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3回国会衆議院1948/11/26

人事委員会 第11号

発言数
194
登壇者
19
会派数
8
開催日
1948/11/26

会議録

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 これより開会いたします。  前会に引続き、國家公務員法の一部を改正する法律案を議題として、その審査を進めます。前田種男君。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 この際総理大臣の出席を得ましたので、二、三の点についてできるだけおだやかに御質問をして、明確な御答弁を願いたいと思います。まず第一点は二十四日の新聞を見ますると、吉田総理大臣談ということで、どうも公務員法の審議が野党が消極的な態度をとつて遅延している。はなはだ遺憾であるというような談話が発表されているのでございます。私たちは八日に再開されました本委員会に、九日から連日この委員会を進めてきているわけでございます。その間政府も非常に多忙であつたと思いますが、われわれの要求するように総理大臣の出席、その他の大臣の出席がなかなかはかばかしく行つていないということは、この委員会の経過を見ても明らかな事実であるわけであります。特に日にちが逼迫するとともに三、四日前から総理大臣の出席を私は要望いたしまして、きのうも本会議が済み、あるいは各党代表との会談が済めば、その足でここに見えると思いつつ、午前遅くまで委員会をやつておりましたが、総理大臣は帰られたというようなことで、実は唖然としたわけであります。あますところ数日を残しておりますところの会期中において、しかも重要な案件のかかつていますところの本委員会には、何はさておいても総理大臣が積極的に出席されて、むしろこの審議を督促する立場をとつてもらわなければならぬと私は考えます。今日までの実情から申しますと、野党が消極的であり、いだすらに遅延するというのではなく、むしろ政府並びに與党が不熱心であると私に言わしめれば言えるのです。今日も與党は一人も來ていない。議会勢力からいえばかりに少数党であつても、この至上命令とまで言われておりますところの國家公務員法を通過せしめるためには、総理大臣みずからが陣頭に立つて、議会に來て、この委員会をリードするような熱意があつてこそ、初めて本法案がスムースに審議が進むと私は考えます。はたしてこの法案を会期中に上げるというところの熱意が那辺にあるかという点を、まず最初に総理大臣にこの際明確にひとつ承つておきたいと考えます。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 昨日は私が出席できないために、諸君に御迷惑をかけたそうですが、これは全然私の知らないところであつて、御要求のあつたことを知らなかつために、これは故意の欠席ではないのでありまして、決して惡意があつたわけではありません。この点は御了承願いたいと思います。それから私の声明に対してその責任は政府にありという御意見はごもつともでありますが、われわれから申すと、お互いさまによくなかつたのではないか。これは政府も今後努めますが、どうぞ諸君におかれても十分政府に御協力を願いたいと思います。この問題はしばしば申すようでありますが、前内閣以來公約された問題で、私どもとしては必ず諸君におかれても、殊に芦田内閣の與党の諸君におかれては、十分当時御研究も積んでいるものと考え、むしろわれわれの方は研究が足らないという点があつて、われわれも勉強しているわけでありますが、野党の諸君においては芦田内閣当時十分御研究を積んであることと推量をいたしまして、なるべく早く通していただきたい。にもかかわらず今日なお議事を終らないということは、われわれはまことに遺憾に感ずる。その考えから、その氣用からしてあの声明にもつて來たので、野党諸君を責めるというよりは、なるべく早くこの公務員法を上げていただきたい、この希望から出でたものと御了承願いたいと思います。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今の総理のお言葉を聞いておりますと、責任は野党、與党、政府ともに分担すべきだというような言いまわしでございますが、二十四日の談話は、明確に野党が故意にそういう態度を示しているということを、はつきり言つておるのです。政府みずからも責任を感ずるということは一言も言つてないのです。私はこれははなはだ遺憾だと思います。政府が相手に対して相手を責めようとする場合には、みずからはたして正しい態度であるかどうかということを明確にしなければならぬと思います。それともう一つは、芦田内閣当時に十分檢討された問題だということでございましたが、当時の政府としてはそれぞれいろいろ立案するについて檢討されたでありましようが、議会人としては、この問題についてはそう深く檢討してないわけでございます。それともう一つは、政府と國会とは、明確に立場が違いますので、國会は國会の立場において本案を審議することは当然なことでございます。この法案の内容は、いかに日本の民主化のために重要な案件であるかということは、総理の説明の中にも明確にうたわれておりましたように、そういう事情のもとでありますから、われわれは特にこの問題は愼重にやりたい。そのために総理大臣以下各大臣の出席を、再々要求したわけでございます。この委員会の決議として要求すること二回、あるいは委員長を通じて委員長の善処をもつて出席を求めること数回に及んでおつても、なおかつそれが達せられなかつたというのが今日の現状であつて、実際に総理大臣が自分が積極的に進んで行つて、本案の進捗をリードするというような氣魄は一つも見当らなかつたわけでございます。議会勢力が少数であるから多数の野党が勝手にやれという態度なら別でございますが、総理大臣としては、少くとも少数党であつても、この大事な法案であるから、みずから自分が出かけて行つてこの委員会の進捗はどうだというような態度を示してこそ、初めてこの法案の通過に熱心であるという誠意が買われると私は考えますが、この誠意の一端をうかがうことができなかつたことは遺憾でございます。もう一度この点について、総理のほんとうの氣持を承つておきたいと考えます。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私の氣持としては自分が陣頭に立つてでありますか、とにかくリードするくらいの考えをもつて日々いたしておるのであります。この委員会に対して今御不平があるかもしれませんが、昨日も参議院に出席するなり、人事委員会には相当私は出席いたして、そうして弁明にも努めておつたので、私の氣持としては自分みずから政府を指導し、また十分諸君の了解を得るために、相当盡力いたしつつあるのであります。この点はどうぞ御了承願いたいと思います。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 さらに私は総理に承りたいのは、十三日の総理が最初に出て來られました質問のときに、本案の審議と給與ペースの問題は不可分である。それでありますから少くとも二十日前後までに追加予算案を提出されなければ、本会期中に本案並びに賃金ベースの審議ができないから、どうしても二十日前後に出してもらいたいということを強く要望いたしまして、日限は切れないが善処する、最善を盡すという総理のお言葉であつたわけです。その後その言葉を信じて、つとめて早く追加予算案が提出されるものとわれわれは確信しておつたのでございます。しかし日にちが切迫するに及んでも、なかなか追加予算案は出て來ないのでございますから、総理以外の大藏大臣あるいは官房長官等に対しましても、この問題に対して、その進行状況あるいは決意等を承つたのでございますが、官房長官は過日の本委員会においては、どうしても追加予算全体が出せぬようであれば、せめても最惡の場合は、賃金ベースだけは切離してでも審議を煩わすように、最善の努力をしたいということを明確に言つておられるのでございます。さらに過ぐる十六日の本会議におきましては、同僚島上委員の提案説明によつて、院議をもつて、賃金ベースを含むところの追加予算を必ず出すべしという決議をなさつておるのでございます。この院議に対して総理大臣は、この院議を尊重しておられるかどうか、そして実際に追加予算の問題はどういうふうに取扱われるか、あるいは佐藤官房長官が言われたように、最惡の場合は、賃金ベースだけを切離してでも先に提案するという答弁を得ておりますが、そういう点に対する総理大臣の責任あるところの答弁を承つておきたいと考えます。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは昨日も参議院において説明いたしたのでありますが、公務員の十二月年末における給與は、租税とかいろいろな関係から、三分の一の手取になるというような窮迫した状態に置かるるので、これは公務員法いかんにかかわらず、政府としては考えなければならぬ窮迫した問題であるのであつて、ために当局者としてはいろいろ折衝をいたし、また研究いたしておるのであります。しかし事実として給與ベースについても大分議論がありますし、また関係方面においても一致しないような関係などがあつて、なかなか一致した予算案を提出するまでにいかないという事情は、繰返し説明を申しておるのであります。新給與ベースというものの決定によつて、インフレの増進にもなれば、また物價改訂という問題まで引起し、また民間企業にも影響を及ぼすものでありまするために、そう簡單にどうしても決定ができないという事情は、しばしば委員会その他において実情を申し述べておりまするが、どうぞ諸君におかれても、その実情を御了解くださるとともに、政府としては決してうつちやつておく考えはないのでごいます。またうつちやつておけない事情にあるということはよろしく御了承願いたいと思います。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今の御答弁に対し重ねて質問いたしますことは、どうもこの会期中には最善を盡したが間に合わない、結論が得られないから間に合わぬという一言に盡きると思います。しからば來月一日に召集されておりますところの第四國会に、引続いて追加予算案を提案されて、そうしてこの追加予算をどうしても審議成立せしむるという意思が、総理大臣にあるかどうかということを明確にお答え願いたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 先ほども申した通り、この問題はどうしても政府として公務員の給與あるいは生活のため考えなければならぬ問題でありまするから、会期いかんにかかわらず、また公務員法いかんにかかわらず、公務員法を別としても考えなければならぬという実際の事情にありますから、むろん政府といたしては、何とか方法をつけるつもりでおります。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今の言葉をもう一遍はつきりしておきたいことは、十二月一日から開かれますところの第四國会に、引続いて審議をされるという意思をはつきりしてもらいたいと思います。やらなければどうしてもいけないという今日の客観情勢になつておるということを総理は言明されましたが、第四國会に引続いてこの審議をして、追加予算を成立するようにされるかどうか。第四國会に持つて行つて、審議をされる用意があるかどうかということを明確にしてもらいたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 ただいま申した通り、会期いかんにかかわらず提出する。少くとも十二月の公務員の給與は、十二月中には緊急の方法として考えます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 緊急の方法ということになりますと、今日まで言われておりますところの要するに非常手段を講じられて、参議院の緊急集会に持つて行こうというようなことを、政府の声明その他からいたされておるのでございます。今日議会が開かれておるし、通常國会が召集されておるにもかかわらず、参議院の緊急集会をもつて、緊急の処置をしようという決意か。それとも十二月一日から開かれますところの第四國会で審議をして、その追加予算の成立を持つて、適正な解散その他の処置を講ずるという意思か、この点は明確にしてもらわなければならぬと思います。私は参議院の緊急集会の憲法上の疑義、その他の議会の審議権に対する侵課等のことについて、法理的なことは私はここでは言いません。その点の緊急の措置を、一体どちらでとるという決意をもつておられるかということを、総理大臣にひとつ明確にしてもらいたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私の決意は、いずれにしても十二月中に方法を講じますと言います以上には申し上げられません。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 そういたしますと、私の今申し上げましたどちらをとられるかということには、答弁されないということでございますが、少くとも今日會期は続いております。しかも予算案は議會の審議を経なければ成立いたしません。十二月になると官公吏は三分の一に給料が減らされる。これを何とかしなければならぬという親心はわかるようでございますが、一体政府はどうしてこの予算を成立して支給するかという、審議の過程が不明瞭でございます。私は今日國會が開かれておるこの席上において、この点は日にちのない今日でございますから、明確に引続いて審議をするか、参議院の緊急集會に持つ込むかという、その決意だけは明確にしてもられなければならぬと思いますので、重ねて総理大臣の答弁を要求します。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは將來に属することでありますから、今日言明ができません。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 ちよつと総理に御質問申し上げます。この問題は総理大臣も御承知のごとく、全國二百五十万の官公吏の、年末を控えての重大な問題でありますから、ひとつ國會を通じて、総理の意のあるところを二百五十万の官公吏にお傳え願いたい。同時にまた今度の政府の考えておられまする追加予算の中には、ひとり官公吏だけの給與の問題でけでなくて、あの中にはこの戰爭によつていたいたしい被害をお受けになつた多数の戰爭犠牲者に支給さるべき生活保護費の予算も加えられておるわけなのです。さらに災害復旧費等も、あの中に加えられなければならぬ性質のものであります。でありますから二百五十万の官公吏のほかに、こういういたいたしい遺家族の方々に、何をさしおいても給與しなければならぬ生活保護費が含まれ、あるいは災害復旧費が含まれておる。私は何も総理にいわゆる解散の問題を中心といたしまして、ここであなたに言質をとろうとか何とかいうような氣持で、御質問しておるのではないのでございます。また公務員法と給與の問題が可分であるか、不可分であるかということにつきまして、今あなたとここで新しく論爭しようというような考えもありません。私はただ現実にお正月を目の前に控えまして、たくさんの子供をかかえて泣きの涙の生活をしておるこういう戰爭の犠牲者や、あるいは全國の二百五十万の官公吏—私の手もとに昨日も長文の手紙がある婦人から参つております。これは地方の公吏でございますが、その中に詳しく生活費、これはやみと、それからやみでないいろいろな出費を書きまして、私に切々として訴え、ぜひとも今度のこの会期中に追加予算が出されるように御努力願いたいという、涙の出るような手紙も來ておるわけなのであります。これは政府の責任でもありましよう、同時にまたこういう今歳末を目前に控えて困つておられる、数百万人の人々の生命に関する給與の問題について、國会が審議するのは、國会議員であるわれわれの当然の責任であると思うのであります。そこで先ほど前田君から質問をいたしましたが、將來のことに属するんだと総理はおつしやいますが、実は全國のこういう人々は、総理から十二月なら十二月に、第四國会なら第四國会で、必ず予算的な措置をとる、あるいは不可能ならば参議院の緊急集会なら緊急集会に任してやるんだ、これを一言おつしやつていただければ、どんなに安心するかわからないと思います。ベースが高いか安いかはまた問題は別です。高い安いの問題につきましては大いに議論をしなければなりませんが、それよりも一言総理がこれらの人々が安心するような言葉を、議会を通じておつしやつていただきたいということが第一点であります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 御質問はごもつともであります。お話の公務員の給與、手当そのほかお話のような災害復旧費とか、それからまたこの間本議場でもつて問題になつた北海道その他の越冬資金と言いますか、そういう手当は政府としては考えなければならぬ問題でありますから、これは取散があつた場合には緊急集会でありますか、あるいは引続いて國会が開かれておるのであるならば、十二月中には必ず提出いたしたいと思います。御承知の通り関係方面の折衝があるものでありますから、実は私自身が折衝したいと思つておりますけれども、議会が始まつておるので、私自身が手が抜けないものですから手が行届きませんが、私の考えとしては、今お話申したような問題については、政府としてどうしても見なければならぬ問題でありまして、いかにしても財源を見つけて緊急処置をとりたい、こういう決心であります。これは明確に申しておきます。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 よくわかりました。結局解散があれば参議院の緊急集会にこれをゆだねる。解散がない場合には、第四國会に至急財源を見つけて、いわゆる確定財源をつくつて予算的措置を講ずる。こういう総理の御答弁でよくわかりました。  続いて第二点をお尋ねいたしまするが、先ほど前田君の質問に対しまして、総理からこの國家公務員法の審議が遲れておるのは、何も國会の責任でなくて双方の責任だというようなお話がございました。実はあげ足をとるわけではございませんが、二十四日の午後五時四十分に総理の談話が発表されておるのであります。その談話の中に、現國会における本法案の審議状況を見るに、現野党が政府與党であつたときとは反対に、本法案の通過に関しては、きわめて消極的態度を示しており、いたずらに遷延せしめるかに見られることは、まことに遺憾なことであり、またマ元帥書簡の趣旨に反するものである。のみならずマ元帥に対する公約を無視するものであると言わなければならない。こういう談話があるのでございますが、ただいま総理がここで答えていただきましたその要旨と、それからこの談話との間には、著しい差異があるのであります。この点につきまして重ねて総理にお尋ねしてみたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私が公務員法の從來の経過について承知をいたしたところでは、公務員法その他六法でありますか五法であるか、これは芦田内閣の当時公約された法であつて、のみならず國会が始まればもう話は済んでいることであるから、二、三日やればできる問題であるのだ。つまり当時の芦田内閣の與党は十分この問題については了解のある法であるということに承知しておつたのであります。また当時の與党の総裁とか、委員長とかいう人には、十分意が徹底しておるのである、こう了解しておるものでありますから、そこで十五日でありましたか、十六日であつたか、衆議院においてはそのくらいまでには通過ができるだろうというふうに話されておつたのであります。これほどこう紛糾するとは、実は予想しなかつたのであります。これは何も私が直接当時の與党の総裁その他に聞いたわけでありませんが、他の方面から、つまり約束された方面からは、そう了解しておつたものでありますから、こんなに紛糾するとは実は思わなかつたのであります。しかるにだんだん会期が迫つて來て、参議院の方の議事などを考えて見ますると、どうしても二十日前後には少くとも衆議院が議了し、通過するのではないか、通過してもらいたいという希望を加えて、そう私は思つておつたのであります。にもかかわらず二十何日でございましたか、私の声明したときまでも、まだ衆議院さえも通過の見込みがないということで、政府としてははなはだ焦慮いたすのであります。また通過させるようにと言つて相手方からも責められておるので、そこでああいう声明を発したのであります。その声明の文句が惡いか、いいかということは別として、どうぞ諸君におかれても、すでに約束されたことと向うは了解しておることでありますから、どうぞ無事に審議を結了するように御盡力願いたい。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 よくわかりました。こんなに早く吉田内閣がでぎるとは実際お考えになつていなかつたかもしれませんし、それからにかわづくりの内閣でもありまして、國家公務員法の内容の問題等についても連日質問しておりますが、各閣僚の意見も非常にまちまちの場合もあり得るわけで、これは何も政府の責任というよりも、こういうような客観情勢の中に緊急にでき上つた内閣でありますから、そういう点につきましては私も多大の同情を寄せておるわけであります。ただこの際申し上げておきますが、総理がしばしば委員会で、お前たちの與党当時に政令をつくり、あるいは國家公務員法の大体の基礎的なものを考えて來たではないか、從つてわれわれよりもお前たちの方がよく知つておるじやないかということをよく言われますが、この点につきましては、私は社会党の立場を明らかにしておきたいと思います。  御承知のようにマツカーサー書簡が出まして、それから政府は緊急な措置として政令を出しました。これは別にわれわれの方は党議にかけてきめたわけでも何でもありません。それから当時は國会が開かれておりません。そこで國会でこれを問題にすることができなかつた。続いてこの政府と——当時の芦田内閣と関係方面との折衝、いわばマツカーサー書簡の解釈の問題、それをどういうふうに解釈するか、そういうことでいわば腹の探り合いと申しますか、そういう状態で來ておつたわけなのであります。社会党の党議といたしましては、中央委員会におきまして明瞭にこういうふうにきめた。われわれはいたずらに、いわゆる世界各國の慣行と違つて、特殊な状態の下に置かれておるところの、いわゆる單純労務を提供する多くの勤労官吏を含む日本の実情にかんがみて、これらの人々の團結権、罷業権、あるいは團体行動の自由を奪うということについては、賛成できないというような、われわれの基本的態度を明らかにした考えを、中央委員会で決定しておるわけです。今日社会党が、きようの新聞に発表しましたような態度で臨むということは、決して矛盾しておりません。與党であつたから、あるいは野党であるかということで態度がかわつたのでなくて、私どもの態度は、党の決議機関であります中央委員会におきまして、與党当時にこういう明確な態度をとつて、さらに昨日は、新聞記者團にわれわれの基本的態度を発表したのでございますから、そういう点は、当時の政府は、党とは関係なく関係方面と折衝しておつたのだ、こういうふうに了解願いたいと思います。そこで総理にお尋ねしますが、この談話のマ元帥書簡の御趣旨に反するとか、マ元帥書簡に対する公約を無視するものであるというふうにきめつけられておりますが、マ元帥書簡に対する趣旨に反するかどうか、あるいは公約を無視するかしないかということよりも、ことさらにわれわれが解散の問題と結びつけて審議を遅らせておるかのごとき印象を國民に與えるということは、実は非常に困る。でございまするから、先ほど申す通り、私は政府の怠慢だと思います。総理は何度も要求をいたしまするが、なかなかその割合に出て來ていただけない。その割合に出て來ないが、他の閣僚に比較すれば、割合に——割合の問題です。割合に出て來る。ところがたとえば大藏大臣その他の閣僚を要求しましても、なかなか出て來ないために、私どもは、きのうのごときは、人事委員会の政府委員を置いておきまして、その説明を聞きながら、逐條に審議しておるというような状態でございまして、はをはだどうも審議の方に大きな障害になつておつた。この際総理は、二十四日の談話の内容が、きわめて一方的であるという確認の上に立つて、この談話を修正される意思があるかないか。先ほどは修正されるような御答弁でございましたが、これを修正される御意思があるかないか、お伺いします。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 お答えいたしますが、これは政府に対してかたきを責められるものであつて、もしあなた方が、政府は怠慢だと言えば、われわれも野党は怠慢だと、賣り言葉に買い言葉を言わざるを得ない関係に立ちますから、この点はともかくとして、ひとつなるべく早く上げることに、政府も勉強いたしますが、あなた方の方においても勉強していただきたい。協力していただきたい。どうも今みたいな占領下における日本としましては、内輪もめがして、かれこれ議論にときを費すということは、まことによろしくないことと思いますから、政府が怠慢であれば改めますし、諸君におかれても協力するお氣持でもつて——政府はこうしろ、ああしろと言えば、御注文は喜んで聞きますから、どうか協力するというお氣持で願いたい。互いに責任のなすり合いをやつて、お前が惡いんだ、こちらが惡いんだと言つて惡いものを改めろと言われれば、改めることができないというような言葉づかいをしなければなりませんから、とにかくひとつ、今後協力して互いにやるという氣持になつていただけば、非常に仕合せであります。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 それじや最後に一言だけ申し上げておきます。われわれは協力をおしむものではありません。但し原案を無條件に通過さすために協力しろと言われましても、これは私どもの公務員法に対する考え方が、総理と違つておりますから、そういう無條件降伏をしいられましても、その無條件降伏には應ずることはできません。これは私は総理に対して明白にわれわれの態度を言つておきましたように、この國家公務員法は、日本の民主主義に非常に大きな脅威を與えるものである。同時にまた憲法に抵触するものであるという考え方の上に立つておる。従つてこれは一種の反動的な内容を持つ法案であるから、われわれはこれをきわめて進歩的な、民主的なものにかえなければならぬ、こういう考え方の上に立つておる。從つてまた吉田総理は、幸いにしてわれわれのこういうような考え方に共鳴されまして、どうぞひとつわれわれの考え方が國会を通じて実現するように、逆に総理に協力をお願いしたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 私は、ただいまの赤松委員の質問に関連して、ちよつとお伺いしたいのであります。あえて言葉じりをとらえるわけでありませんが、政府が怠慢だと言えば、野党が怠慢だと経いたい、そういう責任のなすり合いはやめて協力してもらいたい、これは、今までの経過を全然知らないで、きようその言葉だけを聞けば、なるほどそう思うかもしれません。しかし私は、今までの委員会における出席の状況、それからわれわれが出席を求めた大臣の出席の状況を見ますならば、少くとも今までの委員会の進行状況の事実を見ますならば、明白に野党が最も熱心であり、政府委員及び與党が不熱心であるという事実がはつきり出て來ていると思う。われわれはその事実があるからこそ、政府が不熱心であり、怠慢であるということを言つておる。それに対して、政府が怠慢だと言えば、われわれは野党が怠慢だと言いたいという、こういうことは、それこそ責任のなすり合いだと、われわれの方から言わざるを得ない。責任のなすり合いだということは、そのままそつくり吉田総理大臣にお返し申し上げなければならぬと思う。それは今までの委員会の経過の事実が、そういうふうに明白に証明しておるのです。ですから私たちは、これはあえて質問するわけではありませんが、総理大臣が言う、野党が怠慢であるということは、今までの事実に反するということを、この際はつきりしておきたいと思う。  それから、今度は御質問申し上げたい事項でありますが、先ほど前田委員の質問に対して、政府職員の給與改訂はしなければならぬが、それはインフレを促進するということも考えなければなりませんし、物價改訂もしくは民間賃金に及ぼす影響等ということも考えなければならぬので、非常にむずかしい問題であるというような意味のことを言われました。一体先般臨時人事委員会が勧告した六千三百七円というものは、社会党が考えているベースとは、もちろん金額の相違はあるのでありますが、その勧告案というものは物價を改訂しない、今日の物價の基礎の上に立つておるということと、それから今日の民間の賃金水準との比較の上に立つておるものだと思うのです。あれをあのように改訂しますれば、また物價を上げなければならぬとか、そのために民間の賃金が影響を受けて、はなはだしく上げなければならぬというものではなくして、今の民間賃金水準、今の物價、こういうものから科学的に檢討した数字であるということを、われわれは人事委員会の答弁によつて承知しておる。ですから、先ほど言われたように、官公吏の賃金を改訂すれば、物價改訂及び民間賃金に惡い影響を及ぼすというようなことは、私は当らぬと考えておるのですが、もう一ぺんこの点について、はつきりとしたお答えを願いたいと存じます。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これはしばしば、この委員会でありましたか、その他の委員会で申し述べた通り、人事委員会の六千何百円とかいう水準は、相当道理のある水準であつて、人事院としては何らの理由なくしてきめたわけではない。相当の理由をもつて政府に勧告した問題であるから、政府としてもその勧告の趣旨については十分取調べもし、研究もする、現に研究しつつあるわけでありますが、しかしながらそのベースが、はたしてお話のように他の物價等には影響なくしてきめ得るものであるかどうかということについては、なお政府として研究いたしておるわけであります。こまかいことについては当局大臣からお聞きを願いたいが、私としては今日問題となるのは、日本の復興なり、産業の復興なり、あるいは経済の復興であるので、また公務員としてその生活も安定せしめなければならぬ、多く與えることができればけつこうなことでありますけれども、これは先ほども申す通り、財源の関係もあり、また新物價政策にも関係することでありますから、單純にただちにきめるということはできにくい事情である。これはしばしば各委員会において申した通りでありますが、政府といたしては單純にきめにくいという事情はよく御了承を願いたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 もう一ぺん念を押しておきたいのですが、官公吏の賃金を改めた場合に、今の物價がそのままでいいかどうかということは十分に檢討しなければならぬというお言葉でしたが、先般出された臨時人事委員会の勧告案にしても、社会党の政調会において研究した六千六百円案にしても、現在の物價において、そうして現在の民間水準とのにらみ合せにおいて、あれだけが必要であるという数字であつて、その賃金給與を改訂することによつて、また物價を改訂しなければならぬということになりますならば、給與の改訂は何にもならないということになつてします。もし近い將來に物價の改訂ということが、各般の理由からそういう必要が起りますならば、今回改訂さるべき官公廳の諸君の給與は、その物價改訂のとき、当然またスライドしなければならぬ性質のものだと考えている。ですから今改めらるべき官公吏の給與は、將來物價改訂という事態が起りましたならば、当然スライドされなければならぬという性質のものだと私たちは考えているのですが、その点総理大臣の御意見を伺いたい。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは私どもしろうとには、お答えがはなはだしにくいのでありますが、くろうと筋においても現に六千円程度でいいのか、五千円程度でいいのかということについては問題があるのでありますから、政府といたしても両方の言い分を相当研究いたしておるのであります。それが結局は新物價政策に影響を及ぼし、また新物價改訂をしなければならぬというので、政府としては考えざるを得ない状態にあるのであります。御議論は御議論でありますが、政府としてはそう考えていると思います。

