水産委員会 第3号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1948/11/12
会議録
○西村委員長 これより会議を開きます。 最初に理事の追加選任を行います。さる九日の議院運営委員会におきまして、本委員会に小会派より理事を一名増員することに決定いたしましたので、選挙の手数を省き委員会において指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議ないようですから、その通りとりはからいます。外崎千代吉君を理事に指名いたします。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 その通り確定いたします。 —————————————
○西村委員長 最初に一昨日石原委員の発議によります漁業燃料問題、漁業に関する金融問題並びに魚價に関する問題につきまして、政府から説明員がお見えになつておりますから、石原君の発言を許しまして、あらためて簡單に質疑の要点をお述べ願いたいと思います。石原圓吉君。
○石原(圓)委員 まず魚價の問題からお尋ねをいたします。毎年年末にあたつて生鮮魚を主とした、六大都市への何係上例外價格というものを設定しておるのであります。この例外價格に対して物價廳はどういう方針を今持つておられるか。まずそれをお尋ねします。
○岡崎説明員 ただいまのお尋ねの例外價格でございますが、これは毎年の例で、歳末からお正月にかけまして例外價格を出すことになつておりまして、今年もまた現在私の方と水産廳の方とで打合せ中でございます。今の御質問は、例外價格一般についての御質問でございましようか。
○石原(圓)委員 一般魚價を改訂して相当引上げをしなければならないということは大勢であります。それに対するただいまの方針もよく承つて置きたいのであります。すべてのものが上つて來たが、魚價だけ上げないという結果、今さしあたつての漁業、すなわちまぐろ漁業、さんま漁業等の漁業者が、沖に出ることを躊躇しておる状態であります。これは出れば出るだけ赤字になる。赤字の苦しみをしないという意味から、漁獲はできなくとも沖に出ることを見合すという今の情勢でありまして、これは最大急務であります。そのうちこの年末の例外價格をどうきめるのかということを漁業者がその発表を待機しておるのでありまして、もしその例外價格の発表が遅れる場合は、年末に魚が六大都市へはいるころは非常に少なかろうという見通しがつくのでありまして、一時も早く例外價格をきめてこれを発表する。この発表することが早くも、ちつともさしつかえないのでありまして、その例外價格を施行する期間を定める以上は、一日も早く発表する必要がある。その價格を発表することによつて、漁業者が仕込み資金の融通が受けられる。また漁業者が沖へ出る元氣が出る、こういうことになるので、その発表が一日早ければ早いだけ、漁業者が多く出漁の出かける。こういう状態にあるのでありまして、それらをあわせて御説明を願います。
○岡崎説明員 まず第一に正月対策としての例外價格でございますが、これは毎年の例によりまして、この十二月、一月期に魚をまとめて出荷させる、そういうことで、ただいま水産廳の方でも出荷さしずの方で從來は考えておつたようでございますが、なるべく今年はそれもどうも毎年の例で思わしくないというようなこともありまして、おもに價格の方の面で考えたらどうかということに話合いを進めておるのでございます。なおその例外價格をやります場合には、ただいまの御意見もつともでございまして、出します場合にはなるべく早くこれを発表いたしたいと考えております。毎年これはよく私たちの方でもあわせて、年末さし迫つてから出すというようなことを、今年はやりたくない。早目にきめまして、正月対策に遺憾のないようにして行きたいというふうに考えております。 それからなお先ほどの例外價格、これはもちろん特殊な品種を限つての場合でございますが、たとえばまぐろでございますとか、そういつたものにつきましては、ただいま不漁対策としての差額を何とかするかというようなことで、これも今水産廳の方と話合い中でございます。ただ確実にいつからどの程度ということはきまつておりませんけれども、これを不漁対策の一環として、やはり物價の面からもある程度見て行かなければならないのではないか、こういうふうに事務当局も考えております。
