水産委員会 第5号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1948/11/16
会議録
○西村委員長 これより会議を開きます。 水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案及び漁業権等臨時措置法案の三案を一括議題として審査に入るのでありますが、その前に以上三案の審査のため公聽会開会に関する件についてお諮りいたします。 昨十五日、委員長より提出いたしました公聽会開会承認要求書に対しまして、同日、議長より承認を得ました。つきましては、このたびは正式に公聽会開会を議決することに相なつておりますが、この議決には公聽会開会の日時を決定いたさなければなりません。この日時の決定に関しましては、公聽会に対する申出公述人の選定及び公述人への通知などの時間的余裕を考慮いたしますとともに、三案の審査の進行状況をもにらみ合せまして決定することが妥当であると考えられるのであります。よつて公聽会の日時は本月二十二日及び二十四日の二日間と決定いたすことにいたしまして、その日時に水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案及び漁業権等臨時措置法案について、という問題に関して公聴会を開くことにいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議ないものと認めましてさよう決定いたします。なお日時が決定いたしましたから、委員長より衆議院規則第七十九條により、議長あて公聽会開会報告書を提出するとともに、その日時及び公聴会において意見を聞こうとする案件を告示することといたします。 日程に入りまして質疑お許しいたします。通告の順位がありますから、通告の順位に従いまして許すことにいたします。石原圓吉君。
○石原(圓)委員 水産業協同組合法案、水産協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案、漁業権等臨時措置法案、この三つをあわせてまず総体的なお尋ねをしたいと思うのであります。 この法案はその性質から申しましても、その規模から申しましても、農業協同組合法に先立つて制定されなければならぬはずのものが、すでに農業協同組合法の成立より一年も経過した、その経過をした理由はどこにあるのか。御承知のようにその間に最も中心となつたところの中央水産業会が閉鎖機関となり、また地方都道府縣水産業会は、資産凍結にひとしいところの政府の命令を受けて、そうして半身不随のような状態で、今日まで辛うじて形体を存し、経営をしかねているという状態であります。これはこの法案が遅れたために起つた問題であつて、決して漁村自体から起つた問題でないのでありまして、私はこういうことに立至らしめたということは、一に政府当局の責任にあると感じておるのでありまするが、今日まで延引したというその原因、理由はいずれにあつたのかということを、一應根本問題に触れる前にお尋ねをしておきたいのであります。
○飯山政府委員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。ただいまのお話の通り、水産業界が、この新法律の制定が遅れたために非常な影響を受け、また系統團体が非常に困却いたしておりますことは、私もよく承知しております。その責任が政府にあるという言葉でありましたが、政府といたしましては、できるだけ農業協同組合法と同時にこれを実施するように努力はしたのであります。しかし專用漁業権の問題と新漁業権制度の改正があります関係上、この新漁業権の所属を協同組合といかに結びつけるかというような点に関しまして、容易に決定ができなかつたのでありまして、その他なお関係方面との折衝においても迅速を欠いたような次第なのでありまして、遅れたことにつきましては、御説の通り私どもに責任はあると私も考えます。この点はこの機会において、私からあらためて皆様の御了解をお願いしたいと思うのであります。
○石原(圓)委員 ただいまの御答弁の範囲では少し納得ができないのでありますけれども、これはさらに農林大臣の御出席のときに、なお質問をいたしたいと思います。いずれにしても漁村が今日非常な窮況に陷ておる。急速にこれに救済的な施設をせねばならぬということは嚴然たる事実でありまして、ここに至らしめたのは、この法案が遅れたということをあくまでも私は主張するものであります。 次にお尋ねするのは、この三つの法案が制定されましても、漁業法案が出ない限りには、これは満足なる法案でない、そしてその施設はできなくて、実際の施行に困難を生ずると思うのでありまするが、それに対してどういうお考えをもつておりますか。
○飯山政府委員 ただいま漁業法が制定されないために、この協同組合法が実施されても、その機能が十分に発揮できないじやないか。こういうように伺いました。もちろん全体に協同組合の目的を達成しようとするためには、漁業法の改正が伴わなければならぬと思うのでありますが、しかし一部に食い違いが起るかもしれませんが、大体において協同組合の目的は達成できるように考えておるのであります。
○石原(圓)委員 私は少し見解が違いまして、われわれはこの法案を理想的に審議をして、修正すべき点は修正して決定したいと思つて、これから勉強するつもりでありまするが、しかしこれがいかに宣傳して決定されても、漁業法のできた以後のにらみ合せには食い違いができると思うのであります。その食い違いができた場合には、ただいまのこの案を訂正する必要が起つて来ると思うのであります。その点は絶対に起らないというお見込みか、幾分起るだろうというお見込みか、またそういう場合にはどういう措置をとられるかということについて、承つておきたいのであります。
○飯山政府委員 ただいまの食い違いが起らないということは申し上げかねるのであります。しかし、漁業法の改正もできれば本國会に提出いたしたかつたのでありますが、その手続が完了いたしませんので、提出の運びに至らなかつたのであります。来る第四回國会には、ぜひとも漁業法改正法案を提出いたしたい、こういうつもりで今準備をせつかく進めておるのであります。もし第四回國会に提出ができまする運びになつて、御審議を経て実施されまするならば、その食い違いの期間はきわめて短期間で済むようにも考えるのであります。それではもし第四回國会で漁業法の改正ができなかつたときにはどうなるかということになるかと思うのでありますが、その際にはその実情に應じまして、臨時の方法を講じたいと考えております。
○石原(圓)委員 この法案を私どもはこれからこの会期中に熱意をもつて通過すべくその審議に努力するつもりであります。しかしただいま申しまするように、すでに農業関係の法案より一年以上遅れたのでありまして、その遅れたについては、最も精練されて、そして最も理想的な案が出されなければならないはずであります。そういう意味に私どもはこれを期待しておつたのでありまするが、その内容をあらかた拝見しますると、日本全國の漁村の漁業経営がほんとうにこれで強化されるか、理由的な漁村の経営ができるかということになりますると、そうはまいりにくいような——案そのものは非常によくできておつても、その機構の上、組織の上に物足らぬ点が相当あるのでありまして、その点に対しては次に出るところの漁業法案とにらみ合せて、いかに政府が提案してそれが決定したものであつても、この案に限つては日本の漁村全体の問題でありまするから、この法案の一部改正を政府より必要を認めた以上は、自発的にその修正を加えることにやぶさかでないというお考えであるかどうか、その点を承つておきたいのであります。
○飯山政府委員 政府といたしましては、ただいまの御質問には同感であります。できるだけ改善すべき点がありますれば、十分に検討を加えて、自発的に修正を加えるということは考えております。
○石原(圓)委員 本法案の骨子とするところは、單位漁民、いわゆる勤労を主とするところの漁民、漁業者及び漁業を経営する者、それに対する資本、この三つのものに対して、立案者はどういう構想をもつてこの案を立てられたかということを、まず承りたいのであります。
○飯山政府委員 協同組合の根本は、中小漁業者の團結によつて漁業及び水産加工業の発達を期するということになりますので、從つて中小漁業者は、資本の点においても、相当資本を要する場合に、これを十分に獲得するということが困難な場合が多いと思うのです。それに対しましては、金融方面においてはその金融の方法を講じ、また從業者その他につきましては、従業員に対しては從業員の地位向上をはかるように努めて行きたい。こういうように考えておるのであります。從業員の問題は資本的なものと、それから小さいいわゆる中小漁業とは、そこにおのずから相違がありますので、中小漁業の從業員はできるだけその團結の力によつてこれも向上させて行く。こういうふうに考えております。
○石原(圓)委員 大変物足らぬさを感ずるのでありますが、私はこの法案の全体を通じて、いわゆる從來の漁業会、沿岸漁業者の協力をもつてやつていく沿岸漁業、この沿岸漁業の強化であるか、弱化であるかということを考えてみますると、そこに非常に檢討すべき点があると思うのであります。この案の中に大衆漁業者をどういう構想のもとに向上させて行くかという点については、どこにも具体的な案は見当らないのでありますが、それに対してはどういう御方針なのでありますか、お尋ねしたいのであります。
○飯山政府委員 ただいま本法案に具体的な政策が盛られていないというお尋ねのように承知いたしますが、この法案はもちろん沿岸漁業の全体を発展させようというのが根本になつておるのでありまして、そのために地区の組合と業種別の組合とをわけたのもそこにあるのであります。ある種類の業者というだけでの組合では、沿岸漁業全体の発展は期せられない。そこに地区組合を設けで全般の漁民の向上をはかる。こういう建前になつておるのであります。もちろん漁業を発展させるためには、資金資材というようなものが十分にそこに備えられなければならないのであります。これに対しては金融業法案というようなものもいずれ出ることと思いますが、われわれといたしましては、それらとの制度の関連を十分につけて、その資金の面はこれを強化し、また資材の面は連合國側のできるだけの援助を強く求めてそうして從來以上の資材を供給するというような方法を講じたい、こういうふうに考えております。
○石原(圓)委員 はなはだ抽象的のように承つたのでありまして、核心に触れぬのでありまするが、この具体的な問題に入ります前に、なおただしておきたいのであります。それは金融の面はどういうお考えを持つておるのか、今日ただいま、いわゆる遠洋漁業と申しまするか、資本漁業と申しまするか、それ以外のいわゆる沿岸漁業の金融の梗塞は、すでにもうその極度に達しておると思うのであります。この法案ができた曉にそれがどうなるかということは、一層不安の念にかられるのでありまして、この法案のできると同時に、いわゆる漁村の金融はどういう方法を講ずるかということについて、政府として、同時にその方向を示すべき案がなければならぬと思うのでありまして、この問題につきまして、もう少し具体的な御意見を承つておきたいのであります。
