厚生委員会 第5号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/12/23
会議録
○佐々木委員長 ただいまより会議を開きます。 昨日参議院より送付されました参議院提出による健康保險法の一部を改正する法律案を議題といたし、審議いたしまするが、國会法第六十條の規定に基きまして……。 —————————————
○佐々木委員長 まず提案者より提案理由の説明を承りたいと存じます。参議院議員塚本重藏君。
○塚本参議院厚生委員長 ただいま上程されました健康保險法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。 健康保險の標準報酬は、本年の八月一日に改正されたところでありますが、その後一般労働者の賃金ベースはすでに上昇している実情でありまして、現行標準報酬の最高八千百円ではきわめて不適正な結果と相なりますので、これが適正な標準報酬を決定するため、最高を一万三千八百円の第四十級まで拡げることといたしまして、保險経済の安定にも資することにいたしましたものであります。何とぞ御審議の上、すみやかに御決定あらんことを希望いたします。なお私によつて説明の十分できない点は保險局長等からも御説明をさせていただきたいと思います。
○佐々木委員長 次に本案に対する質疑を許します。榊原亨君。
○榊原(亨)委員 この法案について一つお尋ねいたしたいと存ずるのでありますが、八月一日以後におきまして、現在までに一般勤労大衆の賃金の移動はどんなふうに見ていらつしやるのでございますか。
○宮崎政府委員 正確なことを存じておりませんが、八月以後から今日に至りまして、賃金が上昇しておると私どもは思うのでありまして、先般政府の職員の給與の場合においても、民間の給與があるいは七千三百円といい、あるいは六千三百円というような説明が出ておりまする状態から見まして、相当上昇しておるものと私は思います。数字については今持つて参りませんので、また必要がございますならば取調べて申し上げたいと思います。
○榊原(亨)委員 実際上どれくらい上つたという数字は、今お持ちにならないということは了承いたしましたが、この法案を作成いたします上において、実際上にどれくらい上つておるかという見当がついておりませんければ、この法案の改正の趣旨の目的がおかしくなつて來るのではないかと思うのでありますが、その点について提案者の御説明をわずらわしたいと存じます。
○宮崎政府委員 私の方で調べたところによりますと、健康保險の標準報酬につきましては、現在すでに政府管掌においては四千円から四千五百円の範囲になつておるのでございます。それから組合管掌においてはもつと多くなつて、約五千円くらいになつております。ただその職種の内容によりまして、たとえば炭鉱等においては最低が八千百円になつておるところがございます。この標準報酬が最高八千百円でございますので、一本になつておるという状態であるのでございます。また交通機関等の話もこの間聞いたのでありますが、やはり八千百円までは行つておりませんけれども、平均七千円近くのところがあるわけでございまして、そういう状態になつておるわけでございます。それから二十七級というのは八千百円でございますが、これを政府管掌について見ますと、約十万人の者が二十七級に該当しております。それからその前の二十六級が一万八千人という状態でございます。これは本年の八月の統計でございます。八月以後の統計はまだ私の手元へ入つておりませんけれども、八月がそういう状態でございまして、すでに二十七級が十万人、二十六級が一万幾らというところを見ましても、二十七級の八千百円以上の標準報酬をとつておる人は非常に多いということが明瞭であるのでございます。この前の法律改正は、御改正を願いましたのは第二國会でございまして、法律の施行は八月でございますが、大分前の計算に相なつておりますので、その間において相当差があると思います。
○榊原(亨)委員 法律の施行が八月であります以上は、八月においてこの法律は何らの障害なしに実行されておると思うのであります。その後にどれくらい賃金が上つておるかということがわからないのに、これを改正するという理由には私ならないと第一思うのであります。 もう一つは國家補償の立場から申しまして、これが生産の仕事に関係しておるものでございますれば、なるほど一般の諸物價が上つたから、それに順應して上るべきだというのでございますが、現今におきますところの一般勤労大衆がいかに苦しい生活をしているかということは、よくおわかりになつておるところでございまして、今度の議会におきましても五千三百円ベースで行くか、六千三百七円ベースで行くかということは相当大きな議論があつたところでございまして、六百三百幾らでありましても、勤労大衆のほんとうのふところぐあいにおいては、非常な苦しさがあるということがわかつておるのでございます。從いまして八月一日以後にかりに賃金が幾らか上つたからと申しまして、賃金が上つたからすぐにそれでは保險料もそれに準じて上げなければならぬという理由には私はならぬと思うのでございますが、この基礎となりますところの賃金ベースの上昇についての確固たる御返答がありません以上は、私はこれ以上審議を進めることはできませんし、これ以上質問することはできないと思いますから、その点を提案者においてはつきりと御回答なさるまで、質疑を延ばしたいと存じます。
○塚本参議院厚生委員長 ただいま榊原委員のお言葉がありましたが、今正確な数字は取寄せてただちに御報告することにいたしますが、今局長から話をいたしましたように、二十六級が一万八千人であつて、二十七級が十万人であるというこの事実が、二十七級以上の標準報酬月額に相当する多数の者があるということを現実に証明しておるものであります。問題は、これは議論をするようでまことに恐縮でありますが、今の問題となつております五千三百円ベース、あるいは六千三百円ベースといつたようなところが問題ではなくいたしまして、すでに標準報酬月額が、改正をしますようなこの二十八級以上に該当する者が七、八万人以上ある。そういう負担能力の割になる。労働者諸君からは今日の保險経済の窮状から見て、應分の醵出負担をしていただくということが、保險経済の上にも望ましいことであり、それがまたひいて低收入にある者の負担をカバーするといつたようなことにも相なるのでありまして、それがいわゆる保險の性格に合致するものである、かようなことを考えて実は提案いたしたような次第でございます。
○榊原(亨)委員 議事進行について……。この際提案者の方が資料をお取寄せになるそうでございますから、時間がございませんので、私の質疑を保留させていただきまして、ほかの方から質疑を続行さしていただきたいと思います。
○佐々木委員長 それではさようにとりはからいます。齋藤晃君。
