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3回国会衆議院1948/11/26

農林委員会 第10号

発言数
65
登壇者
10
会派数
3
開催日
1948/11/26

会議録

坂本實民主自由党

○坂本委員長 ただいまより会議を開きます。  本二十六日参議院より送付されました。畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会が馬匹組合又は都道府縣から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案、内閣提出参議院送付第二一号及び家畜市場法を廃止する法律案、内閣提出参議院蓬付第二二号を一括議題に供します。永井君。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 畜産局長に酪農業の経営に対する基本的な当局の態度を樹いたいと思うのであります。太陽の光線の恵みの少い地帯は、その恵みの少いだけ反比例して、土地の條件というもの、土地の力を増強して行かなければならないということは、議論の余地がないのであります。従つてその地力の増強の上に立つて亜寒地帯の寒地農業といヶものが合理的に経営される基礎的な條件が具備されるわけであります。從うて北海道等におけるところの農業の基礎的な基盤というものは地方の増強である。地方の増強のためには、その農業経営の中に家畜を入れて行かなければならないということになるのでありまして、その面からしてそういうかけ声だけはあるのでありますが、北海道八十年の開拓の歴史の上において、今日牛馬百万頭という目標が置いてあるが、そういう目標がどういう実態に現在置かれておるかといえば、牛はだんだん減つてしまつて五万頭内外しかない。馬なんかもだんだん減つて行く傾向にあつて、逆な方向にあり、しかも戰後における北海道農業の行政というものは、開拓をし、土地改良をし、そうして生産の増強をはからなければならぬ。ころいう条件にあるにかかわらず、実際の具体的な動きというものは逆行しているという状況にあるのでありますが、これに対して、畜産局長はどういうふうに考えておるか、そういう欠陷がどこにあるか。その欠陷に対してどういう措置を今後とろうとするのか、それを具体的にお伺いいたしたい。

平田左武郎農林事務官

○平田(左)政府委員 北海道の農業経営の根本が、特に寒地であるという点並びに地積の厖大な点よりいたしまして、農産を併用して、あるいは有畜農業と申しますか、畜産と農業との併用によつて土地の生産力を増大して参るということは、これは多年識者の通説となつているところでありまして、食糧生産の増強の上にも畜産を併用しなかつたならば、所期の目的を達しないということはお説の通りと存じておるのであります。ところで現状はさてどうなつているかと申しますと、やはりお述べになりましたように、畜産の振興上相当憂うべき事態になりつつあることも、これまた事実なのでありますが、結局その根本は食糧問題の窮迫のために、牛馬の飼料となるべき部分が供出面に迫られまして、その結果当然飼料雪てらるべき土地の利用という方面が食糧の方面に食おれて行くという実情にあるのであります。この点に関しましては、北海道を中心といたしまする酪農業の方々の切実な叫びといたしまして、畜産の振興のために、ことに酪農経営のことく飼料の要求の大きな面につきましては、あるいは飼料畑として土地の利用を畜産方面に確保するなり、あるいは濃厚飼料等の配給において、畜産の生産とリンクした飼料の配給をするようにという叫びが、一種の連動の形において展開されつつあることも、われわれ了承いたしておるのであります。それにつきまして農林当局といたしましても、かねがねそうした要望にこたえまして、あるいは飼料の配給、飼料畑の確保の点についても、時に通諜を発しましたり、あるいは牛乳の生産と飼料の配給とリンクせしめますために、牛乳一石に対して麦類三斗三升を地域的に配給いたすということも約束いたしておつたのであります。ところがそういう施策が今日まで食糧面に追われまして、ややもすればその実を伴なわないというような形になつておりましたので、それもやはり食糧の圧迫に基いてのことに起因しておつたのでありまするが、だんだんと今日におきましては先般御説明申し上げましたごとく、飼料の輸入の点につきましても、昨年は二千五百トン程度しか入らなかつたけれども、今後一箇年間の見通しといたしまして、少くとも十万トン程度は期待し得るような前途に希望を認め得るようになりましたし、從つて濃厚飼料のリンク配給の点についても、地区々々の時期におきましては若干のずれはありますけれども、大体において約束を果しておるというように、その方面の施策についても努力を重ねておるところもありますが、なお今後そうした施策をもつと確固たる基盤に置きまするために、酪農を中心といたしまする飼料との関連の部門につきまして、関係部局ともよく連絡をとりまして、耕作の確立に向つて目下対策を審議いたしておるような状況でございまするので、この点を了承願いたいと考えております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 畜産の振興については、農業の経営の面において、適当の飼料畑を入れて行くということはもちろん必要なことでありまて、その点が從來主食の作付割当の増強のためにそれが縮減されて、家畜の入らないような農業経営よりできなかつたということが原因の一つでありまして、これについてはただいま局長からお話のありました通りに、飼料畑の飼料は絶対確保することによつて、有畜農業の経営によつて狭少の面積からさらに主食の増産ができて行く、家畜が入らないことによつて、主食の生産が減退して行くのだ、こういう点にあるのでありますから、それはどうしてもがんばつて行かなければならないのであります。それも一つの原因でありますが、もう少し畜産局として、八十年の実績にかんがみ反省しなければならぬ点がさらにあると思うのであります。もら少し掘下げなければならぬ点がある、それは牛の飼育にいたしましても、從來のやり方は、酪農業と申しましても、牛の乳を主たる収入として農業経営の中に加算しておるのでありまして、乳價が高くなり、乳價と飼料との関係が採算のとれる期間は牛がずつと伸びて行くけれども、飼料と乳價との関係がアンバランスになつて來るとぐつと減つてしまう。こういうようなことであつて、農業経営そのものの中に家畜というものが消化されていない経営であつたがゆえに、そのときどきの経済上の條件によつて殖えたり縮んだりする。こういうことになつておるのでありますから、この点に対しては、農業経営の中に、乳價というものを考えにおかないで、そうして農業経営の中に牛を入れ馬を入れる。こういう経営の実態を確立しなければならないと思うのであります。問題はそこにあると思うのであります。そこで、ただ頭数がこれだけあるから酪農業が振興したというふうな、現象的な形体的な物の観察ではいけないと思うのでありますが、この点に対して畜産局長はどういうふうに考えておられますか。

