人事委員会労働委員会連合審査会 第3号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/11/16
会議録
○角田委員長 これより人事委員会労働委員会連合審査会を開きます。 前会に引続き國家公務員法の一部を改正する法律案を議題として質疑を継続いたします。川崎秀二君。
○川崎委員 昨日の委員会にえきましても、委員の多数の方から要望されましたように、総理大臣並びに関係大臣の出席がなくしては、十分なる審議を継続することは困難であろうと私は思うのであります。労働大臣がお見えでありますので、一應質問にははいりまするけれども、委員長においてすみやかに関係大臣の出席を促されたいと考えるのであります。 質問に入るに先だちまして、この公務員法関係の参考書類というものが、一應公務員法そのものの関係については相当多数提出されておりまするけれども、私はこの際なお参考書類を要求したいものがあります。それはアメリカ、イギリス等、主要各國の公務員に関する労務関係法規、主要各國の労働組合法、これは労働委員には今まで渡つたことがあるのでありますけれども、連合審査会で特に要求をしたいと思います。労働組合法はそれら主要各國の爭議調停法、さらにこの公務員法改正にあたつて、重大な関連があるところの昨年の二・一スト前後からの、わが國の公務員並びに公益事業関係、これは労調法で指定されておるところの公益事業関係の爭議行為並びに爭議類似行為の状況報告、さらに生産管理に関する最近の事例、以上五つの参考書類をすみやかに委員に提出していただかないと、十分なる審議を継続することができないのではないか、かように考えるのであります。
○増田國務大臣 川崎君の御要望の資料は、できるだけ急速に收集いたしまして、お手もとに届けたいと思います。
○川崎委員 労働大臣にお伺いをいたしたいことは、民自党はその政策の重要な一環として、行政整理の実施ということをうたつております。第二回國会の本会議において、民自党の代表者であつた植原悦二郎氏は、芦田内閣は行政整理に対して何らの熱意を示しておらない。今や行政整理というものは、國民の輿論と化しておるのであるから、いま少しく明確な行政整理を行わなければならぬのではないか。一割五分の天引きの案を発表したけれども、これは人員には何らの関係ない予算定員と、実人員の差を縮めただけであつて、かようなことはまさにお茶を濁したにすぎないではないか、という質問がありました。その際芦田前内閣総理大臣は、お茶を濁すことさえ、かつての自由党内閣はできなかつたではないかと言つて、議場を笑わせたのであります。しからばこの代表質問に立つた植原悦二郎氏は、民自党におけるところの重要な人物の一人である。從つて代表質問に立つたその言辞は、そのまま受け継がれて、今度の内閣の施策に反映をしなければならぬと思うのでありますけれども、一体行政整理について関係大臣であるところの労働大臣は、どのような構想をもつてこの問題に対処されるつもりであるか、お伺いをいたしたいと思います。
○増田國務大臣 川崎君の御質問にお答え申し上げます。行政整理を大幅に断行せよというのは、政府を支持する與党である民自党の重要政策でございます。從つて一種の公約になつておるのでありますから、この公約の実行については忠実に善処いたしたいと存じております。植原先輩が民主自由党を代表して質問されたのは、民主自由党の責任と、思慮と、分別のもとにおいてやつた次第でございまして、もとよりわれわれは一種の公約的の質問演説である、こう心得ております。まず前提としてこれだけのことを申し上げます。それから大幅と申すのでございますから、一割五分くらいではお茶を濁した程度である、あるいは濁さないといつたような、いろいろの御意見の相違はございましようが、われわれはできるならば、三割くらいまでは行政整理をしたい、こう存じております。但しその実施のしかたでございますが、これは川崎君も先だつて民主自由党で出しました予算修正案をごらんになつておわかりでございましようが、今官廳の非現業定員はまさに四十万人のところを、本年度の予算によりまして四十七万人になつておりまするが、定人員は三十一万きりおりません。すなわち十六万人も実人員と定員とのさやがある。結局これを整理しても何ら血を見ない整理ができるのである。しかも予算の増加を阻止することもできるのでございまして、われわれはまず第一段の考えとしては、できるだけ血を流さない整理をする。しかも三十一万と十六万との比率は、あるいは五割と言つてもよろしいくらいなのでありまして、とにかく現在職を持つているものにそう血を流したくない。しかも公約はある程度果し得るのではないか、こういうような考えを、これは私見でございますが、私持つております。しかしながら民主自由党の主張しておりまする統制経済の大幅の整理断行ということがございますので、その統制経済官僚というものは、非常に数が多いのでございまして、もし統制経済が大幅に整理されますと、これはそつくりそのまま整理されるというようなことにも相なる次第でございます。もつとも川崎君もよく御承知の通り、今行政整理を断行したからといつて、すぐそれだけの金が浮いて來るわけではございませんで、これは行く行くは一つの行財整理というような産業合理化の線に沿つたもの、その一環として考えておる次第でございます。整理の方面につきましての私の所見は、以上の通りであります。
○川崎委員 少し細かに問題の焦点を合わしてお聞きしたいのですが、今御答弁の中に、三割程度は実施をしたいということを伺つて、なるほど民自党らしい所信の被瀝であると私は思います。しかしその三割というのは、現業官廳も含めて三割程度ということであるのか、非現業官廳だけのことであるか。それからもう一つお伺いしたいことは、年度内において、すなわち昭和二十三会計年度において、このことを実施する方法で対処をされておるのであるか。伺いたい。
○増田國務大臣 お答え申し上げます。今私が申し上げましたのは、四十七万の定員を持つたいる非現業公務員のことを申し上げたのでありまして、現業関係は、これは申し上げませんでしたが、御承知の通り、百万余の現業官吏がございます。鉄道について私多少経驗も持つておりますが、これは昭和十三年度の輸送力と、現在の輸送力とほとんど同じである。しかるところ昭和十三年度は二十七万で足りたものが、現在では二倍以下多いというようなことを聞きます。これをすぐ二十七万台にするとか、あるいは四十万台にするというようなことは、なかなかむずかしいことであろうと思つておりまするが、われわれの目標は、やはり輸送力の應じて——從來これだけの人員が要つておつたものならば、現在の輸送力は、やはり比例的の増加はございましようが、輸送力に應ずる人員というものがあるのでございまするから、そういうわくで整理をいたして参りたい、こう存じております。