○石原(圓)委員 この問題はこの程度にとどめたいと思いまするが、この統制の撤廃、ことに公定價格の撤廃ということは、現内閣の関係政党においては、早くからいわゆる生鮮魚その他の公定價格の撤廃、統制の撤廃を党の方針として発表しておるのでありますから、近く総理大臣が統制撤廃——施政方針の演説をする場合には、安本及び水産廳等においては、少くも生鮮食料品の統制の中の公定價格を撤廃するということを、はつきり織り込むように、関係各官廳のみなさんは十分御努力をしてもらいたいと考えるのであります。この点を希望しておきます。 次に漁業用の燃油でありますが、ただいま漁業用にし向けられる油が予定よりも非常に少くなつて、今待機しているまぐろなわ並びにさんまぼうけ網等は非常な支障を來して、現実においてはその漁業者の約二十パーセントより出漁ができないというような情勢であります。ことにこのリンクの関係が、ただいまの油をまぐろの方へどれだけし向けようか、ぼうけ網等さんま網の方へどれだけ油を振り当てようかということの実際問題について、水産廳の係の方はいくらか迷いを生じているような点を疑うのでありますが、そういうことのために、漁業者を迷わして、この年末年始の魚の必要と迫つているときに、また漁業者が非常な能率低下と價格の安いこと等より困つているときに、燃油の問題で支障を來さしめ、またその割振りの点でも、業者と業者に対蹠的な考えを持たすようなことになつては、一層漁村の混乱を來すと思うのであります。極端に申せば、この油のリンク制はなくした方がいいということを、水産廳の一部の方面では明らかに叫んでおるのでありますが、この問題について安本並びに水産廳より、はつきりした御説明をいただきたいと思うのであります。
○稻村説明員 私、安本の生産局の水産課長として、今の石原さんの御質問に対しまして一廳お答えいたします。 この燃油の問題は、今お話のございました、どういう漁業にどういうふうにわけるかということは、大体水産廳の方でおやりになつておりますので、私どもといたしましては、水産全体の油のわくがふえるということが最も望ましいことでありまして、今お話のございましたように、ある部面におきましては、たしかに不足であるというような事実が現われていることは、私どももよく承知いたしておりますが、何と申しましても、別によそに押しつけるわけではございませんが、この油の配分につきましては、私どもの方の生産局の中の、それぞれの担当部門で一應その配分計画を立てまして、案としては提出いたしますが、それをきめていただきますが、それをきめていただきますのは、大体がその筋の方からきめられて参りました、そのわくをふやすということは、日本へ参ります油全体の量というものと関連いたしますことと、それから各産業別の油の配分という問題と、二つあるわけでございますが、現在の状況といたしましては、御承知のように、油はすべてアメリカの陸軍予算の一部としてわけていただいておりまするために、特に軍需用として非常に大切であるというような面から、油の全体量の輸入はやや減少傾向にあるというふうに私どもは伺つておりますが、水産といたしましては、全面的に非常にふえておるということはございませんが、月々多少ふえる月もございますし、減る月もございますが、大体においてふえつつある傾向にあるように私は承知しております。これはすべて一と月ごとにその配分をきめておりまするために、月々、多い月、少い月ということはございますが、多少ふえておるということに私どもは承知しております。今後も私どもといたしましては、水産廳と御協力いたしまして、なるべくこれをふやすという方面に持つて行きたいという努力は、今までもいたしておりますが、今後も引続きその努力を続けたいというふうに考えております。
○西村委員長 この際政府の方々に御注意申し上げますが、あなた方個人の御意見でなしに、政府の意見としてお述べを願いたいと思います。
○藤田説明員 ただいまの石原委員からお話のございました油の問題につきまして、さんまのぼうけ網について油が非常に少くて、出漁にさしつかえがあるというお話でございましたが、それは確かにそうであるのでありまして、その原因は、御承知の通り最近さんまに使用する船が非常にふえましたことと、今年特にさんまの南に下ります時期が非常に遅い、いつまでも北に滯留しておる。從つて私どもは当然南下するものと予定をいたしまして、茨城縣を根拠で出漁する船が当然あるということを予想いたしまして、茨城縣に割当をしておりましたのが、さんまが南下いたしませんために、それらの船が相かわらず宮城縣にとどまつておる。そうして宮城縣を根拠でまだやつております関係で、非常に油の需要がふえておる。でありますから、一方茨城縣で予定をしておりました部分は若干残つておるが、宮城縣に割当てました分が非常に減つてしまつておるということでありまして、とりあえずそれに対しましては、たしか一千キロの油の追加をいたしたわけであります。なおこの問題につきましては、次の割当の時期には、またその漁況の変化を考えまして調査をして参りたい。もちろん油全体が少いのでありますからして、十分というわけには行きませんけれども、この問題については要後の割当の際には十分その点を考慮いたしまして、できるだけ出漁にさしつかえないような割当をやつて、調整をして参りたいと考えておるわけであります。 それからリンクの問題について、從來はいわば漁魚中心の統制方式を採用いたしておつたのであります。つまり水揚高のうち正規に出荷いたしました量に應じて、リンクで配給しておつたのであります。その関係上当然そのものを加工品にまわすことが利用價値を高める上でよいというふうな場合でも、油のリンクの関係上、これをどうしても鮮魚で出荷するというようなこともありました。