農林委員会 第3号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/12/07
会議録
○坂本委員長 これより会議を開きます。 農林金融並びに農業課税に関する件を議題に供します。まず政府当局より最近の農林金融事情につきまして御説明を願います。
○岡田説明員 最近の農林金融のきわめて概括的な模樣をお傳えいたしまして、御質疑等がございますれば、それに應じまして資料の許す限りお答えいたします。 農林金融の今年のわれわれの心構えといたしましては、御承知の通り、終戰後の農林金融は非常な大きな変化をこうむつて來ておるのでありまして、終戰直後においては、農林金融の重点と申しますのは、むしろ農村にだぶついている資金をどういうふうに管理をしようかということが、農林金融の重点でありましたことは御承知の通りであります。しかしながらそういつた時期はまもなく消えてしまいまして、昭和二十二年度、すなわち昨年度、それから本年春等の農林金融として最も繁忙な時期におきましては、農林金融の重点はそれとは逆に、農村のために必要な営農資金をどうして確保してやろうかという問題に重点がかわつて参つたことは、御承知の通りであります。われわれとして最も農林金融の山と考えております昭和二十四年は、終戰後第四年目になるわけでありますが、それに対しまして、われわれとしてどういつた心構えなり、対策をもつて臨むかということが、現在における農林金融の基本的な考え方でございます。どういう状態になろうかということを予想してみますならば、ただいま申し上げました終戰後三年の経過にかんがみまして、來春の最も資金の繁忙な時期におきましても、農林金融の資金の需要が今までに比べて非常に緩和するということは、とうてい考えられない情勢であります。幸いに本年度は豊作に惠まれまして、米の代金も値上げが実現し、農家としての收入は、金額の上では今までにない大きな金額として考えられるのであります。從いまして、供出の進捗状況の良好なのに伴いまして、さしあたりは農村に対する資金の流入状況は決して惡くはなかろうということは観測されます。また流入が比較的順調であるばかりでなく、その歩どまりと申しますか、それが右から左へ流れないで、農業協同組合等の貯金として留保される割合も、必ずしも惡くはないように私どもは観測しております。さしあたりの目先の状況から推測いたしますならば、資金の量は多いし、それから歩どまりも比較的良好であるとすれば、來年は比較的樂ではないかというように考えられるのでありますが、確かに考えようによりましてはそういつた面もないではないと考えられるのであります。と申しますのは、終戰後一番農林金融として、農村方面で資金繰りに苦しみました今年の春の苦しみの一番大きな原因は、御承知の所得税の更正決定によつて、農村が予想せられざる大きな負担を急に支拂わなければならなかつたということが、資金繰りを非常に混乱させた原因であつたと存じます。今年から來年にかけましては、もちろん所得税というものは覚悟しておりますけれども、今年の春のように、予想外の金額を急に支拂わなければならないような混乱は、まず計画的に考えてみますならば、計画的に緩和することができるのではないか。つまり農村自体が資金繰りの状況を予想いたしまして、ある程度自重しておるという形が、現在の貯金あたりの歩どまりの良好な結果を生んでおるのではないかと想像いたされるのであります。もちろん地域別にこまかく見て参りますと、ただいま申しました客観的な観測が、必ずしも当らない地域もございます。しかしきわめて大ざつぱに申し上げまして、今のような農村自身の來年の所得税等に対する支拂いの計画的な蓄積というような氣持も手傳い、また根本的には通貨に対する一般的な信用力が上つて來て、経済安定の前兆がいろいろな方面に現われているというようなところから、農村自身の心理的な安定感ということも手傳いまして、歩どまりはややいいのではないかと考えられる。また見のがせないことは、一番農村方面の資金の蓄積のルートになりますところの組合組織が、農業会からの切りかえが済みまして、新しい農業協同組合として、今までの切りかえの過渡的な混乱というようなものも一應は納まつておるというようなことも見のがせないと思います。そういつたわけで、一應さしあたりの農林金融の当面いたしまする問題であるところの、現在の收入金による資金の蓄積に対する現状というものは、そう惡い状態ではなかろうじやないかというふうな客観的な観測は持つております。しかしながら、にもかかわらず來春の営農資金として、繁忙期に備えてそれで十分であろうかという点に関しましては、決して樂観はできないのでありまして、われわれとしましては、さしあたりは、現在の流入資金を極力蓄積し、その管理運用について極力愼重な心構えを要求しておると同時に、來年に対する営農資金としての資金対策と申しますか、資金繰りにつきまして、それぞれ地方々々で眞劍な計画をつくり上げていただくように、私の方から地方に照会して、今その的確なる見通しを、地方と協力して立てようと考えておるわけでありますが、そのいろいろな情報を集めて正確な見通しは立つわけでありますけれども、客観的に申しまして、來年の営農資金に対する資金繰りというものは、決して樂にはならなかろうということは申せると思うのであります。その樂にならないということは、要するに、收入の多くなつたに対比いたしまして、支出の方面においてもいろいろ大きな支出が予想されるというような関係から、根本的には農家の経営自体が、決して終戰後の農村インフレ時代のような樂な状態ではないということが、根本的な原因ではあるわけでありますが、そういつたことが金融の上にも反映いたしまして、営農資金というものが來年度も相当繁忙な資金繰りであろうということは、予想しなければならないわけであります。それに対する金融対策といたしましては、やり方といたしまして、さしあたりのところ、今年の春に比べて特別に非常に新しいやり方というものはないのでありまして、現在與えられておるやり方を最も善用いたしまして、計画的にこのむずかしい時期を乘切るのが、われわれとしての行き方ではないかというふうに考えておるわけであります。與えられたる対策というものは、申し上げるまでもなく、短期営農資金に対しましては農業手形の制度であります。それから根本的な長期の建設方面の資金としましては、農林復興金融というあの資金を基礎にして考えてまいりたいと考えておるわけであります。もちろん農業手形といい農林復興金融といい、これは一つの借金のための方法でありますので、農林金融としてのまず基本は、自分自身の力を最も蓄積すると同時に、それを管理運用いたしまして、まず自力によつて必要を満して行くというのが根本であるのでありまして、現在はもつぱら資金の流入の計画といたしましては、そういう方法につきましていろいろお願いをしておるわけでありますが、とうていそれではまかない得ない。ほかから資金を導入しなければならないというその道筋といたしましては、來年におきましても、農業手形の制度は営農資金として相当重要な役割を演ずることになるだろうということを予想しております。そのために、農業手形という制度が二十三年の春非常にあわただしい時期に生れました制度であるために、制度自体として考究改善すべき余地がありはしないかということを絶えず反省しながら、現在もいろいろ、來年も農業手形を再び使う場合には、その制度も現在の制度の足らざる点を改善したものを使うことによりまして、農業手形というものの効果を十分出したいという方向で、いろいろ研究もいたしておるわけでございます。 また長期資金の方面の農林復興金融の方は、御承知の通り、來年の三月まで大体四十億という目安で、暫定的の処置ではありますが、すでに仕事にかかつております。この四十億というのは、來年の三月までの目安であります。これを四半期別に資金計画として固めて行くわけでありますが、第三・四半期としては、その中の二十億円という資金計画のもとに、ただいま申込み、受付、貸出しを開始しておるのが現状であります。もちろんこの長期資金の方は目先の必要を満たすと申しますか、目先の必要には違いありませんが、農業経営の根本的な点に眼目があるのでありますから、それが農村金融といたしましては、戰後の農村経済の建直しの根本と裏腹になつてその需要を満たす。それから目先の時期的に起つて來ますところの営農資金等の必要に対しましては、農業手形の制度を活用いたしまして、農村自身の力の足らざる点は、ほかからの金融的な援助によつてそれをまかなつて行くというような方法を、大体農林金融の現在として私どもは考えており、また観測しておりますところの現状であります。
○坂本委員長 ただいまの御説明に対しまして、御質疑があれば御発言願います。