○川崎委員 三割は非現業官廳の関係であると言われることで、私が今質問しようとした点と多少食い違つて参つたのでありますが、非現業官廳の人員を三割程度やるということは、すでにわれわれの政党でも考えておつたことで、漸次これは段階的にやらなければいかぬということを考えておつた。しかし三割程度の人員の整理をする。また現業官廳においても多少人員の整理を行うということになつて参りますと、いよいよこれは相当な程度におけるところの人員の整理にも結局は及んで來るのではないか。非現業官廳の三割では、今四割八分から五割あるところの予算人員と実人員との開きには、何ら直接には影響がない、というお答えではありまするけれども、これを天引きに三割やるということになると、ある官廳においては、やはり相当の犠牲を出さなければならぬのではないかというような事態も、起つて來ると私は思う。そういうような場合において一体政府は失業対策についてどういうよえな構想を持つているか。ひとつ行政整理の問題だけではなしに、自然に民間企業の合理化ということも並行して行わなければ、日本は將來国際経済に健全な企業態勢のもとに参加し、日本の貿易を振興することはできないということは、各方面の議論の一致しているところであると思うのであります。その際において失業対策を十分に整えることなしに、行政整理並びに企業整備を断行するということになると、ここに大きな社会不安が起つて來ると思うのであります。失業保險法の実施以來、最初のうちは非常に受取人が少くて、実際には潜在失業者というものは相当あるにもかかわらず、失業保險を受取る者は少かつた。しかし近來においては非常にこれが増大して來たということは、いよいよ潜在失業者が顯在失業者に轉化して來た証拠であろうと思うのでありますが、行政整理をそのように強力に行うということに相なりましたあかつきにおいての失業対策というものに対しては、どのような具体的な構想を持つておられるか、お伺いをいたしたいと思います。
○増田國務大臣 お答え申し上げます。行政整理をした場合に、整理の対象となつた人に対する失業対策いかんという御質問でございますが、まず第一にわれわれが考えている失業対策といたしましては、役人を一應やめてもらいましても休退職といたしまして、一年ないし一年半くらいは現給を支給する。役所へ出て來ないでもよろしいというような立場をとらせるだけでありまして、その間において大いに轉職ということについてはあつせんいたしたいと存じております。親心を持つて十分公務員たりし者を保護するということは考えております。 それから一般産業合理化に伴つて失業群が出るであろう、あるいは流通秩序の確立に伴つて、現に御承知のごとくだんだん顯在失業者と潜在失業者の数がかわつて來ております。これらの者に対しましては、私の所属する政党といたしましては、御承知の通り積極的の受入れ対策を講じたい。すなわち公共事業にいたしましても、電源の開発だとか、あるいは道路網の拡充だとか、あるいは交通網の拡充整備だとか、そういう方面の積極的の受入れ、態勢を、大いに整備すべきものであると考えております。社会政策としての失業保險なり失業手当等と消極的である。もちろんその受入れ態勢は必要でありますが、社会対策というところにすぐ飛び込むことは、やはり第二段の考えで、消極的なものであるというふうに考えております。その中間におきまして労務需給の結合、いわゆる職業安定の仕事につきましては、これは政府といたしましては皆さんと協力して、全面的の努力をいたしたいと存じておる次第でございます。なおこまかい点はお尋ねに應じてお答え申し上げたいと存じます。
○川崎委員 今失業対策について御答弁があつたのでありますが、きわめて抽象的でありまして、この程度ならば私は別にお伺いをいたしたくなかつたのであります。私はむしろ建設的な意見として、失業対策については、本年度から來年度にかけては、相当追加予算並びに來年度の予算全体を通じて、組み得るものがあるのではなかろうかということを考えておるのであります。それは何かというならば、終戰処理費の減少ということは、前の大藏省主計局長であつた福田君も、來年度あたりから相当下降するのではないかということを予測をしておられるのであります。これは一体どこに原因があるかというと、すでに進駐軍の関係の兵舍、あるいは飛行場施設というようなものが、相当來年度以降においては計画が減少するというような関係もありまするけれども、もう一つ大きな原因に、進駐軍が軍用として計画をし実施しておつたところの、道路網の整備というものが、一應停止するのではなかろうか。これを日本測の予算に組み入れて、失業対策の上に相当大きな盛り上げて行くことが必要ではないかというようにわれわれは考える。またその予算の捻出というものもでき得るのではなかろうかと考えておるのであります。單に電源の開発あるいは道路網の整備というような抽象的な言葉でなしに、何か政府にはすでに、これは事務当局でありましようけれども、失業対策のプランというものは、長期計画と並行してあるのではなかろうかというふうに考えるのでありますが、現在そういう点について具体的な構想に至つておらないのでありますか。
○増田國務大臣 先ほど失業保險のことについて私は言い落しましたので申し上げますが、失業保險は御承知の通り今のところ非常に金が余つておりまして、川崎君はだんだん増加しておるということをおつしやいますけれども、それはその通りでございますが、まだ保險の給付を申し出る者が一万人そこそこでございます。二十万人くらいが要求しても金は非常に余つております。三十数億円の金が余つておる。給付総額はまだ一億数千万円しかない次第であります。私はこの第二段の意味を社会政策が持つにすぎないと申しましたが、この失業保險はやはり重要な意義を持つておるものでございまして、この第二段の受入れ態勢は、やはりわれわれは整備されておるということを申上げたいと思います。われわれが考えなければならぬことは、給付金の増額あるいは給付範囲の拡張ということを考えたいと思います。それから失業対策についての具体的な方策ありやいなやということでございます。この行政整理につきましても、あるいは産業合理化に伴う失業対策につきましても、この議会においては、まだ考えておるという域に入つておらぬということを御了承願いたいと思いますが、着々と研究いたしております。ことに失業対策につきましては、官民合同の失業対策委員会というような構想も持つておる次第でございまして、それによつて御承知の通り復興五箇年計画もございますし、その一環としての失業対策も出て來ましようし、それから去年は終戰処理費が千億でございましたが、事業量から申しますと一昨年より減つておりまして、これは逐年逓減の傾向にありますから、これをやはり産業方面に轉換したい。それから貿易関係にも轉換できる。加工品工業、雜貨工業の方面にどしどし今までの物資を轉用できますと、その方面でも失業群を大量に吸收できますから、私はそう悲観していないものでございます。
