人事委員会 第8号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1948/11/22
会議録
○角田委員長 これより開会いたします。 前会に引続き國家公務員法の一部を改正する法律案を議題として質疑を継続いたします。
○赤松(勇)委員 官房長官にお尋ねいたしまするが、御承知のごとく國家公務員法は、賃金ベースが裏づけになつて表裏一体であつて、從つて同時審議をなすべきであるということが院議によつて決定されております。この院議を尊重されることはもちろんでございまするが、この院議を無視して、一方的な措置をおとりになるようなことがあるかないか、こういう点をお尋ねいたします。
○佐藤(榮)政府委員 國家公務員法を出しますれば、同時に新給與ベースを出すという考え方が、これは普通常識だと私どもは考えております。しかし御承知のように、國家公務員法その他の法案は準備が早くでき上りまして、すでに國会に提案をいたしております。給與の問題になりますと予算編成上の問題に相なるわけでありまして、從つて提出の時期が今日のように食い違つておる。いつも片一方の法案の準備が非常に進み、予算の方の準備が遅れておるというのが現状であります。ただこの際私は明確にいたしておきたいと思いますことは、先ほど法案と審議とは常識的に一緒に出すべきだということを申し上げましたが、この点では関係筋とも相談をいたしましたところによれば、法案の通過ということをまず第一に考えられておりまして、予算が遅れるということは、ある程度やむを得ない、かように私どもは解釈ができるような状態に置かれておると考えております。
○赤松(勇)委員 そういたしますると、ただいま関係方面の意向が、まず國家公務員法の議会通過が先であつて、予算はそれに伴わなくてもよいのだというような意味の御答弁がございましたが、それなりば、先ほど私が質問思たしましたように、院議は尊重してもらわなければならぬことはもとよりでございますが、院議を尊重するということは前提といたしまして、政府は一方的な措置を講ずるようなことがあるかないか、この点を明確にお答え願いたい。
○佐藤(榮)政府委員 予算提出につきましてはひとり賃金ベースばかりでなくデその他の緊急予算につきましても政府は早急に準備をして、國会に提案すべく目下準備中であります。
○米窪委員 ちよつと関連して伺います。先ほど官房長官は、その筋の意向は國家公務員法の審議をまず第一にやれ、予算が遅れるのはやむを得ないというような意向であるということでございます。これは相当重大な問題でございます。これは関係筋というだけではよくわかりませんが、最高権威者がそういうことを言われているのか、あるいは予算に直接関係のある関係筋が言われているのか、この点を明確にしていただきたいということが第一、それから追加予算は、なるほどこれを同時に審議するように議会に上程することは、財源その他の諸般の情勢で困難であると思いますが、その際は、そういう総合予算でなしに、この國家公務員法と一体不可分であるとわれわれが解釈しておりますところの、賃金ベースの改訂に要する増加額に関する予算だけは、総合追加予算から切離して、今審議中の國家公務員法の審議が終了するまでに、この官公吏の賃金ベースの改訂に関する予算もやはり上程して、それが同時に審議完了できるように、政府はその筋に交渉を続けるつもりであるが、あるいはそれがまたできるという見通しがあるのか。この二点についてお尋ねしたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 第一の点は、この臨時國会に提案すべき、また緊急に成立を必要とする法案を当時協議いたしましたが、この法案はマツカーサー元帥の書簡に基く五つの法案であるということを、この際はつきり申し上げておきます。ちよつと速記を止めていただきます。
○角田委員長 速記をやめて……。 〔速記中止〕
○角田委員長 速記を始めてください。
○佐藤(榮)政府委員 第二の点の、賃金ベースだけ切離してやるかどうかという問題でありますが、政府はただいまのところ追加予算の全体を國会にかけるということで、準備を進めておるのであります。この立場においてただいま準備を進めておりますので、お尋ねのような点は、今後の事態いかんによりましては、もちろん考えなければならないものと思いますが、ただいまの段階におきましては考える筋ではないように思つております。
○米窪委員 私はこれで質問を打切りますが、今の官房長官の御答弁は、はなはだ不滿足でありまして、私が伺いたいと思うのは、この賃金ベースだけ切離して、そうして國家公務員法の審議が終了すると同時的にこれを確定ができるお考えであるか、また関係筋の了解を得られる見通しがあるかということをお尋ねしております。この点はきわめて重大で、これが滿足なる政府のお考えなり、態度なり伺わない限り、われわれはこの國家公務員法の審議は続けて参りますが、國家公務員法の修正案に対して、社会党として賛成するかしないかの態度を決定する重大なるキー・ポイントになります。この点を特に繰別して、今日お答えができなければ、今後なるべく早い機会に御返答を伺いたい、こう思うのです。
○佐藤(榮)國務大臣 重ねて申し上げますが、政府といたしましては追加予算をただいま関係筋の方に提出しております。その予算の中にはもちろん給與も入つておりますが、総体の追加予算として審議をお願いするように関係筋と交渉中であります。重ねてその点を申し上げておきます。ただこの機会に、ただいまの米窪さんのお話は重大な御発言があつたように思つておるのでありますので、もう一度私からも確認しておきたいと思いますことは、國家公務員法の審議は続けて行くが、給與、新賃金ベースが出なり限り、國家公務員法は終結を見ない、あげない、かような御趣旨のように伺つたのですが、その点重ねて御意向を確めておきたいと思います。
○米窪委員 國家公務員法の審議は、われわれは全力を盡してやつておることは、今までのわが党出身の委員の態度を見てもおわかりだろうと思う。從つてこれはわれわれ一日も早く審議が完了するように努力をいたしております。どうぞこの点は誤解のないように、但し最後におけるわが党のこの國家公務員法の改正に対する態度については、わが党は前から、これはマツカーサー元帥の書簡によりましても、一方において公務員の憲法的権利を抑制して、しかも一方においては義務を強調する。この問題については当然、今日非常に民間企業者の待遇に比べて下まわるところの官公吏の賃金ベースを、政府がこれを進んでお出しにならない限り、この國家公務員法の完璧を期することができない。從つてわれわれは、最後においてわれわれの態度を決するときには、政府が今私のお尋ねしたような態度をどうおとりになるか、すなわち追加予算全体の上程が間に合わないときには、せめて賃金ベースの改訂だけでも、関係筋の了解を得て御上程になつて、そうしてそれを同時的に完了するように審議をお進めになるつもりであるかどうか、この誠意をお伺いしたい。それによつてわが党の最後のこれに対するイエスかノーかの態度をきめたい、こう思うので、至急政府はその意味において御誠意を示してもらいたい、こういう意味であります。
○佐藤(榮)國務大臣 ただいまのお話でよくわかりました。先ほど來申し上げました通りのような現在の状況にありますが、万一そういう追加予算の全貌ができあがらないというような場合におきましては、政府といたしまして、ひとり官公吏ばかりでありません、今日当面しております電産なり、炭産なりの労働者の給與に関する処置だけでも、最小限度には御審議を願うように取運びたい、かように思つておるような次第であります。
○前田(種)委員 先ほどの関係方面との関係について緊急に質問いたします。今米窪委員の質問に対して官房長官の答弁は、いわゆる公務員法と予算の関係につきましては、ホイツトニー將軍の了解のもとにやつたということを言つております。しかしきのうの新聞を見ますと、官房長官はUP記者に語つておるその一節に、司令部の一民政局の意見を野党が重要視するということは、マツカーサー元帥の方針にもとるような態度だ。マツカーサー元帥は主として日本人の主自的なやり方を尊重している。それを一民政局の意見を聞いて云々することはというようなことを言つております。この官房長官の新聞記者発表の意見と今の答弁とは、まつたく自分の都合のよいことは関係方面の了解の上に、こうやつておる。自分の都合の惡いことは、一司令部の部局のことであつて、最高司令官の方針と違うというような言い方で、勝手なことを言つておる。この大きな見解の違いがあるため、少くともこういう発表を、官房長官の責任において、外國の記事として流す限りにおいては、國会の提案の案件の問題につきましても、それぞれ責任をもつてやらなければなりませんが、われわれは長い間司全部とのいろいろの関係はよく知つております。都合のよいことは司令部の責任だ、都合の惡いことはわれわれ日本國民の主自的にやつていい——またやつていいという幅も知つております。しかし今の答弁とUP記者に語られた談話と、勝手な氣持で言つておられる。こういう態度は不愉快であるし、そういう態度ではいかぬと考えます。この際明確にしておいてもらいたいと考えます。
○佐藤(榮)國務大臣 先ほど赤松委員にお答えし、また米窪委員にお答えいたしたのですが、御承知のように速記をとめて特に実情を申し上げた筋であります。この点まず第一に明確にしておいていただきたい。何がゆえに私が速記をとめてかような話をいたしたか、皆さんの方から特別のその間の事情についての明確を話をしろ、こういう要求がありましたので、私は速記を特にとりやめてお話を実は申し上げた次第であります。その話をただいま新聞に出ておることと結びつけての御議論は、実は私この席上でなさるものとしてはまことに不適当なお話ではないか、かように私は考えております。殊にただいまお話の通りGHQ云々をお互いが表面に出すということは、まことに不都合だ、かようにお考えでありますならば、ただいま速記をとめと申す上げた事柄と、この公式な話を一緒にされる御議論は私としてはどうも承服しかねる。なお私はこの際明確に申し上げておきたいと思いますことは、このUPに発表いたしました事柄を、今皆さま方の私たちに対する攻撃の材料としておとり上げになりましたが、これはすべての者が知つておることでありますが、占領軍は國内問題については國内で日本人同士が片づけろ、かようなことを数回にわたつて声明しておられる、またこれはりつぱな原則だと思います。この点については私は民政局という言葉を使つていないのでありますが、スキヤツプの一部局において、これと反対するような行動が、よもやとられないだろうというようなことを実は申し上げておるのであります。この点については私自身十分今申し上げたような点で、おそらく事情が御了承願えるのではないか、かように思います。
○前田(種)委員 私は新聞に出ておることを速記をとめる必要がないから、速記をとめてまで答弁してくれと要求しなかつたのです。またとめる必要がないと思います。新聞にすでにはつきり出ておるのです。それから民政局とは言つていないと言つておりますが、新聞にははつきり民政局というように書いてあるのです。それから今申し上げたように、自主的に日本人が自由に國内問題をやれということはよく知つております。しかしやれと言われながらも、その間におけるところのいろいろな関係というものは、これ以上私が質問しなくても官房長官よく知つておるのです。そういう関係のもとにおいて、國発公務員法その他の関係法規の國会提出その他の問題等につきましても、先ほど速記をとめられてお話になつたような了解のもとに出されたと、われわれは了承しておるのです。しかしその点については、そういうことをしながら野党を責める場合においては、ただ國内問題を主自的にやれといつたことを強調する。そしてあたかも関係方面といろいろ話をするということを氣にされるような感を外國新聞に流しておる、國内新聞に流しておるという印象が、きのうの談話の形が新聞に発表されておるところから、強く響いて來ておるわけです。だから今答弁されたことと新聞記事と、非常にギヤツプするから、この点を明らかにしなければならぬということを私は言つておるわけです。 それからもう一つ重ねて言つておきますことは、今申し上げました給與の問題は、官房長官が答弁されましたが、これはマツカーサー書簡にはつきり明記されておることです。少くとも一方で公務員法の改正を出す限りにおいては、政府職員の福祉並びに利益のために、十分なる保護の手段を講じなければならない義務を負すというところまで、強い文字をもつて書かれて、元帥は総理大臣に書簡を出しておるのです。この意味から申しましても、相並行して、いろいろな事情もあろうけれども、万難を排して給與のベースは今議会に出さなければならぬ。困難はありましようけれども出さなければならぬ。そして國会において審議して、これと相並行して國家公務員法がスムースに議会を通過するように全力を盡すことが、政府の態度なりとわれわれは見ておるのです。この点について重ねて官房長官として御答弁願つておきたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 まず第一の点でありますが、前田委員からホイツトニー將軍という言葉が出ましたので、私も申し上げるわけでありますが、この点はUPの通信には絶対ないはずであります。また民政局云々ということを言われておりますが、これはスキヤツプの一セクシヨン、一ガバメント・セクシヨンということを申しておりますので、これは民政局を指しておるのではないことを、はつきり申し上げておきます。從つて新聞の誤訳は私どもの責任はとれないのでありまして、原文ではその点は明確になつております。ただ私が先ほど速記をとめて申し上げましたことは、政治的な意図のあるものでなくて、純事務的なものだと思います。と申しますのは、この國会において成立さすべき、どうしても通過を必要とする法案は何と何という話をいたしました際に、この五つの法案がはつきり上つたわけであります。それを実は申し上げておるのであります。これは政治的意図としてお考えにならないで、純事務的なものとしてお考えを願いたいと思います。この点はぜひとも御了承いただきたいと思います。 なおまた第二の予算の問題につきましては、先ほど來申し上げましたところと別にかわりはないと思いますので、重ねての答弁は控えさしていただきます。
○赤松(勇)委員 実は一昨日吉田総理にも質問したのでございますが、吉田総理はお手やわらかに願いたいというような態度で、きわめて誠意のある態度で答弁しておる。今日の官房長官の態度を見ると、まるきり挑戰的である。しかもさつき前田委員が質問をした、その関係方面との折衝の眞相についてお伺いしたい。これは当然なことなのです。関係方面との折衝の経緯をわれわれに報告して、政府がその意のあるところをば議員に傳えて、そうして法案の審議を進行さすということは、当然これは政府の責任なのです。速記をとめる、とめんの問題ではなくして、当然政府でやらなければならぬ仕事だ。あなたのようなそういう考え方はいけない。そこで私は最初の質問の本筋にもどりますが、一体政府は今会期中に予算案を出してこれを通過させるはらでおるのかどうか。だれだつて通過させたいと思つておる。通過させる余裕があり、また審議の余裕が十分あるというふうに考えておられるのかどうか。もし通過が不可能な場合政府としてどういう責任をとるか。そういう点を明らかにしてもらいたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 予算の問題になりますれば、大藏大臣がお話する方が本筋と思いますが、実は私がいろいろ内閣の意向としてとりまとめているところについて申し上げてみますれば、先ほど來申し上げておりますように、追加予算として一本としてぜひ審議を願いたいということで、いろいろ準備を進めております。ただ赤松委員から打割つた御質問でありまして、一体会期も時日が少いのに、はたしてこれができるのかどうか、こういう御配慮の御質問だと思うのですが、実はその点については私どもも非常に心配をしております。ぜひとも皆樣方の御協力、御支援を願わなければならぬものだと考えているのであります。ただここ数日の関係筋との折衝におきましては、どこまでも追加予算を出したいということで実は進んでおります。先ほど米窪委員からもお尋ねがありましたように、もしその追加予算が出來ない、こういう際にはいかなる処置をとるのか、これにつきましては、先ほどもちよつと申しましたように、ひとり國家公務員ばかりでなく、給與に関してただいま当面しております電産なり、炭産なりの民間労働者の給與の政府の補給金等も、あわせて、そういうものを緊急の事案として、何とか考えざるを得ないのじやないか、こういうような氣持を持つているわけであります。しかしながら建前並びにただいま努力している本筋は、どこまでも追加予算の成立という方に実は全力を注いでおります。從いましてこれに対する大体の見通しは適当なところでつけて、そうしてもしもその方が成立が不可能だ、あるいはまとまりが困難だというようなことになりますれば、ただいまお話のありましたような第二、あるいはそういう純暫定的なものも考えざるを得ないのではないか、かように考えております。
○赤松(勇)委員 一昨日の大藏大臣に対する私の質問に対しまして、大藏大臣は明瞭に今会期中に通すということをこの委員会で答弁している。今あなたの言葉を聞くと、まあ通そうと考えているが、それはよくわからない。そこで最惡の場合は緊急措置をとるか、あるいはさつき米窪委員の質問の際にありました、給與だけを切離して暫定的な措置をとるかも知れないという……。大体緊急な措置というのは何ですか。
○佐藤(榮)政府委員 先ほど來申し上げますように、ただいまの問題は、どこまでも追加予算を計上して、その審議をお願いするという方向で全体の努力をしているわけであります。それでただいまもしもそれが通らない——もちろんこれは仮定の問題でありますので、私どもただいまお答えすることでないかも知れませんが、私は大体の期日等のことから、赤松委員その他も非常に御心配だろうと考えますので、その御心配の点については、政府としても十分考えなければならないということを申し上げているわけであります。
○赤松(勇)委員 そういうことを私は質問しているのではないか。あなたがさつきおつしやつた緊急な措置というのは——つまり審議する時間がなくて、公務員法と同時に通したいが、どうしても予算ができなくて、この議会を通すことができない場合には、緊急措置をとるというのは、たとえば参議院の緊急集会を開いて、そういうような措置をとるのかどうか、それをもう一遍お尋ねしたい。
○佐藤(榮)政府委員 ただいまの状態におきましては、そういう処置をとるわけではありません。緊急予算ということを申したように私は思つております。緊急措置というような言葉がありましたならば、その点は私の表現の間違いでありますから、取消します。
○赤松(勇)委員 さらに重ねてお尋ねします。しからば佐藤官房長官はあまり國会のことにおなれになつておられないと思いますが、いやしくも官房長官におなりになつた以上は、十分に議会の審議期間におけるいろいろな手続、その他も御存じだと思うのでありますが、きようは二十二日で明日は祭日で休みです。あとわずか一週間です。関係方面の了解を得て、その追加予算が今議会に提出されるのは一体いつごろであるかということを一ぺんお尋ねしたい。
○佐藤(榮)政府委員 この点は大藏当局がただいま折衝中でありますので、私が申し上げることができません。