○野原委員 この機会に大藏当局の方に伺つてみたいと思います。 農村金融の問題に関連を持つておりまするが、特に林業関係の金融問題が、現在非常に農業以上に逼迫しております。しかも從來の金融の関係から見ますと、常に農業のごく一部に林業部面の金融が取上げられておるという程度で、農林中央金庫というものがございまして、名のごとく農と林となつておりますけれども、事実におきましては、その融資されておる事情を見ると、林業関係の方はほとんど全体の三%ないし四%程度しか借りていない。森林組合がこの融資の対象として多少借りておるけれども、林業として扱われているのは非常に少い。かねてから健全な農村というものは農と林が一体となつてやつているのであつて、その点から見ても、林業方面に対する金融というものが、從來非常に軽く考えられておつたということは、非常に遺憾とするわけであります。そこでこういつた問題を根本的に申し上げる機会でもありませんから、この問題は一應省略いたしますが、ただこの機会に伺つておきたい点がある。それは薪炭の問題であります。炭やまきが生産されるのは、農村の人たちが專業として出す場合もあり、あるいはまた副業としてやつておる。この薪炭の生産のために相当莫大な資金が使われておるわけでありますけれども、これが金融面において今日非常に逼迫をしておるということであつて、至るところ薪炭の生産需給を円滑ならしめるためには、どうしても金融の措置を講じてもらいたいという要望が非常に強いのであります。そうして薪炭の大部分というものは、御承知の通り生産者から政府がこれを買い上げまして、薪炭需給特別会計によつてこれを消費地帶に送り、消費者の手に渡るという仕組になつておるわけでありますが、この薪炭需給の特別会計が買い上げる場合におきましては、これを駅頭で買い上げる、あるいはまた、もよりの集荷の倉庫において買うということでございまして、この点においては——相当に集荷地点、買上げ地点は生産地に近くなつておりますけれども、この薪炭生産というものの性質上、倉庫まで出すとか、あるいはまたもよりの駅頭まで出すというまでの間にも、すでに長きは一年、半年というふうな相当長い間の仕事を時間的に要するわけであります。その間の金融というものは、まつたくどこからも出る道がない、生産者が苦心してやつておるというようなわけでありますが、特に木炭のごときは、生産されるものはことごとく政府の買上げになるのであるから、これは單に生産されたものが指定の倉庫なりに出る前において、何とかしてこの零細な木炭生産者に対して、ある程度の前渡しなり、あるいはまた買上げ地点をかま前、つまり炭を燒く所まで伸ばして行つて、そこで買つてもらいたいという要望が非常に強いのであります。先般の農林委員会の林業対策小委員会において、この問題は各派の方たちから強くお話がございまして、小委員会の意見としては、何とかこれらの事情を緩和するために薪炭手形等の制度をやるか、さもなかつたならば政府買上げの特別会計の資金のうちの何らかの措置によつて、生産者にある程度の前渡しを認める方法はないものだろうかということが、実は多きな問題になつたのであります。先般の農林委員会において、薪炭需給に関して政府に対する決議をしたのでありますが、決議案の中にもそうした問題を取上げまして、薪炭需給のために、何らかの金融的な措置を講ずる。薪炭手形の方法によるなりして、生産者の金融的な利便をはかり、そうして薪炭需給の円滑をはかりたいものだということが、特に決議案として決定され、政府に要望されておるわけであります。はたしてそういつたことが可能かいなか。また從來の概念から言えば、あるいは困難であるとしても、今後ぜひそういう点を十分考えてもらいたい。この機会に大藏当局の方から、その辺の御意向を伺つてみたいと思うのであります。
○岡田説明員 御質問の要点は、薪炭の生産並びに販賣に関する取引を円滑にするために、薪炭手形の問題をどういうふうに進めておるかという問題、それから特別会計の支拂いを円滑にする。円滑と申しますよりも、前拂いという制度によつて金融をはかる道はないかというお尋ねであつたと思います。薪炭手形の問題は、農業手形よりはやや一歩遅れたのではございますが、今お話のような生産者の御要望が非常にあるということは、私ども痛感いたしまして、何かこれを金融技術的に、農業手形と並んで実現するような道はないのかということを、継続して研究して参つておつたのでございます。ただこれがいまだに実現をしない難点は、これはきわめて技術的なことになるわけでございますが、第一には、今の農業手形のもとになつておりますのは、その対象である主要食糧が、政府の買上げという点においては木炭と揆を一にするのでありますけれども、違う点は、供出についての政府の力が薪炭の場合よりも非常に強いということ、具体的に申しますと、強制的に買上げをすることまで行けるというような点が一点、それから主食につきましては、災害の場合に農業共済制度がありまして、天災等によつて收穫のなかつた年であつても、共済金としての收入を獲得することができるということが、あの農業手形をつくり上げた金融技術的から申しまして、非常に強い根拠であつたわけであります。この農業手形は御承知の通り金融市場一般におきましても、日本銀行の割引の対象とされるだけに、非常に対外的に強い信用力を與えられるという関係上、その手形のもとになりますところは、金融技術的に見て、間然するところがないと申しますと少し語弊がありますけれども、とにかく金融の專門家から見ても欠点のないように組み立てられておるのが、この農業手形なのでございますが、それに比べると薪炭手形の方は、今の政府の買上げの点と、それから保險がないという弱点がありますために、どうしてもそこに乘り切れない一つのみぞができまして実現を見るに至らなかつたわけであります。しかしながら最近薪炭の需給規則も改正になり、供出等につきましても、主食には比較にならないといたしましても、相当強い力も出て参りました現在といたしまして、何かこれを実現の方向に向つて、もう一歩進めてみたいという研究はいまだに続いているわけであります。それでただいままでの経過といたしましては、今申し上げましたような点が、專門家から見ても技術的な難点といたしまして、ものにしたいというみなの希望にかかわらず、実現に至らなかつた実情でございます。しかしながらこの問題にかかわらず、何とかして今の原木資金に対する金融の道を新しく開きたいという私どもの希望は捨てておらないわけでありまして、今後といえども御希望に副うような方向でもつて檢討を続けて参りたいと思つております。 それから薪炭代金の支拂いを迅速に円滑にするという方法、これは廣く言えば金融の問題でございますが、直接的には薪炭特別会計自体の問題でもございますので、私からこまかに御説明申し上げるのもいかがかと思いますので、御希望の趣旨を伺つておきまして、なお林野局等とも打合せまして、御希望の趣旨に副うように研究を続けて参りたいと存じます。
○野原委員 なおこの機会に金融課長に伺つておきたいと思います。先般のアイオン台風による風水害の被害は激甚でありまして、農村に関係のあるあらゆる方面で災害復旧のための融資が考えられておる。どうも先般二、三の方面を調べましたところが、あの風水害の第三、四半期に、復金の方から農林の災害復旧の予算として考えられておる金融が、まだ貸付が実現されていないということを聞きまして、はなはだ遺憾に考えておるわけであります。先日も岩手縣からこの関係で出て参りまして、そうして特に林道の復旧、あるいは製材工業の復旧というようなものに対して、ぜひ急いでもらいたいという要望がございました。すでに雪もちらほら降つて参り、場所によつてはもう、ね雪になつておる所もございます。それを第三、四半期でせつかく融資をいただけるというようなことで、大体の見通しのもとにやつておつたものが、まだきまらないというようなことは、非常に残念に考えております。何とかひとつ急いでやつてもらいたい。先日も林野局方面にも行きましてその問題をお話しましたら、関係の係官の諸君は一生懸命にやつておるようではありますけれども、事実においてまだきまつていないということがあるので、聞いて見ますと、何か農林部内の方で、食品局の関係の方がまとまらぬというようなことのために、全部がまとまらないで、話がまだきまらないというようなことも聞いておりますけれども、この風水害の災害復旧のごときは非常に急を要するものであろうと思いますので、もしまとまらぬものであるならば、まとまつたはつきりしたものからどんどん進めていただくように、この機会にお願いをしておきます。
○岡田説明員 ただいまのお話でございますが、先ほど私が冐頭に申し上げました中に御紹介いたしました、農林漁業復興金融の中に計画されておりながら、実際の手続が遅れているという点を御指摘になつたと思いますが、これは先ほど申し上げました通り第三、四半期に——現在第三、四半期でありますが、すでに貸出しを開始しておりますし、その計画の中にはアイオン台風関係の復旧資金というようなものも相当含まれているはずでございます。從いましてお申込みの手続等が敏速に運びますれば、すでに貸し出し得る態勢には入つているわけだと思いますので、お尋ねの御趣旨は十分注意いたしますけれども、現状といたしましては、今申し上げたように貸出しの態勢に入つておりまして、事務的にどの程度進捗できるかという段階にあると思いますので、御了承願いたいと思います。
