厚生委員会 第3号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1948/12/13
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 本日はただちに日程の議題に入る予定でありまするが、松谷天光光君より発言を求められておりますので、この際社会扶助に関する件を議題といたします。
○松谷委員 それではお許しをいただきまして、社会局長にお尋ねいたしたいと思いますのは、前議会の、ちようど昨年の今ごろの時期でございましたが、生活保護法によるところの要保護者に対する生活扶助費が、各地におきまして割当額を欠いておつた。つまり十分適正なる扶助費が與えられておらなかつたという問題があつたのでございまして、当時厚生委員会において、当時の社会局長にいろいろ事情を訴えまして、御調査をいただきましたところが、暮れ押し詰まりまして、一人に対して今までの不足額を最低千円以上受取つておる。多い方になりますと、一万円以上を不足額として受取つた方がある。これは東京都におきます立川市に起つた問題でございますが、厚生委員会で取上げましたので、そうした不足額を受取ることができまして、要保護者の方々は、どうやら正月を迎えられるようになつた。それも一人斡旋者が要保護者の中におりまして、どうも最近の扶助料が不明朗である。これをひとつ調べていただきたいという声が上りましたので、ここまで問題を運ぶことができたのでございまするが、その市役所におきまして、そうしたことを國会に直通をするということで、その要保護者はけしからぬやつじやというので、大衆の面前で相当罵倒された。しかし一人が罵倒されても、そうした國家何十万かの要保護者が、当然與えられるべきものを與えられたというその大きな結果を見て、自分は満足であるという一人の要保護者の訴えもあつたのでございますが、また再び暮れが押し詰まつて参りました今日、この生活扶助料に対しまして、十分末端まで行き届いておるかどうかということを、社会局長に一應ひとつ御調査をいただきたいと思うのでございますが、これは昨年も私局長にお願いいたしまして、そうした御調査を時折やつていただきたい。地方自治体においては、今日の地方自治の財政の不足から、ともしますと、この生活扶助費に充てられておりますところの増額分などを、他に流用しておる向きもなきにしもあらずの感がありますので、こういう点について、ひとつ適当に御処置をとつていただきたいということをお願いしておいたのでありますが、その後社会局におかれましては、こういう点について何らかの御配慮があつたかどうかということを伺つておきたいと思います。
○木村政府委員 生活扶助が適正に行われまして、要保護者の最低生活が保障されるようにいたすことにつきましては、前々から注意いたしておるのでありまして、現在やつておりますことを申し上げますと、ただいまの陣容といたしましては、全部の縣にわたりまして一時にやることはできませんので、縣を選びまして、数人の調査官を派遣いたしまして、現地に出かけて、大体一つの縣で一週間くらい、ずつと実際に各町村の帳簿を調べ、さらに末端の要保護者の家庭を訪問いたしまして生計調査をいたしまして、現実にどういうふうになつておるかということを調査いたしております。これによりまして縣並びに市町村に対する指導をいたしております。大体一年間に十ないし十数縣はいたしております。現在の陣容といたしましては、大体その程度が限度ではないかと考えております。人員がもう少しふえるか、あるいはこれに必要なる諸経費がふえるかいたしましたならば、もう少し拡充することができますが、現在におきましてはこれが限度となつておりますので、その程度のことはいたしております。 それから從來の扶助費の支給が非常に遅れることになりますので、中央から地方へ補助金を前渡しするということにいたしております。大体先月中にこちらからの補助金が参りまして、手に入りましたならば、ただちにその月の分の補助金が市町村から支給できるようにいたしております。これは先般中央の措置として、こまかい手続を設定いたしまして、なお府縣に対しましても、府縣から市町村に出しますこまかい手続をきめるように指示いたしました。これによりまして、大体その月に入りましたならば扶助費が前渡しできるように、中央としては措置いたしております。ただ今年の夏ごろまでの状況によりますと、予算が全部暫定予算になつておつた関係上、予定通りに月前に補助金の前渡しということにはなりませんでしたが、最近におきましては全部前月中にこちらから補助金が先に行くというようなことにいたしております。 なおいろいろわれわれの方では十分心を配つておりますけれども、地方の事情によりましてはいろいろな点があると思いますので、その点につきましては、聞込みがありました場合には、ただちに実情を調査するということに努力しております。
○松谷委員 ただいまの局長の説明によりまして、昨年に比べてこの生活保護法の完全実施のために、当局も相当御盡力くださつておるということを伺いまして、喜びを感ずるのでございます。参考までに伺つておきたいのでございますが、調査員の現在の人員はどのくらいでございましようか。
○木村政府委員 專門でこれに当るように定員がとれておりますのは二級官二名、三級官がたしか四名であつたように思います。しかしそれだけに限らずに、他の者もできるだけその方にまわるように、それぞれ受持ち区域と受持ちの場所をきめておりますから、その区域内でもつて保護課の者が全員これに当るということにいたしております。
○松谷委員 ただいまの人員を伺いまして、私はむしろ驚異を感ずるのでございます。調査の仕事は全國にわたつて相当の数でもあり、また性質においても相当手間のかかる仕事であると考えるのでございますが、これに対しましてわずか十名足らずの調査員の数では、なかなか御当局が親心を持つてなされても、その実際の結果というものははなはだ僅少であると考えるのでございます。この点なお予算の面等もございましようが、もう少し人員を拡張していただいて、なお一層生活保護法実施の徹底化をおはかりしていただきたいということをお願いして、私の質問を終ります。
○庄司政府委員 ただいまの御注意並びに御要望に関しては、厚生当局としてはまことにありがたい次第でございまして、全面的に松谷委員の御要望をありがたく受入れまして、特に昭和二十四年度の予度編成について第一期の協議中でありますから、一面において大藏当局との折衝も善処いたしまして、御要望に沿い得るように努力したいと思います。 なお厚生委員の公職にあられる皆さんにおかれましても、各都道府縣等において陰に陽に御助成を賜わりまして、せつかく愛の法律である生活保護法が制定され、三年月を迎える今年において、この愛の立法の趣旨が普遍化され、滲透化されるよう特段の御助成をお願い申し上げたいと思うのであります。ただいまの切なる松谷委員の御要望は、特に生活保護法制定の際における特別委員としての松谷議員の御功労の大なるものがあつたことを記憶いたしまして、感謝の辞とともにただいまの要望を実現することに努めることを御考慮申し上げます。
○佐々木委員長 本件に対する質疑はありませんか——それでは次に武田委員より生活保護法に関して発言を求められております。これを許します。
○武田委員 生活保護法が実施されましたことによつて、一般の困窮者というものが一括されてその中に入つておるのでありますが、それについて取扱い上私が常に要望されておりますのは、未亡人の場合に、子供がそのまま中学以上になりますと、すぐこれを働かせなければならぬ状態で、もし未亡人が高等学校、大学に入れたいという希望があるときは、生活保護を受けられないで、自分の方で生活も、教育も何とかしなければならないというような状態になつておるということをしばしば私は訴えられるのであります。この点について何か特別な処置をとられるお考えはございませんか。
○木村政府委員 生活保護法は御承知の通り國民の最低生活の保障でございまして、これにつきましては無差別、平等にこれを実施しなければならぬということになつておるのでありまして、從つて現在の状態においては、國民の最低生活といたしましては、義務教育までは必ず扶助しなければならぬということになつておりますので、義務教育までのものについては終了させるようにいたしたい、かように考えて措置しております。それ以上の問題については、これは特別の教育ということになりますので、特に英才を求める育英的の問題になつて参りますれば、われわれの方ではこれを所管いたしておらないのであります。現在の未亡人のいろいろの状況を見ますと、まことにお氣の毒にたえないのでありますが、現在のところにおいては、法の建前としてはこれ以上の処置はとり得られないのであります。
○武田委員 その場合には、その場合というのは、今まで生活保護法を受けておつて、子供の義務教育を済ました、そして高等学校に入れるという條件になれば、未亡人の方の内職その他によつての收入が少しくらいふえた程度でも、生活保護法は受けられないということになるのでありますか。
