不当財産取引調査特別委員会 第3号
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- 会派数
- 6
- 開催日
- 1948/10/13
会議録
○梶川委員長代理 これより委員会を開催いたします。 本日お見えになつておる証人の方は平井義一さん、大瀧亀代司さんですね。
○平井證人 そうです。
○大瀧證人 そうです。
○梶川委員長代理 証人に証言を求める前に各証人に一言申し上げます。昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人、または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項、あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことがでないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、且つ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。 〔証人平井義一君各証人を代表して宣誓〕
○梶川委員長代理 御署名捺印をお願いいたします。 〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○梶川委員長代理 順序といたしまして平井義一さんから先に調べたいと思いますから、大瀧さんの方は少し休んでいてください。――平井さんですね。
○平井證人 そうです。
○梶川委員長代理 あなたに今から御証言を求めるわけですが、あなたは昭和二十二年七月、石炭國管問題で、九州地方の炭鉱事情の視察においでになつたことがありますか。
○平井證人 ございます。
○梶川委員長代理 そのときおいでになつたのはどなたとどなたですか。
○平井證人 植原悦二郎氏、平島良一氏、淵上房太郎氏、参議院の一松政二氏、それに私であります。團長は植原悦二郎氏。
○梶川委員長代理 その視察は何日くらいの日程でどこの炭鉱へおいでになつたのですか。その事情をお話していただきたい……。
○平井證人 まず田川の三井炭鉱、飯塚の二瀬炭鉱、日鉄のどこかもう一つでしたが、忘れました。
○梶川委員長代理 三箇所ですか。
○平井證人 私は三箇所で別れました。あと植原悦二郎氏は唐津の方に行かれたと思います。
○梶川委員長代理 全部で大体どのくらいの日数がかかりましたか。
○平井證人 五、六日だつたと思います。
○梶川委員長代理 それはあなたの場合に五、六日ですね。
○平井證人 そうです。
○梶川委員長代理 ほかの方はどうですか。
○平井證人 ほかの方は遅れました。
○梶川委員長代理 どのくらい遅れましたか。
○平井證人 三、四日ぐらい遅れたと思います。
○梶川委員長代理 その視察にどれくらいの費用がかかりましたですか。
○平井證人 党議によつて党から視察に行きまして、党から五千円いただきまして、そのほか私が一、二千円要つたと思います。
○梶川委員長代理 党から五千円もらわれたわけですか。
○平井證人 そうです。
○梶川委員長代理 これはほかの方も全部一律ですか。
○平井證人 地区によつて違いましようけれども、九州といたしましては五千円いただきました。
○梶川委員長代理 この五千円は、あなたはどなたからお受取りになつたのですか。
○平井證人 私は淵上房太郎氏から、党からことずかつたと言つて受取りました。
○梶川委員長代理 あなたは園長植原氏と行く前に、植原さんから費用を受取つたことはないですか。
○平井證人 ございません。全然植原さんにはございません。
○梶川委員長代理 あなたは二千円受取つたというようなことはないのですか。
○平井證人 いいえそんなことはありません。
○梶川委員長代理 淵上氏なんかはいくら受取つたのですか。
○平井證人 それは知りません。
○梶川委員長代理 この前淵上房太郎氏は植原氏から五千円もらつたと言つておられるのですが、あなたは二千円もらつて、どうも淵上に五千円で、おれは二千円だ、非常に少い、こう言つてほかの代議士に話されたことはないですか。
○平井證人 それはございませんが、代議士の推察でそんなことを言つたんじやないかと思います。
○梶川委員長代理 そのほか党からだと言つて淵上氏から五千円もらつたのは、あなたの地方に一緒に行かれた平島氏とかその他の方もみな同一にもらわれたように思われますか。
○平井證人 全部にやつたからということでもらいました。
○梶川委員長代理 その他あなたは石炭國管案関係についてなにか龍名館に出入りされたことはございませんか。
○平井證人 龍名館に行きました。御承知のごとく龍名館は炭鉱業者の旅館でございまして、私の國から陳情に來ますればたいがい龍名館に泊りますから、龍名館には敬意を表すために行つたことがあります。
○梶川委員長代理 しかし敬意を表しというのは、國から陳情が來たということなんですか。その当時炭鉱國管の問題が非常にやかましかつた、從つて龍名館は御存じのように反対の業者の人がたくさん泊まつておられるが、あなたが行かれたときにはやはり炭鉱業者の方に相当お会いになつたわけでしよう。
○平井證人 あれは私の國の市長とか商人とかが來るので、たまたま炭鉱業者に会いましたし、私は炭鉱地帯出身の代議士ですから、もちろん会えば敬意を表しますが、当時社会党の代議士衛藤さんなんかと同じ選挙区で、行けば挨拶をし、雜談をするというようなことで、別に特別に呼ばれて行つたということもないし、特別自分から行つたということもない。
○梶川委員長代理 出入りと言つてはおかしいが、あなたが龍各館に出入りのときに、そこに出入りしておられたほかの議員なり、あるいはその他の政治的な発言権をもつた人を見受けなかつたですか。
○平井證人 私は見ません。
○梶川委員長代理 ほかに何かございますか。
○宇都宮委員 ちよつとお尋ねしますが、あなたは民自党でございますか。
○平井證人 そうです。
○宇都宮委員 民自党は党員が出張するときには、その費用を民自党から出すことになつておるのですか。それとも國管の調査に限り、党員に対して費用を出すことになつておつたのですか。そのいきさつをお聽きしたいのです。
○平井證人 私はかけ出しの代議士でありますからよく知りませんが、党から選ばれで党議によつて視察するときに党から視察手当をくれる、そんなものであるというように思つて私はいただきました。
○宇都宮委員 それでは國管に限らず、視察の場合には民自党は党から費用を出しておるわけですね。
○平井證人 それは幹事長に聽いていただけばわかります。私は知りまん。
○明禮委員 この五千円は淵上君からもらつたということですが、一体これは淵上君かその他の人から出したのであつて、党からは出ていないじやないですか。党から出た金と言うが、あなたが党じやないかと思つただけで、実際はどうですか、これはどこから出ているということがわかりますか。
○平井證人 私はどこから出ているかわかりません。ただ党から言ずかつてきたということにおいて、私は党からというふうに信じていただきました。
○明禮委員 淵上君からあなたはもらわれたのだから淵上君から何か聽きませんか。
○平井證人 淵上君は言ずかつてきただけです。
○明禮委員 だれから。
○平井證人 党の封筒に平井君と書いておりましたから、もちろん党ということを自分は信じてもらつた、こういうことでございます。
○明禮委員 党からもらつて行つたんじやないというふうに言つている人もあるが……。
○平井證人 それは私は知らぬのです。淵上さんがどこからいただいてたれに言ずかつたかということは私は知りません。
○明禮委員 はたして党から出たということを幹事長に聽いたわけでもないのですか。
○平井證人 そう私は信じております。
○明禮委員 そうだと思つておるだけで、実際はよく調べたわけではないのですか。
○平井證人 実際に調べたわけではありません。
○明禮委員 それからこの間ある証人がここに出まして、ビラを五千枚ばかりあなたが持つてこられたように述べたのですが、その点は何かお知りのことはありませんか。
○平井證人 私は視察後におきまして、自分の信念に基いて街頭演説をやろうという氣でビラを五千枚つくりまして、私の方で千五百枚ばかり貼りまして、三千数百枚残つておりました。私は新橋で街頭演説をやりました。その後においてたまたま田中彰治君に会いました。田中君は私の選挙区の炭鉱業者であります。自分たちも立看板を立てて大衆に訴えるという話でありましたから、非常にそれは手がかかる、人夫があるか、手はいくらでもある、人夫はいくらでもあるというお話でしたので、実はおれもビラを貼つて捨てようと思つておる余つたビラがあるのだ、それはうちの方に少しくれぬかと言う、それでは貼つてくれというので、私のところにいました北原という人が田中氏のところに持つて行つた。それだけで私は田中氏がどこで何をやつていたかということは全然知りません。
○明禮委員 そのビラはやはり石炭國管反対のビラですか。
○平井證人 それは石炭國管で弁士平井義一と書いてあります。私はそのビラが家にあると思つて探したのですが家にありません。國管反対の街頭演説をやろう、ちようど澁谷で社会党の方も組合の方と賛成演説をやつておつたことを見て、私も政治家として大衆に訴えようという信念に基いてやつたのであります。
○明禮委員 そうすると三千五百枚ですか。
