本会議 第16号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1948/11/27
会議録
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。 この際、日程第一、食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案、日程第二、金資金特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。尚、金資金特別会計法の一部を改正する法律案について少数意見の報告書が提出されております。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員長櫻内辰郎君。 〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕
○櫻内辰郎君 只今議題となりました食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案につきまして、大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。 去る十一月十日より十一月二十六日まで愼重に審議いたしまして、質疑應答の後、討論に入り、採決の結果、原案通り可決すべきものと決定いたしたのであります。 さて、本法律案の提案内容は、米、麦雜穀、澱粉、罐詰類等の主要食糧に対しては、昨年法律第百八十八号によりましてその輸入税を本年一ケ年間免税することとしたのでありますが、我が國現下の食糧事情に鑑みまし、右の主要食糧の輸入税を更に一年間免除しようというのであります。本案審議に当りましては、各委員より熱心なる質疑があり、政府亦これに対し懇切なる答弁がありましたが、今その質疑應答の主なるものを申上げますれば、一委員より、食糧の無税輸入は放出食糧のみでなく、他の輸入食糧も無税で輸入しているか、及び過剩農業恐慌により外國農産物が無税輸入される場合、我が國農業は、工業生産品と農業生産品との鋏状價格差による二重の圧力を受け、農業経営に大なる影響を與えると思うがどうかという質疑に対して、政府委員より、放出食糧とその他の輸入食糧とを区別することはできないので、品目を挙げて無税にしている。又過剩農業恐慌が日本農業に及ぼす影響については、食糧の免税輸入は眞に臨時的のものであるので、農業経営を不利にすることはないと考えるとの答弁でありました。更に又今後の情勢如何によつては適当に措置するとの答弁がありました。又一委員より、関税定率法別表輸入税表に、重炭酸曹達を食糧として無税にしているが、重炭酸曹達は藥品であるので、食糧とする理由についての質疑に対しましては、政府委員より、主食以外の軍用物資は更新の際、期限満了と同時に放出になるが、重炭酸曹達はべーキング・パウダーとして使用しているので、廣い意味の食糧として扱つているとの答弁がありました。又一委員より、主食と認められるものを免税するのは適当と思うが、主食でない砂糖、コーヒー等を免税する理由はどうかとの質疑に対しまして、政府委員より、これらの免税食糧は放出食糧として連合軍から日本政府へ引渡されるものであつて、米麦等の主食は勿論のこと、砂糖、コーヒー等の食糧も含まれるので、一括して免税するを適当と認めたのであるとの答弁でありました。尚重要なる質疑應答がありましたが、詳細は速記録に讓ることを御承知を願います。 かくて十一月二十六日質疑を打切り、討論に入り、小川友三委員より、本法案中の品目名のうち、藥品たる重炭酸曹達の加えられておることは、食糧にあらず、藥品にして、重炭酸曹達を除外する修正意見が提出されましたが、少数意見として否決されたのであります。他に格別の一発言もなく、討論を終局し、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告いたします。 更に、只今議題となりました金資金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、大藏委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。去る十一月二十四日より十一月二十六日まで愼重に審議いたしまして、質疑應答の後、討論に入り、採決の結果、原案通り可決すべきものと決定したのであります。 本法案の提案理由は、全資金特別会計においては資金の運用として貴金属の賣買操作を行なつておりますが、この操作を行うに当り、産金法等により新産貴金属は全部買上げると共に、買上貴金属の國内消費向の拂下については連合國司令部の承認を必要とし、同司令部より四半期ごとに國内消費の必要最少限度の拂下数量を指定されておるのであつて、貴金属の買上金額は常に手持貴金属の拂下金額を超過しておる状況でありますので、この賣買の不均衡から生ずる資金の不足を一般会計からの繰入金を以て補填して来たのでありますが、過般の物價改訂により貴金属の價格が大幅に引上げられたために、一般会計からの繰入金はその法定限度額六億円まで、すでに繰入済みとなつておるのでありまして、今後の買上資金に不足を生ずることとなりましたので、この資金の不足額を当分の間借入金を以て補填し、本資金の円滑なる運用を図ろうというのであります。 次に、委員会における質疑の主なる点を申上げますれば、一委員より、我が國の産金の状況及び金資金特別会計の金保有量についての質疑に対しまして、政府委員より、二十三年度の産金計画は三トンであるが、一月より十月までの金資金特別会計の買上実績は二・八七四トンであり、産金計画は予定通り行われておる。又十二月末の保有量は二・八五七トンであるとの答弁がありました。更に一委員より産金奨励政策についての質疑に対し、政府委員より、現在産金奨励の特別な政策を取つていないが、関係各省と連絡を取り、産金奨励の方策を考えたいとの答弁がありました。かくて十一月二十六日質疑を打切り、討論に入りましたが、小川雄三委員より、本法案中、五億円を十億円にすべきであるとの修正意見が提出されましたが、少数意見として否決されました。外に格別の発言もなく、討論を終局し、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定をいたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 少数意見者から報告を求められております。報告時間は五分間に制限いたします。小川友三君。 〔小川友三君登壇、拍手〕 〔「賣名狂」と呼ぶ者あり〕