○齋藤(晃)委員 私は本案に対しましては、きわめて重大だと考えるのであります。理由はと申しますると、現在國民健康保險、いわゆる社会保險というものがますます利用されなければならないというような現状にあるときにおいて、はたして本案によつて現在の健康保險の全國の不振が挽回できるであろうか、私はこれを考えるのであります。そこで私は、もしも健康保險のこの報酬額がかくのごとく決定いたしましたならば、必ずやそこに保險料が増額せられ、それと同時にまた医療費も増額せられ、その結果として國民健康保險の現在のような状態の打開はできないではないか。私はこういう杞憂を持つのでありまして、なお政府にお尋ねいたしたいことは、現在全國の健康保險のいわゆる結成状況と、その運営の中において、不振を続けておるようなものが幾ら、あるいはその不振の原因がどこにあるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。
○宮崎政府委員 齋藤委員のお尋ねは國民健康保險でございますか、健康保險組合でございますか。
○齋藤(晃)委員 國民健康保險組合の現在の状況でございます。
○宮崎政府委員 國民健康保險組合につきましては、大体町村経営に移すという機運が最初の間は非常に強く出ておりまして、現実に今手続をいたしておるのでございますが、まだ條例までの認可を得て続けておりまするものは、そんなに多くないのでございまして、大体不振組合の半分くらいが復興するのではないか、こういう報告になつておるのでございます。詳しい点は取調べまして申し上げたいと思いますが、大体二段にわけまして、本年のうち、すなわち十二月までに半分くらい復興させまして、それからあと三月、本年度内にあとのものについて何とか手を加えたい。こういうことでいたしておりますが、一万の組合のうち、半分くらいは成績がそう惡くなかつたのであります。あとの半分が非常に惡かつたわけでございますが、その半分の半分くらいがどうやら再建の方に傾いておる。そうしてそれが全体を通じて町村経営に移る勢いが九月、十月ごろまでには相当あつたのでありますが、手続等でまだ正確に來ておりまするものが少い、こういう状態でございまして、詳しい数字はあとでお手元に差上げたいと思います。
○齋藤(晃)委員 なお私はこの案につきましては、現在の健康保險法の施行にあたりましても、きわめて重大であると考えまするので、今榊原委員からも質問がございまして、やはり重要な資料を整えて愼重に審議すべきものであつて、今かくのごとき國会の最終において私どもが審議するのには、あまりにも余裕がないではないかと考えまして、私どももつと後に機会を持つて、あらためて審議を続けたいと私は考えるのであります。本案が今ただちにここにおいて決定せられることは、私ども賛成しがたいのでございます。
○佐々木委員長 他に御質疑はありませんか。角田君。
○角田委員 私はこの問題につきまして、事前に存じていなかつたので、これはという資料は持ち合しておりませんが、先ほど榊原委員からの質疑のうち、八月一日以降民間の労働者ないしは官公廳の労働者の賃金の上つたことは御存じの通りであります。これと対比して、これがどれだけ八月一日現在からパーセンテージが上つておるか。そうしたことの具体的な御説明がありませんと、質疑するにもしようがないというふうに考えるのであります。從つて八月一日現在からどれだけのものが上つておる、また民間の労働者、官公廳の労働者の賃金がこれだけ上つておる、從つてそれと対比した場合に、これは何十パーセント上つておるのだ、從つてこれが妥当と認めるというような具体的な御説明をお願いしたいのであります。
○宮崎政府委員 これは私ちよつと政府の側から申し上げますと、その統計につきまして今調べておりますが、それから申し上げたいと思います。この法案は賃金が上りました際におきまして、上の方を押えておりますので、その上の方をはずしまして、賃金が上りましたに比例して保險料を納められるように、またそれに比例いたしまして保險給付がもらえるように直すということでございまして、賃金が、八月一日から施行されました法案制定のときから今日までにおきまして、どれくらい上つておるかということについては、後ほど申し上げたいと思いますが、これから以後におきましても、もし上りました場合に八千百円で押えておりますと、この賃金の上昇に比例しない標準報酬ができ上りまして、保險経済が保てないという点の心配であります。あるいは次の國会へ出しまして、それがちようど賃金の上昇と比例を保つように改正ができまするならば、それは一つの方法だと思うのであります。また今のうちに上の方の額をはずして、賃金の上下にかかわらず対処し得るように、法案を直しておくということも一つの手ではないか、こんな意味で参議院の御提案につきまして私どもは賛意を表しておるような次第でございます。
○角田委員 それではこの改正の率というものの妥当性の根拠はどこにありますか、お伺いいたしたいと思います。
○塚本参議院厚生委員長 表でお答えいたしますが、表でごらんくださいまするように、大体これまでは標準報酬月額三百円増すごとに一級ずつ進めてまいつたのであります。改正いたしましたものも、三十四級までは同樣に標準月額三百円ごとに対する掛金を二十円ずつ増していく、こういう比例をとつてまいりました。ただここでかわつておりますのは、第三十五級から四十級までの間は六百円標準報酬月額の上るごとに一級を進める。從いましてこの場合におきましても、この負担額は同樣に三百円当り二十円と同じように、六百円になりましたので二十円、こういうふうにいたしたようなわけであります。
○佐々木委員長 他に御質疑はありませんか——委員長から承りまするが、ただいま各委員から御要求の審査の資料の提出までに、どれくらい時間がかかりますか。
○宮崎政府委員 今私どもの方の健康保險課長が政府委員室で電話で話しておると思いますが、私だけここにおりますので、だけかに行つて調べてもらいましようか。
○佐々木委員長 ではそれまで速記を中止して……。
○佐々木委員長 速記を始めてください。榊原君。