○平井證人 大体私の方で五千枚のうちで千枚以上貼りましたから、確実な数は私が持つていつたわけではございませんのでわかりません。
○明禮委員 そのビラに基いて街頭演説はなさらなかつたのですか。
○平井證人 新橋でやりました。
○明禮委員 あなたはもちろん石炭國管には反対であつたのですね。
○平井證人 もちろん党も反対だし、私も反対でありました。
○河井委員 証人は五千円をもらつて九州の方へ視察に行かれたのですか。
○平井證人 そうです。
○河井委員 その行かれた先の視察の模様を少しく話をしてくれませんか。どこへ行かれてどういう炭鉱を視察をされたか。
○平井證人 私は今言うように、三井の田川で私が主として経営者側、労働者側に会つていろいろ聽いて、それから筑豊の方では二瀬だけであります。ここで経営者側と労働者側の意見を聽きました。それから福岡に出まして私は帰つてきたのであります。
○河井委員 そのときには代議士はあなた一人であつたのですか。
○平井證人 いいえ、先ほど申し上げた通り。
○河井委員 たれとですか。
○平井證人 植原悦二郎氏、平島良一氏、淵上房太郎氏、参議院の一松政二氏、それに私であります。
○河井委員 その方とはみんな一緒だつたのですか。
○平井證人 一緒に視察されたのです。
○河井委員 最後まで一緒だつたのですか。
○平井證人 私は福岡からわかれて帰りました。
○河井委員 向うでいろいろな饗應などはございませんでしたか。
○平井證人 ございません。私は親類が炭鉱地帯に多いのでそこに泊りました。
○梶川委員長代理 そこで向うの業者や労務者とお会いになつたのですか。
○平井證人 ええ会いました。
○梶川委員長代理 結局五千円で足りましたか。
○平井證人 先ほど申し述べました通りであります。
○梶川委員長代理 一千円よけいにかかつたのじやないですか。
○平井證人 一、二千円不足したのです。
○梶川委員長代理 まあよろしゆうございます。
○宇都宮委員 民自党の党費支出の原簿をひとつ提出願いたいと思います。
○石田(一)委員 先ほど他の委員から質問がありましたが、その五千円を淵上さんからおもらいになるときに、あなたとしては党から出ている、党の金だと信じておもらいになつたのですか。
○平井證人 私は封筒が日本自由党の封筒であり、平井君と書いて、これをことずかつて視察手当であるからもちろん党のものと信じていただきました。
○梶川委員長代理 視察手当で党の封筒を使つて平井君と書いてあつたから、党の金だと信じてもらつたのですね。
○平井證人 全部にやつたということを聽きました。
○梶川委員長代理 全部にやつたのですか、そうするとそれは個人から出ておるとかいうことは考えられなかつたのですね。
○平井證人 全然考えませんでした。
○梶川委員長代理 淵上君の言葉によつても、その封筒に入れて視察手当だからことずかつたというのは、党からことずかつたというふうにお聽きになつたのですね。
○平井證人 大体その通りでもらいました。
○梶川委員長代理 ほかにございませんか。――それではただいま宇都宮委員から要求のありました支出簿の提出を求めたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○梶川委員長代理 ではさようにとりはからいます。 ―――――――――――――
○梶川委員長代理 大瀧亀代司さんですね。
○大瀧證人 はい。
○梶川委員長代理 あなたは今新日本自由党準備会に御所属になつておるのですね。
○大瀧證人 はい、そうです。
○梶川委員長代理 実は炭鉱國管関係のことについてお伺いいたしたいのですが、あなたは今年の二、三月ごろに倉石忠雄という代議士の方の宅で、倉石氏の妻の弟、これが炭鉱國管問題のことについて関係してくれるなということを言つておつたということを聽かれたことはございませんか。
○大瀧證人 その場所は私の家だつたと思います。
○梶川委員長代理 少しそのときのことをもつとはつきり話していただきたいのですが。
○大瀧證人 倉石君の弟さんが鉱業会ですか、何か炭鉱の業者の会に関係しておるので、兄さんそういうものに関係しないでくれというような注意があつたという話を聽きました。
○梶川委員長代理 それはどなたから聽かれたのですか。
○大瀧證人 倉石君から私が聴いた。
○梶川委員長代理 その弟さんというのは、名前と住所はわかりませんか。
○大瀧證人 それは知りません。
○梶川委員長代理 そこで炭鉱関係の問題ですが、相当の金がばら撒かれているが、組合関係などの看視も厳重だし、なかなか隠せることはないと思う。自由党の淵上房太郎氏、これも五十万円もらつて行つたことがあるというようなことをお聽きになつたことはないですか。
○大瀧證人 そういうことを聽いたのでそういうことは淵上君でなく、あまり関係をしないでほしいということのときに金が出ておるらしいというので、國管問題に関係をしておると言われておつた淵上君に対して、そういうことがあつたら君はたいへんじやないかということを言つたら、強く淵上君がこれを否定せられた。次の日に深津君とおいでになつて、それが事実のごとく話があつた、こういうようなことを倉石君が言うたことはあります。
○梶川委員長代理 それでは一應そういうようなことはないと言つて否定されたけれども、翌日深津玉一郎氏とそういうような話だつたということを聽かれたわけですか。
○大瀧證人 それは聴きました。
○梶川委員長代理 そこで話は一應否定したけれども、きのうの話は本当だつたということは黙つておつてくれぬかというように言われたわけですか。
○大瀧證人 そのように承つております。
○梶川委員長代理 そのとき淵上君、は、だが自分たちは金をもらつてはおらぬのだけれども、植原さんはひどいことをしている。金をもらつておるというようなことをあなたに言われたじやないですか。
○大瀧證人 植原さんとたれかほかに金をもらつておるようなお話があつたが、そこははつきり今日記憶しておりません。
○梶川委員長代理 そのときの話を少し思い出していただきたいのですが、そのときの話では自分たちが鉱業会の武内禮藏氏が五十万円の包を出したので持つて帰らうと思つたが、植原氏の方がさつさと龍名館で持つて帰つてしまつた。そういうような話を聴きませんか。
○大瀧證人 それはたれからということと、どこであつたかということははつきり記憶いたしません。何でもだれか持つて行つたというような話はあつたと思います。
○梶川委員長代理 その金額は何ぼという話でしたか。
○大瀧證人 何ぼであつたか記憶しないのですけれども……。
○石田(一)委員 途中ですけれども、ちよつと発言します。委員長の今尋問していらつしやることは、委員長自身がよくわかつていて、要するに事件をよく知つている人が聽いているが、冷静な第三者としてよく知らぬ者が聽いていると、何がどうなつているかわけがわからぬ。これではこの委員会が公開の席で事実を審理探究していくのに効果がないということを、冷静に考えますと直感します。ですから、この証人を喚問と、尋問なさるについては、どういう事件でどういうことでどうなつたということが自然と明瞭になるような方向にもつていつてもらいたい。そうしないとわかつている者にはわかつているけれども、初めて聽く者は何を聽いているのかわからないという非常に不明朗な印象を與えるように思います。
○梶川委員長代理 わからないから今聽いているのですよ。
○鍛冶委員 失礼だが、あなたは証人に喋らせる立場にあるのだが、あなたの言うことを聽くと……。
○梶川委員長代理 それはわかつております――要するに倉石氏から聽かられた話を今お伺いしているのですが、そこでそのときに淵上氏がやはり金をもらつているということをあなたに言つておられたのですか。
○大瀧證人 いや、淵上さんが金をもらつているというようなことは聞いておりません。だれかがそれを持つてきておるのだというようなお話であつたので……。
○梶川委員長代理 だれかが持つてきている、どこへ持つてきているのですか。
○大瀧證人 それはどこだが漫然とした話ですから……。
○梶川委員長代理 どこから持つてきたのですか。
○大瀧證人 だからさつきも申したが、いつどこでどういう金がどう渡されたというような明確なことは今日わかつておりません。ただそういう話があつた。金を持つて出ているらしいから、注意して関係しない方がよいと言われた。それでしばらく経つてか、その次の日か知らぬが、淵上さんに対して倉石君から何かこういうことがあるそうだが、氣をつけた方がよいだろうということを言つたら、そういうことは絶対にないということで強く否定せられた。その次の日に深津君と一緒に來られて、それが事実であつたというような話を承つただけでありまして、こつちは話を聽いたものですから……。
○梶川委員長代理 そうすると深津玉一郎氏ときて、その話が事実であつたということで、前の否定した事実をさらに否定されたわけですね。
○大瀧證人 いや前に否定した事実を肯定したわけです。
○梶川委員長代理 それではその淵上氏のものは、平井氏がこの國管案調査費として二千円しかもらわなかつた。ほかの人には五千円やつているのだというようなことをお聴きになつたことはありませんか。
○大瀧證人 これも倉石君から承つております。
○梶川委員長代理 ほかに何かそのときに言つておりませんでしたか。
○大瀧證人 ほかにはたいした記憶はありません。