○菊池(重)委員 金融問題について二、三質問いたしたいと思います。農業手形の貸付けは、大体去年と同じような形式でやられると思いますが、当面の問題といたしましては農村としてはすぐ農業手形の必要にも迫られておらないと思います。一番必要なのは春肥の購入でありまして、その当時になりますと農村資金が非常に枯渇して、肥料の購入に困るのですが、昨年の春肥の購入につきましては、当時協同組合と農業会の切りかえのときで、徹底しない感もあつたでしようが、この農業手形というものが末端によく流通されておらなかつたのでありまして、今年はこの点に留意いたされまして、よく徹底して、この困る農民に貸し付けられるようにお願いしたいと思います。やはり今年も供出の米を担保に貸し付けるということになるのであるかどうか。それから個人でも借りられるのかどうか。その点お聞きいたしたいと思います。 それから次に役畜とか、あるいは酪農用の種牛、あるいは種豚というようなものの購入にも、何らか金融の道が講ぜられているかどうか。あるいは今日農地改革が大部分終結を告げまして、今後は農業改革に乘り出さなければならないと思います。近く外國からの安い穀物も入つて來ることでありますから、それらに対抗するためには、どうしても農業を近代的な経営に切りかえなければならない。それには大きな農具が必要であり、大きな農具を買うのにはまとまつた資金が必要になつてくるのでありますが、それらに対する金融の面はどうなつているかという点をお聞きしたいと思います。それから次は農村工業に対していかなる金融の道が講ぜられているか。以上の点についてお聞きしたいと思います。
○岡田説明員 今の御質問の第一点は、農業手形は來年も大体今年のようなやり方で行くか、收穫代金というものがやはり見返りになるか、個人についてはどうなつているかというお尋ねと思います。大体先ほど申し上げましたように、農業手形というものは金融技術的に許す範囲において拡大して、改良を加えたいということでありますけれども、現在の骨子は來年といえどもそのまま持ち越されると思いますので、御質問のような主食につきましては、收穫代金を見返りにするという今の建前はそのまま來年も継続いたします。 個人についてはどうかというお尋ねでございましたが、今年と來年の違います点は本年度は農業会が一面にはまだたくさん残つておるし、農業協同組合が一面にはできておるというような関係もありまして、農業会は今年の秋までにはなくなる運命にあつた関係上、農業会を中心に手形を組立てるということが技術的に困難であつたので、農家百体に手形を振出していただくというような形をとつたのでありますが、來年は農業協同組合を中心にいたしますから、農業協同組合から手形が始まるという建前に大体一貫すると考えられます。しかしながら結局信用の一番のもとは個々の農家にあるわけでありまして、個々の農家から農業会に申込を集め、それがまとまつて手形になつてくるわけでありますから、結局実際的には個々の農家が資金をお借りになると同じことであります。個々の農家の收穫代金が見返りになり、あるいは農業共済金が見返りになる。それが信用のもとになりまして金融が動くというのが仕組であります。またこれは商人系統から肥料をいただきます場合も、やはり結局個々の農家に結びついたものであります。そういつた意味で御了承願います。 それから役畜の購入、種豚の購入というお話でありましたが、これは今の農業手形でそこまで入るかどうかという点が第一の問題になるのでありますが、農業手形として現在といたしましてはそこまでは行きかねるのではないか、なお研究問題でありますが、そんなふうに考えております。と申しますのは、これは相当金額が大きくなりはしないかということになります。農業手形で借りる限度は、ただいまの所では共済金の限度ということになつておりますので、おのずからそこに借りる限度がきまつて参ります。役畜の購入、種豚の購入ということになりますと一匹につきましても相当な金額がかさみますので、それがうまく農業手形で借りられる限度と合うかという問題がありますし、もう一つは農業手形で購入される物資は、ただいま選び、あげられておる物資は、配給のルートも價格もみんなきめられたはつきりしたものだけであつて、しかもそれが市町村の証明によつて証明できるものというように嚴格に扱われております。それに比べまして役畜や種豚が配給のルート、市町村の証明というところまで押えられるかどうかというところにも、一つの難点がありはしないかという問題がありますので、もちろんこれは研究問題でありますけれどもすぐこれに入るかどうかということにつきましては、相当の疑問があると思います。 それから大農具はどうかというお話でありますが、大農具につきましても、御承知の通り配給規則に載つておりますところの農機具は農業手形の対象といたしまして現在でも入つております。しかしながら配給規則に載らないような大きな農機具については、農業手形はどうかという問題が、今申し上げました役畜や種豚と同じような問題が難点になつてくるのではないかと思います。なお大農具の問題につきまして、非常に金額のかさむものにつきましては、それが共同施設というような形で利用される限り、現在農業復興金融あたりも大農具ということは一應趣旨として取上げておるわけであります。この農業手形が一年勝負でもつて、借りたものをその年限りで返してしまうということになりますと、大きな設備的な資金は一年勝負ではちよつとむりだろうというようなことも考えられます。從つてこれは短期の資金という建前である。農業手形と申しますよりも、農林漁業復興金融というような大きな面と結びつけて問題を解決するのが、適当じやないかという考え方もできるわけであります。現に農林漁業復興金融の中には、そういう設備的なものも共同施設という名においていろいろ考えられております。 最後に農村工業についての金融対策というお尋ねがございました。農村工業という言葉は、廣く使われている割にはその内容がはつきりしない点もあるのでありますけれども、とにもかくにも農村工業として現在公に認められている金融対策といたしましては、復興金融金庫がこれを対象として取上げているのが第一であります。これは現在の復興金融金庫であります。これはこの前の第二・四半期から農村工業に対する資金計画というものを表面的に取上げまして、四半期ごとにきめます復興金融金庫の資金計画の中に、農村工業として前期は一億五千万円程度、今期もまた同金額程度見込むということを、計画の中にはつきりうたい込んで、また取扱いの要綱等もきめて、御要望にこたえたいというのが対策の一つでございます。また復興金融金庫といわず、現在の農林漁業復興金融等においても、共同施設という面で取上げられるものについては取上げられ得るわけでありますけれども、農村工業という名のもとに表立つて取上げるという対策といたしましては、現在の復興金融金庫の資金計画の中に取上げられて、計画的にいろいろ問題を運んでいるというのが現状でございます。
○菊池(重)委員 復興金融金庫の金を相当農村工業で利用したいという考えから、地方で縣廳あたりに話しても、縣廳の農林課あたりでいろいろ心配してくれますが、結局銀行の方に行くと、金がないというようなことで、ほとんど借りられない状態になつておるのですが、当局の方としては、どういう組織において、どういう形式において現在貸し付けておるのであるか、その点をひとつお聞きしたい。
○岡田説明員 手続的の点についてのお尋ねだと思いますので、先ほどの説明を敷衍いたしましてやや詳しく申し上げますと、現在の手続といたしましては、復興金融金庫の中で、大分けにいたしまして大口の貸付と中小事業に対する貸付と、二つのグループにわけて取扱わしておるのでありますが、大体農村工業というものは中小の事業の中に入るのが大部分でありますので、復興金融金庫の中の中小事業に対する対策の中で取扱うという建前をとつておるのがもとでありますが、その中で農村工業に対する金融対策について、中小事業の金融要綱の中にさらにもう一つ細分いたしました要綱をつくりまして、それによつてやつております。地方の窓口の貸出し方といたしましては、中小事業の金融の中で二百万円以下の申込に対しては、いちいち中央で審議することをせず、地方の窓口で、金の復興金融金庫の代理店限りでもつて專決をしてきめていくという方法をとつております。どの程度までその專決が許されるかというところに今お尋ねのような実際問題があるのでありますが、仕組といたしましては、二百万円以下であれば復興金融金庫の地方代理店限りで專決してきめて参るという、手続の上では非常に簡便な手続ができておるのですが、それが実際問題としてうまく行かないという御不満をときどき承りますのは、何分総額といたしまして、現在第三・四半期として拡充をいろいろお話合いが進んでおりますようでありますが、第二・四半期あたりでは全体として五億五千万円程度が代理貸の程度でありまして、しかも時期的におくれてしまつたので、一地方の一代理店の扱いは非常に狹いものになつておつたようであります。手続としてはあるのだけれども、金繰りの関係でたくさんの御要望に應じきれなかつたというのが実情ではないかと思います。今の問題についての対策といたしましては、極力金繰りの点で貸出のゆとりをつけてもらうということが問題であると思うのであります。現に中小事業の金融対策の一つといたしまして、今のような問題が現在もいろいろ打合せされておるのであります。