平田左武郎農林事務官

○平田(左)政府委員 酪農業の発展の基礎としては、乳價が適当に安定して農業経営にバランスのとれたようなものでなければならないという御説に対しましては、これまた同感なのであります。牛乳の價格につきましては、いろいろ変遷を経まして、現在では金屋者價格として一合四円何がしになつておるのでありますが、ただこの点は、牛乳並びに乳製品は乳幼兒にとりまして一種の必需食糧主食とも見らるべきものでございます、特に都市におきましては、人工栄養ということがだんだんと多くなるに伴いまして、この牛乳の主食と申しますか、乳幼兒に対する必需性の度合ということもまたますます増加いたしますので、畜産農家とすればもちろん高かるべきを欲せられるのでありますが、都市の需要者としては、またそこに一定の限界がある。ちようど米價のような関係に立つ点があろうかと思うのであります一結局問題は、そらした両面を考察いたしますれば、両方に適当な價格にとどまらざるを得ないようなわけなのでありますが、さてその價格で牛乳生産着が引合うか引合わないかという問題のわかれ目は結局やはり飼料の問題に帰着するのではあるまいかと考えておるのであります。飼料の價格が他の食糧等と一定の均衡を得た價格で供給せられるということになりますならば、牛乳の價格においても、またそうした点よりバランスの得た價格、そうして需要者にもあまり迷惑のかからない價格、になり得ることと思うのでありますけれども、從來までは、飼料の供給量が非常に少くて、所要の数量を計画的に配給するというようなことも実は至難な実情に推移して参つたのであります。從つて牛乳の生産農家とされましても、この飼料の確保の上におきまして、所要数量を所定のルートによつて、所定の價格によつて確保するということが困難な事情がございましたがために、從つてそこに價格のむりな点も生じて來、從つて経営の困難ということが伴つて來たのではないかと考えるのでございますので、根本は、一定の牛乳生産に必要な飼料を適当な價格において配給を確保する方策を確立するということが、酪農経営の安定を期するキイポイントではあるまいかと考えておりまして、目下その方面について努力を重ねておる次第であります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 局長の話は私の質問と逆でありまして、私は、牛乳というものを主体にして牛を飼うから、乳價の上り下りによつて牛が減つたり殖えたりするのだ、そうではなく、むしろ、農業経営上牛といものが必要であるならば、乳というものを考えないで、牛というものを農業経営の中に入れて行く経営形態というものを確立しなかつたならば、ほんとうの酪農業というものは伸びて行かないのだ、寒地農業というものは確立されないのだ、こういうことなのであります。局長の言うように、牛乳の收入というものを主体にして牛を飼うから、從つて乳量を多くするために濃厚飼料をやらなければならぬ、濃厚飼料をやるから、今日のように飼料が高くなると引合わないということで牛が減つてしまう。こういうことで農業経営そのものがこわれて行く。こういうことになるのでありますから、そういう從來のような乳價を主にした飼育ではなしに、乳というものを考えないで、農業経営というものに牛というものを織り込んで行つて、農業経営というものを確立するような方向に持つて行かなければならぬ。そのためにはどうしても酪農家の生活様式というものから切りかえて行かなければならぬ。生活の中に溶し込んで行くと、牛というものが生活の中に溶けておるのでありますから、これは切離せない。でありますから、乳價が高くなろうと安くなろうと、農業経営の中で必要な中というものはぐんぐん伸びて行くのであります。從來のように、畜産は畜産として、牛は牛として、経営と切離して行く、そうして飼料というものは輸入飼料なり濃厚飼料なりでやつておるという経営をやつておるからだめなんだ、こういうのであります。そこで、たとえばサイロであるとか畜舍であるとかいうものに対しては、從來補助金をやつて相当な施設をしてやつておるが、乳價が下つて來たり、経営が成立たないで、それを遊休にして牛を捨ててしまう、サイロなりその他大きな施設というものがそのまま捨てて遊休施設になつておる。こういうふうな経営ではいけないのじやないか。もう少し掘り下げたところから畜産といつものを考えて行かなければならぬ。畜産局長のようなお考えだつたらだめだ。私はこう思うのでありますがその点どういうふうに考えますか。