○木村政府委員 收入が若干あります程度のものですと、生活扶助を與えないこともありませんし、また收入が相当ありましても、受けられないということになつてもおらないのであります。ただ一定の基準がありまして、その基準の生活費を扶助するということになつておるのでありまして、これから收入を差引きました差額、その差額がある限りにおいてはこれを扶助いたすことになつております。なお不定の收入、つまり不定期的の收入、これも少額であります場合には、これは基準額から差引かないということになつております。ですから内職、使い走りで入りますような收入でありますと、差引かない場合が相当あるのではないか、かように考えます。
○武田委員 私お尋ねいたしたいのは、そういう收入の定額のものや何かがあつたとしても、とにかく生活保護を受けておる間は、子供は高等学校にやれない、こういうことに取扱うのでございますか。
○木村政府委員 つまり何と申しまするか、生活保護法におきましては、最低生活の保障ということになつておりますので、最低生活の線をあるところに引きますれば、それ以上の生活ができまする場合には、生活保護を與えないという建前になつております。從いまして稼働能力がありまする場合には、できるだけ働いて行くということが建前になつております。從いまして義務教育を終えました者については、他に働くことができるのが建前でありますから、その場合におきましては、現在においては夜学とか、その他の制度もだんだんそろつて参ると思いますから、そういうような方法で教育の普遍化をはかるということは必要だと思います。生活保護法としますと、それ以上は何ともいたし方がないのではなかろうかと私は考えております。
○武田委員 そういたしますと生活保護は、先ほど申しましたように、もう子供が中学を出てしまつた、義務教育の過程を済んでしまつた場合には、親は教育をするためには生活保護は受けられない、そういうことになるということだけは明らかなのでございますね。それをもう一ぺん伺います。
○木村政府委員 建前としてはそういうことに相なつております。
○庄司政府委員 武田委員のただいまのお尋ねは、まことに私にとつて肯綮に当るところがございます。過般福島縣の四倉のある未亡人がわざわざ厚生省をたずねてくださいまして、その未亡人の方のおつしやるには、自分の夫は南樺太において経済保安課長を勤めておつた関係上、ソビエトに捕えられて十年間の重労働を仰せつけられておる。そうして自分の子供は中学を出て高等学校に入つたのであるが、先月から生活保護法による生活扶助金がストップになるということを役場の社会課の主任から達せられたが、これはどうしたものでございましよう。かような意味における未亡人の切なる叫びであります。その未亡人のおつしやるには、私の家庭は極端に貧乏な家庭であるから、高等学校に入つた子供が朝晩新聞配達や、あるいはミルクの配達等のアルバイトをやつて、それで子供の学資金だけはどうやらとつておるのでありますが、私は古ミシンを買つて、一箇月千五百円程度の働きしかできない。子供が高等学校に労働をしながら通い始めたために、生活補給金の道を断たれるのでは一家は一体どうなりましようというお話でありました。私も青少年時代において苦学力行した一人として、思わず目がしらが熱くならざるを得なかつたのであります。かような氣の毒な境遇にある未亡人、それから子供が高等学校に進学したというような、さようなことは武田委員のお知りになつておる範囲においても相当多いと思うのであります。ただいま政府委員は、現行生活保護法の範囲内においての事務的の答弁でありましたが、もとより生活保護法は至純なる愛の立法でございますから、政務官といたしましては、特にあなたのさような御熱心な御要求もあり、また厚生省に訴えられる数々のさような可憐な涙の材料もございますので、現行生活保護法が絶対に完全無欠なものとは考えておりませんし、いずれこれをより合理化し、より改善して行くことが眞の愛の立法であると思いますので、しばらく時をかしていただいて、善処する機会をお與え願いたいと思います。
○武田委員 ただいまの政務次官の御答弁は、実は私が今政府の方に要求しようと思つておつたことなのでございます。未亡人の問題につきましては、特に生活保護法だけでなくして、まだまだ考慮しなければいけない、あるいはこれに與えなければならない保護や、あるいは職業などのことにつきましても、政府としてはまだたくさんの余地を持つておると考えております。生活保護法が、ただ一括して困窮者に対する最低生活を保障するというだけでなく、ほんとうの生きた國民の要求を満たし、ほんとうに弱い者や力のない者や、あるいは非常に悲惨な状況にある者について、國が愛の政治の力によつて、これを守るというところに行くのには、ただ法理一点張りで行つてはいけないのでございます。ことに現在の未亡人の立場からいいますと、母親は自分の子供のためには、事実命を捨ててかかつているものが多いのでありまして、自分の子供を育てるためには、生活保護法が受けられないために、自分の身を賣つてしまうというような事実も、たくさん聞いております。ただ教育も、義務教育が済んだならばもうそこから先になれば生活保護は受けられないのだというようなことで、與えられないとなつたら、これはむしろ自分の身を賣つても、子供を育てるためには、学資をかせぎ出すのではないかと思います。そのほか、今未亡人のこの苦しい社会の生活の中であえいでおりますことについては、ただ生活保護だけではとても足りない。あるいは食糧の方面とか、あるいは住宅の方面とかいうようなことについても、政府がまだまだこれに対して保護の手を特別に差延べなければならないものがあると思うのでございます。厚生省では、社会局の方で未亡人に関しても種々調査をされていると思いますけれども、特にこういうようなことについて、何か特別な調査機関、あるいは特別にそれに対する処置を講ずるというようなお考えはおありになりますか。
○木村政府委員 未亡人対策はきわめて重要な問題であると考えております。総合的に未亡人に対して援護の対策を確立しなければならぬと考えております。現在これに関連しております部面は非常に廣うございまして、育英の面から申しますれば文部省の関係でありますし、労働関係の面もございますし、またわれわれの方におきましても、子供をかかえた未亡人に対しては、母子の関係として兒童局の関係にありますし、また私の方の関係といつたようなものもあります。これを総合して、どこかで責任をもつて総合対策をとるということをなさなければならぬのではないかと考えております。これにつきましては、この前参議院の方でもお話があつたのでございます。厚生省といたしまして、これが適当なる審議の機関を設け、これによつて総合的な対策を緊急に立てなければならぬと、かように考えております。
○山崎(道)委員 私は遅刻いたしましたので、すでに御質問があつたかと思いますけれども、このごろ新聞紙上で非常にララの物資の横流しと不正が取上げられておるのでございますが、これに対して私はララの精神を考えますとき、こういう事態がありますことはまことに申訳ないことだと強く感じておるのでございますが、どういうふうになつてああいう不正が起るのか、そうしてそれに対して社会局ではどういう態度をとつておいでになるかということを、一口だけお伺いいたしたいと思います。
○木村政府委員 ララの物資につきまして不正がありますことは、國内的に見ましても國際的に見ましても、非常に重大な問題でございますので、ララの物資に対する不正のないように、この物資の授受につきまして、特に嚴密なる手続をふませるようにいたしております。現在新聞等におきまして、ごく最近にもこれが出ておるのでございますが、これは大分古い事件を再び書いたといつた程度でございまして、あの内容につきましては、栃木縣、茨城縣の二縣と、山梨縣の甲府市でございますが、この三箇所におきまして若干のララの物資の横流し等がございましたわけで、大体その物資は回收いたしました。そう大きな物資が横に流れた事実はないのでございます。なおこれに対する責任者につきましては、相当嚴重な処分を全部いたしました。なおその後施設の整備等につきましては、必要な処置を全部完了いたしました。なおララの物資の盗難があちらこちらで若干あるようでございます。これにつきましても、盗難等に対する予防的の設備がよくなかつたというところに対しましては、これをただちに直させるようにいたしております。なおその後ララの物資の主任者を集めまして、これに対して十分な注意を與えまして、最近においてはあまり大した事件はないと考えております。これにつきましては、こういうことが起りましたことはまことに遺憾でございますので、そういうことのないように十分注意いたしたいと思います。 なおこの際一言御報告申し上げておきたいことは、ララの物資は全世界にこれが出ておるのでありますが、その中で最も日本が事故が少く、成績が一番いいということを、ララの委員が先般米國に行つてこちらに帰られた方が、話しております。今後におきましても、その名声がいいのを傷つけないように注意したいと思います。