○坂本委員長 この際委員長からお尋ねいたします。農業金融四十億のうち、第三・四半期二十億の貸付に対する内訳を伺いたいと思いますが、御説明願います。
○岡田説明員 資料をのちほど委員会にお届けいたしたいと存じます。 —————————————
○坂本委員長 この際農業課税に関しまして大藏省主税局正示監理部長から御説明を願いたいと存じます。
○正示説明員 それでは御指名によりまして私どもの考えております農業所得者の課税の基本的な考え方を御説明申し上げたいと存じます。 御承知の通り前年度の農業所得に対する課税は、年度末に一度に行われまして、先ほど農林省からも御説明がありましたように、相当各地で予想外の納税をしなければならぬというような事態が起つたのであります。これはまことに当局といたしましても遺憾に考える次第でございますが、本年度はこの面におきまして、ぜひひとつ年度初めから十分、現在行われておりますいわゆる申告納税制度を各農家の方々に周知いたしまして、御理解をいただくということに非常な重点をおいて参つたのでございます。なお御承知のように、先般の國会におきまして所得税法その他が非常に大きく改正を加えられまして、特に低額の所得というような面につきましては、課税の合理化に資するような種々の改正が加えられたのも御承知の通りでございます。かようにして改正せられました税法も、その根本は、御承知の通り最も民主的な自主申告制度でございますので、私どもといたしましては、制度は非常にりつぱでございますが、その行われる実施の姿が、前年度は相当理想とは遠かつたとも考えまして、先ほど申し上げましたように、この自主的な申告制度を、できるだけ理想的に実施できるようにということが一番大きなねらいでありました。そういう意味をもちまして、特に單作地帶のような特別の地帶を除く一般の農家の方々に対しましては、去る七月及び十月におきまして、大体当時の状況によるところの所得の予想額を立てて、これによつて各農家に自主的な申告をお願いするということをいたしたのであります。反面一般的に税制の内容につきましては、全國的に各納税者の方々の御理解をいただくという努力を重ねながら、特に農家の方々に対しましては、一應七月なり十月の実況によりまして申告をしていただくための目安というようなものを公開をいたしまして、農家の皆樣方の申告の利便に供したというのが実情でございます。しかしながら目下のところ、一般的にこの申告納税の成績は非常に不振でありまして、私どもの考えておるところにはなかなか行つておらぬのであります。今後におきましては、一月に最終的な御申告を願うわけでありますから、この御申告にあたりましても、さらに強力にわれわれとして考えております一應の標準率と申しますか、こういつた目安を公開いたしまして、農家の皆樣方の御申告の一應の目安を示す、それによつて御申告をいただくわけでございますが、一方におきましては、役所の方でも各種の農業関係の團体等の御意見も十分拜聽いたしつつ、この課税関係の資料を整備いたしまして、役所として考える所得額と、御申告された所得額との違うような場合におきましては、二月に入つてからいわゆる更正決定ということをいたさなければならぬのでございます。われわれとしては、農家の皆樣方の御申告が誠実で正しく所得を計算され、税額を計算されるという域に一日も早く到達しまして、この更正決定というふうなことがほとんど必要でなくなるという事態が、一日も早く到來することを念願いたすのでございますが、今までの経過からいたしますと、なおそういう理想の状況には相当遠いものと考えている次第でございます。前國会におきましても、当委員会からもいろいろお話がありまして、私どもの考えを申し上げたのでございますが、この際大体のことを申し上げますと、先ほど申し上げましたように税制の改正が行われた関係が主でございますが、一方におきまして、先ほどもお話のありましたように、農業の收穫が相当多かつた、また主たる米、かんしよその他の農作物の價格が相当引上げられたこと等の関係上、全國的に申しますと、農家の所得は前年度の約二倍以上というところは大体確実なところではないかと考えられるのでございます。前年度は、これはすでに申し上げたかと存じますが、全國の平均で農家の一戸当り所得額は大体三万円程度でありまして、それに対する税額は五千円程度でございました。今年は、ただいま申し上げましたように、生産その他價格の増加というものを考慮いたしますと、今回國会に提出いたしております補正予算等も含めまして、大体のところ全國平均で所得額は六万五千円見当に相なろうかと考えられます。ただこれに対する税でございますが、これは先ほど申し上げました税制の改正によりまして、所得の増加がこれで二倍以上になるのでございますが、税額で申しますと大体九千円、これは扶養家族等の関係がございますが、九千円見当になろうかと存じます。そうすると負担の増加はやはり八割見当でございます。前年度の税率をそのまま適用いたしました場合は二倍半以上になるところを、大体八割見当の負担増加ということに相なろうかとわれわれは見ている次第であります。先ほども申し上げましたように、私どもとしては、年度の初めから及ばずながらいろいろ努力をいたしまして、また七月、十月の予定申告におきましても、積極的にいろいろとわれわれの考えるところをお示しいたしたのでございますが、いよいよ一月の確定申告の際におきましては、どうかひとつ農家の方々におかれましても、所得の計算等については、かねて当委員会にもお示しいたしましたような計算例等も用意いたしておりますので、これによつて適正な所得の計算、税額の計算を行われまして、申告がほんとうに正しいものであることを切望してやまないのでございます。 大体の考え方といたしましては、さような考え方をもつているのでありますが、特になお一言つけ加えたいと存じまするのは、目下問題になつております超過供出等の問題であります。これにつきましては、先般來各方面と種々折衝を重ねておる次第でございます。これも基本的な考え方といたしましては、現在施行されております税法によりまして、收入の増加はむろん総收入としてこれを計算する、ただ一般的に必要な経費以上に会計の收穫のために必要とされました経費につきましては、これまた適正に経費の計算をいたすという建前をとりまして、これによりまして、せつかく超過供出をされる農家の方々に対しまして、過重な負担のかかることのないように心がけるつもりでございます。半面せつかく多量の收穫がおありになつたにかかわりませず、超過供出をなさらないで、一方これを不正の処分をされるというような場合におきましては、これに対しましては、嚴重に所得の増加という面をとらえまして、その課税を嚴正に行いまして、正しく申告される方々との負担の権衡という面につきましては、十分われわれとしましても留意いたして参りたい、かように考えておるのでございます。大体の方針といたしましては、以上申し上げた通りでありますが、なお御質問によりまして、説明をいたします。
○八木委員 農業課税に関する申告制度は、本年は二年目であるがなかなか不振であるということは、大藏当局も認めますが、私どももそれを信ぜざるを得ないのであります。これは正直にありのままに申告しておきましても結局は更正決定の押しつけで終つてしまうという非常に苦しい経驗を持たされた農民諸君から言えば、またうなずくものが多いのであります。今御説明によりますと、標準とか目安とか、あるいは目途とかいう意味で、ある目標をもつておるというお話でありますが、これが目標でなく、目途や、目安や、標準ではなくて、実は割当を同じような結果に、納税の末期である三月になるとなつてしまうということを恐れるのであります。これが一番問題でありまして、その点についての御質問を第一として伺いたい。いかなる内容と方法をもつてこれが標準であり、目標である。どこまでも目安であつて、これをもつて押しつけて、そこまで行かなければ更正決定にしないのだ。これまでの納税をしてもらわなければ、その税務署の成績に云々するというような考えは毛頭ないのだという点は、昨年も相当言明はしていただきましたが、新しい年であるからという事情も考慮されたのでありますが、本年は昨年の苦い経驗によりまして、行届いた処置が行われておるはずだと信じますが、いかなる方法、内容をもつて臨んでおられるか、詳しく御説明を願いたいと思います。 次は、一般の所得に比べまして、農業所得は一律一体になりがちである。