○梶川委員長代理 そのどこかへ持つていつてしまつたという相当な金額は五十万円ではなかつたのですか。
○大瀧證人 さあ五十万円とかいうような話を、言われればそうであつたかと思うが、大分久しい話でごたごたのときですからはつきり覚えておりません。
○梶川委員長代理 その使い残りの金をどういうぐあいにお使いになつたかということはお知りになりませんか。
○大瀧證人 それは全然知りません。
○梶川委員長代理 それは植原氏からさらに大野伴睦氏に渡されたということはお聴きになつておりませんか。
○大瀧證人 それは倉石君から承らなかつたと思います。
○梶川委員長代理 次に倉石君からやはり本田英作君にも院内の事務所で封筒に入れた五千円を渡されたというような話を聽かれたことはありませんか。
○大瀧證人 それは倉石君からではなく、本田栄作君から直接聽いております。
○梶川委員長代理 本田英作氏から直接に、院内の事務所で五千円渡された……。
○大瀧證人 それもはつきりわからぬ。だが本田さんがだれかにいつてもらえといわれて、事務所から、どなたか記憶しておりませんが、五千円だか、もらつて、帰つてきて、さまざまの調査や何かで使つて、費用が七千円かかつてえらい損したという話は本田さんから数回にわたつて聴いております。
○梶川委員長代理 それならやはり炭鉱の調査費ですね。
○大瀧證人 調査費だつたと思いますが、そういう名目もはつきり私は覚えておりません。
○梶川委員長代理 やはり倉石氏から民主党えも相当な金がばらまかれたようだ。それで民主党の志賀健次郎氏が麻生氏から吉田氏の手を経て幣原氏に一相当金が出されて、さらに田中萬逸氏に渡り、それが党内にばらまかれたというようなことを知つておる、こう言つて話された。
○大瀧證人 いや、倉石君からそういう話は承つておりません。それは志賀君と私汽車の中で、四月のいつかであつたか……。
○梶川委員長代理 今年ですか。
○大瀧證人 そうだと思います。一世耕君と一緒に汽車に乗つておつたときですから、そこに一緒に乗つて、炭鉱の問題は自分が何か炭鉱の顧問か何かやつておる関係で、それで自分は聞知しておるというようなことで、たまたま炭鉱の話があつたのですが、金を出してどういうふうにばらまかれたというようなことは、それは聴いたかどうか、今日は記憶がない。それは汽車の中で聴いたことで、その直後であつたならば記憶があつたかもしれないが、今日では記憶がありません。
○梶川委員長代理 そのときのあれは思い出して何かもう少し詳しくわかりませんか。
○大瀧證人 こういうことではないか、こういうことではないかという記録でもあれば思いだすことができると思いますが、單に金をどういうふうに渡したというようなことは、志賀君がはつきり言つたようには思われないのです。
○梶川委員長代理 あなたは今年検察廳でこの問題について調べられたことがありますね。
○大瀧證人 あります。
○梶川委員長代理 そのときには先ほど私が言つたようなぐあいに述べられたのではありませんか。
○大瀧證人 検察廳にそういうふうな調書があると言えばそのときにそういうふうに話したと思いますが、その金を何ぼだれが持つてきたなどということは言わなかつたと思います。
○梶川委員長代理 志賀健次郎氏からの話ですね。それは炭鉱問題がなかなか怪しいのだというような話が……。
○大瀧證人 それは承つたように思います。つまり業者がトン当り何ぼという金を出して、それがばらまかれておるからというような話があつたように記憶しております。
○梶川委員長代理 その金が先ほど私が言いましたような径路をたどつてばらまがれたというようなことは、そのときに志賀氏からそういう事実を知つておるのだということをあなたに話されたのではありませんか。
○大瀧證人 そう言われると麻生の問題で、こういつたような話があつたと記憶しますが……。
○梶川委員長代理 その記憶を少し詳しくお話ください。
○大瀧證人 それは大きな炭鉱業者は何も國管には反対ではないのだ。というのは大きな炭鉱業者はほとんど國管をやつてもやらなくても同じようなものだから。それで小炭鉱業者がこれに反対なんだ。こういうような話は承つたと思つております。そのときに何でも吉田さんの婿さんが麻生という炭鉱業者だという話は承つたと思います。
○梶川委員長代理 それ以外のことはあまりよくわからないのですね。
○大瀧證人 そのとき田中さんに渡してどうこうというようなことは、ちよつと今記憶がないのですけれども……検察廳で陳述しておるとすれば、そのときの記憶は間違いないわけです。
○梶川委員長代理 検察廳での陳述は、その通りに認められるわけですね。
○大瀧證人 それはそのときにはそうです。
○梶川委員長代理 今度はあなた自身の問題ですが、炭鉱國管問題で何か政界関係の人から請願を受けたり、あるいは反対運動について金を受けたり、あるいは何かほかの問題で知つておること等がありましたら、ひとつお述べ願いたい。
○大瀧證人 絶対ありません。國管問題は党議も反対であり、われわれはこうしたことでは生産増強はしないというので反対投票しただけで、あとは何も関係はありません。
○梶川委員長代理 そのほかあなたがこの問題について参考までに述べたいというようなことはございませんか。
○大瀧證人 ございません。
○梶川委員長代理 ほかに何かありますか。
○明禮委員 ちよつとお尋ねしますが、一番先にお述べになつた点で、証人の宅へ倉石君が來て、倉石君から石炭國管に関係するなということを話したというのはいつごろのことでしようか。
○大瀧證人 あれは一月か二月ころだと思います。
○明禮委員 今年ですか。
○大瀧證人 今年です。とにかくざわざわとわれわれが騒いでおつたときですから、ちようどそのころだと思います。
○明禮委員 それから先ほどどうも十分聽きとれなかつたのですが、金を志賀さんからいくらかもらつたとか金を受取つたというような話を聞いたということですが、その金額がどれくらいであつたというようなことまではつきりわかつておりますか。
○大瀧證人 今日ははつきりしません。さつき五十万円というような話でしたが、多分そうだつたと思います。
○明禮委員 それは先ほど委員長がそう言つたから三十万円とか五十万円とか言つたのですが、あなたはそのとき数字を聽いておられるのですか、聽いておられないのですか。
○大瀧證人 そう言われると聽いておるように思います。
○明禮委員 なんぼです。
○大瀧證人 五十万円とか言う話だつたと思います。
○明禮委員 数字を覚えておりますね。
○大瀧證人 そういうように言われて記憶をたどつてみますと覚えております。
○明禮委員 しかしそれはあとでそういうことはないのだと言つて、橋上君、淵上君が言われ、またその後でそれは事実だと言われたというのですが、それはどういうことですか。
○大瀧證人 どういうことであるか知りません。ただ聽いた話です。
○明禮委員 聽いた話だが、話の前後が、同じ日にそんなことを言つたのではないですか。
○大瀧證人 次の日です。
○明禮委員 一番先に五十万円という話をしたときに倉石君から聽いて、それから淵上君なんかから聽かれたというのはいつごろですか。
○大瀧證人 私は倉石君からだけの話です。橋上君、淵上君とは私は会つておりません。
○明禮委員 そうすると倉石君がその話をして、またあとで、いやそれは事実だということを言つておつた。こういう話をした……。
○大瀧證人 そうそう。それは全部倉石君から私が聽いた話で、みんな聽いた話ですから……。
○明禮委員 そこでその話は、黙つておつてくれとかいうことまで言うたということを……。
○大瀧證人 だれがですか。
○明禮委員 その話は淵上君……。
○大瀧證人 淵上君と橋上君に、行つて会つたときに、倉石君にきのうの話はないと言つたが、事実はあるから黙つておつてほしい、こういうように言つたという話のように記憶しております。
○明禮委員 平井君が旅行するのにもらつた金は二千円であつた。非常に不服を言つておつたということもあるのですか。
○大瀧證人 そういう話も聴いております。そのときはそんなことは、わずかのことでなんにもならぬとかいうことを言つておつた、不服というかね、そういうような話であつた。
○明禮委員 もう一つ植原さんが受取つた金を、大野伴睦氏に全部渡したようなことも言いましたか。 〔「さつきから言つておるじやないか」と呼ぶ者あり〕
○大瀧證人 さつきから答えたからいいじやないか。
○荊木委員 ちよつと一点だけ、さつき言われました証人が檢察廳で一應聽かれたと言われるのですが、それはどんなことで檢察廳があなたを喚び出したのですか。
○大瀧證人 檢察廳の伊尾檢事でしたか、来てくれと言われてまいりました。ただ喚び出しがきたから行つたら、北浦君も呼び出されておるということで、二人で一緒に行つたと思います。
○荊木委員 そこで伺いたいのは、倉石君を喚んだあとであなたを喚んだのか、あなたの話を聴いて倉石君を喚んだんですか。
○大瀧證人 それは承つていないんだが、倉石君よりあとだと私は思います。私がそう思うのですよ。
○荊木委員 どういう点でそういうように思いますか。
○大瀧證人 そうでないかと思うだけの話……。
○荊木委員 あなたが倉石君から聽かれた話を先に檢察廳で述べた、その裏づけをするために檢察廳に喚ばれたのですか、あるいは大瀧君に話があるというので喚んだのですか。
○大瀧證人 その点はわかりません。
○梶川委員長代理 大分よく記憶を思い出されたようですから、五十万円の金額を思い出されたようですし、やはりその金を持つていかれたというふうにあなたが聽かれたのは、植原氏じやなかつたのですか。
