厚生委員会 第4号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1948/12/22
会議録
○佐々木委員長 それではこれより会議を開きます。 不良藥品取締に関する件を議題といたします。質疑は通告順にこれを許します。榊原君。
○榊原(亨)委員 不良藥品の問題について、もう一度承りたいのでございまするが、この前の委員会におきまして、この厚生常任委員会の申合せとして政府に申し入れたのでございまするが、その後具体的にそれについて、どんなふうな御処置をなされましたか、承りたいと思います。
○慶松政府委員 具体的と申しましても、特にまだ地方において——先般この委員会からお話がございまして、地方にそういう組織をつくるということにつきましては、こちらで目下檢討いたしておる次第でございます。と申しますわけは、先般のお話におきましては、そういう調査会をつくりまして、これが工場等に立ち入つて調査をするということでございましたが、そういうことは今日の藥事法その他によつても簡單にできませんので、調査会の性格その他についてどうするかということを、目下私どもの方で調査いたしておる次第でございます。但し実際問題といたしましては、すでに各地方廳に通牒を出しまして、ことに本年中にいま一度全國的な調査と申しますか、監査をやるように指示をいたしました。それは靜脈用の注射藥につきまして、重点的に今年中にいま一度全國的な監査をやれという指令を発したところでございます。
○榊原(亨)委員 政府のおとりになつた御処置はよく了承するのでありますが、厚生省だけの監視員によつてこれを監査されるということにつきましては、私どもはすでに信用が置けない程度になつているのであります。その場合に藥事法の改正もわれわれは辞せないつもりを持つているのでありますが、私どもが申し上げました構想に從つて藥事法の改正、その他の法規を改正してまでもこれをやろうというおつもりがあるのかどうか。その点について重ねて承つておきたいと思います。
○慶松政府委員 それは私はやり方次第だと実は思うのであります。と申しますわけは、あらゆる場合におきまして、一般の人々があらゆる場所を監査できるというような、普通の何ら資格のない人がやり得るということは、はなはだおかしいと私は思うのであります。そういう意味で私どもが目下考えておりますやり方は、結局地方に調査会というものをつくる、その調査会におきまして、縣の藥事監視員その他に依頼して、そうして不良品の收去等を依頼いたしまして、それが不良なりやいなやということの鑑別。あるいはさらに医師、あるいは歯科医師、藥剤師等が、現在おのおの使つておられますところの藥その他器具類等につきまして、不良なものを発見されました際には、その調査会にどしどし持ち出していただく、そうしてそこでこれを檢討していただく。そういうようなやり方をもつていたしますれば、あえて法律の改正等をいたしませんでも、実質的の効果をあげ得るということを私ども考えておりますので、そういうふうに運ぶべく目下手続をやつておる。こういうわけなのでありますから、御了承願いたいと思います。
○榊原(亨)委員 よくわかりましたから、ぜひその方針に從つて早急にお願いいたしたいと思います。なお新聞で見ますると、ジフテリア、百日ぜき、BCG等によるところの被害が島根、茨城、香川、佐賀、三重というような縣の名前で出ておりますが、事実さようなことがございましたかどうか、それを承りたいと思います。
○慶松政府委員 実はこの問題につきましては、当然予防局長からお答えすべきことだと存じますが、ただ私が今日まで知つております範囲だけをお答えいたしたいと思います。それは島根では確かに先般と同じ大阪日赤医藥研究会の品でありますが、これによります中毒死が二名発生したということを聞いております。それ以外には香川におきまして、百日ぜきワクチンによる問題があつたようでありますが、これは私はつまびらかにいたしておりません。それから栃木でありましたか、ここにおきまする問題は、まつたく注射技術あるいは注射の際における消毒の不完全によつたものであるということを聞いている程度でございまして、はなはだ申訳ないのでありますが、私今お答えできるのはその程度であります。
○榊原(亨)委員 もう一つ藥務局長にお伺いいたしたいのでありますが、ワクチン類の檢定法は、今度はその容器ごとにするよう指示されたということが新聞に出ておりますが、それは間違いでございますか、いかがでございますか。
○慶松政府委員 実はこの問題につきましては、私ども関係当局、予防局長並びに次官等と協議いたしました結果、こういう了解を得たのでございます。從來はつくりましたワクチンを小わけいたしまして、その小わけをいたしましたものからサンプルをとりまして檢定をやつておつたのでありますが、その方法を今回次のように改正することにいたしたのであります。それは最初元の大きなびんをつくるわけであります。その大きなびんでくみとり試驗をやりまして、そのくみとり試驗によつてそのものが正しいものであるということがわかりましたならば、初めてこれを小びんにわけさせることをやりまして、しかる後に小びんにわけましたものを、雜菌その他がなきやいなやを試驗いたしまして、そうして初めて使用に供していただく。こういうふうに改正しようということの了解を、一昨日でありましたか得た次第でございまして、そういうふうにかえたいと存じておる次第であります。
○榊原(亨)委員 そういたしますと、この前私が御質問申しましたときに、檢定の方法過程において改良をすべき点があるのじやないか、関係筋とのいろいろ問題もあるのであるが、いかがでございますかということを質問いたしました際に、現在行われているところの檢定法は完全なものであるという御答弁を得たのでございますが、完全なものであるのを、なぜそのようにおかえになる必要ができたのでございますか、その点を承りたいと思います。
○慶松政府委員 これはより完全にするということであろうと私は存じます。
○榊原(亨)委員 ただいまのお答えは、この前の速記にもございますように、私はその点について、前にはまじめに一つのびんごとにやつておつたのを、今度は雜菌が入るというようなことから、集めてそれをやるというふうな檢定の方法だが、その点において改良の余地はないかというようなお話を申し上げた際に、今のは学問上からいつても、どの点からいつても完全であるとおつしやつたのでありますが、今承りますと、より完全にするために新しい檢定の方法を御指示になつたということであるならば、どうしても今までの檢定方法はより完全でなかつたということになり、そうすればかかるより完全でない檢定方法を使つておられたということに対する御責任が自然にわいて來ることと存ずるのでありますが、この点はいかがでございますか。
○慶松政府委員 これに関しましては私予防局長その他と相談いたしませんと、私一存ではお答えいたしかねる次第であります。さよう御承知願いたいのでありますが、ただ今回考えておりますものの方がより完全であるということは、私は間違いないと思う次第でございます。
○榊原(亨)委員 それでは今のお話は、予防局長がお見えになりましてから承りたいと思います。
○田中(松)委員 あるいは予防局の方と関連することがありましたならば、あとで相談の上、まとめてお答えを願いたいのでありますが、実はこの前もちよつとこの点に触れておきましたが、この予防注射の問題から起つて來たいろいろな問題について、その責任の所在について、藥務局と予防局との間で意見の対立がある云々という新聞記事が出ました際に、私は、それはたいへんなことだ、事実そういうことがあろうとも私どもは思いませんけれども、ああいう記事が出た結果、その社会に與える影響というものは実に恐ろしいものがある。藥務局長としても予防局長としても、お互い同僚の間であり、同じ役所内におる方々でありますから、ああいう記事が出たことについて、そんなばかなことがあるもんかと言つて、笑つてお済ましになつたでしようが、しかし事実そういうことがあるなしにかかわらず、社会的に與える影響ということを考えなければならぬのでありまして、むしろそういう場合には、藥務局の方も責任を感ずる、予防局の方もこれは自分のところの責任だというぐあいに決意のほどを示してもらうと、それによつて世間の人は安心するのでございますが、ああいう記事が一回ではございません、その他の新聞にも引続き二回も三回も取上げて論議されておるので、非常に憂慮しておるのでございますが、これは藥務局の責任であり、予防局の責任であると同時に、また一方私どもは予防接種法をつくりました立法府の建前から、私ども自身決して責任のがれはいたしません。十分その責任を痛感しておる次第でございます。ほんとうに信頼すべき方法、あるいは技術が厚生当局によつて実施され監督されるのだと、全幅の信頼を当局にかけた上で私どもはああいう法律をつくつたのでございまして、今考えてみると、そういう技術面の点、あるいはそういう監督上の問題を仔細に吟味して、その上であの法律に協賛すべきであつた。それをそこまでつきとめずに、ただうのみにして、当局を信じて、これなら大丈夫というのでああいう法律をつくつたということに対しては、私どもは大きな責任を感ずる次第でございまして、私ども決してそういう事実があつたかないか知らぬけれども、新聞に報ぜられるように、おれのところの責任ではない、あれは向うの責任だということはちつとも考えませんが、私ども自身それを感ずるがゆえに、実は京都にまで調査に行き、その都度あらゆる機会を通じて、当局の責任をも追究しておるのでありますが、その裏には自分の責任を痛感するという、この点を十分私ども考えた上のことでございまして、そういう点については十分心していただきたい。そういうことがなかつたということを信じておりますけれども、社会に與えた影響が大きいのでございますから、そういう誤解を拂拭するような方法を講じていただかなければならない。 それからもう一つ、私どもしろうとでございますから、率直に感じたままを申し上げますが、それがかえつてまた多くの社会の輿論を代表するのじやないかと思いますが、この前も申し上げたように、自分のつくつた法律であるけれども、たとい罰金は課せられても、自分の子供には当分予防注射はさせまいという感じを持つた。これが世の子を持つ親のすべての心じやないかと思いますが、その後引続きただいま榊原委員からも指摘されたような問題が廣く起つて來ましたので、私どもこの際予防接種法は当分ストップするのだ、こういうような法律でも暫定的に立案しなければならぬのじやないかと考えまするし、また一方において現在ある藥品をとうてい信用するわけには行きませんので、現在出ておるそういうものは一切破棄してしまうか、あるいはもう一度綿密な信頼のおける檢定をし直すか、それができるまでは一切予防接種はやめにする、ただあらためて信頼のできる、これなら大丈夫というものができて、初めてそこで予防接種を実施する、こういうぐあいにしてもらいたい。こういうことをお考えになつておるかどうか。また行政措置の上でそういうことができるなら、そういう方法を講じていただきたいが、どうしても法律の建前上、非難はどれほどあつてもやらなければならぬというのなら、私ども立法府の建前から、何とか対処しなければならぬと思うのでございます。專門的なことではなく、ざつくばらんな、しろうとの私どもが納得できるような御説明を願いたい。