○飯山政府委員 ただいまのお答えをいたします。金融関係は御承知の通り金融業法案というものが現在検討されて、近くこれも法案となつて実施されるということに聞いておるのでありますが、この方が非常に、從來の協同組合においても信用事業を行うというようなことにおいて、非常な影響を受けるというようにも聞いておりまするので、われわれとしては金融業法案の動向に重大な関心を持つておるのであります。同時に金融の道を具体的に講じなければならぬということは、お説の通りであります。私どもとしましては、少くも漁業手形の制度、漁業保險の制度、これはどうしても組合の発展をはかるためには、欠くべからざる具体的な方策と考えておるのであります。これらの制度につきましても、できるだけ檢討を加えて、できるだけ早い機会にこれが実施によつてその裏づけをしたい、こういうふうに考えております。
○石原(圓)委員 なお盡せんのでありまするが、從來農林金融金庫法案をつくつて、その法案の中から水産部を独立させて、水産は水産のみの金融の道をあけるという説も中央より出ておるのであります。また單純なる水産金融機関をつくるということも聞えております。また農林中央金庫を主体とした漁林金融を拡大強化するという説も聞いておるのでありまするが、これはみないずれも具体化せないのであつて、実際にどこまで政府がそれに力を入れておるのか、この法案の制定と同時に、金融を確立するというところの眞劍なる政府の様子がわれわれにはわからないのであります。ゆえにこの法案の審議を終るまでに、この漁村金融の方法を政府はどうする方針であるということの、確固たる方針を示してもらいたいと思うのであります。このことはあるいは水産廳長官だけの御答弁では、うまくわれわれは納得できないかもしれぬと思うのであるが、水産廳長官並びに農林大臣、ある場合においては閣議にまでも上して、そうして、どうしても沿岸漁村の金融を確立するところの方針を、この案を議了するまでに示してもらいたい、こう考えるのであります。これに対して一應御意見を承つておきます。
○飯山政府委員 ただいまの金融の根本対策につきましては、事きわめて重大でありまするので、これは農林大臣が出席した際にお答えをいたすようにいたしたいと思います。
○石原(圓)委員 次に漁業大衆であります。漁村のいわゆる漁業に從事する人々であります。このいわゆる大衆漁民に対するところの生活の安定、保障、保護という点が、この法案を通じて私は満足する点を認めがたいのであります。これに対しても、はつきりしたところの方針を承つておく必要があると思うのであります。これもこの法案を修正して、その点をここに確立するという方法である。そうすればこの審議がこの会期に間に合わないというようなおそれもなしとしないのでありまして、そういう場合を考慮して、政府の確固たる方針をそこに明示してもらう必要があると思うのであります。これもこの際あわせて御方針を承つておきたいのであります。
○飯山政府委員 ただいまの大衆、いわゆる從業員の生活安定、向上をはかるということは、本法案を提出するゆえんでありますので、この法案はこの点に重点を置いておると私は考えております。
○石原(圓)委員 そこに非常な見解の相違があると思いまするが、逐條審議の機会にまで留保したいと思います。それからこの法案の一、二の点を尋ねて、私はあとの質問を一應保留して他に譲りたいと思うのであります。いわゆる組合員はすべて個人を対象としておるようでありますが、たとえば今の漁業会が共同加工をやつておる。また会社の組織で加工をやつておるというようなものは、全然除外されることになるのか、また漁業者も株式会社等で経営しておるものはやれないことになるのか、もしそうなれば、それに対する影響はどうなるのか、こういうことに対してのお考えはどうなつておりますか。
○飯山政府委員 今のこの法案が個人だけを対象にして、從來の國体法の会社法人を認めておるという点がたいへん違つておるというのでありますが、この点は、個人を対象にするということは、これは関係方面の意向に基いておることであります。それから、それでは從來の法人がどうなるかという点は、組合以外の利用を認める、この点でその欠陥を補うという考えになつております。
○石原(圓)委員 その以外の方法で補う、そのことはもう少し具体的に御説明を願わなければどうも納得ができない。ことに今の漁業会は、加工をやつておるが、この漁業会は個人でないから加入できないということになれば、全國の加工業者は大部分除外されることになるが、それは実際実行できるかどうか、そういう点はどう考えておられるか、伺いたい。
○飯山政府委員 詳細なことはかわつて説明します。
○矢野説明員 お許しを得ましてお答え申し上げます。今石原委員のおつしやいました、漁業会が加工をやつておる場合は、どう取扱うかということでございますが、漁業会がみずから加工業をやつております場合でございますが、今度の協同組合法が施行されますと、施行法に書いてございますが、漁業会は解散いたします。それで漁業会が協同組合に加入するというような実際上の問題は、起らないのではないかというように考えられます。それから法人は一切協同組合には加入を認めておりませんが、ちよつと余分になりますが、漁業生産組合は法人でありますが、これは特別扱いといたしまして、準組会員というかつこうで加入を認められております。その他の一切の法人は、組合には加入できないということになつております。
○石原(圓)委員 従来の漁業会は解散する、解散するまでに、この組合は解散以前にできると思うのであります。そうした場合には、漁業会が共同加工をやつておることは全然除外され、個人としても入れないという実際問題が起るのではないか、それはどう考えておられますか。
○矢野説明員 個人としてお入りになるのだつたらこれは組合員の資格は認められますから、けつこうでございますが、漁業会という形で入ることはこの法律ではできないことになつております。この趣旨は農業協同組合法にははつきりそういう関係の趣旨の規定がございます。それは反対に書いてございますが、協同組合は現在の農業團体の会員になることはできないというような趣旨のことが書いてございます。これは両團体が全然根本的に性格が違うという点から、そういうような組織で、混淆することのないようにという措置でありますが、この趣旨はこの水産業協同組合法でも同様でございますので、漁業会が新しい組合の組合員になり、あるいは新しい組合が現行團体の会員になるというようなことはできないようにしております。
○石原(圓)委員 具体的に申しますと、今いわゆる共同加工をやつておる漁業会は、この加工組合をつくる場合にそれに加入できるものですか、できないものですか。その具体的な点を承つておかねばならぬと思います。
○矢野説明員 漁業会は水産業協同組合法に基く組合には加入できません。
○石原(圓)委員 できないということになりますと、加工組合員の構成の一つには、現在の漁業会の加工という部門は入れない、除外されるということになるのでありますか。
○矢野説明員 そういうことになります。
○石原(圓)委員 そうなれば実際問題として成立たぬということになりはせぬか。個人の加工業者のみで構成されて、漁業会がやつておる、いわゆるほんとうの生産者のやつておる加工部門は除外されるという不合理が起ることになると思うが、その点はどういうお考えですか。
○藤田説明員 ちよつと途中で参りましたので、あるいは御質問の要点にはずれてお答えするかもしれませんが、加工業協同組合も漁業協同組合と同様に、個人たる水産加工業者でつくるねらいは、つまり個人の協同組合の組織であります。從いまして法人はこれに加入を認められておりません。從つて加工業全体の、たとえば相互の連絡、協調であるとか、お互いの問題、つまり法人と個人を通じましての問題というものは、この協同組合組織では解決ができないのであります。從つてそれは別に事業者團体法の適用を受けます事業者團体法の範囲内において、別の團体をつくらなければならぬ、こういうことに相なるわけであります。從來の漁業会は協同組合法が施行せられますれば、当然これは解散になるべき運命にあります。從つてその漁業会の加工事業の部門というものは、新たに再編成をされて、その再編成をされますものが法人であります場合は協同組合にははいれない。從つてその漁業会の加工部門が、水産加工業協同組合の形に改組できないような場合ならば、それはこの水産加工業を協同組合として再編成される。そういうことができない場合は、会社組織にするということでやつて行く以外に、方法はないのじやないかと考えております。
○石原(圓)委員 どうもますますその点がわからぬのです。次長が今お見えになつたのでありますが、私のお尋ねしておりますのは、加工に関する組合で、ただいまの漁業会でやつておる加工の部門がはいれるのかはいれないのか、構成分子になれるのかなれないのかという問題をお尋ねしておるのであります。
○藤田説明員 漁業会が従來やつておりました仕事は、おそらく今度漁業協同組合として改組されることになるだろう、從つて漁業協同組合の事業として加工をやることは、漁業協同組合法の事業として認められておるわけなのであります。それによつてやつて行けばいいのでありまして、特にその水産加工業協同組合の方に入つて行く必要はない。
○石原(圓)委員 その点はその程度に止めます。それから漁業協同組合法案の成立すると同時に、從來の漁業会に対する処置の法案は、ここにある程度まで、はつきりはせぬが示されておりますけれども、この漁業会の財産等を処分するという方法につきましては、大体どういう指導方針を持つておられますか、承つておきたいのであります。
○藤田説明員 これにつきましては、農林大臣が法案の提案理由を御説明に相なりました中にも、特にその点は書いておるわけでございまして、現行の水産業国体の財産というものは、多年の組合運動の結果蓄積されたものでありましで、これは將來とも漁民がみずからの財産としてこれを持つて行くことが望ましいわけであります。そうしてまた協同施設等の帰属は、新しい協同組合が発足いたします場合には、それを基礎にしてやつて行くということでなければ、新しい協同組合も非常に弱体化すると考えます。從つてわれわれの方針といたしましては既存の團体の財産というものは、できるだけ新しい協同組合へこれを移すというような方針で指導をいたして行きたいと考えております。
○石原(圓)委員 大体漁業会の財産も漁業組合、水産業会の財産も、その引継ぎとか譲渡とかその他の方針はやや同じ経路でやられると思いますが、その場合に、農業会にあつては報酬つまり退職慰労金であるとか、そういうものに対して問題を起したようなこともあるようでありますが、水産業関係の人たちの退職に対してはう慰労金その他どういう慰労的な御方針をもつておられますか。