○小川友三君 どうぞ彌次が飛びましても結構ですから、せいぜい頑張つて下さい。(「止めて置け」と呼ぶ者あり)金の資金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、極あて愼重に本案に対する反対の意見を申上げます。 現在の日本のインフレが止まらない理由は、金を生産をする、努力を敗戰後の歴代の政府が渾身の力をこめてやつていなかつたから(「そうだ」と呼ぶ者あり)インフレが止まらないのであります。(笑声)科学する心、日本の現在の政府は科学を沒却しておる。産金事業は昭和十七八年におきましては一年間に二十三トン乃至二十五トンの金が生産をせられておつたのであります。敗戰後僅かにそれが一割前後の生産しか復興していない。貿易の基本が金にあるというこの原則をはつきりしないで、曾て行山内閣の時に、和田君が経済白書を出したとき、不肖小川議員は、これは藪医者の処方箋の経済白書だと痛罵した通り、正に彼の経済白書は微塵に粉砕をせられ、八千万になんなんとする同胞は奈落のインフレのどん底に轉落し、今日も明日も餓死しようとする者が多いのであります。又餓死しつつある者が想像でき得るというような状態になつておるのは、金を中心とする世界経済に敗戰後日本が直ぐ入つておるという実態の把握のできないところの大臣諸公がおるから、こういう状態になつたのでありまして、この産金問題につきましては……(この時、発言する者あり)阿竹先生、靜かに聞いて下さい。この産金問題につきまして、僅かに政府は買上資金の五億程度で、(「うまいぞ」と呼ぶ者あり)五億程度でお茶を濁して、産金問題に対する生産のストをやつておるこの現状を簡單に天下に暴露するのであります。(「選挙運動」と呼ぶ者あり)勤労大衆諸君がインフレに悩み、六千三百円の人事院のベースに上つても、又物價が上つてしまう。金貨を作らなくて、金を作らなくてインフレを止めようとする間抜けさがこの実態を暴露しておるのでございまして、(「まだ選挙になつておらん」と呼ぶ者あり)私は大藏常任委員会におきましても、金の生産に力を入れ、五億なんということで何ができる。無論五億円は足りなくなつてしまうのだから、取敢えず十億円を要求したのでありますが、委員会では敗れたりと雖も、八千万に近い同胞は、金の生産、増産こそ、正しくインフレを防止するものであるということを固く信じまして、本案に対しましては極めて眞劍に、科学的に皆樣の御理解を賜わり、我々の同胞を救済するために皆樣の御共鳴を賜わるべく登壇いたしたのであります。御清聽を賜わりましたことに対しまして厚くお礼を申し上げます。又阿竹先生の彌次に対しまして敬意を表します。御清聽有難う。(拍手)
○議長(松平恒雄君) これより採決をいたします。先ず食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。 〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 次に金資金特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。 〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際、日程第三、工業所有権戰時法の一部を改正する法律案、日程第四、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、試藥檢査所及び機械器具檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件(いずれも内閣提出、衆議院送付)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。 〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
○小畑哲夫君 只今議題となりました工業所有権戰時法の一部を改正する法律案に関する商工委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。 〔議長退席、副議長著席〕 今回政府が提出した改正案は、外資導入の一環として外國技術の輸入を必要とする関係上、先般外國人の特許、出願等が認められることになつたのでありますが、工業所有権戰時法が現存しておる限り、その障碍となりますので、このような特別の取扱を廃して、外國人に対しても万國工業所有権保護同盟條約に規定する保護を與えることを改正の主たる目的とするものであります。 次に改正個所を項目別に見ますと、一、敵國人の工業所有権に関する出願又は請求について、戰時中その特許又は登録を停止していた制度を廃止すること。二、敵國人の工業所有権に関する特許局への審判、抗告審判の請求及び裁判所への出訴等、戰時中認められなかつた項目を削除すること。三、軍事上、公益上必要あるときの敵國人の特許又は商標取消の項を廃止すること。以上を内容とするものであります。当委員会におきましては改正各條についてつぶさに檢討を加えた後、討論採決の結果、全会一致を以て政府原案を可決いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手) 次に只今議題になりましたて地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、試藥檢査所及び機械器具檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件」に関する商工委員会の審議の経過及びに結果について御報告申上げます。 本件は、試藥及び機械器具について今回國営檢査を実施することになつたために、商工省試藥檢査所、機械器具檢査所の支所及び出張所を各地に設けたいというのであります。この檢査は現地檢査が主体になつておるので、檢査の完璧、能率の向上、事務の迅速、簡便を図るためには、主要生産地に檢査所があることが必要であり、その設置の承認を國会に求めるものであります。委員会におきましては、本件に関し愼重審議の後、討論採決の結果、全会一致を以ちまして承認いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず工業所有権戰時法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。 —————・—————
