本会議 第10号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/12/12
会議録
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。 ————◇—————
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、高橋禎一君提出、檢察廳の取調状況に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 檢察廳の取調状況に関する緊急質問を許可いたします。高橋禎一君。 〔高橋禎一君登壇〕
○高橋禎一君 私は、日本檢察の使命の重さを考え、また眞に日本檢察を愛しまするがゆえに、その運用におきまして遺憾の点の少くない現状をそのまま放置し、これを默視するに忍びませんので、この際吉田総理及び法務総裁に対しまして、檢察権運用に関し若干の質問を試み、政府の所信を承りたいと存ずるものであります。 申し上げるまでもなく、專制政治のもとにおきましては、権力者は國民を自分の前に屈服させますために檢察権を悪用いたしまして、これを罪人視し、刑罰に名をかりて暴虐を加えたことは、皆樣御存じの通りであります。しかしながら、人類の知識の発達につれ、その自覚によつて、その圧迫に耐えかね、これに反抗いたしまして、多年にわたつて自由獲得の努力を続け、その成果として憲法を生み、そしてまた議会をもち、特に司法憲章ともいうべきものがその中心となつて発達して今日に参つたのであります。しかるに、檢察権がかくのごとく專制時代に國民圧迫の用具に使われましたという点から、それがややもすれば、民主政治のもとにおきましても悪用されがちなものなのであります。よほど注意をいたさなければ、そのあやまちを犯すことに相なるのであります。 私は、現在の日本の檢察のあり方というものを十分考えてみたいと思うのでありますが、ただ最も遺憾に思いますることは、その動機がいずれにいたしましても、その局に当る者が、きわめて單純な判断と職務的偏見とによりまして、世の中の一部の事柄のみにとらわれて、皮相にも、自分たちだけがよく社会を粛正し、國を救うものであるということを妄信いたしまして、独善を生み、横暴と化し、いわゆるフアツシヨ化の思想を釀成いたしまして、かえつて法の大目的を忘却し、鋭き権力に託しまして、おのれの前に國民を屈服せしめ、國民をして苦悶と悲痛と不安と恐怖に陷らしめ、社会の治安維持ということは單に美名にとどまつて、かえつて世の秩序を撹乱するというような、恐るべき結果を招來するということであります。私は、これは嚴に反省戒愼するの必要があると存じます。 今しきりに私どもの耳朶を打ちまするものは、檢察フアッシヨ化を非難するところの國民の声であります。ことさらに耳をおおう者は別といたしまして、心ある者はみな、一方檢察権の崇高なる使命を知り、その健全なる発達を祈りまするとともに、誤まれる檢察権行使に対して、ちまたに満ちておりまするところの國民怨嗟の声を聞いて、心痛憂慮いたしておるようなありさまでございます。(拍手) 昨日も、本議場におきまして、政界、財界、官界の徹底的粛正に関する決議案が審議されまして、多数の賛成者を得て可決されたのでございます。私も、もちろん、これに双手をあげて賛成いたした一人でございます。そうして、その大目的を達成いたしまするためには、もとより檢察当局の異常なる努力にまつことを要しまするのは論を要しないところでございます。当局の任たるや、実に重いのでございます。しかし、あやまちはかような場合に犯されやすいのであります。常軌を逸し、法の眞目的が蹂躪されがちでございます。興奮して大局をあやまつてはなりません。嚴正公平、自己を冷靜に正しく支配し得る者のみが、賢明にして、よくその使命を完遂し、大任を果しまして、國民の負託にこたえ得るものであると考えておるのでございます。 また、諸君の御承知のごとく、最近の立法の傾向は、行政の刑罰権に依存するものがはなはだ多いのであります。もちろん日本再建の法は國民によつて嚴守されなければなりません。それがためには、また刑罰のうしろだてということも必要でございます。それも容易に首肯し得るところでありまするが、しかし現行法令は、その制裁法規を持つものが、その数実に数百種でございます。私の計算をもつてすれば五百種類に近い。そうして、それを各犯罪別に考えますると、数万の犯罪をもつて数えられるのであります。かような実情であります。今國民の一人々々が、かかる刑罰法規によつて拘束されておるのであります。 しかし、今日日本の一般の思想混沌たるありさま、道義頽廃いたしておる状態、経済の貧窮、その間に処しまして、國民の苦衷はいかがでございますか。私は、これは十分くまなければならぬと思うのでございます。國民をして日本再建のために奮起せしむるか、またこれを自暴自棄の深淵に投ずるかということは、檢察権の運用いかんにかかるものが大きいのであります。一は國を興し、一は國を滅ぼす。実に日本檢察権は、今日日本の興亡盛衰を背負つて立つているのでございます。(拍手)私は当局が、世界通有の大義にのつとり、崇高にして博大なる刑政の本義に徹し、眞に法を生かし國民を生かすところの救國的檢察を行うよう、強く強く要請するものであります。 さて、わが檢察権行使の実情に眼を注ぎますとき、まことに遺憾にたえざるものが多々あるを看取することができるのであります。私は、ここに若干の事例を引用して質問いたしたいと存じておりましたが、時間の関係もございますので、これらの事例は省くことにいたします。しかし、私が申し上げたことが、もし誤りであると思われましたならば、まず第一に、日本全國在野法曹に聞いていただきたい。また日本全國民より、人権蹂躪に関する投書をひとつ受取つてみてもらいたい。おそらく投書の山を見るでありましよう。 それで、法務総裁に第一にお伺いいたしたいのは、刑事政策に関する根本理念及び檢察権運用に関する指導方針についてであります。吉田内閣成立直後、吉田総理は法務総裁を兼任されて、法務総裁として部内職員にあいさつをされた模樣でありますが、新聞に発表されたものによつてその内容を見ますると、犯罪必罰主義、嚴罰主義を強調されておるのであります。しかし御承知のごとく、これらの思想は、刑事思潮変遷の歴史から見れば、もはやそれは旧時代の遺物に過ぎないのであります。犯罪必罰主義、嚴罰主義、應報刑思想に基く刑罰権の運用は、かえつて幾多の悲劇を生み、犯罪を増加させ、社会秩序維持、國家統治の目的に背反するの結果を招來するものなることは、ひとり專門刑政家の意見のみならず、幾多の思想家がこれを指摘し、多くの教訓をたれておるのであります。 私は、現時刑政の本義は、本人の主観に重きを置き、教育刑主義を基調といたしました、いわゆる特別予防主義、保護主義であるべきものと思うのであります。この思想は、日本國憲法の上に現われております。刑法の上にも、刑事訴訟法の上にも、それは起訴猶予、執行猶予、仮出獄、刑執行停止等の制度として現われているのであります。私は今、日本檢察界が、前申し上げましたごとく、吉田兼任法務総裁のあいさつによつてうかがえるごとき旧思想に支配される傾向の存することを、遺憾に思うものであります。この思想がありますために、濫訴の弊が起つておるのであります。
○議長(松岡駒吉君) 高橋君、結論を急いでください。
○高橋禎一君(続) 起訴猶予制度を知らざるがごとき、軽微なる事犯を起訴する場合が少くない。少年法の精神を沒却し、年少者をいたずらに起訴するものもございます。また、刑法の一部が改正されて、いわゆる連続犯の規定が廃止せられたため、これが悪用されて、連続的濫訴によつて苦しんでおる國民が多数あるのでございます。また、やたらに偽証罪を告訴して、公判中心主義を沒却するような起訴もあるのでございます。これらの濫訴の弊は、すみやかに改められなければならないのであります。私は、ここに新しく、ある種類の犯罪については起訴陪審制の採用を考えて見なければならぬと考えるものであります。 ある刑政家が、新國を刑するには軽典を用い、中國を刑するには中典を用い、乱國を刑するには重典を用うと述べておりますが、私は、今現在の日本を見まして、幸いに乱國とは見ないのであります。新しい民主主義國として、また新しい平和國家、文化國家として立ち上らんとしておる新しき國日本、幼き日本であると考えておるのであります。たとい、そこに思想の混乱があり、道義の頽廃を見るといたしましても、これを匡救するには刑罰のみをもつていたしてはなりません。やはり拔本塞源的な政治の力が必要であるということを、十分お考えにならなければならぬと思うのであります。この点につきまして、檢察権をいかに運用して行こうかという根本的な御意見、御態度を、はつきりとお伺いいたしたいのございます。 次に私は、犯罪の証拠收集に関する合法性並びに訴訟促進に関する協力の問題についてお伺いいたしたいのであります。專制的檢察権の圧迫に抗して漸次発展いたしました司法憲章は、最初に罪刑法定主義を確立し、次には一事不再理の原則を確立いたしましたが、現在においては、いかにして証拠を合法的に收集するか、またいかにして訴訟を促進することによつて國民を救うかということに帰着いたしておるのであります。これが二つの問題であります。 しかるに、現在檢察廳においてなされつつあるところのものが、はたして証拠を完全に合法的に收集されているかどうかと申しますと、法務総裁に申し上げますが、暴行が行われております。脅迫が行われております。これはたくさんあるのです。表には出ませんけれども、無数にあるのであります。また不必要なる勾留が行われております。そして、裁判所に事件が係属しましても、保釈の許可に反対するという風が非常に多いのであります。罪証隠滅のおそれもなく、逃走のおそれもないにもかかわらず保釈しない、そして勾留しておいて、また何か新しい事実は出ないかというので、しぼるというような風が、非常に行われておるのであります。たとえば……
