人事委員会 第3号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1948/12/07
会議録
○角田委員長 これより会議を開きます。前田君。
○前田(種)委員 委員会の劈頭に、官房長官が見えておられますので、緊急に御質問を申し上げたいと思います。 それは官房長官談で新聞にも出ておりますが、訴願審査の委員会を再び設けて、今日までたくさんのパージになつておられる人々の再審査の道を開いてやるという方法が必要だと考えます。特に選挙も近く行われるという寸前でございますので、愼重にやらなければなりませんが、また廣く人材がそれぞれの職務に再び復帰するような道を開いてやるということは必要なことであろうと考えます。そうした公職資格審査の委員会等は、一應任務が終つて、総理廳の一部で事務的なものをやつておるようになつておりますが、さらに訴願審査の委員会を新しく復活せしめて、そうしてこの問題をもつと大所高所から、いろいろな角度から再審査を受付けてやる必要があろうかと考えますが、こうした問題に対する政府の所見を、本委員会を通じて明確にしてもらいたいと考えます。
○佐藤(榮)政府委員 ただいまのお尋ねにお答えいたしたいと思います。吉田内閣ができまして、その冐頭におきまして大体追放関係も一段落ついておるのだが、その追放だと言われた方の中に、その後の事情によりまして再審査を必要とされる方が非常に多いので、内閣といたしましても、ぜひとも訴願の委員会をつくつて再審査の機会を與えて、皆さん方あるいは國民の要望に沿うのが望ましいのだ、かような話が組閣の当初において実はあつたのであります。しかしながらただいま前田委員からお話のような実情によりまして、訴願委員会はすでに解消し、そうして内閣の一部の監査課等におきまして、きわめて、小範囲でその事務を扱つておる。從いまして新たに訴願委員会を設けるといたしますならば、手続その他も必要でありますし、事前に関係の筋との了承を得なければならない。実はかような筋合いのものであつたのであります。昨日偶然のことから記者諸君からこの点についての質問がありましたので、吉田内閣成立当初からの大体の意向を、その機会に明確にいたしたのであります。ところが非常に話が順調に進んだと申しますか、けさほど総理からこの訴願委員会をつくる方向で、至急準備を命ぜられたような次第であります。從いまして私どもがかねてから考えており、また皆樣方の御要望の線にも沿い得るのではないかと考えまして、今朝來実はその準備を至急にまとめるべく手がけておるような次第であります。いずれこれはその関係の筋ともとくと連撃をとらなければならない問題であります。また事柄の性質上、一党一派に偏することなく、どこまでも公正な取扱いをいたしまして、再審査等もどこまでも公正に、また各方面からの支援を受けるような方法で委員会を設置し、今後の取扱いにおいてもそのような方向で、明朗な審査をいたす、かような考えでいるような次第であります。
○相馬委員 ただいまの官房長官の答弁で、公職適格審査に関することはよくわかりました。御承知のように教職員適格審査委員会というものがあつて、やはり同じような状況下に置かれております。これらの関係はそれに右へならえなのでありますか、また別なのでありますか、お伺いいたしたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 御承知のように教職員関係、あるいは財界関係、あるいは政治追放といろいろあるわけであります。ただいま総理から命ぜられておりますのは、政治関係の追放につきまして、まず第一に手がけてみたい。かような考え方で実はいるのであります。しかしながらこれは当面しております選挙とは別箇に考えておるのでありまして、順次この追放関係の再審査の機関は、一つのものができますれば、当然他も整備される。かように御了承願つてもさしつかえないかと思いますが、ただいま問題にいたしておりますのは、まず政治関係を取上げるという方向で、原案を練つておる次第であります。