○山崎(道)委員 京都のジフテリア問題で、特に乳幼兒ばかりなのですが、それに対してララの物資をいただくというわけには参らないのですか。
○木村政府委員 これは委員会にかけずに、私がかつてにやるわけに行きませんので、至急次のララの委員会にかけて相談してみたいと思います。
○榊原(亨)委員 議事進行について……。本委員会は会期切迫の場合に特に開かしていただくようなわけでございますので、すみやかに本論に入つて論議されることを望みますし、その論議もきわめて簡潔にお願いいたしたいと思います。委員長においてさようおとりはからいを願いたいと思います。
○武田委員 先ほど私は社会局長のお話並びに政務次官のお話を伺いまして、そのままで終ろうと思つたのでございますが、もう一言はつきり私ども婦人の代表といたしまして、未亡人に対する援護の機関というようなものについて、速急にこれをつくられるように——そういう意思があるとただいまおつしやいましたが、これに対してぜひこれを調査並びに審議されて、その機関をおつくりになることをお願いいたします。 —————————————
○佐々木委員長 それでは本日の日程に帰りまして療術行為に関する調査機関設定の件を議題といたします。武田君。
○武田委員 今年の六月二日でしたかの厚生委員会で、療術師の問題につきまして、政府の方ではこれに対して研究調査の機関をつくるという意見を私は承つたのでありますが、その後その問題はどういうふうに取扱われておりますか、一應承りたい。
○久下政府委員 私からお答え申し上げます。当時療術師法につきまして請願がございましたのに対して、私からお答えを申し上げたことは事実でございますが、ただそのときに私としては、調査研究機関を政府としてつくるというところまで明確に申し上げたつもりではないのでございます。さりとて責任をのがれる意味じやございませんが、要するに政府としても、この問題については放置してよいとは考えておりませんので、十分努力いたしたいということを申し上げたつもりでございます。私ども医務行政を担当しております者といたしましては、療術行為の問題は非常に長年の、しかも非常にむずかしい問題でございまして、これをいかに解決するかということは、簡單に結論が出ないような実情であるのでございます。そのときにも申し上げました通り、一時政府といたしましては、同愛病院の中にあります東亞治療研究所というものに若干の補助金を出しまして、この種の研究に着手してもらつたのでありますが、これもやつてみますと、なかなかむずかしい問題であるだけに、急に結論が出ないまましかも戰時等のために中断をしてしまつておりました。すでにその東亞治療研究所も解体をしてしまいまして、現在ではこれと同様のものが、日本鍼灸あん摩マッサージ連盟の附属研究機関として、大体陣容も同じような者が入りまして、同じような目的で研究を続けていただいているようでございます。しかしながらこれもあくまでも民間の自主的な発動としてやつておられるのでございます。その後におきましても、私どもとしてはこの問題をいかに解決するかということについていろいろと考慮をいたしておつたのでございますが、たまたま十月に日本医師会におきまして、ある特定の一種の療術行為につきまして、日本医師会が委員を設けて調査を始めることにいたし、私自身もその委員の一人に選ばれまして参加をいたしたのであります。私はその委員会におきまして、これはある特定の問題についての調査研究を始めるという意味ではございましたけれども、これを契機として、日本医師会におきまして、さらに一般的な問題にまで手を伸ばしていただくことが適当であるという意向を申し述べ、その後も話合いを進めているのでございます。聞くところによりますと、アメリカあたりにおきましては、この種の問題につきましては、医師会が積極的な活動をして問題の解決をはかるようにいたしているそうでありますし、またわが國の日本医師会も新たに改組せられ、医学界全般が日本医師会の傘下に入りました関係もありますので、医師会においてこの問題に協力をしていただくということは、私としても最も適当な方法であるというふうに考えているのであります。しかしながら申し上げますように、まだ正式な御回答をいただいておりませんので、これを具体的にどうするかということは、今日この席でお約束申し上げられないのでありますが、私どもといたしましては、たまたま特定問題について開かれました日本医師会の委員会というようなものが、逐次さような一般の問題にまで進み得るような態勢ができるということでありますれば、政府といたしましてもこれと一体となつて、これと協力いたしまして、この種の問題の解決に当るのが最も適当な方法であるというふうに考えておりまして、ただいまそういう氣持で日本医師会と話合いを進めておるところでございます。
○榊原(亨)委員 ただいま久下次長からのお話によりまして、当局の御盡力のほどはよくわかるのでございますけれども、この問題の解決というものは、八年間の後に迫つておるのでございまして、その期間に解決をいたしませんければ、これらに從事しておられる方方は失業されるということになつて來ておる現状であります。この場合に先ほど当局といたされましても、この治療師の療術行為に対して、これを鑑査判別することがなかなかむずかしい、非常に困難なものであるということも、当局はお認めになつておるようでございますが、この困難なる仕事を一医師の團体であるところの日本医師会にその責任を負わせて、そうしてこれを判定されるというようなことは、なるほど改組されました日本医師会は今までの医師会よりは強力ではございましようけれども、今急にその能力を十分に発揮するということにつきましては、私どもは疑いなきを得ない次第でございます。從いましてこの問題はきわめて重要なことでございますので、これを医師会だけに頼むというようなことでなしに、ひとつ厚生省におきまして、厚生省が主となられて、そうして先ほどの東亞治療研究所の後身であるところの機関の方の意見を聞かれるのもけつこうでありますし、あるいは日本医師会の調査によるところの成績をお聞きになるのもけつこうでありますし、あるいは大学その他の研究機関の意向を聞かれまして、そうしてなるたけ早い機会におきまして、たとえば指圧療法、カイロプラクチックのごときものは相当根拠のあるものと私は思いますので、かようなものから一つ一つ取上げて、早急の解決をお願いいたしたいと私は思うのであります。またこれは判定、鑑別が非常に困難だということでございますけれども、これはその作用基点がどうだとかこうだとかということはむずかしいかもしれませんが、それらの療術において、病氣に対してどういう現象が行われるかということを認めるということは、さほど困難な問題ではなしに、これは大学その他の研究機関を通せば早くわかるものではないかと思うのであります。それをいまだ研究機関を持たざる日本医師会だけに負わしておるということにつきましては、私は疑問なきを得ないのであります。もう一つは、先ほどアメリカにおきましては、これらのことは医師の團体であるところの医師会によつて判定するような状態であるから、日本もさようにというようなお話がございましたけれども、在來療術師の問題、治療師の問題と、それから医師との間には対立があつたかのごとく民衆は考えておるのであります。現にこの前の委員会におきましても、政務次官は、医者によつてなおらぬ病氣でもなおることがあるじやないか、ただ医者の医学のことだけ言つたんではいかぬじやないかというような御口吻を、政務次官それ自身がお漏らしになつておるようであります。まして一般民衆におきましては、医学の基礎、科学的基礎がないものはいかないというのでありますけれども、それは医者の独断であるとさえ考えて誤解しておる人が多いのでございまして、その場合、一方的に利害関係を持つております医者の團体がこれを判定するということにつきましては、たとえその判定が公正でございましても、一般社会にとつては、それはきわめて不公平だという誤解を招くおそれがあると思います。わが國の治療師、療術行為の発達基点は、アメリカとは全然國土風習が違つているのでありますから、これはこの際厚生省が進んで責任をもつてこれらの調査機関を設けられることを、私はこの点においてお願いするのでございます。