○米窪委員 実はこの際私は官房長官及び委員長にお願いがあるのですが、この二、三日來の政府の態度を見ると、これは私は新聞紙を必ずしも全部信ずるものではないのですが、吉田総理大臣は民自党の役員会ですか、代議士会へ行つて大いに激励をして、そうして國家公務員法さえ上ればその他の問題は、早く言えばどうでもいい、解散する、こういうことを言つたとか、言わないとかで、非常なセンセーシヨンを起しておる。それでこれは先ほどの官房長官の御釈明で、新聞記事が必ずしも正しくないということがわれわれにほぼ明瞭になつたのですが、外電にああいうことを言つた。また橋本官房次長は岡山において大体同樣なことを言われた。こういうぐあいに——わが党は二、三日前に片山委員長がマツカーサー元帥に会われたのですが、その内容はわれわれに一度も言つていないし、從つて御本人も新聞記者に何も言つておらない。こういうようにわれわれは、愼重に、公明正大に、かつ迅速にこの問題の審議を完成するために努力して、それがために摩擦を生ずることがないようにわれわれは努めておる。しかるに政府側の総理大臣以下官房長官あるいは官房次長が、到る所でほとんど無責任、とは言わないのですが、事実と違うような、あるは事実を相当誇張したようなことを言われて、それが國会議員の神経をとがらかした。そうしてこの席上でもこういう質問が出るということは、私はその結果は國家公務員法の審議を急いでおるわれわれが、いきおい遅れるということになる。この点は官房長官におかれても、総理大臣以下の各大臣に、この國家公務員法の審議が完成するまでは、いたずらに神経を刺戟するような言辞を新聞記者その他に発表したり何かしない。さらに委員長からは、どうぞ國家公務員法の審議に関連がある問題については、今のような政府委員が外部でもつて、われわれから見れば無責任なる放言をするということに対しては、審議を進行する意味において嚴重なる警告を発していただきたい。これをお願いするものであります。
○赤松(勇)委員 先ほど官房長官は大藏大臣の所管であるからということをおつしやつております。私はこれは政府の重大なる責任であると思います。先ほど來われわれがしばしば言つておりますように、われわれはマツカーサー書簡に示されておることから考えて、同時審議すべきであると考えておる。その観点に立つて政府の所信を聞いておる。政府は今関係方面へ予算が出ておるでしよう、関係方面で今檢討されておるでしよう。その関係方面の檢討がいつごろ終つていつごろ明僚になり、團会に提出されるかというくらなことは、大体あなたは見通しが立つておると思う。そういう見通しなしにいつ出せるかわからないが、まあ一ぺん関係筋の方へ出してみようというふうなことではないと思う。私も何も喧嘩しておるのではないのですから、それを聞かなければ、この間の同時審議をやるという院議がこわれると思う。それをあなたからもう一度明僚にお答え願いたい。
○佐藤(榮)政府委員 赤松委員の重ねてのお尋ねでありますので、一應私申し上げ得るならば申し上げたいと思うのでありますが、ただいまのところその点については申し方げることができないのであります。
○赤松(勇)委員 そういたしますと、政府の方がいつ追加予算を出して來るかわからない。わからないが、しかたがないから予算委員会にしても、人事委員会といたしましても、ただ手をこまねいてそれを待つておればいいのか、それで政府の責任が果せますか。
○佐藤(榮)政府委員 先ほど來申しますように、政府といたしましても、追加予算はできるだけ早く提案いたしたいというので、いろいろ準備を進めておるわけであります。しかしただいま御質問のありましたように、日にちあるいは見込みということについては、私この席では申し上げかねます。
○赤松(勇)委員 それでは重ねてお尋ねいたしますが、今会期中には必ずお出しになるかどうか。
○佐藤(榮)政府委員 今会期中にはこの予算案を出すつもりで、ただいま準備をしておるのでございます。
○赤松(勇)委員 それはつもりでございますか、必ず出すというのですか。大藏大臣は出すと言つておられる。
○佐藤(榮)政府委員 大藏大臣が十分成算がありとお考えになつておられれば、必ず出すというお答えだろうと思いますが、私はその点直接折衝しておらないものですから、私から申し上げることがてきないということを先ほど來申しておるわけでありまして、ただいままで政府でいろいろ審議いたしましたことは、この國会に提案すべく、すべての準備を盡すというこでやつておるわけであります。
○赤松(勇)委員 先ほど官房長官が、緊急予算を出すかもしれぬとおつしやられました。その緊急予算の内容はどうなんですか。
○佐藤(榮)政府委員 緊急予算を出すかもわからないということは申し上げたわけではないので、もしも予算が通らないときはいかにするか、かような御質問に答えまして、私どもは給與に関する処置は、政府としは何としても出す、この強い決意を申し上げたわけであります。その前に申し上げますことは、ひとり公務員法の給與ばかりでない。さらにまた民間の今当面しております電産なり、炭産なりの爭議の始末をつけますための必要な予算等も、もちろん考えるということを申し上げたわけであります。
○赤松(勇)委員 それは違います。この会期中に間に合わない場合には、参議院の緊急集会にそれをかけるのかと私が言つたら、それはそうではない、それは緊急予算で出すということを明瞭におつしやつた。それをもう一度御答弁願いたい。
○佐藤(榮)政府委員 緊急必要な予算の処置だけは、どんなことがありましてもいたしたいということを申し上げたわけであります。いずれこの点は先ほど來から申し上げておりますが、速記もあることでありますので、私別に間違つておることは申し上げておらないわけであります。
○赤松(勇)委員 その緊急必要なる予算の内容は何ですか。
○佐藤(榮)委員 大体今回追加予算として出されるものは、緊急予算には違いないわけであります。臨時國会の性格でありますので、追加予算の中に緊急でないものを入れて來るわけは毛頭ないと思います。ただそれにいたしましても、総予算——ウエイトの問題として、どうしても取上げなければならないものが最後に残るだろう、そういうものだけということで、ただいま申し上げました給與に関しましては、官公吏の給與であるとか、あるいは民間の今当面しておる問題解決のための給與というようなものが考えられる。その他にも給與以外の費目としてまだあることだと思います。さらに追加をいたしますが、給與に関しまして追加しなければならない問題では、寒冷地給であるとか、あるいは石炭手当の問題であるとか、こういうようなものは時期的に見まして、何としても計上し、御協賛を経なければならないもの、かように考えております。
○赤松(勇)委員 ありがとうございました。たいへん明瞭になつてまいりました。そういたしますと、緊急必要なる予算という内容は、給與と、それから冷寒地あるいは石炭等をさして言うものである。そういたしますと災害復旧費等は切離されて、以上三つのものを緊急必要なものとして最惡の場合にお出しになる、こういうふうに了解してよろしうございますね。
○佐藤(榮)政府委員 先ほど私申し上げましたように、給與に関しましてはと申し上げまして、特にその点は強く申し上げたつもりであります。ただいまの御質問がだんだん予算の姿につきまして、いろいろ入つておるようでございますが、この点は私よりは大藏大臣の方の御質問くださつていただきたいと思います。
○赤松(勇)委員 あなたが答弁されたその答弁の内容について質問しておるのです。
○佐藤(榮)政府委員 実は給與の内容については、ここは人事委員会ですから、おそらく皆樣方としては給與の問題を一番問題にしていらつしやると思つて給與に関する点を特に大きく申し上げたわけであります。
○角田委員長 先ほど米窪委員の御注意がありましたが、どうですかこの程度で、関連といつても予算委員会もあるのですから……。
○佐藤(榮)政府委員 ただいま申し上げましたように、本委員会で御質問願うことは、なるべく人事に関する問題だけにおとりとめ願いたいと思います。さらに予算の問題については予算委員会の方にひとつお讓り願いたい。私は給與に関しまする問題につきましては、相当詳しく政府の意向は申し上げたように思いますから、その程度で御了承願いたいと思います。
○赤松(勇)委員 官房長官から、この問題は予算委員会でやれとか、人事委員会でやれとか言われることは越権だと思う。議事の運営はわれわれ自身がきめるのですから、そういうことは愼んでもらいたい。そこで私は予算全般の内容について言つておるのではない。すなわちあなたがさつき言つた緊急やむを得ないというその緊急必要なものの内容は、さつきあなたがおつしやつたように、給與の問題、冷寒地給の問題、石炭手当の問題、この三つと了解して置いていいかどうかということなのです。
○佐藤(榮)政府委員 まだ少し誤解があるようですが、この給與に関しまして、私どもがこの際緊急に取上げなければならない問題だと考えておりますものは、官公吏の面におきましては、ただいま御指摘になりましたように給與ベースの問題、石炭手当の問題、寒冷地給の問題、同時にまた民間労務者の関係におきましては、ただいま当面しております爭議解決のための、電産並びに炭管関係の予算的措置であると申しておるのであります。
○赤松(勇)委員 そこでさらにお尋ねします点は、それが給與に関する暫定的な予算でありましようとも、とにかく本國会にお出しになるということは明白になつた。重ねて官房長官にお尋ねいたします。官房長官にお尋ねする理由は、これはもとより大藏大臣に質問することが適切だと考えまするが、今度政府の考えておる賃金ベースが幾らになるかよく存じておりませんが、政府の考えておる賃金ベースは七月に遡及するものであるかどうか、このことは政府として重大な責任がある。と申しますのは先般の國会におきまして、三千七百円ベースの法律案を通過いたしまする際に、当時は御承知のように政府対全官公廳との間に團体交渉が続けられておつたわけでありますが、それがそのままの形で尾を引いて残つておるのであります。その際に二つの條件をつけた。その二つの條件というのは、一つは内拂いという意味に、國会もそれから政府も解釈してあの法案の通した。もう一つはこれは七月に遡及するのだということが、当時の議事録の上に明瞭に残つておるのであります。もとより芦田内閣と吉田内閣とはかわつておりますから、その点につきまして私は今責任を云々ということを言つておるのではない。吉田内閣の考え方としては、そういう事情で國会を通過いたしました関係上、今度の賃金ベースについては遡及する意思があるのかどうか。遡及するとすれば、大体何月に遡及するかという点についてお伺いしておきたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 御承知のように給與ベースを改訂するという問題は、相当長い間の問題であります。御承知のように人事委員会ができまして、人事委員会の方で新給與をつくる一應の資料を集めて、人事委員会案というものをつくつて政府に勧告するということに相なつたことは、経過で御承知の通りだと思います。政府といたしましては、人事委員会からいかなる勧告が出て來るか、これをずいぶん長いこと待つて來たのであります。一面に当時組合側からもいろいろ要求が出ております。新給與ベースは御承知のように七千三百円にしろ、さらにまた過去の赤字補給のために二・八箇月分を要求する。かような要求も出て参つております。そこで政府といたしましては、この新給與ベースなり補給金なりを一緒にいたしまして、人事委員会から案の出てくることを長い間待つておつたような次第であります。一面この人事委員会の勧告がなかなか出て來ない。そこで社会党の方からもこの際に一箇月分だけの繰上げ支給をしてはどうかという申入れも、実は受けて参つたのであります。そこで政府といたしましては、人事委員会の勧告がなかなか出て來ない。一方で労働者の立場について深い認識のある社会党らか、かような申出が出て來ているから、何らかの処置を講じなければならないだろうというので、いろいろ案を練つて参つたのであります。ところが御承知のように、人事委員会から六千三百七円の勧告案が参つたわけであります。政府といたしましては在來から準備している資料もあることでありますし、さらに具体的に六千三百七円というものが來れば、これが財政上に及ぼす影響であるとか、あるいは民間給與にどういう関連を持つとか、あるいは今後の價格政策にいかなる影響があるか。それらのことともいろいろ考究して最終的決定をいたさなければならない。実はかように考えてそれらの審議を進めて参つたわけであります。今日総追加予算案として関係の筋に交渉しておりますものの中には、もちろん給與ベースというものをつくりまして向うと折衝しておるわけであります。ただいまその金額についていかようであるかとか、あるいはいつからこれを実施するのかという点についての、明確なお答えをまだし得ない状況にあります。ただこの際に皆樣方すでに御承知のように、人事委員会の案なるものは、十一月からこれを実施するということに相なつておりまして、その点だけは明確であります。この際私どもが言い得ることは、五千三百円を上まわる予算を要求しておるということは言い得ると思う、かように考えますが、それより以上に具体的な数字なり、あるいはいつから実施するかという点につきましては、ただいままだお答えし得ない状況にあることを御了承願います。
○赤松(勇)委員 たいへん懇切丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。そういうふうに御答弁願えると、あなたに対する感情論もだんだんなくなつて來て、今度総選挙に出られても大丈夫当選せられると思います。そこでただいま官房長官は人事委員会の勧告を待つておつたと言われた。これは非常に重要な発言でございまして、人事委員会そのものを尊重される政府の考え方というものに私は最大の敬意を表したい。重ねてお尋ねいたしまするが、人事委員会が政府に勧告をいたしまして、その勧告に基いて政府は給與ベースの予算を編成するのでございまするが、もしこの勧告を沿い得ないような場合には、政府は人事委員会との関連において、どういう責任を感ずるかということが第一点であります。第二点は、人事委員会の勧告には十一月ということが示されておる。しかし政府の考え方としてはこれは遡及すべきものかどうか。今までの議会の審議なり、当時の三千七百円の法律を通した事情等をも勘案して、政府としては遡及すべきものかどうか。その点懇切丁寧に御答弁をお願いいたします。
○佐藤(榮)政府委員 できるだけ詳しく申し上げるつもりでおりまするが、それはともかくといたしまして、ただいまの大事な根拠でありますが、人事委員会の案そのものは、御承知のように権威のある調査の結論だと私も考えます。しかしながらこれが実施にあたりまして考えなければならないことは、先ほど來申し上げましたようないろいろの諸点、いわゆる財政だとか、あるいは民間給與の均衡の問題だとか、あるいは経済政策だとか、あるいは新物價体系だとか、いろいろあるわけであります。それともう一つは在來の給與と非常にかわつた建前でありますと、いろいろの不都合も生じやすいのであります。新しい給與ができて、前の給與が大幅に引き上がる。それだけならばよろしいのでありますが、その中身の問題といたしましても、在來の考え方に非常な修正があつたといたしますと、現実にそれを実施いたします際に、いろいろの問題が起りやすい。一、二の感じを申しますれば、たとえば人事委員会のつくつております地域給、あの地域給の差のつけ方は、現在の実施しております給與から見まして、非常な変化があるのであります。これらの点につきましては、さらに人事委員会と私どもと折衝いたしまして、そうしてなだらかな推移がするように、何としても考えざるを得ないじやないか。金額そのものについては先ほど申すような基本的な問題があるが、実施の技術的な面におきましては、なおまだ人事委員会と折衝を要するものがあるのではないか、かように実は考えておるのであります。ただこの際にどうしても政府として取上げておかなければならないことは、その総予算額は何としても計上をして、そうしてきまります以上、一日も早くこれを実施して行く。そうして職員が安心できるように成案を示すということが政府の責任だろう。実はかように考えたものであります。ここでバツクの問題に相なつて來るのでありますが、このバツクの問題も、新しい給與がいかなる金額にきまるかというところにも、実は一つのポイントがあるように思うのでありますが、総額とバツクというものとは、やはり関連して考えざるを得ないだろう。かように私は考えております。ただまだ政府が予算として出しておりませぬ今日において申し上げ得るところは、十一月実施というところでそういうような給與をきめたいということで準備をしておるわけであります。それよりさらに遡及することは、実はただいまのところ考えていないわけであります。 勧告に対する責任は、これは数回御質問があつたことだと思いまするが、政府といたしまして人事委員会は、総理大臣に報告する義務のある普通の命令服從といいますか、上級下級の関係には実はないように思いまするが、もちろん政府部局の一部であります。從いまして全然別途のものがあり得ようわけは実はないわけでありますので、その間には緊密な連繋はもちろんとらなければならない。ことに人事委員会で試案が発表せられておる。しかもそれに対しましては、國会を通じて、國民の批判を受けるということに相なつております。從いまして政府が別途の観点から、いわゆる先ほど申しました基本的な國内の情勢なり、財政等の見地から、別途の案をつくつたといたしますならば、その二つが、あわせてこの國会を通じて國民の批判を受けるということに相なるであろう。実はかように考えております。今人事委員会の案そのものを、政府は必ず採用しなければならないという、嚴格な意味には考えておらぬのでありますが、政府部局の問題でありますので、その点は十分尊重してその処置をつけたい、かように考えております。
○赤松(勇)委員 勧告権の問題につきましては、これは非常に重要でございますから、さらに後ほど法務総裁か、あるいは人事委員会にも必要があればお聞きし、あなたにも質問してみたいと思います。そこでこれは留保しておきまして、ただいま総額によつてバツクするかどうかをきめたいというような意味の御答弁でございましたが、大体そういうような点から推察いたしまするのに、政府はバツクすることを必ずしも反対していない。バツクすることは、財源が許されるならばバツクしたい。かようにお考えになつておると了承してよろしいかどうか、こういうことが第一点。 第二点といたしましては、いわゆる総額の問題でございますが、これは新聞報道でございまして、大藏大臣は新聞報道は單なる情報で、私は知らぬということを言つております。私は新聞の報道は大体正しいのじやないか、政府の考え方を忠実に報道しておるのじやないかと考えておるのでございますが、五千六百円前後ということが言われておる。総額が五千六百円前後である場合においては、バツクする意見があるかどうか、こういう点をお尋ねしておきたい。
○佐藤(榮)政府委員 たいへん微妙な御質問であり、しかも非常に大事な御質問のように実は拜聽いたしたわけであります。実は私先ほど來何度も申し上げるわけでありますが、総額が幾らになるかということについては、ただいま申し上げかねておるわけであります。そこで第二の点で五千六、七百円になつたらバツクするしかないかというお尋ねに対しましては、まことにお答えをいたさないで遺憾でございますが、その点は御了承をいただきたいと思います。ただ第一の、これは原則論として申し上げるわけでありまするが、政府の予算といたしましては、バツクする財源も、新給與として支拂う財源も、別にかわつた財源があるわけではないのであります。そこでその財源の使い方の問題ということには相ならないだろうと思うのであります。そこで私は新給與というものを、比較的に、できるだけ高い出できめまして、実施は十一月なら十一月以後にする、こういうことが実はまじめな行き方じやないか、今日私自身が考えておるところは、実はそういう考え方を持つておるのであります。総額が一應きまりまして、その分配の場合に、それを二つにわけることよりも、一本にいたしまして、そうして將來の生活の基礎が確立されるという考え方の方が、どうも本筋ではなかろうか、かような考え方を持つておることを重ねて申し上げておきます。