○議長(松岡駒吉君) 高橋君、結論を急いでください。
○高橋禎一君(続) 例の下河邊氏の事件のごときもそうです。私は詳しく申し上げません。法務総裁、よく調査してみてくだざい。あすこに不法はないか、あれを勾留する必要があるかどうか、よく研究してもらいたい。要するに法務総裁は、いかにして証拠を合法的に收集することに努力しようとするか、あるいはまた訴訟促進にいかに檢察官を協力せしめんとするかということについて、確固たる御信念をお伺いいたしたいのであります。 次に、もう時間が参りましたから、ごく簡單に申し上げますが、昨日の本会議場において、同僚高津君よりの吉田総理に対する質問がございました。その質問應答は、法務総裁御存じの通りであります。吉田総理が、ある業者から百万円を受領したということに対するお礼状を出しておる、という問題であります。私は法律家として、また國会の議員として、またさらに檢察的な私の考えを基礎としてこの問題を考えますれば、これは收賄としての疑いがあるということをお認めになつたと思うのであります。(拍手)私は、私の親しき先輩星島氏のことを申し上げることは、はなはだ遺憾でありますが、星島氏と吉田総理とに関連して、百万円を收賄したのではないかという疑いがあるということであります。(拍手)ほかにも、この問題は政令違反の疑いもございます。法務総裁は、この事実を犯罪の疑いとして檢察廳が現に捜査しつつあるか。
○議長(松岡駒吉君) 高橋君、結論を急いでください。
○高橋禎一君(続) あるいはまた捜査しておらないとすれば、犯罪の捜査は敏速を要するものでございますから、ただちに捜査を開始せしむる意図があるかということについて、明確なる御答弁を承りたいのであります。(拍手) 私は、この点を質問いたしまして、一應法務総裁の御答弁を承りたいと存ずるのでございます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) ただいまの高橋君の発言中不穏当な言辞があれば、速記録を取調べの上、適当に処理いたします。 〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
○國務大臣(殖田俊吉君) お答えいたします。 高橋さんのお話にありました、まず檢察フアツシヨの問題でございますが、私もかような風聞を聞いております。もし事実であるといたしますならば、はなはだ憂慮すべき事柄であります。私が就任後、ただちにこの点につきまして調査いたしたのでありますが、ただいまのところでは、檢察当局の熱心なる職務の執行は認められるのでありますが、特にフアツシヨというがごとき悪性の事実が存在するとは認められないのであります。しかし、かくのごとき批評の出ますゆえんにつきましては、深く省察を加うべきことでありまして、私は檢察の重大なる任務にかんがみ、檢察の執行にあたつては特に嚴正公平を旨といたしまして、常に合理的であつて、かつ同情的の態度をもつて事を処理し、特に人権の尊重につきましては、新憲法の精神にかんがみまして、寸時もこれを忘れることなからんことを期する決心でございます。 それから、こまかい刑事政策をどうするかという点より、さらに進んで檢察の執行の方法等につきましてお尋ねがございましたが、私は……。 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
○國務大臣(殖田俊吉君)(続) 檢察の執行の精神につきましては、ただいま高橋さんの御主張の中にもございました精神に毛頭違いはないのでありまして、全然同感の意を表したいと思うのであります。私は、檢察は最も合理的に、最も正義の精神に訴え、かつ貫くに同情をもつてするという大きな心構えをもつて臨むべきものであろうと思つております。決して昔風な嚴罰主義だけをもつて事に臨むべきものではない。社会全般を見、また歴史を見、将来を考え、そうしてこの國民の生活を最も清らかな、朗らかなものにする、りつぱな國民生活を打建てるための檢察であると考えております。從つて、それにもとるようなことがありますれば、どんどんこれから是正をして行きたいと考えております。さればと申して、現在の法律の執行を嚴正ならしめず、あるいは不公平に行おうというのではありません。これは、あくまで嚴正公平に行いますが、しかしながら、その精神は、今申したような精神で行きたいと考えております。(「口だけじやだめだぞ」と呼ぶ者あり)必ず実行いたします。 それから、ただいま訴訟を促進すること、あるいは証拠の收集のこと、それらについての御質問は全然同感でありまして、十分注意いたして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思つております。ただ、起訴陪審のこと等のお話がございましたが、それはただいま考えておりません。 さらにいろいろお話がございましたが、その点は、いろいろ私も研究いたしました上でお答えいたしたいと思います。 最後に吉田総理の問題でありますが、吉田総理の問題は、私も、一昨日でありましたか、加藤議員からのお話で初めて承知いたしたのであります。そこで、この問題につきましては、ただいま檢察廳に命じまして取調べをさせておりまして、まだ詳しい眞相の報告に接しておりませんので、具体的なお答えはできないのでございます。(拍手) 〔高橋禎一君登壇〕
○高橋禎一君 最後の質問に対する答弁につきましては、私は答弁がはなはだ不十分であると思うのであります。法務総裁に重ねてお尋ねいたしますが、吉田総理あるいは星島氏を被疑者として取調べ中であるかいなか。先ほどは檢察廳が捜査しておるかのごとく申されましたのですが、被疑者として取調べをしているのであるかどうか、この点を、はつきりとお伺いいたしたいのであります。少くとも檢察廳において、これが犯罪たることの疑いをもつておられるということだけは、私は明らかにこれを看取し得たと思うのであります。(拍手)私は、この吉田総理の事件は、私どもが國会において知りました範囲において、芦田前総理の事件よりは悪質であると確信いたしておるのでございます。(拍手)その芦田前総理は、今この寒空に、あの鉄窓のもとで呻吟いたしております。私は、そこに檢察の不公平があつては断じてならぬと思うのであります。嚴正公平、ほんとうに法の命ずるところに從つて、國民の前に出してはずかしくなき檢察を運用されんことを希望いたします。(拍手) 〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
○國務大臣(殖田俊吉君) お答えをいたします。私も法律の適用は嚴正公平にいたします。それは間違いございませんが、ただいまの問題につきましては、まだ報告を十分に受けておりません。そこで、はつきりしたお答えはできません。(拍手) ————◇—————
○今村忠君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、猪俣浩三君提出、福井檢事総長の職務上の疑義に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 福井檢事総長の職務上の疑義に関する緊急質問を許可いたします。猪俣浩三君。 〔猪俣浩三君登壇〕