平田左武郎農林事務官

○平田(左)政府委員 牛を取上げて考えてみますならば、農業経営上の結びつきにつきましては、ただいま御議論になつております乳牛の点と役牛の点と二つにわかれると存じます。乳牛につきましては、これは濃厚飼料の用度が非常に大なのでありまして、役牛に対して三倍、四倍というような濃厚飼料が必要になつて來るのでありますので、乳牛を專門とする経営につきましては、重点は生産する牛乳の方に置かれるということになつて來るかと思いますが、農業経営には乳牛のほかにさらに一般の役牛があり、その方面でありますならば、飼料の点におきましても比較的少量によつて、しかもその農業経営上の労力に畜力が役立つわけでありますので、そうして飼料につきましても、やはりただいまお述べになりましたサイロとかその他の利用によりましで十分に成立する形態があると存じますので、ここで問題は役牛を考える場合と乳牛を考える場合とにわかれて来るかと思いますが、何分にも今日までのところは、かつて百万トンを輸入しておりましたところの濃厚飼料の給源が、最近では年間数千トンに減少いたしましたがために、その打撃を最も受けましたものが、お説のことく飼料の需要度の一番高いところの乳牛になつた、こら考えられるのでありまして、この点につきましては、輸入飼料の増量というようなことと相まちまして、漸次昔の方向に向つての回復を期待して参りたいというふうに考えております。

平田左武郎農林事務官

○平田委員 内地方方面においてはただいま局長が言われたように、役牛がどんどんふえて行つている。乳というもののを対象にしないで、牛乳收入を考えないで、役牛がどんどんふえて行つているということ。それから北海道においては牛乳の收入を考えているがゆえに牛がどんどん減つている。この現実を局長は考えなければいかぬ。なぜ内地に役牛がどんどんふえて行つているかというと、農業経営の上に必要なる役牛として消化されて行くからふえているのである。ところが北海道においては農業経営がら浮いている。それは牛乳の收入というものを考えて、その上り下りによつて縮んだりふえたりする。こういうことになるのであります。そこでその乳牛というものを農業経営の中に溶かし込む、そしてそこから出て來る乳というものは壷つて收入を上げるというのではなくて、その牛の乳によつて農家の栄養を補給し、生活の中にそれを溶かし込む。バター、チーズをつくるなり、いろいろなものをつくつて行く。あるいは豚、鶏、その他の小家畜と結びつけて、いろいろな食生活にまで切りかえて行つて、その牛というものが農家の生活かう経営まで一切にわたつて溶け込んで行く。そういう基盤の上に牛というものが入つて行かなければ、牛というものはほんとうに育たないし、そういうことでなければほんとうの寒地農業というものは確立されないし、寒地に必要な畜産というものは立つて行かない。この点をひとつ掘り下げて局長はつかまなければいかぬと思うのであります。たとえば北海道における土地改良の面において、泥炭地開発などについても、今までのような表面上の水だけを拔いて、そうしてそこに客土して、その下の何尺か下つたところには水がどくどくしている。そういうところで農業経営をやる、そして泥炭地開発ができたいと思つているが一何年か経つと地方が減退して行く。ほんとうに泥炭地開発をやるなら何尺か下の水がぶよぶよしているその水を拔いて、ほんとうに浮き上つて來る土を大地につけて、そこに農業経営を確立しなければならぬ。それと同様に畜産なんかも寒地農業を確立するためには畜産は絶対に必要條件である。そういうものをどういうふうにして経営の中に密着させるかこういう考えに立つて畜産指導というものの考え方、またその方向というもの、その性格というものを確立して行く。ただ濃厚飼料を輸入して、飼料さえ與えればそれで畜産の経営はできるのだ、こういう上つらの考え方をしたのでは、何年経つても同じです。局長はそういう点について今後この酪農業というものの確立を、各農家の一軒々々の中にりつぱなサイロがなくても、りつぱな牧舎がなくても、こわれたようなわら小屋の中にも一頭づつの牛を置くのだ、そういう農業経営を確立するように、畜産指導方針を立てなければならない。りつぱな牧舎をつくつてりつぱなサイロをつくつて、デンマークその他に見られるような、酪農業をやるようなそういう形式的なことをやつておつてはだめだと考えますが、その点について畜産局長はもう少し研究し、今までの指導方針を切りかえて、ほんとうに農業経営と畜産というものを結びつけた方面に持つて行くように、畜産局の指導方針というものを根本的に切りかえて行く考えがあるか、それを伺います。

