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3回国会参議院1948/11/29

本会議 第17号

発言数
60
登壇者
11
会派数
4
開催日
1948/11/29

会議録

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。    〔岡本愛祐君登壇、拍手〕

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 只今議題となりました衆議院提出の衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ずその内容及び趣旨について申上げますと、この法律は、第一に衆議院議員選挙法第十二條の特例に関する法律、第二に、選挙運動の文書図画等の特例に関する法律、第三に地方自治法法、この三つの法律の各一部を改正しようとするものであります。  その第一條は、衆議院議員選挙法第十二條の特例に関する法律、即ちいわゆる臨時選挙人名簿の調整に関する法律の有効期間を延長しようとするものであります。元來衆議院議員選挙法は、選挙人名簿の調整について定時名簿主義を採用しておりますがその欠陥を補う目的を以つて昨年一月この法律が制定せられ、定時名簿の調製後新たに有権者となつた者、脱漏した有権者、引揚者等を登録する臨時選挙人名簿を調整し、併せ用いることとしたのであります。而してこれは本年十二月二十日を以て失効いたしますので、この際当分の間その効力を延長して、十二月二十日以降に行われる選挙についても臨時選挙人名簿を調整することにいたし、以て國民の選挙権行使に遺憾なからしめようとするものであります。  次に第二條は、選挙運動の文書図画等の特例に関する法律の有効期間を延長しようとするものであります。法律は昭和二十二年及び二十三年中に施行せられる衆議院議員、参議院議員、地方議会議員等の選挙において、選挙運動のために使用せられる文書図画等の頒布又は提示を制限せんとするものでありまして、そのうち衆議院議員の選挙については、この法律に代つて第二回國会において選挙運動等の臨時特例に関する法律が制定せられ、文書図画につき一層嚴重な制限をすることにし、次の総選挙から施行せられることになつたのでありますが、参議院議員の選挙及び地方公共團体の選挙には、差当り先の選挙運動の文書図画等の特例に関する法律の効力を当分の間延長しようとするのが、この第二條の改正の要旨であります。  次に第三條は、都道府縣及び市町村等の選挙管理委員会の委員の任期が現在二年となつておるのを三年に改めようとするものであります。これらの選挙管理委員の任期が現在二年とされておりますゆえんは、選挙管理委員はその在職中被選挙権を停止せられ、且つ関係区域内において選挙運動を禁止せられる等、相当の不利益を蒙ることに重きを置きまして、任期を短かくして二年としたのでありますが、制度実施の結果に徴しますと、委員を希望する者も少くなく、堪え得ない程の負担とも考えられておりません。一方、二年の人気では、選挙管理委員の職務が専門的知識を要します関係上短かきに失しますので、これを全國選挙管理委員の任期と同じく三年にしようとするものであります。尚、現在の選挙管理委員長、任期はすでに満了しており、而もまだ後任者の選挙が行われないので、規定によりそのまま在任している者も多いのであります。それで、その選挙事務に慣れたこれらの者についても、目前に重要な選挙を控えておりますので。引続き在任させるのを適当と考え、附則第二項に経過的規定を設け、その在任期間を一年延長しようとするのであります。以上が本法律案の趣旨及び内容の概要であります。  次に委員会における主なる質疑應答について御報告申上げます。質疑の主なるものは、一、太平洋戰爭中に衆議院議員及び地方議会議員の任期を延長したことがあるが、これは全く戰爭中の非常立法であつて、平時の今日、本案のごとき委員の任期延長の立法をなすのは適当でないのではないか。二、二年の任期を以て選挙された者は任期満了と同時に改選するのが当然であつて、これをそのまま選挙によらずして一年延長するということは、選挙の理論に反するものと思うが、どうか。三、選挙管理委員を選挙する権限を有するものは地方議会である。地方議会は改選に際し、その必要に應じて旧委員を再選し、又は新たな委員を選出するであろうから、中央で画一的に一年延長を行うべきでないと思うがどうか。四、実際問題として、すでに改選を了した委員は全体の三分の一に達する由であり、任意に改選の時期を遅らせている委員のみが、不当に任期延長の利益を受けることになり、権衡を失すると思うがどうかという点にありました。  これに対し政府委員よりは、一、全國選挙管理委員の任期が三年である以上、地方選挙管理委員の任期も三年とすることが適当と思われる。三年に改正する以上は、現在二年の任期を以て出ている委員の任期をそのまま一年延長することも現在の情勢に應ずる非常措置として適当であると思う。この点は戰時中の議員の選挙を行わないこととした立法とその精神を異にするものである。二、選挙について地方自治体の自主性を尊重すべしという説は尤もである、現在選挙管理委員の改選を延ばしている地方は地方議会の意思により延ばしているのであつて、委員自身の意思によつて延ばしておるのではない。翻案のごとく改正することが地方議会の意思に合するものと思うという答弁がありました。  かくして討論に入りましたところ、吉川末次郎委員により、本案第三條及び附則第二項を削除すべしという修正意見の開陳がありました。右の修正意見に対し鈴木直人委員より、委員の任期を三年とすることは賛成であるが、現在在職している委員の任期を延長することは理論上不適当と思う。併し諸般の情勢上止むを得ず原案に賛成する旨の意見の開陳がありました。次いで採決の結果、多数をもつて原案を可決いたした次第であります。以上を以ちまして御報告といたします。

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決されました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際、日程第二、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第三、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案、いずれも内閣提出、衆議院送付、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事岡部常君。    〔岡部常君登壇、拍手〕