○藤田説明員 これは大体私どもは、農業團体について現にとられております措置に準じまして、漁業協同組合法の移りかわりの場合の漁業会の措置につきましても、これをやつて行きたい。さように考えております。
○石原(圓)委員 われわれ多年苦心をして今日この苦難の時代も耐え忍んで、次の法案が制定されるまで、できるだけ赤字を出さないように、また漁業の経営が頽廃しないようにというてがんばつておる漁業会の役員、水産業会その他の関係会社に対しては、できるだけ優遇の途を講じなければならぬものであると思うのであります。その点に対して法規に拘束される点のあることはむろんでありますが、最大限の優遇をすることをここに特に御檢討を願いたいと思うのであります。これを特に希望をいたしておきます。 次に府縣單位の連合会をつくる場合に、水産業協同組合の連合会も、それから生産組合も、また加工業の組合も、全部一丸となつた縣單位の連合会は、法規上できるのでありますか。その点をもう一應はつきりと承つておきたいのであります。
○藤田説明員 法案の第八十八條に連合会の会員たる資格を書いておるわけであります。懸單位の連合会をつくります場合に、漁業協同組合または漁業協同組合連合会、それから漁業生産組合、こういうものは当然会員になるわけであります。そのほかに「連合会の地区内に住所を有し、且つ法律に基いて設立された協同組合であつて、前二号の者の事業と同種の事業を行うもの」こういう規定があるわけであります。從つてこれに入ります限りにおいては、加工の協同組合も全部一緒に一丸となつて協同組合になるというふうに考えます。
○石原(圓)委員 それからこの協同組合員の加入の條件であります。三十日ないし九十日間從事すれば入れるとのことでありますが、これは入ることは自由であり、退くことも自由であるという建前から、とにかく入ることに方針をきめて、どんどん三十日以上の実績をとる。利益の場合にはいつまでもがんばつている。不利益になればいつでものいてしまう。そういうことで混乱を生ずるおそれがないか。そういうことを心配するものでありますが、ことにまたその三十日とか九十日とかいう日数は、ほんとうに漁業者としての資格を得るには非常に少いのではないか。むしろ加入ということはすこぶるやりやすいが脱退ということは本人の任意でない限りにはできにくい。そういう点から混乱を生ずるおそれがないとは言えないと思うのでありますが、それに対して御見解はいかがでありましようか。
○藤田説明員 私どもの氣持といたしましては、いやしくも働く漁民につきましては、できるだけ協同組合に加入を認めて、その協同組合の運動によつて、働く漁民の社会的経済的地位の向上、あるいは啓蒙運動、あるいはそれによつて生産力の増強をはかつて行きたい。できるだけこの範囲は廣げて行きたいという考え方からいたしまして、特に農業では九十日以上となつておりますのを、漁業につきましては、半農半漁村その他がございますので、その資格をゆるめたわけであります。ただこれをその定款で三十日にきめるか、六十日にきめるか、九十日にきめるか、それはその地方々々の事情で適宜にきめるということに考えておるわけであります。從つてこの資格が非常に簡單にとれるということで、いろいろの者が入つて来て、それによつて組合の内部が混乱することがないかという御懸念でありますが、私どもとしては、そういう懸念が全然ないとは考えません。ないとは考えませんが、それは法規で何ともすることができないものであります。要はその指導によつてこれを適当に是正して行くとか、あるいはまた組合員自体の自主的な意向によつてこれを組合員が解決して行く。できるだけそれを相互の総会その他で、みずから解決して行くというふうにわれわれとしては指導して行くべきもので、法規で特にそれを限定することも技術上困難でありますし、またそれを法規で拘束することも不適当ではないかと考えております。
○石原(圓)委員 一應承りましたが、その点は日本の漁民の民度というものが、われわれの考え方では合致しないものがあると思うのであります。民主主義を極度に取入れるというその御方針と、今の漁民の民度との点がそこに非常な考慮を要するものがあると考えるのでありまして、これは実施にあたつて非常な問題を起すと思うのであります。特に御考慮を仰いでおきたい点であります。 次に農業会におきましては從來その團体に從事しておつた役職員——職員はとにかく役員は全部排除された。しかもその財産を処分する時分には、全然関係ない人が委員等になつて処分をして非常な不利益な結果を見た。また経営の面からも、新規に何ら経験のない人たちが入つて來て、役員になつて経営をして困つておる。こういうようなことも相当あるのでありますが、この漁業関係に対しては、絶対にそういうことがあつてはならぬと思うのでありまして、從來長く役職員をやつておつた者でも、優良なる適当なる者は全部次の組織に参與さすということでなければならぬと思うのであります。ことに都道府縣水産業会またはほかの漁業会の役員として今日やつておる人たちを、農業会のように除外したならば、日本の水産は火が消えたようになる、とうてい近い將來に復活はできなくなると思うのであります。今日ただいまより強化して行くというにあたつては、現在重要な地位にある人の適当な人は、全部次の組織に対して適当なる地位を占めてやらして行くということでなければならぬと思うのでありまして、このことは政府においても、はつきりした方針を今より明示しておく必要があると思うのであります。農業会の改組の時代には、相当某方便の圧力であるとか、終戦後早々のために、かわつた方針やかわつた考え方があつたと思うのでありまするが、現在ではそれらの空気も相当冷却して、ことにまたうまく行かなかつたという事実もわかつて來たわけであります。現在では漁村の漁業会の役員等は、もうおれたちはやれないんだから、次の自分らの進む道を求めなければならぬというようなことに頭を費して、現実の漁業会の役員としての機能を阻害にしておる点もないとは言えないのであります。よつてその点をこの際はつきりして行く必要がある。優良なる者は全部次の部門を担当することができるということを、はつきりしておきたいと思うのであります。この点に対するお考えも承つておきたいのであります。
○藤田説明員 農業は、協同組合法では從來の農業会の役員は解散準備総会がありますまでは新たに組合の設立運動には参與をしないということに相なつておるのであります。この点はおそらく水産業の協同組合につきましても、同じ方針をとつて行かなければならぬかと考えております。しかしながら解散準備総会といいますのは、協同組合法が施行後二箇月以内に総会を招集して解散準備総会をやりまして、その後資産の処分等については資産処理委員会に移つてしまうわけであります。その以後は從來の團体の役職員の方といえども優秀な方につきましては、これは当然選ばれた新しい協同組合口の総会会において、漁民の総意によつて選ばれてその職に分れるということは、何ら排斥すべきものでない、そういうように私どもは考えている。
○石原(圓)委員 大体了解しました。むろん優良なる役職員を次の担当者にすることを阻止しないのだ、むしろ政府は奨励せよという意味を私は申し上げているのでありまして、むろん民主主義の立場から選挙されて当選してくる、当選して來なければ政府が支持してもどうしてもやれないのでありますから、その当選をはばむとか、当選してはいけないとかいうような指導的な空氣が出たならば、非常に混乱せしめるから、優良なるものは、適当に選挙されて当選してきたならば、当然それはやつてよろしい、從來の役職員であつた人でも、全部それはさしつかえないという意味の指導方針をはつきりしてもらいたい。こういう意味なのであります。私は一應これで私の賛同を保留して終ります。次にまた適当な機会場に逐條的な質問を許されたいのであります。
○西村委員長 石原君から農林大臣の答弁を求められておりまする件は、農林大臣の御出席の際にこれを譲ることにいたしまして、なおその際に質疑がありますれば、石原君の質疑は農林大臣への質疑の部面に限つてお許しすることにいたします。次の通告者である小松勇次君に発言を許します。
○小松委員 私は逐條の質問をするに先だちまして、本日は総括的に、二お尋ね申し上げたいと存じます。この協同組合法は、第一條に掲げてございまするごとく、生産力を増進するということに重点を置かれておるようでありまするが、生産力の増強を期するのに、組合にその基礎をなすところの漁業権を取得せしむるということが最も妥当な方法ではなかろうかと思うのであります。農地改革に際しまして、耕作農民に土地を與えて生活の基礎をつくると同様に、水産業の生産増強を期するためには、漁民一人々々に漁業権を與えるということはいささか困難でありまするがゆえに、この協同組合に漁業権を取得せしめて、働く漁民にこの漁業権を利用するの道を開くということが、生産を増強するところのゆえんではなかろうかと考えるのであります。かような意味よりいたしまして、根つぎ漁業とか、あるいはその他の専用漁業権だけを協同組合に取得せしむるだけでなくして、一般の漁業権を協同組合に與えるというような御方針をおとりになる意思はないかどうか、まず第一点にお伺いしたいのであります。
○飯山政府委員 ただいまの協同組合に漁業権を賦與せよというお尋ねでありますが、今度の漁業権法の改正の中には漁業を営むものに漁業権を與える、こういう根本の考えがあるのであります。協同組合でも、協同組合が漁業を営む場合には、漁業権は漁業協同組合に與えられることになつておる。協同組合の名において、漁業の経営をせずに漁業権を取得するということは、現在の考え方としては持つておりません。
○小松委員 しからば現在協同組合はできておりませんけれども、これからつくらんとする協同組合が漁業を営まんとする方針であるならば、漁業権をお與えになるのであるかどうか。
○藤田説明員 ただいま長官からお話のありましたように、みずから漁業を営む限りにおいては、一定の條件を備える協同組合は漁業権を持つということに相なるのであります。從つて新しい協同組合が、みずから漁業を営みたいという場合には、これは漁業法の問題でございますけれども、できるだけ漁業権取得の場合の優先順位という点で、ほかのものよりは優先的にこれを考慮するという規定が置いてあります。
○小松委員 なお今回の協同組合の組織内容は、多く漁業に携るものであり、漁民であるのであります。從つて多くの零細な漁民が集つて組織される協同組合であるという感を深くするのであります。從つてこの組合を育成強化するためには、政府におきましても相当の援助をしなければならぬと思うのでありますが、政府はこれらに対して相当の援助をするところの御方針があるかどうか。また援助するとすれば具体的にどういう援助をして行こうという御方針であるか、これを伺いたいのであります。