○角田委員長 安平君。
○安平委員 私は総理大臣にお尋ねいたしたいと思います。昨日から川崎君並びにその他の委員諸君から給與の問題につきまして、大藏大臣その他に質問いたしましたが、素朴なる御答弁ばかりでさらに要領を得なかつたのであります。公務員法の制定にあたりましては、当然その裏づけとならなければならない給與の問題が決定されなければならないと思います。公務員法の施行にあたつては、公務員諸君の生活安定を期するということが前提にならなければならないし、またその裏づけなしに、ただ公務員法を制定するということになりますれば、かつての戰前における治安維持法のような、労働者彈圧法にかわつて行くおそれがあるのではないか、かように考えておるのであります。從いまして公務員法の施行と給與ということは、これは一体不可分であつて、裏表の関少になつていると思うのであります。從いまして政府、特に総理大臣は、給與問題を急速に解決するために、給與水準を決定して至急お出しになる意想があるかどうか。またその準備が進められつつあるかどうか。こういうことをお伺いしたいと思います。
○吉田國務大臣 お答えをいたします。國家公務員法の改正は、しばしば政府側から説明いたしておる通りに、公務員の地位に対する原則をきめるものであります。從つてその原則がきまつた後に、賃金ベースを考えるということが順序ではないかと私は思うのであります。この点については、人事委員長から、またさらに一層の説明がありましようが、私はそう考えるのであります。改正法案なるものは、まず公務員の地位に関する原則をきめるのであつて、その原則のもとにこの賃金ベースの計算を割出すべきであると私は考えるのであります。また六千三百円のベースについてどう考えるか。これは人事委員会の決算については、いろいろ研究いたすと相当に理由のある話でありまして、政府としても考えなければならぬことだと考えております。すなわち公務員の生活安定のためにも、これだけの金額は必要なりと人事委員会で決定せられたことについては、相当理由があると考えて、しきりにその人事委員会の決定の理由について政府は考えております。私一個の考えとしては、これは責任者としての大藏大臣の考えもありましようが、財源が許せば、六千三百円程度の賃金ベースも政府として考うべきではないか。これはしばしば申しますが、日本の産業復興に影響するところが非常に多いのであつて、公務員の賃金ベースがきまれば、自然民間の賃金ベースもきまつて來ましようし、影響するところが少くありませんから、軽々しく決定できませんが、私一個の考えとしては、公務員の生活を安定するために必要であるならば、政府は財源を見出して人事委員会の決定に線を沿うことにしたい。率直に申しますと、私の考えはそういう線にあるのであります。一應お答えいたします。
○中曽根委員 ただいまの総理大臣の答弁に関連して御質問申し上げます。総理大臣はただいま公務員の地位を決定して、しかる後に待遇その他の問題を考えるのである。こう申されました。ところがマツカーサー元帥の書簡の中にこういう文章があります。「さらに國家の公益を擁護するために、政府職員に課せられた特別の制限があるという事実は、政府に対して常に政府職員の福祉並びに利益のために十分な保護の手段を講じなければならぬ義務を負わせておる」というのであります。でありますから、この書簡に記してある限り、制限をすると同時に、給與や待遇の面を見てやらなければならぬということを政府に義務づけておる。こういう観点からいたしますと、公務員法の改正と同時に給與や待遇の改善を行わなければならぬ義務が政府にあるのだろうと思います。しかるに昨夜総理大臣が行われた本会議の御答弁の内容を見ますと、公務員法の改正をやつて、ただちに解散をやるというような意思が表明されておる。この総理大臣の御意思は、私はマツカーサー元帥の書簡違反であると考えるのであります。その総坂大臣の昨夜のお話を伺うと、まず第一に、私がこの間御質問申し上げました政府に單独解散権ありということが前提にされておると感ずるのであります。この点に関して総理大臣は腹中に決心ができたようにうかがうのでありますが、この憲法の解釈について、総理大臣のお考えをまず明確にお伺いいたしたいことと、第二には、このマツカーサー元帥の書簡に対する政府の義務として、どうしても公務員に対する給與を同時に行わなければならぬと思うが、この点をお伺いいたしたいと思うのであります。第三にはもし政府が、かりに憲法を侵して解散するとするならば、参議院の緊急集会でこれをやるつもりか、総理大臣が公務員の待遇を非常に心配して、しかも自分の解釈が正しいとして、参議院の緊急集会でやらせるのかどうか、あるいはそれをおつぽり出してやるのか、そういう三つの点についてお伺いいたします。
○吉田國務大臣 私のただいま申したのは原則論でありまして、公務員の地位、権利、義務、その主体について公務員法に規定する原則がきまつた後に賃金ベースをきめるということは、思想の上の考えからでありまして、ゆえに遅れるとか、遅らせるとか、同時にしなければならぬとかいうことでなくて、まずステータスがきまつて、そのステータスの原則が認められた上でもつて賃金ベースの計算をするという考え方が正しいのではないかと私は思うのであります。しかしながらお話の通りに、しからば原則がきまつても、いつまでたつても賃金ベースはきめなくてもいいか、同時にすべきものであるかということについては、これは抽象論であつて、計算をしている間に、あるいは同時になるかもしれず、あるいは遅れるかもしれず、これは実際の問題でありまして、考え方としては計算の思想は、公務員法の改正案によつて原則が打立てられて、その原則のもとに計算をするというのが、考え方としては順序ではないかと思うのであります。 それから公務員法の決定とともに、私の昨日の演説にも申しておきましたが、緊急やむを得ざる問題については、第三國会においても提出する考えであると申しておる。すなわち緊急やむを得ざるものの一つには賃金ベースの問題もあるのであります。 それから第三の解散についてどう考えるかという御質問でありますが、この解散についての考えは今後の問題でありまして、公務員法がどう決定せられるか、どういうふうな順序をとつて今後否決せられるか、あるいは協賛を受けるか、その後において解散という問題があるのでありまして、まず私はこの間から申す通りに、公務員法を先決していただきたい。その上で解散とか何とかいう問題は自然起る問題でありますが、まず私の考えているのは、公務員法について御協賛を願いたいというのであります。解散の問題については今お答えする時期ではないと思います。