岡部常緑風会

○岡部常君 只今上程になりました二法案について委員会の審議の状況並びに結果を報告いたします。  先ず訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案について申上げます。民事、刑事の訴訟費用及び執行吏手数料等は、それぞれ民事訴訟費用法、刑事訴訟費用法及び執達吏手数料規則の三法律の中に規定してありますが、戰時中の諸物價騰貴に應じて臨時的にこれらを増額するために訴訟費用等臨時措置法が制定せられまして、更に諸物價の引続く高騰に伴いまして、一昨年の九月及び昨年十一月と再三増額を見たのであります。然るにその後も経済情勢の変遷は依然として物價高騰を続けておりまして、現行手数料は全く実情に副わぬものとなつております。それがために訴訟関係者は非常に重い負担を強いられるに至りまして、殊に執行吏においては現在の収入を以てしてはその生計を維持することも困難となり、延いては民事、刑事の訴訟や強制執行制度の円滑な運行も覚束ない状況に立ち至りましたので、今回更に暫定的に右手数料の増額をなし、現状を打開せんとするのが本法案の目的とするところであります。要点の一二を述べますと、第一は、民事、刑事の訴訟費用及び執行吏の手数料等を増額した点で、その程度は大体現行の二倍半乃至三倍といたしました。但し旅費日当、宿泊料につきましては、その算定の基準を諸官廳の内國旅費支給規定に準じて定めたのであります。第二は執行吏の差押及び競賣手数料の計算方法を改めた点であります。即ち手数料額を定める標準となる債権額又は競賣金額を五万円以下六段階に分けてありますが、現在ではこの分け方はすでに細かきに過ぎると共に、五万円を超える場合に適当な段階の設けがなく、手数料算定に適正を欠く憾みがありますので、今回十万円以下を六段階に分け、且つ一事件の平均金額の騰貴及び手数料の逓減率等を考えまして、各段階ごとに適当な手数料を規定せんとするものであります。詳細は徒らに数字を読上げてもお聽取りにくいことと存じますので、お手許の法案を御覧願い、且つ速記録に譲りたいと存じます。委員会におきましては質疑應答を重ね、時節柄適当な改正と認めまして、別段討論を用うるとこともなく、全会一致可決いたした次第であります。  次に罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案について申上げます。罹災都市借地借家臨時処理法はすでに御承知のごとく、罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、或いは借地権を今後存続させる意思なきものと認められるものを貸主の側から消滅させる等の途を開き、これらに関連する借地借家関係を調整して、戰爭による罹災都市の急速なる復興を図ることを目的として制定せられたものでありまするが、同法第二十五條の二の規定におきまして、戰災の場合のみならず、別に法律に指定した火災、震災、風水害その他の災害の場合にも同法の規定を適用して、かかる災害地の復興の促進に資するということを目的としております。而して同法律適用地区は災害ごとに別に法律で定めることとなつておるのでありまするが、本年六月二十八日北陸地方に起つた震火災、更に七月二十四日福井地方に起つた水害、九月十六日東北地方に起つた風水害につきまして、罹災都市借地借家臨時処理法の適用を必要とするに至つたものであります。委員会におきましては、各地の被害状況並びに同地区における借地借家関係に関しまして政府当局と質疑應答を重ねましたところ、誠に時宜を得た提案と認められましたので、別段討論を用うることもなく、全会一致可決いたしたものであります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○議長(松本治一郎君) 日程第四、海事仲裁等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事丹羽五郎君。    〔丹羽五郎君登壇、拍手〕

丹羽五郎無所属懇談会

○丹羽五郎君 只今議題となりました海事仲裁等に関する法律案につきまして、運輸委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  この法案の提案理由をようやくして申上げますと、先に公布せられました事業者團体法によりますると、事業者團体は、一般に紛爭の仲裁又は解決の行爲をなし得ないことといたしておりますが、特に海事関係の紛爭につきましては、その特異性を認めまして、同法施行後九十日間即ち本年十月二十六日までに社團法人日本海運集会所が依頼を受けました事件につきましては、特に同所が仲裁又は解決の行爲をなし得るという経過規定を設けておるのであります。從いまして本年十月二十七日以降の新たな紛争の処理関係につきましては別に恒久的立法に俟たなければ相成りませんので、この法律案が提出をいたされたのであります。次にこの法案の内容につきまして主なる点を申上げますれば、第一に海事関係の取引には特異な商習慣が多く、又國際的関係を持つものが沢山ありますので、これらの紛爭の仲裁又は解決につきましては海事関係各方面の意見を総合的に代表し得るような團体に行わしめることが最も権威があり、又適切なことでありますから、その目的に副うように、海事関係紛爭の処理をなし得る團体の具備しなければならない用件と認可の基準について規定をいたしているのであります。第二に、この法律により許可を受けました事業者團体は、海事に関する紛爭の仲裁又は解決の行爲に関する限り、事業者團体法の適用から除外をされる團体となるものといたしまして、付則におきまして事業者團体法の一部を改正いたしているのであります。  本法案は去んぬる二十六日、本委員会に付託せられまして、二十七日審議に入りまして、政府との間に熱心なる質疑應答がありましたが、我が國海運界の実情に照らしまして、速かに実施をせられたいとの強い意見の開陳があつたのであります。次に討論に入りましたところ、別に発言もありませんので、採決に入りましたるところ、全会一致可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告を申上げまして、よろしく皆さんの御審議をお願いいたす次第であります。

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 厚生大臣よりジフテリア予防接種事件、大阪脳神経病院の被收容者処遇事件及び輸血に基く障害発生事件につき報告のために発言を求められております。この際許可いたします。林厚生大臣。    〔國務大臣林譲治君登壇、拍手〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○国務大臣(林譲治君) 最近の新聞でも御承知の通り、予防接種又は輸血の問題につきまして極めて遺憾なる事件を発生いたしました事柄につきましては、厚生省当局といたしましても誠に遺憾のことと考えまして、みずからの責任を深く痛感をいたしているわけであります。尚その他この夏以來明らかになりました大阪豊中の脳神経病院事件も重ねて起つたような問題があるのでありまして、今日の場合誠にその責任を痛感をいたしております。この予防接種の問題につきましては全國民に行なつておりますが、これによつて聊かでも國民に対して不安を與えるごとき結果に立至りましたということは、この事業進展に非常な支障を來たしたものと考えまして、誠に遺憾に考えるわけであります。京都における調査の結果につきましては、製剤上の欠陥がありましたことが明らかになりまして、その原因を突き止めまして、この製剤上の欠陥に対しては、我々はみずからの責任を感じますると共に、この責任を今後において明らかにいたしたいと考えているわけであります。尚將來監督の制度につきましては、今までこれの調査員などというものの数も極めて少数であつたようでありまするから、こういうような点を大いに一大刷新をいたしまして、そうして今後再びかかることの繰返すことのないようにいたしたいと考えております。又この事件の責任につきましては、当然大阪府並びに厚生省におきましても責任者があるわけでありまするから、この点については十分責任を感じまして、今後これらの責任を明らかにするように、徹底的に調査の上で相当な取計らいをいたしたいと考えているのであります。尚、島根縣におきまして、同じ製藥によりまして二百数十名の副作用を発生した者を出しましたということは、誠に重ね重ね残念なことでありまするが、目下これが調査のために予防局長も派遣をいたしまして、その調査をいたしておりまするが、幸いにして京都の発生の直後であつたのでありまするから、まだ死亡者などを出すというまでには至つておらないように考えております。この点につきましても、未だ詳細に皆さんに御報告申上げるだけの材料はございませんが、他日又委員会などにおきましてこの点についても御報告申上げてそうして責任のある所を明らかにいたしたいと考えているわけであります。  更に輸血の取締の問題でありまするが、従來は輸血取締規則というものがあつたそうでありまするが昨年の十二月にその効力を失つております。そこで、これが取締規則を作つたらどうだろうかというような点について、当時厚生当局といたしましても考慮いたしたのでありまするが、併しながらその当時の情勢に鑑みまして、かかることの必要のないものであるという点から、そのままになつておつたようでありますから、その点につきましては、今後十分新知識を取入れましたところの輸血取締法のようなものを作りまして、諸君の御審議を願う機会も遠からずあろうかと察するわけであります。  更に大阪豊中の脳神経病院の事件でありまするが、この問題につきましては府並びに厚生省におきましても責任のあるところを十分探究いたしまして、そうして適当にこれが責任者に対しましては処置を加えるところがあるならばその処置を加えましようし、十分調査をいたしました結果、何分の処置を講じたいと考えておりまするから、さよう御了承置きを願いまして、そうして今後かかるような問題が再び起らないように、厚生省の十分綱紀の粛正と申しましようか、今後の問題につきましては再びかかることを繰返さないように努力をいたしたいと考えておりまするから、どうかこの点につきましては、さよう御了承置きを願いたいと考えます。(拍手)    〔塚本重藏君「関連質問」と述ぶ〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 塚本重藏君。    〔塚本重藏君登壇、拍手〕