○副議長(松本治一郎君) 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、試藥檢査所及び機械器具檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本件は委員長報告の通り承認を與うることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與うることに決しました。 —————・—————
○副議長(松本治一郎君) この際、日程第五、水産業協同組合法案、日程第六、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案、日程第七、漁業権等臨時措置法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。 〔木下辰雄君登壇、拍手〕
○木下辰雄君 只今議題となりました水産業協同組合法案、水産業協同組合法の測定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案、並びに漁業権等臨時措置法案、この三法を一緒いたしまして、水産委員会におきまする審議の経過並びにその結果について御報告申上げます。水産委員会におきましては、十一月十三日予備審査のためにこの三法案が送付されまして以來、委員会を開きますること九回、愼重審議いたしましたのであります。尚その間千葉縣、神奈川縣及び靜岡縣に委員を派遣いたしまして、意見を聽取しまして、漁民の集合を開き、法案の審議に供したものであります。 先ず水産業協同組合法案並びに水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案につきまして、政府提案の理由を申上げます。 戰後の日本経済及び政治土の大轉換に対処して、水産業におきましては、漁村及び漁業の民主化並びに水産業の生産力の発展を期するために、現行團体制度を廃止して新たに漁民及び水産加工業者の自主的な協同組織の確立を助長しますことは、現行漁業制度の改革と共に水産漁業の基本的性格をなすものであります。現行水産業團体制度は、戰時中、水産業團体法に基いて水産業の統制を行うことを主要の目的として組織されたものでありまするので、新らしい水産業政策には性格的に容れられぬものを持つております。從つて現行制度は廃止しますと共に、これに代る新らしい團体制度として漁民及び水産加工業者が自主的に組織する協同組合組織の発達を促進しまして、その活発な民主的な運営を通じて、漁民及び水産加工業者の経済的、社会的地位の向上と、水産業の生産力の発展を図り、漁村の民主化を推進することといたしたのであります。これが大体政府提案理由の大要であります。 次に水産業協同組合法案及び水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案に関しまして、その内容の概略を申上げます。 水産業協同組合法案は、第一章から第九章に亘りまして百三十一條の條文から成つておるのであります。現行の水産團体法によつて成立しております漁業会或いは製造業会が統制團体であるのに反して、本法案は、漁民或いは加工業者がみずからの意思によつて自由に組織することができる民主的な協同組合を作るための法律案であります。第一章の総則におきまして、その目的とか組合の種類及び名称等を規定しております。組合の種類は漁業協同組合、漁業生産組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及びその連合会、この五つになつております。 第二章は、漁業協同組合に関する規定であります。第十一條、第十二條に組合の事業を掲げております。これを要約いたしますると、組合は信用事業、購買事業、販賣事業、利用事業の外に、教育事業とか、團体協約の締結とか、倉荷証券の発行等ができるのであります。第十八條に組合の地区とか組合員の資格等が規定されてあります。地区は定款で自由に定めることができますが、漁業の種類別に組合を組織する場合は市町村の区域以上とせねばなりません。組合員の資格は地区内に住所を有する漁民でありまして、漁業会社のような法人は組合に加入する資格はありません。第十九條に出資及び責任制度を規定してあります。組合は原則として出資制を採つておりますが、非出資組合も認めております。第二十五條、第二十六條で加入脱退を規定しております。自由に加入し、任意に脱退することができるようになつております。第三十四條に役員の規定があります。理事は五人以上となつておりますが、理事のうち四分の三以上は正組合員から出さねばなりません。第五十二條に総代会に関する事項がありますが、組合員の数が二百名を超える組合には総会に代るべき総代会を設けることができます。第五十九條以下に組合の設立手続等を規定しております。組合の地区内に住所を有する漁民二十名以上の発起で設立することができるのであります。第百二十二條以下に行政廳の監督のことが書いてありますが、組合の運営は組合員が自治的に運営するのを建前といたしまして、行政廳の監督は法令に違反したときなどに限られております。 次に第三章は、漁業生産組合に関する規定であります。先ず漁業協同組合は流通部面の事業をなすのが本体でありますが、この漁業生産組合は、みずから漁業を経営する組合で、從つて組合は全部出資制度で、役員も全部組合員から選出するこのとになつております。 第四章は、漁業協同組合連合会の規定であります。連合会はその地区内にある漁業協同組合及び漁業生産組合を正会員として設立するものでありますが、第八十九條によりますと、連合会の地区は都道府縣の地区を越えてはならない。若し地区が都道府縣の区域を超えて連合会を作る場合には、所属組合の数が三百を超えてはならないということに相成つております。從つて全國地区の連合会は事実上できないことになつております。連合会の事業は大体において單位組合と変りはないのでありまするが、信用事業だけは單営の連合会を作らねばなりません。 