水野實郎社会革新党

○水野委員 久しぶりで総理大臣に御出席願いましたので、一言お聞きしたいことがあります。先ほど同僚委員諸君から、昨日の新聞声明等に対する質疑もあつたようでありますから重複避けまして、総理大臣の前田委員、赤松委員に対する答弁の中に、與党であつた諸君は、もうすでにこの法案の内容については、承知しておつたと解釈しておつたとお答えのようでございました。私どもは終始一貫、芦田内閣においても野党の立場におりましたし、今度も野党の立場におるのであります。なおまたきのうの声明にからむわけではありませんが、われわれは毎日一日も欠かさずにここへつめて、審議に一生懸命にかかつておるけれども、政府当局の出席が遅れてはんぱになり、いつも必要な、要求する大臣が御出席にならないということで、延々として今日まで審議が遅れておるのであります。私どもは何とか早く審議して、そうして今月中に早く解散でもしてもらつて、出直したらよかろうという考えで、私どもは実際の話が、早くあげたいと思つていたのです。それがまつたく予算もお出しにならないで、あなたの方はいつも解散風をお吹かしになるものだから、本会議をごらんになつてもわかる通り寥々たるものである。委員会をごらんになつてもこの通りであります。みな解散風に脅かされて地元に帰つてしまつて、大騒ぎになつてしまつている。これは何とか明瞭に、総理大臣は先ほど言つた賃金ペースを含むところの追加予算を、いつ、どういうふうに出すとかいう意思表示をはつきりとして、審議をもつとすみやかにされることが、私は吉田さんのとるべき方法ではないかと思うのであります。なお政府の原案等につきましても、前與党の人々、民主党、國協党、社会党の人々は審議して知つておるとおつしやるが、あの原案なんかも、すでに三回からかわつておる。一番初めに出たのがかわり、二回目に出てかわり、今審議しておるのは三度目の原案である。これを愼重審議をせずしてすぐ通過をするだろうと思つたなんということは、少し吉田さんの御認識をおかえにならなければならぬと思う。われわれはこれだけの重大法案を審議するには、相当愼重にやらなければならぬ問題である。しかも今度の臨時議会は、しばしば本会議場において私も質問し、総理大臣もお答えになつたことく、この公務員法の一部改正の法律案を通すことに、この議会を費やすのだというくらい重大な、一にこの法案の審議にかかつておる議会だと思う。施政方針の演説すらも省略して、しかもこの公務員法改正法案を審議するのだという議会であるとするならば、私は関係閣僚は皆、何を放つておいてもこの公務員法改正案の審議のために、この委員会に全部詰めかけて審議するのが、政府の当然の責任だと思う。にもかかわらず、きよう初めてずいぶんおそろいのようでありますが、きのうあたりもずいぶんお待ちしたのであります。どうか総理大臣は、先ほど同僚諸君の質問したことく、この賃金ベースを含む追加予算を、もつと具体的に、いつごろ出して、どういう方法で何とかしたいというような、具体的な御声明をなさる御意思があるかないかを、ひとつ承りたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 お答えいたします。政府としても、閣僚としても、やはり日々議院に詰めかけておるのであります。ただ他の委員会等の関係のために出席ができなかつたとか、あるいは通知を承知しないために——昨日私のごときは通知を承知いたさなかつたのでありますから、出席いたしませんでしたが、しかし政府閣僚としても、日々議院に出かけておつて、そうして質問應答しておつたと私は信ずるのであります。また先ほどの賃金ベースについての話でありますが、これも先ほどお答えいたした通り、もしこの会期中に取調べが済み、決定いたすならば、この会期中にも出しますつもりでもおりますし、もしできなかつた場合には、解散をされた場合には、参議院の緊急集会ですか、それに出すなり、もし解散がなくして連続して行けば、第四回國会にも出します。いずれにしても、先ほど申す通り、公務員の立場としては、年末には三分の一の給與になるということになれば、これは非常なことになるわけでありますから、いずれにしても政府としては、十二月中には應急の処置をとらねばならぬということは、先ほど申した通りであります。そういう氣持でおりますことを御承知願いたい。

水野實郎社会革新党

○水野委員 もう一点だけお尋ねしておきたいことは、昨日の新聞声明であります。先ほど私が申すように、政府原案というものが三たびかわつてもおるし、さような見解から幾多委員会の審議は、ほんとうに眞劍にやつておるのでありまするが、あたかもきのうの新聞声明では、まるつきり委員会ないしは國会はサボつて審議を故意に遅らせておるがごとき印象を國民に與えておるのであります。これに対してわれわれのこの眞劍なる審議をもう一ぺん御認識を願つて、あの声明書を何とか変更しなさるような御意思があるかないかを最後にお聞きいたします。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは先ほどの御質問にお答えした通りに、もし政府が怠慢であると言わるるならば、政府としては面目上変更はできないし、また野党の諸君におかれても、私が野党の責任なりと言えば、諸君としては恐らざるを得ないのでありましようから、済んだことは水に流してくたすつて、なるべくこの議案が無事に通過するように、將來御協力を願いたい。政府も勉強いたします。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 この際内閣総理大臣に二つの点でお伺いしたいと思います。今日政府が、われわれの知らない面で、非常に多忙ないろいろな仕事があるであろうということは、私たちもよく了解いたします。しかしこの審議の遅れる具体的な一つの問題として、政府が審議を遅らすようなことのさきがけをなしている。具体的に申しますと、各閣僚の答弁がまちまちで、疑問が続出して、私どもとしては、次から次へと発展して聞かざるを得ないような状態であります。この具体例を二つ申し上げますと、本会議で國協党の野本品吉君の質問に答えて、人事委員長は、教育公務員法は、独立立法するということを申しております。ところが昨日文相はそのようなことをしないで、特例で行くと申しております。ここに食い違いがあるということが一つ。それから、ここにも列席されておりますが、昨日法務総裁は、人事委員会というものが改正されて人事院になつても、内閣が行政上の監督権を持つとおつしやつております。私どももこれは持つべきであると思つて、法務総裁の意見に対して同調するものです。ところが改正案の提案理由の説明によれば、人事院を独立させて、内閣の行政監督権から離すということが、大きな趣旨だとおつしやつておる。ここでまた明らかに食い違つておる。かかる状態でありまするから、——私ども第一議員倶樂部も水野君と同じように、前も今度も野党です。しかしここで確かにお尋ねしたいことは、内閣が責任をもつて本案を本以議に上程されたのですから、前からの引続きでありましようけれども、もつと政府自体が熱意をもつて当るべきだと思うにもかかわらず、このような食い違いがあるところを見ると、本案をほんとうに通したい熱意があるのかどうかも、実はわれわれは了解に苦しむのでありまして、この問題に対して明快な首相としての御熱意のほどを、國民の前に、本委員会を通じてはつきりしていただきたいということが一つ。  それからもう一つは、いろいろ新聞の問題が問題になりましたことは、私は内閣総理大臣は実にかつてなことをおつしやると思つたのでありまするが、それは内閣総理大臣は人が惡いのではないということがよくわかりました。というのは連絡が惡い。まことに角田委員長は民主的に本委員会を運営されて、この委員会の中では好評噴々たるものがある。そして同時に政府側に向つても、われわれの要望を絶えず要求されていることを、われわれは目のあたり見ておる。ところが内閣総理大臣は、本日來て、きのうのあの騒ぎに対してもお知りにならなかつた。知らないものはどうにもしようがありませんが、それでは委員長がうそを言つておるか。佐藤官房長官がうそを言つておるか。内閣総理大臣がうそを言つておるか。どこかで連絡が断き切れておるか。こう思つてみると、私はどこかで連絡が断ち切れておると思う。これは明らかにあなた方の責任でありますから、この点についてはつきりと、本委員会に内閣総理大臣として陳弁をお願いしたい。というのは、まつたくこの委員会だけが惡いように天下に映つておるのでありまして、われわれといたしましても、まことにこの問題は申訳なくも思いますし、心外です。この二点についてお尋ねする。本法案を通すほんとうの熱意がおありになるのか。この連絡の惡い各閣僚の答弁の食い違い等が、明らかに審議を遅らしておる。野党にも惡いところもあるかもしれぬが、政府自体にも惡いところがあると御認めになるか、その点をお尋ねいたします。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 この際委員長は発言いたします。昨日委員長より各大臣に出席を求めましたが、これは総理大臣には関係がなく、中間の事務の行き違いで委員長が連絡ができなかつたということ。なおこの際申し上げておきますが、國会法第七十一條の規定によりますと、政府委員の出席は議長を経て求めることになつておりますが、現在はその手続を省略する慣例になつておりましたので、昨日までは國会法第七十一條の規定によらざる取扱いをいたしておりました。そういうことの手違いがありましたことを、この際委員長として発言いたしておきます。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 お答えをいたしますが、政府としては公務員法その他の通過を、ぜひともこの議会において見たいという熱意は、しばしば私が議場においても、その他においても申した通りであつて、決して熱意のないものと御了承を願いたくないものであります。また今各大臣の食い違いの点については、取調べた上でお答えをいたします。私が昨日出席ができなかつたのは、委員長からお話の通り、連絡が惡かつたためで、今後はよく注意いたします。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 問題は、先ほどからいろいろ質疑されております新聞記者團との会見における総理の談話の問題なのでありますが、私はあれを見まして、実は憤慨したわけであります。これはまつたく偽りのことを発表されておる。野党側がいかにも怠慢で、ことさらに審議を遅らしておるような趣旨に解されるのですが、事実はあべこべじやないか。一体私は純眞な氣持で立派な法律をつくりたいというので、最善の努力をいたしておるわけでありますが、その間において、ああいう偽りが発表されたのでは、もつてのほかのことだと、こう思つたわけであります。一体政治に偽りがあるということをわれわれ考えまして、偽りのない政治をしくようにしなければならぬと平素考えておるわけでありますが、総理もその点については、大いに民主政治を高揚されて、民主政治の明朗化ということを強調されておるのではないか。文句の点においては、もちろん同感であります。総理は先ほどの御答弁の中に、賣り言葉に買い言葉だというような表現をお使いになつたのですが、賣り言葉と買い言葉という問題でなく、眞実と虚偽との問題になるわけでありまして、本委員会においては非常に熱心に審議をしておる。そして審議の経過によつて云々とおつしやつたのですが、この國家公務員法の改正案の審議の経過は、人事委員会をごらんにならないとおわかりにならないことです。現在ここだけでやつておることです。だから審議の経過に徴してあの談話にあるようなことが眞実かどうかということになりますると、先ほど來いろいろお話のあつたように、これはもう私どもとしては総理の施政方針もないのだから、できるだけ閣僚に出席されて説明していただきたいと言つても、容易においでにならない。おいでになつたと思つても、これまた答弁がなかなかわれわれを満足さすようなものでない。それから給與の問題もありまするし、資料を提出していただきたいと言つてもそれも十分にできない。そういうことでもつて審議が遅れておるわけです。今日は與党の方はお二人おいでになるようですが、この委員会に全然おいでにならなかつたようなことが、始終あつたように私は見ておるのですが、むしろ私どもの考えでは、政府と與党の方が忘慢であつて、審議を遅らそうとしておるのではないかというふうに考えておる。ですから事実は全然相反しておるわけです。その点について先ほど過ぎ去つたことだからいいではないかというようなお話なんですが、あれが賣り言葉に買い言葉というのであれば、まあやめましようということになるので、眞実といつわりとの問題なんですから、やはり総理もお考えにならなければいかんと思うのです。それといま一点は、いかにも総理は、案を出したのだから質問をしたり、資料を出せとかいうような面倒臭いことを言わずに、早く通したらいいではないか、もしこういうお考えであるとすれば、民主政治に非常に反することだと私には感ぜられるのですか、この二つの点について御所見をお伺いいたしたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これはうそであるとか眞実であるとかいうことになると、いわゆる賣り言葉に買い言葉であつて、あなたの方はうそだと言い、われわれの方はほんとうだというようになりますから、それで既往はとにかくとして、なるべくこの法案をすみやかに議了して無事解決していただきたい、こう言わざるを得ないのであります。  それから今の資料を出さぬとかいうようなことが、もしありましたならば、それは政府として注意いたしますが、しかしながら本案の審議を押しつけようという考えは毛頭ないので、諸君におかれて自由に研究審議せられて、訂正せられることについて困るというようなことは、私は毛頭考えておりません。審議は御自由でありますから、十分御審議を願いたいと思います。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 この審議の経過について、野党側がいかにも消極的である、こういうふうにおつしやつたのですが、審議の経過についてということになりますと、先ほど申しましたように、この委員会の審議の経過をごらんにならなければわからないわけです。この委員会のどこをごらんになつて、與党はいかにも積極的だけれども、野党は消極的だといつたようなところが見えたか、そこをはつきりとおつしやつていただきたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 同じようなことを繰返すことになりますが、もしあなたの方が政府は怠慢だと言うと、政府は怠慢でないと言わざるを得なくなりますから、これはひとつ將來の問題として、この議案について、もし政府が熱心が足りないというのであれば、われわれの方は十分勉強いたしますが、あなたの方でも十分協力して、無事にこの問題をすみやかにあげていただきたい。それで今申すように、そのために訂正を許さないとか、委員会その他の審議の自由を妨げるとか、そんな意思は毛頭ないのであります。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 少しくどいようですが、総理はこの人事委員会のどこをごらんになつたかということを私は聞きたいのです。賣り言葉に買い言葉という問題ではないと思うのです。野党側が消極的だとおつしやるのは、この委員会のどこを見てそう言うか、おつしやつていただきたい。うそと眞実との戰いになるものですから、それだけ一口おつしやつていただきたい。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは先ほども申した通りに、十五、六日ごろにあげることができるたろうということは、当時の與党の領袖との話合いを聞いて考えておつたのです。ゆえに十五日とか十六日とか思つたのでありますが、それもできずに、二十日になつても終らずに本日まだ審議が終らないということは、あなたから言えば政府が惡いのだと言い、われわれから言えば、そう言われると委員会が審議を遅らせておるのではないかと想像せざるを得ないのです。でもこれを言つているとうそだ、ほんとうだということになりますから、とうぞ政府としても將來勉強いたしますから、あなたの方もひとつ協力いただき、お互いに協力して、円満に議事を進めるように御協力を願いたいのであります。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 これより岡部政府委員より引続き説明を聽取いたします。