○大瀧證人 持つていかれたというのは、植原さんが持つていつたということをおつしやるのですか。
○梶川委員長代理 そういうぐあいにあなたに言つた、持つていつたというのは植原氏という、ふうにあなたはお聽きになつたのじやないか。
○大瀧證人 それはじつははつきりしておりませんが、檢察廳でそう述べておるとすると、そうだと思います。檢察廳で述べたら間違いはないと思います。
○梶川委員長代理 植原氏だつたのですね。
○大瀧證人 僕はみな聴いた話ですから……。
○梶川委員長代理 どういうぐあいに聽かれたかということをお聽きしておる。
○大瀧證人 そうだつたかも知れない……。
○梶川委員長代理 よろしゆうございます。 ―――――――――――――
○梶川委員長代理 倉石忠雄さんですね。
○倉石證人 はい。
○梶川委員長代理 証言を求める前に証人に一言申し上げます。 昨年十二月二十三日公布になりました、昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項、あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者について、その職務上知つた事実であつて、黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、且つ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。お手もとに差上げてある宣誓書を朗読の上、署名捺印願います。 〔証人宣誓〕 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○梶川委員長代理 倉石さんにお尋ねしますが、民主自由党所属ですね、今も。
○倉石證人 そうです。
○梶川委員長代理 昨年は日本自由党におられたわけですね。
○倉石證人 そうです。
○梶川委員長代理 昨年石炭國管問題がやかましくなつて、全國の業者が非常な反対をして、猛運動をやつておつたというようなことは御存じですね。
○倉石證人 知つております。
○梶川委員長代理 そのときに、業者の方が、運動の関係上政界の方に働きかけておつたということ、並びにあなた方は、これに関係して援助したというふうに言われておりますが、その間の事情を少しお聽きしたいのですが。
○倉石證人 もう一度今のくだりを……。
○梶川委員長代理 業者が政界に、石炭國管問題反対のために政界人に働きかけて、運動をしたわけですね。そのときに、あなた方もこれに協力して反対し、援助というか、そういう関係について事情をひとつお伺いしたいと思います。 (発言する者あり〕
○梶川委員長代理 お静かに願います。
○倉石證人 お答えいたします。ただいまの石炭國家管理案というものに対して、業者の運動が行われたという噂は聞いておりますけれども、業者の運動が行われたことによつて今――委員長はあなた方とおつしやいましたけれども、私どもは業者の運動によつて反対をしたのではないのでありまして國家管理案というイデオロギーそのものに対して、まつ向から反対をいたしておつたのでありますから、その点はお話と私の考えとは違うと思います。
○梶川委員長代理 業者から頼まれて反対したというのでなくして、イデオロギーによつて反対された、こう言われるのですか。
○倉石證人 少くとも私はそうでありました。私は業者とは何の関係もありません。
○梶川委員長代理 それでは問題を少しかえまして、昨年の七月ごろに、國管問題が起つた当時、自由党の中に石炭國管対策委員会というか、そういうような委員会とか何とかいうものがあつて、植原氏が委員長で、その他の人がメンバー、というか、加わつておられたというようなことはあつたわけなんですね。
○倉石證人 それはございました。
○梶川委員長代理 どういう名前ですか、正式の名前は。
○倉石證人 私委員でありませんから、よく記憶しておりませんが、石炭対策特別委員会とかいう名前だと思いますが、よく記憶しておりません。
○梶川委員長代理 それでは、あなたは直接石炭國管の反対の先頭には立たなくても、その間の事情について、大瀧亀代司という代議士の人に、それらのことについてお話になつたことはないですか。
○倉石證人 それは石炭國管の問題だけで特に会つたということはありませんけれども、当時大瀧君も所属しておりましたわれわれの日本自由党の党員の中で、いろいろ政策面などについて意見を同じうする人々が集まつて、革新会いうふうなものがつくられ、そのことでしばしば、会つたことはあります。それで特に石炭國管問題で大瀧代議士に会つたということはありません。
○梶川委員長代理 大瀧さんの話ではあなたから少し、石炭國管問題に対するスキヤンダルというか、そういうものを聽いたということを言つておられるのですが、そういう事実はないですか。
○倉石證人 それは、いつごろでありましたか、やはりその革新会という会のことで、大瀧君の家に行きましたときに、実は委員長も御承知のように、私は炭鉱國管案が議会に上程されたときに懲罰になつているのです。それでわれわれは自分たちの信じておる信念から國管案というものに反対して、ともかくもわれわれの主張を貫徹しようと思つて活動をしたことによつて懲罰などに付された。しかるに世間に傳えられるところによると、國会議員のもつておる審議権を悪用して、業者から今委員長の言われたような、金銭の醜悪なる授受が行われておるという噂が、しばしば当時議会人の耳にささやかれておつたのでありまして、そういうことについて雑談的に非常に憤慨して話合つたことはあります。
○梶川委員長代理 そのときの雑談的に話されたことなんかでもおわかりだと思うのですが、その当時、というのは國管問題の当時、植原悦二郎氏とか淵上房太郎氏とか坂本實氏、こういうような方々が神田の龍名館で、鉱業会関係の人から饗應を受けたというような点はどうですか。
○倉石證人 そこで今委員長のお読み聞けになりましたような事柄はもう大分時間も経つておりまするので、今明確な記憶がないのでありますけれども、大瀧代議士の家でそういうお話をしましてから、一、二箇月後、突然査察廳から電話がかかつてきまして、参りましたところが、これこれのような事柄をあなたは御存じなそうだが、ひとつ話してもらいたいということでありました。ですからその話というものは、私が大瀧代議士の家でお話をした事柄と、同じような事柄であつたと記憶いたしております。
○梶川委員長代理 そうすると、龍名館でこういうような人たちが御馳走になつたということは、あなた自身は知らぬわけですか。
○倉石證人 私自身はそういうことを見たこともありませんし、タツチしておらない人間でありまして、ただどつちから出たともなく、そういう噂話があつて、実に不愉快な話だと言つたときに、そういう問題が出たのだろうと思のです。
○梶川委員長代理 そのときに龍名館に泊つておつた竹内禮藏から、運動資金として淵上氏に五十万円を渡したというようなことはお話になつたのですか。
○倉石證人 これはどうもあまり記憶がはつきりしておらぬのですけれども、この間実はこちらへ來ております査察廳の何とかという書類を拝見しますと、きわめてまとまつた文章になつているのですけれども、あれも断片的にお聽きになつているのであつて、それを総合すればそういう文句になるかもしれませんけれども、龍名館というような話は、実は私も檢察廳に行つてから初めて言われた言葉でありまして、私はそこまで具体的な話をしたわけではないのです。議会の廊下の噂話を総合して話合つたという程度なのです。
○梶川委員長代理 その話合つた程度のものを少し系統的にお尋ねしてみたいのです。大瀧さんにあなたが話されたというのは、あなたの奥さんの弟さんに業者の方がおられるのですか。
○倉石證人 弟は業者と言つても会社の社員ですから……。
○梶川委員長代理 それは何というお名前でどこですか、御住所は。
○倉石證人 今はつきり住所を記憶しておりませんけれども、九州で……。
○梶川委員長代理 お名前はわかりませんか。
○倉石證人 都川です。
○梶川委員長代理 その弟さんからあなたに、あまり石炭國管問題では関係してくれるなというような話があつたのですか。
○倉石證人 たびたび東京へ参りまして、今大分世間がうるさいから、ああいう問題にはあまり深入りなさらない方がいいでしようというようなことを言つておりました。
○梶川委員長代理 ここではすぐわからなくても、あとで弟さんの御住所はわかりますね。
○倉石證人 わかります。
○梶川委員長代理 あとで事務局の方へ御通知願います。そのときにやはり金が相当ばらまかれたというふうなことについて、鉱山の組合関係者の方も監視が厳重だし、どうせ隠せるものでないというようなことをお話になつたですか。
○倉石證人 私は弟からそういつたような具体的な話を聞きませんでした。ただ弟からいろいろ世間に噂があるから、ああいう問題には深入りせぬ方がいいでしようという程度の話だけであつて、今委員長がお読み聞けのような話は、弟からは聴きませんでした。
○梶川委員長代理 それは大瀧代議士にあなたからお話になつたことはないのですか。大瀧代議士にあなたがお話になつたことを、今から少しお伺いしたいのです。
○倉石證人 弟は別に具体的なそういう話はしませんでした。
○梶川委員長代理 弟さんの話でなくて、あなたが大瀧さんに話されたことです。