第五章は水産加工協同組合の條文であります。第六章は水産加工業協同組合連合会に関する條項であります。その内容は漁業協同組合及びその連合会と大差はないのであります。 次に、水産業協同組合の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案について申上げます。この法律案は、水産業協同組合法が施行後において現在の水産團体の解散等に関する法案であります。この法律施行後八ケ月の後に水産團体は解散されることに相成つております。ただ特例といたしまして、漁業権及び入漁権等を持つ漁業会は、漁業権制度改正の関係上、期限後でも漁業権整理の終るまで、これらの権利の管理に必要な範囲内で存続を認められることになつております。その他水産業團体の財産の処分や関係諸法律の一部改正を規定しております。 次に漁業権等臨時措置法案について政府の提案理由を申上げます。漁業の生産力を発展させ、漁業の民主化を図ることは、日本の民主化経済の再建の重要な一環をなすものでありますが、その根本は漁業制度の改革であります。現行漁業制度の根本的欠陷といたしまして、先ず第一に、旧來の慣行をそのまま固定化しておること、第二に、個々の漁業権を中心に漁場の秩序が組立てられていて、漁業生産力を上げるために不可欠な相当廣い水面を單位とした総合的な計画性が持ち得ないこと、第三に、漁業権の物権としての性格に伴う弊害の面が顯著に現れておることなどが挙げられるのでありますが、これらの欠陷によつて行詰つた漁場関係を整理し、漁業生産力を発展させ、漁業の民主化を図るためには、新たに漁業生産に関する基本的制度を定め、民主的な漁業調整機構の運用によつて、水面の総合的高度利用を図る必要があるのであります。政府においては、目下関係各方面と折衝を重ねて漁業制度の根本的改革を考究中でありまして、すでに一應の成案を得て事務当局案としても公表いたしておりますが、廣く一般の御批判を俟つて檢討を加えて、第四國会には改正法案を提出いたす所存でありますが、現在までにすでに改革を見越して漁業権をめぐつていろいろ競爭が生じておりますし、又新体制への移行には約二ケ年間の準備期間が必要なので、この間、改革の実施に障害となるような事実の発生を防止する必要がありますので、漁業権等の現状を不当に変更することを防止する臨時措置をとろうとするのであります。これが政府の提案の要領であります。この法案の内容は、第一に新規免許及び変更許可をしないこと、第二は、漁業権の譲渡及び抵当権の設定に認可制を取つたこと、第三は、農地における小作地取上のごとく、漁業権者が不当に貸付契約を解約若しくは解除し、又は更新を拒み、漁業経営者の地位を脅すのを防止しようとする等の規定であります。 次にこの三法案につきまして、委員と政府委員との質疑應答の主なるもの二、三を申上げます。一委員から、本法案は農業協同組合法と同種類のものである。然るに農業の方は法律を公布してすでに一年を経過しておる。政府は終戰直後からこの法律の立案に着手した筈である。然るに農業協同組合法より一ケ年も遅れた理由はどこにあるかという質問に対しまして、政府の答弁は、この法案は漁業法の改正法案と関連性が極めて多いので、二法案を同時に提出すべく鋭意努力したが、漁業法の改正が意外に手間取り、漸く次の國会に提出する運びとなつたので、急を要する本法案をここ提出した次第であるという答弁がありました。又一委員から、水産業協同組合の設定は勿論必要であるが、組合は流通部面の事業はもとよりだが、生産組合のごとく、みずから漁業を経営することになつておるが資金の薄弱な中小漁民の共同経営に対し、政府は金融の途を如何に考えておるか。金融の裏付けのない法案は画餅にひとしいと思うが如何という質問に対しまして、政府は、農林中央金庫による融資の外に、漁業の危險を保障する制度を設けたいと考えておる。又農林漁業復興融資の活用をも考えておるが、尚委員会とも十分協調して萬全を期したいとの答弁がありました。又或る委員から、協同組合の役員選挙に当り、現漁業会の役員が選挙されることについて或る制限を附する必要がありはしないか。例えば役員の半数は現役員でなかつた者から選出するというような方法を採らなければ、組合の民主化はできないと思うが如何という質問に対しましては、政府は、法律にそういうことを規定することは却つて民主的ではないと思う。現役員にも立派な人がいるので、要は協同組合の精神で十分漁民に納得せしめて、漁民の自由意思によつて公平に選挙をせしめてる外はなかろうと思うとの答弁がありました。その他質疑應答や、現地の調査報告は速記録によつて御了承願いたいと思います。 質疑を終了いたしましたので、三法案を一括して討論に入りましたところ、千田委員、青山委員、矢野委員、淺岡委員、尾形委員から原案に賛成の意見がありました。併しどの委員からも法案の裏付けである金融制度の確立及び新漁業制度の速かなる実現、その他適切なる希望を熱心に述べられましたが、詳細は速記録を御覧願いたいと存じます。討論が終了いたしまして、採決いたしましたところ、この三法案共に全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(松本治一君) 三案に対し討論の通告がございます。板野勝次君。 〔板野勝次君登壇、拍手〕
○板野勝次君 只今上程されました漁業関係三法案に対しましては、日本共産党は反対するものであります。中小漁業及び零細業業の現状は、第一に今尚封建的な制度の中に置かれている。その上、大資本による遠洋漁業が戰後におきまして沿岸漁業に進出しまして、そのために搾取を受けているのであります。第二番目に水産に対しまする資金の融通は、大部分資本主義的な企業に集中されておりまして、資材も、造船計画は、トロール船、捕鯨船等の資本主義的企業に集中されているのであります。第三番目には重い税金が課せられている。このような状態のために、中小以下の漁業の窮乏はますます激しくなつているんが現状でありまして、只今の委員長の報告の中にも、資金の融通その他の條件の裏付けがなければならないという、その事実の中にこそ、この現状が雄弁に物語られていると思うのであります。 このような状態の下におきまして上程されております三法案は、この窮乏化を救う助け神とならないのであります。