商工委員会 第5号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1948/11/26
会議録
○本多委員長 それでは会議を開きます。 本日はこれより硫化鉱増産対策及び人工甘味料の課税に関する件について、政府よりの説明並びに委員よりの質疑を開始いたしたいと思います。
○今澄委員 前会のときの鉱山局長さんの説明によると、鉱山局長さんは前々から硫化鉱に対して、総合的に非常に力を入れておるというお話でありましたが、結局新鉱山の開発よりも、松尾、棚原の両鉱山の供給が大部分を占めておる関係上、どうしても重点は棚原、松尾に注がなければならない。特に当面の緊急対策としては、やはり棚原をこのまま放置することはできないと考える。前会のあなたのお話によれば、石炭の價格に比ベると、硫化鉱は價格の点において非常に安いというのが第一点、第二点は給與の支拂い方法が非常に惡い、第三点は港湾施設、その他輸送の点において非常にぐあいが悪いこと、要約すればそう受取れたわけであります。ところが價格の面においては物價廳の担当、輸送の面については運輸省の担当であるというふうで、特に松尾の記録を見ると、最近は三万トンを上まわつておるという状態で、輸送がネツクの状態でありますが、結論として、主務官廳である鉱山局はこれを対してもう少し責任を持つて、担当者であるという決意をもつてやつてもらわなければ、まことにこれについてはむずかしいのではないか。特に商工省の化学局において、業者に対しては実は取引する上に、硫化鉱の値段はこれこれだが、何がしかその上に補償的なものをつけ加えて、硫化鉱山の手元がよくなるようなことでも講じなければ、現実の面においては動かぬのじやないかというようなことが計画されたということの裏には、おそらく硫化鉱の一部分はやみ取引的に肥料工場に流れておることなきにしもあらずと考えるのでありまして、この際主務官廳の鉱山局長としては、一体今の價格がどの程度ならば適当であるか、どの程度で押えるならば今のところ増産できるものと思われるか、御意見を承りたいと思います。
○長谷川説明員 前会私が申しました硫化鉱対策というものは、硫化鉱全般に対する対策を申したので、そのうち棚原については、賃金の支拂い方法の改訂に基因するということを申し上げたのであります。從いまして硫化鉱全般に対する対策も、もちろん心がけなければなりませんが、現在当面の問題としては、ほとんど三分の一を占める棚原鉱山に主眼点をおいて考えておるのであります。ただいま價格の点について申されましたが、根本的に申しますれば、現在價格の立て方が実績原價主義によつているので、優良な棚原鉱山のようなものが非常に実際には低い價格に定められておるということが、根本的原因じやないかというふうに、鉱山局としては考えるわけであります。従いまして全般的に改訂というよりも、むしろ棚原鉱山の硫化鉱の價格をこの際改訂しなければ、將來棚原については大きな増産は期待できないのじやないかというふうに考えられるのであります。現在棚原鉱山の硫化鉱の價格は、トン当り生産者價格千二百九十四円であります。松尾は千百七十円で、その他のものが二千二十円、これが全体の区分になつて、販賣者價格は二千六百八十七円になつております。そこでこの價格をほかの石炭なんかと比ベてみますと、昭和十五年を基準といたしますと、硫化鉱がトン当り二十円十六銭でありましたが、このとき石炭は十五円五十六銭であります。これに比較いたしますと、現在この三つの硫化鉱の價格を平均をとつてみますと、千五百四十二円四十五銭になります。石炭は二千三百八十八円五十五銭でありまして、昭和十五年度において石炭よりも高かつた硫化鉱が、現在ではほとんど石炭の三分の二という数字を示しております。指数からいえば七六・五一ということになつております。石炭は一五三・五〇でありますから、はるかに價格の値上り額が少いのであります。従いましてごくラフに計算いたしましても、現在の硫化鉱の價格は石炭に比べてははるかに低いということを考える次第であります。特に棚原の價格が実績原價主義で低く押えられているということが減産の原因と考えられます。どのくらいということは檢討中でありますので、ここで申し上げるのはどうかと思いますが、私個人の考えといたしましては、少くとも三百円ないし五百円くらいに上げてもいいじやないかというふうに考えるのであります。ただ棚原鉱山について調査團の結論を檢討中でありますので、この結論を檢討の上、近く発表いたしたいというふうに考えております。從いまして現在公式に申し上げることはできないというふうにお考え願いたいと思います。
○今澄委員 それで物價廳の方にお聞きしたいのですが、この間のお話では目下調査中で、近く大体の結論をつけたいということでございましたが、硫化鉱の價格に対してはどういうお考えを持つておられますか。
○岩崎説明員 今の硫化鉱の價格については、ことに棚原、松尾の價格については、いろいろ商工省からも話合いがあつたのでありますが、いろいろ話合いの結果、現在のような價格になつたのであります。その後におきましても、棚原と松尾が非常に低い、そのために生産にかかわるのじやないかという話でありました。私の方も実状はどうかということで、先般松尾鉱山を監査いたしましたが、松尾鉱山は予定よりも増産せられておるというふうで、その点は意を強うしたのであります。なお棚原鉱山につきましても先月末監査を行いまして、目下調査中でございますが、月三万トンということで——もちろん最近の実績はわりませんが、必ずしも現在の價格が生産を保つておるということではありません。まだ経営者におきましても、月三万トン以上は別として、月三万トンまでならば、現在の價格でできないとは必ずしもいつておらないのであります。ただ価格をどうきめるかという問題については、御承知の通り現在の硫化鉱の事情から考えますと、年に百万トン以上はどうしても生産しなければいかぬわけです。ところがこれは当る鉱山から考えますと、棚原が第一、松尾その他の硫黄鉱山と、その他の含銅鉱山の三つにわけられるのであります。