○倉石證人 それはもう時間の古いことですから……。
○梶川委員長代理 そうすると今から私が読んでみますから、あなたがそれに間違いないか、御返事していただきたいのですが、自由党の淵上房太郎氏も業者から金を五十万円受取つたことがあるというふうに、あなたは話されたことがあるのですか。
○倉石證人 そこまでははつきりしておらないのです。
○梶川委員長代理 そうすると淵上氏に注意されたことはありますか。あなたは炭鉱業者から金なんか持つてくるから危いぞというようなことを言つて、注意されたことはあるのですか。
○倉石證人 注意というほどでもないが、それは毎日控室で会つている友人ですから、どうもいろいろな噂があるね、だからみんな氣をつける方がいいねくらいのことは、淵上君だけでなく、われわれ同僚代議士はときどき話しておりました。
○梶川委員長代理 淵上君はどう言つておりましたか。
○倉石證人 別にそういうときの控室の雑談の返事まで覚えておりません。
○梶川委員長代理 それでは淵上氏が深津玉一郎氏と二人で、実はきのうあなたから、もらつたりしているそうだがと注意されたことについてとそんなことはないと言つておつたが、実はあれはほんとうなんだ。しかし黙つておつてくれぬかというふうなことを、あなたに淵上氏と深津氏と二人で話されたことはないのですか。
○倉石證人 それも大して自分に関係のある問題でなかつたものですから、今日の記憶ではあまり明確でない。
○梶川委員長代理 そういうような記憶は全然ないんですか。
○倉石證人 淵上君がそういつたような話をしたということは記憶にあるけれども、どの程度に具体化したものであるか、今明瞭に記憶がないのですが。
○梶川委員長代理 それでは淵上氏が、自分らがもらつておらぬので、ひどいのは植原さんなんだ、自分らのところに五十万円出されたら、その金包みを持つて植原さんは帰つてしまつたのだということを、あなたに話したことはないんですか。
○倉石證人 植原さんとか何とかいう名前がその時出たか、私今日は記憶しておらないのですが、その龍名館という名前も檢察廳に行つて初めて氣が付いたようなわけで、それほどまでに深く淵上君に突込んで聞いておらないものですから、今は記憶は不明確ですけれども、もつと前に私が聽かれておればもつと正確だつたかもしれませんけれども……。
○梶川委員長代理 しかし淵上氏から自分たちに五十万円くれたのを植原氏にさつさと持つて行かれてしまつたということをあなたはお聞きになつた記憶はあるのでしよう。
○倉石證人 五十万円という金額は全然私は記憶ないんです。
○梶川委員長代理 どういうのが御記憶ですか。
○倉石證人 私と淵上君と話したことは今そういう金額を、そうしてどこでどういうふうなことが行われたのだというようなことを、私に淵上君は言つたかもしれませんけれども、私は今のところ明確な記憶はないのです。
○梶川委員長代理 それでは平井義一氏があなたに國管案問題で自分には二千円しかくれない。ほかの者には五千円から一万円やつておる。けしからぬ、それで一例をあげても淵上氏との間にでも三千円の差をつけておるというようなことを憤慨してあなたに話したことはないんですか。
○倉石證人 淵上君との差が三千円とかいうことは記憶がありませんが、実は平井君という人は有望な若い代議士だと思つておるものですから、私は親しくしておりまして、平井君にも身体に氣をつけ給えということを、あの当時言つておつたのです。そうしたらいや心配してもらわなくてもいいと言うて、そのときに、おれは暫くまた九州に帰ると言うので、何だと言つたら調査に行くんだ、それで党でこんなものをくれたと話しました。そのときに冗談にそういうことは言つたかもしれませんけれども、党で調査費をくれたという話を私にしておりまして、あるいはそのときに、今委員長がお読聴けのような会話が取り交されたかもしれませんけれども……。
○梶川委員長代理 くれたというのはいくらもらつたと言つておつたですか。
○倉石證人 私にはそのときはつきり言つておりませんでしたけれども、私は二千円と聞いた……。
○梶川委員長代理 二千円とあなたは聞かれた。その金はだれから受取つたと言つていましたか。
○倉石證人 党にはいつたものを党でくれたと言つておりました。
○梶川委員長代理 それは当時の自由党の事務所でくれたのですか。
○倉石證人 そこまでは突込んで確めませんでした。
○梶川委員長代理 これは平井氏とは別問題ですが、ほかの人にも二、三十名くれたようにお聞きになつたことはいんですか。
○倉石證人 さあほかの方のことはあまり聞いておりません。
○梶川委員長代理 大瀧氏にそういうようなことを話されたことはないんですか。
○倉石證人 あまりはつきりしておりません。
○梶川委員長代理 自由党の事務所で植原氏から二、三十名の者に現金を渡したというようなことを話されたことはないのですか。
○倉石證人 植原氏から現金を代議士に渡したということを申したというような明確な記憶はありません。
○梶川委員長代理 本田英作氏からそういうことを聽かれたことはないんですか。金を五十万円受取つたということを……。
○倉石證人 私自身はございませんでしたけれども、あとで大瀧代議士から聽きました。
○梶川委員長代理 大瀧氏からあなたがそれを聽いたんですね。この五十万円か何かわからないけれども、相当の金を持つてまいつて、その金の残りを植原氏はさらに大野伴睦氏に渡したというような話をあなたは聽かれたんですか。
○倉石證人 私からですか。
○梶川委員長代理 あなたはそういう話を聽かれたんですか。
○倉石證人 どなたから。
○梶川委員長代理 ほかの人から。
○倉石證人 知りません。
○梶川委員長代理 淵上氏からもそれは聽かないですか。
○倉石證人 聴きません。
○梶川委員長代理 植原氏からも。
○倉石證人 植原氏から当時の大野幹事長に渡したということですか。
○梶川委員長代理 そうです。
○倉石證人 聴いておりません。
○梶川委員長代理 それとまた別ですが、民主党にも相当の金がばらまかれたようで、民主党の代議士の志賀健次郎という方が、私に麻生氏から吉田茂氏の手を経て幣原氏に多額の金が渡されたそうだけれども、その金を田中萬逸氏が民主党内へばらまかれた事実を知つているというように話されたことはありませんか。
○倉石證人 私は民主党の志賀代議士とは知り合いでありませんから、そういう話を承つておりません。
○梶川委員長代理 大瀧氏からそういうことを聽いたことはありませんか。
○倉石證人 ありません。
○梶川委員長代理 じやあなたは石炭國管問題に関して調査費にせよ、何にせよ、あるいはその他の費用にしても、費用をもらつたということはないですか。
○倉石證人 私自身ですか、ございません。
○梶川委員長代理 ほかに何も御馳走になつたというようなこともございませんね。
○倉石證人 ありません。
○梶川委員長代理 あなたは石炭國管法案には反対であつたけれどもそのほかに関係はないというわけですか。
○倉石證人 そうです。
○梶川委員長代理 何かほかにありますか。
○小松委員 証人の弟さんの都川さんという方は、炭鉱業者ではなくて、炭鉱会社にお勤めになつておられるのでありますか。
○倉石證人 そうなんです。
○小松委員 あなたがお会いになつたというときは、國管問題反対のために、弟さんが上京されたときにお会いになつたんですか。
○倉石證人 弟はそんなえらい位置じやないんでして、大学出て何年か経つて、今労務係でありますから、そんな反対運動に來るほどの上役じやないわけです。
○梶川委員長代理 その反対業者の随員か何かで來られたのではないですか。
○倉石證人 そうではないんです。御承知のように石炭鉱業連盟というものは、あの当時全石炭と全炭労との協約改訂時期でありまして、その労務の主任をやつていたものですから、協約改訂のためにしよつちゆう東京に來ていたわけです。東京へ來ますと、私の家へ一晩ぐらい泊るわけです。
○小松委員 それではなおお尋ねしたい。あなたは先ほどの証言の中に、弟さんが石炭國管問題についてはいろいろ世間からうるさい噂が飛んでおるから、深入りをするなと言つたという御証言でありましたが、そのお話の意味をあなたはどういうぐあいに解されたのでありますか。
○倉石證人 私はその当時、先ほど申しましたように、小松さんもお聽きになつたでありましようが、廊下でいろいろそういうような噂がたくさん飛んでおりましたから、ははあそういうことだなと、こういうふうに解釈しておりました。
○小松委員 そうすると金銭授受が行われたり、あるいは政治家に対する饗應、そういうようなどうも思わしからざる運動が行われておるから、そういうものに深入りするなと御注意があつたと、あなたは解釈するのですね。
○倉石證人 そうです。
○佐竹(新)委員 一点お尋ねします。先ほどから委員長が御証言をとられたが、どうも頭が悪いからはつきりしない。今檢察廳の調書を見ますと、具体的に調書ができておるのですが、あの調書に、出所は平井さんに聽けばあなたから聽いたと言い、あるいは大瀧氏から聽くと倉石さんから聽いたと言われるのですが、あなたはどこから聽かれたのたのですか。
○倉石證人 それは噂はたくさん飛んでおるのですから、皆さんもどこからともなくお聽きになつておるだろうと思いますが……。
○佐竹(新)委員 噂はあつた。噂がかなり具体的になつていることは、大瀧さんもだれからか聽かなければ、檢察廳へ行つてもそういう話はせぬだろう。あなたがその噂を一つにまとめられて大瀧氏に話された事実はないのですか。