塚本重藏日本社会党

○塚本重藏君 実は私はこの問題に関しまする関連質問をしないで済むことを希望しておつたのでありまするが、只今の厚生大臣の報告では尚十分とは言えないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)大阪の脳神経病院の事件というものは、この問題を摘発するに至りましたのは確か九月の八日であつたと記憶いたしております。それから今日すでに二ケ月半の日子を要しているのであります。その間、私共厚生委員会といたしましては第三國会が始まる劈頭からこれを取上げまして、当局にこの事件の糺明を迫つたのであります。而も尚要を得ませんので、特に厚生委員会は委員を現地に派遣いたしまして、調査を進めて参つたのであります。厚生当局はそのときに漸やく御輿を上げまして厚生委員と共に現地に参つて調査をするなどのごとき、極めて怠慢な態度を取つておつたのであります。而も調査を終りまして、更に委員会においてこの問題を明らかにしようといたしましたけれども、尚厚生当局のこれに対しまするところの措置というものは甚だ不十分なのであります。従いまして私共は第四國会にも持ち込んで、この問題を更に糺明しようとしておつたのであります。たまたま本日厚生大臣みずから進んで発言を求められましたので、すでに相当の時日を経過しておりまするから、一切の問題が明かにせられ、その責任の所在も明らかになつているということを希望しておつたのでありますが、只今の報告を承わつては、その点が尚不十分なのであります。この点は甚だ遺憾とする者であります。細かい点についての質問はいたしませんが、豊中の問題にいたしましても、実際この問題は、終戰後のいろいろな社会混乱の中から引続いて約二ケ年間に亘つて継続せられておりましたところの忌わし問題なのであります。即ち終戰後、街に浮浪者、浮浪兒が沢山発生いたしておりました。これらを街から一掃するために、いわゆる浮浪狩りというものが行われたことは皆さん御承知の通りであります。その時に、たまたまこれらの者を收容するのに、その收容施設が足らなかつたということからいたしまして、精神病にあらざる者を精神病院に一時やはり収容をいたしましたが、そのことは止むを得ないといたしましても、事後において、これが果して精神異常者であるかどうかということはできるだけ早い機会に再鑑別いたしまして、適当な処置を取らなければならんのにこの処置を二年余に亘つて取り得ずにいたしまして、而もその間に樺かに九百カロリーの栄養を與えて栄養失調に陷らしめて死に至らしめたことは、而も火葬場不備に名を籍つて、(「誰の内閣だ」「片山内閣だ」「継続々々」と呼ぶ者あり)火葬場不備に名を籍つて、この病院で死亡し、病院の隅に埋められたところの死体の数は八十九に及んでおるのであります。而も八十九の死体を埋めました中に、七十二名の栄養失調死による者があるのであります。こういつたことが今日まで明らかにせられずにおつたことは返す返すも遺憾な次第であります。而もこれは、ただ豊中におきまする大阪脳神経病院だけの問題ではないと我々は思つたのでありますが、果せるかな、大阪だけで四つの脳病院にその当時尚六十五名の浮浪兒が収容せられておつたのであります。かような点から考えますと、この問題は、ただに大阪における問題だけではなく、全國至る所にこういう問題が今尚繰返し行われておるのではないかということを私共は憂える者であります。從いまして、この問題を契機といたしまして、そういうことの憂いを一掃し、今後にそういうことを繰返さないように善処して貰わなければならんというのが我々の所見なのであります。考えなのであります。そのひとのために善処を続けて来ておるのでありますが、その点が未だに厚生当局において明らかにせられない。こういうことは、大阪府市における当事者の間に責任のなすり合いがあります。又大阪府の中におきましても、衞生部と民生部との間において所管事務から責任の回避があつて、勿論その明らかになつていない刑事上の問題についてもすでに起訴せられておるのでありますから、検察廳において明らかになるといたしましても、行政処分に関しては適当な処置を講じなければならんと考えるのであります。更にこの京都におけるジフテリアの予防接種の問題に関しましても、悲しいかな、すでに七名の幼兒が死亡いたしているのであります。これらの死亡者、その家族に対しまする弔慰の方法を如何ようになされたのでありますか。そういう点にも一言触れられるべきが当然であつたにも拘わらず、何の発言もなかつたので、この機会にその点を明らかにして頂きたいと質問をする次第であります。(拍手)    〔國務大臣林譲治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林譲治君) 只今大阪豊中の精神病院の事柄につきましては誠に遺憾であります。まだ大阪府の方から何分の処置については報告が参つておりませんようでありますが厚生省におきましては、これが適当な処置を取りたいと考えております。それから只今ジフテリア患潜の死亡者に対してのお話でありまするが、これは厚生省といたしましては直ちに弔問者を出しもいたしまするし、そうして現在におけるところのできるだけの弔意を表しまして、そうして尚今後取るべき方法があるものといたしまするならば、その処置を今後において取りたいと考えております。さよう御了承置きを願います。(「もつと具体的な答弁をしろ」と呼ぶ者あり)      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際、日程第五より日程第十までの請願及び日程第八十七の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議なしと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。    〔岡本愛祐君登壇、拍手〕