○安平委員 総理大臣の先ほどのお答えの中に、地位をきめるのがまず第一番だ。だから公務員法を先議先決しなければならない。かようにお答えになつておりますが、こういうものの考え方は、要するに昔の武士は食わねど高楊子というような待的な考え方を含んでいるのではないか。こういうふうに私は考えるのであります。昔の武士は食わねど高楊子という考え方の裏には、やはり花よりだんごという言葉があることを忘れてもらつては困るのであります。從いまして公務員の生活安定なしに、ただ法律だけをつくつて、法律によつてだけ公務員を取締ろうという考え方は反動的だ、こういうふうに私は考えるのであります。從いまして経済的な生活上の安心なしに、公務員が一片の公務員法という法律だけで、どうして忠実に、能率的に自分の職を全うすることができるでありましようか。こういう点につきまして、私は公務員法の審議の進行とともに、当然賃金ベースというものが乘せられて審議され、しかも公務員法の審議が終りますと同時に、賃金も即座に実施できる。こういう運びにならなければならないにかかわらず、先日からの政府側の諸君の御答弁によりますと、一日もすみやかに公務員法だけを決定して、賃金ベースはあとまわしにし、要するに食い逃げをして、賃金ベースは公務員法が制定できれば、その法律であとでどうにでも断圧してしまえばよろしいのだ。こういう考えがあるから、賃金ベースに対する考え方というものは、非常に不熱心、不誠意な現われ方になると思うのであります。この点で、今吉田総理は人事委員会の六千三百七円のベースが妥当のようなお答えがあつたのでありまするけれども、もし妥当であるとするならば、何ゆえにその妥当なベースに適應するように鋭意——きようはもう十六日になつて、本月一ぱいの会期にしましても、余すところ幾ばくもありません。しかも吉田総理は口を開けば解散々々と言つておるのでありまするが、そういう吉田総理の考え方から考えまして、ほんとうに六千三百七円のベースを認められ、これに対して誠意をもつて財源の捻出を考えておるかどうかというようなことが、はなはだ疑われるのであります。この点について、もう一應誠意ある御答弁をお願いしたいのであります。
○吉田國務大臣 お答えをいたします。私のただいま申したことについて、武士は食わねどというようなお話がありましたが、決してそう考えておるわけではないのであります。考え方の順序としてそうであるべきではないかと思うのでありますが、同時に、公務員に生活の安定を與えなくともいいというわけではないのであります。むろんなるべくすみやかにそれを安定するために、給與水準をこめるという考えであります。私が申したのは、考え方はそうであるが、実際問題としてはなるべくはやく賃金ベースをきめて、そうして予算化して、議会の協賛を経たい、こういうように考えております。
○安平委員 今の総理大臣のなるべくはやくきめるというのは、現実に今もう出していなければならない時期なんです。にもかかわらず、これが出ていないというのは不誠意なのだ。総理大臣はただ口の先では可及的にという言葉を使つておりますけれども、腹の中の思想は、やはり武士は食わねど高楊子というような考え方で、労働者の生活の保障なしに法律だけを守れ、こういう考え方があると思うのであります。從いまして人事委員会の六千三百七円というものが妥当であるならば——そういう思想、そういう考え方がもし今できるとするならば、そのことについてその準備がもうなされていなければならないはずと思う。從つて今どういう基礎の方に立つて六千三百七円の賃金ベースが考えられているか、どういう構想でなされているか、司令部に対してどういう働きかけをしているか、こういうことを今すぐわれわれは聞かなければならないのであります。それを言を左右にして言い逃れようとする。そこに私は総理大臣の不誠意があり、公務員に対する考え方、思想というものに、非常に断圧的な物の考え方があると思うのであります。この点について、もう一應承りたいのであります。
○吉田國務大臣 私の説明について、御信用にならなければそこまでであります。私は誠意をもつて答えつつあるのであつて、言を左右にしてごまかすような考えは毛頭ないのであります。
○安平委員 総理大臣の今の興奮されたお答えによりますと、ごまかしていないと言うが、事実によつてごかましておるのであつて、言葉の上ではどうにでも言えるのであります。だが具体的な事実によつてのみわれわれは納得しなければならない。われわれのみならず、一般國民は、具体的な事実によつてのみ納得できるのであります。從つてわれわれは、感情的にあなたを責めておるのでもなんでもありません。從いましてもう少し誠意あるお答えが望ましいから、かように私は執拗に申し上げておるのであります。
○吉田國務大臣 一應のお答えをいたします。この六千三百円ベースの話は、先週の末に政府に申し入れられたのであつて、今日はまだ火曜日でありまして、事実当局者においては、六千三百円ベースの理由について、昨日も夜おそくまで研究をいたしておつたようなわけであつて、決してなおざりにしておるのでも、言を左方にしてごまかしておるのでも、毛頭ないのであります。
○泉山國務大臣 安平さんのお尋ねに対しまして、私から事細かに申し上げたいと思います。問題は新給與ベース六千三百七円に対しましてのまず判定の問題だと思うのであります。新給與ベースは人事委員会におきまして、その計算の基礎は理論生計費によつたものである。かようなことを承つておるのであります。しかしながら政府といたしましては、総合的の観点から……。 〔「総合的観点は何べんもきのうから聞いている」と呼ぶ者あり〕