それが鮮度の関係で惡い影響を及ぼしておるわけでありまして、現在これらの統制の方式については再檢討をいたしております。できるだけ総合的に、そのとれましたものの商品價値を高めるというふうな方向の指導して参る、必ずしも鮮魚でなくともよい、加工品であつてもよろしいというふうに、出荷についても総合的な計画を鮮魚と加工品を通じて立てて行きたいと考えております。そういうような方式をとつて参りますと、リンクのやり方は從來とは根本的に考えを直して行かなければならぬのであります。從つてその方向といたしましては、お話のように根本的な割当というふうな方向に漸次方向を轉換して行きたい、そういうようなことで今いろいろ檢討をいたしております。
○石原(圓)委員 油の輸入量と、漁船その他の漁業の拡大することをにらみ合せて、傾向的に油の輸入を増額せしめることは、安本を初め政府の大なる責任であると思うのであります。ことに最近においては、漁業権を與えて、たとえばこれまで漁業権のなかつたまぐろ、かつおのごときも漁業権を與え、漁業権によつて数のふえることをかげんとする、さんま等も府縣においてはその数の制限をして、おおよそ本年はどれだけの漁業者がどれだけの油を使うということは、事前にわかるようなことになつておるはずでありまして、それにもかかわらず漁業者に支障を與えるということは、漁業権を與え、漁業者をふやす方面の行政と、それを活用させるところの燃油の供給という方面の行政部門とが相矛盾する点があると思うのであります。こういうことのために当業者を迷わし、また迷惑をさせて、そうして漁業の伸張を阻止するという事実がここにあるのでありまして、このことをうまく調整せなければ、すでに漁業は難関にぶつかつており、一層萎縮すると私は考えるのであります。ただいま水産廳次長のお話の魚をとつてみても、加工すればリンクがない、加工せなければ腐る、そういうような矛盾をやつておつたが、それらは改善されると申されますが、それを実行することが相当遅れるような予想がされるのでありまして、そうした場合には、とつて來たものは象る、加工すれば油がもらえない、次の漁業には出られない、そうしたことがたくさんあるのでありますから、この点を十分調節をつけるということは、これは安本の方の責任の範囲、権限の範囲と思うのでありますか、それらのことが徹底せない限りには、今やもう漁村は行き詰まりになつておると思うのでありまして、その点を私は警告的に希望を申し上げておく次第であります。 なお金融の問題であります。この金融の問題は復興金融等の関係で相当融通力があつたのでありまするが、最近においてはいわゆる石炭國管問題の疑嶽事件、昭和電工、それからいろいろの問題のために、復金等の金融部門が非常に萎縮をして控え目になつて、当然貸出しをせなければならぬものまでも貸出しを躊躇しておるという情勢らしいのであります。また最近農林中央金庫に四十億円かのわくはできたが、これは水産部門にあつては、單位の漁業会が借主とならねばその金の融通がつかない、漁業会そのものは甲の者の融通に便を與えて、乙の者には與えないということを実際においてできない。そういう関係で現在では有名無実のような状態にある。この金融の問題をはつきりと立てなければ、まず金融について行き詰まる。ことに遠洋漁業、捕鯨等はこれまで相当の融通があつたけれども、沿岸漁業には全然その道が開けていない。全國の八割の漁獲をするこの沿岸漁業に対して金融の道が確立しないということは、非常なる危險でありまして、これまで苦労してやつておつた古船、古網等は、やがてみな使えなくなるのでありまして、これを補うて行くのは金融でなければいけないが、その金融は梗塞されておる。こういう実情でありまして、この急速なる打開が必要であります。これに対する御方針はどうなつているか承つてみたいのであります。
○内田政府委員 安定本部の内田でございますが、ただいまの御質問の点、いろいろごもつともの点もあろうかと存じます。復金につきましても、最近いろいろの問題が起つて來ておることは御承知の通りでありますが、そのために本來の復興金融金庫の機能が萎縮して、発揮できないというような形になつては、これは角をためて牛を殺すというような形でありまして、政府におきましても、復興金融金庫の機能の発揮につきまして、あるいは運営の刷新、場合によつては機構の改組というようなことまでも考慮に入れまして、本來の経済復興金融が円滑に行くようにいたして参るつもりでせつかくやつております。その運営または機構の改組の方向といたしましては、今までのように、復興金融金庫の責任の所在がどこにあるのか、金庫自体にあるのか、あるいは役所側にあるのか、あるいは委員会、監事会等、はつきりしない機関の責任になるのか、こういうことであつては、かえつて御質問のようなことに相なることを憂えまするので、方向といたしましては、むしろ國家の機関として復興金融金庫というものがあります以上は、復興金融金庫の責任において、復興金融金庫の見地を重んじて、金融金庫が進むべき方向を自分の自律的な責任においてやりやすいようにしてもらう。