○榊原(亨)委員 私の承知しておりますところによりますると、政府は五千三百幾らという公務員における賃金ベースをおきめになつたときには、約八割上つたということを言つておられると思うのであります。その詳細については、今資料が出ませんければわかりませんが、もし八月よりも賃金がある程度上つた、こういうふうな仮定をいたしまして、ひとつさらに質疑を続けさせていただきたいと存ずるのであります。今賃金が上つたといたしましても、いわゆる今までの基準にございませんすれすれの最高の賃金をもらつておつた方が、いろいろ生活給が上つて來ましたために、賃金が上つた。そこでその上つたものに應じて保險料も上げようというお話でございまするが、その賃金が上つたという事実は、保險料もその中に含めて、保險料の上りというもうを見ておらないのであります。もつとわかりやすく申しますれば、たとえば今度の國家公務員法の六千三百七円というものの基準を制定いたします場合にも、人事院におきましては、いろいろなものに対する掛金は從來通りのものとして計算をしておりまして、今三千円のものが六千円に月給が上つたから、保險の掛金もそれに應じて上るということを計算に入れて六千いくらという数を出しておるのではないのであります。從いまして今賃金が上つた上つたと申しましても、その賃金の上つたというのは、いわゆるインフレの波に應じて諸物價が上つた、その上つた現実の状態において賃金が上つているのでありまして、保險の掛金も上るということを想像して賃金が上つておるのではないのであります。私の説明が少しむずかしいようでございますが、その点を御了解になつて、その点はどんなふうに提案者の方でお考えになつていらつしやるかということを承りたいと存じます。
○塚本参議院厚生委員長 一般勤労者の生活が、問題になつております五千三百円あるいは六千三百円程度ではたしてその生活が維持できるかどうかというこうとも、さらに勤労者の生活標準をどこに置くかということによつて、それが是であるか非であるかということが論じられましようし、一般勤労大衆の衣食住、日常生活をどの程度を文化的な最低生活として見て行くかというところに算定の基準があろうと思います。さらにその上に、今榊原委員の仰せの通り、医療費などがその中に含まれているかどうかということも問題であると思いますが、私どもこれを提案いたしましたものといたしましては、その問題になつております限界点の五千三百円ないし六千三百円というところにおいては、それは生活上のいろいろな問題があろうと思うのでありますが、この改正を加えようとする点は、大体標準報酬月額八千百円以上の者について、この程度の医療費を負担していただくことは必ずしも不可能ではない、むしろそのことが保險の性質からいつて妥当である、こういうふうに考えておるわけであります。六千三百円で、その程度で医療費が見込まれておるかどうかということについては問題があろうと思いますが、今問題になつておる八千百円以上の方では、この程度の医療費負担をしていただくことは必ずしも不可能ではないじやないか。かように考えております。
○榊原(亨)委員 次にお尋ねいたしたいことは、健康保險の経済が全体的にどんな数字になつておりますか。先ほどから政府委員の方の補足的御説明を承りましても、なかなか経済が困難になつておるという実情をお述べになつておいでになるのであります。しからば健康保險組合の経済は全般的にどういう窮状であつて、経費がどんなふうに足らないのか。また健康保險組合はどれくらいの積立金があつて、それがんどなふうに使用されんとしておるか、また使用されずにあるか、いろいろあると思いますが、その数字をはつきりお示しを願いたいと思います。
○宮崎政府委員 健康保險につきましては、御承知のように組合管掌の健康保險は、各組合々々で個々に経済状態が違いますので、それの全体の統計につきましては、いずれ申し上げたいと思いますが、各個の状態が違います関係上、私今承知しておりません。これもすぐ呼んで参りますから、お待ちを願いたいと思います。
○榊原(亨)委員 それも資料が参りましてからのことにいたしますが、その次に承りたいことは、この法律案が通りますれば、全体としての組合の收入は何ほど増して参るのでございますか。もしも増して参りましたら、その増して参りましたものはどんなふうな方面に使われようとする御計画であるか、そのことを承りたいと思います。
○塚本参議院厚生委員長 さきにお尋ねになりました組合の経済がいかようにあるかという点、私の承知しておるところを一言申し上げますならば、組合管掌によります経済においてもゆたかではない。そこでこれが事務員補助金の増額を、あるいは請願なり陳情の形式でしばしば國会に出されておることによつてもうかがい知るところでありますが、政府管掌におきましても、健康保險の経済は必ずしもゆたかでないのであります。今お尋ねの点でありまするが、現在の收入は四億四千八百万円でありますが、改正後によりますと、五億三千六百万円となる見込みであります。なおこれが支出につきましては、そのうち大体一割六分方というものは現金給付の方に必要とするように考えておるわけであります。
○榊原(亨)委員 そうすると大体二割見当の増收ということかと思うのでありますが、そうするとあとの四分は何にお使いになるということになりますか。
○塚本参議院厚生委員長 二割の増收の中から一割六分程度が現金給付になりますが、その他保險経営に付随しまする諸般の経費、人件費、その他に四分程度のものが、充当せられる、かように考えておるわけであります。
○榊原(亨)委員 今人件費という問題がございましたが、その人件費はそれでは具体的にどれほど上つて参りますか、また國家公務員の收入、今度きまりました六千三百七円と対比いたしまして、いかになつてどの程度でございましようか。
○宮崎政府委員 組合の人件費と申しますのは、組合の事務職員の給料になるわけであります。それは大体会社によつて違いますが、会社でもあまり高くない給料をもらつておるということを聞いております。でありますが、官廳等との比例もございまして、人件費があるいは相当上るのではないかと思います。それを幾らくらい上るかということにつきましては、私ども計算しておりません。
○榊原(亨)委員 政府管掌の方はおわかりになりませんか。
○友納説明員 政府管掌におきましては、予測でございまするが、もしこれが二割上つたと仮定をいたします。そういたしますると保險料は約一億増徴になります。給付の方は、これは医療費の單價を上げませんといたしまするならば、ふえないわけであります。しかしもしも医療費の單價を上げるといたしますれば、そこに差が出てまいります。そこでこの標準報酬を上げることによりまして直接ふえます給付の増額は、標準報酬一箇月分とか、あるいは半箇月分とかというふうに規定されております分娩費、埋葬料とかの給付であります。これらのものがどれくらい増額になるかと予測いたしますると、約一千二百万円増額になるのではないかと思つております。
○榊原(亨)委員 ちよつと先の提案者の方の御説明と対比して、はつきりしないのでありますが、もう一度……。
○友納説明員 二割上つたうちの内訳でございますか。
○榊原(亨)委員 さようでございます。
○友納説明員 二割上りますると、被保險者一人当りどれくらいかかるか、こういうことでございますね。