○慶松政府委員 私の所管でない点もございますが、私が知つております範囲につきまして、またお答えできる範囲におきましてお答えいたします。 まず第一に、田中委員のお話にありました予防局と私どもの局との間の問題は、これはまつたく何らございませんことを、私はここに明言し得るのであります。このことは予防局長にいたしましても同樣でございます。かつ少くとも私は、また私の局の者全体は、責任のある点につきましては絶対に責任を負うだけのつもりは常に持つておりますので、その点も御承知願いたいのであります。それからあとにおつしやいました一時中止するという点についてでございまするが、これも全部の予防接種に使います藥、ワクチン等を回收いたしまして、そうしてこれを再檢定いたしまして、その再檢定が終りますまでは、たしかにこれを使つても大丈夫であるということがはつきりいたしますまでは、全部の予防接種を一時中止する、大体厚生省側としてはそういうようにいたすことになつておる次第でございます。
○田中(松)委員 表面に現われた問題は予防接種の問題でございますが、それを通じて私はつくづく感じておるのでございます。予防接種はああいうふうに集團的に行うので、社会的な問題になりまするが、普通の病人というものはばらばらにできておりまして、それぞれ主治医の監督のもとにいろいろの投藥が行われておりまするが、予防注射においてああいう問題が起るということになりますると、そのほかの藥において、病氣のためでなく、藥のためにずいぶん命を落しておる者があるのじやないか。いわば昔から、人を百名殺さなければ一人前の医者になれないというようなじようだんまじりの話もございまするが、それは今までは笑い話と考えておりましたが、今度の問題を体驗して、私どもこれは、笑えない一つの眞理が含まつておるのじやないかというような氣持がいたしまして、そういう面に対しても予防接種藥だけでなく、一切の不良医藥品の問題について、こういうぐあいにしていただきたいということを、前の委員会で私ども決議をいたしておりまするが、こういう点について、今までもちろんそれぞれ機関が設けられて、監督されておつたのでありますが、何かこれに対して、今まで、先ほども榊原委員との間にも質疑應答がなされておりましたが、より以上完全なものにするという点について、榊原委員はそれだけ聞けば納得できたかと思いますが、その点について具体的に、こういう方法を考えたのだ、こういう点について完璧を期するのだという、いわゆるしろうとにわかるような御説明が願いたいのですが、いかがでありましようか。
○慶松政府委員 それはいろいろな点がございまして、弁解がましいことを申し上げるようでありますが、從來の経過その他をちよつと申上げまして、さらに私どもはどういたしたいかということを申し上げたいと思います。それは大体戰爭中から戰爭末期にかけましてだんだん藥が不足いたしまして、終戰後、昨年、一昨年あたりはむしろ質の問題等よりも、量的に藥が非常に足りない。そのためにいろいろ國会あたりで問題になつたわけであります。從つて当時においては、とにかくものをふやすということがまず第一、もちろん一面においては質の点も十分申しておつたのでありますが、しかし資材の点その他においていささか残念な点がなきにしもあらずでございました。大体本年の下半期におきましては、量的にもある程度満足すべきことになつて参りましたので、從來といえどももちろん品質の点の取締りにつきましてもやつておつたのでございますが、さらにその点を強化するということが必要であると、私どもはことに最近痛感いたしておる次第でございます。そういう意味において、まず政府部内における機構の点も一應檢討することが必要だと考えます。というのは取締りのために、たとえば一つの機構を考える課を考える、こういうようなことによつて、それに專念する人々をつくる。というのは、戰爭前は取締り行政がほとんど全部でございます。從いましてものが豊かでありましたので、比較的品質の惡いものはございませんでしたが、戰爭中は何と申しましても、物資が不足しておりましたので、戰爭中並びに終戰後におきましては助長、特に量的な助長をやつておりましたので、それを一大轉換する時期に立つておると思います。その意味におきまして、助長をやつておりました一面においては指導しなければなりませんが、さらに監督のための機構を別に強化する。そのために予算を要求するとか人をふやすとかいう意味ではありません。そういう組織を特に考えることが、私は必要であると痛感しておる次第でございます。なお幸いにいたしまして先般御協賛を得ました新藥事法によりまして、不良藥品とはどういうものであるかというようなことが非常にはつきりいたしましたので、その意味において、大体藥事法に基きまする行政処分、あるいは司法処分というものが非常にはつきりできることになりましたので、そこで過去におけるよりも事実最近はその点相当律しやすい、さらにその点を強化する、こういうことが私は大切だと考えております。なお先ほど榊原委員の御質問に対して答えたのでありますが、この点は消費者側の特別の御協力が必要であると考えますので、一般大衆の方々あるいはお医者さん、あるいは藥剤師その他の方々の強力な御協力を得る。こういうことを望むために、たとえば新聞等にその点を十分ひとつ強調いたしたいと思います。 なおいま一つ一番効果のありますのは、司法処分をやるとか、行政処分をやるとかいうことよりも、この新聞等に発表いたしますということ——新聞にこの藥は惡いのだ、この会社のものは惡いのだと、こう発表いたしますことが一番効果がございます。そうしますと、人が使わなくなり、勢いこれがなくなります。これが一番確かであると思いますので、すでに私どもの間の意見をまとめまして、実行に移す所存でおりますので、その点御了承願います。
○佐々木委員長 申し上げます。濱野予防局長が参りましたので、関係事項の質問をお願いいたします。榊原君。
○榊原(亨)委員 先ほど藥務局長にもお尋ねいたしたのでございますが、血清の檢定方法につきまして、新しい方法を御指示になつたということでございまするが、この前委員会で私は、今まで行われておりますところの血清の檢定方法が、はたして完全であるかどうかということを承つたのでございまするが、その際は今の医学の知識からいつて、完全なものという御答弁を得ておるのであります。しかるところ完全なるものでございますれば、この際これをあらためて改正なさる必要はないと私は存ずるのでございまするが、先ほど藥務局長のお話を承りますると、より完全な方法だと思つて改正するのだというお話があつたのでございます。さよういたしますれば、今までの檢定方法は、今新しく改正しようとされる方法よりも、より完全でなかつたということになり、当局の御責任ということもこれに加わつて來るのではないかと思うのでありますが、この答弁については、予防局長と御相談の上でなければ発表ができないという藥務局長の先ほどのお話でございました。幸い今予防局長がおいでになりましたから、御相談くださいまして、まじめな御答弁を煩わしたいと思います。
○濱野政府委員 お答え申し上げます。今度この事件が発生いたしましてから調査して参りますと、くみとりにあらずして、小わけから八本拔きました。その小わけから八本拔いたものが、この間申しましたように、たまたまプールしてございませんので、そしてまたとつたものが偶然と申しますか、惡いものが見つからない。これは京都府におきまして、ただちに毒素がないかどうかということで、いろいろ檢査しましたものの中にも、またどうしたものか、それが入つておりません。だんだん調べて参りますと、それが毒素であつたということがわかり、それからびんの番号を調べて行くと、どこか拔けておるので、より以上調べて見たところが、当時四本のびんで毒素をつくつて、その四本のびんで無毒化いたしまして、最後にプールして出すべきものを、ただ一つのびんだけで毒物実驗をして、そしてプールせずに出した、こういうことがわかりました。これは私らが考えますのに、社会の常識、またそれをつくつている者の常識等あらゆるものからいいまして、そういうものはプールして出ますのが当然なんですが、プールしておりません。 そこでこの規則をつくりました当初にまた返りますと……。ちよつと速記をとめていただきます。
○佐々木委員長 速記を止めてください。
○佐々木委員長 速記を始めてください。
○榊原(亨)委員 そのくみとり試驗のことにつきましては、さきの厚生常任委員会において、私がそのくみとりのことについてのいきさつまでも、速記にとどめまして、はつきりと当局にお伺いしたのであります。その場合当局におきましては、そういうくみとりの必要がないのであつて、現在行われているものが完全であるという御答弁を得ているのであります。今までくみとり試驗が行われておつたために、関係当局の折衝の結果そうなつたことまでも、私ははつきりここで申し上げておつたのでありますが、それに対する政府の御答弁は、その必要はないのであつて、今までの方法が完全であるということをおつしやつた。その完全と申しますのは、科学的に完全であるというだけでなしに、檢定の実際の運用にあたつてもこれが完全でなければ、実際人命上にかかわるのでありまして、今回くみとり試驗を併用なさつたということは、結局今までの方法が実施の上においていくらかの危險が伴つているということを証明するものだと私は思うのであります。從つてさきの厚生常任委員会における政府の御答弁を取消していただくか、そうでなければ、この際今までの方法が、科学的には正しいけれども、なお運営の面において今回のような不祥事が起るおそれがあるから、くみとり試驗を併用したということをはつきりおつしやつていただくか、どちらかはつきりおつしやつていただかなければ、私は厚生常任委員の一員としての質問に対する政府の御答弁が、きわめて不誠意のものと私は認めますから、どちらかこの際はつきりさしていただきたいと思います。
○慶松政府委員 ただいま榊原委員のおつしやいました通り、從來の方法は、学問的に申しますれば確かに正しい次第であります。完全ということが言えると思います。しかしながら運営の点におきましては、誤りなきにしもあらずでありますので、その意味においてこれをより完全にするために、先ほど來私が申しておりますような方法がとられるに至つた次第でございます。