政府や委員会、監事会というようなものが、一々の貸出しについていろいろの干渉をするという今までの行き方をむしろ改めてもらう。こういう方向に相なるものと考えます。從つてその場合におきましては、ひとり水産業だけでありませんで、各部門の産業につきましても、経済復興、産業金融として当然参るべきものは、ただいまも申し上げますように、國家の独立した機関であるところの復興金庫の責任においてどんどんやつてもらう。こういう方向に進められることになると思います。なおまた水産業に対する資金計画、これは経済安定本部が、関係の各省及び日銀、復金等とも協議してつくりますけれども、その際にもちろん水産業等につきましては、経済復興團体につきましても、非常に今までよりも、何といいますか、どちらかというと、今までの復興金融金庫の活動も、もつぱら鉱工業方面の金融の点があり過ぎて、原始産業方面に力が足りなかつたのではないかとも思われるところもありまするので、それらの点をもかんがみまして、これも御質問の中にありましたように、先般とりあえずの暫定機構ではございますけれども、農林漁業復興金融の應急措置といたしまして、金は復金から出すが、実際の運営は農林中央金庫の特別勘定として、農林、漁業等の原始産業の経済復興に対する一つの特別の金融の方式というようなことも取上げられたわれでありまして、その場合に復興金融金庫の水産金融というものが全然なくなるのかというと、そうではないのでありまして、復興金融金庫としては、一つの企業体に対しては從來の通り水産金融をやる。農林漁業復興の方の農林中金がやりますものは、お話にありましたように、むしろ協同組合あるいは漁業会等の共同施設、あるいは船だまりというような、いわゆる組合金融というような形のものを対象として、両々相まつてやつて参るということに相なつておるわけであります。そのほかに農林中金自体といたしましても、ただいまの復金からもつてくる特別勘定によるもののほか、農林中金のプロパーとしても運営資金等は供給して参る。大体こういう三本建のかつこうで、できるだけ水産金融についても円滑を期して参るという氣持でやつております。
○石原(圓)委員 大体の御方針なり方向は了解することができたのでありますが、水産が農林部門より独立してここに常任委員会が設けられておるということは、今現在の原始産業の中で最も開発の余地があり、また最も発展力のあるのは水産業であるから、独立した常任委員会があるということを、金融関係当局においても十分認識をしてもらわなければならぬと思うのであります。これから新興産業として起るものは、日本においては、まず何よりも水産が一番大きく、また拡大性があるのでありますから、その点を十分に認識をしてもらいたいのであります。從來の金融の金情について少し参考に申しますと、復金の金などは、要するに大口のものは日本銀行であるとか、その他大藏省等の融通に対する干渉というか、そういう言葉はどうかしらんが、とにかくも復金が金を貸す場合に、大藏省や日本銀行の方面の意見によつて、相当助成された傾きが嚴然としてあるのであります。その場合に大口の借入は、東京に根拠のある人々がそれぞれの部門で運動するとか、陳情するとかいう種々の便宜があつて、そうして大きい金融がなされて、その結果がああいう疑嶽のようなものも起つてきたということを言わなければならぬのでありますが、そういう復金そのもの自体の力のみで融通しておつたならば、ああいうことにならなかつたのではないか。それを大藏省や日本銀行、いわゆる大官というような方面の力のために誤らされたとも言い得るのでありまして、そのことが今度は地方へ参りますと、日本銀行等が復金の貸出しで非常な力を持つて、日本銀行の地方の支店の人たちがかぶりを振つたら融通がつかないという事実もあるのであります。かようなことは非常に不都合きわまることであつて、あくまでも復金は復金自体で、独自の立場でいわゆる嚴正なる立場で融通をして行かなければならぬと私どもは考える次第であります。またこの水産関係では、独立した水産金融金庫というか、あるいは水産銀行というか、そういつた方産のみの自由な融通を受ける機関をつくることについて、われわれ委員一同は非常な熱意を持つておるのでありまして、これに対しても相当の考慮を煩わしたいのであります。以上希望を申し述べて、私の質問はこの程度にとどめておきます。
○西村委員長 川村君。