○倉石證人 まとめられたというのはおかしいですが、私も檢察廳のあれを拝見しました。けれども、私は檢察廳に出頭して読み聽かされて、そこへ調印をしてきたのではありません。私は実は先ほど申しましたように、この國家管理案の問題で議会が紛糾したことによつて迷惑を受けておりますから、もしこんなことで金銭的なスキヤンダルが國会の中に行われておるならば、何人も断じて糾弾しなければならないという信念は未だにもつております。そういう意味合いにおいて悲憤慷慨して話した事柄が、檢察廳へ行つてみて一通りの文書になつておつたわけです。ですから……。
○佐竹(新)委員 そうするとこの噂の出所は、あなたが出されたと解していいですか。
○倉石證人 そうじやない。
○佐竹(新)委員 だれか出さないと大瀧さんも話されない。あなたはどこで聽いたか、もとを尋ねておかないといけないので、ぼくは尋ねておるのですが、あなたが國会の中でそういう噂か何か飛んでおつた。そういうのをつづめられて大瀧氏に話されて、その大瀧氏が話されたことが問題になつた。その噂の出所はあなたがつくられたのですか、またあなたがだれかにお聽きになつたのですか、それを問うておるのです。
○倉石證人 それは今申しましたように、噂というものはすでにたくさん飛んでおつて、ほとんどお聽きにならない方はないでしよう。そういう噂を私は、こういう噂があつて、実に困つたものだと慨嘆しながら語つたということなんですから、私がそういう噂をこしらえるはずはない。
○佐竹(新)委員 だからこの問題に関する限り大瀧氏に話されたのはあなたで、あなたは要するにそういう噂を一つのものにまとめられたかどうか、こう言うのです。
○倉石證人 まとめられたということになると、戲曲のようになるのではなはだ困るのですが、断片的に話はたくさん傳わつておるのですから、そういう噂を聽いたが、実は不愉快なことだ、われわれの選挙区からもあなたはあの國会の紛糾したときに懲罰などになつておられるが、こういうふうな忌まわしい噂があるが、まさかそういうことには関係ないのでしようねというようなことをしばしば言われるので、実に困つた、というような事柄が会話として行われたのであります。
○佐竹(新)委員 証人をお忙しいのにここに喚問してきていただいて証言を求めるということは、こういう問題のために求めたのであつて、大瀧氏もそう言つておつたし、またあなたが大瀧氏に話された、そういうことで一つの噂話をしたのだということになれば、それまでですが、どうなんでしよう、この問題に関する限りにおいてあなたが話されたのでしよう。
○倉石證人 大瀧君は私以外だれからも聽かなかつたかどうか、それは私は知らないのでありますが、私は大瀧君とは今のような噂話を取交わしたということを、確認いたすことは差支えないと思います。
○佐竹(新)委員 了承いたしました。
○石田(一)委員 今の佐竹君の質問ですが、では私は具体的にお聽きいたします。大瀧氏は檢察廳で取調べられたときに、申し述べられたこと、また先ほどここで申し述べられたのは、倉石君から植原氏はとにかく五十万円業者からもらつたというようなことを聽いたと言つている。あなたはその根拠が噂であろうとどうであろうと、大瀧氏に対してあなた自身が、植原氏が五十万円受取つたということを話したかどうか、これは重点的な問題だと思いますが、御記憶はありますか。
○倉石證人 さつき委員長にお答えしましたように、五十万円というのは、全然私の頭の中に今でも残つておらないことなんです。噂が五十万円ということになつておつたものだから、その噂がそういうふうにかたまつてきたのだろうと思います。
○石田(一)委員 今大瀧氏が初めのうちは記憶が明瞭でなかつたのですが、終りになつて、はつきりと五十万円ということはここで明言した。それであなたが具体的に大瀧氏に、植原氏の五十万円ということをはつきり言つて話したかどうか、これが重点的な問題だと思います。
○倉石證人 五十万円という金額のことについては、今でも私の頭の中に明瞭でないのです。ただしかし、噂がみんなそういうふうに立つているから、その通りにでつち上げられたのだというふうに私は思つております。
○石田(一)委員 そうするとそのときの記憶は、五十万円だつたかどうか、金額ははつきり知らないけれども、植原顧問が受取つたとお話になりましたか。
○倉石證人 その受取つたことをお話になりましたかいうお尋ねでありますが、受取つたのは、私は見ていたのでないから、そういう噂があつて実に不愉快な話だ、こういうことは慨嘆にたえないことだ、と言つて話した、こういうことなのでございます。
○石田(一)委員 ではそのときに、金額はいくらいつたか、わからないということですか。
○倉石證人 私はその金額などは自分が知らないのですから、申しておらないと思うのですが、今明瞭な記憶がないのです。
○石田(一)委員 そうすると、一方の証人ははつきり覚えていて、五十万円に違いないといつているのですが……。
○倉石證人 私もこういう所へ証人に喚ばれる、あるいは檢察廳へ喚ばれて聽取書をとられるのだということが初めからわかつておれば、もう少し頭の中にしつかり入れておいたのですが、こういう控室の大勢いる所で、しかもあのごたごたの最中のことを一々ここでつつこまれて、あなた自身に照合されて、そういう詳しいことを覚えておられますか。
○石田(一)委員 私に聽いてもらわなくてもいい。檢察廳にはあなたはこの金銭の額についてはお述べになつていないのですか。
○倉石證人 述べておらないと思うのです。実は五十万円という金額のことがどこから出てきたか、未だにどうもはつきりしないのです。
○石田(一)委員 ただ私たちが疑問に思うのは、大瀧氏が明確に記憶を喚び起して答弁なすつた。しかもあなたの方では全然金額については言つていない。こういうことになると何だかまた妙な食違いが出てくるのではないか、こういうふうに考えますので、一應そういう噂なら噂を取上げて、その際五十万円という金額がはいつておつたかどうか、こういうことを聽きたかつたのです。
○倉石證人 そういうことを申したかもしれませんが、ただいまのところでは明確な記憶がないのです。
○石田(一)委員 わかりました。
○徳田委員 あなたが檢察廳で話されたものを、これは檢察廳がメモしたものでしようね。四月十七日となつておるのですが、どうですか。
○倉石證人 目は記憶しておりませんが、先ほど申しましたような経路で……。
○徳田委員 供述要旨となつておりますが、メモしたのでしようね。
○倉石證人 何か書いておられたようでした。
○徳田委員 それに違いありませんね。
○倉石證人 ありません。
○徳田委員 これは、あなたにもう一遍読んで、これで差支えないか、あなたに確かめたことがありますか。
○倉石證人 ありません。
○徳田委員 ただ向うの心覚えで書いただけなんですか。
○倉石證人 心覚えで、ちよいちよい鉛筆で書いておいでになりまして、それで、きようここへ來られたことは都合があるから何人にも漏らさないでおけというお話でありまして、そのまま帰つてきました。
○徳田委員 この内容についてはあなたとしては信憑のできるものですか。あなたは確かにこれはこういうものであると言つてやつたのですか、どちらですか。
○倉石證人 それは、さつき話しておりますように、断片的に、檢事側から出たともなく、私の方から話したともなく、ともかく私が行きましたときにはすでに私に聽かれるべき要点は向うにあつたらしいのです。ですから、それについてどちらから話があつたともなしに、そういつたような私の記憶をたどつて大瀧氏に話したことを繰返したというのが眞相です。
○徳田委員 それは眞相でしようけれども、その眞相なるものが信憑すべきものであるか。これはあなたとしては全然信憑すべからざるもので、檢事局があなたの言つた断片をただ綴り合わせてこういうものにしたので、これは信憑力のないものであるとあなたが信ぜられるかどうか。この点をはつきりしたい。
○倉石證人 信憑力があるかないかということはむずかしい問題ですけれども、さつき申しましたように、いろいろあつちからこつちからお話を願つているその間に、そういうものをおまとめになつたのだと思います。
○徳田委員 それはいいのです。少くともあなたは堂々たる長野縣選出代議士でありまして、いやしくも相手は檢事である。検事に話をするのに、自分が確信をもつて、これは信憑さるべきものであるという考えがない限り言わないはずです。檢事に言えばむろんこれは問題になる。あなたの党、またあなた自身にいろいろ迷惑がかかるべき性質のものであるから、從つてこのことに関して自分が確信もないのにただべらべらしておるうちにべろんとこうなつたというだけではいかぬと思いますが、この点はどうですか。
○倉石證人 私は、今申しましたように、よそで行つた会話がもとであるのでありますから、その会話が今の取調べを受ける基礎になるべきものだというような考え方であれば、噂話などはしなかつたかもしれません。けれども、その当時傳えられた噂を当時はお互いに同志でありましたから、話合つて、実に困つたことだということを話したのでありますから、こういう話はしたことはないかと言われれば、こういう話はいたしました、こういうことをお答えしたのであります。