○赤松(勇)委員 さらに私は数点お尋ねしたいのでございますが、前田委員から官房長官に質疑があるという申出がございますので、私の質問はまたあとまわしにいたします。
○前田(種)委員 二点だけお聞きいたします。それは一点は赤松委員の質問に対して、官房長官が詳しい答弁をされた中に、緊急追加予算はつとめて出したい。しかし会期その他のことでもし間に会わないときは、切離して、給與ベースを中心とする切離した緊急予算で出したいということを言われましたが、できますれば、緊急予算全体を、総括して本國会に提案されることを希望いたします。しかしもし万一の場合を考えて、先ほどの官房長官の答弁の中に、切離して給與ベースを出すという場合は、公務員法の審議と並行して、できるだけ会期中に審議したいとわれわれ考えておるのです。あくまで公務員法とともに出す場合には、その審議が盡されるように、政府として決意しておられるかどうかという点を、第一点としてもう一度お聞きしたいと思います。 それから第二点は、たびたび新聞にも官房長官談として発表されておりますように、公務員法の審議後、國会を解散するという計画であるということを強く主張されておるわけです。これは本委員会では、公務員法の審議が重点でありますが、公務員法の審議と解散の問題は非常な関連があります。今議会の山であると私は考えますが、その意味においてここで官房長官にお尋ねしたいことは、いわゆる本案の審議後、解散の計画があるということを明確に言つておられますが、しからばその解散は官房長官が新聞で言つておられるように、第七條を中心にするところの解散の問題、さらに憲法第七條を中心にする解散をやることは、天皇制の問題についても非常に重要な問題があるとわれわれも心配するわけです。私は六十九條と関連した意味におけるところの七條の発動でなくてはならぬと考えます。それはただ單に今回の吉田内閣が解散するか、せぬかという問題よりも、日本の國として天皇制が將來一体どうなるかという問題に、非常に重要な問題があろうと私は考えます。この意味において、解散を國家公務員法の通過後にやろうというその計画からいつて、いかなる方法をもつて解散しようとしておるのか。あくまで第七條でやつて行ける、しかもやつた場合に天皇制の復活にはならないという確信をもつておられるかどうか。言いかえますならば、そのことのために、天皇制の今後の問題に重要な影響があるとわれわれは考えておりますが、そういう心配はないかどうかという点を、もう一度明確にお答え願いたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 第一点は、予算が出て來たときに國会として十分の審議期間がありやいなやというお話であります。実はこの点について一言釈明をいたしたいと思うのでありまするが、おそらく佐藤は官僚の出であるので、國会を無視して審議その他十分やらないのではないか、こういうような御注意をしばしば受けておるのであります。しかしながら私は、この吉田内閣は國会を尊重し、國会の審議権を無視するような考え方は毛頭持つていないということを、重ねてこの際申し上げまして、同時に私自身の釈明にもいたしたい、かように考えるのであります。この予算を國会に送り込むという場合におきまして、できれば今回の臨時國会が二十一日の会期なので、それは冒頭に出すべき筋のものであつたろうと私は考えます。しかしながら御承知のように、予算はなかなかそう簡單にできかねるものであります。殊に長い間野党をやつておりましたこの吉田内閣といたしまして、諸般の事情等につきましても、十分の知識をもつておらない。そこでかねての主張を予算化する、あるいは政策を具体化するというためには、相当の時日を実は必要とするのであります。たいほん手間どつてまことに相済まない状況であります。すでに本会議におきましても、衆議院並びに参議院におきまして、早急に給與その他の予算を提案しろ、かような決議も出ておるので、できるだけ早くこの予算を國会に送り込むということで、ただいま努力しておるような次第であります。ただいま赤松委員からもお尋ねがありましたが、その予算がそれでは一体いつ出せるのか、この点についてお答えできないような実情にあることを重ねて御了承願いたいと思います。私ども残されております期間におきまして、一日も早く予算を國会に送り込むように、この上とも努力をいたしたいと思いますので、その点はわれわれの努力をよろしく御了承願いたいということを重ねて申し上げます。 それから次の問題でありまするが、公務員法通過後、この議会を解散するということにつきましては、総理から十五日の本会議におきましても、政府の所信を明確にいたされたわけであります。御承知のようにこの内閣といたしましては、少数党の内閣ではありますし、本來からいえば、むしろ出直すというような意味において、冒頭解散というようなことが、あるいは本筋であつたかもわからないのでありますが、國家公務員法その他マツカーサー元帥書簡に基く五つの法案は、何としても通さなければならない。これは実はわれわれの義務だと考えておりますので、まず第一にこの義務を果す。その義務を果した後は、この内閣の本然の姿に帰つていつて、解散ということになるのだと実は考えているのであります。この考え方は今日も実はかわつておらないことを、この機会に重ねて私からも申し上げておきたいと思います。ただ残つております憲法の七條とか六十九條の問題になつて参りますと、これはいろいろ学者等も議論をしておりますし、また政治家もいろいろて議論をしているようでありますが、政府といたしましては、ただいまこの七條なる六十九條の問題につきましては、とかくの議論は避けたい、かように考えております。
○前田(種)委員 第一点の予算の問題について重ねての答弁であつたのでございますが、その答弁は抽象的であるわけです。私が質問した要点は、できれば追加予算全体を今國会に出してもらいたい。どうしてもそれをやむを得ない場合は、切離しても給與ベースを出したいということを長官が言われましたから、その最惡の場合、切離して出す給與ベースの追加予算は、公務員法の審議と並行してそれを終了せしめるという決意であるかどうか。今お答えになつた中で、公務員法並びに関係法規は、どうしても解散前に終了せなければならぬということを言われましたが、それと同じ程度に、せめて給與ベースの問題だけは、関係法規と同等に解散前に終了するように持つて行きたい、持つて行くという決意があるかどうかという点を、はつきりとその点だけ答弁願いたい。 それからもう一つは解散権の問題について、私は多く言いません。ただ一点私が杞憂しておりますことは、今まで政府筋から発表された発表の仕方によりますと、七條を中心とするところの解散権の発動は、今後の天皇制の問題について重要な國家の問題だと考えます。この点についてそういう心配はないというような官房長官の新聞発表等もあるようでございますが、私はここは重要な問題があると考えますが、その点に対する見解も明らかにしてもらいたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 追加予算は総体が出て來ることが原則であります。私どもがただいま努力しておりますことも、実はそれにのみかかつておるわけであります。万一——これはほんとうに万一でありますが、万一それができないようなことが生ずるとしたら、それに対する対策として、給與に関する問題といたしましては、先ほど申し上げたようなものを、何としても御審議御決定を願わなければ相ならない時期になつておるということを、重ねて申し上げ、さような事態が万一到來するといたしますれば、もちろんその残された範囲におきまして、十分御審議をいただくようにいたしたい、かように考えておることを重ねて申し上げたいと思います。 なお七條、六十九條の問題につきまして、私は政府としてこの際申し上げない、かように申したのでありまするが、特にこの人事委員会におきまして、憲法論をやることは私どもといたしましても本義でないので、この点は私が答弁しないことを御了承願いたいと思います。
○前田(種)委員 あとの問題はこれ以上答弁されぬということですから聞きません。第一点は大体今の答弁で明瞭でありましたので、私はこう了解しているということを重ねて質問して、了解してもらえるかどうかという点は、最惡の場合は、その追加予算を切離して、給與ベースだけは解散前に出したい。出してこれを成立せしめたいという答弁であつたと考えます。私はそう了承したが、その通りであるかどうかという点をもう一度、再確認する意味においてお答え願いたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 大体政府の考えておることと同様ではないかと私は考えるのでありますが、われわれといたしましては、この本筋の、原則の場合はしばらくおきまして、万一追加予算の全貌を國会に送り得ないような非常の事態が起りましたといたしましても、さような面におきましても、給與に関する問題は切離してでも出したいと、かように考えておることを、重ねて申し上げておきたいと思います。
○赤松(勇)委員 この際官房長官に一つだけお尋ねしておきます。それは勤労所得税の年末調整の問題であります。これはあなたは運輸省におられまして、主として國鉄の諸君を相手に、長い間いろいろ努力なさつたので、勤労者の苦痛というものは十分御承知だと思います。何でもないような問題でございますが、実は二百五十万の官公吏にとりましては、ことに年末あるいは正月を控えまして、非常に重要な問題であります。一箇月やそこらの補給金をもらいましても、この勤労所得税の年末調整で、ほとんどふいになつてします。この二百五十万の官公吏が非常な関心と熱意をもつて、年末調整の問題を見守つておる。政府におかれては、この年末調整の問題に関して、できるだけ勤労者の負担を軽減して、その負担が、できるならば一挙に來ないように、何らかの方法を講ずる意思があるかどうか。もし意思ありとすれば、具体的にはどういうような方法でやるかという点をお尋ねしておきたいと思います。
○佐藤(榮)政府委員 赤松委員御指摘のこの年末調整の問題は、実は大きな問題であります。実は今回新給與を考えます場合におきまして当然考えなければならぬ一つのポイントである年末調整として問題は、給與という問題の際に、一應考慮して論議の対象になつておることは、この際申し上げ得る。かように考えますが、ただしからば年末調整をいかなる方法で処理するか。かような具体的な問題につきましては、ただいままだ申し上げるところまで参つておりません。ただこの年末調整が重要な問題でありますので、給料をきめます場合には、もちろんこの点をチエツクする必要があると考えておることだけ申し上げておきます。
○菊川委員 ちよつと関連して伺います。ただいまの官房長官の御答弁の中で、この委員会が國家公務員法を審議する上において重要な点がありますので、重ねてお聞きしたい。私どもは國家公務員法をまず決定をしてのちに解散をされるという御方針は、今もお伺いいたしましたし、また本会議における吉田総理の御答弁にも、そういう点が明瞭であります。そこで國家公務員法をまずきめて解散をされるという点を中心に一点お尋ねいたします。國家公務員法を先議するという場合において、それは國家公務員法という、この人事委員会に出ておりますところの改正案の審議だけで十分であるのか、それともその他今議論になつているところの給與、あるいは公共企業体労働関係法規、あるいは國有鉄道、あるいは專賣公社、こういう附随事項も含めるのか。この國家公務員法先議についての内容でございます。その点を具体的にお尋ねいたしたい。
○佐藤(榮)政府委員 実はこれは、あなたがいらつしやる前に大論議のあつだ問題であつたのです。しかし……。
○菊川委員 済んでおれば結構です。その内容はあとで速記で見ます。次は、その内容を別でありますが、國家公務員法をまずきめて、その後に解散をされるというのでありますが、——憲法上の原則的な議論は避けたいということでありますから、その点も了承いたしますが、そこで国家公務員法に関連するものを先議された後に解散を政府がおやりになるというのは、どういう方法でおやりになるのか。たとえば信任案をお出しになるのか、それとも政府單独で、諸般の事情を考慮されて解散をおやりになるのか。この点はこの法案を審議するにあたつて重要なポイントですから、ひとつお答え願いたい。
○佐藤(榮)政府委員 先ほど答弁を途中でやめましたが、これは前田委員ももう一度はつきりしておきたいような顏をしておられますので、もう一度申し上げておきたいと思います。マツカーサー元帥の書簡に基く法案といたしまして、この國会で特に成立を必要といたします法案は、國家公務員法並びに國有鉄道法案、專賣公社法案、公共企業体関係労働法案、逓信省の分離の二法案、もう一つ非常にこまかなものでありますが、國家公務員法を実施する場合に生じます経済規定のもので、労働関係のこまかなものがあると思いますが、以上が特に成立を急いでいるところの法案であります。先ほど來問題になつております予算案そのものとは、実は別個に以上の法案だけが、特にはつきりいたしておることを重ねて申し上げておきたいと思います。 それからあとの解散は一体何でやるか。こういう御質問でありますが、この点は菊川さんいかがでございましよう。この席で私が申し上げ、またお答えするのは差控えさせていただきたいと思うのですが……。ただいまのところ政府といたしましてきまつておりますことは、十五日の本会議における総理の声明以上に出ておらないのでございますから、この御質問に対する答えは、私といたしましてはちよつとできかねますので、お許しを願いたい。
○菊川委員 お答えいただくことが困難だという事情は了承いたします。けれどもこの委員会が今お述べになりましたような法案の審議を考慮に入れながら、しかも今会期中にこの法案をあげたい、こういう場合におきまして、解散をいかなる方法でおやりになるか。時期などはもちろん内閣のお考えのうちでしようが、しかし内閣單独の御判断でおやりになることができるのか、それとも國会の多数の意思に基いておやりになるのか、この点は審議を進める上において重要な問題であります。これを総理大臣のああいう抽象的なことで了承せよと言うのでは、われわれこれを進行するのに支障を來すのであります。官房長官としてここにやはり明瞭な手段が示されなければならないと思うのです。おそらくこれは國民全体が知りたがつておるのですから、こういう手段が内閣はやられるということだけは御明示願いたい。どうしてもできないと言うのならば、われわれは他の方法でまた研究する以外にないのですが……。
○佐藤(榮)政府委員 重ねて申し上げますが、この点についてはお答えのいたし上がないように思いますので、お断りを申し上げます。
○島上委員 先ほどの赤松委員の質問に関連して、一つだけお伺いしておきたいのです。これはあるいは大藏大臣にお伺いするのが適当かもしれませんが、もしお答えできたらお答え願いたい。御承知のように勤労得税の現在の控除額は三千七百円ベースによつてきめられたものでありますが、今度ベースが改訂されました際に、私たちは当然勤労所得税の控除額は改訂の措置もとらるべきものではないかと考えるのであります。その点政府においてはいかように考えておるか、そのような用意があるかどうか伺いたいと思います。
○泉山國務大臣 政府は本年の七月の所得税の改正によりまして、賃金、物價等の変動に應じまして、税率の引下げ、基礎控除、家族控除の引上げ等の措置を講じたのでございまして、これにより勤労者の負担は相県緩和したと考えられるのであります。今般給與ベースが改正されることになりますれば、賃金物價等の総合的事情と関連を保ちながら、その推移に即應して、勤労者の所得税負担を適正ならしむるよう格づけしなければならない。かように考えております。
○島上委員 私は勤労所得税の控除額は三千七百円ベース当時にきめられたものでありますから、このベースが改訂されると、当然われわれの考えでは控除額も引上げらるべきものだと思いますが、そうでなければ賃金の名目だけ引上げられても、税金をうんととられて、実質的にはほとんどふところに入らないという結果を生ずるので、当然控除額も改訂さるべきものだと私どもは考えております。ですから給與ベース改訂と同時に、勤労所得税の控除額を引上げるための尊置をとる用意がおありかどうか、そういうお考えがおありかどうかということを、はつきりと言つていただけば結構なのです。
○泉山國務大臣 ただいまお答え申し上げたのは、その点に関連してはつきりと申し上げたのでありまして、もう一度申し上げます。今般給與ベースが改訂されることになれば、賃金、物價等の総合的事情と関連を保ちながら、その推移に即應して、勤労者の所得税負担を適正ならじむるよう格づけしなければならない。かように考えております。
○島上委員 そうしますと、勤労所得税の控除額を改訂する、要するに控除額を引上げるというお考えであると了解してよろしいですか。
○泉山國務大臣 引上げることになるか、引下げることになるかは、今後檢討の上にきめたいと思います。
○島上委員 引下げられますと負担過重になることは明らかでありまして、私たちも当然引上ぐベきものであると考えますので、引上げることについてどう考えられるか、その用意があるかどうかを聞いておるのであつて、適正ならしめる、引上げるか引下げるかわからぬでは、答弁にもなつておりませんし、つかみどころのないものでありまして、あまりにも無責任、無誠意だと思います。はつきりしていただきたい。
○泉山國務大臣 御指摘のお氣持はよく拜承するのであります。しかしながら当局といたしまして物價賃金の総合的関連に立つて、これを決定いたすのはその責務であります。よつてただいまも申し上げます通り、さようの推移に即應して、もつと勤労者の負担を適正ならしめるのに目標を置くのは当然のことだと考える次第であります。
○赤松(勇)委員 泉山大藏大臣に御質問いたします。一昨日私は予算等の問題につきましていろいろ御質問をしたのでありますが、はなはだ残念ながら大藏大臣から誠意のある御回答を一つもいただくことができなかつたことは、はなはだ遺憾に堪えないのでございます。そこであらためて大藏大臣にお伺いいたしまするが、あなたの方の党の第二回大会におきまして、こういうことが決議されておる。「生産第一主義を積極化して、インフレを收束する。」こういう緊急政策のものに一項目があります。これは増田労働大臣の賃金安定政策とも関連するのでございまするが、それは後ほど御質問するといたしまして、一体生産第一主義を積極化して、どういうふうにインフレを收束しようとするか、あなたの構想をひとつお聞きしたい。
○泉山國務大臣 インフレ收束の要諦は、第一に生産の増強にある。かようなことはたびたび本会におきましても申し上げた通りでありまして、そのインフレの收束と生産の増強との関係については、いまさら申し上げるまでもないのであります。従いましてただいま御指摘の赤松さんの御質問に要点は、あるいはそれ以外に何らかの特別の手を打つのかどうか、かようのことかと存じ上げるのでありますが、その点につきましては、はつきりしたお尋ねがありました場合にお答え申し上げたい。かように思うのであります。