隠すこともできない一年一回の收入を目当てにして、土地を主体としておりまして、しかも課税の対象が反別と、こう來ます。今御説明を伺いましても、去年は全國の平均がこれであつたと言いますけれども、これは反別に割当てますと大体反別に基準を持たす。そうなると機械的に、一律的にならざるを得ない、畑が一反幾ら、田圃が一反幾ら。ところが農業は大自然を相手にいたしておりまするし、人力をもつていかんともすることのできない事態が頻発しております。この人力をもつて何ともできない事態を前にいたしまして、正直に申告した農家が持つて行きましても、第一点で伺いましたような目途に、目標にとらわれる税務当局は、これを聞いてくれない。このところに疑問を持ちますから、お伺いの第二点として尋ねたい。反別について畑、たんぼというように反別割——の反別割といいますか、反別を目標、目途にいたした指導をなさる意思があるか。またやつておる事実を認めますけれども、これに関する御所見はいかがであるか。これを伺いたい。 第三点は、超過供出に対する課税が今なおきまらないのは、非常に遺憾とするところであるが、客観情勢にある事情を承知いたしておりますので、その点については一層の努力を拂つて、すみやかに解決していただきたいと希望しますが、ここに問題として考慮したい点は、超過供出をすることによつて、総合所得がわずかのところで税がふえて來る。それからまたそのために累進課税が非常に響いて來る。そういうことはないように匿名供出で云々と、処置を考えると言いますけれども、結果的には私は今ある程度では、累進課税と総合所得税等から來る方の担税能力に非常に響きを持つということから、人情として、これはどうしても超過供出は何とかしたいと思いながら、できないというところに追い込まれると思う。結果はかつての小包米のように、縁故者に縁故米と称して二十万石を予想し大騒ぎをいたしたけれども、一斗か一斗八升だつたか、物笑いになつたような事実がありますが、今度の超過供出におきましても、徴税の方の関係における考慮が浅いために、今私の指摘しました二点のために、期待するごとき結果が得られないのじやないかということを心配する。これについて税務当局は、技術的にどういう考慮を拂う用意があるか、この点を伺いたい。以上三点をまず承りたいのであります。
○正示説明員 御質問の第一点は、いかに誠実な正しい申告をしましても、これに対しまして、政府は一應予算額の確保というふうなことに縛られておる関係上、結局一定の税額を確保するということが、結果的に行われまして、これがいわば割当のごとき結果になるではないかという御趣旨のように拜聽いたしたのでございます。これにつきましては、しばしば各方面からもそういう御意見があるのでありますが、われわれといたしましては、まつたくそういうふうには考えておらぬのでございます。われわれの考え方は、去年も行いましたが、本年度の所得税收入の確保につきましても、一應立てておりますやり方でございます。これはいわゆる官廳の内部、すなわち上は主税局から全國に今回十一の財務局ができたのでありますが、税務署は四百九十七の署がございますが、これらの官廳の内部の事務の遂行上、でこぼこがありましては非常に困るのでありまして、全國的な資料を総合いたしましたところの状況に基きまして、いろんな所得につきまして、税法を適正に行う場合には、全國で大体どのくらいの税額になるか、これを各地域の状況によりまして、地域別に算定いたすならばどういうことになるかという、官廳内部におきまする執務上のバランスと申しますか、あるいは努力目標と申しますか、いわゆる努力の目途を示しておるにすぎないのでございます。割当ということになれば、これは國民と政府との間に直接に一定の金額を確保するということが割当であろうと思うのであります。ただいま申し上げましたように、政府の方の努力目標は何ら納税者を相手にするものではないのでございまして、まつたく官廳内部の一つの目標額にすぎないのでございます。從いまして、その当然の結果といたしまして、政府と納税者との間を拘束するものは税法でございます。納税者の方々はどこまでも税法の規定によりまして、收入を計算し、必要経費を控除して所得を計算し、税額を算出してお納めになる、これが現在やつております税務運営の基本方針でございます。この点につきましては、われわれといたしまして、今お話のように、一定額を各納税者に割当てるということは絶対にいたすつもりもございませんし、またいたしてもおらないのでございます。納税者の方々は、どこまでも税法によつて、御自分の所得を正しく計算し、税額を正しく計算してお納めいただく、かような態度は、私どもとしてはこれを國会のお定めになつた通りに実行いたしておるつもりでございます。なおそれに関連いたしまして、先ほども申し上げましたような点についての調査の問題でございますが、これは先ほどもちよつと申し上げましたように、前年度の課税は、年度末に押し詰まつて一度に行われたということが非常に大きな欠陷であつたと思うのであります。私どもはまず自主的な申告を慫慂する、強力にこれを勧奬して参るという点に、年度当初以來の税務運営の方針の第一点を置いて参つたことは、先ほど申し上げた通りであります。一方におきまして、昨年度はいろいろ税務署の主体的な條件等にも制約されまして、また税法を運営して参りまする税務官吏も、新しい制度に慣れておらなかつたというような点も、やむを得ない事情としてございましたために、個別的な事情の調査等におきまして、手不足あるいは能力の不足というような点から、非常に多く御不平があつたかのように承知いたしておるのであります。むろん人間の素質は一年や二年で急に向上するものでもございませんし、手不足のところに人員を補充いたしましても、それがすぐに役立つというものでもございませんが、それにいたしましても、私どものできる限りの努力をいたしまして、人員の充足、また税務官吏の素質の向上のための再教育という面は、本年は相当積極的に年度の初めから計画的にこれを実行いたしたのでございます。これによりまして、第一線の税務官吏の調査につきましても、現在持つておりまする能力によつて、できる限り個々の実態を把握して参る、この個別的の実態把握によつて、適正な申告に対する判断力をつけるという面をわれわれは非常に努力いたして参つたのでございます。この点なお十分とは参らないかと思つておりまするが、とにかくかような努力の点につきましては、ひとつ御了承を願いたいと考えるのでございます。なおこれまた同樣な事情から、昨年年度末におきまして十分行い得なかつたうらみのありますいわゆる團体諮問でございますが、これにつきましては、先ほども申しましたように、相当前にいろいろ準備をいたしまして、農業関係の公正な團体の御意見あるいは資料の御提出というような点は、非常に積極的にやらしておるのでございまして、これらの点につきましても、それらの適正な御意見を十分参考にいたしまして、これによりまして、御申告に対する判断また更正決定の資料を誤りなく運用して参りたいと考えておるのでございます。 御質問の第二点でございますが、これは先ほども申し上げましたように、現在の基本的な趣旨から申しますと、各納税者の方々の主張も十分していただきまして、それによつて御申告いただくというのが建前であることは、これは申すまでもございません。ただ遺憾ながら、各農家の方々に、この記帳の整備というようなことをつとにお願いできないようなことになつている関係上、これはまつたくやむを得ない措置といたしまして、反別なりあるいは石当りというようなことを一應基本にいたしまして、いわゆる標準率というものを算定いたしておるのでございます。しかしこれまた前年度におきましては、相当一律にわたつておるというふうな御非難もあつたかと存じます。私どもとしましては、本年度は同じ町村の中におきましても、地方差あるいはその他の種々な客観的な條件の相違を考慮いたしまして、これらの標準率もできるだけ細分いたしまして、一律的にわたらないように努力をいたしておるのでございます。この点も一日も早く理想の域に到達したい。また一方におきましては、その理想の域に到達いたさない前におきましても、税務官吏の能力のある限り、この実情の調査という面につきましては、できるだけ細密を期したい、かように考えておるのでございますが、なお申告納税制度施行第二年度でございまして、十分とは参らないにいたしましても、極力さような実情把握に努力いたしておるということは、御了解を願いたいと考えます。 第三点の超過供出の問題でございますが、これは今御質問の中にもございましたように、実は種々デリケートな関係がございますが、私どもの根本的な考え方といたしましては、正直な供出をなすつた方々に、不当な負担の過重によつて、かえつて損をさせるというようなことのないことを、基本的な態度といたしまして、進んで超過供出をしていただけるというところを目途に、実際の運営の上におきまして、さように持つて参るべく各方面と種々折衝をいたし、また実際事務の運営に当ります者の心構えをつくつて参りたい、かように考えているのであります。その点あまり詳しく申し上げられませんが、さように考えておりますことだけをはつきりと申し上げて、御了解を願いたいと思います。