○飯山政府委員 先ほども石原委員からその点につきまして御質問があつたのでありますが、この零細なる漁業者を育成発展させていくためには、どうしても金融、資材並びに施設というようなことが完全でなければ目的を達せられないと思います。従つてその育成発達には、政府としてはできるだけこれが助成に努め、その実現に努める。なお先ほどの金融のことでありますが、これは漁業手形、あるいは復興資金、あるいは漁業保険制度、こういう一連の金融関係の制度を設けて、それによつて金融の助成をはかる。それから資材の点につきましては、これは輸入の関係もありまするので、関係方面のできるだけの助力を求めてこれが強化に努める。それから施設その他につきましては、御承知の通り農林後興資金がありまして、これをもつてその施設に向けたい。あるいは將來それらの額を増加してその目的を達成する。こういうふうに考えておるのであります。
○小松委員 その点はよく了承いたしましたので、次の問題をお尋ねしたいのでありまするが、この協同組合は、先ほど私が申し上げましたごとく、生産の増強に重点を置かれると同時に、さらに考えなければならぬことは、生活協同体としての消費部面についても、画期的な生活協同組合たるの考えを多分に取入れなければならぬと思うのであります。今回の水産協同組合は、その流通面についても相当お考えになつているようではありますけれども、生活協同組合との関係について、漁村といかに結びつけるかということについての御所見を伺いたいのであります。
○藤田説明員 生活の面につきましては、統制経済の方向から申しますればだんだんと生活に必要な物資というものは自由になつてきておるという方向に進むであろうと考えます。從つて統制経済の役割を果す地位にこの漁業協同組合が置かれるようなことはだんだん少くなつて來ようとは思いますけれども、しかしながら自由経済になりましても、漁民の生活問題については、やはり協同組合というものが積極的に活動をして、そして漁民の生活を安定せしめるということにしなければならぬわけであります。私どもといたしましても、今後とも漁民の生活安定のための施設を協同組合がやります問題については、これは具体的に個々の物資についての検討をしなければならぬと思いますけれども、できる限り漁業協同組合を利用するように努めて参りたい、かように思つております。
○小松委員 なおこの協同組合は二十人以上の漁民の発起によつてできることになつておりまするが、さすれば一町村におきましても幾つかの協同組合が濫立されるというきらいが多分にあると思うのであります。しからばせつかく漁業協同組合をつくつてこれを強化して参ろうというのに、かえつて反対に弱体なる協同組合が幾つもできるというきらいがあると思うのであります。これらに対しましては、法規上はいずれどいたしましても、一町村に一箇所の方針をとるか、あるいは浦々によつて適当な協同組合をつくるという方針をとるか、いずれか政府においてその方針がなくてはならぬと思うのでありますが、これらに対するお考えを伺いたいのであります。
○飯山政府委員 協同組合法の精神から申しまして、加入脱退が自由であるという原則があるのであります。從つてこの精神を政府の考えによつて制圧するということは許されないと思うのでありますが、しかしながら一面実際に弱体なものが生れるということがあるならば、それは漁村にとつてむしろ避けなければならぬというふうに考えますので、実際にその地区あるいは漁種に即して、最も有力なものが生れるように政府としては考えて行きたい。從つてその線に沿うように政府としては行つて行きたい、こういうふうに考えております。
○小松委員 なおこの役員の任期の問題であります。この規定には役員の任期は一箇年ということに明記されておりまするが、はたして協同組合の経営の衝に当る人の任期が、一箇年で妥当であるかどうかということを、私は考慮しなければならぬと思うのであります。およそ組合の指導者として、理想を持ち、信念を持つて、一定の計画を立てて、そうしてその計画を遂行して行こうというのには、ある程度の期限をどうしても必要とすると思うのであります。しかるに、せつかく計画を立てて、その実施のために努力をしておるけれども、一年後には他の人に讓らなければならぬ、そういうような不安があつては、その経営の衝に当る人、指導者たる人は、献身的に専心この仕事に携わるということに対して、いささか躊躇せざるを得ぬよりな実情に置かれると思うのであります。かような意味よりいたしまして、私は、この役員の任期というものは、少くとも理事において三年、監事において二年くらいの任期が妥当なのではなかろうかと考えるのであります。しかるにかかわらず、この法規において一箇年という任期を規定せられておることは、その根本的の理論がどこにあるか、これを私はお尋ねしたいのであります。
○藤田説明員 これは御趣旨はごもつともな点があると考えております。この点につきましては、農業協同組合とやはり同じような規定にいたしたわけであります。ただ、役員の任期は一年でございますが、但書がございまして、その協同組合で「二年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。」と書いてあります。具体的に、その協同組合で、一年は短い、二年にしよう、というなら三年以内なら定款でやり得るというような規定に相なつておるわけであります。この趣旨は、できるだけ漁民の意思によつて、役員の人を、絶えずこの人がいいというふうなことが発言し得るような機会を與えようというふうな意味でありまして、從つて、ほんとうにその組合の事業に盡瘁をし、また組合員の信望をつないでおられます方は、当然の結果として、期間はかりに一年ごとに区切ることには相なりましても、引続いてずつとその職におつきになることであろうと私どもは考えておるわけであります。從いまして、実際問題としては、多少煩瑣なところがあろうと思いますけれども、組合の信望さえつなげば、この点はさして問題にする必要はないのじやなかろうかというふうに思つております。
○小松委員 そういうお考えは私とたいへん見解を異にするのでありまして、私も協同組合のいろいろの参考書を調べたのでありますが、今までの私の見た範囲においては、この一年というような任期の協同組合法は見ないのであります。これは最近決定した農業協同組合法には一年となつておりますけれども、その他の参考書を見ましても、やはり相当の年限を定められておる。いずれにいたしましても、相当の期間を與えるということが協同組合を強化して行く上において最も必要なことであると私は信ずるのでありますがゆえに、政府におきましても、この点はさらに御考慮を願いたい。われわれ委員会においても十分この点は考慮しなけりればならぬと考えておるのであります。 次にお尋ねいたしたいことは、この協同組合の組合員たる者は、ここに明らかに規定されておりますけれども、いずれにしても漁民であり、漁業を営むところの個人でなくてはならぬ。從つて会社組織のものはこの組合に加入することはできない。しかしながら、会社としては加入することはできないけれども、会社の從業員としてこの漁業に從事しておる者は組合員として加入することができるかどうか。たとえば会社の重役のような人は個人として入ることができるか。あるいは、漁夫はもちろん入ることはできると思うのでありますけれども、こういう点について私は政府の見解をはつきり伺つておきたいと思います。
○藤田説明員 協同組合に会社は入れないことは明らかでありますが、会社の重役は入れない。それから会社の從業員、いわゆる働く漁業者漁民は本法においては加入の道を認めております。
○小松委員 さらにお尋ねしたいことは、連合会の組織の問題であります。この連合会組織の規定の中に、金融業と事業とを兼営することができないように定められておりますが、單位組合には金融業と事業との兼営を許されておつて、その上の連合会、いわゆる府縣單位の連合会に対してこの兼営を許さないということは、この協同組合の事業を推進発展せしめて行く上において、非常に矛盾があると私は思う。これを切離した根拠をお伺いしたいのであります。
○藤田説明員 この信用事業といいますのは、預金者に非常に重大な関係があるわけでありまして、その資金の運用等については相当注意をいたさなければならない、他の事業を兼ねております場合には、往々にして非常な危険を伴うというふうな建前からいたしまして、預金者保護の観点からいたしまして原案の通りに考えたのであります。たとえば、中央におきましてはこれは全然別であります。それから、縣單位におきましても、相当大きな組織でありますので、これもやはり信用事業は別であります。しかしながら、單位組合に至りましては、これはむしろわけることが漁村の実情に沿わないような趣旨からいたしまして、この点は一緒にやつて行く、兼営でやつて行くような建前をとつたのであります。これはやはり農業協同組合法の前例その他によりまして、関係方面といろいろ折衝いたしました結果、かような結論になつたのであります。
○小松委員 私はこの金融と事業とは兼営せしむることがよろしいという見解を持つておるのでありますが、この議論は將來に譲ることといたしまして、次にお尋ねしたいことは、この協同組合がこのたび組織されるにあたりまして、今までの水産團体の整理に関する問題であります。先ほどもこの問題に対しての質問があつたのでありますが、今までの漁業会等の財産処分に対して、これを新しい協同組合に譲渡する。あるいはその組合員の持分に対してこれを拂いもどしするというような場合に、今までの漁業会の財産というものは、帳簿價額によつての計算であるか、あるいは時價評價によつてこれをやられるのであるか、これをはつきりといたしておかないと非常に迷いが生ずると私は思います。これはどういう御方針であるか。
○藤田説明員 旧漁業会の資産評價をいたします場合は、帳簿價額によるか時價によるかという問題でありますが、これも農業協同組合で先例がございまして時價による、われわれとしても大体それと歩調を同じくして行きたいと考えております。ただ時價と申しましても、時價とは何ぞやということは相当問題があるであろう。從つてそれを引受けますところの協同組合も、健全にその施設によつて運営をして行くというような点もこれを参酌をいたして、そうして適当時價というものをきめて行くということにいたしたいと考えております。
○小松委員 さらに一点お伺いしておきたいのであります。この第四條に「組合員又は会員」という文字がありますが、この法案を拜見してみますると、会員というのはどういう資格のものであるかということがはつきりしておらないようでありまするが、これは逐條の質問でいいのでありますけれども、一應根本の問題でありますから、お伺いしておきたいのであります。
○藤田説明員 四條に「組合員又は会員」とございますのは協同組合の場合は組合員で、連合会の場合は会員というふうに呼んでおります。その両方を含めまして、ここに書いてあるのでございます。
○小松委員 私は第四條は協同組合の連合会の單位組合の規定があるがゆえに、この会員というものに不審を抱いたのであります。