平田左武郎農林事務官

○平田(左)政府委員 ただいま永井委員のお述べになりました乳牛飼育と農業と一体化して考えるというような方式にもつて行くようにというお説は、全般の御議論といたしましてはわれわれも同感でありまして、それにお言葉を返すわけではないのでありますが、結局土地の利用上畜産というものが農業の中に溶け込んで行くということが望ましいのでありまして、その方向を主眼としての指導をしておることも、これまた畜産局として從來とつていた方針であるのでありまして、私がただつけ加えて申し上げたいと思いますのは、北海道の酪農というのは、ただ北海道のみの農業経営に溶け込んだだけでは足らないのであつて、全体の乳幼兒の食糧、バター、チーズその他の給源としましての北海道の地位というものは、全國的に非常に重要な地歩を占めておると信じておるのであります。從つて北海道の畜産は北海道の農業と結びついてそれをもつて足れりとするのではなくて、東京その他の内地の乳製品の足うない地帶えの有力な給源地帯としての使命と合せてまた北海道に期待したい。かようなことで申上げておるので、御質問と違つて考えておるのではなく、さらにそういう点を考えて申上げましたことを御了承願いたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 たとえば農業経営で主食の供出という要請が強くなつて來ると、地方が足らなくなつて、農業経営がどう根本的に破壞されても、目先の主食生産というものを追求して、内地におけるところの牛乳の需要の要請があつて、それが農家の経営の中でどう歪曲されて減退して行く根本の理由がそこに出て來ようと、目先々々の乳牛を追求する。そういうところに畜産局のその日暮しの從來の経営の指導方針というものがあつた。それが今日の全國の酪農の発達を阻害しておる一つの根本的の理由であると私は考えておるのであります。でありますからただいま言われた局長の考え方というものを、根本的にかえなければいかぬと思います。牛が経営の中に入つて密着して行つて頭数がふえる。一頭の搾乳量がふえなくとも、全体の量においてふえて行くのでありますから、それが結局國の食糖、乳製品の生産の上にも、食糧の根本的の解決の上にも、役立つて行く、これは二義的の一つの結果として生れて來るのでありまして、要点はどうしても農業経営である限りにおいては農業を主体にして考える。こういう考えで行かなければいけないと思うのであります。そうして北海道においてなぜ牛が減るかということでありますが、これは興農公社が一手に牛乳を集荷いたしまして、そうしてこれを処理しておる、こういう條件のもとに現在は乳價というものと飼料というものとの関係がアンバランスが出て來て買えない。これはどうしてももつと各地にあるところの農業協同組合が、その牛乳の処理、肉の処理皮の処理、そういうものを結びつけで、農村工業というものを考えて、そうしてそれが生産農家にすべて還元されて行く。こういう條件が確立されなかつたらいけないと思うのであります。北海道の農業にデンマークの方式を入れたということはこれは正しいと思うのであります。デンマークにおいてはこれを農業協同組合の性格において、全部耕作農民みずからの手によつて実行しておるのでありますが、北海道の場合はどうであるかというと、これを資本主義の形態に取り入れて、農村搾取の一つの経営形態になつておるのであります。農家に牛を飼わせる。そして乳や肉や皮これを農家から搾り上げて、そうして別個に農家の経営と切離された形において興農公社なるものが、今度は株式公社になつたのでありますが、そういう経営形態でここに一つの営利的な企業が経営されておる。こういうところに根本的な欠陷があると思うのでありますが、これらの結びつきについて、畜産の振興をほんとうにはかるならば、これらの問題に根本的なメスを入れる必要があると思いますが、これらについて局長はどういうふうに考えておられるか。

平田左武郎農林事務官

○平田(左)政府委員 畜産の発展に対しまして資本的の経営を主とするか、農民の協同組合的経営の方向を助長する考えがあるかといろ御質問に対しましては、現在畜産局としてとつております方向も、お説のことく農民の協同組合を主として考えておるのでありまして、先般申しました通りに、家畜の導入資本を農村復興金融資金としてあつせんいたしておりますのもその借受主体は農業協同組合という方向にきまつておるのでありまして、この点につきましては永井委員のお考えと、從来畜産局のとつておるところと相違はないと信じております。もちろん資本的の経営でありましても、適当に畜産を発展せしめるというものについては、あえてこれを阻止する理由もないことでありますので、そうした方面よりの畜産への寄與ということに対しましても、われわれは全体としての畜産の発展に有効な施設に対しましては、特に消極的の考えをとるということもいたしておらないのであります。ただ北海道の興農公社が一手の集荷をしておるかどうかといろ点でありますが、この点についてはただいま正確な資料を持たないのでありますけれども、北海道長官のお話によれば、必ずしもそうばかりもなつていない。やはり山間部その他には協同組合的のものが集荷しておるということでありますので、北海道の酪農業が全部興農公社によつて一手に統制されているとは考えておらないのでありますが、なお実情につきましてはさらに詳細な調査をいたしたいと考えております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 法案を上げるこどか急がれておるようでありますから、私はここでもつとつつ込んでいろいろな面について徹底的な質問もいたしたいと思うのでありますが、それを省略いたします。ただ最後に、北海道は御承知のように戰時中興農公社という一本にあらゆるものをまとめて、單一集荷の方法をとつてやつたのでありまして、その中で二、三の大きな牧場経営をやつておる者が自己の生産を自己で処理するという除外例が設けられておるだけでありまして、その他はほとんど一手に集荷されております。さらに終戰後北海道の牛がどんどん内地に移出される理由がどこにあるかというと、北海道は乳價はすべて公定で集荷されるのであります。従つて高い濃厚飼料をもつて飼育することは、採算が引合わないということで、これが減つて行く。内地の方に持つて來ると、牛乳がほとんどやみからやみに高い値段で流れるので、どんな高い濃厚飼料で飼いましても乳價は引合う。こういうことで、現地内地の方にどんどん高い値段で移動しておるのでありますから、内地におけるそれらの牛乳のやみに対する取縄りというものがどの程度に行われ、また北海道におけるすべてを一手に集荷しまた農家の牛を飼育することに重点を置かないで、これを集荷した上に立つた興農公社の経営を主体にして、資本主義的な経営をして農家を搾取しておることが農家をして牛を放さざるを得ざらしめておる。この問題についてはもつと現実を追究して是正する方法を考えなければならない。これだげ申し上げておきます。