○榊原(亨)委員 次にお伺いしたいことは、新聞紙上において見ますと、先ほども慶松政府委員がおつしやいましたように、一應の注射液を集めて、害がないかどうかということを調べた上でなければ、予防注射をすることを一時やめるという処置を講ずるというお話がございましたが、さようでございますか。もう一回承りたいと存じます。
○濱野政府委員 予防注射は御承知の通り非常に有効でありまして、また防疫上欠くべからざるものでありますが、今般の事件に引続きまして栃木縣におきまして事件が起り、これは先般本委員会で申し上げたのでありますが、注射の施行の技術者の間違いでありました。また三重縣でBCGが問題になつております。これも現地に人を派しましたが、技術者の施行の間違いであります。また最近、香川縣の高松で百日ぜきの問題が出ましたので、係官を出しましたが、電話の報告によりますと、施行者の技術の問題でありました。しかしながら全体的に非常に心配をかけておりますので、ジフテリアの問題は人命にも及ぶ問題でありますし、先般ワクチンにおきましてもやはり化膿させ、あらゆる点におきまして心配があつてはなりませんので、この際製品を全部一應再檢定し、その製造しておるところに行きまして、プロトコールその他を見まして、間違いないということを調べまして、國民の各位が安心して注射のできますことを政府といたしましては特に責任上念願をいたしまして、この意味におきましてすみやかに再檢討をいたしまして、間違いのないように、また一日も早く予防接種ができますように、一時注射を中止して努力いたしたい、こういう手配をいたしたいと思います。
○榊原(亨)委員 そうすると予防接種を一時中止されるというのでありますか。
○濱野政府委員 ちようどただいま一時中止の形になりますが、今たとえて言いますと、痘苗のごときものがございますが、これも再檢定とかいろいろな問題があるのであります。もしここに発疹チブスが出たり、痘苗のごとき患者が出るならば、輸入藥品をもつて間に合わんときにはただちに実施する。製品が確かなものであるならば、そういう流行のおそれのある地方から、どんどん再檢定の済んだ心配のないものを世間に発表いたしまして、すみやかにその欠陷をできるだけ埋めて行きたいというつもりでおります。
○榊原(亨)委員 当局のこれに対する御処置はきわめて適切でありまして、私ども賛意を表するのであります。ところがかくのごとく予防接種を一時中止されるということは、これは法律によつて実施期日がはつきりしておるのでありまして、予防接種法によりましても「昭和二十三年七月一日から、これを施行する。但し、第十三條及び第十四條の規定施行の期日は、昭和二十四年」云々と書いてあるのであります。そういたしますと、予防接種を中止することになりますれば、これは一應議会の協賛を経なければできないことであつて、官廳がかつて氣ままに三月まで予防注射をやめることは、法律上許されがたいことだと思うのであります。ところが各新聞に出ておるところによりますと、三月まで予防接種を中止するということが出ておるのでございまして、もしこれがほんとうであるといたしますと、これは議会といたしましても相当の檢討を要するものと存ずるのでございますが、その点について責任のある御答弁を煩わしたいし、もし煩わすことができなければ、この際厚生大臣の御臨席をお願いいたしたいと存じます。
○濱野政府委員 私から一應私たちのとりました処置を御説明申し上げます。今御説明申し上げましたような不純のもの、もしくはこういう間違いがあつてはいけませんし、また國民の信頼があつて初めて予防接種は実施することができます。もし間違いの観念でどこまでも行かれても困りますので、ワクチンの再檢定という態度をとりました。これはただいま申し上げましたように、最短時間のうちに大急ぎでいたしまして、そのワクチンができる間だけ若干中止といいますか、延期といいますか、時間が少しずれるのであります。そういう意味におきまして、榊原委員の仰せによれば、一時中止の形になるのでありますが、臨時的にその期間だけ中止さしていただきまして、至急再檢討し。それをつくる、もしその間において心配がありますならば、輸入ワクチンをもつてこれに充てたい、こういうことをいたしたいと、先ほど御説明申し上げたのであります。
○榊原(亨)委員 そういたしますと、私どもが指摘いたしました点について、非常な疑問が起つてくるのであります。法律を一時中止するということは重大なことでありまして、これは議会を通さなければできないことであります。しかも三月までこれを中止するということが新聞に発表されておりますが、これは事のいかんを問わず責任が重大でありますから、この際林厚生大臣の御出席を煩わしたいと存じます。
○佐々木委員長 なお榊原委員に申し上げておきますが、厚生大臣は間もなく御出席とのことであります。
○田中(松)委員 ただいまの問題に関連いたしまして、取扱いの間違つているというか、不衞生的なことをやつたために問題が起つたような場合、その不注意な取扱いをした医師には何か罰則というか、そういう方法が講ぜられているのでしようか、この点お伺いいたします。
○濱野政府委員 医者が注射いたしまして、不注意によつて患者にもしも傷害を與えますれば、これは医師法によつてやるわけでありまして、予防法の問題には触れておりません。医師法による問題であります。
○田中(松)委員 それではただいまお話にありましたような幾つもの例に対しては、医師法によつて何かの御処置がなされたか、あるいはなそうとなされているか、この点を一つ重ねてお伺いいたします。
○濱野政府委員 今日まで調べました栃木縣その他におきましては、注射を受けられた方とした方との間におきまして、一應話合いがついたのでございますが、縣といたしましては医師会その他に対しまして、今後こういうことのないようにという注意をいたしているわけでございます。
○山崎(道)委員 私は予算委員会と掛持ちになつているために中座いたしましたので、あるいは重複するかと存じますが、予防接種の問題はまことに重要なことでございまして、しばしば本委員会でも問題になり、本会議でも私質問しているのでございます。これに対しまして、当局は誠意をもつてやつているという言葉を聞くのでございますが、私はどうも誠意が欠けているように思うのでございます。その一つの例といたしまして、私本会議で質問いたしました際に、吉田総理が出ておられなかつた。私はこの点非常に不満でございまして、再質問の場合に、これとこれとこれという問題をあげて吉田総理の御答弁を要求し、これに対しては林厚生大臣が確約しているのでございます。にもかかわらず、その後再三要求いたしましたが、今日なお御答弁を承ることができないのでございます。このごろのやり方は、こうした健康日本の將來にとりまして、非常に重要な問題であり、ことに人命に関する問題に対しますこうした議員の発言、國民の不安等々が軽く考えられ、ただ政爭のためにのみうき身をやつしているように私たちには考えられまして、非常に残念でございます。もし誠意があるならば、予防接種の將來をほんとうに考えておいでになりましたならば、まずこの点を廣く國民に謝罪し、その責任の所在を明らかにして、なお日本のとるべき態度を世界にも表明する時期だと私は考えておりますので、私はこの点どうしてもその責任を明らかにしていただかなければ、了承できないのでございます。と同時に、私新聞等で見ますと、監視員であるとか、あるいは製藥所であるとかいうような、人たちが続々召喚されているけれども、國家の責任は明らかになつていない。これに対しましては非常に残念に思つております。これは製剤の手落ちであつたということは私はわかつておりますけれども、しかしこれに対しては、國家が責任をもつて行つた予防接種であります以上は、その根本は國家に責任があるということをまず明らかにしないで、枝葉末節な点でばかり解決しようというふうにはかられているじやないか、かように存じますので、この際大臣にはあらためて答弁を要求いたしますけれども、直接の責任者としての予防局長に、この國家の責任ということに対してどういうふうに考えておいでになるかを、この際私はもう一回承つてみたいと思います。
○濱野政府委員 今度の事件で被害を受けられた方々の御遺族、御家族に対しては、私まことに申訳ないと存じて、おります。私たちは事件が起りますと同時に、原因の追究に極力努力いたしまして、またそのよつて來るものにつきましては、今全部ワクチンを回收いたしまして、学問上ではこの程度で檢定その他心配がないという問題も、より以上重大な問題でございますので、今後二へんとこういうことのないように、檢定その他につきましてもあらゆる点を究明いたしまして、これは第一番にして行きたいと思つております。 それから第二番目は、不幸なくなられました方並びに注射によつてお病氣になられました方については、万難を排して御治療申し上げたい。これは事件発生と同時に電話その他によつて私はしよつちゆう向うと連絡をとつております。同時にまたこの席上で申し上げたと思うのですが、原因は原因としまして、あらゆる努力をしまして、病人さんに対しては御苦痛からお救い申し上げたい。また病氣が一日も早くなおるように治療して行きたいというので、そういう方面の方々のお知惠も借り、またこちらから連絡の人も出しておりまして、被害をごく小範囲にとどめるべく、私自身も京都をその晩に発つて、島根に行きまして、それをお願いし、またお見舞、お悔みも申し上げて帰りました。私たちの一番の念願は、この補償を全部國においてし、費用万端を出していただきたいのであります。同時に國が再びこういうことの起らぬような方法を講じていただきたいと思うのであります。尊い六十有余名の方々の被害に対しまして、私は心の底から申訳ないと存じておりますと同時に、これが礎となつて、世界の人類が非常に幸福になりますれば——ちようどリューベック市で六十八名がなくなつて、それ以來BCGが非常に嚴重になりましたが、その点をはつきりしたいと思います。これは当初から私のちつとも変らない意見でございまして、その線に沿つて日夜努力しておりますから、御了承願いたいと思います。
○山崎(道)委員 私もつと伺いたいことがあるのですが、ただいま予算委員会が採決だそうでありますから、質問は保留いたしておきます。
○松谷委員 予防接種はいうまでもなく法律をもつてこれを決定してあるのでございまして、國民がこの予防接種を回避した場合には、むしろ罰則をさへ設けられておるのでございます。これに対して新聞紙上の報ずるところ、あるいはまたただいまの予防局長のお話によりますと、この法律を一時停止するという御意見でございますが、報ぜられるように、かりに三月までこの法律の停止をするという場合に、ここに出て参ります弊害はどのくらいに見積つておいでになるかということを、一点伺つておきたいと思いますことと、今一つは國民のみが回避した場合には、これが罰則を受けなければならない立場にありながら、それでは政府の手落ちから、あるいは國家の手落ちから、この法律を停止しなければならぬというようなことが出て参りました場合に、國家が國民の前に負うべきいかなる態度を用意しておられるか、この二点について一應予防局長から伺つておきたいと思います。