○川村委員 燃油、金融、魚價の問題については、大体石原委員より質問もあり、さらにそれぞれの政府委員の答弁がありましたので、大体わかつたのでありますが、私の問わんとすることは、まず率直に実例をあげて、それに対する御答弁を願いたい。 第一に金融の問題であります。ただいま復金の方の御説明によりますと、漁業といつても、いわゆる漁業資金につきましても、船だまりとか、あるいは船揚場とか、あるいは共同施設とかいうようなものに重点を置いて、金融をなさるような氣構えであるということを伺うのでありますが、しかし今その問題も、もちろん將來の施設として増産を目標にするのでありますから、これは決して惡いとは申しません。しかしながら今日直接漁業の経営に、いわゆる資材の面とか、あるいは着業資金の面とかにおいて、漁民が困つておるようなわけであります。從つてこれらに対する漁業金融を早急にしてもらわなければ、いかに資材がありましても、いかに漁業の発展性がありましても、その金融でとだえて、漁業ができないということになるのでありますが、こうした直接の漁業に対する金融の面において、どういうお考えを持つておるかということを、まずもつてお聞きしたい。 その次に燃油のことであります。これは先ほど石原委員が、今後産業を伸ばすとすれば、日本では漁業よりないと言われましたが、まさにそうであります。まず最近喜ぶべきことは、資材が大分緩和されて参りました。さらに引揚者なり、あるいは戰災漁民なりが、復興の氣運に燃えて、順次漁業に着業し、あるいは轉業をしておるような向きもあるのであります。そうした点から、いわゆる漁業は今後進展をするものとはつきり言えるのでありまして、これらに対して一番問題となりますのは、まず燃油であるということは、私から言うまでもありません。まぐろ、さんまのみではありません。特に北海道方面のいかつり漁業というものは、資材もよけいいらずして、しかも簡單にしろとでもできますので、最近内地方面からの船が、函館を中心に相当に道南方面に入り込んでおります、そうした関係から、漁年の大体三倍程度の船、いわゆる漁民がふえておる。從つて三倍以上の漁獲高を出しておるというような実情であります。これに対して本年は燃油が三分の一程度だから、出漁せんとするならば、みなやみの油であります。そのやみ油のあることが不思議でなりません。ですから結局根本の問題はまず輸入を増加することでありますが、ひとつこの配給の機構の改革も、私は研究する必要があるのではないかと思います。もちろん先ほど藤田次長が、いわゆる配給計画というものをさらに再檢討するということを申しましたので、これも必要でありますが、ない油であるならば、ほんとうに漁御の手に入りません。しかしながらやみで買えばあるというところに、まだほんとうに政府の手が盡されておらないというようなことがうかがわれますので、伸び行く漁業に対する油の配給機構なり、あるいはこの配分の計画に、もう少し積極的に身を入れて御研究なさつてもらいたいという考えを持つておるのであります。 次に魚價の問題でありますが、大体六大都市に入りますところの、言いかえれば高級魚の價格は、物價廳も上げやすいものがすぐ上げる。しかし大衆魚の魚價はどうも上げ澁るというような感じがいたします。もちろん大衆魚でありますがゆえに、大衆の生活を脅かすというような点から、そうしたお考えになることは一應ごもつともでありますけれども、しかし大衆魚は特に資材関係をよけい使う、それからまた人もよけい使わなければならぬ、いわゆる大量に上げなければならぬという使命を持つておるのであります。でありますから、経費の点におきましては、沿岸漁業でいわし漁業なり、あるいはその他の定置漁業というものは、そうしたことにぶつつかることは明らかであります。これらの経済を緩和していきますには、何といつても漁民が納得していくだけの魚價にしてもらわなければ、今日資材が漁年の倍以上になり、燃油も相当の高價になり、さらに漁民の生活水準も高まつて來た点から言つて、特に大衆魚を生産する北海道の定置漁業のごときは、経営困難となつておるのであります。もちろん北海道の漁業ばかりではありません。各地の漁業はそうした行き詰まりを生じつつあることは事実であります。でありますから價格を全面的に改訂しなければならぬ。特に歳末あるいは正解の例外價格といつたようなものに重点を置かずして、全般的に魚價を再檢討いたしまして改訂されなければならない、かように考えておるものでありますが、この三点についてそれぞれ政府委員から御説明を願いたいと思います。
○冨永委員 今川村委員から詳細述べられましたが、関連質問をいたしたいと思います。特に川村委員から北海道の燃油の不足の実情と、それから現在最盛期にありますいかつり漁業の燃油の割当が非常に不足だということを述べられましたが、最近ここ二、三日中に、農林省では保有の燃油の追加割当をいたすように承つておりますが、北海道いかつり漁業に対して追加割計をする計画になつておるかどうか、これもあわせて御説明願いたいと思います。
○藤田説明員 ただいま御質問のありました中で、資金及び魚價につきましては、それぞれ安本並びに物價廳からお答えした方がよろしかろうと思います。燃油の問題につきまして、北海道のいかつり問題になつております。御趣旨の点は私ども十分わかつておりますので、極力御趣旨に沿いますように、やみの油の根源が水産廳において是正し得る限りにおいては、これを是正して参りたい。なおこの問題については、全面的に各関係方面の協力を得ることが必要であろう。これは私どもも機会あるごとに話してはおりますが、なお今後とも各関係方面にもいろいろとお話をいたして参りたいと考えております。なおいかつりについて、今油が非常に不足しておるという問題も承知いたしております。追加割当の問題も承知いたしおります。これはまだ私係の者からははつきり聞いておりませんので、どういう事情になつておるかはわからないのであります。資材課長ももうすぐ参りますので、資材課長から答弁させましたらどうかと思います。