中嶋勝一民主自由党

○中嶋委員 ただいまの両案は、予備審査においてすでに提案理由の説明、及び質疑を終つておるようでありますから、この際この程度でこれを省略せられんことを望みます。以上の動議を提出いたします。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 中嶋勝一君の御意見に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。それではさように決定いたします。  なおこの際おはかりいたしますが、討論を省略してただちに採決をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。それではさように決定をいたしまして、これより採決をいたします。  畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会が馬匹組合又は都道府縣から財産の、移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案(内閣提出参議院送付第二一号)の原案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 起立総員、よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————

坂本實民主自由党

○坂本委員長 次に家畜市場法を廃止する法律案(内閣提出参議院送付第二二号)の原案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 起立総員、よつて本案は原案の通り可決せられました。なおこの際おはかりいたします。報告書の作成は委員長に御一任していただきたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたします。     —————————————

坂本實民主自由党

○坂本委員長 なお日程追加として、昨日審査未了の請願及び陳情書を審議いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。  第一、茨城縣の雹害救済に関する請願、原彪君紹介、文書表番号第一一二号を議題といたします。紹介議員の出席がありませんので、便宜上專門員からその趣旨を朗読いたさせます。

岩隈博專門員

○岩隈専門員 本請願の要旨は、本年正月下旬茨城懸北部地方並びに北西部地方に稀有の降雹がありまして、同地方は農作物を初め、道路橋梁等に甚大なる被害をこうむつたのであります。つきましては國庫の補助をもつてこれら被害の救済事業を実施されたいというのであります。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本件に関する農林当局の意見を求めます。

山根東明農林事務官

○山根説明員 ただいまの茨城縣の雹害救済に関する請願は、その内容は開拓局長の所管に属するものであるのでありますが、食糧管理局といたしましても、災害地の救済と申しますか、食糧の面からする災害地の対策につきましては常に非常な関心をもつておるわけであります。先般本年産米の補正にあたりましても、茨城縣の雹害の事実はこれを取入れまして、縣の補正数量を決定いたしておるわけでありまして、縣におきましても、本省の指示に基いて、雹害による減收量につきましても、その面からも被害地に対する対策を講じておると考えておるわけであります。本請願の具体的な、この地方の実情につきましては、さらにあらためて縣当局から事情を聽取して、私どもの一面からの善処は、これが遺憾なきを期したいと、かように考えておる次第であります。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本件に関する御質疑はありませんか。

菊池重作日本社会党

○菊池(重)委員 茨城縣の雹害に対しましては、区域は非常に小さかつたけれども、非常に被害が大きかつたために、種、苗そういうものが全滅しておる、従つて種、苗の補給等についてもいろいろ心配をしていただくように縣の方からも、農林省の方へ陳情があつたわけです。それから営農資金に対する融資の問題等も申請したわけでありますが、それに対しまして、いかなる方策がとられたか、その点を御説明願いたいと思います。

山根東明農林事務官

○山根説明員 災害地における種子なり苗なりの補給につきましては、縣の申出によりまして、それぞれ善処いたしております。営農資金の問題につきましては、私の所管外でありますので責任のある答弁のいたしかねることを遺憾に存じます。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本請願はこれを採択すべきものと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。     —————————————

坂本實民主自由党

○坂本委員長 次に第二、零細農家に産米保有量増加の請願、大石ヨシエ紹介、文書表番号第一六二号を議題といたします。紹介議員の出席がありませんので、便宜上その趣旨を專門委員より朗読いたさせます。

岩隈博專門員

○岩隈專門員 本請願の要旨は、零細農家は限られた小面積のやせ地を耕し、しかも極度の能率を挙げんとして並々ならぬ労力を拂うから、保健上当然多くの食糧を必要とする、また肥料り配給も少いので、自家肥料によらねばならず、また生活必需品の特配もないので悲惨な生活に陷つている、ついては零細農家に産米保有量を増加されたいというのである。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本件に関する農林当局の意見を求めます。