○角田委員長 私語を禁じます。
○泉山國務大臣 賃金ベースをきめる場合にも、あるいは生計費の問題であるとか、あるいは平均賃金の問題であるとか、いろいろ考察の点もございます。のみならずたびたび申し上げます通り、國民経済の金般及び國家財政の許す範囲、諸般の事情を研究いたしました結果、そう早急には結論を得がたいのでございまして、この点につきましては、今日われわれといたしましては熱心に考究しております。かような意味合いから人事委員会との間にしきりに折衝中であるのでございます。以上をもちましてお答えといたします。
○安平委員 ただいまの大藏大臣の御答弁の詳細な点については驚き入りました。私らはそういうことを聞こうとは考えておりません。ただ問題は急を要する賃金ベースの予算をいつ出すか、いつ追加予算が組まれるか、そういうことをお聞きしたいので、ただ諸般の情勢をお聞きする必要はありません。諸般の情勢はあなたにお聞きしなくとも、よく承知しております。從つていつ組んで、いつどういう形式によつて予算委員会に出されるか。この心組みがなければならない。先ほど総理大臣のお答えでは、昨晩も寢ずにがんばつて御審議なされたそうであります。そういう御答弁をなぜなさらないか。日本の危急存亡に直面している今日、夜寢なくても審議するのは当然である。從つて大藏大臣の諸般の事情を考慮するならば、何ゆえに寢ずにでも追加予算の提出を具体的になされるようにお努めにならないか、またそれをしておるか、この点を特にお伺いしたい。
○泉山國務大臣 安平さんのお尋ねに重ねてお答え申し上げます。諸般の事情は文字通り諸般でありまして、簡單に結論を見出せるものでないことは、安平さん御自身御了解できると思うのであります。しこうしてわれわれといたしましては、何も徹夜でやる、さようなことをいたさないまでも、そこは政府の責任におきまして有効適切なる方途を講じておるのでありまして、この点につきまして深く御了承を願いたいと思うのであります。 なお予算の提出時期につきましては、本新給與ベースにつきましての予算は、きわめて緊急を要するものとの認識のもとに、一日もすみやかに提出いたい、かようの考えでおりますことを重ねて申し上げます。
○安平委員 どうも大藏大臣の諸般の事情ばかり聞いておつても仕方がありませんが、私が総理大臣の寢ずにやるような御熱心をたとえて申し上げたので、寢ずでやれと言うのではございませんからその点は御安心願いたいと思う。大藏大臣の質問はあとで私また申し上げますが、総理大臣は時間上の御都合がありまするから、総理大臣にお尋ねしたいと思いますが、公務員法制定にあたりまして、総理大臣は、極東委員会における労働対策としての十六原則、このうちの四、五について、政治的な活動、團結権、團体交渉権、こういうものが大体規定されておると思うのであります。この十六原則と現在の公務員法制定にあたりまして矛盾してはいはしないかということ、この点をお尋ねしたいと思うのであります。それから第二点は鉄道、專賣等の現業員が、國家公務員法適用外に置かれているにもかかわらず、同じ官業中の逓信從業員を、何ゆえに除外したか、何ゆえに区別して取扱いをなさなければならないか、この理由。 さらに日本の労働組合関係あるいは経済関係というものと、アメリカのそういうものの関係とは、大いに異なつている点がたくさんあると思うのです。アメリカのごとく最高賃金の制定を許せるような、そういう資本主義に繁栄期における國と、日本のように資源が非常に枯渇していて、実際何らかの形によつて労働者階級の全面的な協力なしには、今日の日本の再建がはかれない、特に今日の賃金問題を物價に比較して見ます場合、戰前の四五%内外の上昇率しか示していません。こういう観点における國と國との立場の相違点、こういう点について公務員法制定に際して、十分御檢討し、お考えを持つたことがあるかどうかということ。それから第四番目にマツカーサー書簡の冒頭に政府代表と司令部代表との間に討議がかわされ、その結論が得られたからというような文言があるのであります。この点につきまして政府の代表者とは一体だれを指しておるのか。こういう点についてお尋ねしたいと思うのであります。
○吉田國務大臣 お答えいたします。極東委員会においていかなる審議、あるいは議論があつたといたしましても、日本政府としては、日本は今日占領下にあるのであつて、いわゆる、一昨年になりますか、日本が終戰直後のマツカーサー元帥との間の——これは協定と申すよりは命令によつて、日本はマツカーサー元帥の指揮のもとにあるのであつて、まず考えなければならぬことは、マツカーサー書簡による勧告を原則として、そのもとに日本は公務員法を制定する義務を負つておるのであります。極東委員会における論議は参考にはいたしまするが、直接われわれはこれによつて拘束されない地位にあるのであります。またその他の議論については專門にわたりますから、私よりも人事委員長その他からお答えいたします。
○安平委員 あとの鉄道從業員等と同樣な官業中における逓信從業員を区別して考えたという点についてのお答えがないのであります。内閣総理大臣からお答えが聞きたいのであります。
○吉田國務大臣 お答えいたします。実は私はあまり知識がないので、今労働大臣から聞きましたところによりますと、マツカーサー書簡にのつとつて区別されたのだそうであります。
○中曽根委員 先ほど総理大臣から私にいただきました御答弁の中で、私が給與関係の法案を國会に出すのか、こういう質問に対して、昨夜の演説との関連で、國家公務員法とその関係法以外に、特に緊急やむを得ない議案は出すのだと、そのやむを得ない議案の中に給與関係のものが入つておると、総理大臣は御明言になりましたが、それは間違いないかどうか、その点をまずお答え願いたい。
○吉田國務大臣 間違いございません。
○中曽根委員 もう一点は解散との問題でありますが、公務員法の関係と解散とは関係ないと総理大臣はおつしやられますが、しかしかりに政府が單独解散権がありとして解散した場合には、政府が御明言になつておりますように、公務員の身分を考える、そうなると当然衆議院が開かれなければ参議院にまわります。その場合緊急集会という形が行われると思います。そうなりますと、われわれ政党といたしましては、衆議院の方にその措置をやらなければならぬ。人間を充実させるとか、研究をしてもらうとかの措置をやらなければならぬ。そういう観点からしても、公務員法の関係とか、解散の時期その他の問題は、趣接鋭敏な関係を有すると思うのであります。その点について私はもう一回総理大臣に伺いたいのであります。それは昨夜の総理大臣のお話は、政府に單独解散権ありや、そうして公務員法の法案だけが通つたならば解散をするのだと、こういうような前提のもとになつておるのか、そうして参議院の緊急集会でやるのか、この点もう一回御明答願いたい。