○猪俣浩三君 吉田内閣は綱紀粛正の大旆を掲げますから、その線に沿うて質問いたします。 福井檢事総長は、丸ビルの四階に福井事務所なる看板を掲げておられるということであります。その事務所には、元大審院の檢事をやつておられましたところの池田克君及びその他二名の弁護士が執務しておるそうでありまするが、やはり事務所の看板は福井事務所と相なつておるそうであります。これはいかなることであるか。この事務所が福井檢事総長の事務所であるかどうか。池田克君は、これは有数の弁護士であります。何がゆえに池田法律事務所の看板を掲げないのであるか。ここから実は、事がはなはだ簡單のようでありますけれども、幾多の疑義が東京弁護士会の中に起つておるのであります。(拍手)私はこれを信じませんけれども、東京弁護士会の中には、ごうごうたるうわさがあるから、私は質問申します。のみならず、この質問は、今から十日以前に、法務委員会におきまして、法務総裁に私は質問したのであります。ところが、法務総裁も檢務長官も、そのことは初耳であるから、調査の上返事をするという御答弁でありましたが、今日に至るまで何らの御返答がない。ゆえに私は、再び本会議でその御答弁を伺いたいのであります。 はたして福井檢事総長が、丸ビルの四階に福井事務所なる看板を掲げ、その中に池田克その他二名の弁護士が執務しておるやいなや。また福井檢事総長は、しよつちゆうこの事務所に出入りされておるということであるが、その事実いかん。なお、私どもがこの質問をいたしますることは、わが檢察当局の権威をいやが上にも高からしめんためにいたすのでありまして、巷間のデマを信ずるわけでありませんが、いやしくも檢事総長の職にある者は、少しでも疑いを起させるような行爲はお慎みになつてしかるべきものであると思つて、質問いたすのであります。 なお東京弁護士会の中には、福井檢事総長はどうも事件を事務所に紹介しておるらしいということを放言しておる者もあるのであります。かような事実につきましても、お調べを一体していただいたかどうか。私は十日前にすでに質問しておるのですが、いまだに答弁がない。聞くところによりますと、私の質問がありました後に、福井事務所という看板をお下げになつたということであるが、はたしてさようであるかどうか。そういうことについてもお尋ねしたいと思うのであります。 なおこれに関連いたしまして、この檢事総長を含みますところの檢事の行爲につきまして、これと法務総裁との関係について、法律的な質問を二、三いたしてみたいと思うのであります。 法務総裁は、檢察廳に対してどの程度の指揮監督命令権があるのであるか。檢察廳法第十四條によりますれば、法務総裁は檢事総長を指揮命令することができるように規定されておりまするが、はたしてこれが実行されているかいないか。ある大きな事件にして、法務総裁が実際何ら報告を受けておらぬというようなことを、耳にするのでありますが、はたして事実いかん。この点について、赤裸々なる御報告を願いたいのであります。檢察事務の指揮監督をいたしまする人が、具体的事件について何ら関知しないというようなことは、これは非常に問題であります。実際いかなる事実の報告を受け、いかに檢察の実際の事務についてタツチせられておるかを、明確にしていただきたい。 それから、もしここに指揮命令の権利があるとするならば、この法務総裁の指揮命令に従わなかつたところの檢事総長に対しては、いかなる処置がなされるのであるかを、お尋ねしたいのであります。それに引続きまして、一般の檢事総長及び檢事の行いました行爲につきましては、何人が責任を負われるのであるか。この法理的の論拠を明らかにしていただきたいのであります。新しくできまするところの國家公務員法によりますと、その第八十四條には、いわゆる官吏の任命権者が懲戒権を持つておるように相なるのであります。しからば、この檢事総長は内閣が任命権を持つておると思うのでありますが、この戒事総長あるいは檢事に対しましての懲戒処分は、内閣においてやるべきものであるかどうか、さようなことについてもお聞きしたいのであります。 なお、國家公務員法の八十二條の第三号によりますと、いわゆる官吏が國民全体の奉仕者としてふさわしからざる行爲をやつた場合には懲戒の理由になるということに相なるのでありますが、福井檢事総長が、福井事務所なるところの看板を丸ビルの四階に掲げ、池田氏の名前を出さずして、しかもこの事務所に勤めておりますところの弁護士諸君は、その名刺の中に、住所といたしまして丸ビル四階福井事務所内なる名刺を振りまわしておるそうでありますが、これらのことが、この国家公務員法八十二條第三号に触れるものなりやいなや、この点についても御答弁願いたいのであります。私の見解をもつていたしますならば、この檢事及び檢事総長の行爲につきましては、いわゆる法務総裁及び内閣全体が責任を負うべきものであり、なお内閣の首班としての総理大臣の責任も重大だと考えるのでありますが、この第一次、第二次の各順位における責任関係を明らかにしていただきたいのであります。 今日、司法フアツシヨなる叫びがある。同僚高橋議員の質問にも、さような趣旨が含まれておつたのでありますが、これは実にわれわれ身の毛のよだつほどいやな言葉であります。戦時中いかにこの檢察フアツシヨのために一般の人民が悩まされたか。今日ようやくにして民主の國と立直つたという際に、とたんにこの檢察フアツシヨなんということは、実にゆゆしき問題であります。しかしこれは、眞に政界の腐敗を徹底的に粛正するためには、檢事は十二分にその権能を発揮してもさしつかえないと存じますが、それには法律に従い、いわゆる適法にやつていただきたいし、なおその法に違背をした場合におきましての責任を明らかにしておきませんと、この司法フアツシヨがいつの間にか蔓延するおそれがあるのでありますから、私は、以上の意味におきまして、この檢事総長及び檢事の行爲に対して何人が責任を負うか、及びこれを懲戒処分するについては、いかなる手続をもつて何人がするものなりや、すなわち法務総裁と檢事総長との法律関係、なお具体的に、実際的に、この法務総裁は檢察当局のやつておるところの檢察事務に対して、はたして一々御相談に乗つておるのであるかどうか、その点を明らかにしていただきたいのであります。 なぜかと申しますと、一体法務総裁という役は、内閣全体の法律顧問であるということに相なつておりますし、また檢察当局の首脳ということに相なつておりますから、これは法律の専門家をもつて充てることが適任だと考えられておるにかかわらず、現法務総裁は、まことにずぶのしろうとであります。かような方を法務総裁にするということが、まことに適当であるかどうか私は疑いなきを得ない。吉田総理大臣の人事に対しまして、はなはだ懸念とするところがあるのであります。かような、檢察の実際慣行も檢察のやり方も知らないしろうとが法務総裁になつておりますことは、檢察当局にとつては、もつけの幸いでありまして、まるででくのぼうのように取扱つて、いろいろなことをやらぬとも限らぬ。やつておるとは申しません、やらぬとも限らぬのであります。(拍手)この意味におきまして、なお私は、実際殖田法務総裁がどの程度に一体檢察当局と御協力なさり、どの程度の報告を受けているか、そうしてその責任はどういうふうにお負いなさるのであるかを質問いたす次第であります。 なお、私の質問に対する答弁に満足行きません場合は、再質問を留保いたしたいと存じます。 〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
○國務大臣(殖田俊吉君) お答えをいたします。 先般の法務委員会におきまして、猪俣さんから、福井檢事総長の問題に関しまして御質問がありました。私は、そのお答えをいたそうと思つておりまして、今日まで延びまして、はなはだ申し訳ありません。福井檢事総長に対しまして、ただちにこの点をただしましたところが、福井檢事総長の答えには、在野時代、丸ビルの中に法律の事務所を持つておつたことは事実である、檢事総長就任後も、丸ビルの所有者との間に、そのまま賃貸借契約を存続しておることも事実である、しかし総長就任後、この場所で法律事務をとつたことはない、ただ丸ビルの理髪店へ理髪に行つたときに、私用のために一、二回立寄つたことはあるとのことであります。また福井事務所の表示は、福井事務所と申しましたところで、ガラス戸に福井事務所と書いてあつたのだそうであります。総長就任と同時に抹消方を命じたのでありますが、それを後継者が抹消せずに忘れておつた、そこで、さつそく抹消をいたさせたそうであります。 〔「答弁にならぬ」「いつ抹消したか」と呼び、その他発言する者多し)〕
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。
○國務大臣(殖田俊吉君)(続) その同じ旧事務所を池田克という弁護士に貸し與えまして、弁護士事務をとつているそうであります。それから、福井事務所という名刺を使用している者があるということでありますが、その事実もないそうであります。 〔「大したことぢやない」「いや重大問題だ」と呼び、その他発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。