○藤田説明員 第四條の組合員と申しますのは、第二條に書いてございますように、「水産業協同組合(以下本章において組合という。)」これは漁業協同組合、漁業生産組合、漁業協同組合連合会並びに水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会、つまり一切の水産業国体を総称しての名前で組合員という字が使つてございます。單位の協同組合の意味ではございません。
○小松委員 わかりました。
○西村委員長 午前の会議はこれにてとどめます。午後は一時半より会議を続行することとして、それまで休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時五十九分開議
○冨永委員長代理 休憩前に引続き開会いたします。 委員の発言を許します。藤原繁太郎君。
○藤原委員 私は本法案の審議にあたりまして、詳細なる部面はいずれ逐條審議の権利を留保いたしまして、まず根本問題といたしまして二、三の質問を申し上げまして政府の御見解をただしたいと思うのであります。 敗戰以来の日本は民主化のために、あらゆる職域、階層というものが再編成をされまして、ひとり漁民大衆のみが今日まで民主化組織というものが遅れて参つたことは、まことに遺憾に存じておるのであります。幸いに今日審議の運びに至つたということは、遅ればせながらおめでたいと申さなければならないのであります。從いまして、この法案は、單に漁民の民主化という一つの性質ばかりではなく、日本の民主革命への一環の大きな使命を持つた法案であると私は解しておるのであります。従いまして、この法案を作成するにつきましては、その大きな革命的な意味をここに持たせなくてはならぬ、こういうことがまず第一に考えられるのでありまして、この組合の発達のためには、まず第一に組織、第二に運営、第三に政府の補助ということが、この組合を発達させるための大きな目標になる、こう思うのでありまするが、第二の運営は、これは組合の自主的な動きでありまして、第三の政府の補助ということは、金融の面だとか、あるいは資材の面というものに対する政府の考え方にあるのでありまして、これは先ほど石原、小松両委員の質問の際の政府の説明によつて、大体了解を得ておるのでありますが、 〔冨永委員長代理退席、西村委員長着席〕 第一の組織ということが、ただいま申しました日本の再編成、新しい民主日本をつくり上げるという一環の大きな役目を持つておるという理念に基きまして、これが組織されなければならぬ、こういうことに帰一するのであります。從いまして、この組織にあたりまして、今までの旧組織というものが、新しい組織にはつきり切りかえられるということが、大きな目標になるだろうと思うのであります。この点について、先ほど石原委員からも質問がありました。かつまた石原委員の意見といたしましても、古い昔のりつぱな人であつたらいいじやないかというようなことが述べられておつたようでありまするが、私は如上の大きな革命的な意味を持つという理念に基きまして、この際さような、どういうぐあいの人であればよいといつたような含みを残すということは、新しく生れかわるという新しい組織に、私は非常な災いを残すことである、すなわちこの際大きく生れかわるためには、一つや二つの犠牲ということは、これはもう覚悟せなければなりません。その意味から、私は古い組織というものは、全然これを排除いたしまして、もちろんその中にはりつぱな人もあるであろうが、これは一應新しい漁民の組合の再編成をする漁民層への新しい一つの革命であるというふうな意味から、私は古い役員というものは新しい組織の中からこれを排除して行く、これを永遠に排除するという意味ではなくして、大体二年間ぐらいの期間を置いてこれを排除して行く。そうしてほんとうに新しい人たちによつて新しい組織が編成されて、完全な一つの協同体をつくつて行くという方に進めたいと思うのでありまするが、この点をもう一度当局のお考えを伺いまして、同時にまたこの新しい組合をつくるための、先ほど申しました大きな理念に基いてこれをやるのであるか、あるいは單に一つの組織を都合のよい方にかえて行くのだという観念に立たれてやるのであるか、その根本理念に対するお考え方をお尋ねいたしたいと思うのであります。
○飯山政府委員 ただいまの藤原委員からの御質問にお答えいたします。協同組合の組織を根本理念として革新的に行くのか、それとも漸進的に行くのか、こういうふうなお尋ねのように考えます。もろちん民主化という線から考えますれば、お説の通りだと思うのでありますが、本法案の精神は、民主化と同時に水産の生産力を拡充高揚させる、こういう目的もまた入つておるのであります。民主的な線のみに走つた場合に、生産力が支障を來すというようなことでありますならば、これは本法案の目的を完全に達し得ないのであります。從いまして、民主化の方向と、また一面生産拡充の面、この二つを考えて行きますので、この両面から組織を考えて行く、こういう考え方であります。
○藤原委員 ただいまの説明によりまして、民主化という大きな目的に沿うということは了承を得ましたが、生産面というものを考えて漸進的な方向も考慮するという御意見のようでありまするが、しからば旧役員がそれに加わるということが、生産面に非常な影響を持つというようなことは、その論拠はどこにあるか、お伺いをしたいと思います。
○飯山政府委員 旧役員をそのまま新組合の役員にするというような考え方ではないのでありまして、優秀なる、その民主化を助け、また生産を増強するという資格を十分に備えられた人がその局に当る、こういう考え方であります。
○藤原委員 この法案によつて成立する漁業協同組合というものは民主的なものであつて、役員というものは單にその民主的な團体が決定した事項によつて行動をするのであります。從いまして、役員というものにさほどの重点を置くというこの考え方は、非常に古い考え方じやないかと私は存ずるのであります。すなわち政府当局が今言われる、増産のための非常な能力を持つた人間というものは、一組合員として存在しておつても、これは十分組合のために働こうとする意思があり、役というものは自分は持たぬでも、平組合員として自分がやつて行くという精神がそこに流れておるならば、当然組合の非常な助けになると思うのでありまして、役員にならなければおれは仕事をしないというような考えの人は、いかに優秀な能力を持つておつても、私はこれを排すべきであると存ずるのでありますが、この点をお伺いします。
○飯山政府委員 旧役員が必ずそのままと言つてないことは先ほど申し上げた通りでありますが、優秀な役員は必ずや漁村における大衆の支持を受ける資格を持つておるものだと私は考える。從いまして、おそらくさような優秀な資格者は大衆から支持を受けて役員に選任されるだろうということを私は考えるのであります。ひとり單に組合員として働くよりも、大衆の支持を受けた信頼される役員であるならば、その人としましても、役員として漁村のために、協同組合のために働かれる方がよりよいのじやないか、こういうふうに考えるのであります。
○藤原委員 私はあながち優秀な人を旧役員であるがゆえにこれを排除するという、その内容においては決して——私も極力それを主張するものではないのでありまするが、新しい組織がえをする際に優秀な人であれば残つてよい、ボスは排除しなければならぬ。同じ役員の中にこういうわけへだてをするということは、まだはつきり目ざめていない漁民大衆というものは、ややもすればまた再びそのボスのために牛耳られるおそれが多分にあるのであります。從いましてこれをはつきり法規の上で、旧役員はいかぬとこうきめておけば、これはボスはボスで再びいろいろ策動をするという間隙がなくなつて來る。そうしてだんだん漁民にも組合意識というものができ、民主的な氣持ちというものがここに発達して行きまするならば、それから先は、ほんとうにまたいい人を選択して行けると思います。この組織がえの当初にそういうりきわめて不明確な——これはりつぱな人だと思う人もおるし、これはいかぬと思う人もおるというふうな、こういう任意的な部面を法の上に残しておいて、そうしてそういうボスというか、きわめて人の帰趨というものを全力によつて妨げんとするような人間の活動部面を残しておくということは、最も危險であると私は考える。その点はいかがですか。
○飯山政府委員 先ほども申し上げましたように、ボスというような、いわゆる從來金権あるいは権勢をもつて組合を壟断するというようなもし役員であるならば、これは当然組合員が支持するはずはなかろうと思います。ただし漁民の水準が低いために、その判断を誤るおそれがあるというお言葉でありましたが、これは漸次水準が上つて來るのを待たなければ、やはりこの法案が出ましても、完全にその目的は遂行できないのではないか。こういうふうに考えますので、そういうふうな金権、権勢をもつて壟断するような役員は、おそらく新組合には支持を受けないだろう。そういう心配はなかろう。こういうふうに私は考えております。
○藤原委員 これは考え方によると思うのでありますが、大体この水産業協同組合というものを組織するメンバーの資格というものからこれを判断して参りますると、これが一年間を通じて全部漁業に依存して生活して行くというほんとうの漁民という場合は、あなたのおつしやることが出て來ると思うのでありますが、このメンバーの資格を見ますれば、これが最少三十日間漁業に從事すれば、漁民として水産業協同組合に参加することができるというのが建前になつておる以上、きわめてそうした漁業に対する観念の薄い者が、水産業協同組合の中に加入しておると言わねばならないのでありまして、この人たちは、そうした役員というものを選考する上に非常に知識を持たない、從つてこうした方面にあれやこれやの手練手管で、役員に食い込んで行つて選考されるというようなことが、多分に起ると考えておるのであります。從つてそういう人たちの考えも、全然誤らぬように法規の上ではつきりきめて行つたらどうか、それほど生産力は落ちるものじやないと考えておるのであります。同時にまた生産能力の上から言いましても、水産業協同組合というものは、それほど廣汎な漁業を管理し、かつ営んで行くということは、今日まだこの法案の上から見ましても考え得られぬのであります。ただ事業内容として盛られておる部面だけの活動範囲でありますから、この範囲だけの仕事をさせる上に、それほど私は旧役員を追い出しても障害にならぬと考えるのでありますが、その点はいかがでありますか。
○西村委員長 ちよつと藤原君におはかりいたしますが、あなたのお話の事柄と政府の申されておる事柄とは、質疑應答を重ねられましても、見解の相違のように委員長は思うのであります。あなたの申し述べておられるのは、旧役員は、一應いい人であつてもとりのけて、はつきり漁民の心持が入れかわるようにして行くのが順当じやないかという御意見である。当局の意見では旧組合役員であられても、民主的に漁民の多数の人々の御信頼を受けて選ばれる役員であるならば、あながちこれを法的に除外すべきものでないという御見解のように思いますが、いかに繰返されましても同じことになりますので、この点は他の機会にお讓りくださつた方がよいと思いますが、いかがしたらよろしゆうございますか、ちよつとお諮りいたします。