特に水産業協同組合法案は漁業法改正と切り離されては考えられないのでえいまして、若しこれと切り離されまするならば、全く意味をなしていない砂上の楼閣であるといわなければならないのであります。漁業権こそは漁業経済の骨格をなすものであります。現在の漁業権は封建時代の習慣を法律に引き直したもので、決して独占すべきものでない海面に独占を認めているのでありまして、これがために不労所得者を生み、漁村の民主化、漁業の発展を妨げているのであります。農民におきまする農地改革の重要性と同樣に、漁業法の民主的な改正は今や全漁民の声となつておるのであります。この漁業権解放に手を触れられていないのでありますばかりでなく、その上、現在の漁業はその大部分が漁村のボスや資本主義的な大企業に握られておるのでありまして、この現状をその儘に放置いたしまして水産業協同組合法が実施されましても、形式的には一應民主的な形態が整えられましても、それはただ生産者としての幻想が與えられるに過ぎないのであります。その上に漁業権等の臨時措置法は、決して漁業権の民主化を約束するものではなく、漁業権を現状のままとし、新漁業法の内容が明らかに示されていないところに、他産業と同樣、大資本の独占的方向に導く危險性を孕んでおるわけであります。從つて我が党は何よりも漁業権民主化のための漁業法の改正を先ず断行せられなければならないことを主張するのであります。 又水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案において、水産業團体の財産は漁業協同組合におきまして継承することになつておりますが、漁業会の財産はすでに漁業会関係のボスによつて、適当に処分されてしまつている現状であります。從つてこの三法案は明らかに漁業独占資本を強化するための地均しに過ぎないのでありまして、中小以下の漁民を救済し、水産業を復興する基礎には全くならないものであると思うのであります。協同組合を設立するのには、先ずその前提として、第一に漁業法を改正して漁業権を協同組合に與えるように設置する必要があると思うのであります。第二に、終戰以降の漁業会の全財産を再審査いたしまして、適当な價格で買い戻し又は処分する権限を協同組合に、與えるべきであります。第三に、戰時中の漁業会の役員が協同組合の役員に就任することを断乎として禁止すべきであると思うのであります。第四に戰時中の都道府縣以上の機関の役員を公職より追放すべきであると思うのであります。第五に中小規模の漁業に対しましては商業資本の支配を排除いたしまして、國家の助けによつて漁業協同組合を設立し、法人税を免除し、資金資材の確保と機会による生産力の発展を図る必要があります。零細漁業に対しましては漁業主産業協同組合を設立せしめ、法人税を免除し、漁場の共同管理と水産物の高度利用によいりまする漁獲物の商品價値を増大せしめると共に、これ亦資金資材の確保、機会による生産力の発展を期することが約束されなけばならないのでありまして、このようにして初めて中小規模並びに零細漁民の眞に民主的な漁業協同化の途が開かれるのでありまして、從つて我が國の漁業再建は、第一に、以上の方針で中小規模並びに零細漁業の経営協同化を図り、第二に、特に現在の國際的條件の下におきましては、大規模な捕鯨、トロール、独占集中された底曳、「かつを」、「まぐろ」、大定置等の漁業及び大規模な製氷、冷凍、冷藏施設、漁港施設等を國営人民管理にする必要があるのであります。かくして初めて三百万を超える沿岸漁民を封建的遺制とその隷属の中から解放し、その生活の安定と向上を期することができるのでありまして、從てこのようにしてのみ漁業の再建を約束する唯一の途であることを確信いたしまするが故に、三法案の持つておりまする内容はむしろ漁業の民主的再建を不徹底に終らせ、名目のみの生産の協同化に過ぎないのでありまして、漁業大資本に奉仕する結果に終ることを確信いたしまするが故に、我が党は反対するものでございます。
○副議長(松本治一郎君) これにて討論の通告者は終了いたしまして。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を請います。 〔起立者多数〕
○副議長(松本治一郎君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。(拍手) —————・—————
○副議長(松本治一郎君) この際、日程の順序を変更し、日程第十より第七六までの請願及び日程第二十九より第三十三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員会理事九鬼紋十郎君。 〔九鬼紋十郎君登壇、拍手〕
○九鬼紋十郎君 委員長に代つて私より審査の結果を御報告申上げます。 只今議題となりました請願、陳情の審議につきまして、委員会において採択せられた請願は十三件、陳情は七件であつて、留保となつたものが請願二件であります。その請願、陳情を内容別に見ますと、取引高税全廃に関するもの請願四件、陳情三件、計七件、取引高税一部改正に関するもの、そのうち美容取引高税撤廃のもの請願四件、陳情二件、計六件、水産物及び加工水産物取引高税撤廃に関するもの請願三件、陳情二件、計五件、医藥品取引高税撤廃に関するもの請願一件、外食の取引高親撤廃に関するもの請願一件、葉煙草超過收納報奨金免税に関するもの請願一件、留保せられたものが請願二件となつております。 続いて審議状況を御報告申上げます。 第一に取引高税全廃に関するものは、請願第三十一号、四十四号、百二十九号、二百六十七号、陳情第十八号、五十六号、七十八号であります。その趣旨は、取引高税は正当なる取引を回避せしめ、まじめな業者に不利益を與え、中小企業者を圧迫し、インフレを更に助長し、産業再建を妨害するのみならず、脱税防止には官吏の増員を必要とし、これに要する人件費は相当多額に上るのでありまして、かかる脱税の容易な大衆支持力のない取引高税は速かに廃止の措置を執られたいということであります。これにつきましては政府も目下鋭意研究中でありまして、議員の会議に付し、内閣に送付する必要あるものと審査決定いたしました。 続いて美容取引高税撤廃に関するものは請願第十三号、百二十六号、二百三十四号、二百五十四号、陳情第八十三号でありまして、以上はいずれも理容師は衞生思想の普及者でありまして、美容文化確立に精推する技術者であり、勤労の報酬によつて生活する者でありまして、特に戰爭未亡人等の從事する者が多い点に鑑みまして、美容業に対する取引高税を撤廃せられたいとの趣旨であります。