○濱野政府委員 お答え申します。新聞紙上に何か一月とか三月とかいうようなことが出ておりましたが、あれは私たちの関知しないところでありまして、私たちとしては、ワクチンをもう一ぺん再檢定して、最短期間にやる。もしその間に少しでも危いものがあるならば輸入品をもつてやる。要するに日本品においては再檢定をする、そして輸入品において扱いたいというのか、私たちの一番の趣旨でございます。私たちまだいろいろ交渉中において、新聞に一月とか三月とかいうことが出たわけであります。なおジフテリアの予防接種は、数字はまだまとまつて参りませんが、大体八〇パーセントくらいまで各府縣で施行せられたのではないかと思うのであります。ジフテリアが一番ふえるのは、御承知の通り十月ごろから十一月、十二月のころにかけて、その時分に一番よくジフテリアが出るわけでありますから、そのときに注射を早くする。この予防法の施行令には九月から十二月までが第一回目の施行、それからあと三月から六月までが第二回目の施行、つまり年二回これを行うと、予防の施行細則に定期でするようになつております。でありますから、今十二月の一番おしまいになつております。一月、二月の間にできれば大至急でこれを檢定しますれば、法律に基いた施行細則によりますれば、三月からこれはできる。こんなところから三月ということが出たかと思います。なおもう一つ問題になりますのは百日せきで、これが冬の間に相当ふえるのであります。この百日せきはまだ檢定が法律で施行されておりませんが、私たちの方においては、百日せきで苦しむ子供さん方を少しでも救いたいと考え、この百日せきの予防も早くやりたい。これは今民間の会社がすでに自己檢定をしておりますが、雜菌その他至急調査して、早くそういうことのないようにしたいと考えております。あとはジフテリア、パラチフスの問題ですが、これはもう少し先の注射期間でありますから、注射時期から申せば少し手の拔けられる時期でありますので、こういう意味で急いで再檢定をなし、その上で國民各位におわびを申し上げ、もう心配ないからぜひしてください、こういうことを申し上げたいと思つておるのであります。先ほど田中委員からお話のありました点でありますが、今度京都あたりを見ましても、十万人余の予定で九二%まで注射が施行されました。九万五千人施行されたのですが、例の一〇一三号の注射液を使つた方が病氣になられたのでありまして、九万何千人の中から約五十名ばかりが消毒不完全とかということから出た。開業医の方もこれに対しては非常に協力してくださいまして、まじめに熱心にやつたので非常に被害が少かつた。栃木縣の場合ないしは三重縣の場合、これはいなかでありまして、消毒その他不完全な点にこういう間違いが起きたので、逐次これは改めて行きたいと考えております。さよう御承知願います。
○松谷委員 新聞の発表が誤報であるといたしますならば、ひとつ至急に取消していただいて、御当局の意のあるところをあらためて國民の前に御発表いただきたいと思います。ただいまの予防局長の御説明によりまして一應の了解はできたのでございますが、なお一應伺つておきたいのは、その早急な場合があつたときには、輸入ワクチンをもつてこれに充てるというお話でありますが、輸入ワクチンがはたして可能であるかどうかということを私どもは一番懸念いたします。あるいはもうすでに輸入ワクチンの数量なり、あるいは檢定なりができておるかどうか。それに依存しておつて人命をまたそのためにそこねるというような落度がないであろうかどうかという点の責任を、ひとつ伺わせていただきたいと思います。
○慶松政府委員 これは一面予防局長からもお答えすべき点でありますが、目下一番必要だと考えられますのは結局発疹チフスであります。これからさつそくいりますから。しかし発疹チフスにつきましては、これは輸入したワクチンが現に相当量政府で保管したのがございますので、これを使い得る。こういうことを申し上げる次第であります。
○野本委員 輸入ワクチンをお使いになるということについて、私お聞きしたいのですが、それは輸入ワクチンによつて予防注射をすることの國民心理に與える影響。日本の藥学、日本の医学というものは信ずるに足りないものであるというような印象を國民に與えることは、將來きわめて大きな問題になつて來る。同時に國際的な影響、將來日本の藥学あるいは製藥というような仕事が國際的に伸びて行かなければならない。また伸ばさなければならないというそのときに、日本の藥はきわめてたよりないものであるというようなことを印象づけるということ。この國民心理に與える國内的な影響、國際的な影響、それについてどういうふうにお考えになつておるか。
○慶松政府委員 私どもといたしましては、原則として國産品をもつて使うつもりでおります。從いましてただいま私が申しました発疹チブスのワクチンにつきましても、相当な量がただいまできたのがございます。これを十分な檢討によつて檢定をいたしまして、予防接種のために供給し得る大体の見通しはあるのでございますが、しかしその際なおかつそれでも不足いたしましたならば、輸入したものもございますために、これをもつて補い得る、こういうつもりでおります。從いまして私どもといたしましては、もちろん原則的に申しますれば、当然日本のものを使う。しかも日本のものは檢討いたしまして、檢定を十分にしてやるならば間違いはないということを、私どもは信じてやるつもりでおるのでございます。
○野本委員 私はただいまの日本のものは大丈夫だという、そういう確信の上に立つて將來お考え願いたい。同時に、それだけに今後の製藥その他の問題については、深い研究と責任を持つた処置をとらるべきであると思います。
○慶松政府委員 たいへんいいお話を伺いまして、その通り十分いたします。
○松谷委員 ただいまの発疹チブスの点は了承できたのでございますが、ジフテリアの点はいかがでございましようか。
○慶松政府委員 大体ジフテリアにつきましては國産品をもつて行うつもりでございまして、今のところでは、輸入を急に懇請いたしましても間に合わないと存ずる次第でございます。從いまして國産品につきまして十分な檢討を加えまして、それを使うことにいたしたいと考えております。
○松谷委員 ジフテリアについては今折衝中であるというお話でございますが、はなはだたよりなく思うのであります。輸入ができない場合に、早急に國内のものを調査してやるというお話でございますが、もしもその調査が滯つている場合、あるいは調査が間に合わない場合にジフテリアが発生したとき、これに対する処置は一体どうなるか、あるいは厚生当局が今日輸入もできず、あるいは國内品もまだ接種できずというようなその途中において、ジフテリアのために倒れて行くところの子供に対する責任は一体だれがとるのであるかということについて、もう少し誠意ある御当局の処置を披瀝じていただきたいと思います。あるいはその國内品の再調査にしても、どの程度の速度でなさるのか、またそうした犠牲者を一人も出させずに行ける自信があるかどうかという点を、もう一回伺いたいと思います。
○慶松政府委員 ジフテリアを治療いたしますのは、御存じの通りジフテリア血清でございますが、予防いたしますための予防液の点について申し上げますと、予防液は全部の人々に予防接種をするといたしますと、ごく大ざつぱな数字でございますが、予防接種法に基きます対象人員は生後六箇月から十箇月、六才から七才、十二才から十三才、これだけの人々が予防接種の対象でございまして、それを全部にいたしますと、大体の見当が九千リッターでございます。本年度実際やりました数字によりますと八千リッターかでございました。これをほんとうに嚴格な意味におきまして檢定をいたしますと、たしか約五箇月かかると思う。全部の人々に対します量を計算いたしますと、大体五箇月かかります。しかしながら三月以降におきまして接種いたします人員に対しましては、三月から六月間において、最初に三月においてやりますのは六才から七才の人々をまずやるわけでございますが、それはその中で千八百リッターくらいでございます。すなわち千八百リッターくらいでありますと、これは完全に初めからしまいまでの檢査をやりましても、まず一月あれば足りる次第なんでございます。從いましてそういう数字的な計算からいたしますと、まず毒性試驗のことはすでに済んでおりますが、もし一度確めますために藥品あるいは毒性試驗などをやりますと、もつと短かくすることができます。從いまして一箇月に二千リッターくらいのもの、すなわちこれは約六才から七才までの全部の数字でございます。私はなはだ申訳ありませんが、今日人数の点を持つて参りませんでしたが、量は確かでございます。いずれにいたしましても六才から七才までの者、あるいは十二才から十三才までの者もそれくらいでありますが、それらのものですと二月あれば再檢定ができます。同時にそれをやりますには回收等をいたさなければなりません。從いまして回收の時期等を考えなければなりませんが、一面におきまして新しいものがどんどん出て來ております。その檢定は今日といえどもやつておりますので、從いましてその檢定を、さらに十分な檢討のもとにやりますれば、このものを市場に供給することができます。從いましてそういう数字的な基礎に立ちまして、まず補給の点におきましては保証し得る。こう私は申し上げることができると存ずる次第であります。
○佐々木委員長 申し上げますが、ただいま厚生大臣が御出席になりましたので、ただいまの質疑を打切りまして、厚生大臣に対する質疑に入ることにいたします。 なお厚生大臣に対する質疑は、議事運営の必要上、ただいま問題になつておりまするジフテリア予防接種の件並びに不良藥品取締りの件にのみ限定してお願いしたいと思います。榊原君。
○榊原(亨)委員 先ほど政府委員の方にお尋ねいたしたのでございますが、予防接種法につきまして新聞紙上に出ておりますところによりますと、予防注射液の不良品を調べるために、一應全部の予防注射藥を回收してその品質を調べる。來年の三月までは一應予防接種は中止するということが各新聞に現われておるのであります。この点につきましての論議は一應納得するところもございますし、また應急にこれを必要とする場合の処置についても、論議のあるところと存ずるのでありますが、私はただこの予防接種法が一つの法律であります以上、これを來年の三月まで一時中止をするということがほんとうであるといたしますと、これは議会の協賛を経なければできないことでございますが、その点に対して厚生大臣の責任ある御答弁を煩わしたいと存ずるのであります。