○國務大臣(殖田俊吉君)(続) 猪俣さんの御質問のごとく、かようのことのために誤解を受けましたことは、はなはだ遺憾でありまして、福井総長も、この点につきましては、たいへん恐縮しておられまして、今後十分に氣をつけるから誤解のないようにお願いしたいと、こういうことであります。私も、今後かような誤解の起らぬように、総長には嚴に戒めておきました。 さらに法務総裁と檢事総長との関係についてお尋ねがありましたが、檢察廳法第十四條の規定によりまして、法務総裁は檢察事務につき、檢事総長はもちろん、全檢察官を一般的に指揮監督はできるのであります。しかし、その但書によりまして、個々の具体的の取調べ及びその処分については、法務総裁は檢事総長のみを指揮し得ることになつております。すなわち、檢事総長を通じてのみ他の檢察官を指揮することができることになつている次第であります。從つて法務総裁は、檢察につきまして、一般的には、檢事総長はもちろん、全檢察官を監督する権限があるのであります。この監督の権限の結果といたしまして、法務総裁はその責任を負うべきであります。 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。
○國務大臣(殖田俊吉君)(続) また、具体的の事実について一々報告があるかどうかというお話でありますが、ある場合にはあり、ある場合にはありません。しかしながら、法務総裁が必要と思いますれば、必要に應じまして報告を徴し得るのであります。もしまた、命令に從わない檢事総長なり檢察官がありますれば、監督権を発動するにやぶさかでないつもりであります。 〔猪俣浩三君登壇〕
○猪俣浩三君 報告がある場合もあり、ない場合もあるというような御答弁でありましたが、ない場合があつて、どうして指揮監督なさるのであるか。檢事総長あるいは檢事諸公が、ちよつと都合の惡い場合に報告しない、そういう場合は、そのまま報告しないで済まされておるのであるか。報告がないのにかかわらず、檢察廳法は第十四條で指揮監督を命じておる。指揮監督権があるのにかかわらず報告をさせない、かようなことは矛盾だと思うのであります。報告をしないような場合に、われわれは重大関心を持つている。檢事総長が都合の惡い場合に報告しない、そういう場合に、ことに関心を持つのでありまして、さような一般的なことに対して監督権あるにかかわらず、報告してもいい、しないでもいいというような態度は、指揮監督権とどういう関係をもつのでありまするか、その点を明らかにしていただきたいのであります。(拍手) なおまた、私の質問に対しましてお答えがないのは、今法務総裁もお認めになりましたように、福井事務所なる看板は確かに掲げてあつたということに相なるのでありまして、これがために、東京弁護士会あたりの会員の中には、いろいろなデマが飛んでいるのであります。まことに遺憾千万なことである。かようなことが檢事総長の耳に入らぬ道理はないのでありまするが、おそらく私が法務委員会で質問してから、さような行爲に移られたと考えるのでありまするが、かような長い間、はなはだ遺憾なる態度をとつておられた。現に、この福井事務所に働いているところの弁護士諸君に事件を依頼した人は、こういうことを言つていばつているそうだ。われわれの事件を依頼した弁護士は檢事総長の事務所の弁護士だ、お前たちのようなひらの弁護士とはたちが違うぞといつて、いばつたというのであります。(拍手)そのいばられた相手の弁護士が非常に憤慨して、私に話してくれたのであります。さような行爲がありましたことは、法務総裁すでにお認めでありまするが、これが公務員法によりましてのいわゆる懲戒の事由になるかならぬか、この質問をしたに対しまして、御返事がありません。なるとすれば、いかなる手続でなさるか、その点についての御返答もないのであります。それを重ねて御質問いたします。 〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
○國務大臣(殖田俊吉君) お答えいたします。 〔「答弁無用」と呼び、その他発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。
○國務大臣(殖田俊吉君)(続) 檢察が、ある場合に報告し、ある場合に報告しないと申しましたのは、私の言葉が足りませんので、事の軽重に應じまして、重きものはむろん報告いたします。軽いものは適当な段階においておのおの処理するのは、これは行政廳の執務の当然の結果であります。 また、福井檢事総長の問題につきましては、私は猪俣議員から、こういうお話を承つた、それが事実ではないと思うが、しかしながら、こういう風評があるのであるから十分に注意をしてほしい、ということをよく申し傳えまして、反省を促しているつもりでありまして、決してそういうことはないはずでありまするから、さよう御承知を願いたいと思います。 〔猪俣浩三君登壇〕
○猪俣浩三君 今の御答弁は、さようなことがないと信ずるがというような前提の御答弁でありましたが、はなはだこれは前の答弁と違つておるのであります。前の答弁は、福井事務所なる看板を掲げてあつたという御答弁であつた。そこで、さようなことが——前に弁護士をやつておられ、後に檢事総長になつた方が、前と同じような福井事務所なる看板を掲げてやつておつていいか。そこに堂々たる弁護士があるにかかわらず、なぜ池田という名称を用いず、福井弁護士という印象を與えるような福井事務所なる看板を撤去しないでおるか。その撤去しなかつたことに対して懲戒の事由が当てはまるか。当てはまらぬのか。当てはまるとすれば、どのような手続をするのか、かような御質問をいたしましたのに対しまして、はなはだ顧みて他をいうようなことがありますが、もう少しはつきり御答弁願いたいのであります。 〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
○國務大臣(殖田俊吉君) 檢察官につきましては……。 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。
○國務大臣(殖田俊吉君)(続) 公務員法の適用はありません。これは檢察廳法の規定によつて統制されるものであります。 福井檢事総長の問題につきましては、ただいま申し上げた通りであります。 ————◇—————
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、司法警察職員等指定應急措置法の一部を改正する法律案、日程第二、少年法を改正する法律等の一部を改正する法律案、右両法案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長高橋英吉君。 〔高橋英吉君登壇〕
○高橋英吉君 ただいま議題と相なりました司法警察職員等指定應急措置法の一部を改正する法律案は、皇宮護衞官に司法警察権を與えて、皇宮御所などにおける犯罪や、天皇、皇后、皇太子の生命、身体、財産に対する罪について、その犯罪の捜査をなさしめようとするものであります。しかして、皇宮護衞官を司法警察職員に指定しますることは、その職務の性質から見て、なるべく早い方が適当と認められますので、その應急措置法の一部を改正することにしたのであります。 さて、法務委員会においては、司法警察職員等指定應急措置法は、第三國会において通過したばかりであるのに、何ゆえ早急に皇宮護衞官を指定するのかという質疑がありました。これに対して政府より、関係方面の要請によるという答弁があつたのであります。 かくて、十二月十一日討論採決の結果、この法案は全会一致で政府原案の通り可決された次第であります。 次に、少年法を改正する法律等の一部を改正する法律案について、その要旨及び委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。 改正少年法によると、家庭裁判所は、少年に対する保護処分の一種として、地方少年保護委員会の観察に付する処分をすることになつております。しかるに、地方少年保護委員会を設置する法律案は、諸般の事情によつて、いまだ國会に提出されておりません。それで、地方少年保護委員会が成立するまでの間、從來の少年審判所をもつてこれに充てようとするものであります。それから少年院法においても、地方少年保護委員会及び地方成人保護委員会が予定されていますが、前に申しました事情により、その法律案が提出さるるまでの間、これらの委員会の行う職権を、暫定的に法務総裁に行わしめようとするものであります。 さて法務委員会においては、少年審判所の名称について質疑があつたのみで、十二月十一日、討論採決に入りました。採決の結果、全会一致で政府原案の通り可決いたした次第であります。 右、両法案を一括して御報告申し上げました。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 両案を一括して採決いたします。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○議長(松岡駒吉君) 本日の日程に掲載した第三は誤りでありますから、これを削除いたします。よつて日程第四は第三と訂正いたします。 日程第三、公認会計士法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員長島村一郎君。 〔島村一郎君登壇〕