○赤松(勇)委員 どうもあなたの方の大会の緊急政策というものは、何にもないのですね。ただこれは作文で書いてあるだけだというふうに了解できるのですが、そこでそれでは御希望がございましたから具体的にお尋ねいたしまするが、基本的に申しまするならば、生産増大の障害になつているのはインフレである。それでインフレ收束の手を打たなければ生産は上らないのだ。こういう基本的な考え方の上に立つております。この点はあなたの方の党のように、生産を上げて、それからインフレを押えるのだという石橋前藏相のような考え方には賛成できないのであります。そこで具体的にあなたにお尋ねいたしまするが、生産をどういうふうに上げようとするか、一体生産を上げてインフレを防ぐというのでしよう。生産をどういうふうに上げようとするか。これはきわめて具体的な質問です。これに対して具体的に御答弁願いたい。
○泉山國務大臣 お答え申し上げます。まずその前に生産第一主義、かようのことでありまして、第二、第三のあることを御了承願いたいと思うのであります。次に生産第一主義の場合に、しからばその生産第一主義の生産増強の具体的方策いかん。これを簡潔に申し上げるならば、まず統制の撤廃にあることを申し上げたいのであります。
○赤松(勇)委員 その統制撤廃の内容は何でございましようか。これはあなたの方の緊急政策の第六に「統制を大幅に解いて非能率と不正の根源を除く」これを一遍お説明願いたい。
○泉山國務大臣 これはそこに書いてある通りに御了承願います。
○赤松(勇)委員 その生産を上げる具体的の方法というものは、統制の大幅解除というのでしよう。統制をどういうふうに大幅に解除するのですか。それをやることによつてどういうふうに生産が上る。今生産は戰前の五〇%まで來ております、さらにこれを上げるためにはあなたのおつしやる統制の大幅の解除をやる、どういうふうにどの範囲までやるのですか。
○泉山國務大臣 統制の撤廃については事具体的の問題になりますので、その方針はただいま赤松さんにもよくおわかりのようでありますから、これは御説明するまでもありませんけれども、具体的の問題は、せつかく今安本としても具体的の結論を得べく研究中であります。
○赤松(勇)委員 驚いたです。何を聞いても研究中々々々では、これはまつたく國民に対してはなはだ申訳ないと思うのです。まるきりこれはちようど幼稚園におきまして子供と先生が問答しておる、私などは先生らしくなつて來ておる。実際もう少し眞面目にやつてもらいたいと思います。それならばさらに私は突込んで質問いたしたいと思いますが、あなたの賃金安定の方策の具体的な方針を御明示願いたい。
○泉山國務大臣 賃金安定方策は私としては現下の経済問題の結論的要素とでも考えておりますので、物價その他の経済指標、かようなものの動きを、とくと研究いたしました上で具体的の方策を講じたい、かように思うのであります。
○赤松(勇)委員 統制を大幅に撤廃するということを、あなたの方の大会の緊急決議でもつてやつておいて、目下研究中、賃金安定方策を聞くとこれも研究中、一体それでは泉山大藏大臣の抱負、あるいは泉山経済安定本部長官の抱負というのは何ですか、何のために大臣になつておるのですか。そんな不眞面目なことでは困ります。もう少し親切に具体的に、もう少し信念をもつて答弁してもらわないと困る。それならばあなた実際わからぬのですね。研究中というけれども、実際わんりません。答弁できなければ、私わかりませんからこれから一生懸命に勉強して御答弁いたしますとはつきり言えばよい。そういう不眞面目な態度はだめだ。あなたの方の大会の決議で國家財政の健全化ということをうたつておる。財政の健全化の一つの方法として公務員法を改め、行政の整理簡素化を断行するといつたこの行政の整理簡素化というところの内容は何ですか。
○泉山國務大臣 行政の整理はその具体的内容は今日これを示す段階にはありませんか、大体におきましてまず統制の撤廃におきまして、これと並行して行政の整理に着手したい、これが第一であります。
○赤松(勇)委員 行政の整理簡素化というのは、結局ただ首切ることだけなんですか。
○泉山國務大臣 さようの意味ではございません。
○赤松(勇)委員 どういう意味ですか。
○泉山國務大臣 ただいま申し上げました通り、その具体的の方策の第一は、統制の撤廃と並行してこれをやる、かようなことを申し上げたのであります。
○赤松(勇)委員 統制の撤廃と並行してどういうふうにこれをやるのですか、その具体的な方針をここでお示ししてもらえばよいのです。
○泉山國務大臣 それは先ほど申し上げましたところで私は十分御了承願えるものと思いますが、何か別の表現をもつてすべきかも知れませんが、赤松さんのお尋ねの意味がはつきりしませんので行政整理は首を切ることか、こういうような意味に解釈したのであります。あるいはそういう場合もあるかもしれませんが、政府としては首を切る、こういう構想ではなしの、今日言つておることを申し上げておるのであります。
○赤松(勇)委員 それではどうやつているんですか。はなはだもつてどうも……。それではこの中でうたつている「為替レートの一本建を目標として、國内物價の均衡と企業合理化を促進する」この内容を一ぺん御説明願いたい。
○泉山國務大臣 何か党の政調会の御質問のように伺うのですが。……それではちよつと申し上げますが、為替レートの一本という問題は、この間の本会議が御説明申し上げました通り、われわれとしましては今日一本為替がないために幾多の支障がある、こういう現実はよく了承いたしておるのであります。しかしながらこの一本為替につきましては、これをどの程度にきめるか、いかなる段階においてこれを決行するか、これはわが日本の経済の將來を卜すべき重大な点でありますので、われわれはこの点につきまして目下愼重に研究中である、かように申し上げる以外にはないのであります。
○赤松(勇)委員 あなたの方の党なり、吉田閣内の考え方におそらくなつて來ると思うのですが、賃金安定政策、これはこの間増田労働大臣がその大綱をお示しになつたわけです。そこでわれわれが了解しているのは、賃金を安定する場合に、あなたの方はよく統制を撤廃するとか何とかいうことをおつしやる、そして物がうんと出まわつて來れば、自然にそれが賃金の裏づけになつて行くというようなことを言われている。現にこの中にも生鮮食料品の統制撤廃なんということも言われている。あなたは経済安定本部長官として、賃金安定に関するところの何も持つていない。ただ統制を撤廃して賃金の安定をはかるのだというような、きわめて超素朴的な考えしか実際持つていない、われわれ質問するのにいささか恥かしいのですが、そこであなたにもう一つお尋ねしますが、生鮮食料品の統制撤廃はいつやるのですか、そしてどういうふうにやるのですか。
○泉山國務大臣 お答えいたします。それはなるべく早く、これを有効適切にやりたいというように考えております。
○赤松(勇)委員 先ほども佐藤官房長官は、予算が閣議において大体檢討されて、それが関係方面にただいま出ている、そしてその予算の中の一番重要な給與の予算は、大体五千三百円よりも高いのだということを言つておられる、あなたはこの予算がいつごろこの議会に提案され、そしてこの議会において必ずそれが議決されるような措置をとるということを明言できますか。もしそれができないとすれば、どういう形でこの追加予算の問題を解決しますか。
○泉山國務大臣 お答えいたします。それは前内閣並びに前々内閣の実績に徴して大体御判断の通り、今日におきましていつということについては、もし赤松さんのお尋ねが、暦の上の幾日の何時ということであればお答えできないのでありますが、しかしながらできるだけ早くということで、私は近い將來ということを申し上げたのであります。
○角田委員長 それではこれにて休憩し、午後一時半より再開いたします。 午後零時三十一分休憩 —————・————— 午後二時二十三分開議
○角田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。玉井君。
○玉井委員 労働大臣がお見えでございますから伺いたいのですが、あるいはこれは人事委員長にお伺いした方がいいかもしれません。しかし時間の都合もありますし、できるだけ早くと思いまして伺いますが、先般この法案を出されるのについて、人事委員長の提案理由の御説明がありました。その御説明の中に國家公務員の福利と利益との保護機関としての権能を果すためには、人事院というものは十分な権能が與えられなければいけないというようなことを言つておられるわけです。そこで具体的にお伺いしたいことは、公務員の福利と利益ということをどのように考えるか。それから福利と利益を守るのが目的だと言つておられるわけですが、その守るべき、これこれの條文によつて、その福利と利益をかくのごとく守つているんだということを、具体的にお示しを願いたいと思う。
○増田國務大臣 玉井さんの御質問にお答え申し上げます。御質問の中でも言われました通り、これはむしろ委員長から御答弁申し上げた方がよろしいかと思いますが、公務員の利益と福利とを擁護するという立場で國家公務員法は定められたものであり、またこの改正案もそういう趣旨から、皆さまのもとに提案されたものでございます。そこで人事行政というものは人事院で行つた方がよろしいということが、まず根本的な官吏の利益あるいは福祉の擁護になると思うのであります。というのは、政党だとかあるいは政府だとかいうことは、これはしよつちゆう交迭のあることでございますし、また從來行政機構を構成している事務官吏に、不当の影響を與えた事例がないでもないのでありまして、そういう意味合いから、政変だとか、あるいは政党のよい影響ではない、惡い意味の影響が來ないような意味合いで、比較的恒久性を持つた、半独立性を持つた人事院で人事行政を行うということが、官吏の福祉なり利益の擁護になるという見地から、從來の公務員法も皆さんの御協賛を得たものでございますし、今回の改正案も、そういう趣旨から提案されたものでございます。そこで今度は條文について一々お答え申し上げろということでございますが、これは逐條審議のようなことになつてしまいまして、なかなかこれは、ほんとうは時間があれば、私も官吏をしておつた経驗もございますから申し上げたいのでございますが、要するに報酬のこととあるいは試驗制度のこと、あるいは任用のこと、あるいは給與のこと、あるいは能率のこと、あるいは分限のこと、あるいは懲戒、褒賞、そういうような規律に関すること、こういうようなことが私の考えでは、比較的文化的な、科学的な基準の下に規定ができ上つており、また改正案もでき上つておるというように信ずる次第でございます。どうかよろしく御了承を願います。
○玉井委員 ただいまの労働大臣の御答弁では実は私が要求したような点についての御返事とはちよつと受取れないのです。たとえば人民の権利を保障するという以上は、そういう権利を保障する條項が憲法にでも何にでも書いてあるわけです。そこで公務員の福利と利益を擁護する機関だとおつしやる以上は、公務員の福利というものはこういうものが福利である。首切りを勝手にやられるのが福利なんだ、あるいはまた團体交渉権を剥奪して思うような賃金ベースを押しつけるが福利なんだという意味では、まさかないと思うのであります。しからば福利というものをどのようにお考えになつているか。お考えになつているとすれば、それはどこの條文、決してたくさんなどは要りません、典型的なものを一つでも二つでも結構なんですが、それが今言つたところの福利を必ず守つているのだということをお聞きしませんと、この公務員法の改正を行われるのについて、実は安心して討議ができないようなことになると思うのであります。御承知のように、先ほどもお話があつたように記憶しておりますが、とにおく吉田総理自身も言つておられるように要求を含んだ勧告とお考えである以上は、公務員の福利を守る方も要求を含んだ勧告であるはずなんです。取締る方ばかりが要求を含んだ勧告というわけに行かないと思う。そこで私はお伺いしているわけですから、この点をもう少し具体的に御説明を願いたい。
○増田國務大臣 玉井君の御質問にお答え申し上げます。私が先ほど、今回の公務員法は官吏の福利と利益を擁護する進歩的な制度であるということを申し上げましたのは、御質問の要点には触れていなかつたようでございますが、しかし官吏といたしましては良心の命ずるところに從い、純理に從つて行動する。これが擁護されなければ官吏としては立派な職責を果し得ない、行政機構がりつぱに運営できないのでありまして、その点に不当なる圧迫があることはもう官吏としては一番不愉快なのでありまして、良心に從つて純理の命ずるところにのつとつて事務を遂行しておる限り、何ら身分その他には惡影響がない。このことの保障は実は從來はあまりなかつたのでありますが、先般の公務員法の改正並びに今回の改正によつてその点は十分保障されておると思つております。給與はもちろん玉井さんのおつしやる通り大事でありますが、何といつても官吏は、事務的に良心をもつて事務を熱心にやるという本能に生きておるものでありまして、その本能の達成されないところには生きがいを感じないのであります。また國家機構として十分なる機能を発揮することができないのでありますが、この点に対する保障が十分ある、これがまず第一であると思つてお答え申し上げた次第であります。 それから第二点の給與その他の問題について、もし不平不服等があつた場合に、労働協約もできない。いわんや爭議権の行使ができないということでは、——これは給與を含んだ福祉利益を擁護するようにというあのマツカーサー書簡の勧告が、公務員の爭議権方面の制約が、やはり要求を含んだ勧告であるならば、給與方面においても要求を含んだ勧告であろうというお話はまことに同感であります。その通りであると考えております。そこで給與等は、官吏は一面においては品位を保たなければならないという点もあります。また一般の勤労者と違いまして、生活が保障されておるというばかりではなく、やはり行政権を行うという立場から品位を保たなければならない。ところが労働の再生産のためにも、また品位を保つためにも十分な給與が與えられていないということは、現段階においてはあると私も思うのでございまして、政府といたしましては、財政経済の許す限り、給與條件を維持し、改善するということが必要であると私は思つております。そこで人事委員会が先般勧告いたしましたあの新給與水準等はできるだけ尊重して、これを予算の上に具体化するという方向で進んでおる次第でございます。しかしこれも、泉川藏相からあとからお答えがあるかと思いますが、財政上許し得る限度まで奮発いたして給與條件を改善するということのために、最善の努力を拂つておる次第であります。どうか御了承願いたいと思います。
○玉井委員 それでは労働大臣のただいまの御答弁に対しましては、実はきわめて不満足なので、この点ちようど人事委員長も見えておりますので、質問の順序もございますから、あとで私はその点について御質問するといたしまして、もう一点だけ労働大臣にお伺いしておきたいのですが、それは國家公務員法に直接関係がある地方公務員法の問題です。この地方公務員法の問題について、これはいつごろお出しになるようになつておるのか、これもこの際お伺いしておきたい。特に地方公務員に関する法律案が後日出るものだとすれば、その間はずつと政令でやつて行くのか、あるいは國家公務員法に準じた何かで運用して行くのか、この点ちよつとお伺いしておきたいと思います。
○増田國務大臣 法律の解釈に関する問題と、それから政府の措置に関する問題については御質問のようでございまするが、まず第一に政府の措置といたしましては、今回は地方公務員に関する法案を提案いたしまして、皆樣の御協賛を得る運びに至りませんでしたことを非常に残念に思つておりますが、これは事務が輻輳いたしましたり、そういう関係でありまして、ほかに別に他意はないのであります。どうぞ御了承願いたいと存じます。來るべき國会においてこれを提案して皆樣の御協賛を得たいと思つております。そこでその間は一体どういうふうにするのかという法律問題についての御質問でございます。これは淺井君からもお答えがあると思いますが、その間はブランクがあるわけでございませんで、七月三十日のポツダム政令に引続いて支配されておる、その支配下にある、こういうわけでございます。しかしそういうような法二條にして足るというようなことだけでは、公務員の身分その他の処置がなかなか妥当に行かぬ場合が多々あると思いますから、できるだけそういう状態を早くなくすために、最も早い機会において地方公務員法案の提案をいたしたいと存じております。
○玉井委員 もう一つだけお伺いいたします。この公務員法案の中で一番重要な点は、やはり爭議権の剥奪の問題であると思いますが、私企業には爭議権は今後もやはりなおあるものである、かように了解しております。そこでおよそ團体交渉権、爭議権ないしは團体協約というものが、資本主義体制下において、一方的に資本家の側で首切りをやる。あるいは賃金をできるだけ安くして、労働力を買おうということと対抗した意味で、爭議権あるいはまた團体交渉権等々が認められて來たものと考えておるわけであります。そこでその立場がおそよ爭議権、團体交渉権等の根本的な立場だと考える以上は、この國家公務員法の中でこれらを十分保障してくれるものがなければならぬ。その点からは爭議権はやはり根本的にはあるものだ。團体交渉権も團体協約権も当然なければならぬものだ。ただお考えによつては、技術的な問題としてある程度の讓歩というものがあるかもしれない。しかしまず爭議権や團体交渉権の発生したことを考えてみますと、これは当然なければならぬ。しかも人事院の構成上、今のような形から考えてみますと、やはり自由なる首切りが行われるような構成ができているのですが、この点に関して自由な首切りを行うならば、今申し上げたような労働者の團結権も團体交渉権も、同時にまた爭議権も認めらけなければならないと考えているが、その点についての御意見を伺いたいと思います。
○増田國務大臣 まず御質問の中の私企業については、もちろん團体交渉権あるいは爭議権は、現在の労働三法の認める範囲において將來といえども完全に存続すべきものである、また尊重すべきものであると思います。第二にしからば原則的にそういう性質のものは、公務員たる賃金労働者にも根本的にはあるべきものであつて、それが一時制約されているのではないかという御質問でございますが、これは御意見でどういうふうに解釈されても私はよろしいと思つております。今のところは制約を受けている、また制約すべきものであるといつてこの改正案が提案された次第でございます。それで自由に大量馘首といつたような場合には、團体交渉権を大いに発揮したり、あるいは爭議権を発揮したりしてはどうか——そういうお言葉まで言われておつたかどうか存じません。私はまだはつきりその点をお聞きできませんでしたが、そういうようなことでしたら、自由に大量に馘首するというような、その自由なることが私は滅多にないと思つております。やたらに大だんびらを振りまわすというようなことはない。合理的な基礎のもとに、相当の行政整理が將來あるならばある、こういうふうに私はいつておりまするが、そういう場合は、玉井さんもこの法案を読んでおわかりの通り、團体交渉権は制約を受けておりまするけれども、ある程度でございますから、その團体交渉権を行使して、法人たる職員組合が利益のため、福祉のために、相当活動すべきものである。また活動してさしつかえないと思つております。ただし御承知の通り爭議権はないことに相なつております。