○林國務大臣 中止いたしますのは來年の三月までに限つておりません。回收いたしまして取調べをいたします間と、新しい藥のできます間だけの中止のことで、新聞に傳えておりますことは誤報だと考えております。さよう御了承願います。
○榊原(亨)委員 その期間がたとえばごくわずかでありましても、これは法律の中止ということになりますと、やはり議会を通さなければできないことでありますが、その点に対して厚生大臣はどんなふうにお考えになつておりますか。先ほど事務当局のお話によると、ほんのわずかだからということでございますが、わずかでもやはり法律は議会を通さなければならない。そこで私の考えますところによりますと、これは法律の中止でなしに、運営上の実施の一部分の中止であると解釈しておるのでありますが、厚生大臣のお考えはいかがでございますか。
○林國務大臣 実は私も專門家でないので、正確なお答えもできかねると思いますが、第一回の予防注射は生後六箇月から十二箇月の間、こういうことになつておりますので、その期間内において一時やめるということはさしつかえないことだというようなことを、專門の方の知識を拜借してお答え申し上げます。
○榊原(亨)委員 結局予防接種法の中止ではないのでございますか。その点をはつきり御言明を願えれば私はけつこうなのであります。
○林國務大臣 運営上の中止ということになります。
○榊原(亨)委員 法律の中止でなしに、この法律は中止しないのだ。ただ運営上においてあるものは一部分中止の形になるということにしていただかぬと都合が惡いのではないかと思うのですが、その点をはつきり速記にとめていただけばけつこうなのであります。
○林國務大臣 榊原委員の御説の通りであります。
○野本委員 この問題につきましては厚生大臣を初め、厚生省の当局の方がいろいろ御苦心され、また骨を折られております実情につきましては、私は大体これを了承しておるのでありますが、ただ私はこの際、特に副総理としての厚生大臣にお聞きしたいのでありますが、六十名に余るいたつけな生霊がいろいろな手違いやら手落ちから奪われて行つたという事実、これはきわめて非痛な深刻な問題であります。なくなつた子供の中には、あるいは日本の再建の偉大な新しい力が宿つていたであろうということも考えますと、非常な問題であろうと思います。それからこういう子供を失われた親たちの氣持になりますと、これはまた言うをまたないものがある。そこで私は厚生大臣としてのいろいろの御答弁、あるいは厚生省の処置等につきましてはお話を伺つておるのでありますが、少くも日本民族の繁栄、日本民族の運命というようなことに思いをいたす政治家であるとすれば、吉田総理は当然この問題に触れて、議会を通じて國民に対してその眞相を明らかにし、また政府の措置を明らかにするとともに、総理の言葉を通して、なくなられた幾多の若い新しい將來に多くの期待を持つべき生霊に対して弔辞を述べ、同時にこの子供を失われた親たちの氣持に対して、これを慰められるだけの氣持はないものであるか。もしこのことを取上げられないとすれば、吉田さんは日本國民の生命、國民の運命というようなものを託するに足らない政治家であつて、冷徹氷のごときものであると、かように考えるのであります。私は厚生大臣が幸いに副総理でありますので、このことを総理に進言されて、ここ一両日に迫つております議会のいずれかの機会をとらえて、その弔問の言葉を発すべきである。かように考えますが、副総理としての厚生大臣の御考えを承りたいと思います。
○林國務大臣 お答えいたします。かねて山崎委員からも御質問がございまして、総理みずからのお言葉によりまして、お心持を発表していただくような構えをいたしておるわけでありまして、今までに種々要件のために、不幸にしてまだ答弁をなさる機会がありません。なお会期も迫つておるわけでありますが、そういうような機会がありましたならば、その機会になるべく総理の答弁を煩わしたい、こう考えております。
○野本委員 それは機会がありましたならばでなしに、必ず機会をつくつてその言葉を発すべきであると私は思います。
○林國務大臣 さようとりはからうようにいたします。
○山崎(道)委員 私はただいま野本さんも言われましたように、非常に残念に思つておるのでございまして、機会があればでなく、本日私は要求をいたします。このことは、先ほど総理の祕書官を通して申し入れてありますので、なお林副総理から必ず——議会はあす解散になるかもわからない。もし解散になつたら、日本中のか弱い子供の生命、あるいはそれをかかえておりまする母たちの切なる氣持もあるのでございまするから、ここにも京都から続々と電報で、ラジオを通じまして私が本会議で質問したことを知つた人たちが、おぼれる者はわらをもつかむという心持でありましよう、毎日のように電報で、あるいは手紙で、私のような者にたよつた依頼が來ておるのでございまして、これに対しましても、私は本日吉田総理の御答弁をいただきたい、かように存じておるのでございます。 それから、その際あわせてお願いいたしたいことは、國家が責任を持つて補償する——ただ漠然としてではなくて、死者に対しましてどの程度の御慰問をなさる御意思であるかというようなことも、私はあわせて伺いたい、かように考えておるのでございます。私はこのことをもつともつと眞劍に考えていただきたいのでございまして、この問題は、本会議でも申し上げましたように、帝銀事件のあの毒殺より以上の問題であり、あの世人を驚倒せしめましたところの壽産院の、あの残虐な行為より以上の残虐者であるということをよくよくお考えになりまして、御処置願いたいということを私は心から要求いたすものでございます。 それからこの際もう一つ、はつきりした御答弁が伺いたいと思いますことは、先ほど來予防接種の一時中止、そうしてその間に不良製品の再檢査をし、あるいは責任ある製品ができてから注射をするというような御答弁を伺つたのでございますが、私は先日の本会議でも御質問いたしましたように、この際思い切つて政府当局におきましては、國立の製剤所をお持ちになつて、國みずからが責任を持つて製藥なさる御意思があるかどうか。もしこれが予算等の関係から、ただちに実行できないといたしまするならば、委託製剤と申しましようか、個々の営利を追求する製藥会社にこれをまかすにあらずして、國家が責任を持つて製藥をする。そうしてその製剤所は、清潔にして最も完備した、科学的な設備のあるところ、これに限つて國が委託製剤をするということ、これに対しまして政府はどういうふうなお考えをお持ちになるか。そうしてまた、これをやるといたしまするならば、一年間に要する予防接種によるワクチンの費用はどの程度かかるのであるかということも、あわせてお伺いいたしたいと思います。
○林國務大臣 ただいまの製藥につきましては、十分檢討いたしまして委託製藥をいたしたい。それには十分監督をつけましてこしらえさせるというよような方法をとりたいと考えております。その費用につきましては、約六億ばかり要するという模樣だそうであります。
○山崎(道)委員 ただいまのお言葉を聞きまして少しは安心いたしました。それと同時に、厚生省は弱いという評判がうんと高いのでございます。でございまするから、たつた六億で政府の責任において製藥できるということでございましたならば、私は必ず実現できると思います。どうぞこの点は強く押していただきまして、六億の全額國庫負担によつてこれをなし得るように、御努力あらんことを私は切に要望いたすものでございます。 それから、重ねてこの際お伺いいたしておきたいことは、副総理は先日本会議で、議会終了後ただちに現地へ行つて、犠牲者の家庭を慰問し、そうして実情を見、その人たちの心からなる要求をお聞きいただけるということを議会で確約されましたが、明日あるいは明後日議会が解散になりましても、必ずおいでくださるだけの政治家としての責任をお持ちであるかどうかということを、お伺いいたしたいと思います。
○林國務大臣 公約は必ず守りまして、解散がありましようとも、いかなることがありましようとも、私は議会が終りましたならば、一番短かいときに——多少準備の都合もあろうと思いますから、たとえば明日議会が終了いたしましたならば、明後日というようなときに立つて、御慰問申し上げたいと考えております。
○山崎(道)委員 大臣の責任ある御答弁を伺いまして、私はこの点に関しましては満足の意を表するものでございます。とにかく中央で考えておるのと違いまして、繰返して申し上げまするが、現地へ参りますると、酸鼻をきわめておるのでございます。ことにか弱い命を、すでに六十名を突破する死亡者を出しておることを考えまするとき、私は昨晩も夢に見たようなわけでございます。先日実地調査に行つたときに、あの病床にあつた子供たちは、あの子が死んだのかしら、この子が死んだのかしらということを思いますとき、私の母心は休まらざるものがあつたのでありまして、大臣の参られますことは、厚生委員一同の要望でございますので、その点もあわせお含みの上、十分なる御慰問と、そして御慰藉をいただきますことを切にお願いいたしまして、この点に対する私の質問はこれで終ります。 —————————————
○佐々木委員長 次に、山崎委員より、全國國立病院從業員の待遇問題に関し、発言を求められております。これを許します。山崎君。
○山崎(道)委員 私はこの委員会を通じまして、しばしば政府当局に要求し続けて参つたのでございまするけれども、私の要求に対しまして何らその後満足すべき解決がなされていないのでございます。医療の國営、あるいは医療の民主化、これをわれわれは心から念願し続けて参つておるのでございまして、この際健康日本といたしまして、まずなすべきものは医療の完備である。ところが今日國立病院が全國に多数ございまするけれども、これが正しく運営されておるであろうか、どうであろうか。結核問題が非常にやかましくいわれておりまする今日、はたして今のような状態でよいであろうか。ことに私がこの際強く要望いたしたい点は、結核の患者がちまたに充満しておる。しかもベッドが足りない。そのためには強制立退きをさえ命じておる。こんな姑息な手段で、はたしてこれが解決できるだろうか。ことにベッド数が不足しておりますことの一つの原因といたしましては、從業員の不足である。ことに看護婦さんが非常な過労のために、激務のために次々と倒れておる。國立病院なんかへ行つて見まして、あの寄宿舍の設備の不完全さ、待遇の惡い点、あるいは超過勤務等は当然のような顏をして、少しも超過勤務に対しましての誠意ある対策がなされてない。こういう点を見まするとき、私は國立病院の將來に対しまして非常に不安を持つ者の一人でございます。この際私が特にお伺いいたしておきたい点は、こういう前提のもとに、今國立病院の從業員の人々は飢餓線と申しましようか、最低線以下の生活をしておいでになる。これで重大な職務が果せるであろうかということでございます。これに対しまして、いろいろな要求がなされておるのでございまするが、そうして大臣は、すでにこの要求に対しましては十分に、直接組合を通じてお聞きになつて御了承のことと存じますが、從業員諸君は今の待遇ではとうてい生きて行かれないし、職責をまつとうすることはできない。やむにやまれない最低線のこの要求に対しまして、厚生当局はどのようにお考えになつておいでになるかということを、まず第一に大臣にお伺いいたしたいと思います。