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 只今議題となりました請願六件、陳情一件につき、地方行政委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  第一は、請願第百三十二号、岐阜市議会議長提出の地方團体中央金庫設置の請願でありまして、その内容は地方公共團体の金融難を打開し、会計経理の円滑と地方財政における金融の健全化を図る見地から、速かに地方團体中央金庫を設置せられたいというのであります。  第二は、請願第百三十三号、同じく岐阜市議会議長提出の公共事業費の財源前渡公付に関する請願でありまして、その趣旨とするところは、市の公共事業に対する経費は、主として國庫補助金、起債、その他市税收入を以て賄つているが、市財政は極度の緊迫を告げ、市の事業は資金の交付を得なければ施行不可能の状況にあるから、これらの補助金、起債などは事業の承認と同時に前渡交付又は貸付のできるよう取計らいを願いたいというのであります。  第三は、請願第百八十六号、山形市長提出の自治体警察経費の財源増額に関する件及び請願第二百八十二号、鹿兒島縣増田靜君提出の自治体警察設置市町村の配布税増額に関する件でありまして、これは自治体警察費については一應の措置が取られているが、財政困難な市町村においては、このままでは警察の活動力にも影響するから、財源の増額を希望するという一昨日御報告したものと同様の趣旨であります。 第四は、請願第二百八十三号、鹿児島縣増田靜君提出の市町村の國又は縣の負担する事務についての財源措置に関する請願でありまして、その内容は地方財政法によつて、國又は縣が負担する事務区分は明らかにされておるが、その財源措置が不明確である。尚これらに要する経費の支給が不十分で、市町村が負担しておる現状であるから、速やかに是正せられたいとの趣旨であります。  第五は、請願第二百八十四号、同じく鹿兒島縣増田靜君提出の國税、縣税の賦課適正に関する請願であります。國税及び縣税の賦課の公正を期するため、公選による民主機関を各市町村に設置して、これが適正を期せられるよう関係法令を改正せられたいとの趣旨であります。  第六は、陳情第七十五号、宮城縣戸籍事務協議会内岡崎榮松君提出の戸籍事務職員の人件費等全額國庫補助に関する陳情であります。その趣旨とするところは、地方自治体は、戸籍法、民法等の改正によつて戸籍事務が激増した結果、人件費、消耗品費、郵税等に多大の負担を加重しておるので、地方財政の窮乏を緩和し、戸籍事務の円滑な整備を行うために、人件費、物件費を全額國庫にて負担されたいというのであります。  これらの請願、陳情は、いずれも我が國民主化の発展に伴い、地方公共團体の自治権が大幅に拡張せられつつあるに拘わらず、地方財政の基礎は未だ確立せられず、ために各市町村が極度の財政難に悩む現状を何とかして打開せんとするものでありまして、本委員会は、各委員愼重審議の上、その趣旨は概ね妥当と認め、採択して内閣に送付を要するものと決定いたしました。右御報告申上げます。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際、日程第十一、第十二の請願及び日程第八十八、第八十九の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員会理事姫井伊介君。     —————————————    〔姫井伊介君登壇、拍手〕

姫井伊介緑風会

○姫井伊介君 只今上程されました請願並びに陳情に関し、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  請願文書表第二百三十六号、國立出目療養所施設拡充に関する請願、本件は愛媛縣宇和島市長よりの請願で、同地の出目療養所の前身は結核予防会の模範指定所として、そのベッド数も、研究的立場から僅か三十床を設けたに過ぎないものでありますが、國立療養所の指定を受けた今日では、少くとも百五十の病床を備えて、その結核の早期発見と共に、その患者の療養のために遺憾のないよう拡充の措置を講ぜられたいというのが本請願の趣旨であります。これに対しまして政府当局の説明を聴取いたしましたところ、本療養所は、國立療養所として最も小規模なものであり、その拡充に当つては土地の買収等の関係もあり、愛媛地方は他に復旧を要する関係のものもあり、予算の点で困難があるが、市町村その他土地の有志の人々の熱心な請願であり、その難点も解決できると思われるので考慮するとの答弁がありました。委員会といたしましては、本請願の願意は妥当なものと認め、議院の会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。  請願第二百六十三号、國立療養所看護婦増員の請願であります。本請願の趣旨は、國立療養所の看護婦は人員不足のため、勤務状態は二十四時間から三十二時間に及ぶ過重労働であり、それがために一割の病人を出し、又一方看護方面にも十分手を盡せない状態にあるので、速かに必要な人員を増加して、三交代制を実施して、國民健康の保持ができるように取計われたいというのであります。右の請願に対しまして政府の答弁を求めましたところ、現在療養所の患者数は三万九千名であり、これに対して看護婦の数は五千百名、請願の趣意に副うようにするためには尚四千名の増員を必要とするのであり、労働省職業安定所を通じ募集に努力中であるが、給與の点で相当な難関がある。その待遇改善には当局としても鋭意大蔵当局と折衝中であるとのことであります。委員会といたしましては、療養所における看護婦の必要人員を増加し、以て看護婦の天職を全うできるように政府に要望し、本請願はこれも議院の会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。陳情第六号、函館保健所の市移管に伴う財源措置に関する陳情、本陳情は北海道函館市長よりのものでありまして、昨年の保健所法の改正に伴い保健所は市に移管されたが、これに伴う國庫補助について政府は何らの措置をも講じなかつたのは遺憾であるので、十分な必要財源を速かに交付されたいとの趣旨であります。本陳情に対しまして、政府当局より説明を聞きましたところ、保健所の経費については地方財政委員会において、すでに地方の財源措置が決定した後であつたが、このままでは新らしく保健所の設置主体となつた市としては財的困難が多いので、厚生省として地方財政委員会と連絡し、何らかの措置を取るよう努力しているとのことであります。よつて委員会といたしましては、本陳情の願意は極めて妥当なものと認め、議院の会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。  陳情第二十七号、盲人福祉法制定に関する陳情、本陳情は先に御報告いたしました盲人福祉法制定に関する請願と全く同様なものでありまして、その内容につきましては重複いたしますので省略いたし、本陳情は前回の請願同様、議院の会議に付して内閣へ送付しないものと決定いたしました。以上報告を終ります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、盲人福祉法制定に関する陳情の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、盲人福祉法制定に関する陳情の外は内閣に送付することに決定いたしました。

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際、日程第十三より第十七までの請願及び日程第九十、第九十一の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないものと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。    〔木下辰雄君登壇、拍手〕