岡部史郎総理廳事務官

○岡部政府委員 それでは御説明申し上げます。昨日は時間の都合で第三條の半ばだけを説明いたしましたから、引続きましてその残りについて御説明申し上げます。  人事院の性格に関する御説明でありますが、人事院は御承知の通り三人の人事官をもつて構成される会議体の官廳でございます。その内部機構につきましては人事院がこれをみずから管理する。いわば人事院の機構の自律性を認めましたのは、これは一應行政組織法とも関連があるわけでありまして、人事院は先般來御論議の的になつております通り準司法的機関である、あるいはまた十六條の際に御説明申し上げまする通り、人事院規則を制定し人事院指令を発するというような点を、もしもアカデミツクに表現すれば、準立法的機関である、こういうような学者もあるわけでありまして、そういう意味で他の行政機関とは大分性格を異にしている。また性格を異にしているに從いまして、その機構も特有なものでなければならない。そういう意味におきまして内部機構についての自律性を認めのが第一点であります。そういう意味から國家行政組織法は人事院には適用されないということになつております。その意味をさらにつつこんで申し上げますると、國家行政組織法は総理廳、各省、各廳の機構を大体画一的に規定する趣旨でありまするが、この人事院は内閣に置かれることになりまするので、人事院そのものは内閣法において、内閣官房と並んで内閣において内閣の機能を助けるための部局である。その部局は法律をもつてこれを定めるということが内閣法にございまするから、人事院の機構に関する基礎法は内閣法にある。内閣法に基いて、この國家公務員法においてその機構の根本について規定し、それをさに人事院規則で規定するという形になろうかと存じます。なお第五條ないし第九條につきましては、昨日熱心な御論議が継続されたわけでありまして、大体その程度で御説明申し上げる必要はなかろうかと存ずる次第であります。  第十二條は人事院会議を規定してありますが、人事院会議と申しますのは人事院の意思決定機関でございまして、これが重要な諸般の決定を行う。たとえば人事院規則の制定についても人事院会議にかける。この人事院会議のこまかいことでございますが、人事院会議の運営につきましては、公開し、民主的な手続をもつてやるつもりでございます。たとえて申しますならば、その開会日をあらかじめ予定しておきます。そうしてこれをあらかじめ官報その他の方法で公告の手続をとつて公開いたしまして、何人もこれが傍聽できるようにいたし、その議事の公開明朗をはかるつもりでおります。  次に、人事院の事務をつかさどるために事務総局が置かれるわけでありますが、第十三條をごらんいただきますと「人事院に事務総局及び法律顧問を置く」ということになつております。事務総局の機構は、現在の人事委員会につきまして機構図を差上げてありますが、現在は事務局の下に八部がございますが、これが人事院になりますと、そのままの形で八局になるというように御了解いただきたいと思います。その分課の詳細につきましては、お手もとに参考資料として差上げてあります官報に詳細載つております。大体そのままの形で行く予定であります。なお法律顧問を置くということにつきましてお尋ねがございましたが、この法律顧問と申しますのは、人事院が人事院規則を制定したり、その他國家公務員法に基きまして給與法及び勤務條件に関します幾多の法律案をこれから制定しなければならぬという意味におきまして、高度の專門的な法律知識を必要とする建前から、特に法律顧問を置くとうたつたわけでございまして、この法律顧問はやはり事務局の幹部職員といたしまして、一般職に属する職員でございます。從いましてこれはそれの資格のある國家公務員を任命するつもりで、外國人をこれに用いるという意思はございません。次には予算の独立性の問題でございますが、これもきのう御論議がございましたので、その際の政府側からの御説明で御了解いただけたことと存ずるのでございます。要するに、この人事院の予算案を内閣に出しまして、内閣がそれに対して修正したというような場合においては、その内閣の修正した予算案とそれから人事院の原案とが二本國会に出されるわけでありまして、この行き方は、高最裁判所であるとか、國会どあるとか、会計檢査院とか、そういう独立機関の行き方をとつたものでございます。なお應急予備金の問題につきまして、これが憲法上疑義があるようなお尋ねもあろうかと存ずるのでありますが、ここに書いてあります應急予備金というものは、私の解釈では、憲法にいわゆる予備費に属するものではないのでありまして、人事院の予算費目の中に計上せられる行政経費の一種である。ただその支出科目がはつきりされていないで、單に包括的になつているという意味で変体的ではありますが、これは人事院の今後の事業がいまだ確定していない、その急に應ずるために、内閣の予備費に一々お願いする煩を避けるという意味におきまして設けられた便宜手段であるというふうに御了承いただきたいと思います。しかしこれはあくまで邪道であります。邪道と申しましては行き過ぎかもしれませんが、財政法上は権道であると申さなければならぬのであります。それでこれはなるべく早く機会にこのようなことはやめるべきでございますから、昭和二十七年三月三十一日までで打切るようにしたい、ほんの過渡的な便宜手段であるというように御了承願いたいと思います。  その次の十四條、十五條につきましては特に御説明申し上げることもなかろうおて思うのでありますが、十六條につきまして、これは人事院が人事院規則及び人事院指令を制定する根限を認めておりますので、これが一應問題になる規定でありますから、特に御説明申し上げたいと思います。御承知の通り、現行法のもとにおきましては、内閣総理大臣の承認を経て人事院規則を制定するということになつております。この点を通じまして内閣の監督の方法が明確化されているということは言えようかと思うのでございます囲それをこのたび内閣総理大臣の承認を経る必要がないというふうに改めましたことは、この人事院規則の性格そのものが、きわめて自立的、中立的なものでなければならないので、そのときの政治的な情勢によつて左右されるべきものではないという意向に出るわけでありまして、その点につきましては、もちろんいろいろ御論議があり得る問題であると存じます。なおこの人事院規則の性格についてでございますが、この性格につきましてもいろいろ御意見があろうかと思いますが、これは要するに、國家公務員法という法律によつて特に定められました一種の委任命令であり、執行命令であるというように御了承いただきたいと思うのであります。現在の憲法に認められております政令は、憲法及び法律を執行するためというように、一應單なる執行命令であるというように解釈されるのでありますが、しかし憲法上におきましても、やはり現在の政令がある程度まで委任命令の性格を持つものである。また実際そういうように運用しておる。そういう意味において、必ずしも憲法の趣旨に反するものではないということは政府の一致した取扱いでございます。そういう意味におきまして、人事院規則というものは、人事院が発するものではあるけれども、大体政令と同じ性格を持つものであるというように御了解いただきたいと思います。  次に人事院指令の性格の問題でありますが、これはまつたく新しい形の命令でございます。その発し得る範囲は、要するに人事院規則とその範囲を一にすると考えるのでございますが、その発する方法といたしましては、主として人事院規則がなし場合、すなわち人事院規則を制定すべきであるが、制定するいとまがない場合においてこれを発するというわけでありますから、第一の場合においては、きわめて具体的なケースについてこれを発する。人事院規則を設けるべきであるが、それを設ける必要のある具体的な事例が起つた場合に、その具体的な事例を解決するために、このような人事院指例が発せられることが一つの場合、もう一つは、人事院規則をさらに実施するために、その細部にわたつて人事院指令を発する、すなわち人事院規則の施行命令の形態をとる場合が第二の場合、いずれにいたしましてもきわめて具体的なケースについて、一層技術的な場面において、人事院指令が発せられることになるであろうということを御承知いただきたいと思うのであります。  第十七條ないし二十六條については大した重要な変更はございません。以上をもつて第二章につきましての御説明といたします。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 これにて休憩、午後一時半より再開いたします。     午後零時三十一分休憩      ————◇—————     午後二時二十一分開議

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 林憩前に引続き会議を開きます。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 私は文部大臣に対しまして、昨日の引続いてお尋ねしたい件がございます。さきに人事委員長は教育公務員法案の單独立法の意思があるというような答弁をなされておりますが、文部大臣の方からは特例を出すのであるというお話があつて、それは一應、いい惡いでなく、そういうことであるということは了承いたしました。ところでその教育公務員の特殊性にかんがみましても、國家公務員法がかりに両院を通過いたしてこれが法制化された場合においても、やはり教育公務員という特殊性から、当然國家公務員法とともに特例が成立して発令されなければ意味がないと思います。それを來議会に出する重ねて答弁されておりまするが、今言つたように、これは早速にもこれと一緒に出すべきであると思うのに、かかる事情にあるのはどういうわけであるか、お尋ねいたしたいのであります。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 私もあなたとまつたく同じ考えでありまして、教育公務員に関する特例の規定を同時に出したいと思つてその手続をしておつたのでありまするが、私の方の手続は、実は打明けて申しますと、もう九日にできておつたのであります。いろいろの事情で昨日に至りまして、今期議会には提案ができないことになりました。しかし來議会にはなるべく早く出すということになつておりますので、その準備をいたしておる次第であります。それで先ほと人事委員長のことをお尋ねがありましたが、これは私より申し上げた通りであります。單独立法でなく、教育公務員の特殊性に基く特段の規定を盛り込んだ特例法を出したい、こういうことであるというふうに御承知を願いたいと思います。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 先ほど來申しまするような趣旨によつて、ぜひこの特例は、事情もあると思いますが、できるならば本議会に出すように格段の努力を願いたいと思います。それから地方における教育公務員なのですが、当然國家公務員法に連関して、地方公務員法というものが出るだろうと思う。そうしますと、そこで地方の小学校の教員をここで考えればはつきりするのですが、その小学校の教員はどういう法的な身分の制限を受けるかと申しますと、御承知のように基本法として國家公務員でしばられる。その上地方公務員法でしばられる。そこでそこは特例が出る。そして鈴木政府委員の説明によりますると、地方公務員法というものはごく概略の基本だけを示して、その細部は各地の状況に適應した條例にまつと、こう称しておるます。こうなつて参りますと、地方の教育公務員は給與、任免その他のことはすべて、さきに成立しているところの教育委員会法によつて律せられ、かつまたこういう煩雜な法的な制限を受けるのでありますが、私はどう考えても教育公務員というのは、職階制では全然この國家公務員法の規定に合いませんし、かつまた教員は行政官でもありませんし、それから各般の職場の現実的な事情から申しましても、まことにこれでは困つた事態が起る。こう思うのであります。結論いたしますと、何としても小学校から大学の教員にまで通ずるところの、教育公務員法案というべき單独立法が必要であろうと考えるのでありますが、これらについて文部大臣の御見解を参りたいと思います。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 教育公務員の本質を考えますと、たとえば普通の公務員法によりますと、競爭試驗でその資格を決定するのでありますが、さようなことは教育公務員法につきましては適当でないのでありまして、やはり從來のような選考というような方法によることが至当であります。さような点につきましては特段の規定を設ける必要があるかと思いますが、一般的には普通の公務員の性格を持つておりますので、別段ほかの点につきましては特段の規定を設ける必要がない。身分に関してはいろいろ規定を設ける必要があるかと思いますが、一般的には必要がないというように考えております。それで今お話になりましたたとえば公立小学校の校長、教員につきましては、これは教育委員会法によりまして、地方の吏員たるべき性質を持つております。しかしながら現在はすべて官吏の身分であるがために、やはり國家公務員法の適用はある。しかし、もし地方公務員法ができますればそれによりますし、その場合においてはやはり特段の規定も設けることになると考えております。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 そうすると根本的な文相の態度としては、設けられる特例はむしろ教育公務員の利益のために設けられる。かかる見解のもとに立つての御答弁ですか。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 その通りであります。そうしたいと思つております。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 これはやはり一つの見解の相違でありまして、私は國家公務員が一般の勤労者から区別されることにも反対でありますが、國家公務員法が通つた場合には、教育公務員というものは区別されなければならないという見解に立つております。これは現在の國会の權威にかけても、その根本的な、私は自分の考え方による修正案を出して、審議を仰ぐつもりでありますので、この点の質問はこれでやめますが、ここに一つ大きな問題があります。それは、今日本全國で、教員であつて、かつまた地方の議員であるという者が二千人をちよつと越します。こういう人たちは教員であることが了解された上に、四年間の任期を持つ地方議員として、一般の公民によつて公選された人々でありますし、地方議会というものは今の國会とは違いまして、わずかの日数でものができるということと、それから教育公務員出身の地方議員というものが、実際問題として地方議会において、それ相当の力を出し、任務を果していることは文相も了解されると思います。ところがそれが今度の國家公務員法によつて、すべて來年の二月一日でしたか、それまでにどちらかをやめなければ職を失うのでありまして、当然これはその地方議員では生活ができませんから、地方議員をやめるということに現実の問題としてはなつて來ると思うのであります。これはまことに選挙した選挙民の対しましても申訳ないことでありますし、こういう既得權を侵害すること自身が問題であると思いますし、かつまた教育公務員が地方議員としての働きその他を抹殺するものでありまして、これは新しい教育公務員だけに限らないで、すべての官公吏、すべての國家公務員に対して言いたいのでありますが、特に文相としては、この教育公務員の地方議員兼務の問題につきましては、いわゆる教育公務員の場合は別だというような特例を出される予定があるか、それとも一般國家公務員法という基本法によつて律し、これらの既得權をば奪う考えであるか、こういうことをお聞きしたい。なお御参考までにつけ加えておきたいことは、これは地方自治法によれば全部許されておるのであります。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 お話の通り地方自治法第六十條によりまして、現在許されておりますが、國家公務員法の今度の改正によりましては兼職ができないことになるのであります。これは教育公務員に限つた問題ではないのでありまして、一般公職に関する問題でありまするが、つまり兼務ということは事実において完全な職務執行ができないという建前から來ておるのであります。これはいずれか一方を選択する方が妥当であるという考えであるのであります。この点につきましては教育公務員につきましても、さように考えて別段特例を設ける考えは今持つておりません。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 それは非常に残念なことでありまして、われわれといたしましてもこのことについては修正案をもつて鬪うつもりでありまするが、ひとつ現実の問題として、文相におかれてはよく地方の状況を研究されて、同時にこれは教育公務員だけでなくて、鉄道の人も同じ、全逓の人も同じ、そういうものがいわゆる一般の人々によつて選挙されておるという特殊性にかんがみまして、ぜひ文相としてもこの問題については善処されるように、重ねて望希いたしたいと思います。  次にもう一つお尋ねして私の質問を終ります。教育委員会法によつて、いわゆる教員の任免、その他万般の権利がゆだねられておりますが、御承知のように今教育委員会には予算権がありません。それで予算を議する権利がないということが、教員を律するときにおいては教育委員会法はほんとうにその能力を発揮いたしまするが、今度教員の福祉を守るというときにおいては、はなはだもつて頼りない。これはおわかりだと思う。そこで教育目的税または教育税——これは仮称でありますが、こういう独立税を教育委員会に與える用意があるか。また文部省は用意のあるなしでなくて、文相としては將來こういうものをとる必要があるとお考えであるかどうか、またかりにそれがないというような御答弁の場合には、文化日本として再建するという至上命令の前に対して、教育予算だけは天引き予算でとるくらいな法的措置が必要であるというような、進んだお考え等をお持ちであるか、これらを総合してひとつ明快に御答弁願いたい。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 まことにごもつともなお尋ねだと思います。実は教育に関する予算がなかなかその効果が現実に現われにくいものでありますから、予算のいわゆる請求の場合に、相当に困難があることは御了解得られると思います。それでそういう困難を打破する一つの方法といたしまして、たとえば目的税であるとか、あるいは総予算に対する教育予算の割合をきめるとかいうことは、確かに一つの方法だと思います。ただ現在日本の租税制度におきましては目的税はないのでありまして、これは現在たしかアメリカのある州にあるように聞いておりますが、これらの点につきましてもひとつ考えてもらいたいと思つております。  それから予算の天引きということをお述べになりましたが、その意味はあるいは総予算に対する教育予算の割合をきめるということも一つの方法かと思うのでありますが、たとえば現在は総予算に対する教育関係の経費は多分七%くらいにしかならないと思います。これを諸外國の例に比べますとまことに軽少のものでありまして、あるいはそういうような率をきめていただくことになりますと、たいへん私どもは当局者として助かるのでありますが、こういう点につきましてもなおよく研究いたしたいと思います。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 この際議長よりの申し出がありましたので暫時休憩したいと思いますが……。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 そうすると教育費というものの優先性を認めて、將來そういう独立税というものについて考慮したい、こういうお考えと承つてさしつかえないですか。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 さような点につきまして研究いたしたいという意味であります。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 ちよつて関連して……。文部大臣がおられる間に本馬委員の質問に関連してもう少しはつきりしてもらいたいと思いますことは、ただいまの兼職の問題、これは憲法の基本條項なり現行法に基いて、それぞれ公選によつて選ばれた兼職が、たまたま國家公務員法の改正に伴いまして兼職は本業がお留守になるという観念から、一方をやめなければならぬという原則的な建前はわかります。実際國会議員と地方の本職の公務員と兼務するということは、過去一年数箇月の議会生活から見ますれば不可能でありますが、地方の府縣会、市町村の議員と、その土地に奉職するところの教員との関係におきましては、そう不都合はないと思います。それというのは市町村会の会議というものは月に一回か二回しかありませんし、縣会にいたしましても國会のように毎日あるというわけでありませんから、不都合があるといつてりくつをおつしやいますと不都合が出て來ますが、大した支障はないと今日の実情から言えるわけです。そういう筆法で行きますと、少くとも任期のあるものは、当然はずして認めてやるということが、今日の民主主義時代における公選された権利を奪う、この法律一つによつてそういうことをすることは越權だと考えます。どうしてもこれははずしてやる、そうして新しく選ばれて來るものは、そういうことができなければできないという別の考え方はできるが、そういう観点に立つて私はこの案の公職問題については、ある程度の兼職を許すべしという修正案を持つております。  しかし提案者の政府としては一應提案しておる限りにおいては、來年二月から兼職まかりならぬという原案の主張はよくわかりますが、実際公正の立場から見て、文部大臣としてその程度の兼職はさしつかえないという意見があろうと思います。これはしいて政府は拘束された立場においてそう考えないと言われればそれまでのことでございますが、大事なところであります。大事なところというのは、國民がそれぞれ政治的に活躍する権利、奪うことのできない権利であります、この権利をある程度認めてやつてこそ、教員の識見が高まり、廣い視野に立つたところの教員を育成する立場から行きましても、この程度の兼職は認めた方が、公務員を今後りつぱなものを選ぶという意味から言つても必要だと考えますので、この程度の兼職は特例をもつて認めてやるようにする意思があるか。あるいは文部大臣として熱心に政府部内においてもその程度は認めるようにしてやりたいという氣持があるか、どうかという点を、もう一度お聞きしたいと思います。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 ほかの種類の公務員につきましてはしばらくおきまして、私の関係しております教育公務員につきましては、実は專心学校のことに從事していただきたいと思つておりますので、やはり原案通りを希望いたしております。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 文部大臣が專心と主張されますならば、これ以上は見解の相違でありますから、われわれはさらに修正案をどうするかという点で論議したいと思います。先ほど教育公務員法を來議会草々出したいというような御意見でございますが、その間特例をもつて補いたい、その特別というのは、政令で出されるのか、その他の方法で出されるのかという、その形式、技術的な方法、それから特例の骨子になるものは、今相馬委員の質問に対しては、よくはしてやるが、惡くはならないというような答弁であつたのでございますが、私の杞憂するところでは、その特例といえども、むしろ相当警戒をしなければ、教職員に対してある程度の拘束をするような特例の内容になるのではないかということを、私は心配いたします。それでありますから、その特例の内容がどういう骨子であるかという構想がありば、その構想を承りたいし、先ほど申しました特例は、政令で出されるか、議会に出されるのか、その点もお答え願いたいと思います。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 教育公務員法が、特例が出ません場合に、必要がありました場合におきましては、特例を設けるためには、國家公務員法の附則第十三号によつて、法律または事業院規則とありますので、法律が出せません場合には、人事院規則で出したいと思います。それからその内容は、すでに第二回國会に提案いたしました任免等に関する特別の、あの内容でございまして、別段圧迫するとかいうようなことは全然ないのでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤(兼)委員 それでは第二國会に出された、教育公務員の任免等に関する法律案という形式でお出しになるということであれば、私どもは法律としてお出しになるという考えであると了解するのですが、その通りでありますかどうですか。もう一つは、教育公務員の任免等に関する法律案の第一條には、國家公務員法を準用するという規定があつたのであります。そこで特別法をお出しになるときには、やはり全面的に國家公務員法を準用するという規定をおつくりになるのであるか、その点を承りたいのであります。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 國家公務員法がもし全面的に発動した場合には、どうしても何らかそれに対應する特例がいりますから、教育公務員について、その場合にはとりあえず西業院規則をつくりたいと思つております。しかし、むろん法律によるのが政府の考えでありまして、特例で出しております。その内容のものを議会の方に出したい。