○林國務大臣 ただいま山崎議員のおつしやいましたように、國立病院などに從業せられておる方々の御生活につきましては、私どももとくとそう考えております。從いまして許し得られる限り改善をするように努めて行きたい。しかしながら大藏省との予算の関係もありましようから、ただちにどういうふうにするということをここにおいて確答はいたしかねますけれども、今後におきましても十分御意思のあるところを体しまして、改善をするように努めたいと考えております。
○山崎(道)委員 そういうお言葉は私もう耳にたこが出るほど聞いておるのです。もう年末でございまして、本年も余すところ旬日に迫つておる。この際にしからばお伺いいたしたいことは、この年の瀬を越すことのできないこの人々に対しまして、政府当局では公務員法とかあるいはその他の問題におきまして制約は受けておりますけれども、だからといつてこのままに過ごすことはできないのでありまして、何らかこの点に対する親心と申しましようか、どの程度までこの要求をお聞き届け願えるかどうか。またその御意思があり、御心配をいただいておるかどうかということにつきまして、ひとつ伺わせていただきたいと思います。
○林國務大臣 ただいまのところいろいろ苦慮いたしまして、あるいは特殊勤務手当であるとか、あるいは特別の加俸であるとかいうようなものによりまして、若干と申しましようか、年末に際しましてお手元に入りますように努力いたしておるわけであります。
○山崎(道)委員 ちよつと速記をやめていただきたい。
○佐々木委員長 速記中止。
○佐々木委員長 速記再開。まだあとに議事も残つておりますので、遺憾ではございましようが、質疑はなるべく簡明にお願いいたしたいと思います。
○山崎(道)委員 承知いたしました。質疑は簡明にいたしますが、これはほんとうに生きるか死ぬかの問題でございますので、その点をひとつ御了承願いたいと思います。 それから超過勤務手当の問題でございます。これに対しましては年内に必ず支給するということでございますが、超過勤務をどの程度まで認めるつもりであるか。そうして必ず年内に支給できるか。それから今後はこういう延滯をすることなく、約束したようにきちんきちんと出していただけるかどうかということにつきましてお伺いしたい。それから医療從業員はほんとうに特殊な勤務でございまして、これに対しましては、医療從業員の特殊な給與体系の確立というような点につきまして御配慮いただいておるかどうかということにつきまして、あわせお伺いいたしたいと思います。
○久下政府委員 数字にわたつてのお尋ねでございますから、私からお答え申し上げます。超過勤務手当につきましては、從來予算的には一人一箇月十時間という制限がございまして、從つて実際に病院、療養所におきまして、超過勤務をしておりまする実績に應じた勤務手当の支給ができなかつたのでありますが、最近になりまして、ようやく予算上の措置も講ぜられましたので、とりあえず私どもの方に実績の資料が集まつております四月ないし八月分につきましては、大体におきまして超過勤務の実績に應じた支拂いをもうすでに現在やつておる次第であります。その後の九月ないし十二月までの分でございますが、これは各病院、療養所におきましての実績が私どもの手元に参つておりませんので、さしあたり月平均十六時間ぐらいのものをこの際概算拂いをいたすような措置をいたした次第であります。実は資料が遅れておりまするのは、一方におきまして勤務体制につきまして一つの基準を示しておりまして、そういうものに基いた実績を集めることになつております。実績が参りますれば大体精算をなし得る見込みで、とりあえず概算拂いを年内にまとめて出すように措置をいたしておるような次第であります。先ほど大臣から申し上げました千円というものも、やはりこれは超過勤務の分として、その名目におきまして出すようにいたしております。それから医療從業員に対しまして特殊な給與体系をつくるということにつきましては、私ども厚生省の者といたしましては同感でございまして、その線に沿いまして從來とも努力をいたしておるのでありますが、現在までのところといたしましては、まだ給與実施本部との交渉の経過では、別体系にするということは承認をせられない実情でございます。しかしながら他の一般官廳職員よりも、病院、療養所に働いております人につきましては少し給與の実態がよくなつております。別体系というところまではまだ話が行つておりません。從つて先ほど申し上げましたような根本的な考え方に基きまして、さらに今後とも関係当局と折衝いたしたいと思つております。
○山崎(道)委員 委員長からの御注意もございますので、私残念でございますが、質問を簡單にもう一つだけさせていただきます。給與体系についてはあなた方も御同感である。そうして折衝してくださるが、なかなかむずかしいと言われる。その一番むずかしい根本はどういうところでございましようか。どこが難関になつているのでございましようか。それならば私たちも極力應援いたしまして、ぜひこれが実現できますように御協力申し上げたい。かように存じますので、その点もあわせ伺いたいと思います。それから一箇月間十時間より認められなかつたということは、まことにどうもあまりにもほんとうのこととかけ離れているので、私には夢物語のような氣がするのでございまして、先日神奈川縣の風祭の療養所に参りましたときは、一週間で十時間ぐらい突破しておる者がざらでございます。もつともつと実質に即して、ほんとうに大切な仕事を背負つて立つてくれまするこれらの人々の待遇に対しましては、もつと眞劍に考えて行かなければ、もしこの線がくずれましたならば、一体日本の文化國家なんという言葉はそのまま抹消してもらわなければならないくらいに私どもは考えておるのでございまして、お互いにもつと厚生行政の上におきましては強くやつていただき、そうして実際に即した待遇をしていただきたい。それでなければ、おそらく國立病院には優秀なお医者さんもいなくなるでしよう。良心的な人はやつて行かれなくなるでしよう。看護婦さんたちもそういう結果になる。かようなことを憂えますがために、ぜひ思い切つて強く進んでいただきたい。ほんとうにその人たちの待遇を眞劍に考えていただきたいということを私はこの際つけ加えて、先ほどの御答弁をいただきたいと思います。
○久下政府委員 医療從業員につきまして、特別な給與体系をつくることがむずかしかつた理由はどこにあるかというお話でございます。私どもが折衝いたしました今日までの段階としては、あまり根本的にどういう理由があるからというよりも、むしろ医療從業員はひとり厚生省のみでなく、他の省にもある。他の省は厚生省ほどに多くの割合は占めてはおりませんけれども、そういうふうな関係がありまして、それらのものを別わけにするということになりますと、現在までのところは、とにかく新しい制度による給與体系を全般としてまとめるということが精一ぱいのようなわけでありまして、それを別わくにして、これを合理的に持つて行くというところまでは、今日の段階ではむりがあつたというふうに理解しておるのであります。從いまして他の官廳における医療從業員と厚生省関係の医療從業員と、こういうものの振合いの点がおもな理由でございます。今後におきましては、これは話合いによりましては、落ちついた交渉をしますれば私も実は実現をし得る見込みがあるのじやないかというふうに考えまして、今後とも折衝を続けるつもりでございます。それから超過勤務手当のことについて重ねてのお尋ねでございました。私どもとしても、決して從事員が十時間くらいの超過勤務によつて病院、療養所の運営がやつて行けるとは考えておらないのであります。ただ本年度の当初予算の計画がそういうことで打切られておりましたので、やむを得ずさようなことを実施しておつたのであります。今日におきましては、すでにその問題も財務当局の了解を得まして、予算的には病院、療養所の特殊性ということが理解せられ、特別な予算を増加してもらつて、実績に應ずる支拂いが大体でき得る見込みになつておることを御承知置きを願いたいと思います。
○山崎(道)委員 厚生省の予算が國の予算の何パーセントを占めておるかということを伺いたい。それからどうも先ほど來のお話を聞きましても、大藏当局が納得してくれないというようなことがたびたび出ておるので、私たちの仕事の過程におきましても、非常に大藏当局が頭がかちかちだと思うのであります。文化國家に対する考え方の理解が少しもないのです。ですからこの点も私たちはぜひ鬪爭して行かなければならぬと考えておりますが、まず貧乏の原因はほんとうに病氣から來ているということをよく考えまして、もつと大藏省がわからなければわからせようじやありませんか。そうして日本の医療制度、ことに國立病院をもつと完備して行かなければ、世界に対して私ははずかしいと思つております。ことにこれは先ほどの予防接種にも関係するのでありますが、こういう事態が起きましたことに対しまして、世界では日本に予防接種をやる能力なし、ワクチン製造の能力なしというようなことさえいわれておる今日でございますから、思い切つた対策が講じられなければ、この不名譽は回復することができないと私は考えます。
○林國務大臣 ただいま厚生省の予算は全部の予算のどれだけかということのお話でありますが、伺いましたところ約五%を少し上まわつておるくらいだという話であります。
○松谷委員 すでに山崎委員からこまかく御要求もございましたし御説明もございましたので、私は結論だけ厚生大臣に申し上げたいと思います。すでに決定されました給與ベースが、要求いたしておりました七千三百円を下まわりまして、いわゆる貧乏線へ落ちついておる今日、この年の瀬を控えまして、眞劍に働いて忠実に國民の義務を果しておられる方々に対して、先ほど大臣がくめんをされて、そこに何とか配慮をされると言つて御表示になりました数字は、私も山崎委員と同様、やはりこれではわれわれ実際のふところから考えまして納得はできない。まず明日のもちも買えないという状態になつて來ると思いますので、ひとつその御表示になられました数字を、よりごくめんくださいまして、なお納得の行く正月を迎えられる特別なる御配慮を、特にお願いしたいと私からも要望をいたしておきます。 なおいま一つ伺いたいのは、先ほど來山崎委員から申されておられましたように、國立病院の從業員の方々のそのふだんの御苦心、あるいは実際の超過勤務の実情と齟齬いたしておる勤務手当の支給、その中にあえいでおる方方、これに加えまして危險負担、結核あるいは癩の從業員に対する危險負担の点を、厚生当局はどのように取扱つておるのでございましようか、この点について一應伺わせていただきたいと思います。