○玉井委員 今の点もう少し伺いたい。私企業にあるということは今おつしやつた通りあると考えなければならぬと思うのですが、公務員の場合においても、当然になければならないということはお考えですか。それとも今のところは当然認められてはならないものだというふうに先ほどお伺いしたのですが、ここしばらくの間はがまんしてくれという意味でおられるのか。あるいは公務員に関しては、これは絶対に認められない性質のものだ、そもそも公務員というものは爭議権を持つことのできない勤務の状態にあるものだ、かように言われるのか。その点をもう少しはつきり伺いたい。
○増田國務大臣 なかなかむずかしい御質問で、実は非常に弱るのでありまするが、玉井さんも御承知の通り、世界各國を見渡しますと、國家公務員に爭議権があるところもございまするし、またないところもございまするからして、法律論的には玉井さんのおつしやるようなふうに私も言いたいとは思いまするが、今私ども考えなくちやならぬのは、マツカーサー將軍の書簡に示された通り、労資対等の権利に立つところの一般私企業のもとにおける労務者と経営者との関係は、やや違つて見なければならぬ。すなわち公務員の勤労の対象は、國民全体に奉仕するという関係によつて、法律関係から見れば多少違つて來るからして、そこで團体交渉権がある程度の制約を受けなくちやならぬし、また爭議権も禁止されるというようなことはやむを得ないというふうに私は考えております。法律論その他労働法規上の本質論は御勘弁願いたいと思います。
○玉井委員 今の労働大臣のお氣持よくわかりましたが、一言私からお願いをしておきたいことは、実は総理にもぜひお願いしたいと思つておつたのですが、どうも最近國会のこの審議をされるのにつきまして、二言目にはGHQが出て來る。これは非常によくないと私は思う。むしろそういう点は政府の方でがつちりうしろの問題としてお話し願つて、政府の責任でやはりこういうような問題を直接に御審議をお願いしたい。私は、國会の権威のためにも、また同時にとにかく占領下にある日本の状態を知らないものでありませんけれども、しかし政府の側の方々としては、信じないほどの、いいかげんの法律を持つて來られては私はいかんと思う。これは自分たちであくまでも確信があり、正しいという御意見のもとに持つて來ていただかなければならぬ。多少むりがあつてもそれを通すだけのりくつを考えなければ、法案として出されては困る。この点は、実はどちらかというと、吉田さんあたりは一番強くそういう立場をとられる方じやないかと考えておつたのですが、最初のこの法案を提案される時から、すでに例のマツカーサー書簡の趣旨に基いてというような御意見を直接に被症をしておられる。私はむしろこの書簡の上にのつかつて、官吏の首切りや、あるいは、まさかいわゆる労働攻勢に対する反攻勢というものを、ちようどいいあんばいだからやつてやろうというような考えではおられないと思いますが、さような氣分が感ぜられてならなかつたのであります。そういう点を今後とも、これは注文でございますが、できるだけ御自身の責任において万事を処理していただきたい、かように希望意見を申し上げます。
○赤松(勇)委員 これはこの間の質問の残りですが、他の諸君も質問が多いので、要約して三点だけ労働大臣にお伺いいたします。これは民主党の生悦住君及び私の質問に対しまして、吉田総理から御解答がなかつたので、労働大臣にお伺いいたします。と申しますのは先般川崎君の質問に対しまして労働大臣がお答えになつた。はしなくもその答えが非常な大きな社会的影響を與えておりますので、この際あなたは、責任をもつてこの点について明確なお答えをお願いしたい。 第一点は、先般あなたはいわゆる官吏の行政整理の問題と関連して、失業対策の問題をこの委員会で御答弁願つたのでございますが、その際非現業部門の予算定員は本年度までに四十七万となる。実人員は三十一万であつて、その差十六万に達しておる。約五割の余裕がある。こういう御答弁があつたのであります。そういたしますると、特別会計方面では百万人あるいは地方の方では百万人、これは非常に厖大な人員に上るのでございますが、一体こういうような厖大な予算定員と実人員の間に差異があるのかどうか。もしあるといたしまするならば、どういうふうにするか。民自党の発表によりますと、いわゆる行政整理はただ数字の上の行政整理をやるというふうにしか私たち思えないので、それでは数字の上の行政整理でありまして、あなたたちのだんびら振り上げておやりになろうとする本格的な行政整理とは違う。私は行政整理に反対する立場から申し上げておるのでございますが、こういうような点に関しまして、一体労働大臣としてどうお考えになるか。 第二点は、いわゆる賃金安定の問題でございます。先般これもやはり川崎君の質問に対しまして若干触れられたのでございますが、どうもわれわれといたしましては満足な答弁ではなかつた、こう考えるので、あらためて私から質問を申し上げます。あなたは——と申しまするよりも、吉田内閣は、当面まず賃金の安定を目標にしておる。これは藏相の先般の御答弁でよくわかつておる。ところがこの賃金安定の過程というものは、まつたく資本主義的な企業の合理化の過程を経て行われる。すなわち企業の合理化をはかつて、將來この合理化された企業の基礎にして物價体系を立てる。これとリンクして為替相場を立てるというのが大体あなた方の構想ではないか。そうだといたしますならば、これに伴つて全般の民間産業の中にどれぐらいの失業者が出るか、またこれに対するところの失業対策というものを具体的にお示し願いたい。 第三点といたしましては、國家公務員法の改正案の中の第百二條、いわゆる選挙権の行使を除くほか、政治的活動をしてはならない。一体選挙権を行使するほか政治的活動をしてはならないという、その政治的活動の内容の問題——これは後ほど人事委員長にも詳しく逐條審議の際にお尋ねしたいのでございますが、労働大臣はお忙しいのでございますから、この三つの点につきまして、一應あなたの所信をお伺いしておきたいと思います。
○増田國務大臣 まず最初の行政整理のことについて申し上げます。当時赤松委員も御出席でございまして、私の申し上げたことはお聞きくだすつておりますから御承知の通りでございまして、私が自由党の政務調査会長を約一年しておりましたときに、行政整理のことも研究いたしましたが、その時の民自党の主張はこうであつた、こういう意味で申し上げた次第であります。まだこの内閣はできて一月そこそこでございまして、この内閣の独自の行政整理案を持つておるわけではございません。しかしながら民自党が行政整理についてある程度の研究をし、ある程度の意向を社会に発表しておりますから、そういう政策を具現化するというのが、吉田内閣に課された使命でなくてはならぬ。こう思いまして、そういう立場から申し上げし次第でございますが、当時民自党といたしましては、三割ぐらいな行政整理が必要であるというふうに考えておつたということをまず申し上げておきます。 第二に、四十七万と四十万と三十一万数千のこの開きの問題でございますが、これは私どもが、この六月に総予算案が出ましたときに、これに対して民自党独自の修正案なるものを提案いたしまして、遺憾ながら否決されましたけれども、そのときに落すべき数はどしどし落して参つたのでございまするが、研究してみますと——これは官廳関係とも打合わせて研究した次第でありますが、しかし根本的の研究ではございませんから、ほんとうの專門家はまだこれに異論があつたかも存じませんし、調査の粗漏があつたかも存じませんが、とにかく当時の予算定員は四十万そこそこでございました。それに対して來年の三月三十一日、すなわち本会計年度の終りまでにおいて、四十七万人に定員をふやうというわけで、四十七万人に対する予算を組んであつたわけであります。ところでこの六月の定員の四十一万何がしに対して、現在員はどれだけであるかということを調べたときに——四十万何がしだと思いますが、数のこまかい点で多少錯誤もありましたならばその点は御了承を願いたいと思います。現在員は当時たしか三十一万七千ぐらいでありまして、私はラウンド・ナンバーで三十一万と、こう申し上げた次第であります。そこで十六万の差異が出るということは、三十一万の現在員がふえないと仮定すればという話でありまして、何といたしましても、一應は血の出る首切りをいたしたくない。数の整理ということは問題にならぬじやないかということを、行政整理に反対の赤松さんがおつしやるのは少しおかしいと思うが、とにかく一應は血の出ない整理をいたしたい。こういう見地をまずこるといたしますと、現在員を充員しないと仮定すれば十万余のさやが出て來る。但し四十七万の新定員が認められたからには、赤松さんも同感くださると思いますが、三十一万七千のところを三十四万や五万にはしておると思います。だんだんさや寄せはいたしておるが、まず血の出ない首切りをいたしたい。くやしくも民主党が三割の行政整理を提唱しながら、血の出ない数の整理だけでは、そこに欺瞞がありはせぬかという御質問はごもつともであります。しからばわれわれはどういう整理をするかと申しますと、天引整理ということを主張する人もありましよう。しかし天引整理は最惡の場合において行うきわめて安易なイージーゴーイングなやり方であつて、私はそれはよろしくないと思う。その官廳々々について具体的妥当性を発見する。この官廳はなるほど現在員もこれだけ、定員もこれだけだけれども、まだふやさなければならないという官廳もございましよう。またこの官廳は五割減してもいいといつた官廳もございましよう。私どもの提唱しておる統制経済が大幅に整理されるというような場合には、統制経済官吏はなくても済むというようなことにもなるのであります。われわれはどこまでも血を出さない数だけの整理ということで逃げることはいたしません。やはりその官廳々々について、具体的の妥当性の発見に努めまして、適正なる行政整理をいたしたい。全体として見ればこれは一つの腰だめであり、常識観察でございまするが、結果的にまず三割以上の整理はなかなかできない、またそれ以上のことをすればむごいことにもなる、こういうふうに私は感じて当時申し上げた次第でございます。 次に賃金安定の問題にからみました行政整理、財政整理、産業合理化の問題についてお答え申し上げます。私どもは、賃金安定については、芦田内閣のときにおいて提唱されました十大原則、しかも最もウエイトを置かれた原則である。これをできるだけ早期に実現したいと思いまして、吉田内閣においてもこの政策は踏襲しております。できるだけ早くこれを実現したい。但しその前提といたしましては、私は全体として全産業労働賃金について、調和のとれた適正妥当なる賃金構造が得られなくてはならぬと思つております。その前提に立つて賃金を安定せしむることである。そこで全産業労働賃金構造が適正な、調和のとれた、不公平のない賃金構造をまず得るために、せつかく今努力中でございます。 賃金安定をいたしましてその次に企業整理をする。これは産業合理化といつたような資本主義的なやり方をしやせぬかというお話でございます。御承知の通り今回三原則というものをわれわれが発表しておりますが、これは産業合理化といつたような資本主義的と言いますか、資本家主義的な立場ばかり見ているわけではございません。全産業について、この産業を健全化する企業の独立採算制、あるいは産業の健全性の確立ということがなければ、かんじんの経営者や資本家が困るばかりでなく、勤労大衆を含む全國民が困る次第でございまするから、ただ産業合理化というものは、資本家のためのものであるというふうには私ども考えておりませんで、結局生産設備が経済的に、健全に運営できるしかけにすることが、勤労大衆のためにもなる。それからわれわれはあなた方と表現は違いましても、目的は同じであると思つておりますが、すなわち全國民の完全雇用ということのゴールを達成するためには、一時は産業合理化もやむを得ない。どこまでも今の企業体に雇用されておる人々が首切られないことが、完全雇用とは思つておりません。八千万の者の完全雇用ということのためには、ある場合において企業合理化もやむを得ない。産業合理化もやむを得ない。決してこの産業合理化とは資本家のためでなく、八千万の完全雇用のためであるというふうに御了解願いたい。そこでどんな事業をするかという話でありますが、これはせんだつても川崎君に大分お話しましたが、時間の関係でお許し願えますか。
○赤松(勇)委員 私の言つたのは、企業合理化をやる以上、それに伴つて全般の失業者が出ます。あなたの考えではどのくらい失業者が出て、それに対するところのず業対策——この間消極的と積極的の失業対策を聞いたが、ごく簡單でよろしいから……
○増田國務大臣 これは考えの相違でいろいろ違うと思いますが、総理のこの間の人事委員会、労働委員会の話をお聞きくださつたかと思いますが、総理は非常な樂観的な見方をしておりまして、貿易その他の関係が外資導入の結果進行されますと、引続いてそちらの方面に受入れられる。そういう受入れ態勢が確立されたときに合理化すると、あまり失業者を出さなくても済むといつた見解が抱かれております。でありますからこれは外資導入に対する努力次第であるし、またその人々により樂観、悲観いろいろな見方があると思いますが、今のところ御承知の通り顯在失業者は六十万ないし七十万ございます。そこで一部失業者、潜在失業者は四百万といわれておりますが、これは一部收入はあるわけで、どうにかこうにか食つて行けるという諸君が四百万ある。これらの者が漸次産業合理化、流通秩序の確立に伴いまして、あるいは統制経済を民自党がもし將來どしどし整理して行くようなことになりますと、統制経済をはずされることによつて、一部收入者が顯在失業者になるということもあるでございましようから、私どもはまず百万台以上には必ずなるだろうと見ておる。ある人は八百万出ると言いますが、私は決してそうは出ない。百万、二百万くらいになるだろう、これは完全ず業者であります。これに対する処置といたしまして、この間申し上げましたような三つのある政策を考えておる次第であります。 それから第三に、政治的活動をいかなる範囲において許し、いかなる範囲に限局しようとするのかという御質問でございますが、これはあとで淺井委員長が補足されるかもしれませんが、今政府といたしましては研究中でございまして、お答え申しかねることを残念に思います。どうか御了解願いたい。
○高橋(禎)委員 ちよつと大臣にお伺いしたいのですが、先ほど玉井さんの質問に対する御答弁と関連をしてごくわずかです。この國家公務員法の改正では、要するに政府職員を十分に保護して、そうして十分に働かせようというところにその精神があると思うわけであります。その意味でいろいろ御答弁なさつておるのですが、ただ國会でべらべらうまいことを言つて言い放しにしたのでは、これこそたいへんで、結局問題はそれがいかに立法化されておるか、またそれがいかに理想的に運営されるかという問題だと思うのであります。法律案を見まして一番感じますことは、結局その問題の要点は、人事院の給與その他に対する勧告を、どう取扱うかというところにあると私は思うのであります。この人事院の勧告というものを政府が軽く取扱うということであつたのでは、この法律の改正の要点を全然崩してしまつたことになるのですから、言われておる通り、人事院は準司法的のきわめて嚴正公平、そうして実力を有する機関である。そういうようなものにしようということは、案を見ましても明らかであります。ところで私はこの人事院の勧告は、準判決的な効果を持つべきものである。すなわち政府に対して準判決的な拘束力を持たなければならない。それだけの力を持たさなかつたら、意味をなさぬと思つておるのであります。從つて労働大臣は、この給與その他に対する人事院の勧告をどういうふうにごらんになるか。どれだけの重みを持たせようというお考えであるか。先ほど申し上げましたように、準判決的に政府を拘束する力を持たせめようにお考えになつておるか。そのように運用すべきであるという御意見であるか。その点を一点お伺いいたしたいのであります。 次にそれに関連しましてこのたびの法律の改正は、先ほど申し上げたような趣旨でありますから、この法律の第一條にはその点が十分にうたわれなければならぬと思うのです。ところが政府職員の福祉並びに利益のために十分な保護の手段を講ずるということは、この法律の目的の中に掲げてないのです。私はこの第一條のいわゆる法律の目的というところにおいて、現行法の目的をそのまま改正案の第一條に持つて行かれておるというところに、非常に不満を持つのであります。このたびの改正案は政府職員の福祉並びに利益のために十分な保護の手段を講ずる。それについて政府は責任を持つぞということを掲げなければ、この法律の目的を掲げたということにはならぬと思うのであります。それらの点について労働大臣の御意見を伺いたいと思います。
○増田國務大臣 高橋委員の御質問にお答え申し上げます。まず第一に、労働大臣は人事委員会の勧告にどれくらいウエイトを置くかという御質問にお答え申し上げます。御説の通り私は人事委員会の勧告には大いにウエイトを置くべきである。尊重してこれを具現化すべき責務が政府にあると思つております。しかしながら御承知の通り、勧告という字はやはり勧告でありまして、判決ではございませんから、できるだけ尊重申し上げる、こういうふうに御了承願いたいと思います。 それから第二に、この給與その他のことについて、國家公務員法の現行法の第一條に、給與その他福祉のこともよくする、こういうふうに書くべきではないかという御意見も同感でございます。しかしながらこの第一條につきましては、そういう欠陷があるかと申しますと、そういうわけでもございませんで、各種の基準を設定して公務員が最大能率をあげるようにするのであるということを、第一條にうたわれておりまして、その各種の基準というところに、やはり給與水準も入つておる次第でございます。適正なる給與水準を設定して、公務員が最大の能率を発揮するようにするのであり、この法律の中に御説は含まれておるというように、御了承願いたいと存ずる次第でございます。
○高橋(禎)委員 私はこの第一條の本法の目的につきまして、労働大臣の所見もさることながら、先ほど申し上げたような、いわゆる政府が十分な保護について責任を持つということを、何の疑いもなく看取できるように、はつきりそこに掲げて置かないと、その他の條文の運用にあたりまして、その点が軽く取締われるということを憂うるものであります。そういうふうな御意思であれば、積極的にその点を明示することが、立法技術上、賢明である。これについて政府においても御研究願いたいことを希望いたして置きます。
○水野委員 大藏大臣にお尋ねいたしたいと思います。数日前からしばしば各同僚委員諸君から御質問申し上げておりますが、けさほども問題になつておりました追加予算の問題であります。大分前から、今愼重に檢討中であるというような言葉を拜承しておりまして、もう大分日時も経過して來たのでございますが、提出しようとせられる目算がまだつきませんか、どうでしようか、もうぽつぽついつごろ出るだろうと思うというような目算はございませんか。
○泉山國務大臣 水野さんのお尋ねにお答え申し上げます。ただいま御指摘のように、鋭意努力を重ねて参つたのでございまして、一應の結論は内閣といたしましても今到達したのであります。從いましてもしその結論にして幸いにこれが最終的の結論になるという最後の段階には、ただちにこれを國会に提出する。こういうことでございます。御了承願います。
○水野委員 今日は二十二日で、もうあますところ八日間ぐらいですが、今期中には審議ができるという見込みで御檢討中ですか、どうでしようか。
○泉山國務大臣 お答えいたします。私どもとしては、ただいまのところは判然とは見込みがつきかねるのでありますが、しかしながらわれわれの期待といたしましては、その交渉の一刻もすみやかならんことを期待いたしますと同時に、もしこれがただいま申し上げました通り最終的の結論に到達すれば、その瞬間に提出いたしたい、かようなことでございます。