○吉田國務大臣 これは重ねと申しまするが、この議会は公務員法を議するがために召集せられた特別議会でありまして、まず公務員法の議了をもつて完成問題——まずきめていただきたいというのが、政府の希望であります。これをもし公務員法が議了ができなかつたとか、あるいは否決せられたとかいうようなときにおいて解散という問題が生ずるのであつて、今日においてはまだ解散について私の考えはしつかりきめておりません。
○安平委員 先ほどの総理大臣のお答えの中の、極東委員会の決定いかんにかかわらず、勧告として、マツカーサー元帥の勧告において國家公務員法が制定されたのだ。こう労働大臣がそう言つたからそうなんだと、こういうお答えでありまして、これはあとで労働大臣に詳しく伺いますが、私の知つておる範囲におきましては、極東委員会の決定は、少くともマ司令部の命令とか、あるいは勧告とかいうものに優先するのではないか、こういうふうに考えておりますし、承知しておりますが、この点についてはどう考えられるか。
○吉田國務大臣 お答えいたします。これは日本政府の義務といたしては、マツカーサー書簡にある勧告をまず第一に考慮いたすべきものであつて、極東委員会の議論はわれわれは参考にはいたしまするが、これによつて日本政府は束縛されるべきものではないという見解であります。
○前田(種)委員 私は先ほど中曽根君が質問して、総理大臣は割合にはつきり答弁されましたが、重ねてここで申入れておきたいと思いますことは、昨日の本会議において総理大臣はこう言つておられます。公務員法並びに関係法規が成立した後に解散する意思があるようにはつきり言つております。この公務員法が本議会で通過成立するということは、衆目の見るところ一致しております。内容は別として、通過せしめなければならぬとわれわれも考えております。それと関係法規との関係、この関係法規の中には、いろいろな企業体の変更その他の問題もあろうと思いますが、さらに重要な問題は追加予算の問題であろうと私は考えます。今中曽根君に対する答弁は、追加予算も関係法規の中に入つておるとはつきり総理大臣は言つておられましたが、もう一度重ねて、関係法規の中に追加予算が入つておるということの確認を願いたいということが第一点。 第二点は、先ほどから安平委員の質問に対して原則論を総理大臣は主張されております。公務員法が原則的に本議会において通過するという見通しがついた後にというようなことを、繰返し言つておられますが、私は公務員法の改正案の内容におきましても、この中に原則論を言う言わぬにかかわらず、待遇問題が大幅に含まつておると認識しておるわけです。むしろこれは法規の改正と相並行いたしまして、特遇問題が強くあの改正法規の中に織込まれておるという認識の上に立つておりますから、この法案が成立することは言うまでもなく、法規として追加予算の法律案を出すことは別個でありますが、この改正法規の中に十分追加予算の問題が含まれて審議されておると、われわれは認識いたしまして、本委員会は愼重に、会期の許す許りにおきまして審議をいたしまして、天下に遺憾のないところを内容に明確にして、この法案の審議の結論を得たいという熱意をもつております。それでありますがゆえに、この法案の成立は言うまでもなく、一方にはいろいろな問題がありますが、一方には必ず二百何十万の公務員の待遇問題については、ベストを盡すということが明確にうたわれておるわけであります。その点についと再確認をする意味において総理大臣のお答えを願いたい。 さらに追加予算を一体いつ出すかという内容につきまして、私は昨日重ねて大藏大臣に、少くとも二十日までに出してもらわなければ、会期中に審議できないと言いましたら、それに対して時間的に明言することができないという大藏大臣の答弁がありました。私は二十日までに追加予算案が出なければ、本会期中に審議ができないという観点から、さらに総理大臣にこの点を承つておきたいと思います。しかも私は昨日も申し上げましたように、この追加予算の内容につきましては、官公労は七千三百円と言つており、社会党は六千六百円と言つております。人事委員会は六千三百円、政府、大藏当局の発表によりますと、五千三百円が妥当ではないかという案を言つております。こうした内容につきましては私はいろいろな意見があろうと思います。インフレの進行の問題、物價との関係、その他全体の財政経済の見地から、いろいろな角度があろうと思いますから、その内容を一々論議をするということは今時期ではありませんが、追加予算の内容を、政府は政府の自信の上に立つたところの内容を立ててもらいたい。と言いますことは、給料を一万円貰つたからといつて、必ずしも生活の安定にはならぬと私は考えております。むしろ國民生活を確保するためには、いろいろな生活必需物資を確保してやるというところの、政府の施策が相伴わなければならぬと私は考えます。ただ單に賃金ベースを上げることによつて安定するとは考えておりません。そういう観点からインフレ、物價、その他の点等も考え合せまして、政府は政府の自信の上に立つた追加予算案を、至急に出すということが先決問題であろうと私は考えます。その意味におきまして政府はいろいろな角度から檢討して日を費すことになると、会期的に審議する期間がありませんので、ほんとうに妥当な結論は、國会が審議いたしまして、いろいろな財源と相にらみ合せまして、最終的にわれわれは決定したいと思いますから、政府は政府の自信の上に立つたところの追加予算案を、一日も早く出していただきたいと私は熱望いたします。その意味においてもう一度総理大臣の明確な答弁を、この席上で承つておきたいと思います。
○吉田國務大臣 お答えいたします。私の言う公務員法及び関係法規云々と申すのは、ただいま調べましたところでは、公務員法改正法案のほかに、公共企業体労働法案とか、あるいは專賣法社法案というような、五つの法案と私は記憶いたしておりまするが、関係法規はそれだけであつて、賃金ベースに関する予算は、緊急やむをえない案件の中に含まれておるのであります。それからこの公務員法が通るか通らないかということは、少数内閣としては、これは多数党の諸君の決定によるところであつて、これはわれわれの保証できないところであります。一に諸君がいかに審議せられるか、諸君の審議を待つてわれわれは考えるところであります。