○久下政府委員 私からお答え申し上げます。結核、癩、精神病等の特殊な施設に勤務をしております人々に対しましては、厚生省といたしましては、これに特殊勤務手当制度の確立を必要と感じまして、委員会を設けてその答申を得ておるのであります。新しい給與の実施に際しましては、この委員会の答申を基礎といたしまして、長い間熱心に折衝を重ねて参つたのであります。私どもが考えておりましたような特殊勤務手当制度は承認を得るに至らなかつたのでありますが、さしあたり癩、結核及び精神病の医療施設に働いておりまする特殊な人々に対しましては、一号ないし六号の範囲におきまして——多少勤務の態様によりまして差はございますが、最高六号、最低一号の加俸をすることが認められました。その実施につきましては、今月の中旬に各施設に対しまして指令をいたした次第であります。この加俸は本年の一月にさかのぼりまして実施をすることにいたしております。なお年末の際でもありまするので、そうしたさかのぼつて加えられます加俸を、年末に際して支給のできますように指示いたした次第であります。さようなぐあいでございまして、一應特殊勤務加俸というものを、特殊な施設に働いておる特殊な人々に俸給として支拂いをすることになつたのであります。なおこれにつきましては、私どもといたしましては、当初考えておりました特殊勤務手当制度を制度として確立をいたしますように、今後とも努力を重ねたいと思つておる次第であります。
○松谷委員 御当局の御努力は感謝いたしますが、なおその加俸という一つの具体的にとられました内容と、初めに要求されて努力されました特殊勤務手当制度との間に、内容的にそこに開きがあるかどうかという点について、一点承つておきたいと思います。
○久下政府委員 私どもは特殊勤務手当制度に関する委員会の答申を得まして、交渉をいたしておりましたのに比較いたしますと、ここで認められました加俸制度は非常に幅があるものであります。具体的に申しますると、癩の療養所に勤務しております人々につきましては、一箇月の諸給與の最高八割増しにして支給をするというような案をつくりまして、交渉を始めておつたのであります。それから比較いたしますると、たとえば癩療養所の看護婦などは、最高六号増級を認められたのでありますが、六号といたしましても、百円刻みの現段階におきましては六百円、もし下の方でありますと五十円刻みのものもありますので、決して大げさなものでありません。そういう内容的にも差がございますし、また加俸を受けますものの範囲においても、手当制度の観念と大分氣持が違つております。幅と内容との関係におきまして大きな差があるのであります。
○松谷委員 相当の開きがあるこの手当制度と加俸との点につきまして、ひとつ当局も今後において、特殊勤務手当制度の確立に極力邁進していただきたいと思います。私ども委員会におきましても、先程山崎委員の言われたように、その間における政治的障害に対しては、私どもも全力をあげてその障害を打開しながら、特殊勤務手当制度の確立に邁進して参りたいと思います。 なお最後に重ねて御確認を得ておきたいことは、その特殊勤務加俸の実施が今年の一月にさかのぼりまして、この十二月中に、少くとも年の瀬のうちに全額を支給される確実な御予定があるかどうか。確実に私どもがそう受取つていいかどうか、いま一度伺わせていただきたいと思います。
○久下政府委員 特殊勤務加俸をさかのぼつて支給いたしますことは、この該当者につきましては、確実に年内に支給し得るように指示いたしてございます。
○山崎(道)委員 この際私はごく簡單にお伺いいたします。 先日來不良藥品の問題につきまして、しばしば御質問申し上げましたが、ことにあの問題が起きましてからその後お取締りになりまして、どの程度の不良品を御発見になつたかどうか。それからこの國会の医務室における注射液の檢査の状況等につきまして、お伺いいたしたいと思います。 それから輸血によつて性病をうつされた問題、あれについてはその後どういう経過になつているか、輸血業者等の態度についてどういう御処置がとられたかということを、お伺いいたします。
○慶松政府委員 まず第一に具体的な問題からお答えいたします。國会におきます医務室に相当量の注射藥がございまして、その中にまた相当量の混濁と申しますか、アンプルの中にごみが入つているものがございますので、それにつきましては私も見ましたし、また係の者をしてそういうものを全部收去させました。数量にいたしますと、少くとも三百本以上くらいあつた中に、約四十七本の不良品がございました。それにつきましては、全部その会社等を呼びまして嚴重申し渡しましたところが、大体製造されましてから相当日にちがたつておりますので、これは全部回收いたしまして、國会に対しましては新しい品を提供するように本日その点を傳えました。かつこれにつきましては嚴重戒告いたしまして、始末書を全部とつております。 なお一般的に、その後の取締り状況を申し上げます。これは先般御報告いたしましてからまだ日がたつておりませんので、全國的な集計等はできておりませんが、しかしながら東京都その他おもな府縣からは、いろいろな報告がございます。但し実際に、私がしばしば申しておるのでございますが、不良品は相当あり、これにつきましては、具体的な数字は、はなはだ申訳がございませんが、持つておりませんが、戒告あるいは行政処分、あるいは司法処分等をやつておるものも相当ございます。なお先般山崎委員からお話のございました山形縣におきます不良品のことにつきましては、山形縣の分は全部回收いたしましたが、ほかの府縣からは直接私どもの方へは申して参りません。そこで私どもの方から各府縣に嚴重に注意いたしまして、こういうことが山形縣にあるので、お前のところもあるに違いないから、この点は至急に報告せいということを申してやりました。これも先だつて申したと思うのでありますが、今回の藥事法に基きます藥事監視員を全國に七百八十名任命いたし、本省におきましても約百人の監視員の任命を終りました。そうして各都道府縣の知事に対しまして、相当詳しい藥事監視のための要請を通牒いたしまして、それによりまして毎月必ずその報告をしてもらうということを申し傳えたのでございます。それで先般第一回の本年の取締りの状況を御報告申したのでありますが、はなはだ押し詰まつておりますが、これは急を要しますので、本年中に靜脈注射に使います藥だけ特に取上げまして、立入り檢査をして、これを至急に報告せいということを各府縣に申し傳えたのでございます。 それからこれは先ほど榊原委員にもお答えしたのでございますが、特にお医者さんとか藥剤師、その他の方々、あるいは一般の消費者の方の御協力を得るために、近日中にこれに対しましては適当な方法を地方廳に指示いたしたい、こういうことも考えておる次第でございます。なお京都その他におきまして、具体的に中毒事件が起つております。これは新聞にも出ておりますが、その製品を具体的に申しますと、ネオ・アルバジルの中毒もございましたが、その製品は実はその会社におきまして、良心的に回收しておつたのでありますが、たまたま回收漏れのものがそういうことを起したようなことがあります。この藥が惡かつたかどうかということにつきましては、ただいま係官を現場に派遣して調査をさしております。そういう次第でございますので、わかりましたならば、至急にまた報告することにいたします。 なお廣告等が非常にあいまいなものがありまして、それらにつきましては、実は私どもの方から関係の新聞にそういうことを発表いたしたのであります。そうしますと続々と返品して参りますが、その品物の回收がつかないこともありますので、私どもの考えでは、もちろん行政処分あるいは司法処分を從來より以上に強化することも大切と思いますが、一番効果のあるのは新聞紙上に発表することでありますので、その点をできるだけ励行いたしたいと考えておる次第であります。
○久下政府委員 輸血の問題につきましては、実は私どもといたしましては、法律案の御制定をいただきまして対処することが根本だと思つておりまして、ただいま法律案の作成に專念をいたしておるところであります。しかしながら解散後の國会まで、まだ相当の期間もございます。たまたま問題が主として東京都に多いのでございますから、東京都におきまして、地方自治法に基く新しい條例をつくることにいたしまして、先般私どもも参加をいたし、内容を審議し、おそらく今月中に発布せられるものと思つております。その内容は、從來厚生省令として出されておりました輸血取締規則をさらに一層要点において強化したのでございます。そういうものが発布せられましたならば、私どもとしてはその案文を添えて、さらにおもな問題のある各府縣に、同じような措置をできるだけとるようにということを指示いたしたいと思つております。そういう法律的な措置を講ずることによりまして問題を解決することができると信じておる次第であります。
○山崎(道)委員 医藥品に対しましては、いずれも病人が生命を託しておることでございますから、特に嚴重なお取締りをお願いいたしたいと思います。ことに慶松局長にお願いいたしておきたいことは、先日のお話の中に、古いアンプルには戰爭中の非常に不良品が多かつた。それが古くなつて來て、溶解して來ておるようなものが結局災いをしておるのだというお話でございましたが、買う方は素人でわからないのでございまして、何年以前にできたものが惡いというぐらいのことはおわかりだろうと思いますので、そういう不良品はこの際、私どもが安心できますように全部回收していただくような御処置を願いたいと存じます。 それから庄司政務次官にお伺いしたいのでございますが、先日來の新聞で、上野の浮浪者の住宅を燒き拂つた問題であります。新聞紙上で私が拜見いたしたところによりますと、七百名のものが、その半数はあるいは養老院とかそれぞれの施設へ收容できたけれども、あとの半数はなべかまをかかえて、あるいはふとんを背負つて追い立てられて、帰つて見れば自分の住む所は燒き拂われて、住むことができないというようなことが新聞に載つておつたのでございますが、それらに対しましては、この新聞記事が眞相であるかどうかということをお伺いしたい。それから收容施設がなくて、その收容にあぶれた人々が路頭に迷つておるというような記事でございますが、私はどうしても了承できないのでございます。ことにそれらを暫定的にテント村をつくつて、テント村に收容するというようなことが出てございます。このテント村の問題につきましては、私は二、三回本委員会で問題にいたしたことがございまして、早速処置をするというようなことでございました。しかも現に上野には百世帶近いテント村の住人がございます。ここは行つてみると、まつたく悲惨のきわみでございます。松谷さんは貧乏線の生活とおつしやいましたが、貧乏線どころでない、まつたく飢餓線でございまして、見ていられない状態でございますが、またこの寒空を控えまして、あのテント村でやはり越年をさせることになつたということすら私は遺憾で、厚生当局の責任の追及すらしたいと思つておりますが、これを燒き拂つて、そうして收容することのできない人たちの救急策として、またテント村をつくらなければならないというようなことは、およそ納得できないのでございまして、これらに対しましては、事の眞相についてまず御答弁を伺いたいと思います。