○内田政府委員 ただいま御質問のうち、金融に関する点についてお答え申し上げます。お話のように復金なりあるいは今回その制度が設けられましたところの農林水産の特別金融におきましては、大体が設備資金、すなわちお話のような船舶であるとか、あるいは船だまりとかいうようなものが対象になつて参つておることは御話の通りでありますが、着業資金と申しますか、運轉資金までにつきましては、実のところ復金においても農林水産の特別金融においても、なかなか手が伸びきれない。まずやらなければならぬのは設備資金からというようなことで、この方面に國家資金を流している。そこで貸出運轉資金等についてはどうするかという問題があるわけでありますが、ただこの点に関する実情としてわれわれが想像し得るところのものは、本來かような運轉資金は今の小さい漁業者におきましては、漁業組合等を通じて農林中央金庫のプロパーの資金を組合資金の一環として流してもらうべきだと思うのでありますが、この農業協同組合と農中との金融的の関係は、從來とも非常に密接であつたと思うのでありますが、漁業につきましては、必ずしも農中との間の資金のやりとり、資金の預りあるいは借出しというようなものがほとんどうまく行つておらなかつた点がございます。この点は漁業会自体としても、農中自体としても、農中は農業者だけの金融機関ではない、漁業者を含んだところの金融機関であるからということで、その方面において相当改善をして参る余地があるだろう。ただ北海道につきましては、北海道の漁業者は、漁業会を通じて農中に金を預けるというようなことよりも、長年の習慣として北海道拓殖銀行に預金をし、また出漁資金も借りている。こういうかつこうで、北海道の漁業者についてはさような組合金融よりも、拓殖銀行とつながりを持つておるというようなことで、従つてこの面におきましては、やはり北海道においては北海道拓殖銀行が——今日では普通銀行でありますが、これらとのつながりを十分にして参るということに相なるだろうと思います。ただいま申しましたように、農林中央金庫が漁業者との結び付きをよくするために、今後いろいろなことを考えて行くべきだと存じまして、先般來御承知の金融機関全体に関する金融業法を本格的に今後制定して参る必要につきまして、関係方面からも示唆を受けているのでありますが、この全般的な金融業法を設ける際の行き方といたしまして、今申すような農中と漁業者との関係につきましても、農中を必要ある場合においては組合金融銀行というような考え方にむしろ持つて行つて、漁業組合、こんど漁業制度がかわりまして協同組合になるかと思いますが、農業協同組合の平素の運轉資金というようなものでなしに、組合金融銀行というようなものとの間の連絡が最もうまくつくような方向に持つて行つたらよかろう、かような線で政府においても研究をいたしているところでございます。なお先ほど石原委員から希望としてお話がございました、復興金融金庫の貸出し一般につきまして、中央においてもそうであるけれども、地方においては日銀の支店長が牛耳つておつて、復興金融金庫の独自の性格というものが現われておらぬというお話でございますが、中央の運営につきましては、先ほどお話を申しましたラインで、復金の独立性を強化して参るということでありますが、地方につきましては同じ考えを貫きまして、現在御承知のように地方におきましては、日銀支店長の諮問機関として地方融資懇談会というものがありまして地方融資懇談会に地方における復金の融資も持ち出されている。しかし性格はあくまでも日本銀行を中心とした日銀支店長の諮問機関であるかつこうであつたのでありますが、かような仕組を改めて、復金の諮問機関に地方融資懇談会というものが開與してもらう。その場合に日銀支店長も、これは日本銀行の支店が実際に地方の金融機関に対して資金の供給等もやつております。また融資のあつせんもやつておりますから、どうしても一枚加えておくことが必要なことであると思われますので、日銀支店も加えて、そうして復金の貸出というか、あるいは日銀支店長のあつせんによる普通金融の融資で行く、両方のつなぎをとる。こういう両方の形は残りますが、今のような考え方で持つて行つたらどうかという意見が非常に強力になつておりますので、これも御希望の通り行くのじやないかと思います。