○田中(松)委員 ただいま榊原委員の言われた通り、私どもまつたく同感でございます。先ほど久下次長のお言葉の中に、この前はああいう私見を述べたけれども、その後御報告するようなことはないというようなことを言われましたが、それはないのがあたりまえでございまして、この問題はずいぶん古い歴史を持つているようでございますが、その都度國会で取上げられるときに、政府当局は答弁をされるだけで、また今度その次にこうした機会に質問がなされるまでそのまま寢かして置く。その都度その都度当座のがれの御答弁をなさるというような次第でございますから、いつまでたつてもこの問題の解決の糸口も実績も出て來ようはずはございません。ただいまも榊原さんが指摘されましたように、この日本医師会が調査機関を設けているなどということにつきまして、しかもそれに医務次長も同感されて、その調査機関の一員となられたというようなことも言われたようでございますが、これなどはざつくばらんに申し上げると、言語道断といわなければならない。というのは、それは医師会は医師会独自の立場でどんなことをやつてもかまいませんけれども、政府機関の一員であられる次長がそういうところに関係されるというと、これは大きな誤解を持たれる。アメリカの例を引かれましたけれども、アメリカの医師会がそのまま日本の医師会にあてはまるかどうかということは、ただいま榊原委員も言われた通りでございまして、これは表向きはそういうことは言われぬでございましようけれども、露骨なことを申しますと、たとえばあんま、はり、きゆうに対するお医者さん、療術機関に対する医師会というような、これはもう醜いとまで考えられるようななわ張り根性があるということは、これはりくつなしに、当局が何と説明しようと世間ではそのように常識化してしまつている。そのときに療術行為を許すか許さぬかということを、対立的な、まつこうから反対の立場に立つている医師会がこれを調査するなどということは、これはもう実に言語道断なことでございます。医師会そのものがそういうことをやるということはかつてでございますが、政府機関としてそれを是認するようなことがあつてはならぬ。そこで政府において早急に、これはこの前の國会において榊原委員も言われておりましたが、また調査機関を至急につくるように、それに対して私も他の同僚議員も賛意を表しておりましたが、もし政府の方でそういうことをいつまでも逡巡されるなら、私どもは議員の立場からそういう調査機関を設けるように手を打ちたいと考えております。私どもの構想は、医師会の人も参画していただき、療術関係の人も入れる、第三者も入れる、そうしてそういう機関のもとにこれをどうするかということを考えるべきでありまして、ただ学問上、科学上、そういう説明ができるから、できないからというようなことでなしに、ざつくばらんに申しまして、淋病にかかつた人がペニシリンその他でそれをなおそうとすると何万円もかかる。ところが療術行為にかかるとその何十分の一で、しかも期間も早くなおる。こういう実例、もちろん私はそれをそのままうのみにするわけでございませんが、事実そういう安い金でなおつておる人がたくさんある。それを今までは、ただ業者が宣傳廣告のために言うておるというように一方では反駁しておられたが、それがただ單なる療術者のインチキによるものであるか。科学的な根拠は突きとめ得なくても、事実上そういう安い金で難病がなおるかどうかということは、そういう調査機関が関係して、白日のもとにその実績を調査する。そういうようなことで手をつけて行つてこの問題を扱えば、おのずから結論は出て來ます。場合によつては、これは絶対にだめだという結論が出て來たならば、もう八年の余裕がある間に、これはどうしても許されぬのだから、八年後に一ぺんに失業者が出るよりも、今のうちにあなた方は別の方向へ轉向されるがいいというようなことを警告せねばならぬし、いいものであつたならば、それは許すようにしなければならぬ。今日療術行為何百というものを、即座にそのまま許せというのではございません。もちろんその中にはいけないのもございましようし、またいいのもございましようし、それをよりわけて結論を出すために——今までのように國会で質問があると、その場のがれの御答弁をされるということではどうにもなりません。榊原委員のお言葉で十分盡しておられたのでございまするけれども、ほとんど委員の全員がこういう意見を持つておるということを申し上げて、ひとつ早急に善処方をお願いしたいと思います。
○久下政府委員 榊原委員及び田中委員のお話につきましては、私どももなお考えなければならない点が多いと思つております。ただ一言だけあえて申し上げさしていただきますれば、確かにお話の通りに、少くとも今日までの医師会というのは、わが國におきまして、いわゆる療術行為との関係において全然正反対の立場に立ち、商賣がたきであるかのごとく世間からとられておりますることは事実でございます。そういう点につきまして十分なる考慮を拂わなければなりませんことは、私ども十分承知をいたしておるつもりでございます。私が申し上げました氣持は、日本医師会という名前ではございまするが、いわゆる医学会の問題をさして申したつもりでございます。医学会は日本医師会の傘下に入つておりまするがゆえに、その日本医師会ということを申上げておるつもりでございまして、事國民の医療に関することでありますれば、そうした医学会に少くとも実質的に私どもとしてはお願いをせざるを得ない問題であると考えるのであります。そういう意味合いにおいての医師会ということを申し上げたのでございまするし、また榊原委員のお話の中にもありましたように、医師会がそういう問題で対立すべきものでない。是は是とし非は非とする、あくまでも科学的な公平な立場に立つべきものであるというようなことも、実は從來の医師会の行き方なり、世間の批評なりを離れた新しい医師会の行き方として私どもは考えているものでありまするから、先ほどのようなことを申し上げたのでございます。これはあえて弁明ではなく、しかしまた同時に御指摘のような点も十分あると思いまするが、その辺のところは御注意も伺いましたので、至急考えさしていただきたいと思います。なおまた申し上げますが、決して私どもはこの問題を放置し、その場のがれの御答弁を申し上げておるつもりはないのでございます。少くとも過去においてさようなことがありましたことは、私どもも認めざるを得ないのでございますが、それは決してその場のがれをしたいという氣持でやつておるのでなく、問題が非常にむずかしいということで、ぜひ御了承いただきたいと思います。いろいろ御熱心な御要望でもございますので、大臣の他上司とも御相談申し上げまして、至急結論を出したいと思います。 —————————————
○佐々木委員長 次に日程第二、予防接種副作用問題に関する件を議題といたします。榊原委員より発言を求められております。榊原君。
○榊原(亨)委員 この前の委員会におきまして私どもの考えを十分申し述べた次第でございますが、当面の問題でございます被害者の処置、取扱いにつきましてはまた別でございますが、今一般世上に流れております注射藥その他の藥に非常な不良品が多数出ているということは、私どもが何と好意的に見ましても、これはいなむことができない事実であると存ずるのであります。これに対しまして厚生省は、在來とも非常な御注意をもつて努力しておられるということも、私どもは十分認めるのにやぶさかではないのでありますが、その事実がある以上は、國民を代表しております私どもといたしましては、看過することができないのでございまして、これを一日も一刻も早く解決するということが目下の重大問題と私どもは思うのであります。そこで私の私見を申し上げますと、さしあたり各都道府縣におきまして衞生部の方と、医師の團体、藥剤師の團体、歯科医師の團体並びに学識経驗者、主としてこれは地方の大学その他の方でありますが、それらの方々をもちまして各都道府縣ごとに調査委員会を設けられまして、その調査委員会は早急におのおのの都道府縣にございますこれらの製藥工場を臨檢し、その設備並びにその製造にあたつておられる方々に対して十分な取調べをし、なおその都道府縣に流れておりますこれらの注射藥につきまして嚴重なる調査をする。もし万一不良藥品が出て來た場合に、早急にこれを製造いたしました工場に向つて製造の停止をさせるということを、ぜひお願いいたしたいと存ずるのであります。かようにいたしませんければ、在來のごとき拔取り檢査だけでは、私どもはもはや安心して民衆に向つて藥を使うことができないというような状態にまで及ばんとしていると思うのでございまして、この点につきまして厚生省のお考えを承りたいと存ずるのであります。
○慶松政府委員 ただいま榊原委員のお話はまことにごもつともなことでありまして、たいへん御理解あり、かつ御熱意あるお話と私はしみじみ承つた次第でございます。もちろん調査に関しましては、いろいろな手を私どもとして考えておつたのでありますが、ただいまのお話はたいへんよい御忠告を受けたと私は承つた次第でございまして、早急にそういう措置を講じますことを申し上げたいと存じます。
○松谷委員 前回の委員会におきまして、山崎委員を初めその他の各委員から熱心な御質疑があり、また当局からの御答弁がございましたが、その御答弁を伺つておりまして、これだけ大きな問題を惹起しておきながら、厚生省の当局におかれてその責任をとるというその点が、私にははつきりのみこめなかつたのでございます。ただ犠牲になられた方々に対する慰藉料その他でこの問題を片づけようとしておられるのではないであろうか。この点につきまして一体厚生省は、國民に対し少くともどのような責任を感じておられるか、どのような責任をとつて國民の前にその誠意を披瀝されようとしておられるかという点について、具体的なるその責任のとり方を承つておきたいと思います。