松澤兼人日本社会党

○松澤(兼)委員 特例法を議会をお出しになりますか。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 特例法を出したいと思つております。もし出すいとまがなく、しかも國家公務員法が現実に働いてきたというので、どうしても特例の必要があれば、とりあえず人事院規則で出したい。しかしそれは暫定の処置であるというふうに御承知を願いたいと思います。  それから準用ということはないと思います。つまり國立の校長、教員は、官吏でありまして、当然國家公務員法が適用になる。それから地方公務員法ができるまでの間は、公立の校長、教員につきましても、これが官吏であるために、当然國家公務員法は適用になる、こういうように私は考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤(兼)委員 官吏であるためというお言葉でありますけれども、なるほど地方教官という言葉は使われてありますから、官吏というふうに了解できるのであります。しかし地方教官というものは、だれが一体任命権者であるか、だれが給與権者であるかという点について、いろいろ疑義があります。文部省の中でも、やはり疑義があると思うのでありますが、その点だれが任命権者であり、だれが給與権者であるかということについて、承りたいと思います。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 公立の学校教員につきまして、三級官以下は府縣の教育委員会、それから一級、二級につきましては文部大臣が任命することになつております。

松澤兼人日本社会党

○松澤(兼)委員 給與は……。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 この際暫時休憩いたします。三時から開会いたします。     午後二時四十五分休憩      ————◇—————     午後三時三十七分開議

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 再開いたします。  休憩前に引続き國家公務員法の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 総理大臣に御質問いたします。午前私が質問したことに関連して少し残つているのです。先般当委員会において、人事委員長の答弁の中にございましたが、臨時人事委員会の六千三百七円の勧告に対して、政府から未だ何らの意思表示もないというような答弁がございました。先ほど吉田総理のお答えによりますと、人事委員会の勧告に対して十分尊重する意味で檢討しているというようなお言葉があつたように思いますが、はたしてこの臨時人事委員会の勧告を、十分に尊重するという見地に立つて檢討しているかどうか、さつきの答弁では物價改訂、民間賃金に影響を及ぼすというようなことを言われましたが、臨時人事委員会の勧告は、現在の物價で、つまり改訂しない現在の物價で、現在の民間賃金水準ということを考え合した上で出た結論でありますから、その結論を尊重して、それを実行する際に物價を改訂しなければならぬとか、それはすぐ民間賃金に影響を及ぼすという結論は、臨時人事委員会の勧告を十分に檢討しておるならば、そういう意見は出て來ないはずだと思うのです。私ははたして政府が臨時人事委員会の六千三百七円の勧告を尊重する意味において十分檢討しているか、もし檢討したとすれば相当の日時が答つておりますので、その檢討の結果をお伺いいたしたいのであります。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは先ほども申した通り、人事委員の勧告についての理由は、相当理由のあることと考えて、その理由を檢討して、また各方面とも財源その他について、現に大藏当局は日々檢討いたしております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 先ほどの答弁でも、公務員法のいかんにかかわらず、政府職員の給與の改善は非常に急迫した問題である、こういうふうにおつしやられておりましたが、急迫した問題であるとしますならば、もうその檢討をいつまでもいつまでも檢討しておるということでは、私は窮迫しておるということをほんとうに誠意をもつて承認しておるとは思えない。ほんとうに窮迫しておる事態であると思いになるならば、今ごろ結論が出て、予算案が当然本國会に出されていなければならぬものだと考えてるのですが、その檢討した結論が、一体それではいつごろ出るか。臨時人事委員会の勧告を全的に承認するなり、もしくは承認できない部分があるなり、そういう結論がいつ出て、いつごろこの國会へはつきりと具体的に出されて來るかということをお伺いいたします。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これも先ほどお答えいたしましたが、問題の関係するところは廣汎でありますから、明言ができないと申しておつたわけであります。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 どうも明言ができなければこれ以上追究してもしかたがありませんが、総理大臣の二十四日の談話の中で、マツカーサー元帥の書簡の趣旨に反する、マ元帥に対する公約にそむくものであるというような意味のことを言われておりますが、私たちの解するところによれば、マ書簡の趣旨というものは、國家公務員法の改正を示唆しておると同時に、政府職員の利益と福祉に対して、常に政府が十分に保護しなければならない義務を負うものであるということを明確に指摘しておりますので、片方は法律案であり、片方は予算案でございますから、別の形で出るのでありますが、マ書簡の趣旨を眞に尊重するものでありますならば、國家公務員法の改正案を出すと同時に、むしろ私たちは窮迫しておる状況から言えば、それより優先して給與の改正を出すべきものである、こういうふうに考えておるのであります。政府はこれは不可分ではなく可分である、別々のものであるといつたような意味の談話なり答弁なりをいたしておりますが、そういう問題をあとまわしにすることが、一体マ書簡の趣旨を尊重することになるかどうかということをはつきりとお伺いいたします。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 この問たもすでに幾度もお答えいたしましたが、公務員法において、公務員の生活に関する根本原則がきまつて、その原則のもとにいかに給與するかということを考えるのが考えの順序ではないか、こう政府は考えておるのであります。同時に出すことができれは結構でありますけれども、同時に出すことのできない事情は、これまでるる申し述べた通りであります。ゆえになるべく早く出したいということについてはしばしば申し述べた通りであつて、決して遲滯いたしておるわけではないのであります。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 この際委員長からちよつと希望を申し述べておきます。去る日におきまして、逐條審議に入る際は、一般質疑は必ずしもこれは否定するものではない、含める意味でありましたが、なるべく重複しない部分の一般質問をやつていただくことを、委員長としてこの際希望しておきます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 午前中に質問しようと思つておりましたが、午後の本会議の決議案でも同樣の趣旨のことを述られました。一体官公吏の給與を改善しなければならぬということは、午前の総理の答弁でも明らかにされましたように、現在すでに窮迫した問題であります。現在すでに窮迫した問題を、もし解散した場合に、参議院の緊急集会にかけるというようなことは、憲法の解釋上非常に疑義があると私は考えるのですが、この点に対する総理大臣の御見解を承りたい。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは私が新聞記者会見のときに話したことを引用せられてのことと思いますが、私の言うことは、公務員の給與は捨て置くべからざるものである。ゆえにいかなる方法によつてでもこの給與についての方法は考えるという一つの例として申したのであつて、要は公務員給與は捨て置けないという趣旨から申したことを御了承を願いたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 もう一つお伺いいたしたい。これは私が指摘するまでもなく、憲法の二十八條で團結権、團体交渉権、團体行動を保障しておりますし、また憲法の第十一條では「國民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が國民に保障する基間的人権は、侵することのできない永久の権利として、現在及び將來の國民に與えられる。」こういうふうにはつきり言つておるのでありますが、政府が今般出しました國家公務員法の一部を改正する法律案は、この憲法において保障した基本的人権と抵触する、もしくはこれを制限すると思われる部分がかなりに多いのであります。私たちはそう考えるのでありますが、この法律は一体過渡的、臨時的なものとして考えておるのか、それとも永久的なものとして考えておるかという点をお伺いいたします。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 お答えいたします。しばしば申す通り、われわれ御意見とは見解を異にしておるのであります。ある人の特別な地位に対して特殊な制限が加えられるなり、あるいは権利が與えられるなりということは、これはどこの國においても、どこの法律においてもあるべきことであつて、公務員法の規定が團体交渉権を奪つたからといつて、それは憲法違反とは政府は考えておらないのであります。また法律は結局は過渡的なものであつて、憲法といえども万世不易とは考えないのでありますから、結局法律は過渡的なものである、こう断言するよりほかしかたがないと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 島上君の補足質問を……。午前中私が総理に質問をいたしました際に、もし解散があれば参議院の緊急集会に予算案をまわすというような御答弁があつたのでございます。総理御承知のように、ただいま本会議の議場におきましては、多数をもちましてこの憲法五十四條、すなわち國に緊急の必要があるとき、これは緊急の必要があるのでございまするが、しかしながら十分に予算化す時間的余裕があるし、政府の努力いかんによりましては、本國会に予算を提出することは十分可能なのでございます。そういう考えの上に立つて、ただいま本会議の議場におきまして、多数をもつて参議院の緊急集会にこれをゆだねるべきではないということの決議が行われたのでございまするが、この院議を総理はどのように尊重されるか、総理の所信をお伺いしたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 院議はむろん尊重いたします。尊重いたしまするが、しかしながら事実予算が組めなかつたとか、あるいはまた予算の編成が不能であつた場合、これはどうもいわゆる緊急やむを得ざる事態に相当するのではないかと私は思つております。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 御承知のごとく、すでに第四國会は十二月の一日に召集されておるのでございます。從いまして、ただいまの総理のお考えになつておるような、緊急やむを得ざる事態というようなことは、予想することができません。予算の編成はかかつて政府の責任にあるのでございまして、從つてただいまの本会議におきまして議決されましたその院議を、具体的にどのように尊重されるか、御明示願いたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 ただいま私の申した通り以上のことは、申し上げることはできません。

徳田球一日本共産党

○徳田委員 総理には政治的な方面だけをお聞きしまして、あとの條文のことに関しては、ほかの人に聞くことにしますから、政治的な点だけひとつお答え願いたい。この法律に関連して、どうしても予算を出さなければなりませんが、この予算は今まで総理の御答弁によりますと、今月中はとうていだめですな。これをひとつはつきりさせていただきたい。今月中はだめですね。どうですか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 現在のところはそう思います。

徳田球一日本共産党

○徳田委員 だめですね。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 ええ。

徳田球一日本共産党

○徳田委員 來月も大体だめでありませんか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは大体だめでない覚悟でおります。

徳田球一日本共産党

○徳田委員 大体覚悟だけで、大体はだめでありませんか。大体私たちの想像するところによりますと、この予算は、全体の予算の全貌がかけられて、しかもいわゆる歳入歳出のバラスンがちやんととれて、赤字にならないようにして、しかも物價改訂をするようなことはできないし、その他税を徴收するにしましても、相当の制限がありますために、この厖大な支出の要求に対しては、実際この十二月中にはとても組めない。予算を組むとしますれば、來年度の一般予算全部を組むのと同じような態度でなければ、とうてい組めないものじやないか。そうしますと、組むように努力はなさるかもしれませんけれども、まず十二月中にもこれは実際上不可能じやないか。ここのところは総理はあつさりしていらつしやると思いますから、かけひきのないところ、ひとつ御答弁を願いたい。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは昨日、かけひきのないところをすつかり申したのでありますが、昨日申したことを引用するわけではありませんが、これは私自身が、もう少し努力してみたいと思います。ある原則をきめて、そのきめておる原則のわくの中では不可能でありますが、つまり全体の予算計画を見せろということ自身が、私は少々むりではないかと思います。同時に、給與が三分の一に減るということがあつたら、これはいかにしても生活を脅かす事実がそこに生ずるのでありますし、その事実を理解しないこともありますまいから、例外として認めてくれるだろう、認め得る機会が自然生ずるだろう。これは私自身がもう少し努めてみたい。努めた結果については、御報告ができる可能性があるように私は思います。いずれにしても私は努力いたします。

徳田球一日本共産党

○徳田委員 そこで申し上げたいことは、こういう首相の御答弁でありますれば、結局するところ、年越しの資金がいくらか出るという程度でありまして、新しい給與水準の全体に関しての、すなわちこの公務員法の経済的保障となるべきものには該当しないのではあるまいか。そういうことになりますれば、結局するところ、それはいわゆる公務員法と不可分関係にありと野党が認めておる、そういう予算ではないじやありますまいか。この点をひとつはつきりさせておいていただきたいと思う。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは考えようでありまするが、一部であるか、全部であるか、全部ができれば結構でありますが、この全部は結局予算全計画を示すことができたときに認めらるるのでありますが、まずさしあたりに、何を言つてみても十二月の問題が差迫つた問題でありますから、十二月の越冬資関と申すか、とにかく差迫つた問題だけを先に解決して、そうして同時に全予算計画に及ぶ。予算計画としては相当政府も研究いたしておりますが、その計画がすべて認めらるるということになると、相当時間に要するのだろうて思います。しかしそれは待ち切れないのでありますから、十二月でも、一月でも、とにかくさしあたりの問題を解決して、得べくんおば話の通り、この公務員法に予想しておる厚生資金と言いますか、生活安定だけの給與を見出すということにいたしたい、私はそういう考えを持つております。