○榊原(亨)委員 先ほどの御説明によりますると、約四億四千八百万円ほどのところが五億何ぼに上る。その上つたものの使い道はどうだということを私は聞きたいのであります。先ほどの御説明によると、一割六分は現金給付の方にまわして、あとの四分は諸般の経費の方に使うという提案者の御説明でありますが、まず現金給付の内容につきましてはあとで承ることにいたしまして、その四分というものが何かというと、大体人件費がおもだということでありますので、しからばその人件費は具体的にどれくらい平均お上げになるつもりであるか、公務員の報酬と比例してどうであるかということを承つたのでありますが、組合によつて違うのではつきりわからぬという政府の御答弁がありましたので、しからば政府管掌の方についてはどうであるかというところまで私は御質問申し上げたのであります。
○友納説明員 前を承知しておりませんので、また食違うかしれませんが、組合管掌につきましては、これは千差万別でございまするが、政府管掌と違いまして、現在すでに赤字を出している組合が多いのであります。と申しまするのは、政府管掌と違いまして、そこの診療機関であるとか、あるいはその他の惠まれた政府管掌以上のいろいろな好條件がございまして、受診率が非常に違うのであります。政府管掌の受診率を現在われわれが算定いたしますると一・七くらいでありまするが、組合管掌におきましては二・四くらいになつているのであります。從いまして現在組合管掌におきましては、特に巨大な組合、すなわち一万とかあるいは何万とかいう組合、または一番少い三百人とか四百人という組合、これを除きまして、中間の三千人、四千人、五千人というような一番数の多い組合の財政が、私が今申しましたような状況になつておるのであります。從いまして組合管掌におきましては、これによつて余裕を得るというよりは、現在の赤字を補填するという意味になるのであります。ただ政府管掌にこれを引直してお答え申しますると、先ほど申しましたように受診率の差がございますので、この標準報酬の改訂によりまして、二割標準増收になつたという仮定をとつつて申し上げたのであります。そういたしますとお説のように差が出て参ります。それを何に使うかという御質問のようでありますが、それは將來予想されます單價の値上げ、あるいは現在すでにそういう傾向にございますが、政府管掌における受診率の上昇の傾向、そういうものに伴う費用に使われると思うのであります。
○榊原(亨)委員 そうすると政府管掌においては人件費の値上げということはなさらないのでありますか。
○友納説明員 政府管掌におきましては、人件費はもちろんこれは政府の職員でございますので、政府の職員に準じて上るわけであります。
○榊原(亨)委員 医療費のことにつきましては、算定協議会の議を経なければならぬことはもちろんでありますが、どれほどまで上つてもその支拂いができるということを、政府管掌のものについてお見込みがございますか。
○友納説明員 政府管掌の方は、ただ財政だけから見ますと、これによりまして約二円弱の値上げができると思つております。
○榊原(亨)委員 先ほど組合管掌のものにつきまして、この値上げはほとんど赤字の補填というお話がございましたが、それでは平均いたしましてどれほど今現に赤字ができており、また赤字ができつつあるのでございますか。
○友納説明員 むずかしい御質問でありますが、的確な資料はございません。しかし現在組合管掌の方は、基金に対しまして資金の前拂いをいたしております。これについて見ますと、組合管掌が基金を預託いたしまする金額と申しますのは、全國で月になべまして約一億六千万円でございますが、このうちで入つておりまする基金を預託されておりますのが、約一億二千万円くらいであります。從いまして全國的に言いますと、健康保險組合管掌は四千万円ばかり赤字を出しているということが言えるのではないかと思います。もちろん四千万円の預託不能の中には、赤字以外の理由もございます。いわゆる滯納とか、あるいは事業主の怠慢による預託の不能のものもございますが、そういう條件をなしにして考えますと、そういつた状況にございます。
○榊原(亨)委員 大体わかつて参つたのでありますが、そういたしますと、組合管掌におきましては、主として赤字補填ということになりますと、先ほどお話になりました政府管掌においては、大体二割見当のものは医療費を上げてもたえ得るというのでありますが、しからば政府管掌のものが二割上りました場合に、組合管掌の方におきましては、赤字の補填でほとんどこれに費されておるということになりますと、医療費の値上りによつて生ずる赤字は何によつてカバーされると見るのでありますか。
○友納説明員 先ほど二円弱上げる余地があると申し上げましたのは、上げると申し上げたのではないのであります。そういつたことと無関係に單價というものは決定されるべきものでありますが、われわれの計算では、六千三百七円ベースをとりました場合には、約最低七十四銭、最高一円五十何銭くらいの値上げが必要であります。そういうものが出ました場合には、政府管掌においては先ほど申し上げましたように余裕がございます。しかし組合管掌におきましてはどういうふうにするかという御心配であろうと思うのでありますが、組合管掌におきましては、政府管掌におきまするより料率その他いろいろな制限が法律で確定されておりませんで、組合外の議決によりまして、保險料率も上げておるというようになつておるのでありまして、政府管掌と比較いたしまして比較的融通性に富んでおるのであります。從いましてもしも單價を値上げしなければならぬという実情になつた場合に、現在赤字を出しておる組合で、標準報酬の改訂によつてなお補えないというような場合には、料率改訂その他の手段をとる必要が出て参るわけであります。
○榊原(亨)委員 次にお尋ねいたしたいことは國民健康保險組合の現状でありますが、これは各町村から当議会にも多数の請願書が出て参りまして、その設立ということが非常に困難な現状にあるのでございますが、この場合に、もしも健康保險の医療費が上つたと仮定いたしまして、かようなことになつて参りました場合に、当然の結果といたしまして、法的には何らの関係はございませんが、一方の健康保險においては医療費が上つて來た、從つて國民健康保險組合においてもそれに準じて上げなければならぬということは、実際上の面においてはさようであると私は思うのであります。さようになつた場合に、はたして今ようやく設立せんか設立するかという非常な苦しい立場に置かれますところの全國市町村における國民健康保險組合の設立の上に、何らの障害が起つて來ないのだろうかということを、私は非常に心配しておるものでございますが、この点に関しまして提案者のお考えはいかがでございますか、お聞きしたいと思います。