○島村一郎君 ただいま議題となりました、大上司君外四名提出の公認会計士法の一部を改正する法律案につきまして、大藏委員会における審議の経過並びに結果について概要御報告申し上げます。 今回改正いたします要点は、次の二点であります。すなわちその第一点は、本法第四十七條及び第四十八條の規定を昭和二十四年四月一日から施行することは、まだ本法附属法規の整備不十分のため、これが施行を一年延期するというのであります。第二点は、現に引続き三年以上計理士の業務に從事いたしております者には会計士補となる資格を與え、同じく十年以上從事した者については、会計に関する研究報告書または意見書を会計士管理委員会に提出して特別公認会計士試験にかえることができるというのであります。 去る十一日、提案の説明を聽取し、同日審議に入りましたが、本案の趣旨は妥当と認め、ただちに討論を省略し採決に入り、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長の報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、新聞出版用紙割当事務廳設置法附則第三項の規定に基く同法の継続に対する國会の確認を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 新聞出版用紙割当事務廳設置法附則第三項の規定に基く同法の継続に対する國会の確認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長圓谷光衞君。 ————————————— 〔圓谷光衞君登壇〕
○圓谷光衞君 ただいま議題となりました新聞出版用紙割当事務廳設置法附則第三項の規定に基く同法の継続に対する國会の確認を求めるの件につきまして、文部委員会における審議の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。 本件は、昨十一日内閣から提出せられ、即日文部委員会に付託になりましたので、当文部委員会といたしましては、さつそく本日会議を開いて、主務大臣以下政府委員の説明を聞き、慎重に審議を重ねました。 まず、政府が本件の提出の理由といたしますところは、新聞及び出版の用紙割当を継続するの必要の有無及び割当制度の可否に関して國会に再審議の機会を與えるために、政府はこの法律を無修正で継続させることについて、毎通常國会の議決による確認を求める手続をとる必要があるので、これを提出したというのであります。 わが國現在の用紙の生産額は、昭和十五年当時の二十一億二千一百万ポンドに比べまして、現在は、わずかにその四分の一弱の四億九千四百万ポンド、そして新聞出版のためにまわされるものは、その半ばの、すなわち二億一千七百万ポンドにすぎないのであります。文化面においての必需資材である用紙事情が、かようにきゆうくつになりましたことは、まことに遺憾のきわみでありまするが、これすなわち、用紙生産の増強もさることながら、割当の適正いかんが問題となるゆえんであります。 本案審議の際、委員側からは、われわれが用紙割当機構を合理化するために、第二國会において、しかも國家行政組織法の実施に先がけて、新聞出版用紙割当事務廳の設置に賛成いたしたのにもかかわらず、かんじんな設置法第五條による割当審議会がいまだ発足しないのはどういうわけかとの質問が出たのでありまするが、現在における用紙割当継続の必要性ないし割当制度のやむを得ざることは、委員一同も了承いたしまして、討論採決の結果、総員賛成をもつて本設置法案の継続を確認するに決定いたしたのであります。 右、御報告いたします。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。新聞出版用紙割当事務廳設置法は継続することを確認するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて本件は継続を確認するに決しました。 ————◇—————
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、教育公務員特例法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 教育公務員特例法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長圓谷光衞君。 〔圓谷光衞君登壇〕
○圓谷光衞君 ただいま上程に相なりました教育公務員特例法案に関しまして、この法案の概要並びに委員会における審査の経過及びその結果を御報告申し上げます。 本案は、去る十二月八日、内閣から本院に提出され、文部委員会に付託となつたものでありまして、全文三十四條からなる法案であります。元來、学校教員の職務と責任はきわめて特殊性の上に立つておりまして、さきに定められました國家公務員法の規定を適用することだけでは不十分でありますので、國家公務員法附則第十三條の規定に基きまして、この特例法案が立案されたのであります。 本法案の目的は、目下わが國において最も重要なる教育の任にある教員の任免の公正及び身分と地位を確立することにあるのであります。 次に本案の適用範囲でありますが、これは國立及び公立の幼稚園から大学までの学長、校長、教員及び部局長並びに教育委員会の教育長及び專門的教育職員であります。 さらに、本案の特例として規定いたしました主要な点は次の通りであります。その第一は、教員の採用及び昇任に関しては競爭試験によらず、公正な選考によつて行うことであり、第二は、教員の研究と修養に関して一定の保障を與えておることであります。第三は、学問の自由と自治を尊重しておることであります。第四は、教員の結核性疾患による休養の保障をしておることであります。 本法案は、きわめて重大なものでありますので、文部委員会といたしましては、法案の趣旨を尊重いたし、慎重審議を重ねましたる結果、二点に修正を加えてこれを成立させようということに意見の一致を見たのであります。 修正点の第一は、大学以外の学校の校長及び教員が結核性疾患のため長期の休養を要する場合の休職においては満二年となつており、その休職の期間中、原案では「俸給の全額を支給することができる。」とあるのを、「給與の全額を支給する。」と改めたのであります。第二は、原案第三十三條中、「國立学校の学長、校長、教員又は部局長の例に準じ」という二十一文字を削除いたしたのであります。 よつて、それらの二点を含む修正案並びに原案について討論を開始し、民主自由党水谷昇君、社会党田淵実夫君、民主党伊藤恭一君、國民協同党大島多藏君、新自由党久保猛夫君からそれぞれ賛意を表せられ、次いで採決いたしましたる結果、修正案において全会一致をもつて可決いたしました。次いで、修正部分を除く原案について採決の結果、これまた修正部分を除く原案通り全会一致をもつて可決、かくて本法案は修正議決いたしたのであります。なお詳細は速記録によつて御了承願いたいと思います。 右、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。 —————————————
○今村忠助君 この際暫時休憩されんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつてこの際暫時休憩いたします。 午後四時三十分休憩 ————◇————— 午後七時二十八分開議
○議長(松岡駒吉君) 休憩前に引続き会議を開きます。 ————◇—————
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、議員田中角榮君の逮捕について許諾を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 議員田中角榮君の逮捕について許諾を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。議院運営委員長山口喜久一郎君。 〔山口喜久一郎君登壇〕
○山口喜久一郎君 ただいま議題となりました議員田中角榮君の逮捕について許諾を求めるの件につきまして、議院運営委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本件は、田中角榮君が衆議院議員なるところ、昭和二十二年九月四日ごろ、福岡縣直方市字中泉において採炭業を営む木曽重義より、当時第一回國会に上程せられていた臨時石炭鉱業管理法案審議に際し、同法案の通過に反対せられたき旨の請託の趣旨のもとに、東京都千代田区飯田町二丁目二十番地田中土建株式会社において金百万円の交付を受け、もつて職務に関し賄賂を收受したという被疑事実に基いて、去る十二月七日、内閣より同君の逮捕について許諾を求められたものでありまして、同日、本委員会に付託されたのであります。 委員会におきましては、本月八日祕密会を開きまして、殖田法務総裁及び木内檢務長官より本件の説明を詳細に聞き、さらに九日、田中角榮君の出席を求め、同じく祕密会において同君の弁明を聞いた次第であります。その内容につきましては、祕密会のことでありますから、ここに申し上げることを差控えますが、ただ委員会といたしましては、新憲法下における國会の地位と議員の職責にかんがみ、会期中における議員逮捕の問題の重要性と、最近のたび重なる逮捕要求の事実に照して、あくまで愼重な態度をもつて檢察当局にただすべきはただし、また本人の弁明をも十分承りまして、委員会の態度を決するため万遺憾なきを期し、これが審議に当つたのであります。 かくして、大体論議も盡きましたので、本日午後の議院運営委員会におきまして、討論を省略してただちに採決に入りました。その結果、多数をもつて本件は許諾を與うべきものと決した次第であります。 以上、簡單ではありますが、委員会の経過及び結果について御報告申し上ぐる次第であります。