○佐々木委員長 松谷委員に申し上げますが、今政務次官は、五分間という約束でちよつと外に出られたのでありますが、すぐ帰つてお見えになると思いますから、御答弁はそれまでお待ち願いたいと思います。
○田中(松)委員 ただいま榊原委員から要望せられましたことは、私の方も全幅的に賛成でございます。内容につきましてはいまさら説明を加えませんが、最近一番大きな社会問題として取上げられたことでございますし、ひいては、これはここで言いにくいことでございますが、新聞を見ますと、責任のなすくり合いを、医務局と予防局がどうじやこうじやいつておる。私は内容を知つておりますからそんなことは信じませんが、早く解決をつけておかぬと、思わぬそういう問題も起つて來ます。そうすると内輪のごちやごちやは、結局國民全体から見ると、厚生省全体に対する不信となり日本のそうしたものに対する疑いを持つようになりまして、病も氣からといいますけれども、いい藥であつても、このごろの藥はきくかきかぬかと思つて飲むとききません。ところが信頼する政府があつて、こうやつて飲めといえば、のみとり粉を飲んでも腹痛がなおるということは、これはやはり大問題でありますから、そういう問題をほんとうに根本的に解決をつけるという裏づけのために榊原委員の要請されたことは厚生委員会全委員一人として異議のあるはずはないと思いますから、委員長からお諮り願つて委員会の決議として、委員会全委員の要請ということでまとめていただきたいと思います。
○佐々木委員長 ただいま榊原君の提案があり、かつ田中委員からこれに対して賛意を表せられました件に関しましては、田中委員の仰せの通りとりはからいたいと考えます。御異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議なければさようにとりはからいまして、委員長よりその旨を政府当局に通達いたすことにいたします。
○榊原(亨)委員 その決議の案文その他につきましては、厚生委員長において適当にとりはからわれんことをお願いいたします。口述ではだめでございますので、書類をもつて交付されることをお願いいたします。
○佐々木委員長 榊原君の動議に異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議なければさようとりはからいます。案文はいずれでき上りました上、理事と御相談の上とりはからいます。 —————————————
○佐々木委員長 次に請願日程の審査に入ります。請願日程第一及び第二國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額の請願、文書表第五五号及び第五七号を一括議題といたします。ただいまの各請願は、去る十一月二十七日第三國会において議院の会議に附し、採択の上内閣に送付いたしました請願とまつたく同一趣旨でございますので、今回においても同一の決定をいたすことに御異議ありませんか。
○佐々木委員長 それではさように決定いたします。 —————————————
○佐々木委員長 次に日程第三あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の一部を改正する請願、文書表第六四号を議題といたします。まず紹介議員の説明を求めます。内海安吉君。なお内海委員に申し上げておきますが、時間の関係もございますので、なるべく簡明に御説明願いたいと存じます。
○内海委員 ただいま議題となりました療術師法問題につきましては、議会におきましても前後八回にわたつて請願あるいは建議案等によつて通過しておるのであります。ただいまもまた武田、榊原、田中三委員よりこの問題の根本的解決のために、どうあつても調査機関を設けてもらいたいというような御意見もあつたようでありますが、私もしごく同感なのであります。このたび提出されておるこの請願の要旨は、本年一月一日より施行された法律第二百十七号あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法を改正して療術の新規開業を認め、かつ既得権の制限を撤廃されたいという請願であります。 この問題については國会において過去八回にわたり療術師法制定の請願または建議案が通つているのであつて、政府当局においてもこれが法制化についてはすでに調査研究を盡されたことと信じます。 ことに去る六月二日の第二回國会衆議院厚生委員会において、紹介議員として私より請願理由説明の後、榊原委員、成田委員その他多数の委員より、それぞれのお立場から賛成意見も出、政府もこれを了とせられたのであります。特に榊原委員よりは、本法制定の重要性にかんがみ調査会を設けてはいかがとの意見も出たのであります。政府においては、六月二日の当委員会における各委員の熱心なる主張と、諸情勢より見て、今日この請願に対し、漸進的にこの程度の改正ならばすみやかに請願の趣旨に沿わんとの御答弁あることを、私は確信しているのであります。 本組合においても政府当局の意見もあり、全國十数万の組合員のために、協同組合本部に出版部を設け、療術基礎学たる生理、解剖、実地療法、技術等に関する四編よりなる教科書を出版、これを業者に頒布し、あわせて全國都道府縣各支部において再教育と実地講習普及のために、講師を派遣して鋭意努力しているのであります。 さらに本年三月二十四日、本組合代表黒田保次郎、東村英太郎の諸氏に対し、竹田厚生大臣は基本法たる療術法制定に賛成の意を表されているのであります。また厚生省当局は、療術の効果が認定されれば療術を許すと言明している。さらに久下政府委員も同一席上で、療術である指圧療法は短かい期間の研究であつたが、非常に効果があると述べている。現厚生政務次官である庄司代議士は、議会人としてまれに見る博識の人であつて、私も常に國会の先輩として尊敬している一人でありますが、この療術のことに関し、第七十六議会において療術の効果を発表され、療術に関する幾多の経驗を、顯著なる実例をあげて絶讃されているのであります。御参考までに第七十六議会速記録を添付してありますから、よくごらんを願います。厚生大臣であつた一松定吉氏も、昨年十二月九日の全國療術業者大会の席上で、療術の効果あることは自分も治療を受けているから認めると言明しているのであります。 最後に、療術師法制定の賛否に関し、全國療術協同組合長守屋榮夫氏の名をもつて、去る十月國会議員全体に対し意見を求めたるに、十月二十日までに達した文書によると、賛成の意を表明し、協力するといつて参つた者三百四十二名の多数に達しているのであります。このうち衆議院議員二百四十二名で、絶対多数を示したのであります。政府においても本請願の趣旨を檢討され、基本法たる療術師法の法制化に先だつて、本年一月一日より施行した法律第二一七号、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の一部を改正して、療術、すなわち一、指圧整体、二、光線療法、三、電氣療法、四、刺戟療法、以上四業種目を追加し、新規営業を認め、かつ既得権の制限を撤廃されんことを請願する次第であります。 なお法律第二一七号改正草案は、すでに本月八日厚生大臣あて、陳情書とともに庄司政務次官のお手元に提出してありますから、御檢討の上、すみやかに改正実施されんことをお願いいたします。 委員会においても這般の事情御推量の上、満場一致をもつて本請願を御採択あらんことを切望いたします。これをもつて説明といたします。
○佐々木委員長 本件に関して政府の御意見を伺います。
○久下政府委員 ただいまの請願に対して、私から簡單にお答え申し上げます。前々申し上げております通りに、療術行為につきましては、その成果が学問的に明確でない部分が相当にありますので、その意味におきまして現行法規のような取扱いになつておるわけであります。從いましてこれを建前をかえまして、請願の御趣旨にありますように、新規開業を認めるというような取扱いにいたしますためには、その前提として解決せらるべきものがあると考えるのであります。それにつきましては、先ほど來療術行為に関する調査研究機関の設定ということが各委員の方々からお話もございましたが、その線に沿つて私どもの方からお答え申し上げたような次第でございます。さような趣旨に沿いまして問題の解決をはかるようにいたしたいと思つておる次第であります。
○内海委員 ただいまの請願は、療術師法の基本法を制定してくれというのではありません。從つて調査機関にかけるまでもなく、法律二一七号に業種目を示しましたごとく、これを追加していただけばいいのでありますから、この点についてははつきりした御答弁ができようと思いますが、いかがでありますか。
○久下政府委員 先ほど抽象的にお答え申し上げました通りに、ただいまの法律によりますと、あんま、はり、きゆう、柔道整復、マッサージを含めましたこれらのもの以外の、療術行為は、法律的にはこれを禁止するという建前になつております。但し既得権者につきましては、八年間の猶予を設けるという建前になつておるわけでありまして、これを改正いたしまして、新規開業も特定のものについて認めるということにいたしますためには、法律の基本的な建前をかえて行かなければならないと考えるのであります。そのためには、やはり今御指摘になりましたような療術行為につきまして調査研究を遂げた上でないと、今私どもとしては、そういたすという御返事をいたしかねる次第でありまして、何とぞ御了承をいただきたいと思うのでございます。