これは政府においても目下研究中でありまして、議院の会議に付する必要あるものと審査決定いたしました。 水産物、加工水産物の取引高税の免除に関するものにつきましては、請願第六十三号及び百二号の水産物の取引高税免除並びに水産金融制度確立に関する請願、請願第百七十六号、陳情第三十五号の加工水産物の取引高税撤廃に関する請願陳情、陳情第三号の農林省指定水産物の取引高税免除に関する陳情、以上であります。以上の請願、陳情の趣旨は、水産物或いは加工水産物は、現在生活必需品であり、蛋白質供給源でありますが、取引高税がかかつておるので漁業経営が非常に困難であり、これを廃止して貰いたいという趣旨であります。又現行の金融制度におきましては、円滑なる融資が望めないので、別に民主的漁業金融制度の確立をして頂きたいという趣旨であります。取引高税及び金融制度につきましては政府においても目下研究中であるとの答弁でありましたので、議院の会議に付し内閣に送付する必要あるものと審査決定いたしました。 続きまして請願第百十三号、医藥品販賣業者に対する取引高税賦課除外の請願について申上げます。この請願は、医藥品に取引高税を賦課することは保健衞生上支障を來すので、医藥販賣業は除外するよう改正せられたいとの趣旨であります。社会政策上必要でありますし、目下政府といたしましても研究中との答弁がありましたので、議院の会議に付する必要あるものと審査決定いたしました。 次に請願第百八十八号、三食旅行外食の取引高税廃止に関する請願について申述べます。本請願は、外食食堂は勤労者及び学生その他貧困者が対象でありまして、取引高税負担は営業休止の結果を來す慮れがありますので、三食旅行外食に対する取引高税を撤廃せられたいとの趣旨であります。外食利用者は困窮者が多い実情であり、その上、政府におきましても目下研究中との答弁がありましたので、議院の会議に付し内閣に送付するの必要あるものと審査決定いたしました。 次に陳情第三十七号、葉煙草超過收納報奨金の所得税免除に関する請願であります。これは報獎金実施の方針に鑑みまして所得税を免除する必要があるとの趣旨でありまするが、生産を増加し、横流し防止の点から尚こういつたことが必要であり、課税はその弊害を助長する虞れがありますので、むしろ報奨金を少くしても免税をすることが必要であると思うので、議院の会議に付し内閣に送付する必要あるものと審査決定いたしました。 次に委員会おきまして保留となりました請願について申上げたいと存じます。請願第五十号は自給製塩の還元配給及び價格是正に関する請願でありまして、これは先に食糧窮乏打開策といたしまして自給製塩を獎励し、設備に対し補助金を公約しておるのでありますが、その後、還元配給制度の停止、全量收納の強制、賠償價格の不均衡等の取扱の方法の変革によつて被害を受けたので、最初の公約通り実施せられたいとの趣旨でありまして、(「留保は説明の必要なし」と呼ぶ者あり)諸般の事情より現在の措置を変更することは困難であり、政府においても目下研究中であるので、一應留保することにいたしました次第であります。 請願第二十二号、宮崎縣に國民金融公社支社設置の請願であります。この請願は、要援護者の自立更生のため、庶民金庫、復興金融金庫等による融資に依存しているのでありまするが、いずれも遠く、宮崎縣民は不便を感じますので、國民金融公社設立の際は、支社を配置せられたいとの趣旨であります。これにつきましても、国民金融金庫は未設置でありますので、一應これを保留することにいたしました次第であります。以上、請願陳情の審査報告を申上げます。(拍手)
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長御報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○副議長(松本治一郎君) この際、日程の順序を変更し、日程第十七より第二十までの請願及び日程第三十四の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員会理事岩間正男君。 〔岩間正男君登壇、拍手〕
○岩間正男君 只今議題になりました請願及び陳情につきまして、文部委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。 先ず請願第百三十七号及び陳情第四十六号は、いずれも公共図書館法に関するものでありまして、我が國教育機関中最も発達の遅れております図書館、殊に公共図書館の発達を促し、その機能の刷新を図るには、制度的確立が最も肝要であり、このために一日も早く公共図書館法の制定を急がれたい。又その際は都道府縣の図書館だけでなく、市の設置する公共図書館に対しましても、ひとしく國費の補助を要望するという趣旨のものであります。本件に対する政府当局の答弁によりますと、当局も亦目下鋭意公共図書館法を立案中であり、又法案の内容も概ね本件の趣旨に副う方向を辿りつつあるように認められた次第であります。 次に請願第七十七号は、無縁故引揚者子弟の教育施設費全額國庫負担に関するものでございまして、政府から岩手縣に割当てられたところの無縁故引揚者は市内の旧兵営に收容せられており、盛岡市は極度に逼迫した財政賦態にも拘わらず、別に小学校を新設いたしまして、それら引揚者の子弟を教育中であるが、更に二十三年には二千八百名の引揚者の收容を割当てられたために、到底從來のままではその收容力がなく、当面必要とせられる十五教室並びに雨天体操場その他の附属設備の増築のために、是非とも全額國庫負担を願いたいとの趣旨であります。本件に対しましての政府当局の意見は、可及的にその趣旨に副つて目下努力中とのことでありますが、本委員会におきましては更に河崎ナツ議員から、ただに岩手縣のみならず、無縁故引揚者の集團的收容割当地であるところの北海道、青森縣等についても、ひとしく引揚者子弟の教育施設対策を樹立して欲しいという旨の要望がありました。本件の報告にこの点を附加えることは委員会の一致した希望事項となつております。 次に請願第百九十八号は、佐世保市に大学水産学部を設置することに関するものでありますが、この請願は、目下設立申請中の國立長崎大学の水産学部を各種の條件から見て是非佐世保市に設置し、以て水産長崎縣の持つ役割を発揮することにいよいよ資したいとの趣旨であります。