徳田球一日本共産党

○徳田委員 そういたしますると、昨日來野党の首腦連が集まりまして決定いたしました、この公務員法審議に関する一致した意見でありますが、これとは去ること大分遠いように思われる。すなわち野党では、予算の裏づまのないようなものではとうてい審議することはできない。すなわち審議をしても無用である。そういう予算が出て初めてこれを審議して、そうして修正すべきものは修正し、いろいろの技術上のことも行うのである。そうでない限りは、これはだめだということになつておりますので、そういたしますと、ここで審議することが何らかいないことに思わるるのであります。そうでありますから十二月中にこの予算ができないといたしますれば、この公務員法の審議は実際上は不可能な状態に陷りはしないか。そういう場合には、吉はさんとしては、もうそういうものになつたならば、これはしかたがない、だからただちに解散して、ずばりとひとつやるという御決心であるか、いつまでもこの予算の來るのを持つて、多数党に引きずられて、すととんのとんまで引きずられて、これを引延ばさなければならないということになりますか。そこのところを、ひとつ御決意を伺いたいと思うのですが、どうですか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 これは將來のことになりますから、あなたの御想像の通りにお任せしたい。

徳田球一日本共産党

○徳田委員 あといろいろのことを聞きたいのですけれども、これは重大なものが決定して後にしますから、一般的のものをもつと保留いたしまして、きようは予算関係だけにします。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 ひとつだけですが、私どもはこれまで吉田総理が誤解なさつたように、決して審議に消極的な態度をとつておりません。きわめて積極的な態度をとつておるのであります。從つとここにこの法案審議について、いろいろの資料が必要でありますが、そのうちでも最もおもなるものは人事院規則、もうすでに案文もでき上つておることだと想像するのでありますが、この改正案によりますると、たとえば特別職と一般職を人事院規則で定めるとか、あるいはまた政治活動の制限を人事院規則で定めるとか、あるいはまた免職、離職、その他重要な問題を人事院規則で定める、こういうになつておるのであります。私どもの見解では、法律をもつて規定しなければならないと思えるのでありますが、しかし一應この改正案をお出しになつて政府としては、人事院規則の構想、その案文というものを、御準備なさつておるはずですから、それを至急お出し願いたいと思うのであります。もしこれが出て参りませんと、この法案の審議に非常に支障を來しますから、積極的であればあるだけ、その資料が必要であることを申し添えて、すみやかにお出し願いたいと思うのであります。お出しになる日がはつきりしておりますればそれも御明示願いたいと思います。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 この法律の公布と同時に人事院規則は発布することになつているそうであります。今日もすでに一つ審議の参考としてお手元にまわしてあるそうであります。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 今お手元にまわしたとおつしやるが、私どもの手元にまわつておりますのは、政治的行為に関する人事院規則試案という一片の紙が参つておりますが、その他まとまつたものは届いていないのです。その点いかがでございましようか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 必要なものについては逐次おまわしすることになつているそうであります。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 ただいま徳田君の質問に対しまして総理から、追加予算の一般的な編成が不可能である。從つてその中から緊急必要なるものを出して行きたいという御答弁がございました。これはあるいは間違いであるかも存じませんが、新聞の報ずるところによれば、民主自由党は党議をもつて三月一日から取引高税を廃止する法律案を、議員提出の形で出す、大体この点は、大藏大臣、廣川幹事長、佐藤官房長官、総理の間に了解済みであるというようなことが報道されているのでございます。今総理の御答弁を聞きますと、この取引高税の問題、つまり三十二億円の予算の問題は、全然御存じないように思うのでありますが、この点はいかがでありましようか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 党としてはいろいろ研究いたしているようであります。しかしながら私のところえ持つて來て、今お話のように私も協議にあずかつて同意したとか、あるいは協議にあずかつたということはまだありません。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 そうしますれば、この際確認しておきたいのでございますが、先般民主自由党が発表いたしました取引高税を三月一日から廃止するという問題は、これは民主自由党自身の問題であつて、政府との間には何も関係のないことだ。從つて政府自身はそういうことを考えていないということを確認願えますか。

吉田茂民主自由党内閣総理大臣・外務大臣

○吉田國務大臣 私は大藏大臣を兼任しておらないものですから、今大藏大臣との間にどういう話がありますか存じません。しかしながら私の手元にはまだまわつて來ておりません。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 これより文部大臣の答弁をお願いいたします。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 先ほど申し上げたことに不足がありますから、追加して申し上げます。給與の発令權は、義務教育に関する限りにおきましては、都道府縣の教育委員会で処置いたします。その他のものにつきましてはおのおの設置するところの、市とかあるいはその他の團体において実施することになつております。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 先ほど文部大臣は地方の教育公務員も、根本においては國家公務員法の適用を受けるのだとおつしやつたのですが、その点私ども非常に疑問に思つておるのであります。その法的根拠をお示し願いたい。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 地方の公立学校等の校長教員等の関係職員は、すべてこれは官吏の身分を持つております。そうして國家公務員法の適用を受けることになるのであります。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 今の御答弁では私のお尋ねしておる点に触れないのですが、たとえば小学校の教員というようなものもこの國家公務員法の適用を受けるとおつしやるが、その法的根拠をお示し願いたい。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 今の公立学校のものにつきましても、教育公務員が一般公務員たるの原則によりまして、当然一般職の中に入りまして適用を受けるということであります。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 國家公務員とそれが言えますか、それが公務員たるということはよいが、國家公務員ということが言えるかどうかというのです。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 その点はたしかにその通りであります。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 何ゆえにそれが國家公務員というのに入るかということの御説明が願いたい。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 地方自治法附則の第八條に、現在公立の校長職員につきましても官吏であるという規定がありますから、從つて國家公務員法の適用がある。こういうふうに解釋いたします。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私はこの二十五條までの、先ほどの岡部政府委員の説明に対して質問したいと思います。第一点は、人事院規則の制定です、これは淺井委員長にお願いいたします。今までの一般質問の中にも、各委員が、人事院規則の制定を人事委員会でこしらえることはむ理である、どうも現在これをながめてみますと、かつての國家総動員法がまつたく委員立法であつて、あとは議会の協賛を経ずしてかつてにやるれということになつた惡例の、顯著なるものがあるわけであります。この改正案を見ますと、重要な箇所を人事委員会がかつてにやれるということになつて來ております。どうしても人事院規則の重要な部面は、法文化することが妥当だと考えます。人事院規則の中で重要な部分と、そうでない部分とがあると思いますので、この点についてもつと具体的に委員長から答弁が願いたいと思います。  もう一つは人事院会議できめる場合に、議決するということにはなつていない。人事院がかつてにきめるということになつておりますが、人事院の三人の議決できめるということは、この條項には一つもないわけでありますから、これはあくまで人事院の議決を要するということにしなければならないと考えます。その意味において十三條の末尾に人事院は、國会の承認を得て、その必要となる云々という項目があるのです。こういう項目は必要であるからここえ載せたと思いますが、この項目以上に今申し上げた人事院の規則の制定ということは重要な部分でございますから、どうしても國会の承認を得るというようになぜしなかつたかという点を、先ほどの人事院規則の重要性と勘案いたしまして、委員長の答弁を求めます。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 人事院規則の範囲がきわめて廣範であつて、これは一種の法律のわくの形になつて、人事院がかつてなことをする、こういう御質疑が大分ございましたが、これにつきまして、この人事行政というものがきわめと特殊的なものであつて、專門的な技術的なものでございますからして、これは人事院の議決による人事院規則におまかせを願つても、御懸念のような点はないのではないかという考え方で起案したわけでございます。その例外的なものは若干ございます。たとえば政治行為の制限に関する人事院規則の点でございますが、これに対する特別の事情があつたことはすでに申し上げた通りでございます。それからただいま前田さんの御質疑中に、人事院規則は人事院の議決を経るかどうかというような御質疑がございましたが、これは十二條に明らかに人事院の議決を経なければならないことになつておりますから、人事院規則の制定改廃は、人事院の正式な議決によつてなされる。私はそれでよろしいのだと思つております。ただ非常に範囲が廣範だという点につきましては、たいへんごもつともな点もございますが、今申しましたような事情で、どうぞその点は御了承願いたいと思います。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今の御答弁は通り一ぺんの御答弁だと考えます。私はそれでありますから、委員長に至急に人事院規則に一体どういうものをうたうかという項目をあげて出してもらいたい、あすの委員会にでも出していただきたい。そうしなければこの審議は実際進みません。大事なところでありますから、人事院規則の要点、先ほどプリントをもらいましたが、百二條の場合はこうするというふうなことが前段にはたくさんありますから、こうした主たるものを参考に出していただいて、むしろ法文にうたつた方がいいのではないかという意味と、どうしてもできなければ、議会の承認を得てやるというようなことにしなければ、三人委員会できめるということは非常に危險性があると私は考えます。もう一つは人事委員会の諮問機関として権威ある機関を設けてもらいたいという要望が、公聽会その他でも各方面から出た。これは政府として考慮願いたいと思いますが、人事委員長としてどういうお考えであるかお聞きいたします。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 さいぜんの人事院規則の問題でございますが、実は試驗とか、任用とかいう技術的部面については、まだでき上つておらない点が多々ございます。それから最も至急に必要とするもの若干については、すでに一應の構想ができ上つております。これはもつと早く委員会にお見せをしたいと思つておりましたところが、いろいろな都合で遅れておりますが、至急にお手元え差出したいと思つております。それから諮問機関の点でございますが、これはわれわれの中にはすでに若干の構想がございまして、ことに人事院というものにおいていろいろ勤労者の労務関係を取扱うということになつてまいりますから、その点をよく考えまして適切な処置をいたしたい。その構想はすでにございますけれども、今ここで具体的に申し上げる段階には達しておりませんが、そういうことは決して等閑に付していないということだけは御了承願いたいと思います。

生悦住貞太郎民主党

○生悦住委員 議事進行について……このままで一ぺん休憩して理事会を開いて、それから次の進行に入つていただきたいと思います。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 質問の通告の順序がありますから、今の議事進行を了承いたしまして、高橋君、相馬君の質問を聞いてから御意見の通りいたしたいと思います。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 人事委員長にお尋ねいたしますが、人事院規則が結局憲法違反になるということは、もうかぶとをお抜ぎにならぬといかぬと思う。と申しますのは、たとえば免職に関する規定のごときも、三十三條によりますと「職員の免職は、法律に定める事由に基いてこれを行わなけれバならない。」こういうふうになつている。ところがそれが第七十五條の第一項に参りますと「職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、」と今度は法律のほかに人事院規則というものをあげて、そのあとで「その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。」というような、免職まで人事院規則が支配するのじやないかというような疑いを起すようなことになるのです。それから免職だけでなく、離職その他についてここに規定してある一連の規定は、人事院規則が憲法に違反する、憲法の精神を躙する危險性があるということが疑われるのです。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 お答えします。それはちよつと読み方の問題でございますけれども、この「法律又は人事院規則に定める事由」といいまするこの人事院規則の入つた部分は、休職の部分なのでございます。休職につきましては法律及び人事院規則に定めた事由で休職することができる。こういうことがあるわけでありまして、それ以外の免職とかなんとかいうのは、條文にございますように法律に定めた事由だけでございます。それを一緒にしましたものですから、そういうお疑いが起つてものだと思います。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 そこが非常に危險でありますし、第一文理解釈からしてそういうふうにはどうしても解釈できません。もしも人事委員長がそういうお考えであれば、これは逐條審議のときもちろん修正すべき意見が出て参ると思うのですが、今おつしやつたようにはどうしても解釈できません。その点を御注意申し上げておきます。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 私は起案者といたしまして、その点についてはまつたく疑いを持つていなかつたのでございます。それは改正前の、法律に定めた事由でなければならぬとありました所え、今度は人事院規則が入りましたために、そういうお疑いの点が起つたのだろうと思いますが、これは他の條文と関係いたしまして、休職の場合以外、免職とかなんとかいう場合は、必ず法律によるということは当然ほかの條文との関連で出て参りますから、そこでこれでさしつかえないというような起案者の考えでございまして、決して人事院規則でもつて免職ができる事由を定められる、そういう考えは持つておりませんでした。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 文部大臣にお尋ねする前に、人事委員長から一言御答弁願いたい。人事院規則で緊急欠くべからざるものは立案して案があると申されましたが、その緊急欠くべからざるものにこういうものは含まれておりますか。すなわち國家公務員法が出た場合において、教育公務員というものは、非常に特殊なものであるということが今議論のまとになつておりますが、それは特例である、これを出すべく文部当局は準備中である。ところがそれが出ない状態で、來議会にそれが持ち越されると文部大臣が答弁されております。そうするとここのところは何によつて律するのであるか。それは人事院規則によつて律することになると思うのでありますが、用意してありますか。

岡部史郎総理廳事務官

○岡部政府委員 私からかわつてお答え申し上げます。この人事院規則に関しまして用意してあると申しますのは、こういう意味でございます。すなわちこの國家公務員法は、これが公布施行されましても全面的に適用されないで、附則の第一條によりまして法律または人事院規則によつて逐次適用して行く、こういうのが原則でございます。ただこの法律公布と同時に適用されてまいりますのは、人事院に関する部分及び服務に関する部分、これが主でありまして、そのほか人事院規則の制定をまたずに適用できるものがあるわけであります。從いましてさしあたりは人事院規則に関する内部の問題は別といたしまして、服務に関する九十六條ないし百六條の規定は、これは公布と同時に適用されることに附則の第一條でなつておりますから、それに関して必要な人事院規則は、現在までのところ大体用意してございます。それ以外のものは逐次準備ができ次第——いろいろ試驗、職階等の関連があるわけでありまして、これは今後の制定にまつ、こういう次第でございます。でありますから今相馬委員からお尋ねになりました教育公務員に関する部分におきましては、教育公務員といえども國家公務員でありますから、服務に関する部分に関しましては、九十六條ないし百六條の適用を受けるのではございますが、教育公務員法が制定されますまでは、法律第百二十一号によりましてなお從來の例によるというやり方で行くつもりであります。なお必要に應じまして逐次法律または人事院規則で、その特殊性を定めて行くということになろうかと存じます。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 今の岡部政府委員の御説明の通り、必要なものが逐次きまつて行く、まことにその通りだと思います。そこで私は文部大臣にお尋ね申したい。すなわち文部大臣は先ほど特例は用意したけれども、諸般の事情上出せない。それまでのブランクの間はどうするのかと聞いたところが、それは人事院規則にまつのだ。私はまことに了解に苦しんだのであります。今聞いてみますと、臨時人事委員会とは何らの連繋がなくして、文部大臣の創作的答弁であることが、おのずからこれで了解されました。そこで私はまた声を大にして再び繰返すのでありますが、教育公務員という特殊性、それから教育委員会法の第一條にうたつてあるように、教育の自由のために一般行政から分離独立させるという基本方針からいたしましても、いろいろな事情からいたしましても、教育公務員法というのは断然これは独立立法とされるべきものであつて、それがいろいろの事情でできないとするならば、まず特例はさつそくこれと一緒に用意さるべきものであつて、いろいろな事情上やむを得ないとは申せ、その特例すら出せないというに至つては、われわれはこの國家公務員法の一部改正する法案の審議を返上せざるを得ない。なぜならば、全國の教育公務員が注視しているこの問題が、そしてこの人たちが、何によつて律せられるのかさつぱりわけがわからぬ。そこで人事院規則によつて律せられるということは、非常にべらぼうな話だと思いましたけれども、今言うたような事情でわかりました。そこでひとつ文部大臣は良心的な立場において、同時に日本教育の民主のためにも、また日本教育の権威のためにも、御希望でも結構でありますが、將來独立法を持たんと決意しておられるか。それからこれはきわめて困難な情勢であろうとは思いますが、この特例を早急に関係方面と折衝されまして、本議会にまだ本に合いますから、ぜひお出しを願いたい、こう考えて以上のことを要望し、同時に今の政府委員との話の食い違いのことと、それからそれに対する御意見とを承りたい。  それからもう一つ、高橋委員の問に答えて、教員も國家公務員であるというようなことを申しておりますが、私は文部大臣のほんとうの腹はそうじやないと思う。いろいろな事情上、政府の一員としてこう提案されて、特例も出ない、独立法案も出ない、やむを得ずそう答えられておるかと思うのでありますが、これらについても明確にひとつ御答弁を願いたい。

下條康麿緑風会文部大臣

○下條國務大臣 まず第一点の、教育公務員に関する特例法案が出ない場合の処置は、一應先ほど岡部政府委員の述べられた通りでありますが、もし必要があればということを申し述べたつもりであります。必要があれば法律にかわる人事院規則による規定が必要ではないかと述べたつもりであります。教育公務員については特殊性があるから、その特殊性の範囲の限度におきまして、特段の規定を設けたい。しかしながらこの規定が先ほど申しましたように、客観情勢によりまして、今期議会には提案できないような始末になつております。これにつきましては私としても十二分に努力したつもりでありますけれども、いろいろの都合で出せません。次の議会の出して御協賛を得たいと思つております。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 理事会を開くため暫時休憩いたします。     午後四時二十五分休憩      ————◇—————     午後四時三十一分開議