○内海委員 どうも政府委員は調査研究ということに名をかりて責任をのがれようとする傾向があります。もう私がこの請願を扱いましてからすでに三回になります。いつも久下政府委員ばかりではない、ほとんど厚生省の役人はみなそのときのがれの答弁であつて、一向どうもやつてくれない。一体議会を何と見ているのか、これはほんとうにあなた方の考えているところを開陳してもらいたい。それによつてわれわれも覚悟がある。
○久下政府委員 たいへん御不満をいただきまして恐縮でございますが、私どもは実はそれ以上、別にほかに考えていることはないのでございます。
○佐々木委員長 それでは本請願の採決に入りますが、本請願は議院の会議に付するを要するものとして、採択の上内閣に送付すべきものと議決することに御異議ありませんか。
○佐々木委員長 異議なければ、さよう決定いたします。 なお議長に提出する報告害の作成に関しましては、前例により委員長に御一任を願いたいのでありますが、御異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議なければ、さように決定いたします。
○平工委員 ちよつと記録をとめて伺いたい。
○佐々木委員長 それでは速記をとめてください。
○佐々木委員長 速記を始めて……。 なお委員長からも政府委員の各位に一言申し上げておきます。御承知のように主権在民の新憲法のもとにおきまする國会の権威とその権能につきましては、十分御承知のことと考えますので、何とぞ國会の意思を尊重されて、今後の質疑應答におきましても、とくと御考慮のほどをお願い申し上げます。
○久下政府委員 お答えを端折りましてはなはだ恐縮でございますが、なるべく簡單にというので、大部分の方の御列席の席上で、重ねてこの問題の調査研究につきまして私からお答え申し上げたことにつき、さらに御批判をいただきましたごとき、その辺のところも十分考慮をいたしまして善処いたしますることを実は申し上げましたので、重ねてこの機会に調査研究のことについて申し上げなかつたのであります。実はむずかしいむずかしいと申し上げておりますことは、いろいろ研究の方法もあろうと思いますが、簡單に申し上げますと、ある特定の療術行為につきまして、その標榜しております診療上の効果というものは、その標榜通りであるかどうか、これを個々について確めることが非常にめんどうな問題であるからでございます。從來の療術行為の扱い方は、ただその行為自身が身体に害がなければよろしいというような取扱いでございましたけれども、それをさらに積極的に、どういう種類の病氣に対してどういうような方法をもつてやれば効果があるかというような点につきましては、ほとんど大部分の療術行為につきまして、学問的な檢討がなされておらない実情でございます。それがまた非常にめんどうなむずかしい仕事でございまするがゆえに申し上げておるのでありまして、それらの点をできるだけ早く解決をいたしまするのに、どういう機関を持ち、どういう方法でやつて行くのがよろしいかということを御批判もいただきましたので、至急檢討をいたしたい、かように考えておる次第でございます。 —————————————
○佐々木委員長 次に日程第四、成年男女の身体檢査実施の請願、文書表第六八号、紹介議員が見えませんので、山崎委員にかわつて趣旨を朗読していただきます。
○山崎(道)委員 本請願の要旨は、文化日本建設のためには、明日を背負う青少年の心身の健全をはかることが最も肝要でございます。ついては男女が二十歳に達したる際、全國一斉に健康診断を施行し、國民の健康度を國家が檢定する制度を設けられたいというのであります。この点に関しましては、敗戰後の日本の実情を見まするとき、まことに憂慮すべきものがあるのでございまして、本委員といたしましても、こういう法律がほしいと念願していたようなわけでございまするが、特に愼重にお取扱いを願い、この請願を御採択になられますよう、切に希望するものでございます。
○佐々木委員長 本件に対する政府の御意見を伺います。
○三木(行)政府委員 國民体力法が御存じのような状態で休止しておりまするし、徴兵檢査もなくなつた今日でございますので、請願の御趣旨にございまする、二十歳になりますと男女一斉に身体檢査をするということにつきましては、政府といたしましてもまつたくその必要を感じておるところでございます。すなわちある一定年齢層を限りまして身体檢査をやる。そこで正確なる資料に基きまして國民保健の情況を正確に把握いたしまして、その上に正確なる政策を実行するということは当然必要でございまするので、私どものところといたしましても、すでに若干の資料を收集いたしておる次第でありまして、すみやかに請願の御趣旨に沿うような法律案を得たいと考えておる次第であります。
○佐々木委員長 本件に関する質疑はありませんか。
○武田委員 ただいまの請願の成年男女とございましたが、私はむしろそういうような法律は、成年に達したときの健康診断というよりは、これはぜひ結婚の前の健康診断ということにまでして行かなければいけないと考えておりますので、ことに女子の場合には、二十歳を待たないで結婚する者が多いのでございますから、その立場から結婚ということを一つの限界にして、成年ということに区切らないで御考慮願いたい、こういう考えを持つております。
○三木(行)政府委員 結婚の前にその身体檢査を施行するような措置を講ずべきではないかという御意見でございまするが、先ほど請願にございましたような健康診断をやるということはまことに必要でありまするが、ただやる時期等につきましては研究の余地があるのでございまして、たとえば発育盛りの少年、発育に最も影響のありまする年齢層でありまするとか、あるいは結核等が特に好発いたしまする直前の年齢層であるとかいうようなところを選ぶ必要があるのではなかろうかということで、私ども研究いたしております。 なお御指摘にありました結婚前の身体檢査の方は、性病予防法の関係でそれぞれやり得ることになつておりますので、私どもといたしましてはただいまの御意見の趣旨も十分取入れまして、早急成案を得たいと考えておる次第であります。
○佐々木委員長 これより本請願の採決に入ります。本請願はこれを議院の会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付すべきものと議決するに御異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。 —————————————
○佐々木委員長 次に日程第五、幼兒保育機関の振興に関する請願、文書表第一〇七号を議題といたします。紹介議員がお見えでございませんので、山崎委員にかわつて請願理由の朗読を願います。
○山崎(道)委員 新しい日本を建設するためには教育が根本であり、さらにそれは乳幼兒の保育にまでさかのぼることが肝要であると存じます。終戰以來保育の重要性が次第に一般に認識されて來ましたことは、当然のことながら喜ばしいことであります。昨春から本年にかけて学校教育法及び兒童福祉法の公布、保育要領の公刊等によつて、新時代に即した幼稚園及び保育所の制度組織が一應整備され、また新しい保育の目的、内容、方法等についても指示されたのであります。しかしながら保育の今日及び將來における重要性を考えますとき、なお解決されなければならない諸問題が山積しておるのです。われわれ保育者は相携え相励まして、幼乳兒の福祉増進のため、保育の実績並びに理論の研究に対して全力を傾倒するとともに、次に掲げる諸政策が幼兒保育機関の刷新振興をはかるためにはぜひ実施さるべきであると、去る七月末奈良において開催されました第二回全國保育大会において、全國各地より約千六百名の参集を得て、満場一致議決したのであります。よつてここに保育者一同の声を次の形において請願いたします。再建日本の幼兒教育の將來に思いをいだされ、即刻かつ強力に実施に移されるよう、特に要望いたす次第であります。 簡單に申し上げますと、その方法といたしまして、一、市、区、町村に幼兒保育機関設置の義務を負わしめること。 理由、現在幼稚園及び保育所をへて小学校に入学する幼兒は、就学兒童のわずか一割五分にも足りないのであります。幼兒保育の新しい地位、幼兒の福祉増進の必要、婦人の社会進出への要請、家庭生活の合理化、家庭教育の現状等を考えるとき、乳幼兒保育機関の普及拡充をはかることが今日の急務の一つであり、しかもそのための効果的な手段は全國の市、区、町村に漏れなく保育機関設置の義務を負わしめることであります。二、幼稚園教育の義務制を実施すること。三、公立保育機関の職員の俸給費は全額都道府縣費支弁とすること。理由、保育機関の重要性に対する認識がなお不十分であつたこと、從つて公立保育機関も十分に普及充実しておらず、また都会地にそれが偏在していたために、その職員の俸給費も從來市町村費支弁でありました。しかし幼兒教育の時代的意義を顧み、保育者の自主性を確立し、また職員の待遇を適正ならしめるには、公立幼稚園及び公立保育所の職員の俸給は市町村の手を離れ、全額都道府縣費支弁となすべきが正当と考えられるのであります。よろしく御審議の上、御採択あらんことをお願いいたします。