この三つの鉱山を見ますと、品位の関係もありまして、非常に原價が違うのであります。本來の建前からいえば、一本價格で行ければいいのでありますが、一本價格ではどうしても、帶には短かしたすきに長しというふうでどうしても合理的な價格というものはできないというので、いわゆる原價計算主義によつて、生産に必要な経費は最小限度に上げるということにいたしまして、これを三種にわけまして、それをプールにして消費者價格を一本にする建前をとつております。この場合に棚原、松尾はいずれも硫化鉱生産上重要な鉱山でありますから、できるだけその実績を考えまして、むりのない方法をとつております。棚原は御承知の通りに品位がいいものですから、どうしても安くなりますが、ある程度の利潤を見ております。そういう状況で現在の價格を見ております。しかし現在の硫化鉱の需要関係からいたしまして、できるだけ硫化鉱の生産に支障を來さないようにしなければいけませんので、今後とも商工省の調査團の調査の結果その他につきまして十分説明を聞き、十分檢討いたしたいと考えております。
○今澄委員 私どもはこの硫化鉱の値段が適当であるにもかかわらずどうしても品物が出ないということであれば、硫化鉱鉱山の経営形態を國家管理、あるいはその他一つの大きな変革的なものを講ずる以外に、日本の産業経済の発展はあり得ないという結論に到達するのであります。今の鉱山局長さんの御意見によると、個人的な意見ではあるが、大体三百円ないし五百円が適当であるというふうな話でありましたが、石炭とのつり合い上できないだろうということであり、物價廳の方の御意見では、大体今の値段で生産に支障を來しているものではないというふうな、この見解の相違は、現在の日本の官廳別の價格に対する食い違いが硫化鉱の出ない根本原因ではないかと考えるのであります。もし硫化鉱の値段が適当であれば、鉱山局においては経営者が不熱心である、あるいは経営形態が惡いということを突つ込んで行かなければならんと考えるのであります。そこで鉱山局長の言によると、三百円ないし五百円でということであれば、鉱山局長は物價廳に連絡をとられて、物價廳と値段の方をいろいろ当つて行かれるのか、根本的に経営形態を考えなければならない状態であるかどうかということを、鉱山局長に伺いたいと思います。
○長谷川説明員 ただいまの値段をどの程度上げるかということは、ごく私見でございますので、鉱山局の意見としてお聞き願わないように願いたいと思います。現在のいろいろな関係から見て、それだけの値段を上げるということは困難じやないかと思います。物價に影響のない点において若干の値上げは必要じやないかと考えておりますが、安本、物價廳に対して、われわれはこの際硫化鉱の値段を上げたらどうかということを現在話しておるところであります。
○今澄委員 それでは安本の方に一つお伺いしておきますが、今の御説明で、化学局長さんの方は硫化鉱は今以上減産してはどうにもならぬ。それから鉱山局は今言つた通り、價格は安いし、これもどうかしなければならない。物價廳の方は、今の價格で増産をはばんでおるとは思われないということでありました。これに対しまして安本としては硫化鉱について、鉱山の品物の中でどの程度に重点をおいてごらんになつておるか。安本は本年度の当初においては、硫化鉱を重視せられて、パンフレツトをつくられて、われわれもそれを拜見したのでありますが、現在安本としての硫化鉱についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○本多委員長 今の物價廳の部長さんではいけませんか。
○今澄委員 それでは保留しましよう。
○本多委員長 それでは今澄委員の質問に対する政府の答弁は、保留いたしておきます。
○今澄委員 それでは最後に鉱山局長にお願いしておきます。この硫化鉱の十一月の全國の——まだ月末になつておりませんが、生産見込みと、棚原の今月の見込みを聞かしていただきたい。さらに今のように棚原が二万トン台であると、肥料においては硫安と過燐酸に平均してこれをうまく割つても、その影響は硫安においては第三、第四・四半期と來年の第一・四半期を入れて六万八千トン、過燐酸七万トン、計十四万トン、棚原の硫化鉱の減産だけで肥料の減産を見込むという状態であるから、今後の棚原鉱山についての個別の問題と、硫化鉱全体について、鉱川局長さんとして一應の軌道に乘せ得る自信があるかどうか、それをお聞きしておきたいと思います。
○長谷川説明員 棚原の今月の実績は十三日に一万百二十一トンであります。松尾は十四日に一万三千二百三十一トンであります。そこで見込みは棚原は大体二万トン、松尾が三万二千トンであります。全体としては九万五千トン、そこで今日どういうふうにして増産対策をやるかというお話でありますが、一番われわれといたしまして注目いたしますのは棚原の減産であります。從いまして先ほど申し上げましたように、棚原については特にあらゆる見地からこれを檢討して軌道に乘せたいと思いまして、先般調査團を派遣したわけであります。從いましてこの檢討の結果一つの結論が出ましたら、それをもちまして廣くいろいろな方面の意見を伺つてみまして、できるだけ棚原を軌道に早く乘せて行くことが、結局硫化鉱の流産になるのではないかと思います。そのほかに現在金属工業全体の賃金の問題がありますので、この問題も可及的すみやかに解決いたしまして、全般的に硫化鉱の増産をはかつて行きたいというふうに考えます。もしこれがうまく行きますれば、われわれといたしましては、今年度の生産見込みからそれほど多くの減産にならずにすむのではないか、從つて硫安、過燐酸にもひどく影響を及ぼさずに済むと思います。
○今澄委員 ついでに硫化鉱の輸入見込みについて伺いたい。
○長谷川説明員 輸入につきましては化学局に御質問願いたいと思います。鉱山局といたしましては、できるだけ増産確保をしたいと思つております。
○本多委員長 それでは暫時休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかつた〕