○前田(種)委員 今の総理大臣の答弁を聞いておりますと、中曽根君に対する答弁とギヤツプがあります。ギヤツプでなくして二枚舌であると私は言いたいのであります。中曽根君の質問に対しましては、はつきり関係法規の中には追加予算も含まれておるということを明言されております。速記の上にはつきりしております。これは二枚舌です。今の答弁はこれが除君されておるような答弁を総理大臣はしておるのであります。緊急やむを得ないところの措置だと総理大臣は逃げております。その点は本席上ではつきり言つたところの総理大臣の言明が二つになつておるから重大な問題だと考えます。この重大な問題に対して、私は重ねて総理大臣の言明を追究します。
○吉田國務大臣 お答えをいたします。いわゆる予算案は議案であつて、法律案ではないのであります。私の申す関係法規と申すのは、ただいま申した公共企業体労働法案とかいうようなものであつて、給與の問題は緊急やむをえざる議案の中に含まれておるのであります。その意味合いであります。
○前田(種)委員 議案であつてもよろしい。それならばこの会期中に緊急やむを得ないところの議案として、公務員法と並行して、本議会中に終了するように提案するかどうかという点を、明確に総理大臣からもう一度承つておきたいと思います。
○吉田國務大臣 これは、同じことを繰り返すようでありますが、希望といたしてなるべく早く出したいと思うのであります。もしまたこれが伴わなければ議決ができないとしたら、それはあなた方の御自由であります。
○前田(種)委員 今の総理大臣の答弁は希望としてということでありますが、私はこれは原則論のときにも申し上げましたように、公務員法の改正と待遇問題は不可分の問題であります。表裏一体のものであります。これは明確なるものでありますから、当然会期中に出さなければならぬ。いかようにするかということは、國会の責任においてやるということは当然でありますから、これはあくまでも希望でなくして、必ず出すという明言を今日承らなければならぬと思います。もう一度この点について回答願います。
○吉田國務大臣 先ほど申す通り、なるべく出すという以上に申し上げられません。ずきなければ諸君が公務員法を否決せられればいいのであります。
○前田(種)委員 今の総理大臣の言は暴言だと思います。本議会の使命は公務員法の改正が主たる問題であります。この公務員法の改正の中には待遇問題が含まれておるということが、マツカーサー書簡の中に十分織込まれておるわけであります。この表裏一体不可分のものを、なるべくという程度でおくということはけしからぬと思います。それについて議会が否決をするなら否決してもよいというような言い方は、総理大臣として不体裁の言明をしたと同然だと考えますから、この言明は取消していただきたいと考えます。
○中曽根委員 ただいま総理大臣の御答弁の中に、なるべく出すとか、希望するとかという言葉がありますが、私に御答弁になりました発言の内容において、議案として出しますということを言つておられた。希望とか、なるべくという言葉はなかつた。私に言つたことはうそであるかどうか。この点を総理大臣に伺います。
○吉田國務大臣 私はうそを言つたつもりはありません。今申す通りなるべく——これはしばしば説明いたすようでありますけれども、予算案としていろいろな観点から交渉する方面もたくさんありますし、いついつ出すという期限はつけにくいのであります。ゆえになるべく早く出すということ以上に申ことはできない。
○角田委員長 ただいま労働大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。
○増田國務大臣 中曽根君の御質問に対する首相のお答え、それから前田君に対する期相のお答えに対して私の所見を申し上げます。それは先ほど來首相が六千三百七円の給與水準について、首相としては愼重に考慮されて、なるべく早くこれを実現したいということは、本合同審査会における重大発言であり、非常に意義のあるものだと私は思います。これは中曽根君もよく御了承願いたい。これは非常な一つの收穫ではないかと感ずる次第であります。それから緊急やむを得ざる議案という中にはいつているということは、中曽根議員の質問に対して首相も明確にお答えしておりますから、前田議員もどうかくどいことは言わず、あたりまえのことであつておわかりと思いますから、その点は御了承を願います。明確な意思表示をしていると私は思つております。
○前田(種)委員 さつき総理大臣が、議会で多数で否決するとか、そんなら勝手にしたらよいと言われた言辞は暴言だと私は思います。政府のしかも総理大臣としては、少数党であろうと、議会に何分の協力を願うという言い方をすべきだと考えます。総理大臣の御発言をもう一度望みます。
○吉田國務大臣 私の今言つたのが諸君の感情に触れたならば喜んで取消します。しかしながら私の考えは、なるべく公務員の賃金ベースは各方面の関係をつけて早目に出したい、この意味であつて、もし今の否決云々のことがお氣に障つたならば取消します。
○中曽根委員 総理大臣にお尋ねいたします。総理大臣は私の先刻の質問に対して、緊急やむを得ない議案の中に、追加予算の問題は入つていると明言された。ところが後の返事では希望としてとか、あるいはなるべく早くとか、こういうような飾り文句が入つておつた。私はその点はまだ釈然としませんが、緊急議案として出すのか、出さないのか。私に答えた答弁がうそであつたのか、あるいはほんとうであつたのか。その点だけを明確に伺いたい。
○吉田國務大臣 うそでもほんとうでもないのであります。今私の言うのは、緊急やむを得ざる議案の中に予算案を含めて提出したい。いつということは、いろいろと各方面の事情もありますから、いついつかということは申し上げられないのであります。
○中曽根委員 今総理大臣の御答弁によりますと、緊急議案として追加予算を出したいと御答弁になつておる。ところが先ほど私に申された言葉は出しますという言葉なのであります。出すという言葉と出したいという希望的意見とははつきり違うのです。その点どちらが正しいのか。前に言われたことはうそであるかどうか。これを私はお聽きしたい。
○吉田國務大臣 私の言うのは出したいということです。はつきり申し上げます。
○中曽根委員 そうしますと、先ほど私に申されましたのはうそでありますか。
○吉田國務大臣 あなたに申したことはその意味で申したつもりでおります。