○水野委員 それではちよつとお尋ねしておきます。公務員の賃金ベースですが、もちろん予算の今の結論の中には、重要な問題としてこれは含まれていると思うのでありますが、人事委員会の勧告に基く六千三百七円のベースよりは、上まわるつもりですか。下まわるつもりですか。どうでしようか。
○泉山國務大臣 お答え申し上げます。私はこれまで計数的なことにつきましては、本会議におきまして、全官公労の要求である七百三百円は高きに失する、かような見解を申し述べたのでありますが、ただいまのお尋ねの人事委員会の御提案にかかる、いわゆる六千三百七円につきましては、今日の段階におきまして財政的及び経済的に、多少それよりも下まわる結論が得られるのではないか、かように考える次第であります。
○水野委員 さらにお尋ねいたしますが、公務員の賃金ベースを算出するのに、人事委員会が理論生計費に基いて算定した。そうした良心的であり、また科学的に出したものが、もしもこれより下まわるとする。今の大藏大臣の御意見を伺つておりますと、國家財政とにらみ合せた観点に立つて算定をするのだと言われるが、その算定の基礎というものは、そうすると生計費はどうであつても構わない、國家財政の面からでなければ算定はできないという御方針でおられるのか、それをお尋ねしてみたいと思います。
○泉山國務大臣 ただいま水野さんの御指摘の通り、人事委員会におきましては、私どもの承るところでは、理論生計費をもつてまずその算出の第一を要素としておられる、かように承つているのでございまして、もとよりこれはまことに正当な賃金であると、かように思うのであります。しかしながらその建前のいかんにかかわらず、その半面におきまして、何と申しましても財政は現実に國民の負担を伴うのでございまして、いわんや相当大幅の負担を伴いますその半面におきまして、今日その財源においてまことに枯渇いたしておるのでございまして、これが不足の部分は必ずや國民の皆樣の上にお願いしなければならない。しかもいわんや財政の負担は必ず公平を期さなければならないのでありまして、その点につきまして大藏当局といたしましては、いろいろ他の財源ともにらみ合せて行く必要を痛感するのでございまして、さような結論的なことを申し上げた次第であります。なお経済方面におきましても、ひとり國家公務員諸君の給與のみならず、廣く一般民間の賃金に関連いたしましても、これを考慮すべき必要のあることを認めておる次第であります。
○水野委員 どうもはつきりしませんが、その程度にしておきまして、人事委員長に一つお尋ねいたします。價格生計費に基いて六千三百七円をお出しになつた。これは國家財政の見地から政府は採用することができない。こういう場合に委員長はどんな方法を講ぜられようというお考えか。一ぺん伺つておきたい。
○淺井政府委員 私はまだ内閣の方から公式にこれを採用しないというようなお言葉をいただいてはおらないのでございます。從つてそれにわれわれがどういうふうに取扱つてよろしいか、ここでちよつてお答えをいたしかねる次第でございますが、ただ本会議においてすでに申しましたように、この人事委員会の勧告書というものは、何しろ数百万の政府職員が疾苦の声に満ちておるものでございますから、私は今回はむろんのこと、内閣におかれましても、必ずや最大限度の御考慮をお拂いくださるものと、今もつて確信を崩さずに持つておる次第でございまして、まだ公には何も承つてはおらないのであります。
○水野委員 ただいま大藏大臣は、下まわるだろうというお話を公式に発言せられておる。もしも價格生計費というもので委員会が算出したものも採用されないという場合には、人事委員長はこれに対してはどんなふうにお考えなさるか。
○淺井政府委員 大藏大臣のお言葉を批判いたしますようで、まことに恐縮でございますけれども、大藏大臣のお言葉を伺いますと、全面的には受入れがたいというような御発言があつたように信じておる次第でございます。そうしてなお研究中である、こういう御発言でございましたが、私といたしましては何を御研究中なのであろうか、もしも受入れられるか入れられないかということを御研究中と申すのでございますれば、今日ただちに全面的に受入れがたいと仰せられますのは、いささか早きに失するのではないかと思います。またただちに全面的に受入れがたいということを御決定になりまして御研究という仰せでございますれば、これは失礼ながらあとからつける理屈をお探しになつておるのではないかと思います。また財源の方で足りないというようなお言葉、まことにごもつともと存じますけれども、これは人事委員会があの勧告書を発表いたしました経緯に基きましても、輿論の前でなぜ財源がどういうふうに足りないのか、また人事委員会の水準が高すぎるという仰せでございますれば、なぜ高すぎるのであろうか。また計算が間違いであろうというなければ、それはどこがどう違つておるか。またこういうふうに政府職員の給與を上げますことが、一般経済、財政に惡い影響でも及ぼすとのお考えでございますれば、どこにどう及ぼすのであるか、そういうことを國会初め世間に御公表を願いたいと存じます。それによりまして私どもの態度を決したいと存じておる次第であります。(拍手)
○水野委員 きわめて明瞭な御答弁で満足するものでございます。つきましてはもう一つ委員長にお尋ねしておきたいことは、この法文中の全般をながめて見ますと、今度の人事院というものはきわめて強力を権限を持つように相なつております。しかも三人の人事官をつくり上げた。これにはりつぱな人を探すのだということを、この間も同僚諸君の御質問にお答えになつておられたようでありますが、私が最も懸念することは、この人事官にりつぱな人を得たら、法律は少しくらい誤りであつても運営ができるというようなことでは、法律はうそだと思う。これはどんな人が出て來ようとも、われわれ責任を持つ者は、その法律の運営というものは、人によつて違うなんというような法律のつくる方はないと思うのでありまして、しかしこれらの御答弁によりますと、りつぱな人を選び出して、これを國会に承認を求めて運営するからできるのだというようなお話でありますが、りつぱな人がなかつたというとこにはどうするかということです。今まででもりつぱな人だと思つて出すが、どうもりつぱでなかつたような場合があるようでありまして、この点について御所見をひとつ承つておきます。
○淺井政府委員 まことにごもつともな御質疑で恐縮をいたす次第でありますが、私はこの国家公務員法第五條にありまする資格を備えた人は多々あろうかと思つておりますし、またこれは國会の御判断にまつことでございますから、私はそれによつてこの國家公務員法の施行がうまく行かないということは、夢にも考えてはおらない次第でございます。
○前田(種)委員 先ほど人事委員長の水野君に対する答弁と、しかも同席の大藏大臣が、その以前に勧告案に対する政府の態度、これは非常なギヤツプがあります。いろいろ立場上ギヤツプがあることはわかりますが、同一の委員会の席上に二人が同席されて、その発言に非常な違いがあるということは、この委員会としては明確にして置かなければならぬという重要な問題だと考えます。人事委員会の委員長としての責任において発言されたと思います。これに対して政府を代表して大藏大臣が、もつと明らかな態度を示さなければならぬ。そうしなければ本委員会が重要な問題を審議する上において、非常な支障になつて來ると思いますので、政府を代表するところの大藏大臣として、あれほど明確に人事委員長が発言されたその発言に対して、大藏大臣の立場から、政府を代表してもつと明確な意思表示を願つておきたいと考えます。
○泉山國務大臣 お答え申し上げます。私の先ほどの申し上げましたのは、もとより大藏大臣並びに安定本部長官として申し上げたのであります。ただいま淺井人事委員長からの御答弁の中に、私の意見と相違するところがある、かような御指摘でありましたが、それはただいま淺井さんからのお話にもありました通り、内閣としての意見はまだ決定に至つておらないのでありまして、せつかくのお尋ねなれば、私は大藏大臣として財政上におきましての見解、並びに経済安定本部長官としての見解を申し上げたのであります。その点を誤解ないようにお願いいたします。
○前田(種)委員 もうこの審議が始まつて相当日にちが経過しております。私はこの委員会の具体的な審議を冒頭において、少くも二十日までに追加予算を出してもらわなければ、会期中の番議は不可能だということで、いろいろ答弁を求めましたが、日限を切ることはできない。ベストを盡してやるという答弁があつたわけであります。きようは二十二日になつて、なおかつ政府の方針がきまつてないということでは、ほんとうに追加予算を出す。特に追加予算の中の賃金ベースに対して、どの程度の熱意があるかということについて疑わざるを得ないと私は考えます。きようになつてもなおかつ政府の方針がきまつてない。しかるに大藏大臣並びに安本長官として責任をもつて答弁をしますという、その答弁の内容は依然として研究にすぎない。まだ結論が得ていないということに盡きるのです。おそらく今までの大藏大臣なり安本長官として、こういう重要な審議の過程において、そうして抽象的な答弁で満足したことはないと私は考えます。もつて具体的な案を示して、こういう点で行き詰つておる。こういう問題でこうなつておる。それだからもう何日か時間をかせというような意思表示があつてしかるべきだと私は考えます。依然として抽象的な、研究考慮中だ、相談中だということだけでは、一体この会期中にどうして審議するか、非常に疑われるのでありますから、もつと具体的に示してもらいたい。特に、人事委員長が申されましたように、賃金ベースの基礎になつた問題、さらに大藏大臣はよく、インフレの影響、物價との関係、全体の経済とのにらみ合せでいろいろ困難だと言われるが、それをもう一つ踏み越えて、一般経済との関係においてどこにどういう困難があるかというような点を、もつと具体的に示す必要があると私は考えますので、もつと具体的な、そういう点について、こういう影響があるから、そう簡單に行かないということを、明確にお示しになる必要があろうと思います。もう一度安本長官なり大藏大臣として、はつきり答弁していただきたいと思います。
○泉山國務大臣 前田さんの御質問にお答え申し上げます。御意見については深く敬意を表する次第であります。その御結論である私に対しまするお尋ねにつきましては、私もまつたくその線に沿つて努力をいたしておるのでございますので、御了承を願いたいと存ずる次第であります。
○赤松(勇)委員 大藏大臣と人事委員長に一点ずつお伺いをいたします。まず大藏大臣への御質問でございまするが、前に今井給與局長も、私の前で財寺金融委員会においてはつきり御答弁願つたのでございますが、三千七百円のベースの法律案を通します際に、あれは内拂いであるということ、もう一つは七月に遡及するということ、これは明瞭にお答えを願いまして、当時全官公廳の諸君にもわれわれは傳えたのでございまするが、お正月を前に控えまして、ことにけさほど官房長官にもお尋ねしたのでありますが、いわゆる勤労所得税の年末調整の問題と関係いたしまして、これを遡及するかどうかということは、今日の全官公廳の労働者諸君にとりましては非常に重要な問題であると思います。そこで、芦田内閣と吉田内閣とは違いますが、当時の國会の議決にもあるのでございますから、この際バツクするかどうかということを明瞭にお答え願いたい。勤労所得税の年末調整については全官公廳の盛君が困らないような措置をとるかどうか。この二点をお伺いしたい。
○泉山國務大臣 お答え申し上げます。ただいまのところでは、先刻來たびたひ申し上げました通り、給與の改訂そのものを、一日もすみやかに内閣としては決定して國会の御承認を得たい、かようの線で進んでおるのでありまして、もしもそれが——かような仮定に立ちましては、申し上げるべき段階ではありませんけれども、せつかくのお尋ねであれば、とにかくいかなる事情がございましようとも現実の官公吏の諸君の困るようになることは、絶対にやらない。かようの所存であります。
○赤松(勇)委員 もう一度はつきり伺いますが、七月に遡及するかどうかという点と、勤労所得税の年末調整を緩和するように、そこを合理的にみんな困らないようにやるかどうかという二点についてもう一度伺いたい。
○泉山國務大臣 ただいまのところは、新給與ベース以外の問題については考慮をいたしておらないのであります。
○赤松(勇)委員 七月にさかのぼつて拂うか、どうか。
○泉山國務大臣 その問題につきましては、人事委員会の御提案を基礎にして考慮をいたしております。かように御了承を願います。
○赤松(勇)委員 その点だけは人事委員会の案を基礎にしてやるわけですね。大藏大臣お忙しければ私の質問はさらにこの次に留保しておきますが、年末調整の問題はどうですか。
○泉山國務大臣 先ほど申し上げましたのは、新給與ベースの改訂につきまして、今鋭意これが決定を急いでおる、かようなことを申し上げましたので、その他の問題につきましてはお答えすべき段階ではありませんが、せつかくのお尋ねなればお答え申し上げる、かようなことを申し上げたのでありまして、そのお答えは、いやしくも官公吏諸君の現実におきまして困難な面があれば、これを深く認識いたしまして、これに対して適当に善処することを明言いたしたのであります。
○赤松(勇)委員 それでは大藏大臣にお願いしておきますが、今井さんとよく打合せて、その点もう少し明確に御答弁願いたい。 それかに人事委員長に対して一点だけ伺います。さつきの水野君の質問と関連しておりますが、この際一應お尋ねしておきます。それは百十一條の罰則の中に含まれておるのでございますが、これは第五條の問題と関連している。第五條の規定は、「人事委員は、人格が高潔で、民主的な統散組織と成績本位の原則による能率的な事務の処理に理解があり、且つ、人事行政に関し識見を有する年齡三十五年以上」となつております。もし第五條の規定に反するならば懲愛一年以上になるわけです。この人格高潔な人事委員をきめるのは閣僚なんです。その閣僚は、たとえば人格が高潔でなかつた、これはどうも無礼なことを申し上げますが、たとえばその人事委員の方におめかけさんが一人あつたとしうような場合には、これは人格が高潔でないということで、その閣僚はただちに一年以下の懲役になる。あるいは民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の処理に理解がないというような場合に、これまた懲役一年に処せられる。こういうことになる。また、たとえば三十五に達しない者を任命した場合にはこれは同じく一年以下の懲役になる。こうなりますと、閣僚が人事委員を任命する場合には、よほどよく調査して、またその任命後の人事委員の私生活についても責任を持たなければ、懲役一年以下に処せられる。こんなばから法律はないと私は思いますが、その点については人事委員長はどうお考えですか。
○淺井政府委員 まことにごもつともな御質問と申すほかはないのでありますが、こういう規定を設けましたのは、はなはだ奇矯にもごらんのようでありますが、これは一方においては、人事官というものが非常に大事な役目であるということが一つ、第二は、アメリカ等の例におきまして、人事委員というものあるいは人事官というものに対する抵抗が、官僚の方面に非常にあつたこと、そういう点から、万一人事つの任命を誤るということがないように、万一の規定でございまして、こういうことが頻々とありまして、閣議で決定をやりました十六人の國務大臣が皆罰せられる、こういうようなことは実際にあるまいと私は思つておる次第であります。
○高橋(禎)委員 ただいまの赤岩委員の質問に対する淺井人事委員長の御答弁に関連いたしまして、私は法務総裁にお尋ねいたしたいと思うのであります。 たとえば例をただいまの第五條、すなわち人事委員の任命、改正法によりますと、人事官の任命ということになりますが、その任命についてきわめて條件が明確なものと、きわめて抽象的であつて不明確、たとえば人格高潔とか、あるいは民主的な統治組織云々というような言葉があるのでありまして、これは解釈のしようによりますと、いかようにでも解釈できる問題なのであります。そこで最近中央地方を通じての檢察フアツシヨということがやかましい問題になつておるのであります。今度の改正案を見ましても非常に刑罰が強化されております。從つて將來この法の運用と檢察権の運用ということとは重大な関連があると思います。從つてこの際法務総裁の、檢察権運用に関する根本理念を伺つておきたいと思うのであります。まずその点について御答弁を願います。
○殖田國務大臣 お答え申し上げます。ただいまの御意見はまことにごもつともであります。私は法務総裁就任早々、檢察がいかに行われておるか、檢察の公正がどういうように保たれておるかということにつきまして、短かい時間ではございますが、できるだけの注意をして研究をいたしております。何といたしましても人間の問題でありますから、立派な人間を集めること、それを十分に集めることが一番大事なことと思いまして、実はその方面におきましては、御承知のごとく判事、檢事及び弁護士、これを一体に見まして、その質の向上をはかるということで、政府におきましても非常に努力をいたしております。試驗を通つた人をもう一ぺん研修所に入れまして。そこで十分な研修を與えまして、それから実務につかせるということもやつております。これも一つの方法だと思います。いずれにいたしましても、司法のことは正義が完全に行われ、また最も合理的に行われる。正義と合理とがよく調和を得まして、これが実際面に働いて参りますれば、大過なきを得るのではないかと思つております。私は法務総裁に就任いたしまして何よりやるべきことは、最高度の正義が行われること。最高度の合理性が世の中に行われること。この二つを実行するには、非常に重大な決心、つまりウイルをもつてやらなければならぬ。私は微力ながらその方面に対しまして全力を傾倒してやりたい。こう考えておるのであります。それがどれほどの効果をあげますかは、私のキヤパシテイの適否、あるいは私の働き方の適否によると思います。私はそれに対しまして十分な責任をとりたいと考えておりますが、こまかい点につきましてまだ具体的にこういう案を持つておる、こういうことをするつもりであるということを、申し上げるに至つておりませんことを残念に思います。
○高橋(禎)委員 ただいまの御答弁では、利はまだ私法務総裁の檢察権運用に関する根本理念というものを、十分に納得できないのでありますが、とにかく誠意をもつて、合理的に事を運んで行きたいというお考えであることは了解できるのであります。吉田内閣は組閣成立当初において、官界、財界、政界の綱紀の粛正ということを大きな看板として掲げられまして、それを國民の前に声高く主唱されたのであります。私も実はその点では非常に同感なのであります。ただ問題はその方法をいかにするかということにあると思うのでありますがゐこれについてはやはり檢察権というものも一役買わなければならぬと思うのであります。そこで吉田総理は、殖田法務総裁が就任されますまでの間、法務総裁を兼務しておられて、法務総裁として関係職員に訓示をなさつておられることが新聞に発表されました。その訓示の趣旨を伺つてみますと、いかにも犯罪必罰主義、しかもまた嚴罰主義というふうに受取れる華があるのであります。殖田法務総綱は將來犯罪に対して、どこまでも犯罪必罰主義、嚴罰主義でもつてお臨みになるお考えであるかどうかという点を、お伺いいたしたいのであります。