○佐々木委員長 本件に関する政府側の御意見を伺います。兒童局保育課長吉見靜枝君。
○吉見説明員 前々から兒童の保育につきましては、いろいろと御指導御鞭撻をいただきまして、また保育所の設置につきましては、非常に強力に本年度も御努力を願いまして感謝いたしております。ただ今まで請願にございましたように、個所数が要望に対して非常に少い現状でございます。本年の五月までの調査によりますと、千七百八十七個所既設のものがございまして、本年度の予算によりまして、九十四個所これに加えることができたのでございます。地方の府縣の設置要望件数はこれよりもはるかに多い数でございますけれども、この九十四個所が本年のようやく可能な数でございまして、これ以上に増すことはどうしても今年度はできないのでございます。來年度はぜひ地方の要望にできるだけ沿い得るように、ただいま準備中でございます。どうぞその点につきましても、皆様の御協力をお願いしなければならぬ点が今後もたくさんあると思いますが、よろしくお願いいたします。 ただいま收容しておりまする兒童の数は十五万八千九百四人でございます。要望されておりまする数から見ますると非常に少いことはよく承知いたしております。この点は兒童局の方といたしまして、日が浅いことと、戰災のためにすでにあつたものがたいへんなくなつておりまするために、今日はこんな状態になつておりますが、今後これをぜひ育てて行かなければならないということは重々考えておりますので、どうぞその点御了承願いたいと思います。保姆の給料その他保育施設の拡充ということにつきましては、本年保育所の最低基準というものを設定されまして、近々実施になるわけでございますが、これにつきまして必要な職員の数というようなものも考慮されておりまして、保育されておりまする幼兒、乳兒、それらのものがどうしても家庭の養育が足らないので、保育所に入れなければならないという條件によつて措置されたものにつきましては、事務費が支給されるということになりますので、その点などを考えますると、職員の待遇という問題につきましても、今日までよりは多少でもよくなるという見込みは立つております。非常によくなるということは申し上げかねると思いますけれども、多少ともよくなるということは考えております。それは今までこの事務費というものが非常に少い。一日一円三十五銭という少額でございましたのと、それに收容保育幼兒の半数以上が生活保護法の該当者でなければ、その保育所はいくら保育幼兒を收容しておりましても事務費が出ないということがございましたのを、その点が改められましたので、一人でも二人でもそういう生活保護法該当者を預つておりまする、あるいはそれに準ずる者を預つておりますところは、今後は事務費が出るということになりましたので、その点の負担は、保育所経営者が無料でしなければならないということはなくなつたのであります。今後はそういう点で、この事務費によりまして職員の俸給などもよくなるということは考えられております。なおこの問題は今後大いに努力をしなければならないということは重々わかつておるのであります。
○佐々木委員長 これより本請願の採決に入ります。本請願はこれを議院の会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付すべきものと議決するに御異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議なければさよう決定いたします。 なお請願日程第三、第四、第五に関して議長に提出する報告書の作成に関しましては、先例により委員長に御一任を願いたいのでありまするが、御異議ありませんか。
○佐々木委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○佐々木委員長 次に陳情書日程の審査に入ります。 お諮りいたします。陳情書の審査に関しましては、要旨朗読の手続を省略して、一括議題とし、ただちに採択に入りたいと存じまするが、御異議ありませんか。
○佐々木委員長 それでは本日の陳情書、一、青年男女の健康診断実施に関する陳情書、二、社会保險制度の單一化に関する陳情書、三、國民健康保險診療施設に対する國庫補助増額の陳情書を一括議題といたします。これらの各陳情書につきましては、いずれも委員会において了承と決定するに御異議ありませんか。
○佐々木委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。 —————————————
○佐々木委員長 次に松谷君に対する庄司政務次官の答弁は留保中でありましたが、ただいま政務次官がお見えになりましたので、政務次官の御答弁をお願いいたします。庄司政務次官。
○庄司政府委員 ただいま他の委員会に余儀ないことがあつて出ておりまして、まことに恐縮にたえません。ただいま他の政府委員より松谷委員のお尋ねの要旨を伺いましたので、それに対してお答えを申し上げます。前々会の厚生委員会において一應簡單にお答え申し上げておつたのでございますが、その際におけるお答えは、厚生省としては大臣以下次官も各局長も、あるいは関係各課長等も十分道義的な責任観念に打たれて遺憾のきわみである。まつたく痛恨にたえない、申訳のないことであるというような責任観念は持つております。ただ法律上官公吏の身分関係の面から見てどういう責任、あるいはそれらに対する制裁とか、懲戒とか、あるいは轉免とかいうことは、それぞれ現地の問題、あるいは役人である監視員の問題とか、あるいは直接監督している都道府縣の責任であるとか、いろいろそういう責任問題が出て参りますので、それらのすべてを総合的によく研究調査をいたしまして、かような大きな、対外的にも日本の予防注射問題において信用を失墜するような、あるいは國民諸君にも注射というものはこわいものであるというような恐怖心を與えたりした、これらについては相当の責任をとらなければならないものである。かように過般も今日も痛感しておる次第であります。ただ全部の総合的な調査がまだ完成しておりません。全部の調査というのは、それらの法的関係を基本としたるところの調査が十分に出ておりませんので、今日ただいまこの時間において、どういう関係の局長を罷免するとか、あるいは自発的に退職させるとか、あるいは懲戒処分に付すとかいう具体的な法の上に立脚したるところの御答弁が、ただいまこの時間に申し上ぐることのできないことは、はなはだ残念でございます。ただこういうことを申し上げますのは、決して政務次官が大臣の輔佐代理役としての公務の上から、一時のがれのごまかしを申し上げるのでは毛頭ございません。次官も局長もそれぞれ深く責任を考えておるような次第でございまして、いずれ大臣ともとくと御懇談いたしまして、われわれの責任を國民の前に明らかにしたいと思うのであります。特に前会申し上げたように、過般高松宮様のお屋敷をお借り受けして、アメリカの厚生行政関係の主脳部と懇談を申し上げた機会において、サムス代將からも、こういう問題は一層國民の信頼を將來博し得るように、失態があつた官吏等はそれぞれ適当な処置をとれというような意味のお言葉もあつたのでありますし、そういうお言葉がなくても、当然それぞれ適当な責任を負わなければならないことは痛感をいたしておるような次第でございます。本日この程度のお答えしかできませんことは、はなはだ恐縮でありますけれども、深く責任観念に打たれておる次第でございます。