○川村委員 金融のあり方については今はつきりわかつたのでありますが、現実困つておるのが実情であります。中金と農業方面との関係は相当長い間の取引でありますので、これはよく行つておるようであります。水産方面はほんとうに日が浅いので中金とはうまく行つておりません。特に北海道は拓銀の方が理解があるということは事実でありますが、それはそういうような関係になつておりますので実は困つておるようなわけでありますから、あなた方の方法で出漁資金に金融ができないとしたならば——これは藤田次長に伺いますが、かねて懸案となつておりました漁業手形の問題、いわゆる資材に関する手形の問題、これらが一体どういうふうになつたか、どこに難点があつてあれが立ち消えになつたか。あの手形制度を確立していただくならば、私が今言つた金融の問題も大分緩和されて來る。從つて漁業は非常に進展して來ることになると思いますが、金融面の問題について藤田次長の御意見を伺いたいと思います。
○藤田説明員 漁業手形の問題につきましては、私どももその必要を痛感しておりまして、極力これを主張いたしたのでありますが、難点とされます点は、農業につきましては農業保險制度という裏づけがございまして、いかなる場合でも一定限度の金融の保証というものがついておる。從つてそれを目当にして考えれば確実に返る限度がつくわけであります。ところが水産方面ではそういうふうな裏づけの施設がございませんので、いくら返るかということが漁不漁のために非常に不確実であるというふうな点が難点になつておるのであります。われわれといたしましてはもちろん漁不漁はあるにいたしましても、特殊な場合は別でありますけれども、おのずから一定の限度があつて、一定の程度については必ず金は返せるというようなことを主張はいたしておるのでありますけれども、その御納得をしていただきます点が、まだなかなかできにくいというわけであります。從つて私どもとしてはとりあえずの措置といたしまして、配給手形制度にいわゆる資材関係の購入資金も入れていただくことになりまして、この方はすでに実施をいたしております。従つてそれによつて若干は信用のある方は貸付に便利であるということは言い得ましよう。しかしながらやはり全体的に考えまして、配給手形制度ではやはり漁業の実情から、とうていわれわれの必要とするところの方面に資金の融通を仰ぐことはできないだろうと考えております。この点はわれわれとしてはなお主張を捨てておりません。今後もできるだけこの漁業手形を何とか通るようにして行きたいと考えております。
○藤田説明員 ただいまの次長の申されることは事実であります。しかし保險制度がなくとも、いやしくもわれわれの漁獲した魚は全部統制になつております。すなわち統制機関が集荷しておるのであります。でありまするから、この集荷機関の保証がすなわち私は漁業保險に等しいものになるのじやなかろうか。言いかえるならば、漁業者自体が手形を発行する場合に、その集荷機関が連帶保証するならば、おそらく私は、漁がなければこれはやむを得ないのでありまするけれども、相当の漁がありまするならば、完全に自己にも責任がありますので、集荷機関と漁獲者、いわゆる漁業者との連帶責任をもつて私は債務を果すことができるものと考えております。過去に例があるのでありますが、漁業会が一本で集荷した場合、いわゆる單一統制の場合は漁業会社が保証して連帶責任をもつて漁業者に資金の借入れをした事実があります。これが漁獲の三分の一ずつ償還して行く方法でやつたのでありますが、見事成功したのであります。しかし今日では集荷機関が一本でなく複制になりましたので、そこにめんどうさがあると思いまするが、もう一歩研究いたしますれば、今次長が考えておられます手形も、私は実現が決して不可能でないと考えますので、御参考までに申し上げて置きます。なお詳しいことは書類も私の方にありますので、資料として事務当局にさし上げたいと思います。
○西村委員長 いかつり用の油について政府委員の説明を求めます。
○長谷川政府委員 北海道で十一月に入りましてからいかがたくさんとれまして、昨年の実績あるいは本月の出荷計画をオーバーしているということでありまして、これでは非常にリンク用の油が足らぬという報告も受けておりますので、追加割当をしたいと思つておるわけであります。何ぶんにも手持の油が非常に逼迫しておりまして、特にまぐろへの切りかえ、またさんまの方にも油を出さなければならぬという関係で、今のところ具体的な数字で申し上げますと約百トン程度を最近の機会に割当てたいと思つております。きようは十二日でございますが、二十五日になりましたら十二月分の油をまた割当することができますので、百トン割当てれば今のところ何とか食いつないでいけるのじやないかと思つております。
○外崎委員 青森縣の方も油がなくて非常に困つておるということはおわかりだと思います。北海道の方にだけやつておるが、他府縣の方は一体どうするつもりか、その点伺いたいと思います。
○長谷川説明員 他縣の方も相当漁業で困つておるのでありますが、その困り鴻が北海道のいかつりがだたいま一番困つておるというふうに考えております。それで十一月の二十五日になれば十一月の油が行きますので、他の府縣はそれまで何とかまかなつて行けるのではないかという考えでありまして、二十五日に十二月の割当が参りましたならば、それで食いつないで行つていただきたいという希望を持つております。