○藤原委員 それではこの点は後日の機会に譲りましで、この水産業協同組合法案というものは、当然漁業権法の改正と密接不可分の関係にあると思うのであります。もちろん本法案はやがて改正される漁業権法というものとにらみ合せて作成されたものと思います。將來審議される漁業権法というものは、審議の過程において政府当局の考えておられる漁業権法というものとは、食い違いを生ずるというような場合が生じやしないかということは、これは一つの仮定として想像せられます。こういう場合にどつちを重点として調整をされるのであるか、ひとつ政府の御意向を伺つておきたいと思います。
○飯山政府委員 午前の委員会におきましても、その点につきまして石原さん並びに小松さんからの御質問もあつたのであります。食い違いを生じた場合にどちらを重視するのかというお尋ねであつたのでありますが、漁業権の改正はいまだ公表をすることができなかつた関係がありまして、本國会に提出ができなかつたのであります。第四國会には、できるだけ提案するように運びたいと、せつかく努力中でございます。從いまして、その短期間の間に非常な問題が起るということは、予想しにくいのであります。その組織が相当期間かかるのじやないか、こういうふうに考えまするので、その間には漁業法の制度の改正も実施できるというふうに考えておるのでありまして、これが一年も、あるいは二年というようなことになりますると、お説の通りの事態によつて、漁村は非常な迷惑をするというようなこと、あるいは非常な弊害を起すというようなことが予想されると思いますが、組織に費される時間が相当あることと思います。その時間内において、おそらく漁業法の改正も行われる、こういうふうな見通しをもつて、その点に対しましてはさように考えております。
○西村委員長 ちよつと政府委員の方にお諮りいたしますが、委員のこの点に対する疑義をはさまれるのは、副法と見られる協同組合法が先に制定されるわけになるのだが、この法が制定されたあかつきにおいて、あとから本法ができるのであるが、この副法を骨子として本法を制定されるのか。本法は別個の観点からこしらえられたものを会議にはかるのか。もし会議に、本法を別個の観点から提案したものを諮るとするならば、そのときにあやまち、食い違いを生じたならば、本法を改正するのか、この協同組合法を改正するのか、いずれに主体を置いて運ぶ方針であるかということのお尋ねであると思いますので、その点をはつきりお答えくださいますようにお願いいたします。
○飯山政府委員 ただいま委員長からお話がありましたが、政府といたしましてはもちろん本法である漁業法の改正が主体なのでありまして、これに從つて副的に協同組合法というものがあるということがはつきり申し上げられるのであります。從つて漁業法の改正によつて協同組合に支障を來すという場合には、漁業法に基いてこれを改正する、こういう考え方であります。
○藤原委員 漁業権を許可するにあたりまして、協同組合、個人、法人といつたようなふうに、これを優先的な順位をつけるお考えはありませんか。
○飯山政府委員 協同組合に対しましては、優先順位をもつてこれに與える、こういう考え方を漁業法には盛ることになつております。
○藤原委員 それでは私の大綱的質問は、本日はこれをもつて打切ることにいたします。
○西村委員長 夏堀源三郎君。
○夏堀委員 本法案の目的は、漁村及び漁民の民主化、水産業の生産力の発展ということになつております。まことにけつこうなことでありますが、しかしせつかくのこの法案が、この目的にはたして沿うことができるかどうかということは、これはよほど考うべき余地がなお残されておるのではないかというような感じがいたすのであります。私はこれまでの日本の漁業の発展は、日本の漁業者、漁業労務者が、あの板子一枚下の地獄を覚悟で、勇敢に鬪つて來たそこにあつたのではないか。しかるに最近の陸上の工場の勤務者が、その漁業者の、いわゆる漁業者魂の発揮による生産増強の手段と比較して、どこから見ても、今現に國家公務員法の改正案が進められているように、あるいは労調法の改正も必要ではないかという國民の疑問もあるように、生産ということに対してはまことに不熱心であつて、この点から見て私は漁業労務に從事している諸君に対してはまことに敬意を表しておるのであります。だがすでに農業協同組合の発足に際して、ある面においては民主化ということ、自由ということをはき違えて、共産党の連中は——これは全部ではありません。ある部落に対しては、一部落に二箇所以上の設立のあることを機会に、共産党員がその中に入つて内部を撹乱する、そうして生産を妨げる、その行動に成功した際に、また別の組合に入つてこれを撹乱するという行動のあることもあります。それは一共産党員の行動であれば、私は数において大したことはないと思います。しかし全体の漁業労働者が、今はそうでありませんが、今後誤つた行き過ぎた民主主義なるものに同調して、せつかくのこの法案が平和を撹乱し、そうして生産を妨げるということがありはせぬか。これを私は心配しておるのであります。よつてここにお伺いしたいことは、今後の日本の漁業労働対策というものに対する政府の方針として、どのようなことを考えているか。從来のやり方が幾分修正しなければならぬ点もあるでありましようけれども、その行き過ぎた行動ということは、この法律の面とにらみ合せて、今現に行われつつある、いわゆる工場労務者のごとき観念をもつて行動した際に、これは生産増強どころではなく、おそらく生産減退の状態に陷るおそれがあるのではないか、これを私は心配するのでありますから、この機会に漁業労働対策の方針を伺つておきたいと思います。
○飯山政府委員 ただいまの漁業労働者に対する対策ということでありますが、今日まで水産当局としましては、漁業の労働者に対する具体的な対策は講じておらなかつたのであります。ただ一部に基本的漁業に対しては、お話の通りすでに陸上と同様な團体もできまして、また実際において問題も起つておるのでありますが、幸いに沿岸漁業のいわゆる漁村における現状は調査の結果ではいまだそういう危険は少いのであります。それで当局としましては労働係を設けまして、特に漁村における漁業労働問題を調査研究を加え、また來年度の予算には相当額の経費を計上してこれが対策の確立に努めるという態勢になつておるのであります。調査の結果につきましては、また調査の必要があればその際にあらためて資料は提供いたしたいと思います。当局としましては、漁業労働問題の重大であることは十分に御説の通りと考えておるのでありまして、これが対策に万全を期しておる次第であります。
○夏堀委員 わかりましたが、漁業労働問題を今後労働省に移すべきものであるか水産廳内に置くものであるかということをはつきりお話し願いたいと思います。
○飯山政府委員 漁業労働者の性格と申しますか、その点は陸上の労働者とは大いに趣が異つておることは御説の通りであります。従いまして、最も適当な労働政策を立てようとするならば、やはり水産廳においてこれを主管するということが適切だと私は考えておるのでありますが、しかし労働基準法その他の現在適用を受けておるものは厚生省、また乗組員は運輸省、こういうことになつておるのでありまして今ただちに水産廳が漁業労働者の主管をするということは、いろいろ関係方面との交渉も要するだろうと思います。しかし私どもといたしましては、ぜひ漁業関係の労務の問題は水産廳においてこれを所管するようにしたいと考えております。
○夏堀委員 この問題はことに日本の漁業の今後の発展に対して重要な問題でありますので、私は今水産長官の申しましたそれに賛成いたしまして、他の陸上労働者とは違つた面においてのそれを、その筋の方にも十分に御説明になつてこれは水産廳内にすべて移すべきものであると考えております。どうぞそのようにお願いしたいと思います。それから一部落に二以上の組合ができた際に、一世帶の者が漁業に從事するゆえをもつて、一人の者は甲の組合に、それから他の家族の者は乙の組合に加入するということができるかどうかを伺いたい。
○藤田説明員 全然それは漁民の自由意思によつで加入は可能であると考えております。
○夏堀委員 そこに私は先ほど申した民主主義のはき違いがある。一世帶の者が二以上の組合に加入することが自由であれば資材の配給その他について、その人たちおのおの各組合から別箇に配給を受ける権利を保有することができる。そういうことはいかなる方法をもつてこれを防止することができるか。
○藤田説明員 漁業に必要な生産資材につきましては、御承知のように現在は各團体に一括配給はいたしておりませんので、個人に対して、各個の生産者に対しまして、直接漁業調整事務所あるいは都道府縣知事から配給をいたしておるというふうなやり方になつております。従いまして二重配給になるという点は、現在のようなやり方で、よく調査して参りますれば防げるものと考えております。
○夏堀委員 重要なる漁業資材に対しては建前はそうなつております。けれども組合はその処理方法として、組合でできる程度の資材はやはり確保するという態度をとるのではないだろうか。私は全体に対して申し上げておるので、現にこの法案の中にも、組合は資材の配給云々ということもちよつと見えたように考えております。それは全然資材の配給を組合はやらぬということではなく、やることが多分に含まれてあると思いますので、そうした場合に、何らかの処置をとるべきものであるかということを伺います。
○藤田説明員 法律上の建前といたしましては、先ほど申し上げましたように、特に極端に申し上げますれば、一人の漁業者でありましても、二つの組合に入ることも何ら支障がないわけであります。從いまして結局その問題は可なり具体的な問題として、特に國家が必要として公正に配分しなければならぬところの資材につきましては、先ほど申し上げましたように、二重配給にならぬように注意をする。またそれはできるかと思います。それ以外のいわば自由経済において、組合自体が一生懸命になつて獲得した資材につきましては、これはそう窮屈な考え方をとる必要もない。適宜に組合員に配分して行くということも支障がないのではないかというように思つております。
○夏堀委員 大体わかりましたが、しかし組合が一部落に二以上ある場合、こればかりではない、事務の処理上にいろいろ煩瑣な事項が出てくる。自由もよろしい、民主化もよろしいが、いわゆるそのやり過ぎ、行き過ぎというものに対しては、こればかりではなく、これに似寄つた問題はしばしば起るであろう。これに対しては、いずれ適当な機会にこういう面は調整する必要があると思います。これはあとに保留して次の機会にまた質問することにいたします。 午前中に小松君でしたか、役員の任期のことについての非常に重大な質問がありました。私も小松委員の質問に対しては全然同感であります。先ほど申したような思想的に対立して、鬪うという言葉を使つて大きな摩擦を展開しつつある現情勢下において、特に政党政治が活発になるという場合に、これまででもしばしば組合を政争の具に供するという部面があつたのであります。今後組合は政事の具に供せられないような態勢にもつて行かなければならぬ。こう考えておりますが、そこに役員の任期は一年になつておりますが、その間でも組合員の五分の一かの同意を得て役員の改選を要求することができるというふうに考えておりましたが、もしそうであれば、五分の一程度の同意によつてしばしば政争のために役員を改選するという行動に出るおそれが多分にあり、それがいわゆる私のしばしば申し上げた、民主化という非常によいこの言葉とその方法を、行き過ぎによつて誤るおそれがありはせぬかと考えるのでありますが、五分の一の同意ということは、これは正しい根拠があつてやつたことであるかどうか、それを先にお伺いします。