山根東明農林事務官

○山根説明員 御承知のごとく、零細農家に対する保有米は数年前までは、一般の大規模農家と同様に、現在の基準で申しますならば、四合の保有を持たせておつたのでありますが、同等の保有を持たせることはむしろおかしいではないか一片手間に百姓をして生計の足しにしているような形態のものに、四合の保有を持たせることは、本業の農家との均衡上むしろ不釣合でおかしいではないか。こらいろふうな農村側からの声も実は当時出たわけであります。そういう点を勘考いたしまして、先年來轉落農家の保有は、三・一五合に減少いたしておるのであります。しかしながらこれらの農家といえども農繁期には相当過重な肉体労働をする関係もありますので、これらに対しましては、農繁期の加配米でもつて農繁期の作業には一應支障のないような方途を講じておるのであります。今ただちに元に復して、同じように四合の保有を持たせますことは、実は考えておらぬのでありまして、農繁期加配米の運用でその間の適正を期して行きたい、かように考えております。

加藤吉太夫日本農民党

○加藤(吉)委員 災害によつて補正された場合に、その零細農家が災害を受けた場合は、当然補正の恩典といいますか、恩典に加わるべきものであるという論と、それからその補正は供出する以上の農家に均霑させるものであるという論が起きておるのでありますが、これは農林省としてどういう御方針なのでありますか、お伺いいたします。

山根東明農林事務官

○山根説明員 補正は、実は供出数量の補正でありますので、供出量をどれだけ補正するか、こういうことになるわけでありますので、零細の農家、從つて供出のかかつておりません農家は、補正を受けないことになります。但しそうした農家が災害を受けまして、生産数量が減收したことは事実であるのでありまして、それら農家に対しましては、いつから配給を開始するか、いつから轉落するかという限月の決定にあたりましては、災害の事実を当然組み入れてやつて行くということになるわけであります。補正数量は一應供出の数量ということになつております。

清澤俊英日本社会党

○清澤委員 この問題は最近大分各地で深刻化した問題になつておるのであります。なるほど一面から見れば、全然土地を持たない人が二合七勺でがまんしておる。そうして自分だけの食うものがあるから、つくつたのだからみんな食うというような、供出農家と同じ量を要求するということは、ちよつと無理なように考えられますが、実際零細農家の生活状態というようなものを考えてみますと、比較的山間僻地の他の職業に轉換することの非常にむずかしい地方がこういう飯米農家を一番持つておるのでありまして、それがだんだん産業の萎縮その他の事情で、労働の部面なども減つて來る。こういうことになると、旧來からの関係上、つくつたものを食べて非常に細々の生活をしておるというものがそこに出て來るのであります。それが最近非常に深化しましたから、この零細農家の保有量の問題が再燃して大きく取上げられて、非常に大きな苦痛を訴えておるという状態になつて來ますならば、一應考え直さなければならない時期に到達しておるのではないかと考えておるのでありますが、この点をひとつ将來において十分研究していただいて、そうして仕事もたく、さんあるというような、インフレ下の農村のふところがよかつた時分と同一の考えでなく、時の情勢等を十分考えてみる必要がある。こういう考え方をしてみられる意思を持つてもらいたい。そうしてこの案を一應全員が通しておいて、そして通つたからには十分考えていただきたい。どうしてもだめなら出さぬ方がいい。この点の考えをひとつ聞いてみたい。

山根東明農林事務官

○山根説明員 轉落農家の保有量を一般農家並にするか。元へもどす方法で研究してみる意向があるかどうかというようなお尋ねでありますが、実はこの前一率に三・一五に引下げましたときも、同じ轉落農家と申しましても、かたわらあるいは鉄道に出て、まつたく片手間にやつている農家もありますし、年間は食えないけれども、ほとんど年間食えるだけ、経営しているというような状態がありまして、一率に三・一五にしますことにつきましては、実は当時からも問題があつたわけでありますが、私どもとしましては、一率にそうしたことがあくまで実情に即したものであるとは考えておらぬのであります。ただ食糧事情が今後急激に好轉でもいたしますければ別でありますが、なお相当食糧事情が窮屈でありますので、最近特に農家配給のわくがいろいろな方面で実は問題になつているような実情から考えまして、この際それに逆行するごとく元に復して、轉落農家の保有をふやす方向に進むことは、さしあたりの問題としては、実はなかなかむずかしいのではないかという見通しを持つております。しかしながら最初にもお断りしましたよう、いろいろな形態がありまして、一率にこうすることが必ずしもすべての場合実情に合つているかどうかというような問題もありますので、私どもとしましても、これらの問題はさらに今後の問題として檢討いたしますことにやぶさかなものではありません。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本請願はこれを採択すべきものと存じますが。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員 御異議なしと認めましてさよう決定いたします。     —————————————

坂本實民主自由党

○坂本委員長 次に第三、北相馬郡における食糧供出割当軽減の請願、紹介議員小野瀬忠兵衞君、文書表番号第二四七号を議題といたします。  なお同一趣旨の請願として第五、北佐久郡の食糧供出割当軽減の請願、小林達美君紹介、文書表番号第三三九号並びに第六、南佐久郡食糧供割当軽減の請願小林達美君紹介、文書表番号第三六二号をあわせて御審議願いたいと存じます。紹介議員の出席がありませんので、請願の趣旨を便宜上専門員に朗読いたさせます。