○中曽根委員 これはふしぎなことを承るのでありますが、出したいということと出しますということが同じであるということは私は了解できない。一國の総理大臣が日本語を知らぬ。あるいは何人にもわけのわからぬことせ、この重大な委員会において発言しておられるということは、私は軽々に許すべき問題ではないと思います。私は日本語の権威にかけて、日本國民の名誉にかけて、私に対する御答弁が間違いであつたならば、間違つていましたと、あつさりかぶとを脱いでいただきたい。これは日本語の名誉にかけて私は申し上げます。
○吉田國務大臣 私の申したのは、ただいま申した通り出したいというのが日本語であります。日本語の権威はどうか知りませんが、私の考えはそうであります。もし前に申したことが間違いでありましたならば取消します。
○安平委員 総理大臣に前の極東委員会の問題についての後の御質問したいのでありますが、先ほど総理大臣から、極東委員会の決定は参考にするのだ、從つてその優先はマ司令官の書簡もしくは命令にあるのだというようなお答えがあつたように記憶しておりますが、私が極東委員会の決定が優先するという理由は、マツカーサー司令官の命令なり勧告なりは、少くとも極東委員会において決定し、それが正式の効力を発する、こういうことになつておりまして、たまたま極東委員会において意見の相違した場合には、アメリカの意見がこれを決定するという文句が中にあると記憶しておりまするが、それは極東委員会において議論されて、そうしてその問題が意見不一致の場合にのみ、アメリカの意見としてマツカーサー司令官の意見が結先する、こういうふうに私は解釈しております。特にシーボルト議長におきましても、マツカーサー書簡に対する解釈に、非常に疑義があるというようなことが新聞に出されたことも記憶しております。こういう点で、総理大臣の考え方が間違つているのではないか、私はかように考えておりますが、この点についてのお答えを願つておきます。
○吉田國務大臣 先ほど申しました通り、私の意見は、日本政府としてはマツカーサー書簡が第一に勘案せらるべきものであつて、もし極東委員会の意見によつて、勧告が——マツカーサー書簡が変更せられた場合においては、日本政府としては警從する義務はありまするが、しかしながら極東委員会における言論だけでは、日本政府は義務はただちに生じないものである、こう考えます。
○高橋(禎)委員 吉田総理は、組閣早々官界綱紀の粛正ということをお唱えになりました。私もその言葉には同感なんでありますが、ただこれは、その手段方法として、欺瞞や庄迫をもつて解決すべき問題ではないと思うのであります。問題はその原因を探究してこれを除去するということを考えなければならないのであります。私の見解をもつてすれば、現在の日本官界の紊乱の原因というものは、一般政府職員の給與の問題、それはすなわち生活の問題から來ておると思うのであります。ほかにも原因はあると思いますけれども、おもなり原因はこれであると考えておるのであります。そういたしますと、いわゆる官界粛正のためには、やはり公務員の給與の問題を眞劍に考えなければならません。その点について、私はこの公務員法改正案によつて、政府職員の正しい主張の道を封じ、その口を閉して、そして給與の問題が解決されるということにならぬと、かえつて官界粛正を志しておりながらも、その結果は逆なことになることを非常に恐れるのであります。その点においてまず首相は、第一に政府職員の生活問題が、すなわち給與の問題が、官界紊乱の原因になつているということをお認めになるかどうか。そしてその原因を除去するために、最善の方法を講じようとされるかどうかという点について、お伺いいたしたいと思います。
○吉田國務大臣 御質問はごもつともであります。官界の腐敗が給與の問題だけに限るか限らないかは別として、たしかに給與の問題が一つの原因であろうと思います。ゆえに私は六千三百円ベースといえども、財源が許す限りその線に應じたい、こう考えております。
○高橋(禎)委員 そういたしますと、総理は官界粛正を唱えている立場からも、政府職員の給與の問題を、すみやかに眞劍に解決しなければならないという誠意、熱情をお持ちになつておられるわけでありますか。
○吉田國務大臣 お答えいたします。その通りです。
○安平委員 極東委員会の問題はその程度にしておいて、第四番目にお伺いしたマツカーサー司令部から出された書簡の冒頭にある、日本政府の代表とはだれぞやという御質問をしたはずであります。このお答えがないのですが……。
○吉田國務大臣 お答えいたします。これは人事委員長であります。
○安平委員 どういう政府害関で代表ということがきめられたのか。もしくは人事委員長の資格でやつたのかどうか。この点を総理大臣にお伺いしたい。
○吉田國務大臣 これは芦田内閣のときに問題になつたそうでありますが、政府を代表してマツカーサー司令部とその職務において交渉する場合においては、おのおの政府の代表者でありますが、御質問の場合における政府代表者は、人事委員長であります。
○安平委員 そうすると、たとえば芦田さんの場合であつたにしても、当面は吉田総理の責任です。そういう意味でお尋ねしているのですが、その機関はどういう機関で決定されますか。
○吉田國務大臣 同じようなお答えをいたしますが、私教わつた通り申すのですけれども、各機関がマツカーサー司令部に交渉する場合には、その機関が政府の代表者でありますが、御質問の場合においては、人事委員長が政府の代表者であります。
○高橋(禎)委員 ただ一点あとお尋ねいたします。この公務員法改正法案によりますと、この法律は公布の日から施行する、こういうふうになつておるのでありますが、もしも政府職員に対する新給與の問題が解決つかなければ、この法律の施行をそれまで待つた方が当相であるというような御意見はお持ちにならないかどうか、そこをお伺いいたしたいのであります。
○吉田國務大臣 その御質問に対してお答えいたします。なるべく早く給與はきめたいと思うのでありますが、しかしながら同時でなければならぬとかいうふうに窮屈には考えられない問題であることは、今まで再度御説明いたしたところであります。
○角田委員長 これで休憩いたしまして、午後一時半から再開いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後二時三十一分開議
○角田委員長 休憩前に引続き開会いたします。 本日はこの程度で散会いたします。次回は公報をもつて御通知いたします。 午後二時三十二分散会