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  これより岡部政府委員の説明に対する質疑に入ります。前田君。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 この第三條の、きのうからいろいろ問題になつておりますところの、内閣の監督が十分できるように法務総裁は答弁されておりますが、それは現行法と感違いして、いろいろできるように答弁された感があるのです。それで官房と同樣な人事院が内閣のもとにあるようになつておりますが、現行法で行けばはつきりと「総理大臣の所轄の下に」ということを明確にしているのです。「内閣の所轄の下に人事院を置く。」というこの改正案と、現行法との内容、内閣総理大臣の監督の軽重、人事院の独立性という点について、これは大事なことでありますから淺井委員長から、もつと明確にしてもらいたいと思います。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 ごもつともの御質疑でありますが、從來ある國家機関が内閣に属するという場合に、およそ書き表わし方が三つございまして、第一は所属という言葉、第二は管理という言葉、第三は所轄という言葉、この言葉の順序に從いましてだんだん独立性があることになつております。つまりある機関が内閣に所属すりという場合には、いわゆる内局と昔から申しておりまして、それよりやや独立性を持つたものを表わす場合には管理と申しております。たとえば内閣総理大臣の管理のもとに何とかを置く。この管理と申しますのは、いわゆる從來の外局あるいは管理局と申したものでございます。ところが近來いろいろ公正取引委員会でございますとか、あるいは人事委員会でございますとかというような、仕事の性質上もつと独立性を持つたものが現われて参りまして、その場合にこれを表わす言葉を所轄という文字で表わすことになりました。これはひとり人事委員会のみならず、公正取引委員会もたしか所轄ということになつているように存じます。從來の所属、管理、それよりももつと独立性を持つている、しかしながらそれは内閣なら内閣、内閣総理大臣なら内閣総理大臣に属しているという意味を表わすのに、この所轄という言葉を使つているわけでございます。そこで憲法第七十二條との関係でございますが、第七十二條によりますれば「内閣総理大臣は、内閣を代表して」「行政各部を指揮監督する」となつてあります。この指揮監督というのは二種ございまして、指揮及び監督の場合と、指揮はないが、ただ監督の場合と、明治憲法の時代から二樣に使つていたわけでございますが、この人事院のような所轄の場合には、これは監督はあるけれども指揮はない。一々指揮をしないということは、その独立性にかんがみて明白でございます。そこで憲法七十二條の監督権は、この法律の規定によつて排除せられるものでないということは申すまでもないのでございます。この監督権を行提といたしまして、報告する、レポートという言葉を用いているわけでございます。このレポートというのは直接の責任のもとにある、アンダー・ダイレクト・リスポンシビリテイーという言葉に対應した言葉であつて、つまり指揮は受けないが監督は受ける。それならばどうしてここに監督を受けると書かなかつたかということでございますが、これは前から申しましたように、この人事院の独立性にかんがみまして、裏からその意味を表わしている、こういうようなのが起案者の考えでございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 しからば内閣総理大臣は、人事院に対して全責任を負わなければならぬのかどうか。要するに人事院の一切のことは、内閣総理大臣が全責任を持たなければならぬのかどうかという、責任の面を明確にしてもらいたいと思います。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 それは非常にお答えのむずかしい点だと実は思つております。憲法によりますれば、行政権は内閣にあるというのでございますから、國会に対して連帶責任をとるのは内閣である。こういうとになりますれば、人事委員会のことにつきましても、内閣は國会に対して責任を負わなければならぬ、こういうことが一應の筋道であろうと思つております。ところが御承知のように、また一方、素朴なる三権分立では、ただいまの行政は理解できないのでございまして、御承知のように憲法におきましても、國会は唯一の立法機関だと書いてございまして、これのほかに立法機関はないという意味を明確に表わしております。司法権につきましては「すべて司法権は」とありまして、裁判所以外に司法権を取扱うところはないという意味を表わしております。ところが行政につきましては、内閣が唯一の行政権の所在であるとも、またすべて行政権が内閣に属するとも書いてございません。これは一切の行政を内閣でやる意味ではないということを、この裏面においておのずから憲法の條文に使いわけをしているわけでございます。この行政の複雜化と進歩に伴いまして、行政には属するけれども、行政からいろいろ独立したところの機関が現われて來るということはやむを得ないことでございます。現制度におきましては、たとえば会計檢査院のごどきも、これは憲法上の機関ではございますけれども、立法、司法、行政のどこに属するかと申しますれば、明治憲法の時代には天皇に直隷すとございましたけれども、現行の憲法のもとにおきましては、これは行政に属するよりほかに属しようがないのであります。しかしながら会計檢査院の独立性から見ますれば、はたして内閣が会計檢査遺のやることの責任を全部負うのかということになりますと、そこにいろいろ問題が出ますが、筋といたしましては國会に対する責任者は、かりに人事院のことにつきましても一應内閣である、この筋は違わないと思つておりますが、今のような理由でいろいろ複雜な面が出まして、一應のお答えしかできないだろうと思つております。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 その点は事情はよくわかりますけれども、この法律を修正しようとする立案者の委員会としては、國会に対する責任は人事院が直接負うのか、最高の責任は内閣総理大臣が負うのかということを、もう少しはつきりする必要があろうと私は考えます。ただいま説明を聞いておりますと、やはりあいまいになつて來る。そうした場合に総理大臣は、人事院は独立しているから、ということにならぬとも限りませんので、この法の解釈によつて疑義が生じて來ると思います。こういう点を一体どうしたらいいかという点は愼重に扱わなければならませんが、今の答弁だけではやはり疑義が生じて來ようと思いますので、この点については、もう少し責任の所在を明確にすることが絶対必要だと考えます。内閣から完全に独立するなら独立して、人事院が全責任をもつて國会に責任をとるということであれば、それも一つの方法でありますが、責任を内閣が持つようで、持たないようで、独立さしたようで、させないような関係に置くということは、非常な疑義が生ずるもとになると思いますので、もう一度この点について御答弁を願つておきたいと考えます。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 これは繰返しましても同じことでございまして、前田さんの御質疑は、実にいわば急所の問題になつていると思うのでございますが、それは今申しましたように、現在の複雜な行政面から見ますと、簡單に内閣の指揮監督のもとにある機関だけでは行政がうまく行かない事情にございます。たとえば人事院のほかにも、会計檢査院は憲法上の機関でございますから、これは別扱いにいたしましても、ただいま申しましたような公正取引委員会であるとか何とかいつた、いわゆる所轄の機関というものは、相当独立性を持つております。そうすれば、公正取引委員会のきめたことに総理大臣は責任が持てるかどうかという問題は、やはり人事院と同じようなふうになつて來ると思うのです。しかしながら國家公務員法の中におきまして、いろいろな法律がたくさんございます。たとえば給與の準則でございますとか、その他いろいろな服務に関する法律とかいろいろございますが、それは結局國会に出すものは、内閣を通つて出て行く。また予算等におきましても、若干の独立性はございましても、それは経費の要求の、いわば独立性でございまして、予算を組む責任は内閣にある。從つてまた、それに加うるに、しばしば法務総裁からもお話がございましたが、人事官の選任につきましても、彈劾につきましても、内閣に権限が残されておる。そういう点から見ましたならば、私ども起案者といたしましては、この行き方で、内閣は憲法における議院内閣の趣旨に從つて、國会に対して責任を負つていただけるんじやないか、そういうふうに考えた次第でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 私は昨年來幾多の法律の審議に参與しておりますが、どうもアメリカ式の法律がたくさんできております。その内容をいろいろ見た場合におきまして、ひもがついて、拔き差しならぬ問題が出て來ております。経済関係の法規、労働関係の法規、その他の法規等にも見受けられます。それを靜かに、法律が成立したあとで見ますると、いろいろちぐはぐな問題が出て來て、さらに次の議会であわてて修正しなければならぬという問題も出て來ているんです。この法案も、いろいろな関係でそうせざるを得ない原案になつておりますが、私どもは、過去の苦い経驗等をいろいろ考えてみますると、議会といたしましては、どうしてもこの責任の所在を明確にする。しかも人事行政を扱うところの総元締め、二百七十万の人々を扱い元締めであるところの、その責任の所在を明確にするということは、大事な項目でありますから、ここは、院長がただ今日答弁される答弁の記録によつて満足するというわけには行かぬわけだから、この点に対しては、われわれは十分そういうことのないような内容に修正をしたいと考えます。その点については、重ねての答弁を求める必要はないかと思いますが、その意味において私は一言申し述べておきます。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 速記を始めてください。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 これは法務総裁にお伺いするのが適当かとも思うのでありますが、人事院長に一應お尋ねしておきたいと思います。第一條の末項ですが、「この法律の規定が、從前の法律又はこれに基く法令と矛盾し又はてい触する場合には、この法律の規定が、優先する。」ところが國家公務員法には任用に関する試驗制度等が定められてあつて、たとえば檢察廳法によると、檢察官の任用等については全然別個の規定がある。そうすると、檢察廳法の規定と國家公務員法の規定とが矛盾し抵触するということになるわけですが、その場合には、檢察廳法よりも國家公務員法が優先して、檢察廳法は用をなさず、檢察官の任用についても國家公務員法によつてそれの適用をする、そういうことになるように解釈できるのですが、その点はいかがですか。

岡部史郎総理廳事務官

○岡部政府委員 技術的な問題でございますから、私からかわつてお答え申し上げたいと思いますので、お許しいただきます。その点に何しましては、お尋ねごもつともでございまするが、この第一條末頃の趣旨は、要するにこの國家公務員法が採用いたしておりまする御例示の任用等に関する規定が、具体的に働きます場合におきまして、そのときにおいて抵触するかしないかが問題になつて参ります場合において、この規定が働くわれでございまして、ただいまのところ任用に関する條項、すなわち五十五條を中心といたしまして、任命権は現在のところ横の段階に区切つておるわけであります。すなわち檢察官の一級官は内閣、二級官は内閣総理大臣、三級官は主管大臣またはその委任を受けた者がこれを任命する、こういう建前になつておるわけでありまするが、今度御審議いただきます國家公務員法の任命権に関する建前は、これを縦にわかつたことにいたしまして、それぞれ内閣、内閣総理大臣または各省大臣が、その所轄に属する職員についての任命権を持つ、こういうことになつております。この新しい、今御審議いただきます、そういう形態の任命権の規定が発動いたしますならば、今の檢察廳法の建前と矛盾して來るわけであります。この五十五條を中心とする規定がいよいよ動きます場合におきまして、その場合に至りましたら、それに相應するように檢察廳法のみならず、いろいろなそれぞれの任用に関する法規をかえなければならぬわけであります。今計檢査院法にいたしましても、その他すべて任命を規定いたしております法律は、改正を要することになるわけであります。この國家公務員法の任用に関する規定は、何と申しましても試驗と、その基礎としての職階制の採用でありまするが、大体職階制及び試驗制度が完備してから、この規定が動く。もつともそればかりではございません。次第に、適用し得る範囲におきましては、職階制度なり、試驗なりが部分的にも行われますならば、その範囲において適用されて行くわけでありまするが、大体のところ、そういうような職階制及び試驗制度が実施されましてから、この任用権に関する規定が動いて行く。そのときまでは、それと同時に各方面の任用に関する法規も修正を受けて行く、こういうようになると思つております。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 御答弁を聞いても、どうも私はつきり理解できない。たとえば五十五條の規定等が働くその前に第一條によつて、國家公務員法の試驗なり、採用なりに関する規定と、檢察廳法の規定が矛盾しておるんだから、もう檢察廳法の方がストツプしてしまうのではないか、こういうふうに感じられるのですが、そこのところはいかがですか。

岡部史郎総理廳事務官

○岡部政府委員 五十五條の規定が具体的に動き出すまでは、檢察廳法なり、会計檢査院法なりの規定は、なお從前の例によつて行く。それは結局昭和二十二年法律第百二十一号の規定によつて、なお從前の例によつて行く、こういうように解釈しております。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 第二章は質疑を留保いたしまして、第三章の説明をこの際聽取いたします。

岡部史郎総理廳事務官

○岡部(史)政府委員 それでは第三章官職の基準につきましておもな事項について御説明申し上げます。  第二十七條は平等取扱いの原則を規定しておりますが、改正案は、從來の人種ないし門地によつて差別されてはならないということにつけ加えまして、「政治的意見若しくは政治的内属関係によつて、差別されてはならない。」ということをつけ加えたのであります。但し「政治的意見若しくは政治的所属関係」というのは無條件ではないのでありまして、第三十八條第五号に規定する場合、すなわち日本國憲法施行以後日本國憲法またはその下に成立した政府を暴力をもつて破壞しようとする政党またはその他の政治的團体、これに属する者は、すでに國家公務員としての適格性を持つていないということにされておりますから、それは除いてある次第であります。それ以外においてはいかなる政治的意見もしくは政治的所属関係によつても、差別されてはならないということを規定したわけであります。  次に第二十八條に参りまして、その第一項について御説明申し上げますが、これは、職員の給與であるとか、勤務時間であるとか、休日であるとか、休暇であるとか、そういうような、いわば労働基準法に規定すべきような勤務條件の根本に関する條項は、國会によつて制定された法律によつて、これを今後変更して行くのである。それの変更に関しましては、人事院が絶えずその情勢を観察しておりまして、常にその情勢に適應するような勤務條件を立案し、これを國会に対して勧告する義務を負わせておるわけであります。從いまして労働基準法が附則第十六條によりましてはずれるわけでありますが、そのはずれたあとの國家公務員の勤務條件に関する規定をどうするかという御質疑があるわけであります。ただいまのところは、一應とりあえずこの國家公務員法の精神に反しない限りにおいて、労働基準法の規定を適用してまいります。しかしながら、いつまでも労働基準法の規定を準用することは、事の性質上不適当でありますから、なるべく早い機会におきまして、この第二十八條に基きまして喜務條件に関します法律案を御審議御制定いただくというのが、この二十八條の精神でございます。從いまして勤務條件に関します基礎事項は、人事院規則でなく、法律によつて將來規定されるものと御了解いただきたいのであります。ただその細目に関しましては百六條に基きまして人事院規則によつて制定されることもあろうかと存じますが、しかしあくまで根本はこの條文によりまして法律によつて御制定していただく、こういう建前になつております。なおその第二項は新たにつけ加わつた規定でございますが、これは、給與に関しまして、俸給表が適当であるかどうかにつきまして、人事院は少くとも毎年一回國会及び内閣に同時に報告しなければならないことになつております。その給與を決定する條件の変化によりまして、俸給表に定める給與を百分の五以上増減する必要が生じた場合は、その報告に合せまして、これを國会及び内閣に適当な勧告をしなければならないということになつておりまして、これはいわば一種のスライド・システムの思想を採用したものとも考えられるのでありますが、機械的にスライド制そのものをとつているものとは考えておりません。  次は二十九條職階制の確立の問題でありますが、これはほとんど技術的に字句を整理しただけでありまして、別に申し上げることはございません。以下三十條ないし五十四條までは特別に御説明申し上げることはなかろうかと存じます。  次に五十五條について申し上げます。五十五條は、先ほど高橋委員の御質問に対しまして一部分お答え申し上げておいたのでありますが、またあらためて御説明申し上げたいと存じます。すなわち、現在の任命権の所在を、ごく法律的に、形式的に申し上げますと、現在國家公務員のうち、官吏の身分を有します者は、内閣総理大臣というような親任官、これを除きましては、一級官、二級官、三級官の別にわかれておるわけでありまして、一級官は内閣がこれを任命する、二級官は内閣総理大臣がこれを任命する、三級官は各大臣がこれを任命するというような、いわず横にわかれているのでありますが、このたびは、任命権の所在を縦に割つて、それぞれ内閣、各大臣というふうに縦にわかちまして、その任命権の所在を規定するわけであります。たとえて申しますと、商工省に所属する職員は、次官以下すべての職員は商工大臣によつて任命される。こういう建前になるわけでございます。そういう考えを基礎といたしまして、要するに將來職階制の施行を前提とするわけでありますが、現在の一級、二級、三級というような等級別はこれをやめてしまうという考え方が基礎になつておるということは言うまでもないことでございます。それが任命権に関する根本的な原則でございます。そのほか特に申し上零ることはなく、ずつと飛びまして、七十七條について申し方げたいと思います。七十七條におきましては、職員の彈劾に関する規程は別に法律で定めるというのが現行法の建前でございますが、彈劾というような制度は歴史的にできておる制度でございまして、これは御承知の通りであります。要するに國王の親任によつて任命されておるというような高級の官職にある者、いわば國務大臣クラスにある者に対して彈劾、インピーチメントという制度が歴史的に行われておるわけでありまして、いわゆる一般職にこの彈劾制度を適用するということは例のないことでありますし、いかがかと存ずるわけであります。從いまして、この法律におきましても、人事官というような國務大臣に準ずるような重要な官職につきましては第九條において彈劾制度を設けておるわけでありますが、一般職に関しまして彈劾制度はいかがであろうか、こういうような理由によりまして、一般職に対する彈劾制度はやめたわけであります。それにかわつて、すべて職員の退職、いかなる事由によるを問わず退職を廣い意味で表現した離職という言葉にかえまして、「離職に関する規定は、この法律及び人事院規則でこれを定める。」というように規定いたした次第であります。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 最初の二十七條で委員長に御質問申し上げます。二十七條によりますと、政治的意見もしくは政治的所属関係によつて差別されてはならないということをここではつきりうたつておりますが、後に出て來ます百二條の政治活動との関係です。これは大事なところでございます、ただこれはそういう意見もしくは所属関係によつて差別されてはならないということをいつておりますが、百二條では相当大幅な制限をしておりますので、二十七條との関係をこの際もつと明確に御説明願つておきたいて考えます。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 お答えいたします。この二十七條に政治的意見もしくは政治的所属関係によつて差別されてはならぬという一項をつけ加えましたのは、御承知のように人種、身上、性別、社会的身分、門地云々、こういうようなものによつて差別されてはならないというのは、憲法の條文を受けたのでございますけれども、この人種、身上、性別、社会的身分、門地云々というのは、この基本的な平等取扱いの原則が歴史的に発達した過去においては非常に重要でございましたけれども、今日においてはもうこれでまさか区別するようなことはないのであつて、むしろ今日現実の問題として大事なのは、政治的意見もしくは政治的所属関係によつて、差別待遇をするということがあつてはならぬという方が近代的ではないかというので、これを入れたことになつているわけでございます。趣旨はその通りで、これは百二條の政治的制限の問題とは全然関係がないのでございまして、百二條の政治的活動の制限は、つまり國家公務員としての性質上、ある一定の政治的行動を制限しようというのでございます。こちらの方は國家公務員として差別待遇されてはならぬというその原因をしるしているわけでございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 どうもそこが二十七條で見ますと所属もできるし、関係もできるということにはつきりなるわけです。要するに切法の條項に基いて政治活動ができるということが言えるし、またそう見られるのです。そうしておきながら百二條によつてきゆつと締めるという形になつておりますので、今の答弁ではどうも不十分でありますから、もう少しこの点を明確にしてもらいたい。百二條で原案のようにきゆうくつに政治活動を拘束しようということでありますれば、この二十七條の文字の書き方はもつと考慮されなければならぬ。二十七條をこのまま生かして行くということになりますれば、二十七條に基いて百二條がもう少し考慮されなければならぬ。提案されておりますところの原案は、この間に矛盾があるようにも見えるのです。見えないようでありますけれども見える。だからもう少しこの点を明らかにしてもらいたいと思います。