○塚本参議院厚生委員長 健康保險の標準報酬月額を上げて、その負担を増し、組合の財政をゆたかにするということが、ひいて將來医療單價の引上げとなるのではないか。もしそういう結果が來たならば、勢い國民健康保險の方に非常に大きな影響をもたらすのではないか、すなわち國民健康保險の立直りを阻害するような結果になり、あるいはその將來への発展を妨げるというようなおそれはないかとの御質疑だと思うのであります。もちろん全然そういう影響がないとは考えられませんが、私もただちにそういうような現象が現われるとも思つておりません。それからまた事実そういうふうに医療單價の引上げというような問題がありますならば、それは算定協議会の問題になるのであろうし、ただ健康保險だけの実情によつて医療單價がきまつて來るのではなく、その場合には、やはりその改正せられる單價というものが國民健康保險の方においても負担し得られるやいなやということが十分考慮審議せられた上に決定せられる問題だと考えますので、このこと自体がただちに國民健康保險の方にさような大きな影響をもたらすことはないではなかろうか、かように考えます。
○榊原(亨)委員 ただいまの御説明では、私は満足することができないのでございますが、これを健康保險の中だけで一つ例をとつて、はつきりと申し上げてみたい。先ほど政府管掌の健康保險におきましては、この法案がもし通りました場合に、大体二割くらいの医療費を上げることができる。もちろんこれは算定協議会の議を経なければならぬというお話である。ところがもし算定協議会によつて二割の医療費が上つたという場合に、組合の方はどうするかと申しますと、組合の方はこの上つたことによつて、主として赤字補填でありますが、その医療費がもし上るようなことになれば、組合の議決によつてやらなければならぬ。こういうお話であれば、現にその議決によつて、その医療費が上つた組合の負担というものは一体だれが負うのでありますか。これはやはり組合が負わなければならぬと私は存ずるのでございまして、さよういたしますれば、政府管掌の國民健康保險はその医療費の二割の増額によつてうまくやつて行けるかしれませんが、さしあたり健康保險そのものの中におきましても、すでに組合管掌のものにつきましては、やむを得ず組合の議決によつて医療費の上つた負担というものは、おのおのの組合員が負わなければならぬことになつている。なるほど、今この法案を見ますると、高い收入を持つた者だけが負担をするのだから、下の方の者にはその負担をさせないのだというお話でありますが、今私が申し上げました現実を見ますれば、その負担はやはり最低の賃金の者にも同じようにかかつて來るのではないかと思うのであります。從つて今提案者から、國民健康保險の方は別だ、健康保險だけはそれでいいじやないかというお話がございましたが、健康保險の中でこういう現象が現われて來ると、また今までの政府当局の説明並びに提案者の御説明によつても、私はそういうふうに解釈するのでございまするが、この点については提案者はどんなふうにお考えになつていらつしやいますか。失礼でございますが、もう一度承りたいと存じます。
○塚本参議院厚生委員長 そういうふうに單價が上つて來まするならば、その負担はやはり組合を構成しておりまする被保險者全体の負担となつて來ますることは、御説の通りであります。しかし私どもの考えておりますことが当つておるかどうか知りませんが、とにかく現在組合の維持が非常に困難であるのと、いくらかでも保險経済を樂にしなければならぬということが、当面必要に迫られておるわけでありまして、その意味からいたしましても、二十七級どまりの者が相当たくさんあるという現実にかんがみて、これは負担を公平にする意味からと、保險経済を樂にすることをしなければならぬということから、こういうふうに改正することが妥当であると考えておる次第であります。今御心配になつておるようなところまで、これがはたしてどの程度影響を及ぼすものであるかということにつきましては、これは考え方の相違かと思いますけれども、それほど深刻に標準報酬月額の低い程度の勤労者の重い負担になるような結果にはならない、こういうふうに考えて提案した次第であります。
○佐々木委員長 先刻榊原委員その他より御要求の資料が到着したそうでありまするから、この際友納説明員より説明を願います。
○友納説明員 先ほど御要求になりました点でありまするが、労働省がやつております毎月勤労統計の結果によつて御説明申し上げますると、昭和二十三年の一月が三千七十七円、二月が三千百七十八円、三月が三千四百四十一円、四月が三千七百四十二円、五月が四千百五十三円、六月が四千六百八十六円、七月が五千四百一円、八月が六千四十三円、以上八月までの統計しかないのでございます。但しこれから推計をいたしますると、毎月約三百円ないし四百円上つておりますので、十二月の現在を予想いたしますると、平均八千六百円になる勘定になります。
○榊原(亨)委員 今の御資料におきましては、八月まではわかつておるが、八月以後は想像だ、大体二千六百円上つておるというお話である。そういたしますると、この法案は八月一日から施行している法案でございまするから、それ以後のことは数字ではわかつておらぬが、想像で大体そうだということでありまして、その点において私はどうも納得が行きかねるのであります。さらにこれが大体今の政府当局の御説明のように、もし二千六百円の上りがあるといたしまして、しからばさつき御説明になりましたところの保險経済において、どうもやつて行けないという経済の赤字、経営難というものの比例と賃金の上りというものには、どういう関連性がございますか、承りたいと思います。
○友納説明員 たいへんむずかしい御質問ばかりでありまするので、お答えしにくいのでありまするが、非常に簡單に申し上げますると、現行におきまして、現在実際に標準報酬が八千百円でとまつているものが多いのであります。現在政府管掌の例で、局地的にわかつておるものだけを申し上げましても、たとえばこの近在の川崎管内、あるいは鶴見の管内、あるいは神戸の三宮の管内等におきましては、保險標準報酬が六千円になつておるのであります。從いまして、この中には男子と女子がございまして、女子は非常に低いのでございますが、男子におきましては八千百円に達しているものが非常に多いということがわかるのであります。それから組内管掌につきましては、確たる数字をもつてお示しをいたしませんので、御納得が行かぬのではないかと思つておりますが、組合管掌におきましては、先ほども保險局長が申しましたように、業態によりまして、特に男子の被保險者におきましては八千百円一本になつているような組合がたくさんあるのであります。從いまして、單に八月までの統計しかないのに、あと推計していい加減のことでやつているのではないかというようにお考えかとも思うのでありますが、これは実際の必要性から出ておるのであります。過般衆議院、参議院に健康保險組合連合会の陳情團が参りまして、それぞれ実情をつぶさに申し上げたはずでありまするが、実際はそういうふうになつておるから、こういうふうにした方がいいと賛意を表しているのであります。 それからもう一点標準報酬と保險行政との関係をお聞きになりましたが、これは見当違いの御答弁かもしれませんが、保險料というものが一定しておると仮定をいたしますと、標準報酬が上らなければ保險財政はゆたかにならぬのであります。標準報酬を上げるか、保險料率を上げるか、どつちかしないと保險財政は持たないのでありまして、どつちか上げれば保險財政は持つという関連性を持つているのであります。