本件に対しまして政府当局は必ずしも異論がなく、大学設置委員会にそれを送付して目下審査中であるとの答弁があつた次第であります。 最後に請願第二百十六号は文部省宗務課存置に関するものであります。この請願は、政教分離の趣旨よりいたしまして文部省宗務課を廃するやの議を仄聞するが、宗教團体と政府との連絡機関として、又宗教法人令その他宗教團体関係法規の主務廳として、是非宗務課を現行の通り存置されたいという趣旨であります。本件につきましては、政府当局からも何らかの主務廳存置の必要を認むる旨の答弁があり、委員会も亦各種の見地から、政府と宗教團体との連絡調整機関として何らかの所轄廳の必要があるという点について意見の一致を見た次第でありますが、私から、これらの宗務所轄廳の設置は、政教分離の立場並びに目下行われつつあるところの行政機構の全面的改革とも睨み合せて行うべきものであるから、必ずしも文部省に存置することを前提條件としない旨の意見を開陳いたしまして、委員会もこれを承認いたした次第であります。 以上五件につきまして、文部委員会は数回に亘り愼重審議を重ねましたが、各件いずれも願意の大要は妥当なものと認め、採決の結果、全会一致これを採択いたしまして、院議に付し内閣に送付することを必要とすると決定した次第であります。以上簡單ながら御報告いたします。
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○副議長(松本治一郎君) この際、日程第二十一より第二十四までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求ます。厚生委員長塚本重藏君。 〔塚本重藏君登壇、拍手〕
○塚本重藏君 只今議題となりました請願について、厚生委員会においての審議の経過並びに結果を御報告申上げます。 日程第二十一は請願文書表第十五号の盲人福祉法制定に関する請願であります。本請願の趣旨は、盲人は失明苦に加えて普通人に比して幾多の重荷を負うており、殊に最近の深刻な経済不安は物心両面に極度の困苦を與えているから、盲人の範囲と盲人特有の福祉、授産、教育等を明確に規定する盲人福祉法を速かに制定されて、福祉増進に万全を期せられたいというのであります。本件に関して政府の所見をも聽取し、審議を重ねましたが、厚生委員会としましては、盲人の福祉、保護対策等についでは本年夏以來調査研究をいたしておりますが、法の制定ということについては、ただ單に盲人のみに止まらず、盲、聾、唖も含めて廣く身体不自由者をも包括する立法の草案をすでに終りまして、目下厚生省、労働省、文部省、大藏省の関係各省と打合せ、準備を進めておりまして、近き將來これは議員提出法案として実現する運びを進めておる次第であります。從いまして、本請願の要旨を了承し、議院の会議に付しまして、これを採択し、國会において措置することを適当と認めまして、内閣には送付を要しないものと決定いたした次第であります。 日程第二十二は請願文書表第七十五号の國民健康保險制度の強化及び社会保障制度実施促進に関する請願であります。本請願は、國民大衆の民生安定と健康の維持増進のため、國民健康保險制度を拡大強化して、法令の改正、経費の國庫補助を図り、公的医療の裏付け及び医藥分業の確立を図り、社会保障制度の実現を促進せられたいとの趣旨であります。本請願は、前回に御報告申上げました國民健康保險の診療施設費國庫補助の請願と関連しておりますので、この点は重複を避けて説明を省略いたしますが、社会保障制度の実現促進については本委員会においても目下調査研究を進めております。請願の内容にあります公的医療強化と医藥分業の確立という点は、尚研究と考慮を必要といたしますが、その他の部分についでは願意の大体は妥当なものと認めまして、議院の会議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。 日程第二十三は、請願文書表第百九十三号、同じく第二百二十八号、同じく第二百六十八号の國民健康保險の診療施設費國庫補助の請願であります。右の請願三件は、國民健康保險組合直営診療施設の新設に対しまして國庫補助をせられたいとの趣旨であります。本請願は昨日の本会議で御報告申上げました請願と全く同樣なものでありまするので、本委員会におきましては、前回同様これを議院の会議に付して内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。 日程第二十四は、請願文書表第二百二号の水害による岩手縣の国民健康保險の診療施設費國庫補助の請願であります。右の請願も亦昨日の本会議で御報告申上げました請願と同様のものでありますが、特に岩手縣の医療機関は先般の水害によりまして概ね被害を受けておる現状で、その復旧は民生安定の上からも急を要するものがあるので、速かにこれが復旧のため國庫補助をせられたいとの趣旨であります。委員会におきましては願意を妥当なものと認めまして、議院の会議に付して内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。 以上請願六件の審査報告を終ります。(拍子)
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長の報告の通り採択し、盲人福祉法制定に関する請願の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、盲人福祉法制定に関する請願の外は内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○副議長(松本治一郎君) この際、日程の順序を変更し、日程第二十五より第二十七までの請願及び日程第三十五の陳情を一括して議題とすることに御異議いざございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。在外同胞引揚問題に関する特別委員長草葉隆圓君。 〔草葉隆圓君登壇、拍手〕