○八木委員 質問の第一点は、本年は昨年のような結果には持つて行かない、言いかえれば、押つけ的な標準、あるいは目標、目途、そういう結果には持つて行かないということを基本的に考えられて、今日まで事務を進めて來たという御答弁でありますから、その点は満足いたしますが、はたして結果はどうなつたかということを重ねて伺いたい。結果と申せば、今まで申告を、七月、八月その他で事実処理をしてみて、大体今の調子で行けば申告通りに認められそうだというものが、全体の何割ぐらいを占めておるか、これは見込みでありますから、事務に携つておる者の勘でなくては出て來ませんので、そこを伺いたい。裏からこれを換言いたしますならば、來年の三月の更正決定で、全面的に更正決定になつてしまう結果に至らない部分が、どのくらいを占めるという見通しでおられるか、この目途を伺いたい。 第二点の税を反当一律一体につけて、畑は幾ら田は幾らというふうに運営いたさないで、どこまでも自主的な申告で行くという抽象的な御方針は了解いたしますが、具体的に現地において——あなたの管理している第一線の税務署においてはどうかということを見ますと、そうした材料を出せと言えば私出しますが、必ずしもそうなつて行かない。どうしても実際は一律一体なのだ。日の当らない山の陰のたんぼも、日の当る水のよい所も一律一体なのだ。この事実が一つや二つならいいのですが、全面的に指摘される事実の前に立つておりますから、この点は重ねてただしたい。ことに本年の農業状況から行きますと、たとえば赤うんかのような被害が起きた所も、農業共済保險の対象にもならない。それから生ずる供出の補正の対象にもならない。しかも税は今私が指摘しておりますように、昨年のように一反歩について田は幾ら、畑は幾らという調子で來られましては、第一点において心配しておりますように、更正決定で結局押しつけられてしまうという結果になりますと、三月の納税期を前にいたしまして憂慮にたえないものがあるのであります。この点をいま一度納得できるように御説明を願いたい。 第三点は、農林委員会で取上げて行く線は供出の関係でありますから、税務当局に向つてはこれ以上追求いたしませんが、税務の当局として考えておいてもらいたいことは、一体累進税というものは累進課税的なものを勤労者、農民とかほとんどが汗とあぶらで企業をして行く者に向つてかけるということは、本質的に私はどうかと思う。汗出して寝ずに働く氣が、ばからしくて起きなくなつてしまう。税の面から見たときに、要領よく働くということになつてしまう。だから農家に対する総合所得、あるいは勤労者に対する累進課税の問題は、これは本質的にかえなければならぬものじやないかという顧慮を持つておるのであります。これは関連がありますから農林委員会でありますが伺いたい。
○正示説明員 ただいまの重ねての御質問でございますが、実は本年度の七月、十月の状況は、先ほどちよつと一般的に申し上げましたように、なお非常に不振であります。まことに残念でございますが、私どもの努力がまだ足りなかつたと思うのであります。今日までのところ、なお私どもは絶望はいたしておりません。それは一月の確定申告で最後の勝負がつくわけでございまして、それまでにただいまいろいろ申し上げましたように、個々の農家の方々に対する何と申しますか、御参考にわれわれの考えというものも、もう少しはつきりしたものをただいま準備しておるのでありまするが、これらを各第一線におきまして地域別にお示しをする。最後の確定申告の結果、これによつていよいよそれに対する更正決定の必要いかんということがきまつて参るわけでございます。これは納税者の方々と私どもの努力とが、どこまでその面で成功するかということにかかつておると思うのであります。今までの状況は遺憾ながら非常に不振でございますが、なお最後の確定申告ということに望みをかけまして、せつかく私どもとしては努力をしておるということだけを申し上げたいと思います。 それから第二点につきましての、さらに重ねての御質問でございますが、これはただいまお話の点は、本年度の申告の指導等において、そういう事実があつたのかどうかわからないのでありますが、前年度はたしかにそういう欠陷がございます。その点をわれわれとしては先ほども申し上げたように、種々の方策を講じまして、ひとつ改善をして参りたい。一律一体ということではまつたくこれは困るのであります。役所の方でもそういうことではいけないのであります。これはどこまでも納税者の方々とも力を合せて、実情の把握、また実際の事実の申告という面から、そういう一律一体にわたるような弊害は避けて参るということに努力をいたして参りたいと考えておるのでございます。なお災害の問題がございましたが、私どもとしてはこの災害の問題につきましては、これまた税法によりまして、それによつて收穫が減じた場合には、これは当然総收入に見て行く、かように考えておるのでございます。從いまして申告にも当然これが現われるわけでございます。またわれわれの側におきます判断の材料としましても、さような点を無視して更正決定をするということは毛頭なさぬつもりでございます。この点は農林省関係の災害保險とは多少意味を異にするかもしれませんが、私どもとしては、どこまでも事実に即應して参るという考えでございますから、その点ははつきり申し上げて置きます。 第三点の問題は非常に大きな問題でありますが、これは現在の所得税という建前から申しまして、これは各國ともやはり所得額の多くなるに從つて累進して行く。これは勤労所得でございましても営業所得でございましても、そういう建前は一應全体の負担の公正という点から、さような建前になつておる次第でございまして、これは將來さような問題が起るかもしれませんが、私どもとしては、一應そういう考え方でやつておる次第であります。
○加藤(吉)委員 今年の食糧事情から考えましても、二合七勺を維持するために、相当超過供出米に期待しなければならないことは論議されておるのでございます。こういう情勢下において、ただいま御説明になつたような奬励金並びに超過供出代金に対する課税に対しての、すこぶる抽象的な御意見、すなわち嚴正に公平に査定するとか、適正なる生産費は当然差引いてやるとか、こういうような当局のまだるい態度で臨んでおるならば、決議をしております院議にも反しますし、あらゆる方面の関係團体が心中まことに迷つておる点について、非常に熱意のない当局であることを私は遺憾に思う次第でございます。もつと具体的に、この奬励金に対して全免するかどうか、超過供出代金に対しては三分の一は課税する、三分の二は減免するとか、全廃するとかいう点を早く農民に——もう納期が迫つておる。もう今日当局が態度を明らかにして末端へ届けるようにしなければ、とうてい一月の納期に間に合うまいと思う。こういうような状態では、大きな期待をかけておる超過供出米の供出成績に、非常な甚大な影響を及ぼすものと思う。もつとはつきり具体的な答弁があつてしかるべき時期であると私は考える。 第二に、農家一戸当り大体平均六万五千円の所得と見るというお話がありましたが、六万五千円という標準農家はいかなる経営規模に基いてその算定をなされたのか。家族人員並びに経営規模の算定の基準をお示し願いたい。 それから当局はいつも抽象的に上手に説明をなさるのでございますが、農村の所得課税というものは、大体において地域的に差異はありますが、一反当りの所得は幾らかという点で、われわれ農民は当局と非常に見解を異にしておるが、この点で末端農民においても大きな論爭をやつておるような次第でございます。大体昨年徴税をなさつたので、全國的な所得のとり方について相当経驗をお持ちだから、今年度の徴税に対して、田一反当り所得をどのくらいにするか、または地域的にわけて、どのくらいな所得を末端の税務署長に指示しておるか、畑一反についてどのくらいな所得を地域的に指示しておるか、この点を明らかにしていただきたいと思います。 第四に昨年べらぼうに過重な徴税とむりな徴税技術によつて、農民がほとんど共産党へ入りたいというような大きな國民的動搖を起したことは事実でございますが、今年これを再び繰返してはならぬと私は思うておる。それについてただいまの穏健なる各團体の資料並びに意見は尊重してやるというような御意見によつてのみ解決し得ないと思われる。それについて新聞紙上で見ておるのですが、行政措置として、各税務署において自主的に生産者を十名内外入れた審議会というものを招集して、生産者に相談をして適正な反当り所得をきめて行こうということが載つておりますが、はたして全國各税務署が、法文化されなくても、行政措置としてそのくらいな程度に、生産者を交えて、十名内外の生産者によつて意見をまとめさせるというような方策をほんとうにとられておるのか、おらぬのか、確実に御回答をお願いしたい。 最後に私は、こういう複雜きわまるところの生産費に対して、農民の所得を判定することは非常に困難であるから、供出に対して源泉課税一本建でやる徴税方法を研究して改正すべきである、こういう意見を持つておるのでありますが、当局はどういう見解をとつておるか、御意見を承りたい。さしあたりこれだけ御答弁を願います。