○榊原(亨)委員 私の御質問の要点は、言葉が不十分でありますために御納得が行きかねたかと思うのでありますが、もう一度私の考えを申し上げて御質疑をいたそうと思うのであります。これは一般の生活費が上つて來たから、從つて報酬も上げなければならぬという性質のものと同じような意味で、勤労者の報酬がだんだん上つているから保險料も上げなければならぬということが言いかねると私は思うのであります。と申しますのは、これらの勤労者が十分なる生活を営んでおられるならば、もちろん報酬が上つたら、それに相應して保險料も上げなければならぬということは納得ができるのであります。しかしこれらの勤労者は、なるほど報酬は金額の上では上つておるのでありますが、今なお非常に苦しい生活をしておられて、ほとんどその報酬の大部分と申しますものは食糧にとられてしまつて、そのほかの住宅や着物にはかまつておられぬ。生活そのもの、食糧そのもの、食べて行くことだけにその收入の全部が行つてしまつているという状態であります。極端な場合には、なおたけのこ生活もしておらなければならぬという状態であると私は考えておるのでありますが、この場合に、勤労者の生活が上つたから、ただちに保險料もそれに應じて上げなければならぬということは、私はどうかと思うのであります。國家補償の立場から申しましても、そういうふうに勤労者が苦しい生活をしておるといたしますれば、ほかの方法でこれをカバーする、あるいは保險経済がやつて行けるということでありますならば、ほかの方法によつてもこれをやつて行くべきで、勤労者からとる保險料を増そうというような考えをただちに起すということそれ自身に、私は疑問を持つておるのであります。從いまして私といたしましては、この場合に、この法案の通ることによつて保險経済がうまく行くという場合にも、さしあたりこの組合管掌の健康保險におきましても、また國民健康保險におきましても、さつき申し上げたような実態が起るということは、專門家の立場から申しましても、また実際上のことを考えましてもさよう私は思うのでありますが、この場合にこれを救済する一番いい方法は、結局國民健康保險に対しましては、國庫の補助金をこれに應じて増額するということによつてこのことを救う。また組合管掌の健康保險につきましては、事務員の補助金なら補助金というものによつて國庫の補助金を増すことが、まあ一番いいと私は思うのであります。そういうことの前提ならば私はこれを上げるということは賛成であります。そういたしますると現実の状態といたしまして、國民健康保險組合に対しまする補助金にいたしましても、今議会におきましては当初においては政府が追加予算の中にもこれを計上しておらなかつた。そうして私どもの厚生常任委員会においてようやく議決をいたしまして、本会議において決議案を出して、そうしてやつとのことで私どもが要求しておりますところの三億五千万円の補助金に対して八千万円の補助金をようやく得たという現状でございますので、この場合にこの法案を通すことによつて、はたして私の考えておるような補助金が組み入れていただけるかどうかということは、國家財政の現状よりして非常に疑問なきを得ないのでありまして、この点につきまして政府当局はどういうふうにお考えになつていらつしやるか、その点について承りたいと思います。
○宮崎政府委員 ただいまの榊原さんの御意見でございますが、御承知で言つておられるのだと思いますが、今のお話の前提でありまする労働者の賃金が上つたから保險料を上げるというのでございませんでして、先ほど申しましたように、労働者の賃金が上りましたならばそれに率をかけてとりますから、もちろん実際上において上るかもしれませんけれども、それは現状でもその通りでありますが、ただ上の方において押えられている平均標準報酬というものを、上の方を上げて行く。そうして賃金の実情に合せて行くということなのでございまして、その点は御承知だと思いますが一應申し上げたいのでございます。それからもう一つ、この國民健康保險の問題につきましては、厚生委員会の皆樣方は非常な御熱心な御意見があり、そうしてまた非常な力強い御決議がありまして、今日にまで至つておるのでございますが、ただいまのお話のように、わずかの追加予算しか出ておらない現状にあることを私どもはきわめて残念に存じておるのでございます。ただこの法案につきましては、私は今の榊原委員の仰せになりましたことはちよつと違うのではないかということを感ずるのでございます。と申しますのは、この標準報酬の上の方のわくをはずされるとはずさないとにかかわらず、今日の一点單價十円の医療報酬というものが正しいかどうかということは、檢討しなければならぬことであります。すなわち社会保險の報酬の算定協議会がございまして、その算定協議会におきまして、この一点單價について檢討すべきときが近く來るのではないか、こういうように私は思つておるのでございます。これは榊原委員御承知のように、七月に算定協議会を開いたのでございますが、そのときにおきまして、七月の現情において一点單價十円、そうして明年の三月までこれのすえ置きということになつているのであります。ただし物價等に変動のあつた場合においては考慮を拂う、こういうことで一点單價十円というものがきまつておるわけでございますが、その一点單價十円をどうするかという点につきましては、現在の物價情勢を見て算定協議会においてきめられるべき問題でありまして、この法案が通過してもしなくても、その問題につきましては研究をしなければならぬ問題であると、私どもは存じておるのでございます。そこでもしこの法案が通りまして、赤字である健康保險組合の財政がゆたかになり、あるいは現在かつかつにやつております政府管掌の保險経済がややゆたかになつた、そういう場合において、医療報酬の單價値上げというものに應じ得る可能性が多くなるということにつきましては、これは榊原委員の仰せの通りであると思うのであります。そういう場合において、もし國民健康保險及び健康保險の医療報酬の單價を上げました場合において、國民健康保險に及ぼす影響というものは非常に重大であるということは、私どもも心配しております。もし今日の一点單價十円の医療報酬を上げましたならば、國民健康保險がこの七月から法改正によりまして復興の道をたどつている現情を阻害するであろうということにつきましては、私どももきわめて心配をいたしております。しかし医療報酬の單價の決定ということにつきましては、これは算定協議会で御決定になることでございますが、私どもといたしましては、なるべく國民健康保險が再建途上にあるその道をはばまれないように、また各種の保險が破滅に陷らないように、医療費の單價をきめていただきたいものである、またきめなければならぬのではないか、こういうふうに思つておりますので、その点彼此いろいろ考慮いたしまして御決定を願いたい、私はそう思つております。ただいま榊原委員のおつしやいましたように、單價を上げて、それで國民健康保險がうまく行くかどうかということにつきましては、きわめて危惧の念を持つておるのでございまして、その点何とかうまく行くように考慮したい、こういうふうに存じております。