○殖田國務大臣 私は司法はもつとも嚴正かつ公平であるべきだとは考えております。かつまた今日の世相に照しまして、犯罪はできるだけ嚴罰にする方が、この社会の弊風を一掃するに適当なる方法でないかと考えておりますが、いかなる時代、いかなる場合におきましても、そこに社会全体、國家全体、あるいはその社会なり國家なりの現実の状態というものを見なれればなりません。でありますから、たとえば官吏の腐敗というような問題につきましても、またその背後におきまして、官吏の待遇が惡い、あるいは世の中がこういうふうに、敗戰の結果非常な混乱を來しておるというような点につきまして、やはり相当な考慮は與えるのが当然であろうと思います。私はこういうことを考えております。犯罪必罰をもつて臨むべきではありますが、何人が考えても、その際に必罰が酷に失するというような場合がないとも限りません、その場合には適当な考慮をするのが当然であろうと考えております、ただそれが具体的にいかなる場合であるかということは、私ここで申し上げる段階に達しておりません。しかしながら、犯罰があれば必ず罰しなければならぬという、そういう極端にきゆうくつなことは、私は考うべきではない。そこに刑事政策が当然行われるであろうと思います。しかしながらそれがために非常にそこにコンプロマイスというようなことを考えておりません。それは一々の場合について万全の注意を拂つてきめたいと思つておりまして、私のみならず、檢察当局全員がが、できるだけの知慧をしぼり、かつ誠実に國家社会を考えて決定すべき問題であろうと考えております。はなはだ具体的でございませんで申訳ありませんが、そういうふうに御承知願います。
○高橋(禎)委員 法務総裁は、嚴罰主義で臨めば正義が維持され、社会の秩序が維持できるというように考えられ、また犯罪必罰主義が、いかにも原則的にお考えのように私には了解されたのでありますが、しかし実際のそれは、私の見解をもつてすれば、はなはだ失礼な言い分かもしれませんけれども、きわめてしろうと論に近いと思うのであります。私は檢察の運用に当つては、どこまでも神と正義を恐れるの態度でなけらねばならぬ。ということは、結施問題は愛情の問題であります。檢察の根本思想というものは、愛の問題でなければならぬと思うのであります。しかしいずれにしましても、法務総裁が誠実に、合法的に、合理的にこれを解決していこうとおつしやられるのはよくわかるのでありますが、しかし現実の日本檢察界というものをごらんくだされば、私は新しい憲法がしかれてから、檢察権の行使というものは、明治憲法時代よりはむしろその運用のしかたが、反憲法的、反法律的になつたということを実は憂えておるのであります。これはお調べになれば至るところに例があるのであります。憲法蹂躪、法律蹂躪ということは、結局されは人権蹂躪であります。人権蹂躪は至るところに行われておると私は思つておるのであります。それを十分御調査願つて、これは法務総裁の理想とせられるところに向つて、十分それを徹底さしていただきたいと思うのであります。それでこの公務員法改正案と関連いたしまして考えますと、何しろこの改正案は、一方勤労者の憲法によつて保障されておるその権利を、いわば侵害して——侵害してという言葉はあるいは適当でないかもしれませんけれども、それを制限して、そこに一つの調和を見出そうというところに精神があるようでありますから、勤労者側においてかりにこの法律に違反をして、それが犯罪を構成いたします場合にも、いろいろ深い理由があり、事情があるわけであります。それを簡單に正義の維持とか、社会の秩序の保持とか、犯罪必罰、嚴罰主義ということで檢察権を運用されますれば、それは法律の目的としておるところと逆の効果を現わすことになると私は考える次第なのであります。そこで私はこの公務員法に規定されておるところの犯罪を処理していかれる場合に、一体先ほどおつしやつたような必罰主義、あるいは嚴罰主義を原則としてお臨みになるのかどうか、その点を伺つておきたいと思うのであります。
○殖田國務大臣 私の先ほど申し上げました言葉が不十分でありまして、はなはだ申訳なかつたのであります。私が犯罪必罰を特に今主張しますのは、当面の時勢に特に必要であると考えておるのであります。お話のごとく愛情をもつてする。それはまことにいかなる場合にも通ずる大原則であります。それを私は忘れる意味では決してございません。それは当然のことと考えておるのでございます。愛情をもつてすればこそ、あるいは必罰という考えも出て來るのではないかと自分では考えておるのでございます。ただいまお話のごとく公務員法の適用についてのお話は、まことにごもつともであります。私はこの法律は、現在の時勢のことを申し上げておるのではありません。長き將來にわたつての問題であります。それは一々の場合につきまして同情のある、具体的に事柄の表裏に徹したる取扱いをしたいと考えております。それからまたただいまお話の、檢察の少し軌道をはずれたる行動というものは、私もちよいちよい耳にしております。ことにきのうきようの新聞などには、はなはだおもしろかざる記事が傳わつておりまして、私はその事実につきましてまだ十分な知識を持つておりませんが、もしそういうことがあれば、私の責任として申訳のないことと、深くおわびしなければならぬと考えておるのであります。そういう次第でありまして、今のお話の点等につきましても、十分の考慮を拂いまして善処いたしたいと思つております。
○高橋(禎)委員 さらに公務員法改正案と関連して、具体的なお尋ねになりますが、國家公務員法の犯罪と、それから政令の三百十一号の関係はどういうふうになる御見解なんですか。と申し上げますことは、政令三百十一号は連合國最高司令官その他連合國側の発せられたる指令とか、命令に違反したところの犯罪は、必ず起訴しなければならない。公訴を提起しなければならないという趣旨が明らかになつております。そうして國家公務員法は、すなわち連合國側の発せられたる指令に基いて、政府が制定したところの法律だということになりますと、やはりそれに違反する犯罪は起訴しなければならない、こういうことになるのでありますか。そこの関係はどうのような御見解なんでありましようか。
○殖田國務大臣 その点につきまして私ははなはだしろうとで、あるいは誤つたような答弁を申し上げるかもしれませんが、私はただいま研究してまいつたのでありますが、それによりますと、やはり三百十一号は独立のものでありまして、たとえば公務員法の規定はただちにこれに適用されるものではないと承知しております。別のものであろうと思つております。でありますから、公務員法に違反しましても、この三百十一号に違反するものではないと考えております。
○高橋(禎)委員 この犯罪そのものは、やはり刑罰をもつて公務員法の独立の犯罪として取上げられておるのですから、その三百十一号の政令の犯罪と異なるものであるということは明らかであります。ただ國家公務員法はマツカーサー書簡に基いて、そうして日本國において制定された法律だということになれば、犯罪は別個でありますけれども、公訴を提起しなければならぬということは、やはり三百十一号の政令にかかるように考えられますから、そこのところを明らかにしておきませんと、この國家公務員法違反の犯罪の取扱いに、大きな関係が出てまいると思うのであります。
○殖田國務大臣 非常に技術的な問題になりますけれども、私はあくまで別個なものでありまして、この三百十一号の適用はないものと考えております。
○高橋(禎)委員 そういたしますと、この公務員法に規定する犯罪は、必ずしも政令三百十一号の規定するように、公訴を提起しなければならないという嚴格な解釈はもちろん成り立たないわけで、やはり現行の刑事訴訟法でいいますと、十分廣く起訴猶予等の制度を活用してもいいと、こういう御趣旨に伺つてよろしいですか。
○殖田國務大臣 お説の通りであります。
○玉井委員 人事委員長にちよつとお伺いしたいのですが、先般関連質問といたしまして、農地委員会の專任書記の身分について御質問を申し上げておきましたが、近日中に調査をして返事をする、かように当時の御答弁でございました。実は本日も農地委員会の全國協議会の諸君が來ておりまして、そうして人事委員長の方からこの点についての御答弁を伺いたい、かように参つておるわけであります。ただいま委員の方々には、協議会の方から持参いたしました書類を全部おあげしたわけでございますが、特に臨時人事委員会事務局長の名義で、法回発第一五〇号という回答文がでております。それによりますと、とにかく公務員であることは間違いない。かようなことに回答が來ておるわけであります。そこで公務員であるとすれば、公家公務員としての取扱いをされるか、あるいは地方公務員としての取扱いをされるか、殊にさきほど労働大臣に伺つたところによりますと、地方公務員の問題はまだしばらくあとだ。かようなお話でありました。さようでありますと、かりに地方公務員に所属するようになりますれば、先般もお伺いしたように地方財政法の第十一條との関係におきまして、專任書記の諸君は俸給をもらう相手がないことになつておるわけであります。そこでこれらの人々が現在も俸給に非常に困つておりますし、御承知のように農地改革が一應行われたというように発表されております。それはただ賣買されたというだけでありまして、現在のこの資本主義的な体制の下では、あくまでもやはり登記が完了しなければ、所有権の移轉は行われておらないわけである。そこでこの移轉登記を行いますために、やはり両二、三年はかかるじやないかということが、農地委員会の全國協議会の大体の見通しになつておるわけであります。そうなりますと、ここに短期間の問題ではなくて、この事務局の諸君がまじめに、今までやつた分の整理をするだけでも、相当の日数をかけてやらなければならない。特に農地法に基いた仕事は、地方の財政に任すべきものではなくて、むしろ國家の負担においてこれをなさなければならぬということは、マツカーサー司令部の方からの指令としても出ておつたはずでございますので、この点についての御意見を率直にお述べいただいて、來ております代表の諸君にもお聞かせ願いたい。かような趣旨でございます。
○淺井政府委員 先日もお尋ねがございまして、早速お答えを申すべきところ重ねてのお尋ねをこうむつてまことに恐縮に存じますが、これは私の方といたしましては地方公務員であるというふうに、ただいまのところ考えておる次第でございます。ただし正式に人事院ができますれば、またあらためて決定するようなこともあろうかと存じまするけれども、臨時人事委員会としてこれまでの行き方では、これをやはり地方公務員である。こういうふうに解釈を進めておる次第でございます。
○玉井委員 それにつきましてさらに御質問申し上げたいのは、そうしますとここに書いてありまするように、農地委員会の運営費は國庫が負担すべきであるというようになつておりまするが、國庫の方では実はまだこれに対する予算が計上されておりません。約三十一億かと記憶しておりますが計上されておりません。他方において財政法の第十一條で、地方ではこれを負担しなくてもよいということになつております。そうなりますと、事実これらの諸君は仕事ができない。全國約五万の職員がおるわけですが、これらの人々の生活を保障して、農地改革をほとんうに最後までおやりになるか、あるいはならないかという重要な問題に関連して來るわけなのでございますが、この点についても臨時人事委員長としての立場において、どれだけの処置を講ぜられるおつもりであるか、この点も伺いたいと思います。
○淺井政府委員 まことにごもつともなお尋ねで恐縮いたしまするが、こういうことは臨時人事委員会としては予想していなかつたのでございます。つまり臨時人事委員会としましては、ただこれが地方公務員であると解釈することによつて、地方公務員でありますれば、これは臨時人事委員会の管轄外に出ておることに相なりますので、今お示しのような事実を聞いて驚いたようなわけでございますが、その点につきましては、ちよつとここで御即答いたしかねますので、主務官廳とも連絡をとりまして御返事いたしたいと思います。
○玉井委員 私率直に申し上げまして、実は臨時人事委員会のみならず、政府の方々も先ほどちよつと申されましたように、この法律を通すことばかりお考えのようで、その他の公務員の生活を保障するといいますか、福利を増進するような意味のことは、さつぱり行われていないような感じがするのは、これを見ても実はそういう感じがするわけであります。 そこで今御即答はできないと仰せられるならば、これはやむを得ませんが、しかしいずれにしてもこの問題は放置することのできない性質のものでありますし、特に職員の全國五万の人たちが現在生活に困つているということをよくお考えいただいて、今後の処置を講じていただかなければならない。かように考えております。しかしその点について関係大臣にも伺いたいと思つたのですが、不幸にしておいでになりませんので、その点はこれで一應承つておきます。それからもう一つ考えなければいけないことは、現在すでに各町村の農地委員会で三名ずつの專任書記がいるわけでございます。そのうち一名は作物報告書の方にずらし、あるいはその他の人は首をきるということが現に行われているわけです。こういうふうな点を考えましても、もちろん首きりのことまでは保障しないのは公務員法の建前でございますので、しつぽの持つて行きどころがないわけでございますが、とにかくそういう事情であることを十分に御認識願いたい。それで農地委員会におる人たちが、先ほど承りましたように例の政令でしばられるものだとすれば、俸給も與えない。仕事もできない。しかも問題を起せば法令でしばられる。こういうばかげたことがここに現実に起つているわけです。こういう点は十分にひとつお考えいただかなければならぬ。またこういうふうな立場の農地委員会の事務局の人たちの立上りというようなものは、あるいは何らかの形であるかもしれません。そういうような場合には、先ほどの法務総裁の御意見にもありましたように、十分の御斟酌を仰がなければいかぬと思います。ほかの公務員の方々をしばつてよいということを申すわけではありません。もちろんそれには反対でありますが、こういうような場合には特に氣の毒な状態に置かれている。そういうような点をお考えいただいて、至急にこの点について方法を講じていただく。かようにお願いするわけです。
○徳田委員 この問題は非常に重大な問題でして、ただ淺井さんの答弁じやいかんと思う。これは農林大臣をつれて來なければだめです。大藏大臣をつれて來なければだめです。一体今まで人を使つておいて金を拂わずにおるが、規則の上においてちやんと國庫が拂うと書いてあるではありませんか、國庫が拂うと書いてありながら拂いもせずに、何だかんだと言えばこれは地方公務員だ、おれは知らぬ。こんなことでは政府としてどうして法令なんかできますか。実際のことはやらずに法令だけで、ああの、こうのとの文句ばかり書いて、ぜひこれを実行するのだ、そんなやり方がどこにあるのです。そんなデモクラシーなんてどこにあります。それは專制主義よりもつと惡い。專制主義だつて約束したことはちやんとやらなければいかん。今まで約束したことを何もやらずに、でたらめなことを言つて、この法律で、ああの、こうのとそんな義理がありますか、農林大臣と大藏大臣をつれて來てください。
○角田委員長 御承知のごとく本会議開会中は委員会は議長の許司を受けてやつているのですから、そのことは善処いたしますけれども、その意味を御了承の上でお願いいたします。
○徳田委員 この問題については別段きようでなくても、あさつてに延びてもよいから、少くとも農林大臣と大藏大臣が來て、これに対してどういう処置をするか、また事実これをどうしなければならぬかということをはつきりさしてもらいたい。
○角田委員長 今農林大臣を呼びます。
○徳田委員 そうしないとこれははつきり処置できぬ問題であります。
○玉井委員 それでは関係大臣の見えるまで、ほかの点につきまして人事委員長に御質問いたしますが、先ほどちようど御不在でありましたので、労働大臣に伺いましたが、この前公務員法を提案されるときの趣旨の御説明がありました中で、この法律は國家公務員の福祉と利益の保護機関だ、かように仰せになつておられるわけです。そこで私の考えているところによりますと、はたしてこの公務員法自身が公務員の人々の福祉と利益を保護しておるのかどうか、この点について非常に疑わしいと思います。そこで具体的に一箇條でも二箇條でもよろしいのですから、公務員の人々の利益をこうして守つておるのだということの條文をお示し願いたいというのが一つ。それからもう一つ、そういう御質問をしましたところが、労働大臣の方では、実はこえいう制度をつくつて、そうして政治権力の外に公務員を置くことが、実は公務員の人々の福祉を守ることなのだ、こういうようなお話がありましたが、こういうようなことでは満足できないわけなのであります。そういうことならば商取引を擁護するために商法をつくつたというような、漠然とした答弁で終つてしまうことだと思いますので、具体的に、一体公務員の福祉というものはどういうものなのだ、その福祉を守るのにこういう條文をわれわれはつくつてあるのだ、こういう條文がこの中にあるのだということをお示し願いたいと思います。
○淺井政府委員 ただいまの御質疑の第一点の、この法案が公務員の福祉をはたして守つておるかどうかという点でありますが、これはだんだんと申しますよりも、先ほど申しましたあの給與のきめ方を申せば、一番よくわかると存じます。從來國家公務員の給與というものは、財務当局がきめておつたようになつております。そういたしますと、いわゆるないそでは振れぬということがとかく先に立ちまして、どうしても十分に保護を全うすることができません。そこで財布を持つておりますところと離れた別個の機関、すなわち人事院とか、人事委員会とかいうものができまして、そこで何か合理的な給與をきめて、これを明らかにする。これに対してこれが高いとか、金が足りないとかいうのなら、その事実を明らかにして、そうして輿論の前で、國会の前でこれをきめていただく、こういうふうな行き方の方が、國家公務員の福祉を守る上においてまさつておるのじやないか。たとえばそういう点がこの中に含まれておる点と御承知置き願いたいと思います。 第二点のお尋ねといたしましては、ちよつとお言葉を聞き漏らしたかもしれませんが、公務員の政治活動を禁止することが、福祉を守るゆえんであるというふうなことでございましたが、決してさようには考えておりません。公務員につきましても、政治活動を認めなければならないということを考えておりますけれども、ただ國家公務員の性質にかんがみまして、これを制限する場面もなければならないと思つております。そこでこれはさいぜんも申しましたように、人事院規則できめられただけの政治活動を禁止する、こういうふうな立場にこの法案は立つておるわけであります。
○玉井委員 ただいまの私の質問に対しては、実は予想したようなお答えはなかつたわけであります。第一の点につきまして先ほど大藏大臣と対決——と言うては語弊がありますが、そういう形になつたのであります。あの際に大藏大臣の方で思うように六千三百七円をきめてくれなかつたとするならば、その場合に人事委員会としては何とかきめたい、何とか態度を決定する、こうお話になつた。そこで今お話になりましたように、給與の問題が当然重要な問題でありますから、その点についてお伺いいたしたいのでありますが、かりに國会で今の臨時人事委員長である淺井さんを人事委員ときめた場合において、大藏大臣がかりにあのように断つたというような結果が生じたならば、この國家公務員法に基いて人事委員長になつておるところの淺井さんは、その際どうような方針と、どのような方策をおとりになるかということを伺いたいのであります。