○正示説明員 ただいま超過供出に対して非常に御憂慮のある御意見を承つたのでありますが、私どももその意味におきましては、御質問の意味とまつたく同じ考えでございます。ただこれは最初からの行き方でございますが、どこまでも税法は改正いたさずに、現行の税法のもとにおいてやるという内閣の方針を体しまして、私どもはやつておるのでございます。從いましてただいまお話のように、はつきりとどうする、こうするということを言えと言われることは、たとえば三分の一にする、あるいは全免するとかいうようにはつきり言明しろという御趣旨でございますが、これは現行税法を運用して行くという建前から、先ほど申し上げた程度しか申し上げられない。税法を定めまして、たとえば一時所得のように半分だけとか何とかいうことは、税法にはつきり規定されなければ……。
○加藤(吉)委員 そういう算定方針であるということを指示なさることは、税法違反でないと思います。
○正示説明員 そういう指示をすることは、はつきり税法違反であると私どもは考えておるのでございます。 それからなお本年度の前年度と比較しての一戸当りの所得でございますが、これは全國の総平均でありまして、一定の規模の農家をとつての所得ではありません。全國平均の農家の所得をこういうふうに見ているというわけであります。 それから第三点に、一反歩当り幾らと指示をしているかという質問でございますが、さような指示はいたしておりません。 なお第四点として、税務署において勝手に審議会をつくつているということでございますが、さようなことも現行税法においては認められておりませんし、私どももやらしてはおりません。 なお第五点で、源泉課税にするという御意見でございますが、私どもとしては、先ほどもお答え申しましたように、所得税の根本的な体系としまして、やはり農業所得というふうなものは総合課税されるべきものという建前を現在はとつておる次第であります。
○清澤委員 大体同じような質問になつて参りましたが、農民の税金に対する御当局の考え方の基本についてお伺いしてみたいと思います。しばしば皆さんから言われている通り、農業所得税の中に労力が計算に入つていないのでありまして、これが非常に問題になるのであります。工場等を中心にして、ことに機械等を使つて物の生産をやります場合には、機械の能率等を中心にして、労力と生産とは大体正比例すると考えても大した間違いはないと思うのであります。ところが農村における生産の基本をなす工場である土地は、地味の上において、地勢において、水利の関係が出て参りましたり、風の関係が出て参りましたり、自然の上からも非常な不利な地域を持ち、常に災害を受ける地域を持ち、あるいは地形によりましては非常な労力の便不便が生じている。また金をかけた耕地整理のできた場所、しかも國のたくさんの補助金等をもらつて、非常に便利な耕地整理のできた場所、あるいはそういうことのできない非常な山間部の場所というふうに、ほとんどその土地自体の條件が非常にちぐはぐになつているのであります。これは田一枚々々について非常な條件の違つたものであると同時に、これにかかる労力はすべて逆比例になるのであります。工場とは違うのであります。その上不便の場所、常に災害を受ける場所、もしくは地形が惡い、地味が惡いという場所は、労力がかかつてかつ所得がない、こういう非常なアンバランスを持つているのであります。それを労力を勘定しないで、ただ生産の上の率だけを中心にして今の税金が考えられておるところに、農村の納まらない感情が出て來る。これをどういうふうにお考えになつておるのか、まずこの点は御承認になつておるのかどうかということを私はお聞きしたい。それでこの問題はわずかの人間のそろばんの上の計算では、廣汎な自然が大体を支配する上からとうてい計算しきれないその不合理性でありますか、このバランスをとりますために、古來日本の國には、徳川時代以來今のちようど供出に似ましたところの一つの年貢の取立てがありましたので、その当時の緩和手段として持たれましたものが、われわれ信濃川の沿岸のごとき水害が始終多い所には、刈地制度というものを使つて、そうして十年ごとに地所をわけかえてこれの緩和をしてやる、あるいは隠田をつけてこれの緩和をはからしてやる。もしくはそういう所でないとしましても、大体古來においては刈地と申しまして、結局地積を中心にするのではなく、ある四百歩の地積を與えて、これが一反歩だとして收穫を見てやる、あるいは五百坪の地積を與えて、これが一反歩の收穫であると見てやる、あるいは二百八十坪で一反歩と見てやるというふうな、一つの極端な例でありますけれども、そういうふうにして、昔はとにかく手元に残る飯米が中心でありましたから、地所で加減をしてこれらのものを緩和する制度というものが、幾多の檢地割出しの小作騒動を通じ、あるいはあの昔小作爭議とでも申しますか、百姓一揆を起しますれば、村の名主以下みんなの首が飛ぶ中を、殿樣に対して反乱を起して、その小作爭議を通じてこの刈地制度の緩和の対策等を、これくらいにめんどうして、その経驗を積んで考えた一つの方法があるのであります。しかるに今の税金の考え方というものは、近代式の考え方で、ただ收穫の上の表だけを見てがちやがちやとやつてしまう。ここに重大な欠陷を持つておると私は思う。そうしますと、結論としましては、今八木さんや加藤さんも言われる通り、どうしても私は農業の課税に対しては、根本的に考え直さなければならぬ時期に達しておると思う。これをもし誤つておりますれば、加藤さんが言われました通り、共産党はさておいてアナーキストになりましよう。政府というものは何でもない。これは農民が持ちましたところの本來の性格であるということを、ほんとうにお考えになるならば、もつと眞劍でなければならない。そこでわれわれが申しますのは、ようやく事前責任生産をやつて、責任割当をやつて、その農民の努力によつて残つた跡片づけくらいのものは、農民の自由にして、そこで緩和をつける方法をやらなければならぬ。そこで今日の供出の制度が今の日本に必要である限り、農民にしてやらなければならないというので、あの事前割当のいわゆる食糧緊急措置令というものを、われわれは不承ながらも通して、そこに幾分の期待を持つたにもかかわらず、今年のごときわずか作がいいからといつて、供出が完納し、そこに超過供出分がある。そこへまた総合課税になりまして一万円が加わりますれば、非常に税率が上つてしまつて、かえつて收入割れを來すということでありますれば、出す意思がだんだんなくなつて來る。從つて現在新潟縣などにおいては玄米一升六十円か七十円、おととい帰つてみますれば、一俵千六百円でやみで町に賣りに來ておる。それで一万一千円になるこの米を出しはしない。こういう矛盾が現実できているにもかかわらず、今の御答弁を聞きますれば、今まで私どもはその筋の何か考え方があるので、あなた方がその点をどういうふうな御努力でその筋と御交渉していただいておるのか、祕密会をもつてしてもひとつお聞きして、そうしてあなた方の至らぬところがあるならば、われわれの知惠がまた有効であるかどうかは知らないが、それもひとつ御参考に供したいと考えておりましたところ、今加藤さんに対する御答弁を聞きますれば、それは法文がないからだと言う。これは本末轉倒したことであつて、今までのわれわれが了解したことは別の意味合いのことを申されておる。私どもがもしかりにこの法案を全会一致で改正しますならば、また必ず大勢としては改正しますが、改正した場合それは通るか通らないか、これだけはつきりしていただけば、今期中にもわれわれ農林委員は打つて一丸となつて、この法律は改正いたします。だからこれはひとつはつきりした御返答をいただきたいと思う。ことにさきの第三國会の終末におきまして、農業設税の報契金等の税金を免除してもらいたいという税法第三條第二項の修正を出しました際に、これは私は財務委員の方ではありませんから、はつきりしたことは申し上げられませんが、確かに大藏当局と財務委員会におきましては了解が済んで、そうして五〇%の計算でもつてはつきり計算がきまつた、こういう話を聞いておるにもかかわらず、最近地方税務署におきましては、そんなことは絶対ありません、そう一律のことはできませんということである。これではわれわれがあれほどはつきりとした口約を持つて帰つて、今度からこういうふうになつておる、こう申し上げておりますにかかわらず、それがさらに行われないということになりますならば、國民はだれを信用するかということになる。この点ひとつはつきりした御返事をお願いしたいと思うのであります。これが第二。 第三番目といたしましては、この超過供出の問題で、聞きますれば甲地、乙地、丙地にわけて、これは新聞の報道でありますが、甲地は四千何百円、乙地は三千何百円、丙地は二千何百円とかして、これを特別に早場米を供出するために経費がかかつたものとして税の計算に入れる、こういうお話でありますが、これは生産費の上にプラスする今言つた價格を認められるのかどうか。結局三千五百円の生産費の控除額といたしますならば、それに早場米の特別経費として四千何百円がかかつたからというので、約八千円近まのものが所要経費として認めていただけるのかどうか、この点をひとつお伺いしておきたいと思うのであります。以上三点について御答弁願いたい。