○藤田説明員 ただいまの役員のリコール制の問題でございますが、これは農業協同組合と水産業協同組合との規定は若干違うのでありまして、組合の五分の一以上から役員の改選を要求をすることができる、要求をいたしました場合は、総会においてこれを改選すべきか否かを議決することができる、こういうふうな規定であるわけであります。つまり五分の一の要求がありますれば、必ずそれはリコールしなければならぬということにはならないわけであります。総会においてこれを改選するかどうかということをその議に付すということになりますから、総会でさように決定されます以上は、これはやはり実際問題としてやつてしかるべきような場合であろうかというふうに考えられるのであります。
○夏堀委員 了承いたしました。小松委員の意見もありましたが、これは重要な問題ですから、役員の改選期は、やはり三年程度は絶対必要である。一年程度であれば、ほとんど事業計画さえもろくに立たないうちに、あるいはその計画を立てても、その責任者がそれを実施に移すことはおそらくできないだろう、そのようなことでは組合の発展はとうてい望むことができないのであります。この点は十分に当局においても御研究あつて、衣の機会に改正あらんことを要望するものであります。 それから出資関係でありますが、出資関係は平均の口数に対する金額の二倍以上を越えることができないということになつておるのであります。発言権、選挙権は一人一票になつておりますが、組合の強化をはかるということは、結局現在のように金詰まりが一番問題になつている場合には、やはり内容を充実して置く必要がありはせぬか、そうした場合に出資額が制限されて、その内容が貧弱であつた場合に、その信用もそれだけに弱体化してしまう。これに対する発言権は制限しなくても、一口一人だから同じではないか。これに対する制限しなければならぬ理由はどこにあつたか、これをお伺いします。
○藤田説明員 ただいま御質問の出資口数は、出資品数の最高限度が組合員の平均出資口数の二倍を越えてはならない。これは漁業を経営いたしますところの協同組合または生産組合についてその規定があるわけであります。それ以外の協同組合につきましては、この制限はございません。それで特に漁業を営みますところの協同組合についてこの規定を入れました理由は、つまりこれによりまして、本來この趣旨に沿つた協同組合でなく、ある人が相当多数の出資をする。もちろん議決権は一票でありますけれども、相当多数の出資をするということでありますれば、議決権の制限は一票でありますけれども、その組合の運営に対するその人の発言権というものは、やはり精神的に非常に大きいというように思うわけであります。そういうふうなことを予想いたしまして、出資品数の制限を置いたのであります。実際問題といたしますれば、事業をいたします場合にも、出資によつてのみまかなうということは、とうてい考えられないのであけます。出資というものは、その事業に要する資金のほとんどわずかな部分しか集まらないのでありまして、あとは信用によつてやる、あるいは借人によつてやる、こういうふうなことになるかと考えるのであります。この問題は、先ほど申し上げましたように、議決権はなるほど一票ではありますが、やはりあまりたくさんの出資をする人が片寄つて存在いたしますことは、つまりその組合が平等に危險を負担してやつて行こうというふうな漁業を経営いたす場合に、みなの者が同じようなウエートで、同志的な結合でやつて行こうというふうな協同組合の精神からして、これを制限をいたしたのであります。
○夏堀委員 精神的という言葉がありましたが、事業の経営に対して、精神的に云々と言うより実質的な面をとるべきではないかと思います。ただいまの御答弁に対しては、実際に行われつつあるこの組合の最近のあり方と申しますか、いわゆる新しい面を取入れるところはいいけれども、実質的な面において失つておるがために、組合の運営及び資金面に非常に窮迫を告げつつあるということは見のがすことのできない事実であります。もしそれが妥当であるというお考えであれば、実施後間もなくこれに対して考え直す時期があることを私ははつきり申し上げておきます。 なお協同組合の事業は、第十一條に規定している事業のほかに、漁業及び漁業に附帯する事業を営むことができるというふうに規定してあります。協同組合は漁業及び漁業に附帯する事業を営むことに、これを奨励的に持つて行くものであるか、あるいは幾分これを抑えるように持つて行くものであるか、どのようにお考えになつておりますか伺いたい。
○藤田説明員 私どもの考え方としては、漁業協同組合は、本來流通部面の仕事をやるべきものであるというふうに考えております。從つて生産部面の仕事をいたすところの團体として、特に漁業生産組合の規定を設けているわけであります。それが普通の形である。と申しますのは、漁業の経営は非常に危險も多い、それによつて多数の者に損害を及ぼすことも予想されるわけであるから、その運営が間違いますと、漁業協同組合の仕事にひびが行くということが非常に懸念されるわけであります。從つて大体漁業協同組合は流通部面の仕事、それから生産組合は生産の仕事、こういうふうな構成で考えているわけであります。ただ場所によると、同じ者が別々に、協同組合もつくりまた生産組合もつくる、二重につくることによつて非常に煩瑣が生ずる、こういうふうなことが考えられますので、特に一定の條件を備えているもの、つまり生産組合と大体同じような内容の協同組合については、漁業及びこれに附帯する事業も営める、こういうふうにしたわけであります。
○夏堀委員 生産組合が事業を行うためには、法案の内容から見ましても、大変都合よくできておりますが、何かここに生産組合員の三分の二以上は組合の事業の從事者たることを要求する。また一組合員の出資口数の最高限度は、組合員の平均出資額の二倍未満とする。かつ組合事業の從事者が出資の過半数を持たねばならぬということを規定しております。いわゆる出資の面において制限し、これに参加する場合に過年数の者ということで制限しております。こう制限することが生産組合のよき発展を阻害するようなことになりはせぬか。これについての御意見はいかがですか。
○藤田説明員 私どももその点を非常に問題にいたしたのであります。生産組合のような規定を設ける以上は、できるだけ範囲を廣げてやれるようにということも考えたのでありますが、この生産組合の規定は、協同組合の一つとして、協同組合の持つておりますところの恩典をも持つておるわけであります。從つて株式会社と同じような生産組合をつくつて、そうして税法その他いろいろな関係から、生産組合の看板をかけているというふうな点につきましては、相当各関係方面で御意見があつた点であります。従いまして私どもは各関係方面といろいろ折衝いたしまして、それらと全然区別をしたというふうな建前をとりまして、この生産組合の規定を認めたといういきさつになつております点を御了承いただきたいと思います。
○夏堀委員 問題の生産組合の出発に際して、実状に照して、やはり私はもつと大きくこれを開放的に、ほんとうに会社の経営のように持つていかなければならぬ。これまでの経営に対して組合は一つ一つの発言権を持つておる、それは民主主義であり自由であるけれども、そのために組合の事業は発展しない面もあるのであります。会社は組合に比較して割合に仕事はしやすい。それはある程度幹部に任して、いわゆる役員会によつて決定して、非常に円満にスムースにこれをやることができるという特典が、漁業ばかりではなく、すべての事業に対して、そういう傾向に定められたり、それが事業には必要であつたのだということが、いわゆる組合よりも会社の方が非常に大きく産業を発展させることができるという理由になつたのではないか。今おつしやつたように、組合員もそれをお考えになつてやつたということは、私も賛成いたし、非常にいいことだと存じますけれども、実際の運営において、これと相反する何かのあり方があるということは、これは十分にその筋にも説明を求めて、ある程度の修正も後日必要だろうと存じますので、お含みを願いたいと思います。 次に教育の問題であります。農村教育ということは非常に重要な問題であります。農村の文化的生活、農村教育ということに対しては、十分に力を入れなければならぬものであつて、この法案の中にも織込んでおりますけれども、その予算なるものはわずか剰余金の百分の二十ですか、その程度のことでは、すでに農業協同組合において何もできないと言つて悲鳴をあげておりますので、形式的に法案に織込んだところで、何もやらなければ何もできないのであつて、農村の文化の向上、漁民の教育に対して、法案に織込んで通そうという勇気があつたならば、何かしら特別会計でもつくつて、もつとこれを積極的に進めるべきではないかと私は考えております。この点に対しての御意見を伺いたい。
○飯山政府委員 漁村の教育に関しまして、その重要なことは御説の通りであります。從来漁村の発達が遅れておるのも、その原因はここに大きにあると思います。水産当局といたしましては、事情の許す限りこれが助長の対策を確立することに努力をいたしたいと思います。
○夏堀委員 まことに抽象的に、まあなるべくそういたしたいという程度の御答弁では、私満足いたしかねます。しかしここではつきり具体的にその答弁を求めても、その答弁が困難だということも大体私は御推察申し上げます。これに対して民間から出た水産長官は、ほんとうに漁村の振興について、具体的にどういう方向をもつて、人並の生活を営むことができるようにするかということの方策を、あとでもよろしゆうございますから、具体的にお示しになることを希望して、私の質問を打切ります。
○西村委員長 この際鈴木君にお諮りいたします。坪井亀藏委員より二、三分間でけつこうだからといつて発言を求められておるのでありますが、これをお許しいたしまして、あなたの質問は明日劈頭からお願いいたしたいと考えております。坪井君。