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 只今議題となりました請願第百二十二号外十一件、陳情第三十四号外一件につきまして、水産委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。  請願第百二十二号、百二十四号、百四十四号、百九十六号、百九十七号、二百号、二百二十六号、二百六十号並びに陳情三十四号は、漁船保險に関する事項であります。請願及び陳情の要旨を申上げます。漁船保險は不測の素因を多分に持つておるから、不時の欠損に應じ得る準備が必要である。然るに漁船保險は立法当時からその準備が不十分であつた。そのために戰後漁船及び乗組員の素質の低下、漁船の酷使、燃油の不良等が原因となつて、遭難船が多くなり、ために保險事業が赤字を出して、保險金の支拂が半年以上も遅れるようになつた。その上、漁船修理費は日ごとに高騰するのみで、漁業者の困惑は目に余るものがある。漁業者は政府の再保險があるので恰かも大船に乗つたつもりで安心しておつたが、保險金が貰えないので、新船建造も修理もできないという有様である。これは政府の再保險の特別会計の資金が不足いたしておる結果である。元來この漁船保險は、昭和十二年漁船保險法が制定せられたものであるが、安い保險料、早い保險料の支拂という当初の二大特色は今日全く失われておる。誠に憂慮に堪えない次第にある。政府は速かに一般会計から漁船保險特別会計に差当り七千万円程度の繰入をなして、保險金を速かに支拂われたいというのであります。委員会といたしましては、これらの請願、陳情は十分に理由があるとして、これを採択し、議院の会議に付し、意見書を附して内閣に送付すべきものと決定いたしました。  次に第二百二十三号、茂生港船入ま築設に関する請願であります。紹介議員の堀末治君から請願の理由の説明がありました。即ち同港の面積は内港四千二百平方メートルで、最盛漁期には入港漁船は一日百隻を下らない。然るに港内の收容力は僅かに二十トン以下の発動機艦二十隻程度に過ぎない。又附近航行中の船舶が荒天の際避難したくも收容力なく、漁獲した鰊わく船の引込能力も全くないという有様であるから、連かに国庫補助の下に修築されたいというのであります。  次は請願第百四十九号、大泊港修築に関する請願であります。紹介議員水久保甚作君の説明によりますと、同港は鹿兒島縣大隅半島の南端にありまして、南方漁業の根拠地であり、又避難港としても重要な港であるが、港口が東南に開口するために、強風に対し全く漁港、避難港としての機能を失うことが多いから、連かに修築されたいというのであります。  次は請願第百五十一号、これは伊座敷港を漁港並びに避難港に指定の請願であります。同港は鹿児島縣の佐多岬並びに種子島、屋久島方面の優秀漁場の根拠地であるが、港湾施設が不完全であるから、速かに国庫の補助の下に修築されたいというのであります。以上三漁港に対し、政府もその重要性に鑑みられて修築の必要を認められ、すでに計画中であるという答弁がありましたので、委員会といたしましてはこれを採択して議院の会議に付し、意見書を附して内閣に送付すべきものと決定いたしました。  次は、請願第百四十七号、島根縣立浜田水産試験場浦郷分場の國立水産試験場分場編入に関する請願であります。この請願は島根縣会の決議によつて出されたものであります。その要旨は、隠岐島近海は日本海漁業の宝庫であるが、近時寒流の接近に連れて漁族の移動も著しく、これに対し漁業の指導施設と漁況の観測が必要であるから、本年度百二十五万円の縣費を以て、縣立水産試験場分場を設備中であるが、地方財政では十分なる施設を完備すること甚だ困難であるから、これを国立水産試験場の分場にして貰いたいというのであります。委員会といたしましては適切なる請願と認めまして、これを採択し、議院の会議に付し、意見書を附して内閣に送付すべきものと決定いたしました。  次に陳情第七十二号は、和歌山縣の水産施設災害復旧事業費國庫補助に関する陳情であります。陳情者は和歌山縣知事であります。この陳情の趣旨は、震災による地盤の沈下及び隆起による水産関係対策として事業費予算二億円に対しまして、本年度第二・四半期以降において千四百二十二万円だけ予算化を見ましたが、これは被害個所五十ケ所のうち、十七ケ所を施工し得るのみで、総額から見ると百分の七程度に過ぎない。これでは甚だ不十分だから速かに増額せられたい。又昭和二十三年度の水藻関係復旧事業、同台風による水産関係被害についても國庫補助を願いたいというのであります。本件は願意尤もなるにより、これを採択し、議院の会議に付し、意見書を附して内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上御報告いたします。

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この、際日程第十八より日程第三十五までの請願及び日程第九十二より日程第九十五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事丹羽五郎君。    〔丹羽五郎君登壇、拍手〕

丹羽五郎無所属懇談会

○丹羽五郎君 只今上程になりました請願、陳情全部合せまして二十三件程ありますので、非常に又御迷惑かとは存じますが、少し運輸委員会の性質上スピードをかけてやりますから、どうか御了解を願つて置きたいと思います。(拍手)  只今上程になりました請願第一号、二俣—佐久間間鉄道急設に関する請願外十八件及び陳情第二号、都城—東京間直通急行列車運行に関する陳情外三件の運輸委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。各請願につきましては紹介議員の熱心な説明と、政府の詳細な答弁があり、委員会も愼重な審議をいたしましたが、詳しいことは省略することといたし、取纏めその概要を申上げます。  先ず、鉄道の建設及び復旧に関する請願、陳情を申上げますと、請願第一号、二俣—佐久間間の鉄道急設に関する請願に対し、政府の説明は、現在國有鉄道の全体を通じて收支は赤字であるため、客観的情勢から新線の建設はなかなか困難であるということでありました。併し本件は建設予定線で、順位も比較的高く、沿線の資源も豊富であるから、成るべく速やかに願意に副うよう取計らうことが妥当であるとして、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。  次に、請願第百十一号、平津戸—宮古両駅間災害鉄道復旧に関する請願に対し、政府の説明は、この区間は先般のアイオン台風のため、前例のない程ひどい被害を受け、平津戸—茂市間の三十四キロ程は早急に回復は望めないということでありましたが、沿線の資源の輸送及び沿線住民の交通のため、成るべく速かに復旧するように努力することが妥当であるとして、これを内閣に送付を要するものと全員市議決いたしました。  次に、國営自動車路線開設に関する請願でありまして、請願第二号、掛川—御前崎間國営荷客自動車運行に関する請願、請願第百号及び第百十四号、高梁—落合両町間並びに中津井—中井両村間に國営自動車の運輸開始に関する請願、請願第百五十三号、三納代—妻両駅間に國営自動車の運輸開始に関する請願、陳情第三十一号萩—小郡両駅間に國営貨物自動車の運輸開始に関する請願は、いずれも沿線の重要物資輸送及び旅客交通の必要上、國営自動車路線の開設を要望する趣旨でありまして、これらに対する政府の説明は國営自動車路線の新規開設は客観的情勢から見て目下のところ原則的に困難であるということでありました。併し、これらの地方はいずれも物資が豊富であり、人口も多いに拘わらず、自動車輸送力が極めて貧弱であるから、政府は先ず既存民間業者を督励して、早急に輸送力を増強せしめることを第一とし、それが不可能であつた場合は國営自動車の開始につき努力することが妥当であるという意見を附し、いずれも内閣に送付するを要するものと全員一致議決いたしました。  次に國有鉄道の電化に関する請願でありますが、請願第五号、松戸—平両駅間電化促進に関する請願、同じく第百八十一号、郡山—石両駅間鉄道電化促進に関する請願、陳情第十五号、浜松—米原両駅間電化促進に関する陳情に関しましては、政府の説明は、鉄道の電化は輸送力の増強、石炭の節約に多大の貢献をなすものであるから、順を遂うて速かにこれを進めて行きたいと考えている、請願の松戸—平間は松戸—取手間を來年の五月までに完成し、その先は各般の事情を考慮して計画を進めて行きたい。又郡山—白石間は東北線の輸送状況から見て電化を考慮すべき区間であつて、予算、資材の事情とも睨み合せて、成るべく早い機会に工事に着手したいと考える、又浜松—米原間については、沼津—浜松間が來年四月工事完成の予定で、その開通を待つて浜松—米原間の電化計画を進めて行きたいと考えているという説明があり、審議の結果は、願意は妥当であるから、政府は成るべく速かに願意に副うよう努力すべきであるとして、いずれも内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。  次に、國有鉄道の駅、乘降口の設置等に関する件でありまして、請願第十八号、吉都線都城—谷頭両駅間に簡易乘降場設置に関する請願、第十九号、仙台駅東乘降口設置に関する請願、第百六十五号、早月信号場を駅に昇格の請願、第百七十九号、永井川信号場を駅に昇格の請願、陳情第七号、高松—鬼無両駅間に旅客駅設置の陳情でありまして、審議の結果は、これらの地区はすべて、交通量が相当に多く、これに対する駅、乘降口等の不備のため、不便を來しているのであつて、願意は概ね妥当なものであるから、政府は成るべく速かに願意に副うことが必要であるとして、いずれも内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。  次に、請願第百五十八号、國家公務による身体障害者等に対する鉄道無賃パス交付の請願は、國家公務遂行のため身体に障害を受けた者は、極度の生活難により運賃の負担能力がなく、必要な旅行すらできないから、鉄道無賃パスの交付を希望する趣旨の請願でありまして、政府の説明は、事情誠に氣の毒ではあるが、一般公務のための障害者の救済を鉄道が負担することは困難で結果は、この問題は政府全体として取上げ、これら障害者の必要な旅行に対し、何らかの方法で運賃の負担を軽減する措置を講ずることが望ましいとして、全員一致これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。  次に、陳情第二号、都城—東京間直通列車運行に関する陳情は、審議の結果、宮崎、大分両縣民の不便を除くため、運轉関係諸事情とも睨み合せ、成るべく速かに列車又は客車の直通を考慮することが妥当であるとして、全員一致これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。  次に國営航路新設に關する請願でありまして、請願第七号、鹿兒島—鹿屋商港間に國営貨客航路開設に関する請願、同じく第八十一号、鹿兒島—古江両港間に國営航路開設に関する請願は、いずれも鹿兒島縣大隅半島の資源の開発及び文化の向上のため、半島と鹿兒島とを結ぶ國営航路の新設を希望する請願でありまして、政府のこれに対する説明は、國営航路の設置は鉄道幹線の相互の連絡を本則とすること、予算が窮屈であることなどにより、この航路の新設は困難であるが、この航路には民間海運業者があり、最近配船の増加、入替、他航路よりの延航等の手を打つて強化を図つたが、尚一層強化して交通の確保に遺憾なきを期したいという趣旨でありました。審議の結果は、大隅半島は廣大な土地に豊富な農水産資源を有し、人口も七十万に及ぶのに反し、交通機関は古江、志布志両線があるのみで惠まれておらない。現在就航している民間業者の船舶は極めて貧弱で、殊に五十トン以下の小型船もあり、危險も伴うから、政府は業者に命じ急速に航路の強化改善を図らしめ、速かに民意に副うことが肝要であるという意見に一致し、この旨を付して、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。  次に海運関係の請願を一括して申上げます。先ず請願第十四号、汽船龍頭山丸移動に関する請願でありますが、その要旨は、同船は沈沒引揚船でありますが、佐賀縣呼子港内の中心地点に繋留してあるので、港湾修築工事及び海上交通に大障害となつているから移動されたいと言うのであります。これは政府の説明によりまして、同船が朝鮮在籍船であり、移動については非常な困難が伴うことが明らかにされましたが、審議の結果は、港湾利用上大障害となつているので、政府において善処する要ありと認め、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。  次に請願第百十六号、宇野—藤野両港間に定期連絡船運航に関する請願でありますが、願意は岡山縣宇野—味野間の運輸交通改善のため、両港間に定期連絡船を設けられたいというのでありまして、同港方面は貨客の数量が瀬戸内海沿岸屈指であり、政府においても願意の通り進んでいる旨答弁がありましたので、これを内閣に送付することに全一致議決いたしました。  次に請願第百五十七号、関東海運局東京支局の昇格に関する請願であります。その趣旨は、現在の支局の機構では行政手続が遅延し、出入船舶の増加した現状に適しないから、海運局に昇格せられたいというのでありまして、政府より支局の権限を漸次拡張し、願意に副いたい旨の答弁があり、願意妥当と認めて内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。  次に請願第十二号、酒田港緊急整備に関する請願でありますが、その要旨は、山形縣酒田港の浚渫及び港湾修築工事を促進し、開港場としての機能を発揮できるようにして貰いたいというのであります。これに対し政府より、港内の浚渫は予定以上に進行しているとの説明がありましたが、審議の結果、酒田港の全面的整備は急速に実現の要ありと認め、内閣に送付することが至当であると全員一致議決いたしました。これを以ちまして甚だ長い御報告でありましたが委員会の報告を終ります。