○外崎委員 北海道だけが困つておるということですが、そうすると東北方面をあなたは調べてないということになると思う。なんとなれば、ついこの間、私が上京する前に、暴風雨のために何十人という人が死んだ。その原因は何かというと、油がないために惡い油を使つたからなのです。こういう事実があなたの方にわかつておるのかどうか。そして何か考えておるというだけでは漁期を失する。漁というのは御承知の通りそう長い間の漁期ではない。北海道の漁だけ考えて、東北方面を全熱考えていないということですが、もし東北の方にやるとすればいつごろやるつもりであるか、そうしてどれくらいのわくをやるつもりであるか、この点をはつきりお伺いしたいと思います。
○藤田説明員 油の割当の問題については、事情はよくお伺いしておりますが、なお事務的によく再檢討いたしまして現在非常に手持ちが少いのでありますから、非常にむずかしいとは考えますけれども、ともかく十分考慮をいたして参りたいと思います。
○西村委員長 外崎さんの質問は、北海道だけに力を入れておるが、その他の縣の油に不足については、政府はどういうふうに処理されるつもりであるかという趣旨でありまして、その点はつきりお答え願いたいと思います。
○長谷川説明員 出荷計画に対しましてその月々の割当をやつておるわけですが、それが出ましても漁況によりまして、たとえば今月に入りましてはさんまとかいかつりで非常に出荷計画をオーバーするということがありますので、割当以外のほんの少しだけの油、これは出荷計画のオーバーに対して保有しておる油ですが、そのほんの少しの油を今回割当てるわけでありまして、もちろん他の府縣の状見をもよく、見比ベて、その出荷成積なり漁況なりに應じて、追加の割当をやつておるのでありまして、決して北海道だけというわけでなく、他の府県の実積等をも勘案してやつておりますので、そういうふうに御承了を願いたいと思います。
○外崎委員 どうも了承できない。なぜ了承できないかというとよく調査をしたという言葉を使つておるが、それは北海道だけの話であつて、東北は現に困つておるのである。今言つたように何十人の人が死んでおるが、それは油がなかつたことに原因しておる。これから調査しますとか、考えますと言われるが、漁期というのはそういつまでも続くものではない。どうかもう少し融通性のある方法をとつていただきたい。これから調査するというようなことで了解しろといつても、われわれは了解することができない。この点もう少しはつきり了解できるように答弁してもらいたい。
○藤田説明員 これは具体的の問題であります。私どもといたしましては、もつと公平に物事をやつて行きたいと考えております。ただ資材が非常に窮屈でありますので、やはり重点的に考えて行くことも御了承いただきたいと思います。ただいま青森縣の分に出すとか出さぬとかいうことは、はつきり私申し上げかねますが、ただいま資材課長のお話もございましたように、出荷成績あるいは実情等を詳細に聽きました上で、ただいま申し上げましたような方針で決定いたして行きたい、こう考えております。
○外崎委員 それでは納得がいかない。なぜかというに、それでは北海道は調査してあるが、東北はこれから調査しようという意見である。今まで何をしておつたか。そういう重大な事態にぶつかつているのに、陳情でもしなければわからないのか。北海道だけが特に陳情をしたので調査をしたように聞える。調査しますと言つてももう手遅れではないか。両方とも調べなければならぬのに、北海道からたくさん委員が出ているので、それのみによつて北海道を中心にするというのは納得できない。今まで調査をした結果においても十分わかつているのに、公平に行つていない。公平に行つているとすれば、北海道に余計行くのはどういうわけであるか。北海道だけは百万トンやつて東北だけは否定してしまつたが、いかなど十分出ている。調査をしているならば今まで調査をした点においてこうだとか、まだ不足だけれどもまわすというならわかるが、垣査しますとか何とかしますということでは、われわれ郷里に帰つて行かれません。
○西村委員長 外崎君の御意見はごもつともな御意見と存じますが、政府も國家的観点のもとに、公平なる油の割当をやつて行くことを委員長として政府に要請をいたします。その方針でお進みあらんことを願います。 先ほど宣言申しました通り、時間の関係もありますので、本日石原委員の動議によります魚價燃料、金融の問題に対する政府の説明を聽く件は、これをもつて本日の関係だけは一應終了いたしたいと存じます。從いまして、本日の日程に載つております水産業協同組合に関する法案について政府から説明を聽きたいと存じますが、本件はまだ立法されて国会に提案になつてない案件でありますから、便宜上速記を抜きたいと思います。 なお昨十一日に本委員会に付託になりました請願の十四件がありますから、これは次の会から議題といたしまして、そうして請願の趣旨を一應委員会において聽きたいと存じますから、さよう御了承おきを願いたいと思います。 なお今日以後の日程は公報をもつてお知らせいたします。 これをもつて本日の会議は散会いたします。 午前十一時五十四分散会