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。田中角榮君の逮捕について許諾を與えるに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〔「定足数が足らぬ」と呼び、その他発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) この際暫時休憩いたします。 午後七時三十三分休憩 ————◇————— 午後九時三十一分開議
○議長(松岡駒吉君) 休憩前に引続き会議を開きます。 田中角榮君の逮捕につき許諾を求めるの件について、あらためて採決いたします。田中角榮君逮捕について許諾を與えるに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて田中角榮君逮捕について本院は許諾を與えるに決しました。(拍手)
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、議員外崎千代吉君懲罰事犯の件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 議員外崎千代君懲罰事犯の件を議題といたします。外崎千代吉君の退席を求めます。懲罰委員長の報告を求めます。懲罰委員長明禮輝三郎君。 〔明禮輝三郎君登壇〕
○明禮輝三郎君 ただいま議題となりました議員外崎千代吉君懲罰事犯の件につきまして、懲罰委員会の審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本件は、昨十一日、田中織之進君提出の懲罰動議可決の結果、懲罰委員会の審査に付せられたのであります。懲罰委員会におきましては、本日委員会を開きまして、まず動議の提出者である田中織之進君から提出の趣旨の説明を聞き、次いで事犯者外崎千代吉君の出席を求めて一身上の弁明を求め、委員諸君より種々これに対して質疑がなされました。 しかして委員会は、協議のため暫時休憩し、四時十五分再開いたしまして、園田直君より、議員外崎千代吉君に対し、國会法第百二十二條第二号により、公開議場における陳謝を命ずべしとの動議が提出せられ、これに対して討論が行われたのでありますが、田中健吉君からは、外崎君の発言は決して個々の議員や、また各政党に対する侮辱の意思からではなく、現下のいろいろな事件等を憂うる愛國の至情から出たものであり、かつ一度取消しをしている点等より見て懲罰に反対の意見が述べられ、また石井繁丸君より賛成の各派を代表して、議員の発言は憲法に保障されているだけに、特にその発言は議員みずから最も愼重に責任をもつてなさなければならないにかかわらず、最近ややもすれば、議員の発言にして議院の品位を汚し、尊嚴を傷つけるごとき感あるは、きわめて遺憾である、外崎君の発言は、議員の名誉を傷つけ、天下の公党を誹謗し、議院みずからを蔑視するものであつて、きわめて、不穏当の発言であり、議院の尊嚴を守るためにも看過すべきではないとの理由から、賛成の意見を述べられました。 しかして採決の結果、多数をもちまして、園田直君提出の動議のごとく、議員外崎千代吉君に対し國会法第百二十二條第二号により公開議場における陳謝を命ずべきものと決した次第であります。 今、委員会において起草いたしました陳謝文案を朗読いたします。 陳謝文案 私こと昭和二十三年十二月十一日の本会議におきまして政、財、官界の徹底的粛正に関する決議案に対する討論中個々の議員の名誉に関し或は公党の面目に関し不用意の内に議員として穏当を欠き議員自らを侮辱するが如き発言をいたしましたことは議員の職分に顧みて慚愧の至りに堪えません。 謹んで誠意を以ちまして衷心より陳謝いたします。 以上簡單ながら、懲罰委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げた次第であります。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 本件につき採決いたします。議員外崎千代吉君懲罰事犯の件委員長報告に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。(発言する者多し)よつて議員外崎千代吉君懲罰事犯の件は委員長報告の通り議決いたしました。外崎千代吉君の入場を許します。 ただいまの議決に基き宣告いたします。外崎千代吉君に対し、國会法第百二十二條第二号により、公開の議場における陳謝を命ずべきものと議決いたしました。よつて、外崎千代吉君に対し陳謝の意を表することを命ずるのでありますが、外崎君は出席いたしておりませんから、適当の機会に議長よりこれを命じます。 ————◇—————
○議長(松岡駒吉君) ただいま酒井俊雄君より、議事進行について発言を求められております。これを許します。酒井俊雄君。 〔「現在何人おるか」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 先ほどの定数によつて議員田中君のことを決定いたしたそのままの人員であります。(拍手) 〔酒井俊雄君登壇〕
○酒井俊雄君 私は、國民協同党を代表いたしまして、議事進行に関し発言をいたします。 國会は、さきに國家公務員法を通過させました。この公務員法とまつたく不可分の関係にありまする予算の審議が現在委員会において行われつつありまするが、この重要な場面を控えて、総理大臣の姿の見えないのは、まことに遺憾至極でございます。(拍手)聞くところによれば、本日不当財産取引調査特別委員会の席へ出まして、例の百万円事件について調査を受け、(発言する者多し)宣誓をしたのにかかわらず、調印をも忘れて、倉皇としてその部屋を去つたということでございます。(拍手)かくのごときことが事実なりとすれば、実に一國の総理として、ゆゆしき大問題だと思う。(拍手) この予算審議にあたりましては、われわれは眞に懸命な努力を続けつつあるものでございます。單にそればかりではございません。各委員会の状態などを見ましても、まつたく與党の出席は寥々たるものでございます。(拍手)それのみならず、政府委員の怠慢たるや、実に目に余るものがあると思うのでございます。(拍手)これらの責任は、一体だれが負うべきか。(発言する者多し)現に、この明日に迫つた重大なる案件、予算の審議にあたりまして、首相が欠席しておるというようなことで、どうしてこの緊急に迫つた問題が完結することができるでございましようか。(拍手)しかも総理大臣の施政演説に対する質問も、なお数人残つておる現在、まつたくその不誠意をわれわれは認めざるを得ないのでございます。(拍手)はたして明日総理大臣が出席するやいなや、こうした点について、政府に特に私は答弁を願いたいと思うものでございます。 ことに與党に対しましては、國民全部が——の目をもつて見ておる今日であります。(拍手、発言する者多し)わけても————までかけて見ておる今日であります。こうした場合におきましては、その潔癖を示すためにも、首相は欠席すべきでないと私は信ずるものであります。(拍手)かかる場合に欠席することが、怪しまれてもしかたのない一つの事実だと私は信ずるものであります。(拍手、発言する者多し) 以上私は、議事進行に関して発言をいたし並びに政府の答弁を求めたいと思います。(拍手) 〔「懲罰々々」と呼び、その他発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) ただいまの酒井君の発言中、——云々並びに與党——云々の言葉は不穏当と思いますから、(発言する者多し)お取消しになつてはいかがでありますか。 〔発言する者多く、議場騷然〕
○議長(松岡駒吉君) 酒井君、酒井君……。 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 靜かにしてください。酒井君、酒井君。 〔発言する者多し〕
○議員(松岡駒吉君) ただいまの趣旨が徹底しないでは困りますから、靜かに願います。——酒井君、酒井君、ただいまの発言中、——云々並びに與党——云々の言葉は不穏当と思いますから、お取消しになつてはいかがですか。 〔酒井俊雄君登壇〕