○佐々木委員長 他に御質疑はありませんか。
○田中(松)委員 ちよつとよんどころない用事で席をはずしておりまして、申訳ございません。多分榊原委員からお尋ねがあつたことと思いますが、直接案には関係がないようでございますが、しかしまた別な面から非常に密接な関係のある國民健康保險でございます。これに対して、そういう影響があるかないかわかりませんが、もしそういう影響があつたとした場合に、この健康保險法とバランスのとれるように國民健康保險の方のことを考慮する、たとえば國庫補助をふやすというような措置も考えるとか、何かそういうようなお含みについて御答弁があつたでしようか、念のためにもう一度お聞かせを願いたいと思います。
○宮崎政府委員 ただいまの田中さんの御質問でありますが、ただいま榊原委員から同樣な御質問がございましたが、私どもとしては、國民健康保險については何とかやりたいと思いますけれども、補助金をこれに比例するとかいうような意味において増すとかいうことは、今のところまだ申し上げられませんが、厚生省としては、健康保險組合連合会に対する國庫の負担金及び國民健康保險に対する國庫の補助金については、一層の増額をはかるように財政当局に要求をいたしたいというつもりでおります。しかし全体としてどうなりますかという点については、私としては申し上げられないような情勢でございます。
○田中(松)委員 この改正案のようなぐあいになつた場合、数字の上でどういう結果になりますか、たとえば、これも概算でよろしうございますが、月額何ほど收入がふえて來るか、この点をお尋ねいたします。
○友納説明員 先ほどもお答え申し上げたのでありますが、この改正によりまして約二割上ると仮定いたしますと、約一億円の保險料の増徴になります。それから被保險者一人あたりの——これも平均でございますが、保險料の月額で上りますのは約二十円上るわけであります。
○齋藤(晃)委員 私は最初に質問いたしましたように、健康保險法のこの改正案が通過いたしますれば、勢い國民健康保險のその経営について重大な影響があるではないか、それはいわゆる医療費の件であります。この医療費の件について、かつて私が委員会において質問をいたしましたときに、現在未收が莫大にあるというように政府から答弁があつたのでありますが、現在どのような状態になつておりますか、またそれに対してどういう処置をとつておりますか、これもお聞きしたいと思います。
○宮崎政府委員 ただいま齋藤委員の仰せになりましたのは國民健康保險であると思いますが、國民健康保險については約一億の医療費の滯りがあるわけでございます。それについて七月の國民健康保險法の改正によつて再建をする際において、その滯つておるものを解決するように指導いたしまして、再建をはかつておるわけでございます。それからなお事務費の補助金等を出しましたときにおいて、そういう点も考慮いたしまして、補助金を交付する際において医師に対する滯りを少くするように努力することを申しまして、いたしておるわけであります。それから今後の眠つておるものについては、それぞれ解決することを條件にいたしまして、再建をはかるように努力をいたしておる次第でございまして、國民健康保險については、從來組合そのものが財政が貧弱でございましたので、そのいう点が生じて参つたのでありますが、今再建途上にございまして、私どもとしては本年度の末くらいまでには、その点がすべて片づくように指導をいたしておるような次第でございます。
○齋藤(晃)委員 ただいまの答弁によりますれば、政府は政府補助金を出しますときにおいて、いわゆるこの未收については解決するように指導しているというような答弁でありましたが、現在の状況を聞きますと、何らまだ未收は解決されていないというように聞いているのでありますが、現在の実際の状況をお聞きしたいと思います。
○宮崎政府委員 私どもの方に入つております報告では、各地方で解決につとめているということでございますが、現状については私ここに資料を持つておりませんので、これもあとでお知らせ申し上げたいと思いますが、ここには國民健康保險課長が來ておりませんので、私の聞いているところによりますと、各地方では再建に際しまして、いろいろ努力をいたしているようでございます。たとえば、最も大きかつた富山縣の高岡の組合等につきましても、歯科医がこれを肩がわりして、その解決に当つているというようなことも私聞いているのでございますが、そういうようなことを方々で聞いておりますので、大体の地方におきましてこれの解決に当つておつて、相当の効果をあげていると私は存じているのでございます。
○田中(松)委員 提案者に一つお伺いしてみたいのでございますが、実は私ども本日そういう余裕がないので、そういう処置がとれませんが、これについて何か直接組合関係の方の意見を求められたかどうか、そういう点についてどうでございましようか。
○塚本参議院厚生委員長 組合の方の意見を求めたかどうかという御質問ですが、これは組合管掌の、いわば大工場等に單独に組織しております組合のことであると思いますが、この点では先ほども組合連合会の諸君が陳情に参られまして、いろいろな事情をわれわれも聽取したところであります。それからまた、私多年工場労働者として終戰まで工場につとめておりました被保險者の立場であつて、組合保險のことにつきましても、絶えず健康保險組合の役員をつとめて参りましたような関係から、今日の組合の保險経済がどういうふうにあるかというようなことは、私の所属しておりました組合の実情につきましては廣く通じているのでありますが、それはおおむね各保險組合においても同様な実情ではないかと考えおります。組合の保險経済が非常に苦しい状態にあることは、多く説明を要しないところでありまして、何とかして保險の経済をゆたかにしたい、樂にしたいということでいろいろ苦慮しております実情であつて、それは先ほど申しますように、國会に対するいろいろな請願、陳情の形で現われているところであります。もちろん原則的には、私どもは組合に國家の補助の増額を要求する者でありますが、いわゆる負担の公平という意味から、ここに書いてありますように、これまで通り、標準月額三百円あたり十円ずつの保險料をかけて行くという原則を、どこまでも貫いて行くということが必要ではなかろうか、そういう意味で八千百円どまりである、それ以上の收入のものは三百円あたり十円という負担料がなく、收入が多いにもかかわらず八千百円の程度の負担でとどまつているということは、負担の公平を失するということも考えられまして、提案の理由説明に申し上げましたように、実情に即應し、かつ保險経済をゆたかにする、ゆたかにするというよりは、むしろ今日の赤字をいくらかでも解消する方途を講じたい、かような意味で提案した次第であります。