○庄司政府委員 私は東京都あるいは警視廳関係とも、厚生省としては公式な御報告には接しておらなかつたのでございますけれども、過般新聞を見、また新聞の投書欄等に大学生等のあの燒跡に関する非常な義憤の叫びが出ているのを見まして、これはたいへんなことであると考えて、私は自分で燒かれたという現場へ行つて見ました。なるほど戸数は正確にわかりませんけれども、十数戸あるいは二十数戸のものが燒き拂われておりました。これがいかに都市計画の上から、あるいは道路、市街の美観の上から、それぞれの法律や法令に背反するような建築であろうとも、あるいは建築法をまつたく無視したバラックや掘建小屋であろうとも、とにもかくにも困つている諸君が自衞上やつているかたつむりのからのようなものである。それを全然無警告で燒き拂つたということは、これは人道の上からまことに默過すべからざることである。かように考えて、その現場においてきわめて感傷的になりまして、涙なきを得なかつたのであります。かような氣の毒な同胞をそのまま放置することはこれは許せないことである。かように考えて、下谷の警察、また東京都の民生局長等をその日の午後に訪問いたしまして、これは容易ならないことである。かような諸君に再びああいう掘建小屋をかつてに建てさせることは、建築法その他の法令違反であろうけれども、とにかく住むに家なき同胞であるから、お年寄りの人は養老院であるとか、その他適当な方面に收容させるだけの措置をとつてほしい。ただ燒き拂うというだけであつてはならない。たとい燒き拂うにしても、その後においてそういう方々に雨露を凌ぎ得るところの住所を與えなければならない。かように考えて、警視廳には参りませんでしたが、上野の下谷警察、それから東京都の民生局関係等に適宜の措置をとつてもらうよう、私としては直接そういう職務権限があつたかどうか知りませんが、これはまことに見るに忍びない、許されないことである、非常な義憤に燃えて、善後措置を頼んで参つたような次第であります。その後、その結果はまだ聞いておりませんけれども、お説の通りでございますから、厚生当局としても指導監督よろしきを得て、東京都をして善処させるために、今後とも奮闘したいと考えております。また燒かれたバラックに住いをしておつた諸君で、いまだに住所を持たないで寒天にふるえているような人々には直接にも御面談申し上げて、再起更生のなしあたうように力と慰めを與えて、一面東京都の直接救護の任にあります民生局、あるいは民生委員等にも御相談申し上げて、善処したいと考えておる次第でございます。
○山崎(道)委員 この住宅問題に対しては、困難でございましようけれども、もつと厚生当局は熱意ある態度を示してもらいたい。それは東京都で私が調査したところでは、今なお雨が降ればびしやびしやするような防空壕の中に住んでいる世帶が百六十八戸ある。まだこれ以上あると存じますが、私の調査の範囲内ではそれだけあるのでございまして、敗戰後三年、今なお穴居生活をしているというような人たちをそのままに見のがすことは、私は人道上の問題だと考えるのであります。それで東京都あたりでは、都営住宅ができた場合に抽籤でやつているようでありますが、区長の権限で優先的に二戸ないし三戸は自由にすることができるということでございますので、抽籤ならば抽籤といたしましても、これをあとまわしにして、まず穴居生活をしている人、これはほんとうに資力がないからこそ防空壕に住んでいるのでございますから、これらの人をぜひ優先的に都営住宅に收容することのできますように、御指示を願いたいと思います。先日久ヶ原の方を私歩いておりましたら、どこからともなくラヂオが聞えて参ります。おかしいなと思つて見ましたけれども、家はございません。よく見ましたら、ちよつとした丘陵の土手のところにガラス戸が見えるのでございます。そこを訪問してみましたら、細長い、疊数にして三疊くらいのところに五人住んでおりました。私は穴藏の中に住んでいるこういう人たちがあるということを知りまして、それから私は努力して調査いたしましたら、百六十八戸ございますので、これらの人たちをぜひ救い出すことのできますよう、あたたかい思いやりのある御処置を私はお願いしたい。先日区長さんにその問題を訴えまして、ある区長さんがその権限内にある二戸のうち一戸を穴藏の中に住んでいる人たちのために貸し與える処置をとつていただきました。そのときにおかみさんが、私は四年ぶりでやつと人間の生活に帰ることができましたと、涙を流しておられました樣子を見ましたときに、私は政治家として非常に自分の責任を感じさせられたものでございます。こういう人たちが多くあるということをお考えくださいまして、今後住宅問題は困難な情勢、いろいろな問題のために制約は受けておるでございましようけれども、まず優先的に御善処願いたいことをお願いいたしまして、たいへん時間をとつたようでございますから、本日の私の質問はこれで終ります。
○庄司政府委員 ただいまの、家なくして防空壕の中で原始的な穴居生活をしておるお氣の毒な同胞のために、住宅問題についてきわめて御熱心に御論及くださいまして、まことに感激にたえません。厚生省としてもその点に深い関心を持つておりましたが、東京都の庶民住宅計画、あるいは引揚者に対する住宅計画等、これにはやはりいろいろな隘路等もありまして、予定通り進捗していないのでございます。ところが幸いにも約二十日ほど前に、財團法人明照会の代表者宮東という篤志家がございまして、この方は氣の毒な方方のために数百戸の住宅を建てて、ほとんど無家賃同樣でこれを貸し與えておる。この方は私の郷里宮城縣出身の方でございますが、この人が二十日ほど前に厚生省に來られて、元の陸海軍の古資材が数百石放置されておる、ついては厚生省よりの裏書きというか、保証があれば、それでもつて数百戸の小住宅なり小バラックが建つ、そしてそれをただいまお示しのような、氣の毒な状況のもとにある人々のために提供したい。こういうのでございまして、そこで私は、厚生省としてはありがたいことである。ぜひすみやかに建ててほしいというので、これは政治的解決の意味を多分に含めて、厚生省としてはオーケーを與えたような次第でございます。四、五月前に宮東君に再び会いましたところ、幸いに建設省の了解を得て、古材の拂下げも終つたからすみやかに建てて、そういう氣の毒な諸君を收容したいということでありましたので、たいへん喜んでおる次第でございます。それは別問題として、仰せの御趣旨はまことにごもつともで、一人だに氣の毒な同胞があつてはなりませんので、できるだけ住宅問題にも関心を持つて來るべき昭和二十四年度の予算等においても相当御協力申し上げ得る予算措置をとりたいということを、せつかく念願しておる次第でございます。
○佐々木委員長 不良医藥品の横行に関しましては、先ほど來各委員から御指摘通りでありまして、まことに國民保健上寒心にたえないものがあります。よつて当委員会におきましても、十二月十三日付をもちまして厚生大臣あてに、この不良医藥品取締りに関する調査監督の機関を各府縣に設置していただきたいという要望書を提出しておいたわけでありまするが、事は人間の生命に関する緊急を要するものでありまするので、これに対する措置も早急にとつていただかなければならないと思いまするが、その後厚生省におきましては、当委員会の要望を容れられましてどんなことをおやりになつたか、委員長として一言承つておきたいと思います。
○慶松政府委員 これは先ほど來しばしば申しておりますように、地方廳に対しまして早急に靜脈注射の藥についての取締りをやれ。それから榊原委員の御質問に対してお答えいたしたのでございますが、目下当委員会からお申出の件につきましては、いかなる組織をつくるかということについて具体策を練つている次第でございまして、近くお答えできることと存じておる次第でございます。なおその他各府縣に対しましては、從來もやつておつたのでありますが、それを特に嚴重にいたしまして、毎月必ず不良藥品の取締りに関しましての詳細な報告を——その形式等もきめたのでございますが、正確な報告を提出せしめる、こういうことの手配をすでにいたしました。なお具体的の個々の不良藥品の監視に関しましては、その都度地方廳の人間を呼び、また本省からも出向きまして、これの措置につきまして遺憾のないようにいたしておる次第でございます。 —————————————
○佐々木委員長 次に請願の日程の審査に入ります。まず精神病院の入院費に関する請願、文書表第一四七号を議題といたします。私が紹介議員になつておりますので、私より請願理由をきわめて簡單に説明いたします。精神病院法の適用を受け、各地精神病院に入院中の患者の入院費は、各都道府縣によつてはなはだばらばらでありまして、かつ一般にきわめて低廉で、生活保護法による旧療扶助との間にもはなはだしい隔たりがあります。憲法の定める人権平等の趣旨にも反し、患者の適正治療を期しがたいのであります。よつてすみやかに社会保險に準じて、全國的にこれを統一せられんことを要望する次第であります。なお請願理由の詳細は文書に讓ることといたしますが、何とぞ御審議の上、採択あらんことをお願いする次第であります。本件に関し政府の御意見を伺います。
○濱野政府委員 ただいま御請願になりました精神病院の費用の点でございますが、精神病院法によりまして現在運営されておりまして、從つて費用その他万般非常に不行き届きな点が多々ございますので、どうしても法律を改正いたしまして、根本的に、できれば生活保護法に準じてすべきものであると私ども考えております。ただいま法律の改正に対しまして努力いたしておるような次第であります。いずれつくりましたら御審議を願いたいと存じております。
○佐々木委員長 それでは本請願の採決に入ります。本請願は議院の審議に附するを要するものとし、採択の上内閣に送付すべきものと議決するに御異議ありませんか。
○佐々木委員長 それではさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会