○玉井委員 今の官房長官のお話によりますと、再審査をすることがむしろ皆さんの御希望に沿う。かようなお話ですが、わが党といたしましては絶対に御希望に沿いません。むしろ逆にもう一度再審査をなさるならひつかかる人間でありながら、まだ脱けておる者がたくさんある。これをもつと取締らなければいかぬと思う。その一面をやらないでいて勘弁する方ばかりをやるということは、結局今までの審査をやつたものが誤りであるか、あるいは事情が違うかという、二つのうちの一つなんですが、事情がかわつたということはどういう理由によつてかわつておるか、客観的にかわつたという理由を伺つて見たいと思います。さらにまた今お話にありましたように、衆議院議員選挙とは、何ら関係のないものだというふうにお話になつたのですが、審査というものと立候補というものは、切つても切れない関係にある。この問題をやられる以上は、やはり選挙と密接な関係があるといわなければならぬ。その点について今後どういうふうにされるか伺いたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 お答えいたします。前段につきましてのお尋ねのうちの御意見にわたるところは別といたしまして、私どもが考えております点で申し上げますと、先ほど前田委員のお話にもありましたごとく、追放関係は全部一應終了したということで、その点は実は大体問題なく、今日になつておるわけであります。当時追放審査をやります際に、きわめて短期間の中に訴願と併行して審査するということであつたのであります。ところがその後におきましてもこの資格申請につきまして、いろいろ疑義を生じて再申請を要求せられる方が非常に実は多いのであります。そこで何らかの救済の道を講ずるのが当然ではないか、もしこれを講ずるといたしますれば、これは公正な機関の手によりまして、この審査をすることが最も望ましいことだろう、かような観点に立ちまして、ただいま訴願委員会をつくるような方向で、いろいろ準備を進めて参るということに実はいたしておるような次第であります。 もう一点、選挙と関係がないということを申し上げましたのは、実は御承知のようにただいまからこの点についての手続を進めるわけであります。一面にこの衆議院の解散等が、非常に差迫つておる状況にありますので、実は時期的に見ましても、この訴願委員会というものは、今回の選挙にはあるいは間に合いかねるのではないか、かように思いますので、これは別個のものだ、かように申し上げたわけであります。 —————————————
○角田委員長 前会に引続き人事官に淺井清君、山下興家君、上野陽一君を任命することについて同意を求めるの件を議題といたします。 他に質疑はありませんか。別に質疑はないようでありますから、質疑はこれで打切り、引続いて本件を議題といたしまして討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。島上善五郎君。
○島上委員 社会党を代表して、ただいまの淺井、上野、山下三君を人事官にすることに対して反対をいたします。 理由を簡單に申し上げますが、先般の國家公務員法によつて明らかでありますように、その第三條によりますれば、人事官はきわめて廣汎かつ重要な権限を持つておるのであります。官公吏の諸君に対してはまさに生殺與奪の権を持つておると言つてもよいくらいな、大きな権限を持つておる。こういう人々を決するに際しましては、法律の第五條によりますれば、「人事委員は、人格が高潔で、民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の処理に理解があり、且つ、人事行政に関し識見を有する」云々といわれておるのでありますが、この三君がはたして第五條の規定に該当する、十分な人々であるかどうかという点については、多くの疑問を持つておるのであります。特に國家公務員法の制定に際し、あるいは今回の公務員の給與に関する原案作成に際して、それを通じてみましても私どもはこの第五條の規定に十分に当てはまるとは断定しかねるのであります。特に私たち遺憾に存じますることは、労働問題に対する理解者がないということであります。國家公務員法は、公務員に対してはなはだしくその活動の自由を制限するものであつて、特に官公廳の労働組合運動に対して大きな制約になることは言うまでもないのであります。そういう際に、官公吏の問題を取扱う人事官としましては、特に労働問題に対する深い理解者がどうしても必要であるとわれわれは考えるのですが、その点においてもはなはだ欠けておりますので、遺憾ながら三君に対しては反対をいたします。
○角田委員長 根本龍太郎君。
○根本委員 私は民主自由党を代表いたしまして、政府が同意を求められた三君に対して、賛成の意を表するものであります。この三君は臨時人事委員会が発足以來、忠実かつ公正に働かれ、なおまた今回新たに発足したところの、人事院設置の方針にも即應する人々であると考える次第であります。もとよりこのような重大なる任務をやるためには、完全にして何らの欠点なき者とは認めませんけれども、現在の状況においてはこれらの人々が適当である、こういうふうな観点のもとに賛成の意を表するものであります。