岩隈博專門員

○岩隈專門員 一括して請願の趣旨を説明いたします。茨城縣並びに長野懸地方は、本年たびたびの豪雨によりまして、湛水はなはだしく、またアイオン颱風、ベビー颱風等の結果、冷害、水害をこうむつた地方も相当廣汎にわたり、かつ縞葉枯病、うんか等の発生を見ましたにかかわらず、本年度の供出割当は昨年よりも相当の増加でありまして、特に長野懸におきましては、約六万石程度の減収がありますにもかかわらず、中央の補正額はゼロでありまして、地方補正約六千石程度を認められておるにすぎません。かくては農民の負担は相当なものでございますので、今後の供出につきまして、格段の御配慮を願いたい、こういうのであります。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本請願に対する農林当局の御意見を求めます。

山根東明農林事務官

○山根説明員 災害によります減收に対して供出量を補正いたしておるのでありますが、これは実は農林省としましては、まず縣單位の補正量を決定するのであります。縣全体の被害総量を縣の報告その他農林省が直接調査いたしました資料等に基いて決定いたしまして、それに基いて縣全体の補正量を決定いたすのであります。それを縣が町村なり、個人なりに実情に即しておるして行くことにいたしておりますのは御承知の通りであります。実は災害を十分見て補正が行われておりますならば、かりにある程度末端へのおろし方が不適正でありましても、ただいま請願の要旨にありますような事態は起きないで済むこともあるかと思うのでありますが、何ぶんにも非常に窮屈な補正をいたしておりますので、それが末端まで参ります場合に、そういう事態が起きますことは認めざるを得ないと思つております。しかしながら私どもとしましては縣全体の補正量としては、一應私どもの見方でこれだけ補正してやれば供出は完納できるというその数字をとらえておるしておるわけでありまして、かりに一地方に非常に無理な事態が起きるといたしますれば、それだけほかでゆるい補正を受けたという理窟から申しますれば、そういうことにもなるわけであります。本年のように相当きつい補正しか認めなかつたような年には、各地にいろいろ問題があることを考えられることでありまして、実は先般の補正の知事会議におきましても、それが問題になつたのであります。そういうような場合どうしてくれるかということで、いろいろ知事各位と私どもの間にやりとりいたしたわけでありますが、結論といたしましては、もし非常に無理な事態が起きた場合には、先ほど申しましたように、理窟から申せば、一方においてそれだけ同量のゆとりができる理窟にもなるわけでありますので、他の地方において必ずそれだけ超過供出を知事の責任においてとつてもらう。その縣自体において、一方において無理な事態に対しましては、よく具体的に事情を調査いたしまして、どうしてもこれ以上出せぬというよろなところに対しましては、一應それで供出の責任を免除するということでもございませんけれども、とにかく供出をいたさないことによつて、いわゆる強権発動の対象にはいたさないために、農家は八〇%しか出さない。一〇〇%の完遂にはならないけれども、とにかく一應御者労であつたということにいたしてもらいたいという知事の要望に対してそれではそういう扱いにいたしましよう。こういつた話で知事会議も進んだような事情でありまして、ただいま請願にありました各地域が、さらに私どもの方で具体的に調査した上、そういうケースに当てはまりますならば、そういう扱いをいたすことによつて解決いたさざるを得ないのではないか、かように考えております。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本請願はこれを採択すべきものと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。     —————————————

坂本實民主自由党

○坂本委員長 次に第四、感謝献穀救済制度実施の請願、森三樹二君紹介、文書表番号第三二五号を議題といたします。紹介議員の御出席がありませんから、便宜上專門員からその趣旨を朗読いたさせます。

岩隈博專門員

○岩隈專門員 本請願のり要旨は、全國の神社寺院、神道、キリスト教会等に対しまして、生産者から感謝献穀し、これを信者のうちの困窮しておる消費者に下付せしめ、これによりまして消費者の主食の不足を幾分でも補いますとともに、宗教的な情操の涵養に資したいと思います。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本請願に対する農林当局の意見を求めます。

山根東明農林事務官

○山根説明員 御承知のように食糧事情がきゆうくつでありますので、供出制度はまつたく何と申しますか、相当ぎすぎすのところまで強行いたしておるような現状でありますので、本請願にありますように、神社その他に各生産者から献穀して、それを請願にありますような用途に用いて行きたいという理想自身は、まことに私どもも望ましいと思うのでありますが、こういうことを今ただちに実施し得るかどうかということについては、私どもとしてはむしろ否定的な考え方をいたしております。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 何か御質疑はありませんか。菊池君。

菊池重作日本社会党

○菊池(重)委員 献穀といいましても、一握り持つて行くりと、それからこれを悪用いたしまして、一升も二升も献穀するということになつて來るとこれは取締りがつかないと思うのでありますが、この点はどんなふうに提案者が考えておるか、提案者がいないのでわからないのでありますが、そういうところもよく聞かないと、これは簡單に賛成できないと思います。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本請願はこれを留保すべきものと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。     —————————————

坂本實民主自由党

○坂本委員長 次に第七、食糧問題解決のため、甘藷人造米製造許可の請願、重富卓君紹介、文書表番号第五四一号を議題といたします。紹介議員の出席がありませんので、その趣旨を專門員より朗読いたさせます。