○徳田委員 そうするとこれはこうなりますね。大瀧君が最初に聽かれて、大瀧君が言つたものだから、大瀧君でもこうやつて話しているのだが、これはお前言うたのか言わないのかと言われたものだから、いやこれは大瀧君に言いました、とこう言つただけなんですか。そういうことになりますね。
○倉石證人 向うでは大瀧云々ということは言いませんでしたけれども、要するに、どつちから話があつたともなく、いろいろお聽取りがあつたということなのであります。それで、いよいよそれならばここで今から調書を書くから判をつけということになつて、私が証人に喚ばれたとか、被疑者の立場で喚ばれたとかいうことになれば、それはそのつもりで判をつく感じがあつたでありましようが、きようはこういうようなことでお尋ねしたいのでありますというようなことで、どつちから話が出たともなく、雑談的におやりになつてメモをおとりになつたのでありますから、私は私の述べたことの責任を回避するのじやないが、今それを記憶を呼びもとしてどうこうと言われても困るということなんです。
○徳田委員 それは困ろうが困るまいが問題ではない。要するに、あなたはこのことに対して、大瀧君が話したから、お前大瀧に話したじやないか、だからこれはこうだろうと言われたというのなら話になりますけれども、そうじやなしに、大瀧君とは別に、あなたが話をして、そうしてこれを書かれたというならば、あなたがこれは信憑力なしに言うておるとはどうしても考えられませんが、この問題が重大だと思うのです。
○倉石證人 信憑力についてはおのずから見る人によつで見解が違うだろうと思うのでありますけれども、私は、先ほど、申したように、噂話をしたのでありますから、それをさらにもう一遍檢察廳に喚ばれて聽かれた、こういうことなんです。
○徳田委員 それならば、この問題は、あなたの言つておるのは噂話だけですね。それ以外にありませんね。
○倉石證人 いや、今の平井君のような、直接私が会つた話もあります。噂話だけということではないと思います。
○徳田委員 しかし、これを見ますと、噂話ではないことははつきりしております。この点をひとつ私はつまんでお話申したいと思いますが、こういうことを言つておりますね。あなたが、この金をばらまいたということを話して、龍名館へ行つて金を持つてきたことがあるというがどうだ、ということを淵上君に会つた際にあなたが難詰した、と書いてある。こういうのは噂ではありませんね。難詰したという事実をあなたは認めますかどうですか。
○倉石證人 それはさつきの委員長へのお答えで盡きておると思います。淵上君に会つたことは申してありますから。
○徳田委員 委員長は委員長、私は私です。難詰したとある以上は、これは事実であつて、噂話じやないと思いますが、どうですか。あなた自身の行動についてあなたが語つておる。
○倉石證人 そういう噂があるから――難詰というのは、そこのところが、私が聽取りをとられて、そうして難詰したというふうになつておるのですけれども、それは私が書いたものじやないのですから、難詰という言葉はおかしいのでして、同志の間でこういう噂があるからお互いにからだに氣をつける方がいいよという話はした、ということを申し上げたのです。
○徳田委員 話をしたということは事実ですね。
○倉石證人 そうです。
○徳田委員 そこは問題でない。さて、これについて、淵上は、深津玉一郎とともに私の所へ了解を求めにきた、同人は昨日は否定しておいたが、実はあなたの指摘した通りで、五十万円もらつてきたことは間違いなし、しかしどうか憤慨しないでもらいたい、金は植原氏が持帰つてしまつて、自分たち二人はもらつてきてはいないのだ、実は龍名館で一杯飲んだときに五十万円渡され、自分たちが一應受取つて、帰りに持つて帰ろうと思つてその大きな金包みを側に置いたが、植原が一足先に帰つた際に、自分たちには何も言わずに、さつきと金を自動車に積んで帰つてしまつたとこもごも語つた。どうです。これは噂ではありますまい。どうですか。
○倉石證人 それはさつき委員長のお尋ねにお答えした通りでありまして、そういうことは今当時の記憶を呼びもとして、その通り確認するかと言われると、実は困るんで……。
○徳田委員 それは困ります。だれだつて困らぬ人はないですよ。
○倉石證人 私の困るというのはあなたの解訳される困るのではなくて、私はさつき冒頭に申し上げましたように、どの政党に所属する人であつても、國会の議員のもつている審議権を金で賣るようなことがあつたら徹底的に糾弾しなければならないことは未だに信念が変らない。
○徳田委員 そうだ。それでその信念で糾弾しなさいというのです。
○倉石證人 その信念は変らないが、國会のこの不当財産取引調査特別委員会において、今どうかということを尋ねられたときに、明確な記憶のないのを記憶を呼びもとして、その通りか、その通りかと言われるのは困る。しかし私がさつき申し上げた通り、檢察廳で雑談的に申し上げたことがその文章になつておるのは、私の申したこととその通り全部百%合つておるかどうかは別問題として、そういうことをお話したかもしれません。しかし現在は、今そのままもう一遍そのおさらいでここで述べてみろと言われるのは困るというのです。
○徳田委員 そういうのじやない。あなたはしきりに噂々と、噂が飛んでおつた。それを私は話したのだ。こう言われるから、佐竹君がうわさを集めてそれを一々操作して、これをばら撒いた火のもとはあんたですかと言われるから、そういう噂じやなくて、ここは事実を語つているじやないかというのです。あなたの行動自身、淵上君の行動自身を具体的にここに事実として指摘しておるじやないか。これが事実ですか、それとも噂ですかと聽いておるのです。
○倉石證人 ですからそれはさつき申し上げましましたように、今明確な記憶をもつておらないから、ここで今その通り述べろと言われても困ると言うのです。
○徳田委員 いやその通り述べろとは言いません。これは事実ではありませんか、これを噂だと言われますかというのです。
○倉石證人 それは噂ではないでしようが、今明確な記憶が残つておりません。
○徳田委員 こういうことが噂でないとすれば、文字通りではありませんが、こういう趣旨のことをあなたが檢事に話されたことは事実ですな。
○倉石證人 それはさつき私が申し上げたように私が行きましたときには、こちらに聽くべき事柄は向うに準備してあつたようです。私はそれを見たものでないからわかりませんけれども、すらすらといろいろお話になりましたから、それでその点に対して肯定すべきところは肯定し、記憶のないところは記憶がない。こういうふうにお答えしてきた。
○徳田委員 そうすると、このことは向うから誘導したのですか。
○倉石證人 誘導というのとは違うと思います。
○徳田委員 あのときにあれがこう言つた、そういう事実があつたそうだがどうだ、こう誘導したのですか。これは檢事の人権蹂躙ですから問題です。
○倉石證人 具体的にその当時の話をもう少し詳しく聽かしてくれ、こういうお話であつたもので、その当時の話というのはこんなような話ではなかつたかということをどちらからお話になるともなしに、向うから誘導したこともあり、それのまとまつたのがそういう文章だと思います。
○徳田委員 そうすると、こういう事実のあつたことは認めますか。
○倉石證人 事実あつたことかと今どうこう言われても、記憶が薄らいでおつて明確でないのです。
○徳田委員 そうすると認めないのですね。これは記憶が薄らいでおるのでなくても大事なことです。そうしてこれは檢事に話していることなんです。雑談ではないのです。こういう事実はあなたの行動の中にあるのですから、噂ではありませんね。噂ならそれは忘れたかもしれないし、聽き流しをしたかもしれない、また不明確であると言つてもよいのです。ただ普通の雑談で言うならば自分の行動だつて不明確であつてもよいのですが、相手が檢事なんですから。何事であろうと檢事というものは人をつかまえるのが商賣なんです。そのときにあなたは不注意に事実がないものまでも言うことはないだろうと思う。それにしても淵上君に話をして、淵上君がこれを数日経つて答えた、ほんとうはこうだ、実はこういう内容をもつておるのだということを言われたが、その事実はあなたとしては全然覚えがないという。覚えがあるのなら薄らいでいてもよいのです。薄らいでいても記憶は記憶、明確にきちんとしていても記憶は記憶、薄らいではいるがこういうことが大体あつたというならば問題は解決するが、そうではなく、全然これはでたらめだ、記憶がないと言えばこれで片ずくのです。いずれか一つ御答弁していただかないと、証人としても困るし、不当取引委員会としても困るのです。
○倉石證人 今当時のことをこまかに言えということだと記憶がないのでありますが、檢察廳のそれがどういう文章であるか、ともかくも私が一應述べておることは……。
○徳田委員 大体その通りですな。
○倉石證人 そういう趣旨のことをお話していると思います。
○徳田委員 そうするとこれは事実ですな。事実をあなたはお話になつたので、噂をお話になつたのではありませんな。それでよいのです。
○鍛冶委員 最初証人から聽いたことですと大抵私はのみこめるのですが、今徳田君からの押問答を聽くと、かえつてのみこめぬことになるので、いま一遍繰返して承ります。淵上君との話では金額、場所等は覚えておらないと言われたのですね。
○倉石證人 そうです。