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際、日程第三十六より日程第四十四までの請願及び日程第九十六の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。逓信委員長大島定吉君。    〔大島定吉君登壇、拍手〕

大島定吉民主自由党

○大島定吉君 只今議題となりました請願及び陳情について、逓信委員会の審査の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。  先ず簡易生命保険及び郵便年金積立金運用再開に関する請願三件及び陳情一件について一括して申上げます。これらの願意としますところは、現下の地方財政の窮状打開策として、昭和二十一年以降停止されている簡易生命保險及び郵便年金積立金の地方資金融通再開の措置を講ぜられたいとの趣旨であります。この問題は、第二回國会においても同趣旨の請願と陳情がありまして採択されたのでありますが、簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用は、両事業の創始以来、法令の定めるところに從いまして、事業経営責任者である逓信省において資金の地方還元を主として行なつて参り、この融資がその地方における保險、年金の募集及び維持によい結果をもたらして、事業の発展並びに地方の繁栄に大なる貢献をなして参つたのでありますが、昭和二十一年度以降この融資は停止されておるのであります。これがために地方から吸收しました資金の還元の実情が明確でないために、募集及び維持上不利を來し、又事業從事者の士氣にも惡影響を來している実情なのであります。これが再開に対しまして政府の見解は、逓信当局におきましては再開を希望しておるのでありますが、大藏当局におきましては國家資金運用の一元化の見地から不同意を表しておるのであります。本委員会は愼重審議の結果、政府資金運用の一元化は、大藏、逓信両当局が連絡を密にし協力を大にすることによつて達成されるものでありまして、運用すべき財源の増加に惡影響を與えておるこの方法を廃して、先ず運用すべき資金の増加を図ることが、両事業のため又地方財政のため喫緊の問題であるとの結論に達したのであります。よつて本件請願及び陳情はこれを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全員一致決定したのであります。  次に、長野縣赤穗町にラジオ中継放送局設置の請願の願意としますところは、赤穗地方はラジオ電波の極微電界に属しておりまして、加うるに中央アルプス山系の山岳重疊の間にあるため、中央放送は勿論、長野、松本の放送局の放送も殆んど聽くことができない。尚当地方は長野縣の穀倉地帶であり、又養蚕も盛んな所であるが、氣象通報を聽くことができず、ために生産に及ぼす影響は甚大である。又この地域の住民は何一つ娯樂機関を持たない現状であるから、速かに中継放送局を設置されたいとの趣旨であります。  次に、都城市沖水に電話架設請願の願意としますところは、都城市沖水地区には市役所を初め多数公の事務所があるが、從來沖水小学校にあつた電話が國策の線に沿つて取除かれてからは、この地区には電話がないため事務の連絡上多大の支障を生じており、又穀倉と言われるこの地区の農業指導、供出の督励等にも不便を來しておるから、同地区に電話を架設されたいとの趣旨であります。  又白河局の電話交換方式変更に関する請願の願意としますところは、福島縣白河町は、近年國土関係の機関の設置及び輸出品製造所の勃興等、諸般の面から通信機関の完備が要望されておるが、白河局の電話交換機は老朽し、且つ加入増設の余裕もないために連絡活動を阻害されておるから、同局の電話交換方式を変更し、地方文化の発達と産業の興隆に寄與されたいとの趣旨であります。  次に、福島縣原町に放送局出張所設置の請願の願意としますところは、原町は、多数の会社、工場などあり、政治、経済、産業の中心地であるが、縣政の中心地たる福島からの放送を全然聽取できない現状であるから、当地の立地條件を調査の上、放送局出張所を設置されたいとの趣旨であります。  又福島局の電話交換方式変更に関する請願の願意としますところは、当地の電話は大正十年に磁石式復式に改善されたまま、旧態依然たる姿にあるばかりでなく、長年酷使され老朽化した関係で、利用者に不利不便を與えておるから、東北関門の縣都にふさわしい能率的な電話に改式されるよう逓信当局に依頼したところ、廳舎は建築落成の運びとなつたのであるが、引続き機械設備工事を続行して速かに、自動式に改められたいとの趣旨であります。  又福島縣大屋村大里に無集配特定郵便局新設の請願の願意としますところは、福島縣岩瀬郡大屋村大宇大里地区は山間の僻地で、米、繭、木炭等の産出が多いが、大屋郵便局に遠く村民は非常に不便を感じておるから、無集配郵便局を設置されたいとの趣旨であります。  又長野縣平村の電話加入区域を大町郵便局区域に変更の請願の願意としますところは、平村内に新設する加入電話は、平郵便局区域に、限定されておるが、電話の通話先は北安曇郡の政治、経済、文化の中心地である隣接の大町であり、現在すべての郵便物の集配も大町局で取扱われておるから、電話の取扱も同じく大町郵便局交換とされたいとの趣旨であります。  又愛媛縣奧南村單独加入電話新規加入に関する請願の願意としますところは、愛媛縣北宇和郡奧南村は、郡の西北端に位して延長二十キロの海岸線を有する農漁村であるが、交通が不便なので、電話が唯一の通信連絡機関として、漁況通知等に重用されておるが、村内中央部の郵便局等三ケ所に架設されてあるのみで、他の公共機関等には架設がなく不便であるから、これらに電話を架設されたいとの趣旨であります。委員会におきましては以上の請願に対し愼重に審議をいたしました結果、いずれも願意を妥当なものと認めて、これを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定いたした次第であります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により午後二時まで休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      —————・—————    午後三時八分開議