淺利三朗民主自由党

○淺利委員長 そのお疑いでございますけれども、私どもはそうは考えていなかつたのでございまして、この二十七條の政治的意見もしくは政治的所属関係によつては、公務上に何の差別待遇をも受けないのだ、たとえばある政治團体に属しているがために公務につけないということはないのだ、そういう点をこの二十七條はうたつているわけでございます。それで百二條の方は、つまり公務についている者が、公務員たる本質に基いて一定の政治活動をすることが禁止されている。あるいは制限されている、こういう意味でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 どうも浅井さんは政治活動をされていないし、政党に属されていないからよいのですが、しかし二百七十万の公務員はそれぞれ政治活動もやりますし、政党に所属すると思います。要するに公務員がそういうものに所属した場合に、二十七條と百二條とは非常に関言ができて來るのであります。関係のない第三者からいえば何でもないことで済みますが、実際にこの衝にあたりますところの公務員の立場から見ると、この間の関係をもう少し明確にしておかなければ、ここでも疑義を生じて來ると思いますので、この点を明確にする意味において質問しておるのであります。このままの改正案から見ますと、今申し上げましたように、このどちらかの文字をもつと明確にしなければならぬ。百二條では制限しておるが、ある程度規則でこれこれという箇條を上げて、それ以外の政治活動は許すというような心組みが見えますから、そういう点等が関係がないように見えますが、改正案のこれだけの問題を見てみますとそこに矛盾があるように見えますので、ここはもつと注意して修正する必要があるのではないか、これを許すならば百二條はもつと大幅に修正する必要があるというふうに私は疑義を挾みますので、この点を明らかにしようと思つたのであります。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 ごもつともと思いますが、第二十七條の原則はこれはかえるべきではない、そういうふうに考えております。問題は百二條の方にあると思いますが、私の方の立場としましては、この百二條は制限せられる政治活動の範囲をなるべく少くしたい、こういう立場におるのでございます。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 人事委員長といたしましては良心を偽つて答弁されておる。第二十七條はいわゆる憲法で保障されております政治的自由の重要なる項目であります。しかもこれは百二條と重大な関係があるというゆえんは、本日われわれに配付されました政治的行為に関する人事院規則試案、この試案の中にこういうのがある。「單なる構成員としての役割を超えて、政党その他の政治的團体の運営に影響を及ぼすような役割をなすこと。」政治的意見を持つということ、政治的所属は自由であるということがこの二十七條によつて保障されておる、從つて政治的意見を持ち、政党に所属する以上は多かれ少かれ、これは影響を及ぼす役割は当然演ずるのでありまして、從つてこれは重大な矛盾があると思います。もつと大事なことは、この人事院規則の中で憲法を否定するようなものがあります。それは第五でございますが、「政治的会合又は政治的示威運動を準備し、主張し、又は指導すること」これをやりますとたちまち休刑になるわけです。一体憲法を引用するまでもなく、いわゆる政治、言論、出版、結社、集会の自由はだれにもあるものです。殊に政治的デモンストレーシヨンを準備し、主催し、指導することができないということは、人事院規則において憲法をしばるような規則になりますから、人事院規則に全部任せておくと憲法をめちやめちやに破壊して、基本的自由を破壊し、政治的自由を剥奪するフアツシヨ的なそういう規則が生れて参りますから、われわれは問題にしておる。この点についてあなたは非常に答えにくい立場にありますが、学者としての良心的立場、憲法学者浅井という立場から考えて、今の答弁が良心的であるかどうか、もう一度判断をして答弁をしてもらいたい。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 速記をちよつとやめてください。     〔速記中止〕

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 速記を始めてください。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 法務総裁にちよつとお尋ねいたします。第三條の四項は「この法律により、人事院が処置する権限を與えられている行政部門においては、人事院の決定及び処分は、その定める手続により、人事院によつてのみ審査される。」こういう規定になつておりまして、九十二條の三項には「前二項の判定は、最終のものであつて、人事院規則の定めるところにより、人事院によつてのみ審査される。」こういう規定があるわけであります。そして第三條の末項には「前二項の規定は、法律問題につき裁判所に出訴する権利に影響を及ぼすものではない。」こうなつております。四項に規定しておるところは、これは憲法に反するというふうにも考えられるのですが、その点はいかがでしようか。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣  高橋さんの御質問はごもつともなように思います。九十二條の末項の「前二項の判定は、最終のものであつて、人事院規則の定めるところにより、人事院によつてのみ審査される。」この規定は第三項と矛盾するではないかというお尋ねだろうと思いますが、第三條の規定は原則的な規定でありまして、九十二条の規定の上にかぶつておる。從つて第九十二条の末項は、やはりこの第三條の規定の通りに「前項の規定は、法律問題につき裁判所に出訴する権利に影響を及ぼすものではない。」というこの原則がその上に立つておるものと解釈しております。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 憲法の三十二條は、申し上げるまでもなく「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。」となつております。ところが裁判所には事実問題と法律問題がある。法律問題についてのみこの裁判所に出訴する権利に影響を及ぼさないとして、事実問題については、いかにも人事院の決定、処分というものが最終的のものである。それについては裁判所に出訴する権利が奪われておるという感じがいたすのですが、その点はいかがですか。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 この法律問題と申します言葉は狹い意味でございませんで、いわゆる違法問題という廣い意味でございまして、從つて事実問題もやはり違法問題として取上げられる場合には、これに含まれるものと考えておりますから、憲法には違反しないと思います。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 そういたしますと、明治憲法時代の行政裁判所に出訴し得るような行政機関による違法処分によつて不当な処置がなされたという場合は、全部これは法律問題として裁判所に出訴することができる、こういうふうな御見解になるでしようか。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 高橋さんの御手解の通りではないかと思います。

玉井祐吉労働者農民党準備会

○玉井委員 これは逐條の審議の途中で申し上げるのでははなはだ恐縮ですが、実は四、五日前から法務総裁にも御出席を願つておりましたものの継続でございますので、ぜひこの際お答えを願いたいと思います。先般、日にちはよく記憶しておりませんが、第八委員室で開会されましたとき、農地委員会の專任書記の問題をお尋ねしたのであります。その際俸給の拂渡しがきわめて惡い。さらにまたいろいろな事情から農地委員会の專任書記の諸君が困つているということはお聞きの通りと思います。ああいう事情で農地委員会の專任書記が事実上仕事ができない、やれないのだと言つて仕事をしなかつた場合には、法務総裁のお考えでは、いわゆるあの政令二〇一号との関係においてこれを取締られるようなことがあるかどうか。またさらにその他の政令で取締られるようなことがあるか。私の考えでは、むしろさような状態に農地委員会の專任書記の諸君が追い込まれるとすれば、仕事ができないということによつと逮捕されるのは誤りで、かえつて違法性の阻却原因があるのじやないかということも考えられるのであります。この点は今後あらゆる政令御適用の基準として、それから今後地方公務員その他の問題との関係において、地方公務員法はまだ出ないという状態において、どういう方針をとられるかということを承つておきたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 今の御質問はなかなかむずかしい問題でありまして、具体的の場合でございませんと明確にはお答えができませんと思いますけれども、今のたとえば農地委員会の書記でございますが、そういう場合にどういう行動をとるかによつてまた違いましようと思います。けれども地方公務員に関する限り、公務員法ができません間は、二百一号の政令が有効に働いておる。そこで本法よりも、残つております二百一号の規定の方がいささか酷と申しますか、そういう場合があるようであります。しかしながら政令三百十一号とは別でありますから、やはりそのときの実情に應じまして、適当に実際の具体的事実を親切に見て参りまして、法の適用をやつて行くよりほかにないのではあるまいかと考えております。

玉井祐吉労働者農民党準備会

○玉井委員 この際法務総裁にぜひお願いしておきたいのですが、そういう問題に関して先般わが党の石野君が日立の問題に関して質問をいたしました。あのような場合におきましても、実はお手許に入つておる情報が非常に歪曲されております。きようもいろいろな関係で実際の状況を國政調査することにきまつたそうでありますが、いずれ結果が出ると思います。こういう問題につきましても、法務総裁の立場においては、どうかきわめて愼重にお取扱いを願いたいと思います。特に私どもの経驗では、かつての話ではありますが、警察署で水道のホースでなぐられて、拷問なども受けておる。それがそのまま幸い私の家に逃げて來ましたので、写眞にとつて警察官を告発したことがあります。そのときに一檢事の方が、これは個人的の話ですが、写眞がついておつたのであの警察官を守つてやることができなかつた。かようなことを告白しておられるわけであります。かようなことでは、すでに檢察官と直接の司法警察官との間において、非常な間違いが行われる可能性が相当あるということは言い得ると思います。そういう意味で、今申しましたような問題につきましても、具体的な事情を取調べることは、なるほど、裁判所できめる問題ではありますけれども、檢察廳で一應の調査をされる場合にも、公平にあらゆる事情を十分しんしやくした方法によつてお調べを願いたい。かようにこの席をかりてお願いしておくわけであります。  ちようど大藏大臣が見えておられますのでお伺いいたします。私はやつかいなことをお聞きするわけではありませんから、十分にひとつ誠意をもつてお答え願いたい。もし御自身でいかぬとおつしやるなら、次官でもだれでもけつこうであります。現に先般來お願いしておりました農地委員会の專任書記の諸君が、全國に五万おります。この農地委員会の專任書記の諸君のみならず、農地法に基く仕事をやつて行くために、非常に多くの経費を必要としております。その経費が不足のために、町村においては農地委員の俸給も削られてこれを経費にまわしておるところがあります。そういうような事情でありますので、実は現在行われておる農地改革というものは、書記の諸君の俸給の上に乘つかつて仕事が行われておるというような事情が相当あるのであります。そこでお伺いしたいことは、実は今般農地法を実行して行くために、追加予算の中に農林省の原案として三十八億を計上いたしたわけであります。ところが大藏省ではこれを十二億に縮減なさつていらつしやる。半分以下に削られたわけであります。私はこれは非常に重大な問題だと考えております。特に農地委員会の專任書記の俸給もこの中に入つております。しかも今申しましたように、事務費の不足を農地委員の諸君の俸給の中から差引いても出させるような町村が相当あることを考えますと、これは單に大藏省の予算だけの問題ではなく、実は國家公務員ではないにしても、地方公務員としての農地委員会の專任書記のふところを痛め、それらの地位を危うくすることになるものであると思います。この点に関して大藏省ではなるほど財源が困難なことはよくわかりますが、農林省の原案として三十八億を計上されたのに対して、十二億にしなければならなかつた。しかもその結果がこれらの事務員の諸君の生活を脅かすのだということを御承知の上でなすつたものかどうかということを、ひとつ簡單にお答え願います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 農地委員会の書記の方々の三十八億の農林省の要求につきましては、これを圧縮する必要があつたのでありまして、かれこれ財源の方面とにらみ合せましてこれを査定をいたすのは、私からあえて御説明申し上げるまでもなく、予算編成上まことに万やむを得ない必要にせまられたのであります。しかしながらその実情につきましては、十分これを了承いたしておるのでございます。

玉井祐吉労働者農民党準備会

○玉井委員 申し上げるまでもなくとおつしやるのですか、その申し上げるまでもないことを実はお伺いしておるわけなのでありまして、今の十二億に削られたことによつて、少くとも現在あるところの吉田内閣自身が農地改革をどうするつもりかというような、非常に大きな問題にも触れて來るわけであります。この法律は御承知のように第一次吉田内閣のときに成立した法律であります。実は生みの親である吉田内閣ですが、これをどういうふうになさるおつもりかということをお伺いしたかつたわけでありますが、その点に関しまして今の御答弁では、はなはだ不満足、というよりは、いささかも答弁になつていない。ちようど農林大臣がお見えでありますので、この点をお伺いしたいと思います。特に農林大臣にお伺いしたいことは、今の点と、かねて今のように農林省の原案が三十八億出ておるのを十二億に削られたことに対する御意見はどうかという点であります。もう一つは、ただいまお伺いした中において、吉田内閣において農地改革をどういうふうになさるおつもりか。おやりになるならば、こういう公務員諸君の負担においておやりになることは、むしろ間違いだと私は思いますが、この点はどういうようにお考えになるかという点、しかも昨日お伺いしたところでは、各町村では公務員の諸君の俸給を削るというようなやり方について、はなはだけしからぬ。実際を調べて善処しようというようなお言葉であつたのですが、そのお言葉とあわせてどのようにお考えになつておられるか。  第三点といたしまして、農地委員会の專任書記の代表諸君が、昨日か、きようか記憶しておりませんが、農林省に伺いまして農地課長に、このように減らされたのではわれわれとしてはどうにも仕事ができないということを申し上げて、そして何とか元通りにしていただけないだろうかというようなことを陳情したそうでありますが、そのときに農地課長は、これでできないと言つたところでしかたがあるまい。かようにお答えになつたということを、私本日聞いたわけであります。この農地課長の回答の仕方というものは、農林行政における、特の農地問題に対する吉田内閣の考え方とどのような関係になつておるかということをお伺いしたいと思います。念のために申し上げますが、このようなことをこの席でお伺いするわけではございませんが、施政方針その他がございませんので、公務員法と特に密接な関係がありますので、やむを得ずお伺いしておるわけであります。

周東英雄民主自由党農林大臣

○周東國務大臣 お答えをいたします。大藏省に要求した予算が査定されたのに対してどう考えるかというお尋ねでありますが、昨日も申し上げましたように、大藏当局とは密接に連絡いたしまして、ただいま認められておりますのは、專任職員の三千七百九十一円ベースの水準の増加に伴つて、それに必要な増加と、それから事務費の必要な額が認められております。從つてその事務費の問題につきましては、昨日お話になつたように、專任職員等が事務費の足りないのを、俸給を割いてやつておるというような事実があれば、それは最も惡いことでありますので、事務費が賄い得るように増加要求をいたしておる次第であります。  それから吉田内閣の農地改革に対する方針はどうかというお尋ねに対してでありますが、あくまでも農地改革の目的とする小作農家に対して土地を所有せしめて、自作自営農家にする。そうしてそれを基盤に農村の民主化と農家経営の安定をはかるという線についての根本の目的は、あくまで吉田内閣は推進して行くつもりでありますので、この目的を達成させるような経費については、財政の許す限りこれは認めていただいて進めて行こうと考えております。  次に農地課長の言葉についてでありますが、それはおそらく今申し上げましたように、人件費をして必要な水準にまで引上げることに対しては、大藏当局におきましても一般物價水準の決定に即應して、これに合うように專任職員の俸給を考えていただいておりますし、事務費の問題につきましても今日の場合必要な限度において認めてくれておりますのですから、それ以上についてはさらに今後の状況に應して考えて行くということを述べたと考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 泉山大藏大臣にお尋ねいたします。先般私委員会におきまして御質問を申し上げた際に、給與の追加予算は何とかこの國会に出したいという御答弁がございまして、私も非常に安心をしておつたわけであります。ところがあなたの好きな諸般の情勢ですか、この諸般の情勢は、追加予算の提出が今國会にはほとんど不可能である情勢に立ち至つているかのごとく考えられるのでございます。そこであなたが委員会におきましてわれわれに御答弁くださいましたその点を、さらにあなたは自信をもつて今國会に給與ベースを出すことができるかどうかをお答え願います。  次に淺井人事委員長にお尋ねいたしますが、第二十八條中のいわゆる給與等の問題でございますが、人事院においてこれを勧告することを怠つてはならない、こういう点から政府に対しまして人事院の勧告案が出されたと思うのでございますか、先般この点につきまして淺井さんにお尋ねいたしましたが、水野君が質問をいたしました際に、政府が人事委員会に勧告案に対しまして何らの意思表示をしないということは、政府の怠慢であると顔色をかえられて大藏大臣をはつたとにらみつけて、この委員会で非常に憤慨をされました。私は淺井さんは非常に良心的な人だと思つてそのとき意を強くしたのでありますが、この勧告が單なる勧告であつて、政府が財源がなくてできないのだと言つてしまつてこの勧告が消えるようならば、一方においては非常に強大な権限をもつて勤労官吏おば圧迫することができる。他方において給與の問題については勧告のしつぱなしで、財源がなくてできなければやむを得ないのだ、こういうことになる。私は前にもあなたに言つたように、あなたは政府に勧告する義務を負つているのであります。一方においてはこの点は非常に明確になつていないのです。たとえばあなたが勧告した案よりも安い賃金ベースが政府できまる場合には、あなたはいわゆる政府機関の一人として、それを支持しなければならない立場になつて來るわけです。そういう点に非常に大きな矛盾があるのでございますが、要するにあなたの勧告の義務というもの、これをどのようにお考えになつているか。泉山大藏大臣は今会期中に追加予算の提出ができるかできないか。これは重大な問題で、さつき共産党の徳田君も出さないようだつたら、審議を中止しようじやないかというような強硬な申し入れもあつたようでございまして、この点は國家公務員法の成立と非常に大きな関係がございますので、明確に、具体的にお答え願います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 赤松さんのお尋ねにお答え申し上げます。新給與ベースを予算化いたしまして、またその他現段階におきまして、どうしても追加予算として提出せざるべからざる費目につきまして、これを追加予算として提出すべく、鋭意政府において努力を重ねておりますことは、赤松さん先般御承知の通りであります。しかるにもかかわらず赤松さんにおきましては、今日これを不可能であるとのお見通しでございますが、私どもは他の一面におきまして努力に努力を重ねまして、これは必ず可能なものであると今日心得ておるのでありまして、この点につきましては何とぞ深き御理解を賜わりたいと思うのでございます。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 ちよつと大藏大臣の御答弁がわかりかねますが、私といたしましては、この勧告は正しいものと信じ、かつ強くこれが受諾を求めなければならない義務を負つておると考えておる次第でございます。大藏大臣の御苦心は重々お察し申し上げますし、またマツカーサー元帥の書簡の趣旨に基きまして、國家公務員法の改正とこの給與ベースは、人事委員会といたしましては同時に出発いたしましたが、政府に出しましたのが遅れたことは、これはわれわれの責任もあろうかと思いますが、ただいま大藏大臣はそれも可能だという仰せでございますから、私は大いに期待を持つて満足いたしておる次第でございます。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 そこでもしあなたの勧告を政府がこれを予算化されず、たとえば給與ベースの問題が今会期中に出されないというような事態が生れました場合には、あなたはその義務を怠つたことになる。そういう場合にあなたはどういう責任をお感じになるか、これが第一点。それから泉山大藏大臣は、今会期中に追加予算を提出し得る可能性があるという御答弁をいただきまして、私も淺井さんと同じように意を強うしたのでございますが、けさほど総理大臣にお伺いいたしますと、総理大臣は今会期中に追加予算を出すことは不可能であるというような御答弁であつたのでございます。総理大臣は不可能であつて、不可能の場合はどうするかと言つたら、その際は第四國会でやるか、それができない場合、つまり解散した場合には参議院の緊急集会にこれをゆだねる。こういうことをきようここで明確に御答弁になつた。あなたはこれを今國会に出す確信があるし、可能性がある。一方においては総理大臣は出す確信も可能性もない。なお解散される場合には参議院の緊急集会にゆだねる。もし解散がない場合には第四國会にこれを出す。こういうことになつて、大藏大臣と総理大臣と、所管大臣の間には非常に大きな見解の相違があるのでございますが、あなたは今の御答弁を責任をもつてわれわれにそれを約束できますか、この二点をお伺いいたします。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 私が都合によつて先にお答えいたしますが、六千三百七円のこのベースは、私どもとしては正しいものと信じておりますが、万一それが内閣において低く認められた場合、そのときにおいてとるべき私の態度については、ここで今申し上げかねます。なぜかと申しますと、私はまずその理由を承らなくてはいかぬと思つております。これが高過ぎるのであるか、あるいは財源がないのならば、どういうふうにないのであるか、あるいは今のことがいかぬでも仰せられるのか、それによつておのずから私の処する道も違うかと考えます。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 赤松さんにお答え申し上げます。総理大臣がこの席上におきまして、追加予算の提出につき、本國会にはおそらく間に合わないだろう。ついては第四國会あるいは緊急集会、かようのお答えを申し上げたやに承つたのでありますが、問題は財務当局として私泉山三六がこれに当つておるのであります。赤松議員においてはこの事実を御認識賜わりたいと思うのであります。なるほど今日日数は大いに迫りまして容易ならざる段階にある。その見通りにおきましては容易ならざるものがございます。幸い私どもの誠意について、また関係方面におきましても、非常なる御理解と御同情の、上その審議を急いでおられるような実情いございまするので、私は深く期待をいたしている。かようなことを申し上げたいと思うのであります。なお第四國会とか緊急集会とか、かような問題は、これは総理の御答弁の前提においては当然考慮せられる問題であると思います。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 所管大臣からそういう確信的な御答弁をいただきましたので、やや安心の形であるのであります。そうしますと、けさの吉田総理の本委員会におきまする答弁はうそであつた、でたらめであつた、こういうことになるのでございます。そういうふうに了解します。それから淺井委員長に重ねてお尋ねいたしますが、あなたは先般の各委員の質問に対しまして、政府は当然臨時人事委員会の勧告に対して意思表示をする義務があるということをおつしやいました。また政府もその義務を感じているということをこの委員会で答弁している。現に私の手もとにきようやつてまいりました手紙がこれだけある。この中にはお正月を目の前にひかえておるのだから、早く給與ベースをきめてもらいたい、そういうふうに努力してもらいたいという、ほんとうに切々たる訴えが來ているわけです。そこであなたの勧告に対して半年後、一年後に、政府が意思表示をしてもかまわないということにもなるでしようけれども、結局時間の問題だと思う。非常に切迫しているときに、ずるずる政府の意思表示の時間をひつぱられて、あなたが默つているということは、人事委員長としてこれはあなたの義務を怠つているとわれわれは見ざるを得ない。そこで重ねてあなたの御答弁をお願いしたいという点は、一体あなたは、今会期中に政府が公務員法の裏づけるとなるべき給與ベースを出す義務があるのかないのかということと、それからあなたの政府に対する意思表示の時間的な問題、この点についてあなたは早急に、たとえばこういう機会にこうやるべきであるということを、はつきりあなたの意思表示をしていただきたいと思います。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 默つているという仰せでございますけれども、これは心外なんでありまして、決して默つてはおらないのでございますから、その点はどうぞ御了承願いたい。その証拠と申しますのはおかしいことでございますが、私の方といたしましては、新らしい給與ベースに基く法律案を、すでに起草を終りまして、いつでもこれを内閣に提出し得る段階に達しているわけでございます。でございますから、私は内閣の方で御決定を願えれば、瞬間にしてこの法律案は國会に出せるだけの準備は整えているわけでございますから、どうぞ御了承を願います。それから時間的な問題でございますが、これはただいま大藏大臣からこの國会に出せる可能性があるという仰せでございますから、私は非常に幸福に存じております。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 今会期中に出すことが適当と思われるかどうか。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 私はそれは適当だろうと思います。早ければ早い方がよいとはきまつておりますが、これは内閣の御態度の問題だと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 その場合に政府はこの会期中にそれを出す義務があるとあなたはおつしやつた。この会期中にもし政府の方でベースの追加予算を出さぬ場合は、あなたはどういう責任をお感じになりますか。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 ちよつとその点を御追究になると困るわけであります。これは政府の財源その他の見合いでございまして、と申しますと大藏大臣の御口吻をまねるようでございますけれども、それは大藏大臣にお尋ねを願わないと困りますが、私どもの立場といたしましては、全力をあげて一日も早くこれはひとつ解決を願いたい。こういう氣持にかわりありません。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 そういたしますと政府の方では、人事委員会の勧告を、財源がないというだけで第二十八條の精神を蹂躙することができる。そうでしよう。現にこれは蹂躙している。あなたの勧告案の予算は絶対に組めない。泉山三六だと言つて今非常にいばられたけれども、いくらあなたがいばつたところで人事委員会のあの勧告案に基く予算の編成は断じてできない。私ははつきりそれは知つておる。そこでこの二十八條の規定でございまするが、いやしくもこういうような規定がある以上は、政府においてはその勧告案の権威と言いますか、その勧告案に示されたものに対しましては相当大きな責任を感じなければならぬ。そこで私は重ねてあなたにお尋ねします。これは速記を止めてお答え願つたらけつこうでございまするが、あの六千三百円ベースというものは、おそらく司令部の方との十分な連絡檢討の上で出されたものだと思う。そこでもしこの勧告案を政府が受諾し得ないような、またこの義務を怠るような場合には、関係方面の意向はどうなるかということを明確にしておいていただきたい。