○田中(松)委員 よくわかりましたが、もう一つこれも私どもここでいろいろ審議します場合には、ともすると目前の文章化された問題のわく内で吟味するので、あとから考えてみると大きな方面で徹底を欠くようなことがございますが、今この法案そのものについては、これは私ども無條件賛成でございまして、私ども特に社会党といたしましては、同じ税金をとるのでも、大口からうんととり、下の方は軽くする。そういう建前をとつておるので、高額の所得者の方が極端に軽くなつておるような保險の徴收方法については、これは一日も早く是正しなければならぬ。その点に異議はございませんが、今念を押して考えてみたいことは、机の上で文章化されたこれだけに限つて私どもは審議するわけには行きません。いわゆる副作用について、もう一つ次に起つて來るであろう副作用も考慮に入れておかねばならぬ。提案者は健康保險のことについてはそういう長い体驗も持ち、法案をつくる立法者であるとともに、その法案の対象になる被保險者であり、まあその点から申しますと完璧でございまするが、この健康保險から離れた、いわゆる國民健康保險の方に及ぼす副作用というか、そういう点も十分考えておかねばなりませんので、お伺いいたしますが、提案者の含みとして、健康保險組合の関係の方にそういう副作用があるかないか、これはこんなことを言うてはなりませんけれども、政府当局者は、それは尋ねたらないと言うにきまつておりますから、政府当局に尋ねず、特に提案者にお伺いするのですが、そういう点を率直に、長年の体驗の上から持つておられる御意見が聞かれると思うので、そういう点もあわせてお伺いしたいと思います。
○塚本参議院厚生委員長 副作用という点が、どこまで考えて行かなければならない問題であるか存じませんが、率直に私の経驗した実情から申しますと、健康保險の負担金でも、必ずしも文字通りの負担が行われておるのではなく、労資折半という建前はとつておりまするけれども、やはり労働者の実生活の実情から、その労働者の負担金を一部使用者側が負担しておるといつたようなところもだんだんありますし、相当その金額に近いところまでも使用者側が負担しているといつたようなところもないではないのであります。そういうことも現にある組合では行われております。こういうことがほかにどういう副作用をもたらすかということは、多面にわたつてこれを考えて行かなければなりません。先ほど國民健康保險との関係をいろいろ御質疑に相なつたのでありますが、さらに私どもは、この健康保險の方の一部改正と同時に、厚生年金保險法の一部改正も行いたいと考えまして、手続をとつたのでありますけれども、國会に提案するだけの準備が完了いたしませんで、目的を達しなかつたのであります。これはできるだけ早い機会に、さらに厚生年金保險法の一部も同様に改正したいと考えます。さらにそれと同時に、船員保險法も同様に改正して行かなければなりません。そういうことの改正というものが、さらに私どもの將來大きな目途としておりまする社会保障制度の完成へどういう影響を持つかというような、遠い將來のことにまで思いをいたして、そうしてそういうことの実現に支障のないようにも考えて行かなければならない。いろいろなことを考えたのでありますが、差詰め今この程度の組合経済の緩和並びに負担の衡平という意味からのこの程度の改正はぜひ行つておかなければならぬ、かように考えた次第であります。
○齋藤(晃)委員 法案に対する質問も大体終つたようでありますので、ここで一應打切りまして、懇談の形式によりまして、本法案をいかにするかというようなことについて相談されたらいかがかと思います。
○佐々木委員長 それではさようにとりはからいます。速記をやめてください。
○佐々木委員長 速記を始めてください。 暫時休憩いたします。 午後一時十八分休憩 ————◇————— 午後二時四十三分開議
○佐々木委員長 引続き会議を開きます。 本日午前中の会議におきましては、委員各位よりそれぞれの観点より御質疑がなされたのでありまするが、ただいま厚生大臣がお見えになりましたので、委員長より総括いたしまして、大臣の御答弁を求めたいと思うのであります。 ただいま議題となつておりまする健康保險法の一部を改正する法律案につきましては、その趣旨に全員賛成の意を表されておるのでありまするが、ただこの標準報酬の引上げの結果財政がゆたかになりますると、医療單價の引上げ等によりまして、さなきだに財政的に困つておりまする國民健康保險に対して、いろいろな惡影響を與えはせぬかということを非常に各位は憂えられておるわけであります。当委員会におきましても、あるいは本会議におきましても、再三國民健康保險診療所に対する國庫補助増額の件につきましては、われわれより要望したところであります。從いまして一番今問題となつておりまするこの國民健康保險に対する影響はどうか、あるいはまたこの國民健康保險に対して、政府はこの際一段と國庫負担をしていただきたいと思うのでありまするが、それらに関しまして厚生大臣はいかなるお考えでありまするかを一言承りたいと思います。
○林國務大臣 健康保險の標準報酬が引上げられますと、その財政が幾分ゆたかになりますので、医療單價の決定等にあたり、引上げなどが行われますれば、財政困難の國民健康保險に影響するわけであります。私はこの点につきましては、國民健康保險に対する國庫補助金の増額につきまして、できる限りの努力をいたしまして善処いたしたいと考えておる次第であります。
○佐々木委員長 これにて質疑を打切ります。 次に討論に入るのでありまするが、本案に対する討論は、通告もございませんので、これを省略し、ただちに採決に入りたいと存じまするが、御異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議がなければ、参議院提出にかかる健康保險法の一部を改正する法律案を採決いたします。 本案は原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
○佐々木委員長 起立総員、よつて本案は原案通り可決いたしました。 なお議長に提出する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいのでありまするが、御異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十七分散会