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。報告をいたさせます。    〔寺光参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  地方財政委員会法の一部を改正する法律案可決報告書  下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) この際、日程に追加して、地方財政委員会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないものと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。    〔岡本愛祐君登壇、拍手〕

岡本愛祐緑風会

○岡本愛祐君 只今議題となりました地方財政委員会法の一部を改正する法律案について地方行政委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。  本法案の趣旨及び内容について申上げますれば、地方財政委員会は地方自治確立のため、自主的な地方税、地方財政制度の企画立案機関として、本年一月七日発足したのでありますが、その存続期間は、「この法律公布の日から一年間を限り」とせられ、即ち來る十二月六日を以て存続期間は満了するのであります。併しながら自主的な地方税、地方財政制度の確立は経済情勢その他の情勢上、未だ完了するに至つておらず、更に大改革を断行する要があるのみならず、根本的に地方行政財政全般に亘つて自治の擁護並びにその振興を図る要があります。よつてこの線に沿つて地方自治に関する行政機構の確定するまで差当り同委員会の存続期間を昭和二十四年三月三十一日まで延長せんとするのが、本法案の趣旨及び内容であります。本委員会は審議の結果、然るべき措置であるとして、全会一致を以て本法律案を可決いたしました次第であります。  尚附加えて申上げたいことは、この法律によりまして地方財政委員会の存続期間は約四ケ月延長をしたのでありますが、地方自治の確立こそ我が國民主化の基礎でありますから、地方自治の健全な発達のため、將來とも現在の地方財政委員会のごとき、國の立場に立つと同時に地方公共團体の立場を代表する民主的な機関を恒久化すると共に、これを拡大整備して、例えば地方自治委員会ともいうべき機関を設け、國家公益と地方公共團体の自主性との間に完全な調和を保持し、併せて地方公共團体相互の間に一層円満な連絡調整を図る必要があると存じます。この点につき我が地方行政委員会は第四國会において更に根本的に愼重の研究と審議を重ねることとし、今期國会にはその設置法案の提出を見るに至らなかつた次第であります。以上御報告申しあげます。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) この際日程に追加して、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事岡部常君。    〔岡部常君登壇、拍手〕

岡部常緑風会

○岡部常君 只今上程になりました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律案の委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  この法律案は、憲法第七十六條第一項及び裁判所法第二條第二項の規定に基いて高等裁判所以下の下級裁判所の設立及び管轄区域について規定したものでありまして、昭和二十二年四月法律第六十三号として制定公布せられ、同年七月法律第八十九号を以てその一部が改正せられて今日に至つたのでありますが、今回更に次のような改正を要することになりましたので、この法案を提出いたした次第であります。  即ちその改正の第一点は家庭裁判所の設立及び管轄区域に関する規定を設けることであります。先の第二回國会において少年法を改正する法律が成立いたしまして、昭和二十四年一月一日から施行せられることになつておりまするが、この法律の改正に伴い、政府は下級裁判所の一種として、少年法で定める少年に対する保護事件の審判及び同法で定める成人に対する刑事事件の裁判の外、家事審判法で定める家庭に関する事件の審判及び調停を行わせるため、家庭裁判所を設置する必要を認め、別途裁判所法の一部を改正する等の法律案を提出いたしたのでありますが、この家庭裁判所はその取扱事件が重要且つ廣汎なものである関係上、少くとも各地方裁判所の所在地に一つずつこれを設け、その管轄区域も所在地を同じくする地方裁判所のそれと同一とすることが適当と認め、その趣旨の規定を設けようとすることであります。  その第二点は、土地の状況及び交通の便否等に鑑みまして簡易裁判所の管轄区域を是正することであります。簡易裁判所は裁判所法の制定に伴い全国を通じ五百五十九ケ所に新たに設立せられたのでありますが、設立後一年有余の実績に鑑みまして、その管轄区域の変更を要するものがあることが判明いたしましたので、土地の状況及び交通の便否等、実情に即してその是正をしようとするものであります。この管轄区域の変更は全國を通じて二十四ケ所に及んでいるのでありまして、いずれも当該市町村の外、関係官公署及び地元弁護士会等の意向を徴しまして、愼重に決定したのであります。  第三点は、宇都宮地方裁判所管内の日光簡易裁判所及び名古屋地方裁判所管内の中川簡易裁判所の所在地の移轉及び名称の変更の点であります。これらの簡易裁判所はそれぞれ栃木縣上都賀郡日光町及び名古屋市中川区に設置せられているのでありますが、その廳舍の都合等、止むを得ない事由によりまして、これをそれぞれ同縣今市町及び同市中村区に移轉し、その名称をそれぞれ栃木今市簡易裁判所及び愛知中村簡易裁判所と改称しようとするものであります。  又第四点は、裁判所の管轄区域の基準となつた市町村その他の行政区画の名称等に変更があつたことに伴いましてこの法律の別表を訂正する点であります。即ち從前の町や村が合併して市又は町となり、又市町村の名称が変更せられる等、裁判所の管轄区域の基準となつた行政区画に変更がある場合に、これに從つてこの法律の別表中に記載せられた市町村名等を訂正しようとする点であります。以上が本法案の内容の概略であります。  本委員会では愼重なる審議をいたし、各委員より熱心な質疑が行われたのでありますが、その應答の詳細は速記録によつて御覧願うことにいたしまして、ここに申述べますことを省略させて頂きたいと存じます。かくて討論に入りましたが、別段御発言もなく、採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定された次第であります。以上を以ちまして報告を終ります。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) この際、日程第四十五より日程第八十六までの請願及び日程第九十七より日程第百一までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石坂豊一君。    〔石坂豊一君登壇、拍手〕