○淺井政府委員 たいへんむつかしい御質問で、かりにという仮定に立つての場合でございますから、非常にお答えが困難でございますけれども、要するに人事委員会といたしましては、あのこしらえました給與の勧告案は正しいものだと確信をいたしております。そこでわれわれといたしましては、全力を盡してその実現に努力いたしておりますし、今後も努義を続けるとことは、いささかもかわりはございません。
○玉井委員 実は非常に納得できないのですが、今申しましたところの福祉と利益を保護するのだ、かようにうたつておられるわけであります。そこで福祉と利益を守るのだということならば、その点はどこで守つておるのか、具体的に示してくれということを伺いたいのであります。ところが俸給の問題が重要だということをお話になつたのでありますが、いかにもそれも一つであります。それをただ全力を盡すとか、あるいは何とかしてということならば、こんなものをつくる必要がないと思います。そんなものならば何も外に置く必要はない。結局財務関係に俸給をきめることをまかせたのも、まかせないのも同じことだ、全然かわりはないのだと私は思います。全力をつくすというのは、全國の人事委員の人たちが蹶起して、内閣ぶつ倒し運動でもやつてくれたらまだわかるのですが、そこまではおそらくこの制度からいつてできないだろうと考える。そうするとこういうようなことを言うても、ただごまかしているのではないかとしか考えられない。ですからごまかしではないのだとおつしやるならば、俸給に対しては、内閣と意見が違つた場合には、このようにつつ込んで実力をもつて具体的にやらせるのだ。——しかもこれは合理的だということを確信を持つてお答えになつているのですから、それをあくまで押して、通らなければ内閣をつぶすだけの覚悟がなければならぬと私は思う。それがなければ公務員の人々に対して、先ほどお話しましたように、福祉を守るのだという点をまつたく無視して、そうして先ほども高橋委員が言われたように、公務員を一應押える、それならば、それと同時に勧告を含んだ要求として、公務員をもつと明瞭に、実際上保護し、福祉を増進するだけの、利益を守つてやるだけの方策を講じなければならない。それがこの條文に現われていないではないかということを私は非常に疑うわけです。私はもとよりこの公務員法は成立の初めから反対ですけれども、ここにおいてさらにそれを言わざるを得なくなつて來る。その点について、もつと具体的に、政府がこの際のまかなつた場合、こうやつて見せるのだ、こうして公務員の俸給をおれたちが確保してやる、それでこそ、おれたちがほんとうに公務員を保護する機関としての人事院であり、臨時人事委員会だということを、公言することのできるような具体的な方策をお示し願いたい。
○淺井政府委員 私の立場からだんだんとごもつともの御質疑でございますが、今それを明確に、それではどうするのだということを申し上げかねる次第でございますから、その点はあしからず御了承願いたいと思います。ただ、今御質疑の中に、今のようなやり方では、從來大藏当局が給與をきめていたときと今度と、結局において違いがないじやないかというようなお尋ねでございまするが、これは現に大いに違つておると思うのでございます。もしもあれを人事委員会という独立の機関がきめませんで、大藏当局に任しておきましたならば、結局何が合理的なる給與であるかということは少しも世間にわかりませんで、結局そろばんから出たものしかない、こういうことになると思います。あのような態度をとりまして、輿論の前であの問題を取扱うような経過になつておりますことが、非常に効果のあつたことだと私は思つております。でございまするから、内閣といたしましてもこれを一蹴することができない立場になつているので、最大の考慮を拂わなければならぬところへ持つて行つてあると私は信じております。
○玉井委員 もしそうであるとするならば、しいて人事院というものをこういう機構の中に入れないで、單に政府とは何の関係もないところの、おれたちは給與をこう研究するのだというような研究所でもおつくりになつた方が安上りでよいと思う。そうして全國に人事官などというものを並べ立てる必要はないと思う。そうなつてくるならば、その点は実際の上守つてやるということがどうしても必要だと考えているわけです。 さらにもう一つお伺いしたいことは、いつも人事委員長が何度か繰返されたのですが、実は運用の妙ということをよく言われた。條文上の問題につきまして、最後にはよく運用の妙をつくしてこれをやつて行くのだから心配はないのだ、かように答えておられたのですが、私の考えから申しますと、また現に今まで法律を使つて來たところの政府の立場から申しますと、運用の妙というものは、その法律のわくで、はち切れるほどの運用の妙をつくして、政府に有利なことしかやつて來なかつたということなんだ。運用の妙というものは、すなわちそのときそのときの、政権を握つているそれらの人々にとつて最も有利に使うということが、事実上は運用の妙だつたと思う。そこで今申し上げたことと関係するわけですが、運用の妙という意味も、実はほんとんに公務員の福祉を守る意味における運用の妙でなければならない。それも運用の妙というような、あいまいな文句ではなくて、具体的な條文を生かして、その中でやつて行つていただきたい。特に先ほどお伺いした中で、福祉を守つているのだという点につきましては、人事委員が独立の給與のベースをきめるというところにその制度があるのだというふうなお答えですが、その他の点について、福祉を守るのはこれで守つているのだという点をお示し願いたいと思います。
○淺井政府委員 最後のお尋ねから先にお答えをいたしまするが、この身分の保障でありまするとか、不当なる処分に対するところの訴えでありますとか、そういう点はいずれもこれ國家公務員の福祉を守る手段になつているように思います。これは本案の中にそのことが書かれておりまするから、御承知のことと存じておる次第でございます。 第一のお尋ねに返りまして、今のような状態では人事院というものはいらないものであつて、單なる研究機関にすぎないというふうには、私どもは考えておりません。國家が進んで國家公務員の保護を全うしまする場合にも、民主的な管理をいたしまする場合にも、國家自身の機関、しかもそれは独立性を持つた強力な機関がいる。こういう立場にこの法案は立つておるのでございます。 次に運用の妙ということは、何かこれは遁辞のようにお考えかも存じませんが、一体法律というものは、成文法といたしましては書き得る限度というものがありまして、その限界を越えたところのいろいろなケースを予想しての御質疑がございますると、これはどうしてもそれ以上は運用にまつて、よい法の運用の妙を発揮するとお答えするより、お答えのしかたがない場合が多々あります。この法律は白紙で人事院に渡して、人事院がかつてなことをやるのだ、こういう考え方はこの法案自身にも、われわれの氣持にも少しもないことを御了承願いたいと存じます。
○玉井委員 そうしますとこの法律全体に対しまして私どもといたしましては、この公務員法がきめられ、またきめられそうになつた現在のこの状況において、特にお伺いしたいもう一点があるわけであります。それはやはり提案の理由の御説明の中で、官廳の機構というものを民主的に、同時に能率的に運営する意味でこれをきめたのだ、こういうようにお述べになつておるのであります。そこで私の常識から考えますると、この民主的という意味が二通りに理解される。一つは、いわゆる窓口で親切だというような意味の民主的である。もう一つは、勤めているところの公務員の人たちが、民主的に取扱われておるという意味、この二つの意味に私は理解しているわけであります。そこで、前の窓口で親切だという程度のことは、公務員法の内容としては、いささか外に出ている。むしろあとの問題だと考えるわけであります。そこで民主的に運営するということと、能率的に運営するということとは、場合によつては非常な食違いが起る、私はそう考えております。かえつて圧力的にフアシヨ的に運営して行つた方が能率が上る場合が多いと思う。そういう意味で考えて行く場合は、労働基準法は使わない。その他の労働三法も排除して、能率を上げさせるというようなことが起つて來はしないか。またそういうにおいもしておる。先般徳田委員は、この法律は身分法であるということを言つておつたが、私もその点に関してそういう氣分がする。そこで民主的に能率的にと言われる点を、具体的にこの法律の中でどのように調整されておいでになるか。またさらにどのように今後用いて行かれるか。こういう点をお尋ねしたいと思う。
○淺井政府委員 ごもつともの御質疑と存じまするが、この民主的ということに関しましては、從來も二つの非常な根本的な考えの違いがあるように存じております。第一は、從來の労働組合によるところの團結権と、爭議権と、團体協約権で官廳の中をぐつと押して行くことが、官廳の内部の民主化であるというふうに考えられております。他の一つは、國家公務員法というような行き方でもつて、職階制とか試驗制度というような、きわめて公正な人事を行い、これをつかさどる機関として、中立的な、公正な性格を持つた人事院、あるいは人事委員会というようなものをこしらえてやつて行く、これが官廳の民主化である。かような二つの行き方があるのでございますが、この二つの行き方のどちらがよいかということは、もはや議論しても盡きない問題だと思います。これは要するに民主主義に対する二つのイデオロギーの問題だと存じておりまするが、われわれ提案者の立場といたしましては、第二の方をとつておるわけでございます。すなわち公正なる人事行政ということが官廳の民主化の基礎になつておる、こういうふうな行き方であるわけでございます。それと能率的ということでございますが、労働三法を排除いたしまして、圧力的に官廳の中の能率を高めるというようなことは、なすべきことではございません。民主主義ということのもとにおいて相いれられる限度において、この能率的ということが行われるべきことは、これはもうお示しまでもなく当然のことだと存じております。民主的かつ能率的という意味は、どうぞそのように御了解を願いたいと存じます。
○玉井委員 農林大臣にお伺いいたします。実はこれから私がお伺いするのは、先般の人事委員会において臨時人事委員長の淺井さんに伺つたところが、具体的にまだわからないというお話だつたので、あらためてきようお伺いするわけなのです。特にこの問題に関しましては、全國の農地委員会の協議会の諸君が、農林大臣その他の関係大臣の方々から責任ある話を伺いたいという意味で、現在來ているわけなのであります。そこで先ほど淺井委員長に伺つたところによりますと、農地委員の諸君は現在地方公務員になるのだというようなお話だけであつて、その他の問題についてはお答えがないわけであります。そこで政府の側において、この問題をどのようにお取扱いになるかという点をお伺いしたいわけです。すなわちこの農地委員会の書記というものは、身分上は御承知のように農地調整法の施行令第三十三條によつてつくらなければならない。ここにおいて自治体の拘束を受けないで、独立の立場で農地委員会の仕事を助けるというのが、農地委員会の書記の仕事になつているわけであります。そうしてこの書記の人々の俸給の問題につきましては、農地委員会の運営費と申しますか、農地調整法の十五條の二十一の中で、明らかにこれは國庫の負担であるというふうに書いてある。しかるに地方財政法の十一條では、これに対する負担は地方ではいないでもよろしいというふうにかわつているわけであります。そこで全國約五万の農地委員会の專任書記の諸君は、現在のところ地方財政法との関係で、地方から給與をもらうことができない。他方において國庫においては、先般も陳情書を出したそうでありますが、これらの人々の俸給としまして三十一億が出されているにかかわらず、農林省はこの三十一億を削りまして、ごく少しの予算を出して、そうして今度のこの問題についてどうにかやつて行かなければならないというようなお考えだそうでありますけれども、現在特に私がここで御質問するのは、これらの農地委員会に全國五万の人々の身分が、地方公務員であると人事委員長は言われ、地方公務員とおきめいただいても、実質的に何らの給與の裏づけをされていない。また身分の上の裏づけも、地方公務員法がきまるまではきまつて來ないわけです。そこで政府においては現に五万のこれらの人々のうち、約三分の一ぐらいの人々は首を切られておる事実があるわけであります。これを政府の方では使うだけは使つておいて、あと始末をしないという形になつておるのですが、農林大臣としてこの点をどのようにお考えになつておるか、またどのように処理しようと考えておられるか。この点をひとつ具体的にお伺いしておきたいと思います。
○周東國務大臣 お答えいたします。農地委蛇会の專任書記の身分につきましては、人事委員長からお答えになりましたように、ただいまのところ地方公務員であると私も考えております。ただこれにつきましては非常に明確を欠いておることは、事実御承知の通りであります。ただ地方に設置されておりまする職員にいたしましても、それにたまたま國庫が俸給を負担しておる場合といえども、地方の公務員たる場合もあり、あるいはその仕事の性質から言うと、かなり國家公務員的色彩を持つておるものもあるのではないかと私は考えておりますが、それらに対してはつきりした明文がないということにつきましては、私も認めるのであります。しかしただいまのところ、どちらかといえば、地方に設置されておりますので、それに対してたまたま國庫が経費を負担するということがありましても、そのことからただちに國家公務員ということに結論は出ないのではないかと私は考えております。從つてこの点は何かはつきりする必要があると私も考えております。同時にそれまでの間における俸給等の件につきましては、いろいろ地方の事情もあり、國庫の負担となつておりまする分につきましては、今日増額の要求を財務当局の方に出し、相当額を追加予算に計上しておる次第であります。
○玉井委員 先ほど條文の引用で間違いました。農地調整法の第十五條の二十一というのは、都道府縣でこれを負担するというように規定してあるわけですが、事実上は全額國庫負担になつておるということを間違いました。これを訂正いたします。そこで今お伺いしておる点は、ただ、今のお話のように何とかしたいというようなことだけではなくて、身分上の問題としては先ほど人事委員長から伺いましたから、一應それはそれとしても、政府の方で使うだけ使つておいて、そうしてこれをやめさせる。しかも地方にせよ、國家にせよ、一應公務員法の適用を受けるならば、それがやめる場合には相当の補償があるはずだ。それらもなくてほかに移されておる。また首を切られてしまつておるという人たちがおるわけです。この点を農林省の側において、少くとも日本の國が始まつて、そうして最も大きな農地改革を行い、これるやることが非常に民主的な方向に進むべき性質のものであつて、特に先ほどもお話し申し上げましたが、今のこの日本の法律のもとにおいては、買收は済んだとこう言いますけれども、買收は済んだといつても、さらに移轉登記の済まないうちは終つていないわけです。この移轉登記をするには約二、三年間を要します。その間これらの人々の地位はわけがわからない。しかも首を切られたという状態ではこれはやれない状況に陷つておるわけで、俸給もきまらない、身分もきまらない、しかも首を切られた人たちの補償もできていないというのが、現在の農地委員会の專任書記の立場であります。農林省の側においては、こういうように首切りをやつたことをいいとお思いになるか、惡いとお思いになるか。この点についてもお伺いしたい。首を切られた人に補償の点もできていない。この点についてはいわゆる農林大臣としてどうお考えになりますか、この点も伺いたい。さらに今の給與の問題ですが、從來と全然かわらない。給與の点について増額するかしないか。この点についても農林省としてどう考えておられるか伺いたい。
○周東國務大臣 ただいまのお話は、首を切りつぱなしになつておるとは私は聞いておりません。これは前内閣の時代に、轉職をさせるということになつております。三分の一は作報調査の方に、これを完璧にするためにまわすということになつておる実情であります。その方針にのつとつて、轉職の場合に相当の資金というものを考えておるように聞いております。なお俸給等に関する増額等につきましては、ただいま要求中であります。御承知を願います。
○玉井委員 それでは最後の点だけもう一度念を押して伺つておきたい。この公務員法と関連してこの問題が起つておるのですが、特に政府の方で最近の予算の中で、この農地委員会の書記の俸給の点をどのように扱つておられるか、この点について御存じだつたならば伺いたいのです。
○周東國務大臣 金額はいろいろなものがまじつておるのでありますが、書記の俸給の額はいくらあるということは、ただいま私は存じませんが、相当な額を要求しております。
○玉井委員 それでは大藏大臣か、あるいは大藏次官にお伺いしようと思いまするが、まだお見えになりませんので、この点は一應留保しておきます。
○徳田委員 農林大臣にお伺いしたいのですが、一体農地改革はいつまでで終結するつもりですか。この公務員法の問題に関連がありますからお聞きしたいのです。
○周東國務大臣 農地改革につきましては、いつ打切るというような法的処置はまだとつておりません。大体お聞及びの通り、今日まで小作農家を自作自営農家にするためには、土地の買收、また賣渡しにつきましては、当初の予定面積にほとんど近いところまで行つておりますから、その面につきましては一應の仕事が終るというかつこうになるかもしれません。しかし先ほどお話のありましたように、これからいろいろ登記を完了したり、経理の面から金銭の受渡し等も残りますので、今いつ打切るというようなことについて、法的処置を講ずるというような考えは持つておりません。
○徳田委員 今まで大体済んだというのは、お前のところは買い上げるぞという通知をしたくらいのものでしよう。事実上買い上げる手続を完了したわけではないでしよう。それからこれから賣り渡す方もまだ完了していない。そのほかに土地取上げの問題に関連いたしまして、非常に大混乱を生じておる。これはおそらく件数にしまして数十万に及ぶだろう。われわれの知つておる限りでも相当たくさんある。これらの問題もやはりこの期間がないというと、これはやつて行かれないものだと思います。ですからこれはいつ終るということは今のところできない。しかるに地方におきます專任書記の給與に関しましては、ほとんど事実上給與しておらぬのじやないですか。これは政府が負担するとちやんと約束になつておつて、ちやんと予算があるはずです。何でも三十一億ぐらいあるのじやないですか。その問題はどうですか。
○周東國務大臣 今日までのところ給與は拂つておりまするけれども、ただその給與水準といいまするか、今まで額が低いということで、今増額を要求されておるところであります。
○徳田委員 一体これまで拂つた給與水準はいくらです。
○周東國務大臣 こまかい数字は私は今はつきりいたしませんが、大体地方委員会では、委員等につきましては手当、旅費等が行つております。職員はたしか千六百円ベースじやなかつたかと思いますが、調査の上お答えいたします。
○徳田委員 すでに千六百円から千八百円になり、千八百円から二千九百いくらになり、それから三千七百円と上つておるのに、まだ去年の六月以前の千六百円では少しひど過ぎやしませんか。
○周東國務大臣 これは前内閣時代から行われておつたのでありますから、私どもとしてはただいまそれに対して増額の要求をいたしておる最中であります。
○角田委員長 本日はこの程度にとどめまして、次会は明後二十四日午前十時より開会いたし、一般質疑を含めた本案の逐條審議を行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十五分散会