○酒井俊雄君 私は……。 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 靜かに願います。
○酒井俊雄君(続) 信念をもつて申し上げました。取消しません。(拍手) 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 議長は速記録を取調べの上、不穏当な点がありますならば、取消しを命ずることといたします。 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 酒井君の発言はお聞きの通りでありますが、政府から発言があれば、この際承ります。 〔「答弁無用」と呼び、その他発言する者多し〕 〔國務大臣林讓治君登壇〕
○國務大臣(林讓治君) ただいま吉田総理大臣の出席の問題につきましてお話があつたのでありますが、今朝來議会に出席をいたしておりましたが、夕刻に及びまして、発熱のために遂に欠席を余儀なくせられたわけであります。今日————に臨みまして、きわめて重大なる時期であるということは、万々承知をいたしております。しかしながら、遂に発熱のために、今日……。 〔発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
○國務大臣(林讓治君)(続) 出席できなかつたということに対して、まことに遺憾には存じまするけれども、ただいま申し上げましたような事情でありまするから、とくと御了承をお願いいたしたいと考えます。 〔「取消せ取消せ」と呼び、その他発言する者多し〕 〔國務大臣林讓治君登壇〕
○國務大臣(林讓治君) ただいま————であるということを申し上げたということに対しましては、私は取消しをいたします。(拍手)
○酒井俊雄君 ……(聽取不能)
○議長(松岡駒吉君) 酒井俊雄君。 〔「議事進行に再質問があるか」と呼び、議場騷然〕 〔酒井俊雄君登壇〕
○議長(松岡駒吉君) ……発言に注意してください。 〔「議長どうした」と呼び、その他発言する者多く、議場騷然〕
○酒井俊雄君 議長の許可を得た。——許可を得た。——許可を得た。 〔発言する者多く、議場騷然〕
○議長(松岡駒吉君) 酒井君、酒井君、ちよつと。――取消しのためでないならば許可できないのです。取消しの……。 〔発言する者多く、議場騷然、聽取不能〕
○議長(松岡駒吉君) 取消しを——取消しをすると思つて許した。弁明はこの際許しません。
○酒井俊雄君(続) 許可を得た。
○議長(松岡駒吉君) それでは降壇を命じます。——酒井君の降壇を命じます。 〔「おりるな」と呼び、その他発言する者多く、議場騷然〕
○議長(松岡駒吉君) 酒井君の降壇を命じます。取消しを命じたのに服すなら……。 〔「おりろ」「やれやれ」と呼び、その他発言する者多く、議場騷然、聽取不能〕
○議事(松岡駒吉君) 降壇を命じます。 〔「議長が降壇を命じているではないか」と呼び、その他発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。 〔酒井俊雄君降壇〕
○議長(松岡駒吉君) 議長は酒井君に対し取消しを命じたのでありましたから、その取消しのための発言を求められたものとして許したのでありましたが、その取消しではないことがわかりましたので、降壇を命じたわけであります。 選挙運動等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(椎熊三郎君外六十七名提出)(委員会審査省略要求事件)
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、椎熊三郎君外六十七名提出、選挙運動等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 選挙運動等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。椎熊三郎君。 〔椎熊三郎君登壇〕
○椎熊三郎君 ただいま議題となりました選挙運動等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案の内容を御説明申し上げます。 これは、ごく簡單なことでありますけれども、われわれのように、北海道、東北等の積雪の中で選挙運動をする者にとつては、まことに重大な問題でございます。そこで、各派有志の方々の御賛成を得まして、この極寒の最中でも、暖かい地方の方々と同様な、平等な意味における選挙をやりたい。これが改正の趣旨であります。 そこで、この選挙運動等の臨時特例に関する法律の第二十條に、「選挙運動のために使用する文書図画は、左の各号に掲げるものの外は、これを掲示することができない。」と規定してありまして、いろいろの規定があります。その第二号に「第二十二條第五項の規定により自動車、拡声機又は船舶に使用する張札、立札及びちようちん」、これは自動車一台に限りまして、その自動車の周囲に張札をしたり、ちようちんをつけたりすることが許されているのであります。ところが、東北、北海道においては、寒中になると、あの積雪では自動車の運行は停止せられます。よつて、わが北海道などでは、自動車を選挙運動に使うことができない。交通機関は何によるか、諸君にはあまり御存じない方も多いかもしれませんが、私などは馬そりなどを使用するのでございます。その馬そりを、自動車一台と同じように、馬そりのわきに張札をしたり、ちようちんをつけたりすることをお許し願いたい、こういう趣旨でございます。ところが、この法律によりますると、馬そりには制限がない。何台使つてもよろしい。何台使つてもよろしいのだが、ビラやちようちんをつける馬そりは、自動車同様、一台に限らなければならない、こういう趣旨でございます。 そこで改正の要点は(「わかつた、わかつた」と呼ぶ者あり)ゆつくり聞いてください、大事なことなんですから――選挙運動等の臨時特例に関する法律(昭和二十三年法律第百九十六号)の一部を次のように改正する。第二十條第二号中「又は船舶」という字があります。それを「、船舶又はそり」と、こう改めるのであります。もう一つの点は、第二十二條第五項中の「船舶」という文字の下に「並びにそり(議員候補者一人について、同時に一台に限る。)」という文字を入れるのであります。 法律の改正は、ただ單にこれだけのことでございまするが、附則には「この法律は、次の総選挙から、これを施行する。」となつておりまして、やがて総選挙が近く行われるでございませう。烈風寒氣凛烈の中において、骨を削るような総選挙をやる、北海道などのわれわれ候補者の状態に御同情くださいまして、暖かい土地の人々も満場一致をもつて御賛同をお願いしたいのであります。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手) ————◇—————
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、行政機関に置かれる職員の定員の設置又は増加の暫定措置等に関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 行政機関に置かれる職員の定員の設置又は増加の暫定措置等に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長小川原政信君。 ————————————— 〔小川原政信君登壇〕
○小川原政信君 ただいま議題となりました、行政機関に置かれる職員の定員の設置又は増加の暫定措置等に関する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 國家行政組織法によりますと、各行政機関に置かれる職員の定員は法律をもつて定めることになつておりますが、第三國会における同法中一部改正によりまして、その施行期日が明年四月一日に延期されました結果、それまでの間は政令をもつて規定し得ることになつておるのでございます。しかるに、最近における職員の増加は相当著しいものがございまして、積極的な行政整理を行うに先だつて、とりあえず職員の増加を抑制することが目下の急務であり、國家行政組織法の施行以前においても法律によらなければ定員を増加することのできないようにするというのが、本法案の提案の趣旨であります。 國家行政組織法の定める行政機関、すなわち國会の職員、裁判所の職員、会計検査院の職員等を除いた各行政機関の職員は、すべて本年十二月三十一日現在をもつてその数を押え、一月一日以後の定員の設置または増加は法律によらなければならない旨の規定及びこれに付随する若干の規定をその内容とするものであります。 本法案は、去る九日、本委員会に付託されましたが、委員会は、政府当局との間に質疑應答を重ねました後討論に入り、民主自由党より山本猛夫君、社会党より田中稔男君、民主党より小坂善太郎君、國民協同党より大島多藏君、労働者農民党より黒田寿男君、農民党より北二郎君の、いずれも本案に対する賛成演説が述べられ、満場一致可決を見たのであります。賛成に際して述べられました希望意見は、必ずしも一様ではありませんが、大体において、愼重なる用意のもとに合理的な行政整理を断行し、もつて行政能率の発揚をはかることが望まれた次第であります。 以上、簡單に御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案、刑事訴訟法施行法案、裁判所法の一部を改正する等の法律案及び罰金等臨時措置法案の四案を一括して議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案、刑事訴訟法施行法案、裁判所法の一部を改正する等の法律案、罰金等臨時措置法案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長高橋英吉君。 ————————————— 〔高橋英吉君登壇〕