○角田委員長 玉井祐吉君。
○玉井委員 私は労働者農民党を代表して、ただいまの案件に対しては反対の意を表明いたします。すなわち人事官は、公務員法によつて明らかにせられているように、人事院規則を制定する権限を持つておる人々であります。しかして人事院規則はその案ができているかのごとく仄聞してはおりますけれども、わが党の方針としては、廣大な委任立法をまかせる人々でありますから、そのできておる人事院規則の案を拜見した上で、しかもその趣旨から、でたらめの人事院規則をつくらない、違憲的なやり方をしない人たちであるということの、はつきりとした証拠のない以上は、きわめて危險だと思いますので、私どもは反対せざるを得ません。
○角田委員長 田中健吉君。
○田中(健)委員 私は社会革新党を代表いたしまして、ただいまの案件に対して反対の意を表するものであります。その理由は、この三人の方々に対してはあまり知識がないので、いま少し時間がなければこれを檢討することができない事情に基くのであります。そこで時間がありますれば、あるいは案外よい人たちであるということがわかると思いますが、どうも今急にすぐ承認せよということを言われても、これはどうにもなりませんので、今の段階では反対するよりほかに方法がない。そこで淺井君の場合においては、第二國会以來、決算委員会などで相当淺井君の議論を拜聽いたしております。その際における淺井君の御議論をずつと見ておりますと、けさも決算委員会などにおける淺井君の発言内容についていろいろと檢討を加えてみましたが、どうも人事院規則などという大事な規則をつくる人としては、不適格ではないか、こういうような印象を強く持つて参つたのでありましてもう少しこれは檢討を加える必要があるのではないか、こう思うのでございます。この観点において私は一應これに対して反対をいたします。
○角田委員長 生悦住貞太郎君。
○生悦住委員 民主党を代表いたしまして賛成をいたしますが、この賛成はやむを得ざる賛成であります。われわれの方では賃金関係の権威者を、ぜひともこの際採用してもらいたいということを、政府に対して強く要望いたしたのであります。上野さんの経歴を見ましても、能率関係のエキスパートであり、また山下さんの経歴を見ましても経営関係のエキスパートであり、かんじんの問題である賃金関係の権威者がいないということで、この間において政府はわれわれの要望を入れて、いかに賃金関係の権威者を採用することに努力してくれたか、そういうことについては一切不明であります。むしろ何らやつていない。今までこの三名の候補者を選任して、ただこれを一本に押し進めただけであろうと思います。從つてわれわれはこれについて満足するものではありませんが、客観情勢その他から來る制圧にもよるものと思いまして、やむを得ずここに賛成の意を表するものであります。
○角田委員長 相馬助治君。
○相馬委員 私は第一議員倶樂部を代表いたしまして、ただいまの案件に対して反対の意向を表明するものであります。理由といたしまして、淺井さん並びに上野さんの人柄並びにその経歴については、私は適切であろうと思うのでありますが、何と申しましても國家公務員法の審議過程を通じて、また國家公務員法が成立した現在におきまして、あの國家公務員法が官公吏の身分を制約をするところが、非常に急な法律であるということを考えた場合におきましては、一面非常なる勇氣を持つて全官公の人々を守る人が必要であります。具体的に申しますれば、労働運動を眞に血液となるまでに理解しておる人であり、同時に別な面から見ますれば、賃金関係並びに全官公関係の下僚の生活をよく知つておる人を希望するのであります。そうなつて來ますと、わずか三名の方なのでありますから、どうしてもチーム・ワークの上に立つのでありますので、その一人に反対というわけに参らぬのでありまして、結局するところ私は三人の人事官就任に対しましては、反対せざるを得ません。
○角田委員長 これにて討論は終局いたしました。 引続き本件について採決いたします。本件は同意を與えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
○角田委員長 起立多数。よつて本件は同意を與えるべきものと決しました。 次に本件の委員会報告書についておはかりいたします。これは先例によりまして委員長及び理事に御一任を願いたいと思いますが御異議ありませんか。
○角田委員長 御異議なしと認めます。よつて委員長及び理事に御一任をいただくことに決定いたします。 本日はこれにて散会いたします 午後零時十七分散会