責任に関する緊急質問を許可されんことを望みます。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  内閣の責任に関する緊急質問を許可いたします。酒井俊雄君。     〔酒井俊雄君登壇〕

酒井俊雄国民協同党

○酒井俊雄君 私は、國民協同党を代表いたしまして内閣の責任に関する質問を申し上げたいと思います。  羊頭を掲げて狗肉を賣るという言葉がございますが、民自党におきましては、在野当時取引高税の即時撤廃、あるいは自由経済政策の即時実施等を大いに高調されておりましたが、一旦内閣を構成するや、まつたく忘れ果てたことく、これらの公約の何らの実施を見ないのでございます。私どもは國民の多くの者が考えておるとひとしく、これは選挙に使う單なる道具でないかというふうに考えておるものでございます。はたして、この掲げられた政策といつから実施される用意ありやいなや。また、この政策実施を約束しながら、いまだ何ら着手せざる点につきまして、その責任いかんということを、私は弁明を願いたいものでございます。  なお、内閣の重要な役員のうちから、疑獄その他みにくい事実によりまして、この重要なる閣僚の席、あるいは重要なる政府委員の席を順次しりぞいて行かれたこの姿——先ほど共産党からも、泉山問題についてその責任の質問があつたようでございまするが、この答弁にあたつて、個人の責任は認めて議員までも辞任したのであるが、内閣には責任なしというような御答弁であつたと思いまするが、とんでもない答弁だと思うのでございます。(拍手)一体、これらの大臣を選任し、また政務次官を選任した責任は、だれが持つべきものでございましようか。田中角榮氏は、法務政務次官の重要な地位に置かれながら、しかむ事檢案に関する重要なポストにありながら、直接檢察廳の指揮に当る身分でありながら、身みずから犯罪行為の嫌疑に上りまして現在この取調べを受けつつある。かかる人物を出したことに関して、責任なしと言い得るものでございましよろかどうか。  なお、本日辞職され、議員を辞せられた泉山氏につきまして、私は今さら個人の責任を云々しようとは決して思いませんけれども、いやしくも身大蔵大臣の職にございまして、しかもわれわれが徹夜いたして、眞劍に——國國民か、きようあすに迫つた予算審議を望み、期待しておる、その期待のために寝食を忘れたという姿におきまして苦心しておりまするのに、酒を飲み、女に戯れ、特に速記録に見ますれば、そんなことはどうでもよい、お前が好きだぞ、とまで言つたそうでございまするが、かかる大臣を出して活として責任を認めない現内閣の良心を疑うものでございます。(拍手)なお、酒に泥酔をした兼山氏は、在外同胞遺家族に関する重要な予算の審議の場合も出席せずに女に戯れた。この閣僚を出しているこの事実は、泉山一人の責任でないと思います。もちろん民自党あるものの姿であり、民自党の表徴であると私は思うものでございます。(拍手)  なお、わけてもけしからぬと思いまするのは、昨夜徹夜して、われわれは予算の審議に当つておつたのでございまするが、この審議が遂に今日に持ち越されたその原因の大なるものは、政府部内または民自党部内における関係の結果だと私は思うものでございます。(拍手)その証拠は、関係方面に、野党三派の党首並びに吉田総理に出頭を命ぜられた、この出頭に應ぜざる政党は政府原案予算に賛成したものとみなすということを傳えられた。しかるに、首相を調べてみましたところまつたく事実無根でありまして、民自党が行つた計画である、からくりであるということが分明になつたのでございます。これらの責任に。いて、政府はいかに考えておられるか。わけても、民自党の総裁であり、総大将でありまする吉田総理大臣は、いわゆる百万円事件につきまして、先般不当財産取引調査委員の調査を受け、まつたく色蒼ざめて、その場から姿を消した。ことに最近、吉田総理は、政令違反の疑いでもつて告発までも受けておるのでございます。かかる内閣の責任、これをそのまま看過するわけには、私どもは國民の名においてできないのでございます。(拍手)  以上一、二の働を示しましたが、その他に、なお目にあまる内閣の責任に属する事柄は、今や國民の前に一つ一つ暴露しつつあるのでございます。悪の栄える世は、いずれ今日のごとく、その馬脚を現わすものと考えるものでございます。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 酒井君、時間の申合せの筋もありますから、結論を急いでください。

酒井俊雄国民協同党

○酒井俊雄君(続) 以上種々述べました諸点について、そ責任をいかに感じておられるか明確な御答弁を願いたいと思います。(拍手)

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) ただいまの酒井君の発言中不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上、適当の処置をとることといたします。     〔國務大臣林讓治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) お答えをいたします。  公約不履行の問題についてでありますが、わが政府におきましては國民に公約をいたしましたものは実行いたすというつもりであります。しかしながら、現在少数党の内閣でありますがために、総選挙後におきまして選び吉田内閣ができるようになつたときが参つた場合においては、從來の台約を実行するつもりでいるわけであります。(通手)  なお、政務次官の田中君の問題につきましては、たびたび吉田総理からもお話を申し上げてある通りでありまして選任にあたりましては、檢察廳当局においてかかる疑いがないものとの取調べに基いて選任をいたしたのでありましたが、その後疑惑を生じましたがために、はたはだ遺憾ではありましたが、その政務次官の職賣をやめていただくようにいたしたわけであります。  なお泉山君の問題につきましては、昨日この席におきまして、遺憾ながら私もここに陳謝いたしたような次第でありますが、その責任につきましては、本日さつそく泉山大蔵大臣の辞職の処置をとりまする……。     〔「内閣全体の責任だ」と呼び、その他発言する者多し〕

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) (続)また議員辞任の手続をもとりまして、ただちに大屋商工大臣を後任にいたしまして、今後の審議に遺憾なきを期した次第であります。  なお、先ほど策謀があつたとか、あるいは計画によつて云々のお話もありたわけでありまするけれども、決してかかることはございませんことをここに断言いたして、御答弁を終りたいと思います。

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) 酒井君、時間も超過していますから、自席でお願いいたします。

酒井俊雄国民協同党

○酒井俊雄君 私の聞きたいことは、政府の責任いかんということでございます。先ほどもお断りを申し上げましたように、名前をあげて申し上げたその人個人に対する責任を聞いているのではございません。かかる醜悪なる人物を出した内閣そのものの責任いかんということをお尋ねしているのでございます。率直に申し上げますならば、内閣総辞職の用意ありやいなや、この点もひとつ、御覚悟を伺いたいと思います。     〔國務大臣林讓治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) 責任につきましては、ただいま申し上げました通りであります。なお、総辞職をいたすなどということは毛頭考えておりません。(拍手)

松岡駒吉日本社会党議長

○議長(松岡駒吉君) この際暫時休憩いたします。     午後五時四十七分休憩      ————◇—————     〔休憩の後は会議を開くに至らなかつた〕

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