岩隈博專門員

○岩隈專門員 趣旨を申し上げます。現下の食糧事情におて、かんしよの占むる地位はきわめて重大でありますが、これが輸送の途上における腐敗と最近の品質の悪いかんしよの受配事情より考慮して、これが有効な措置をもつて、主要食糧の打開をはかることはきわめて重要でありますので、ついては多年研究の結果、かんしよ初めばれいしよ、とうもろこしを原料とした人造米の製造に成功した事実にかんがみ、これを適当に混入して食糧に供せられるならば、有効なる処置となり、現下の食糧事情の打開に益するところきわめて甚大であるのであります。ついては前掲の原料をもつて人造米の製造許可を願わんとするのが、本請願の趣旨であります。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 本請願に対する農林当局の意見を求めます。

山根東明農林事務官

○山根説明員 いもをあのままの形でなしに、お米のような形にして食べようというような趣旨から、人造米の計画が実は私どもの方へも出ておるのであります。私自身はこれを試食した経驗もないのでありますが、私どもの方でそれを試食した結果から見ますと、なるほどいもを原形のまま食べますよりは、味なり舌ざわりなり、その他において特にお米と混食する場合、これは非常にいいものと考えております。しかし遺憾ながら、生産費が非常にかさんで相当高いものにつくわけでありまして、これを消費者に万遍なく普及させることが、そういう見地から実は多分に問題を持つておるわけでありますが、しかしながらいもの処理方法の一つとして、これはそういう面を除けば考慮すべき問題であるというふうに考えて、これに対しては農林省としましても、ある程度の助長奨励策を今日までとつて來たのであります。これは工場に対する原料の配給なり、工場設備に対する金融の斡旋なりの形でこれを取上げて來ておつたのでありますが、実は遺憾ながら金融機関の面におけるこの問題の理解がなお完全でなかつたりいたしたよらな関係もありまして、今日まで実は予定通りの普及は見ていないのでありますが、かりに何らかの改善によつて生産費がよほど安くて済むというようなことになりますれば、いもの食い方として、お米のような形にして食べるというようなことで、私どもとしてもそれに対して意味を認めでおるのであります。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 何か御質疑はありますか。——別にないようであります。本請願はこれを採択すべきものと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 では御異議ないものと認めまして、さよう決します。     —————————————

坂本實民主自由党

○坂本委員長 この際おはかりいたします。林業対策小委員会の報告決議案起草の件を日程に追加いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。それでは先般の委員会に留保いたしました本件に関しまして、野原小委員長よりその後の経過について御報告を願います。

野原正勝民主自由党

○野原委員 先般本存員会におきまして、林業対策小委員会で協議いたしました本年の冬における薪炭の需給対策、それに対しまして薪炭の生産並びに需給に関する政府に申入れをする案件に対しまして、いろいろ委員各位と相談をいたしましたが、その間小委員会の試案に対しまして一、二疑問の点が生じて参りましたので、委員会におきましていろいろと話合いました結果、一應の成案を得ましたので、これを農林委員会として決議をお願いいたしたいと思うのであります。ただいま試案を朗読いたします。    決 議  國民生活の安定に至大の影響を齋らず燃料確保の問題は年次を追うて好轉しありとするも尚現下の薪炭事情は民生安定上、憂慮せらるるをもつて政府はこの際冬期燃料対策に格段の努力を傾倒されると共に左記事項につき適切なる措置を講ぜられるよう決議する。    決議事項  一、薪炭價格の引上げ実施に伴い原木價格の不当なる騰貴を予想せられるが斯くては生産に悪影響を與うるをもつてこれが措置に遺憾なきを期すること。  二、原木の伐採については濫伐の弊害を是正するため計画的措置を講ずると共に原木の手当については政府の責任においてこれを行うこと。  三、原木購入資金並に生産資金については薪炭手形等の制度による融資の途を講ずること。  四、薪炭價格については再生産所要價格とし他の物價との均衡を図り且つ物價の変動に應じこれを改訂すること。  五、縣荷、配給機構の簡素化を断行し中間手数料の低減をはかること。  六、滯貨の状況に即應し適切果断なる輸送計画を実施すると共に輸送用所要資材の増配を行い滯貨の一掃を期すること。  七、供出代金は即時これを支拂うと共に事情により前拂いの概算方式   を採用すること。  八、超過供出については價格、報奨物資等主要食糧同樣の措置を講ずること。  九、生産者に対し石炭労務者同樣食糧、衣料地下足袋等の増配を行うこと。  一〇、生産者に対する課税については現行の基礎控除、扶養控除はこれを廃し生計費控除の一本建てとし生産者の生活保証の措置を講ずること。   昭和二十三年十一月二十六日  こういう原案でございます。以上をもつて簡單に御報告いたします。

坂本實民主自由党

○坂本委員長 お諮りいたします。ただいま野原林業対策小委員長より御報告のありました決議案に対しまして御意見はありませんか。——御意見なしと認めます。これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本實民主自由党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。本委員会といたしまして、関係方面の了解を得た上におきまして、強力にこれを政府に要望いたしたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四分散会

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