○坪井委員 ただいま委員長に発言を求めましてお許しを得ましたので、私もごく簡單に質問いたしたいと思います。 水産業協同組合法案が上程されまして、しかもこの内容を見ますると、大体漁業協同組合、漁業生産組合、漁業協同組合連合会並びに水産加工協同組合及び水産加工協同組合連合会、この五つになつておるわけですが、非常に輻輳しておるということであつて、つくられたこの趣旨から見ると、どこにこの協同組合によつて日本の水産業が眞に國民の要望するような國民生活の安定に寄與する方向に向つて行くものがあるかということが憂慮されますので、あまりにもこれは一方的の、いわゆる水産業の生産増強だといつたような感がいたしますので、私は非常に不満でございます。從つて私が申し上げるまでもなく、國民生活の安定ということになると、衣食住という面になりますけれども、おそらくこの水産業の受持つ分野というものは非常に廣範であるから、この漁民というものを中心といたしまして、何としてもこの漁獲高を殖やして行く、この線が第一の目的にはなるわけですが、しかしもつと日本の現状から見て、農地改革が行われ、すべて民主化されて行こうというときに、やはりこの漁業権もここに改革されまして、独占的には行われないというような方向に向けて行くやさきにおきまして、ただ漁業と一口に言いますけれども、これを大きな食糧、飼料、肥料あるいは工業用原料というような面から考えたときには、今度の協同組合は満足できない。目的をちよつと読んでみますと、「この法律は、漁民及び水産加工業者の協同組織の発達を促進し、もつてその経済的社会的地位の向上と水産業の生産力の増進とを図り、國民経済の発展を期することを目的とする。」國民経済の発展ということはまことに漠然としておりまして、これも私は納得できない。少くとも國民生活の安定ということになれば、その問題は衣食住ということに帰着いたしますので、今の日本の現実から見て、食糧が昨年から本年にかけて、少とも二百数十万トンが輸入されている。もう五年先に行つたならば、四百万トン輸入されなければ、國民の食生活の安定ができないということを考えたときに、何としても今後私ども國民が求めるものは、この水産にまつよりほかにないと思う。そういう見地から見て、幸いに昨年から捕鯨が許可されまして、一千頭余の捕獲もあつたわけでありますが、また本年も許されております。こうした大きい見地から見たときにおきましては、私は少くも今までの一貫した——今度農業協同組合法ができまして、これは一貫しておりますが、やはりそうした方向に向つて行くべきであつて、昨年も林産組合と森林組合ができて、府縣林業会というものができました。利害相反したものが一緒にやつて、うまく行くためしがない。そういう観点から見て、私はこういうものがはたして運用の面においてうまく行くかどうかということを非常に疑いを持つものでありますが、今後この食糧、飼料、肥料、工業用の原料というものを十二分に確保して、そうして國民生活の安定をさせるという上においては、この第一條の目的に、國民食生活の安定とか、あるいは確保とかいうことを強く織り込んで、そうして國民に安心感を與えられなかつたならば、ただ單に組合の組合ということだけでは、私は物足らない。これについて考えますると、農林省というものがあつたら、これは当然水産省というものに行くべきである。むしろ農林省以上に、これは何とか世界の海を全部漁獲を認めてもらうというところに行かなかつたならば、日本の將來の食生活の安定ということは、どうしてもできないというくらいに私は考えておりますので、これらについて長官としては抱負があるはずだと、こう考えますので、目的が非常に貧弱であり、從つて今度提案されたこの法案が、どうも利害相反するような、輻輳して、どうもここに不明朗な目的、あるいはまたその内容を見たときにおいて、大体日本の水揚げ総量というものは、昨年は八億万貫を目標とした。戰前は十四億万貫を目標としておる、こう言われておつたが、戰事中はわずか四億万貫であつた。しかも今後われわれは一体どのくらいこの量を確保したらよいかということは、結局食糧、飼料、肥料あるいは工業用の原料、こういうことから見ると、一体何十億を目標に行くのかというような、ほんとうに大きな見地から考えて、これを確保するためには、どうしても今後今までのこうした封建的の形態ではいかない。何としてもここに一大改革をして、いわゆる水産業協同組合法の充実をはかつて、その目的を達成するということにならなければ、單なるこうした一つの協同組合をつくればよいというだけでは困る。その目的、そのねらいがどこにあるかといつた、國民生活の安定といつた、八千万のこの國民の食糧をいかに求めるかという、この大きな見地に立つて、ひとつ長官の御抱負を伺いたいと思います。私の考えといたしましては、少くとも今後われわれの向うべき目標は、三十億あるいはまた五十億万貫くらいは、——戰前のいわゆる三倍ぐらいまでは当然伸びる可能性もあり、またそのくらいやらなければ、わが國の人口から見て、食糧の確保をする、あるいはまた肥料、飼料、工業用の原料をつくるという上において、物足らない。それにふさわしいところのものが、この法案に盛られておるかどうか。この内容にはそれらを元としておるかどうか。ただ單に、農業協同組合ができたんだから、今度は水産の方も負けず、ただつくればよいというような、おざなりのように私どもには考えられるが、これらについて抱負があれば、まずお伺いしたい。私としては、それらがまず根本問題だと考えますので、この第一條の目的についてまずただし、しかも今後日本の水産業をいかにして行くかということにつきまして、御意見を伺い、なおまた農林省と併行して水産省をひとつただちに設置する意思ありやいなやということについて、お伺いをいたしたいと思います。
○飯山政府委員 ただいま坪井委員から水産業協同組合法案の目的に関して御意見があつたのであります。水産長官の抱負いかん、こういうことでありますが、御承知の通り日本が水産によつて立たなければならぬということは、戰後ばかりでなく、戰前もさようであつたのであります。しかしながら現在の日本は、現下の情勢ではわれわれがいろいろな計画を実現する情勢に置かれてないことのために、ここに御要望のような抱負を申し述べることはまことにできがたいのであけまして、その点は御了承を得たいと思います。 それから國民経済、國民生活、これに何らの関連も持たないようじやないか、こういうことであります。生産力の拡充という点は、生産力が増加すれば、ただいまお話のように、肥料、飼料あるいは油脂工業の原料、あるいは火薬の原料とかいうようなことにまで戰前なつておつたのであります。現在は遺憾ながら化学工業の原料になるよりも、まず食糧として不足を告げておるような状況でありまするので、まずもつてこの生産力は、現下の直接の食糧を増すということを中心に考えておるわけであります。それからなお、現在の漁村におきましては、この協同組合の実現を鶴首して待つておるような実情であります。これは全國漁民の叫びであります。従いましてこの法案は、單に農業協同組合ができたから、水産もこれにまねておざなりにしようというような考えではないのでありまして、これによつて少くも現在の漁村が向上発展ができ、そうしてまたこれに従事するどころの人々の向上発展もこれによつて與えられる。同時に生産力の拡充によつて、肥料、飼料、あるいは日本の工業用の原料にまでこれを及ぼそう、こういう考えを持つておるわけであります。ただ肥料、飼料、工業用原料ということになりますると、現在ではそこまでの生産が望めないのでありまして、將來においてはおそらくお説の通り水産の原料をもつて工業用の原料とするというところまで行かなければならぬということは御同感であります。それがためにはぜひともこの法案の実施が必要だ。こういうふうに考えております。
○坪井委員 ただいま水産廳長官から懇切に御答弁になりまして、この点は感服いたしますが、現下の情勢ではいかんともできない、工業用までは手がまわりかねる、飼料あるいは肥料等まで手がまわりかねると言われますが、何と申しましても、生産増強ということになると、食糧、肥料をどうしてもやらなければならぬということと、工業用の原料、あるいは食糧から見ましても、この捕鯨については、現下の情勢であればこそ特に食糧を憂慮されて、マツカーサー元帥から許可された。昨年私は伺いますと、二千頭の許可をいただいて、なおあと追加が二百頭か四百頭いただいたと思いましたが、あとの結果を見ますと一千十七頭ということを私は新聞だかで見たのであります。これは何たる日本の水産行政の微力であつたか。いわゆる態勢が戰後に整わなかつたと言えばそれまででありますが、許可をもらいながらこれが半分しかできなかつたことは、私は遺憾にたえないと思います。こういう点から見ますと、これは何としても本年においては、もうすでに出航もされておるようでありますが、許可された頭数だけは確保するだけの意思を水産廳が持たなかつたならば、現下の情勢だからしかたがないという言葉で片づけられたらたいへんでありますので、どうか今から激励をし、いかなる万難を排しても、いかほど費用を使つても、この與えられたものは昨年の分までとりもどす。これについての御意思ありや否やということを、私はここにお伺いいたしたい。なおまたそうさすべく御努力を特に要望いたします。
○飯山政府委員 昨年の南氷洋の出漁にあたりまして、非常に漁獲頭数が少かつたという点につきましては、まことに連合軍司令部に対しましても、国民に対しましても、水産業者とし、また水産廳としましても遺憾にたえないことは御説の通りであります。その結果、昨年の欠陥をただすべく、委員会を構成して、本年は万全を期すべく、漁船その他の施設について十分な検討を加える専門委員会をつくりまして、その専門委員会の研究の結果に基いて、相当設備もかえ、操業の上において革新的なものをつくるつもりなのであります。出漁にあたりましても、遠征隊の当事者も、本年はぜひともこの司令部の許可数は確保するということを誓われたのであります。また私どもも十分にそれが果されるように努めておるのであります。来年の四月になれば帰りますから、おそらくそのときには予期の成果をあげて帰ることと私は確信しております。
○西村委員長 議題となつております案件の質疑は本日はこれにて止めたいと考えます。 —————————————
○西村委員長 この際お諮りいたします。先日、魚價の問題、金融の問題、資材の問題等につきまして小委員会設置の件を議決しておるのでございます。この際年末を控えまして早急にこの案件の解決に当る必要ありと認めるのでありますが、小委員会を設置いたしまして、そうして委員の数並びに氏名等は委員長におまかせを願えますればそういうふうにとりはからいたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議ないようですから、その通りとりはからうことに決定いたします。
○鈴木(善)委員 水産業協同組合法案に対する総括的質問は、農林大臣の提案理由の説明に基いてわれわれは伺つて参つたのでありますから、明日はぜひ農林大臣の御出席が願えまするようお手配を願いたいと思います。
○西村委員長 承知いたしました。明日の日程は、本日の日程になつております。水産業協同組合法案ほか二案件を日程といたします。そうして明日の開会時間は十時半としまして、時間の励行を願いたいと考えます。散会いたします。 午後三時十七分散会