○高橋英吉君 ただいま議題と相なりました四法律案について、委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告いたします。 まず、刑事訴訟法施行法案及び裁判所法の一部を改正する等の法律案の両法案の提出理由並びに内容のおもなるものを御紹介いたします。 第一に、刑事訴訟法施行法案について申し上げますと、日本國憲法の精神にのつとり、基本的人権の尊重を基調といたします新刑事訴訟法は、來年一月一日から施行されることになつておりますので、それまでに現在裁判所等で取調べが行われておる事案に対しては、新法によるか現行法によるかについて経過的措置を講ずる必要があります。刑事訴訟法施行法案は、御承知のように前國会において衆議院を通過しましたが、衆議院において審議未了となつたため、あらためて本國会に再び政府から提案されたものでありますが、今回の法案におきましては、前回と異なり、新法、旧法の適用の基準をば、新法施行前に検事から公訴の提起があつたかいなかによつて定めんとするものであります。すなわち、公訴の提起が新法施行後に行われた事件は新法によるが、年内に公訴の提起が行われておる事件については原則として旧法によることになつておるのであります。この点が本法案の最も重要なる点でありますが、このほか本法案には、右の原則に対する若干の例外を定め、また國会議員等の選挙法に新法にはなくなつておる私訴の規定が準用されておる関係上、その手当等を定めておるのであります。 第二に、裁判所法一部を改正する等の法律案について申し上げますと、第一点は、新たに家庭裁判所が設置せられることになつたので、裁判所の基本法である裁判所法において、その組織、権限等を規定しようとするものであり、第二点は、第二回國会において制定せられました刑事訴訟法の趣旨に従つて、簡易裁判所の処理した刑事事件に限つては、地方裁判所にではなく高等裁判所に不服を申し立てることに改められたことであります。第三点は、最高裁判所の小法廷で裁判する事項の範囲を拡げ、大法廷の負担を合理的に軽減することをはかつたことであります。このほか、本法律案については参議院において若干の修正が行われておるのであります。 さて委員会におきましては、今回提出の刑事訴訟法施行法案は、前國会において衆議院の修正した線に沿つた内容を盛つたものではありますが、御承知のように、現に前代未聞の大疑獄事件等も頻発しておりまする折柄でありますし、かつ國民の基本的人権に影響するところすこぶる大でありますので、法案の中心課題である新旧法適用の基準、すなわち年内起訴か年内公判かの点について、あらゆる角度から慎重な論議が行われたのでありますが、論議の内容はいささか専門的になりますので、速記録に讓ることとします。第二の裁判所法の一部を改正する等の法律案も、前國会において衆議院において修正した線に沿つた内容を盛つたものを大綱とし、参議院の修正が若干加えられたにすぎないので、討論の結果、両法案の運用にあたつては國民の基本人権を侵害しないよう格段の注意を拂うべき旨の希望意見が開陳せられ、採決の結果、両法案は全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決したのであります。なお、委員安田幹太氏から、右両法案を第三回國会に政府から提案せられた内容のごとく修正する趣旨の提案がありましたが、この修正案は、賛成者少数のため否決せられたのであります。 次に、裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案について、提案の理由及び内容を申し上げます。 さきに民事、刑事両訴訟法、少年法、裁判所法等の改正が行われました結果、これら諸法律の円滑なる運用を期するため裁判所職員の陣容を充実させようとするものでありまして、増員の数は、判事九十名、その他千数百名でありまするが、さしあたり、やむを得ない増員と認め、採決の結果、全会一致をもつて政府原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。 次に、罰金等臨時措置法案について、その要旨及び委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。 終戦以来の経済事情の変動、特に貨幣價値の低落に伴いまして、裁判所の言い渡すべき罰金、科料の額もおのずから高めらるべき道理でありますが、現在の刑法の規定によれば、罰金の最低額及び科料の最高額は著しく低く定められておりますので、これを是正し、法定の罰金、科料の額を適当な程度に引上げるため、刑法その他の法令の特例を設けようにするものであります。 次に、その内容の大略を申し上げますと、まず第一に、現在罰金は二十円以上、科料は二十円未満となつておりますが、これをその五十倍たる千円以上、千円未満ということにいたしました。次に、刑法及びこれと密接な関係のある二法律に定めた罰金の多額を五十倍に引上げることにしてあります。 委員会においては、五十倍に引上げるその倍率の根拠について質疑がありました。これに対し政府から、物價指数、國民所得、生計費指数等を勘案して定めたという答弁がありました。 かくて、十二月十二日、討論を省略して採決した結果、全会一致で政府原案通り可決すべきものと議決した次第であります。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 四案を一括して採決いたします。四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて四案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○議長(松岡駒吉君) 内閣より、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する等の法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する等の法律案の両案中修正したいとの申出があります。この申出を承諾するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて承諾するに決しました。 ————◇—————
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、特別職の職員の俸給等に関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 特別職の職員の俸給等に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員長島村一郎君。 ————————————— 〔島村一郎君登壇〕
○島村一郎君 ただいま議題となりました特別職の職員の俸給等に関する法律案は、國家公務員法にいう特別職にある者の俸給等に関し、裁判官等その俸給等に関して特別の法律が定められている者を除き、その他の特別職にある者の全部について必要な規定を設けようとするものでありまして、その支給方法は、内閣総理大臣等についてすでに定められていた方法と、まつたく同様の取扱いといたしております。また俸給以外の給與は、原則として一般官吏の例により支給することとなつておりますが、扶養手当及び超過勤務手当は、一部の者を除き支給しないことを明規いたしてあります。 委員会におきましては、本法律案と新給與水準との関連問題について二、三質疑のあつた後、討論を省略し採決いたしましたが、全会一致をもつて原案通り可決いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手) 明十三日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。 午後十時十六分散会