淺井清臨時人事委員長

○淺井政府委員 これは私から何とも申し上げかねる立場にありますから、どうぞその点だけはあしからず御了承願いたいと思います。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 今度の改正法案に関連するので泉山藏相にお尋ねいたします。税務官吏の行動の問題ですが、税務官吏が地方へ潔金の取立てその他相談に行つて、こういうことを言つておる。この税金はむりであるということを私は知つておる、しかし國会がきめたのだ、文句があつたら代議士に言え、こう言つておる。これはほとんど口をそろえて言つている。一部的な現象ではありません。そこで税務署へ行つてその間の税務官吏に当つて聞いてみますると、署長からどこの地区ではいくらいくらとれと言われたので、やむを得ず署長の命令でやつているのであつて、署長の命令をそのまま聞くが、結局ずつと上へ行くとあなたたちがきためのじやないか、こういうことを言う。そこでよくこのことを説明いたしますると、それではよく署長と話をして間違いのないように指示をしたい、こういうふうに税務官吏は言つた。ところが今度の改信法案の九十八條を見ますると、官吏は上司の命令には忠実に從わなければならないと明記してあります。政府がかかる改正法案を出したのですから、この潔務官吏の行動に照して、泉山藏相といたしましては、いかなる指導方針をもたれておるか。また訓令等のようなものを出したことがあるか。出してなかつたならば近く出される用意があるか。これをひとつお尋ねいたします。いわゆる税務官吏の指導の問題であります。  その次は民自党としては取引高税を廃止するということをしばしば申しております。一般の人たちは、民自党というものと現在の政府というものとをやはり一應混同しますから、そこで地方の素朴な人たちは、取引高税はもう廃止されると思つておる。そこへもつて來て税務官吏が何と言つているかと言いますると、これは惡税なのだ、惡税なので取引高税というものがあるために、ほとんど人件費に食われてしまうのだというような放言をしておる。私は取引高税は惡税であると思つております。しかし一旦國会を通過したからには、税務官吏はかかる放言はすべきでないと思う。そういう意味合いから、この二つの点に関していかなる指導方針をもたれるか、またいかなる訓令等を出されたことがあるか。出してなかつたならば今後いかにする御予定か。これらについてお尋ねをすると同時に、取引高税のことについても触れてお答え願いたいと思います。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 相馬さんにお答えを申し上げますます。その第一点、税務官吏がその徴税にあたりまして、やや遺憾の点があるやにただいま承つたのでありますけれども、おそらくそういうことは徴税技術上の、あるいは運営上の手心というような意味合いかと承つたのであります。しかしながらもし現実に、ただいまお示しのような行き過ぎがあるといたしますれば、嚴にこれを戒飭もしくは督励いたしたいと思うのであります。  第二点につきまして取引高税の脱税の事実あるやのうわさがあることを、実は他の委員会でも承つたのでございますが、脱税の事実については、私どもは承知しておらないのでございます。しかしながらもとより税金を適正に、しかも正確に頂戴をする、これはもとより税務当局の本務でございますので、大藏当局といたしましてはこれらの徴税官吏に対して、平素その基本方針に基いてこれを鞭撻指導をいたしておることは当然でございます。以上御了承願いたいと存じます。

相馬助治第一議員倶楽部

○相馬委員 藏相の答弁は、きわめて一生懸命に正直におつしやつてくださつたことを感謝いたします。行き過ぎだとおつしやつたが、私は今の説明——税金に文句があれば代議士に言えというのが行き過ぎたとか何とかいうことでなくて、徹底的に根底から税務官吏としてはあるまじき考え違いだ、こういうふうに申しておるのでありまして、どうかこの点につきましては適当な訓令等を出されまして、具体的に御指導あらんことを特に希望いたします。そうしてかつて一般民衆からおまわりさんがまわつて來たぞと言われた言葉が、今日ではほら税務官吏が來たぞ、こういうことまで言われておるときなのでありまして、日本の民主政治確立の上に、税務官吏のもつ位置というものは非常に重大でありますから、この点についての適当な御指導を重ねて要望いたします。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今相馬委員の質問に対して大藏大臣は、不都合があれば處分するということをはつきり言われたのでございますが、私は二百七十万官吏のいろいろなやり方等については、たくさんな材料を持つております。しかし根本の問題をなすものはやはり生活の保障であろうと考えます。生活の保障の問題は、言うまでもなく國家財政の現状においては満足に保障することが不可能であるということは、私も百も承知であります。しかしあまりにも今日の現状は窮迫しているということが、末端の官公吏のいろいろの素行の問題になつておるようでございます。そうした不都合なものは處分するというような、いろいろなことを言われますが、その前提をなすところの待遇の問題等につきましては、いろいろな角度から考えなくてはならぬ問題でございます。本議会再開以來、毎日のように賃金ベースの問題が、本会議においても、各委員会においても、論議の焦点になつておるということは、そこから來ておると考えますので、いろいろ不都合な問題が起きる原因をなしておるところのそうした問題等につきましては、直接関係の主管大臣である大藏大臣は、十分留意されなくてはならぬと考えます。そういう不都合な者は処分するという前に、もう一度明確に、一体二百七十万官公吏に対しては、ほんとうに大藏大臣としてどういうお氣持でやつておるかというところの、当事者としての熱意ある弁明をしてもらいたいと考えます。

泉山三六民主自由党大蔵大臣・経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○泉山國務大臣 ただいまの前田さんの御指摘にはまことに御同感の点が多々あるのであります。今日官公吏諸君の生活のきゆうくつな点につきましては、財務当局といたしましても深く認識いたし、まことに御同情にたえないものがあるのであります。從いまして人事委員会から御勧告がありましたこの際におきまして、政府といたしましては、すみやかに新給與ベースの結論を得べく鋭意努力を重ねておりますことは、先般申し上げた通りであります。いわんや前内閣当時におきまして決定せられました三千七百九十一円ベースは、なかなかきゆうくつなものであつたやに聞いておりますが、さような認識の上に立つて、今日すみやかにこれを修正いたしたい。かようの考えを持つておるのでございまして、ただいまのお話はまつたく御同感に存じ上げる次第でございます。

前田種男日本社会党

○前田(種)委員 今のお答えの中に、前内閣が三千七百円ベースをきめたときにも、非常に財政的にきゆうくつであつたというようなことを言つておられますが、私はその事情も知つております。しかしあの予算案が成立する場合におきまして、予算委員長は明確な意思表示といたしまして、要するに次に必ず臨時國会を開いて追加予算を出すという條件のもとにおいて、二十三年度の予算は成立しておるわけでございます。それでありますがゆえに、あのときの院議の決定は、來年の三月まで三千七百円ベースで行くというのではないと考えます。そのために今日至急に臨時國会が開かれまして、実を申しますと、追加予算案が先決に出されなくてはならなかつたのでありますが、内閣の交迭その他のために事務的にいろいろ遅れているものと聞いているのでございます。私は先ほどから赤松委員の質問に対して大藏大臣がはつきりした答弁をされましたので、その点を期待いたしまして、ベストを盡してもらいたいと考えますが、ただ前内閣がいろいろやつたことについて、それを口実の一つにして今日追加予算案が提案されぬというようなことは心外であると私は考えます。どうしても新しく財源を求めて出さなくてはならない。必ず財源をもつて六千三百円にせよという案を社会党は出しているのございます。問題は政府の政治力いかんによつて財源は捻出できると考えます。関係方面との折衝におきましても、要点は財源にかかつていると思いますが、結局これは政府の政治力によつて決定されるものであろうと私は考えます。これ以上のことは私は追究いたしませんが、大藏大臣は本委員会の劈頭から必ず出すということにベストを盡すということを言い切つて來られた建前上からいつても、どうか最善の努力をしてもらいたいということを希望として申し上げておきます。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 ごく簡單に法務総裁にお尋ねいたします。この改正案によりますと、制裁法規が非常に強化されておるのでありまして、これは逐條審議の場合にほど愼重に檢討して整理しなければならぬと考えておりますが、それに関連して問題は檢察權の運用ということになります。私はまず具体的事実からお導ねして参りたいと思います。これは本会議でも問題になつたことですが、司法政務次官の某氏が家宅搜索を受けたということは、いかなる被疑事実に基くものであるか。まずそれを一つ伺いたい。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 私はあの家宅搜索がありましてから、報告を受けたのでありますが、被疑事実は何ら明示されておりません。私の聞きましたところでは、これは炭鉱國管問題について全面的に搜査をしておる。それに関連して田中君の宅に証拠物件になるものがある。そこで田中君の宅を搜索することになつた。こういうことであります。そこで私は、これはあとから聞いたことでありますが、明確なる被疑事実がなくとも、搜査上必要であれば、それに関連して第三者の住宅も搜査し得る。こういう建前で搜索したのでありますと、こういうことであります。しかしそれにしても全然関係のない人を搜索することはどうであろうか。殊に議員でありますから、議員であります場合には、その逮捕する場合には、これを院議にまたなければならないということでありますから、少しどうも行き過ぎではないかと考えまして、今それを糺明し、かつこれを対して今後、そういうような疑いを受けるだけでもおもしろくないから、何とかこれをもつとほがらかなものにできないかと思つて心配をしておるのであります。但し法務総裁は檢察について責任はもつておりますけれども、檢察官の個々の事件を指揮する権能がないのであります。檢事総長のみを指揮し得るのであります。積極的に法務総裁が一定の檢察方針を立てまして、檢事総長を指揮するわけにはまいりません。やはり下級の檢察廳から順次案をもたらしまして、法務総裁の指揮を仰いだときのみに指揮し得るということになるだろうと思います。これは運用でありますから、なかなかむずかしい問題でありますが、私は指揮権というものはみだりに用うべきものではないと実は思つております。從つて私に指揮を仰がなかつたことはまあ恕すべきではないかと思つております。多くの場合ああいう問題は、地方檢察廳檢事正が自分の責任において、その考えに從つて搜査を実行するものだそうであります。大きい問題はやはり檢事総長が法務総裁の指揮を仰ぐのがほんとうではないかと思いますが、それが問題が大きいか小さいか、あるいは事態が重要であるか重要でないか、そこに見解の相違と申しますか、判断の不十分であつたところがあるのじやないかと思つております。もしあるといたしますれば、それは檢察廳を監督しております私の責任であろうと思つております。その意味においてはなはだ監督が不十分であつたと、これは私自分で責任を感じております。法律的には差支えはないことで、決して非難をさるべきことではないそうであります。しかし政治的に見まして、あるいはその他から考えまして、多少私はそこに手落ちがあつたのではないかと思いまして、みずから責めておるような次第であります。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 家宅搜索に関する令状を出す場合には、被疑事実を明らかにしなけれバならないというふうに私は考えておるのです。少くとも犯罪の嫌疑がなければそういう搜査はできないと思いますが、その具体的な犯罪事実を御発表になることができなければ、とにかく犯罪の嫌疑があつたということだけはお認めになるでしよう、それはいかがです。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 個人の犯罪の嫌疑がなくても、搜査上必要があれば、その所有者あるいは居住者に嫌疑がなくても搜査できるのだそうであります。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 最後にこれは質問じやありません。これは今日質問いたしましても答弁を要求することは少しむりだと思うのです。そこで留保しておきますが、二日ばかり関係方面とも十分折衝していただいて、ぜひともこの委員会に御報告願いたい。それは大藏大臣も私と一緒に財政金融委員会へ入つておつたのですが、三千七百円ベースの法律案が通過した当時の事情をよく御存じだと思うのです、一緒に審議をしたのですから……。そのうしろにおられる今井給與局長も、やはり当時大藏当局を代表されまして委員会で答弁の衝に当られた、加藤労働大臣、あるいは北村大藏大臣等もその労時御答弁を願つたのでございますが、あの三千七百円ベースの法律案を通したときには、これは明白に内拂いである。從つて團体交渉が成立したのちにおいて、全官公と政府できめたベースの線に沿うて予算を出して、そして七月に遡及して拂う。これは当時キレン労働課長も七月に遡及しなければならないという強い意見をもつておつたのであります。そこで私は政府に要求したいことは、人事委員会は十一月からのベースを示しておるのですが、しかし財源がなくて十一月からしかたなしに一應暫定的なものを拂うのだ、財源ができれば七月まで遡及するのだという考え方か、あるいは全然遡及せずに十一月からずつと拂つて行くのだという考え方が、こういう点を浅井人事委員長、あるいは泉山大藏大臣、その他政府の関係者と関係方面を、十分に打合せをされまして、院議においてこういうふうに決定しておりますし、当時の政府答弁も全部議事録に載つておりますから、また今井給與局長も現に私の質問に対しましては、明白にこれは内拂いであるということを申されておるのでありまして、政府がかわりましても、当時のそういう議決の上には何ら変更をする必要はないと考えますから、どうぞそういう点を十分御了承くださいまして、至急関係方面と打合せの上、いわゆる遡及するかどうか、これは非常に大きな問題です。官公吏にとりましては、ま勇に非常に重大な問題でございますから、ぜひとも責任ある御答弁を、後日この委員会でお願いしたいということをお願いいたしまして、本日はこの程度で散会せられんことを希望いたします。

高橋禎一民主党

○高橋(禎)委員 ただいま法務総裁にお尋ねいした問題と関連しましては、また明日お伺いいたしたいと思いますから、法務総裁に御出席をお願いいたします。

角田幸吉民主自由党

○角田委員長 本日はこれにて散会し、明日午前十時より開会いたします。     午後六時六分散会

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