○鍛冶委員 それから大瀧君には議会における廊下の噂話をしたにすぎなかつた、これも間違いありませんね。座談としてそのことを檢事局で聽かれたのでしよう。そうするとあなたの言われることは議会の廊下における噂話を檢事局において話したにすぎないではありませんか。
○倉石證人 そうです。
○鍛冶委員 その噂話をしたことが現われているのはあなたの責任ではないので、それは檢事がどう思つて書かれたかは別であるが、話としてはそういう噂話をしたにすぎない、こう私は了解したのですが、間違いありませんか。
○石田(一)委員 今の委員の質問があり、また前に徳田君の質問もありましたので、私からも聽いておきますが、これはたいへんな問題だと思います。要するに淵上君に会つて、お互いにからだを要心しなければいかぬと言つたが、そういうことはないと淵上君が言つた。数日経つて、翌々日かなにかに淵上君と橋上君と來て倉石君本人に、実はせんだつては否定したけれども、業者の方からおれは五十万円もらつてるんだ。しかしこれを世間に言われると困るんだ。どうぞ内緒にしてくれと言われたことは噂でも何でもない、廊下の立話とかいうようなことではなく、倉石君本人がこのことを淵上君から聽いたかどうか、聽かないのに檢察廳でおつしやつたのか、それが大きな問題であつて、この点をはつきりしてもらわないと、何だか今の鍛冶君の言葉では全部噂のようになりそうですから、その点はつきりしておいてください。淵上君からこれこれをお聽きになつたか、金額も場所のことやそういうことをお聽きになつたか。
○倉石證人 どうも私はものを言うことが下手な方ですから、先ほどからお答えしていることで、今の御質問は明確にお答えしてあると思うのです。
○梶川委員長代理 さつきの鍛冶委員からの話でははつきりしない。こう言われるのですからやはり明確になるまで、よくわかるように証言してあげてほしいと思うのです。今の石田君の御質問に御証言願いたいと思います。
○倉石證人 今徳田委員の御質問にもお答えしましたように、檢察廳で私が述べたという事柄を否認する意思はありません。しかし今ここで明確に当時の記憶を喚び起してどうかということを言われても、それは時間が経つているから、あまり記憶が不明確だからここで申し上げることはお許しを願いたいこういうのです。
○石田(一)委員 檢察廳で申し述べたことは否認しないとおつしやるが、あなた自身は檢察廳でこもごも雑談の形でやつた、ただそれのメモをとつてきて、これに間違いないかと最後の調書を見せられて自分が認めて捺印したものでもない、こうおつしやるのですから、檢察廳で何をおつしやつたかということは、あなたが是認なすつてもわれわれの方にはわからない。ただ檢察廳側から取寄せた資料によると、あなたが淵上君に二度目に会つたときに、先日否定したけれども実は五十万円ほどもらつているのだ、どうぞ怒らないでくれ、これはほかの人にも話さないでくれ、問題になるからということをあなたが直接お聽きになつたとあなたはお述べになつているはずなんです。それが事実かどうか、この点をお聽きしている、この事実がありましたか。
○倉石證人 先ほどお答えいたしましたように五十万円ということは、しばしば申しているように記憶がないのです。そのあとのことをさつきから言つているように、どういうところでどういうふうなことで言われたという記憶が明瞭でないのですから。
○石田(一)委員 これは私個人的な感情を離れて申しますが、あなたが今ここでおつしやつているその証言ぶりは、少くとも私の見解では何事をも黙祕せずと最初に宣誓なさつた黙秘の中に含まれると思います。もしあなたがこの点について檢察廳でこうしたことを申し述べていて、この委員会では何だか口を濁して眞実を語らず、黙祕しているということを私は非常に印象づけられるのですが、私は個人的な感情を超越して、もしあなたがそのままのお言葉であるならば――脅迫でも何でもありません、私は委員長にただちにこれは証言を黙祕しているものとして処置してもらうということを諮りたいと思います。
○倉石證人 私は非常に今のお言葉をふしぎに思うのですが、黙祕しているということをおつしやいますけれども、ここで宣誓をして、そして私の口から申し上げるには今間違いのない何月の幾日ごろ議会のどこの控室のどういうところでどういうふうなことを言われたというふうに正確なる証言をするのが私は証人の職務だと思うのです。それがきわめて不明確になつてきているので、いいかげんなことをここで証言して、皆さんの捜査に支障を來すようなことがあつてはいけないと愼重にしているわけでありまして、黙祕なんということを言われるのははなはだ心外です。
○石田(一)委員 そうすると淵上君にお会いになつてお話になつたということも、記憶が不明瞭でよくわからぬとおつしやるのですか、場所も要りません、時間も要りません。ただ淵上君に会つて――金額の点も明瞭でなくても結構です。聽いて悪いとおつしやるなら、ただ淵上君に、今檢察廳の資料によつて徳田君あたりが読み上げたあの事実を――時日も要らぬ。時間も要りません、場所も要りません。金額も不明瞭で結構です。ただそうした事実をお認めになるのかお認めにならぬのか、淵上君がほぼそういうことを言つた事実があるかどうか、これだけで結構です。
○倉石證人 私が淵上君に――淵上君ばかりではない。ほかの人にも当時親しい同僚に申しておつたのですが、いろいろ悪い噂があるから、お互いに氣をつけましようと、さつき申した平井君などもその一人なんですが、そういうようなことを申して、それで淵上君は、いやありがとう、ありがとうと言われておられた。その程度のことはよく今記憶が残つておりますけれども、その以外のことを正確にここで記憶しておらないのであります。
○石田(一)委員 そうすると今おつしやつた程度のことで、それ以外のことは事実を忘れたとおつしやるのですか。お認めにならないのですか。
○倉石證人 忘れたわけなんです。
○石田(一)委員 忘れたとおつしやるのですね。要するに今徳田君が檢察廳からの資料によつて読み上げられたいわゆる淵上君の言つたことは今記憶がないとおつしやるのですか。
○倉石證人 どうもぼんやりしておりまして、正確なお答えをする段階にはいつていないために……。
○石田(一)委員 正確でなくてもいいのです。金額はなくてもいい、ただそういう意味合いのことを言つたかどうかということを聽いておるのです。
○倉石證人 どうもその点きわめて不明瞭なんです。
○石田(一)委員 とにかく私は先ほど言つたように、委員長に申し上げます。私は証人が何事か黙祕しておると認めますが、この点について委員長がどういう処置をとられるか、ちよつと委員長の見解を聽きます。
○高橋(英)委員 ……。
○石田(一)委員 ただいまのことを採るのか採らぬのか、僕は委員長にどういう処置をとるかといつておるのに、それに対して何ですか。
○梶川委員長代理 石田君のあれにつきましては、これが終りまして理事会に諮つて討議し、その取扱いをきめたいと思います。
○石田(一)委員 それをなぜ提案したときに答弁しなかつたのですか、不合理です。
○高橋(英)委員 倉石君の檢察廳の供述要旨というのを見ますと、先ほど倉石君も言つておりましたが、難詰するとか、翌日また謝罪に來るとか、それからこれを黙つておいてくれとかいうようにまるで反対党の立場にある人が聞き直つていろいろ話をしたというふうに聞えて、どうもそれがほんとうではない、よほど証人が誇張して檢察廳で言われなければ、ああいうような言葉が、同志中に取交された言葉としてわれわれは信ずることができない。今石田君からの質問がありますように、淵上君と石炭國管の時代には毎日ぐらい顔を合せておられたはずなんでありますから、石炭國管の問題でしじゆう話をされておつたと思うので、それについて記憶がこんがらがつておるというようなことになるのではないか、その点特に他党の人にわざわざ面会に行つて、何月何日ごろの、いつどこで会つたというふうな明確なものではないのかとどうか。その点の同志に対するものと、反対の立場にある人に対する違いと、そうして毎日会つていたのかいないのか、石炭國管の問題のごときも重要な問題ですから、常に会つたときに話をしておつたかどうか、殊に淵上君は、主として石炭國管の委員として奮闘しておつたように思います。その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○倉石證人 今の御質問ですが、私は淵上君とは割合に親しい方でありまして、殊にあのときは委員会で非常に紛糾していた当時でありますから、きようはだれがどの程度の質問をしたのだとか、きようの審議経過はどうであつたかというふうなことについては、始終淵上君とは話し合つておりました。
○梶川委員長代理 ほかにありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○梶川委員長代理 最後に一つ念のためにお尋ねしておきたい。それは大瀧氏にあなたがお話しになつたのは、大瀧氏の方は、大瀧氏の宅でと言つておられるのですが、その点はいかがですか。
○倉石證人 先ほど申しました革新会という人々がよく大瀧君の家へ集まつておりまして、私もそのときに、大瀧君の家に行つたときだ、そういうふうに記憶しておりますが……。
○梶川委員長代理 よろしうございます。それでは終ります。 なお先ほどの石田君の件につきましては、明日十二時から理事会を開き、午後一時から本委員会を開くことにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会