○松谷委員 ただいま政務次官の誠意ある御答弁をいただきまして、その御誠意のほどは認めるのでございますが、先ほども、実は田中委員からもちよつと触れておりましたが、國民は新聞紙上を通しまして、厚生省がこの問題に対する内部的な責任のなすり合いをしておるのではないかとさえ思われるくらいに、強い感覚を受けておりますので、そういう國民の疑惑を一掃していただく面におきましても、あるいは先ほどの委員会におきましてもあるいは私の感違いであつたかもしれませんが、責任は末端の檢査員にあるような感じを当局が持つておられるのではないかということを感じたのでございますが、この問題はただ單に檢査に当りました一檢査員の責任問題だけではない。厚生省の根本的な責任をここで國民の前に披瀝していただくことが、この問題に対するところの國民の疑惑の一掃、あるいは今後において國民の注射に対するところの一つの安定感ができるのではないかと思うものでございまして、ただいまの政務次官のその御誠意を、どうか今後におきまして何らかの形において國民の前に披瀝していただき、具体的な解決をとつていただきたいことを要望いたします。 それから委員長にお願いして、一点だけ簡單に授産事業の問題を政務次官なり社会局の方に伺いたいと思いますが、先ほど私生活保護法の問題で、この保護費の点については御調査をお願いしておいたのですが、この生活保護法を私ども制定いたした際にも、ただ單に國家がいつもそうした弱い國民に対する保護をもつて満足するのでなくして、そこには自立的な生活をなし得る、いわゆる授産事業を十分に國家がやるということをまず根本の建前といたしまして、その自立でき得るまでの國家の援助ということに主眼が置かれておつたと私も記憶するのでありますが、今日授産事業は全國に千六百余の施設を持つておりまして、大体それに從事しております者が二十万に近くなつておるという報告等も受けておるのでございまするが、実際授産事業の運営が、今日の社会事業施設の運営とともに非常に困難に陥つておるということは、厚生当局も十分に御了解のことだと思います。いわゆる全國共通的な一つの隘路が、資材あるいは資金難によつて非常に深刻なところに参つておるのでございますが、こういう授産事業に対しまして、私どもはこれをもつと根本的な國策として、保護助長して行くべきではないかと考えるのでございます。そこで厚生省はこの授産事業に対しまして、授産事業法の制定ということをお考えになつておられるかどうかという一点を伺つておきたいと思います。
○庄司政府委員 ただいまお尋ねの授産法というような法律を成文化して制定するということは、ただいま考えておりませんけれども、前段お述べをいただいた御趣旨はまことにごもつともでありまして、たとえば各市町村の引揚者、あるいは戰災者、その他一般生活困難者等々に職を與えるために、職業の補導あるいは共同訓練、さようなことをやつておる共同作業所等においては仕事をやりたくともお説の通り資材が円滑に回つていないという現状においては、非常にお困りの状態でありまして、それらの共同作業所等を経営しておる諸君は、いずれも相当深刻な社会愛をもつてやつておるので、思想の純潔な諸君の御期待を裏切ることがはなはだしいただいまの状態でございます。そこでただいま厚生省は商工省その他と相談をして、でき得るだけ資材の獲得をして、その御斡旋には極力努めておるのでございます。けれども根本的には、どうしてもこれは公共的な事業以上の御認定を受けて、安本等よりある一定のわくを與えてもらう。あまりに厚生省の関係課長その他が商工省等に行つてぺこぺこ哀訴歎願的に頭を下げて、資材をわけてもらうという考えのやり方ではいけないと思います。安本等に強く要請いたしまして、全國の共同作業所等に一定の資材のわくを確保いたしまして、今後資材難に苦しめないように善処したいと考えておるのであります。またお話をいただいておる資金面でございますが、この資金面も相当地方銀行等より、一時借入れの形で高金利で借りておる共同作業所が相当ございます。これらについても大藏省その他と努めて懇談いたしまして、社会事業という非営利的な社会性を帶びた事業のためには、最低の金利をもつて金融してもらえるような措置をせつかく確保したいと考えまして、私も過般來大藏省当局に強く要求いたしておるような次第であります。將來はただいまお話の授産場法というような本質を備えた立法、あるいはまた社会事業一般に対するきわめて低金利で長期な金融機関、たとえば、かりに名前をつければ社会事業金庫というような意味の金融機関をも要望されておりますので、そういう情勢を馴致するために、一層今後も努力はやつてみたい、かように考えている次第であります。
○松谷委員 ただいま次官の御説明によりまして、將來この問題について御当局が一層の御努力をしてくださるということの確認を得まして、たいへん感謝いたしますが、なお今次官の仰せられたことをより一層強く具体化いたして参りますために、私はでき得るならば、ひとつ当局において、國策として授産行政の民主化をはかつていただく面、あるいは國立授産の資材の國家的保障をしていただく面、あるいはまた授産事業資金制度の確立その他を含めました授産事業法というものを、ぜひひとつ至急に御研究いただいて、これの制定を心から望んでやまないものでございます。一層の御研究御努力をお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○佐々木委員長 請願の取扱い方に関して平工委員より発言を求められておりますので、これを許します。なるべく簡單にお願いいたします。
○平工委員 請願はいつも十ぱ一からげというよりは、むしろ何百というような請願がいつもうのみにされて、異議なし異議なしという発言をするよりいたし方がないような扱い方になつていると思うのであります。せつかく政務次官が眞心をこめて、毎日必ず万難を排してここへ御出席願い、眞心こめて答弁いただくことはまことに感謝にたえません、言葉に盡せぬ感謝の念を私ども持つておりますが、委員長におかれても、政務次官におかれても、この血を吐く思いで請願せられたものが、異議なし異議なしですぐ通過はいたしますけれども、この請願をした者の身になつてみて、こんなことでよいかということを反省してみるときに——私どもは厚生委員会一つしか持つておりませんから、先だつてうちからきようの公報には厚生委員会はないかと思つて待つていましたが、厚生委員会を開く機会があまりにも少な過ぎる。それほど厚生委員会は重要でない機関ではないと私は思つております。特に本委員会は御婦人の先輩委員がたくさんおられて、熱心に出席されるのでありますから、厚生省の方からもやはり御婦人の答弁をする人をいま少し出てもらいたい。ことに山崎委員から代言せられたあの乳幼兒の問題なんか重要で、あの種のものもたくさんありますし、なお産兒制限、産兒調節等について、衆議院から声があげられぬということはまことにはずかしいことだと思つております。予防局長なんかもああいう印刷物をわれわれに配付して、われわれを啓蒙して、われわれの声を出さしめるべく促されているにかかわらず、本委員会はこの問題について何もしていない。この院内にも産兒調節なり産兒制限なりについて相当権威者もいるはずだから、これらの請願をもう少しまじめに取上げて、その請願を本会議にかけて、一つの法律案として生み出すまで努力をすることが、この厚生委員会において始められねばならぬと信ずるものでありますが、政務次官におかれましても、委員長におかれましても、この問題について眞劍に取上げるような熱意があるかないかをお伺いいたします。
○佐々木委員長 お答えいたします。ただいまの平工君の御説に対しましては、まつたく同感でありまして、微力ながらその趣旨に沿いまして今日まで努力して参りましたが、今後も努力するつもりでおりますから御了承願いたいと思います。
○庄司政府委員 厚生省当局としては、本省とまことに緊密な関係にございます國会内の厚生委員会が、でき得るだけその開会の度数をふやし、開会の時間を長くしていただいて、厚生行政百般にわたつて十二分に御檢討を願い、あるいは御献策を頂戴する。かようなことを心から念願をいたしているような次第であります。しかし委員会の開会の度数であるとか、その時間であるとかいうことは、御承知の通り厚生省としては全然関知せざることでありまして、委員長及び委員会の御自由な御意思のもとに、將來ともただいま御熱意を示された程度におやりを願うことに、厚生省としては心から賛成申し上げそういう機会をつくつていただくことを願わしく思うのであります。 なおお言葉の中に、厚生省方面の女性の役人がなるべく出てというお話、これはごもつともでございまして、私はまだそういう政府委員なり、あるいは説明員になり得る資格の女性が何名おられるかわかりませんけれども、多少おられるようでありますから、御婦人の係員にも將來出ていただきまして、御婦人は御婦人同士で特にわれわれ男の世界にわからないこまかい点をおわかりの関係上、御期待に沿い得るようにせつかく努力したいと思います。要するにただいまの御忠告は、厚生省にとつてはまことにありがたい御忠告でございます。うれしく感謝のうちに頂戴いたしまして、御趣意のあるところに即應いたしまして、本委員会とともに御協力をして参りたいと考える次第でございます。
○佐々木委員長 先ほど榊原委員からの提案に基きまして、不良医藥品の取締りに関する当委員会の申合せにつきましては、理事各位と委員長において協議いたしました結果、大体次のような要望案を作成いたしましたので、朗読いたします。 不良医藥品調査監督に関する要望 最近不良医藥品の配給市販されるもの多く、このまま放置するにおいては、國民保健上まことに寒心にたえないものがある。ゆえに政府はこれが拔本的方策を講ずるため、すみやかに各府縣に適当なる調査監督機関を設くるよう要望する。 昭和二十三年十二月十三日 衆議院厚生委員会 厚生大臣 林讓治殿 ただいま朗読いたしました要望案に御異議ございませんか。
○佐々木委員長 御異議なければさように決定いたしまして、本委員会の國政調査の決定事項として参考送付することにいたしましたから、御了承願いたいと存じます。 これにて本日の日程全部を終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします 午後零時五十一分散会