○正示説明員 どうも私は單なる事務屋でございますので、ただいまの御質問は、立法府の問題といたしましては、これは御意見に対しまして答弁する資格がないのでございますが、それに私ども税務の実際を運営する者として一應お答えしたいと存じます。種々御意見等は、やはり制度改正の問題が非常に多いのでありますが、一應私どもとしましては、現行の制度のもとにおきまして、運営をいたしておる建前でございますので、非常にお答えすることが苦しいのでございますが、現行制度におきまして認められております限りにおきまして、今おつしやられましたことは、いずれも十分そういう面を考慮してやつているということが結論でございます。ことに労力の問題を第一点としてお話になりましたが、農業所得の問題におきましていつも大きな問題は、自家労力の問題でありますが、これは一應現行の制度としては経費として認めていない。しかしながら他人の労力、雇人の経費というものは認めるという建前になつておりまして、それらの点からそういう点は十分顧慮はされておるのでございますが、ただ地方と労力との関係というような根本的な問題になつて参りますと、やはり現行の制度の建前は、收穫量あるいはその他の收入の面、それから経費の面に反映することによつてこれが調査されている。こういう建前で現行制度は立てられていると了解しております。それらの点が農業という特殊の立場から考えて行く場合に、非常に不徹底であるというような御意見でありますれば、これはやはり制度の問題として、別の機会に考えなければならぬ問題であると思います。私どもは一應現行制度のもとで許される限り、それらの点を考慮しているということを申し上げて御了解を得たいと思います。 超過供出の問題につきましては、これもやはり同じ建前のもとに、たとえば肥料代とか、あるいは投下労力というような面から必要な経費を引く。ただ新聞にちよつと出たのでありますが、一定の計算率と申しますか、そういうものを示しまして、甲、乙、丙というような三段階くらいにわけて、これを一率に引くという建前は、やはり現行制度から非常に困難であるということを申し上げておるのであります。これは單なる一つの計算の例でありまして、それによつてやるのであるということは、現行制度上非常にむずかしいのでありまして、どこまでも私どもは各地々々の実情に應じまして、よけいかかつた経費は十分これを斟酌してやる、こういう建前で運営をして参りました。先ほど申し上げましたように、その結果超過供出の意欲を阻害することのないようにもつて参りたい、かような考えで進んでいるわけであります。 第三点も二と関連をされた質問でありまして、結局所要経費という問題につきましては、私どもとしては、現在の税法によつて認められておりますものを十分考慮いたしております。以上御質問の御趣旨は結局において、現在の税法を基礎にして運営をして行くことになると、非常に不十分ではないか。もつとはつきりした特別な立法措置を講ずべきではないかという御意見のように拜聽したのであります。そういう方針に決定されるならば、これはまつたく別問題であります。私どもとしては一應現行制度のもとにおいて、ただいま申し上げたように、許される限度において十分それらの点を斟酌して、結果的に先ほど申しましたように、正直な農家に損をさせるということのないようにやつて参りたいというのが、今仕事をやつております者の心がまえであります。
○坂本委員長 時間がたいへん経過しましたので、質問も答弁も要点だけを簡潔にお願いいたします。
○清澤委員 それではごく簡單に一つ大事なところを言います。あなた方は種々その筋とも御交渉になつておるだろうと思いますので、お伺いしておきますが、ここに改正案を出しまして通るという目安がつきますか、つきませんか。あなたの御答弁だと、通りそうでもあるし、通らぬそうでもあるというふうにお話になりましたので伺います。通るものならやります。
○正示説明員 ちよつと答弁する資格はございませんから、そのことだけ……。
○菊池(重)委員 ただいままで監理部長の話を聽いておりますと、課税基準を押しつけない、あるいは反当一律の課税はやらない、そういうことはやつておらない、こう幾度も繰り返えして言つておられるけれども、これは同僚の諸君が全部認めておることでありますが、実際税務署においては押しつけをやつておつて、決してわれわれの申告をまともに取扱つておらない。これはいかに大藏省の方ではそうやつておつても、現実に税務署がやつておらない。これはどうしてかというと、税務署では一律にやれば一番樂なんです。簡單なんです。だからそれを押しつけておる。いくら監理部長がそう言つておつてもだめなんですが、これに対して過日も同僚の山口武秀君から当局の方へ質問書を提出されて、そうしていろいろ質問したのでありまするが、そういうことはみな否定しておる。しかし現実に地方では全部やつておる。これに対して大藏省では、特に監理部長はどういう見解をもつておられるか。そういうことをあえてやるところの、本省の指令に從わないでやつておるところの税務署の吏員に対して、どういう態度をもつて臨んでおられるか、その点をはつきりしておいてもらいたいと思います。
○正示説明員 これはまず基本的には先ほど申しましたように、税法に從つてやるのでございますが、なおそのほかにいろいろ通牒も出ておりますので、通牒に違反するという事実がございますれば、これは具体的な問題として考えなければならぬと思うのであります。ただ先ほども申し上げましたように、去年のやり方より、今年は多少ともわれわれの努力というものが現われて來ておるのではないかと考えておるのでございまして、去年は先ほど申したような特殊な事情から、納税者の方々も税の役人の方も、十分制度そのものを運用して行く上において不なれな点があつたのでありますが、年を重ねて多少はやはり改善されて行くものというように考えておるのであります。具体的に通牒違反の事実がございますれば、御指摘いただければそれに対しましてわれわれは相当の……。
○菊池(重)委員 具体的の事実を出せと言われるならきようお集まりの委員からじきに山ほど出て來ると思うのです。
○八木委員 押し問答をこれ以上続けましても、最も肝要な政治的処置の問題については答弁の限りでない。事務屋であり、運営の衝に当つておる者だからということはもつともでありますから、本日はこの程度で散会をしていただきたいと思いますが、ここに委員長に要求いたしたいことは、この質疑應答の際に明僚になつたごとく、現実的な問題としては、今監理部長も大体言われましたが、事務を運用して行く者にとつては、法律を誠実に施行しておる、惡かつたらその法律をかえればいいのだというようなことは、昨年全國の四百九十七もあるという税務署ことごとくと言つてもいいほど、窓口でひとしく言つた言葉です。文句があつたらお前らの選んだ代議士のところへ行きなさい、われわれは法律を忠実に守つてやつておるのだ、何が文句があるかというような事実は、いくらでも同僚諸君が指摘しております。私どももみな持つております。そこでそういうものが出て來た理由はと言いますと、法律を忠実に施行するために部内の通牒、取扱い、訓令、あるいは打合せ等の際におきまして、いわゆる税務署別の割当がある。その割当制を結局忠実にやつた者は栄轉して税務署から外に出て行く。こういうことになつておりますために、事実國民に向つては、なるほどそういうものはない、法律の通りやつております、申告制で、自主性を尊重して、持つて來たものを吟味して査定して行くのだと言いながら、実際は最も簡易な、最も樂な一律一体に反別割をいたして、押しつけをするということになつております。本年も再びこういうことになつたのでは、先ほど來指摘しておるような基本的な線について、國民の過半数を占めておる農民の、納税に関する國家意識にまで及ぶ大きな問題だと思いますから、私はここにこの問題をもつと政治的に明快にするために、農林大臣と大藏大臣を招致して、天下にこの点を明らかにして置きたい。こういうことを要求いたしまして、本日散会されんことを望みます。
○坂本委員長 お答えいたします。ただいまの八木委員の御意見の通り、大藏大臣、農林大臣を招致いたしまして、なおこの農業課税の点につきまして明らかにいたしたいと考えます。一應農林金融並びに農業課税の問題につきましては、本日はこの程度で質疑を打切りたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十二分散会