○草葉隆圓君 只今議題となりました引揚者に対する住宅建設の請願につきまして、特別委員会の審査の経過並びに結果を御報告申上げます。 特別委員会におきましては、これらの請願並びに陳情を小委員会に付託しまして、数次に亘り愼重審議の結果、それぞれ更に本委員会におきましてこれを審査し、その結果、いずれも院議に付して内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。先ず引揚者に対する住宅建設の請願でありまするが、これは北海道苫小牧市長の田中正太郎君外四名より、同市が引揚者の收容によりまして、最近人口が六千三百十戸、三万七百余人に増加を來し、そのために、これら急激に増加をいたしました引揚者の定着の第一條件でありまする住宅の状態が誠に困窮極まつておる状態であつて、或いは物置の隅に、或いは戰時中のトーチカの中に住いをしておる者が現在五十二戸、二百三十四人に達しておる状態であるから、國費を以て政府は速かに多額の補助を願つて、これらの窮状を打開したいという請願の趣旨であります。 次に在外同胞引揚促進に関する請願について、その審議の経過並びに結果を御報告申上げます。本件は長野縣東筑摩郡塩尻町大門増田要外一千五百五十九名の請願になるものでありまして、終戰後四度迎えまする嚴寒の異郷に尚還らざる多数の同胞のことを思い、その遺族の心境を考えますとき、誠に同情に堪えないものがあるから、一日も速かに引揚の促進方について全力を挙げて頂きたいという請願の趣旨であります。 次は引揚者住宅建築資材等の助成に関する請願であります。本件は長崎縣鳥原市上ノ町八九六島崎辰美外二名の請願でありまして、引揚者の組織しまする住宅組合の住宅建築に対する敷地、資材等の配給並びに資金貸付を要望し、第一には國有施設の拂下げ、第二には國有地の貸與、第三には資金の貸付、第四には建築資材の配給をお願いしたいという請願の趣旨であります。 次に在外同胞引揚促進並びに留守家族救護に関する陳情であります。本件は、神奈川縣会議長より、尚還らざる在外同胞多数があり、その留守家族の窮状誠に忍び難きものがあるから、一日も速かに引揚の促進を期せらるると同時に、その留守家族の救護に万全を期して頂きたいという陳情であります。 以上は先程申上げました通り愼重審議の結果、院議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。これらの請願及び陳情は委員長の報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○副議長(松本治一郎君) この際、日程第八及び第九の請願及び第二十八の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。 〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
○岡本愛祐君 只今議題となりました請願二件、陳情一件につき、地方行政委員会の審議の経過並びに結果を御報申上げます。 第一は、請願第三十一号、岐阜市議会議長提出の自治体警察並びに消防署設置費國庫補助に関する件でありまして、その趣旨は、警察制度の改正によつて自治体警察費は所属自治体が支弁することとなり、その財源には先の税制改正で委讓せられた入場税と若干の配布税を似て充てておるが、人件費に予想外の経費を要するので、各市とも賄い切れない実情である。又一方、消防組織法の制定により消防本部及び消防署を設置する必要があるが、これ亦各市とも財政難に陷つておる現状であるから、警察費及び消防署設置費を國庫から補助せられたいというのであります。右に対し政府当局は、自治体警察及び消防費の財源は必ずしも入場税及び配付税のみではないのであり、一應財源措置をしたのであるが、地方財政の困窮は察するに余りがあるから、特別配付税二十億円を按拂する等、請願の趣旨に副つて今後とも努力いたしたいという意見の開陳がございました。 第二は、請願第百五十三号、宮崎縣議会議長外一名提出の発電水利使用料増額に関する請願並びに同趣旨の陳情第三十号、岐阜懸会議長提出のものでありまして、その内容は、発電のための水利使用料は本年七月から一馬力について三十六円に増額されたが、これは昭和十一年当時の三十六倍程度にしかなつていない。縣では窮迫せる財政の中から多大の犠牲を拂つて発電に可能な治山治水事業を行つておる現状であるから、この際、他の物價情勢をも考え合せ、且つ地方財政確立の点から見ても、水利使用料を百十倍に引上げるか、又は水利使用に対する府縣の独立税を認められたいというのであります。これに対し政府委員から、本件は地方財政の見地から引上げる必要を認めるが、電氣料金等関係物價との均衡上、まだ地方の要望に副い得ないのである。今後とも引上げに努力したいとの意見の開陳がありました。 本委員会においては各委員が愼重審議の結果、以上請願二件、陳情一件は、いずれもその趣旨が大体において妥当と認められますので、採択の上、内閣に送付すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長の報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔起立者多数〕
○副議長(松本治一郎君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十五分敵会 —————・————— ○本日の会議に付した事件 一、日程第一、食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案 一、日程第二、金資金特別会計法の一部を改正する法律案 一、日程第三、工業所有権戰時法の一部を改正する法律案 一、日程第四、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、試藥檢査所及び機械器具檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件 一、日程第五、水産業協同組合法案 一、日程第六、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案 一、日程第七、漁業権等臨時措置法案 一、日程第十乃至日程第十六の請願及び日程第二十乃至日程第三十三の陳情 一、日程第十七乃至日程第二十の請願及び日程第三十四の陳情 一、日程第二十一乃至日程第二十四の請願 一、日程第二十五乃至日程第二十七の請願及び日程第三十五の陳情 一、日程第八及び日程第九の請願及び日程第二十八の陳情