石坂豊一民主自由党

○石坂豊一君 只今議題となりました請願第四十号外四十一件、陳情第五号外五件に関する建設委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げたいと存じます。  これらの請願、陳情の審議に当りましては、政府当局の出席を求めまして、各委員との間に極めて熱心又適当なる質疑應答が交されたのでありまして、その個々の質疑應答につきましては報告書によることにいたしまして、只今は概括的御報告をいたしたいと存じます。  陳情、請願のうち最も多数を占めますものは河川に関するものと災害に関するものでありまして、災害対策につきましては、近年各地に頻発する災害に対し、いずれも急速なる復旧を図ると共に、災害防止のために各種の施策を要望するものであります。その例を取りますと、本年激甚なる水害を蒙むりました岩手縣閉伊川の災害に対して決壞個所の早急復旧と同河川の根本的改修を要望いたしております。又木曾川の改修に関しましては、事業費の増額をすること、短期完成と緊急個所の年度内完成を要請しているのであります。又天龍川、矢作川につきましては、本年両度の災害を蒙むつているのでありまして、これら決壞個所の増大の危險に対して、明年度出水期までに是非とも未完成工事を完成して呉れという要求でございます。今度の災害防止のために緊急の工事の施行を請願しておりまするものは多々ありまするが、最も深刻なる例といたしまして、富山縣の各河川に対する工事の完成を積雪期までにいたして貰いたいという熱烈な要求もその一つであります。又北海道の河川は殆んど原始河川の状態にありますので、これが改修を請願いたして來ているのであります。その他各河川のいずれもが連年の災害に対する復旧と沿岸の重要なる耕地及び人家に対する氾濫、浸水防止等のため、改修工事の施行を要請して來ているのであります。これらの請願、陳情は、近年各地の災害の状況に照しまして、いずれも採択すべきものと認めた次第であります。  次に砂防に関するものは、山形縣水無川、大澤田川の二件でありますが、砂防が治水事業の一環として最も重要なる部面を占めていることは申すまでもございません。  道路に関しましては、長野縣下國道八号線、大分縣県國道三号線の改修を初め、各地方の重要なる産業道路拓殖道路、北海道洞爺湖の観光道路の改修を要望いたして來ているのであります。いずれも各地方の交通産業の発達のため重要なるものと認めた次第であります。  橋梁につきましては、鹿兒島縣の川内川の大平橋と愛知縣の矢作橋の改築、栃木縣下の眞岡—石橋線の鬼怒川の架橋と、北海道帶廣—池田町間の十勝川の架橋等でございます。前者は國道幹線の橋梁架替でありまして、後者は現在橋がないために遠く大廻りをしなければならんのと、渡船による危險等の不便を取除かんとするものであります。これらに対しまして委員諸君は、資材、予算の許す限り速かに実現することを要望せられた次第であります。  次は地盤の沈下及び高潮の被害防止の請願、陳情でございます。これは南海震災による和歌山縣及び四國各縣と瀬戸内海に面する岡山、廣島、山口の三縣に関するものと、九州有明海、八代湾沿岸の海岸堤防に関するものであります。南海震災によりまして地盤の浮き上りました地域においては、港湾の水深が浅くなりまして、船舶の繋留、荷役に多大の障害を來しております。又海岸廣範囲に亘る地盤沈下は、高潮の浸入、堤防の決壞によつて、耕地、塩田に大なる被害を與えておるのでありますが、近年瀬戸内海に面する中國地方でも高潮の被害は頗る重要視すべきものがあるのであります。有明海、八代湾の海岸堤防は、沿岸廣大なる耕地を防護する重要なるものであります。その修理補強はもとより、これを放置することは許しません。地盤沈下の問題はその影響するところ廣範囲に亘り、重大問題でありますから、被害個所の復旧と共に、十分なる基礎的調査を行い、対策を講ずることが必要であると認めた次第であります。  各種災害土木事業、戰災復興事業に関しましては、國庫補助による事業の促進を図ると共に、資材の割当、政府資金の融通の外、窮迫せる地方公共團体に対しまして財政的援助を要請するものであるのであります。これに関する施策は刻下の急務であると存じます。  又庶民住宅建設國庫補助増額に関する請願でございまするが、庶民住宅の不足は戰災罹災者、海外引揚者に対する深刻なる社会問題でありますので、國庫補助の増率は補助予算総額と睨み合せまして事業促進を図るの最も急を認めた次第であります。  最後に申上げたいことは、これらの請願、陳情に関連しまして、近年災害復旧土木事業がまだ終らないうちに、次から次へと二重三重の災害を蒙むりまする重大事態に対しまして、各委員より異口同音に治水上根本対策を講ずることの必要を力説せられたのであります。又これらの災害は刻々増大するところの危險を含んでおりまするので、これに対しては急速なる應急措置を施すと共に、明年度出水期までには必要最小限度の安全工事を施すことを主張せられたのであります。以上審議の結果いずれも院議に付して内閣に送付することを必要と決定いたしたのであります。  以上御報告の通りでございまするが、何とぞ上程せられました各案に対し、諸君の満場一致御可決の上、内閣に送付せられんことを重ねて希望いたして置きます。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。これらの請願及び陳情は委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  これにて本日の議事日程は終了いたしました。次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、日程第一、衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案  一、日程第二、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案  一、日程第三、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案  一、日程第四、海事仲裁等に関する法律案  一、ヂフテリヤ予防接種事件、大阪脳神経病院の被收容者処遇事件及び輸血に基く障害発生事件に関する厚生大臣の報告  一、日程五乃至日程第十の請願及び日程第八十七の陳情  一、日程第十一、日程第十二の請願及び日程第八十八、日程第八十九の陳情  一、日程第十三乃至十七の請願及び日程第九十、日程第九十一の陳情  一、日程第十八乃日程第三十五の請願及び日程第九十二乃至日程第九十五の陳情  一、日程第三十六乃至日程第四十四の請願及び日程第九十六の陳情  一、地方財政委員会法の一部を改正する法律案  一、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律案  一、日程第四十五乃至日程第八十六の請願及び日程第九十七乃至日程第百一の陳情

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